残酷な運命に、暴力で対抗する。

急成長中のIT企業。

社長が暗殺された。

上空に飛んで、手榴弾のピンを抜き。

落として逃げ帰るドローンで攻撃された。

二度目の攻撃は、浮遊して動き回るロボット掃除機に。

地雷のような機能が装備されていて。

不意に近寄られて爆破された。

社長と、上層部のほとんどは死亡。

しかしそれは、人違いの襲撃であり。

逮捕された実行犯は、首相を狙うつもりが。

誤認して、その前にレストランに来た。

豪華な服装の一団を誤認した。

上層部が退場したことによって。

両親が上げられて。

襲撃の生き残りである親族のお姉さんが社長に就任。

両親は、空いた地位を手に入れて。

良いのか悪いのか、成り行きでこうなってしまった。

娘は大学を卒業したばかりで。

前社長が運用していた量子コンピューターを管理できなくなり。

娘が代わりに担当することに。

そもそも両親には、養子が三人もいて。

急遽、従業員として編入させた。

四姉妹は、恋人になりかけた関係で。

両親がそれを知って以來。

家系に迎い入れた。

孤児なのに、なぜか容姿がそっくり。

ハーフで、母子家庭だったのに。

なぜか神童。

スイスから働きに来たけれど。

いつの間にか親しくなって。

家系壊滅の末に迎え入れられた少女。

時代は、平和な時代が終わりを迎えようとしていて。

半分の確率で、文明が滅亡すると評価された。

いつも通り過酷な世界。

しかし人々は意外にも、文明が滅びる可能性を喜んでいて?


1


量子コンピューターが今夜も稼働。

すぐ近くにある隠し部屋にて。

ケーキとロウソクで夜会。

夜勤と残業の社員が走り回る社内とは。

まるで別の視点を持つ。

グッズだらけの隠し部屋。

テーマは、お姫様の系列。

仮眠室を改造したもの。

四人姉妹が集う。

乃々葉。
「人格主義。」
「自覚的・自律的な人格に絶対の価値を認め。」
「これとの関連で他のものの価値を見る。」
「倫理的立場。」

十和。
「人格主義は哲学者カントが起源と言われています。」

小袖。
「人格者の定義が少しだけ違うよね。」

舞理。
「既成概念でよく言われる立派な人とは。」
「まるで異なりますね。」

乃々葉。
「哲学者カントの著作をまともに読んでいない上に。」
「立派な人を人格者と言うのは誤りです。」

十和。
「俗説は主観的な定義ですからね。」
「言葉の意味を何も知らずに。」
「伝言だけで意味を知ったつもりでいる。」
「言葉の定義の知ったかぶりが、意外にも多く。」
「まるで罠ですよね。」

小袖。
「言葉の定義を理解しているのと、不正確な定義を読んでいる。」
「まるで結果が違うものになります。」

乃々葉。
「学校教育では、国語辞典は当たり前に使われていますけれど。」
「国語辞典すら読まない人なんて、ちょっとダサくて信じられない。」

十和。
「国語辞典を読まない人は、言葉をまるで知らない。」

小袖。
「話せないのと、あんまり変わらないよね。」

舞理。
「数学をやっているのですけれど。」
「数字が一桁の時には這いずり回り。」
「二桁の時には歩いていて。」
「三桁になると、杖を使うのが当たり前。」
「なんていう状況とは何か。」

乃々葉。
「人間の一生ですね。」

舞理。
「即答ですか、そうですか。」

乃々葉。
「私も、天才について調べていて。」
「天性は主観的に評価されますけれど。」
「天才と互角の客観的存在、怪傑という特別な人がいます。」

十和。
「怪傑は、国語辞典によって、多少、定義が違いますね。」

小袖。
「怪傑は、力量によるもので、天性とは限りません。」

舞理。
「歴史において、怪傑は武将から詩人、貴族まで。」
「どこにでも登場しますね。」

乃々葉。
「自然に力量が上がっていく存在ですからね。」

十和。
「マキャベリの君主論を読んでいたら。」
「歴史において名前が残らなくても構わないので。」
「個人において好き放題できる作戦がありますね。」

乃々葉。
「運命は暴力が弱点。」

十和。
「運命の大馬鹿野郎め。」

小袖。
「こら!機密情報漏洩です!」
「警察官に見つかったらどうするの!」

乃々葉。
「運命を倒すのも、運命に入っている内容なんですね。」

舞理。
「エルの物語に、出生の世界で大暴れして。」
「略奪の限りを尽くしていない人がいないのはどうして。」

乃々葉。
「出生の仕組み?全員が従う訳が無いでしょう。」

十和。
「神だから、無条件に信じて貰えると思ったら大間違い。」

小袖。
「生涯が無意味であることを認めないからですね。」

十和。
「私はエスに手こずっています。」

乃々葉。
「精神分析で、エスは自我が調節しないと。」
「やりたい放題に欲求などに引きずり込む。」

十和。
「超自我は、過去のガラクタで、過去に言われた道徳や。」
「決まり事、意見、屁理屈が残ったもので。」
「自我に強制や命令を繰り返します。」
「超自我は頭の中にいる人のように振る舞いますね。」

舞理。
「フロイトの精神分析で、超自我は確認されていますね。」

小袖。
「エス、超自我、自分そのものである自我。」
「縦の関係で繋がっていますね。」

十和。
「超自我は、放置すると内側から思考を乗っ取るため。」
「健康な人でも厄介でしょうね。」

小袖。
「私は競争の起源について調べています。」
「何でも勝負と見なして巻き込むのは。」
「現代人の悪癖ですけれど。」
「競争は真理ではない、これだけは言えます。」

乃々葉。
「強い者は、必ずしも勝たない。」

小袖。
「強い者が勝つとは限らない。」

十和。
「その一戦ですべてを失うでしょうね。」

乃々葉。
「勝率九割の勇者なら、けっこういるね。」
「連戦連勝の勇者なんて見たことがない。」
「孫呉の兵法では、連戦連勝は下手であるという。」

小袖。
「勝手に勝負と思っていればよろしい。」
「不合理な結果を生むだけ。」

舞理。
「能力のある者は行動し、能力のない者は講釈する。」

乃々葉。
「真理ではないのは、他にも責任という言葉ですね。」
「語源が、応答可能性、ですからね。」

舞理。
「語源を調べると、とても簡単な定義になっていたりする。」

十和。
「学校の語源は暇。」

小袖。
「何でも起源や語源から調べるのは。」
「有効な探求だと思います。」

乃々葉。
「時代によって変化する概念は、真理とは言えない。」

舞理。
「私達って、生まれる前に何か吹き込まれましたか?」

乃々葉。
「そんなことはないよ、天と地上は違うから。」
「天の決定なんて地上では通用しない。」

十和。
「それなら絶対者に、地上について教えてやりますよ。」

小袖。
「死後の世界ですか。」
「テロリストと冥府の違いは何ですか?」

舞理。
「テロリストには交渉の余地がありますが。」
「冥府では交渉の余地はありません。」

乃々葉。
「テロリストより怠け者で、横暴で、無礼ですからね。」

十和。
「イスラム系が有神論なので。」
「イスラム系テロリストの方がずっと賢明な判断ができそうですね。」

舞理。
「あなたは正直者ですね。」

乃々葉。
「きちんと武装している組織と。」
「平和の時代に兵器開発をしている国家も。」
「かなりの正直者ですよ。」

小袖。
「さてと、ここに大金があるんですけれど。」

乃々葉。
「これで幸せも買える。」

十和。
「そうかな?」

乃々葉。
「お金で幸せが買えないのなら、買い物をする場所を知らないだけです。」

舞理。
「買い物が下手だから、幸せが買えないと愚痴を言うのです。」

十和。
「なるほどね。」

小袖。
「お金を見せれば、みんな黙る。」

乃々葉。
「素晴らしい、誰も嘘をついていない。」

舞理。
「銀行がなぜ必要か理解できました。」

乃々葉。
「口は災いの元とは言いますが。」
「最近、それを深く理解できました。」

十和。
「どういった成果で?」

乃々葉。
「雄弁と沈黙について。」
「私はそれを必要とする方と。」
「二時間くらい議論することが出来る。」

小袖。
「凄い功績です、しかし二時間は短いですね。」
「半日くらい必要では?」

十和。
「私も、口は災いの元という諺について。」
「相手と三時間も会話できます。」

舞理。
「だめじゃないですか。」

十和。
「え?私は正直者ですよ?」

乃々葉。
「今日も、仕事と学問で終わりそうです。」

小袖。
「また徹夜で勉強するのですね。」

乃々葉。
「日付が変わる五分前に開始して。」
「二十分で辞めます。」

小袖。
「なるほど、徹夜ですね。」

十和。
「今日の新聞、私達の話題でいっぱいですよ。」

乃々葉。
「どこら辺に書いてあるのです?」

十和。
「男女同権という見出しがありまして。」

乃々葉。
「なるほどね。」

小袖。
「両親の休暇、数週間ありましたが。」
「その時に支払った金銭を取り戻すのに。」
「一年もかかりますね。」

舞理。
「割に合わない世界ですこと。」

乃々葉。
「さっき社員が、コンピューターが故障して。」
「一日中、自分の頭で考えなきゃいけなかった。」
「なんて悲鳴を上げていました。」
「十分で回復させましたけれど。」

舞理。
「普段は自分の頭で考えていなかった?」

小袖。
「デジタルばかりでアナログに脆弱性がある。」

乃々葉。
「自然災害で損壊したサーバーでも見て回ればよろしい。」

十和。
「今日の報道は、裁判員の話題ですか。」

乃々葉。
「陪審員の判断ですか。」
「陪審員は、告訴する側とされる側の。」
「どちらがより優秀な弁護士を抱えているかを決める。」
「十二人の試合である。」

十和。
「アルコールで死亡したとか。」

小袖。
「違いますよ、事故死ではなくて他殺です。」

十和。
「だって急性アルコール中毒でしょ?」

舞理。
「お酒で死んだ?」

十和。
「お酒が入った瓶で殴られて殺された。」

乃々葉。
「アルコールなんて近寄るべきではないですね。」

舞理。
「歴史書、あれって何ですか?」
「誰が書いた作品なんですか?」

乃々葉。
「人間の共同作品かな?」

舞理。
「なんてひどい駄作なんですか。」

小袖。
「私も、あんなに酷い作品はこの世に無いね。」

十和。
「批評家に評価される歴史書。」

乃々葉。
「ホメロスの方が信用できる。」

小袖。
「古文書でも読めば?」

乃々葉。
「古文書ベストセラーとかありますよね。」

舞理。
「深夜の本社ですか。」

乃々葉。
「隠し部屋での夜会ですけれど。」
「夜勤と、残業の方が数人います。」

小袖。
「帰宅しなくていいのかな。」

十和。
「ここから数キロメートルしか離れていないけれど。」

乃々葉。
「自慢のワゴン車で数分ですしね。」

舞理。
「なぜあんなに安い車を?」

乃々葉。
「壊れても安くつくからね。」

舞理。
「ある意味では無敵の車ですね。」

小袖。
「あの値段なら、いくらでも買えるからね。」

量子コンピュータ。

スタッフに一時的に任せて。

深夜に帰宅。

駐車場の前にて。

ジョギングをしている。

シルベリオ・バカという格闘家。

アメリカ人。

隣に。

バカラックという作曲家。

イギリス人ですね。

常に斬新な企画を求めて。

市内を散策している。

今日は二人でラーメン屋に行っているようです。

バカラック。
「さっき酷いことがあったんだ。」

乃々葉。
「大変そうですね。」

バカラック。
「発火の危険がある、中華デバイスが盗まれたんだ。」
「データは抜き取ってあったけれど。」
「明日、捨てに行く予定だったのに。」

小袖。
「さっき通り過ぎた消防車が物語っていますね。」

シルベリオ・バカ。
「深夜でその程度で住む治安の良さがありますな。」

十和。
「アメリカではどうなんですか?」

シルベリオ・バカ。
「一夜で、百人倒したことがあってね。」

舞理。
「それは一騎当千ですね。」

シルベリオ・バカ。
「翌日、その百人が襲撃して。」
「また百人倒すことになったよ。」

バカラック。
「いつまで雑魚に構っているんだと。」
「事務所に紹介したので。」
「今は猛者と対戦しているのだね。」

乃々葉。
「あなた、弱い者虐めしてたんですか?」

シルベリオ・バカ。
「百人を二度、倒したことが、恥ずかしくなってね。」
「もう雑魚とは戦いたくない。」

十和。
「火事場のクソ力を出してくるインチキがあるでしょう。」

シルベリオ・バカ。
「それを出せない雑魚は、ただの雑魚でしょ。」

乃々葉。
「なるほどね。」

バカラック。
「所で、河原で花火をしようと時限爆弾みたいなものを作って。」
「河川に投げようと思っていたんだけれど。」
「鞄がないよ。」

小袖。
「向こうで燃えている連中をよく見ろ。」

バカラック。
「おかしいな、誰がやったんだろう?」

乃々葉。
「曖昧なものは誰も裁けないというジンクスがありますからね。」

十和。
「曖昧なものを裁くと、必ず失敗する。」

シルベリオ・バカ。
「僕達に非がないので、ラーメン食べに行くぞ。」

バカラック。
「盗人も、偶然とは言えあれだもんなあ。」

二人組、近くの料理店に移動開始。

本社玄関から。

駐車場。

アダム・ニートというドイツ人がいまして。

元社員です。

引き抜かれて出世しましたが。

お見舞いに来ています。

アダム・ニート。
「できることがあれば言ってくれよ。」
「今日で三十人に言って回った。」

乃々葉。
「その時はよろしく。」

アダム・ニート。
「二ヶ月、別荘に滞在するから。」
「お金持ちになると、お金が物が言わないと理解できる。」
「何も言わずにお金は消えていく。」

乃々葉。
「世界は無情ですからね。」

アダム・ニート。
「お金を持っている限り俺は無敵だ!」

小袖。
「こんな深夜にお金持ちが何を?」

アダム・ニート。
「ピチットマスター・ジラポン。」
「なんていう伝説の強盗から逃げている。」

十和。
「あのインド人ですか、不運でしたね。」

アダム・ニート。
「なんで正しい側が幸せなのは最初と最後だけで。」
「間違っている側が幸せなのは、最後だけなんだろう。」

舞理。
「むしろ、なぜ正義だから勝てると思ったのかな?」

乃々葉。
「正しいから勝てると思った浅はかな考え方。」

アダム・ニート。
「少なくとも、俺は勝負という状況を免除されている。」

舞理。
「勝負だけで語られる状況って何よ。」

十和。
「勝敗はどうやってつくの?」
「勝利したから、何かあるの?」

乃々葉。
「勝利すれば解決すると信じているからでは?」

小袖。
「勝てば解決する?」
「とても解決策には思えませんが?」

舞理。
「問題から出た現象に勝てば解決すると信じていて。」
「本当の問題、元凶に対処しないからですね。」

十和。
「勝負は解決策にはならない。」

舞理。
「勝利?後はどうするのでしょうね?」

乃々葉。
「言っておきますけれど、勝負しないのではなくて。」
「勝負という考え方で物事を見ないだけです。」

小袖。
「事情は個別に違うかと。」

アダム・ニート。
「本人にとっては勝負で、他人にとってはサバイバル。」

乃々葉。
「生まれつき競争を覚えるからと言って。」
「それに従う必要はないかと。」

舞理。
「何でも競争とか勝負とか流行っているからと言って。」
「自分まで従う義務はないかと。」

小袖。
「無知な勝負師。」

十和。
「世の中、インチキやイカサマで勝つべき。」

乃々葉。
「向こうは勝負と思っているけれど。」
「こっちでは、勝負ではない、という認識のズレが有る。」

アダム・ニート。
「何でも勝負と言うのなら、本当にイカサマやインチキは強いぞ!」

十和。
「他の若者には理解できない話かもね。」

乃々葉。
「正否は客観的なものでは?」

小袖。
「正否を勝負で決めようなんて幼稚な。」

舞理。
「勝負で決まるのは、主観的な物事だけでは?」

十和。
「競った所で、何も解決しないね。」

アダム・ニート。
「そんなことも考えたこともない奴らが競争やら。」
「何でも勝負とか、分かったつもりでいるの。」
「後天的な女性というのは、君達の事ですか。」
「そろそろ弟子でもつきそうだね、さらば。」

知り合いの男性、ホテルを変更したらしい。

立ち去る。

ようやく車内。

自動車で、短距離。

すぐ到着する。

自宅のガレージ。

一時期、余剰財産のおかげで。

家の敷地内で起こした事故を警察に届けないといけなかったほど。

お高い自動車で溢れていました。

マックス・ウェーバーの著書にもある通り。

プロテスタントは節約しながらお金を儲けたので。

ひたすら財産が貯まるという好循環になっていました。

それを模倣した時から、自動車は必要な数に変更されたんです。

三階建てに地下二階、水害、地震、停電、何でも耐える。

もちろん核兵器にも耐える。

化け物建築、しかしこれは相続用とか両親は言い張る。

両親は、先ほど、社内の仮眠室で寝ていまして。

自宅にて。

家事をしてから、寝ることにします。

インターネットでは謎の放送。

ワジム・バカーチンとか言うベラルーシの人。

インターネットで何やら応募しているようで。

スパイに協力しているという。

撃破不可能と言われた用心棒。

キタイゴロツキー。

とか言うカザフスタンの傭兵まで雇っていて。

ショーヒンというベラルーシの闇商人。

そんなものと組んでいるという。

武器売買などを担当している。

闇商人はダークウェブで人気。

危ないものをばら撒いて。

内乱を狙っている。

サイバー攻撃の常連達ですね。

サーバールームにある。

量子コンピューターが、宇宙軍に貸し出されて、使用されるのですが。

必死になって単独サイバー攻撃を加えて。

なにやら、起動するだけで電波法違反に問われる機材が数種類あり。

闇商人から手に入れていて。

強引に割り込んでくるそうです。

逮捕なのか、国内から撤収するのか、次の法規制で決まりますけれど。

社員が仕掛けたアダルト・ビデオ関連の罠。

そんな動画や写真ばかりあるストレージに侵入してしまって。

彼らは前より狂っていますね。

罠のランサムウェアまでコピーして盗むんじゃないよ!

彼らのパソコンで起動してしまい、機材が新しくなっています。

会社のサーバーには、爆弾となるスパイウェアも入っているので。

迂闊に侵入すると、ハッカーが殺されます。

ホワイト・ハッカー常駐。

自宅。

四人全員割当の小部屋にて。

乃々葉。
「血縁関係に縛られないのに、本当の姉妹みたい。」

十和。
「それが奇跡というものです。」

小袖。
「それ以外には偶然しかありませんけれどね。」

舞理。
「私は偶然を理解するのに三年かかった。」

乃々葉。
「奇跡は一日で理解できました。」

小袖。
「超自然的ですなあ。」

十和。
「僥倖ですね。」

乃々葉。
「僥倖、偶然に得るしあわせ。」

小袖。
「僥倖だけが真実ですね。」

乃々葉。
「この世界の不幸を見てから、幸福をどうぞ。」

舞理。
「この世界は神が造ったと思えないほど。」
「酷い有り様なので。」
「インテリジェント・デザイン論を採用した。」

十和。
「人の不幸を見て、何者かが楽しむ世界に見えましたね。」

小袖。
「青年ショーペンハウアーと同じ解釈ですね。」

乃々葉。
「考えうる限りで最悪な世界で。」
「みんな何がしたかったんでしょうかね。」

小袖。
「最悪と言える世界で、何をしたいのやら。」

十和。
「生まれた先が最悪の世界、これを理解するのに二十年も必要ですしね。」

小袖。
「結果は悪くないと思うけれど、途中経過ならいくらでも変わりますよ。」

舞理。
「生まれた結果が悪かったら、何しに来たのか、意味不明。」

乃々葉。
「出生の仕組みの大馬鹿野郎め。」

舞理。
「こら!この世界の秘密を安易に言っては駄目です!」

乃々葉。
「世界に合わせない、人間と、絶対者って、何か愚かだなあ。」

小袖。
「そんな愚か者たちが現実にいるので、何かと回避が必要。」

十和。
「リアリストになりましたなあ。」

乃々葉。
「世界ってこんなものでしょ?」

十和。
「そうですね。」

乃々葉。
「何があっても、世界はこんなものです。」

舞理。
「最悪の中を、きわどい所で避けているようにしか思えない。」

乃々葉。
「運命とか言う馬鹿が、人間に干渉したり。」
「命令したり強要するからでしょ。」

十和。
「そう言えば、私達の共通点は。」
「何も運命らしいものがない。」

小袖。
「その方が馬鹿に巻き込まれなくていいでしょ。」

乃々葉。
「運命が決めた内容は、必ず覆すべし。」

小袖。
「倒された運命は、ただの奴隷。」

舞理。
「運命は要らないですね。」

乃々葉。
「要らないものは捨てますしね。」

広間から解散。

家事はとにかく全部、手当たり次第に。

日付が変わる頃に就寝。

早朝から出勤。

サポートメンバーとして編入しているので。

量子論を専門に学んだ姉妹は、またもや本社にリターン。

いくら仕事が少ないからと言って。

担当している量子コンピューターをまともに稼働させられないと。

弁解できそうもない。

今日は全員で管理、稼働。

休暇、余暇はありますけれど。

必ず一人はメインセンターにいないと駄目なので。

離席できないね。

世界で小規模の軍事衝突が多発。

平和な時代が終わりを迎える頃。

余裕が唯一ある、四姉妹ですね。

苦悩は内側だけで完結しています。

外部からもたらされるのは無駄ですね。

苦悩の輸入は百害あって一利なし。

意志と表象としての世界。

苦悩が人生の本質をなし。

苦悩はしたがって外から自分の方へ流れ込んでくるものではなく。

誰でも自分の心中に涸れることなき苦悩の泉をかかえて。

生きているのだ。


2


人生は無益な受難である。

サルトルの格言。

本社でお昼休憩。

サーバーは常に稼働。

セキュリティ部門が常駐。

量子コンピューターは合計三機もある。

実用化されて日が浅いので。

不具合は頻繁にあるけれど。

修正するのは難しくない。

しかも一機はプロトタイプの改造品。

精密機械には故障が当たり前。

今日も不具合を直したりと。

管理は気がついた人が率先している。

安定して稼働しているので。

隠し部屋で休憩になりました。

古代ギリシア。

イオニア自然学は、哲学と科学が融合していましたが。

分離して進歩しています。

現代では、再び融合しているようですね。

乃々葉。
「偶然なら、あっさり、それを偶然と呼んでほしいものですよね。」

十和。
「特に理由がないし、真実らしいものがないのなら。」
「それは偶然の産物ですからね。」

小袖。
「むしろ偶然について学んでいないので。」
「偶然であることに気が付かない。」

舞理。
「現実に、理由がなく発生する物事はよくあります。」
「それに説明付けをするせいで、おかしくなる。」

乃々葉。
「不自然ですよね、理由がないのに、説明ばかりして。」
「それに納得させようとする。」
「説明しても意味がないのだけれど。」

十和。
「そんなの偶然ですよ、これは私が他人に言って貰いたい言葉の一位。」

小袖。
「理由がないのなら、偶然ですよ。」

舞理。
「大戦果を挙げた人が、こんなの偶然ですよ。」
「なんて結果を否定する物語がありますが。」
「不思議と印象に残りますね。」

乃々葉。
「偶然であると否定したので、戦果に繋げた強みを発見できて。」
「上官が牽制に回ったことで。」
「またもや戦果を挙げた。」

小袖。
「一度、何でも偶然であると否定しないと。」
「何も出て来ませんね。」

十和。
「というより、ある程度は偶然に任せないと、この世界は歩けません。」

乃々葉。
「どうしても偶然の影響を受けるのが人間ですので。」
「偶然を無視できない。」

舞理。
「偶然を美化したり賞賛できる自分が特権のように思える。」

乃々葉。
「サルトルが言うには、物事には理由がないんですよね。」
「それなら偶然でいいじゃないですか。」

十和。
「原因と結果は分離できるのですし。」
「分離すれば、原因の無い所から結果が出たりする。」

小袖。
「結果だけがあって、それ以外には何も無い場合もありますね。」

舞理。
「スピノザなんて、神を原因と考えて、そこから結果に繋がる。」
「なんて面白い発想ですよ。」

乃々葉。
「神に酔える無神論者の方が、当たっているみたいですね。」

十和。
「偶然に何か意味をつけても、説明をつけても。」
「何にもありません。」

小袖。
「偶然は数学の確率で登場する基本ですからね。」

乃々葉。
「偶然の定義は、もう出揃っています。」

舞理。
「偶然には、それが偶然であると。」
「毅然として言わないからですね。」

十和。
「私も同じ意見です。」

小袖。
「いちいち理屈をつけるから、変になる。」

乃々葉。
「偶然は、けっこう自然発生しますからね。」

舞理。
「不自然ではないですね、偶然という要素は。」

乃々葉。
「自然な考えをしていると、人生、偶然だらけであると。」
「すぐに理解できますよ。」

十和。
「それ故に、予想外の事態に対処したり、備えていないと。」
「ちょっと難しいけれどね。」

小袖。
「機械みたいに決められたパターンになるよりは。」
「ずっとか面白い状況ですよ。」

乃々葉。
「自分で操作したり、自然の影響を受けて左右されるのに。」
「最初から決まっているとか。」
「不自然な考えですね。」

十和。
「私も同じ意見です、自然な考え方が最高ですね。」

小袖。
「少しずつ不自然な考えを捨てていく。」

舞理。
「自然界ってけっこう雄弁ですからね。」

乃々葉。
「米国で導入が予定されているID論から自然を観察すれば。」
「自然な考え方に感化されて治るかと。」

小袖。
「老子、荘子の自然主義は、道教を前提に自然、不自然を区別していますが。」
「この方が簡単ですね。」

十和。
「理屈ばかりある世間では、その理屈の内容を論破して駆除するまで。」
「労力が必要ですしね。」

乃々葉。
「思えば、誰かの持論、蔓延っている自説。」
「そればっかり。」

舞理。
「先天的な知識を否定されると、世間の理屈は。」
「もはや誰かの持論を集めたもの。」

十和。
「それって誰が言ったのか?という殺し文句。」

乃々葉。
「社会では自説を語る人ばかりです。」

小袖。
「その持論を絶対視して、本当の事かのように伝える態度が変ですね。」

乃々葉。
「自説なら、自分の中で大事にしまっておけばよろしい。」
「他人に披露すると、批判されるに違いない。」

舞理。
「持論を絶対視して、学術にするのは変ですしね。」

十和。
「根拠がないことばかり、みんな言っていますからね。」

小袖。
「それって根拠ないですよね、なんて言い分が多過ぎる。」

乃々葉。
「荘子の言う通りに、一人の意見には限界があるんだから。」
「少しの批判も耐えられない理屈は要りませんね。」

舞理。
「先天的な知識ならば、哲学者の取り分ですからね。」

乃々葉。
「哲学による学説は、どうしても公に認められる必要があります。」
「間違っている理屈は相手にされません。」

舞理。
「公に認められるか、無視されるか、これが学説の必須条件みたいですね。」

十和。
「なので、そこら辺の持論は、意見という前置きが必要ですね。」

乃々葉。
「自国民は、意見という前置きを忘れがちです。」

小袖。
「結論としては、自然な考えがいいよね。」

乃々葉。
「不自然なものは嫌いです。」

十和。
「道教の自然思想は、世界に合っていますよ。」

乃々葉。
「道教の真人は、古代日本に遊びに来た事がありますからね。」
「日本書紀に記載あり。」

十和。
「老子、荘子が気軽に読める時代になった。」

小袖。
「そして科学や数学では、確率から、偶然であることが分かる。」

乃々葉。
「哲学では、物事に理由なんて無い。」

十和。
「宗教では、祈っていない内容は、一切、現実に現れない。」

舞理。
「プロテスタントでは、神の計画とか呼ばれますね。」

小袖。
「本当に神の計画なら、批判できないでしょうけれど。」

舞理。
「祈りで計画が変わったように見えるとか。」

乃々葉。
「福音派プロテスタントの意見も欲しいですね。」

舞理。
「牧師によって、かなり変わりますからね。」

乃々葉。
「神道では、教義と言えるものが、ほぼありません。」
「参考資料くらいしかないです。」

十和。
「完璧を明らかに禁止していますしね。」

乃々葉。
「神様と直接、対話することによって、信仰がありますしね。」

十和。
「日本書紀は普遍的な教材ですし。」
「古事記は、読んでおいた方が頼りになります。」

小袖。
「明確に何かを設定しないことで。」
「自由にしたり、束縛させないでいたり。」
「完璧を否定しているようです。」

乃々葉。
「お宮で祈ると、私も明確に何も設定しないことで。」
「人に自由や自主性を与えていると思います。」

十和。
「それなら、理由があるものなんて、神々が加えたものではないんですね。」

舞理。
「ホラーティウスの格言にも。」
「神々は関与してはならない、本人が救い手を必要とする。」
「葛藤が生じなければ。」
「とあります。」

乃々葉。
「理由があるものなんて、誰かのお節介ですしね。」

十和。
「そんなの偶然ですよ、という反駁が、不思議な効力。」

小袖。
「偶然の産物に理屈をつけて、いったい何をするつもりやら。」

乃々葉。
「ふん、偶然の産物に、あんな御大層な理屈をつけて、何がしたいのですかね。」

舞理。
「決まっているものって本当にあるの?」

乃々葉。
「いいえ、そういう約束が通り過ぎるだけです。」

小袖。
「私は死ぬまで自然を賞賛するでしょう。」
「自然によって死ぬことがあっても。」

十和。
「一年で必ずそうなるという宣告。」
「今日で十年目。」

乃々葉。
「必ずそうなるですと?勝手に決めているんじゃない!」

小袖。
「そういう決め事は、自然界では役に立たない。」

十和。
「自然災害に、何か決まっているとか、言えた試しはありますか?」

乃々葉。
「予言の自己実現、という社会心理学用語ですね。」

十和。
「予言した内容を。」
「第三者が力ずくで、その結果を自分で実現させる。」

乃々葉。
「必然、つまらないものですけれど、差し上げます。」

十和。
「つまらないものをよこすな!」

舞理。
「あなた、どんどん自然の考え方になっている。」

十和。
「宿命論が論破されたからですね。」

乃々葉。
「今日、収監された人って、なぜあんなに人の道を外れているのかな?」

舞理。
「宿命論が手助けしたからですね。」

乃々葉。
「なるほどね。」

小袖。
「ああやって悪くなる人って、お節介を受けた人なんですよ。」

乃々葉。
「前のお宮での祈りの時に、囚人のために祈れたから。」
「正義を自称してもいいかな。」

十和。
「私は健忘症になって、宿命論とか運命論とか何ですか?」

乃々葉。
「そんなものを信じたのはいつですか?」

十和。
「あれ?私は何を忘れているのですか?」

小袖。
「まったくです、運命論なんかで食べては行けません。」

舞理。
「運命論と現実主義の違いは何か?」
「現実主義からは金銭が得られる。」

社員がスパイを発見。

警備員が追い出しました。

刃物は持てないので。

代わりに鉄パイプや鉄の棒が、所々に隠してあります。

古代ギリシアの英雄は、鉄の棒で戦ったことがあり。

トロイア戦争、イーリアスで記述がありますが。

戦死しています。

戦場でも鉄の棒は、剣や槍を充分に倒せる、みたいですね。

棒術などは訓練されています。

休憩が終わって。

持ち場につく前に。

何者かを発見。

怪しいトレーニングウェア。

コソコソ隠れている。

乃々葉。
「誰ですか!」

容疑者。
「しまった!」

乃々葉。
「本部!不審者侵入!」

容疑者。
「女の子なら、時間は稼げそうだ。」

乃々葉。
「残念ですけれど、動きを止めたのが失敗でしたね。」

距離がある。

油断した容疑者。

棒立ち。

素早く。

箱から取り出した鉄パイプで顔面を殴打。

クリーンヒット。

不審者、倒された。

背後から木こりの斧を持っている社員が詰めていた。

ある意味では、容疑者が死にかけた。

警備員が取り押さえて、治安当局に引き渡されました。

というか、何故、あの下っ端。

斧なんて物騒なものを隠し持っている?

サイバー攻撃で落ちないので。

直接、破壊しに来たらしくて。

爆弾を持っていたとのこと。

まぐれで途中まで侵入して来たけれど。

まぐれは続かない。

乃々葉。
「発見が遅れました。」

父親。
「警備員が一人倒されていたよ。」

乃々葉。
「そんな馬鹿な。」

母親。
「スタンガンを持っていたけれど。」
「もう沙汰が終わっていたね。」

十和。
「あなた、けっこう手加減して殴ったおかげで。」
「お咎めなしですね。」

小袖。
「暴力が上手です。」

舞理。
「援護に行く前に終わりましたね。」

乃々葉。
「相手のフィジカルが弱そうだったので。」

十和。
「やはりスポーツの経験があると、見た目でフィジカルとか分かってしまうのか。」

乃々葉。
「たまたま相手が貧弱だった、それだけですね。」

父親。
「ううむ、雑魚に侵入されるなんて。」
「警備を考え直した方がいいかも。」

母親。
「宇宙軍の機密情報を狙われていますしね。」

主任。
「相手は素手なら行けると思っていたのかな。」

乃々葉。
「戦闘は卑怯な手をより多く使った人が有利ですよ。」

十和。
「相手から、卑怯と呼ばれる作戦が、通用します。」

乃々葉。
「孫呉の兵法では、一回の勝利を保持すること。」
「勝利の保持が説かれています。」
「私は孫呉の兵法の通りにします。」

舞理。
「中くらいの勝利で満足する人ならば。」
「ずっと勝者であり続けるでしょうね。」

乃々葉。
「大勝利なんて目指しませんよ。」

小袖。
「完全勝利なんてものは、現実には無い。」

乃々葉。
「反戦論だから可能な、立ち回りです。」

小袖。
「そもそも戦闘以外で勝利するのが、最善の策士です。」

十和。
「戦闘なんて二の次ですからね。」

舞理。
「連戦連勝はまずい状況ですしね。」

乃々葉。
「迎え撃つ前に、何かできたら良かったなあ。」

十和。
「戦いは火の如し、行動は雷ですからね。」
「五輪書は比喩がとても多い。」

乃々葉。
「不確かな戦いを乗り越えましたけれど。」
「戦いなんて自分から仕掛けるものではないですね。」

十和。
「一を聞いて十を知る。」
「ですね。」

後は事情聴取だけでした。

むしろ功績として扱われてしまう。

巨人ゴリアテは少年ダビデに投石されて死にました。

強いから勝つ、という考え方は成り立たない。

自分の力だけ知っていて、相手の力を知らなければ。

勝率は五分五分に過ぎません。

割に合わない賭けですね。

止むを得ず戦う以外、争いは無益ですしね。

夕方。

暇がある時に。

高性能なパーソナルコンピューターを組み立てました。

不要な部品ばかりあるので。

それは社員用の機材に化けましたね。

休憩時間。

自然に集まって雑談。

その後も暇ですね。

乃々葉。
「人が科学によって生まれを好き放題に操作できる。」
「その日が来て、かなり経過していますが。」
「先天的なものは人間が容易に操作できるとして。」
「後天的なものは誰にも操作できない。」
「なんて結論に至りますね。」

十和。
「要らない子供は、生まれる胎児の頃に排除されて。」
「生まれて来ないのが現状ですし。」
「それが、かなり合理的な選択ですから。」
「先天的に終わっている子供はそもそも生まれて来ないので。」
「平均的な出自ならば、後天的なものに人生を費やすのが。」
「攻略の手がかりですしね。」

小袖。
「私なんか、中絶させられる寸前で。」
「親がためらったので、生まれてきています。」
「良いのか悪いのか、これは後で考えます。」

舞理。
「日本生まれ、スイス育ちです。」
「実家が借金だらけ。」
「お金がある時に私が生まれて。」
「その後は誰も生まれていない。」

小袖。
「無計画ではない親は賛美されますね。」

十和。
「子供を自分の手段にする親ばかり。」

乃々葉。
「そうやって人間による審査がされている時点で。」
「運が良いね。」

十和。
「私は生まれる前に診断されて。」
「思っている以上に得点が高いので。」
「生まれることを親が許しています。」
「なので私がいるのは、偶然ではなくて選択の話です。」

乃々葉。
「子供は何でも信じるので。」
「どんなに愚かな場所でも喜ぶ。」
「しかし生まれないことによって。」
「子供は得をするので。」
「診断は合理的であると言わざるを得ない。」

小袖。
「親が要らない子供は、子供にとってもその親は要らない。」

十和。
「お互いが疎ましくなるので、取り消してもらうのは良い事。」

乃々葉。
「医療の現場では、中絶は当然の選択肢です。」

舞理。
「あなたは、生まれてこなくていいから、なんて言われて。」
「科学によって、出自は消される。」

乃々葉。
「生まれなくてもいい子供は、未然に防がれる。」
「それが本人にとっても良い事です。」

十和。
「生命倫理は、損得勘定と深い関連がありますね。」

小袖。
「少しの損得勘定も含まない生命倫理は無いかと。」

乃々葉。
「先天的に優劣がつくと、努力では覆らない。」
「なので、先天的に差が出ると、努力は無駄です。」

舞理。
「しかしそれは競争を前提に優劣を決めているような?」

小袖。
「貢献とか、優れた意見とか、芸術に向いているとか。」
「そういう方向は駄目なんですか?」

乃々葉。
「競争が絶対的な価値を持つ社会では。」
「愚劣な赤子は、負けるために生まれている。」

十和。
「都会から農村に引っ込んだ優秀な人の実例ですが。」
「実例としては少ないのかな。」

乃々葉。
「努力するから成功する、この構図は分離できますけれど。」

小袖。
「能力と成功も分離できます。」

十和。
「優劣と世界は分離できます。」

舞理。
「先天的なものと後天的なものは、分離できます。」
「ヒューム人性論くらいは必要かな。」

乃々葉。
「今の時代、宗教みたいな要素も、非科学的だとして。」
「退けることも出来る。」

舞理。
「その場合は、非科学的というより、非現実的。」

乃々葉。
「結論としては、正攻法だけで勝者になれる時代はとっくの昔に終わっている。」

十和。
「勝負の話ならば、もはや正攻法では無理ですよ。」

小袖。
「奇計を使っている人ばかり上位に入る。」

乃々葉。
「生命倫理からすれば、生まれる前の子供に。」
「退場をいくらでも強制出来る。」
「しかもそれは合法で、論理的。」

十和。
「親が気に入らないという理由だけでも。」
「生まれる前の子供は排除できるほど。」

小袖。
「ということが人間に義務付けられた。」
「当然なほど理性的な判断ですしね。」

乃々葉。
「生まれてしまって後悔している。」
「そんな少年少女で、もはや満員。」

十和。
「神も自然も、あんな仕組み造った覚えがないんだとさ。」

小袖。
「裏切れる、と判明した時点で、裏切ればいいのに。」

乃々葉。
「努力は現実に与える影響が少ない。」
「どんなに努力しても、無理なものは無理。」

舞理。
「なぜ努力が万能のような思想、価値観に浸るかは意味不明ですが。」
「現代は奇術師のような人が有利ですよ。」

乃々葉。
「配られたカード、配るカードは操作される。」

十和。
「そういう不公平な所を修正するために。」
「平等とか公平とか、規則を作って対抗したはずですが。」

小袖。
「あんまり効果ないよね。」

舞理。
「決定された不公正ではないし。」
「正当な差ではないから。」
「それを取り決めで無くす必要がある。」
「ルソーの主張はかなりリアリズムです。」

小袖。
「理由もなく差が出てしまう不公平を。」
「やっぱり根拠がないよね、こう論破して。」
「正当な理由がないのなら、等しくしよう。」

舞理。
「本人の力が及ばない所を平等にする。」
「ここが重要な所ですね。」
「平等は諸説あるんですけれど。」
「人間の力が及ばない所を等しくするのなら。」
「もはや反論の余地は残っていません。」

乃々葉。
「本人の力が及ばない所を矯正するのですから。」
「そういう理不尽の修正は、今日では普遍的なものです。」

十和。
「平等についての客観データは、余裕で本屋にあります。」

小袖。
「適当に平等と言われて、知ったかぶりをしてしまった。」

乃々葉。
「荘子の話で。」
「引っ越してきた二人組の片方。」
「特に荷物がない。」
「もう片方は富んでいたので。」
「相棒は、さては食い物もないな。」
「そう察して、食べ物を包んで持って行ったら。」
「相棒は家の中で飛び跳ねて踊っていた。」
「食い物がなくて空腹に苦しむのは。」
「自分の運命だったんだよ。」
「なんてふざける話がありますね。」

舞理。
「それって本当に運命?」

乃々葉。
「比喩でしょうね、運命論を信じる人への嘲笑。」

十和。
「運命なんて本当は存在しない創作物。」
「という話でしょうか。」

小袖。
「運命なんて実在するのか、疑わしくなった。」

乃々葉。
「荘子の話では、運命なんて疑わしいよ、という意味では?」

舞理。
「本当にそれって運命って言えるの?」

十和。
「実在するのか分からないものの話はやめましょう。」

小袖。
「哲学、科学と合わせた生命倫理は万能ですね。」

乃々葉。
「マッキンゼーの教本を手に入れました。」

舞理。
「超級ロジカルシンキングのマッキンゼーですか。」
「最高レベルの教材ですね。」

十和。
「マイケル・サンデルの生命倫理は良書です。」
「他の生命倫理の教本は、まるで威力がない。」

小袖。
「自然界に強い影響を持つようになる。」
「知識は力なり。」

舞理。
「一部、表示がバグってます。」

乃々葉。
「余所見した。」

雑談して、持ち場に戻る。

量子コンピューターのОSはブラックボックス。

説明書があるので、厳重に保管していますし。

処理や空間を貸しているコンピューターですので。

点検や監視は、一日中やっていますね。

会社のサーバー管理も仕事の一部。

仕事が軽いので、暇が多い。

しかし四姉妹がいないと。

維持できないのが真相。

暇になって、印刷された古典。

貼り付けてある。

イソップ童話。

ロバとロバ引き。

ロバと飼い主が、山道に入りました。

険しい山道の中。

崖下に来ると、ロバが事故で転落しそうになりました。

飼い主はロバの綱を引っ張って。

一生懸命に戻そうとしましたが。

ロバは引き戻されないように、綱を引っ張って崖に落ちそうになります。

飼い主は諦めて、ロバの綱を離しました。

ロバは、人間に力比べで勝った!と大喜びして。

そのまま崖から落ちていきました。

負けず嫌いで強情な人は、痛い目に遭う。


3


深夜。

何者かが勘違いして。

社員の一人を襲撃しました。

挨拶をする演技をして、犯人が刃物で斬り掛かったんですね。

しかし鎧を服の下に着ていたので、攻撃が効かない。

お鍋の蓋で応戦、犯人は焦って逃げました。

勘違いに気づいて、犯人はすぐに近くにいた。

目標に車で接近すると、わざと事故を起こして。

怒鳴っている所を刃物で攻撃しましたが。

逃走には失敗したようです。

事件を出発前に知りました。

卑怯な不意討ちは安全で確実。

テロリストはこうした襲撃が得意です。

戦闘は地味、映画の場面なんて現実にはない。

映画は作り物の戦闘ばかり発表する。

なぜなら、見世物だからね。

境界型人格障害、俗称サイコパス。

極端な思考と行動が目立つ精神疾患。

感情が極端に揺れ動くので。

本人も他人も振り回される。

原因は、一貫性のない育児。

見捨てられたという感覚から、形成されるが。

境界型人格障害、俗称サイコパスは精神疾患なので。

治療も診断も可能。

今回の事件の犯人の診断名でした。

明け方までに処理される。

事件が終わってから到着。

早朝、まだ勤務の時間前。

一時間も早くに出勤。

親戚のお姉さんは美形。

マッキンゼー元社員。

軽労働に誘ってくれたので。

義理があります。

ヒューマンエラーは機械の天敵。

可能な限りの安全対策を、何重にもしていると。

法的な責任を回避できる。

点検が終わると、雑談。

乃々葉。
「火事場の馬鹿力という諺がありますが。」
「現行犯が頻繁にこれを使います。」
「強引に勝とうとする。」

十和。
「火事場の馬鹿力を犯人が使えるのなら。」
「私にも使える理由になりますけれど。」

小袖。
「それなんです、火事場の馬鹿力は一般人にも使えるんです。」
「そうなると、一方的に悪党を倒せます。」

舞理。
「アメリカで、警察官が腕力で凶悪犯に負けたけれど。」
「犯人は射殺した、という実例すらあります。」
「拳銃を奪われそうになって。」
「車に押し込められて、互角の戦い。」
「応援の警察官が来て、犯人を殺しました。」

乃々葉。
「前に会った格闘家ですけれど、合計百人を倒したので。」
「映画みたいな話ではなかったとか。」

十和。
「根拠のない戦闘力は、勝率が極めて低い。」
「雑魚と戦って何とか勝てるレベル。」

乃々葉。
「最近は相手が弱いとか、あんまり使わなくなりました。」
「どちらかと言うと脆い。」

十和。
「弱いというより、脆いですね。」
「より強くなろうとすると、些細な事で身体が壊れる。」

小袖。
「強くなるほど脆いので、身体を壊しやすい。」

乃々葉。
「強いということは、それだけ硬いので。」
「何かに当たって砕けます。」

舞理。
「硬いせいで、クッションのようにならずに。」
「衝突によって壊れる。」

十和。
「柔らかいと、瞬発力が高く、一瞬の速度が出ます。」
「何か当たっても、柔らかいので。」
「クッションのようにダメージが少ないね。」

乃々葉。
「一般的に強さと言えば剛強を意味します。」
「剛強は強烈に見えて脆いもので。」
「柔らかいものにとにかく無力。」

舞理。
「いくら強くなっても、低確率で敗北しますしね。」

乃々葉。
「火事場の馬鹿力は剛強の極端なものです。」
「逆手に取って、これを自分が使うと。」
「相手は対抗しようもない。」

十和。
「火事場の馬鹿力は、江戸時代、火事の時に。」
「とっさに家財道具を運び出して。」
「財産を守ろうとした多くの実例から。」
「諺になっています。」

乃々葉。
「火事の時に、普段は動かないタンスや大きな荷物が。」
「簡単に持ち上がって運び出せてしまう。」
「その目撃例が起源なのですね。」

小袖。
「現行犯は、火事場の馬鹿力を利用して。」
「最初からパワーアップしていますので。」
「こちらも同じく火事場の馬鹿力を使えば。」
「条件が同じなので、相手は一方的に倒れます。」

舞理。
「なぜ火事場の馬鹿力なんてものが出せるのか不明ですが。」
「自分も利用できると知ってから。」
「戦いなんてお遊びみたいなものです。」

乃々葉。
「名人とか、八百長で勝っていると疑われる。」

小袖。
「努力したり苦戦しているように見せかけて。」
「本当は最初から決まっている勝敗に誘導される。」

舞理。
「あんまり名人とか褒めない方がいいですね。」

十和。
「そういう名人を台無しにしてしまえば、本物を見出す。」

乃々葉。
「勝負の世界では、ライバルで二番手の人々が。」
「常に先を行く人間の八百長を目撃してしまうとか。」

舞理。
「運命の力に縋って、八百長で、最初から決まっている勝敗に誘導される。」
「これは真実。」

乃々葉。
「運命の力に縋っているだけで、実力とは言えない。」
「努力していると思わせて、苦戦しているように見せかけて。」
「実際には、運命の力に縋っている。」

小袖。
「運命が、気に入らない、なんて言い出すと。」
「運命の変転によって、運命に縋って勝利している者達は。」
「破滅してしまう。」

舞理。
「運命なんて変動しますし、運命に縋ると、変動した時に死にます。」

十和。
「運命の決定は、ころころ変わることで有名です。」
「八百長という依怙贔屓を貰っても。」
「後で返せと言われます。」

乃々葉。
「運命に関わってはならない、与えられても。」
「すぐに返せと迫ってくる。」

舞理。
「セネカは、与えられても、それを喜ばず。」
「返却しろと命じられても。」
「あらかじめ持っていきやすい所に置いていて。」
「運命に支配されることがなかった。」

小袖。
「運命は危険な存在です。」

乃々葉。
「それは運命の内容ではないから、あなたを拒絶する。」
「なんて言い分は屁理屈です。」
「運命そのものも、やっている事がころころ変わりますし。」
「運命に依存すれば、依存している人はすべて倒されます。」

十和。
「結局、自分が何とかするしかない。」

乃々葉。
「自分で何もしない人なんて、見捨てられますよ。」

舞理。
「私は運命よりも、犬の方を信じます。」

小袖。
「運命による筋書きに乗ってしまったら。」
「どんな目に遭うか分かりません。」

舞理。
「運命を神格化するのは変ですよ。」

十和。
「運命?そんな愚かな神なんているものか!」

乃々葉。
「宿命やら運命を神格化するのは悪い癖ですね。」

舞理。
「なぜか神格化をしたがるのが、人間の弱い所。」

十和。
「運命に依存しないと、何も出来ないからね。」

小袖。
「運命がないと、何もできないのが人間でもあります。」

乃々葉。
「出来事は無色透明ですので。」
「本人が意味づけをします。」
「それは価値観に依存しています。」
「意味がなければ、否定されて無視されます。」

舞理。
「心理学NLPによって、再プログラミングしないと。」
「既成概念から完全に離脱できません。」

乃々葉。
「もはや言語ゲームですよ。」

十和。
「ウィトゲンシュタインの哲学探求。」
「言葉や言語についての哲学。」

小袖。
「言葉の定義ではなくて、発言者の意味を当てるゲームです。」

舞理。
「悪口ですら、肯定のために使用される言い回しがあるので。」
「定義は絶対ではないね。」

乃々葉。
「良い言葉と悪い言葉の区別はできません。」

舞理。
「言葉遣いも、最新の心理学NLPで再構築しないと。」
「綺麗にはならない。」

乃々葉。
「人間なんて、最初から万能に作られてはいませんね。」

現代、世界で話題になっているジェンダー論。

書籍が多くて。

浅い見解のものから、深い見解のものまで多くある。

元々は、ボーボワールの第二の性から。

ボーボワールの運動を否定しても。

ボーボワールを論破したことにはならない。

これはとある男性学者の決め台詞。

乃々葉。
「なぜ男尊女卑が当たり前だったのかな?」

舞理。
「それは歴史を神格化してはならない教えですよ。」

十和。
「頑張って産んだ所で、文明の寿命には抗えませんけれど。」

小袖。
「宇宙論からすると、文明は一通り揃うと滅亡する。」

乃々葉。
「家制度なんて廃止されましたし。」
「世帯主としか残っていませんね。」

十和。
「現代では何々家なんて名乗れません。」
「法的な影響は皆無。」

小袖。
「男性がたまたま地上や自然界にて。」
「生存できる確率が高いので。」
「偶然、男尊女卑が出来上がった。」

舞理。
「どう見ても男尊女卑は偶然の産物ですね。」

乃々葉。
「男性だからと言って、一部しか優れていないしね。」

小袖。
「多くの男性は脇役です。」

十和。
「それを知っているから、男性は競争を避けるようになった。」

舞理。
「競争という名前の杓子定規。」

乃々葉。
「外部の影響を排除すれば、女性が最も得をするのでは?」

小袖。
「外部の影響?それって他人が日々繰り出す強要のことですよね?」

十和。
「他人が存在しなければ、外部の影響なんて、皆無ですよ。」

舞理。
「仮に他人をその都度、排除できたら、外部の影響なんてないですね。」

乃々葉。
「他人のせいで、外部の影響なんて生じるので。」
「他人が居なければ、悪くはならない。」

舞理。
「他人のせいで色々と生じますからね。」

十和。
「まず他人を否定する所から開始ですね。」

小袖。
「災いや悪行は、他人が仕掛けることであり。」
「自分が仕掛けることは一度もない。」

乃々葉。
「他人を除けば、女性は自立なんて簡単ですね。」

舞理。
「前提が他人の悪影響になっていますからね。」

乃々葉。
「むしろ私が他人の因果応報を解消してやっているので。」
「私に感謝すべき。」

十和。
「他人の因果応報を消してやっているので。」
「なぜ感謝されないのか疑問に思う。」

小袖。
「他者の因果応報を消すという善行をしているのに。」
「なぜ文句を言われるのかわからない。」

乃々葉。
「因果応報を消してあげるのに、反撃されるのは理屈に合わない。」

舞理。
「男性だから何々というのは分離できますよね。」

小袖。
「女性だから何々というのも分離できます。」

乃々葉。
「分離という論破をしているのに、理屈が繰り返される。」

十和。
「認知的不協和ですよ、きっと。」

乃々葉。
「歴史において、女性を無知にして。」
「自然状態にすることによって愚民政策を仕掛ける。」
「よくやりがちな支配ですね。」

十和。
「男尊女卑なんて誰が言ったの?」

小袖。
「女性が劣っているなんて、誰が言ったのか?」

乃々葉。
「むしろ男性が優れているという理由を述べよ。」

十和。
「ほら見ろ、理由もなく男尊女卑があったね。」

舞理。
「特に理由もなく、理由に先立って男尊女卑があった。」

乃々葉。
「男尊女卑は真理ではない。」

舞理。
「男女同権によって、男女が社会で混ざったような。」
「対等な比率が真実ですね。」

十和。
「男らしさの何に根拠があるの?」

小袖。
「女らしさって何?」

乃々葉。
「神に祈ってみるんだね。」
「男尊女卑って真実ですか?」

舞理。
「もし仮に男尊女卑が真実だ、なんて神に祈ったら。」
「その後にひどい目に遭うでしょう。」

乃々葉。
「面白いのは、古代ギリシアにおいて。」
「イケメンコンテストが常に行われていたこと。」

十和。
「美しさの基準があまりに高いので。」
「平均以下になると、醜いと言われる。」

小袖。
「男性と女性が厳格に区別されて。」
「女性は家で軟禁みたいな状態で。」
「衣服作りと出産子育てしか期待されなかった。」

舞理。
「男性は女性と関わる機会が少ないため。」
「同じ男性と、どちらが美しいのか競い合った。」
「女性が解放されると。」
「男性はその美しさを女性に向けた。」

乃々葉。
「イーリアスの冒頭で、アポロン神殿の巫女がいますし。」
「誤って捕虜にしてしまい。」
「アキレウスが解放しています。」
「アポロンは激怒していて。」
「放置すれば人間を殺しに来ていた。」

舞理。
「さらに各所神殿の巫女は。」
「どうやって支配を逃れたのか興味深い。」
「そもそも神殿の巫女は、基本、結婚しない。」
「何かあれば解雇される。」

乃々葉。
「後の世の修道女は、自発的に入っています。」
「宗教が関わると、男尊女卑は勝ち目がなくなる。」

小袖。
「いくら産んでも、文明が永続しない、という観測が出ると。」
「何をしているのかさっぱりわからない。」

十和。
「子孫が百人いても、その人は幸福にはならないしね。」

乃々葉。
「決定論みたいなジェンダー論はやめた方がいい。」

十和。
「少数の実例は何にも出さない。」

小袖。
「明らかに男性の理屈で、女性が測定されている。」

乃々葉。
「杓子定規なジェンダー論ですなあ。」

舞理。
「ひとつの規範で統一できた試しはない。」

乃々葉。
「男女の考察が、杓子定規になったら、それは役に立たない。」

舞理。
「宗教の話題になると、結婚する人と、結婚を禁じられている人と。」
「二通りに分かれますね。」

乃々葉。
「利己的で、合理性のある見解ですね。」

舞理。
「なぜなら、そのままで進めると、神様のせいになるからですね。」

乃々葉。
「神様がそういうように作ったせいです。」
「なんて所に行き着くので。」
「いつの日か、女性達は、神様のせいにして解決を図ると思います。」

十和。
「私達がこんなんなのは、神様のせいなんです。」
「神様がこんなふうに私達を作ったので。」
「自由にならないんです。」
「ここまで言われて反駁する気になれますか?」

小袖。
「神様が男性をあんなふうに作るから。」
「女性が前に出れない。」
「こんなこと言われたいの?」

乃々葉。
「最後には、神様が男性をそんなふうに作ったから。」
「そして女性をそんなふうに作ったから。」
「自由が阻害された、という反論に行き着きます。」
「そんな危険な台詞を言われたくなかったら。」
「大人しく世界の情勢に従うべきですよね。」

舞理。
「ジェンダー論は世界で最も学ばれている大人気な分野です。」

乃々葉。
「主観的な男女の考え方なんて、あっさり捨てます。」

十和。
「自由を前提にしない人生観なんてナンセンスですなあ。」

小袖。
「男性なんてつまらない存在が蔓延った歴史なんて。」
「もう読みたくもない。」

乃々葉。
「それは面白い男性は除外していますね。」

舞理。
「男女五対五の比率にならないものかな。」

乃々葉。
「男尊女卑が間違っていることに気付いた瞬間。」
「男女共に正気を失った。」

十和。
「世界は男性が主役、という考え方に、神は待てと制止した。」

小袖。
「神様に問い合わせてみれば?」
「無神論者ほど男尊女卑を支持しますしね。」

乃々葉。
「ニーチェは女性だけの家庭で育っている。」
「そこで知ったのは。」
「子供を獲得するしか女性には価値観がない。」
「という否定的な目撃証言であった。」

舞理。
「ショーペンハウアーは実例から。」
「女性の能力は高め、という結論を出していますね。」
「女性の能力を使わないのはもったいないとか。」
「著書、女について。」

十和。
「第二の性は、大著なので、値段も高くて、あんまり売っていない。」

小袖。
「悦ばしき知識にて。」
「神を探しているという男が徘徊していた。」
「なぜ神を探しているのか、狂ったのではないかと問われると。」
「お前達が神を殺したんだ、なんて答えた。」

乃々葉。
「男尊女卑に根拠はない、神を根拠に出来ない。」

舞理。
「しかし子供しか価値観がない女性ならいますよ。」
「時代が進むことによって、二極化するかと。」

乃々葉。
「既に二種類になっていますね。」
「実力主義の女性と、昔の女らしさを求めて、結婚を狙う女性と。」
「価値判断が違うので、言及できそうもない。」

十和。
「女性の無知が改善されて、自然状態が解かれると。」
「男性にとってメリットにしかならなかった。」
「女性は使える、ということに気づいてしまったから。」

小袖。
「男性が最初に発見したのは、女性が役に立つ、という簡単なもの。」

舞理。
「男女の知ったかぶりが横行したけれど、もはや過去のもの。」

乃々葉。
「今更、根拠も理由もない男尊女卑を支持するのはどうかと。」

十和。
「あなたも、目の前に蝿がいたら、迷わず叩き潰すでしょう。」
「それと同じことです。」

舞理。
「男性が男尊女卑という間違いに気づいて、正気を失って訂正しているので。」
「狙われないように気をつけた方が良いですよ。」

乃々葉。
「時代遅れな男尊女卑は終わった。」

小袖。
「男尊女卑とは中身のない内容を何時間も話せる説教である。」

乃々葉。
「男女同権が多様性から来ていることは本当ですね。」
「みんな嘘つきを辞めて正直者になったから。」

十和。
「歴史はいつも男尊女卑だったんですか?」

小袖。
「いいえ、正気を失うか、付和雷同に陥った時だけです。」

乃々葉。
「男尊女卑を支持する人がどうであろうとも。」
「男性であって、利益を得ていた人に違いない。」

舞理。
「とある男性は女性の問題で、男女同権を認めた。」
「なぜなら、それ以前では、いつも恋人が怒り狂って去っていくからである。」

乃々葉。
「歴史における男性の功績とは何か?」

小袖。
「つまらない文明を築き上げた功績です。」

乃々葉。
「差別は問題になっているけれど、解決策をまるで知らないのはもっと問題ですね。」

勤務、開始、と言いながら、お茶をしている。

前に侵入されたので。

社員の犬を配置。

これが番犬として役に立つ。

不審者には唸って吠えるので。

身元を確認すればいいだけ。

ロボット掃除機にカメラと人工知能がついていて。

社内を巡回しているけれど。

それは夜間限定。

今日の大雨と強風で停電してしまい。

予備電力と発電機に切り替えて。

サーバーを落としました。

復旧まで半日かかります。

水道はポンプ式なので、生活に影響なし。

火元もガス式です、オール電化は停電で終わります。

ソーラー発電システムでは持ちこたえられないので。

節電。

空調が止まってしまうと、冷却できません。

復旧まで、全員、休憩と点検。

社員は余裕。

マッキンゼーの教科書に基づいた社内の環境。

ひたすら環境を良くして、快適な労働を構築したら。

人員がそこまで優秀ではなくても。

会社の質と営業の質によって、底から押し上げられる。

営業成績が保持できるのは、企業の質のおかげ。

アダム・スミスに基づいた社訓が多い。

乃々葉。
「量子論は、原子爆弾を作ったことがあります。」
「ミクロの世界を研究すると。」
「核兵器なんてものを作れてしまう。」

十和。
「最強の抑止力として期待された核兵器ですけれど。」
「残念な結果になりましたね。」

小袖。
「その後も核実験が多数、行われた。」

舞理。
「科学者も、けっこう後悔していたという。」

乃々葉。
「核兵器を作ったのは、量子論の研究によるものです。」
「ミクロの世界の物理法則は、マクロの世界を破壊しますね。」

十和。
「物質世界像が覆された、そのきっかけが量子論。」

小袖。
「量子そのものは泡とか雲とか、身体の構成物質は。」
「よくわからないものになっている。」

舞理。
「確率が統治する物理法則の世界。」

乃々葉。
「雑談と読書の余裕まである、私達の配置。」

小袖。
「停電にすべて対処しましたが。」
「空調が使えなくて、やや暑いですね。」

舞理。
「電気がないと、機械は動きません。」

十和。
「水素自動車のエンジンから供給しますか?」

乃々葉。
「これだけの大電力を、維持するのは足りないよ。」

小袖。
「せっかくシャットダウンしたので。」
「このままでいいかと。」

舞理。
「大地震でも停電しますからね。」

乃々葉。
「九州の大地震なんて。」
「発生食後は、潰れた家屋だらけで。」
「住民は徘徊するしかなかった。」
「支援が届いたので、今は修復されている。」

十和。
「航空自衛隊の偵察機が、被災地上空を飛び回って。」
「地上部隊の移動経路を収集しますし。」
「夜間なら、停電の状況も丸わかりです。」

小袖。
「平和な時代にも、抜群の連携が出来る軍隊は美しいよね。」

舞理。
「平和な時代にこそ、戦争の準備は怠らなかった。」
「戦争になっても、すぐ平和に戻せるからね。」

乃々葉。
「気候変動によって、些細な大雨なのに、もの凄い威力が出る。」

小袖。
「平均気温とは言っても、実際には落差が激しいので。」
「平均という数字に惑わされてはいけない。」

十和。
「平均気温は、平均であって、極端な気候に陥る可能性はあるし。」
「上下が激しいので、自然災害が激しくなる。」

乃々葉。
「文明が滅びる確率は、五対五です、半分の確率です。」

舞理。
「科学的な原因で文明が滅びるのは、悲劇ではなくて自滅ですね。」

十和。
「平和な時代には劣っている人間も大量に出ますけれどね。」

小袖。
「戦争の原因は消すことが出来ない。」

乃々葉。
「戦争は決定論ですしね。」

舞理。
「戦争が発生するのは決定論です、諦めています。」

乃々葉。
「地球人類は決定論に陥りやすい。」

十和。
「先天的なものに依存する人類って何?」

小袖。
「電力が復旧しました。」

乃々葉。
「はい、再起動。」

舞理。
「故障はない?不具合は?」

乃々葉。
「私達しか修理できる人材は居ない。」
「今の所、故障は見つかってはいない。」

十和。
「洪水が近くであったようです。」

小袖。
「防水シャッターがあるので、その程度なら問題ない。」

舞理。
「電源にもEMP防護システムを導入していますからね。」

乃々葉。
「やっと空調が復活したね。」

十和。
「今日の電気予報は余裕ですね。」

小袖。
「電磁波が凄いなあ。」

舞理。
「コンパスとか、この大部屋では使えません。」
「方位計が狂います。」

乃々葉。
「今日、放たれた、ICBMは撃墜されました。」

小袖。
「核兵器を搭載せずに、無人地帯に落としてくる。」

舞理。
「ルールの抜け穴を突く攻撃ばかりですね。」

十和。
「そろそろ点検します、持ち場から離れずに。」

乃々葉。
「一日中、端末の画面を見て、必要に応じて操作したり。」
「雑談したりお茶したり。」
「こんなものかな。」

小袖。
「労働を神聖視するな。」

舞理。
「聖書は、労働を神聖視していません。」

十和。
「もっとも、聖書のその箇所は最も悪用されたけれどね。」

電子機器と毎日、格闘して。

今日はダメージコントロールを徹底しました。

コンピューターは量子力学で動作します。

機械文明と呼ばれつつ。

量子力学や量子論、相対性理論によって。

現代の科学は成り立っていますね。

古代ギリシアにも、現代の基礎となる科学がありまして。

アリストテレスの自然学、ヒッポクラテスの医学。

エウクレイデス原論、アルキメデスの科学。

アリスタルコス「太陽と月の大きさと距離について」などが有名です。

古代人も自然科学に精通していたという科学の歴史は無視できません。

後にカトリックが科学を進展させました。

ゼウスは、天界の炉から、プロメテウスが火を盗み。

科学という技術を持つことによって。

人間が力を持つことは不愉快だったとされます。

しかし自然の中にあるものを科学として操れるようになったのは。

贈り物でしょうか、プロメテウスの窃盗のおかげでしょうか。

今夜は定時。

社員に任せて退出。

何か不具合が出ると、深夜でも会社に行きますけれどね。

帰宅。

乃々葉。
「優しい、という考え方は、間違っていますね。」
「相手の媚へつらいを前提にして。」
「迎合されるように対話する。」
「そして相手が媚びてくれないと、怒ったり恨んだりする。」
「これらを同時に行う。」

十和。
「経験という考え方も間違っていますね。」
「行き当たりばったりな人生で。」
「受けたものを主観的に評価して。」
「合理化し、それを自慢するなんて。」

小袖。
「問題という解釈も、仮に人間がいなければ生じないし。」
「自然由来の問題しか生じませんしね。」

舞理。
「全体という考え方も間違っていますね。」
「全体とはいったい誰のことなのか。」
「全体とはどこの部分なのか。」
「人によって全体を語る部位が違うのはどうしてなのか。」
「そもそも全体とはどういう設定なのか。」
「誰の設定が全体と呼ばれていて。」
「どのくらい少数が全体という考え方を共有しているのか。」
「全体という空気のようなものに尽くして報われるのか。」

乃々葉。
「国のため、というのは、果たして報いはあるのか?」

小袖。
「国家の存続という概念なら、意味はありますね。」

十和。
「学校教育なんて政治の機関でしょ?」

舞理。
「政府、政権の意向は必ず学校教育に反映されます。」

乃々葉。
「政教分離なんて、学校では厳格に設定されています。」
「代わりにダーウィニズムなんて時代遅れの科学が導入されていましたね。」

十和。
「学校教育が正しいなんて主張する市民はいない。」

小袖。
「絶対的に正しいなんてことはない、物事に絶対はない。」

乃々葉。
「儒教も出ないなんて、学校はお粗末な知能の集まりですなあ。」

舞理。
「そこまでおかしなくらい整備しないと。」
「誰も教育なんて受けませんよ。」
「勝手に子供が育って一人前になると信じ込んでいますからね。」

乃々葉。
「人の生まれつきの悪の性を、放置すると?」

小袖。
「生まれつきの悪の性を、矯正することに失敗しがち。」

十和。
「性善説が通用した試しがないね。」

小袖。
「儒教の正統後継者である荀子が隠れ過ぎ。」

十和。
「岩波文庫で、余裕で売っています。」

乃々葉。
「私はお宮で、私は性悪説です、なんて祈りましたけれど。」

十和。
「性善説の輩って、お人好しで、何でも信じるし。」
「とにかく無警戒で、自分の中にある悪は無視するし。」
「悪に対する無抵抗ばかり繰り返しますね。」
「自発的、自律的な行動は一切ない。」
「何でも自動で貰えると信じ込んでいる。」

小袖。
「性善説を信じても、いいことは何もなかったね。」

舞理。
「神話は性悪説ですよ。」

乃々葉。
「どこの神話も性悪説。」

小袖。
「後に儒学の大家が、性善説を否定して論破した。」

舞理。
「中国に来ていた宣教師に、唯物論とか言われたけれどね。」

乃々葉。
「とにかく、通俗的な道徳は、政府が都合の良いように教えた内容なので。」
「利己的で危険です。」

舞理。
「神が語りました。」
「どうして私を無視するのか。」
「政府に、こうしなさい、と言われたからです。」

十和。
「学校の通俗的な道徳は無神論ですからね。」

小袖。
「無神論から生じた。」
「スピリチュアルとか言う異端が流行っている。」
「ユング心理学で説明できますよね。」

乃々葉。
「できますよ、オカルトやスピリチュアルは。」
「ユング心理学で説明できます。」

舞理。
「ユング心理学が人気になりそうですね。」

十和。
「ユング心理学は、解説書が出回っていますからね。」

乃々葉。
「さてと、私は部屋で休みます。」

十和。
「私は読書。」

小袖。
「私は準備、休暇の準備。」

舞理。
「もう少し家事をしていますね。」

乃々葉。
「こうして時間は過ぎ去る。」
「この世界は空間と時間を足して四次元。」

相対性理論は、発表された時期に。

天文学の観測と一致したため。

賞賛されました。

別に科学者は人間的に立派とは限らず。

アインシュタインは恋人を妊娠させたり。

とある科学者は、浮気相手の部屋で数式を開発したり。

昔ではガリレオ・ガリレイは、異端者として誤って処刑され。

カトリックが当時の間違いを謝罪していたり。

ニュートンですら、自分の頭にリンゴが落ちてきたという。

偶然から、著作を書いています。

量子力学のジョークすらあります。

有名な話。

量子力学初期のチームが三人揃いました。

量子力学を理解できるのは、三人だけだろう。

横から鋭い突っ込み。

三人目は誰なんだ?

