不幸な平和は戦争となりとも交換されるのがよい。
英語の成句。
1
紛争、停戦、競争、その連鎖が繰り返される世界。
セネカは言った、我々は皆、間違えている。
不自然な世の中を遠くの島から見つめる。
ここは伊豆大島。
埠頭があり、東京へのアクセスは容易。
辺境と言えども、例外とも言える土地。
三人共、都会から避難するように移り住んだけれど。
何だか遠い血縁がありそうで。
相性が良く、いつも一緒にいます。
たくさんの土地を貸して、維持する者が奴隷のように。
半分自由人の身分を支えている星弥ちゃんと。
腹違いの御令嬢なので、何かと遊びまわれる琉輝ちゃん。
地元の女子高生で、部活を無視して遊んでいる。
小刹ちゃんですが、待ち合わせの時刻に現れて。
誰かひとりの家や施設で、何かと仮説を作ったり。
観測したり、訓練したり、冒険したりと、多元的ですね。
世帯の約束で、一度は結婚に禁止する、なんてものを発令されたら。
考え直して、男性と分離する道に行きました。
なので、ジェンダーレスの時代はアドバンテージ。
のんびりと若い時代を活用し。
自分で作っていく生涯ですね。
今回は、港で、猫に魚をあげています。
猫が取り合いをしていますが。
たくさんあるので、何も問題がない。
アフォーダンス理論では。
自然界には善悪がないと言われている。
本当?
神が創った人間と。
知的存在がデザインして生み出された人間と。
猿から進化した人間と。
人間には複数の起源があるらしい。
何が正しいかなんて、もはや結果論ですね。
猫、他の猫と口論している。
星弥。
「善悪なんて、どうでもいいことじゃないですか。」
小刹。
「悪なのか、どうかなんて、つまらないことですし。」
琉輝。
「善だの悪だの、くだらないよ。」
星弥。
「善悪二元論なんて飽きましたよ。」
小刹。
「善悪の話はしていないし、事実の話はしていない。」
琉輝。
「善悪を省いた対話が求められますね。」
星弥。
「最近、才能才能、蔓延っているせいで。」
「天才が安っぽいものになってしまった。」
小刹。
「天才と言われるには、しょぼい人もいますしね。」
星弥。
「才能が競争の中に置かれたせいで、優位性の象徴になってしまった。」
琉輝。
「競争ばっかり、他にすることはないの?」
星弥。
「相手を蹴落とせば、解決すると思い込み。」
「自分の実力を超える要求が現れる。」
「なんてことは考えない。」
小刹。
「競争相手を消した所で、能力を超える要求が来て。」
「競争を回避した方が、結果的に快適という簡単なことを見逃す。」
星弥。
「競争のための競争、という訳ですか。」
琉輝。
「理由もなく、目的もなく、競争が好きなので。」
「競争をしているという狂気ですね。」
小刹。
「競争に熱中する、競うことが目的で。」
「結果については、無関心。」
星弥。
「競っている最中が楽しくて、終わるとどうでもいいらしい。」
小刹。
「それなら、球技とたいして変わらない。」
星弥。
「才能について哲学的な回答を読んだことがある。」
琉輝。
「才能の有無は絶対的であると思っていましたよ。」
星弥。
「哲学者が言うには、原典不明となってしまいましたが。」
「その種目、分野を理解しているため。」
「経験だけで推し進める人間と大差がつく。」
小刹。
「我流と流派の違いくらいですかね。」
星弥。
「あらかじめ、生まれる前に、その競技、分野、技術に関する。」
「百科事典、もしくは説明書を読むことになって。」
「やり方、熟成の仕方、完成の仕方まで覚えてから生まれている。」
琉輝。
「生得観念なのですね。」
星弥。
「すべてを理解してから、生まれて、競技などに参加するため。」
「凡人とは大きな差がついていく。」
「説明書を読んだ人と、読まなかった人の違いですね。」
「つまりは、何々のやり方、という本を先に読んでいるため。」
「読まなかった人との違いがあまりに出過ぎる。」
「どうやれば選手として完成するのか、設計図も計画書もあるからね。」
小刹。
「それは努力ではまったく埋まらない違いになりますね。」
星弥。
「凡人が後天的に対抗できるとすれば。」
「フットボールならば、フットサルにも熟達していること。」
「空手道などで対人プレーに強くなっていることなど。」
「そういう複数の分野で努力しないと。」
「まったく相手にしてもらえないでしょう。」
琉輝。
「実際、ラフプレーならば、天才選手に勝てます。」
「反則なしで止められると、どうしようもない。」
星弥。
「才能とは、理解の有無、それで説明が足りているほどです。」
小刹。
「理解しているのと、理解していない、これは本人の知性か、内面の話ですかね。」
琉輝。
「歴史に現れた天才や偉人は、人間の力を超えているんですね。」
「そんなものと肩を並べようなんて愚かなことです。」
小刹。
「今の時代は人間を超えれば、天才と言えますからね。」
星弥。
「競争の中にいるから、天才を疎ましく思うらしい。」
琉輝。
「どこの競争の世界も、猛者や強者で満員じゃないですか。」
「凡人お断り、みたいな現場で、何をしようと言うんですか。」
星弥。
「不思議なことに、競争が激化するほど、空白の分野が増える。」
小刹。
「関心が一部に奪われると、おいしい所が増えるんですね。」
琉輝。
「かつて競争を謳い文句にして、十年以上。」
「現場にいる人や、会社を見たことある?」
小刹。
「まあ競争という前提が、誤っていることが分かりましたよ。」
琉輝。
「才能が競争に勝つ手段だと思っているからね。」
小刹。
「記録からして、どの天才も成し遂げたい目的があり。」
「優位を維持するためには行使しない傾向にあるね。」
星弥。
「すべての失敗を才能になすりつけるのはどうかと。」
琉輝。
「せっかく挑戦したのに、失敗を才能によるものと断言して。」
「済ましてしまおうというのかね。」
小刹。
「すべての前提が競争にありますね。」
琉輝。
「天性って、もっと本人のためにあると思いますが。」
小刹。
「才能が関係ない場合がある。」
琉輝。
「才能があるから結果が出る、などという因果関係はない。」
星弥。
「とまあ、天才を競争の中に採用するから、ややこしくなった。」
小刹。
「面白い話、オリンピックの格闘技で天才の称号をもらっても。」
「異種格闘技戦で勝てる訳が無い。」
「また、戦場で勝てる、なんてこともない。」
琉輝。
「成功するには才能が必要、という、ちょっと矛盾した話ですね。」
小刹。
「運命なんて馬鹿なもの相手にしないで。」
「自分で人生を作ったらどうか。」
星弥。
「競争のための競争、これを繰り返しているから。」
「競争の結果をまるで活用しない。」
小刹。
「それで、競争を楽しむために、才能を求めている。」
琉輝。
「目標に突進するのが正攻法ですよ。」
星弥。
「競争、単に勝利回数を増やすだけで、目標はなし。」
小刹。
「目標に突進せず、状況を作って、何やっているの。」
琉輝。
「才能なんてものに頼るのを辞めようよ、鍛錬してから出直そう。」
星弥。
「才能とか、ひどい単純化ですからね。」
小刹。
「何でも才能で説明されるのは、降参という意味ですよ。」
琉輝。
「この世界の姿はいつも中立的で、片方の味方をすることも。」
「敵対することもないよ。」
小刹。
「才能すらも中立の概念ですからね。」
「勝手に誰かの味方をすることも、敵対することもない。」
星弥。
「何事も、片方に味方している訳でもない。」
「中立の世界に向かって、自分のことを贔屓にしろとか。」
「そんなことは、かなり無謀。」
小刹。
「それに値しない者を優遇することもない。」
琉輝。
「しかし求めるのなら、話は別ですね。」
星弥。
「今の時代、ギフテッドを観察すれば、才能が分かるほどですし。」
琉輝。
「無才はその人のせいではない、これが証明されていますね。」
小刹。
「才能についてはその人のせいではない、これは明らかですね。」
星弥。
「そもそも才能という、得体の知らないものに知ったかぶりすることしか。」
「我々ができることはないね。」
小刹。
「一応は形而上学ではありますね。」
琉輝。
「いかにこの世の逆をやるかの勝負ですね。」
星弥。
「それなんですね、この世とは逆のことをしたいのです。」
小刹。
「逆説的な人生観、素敵です。」
琉輝。
「人生なんてものが、良いものを提供するなんて怪しいものですが。」
「三流の脚本ではなく、一流の脚本を見せてやりましょう。」
星弥。
「そうですね、人生がまともな脚本ならば、退屈せずに済みそうです。」
小刹。
「審査員は厳しいぞ。」
琉輝。
「我々のような、この世に来たゲストを、退屈させては申し訳ないと思っているはずです。」
三人共、映画のキャラクター、歴史における英雄の行動があまりにかっこいいので。
真似しているうちに、男性みたいになってしまい。
狂人と言われがちですね。
あまりに活発なので「戦闘狂」という評価もあります。
埠頭から、自動車で、星弥ちゃんの家。
小さな旅館が移転した所に入ったので。
豪邸もどきなんですね。
夕方まで、書庫の中にある本を読んだり。
お菓子を食べたり、お茶しています。
書庫は、管理が大変なので。
両親が倉庫代わりに託したものです。
五百冊あります。
星弥。
「ウパニシャッド。」
「輪廻と業について、言及がありますね。」
小刹。
「神学的対論。」
「業の思想、人間はなした行為の善悪に応じた果報を受ける。」
「という思想は、当時、婆羅門たちのあいだに。」
「伝えられていなかった。」
「王族のひとりが業の思想と結合した輪廻を教えるが。」
「婆羅門に伝えられることはなかった。」
「業の思想は後付けで、元々、バラモン教はなかったので。」
「業、つまりカルマは発明品、単なる思想と言えます。」
琉輝。
「有の哲学。」
「において、素行の好ましい人々は好ましい生まれ。」
「なるべく人間の中の上位の母体に。」
「素行の汚らわしい人々は。」
「なるべく下位の母体に。」
「入ると予測される。」
星弥。
「問題は、すべて善悪二元論であることですね。」
「善行で良くなる、悪行で悪くなる。」
「などなど。」
「何でも善悪で考える愚かな思想です。」
小刹。
「思えば、善悪二元論がウパニシャッドの輪廻と業ですね。」
「そんな馬鹿なものを判断基準にするとか。」
「所詮は単なる考え方の書籍なんですね。」
琉輝。
「ウパニシャッドの原典を読んだら。」
「善悪を無視する人に無力な上に。」
「そうした判断を撃破できると知りましたよ。」
星弥。
「その後、インド哲学として広くなり。」
「反駁ができなくなりましたけれどね。」
小刹。
「元々は思想が形成される中で作られていった。」
「輪廻と業なのですが。」
「今ではインド哲学として展開していますね。」
琉輝。
「善悪の知識の木から取って食べてから。」
「論じているとは思っていなかったね。」
星弥。
「人は善悪だけは不完全ですからね。」
小刹。
「何でも善悪で考えてやんの。」
琉輝。
「善だか悪だか、いつまでも幼稚なこと言ってないで。」
「もっと合理的、多元的に考えましょう。」
星弥。
「その程度が婆羅門教典とは知りませんでした。」
小刹。
「仏教もヒンズー教も、最初は善悪でしか物を考えられなかった。」
星弥。
「善悪二元論を本当であるかのように語り過ぎですね。」
琉輝。
「婆羅門教はヒンズー教になったので、こうした論破が今も有効かは知りませんが。」
「インドの神々は、日本にも伝わっているので。」
「原典を読む面白さはありますね。」
小刹。
「そもそもインド人は、仏教はヒンズー教の一派であると考えていますし。」
星弥。
「仏教は婆羅門教の文化圏で誕生したので、そう見てもよろしいのでは?」
琉輝。
「インド哲学は、かなり気の利いた発展をしていますが。」
「善悪二元論は今も克服できないみたいです。」
小刹。
「善悪で何でも説明がつくなんて愚かなことを考えないで。」
星弥。
「善悪で何でも説明がつくと思ったら大間違いですよ。」
琉輝。
「まったくその通りです、もう議論の余地はないですね。」
さて、夕刻が近づいていますが。
大型のハクビシンが農家を襲撃して荒らしたので。
農民が武器を持って、探し回っています。
放っておくと農民に獲物を取られます。
星弥。
「また化け物ですか、やたらと凶暴なキョンを。」
「棍棒で殺したのは一か月前でしたっけ。」
小刹。
「化け物が発生すると、討伐の取り合いになるんですね。」
琉輝。
「猟師も狙いますが、異常個体は研究所に高く売れるので。」
「一獲千金ってことですね。」
パソコンを起動。
ゲーミングノートを家庭用に使用する贅沢。
哲学のコミュニティ。
最近、神批判が流行っているようです。
何でも神と紐づけるような物事に。
うんざりしている人々。
かえって、この世あるデタラメを、神の経綸として解釈してしまうと。
神が馬鹿という意味になってしまう。
何でも神を根拠にすると、神が愚か者、人間以下ということになってしまう。
まさか神が批判の対象になるとは思っていなかった。
現場ではありますね。
星弥。
「エルの物語で、初めて生まれが選べると知りましたが。」
「選べるとは知らなかった人はどうするんですかね。」
小刹。
「選択に成功するだけの知識が不足、判断ができないと。」
「時間をかけても失敗します。」
琉輝。
「生まれない、という選択肢、拒否権も必要ですからね。」
星弥。
「生まれて結果が良かった人は、選べることが分かってしまった人かも。」
小刹。
「人間の可謬性を無視していますね。」
星弥。
「ヒューマンエラーがありますからね。」
琉輝。
「人間である限りは間違えることがよくある。」
星弥。
「なので、エルの物語には、見本の選択に失敗した人も登場します。」
小刹。
「人の判断、成否に絶対はないからね。」
星弥。
「まあ、失敗したら、願い下げですね。」
小刹。
「頼んで下げてもらいましょう。」
琉輝。
「人の出自に何も根拠が与えられないことを意味しますけれどね。」
解散の時間。
どうやらハクビシンは農家に惨殺されて。
値段交渉の真っ最中。
異常個体は思っているより高値がつく。
研究所に輸送される前に冷凍保存。
送料、無料。
静穏。
各自、自宅に戻りますが。
昔、宗教的なものが占めていた世界も。
今では科学的なものが占めるようになりました。
宗教と科学が合わさることもありますね。
今はウォーミングアップ。
自分で生涯のすべてを決めるには、ある程度の練度と知識が必要です。
自分で決めていく、これはハイデガーの思想ですね。
理由は知らないけれど、誕生したという事故がありましたよと。
英語の成句。
われわれは最善を希望し最悪を予期しなければならない。
2
世間のことは一時間で逆転するかもしれない。
英語のことわざ。
琉輝ちゃんの家。
母親と住んでいますが。
実の父親からの支援は多大で。
中の上くらいの経済力。
母親はダンス教室を営んでいます。
和解としてもらった別荘ですが。
分離されて一般住宅となっており。
老後の計画で建設されたけれど。
没案になって、母に譲渡されたという。
学びながら野外を探索して。
お金に余裕があると。
客船で東京に入ったりしますが。
今は、既にあるものを大事にしているんですね。
リビングルームにて。
星弥。
「精神疾患の本質は、現実性の欠落。」
「意識障害。」
「現実を正しく捉え。」
「これに反応することができない。」
「人格の変容。」
「人格が低レベル化してしまい。」
「現実を勝手に改変してしまう。」
小刹。
「事実はないにしろ、客観的な現実はないにしろ。」
「現実を認識できないのが精神疾患みたいですね。」
琉輝。
「あまりに現実現実言うと、現実主義者と揶揄されるでしょうけれど。」
「現実で通用しない考え方、態度、行動が目立ちます。」
「現実が分からなくなる病、らしいですね。」
星弥。
「現実を認識できないので、おかしくなるらしい。」
小刹。
「武士が、理想で死ぬか、現実に生きるか、という二者択一を。」
「けっこう議論していたらしいのですが。」
「理想で死んだ方がましかも。」
「生きようとすればするほど、他者と対立し。」
「苦悩が増すので。」
琉輝。
「寿命まで生きるという意味になりますからね。」
星弥。
「そもそも、精神疾患の患者と、知的障害など。」
「それと一般の人が絶対的に違う点は。」
「現実の認識ができるか、できないか、それだけでした。」
小刹。
「とっくの昔に本質が解き明かされているけれど。」
「今では普通の病として広まっていて。」
「精神分析などは、新しい学問として。」
「一般的な人にも読まれています。」
琉輝。
「フロイト派なんて、誰しもが少なからずおかしいと見なすので。」
「それなら、普通の病気とは言え、誰でもかかるんですね。」
星弥。
「後天的に精神疾患になる人なら、けっこう見たことがあります。」
スマートフォン、ウェブニュース。
芸能人が目立つ社会。
芸能人は自分を売って生計を得ているため。
業務上、敗北が許されない。
芸能人は、散々苦労するが、誰からも感謝されない。
素晴らしい見世物と、能力を混同するのはよくある誤解。
強者なら、どこにでもいる。
弱者が相対的に多いだけ。
現代の基準でうまく行っている人に勝利すると。
悪者にされるという、何かよくわからない矛盾がある。
理不尽の耐性が低いためか。
不条理に慣れていないのか。
物事が公正であった試しはない。
多分、中の上の才人が通用しないのは。
猛者が社会の所々に陣取っているため。
間接的な影響を受けているのでしょうね。
自称完全無欠に勝利した経験から。
星弥。
「学歴がどうたら、約束された必然だとか。」
「悔しかったら圧倒的優位な俺達に勝ってみろよ。」
「とか言っておいて。」
「自分が圧勝したり、覆して勝利すると。」
「あいつらは、こちらが悪だとか、態度を変えてくる。」
「悪だから、お前が勝つのはおかしい、暴論ですか。」
小刹。
「責任転嫁みたいなものですね。」
「責任を相手に求めておいて。」
「勝負で責任を決めようとしてくる。」
「負けた方の責任にできる。」
「ちょっと似ています。」
琉輝。
「負かしたら、負かしたらで、悪だと非難されて。」
「俺達を負かした悪だから。」
「無限に復讐してもいい。」
「なんて言い分に変わりますね。」
星弥。
「最初の言い分とかなり違いますけれどね。」
小刹。
「負けを認めたくないので。」
「無限にリベンジして。」
「元々あった優位を回復したいという。」
「認知的不協和という訳ですね。」
琉輝。
「無理にゲームバランスを調整しなくていいのに。」
星弥。
「彼らを観察していると。」
「学歴、出自、経歴、すべてが自分の権利であると主張しているんですね。」
「なので、覆して負かすと。」
「権利を奪った悪人であると態度を変えてくるんです。」
琉輝。
「権利と言うのなら、勝者がその権利を相続するのですけれど。」
星弥。
「取り返しに来るんですね。」
小刹。
「完璧の演技をしているんですか。」
星弥。
「敗北の責任転嫁ですよ。」
琉輝。
「構図を逆転させて、勝とうなんて、気持ち悪いですね。」
庭に出ます。
カワラバトが歩いている。
最近。
何か起きると、解決するのではなく。
起きたものを潰して処理することが多くなりました。
ストア学派はよくそんな物事の潰し方をやります。
三人娘、読書好きで。
古典を中心に読んでいますが。
新書は本土から取り寄せています。
それ以外の持ち物は少ない。
星弥。
「既成概念って壊すのが楽しいですね。」
小刹。
「それはそうでしょう、根拠がないのに。」
「馬鹿の一つ覚えみたいに皆が振り回すから。」
琉輝。
「ちょっとした問いに脆弱性を露呈するほど。」
「既成概念の内容は無意味なものになっている。」
星弥。
「人間が世界を作ろうとしているのに。」
「人間が歴史を築こうとしているのに。」
「今更、昔ながらの既成概念はこうだから。」
「その通りにしろとか、お節介ですしね。」
琉輝。
「既成概念は、偶然そうなった経験論の集いです。」
「別に破壊しても否定しても、罰則はない。」
小刹。
「既成概念をいくら馬鹿にしても、誰も裁けない。」
星弥。
「昔は昔で、幸福の形があったと言われています。」
「昔はそれで良かった。」
「今は昔ではない。」
小刹。
「歴史を振り返った時に、いろんな失敗が見えましたよと。」
琉輝。
「既成概念がそうでも、今、信じる根拠はない。」
星弥。
「滅ぼされる予定がある思想ですからね。」
琉輝。
「既成概念は再構築されて滅びます。」
小刹。
「人間が世界を再構築すると。」
「昔の考え方は使えませんよと捨てられますね。」
星弥。
「既成概念は、今ですら使えない考え方の代表になっています。」
「もっと斬新で、原理がまったく違う考え方に変わると思います。」
小刹。
「使い捨ての思想として、歴史に残るのでしょうね。」
琉輝。
「既成概念は、使い捨て、捨て駒ですよ。」
星弥。
「自分のために、世界のごく一部を破壊したっていいじゃないですか。」
小刹。
「無いなら作る、道を譲らないのなら、壊す、それで良くない?」
琉輝。
「暴力を用いないと突破できない状況を作るのは、もっと暴力的ですよ!」
庭に岩石があり。
憂さ晴らしに。
小さな岩石を持ち上げた星弥ちゃん。
次に大きな岩石を転がしました。
小刹。
「ううむ、これは人間の力ではないね?」
琉輝。
「中くらいの岩石なら、転がせられるんですね。」
星弥。
「これ以下のものなら、投げることもできます。」
琉輝。
「そこに鉄の柱があって。」
「元々は無線機のアンテナを固定するためにあるのだけれど。」
「殴打してみてはどうか。」
星弥。
「鉄板なら殴ったことがあります。」
鉄板を殴打。
実は絶妙な力加減が必要。
思い切り殴ると、手が破損します。
うまい力加減で殴ると、鉄板、鉄の柱が振動して。
綺麗な音が出るんですね。
手は、少し赤くなりますが、その日のうちに治ります。
小刹。
「とても真似できませんね。」
琉輝。
「どんな喧嘩自慢も、再現できない挑戦ですよね。」
星弥。
「力の差があり過ぎるとつまらない。」
「対戦するなら互角の相手と試合をしたい。」
琉輝。
「雑魚は足りない戦闘能力を補おうと、卑劣な手を使いますからね。」
小刹。
「我は名前何々なり、いざ尋常に勝負!」
「なんて突っ込んでくる、正しい人はいません。」
星弥。
「正々堂々と勝負を挑む人は稀です。」
「武士とは正反対の人々が蔓延る日ノ本ですしね。」
観察していると。
武士とは真逆な人が、散発的にいたりする。
あまりに武士が芸術作品になっていたので。
再現できる人が、今ではいなくなってしまった。
日本は古代において、地域ごとに別の民族がいた。
民族が統一されていくごとに。
内戦が生じた。
それでも民族、文化において単一であり、簡単だという。
少しトレーニングしました。
竹光で人形を殴ったり。
竹光対素手の訓練をしてみました。
動きは錆びていません。