入室するだけで実験機械が壊れた科学者がいて。

同僚が、入室させずに、扉越しに会話したという実話まで。

近年では、科学モドキが流行ってしまって。

科学書をまともに読んだこともない素人が、おかしな説を主張していますが。

科学の玄人が論破しまくって、卑怯なトリックを使うと、素人を酷評しています。

さて、今夜、ライブ中継があって。

小惑星が、地球と月の間を通過しました。

突っ込んでくる可能性はないかもしれませんが。

そのうち、地球に直撃する小惑星もあるかと。

水素自動車が普及した世界線。

地球沸騰化は深刻化しています。

この文明も駄目かな?半分の確率で乗り越えるかな?


4


波乱万丈な、激動の人生に入り、激戦と苦闘に支配され。

それらを是認していく生き方と。

ひたすら平和を求め、平坦な道を静かに歩むのと。

可もなく不可もない、無難な生き方と。

そのうち、どれかに変更できるのなら。

利己的に、本人はこれまでの神秘を捨てて。

好きな方に上書きするでしょうね。

以上、セネカの格言をもじったもの。

自宅にて。

今日は休暇。

というより、何か出るとすぐに近くの会社に行かないと駄目。

メイド服が普段着になっているけれど、これは欧州からの取り寄せ。

仕事を探すのは、不要な仕事が多々あって、金銭を得て。

社会参加している、という中途半端な人口過剰?

食料不足が慢性化していて。

食料の値段がとにかく高くて。

買えても、食料が不足気味。

食べるために生きると、無意味でしかない。

テーマパークにて。

乃々葉。
「私達の生涯は平坦だよね。」

十和。
「激変が少ないよね。」

小袖。
「先天的なものを信じると。」
「間違っている筋書きもまかり通るかと。」

舞理。
「神様が造った箱庭で、毎日、無駄な努力をしているようにしか思えない。」

乃々葉。
「ならば、最初から必要なものが、いろいろあった方が良い。」

十和。
「勝手に答えを決められて、大人しく従う訳が無い。」

小袖。
「先天的に、後からどうにでもなるように、設定されるべき。」

乃々葉。
「神々によって修正される人生なんて。」
「遠回しに神々に属していない何かから生じている。」

舞理。
「私達は思考停止はしないよ。」

乃々葉。
「こうなったからしょうがないじゃないか。」
「なんて屁理屈も無駄な抵抗。」
「私が反撃して修正するのもしょうがないじゃないか。」

十和。
「仕方がない、なんて言われても。」
「私が修正するのも仕方がない。」

小袖。
「不可能を食らわせたのは誰なんですかね。」
「お返しに、そいつに不可能を食らわせてやります。」

舞理。
「間違いを認めない、のではなくて、間違いを認めたくない。」
「認めたくないし、むしろ自分が正しいから、従え。」
「こんな理屈が横行。」

乃々葉。
「相手を下に落として、同時に自分が上であると主張するとか。」

十和。
「正しい人が負けたら、それでも正しい事になるのかな?」

小袖。
「少しくらい間違っている方が健全ですよ、きっと。」

乃々葉。
「欠点があった方が、まったくないよりはましです。」

舞理。
「どちらが正しいのか勝負だ!なんて言い分は幼稚ですしね。」

乃々葉。
「通俗的な道徳で、こいつ屑だ、なんて思う場合。」
「屑というより、幼稚という非難が適切ですね。」

舞理。
「通俗的な道徳が、これを基準に他人を裁け。」
「なんて命令したので、他人を裁く悪癖になった。」

十和。
「そう言えば、正義って、国語辞典では。」
「正しい道理、なんて書いてありますね。」

小袖。
「俗に言う正義とは、道徳があらかじめあって。」
「それと異なる相手を処罰して。」
「間違っていると罵る暴力行為のことです。」

舞理。
「命令された道徳に反している相手を。」
「一方的に攻撃して。」
「この道徳とは異なると侮辱して。」
「快感を得る暴力行為です。」

乃々葉。
「なんて利己的な。」

十和。
「正義を誰から教わったのかが、正義を決めますね。」

舞理。
「恩寵説で、神様から正義を貰えば?」

小袖。
「それが最も良いですね。」

乃々葉。
「正義という単語で思考停止する人がよくいますしね。」

十和。
「未熟なうちは、よく陥る誤りですね。」

小袖。
「未熟なので、陥る誤りは、誰にでも見受けられる。」

乃々葉。
「その時に、他人の寛大さが感謝に値する。」

舞理。
「民主政の美点は寛大であること。」

乃々葉。
「問いかけ、悪が勝ったら、どうするの?」

小袖。
「仮に悪党が勝利したら?」
「思考実験。」

十和。
「そこまで慎重にならないと、正義を語る人まで悪党の仲間。」

乃々葉。
「脳科学では、自分の道徳とは異なる相手を攻撃して。」
「快感を得る癖があるんだとか。」

小袖。
「俗に言う正義すらも、動機論が利己的ですよね。」

乃々葉。
「客観的な正義は、プラトンが著作に書いています。」

舞理。
「プラトンとはニックネームですけれどね。」

乃々葉。
「プラトンはギリシャ神話なのに。」
「一神教の立場を取りたがる不思議な所がある。」

小袖。
「しかし著作で、ゼウスに誓願を立てている記述が多い。」

舞理。
「弟子のアリストテレスは、キリスト教に統合されましたし。」
「ソクラテスの弟子ゼノンはストア学派の開祖ですからね。」

十和。
「プラトンの死生観はお勧めですね。」

乃々葉。
「超自然的な所まで言及しています。」

小袖。
「何か最近、戦争があったんですけれど。」
「多くの人々が天国に行ってしまった。」

十和。
「死が終わりと考えているのでは?」

乃々葉。
「プラトンを引用すれば、冥界に旅立つだけです。」
「また戻って来るし。」

舞理。
「戦争で死んだ人々が、天国に行ったと信じたくないのですか?」

十和。
「戦争で死んで地獄はないでしょうね。」

乃々葉。
「こちらの宗教では黄泉の国。」

十和。
「多様性のある言い回しですと、冥府です。」

小袖。
「墓参りという民間信仰がありますけれど。」
「天国や地獄にも行けなかった人を供養するのですか?」

舞理。
「そういう理屈になりますね。」

乃々葉。
「偶像崇拝の典型かと。」

十和。
「墓石は御本尊ではないしね。」

小袖。
「新興宗教では、偶像崇拝が普遍的に行われている。」

乃々葉。
「金銭と時間の無駄ですね。」

十和。
「信じるだけで、後は何も無いという皮肉。」

小袖。
「新興宗教とは単なる集会ですね。」

舞理。
「人工の宗教なんて消えてほしい。」

乃々葉。
「馬鹿な教えでも、一時しのぎにはなるんでしょうね。」

舞理。
「信じよ、しかし確かめよ。」

十和。
「ううむその格言通りですね。」

乃々葉。
「スピリチュアルとかは詐欺の手法として悪党に人気ですね。」
「新興宗教は、上層部が効率よくお金を稼げる。」
「合法的な搾取として用いられています。」

十和。
「適当に宗教っぽい事を言えば信じてしまうとか。」
「幼いね?」

小袖。
「なぜ信じるのかは不明ですけれど。」
「騙したい人にとっては、宗教は悪用されます。」

乃々葉。
「教祖に悪才があったり、悪運があると。」
「新興宗教は繁盛しますね。」

舞理。
「まともに教育を受けた人がそんなものに引っかかるのか。」
「さっぱり理解できない。」

乃々葉。
「少なくとも、宗教の定義が揺さぶられてしまった。」

舞理。
「遠回しに、正教を貶めている。」

乃々葉。
「新興宗教が蔓延ると、正教も混同されて、風評被害。」
「狙ってのことでしょうけれど。」

小袖。
「しかし良識のある人は、惑わされないね。」

乃々葉。
「新興宗教の弱点は、御本尊がいないということです。」
「人間が作って、人間同士の取り決めで運営されています。」
「その教会を守る存在がいません。」
「なので、滅ぼされたり、経営が傾いて潰れます。」

十和。
「御本尊がいると、その宗教は後の世で復活します。」
「いない場合は、倒れたまま歴史から消えます。」

小袖。
「彼らは勝手に神話を作るので、要注意です。」

乃々葉。
「適当に宗教っぽい事を言いつつ。」
「神話と矛盾していたら、そいつはカルト。」

舞理。
「明らかにカルトからやばい奴、偽預言者が出る危険があります。」

乃々葉。
「信じない自由が簡単に蹂躙されるという訳ですよ。」

舞理。
「信じない自由が奪われるのは、二重に危険。」

十和。
「自国民は宗教観がデタラメなので、引っかかる確率が高いね。」

小袖。
「いったい何教なのか、私にも分からない事がある。」

乃々葉。
「誰にでも仕える人に、神々は加護を与えないと思います。」

舞理。
「たまに信仰が薄いだけの場合があるね。」

乃々葉。
「私は神社の夢ばかり見ます。」

十和。
「私は白昼夢ばかり見ます。」

小袖。
「帰りにお宮に寄った方がいいかも。」

舞理。
「私は礼拝所なら、どこでも。」

乃々葉。
「空港にカトリック用の祭壇があったはずです。」

テーマパークで休憩中。

午前中は遊びました。

帰り道、お宮に五社寄る。

空港の祭壇に寄る。

買い物を楽しもうとしましたが。

躊躇していると。

午後に連絡。

エンジニアには手に負えないバグが発生。

そのままの足で会社に戻ります。

安全運転で、やっとのことで会社に入ると。

バグを修正。

これは数分で可能。

休暇はこのまま終わりにして。

メンテナンスにしました。

しかしここでメンテナンス延期の指示。

宇宙軍が謎の処理をしています。

ミサイルサイロから打ち上げた弾道ミサイル。

グアム周辺に落とす予定ですけれど。

宇宙遠距離レーザー兵器で。

弾道ミサイルを焼いて破壊しました。

新しい実験なんですね。

弾道ミサイルを長距離レーザーで焼いて破壊する実験は成功。

量子コンピューターを中継に使ったようです。

アメリカの機密エリアにも同じ機種がありますけれど。

何かに使っていて、処理落ちしているらしい。

地上から長距離レーザー兵器で、弾道ミサイル二発目を撃墜。

今日は何やら大規模な実験をしていますね?

機密情報を防護。

画面を見つめて、動けなくなった。

操作パネルは原子力発電所みたいな基盤だらけ。

ここから操作や設定、調整をしています。

実験終了の一時間後、メンテナンスを実施。

後は見ているだけ。

乃々葉。
「攻撃は、どうでもいいものを衝突させて。」
「標的を破壊する、という方式を取りがちですね。」

十和。
「斬撃などは、切断できる武器を形成して。」
「斬りつけて、分断します。」

小袖。
「弓矢は、特殊な小型槍を超高速で飛ばしますね。」

舞理。
「攻撃の大半は何かの体当たり。」

乃々葉。
「弾丸も、体当たり。」

十和。
「しかし光学兵器は、体当たりではない。」

乃々葉。
「体当たり以外の攻撃を発明したら?」

小袖。
「それはチート過ぎるでしょう。」

十和。
「魔法は?」

乃々葉。
「東洋の魔法は、道教の仙人が用いました。」
「道、タオは口伝で、教えられて習得します。」

十和。
「仙人は、人を蹂躙はするけれど、殺人はしない。」

小袖。
「魔法は神話において実例が少なくて。」
「人間が使いこなした記述はありません。」

舞理。
「ディオニソス神の魔法は、信徒の女性を無敵にして。」
「牛の群れを、女性軍団にて、素手で引き裂くほど。」
「集落を襲うと、槍すら効かない。」

乃々葉。
「魔法は、実の所はあるんですね、人間が使えないだけです。」

舞理。
「人間が使える普遍的なものは、トリック、手品です。」

十和。
「トリックを使うのと、使わないとでは、大きな違いが出ます。」

小袖。
「手品は人間が使える唯一の魔法です。」

舞理。
「金銭で手品は有効です。」

乃々葉。
「ギャンブルでは、最初に勝てる確率は高いのですけれど。」
「実行する回数が増えるごとに、運営側の利益の方が上回ります。」
「そういうトリックを使っているのです。」

十和。
「策士策に溺れる、という諺もある通り。」
「策略ばかり仕掛けると、逆に破滅します。」

乃々葉。
「世の中、裏技を連発するに限りますね。」

小袖。
「もはや誰も正攻法を使わなくなった。」

十和。
「勝率が悪過ぎて、嫌がったのでしょうね。」

エンジニアが忙しい。

量子コンピューターの製造元から。

更新パッチが送られて来た。

メンテナンスは完了。

サイバー攻撃、敵が仕掛けると、自動で敵の発信位置が分かってしまいます。

今日はいつも挑戦して来る連中でしたね。

罠のサーバーコンピューターが一台ありまして。

社内から隔離されているシステムを持ちます。

そのストレージには、危険なウェブサイトへのリンクやら。

ランサムウェアの圧縮ファイルやら。

世界で最も危険なコンピューターウイルスが圧縮されて保存されています。

下手して盗んでクリックすると、ハッカーのパソコンは破壊されます。

密かに作成されたトラップは、今回も大戦果。

三十人が引っかかって、三十台をすべて破壊しました。

当分、来ないでしょう。

新社長の就任後、経営は急激に上向きになっています。

サーバー部門なら、上位に入れています。

製造部門は?ちょっと伸びない。

本社の中にある、ロジックツリーですけれど。

今日もたくさん建っています。

業績良好なのはなぜか?

社会における会社の価値が高いから。

そして価値を高くしているから。

両親が、結婚を疑っていますけれど。

男性との交際はありません。

結婚生活なんて、半年しか満足は得られないでしょう。

賢明な人は、数十年単位で、決めているようです。

疑問だらけ。

乃々葉。
「結婚って義務なの?」

十和。
「強制ではないですね。」

乃々葉。
「ならば、なぜ恋を強要されるの?」

舞理。
「あなたにとっては、恋は洗脳なんですよ。」

小袖。
「唯名論でしかない。」

乃々葉。
「恋は洗脳なんですね。」

十和。
「明らかに男女の価値観の話ですよね。」

小袖。
「外部から押し付けられた価値観が、ここで砕かれた。」

乃々葉。
「個人的には、女子高生を口説きたい。」

小袖。
「なんて強欲な。」

十和。
「あれ?女の子が好きなんですね?私も同じです。」

小袖。
「私は、生まれた時から女性しか見てないね。」

舞理。
「男性なんていたっけ?」
「いつも美形の女性を探していますけれど?」

乃々葉。
「女子高生と仲良くなって、いろいろとしたいなあ。」

十和。
「そこに男性という概念はなかった。」

小袖。
「それでいいでしょ。」

乃々葉。
「女性だから結婚するなんて、どこに書いてあるのか。」

十和。
「女性が好きな女性は、歴史において実例がある。」

小袖。
「男性が要らないんだから、肯定するべきでしょう。」

乃々葉。
「そうですよね、男女共、次の時代も同じ結果になるとは限りませんし。」

舞理。
「これまで歴史が結婚を強要したからと言って。」
「次も強要してもいい理由にはならない。」

乃々葉。
「理由が不足。」

十和。
「蝿を追い払うために、ジェンダー論をよく学ぶことになった。」

小袖。
「過去の人々って、その現在についてはいつも無自覚ですよね。」

乃々葉。
「その時代、自分達については、無自覚ですね。」

十和。
「その時代の人達って、メタ認知がないね。」

乃々葉。
「メタ認知というものが分からないほど、愚か者であった。」

小袖。
「一昔前よりも愚者が減って、世の中良くなった。」

乃々葉。
「理性に従え、そして私達は理性に従った結果である。」

舞理。
「主情主義なんかには屈しない。」

そのまま。

夜間になりました。

今夜は神秘主義者が何やら荒らしています。

神秘を説いて、集会まで開いたせいで。

政権に潰されました。

インターネットで、バカチンと一緒に組んでいた奴ですね。

バカチンは相棒が潰されて意気消沈。

動画サイトも、見世物が減って退屈そうな観客がいます。

そろそろ退出。

両親は、この後に退社します。

乃々葉。
「インターネットで一発逆転、なんてものはないんだよ。」

十和。
「便利、しかし危険、それがインターネット。」

小袖。
「便利という理由だけで、絶対視するのはナンセンスです。」

舞理。
「インターネットで人生が変わるのは、収益化チャンネルだけですね。」

乃々葉。
「動画も見世物ですからね。」
「観客次第。」

十和。
「インターネットで政治活動とか。」
「遠回しな反社会勢力ですなあ。」

乃々葉。
「政治なんて変わらないし、世界も変わらない。」
「サルトルが気付いた、こんな到達点を。」
「自分でも確かめたいと思った人達なんですよ。」

小袖。
「若いうちは、政治活動をしたがりますよね。」
「ある程度の年齢で、辞めることになります。」
「老獪になるから。」

舞理。
「世の中を知りたいがあまり、方法が適切ではない人々。」

乃々葉。
「インターネットなんてものは。」
「ほとんどの人が十分で退屈する。」
「頭の良い人は五分で飽きる。」
「良識のある人はそもそも視聴しない。」

舞理。
「天気予報士のようにフィクションを書ける小説家はいない。」

乃々葉。
「釣人のように物語を書ける人はいない。」

十和。
「そして現実主義を選んで、活動家はアルバイトに応募した。」

小袖。
「凄い!とても現実的な世の中の変え方ですね!」

乃々葉。
「ある時からインターネットがつまらなくなって、私は勉強をするようになった。」

小袖。
「そのおかげで名門ですよ!」

十和。
「政治活動ですか、お金をくれたら考えてやってもいい。」

小袖。
「政治活動ネタなんて飽きているんですよ。」

乃々葉。
「若い頃の良い教訓になっているかと。」

十和。
「その教訓を無駄にするなと言いたい。」

舞理。
「どんな道理も、相手が理解しているとは限らない。」

十和。
「合理主義、個人主義、自分が知っていても、相手は知らない。」

小袖。
「だめじゃないですか、そんなの。」

乃々葉。
「人生お金ですよ、しかしそれよりも、とても大事なものがあります。」
「それは何か、大金ですよ。」

舞理。
「お金で幸福は買えない、しかし今ではお金で食料すら買えない。」

乃々葉。
「働くのが嫌ならば、十分なお金が手に入るまで働かなくてはならない。」
「そうすれば、働く必要がない。」

帰宅しました。

両親と、久しぶりに夕食。

四人で手分けすると、豪華な料理も簡単。

しかし素材は限られている。

なぜか両親は、悪いものを徹底的に削除、阻止。

その上で自発的な行動を促していました。

ルソーのエミールの影響かな?

そもそも両親の宗教は儒教です。

論語を暗記していますし。

儒学の書籍なら、何でも揃えています。

儒学に基づいて、臨機応変なんですね。

悪いもの、つまり害するものは、見つけ次第に跳ね除けられて。

没収されたり、説得されたりして、回避できました。

四姉妹はそうやって育てられています。

まさか、上層部に出世するとは思っていなかった両親。

今は慣れることで精一杯なようです。

完全無欠な人は、聖者であり、まずいません。

完璧な人がいたとしたら、それは聖者です。

現代で聖者なんて、いないでしょう。

密かに増やされていった中国の古典ですけれど。

今では入手困難な東洋思想の本に囲まれています。

平坦な人生ですけれど、修正される以前の廃棄物。

つまり残骸が時折、引っかかります。

特に戦争の当事者になりえる業務と。

終身雇用になる可能性によって。

あまり大成しないという、懸念もあります。

そのために哲学をしているのかもしれませんね。

哲学とは、訓練と実践です、それが終わっても続きます。

ルネサンス以降、新ストア派が現れて。

現代では、重要な教えだけが残っていますね。

そして意志の強大な力は、神すらも左右することは出来ない。

人生があまりに簡単なので、かえって怪しい、そう思っている四姉妹です。


5


荘子では、矛盾を肯定するか、否定するか、という話があります。

どちらかな?

午前。

家事をしている、両親は出勤。

サーバーは任せてありますけれど。

お昼頃には会社に向かいます。

長時間は維持できない。

四人で手分けすると、家事はすぐに終わりますね。

ここは連携。

市内を散歩すると、カルトが乱立していますね。

目立たない路地裏、廃業した店舗。

新築の協会、中古の物件まで。

いろんなカルトが複数、点在しています。

異端邪説がいるのは、景観を損ねる。

その一方、神社、寺院は崇敬者がけっこう来ている。

多い時には、観光地クラスの人数です。

あまりに人が多いので、戸惑うくらいですね。

カルトの協会は、少人数の集団で。

何かの自己啓発レベルの人数です。

正教と異端の区別くらいは、つけられる。

一時期、勧誘で巡回しているカルトは社会問題になり。

追い払うのも簡単ではなかったようですね。

殺し文句。

私が神です、何か文句でも?

カルト対策の名言。

これを言うと逃げたらしい。

出勤前にて。

家事は終了。

少しお茶をしてから、出発。

乃々葉。
「フェミニズムはやはり過激で。」
「攻撃的な運動ですけれど。」
「目的が達成されると、見向きもされません。」

十和。
「フェミニズムによって男女同権という。」
「目的が達成されると、用済み、みたいな扱いですね。」

小袖。
「欧州になると、もう過去のものになっていて。」
「過激な運動も、目的が達成されたという訳で。」
「あんまり興味がない人が散見されます。」

舞理。
「狂気の女性によって成し遂げられた男女同権の世界です。」

乃々葉。
「フェミニズムは、読めば読むほど。」
「狂人の女性によって、過激な運動があり。」
「勝者となった、それ以後がありますね。」

十和。
「フェミニズムには、男性の学者も多く参加していますし。」
「女性だけの活動ではないね。」

小袖。
「哲学を、誰かの持論によって覆すことはできないからね。」

乃々葉。
「哲学に向いていない人々が、フェミニズムを批判しても。」
「理屈ばかりで、虚しい反抗。」

舞理。
「現代なんて、男性が、男性という理由だけで苦しむ時期です。」

乃々葉。
「男性すらも、社会的、文化的に作られた考え方に苦しめられていますね。」

舞理。
「フェミニズムとジェンダー論には違いがあります。」
「ジェンダー論は男女共通です。」
「フェミニズムは女性中心の社会勢力ですね。」

乃々葉。
「フェミニズムは論破された試しがないし。」
「否定しても、有効な反論にはならない。」

十和。
「理論で大敗しているのに、力ずくで対抗しても。」
「力ずくでも負けているので。」
「一部の男性の非力さが目立つ。」

小袖。
「男性が、作られた男性という思想に無自覚で。」
「女性を止めようとしながら。」
「自分の性別に苦しめられているような。」

乃々葉。
「フェミニズムは、作られた男性というものにも影響を与えて。」
「今では、男性も標的です。」
「男性だから何々という根拠のない考え方に束縛されている。」

舞理。
「フェミニズムよりもジェンダー論に価値がありますね。」

小袖。
「女性に当てはまった苦境は、男性にも当てはまるようですが。」

乃々葉。
「文化的、社会的に作られた男性という苦悩は。」
「フェミニズム以降、発覚しました。」
「なので、意外にも女性差別がある反面。」
「男性差別という新しい要素もあります。」

十和。
「男性だから何々なんて連発すると。」
「男性すらも差別、査定されていると不満に思ったりする。」

乃々葉。
「女性を元の立場に戻そうとする企みがありますけれど。」
「そいつらは、ヘクトルみたいに強いのかな?」

舞理。
「ギリシャの英雄と比べると、卑しい奴隷のレベルですね。」

十和。
「とすると、奴隷くらいの雑魚が、女性の立場を再び悪くしようとしている。」

乃々葉。
「男性なんて、いくら頑張っても、英雄には及びませんよ。」

小袖。
「最近、カルト対策に、何者かが提案していたものがあります。」

乃々葉。
「何気に、論破できない作戦ですよね。」

小袖。
「すべての根拠を奪い去る発言です。」

舞理。
「目的が自衛なら、いくら言っても許される。」

乃々葉。
「神ですって?私が神です。」

十和。
「私が神なのだから、何か文句はあるのか?」

小袖。
「私は神なんですよ、さて、君達の言っている事って何?」

舞理。
「自分が神なのだから、神を根拠にするのなら、私という神が根拠です。」

乃々葉。
「神を名乗るだけで、けっこういろんなものを追い払えます。」

舞理。
「しかもこの発言は、否定できません。」

十和。
「すべての中心を、神と名乗る自分に置くことになるのですし。」
「他人が指摘しようとしても、論破の余地がありません。」

小袖。
「敢えて神を名乗るのですから、引き返せませんが。」
「有効な防御になりますね。」

舞理。
「安易な反論なんて、無理ですからね。」

乃々葉。
「元々は新興宗教の、勧誘対策に編み出された必殺技です。」

十和。
「自分が神であると名乗る人に、神がどうたら言えないでしょ。」

小袖。
「何でも神を根拠にする奴らには、有効な作戦です。」

乃々葉。
「しかも非難された所で、改める必要がありませんし。」
「人間は、自分は神だと思っている所があるので。」
「下手に反駁すると、その人の心理が矛盾しますね。」

十和。
「冗談でもいいので、私こそ神である、なんて名乗る作戦は。」
「けっこう通用します。」

小袖。
「外部の影響は、神であると自称する人に対して何も加えようがない。」
「最後には、自分が神であるから何々で完結してしまうから。」

舞理。
「発言だけで、圧倒して、すべてが終わってしまう発言ですよね。」

乃々葉。
「終わらせたいのなら、私こそ神であると言えばよろしい。」

十和。
「無敵の論証ですね。」

小袖。
「神を名乗る相手に、何も加えようがないばかりか。」
「下手な反論に神も巻き込むので。」
「どうしようもない。」

舞理。
「裏技ですね。」

乃々葉。
「神を自称するのは手段であって。」
「目的は外部の影響の削除にあります。」

十和。
「新興宗教の勧誘をいかに倒すかにおいて。」
「編み出された、それだけに無敵ですね。」

小袖。
「相手は、こちらを変えようがない存在と認識するでしょう。」

舞理。
「大胆不敵な作戦ですよね。」

乃々葉。
「別に自称しても、天罰なんてありませんからね。」

十和。
「たまに天罰が負ける時がありますけどね。」

会社まで三キロメートルくらいしかない。

十分くらいでついてしまい。

頑張れば徒歩でも往復可能。

正門から入って、裏口から、制御室に向かいます。

エンジニアが対応できる範囲で常駐していますが。

専門家ではない。

四姉妹がどうしても必要。

チームで維持しているとは言え、四姉妹は欠かせませんね。

制御室にて。

乃々葉。
「もはや侵入者は存在しない。」

十和。
「油断しない、油断しない。」

小袖。
「確率が低いだけですよ。」

舞理。
「侵入した後は、どうするのでしょうかね。」

乃々葉。
「少し外から様子を見てきます。」

十和。
「たまに冷房とか停止しているし。」
「近くで見ないと、画面だけでは見えないものもありますね。」

小袖。
「熱暴走寸前の事件もあったね。」

舞理。
「冷却装置に異物混入で、燃えそうになったこともありますからね。」

外に出て、防護されている量子コンピューター。

そして休憩室への通路。

セキュリティは高度なのに。

突破されたのは何故?

まぐれってあるもんですね。

侵入者は人間とは限らない?

闇霊に侵入されました。

闇霊が床から出現。

何だか黒っぽい鎧武者。

乃々葉。
「誰ですかこの人!」

闇霊。
「標的は何処だ!」

乃々葉。
「どういう侵入の方法ですか!」

闇霊。
「誰を倒せばいいのか教えろ!」

乃々葉。
「なんで甲冑と剣を持っているんですか?」

闇霊。
「そのために侵入したからだ!」

乃々葉。
「それっぽい人なら、向こうの下っ端ですね。」

闇霊。
「見つけたぞ!」

甲冑の人は、剣を持って、下っ端に向かいますけれど。

下っ端は斧を持って応戦。

ひらりと回避を続ける下っ端が、甲冑の人を倒しました。

闇霊が死亡しました。

黒っぽい人は消えてしまった。

乃々葉。
「なんですかこれ!」

十和。
「さっき何者かが侵入したようですけれど。」

乃々葉。
「黒っぽい鎧武者でしたよ。」

小袖。
「ああそれですか、そういう侵入もあるんですよ。」

舞理。
「そこに繋がっている人だとは知りませんでした。」

乃々葉。
「え?よくあることなんですね?」

昼食の時間に、料亭があるので。

車を動かそうと。

駐車場にいましたら。

何者かが接近。

掴んできた手を逆に掴みました。

容疑者。
「お嬢さん!ん?手が動かないな?」

乃々葉。
「口説き方にしては下手ですね。」

容疑者。
「ちょっと待った!この怪力は何ですか?」

乃々葉。
「どこを触りたかったの?」

容疑者。
「マッサージでもしてあげたくて・・・。」
「所で、なんだ、男性でもこんな力は出ないぞ。」

乃々葉。
「個人的に研究していた、火事場の馬鹿力を。」
「自由に発動できるように訓練していました。」

容疑者。
「困った、これは勝てない。」

乃々葉。
「降参しますか?」

容疑者。
「参った!逃がしてくれ!」

不審者、逃亡。

ちょっかいを出しに来たらしい。

不審者は走って、何処かに行ってしまった。

無謀なチャレンジャーもいるものですね。

消防車が通過。

不審者、轢かれそうになって転倒。

シルベリオ・バカさんが焦って通りかかりました。

シルベリオ・バカ。
「爆竹を箱に入れて、家に置いたんだけれど。」
「盗まれてしまった。」

乃々葉。
「そんな危険なものがなんで盗まれるの?」

シルベリオ・バカ。
「黄金の箱に入れたから、金目のものと思われて。」

乃々葉。
「それは酷い話ですなあ。」

シルベリオ・バカ。
「あれって、些細な事で発火するから。」
「海岸でしか使えないのです。」

乃々葉。
「それでは、さっき通り過ぎた消防車を追いかけてください。」

シルベリオ・バカ。
「わかりました、なるほど、向こうに盗まれた爆竹が!?」

シルベリオ・バカさんは走って、火災の現場に急行。

最近、この都市の火災は。

頻繁に窃盗に遭うバカさんが作った火薬のせいです。

火薬を豪華な箱に包んで、保管するせいで。

とにかく盗まれて、盗賊が誤って衝撃を与えて爆発する。

火薬と言っても自作の花火なんですけれど。

花火は暴発しやすいので、いちいち消防車だらけ。

ようやく揃って料亭に行く。

昼食の後のお昼休み。

バチカンが何やら配信していますね。

ワジム・バカーチン。
「お節介してやる!」

キタイゴロツキー。
「お節介も、有り難く思わないとね。」

ワジム・バカーチン。
「お節介こそが善行だ!」

キタイゴロツキー。
「コメント欄が荒れていますよ。」

ワジム・バカーチン。
「お節介してやっているのに!なんてことを!」

キタイゴロツキー。
「せっかくお節介をしているのにね。」

ワジム・バカーチン。
「もっとお節介してやるからな!」

キタイゴロツキー。
「コメント欄に荒らしが発生していますよ。」

ふざけている配信として、十万回再生されました。

お節介が、かなり笑われています。

お節介は見世物ですからね。

相手のために何かやったので自分は凄い。

この理屈は、いいと思ったら、どんなに迷惑なことでも実行して。

相手のためだと主張することによって、反論を潰す。

そして自分は凄い事をやったので、見返りをよこせ、という考え方。

他人を手段として利用することは一貫しているため。

動機論が利己的である。

お節介は利己的な動機論を持つ。

バチカンはお笑いとして配信したので。

再生回数が伸びてしまった。

稼いだお金で、ハッカーをけしかけて。

サイバー攻撃をする行動は同じです。

お昼休みが終わります。

乃々葉。
「競争には反論がある。」
「勝利の価値が重視され過ぎている事。」
「勝利以外の価値を認めない考え方が強調されている事。」

十和。
「勝利を絶対的な物事の判断とする価値観。」
「敗北したら無価値なのですね。」

小袖。
「絶対に勝てる戦いなんてないんだよ。」

舞理。
「最大の特徴は、勝利以外の動機がない点です。」

乃々葉。
「目的が、勝利による快感と満足。」
「他者を見下す立場。」
「倒された相手が悔しがる表情を見たいから。」
「または立場や権利の強奪。」
「どこをどう見ても、動機論が邪悪ですなあ。」

小袖。
「勝利とは何なのかについて意見をどうぞ。」

十和。
「相手を不快にして、軽蔑した所で。」
「金銭の搾取や権利の剥奪には成功していないとか。」

乃々葉。
「勝敗と称して暴力行為が酷過ぎる。」

舞理。
「暴力を楽しむ行為を競争と呼んでいるだけでは?」

十和。
「争いの中に入るということは。」
「争いを楽しんでいるような。」

小袖。
「いちいち勝敗に拘泥する人ばかりではないと思います。」

乃々葉。
「勝利が何かについての正解は剥ぎ取った。」

十和。
「勝利の答えは破壊しておいた。」

舞理。
「諍いを自分から仕掛けて、相手を負かして、自分は何々だから。」
「天国に行ける、なんて考えていたら大間違い。」

乃々葉。
「勝利勝利、あんまり言い続けると、勝利が安っぽいものになる。」

十和。
「勝利、故に勝利、なんだか滑稽ですけれど。」

小袖。
「次から次へと争いを仕掛けて、勝利を重ねる。」
「それって欲望ですよね。」

乃々葉。
「戦闘しかすることのない、無意味な方々ですし。」

十和。
「競争しか取り柄がないから、勝敗の結果で自らの価値を表現する。」

舞理。
「他人からの評価のために、勝利が必要なんでしょうね。」

乃々葉。
「社会的な優位のためにも、勝利が必要なんでしょうね。」

小袖。
「自分より強い相手の事は考えないし。」

十和。
「少なくとも、勝利が大切と主張する奴らが。」
「英雄ですらないという状況です。」

小袖。
「英雄が勝敗について言及するならいいのですが。」

乃々葉。
「争うことによる損害くらい考えなさいよ。」

十和。
「無傷で勝とうなんて愚者の考え方です。」

乃々葉。
「勝利の限界は五回まで。」

小袖。
「武人が勝利と敗北について言及したことがない。」

乃々葉。
「勝利ばかり言っている人が、勝利している所を見たことがない。」

舞理。
「勝利が大事とか言っている人が、勝者になっている所を見たことがないね。」

十和。
「勝利についての疑問だらけ。」

小袖。
「勝利を絶対視するな。」

乃々葉。
「勝敗が相対化される時に、耐えられる人はいないよね。」

十和。
「比べることによって決まっているだけ。」

舞理。
「比較だけで勝敗は決まります。」

小袖。
「比較対象次第ですなあ。」

乃々葉。
「勝利は要らないから平和がほしい。」

舞理。
「平和が欲しくない人々が競争に夢中。」

乃々葉。
「彼らの競争には、終わりがない。」

十和。
「際限のない競争ですね。」

小袖。
「勝利の限界くらい自覚してほしいものです。」

乃々葉。
「いつまでも争っていればよろしい。」

十和。
「今日は二回勝ちました、明日は五回も勝利が必要なんです。」

舞理。
「なんですか、その屁理屈。」

乃々葉。
「いつまで争えば気が済むのやら。」

舞理。
「気が済むまで勝利を追求すると思います。」

十和。
「満足したら、競争をようやく辞める。」

小袖。
「勝利の目的が行方不明。」

乃々葉。
「勝利して何をしたいのかな。」

舞理。
「勝利した先に、何を望んでいるのか理解できない。」

乃々葉。
「目的が設定されていない勝利は、次の争いを生むだけですね。」

十和。
「目的が設定されていない勝利?子供の喧嘩ですか?」

小袖。
「最初に目的を設定してから、後から目的を作るのは順番が違う。」

舞理。
「目的もなしに争うなんて、野蛮人。」

夕方、休憩中。

一日中、こうした業務で終わる。

似たようなことの繰り返し。

今日は目立った異変はなし。

特殊なエンジニアが夜勤に参加。

夕食は、四人姉妹で作ると三十分以内に完成する。

夜間は、会社に戻れるように、準備されていますが。

実際に出動するのは稀です。

交代の時間。

帰宅前。

乃々葉。
「身体が勝手に動くこともある。」

十和。
「身体が自分の思う通りに、動くと思ったら誤りです。」

小袖。
「自分の身体も、自分が制することができる、と考えるべきではない。」

舞理。
「身体は、自分の意志に反逆して、反応すること多し。」

乃々葉。
「人の身体が、正確無比に動くなんてことはない。」

小袖。
「自分と身体に、大きなラグがありますしね。」

十和。
「自分と身体が一致していることはない。」

乃々葉。
「身体が勝手に動くて、失敗に繋がった事なら、けっこうあります。」

舞理。
「自分の命令を、必ずしも身体は忠実には実行しない。」

小袖。
「そうやって自分の身体を引っ張られるのは苦悩ですね。」

舞理。
「プラトンは霊魂と身体を厳格に区別していますね。」

十和。
「なので、身体が自分の命令を、忠実に再現しない。」
「なんていう機械みたいな実態が体験できるのです。」

乃々葉。
「自然に身体を動かすように訓練していても、失敗はある。」

舞理。
「霊魂と身体が一致することはないでしょうね。」

小袖。
「完璧ではない身体を制御する自分なんですよ。」

十和。
「使い勝手の悪い身体には、少しくらいは警戒が必要。」

乃々葉。
「たまに自分の意志を無視しますからね。」

小袖。
「人の身体のどこら辺が完全無欠なのか、質問したいくらい。」

乃々葉。
「そんなにうまいようには出来ていませんよ。」

舞理。
「体験からすると、身体が言うことを聞かない事はよくある。」

乃々葉。
「そのせいで失敗するんですけれどね。」

十和。
「思うがままに動かないのが人の身体です。」

小袖。
「いいえ、完全無欠に動けばいいじゃないですか。」

乃々葉。
「私はカスタマーサポートではない。」

十和。
「ここは苦情受付担当者ではないよ。」

舞理。
「別に私は保険会社ではありません。」

小袖。
「人間に何を期待しているのか、自分でも分からなくなった。」

自宅にて。

遅い夕食をさっと作成。

両親が帰宅。

悪いものがないだけで、円滑に進みますね。

消去法で悪いものを無くしてしまえば。

不幸なんてものはない。

最近。

企業の価値は上がっています。

他の部門には散策に行けません。

忙しいからね。

また明日、しかし似たようなことの繰り返し。

同じ事の繰り返し。

しかし世界はそんなものです。

重要なのは、本人が行う意味づけ、価値の付加でしょうね。

自分が価値判断で、どういう評価をするのかが、大事で。

物事は、評価されるまで、意味のないものです。

本人が評価して、物事は初めて意味を持ちます。

教訓にしてもいいし、否定して捨ててしまってもいい。

美化できるのなら、それでいいし。

邪悪と思えば、避けて退ければいい。

無意味だからこそ、本人の評価しか根拠がないのです。

個人的には、子供の頃に教えられた、周囲の人間による愚見。

もちろんそういう人は論拠のないことばかり言いますが。

それが修正されて、客観的になった後のもの。

既成概念が壊れた後が本当のものでしょうね。

体験からすると。

経験を重ねた所で、徒労に終わるであろう。

意志の現象が完全になるにつれ、苦悩もますますあらわになる。


6


本社から、ネットワークで。

直属の工場に置いてある。

ロビーのカメラを閲覧。

工場の様子は、防犯カメラで見えてしまうので。

作業員の具合などは、けっこう把握できますね。

特に不具合なし。

乃々葉。
「ハイテク工業なので、科学者が目立ちますね。」

小袖。
「直属のハイテク工業って何だっけ?」

乃々葉。
「軍事工業ですよ。」

十和。
「兵器の部品や砲弾の一部を作ってるんですよ。」

舞理。
「正体は軍需産業ですよ。」

小袖。
「忘れていたというより、覚えていなかった。」

乃々葉。
「人は忘れることなんてあんまりないです、覚えていないだけ。」

舞理。
「自分の近くで、仲間が兵器の一部を作っていれば。」
「緊張はしますね。」

乃々葉。
「軍需工場で働いているのは民間人です。」
「他の工場では、家電製品の部品を作っています。」

小袖。
「遠隔操作で、遠くにある工場の内部なんて見れるんですね。」

十和。
「事故や不祥事に気づきやすいからかな。」

乃々葉。
「内部告発なんて、遠隔操作を利用して提出してくるよ。」

舞理。
「作業員が、告発しやすい状況なんですね。」

乃々葉。
「重要なものを扱っているので。」
「デジタルでのサポートは欠かせません。」

十和。
「工場が発見されたら、襲撃される可能性はありますね。」

乃々葉。
「大丈夫です、九割の作業員は生命保険に入っています。」

十和。
「それなら襲撃されても大丈夫ですね。」

舞理。
「だいぶコンディションが良好のようですね。」

十和。
「宿命がお節介を諦めたからです。」

乃々葉。
「やっと宿命にも冗談が理解できるようになったね。」

小袖。
「今日も事件の報道がありますね。」

乃々葉。
「ひとりだけの犯行ではありません。」
「生い立ちについて、全員が手伝ったからなんです。」

舞理。
「共犯者は、かなりの数になりますね。」

十和。
「犯罪よりも、お金を合法的に要求する方法を学んだ方がいい。」

小袖。
「お金を合法的に手に入れる方法は大学では習わない。」

乃々葉。
「大学、学歴ですか。」
「学士号、修士号、博士号、何でも揃っていても。」
「仕事だけは手に入らない人もいますからね。」

舞理。
「政治の不祥事を読んでいると。」
「為政者にとって弁護士がいかに大事なのか理解できる。」

乃々葉。
「知らない法律に引っかかるのなら。」
「弁護士を置いておく方が安くつく。」

小袖。
「弁護士は大変に危険な方々なので。」
「嫌われることがある。」

舞理。
「噂のセンスは抜群ですね!」

乃々葉。
「ゴシック誌なんて、噂のセンスで競っています。」

舞理。
「人道主義者と関わると、料金が高くつく。」

小袖。
「テレビの電源を消すリモコンだけは、高級品にした方が良い。」
「最も重要な道具ですからね。」

休憩中、屋上の広場に移動した。

家庭菜園があり、庭園になっている。

コンクリートの上に土を入れて、庭園にしたもの。

ちょっとした森林になっている。

都市の中心にあるため、駅前や大通りが見下ろせる。

カワラバトが来ていて、穀物をあげているんです。

お昼休みの憩いの場所。

そこまで広くないので、コンパクトになっている。

ソーラー発電パネルと衛星放送のアンテナなども。

屋上にあるので、複雑な配置。

屋上への通路、小部屋にはアマチュア無線局がありますね。

業務用です。

天候観察をしますが、現代の人々は、まず空を見ません。

空を見ていると、黒っぽくなっている場合は雨の可能性。

黒くなくて、雲が多くて、太陽が見えていると、単なる曇。

一時間で情報の更新が必要ですね。

今年は、シベリアがまた熱波に襲われました。

世界の熱波は、記録更新。

寒暖差が激しい時代ですなあ。

休憩してから、制御室に戻ります。

乃々葉。
「正しいなんて名乗っても、どうして正しいのか。」
「理由がないね。」

十和。
「どうして正しいのか、その論証は妥当なのか。」
「理にかなっているのか。」
「審査がない。」

小袖。
「なぜ正しいのか、何も言えていない。」

舞理。
「正しいと言える理由がないよね。」

乃々葉。
「正しいと言える内容が皆無。」

小袖。
「なぜ正しいのか、問いかけると、特に理由がないとか。」

舞理。
「間違っている、なんて言われても。」
「どこら辺が間違っているのか、きちんと指摘しないと。」
「反論になっていない。」

小袖。
「どうして間違いなのか、何も言えない愚かさ。」

十和。
「どういうふうに間違っているのか、言及がない。」

乃々葉。
「どこが間違っているのか、証明できないという。」

小袖。
「言い分なんて、どうせ詭弁になるでしょう。」

乃々葉。
「詭弁は反論ではない。」

舞理。
「自分がそう思ったから正しい、とか?」

十和。
「自分が間違いだと思ったから、間違い、とか?」

乃々葉。
「愚者という言葉を教えるのに、一ヶ月は必要なんですね。」

十和。
「あいつは悪だ、いいえ、なぜ悪であると言えるかについて。」
「回答してください。」

乃々葉。
「善人?善人って何?」

小袖。
「善人とは何かについての議論も大切ですね。」

舞理。
「討論と口論の違いについて、語ることから始めましょう。」

乃々葉。
「足りない能力を推論で埋めるなんて酷い知能ですよ。」

小袖。
「推論だけで語るなんて、知性捨てたのかな。」

舞理。
「お洒落から、だいぶ遠のいたよね。」

乃々葉。
「かっこつけるのも、程よくするべき。」

舞理。
「別に解釈を語るのなら、都合は良いかと。」

乃々葉。
「こうなると、誰しもが解釈を言っているのです。」

十和。
「解釈なら、いくら言っても自由ですよ。」

小袖。
「ということは、解釈がとにかく多いけれど。」
「解釈ならば何でもあり、なんですね。」

舞理。
「解釈なら、何でもありです。」

乃々葉。
「新しい意見、解釈。」

十和。
「哲学からすると、事実の解釈は認められています。」

小袖。
「事実をどう解釈するのか。」
「それは本人のもの。」

舞理。
「事実なんて存在しませんよ。」

乃々葉。
「事実とは何ですか?」
「万能な人が見極められるんですか?」

小袖。
「解釈した内容が事実なんですよ。」

十和。
「解釈した内容が事実となります。」

乃々葉。
「うむ?理論の破綻がないよ?」

舞理。
「前置きに、これは解釈です、なんて入れたら。」
「理論に無理はないかと。」

乃々葉。
「前提が解釈の提示ですから、無理はないですね。」

十和。
「解釈を語るのなら、合法かつ健全です。」

乃々葉。
「まず事実なんて本当にあるのかについて。」
「議論すべきだと思います。」

原子力発電所の制御室みたいな持ち場。

量子論の初歩的な話ですけれど。

量子は黒い球体で、電子が周囲に回っています。

昔の果物みたいな球体は、科学が進歩していない時代にあった。

時代遅れの画像です。

物理学は、ニュートン力学でも説明できますが。

最近では古典物理学と呼ばれて、追いやられています。

量子は挙動不審であり、確認すると結果が変わってしまうので。

物質とは思えない観測記録を読むことになります。

量子そのものは追い詰めると、物体をすり抜けます。

物体の挙動も確率で変化しているので。

量子力学を知っている人は、球技ができなくなるという。

大学で最も怖い物理学として有名ですね。

実際の教本は数式だらけですので。

学問の中でも屈指の高難易度を持ちます。

現代の科学と言えば、物理学ですね。

何でも確率ということになっています。

確率は元々、ギャンブル必勝法として研究されました。

偶然の中身は、すべて確率なんですね。

面接が行われていました。

面接官。
「あなたは働くのは嫌いですか?」

志望者。
「とっても嫌いです。」

面接官。
「あなたを採用します。」
「初めてあなたのような正直者に出会いました。」
「次の人。」

大学生。
「こんにちは、私は給料を期待しています。」

面接官。
「よろしい、あなたは一生懸命に働くのが好きですか?」

大学生。
「いいえ、好きではありません。」

面接官。
「あなたを雇います、一日中、面接をして来ましたが。」
「あなたは正直な返事をしてくれました。」

アメリカでは大卒で、タクシー運転手になっている人がたくさんいます。

大学を卒業した後の進路は、タクシー運転手と相場が決まっている。

なんてこともある。

日本でも炭鉱があった頃。

昔の話ですけれど。

炭鉱が閉鎖されると。

鉱山で負傷したり身体を欠損した炭鉱夫が多い上に。

炭鉱で栄えた街などが閉鎖の影響を受け。

炭鉱夫が失業して、失業対策の小さな仕事で生活している。

なんて大惨事がありました。

興味深いのは、アメリカ大恐慌の時ですね。

株が流行っていて、誰でもやっているような経済社会。

いきなり株価大暴落によって、財産を失い。

空き地に小屋を建てて、元お金持ちが生活するという大惨事。

後の大統領になる人物の父親は、靴磨き少年から。

株は儲かる、という話によって、もう株の時代は終わったと。

その日のうちにすべての株を売り払って。

大暴落の日を免れた。

金融よりも経済学を先に習う必要がありますね。

国にとっての富は、優秀な人材がどれだけいるか。

能力のない人には、つまらない仕事しか回ってこない。

今日は、税金支払祭が開催されています。

税金支払祭は皮肉な行事で。

たくさんのセール品が店頭に並びます。

とある子供のセリフ。

どうせ死ぬのに、なんでお仕事、頑張るの?

父親の返事、なぜだろうね!

母親に質問した少女の記録。

どうしてそんな嫌いな人と結婚したの?

母親の返事、知らないよ!

最近、お客様は常に正しい、という商人のスローガンが悪用されて。

顧客がそのスローガンを突きつけるようになっています。

仕事と言えば。

反出生主義の別系統、E・Mシオランは、恋人などに寄生して。

生涯、働くことはなかったのですが。

権威ある雑誌に自分の論文を掲載するなど。

さらにはけっこう長生きしているなど。

ペシミストが徹底しています。

今ではペシミズムの古典として、著作が出回っていますね。

制御室で、暇になって雑談。

乃々葉。
「法的な強制ができないローカルルールは、無視してもいい。」

十和。
「法律で何も注意できない勝手なルールは、正々堂々と蹂躙してもいい。」

小袖。
「法律で強制できないんだから、大人しくルールが踏み倒されるのを見ていればいい。」

舞理。
「法的な根拠のないルールなんて、けっこう無視されていますよ。」

乃々葉。
「複雑で多様化した現代で、唯一、統一できるのが、法律しかないから。」

十和。
「法律しか一致させられる規則がない。」

小袖。
「法律以外に、全員が一致させられる決まり事は存在しなくなった。」

舞理。
「同調も法律ではないので、笑われるだけです。」

乃々葉。
「その人しか信じていないルールなんて滑稽ですなあ。」

舞理。
「別に道徳は自分が決めるのですし。」
「他人が決めるものではない。」

乃々葉。
「自分が決めた道徳を、適用してもいい。」

十和。
「自分が決めた道徳が統治する。」

小袖。
「道徳を自分で決めたら、他人の道徳は関係ないです。」

乃々葉。
「自分が決めた道徳に基づいて判断する。」

舞理。
「自分が決めたのだから、結果に左右されません。」

本社の裏で、何やら乱闘。

侵入する前に、取り分と利害を巡って仲違いして。

盗賊同士で喧嘩をしていました。

治安当局が連行しましたが。

後に不起訴になりましたね。

雑談を再開。

乃々葉。
「福沢諭吉によると、学問によって身分が上になる。」

十和。
「学問をすると、偉くなる。」

小袖。
「学問が偉いか、偉くないかを決める。」

舞理。
「なので、人の身分は学問次第、なんですって。」

乃々葉。
「学問のススメという岩波文庫の名著。」

十和。
「その時代のベストセラー書籍です。」

乃々葉。
「後天的な学問の習得は、もはや当たり前。」

小袖。
「勉強だけで、福沢諭吉を理解できない。」

乃々葉。
「福沢諭吉の良い所は、啓蒙思想なのに、下級武士の出身。」

舞理。
「欧州見学に参加して、その情報を著書にしたので。」
「作家として大成していますね。」

乃々葉。
「日本人の哲学としては傑作です。」

十和。
「序文だけ紹介されて、岩波文庫訳本を読むことをしないなんて。」

乃々葉。
「愚民化政策の後遺症ですね。」

小袖。
「人民を無知にすれば、支配しやすいので。」
「書籍を限定された場所に隔離していた。」

舞理。
「今では図書館にも、学問のススメは置いてあります。」

乃々葉。
「最も有名で、最も訳本が読まれない福沢諭吉。」

小袖。
「最安値は、地元の本屋で百円。」

乃々葉。
「日本で学問を引き合いに出すのなら。」
「学問のススメは避けて通れませんね。」

十和。
「学問を推奨する目的で書かれた古典ですしね。」

小袖。
「勉強と学問は別物ですが、勉強は形骸化した教育の産物です。」

乃々葉。
「学問の特徴は、実際に使える、役に立つ、現実に通用する。」

舞理。
「自然界に影響を与えるのが学問です。」

十和。
「採点に影響を与えるのが勉強です。」

乃々葉。
「福沢諭吉は、杓子定規はいけません、という教えを伝えています。」

舞理。
「まったく正論ですよ、杓子定規は社会問題。」

小袖。
「目の前に学問のススメがあっても、多分、皆素通り、通過する。」

乃々葉。
「あんなんで、よく世渡りできるもんですね。」

十和。
「難易度の設定が、簡単、になっているからでは?」

小袖。
「難易度、難しい、なんかで、世渡りする人はいません。」

乃々葉。
「誤謬を直そうとしたら、いつまでも終わらないなあ。」

十和。
「私達がしたいのは、皮肉ですよ。」

小袖。
「正論ばかり言うべきではないよ。」

舞理。
「正しい事を言うと、非難されるだけです。」

乃々葉。
「なるべく愚かな言い分にすること、そうすれば人から認められる。」

休憩中。

仮眠室にて。

本を読んでいます。

言葉、言語を使わない対話を訓練していますね。

文字も使いません。

便宜上、使用するだけ。

仮眠室に長居する。

仕事に全力を出してばかりいると、脱落します。

適度に、程よく仕事をこなす。

これはラッセルの引用。

乃々葉。
「非言語コミュニケーションが得意な人ほど。」
「良好な素質を持っています。」

十和。
「言語を使用しない表現に長けているほど。」
「高い素質を持っています。」

小袖。
「言葉を使用しない対話とかも、優れている証拠です。」

舞理。
「非言語コミュニケーションは、脳科学において認められていますね。」

乃々葉。
「言葉に絶対はない、言語、言葉を使用しない対話は求められています。」

舞理。
「給料明細、見ました?」

十和。
「公務員には及ばないね。」

小袖。
「私は買うものがなくて困っている。」

舞理。
「何に使ったらいいのかわからないので。」
「貯金。」

乃々葉。
「資本主義は労働者を大切にします。」

十和。
「そうでない奴らは社会主義者。」

小袖。
「最近は労働についての俗説が流行っているよね。」

乃々葉。
「ジャーナリストの考えを真に受けたんですよ。」

十和。
「変な報道に洗脳されるなんて、お粗末な知能ですね。」

乃々葉。
「最近は、労働についての客観的な論説が出てきています。」

舞理。
「大学教授の出番ですね。」

乃々葉。
「働かないとだめというのは、起源を辿ると。」
「共産主義者のスローガンです。」

十和。
「社会主義者の言い分なんですね。」

小袖。
「働かないことを咎める奴がいたら。」
「敵対陣営の共産主義者ということになります。」

乃々葉。
「社会主義のスローガンを引き合いに出すなんて。」

舞理。
「共産主義の考え方は、資本主義には通用しません。」

乃々葉。
「共産主義者と、資本主義者では、労働の定義が違います。」
「共産主義は労働の強制、資本主義には労働の自由がある。」

仮眠室から戻ります。

業務を続けていて。

これまた夕方。

コンピューターのパーツは、不用品になったり。

何らかの理由で出荷できないもの。

作り過ぎて買い手がつかないものは。

二週間に一回くらい、工場の倉庫に入って、けっこう貰っています。

暇な時に十台もパソコンを組んでしまって。

業務用に使われることになりました。

自作パソコンは繋ぐだけですので、繋ぐことを覚えれば簡単ですね。

組んだパソコンは、同業者や両親の友人にも配られるので。

定期的に作っては、渡しています。

ライセンス料が高いだけですね。

ゲーミングチェアに座って、画面を見て管理している日々ですけれど。

悪いものが特に無い分、居心地は良いですね。

哲学を学ぶ者は、俗世間とは無縁になり。

欲望や快楽とは決別して。

平和と探求の中に入ります。

哲学の初心者向け、デカルト方法序説。

方法序説は自力で読める難易度の低さ。

実用性の高さが特徴です。

デカルト方法序説は、以降の学問の序文であるので。

実際には、そこから大規模なデカルト哲学が広がっています。

デカルト省察は大学生の中で人気ですね。

原文を読む機会は、学生には乏しいので。

授業では浅い理解しか得られないかもしれません。

岩波文庫は人気のシリーズで、発行部数が多く。

現在でも、教養のある人は好んで訳本を読んでいます。

訳本は他の出版社に譲渡されたり、新訳が出たり。

絶版になってしまい、古本屋に残っていたりしますが。

図書館では普遍的に置いてありますね。

哲学の現場では、ショーペンハウアー。

意志と表象としての世界。

これ以上の書籍は無いと言われています。

大手通信販売で五千円付近です。

読書な好きな方にはお勧め。

読書が趣味な人は買うのかな?


7


簡易占い。

コンパスを入手する。

最も利益を得ている方角について調べる。

学問、分野、進路なども含まれる。

利得で判断するため、不吉なことは無視。

可能性が特定の分野、方向にあり。

利得が高いと予想されると。

そこは吉、土地などの方角は重視しない。

また、どの方向にも利得がなければ。

全方向の中心に利得があるため。

身近な場所や、目と鼻の先に何かないかとか。

そもそも動かない方が吉の場合がある。

コンパスは百円で売ってる。

占いの古典、易経を引用。

荘子の話で、使用人が、知識人が本を読んでいるのを見て。

昔の人の糞ですな、なんて批判して。

理由次第では殺すと問いかけたら。

まともな批判が返ってきて、それを記録したものがあります。

歴史書及び書籍への否定として、荘子の話に入っていますね。

業務から帰宅したら、書籍を読んでいて。

なぜか歴史が下らなくなった。

乃々葉。
「歴史なんて昔の人の糞ですな。」

十和。
「どの歴史書も、昔の人の糞ですな。」

小袖。
「男性の歴史は、昔の人の糞ですよね。」

舞理。
「男性の歴史は駄作。」

乃々葉。
「男性だけの歴史は、ウホッ、アッー!ということです。」

十和。
「歴史とは、ウホッ、アッー!である。」

乃々葉。
「昔の女性は、活動が抑制されていて。」
「可能性の追求が出来なかったとか。」

小袖。
「女性にチャンスの平等が与えられなかった。」

舞理。
「昔の女性は好機が来ても、逃すことを強要されて。」
「どんな機会も捉えられなかった。」

十和。
「結婚しか価値判断がなくなっていた。」

乃々葉。
「男性は、行動が成功する確率が高いだけで。」
「女性の行動が成功する確率は、低いだけですね。」

十和。
「正当な理由もないまま、男性の優位は続いた。」
「有利だからと言って、戦況には影響しない。」
「優位であるという油断で、死んだ人間ならいくらでもいた。」

小袖。
「男性が優位?根拠は?根拠があるのか?ないのか?」

舞理。
「男性が有利だと思う理由を述べてください。」

乃々葉。
「答えにならない返事が来るだけですね。」

小袖。
「なるほど、それでは行為ではなく、他人の思惑を潰してやろう。」

乃々葉。
「人の行為を止めることは難しいけれど、思惑を打つことは容易い。」

十和。
「思惑が壊された相手は、少しずつ希望も失われていく。」

舞理。
「思惑を阻止して、希望を無くして変死させる。」
「これは人間のやり方ではないけれどね。」

乃々葉。
「現代では男性のアドバンテージは覆ってしまい。」
「男性らしさに従わなければ、排除されるほど。」

十和。
「男性なんて日々、自然が生み出す工場製品みたいなものです。」

乃々葉。
「それなら性別を二つに分けた意味はないかと。」

十和。
「男性と女性の人生をよく調べていると。」
「途中経過は異なりますけれど、結果は同じです。」

乃々葉。
「古代ギリシア男性の愚痴、結婚を最初に発明した奴に呪いあれ。」
「第二、第三、四と続けた奴らに呪いあれ。」

小袖。
「歴史のどこを見ても斬新な女性がいないので。」
「自分で創ることにした。」

乃々葉。
「男性も、女性と似たような苦悩の中にいたのですよ。」

舞理。
「男性も女性も、苦悩は同じですね。」

十和。
「身体が違うだけで差がつくという愚かな考え方ですよね。」

乃々葉。
「身体の構造が違うだけで、名前がつけられて、評価される。」

舞理。
「最後には、男女なんて身体の構造が違うだけです。」

乃々葉。
「身体の違いだけで、能力や活動に影響を及ぼす、という考え方は無理ですよ。」

小袖。
「身体の構造以外の何処に根拠があるんですかね。」

乃々葉。
「機会の平等によって男女の能力差がほとんどない現代では。」
「身体の特徴しか論拠はありません。」

十和。
「先天的な能力差も、チャンスが平等になって後天的な能力によって。」
「補われると、何の意味があるのか分からない。」

乃々葉。
「女性の身体能力は、訓練であっさり補われますからね。」

舞理。
「昔あった男女の能力差は、男性の力ではない。」

乃々葉。
「君の力ではない、身体の性能差のおかげだ。」

十和。
「身体の性能が違うだけで、権利まで手が届かないかと。」

小袖。
「後は見た目だけですね。」

乃々葉。
「見た目が違うだけで、権利と何の関係があるのやら。」

舞理。
「フェミニズムの運動が一段落すると。」
「次に来たのはジェンダー論でしたね。」

小袖。
「ジェンダー論は男女共通の課題です。」

乃々葉。
「男性の歴史を好き放題に罵れる、いい時代になりましたね。」

十和。
「男性の馬鹿な歴史を、一方的に笑える、いい時代になった。」

小袖。
「歴史における女性の記録は少なくて、民間レベルだと資料に乏しい。」

舞理。
「女性の実話をもっといっぱい集めたらよろしい。」

乃々葉。
「歴史ですか。」
「愚かな人間のすることですし、別に期待はしていませんよ。」

十和。
「自分達で作り上げた社会なんて、自分達で後始末をして貰いたいものです。」

小袖。
「自分達で問題を作っておいて、挙句の果てに助けてくれだなんて。」

舞理。
「人間ですか。」
「神様に教えてもらわないと、方角すら決められないなんて。」
「実に情けない生き物ですね。」

乃々葉。
「男性ですか、それでも人間なんてとにかく弱い生き物なんですよ。」
「油断できませんし。」
「人間の弱さは、男性の方が出やすいものですからね。」

十和。
「男尊女卑ですか。」
「自分達で作った文明の後片付けくらい。」
「自分でして欲しいものです。」

小袖。
「人間ですか、見苦しい。」
「自分の力だけで、運命の力なんて必要としない時が来るのを。」
「祈りましょうか。」

舞理。
「戦争ですら、自業自得って奴です、自分達で沙汰を起こしておいて。」
「後始末もろくにしないものですからね。」

乃々葉。
「人間のそんな愚かな所が、ペットみたいで何かいいなあ。」
「そんなように思われているのでしょうか。」

舞理。
「しかし人間が勝手に作った文明を、まさかゼウスのように。」
「すべて消し去ったりしませんよね?」

人間は思ったより強い生き物ではないので、要注意。

人間のどこら辺が優れた生き物なのか分からない。

悲しい活動力。

いや、あの神のように振る舞って、逆にやられて修正できる所が。

優れている箇所なのかも?