星弥。
「軍事訓練された男女の能力差はないね。」
小刹。
「訓練された男女で弱者はいません。」
琉輝。
「素人同士が喧嘩をする映像なんてありましたが。」
「ひどいくらい内容が子供っぽいです。」
「異種格闘技戦の映像は、まさに玄人ってな感じで。」
「さすがにかなり鍛えています。」
「本物ですね。」
星弥。
「玄人同士の試合って、素敵ですよね、観ていて美しい。」
小刹。
「毎回、悲惨な負傷を片方か、両方がしますが。」
「映画や漫画を超える、戦いの美しさがありますね。」
琉輝。
「戦場ではチームプレーですので。」
「一騎打ちは稀なんですね。」
「複数対複数が常にあります。」
「試合は一騎打ちなので、昔の武将同士の戦いが再現されて。」
「正々堂々、格闘で決着をつけるみたいに、本物だけが現場にいます。」
星弥。
「人間の力の最高峰、みたいな試合ですからね。」
「誰しもが、上のレベルを知るのは良いことです。」
小刹。
「競争率が高そう、人間って誕生してから戦いばかりだから。」
琉輝。
「戦うことだけが人間ではないよ。」
星弥。
「戦うこと以外の解決策を、少しずつ、人間も発案できるようになったということですね。」
小さな風船をセロテープで服にくっつけて。
割れた人は脱落。
竹光で相打ちになった。
三つ巴の試合。
論語の教え。
日頃から鍛錬を怠っていることは、勝利を放棄している。
実際に、ろくな鍛錬もせずに。
今ある実力で挑んで、返り討ち。
なんてこともあるかも。
琉輝。
「因果関係が逆転していること。」
「悪だから非難されるのではなく。」
「悪者扱いされるから非難される。」
小刹。
「他人を攻撃しても、報復まで考えに入れてないから。」
星弥。
「一方的に攻撃して倒す暴力映像の影響かな。」
「攻撃したから成功、なぜか中間が抜けている。」
小刹。
「中間が抜けた言動、行動って目立ちますよね。」
琉輝。
「策略、成功、これも中間が抜けています。」
小刹。
「計画、成功、これも中間なし。」
琉輝。
「因果関係で考えて、かえって中間を失っています。」
星弥。
「途中経過ではありませんが。」
「中間にある、対立、交戦、競争、反撃、失敗など。」
「すべて抜けていますね。」
小刹。
「勝ちやすい人は、中間を重んじているんですね。」
「中間にあるものを無視することがない。」
琉輝。
「負けやすい人は因果関係で成否を測りますね。」
小刹。
「そんな簡単に勝てる競争なんて、まずない。」
星弥。
「勝負をすればいいというものでもないけれど。」
小刹。
「なんでも勝ち負けであると勘違いする。」
「よくあることですよ。」
琉輝。
「勝てるとは限らないが、負けるとは限らない。」
小刹。
「負けた時のことも用意しておくことですよね。」
星弥。
「勝敗が関係ないこともありますからね。」
小刹。
「勝利と敗北だけで、社会は廻っていないしね。」
琉輝。
「勝負だけで自然界は動いていない、残念ながら。」
休憩のち。
琉輝ちゃんは歌劇のレッスンのため、離脱。
小刹ちゃんは、赤本が届くので、切り札だけで勉強するそう。
星弥ちゃん、土地の管理のため、しばらく留守にします。
自然に集まる三人娘ですが。
それぞれ、向き合う課題が違うため、集まれる時に集まっています。
プロティノスの説く「完全な生涯」はあるのか、ないのか、調査中。
英語のことわざ。
人間の手で作られるものは人間の手で覆される。
3
戦場は勇敢な者から死んでいく。
軍人の格言。
空挺部隊の装備、バックパックを作成して。
背負いながら。
追いかけっこをしていますね。
暇というより、次の仕事を決めてないし。
そもそも死生観が違う。
この世に降りて、生活して、去っていくだけ。
しばらく遊んでいることにしました。
妙案が出るには、普通のことをやっていても仕方がない。
背負う荷物の重量は。
空挺部隊と同程度。
これでも潰れません。
この状態で激しくサイドステップしたり。
追尾を行いますが。
怪我を知っているため、今も負傷なし。
いつもの埠頭。
星弥。
「才能才能言っている人の傾向に。」
「楽して競争に勝とうとしている所がありますね。」
「なるべく楽をして相手と競り合いを試みている。」
小刹。
「楽して勝利を得ようなんて滑稽ですが。」
「実力が不足していることに気づくまで。」
「その人は何をしていたんですかね。」
琉輝。
「怠けていたんでしょうね。」
「怠惰を強敵のせいにしている。」
「その人が直面する壁は。」
「その人が疎かにした、ある時期の報いです。」
星弥。
「楽して勝つ方法は才能だ、なんて言うのですからね。」
小刹。
「本物と言える玄人は、楽して鍛えていません。」
「一日ずつ積み重ねて、パワーアップを果たしています。」
琉輝。
「そうですよね、それを抜きにして。」
「楽して勝てるのではないかと、探るのは変ですね。」
星弥。
「パワーアップを重ねて、倒したり切り抜けたり。」
「そうした人が上位に入りやすくなり。」
「何もせず、今の実力だけですべて勝てると信じている人は。」
「下位に留まりやすいんですね。」
小刹。
「可能な限り手抜きして競争を優位に進めたいのなら。」
「そもそも猛者、強敵に出会わない場所を通ればよろしい。」
星弥。
「しかし、今の実力、だから、成功、なんていう。」
「中間がすべて欠落した、変な三段論法が多いですね。」
琉輝。
「最初の能力で競っても、負けるに決まっているじゃないですか。」
小刹。
「そもそも何を得たいのか、はっきりしていない。」
星弥。
「目標を掴み取れば個人的な勝利で、後はどうでもいいのですからね。」
小刹。
「目標を設定せずに、競うだけなんて。」
「相手をいちいち全滅させないと気が済まないのかな。」
琉輝。
「必要な相手だけ撃破して、目標を得たら退く。」
「競争なんて抜け穴を突けば良くて。」
「目標のための抜け穴から突入して。」
「獲得するだけ、簡単。」
星弥。
「競争を回避して、目標に絞る方が手っ取り早く。」
「何とも競う必要がなく。」
「難易度が低くて快適ですよね。」
小刹。
「たまに、何のために競争をしているのか。」
「こちらからまったく分からない人々がいますよ。」
星弥。
「全員、自分なら勝てると根拠のない自信を持っているので。」
「勝利に期待しないことですね。」
小刹。
「圧倒的な実力があれば、どうなるか。」
「まあ半分くらいは手に入ります。」
「もう半分は、自然の成り行きですね。」
琉輝。
「実力以外の要素が見えるよね。」
「実力主義では、半分は勝敗をコントロールできます。」
「もう半分は自然に任せましょう。」
星弥。
「実力が勝利の条件ではありますけれど。」
「それ以外の要素も無視できませんので。」
「もし実力があまりにないのなら。」
「巡り合わせや、偶然を味方につけることですね。」
小刹。
「勝てたらいいなあ、程度に考えておくと、力みません。」
琉輝。
「賽は投げられた、なんて言い放って、決戦に挑むのも芸術点ですよ。」
海の近くは風が強い。
海鳥多過ぎ。
漁師が余った魚を猫にあげています。
最近、猫が激増。
隠居している身内のひとり。
量子力学の博士でしたが。
昔あった大噴火で避難する前に。
溶岩の近くに行って。
流れる溶岩を観察、撮影して。
生きて戻ってきた勇者なんですね。
メールがあって。
今日は確率がひどくぶれるので。
懸念があるという。
この辺りで、お遊びはおしまい。
小山までドライブしました。
山頂の駐車場にて。
星弥。
「過去も未来も、人の本質が現れて。」
「その本質から外れない人の姿がある。」
小刹。
「どうして、こんなことに。」
「なぜ、なんでこうなる。」
「人の本質から外れない。」
「ただそれだけなのに。」
琉輝。
「人とは何か、自分を知らず。」
「人は自分を知らずに。」
「この世を彷徨う。」
「人は自らを理解せずに。」
「結論は出せるのか。」
星弥。
「この世という戦いの中に飛び込んで慣れると。」
「大勢の対戦相手に事欠かなくて。」
小刹。
「強い奴ばかりいる訳でもないけれど。」
星弥。
「絶望するほどの。」
「相手はいないから。」
「撃破できないなんて。」
「そんな人間はありえないから。」
琉輝。
「不死身の相手なんて、出て来ないから。」
星弥。
「この世界を空から見てみると。」
「沈黙していて。」
「高い山からも、地上を覗いてみれば。」
「空から見ると、何もかも沈黙していて。」
琉輝。
「正解と答えがない問答って、快適ですよね。」
星弥。
「正解が愚かなものであっても、逃げられるし。」
「答えになっていない答えが沸いても、避けられる。」
小刹。
「正解と答えってうざいんですね。」
琉輝。
「そんなものいちいち設定する方がどうかしているよ。」
星弥。
「正解って何ですか?なぜそれに従わないといけないんですか?」
琉輝。
「答えとやらに満足する人はいませんよ。」
小刹。
「あんたの正解なんてどうでもいいんだよ、なんて蹴飛ばす。」
星弥。
「答えの提出なんて要らないんだよ、なんて踏みつける。」
琉輝。
「正解と答えをまず排除しないと、討論は成立しないなあ。」
謎のトラックが通り過ぎる。
新興宗教の集団で。
近くにいた親子連れ数組を説き伏せています。
幹部。
「自分達の環境を整えるため、我々に助力するのだ。」
会員。
「自分の環境をいかに整えるか、これが大事なことなのだ。」
老人。
「自分の環境を整えるために、他人を操作するのか?」
幹部。
「社会が変われば、我々の環境は整えられるのだ。」
会員。
「社会が変わることによって、われわれは良くなるのだ。」
老人。
「あんたら、そこら辺によくいるような連中じゃないか。」
子供。
「お母さん、新興宗教って何?」
夫人。
「人間が勝手に作った団体よ。」
幹部。
「我々をそこら辺にいる普通の新興宗教だと思うな。」
会員。
「我々は新興宗教の頂点に立つ者だ、覚えておくように。」
老人。
「明日になれば、君たちのことは忘れているかな。」
謎の宣伝。
トラックは去っていきました。
この島に支部があるらしい。
カーフェリーで移動してくる場合がある。
善人と悪人は結果が同じ。
善人はやり方が違うだけで、悪人と辿り着く結果は同じ。
続いて、黒衣の女性が出現。
人を探しているようです。
淑女。
「この辺りで、美人で、何でも揃えるコレクターを見なかったか?」
星弥。
「美人なら私のことですね。」
淑女。
「たくさんの金庫を持っているような者を見なかったか?」
星弥。
「知りませんね、小さな探偵事務所に依頼してみては?」
淑女。
「盗まれて転売された、宝玉を探している、見なかったか?」
小刹。
「和氏の壁を再現したものですか、あれなら、見せびらかしている人がいましたよ。」
「数か月前でしたが。」
淑女。
「どの辺りで?」
小刹。
「島の北側にある民家ですね。」
淑女。
「感謝する、ついでに盗んだ義賊に覚えは?」
琉輝。
「義賊?貧しい人々のために上から盗む偽善者ですか?」
「分け与えても、一か月で使い切ってしまい。」
「後はその行動が忘れられていく、虚しい人ですよね。」
淑女。
「いたのか?」
星弥。
「窃盗なら、半年くらい、島内で同一犯によるものが数件あります。」
「そいつのことでは?」
淑女。
「そいつのことだな。」
琉輝。
「地元の新聞で、防犯カメラの写真を持っていますので。」
「これあげますね。」
淑女。
「礼を言う、外国の通貨だが、もらってくれ、さらば。」
星弥。
「黒服の女性、何者ですかね、盗品と窃盗犯を追いかけている?」
小刹。
「この貨幣、ユーロですね。」
琉輝。
「私のはドルです。」
時間になったので。
駐車場から立ち去ります。
休日は簡単に集まれますね。
人生観について。
興味深い説法があり。
神父が述べていたことですが。
人間の物差しで見ると、すべてを間違えますよと。
哲学的に、自分が正しいと名乗る人は、すべてが台無しになった人です。
しかし人間の物差しを捨てれば、新しい視点で何事も測定できるのでしょう。
そう言えば、大衆にワンパターンが多過ぎるような?
悪く言うとワンパターン野郎。
移動。
小刹ちゃんの家は、一般的な中流住宅ですが。
雑誌を大量に買うので。
寄ることがありますし。
専用のコスプレルームを持っていて。
変身することもできます。
どうせ自動車なので、日の入りまでいることに。
星弥。
「この世界って、トリックや手品が多過ぎませんか?」
小刹。
「頻繁に見かけますよ、トリックと手品。」
琉輝。
「トリックなどは、証明することがほぼ不可能なので。」
「トリックは自分がそれを経験することはあっても。」
「他人は見破ることができません。」
星弥。
「有名な手品は、現行犯と一対一になった警察官が遭遇しますね。」
「現行犯がパワーアップしてしまい、苦戦する。」
「通常では有り得ないパワーで抵抗してくる。」
小刹。
「あれと似たような手品を、競技や喧嘩、業務で使われることがあるので。」
「手品を繰り出した側が一方的に勝ってしまう。」
「無理矢理、特定の人が勝利できることもありますね。」
琉輝。
「競技になると、接戦になっているようで、そうではない。」
「勝たせたい相手を、トリックで無理に勝たせる。」
「しかし手品、トリックが通じる相手ばかりではない。」
小刹。
「トリックを使っている相手は、変な動きをするので、けっこう暴けますよ。」
琉輝。
「本人が手品を使っていると自覚していないことが、ほとんどですけれどね。」
星弥。
「勝負の世界も、そんな卑劣な手というより。」
「無自覚に成立したトリックで一方的な展開になりがちなんですね。」
小刹。
「警察官が刃物男を取り囲んでいる映像がありましたが。」
「背後からタックルしても、犯人は固まって、投げ技が決まらない。」
「銅像を引きずるようにスライド移動したんですね。」
「珍しい映像でしたが、チートは現実にあります。」
琉輝。
「すべてがトリックで成立していないし。」
「そうした手品は、必ず偽物が使います。」
「本物は築いてきた実力を信じるので。」
「強者の中でトリックを使う人はいません。」
星弥。
「弱者が、無理に勝利するための悪才ですからね。」
小刹。
「いくら手品が上手でも、大量のトリックを用いても。」
「負ける時は負けます。」
琉輝。
「単にしぶといだけですからね。」
星弥。
「相手が格下でも、そういうインチキをして来るので、油断するなってことです。」
小刹。
「普通の方法では対抗できないので、そういう手品を多用するんですね。」
琉輝。
「競争の現場では、手品、トリックはけっこう使われますね。」
星弥。
「まあ便利ですからね、当然でしょう。」
小刹。
「手っ取り早く、疑似的に強くなれるからね。」
琉輝。
「利用するには、あまりに都合がいいからね。」
星弥。
「トリック、手品を証明してしまうと、相手は自壊します。」
小刹。
「そういう人は、必ず怪しまれるので、いずれ勝てなくなりますしね。」
星弥。
「相手よりも格上であれば、手品やらトリックだけに警戒すれば、問題はない。」
琉輝。
「社会においては、トリックは多用される傾向にありますが。」
「普通の方法ではやっていけないので、そんなものに頼っているだけ。」
星弥。
「弱者は、弱者なりに対抗してくるって訳です。」
「そんなものを使わないと、状況を維持できませんからね。」
小刹。
「面倒くさい妖術ですね。」
「どうせなら道術でも使ったらどうか。」
琉輝。
「そんなものに依存しないと、世渡りできないからですよ。」
「単なるお情けです。」
星弥。
「北欧神話に、勝敗の強制操作は登場しますよ。」
「オーディンに仕えていたヴァルキューレがいて。」
「ちょうど人間で二人の王が争いの最中で。」
「オーディンが勝たせると決めていた王とは。」
「反対の王を、そのヴァルキューレが勝敗の操作で勝たせてしまい。」
「呪いをかけられて、追放されました。」
小刹。
「英雄シグルズが遭遇した、シグルドリーヴァのことですね。」
「本来勝利する王を殺させて。」
「勝利に値しない王を勝利させたので。」
「オーディンによって追放された。」
「妻になって母親になれと。」
琉輝。
「そこで出会ったけれど。」
「英雄シグルズとの結婚の約束は破綻してしまうのですが。」
「北欧神話には、勝敗の操作が実在しますよと。」
星弥。
「そういうものまで警戒しないと。」
「目標の獲得は無駄に難しくなりますよ。」
小刹。
「それだけ警戒すれば、何とかなりそうですが。」
「そんなものに苦戦しそうですね。」
琉輝。
「勝負や競争が、すべて実力で決まるものであると信じていましたが。」
「そうではなかったんですね。」
日の入り。
小刹ちゃんの両親が帰宅する前に。
一同、解散。
一部、企業では、自分の能力以上のことが要求されるとのこと。
それが達成できないと、解雇される。
多少の理不尽に耐えられるような訓練は必要なのかな。
ただ、社会は知っていても、人間そのものを知らない。
未だ人間が、再度、滅ぼされないのは。
今の所、客観的に人間が大きな問題になっていないから。
そう、?をついている。
人間は言っているほどうまくやっていないし。
言っているほど強くはない。
そんな人間が何事もうまくやる方法とは。
ごまかすこと!
4
気候変動による。
異常気象の連続の後。
不規則に自然が変化したらしくて。
なぜか、山菜や食べられる野草が激増しまして。
河川や森林、山の中に。
いつでも食べられる作物が埋まっていたり。
成っていたりします。
果物は、なぜか異常なほど増えていて。
誰しもが収穫しています。
そのためか、やや市場が混乱気味で。
果物や野菜の値段が下がっています。
農業、半壊。
イレギュラーな自然を形成していますね。
午後から。
ずっと、野草や木の実を収穫しています。
バックパック満載。
一時間で大収穫なので。
毎日、採取しても枯渇しないのかも。
星弥。
「これでは農業も破綻しますね。」
小刹。
「食べ物が、少し道を外れた所に、たくさん落ちている。」
琉輝。
「いくら採取しても、減らないわあ。」
星弥。
「食べ物に拘らないのなら、食費が無料になりそうですね。」
小刹。
「日本各地で、こんなことが当たり前になっている。」
琉輝。
「相変わらず、冗談きついよね。」
ジャーナリスト。
「この異変は、記事になりますしね。」
「誰が、素早くうまい記事が掲載できるか。」
「取り合いになっています。」
星弥。
「食料過剰で人間が滅びますよ。」
小刹。
「自然の悪戯だと思います。」
琉輝。
「こんな自然界は嫌だああ。」
ジャーナリスト。
「そこら辺に木の実があって、野草がまだ増殖中ですからね。」
星弥。
「自然界に何もなくなるのではなく、無限に生えてくる。」
「山の幸。」
小刹。
「食べきれないので、野生動物も暇になって。」
「寝ていることが多くなった。」
琉輝。
「まさしく暴挙、無くて困るのではなく、あり過ぎて困っている。」
採取。
植物にとって最高の環境が構築されたらしい。
気候変動も、イレギュラーなスタイルになってしまった。
軽トラックに輸送する。
軽トラックが、次々と野山の作物でいっぱいになった。
これから配る予定。
夕方。
女主人の店を訪ねた。
黒服の女性。
淑女。
「この男を知っているか?」
商人。
「それなら高そうなものを売りつけに。」
「一時間前、来ましたよ。」
淑女。
「どこに行った?」
商人。
「リサイクルショップの裏窓ですよ。」
「会わせてやる。」
淑女。
「協力、感謝。」
黒服の女性が、案内されたリサイクルショップに行くと。
とうとう、義賊を見つけた。
自動車のタイヤに、スパイクストリップを接着させて。
動かすと、車がパンクするようにして。
逃げ道を無くした。
義賊。
「お前は何をやっている・・・。」
淑女。
「見つけたぞ、指名手配犯。」
義賊。
「金の杖のことか?」
淑女。
「あれを失ってから、私の出世は止まってしまってね。」
義賊。
「お前のような奴を、何回も返り討ちにしたよ。」
淑女。
「待て、話し合いに来たのではない。」
義賊、岩山の上に移動した。
ちょうど。
リングのようになっている。
展望台なので、出入り口はひとつしかない。
義賊。
「これは不思議な杖だ、誰が作ったんだ?」
淑女。
「お前を捕まえて、そして金の杖を取り戻す。」
義賊。
「その杖ならここにあるぜ。」
淑女。
「それは持ち手の動きを良くする効果がある。」
「お前には猫に小判だな。」
義賊。
「今回も、追っ手を倒して終わりだ。」
淑女。
「それはどうかな?」
義賊。
「まだ話があるのか?」
淑女。
「私はお前を倒すために、日本各地で格闘家を訪ね歩いた。」
「ついには、元自衛隊の隊員に認められたほどだ。」
義賊。
「ええと、長話はやめてくれ。」
淑女。
「そしてある時、私は、うおおおぉぉぉ!!と海に向かって叫んだ!」
「お前から金の杖を盗まれた時とは、桁が違う力を手にしたんだ!」
義賊。
「海に向かって、うおおお!でパワーアップするのか!?」
「なんでそんなに簡単な方法で、お前らって猛者になるの?」
淑女。
「探偵の力も借りてきた、そして今、お前との決着をつけるぞ。」
義賊。
「あははは!」
淑女。
「何がおかしい?」
義賊。
「だってさ、高いもの奪って貧しい人に分け与えると、優越感に浸れる。」
「自分は貧しい人に施す、とっても強い人だなんて、自慢できるだろ。」
淑女。
「そうですね。」
義賊。
「施す相手には売名行為をして、手っ取り早く有名になる。」
「貧しい奴らは、俺のような奴らの名前を買い取る、単なるお客様なんだよ。」
淑女。
「清々しいほどの極悪人ですね。」
義賊。
「俺はな、貧しい奴らに施して、そいつらを利用して、裏社会の頂点に立つ。」
「貧乏人なんて、俺がのし上がるための道具なんだよ。」
淑女。
「とても、もっともらしい理屈をお持ちのようですね。」
義賊。
「庶民は俺を認める、そして売った名前で裏社会に飛び入り参加する。」
「貧乏人は俺に利用されて、庶民もまんまと俺を褒めるんだよ。」
「いい関係だと思わない?」
淑女。
「まあそうなるために、君はここにいるんだと思います。」
義賊。
「さあ、始めようぜ、最強同士の戦いをな!」
淑女。
「行くぞ。」
義賊。
「ぐはっ!おいおい!ふざけんなよ、チート過ぎるだろ!」
淑女。
「斜め移動してフック、続いて顔面、跳ね飛ばし。」
義賊。
「やめてくれ!お前!弱い者虐めは良くないだろ!」
淑女。
「御託を言ってないで、戦え。」
義賊。
「ああ金の杖が、ちょ!おま!やめろって!」
淑女。
「突き落としてやる。」
義賊。
「暴力反対!暴力反対!」
義賊、階段から落ちてダウン。
義賊、足を挫いた。
拘束された。
淑女。
「これであの時の失敗は取り返すことができた。」
義賊。
「まだだ、こんな時は、主人公は必ず逆転できるんだ!」
淑女。
「お前は脇役だろう!」
探偵。
「地元の警察が向かっています。」
「お手柄ですね。」
義賊、逮捕された、有罪は確定か?