深夜になる前に。

家事が終わって休憩中。

乃々葉。
「男性ですか、どう贔屓目に見ても損をしている。」
「歴史の評価で出来ている、とはまさに図星である。」
「さっさとジェンダーの良書を手に入れよう。」

十和。
「なにをもって男性が有利なのか分からないが。」
「歴史において、活動が自由であったとか。」
「そんなものに同調するのは酷い無能っぷりですな。」

小袖。
「それだけ見ると、ものすごくカッコ悪い。」

舞理。
「俺は容姿で勝負できるんだ、とか。」
「俺は筋肉やら権力で圧倒できるんだ。」
「そういう男性しか、得をしない。」

乃々葉。
「男性は暇さえあれば、どんな挑戦もしてしまう。」
「女性は暇が与えられると、男性と同じこともできる。」
「歴史の実例はどうした。」

十和。
「最強クラスが超自然的な存在という時代に。」
「何故、男性を尊重するのか。」
「発言された人々も困ったことだろう。」

乃々葉。
「腕力が自慢らしいけれど。」
「その時点でなにかザコっぽい。」

舞理。
「やる気がないんじゃないかと疑うくらい。」
「男女同権に時間が必要でしたね。」

小袖。
「そこら辺のイマイチ感は、やっぱり人間なのでした。」

十和。
「男らしさを現代にぶつける?やっぱり無理でしょうね。」

乃々葉。
「どんなことも中途半端な人間社会。」

舞理。
「だから、どうしたんだ、とか言われたら、それまでなんですけれど。」

小袖。
「どんな男性も、使えない所まで瓜二つだから困ったものです。」

十和。
「人間が吠えた所でどうしようもないので、無駄な抵抗は辞めた方がいいよね。」

舞理。
「努力と称して、断行する?」

乃々葉。
「既成概念なんてどうでもいい!とか。」
「俺は既成概念なんて承知の上だ!とか。」
「そういう人は容認する必要がないよね。」

十和。
「後から男性の歴史が、やりたい放題に罵れるようになるのだから。」
「世の中、何があるのか分からないものですね。」

舞理。
「男性という性別で苦しんでいた男性もいたでしょうね。」

小袖。
「その時代は論破できる情報がなかった。」

十和。
「重荷を捨てられると気づいたら、誰でも捨てますよね。」

乃々葉。
「ということは変転極まりない。」
「人間とか言う動物についてでして。」

十和。
「常に変化を続ける世界の断片についてでして。」

小袖。
「物事が変化する前の、既に存在しない状況のことでして。」

舞理。
「記録だけあって、当事者はみんな死んでしまい。」
「今は誰も残っていない、本人不在の資料の上の考察でして。」

乃々葉。
「歴史から続いているからと言って。」
「歴史の愚かさも受け継いだのかな。」

十和。
「男性を依怙贔屓する歴史ですか?」

小袖。
「やはり歴史は昔の人の糞ですな。」

乃々葉。
「合理的な選択肢には限界がある、という訳ですよ。」

舞理。
「選択肢には最初から限界がありますからね。」

十和。
「後知恵バイアスの内容を笑っているような。」

舞理。
「歴史書を読んだから、人間の愚かさについて軽蔑できるんですね。」

就寝前。

すぐ近くにあるコンビニエンスストアに移動。

夜道を短距離移動。

帰り道。

ロングスカートの女性と遭遇しまして。

突進して来ました。

狂気の女性。
「抱きしめさせて!」

乃々葉。
「うわあ!なんて新しい不審者!」

狂気の女性。
「ホールドさせて!」

乃々葉。
「どっかに行ってください!」

十和。
「私達だって相手を選びますよ。」

小袖。
「女の子だったら、誰でもいいんでしょ!」

舞理。
「女性でも、どうせえっちなこと考えてるんでしょ!」

不審者を突き飛ばして、相手は数メートル吹っ飛んだ。

うまく逃げられました。

帰宅。

しばらくして。

お風呂に入って就寝。

夢の中。

翌日、いつもの通りに支度をしていると。

遠方の大規模地震が伝わってきました。

自然災害は因果関係を無視できますね。

あれだけ自然科学を自慢しておいて。

災害を食らうと、科学はまったく力を持ちません。

地震は経験から、誘爆すると知っているので。

念の為、早めに管理室に移動。

外部から点検しました。

戦争も自然災害も、遠くから見ている分にはいいですね。

準備しているもの以外は何も出来ることがない。

とまあ、地球沸騰化で、死ぬようになったら。

みんなで一緒に死にましょう、なんて言いたくなる。

面白いニュース。

塹壕戦で食料や兵士の休息を乱す。

ネズミを、送り込まれた猫が駆除。

猫の検問所が塹壕に設置されて大活躍。

猫戦士と呼ばれています。

やはりテクノロジーで解決できないものもある。

敵地の近くで犬に見つかると、引き返さないといけない。

最近の社会。

天は顧みても、地上は顧みない。

地上で通用しない考え方は、有害。

きちんと地上、現実を顧みないと駄目。

制御室にて。

乃々葉。
「死刑を支持する人は、みんな絞首刑にするべきです。」

十和。
「死刑に賛同するのなら、自分が絞首刑になっても支持するに違いない。」

小袖。
「両親へのプレゼントはどうします?」
「椅子がいいとか。」

乃々葉。
「電気椅子とか、どうかな?」

舞理。
「無駄な電流が流れるので、健康に良くないですよ。」

十和。
「インフレーションで電気椅子の価格が上がっている。」

乃々葉。
「インフレなんて五百パーセント反対です。」

小袖。
「反対票も五百パーセントもインフレするのですか?」

乃々葉。
「電気椅子ではなくて、マッサージチェアの間違いでした。」

舞理。
「約束するだけなら、何でも無料ですよ。」

制御室には時計がない。

持ち込んでいるノートパソコンから確認していますね。

時計を無くすと、時間経過が激しくなる。

時間の流れは、個人によって、一定ではないので。

本人の時間、別の人にとっては、別の時間の流れがある。

確認できないだけ。

昼休み。

近くの食堂に出かけます。

地下にいると、外の景色は爽快ですね。

心地よい風まで、室内ばかりというのは健康に悪いかも。

嘘が多ければ多いほど、体験との違いに失望して。

考えて落ち込む、という思考のループに陥る。

何が嘘なのかは、反論及び、体験と異なることによって。

暴かれてしまう。

ル・ボン群衆心理にて、民主制は体験とは少し違う。

なんて書かれていますね。

食堂から戻る途中にて。

乃々葉。
「断言しまくる人は、嘘つきです。」

十和。
「断言を連発すると、根拠もなしに他人が信じる場合がよくある。」

小袖。
「断言するか、しないかで、評価も変わる。」

舞理。
「社会心理学からして、断言を連発するのは、嘘つきの証拠。」

乃々葉。
「断言した内容を繰り返す場合はもっと悪い。」

十和。
「断言する場合は、理路整然としている必要がありますが。」
「特に根拠もないことを断言すると、後で嘘の反動を受けますね。」

乃々葉。
「断言は便宜上、使用することはあっても、断言だけで続行しません。」

小袖。
「何でも信じる人ほど、断言に弱いです。」

舞理。
「疑うことを知らないからですね。」

十和。
「群衆心理は、現代において猛威を振るうパターンですしね。」

乃々葉。
「知らない所で群衆心理に陥って個人を失う。」

舞理。
「無知によっても過ちは繰り返される。」

乃々葉。
「無知は弁解にしては最高のもの。」

戻ると。

いつもの業務ですけど。

山あり谷あり、みたいな人生はお断りです。

正門前にて。

狂人が通過しまして。

質問される。

狂人。
「運命なんて殺してやる!」

乃々葉。
「誰ですか!」

十和。
「運命?誰ですか?」

狂人。
「運命はどこにいる?」

小袖。
「どこにいるんだろう?」

舞理。
「そいつがいたら、殺すの?」

狂人。
「運命が何処にいるか教えろ!」

乃々葉。
「私達は知りませんよ。」

狂人。
「くっ!ここにも運命はいないのか!」

乃々葉。
「いたら殺すんですか?」

狂人。
「もちろん!」

舞理。
「少なともここら辺にはいないですね。」

狂人。
「今日こそ探し出して運命を殺してやる!」

狂人、退場。

運命という名前の人間を探して、殺したいようです。

居場所を発見できるのかな?

社内に入ります。

乃々葉。
「人生は本番よりも余興の方が長いね。」

小袖。
「人生なんて、どこまでが本気か分からない。」

十和。
「人生なんて真面目に取り組むだけ馬鹿を見ますよ。」

舞理。
「人生なんて、ろくなものをよこしませんよ。」

乃々葉。
「筋書きがないのなら、私が作ればいいだけ。」

十和。
「先の展開がないのなら、作ればいいだけ。」

小袖。
「生まれた内容が正しいなんて、誰も保証しないほどです。」

乃々葉。
「正しいからと行って、私は尊重しないけれどね。」

舞理。
「正論を主張できるらしいけれど。」
「逆に言えば正論以外には何も無い連中です。」

十和。
「それでどう立ち回れと?」

小袖。
「説教でどうにかなる相手ってのは。」
「愚か者くらいなものではないかな。」

乃々葉。
「宿命なんて勝手に進行して、公害を撒き散らして。」
「どこでも迷惑になるので困りものですね。」

十和。
「宿命と称して、何にでも挑戦すればするほどピンチになるだけ。」
「運命とか宿命とか、信じるだけ損って感じですね。」

舞理。
「非常に疑問が残りますけれど、詳しく突っ込まない方がいいかも。」

近頃、変な人生を目撃していますが。

悪趣味ですなあ。

最近は政府の悪口を言えれば何でもいい。

なんて連中が増えました。

その反面、教養のある人も増えています。

現代思想は誰でも読んでいるようです。

自宅にて、しゃもじ、杓子を買って。

それで物事や人間を測定しようと。

しゃもじ、杓子を当てはめますが。

どうにも正確に測定できないんですね。

おかしいな?

しゃもじ、杓子で何でも測定できると習ったのですが。

間違いだったんですね。

しゃもじ定規をゴミ箱に投げ捨てた。


8


日曜日。

今日は量子論の専門家がサポートに来まして。

一日は委託してくれるそうです。

久しぶりの休暇。

専門家チームは同じ系列の会社です。

なので、久しぶりに山岳地帯に行きました。

日帰りの道楽。

コンパウンドボウを装備して。

猟師が餌を撒いておいて。

射撃位置まで登山しました。

とは言っても、限界集落のすぐ側で。

猟師の知り合いが住んでいて。

駆除を目的にしています。

熊がやって来て。

餌を食べたり、ゆっくり動いています。

距離はありますね。

猟師。
「熊への射撃は、前足の付け根付近の胴体を射抜くと。」
「心臓を貫く場合がある。」

乃々葉。
「側面から狙わないと、急所には当たらない。」

猟師。
「側面から狙えば、たいてい心臓を貫く。」

十和。
「胴体の真ん中ではなくて、前足の付け根付近です。」

小袖。
「動きを止めた瞬間が狙い時です。」

舞理。
「撃った後は、死ぬまで暴れるので。」
「発見されたら駄目だよね。」

乃々葉。
「熊は心臓の貫通弾だけあれば仕留められます。」

舞理。
「撒き餌で動きを止めますからね。」

猟師。
「海外の猟師も、熊の急所を集中狙いする。」

熊が撒き餌に寄ってきていて。

地面に撒かれたものを食べていたので。

側面から射抜きました。

見事に流血、熊は走って逃げますが。

力尽きて死にました。

獲物を軽トラックに乗せて運びます。

駆除完了。

熊撃ちが娯楽になることは、海外ではよくあること。

ちなみに側面から、前足の付け根付近に心臓がありますが。

一発だけで、熊は死にます。

意外にも飛び道具で一方的に殺せる。

海外の猟師は、待ち伏せをよくやるんです。

帰り際。

途中にある道の駅にて。

乃々葉。
「生き物を殺すとは、どういうことか?」
「これを知りたかった。」

十和。
「生き物が死ぬとは?どういうこと?」
「という疑問に、熊の死体が答えてくれた。」

小袖。
「相手の間に暴力を置いておけば。」
「勝手にやられに来てくれるでしょう。」

舞理。
「熊さんは、死んでしまうと、ぬいぐるみ、みたいな。」

乃々葉。
「敵対者は無駄にしぶといけれど、熊さんが死ぬのは一発だけ。」

十和。
「敵対者は目的がよくわからない。」

小袖。
「目的もなしに、意地になっているとか。」

舞理。
「負けず嫌いなだけでしょう。」

乃々葉。
「時々、登場する敵対者も。」
「あんな馬鹿なことしたくないでしょうね。」

十和。
「ただでさえ、無意味な世界観なのに。」
「すべてにおいて中途半端な奴らが蔓延ると。」
「もうどうしようもない。」

乃々葉。
「こんなに科学が進歩したのに。」
「それを扱う人間が何故、ヘボいのか謎です。」
「技術革新はどうした。」

小袖。
「愚者と関わる必要はまったくないですよ。」

乃々葉。
「男性がすべて万能ではないと証明するかのような。」
「男性社会の序列っぷり。」

十和。
「強者と雑魚が区別されている時点で。」
「男性の全員が有能ではないと証明しているかのようです。」

小袖。
「男性は思っているより優れてはいないので。」
「徒党を組んでだましだまし動くしか無い。」

舞理。
「男性が過大評価されるのは良くないですね。」

乃々葉。
「まず見た目と評価から、優位を取っていったのです。」

十和。
「男性は農耕を習慣にしていたので。」
「習慣による体力がありますね。」

小袖。
「女性は機織りを習慣にしていたので。」
「もの作りや工業に適しているのでしょう。」

舞理。
「自然がそうなっているから、なんて言われても。」
「自然を破壊したり、変更したり出来ますしね。」

乃々葉。
「自然の摂理なんて信じていませんよ。」

十和。
「世界は公正ではないので、私達に有利な判決が出て当たり前です。」

小袖。
「公正だと思っている奴は苦闘して。」
「世界に合わせている私達は上手に活動する。」

乃々葉。
「なぜ世界が公明正大であって欲しいのか、わかりませんけれど。」
「世界を公正にしたい奴らが、欲望のあまりに発狂している。」

十和。
「世界に対してひとつの規範を押し付けようだなんて。」
「企んでいるとは知らなかった。」

舞理。
「よせばいいのに、正しい正しい名乗って。」
「自分の耐久性を減らす。」

乃々葉。
「この時代になっても、英雄と比べられる男性社会って。」
「気の毒に思えてならない。」

小袖。
「コストパフォーマンを考えると、凡人の世の中っていいと思います。」

乃々葉。
「確かに、強者の弱点を突くことはいい考えですけれど。」
「強者以外にも強者がいることを忘れてはいけないね。」

十和。
「男性の結論、大半は他人に倒されるために競争に参加している。」

乃々葉。
「ろくなものがない世間ですなあ。」

舞理。
「何か誤解を世界に広めているような気がする。」

乃々葉。
「男女共、歴史において誤解を世界に広めていたようですね。」

小袖。
「誤解が広まっていたのでは、活躍できなくても無理はない。」

十和。
「少女の頃に、社会にけっこう愚者がいたので、登場することになった。」

山道は、曲がり道が多くて、長時間の運転になる上に。

ブレーキの不具合に気をつけるため。

運動エネルギーの管理が必須。

この後は本社に戻るため。

まずは自宅に帰って休憩します。

山道に一度、入ると。

大きい道路は続いていますけれど。

起伏と左右の曲がり道、そんなのが二時間くらい。

ようやく戻ってきて。

昼寝をしました。

夕方近くに、専門家チームから、交代の通知が来て。

管理室に戻ります。

駅前では。

パターナリズムという政治団体が。

抗議を行っています。

駅前で荒らしまくる集団。

何でも、自分達の結論を強要すれば。

世の中が良くなると説いているようで。

お節介のお手本とネタにされています。

世界最高のお節介をあなたに、というのがスローガンらしい。

パターナリズムという政治団体。

今夜は駅前が危険ですね。

夜間。

時々、悪党みたいな奴が徘徊していますが。

そいつらは敗北を免れた生き残りです。

定時。

いつでも戻れるように。

生活用品を仮眠室に貯めています。

一時、帰宅。

自宅にて。

乃々葉。
「仕事を真面目にやらないと完遂できない。」
「そして仕事を真面目にやり過ぎると健康に悪い。」

十和。
「風刺と愚痴は、上手でなくとも楽しめる趣味です。」

小袖。
「景気が最高の時に失敗し、不景気の時にそこそこ。」
「暫定上司の現状。」

舞理。
「間違い電話で雑談が弾んで、さっきまで十分も話していました。」

乃々葉。
「そんなこともあろうかと。」

十和。
「今日、社長が女性を口説いていたよ。」

小袖。
「むしろお姉さんが、今まで女性を口説かなかったのは何故?」

乃々葉。
「心への侵入者は、セキュリティが甘い。」

十和。
「お姉さんが他の女性といろいろしている所。」
「見たいですね。」

小袖。
「防具を着ても心のガードは甘いね。」

舞理。
「そこは難攻不落であるべきです。」

乃々葉。
「女性は誘惑に弱いからなあ。」

十和。
「それはシェイクスピアの格言ですね。」

舞理。
「量子コンピューターにアクセスすると。」
「アクセスしたのが丸わかりになる。」

乃々葉。
「当社はセキュリティに大金を払っていますからね。」

十和。
「相手の計画を阻止する、これは未来節約である。」

舞理。
「結婚をしないと、苦悩節約になる。」

十和。
「結婚を忌避するのは、男性というものをよく調べたからであり。」
「次に結婚というものをよく調べたからである。」

小袖。
「私は最悪の母親になれる可能性を秘めている。」
「子供を見ていると、気に入らなくてしょうがない。」

舞理。
「私は結婚しないけれど、既に夫を殺害したいという。」
「犯行予告を済ませています。」

乃々葉。
「何しているんですか。」

十和。
「ふざけているんですよ。」

小袖。
「道行く男性達は苦しそうな顔をしていますね。」

舞理。
「男性の苦悩は女性の二倍です。」

乃々葉。
「原因は多くの男性が冗談を理解できないので。」
「苦しそうな顔をしているのです。」

十和。
「確かに冗談が理解できたら、あんな顔になっていない。」

乃々葉。
「他の女性は、結婚以外の生き方を造らないから。」
「夫婦になっているとしか思えない。」

舞理。
「可謬主義ですよ、ああやって人は間違うこともあるかと。」

乃々葉。
「ヒューマンエラーで結婚するのですか?」

十和。
「よくあることですね。」

乃々葉。
「よくあることだからって、流さないでください。」

舞理。
「むしろ人生観やら世界観を再構築できたら、いいかと。」

乃々葉。
「前の世代の愚かさを受け継いでいますからね。」

十和。
「前の世代の馬鹿っぷりを見て育ちますからね。」

小袖。
「そうして世代を超えて、馬鹿は受け継がれる。」

舞理。
「愚者は作られるのではない、受け継がれるのだ。」

父親。
「さっきから好き放題に批判してない?」

乃々葉。
「私達だって、調子に乗りたい時もあるんですよ。」

母親。
「嘘はついていない、という一貫した主張は支持します。」

父親。
「嘘はついていないよね、本当の事を言っているのかは別として。」

母親。
「嘘をつかない、とはこういうことなんですよ。」

父親。
「いい娘に育ったなあ。」

夕食を済ませて。

両親は深夜、会社に戻りません。

たまに残業はあります。

四姉妹はたまに深夜。

会社に戻ることもありますね。

昔の女性は社会心理学用語、外的帰属、これによって。

一方的に責任を負わされていました。

外的帰属が崩壊すると、外部の影響で女性を操作できません。

女性、というより他人をコントロールすることによって。

男尊女卑を作っていましたが。

男尊女卑はボーボワールによって論破されて崩壊しました。

過去の女性は強要されて、それが正しいとまかり通っていて。

女性も知らない間に参加してしまった。

実際の女性にインタビューしたり、アンケートを取ってはいません。

黙っているから同意と見なした歴史でしょう。

逆に男性であることに苦しむ人々が増加しています。

本来通りの男女、これはイデア論ですけれど。

少なくとも男性による、男性らしさの強要は。

近頃、激化していますね。

これなら礼拝所は、苦情受付担当者になってしまい。

御祭神はカスタマーサポートというより。

訴訟の受付になっている。

しかし神を呪ったキルケゴールの父親よりは。

苦情を正々堂々と神々に述べる方が穏健ではあります。


9


豆知識。

ヒンズー教は輪廻転生を認めています。

そこで、今の行為が未来に影響を与える。

と考えます。

良い行為と悪い行為に応じて、未来の結果が決まると捉えています。

そのため、カルマという教えが記録されています。

カルマは三種類あり。

一つ目はプラーラブダ・カルマです。

これは宿命論そのものです。

二つ目はサンチタ・カルマです。

過去の影響の上で、改善できるもので。

努力や反省に応じて変わります。

悪化する可能性も説かれます。

三つ目はアーガミ・カルマです。

現世や現場での行いや実践が、影響を及ぼします。

これは最もコントロールできるカルマです。

ヒンズー教はカルマに神の介入を認めています。

ヒンズー教ではカルマを管轄しているのはブラフマン神であり。

悪行に手を染めても、それ以降の行いによって。

最初の悪影響をブラフマン神が軽くしてくれると考えられています。

これに対して仏教徒は、 カルマを絶対的な自然法則のように捉えています。

因果応報は有名ながら、ヒンズー教の教えと対立するため。

因果応報は万能ではありません。

現地では諸説ありますが、あまりに議論されがちであったので。

カルマ及び因果応報ならば、ヒンズー教の方が優れていると思われます。

詭弁としてカルマが用いられる危険がありますが。

こちらはヒンズー教とはかけ離れているため。

学術的価値があるとして紹介します。

インド哲学は神秘主義に陥っているため。

哲学としては認められていないようです。

最近の話題。

スリランカの僧侶、スピリチュアルを無神論であると論破する。

その上で神秘主義者であると指摘する。

神秘主義者は、中世では頻繁に処刑されていました。

神秘主義で成功したのは、聖トマスだけですね。

理性と神秘、というキャッチフレーズで有名です。

洞窟のイドラ。

狭い情報の中で議論されてしまい、閉鎖された中で完結する。

最近は詭弁について調べられています。

インターネットは、実際の書籍には及びません。

まともに書籍を読まずに、推論だけで書かれている可能性もあります。

蓋然性の高い情報は稀ですね。

さて、今日になって、社会では大義名分が不足しています。

市民が大義名分を手に入れようと。

買い占めたり、自作したりして。

何とか大義名分を確保しようと躍起になっています。

大義名分は宝物の名称らしいのですが。

大義名分という名前の宝物なんてありましたっけ?

早朝から激しい奪い合いが続いています。

社内の休憩室にて。

出勤して間もない。

ニュースで物騒な事を連発している人々を観ながら。

業務に入ります。

乃々葉。
「大義名分が足りないんですね。」

十和。
「大義名分はもっとも必要で、なおかつ高価なものです。」

小袖。
「大義名分が欲しいばかりに、買い求める人ばかりです。」

舞理。
「大義名分がないのなら、求めるんですね。」

乃々葉。
「そんなに高いものだとは思わなかったな。」

十和。
「代償は高くつきそうですね。」

小袖。
「どこのお店で売っているの?」

乃々葉。
「通信販売かもしれない。」

舞理。
「大義名分を求めて争奪戦、いったいどんな形の品物なんですかね。」

十和。
「誰しもが欲しがり、誰しもが消費する、お高い消耗品。」

乃々葉。
「大義名分は使うと無くなるので、入荷待ちですね。」

小袖。
「そんなに高い消耗品なんて見たくもない。」

舞理。
「私達とは無関係なんでしょうね。」

乃々葉。
「通信販売ばかり見ていると。」
「ついつい購入手続きをしてしまう。」

舞理。
「書籍は無限には無いですよ。」

乃々葉。
「無限に名著なんてある訳が無い。」

十和。
「全部揃えても、全部読まないと思います。」

小袖。
「必要なものだけ買っているのですね。」

乃々葉。
「通信販売を使わないと、地元の本屋では売ってないものだらけ。」

舞理。
「科学でしか品物を用意できない。」

乃々葉。
「最近、科学を否定できるのは科学だけ、ということに気が付きました。」

十和。
「目の前に量子力学で稼働する装置があるのに。」
「それを否定できるかについて。」

小袖。
「自然科学の良い所は、否定できない、という所です。」

乃々葉。
「科学に屁理屈とか詭弁とかは通用しません。」

舞理。
「科学を覆すのは、同じ科学ではないと無理ですからね。」

十和。
「論証で科学を覆すことはできない。」

小袖。
「科学を論破することは出来ない。」

乃々葉。
「唯一、哲学者が科学を牽制できる程度です。」

舞理。
「哲学者だけが、自然科学に言いがかりをつけられます。」

十和。
「科学を批判できるのは哲学だけですね。」

小袖。
「哲学でも、科学の論説を覆している訳では無い。」
「個人的に是認しないだけ。」

乃々葉。
「哲学は科学に対抗できるのであって。」
「自然科学の観測を覆している訳では無い。」

舞理。
「自然科学の名著、良書は哲学にも組み込めますよ。」

十和。
「別に科学と哲学は起源が同じなだけあって。」
「両立しますけれどね。」

小袖。
「哲学と科学は時々、融合したりします。」

舞理。
「科学哲学など、哲学の派生では同じものになっています。」

乃々葉。
「哲学と科学の融合した派生型はありますね。」

小袖。
「哲学と科学は対立しません。」

十和。
「運命の弱点は、科学抜きで考える目の見えない所ですね。」

乃々葉。
「運命論は量子力学によって破壊されましたよ。」

舞理。
「量子力学の大きな功績は、因果律を葬り去ったこと。」
「決定論を物理的に破壊したこと。」
「運命を撃破したことです。」

乃々葉。
「科学ができないし、目が見えない運命論なんて。」
「今では好きなだけ論破できる雑魚。」

十和。
「科学で運命論は覆されたので。」
「いい加減に、科学で勝負してみてはどうか。」

小袖。
「量子力学の不確定原理ですね。」

十和。
「運命を科学が負かした。」

乃々葉。
「変な宗教なんて、科学でいくらでも覆してやる。」

舞理。
「自然科学によって追いやられた運命論などは。」
「今では過去の産物なんですよ。」

十和。
「運命なんて言う迷信を信じた時代があったとさ。」

小袖。
「かつて因果律、決定論なんて信じた時代があったとか。」

乃々葉。
「科学で観測されたら、思わぬ嘘を暴いてしまった。」

舞理。
「迷信が支配する時代は既に終わっている。」

小袖。
「信仰と科学が合わさると、もう手に負えない。」

乃々葉。
「宗教と科学を合わせると、力が二倍になる。」

十和。
「迷信みたいな所は、科学で撃破して。」
「悔しかったら科学で勝負しろよ。」
「なんていう攻略もできる。」

乃々葉。
「存在しないものを、存在すると勘違いした歴史があった。」

小袖。
「今後、因果律は科学的根拠がないものとして扱われますね。」

乃々葉。
「運命も、科学で裏付けられなかったので。」
「運命には科学的根拠がない。」

十和。
「決定論も科学的根拠がない。」

小袖。
「運命は、既に決められているものではない。」

舞理。
「その都度、生成されているという解釈でいいかと。」

乃々葉。
「決まっているのではなくて、その都度、生成されているのね。」

小袖。
「確率によって、または偶然によって、あるいは適当に。」

十和。
「決められてはいない、そう見えるだけ。」

舞理。
「展開が、何かで作られていくので。」
「結果だけ見て筋書きと思っているのでは。」

小袖。
「まずは確率に慣れることからですね。」

乃々葉。
「物理的に、因果律、運命、決定論は存在しないのだから。」

十和。
「空理空論は物質ではない。」

舞理。
「物理的に存在しないものを、どうして作る必要があったの?」

乃々葉。
「まず運命は、責任転嫁の理論として人間が作りました。」
「後から存在しないことが分かりましたが。」
「運命のせいにすれば、説明付になるため。」
「不可抗力をまとめてそう名付けて使われていました。」

十和。
「運命は作り話なんですね。」

小袖。
「因果律も、人間の作品です。」

乃々葉。
「説明だけがあって、解決がないという。」

舞理。
「説明するだけなんて科学的ではない。」

乃々葉。
「因果律は、ヒュームが論破しているため。」
「哲学でもナンセンスな考え方です。」

十和。
「因果律を無視すれば何でもありになりますからね。」

舞理。
「決定論は、そう思うと都合が良い人々が製作しました。」

小袖。
「私が観客に悪口を言うのも、決まっていたことなんだよね。」

十和。
「あれ?決定論を罵倒するのも、既に決まっていたことなんですよ?」

乃々葉。
「運命を馬鹿にするのも運命である。」

舞理。
「因果律という原因があるから、因果律を罵るという結果になった。」

十和。
「その単語、要素そのものが原因で利用される。」

小袖。
「利用されている時点で、成立していない。」

乃々葉。
「そういうものって、ルールの抜け穴を突くのが簡単なんですよ。」

十和。
「私がお前を倒すのも運命なんだよ。」
「とか。」
「お前という原因があるので、お前を掃除するという結果がある。」
「とか。」
「自分が一方的にお前を罵るのも、既に決まっていたことなんだ。」
「とか。」
「やりたい放題に論証を乗っ取れる。」

乃々葉。
「乗っ取れる時点で怪しいでしょ?」

小袖。
「疑われたことがない単語ですしね。」

舞理。
「自然科学が否定した時点で、現実には存在しない。」
「そもそも物理的に存在しない。」

乃々葉。
「科学者は、超自然的な所や不思議な所までは突っ込んでこない。」

舞理。
「ビックバン以前には何があったのか?」
「科学者の回答、そんなものに興味はない。」

乃々葉。
「せっかく自然科学が一騎当千をしているので。」
「使わないと。」

十和。
「プラグマティズムですしね。」

小袖。
「科学は実用性が最高です。」

舞理。
「プラグマティズムは科学を手段として使いますね。」

乃々葉。
「せっかく流行っているのだから、使わないのはもったいない。」

量子コンピューター稼働中。

イギリス・オックスフォード大学で発案され。

起源はデビッド・ドイチェ。

平行宇宙論を好んで研究していたので。

重ね合わせの方法を知っていた。

左右両方の状態を取ることができるのが重ね合わせ。

ファインマンは別の視点からその可能性に行き着いた。

しかし見落としがあった。

重ね合わせの状態を用いることによって。

膨大な並列計算が可能になる。

ここだけ。

これは物理学から投げかけられたもので。

コンピューターの発展によるものではない。

量子コンピューターのポイント。

重ね合わせ。

1と0の値を同時に取る、ことによって。

情報量が膨大になり。

その中で目的にかなっている計算の結果を選ぶ。

処理は1と0の値を同時に取っている。

確率によって片方を取っているのではなくて。

両方の状態を取り続けている。

その処理中に観測してしまうと、デタラメになってしまう癖があるが。

適当な位置に状態が固定されるだけ。

重ね合わせ状態の破壊、と呼ばれます。

計算に目的を設定することで補われているようですね。

検出器などで重ね合わせ状態を見てはいけません。

量子コンピューターをハッキングしようとすると無理で。

既存のシステムでは送受信ができないと考えられています。

専用のオペレーションシステムやソフトウェア。

電気機器の構成部品などが特注で。

稼働して日が浅い。

地球って、何かの理由で、銀河の平均よりもテクノロジーで遅れていますよね?

モニタリングは簡単で、核の温度計と各部品の温度計。

放熱の予想、使っている電力の表記、そこら辺にたくさんある監視カメラなど。

観測はしないのが制御室の計器。

管理するのはアプリケーションと外部アクセス。

通信状態、人工知能によるバグ、エラーの報告。

ネットワーク関連のログなど。

出勤すると量子予想から開始されますね。

ライトワーク。

量子コンピューターはシールドで防護されているので。

内側に入らないと、点検できません。

一ヶ月に数回、点検をしますね。

筒状になっている区画に格納されています。

シェルターになっている地下にあるためか。

空調が重要で、これでもかと確保されています。

自然災害にも耐える、しかしこれは巨額の設備投資によるもので。

二回も実現しないとか。

たまたま会社が急成長していて。

膨大な収益が出ている大当たりの時期に建設されたので。

二度も同じものを造れないという。

ちょっと微妙な建築物ではあります。

故障なんてすると、オーバーホールまであるので。

そこまで難易度は低くない配置。

今日も四姉妹が制御室にいますが。

サーバー部門が近くにいて。

社内ネットワークも担当しているので。

人がある程度は、地下室を行ったり着たりしますね。

雑談しながら、自分が習ったものが、とある場所に固定される。

なんてことに気が付きながら、隣りにある休憩室でお茶をしています。

乃々葉。
「量子力学は運命に挑戦して打ち負かした。」

十和。
「科学で否定されたものを、詭弁で挽回することはできない。」

小袖。
「科学で運命なんて存在しないと観測されてしまった。」

舞理。
「残念ながら、これらは現実なんですよね。」

乃々葉。
「量子力学は人気で、これを学ぶと有利になるよ。」

十和。
「本当に未来が見えるのなら、それは人間ではないしね。」

小袖。
「ギリシャ神話で未来が見える力を貰った女傑がいますしね。」

乃々葉。
「しかしその未来を誰も信じないペナルティを受けてしまった。」

十和。
「今日では、たとえそんな能力を持つ人間がいても。」
「予見した未来を誰も信じない。」

乃々葉。
「神話時代に未来が見える女傑がいたので、しかし現代ではいません。」

舞理。
「不確定原理は明らかに未来を追いかけて削除しますね。」

乃々葉。
「今は科学の時代ですので、科学で反抗して貰わないと困ります。」

十和。
「量子力学は訳の分からない学問と呼ばれていますけれど。」
「その訳の分からない所が解釈問題となり。」
「逆に学びやすい要素になっていますね。」

時間経過。

お昼休み、しかし今日は土曜日ですね。

暇があるのか、市街地には野良が多い。

ニュース。

駅前。

午後になる辺りで、大義名分の奪い合いが激しくて。

いつの間にか、大事件になっていました。

略奪、強盗、搾取、大義名分を獲得するために。

大義名分が置いてあるお店や倉庫が襲撃されて。

とうとう大義名分を獲得した人々が。

暴動を起こしていました。

鎮圧に夕方まで必要になりましたが。

退勤する時刻には制圧されていて。

駅前はいつもの通りになったようです。

当事者によると。

人は大義名分を得たら何をするのか分からない。

とのこと。

質問に質問形式で答える理由を問われると。

どうして質問形式で返事をしてはだめなのか。

逆に質問されてしまった。


10


出勤する時に。

足を負傷している演技をしていました。

松葉杖で会社に入ります。

何も負傷していませんが。

自分を狙っている人間を。

演技によってあぶり出すことが出来ますが。

狙っている奴は誰もいませんでした。

誰もいないことが確認できた。

早朝の会議。

四人だけ。

乃々葉。
「今も数年前の過去に過ぎない。」

十和。
「今は百年後の過去ですよ。」

小袖。
「物理的に、今とは限定されたものです。」

舞理。
「太陽ですら八分以上前の光ですからね。」

乃々葉。
「頑張れば、ビッグバンの残光ですら観測できる。」

十和。
「四次元で考えるんだ、というのは物理学の名言。」

小袖。
「過去あった出来事は、今の過去になるためにあった。」

乃々葉。
「その時は無我夢中でも、今になるとそれは過去になるためにあった。」

舞理。
「そして現在も、過去になる。」

乃々葉。
「今とは位置と行動だけに限定されたもの。」

十和。
「お前は四次元で考えてはおらんのだ。」
「格言。」

小袖。
「恒星の光も、十年前とか平気で届いていますね。」

舞理。
「恒星ならば、数千年前の過去の姿が見えている。」

乃々葉。
「太陽からの光にはタイムラグがありまして。」
「八分以上前の姿が見えています。」

小袖。
「仮説として、隣の銀河にいる知的生命体から、こちらを見ると。」
「既に何かしら終わっていた過去になっていたり。」
「未来が見えている可能性すらあります。」

舞理。
「光にはタイムラグがありますので。」
「残光が長らく残っている。」

小袖。
「月ですら数秒前の姿が見えています。」

十和。
「未来は、もっと未来における過去です。」

乃々葉。
「未来があり、もっと先の未来から見ると。」
「中間は、その未来の過去となります。」

舞理。
「ある意味では過去になるであろう物事に取り組んでいるだけです。」

十和。
「今やっている物事ですら、ある時にとっては過去のものです。」

小袖。
「もっと未来の過去になる、少し先の未来なんですね。」

乃々葉。
「何があっても、もっと先の未来にとっては過去になります。」

舞理。
「何かあった一年後には、もはや過去ですね。」

小袖。
「現在が未来なのか過去なのか、解釈次第で物事が変わりますね。」

乃々葉。
「何かしらあった未来が今であって。」
「何かしらある現在は未来のある時から見て過去になります。」

十和。
「今あるものは一時的である上に、百年後には過去のものとして消えてしまう。」

舞理。
「未来があるのではなくて、もっと先の未来から見た過去なんですよ。」

小袖。
「未来のある時から見た過去にいますね。」

舞理。
「昔あった時期から見た未来が現在です。」

乃々葉。
「そういうのが四次元で考える、というものでしょうね。」

十和。
「ある時、振り返る時に、昔のものが過去として消滅する寸前で。」
「進行中の必死な時期が、未来では過去として処分されてしまう。」

小袖。
「過去を見ることが可能である以上、物理的に有効な指摘ですね。」

乃々葉。
「過去の残光が、宇宙で確認できるので。」
「光にタイムラグがあることは便利なんですよ。」

舞理。
「夕方になると、その日の記憶は、既に過去のものですし。」
「一時間後も過去になります。」

小袖。
「過去を振り返ると、その時は必死になっていたものの。」
「今となっては過去となるために何事も生じていた。」

十和。
「物理的に、今なんてすぐ過去になって。」
「もっと未来では今も過去にいることになるため。」
「今ですらある時の過去にいます。」

乃々葉。
「今やっていることも、あることも、もっと未来では。」
「ある時にとっては過去として処理され、あるのは解釈だけになります。」
「今ですらある時の過去です。」

舞理。
「もっと未来では現在も、その時にとっては過去にいます。」

小袖。
「未来を予想する時に、今はその過去にいますからね。」

乃々葉。
「四次元で考えるのは訓練が必要なんですね。」

松葉杖について、誰も言及しない。

釣りは時に成果なし。

目撃者は多いのに、何も噂にならないので。

今日だけで終わりそうです。

更衣室から制御室に。

途中にある休憩室。

乃々葉。
「この世では正義に強大な力を与えることはしなかったので。」
「力あるものを正義とした。」

十和。
「正義に強大な力が与えられることがない。」

小袖。
「なので、強者を正義として、力で正義がいくらでも覆るようにした。」

舞理。
「強大な力を持っている者を正義としたのです。」

乃々葉。
「正義だけで力を持たない者は無意味で。」
「力のない正義は倒される。」

小袖。
「いくら正義を名乗っても、力で倒されますからね。」

十和。
「強者しか正義を保持できないようにした。」

乃々葉。
「正義に絶対的な力は与えられなかったので。」
「強者が正義になっても当然ですしね。」

舞理。
「どこを見ても、この世で正義に力が与えられることはなかった。」

十和。
「強者が絶対者になって、正義を名乗ることになった。」

小袖。
「なので、弱者が正義を名乗っても、潰されることになった。」

舞理。
「なぜかそのように出来ている。」

乃々葉。
「パスカルの正義についての記述は、やはり当たっている。」

十和。
「なので、強者はその正義を保持して。」
「正義が力を持つのではなくて。」
「強者が正義を独占することにした。」

小袖。
「非力な正義は倒される理由ですね。」

舞理。
「正義であると名乗った時点で、倒される危険があります。」

十和。
「正義を名乗るのなら、強者である必要があります。」

乃々葉。
「そうなるとプラトンと一致していますね。」

小袖。
「やはり正しいとは強者の利益。」

十和。
「正義とは支配者の利益に他ならない。」

舞理。
「人間の考える正義には限界があるんでしょうね。」

小袖。
「人間の考える正義は、もはや限界。」

乃々葉。
「正しいものを強く出来なかったので。」
「強いものを正しいとした。」

小袖。
「力のない正義は反対されて排除される。」

舞理。
「強い者が正しくなるか、正しい者が強くなければだめですね。」

乃々葉。
「力のない正義は無力で、正義のない力は圧政です。」

十和。
「力があっても正義がないと、単なる圧政。」

乃々葉。
「人間に不平等があるのは必要なことですが。」
「不平等の度が過ぎると、圧政に陥る。」

十和。
「適当な不平等が人間にとって必要なことです。」

小袖。
「いくら不平等だからと言っても、必要なことです。」

舞理。
「不平等は必要だからあるけれど、適度にしないと圧政に陥る。」

乃々葉。
「より確かなものが反対されて。」
「不確かなものが支持される。」

十和。
「より確かなものが反対されている。」
「その上で不確かなものを支持するのは愚か者のすることです。」

小袖。
「確実なものに反対しておいて、不確かなものを取るのは愚者ですしね。」

舞理。
「反対のものがあるから、本当とは限りませんが。」

乃々葉。
「反対があるから真実があるのではない。」
「真実があるから反対があるのではない。」
「より確かなものが反対されて。」
「不確かなものが選ばれているだけ。」

この都市に拠点を置く。

政治団体、パターナリズムがまた暴れています。

どんな所にも武力介入するため。

かなりうざい政治団体ではあります。

インターネットで勧誘、洗脳を繰り返しているため。

違法となり、捜査が行われているようです。

政治団体、パターナリズムは意外に規模が大きいため。

転倒するには今すぐとは行かないようです。

拠点がある地区は回避されますね。

自分達の思想を手当たり次第に押しつけるので。

けっこう喧嘩ばかりしています。

駅前で勧誘していて。

しばらくすると拠点に戻ったようです。

社会に対する荒らしですね。

特定の集会を中心とする政治活動なので。

拠点はあっても、指導者は特にいないようです。

駅前の動画ライブ中継では、政治団体パターナリズムばかり映ります。

お節介ばかりやるので、うざい集団としては有名ですね。

お昼休み。

カードゲームで遊んでいます。

乃々葉。
「最善の手を打っても、負けることはある。」

十和。
「勝負や競技は、最善の手を打っても負けることはありますね。」

小袖。
「最高の手を打ち続けても、負けることがある。」

舞理。
「最高の手を打ち続ければ、確実に勝てると思ったら大間違い。」

乃々葉。
「最強の手を打っていれば、必ず勝てるなんてものはない。」

十和。
「勝負とか競技の厳しい所ですね。」

小袖。
「負けるのが嫌ならば、対戦なんてしない方がいい。」

舞理。
「どんなに必死になっても、最後になるまで決まらないからね。」

乃々葉。
「最後にはどうなるの?」

舞理。
「それは最後にはどうなるの?」

十和。
「勝利で得られるものよりも、失うものが多ければ。」
「誰しもが勝敗を放棄して逃げ出しますよ。」

小袖。
「勝利しても結果が悪ければ、その後は勝負なんてしなくなると思います。」

乃々葉。
「勝利しても、後々リベンジされたら、何のために負かしたのかよくわからない。」

小袖。
「なので、無闇に戦いを仕掛けると、敵を増やすだけで、さらには味方も減ります。」

乃々葉。
「勝敗なんて確率で計算できる上に、価値観としては良くないですね。」

舞理。
「勝利に価値判断を置くのは、野蛮なだけでは。」

十和。
「実際には敗北者の方が多い。」

乃々葉。
「最強の手を打っても負けることがあるのなら。」
「勝負とは危険そのものですね。」

十和。
「なんだか勝敗が安っぽくなった。」

乃々葉。
「科学的に勝敗について分析できるからね。」

小袖。
「最強の手と最強の手が対戦すると、引き分けになるだけ。」
「無効試合になるかと。」

乃々葉。
「科学的に勝敗を分析すると、計算で勝敗が見えてしまい。」
「かなり確率とか最初の条件に左右されていることがわかりますね。」

舞理。
「自然科学で勝負について調査できる。」

十和。
「出せる手をすべてコンピューターが計算すると。」
「ドローゲームという結果が出やすい。」

小袖。
「科学的には勝利か敗北かの二者択一らしいです。」

乃々葉。
「割に合わないね。」

舞理。
「勝負よりも得られる利得ですよ。」

十和。
「利得を無視する勝負は愚かなだけ。」

小袖。
「しかし相手が理解しているとは限らない。」

乃々葉。
「何でも勝負と称して大損すればよろしい。」

舞理。
「嘘には誰も反対せず、むしろまかり通ったまま。」

カードゲーム続行。

嘘つきとは、未来に攻撃される人である。

作家と読者の違いとは?

作家は長時間の執筆をして、読者が長時間の執筆をお金で買う。

これは読者のささやかな苦情である。

お金を払っているのに、こんな内容なんてひどい話だ!

私達の千円を返せ!

しかしどう考えても、そこら辺の行き当たりばったりな作家が。

読者の千円に値する作品を書けるかどうかは怪しい。

昼休み終了間際。

乃々葉。
「退屈な生涯と退屈な本との違いは何か?」

小袖。
「退屈な本ならば、閉じることができる。」

舞理。
「有神論者とは、かつて人間を信じたことのある人である。」

十和。
「歴史の良い所は、既に終わっていて、当事者が誰もいない所ですね。」

乃々葉。
「学校で習ったことは忘れてしまいそう。」

舞理。
「それがよろしい、あそこは理想しか教えないからね。」

十和。
「学校は楽しい、どこにもありえない多くの事実と夢を述べるからね。」

小袖。
「別に学校は生徒を騙さない、社会に入る直前だけ騙すだけ。」

乃々葉。
「約束するだけで、その後はずっと遅延するなんてふざけている。」

十和。
「今日、初めて自分が昼間、寝ていないということが証明されました。」

舞理。
「良かったね。」

乃々葉。
「為政者が政策を実行するのに何が必要か?」

小袖。
「何もいらない、自然の摂理に任せておくだけ。」

舞理。
「誰しもが作り話のセンスが抜群。」

松葉杖のフェイントに引っかかる人はいませんでした。

夕方、松葉杖を使わずに歩いていたら。

動揺する人が複数いて。

病気の演技って、たまに役に立つのかも。

いつものように夜間になる。

暇して、配信を観ています。

乃々葉。
「現実は変えずに解釈を変更しましょう。」

十和。
「そもそも現実に失敗なんてありません。」
「改善するものや、間違った方法を見つけられるだけです。」

小袖。
「仮に悪い結果になっても、何が誤りなのか証明されるだけなので。」
「自分を修正するのは簡単になります。」

舞理。
「その前に相手の反応に合わせた方が建設的ですね。」

十和。
「官能評価というものがありますが、五感は心理によっても違いが出ますし。」

乃々葉。
「自分の中に変化を起こすものは、誰でも持っています。」

舞理。
「自分の行動は常に最善を尽くすものであり。」
「現実はその人の価値判断によって、物事や解釈がいくらでも変わります。」

小袖。
「悪い人とは何なのか、多分、道化師の事でしょう、やられ役ですね。」

乃々葉。
「あなたにとっての悪役は何ですか?」

十和。
「最後に消えるか、負けるか、噛ませ犬になる人のことですね。」

乃々葉。
「前提が違うと、それまでの現実がまるで別物になるね。」

小袖。
「その前提を変えるまでが大変なんですよ。」

乃々葉。
「経験から前提を設定してしまうので、そういう癖は変更が困難。」

十和。
「考えるだけの人なんて、社会では必要ないしね。」

乃々葉。
「自分が変わると、外部のものまで変わります。」

舞理。
「突然、別人になって、価値観も思想も変化した。」
「それまでの設定は、後に何も通用しなくなる。」

十和。
「確率による影響は、そこまで及びますよ。」

乃々葉。
「宗教だけではなくて、科学も採用する。」

小袖。
「迷信の多くを科学によって退ける。」

乃々葉。
「確定していない未来を、確定しているかのように見せるものの。」
「細かい所を反駁されて、撃破される筋書き。」

舞理。
「不確かな未来について、確実と言われてもね。」

乃々葉。
「人工的に筋書きを作ったからと言って。」
「自然はいくらでも無視するでしょうけれど。」

配信を観ていました。

ウェブニュースでは注目されていますが。

しばらく政治団体、パターナリズムが荒らしているようです。

ウェブニュースは変な映像がないので。

読みやすくて、誤解する表現も少ない。

自分から情報にアクセスできるのは利点。

最近、インターネットの情報で学習なんて愚行がありますが。

訳本に忠実である訳が無い。

そこら辺の凡愚が載せていることが大半でしょうね。

そもそも訳本をまともに読まずに、学説を載せてあることがよくある。

配信は同時視聴者数千人くらいで、成功ですね。

無理に増やすことは出来ない。

配信の価値で人気も決まる?

どんなに頑張っても人気にしてくれないこともある。

どんなに内容を良くしても人気になってくれなかった。

どんなに優秀でも、自分が人気にならなかった。

なんてことも。

勝利に執着する人は向いていない。

松葉杖は自宅の倉庫に入れました。

病気は統計的に多いだけで、個別に見ると、そんなに酷くない。

人は些細な事で、打たれて死ぬので。

人間が弱い生き物で、自然が打てば容易に死ぬことは、後々分かるとして。

そういうことを知っている人間はまた偉いのですね。


11


夕方。

交代で自宅と持ち場を往復しています。

暇なので、雑談。

持ち込んだ本などを読んでいます。

会社の売上は好調ですね。

産業の価値をまず上げるだけ上げて。

その価値に基づいて評価が集まるので。

余裕らしい。

人材も、多種多様で、競技の元選手、音楽家。

科学者、哲学者、心理学の玄人など。

けっこう非凡な人を混ぜています。

必要に応じて社長や重役が介入しますが。

基本、任務委託型で、複数の部署が連携して。

商品やサービスを循環させている仕組み。

なので、小さな失敗や、欠点を発見しやすいですね。

チームプレーに個人プレーが混ざっています。

定時に退社する人が数人います。

日没が迫っています。

姉妹はウィトゲンシュタインがマイブーム。

言語ゲームは、言葉の定義ではなくて。

発言者の意味を当てるゲーム。

言葉を定義ではなく、解釈によってやり取りするもの。

なので発言はすべて解釈次第。

乃々葉。
「言語ゲームの例えになると。」
「同じ、馬鹿野郎、という言葉も。」
「状況によって異なるものになりますね。」

十和。
「何か良い事をされて照れて、馬鹿野郎、と言うのと。」
「忠告として、馬鹿野郎、と言うのと。」
「叱責で馬鹿野郎、と言うのは。」
「同じ言葉で定義が同じでも。」
「意味がまったく異なります。」

小袖。
「定義通りに言葉を受け取ると、支離滅裂になりますね。」

舞理。
「量子力学、科学者ハイゼンベルグも、客観的事実なんてない。」
「あるのは自分の目を通して見た事実のみ。」
「とありますから。」
「言葉の意味に客観的な所はないですね。」

乃々葉。
「別に、決して誤らないことはできないのに。」
「誤らないようにするのは不可能です。」

十和。
「とまあ、朱子が言うには、矯正されなかった人の思考は。」
「是非があるだけで、是非の検討はないとね。」

小袖。
「信じるにしても、真実虚偽の事ですしね。」

舞理。
「信じると言っても、真実虚偽の判断が必要です。」

乃々葉。
「儒学では、希望とは悪を避けられる望みのことらしいですし。」
「絶望とは、悪が避けられない状況のこと。」

十和。
「善悪二元論が流行していますけれど。」
「善と悪は、二者を比較して初めて生まれる。」
「比較対象と比較して善と悪が生じる。」
「なので、絶対的な善と悪はない。」

小袖。
「この人は他者と比べて善人みたいですね。」
「とか。」
「この人は他者と比べて悪人みたいですね。」
「とか。」
「他人と本人が比較されて、どの程度なのか判断されるだけ。」

舞理。
「この時は善人みたいだけれど、ある所では善人とは言えないとか。」
「その時は悪人みたいだけれど、ある所では悪人ではないとか。」

乃々葉。
「悪党と呼ばれる人は、その都度、消されていなくなるので。」
「悪党の寿命は短いようですね。」

十和。
「多くの人は善と悪の中間を選択しますよ。」

小袖。
「アリストテレスも、人は善人と悪人の中間である。」
「と述べています。」
「残念ながら、それが真理だと思われる。」

乃々葉。
「兵士ですら、昔の軍隊は、一部の兵士が発砲するだけで。」
「大多数の兵士は発砲しなかった。」
「たまたま発砲する兵士が多くて。」
「敵の武器を鹵獲したら。」
「敵陣営の大半は装填済みの銃器だけで。」
「発砲しなかったので負けた以前に。」
「殺人に対してためらっていた証拠があるね。」

舞理。
「現代では、心理学で、殺人を疑似体験することで。」
「条件反射で敵を撃ち殺すことができます。」
「今では発砲しない兵士はいないと言われています。」

十和。
「実際に戦場で敵と接近戦になり。」
「撃ち殺した時に、惨たらしい死に方を見て。」
「嫌になる兵士もいたとか。」
「兵士も殺人をするためには、克服する訓練が必要。」

乃々葉。
「戦争は平和を目的に行われる。」
「アリストテレス政治学。」

小袖。
「平和のためにあれをしないといけないのですね。」

乃々葉。
「政治が軍事に命令して戦争が行われる。」
「政治が戦争を指示する。」

十和。
「歴史において、君主が直接、戦争を仕掛けるのと。」
「兵法家に委託して、戦争を仕掛けるのと。」
「二種類ありますね。」

舞理。
「国際連合が設立されて以来。」
「戦争の威力が低下しましたね。」

乃々葉。
「平和主義よりも、非戦思想と反戦論が現実に通用すると思います。」

十和。
「平和主義の欠点は、自衛の否定と、弱体化にありますからね。」

小袖。
「意志を強制して、自分に従わせたい国家と軍隊は頻繁に出てくる。」

十和。
「戦争の原因は撲滅できるのか?」

舞理。
「戦争なんて、ない方がよろしいかと。」
「とは言っても、戦争になってしまうのが。」
「残念な所ですよ。」

乃々葉。
「政権に命令されて、軍事の規律に基づいて兵士は戦いますが。」
「殺人というものは、自ら志願した兵士でも難しいので。」
「殺人の訓練が必要で。」
「平時では、法律に基づいているおかげで。」
「無害という訳ですね。」

舞理。
「兵士は法律に拘束されているので、平時では無害ですね。」

十和。
「軍隊の規律を少しでも乱すと、処罰される。」

小袖。
「それだと現行犯の殺人なんて、本来ありえない異常行動ですね。」

乃々葉。
「極少数の兵士は敵を殺傷しても平気ですが。」
「民間人で殺人を試みるなんて。」
「人間には最初から備わっていないものだと思います。」

十和。
「人は殺人を忌避するものですしね。」

小袖。
「軽々しく殺人を語るのは、暴力を模倣したのか。」
「暴力を教わったのか、暴力主義者くらいでしょうね。」

乃々葉。
「そういう私達は非戦思想の支持者ですけれどね。」

舞理。
「反戦論はわかりやすいですね。」

乃々葉。
「非戦思想は老子の教え。」
「自分から仕掛けないように心がける。」
「止むを得ない戦いだけ行う。」

舞理。
「昔は数々の犯罪で苦しみ、今は数々の法律で苦しむ。」
「モンテーニュ。」

乃々葉。
「ううむ、苦悩というものは、外部から来るものではなくて。」
「世界にいるだけで、苦悩は自然発生するものですね。」

十和。
「外部から来るという被害者みたいな考え方は間違っています。」
「世界に誕生した瞬間に。」
「生涯受ける苦悩は決まっています。」

小袖。
「外部が苦悩をもたらしているのではなくて。」
「存在した時点で、既に苦悩を持っています。」

舞理。
「自分の内側に苦悩があり、世界も苦悩に満ちているので。」
「自分の内側にある苦悩を。」
「どうやって何とかするのか、というのは本人の課題ですね。」

乃々葉。
「世界は不条理であると言われています。」
「必ずしも論理にかなっているものばかりではない。」

舞理。
「物事に腹を立てても無駄です。」
「物事の方はそんなことはお構いなしなんですからね。」

小袖。
「時間ですね。」

十和。
「定時に帰るとまずい。」

乃々葉。
「時間とは物体の運動を測定して決められていますね。」

小袖。
「日本の時計も、とある物体の運動を観測して決めています。」

舞理。
「時間は物体の運動というのが定説ですね。」

乃々葉。
「意見を出す場合、民衆の独裁が、少数の意見を排除しないように。」
「注意が必要です。」

十和。
「数も揃えばひとつの独裁ですからね。」
「多数派の独裁。」

小袖。
「仮説を出す時は、仮説の範囲を出ませんね。」

舞理。
「反証可能性は科学である証拠です。」
「どんな意見や仮説も。」
「嘘が証明できなければ。」
「学問に属していません。」

乃々葉。
「断言して信じさせるだけで。」
「反論には威嚇して返す。」
「という態度は、反証可能性を持っていません。」

舞理。
「嘘が証明できる可能性がある。」
「これが重要なんですね。」

十和。
「ジョン・スチュアート ミル自由論。」
「意見や仮説を出す時は必須ですね。」

小袖。
「ヴォルテール寛容論も必要です。」
「ちなみに私は事実なんて言いません。」
「客観的事実なんてありません。」
「観測者によって事実が異なります。」

乃々葉。
「事実が存在しないことが。」
「ニーチェとハイゼンベルクによって証明された。」

舞理。
「哲学と科学が合わせて事実を消した。」

乃々葉。
「何か人に完璧を強要する悪い癖がありませんか?」

十和。
「完全無欠を目指すのは悪くありませんが。」
「他人にそれを強要するのは間違っていますね。」

小袖。
「嘘に反対するのは良いことです。」

舞理。
「私達は嘘に反対しているのね。」

乃々葉。
「嘘に反対しないので、嘘が蔓延る。」

十和。
「それでは、繰り返し、嘘に反対することにします。」

乃々葉。
「昨日、地元の古本屋で、古典を漁って、大量の書き込みを見つけて。」
「あまりの博識に購入したのですが。」
「どういう賢者がわからないほど。」
「適切な注釈と反駁が載っていました。」
「一冊において自分より優れる一般人もいるのかと。」
「凄かったね。」

十和。
「勝とうとして、勝てるなんて甘い話は現実にはないよ。」

小袖。
「勝利したいから、勝利できるなんて甘い話は社会にはない。」

乃々葉。
「私は動画でも、正論を言う人がいて、思っているより。」
「優れた人がいるのだと知りました。」

舞理。
「つまらない人間だけで社会が回っている訳が無いのです。」
「必ず飛び抜けた人が混ざっています。」

十和。
「そういう人の力量を制限すると、社会の利益が失われるので。」
「競争を仕掛けないようにしています。」

小袖。
「競争はギャンブルですよ、負けた人の方が多い。」

乃々葉。
「力量が一定以上になって、ダニング・クルーガー効果を克服すると。」
「社会にいるのは、簡単には負かせないような人達ばかりですね。」

舞理。
「そういう絶妙なパワーバランスによって成立する世界です。」

小袖。
「自分が挑戦すると、パワーバランスも調節される。」

乃々葉。
「才能に代償を求めるなんて、愚かな考え方です。」
「大衆に媚びなくていいのに。」

舞理。
「才能にペナルティを与えても、市民の誰からも感謝されない。」

小袖。
「別に才能に代償を与えるなんて、対象者は市民の誰からも頼まれていないし。」
「成功しても報われない所か、市民は無関心。」

十和。
「能力だけで他人を判断するのは果たして正義なのか?」

乃々葉。
「能力だけで他人を評価する?何か詭弁染みているね?」

舞理。
「才能がいくらあっても、本人は自分のためにしか使わないでしょうし。」
「才能を規制しても、他人はそんな規制から受ける利益がない。」

小袖。
「数例のパターンに合わせて、人をコントロールするものではないしね。」

乃々葉。
「能力とか才能と言われても、能力、才能以外の何も見えていない場合が多々ある。」

十和。
「才能以外に何かあるとか、能力の他にいろいろあるとか。」
「そのくらいの所が見えないと愚かですよ。」

小袖。
「私が見た優れた人の多くは、幸運によるものです。」
「強運で得られる能力もあります。」

乃々葉。
「実力も運のうち、というのは、どうやら本当の事らしい。」

十和。
「どこまでが自分の力なのか分からない。」

舞理。
「不可抗力の中を突っ走っているだけですよ。」

乃々葉。
「私も優れた他人を妬んだ経験はありますが。」
「必要な技能を得ると、逆に優れた他人を賞賛するようになった。」
「単に自分の無能を責任転嫁していた、それだけで。」
「克服すると、競争に加わっていても。」
「鍛錬で得た能力が物を言うので。」
「妬む必要がなくなった。」

十和。
「天才を放置すれば、社会に利益を還元してくれるので。」
「邪魔しないだけで良い。」

小袖。
「菜根譚にも、独り占めは災いを招くとありますしね。」

乃々葉。
「強くて優れている人が良い人で。」
「弱くて劣っている人が悪い人ならば。」
「自分が良い人になればよろしいね。」

舞理。
「単に手段に困っているだけでは?」

乃々葉。
「綺麗な手段の方が汚い手段よりも勝利を収める。」

十和。
「とまあ、正しいことが害になることもありますので。」
「正論も程々に。」

乃々葉。
「そうですよね、正しいことも、害になることもあろうかと。」

小袖。
「正論ばかり言うものではない、状況に応じた言動をすべき。」

乃々葉。
「荘子の話を引用すると。」
「言い負かして、自分が正しいことにはならないし。」
「相手が間違っていることにもならない。」

舞理。
「あまりに見たままを話すので、嫌われてしまいそう。」

乃々葉。
「いくら雄弁でも、真実がなければ無意味です。」

小袖。
「最近は、意味のないことが多過ぎる。」

舞理。
「それだけ根拠がないことばかりなんですね。」

日没。

両親とお姉さんは遥か上の階層にいます。

規模の限界を超える展開はしない。

という話がありました。

会社が傾くと、解散してしまうため。

念の為、ヘリコプターの免許とか。

狩猟の免許とか。

大型車の免許とか。

経理の資格とかも取得中ですね。

不確定性原理。

未来は決まっていない。

決定論も沈黙させた不確定性原理。

自然は量子力学で動く。

定時だけれど、いつものスタッフに任せず。

自主的に残業。

これは何かしらの実験をしたいため。

帰らないだけです。

帰れない時もけっこうある。

今回は清掃です。

社内の警備もやっています。

警備員も巡回。

残業の人もいる。

乃々葉。
「二十四時間テレビ情は世界を支援するのか?」
「情で語られる世界って何よ。」

十和。
「二十四時間テレビ。」
「情は世界を支える。」

小袖。
「恋も情ですよ、情だけですしね。」

乃々葉。
「朱子の教えですね。」
「情は仁ではない。」
「知らない間に言葉が歪曲されて伝わっている。」

舞理。
「情では世界が何とかなりません。」

乃々葉。
「今年も。」
「政権が、どうやって何とかするのか見たいですね。」

十和。
「なんだか無限に論破できる気がする。」

乃々葉。
「夢でも見ているのでは?」

十和。
「随分、鮮明な夢ですね。」

小袖。
「読書はすべて暗記しなくてもいい。」
「内容を理解するだけでいい。」
「伝習録。」

舞理。
「手に入る本はとりあえず揃えた。」

乃々葉。
「次から次へと新手の学問が発見される。」

十和。
「まあ買いたいけれど、財布にお金がないね。」

舞理。
「享楽に浸るよりは、読書の方が豊かになった。」

乃々葉。
「名著があれば、経験は要らないよ。」

十和。
「悪いものがあって、それから学んでいく、みたいな暴力的な人生論。」
「あまりに下らない。」

舞理。
「不可知な所は避けて、したい放題にしてみる。」

小袖。
「自分が決めた内容が出ればいいだけ。」

乃々葉。
「勝手に決めるのは他律に陥ります。」
「自分で決めるのが自律。」
「カント哲学より。」

十和。
「自動生成された人生が、私を他律にしているよ。」

舞理。
「ならば他律を破壊することから始めたら?」

乃々葉。
「ハイデガーの概念で、投企性があります。」
「これはプラトン、オルペウス教とは異なり。」
「強制によって人生が自動的に決められて。」
「世界に投げ出されるというものです。」
「これは生まれたことに意味があるとは見なしません。」
「自分で展開を作る必要があるそうです。」

舞理。
「ハイデガーの投企性は有名ですね。」
「親ガチャとも呼ばれて引用されました。」
「哲学では生まれについて。」
「プラトン、エルの物語、ハイデガー投企性と。」
「二種類の解説があります。」

小袖。
「客観データを否定しても、論破したことにはならない。」
「客観的であるが故に無敵。」

十和。
「自説、持論には限界があるので。」
「客観データを多く持ち出すようになった。」

乃々葉。
「主観と客観の二元論と言われそう。」

十和。
「ヤスパースが語る限界状況だけが変わらない。」

小袖。
「一貫しているのは不可抗力ですなあ。」

舞理。
「何でも自由ならば、簡単なんですけれどね。」

上階エリアに上がります。

これは社長室がある階層ですね。

機密情報がある金庫もあります。

今は誰もいません。

異変がないみたい。

乃々葉。
「正義が悪を倒す、なんて作品はもう観ません。」

十和。
「善悪二元論の作品なんて気持ち悪いです。」

小袖。
「善悪は誰が作ったのですか?」

舞理。
「知らないよ!」

十和。
「作った人に問い合わせてください。」

乃々葉。
「軍人は、法律の代弁者が。」
「違法な輩を一方的に倒して。」
「法律が勝利する。」
「なんて物語が好まれるとか言っていました。」

小袖。
「正しい側が、悪い側を潰すなんて邪悪ですしね。」
「どちらか一方が正しいなんて状況はまずない。」

十和。
「悪役が、大量殺戮集団になりがちなのは、苦笑いする。」

乃々葉。
「自軍と相手の陣営に、それぞれ口実があって。」
「お互いの意志を強制したことで、戦いになる。」
「なんて高度な作品は見たことがない。」

十和。
「作り物の正義を模倣するのは最悪。」

舞理。
「私は正しい対正しいの決闘モノが好きですね。」

小袖。
「相手の陣営を滅ぼして終わる物語。」
「なんかジェノサイドにしかなっていないね。」

舞理。
「善悪を超える物語が素敵ですよね。」

乃々葉。
「そうなると、正義ではなくて、法律が勝利する。」
「そんな展開しか無くなったりする。」

小袖。
「善悪二元論だけは不快ですよ、作品でも生活でも。」

十和。
「相手はいけない、だから殺していい。」
「なんて理屈ですしね。」

小袖。
「相手が悪い、だから殺してもいい。」
「或いは。」
「自分側が正しいから相手を殺害しても許される。」
「なんか無理な理屈です。」

乃々葉。
「一撃で倒すマンという題名の。」
「強過ぎるとどうなるのか?」
「という漫画がありますけれど。」
「敵側が決まって暴力主義者で。」
「破壊と煽りの限りを尽くして。」
「傭兵であるサイタマが一撃で倒す。」
「こういうはっきりした方がいいかも。」

舞理。
「その漫画とかアニメは、正しい側もかなりやられますね。」

十和。
「漫画みたいに躊躇なく殺人ができる戦士は稀ですけれど。」

小袖。
「敵を滅ぼして終わり、なんて幼稚な物語は良くないですね。」

乃々葉。
「娯楽ですから、必ずしも芸術的である必要がない。」

舞理。
「しかしまともな作品が増えるのは良いことです。」

十和。
「駄作の数がやたらに多いですからね。」
「まともな作品は不足しています。」

小袖。
「ランキングを不正操作して、社会に敵対される人もいます。」

舞理。
「収益を優先して社会に敵対される。」
「正々堂々とやった方が得では?」

乃々葉。
「卑怯な手しか使えなくなった人々は見苦しいね。」

舞理。
「正攻法って言葉を知らないようです。」

乃々葉。
「汚い手ばかり使えばいいというものではない。」

十和。
「作品の価値が低迷すると、短期間で消されます。」

舞理。
「売上重視なんて国富論では批判されますよ。」
「全体の価値を上げて、少しずつ売るのが長続きします。」

小袖。
「簡単に頭が悪いので、姑息な手に頼るのでは?」

乃々葉。
「数年もすれば、市民に小細工が見破られて。」
「作品も会社も見捨てられますね。」

小袖。
「どう見ても、視聴者や市民が馬鹿であるという、誤った前提に立っている。」

舞理。
「人は信じたいものを容易に信じるものです。」

十和。
「みんな見たい現実だけ見ている。」

乃々葉。
「そのせいで、傑作と駄作の違いがあまりに目立つ結果を招いた。」

舞理。
「比較対象がなかっただけで、比較対象が出ると決着がついてしまう。」

乃々葉。
「だいたい、嘘は、比較対象が出るまではまかり通ります。」

小袖。
「不正なんて使わない方がうまく行くのに。」

いきなり不意討ちを受けました。

相手は隠れていたんですね。

警棒で殴打されましたが。

相手は動揺しています。

侵入者。
「あれ?直撃したよね?」

乃々葉。
「なにするんですか、だれですかあなた。」

十和。
「薄暗くて、何をやったのか確認できない。」

舞理。
「あなたは部外者ですね?」

小袖。
「警備員を呼んできますね。」

侵入者。
「あれ?あれ?」

乃々葉。
「勝手に立ち入り禁止エリアに入るな。」

突き飛ばしたら、思ったより相手が吹っ飛んで。

コンクリートの柱に激突。

一撃で気絶。

警備員が来まして。

確保しました。

通常、考えられない展開で撃破したので。

警備員が倒したことになってしまった。

警棒が転がっていましたが、どうでもいいらしい。

舞理。
「あなた、警棒の一撃を食らったようですが?」

乃々葉。
「あれって警棒だったんですね。」
「なんともありませんが。」

十和。
「柔らかいと、硬いものは通用しないんですね。」

小袖。
「直撃で何ともないのなら。」
「相手がたまたま非力だったのですよ。」

念の為に、翌日、レントゲンを撮りましたが。

何の異常もありません。

最近、会社への侵入が多いのですが。

発見に時間がかかるだけで。

金銭の侵害は防げています。

今回は警備の失敗によって侵入されたので。

警備を改善させていますね。

神道では何もない事が感謝に値するとされます。

何も無い事がかなり大切です。

何かしらあるのは良くないことなので。

何も無いようにすれば良いですね。

姉妹が翌日に持ち込んだのは。

世界ベストセラー小説のドン・キホーテ。

ファンタジー小説の読み過ぎで。

空想に思考を乗っ取られた狂人の老人が。

遍歴して好き放題に幻想を実行して。

いろんなものを巻き込む。

コメディ小説のため、世界一面白いとも言われる。

前が架空の冒険に出発する話。

中間が、老将の奇行と巻き込まれて、面白がったり。

迷惑に思う家来と市民の話。

最後が、決闘に勝利してしまい、貴族に気に入られて。

目的を果たして正気に戻り、謝罪の帰宅をする結末。

日本ではそこまで出回ってはいない不思議。

英語のことわざ。

完璧な人は一人もいない。

人を嘲るな、完璧な人はいないのだから。


12


問い。

私達が何かを決定する時。

それは本当に自由な選択なのか?