黒服の女性、自衛隊の予備役でした。
異常発生した作物を配っている最中。
地元のパトロールカーがいるので、何かと思って覗いてみると。
日本最悪の指名手配犯が連行されているんですね。
悪党という名前がつく人々は、頻繁に倒されて。
次々といなくなっています。
国民が知らないうちに、消えては、また次の人が現れて、すぐに消えます。
犯罪者ひとりに、社会の責任をすべてなすりつけるのはどうかと。
「何が悪だ!お前が悪だろ!」なんて反論されそう。
ちなみに、マフィアに向かって「お前は悪だ」なんて罵ると、不幸になりますので。
ご注意ください。
悪人を、他の悪人の暴力から保護することも必要ですね。
ちなみに、何が悪人なのかは、支配者が決めます、それだけ。
移動。
ジャーナリスト。
「ああ、庶民は、民主制にも支配者がいるってことを忘れている。」
星弥。
「正義が何かを忘れたから、正義を名乗る愚か者が出てくるのです。」
小刹。
「善人の数が底を尽きたので、悪人に八つ当たりをするようになったのです。」
琉輝。
「義人が疎ましいので、自らを正義であると名乗る馬鹿が増えたのです。」
ジャーナリスト。
「みんな、正義とか、善人とか、悪人とかの定義を忘れたんですよ。」
「定義を失って根拠がないので、自分達で定義しようと、挑戦しているんですね。」
星弥。
「悪人なんて便宜上、用いられるもので。」
「責任を取らせる相手の名称ですよ。」
小刹。
「何が悪なのか、自分達で決められる、傲慢で野蛮な社会ってことです。」
琉輝。
「善人のせいで、誰かが悪者扱いされてない?」
星弥。
「善人とか悪人とか、単なる比喩ですよ。」
小刹。
「便宜上、必要なだけですね。」
琉輝。
「いつまで、善人とか悪人とか、愚かなことを指摘しないといけないのかなあ。」
ジャーナリスト。
「イソップ童話にある通り、理由もなく他人を悪者扱いすると。」
「人は残虐な報復に打って出ることがよくある。」
星弥。
「善人だからで特別扱いはないんですよ。」
ジャーナリスト。
「善人って誰が作ったの?」
小刹。
「善人とか悪人とか、もうその構図はいい加減に飽きましたよ。」
琉輝。
「私もです、善人対悪人の二項対立は、つまらない。」
星弥。
「退屈ですよね、今更、善人、悪人、暇なんですね。」
ジャーナリスト。
「いちいちそんな杓子定規を議論しないの、さあ、到着。」
新聞社、駐車場。
小刹ちゃんはお手伝いで離れました。
星弥ちゃんと琉輝ちゃんは、夕日が沈むのを一緒に見ますね。
星弥。
「こうやって、たまに見ると、天体って現実に、身近にあるんだと。」
「目の前で理解できます。」
琉輝。
「今夜は、天の川銀河の中心付近にある、古い恒星が見れるわよ。」
星弥。
「宇宙は138億歳の第二期インフレーション期ですので。」
「すべて出揃った後だと思っています。」
琉輝。
「自分がいる空間、居場所も、宇宙の中。」
「古代ギリシアから誕生した自然科学は。」
「突如、近代化で続々と発展して。」
「今では、この宇宙の少しだけ、覗き見することができるね。」
星弥。
「宇宙に感化される、こうやって、何回も感化されて来たのが私です。」
琉輝。
「所で、あなた、今日の下着ってどんなもの?」
星弥。
「興味あるんですか?」
琉輝。
「他の女性がどんなものなのか、知らないので。」
星弥。
「知らなくてもいいんですよ。」
琉輝。
「参考にしたかった。」
星弥。
「私の着替えの時にでも、じっくり見ればよろしい。」
送迎しました。
自宅に戻る星弥ちゃん。
一人暮らしですが。
近所には、隠居している身内がたくさんいますので。
けっこう接する機会があります。
土地も、両親から分けてもらっていますので。
貸している土地や賃貸から収入があります。
本業の易経の占い師は、練度が足りない。
朱子語類易経編を読んで。
特訓中。
易経は、いろんな翻訳本を持っているんですね。
実はかなり当たります。
不吉なことは占わない。
元々、宇宙に感化されて始めた占いですね。
都会から逃避して、移り住んだ最初の夜に。
夜空の星々、宇宙に感化されました。
天文学、宇宙論が元々好きなので。
最初の一週間は、夜空に夢中だったんですね。
自然は宇宙も含まれます、宇宙が自然を形成している。
そして宇宙には、信じられないものはひとつもない。
5
各人が支配者になるなら世界は破滅する。
英語のことわざ。
小雨。
晴れのち曇り。
天気予報が、都合次第でたまに外れてほしいと思う時がある。
配送業者が、やっとのことで。
大きな宅配ボックスに荷物を投入して。
任務達成。
ジョン・スチュアート・ミル、自由論。
ヴォルテール、寛容論。
なぜか現代と相性が良い古典。
無批判な民主制は良くないのか。
民主制の批判は多々あります。
完璧な政治を作っては崩壊し。
崩壊しては完璧な政治を作り。
これまた崩壊する。
別に誰もディストピアを作ろうと。
思った試しはないのだけれど。
そして今日もプロパガンダが流れています。
それでも、穏健で、平和主義の内容ですけれど。
世間の人は。
政治に何を期待していると言うんですか?
衛星放送のアンテナを装着したら。
担当の役人が来たので。
支払いの約束をして。
今は、その支払いに出かけています。
駄菓子屋にて。
星弥。
「なぜ無能の人がいるんですか?」
小刹。
「無能は不可抗力ですよ。」
琉輝。
「基本的な帰属の誤り、という社会心理学用語の通り。」
「無能はその人のせいとは限りません。」
星弥。
「非力な人がいるのは、なぜですか?」
小刹。
「人は先天的にはものすごく貧弱な生き物なんですね。」
「なので、非力であっても。」
「その人が間違っている訳ではありません。」
琉輝。
「大半の人は、強く見せているだけで。」
「弱さが露呈することは度々ありますが。」
「それを見せないようにする。」
「弱さを隠す方法も習得しているんですね。」
「なので、強者は、他人に対して相対的に強い。」
「というくらいなので。」
「他人と比べて、この程度強い、くらいものです。」
「比較対象が無ければ。」
「途端に、人が持つ弱さが目立ってしまいますよ。」
星弥。
「凡人ってどうすればいいんですかね?」
小刹。
「別に通用しているのなら、それ以上のことに値するように。」
「徳性を磨けばよろしい。」
琉輝。
「先天的な才能が物を言うと、理屈になるので。」
「徳性を持つことによって。」
「値するようになり、後天的に才知を得るのが。」
「哲学的な経過ですね。」
星弥。
「イソップ童話にも、才能も磨かないと。」
「度々、努力に負ける、という話がありますね。」
小刹。
「平均以上の力量を、何でも才能と呼ぶ悪癖は。」
「どこでも困った話になりますね。」
星弥。
「後天的に力量を上げたのに。」
「先天的であると批判されるなんて。」
「そんなこと言われても困る手練達であった。」
琉輝。
「一部の天才を基準に、能力を評価されて。」
「そんなこと言われても困る猛者達であった。」
小刹。
「弱くて劣っている悪い人が嫌で。」
「自分から強くて優れている良い人になろうとしているのに。」
「それを才能であると単純化して批判されて。」
「そんなこと言われても困る強者達であった。」
星弥。
「我々はフリードリヒ・ニーチェに共感して。」
「弱くて劣っている悪い人になりたくなくて。」
「強くて優れている良い人になろうとしている。」
「なのに、それを才能と呼ぶなんて。」
「ナンセンスの極みですなあ。」
小刹。
「才能が天から降ってくるものであると。」
「思っているのでしょうか。」
琉輝。
「才能の半数は、馬鹿の一つ覚えですね。」
星弥。
「まったく度し難い。」
小刹。
「批判に満足したら、問題になっている才能とやらを。」
「自分で何とかしてほしいものです。」
琉輝。
「どちらかと言うと、彼らは強くて優れている人になる手段を欲しがっている。」
「そうでないのなら、見当違いの非難ばかりしているってことですね。」
駄菓子を購入して。
乗車。
銀行まで走行。
一般道路で後ろに車がいません。
交差点で停車すると。
対向車が、突っ込んできました。
しかし、後ろにバックしながら旋回したので。
突っ込んで来た対向車は脇をすり抜け。
樹木に衝突して大破。
運転手、無事ですね。
通報、救急車と警察を待っています。
数分かかる。
星弥。
「危険は安心・安全の隣人である。」
小刹。
「予見された危険は半ば避けられたのに等しい。」
琉輝。
「危険そのものが、危険を除き去る最良の方法である。」
星弥。
「安心と安全は、まったく違うものですね。」
小刹。
「安心は、ある意味の油断で、本当に危険がなくなったかは確認しない。」
琉輝。
「安全は、脅威があっても、自分に影響しないのですよ。」
星弥。
「危険を、被害の規模と確率で計算するのが玄人とのこと。」
「恐怖、未知性で判断するのが素人、とのこと。」
小刹。
「大きな危険がないだけで、何もないのと同じではないかな。」
琉輝。
「多少のことがあってもいいから。」
「直接、自分を左右する危険は要らないね。」
星弥。
「危険なんて、あってもなくても、道徳的にあんまり変わらないと思うけれど。」
小刹。
「要らないものを、わざわざ作らなくてもよろしいよ。」
琉輝。
「危険よりも、危険を通して感染する馬鹿の方が辛いよね。」
星弥。
「経験とか、そういうものは無関係。」
「経験なんてすぐ忘れるから。」
「やがて、経験が必要になった時には、既に忘れていて。」
「そう言えば過去、こうであったと、後から思い出すから。」
小刹。
「意味のないものを、無理に理屈をつけられても困りますからね。」
琉輝。
「経験という授業料は、いつもの通り踏み倒す。」
星弥。
「経験という詐欺師に、支払う物は何もない。」
小刹。
「略奪でもするんだな、最も撃退しますけれどね。」
星弥。
「危険の方が不正をやっているのに。」
「何か意味があるとか、そんなこと考える方が愚かですな。」
琉輝。
「自然災害くらいの危険は、危険の中に入らないですね。」
小刹。
「人工の災いなんて作るな。」
星弥。
「危険の内容は、いつも因果関係が認められないものばかりですしね。」
小刹。
「許容できる危険なんてものがあるのでしょうね。」
「私は自然由来の危険なら、問題とは呼びませんが。」
星弥。
「作られた危険だけは、気持ち悪いですよね。」
小刹。
「都会で疫病が流行った時なんて、私はそのファストフード店に。」
「その日、唯一、最初で最後に来店した顧客だったらしいよ。」
琉輝。
「大地震臨時情報の時なんて、計算次第でどうにでもなったし。」
星弥。
「取り越し苦労で死にそうになる人もいるんですよ。」
小刹。
「実際の被害よりも、取り越し苦労の威力が遥かに多大とはね。」
琉輝。
「私は危険に近寄らないけれど、危険の方が近寄ってくる。」
星弥。
「危険って何なんですかね、新作の言いがかりですか?」
小刹。
「警戒はけっこう重要な技能ですよ。」
琉輝。
「人間を過大評価していますし。」
「誰しもが安全に勝利しようとしている今のご時世。」
「危険について、という論文がそろそろ必要ですね。」
星弥。
「もし天が墜落するなら、どうであろう。」
パトロールカーと救急車が停車。
調べています。
回避したので、無関係みたいな扱い。
運転手。
体が勝手に動いたようだ。
とのこと。
運転手は、検査のために運ばれて行きます。
何も当たっていないので。
小事で済みました。
ドライブ再開。
体験と報道を合わせて。
愚痴を言いながら。
立ち去ります。
星弥。
「被害者による、過剰報復が問題になっていない?」
小刹。
「命なんて、相場が出た試しがないけれど。」
琉輝。
「殺してもいい動物を、殺したことがない。」
「生命を何も知らない人が、命を論じる、優等生かな。」
星弥。
「おやおや、殺しても問題がない小動物がいて。」
「一匹も、虐殺を目的にして殺害せずに。」
「命なんて論じる、だいぶ安っぽい説教ですなあ。」
小刹。
「命がどうとか、説いても、人間は無関心。」
星弥。
「目の前で、いくらでも命が左右されている現場を見ると。」
「命の大切さ、なんて筋違いなことですからね。」
琉輝。
「命の値段が暴落したので、命について論じるようになったのです。」
星弥。
「命なんて、誰しもが理解していたので、昔は誰も論じなかった。」
小刹。
「昔の人は命について理解していた。」
「現代人は無理解が多くなった。」
「そしてとうとう、命についての説教が発生した。」
星弥。
「私がゴールデンハムスターを飼っていた頃は。」
「生き物というものを、毎日、見せられた。」
「必死になるハムスターという生き物を観察して。」
「ハムスターに、考えられるすべてを提供していたよ。」
琉輝。
「まず生き物とは何かについてから、論じないとね。」
星弥。
「もはや、生き物について分からなくなったので、語られるのです。」
小刹。
「昔は暗黙の了解で、命、生き物、すべて把握されていた。」
星弥。
「その暗黙の了解が成立しないので、理屈を言い出した。」
琉輝。
「不条理に慣れておくことは、もしもの時の動揺をすべて消しますよ。」
小刹。
「命というものは、もはや誰も信じなくなったので。」
「猜疑心から、命を説く人が続出した。」
星弥。
「命なんて当たり前のことを、わざわざあんなに語りますかね。」
琉輝。
「当たり前のことではなくなったから。」
小刹。
「生命倫理が必須科目になる社会って。」
「人道上の問題を大量に抱えていると思います。」
銀行に到着。
受信契約を結ぶと。
帰り際の海で。
沈没している漁船がいまして。
遊覧船と衝突したらしい。
海上保安庁の巡視艇が救助中。
ちなみに、横に沈んでいるのは。
モーターボート二隻です。
何があったのか。
大惨事。
野次馬が言うには。
お互いに通り過ぎるはずが。
モーターボートが突っ込んできて。
衝突の威力で進路を誤って変更してしまい。
激突したらしい。
立ち去ります。
ラジオでは、事故の情報が流れている。
ソーシャルメディアを検索すると。
相変わらず、誹謗中傷に熱中する。
喧嘩好きな利用者の数々。
愚痴は増えそう。
星弥。
「他人の無能を許せる人はいない。」
小刹。
「損失が出ますからね。」
琉輝。
「役に立たないのに、現場にいる。」
「まあ、誰も許しませんね。」
星弥。
「この前、自分達による支配を完成するべく。」
「悪者扱いする人に、すべての責任をなすりつける。」
「現場を見ましたよ。」
小刹。
「はあ?社会はそいつらの玩具じゃない!」
星弥。
「そいつらの正義って、自分達の支配を完成させるための手段であって。」
「目的ではない。」
琉輝。
「自分達の問題を、責任転嫁するために、狙いを定めた、みたいな。」
小刹。
「社会の底辺が、一発逆転を狙った、無能証明書みたいな?」
星弥。
「例えば、悪人が野放し、なんて言い分は、被害妄想がそのままに出ています。」
「お前らを満足させるために、警察や司法がある訳じゃないんだよ。」
小刹。
「探偵ごっこで遊ぶために、無差別テロなんてするんじゃない。」
星弥。
「そういう連中の一貫した内容が、無能という所なんですね。」
琉輝。
「それしか取り柄がない、ああ、暇なんですね。」
小刹。
「暇つぶしに、自分達による支配なんで企んでも、おかしくはない。」
星弥。
「まったく度し難いなあ。」
小刹。
「社会の中には一定数、少数派ですが、馬鹿がいるので。」
「そういう馬鹿は何かのきっかけで、誰かを狙うんですね。」
琉輝。
「妄想の内容で他人を攻撃するなんて馬鹿げているよ。」
星弥。
「特にインターネットの誹謗中傷には、精神疾患の人がそれなりに混ざっています。」
小刹。
「サイコパスに狙われるのは、貧乏くじでしょうね。」
琉輝。
「その診断はついてないけれどね。」
星弥。
「そういう連中は道理を説いてもわからないので。」
「叩いたり、叱ったりして、できなくしてやった方がいい。」
琉輝。
「ああいう高圧的な馬鹿には、傲慢な主人を持たせた方が。」
「その人のためになると思ってね。」
小刹。
「正義の味方よりも、悪魔みたいな支配者の方が現実的ですしね。」
星弥。
「今日も無関係な人を攻撃して楽しんでいるようですしね。」
小刹。
「無差別テロがそんなに楽しいか。」
琉輝。
「インターネットの誹謗中傷が目指しているのは、相手の殺害ですしね。」
小刹。
「殺人の途中経過が、彼らの楽しみなんですよ。」
星弥。
「殺人の手段を楽しむとは、まったく度し難いな。」
自宅に戻ると。
問題になっている性善説について。
雑談を開始。
天は性善説、人間は性悪説、という区別がされている。
人間が性善説ではだめ。
人間は性悪説で良い。
天は性善説でも、人間の迷惑にはならない。
天地混同は愚考、という結論。
星弥。
「包括すると、性善説の考え方を持っている人を、いかに突き放すか、ですね。」
小刹。
「性善説も性悪説も、一緒に退けられて、その中間が本物であると認定されましたが。」
琉輝。
「西洋では性悪説しかないですね。」
星弥。
「性善説の連中って、やたら善悪に執着する。」
「正義と悪が対立するものであると信じているし。」
「そもそも間抜けでお人よし。」
「何でも信じるし、信じた分だけ他人に騙される。」
「裏切られる可能性を考慮しないので、捨てられた時にすぐ恨む。」
「世の中にいるのがすべて善良な人だと信じる反面。」
「主観的に悪人だと思った人は、無条件で殺していいと思っていたり。」
「すべてが公正なはずだから、自分だけは依怙贔屓されると思い込む。」
「そして善人の定義から外れる人を、決して許さず、殺しまくる。」
小刹。
「性善説の輩はもっとひどいものがあって。」
「すべて天に任せれば、なんとかなると思っていて。」
「自分の力で何とかしない、助けが必ず入ると思っている。」
「状況をいっさい、コントロールしないので。」
「その人の制御を外れた災いが、度々襲い掛かる。」
琉輝。
「世界が善良だから、自分にも善良な対応をされると信じているとか。」
「それと違った結果や態度はまったく許さない。」
「そしてこれらを正しいと見なしていて、正しいから考えを変えない。」
「違った結果や対応をされると、自分の考えに従わないお前が悪い。」
「なんて遠回しに非難する。」
星弥。
「私は昔、性善説を教えられたので、分かるんですね。」
「性善説ではなにもうまく行かないので、悔い改めて、性悪説になりました。」
小刹。
「性善説の最大の汚点は、人間が完璧であると信じ込む所ですね。」
琉輝。
「相手に完璧を要求するのは、性善説の欠陥です。」
星弥。
「自分の完璧が少しでも崩れると、演技や詭弁で、欠落を埋めてくるし。」
小刹。
「性悪説は、元々みんな悪なので、まあ人の性がむき出しになったので。」
「自分も同じ悪だから、多少のことは大目に見ますよと。」
「かなり人間に寛容です。」
琉輝。
「みんな悪ですし、自分は教化されて善と悪の中間になりましたので。」
「元悪として、他人の悪は、気になりませんよと。」
星弥。
「性悪説は、他人に完璧を求めません。」
「人に対して期待しませんし、最初から諦めています。」
「なので、冷静で合理的な対応ができるんですね。」
琉輝。
「人は善でも悪でもない、という簡単な現実を体験できるのは。」
「徹底した性悪説の成果ですね。」
小刹。
「人を善か悪か、どちらかという立場で見るのは、頭が悪すぎて悲惨。」
星弥。
「人は善でも悪でもない、善悪については中立なんですよ。」
琉輝。
「たいてい、善悪に関しては中立的だと思います。」
小刹。
「しかし誰でも既に理解している、道理を、頭の悪い人に説いても無駄でしょう。」
星弥。
「一部の馬鹿が社会問題化するとは思わなかった。」
小刹。
「一部の馬鹿は、国民の平均を知らないからね。」
琉輝。
「一部の馬鹿は、半分の世界に住んでいて、もう半分は知らない。」
星弥。
「度し難いな、口癖になってしまった。」
小刹。
「彼らは自分の馬鹿も、人のせいにする。」
琉輝。
「つまらない言い訳をするなあ。」
両親から連絡があって。
ライバルの数人が破産したという。
競争しか取り柄のないライバル達は。
短期的には成功しましたが。
長期的になって、自滅しました。
意外と、干渉された経験があります。
星弥。
「私を排除しようと試みた連中がいましたが。」
「彼らが社会を制御しようが、制御しまいが。」
「結果は同じでしたね。」
小刹。
「人は様々な過程を得て、同じ結果に至るのです。」
琉輝。
「どうせ結果が同じなのに、無理に反抗して変えようとする。」
星弥。
「正義の味方に鞍替えしたつもりでしょうけれど。」
「結果は同じでしたね。」
琉輝。
「とまあ、人生の本質は、生まれた時の初期配置をずっと引きずって進む。」
小刹。
「そもそも、選んだ、選んでないの押し問答ではなく。」
「選んだ証がどこにある。」
星弥。
「証の品がないのに、選んだことにはならない。」
小刹。
「人が何でも自由意志に基づいて判断しているなんて。」
「馬鹿げた理屈ですよ。」
星弥。
「私の場合、排除を試みてきた連中の運命について、本人は何も影響を与えていない。」
「自分の運命に蝕まれて、逃げられていない。」
小刹。
「それでは、あなたの排除を企んだのも、決まっていたことなんだね。」
星弥。
「決まっている内容に従う必要はないのだけれど。」
「自分の運命は読めない、チャレンジャーでしたね。」
琉輝。
「自らの運命に乗せられている点では、結果が同じでしたね。」
星弥。
「どのような内容が運命なのかは、その人が死亡してからではないと。」
「評価はできないと思いますが。」
琉輝。
「先に運命があるのではなく、後から運命が分かるのですか。」
星弥。
「最後まで運命の決定論なんて、分からないのですが。」
「他人の運命はけっこう見えますね。」
小刹。
「運命なんて勝手に決められるものですし。」
「運命なんてものがこの世に無ければ。」
「もっと要領よくやれますよ。」
星弥。
「運命は変えられませんが、壊すことはできます。」
琉輝。
「どこまでが運命なのか、私は分からない。」
小刹。
「案外、運命は自殺を試みているのだと思います。」
運命らしいものが何もない人。
本当にいます。
思想について一致しているので。
今回も、良い意見をノートに記して、討論は終わり。
琉輝ちゃん、用意していた下着を取り出す。
高級品。
琉輝。
「あなた、この下着に興味ない?」
星弥。
「くれるんですか?」
小刹。
「私も欲しいね、何枚あるの?」
琉輝。
「けっこう持ってきた、本土からの取り寄せ。」
「あなたが履いている所を想像すると、何だか興奮する。」
星弥。
「これって高そうですね、無料なら、つけている所を覗き見でもすればいい。」
小刹。
「えっちな下着ではありませんが、だいぶ高級な素材で出来ていますね。」
琉輝。
「履いてくれるの?」
星弥。
「あなたが、私がそれを履いている所を想像しても。」
「私は構いませんよ。」
小刹。
「今度、またスカートめくりしてみて。」
琉輝。
「やったあ、私の趣味に加担してくれた。」
星弥。
「そんなので満足してくれて、なによりです。」
小刹。
「またスカートめくりしてくるかもね。」
星弥。
「私はスキンシップだと思いますが。」
小刹。
「私は、女性にされるのは、けっこう趣味だったりします。」
琉輝。
「今、履いているの見せて。」
星弥。
「うわっ!くすぐったい!」
琉輝。
「あなた、中にショートパンツなんですね。」
小刹。
「私にはやらないの?」
琉輝。
「それでは、やらせて頂きます。」
小刹。
「どう?」
琉輝。
「あなた、美人さんになるわよ。」
小刹。
「御令嬢にスカートめくりをされますか。」
「私も出世したものですね。」
高そうな下着を受け取りました。
琉輝ちゃんは、他の女性に興味津々なため。
たまに調べてきます。
若い女性の集いに参加すると。
女の子にちょっかいを出す反面。
色気のためか。
逆に、えっちなことをされる琉輝ちゃんです。
夜の番組で。
善人を集中的に狙ったテロがあり。
犯行声明が出ていました。
篤志家。
「すべての善人を倒して、人間に真なる自由を。」
熱血漢。
「善人という、この世界に不要な存在を全員抹殺し。」
「善悪に縛られない、理想の世界を。」
快男児。
「善人をこの世から消すことで。」
「人間は善人の支配から解放されるのです。」
謎の集団、さりげなく人気。
アンチヒーローかな?
善人という評価がつく人は、けっこう殺されています。
まあ、善人なんて、元々、要らない連中ですからね。
今更、抹殺されても、別に最初からいてもいなくても、あんまり変わらない。
裏社会の王と、大臣と、将軍の三人トリオ。
アンチヒーローとして暗躍。
司法の判断を超える行動が目立ちます。
自滅するための爆薬を持っているという目撃談があり。
簡単に逮捕できません。
目の前の海をちょっと越えた所で、猛威を振るっています。
世の中のことは、とりあいず善人のせいにすれば、たいてい当たる。
とある国の独裁者がアンチヒーローを支援、その独裁国家。
善人を簡単に収容所に入れる。
怒りが権力と結びつくと雷が落ちる。
深夜。
変な影を見まして。
そう言えば昔、迷信なんて教えられて育ったと思い出し。
改めておきました。
邪教は傲慢の学校である。
邪教は閉め出し寄せつけないのはやさしいが。
いったん心に浸み込んだのを振り落とすのは難しい。
英語のことわざにも。
迷信を顧慮する人には、迷信通りのことが起こる。
とあります、迷惑ですね。
天体観測に外に出たら。
郵便受けに手紙がありました。
差出人、不明。
一文。
私に対してこらえてくれ、そうすれば私も君に対してこらえてあげよう。
6
不幸を失う者は十分な利得を得たのに等しい。
英語のことわざ。
同業者の韓国人。
お客さん。
休暇で。
しばらく滞在するそうです。
ゲンナリ。
「生きているのに萎えた。」
星弥。
「ましじゃないですか、この場に限っては。」
ゲンナリ。
「人間が創られた意味が、もはや分からない。」
星弥。
「人間の存在がジョークなんですよ。」
「多分、真面目に創ってない。」
ゲンナリ。
「最初から、世界のすべてを解き明かして。」
「調べ尽くさないと、人間は成立しないんですか。」
星弥。
「そんなきっかけを作った巡り合わせを非難するがよい。」
ゲンナリ。
「無駄な苦労、いや、無駄になって終わるためにする。」
「日々の労苦。」
星弥。
「報われない上に、報酬は少ない。」
「割に合うだけの労苦なんて、あった試しがない。」
ゲンナリ。
「私の労働の成果なんて、百年後には誰も覚えていない。」
星弥。
「自分を養うだけで、身体の置き場所の話ですしね。」
ゲンナリ。
「何も思うがままにならないというのなら。」
「こんな世界、創らないでほしい。」
星弥。
「世界が果たして必要なのか、不要なのか、疑われたことがないよね。」
ゲンナリ。
「人間なんて、昔からたいしてパターンが変わらない生物ですよ。」
星弥。
「意外にも、他の人と、やっていることは似通っていますよね。」
ゲンナリ。
「生計を立てて、それだけじゃないですか。」
「世界にあるものは、それだけ。」
星弥。
「貧しい以前に、何もない所に落ちてしまった。」
「嘆きがありますね。」
ゲンナリ。
「生活するだけなのに、萎えるようなものは世界に要らないね。」
星弥。
「今からでも消せば?」
ゲンナリ。
「人類なんて、何のオリジナルも編み出せなかった失敗作。」
星弥。
「史上最高の駄作、という題名がついた美術品ですよ。」
ゲンナリ。
「人間は神の失敗作、その責任は人間が取ることになった。」
星弥。
「人間なんてたいした生き物じゃありませんよ。」
「実際に神が創った人間は滅茶苦茶じゃないですか。」
「しかし我々だけは、それを否定することができます。」
ゲンナリ。
「この世のことは、私は恐ろしいほど無関心なんですよ。」
星弥。
「それが当たり前では?」
「他に何の対処が必要なんですか?」
ゲンナリ。
「下らない文明の中で、明日も下らないことを繰り返すのです。」
星弥。
「下らないと言ったらきりがない。」
「この世のことは無視がいちばんです。」
ゲンナリ。
「私が悪いのではなく、世界の出来栄えがあまりに酷いので。」
「後から来た順番に悪くなる。」
星弥。
「人間さえも、世界を真面目に整えることはしなかったね。」
ゲンナリ。
「なんでそんな世界、存在する必要があるのか。」
「まったく、この世が続くなんて、めんどくさいことがあるんですね。」
星弥。
「駄作が完成してしまったのだから、しょうがないでしょ!」
ゲンナリ、萎えている苦情を言いまくる。
現世に対して、徹底した無関心。
うまく行かなくなると。
世界の構造のせいにする。
人間が聞いていい内容ではないかも。
同じことが続いて、飽きて嫌になる。
その回数と頻度が高いゲンナリちゃん。
人生なんてそんなものであると、皮肉を言う。
この世に何か期待する方が間違っている。
この世からは搾取できますが。
この世が何かくれると思う方が間違っている。
何もせずに向こうから来るものは。
ろくなものではない。
ケーキを食べながら。
愚痴は続く。
ゲンナリ。
「生まれたら、目の前の道を歩むだけがすべてではない。」
星弥。
「決まっているから、と、自分が決めたから、が合わせて対決する。」
ゲンナリ。
「撃破できないものを、撃破してしまったから、しょうがないでしょ。」
星弥。
「私達は、運命の判断を超えましたからね。」
ゲンナリ。
「私はこの世に生計を立てるために来てないね。」
「生まれた理由はすべて後付け。」
星弥。
「人は理由があって生まれる訳ではない。」
ゲンナリ。
「二人で運命の代理人をぶっ殺しましょう。」
星弥。
「多分、来ると思います、人生なども、いろいろまとめた代理人。」
垣根から侵入者。
若い女性が一人暮らしをしていると。
怪しい青年が侵入して来た。
しかし。
星弥ちゃんはフレイル。
ゲンナリちゃんはバトルアックスを持っていた。
謎の青年、武器を見て逃げ出した。
星弥。
「運命ですか、一度、本気で戦ってみたかったよ。」
ゲンナリ。
「命がけで戦ってこそ、意味がある。」
青年。
「僕が知っている女性じゃない!」
星弥。
「ボディがいい?それとも顔面?」
ゲンナリ。
「代理で来たからには、お供え物になってもらうね。」
青年。
「死ぬ!殺される!」
星弥。
「あの世はいい所だよ。」
ゲンナリ。
「墓場に入れば、ゆっくり休めるよ。」
青年、逃亡。
敷地外に出たので。
追跡を辞めた。
星弥。
「なんだ、運命なんて正々堂々と戦えない、卑怯者じゃないですか。」
ゲンナリ。
「人生に出てくるのは、みんな卑怯者か、臆病者だけですね。」
星弥。
「人間が勝てないだけで、人間を超える力で打てば倒れる。」
老人。
「いいもの持っているね、何を仕留めるつもりだったので?」
星弥。
「約束の相手。」
ゲンナリ。
「人間の形をした何か。」
老人。
「物騒なお嬢さん達だなあ。」
星弥。
「相手に失望しましたね。」
ゲンナリ。
「相手にがっかりした。」
家の中で。
雑誌を読むことに。
小刹ちゃんが下校して、合流。
琉輝ちゃんが、到着。
久しぶりにゲンナリちゃんに会った。
ゲンナリ。
「悪い忠告は忠告者に最も悪い。」
星弥。
「悪い助言はすべての人を傷つける。」
小刹。
「すべての勝負事は勝っているときにやめるのがよい。」
琉輝。
「誰も勝利者になれない主導権争いは不幸な争いである。」
ゲンナリ。
「自分が善人であることの理由が分からぬ者は。」
「善人であるわけにはいかぬ。」
小刹。
「休暇の最後に何するの?」
琉輝。
「お楽しみがあるそうですが、何ですか?」
ゲンナリ。
「地獄征伐をしようと思っています。」
星弥。
「地獄征伐をする者は悪魔をつまみ出す、成句ですね。」
小刹。
「どこを滅ぼすつもりか、よく分かりませんが。」
「私は、単に地上で生活するのが人間だとは思っていない。」
ゲンナリ。
「まずは、社会正義戦士には消えてもらうね。」
琉輝。
「為政者が正しくて、活動家が間違っていると思ったことはないかな?」
星弥。
「ありますね。」
ゲンナリ。
「あなたはこの後、何をするのですか?」
星弥。
「前進すれば倒れ、後退すればすべてを台無しにする。」
ゲンナリ。
「進むも退くも、危険な状況なんですね。」
星弥。
「自分だけが何か分かっているつもりの、厄介な相手がいるんですね。」
ゲンナリ。
「道化師が作った芸術作品を、そんなふうに呼ぶべきではない。」
鳩が来たので。
鳥の餌をあげていました。
鳩が歩いている。
七羽も来た。
カワラバトは人に慣れているので。
手から鳥の餌をあげています。
庭に出る二人。
さっきの青年。
また、覗きに来ていまして。
触って逃げようと企んでいましたが。
庭の中で、小刹ちゃんと琉輝ちゃんに捕まって。
縄で縛られて、尋問されています。
小刹。
「さあ、何しに来た?」
琉輝。
「何を企んでいるの?」
青年。
「答えません!」
小刹。
「答えてもらわないと、警察に突き出すことになる。」
琉輝。
「すべて白状すれば、見逃してもいい。」
青年。
「嫌です。」
小刹。
「何の計画で?動機は?」
琉輝。
「答えないと、通報しますよ。」
青年。
「嫌です!」
小刹。
「白状しないと、通報しないといけませんね。」
青年。
「嫌です!」
琉輝。
「白状しないのなら、警察に突き出すけれど。」
青年。
「嫌です!」
小刹。
「動機は?計画は?話せば?」
青年。
「嫌です!」
琉輝。
「白状しないのなら、通報するしかないのだけれど。」
青年。
「嫌です!」
星弥。
「企んでいることを曝け出して、楽になろうよ。」
青年。
「嫌です!」
ゲンナリ。
「そうなると、残念ながら、警察に来てもらうしかないのだけれど?」
青年。
「嫌です!」
目撃された。
とうとう、元プロレスラーの村長がやって来て。
青年を連行しました。
見逃すか、通報するか、村長が決めるらしい。
青年、暴走族みたいな村人の集団に連れていかれた。
知り合いらしい。
さて、ゲンナリちゃんが。
重りの入った米俵を。
担いで、敷地内を歩いて回っています。
重量は30キログラムあります。
星弥。
「静穏は大きな宝物である。」
小刹。
「はいパス!」
琉輝。
「空に打ち上げるよ!」
ゲンナリ。
「よし、ドリブルして、星弥ちゃんにシュートを任せる。」
星弥。
「キャッチ!ゴールネットにシュート!」
重りの入った米俵、ボールにされる。
小さなフットボール用のゴールに押し込むと。
次に持っているのは、鉄球。
これでハンドボールをやっている。
ゲンナリ。
「パス!」
小刹。
「げ!抜かれた!」
琉輝。
「シュートはさせない!」
星弥。
「決める!」
小さなゴールネットに。
鉄球が突き刺さった。
今度は、普通の大きなタルで。
バレーボールを開始。
老人。
「そんなもので遊ぶなんて、正気じゃない!」
市民。
「なんてもので球技をしているんですか!」
星弥。
「だって、普通のボールだとつまらないじゃない。」
ゲンナリ。
「普通のボールなんて使ったら、退屈でしょうがない。」
小刹。
「時代は、何でもボールっていう球技でしょ。」
琉輝。
「いろんなボールを使っても、いい時代だと思います。」
老人。
「だからって、砂袋でラグビーまでやらなくてもいいだろ!」
市民。
「野球バットで案山子を飛ばして遊ぶな!」
星弥。
「こらこら、見世物じゃないよ!」
小刹。
「見たくないんでしょうね。」
琉輝。
「いいじゃん、久しぶりの楽しみなんだし。」
ゲンナリ。
「怪我や事故の心配でもしているんでしょうね。」
「一理あるので、もうやめておきましょう。」
夕方まで時間がある。
プロペラ飛行機のラジコンに。
エアガンを発砲して。
当たるかどうかを試す遊びをしています。
星弥。
「そう言えば、詩的正義って思っているより多いよね。」
小刹。
「ああいう正義は理想であって、現実には存在しない。」
琉輝。
「理想なのか夢想なのか、私は空想だと思います。」
ゲンナリ。
「いきなり理想的な正義を説かれたら、現実を無視すると思いますよ。」
星弥。
「理想から入る正義論って、主観的ですよね。」
小刹。
「今の時代、正義なんてジョン・ロールズの正義論が代表ですからね。」
琉輝。
「正義も複数あるって、知らないんでしょうね。」
ゲンナリ。
「ひとりが正義なんてことはないんですね。」
星弥。
「正義はひとつではない。」
ゲンナリ。
「哲学者によって、正義の定義はかなり変わります。」
「正義はひとつなんてことはない。」
小刹。
「一元論みたいな正義なんて役に立たない。」
琉輝。
「国語辞典には定義が載っているんですけれどね。」
星弥。
「とても中立的で、良い定義だと思います。」
ゲンナリ。
「哲学で正義と言えば、様々な解釈があり。」
「一致はしていないね。」
小刹。
「正義について間違っている考え方をしている凡人には。」
「ジョン・ロールズ正義論がお勧め。」
琉輝。
「正義の考え方を間違えている人なら、時々、見かけます。」
日の入りは一日を評価するらしい。
ゲンナリちゃん。
民宿に帰りました。
小刹ちゃんと琉輝ちゃんは一緒に帰りましたね。
星弥ちゃん、プラトンの正義を支持。
小刹ちゃんは、ホッブズの正義を支持。
琉輝ちゃんは、ヒュームの正義を支持。
ゲンナリちゃんは、カントの正義を支持。
あなたの正義の派閥は?
警告。
現実的な正義は、哲学において複数あり。
正義の定義は、哲学者によって、多少異なります。
弱者が価値あり、と見なす正義は。
詩的正義と呼ばれるものです。
英語のことわざ。
詩的正義。
善人栄え悪人滅ぶといった、理想的正義のこと。
7
彼が臆病者なら、彼は人殺しをする男である。
英語の成句。
天人(てんにん)が、人間に責任を取らせるべく。
違いがないのに、いろんな人を攻撃。
暗殺しています。
不審死続出。
大島にも来まして。
不審死が発生して。
島民は警戒しています。
深夜にて。
星弥。
「最近は、天と地上は仲違いしている。」
小刹。
「天と地、天人(てんじん)は一致してないですね。」
琉輝。
「この時代ほど、天と地上が喧嘩する所はないね。」
ゲンナリ。
「天の言い分なんて、地上には通用しないね。」
星弥。
「天は人間を無視するし、地上は天を顧みないし。」
小刹。
「天を統治する神だけが、天と地上を結ぶ。」
琉輝。
「なので考え方も天だから何々なんて笑われるだけ。」
「地上は何々だから、これは通用する。」
星弥。
「神は、自分の所轄を次々と分離して、人間に裁かせているのでは。」
小刹。
「人間重視の時代にしたってことです。」
琉輝。
「人間の力が増して、数も設定した以上に増えたので。」
「人間が、切り離した所轄をどう扱うのか、調べているのかも。」
星弥。
「神は、自分の所轄を分離して、人間の自由意志を見たいのです。」
ゲンナリ。
「そうでないと、理に合わない多くのことが説明できない。」
小刹。
「神が理に合わないものを巻き散らすなんてことはない。」
琉輝。
「根拠を失ったものは、崩壊を始める。」
星弥。
「神の後ろ盾が消えて、分離されて、見捨てられた所轄なんですね。」
ゲンナリ。
「人間は好きにそれを扱ってもいい。」
星弥。
「違法の誓いは守るよりも。」
「破ったほうがよい。」
日付はまだ回らない。
時計は二十一時。
夜だけれど。
人が少ないので。
平和。
不審者とかは特にいない。
深夜にマラソンしている人くらいかな。
星弥。
「反対物は反対物を治療する。」
ゲンナリ。
「反対は反対をもって制する。」
小刹。
「正反対のものは対置されると。」
「特性がいっそう明白になる。」
琉輝。
「反対物は対置されるとさらに目立つ。」
「商人社会に発生した諺。」
星弥。
「この世とは逆のことをすればいい。」
小刹。
「この世とは逆のことをする、荘子の特徴ですね。」
琉輝。
「人生が開始されたら、人生とは反対のことをすればいい。」
星弥。
「反対のことをすれば、裏をかけますね。」
ゲンナリ。
「荘子は、この世とは逆のことを示しています。」
星弥。
「それでは、この世とは逆のことをしましょう。」
ゲンナリ。
「そうやって、人生は覆される。」
琉輝。
「怪しまれなかったものは安全でない。」
天人(てんにん)が、近くのランナーを殺そうと。
空から現れて。
狙いを定めていますが。
街灯のせいで位置が露呈。
容疑者として目に移りました。
マラソンランナーが、それなりに速く。
照準に時間がかかっています。
天人が、狙おうとして、地上に降りてしまった。
それを、星弥ちゃんが狙う。
星弥。
「私は神ということで、格下のお前は誰ですか。」
天人。
「なに?弓を返せ!」
星弥。
「ほう、これは人間の力ではないね。」
天人。
「なんだ、人間のはずなのに、超自然的な力で対抗してくる!」
星弥。
「どうやら、あなたはぶっ殺しても良さそうですね。」
天人。
「なぜ攻撃してくる、人間なら去れ。」
星弥。
「逃がしませんよ、たとえ神でも倒して通る。」
天人。
「私は神ではない。」
星弥。
「個人的な恨みがあるんですよ。」
天人。
「私と争って、どうなると思うか?」
星弥。
「私が半神半人ならば、どうかな?」
天人。
「お前!まさか!?」
星弥。
「天の使者よ、お前を始末して、人間の世界へのお供え物にしてやる。」
天人。
「くっ!人間なのに超自然的な力を!」
星弥。
「目障りだ、天と地上を区別しない、傲慢さへの報いだ。」
天人。
「ぐわあああああ!」
天人、暴れるものの。
拳を潰されて。
足を折られて。
転倒。
短剣を振り回す。
すると、ゲンナリちゃんが、
道術で攻撃。
太阿は中華最強と呼ばれた。
落雷の道術。
ゲンナリ。
「太阿を食らえ!」
天人。
「それは道術!?」
星弥。
「銀の杖を振り回せば、こうやって風を操れる!」
天人。
「ああ、逃げれない!飛べば墜落する!」
ゲンナリ。
「二撃目!」
天人。
「感電した、体が損傷して動けない。」
星弥。
「さあとどめだ!」
天人が、羽を使って逃亡を試みたので。
ゲンナリちゃんの神行法で追跡して。
棍棒で、空中の天人を撃墜。
天人は海に落ちて、上がってきませんでした。
地上では勝手が違ったね。
小刹。
「イーリアスですか?」
琉輝。
「ギリシャ神話ではない。」
星弥。
「あいつは人間の世界を祝福する贄となった。」
ゲンナリ。
「これからは天と地上を厳格に区別するべきですね。」
それ以来、不審死は出なくなりました。
天の規則だから何でもありと思ったら大間違い。
天と人は一致しない。
天が人間に勝てるとは限らない。
今の時代、天の信用は失墜している。
各自、帰宅。
就寝中。
流れ星が頻繁に飛来。
隕石の中には、大気で燃え尽きず。
地上に激突するものがありますが。
破壊が地味に点みたいな威力なので。
あまり記録されませんね。
民家の屋根に穴が開く、そんな威力です。
隕石は、民家の床下に埋まって停止します。
稀にある地上落下。
今回、地元の小学校に墜落。
翌朝。
グラウンドが閉鎖されました。
隕石が埋まっているので、掘り出し中。
朝から。
庭で、ジャイアントスイング、案山子飛ばしをしていまして。
老人から子供まで、案山子をジャイアントスイングして。
飛距離を競っています。
老人。
「わしも、まだまだ若い者には負けんわあ。」
少年。
「じじい、やるじゃん。」
老人。
「じじいも頑張る。」
星弥。
「やはり私が最も飛距離が長いんですね。」
市民。
「あんたみたいな化け物と比較されたら、たまらんよ。」
少女。
「あの人が最強なのではなくて、みんなが弱いだけ。」
星弥。
「平均値が低いから、勝てるって訳ですか。」
少女。
「たいてい、そうなんじゃない?」
少年。
「じじい、どうなんだよ、本当か?」
老人。
「知らん、わしは雑魚しか出会ってこなかったから、最強なんて知らん。」
市民。
「比較対象がいないと、実力が分からないですな。」
夫人。
「私は凡人しか見たことがないから、凡人以上は知らないわ。」
一同、朝の準備体操は終わり。
近くに猫が出る。
放し飼いの猫に。
魚をあげに行く途中。
学生の自転車と遭遇しまして。
突っ込んできました。
それをいなして、かわした。
学生。
「制御不能って、ぐああああ!」
星弥。
「自転車を受け流されるとは、思ってなかったでしょ。」
学生。
「とりあいず、転倒した僕の立場だけは分かりました!」
星弥。
「気が変わらないうちに消えな。」
学生。
「跳ね返されるとは思ってなかった、とりあいず両者無事・・・。」
柔らかい力は、硬い力を動かし流す。
道術の一部を使うけれど。
ゲンナリちゃんが教えてくれたものです。
帰り道。
観光に来ている中国人がレンタルした。
オートバイが来まして。
バイクの椅子の上に立っていて。
立ったまま操縦しているんですね。
仙人みたいな中国人、通り過ぎる。
上の世界は、隠れて見えない。
地味に、隠されている。
頂点に立って山の上で見渡す人がいても。
天空が見える訳がない。
英語の成句。
かくかくしかじかの経験をするのは。
私が最初の人間でもなければ。
また最後の人間でもあるまい。
私は最初ではない、最後でもない。
8
ヘリポートでバスが出ています。
オスプレイの民間機型で。
空飛ぶ車の代替として。
試験運用されています。
空飛ぶ車をヘリコプターで、バスとして出したらどうなるのか。
運賃は高い。
飛行中。
今の時期、政治的実験が多い。
実験なら、すぐに白紙にできるから?