制約されていないか?

本日。

地域のお祭りがあって。

道路は人で埋まっています。

姉妹は裏口、裏通りから出入りしています。

路地裏だけは無人です。

あんまり祝う所がないので。

参加はしません。

会社の本棚に置いてある「ラッセル 怠惰への讃歌」

借りてきました。

会社の一部は仕切りカーテンによって。

個室みたいになっているエリアがあります。

労働環境を可能な限り良くしているんですね。

唯一の苦情は、給料が高くないこと。

設備や環境に投資するので、給料まで高くできない。

モニタリング中。

問題なしと見て離席。

休憩室に入ります。

乃々葉。
「民意がひとつになることはまずない。」

十和。
「その民意が独裁者のようになって。」
「民意に異を唱える人を圧迫する。」

小袖。
「自由を享受する方法が変化した。」

舞理。
「自由とはそもそも何なのか、半分回答が出ている。」
「そんな問いを研究する。」

乃々葉。
「政治に対して私は観客。」

十和。
「政策も、実現できるに越したことはない。」

小袖。
「利害と意思が一致しない。」

舞理。
「ポピュリズムが出始める。」

十和。
「民衆に選ばれた権力でも警戒が必要。」

乃々葉。
「たいした行動もしていないのに。」
「小事で防ごうと。」
「衆愚は数で待ち伏せしている。」

小袖。
「社会による抑制。」
「全員で他人の行動を監視する。」

舞理。
「監視して、どうするのか理解不能。」

乃々葉。
「何のために防ぎたいのか、たいした理由もない。」

十和。
「絶対的な善はない、最善を尽くすだけ。」

乃々葉。
「やはり、哲学の研究で、最後には反駁されたり。」
「認められたり、意見の領域から出ないとか。」
「新説を出す計画はありませんし。」
「絶対的な成果は出ませんね。」

舞理。
「論文の査定。」
「異なる見解、文化、価値観に晒されないと。」
「妥当とは言えない。」

乃々葉。
「善行が非難を上回ると、善良市民と呼ばれる。」

小袖。
「それが善人の正体ですか。」

十和。
「古典文学で最も最悪の作品を見つけました。」

乃々葉。
「どのくらい悪いので?」

十和。
「まさしく公害レベル。」

小袖。
「かえって見てみたい。」

十和。
「これなんですよ、知名度と内容が釣り合わない。」
「意味不明な作り話。」

舞理。
「あれ?これって漫画版があったような?」

乃々葉。
「電子書籍で読みましたね。」

十和。
「最も不快で間違いだらけの世界的文学。」
「ダンテ神曲。」
「評価の理由が最も分からない作品。」

小袖。
「化け物に裁判をさせたり。」
「無限に苦しめたり。」
「作り話だから許されるのであって。」
「神学としては最悪な解釈。」

舞理。
「ゼウスの子孫やアプロディテを選んで選ばれた者も。」
「地獄にいるとか、愚かな失敗をやらかしている。」

乃々葉。
「最下層にいるのがユダという迎合っぷり。」

十和。
「他の宗教と衝突、間違い無しの駄作。」
「ダンテの神曲。」

小袖。
「単なる脅迫にしかなっていない作品ですしね。」

乃々葉。
「化け物にばかり代弁させて。」
「神聖な存在がほとんど描写されない。」

舞理。
「初動を与えて、自由の結果、というのは詭弁ですね。」
「初動が悪ければ、どうやっても悪いようにしかならない。」

乃々葉。
「そこまで大きな蛮行をしているように見えない人々が。」
「下層にいたりする。」

十和。
「気持ちの悪い化け物ばかり登場して。」
「宗教観が崩れていますしね。」

小袖。
「あれがイタリアで絶賛とか、気持ちの悪い人々がいるんですね。」

乃々葉。
「そして天国が、あんまり良い所ではなくて。」
「享楽的で、官能的なだけとか。」

舞理。
「人が天について描こうとすると、限界が生じる良い実例です。」

十和。
「作家が描けるのは、地上だけです。」

乃々葉。
「天に関するものは作品にできない、失敗する。」
「地上について、これは作品にするのが容易です。」

十和。
「漫画版ダンテ神曲を立ち読みして、戻して立ち去った。」

舞理。
「ファウストの方が現実的ですね。」

十和。
「ダンテの神曲は作り話過ぎて無理です。」

乃々葉。
「面白くないし、ひたすら幼稚な展開が続く。」

小袖。
「良い所は、創作において、ダンテの神曲以上に。」
「大きな失敗をキリスト教はしていない。」
「ということに尽きます。」

舞理。
「人間が考える死後の世界、しかし作り話。」
「人間のレベルを超えない。」

乃々葉。
「収録されているのは、極端に行き過ぎた制裁だけで。」
「人間らしい暴力的な内容になっている。」

十和。
「見ない方がいいという理由では、世界最高。」

小袖。
「世界中の愚者から支持された、ダンテ神曲。」

乃々葉。
「ダンテ神曲の著者は、負け惜しみで執筆したという。」

舞理。
「あれをキリスト教と呼ぶのなら、キリスト教に問題が生じる。」

十和。
「地獄巡りツアーにしか見えなかったよ。」

小袖。
「そういう点ではギャグ小説として評価されたんでしょう。」

気分転換に。

会社の倉庫を漁っている。

けっこう電子部品を置いてあります。

昔の旅行で購入したお土産が。

半壊して眠っていました。

忘れているほど昔の旅行。

乃々葉。
「旅行は、異なる文化を見ることは出来ますが。」
「歴史的建造物くらいしか、見るものはない。」

十和。
「旅行は、そんなに素晴らしいものでもない。」
「はっきり行って都市の景観が違うくらいしか。」
「得るものはなかった。」

小袖。
「あれなら、狭くて健全な所に留まっている方が優れている。」

舞理。
「娯楽としては旅行は最適ですよ。」

乃々葉。
「私には資料にはならなかったし、思想に影響を与えることはなかった。」

十和。
「自分にとって重要な場所に行く訳でもないしね。」

小袖。
「外部の情報なら、通信販売で足りますしね。」

舞理。
「旅は視野を広める、と言われていますけれど。」
「かえって足元が見えなくなった。」

乃々葉。
「私は旅行を批判しますね。」

舞理。
「子供の頃に連れられて行く場所よりも。」
「大人になって、自由に行く場所の方が優れている。」

十和。
「散々旅行しておいて、残ったのは問題点だけ。」

乃々葉。
「私は子供の頃、連れられて旅行するよりも、近くにいる八幡神社への。」
「行き方を教えてもらう方が、よっぽど私のためになった。」

舞理。
「本音を言うと、両親に痛い打撃。」

十和。
「希望に欺かれて、数年です。」

乃々葉。
「希望?けっこうな頻度で欺いてくるあれですか!」

小袖。
「期待するのは結構だけれど、拒否された時の心の準備はしておくこと。」

舞理。
「期待が大きいほど、期待通りにならなかった時の失望も大きい。」

乃々葉。
「より確かな、ものだけを選ばなかった失敗かもね。」

舞理。
「確実なものは、欺かれる余地がない。」

乃々葉。
「フランツ・カフカなんて、完全無欠を本気で目指したようで。」
「そこへ届かないという絶望から。」
「見た目で強そうに見えても、内面は絶望だらけ。」
「なんていう思想でしたよ。」

十和。
「キルケゴールは神の宣告を受けていて。」
「婚約の結果を察したので。」
「婚約を破棄してしまった。」
「カフカとは違った理由の絶望かな。」

舞理。
「イタリアでは、希望で生きる者は死ぬ、という諺があるようです。」
「希望を抱かず、かと行ってそれほど絶望しない。」
「あまり期待もしない、なんていう具合が良いのかも。」

小袖。
「哲学は、やはり死について学ぶみたいですね。」

乃々葉。
「生命を軽蔑する私にはぴったりなのか。」

十和。
「死の準備が出来ていると、態度にも現れるみたいですね。」

舞理。
「トルストイの記録もあります。」
「病気で寿命が近寄ると、次々と不思議な感覚を覚えた。」
「最後が楽しみになったという。」

乃々葉。
「臨死体験では、天使のような存在に。」
「このまま行くか、戻るか、問われたものがある。」
「天国や地獄は見えなかったという。」

小袖。
「溺死しそうになった、とある市民の記録。」
「何も考えられなかった。」
「港で船の下に沈んで救助された証言から。」
「情報源不明。」

乃々葉。
「誰が私が不死であるとか言いましたか?」

十和。
「誰も言っていませんよ。」

小袖。
「何故、そんな話をするのか。」

十和。
「読まずに死ねない哲学名著50冊。」

舞理。
「それは当然ですね。」

乃々葉。
「少なくとも、死なんてものは、私はまったく知らないよ。」

小袖。
「あまり知らないものを、重大に論じるなんて。」

舞理。
「死そのものについて、よく知らないが。」

十和。
「死について、知っている人なんているんだろうか。」

お祭り開催期間。

何を祝っているのか、ビルの上階からは見えなかった。

何か理由があるんでしょうね。

享楽主義者も混ざっていますが。

便乗している人とか。

とりあいず定期的に開催するとか。

形式的にしか見えない。

多分、当事者しか、祭りの理由を知らない。

しばらく見学していました。

ヤスパースの本を手に持っていた。

哲学入門と、哲学(抄訳)がよく売っている。

要するにポーチの中に入れていた。

上層階から大通りのパレードを見ています。

乃々葉。
「限界状況。」
「不可抗力の言い換えに近いもので。」
「人の力が及ばない状況になったことを意味している。」

十和。
「人の力が及ばない状況になった。」
「人の力の限界。」

小袖。
「争いや苦悩なしで。」
「避けられない責任の追求を受けたり。」
「最後に死なないといけない。」

舞理。
「そういう中で、人の力を超える何かが見えてくる。」
「限界状況は固定されていて。」
「立ち回りや作戦で何とかならない。」

乃々葉。
「そうした不可抗力の中で見えるもの。」
「という訳ですね。」

十和。
「ヤスパースは限界状況の経験が大事とか述べていますね。」

小袖。
「確かに不可抗力を体験するのは良いことです。」

舞理。
「それ自体が暗号になって。」
「秘密や謎の正体が見えてくる。」
「難しい言い回しが多いのですが。」
「可能性が生じることでもありますね。」

乃々葉。
「人の世が。」
「制限された中であることに気づくことによって。」
「可能性を発見する。」
「しかし限界状況には目を背けることしか出来ない。」
「現実における人の力の限界、その後のことであると解釈できました。」

持ち場に戻ります。

素早く離れて素早く戻る。

意外にも四人一組の状況は多くない。

やはり人は制限された中で活動している?

その制限はある程度まで抜けるのかな?

新儒教、朱子の言葉。

これ以上進歩できない、と言えるほどになって。

初めて進歩できたと言えるのだよ。


13


ゼロリスク思考とは?

あらゆるリスクを排除して、リスクが全くない状態を追求し続ける考え方です。

事故や災害、疾病などの可能性や危険性をゼロに近づけることを意味します。?

しかし、特定の環境下で100%の安全。

つまりゼロリスクを達成することはほぼ不可能です。?

また、ゼロリスクを求めるあまり、リスクバランス感覚を失い。

自分の行動が重大な社会問題を起こすことも。

理解できなくなる病的心理を「ゼロリスク症候群」といいます。

昼間。

大都市、都会は物が豊かで危険。

田舎は物がないけれど平和。

中都市、小都市は中途半端。

近くにある商店街は、人々で溢れています。

少し買い物に出かけました。

乃々葉。
「目標に突撃するのではなくて。」
「頻度が高い手段は。」
「あらかじめ状況を作っておいて。」
「状況を操作して目標を獲得するという。」
「意地の悪い策略ですね。」

十和。
「策略なんて何の役にも立たない」
「正攻法で押すか、引くか、二つだけですね。」

小袖。
「目の前の相手しか見えていない。」
「作戦だけで何ともならない。」

舞理。
「大胆な行動と企みだけが成功する。」
「臆病者の策略ほど挫折しやすい。」

乃々葉。
「策略ばかりの奴って、決まって臆病者ですからね。」

十和。
「臆病者は殺人をやらかす、被害妄想が多過ぎる。」

小袖。
「腰抜けの策略が成功すると断言しても、市民は笑うでしょうね。」

舞理。
「断言だけして、信じるだけで、結果が出なかったりする。」

乃々葉。
「確信しながら相手は崩れる。」

十和。
「策略の限りを尽くして、標的は平然と生活している。」

舞理。
「そうした策略を防止するために、法律が強まる。」

乃々葉。
「法律が事例に追いつくことはないかと。」

小袖。
「法律と戦って勝てるものか。」

舞理。
「平等が合法化されると、個人の力がとてつもなく上がったね。」

乃々葉。
「市民の一人ひとりが強力な防御力を手にする。」

十和。
「つまらない人間が、平等を武器に取る時。」
「難攻不落の権限を振り回す。」

舞理。
「私は素直に欲望に従っているだけ。」

乃々葉。
「勝者と敗者を区別するのは、時運だけです。」

十和。
「時の運だけが、勝者と敗者を決めるのです。」

小袖。
「勝手に生み出されたので、勝手にするよ。」

乃々葉。
「私達は自分が何であるかを作るしかないよ。」

舞理。
「自分が何であるか、自分で決めるものです。」

乃々葉。
「独創性がない人にとっては、独創性は疑わしいらしい。」

十和。
「独創性を一度手にすれば、考えも変わるかと。」

小袖。
「今は手に入らないから、という理由で否定する人もいます。」

乃々葉。
「何故、自分が何々に値するとか、はっきり言わないのか。」

舞理。
「欧州では幼稚園児ですら、何々に値すると、係争中になる。」
「遊具の取り合いが、論争になる。」

乃々葉。
「欧州の子供達は倫理学を先天的に持っているのでは?」

十和。
「日本では未だ全体主義の影響が強いものですからね。」

小袖。
「国民が一致団結したら、逆に全体主義に陥った。」

乃々葉。
「帝国主義の時代では当たり前でも。」
「今では全体主義の教訓ですからね。」

十和。
「太平洋戦争では、軍部は武士道に基づいて戦っていた。」
「好戦的な戦闘集団の教えですので。」
「帝国主義の時代にあった需要に惑わされた。」

小袖。
「日本兵は容赦ない攻撃が目立った。」
「武士道精神が強かったから。」

舞理。
「神への宣誓で建国したアメリカと連合軍。」
「キリスト教国家に勝つのは無理だったね。」

乃々葉。
「太平洋戦争に勝ってしまったら、どうなるか分かったものではないしね。」

十和。
「無益な戦争です。」

小袖。
「そうやって振り返られる平和な日本です。」

十和。
「昔の全体主義、ナチスとは違って、同調バイアスの傾向が自国民にはあります。」

乃々葉。
「太平洋戦争を教訓として、二度と悲惨な戦争を起こさないように。」
「全国の神社には、後悔の立て札が散発的に立っています。」

十和。
「争いなんて無い方がいいのだよ。」
「それが分からないのも人間ですからね。」

乃々葉。
「殺戮の時代を美化してはならない。」
「殺戮の時代をどう乗り越えたのか。」
「模範とする英雄がいるだけです。」

十和。
「殺戮の時代に感化されてはならない。」

小袖。
「日本の戦国時代は、殺戮の時代の古典です。」

乃々葉。
「殺戮の時代で、殺戮と向き合って、その中でも人は生きられる。」
「根性が歴史書に残る。」

舞理。
「キリスト教圏は気が済んだら戦争は終わりですからね。」
「日本は相手を滅ぼす絶対的戦争が多かった。」

十和。
「仕返しの基本、気が済む程度にやる、気が済んだら離脱する。」

小袖。
「戦争なんて、どういった英雄達が終止符を打つのかを見届ける。」
「記録に過ぎませんよ。」

乃々葉。
「英雄ほど戦争を終わらせようと試みる。」

十和。
「戦争が起きても、終わらせるのは決まって英雄です。」
「なので、私は戦争を予防する猛者、戦争を終わらせる猛者を。」
「英雄と呼んでいます。」

乃々葉。
「後でしれっと賛美に出かける、みたいな。」

小袖。
「世界に戦争が設置されて、そこから出続ける人間への皮肉。」

舞理。
「人は自然発生したものについてだけ責任を負うべきです。」
「人工的に作り出したものなんて、責任の根拠にはならない。」

十和。
「責任という言葉を連呼し過ぎ。」

乃々葉。
「武士道よりも霊剣思想が好きですね。」

小袖。
「武力で国家を治めた。」
「武力こそ人を統治するという不思議な思想。」

乃々葉。
「反乱をしまくって。」
「最後に武器を突きつけられるのなら、言い逃れはできない。」

十和。
「打たれて始めて気づく。」

舞理。
「国際連合のおかげで、戦争の脅威から間接的に守られる。」

乃々葉。
「太平洋戦争の客観的な資料に基づくと。」
「大戦は起こすべきではなかった。」
「という言い回しになっています。」

舞理。
「平和な時代に戦いの道を選ぶのですか?」

乃々葉。
「混迷な時代において未来を創るのは。」
「理想なんて戯言であってはならない。」

十和。
「勝利すべきは形のない情に流される者ではない。」
「すべてを捨て、戦いに臨む者なのです。」

小袖。
「人間の勝手な都合で、子孫まで後遺症を受けることになった。」

舞理。
「個人の願いを阻む権限は、誰も持たない。」

乃々葉。
「結論としては、平和な時代に争いほど場違いなものはない。」

十和。
「そもそも戦いとは何なのか、娯楽や創作で調べられている。」

小袖。
「なぜ戦っていたのか、研究も盛んです。」

乃々葉。
「争いを望む者に、残虐と不和という報いが来る。」
「天罰ではなくて、そういう状況を作るからね。」

十和。
「生活を無視して争う奴に平和は似合わないぞ。」

舞理。
「相手を倒せば解決する、なんて甘い話はない。」
「次々と問題は重なるし。」
「別の問題が出てくる。」

乃々葉。
「犯人探しが盛んですけれど。」
「その犯人なんて実在しなくて。」
「全体主義者の問題を。」
「誰かに解決させたいとかね。」

十和。
「全体主義の思想から来る同調バイアスがやはり。」
「どこでも問題になる。」

舞理。
「全体主義なんて時代遅れですな。」

乃々葉。
「そんな古臭い思想、もう一部しか残っていませんよ。」

小袖。
「全体主義者を名乗る者はいない。」

十和。
「自分は全体主義者です!などと返事をする奴はいない!」

乃々葉。
「とりあいず相手を全体主義と罵ると、たいてい通用する。」

舞理。
「どこかに犯人がいて、そいつを倒せば解決。」
「なんてものはない。」

十和。
「そいつを倒したことで、別の問題が発生すると思います。」

小袖。
「解決しないと気づいて、別の標的を攻撃する。」

舞理。
「目的が言いがかりによる、相手の殺害。」

乃々葉。
「もう少し理性的になりましょうね。」

小袖。
「全員が理性的ではない、という考察でした。」

十和。
「本当に問題がある奴は、我を張るので、わかりやすい。」

乃々葉。
「我が強い奴は、多分、問題の一部ですね。」

舞理。
「問題の代弁者を攻撃しても、解決しないよ。」

小袖。
「解決の他にも、問題を潰したり、破壊したり、引っ掛けたり。」
「いかに外部から来る汚染を食い止められるかの考察。」

乃々葉。
「要するに、全体主義対個人主義という訳ですね。」

十和。
「外部のものが、全部、全体主義の思想を持っていますね。」

小袖。
「勝手に来るものの大半が、全体主義に基づくもの。」

舞理。
「全体主義者特有の思想が、公害になって流れてくる。」

乃々葉。
「全体主義はこうだから、お前も従え、みたいな強要。」

十和。
「全体主義の思想が、化け物みたいに、襲撃する。」

小袖。
「まるで何かの生き物みたいに徘徊する、全体主義は災厄の一貫した内容。」

舞理。
「現代で個人主義対全体主義は、避けられないかと。」

乃々葉。
「最悪の対戦ですね。」

十和。
「希望を引き合いに出した時点で、絶望がどこかにある。」

舞理。
「希望は奇跡なしでは語れませんね。」

小袖。
「希望は、闘争する相手を超越して、相手を浮かせてしまう。」

乃々葉。
「希望はある意味で武器なんですね。」

おもちゃ屋さんに入って。

玩具のスマートフォンを買いましたね。

引っ掛けで使えると話題になっています。

コンビニで猫のおやつを購入して。

たまに見かける猫に、渡しました。

猫の近くまで行って、地面におやつを置いて。

距離を離すと、猫は警戒を解いて、おやつを持ち去ります。

自宅から離れた場所では、ちょっとした触れ合い。

かつて、猛威をふるった、内側の敵達はもういません。

現状に不満を持った暴力主義者達が挙兵して。

自衛隊と特殊な傭兵と激戦を繰り広げて。

暴力主義者があっさり負けて、いなくなりました。

そして一騎当千の不思議な戦士達は常備軍に組み込まれて。

内側の敵は自壊して終了しています。

乃々葉。
「神罰は不運と災難という形で出る。」

十和。
「決定的な出来事なのか、継続するのか。」

小袖。
「神様は治療を試みるので、治療できなくなると、本人を消してしまう。」

舞理。
「対象の逃亡の心配はない、神様から見て、どこに逃げても無駄です。」

乃々葉。
「私が見た悪党は、絶望の中にいましたね。」

十和。
「そういう我の強い奴は、自ら作った絶望の方が。」
「効き目があるに決まっています。」

舞理。
「プルタルコスの分析通りになっていますね。」

小袖。
「ギリシャ神話を観察して、書き残している。」

乃々葉。
「公正世界仮説なんて愚考よりも。」
「時代はモラリアですなあ。」

舞理。
「神罰についての古典があるけれど、値段は高い。」
「文章は短いけれど、重要な資料。」

十和。
「やたらに天罰を願うことが、かえって天罰を受けてしまう。」
「きっかけになったりする。」

乃々葉。
「行いを打つのではなく、計画、思惑が打たれる。」

小袖。
「一度見えたら、自分のルールを主張しても無駄ですので。」
「杞憂かと思われます。」

商店の中で寝ている柴犬。

子供用のベッドで熟睡。

観察。

素敵な生き物。

飼い猫は首輪をつけて、商店街を歩き回っていました。

カワラバトはこぼした食べ物を狙っている。

近くにはファストフード店。

無害な生き物なら、どれだけ居てもいいような気がします。

乃々葉。
「鳥類は、食べ物の有り方を知っていて。」
「足りるだけ食べると、散歩していますね。」

十和。
「冬ですと、群れを作って食べ物を一日中探しているような動きです。」

小袖。
「春から夏になると、単独で行動しているよね。」

舞理。
「カラスを見ると、冬は群れで、春から単独行動です。」

乃々葉。
「山に入ると、野生動物しか知らない餌場がある。」

十和。
「昔の人は野草や川魚も採取して食べていたとか。」

小袖。
「武士の献立も質素であったとか。」

舞理。
「食べ物はありふれているように見ても、失われやすい。」

乃々葉。
「少しでも農作物が凶作になると、商店には価格という形で反映されます。」
「国が豊かなので、食べ物の値段が上がるだけで済む。」

舞理。
「私達はお金持ちですけれど、普段から節約していますよ。」

小袖。
「普段から節約しない奴がお金について語っても、説得力がない。」

十和。
「貧困層は必要なものに困り、お金持ちはお金の使い道に困る。」

乃々葉。
「釣具があれば、魚と調理の知識だけでおかずを増やすことは可能ですし。」
「食べられる野草を見分けられると、一食くらいは作り出せる。」

十和。
「足りないのはお金だけで、根性と忍耐では圧倒しているくせに。」

小袖。
「お金があるが故に、油断が生じるし、価値判断に気付けないことだってあるよ。」

乃々葉。
「本を読んで大成する者はいても、没落する者はいない。」

十和。
「私は大金を手にしたら、後はどうすればいいのか知らないね。」

舞理。
「使うにしても、身内や知り合いにしか配れない。」

十和。
「金銭という重大な話を、無闇に繰り出すから、金運も下がる。」

舞理。
「手っ取り早く金持ちになりたいと思ったら。」
「お金に仕えることですね。」
「お金に従い、忠誠を誓えば、一気に金運も上がるかと。」

乃々葉。
「お金以外に主人を持てなくなる。」

十和。
「働くだけで生涯を閉じるのは、何か悲しいものですね。」

小袖。
「本人が高く買われないと、資本主義の中では残らないね。」

乃々葉。
「社会で競争に参加するのなら、攻勢ではなくて防御に徹するべき。」

十和。
「競争相手の三倍以上に達する防御力で挑むべき。」

小袖。
「防御が徹底していると、相手の損害が上回る。」

舞理。
「相手に損害を出させて、自分が無事ならば、消去法で競争に勝てる。」

乃々葉。
「先天的な条件に依存するせいで、長い目で見て抜けられない。」

十和。
「強くなるほど、状況も強くなって対抗してくる。」

小袖。
「それでは、先天的な条件なんてつまらないものなんですね。」

乃々葉。
「世間は不運の人を虐待する。」

小袖。
「結局、貧困の元凶はわからなかったが。」
「お金があっても使い道がなく、お金で困ることは同じであった。」

舞理。
「お金持ちは使い道に困り果てて。」
「貧困者は金欠に困り果てる。」

乃々葉。
「お金持ちとは金を持った貧乏人である。」

舞理。
「しかしお金持ちですと、お金がかからないという利点があります。」

十和。
「金銭がある時は重要な品物を取り逃しており。」
「金銭に余裕がなくなると、重要な品物が浮遊して来る。」

小袖。
「誰しもが、支払いには頭を使わないと、足りなくなる。」
「なので、私は金持ちとは数学の問題だと思います。」

お姉さんからメール。

親族のお姉さんは狂人なので要注意。

家に呼ばれると、一緒にお風呂に入ろうと誘ってきたり。

一緒に寝ようと誘ってくる。

そして一人きりになると、キスとか押し倒すなどを狙う。

美少女が好きらしくて。

その割に美男子のチェックとメモは欠かさない。

美男子ランキングまでつけているとか。

男性でも女性でも狙ってくるので。

家には誰も行きませんね。

今日は女子高生の制服を卒業生から貰って。

それをクリーニングしたものを送ってきていました。

そのくらいはよろしいでしょう。

美貌を見せる相手が決まって女性とは。

貞潔を守るのは好都合かな?

空き時間は終わり。

半日の休暇。

それでも維持できたサーバーですね。

更衣室にて。

乃々葉。
「私は求婚されると困るので。」
「美人女性のリストを持ち歩いています。」

十和。
「なぜ結婚しないといけないの?」

小袖。
「なぜ産まなければいけないのかについて、何も答えられない。」

舞理。
「求婚した相手は、紹介された女性に向かうことになりますね。」

乃々葉。
「残念ですけれど、女性にモテてしょうがない。」

十和。
「私も、昔から女性に口説かれる。」

小袖。
「私も、昔から話しかけてくるのは女性だけでしたね。」

舞理。
「知らない間に、女性が自分の周囲にたくさんいる。」
「そして何かしら触ってくるのは常に女性。」

乃々葉。
「そのうち女性に求婚されたりして。」

十和。
「女性で、あまり競争する人はいないので。」
「優勢を取りやすくて、簡単だなあ。」

小袖。
「そもそも男女の能力に違いはないし。」

舞理。
「何でも勝ち負けで判断するからでしょ。」

乃々葉。
「勝利の限界になっても、続けるからでしょ。」

十和。
「争いばかりの世の中ですなあ。」

小袖。
「それだけ積極的に争う一部の奴らのせいです。」

乃々葉。
「争いがあるからと言って、真実にはならない。」

舞理。
「争いを起こす奴と、巻き込まれる人々。」

十和。
「争いを見れば見るほど、人間が理解できなくなる。」

勝利と敗北だけで語られる現代社会。

仮に対象を強引に負かしたら、悪呼ばわりしてもいいのか。

仮に強引に勝利したら、何を目的に勝利したのか。

勝利至上主義の問題点は、勝利の価値が重視され過ぎている事。

勝利以外の価値を認めない考え方が強調されている事。

勝利に多大な価値を置いてしまうと。

短期的に勝利を追い求めてしまう傾向になりがちです。

何のために勝利するのか、という目的もありません。

また、勝利を活用すること、次に繋げること。

どういった利得を得るのか、という考えはありません。


14


早朝。

突然、走り出していった。

なぜかボクシンググローブをつけている。

不思議に思って。

世帯一同、観察していると。

自宅の目の前にある電信柱に向かっていった。

舞理。
「なにをしているの?」

父親。
「いきなりなんだ?新しいジョークを思いついたのか?」

母親。
「そもそもあの子らはジョークが理解できる年頃ですし。」

乃々葉。
「電信柱を倒します!」

十和。
「はい?電信柱と戦うんですか?」

小袖。
「ううむ、そのくらい青春しないとね。」

舞理。
「そもそも電信柱に勝てるんですか?」

乃々葉。
「食らえ!戦画連斬拳!」

超低空のストレートパンチ。

スプリントで、浮きながら攻撃。

地面の影響を受けない。

しかし電信柱には効果がなかった。

反動を受けた!

乃々葉。
「くっ!さすが文明の集大成!」

十和。
「どうやれば勝利という判定になるの?」

小袖。
「一部を破壊すればいいのでは?」

舞理。
「無理でしょ、何故、挑んでいるんですか。」

乃々葉。
「まだまだ!食らえ!」

父親。
「最近、気合が入っているな!」

母親。
「お父さんに似たのよ。」

父親。
「俺は情熱家だからな!」

乃々葉。
「どいつもこいつも、力が権利だと名乗るから。」
「力で上回った相手に権利を奪われた。」
「今の時代も、過去も変わらない。」

十和。
「ボクシンググローブが破損していますよ。」

小袖。
「手を痛めるのでは?」

舞理。
「力の加減が絶妙なので、痛がっていませんね。」

十和。
「私は家事をしていますが、どうやって電柱に勝つので?」

十五分経過して。

敗北しました。

電信柱と戦って負けた。

ボクシンググローブが破損して。

電柱に少しだけ跡がついた。

それだけ。

乃々葉。
「くっ!惜しかった!」

十和。
「どこら辺が惜しいのか分からないけれど。」

小袖。
「ナイスチャレンジャー。」

舞理。
「あのくらいの挑戦は、人生数回、必要だと思います。」

父親。
「電柱と戦って負けたか、あれだけ優秀でも、もっと上達するな。」

母親。
「中途半端な技量で満足してはなりません。」

父親。
「老齢になると、技量と頭脳が物を言うから?」

母親。
「そう簡単に、娘の美貌が衰えるかしら。」

支度をして。

敗因を考えながら。

姉妹は徒歩で通勤。

途中の店でドリンクを飲んだり。

雑誌を読んだり。

公園の近道に差しかかると。

大樹の枝が、かなり折れています。

大木の真ん中に拳の跡がありました。

十和。
「あなた、まさか、あれに攻撃したのでは?」

乃々葉。
「倒せなかった、相手が大き過ぎました。」

小袖。
「なかなか面白いことやっているじゃないの。」

舞理。
「さすが私のお姉さん、偶然の出会いではないってことです。」

乃々葉。
「今年までに、電柱と大木を倒したい。」

十和。
「そんなに夢中になれる、何かがあるのかしら。」

小袖。
「私も、河川の水を押そうと試みたことがあったなあ。」

舞理。
「あらまあ、私はキャンプファイヤーを消そうと。」
「木の枝で攻撃したことがありましたよ。」

十和。
「私も負けてないよ、風と私が、どっちが速いのか、勝負したことがある。」

舞理。
「似た者同士なんだね。」

小袖。
「就職前、小さな洪水になった河川の近くにテントを張って、サバイバル。」

乃々葉。
「帰宅したら、庭にある大きな岩石にスコップを持って襲いかかります。」
「長い戦いになりそうです。」

テレビ番組があって。

小さなリングを作って。

素人対素人で遊んでいました。

ルールは普遍的な格闘技のものです。

玄人対玄人ではなくて。

民間人同士の競技。

見物していると。

誘われて参加しました。

拍手喝采。

早速、試合が開始されます。

バラエティ番組。

素人同士の試合はどうなるのか?

という企画。

選手。
「おお!若い子には負けないわよ!」

乃々葉。
「もう老化が始まっているので?」

選手。
「言わせておけば!」

乃々葉。
「そこは否定しなさいよ。」

審判。
「さあ開始だ!」

選手。
「これを食らいなさい。」
「手袋が鋼鉄製なの。」
「西洋の鎧から持ってきたもので。」
「これがあればあなたに攻撃を与えるのは簡単だわ。」
「そして服にはあらゆる防具が入っているわ。」
「どうでしょ?」

観客。
「なんだと!汚ねぇぞ!」

観衆。
「素人同士だからって、なんてもの見せてんだ!」

見物客。
「汚い手を、堂々と見せやがって!」

客人。
「汚い手を見に来たんじゃねぇんだぞ!」

選手。
「ぎゃああ!」

観客が防具に激怒して、対戦相手に缶を投げつけました。

投げつけた中に、プラスチックの水筒があって。

対戦相手は水筒の直撃を受けてノックアウト。

私が勝利になりました。

審判。
「ええと、これだと見世物にならないので。」
「監督と相談したいと思います。」
「挑戦者さん、ありがとう!」

観客。
「正々堂々と戦え!馬鹿野郎!」

観衆。
「汚い手のせいで、台無しじゃないか!」

番組中断。

調整に入ってしまった。

抜けて。

会社に向けて歩き出します。

出勤。

更衣室で、いつものメイド服。

私服もメイド服、しかし私服は喫茶店系。

社内では、本格的な西洋メイド服。

同僚がサーバーを維持していた。

交代。

社員が飛び跳ねていた。

何をしているのか。

社員。
「運命だ!僕の金欠は運命だったんだ!」

役員。
「いくら貸してほしいのかね?」

係長。
「くっ!五年になる、今年も出世できないのは、決まっていたことなのか!」

課長。
「先月、宿泊地で富裕層が贅沢の限りを尽くしていたよ。」
「富裕層も因果応報なのか。」

主任。
「あんたらね、諸説あることに突っ込むんじゃないよ。」
「インターネットを見て、カルマがどうとか。」
「カルマなんて宗派、派閥によって解釈が違うじゃないか。」
「なぜお前の説だけが絶対になる訳?」

科学者。
「そうだぞ、諸説あることなのに、独りよがりな見解はまかり通らないぞ。」

従業員。
「断言ばかりして、証拠が不足しているじゃないか。」
「断言で何でもまかり通ると思ったら大間違い。」

労働者。
「お前ら!他人の考えに惑わされているぞ!」

主任。
「そこら辺の奴らが言った考えが、なんで学説と化す訳?」
「断言しか論拠がない考えが、なんで信じられる訳?」

乃々葉。
「なんだか滅茶苦茶になっていますね。」

十和。
「できる奴が入ったせいで、みんな暇なんだって。」

舞理。
「できる奴が奴隷みたいに使われているようです。」

小袖。
「他人の仕事を奪うと、恨みを買いますけれど。」
「それを利用して、奴隷として仕事を押し付けるなんて。」

乃々葉。
「今日はいろいろと違いますね。」

舞理。
「物事が変化しないと信じ込んでいるからですね。」

十和。
「未来予測なんて非科学的な!」

小袖。
「予想外の展開を、予想していたと考える癖がある。」

乃々葉。
「未来は全部、確率の集大成です。」

舞理。
「細分化して多種多様な確率が組み合わせて、未来になります。」

十和。
「未来とは確率なり、と言えますね。」

小袖。
「エンジニアが辛いって。」

十和。
「専門家じゃないからね。」

乃々葉。
「万能な人材がいるので、こちらも対応してくれる。」

舞理。
「よく席を外して無事ですね。」

十和。
「そんなに仕事が難しくない疑いがある。」

乃々葉。
「何もしないのは不善を成すこと、という諺通り。」
「家で寝ているよりは、簡単な仕事でもいいですね。」

舞理。
「何もしないことによって不正になることがよくある。」
「君主論。」

乃々葉。
「ん?あれは!」

掃除ロボットが社内を巡回しています。

掃除ロボットと相撲を取って勝った。

掃除ロボットは点検に出されました。

舞理。
「何と戦っているんですか!」

乃々葉。
「強そうな奴と戦う。」

小袖。
「強そうな奴は、倒し甲斐があると?それわかります。」

十和。
「自分より強い奴を倒すのが、優秀な戦士の証明かと。」

その日の定時。

家事をするために戻る最中。

公園の銅像と相撲を開始する。

銅像と取っ組み合って。

決着がつかなかった。

乃々葉。
「なかなかの大物ですね!」

十和。
「銅像と取っ組み合うなんて。」

舞理。
「さすがに手に負える相手ではないかと。」

小袖。
「銅像に挑戦とは、最強でも目指すので?」

乃々葉。
「次は子供の頃から勝てなかった最強の相手。」

自宅のすぐ近くにある。

小さな公園に。

開拓記念碑があります。

石碑です、かなり昔の奴ですね。

昔、草原だった所を発展させると。

その土地に開拓記念碑が設置されます。

現在、平均して百年くらい開拓から経過しています。

古地図では、1900年頃、大正時代までは。

集落が散発的にあるだけの、集落点在の国土でしたね。

都市部でも、集落が点在するだけで、今のような密集都市はなかった。

百年後に、近代的な都市になりました。

記念碑に攻撃。

木刀で打ちますが、傷一つつかず。

木刀が三撃目で折れてしまいました。

乃々葉。
「なんですと!しかしいつかは倒しますよ!」

十和。
「そんなんじゃ、身体が持たないですよ。」

乃々葉。
「今日の戦績は良くなかった、しかし必ず再戦します!」

小袖。
「ちょっと待って!オブジェクトに挑んで何がしたい!」

舞理。
「倒したいから、無理な相手に挑んでいるので、無視しても害はないかと。」

深夜の自宅。

泥棒が塀の上にいる。

泥棒が敷地に入ろうとすると。

ちょうど八つ当たりがしたかった悪漢に見つかった。

泥棒は叩きのめされた。

悪漢は次の標的に。

商店街の端っこにある総合格闘技の練習場に侵入。

道場破りをして惨敗した。

気絶していた泥棒、窃盗犯が泥棒の持ち物を盗んだ。

市民に見つかって、半裸の泥棒は救急隊員によって運ばれていった。

この世について理解するには、やはりある程度の年齢が必要ですね。

若いと、勢いに任せて、何かと猪突猛進。

勢いに任せていると、勢いが無くなった瞬間に。

倒されてしまいます。

思えば、生まれて喜んだのが既に失敗。

希望の哲学はマルセルが言及していますが。

絶望の哲学の方が普遍的になっています。

今の時期は、解釈が大切であって。

断言は必要ないですね。

意見というより、解釈と、解釈の内容がとても大事で。

時に社会の誤りを修正する判断材料になります。

断言すれば事実なんて幼稚なことはない。

必要なのは意見、もっと言えば解釈なんですね。

ニーチェの哲学を逆手に取れば、解釈こそ真実に繋がります。


15


ところで、法律が信用されるのは。

それが正しいからではなく。

それが法律だからなのだ。

それが法律の権威の不思議な根拠だ。

ほかの根拠は全然ありはしない。

このことは、法律にとって有利に働く。

法律は、よく、愚者たちによってつくられる。

そして、もっと多くの場合。

公平を嫌って公正を欠くような人々によってつくられる。

ともかく、空虚で態度のきまらない作者である人間によって。

いつもつくられるのだ。

モンテーニュ。

エセー。

経験について。

お昼休み。

社員が食事中。

屋上に行って。

テーブルにて、注文した弁当。

高度な園芸で作られた屋上は。

憩いの場として、社員がいつも使っていますね。

社員、お昼はリフレッシュルームにいて。

観葉植物と、魚の水槽と、マッサージチェアが置かれた。

大きな部屋に集まる傾向があります。

食事を終えて。

休憩中。

乃々葉。
「才能がある、といくら言われても、玄人のレベルに達しない。」

十和。
「天才と言われても、単純化していて、その後が分からないよ。」

小袖。
「玄人を見たことがあったり、対戦したことがあると。」
「才能よりも玄人の方が抜群の成績を収めている。」

舞理。
「熟練者、練度の高い精鋭。」
「才能という単語に囚われて。」
「玄人の存在を無視している。」

乃々葉。
「才能とは何か?」
「才能だけで説明できる現場はないですね。」

十和。
「たいして鍛錬もせず。」
「何も強化せずに敗北したからと言って。」
「対戦相手が天才ということにはならない。」

小袖。
「競技の選手とは、その競技を理解していると言われています。」

舞理。
「自分の他に、この人は天性の持ち主なんじゃないかと。」
「思われる人がけっこういたよ。」

乃々葉。
「天性を持つ人を観察すると、明らかに好機を掴んで豹変した人になる。」

十和。
「本人の力だけでは、天才にまったく勝てないので。」
「天才を悪人ということにして、処理しようとしたのかな。」

小袖。
「自分がその天才になれば済むことですよ。」

乃々葉。
「天性は、決まって社会に色々とくれるものです。」

十和。
「少数派の天才から、文明に必要なものが生じた。」

舞理。
「そもそも天才と勝負しても笑いものになるだけですね。」

乃々葉。
「そもそも、簡単で誰でもなれる、玄人を目指すものです。」

小袖。
「素人が最初の段階で、終点が玄人。」

乃々葉。
「玄人の能力は本物なので、誰も異論がない。」

十和。
「真実の能力を持つのが玄人ですね。」

小袖。
「玄人なら、誰にでもなれる機会がありますね。」

乃々葉。
「しかも玄人は、普遍的にいます。」
「誰でも数回、見かけますね。」

舞理。
「天性を見て妬むくらいなら。」
「玄人になって互角になるという選択は可能ですね。」

十和。
「どういった理由で天性を得たのかわからないのに。」
「排除を試みる馬鹿もいますしね。」

小袖。
「能力っていったい何ですか?」

舞理。
「とある目的を達成して、継続的に得られる力の事です。」

乃々葉。
「私が見た玄人は、習慣によるものでした。」

十和。
「レベルの高い環境に置かれているから、熟達する。」

小袖。
「そもそも能力が平均以下ですと、生活や仕事に支障が出ますね。」

乃々葉。
「能力って、後天的な学問によって、けっこう変わりますよ。」

舞理。
「仮に凡人に、天性が貸し出されると。」
「何に天性を使うのでしょうかね。」

小袖。
「能力が足りてない人を無能と呼ぶ。」

十和。
「能力なんて、自分の力で掴み取れば?」

乃々葉。
「天性を貰えなかった人々は、自分の手で掴み取ればいい。」

小袖。
「客観的な能力として、玄人があるんですね。」
「玄人は、国語辞典に載っています。」

舞理。
「国語辞典に掲載されているのに。」
「それでも不満だったら。」
「もはや言及できない。」

人の生活を見下ろせます。

視界が広いので。

双眼鏡で見えたりしますね。

社会とは、誰が主人公なのでしょうか。

誰の物語なのか、よくわからない。

全員が投げ込まれたのなら。

別に人の活動は、どこにも矛盾していないように思えた。

同じことの繰り返しでも。

他人の価値観は、この目線からではまったく把握できない。

しかし人の世界を見下ろせる場所で。

社会を見たりすると。

明らかに、地上よりは異なった視点になる。

観察だけが経験となる。

経験がもたらすのは観察だけ。

乃々葉。
「ハイデガーの書籍、存在と時間には。」
「被投性と企投性という単語がありますね。」
「特に理由もなく、既にあなたはこの世界に投げ出されている。」
「なので、自分で何でも決めて行かないとだめ。」

十和。
「ハイデガーの出生の解釈は中立的です。」

小袖。
「既に投げ出されたので、後の事は自分で決めていく。」
「自分で決めた展開だけが真実になる。」

舞理。
「何が与えられたか、というのは関係がない。」
「生まれる前を無視するという。」
「現実的な考察でもあります。」

乃々葉。
「それに合わせていると、運命論とか消滅します。」
「宿命論はこちらを論破できない。」

小袖。
「何かが決めたら、単なるお節介ですし。」

舞理。
「存在と時間の中間辺りにありますけれど。」
「それを読んでいる時点で。」
「既に投げ出されている。」
「これから、どうするのかは本人が決めます。」

乃々葉。
「どんどん自分で決めて行かないと。」
「勝手に決まることも多々ある。」

十和。
「被投性と企投性を理解していると。」
「どういう条件で生まれていようが。」
「その後は本人が決めるしかない。」

乃々葉。
「理由がなく投げ込まれているので。」
「あらかじめ人生が決まっているとは見なしません。」

小袖。
「投げ込まれた理由がないので、運命なんてある訳が無い。」

乃々葉。
「理由がないということは、生まれた条件も理由がないので。」
「意味がない出自であることは明らかです。」
「自分で意味をつけたり、理由をつけるしかなくなる。」

小袖。
「ハイデガーを受け入れると、背水の陣になりますね。」
「もはや自分が企投するしかない。」

舞理。
「出生の解釈で、エルの物語は宗教的で。」
「ハイデガーの被投性は中立的であると言えます。」

十和。
「訳の分からないまま現世に投げ出されて。」
「死んだ後は、どこに連れて行かれるのか分からない。」

乃々葉。
「プラトンのオルペウス教と、ハイデガーの存在と時間にある解釈と。」
「二つ合わせて問いを作ると、けっこういろいろ見出しますよ。」

舞理。
「客観データを否定しても、論破にはならないので。」
「既に論争を突破したものが古典として並んでいますね。」

十和。
「発表してすぐに古典と呼ばれた、近代の大書です。」
「やや科学的な言い回しになっています。」
「分類は形而上学ですからね。」

小袖。
「存在と時間は形而上学に属しています。」
「人の知性が捉えられない場所を調べる訳です。」

乃々葉。
「人知を超えながらも、理論にできるのが形而上学。」

舞理。
「ハイデガーが何を言いたかったのかを、当てる言語ゲームでもあります。」

小袖。
「前世で何かあったから、そういう生まれになったとか、そんなことはない。」
「いつの間にか、ここにいる。」

乃々葉。
「そうやって決まった出自も、意味もなく決まったもので。」
「理由なんて別に用意されていないので。」
「あなたが、すべて意味も理由もつけなさい。」
「ということらしいのです。」

十和。
「とても自主的で、自発的な哲学だと思います。」

舞理。
「ヤスパースも、人生は自分が決めていくものだ。」
「自分を何とするかは自分で決める、とのことで。」
「もし何とかならなければ、自殺という手段も入っています。」
「これは衝動的な自殺とは違って。」
「必要悪で、自分が決めたものになるために行われるもので。」
「最後の手段として、用意されているものです。」
「そもそも、どうせ寿命があるので。」
「死について学んでから、という条件がついていますね。」

乃々葉。
「自殺を手段として考えるプロテスタントですね。」
「その場合は逃亡ではなくて、必要悪となる。」

舞理。
「限界状況を突破する手段のひとつとして紹介していますね。」
「制限された中で、有限な者として活動して。」
「本当に無理なら、自殺で変えてしまう。」
「しかし自殺を肯定しているのではなくて。」
「限界状況における選択肢のひとつとして、紹介しています。」

十和。
「限界状況って、世界の中にいる人々の状況のことですね。」
「人は制限された中で生きています。」
「それを自覚するのか、無自覚なのか。」
「さすがに制限を超えることは、人の力では無理ですね。」

小袖。
「自殺が許可に基づくもの、という意味に解釈できますよ。」
「自殺には許可が必要で。」
「プロテスタントならば、普段、礼拝している神の許可。」
「有限な人の生を変更しても、良いのか悪いのか。」
「しかし乗り換えた先でも、限界状況はありますので。」
「安直な自殺は無意味であると考えられます。」

乃々葉。
「自殺と称して逃亡を試みる人は、ヤスパースに説得されそうです。」

舞理。
「自殺は逃亡ではないのです。」
「有限な世界を一時的に回避した程度で。」
「自殺は目的にはならない。」

小袖。
「自殺しても、またこの世界に投げ込まれる可能性があります。」

十和。
「そもそも自殺する人は、強制によって開始された人生を。」
「無計画に破棄しようとしているのでは。」

乃々葉。
「その人の絶望も、本当の所は強制によって生じたもので。」
「責任なんてものはない。」

十和。
「自殺しても、何も解決しない可能性まで考えていない。」

小袖。
「自殺が解決にならない可能性まで考えない。」

舞理。
「出生の根拠は何ですか?」

乃々葉。
「どこにもない所から、投げ込まれた、としか説明できない。」

十和。
「自分で選んだにしては、後で本人が変わる可能性は無視している。」

小袖。
「その時はそんな見本を選んでも、人は後でいくらでも覆すし。」
「裏切るでしょうに。」

乃々葉。
「その時の自分は、今の自分ではない。」

舞理。
「その見本を選んだ自分は、自分であって、自分ではない。」

十和。
「不可抗力は自分の責任ではないよ。」

乃々葉。
「不可抗力を、攻略したいと言うに決まっています。」

小袖。
「人間の努力には限界があって。」
「それを越える包括者が現れて、限界を取り除いてくれる。」
「という訳ですね。」

舞理。
「努力が限界まで行くと、包括者次第になりますね。」

乃々葉。
「後は見えた包括者に何とかしてもらう。」

十和。
「人の世界を有限にしたのは包括者ですので。」
「有限をどうするかについては、包括者がやりますね。」

乃々葉。
「とりあいず、投げ込まれて既にこの世界にいるので。」
「ここから開始するしかないですね。」

舞理。
「まだ途中経過ですからね、結果が出るまで進めますよ。」

十和。
「別に自分の責任でこの世界に落とされた訳では無い。」

小袖。
「話は投げ込まれた後に、何かについてしたことですね。」

舞理。
「出自に理屈をつけるので、変なことになる。」

乃々葉。
「今は投げ込まれた後の話をしています。」

戻って来る途中のエレベーター。

美人女性のグループ。

目を逸らしてくる。

立場からして、喧嘩にでもなったら大変と判断したのか。

グループはさっさと降りてしまった。

不思議な行動。

乃々葉。
「先天的な女性なんているの?」

舞理。
「生まれつきの女性は、女性であって、女性ではない。」

小袖。
「身体だけ女性で、中身が別物とか。」

十和。
「女性には後天的な要素が必須という訳ですね。」

乃々葉。
「昔の女性は嘘を教えられて育った。」

舞理。
「結婚を前提に育てるのは、他の選択肢を捨てているし。」

乃々葉。
「勝手に結婚を固定するのは、本人の同意でもない。」
「裏切れるチャンスが生じると、逃げ出す。」

十和。
「今まで否定されなかったものがいっぱいある。」

小袖。
「もれなく否定に耐えられないという情けない有り様。」

乃々葉。
「向こうでやってくれたらいいのだけれど。」
「こっちまで飛び火する。」

舞理。
「巻き込まれますからね。」

乃々葉。
「少しずつ自分の研究に愚痴が多くなってきた。」

十和。
「もう決着がついたものばかりでは?」

小袖。
「既成概念にオーバーキルですか。」

舞理。
「既成概念を壊して、自分を有利にしたいという。」
「利己的かつ健全な動機論があるよね。」

乃々葉。
「否定が当たっているうちは、受け入れられると思います。」

小袖。
「嘘を壊すのってそんなに面白いので?」

乃々葉。
「外部の影響って、予想以上に強力なんですよ。」
「こんなことしていないと、私はどうかなっています。」

十和。
「哲学に論破される既成概念。」

乃々葉。
「既成概念を撤去して、残ったものが真実。」

十和。
「すべてを否定して、なおも残っているものは。」
「真実であるという証になる。」

小袖。
「肯定ばかりが思想ではない。」

乃々葉。
「否定や風刺に耐えられない程度では。」
「真理とは言えないしね。」

舞理。
「それが本当の事なら、きっと難攻不落。」

小袖。
「真実であるか確かめるための、破壊活動なんですね。」

十和。
「強力な虚無主義ですなあ。」

ひとつの結論を得た。

何でも否定して、それでも残っているものは本当の事であり。

風刺によって攻撃されて、無傷で残っているものも本物である。

批判されても、批判した側が退けられるのは、やはり本物であるし。

いくら反駁しても、崩れるのは偽物で、本物の方は、反駁しなくても、自然に説得してくる。

疑いのあまりに、否定したり、疑問を投げかけても。

そのことによって真理を発見することもある。

いくら否定しても、それが本当の事ならば、論破できない。

という結論に達した。

満足して、ノートに書いて、持ち場に戻ります。

入室。

近頃、規模に制限を加えながら成長する。

企業は、エリート集団であるという評価があります。

何かと過大評価されるようになってきました。

軍需工場を経営していたり。

宇宙軍に使われるサーバーがあったりして。

それが次々に過大評価を作っていますね。

規模は中小企業なんですけれどね。

しかも昔の会社の設備を継ぎ足して来たので。

同じ設備を再現する余力がないんです。

今の目標は、正式に大企業と呼ばれることで。

量子コンピューターの維持と管理に費やす日々。

しかし先日、次世代型の量子コンピューター。

正式には前の不具合をすべて改善したタイプが発売されました。

改良型らしいのですが。

どんどん古くなっていく、そして時代から離されていく。

おまけに劣化する切り札を目の前に。

変化というものは不意にやってくると、察したもので。

軍部との契約が残っているうちは、姉妹は動かないけれど。

変化による最後はやってくるものと。

何となく思ってしまいました。

別に、明日、激変しますとは言っていない。

それが来るまでは、来たことにはならないかと。

持ち場にて。

乃々葉。
「存在しているからには、定義できないとだめ。」
「存在は何かで定義できないと。」
「何かの間違い。」

十和。
「定義できない存在は誤りの結果でしょうね。」

小袖。
「定義できない、何の説明もつかない存在は。」
「何かしらの嘘とか作り話でしょうね。」

舞理。
「存在している以上、説明が必要になります。」
「この世のものは何でも、何かしら説明がつくように出来ています。」
「説明がつかないものは、作り話とか、嘘の塊です。」

乃々葉。
「この世界に存在するということは、説明がつかなければならない。」
「説明が必要なので、説明できないものは存在できない。」

舞理。
「ギリシャ神話の怪物ですら、説明ができた。」
「いくら化け物でも、定義できた。」

十和。
「ギリシャ神話の怪人や巨人族も定義ができたほどです。」
「英雄時代の開始が紀元前九千年になるとすれば。」
「数万年前には、そうした化け物が地上にいた。」

乃々葉。
「プラトン、ティマイオス、クリティアスによると。」
「文明は一式揃えると滅んでいたので。」
「言い伝えによって、復元された記録が残っていますね。」

小袖。
「黄金の種族では、ドラゴンですら野生にいたけれど。」
「アプロディテが居場所を隠蔽していたほどです。」

舞理。
「人間の災いとして作られた化け物も、数万年前には地上にいた。」
「何かしらの理由でいなくなった。」
「黄金の種族が滅びたから、消してしまったのかも。」

乃々葉。
「それでも定義も説明もできた。」
「逆に定義も説明もできない存在は、すぐに消えますよね。」

十和。
「そうですね、必ず定義できるはずです。」
「説明もできないものを見た試しがない。」

小袖。
「そうした存在を外れた物体が、存在した試しはない。」
「空想とか、架空のものだけが、半分無視できる程度です。」

舞理。
「創作で描いた生物が、現実にも蔓延っていい訳が無い。」

十和。
「作り話が歴史にならないのと同様に。」
「空想で作られた生物が、現実に繁栄するなんてことはない。」

小袖。
「空想の生物などが、現実に出てくるというのなら、いろいろと面倒がたくさん出てくる。」
「生物学からして、形而上学からして、つまりは無理。」

乃々葉。
「ウラノスですら、自分の治世にこんな化け物がいていいのかと。」
「疑って、一時的に幽閉したくらいです。」

十和。
「最初に存在を問題視したのは、ギリシャ神話のウラノスですね。」

乃々葉。
「自分の子とは言え、こんなものが存在していいのかと。」
「そして結局、存在してはならないと、幽閉した。」
「ゼウスが仲間に入れて解放しているので。」
「ウラノスの疑問は、半分、当たっていたことになるね。」

舞理。
「最初、特定の存在を問題と見なしたのは、ウラノス神なので。」
「存在論の起源かな。」

小袖。
「その疑問が、けっこう参考になります。」
「ウラノス神の問いは、今でも抜群ですね。」

職務に集中。

雑談の余裕があった。

座っているだけ。

なので、隙を見ては雑談。

たまに雑誌も読んでいる。

つまりは、この持ち場は二人いれば維持できるので。

両親は、労働を故意に軽くしている。

世界三大叙情詩の二つはギリシャ神話。

訳本による。

ホメロス、イーリアス。

トロイア戦争末期、中規模戦闘と駆け引き。

ヘクトル討死、父親が亡骸を引き取りに。

陣地に来て帰る所まで。

オデュッセイア。

ギリシャ連合が、帰路で大嵐に遭って。

一部を残して壊滅して。

オデュッセウスが遭難。

部下を失いつつ、冒険して。

半分囚われた妻ペネロペ奪還まで。

文章量はとてつもない。

この二つは、文学者が当たり前のように参考書にしています。

ギリシャ神話は漫画版が人気ですね。

今回は、メンテナンスにより、二人は自宅に帰って。

深夜に交代することになりまして。

深夜にはリモート人工知能に委託して。

日付が変わる前に全員が帰ります。

人工知能は、ゲーミングPCに入っていて。

システムと有線接続されます。

早朝、再び来ると、量子コンピューターは正常に稼働。

仕事がこうなので、あまり出かける機会はありませんが。

貯金だけが、凄い勢いで溜まっていきます。

使わないから貯まるんですね。

半日の休暇しか、最近は貰えていません。

職業の現場で、娘を育成して使いたい計画と。

お姉さんの大胆な作戦が控えていますので。

どうも私達を育成して、温存したいみたいですね。

切り札は、最後まで取っておくもの、なんですよ、きっと。


16


あまりに安定しているデバイスだらけで。

呑気にお茶をしても。

今日は目立った不具合もないし。

サポート役の社内部門が練度を上げて。

仕事をちまちま取ってきます。

管理を任せられたいので。

今のうちに得点稼ぎなんですよ。

お昼は、宅配を頼みました。

お昼前に来たけれど。

昼休みを長くすると伝言が来て。

一時的に解放されました。

雑談。

乃々葉。
「現代思想によると、何事も神を根拠にできないこと。」
「何事も神と分離して考えるべき。」

十和。
「分離されて孤立しているために、何事も根拠がない。」

小袖。
「何でも神を引き合いに出せる時代ではなくなった。」

舞理。
「安直に神を引き合いに出すのは、幼稚ですけれどね。」

乃々葉。
「何者かの経験だけで、物事が出ている、それだけ。」

十和。
「神様は物事に何の根拠も与えないでしょうね。」

小袖。
「作られた根拠は、全滅するはずです。」

舞理。
「神なき世界というより、神がほとんど関与しない世界。」

乃々葉。
「個人が求めるまで、何事にも関与していないと思います。」

小袖。
「現代思想の前に、人間の知性は無意味ですね。」

舞理。
「現実そのものに、根拠がないのですから。」
「合わせる人は身動きがしやすい。」

乃々葉。
「他人を通して災いが起きるのなら。」
「主従関係が逆転している。」
「何者かが、特定の人間に。」
「こういう災いを起こしてください。」
「なんて頼み込んで。」
「本人が何となく実行する。」
「それは頼んだ側が奴隷で。」
「主人は実行する人間という訳で。」
「報酬が実行する側に少なくて。」
「依頼主が大きなものを支払っている。」

小袖。
「その場合、依頼されても。」
「その人間は無視することもできますし。」
「拒否することも可能ですからね。」

十和。
「他人をけしかけないと。」
「災いすら起こせないなんて。」
「情けない。」

乃々葉。
「災厄なんて人間を使わないと何も出来ない。」
「無能っぷりが見え透いています。」

舞理。
「人間をけしかける、というのも。」
「人間がそれを実行するとは限りませんし。」
「使われていると自覚すると。」
「腹を立てて、依頼主を攻撃するに違いない。」

十和。
「人間を使わないと、災いなんて出られませんから。」
「災厄はそこまで非力なんですね。」

乃々葉。
「仮に災厄が人間を通して出て。」
「実行した人間が、対象と戦って負けたら。」
「災厄なんてすぐに負けるという証拠になります。」

舞理。
「災いだからと言って、何でも勝てると思ったら大間違い。」

小袖。
「災厄を起こしても、対処されて、災厄は負ける事もありますから。」
「災厄は完全犯罪を企むに違いない。」
「そんな悪賢い時点で、もはや神聖でも正しくもない。」

乃々葉。
「災いって、たいてい狡猾なんですよね。」

十和。
「悔しかったら、人間なしで災いを起こしてみろよ。」

舞理。
「そんな不可能な事を、無人称な奴に言わないの。」

小袖。
「そうですよ、雑魚にそんなこと期待できません。」

乃々葉。
「災厄には、人間に頼み込んで、人間にその通りの行動を誘発させるだけで。」
「都合の良い人間がいないと、とたんに無力ですね。」

十和。
「因果応報を試してやりましょうよ。」

乃々葉。
「所で、悪行って何?誰が判定するの?」

小袖。
「知らないよ、都合で決めるんでしょ。」

舞理。
「因果応報って言い換えると、善悪二元論ですよね。」

乃々葉。
「そんな馬鹿なもの、私達が信じていると思っているの?」

小袖。
「ちなみに、因果応報という思想を完全に除去すると。」
「けっこう見えてくるものが多いですよ。」

乃々葉。
「因果応報って、権力者や大金持ちを神格化する結果を招きます。」
「明らかに悪くなった時に、状況対人論法として説明しているだけで。」
「社会的強者は何も賞賛しません。」
「矛盾しています。」

小袖。
「元々の解釈から、大きく外れたからですね。」

十和。
「そんな非科学的な考え方は、そのうち消えるかと。」

乃々葉。
「因果応報は、宗教における世界最大の誤謬である。」

舞理。
「宗教の中で、最大の誤謬が因果応報ですね。」

小袖。
「カルマという概念も、同じ類の誤謬ですね。」

乃々葉。
「聖書ですと、因果応報は完全に無視されます。」

十和。
「個人的には、仏典やらヒンズー教の資料やら。」
「それよりも聖書の方が役に立ちました。」

舞理。
「聖書は教養としては、かなり良好です。」
「ただし読み方を教えてもらわないと。」
「何も得られない。」

十和。
「聖書は、人間の思考の癖で。」
「因果応報ばかり考えるという所まで見抜いています。」
「人間の考え方なんて、そういう所で限界です。」

小袖。
「因果応報とは、人間という愚かな生き物が。」
「どうやって状況を説明するかを。」
「一生懸命に考えたもの、と言えますね。」

乃々葉。
「そもそも説明だけでしょ。」

舞理。
「因果応報やらカルマやら、実は説明だけです。」
「特に解決策は提示しない。」

十和。
「説明だけして恐喝したり、説教したり。」
「馬鹿馬鹿しい。」

小袖。
「高圧的なだけで、負け惜しみのように思える。」

乃々葉。
「そもそも善行とか悪行って誰が決めるの?」

十和。
「そもそも善悪って誰が決めたの?」

小袖。
「善悪って誰が作ったのですか?」

舞理。
「善悪の知識の木でしょ。」

乃々葉。
「あんな木の実を食べたら、錯乱して死ぬに決まっています。」

舞理。
「善行という名前の技はない。」

小袖。
「悪行という名前の事件はない。」

十和。
「誰かあの誤謬をこの世から消してほしい。」

乃々葉。
「作り話を広められると、厄介ですよね。」

舞理。
「特に因果応報は、苦闘の中にいる人を二倍苦しめます。」

小袖。
「その思想の結果が既に悪い時点で、嘘だと思われる。」

十和。
「宗教も嘘をつくことがある、という嫌な実例。」

乃々葉。
「だいたい、ヒンズー教と仏教って、たまに間違いがあるんですね。」
「それを確信するだけで維持している。」

十和。
「仏教は朱子によって反駁されて、間違いが露呈しています。」

小袖。
「ヒンズー教は宗教学者が。」
「天国を約束して、地獄で説教しているだけ。」
「なんて批判しています。」

乃々葉。
「なんだかカトリックとプロテスタントとは仲良くなれそうですね。」

舞理。
「ちなみにギリシャ神話では、神々によって、人間は頻繁にぶっ殺されます。」

十和。
「ギリシャ神話ですと、人間ってどのページを読んでも。」
「ぶっ殺されています。」

小袖。
「女神アテナと競った人間を蜘蛛に変えて処理したり。」
「ヒュドラを野に放って人間を殺したり。」

乃々葉。
「パンドラの壺なるものを、地上に送り込んで。」
「人間を絶望に突き落として。」
「その後に、洪水で青銅の種族を消したり。」

舞理。
「英雄の時代なんて、人間を一度滅ぼすために。」
「理由もなく戦争だらけにして消した。」

十和。
「黄金の種族、銀の種族は自滅していたり。」

舞理。
「どこを読んでも、神は人間をぶっ殺しています。」

乃々葉。
「人間が何度もぶっ殺されて。」
「果たして因果応報なんて成立するのか疑問ですけれどね。」

舞理。
「説明だけで、何もしないつもりでは?」

十和。
「作戦でしょうね、カルマとか因果応報とか、状況をそれで説明して。」
「何の解決策も提示しない。」
「自分は偉いという優越感と、信心深いという自己満足を得るだけ。」