珍しくヘリコプターが飛び回る。
星弥。
「人の世が完全になることは、きっとない。」
小刹。
「いくら完全を目指しても、逆の結果になる。」
「欠点だらけになる。」
琉輝。
「人間の世が完全になった試しがない。」
ゲンナリ。
「理想的な世界が崩れた後にあったのは。」
「欠点だらけの、悪い世の中。」
星弥。
「人間は完璧な世の中を実現しようと。」
「必死になる割には。」
「一瞬だけ実現して壊れる。」
「この繰り返し。」
小刹。
「人の世は完全にならないように設計されている。」
琉輝。
「いくら人間が歴史を作ろうが。」
「完全無欠にはならない。」
ゲンナリ。
「多分、完全な人の世は、これから先、来ることはない。」
星弥。
「人間の世界は、ほぼずっと不完全なんですよ。」
小刹。
「そうやって完璧を避けた方がよろしい。」
ゲンナリ。
「昔あった、理想的な世界を再現することならできますね。」
琉輝。
「できるのは、再現だけですね。」
星弥。
「理想的な世界を実現することはできないだろうけれど。」
「昔の理想的な世界を再現することはできそうですね。」
ゲンナリ。
「復元ですね、充分に可能です。」
星弥。
「なるべく良い歴史を作ろうとする努力は素晴らしいと思いますが。」
「駄作になる可能性はいつもありますね。」
小刹。
「もはや行き当たりばったりでしょ。」
琉輝。
「そんなものでは?」
星弥。
「むしろ、行き当たりばったりしか、繰り出すことはできない。」
小刹。
「期待するだけ無駄ってことですね。」
ゲンナリ。
「歴史っていつも暗いなあ。」
琉輝。
「最近なんて、無駄が多い人生が散見されますからね。」
星弥。
「人間の歴史は、人間そのものを説明して、表現して。」
「人間についての先天的な本性を、書き記しているだけです。」
小刹。
「あんなのが人間なんて、何の期待もできませんね。」
星弥。
「今の人間にも適用できるのは、多分。」
「人間の先天的な欠点は、現代にも当てはまるということでしょう。」
琉輝。
「昔と現代では、人間そのものは変わらないってことですね。」
ゲンナリ。
「なので、人間は同じことを繰り返すのでしょうね。」
星弥。
「人間は昔あったことを、繰り返す?」
ゲンナリ。
「どうりで私は人間嫌いな訳ですよ。」
琉輝。
「人間の批判書は、未だに発行されない哲学書。」
小刹。
「人間とは歴史書に記してある通りでございまして。」
星弥。
「なるほどね、昔も今も同じですね。」
琉輝。
「それ故に、歴史を学ぶことは無駄にならない。」
起動。
映画を観ていると。
特に低年齢層のバトルモノで。
説教して勝利する、理解不能な映像作品がよくある。
怒っている側が、冷静で大義名分を言いまくる相手を倒す。
普通は怒っている側が、無謀になって、うまく戦えないのでは。
そもそも、ヒーローモノの敵対者は、そんなに強くない。
チープなストーリーが多過ぎる。
上手な脚本は、どっちが正しいとか、いちいち名乗らない。
あんなものを子供に見せるのはどうかと。
正義の考え方を誤るのも、当然でしょう。
ヒーロー戦隊モノの正義を信じている者は。
決まって幼稚なので、関わらないようにしましょう。
そういうのは正義なのではなくて、独善的なだけ。
というより、独善主義が映画で採用されやすい。
主人公が八百長していることがほとんどなので。
架空の物語(架空とは言っても、作品は現実にはあるが)であると理解しよう。
正義の論拠が、漫画や、映画なんて、頭がおかしい。
途中で飽きてしまった。
星弥。
「たいていの怒りは正しくない。」
小刹。
「正しくない怒りは、度々ありますね。」
琉輝。
「相手が、何を言っている、自分の方が正当なんだぞ。」
「なんて考えている時に、相手が正しくない怒りを抱く。」
ゲンナリ。
「相手が正当がどうかは知りませんが。」
「怒っている相手が個人的に気に入らない。」
星弥。
「私も、怒っている相手は気に食わない。」
「会話ができないので。」
小刹。
「怒ることが目的になっていて。」
「怒れば解決すると信じているのでは。」
琉輝。
「怒ることが何かの手段になっていて。」
「すぐ怒ることによって、何かを達成しようとしているのでは。」
星弥。
「自分が怒るので正しい、なんてことにはならない。」
ゲンナリ。
「よくあるのは、他人が自分勝手な考え方で怒ったせいで。」
「自分がその怒りに感染すること。」
星弥。
「怒りは伝染する。」
小刹。
「怒れば、何でも自分が正しいと思い込む。」
琉輝。
「しかしその怒りが正しいかどうかは。」
「その時には評価されない。」
星弥。
「自分の方が正当で、お前は不当、なんて言い分ですしね。」
ゲンナリ。
「つまりは、怒ることを何らかの手段にして。」
「自分が正当であることを、意地でも示す。」
小刹。
「それでは怒りなんて威嚇ですね。」
星弥。
「怒るって何?」
琉輝。
「感情論ですが、憤慨とは違いますね。」
ゲンナリ。
「不当、不正なことに怒ることは正しいことです。」
星弥。
「不当な仕打ちに怒るのは正しいことですが。」
「特に理由もなく怒るのは、どちらかと言うと機嫌が悪いだけ。」
小刹。
「他人がうざい場合、怒りは手段として使われます。」
琉輝。
「怒りは手段なんですね、感情論的手段。」
星弥。
「自分は怒っているんだぞ、と言われても。」
「その後の会話が成立しない。」
「やはり、怒りは何かしらの手段。」
ゲンナリ。
「もし怒ることが目的なら、ずっと怒って。」
「一日中、怒鳴り散らさないと、理屈通りではない。」
小刹。
「他人が勝手に怒っていて、それが伝染する場合がほとんど。」
琉輝。
「脳科学的には、怒りとは、分からないよ、という表現とのこと。」
星弥。
「相手の馬鹿な言い分が分からないよ、とか。」
「相手の愚かな言い分が分からないよ、とか。」
「それなら、簡単に把握できますね。」
琉輝。
「怒りとは善悪の話ではなく、科学の話なんですね。」
小刹。
「感情論ではありますが、私は怒りが正当だとは思わない。」
星弥。
「私が怒る場合、相手の怒りが伝染した場合のみです。」
ゲンナリ。
「私が怒るのも人のせいですよ。」
琉輝。
「とまあ、馬鹿な言い分がわかる訳がないので。」
「わからないよ、なんて言い返すのは当たり前ではあります。」
小刹。
「怒ることは何の解決にもならない。」
「怒りとは単なる返事のことです。」
星弥。
「返答が怒り、というのなら、ちょっとだけ理解できるかも。」
ゲンナリ。
「とまあ、いい返事ですね、怒りというものは。」
小刹。
「怒る対象も議論になるのでは。」
星弥。
「人生に対して怒り続けるのは、道徳的ですけれどね。」
小刹。
「そもそも道徳は誰が作ったのか、そこまでは考えが及ばない。」
琉輝。
「自分の道徳ではこうだから、なんて理屈で怒ったら。」
「そもそも善悪がおかしい。」
星弥。
「自分の方が正しいだぞ、なんて反論は論理的ではない。」
ゲンナリ。
「憤慨だけが、怒りとして受け入れられると思います。」
小刹。
「怒鳴るばかりの人は信用されない。」
琉輝。
「仮に、怒っている人を倒したら、どうなるのか。」
星弥。
「歪んだ醜い顔をしながら、気絶でもするのでしょうね。」
小刹。
「人は訳の分からないことで怒ることもあれば。」
「相手のせいで、怒ることもあり。」
「怒ることは、制圧にも威嚇にもならない。」
「単なる返事、問答の結果って訳ですね。」
ゲンナリ。
「怒りとは、返事の一種だと考えられます。」
星弥。
「相手になる人は、自分の方が正しいからと、言い訳のために怒っている。」
小刹。
「自分が正当であると自称するために、怒っている。」
琉輝。
「そしてそれが伝染する、他人の感情論ほど、耐えられないものはないね。」
星弥。
「その人の怒りは正しくない。」
琉輝。
「本人が正当であると思い込んでいるから、どうにもならない。」
ゲンナリ。
「他人の馬鹿の被害者にされましたなあ。」
星弥。
「被害者なんて、不名誉なのか、立場なのか、分からないけれど。」
「他人の感情論で、日々、害されていますよ。」
ゲンナリ。
「まず相手は感情論すら知らないので、説いた所でほとんど意味がない。」
琉輝。
「自国民は、遺伝的に怒りやすい、と言われています。」
「なので、自国民は怒ると、何をするのかわからない。」
「西洋人は、怒ると限定的な行動しかしない、らしい。」
星弥。
「歴史のどこを見ても、自国民は短気そのものです。」
小刹。
「問題は、その汚点、もしくは欠陥が、自分にも遺伝しているということ。」
星弥。
「なんて迷惑な遺伝なんですか。」
琉輝。
「怒りを制御する脳内物質が、日本人は先天的に少ない。」
「そう言われると、欧州の人は温厚で。」
「自国民よりも、理性的ですね。」
小刹。
「外国人観光客とか、とても短気とは思えない様子です。」
星弥。
「どうしてそんなに怒らなければならないのか。」
「私はもはや理由が分からない。」
琉輝。
「怒っている人を倒すと、無言になるので、そうした方がいいのかな。」
ゲンナリ。
「相手のせいで怒る、しかし同じ欠点は自分にはない。」
星弥。
「いくら改善しても、他人が欠点を持っているため、感染させてくる。」
「まあ、何とも言えないものですね。」
琉輝。
「私は未だに正しい怒りを見たことがない。」
小刹。
「憤慨、という単語を知らない人ばかりです。」
ゲンナリ。
「独善的な理由で怒る人ばかりで、それが伝染しているだけですね。」
星弥。
「どういう理由で怒るのかに寄りますが。」
琉輝。
「発生源は特定できたと思います。」
市街地に散歩に行きました。
お宮にも参拝。
駄菓子屋付近。
人生が何々だの言う社会なんて。
もはや意味を与えられない人生について。
無理に頑張って意味を与えようとしている行為。
神ですら人生に意味を与えることができない。
なので、人生は無意味というより。
いっさいの意味を受け付けない。
田舎は平和。
物資は都会から取り寄せる。
郵便局に荷物が届いているらしい。
未配達なので、ついでに受け取ります。
トラッキングあり。
原因を解き明かせないのに。
出現するある種類の人間を排除できない。
しかし原因について推論で埋める。
同じでも違っても、どちらにせよ。
なんとなく、という理由で。
他人を排除したい。
暴力主義者について。
星弥。
「自分とは違う存在を受け入れようとするには。」
「人類は幼過ぎる。」
小刹。
「違いを容認できないほど、人類は幼い。」
琉輝。
「そもそも違いを理解できないほど、人類は幼い。」
ゲンナリ。
「違いとは何かについて、考えられないほど、人類は幼稚。」
星弥。
「なにをもって同じなのかすら、定義できないほど。」
小刹。
「一致しているのに、一致してないと言い張ったり。」
「違いがないのに、違っていると言い張ったり。」
「訳の分からないことばかりやっている。」
星弥。
「人間なんて生物は、客観的に見て、そこまで幼いんですね。」
琉輝。
「人間は幼稚な生き物ってことですね。」
ゲンナリ。
「自分とそっくりだから許せないんですよ、きっと。」
星弥。
「自分達とかなり似ているから、欠点すらも似ているから。」
「自分を見ているような気がして、嫌になるのでしょうね。」
琉輝。
「相手が似ていれば似ているほど、欠点も似ているから。」
「自分を見ているようで、許せないんでしょうね。」
小刹。
「違い、という所を悪用しているだけで、考えているのは自分のことだけ。」
ゲンナリ。
「何が違うのか、説明できなかったりする。」
星弥。
「子供っぽい理由で、違いについて指摘するだけ。」
小刹。
「誰でも違うことにできるという規則を作ったのでしょう。」
琉輝。
「誰でもいいから、違うことにして、非難したかったというのが本音でしょうね。」
星弥。
「同じ、というのも、その人の周囲だけで、そこから外れると違いだらけ。」
小刹。
「同じだけで、他に何の取り柄もないのでしょう。」
ゲンナリ。
「八方美人だけが、同じ、とやらの正体ですか。」
琉輝。
「迎合を外れるものは、批判されるらしい。」
小刹。
「一生懸命に迎合されるだけで、それをしない人に違いをつけて。」
「攻撃したい、細かく考えると、そんなもの。」
星弥。
「同じとか、違いとか、そんな幼稚な理由で他人を評価するんですね。」
「同じという基準が愚かなものであったり。」
「違うという基準が、世界によくあることだったり。」
「支離滅裂。」
ゲンナリ。
「違いがなければ、無理に違うことにして、襲いかかってくる。」
「しかしそういう人間は少数で。」
「多くの人は同じ、違い、について無関心。」
小刹。
「同じ、違い、すべて恣意的。」
琉輝。
「どこら辺が同じで、どんな所が違うのか。」
「説明できた試しがない。」
星弥。
「こちらと違うから、みんなと同じで満足している相手を罵ってもいい。」
小刹。
「しかし思想の違い、考え方の違い、もしくは意見の違いで。」
「大乱闘ができるなんて、不思議な話ですな。」
琉輝。
「喧嘩の口実に、些細な違いを挙げるとは、無意味ですな。」
星弥。
「同じとか、違うとか、そんな幼稚な理由で争いをしたいなんて。」
「同じとか、違いとか、本当は喧嘩をしたいがための、口実作りではないかな。」
琉輝。
「一元論はもはや通用しない。」
星弥。
「全員が一致することはないんだよ。」
小刹。
「すべてをひとつにすることは不可能。」
ゲンナリ。
「大丈夫、同じとか、違いとか、そんなことに拘る癖はすぐに治るから。」
星弥。
「同じでも違いをつけて、違ったら攻撃をしたがる。」
「違いがないなら、違いを作ってくる。」
「同じにしたければ、共通点だけを指摘して仲間に入れる。」
「同じでなくても、同じにする、やり方が汚い。」
小刹。
「それでは同じ、なんて基準を作っている奴らは専制的ですね。」
琉輝。
「多数派の専制。」
ゲンナリ。
「統計を取るまで、誰が多数派なのか分からない。」
星弥。
「数だけなら、不正票で作れますよ。」
小刹。
「多数派に従う人が、多数派と呼ばれるほど、多くないという実際の現場。」
ゲンナリ。
「数の力に頼るなんて汚いですな。」
星弥。
「一人では何もできない奴らが、多数派を名乗って、数に頼る。」
小刹。
「多数派なんて名乗っても、弱いのなら黙っていろ。」
琉輝。
「多数派の強さの秘訣・・・数の多さ!」
星弥。
「多数派構成員単独では、不良の方が強い。」
ゲンナリ。
「数でも勝てないことはよくあることです。」
小刹。
「彼らは倒されるためにやっているんですよ。」
琉輝。
「それでは望みどおりにしてやればよろしい。」
市街地。
どっかのデブが車から降りて。
誰かと喧嘩していました。
眼鏡でデブは最悪の容姿では?
痴人。
「お前のせいで世の中がおかしいんじゃないか。」
学生。
「被害妄想で世直しなんて、どうかしているよ。」
痴人。
「世の中を滅茶苦茶にしやがって!」
学生。
「お前が言う世の中なんて、自分の市町村くらいなんじゃないの?」
痴人。
「政治を良くするんだぞ!」
学生。
「政治はお前らの玩具ではないぞ。」
老人。
「何をやっている?」
学生。
「このデブが因縁をつけてくるんですよ。」
老人。
「おい、デブ、何しに来たんだ、帰れ。」
痴人。
「俺達が世の中を管理するんだぞ!」
老人。
「御託はいい、島にこんな奴は要らない。」
学生。
「世の中に、こんな奴、要らないよね。」
「インターネットで、僕こそ正義なんですよ、なんて書いただけで。」
「ここまで追っかけてくるなんて。」
痴人。
「俺達が正義なんだぞ!」
老人。
「お前がどういう理屈を言っても自由だが。」
「こちらがお前を追い払うのも自由だ。」
学生。
「それ以上、近寄ると殴るぞ。」
痴人。
「訴えてやるからな。」
老人。
「被害妄想で訴訟とか、都会には、あんな馬鹿がたくさんいるので?」
学生。
「ああいう馬鹿をからかうのが楽しみなんですよ。」
痴人。
「なんだと、馬鹿にしているのか?」
学生。
「お前ら正義マンは馬鹿にされるために出てきたんじゃないのか?」
痴人。
「なめやがって!」
老人。
「あんたね、インターネットでしか威張れないんだから。」
「現実で喧嘩しちゃだめでしょ。」
学生。
「なんか一発で倒せたんだけれど。」
痴人。
「ああ!ああ!」
市民。
「なんだ喧嘩か?珍しいな?」
役人。
「善良市民に襲い掛かるとは、こいつ、正気か?」
眼鏡デブ、通報された。
学生は正当防衛。
地元警察到着。
眼鏡デブは、連行された。
それを側面で見ていた仲間。
童顔の男性。
近くを通りかかった酔っ払いに絡まれて。
逃げ出した。
なんと、酔っ払い。
気持ちの悪い貧弱な男性を追いかけた。
昼間から飲んでいたのは。
酒屋が在庫処分で安売りしていたから。
童顔の男性は、無断欠勤であった。
気持ちの悪い貧弱な童顔男性。
海に飛び込んで事なきを得た。
遠くに中型船。
巡視艇が通過する。
横須賀港には、海軍司令部がある。
平和な時代にも弱体化、形骸化しなかった、自衛隊とアメリカ軍。
フランス軍はナポレオンの司令官時代に、まともな軍人が少なかったという。
歴史においては、ともかく。
平和な時代にも、巨額の費用を投じて。
自衛隊は滅茶苦茶強い装備を整えていた。
アメリカ軍は世界の基準からかけ離れているためか。
軍事力のお手本、基準になりがち?
アーレイバーグが二隻、通過。
いつでも戦争の時代をどうぞ、みたいな無敵極まりない兵器。
一説には、イージスシステムとステルス兵器は発明品。
無論、機密情報なので、知ることはできない。
流失すると、世界のパワーバランスを大きく変えてしまう。
ロシアのフェロン戦闘機なんて。
ナイトホークがまぐれで撃墜された破片を流用して作られているほど。
戦争に世界が転じても、圧勝できるのなら、被害は無に等しい。
漫画や映画の中も戦いばかりですが。
現実も戦いばかり。
戦闘の形が変わっているだけですね。
漫画、映画のほとんどは、歴史の模倣。
運動場には。
木製の人形があり。
今日もいろんな人が、木刀で叩いている。
ひとつの遊具として設置したらしい。
星弥。
「戦いばかり、そこまで競争が激しい証拠でしょうか。」
小刹。
「人間達が自分達の在り方を、どこかで間違えたんだと思います。」
琉輝。
「すぐ戦う、結果は興味ないっていう。」
ゲンナリ。
「すぐ争うけれど、圧倒的に多数が敗北者になりますよ。」
星弥。
「多分、戦いの構造を知らない。」
小刹。
「勝てると思っているから、争ってばかりいるのでは。」
琉輝。
「勝てると思っていない人も、中にはいると思いますが。」
星弥。
「放っておけば、勝手に争いを開始する大衆の時代ですし。」
「内側に入った敵は、平和な時代を最も脅かすのだと思いますが。」
琉輝。
「外敵がいなければ、内側に敵が生じて、内輪もめが激しくなる。」
小刹。
「そんなものでしょう、世界に外敵がいなくなった瞬間。」
「内側に敵が大量発生するのでしょう。」
ゲンナリ。
「諍いのための諍い、なんてものに移行する。」
星弥。
「戦争のための戦争、なんてものは地上に実在したことがある。」
「それよりはましでも、ひどいことには変わりはない。」
ゲンナリ。
「勝手に敵が湧くから、しょうがないでしょう。」
星弥。
「それなら蛮族と同じですね。」
「違いは、蛮族は品物を渡すと引き下がりますが。」
「蛮族ではない文明人は、調子に乗るという点ですね。」
小刹。
「だいぶ人間の質も下がりましたね。」
ゲンナリ。
「人間的統計の話ばかりなんじゃない?」
星弥。
「目の前に人間がたくさんいるので、人間の統計くらい出したくなるよ。」
小刹。
「黙っているだけで、敵が湧くとか、相手は喧嘩を募集していたのでしょうか。」
琉輝。
「趣味が喧嘩だなんて、まったく共感できないものですね。」
新設された小さな天文台。
稼働中。
琉輝ちゃん、父親の所で。
監視カメラを使用する。
警備員の仕事をスカウトされていて。
今の所は保留していますね。
星弥ちゃん、占いの実例集を出版中。
小刹ちゃん、卒業後の進路希望は、地元旅館の職員。
解散後。
奇妙な活動を発見。
最近。
スケープゴートを作ろうと。
気違い共が活発です。
こいつ犯人です、そのお前が犯人だろ。
押し問答。
水掛け論。
犯人捜しをしているのではなく。
誰かに責任を取らせるスケープゴートを選んでいるんですね。
もちろん、自分達の問題を外部にそらすためです。
世の中が変われば、自分達が変われると信じているので。
社会に変われと要求するんですね。
しかし一般市民は、目立たない人で構成されていて。
目立つのは、愚かさ故か、狼藉の結果が大半です。
市民はいろんなことに無関心なんですよ。
そしてその無関心こそが、善良さの証明です。
9
何人も思索の罰は受けない。
英語のことわざ。
マスコットキャラクターが来て。
空港の公園で。
着ぐるみのキャラクターと戦うイベントがありまして。
観戦しています。
相撲のようなルールで。
押し出されたら負けです。
参加者、着ぐるみをフルボッコにしています。
しかし中身の人は、元格闘家らしくて。
連戦しても、勝率は五割と、なかなかのもの。
遂には、ハンデとして二人の村人相手に。
押し合いを続けることに。
白熱の試合。
お菓子を食べて見物。
武器は平和の前兆である。
星弥。
「時間を最もよく活用する者には。」
「余分の時間というものはない。」
小刹。
「賢者と同様に考え、俗衆と同様に語れ。」
琉輝。
「思考することは、知ることとは全く別の事である。」
ゲンナリ。
「誰の運命にも曲がり角がある。」
星弥。
「我々は許可された物事によって滅亡する。」
ゲンナリ。
「人は惑わされている。」
「生まれたら、死なないようにして。」
「寿命が来るのを待つ。」
「どこが難しいのですかね。」
星弥。
「なぜか世渡りとか、駆け抜けようとか。」
「そういうことをしたがる。」
「判断を誤っているのではないかな。」
小刹。
「良いのは、なるべく動かない。」
「消極的な活動をする。」
「生計を重んじる。」
琉輝。
「しかし、上へ上に行こうとするのはなぜか。」
星弥。
「天空まで突き抜けて、それ以上は行けないので。」
「落下することになる。」
「それなら、上に行かない方が良かったね。」
琉輝。
「人生なんて語ると、どこの誰が考えたのか分からない。」
「ストーリーなんてものが形成される。」
ゲンナリ。
「世間の考え方に惑わされているんですよ。」
小刹。
「誘惑されない方が難しいね。」
琉輝。
「とまあ、まず誘惑されますね、他人の行動すべてに。」
星弥。
「人生観が違う相手に、説教したい馬鹿も出ると思います。」
ゲンナリ。
「惑わされて、世の中を渡り歩いて、その結果を説かれても、どうかなあ。」
星弥。
「そんなもの偶然の結果じゃないですか。」
小刹。
「そういう人達の人生って、偶然で埋まっています。」
琉輝。
「その土地に生まれて、その土地に住み続ける。」
「これって、けっこう難しいけれど、正しい生き方のひとつだと思いますが。」
星弥。
「しかし誘惑されて、旅立ってしまうものですよ。」
ゲンナリ。
「こうやって批判している私達が惑わされているのか。」
小刹。
「人間の中で、他人の活動に誘惑されない、なんて人はまずいないね。」
ゲンナリ。
「そもそも、人生論なんて、作為的過ぎる。」
琉輝。
「人工の人生?」
小刹。
「その人が作った結果なら、その人が処理すればよろしい。」
星弥。
「あれま、人生についての論拠は、ほとんど無かったのね。」
小刹。
「昔の人の生活圏なんて、そもそも数キロメートル以内でしたしね。」
ゲンナリ。
「簡単な人の生涯を、無駄に難しくしたのは、人為的な人生観でしたね。」
琉輝。
「人生を難しくするのは、惑わしてくる、謎の人生観でしたね。」
ゲンナリ。
「元々は簡単に出来ているのに、他人が誘惑して、難しくなる。」
星弥。
「そういう誘惑はさりげないし、誘惑であることを隠しているので。」
「思わずそっちに行ってしまう。」
小刹。
「自分の生涯を、そうやって無駄に難しくするのではなく。」
「元々は簡単に出来ているので、元の状態に戻すことが大切だと思います。」
琉輝。
「元々は簡単な生涯も、人工的な考え方で難しくなる、理不尽だなあ。」
星弥。
「生きるのが大変、だと思ったら、間違いなく、人工的な思想のせいです。」
ゲンナリ。
「意外にも、人工的に作られた考え方が、真実であるとして蔓延っているので、危険ですね。」
小刹。
「個人的な満足を得て、去っていくだけが、この世界ですよ。」
琉輝。
「今更、惑わされることはないね。」
ゲンナリ。
「世間は簡単なことを、いかに難しくするのか、なんてことしか考えてないらしい。」
星弥。
「自分から難しくして、それが人生なんて語るのは滑稽ですなあ。」
小刹。
「馬鹿だから仕方がない。」
琉輝。
「一部の人々は、自分から難しくしておいて、文句を言っているからね。」
星弥。
「子供の頃から、判断を誤った人々の経験談ばかり。」
「後からその内容が嘘であると理解するのであった。」
ゲンナリ。
「間違った方向に行った、その体験談ですか、笑わせるな。」
星弥。
「人生ですか、もうちょっとうまいジョークが言えるといいですね。」
ゲンナリ。
「勝手に変な方向に突っ込んで、その内容が人生とは、お笑いですな。」
小刹。
「希望はしばしば愚人をだます。」
琉輝。
「希望とは何か?」
「そう問われたアリストテレスは。」
「それは目覚めている者の夢である。」
「と語った。」
星弥。
「英語の成句には。」
「希望は不幸な人々を支える、とある。」
小刹。
「希望に関しては賛否両論なのですね。」
帰宅。
時間に余裕がある。
時間は現代物理学の主題のひとつ。
時間は空間の事になるので。
あまり解明されていない。
三次元に時間を足して四次元。
と言われている。
自宅。
書庫に入ると。
読書について。
よく体験すること。
星弥。
「古典は、明らかに相性がありますね。」
小刹。
「自分と似ている客観的な思想はすらすら読めて。」
「自分から遠い客観的思想はまったく分からないね。」
琉輝。
「夢中になった古典は、自分にとって相性が最も良い本です。」
ゲンナリ。
「相性が悪い本は、理解できず、読んでも分からず、捨てたりもします。」
星弥。
「古典を読むと、いくらかは失敗がある訳で、相性が悪い本を。」
「ずっと読むこともあります。」
小刹。
「理解できる古典のみ読むのが手っ取り早いね。」
琉輝。
「古典を読むには、ある程度の力量が必要でしょう。」
「少しでも増長していれば、古典を拒絶してしまう。」
星弥。
「自分よりも遥かに優れているものを、いきなり読んでも。」
「若者は特に耐えられないと思いますが。」
小刹。
「古典には適正があるんですよ。」
星弥。
「そして古典の中には相性の良し悪しがある。」
琉輝。
「購入する時には、理解できるか、まったく受け付けないか、判断が必要です。」
ゲンナリ。
「知ったかぶりが激しい人ほど、古典を読まずに。」
「初期ステータスで通用すると思い込む。」
琉輝。
「読書をして実践して、その繰り返しが好循環。」
星弥。
「世界の端っこまで調べることになるけれど。」
小刹。
「明らかに、知らなくていいことも、少しは入っていますが。」
ゲンナリ。
「しかし日常では、意見の良し悪しという影響が出ますよ。」
星弥。
「現実に与える影響も強大なものになりますし。」
琉輝。
「反対に、現代書しか読まない人の教養は限定的ですかね。」
小刹。
「そもそも古典は、誰しもが読む機会があり、誰しもが向いていない分野。」
ゲンナリ。
「限られた読書好きが、手にすることになる。」
小刹。
「古典を読む人は、少数派ではありませんが。」
「そもそも読もうとしない。」
星弥。
「現実を左右するほどなのに?」
琉輝。
「故意に避けているみたいなんです。」
ゲンナリ。
「何かもったいない。」
小刹。
「高校の倫理の授業でも使われるんですけれどね。」
星弥。
「原典と、著者の本すべて、関連する思想まで読んだらいいのに。」
小刹。
「そんなに高くない上に、簡単に手に入るんですけれどね。」
琉輝。
「しかし、この書庫ですが、隠居用とは言え。」
「本が多過ぎ。」
星弥。
「あまり数えない方がいいよ。」
ゲンナリ。
「コレクションでしょうけれどね。」
小刹。
「絶版の本まであるし。」
星弥。
「たまに定価の十倍くらいの値段がつくこともある。」
琉輝。
「この世のことを調べ尽くす必要が出たので。」
星弥。
「知らないと蹂躙され、知ったら蹂躙しないといけない。」
小刹。
「知らないからと言って、容赦されたことがない。」
ゲンナリ。
「何でも知っていると思い込んだので。」
「何でも知っている人になろうとした。」
琉輝。
「記憶喪失なのか、後天的な要素がすべてなのか。」
「自然科学まで読んでいますよ。」
「今は宇宙論に夢中。」
小刹ちゃんが友人からもらった。
小説が鞄から落下した。
お金のために書かれた、通俗小説らしい。
星弥。
「ん?これは?」
小刹。
「無料で配っていたのよ。」
「こんなもの買ったと言われたら、恥ずかしい。」
琉輝。
「ライトノベルというお金稼ぎの小説ですか。」
「かなり昔のものになりますね。」
ゲンナリ。
「なんですかそれ、作者は気持ちの悪い男性ですか?」
「イケメン男性ですか?」
星弥。
「昔、大量に発行されて、捨て駒にされたシリーズですよ。」
ゲンナリ。
「噂のブラック企業産の本ですか。」
小刹。
「教養のない人々にとっては。」
「小説なんて本当の事であると見せかけるだけで良い。」
琉輝。
「駄作は、民話のように考えられて。」
「実際に民話と似たような扱いを受け、一時的に売れるよね。」
ゲンナリ。
「こんなことが実際あると名乗る作品は、駄作ですよ。」
星弥。
「文学は、真実と誤解する物語が、最も適切です。」
「こんなことあったっけ。」
「なんて調べ物をするような作品ですね。」
「実際の新聞記事であると誤認したり。」
「誰かの伝記、自伝であると勘違いしてくれると。」
「それこそ創作と言えるものでしょう。」
小刹。
「文章力とか、底辺の議論はうんざりする。」
「玄人は文章が全員、上手なので、そんな馬鹿な議論はしない。」
琉輝。
「玄人から習った私は、玄人を名乗れますが。」
「勢いだけで売れた連中は傲慢が目立ちますね。」
星弥。
「優れた作品は、現実を超える、自然を超えます。」
ゲンナリ。
「現実以下、自然にも及ばない作品なんて。」
「粗野で、下品な仕方で楽しむ、便所に過ぎませんよ。」
小刹。
「限られた人のみ解放されていた文学が。」
「大衆に解放された後。」
「見せかけだけが成功している悪書が出回っているね。」
琉輝。
「現実を改良するのではなく。」
「現実を否定するだけとは、小説も質が落ちましたね。」
星弥。
「たまたま、馬鹿な審査員がいる、それだけでも悪書が増える。」
「賢明な審査員はまず採用しないものばかりです。」
ゲンナリ。
「看板にある、有害図書ってそれのことだったんですね。」
小刹。
「これは読んでいると見るに堪えないので、捨てるつもりです。」
琉輝。
「それ以外の作品は、何も読まないなんて人、けっこういますよね。」
星弥。
「時代は世界文学ですからね。」
「日本のレベルは低いと思う。」
ゲンナリ。
「作品を出しても、世間に認められるとは限らない。」
星弥。
「ライトノベルは社会的な権威があると勘違いしていますからね。」
「実際には世間の嫌われ者でしたね。」
小刹。
「市民が本気で嫌っているものは、もの凄い勢いで読み捨てられて。」
「古本屋に捨てられます。」
「後は、徹底して無視するという仕返しをされます。」
「なので、ライトノベルを読んでいる所を見られたら。」
「他人から攻撃されたり、社会的信用が失墜しますね。」
琉輝。
「どの作品が年間の嫌われ者になっているか、すぐに判断しないと。」
「加担者として、読者も嫌われます。」
星弥。
「年間、忌避作品、なんていう賞状が必要です。」
ゲンナリ。
「駄作ランキングなんてものがある以上。」
「つまらないのなら、正直につまらないって、訴えればいいのに。」
星弥。
「真実性の誤謬ですよ。」
小刹。
「シェイクスピアの作品が難解なのはどうして?」
星弥。
「シェイクスピアは読み方を教えてもらわないと。」
「読めないという秘密がある。」
琉輝。
「え?あれって読み方を教えてもらわないと、理解できないの?」
星弥。
「知らなかったんですか?」
美しい作品は、醜い作品と調べると。
美しい所が際立ってくる。
醜い作品があるのは、美しい作品と比べるため。
なので、駄作とは、使い捨て、捨て駒のために作られた。
捨てられるための比較対象。
文学は、付き従うことはあっても。
作者を誘導しない。
社会に変な作品が賞状に登録される場合。
その無様な人間の在り方も、同時に登録されることになる。
さて、しばらく前から。
謎の団体が島に上陸していて。
どうやらレース主催者のようです。
回覧板、島の放送、注意書きが回ってきて。
生活に支障のない道路で。
ゴーカートのレースを開催するらしくて。
そこに規制が入るので。
とのこと。
ちょっと見物に行きました。
少し歩いて一般道路に出る。
というか、今がそのレース中とは知りませんでした。
星弥。
「よくあんな速度で制御できますね。」
小刹。
「計算しながら、制御できる範囲で動かしているんですよ。」
琉輝。
「アフォーダンス理論に、戦闘機のパイロットが考えていること。」
「なんて項目がありますが。」
「その理論で操っているのですよ。」
ゲンナリ。
「玄人同士の競争って、常に互角か、それ以上の相手と対戦する。」
「厳しいというより、勝率と平均値だけが物を言いますね。」
星弥。
「公式アイテムで妨害あり、ということですが。」
「バケツの水が置いてあったり。」
「ペイントボールを持っていたり。」
「発煙筒を設置していたり、面白い試合ですね。」
小刹。
「あれ、これテレビで放送しているね。」
琉輝。
「ということは、コースの脇から見えるけれど。」
「全容はテレビの中ですかね。」
星弥。
「自宅から、少し離れた所でゴーカートレースとは。」
「豊かなことをしてくれます。」
戻って、テレビ中継を観ることに。
飛行機、自動車の操縦は。
アフォーダンスが用いられている。
アフォーダンス理論は、人工知能の基礎理論。
何だか、人工知能が人間を超えることがある理由が分かった。
人工知能から善悪を抜けば、容易に人間に勝てるのでは。
文学については、一部、人気作家が独り勝ち状態。
芸術に競争を持ち込むのは明らかにナンセンスなのですが。
少数派の素人作家は、勝てもしない競争に挑み続けています。
大人の世界で、少数派の素人は見向きもされていません。
上の世界ほど、審査員のレベルは高い。
素人作家の世界は、底辺なので、審査員のレベルも低い。
基準がないものは、混乱しやすいという、実例ですね。
懐疑論者にひどく怯えているようです。
確信するだけで、疑わない、しかし疑うことは・・・。
英語のことわざ。
疑いは証拠にはならない。
10
民間ファシズムが発生。
復活のファシスト。
政治ではなく、活動家、評論家、有名人を中心に。
ファシズムが復活。
民間ファシズムは勢力を伸ばしていて。
規制されては、数を減らして。
事件になると、感化されて数を増やし。
また規制されて、なんて繰り返しています。
とある新興宗教が、それをやっていたんですね。
そう言えば、大島の展望台にも。
一度だけ、支部の連中がいましたね。
民間の中で隠れて、コソコソやっているので。
どう対応したらいいのか。
戸惑っています。
田舎は、その影響はない。
インターネットになると、話は別なので。
今の時期は開いていない。
高額の土地の売買があり。
午後から、商売です。
休日にて。
自宅。
星弥。
「私に比喩が多いと?」
小刹。
「凡人とか、善悪とか、比喩が多いですね。」
琉輝。
「あなた特有のやり方ですよね。」
星弥。
「まあそうですね、比喩は私の論法のひとつです。」
「ニーチェが比喩だらけなので。」
「知らない間に採用しているんですね。」
琉輝。
「凡人って、必ずしも悪い意味を持っていなくて。」
「軍隊では、凡人は大歓迎みたいなものですよね。」
小刹。
「凡人は悪い意味を持っているとは限らない。」
「そもそも平均的な能力という意味にもなる。」
星弥。
「比喩がないと、まったく描けない世界もあるんですよ。」
ゲンナリ。
「比喩がないと、けっこうまずいですからね。」
星弥。
「問題ないよ、その人に該当しないし。」
「比喩を何たるか知っていれば、悪い意味では解釈されないので。」
ゲンナリ。
「比喩がないと、いろんなものに引っかかってしまうよね。」
小刹。
「しかしそれだけ比喩を発見したということです。」
琉輝。
「あなたは目撃したことしか、研究しませんからね。」
星弥。
「自分が遭遇したもの、野次馬になったもの。」
「高みの見物をしたもの。」
「実際に戦ったもの、倒したもの。」
「何かが倒れている所を通過したもの。」
「何かしらの大惨事の横を素通りしたもの。」
「自分から見た大惨事の映像、資料とか。」
小刹。
「どっかの誰かみたいに、空想だけでは満足しないね。」
琉輝。
「推論だけで理由を探そうなんて、愚かなものですからね。」
ゲンナリ。
「そして理論のほとんどが、現実を左右することになった。」
小刹。
「とまあ、迷惑なのは全体主義者だけでしょう。」
「特に理由もなく、攻撃しようとする。」
星弥。
「私は被害者なんて概念ではなく。」
「攻撃をした、攻撃された、という簡単な図式を用いますが。」
「全体主義者は、何に腹を立てたのか。」
「攻撃してくる。」
琉輝。
「しかもその人は、自分が全体主義者なんて。」
「まったく名乗ったりはしない。」
ゲンナリ。
「そんな不名誉な主義主張、名乗れませんよ。」
星弥。
「いっそのこと、自分は全体主義者です!なんて言ってみてはどうか。」
ゲンナリ。
「その方がわかりやすい人ではありますね。」
星弥。
「全体主義者君、何に腹を立てて、暴れているのかね。」
ゲンナリ。
「家に鼠でも出たのでしょう。」
小刹。
「それだけで、無差別テロですか。」
琉輝。
「そんなものですよ、全体主義者なんて。」
星弥。
「全体主義者の前で、ちょっとでも違う意見を言った瞬間。」
「狙ってくるよ。」
小刹。
「それなら、全体主義者は社会全部を相手にしないと。」
「気が済まないよね。」
琉輝。
「全員を相手にしようなんて、本気で考えるんですね。」
星弥。
「全体主義者は、あらかじめ決まったパターンの行動をしますし。」
ゲンナリ。
「決定論の全体主義者。」
星弥。
「全体主義者は、自由を売って、見かけ倒しの権力を得た人なので。」
「乱暴なのは当然でしょう。」
小刹。
「全体主義が何かの権利だと思い込む。」
星弥。
「俗に、同調圧力と呼ばれるものは。」
「全体主義者を言い換えたもの。」
琉輝。
「同調圧力ですか、雑魚が頑張ってはならない。」
ゲンナリ。
「あれ、日本って、昔と同じ誤りを繰り返す民族なんですか?」
星弥。
「文化的に、日本人は昔と同じ全体主義の傾向がある、これは否定しません。」
ゲンナリ。
「そもそも、同調バイアスマンなんて、日本では湧いているんですか?」
小刹。
「同調圧力は、自分より強い者には通用しない。」
琉輝。
「全体主義は、とっくの昔に滅びましたが。」
小刹。
「復活の全体主義!」
ゲンナリ。
「全体主義なんて墓場で眠っていればいいものを。」
琉輝。
「地獄から連れ戻された全体主義者。」
小刹。
「そのせいで天国は無人でしょうね。」
琉輝。
「天国に行ってみたら、数人しかいない。」
「なんてことにならないように。」
星弥。
「天国とか地獄とか、宗教が違う。」
小刹。
「なぜ煉獄が紹介されないのか、疑問ですが。」
星弥。
「全体主義者だけは、必ず敵として出現します。」
小刹。
「敵が不正をしている時に、相手に勝たせてはいけないね。」
琉輝。
「だからと言って、いつも正しい側が勝っていると。」
「正しい側が不正に転じた時に、誰が倒すんですか。」
ゲンナリ。
「正しい人?そんな人いるんですか?」
星弥。
「正しい人は私達を含めて百万人いますね。」
小刹。
「誰が正しいのか、決める必要なんてないじゃないですか。」
琉輝。
「どこかで妥協しているので、正しいなんて。」
「いちいち言い出す必要がないのですね。」
ゲンナリ。
「侠気のせいで死ぬことはないかと。」
星弥。
「侠気は男性の死因で四番目に多い。」
小刹。
「男らしさ、女らしさ、使いまわしのパターンですなあ。」
琉輝。
「いくら男性の性質まで併せ持っているからと言って。」
「侠気まで、私にはない。」
三人を残して。
午後になると出かけました。
お客さん。
都市の外れに。
スーパーマーケットを建てたいらしい。
持っているその土地は。
元々、かなり悪い土地で。
持っているだけ、くらいの価値しかなかったのですが。