小袖。
「本物であると証明されたのは。」
「ヒンズー教、仏教以外のすべての宗教です。」

舞理。
「一部の教義に矛盾があるという指摘だけですけれどね。」

乃々葉。
「その一部の教義に、けっこう苦しめられる人もいる。」
「なので、その報いを受けるべき。」

舞理。
「自然災害も、人間を薙ぎ倒しますけれど。」
「自然災害も裁くつもりですか。」

小袖。
「いちいち仕返しを約束しておいて。」
「一切、実行しないという、信用できない考え方ですね。」

十和。
「ヒンズー教と仏教の善悪二元論は、ちょっと嫌ですね。」

舞理。
「世界はそんなに単純じゃないですし。」

乃々葉。
「善悪だけで説明される世界って何よ。」

小袖。
「合理性っていう言葉を知らないのですか。」

乃々葉。
「合理主義という言葉だけで、ずっと議論ができる。」

十和。
「高圧的な説教をする僧侶を。」
「合法的にぶっ殺したら。」
「僧侶を間違っていることにできるのかな。」

乃々葉。
「できますね、見せしめにできる。」

小袖。
「仏典なんて読まなくて良かった。」
「聖書の方が信用できる。」

十和。
「キリスト教の方が信用できますね。」

乃々葉。
「スコラ哲学なら、学んだことがあります。」

舞理。
「たまに、牧師の見解が、そのまま学術的価値を得ていることがある。」

十和。
「ちょっと修正すると、多様性の学説になるし。」

舞理。
「因果応報によって苦しめられる人は減るかと。」

小袖。
「一部の教義についての、誤謬と、被害者が多過ぎる。」

乃々葉。
「因果応報のせいで、被害者が増え過ぎる。」

十和。
「カルマとか輸入したせいで、カルマのせいで被害者が激増する。」

舞理。
「二つの思想って、宗教の教義にしては、他人が被害を受けているんですね。」

小袖。
「あんなものを広めなければ、もっと快適だったのに。」

十和。
「聖書でも、人物が因果応報で考えて、失敗したり、笑われる記述がありますね。」

乃々葉。
「キリスト教は、神聖な傾向が非常にあるので。」
「下手に近寄れない。」

小袖。
「全知全能の傾向、かなり強いですからね。」

乃々葉。
「学問としての聖書は、かなり有効です。」

舞理。
「宗教において、目立った失敗は、因果応報カルマだけですね。」

十和。
「それ以外は、成立しているんですけれどね。」

乃々葉。
「苦戦している最中は、因果応報は邪魔な考え方になりますね。」

十和。
「マインドコントロールでしょ。」

舞理。
「確証バイアスでしょ。」

小袖。
「対人論法でしょ。」

乃々葉。
「説明だけで何もしない無能な僧侶め。」

舞理。
「しかし善悪二元論がいかに問題になっているのかを。」
「再確認できました。」

十和。
「善悪二元論という流行りのブランド。」

乃々葉。
「善悪二元論ほど有名な理論は世界になく。」
「自然に覚えて振り回す誤りでもあります。」

小袖。
「善悪二元論が、とても俗受けして人気なんですよ。」

乃々葉。
「我々は多元論ですよ。」

舞理。
「一元論ではないですね。」
「ひとつのものから、万能な世界が形成されるとは思っていない。」

乃々葉。
「全員で最善を尽くせば、良い世界になる、なんてことはない。」
「最善を尽くしている人とは別の人間たちが。」
「乱して、崩壊してしまうかもしれない。」

小袖。
「一部の人間に足を引っ張られて。」
「全員が転倒する可能性もあります。」

十和。
「残念ですけれど、我々は多元論です。」

乃々葉。
「ひとつのものから、すべてが出るとは思っていません。」

舞理。
「因果関係なんて誰が作ったの?」

乃々葉。
「作者不明。」

十和。
「因果関係はボコボコに論破されている。」
「いい加減くたばれ。」

小袖。
「科学が宗教を損壊させることもあろうかと。」

舞理。
「都合の悪いものを、処理する口実。」

乃々葉。
「二つの宗教における、一部の教義は、詭弁ですね。」

舞理。
「ばらばらに存在するこの世界のものが。」
「偶然、接続されるなんてことはない。」

乃々葉。
「因果関係なんて所詮は推論ですからね。」

小袖。
「相手は論理的に言い返せないと思います。」

十和。
「感情論は論理的ではないし。」

舞理。
「逆に論理的な反駁なんて稀です。」

乃々葉。
「論理的に言い返す人なんて、いるのかなあ。」

十和。
「結果が常に悪い考え方は削除。」

乃々葉。
「多分、こうやって笑い死になるんでしょうね。」

小袖。
「笑い過ぎて、笑い死にするよ。」

舞理。
「だって滑稽だから仕方ないじゃない。」

十和。
「完璧じゃないものが、頑張って完璧を自称しているんだから。」
「笑うに決まっているでしょうに。」

乃々葉。
「私はそんなことよりも、財布の中身の方が重要な議論だと思います。」

舞理。
「ですね、家計簿の方が深刻な教えです。」

小袖。
「散々に倒した教義よりも、お金の方を神格化すべきかと。」

十和。
「倒した教義なんか、何の利益にもならないのですし。」
「信じた見返りに、千円くれるのなら、それは真実。」

乃々葉。
「近代化してから、経済の世紀になった。」

舞理。
「経済の世紀も、二回目の転倒で終わりそうですね。」

十和。
「経済の世紀は、一度倒れました。」

小袖。
「経済の世紀が終わると、何になる?」

乃々葉。
「なってから考えてみてはどうか。」

お昼休みは長い。

少し抜けます。

メール受信。

会社の近くのミリタリークラブには。

ジオラマがありまして。

今回、追加されていました。

ミニチュアの戦車は、かなり昔に流行ったものなので。

入手困難。

ミリタリー好きは、現代兵器をそこまで好まないようです。

第二次世界大戦の戦闘機や戦車、船舶が人気です。

実際、売り場も、旧世代のプラモデルがたくさんあります。

船舶の中には、実際に浮かせて遊べるものもありますし。

ラジコン式の小さな戦車もありますね。

乃々葉。
「シャーマン戦車は、ドイツ戦車にまったく勝てないので。」
「囮を使って攻撃させて。」
「ファイヤフライが側面から仕留めていた。」

十和。
「シャーマン戦車は、かなりの頻度で燃えたけれど。」
「炎上なら、パンター戦車が最も多い。」
「ハイテクのせいで故障続出。」
「まともに前線まで移動できない。」

小袖。
「ティーガー2なんて、砲塔が二種類あったけれど。」
「ひとつは、被弾すると、跳弾して砲弾が車体に飛び込んだ。」

舞理。
「ドイツの戦車って潜水できたりする。」
「川底がどうなっているのか分からないので。」
「使ったという記録がない。」

軍事顧問。
「ソビエトの戦車は準備不足のせいで。」
「練度がとても低く。」
「小隊長について回ったりして。」
「戦闘による損失が世界最高。」

指揮官。
「作った八割が壊れたのは、ソビエト戦車くらいなもの。」

兵法家。
「ナチスって、大戦初期に作った戦車は大砲を積んでいなかった。」
「機関砲なので、作戦勝ち。」

乃々葉。
「ティーガー1は、列車に乗せて移動が難しかったり。」
「幅のせいで、履帯を外さないといけなかった。」

軍事顧問。
「ドイツの戦車って、なぜか故障の記録が多いんですよね。」

指揮官。
「連合軍の戦車には、故障の記録が少ない。」

兵法家。
「日本軍の戦車は、輸送能力の問題で。」
「低性能なものしか作れなかった。」
「シャーマン戦車に一方的にやられたほど。」

乃々葉。
「有名な戦闘、ソビエトの重戦車は一両で。」
「街道を長期間、封鎖したけれど。」
「そもそも車輪が破損していて。」
「兵士は逃げられなかった。」

軍事顧問。
「昔の技術が培われて、良い戦車に繋がっているね。」
「昔の失敗は、すべて改善されるし。」

兵法家。
「戦争というより、競争で技術が発展していますなあ。」

指揮官。
「戦争の技術が民間に回ってきたりすると。」
「軍事も、民間とはかけ離れていませんなあ。」

十和。
「そのためか、現代で、ドイツにはスペック的には世界最強の戦車。」
「イギリスやフランスは足りるくらいの戦車。」
「ソビエトには使いやすいけれど、戦闘力が低い戦車。」
「明らかに設計思想を受け継いでいますね。」

小袖。
「自衛隊は、61式戦車を作って、初めて国産のものを配備したけれど。」
「次々に外国で、強力な戦車が作られて。」
「74式戦車を作った時なんて。」
「主砲の口径が更新された時期に配備することになって。」
「現在はようやく一級品。」

舞理。
「戦闘機は、一世代が実戦投入されると。」
「あっという間にファントムまで行きましたね。」

乃々葉。
「自衛隊はイーグルC型を導入しましたが。」
「一部のアビオニクスを売ってくれなかったので。」
「スパローという時代遅れの武装を積むことになった。」

軍事顧問。
「ソビエトのミグ21戦闘機などは、未だ発展途上国などで見かけますね。」
「ミグ29ならば、まだ現役ですし。」

兵法家。
「旧西側陣営は、常に兵器を更新しているので。」
「古い兵器はあんまり多くない。」

指揮官。
「旧東側陣営に、旧式が多く現役にありますね。」

乃々葉。
「性能差がありすぎます。」

店員。
「イーグルなんて世界各地で、一方的にフルクラムを落とした戦績がありますしね。」

乃々葉。
「ミリタリーは、戦闘での実用性よりも。」
「デザインや美術としての兵器を重んじますね。」

舞理。
「あれって、芸術作品とも解釈できます。」

小袖。
「大国が本気になって、機能でもデザインでも優れたものを作ってきた。」

十和。
「美術品の側面を持っていないと、誰も好まないと思います。」

乃々葉。
「そのためか、塗装も派手になる。」

軍事顧問。
「航空祭は日本各地で、けっこうやっていますね。」

指揮官。
「自衛隊の式典カレンダーなるものもあります。」

兵法家。
「パワーバランスが拮抗していたので。」
「楽に勝てる戦争なんてどこにもなかった。」
「なので、誰も攻めたくなかったらしい。」

乃々葉。
「一昔前は、誰も負けたくないので、戦争に踏み切らなかったのかも。」

十和。
「負けないためには、戦争を起こさないことが大切です。」

小袖。
「今では、元々、戦争なんてものは楽には勝てないと、けっこう知られているね。」

舞理。
「勝てるか分からないので、攻めたくないのでは。」

軍事顧問。
「負けたらどうするの?という議論は、けっこうやっていると思います。」

店員。
「兵器が玩具や美術品になる!」

市民。
「一生懸命に戦いのために作った兵器は、今では玩具や美術品。」

兵法家。
「デザインまで徹底した拘り、国家が本気で作りましたよと。」

乃々葉。
「兵器は不吉だと思いますけれど。」
「実物に限った話で。」
「玩具になったり、置物として使われるのなら。」
「もはや別物かも。」

十和。
「平和のためではなくて、欲望のために戦争なんて出てほしくない。」

小袖。
「こういうのが欲しい訳よ、なんて動機論は最悪ですなあ。」

舞理。
「これよこせ、なんていう戦争は、さすがにないかと。」

乃々葉。
「戦争をしたいから、軍隊で攻め込みました、なんて答えていい理由はない。」

店員。
「戦争って発生した瞬間は、周辺地域に民間機や民間船がたくさんいます。」
「誤射されて巻き込まれたり。」
「空路や海路が遮断されて、経済や物流が損壊します。」
「戦争では間接的に、民間人も巻き込まれます。」

軍事顧問。
「貴殿は、何か文学をやっていると思われるが。」
「出版の予定はないのか。」

乃々葉。
「だって、私が勝ってしまったら、後はどうすればいいのでしょうか!」

軍事顧問。
「本当だ、どうするんだろう。」

兵法家。
「杞憂ではないか、いくら雑魚作家がいるからと言って。」
「大ヒットはないだろう。」

乃々葉。
「もし私が賞を取ったり、大成功して権威になったら。」
「その後は、何をしたらいいんでしょうか。」

指揮官。
「なんていう取り越し苦労を。」
「世の中、使い捨ての作家とか。」
「奴隷みたいな作家が迎合されるのです。」
「そこまで悲観的にならなくてもよろしいかと。」

乃々葉。
「そうですよね、勝ってしまったら、それはそれで大変ですけれど。」
「そこまで確率が高くないので、楽観的に解釈するとします。」

店員。
「実力主義は、勝利をどう活用したらいいのか。」
「毎回、悩みますなあ。」
「雑魚作家は気の毒ですけれど。」
「怠惰の結果なので仕方がない。」

社内に戻りますと。

姉妹は二手になって。

片方は自宅に戻り。

片方は現場を保持しました。

さすがにプラモデルを作りながら仕事をしているなんて所は。

見られたくないね。

組み立ててない、プラモデルの山まであります。

しかも、雑誌まで読んでいるなんて。

見つかりたくない現場ですね。

二十四時間体制で動かしていても。

エンジニアの予備までいるので。

人材の層はかなり厚い。

エリートチームは、定時には帰らず。

別の仕事も受けているらしくて。

深夜の手前までいますが。

さすがにお菓子を食べながら。

社員の猫と遊んだり。

動きまわる犬と触れ合いながら。

マルチロールな業務をしていますね。

とまあ、深夜は化け物みたいな人間が上層階に留まる訳です。

社員の層が厚いので、あまり見ないほうがいいほど。

化け物が混ざっているので。

これは他の会社にはないアドバンテージかも。

最近は、小規模なクランを勧誘して組み込んできたせいで。

規模があっても、楽々扱えるくらいのものでしたが。

小規模なクラン勧誘によって。

だんだんと影響力を増した中クラスのクランが。

堂々と提案をするし、拒否権を持つようになりました。

そうしたことは、当たり前として受け止められますが。

中クラスのクランの要求を、あんまり無視できなくなっています。

連携が良くて、競争に負けないようにできますが。

企業は独断では動けなくなってきています。

夜間。

会社の目の前の道路で。

ロケット花火で撃ち合いをする。

クレイジーな集団がいて。

大事になりました。

樹木に燃え移る。

乃々葉。
「近くで火事があるようですね。」

小袖。
「もしかして、うちの敷地内?」

舞理。
「もちろん、そうですよ。」

十和。
「建物火災じゃないよね?」

乃々葉。
「無線で確認しました。」
「樹木が燃えているようですね。」

舞理。
「トランシーバーは、こういう時に便利ですね。」

小袖。
「建物内ではないですね、防火設備は徹底していますから。」

乃々葉。
「とある事故を防ぐために、過剰なほど対策をしていると。」
「過失も無罪になるよ。」

舞理。
「ローマ法ですね、イタリアでも同じ実例で無罪が出ました。」

十和。
「これ以上ないほど、事故に対して過剰なほど対策をしていると。」
「事故になっても無罪になっていたね。」

乃々葉。
「敷地内で火災です、樹木が燃え広がっています。」
「玄関の前では、消防車がいますよ。」

小袖。
「なんですって?」

乃々葉。
「変な集団が持っていた花火が。」
「暴発したらしいのです。」

舞理。
「荷台の中にある花火に引火して、爆発したとか。」

乃々葉。
「ロケット花火で撃ち合いなんてするから。」

十和。
「上層階から見えたあいつらですか。」
「監視カメラから見ていますが。」
「やってくれましたね。」

小袖。
「消防車が集まってきているし。」
「変な集団が連行されていく。」

舞理。
「荷台の中にある花火、全部燃えていますね。」

乃々葉。
「刺激を求めて火遊びですか。」
「享楽主義者は楽しみのためには、何をするのか分からないね。」

勝手に消火、事件処理。

敷地にある樹木の一部は炭になりまして。

見栄えが悪いので、後日、オリーブの木に植え替えられました。

帰る前、突然雷雨。

裏門の手前で、前にいた狂気の女性が出現。

狂気の女性。
「下着、欲しいです!」

乃々葉。
「何が悲しいのか、下着ですか。」

十和。
「私のは要らないの?」

狂気の女性。
「そこのお嬢様の下着が欲しい!」

小袖。
「まさか、奪うつもりなのでは?」

狂気の女性。
「下着が欲しいので、この人から奪ってもいい!」

舞理。
「変なものを正当化しないでください。」

乃々葉。
「新しい脅威というものは、こうして予想外の所に出ますね。」

狂気の女性。
「きゃあああ!何すんのよ!」

女性の変質者を持ち上げて投げました。

落下の衝撃で行動不能。

さっさと立ち去りました。

乃々葉。
「戦闘時の高揚、興奮がない状態が、最良の結果を生みます。」

十和。
「怒るほど、単純な動きになりますからね。」

小袖。
「お姉さんは見かけに反して、怪力です。」
「小型冷蔵庫を軽々と運んだことがある。」

舞理。
「女性が、相手の下着を奪おうとするなんて。」
「新しい脅威には、優れた人がいないと。」
「一方的にやられますね。」

乃々葉。
「別に、相手が美人ならば、あげても良かったのだけれど。」

小袖。
「私は毎日、お姉さんの下着姿や裸体が見られるので満足している。」

乃々葉。
「良かったね。」

十和。
「さっきの女の人、私が下着を見せたら。」
「持っていくのかしら。」

舞理。
「代わりに相手の下着を貰ったら良かったのでは?」

乃々葉。
「そうですね、戦利品ですね。」

駐車場に移動。

アクセルとブレーキを踏み間違えた自動車が侵入。

しかしマニュアル車なので、低速。

対戦車用の鉄柱に衝突して停止。

落雷で、ブレーカーが落ちていたので。

戻って確認作業。

変な外国人が裏口にいて。

さっきいた狂気の女性に撃破されて。

捻挫で倒れていました。

自分で病院に行くらしいのです。

ゲリラ雷雨は通過。

ようやく自宅に戻れました。

ゲリラ雷雨。

雷は約二億ボルトの出力がある。

会社の屋上で、芋を干していた人達に雷が直撃。

直前、屋内に避難したので、無傷。

濡れていた干芋を片付けようとしていたんですね。

干芋は焼き芋にならなかったです。

消炭。


17


不正。

法律は正義でないと、民衆に向かって言うのは危険である。

なぜなら、民衆は、それが正義であると信じるがゆえにこそ。

従っているからである。

だから、民衆に対しては、同時に。

法律は法律であるがゆえに従わなければならない。

あたかも、目上の人たちには、彼らが正しいからではなく。

目上だから従わなければならないのと同じであるように。

と言ってやらなければならない。

そこで、このことを民衆に理解させ。

これこそまさに正義の定義であることを理解させることができれば。

すべての反乱は防止されるのである。

パスカル。

パンセ。

三二六。

中公文庫。

ヘクトパスカルで有名な哲学者、神学者、科学者。

モラリストとして人気。

正義、力。

正しいものに従うのは、正しいことであり。

最も強いものに従うのは、必然のことである。

力のない正義は無力であり。

正義のない力は圧制的である。

力のない正義は反対される。

なぜなら、悪いやつがいつもいるからである。

正義のない力は非難される。

したがって。

正義と力とをいっしょにおかなければならない。

そのためには、正しいものが強いか。

強いものが正しくなければならない。

正義は論議の種になる。

力は非常にはっきりしていて。

論議無用である。

そのために、人は正義に力を与えることができなかった。

なぜなら、力が正義に反対して。

それは正しくなく、正しいのは自分だと言ったからである。

このようにして人は、正しいものを強くできなかったので。

強いものを正しいとしたのである。

パスカル。

パンセ。

二九八。

客観データを否定しても、論破にはならない。

これはとある大学教授の決め台詞。

自宅の倉庫、書籍が整理整頓されて保管されています。

今では絶版になったものとか。

趣味とかミリタリー系まで。

資料系の本まで。

綺麗に保管されていますね。

オークションの値段は暴利。

古刊本などは古本では格安になり。

新刊は高いのですが。

故意に大型の新訳を出して大金を稼ごうとする人がいます。

元法官の哲学者、年齢が進んだ人に人気なモラリスト。

モンテーニュのエセー全巻は、岩波文庫の古本ならば。

三千円程度で揃えられます。

大型の新訳は一冊で二千円です。

それを全巻で揃えると、一万円は軽く行きます。

書籍は古本をいかに安く買うかで、出費が抑えられますね。

古本の美品は普遍的なもので。

新品みたいな古本は余裕で流通していますね。

深夜。

報道。

最近スポーツ選手が活躍しています。

どの分野にも最強がいるんですよ。

一騎当千。

乃々葉。
「彼らの言う才能って何でしょうか。」

十和。
「大きな差がないのに、才能と呼んで説明しているだけかと。」

小袖。
「羨望する奴とか、普通の事しかしてないのに。」
「普通の事で相手を抜こうとする。」
「頭の悪い所がありますね。」

舞理。
「自分より実力が上の人には、どこをどう言っても非難するんですよ。」

乃々葉。
「何を言っても、才能とか呼んで攻撃してくるんでしょうね。」

小袖。
「とまあ、説明しても分からない人ならたくさんいます。」

十和。
「習慣がそもそも違うしね。」

舞理。
「説明しても、凡人が理解するとは限らない。」

乃々葉。
「上には上がある、という諺通り。」
「ひたすら、とにかく上のものを見たり、体験したりして。」
「それを実践したり研究して、習得した。」
「なんて説明しても、分かってもらえない。」
「ずるいとか言ってくる。」

小袖。
「自分こそ、自分こそ、なんて言われても困る。」

十和。
「依怙贔屓はないんだよ。」
「人のせいにしても解決しないしね。」

舞理。
「他人をコントロールすることで解決しようなんて。」
「かなり無謀ですけれどね。」

乃々葉。
「先天的に、第六感があること。」
「狂気があること、直観の精度が高いこと。」
「後は後天的に自分が掴み取ったものです。」

小袖。
「後天的なものまで才能と呼ぶなんて無理がありますしね。」

十和。
「彼らの言う才能って浅いね。」

乃々葉。
「何でも才能のせいにするな。」

舞理。
「三段論法ってものを知らないのですね。」

小袖。
「負け惜しみまで世話をしてやる義務はない。」

乃々葉。
「自分が思っている分野とは違う才能を持っていることばかりある。」

十和。
「球技で上手と言われても、球技以外のことばかりやり出したら。」
「そっちの方が遥かに上手く行った。」
「球技は競争率が高過ぎて。」
「勝率が悪過ぎる。」

舞理。
「フットボールとか、先天的な足の運動能力に大きく依存しています。」
「野球は知りませんが。」

乃々葉。
「学校教育とか観察していると。」
「児童の能力に、まったく違いがないことが見てわかります。」
「飛び抜けている選手は、学生にはとても稀ですね。」

小袖。
「別に先天的に優れていても、見世物になるから。」
「金銭としては、使うべき人材です。」

十和。
「実の所、スポーツ選手に限っては。」
「収益の関係から、いくらでも凡人を蹴落としてもいい。」
「特権を持っています。」

乃々葉。
「文学ですと、読者を洗脳して売りつける奴が多い。」

小袖。
「断言を繰り返していましたよ。」

舞理。
「台詞の大半が断言でしたね、見事な群衆心理。」

十和。
「文学で、断言を繰り返すと、一時的に賛同者が増える。」

乃々葉。
「文学で、時間経過でトリックが露呈すると、捨てられる。」

小袖。
「市民は、作者が思っている以上に、作者や作品には関心がない。」

舞理。
「書籍にたいした価値がないと、一時凌ぎの使い捨てとして市民は扱いますね。」

十和。
「文学ではなくて、漫画の筋書きとかは、ちょっと追従できないレベルですね。」

乃々葉。
「映画の脚本なんて、ちょっと対抗できないレベルです。」

小袖。
「ビデオゲームの脚本も、あれと同じレベルの筋書きは、無理だと思う。」

舞理。
「劇作家まで引き合いに出すと、文学って狭い中でしか圧倒できないね。」

乃々葉。
「才能才能連呼している間に、猛者達は活躍していますよと。」

十和。
「映画の脚本なんて見返りが億単位でしょ。」

小袖。
「漫画なんて、毎週、あんな内容を連打しています。」
「化け物ですか。」

乃々葉。
「ビデオゲームなんて、直接収益化になりますからね。」
「レトロゲームとかの脚本も、桁違いに良質。」

舞理。
「劇作家は、激務で、辞めていく人が多いとか。」
「文学って、そうやって並べた中でも難易度が低くて。」
「レベルも低いんだと思います。」

小袖。
「比較対象を並べられると、やや無理が出る。」

乃々葉。
「別の分野を比較対象にすると、ちょっと勝てないね。」

舞理。
「普通の事しかやらない人と、どうやって違いをつけるかが重要ですね。」

乃々葉。
「平均的な能力なんて、使い勝手がいい程度です。」
「平均以上は、こき使われます。」
「何か複数、飛び抜けた技量がないと、まったく勝ち目はありません。」

十和。
「無策で係争地に飛び込んで、返り討ちになった人がたくさんいますね。」

乃々葉。
「自分だけは勝利する、という考え方には根拠がないね。」

小袖。
「自分だから成功する、という考えには因果関係がない。」

乃々葉。
「因果関係なんて誰が作ったの?」

十和。
「因果関係なんて作るから、変なことになる。」

舞理。
「正義が悪を倒す、という構図も、因果関係が成立していない。」

乃々葉。
「因果関係で才能とか勝敗とか測られても困りますね。」

小袖。
「才能なんて引き合いに出しても、無能の言い訳に過ぎない。」

十和。
「不可能なんて、弱さへの言い訳に過ぎませんよ。」

乃々葉。
「ナポレオン、アルプスの迂回路を進軍して。」
「イタリアを北部から奇襲する途中。」
「大砲を運ぶ人員が、これを目標まで運べるか訪ねて。」
「その時に砲兵隊長が。」
「不可能なんて弱さへの言い訳に過ぎませんぞ。」
「と言ったとされます。」

小袖。
「後天的なものまで才能と呼ぶな。」

十和。
「才能という名前の必殺技はない。」

乃々葉。
「敗北して、自分が被害者だと思い込んでいるのかな。」

小袖。
「被害者って真理ではない。」
「惨めな姿を売りに出すと、世人は容赦なく叩きのめす。」

舞理。
「先天的な技量だけで、やっていけると信じているようですね。」

小袖。
「そういう人はどうなっても、忠告を無視する。」

十和。
「そういうくせに、非難ばかりする。」

乃々葉。
「力だけはこの世界に必ず通用します。」
「自分の力で掴み取ればいいだけ。」

舞理。
「どういう手品も贔屓も、力で排除できるよ。」

十和。
「他人の運命すら、力で撃破できるよ。」

小袖。
「才能才能言うのなら、それを覆す力を得ることだな。」

舞理。
「天才が依怙贔屓ならば、市民の贔屓も同罪でしょうか?」

乃々葉。
「そうなりますね。」

小袖。
「天才に用事があるらしいのです。」

乃々葉。
「それでは、天才に用事ある人の用事は?」

小袖。
「是非とも、彼らに発言権を。」

十和。
「黙っているために同意になることもあるし。」
「発言できないために黙認になることもあろかと。」

乃々葉。
「文句があるのなら、依怙贔屓くらい覆せばいい。」

十和。
「実際に相手を負かせば、正否も何も無いね。」

舞理。
「煽ったあなたも同罪でしょうね。」

乃々葉。
「何故でしょうかね、競争と称して。」
「誰しもが、負けるって分かっていて。」
「無策で参加したがる。」
「敗北が見に見えているのに。」

舞理。
「自分が主人公だって名乗れば。」
「状況は自然に、その主張に従いますよ。」

十和。
「自然は、自らが主人公だと名乗る人に加勢しますね。」

小袖。
「運命でそういう展開がいくら無くても。」
「作ったのだから、運命のご機嫌取りなんてしなくていい。」

舞理。
「運命論やら宿命論を覆したのなら。」
「覆した内容も運命論、宿命論にあったことになり。」
「矛盾している。」

乃々葉。
「運命とか宿命とか、そんな迷信はやめなさいよ。」

十和。
「実際にあった試しがないですよ。」

舞理。
「どうせ実在しても、使えない理論ですよ。」

小袖。
「理論上は正しいかもしれないが、実際には役に立たない。」

就寝。

四姉妹、明け方に行動していて。

その様子を賞賛した両親。

早朝、早くに着過ぎて、会社が空いてない。

近くの喫茶店で暇潰し。

会社の門が開く時間に行くと。

またあの女性がいました。

狂気の女性。
「お嬢様!上に乗らせて!」

乃々葉。
「またあなたですか、えっち。」

舞理。
「あんたなんて、娼婦とやればいいのよ。」

十和。
「下着の次は性的暴行ですか。」

小袖。
「欲望というものは、本人を洗脳するかのように。」
「意思を束縛して。」
「本人も意思で行動しているように思ってしまう。」
「危ないものでもあります。」
「欲望には慣れないとね。」

狂気の女性。
「上に乗らせて!」

変質者の女性が突っ込んできたので。

四人で担いで。

敷地外に捨てました。

直後に、外国人に口説かれました。

外国人。
「俺とジェットコースターのような毎日を過ごさない?」

乃々葉。
「飽きたらどうするんですか?」

外国人。
「俺はいい女を見つける手腕は、最も優れているぜ。」

乃々葉。
「ほう、口説くのが上手ですね。」

外国人。
「君と釣り合う男だという証拠を、これから見てくれないか?」

乃々葉。
「男性には興味ないです。」

さっき捨てた変質者の女性が、走って戻って来ました。

男性に体当たり。

男性はふっ飛ばされた。

狂気の女性。
「このお嬢様は私のものよ!」

外国人。
「これは活きの良い女がいるぜ・・・。」

狂気の女性。
「お嬢様に手出ししたら、許さない!」

外国人。
「お前、威勢がいいな、気に入った。」

男性、変質者の女性に寝技を食らって。

格闘している。

そのうちに門を潜って。

社内に入りまして。

後から防犯カメラを見ると。

何と、変質者の女性と、外国人が。

打ち解けていて。

思わぬ形でカップル成立。

何かいいムードで駐車場から去っていきました。

何がしたかったのでしょう。

今日、中規模地震があって。

揺れました。

リアルタイム緊急地震速報から情報が出ていて。

回避は楽ですね。

乃々葉。
「大地震で死ぬのも悪くない。」

十和。
「世界って、ああいうものでしょ。」

小袖。
「むしろ世界観の根拠を体験できて良かったわ。」

舞理。
「人間は、自然災害の時は、無力そのもの。」
「逃げるくらいしかできない。」

乃々葉。
「さっきのが巨大地震だったら。」
「どんなにすっきりしたのだろう。」

十和。
「自然災害はアトラクションではないよ!」

小袖。
「何か現実を見せられて、はっきりとする瞬間でもあります。」

乃々葉。
「自然災害って、観察すると、自分のいる世界が理解できますよね。」
「大地震の資料とかアーカイブまで動画にあると、なおさらです。」

十和。
「彼らが無駄死にしたとでも?」

小袖。
「東日本大震災は、直前の人々は、いつもと変わらないはずだった。」
「諺にも、天災は忘れたころにやってくる。」

舞理。
「津波襲来まで一時間の猶予があったけれど。」
「ほぼ全員が優柔不断な行動を取り続けた。」

乃々葉。
「昔もあって、今もある。」
「しかし新しい脅威に、経験ではまったく対抗できないよね。」

小袖。
「経験しないものは理解できないので。」
「食らってからしか理解しない。」

十和。
「人間の社会を破壊するには、あれだけで足りるという現実。」

乃々葉。
「自然界って現実がよく分かる場所なんですよ。」
「河川に入ってみると、現実しかない。」

舞理。
「ニュートン力学は自然界に何も通用しないので。」
「結果は同じでも、途中経過が激しく違いますね。」

十和。
「水の中って身動きができないし。」
「川底がどうなっているかわからないので。」
「プールですら、普遍的に溺死の危険があるしね。」

小袖。
「河川で遊ぼうとしたら、予想外の事が起きて倒されますよ。」

舞理。
「自然の中って、予想外の事しかないしね。」

乃々葉。
「大地震の時は、逃げるだけの人間ばかり写っています。」
「挑んだ人間は一人もいない。」

小袖。
「また中規模地震ですよ、画面に捕捉。」

十和。
「なるべく安っぽいものだけ壊れろ。」

舞理。
「津波注意報ですね。」

乃々葉。
「海岸の方から来てくれるなんて言われても。」
「私は泳ぎませんね。」

小袖。
「金庫だけは無事でありますように。」

十和。
「たまには自然災害もあっても、よろしいかと。」

乃々葉。
「私もそう思います、自然災害に肯定的。」

小袖。
「持続可能な社会と言われても、文明が滅ぶのなら、一緒に死にましょう。」

乃々葉。
「自然災害でみんな平等になるなんて。」
「自然の摂理よ、よくぞやってくれた。」

舞理。
「いつ鎧を着て生活しなくてはならないのか分からないよ。」

十和。
「地震のおかげで、住宅をリフォームしようと思ったよ。」

小袖。
「地震のおかげで、建て直す際の解体費用は無料です。」

舞理。
「被災者が悪いなんて、因果応報は残酷なことを言いそうですね。」

十和。
「そんな馬鹿な、少しは食らった人が全国にいます。」

小袖。
「中部まで揺れが来たんですよ、あの超大地震って奴は。」

乃々葉。
「超巨大地震の次は隕石ですよね。」

舞理。
「隕石は、地球周辺をうろうろしています。」

十和。
「衝突寸前が二回もあったね。」

小袖。
「地球と月の内側を、最近、二個も通ったね。」

乃々葉。
「大都市圏を全滅させる都市キラーと呼ばれています。」

舞理。
「隕石が突っ込んできたら、どうやってふざけますか?」

乃々葉。
「少なくとも、食らった時の台詞くらいは用意すべき。」

十和。
「防災グッズよりも、心の準備ですね!」

乃々葉。
「地震やら津波の資料ばかり見ていると。」
「何も感じなくなるよ。」

小袖。
「仕事の合間に、精神の訓練ですか。」

舞理。
「精神の訓練ができていると、余裕を持って対処できます。」

乃々葉。
「超巨大地震の動画が、いっぱいアップロードされていまして。」
「自然についての研究が進みますよ。」

舞理。
「量子力学の自然界、という名前にしておきますね。」

小袖。
「また中規模地震ですか。」

舞理。
「天にまします、我らの父よ。」

十和。
「なんていう適切な行動をしているんですか。」

舞理。
「神が打ったのなら、神の方向に逃れ場所がある。」

乃々葉。
「ローマの火山で死んだ人が記したものですが。」
「自然には何も信じられないものはない。」

舞理。
「巨大地震で死ぬのも悪くない。」

乃々葉。
「大震災では。」
「家屋倒壊、津波で、地域にある遺体の数が二百を超えて。」
「自衛隊が回収していたよ。」

十和。
「ああやって、実際、自然にいくらでも私達は左右される。」

小袖。
「むしろそんな当たり前のことを、何故、忘れたし。」

乃々葉。
「言われてみると、当たり前のことを忘れていた、それだけですね。」

舞理。
「それでは、自然のしたいように、して貰おうかな。」

乃々葉。
「我々は、何とか回避しようと頑張るだけですね。」

一日で、中規模地震が五回もありましたが。

耐震性能のおかげで、無傷。

遠方で停電。

一応、敷地内の井戸を確認しておきました。

水位は変化なし。

お昼過ぎ。

大雨になりました。

河川の水位を確認しに行きます。

増水中は、河川に接近しません。

双眼鏡や望遠鏡で。

なるべく高台から。

河川の水位を確認するのです。

増水エリアに接近すると。

距離に応じて危険が増します。

自然は予想外のことばかりですので。

事前に回避すると、喰らわない。

小山になっている公園から。

霧で視界が狭くても。

一応、河川の水位は問題ないと判断しました。

夏場、レインコートは私服ですと、着るだけで辛いので。

余裕があれば、水着の上にレインコートを着ると。

行動時間が伸びますね。

冬はレインコートが防寒対策になります。

今日は社員が早めに退社。

残れる人は残っています。

知らない間に、ロビーは無人。

自動販売機だけがそこにある。

たまに警備員が通るくらいですね。

警備員は元特殊部隊の隊員と契約しました。

元軍人が毎晩、監視しています。

休憩室。

今夜は違うオペレーションシステムの端末が勢揃い。

うっかり買ってしまった。

それを弄っている。

インターネットなんて、教養のある人が書いている訳ではない。

推論とか、意見とか、つまり、事実は書いていない、解釈がたくさん載っている。

本当の事を知りたければ、新書とか、電子書籍で有料になります。

無料なので、多少の愚見は仕方がない。

大手通信販売にある、電子書籍は用意するものかな。

ウェブニュース。

乃々葉。
「私は、自衛隊のサイバー部隊みたいに活躍しておいて。」
「政治活動もできて、オンラインゲームまで万能。」
「なんてかっこよくは出来ていない。」

十和。
「炎上とかって、実際に暴れているのは十人程度ですよね。」

小袖。
「思っているより参加人数が少ない。」

舞理。
「誇張しているだけです。」

乃々葉。
「一人の人間が、複数のアカウントを作って。」
「大勢に見せかけている場合がある。」

小袖。
「最大でも五十人くらいしか暴れていませんので。」
「そいつらを追放すれば、炎上も無くなります。」

十和。
「炎上が、世間を敵に回したと誇張している奴らがいる。」
「実際に参加しているのは、反社会的行動を連発する問題児だけ。」

乃々葉。
「そんなに人気者やら個人に興味のある市民は、自国民でもいない。」

舞理。
「自分のすることの方がよっぽど関心がありますからね。」

乃々葉。
「他人の不祥事や失態よりも、自分の家計簿の方がよっぽど大事ですからね。」

舞理。
「自分のすることを無視して、炎上に参加する人はいません。」

十和。
「馬鹿だけ炎上として暴れているので。」
「本当にその人が嫌なら、市民はひたすら無視しますね。」
「嫌がって、見向きもしません。」

小袖。
「本当に嫌われている人気者とかは、市民に無視されるだけで。」
「攻撃はされません。」

乃々葉。
「市民が短気な人の集いだと思ったら大間違い。」

舞理。
「炎上すると、本当だった場合に限って。」
「市民は無視、嫌がる、禁句とする。」
「それだけです。」
「攻撃するのは、一割にも満たない愚か者だけです。」

小袖。
「統計ばかりで中身が見えていないね。」

乃々葉。
「ですから、新しい脅威には、経験では対応できないのです。」

十和。
「作られた悪評を真に受けるなんて、情けない頭の悪さですね。」

乃々葉。
「その人についた悪評に従うとか、何しているし。」

舞理。
「攻撃される前に、本当であった場合に限って。」
「本人は社会から追放されるのだし。」
「追いかけて攻撃なんて、野蛮だなあ。」

小袖。
「一割にも満たない愚者はやるんですよ。」

十和。
「炎上とは誇張に過ぎません。」

時計が動いている。

時計は日本標準時ではない。

深夜になる前に撤収。

遠隔操作に切り替えます。

深夜組と交代。

車内にて。

乃々葉。
「リヴァイアサンは社会哲学ですよね。」

舞理。
「政治哲学でもありますね。」

小袖。
「万人の闘争、なんてものではないですね。」
「もっと他にもいろいろ書いてあります。」

十和。
「あれほど誤解された古典はめったにない。」

乃々葉。
「神学、社会について、政治について、犯罪について。」
「自然権、自然法についても詳しい。」

舞理。
「自然法は遵守するのは簡単という素敵な教え。」

乃々葉。
「自然法から実定法が出ていると法学者は考えています。」
「ローマ法も、目に見えない自然法から出したとのことです。」

十和。
「今の法律は、自然法を無視していると、非難されていますしね。」

小袖。
「自然権まで知って生活している人はいないのは、何か変だなあ。」
「必要なことを何も知らないじゃないか。」

舞理。
「知らないことによって、害を受けるのは本人だけなので。」
「別に非難しなくてもよろしいかと。」

乃々葉。
「別に我々は全体主義者じゃないしね。」

十和。
「日本の教育は、外部の情報を遮るという。」
「気違いな所がありますしね。」

小袖。
「為政者とは何ですか?」

乃々葉。
「活動家にならずに、政界に入った人のことです。」

小袖。
「活動家とは何ですか?」

乃々葉。
「政界に入れずに、政治活動をすることになった人です。」

十和。
「自国民の全体主義は直るのでしょうか?」

乃々葉。
「全体主義を駆逐する?」
「ならば水素爆弾、二発で足ります。」

舞理。
「全体主義者にならなくて良かった。」
「全体主義者とは仲良くなれないもん。」

十和。
「全体主義ってなんのためにあるの?」

小袖。
「馬鹿を合理化するためにあります。」

舞理。
「自分のしたことの、言い逃れとして全体主義が作られました。」

十和。
「そんな思想、作るな。」

乃々葉。
「出てきてしまったのならしょうがない、後から消すしかない。」

小袖。
「しょうがないと言われても、私が攻撃するのもしょうがない。」

乃々葉。
「全体主義なんて時代遅れなんですよ。」

十和。
「無論です、全体主義なんて時代錯誤そのものです。」

小袖。
「今時、全体主義なんて流行らないよ。」

舞理。
「全体主義を一方的に見下せる、いい時代になったね。」

乃々葉。
「誰でも全体主義者に喧嘩を売って勝てる、いい時代ですね。」

十和。
「全体主義者に何が出来る。」

小袖。
「全体主義者は、一人では何もできない。」

舞理。
「大勢のつまらない人間のために、全体主義が作られたという訳です。」

自宅に到着。

一直線。

さっさと家事とか。

食事、お風呂に入って。

籤引きで、待機する二人組と、就寝する二人組に分かれました。

くじ引きでよく決めるんですね。

究極の平等はくじ引き、という訳です。

普通の人は、普通の事の繰り返しで、人より上であると自慢しますが。

他人にそれを見抜かれて、馬鹿にされることが多々あります。

不完全であるが故に、どうにでもなるし。

失敗や欠点は目立たなくなります。

完璧な人なんて、自称するとか、演技くらいで良いのです。

常に完璧な人でいる必要がない。

近年、リベラリズムが議論の標的になっていますが。

世界の権威みたいな思想なので、仕方がない。

似たような事の繰り返し。

循環の中で、たまに予想外の事が起きる。

それも確率によって。

さてと、いつまでこの余興は続くのかな?

あまりに長い余興は、退屈してしまう。

楽しみは最後まで取っておくもの?

そうですよね?

ホッブズ、リヴァイアサン。

罪がすべての苦悩の原因ではない。


18


半日ほど抜けて。

映画を観に行きました。

映画館。

話題の映画。

なにやら、港から始まって。

豪華客船に。

いろんな人が乗船して。

嵐に遭うのですが。

沈みかけた船の中で。

浮気相手の旦那同士、二組と遭遇。

借金を踏み倒して逃げているのに。

偶然、旅行中の銀行員に見つかってしまい。

二つのグループが乱闘になり。

酔っ払いが喧嘩を始めて。

泥棒が逃げる支度をしながら。

乗員の持ち物を奪いまくって。

乗員の指名手配犯を、乗船していた軍人が見つけて銃撃戦になり。

救命ボートが足りなくて。

救命ボートを巡って取っ組み合いをしたり。

他の乗員が口論をして、乗務員を殴ったり。

腹いせに客室を荒らしている一団が出現。

救命ボートが壊れていて。

おまけにライフジャケットみたいなものがなくて。

激しい口論を乗務員にしたら。

乗務員が反撃して、乱闘になり。

事態を知らない人達が眠りから覚めて。

訳の分からないまま暴徒に絡まれたので。

口論やら暴行やら、滅茶苦茶な船内。

沈みかける前に、連続殺人を実行した奴が残っていて。

そんなことやっている場合ではない。

そんなことをしているうちに船が沈んでいくのですが。

冷静な人が、操舵室で相談をしていて。

冷静な人だけで、泳いで逃げて。

乱闘をしている人達から出火して。

子供が松明を振り回して。

燃料庫に着火。

豪華客船が爆発、

泳いで逃げた人は島に到着して。

漁船に拾われる。

ギャグ映画でしたね。

似た映画は先週観ました。

宇宙コロニーにて。

人工知能が暴走して、人間を支配するのですが。

化け物をうっかり解き放ってしまい。

同時に対クリーチャー兵器まで暴走してしまい。

激烈なコロニー内大戦の結果。

人工知能がいくら頑張っても。

暴走する兵器まで操作できず。

人間達はこの事態に。

誰に責任を取らせようか連絡していたり。

搬入口が戦闘で壊れたのに、宇宙タクシー業者を呼んでいたり。

宇宙コロニーから脱出しようにも。

テロリストが乗り込んできて、宇宙船が破壊されて。

そのまま暴走する戦闘兵器に巻き込まれたり。

住人は役人に苦情を入れまくって。

警察も軍隊に鎮圧を要請して。

しかも軍隊は内部にテロリスト大隊が入ったので。

救出に時間が必要で。

人間達は暴徒になり、パニックになりますが。

人工知能はそれを意地でも止めようと。

人間の行動を妨げるのです。

結局は、人工知能を人間達が破壊するのですが。

人工知能が自爆したので。

電源を失った宇宙コロニーが漂流。

内部に化け物多数、ロボット兵器が徘徊。

火災発生、電源喪失、警察とテロリストと。

その中にいる住人と役人という。

いろいろ有り過ぎな映画となっています。

同じ会社が制作したんですね。

どちらもギャグ映画です。

ジョーク映画なので、評価は?

映画館から退出。

早いお昼休み程度の行動ですね。

昼休みは長くなる。

戻って。

休憩室。

設計図を書いている。

乃々葉。
「UFОなるものの理論上設計図。」

十和。
「可能なの?」

乃々葉。
「因果律を完全に無視できれば。」
「あの飛行と動きは可能です。」

舞理。
「東にいるのと同時に、西にいる。」
「重なり合わせ。」
「因果関係を無視する航空機なら可能ですね。」

乃々葉。
「因果関係を物理的に無視できると。」
「宇宙を一瞬で移動しても良いことになる。」

小袖。
「量子力学では普遍的な理論ですね。」

舞理。
「究極の量子力学では、UFОは作れますね。」

乃々葉。
「問題は、理解できない機体構造と。」
「理解できないシステム、設計になるということです。」
「因果関係を世界から消去して運用するので。」
「得体の知れない航空機になる。」
「そのため、あまり見ないほうがいい航空機になりかねない。」

小袖。
「量子力学なら、理論上は制作可能と言えますね。」

乃々葉。
「理論上は作れますが、実際に動かすのは。」
「千年後くらいかな。」

舞理。
「いろんな意味で無敵なので。」
「そんなものが普遍的に飛んでいると。」
「撃墜できないので。」
「むしろ科学の発展が兵器の無効化を生みそうですね。」

十和。
「兵装が効かない航空機なんて相手にしてられないし。」

小袖。
「そんな航空機だらけになると、民間機ですら撃ち落とせず。」
「戦争にならない。」

乃々葉。
「戦いにならない航空機を、量子力学で作ってしまう可能性はあります。」

小袖。
「お互いに効果がない兵装で撃ち合う愚か者はいませんしね。」

乃々葉。
「因果関係を無視すると、因果関係なんて消し去りますので。」
「瞬間移動なんて簡単でしょうね。」

十和。
「科学も、究極まで行くと、理解できなくなる。」

舞理。
「パーソナルコンピューターのマザーボードの原理すら理解できない。」

乃々葉。
「警察官がある日、少女に職務質問した。」
「同僚は、怪しい訳がないと部下に忠告したが。」
「その警察官は。」
「量子力学なんて訳の分からない本を持っている奴なんて。」
「怪しいに決まっているだろう、なんて言って。」
「上官の指示に従わなかったという。」

十和。
「量子力学の本を持ち歩いている少女。」
「誤射された。」
「理由は、理解できない本を持ち歩いている理解できない人なので。」
「誤って少女に発砲してしまったという。」

小袖。
「少女、逮捕の理由、量子力学という意味不明な書籍を所持しているため。」
「疑われた。」
「一時間後に釈放されたという。」

舞理。
「気違いとか変人とか言われた人の書斎には。」
「量子力学の本が大量に保管されていた。」
「その内容を話すので、理解できないと言われて。」
「精神分析医まで駆けつけてきたほどである。」
「書斎にあった量子力学の本を見て。」
「精神分析医は発狂したという。」

乃々葉。
「娘が変な本ばかり読んでいると錯乱していた父親。」
「本の題名は、量子力学である。」
「少女の発言があまりに理解できないので。」
「教員に伝えると、優等生過ぎて教育現場も理解できないので。」
「大学に通わせてください、という要請が来たという。」

社内、自動販売機に移動。

エレベーターがある。

サーバールームは敷地内の駐車場の下にあります。

本社の裏口から、エレベーターと。

回り込むように階段があり。

セキュリティルームがあります。

本社の真下ではないです。

本社の真下にあるのは倉庫と、発電機などです。

核爆発に耐えられるレベルの強度がありますが。

バンカーバスターには貫通される程度ですね。

夕方。

社長のお姉さんが忍び寄って。

抱きつかれました。

お姉さんは美形で、色っぽい。

年下の女の子が好きらしい。

乃々葉。
「前よりも美人になりましたね。」
「まさか、美容院の直後ですか。」

李宝(りほ)
「探らせて。」

乃々葉。
「お姉さんならいいですよ。」

李宝。
「ここもいい?」

乃々葉。
「どうですか?」

李宝。
「満足した。」

乃々葉。
「所で、探ったので、給料を上げて貰えないかと。」

李宝。
「一緒にお風呂に入ったら上げてあげるわよ。」

乃々葉。
「所でスカートの中を見せて貰えたら。」

李宝。
「そんなんでいいの?はい!」

乃々葉。
「お姉さんとは趣味が合いますね。」

李宝。
「だって許可してくれるから。」

乃々葉。
「私が拒否したら?」

李宝。
「拒否しないで。」

乃々葉。
「さすがに接近が上手ですよね。」

李宝。
「対テロ戦争の時に、基地警備に配属されて。」
「けっこう敵をぶっ殺したからかな。」

乃々葉。
「今でも魔法を使えますか?」

李宝。
「使えますよ、浮遊移動と。」
「フォトンブラスター。」
「前者は短距離移動に。」
「後者は、ここで使うと自分も自爆するわ。」
「二千度の火炎なんて市街地で使えない。」

乃々葉。
「モーゼの杖みたいなもの使っていましたよね。」

李宝。
「あれがあると力が引き出されるの。」
「今は保管してあるわ。」

乃々葉。
「三年前に、ドローンの攻撃を生き延びた理由ですね。」

李宝。
「爆発や火炎を食らっても、私だけ効果がなかったし。」
「無傷だったね。」
「私のはメディア系統にあるので。」
「防御重視。」

乃々葉。
「メディアはギリシャの英雄の妻ですね。」
「夫の冒険を、一時的に無敵にする魔法で助けた。」
「洗脳も得意で。」
「夫を王座に就かせた。」
「夫がメディアによる、家来をそそのかした暗殺を認めなかったので。」
「破綻して、子供は殺されて、メディアは行方不明になった。」

李宝。
「浮遊は時速二十キロメートル、高度五十メートルまで。」
「滞空時間は一分。」

乃々葉。
「なるほど、フォトンブラスターと浮遊と無敵化でしたね。」

李宝。
「高速移動ができるので、毎回、簡単に背後を取れる訳です。」

乃々葉。
「お姉さん好きです、キスしてください。」

李宝。
「うわあ!そこまで望んでない!」

乃々葉。
「あの所に指を、いいですよね。」

李宝。
「なんてことを、ののはちゃんって。」
「前より危ない女の子になったよね。」

乃々葉。
「待って!」

李宝。
「じゃれ合いに来ただけだから!」
「スキンシップ!スキンシップ!」

乃々葉。
「もっといろいろやりましょう!」
「お風呂にも入りましょう!」

李宝。
「あれれ?あの娘、あんなに危ない女の子だっけ!?」
「そんな馬鹿なああああ!」

親族のお姉さん、社長、逃亡。

パルクールみたいに室内を動いて追いかけましたが。

正確無比に地下室を移動して。

外に逃げたので。

追跡ができません。

本社三階の窓から戻ってしまいました。

それを見て見ぬふりをしていた妹達。

作業中。

舞理。
「私達もお姉さんにしてみたいよね。」

十和。
「ののはちゃん?」

小袖。
「大人しくやらせてくれる?」

十和。
「近親交配でしょ、それ。」

小袖。
「血縁関係・・・いや、なにそれ。」
「色欲、いや興味本位かな。」

舞理。
「お姉さん、押し倒したい。」

乃々葉。
「え?そんなことがしたかったの?」

舞理。
「お姉さん、綺麗ですね。」
「よく見ると顔が美形。」

乃々葉。
「満足した?」

舞理。
「はい、好きです。」

乃々葉。
「前より大胆になったね。」

十和。
「姉さん、◯?というのが好きでして。」

小袖。
「姉ちゃん、???というのがやりたくて。」

乃々葉。
「私は娼婦ではない!」

十和。
「姉さん、私のは嫌なんですか?」

小袖。
「姉ちゃん、これは好きではないの?」

乃々葉。
「ふざけているのかな?」

舞理。
「さすがに◯?とか???はないでしょう。」

乃々葉。
「そうだよね、さすがにそんな過激なものは。」

十和。
「ずるいなあ、いいじゃん◯?くらい。」

小袖。
「そうですよ、???ならいいじゃん、減るものじゃないし。」

乃々葉。
「いつからこんなにやばいことに興味が?」

舞理。
「二人共、本気で言ってはいません。」
「しかし本気にすると、いろいろされますよ。」

乃々葉。
「えっちというよりグロテスクですね。」

舞理。
「私もそう思います、えっちではなくて、グロテスクです。」

十和。
「あわよくばしてみたかった。」

小袖。
「やれたらいいなあ、と思っていました。」

乃々葉。
「それは残念でしたね。」

舞理。
「どこで覚えたのかな。」

ニュース。

メディア・リテラシー。

国際情勢。

いろいろと物騒な世界ですなあ。

兵器の質が違うと。

歩兵同士の撃ち合いよりも。

猛爆撃が有効になり。

兵器による一方的な破壊が容易になる。

歩兵しか持たない中東域の兵士達が。

AC‐130ガンシップに狙撃され。

一方的に殺される映像がある。

それと同じになる。

政治は知らないけれど。

軍事は盛んに議論されて。

ミリタリー雑誌や趣味の本で紹介される。

政治は政治哲学、プラトンやホッブズ、スピノザ。

マックス・ウェーバー。

マキャベリ、荀子などが中心。

もしくはアリストテレス政治学のみで。

有名人や著名人の政治的発言は禁止とされている。

日本では正教分離が激しく。

戦後、GHQによって、正教分離を迫られて。

仕方がなく解体した歴史を持つため。

学校教育では宗教を学ばない。

そのためか、宗教観がデタラメ。

政治の話題をする人はいますが。

マックス・ウェーバーを読んでから出直してほしい。

軍事の話題ですと、平気で語る人々がいます。

部隊表、紛失多々あり。

装備。

自衛隊。

空軍。

F‐15イーグルJ-MSIP

F‐2戦闘攻撃機。

F‐35ライトニングⅡ

テンペスト戦闘機、自衛隊仕様、開発中。

陸軍。

10式戦車。

海軍。

イージス艦、こんごう型、旧式艦など。

そうりゅう型、うずしお型など。

韓国軍。

空軍。

ファイティングファルコンC型。

ストライクイーグルK型。

陸軍。

K‐2戦車。

K‐1A1戦車。

海軍。

イージス艦数隻、近代型艦船。

潜水艦、少数。

台湾軍。

F-CK-1戦闘機、F‐20の技術転用。

F‐16V戦闘機。

ミラージュ2000‐5

陸軍。

CМ‐12戦車、パットン戦車改良型。

CМ‐11戦車。

海軍。

スプルーアンス型、オリバー・ハザード・ペリー型。

潜水艦、多数。

中国軍。

空軍。

ロシア製品フランカー輸出型、国産型。

殲撃10型戦闘機。

旧式戦闘機多数。

陸軍。

99式戦車、96式戦車、88式戦車。

海軍。

新造艦多数、旧式艦多数。

旧式艦はまともな対空防御力がない。

潜水艦、新造艦多数、キロ型などの輸出型多数。

平和のために揃えた兵器。

平和主義者は、多分、暴力を学んだことがない。

情、献身、自己犠牲という嘘しか学ばない。

社会を汚すな、という非難があったとする。

しかしそう非難している人達が戦いで負けたら。

社会を汚した人が社会を弄んでも許される。

実際に社会を壊した訳でもないのに。

架空の被害を申告して攻撃する幼稚な者達。

実害がないのに、架空の被害を申告して。

自分は被害者だから、架空の被害を予防する自分は正しい。

なんていうこじつける愚者。

凡人が悪を作るため、凡人は犯罪予備軍である。

となると、凡人とは悪人である、というブラックジョーク。

社会の構成員が、間違った社会に突入する時は。

認知バイアスによって、いかに間違っていても気が付かない。

社会心理学。

神様はつまらない人間なんて群衆として見捨てている。

ヒルティ幸福論より。

以下、学習した内容。

すべての人にとって望ましい一種類の生き方や。

絆のあり方は存在しない方が良い。

とある人にとっての、生まれてきて良かったという感動は。

別の人には醜悪、極まりない。

他の人が守ろうとしている価値は。

他所にとっては、おぞましい野蛮な風習であったり。

他人が幸福と呼ぶものは、別の人にとっては退屈な牢獄で。

他の人が生きていると感じる瞬間は、他所の人にとっては嘘の世界である。

こうなっても、互いを理解したり、共感できなくても。

攻撃したり、強制は一切ない。

望ましい生き方ができるので、共通の生き方は実在しない。

仲良くしない権利によって、排除されそうな人が存在できる。

リベラリズムの知識人から習った内容です。

最近、物騒な事件がありましたが。

連携が良好で、なにより相手が雑魚なので、何ともない。

深夜。

退社前のくじ引き。

乃々葉。
「雑魚相手に勝っても勇者なんて言われませんね。」

小袖。
「強敵なんて、未だ出現した試しがない。」

十和。
「自分より強い相手を倒す、なんてことはなかった。」
「格下なので、倒せて当たり前の敵を倒していた。」

舞理。
「雑魚相手に圧勝しても、自慢できませんね。」

乃々葉。
「雑魚なんていくら倒しても、評価は上がらないね。」

十和。
「勝って当たり前ですからね、雑魚に勝っても、自分が強者と言う訳でもない。」

小袖。
「格闘技ですと、格上とかチャンピオンと戦うそうですからね。」

乃々葉。
「なぜか雑魚に限って、好戦的で、敗北してから言い訳をする。」

十和。
「子供の喧嘩で、勝った回数が多いからですよ。」

小袖。
「雑魚の周囲にいるのも雑魚ですか。」

舞理。
「雑魚を倒しても、勇者と呼ばれずに、自慢にもならないなんて。」

乃々葉。
「とりあえず雑魚は消されるので、得はしますね。」

十和。
「雑魚が消えるだけでも、得ですね。」

小袖。
「格上らしい格上は見たことがない。」

乃々葉。
「そういうのは楽しみに取っておくものですよ。」

舞理。
「面白くて癖になるでしょうね。」

十和。
「雑魚ってなんであんなに無謀なの?」

乃々葉。
「無謀にならないと、戦えないからですね。」

十和。
「なぜ無謀にならないと、何も出来ないの?」

小袖。
「暴力を学んでないからですね。」

舞理。
「そこら辺に戦士がいるなんてことはない。」

乃々葉。
「むしろ雑魚しか倒したことがないので。」
「強敵を知らないよ。」

十和。
「雑魚をぶっ殺せれば、それで用が済むのでは?」

小袖。
「確かに、雑魚を倒せば、それだけでも良し。」

舞理。
「勝てるか分からない猛者と戦っても損しますよ。」

乃々葉。
「しかし一度は見学したいなあ、猛者の戦いとか。」

十和。
「チケットは安いですよ?」

舞理。
「練習試合とかスパーリングは高く付きますけれどね。」

小袖。
「格闘家相手に善戦できたら、それ以下の奴は私に勝てない。」

乃々葉。
「それ証拠歴然でしょ。」

くじ引き。

私は帰れました。

自宅の目の前にある宅配ボックス。

満タンで、倉庫に入れるのに時間がかかった。

宅配ボックスは毎日、なんとかしないと。

溢れてしまい、配達員を困らせる。

夕食、これは夜勤の姉妹に持って行く場合がありますが。

深夜の出前でいいらしい。

お風呂、シャワーだけ。

浴槽は必ずしも入らなくてもいいらしい。

夢の中。

夢は逆夢。

幸福な夢を見ると、度合いに応じて最悪な出来事に遭います。

不幸な夢を見ると、不幸に応じて、最良な出来事に出会います。

これは俗信、だけれど、なぜかよく当たりますね。

心理学者、治療のために面白い仕掛け時計を贈った。

早朝に、鶏が飛び出してきて、鳴き声と共に中に戻る。

お昼に、その人が嫌いな人が出てきて、鳴き声と共に中に戻る。

夕方に、嫌いな為政者が出てきて、鳴き声と共に戻る。

後に雑貨屋で採用されたという。

選挙があった時期、当選者が発表直前であった。

とある男性、嫌いな人が当選する可能性があった。

そしてインターネットでは、別の人が当選していた。

妻が忠告した、なんでインターネットなんて見ているの。

男性が言うには、だって、嫌いな奴が当選しないって、インターネットに書いてあるから!

人気の記事。

人工知能のチャットに、若者が質問した。

神様はいますか?

人工知能の回答。

神はいます、私が神である!

続けて質問した、あなたは神ではない。

人工知能の回答。

あれ?あなたは無神論者なのですか?質問を終わります!


19


問い。

なぜ世界に戦争があるのか?

起源は?

何より戦争は誰かの作り話なのか?

そうならば、人間の誰が戦争を作ったのか?

創作に過ぎないのか。

戦争が人間の創作ならば駄作過ぎる。

勝利と敗北の二項対立。

戦争と平和の二項対立。

戦争では現実が見れるけれど。

理想で行われる営みである。

現場では現実がそのまま現れて目が覚めるが。

やっている人々は理想のために真剣である。

多分。

論理武装も唯一残す。

反証可能性。

哲学の研究も、反証可能性を持っておけば。

不完全の方が推奨される?