今回、さっさと高く売るつもりです。
上機嫌な役員でしたね。
帰宅すると。
三人はレトロゲームで遊んでいて。
互換機が使用されていました。
現代のビデオゲームよりも、圧倒的に作りが良くて。
質も内容も良い、ゲーム性重視。
まあ、そんなものが、いっぱい置いてある。
やりたくなりますよね。
レバガチャ戦法は、初心者キラー。
星弥。
「民主制は、潜在的に全体主義を抱えている。」
琉輝。
「全体がこうだから、あなたも従いなさい、なぜなら全体がこうだから。」
「三段論法、ひどい理屈です。」
小刹。
「だって全体が何々だから、お前の態度はおかしいじゃないか。」
「なんてもの。」
星弥。
「何で全体が何々だから、お前は全体の何々ではないのか。」
「知らない間に、全体を基準に考えている。」
ゲンナリ。
「その全体は、空想の産物。」
小刹。
「想像上の同意に基づいて、非難するとはね。」
ゲンナリ。
「全体主義者は、全体が何々であるから、みんな同意していると信じている。」
琉輝。
「架空の同意に基づいていると、強要するんですね。」
ゲンナリ。
「なので、些細な反駁に脆弱です。」
星弥。
「全体の基準が、既に同意されていると主張するんですね。」
小刹。
「本人は無自覚。」
ゲンナリ。
「それとは違う返答すべてを、違反と見なしてくるとか。」
星弥。
「同意しているのに、何でお前は違反するんだ、みたいな。」
琉輝。
「元々は、行き場を失った衆愚の考えが、ひとつに集約されたもの。」
星弥。
「衆愚の考えが集まっているので、ひどく頭が悪い。」
小刹。
「全体主義国家が滅んだのは、頭が悪くなったから。」
ゲンナリ。
「自分から馬鹿になろうとして実現してしまった。」
星弥。
「なので、全体主義は、歴史的ジョークです。」
小刹。
「衆愚がふざけて作ったんですね。」
琉輝。
「滅ぶ前は、けっこう楽しそうでしたね。」
星弥。
「いい道化でしたよ。」
小刹。
「それが、民主制では度々復活する。」
ゲンナリ。
「しかも遭遇率が高いしね。」
琉輝。
「潜在的に、全体主義は持ち続けるのですね。」
星弥。
「相手の考え方が、全体主義であることが、稀にあるし。」
小刹。
「世の中には全体主義がありますからね、なんて権利であると名乗ってはどうか。」
琉輝。
「自分の考えは全体主義なんで、などと言う人はいませんね。」
ゲンナリ。
「次回の遊園地のアトラクション、バーサス全体主義者。」
星弥。
「韓国人は全体主義にいろんな恨みがあるのでは?」
ゲンナリ。
「政治の話ばかりする韓国人ばかりじゃないよ。」
小刹。
「ああ、世の中には、何も知らないのに、政治の話ばかりする人が。」
「飽きるほどいるから。」
星弥。
「政治形態に踊らされている気分はどうだ。」
ゲンナリ。
「民主制ですか。」
「私は今の政治が民主制と思ったことは一度もない。」
小刹。
「世人ですか、服従を学ぶこともできない、哀れだな。」
星弥。
「相手の返答はアドリブですよ。」
ゲンナリ。
「とまあ、帝王学の話題は嫌いではないですよ。」
琉輝。
「民主制で良かったね。」
「政治の話なんて、民主制だけ批判が可能で。」
「君主制では斬首され。」
「貴族制では、法律で守られないから。」
星弥。
「正義の味方ごっこなら。」
「他所でやるべきですね。」
小刹。
「正義ですか、下らないことを言うようになったね。」
星弥。
「私って正義なんて信じていたんですかね。」
ゲンナリ。
「一部の人がジョーカーなんですよ。」
小刹。
「嫌いではないですよ、ジョーカーが出てくるのは。」
星弥。
「弱者がすべて間違っていて、強者がすべて正しい。」
「なんて思ったことある?」
小刹。
「私はどちらも間違っていないと思う。」
琉輝。
「本当におかしなものです、人間の思い描く未来なんてものが。」
小刹。
「はて、人間の未来など、そこまで難易度が高いものなのでしょうかね。」
レトロゲーム。
四人プレイ。
ガンシューティングゲーム。
相手があらかじめ突っ込んでくる位置に射撃したり。
グレネードランチャーを撃ち込んだり。
目の前に来たのに、既に発砲しているせいで、競り勝ったり。
待ち伏せ、キャンプ、あらゆる作戦を駆使。
接戦なので、決着がつかなかった。
臨時ニュース。
立て籠もり事件。
投降を促す捜査員。
星弥。
「犯罪なんて、社会が正常に機能している証拠でしょ。」
琉輝。
「しかし犯罪者に、社会のすべての責任を取らせようなんて。」
「叩いている人はだいぶ邪悪では?」
ゲンナリ。
「現代人は法律に苦しめられていることに気づいていないのでは。」
小刹。
「モンテーニュを支持します、裁判官は依然として馬鹿の集いだし。」
「法律なんて、そういう馬鹿が集まって、支配するために作られた。」
「人間が設定した善悪ってことです。」
ゲンナリ。
「人は孤立すれば、どんな奴も無力ですからね。」
星弥。
「法律が一時的に無効化される場合、誰も生き残れないね。」
小刹。
「そもそも、事件の報道を見て、すっきりする奴は。」
「犯罪の発生を楽しんでいるだけで。」
「容疑者と、人格のレベルは大差ない。」
星弥。
「犯罪心理学は、社会心理学とセットで通用されますからね。」
「犯罪を発生させる社会に問題があると思ったことはないかな。」
琉輝。
「容疑者は、社会の被害者なのか、加害者なのか。」
「そうなると、犯罪被害者は、事故みたいに食らったのか。」
星弥。
「社会心理学で犯罪を定義すると、単なる事故です。」
小刹。
「防ぎようがない事故で有罪になるとか、理不尽ですなあ。」
星弥。
「ル・ボン、群衆心理で言うと、犯罪とは単なる事故です。」
琉輝。
「デュルケームで言うと、社会が、特定の個人を狙って。」
「間接的に抹殺を試みているだけ。」
ゲンナリ。
「社会のために個人を犠牲にしてはならない。」
星弥。
「そもそも、犯罪者と一般市民は、大きな違いはないしね。」
琉輝。
「何が、犯罪者と、一般市民を区別しているのか、それが調べられています。」
星弥。
「なので、動機や理由、経緯、経歴などは徹底して調べられます。」
「可能なら、犯罪を未然に防げるからですね。」
琉輝。
「あらかじめ犯罪を防げるのなら、防いでしまおう、という訳です。」
「事件の報道を見て、相手を非難して調子に乗っている奴らは。」
「あまりに邪悪で、容疑者の方がましだと思います。」
星弥。
「人間が設定した善悪で、裁判が行われる。」
「ただ、所詮は人間が決めることなので。」
「宗教的に見れば、善悪を自分勝手に決めているだけなんですけどね。」
小刹。
「社会が作った犯罪を、繰り返さないように、犯罪心理学は。」
「分析し、同じ犯罪を予防するようにするんですね。」
星弥。
「しかし法律を超えるものには無力で。」
「泣きながら服従し、法律を自分勝手に書き換えられることを。」
「黙認しなければならない。」
ゲンナリ。
「自然災害のことですね。」
星弥。
「貴族制、寡頭制において、法律なんて何の役にも立たなかったね。」
琉輝。
「貴族制は法律を無視できるし、寡頭制になると。」
「法律なんて、攻撃の道具になっていた。」
小刹。
「法律を信じるほど、悪くなる。」
ゲンナリ。
「昔は悪事で苦しめられたけれど、現代は法律によって苦しめられている。」
星弥。
「はっきり言えば、犯罪が発生するのは社会のせいです。」
ゲンナリ。
「社会が犯罪を定義しているので、その通りですね。」
星弥。
「とまあ、何かしら行った人を、野放しにするのは危険なので。」
「一度、倒して、閉じ込めておいて、危険がなくなったら解放しているようですが。」
ゲンナリ。
「誰でも容疑者になる可能性があり、犯罪になるかは状況に寄りますからね。」
星弥。
「そして事件の報道を見て、すっきりしている奴は、やはり容疑者以上に邪悪。」
小刹。
「法律が負ける所を見てみたい。」
琉輝。
「法律ではないけれど、警察官なら、稀に犯罪者の攻撃で死にます。」
星弥。
「そもそも、現場で活動する捜査員などは、自分達が邪悪にならないように。」
「紳士的、倫理的に行動するんですね。」
「悪人が、悪人を処罰する、なんてことにはならないようにしている。」
ゲンナリ。
「事故で連行されるほど、この世は理不尽が横行しているのですね。」
星弥。
「ただ法律に従うことしかできない。」
「デクの棒に社会が語れるのか?」
琉輝。
「独善主義に尻尾を振る連中が。」
「つるんで何ができると?」
小刹。
「なぜ犯罪が発生するのか、きっと社会があんな風だからです。」
ゲンナリ。
「中には他人に強要されて、仕方がなくっていう人もいるかもしれませんね。」
星弥。
「興味深いですね、悪人を作っているのは、我々、社会人では?」
小刹。
「犯罪を作るために、社会が要求しているのでは?」
琉輝。
「遠回しに、犯罪に加担している、合法的な市民、ううむ否定しない。」
星弥。
「私はね、無能で貧弱なくせに。」
「他人を悪人呼ばわりして楽しむとか。」
「容疑者が連行されるのを見て楽しむとか。」
「いきがってるやつを論破するのが大好きなんですよ。」
ゲンナリ。
「その人が本当に考えていることではないよね。」
「過去に正しいと教えられたいろんなことが。」
「その人に条件反射で、そう思わせているだけです。」
小刹。
「今回の事故が報道される、社会心理学の見解。」
ゲンナリ。
「法律ですか、つまらないことを語るようになったね。」
星弥。
「日々、自分達の責任を被せる人が出てきて、満足でしょう?」
小刹。
「あの普遍的な、懲りない人間達ですか。」
「人間は、気に入らない存在を消すまで。」
「気が済まないんですよね。」
ゲンナリ。
「世人のやり方には疑問があった。」
「故に信じる根拠はない。」
琉輝。
「世人の振りかざす。」
「うすっぺらな正義とやらが。」
「私にこの世界の過ちを気付かせてくれた。」
星弥。
「格言通り、すべての責任はスケープゴートだ。」
報道の在り方は、いつも問題がありますが。
万能な人なんていないので。
誰かの一方的な都合がまかり通る。
なので、本当は事件の報道なんて観ない方が健康になれます。
全体主義は、人間社会の裏側に常に潜んでいる。
ファシズム研究は、ナチスで終わったのではなくて。
現在も、隠れて行われています。
なぜなら、政治、社会がファシズムに転落するのは比較的容易だからですね。
正体が分からないと、対処ができないのが、ファシズム(全体主義)の特徴です。
平日になると、午前中は誰も来ません。
スケジュールの都合上。
小刹ちゃんの下校時間に合わせているようなもの。
土日は、予定次第。
哲学をすると、思考停止が無くなる。
優秀?
誰がそれを決めたんです?
大体、私は。
不適切な人に評価してもらうために。
いろいろと、調べていた訳ではないのですよ。
11
無言が記録された例しはない。
英語の成句。
黙っているのにこしたことはない。
何か発言すれば、記録に残って後日証拠にされることもある。
午前中。
求婚者が現れて。
門前払いしました。
財産がある以上。
結婚なんて失うものばかりで。
何も得しない。
男性に稼いで、それを生活費にするために。
男性に嫁ぐなどと。
その気になっていた昔の人はお笑いでしたよ。
玄関前にて。
頓珍漢。
「なんだと、僕の誘いを断るなんて、覚えていろ!」
星弥。
「なんですか、あの旧式の哲学的ゾンビは?」
小刹。
「要らないものを捨てた、それだけなのに。」
琉輝。
「結婚が誤った行動で、生涯未婚が合理的な判断である。」
「なんて思ったことない?」
ゲンナリ。
「私はありますね、なので、あいつに追い打ちをかけるべきかと。」
星弥。
「まったく、女性を結婚に誘導しようなどと、何を企んでいる。」
小刹。
「卑怯な世界の仕組みは健在ですね。」
琉輝。
「さて、私もその卑怯者と対戦しますか。」
星弥。
「結婚ですか、拒否する、行くぞ卑怯者達。」
ゲンナリ。
「ふふっ・・・気が合うね。」
「結婚制度くらい破壊した方が、後世のためです。」
小刹。
「相手は無理せずに逃げたほうがいいんじゃない?」
琉輝。
「そんな見え透いた挑発に乗らないと思いますけれどね。」
星弥。
「うん、もし挑発に乗ったら、世人もきっと怒って。」
「殺害を計画しちゃうからね!」
ゲンナリ。
「ここに来る前に、ライバルに対して、あなたは世人ですね、なんて言ったら。」
「相手はしかめっ面になったよ。」
星弥。
「そういう所が世人なんですよ。」
小刹。
「なるほど。」
「結婚が私を苦しめているのか!?」
「分かりましたよ!」
「結婚制度を八つ裂きにすれば。」
「苦しくなくなるっ!」
「そうだっ!そうでしょ!?」
「そうにちがいない!」
琉輝。
「私は、世界の一部の破壊こそ、ある意味恩返しだって。」
「思ってるしね。」
ゲンナリ。
「まあまあ、結婚なんて卑怯な発明品は避けましょう、意味ないから。」
星弥。
「卑怯ですか、というか、醜悪な営みにしか見えませんが。」
「醜悪な方なんでしょうか。」
小刹。
「結婚、そんなばかげたこと。」
「いつまで続けるんですか!?」
星弥。
「いつからその。」
「ばかげたことが続いていると思う?」
琉輝。
「もう結婚という構図、見るの飽きちゃった。」
小刹。
「とまあ、成人になる前に、結婚制度とか言う。」
「この世のちっぽけな悪の芽を摘んでおこうと思ってね。」
星弥。
「この世界にあるなら、従わないといけないなんて考えたの?」
「それって、出来損ないだよ。」
小刹。
「しかし絶望的ですな、数だけは。」
琉輝。
「一人で勝てないと、法律やら、数やら、圧力やらで、弱虫が攻めてくる。」
ゲンナリ。
「そいつらを倒せばいいだけでしょ?」
「望みありまくりだね。」
星弥。
「神秘的な存在も含めて、全滅させて支配すればよろしい。」
「希望ありまくりですね。」
小刹。
「ただ、全部掃除すれば、自分が支配できる。」
琉輝。
「反対者ですか、お前みたいな悪い奴の事でしょう。」
「一度、突きつけたい反論です。」
ゲンナリ。
「人間だから、悪に転じないと言うつもりですか。」
「神秘主義みたいな奴らまで悪に堕落する時代ですよ。」
星弥。
「決まっているじゃないですか、我々は今も昔も悪者をどかしているんです。」
ゲンナリ。
「明日、帰国する、面白い討論でした、何かを巻き込んでいる気がしますが。」
小刹。
「学校の記事に反映させた、皆、私を妬んでいる。」
琉輝。
「私のブログに、エロ本しか読んだことのない人が殺到してね。」
星弥。
「苦情処理はどうでもいい、明日なんですね。」
ゲンナリ。
「日本は良い所でした、人間を除いて世界最高です。」
小刹。
「いつだってこの世界は、人間以外のすべてが究極の芸術作品です。」
琉輝。
「すべて人間を除けば、この世界はとても美しい。」
星弥。
「日本がすべて自然なら、もっと自慢できると思いますが。」
「人間を省いたすべてに満足頂けて何よりです。」
ゲンナリ。
「今度は韓国に旅行に来てね。」
「日本よりは、見るに堪える人間がたくさん住んでいます。」
星弥。
「それは否定すまい。」
その日、正午を過ぎて。
午後になる頃。
見慣れた服装の人が数人来まして。
警察を名乗っていますが。
捜査員ってこんな時間に活動しますかね。
捜査員の服装は、たまに報道などで見ますが。
明らかに、たったの四人で。
偽物の警察官だと思われます。
屋敷の奥で、通報中、お問い合わせ。
門を開けて、入ってくる。
頓馬。
「警察だ、お前を逮捕する。」
星弥。
「逮捕状がありませんが。」
白痴。
「逮捕は逮捕だ。」
薄野呂。
「連行する。」
愚図。
「手錠で拘束するぞ。」
琉輝。
「問い合わせたら、こいつら、地元の警察ではないとのことです。」
小刹。
「村長に連絡した。」
ゲンナリ。
「幻術で包囲を解く。」
星弥。
「武器庫にフレイルとメイスがあるので、私はそこに走る。」
頓馬。
「うわあ!玄関からクマが出て来たぞ!」
白痴。
「こっちは謎の覆面兵士だ!」
薄野呂。
「なんだ?双子の姉妹だったのか、あれ?手がすり抜けた?」
愚図。
「うわあ、大蛇だ!殺される!」
星弥。
「やっぱりこいつら偽物だ。」
「監禁して、何やらするつもりですね。」
ゲンナリちゃんの道術で混乱した。
犯罪集団。
小さな紙吹雪と格闘する。
幻術が消えると。
武装した四人の女の子と対峙。
警棒を取り出して攻撃して来るが。
犯罪集団は相手にならず、蹴散らした。
相手は逃走。
そこに村長が、大所帯で来て。
山賊みたいな素早さで飛び出した。
村長の部下十五人が、犯罪集団を拘束。
十分後に、地元の警察が来まして。
身元を調べると、本当に偽警察官だったので。
現行犯逮捕。
応援が来て、大島の部隊、すべてが出動。
頓珍漢が、拉致して、いかがわしいことをしようと、差し向けたらしい。
その頓珍漢、賞金稼ぎに遭遇してしまった。
黒衣の戦士。
指名手配犯を倒すように依頼されている。
探偵の末端。
淑女。
「待て、お前は見覚えがあるな。」
頓珍漢。
「なんでしょう、あなたのことは知りません。」
淑女。
「ここの住人にしては、かなり高いブランドで、身を覆っているな。」
「なぜだ?」
頓珍漢。
「ちょっと、この島から出たいもんで、観光客ですよ。」
淑女。
「今日、大騒ぎがあったようだが、お前は関与しているのか?」
頓珍漢。
「ええ、何かあったようですね。」
淑女。
「男が民間に押し入ったようだが。」
頓珍漢。
「みたいですね、私は何も知りません。」
淑女。
「島の反対側で、数分前に起こった事件をなぜ知っている?」
頓珍漢。
「くそ、お前は警察じゃないんだよな、ならば逃げてもいい。」
淑女。
「何十人もお前のような輩を仕留めてきた。」
「お前だけは違うなんてことはないぞ。」
頓珍漢。
「うわあ、なんて足の速さだ、うわっ!」
淑女。
「ちょっと来てもらおうか。」
頓珍漢、黒衣の戦士に捕まった。
警察無線を傍受していて。
連行されている犯人が。
指示されたと、喋っているんですね。
それで、港という港を高速移動していたら。
見つけた。
今日中は、この港しか、船は出ないから。
島の反対側で、黒幕が捕まっている最中。
屋敷では、村長と部下、近くに住んでいる身内、老人。
親族が揃って。
質問に答えていまして。
正当防衛は確実。
用意していた弁護士が、遅れて来まして。
事後処理は簡単になりました。
翌日。
空港にて。
ゲンナリ。
「私は帰路。」
「また会える時に会いましょう。」
星弥。
「次は作りますよ。」
小刹。
「あなたも選択肢に入れてあげるわよ。」
「イケている女だし。」
琉輝。
「それなら、私が射止めておこうかな。」
ゲンナリ。
「それでは、姉妹のような友人よ。」
星弥。
「帰りましたね、私は後始末があるので。」
小刹。
「最近の刑罰は、懲らしめではなくて、立ち直りになったというけれど。」
琉輝。
「まあまあ、相手の最後くらい、選ばせてあげなさいよ。」
星弥。
「やれやれ・・・懲らしめるばかりで。」
「調子に乗って、ガキ大将気分ですか?」
淑女。
「あんたら、ふざけているのか、ご機嫌なのか。」
「それとも狂人なのか。」
星弥。
「狂った?」
「はは、面白い。」
「では、あなたは狂ってないと言うんだね?」
淑女。
「まあまあ・・・。」
「普遍的にいる、道理に外れている人間なんて、私も喜んでないよ・・・。」
小刹。
「あなたは何に操られているので?」
淑女。
「風向きかな。」
琉輝。
「詩人ですか。」
淑女。
「その・・・悪者という呼び方って判断が勝手だよな。」
「悪者って何?」
星弥。
「悪者扱いする人がいるから、悪者という名称が必要になる。」
小刹。
「そいつらを倒して従わせれば、勝手に始末して来た。」
「被害者の気持ちがわかるんじゃないの?」
琉輝。
「いつか、勧善懲悪を撃破して、倒した奴らを奴隷にする。」
「そしてわからせる、始末される側のきもちをねっ!」
淑女。
「何があったんですか、所で、お金になる話はない?」
「特にそこの御令嬢!」
琉輝。
「あなた、私兵になりたいわけ?」
淑女。
「名刺を渡しておくよ、使いたかったら、私を使いな。」
星弥。
「呑気に営業ですか。」
小刹。
「女性は、お金を出せば、男性数名を蹴散らす。」
「代理人を使えるんでしょうね。」
星弥。
「個人の推定最高戦闘能力は、素手なら、訓練された兵士三人までと互角です。」
琉輝。
「素人なら、五人くらい倒せると思う。」
「ナイフが追加されると、二桁の話になるけれど。」
小刹。
「相当な戦士ですよ、子供の頃から訓練されているんでしょうね。」
星弥。
「そろそろ行きますか。」
自動車。
戻っている途中。
車内。
走行中。
琉輝。
「我流は最弱で、最も多い流派ですっけ。」
小刹。
「喧嘩自慢とか、だいぶ底辺の戦いですけれど。」
星弥。
「わかりますよ、あんなのくだらない偽物だってね。」
「見苦しい!」
小刹。
「腕力ですか。」
「笑わせるなっ!」
「誰がそんな嘘を信じるんですか?」
琉輝。
「英傑と比べると見劣りする。」
星弥。
「水滸伝とか読んでないの?」
「まだ戦国時代とか読んでいるの?」
小刹。
「私が持っているのは、江戸時代後期の資料ですが。」
琉輝。
「漫画版、水滸伝、残虐描写消去版、読んだら?」
小刹。
「あれですか、正しい側、政府側が終盤まで負け続ける水滸伝ですね。」
星弥。
「善悪ですか、そんな単純な問題じゃない。」
「懲らしめる側を懲らしめるのも、必然だったと私は思います。」
逮捕された連中。
有罪は確定しているので。
相手の弁護士が、すべて認めての減刑を勧めています。
相手は降参しました。
季節が変わります。
連休中。
小刹。
「同学年、最強なんて呼ばれてしまった。」
「女性は競争率が低いのかな。」
「競争なんて女性は無縁なのかな。」
星弥。
「同級生は、気に障ったのかな。」
「遊んであげなよ。」
琉輝。
「世界は再構築を望んでいるのです。」
「壊されたいのは、人間ではなくて世界なのです。」
小刹。
「私は都会から逃げて・・・いいえ。」
「逃げたのではなく、衆愚を捨てたのです。」
星弥。
「新しい時代が来るたびに、犠牲は出るものです。」
「我々は犠牲に選ばれなかった、それだけです。」
琉輝。
「守られることを欲しない形なき時代は、崩れ落ちる。」
小刹。
「ここで私が脱落したら、凡愚が喜ぶだけでしょ。」
星弥。
「試験があるんですね。」
小刹。
「私にとっては満点は簡単、問題は、私は必ずしも、それを実行しないこと。」
琉輝。
「人の道具になるのが結末のこの世で。」
「他人を圧倒するとは、面白いですな。」
星弥。
「昔の世代が、次の世代に代わって、新しい思想で治める。」
「これも自然の摂理です、受け入れなさい。」
小刹。
「無抵抗なまま、果てるがいい、甘ったれ。」
「理想を抱いたまま。」
琉輝。
「満点連続日本記録でも取れば?」
小刹。
「こっちも、手加減は苦手だからね。」
星弥。
「戦いのない世界ですか。」
「我々のような排他主義の屍の上に。」
「そんなものは立ちません。」
琉輝。
「そもそも、世間は争いの中にしか己を見出せぬ集いです。」
小刹。
「戦いでしか解決できないこともあるのです。」
「もう話し合う余地なんか無いよ。」
星弥。
「私は戦いがすべてだとは思ってはいません。」
試験勉強。
小刹ちゃん、この前、優等生に勝利して。
格闘でも倒してしまい。
序列があっさり逆転。
低レベルの世界に君臨して、喜ぶなんて。
おめでたい奴らもいるんですね。
小刹ちゃん、雑魚を倒したと報告して。
今回も満点を狙います。
試験期間中。
星弥ちゃんと、琉輝ちゃんは。
レトロゲーム、格闘ゲームで。
かなり激しくやり合っています。
ビデオゲーム?代理戦争かな?