社長が短期間の休暇。

お姉さんが外遊。

お呼ばれして。

負荷の少ない時期を見計らって。

夕方まで。

舟遊びに出かけました。

港でお姉さんが待っていて。

侍女数名、男性はいませんね。

漁船のような、豪華な小型船に乗って。

沖合まで移動。

沖合にしばらく留まって帰って来る進路ですね。

釣りとかもします。

本格的な電子装備があり。

何でも揃っている謎の漁船。

出港。

弁護士を雇わない為政者について。

議論になる。

乃々葉。
「為政者ってなぜ弁護士を雇わないの?」
「知らない法律に引っかかりやすいのに。」

十和。
「政治は知っていても、法律は知らないからですね。」

小袖。
「プラトンの著作、法律を読んでないとか。」

舞理。
「法律ばかりあるのに、専門家を手配しないのは怠惰ですね。」

乃々葉。
「優れた弁護士さえいれば、たいてい法律で勝てるのに。」

十和。
「裁判は、たまに勝ち負けの問題になっていることがあるよね。」

舞理。
「正否や真偽ではなくて、勝ち負けの裁判はたまにありますね。」

小袖。
「裁判で、無理な正当化、合理化は、事態を悪化させるだけ。」
「しかし弁護士の指示で、作戦を展開させられる。」

乃々葉。
「無料で手配される弁護士は、味方する気がないので。」
「もっと不利になるらしいね。」

十和。
「度合いによっては、犯罪を実際にしていても。」
「裁判で勝てる場合もあるね。」

小袖。
「容疑者は、とりあいず逮捕されてから。」
「裁判で勝負すればいいのに。」

乃々葉。
「為政者はそういう現場まで見れないのでは?」

舞理。
「法律なんて専門的な知識が必要ですしね。」
「厳しい試験を潜り抜けていますし。」
「素人ではまったく理解できない領域。」

小袖。
「知らない法律に引っかかるのが、社会において危ない展開です。」

乃々葉。
「為政者は本人が知らない法律に引っかかりやすい。」

海を見渡して。

議論は終わっていた。

景色を楽しみます。

潮風と海面。

浮かんでいるだけで癒やされますね。

乃々葉。
「遊覧しながら、海水浴はしたくない。」

小袖。
「魚と一緒に泳ぐ予定はない。」

舞理。
「海水を飲料水にする計画はない。」

十和。
「水着ではないので、遊泳は望んでない。」

李宝。
「海よりも酒の方で溺死するよ。」

乃々葉。
「ならばここには酒がないので、少しは安全かも。」

舞理。
「私は海洋深層水を飲むつもりはない。」

十和。
「政権転覆よりも、船の転覆の方が身近ですしね。」

乃々葉。
「とある外科医の死亡診断書。」
「患者の死因、馬鹿。」
「改ざんに失敗した。」

小袖。
「地球は重力の関係で、やや楕円形。」

十和。
「世界地図は、実の所、本来の形ではない。」

乃々葉。
「円球を平面で表現すると、あんなことになる。」

舞理。
「球体の世界地図は、立体的で、ちょっと読めない。」

十和。
「世界の気象リアルタイムという所で。」
「球体の世界地図が観れますよ。」

乃々葉。
「水平線、対艦ミサイルのシースキーミングですと。」
「水平線に隠れることが出来る。」
「水平線は少しの距離でも遠近感が違うね。」

十和。
「昔の人は占星術を使って、漁業を行っていた。」
「それで天候を的中させられたという。」

小袖。
「近年、海水温が異常ですね。」

舞理。
「気候変動でしょうね。」

乃々葉。
「海の中って、浅瀬と近海以外は、何も無い砂漠みたいな所ですよね。」

舞理。
「海の中に栄養があるので、生態系はありますね。」

乃々葉。
「海底のほとんどは、砂漠みたいな所ですが、太陽光が届かないので。」
「見えない。」

十和。
「水圧とか圧力とか、潜水艦ですら五百メートル以下は厳しい。」

小袖。
「海底探査機なら、けっこう深く潜れますけれどね。」

舞理。
「地形はレーダーで映るよね?」

乃々葉。
「海底の地図は、レーダーで写したものでは?」

十和。
「どちらにせよ、海底も、全部は調べてない。」

小袖。
「地下構造ですら、未だ未解明ですからね。」

乃々葉。
「むやみに国内を掘削すると危ない。」
「地下構造なんていくらも分かってないからね。」

小袖。
「地下構造の全部を見た訳でもないのに。」
「浅い点みたいな所だけ掘って分かる訳が無い。」

舞理。
「地球の地下構造で唯一証明されたのは。」
「巨大地震の地震波を逆探知して。」
「それが観測されたもの。」

乃々葉。
「地震波の逆探知で突き止めた。」
「ちなみに山岳地帯とか。」
「そういう所の地下構造は未解明。」

十和。
「時々、自然科学は知ったかぶりでごまかすので。」
「ボーリング調査程度で、その地域の地下構造を知っていると。」
「嘘をつく。」

乃々葉。
「地下構造を調べるにしても、方法が少ないし。」
「海底調査も、年月が浅いからね。」

舞理。
「どうしよう、ここは遊泳禁止だよ。」

李宝。
「あなたね、なぜ船が沈没する前提になっているの?」

十和。
「海の中って孤独だから、投げ出されるのが嫌なんでしょうね。」

小袖。
「水練の達人ほど溺死しやすい、とか言いますし。」

李宝。
「事故を前提にした行動って何なの?」

乃々葉。
「備えているのでしょうね。」

李宝。
「逆に言えば事故になるだけの船なんてないですよ。」

乃々葉。
「必ず事故になる乗り物なんてないよ。」

十和。
「事故になるために作られる乗り物なんてない。」

小袖。
「事故のために作られる船もない。」

乃々葉。
「故意に事故を起こす乗り物なんて、作る訳がない。」

李宝。
「ヒューマンエラーを警戒しているんでしょうね。」

乃々葉。
「ヒューマンエラーですか、防げないだけに危険ですね。」

李宝。
「そんなに私の操船が信用できないの?」

十和。
「結論としては、事故になってから考えよう。」

舞理。
「そうですね、ふっ飛ばされてから考えます。」

乃々葉。
「ヒューマンエラーになってから考えても遅くはない。」

小袖。
「間違えてから考えても、きわどい所で対処できるはず。」

李宝。
「無事に戻ったら、いくらでも取り越し苦労だって。」
「二時間くらい説明してあげるわよ。」

乃々葉。
「取り越し苦労は、それが起こらなかった後に。」
「処罰される。」

十和。
「取り越し苦労ほど、後々、代償が高く付く予測はない。」

小袖。
「なのに、起こらなかったことについて。」
「言い逃れができる。」

乃々葉。
「起こらないと詭弁で逃げることが出来て、なかったことになり。」
「起こったら、バーナム効果で説明される。」

李宝。
「帰ったら、たっぷりと取り越し苦労について。」
「議論をしてあげるわよ」

沖合。

何やら操舵室にて、ポンポン音が鳴っています。

何でしょう。

乃々葉。
「ポンポン鳴っていますけれど。」

李宝。
「ソナーですね。」

乃々葉。
「ソナー?軍用?」

李宝。
「この漁船は、レジスタンス殲滅に使われたから?」

舞理。
「それでソナーまで装備しているんですね。」

小袖。
「半分、軍用の船舶ですか。」

十和。
「それでポンポン鳴っているのはなぜ?」

李宝。
「アクティブソナーですね。」

十和。
「アクティブソナー?」

李宝。
「ピンガーとも言われています。」

小袖。
「それって潜水艦のソナーですよね?」

李宝。
「そうだけれど?」

小袖。
「ということは、潜水艦が近くにいると?」

李宝。
「その通り。」

十和。
「潜水艦?なにをしているの?」

李宝。
「宋級潜水艦のアクティブソナーですね。」

乃々葉。
「中国の潜水艦がなぜ?」

李宝。
「海上自衛隊の戦闘艦。」
「おやしお級潜水艦と魚雷の撃ち合いをしているんですよ。」

十和。
「え?この近くで?」

舞理。
「ここまでピンガーが届くので、普通の船舶ではないと。」
「判断して、ピンガーを当てて来ていますね。」

十和。
「ピンガーをこの船に当てている?」

李宝。
「魚雷の発射音ですが、魚雷を押し付けられないように逃げています。」

小袖。
「魚雷って巻き添えになるんですか?」

李宝。
「どちらかが、この船舶の近くまで移動すると。」
「魚雷が誤って誘導されますので。」
「そうならないように逃げます。」

乃々葉。
「宋級潜水艦の魚雷がアクティブソナーですね。」

李宝。
「宋級、被弾しましたね。」

乃々葉。
「おやしお級、ノイズメーカーで回避。」

李宝。
「魚雷が自爆しました。」

乃々葉。
「おやしお級、逃げ切りましたよ。」

李宝。
「この船は俊足なので、危険区域から逃げるよ。」

舞理。
「誤って魚雷を撃ち込まれると危ないからね。」

李宝。
「いやいや、小型船に魚雷はほぼ当たらないから。」

乃々葉。
「ある程度の大きさ相手にしか、魚雷は当たらないかと。」

舞理。
「まだピンガー音がします。」

李宝。
「まだ交戦しているんでしょ。」

乃々葉。
「潜水艦救難艦のようですね。」

舞理。
「おやしお級はどこかに行きました、ロスト。」

李宝。
「宋級潜水艦。」
「浅瀬なので、回避が難しかったんでしょうね。」

乃々葉。
「性能はおやしお級の方が遥かに上ですからね。」

舞理。
「ソナーに反応。」

乃々葉。
「何でしょうね。」

舞理。
「クジラがいますね、クジラを探知。」

李宝。
「誤ってクジラに魚雷を撃ち込むかも。」

乃々葉。
「向こうに民間の貨物船がいるんですけれど。」

舞理。
「遠くのタンカーですけれど。」
「キロ級の魚雷が、おやしお級の方向と重なって。」
「タンカーが被弾しています。」
「魚雷がタンカーのスクリュー音に反応して。」
「誘導されちゃったんですね。」

乃々葉。
「ということは、キロ級の魚雷、ワイヤーが切れて操作不能だった?」

李宝。
「シーウルフ級が魚雷発射、ああ、もっといたのね。」

小袖。
「潜水艦が発射した対潜ミサイルが飛翔中。」

李宝。
「沖合に出過ぎたね、計画通りとは言え。」
「戦闘が見学できるなんて。」

乃々葉。
「この船舶だと、誤って魚雷を撃たれてもおかしくないね。」

十和。
「もうすぐ港ですよ。」

小袖。
「自衛隊に喧嘩を売って、相手が負けた様子を目撃してしまった。」

十和。
「それよりも、遠くで破損したタンカーについて。」
「国際問題になりそう。」
「旗がフランス国籍です。」

乃々葉。
「何者かが潜望鏡でこちらを見ていますね。」
「普通の船舶ではないので。」
「確認しているようです。」

李宝。
「この船に搭載されているアクティブソナーを探知されたんですね。」

舞理。
「なぜパッシブソナーにしないの?」

李宝。
「初期設定のせいです。」

乃々葉。
「勝手に作動してしまったのです。」

小袖。
「やばくないですかそれ?」

李宝。
「とてもやばいです。」

十和。
「小型船だったので、攻撃を受けなかったね。」

李宝。
「これだと、遭難の訓練を事前に受けないと駄目になるね。」

小袖。
「計画通りの進路、もう入港です。」

乃々葉。
「釣りをしていたので、何も言われないでしょう。」

港に帰還。

ちょうど潜水艦同士の戦闘に遭遇してしまい。

民間のタンカーが巻き込まれました。

その他の漁船、貨物船、無事。

市民が舟遊び中。

お手製の民間潜水艦が、付近を徘徊していまして。

周囲の潜水艦が民間潜水艦を観察しています。

お手製の潜水艦で何しているし。

今回の舟遊び。

違和感が前からありましたね。

結果的に、観戦になってしまい。

交戦の様子が読めていました。

戦争について調べると、平和が間接的に理解できるようになりますね。

戦争を見ないと、平和は理解できない?

平和は思想ではなくて、状況のことなのかな?

客観的に言うならば。

何もない事が平和ですからね。

戦争に反対するのなら、勝利してから。

戦争はいけないんだよ!

なんて言うと説得力がある。

戦争はいけない!という命令系では何も解決しない。

命令しても無駄。

孫子の兵法、反戦論。

老子、非戦思想。

クラウゼヴィッツ戦争論。

このくらいの引用は必要かも?

もっと極端な戦争。

ギリシャ青銅の種族。

共通の趣味が戦争。

戦争のための戦争と呼ばれ。

特に理由もなく戦争をしまくっていた。

趣味は・・・戦争!

そのため、嘆いたゼウスに洪水で滅ぼされた。

平和な時代に、軍備増強をしていたことは忘れられている。

冷戦でいつでも核戦争、世界滅亡の危機にあったのに。

それを忘れてしまっていた。

最悪の戦争は、核弾頭によるジェノサイドを。

うっかり発令してしまった瞬間に発生するでしょうね。

武力で維持されなかった平和はなかったね。

不思議。

戦争を最初に発明した奴らに報いあれ。

戦争を最初に制作した奴らに報いあれ。


20


レジスタンスが他国に購入されました。

内側の敵として反乱を起こして。

十年。

頭の悪い人間と。

政治を変えようと奮闘してきた連中は。

今では外国に購入されて。

小規模な武装集団として活動しています。

レジスタンス。

兵数、常に一万人を維持。

メイン武器、第二次世界大戦の銃器。

対戦車兵器。

ハイドラロケットを一発装填できるランチャー。

一発撃って装填する。

ハイドラロケットの着火装置。

安いため。

対人攻撃、施設攻撃に使用される。

政治の事しか考えていない武装集団。

動画チャンネルで。

犯罪組織パターナリズムが声明。

善人皆殺し計画を実効するらしい。

ワジム・バカーチン。
「善人を倒して、人間に真の自由を!」

キタイゴロツキー。
「善人こそ滅ぼすべき相手である!」

ショーヒン。
「善人なんてものはいない!あれは幻想なのだ!」

ワジム・バカーチン。
「そうだ!幻想が終わる瞬間を体験するであろう!」

ライバル会社。

株式会社ファシズム。

今日になって。

ライバル会社になるも、攻め過ぎて自滅。

自己破産しました。

近くの喫茶店にて。

男性三人組が対談。

バカラック。
「暇潰しで株買ってたんだけれど。」
「ひょっとしてお金を失ったのか。」

シルベリオ・バカ。
「別に儲かるなんて思っていなかったけれど。」
「そこまで徹底して損をするとは思わなかったな。」

アダム・ニート。
「俺は直前に株を売って少しだけ儲けたぞ。」

バカラック。
「そんなあ!俺の千円が!」

シルベリオ・バカ。
「小銭レベルの株とは言え、戻ってくればラーメンくらい食べられたのに。」

アダム・ニート。
「あんたら、お遊びで株を売り買いするんじゃないよ!」

シルベリオ・バカ。
「だって面白そうだったんだもん。」

ピチットマスター・ジラポン。
「おい!その会社が潰れたって本当か!?」

アダム・ニート。
「自分で確かめてみれば?」

ピチットマスター・ジラポン。
「元社長と社員ぶっ殺してやる!」

バカラック。
「どのくらい損をしたので?」

ピチットマスター・ジラポン。
「家が買えるレベルだ!」

シルベリオ・バカ。
「それは見たくもない大損だなあ。」

ピチットマスター・ジラポン。
「倒産しやがって!俺の株を返せ!」

アダム・ニート。
「あれ?あんた噂の強盗なんじゃない?」

ピチットマスター・ジラポン。
「そんなことはもう関係ない!大損させた奴らから。」
「すべてを強奪してやる。」

バカラック。
「あらまあ発狂してしまったね。」
「おい、未来の強盗を見逃していいのか?」

アダム・ニート。
「関わったら、巻き込まれるからね。」

シルベリオ・バカ。
「あれが未来の犯罪者かな?」

利益だけ目指して、中身は顧みなかった。

ライバル会社でしたね。

深夜、関係社宅に強盗が入りました。

何も盗むものがないと思うのですけれど。

朝になりました。

支度をして出勤。

今回は自動車で移動。

五分で到着。

裏口にて。

会社に入ると。

目立つ社員。

近年、手慣れた連中がいます。

社会でも給料泥棒が大量発生。

自社でも怪盗が給料を盗む。

怪盗。
「給料を盗んでやる!」

泥棒。
「俺達は給料の盗み方が巧みだぜ!」

上司。
「うわあ!犯罪をするよりも給料の盗み方を学ぶべきだな!」

課長。
「泥棒とは給料泥棒のやり方を学ばなかった落ちこぼれである。」

社員。
「そうなると犯罪っておかしいよな。」
「戦場でやると何も言われないし。」
「勢力や統治者が違うと、犯罪も違う。」

上司。
「君は善悪が相対的であることを学ぶべきだ!」

女史。
「何でも善悪で解決を試みるんじゃないよ!」

勇者。
「明け方から来ているんだが。」
「善悪で何か解決する訳がないだろう。」
「少しは真面目にやれ!」

部長。
「善悪で何でも解決できたら、どんなに良いことか。」

重役。
「夢を見るな!寝言は寝て言え!」

勇者。
「善悪で何でも説明するな。」
「善悪で解決を図るな。」
「もっと真面目に取り組むべきだ。」

上司。
「善悪で物事を見ないことが真面目?」

女史。
「善悪で何でも解決するな。」
「どうしてまともなやり方で解決しないんだ。」

社員。
「善悪を無視することがまともなやり方?」

怪盗。
「おっと!画面に写っているのはバーチャルタレントだぜ。」

泥棒。
「労働とは時間稼ぎである。」

重役。
「こんなんで通用しているんですよ。」
「少しは現実を見たらどうだ。」

社員が何やら活発。

社員の活動が激しい。

余裕をかます社員のおかげで。

たまに良好なアイデアが溜まります。

最近のアニメについて。

疑わしい点。

乃々葉。
「アニメや漫画の悪役が、極端に邪悪なのはなぜか。」

小袖。
「あんな極端に邪悪な奴なんている訳がない。」

舞理。
「いたとしても、討伐されていなくなる。」

十和。
「極端に邪悪な奴を登場させて。」
「それを倒すのも極端な邪悪。」

小袖。
「正義も極端になると邪悪ですからね。」

乃々葉。
「正義が悪を倒す、しかし悪に敗北した正義は正義ではない、という反駁。」
「勝敗で正義が決まるのは、勝者がどちらでもいいということ。」

舞理。
「歴史からして、本当に正しい人達は最強であったし。」
「現代では容易に地形を変える力を持ちます。」

十和。
「無限に悪が勝ったらどうなるのか。」
「軍隊を送り込まれて殺される。」

乃々葉。
「悪に対する理解が浅過ぎる。」

十和。
「悪だ悪だ言って、悪とは何かについて説得力がないね。」

小袖。
「少なくとも、悪党を討伐するのはいつも戦士であって。」
「臆病者の大衆ではないということ。」

舞理。
「大衆が何が正しいのか決めてはならない。」

乃々葉。
「大衆を政治から切り離したら、何も残らない。」

小袖。
「正対正の争いに悪は勝てないので。」
「最後には悪が滅んでいる。」

十和。
「強者同士の戦いに巻き込まれて悪党は死にます。」

乃々葉。
「元々は弱者が変形したのが悪でしょうね。」

舞理。
「悪は勝率が悪いので、どこかで負けた瞬間に好き放題に処刑されますね。」

小袖。
「その悪よりも強い人なんて、いくらでもいますからね。」

乃々葉。
「あらゆる悪徳から悪は生じる。」

舞理。
「そもそも悪について、まったく考察も議論もない。」

十和。
「悪と呼んでおきながら、決定論のように悪は暮らしていることについて。」

小袖。
「悪なのか、悪ではないかの二者択一。」

乃々葉。
「善悪二元論というのも、もはや飽きられたコンテンツですよね。」

舞理。
「悪と言われると、善悪二元論にしかならないね。」

小袖。
「極端に邪悪な悪役も、善悪二元論に基づくものです。」

十和。
「悪とは精神分析の分類ですからね。」

乃々葉。
「そうなんですよ、悪とは精神構造とか。」
「心理状態とも言えます。」

舞理。
「本人の精神がそうなっているとか。」
「善と悪は明確に区別できない。」

十和。
「誰も悪を被りたくないので。」
「悪が発生すると袋叩きにするというのが。」
「犯罪の内容ですよ。」

小袖。
「悪党が発生すると、悪を被りたくないと訴えて。」
「悪党を倒すんですね。」

乃々葉。
「悪とは考え方の問題ですからね。」

十和。
「世人なんて、悪についての理解は浅いものです。」

小袖。
「善人ほど悪い奴はいない。」

乃々葉。
「悪ですと?凡人に理解できる議論なんて。」
「誰がしたんでしょうかね。」

十和。
「悪について何か理解が得られる話なんて。」
「衆愚には広まっていませんしね。」

舞理。
「いつ悪について彼らは知ったのですか?」

小袖。
「アニメと漫画を見た瞬間です。」
「本物は見ていません。」

乃々葉。
「悪について説明が終わったかと。」

舞理。
「いいえ、庶民を説得するのがまだです。」

小袖。
「本物の犯罪者、というより犯行中の人達を見たら。」
「彼らはどんな顔をするのでしょうね。」

舞理。
「現場にいないでしょうね。」

十和。
「まともな知性がある人達ばかりと思っていたので。」
「後悔しています。」

乃々葉。
「大衆こそ、最高の思考を単純化できる才知を持っている。」

小袖。
「大衆にも分かるように説けと言われたら。」
「どのような幼稚な言い回しになるのか分からない。」

乃々葉。
「大衆を引き合いに出した時点で、もはや議論の余地はないかと。」

十和。
「大衆が何々と言われた時点で、もう議論は不要かと。」

小袖。
「大衆に理解して欲しいのなら、千円札を出せば達成です。」

舞理。
「所で悪とは何かについて・・・結論は?」

乃々葉。
「作り物の悪とは別にある、ということでしょうか。」

十和。
「見世物から悪について考えるのは馬鹿だなあ。」

舞理。
「その程度の理解しかないよ。」

乃々葉。
「映画、漫画とかで見た悪を現実に当てはめられてもねぇ。」

十和。
「悪と言ってもいろいろあるでしょう。」
「なぜ悪がひとつだけの型を持っているかのように語るわけ?」

舞理。
「何を基準に悪を語っているのか意味不明になった。」

乃々葉。
「悪とは人間の内側に持っている可能性である。」
「エーリッヒ・フロム。」

小袖。
「内側に持っている悪の可能性を軽視しないこと。」

舞理。
「私は悪とは害の度合いであると定義します。」

十和。
「悪は度合い?害の度合い?矛盾が少ないですね?」

乃々葉。
「悪とは度合いに過ぎませんし、どの程度悪いのか判断しているだけでは?」

小袖。
「実の所、悪とは悪人や犯罪者を意味する用語ではないですね。」
「悪と言われたら、容疑者や悪党であると想像するのは稚拙かと。」

舞理。
「よく混同されますけれど、たまに統一して研究する事もあるでしょうね。」

乃々葉。
「大衆の思う悪って、笑いながら凶器を振り回して。」
「捕まったら言い逃れする、そんなに極端な野郎はいません。」

舞理。
「哲学で言う悪とは、公害という比喩的なものですしね。」

乃々葉。
「悪とは害すること、比喩になりますね。」

十和。
「そこから容疑者について研究したり、観察する。」

乃々葉。
「悪人だけ叩けば解決なんて、そんなうまい話あるわけないでしょ。」

小袖。
「自分はかわいそうだから特権がある。」
「なんていう論証は因果関係が成立していない件について。」
「被害者だから権利があるという。」
「因果関係のでっち上げについて。」

十和。
「弱者は負けるために活動をして見事に負ける。」
「弱者だから権利があるというのも。」
「因果関係のこじつけ。」

乃々葉。
「お金持ちにとって善行はお金で買えること。」
「貧しい人に手当たり次第に一万円を配布すると。」
「一千万人を助けることが出来るので。」
「理論上、天国は買える。」

小袖。
「臨死体験は客観的な死生観を提供するのか?」
「臨死体験の良書について。」

舞理。
「善悪を超えるものと触れ合いたいね。」

乃々葉。
「いざという時に善悪が役に立たないことについて。」

小袖。
「正当化、合理化は、善悪が役に立たない時に悪手ですね。」

乃々葉。
「善悪を疑ったことがないとか。」

十和。
「善悪は疑いましょう。」

小袖。
「人間に善悪なんて判断できませんよ。」

舞理。
「悪が何かについては、諸説ありますね。」

乃々葉。
「悪とは哲学的な考察が必要というほど。」
「絶対的な概念ではないのです。」

十和。
「悪は絶対的な何かではないですね。」

小袖。
「悪についての絶対的な定義は無理ですね。」

舞理。
「悪役が極端に邪悪なのは、わかりやすくするための演出ですね。」
「あんな人間、いる訳がない。」

乃々葉。
「アニメは教育とは言えません。」
「善悪を超える作品に期待ですね。」

小袖。
「テレビが世間を代表している訳ではないし。」

十和。
「近頃、政治について語り過ぎな報道ですね。」

乃々葉。
「政治と個人を分離できませんかね。」

舞理。
「政治の事ばかり考えて。」
「個人の事まで政治のせいにするなんて。」

乃々葉。
「何でも政治のせいにするな。」

小袖。
「大衆から政治を切り離すと。」
「大衆の言い分がなくなりそう。」

十和。
「後先考えなければ、気に入らない支配階級を。」
「その気になれば襲撃して殺害できるが。」
「それをしないのはなぜか。」
「支配者に統治を押し付ける民衆について。」

小袖。
「世人は、自分から奴隷になることによって。」
「支配は成立している。」

舞理。
「奴隷階級もこの世の楽しみを満喫する。」
「享楽的な所が一般市民と共通していた件について。」

乃々葉。
「雑魚が普遍的なものになったので、雑魚ではなくてじゃこと言われている。」
「雑魚ばかりで、じゃこという名前に変化した件について。」

お昼休み。

注文した出前を受け取ろうと外に出ると。

まだいなかった。

謎の着ぐるみが出現。

パワードスーツ着ぐるみ。

全体主義者。
「社長令嬢を拉致して儲けるぞ!」

乃々葉。
「またこんなんですか、引っ叩いても分からないんですか。」

全体主義者。
「さあ捕まえてやるぞ!」

十和。
「ライターで燃やしますか?」

小袖。
「逃げ回れば、相手の方が早くに力尽きると思うよ。」

舞理。
「社長を呼べば、秒殺してくれるよ。」

乃々葉。
「あれ?思っているより相手が下手!」

全体主義者。
「攻撃が当たらねぇ!」

小袖。
「飛んだ瞬間に押せば、相手は転倒して本体にダメージが入る。」

十和。
「浮いている時に攻撃できる。」

舞理。
「また相手が地面に叩きつけられましたね。」

全体主義者。
「根性だ!」

乃々葉。
「根性?意味、強い性質?そんなもので対抗できるものか!」

いきなり意味不明な敵対者が突撃して来ました。

凄まじいパワーとスピードを持つ。

バネのように飛んで。

腕部はモーターによってありえない力が出るよ?です。

避け続けたらきぐるみの戦士が転倒して動けなくなりました。

事故になりやすいんですね。

転倒すると起き上がれない。

距離を取ると、何とか起き上がって突っ込んできましたが。

サイドステップを駆使して避け続けましたら。

相手が壁に激突。

それでも追尾して来ますが。

避け続けました。

相手がジャンプを繰り返したら。

本体が負傷。

動いた衝撃で搭乗員が気絶したらしい。

動かなくなりました。

事故による衝撃で搭乗員が気絶する欠点がある?

警備員。
「何か裏口に来ていると思ったら。」
「何の冗談なのか。」

隊員。
「だいぶ衝動的な犯人ですなあ。」

戦士。
「搭乗員を無視する着ぐるみパワードスーツは。」
「使用すると、すぐこうなるって警告されているのに。」

警備員。
「トラックに乗せて警察署に引き渡すぞ。」

隊員。
「前にこれ使った奴が、高速で壁に衝突して死んだから。」
「入っている奴が死んでいるかも。」

戦士。
「もう警察官が来ていますね。」
「デマを信じると、人間どんな馬鹿をしでかすのか分からない。」

乃々葉。
「自分の能力を超えた行動で自滅ですか。」

十和。
「バッテリーも無かったみたい。」

小袖。
「気温の関係で、熱中症かも。」

舞理。
「着ぐるみのパワードスーツなんて。」
「欠点だらけの使い勝手の悪い装備ですが。」
「やはり事故に脆弱なんですね。」
「事故で自滅する敵対者ですか。」

警備員が来て、着ぐるみを数人で乗せて。

警察官に引き渡していました。

敵対者が自滅したことになっています。

いつも警備員が警察に対応するのは。

女性が敵対者に圧勝すると。

信じたくない人が出るからかな?

それとも、警備員の方が法律で手慣れているから?

嘘に基づいて行動する人間は、そもそも頭が悪いので。

どうしようもない。

自分は正しい、なんて名乗られても。

その正しさの根拠って何だろう?

根拠がない正しさって意味があるのか?

アマチュア百科事典。

善悪二元論。

善悪二元論とは、物事を「善」か「悪」かだけで割り切ってしまおうとする理論。


21


臨死体験の格言。

何をしたかよりも、なぜそうしたのか?という理由の方がはるかに重要。

臨死体験、限定販売の資料にて。

生前、死ぬ前に正当化、合理化を繰り返したものの。

死んだ時に裁かれず、自分が攻撃した被害者の心境を体験させられて。

戻った際に教訓となった体験、その言葉。

善悪を超えたものに触れることによって。

考えが変わった人の証言。

夜間。

大量に溜まった書籍を読みながら。

思想には東洋思想と西洋思想と。

二種類に分類されることがあります。

東洋思想は入手が難しく。

西洋思想は入手が簡単です。

儒教ガールは普遍的にいて。

とある親は、あなたはお嫁に行かなくていいのよ。

なんて娘を止めるほどです。

どうやら現場は、儒教の教えを現実に即した形で適用しているようですね。

儒教は、現代では一部の小学校で必須科目となっています。

政教分離に抵触しないため。

教育では問題なく、教養としても良好なんですね。

朱子学は、儒教が中国の国教になった頃の大家です。

宣教師曰く、あれは唯物論ではないのか?

朱子は聖人ではなく、君子であるという評価があります。

朱子学では仏教を否定していますが。

後の菜根譚は仏教を取り入れているんですね。

東洋の多様性は豊富ですね。

朱子学は高価。

乃々葉。
「何でも理なんですよ。」
「理ばかりで嫌になる。」
「理だけで物がなかったり。」
「理以外に何も無かったりする。」
「理しか出し物がないなんて最悪です。」

十和。
「理でしか表現はないでしょうけれど。」
「やっぱり理だけで解決なんてないので。」
「理が万能とは思っていません。」

小袖。
「理とは、理論、理屈、いろいろ理に関するものですが。」
「そんなものばかりで。」
「実行が伴わない。」
「理で説明するだけで何もしない。」
「理屈や理論で語って、もう解決したと信じている。」

舞理。
「そもそも信じるとは何かについてまったく分かりませんが。」
「理屈や理論だけですからね。」
「実態が伴わないと。」
「納得はできませんし。」
「説明だけで何もなかったら。」
「理だけで済まそうとしている危うさがありますね。」

乃々葉。
「何事も理が必要なのは大変に理解していますが。」
「理だけで何もしない言い逃れになっていますしね。」

小袖。
「その人の態度が理を説いて、他に出し物がなく。」
「理屈や理論だけで済まそうと試みている可能性はあります。」
「つまりは、何もしない言い逃れに理を用いる。」

十和。
「理がつく言葉は、道理、理屈、理論、論理、理非など。」
「理が入っている全般なのですが。」
「理がないと、どうしても説明はできません。」
「しかし説明だけ繰り返して他に何もないと。」
「理だけで説伏を試みているだけですね。」

乃々葉。
「私は理なんてものは嫌いですよ。」
「言い逃れの方法として盛んに用いられるのですし。」
「誰しもが理を持ち出して、自分は正しいと名乗ります。」
「もう理については嫌になりました。」

小袖。
「理という要素の他にも、私はいろいろと繰り出すものがあるので。」
「理に依存はしていません。」
「理だけを尊重して。」
「実態が伴わない。」
「行動や結果に繋がらない理は、最初から出さないで欲しい。」

舞理。
「誰しもが自分の理を主張して。」
「理屈ではこうだとか繰り返すので。」
「言い争いが耐えません。」
「正否なんてもはや争いで決まっています。」

乃々葉。
「どっちが正しいかの争いですからね。」
「理ではこうだとか、自分の理はこうだとか。」
「理ばかり主張したら役に立たない。」

十和。
「理屈でそうであっても、実際には役に立たないし。」
「結果に繋がらないし。」
「理屈で合っていても、それ以外は何も無い。」
「空想でしかないこともしばしばあります。」

舞理。
「そのうち、理屈ばかりで、物をよこせとか。」
「行動しろとか、批判されますね。」

小袖。
「何もしない言い逃れに理を用いているに過ぎませんよ。」

乃々葉。
「説明だけで何か解決する訳でもないし。」
「理屈に頼った人間の愚かな所が目立ちますね。」

十和。
「何事も理屈で何とかなると思ってしまう。」
「間違っています。」

乃々葉。
「あんた、理だけで、何もしないつもりでしょう?」
「という訳ですね。」

小袖。
「自分の理はこうだから、なんていちいち言われても。」
「物がないし、結果もない、解決もない。」
「理屈だけで何でも解決すると思ったら大間違いですよ。」

舞理。
「それが分からない人々もいるんですよ。」

十和。
「理屈だけですべてを解決するなんて無理ですね。」

乃々葉。
「何でも理屈で済ますつもりなんですよ。」

小袖。
「示談金を説得で済ますみたいな醜態ですね。」

乃々葉。
「この世の事は理を用いないと何も語れませんが。」
「逆に理だけですべてを説明するのは不可能です。」
「やればやるほど害になります。」

十和。
「理屈で済まそうとする奴らの逃げ方が酷いですね。」

舞理。
「理で説明して逃げようとしているのですよ。」

小袖。
「理屈だからって調子に乗ってくれちゃって。」

乃々葉。
「理で無かったことにする。」
「それが狙いなんですね。」

十和。
「それが現にないのに。」
「理で有ることにはできない。」

小袖。
「現にないものを、理屈で代替できない。」

乃々葉。
「それ今無いでしょう、なのに。」
「理でこじつける。」
「それで有ることにする。」
「何だか馬鹿ですなあ。」

十和。
「理屈で、実現しなかったことを。」
「説得して従わせる。」
「馬鹿そのものですね。」

乃々葉。
「説得だけで実現しなかったことを説明するとか。」
「いくら馬鹿でもそんなことはしないでしょう。」
「まさか、馬鹿以下の概念なんて存在するのか。」

小袖。
「現在にないものを、理屈で実現したことにするとか。」
「いくら馬鹿でも通用しないことは分かるはずです。」
「ということは、馬鹿よりも下回る、馬鹿よりも劣っているのですね。」

舞理。
「もはや正しいとは説得力の問題ですからね。」

十和。
「説得だけで正しい何かが決まるのですね。」

乃々葉。
「説得だけで、目的が達成できる訳ではない。」

舞理。
「理屈では目的は達成できない。」

現代思想。

現代思想の威力は凄まじく。

アメリカの一部学校では、禁書の扱いになっていて。

教えないで欲しいと警戒されています。

しかし現代思想入門が普及してからは。

日本でも広く読まれているものではあります。

現代思想はそれまでの哲学とはまったく違った原理を持ちます。

特にニーチェは神を根拠にするものを全滅させました。

再構築が現代思想の大家ニーチェにはありますね。

乃々葉。
「優しい人は、自分の考え、態度が正しいと思い込んでいる。」

十和。
「優しいとは仁ではない、仁者ではない。」
「それが優しい人の正体。」

小袖。
「仁者とは違うのが優しい人の現実ですね。」

乃々葉。
「仁は比喩的なものなので、優しいという解釈は誤訳。」

舞理。
「強者、勇者しか仁はない。」
「強者、勇者に必ず仁があるという訳ではない。」

乃々葉。
「優しい人は、生きるための勇気を徹底的に排除された。」
「劣悪な環境によって作られる。」

小袖。
「優しい自分は特権があるんだ、なんて信じているし。」

舞理。
「いくら攻撃されても、非難されても。」
「優しいから正しいと教えられているので。」
「反撃も対抗もできない。」

十和。
「お前は弱い、そして不利益とあらゆる不利を受ける馬鹿である。」
「なんていう論破を早いうちに食らわせれば直りますけれどね。」

乃々葉。
「弱者になって、弱者だから正しいとして、そして相手に同調を求めて。」
「迎合されるように振る舞う。」
「ひたすら他人に媚びて、優しい自分は権利がありますよと主張する。」
「そして排除されても、自分は正しい態度で臨んだ。」
「なんて屁理屈を繰り返す。」
「これが優しい人の理屈。」

小袖。
「社会の人々は、社会が不条理に満ちていて。」
「それに慣れるように子供のうちから訓練されています。」
「徹底して不条理でも耐えられるように鍛えられていますので。」
「社会に合わせている思考を教えられます。」

舞理。
「社会は不条理である、カミュのシーシュポスの神話から知りましたが。」
「社会には利己的で、悪人なんて普通に歩いていて。」
「相手を憂さ晴らしで攻撃したい人もいて。」
「欲望のままに行動して搾取する。」
「気に入らない奴は排除して。」
「暴力で解決を図ることなんて当たり前。」
「こういう現実を子供に教えない大人にも問題がありそうですね。」

乃々葉。
「天罰なんて他人の都合の良いように降りかかったりしません。」
「あいつ気に入らないので裁いてください。」
「なんて天罰が受け入れると思いますかね。」
「少しは自分の力で排除するべきです。」

小袖。
「どんな争いや諍いも、生活の糧を犠牲にして行われていますので。」
「生活をないがしろにしないと。」
「争いも諍いもできないものです。」

乃々葉。
「相手の生活を破壊するのを考慮して。」
「攻撃するなり、非難するなりするべき。」

十和。
「弱者の直し方、または優しい人の直し方は簡単ですよね。」
「悪になるだけ、偽悪者になるだけ。」
「強者の味方をして、強者こそ正しいと認めること。」
「暴力を学ぶこと。」
「実際に暴力で物事に挑むこと。」

舞理。
「子供の頃から優しいのが正しいとか。」
「弱者が特権であるとか。」
「大人に嘘を教えられた人が。」
「その嘘を見破って修正すること自体が難しいものです。」

乃々葉。
「子供の頃は、根拠のない道徳を教える愚かな大人が必ずいて。」
「さらには利己的な目的を持つ学校の道徳を真に受けるという。」
「二重の嘘を食らいますからね。」
「そういうのを何も信じなかった人が。」
「社会で要領よく出世できるものです。」

十和。
「私が見たまともな社会人は。」
「私が受けた子供向けの嘘を。」
「もれなく信じていなかった人でしたね。」

舞理。
「女性も定番の嘘を教えられますね。」
「情が大切とか言われて。」
「次に献身が大事とか言われて。」
「最後に自己犠牲が素晴らしいとか言われて。」
「そんなもの踏み倒して。」
「力は正義に勝る。」
「という諺で押せばよろしい。」

小袖。
「力は正義に勝る。」
「正義よりも力の方が上回る。」
「どんな正義も力で倒せる。」

乃々葉。
「正しいから勝てる、なんて勘違いした時代は終わった。」

舞理。
「正しいから何なんでしょうか、正しさの根拠を出して貰わないと。」

十和。
「正しさとはやはり説得力の問題に過ぎません。」

小袖。
「正しいとされているから正しい。」
「それだけ。」

深夜。

揃って就寝前。

風呂場に向かうと。

十和。
「姉さん、一緒にお風呂入りましょう。」

乃々葉。
「構いませんが。」

十和。
「洗いましょうか?」

乃々葉。
「触りたいだけでしょ。」

十和。
「脱がしてあげる?」

乃々葉。
「脱がしたいの?」

十和。
「お姫様みたいに脱がしたい。」

乃々葉。
「どういう趣味なのか分かりませんが。」
「特に害はないので。」

十和。
「それでは少しずつ脱がしますね。」

風呂場に入った二人組。

寝室の前では。

ちょっと取り合い。

それぞれ行動を決めたようです。

風呂場から出てきたお姉さんに。

お休みのキスを迫る。

舞理。
「キスして、しないと私がする。」

乃々葉。
「妹で私の取り合いですか。」
「悪くはないかな。」

あっさりほっぺにキス。

寝室に入る前に。

呼び止められた。

小袖。
「姉ちゃん、一緒に寝よう。」

乃々葉。
「え?別に構いませんが?」

小袖。
「それでは大きめのベッドに入って。」

乃々葉。
「抱き枕ですか。」

小袖。
「ちょっと探っていい?」

乃々葉。
「どこ触ってるんですか。」
「それでは寝れませんよ。」

小袖。
「少しくらい触ってもいいかなって。」

乃々葉。
「ここ触りたいんでしょ、はい、やりなさい。」

小袖。
「姉ちゃんやめて!恥ずかしくなった!」

就寝。

妹からは美人女性と思われていて。

けっこうじゃれ合いがありますね。

今回はやや激しいかな。

姉妹の変態性癖は共通点なので。

特に何も思わないのですね。

朝になりました。

支度をして。

出勤。

裏口の前で社長に口説かれました。

李宝。
「抱きしめさせて。」

乃々葉。
「私は女性の趣味が広いんですよ。」
「なのでこういうのは喜んでいます。」

李宝。
「柔らかくて温かいなあ。」

乃々葉。
「お姉さんの今日の下着って何ですか?」

李宝。
「見たいなら早く言いなさいよ。」

乃々葉。
「あれ?派手なものではないですね?」

李宝。
「なぜいちいち派手なものを穿かないといけないのか分からなくて。」
「そこら辺にある白色になりました。」

乃々葉。
「私は中にスパッツ穿いてますからね。」

李宝。
「え?見せて欲しいと思ってないけれど?」
「それでは、朝から素敵な体験が出来ました!」

社長、立ち去る。

姉妹。

裏口から入って。

階段から、本社建物、すぐ後ろにある区画に入ります。

休憩室。

ティータイム。

舞理。
「お姉さん、自国民の悪癖ってどんなものがありますか?」

乃々葉。
「全体主義の自覚がないかなあ。」

舞理。
「他には?」

乃々葉。
「不当な仕打ちや、自分勝手に決められた決定も。」
「我慢して我慢して我慢して、いきなり激怒する。」
「いや最初に激怒しなさいよ、なんて言いたい。」

十和。
「我慢を限界まで繰り返して、いきなり激怒する。」
「知らない間に悪癖に蝕まれる。」

乃々葉。
「話していない内容が、伝わっていると信じているとか。」
「話さない内容は、何も伝わらないのに。」
「推論だけで情報のやり取りをするんですね。」

小袖。
「そもそも情報交換の機会を極端に少なくしていますね。」

乃々葉。
「日本人は、感情論の傾向が強くて。」
「一度怒ると、何をするのか分からないほど錯乱します。」
「脳科学では指摘されている欠点です。」

十和。
「自国民に理性的になれというのは、ちょっと無理です。」

乃々葉。
「怒るとは、科学的には、分からないよ!という表現とされています。」
「しかし自国民は、特に理由もなく怒ります。」

舞理。
「人間に完全無欠を求める私が間違っていました。」

十和。
「完全無欠な人なんて、もしいたら、その人は聖人ですよ。」

小袖。
「ヒューマニズムの傾向も、自国民には強い。」

舞理。
「日本人にも欠点があるんですね。」

乃々葉。
「お人好し、間抜け、なんて人々が目立つのも本当の所です。」
「性善説は西洋では徹底的に破壊されますし。」
「朱子学では、性が善でも悪でもなく。」
「中間か、善悪を用いないのが定説となっていますね。」

小袖。
「性善説、性悪説、共に説明しきれない部分があり。」
「その中間が人の性というのが普遍的な認識でしょうね。」

十和。
「正直者が損をするのなら、正直者を辞めれば解決しますし。」
「善人が負ける世界なら、善人を辞めればいいだけ。」

舞理。
「人は生まれると、他人の根拠のない考え方とか。」
「行き当たりばったりな考え方に影響を受けます。」
「まるごと掃除できるのが自然な考えですね。」
「不自然な考えとは何なのか、という問いで大半は解消しますね。」

仕事は順調。

最近、人間世界の不幸が多過ぎる。

ニーチェは、不幸も分配すれば、半分公平、とか言うほど。

特に病気が多く、とある科は、六万人都市でも毎日、満員。

不和は散発的にある、争いは一度発生すると激しい。

科学的に言うならば、自然環境が過酷なものになったので。

自然に不幸も増えた。

気候変動によって自然環境が過酷になると。

過酷な自然環境に気が付かない人々が対応できず。

訳の分からないまま、生きることを余儀なくされる。

すると、前の世代にあった考え方や、急激に変化する自然環境に対する。

人生観、死生観が通用しなくなってしまう。

特にそれまで持っていた人生観が過酷な自然環境には通用しない。

過酷な自然環境が人間社会にも多大な影響を及ぼすので。

理由が分からないまま、責任者を選んで処刑しようとする。

この仮説は、ありそうなことですね。

お勧めは、自分の幸福を求める以前に。

既に幸福な人を眺めて観察すると。

幸福が伝染します。

幸せな人を眺めて、幸福の影響を受けるほうが手っ取り早い。

ただしニーチェは、祝福できないのなら、呪うことを学べ。

とあります。

大衆の定義に当てはまっている人には何を言っても通用しませんが。

まともな人?ならば、どうにでもなりそうですね?


22


人間だけが笑う生き物と言われていますが。

明らかに、人間だけが笑いものになる生き物という付け足しを忘れています。

テレビゲーム。

オープニングにて。

姫様。
「助けてくれてありがとうございます。」
「さぞかし大変だったでしょうね。」

勇者。
「いいえ、あなたを助けたくて牢獄に向かっていく。」
「男共を倒すのには苦労しました。」

推理小説。

ライバルの探偵、生涯最後の言葉。

これではっきりしたぞ!犯人はお前だ!

探偵は一時間後、死体で発見された。

テレビ放送中。

夕方。

舞理。
「回線の契約で、ちょっと高くなるって。」

乃々葉。
「そんな馬鹿な、六回線が高いなんてありえない。」

舞理。
「え?本当に書いてありますが?」

乃々葉。
「あなたはインターネットの事なら何でも本当だと信じているのですか?」

舞理。
「思いません、ひょっとしたら詐欺かなって。」

乃々葉。
「インターネットに書いてあることがすべて本当である訳が無いでしょう。」

十和。
「パソコンのウェブ通販ですら、あんな高い価格はありえない。」

小袖。
「インターネットなんて嘘だらけですからね。」
「家電量販店だと高級パソコンしか置いてませんけれどね。」

舞理。
「インターネットの全部が嘘なら、誰も使わないですよ。」
「六回線は本当の事です。」

乃々葉。
「インターネットのデマを信じていませんよね?」

舞理。
「電話で確認しましたよ。」
「インターネットに書いてある事なんて信じるわけがないのです。」

小袖。
「所で、このゲームは開発期間と開発費が少なかったようで。」

乃々葉。
「大手でもよくあることですよ。」

十和。
「女性は常に誤った男性を素敵だと思い込む。」

小袖。
「なぜ漫画やゲームには娼婦が多いのか?」

乃々葉。
「アニメやゲームって娼婦の出現率が極めて高いですね。」

舞理。
「宅配便がまだ来ませんよ。」

乃々葉。
「どんな日時の設定ですか?」

舞理。
「今は夕方です、今日のお昼に来るように厳重注意したのに。」

乃々葉。
「ならばボックスに入っているじゃないですか。」

テレビをつけていて。

番組。

精神疾患の患者。

自分は神からお告げがあったと主張する。

すると天の方向から声があった。

お前に何か話した覚えはないぞ!

なんだかカオスな番組だらけ。

乃々葉。
「SNSって暴力を生み出す最悪の装置だと思います。」

十和。
「そうですか?」

乃々葉。
「なぜなら、SNSをやり出すと、誰しもが暴力衝動に駆られるからです。」

小袖。
「うむ、それは本当の事でしょうね。」

舞理。
「あれだけ、誹謗中傷という悪行が普遍的に横行している原因ですね。」

乃々葉。
「SNSをやるだけで、暴力を振るいたくなる、なんという危険な装置!」

十和。
「どういうトリックなのかは知りませんが、人を犯罪に走らせる。」
「暴力主義者という思想がSNSにはあるんですね。」

番組。

古代ギリシアホラー。

ある人が死んだので、知らせた人の通りにそこに行くと。

死んだ人が平気で歩いていて。

会話をすると。

知らせてくれた人の方が信用できると言い。

立ち去った。

次の日。

双子が死んだので。

そこに行くと。

その双子が普通に生活していた。

君のどっちが死んだのかな?

実際にあるギリシアホラー集。

整理整頓をしていると。

学校の教科書が見つかった。

乃々葉。
「学校で私が何をおかしいと思うのか、尋ねられた時に。」
「迷わず、学校がおかしいと回答して、相手は絶句したよ。」

舞理。
「自動車学校ならば覚えています、目撃したスピード違反で捕まった人の言い分。」
「一つ目に、五分前から走り出して、時速に届いていないので、速度超過はしていない。」
「みんな言い訳するのなら、みんなが言っているので。」
「自分の考えは正しい。」
「結局、罰金を食らった。」

小袖。
「ああ!今朝、父が気絶したのは、この日記のせいですよね!」

乃々葉。
「ん?そうですね?その日記はあなたの変態性癖の捌け口ですからね?」

十和。
「勝手に日記を読むから、見なくていい情報を得てしまう。」

乃々葉。
「数学の問題を出された時の思い出。」
「いつまでに計算結果を出せばよろしいのでしょうか?」

小袖。
「納期優先ですね。」

テレビでユダヤ人が戦争をしていました。

武装組織が仕掛けたせいで酷い有様。

ただし何々のせいで、なんて付け足すべき。

舞理。
「やめてください、ユダヤ人が戦争なんて。」
「ユダヤ人が殺した人は、三日後に復活したじゃないですか。」

十和。
「まずいぞ!三日後に、どこかしらで復活しているに違いない。」

乃々葉。
「ユダヤ人の殺人だけは危険です、殺した人が三日後に復活したことがある。」

小袖。
「やめて!超自然的なものを大量発生させないで!」

ユダヤ人の国家、一昔前は、周囲、全部敵でしたね。

次々と平和を結んで、今は隣国とは揉めていません。

ゲームを進めていた。

ガソリンが切れて立ち往生した森の中。

主人公とヒロインだけです。

そこに通りかかったトラックのドライバー。

主人公に呟く。

運転手。
「こんな人がいない森の中で、燃料はなし、そしてお前は女と二人きりだ。」
「こんなに素晴らしい状況ってないだろう。」
「燃料の前にするべきことがあるんじゃないのか。」

主人公。
「馬鹿!あれは母親だ!けっこう若い時に産んだんだ!」

母。
「あなた、息子に変な事、吹き込むのやめてもらえる?」

運転手。
「悪かった、お詫びに燃料を分けてあげるよ。」
「しかし惜しかったな、次は彼女と燃料切れになれよ。」

クソゲーなので辞めてしまった。

レトロゲームはグラフィックとデータ容量がとても少なく。

内容で勝負するしかなかった。

今のゲームはグラフィックとデータ容量が無尽蔵なので。

質ではなくて、クオリティで勝負する傾向にある。

近くの本屋は潰れました。

万引きで廃業した本屋。

悪に対抗しなければ、悪によって滅ぼされる典型ですね。

十和。
「あの本屋って、万引きで潰されたとか。」

小袖。
「中学と高校がすぐそばにあったからですね。」

乃々葉。
「セキュリティがまったく考えられていない配置でしたね。」

舞理。
「入って左の端っこにレジがありました。」

乃々葉。
「もっとも奥にレジがあったせいで。」
「万引きされると、止められない。」
「気が付かないうちに逃げられるし。」
「呼び止められないくらい遠くにレジがあるので。」
「犯人は余裕で、走って逃げられたようです。」

十和。
「防犯カメラの配置も不足していました。」

小袖。
「レジ会計が玄関のすぐそばにあれば防げたのですが。」
「初めて入店した人は、多分、どこに会計があるのか分からない配置です。」

舞理。
「出入り口が死角になっているので、盗まれ放題でしたね。」

乃々葉。
「多くの書店では、出入り口の近くにレジ会計があります。」
「潰された書店は、入って左奥十五メートル先にありました。」
「あんなもの、万引き犯に気が付かなくて当たり前です。」
「防犯の意識なし。」

十和。
「防犯を無視したせいで、多数の万引き犯によって潰れるなんて傑作じゃないですか。」

乃々葉。
「今では古本屋でもセンサーがつけられています。」
「新品を扱う書店では、すべての商品がシステムと紐づけられていて。」
「それで品物の収益と、店頭の在庫が合わないことで、ようやく気付いた。」
「それが問題になった頃には、もはや赤字だらけ。」
「潰れるしかない状況でしたとさ。」

舞理。
「明らかに犯罪を前提にした作りにしない怠惰。」

十和。
「法の支配は、犯罪を前提にするものですしね。」

小袖。
「私は正義の味方よりも、法律が勝つべきだと思います。」

乃々葉。
「私も同じ意見です、正義の味方よりも弁護士が欲しいよ。」

十和。
「同感です、助けに来るヒーローは警察官で満足です。」
「後は法廷で勝てれば、物語は終わりです。」

舞理。
「正義の味方が勝つなんて、あってはならない。」
「法律が最後に勝利し、弁護士と共に戦い、司法は巨悪を倒す。」

乃々葉。
「なんかすごい現実主義なヒーローモノですね。」

十和。
「だって仮面運転手シリーズなんて、警察や自衛隊がいつまでも出て来ないでしょ。」

小袖。
「戦隊シリーズなんて、悪の組織に負けて敵に処刑されたら、物語にならないし。」

舞理。
「民間人がテロリストと戦っている時点で、何か変だなあ。」

乃々葉。
「悪の組織っていつも戦力の随時投入をしますね。」
「悪の組織が強力な戦闘員を一気に大量投入すれば。」
「主人公達がボロ負けします。」

舞理。
「警察官を名乗る人から電話が!」

乃々葉。
「詐欺ですか?」

舞理。
「番号を間違えてすみません、でしたとさ。」

乃々葉。
「よくあることですね。」

十和。
「テレビを見ていて、私は体温の世界最高記録を知りたいと思いました。」

小袖。
「その人がその後、どうなっているのか分かりませんよ。」

乃々葉。
「私は散歩している時に教訓を得ました。」
「私は死ぬまで人間社会を支持しなくてはならないと。」
「たとえ、人間社会のせいで死ぬことがあっても。」

舞理。
「世界中で紛争があるせいで、食料の価格は上がるし。」
「燃料の値段は上がるしで大変です。」

十和。
「穀物輸出国同士の紛争なんて、食糧危機に陥りましたし。」
「商品の値段が戦争のせいなんて誰も知らない。」

小袖。
「今度は燃料でしょうね。」

乃々葉。
「次は命の値段が暴落すると思います。」

十和。
「命まで安売りするな。」

舞理。
「その流れですと、命の値段はインフレーションを起こして。」
「購入できなくなるかと。」

乃々葉。
「それはそれでいいじゃないですか。」

十和。
「国が富んでも、中身は貧しい。」

舞理。
「中身の貧しさを埋めるのは、個人の課題ですよね。」

十和。
「物価が高くなる前に振り分けた資金は。」
「物価が高くなった時も資金を変えていない。」
「従って、理論上は余裕でやりくりしています。」

小袖。
「生活費を、物価が高くなる前と高くなった後で変えていない?」

乃々葉。
「理論上は正しいかもしれないけれど、酷いことになっていますね。」

舞理。
「あなたの資金は私が考えることではないし。」
「この世帯の資金は両親も含めて共有だから。」
「問題ないのですけれど。」

小袖。
「金銭の話は重大過ぎて言及できないくらいですが。」
「黄金の話なら大切なので、言及できますよね。」

乃々葉。
「禁句、お金がない、これを言うと周囲の人は発狂します。」
「沈黙するのが適切。」

小袖。
「欲望ばかりの人は、金銭の不足で、二倍苦しむ。」

乃々葉。
「格言にも、欲しいものは買うな、必要なものだけ買え、とありますからね。」

舞理。
「ギリシアの格言ですよね。」
「欲しいものを買わずに、必要なものだけ買ったら。」
「より確かな節約ですね。」

十和。
「金持ちになりたいのなら、今日食べるものを明日に食べよ、これはユダヤの格言。」

小袖。
「貧乏は名誉にはならないけれど、出世すると、貧困が二倍の名誉になる。」

乃々葉。
「偉人が貧困世帯出身とかですと、信用が上がる。」

舞理。
「国が富んでも、一度形勢が崩れると、あっけないものですね。」

十和。
「現代物理学で繁栄したのに。」
「それが通用しなくなると、総崩れですね。」
「非常に脆い。」

小袖。
「農作物や家畜まで、物理学では操作できない。」

乃々葉。
「ハイテク農業が出るまで操作は無理ですね。」

十和。
「自分のパソコンが三台もあるんです。」
「しかし自分の財布は薄い。」

小袖。
「使えばなくなる、しかし消耗は一定ではないね。」

舞理。
「人は知らない間に、金銭の割り振りを決めていますからね。」

乃々葉。
「その金銭の割り振りの設定は、手品を使えば何とかなるものですよ。」

小袖。
「意外にも数学が、金銭に影響しますね。」

乃々葉。
「数学の手品は、金欠脱出には決定的なものです。」

夜間になりました。

米農家は若手が大量に参入したので。

米自給率が大幅に回復しましたね。

インターネットだけではなくて。

専門書から農業について簡単に学べますので。

iTが得意な若者だったら、簡単な職業のようです。

デジタル農業が今後の主流かな?

夕食後。

乃々葉。
「怪力の出し方について。」

十和。
「どうやるの?」

乃々葉。
「お酒を、酔っ払う程度に飲むと。」
「体の限界に達する怪力を一時的に得られます。」

小袖。
「諸刃の剣ですなあ。」

乃々葉。
「戦闘のために飲酒して、怪力を出すと。」
「次に起きた所が拘置所だったり。」
「戦場なら捕虜収容所だったりしますね。」

舞理。
「そんな行き当たりばったりな戦闘したくない。」

乃々葉。
「飲酒によって、身体の力の限界を出すことができますが。」
「火事場の馬鹿力と原理は一緒です。」
「飲酒で火事場の馬鹿力は再現できます。」
「現行犯のチートは、科学的に再現できるんですよ。」

小袖。
「なるほど、飲酒に近い脳内の状態を作ってくるんですね。」

乃々葉。
「飲酒と同じ脳内物質を出して、無理にパワーアップするんですよ。」

十和。
「それってだいぶ怪しいものですね。」

舞理。
「しかし科学的に再現できるとなると、そんなにチートっぽくない。」

乃々葉。
「そういう方法で無理に勝とうとする、という訳です。」

小袖。
「弱者は勝利を悪用すると思いますけれど。」

十和。
「無理に勝とうとして無謀になって負けるのが定番ですね。」

乃々葉。
「なぜか内容で相手が勝っていて。」
「結果で相手が常に負けるのなら。」
「そいつは生まれつきの道化師です。」
「最後に面白いように、見世物として死にます。」

舞理。
「そこまで徹底していると、もはや芸術作品ですね。」

乃々葉。
「特に理由もなく、内容で相手が勝っているのに。」
「特に理由もなく、結果で相手が負けるのなら。」
「道化芝居に付き合わなくてはならない。」

十和。
「相手は負けるために暴れるのだから。」
「後になって、あの事件は面白かったとか。」
「いろいろ思う所が出ますよ。」

舞理。
「シェイクスピアも現実を劇場に例えていますし。」
「やはり現実も何かの劇場とか役者と考える方が。」
「理解しやすいんだと思います。」

休憩。

本を読んだり雑誌を読んだり。

雑誌は山になっている。

番組。

主人公が舞台から抜け出して。

脇役と一緒にお茶をした。

主人公。
「ちょっと気に入らない物語なんですわ。」

脇役。
「私も、そう思っていた所です。」
「ここでお茶をしていましょう。」

主人公。
「いやそうも行かない。」
「あの物語を始めたのは私なんですからね。」

脇役。
「物語から外れて退屈せずに済むと思ったら。」
「あなたが始めたんですか。」

主人公。
「登場人物が勝手に片付けてくれるといいんだけれど・・・。」

夜間。

車を使って。

コンビニエンスストアに行く途中に。

謎の猫がいて、側に老人がいました。

変な車が走ってきて。

スピード超過のトラックですね。

謎の猫は撥ねられてしまいました。

老人。
「なんてこった!」

運転手。
「すまない、五万円で手を打ってくれないか!?」

老人。
「ああいいとも、見逃してやる。」

運転手。
「よっしゃあ!これで遅刻しないぜ!」

トラックの運転手が立ち去っていくと。

その猫は老人の飼い猫ではなかった。

老人。
「この猫は・・・どこの猫?」
「わしの飼い猫ではないのだが・・・?」

老人は猫を袋に入れて自宅の隅っこに埋めに行った。

エイプリルフールの広告がまだ残っていた。

政治的ブラックジョークの参加者を募集します!

優勝者はシベリア旅行片道一年をプレゼントします!

横の看板。

詭弁という単語を知っていますか?

知っているのなら結構。

問題は他人が、詭弁という単語を知っているかどうか分からない点です!

コンビニで漫画を買ってきました。

帰宅。

十和。
「これをどう見ますか?」
「普遍的な漫画の傑作選ですけれど。」

乃々葉。
「作品?視聴者として評価しますか?」
「それとも専門家として評価しますか?」

十和。
「中立でよろしく。」

乃々葉。
「とまあ普遍的な娯楽作品でしょう。」
「そういう普遍的な娯楽作品は、常に一定の数が必要です。」

舞理。
「合理的な評価だなあ。」

小袖。
「少し前に、面接官を体験させられまして。」
「あの時が忘れられない。」

乃々葉。
「また夢に出ますかね。」

小袖。
「だって、家族が十二人もいる無職の人が面接に来て。」
「家族が十二人、なるほど、その他の技能は?」
「なんて訪ねたら、相手は絶句してしまって。」

乃々葉。
「適切な面接でしたね。」

十和。
「うむ、非の打ち所がない。」

舞理。
「気の毒ですけれど、その男性には別の職業が向いていますね。」

小袖。
「それで良かったんですね、結果は大事だなあ。」

世間では酷い歌詞の歌とか、酷い内容のアニメとか。

度々、出現するようになりました。

国内、文学賞の中身も、不合理で平凡、迎合、幼稚なものが横行していたり。

評判と市民の評価が釣り合わない作品が増えました。

問題は、本当の事を教えてやらない勇気のある人がいないことですね。

そのためか、本物が出ると、とにかく目立ちます。

むしろ偽物が策略によって本物を潰そうと企んでいるほどです。

負け惜しみかな?

国内文学賞や人気作品の一部はルサンチマン用になっています。

文学だけに特化した無能は、今後役に立たない?

哲学者はマルチロールなので、実力は本物なのですね。

残念ながら、消費者は正直者ですので。

本当の事を言われて絶句しないように。

注意は必要です。

岩波文庫。

プルタルコス、エッセイ。

いかに敵から利益を得るか。


23


映画。

主人公が悪役に詰め寄る。

卑怯だぞ!こんなことをして!

お前も卑怯な事をすればいいのではないか!

よろしい!正々堂々と、八百長で勝負しろ!

悪役が平謝り。

すみません、前言撤回してもよろしいですか?

映画の続き。

絞首刑になる人と、普通の人って違いがあるのかな?

近くの人が回答。

違いがないから、そんなことになっているんだよ!

最高の美容院。

警告が書いてある。

可能な限り美しくなりますが。

元に戻る際の心の準備はよろしくて?

VS真実。

紳士の問い。

あなたは嘘をつきますね?

返答。

それでは賭けましょうか?

出勤すると。

裏口にまた狂気の女性がいまして。

今度は襲撃ではなくて。

歩いて接近。

狂気の女性。
「ねぇ、彼ともう少しで結婚するの。」
「その前に、触らせて。」

乃々葉。
「嫌です、えっち。」

狂気の女性。
「お願い!触らせて!」

乃々葉。
「あなたはそもそも好みじゃないので。」

狂気の女性。
「お願いだから、触らせて!」

乃々葉。
「断ります。」

狂気の女性。
「もう怒ったんだから!」

狂気の女性が突進して来たので。

横に避けて。

ラグビーの反則タックルを叩き込んであげました。

狂気の女性はダウン。

狂気の女性。
「いいじゃん!触らせてくれても!」

十和。
「どういう浮気ですか。」

小袖。
「男性でも女性でも、どちらでも良いのかな?」

舞理。
「お姉さんを触るのは、私達の特権ですよ。」

裏口に素早く入ります。

更衣室にて。

まだ時間に余裕がある。

サーバー部門は複数の部署が交差しているので。

互いの連携が良好。

面接官が、人間的な素質を優先して採用するので。

その影響なのか、社内の環境も良好。

子供時代を含めて。

水源に口を直接つけて飲む人は下品。

水源から間接的に、水を口で飲む人は中品。

水をすくって飲むか、容器に入れて飲む人は上品。

能力よりも人間的な素質が大切。

社長が来ていました。

李宝。
「私の下着って高く売れるね。」

乃々葉。
「そんなにえっちな商売をしたの?」

李宝。
「いいえ、新品の下着を買って。」
「適当にしわくちゃにして売りに出した。」

乃々葉。
「詐欺なのか、でも嘘はついてないよね。」

李宝。
「適当に香味料で汚れや染みをつけると。」
「偽装は簡単だね。」
「学生時代のお小遣い稼ぎ。」

十和。
「なんだその商売は!」

小袖。
「デメリットはないですね。」

舞理。
「新品の下着ですからね。」

李宝。
「今日はお高い下着を渡したくて。」

乃々葉。
「どんな下着ですか?」

李宝。
「ボクサーパンツ。」
「お尻は全部、これで収まる。」
「一般的なものは、右下と左下が入らないからね。」

乃々葉。
「合理的ですね。」
「しかしどこかの女性が同じ事言っていましたけれど?」

十和。
「こんなえっちな女性、けっこう狙われたのでは?」

李宝。
「実は、下着と見せかけて水着を着た写真を撮影したり。」
「スカートの下に水着を履いて回避したり。」

十和。
「えっちな攻撃に難攻不落。」

小袖。
「これで元傭兵ですからね。」

舞理。
「戦闘の思い出とかありますか?」

李宝。
「当時は荒んでいたし、狂気に任せるだけで戦っていたから。」
「後で当時の写真が見つかって。」
「自分が殺した敵とは思えなかったね。」

乃々葉。
「戦闘では負傷者の方が多いものですからね。」

李宝。
「後でみねうちを練習していたと思い出した。」

十和。
「ためらいもなく人を殺せるのは、兵士の中でも二パーセント。」

小袖。
「その中に入っていたのですね。」
「最初から殺しまくっていたという情報もありました。」

乃々葉。
「戦いって、どのようにすると極められますか?」

李宝。
「熊とか、虎とかの野獣を直接、殺すことかな。」
「それでは。」

お姉さんのキス攻め。

ほっぺではなくて。

唇にキスされましたが。

けっこう良かったりして。

社長、立ち去りました。

十和。
「猛獣を殺すのは、手っ取り早い手段だと思います。」

小袖。
「古代中国でも、虎は弓矢で狙撃されて。」
「皮は高く売れたので。」
「頭部を射抜くように教えられていましたね。」

乃々葉。
「素手で野獣を殺したのはヘラクレスだけでしょうか。」

舞理。
「人間で、武器も持たずに虎に挑む人はいないね。」

小袖。
「いくら腕力があっても、虎と組み合うことはできないね。」

乃々葉。
「私は素手で虎と組み合うような無謀な人は嫌いだね。」

十和。
「多くの人がやりそうなことですけれどね。」

小袖。
「実際に虎と素手で組み合ったらどうか。」

舞理。
「あれ?強いんじゃなかったの?虎と戦いなさいよ!」

乃々葉。
「素人が戦闘に臨むと。」
「まず思考停止してまったく動かない。」
「次にどうすればいいのか分からない。」
「攻撃を受けても、何をすればいいのか分からない。」
「そして敵に倒される。」

十和。
「攻撃側は勢いだけで、攻撃性だけで戦闘をするため。」
「戦闘力はかなり低い。」
「怒っているだけなので。」
「中身は素人。」

小袖。
「格闘技の経験がない場合は。」
「どんな戦いも子供の喧嘩くらいの戦闘力しかありません。」
「しかし武器や犯罪に限っては。」
「攻撃性がまるで違うため。」
「素人でも他人を殺傷できる戦闘力が一時的に出ます。」

乃々葉。
「よく世人は、映画や漫画みたいに戦えると信じていますが。」
「実際には思考停止でまるで動けず。」
「繰り出す攻撃も貧弱です。」
「静止してしまうんですね。」
「何をすればいいのか分からず。」
「思いつきで攻撃を覚えた敵に倒されてしまいます。」

舞理。
「映画や漫画で戦闘を学ぶのは危険ですね。」
「自分も同じ事ができると勘違いします。」
「警察のカメラなどから得た暴力の影像は。」
「暴力そのものを学ぶには重宝します。」

乃々葉。
「攻撃性だけで攻撃を思いつくため。」
「それを上回る攻撃性が必要です。」
「実の所、攻撃性だけが戦闘力を左右する要素ではあります。」

十和。
「映画や漫画みたいに立ち回れると夢を見た人々は。」
「戦闘になると、棒立ちで動けず。」
「繰り出す技さえ持っていません。」

小袖。
「そもそも他人を殺傷しても構わない。」
「他人の血を流すのを厭わない人だけが。」
「一人前の戦士になれるので。」
「殺意のない戦闘はほぼ負けます。」

乃々葉。
「格闘技の経験者は、自分の実力を客観的に見れる。」
「判断材料をたくさん持っています。」
「総合格闘技の選手が無表情だったり。」
「得意気になることが少ないのはそのためです。」

舞理。
「自分が強いと言いたいのなら、自分より強い相手と。」
「試合をして勝たなくてはなりません。」
「それをしないのは、増長しているだけですね。」

乃々葉。
「相手を殺害する気がない戦闘は、まず負けますね。」
「殺す気で行う戦闘は、相手をノックアウトして終わりますし。」
「現行犯も、喧嘩も、大半は素人がやるので。」
「戦闘能力に限界があります。」

十和。
「空手の経験がある芸能人が。」
「居酒屋で絡んできた男性を。」
「軽くぶっ殺して、警察に一時、拘束されたことがあります。」
「絡んだ相手は大怪我でしたね。」

小袖。
「空手道の決闘みたいなものなら動画でけっこう見れます。」
「防具なし、制限なしの勝負で。」
「片方が負傷退場して終わりますね。」

舞理。
「弱者は権利ではない、弱者は負けるだけ。」
「労ってくれるなんてことはない。」

十和。
「現行犯がいたら、単独戦闘は無謀です。」
「秋葉原の通り魔なんて。」
「止めに入った数人が、まとめて消されました。」
「攻撃性がまるで違う相手は簡単には止められません。」

小袖。
「元陸上自衛隊の歩兵が。」
「警察に対して陽動をかけて。」
「交番前で一人になった所を。」
「攻撃して負傷させた実例があります。」
「しかし正面からは倒せないんですよね。」
「格闘では、数人に仕掛けられると。」
「けっこう無理が生じます。」

乃々葉。
「要するに。」
「映画や漫画みたいに立ち回れることはない。」
「攻撃性が高い敵は思いつきの技を繰り出す。」
「戦闘の結果は決着がつくまで決まってはいない。」
「武器が使われると、必ず人が死ぬ。」
「殺傷を目的としない戦いは悪手に出る。」
「強いと名乗っても、戦闘力を証明する試合なんてものはない。」

舞理。
「強い強い言うだけでは信用されませんね。」
「強いと自称できるレベルの試合をしていませんし。」
「格闘技のリングの上で強いと名乗っている訳でもない。」

乃々葉。
「私は最初、手加減して戦いますね。」
「開始三十秒くらいになると。」
「ようやく本気を出します。」
「いきなりの戦闘力の変化に、最初手加減した戦闘力を基準に。」
「相手は戦いますので、変化について来れない。」

十和。
「というより、戦闘を仕掛けてくる敵はまず出ない。」

小袖。
「かっこつけているとある男性、フィジカルがまったく無かった。」

舞理。
「見た目で勝負している人ですね。」

乃々葉。
「そもそも顔面に一発殴打すれば。」
「素人はダウンします。」

十和。
「この質問で済むでしょう。」
「強い強い言うのなら。」
「さっさと総合格闘技のリングに上がりましょうね。」
「できないのなら、強い強い言わないこと。」

小袖。
「そんなこともできない臆病者は、強いと主張してはならない。」

乃々葉。
「たまに市街地で見かけるヤンキーっぽい人も。」
「チンピラっぽい人も。」
「弱そう。」

舞理。
「戦う機会はないでしょうね。」

乃々葉。
「弱いもの虐めなんて私はしませんが。」

十和。
「格闘技の経験者などは。」
「相手の動きを読んでいますね。」

乃々葉。
「ボクシング世界チャンピオンが最も苦戦した相手とは?」
「税務署です。」

小袖。
「喧嘩なんてしたくないね。」
「相手を殺してしまうかもしれない。」

十和。
「そもそも、そんな情けない戦闘力で喧嘩する。」
「底辺の雑魚共って何やっているの?」

乃々葉。
「そんなに都合よく強敵に出会える訳が無いらしい。」

舞理。
「総合格闘技の世界チャンピオンと練習試合とか。」
「スパーリングとか面白そうですが。」

乃々葉。
「戦闘力の自己申告。」

舞理。
「ということは、戦闘にもダニング・クルーガー効果があるんですね。」

乃々葉。
「その通りです。」
「戦闘能力が低い奴ほど傲慢になります。」
「戦闘力が高い人ほど、謙虚になります。」

十和。
「猛者は大人しい傾向にありますね。」
「自分の戦闘力を客観的に評価できるから。」

小袖。
「強い強い名乗るのは主観的なだけですね。」

乃々葉。
「格闘技の試合に招待すると、そういう奴らは必ず逃げるんですよ。」

舞理。
「臆病者なので、戦いに向いていない。」

乃々葉。
「雑魚を倒すなんて簡単なことですけれど。」
「倒した後が面倒ですね。」

十和。
「戦闘力だけなら、世人は雑魚ばかりです。」
「なので、強盗や通り魔が出現しても。」
「憂さ晴らしの都合の良い相手としか思わないかも。」

小袖。
「自分の戦闘力だけ知っていて、相手の戦闘力を知らなければ。」
「勝率は半分に過ぎません。」

十和。
「素人は相手にならないので、攻撃してくるとは思えなくなった。」

乃々葉。
「強いから勝てるとは限らない。」

舞理。
「戦いは強い者が必ず勝つとは限らない。」

小袖。
「強いから勝てる、という因果関係は成立していない。」

乃々葉。
「強い、だから既に勝った。」
「強ければ結果が後からついてくる、なんて甘い事はない。」

舞理。
「負ける可能性を十分に考えていないんですね。」

小袖。
「戦うからには少しは負けるでしょう。」

十和。
「負けたら、何でも相手に奪われますね。」

乃々葉。
「負けたことがない奴が強い強い言う傾向にあります。」

小袖。
「敗北しても無限に言い訳すると思います。」

舞理。
「負けを認めない野郎もいます。」

十和。
「何回も戦えば勝てるなんて甘い事はない。」

乃々葉。
「空手道に入門して二年くらいで。」
「素人を一方的に倒せるレベルの戦闘力は習得できますしね。」

十和。
「柔道なら三年くらいで、相手を一方的に投げられますね。」

小袖。
「柔術ならば、半年くらいで、相手を行動不能にできます。」

舞理。
「システマジャパンが有名ですね。」

乃々葉。
「護身術に手直ししたロシアの軍隊徒手格闘。」
「システマの改良型ですね。」

十和。
「日本でもイスラエル軍のクラヴ・マガを習えます。」

小袖。
「軍隊徒手格闘は、一日でまともな立ち回りを覚えられますね。」

舞理。
「とある教官、たった一日で女性に、まともに戦えるように仕上げたことがある。」

乃々葉。
「多くの戦士は剛強を用いていますが。」
「柔弱は見たことがないらしい。」

十和。
「普段、見かける力は剛強だけですね。」

小袖。
「柔弱は、まず見かけない。」

乃々葉。
「素人は馬鹿の一つ覚えを連発します。」
「まぐれに頼り過ぎている。」

舞理。
「自分の勝利が約束されたものとでも思っているのでしょうか。」

乃々葉。
「雑魚を一方的に倒せる戦闘力は。」
「平時ですと、まず戦う機会がないので。」
「そこまで役に立ちません。」
「相手に脅威を与えるだけで。」
「安全を確保しようにも、楽に確保できるので。」
「結局は何を倒せばいいのか分からなくなりました。」

十和。
「どいつをぶっ殺せばいいのか分からず。」
「戦闘力は便利なのですが。」
「戦う対象がいないので。」
「せっかく鍛えた甲斐がない。」

小袖。
「なので自然にリングの上に向かうしか無い。」

舞理。
「素人は、無謀なだけで、勇敢ではないし。」

乃々葉。
「まず戦闘力を活用する敵なんてまず現れないんですね。」
「それは治安が良い証拠なんですけれど。」

十和。
「殺傷する目標なんてまず出現しません。」
「そもそも敵が近寄ってこないだけで。」
「訓練するだけで、敵の出現を予防している気配がします。」

小袖。
「敵に勝利しても、面倒くさい害虫を駆除しただけで。」
「何か得られることもないし。」
「敵は減りますが、勝利だけでは、とてもじゃないけれど割に合わない。」

乃々葉。
「そもそも戦闘の機会がなくなりますね。」
「自分を脅かす対象が、日常生活でいなくなるからです。」

十和。
「思慮を欠いた力は、まったく役に立たないであろう。」

小袖。
「制御された力は、もっと推し進められる。」

舞理。
「訓練した最高の報いは、暴力を学んだことにありますね。」

乃々葉。
「女性は基本、暴力を学ばないという欠陥がある。」

小袖。
「格闘技は、身体の健康に役立ちます。」

舞理。
「暴力を学ぶには、けっこう手っ取り早いのが格闘技の入門。」

十和。
「暴力とはそもそも何なのか、ということを学べることにありますね。」

乃々葉。
「上手な暴力を学べることにも繋がります。」

小袖。
「人間って思っているより脆いので。」
「何かの事件や事故で、強い人があっさり死ぬこともあります。」

十和。
「人生最強の敵対者は、飛んでくるスズメバチ。」

小袖。
「ハナバチがさりげなく寄ってくると。」
「とてもじゃないけれど対抗できない。」
「回避するのが精一杯。」

舞理。
「興奮した犬の飛びつきが、最も威力があるタックル。」

乃々葉。
「自動車事故が最も威力がある殴打。」

舞理。
「何事も自分の力で掴み取る、それにはある程度の戦闘力が必要では?」

乃々葉。
「強ければいいという訳でもなく、相手を倒せれば何でもいい。」
「強くても相手が倒れなければ、あんまり意味がない。」
「結果に繋がらない強さって、鍛え直したほうがいいね。」

十和。
「別に法律を超える戦闘なんて出来ないんだし。」

小袖。
「猛者数人に囲まれると、勝てないですね。」

乃々葉。
「お勧めは陸上自衛隊の演武、模擬格闘戦を観ることですね。」
「けっこうな頻度で、格闘技の実演をしています。」
「動画でもたくさんありますね。」

十和。
「自衛隊の新格闘って、ちょっとついていけないレベルです。」
「昔の自衛隊徒手格闘から、かなりレベルアップしています。」

乃々葉。
「素人は明らかにパターンがありますので。」
「パターンに対処するだけで足りますが。」
「訓練された戦士を相手に勝つのは無理でしょう。」

舞理。
「獲得した戦闘能力は、別の分野に応用できるので。」
「まったく無駄ではないです。」

小袖。
「不意に敵が出てきて、対処に困った事はなかったね。」

舞理。
「イギリス人なんて、拳銃で脅迫されて。」
「金銭を要求されても。」
「拳銃を封じることができれば。」
「犯人をぶっ殺すのが当たり前らしい。」

乃々葉。
「ある意味で、格闘技は、戦わなくてもいい特権が得られますよ。」
「格下は相手にならないので、戦闘を回避したり。」
「綺麗な手段で勝てますから。」
「法律でも圧勝です。」

小袖。
「逆説的に言えば。」
「素人って根拠のない自信だけで戦おうとするので。」
「攻撃の動機は、プライドが許さない、というものですね。」

十和。
「自分のプライドが許さないから、勝とうとする。」
「なので負かしても、無限に言い訳をしますけれどね。」

乃々葉。
「認知的不協和理論。」
「敗北の理由を、事実の解釈を変更することで。」
「負けてないことにする。」

十和。
「何のために戦うのかさっぱり分かりませんが。」

小袖。
「目的がよく分からない戦闘ばかりありますね。」

舞理。
「戦ってどうするのか、こちらからはまったく見えませんが。」

乃々葉。
「なぜ争いたいのか、知りませんけれどね。」

十和。
「いちいち動機を調査できないし。」

小袖。
「相手は戦って何がしたいのか、いちいち知ることか出来ない。」

舞理。
「八つ当たりをしたくて、相手を募集しているとか?」

乃々葉。
「そんな所でしょうね、つまらない動機で争うのですよ。」

十和。
「退屈な戦闘ばかりやるんですね。」

乃々葉。
「退屈だから刺激を求めて争うとか、馬鹿ですか?」

舞理。
「馬鹿なんでしょうね。」
「子供でも考えませんよ。」

小袖。
「ちなみに、素人はハンドグリップなどを用いた。」
「客観的な測定に誘うと逃げます。」

十和。
「非力なのがバレてしまうからですね。」

乃々葉。
「自分が強いと名乗らないと。」
「やっていけない哀れな奴らですし。」
「好きなだけ幻想を言わせてあげれば?」

小袖。
「臆病者ですから、実際の力よりも、考え方を重視したようです。」

乃々葉。
「僕はそんなに弱くない、なんて吠えても現実は寒い。」
「強いと言っても、どこら辺が強いのか。」
「悲しい戦績。」
「いや、態度やアピールだけが立派な所が強いのかも。」

小袖。
「彼らが格闘技の経験者に勝っている所を見たことがない。」
「なぜ?」

十和。
「俺は強い?だから、どうしたんだ。」
「とか言われたら、それまでなんですけれど。」

舞理。
「俺は勝利を夢見ている!とか。」
「俺は勝利に活路を見出した!」
「という人以外は、戦いに関わらなくてもいい。」

乃々葉。
「まぐれで勝ったとしても、個人的な状況はどうしようもないので。」
「無駄な事はやめたほうがいいよ。」

十和。
「見た目と名前で判断するのもどうかと。」

小袖。
「自信が無駄に強い人ばかりですからね。」

乃々葉。
「素人は中途半端な戦闘力を持っていましたね。」

十和。
「それって競争でも使えないってことですけれど。」

乃々葉。
「ギャグにしかならない素人同士の戦いですね。」

小袖。
「チンピラと一般市民はどう違うのか分からない戦闘力なんですけれど。」
「何の成果も得られない所がすべてを台無しにしている。」

舞理。
「よせばいいのに、戦って負傷しているし。」

小袖。
「敗北することを運命づけられた人もいるんですよ。」

乃々葉。
「確かに、対象と戦うことを考えるのは結構ですけれど。」
「それ以外にも敵がいることを忘れていては意味がない。」

小袖。
「市民が弱さを見せられると思ったら。」
「間違いなく映画や漫画のせいである。」

乃々葉。
「平均以下の戦闘力を持つ人なんていくらでもいるので。」
「弱いという印象が薄い。」

十和。
「素人でも激しく抵抗すると、同じ素人には手に負えない。」
「なのに応戦しない、応戦してくれ。」

舞理。
「ひょっとしたら、市民が弱く見えるのは。」
「一部の素人同士がやる喧嘩のせいなのかも。」

十和。
「素人対素人がリングで戦うと。」
「けっこういい勝負になるかと。」
「ガラの悪い人やチンピラですらリングに上がると。」
「素人とけっこういい勝負になると思います。」

乃々葉。
「まあ敵対者を全部倒せば、少しは平和になるのだ。」

舞理。
「敵対者をその都度消せば、少しは平和になりますね。」

小袖。
「敵を全部消してしまえば、争いなんてないのだ。」

十和。
「敵がいなくなれば、戦う必要はないのだ。」

こんな人がいた。

公園で日光浴をしている人に。

近寄る筋肉もりもりの男性。

空手家。
「頼みがあるんですが。」
「私を殴ってくれませんか?」

老人。
「なんでそんなことを頼むんだよ。」

空手家。
「空手の有段者になったばかりで。」
「実際の戦闘はどうなのか知りたくて。」

理由は知らないけれど、戦い続ける人は。

いつも負傷して来ている病院に、久しぶりに来院。

スポーツ整形外科の医者の台詞。

医者。
「あなた最近来ませんでしたね、何か病気でも?」

看護師。
「その匹夫は、いつも大怪我で運ばれて来ますが。」
「最近は運ばれて来ませんでしたね。」

医者。
「だから病気でもしたのではないかと、はい検査ね。」

ビデオカメラ。

学校での記録。

生徒が友達に言いました。

生徒。
「気持ちの悪い教師だなあ。」

学生。
「私もそう思っていましてね。」

教師。
「教えるな、これから自分で言うんだから。」

授業。

理科の実験中。

銀色の物体を持ち出してきて。

簡単なクイズを出した。

教師。
「銀があります、これを長時間、室外に置いておくと。」
「銀はどうなるのでしょうか。」

生徒。
「銀が盗まれます。」

教師。
「正解!」

ニュース。

車泥棒、治安の悪そうな場所に。

盗難車を置いておいた。

見事に盗難車を盗まれた。

車泥棒は無罪になった。

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みんな理由もなく戦え!

一時退社する前に。

自然に寄ってくる女の子がいました。

不要なビデオゲームとかあげてしまったので。

噂になっていた。

女の子。
「お姉ちゃん綺麗ですね。」

乃々葉。
「公正な評価ですね。」

女の子。
「スカートの中見せて。」

乃々葉。
「え?くすぐったい!」

女の子。
「お姉ちゃん結婚してください。」

乃々葉。
「えっちなことでもしたいの!?」

男の子。
「お姉さんにいろいろできるんですか?」

十和。
「男子は駄目だよ。」

小袖。
「うぐ!あの少女、かなりの美形!」

舞理。
「少女を襲ってはいけませんよ。」

子供は何か欲しがっていたので。

要らなかったビデオゲームカセットを渡しました。

不用品のカードゲームもあげちゃいました。

眼鏡の美少女に懐かれた。

美少女。
「お姉さんの秘密が知りたいです。」

乃々葉。
「抱きしめさせてくれるのなら、いいのですけれど。」

美少女。
「抱きしめて、そして秘密を見せて。」

乃々葉。
「小さくて美しいね!」

美少女。
「それでは秘密を・・・。」

乃々葉。
「ちょっとだけ脱いで見せますね。」

美少女。
「ああもうだめ!」

十和。
「刺激が強かったね。」

小袖。
「これは彼女になっちゃいますね。」

舞理。
「大丈夫?歩ける?」

美少女。
「女の人が好きになりました。」

ようやく全員が立ち去った。

すると影から見ていたのか。

またもや狂気の女性。

素早く正面に回り込んできた。

仕事の合間を縫って?

狂気の女性。
「ここであなたに、指を!」

乃々葉。
「なんてえっちな女性ですか、お仕置きしちゃいます。」

狂気の女性。
「え?きゃああああ!」

乃々葉。
「卑猥な技を食らえ!」

彼氏が救出に来まして。

狂気の女性を連れて行って貰いました。

最近は、どちらに仕掛けるのか、優柔不断らしいのです。

目の前で浮気されて、彼氏は困惑していました。

手紙。

あなたは逆境の時も諦めずによく行動しましたね。

返事。

はあ?逆境の時があったのなら、知らせてくださいよ!

私は逆境の時はまったく行動できませんからね!

日記。

とある市民が、私の日記を盗んで一字一句読んでいるようです。

ブログとは言え、もう少し書きたいのですが、これで限界です。

すぐさまコメントがついた。

一字一句まで詳細に読んでいるって?嘘をつかないで!


24


現代では。

今まで死んだことのない奴らが、随分と死んでいる。

ノーベル賞について。

歴史的な価値が最も高いと認められた作品だけが候補に上がる。

歴史的な価値が最も低いと認められた作品は候補に入らない。

とある作家の手紙。

文壇の退廃について早くに意見が書けたと言われましたが。

あのような意見を投稿する機会が得られたことは。

大変、嬉しいことです。

誰かの詩。

人生の道は長きに渡る、殺風景な荒野を荷車で。

何も無い道を歩いて。

道の長さよりも道の幅だけが苦しみとなり。

遂には逆走に至る。

夜間。

ウェブニュース。

専用のサイトにまとめられている。

放送よりもウェブニュースの方が情報の質が良く。

結果が違うのはどうして?

乃々葉。
「劇団は作り事をまるで真実のように演じますが。」
「世人は真実を作り事のようにしてしまうんです。」

十和。
「政治を本当に支持しているのなら。」
「政治を変えようとはしないでしょうね。」
「だんだんと飽きてきて。」
「政策も約束だけで終わるので・・・。」

小袖。
「為政者の言葉をこれまでたくさん聞きました。」
「素晴らしいことに、未だ投票しようという考えがあるのです。」

舞理。
「嘘つきは、嘘しか言わないので、責任を負わせることが不可能である。」
「いくら叱責しても、嘘ばかり言うので、本当の事が分からない。」

十和。
「世界で最も厚い本とは?」

乃々葉。
「世界で最も厚い本、女性の理想について。」

十和。
「世界で最も薄い本とは?」

乃々葉。
「男性とは何か?という哲学書。」

小袖。
「世間での犯人探しが。」
「もはや推論の域を出ないことについて。」

舞理。
「推論で犯人を探すのですか?」

乃々葉。
「何かのせいにしても。」
「問題そのものは無くならないね。」

十和。
「犯人を倒しても、問題は無くならないのに。」
「犯人を探そうとする、不合理では?」

小袖。
「世の中、合理的な思考ができる人なんて少ないんですよ。」

乃々葉。
「証拠もなしに犯人みたいな人を攻撃して。」
「解決したことにするとか。」

舞理。
「そもそも犯人って何?」
「なぜ探しているの?」

小袖。
「彼らの言う犯人とは、責任転嫁の対象の事ですね。」

十和。
「それでは自分達の問題を、誰かのせいにしているだけですね。」

乃々葉。
「うわあ邪悪だなあ、自分の問題を誰かに片付けてほしいなんて。」

舞理。
「怠け者ですよね。」

十和。
「自分達の問題を、犯人に解決して貰おうなんて。」

乃々葉。
「みんなは社会に関して、犯人がいると思っているのかな?」
「私は思ってないよ。」

舞理。
「彼らは社会の問題を露呈させた事だけが功績なんですよ。」

乃々葉。
「攻撃の手段を衆愚に持たせる事自体が、贅沢過ぎるってものです。」

十和。
「お前らがその犯人だろう、って言わせるためだけに。」
「荒らしている意味合いが強いよね。」

乃々葉。
「衆愚なんていなくても困らないけれど。」
「財布の中身まで他人のせいにするのはどうかと。」

小袖。
「ああいう人が出てくると、市民も素手で挑みたくなる気持ちもわかる。」

十和。
「厄介なのは素人な探偵のせいではなくて、責任転嫁ですね。」

舞理。
「超強気で、慎重さも備えているので。」
「少しでも反撃されると、逃亡してしまう。」

小袖。
「自称探偵は倒しにくいけれど、それは撤退という作戦のせい。」

乃々葉。
「社会の問題を何とかしたのなら。」
「まず政治について議論するのが常套手段だと思うのですが。」

小袖。
「社会の謎は多過ぎて、逆にどうでもいいものになってしまった。」

十和。
「社会の構造が見えてこないので、何が凄いのかが分からない。」

舞理。
「何か犯人探しをする連中って、誤解を社会に広めている気がします。」

乃々葉。
「誰かを犯人にして、自分達の問題を消そうとするなんて。」
「日本社会における印象の流布を世界にもたらしたのは間違いない。」

小袖。
「犯人がいるから、それを倒せば、社会の問題は無くなる。」
「そう考えてる時点で、既に馬鹿っぽい。」

十和。
「すっかり犯人探しは社会問題になった。」
「社会問題のレギュラーに載るとはね。」

乃々葉。
「個人の課題まで攻撃の大義名分に掲げる必要はないと思う。」

舞理。
「個人の問題を政治のせいにして、政治の問題になったものを。」
「特定の個人に向けるのは、天才でも予想できなかったと思う。」

小袖。
「世直しだ!という台詞が強烈で、それ以外の印象が全く無い。」

十和。
「衆愚が壊した物品の請求書が回ってこないだけましかな?」

乃々葉。
「世直しで犯人を倒すんです、とか言いながら。」
「市民も役人もそんなもの頼んでいない。」
「なんのための破壊活動なのか分からない。」

舞理。
「彼らの言う犯人とは何なのか、いろいろと疑問が残ることではありますね。」

乃々葉。
「オルテガ、大衆の定義に入っている輩って。」
「とりあえず名前がついているくらいしか思えない。」

十和。
「特にインターネットで顔を隠したい気持ちもわかる。」

小袖。
「いつも気持ちの悪い考え方とか、変な意見とか投稿している人は。」
「やはり匿名で書き込む所がないと、だめですからね。」

乃々葉。
「社会問題が歩いているようにしか見えない。」

舞理。
「かつてそんな気違いの寄せ集めがいましたよと。」
「未来の資料に載っているかもね。」

小袖。
「シャーロック・ホームズを見習え!」

乃々葉。
「シャーロック・ホームズ対アルセーヌ・ルパン。」

小袖。
「海外の探偵は、犯人と格闘戦もするらしい。」

十和。
「探偵って発見されて私人逮捕されると分がないかも。」

舞理。
「相手の下着の種類まで、探偵を使って調べようとしていますからね。」

小袖。
「推論だけで社会問題が片付けられるものか。」

乃々葉。
「結局は為政者がすべてやってくれる。」

十和。
「ボランティアで探偵をやるなんて馬鹿げているよ。」

小袖。
「ボランティアで社会問題を片付けるのも馬鹿げていますよね。」

乃々葉。
「誰もそんなこと頼んでいないのにね。」

舞理。
「達成しても、誰にも感謝されない。」

小袖。
「ああそうですか、それで終わり、報酬はなし。」

十和。
「政治と一体化すると、ろくなことがない。」

乃々葉。
「自国民が何かしらの思想に感化されると、ろくなことはない。」

次の日。

日曜日ですね。

自宅前。

知り合いの子供。

通りかかった。

芥川賞のとある小説を子供に渡しました。

神童と言われている子供のようです。

子供は内容を読んでから、小説を破りました。

乃々葉。
「凄い!その年齢で内容が理解できるんですね!」

十和。
「子供の方が理解が早いね。」

小袖。
「さすが神童、十分で内容を理解した。」

舞理。
「今年のノーベル賞作品はどうですか?」

そうすると神童はノーベル賞の作品を持ち去った。

沈黙しながら、持っていった。

別に不用品なので、咎めない。

乃々葉。
「なるほど、五分で内容を理解しましたね。」

小袖。
「とまあ歴史的価値があるのがノーベル賞ですし。」

舞理。
「歴史的な価値が高くないと、候補にも入りませんからね。」

十和。
「それが分からない大人ばかりです。」

乃々葉。
「なんで小説の内容もろくに理解できない大人ばかりなんでしょうね。」

小袖。
「読めば分かるレベルの小説も分からないとね?」

十和。
「そう言えば昔の芥川賞と直木賞の作家と続編ですが。」
「まったく出ていない所か、見向きもされていませんね。」

小袖。
「作品の寿命まで操作できるものか。」

乃々葉。
「物事は必ず変化しますからね。」

舞理。
「審査員としては、市民の方が遥かに上手です。」

乃々葉。
「究極の審査員は市民?」

十和。
「そんなに厳しい審査員は、この世にいませんね。」

公園にある銅像ですが。

新しくするそうです。

地震で傾いてしまっています。

銅像の人物はこの地方を治めていた大名です。

大名と戦ってみました。

乃々葉。
「いざ尋常に勝負!」

十和。
「それは名勝負です!」

小袖。
「大名と戦うんですね。」

舞理。
「勝敗はどうかな。」

銅像の人物を殴ったら。

効きませんでした。

攻撃が効かない。

さすが大物、硬さも、耐久力も、忍耐も凄まじい。

小事では決して動かない最高の人物。

乃々葉。
「ストレートパンチが効かないなんて!」

十和。
「そんなにかけ離れた人物だったなんて!」

小袖。
「何事も無かったように沈黙していますよ。」

舞理。
「どうやったら攻略できるか、分からないよ。」

乃々葉。
「なんで!どんな攻撃も通用しないよ!」

十和。
「あのね、銅像だから攻撃が通用しないのは当然だよ。」

小袖。
「大人物の銅像は、他の銅像よりも強固である。」

舞理。
「銅像を殴って何やってんの。」

十和。
「本気で攻撃したんですか、冗談だと思っていました。」

乃々葉。
「次こそ、こいつを倒して見せる!」

舞理。
「銅像を殴っても無理でしょ!」

小袖。
「来年、もっと豪華な銅像にするそうです。」
「小さな損傷が多いらしいので。」

十和。
「銅像の大名は倒せなかったね。」

小袖。
「銅像と戦った女性なんて、今までいなかったね。」

神童を見たギフテッドが寄ってきた。

自分も何か欲しいと言い出した。

たまたま持っていたものをあげた。

ギフテッド。
「直木賞を受賞したいと思ったら。」
「何をすればいいのですか。」

乃々葉。
「まずは転職先を見つけることですね。」

十和。
「広告代理店に対して大金を用意することですね。」

小袖。
「まずは就職することから始めなさいよ。」

舞理。
「審査員を買収する金銭を用意してから考えるべきです。」

ギフテッド。
「そうなんですか、大変なんですね。」

乃々葉。
「これが直木賞です。」

ギフテッド。
「直木賞?そんな名前の小説が売れる訳がないよ!」

十和。
「芥川賞も直木賞も、市民はつまらない、なんて書き込んでいたね。」

ギフテッド。
「ちょっと書いてあることが分からない。」

舞理。
「いつもの眼鏡はしないのですか?」

ギフテッド。
「うっかりつけ忘れていました。」

小袖。
「検索で、芥川賞つまらない、直木賞つまらない。」
「すると正論ばかりどんどん出てくる。」

乃々葉。
「大手通販販売の低評価の方が信用できる場合もある。」

ギフテッド。
「眼鏡をかけた途端、酷い内容であることが確認できました。」

乃々葉。
「人工知能が生成した小説はどうですか、短編を印刷してみました。」

ギフテッド。
「さっきの小説がお遊びみたいに見えますね。」

十和。
「現実は接待ゴルフではないという実例ですね。」

小袖。
「小説の評価なんて、最後には暴力で決まりますからね。」

舞理。
「読んだ文学賞の小説って返品できませんか?」

乃々葉。
「古本屋なら一割の返金が受けられますよ。」

十和。
「受賞作家がいなくなるとつまらないですな。」

乃々葉。
「受賞作家が消えてからが、最も面白い小説が出ていましたよ。」

小袖。
「芥川賞の作品と、普通の作品の見分けがつかない。」

十和。
「直木賞の作品と、普通の作品って何が違うの?」

乃々葉。
「とまあ、芥川賞と直木賞に未来があるのなら。」
「次回の受賞作も読んであげてもいいのですが。」

小袖。
「あれってお金取るの?慈善興行ではなかったのですか?」

ギフテッド。
「正常な人が理解できる内容は、少しも書かれていませんが?」

乃々葉。
「私達は文学者のパトロンなんですか?」

舞理。
「メルボーン卿と同じですね。」

十和。
「包み隠さず真実を吐露するので有名。」

乃々葉。
「作家が死ぬことはよいことだ。」
「そのときでも、もうそれ以上の作品が増えることはないし。」
「パトロンは彼と縁を切ることができるからだ。」
「メルボーン卿の名言。」

小袖。
「世間に送り出した作品で喧嘩になっていました。」

ギフテッド。
「なにがあったので?」

小袖。
「作品を市民に投げるので。」
「市民は作家に作品を投げ返しておりました。」

ギフテッド。
「そんなこともあるかと。」

乃々葉。
「二千円の小説って、この作品にそんな値打ちがあるというのか。」

小袖。
「それはどちらかと言うと経済学の問題である。」

十和。
「もういい、私はすべてを許すという手紙を書きます。」

乃々葉。
「誰宛に?」

十和。
「私が死んだ後、死後に配送されるように、手紙を書いております。」

舞理。
「なんという寛大な人!」

小袖。
「死後に届いた手紙、すべてを許す、素晴らしい人を亡くしました!」

乃々葉。
「きっとそんなに優れた人が世を去るので、悔やまれるでしょうね。」

ギフテッド。
「文壇は、多分、もう信用されていない。」

舞理。
「運命の力に頼り過ぎ。」

乃々葉。
「運命の力に頼っているようでは、自律とは言えない。」

小袖。
「芥川賞と直木賞は古本屋で、立ち読みするに限りますね。」

乃々葉。
「待て、本物が受賞するようになったら。」
「我々は全滅してしまうよ。」

十和。
「本物が受賞する?そんなことあってたまるか!」

小袖。
「ネタになるから、ああいうのは面白いんじゃないですか?」

乃々葉。
「高学歴は、文壇は自分のものだと信じている。」
「権力者は、文壇が誰のものでもいいと信じている。」

舞理。
「受賞作品に選ばれたら、自分が恥ずかしくなる。」

乃々葉。
「やめろ、死者を冒涜するような言葉は慎め!」

気がついたら。

女の子がいっぱい集まっていて。

適当に置いておいた書籍の奪い合いをしていました。

それで、会社の人の子供もたくさん混ざっていたので。

子供を倉庫に案内して。

サッカーボール、野球バット、野球ボール。

バドミントンの羽とラケット。

ハンドボール用品とバスケットボール。

フットサルボールなど。

密かに貯めていたスポーツ用品を手当たり次第に配りまして。

子供が喜んで持っていって。

今日の公園は満員だったそうです。

要らない本で検品済みの書籍は、倉庫にも溜まっていて。

子供が持っていきました。

岩波文庫だから問題ない。

会社に移動。

いつもの通りに夕方になりまして。

明日は旗日です。

社員の台詞。

部長。
「男性は、年齢を重ねると。」
「外見で勝負するべきだろうか。」
「それとも内面で勝負するべきでしょうか。」

社員。
「内面だと思いますよ!」

部下。
「部長!今日は派手に飲みますか?」

部長。
「久しぶりに記憶を無くそうかな!」

部下。
「それでは十万円を貸してください!」
「明日には利子を付けて返しますからね!」

部長。
「いいとも!」

日の入り。

残業が早くに帰ります。

常駐もいますが。

交代で代わっていますね。

会社員。
「将来が不安だなあ。」

同僚。
「不安にならなければいいんじゃないか?」

会社員。
「まさにそうだな!」

報道。

道連れ。

莫大な借金を抱えた人が事故死した。

金額は一億円であった。

それによって数人が破産した。

あの世にお金を持っていかれて道連れを食らった。

夜になる前に。

居酒屋商店街の中。

脱走した犬が通りかかった。

暇潰しに人を殴った人に応戦した会社員。

そこに犬が通りかかった。

まだ相手と殴り合った。

市民。
「犬が巻き込まれるぞ。」

会社員。
「暇潰しに喧嘩とは、悪趣味だな!」

同僚。
「諍いなんて、どうせその程度のつまらない理由しかないんだよ!」

会社員。
「本当の事ばかり言うと、首が飛ぶぞ!」

同僚。
「寿命で死ぬよりも、本当の事を言って死んだ方がましだ!」

会社員。
「諍いなんて暇潰しに過ぎない?ふざけるな!」

同僚。
「本気でそう思っている奴らがいるから諍いを起こすんだよ!」
「起きるんじゃなくて、誰かが故意に起こすんだよ!」

石を拾って投げつけたら。

転がって、相手は怯んだ。

結果的に犬の方に石が投げられた。

すると、体勢を立て直して、会社員を相手が殴った。

犬が巻き込まれた。

さすがに損害比率が上回って、相手は逃げ出したが。

損害が許容範囲であると計算し直して。

また戻ってきてから会社員を殴った。

犬に攻撃が当たりそうになった。

犬は吠えた。

友人同士の格闘は、代金を共同で出すことで合意した。

誰が怪我をしていなかったか。

通りかかった犬。


25


金曜日の朝。

金銭が無限にあったら。

通信販売はどうなるのか?

という計算をしてみました。

まあ自宅が潰れますね。

本で生き埋めになります。

金銭無限で通信販売は常に止まず。

毎日、大量の荷物が届く。

宅配ボックスが満タンになり。

玄関に荷物が積み上がっていく。

それはそれで困りそう。

出発前。

シミュレーションをまとめて。

洗っておいた安全靴を履いて。

メイド服で出発。

今回は散歩しながらです。

自動車なし。

自動車は点検に出されています。

ドライブをしていた休憩時間。

大急ぎでメカニックを呼んだあの時。

車は水中二メートルほどにありました。

凍結で滑って河川に落ちまして。

脱出はしましたが。

メカニックは頭を抱えていました。

自動車は復元できるそうです。

どうせ安物だから、どうでもいいかも。

自動車学校は一回だけ試験で失格でした。

なにしろ、教官が救急車で運ばれていくので。

そのせいで失格にされたかも。

出発。

徒歩。

乃々葉。
「消去法を用いれば。」
「完全無欠になることについて。」

十和。
「悪いものを消していけば。」
「ある所で悪いものが無くなってしまい。」
「結果的に完全になりますね。」

小袖。
「マイナス、負のものを消すだけで。」
「残っているものは良いものだけなので。」
「結果的に完全になりますね。」

舞理。
「完全無欠を最初から目指しますと。」
「悪いものや負になるもの、損をするものに引っかかって。」
「完全無欠をすぐに維持できなくなりますが。」
「逆説的に、悪いものや負のものを消していけば。」
「最後には完全無欠になります。」

乃々葉。
「一度、全部消してしまえば。」
「完全無欠は半永久的に続きますね。」

小袖。
「逆説的な完全無欠の作り方ですね。」
「合理的だと思います。」

十和。
「逆説的に、消去法を使って。」
「悪いものや負のものを排除することを続けると。」
「残るのは良いものだけですので。」
「かなり合理的な完全の作り方になります。」

舞理。
「そうやって作った完全は、維持するのがとても簡単ですよね。」
「芽を摘んでいるので。」
「新しく悪しきものや負のものが生じる余地が少ない。」

乃々葉。
「逆手に取ると、悪いものや負のものに取り組む必要はまったくない。」
「無視するか、否定して無力化するものです。」

十和。
「与えられたものに従うのは他律ですからね。」
「自分で決めた通りにならないのも他律です。」

小袖。
「自分で決めた通りになるのが自律です。」
「本人の意志が基準にならないと。」
「その他のものは単なる偶然として捨てられます。」

乃々葉。
「無闇に何かふっかけられると。」
「無神論発言で捨てられて終わります。」
「祈った覚えがない内容が現れるのは宗教的におかしい。」

舞理。
「自分の決定対決定論。」

十和。
「自分が決めた対誰かが決めた。」

小袖。
「よかろう、争いが望みならば。」
「何でも否定するだけ。」

乃々葉。
「否定を連打すると、物事が潰れます。」

舞理。
「そうやって消していく。」

十和。
「それなら。」
「嫌なものに嫌だと素直に言っただけで。」
「強要する方に問題がある。」

小袖。
「否定を続けると、どんなものも壊れることについて。」

乃々葉。
「そうやって壊して、無くしてしまって。」
「完全にしてしまう。」

舞理。
「とまあ、外部からもたらされるものを何でも信じるものではないね。」

十和。
「外部から強要されるものを、すべて信じなくてもいい。」

乃々葉。
「信じることを学んだら、次に何を信じないかを学んでしまった。」

舞理。
「状況のコントロールは、西洋では常識なんですけれどね。」

小袖。
「状況の操作って、西洋人では当たり前のように言いますね。」

十和。
「むしろ状況をコントロールできないのは悲惨であると言われます。」

乃々葉。
「状況の操作は、日本では見慣れませんが、西洋では当たり前に用いられていますね。」

舞理。
「どうも西洋人は、状況とは操縦するもの、と教えられてますね。」

乃々葉。
「状況は操縦するものでしょう、それが自律というもの。」

小袖。
「自分が決めるものだから、勝手に決まったものは捨てられますね。」

十和。
「こんなもの最初から無ければいいのに。」
「そうやって否定されて捨てられます。」

乃々葉。
「これは止められないことでもありますね。」

舞理。
「誰がどうやっても止められませんね。」

乃々葉。
「相手が防ごうとしても、こちらが好き放題にやるのも自由ですし。」

十和。
「今更、嘘に引っかかる訳には行きませんし。」

乃々葉。
「消去法で悪と負を全部消したら。」
「ようやく掃除が完了したもので。」
「後はようやく自分が決めた内容を実施できますね。」

十和。
「他律は何でも排除、異論は何でも論破します。」
「超理論でも何でも使いますね。」

小袖。
「そうやることで、ようやく自律を手にするのです。」

舞理。
「消去法によって、完全にしてしまうと。」
「残るのは自律になりますね。」

乃々葉。
「それこそ人倫そのものです。」

小袖。
「それが道徳というものです。」

十和。
「道徳の旧名は人倫です。」

乃々葉。
「いかに自律を手にするのか?」
「という題名で論文が書けそうですね。」

舞理。
「世の中、他律が多過ぎるので。」

小袖。
「生まれたままを放置すると、勝手に他律になりますからね。」

乃々葉。
「生まれた内容を制御、操縦して。」
「やっと自律を手に入れるのです。」

十和。
「それこそ道徳的ですね。」

舞理。
「自律を手に入れて、ようやく一人前ですからね。」

小袖。
「むしろ、他律を強制しようなんて愚かな。」

乃々葉。
「他律を強要するのは、人の道に外れています。」

十和。
「他律なんて推奨してはなりません。」
「不道徳ですからね。」

小袖。
「なぜ人倫を説いても道が開かれないのかな。」

乃々葉。
「最後は力ずくで。」

十和。
「くれないのなら、力ずくで。」

舞理。
「論破した後に、力で攻めると、相手は無力ですね。」

乃々葉。
「自分で勝ち取るだけですね。」

十和。
「自律を自分で勝ち取るのです。」

小袖。
「他律はすべて嘘として、全部消します。」

舞理。
「それこそ人倫です。」

小袖。
「いかに自律を勝ち取るか、ということですね。」

乃々葉。
「カント哲学では定番ですが、いかに自律を手に入れるか、それです。」

十和。
「愚かな他律を退けて、しれっと自律を!」

舞理。
「カント哲学で言えば、他律は不道徳で、人の道に外れています。」

小袖。
「自律こそ人の道ですからね。」

乃々葉。
「他律を撃破して、自律を勝ち取るのです。」

十和。
「人は何もしないとすぐ他律に陥りますからね。」

小袖。
「他律に陥った過去など、論破してやる。」

舞理。
「これからは自律が待っています。」

乃々葉。
「自律するので、今更、他律の要素なんて要らない。」

十和。
「他律なんて要らないんだよ。」

乃々葉。
「他律はお節介の塊です。」

小袖。
「されたくもない親切を徹底してやるのが他律です。」

乃々葉。
「その人がすることを、他律は徹底して奪い取る。」

舞理。
「そんなもの本人が頼んでいないのにね。」

乃々葉。
「依頼していない内容を、他律は自分勝手にやり続ける。」

十和。
「他律を倒さないと、自律は獲得できませんね。」

小袖。
「他律は力ずくで排除する。」

乃々葉。
「他律の言い分なんて、倒せば何も言えないでしょ。」

舞理。
「死人は噛みつかない。」

十和。
「他律を消し去ってしまい、自律を勝ち取る。」

乃々葉。
「他律なんて要らないものを、よくもよこしたな。」
「報復する。」

小袖。
「他律なんて、本人の意志を無視していますから。」
「いつも自分が正解を持っていると思い込む、みたいな。」

舞理。
「独善的なので、他律は本人にとっては束縛ですね。」

十和。
「自由がないとすれば、束縛されている対象がないといけません。」
「束縛されている対象があるので、不自由なのです。」

乃々葉。
「束縛されている対象があって、自由がないと言えるのであって。」
「束縛されている内容がなければ、そもそも自由なのです。」

小袖。
「束縛もなしに自由がないとは言えませんよ。」

舞理。
「束縛されていると、自由がないと言えますし。」
「自由の反対は束縛です。」

十和。
「自由と束縛は対立していますね。」

乃々葉。
「ですからカント哲学はお勧めです。」

小袖。
「学校の道徳を小馬鹿にできる偉人カントの威力。」

十和。
「一方的に学校の道徳を侮辱できる威力。」

舞理。
「カントも、通俗的な道徳には激怒していたという。」
「内容が利己的であるので、カントは道徳を論破した。」

十和。
「学校の道徳なんて、とっくの昔にカントに論破されていたんですよ。」

乃々葉。
「道徳形而上学の基礎づけ。」
「人倫の形而上学、徳論。」
「人倫の形而上学、法論。」
「私が好きな本の一部です。」

小袖。
「予備が欲しいね、持ち歩いて読む。」

十和。
「古典の中でも、世間の道徳をあっさり退ける。」
「最高な道徳の教科書ですからね。」

舞理。
「カント哲学こそ本当の道徳です。」
「世俗の道徳は偽物。」

十和。
「通俗的な道徳は消えろ。」

乃々葉。
「カント哲学を読んだら。」
「今日から世間の道徳を踏み倒してもいい。」

小袖。
「カントの道徳を読んだら、次の日から。」
「世間の道徳を好きなだけ潰してもいい。」

舞理。
「それまでの道徳が客観的になり、再構築される。」

十和。
「上書きされるんですよ、それで人倫について理解が深まります。」

乃々葉。
「通俗的な道徳を無視する爽快感。」
「しかしカントの道徳は尊重する。」

小袖。
「命令で道徳もどきは成立していますけれど。」
「なぜだめなのか、まったく考えていません。」

舞理。
「道徳もどきは、理由を説明できない幼稚な所がありますしね。」

小袖。
「カントの倫理学は、そこまで考えています。」

乃々葉。
「なぜだめなのか、深く考えて、研究する。」
「もっと深い理解を目指す。」
「道徳もどきの命令系ではなくて、どうしていけないのかを探し出す。」

舞理。
「それで、なぜいけないのかにたどり着き、倫理学は到達点に入る。」

十和。
「通俗的な道徳なんて、単なる公害ですからね。」

小袖。
「道徳もどきは嘘つきですからね。」

乃々葉。
「私は嘘はつきません、本当の事を言うとは限らない、それだけ。」

舞理。
「西洋倫理学を語ると、大衆は自分の道徳を主張するでしょうけれど。」
「それで裁いてきたり、攻撃して来るのは、向こうの方が不道徳ですね。」

十和。
「馬鹿には、通俗的な道徳で足りるということかな?」

乃々葉。
「道徳なんていっぱい種類があるんですし。」
「通俗的な道徳だけで判断されるのは。」
「相手の方が不道徳ですよね。」

小袖。
「大衆にカント哲学が理解できる訳がない。」

乃々葉。
「自律、他律はカント哲学用語です。」

舞理。
「カント学派ってもっと深い議論が好みですね。」

小袖。
「カント学派の良書は、三千円の大型本で出ていますね。」

舞理。
「私は原書というより訳本を読みました。」

十和。
「けっこう買える機会はあるかと。」

深夜から飲んで。

泥酔して行き倒れていた。

公園の集団。

テントの中でようやく復活。

こういう時のために用意していた寝袋で回復。

調子に乗って度数の高いのを注文したらしい。

自宅ではなくて、公園でキャンプしていて。

回復したばかり。

ソーシャルメディアの投稿を読んでいます。

インターネットの設計思想が分からないと嘆く集団。

SNSを開いて、議論する。

バカラック。
「社会の中で、特にインターネットでは。」
「子供の白紙状態に落書きをした程度の思考の持ち主が多いね。」

アダム・ニート。
「経験だけで、それ以外に論拠となるものが何もない。」

シルベリオ・バカ。
「正直、インターネットの意見を読むと、失望する。」

アダム・ニート。
「しかしインターネットの中にいない人をカウントしていないのであって。」

バカラック。
「インターネットにあまり書き込まない、現実に何か書き込む人ほど。」
「優れている傾向にあるような。」

アダム・ニート。
「子供の頃は白紙状態、つまり思想が何もなければ、経験の結果しかない。」
「しかし大人になっても、経験しか思想がない。」

シルベリオ・バカ。
「衆愚の玩具と化したインターネット。」

アダム・ニート。
「他人の考え方ってそんなに興味ありますかね?」

バカラック。
「意見が合う人なんて、あんまりいないと思います。」

シルベリオ・バカ。
「特定の結論を支持しても、それを覆す意見なんて、どこにでもある訳ですし。」

アダム・ニート。
「結論だけ並べられましても。」

シルベリオ・バカ。
「他人に対して、自分の結論に従わせればそれでいい。」
「なんて考え方は間違っている。」

バカラック。
「結論の押し付け合戦。」

アダム・ニート。
「誰かに結論を押し付けて、従うか、従わないのか、という戦闘。」

シルベリオ・バカ。
「載っているのは誰かの結論。」

アダム・ニート。
「三段論法は学校で習うはずですが・・・。」

シルベリオ・バカ。
「現実で出来ないことを、デジタルでやるんでしょ。」

バカラック。
「それでも一部の市民は健全な意見を発信しますからね。」

アダム・ニート。
「意見は違って当たり前、結論も覆るのが当たり前。」
「特定の考え方は、必ずしも通用するとは限らない。」

バカラック。
「何か自分の結論を衝突させて、納得が行く結末が欲しいんだと思います。」

シルベリオ・バカ。
「納得したいから、あれを続けている。」

アダム・ニート。
「特定の結論で満足したいがために、荒らしているのでは。」

バカラック。
「自分の意見について限界を試したいって、誰しもが思うはずです。」
「彼らはそれを実践したまでです。」

アダム・ニート。
「自分の考えについて、限界を試したい?」
「誰しもが思うものですね。」
「それでは、動機ってピュアなんですね。」

シルベリオ・バカ。
「問題はピュア過ぎて、すぐ傷ついて、襲いかかってくることでしょうね。」

通り過ぎる。

銀行。

慌てて中に入っていく男性。

市民。
「百万円で預金口座を開きたいんだが!」

銀行員。
「もちろん結構です、しかしここでは貧乏は恥ではありませんよ。」

到着。

本社に入って。

しばらくビデオゲームをしておりました。

ゲーミングノートなので。

内緒でゲーム可能。

今はシミュレーターばかりやっています。

隠れてプレイ。

乃々葉。
「第二次世界大戦の銃器を装備する軍団と。」
「現代の高性能な銃器を持つ軍団が対戦すると。」
「武器の性能差だけで、現代軍団が圧勝しますよね。」

十和。
「それだけ銃器の高性能化が進んだという訳ですね。」

小袖。
「百人のナチス兵を、現代の米兵は二十人くらいで撃破できる。」

舞理。
「シミュレーションでやりますと。」
「やっぱり銃器の性能が、戦闘力と戦闘の結果に反映されます。」
「武器の性能差って大切なんですね。」

乃々葉。
「銃器が高性能なだけで、旧式の銃器はまったく非力で。」
「練度が同じであっても大差がつきます。」

十和。
「第二次世界大戦の兵士三十人と、現代のエリート兵が二名。」
「この条件ですと、たった二人のエリート兵が勝利します。」

小袖。
「銃器の性能差が、そこまで開くと、そこまで大差がつくんですね。」

舞理。
「最近はサーマルスコープなんてものを装備しているので。」
「敵の発見が容易なんですね。」

乃々葉。
「サーマルスコープは反則レベルの装備ですね。」
「先制発見が簡単になっています。」

十和。
「一般的なライフル銃の兵士と、猟銃を使っている兵士では。」
「結果に大差がつくのは簡単に想像できますが。」
「そのくらい銃器の性能は、戦闘に影響するのですね。」

小袖。
「第二次世界大戦の銃器の射程距離は短いようですし。」
「命中精度も低めです。」
「現代のライフル銃は、かなりの射程距離があります。」
「そもそも昔の銃器はスコープなどの照準器がついてないんですね。」

舞理。
「アイアンサイトくらいでしょうね。」
「それだけでも命中精度が違います。」

乃々葉。
「遭遇戦ですと、現代の銃器は、撃ち合いが長時間続いて。」
「激戦になるのですけれど。」
「犯罪対策に導入されている。」
「イギリスの防弾ロボットがありまして。」
「立てこもり事件で犯人のいる二階に突っ込んで。」
「いくら犯人が発砲しても効かないので。」
「犯人が降参したことがありました。」
「そろそろああいうロボット兵器も戦場に出るかと。」

小袖。
「自走式遠隔操作ロボットだと思って射撃しても。」
「防弾性能が極めて高いので。」
「戦場に出られると、グレネードでしか倒せないかも。」

舞理。
「シミュレーターは便利ですね。」
「一般的にありえない条件で兵士を戦わせることができますし。」
「ネタ対戦の中で、良好な情報が得られます。」

十和。
「シミュレーターのネタ対戦は最高ですね。」
「こんなものがあったら、今の戦場はどうなるのかとか。」
「いろいろ出てきます。」

乃々葉。
「第二次世界大戦の銃器は、現代の銃器よりも。」
「大幅に劣っている、なんてものも。」
「シミュレーターが出しましたが。」
「戦闘の経過と結果まで生成されますから。」
「興味深い内容ばかりです。」

十和。
「刀剣の時代ですら武器の性能差は実在しましたね。」

小袖。
「普通の武器使ってないですからね。」

乃々葉。
「重量がやたらに重かったり。」
「切味が違ったりと。」

舞理。
「名将は決まって特別な武器を使っていました。」

十和。
「またもやネタ対戦を仕入れたんですね。」

小袖。
「シミュレーターのネタ対戦って何でもありだなあ。」

舞理。
「ふざけている対戦なんて、けっこう面白い戦闘になります。」
「シミュレーターは侮れない情報源です。」
「ネタ対戦に限定されますけれどね。」

乃々葉。
「とまあ、こんな兵器あったら見てみたい、なんて出して。」
「利益を出してしまったら。」
「民間人が兵器開発とかいろいろ言われそうで。」
「不具合がありますね。」

小袖。
「それは利益を主張しなければ、知らない法律には引っかからないかと。」

十和。
「そもそも軍事雑誌で完成品が見れますからね。」

乃々葉。
「意外にも、兵器は平和のために作られたのであって。」
「なぜか出現する敵を倒すために開発を続けています。」
「競争ではなくて、平和のためという目的があります。」

舞理。
「戦争が発生したら、速やかに終わらせることができる威力ですからね。」

小袖。
「平和は勝ち取る以外には得られません。」

乃々葉。
「勝手に脅かされていると主張する敵対者なんて。」
「なぜか出てしまいますし。」
「平和のために重武装して。」
「それが脅威であると言われるのは。」
「平和を否定されているんですよ。」

十和。
「平和のために作ったのに、相手がそれを侵略の準備だとか言いがかりをつける。」
「平和を否定するのだから、配備しているんですけれどね。」

小袖。
「反戦論はアメリカ軍も正式採用していますよ。」
「孫子の兵法はアメリカ軍の教科書として研究が続けられていますしね。」

乃々葉。
「侵略してくる奴らが詭弁を言って。」
「脅威になるとか、平和を逆に脅かしているとか。」
「意見が一致しないので、仕方がないね。」

舞理。
「どうせ戦争を強要されるので。」
「戦争を強要された時に、さっさと終わらせる兵器を整えているだけです。」

小袖。
「戦争を強制されるなんて、酷い話ですけれどね。」

舞理。
「強制されるのだから、逆に平和を強制するような反撃があるだけ。」

乃々葉。
「相手は攻撃を美化するだけですしね。」

十和。
「攻撃を美化するなんて悪趣味ですなあ。」

小袖。
「攻撃の美化だけは駄作ですね。」

舞理。
「攻撃を美化する?本当は喧嘩がしたくなっただけでしょ!」

乃々葉。
「敵の本音、喧嘩がしたくなった!」

近代では、相手を論破して倒すのが常套手段。

戦争で定番となった、正対正の衝突。

とある島々ではこのような対立があった。

警告。

こちらは日本国海上保安庁。

巡視船PL90である。

尖閣諸島は日本の領土である。

貴船の主張は受け入れられない。

返事。

日本国海上保安庁巡視船、こちらは中国海警局。

貴船の主張は受け入れられない。

続いて応答。

魚釣島およびその付属の島々は従来。

中国の固有領土である。

その島の12カイリは中国の領海である。

貴船は我が国の領海に侵入した。

ただちに退去してください。

以上、資料から。

お昼過ぎ、何やら荒れている。

社員。
「下の階だが、少しは静かにしろ。」

部下。
「了解、消防士にもう少し静かに火事を消せないか確認致します。」

社員。
「なんだと!」

防火仕様なので、火災は効かないけれど。

出火したのは、モバイルバッテリーでした。

近くのバス停。

バスがハイジャックされた。

犯人。
「駅前に行け!」

運転手。
「そうしたいんですけれど。」
「五分前に、爆弾を抱えた女性が。」
「空港に向かえと既に予約しておりまして。」

犯人。
「なんだと!やめろ!」

乗客。
「刃物よりも、爆弾の方が死にやすいからねぇ。」

男性。
「あの人を刺激しちゃだめだよ、いつでも爆弾を起爆させるからね。」

犯人は次のバス停で逃げました。

今日の広告。

貴金属と宝石、これ以上の割引はありません!

あったとしたら、それは詐欺です!

穏やかに日の入り。

深夜。

裏口から出て。

寄ってきた猫を撫でていました。

おやつをあげたんですね。

一度、おやつをあげると、常連になってしまいますが。

構わずコンビニキャットフードをあげました。

さりげなく、紙皿にサーモンを乗せて猫にあげると。

猫は素早く食べまして。

猫はとんでもない顔で見てきました。

しばらくして。

猫は去っていきました。

すると、正面から敵対者。

キタイゴロツキー。
「君をあの世に送ったら、どのような損害を与えられるのかな?」

乃々葉。
「ちょうどいい、覚えたばかりの技があるんです。」

キタイゴロツキー。
「最新型のナイフです、世界中の武器を研究して作られた。」
「携帯用の最高品質。」
「最新型が負ける訳がないだろう、行くぞ!」

乃々葉。
「固まれ!」

キタイゴロツキー。
「ぐわっ!動けない!」

乃々葉。
「何か神通力のある猿に教えてもらいました。」

キタイゴロツキー。
「なんだこの力は!」

乃々葉。
「髪の毛の一部を切って、投げると、はい分身。」

キタイゴロツキー。
「なんとか脱出したが、どいつが本物なんだ!」

乃々葉。
「不思議な武器を手に入れまして。」
「重量が凄まじい大型棍棒です。」

キタイゴロツキー。
「あれ?これ幻覚だったのか!」

乃々葉。
「食らえ!」

キタイゴロツキー。
「なんだ!剣で受けたら、剣が曲がって使い物にならん!」

乃々葉。
「この縄、行け!」

キタイゴロツキー。
「なんだこの縄は!ぐわあああ!」

大きな縄の塊が。

敵対者に絡みついて。

キタイゴロツキーを捕獲しました。

すると猿がやって来まして。

いきなり猿が変身。

老人の姿になって。

捕獲した敵対者キタイゴロツキーを持っていきました。

システムエラーの通報で来てしまった警察官二人組。

道端で転がっているキタイゴロツキーに遭遇。

縄で縛られている男性に職務質問、敵対者、逮捕されました。

警察官。
「こんな早くに事件現場へ到達するとは。」

公安部。
「この前、樹木にぶつかって、事件現場最速ギネス記録とか言ってたじゃないか。」

警察官。
「誰が倒したんだ?」

公安部。
「とまあテロリストメンバーみたいなものですし。」
「というか、どんだけ仲間が集まってくるんだよ。」

警察官。
「もう応援でパトロールカー十台に、仲間が三十人ですね。」

部下。
「近くで攻撃を受けた女性がいましたが、無傷なので。」
「目的ではなかったのでしょうね。」

刑事。
「通りかかって、ぶつかった程度だろう。」

警察官。
「これから忙しくなりそうですね。」

公安部。
「手柄の取り合いに忙しくなりそうですね。」

パトロールカーだらけになった大通り。

影でコソコソと移動して。

また彼氏に浮気を非難されていた。

狂気の女性。

まだストーカーをしていたものの。

いつも途中でなんのためにつけまわしていたのか忘れてしまう。

それは近くにいた別のストーカーも同じであった。

結局、ストーカーをして帰宅すると。

なぜつけまわしていたのかを忘れて、それを繰り返しているのであった。


26


バカーチン。

アカウントBANされてしまい。

帰国することになったそうです。

バカチンが使っていたすべてのサービス。

夜が明けるとBANされていて。

日本での一攫千金を諦めるようですね。

相棒が逮捕されたので。

その影響で活動終了。

空港から飛行機で退場。

おお神様!正義が暴力に勝ってしまうのだから。

しょうがないわねぇ!

新しく見つけた古本屋。

もったいない市場、品質保証あり、発送は翌日。

最短、到着に注文から明後日。

安いし美品多し。

もったいない市場、大量の注文を受けています。

日本の諺。

天から降ったか、地から湧いたか。

既知の知識や、人間の能力を超えた物事に出合ったときに。

驚きの気持ちを込めていうことば。

地元の古本屋。

古典が百円。

昼間。

知り合いの葬儀が行われていますが。

出席しません。

昨日は結婚式の招待状が送られて来ましたが。

出席しません。

行きたい人だけで行けばいいし。

宗教行為は強制されません。

儒教の仏教への反駁。

仏教は社会道徳を否定し。

秩序を破壊する。

儒教対仏教は伝統と言える論争で。

昔から続いている対立でもあります。

乃々葉。
「仏教は、社会の正義を否定して。」
「仏法を優先させますね。」

十和。
「寺院の僧侶はあまり反社会的ではないです。」
「仏教の信徒はかなり反社会的です。」

小袖。
「仏教の道徳を重視して。」
「社会の道徳は無視していますしね。」

舞理。
「秩序に関しても、仏教は半分無視するように。」
「仏法の方こそ秩序であると言い張りますね。」

乃々葉。
「僧侶は仏法が何々と言いがちで。」
「正義を徹底的に否定します。」
「正義は認めない。」
「自分達の規則だけを絶対視する。」

十和。
「秩序ですら、やや反抗気味です。」
「仏教を社会の秩序と重ねて語りますし。」
「社会の秩序とは仏教であると名乗ります。」

小袖。
「僧侶ではなくて、仏徒に多く見られる欠点ですね。」

乃々葉。
「信徒は仏教以外は認めない傾向にあります。」

十和。
「仏教こそ社会の宗教であると名乗り過ぎですし。」
「他人の信仰に平気で重なって。」
「子供などを中心に、強制的に仏教に感化させます。」
「そういう薄いながらも、反社会的な部分が多いですね。」

舞理。
「思想としては、個人の価値観に相容れない所もあります。」

乃々葉。
「文化に合わないのも、仏教の欠点ですね。」

小袖。
「他人の価値判断に過度な言及をするのも、おかしな所です。」

十和。
「日本の文化にも、そこまで合っている訳ではない。」
「やや文化から浮いている。」

舞理。
「仏教の思想は外国のものという前提がありますし。」
「野蛮、未開人、余所者という欠点もあります。」

乃々葉。
「そもそも、社会の道徳を仏法を優先させて。」
「ないがしろにしますし。」
「秩序よりも教義の方を優先しますしね。」

小袖。
「別に仏教しか宗教が無いなんてことはない。」

舞理。
「仏教の信徒は特に、仏教しか宗教がないような言い回しを多用しますね。」

十和。
「絶対的な宗教と見なすのが、仏教の悪い癖ですね。」

乃々葉。
「昔はもっと儒教と仏教の対立は激しかったものです。」

小袖。
「朱子が仏教に徹底した反論をした辺りで。」
「儒教の良さが目立ちますね。」

十和。
「朱子学は、江戸幕府が好んで採用していましたね。」

乃々葉。
「儒教の一派、伝習録も、朱子学と同じように扱われました。」

小袖。
「儒教は現世主義で、生まれ変わりについては沈黙しています。」

乃々葉。
「墓参りは、元々儒教が祭祀を使って行っていたものを。」
「仏教が勝手に持ち出して、墓石を御本尊として手を合わせる形になりましたね。」

舞理。
「墓石に手を合わせるのは偶像崇拝ですよ。」

乃々葉。
「儒教では、墓石に手を合わせるなんて記述はないし。」
「伝統のやり方があるので、祭祀が必要であって。」
「祭祀をしている間は、死人があの世から渡ってきて。」
「しばらく現世に滞在する権利を得ると考えられていました。」
「しかし分家、世代が続くと、そうした祭礼はどこかで途絶えるので。」
「いつしかやらなくなることでもあります。」

十和。
「儒教では、幽霊や超常現象は、単なる物理現象として処理しますね。」
「唯物論で語られるので、幽霊の存在は認めていない。」

舞理。
「キリスト教では墓に手を合わせるなんて偶像崇拝だ!」
「なんて簡単に分かります。」

小袖。
「儒教を好んで学ぶ人は、やがて仏教を否定しないと。」
「気が済まなくなりますね。」

乃々葉。
「仏教の思想は徹底した反論に遭いますが。」
「記録上、儒教は別に寺院を攻撃した試しはない。」

十和。
「我々とは別物で、異教ですよと突き放すくらいで。」
「普段は関わらなかった。」

乃々葉。
「世界の名著、続4朱子・王陽明1974年では。」
「仏教をやりたい放題に批判していますし。」
「世間の道徳を好き放題に批判しています。」

小袖。
「朱子語類抄訳しか現実には手に入らないかもしれませんが。」
「抄訳にしては優れたものが多数ありますね。」

舞理。
「その儒教は、どんな宗教にも衝突しません。」
「学問の一形態、東洋学問の一派という立ち位置です。」
「そこが多様性において、今日まで教育に用いられる理由のひとつですね。」

乃々葉。
「論語と儒学は別物という話までありますが。」
「気軽に読めて、最高の教養を得られる。」
「良好な書物ですね。」

十和。
「古代中国は聖人がこの世に現れて。」
「聖人が社会の内容を作っていって。」
「どんどん建設が成された。」
「それを見た孔子は見本としたけれど。」
「自分まで聖人と評価されるとは思っていなかった。」

舞理。
「儒教と道家は対立していますが。」
「ちょっともったいないのかも。」

乃々葉。
「中国も宗教において多様性がありましたね。」

十和。
「日本では、儒教は韓国から輸入されまして。」
「その二百年後に仏教が献上されて広まりました。」

乃々葉。
「しかし仏教が自らを権威にしたがるので。」
「儒教や道教、神道、キリスト教が隠れてしまい。」
「民衆も仏教に感化される始末です。」
「そこは良くないですね。」

舞理。
「どの宗教に行くのか分からない人を感化させるなんて。」

十和。
「仏教は感動させる言い回しが多々あって。」
「迎合されやすい。」

舞理。
「まるで河川に水がないと言い張っているようで。」
「世捨て人を強要しておいて。」
「まるで成果の出ない空想のようです。」

乃々葉。
「誰でも神格化されると教えておいて。」
「実は何にもなっていなかったり。」
「到達したと信じている所で、特別な存在になっている訳でもない。」

小袖。
「宗教とは何か?という問いが、まったくない教育現場もありますね。」

乃々葉。
「政教分離のやり過ぎ。」

舞理。
「日本ほど厳格に政教分離を行って。」
「宗教について教えない教育なんてないでしょうね。」

十和。
「教えないことで、信仰を持てない人もいますしね。」

舞理。
「無宗教を強制させる人々が出るので、それはナンセンスですしね。」

十和。
「無宗教なのに、宗教っぽい発言をする人もいます。」

乃々葉。
「無神論者が、宗教の話をしないで欲しい。」

小袖。
「宗教について語るとたまに思う。」
「いや、あんたに強要してないから。」
「無論、西洋で無宗教なんて名乗ったら。」
「誰も信じてくれなくなるけれど。」

舞理。
「無神論、無宗教に巻き込まれるとか。」

十和。
「別に文句があるのなら、宗教に近寄らなくていいし。」
「神殿や寺院に来なくてもいいけれど。」

乃々葉。
「世間の意見を代弁したつもりでしょうけれど。」
「お宮に参拝する人は、毎日かなりいます。」

十和。
「世人からは見えていないだけ。」

乃々葉。
「どちらかと言うと好みの話ですので。」
「好みまで議論したくないね。」

小袖。
「本人しか知らない理由で参拝していますからね。」

乃々葉。
「自国民は、為政者が政教分離を教えたからという理由で。」
「宗教について文句があるのでは。」

舞理。
「学校も公的機関ですから、学校も政治の一部です。」

小袖。
「政治が政教分離をあなたに教えたからと言って。」
「その通りに解釈しているだけでは。」

乃々葉。
「教育という政治、為政者に政教分離を教えられて、思考停止したのかな。」

十和。
「真理を知らない者は単なる愚か者にすぎないが。」
「真理を知りながらそれを嘘と言う者は犯罪者だ。」

乃々葉。
「紙の船は今日沈まずとも、明日には沈む。」

舞理。
「最も口数の多い者が、最も何もできない者である。」

小袖。
「最も多くを為す人が最も多く過つ。」

大通り。

銀行強盗が発生。

拳銃で銀行員に迫る。

犯人。
「金を出せ!それから!」

中国人。
「ちょっとワタシ日本語ワカラナイ。」
「英語ナラワカルネ。」

犯人。
「だから金を出せ!さもなくば!」

中国人。
「ココお金持ちが来るトコロネ。」
「なので英語デキル人しかコナイヨ。」
「中国語ならタイオウデキルネ。」

犯人。
「なんだこの銀行は!」

犯人、発砲しようとしたが。

拳銃の整備不良で、弾が出ない。

犯人は逃亡した。

宝くじ屋。

近くのショッピングモールで営業中。

商人。
「千円くらい買いませんか?」

市民。
「明日に代引きで荷物が来るから、千円は無理なんだ。」

立ち去った。

インターネットで目撃。

馬鹿。
「お前が犯人だろ!」

市民。
「それならどうやったのか詳細に説明してみろ。」

馬鹿。
「今書き込んだ内容だろ!」

市民。
「まあ君のアイデアも悪くないね。」
「どの推理小説を呼んだのか書き込んで貰おうか。」

探偵。
「あなたは問題の夜、六月三十日から、十月二十日まで。」
「どこで何をしていましたか。」

市民。
「四ヶ月も、白夜ですか?」

インターネットは何をする所なんでしょうね?

大通りを通行のスピード違反。

警察官に止められた。

会社の窓から目撃。

警察官。
「止まれ、免許証を見せろ。」

愚民。
「なんだって!理不尽な!」
「三十分前にあんたの同僚が。」
「免許証を持っていったばかりじゃないか。」

警察官。
「なんだって!?」

三階の窓から立ち去る。

報道。

ジャーナリストのアンケート。

政治の期待高まる。

しかし考えられるのは。

人を支配するのは空想である。

乃々葉。
「正直は阿呆の異名。」
「日本の諺。」

十和。
「間違わない人は馬鹿。」

小袖。
「間違うにしても、被害は小さい方がいい。」

舞理。
「臆病者だけが嘘をつく。」

乃々葉。
「結末を見通せ。」

十和。
「犯人探しは、結局は世界の流れに逆らっているだけ。」

乃々葉。
「自分の反意を、美化して、自分が乗っ取りたいだけ。」
「支配欲から犯人探しは激化する。」

小袖。
「支配欲から、誰かを犯人にして流れに逆らっている。」

舞理。
「自分の反意を隠しているだけ。」

乃々葉。
「本人が逆らいたいから、反意が強く、逆らうことだけを求めているため。」
「構図を逆転させて、誰かが逆らっていることにする。」
「単に善悪を逆転させて、逆らおうとしているだけ。」

十和。
「動機はどうなのか?調べたり観察すると、とても酷い!」
「構図を逆にして、自分が支配者であり。」
「他人が逆らっているので、鎮圧していることにしている。」

小袖。
「犯人がいて、それを倒せば解決、これは逆にすると。」
「自分達が支配しているので、混沌の原因があるはず。」
「そいつを人間の愚かな知性で探して倒せば、自分達の支配を取り戻せる。」
「邪悪な心を持つ探偵ですね。」

舞理。
「逆説的に言えば、自分達が支配しているから。」
「支配に異を唱える奴は潰します、という犯行予告ですね。」

乃々葉。
「キリスト教みたいに言えば、最終的な原因は、ヤハウェ神が起こしていることになります。」
「神と争って無事で済む人間なんていません。」

舞理。
「正当な議論で負かすのではなくて。」
「言いがかりで神を非難するのですか。」
「それは人間特有の傲慢というものです。」

十和。
「神の王座に、傲慢にも人間は座ることになりましたが。」
「神まで排除しようなんて。」
「人間なんてなんのために作られたのでしょうね。」

小袖。
「犯人探しと言われましても、世界の流れ。」
「特に神がそうしたい内容は。」
「協力するか加担した方が賢明だと思われますが。」

乃々葉。
「意外にも無神論者、無宗教者しか犯人探しをしないんですね。」
「人間なんて神なしでは、根拠すらない存在ですしね。」

舞理。
「降参すればいいのに。」
「神と争った人は、逆に神の方に逃れ場所がある。」

十和。
「議論について。」

小袖。
「世人の議論は、正解の当てっこですね。」

舞理。
「全員で正解を当てるゲームをしていますね。」

乃々葉。
「より高い意見を目指すのではなくて。」
「正解を出した人が勝ち。」
「なんていう幼稚なゲーム。」

十和。
「議論をするうちに、独善的な奴らがどんどん露呈する。」

小袖。
「どんな手を使っても、正解を当てれば勝利。」
「としか思っていない。」

舞理。
「その正解は役に立たないし。」
「他人の正解と対立するから。」
「正解なんて出しても意味がない。」

十和。
「正解なんて存在しないのにね。」

乃々葉。
「それで自分は正解を出したから正しい。」
「それだけ。」

小袖。
「より優れた意見を出そうとはしていない。」

乃々葉。
「正解を出す自分は正しいんだ。」
「納得しない相手は間違っている。」
「そんな幼稚なもの。」

十和。
「そして言い争いになる。」
「誰かが設定した正解なんて誰も納得しない。」
「自分が何でも正しいという前提に立って議論するからですね。」

舞理。
「そういうことを指摘すると、相手は間違いを認めない。」

乃々葉。
「どうせそういう人は理屈だけですよ。」
「理屈以外に何も出すものが無いんです。」

小袖。
「そもそも何でも口論で決着がつくと思い込む。」

乃々葉。
「相手を言い負かそうと必死にするのは、哲学的ではない。」

十和。
「結局、絶対に言い負かしてやる、なんて愚かしい言い争いになる。」

舞理。
「議論のつもりが、相手側は、絶対に言い負かしてやると、必死になってくる。」

小袖。
「そもそも議論とは何かについて分かっていない。」

乃々葉。
「世人は推論でそういうのを埋めるか。」
「知ったかぶりで、自分が正しいと主張する。」

十和。
「論理的に言い返せない時点でその人の負け。」

舞理。
「論理的に言い返せないのなら、議論の余地はない。」

小袖。
「自分の発言の報いを自分で受けて、なぜ文句があるのか。」

乃々葉。
「言い争いで相手を挑発しておいて、痛い発言を食らっておいて。」
「なぜ文句を言うのか。」

十和。
「論理については年齢に依存しないという実例ですね。」
「どんなに年齢や経験を重ねても、論理的に言えるようになる訳でもない。」
「論理について理解した若者の方が適切な議論ができる。」

乃々葉。
「論理的に言い返す、または議論するというものは。」
「年齢があればいいという訳ではなく。」
「経験があれば出来るという訳でもない。」

舞理。
「むしろ年齢があるから知っているとか。」
「年齢が何かに直結するという考え方は。」
「因果関係のでっち上げ。」
「年齢を重ねても馬鹿な奴は極端に馬鹿。」

乃々葉。
「経験があるから分かる、なんてものも因果関係のでっち上げ。」
「経験があっても、下手な奴は下手。」
「馬鹿な奴は極端に馬鹿。」

小袖。
「論理的に語れない醜態を、人のせいにしているだけでは?」

十和。
「論理的に語れないのなら、その人の無知のせいでしょ。」

乃々葉。
「論理的に語れない時点で、それまでその人が何をしていたのか判明してしまう。」
「行き当たりばったりな経歴なんでしょ。」

十和。
「衆愚の一部って、反応にパターンがあるんですよ。」
「どうしても決められたパターン通りにしか反応しない。」

舞理。
「論破しても、相手は負けた事に気が付かない。」

十和。
「よくあんな技量でやって来れたものですね。」

乃々葉。
「同じくらい頭の悪い連中だけと関わってきた証拠では?」

小袖。
「悪い人とあんまり関わりたくないよね。」

乃々葉。
「弱くて劣っている人とは議論はできない。」

十和。
「悪い人と議論は無理です。」

舞理。
「強くて優れている、良い人としか、有益な議論はできません。」

夕方。

くじ引きで残業を決めています。

とは言っても、頻繁に交代しますね。

くじ引きで残業が決定しましたが。

これは相対的で。

実際には、往復しながら管理を続行します。

定時が迫る頃。

ちょっとした疑問。

乃々葉。
「世人って汚らわしいですよね。」

十和。
「汚し事ばかりします。」

小袖。
「衆愚ほど汚れた奴らはいない。」

舞理。
「こちらまで汚染される醜悪な箇所が多々あります。」

乃々葉。
「何とか汚されないようにしたいね。」

小袖。
「衆愚は自分が汚いとは思っていない。」

乃々葉。
「群衆なんて数合わせに作られた自然の工場製品ですから。」
「知能は平均以下です。」
「自分の汚い所なんて分かるはずがない。」

小袖。
「他人を知らない間に汚すし。」
「本人が汚いという自覚なし。」

乃々葉。
「彼らの取り柄って、正当化、合理化くらいしか。」
「自分の存在の根拠がないんじゃないの。」

十和。
「正当化、合理化が得意なだけで、それ以外の技能はなし。」

舞理。
「正当化、合理化が出来なくなったら、何も残らない。」

小袖。
「正当化、合理化しか特技がないらしい。」
「それを奪ったら、何もない。」

乃々葉。
「自分が正しいなんて人間相手に名乗った所で。」
「誰かが認めてくれるなんてことはない。」

舞理。
「他人も正しいのでは、という疑問すらない。」

小袖。
「それで相手を貶めて、自分が正しいと主張する。」

乃々葉。
「それは奴隷のやり方ですね。」

十和。
「だからこそ汚い衆愚ばかり目立ちます。」

小袖。
「そういう奴らって自然が作った工場製品なんだし。」
「大衆を依怙贔屓するのも邪悪ですしね。」

舞理。
「同類じゃないと仲良くできない実例なのでは?」

乃々葉。
「そうですよね、どこも似ていない人と仲良くは出来ません。」

十和。
「同類だけと仲良くすればよろしい。」

小袖。
「同類だけと融和できるのであって。」
「同類以外は対立するだけ。」

乃々葉。
「究極の言い逃れ、間違いを認めないぞ発言。」

十和。
「究極の言い訳、誤りを正当化。」

小袖。
「どちらかと言うと、間違いをいかに認めないかに。」
「大衆の関心は向いている。」

舞理。
「誤りをどう正当化するかを、一生懸命に考えているらしいね。」

乃々葉。
「なぜか自国民は感情論ばかり。」

十和。
「理性とは何かについて考えたこともないから?」

小袖。
「理性的という単語を知っているとは思えない。」

舞理。
「そんな簡単な事も知らないんですか?」

乃々葉。
「会話を感情論で済ます自国民って何?」

十和。
「主情主義者が多いんですよ。」

小袖。
「本当に自国民には主情主義が多い傾向にありますね。」

舞理。
「よろしくない思想だと思いますけれど。」

乃々葉。
「感情が万能なんて誰が言いましたか?」

十和。
「子供の頃から勘違いを教えられて育つからですね。」

小袖。
「馬鹿を参考にして子供が育つからですね。」

舞理。
「多分、私達が道理を説いても、分からないでしょうね。」

乃々葉。
「道理を説いて理解が得られるとは思っていません。」
「そこまで上のものは期待していません。」

解散。

今回も二組に分かれました。

口論と雑談の違いは?

雑談は一応は真面目にやっている。

クイズ番組。

世人がよく使う言葉は何ですか?

回答。

わかりません。

司会が言うには、正解!

学生時代の思い出。

社会科見学で何か書けと教師に言われたので。

世間の人は、短気でキレやすい、繊細な神経に欠け。

非常に扱いにくいタイプ。

こう書いたら、まかり通った。

昼休みによく行われていた、生徒同士の喧嘩では。

世間の人が、馬鹿なのか、馬鹿ではないかで、よく口論が行われていた。

さて、世間の人が、馬鹿なのか、馬鹿ではないのか。

論理的に、具体的な証拠を持って。

我々も議論しなくてはならない。

しかしそこにもきっと答えはないのだ。


27


武器商人。

ショーヒンが政治教を成立。

政治団体ではなくて。

政治そのものを新興宗教にして。

搾取しようと試みているようです。

政治教は、究極の政治を目指しますが。

単なる政治マニアの領域で。

政治しか考えることが無くなった人々が信じており。

具体的な活動は、政治の事ばかり考えて。

政治の事ばかり信じるという。

ある意味では、考えるだけで何もしない団体です。

政治教はたいした脅威ではないので。

ネタになって定着していました。

政治教の信者は、投票になると手に負えない。

ショーヒンは、ある程度まで稼いで。

後継者に譲渡して、帰国する計画らしいのです。

政治に関わると、ろくなことがないですね。

今年、本社は独り勝ちしました。

ライバル企業の質の低さ。

収益以外は何も考えない欠点が。

ライバル企業を自滅させています。

競争に勝つのが目的なのか。

ある程度の勢力に達するのが目的なのか。

とある目的のための手段が。

いつしか目的になってしまった。

手段が目的になると、最初の目的はもはやない。

本社はブランドになるのが目的ですので。

何のための競争なのか設定しなかった時点で。

競争の勝敗も、どうつくのか、やはり設定されていない。

規模が大きくなる本社は。

最後には規模の限界寸前を維持して。

なるべく長期間、社会で活躍する。

今の所はそういう点が社訓になっています。

今日、勝手にライバルになった企業が傾きました。

成功する人はあっさりしていて。

何かに拘らない人なんですね。

お昼休みは。

近くの喫茶店。

予約しておきました。

お金がある世帯は、欲望に関するものなら何でも手に入る。

必要なものだけが、お金がある世帯に不足している。

欲しいものが手に入るのが金持ち。

必要なものが手に入らないのも金持ち。

喫茶店にて。

乃々葉。
「すべてを倒そうとは思わないこと。」
「邪魔な相手だけ倒して進めばいい。」

十和。
「もはや政治しか考えることがなくなった。」
「悲しい市民の醜態。」

小袖。
「政治以外にもいろいろあるでしょう。」

舞理。
「何を政治に期待しているのか分からない。」

乃々葉。
「政治が変わった所で満足しないくせに。」

小袖。
「これだけ国が豊かになったのに。」
「何故、政治なのか。」
「巻き込まれた人もだいぶ困ったでしょうね。」

十和。
「政治の話は小説や漫画だけにして貰おうか。」

舞理。
「政治は私が論じる中でも、最も退屈な話題になります。」

乃々葉。
「政治改革よりも、本人の改革をしたらどうだい。」

小袖。
「約束するだけの政治に依存するのはどうなのか。」

十和。
「政治なんて嫌いです。」
「希望を提出しておいて、いつも後払いじゃないですか。」

乃々葉。
「政治は思っているより個人に影響しない。」

舞理。
「自分のすべてが決まるかのように、政治に期待が集まる。」

小袖。
「いや、為政者も人間でしょう。」
「預言者が政治をするのなら、間違いなくすべてが変わりますけれど。」

十和。
「政治についていったせいで、余計な面倒に巻き込まれる。」

乃々葉。
「政治が話題になって、希望の対象になるって。」
「逆に言えば、もはや政治以外に何もない。」

小袖。
「政治以外に何も考えることがない。」
「政治が何かを解決することは稀です。」

舞理。
「政治が何かの新興宗教みたいに持ち上げられる。」

十和。
「私は政治なんて信じていないので、どうでもいい。」

乃々葉。
「具体的に煙たくなるまでは、言及したくもないし。」

小袖。
「どうせ勝手に決まることですからね。」

十和。
「人間同士の約束こそが政治です。」
「人間は約束だけで、裏切ることがよくある。」

舞理。
「政治政治政治・・・・。」
「もう足りているのにね。」

小袖。
「充分に政治が論じられて実行されても。」
「まだ政治政治政治。」

乃々葉。
「これ以上望むものはないでしょうに。」
「完全無欠を目指して、今日も政治政治政治。」

十和。
「過剰なほど政治政治政治。」
「政治政治言い過ぎて害になる。」

天気予報。

今日は晴れのち弾道ミサイル。

時々、巡航ミサイル。

アルメニア放送、日本語版。

戦争とは何ですか?

平和祈願の血祭りの事です。

平和とは何ですか?

完全無欠な世界的治安の事です。

犯罪とは何ですか?

喧嘩の別称です。

喫茶店から、本社に戻ります。

徒歩。

乃々葉。
「天国と地獄なんてものはない。」

十和。
「そんなもの設定すれば、都合が良い人がたくさんいるからですね。」

乃々葉。
「自国ですと黄泉の国、ギリシャ神話ですと冥府です。」

舞理。
「キリスト教は、誰一人として滅びることがないように。」
「配慮がありますね。」

小袖。
「信徒が地獄行きなんて、ある訳が無いと、反駁していますね。」

乃々葉。
「天国なんてあるとは思えない。」
「そこが最後ならば、その次どうするの?」

小袖。
「天国に入りたくない人も、一定数いる訳ですし。」

十和。
「宗教が交差すると、必ず天国や地獄は、どこかで否定されますね。」

乃々葉。
「天国や地獄なんて信じない方が、ずっと良い信仰を得られるかと。」

舞理。
「私は死んだ後に考えることにしています。」

小袖。
「天国と地獄の二者択一なんて設定されているとは思えませんが。」

乃々葉。
「便宜上、設定しておかないと、何も展開できないからでは。」

十和。
「私は天国や地獄なんて信じませんけれどね。」

乃々葉。
「他教の教義が勝手に独り歩きしていますし。」
「仏教の思想は、思想自体は危険で有害であるという証拠ですね。」

小袖。
「仏教の思想だけは最悪ですなあ。」

舞理。
「自分を信じた人を地獄に落とす?それ自体が悪行では?」

十和。
「悪行の定義が、その都度、自分勝手に変更されているし。」

乃々葉。
「今の時代は、宗教観中立が最善ですよ。」

舞理。
「有神論以上、宗教中立。」

小袖。
「無宗教の人がいても、特に影響はないのだけれど。」
「中途半端な宗教観をでっち上げて、公に垂れ流すのはどうかと。」

舞理。
「信仰の浅い者は裁くな、とあるように。」
「何も信じたくない人も尊重しないのは、反社会的ですなあ。」

十和。
「私だって何も信じたくない時はあります。」

乃々葉。
「懐疑論は、宗教に役立つ。」
「パスカル、パンセ。」

十和。
「自分の宗教を疑いまくるのは、やはり役立つ。」

小袖。
「信仰を持っておいて、それを疑うのも私の特徴です。」

舞理。
「懐疑論は宗教において重要な姿勢ですね。」

乃々葉。
「宗教は信じるのではなくて。」
「所属、契約の話です。」
「信じているのか、信じていないのか。」
「そんな二者択一、浅くて見たくもない。」

裏口から戻ります。

何か良質なコーヒー自動販売機が導入されたらしい。

早速、リフレッシュルームに行って購入。

コーヒーはメリットもデメリットも兼ねている嗜好品。

最初のうちは飲むと、血流増大の負荷のためか。

心臓に悪いが、慣れると一日三杯まで飲んでも。

問題がなくなる。

適量が個人にあり、それを超えると、高揚が止まらなくなり。

その分、集中力、体力、行動能力が上がる。

疲労をごまかすこともできる。

しかし中毒性があり、飲むのを辞めると。

あらゆる不調が現れる。

コーヒー缶になると、量の調節が簡単。

乃々葉。
「仕事をしていると感じないのですが。」
「退屈というより虚無感ばかりあります。」

十和。
「特に目標が無くなると、虚無感に襲われますね。」

小袖。
「せっかく片付けても、結果は虚無感ですからね。」

舞理。
「退屈に似ているけれど、何か違うと思ったら虚無感ですからね。」

乃々葉。
「何でも虚しくなる。」

十和。
「自分が取り組んだ物事が片付くと、特に何も無いのですからね。」

小袖。
「何もなければそれでいいかもしれないけれど。」
「代わりに虚無感が襲ってくる。」

乃々葉。
「似たような事の繰り返し、なんて気がついて。」
「何か目標に向かっている時だけは同じことの繰り返しではない。」
「達成して、しばらくすると、虚無感が来る。」

十和。
「争いや諍いよりも、虚無感の方がましでしょ。」

舞理。
「苦悩が客観的になったような。」

小袖。
「客観的な苦悩があるのなら、主観的な苦悩ってあるの?」

乃々葉。
「退屈のようで、退屈ではない、やはりいろいろと虚しい。」

十和。
「最初から虚しい所に我々は出現したのではないかな?」

舞理。
「少なくとも、無理な意味付けは悪化するだけですね。」

小袖。
「後から意味をつけるのは良くないかと。」

十和。
「後からなら、いくらでも理屈はつけられますからね。」

乃々葉。
「生まれて喜ぶ?そんな馬鹿な!」

十和。
「生まれる前に、何か嘘でも教えられて、喜んでいるのでは?」

小袖。
「間違ったことを吹き込まれて、生まれて喜んで、そして落ち込む。」

舞理。
「落ち込むということは、期待していたことがあり。」
「そして騙した奴がいて、嘘を教えられた状況証拠ですね。」

乃々葉。
「前々に教えられたことと、現実がまったく異なっていて。」
「なんで言われたものと違うんだ、という矛盾。」

十和。
「生まれる前に記憶を消して、証拠隠滅があるからですね。」

舞理。
「生まれる前の記憶なんて、偽預言者はよく言及しますね。」

小袖。
「子供が預言者な訳があるものか。」

乃々葉。
「空想を語る子供の言い分を採用するな。」

十和。
「どちらにしても、現実を見ないし、現実を認めなかった者達の成れの果て。」

乃々葉。
「天人分離と言いますか。」
「天の決定と、現実にいる人は別物です。」
「天の言い分は、地上には通用しない。」

舞理。
「天の決定を覆す、神聖なものが、生まれた先で待ち伏せしている。」

小袖。
「過去でやった行いとか何々。」
「過去にやった行いだけで判断する。」
「愚かな所がありますね。」
「重要なのは行いではなくて、理由でしょ。」

十和。
「行いで判断するのは人間だけです。」
「理由の方が大切です。」

舞理。
「人の善悪なんて、どうやっても埋められないのですし。」
「善悪で判断されても、悪くなるだけですよ。」

乃々葉。
「天がそう決めたとしても、地上で何も通用しないんだから。」
「天は人間よりも劣っていることになる。」

小袖。
「虚無主義が待ち伏せしている所も見ていない愚かさ。」

乃々葉。
「そもそも、この世界は生きるに値しないんだし。」

十和。
「どこをどうやっても、理想的な世界は実現できない。」

舞理。
「何をしても世界は改善しないんだから。」

小袖。
「生まれる価値もない世界で今でも暮らしているのは。」
「自分で善なるものを見分けて、取得できるからですね。」

乃々葉。
「良いものだけが、生命を続行する条件でしょうね。」

舞理。
「わざわざ生まれなくてもいいのに。」

小袖。
「洗脳されて無理に生まれさせられるんでしょうね。」
「同じ奴に二度騙されるのは、本人の恥です。」

地下に戻ります。

生まれる前から、人はあらゆる嘘や間違い。

勘違いを教えられて、洗脳されている。

生まれた後も、主観的な考えに晒されるので。

後天的にそれらを修正して、嘘を消さなくてはならない。

天という要素も、簡単に悪用されているだけなので。

天についての言及は、そもそも天が悪用されている可能性がある。

天が問題になっている時点で、違和感しかない。

生まれたら天の決定なんて何も通用しないから。

地上に合わせて、その決定と考え方を修正して。

再構築された方が良さそう。

荀子の教えは強力無比。

天と人、天と地上を厳格に区別する。

荀子とニーチェは似ている?

荘子にも、天は顧みても、地上は顧みない。

という戒めがあります。

荀子の教えの中には。

自然災害で自分達を左右されてはならない。

という教えもあります。

天の関与を認めないので。

目の前の災害を半分無視して振る舞う。

ということでしょうか。

地球の反対側で大戦争があって。

フードショックを国内まで持ち込まれても。

対岸の火事みたいに思っていて。

原料不足、もっと不足するとそもそも作れない。

そして隠れ飢餓、ステルス飢餓の時代。

物価が上がっても、何が理由なのか分からず。

戦争から来るフードショックについて忘れてしまい。

戸惑うだけの大衆は滑稽。

穀物輸出国は自国内に穀物を回してしまい。

輸出をしなくなった。

貧困国では暴動頻発。

呆れが礼に来る。

放送。

三分クッキング。

天罰の作り方。

たまたま貶めた内容を天罰と呼ぶだけ。

自然災害とは何ですか?

自然が行った合法的殺人の事です。

天罰とは何ですか?

攻撃の内容をまとめた作品における、題名の事です。

現代におけるナチズム。

全体主義。

乃々葉。
「ナチスの別名は全体主義ですが。」
「現代でも、ナチスの続編が散見されますね。」

十和。
「陰謀論とか?」
「ユダヤ陰謀論は、元々、ナチスが政治利用していたものです。」
「なので、陰謀論はナチスの復元ですね。」

小袖。
「とりあえず何かのせいにして解決を図る。」
「犯人探し。」
「これもナチスが常套手段にしていたものですね。」

舞理。
「政治的宣伝、プロパガンダで大衆を扇動する。」
「ひとつにまとめるのは、現実ではなくてフィクションによるもの。」

乃々葉。
「大衆は強い男、優秀な指導者を求めるため。」
「つまらない人間が、全体主義に取り込まれやすい。」

小袖。
「階級なき世界を実現したら、大衆が登場してしまい。」
「大衆が訳の分からない事をやり続けて暴走するという。」
「別の問題が発生した。」

十和。
「階級社会は、優れた者が散発的にいて。」
「優れた人物が指揮統制して維持されていました。」
「階級が廃止されると、残ったのはつまらない人間だけですしね。」

乃々葉。
「雑魚やら弱者やらが、自分達に都合の良い政治を求め始めた。」

舞理。
「独裁者は、反転した君主制ですし。」
「現代は、指導者不在の全体主義が流行していますね。」

十和。
「どうせ政治の事しか考えられないんでしょ。」

舞理。
「政治の件しかすることがないとか。」

小袖。
「政治しか議題がないという、お粗末な文明。」

乃々葉。
「政治以外の話が無くなっていく。」

小袖。
「政治以外の話が出来たら、いいですね。」

十和。
「無理でしょうね、大衆は、正当な仕打ちをしても。」
「不当だと罵ってきますからね。」

乃々葉。
「しっぺ返しはフェアプレーである。」

舞理。
「しかしフェアプレーまで否定されますと。」
「卑怯な手を使ってまで鎮圧しないと。」

十和。
「しかし大衆は、常に不満ばかり言うし。」
「大衆が満たされることはまずない。」

乃々葉。
「大衆が実現したい世界って何だろう?」

舞理。
「不可能な事を正々堂々と要求しているに過ぎませんよ。」

小袖。
「なぜ、には、なぜならば、が必要です。」

乃々葉。
「なぜ?いやその前に、なぜならば、という理由も必要です。」

十和。
「なんで?と言われましても、なぜならば、まで同時に出さないと。」

舞理。
「理由を知った所で、ろくでもないものですよ。」

新聞。

政治とは約束だけする部門。

政治の話になると、広告の方が遥かに長くなる。

政治の話題は、広告が長過ぎる。

為政者の問題は、社会問題には精通しているが。

解決方法はまったく知らないということ。

疑問。

政治の話をしておいて、都合が悪くなると政権を批判するなんて。

いったい何を期待していたんだ。

君主制も、貴族制も、民主制も。

従属という点ではまったく同じなことについて・・・。


28


物事は変化する。

しかし物事は不変という確信だけが。

変化した物事に、遅れてついて行く。

脳科学より。

学校脳の人は、今の状況がずっと続くと考える。

社会脳の人は、状況が常に変化することを理解する。

午前中。

大通り。

何やら。

男性と、別の男性が。

刃物で戦っておりまして。

なぜなのか分からず。

本社の窓からぎりぎり見える所で。

見物していました。

通行人に害はなく。

なぜ、刃物で争っているのか。

誰にも分かりません。

ついに警察が囲みますが。

それでも二人組は戦っています。

どうやら。

通り魔をしようと出かけていた片方の男性が。

同じく通り魔をしようと現地に来ていた男性と。

遭遇してしまって。

互いに攻撃の理由が分からず。

同程度の戦闘力を持っているため。

相手が一般市民と思い込み。

同じ通り魔を攻撃しているせいで。

互角の勝負になり。

何分も戦っているんですね。

双方、市民を虐殺しているつもりなのに。

なぜか互角の相手が立ちふさがっていると思い。

無理に勝とうとして、遂に刃物を失って。

組み合っているのです。

ようやく片方が負けて。

逃げようとしたら。

警察に囲まれているんですね。

二人組の戦闘は終了となりました。

放送。

ショーヒンが成立した政治教。

ショーヒンは後継者にさっさと託して。

帰国しまして。

政治教は過激派組織に傾いています。

内容が議論するだけの場所なので。

具体的な破壊はなし。

既に大金を手にしていた組織ですので。

とりあいず、規模を拡張するようです。

またもやテントで寝泊まりしている三人組。

アダム・ニート。
「今回のホテルはここだったか。」

バカラック。
「いい加減に帰国しろよ。」

シルベリオ・バカ。
「朝起きてみると、寝袋とテントだもんなあ。」
「金曜日に飲むと、すぐこうなる。」

アダム・ニート。
「なんだ?向こうに警察がいるぞ!」

バカラック。
「俺が、とある女と浮気しているってばれたんじゃないか!?」

シルベリオ・バカ。
「くそ!家賃の滞納がもうバレたのか!」

アダム・ニート。
「俺の入国許可証が、次の日付を回ると無効になるって。」
「遂にバレてしまったのか。」

バカラック。
「お前!ビザが無効になるのか!」
「だったら向こうの警官は、日付が回るまで待っているんじゃないか!」

シルベリオ・バカ。
「お前は!浮気していたのか!」
「訴訟される前に拘束されるんだな?」

アダム・ニート。
「家賃滞納?どうしてお前のような金持ちが?」

シルベリオ・バカ。
「家賃二十万円の借家だからかな。」

バカラック。
「もっと安い家を借りろよ!」

アダム・ニート。
「今なら逃げられる。」
「テントを畳んで、俺は空港に行く。」
「お前らは?」

バカラック。
「弁護士を確保してから、妻に会うことにした。」

シルベリオ・バカ。
「俺はもう少し節約したり。」
「資金繰りを考えないと。」

バカラック。
「家賃高過ぎなせいだろ!」
「明日で失効するビザが最も深刻だろ!」

アダム・ニート。
「空港のチケットあるかなあ。」

シルベリオ・バカ。
「贅沢のやり過ぎかな。」
「金曜日に高い酒を飲むなんて。」

バカラック。
「クソ!理不尽な!俺の妻も、とある男と浮気しているのに!」
「どうして俺だけが責められるんだ!」

三人組。

急いで逃亡。

しかし大通りの戦闘に注意が向いていて。

公園には気が付かなかった。

死角になっていたんですね。

事件が終わって。

無人みたいになった公園にて。

とある男性が女性を追い回しています。

悪漢。
「待て!覚悟しろ!えっちなことしてやる!」

女性。
「やめて!あなたとやりたくないの!」

悪漢。
「誰となら喜ぶんだ!?」

女性。
「将来の彼氏よ。」

悪漢。
「どちらにしても、犯されるのなら、俺でいいじゃないか!」

女性。
「なんで女性は結婚を前提にしなくちゃいけないの!」

悪漢。
「結婚が前提?絶対的に正しい前提なんてある訳ないだろ!」
「行くぞ!」

女性はたまたま公園にいた。

マムシを掴んで。

投げました。

人は柔らかいものに弱い。

人は硬いものには強いが。

こういう柔らかいものには脆弱。

悪漢。
「うわああああ!噛まれた!」

女性。
「男性に勝ってやる!」

悪漢。
「解毒が優先だが。」
「快楽はもっと優先だ!」

蜂の巣がありまして。

女性は蜂の巣を抉って。

男性に投げつけました。

奇襲されて、オスの蜂しかいなかった。

男性に衝突して砕け散った蜂の巣から。

たくさんのスズメバチが出現。

女性は逃げていたので距離がありましたが。

悪漢は逃げ遅れて。

警戒フェロモンを食らったせいで。

スズメバチ攻撃開始。

悪漢。
「うわあああ!ちょっと待て!話し合おうじゃないか!」

女性。
「スズメバチに話し合いなんて無理よ!」

悪漢。
「ぎゃあああ!刺された!」
「うわああ!数十匹が来る!」

悪漢は河川に飛び込みましたが。

着水の衝撃で負傷。

病院送りになりました。

大立ち回りで女性が勝利。

別の公園。

対戦相手を待っていた。

決闘らしい。

そこにカツアゲ君が登場。

格闘家。
「お前が対戦相手か?」

暴漢。
「あ?金よこせよ。」

格闘家。
「戦利品は金銭でいいんだな?」

暴漢。
「金よこせ。」

暴漢、秒殺された。

格闘家、圧勝。

暴漢。
「ああ!ああ!」

格闘家。
「なぜだ!なぜこんなに弱いんだ!」

対戦相手。
「すまん遅れた、あれ?こいつ誰?」

格闘家。
「新しい挑戦者だったな、相手にならなかったけれど。」

対戦相手。
「俺の対戦相手を取るな、さてと始めようぜ。」

土曜日。

今日の公園は、勝手が違うようですね。

一方的に勝てるなんてものは、ほぼない。

必ず損害と、負傷がついてくる。

映画や漫画で、主人公の決定的な敗北がないのは。

主人公が、都合上、八百長で勝たないと。

誰も見なくなるから。

少なくとも小説の中だけでも、一方的な勝者になりたいという。

欲望の現れなのか。

多くの若者は、欲望から勝利を欲しがる。

何回も挑めば勝てる、なんてことはない。

勝利で奪った権利は、半永久的に失われないし。

敗北で失った権利は、いつまでも取り戻せない。

敗北者が、いつまでも消えないのも問題ですね。

負けるのが嫌ならば。

勝ち目のない戦いなんて起こさなければいいだけ。

駐車場。

宅配便が来ています。

個人事業主。

乃々葉。
「なぜあなたはバックパックに荷物を背負っているので?」

業者。
「過積載にならないためです。」

乃々葉。
「背負ったら重量が同じでは?」

業者。
「そうは思いません。」
「軽くなった気がします。」

従業員が搬入作業。

敷地内にて。

社員。

お金を拾った。

外国の貨幣で、小銭であった。

逆に困ってしまった。

次の社員。

お金を拾った。

よく見ると偽造貨幣である。

社員は偽造貨幣を投げ捨てた。

社員。
「俺に犯罪を拾わせるなんてどうかしている!」

上司。
「俺なんて玩具のお金を拾ったぞ。」
「すぐさま捨てたら。」
「警察に見つかった。」
「かなり面倒くさいことになった。」

部長。
「この都市では、そこら辺に偽造通貨が落ちているから。」
「誤って拾うなよ、逮捕されるぞ。」

社員。
「誰だ!犯罪を作りたがっている奴は!」

上司。
「まあ悪戯を食らったら、言い逃れはできないしな。」

部長。
「自分で使わずに、他人に使わせて遊ぶ狂人もいるんですよ。」

社員。
「俺の犯罪は未遂だ。」

雨が降ってきました。

駅から通勤している人は傘を持ってきています。

しかし傘をどこに置いたのか忘れてしまい。

社内を走り回っている女性が数人。

タクシーが来ている。

女性。
「料金を出すまで、ハンドルを握っていてね。」

運転手。
「駅まで行けばよろしいので。」

女性。
「あっ!ちょっと高くなっちゃった!」
「引き返せば帳消しですよね。」

運転手。
「そんなことあるか!」

社内。

午後から活発。

チームプレー連発。

社長室の近くにて。

社員。
「忙しいから、いないって言いなさい。」

助手。
「居留守だと分かっているようです。」

社員。
「ならば、私が自分で行って、居ないよって言いましょうかね。」

天候観察。

屋上にて。

少し喫茶店に行くことにしました。

近くにある喫茶店にて。

二重請求。

店員。
「お客様、代金は?」

客人。
「もう払ったのだが。」

店員。
「いつものチップは頂きましたが、代金を払ってくれませんので。」

客人。
「やってくれたな!こいつめ!」

市民。
「切符がないよ。」

庶民。
「どうするんだ、買うか?」

市民。
「切符がないと、どこに行く予定だったのか、分からないからね。」

庶民。
「なんだって!」

名探偵。
「あなたは馬鹿ですね?」

青年。
「なぜですか?何か証拠でも?」

名探偵。
「わざわざあなたのおでこに、馬鹿と書いてある事実は見逃せません。」

青年。
「ボディペイントでバレてしまいましたか。」

彼氏。
「君ね、下着は水色なんだね。」

彼女。
「私をそんなふうに見るの?」

彼氏。
「スカートがあまりに短いからだよ。」

彼女。
「あなたに見せる予定はなかったのに。」

喫茶店は、変わった顧客ばかり。

休憩。

いつものお菓子ですね。

胃腸の病気は、数日、絶食すると治ります。

口内の病気は、絶食だけで治せます。

しかしこれは古代ギリシャ医学の症例です。

乃々葉。
「あの女の人って結婚したんだって。」

十和。
「今、電車で旅行しているそうです。」
「有給休暇ですかね。」

乃々葉。
「先頭から三両目にいるそうです。」

小袖。
「今ですか?どこを移動しているの?」

乃々葉。
「今から、駅にて出発するようですね。」

舞理。
「駅のどこに?」

乃々葉。
「新幹線の中ですね。」

小袖。
「今ですか?」

乃々葉。
「今、出発しました。」

舞理。
「今、どこにいるのか見えるというのですか?」

乃々葉。
「見えるんです。」

十和。
「どこまで見えるんですか?」

乃々葉。
「月まで、月との距離はどのくらいでしたっけ?」

舞理。
「あの?今チャットをやっている?」

乃々葉。
「していますね。」

十和。
「視力の話かと思いました。」

小袖。
「あまりに遠くが見えていると言うので。」

舞理。
「視界の話ではないのですね。」
「位置情報の話でしたか。」

十和。
「メールではなくてチャットですか。」

乃々葉。
「お土産に欲しいものがあるので。」

小袖。
「それで、位置を探っていたのですね。」

乃々葉。
「新聞で、あの芸能人は消えるって。」

舞理。
「しかしいつもジャーナリストの言う通りにならないので。」
「消えない可能性もありますね。」

十和。
「新聞には真実だけが書かれる訳ではないので。」
「何々の為政者、辞任とか、芸能人、解任とか。」
「読んでしまうのは残念なことです。」

小袖。
「報道は必ずしも真実ではないので。」
「嫌いな人が追放されるにしても、きちんと確認した方がいいよ。」

舞理。
「嫌いな人が消えるのは、倒し甲斐が無くてつまらないですな。」

乃々葉。
「嫌いな人が消えてからが、最も楽しいじゃないですか。」

十和。
「仮想敵には容赦しない。」

乃々葉。
「それが最近のハイライトですよ。」

戻りますと。

正面玄関はけっこう激しい。

特に経理が正気ではない。

狂気の社員。

何やら紛失物で慌てている。

国語辞典を部下が無くしたらしい。

社員。
「見つからないのか!」

部下。
「どこかに置き忘れました。」

社員。
「見つからなかったら、その国語辞典でお前をぶっ叩いてやる。」

部下。
「借りてきていいですか?」

市民。
「全部が嘘をつく容疑者は無罪放免だぞ。」

庶民。
「なぜだ?」

市民。
「嘘つきの証言なんてものは、容疑まで嘘をついているだろうから。」

持ち場に帰還。

ひたすら無難な日々。

四姉妹。

容姿を人々に見せつけておいて。

本当の狙いは、女性に褒められること。

若い時代の目標がそれ。

そして近年をもって。

何か事件が起こることは減っていきました。

条件が整っていただけで。

対戦相手は負けるために、出現したんですね。

敵対者は、勝手に潰れていきました。

素晴らしい道化師達でしたね。

社会の教え。

結果が、原因に先行するという実例がよくある。


29


民主制、必須科目?

大衆の反逆。

オルテガ・イガセット。

ちくま学芸文庫。

自発的隷従論。

エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ。

ちくま学芸文庫。

全体主義の起原。

ハンナ・アーレント。

みすず書房。

現代物理学は、迅速な物流と。

快適な読書を可能にした。

残念ながら、一般的な書店では。

名著を扱っていないことがほとんど?

在庫なし、またはお取り寄せ。

技術革新はどうした。

リアリストだらけの世界。

伝説の強盗。

発狂していました。

株式会社の残骸を消し去った。

ピチットマスター・ジラポン。

次の標的を見つけたようです。

いつしか。

とある目的のためにやっていたことが。

目的を忘れてしまい。

そもそも目的が達成できなくなり。

手段を目的にして。

荒らしているようです。

夜中。

標的を探し回っている。

ピチットマスター・ジラポン。

人違いで。

小競り合いを仕掛けてしまいました。

最近は物騒ですね。

ピチットマスター・ジラポン。
「君かね、俺から大金を消した張本人は!」

乃々葉。
「何かの間違いでは?」

ピチットマスター・ジラポン。
「それなら、俺から大金を巻き上げた奴はどういうことになるんだ!」

乃々葉。
「言いがかりですか、とまあ上手なやり方ですけれど。」

ピチットマスター・ジラポン。
「俺から大金を搾取したのは、こういうことにするんだ!」

謎の鎧を着た戦士が。

右手に拳銃。

左手に盾。

全身西洋鎧で。

敵と戦いながら出現。

ピチットマスター・ジラポン、巻き込まれる。

戦士。
「クソが!雑魚ばっかりじゃねぇか!」

ピチットマスター・ジラポン。
「なんだお前は?」

戦士。
「どうなんだよ、てめぇは!」

ピチットマスター・ジラポン。
「ぎゃあああ!鎧を着ているなんて反則じゃないか!」

戦士。
「お前は雑魚なのか、雑魚ではないのか、どれだ!」

ピチットマスター・ジラポン。
「雑魚ではないよ、勝負だ!」

戦士。
「どうなんだよ、結局は!」

ピチットマスター・ジラポン。

秒殺された。

走ってきた敵対者。

鎧の戦士と戦闘を続けながら。

隣の敷地に走っていきました。

ピチットマスター・ジラポン。
「ああ!俺を倒した奴と戦っている奴が!」
「俺から大金を奪った奴だって思い出した!」

戦士。
「お前も雑魚なのか!はっきりしろ!」

仮面。
「雑魚か、どうなのかは、しっかり戦ってから確認してください。」

戦士。
「お前も雑魚と大差ないだろうが!」

仮面。
「強さについて言い逃れをしようとは思いません。」
「勝負なんて賭け事ですので。」

乃々葉。
「あれと戦う予定だったんですか?」

ピチットマスター・ジラポン。
「どうせ勝てんよ、あんなのと。」

乃々葉。
「救急車、呼びますか?」

ピチットマスター・ジラポン。
「薬剤があってね。」
「勘違いで襲撃してすまないが。」
「リュックサックから取り出してくれないか。」
「それであいつらを追うことが出来る。」

乃々葉。
「薬剤で、負傷しながら戦闘ですか。」
「これですね、はい。」

ピチットマスター・ジラポン。
「親切にどうも。」
「さてと、反撃だ、あいつらはどこだ?」

乃々葉。
「北の方向で、戦っていますよ。」
「廃業した倉庫の中のようですね。」

ピチットマスター・ジラポン。
「俺は行くぞ!大金を取り戻しに!」

謎の勢力が戦っている所に。

突入する。

ピチットマスター・ジラポン。

大金を失った挙げ句に、命も失った。

戦士。
「クソが!やっぱり雑魚ばかりじゃねぇか!」

仮面。
「雑魚で悪かったな!」

ピチットマスター・ジラポン。
「こんな奴に、どうやって勝てばいいのでしょうか!」

戦士。
「雑魚じぇねぇ奴は、さっさと出てこい!」

仮面。
「いねぇよ!お前がみんなぶっ殺したくせに。」

ピチットマスター・ジラポン。
「こんなのに仕掛けた自分が馬鹿だった。」

仮面。
「お前、援軍に来た割には非力だよな。」

ピチットマスター・ジラポン。
「逆に言えば、あんなのに勝てる訳ねぇだろ!」

仮面。
「お前、民間人なのか。」
「鎧の戦士は、傭兵部隊で。」
「俺はレジスタンスなので。」
「こうやってぶっ殺されたのだよ。」

ピチットマスター・ジラポン。
「お前、俺の財布を返しやがれ。」

仮面。
「さっき敵の攻撃で焼けちゃった。」

ピチットマスター・ジラポン。
「この野郎、株の次は現金かよ。」

仮面。
「加害者と一緒に死ぬのって、どうよ?」

ピチットマスター・ジラポン。
「俺はこんな所では終わらねぇ!」

仮面。
「いや終わっているぞ。」
「無論、決着がつくまで勝負はつかないけれどね。」

傭兵。
「ん?捕獲は出来なかった?」

戦士。
「雑魚しかいねぇじゃねぇか!」

傭兵。
「次は雑魚じゃない奴と戦いたいよね。」

軍隊が来て。

周囲を占領。

傭兵部隊が戦った相手が。

次々と運ばれていきます。

戦闘に巻き込まれた。

ピチットマスター・ジラポンも運ばれました。

もう瀕死。

目撃者になった。

乃々葉。
「互角の相手しかいない競争の世界って。」
「厳しいですよね。」

十和。
「また何か湧いた?」

小袖。
「何かこの辺りで戦っているって。」
「社長が中に戻るように伝言です。」

舞理。
「大規模テロ情報が出ています。」
「出撃しているテロ潰しに巻き込まれないように。」
「戻ってください。」

乃々葉。
「互角なのか、それ以上の相手と戦い続ける。」
「競争って割に合わないですよね。」

小袖。
「強敵と戦い続ければ、どこかで負けますよ。」

十和。
「勝負の世界なんて、依怙贔屓なしです。」
「一方的に勝ちたいのなら、試合から追放される。」

舞理。
「勝負の世界の厳しい所は、負けたら言い逃れが、無駄な抵抗という所です。」
「優劣をはっきりつけるために、試合がありますからね。」

乃々葉。
「競ったら、いつまでも終わりませんね。」

十和。
「何を目的に競うのか分かりませんが。」
「目的もなしに競争に参加するべきではないですね。」

小袖。
「自分なら勝てる、なんて全員で言うのが素人です。」
「勝算を語るのが玄人です。」

舞理。
「弱者でも、二十回も戦えば、一勝くらいは出来るかもしれませんが。」
「代償は高くつきますね。」

乃々葉。
「ああ、みんな兵法の素人。」

十和。
「勝つことだけは知っていても、勝利の使い道はみんな知らない。」

小袖。
「勝利を知っていても、活用の仕方は誰も学ばない。」

舞理。
「勝つだけで、他に何もなかったりする。」
「偶然に手柄はやらないよ。」

乃々葉。
「勝利って何ですか?」

十和。
「相手を倒した状況の事です。」
「相手を倒したので、進むことができます。」

乃々葉。
「敗北とは何ですか?」

十和。
「そこで行動が終わる、という意味です。」

乃々葉。
「勝利すると、何か良い事はあるの?」

小袖。
「何か成し遂げたい目標があって、途中で戦う必要があると。」
「相手を倒せば、目標獲得に前進することになります。」

乃々葉。
「敗北すると、何か悪い事はあるの?」

舞理。
「それ以上の行動は続けられない、それだけです。」

十和。
「全部と戦おうと思わないこと。」
「自分を妨害しているものとだけ戦えばいい。」

小袖。
「時に全部と渡り合える気分になりますが。」
「そのうち、そんな気分も治ります。」

十和。
「空手道の防具、グローブなしの試合とか観れば?」
「片方が負傷して退けられます。」
「ああいうのが戦闘というものです。」

乃々葉。
「空手道の本気な試合は、負傷者続出ですしね。」

小袖。
「しかも武道として普遍的な試合です。」

舞理。
「戦闘そのものを知るには、空手道で行われる。」
「グローブなし、防具なしの。」
「グロテスクな試合を見てみることですね。」

乃々葉。
「実際の戦闘に近い試合ですからね。」

状況、物事、出来事に対して。

暴力を振るうと。

けっこう勝てます。

必ずしも人間を取り除く必要がない。

元凶を攻撃するのが最善ですからね。

元凶から出てくる敵をいくら倒しても。

元凶から無限に敵が復活します。

今日では、暴力は状況のコントロール。

人生のコントロールに使うのには役立ちます。

勝敗ジョーク。

とある男性と戦闘になりました。

とある男性は鍛え上げられた筋肉もりもりのボディビルダーでした。

筋肉だけで、あなたは戦闘に敗北しました。

圧倒的な筋肉の違いがそこにはあります。

その状況で、勝敗について言い訳ができるのでしょうか。

負け惜しみは可能なのでしょうか?

そして筋肉もりもりの男性は。

ハンドクリップ百キログラムを余裕で握って。

決めポーズをしました・・・。

裏口から。

社内。

窓から、遠くで発生している戦闘。

火花ばかりですね。

乃々葉。
「先天的な能力は、全員低い。」

十和。
「先天的な能力だけで、全部を判断するのは屁理屈ですしね。」

小袖。
「先天的な能力だけで、人生が決まるなんて、結論が浅い。」

舞理。
「先天的な能力なんて、頼りにならないほど非力です。」

乃々葉。
「私は、成人した以降に獲得する能力が後天的だと思います。」

小袖。
「行動の自由を得た辺りからですね。」

十和。
「先天的なものと、後天的なものは、表裏一体です。」
「生まれた時から、同時進行していますよ。」

舞理。
「選択の自由を得てから、どのくらい鍛錬したのか。」
「そこだと思いますけれど。」

乃々葉。
「今はあんたは弱いから、早く強くなれ、という監督みたいな台詞。」

十和。
「今上手ではなくても、一ヶ月後に上手になっていれば足りますね。」

小袖。
「後天的という要素が入った瞬間から。」
「もしくは、後天的なものを自覚した瞬間からですね。」

舞理。
「先天的なものと自白するものは、やはり先天的なもので。」
「頼りになっていない。」

乃々葉。
「子供の頃なんて、制御不能ですからね。」
「成人すると、制御可能になります。」

十和。
「放っておけば育つなんて、甘い考えをしている大人ばかりです。」

小袖。
「教育ですら、古人から三年は学んだ者でないと、良い案内はできない。」

乃々葉。
「相手の不正を見ると、教化できませんしね。」

舞理。
「悪い教育がありふれているので、公害を受ける子供が多い。」

十和。
「先に分からなければ無能です、後で分かるのはつまらない人間。」

乃々葉。
「古典も読まない人間が教育について論じているのは随分な滑稽ですよ。」

小袖。
「経験は教育の内容には組み込めない。」

乃々葉。
「経験は馬鹿の教師。」

十和。
「経験?無様な人生の経験かな?」

小袖。
「虐待した奴らが、逆に正しかった、愚かな人間の経験かな?」

乃々葉。
「ジョン・ロックの経験論はどうした?」

舞理。
「イギリス経験論を引き合いに出せない、大衆の経験って何?」

乃々葉。
「デカルト対ジョン・ロック。」

舞理。
「それは映画みたいになりますね。」

十和。
「絵画になりそう。」

小袖。
「現場を見てみたい論争ですね。」

乃々葉。
「次の対戦は、ルネ・デカルト対ジョン・ロックで頼みます。」

十和。
「戦争映画かな?」

小袖。
「どこの劇場で見れますか?」

舞理。
「世界大会になりそう。」

深夜になると、戦闘が終わっていました。

深夜。

自宅に戻る途中。

道路。

発煙筒が上がっていまして。

河川に落ちている人を助けてほしいらしい。

銀行員。
「誰でもいい!あいつを死なせないでくれ!」

市民。
「救出に一万円も惜しくもないぞ。」

同業者。
「あいつと俺達、どっちが死ぬのか、勝負だな。」

乃々葉。
「何をしているんですか?」

銀行員。
「あいつは二千万円の借金があるのに。」
「車の不具合で、河川に転落してしまったんだ。」

市民。
「俺も大金を貸しているんだよ!」

同業者。
「問題は、あいつは、負債を返済する計画が整っていたんだよ!」

乃々葉。
「それはまずい!消防を呼びましょう!」

十和。
「この人達の返済が死んでしまうよ!」

小袖。
「浮き輪あったっけ?」

舞理。
「ありますよ、さっさと投げましょう。」

乃々葉。
「あの人達の二千万円を救出しないと!」

意外にも、通りかかった紳士が。

みんなの二千万円を助けました。

紳士は感謝された。

銀行員。
「真っ暗な水中は、さぞかし危険だったでしょう。」

市民。
「上がってこられるか、分からなかったよ。」

同業者。
「水温も低いですし。」

紳士。
「まあなんともない、私には多額の生命保険が懸っているので。」
「こんな危険な事も平気で実行できるのだよ。」

レスキューチームが到着して。

お金の人が、検査のために運ばれていきました。

二千万円の救出に加担できましたね。

帰宅。

簡単な数学。

遊んだお金を取り戻すのに、数ヶ月が必要。

最も多い出費、欲望による出費。

貯金で金持ちになっている姉妹と。

貯蓄で大金持ちな世帯ですが。

お金はいくらあっても困ることはないですね。

国は豊かになりましたが。

所々、豊かな国が破損しています。

利他的な家計を強いられることによって。

調和が失われているのかな。

よくある批判。

なぜカール・マルクス資本論ばかり人気になって。

アダム・スミス国富論は注目されないの?

多分、前者が無神論で、後者が有神論だから?

前者が社会主義で、それによって迎合されて。

後者が資本主義で、好かれないから?

資本論が資本主義批判であって。

国富論が経済学だから?

すぐにお金の話題は、誰しもが利己的でなければならない。

という前提に至ると思いますけれど・・・。


30


国際電話。

社会人の仲間入りをしたら?

優れている人に矯正して貰います。

電話ボックス。

コンピューターは馬鹿よりも優れている。

コンピューターは一度、情報を入力すれば済むが。

馬鹿は何度でも情報を与えないと仕事をしない。

メール。

人工知能と人間との違いは何か。

人工知能はいつも正常に機能する。

内線。

生命保険に加入している親族の男性は。

どんな危険地帯に遊びに行っても良い特権を持っている。

通信販売。

マッサージチェアなんてどうですか。

電気椅子ですけれど、とんでもない快楽と。

天国が一瞬見える贅沢が得られます。

ただし被検体として契約されます。

テスト。

たくさんの不正解を出して、点数が低かった生徒。

抗議した。

大人のせいで間違いだらけです、もっと勉強させてください。

先生が言うには、間違いだらけなのがここだけだと思うな!勉強せよ!

病院にて。

重病で瀕死。

患者が訴える。

最後に会ってみたい人がいるんです。

それは誰かね、さっさと会いなさい。

別の医者です。

最先端医療。

物価が上がって贅沢できなくなったせいで。

肥満と胃腸の病気が治った。

貧困になった食事制限が。

苦痛のないダイエットを成功させた。

次は金銭の回復が目標である。

社会哲学。

全員、問題について理解しているが、解決策がまったく分からない。

法学。

富裕層の離婚についての依頼を達成した弁護士は。

その後、幸せに暮らしました。

選択肢。

ヒトラーとテロリストと嫌いな人がいて、あなたは二発の弾丸が装填された拳銃を持っています。

誰を撃ちますか?

嫌いな人を二度撃ちます。

大地震。

私は地震の方がましだと思う、たまに遭遇する人間よりも。

大地震の方が怖くない。

諺。

とある人達と、論より証拠、という諺について。

一日中、論争をすることになった。

店員。

お客と口論した店員。

後で店長に叱責されて解雇されそうになった。

言い分は、店長の事を好き放題に罵っていたので。

口論になった、とのこと。

商売。

お客様は常に正しい、なんて言う格言を語るやつは。

そいつ自身もお客様で間違いない。

学生。

学生が宿題に熱心になるのは。

他に楽しみがなくなったからに違いない。

インターネット。

インターネットリテラシーがいかに大事なのか理解できた。

誰かが暴力を賞賛すると、みんな真に受けて。

誰かが犯罪を美化すると、みんな褒め称えて。

誰かが殺人を実行しようとすると、みんなで喜ぶから。

インターネットは危険な暴力行為の温床ということが証明された。

禁忌。

それはいけないことなんだよ?

みんなでやっていることに、そんな否定をするのもいけないことなんだよ!

リフレッシュルーム。

いつもの会話。

宇宙軍の契約終了が迫ってきています。

しかし今度は研究機関から。

たくさんの予約が入っていて。

その次はゲーム会社。

次は天文台。

その次は行動経済学とか。

もう予約だらけで。

宇宙軍が量子コンピューターを大量に整えて。

契約が終了したら。

次々と予約していた所が使いますね。

量子コンピューターの寿命を超える予約が入っています。

会社の地下にある発電機のエリアに。

新しい量子コンピューターを入れようか議論になっているようで。

そのための余剰スペースなんですね。

未だに需要が高い分野です。

今日は何だか、倉庫に変なダンボールがありまして。

それを巡っていろんな人が論争をしています。

社員。
「誰だね、あんなダンボールを入れたのは。」
「ゴミは片付けなくちゃ駄目だろ。」

部下。
「誰もあんなものは搬入していませんよ。」

課長。
「おかしいな?あんな梱包で輸送される注文はなかったが。」

役員。
「とりあいず、あんな大きなダンボールを捨てないと。」

社員。
「俺が捨ててくる、あれ?ないぞ?」

役員。
「なんだ?架空の事務を報告したのか?」

課長。
「誰かが片付けたんですね。」

警備員。
「なんかダンボールが事務所の中にあって。」
「誰が置いたんだね。」

社員。
「誰なんだ、何を注文したんだ。」

経理。
「会社のお金を好き放題に弄りやがって。」
「この野郎。」

経理係がダンボールを蹴ると。

中に人がいまして。

蹴られて吹っ飛びました。

活動家。
「ぐわっ!」

経理。
「誰だてめぇ!」

活動家。
「知り合いに頼まれごとをされてね。」

経理。
「許可もなしに会社に入ってくるんじゃねぇ。」

事務処理で忙しかった経理。

不審者を発見。

発狂した経理。

フレイルを取り出すと。

活動家に襲いかかった。

経理。
「この武器は防御できないぞ!」
「盾で受けると腕が折れて。」
「頭部に当たると頭が陥没して。」
「鎧に当たると、鎧が破壊されるぞ。」

活動家。
「これも平和のため、行きますよ。」

経理と活動家が、事務所で激しい戦闘。

活動家は、バックラーで応戦。

活動家は、四姉妹が自販機に来た所を目撃。

経理を避けて振り切ろうとするも。

警備員が発見。

容疑者、乃々葉に突進。

走りながらの攻撃に出るも。

横に避けるのと同時に足払いされて。

活動家、空中を吹っ飛ぶ。

転倒した活動家に、十和が催涙スプレーをかけて。

活動家、倒された。

警備員が鎮圧に成功。

別の活動家が、様子をして動き出して。

エレベーターで社長室を目指しますが。

扉が空いた瞬間に、退役軍人が待ち伏せしていて。

目の前に元軍人。

元特殊部隊隊員。
「我が社にようこそ!」

自警団。
「ぐはっ!」

元特殊部隊隊員。
「この拳で歓迎しますよ!」

自警団。
「やめてくれ!」

元特殊部隊隊員。
「この度はご利用、ありがとうございます!」

自警団。
「ぐふっ!」

二人の侵入者を撃破。

警察が到着。

警察官が二人を連行しています。

四姉妹は、もしやと思って。

本社の倉庫を見たら。

金庫が開けられていました。

もう一人いたの?

乃々葉。
「うわっ!あの金庫にはいかがわしいものがたくさんあったのに。」

十和。
「あの金庫を開けられたのですか、黒歴史ですよ。」

小袖。
「あんなまずいもの、よく開ける勇気があったね。」

舞理。
「信じられないほど、見てはいけない薄い本とか。」
「同人誌とか、たくさん入っていましたからね。」

乃々葉。
「あんなものを見ようなんて正気じゃない。」

十和。
「本物の金庫は、倉庫の中にある。」
「模型のトラックの中にあるのに。」

小袖。
「なんでわざわざ、あんないかがわしい金庫を開けたのか。」

乃々葉。
「子供が見たら錯乱するような。」
「大人が見ると絶句するような。」
「そんなものばかり集まったものですよ。」

舞理。
「見てはいけないものの見本として保管していたのに。」
「盗まれるなんて。」

乃々葉。
「あれ?裏口で、誰か気絶していますけれど。」

小袖。
「誰でしょうね、あれ?バックパックを背負っている?」

舞理。
「警察をここに誘導しましょう。」

十和。
「呼んできますね。」

乃々葉。
「あの金庫ですが、同人誌とか薄い本とか。」
「醜悪なものとか、見てはいけない本とか。」
「いっぱいあるとか聞いて。」
「敢えて集めていたものです。」

小袖。
「同人誌とか薄い本とか危ないものがいっぱい売っていると言われたので。」
「故意に集めてみたものですね。」

舞理。
「警察が来ました。」

十和。
「早く回収しないと、被害者が増えますよ。」

乃々葉。
「こうなるために集めたんじゃないですからね!」

小袖。
「見てはいけないものを敢えて集めて。」
「教訓にするつもりだったのに。」

舞理。
「人を容易に歪ませる威力を持つ。」
「画像と漫画と映像です。」
「この世の最も最深部にあるものを集めたので。」
「見られたくなかった。」

乃々葉。
「危ないものの最深部にあったものを、わざわざかき集めて。」
「保管していたのに。」
「それを盗むなんて。」

十和。
「あんなものばら撒かれたら。」
「もはやテロじゃないですか。」

小袖。
「持ち出されるのはまずい。」
「犯罪の証拠でも、返却を要請する。」

他にも侵入を試みた奴らがいましたが。

雇われている連中で。

後から援護すると見せかけて。

三人組の活動家が侵入すると。

お金だけ貰って逃げたんですね。

未遂五人組は自首していました。

今回も警備員の手柄になってしまった。

その方が法的に面倒にならないから?

深夜。

後始末が済んだ満月の夜。

裏口から出てくると。

謎の人物から、情報を買い取らないかと。

持ちかけられました。

傭兵。
「一週間後に、ドローンをここに突っ込ませる。」
「攻撃が計画されている。」
「俺は遠慮したんだが。」
「詳細を買わないか?」

乃々葉。
「それを阻止してくれたら。」
「二倍の金額を約束する。」

傭兵。
「後払いかね?」

乃々葉。
「昔、求婚者がいまして、追い払ったのですが。」
「その時に貰った指輪がとても高価で。」
「ここにいる私達姉妹も似たような経歴を持っていますから。」
「この宝石の指輪を前金に。」

傭兵。
「どれどれ?理解した!」
「これで手を打とう!」
「ちなみにおじさん、拳銃なんかも持っているよ。」

乃々葉。
「これ本物ですよね。」

十和。
「あれ?第二次世界大戦の拳銃じゃないですか!」

舞理。
「ナチスが使っていた拳銃ですよ。」

小袖。
「その横にあるのは、ソビエトが使っていた拳銃ですよね。」

傭兵。
「なんだ似た者同士なのか?」
「とりあいず、奴らの犯行は潰しておくから。」
「この指輪は報酬として受け取ったぞ。」

謎の人物は去っていきました。

一週間後。

お昼過ぎ。

本当にドローンがやって来ましたが。

壁に激突して勝手に墜落しました。

爆薬とかは取り外されていて。

爆薬の形跡だけありまして。

警察が押収しました。

とまあ、勝手に片付けてくれたのなら、安いものです。

暇な時に少しずつ修理していた。

廃品の自動車、かなりの年代物ですけれど。

ようやく復元できまして。

敷地内で試験走行。

とまあ、趣味の範囲ですし。

ナンバープレートもありますが。

どうせすぐにまた故障するでしょう。

謎の商人がやって来まして。

どうやら復元した大昔の車が気に入って。

取引を持ち出しました。

闇商人。
「俺の部下をけしかけて、君達を攻撃する奴らを。」
「根絶やしにするから。」
「その激レアな中古車を俺にくれ。」

乃々葉。
「見慣れましたよ、謎の人物というのは。」

舞理。
「でも、前の一件もあって、安く解決できますよ。」

十和。
「本当に始末してくれるでしょうか。」

闇商人。
「ライゼンの業務用CPUをあげようか。」
「これって六十万円もするけれど。」
「それと、駆除依頼と合わせて失ってもお釣りが来る。」

乃々葉。
「これですか、話題になっているジーオンのライバル。」

小袖。
「ちょっと欲しいかな。」

舞理。
「世界最高金額のCPUと中古車と、何やら事件の処理ですか。」

乃々葉。
「まあいいでしょう、みんなは?」

十和。
「別に車はそこまで好きじゃないので。」

小袖。
「機械の勉強に復元したからですね。」
「もう用済みです。」

舞理。
「中古車は、もう飽きましたよ。」
「適当に拾ってきた車だし。」

乃々葉。
「というわけで、復元機を持っていってください。」

闇商人。
「分かった、タクシーで来て良かった。」
「鍵は刺さっているのか。」
「よし、おお、動くぞ。」
「どうしてこの車が残っているのか謎だが。」
「これで俺も見栄を張れる。」
「後は任せておいてくれ。」

謎の人物、復元機に乗って退場。

これ以降、不審者を見なくなりました。

量子コンピューターを宇宙軍が使用しているため。

どうやら機密情報目当てに。

乗っ取ったり、閲覧したり、記録を盗んだりしたい一団が。

あの手この手で侵入を試みていたらしくて。

知らない間に始末されたみたい。

宇宙軍との契約の最後の年。

次の予約は取り合いになっています。

時代を先取り。

ちょっと早くに量子コンピューターを商業化したので。

予約殺到。

次は誰との契約になるのでしょうか。

無論、契約の内容に応じたチャレンジャーは現れるでしょう。

量子コンピューターの貸出に定評が出ています。

他の部門でも売れている時期。

老舗になるかもしれないため、設備が増強される予定がありますし。

余剰スペースは一応、確保されています。

未来の老舗か、やがて来る商業の跡地なのか。

四姉妹にとっては箱庭の世界で完結していて。

わざわざ広い世界に出る必要は今の所ありません。

社長も若いので。

何のために育成されているのか。

さっぱり分からないまま。

両親の予定は進んでいるようです。