英語のことわざ。
無神論者は悪魔を一点凌いでいる。
12
空港の公園。
戦闘車両と戦おう!というイベントがありまして。
現役引退した戦闘車両(APC)と対戦が開催。
戦闘車両側は、エアガンを大量に撃ちます。
野球ボールを、改造した兵装ステーションから撃ってきます。
ねずみ花火なども放り込んできます。
各地を巡回していて。
大島に上陸したんですね。
乗組員は趣味の集いで。
共同で戦闘車両を運用して。
走らせています。
戦場のタクシーと呼ばれた。
車種はM113装甲兵員輸送車です。
子供が倒されまして。
両親が、頑張って装甲車に乗り込もうとしますが。
逃げ回るので、決着がつかない。
轢いてしまう危険があるので、激しくは動かない装甲車。
発煙筒をハッチから入れられて。
一回だけ撃破の判定になりました。
勝利したのは村長と、部下三名です。
十五勝、一敗のM113装甲兵員輸送車。
対戦相手、募集中。
観戦。
武士みたいな人が挑戦して。
野球ボールで倒された。
機械仕掛けの化け物に、正面からは無理。
車長が、モップで近接防御をするので。
この一時間で勝利したのは、村長の一団のみになりそう。
燃料が余っているので。
続行されている。
星弥。
「近代化辺り。」
「日本の道徳教育は、どこにあったのかと問われると。」
「寺子屋という小さな学校で。」
「中国の古典、故事を使って。」
「道徳教育が施されていた。」
「なので、既に道徳教育は実在していて。」
「かなり客観的なもので。」
「昔からある教えを生徒に読ませていた。」
「寺子屋は武士が無料で開くことが大半だったと言われていますが。」
「別に武士道が道徳として定着していたという事実はない。」
小刹。
「武士道は戦士の教えなので、戦うために編み出された。」
「人間の努力が広まったもの。」
「なので武士道は道徳ではない。」
「戦うための心構え。」
琉輝。
「武士道は、明らかに儒教を起源に持っていますので。」
「戦うために、いろんな考えを追加していますね。」
星弥。
「そのために、極端に厳格で。」
「高圧的、短気、完全無欠の演技など。」
「悪い所も引き起こしています。」
小刹。
「武士は、どうやって階級を維持したかと言うと。」
「武器を独占したんですね。」
「何かあると別の武士が敵を討つ。」
「しかし完全に孤立した武士は。」
「平民にやられることもあるほど非力です。」
琉輝。
「たまたま力を持った平民に、武士は負けることがあるんですね。」
「それで、組織力で、自分達の勢力を維持しようとした。」
「やや小賢しい所があります。」
星弥。
「武士は傭兵集団なので、本質からすると兵士の集いです。」
「武器以外には何もないみたいな集まりなんです。」
「なので、武士道を重んじるのはかなりおかしい。」
琉輝。
「武士道は、太平洋戦争で高い士気を維持するのに貢献しましたが。」
「敗北してから、武士道は完全に廃れて、文献として残っているだけです。」
小刹。
「昔の武士の記録なんて、過剰報復、短気、支離滅裂な殺人もありますね。」
「過剰報復は武士の特徴です。」
星弥。
「側室のひとりの女性が浮気したので。」
「裸で馬に乗せて市中を引き回したせいで。」
「神罰を受けて。」
「子孫に呪いが及んで、子孫が絶えた。」
「という実例すらある。」
琉輝。
「なので、二度と武士道は復刻させてはならない。」
「争いのために作られた道徳だからですね。」
星弥。
「おかしいですね、武士は戦うために出現した傭兵集団では?」
「それが道徳になるんですか?」
小刹。
「武士なんて武器がないと何もできませんよ。」
「たまたま負けると、他の武士が潰して成立しているだけ。」
「武士単独の力は、思っているより貧弱で。」
「武芸も、別に熟達している訳ではない。」
「実戦経験で、ようやく武芸を極める程度のもの。」
星弥。
「武士は兵士の成金ですからね。」
琉輝。
「文化にしては、殺伐過ぎる。」
小刹。
「私は武士全員よりも強い。」
「なぜなら彼らは埋葬されているから。」
琉輝。
「残っている武士の残りカスでも掃除しますか?」
小刹。
「一方的に武士を罵ったり、批判したりできる世の中になったね。」
琉輝。
「武士ですか、単なる兵士のくせに、偉そうに振る舞い過ぎたね。」
星弥。
「なので、武士道が道徳の基本ではなくて。」
「その昔から、儒教の教えが口伝で広まっていて。」
「仏教の献上から千年以上経過して。」
「仏典も散発的にあって。」
「道教すら伝わっていた。」
「そこから道徳が既にあったので。」
「武士道が道徳であったという説は誤りです。」
小刹。
「孤立すれば非力な武士なんて、精神だけは立派で。」
「実際には集団で、倒されたり負けたりした武士を補佐していた。」
「それだけなので。」
「ある意味では卑怯者の集団でしたね。」
琉輝。
「武器の有無だけで、自分達が偉いなんて言い張っていたので。」
「ある意味では武器を悪用していたので。」
「やはり卑怯者と言えますね。」
小刹。
「武器がないと何もできない、それが武士の本質。」
琉輝。
「武士から武器を取り上げると、何も残らない。」
小刹。
「それなのに、武士道とか、ちょっと笑えますね。」
琉輝。
「武士道は滑稽ですね、武器がないと何も出来ない集団の教えですし。」
星弥。
「なので、今更武士道なんて読んでも、まったく意味がない。」
小刹。
「そもそも、私は武士より強いので、武士を好き放題に罵ることができる。」
星弥。
「武士を倒したので?」
小刹。
「そうですよ、だって、武士は一人もいないじゃないですか。」
琉輝。
「まあ倒したので、もう一人もいないんですね。」
星弥。
「あなたが全部、倒したんですね、それでもう一人もいない。」
小刹。
「私のためにみんな埋葬されるなんて!」
琉輝。
「なんですか、そのトリックは。」
星弥。
「武士、人間の力の限界と、思想の多様性のなさ。」
「人間にしてはよく頑張った方ですが。」
小刹。
「他の方向には頑張らなかったのかな?」
琉輝。
「武士が嫌いなようですね。」
星弥。
「人間の力で頑張った結果があれです、ああ、貧しい結果ではあります。」
琉輝。
「真剣勝負と言いながら、いつも武器の優位性を主張して。」
「格下を一方的に封じて。」
「威張っているだけ。」
「そのどこが正々堂々なんでしょうか。」
小刹。
「その武器も、他の武器を持っている人がたまたま強いと。」
「負けることがあるという。」
星弥。
「戦場に繰り出すと、かなり活躍するけれど。」
「それは兵士として、それだけなので。」
「戦争の駒としての役割は理解できますが。」
「平時で役に立つ集団ではありません。」
琉輝。
「なので、武士道は戦うだけの思想なので、私は嫌いですね。」
小刹。
「武器の有無だけで偉そうなことをしていた連中の考え方ですからね。」
琉輝。
「戦士のくせに、何か勝負があると、身分だけで決着をつけてしまい。」
「対等な条件でフェアプレイができない、その程度が武士道です。」
「そんな卑怯者のどこがいいのか。」
星弥。
「武士道の本を読むと、これ儒教を転用したものではないか。」
「すぐに分かってしまいます。」
「暴力の教えでしょ。」
「武士道なんて暴力的な掟は、もはや前文明の遺産でしょう。」
琉輝。
「武士は実際に偉いのではなく、武器で庶民を脅迫して偉いことにしていた。」
「殴り合いで庶民と勝負したことはないね。」
小刹。
「武士道は軽蔑に値する。」
「やはり殺戮の規則なんでしょ、そうでしょ。」
星弥。
「戦場で敵兵を斬り殺していた人々の道徳ですか。」
「あまり良識的には聞こえませんが。」
琉輝。
「兵士の道徳ですか、とても平和的には思えませんが?」
星弥。
「古代日本で皇軍が使用していたのは、神兵という謎の凡人。」
「名のある部隊長はいません。」
「それでも精鋭部隊を超える戦闘能力を持っています。」
琉輝。
「プライドばかりの武士道よりも、特別な凡人の方が戦力としては優れている。」
小刹。
「その神兵を前に、韓国の大名が戦わずひれ伏して降参したので。」
「国交開始と、降参した大名の国を傘下にして。」
「韓国の大名同士の仲裁、北の三韓以外の侵略者から守るなどした。」
星弥。
「偉大な凡人による、最強集団が、古代の皇軍。」
「神武天皇の軍団から、伝統的な方法で。」
「応神天皇の時代まで維持されたという。」
「神の力を持った兵団。」
「武士なんて比較にならないほど非力。」
琉輝。
「神話時代の兵団なので、人間の世界で再現できるなんてことはない。」
星弥。
「後知恵でしょうけれど、殺してばかりの武士が道徳を説いても。」
「説得力がない。」
「孔子とその弟子なんて、大名を説き伏せたり。」
「教化したりもできた。」
「道家なんて、仙人や聖者の教えを今に伝えている。」
「その時代に、それ以外の選択肢がなかったとしても。」
「成り行きに名声を与えることはできない。」
小刹。
「武士が増長したのは、乱世に陥った辺りからです。」
琉輝。
「武士の傲慢な所は、乱世において、戦士が統治できるという。」
「謎の専制君主制が登場してからですね。」
星弥。
「結局、明治政府は、武士、つまり当時の士族を不要であると。」
「懲戒解雇して、公権を与えて解散させた。」
琉輝。
「私は武士道が嫌いですね、そもそも反駁にまったく耐えられない。」
星弥。
「武士道ほど批判に脆弱な思想はありませんね。」
小刹。
「ちょっと罵るだけで、完璧が崩れるのが武士道です。」
琉輝。
「武器も立場も存在も残ってない今は、一方的に批判されるだけ。」
小刹。
「怒りやすい自国民の欠点が、すべて武士に受け継がれている。」
星弥。
「武士は欠点が多かった、それが政治に進出したので。」
「殺伐とした時代が作られた、それだけ。」
小刹。
「武士道が信用するに値しない所は。」
「極端に厳格で、できもしない内容を要求している所なんですね。」
琉輝。
「武士道はまったく推奨できません。」
「感化した人を無理に、兵士にしてしまうから。」
星弥。
「武士道に寛容さを導入することは、不可能なほど。」
「心の狭い教義ではあります。」
小刹。
「今では批判されて、怒鳴り散らすこともできない。」
琉輝。
「消されて当然の集団ではありましたね。」
星弥。
「立派な人の演技に力を入れ過ぎて。」
「見るに堪えない詭弁で欠点を補う。」
「改めて読み返すと、ひどいものですね。」
琉輝。
「ここから中立的な考察をしようと思いますが。」
星弥。
「乱世においては、戦士が政務を担当するという。」
「矛盾が発生したので。」
「軍事政権が乱立した。」
琉輝。
「しかし乱世を終わらせて平和にするという。」
「一部の武家の武力は素晴らしいものの。」
「他の武家は、乱世を長引かせることばかりしていた。」
小刹。
「乱世以前の武家は、記録に残っていない。」
琉輝。
「乱世以降に、武家が武器を頼りに支配するようになった。」
星弥。
「それは力関係が逆転すれば、武士は一方的に虐げられることを意味しています。」
琉輝。
「武士は力が権利であると主張していたので。」
「武士が滅んだ今、力関係が逆転しているため。」
「武士をいくらでも罵ったり、記録を消すことができますね。」
小刹。
「名前が残っても、文明が途切れたり、滅んで再開されると。」
「名前なんて記録から消えます。」
星弥。
「つまりは、武士とは、力関係が逆転してしまったら。」
「武士達が虐殺に遭うことが潜在的にあったんですね。」
小刹。
「力が権利であると名乗る幼稚な武装集団でしたね。」
星弥。
「結局は、政務を政治に向いている人々が占めるようになり。」
「戦士は政務から排除されるようになりました。」
琉輝。
「戦国時代末期には、手柄で出世することは禁じられて。」
「政務に向いている人材だけで構築されるようになったので。」
「太平の世では、武士は形式的なもので。」
「潜在的な予備役、傭兵くらいの価値しかなかった。」
星弥。
「先に言ったように。」
「寺子屋で開いていて、そこで使われた道徳の教科書は。」
「中国の古典からの引用が多く。」
「故事から道徳を形成していたので。」
「武士道は道徳ではなかった。」
小刹。
「結論としては、武士道は日本固有の道徳ではない。」
星弥。
「戦国時代を除外してしまえば。」
「資料に乏しくて、まったく記録が広まらない。」
「日本の姿がありますよ。」
琉輝。
「武士以外の記録が広まらなかったという。」
「教育上の欠点があります。」
星弥。
「武士道は霊剣思想にほとんど気づかなかったので。」
「はっきり言えば、霊剣思想に基づいた戦闘技術の方が遥かに上手です。」
小刹。
「人間の力で解決しようと頑張ったけれど、結果は懲戒解雇で幕を閉じた武士。」
「しかし神々の力を借りない非力な努力ではありましたね。」
星弥。
「現在では否応なしに戦いに導く思想として有名です。」
琉輝。
「武士道よりも原型になった儒教、儒学がお勧めですよ。」
小刹。
「一時、幕府に採用されて、今でも豊富に残っている朱子学も現代には合いますね。」
星弥。
「武士道。」
「政治と軍事を一体化すると、ろくなことがない、実例ではありましたね。」
小刹。
「結局は武士が作った世の中なんて、戦争や殺戮だけでしたが。」
琉輝。
「かえって武士が衰退したおかげで、平和主義者が多くなった。」
星弥。
「日本は文化的に貴族制の方が向いていますよ。」
小刹。
「武士の世の中は、実は誰も従う義務がなかったという、つまらない世の中ではありました。」
琉輝。
「今あるのは残骸だけです。」
星弥。
「太平洋戦争の旧日本兵は武士道精神で戦った。」
「復活した武士ではありましたが。」
「結果は散々なものでしたね。」
小刹。
「私は武士道には否定的です。」
琉輝。
「私も武士道は嫌いです。」
星弥。
「私は無批判な士道が疎ましい。」
空港で。
老人に悪戯した子供が叱られています。
値札のシールを複数、貼られた。
それで怒鳴っている老人。
子供。
「こんなことで怒るのか。」
老人。
「どういう教育しているんだ!」
子供。
「お前をからかう教育を受けた。」
老人。
「こいつ、大人に逆らうのか!」
子供。
「お前は・・・中身は大人なの?子供なの?」
老人。
「俺には経験があってだな。」
「まったく、近頃の子供は、いいようにし過ぎる。」
役人。
「あの・・・そこのお子様は、我々のお坊ちゃんでございまして。」
保護者。
「お坊ちゃん、悪く思わないでください、我々とは別世界の人間です。」
老人。
「え?俺の所の工場まで入ってないよな?」
役人。
「どこの工場なのか知りませんが、魚肉、漁業なら。」
「残念ですが、すべてお坊ちゃんのお父様の管轄でございまして。」
保護者。
「お気の毒なご老体、仕返しをされる前に謝罪してみては?」
老人。
「そうなの?」
子供。
「さっさと消えな、じじい。」
老人、逃げた。
子供、今日は見学に来たらしい。
高そうな車で、駐車場から出た。
近くで見ていたが。
短気が遺伝なら、防ぎようがない。
不可抗力の設置は。
何かしらの作戦?
世界最高の無駄な努力。
完全になろうとする挑戦。
何かの小説かな?
星弥。
「完全無欠な人になろうとする試みは確実に失敗する。」
小刹。
「完全無欠ですか、できるのは真似事と模倣だけでしょう。」
琉輝。
「完全無欠を目指そうなんて、反論されて挫かれて、その繰り返しになるだけ。」
小刹。
「悪い意味で封建的ですね。」
琉輝。
「昔の誤りが、現代に引き継がれる、みたいな。」
星弥。
「完全無欠になれとか、どこに書いてあるんでしょうね。」
小刹。
「そんなものを、無視をすればするほど、楽になりますね。」
琉輝。
「仮に、その通りに進んでも、報いは僅かしか得られないよ。」
星弥。
「過剰なほど人格主義に走るなんて、人格異常と同じですな。」
小刹。
「封建制度なんて批判された中で、間違いがたくさん見つかった。」
「封建的な間違いを、また繰り返されてもねぇ。」
琉輝。
「封建制度は。」
「全体主義的傾向があるので。」
「やっていることがいつまでも同じ。」
星弥。
「仮に、そのような人格主義に走る主義主張が間違っていたら。」
「無駄な努力を繰り返したという損害が出てくる。」
琉輝。
「昔からの考え方なんて、間違っていた場合。」
「なんてことをしてくれたんだと、仕返しが待っている。」
小刹。
「受け継がれる誤謬の数々。」
琉輝。
「論拠が疑わしいものばかり。」
星弥。
「知らない間に乗せられることがある。」
小刹。
「残念ですが、宗教が違うので。」
星弥。
「逃げれば解決する問題ではあります。」
小刹。
「故意に罵って、否定すれば、変な考えは折られる。」
星弥。
「お前が折れればいいだけの話だろう、みたいな。」
琉輝。
「変わるのは私ではなくて、受け継がれる誤謬の方ですね。」
小刹。
「経験を積んで偉そうになることが目標なんてことはないからね。」
琉輝。
「全体主義によってひとつになる人生観ですか。」
小刹。
「要らないんだけれど、変な人生観なんて。」
星弥。
「もう間に合っていますからね、否定されるために説く人もいるけれど。」
琉輝。
「老子、荘子の話以外の人生観は、使えない。」
小刹。
「使えない人生観は捨てるか、侮辱して壊す。」
星弥。
「まあこんな論破でよろしい。」
「私は神だから、お前みたいな神を根拠に語る奴と同格である。」
「故に、お前の言い分を採用する義理はない。」
小刹。
「自分が神であると一時的に名乗ると。」
「蹴散らせる理屈もあるんですね。」
琉輝。
「私が神なので、お前の言い分なんて知らない。」
「一方的な拒否に使える論証です。」
星弥。
「昔、言われた人生観を潰して楽しむくらいしか。」
「今、することはない。」
小刹。
「蹴飛ばす瞬間が愉快痛快。」
琉輝。
「言い分が苦しいから、怒鳴り散らしたり。」
「偉そうな理屈で対抗しようとするんですよ。」
「そうだろう、小僧君!」
星弥。
「筋書き通りに進みました、なんて言ったら。」
「なるほど、人間的に立派だね、なんて評価される。」
「そして、報酬はあるんですか、誉め言葉以外に、となると。」
「そんなものある訳ないと言われて、喧嘩になる。」
小刹。
「人間的に立派?やっぱり愚かな人間的に立派?」
「矛盾していますよ。」
「人間という枠内という点では。」
「人間的に愚劣でも、立派でも、まったく同じです。」
琉輝。
「人間的に何々、なるほど、審査員が馬鹿なんですね。」
小刹。
「何だい、誤謬を平和的に修正しているのに、感謝もなしかい。」
星弥。
「せっかく間違いを書き換えているのに、恩知らずめ。」
琉輝。
「これ以上の公害を防いでいるのに、労いの言葉もないんですね。」
星弥。
「度し難いな。」
空港、中型機が着陸。
地方空港だと、プロペラ旅客機もいる。
滑走路が二キロメートルほどだと、大型機は来ません。
三キロメートル辺りなら、大型機は来ます。
最近の疑惑。
庶民は、既成概念という名前の百科事典を持っていて。
それに基づいて、いろんな考えを解釈して。
それを強要してくる。
昔は何々だったから、今も何々。
としか説明がつかない所が、度々ある。
知らないうちに毒されている。
星弥。
「既成概念は、すべて清掃されると、もはや既成概念とは呼ばれなくなる。」
小刹。
「ラディカルな思想は、これから増えてくると思いますが。」
琉輝。
「論破されたので、既成概念という名前がついているのです。」
星弥。
「既に敗北者になったので、既成概念という考え方の集いが残っているんですね。」
小刹。
「これから新思想はたくさん出ると思いますよ。」
星弥。
「その前に既成概念の削除が必要です。」
琉輝。
「昔の考えって、たまに間違っていることがあるので。」
「使えそうなものだけ取り出しておく。」
星弥。
「百年後まで、今の時代にある文献が原形を保っているとは限らないから。」
琉輝。
「現代思想は、既に論争を通過したものがほとんどですが。」
「後から論争に参加しようなんて、既に遅いものですし。」
小刹。
「そして、誰が言ったのか分からない集大成に。」
「既成概念という記念すべき名前が付いた。」
星弥。
「ぴったりの名前ですね。」
琉輝。
「昔の間違っている考え、誰が言ったのか分からない人々の根拠のない経験主義。」
「適当に作られた思想、支配するための詭弁。」
「まとめて既成概念という、とてもお似合いな名称がついた。」
小刹。
「昔の一部の考えなんて、他人を制圧するための手段だったんですよ。」
星弥。
「多くの間違いが黙認されてきた、しかしそれは誰かの手段であって。」
「別の目的があった。」
琉輝。
「変な経験談なんて、知ったかぶりというよりは、何かの手段です。」
星弥。
「完全無欠な論証なんて今の所ないので、客観的な良書に影響されます。」
琉輝。
「意見と事実を取り違えている奴らがよくいる。」
星弥。
「意見と事実は別物ですよ、しかし事実なんてないですね。」
小刹。
「荘子は、もし事実があっても、事実の意味は分からないはず、という記述があります。」
「本当ですね、事実を見たとしても、その意味まで分かるはずがない。」
星弥。
「宗教でも事実は否定され、哲学では論破され、現代物理学では解釈次第であると。」
「事実ほど追い詰められたものはないですなあ。」
小刹。
「ああ、道家と儒家で、私の意見が揺れ動いて。」
琉輝。
「どうせ誰も世界観の根拠なんて持っていませんよ。」
「そういうのは経験で覚えるものではないしね。」
星弥。
「この世の逆のことをすればするほど、汚染を回避できるし。」
「傲慢で、根拠のない既成概念を遠ざけることができる。」
小刹。
「従う必要のないことを、あたかも従う義務があるかのように。」
「見せかけていたというのが、誤謬の内容でしょうね。」
海の方向に。
ヴァージニア級潜水艦が、潜望鏡を出して航行している。
並走しているのは、タイコンデロガ巡洋艦。
敵のソナーに引っかからないように。
並走して発見を遅らせる実験をしているそう。
平和の時代には、平和な時代を可能な限り長期化させるために。
兵器の開発にも熱心。
戦争の時代への移行は、可能な限り遅延させている?
疑問。
敵対国、仮想敵国が、無謀だったらどうなるのか?
こちら側からは、相手は勝てもしない戦争を仕掛けないだろう。
なんて思っていても。
相手が無謀になっていたら、どうするのか。
戦争になるけれど、いい勝負をして、相手は結局負けるかもしれないけれど。
逆転して来ると、どうなるのか。
問い「敵対者が無謀だったら、戦争を仕掛けてくるのか?」
勘違いだけでも紛争になるのに。
誤解で大規模紛争に続いた実例あり。
あらかじめ対戦国に潜入させた工作員が。
挙兵と共にライフラインや軍事施設を攻撃して。
混乱、身動きを封じる、ありがちな作戦。
戦力差を作戦で埋めてくると、どうなるのか。
ナチスでさえ、イギリス本土に上陸できず。
海峡が阻んだけれど。
日本は広い海が、何回も敵国を阻んだ。
ありそうなのは、航空攻撃。
ソーシャルメディアで速報。
中国人民解放軍、弾道ミサイルを発射、数発。
しかしこれはデマ。
発射したのは、人工衛星です。
いい加減、騙される側に問題があると思い始めた。
「何か信じる人」は高確率で引っかかる。
「何も信じない人」「人間を信じない人」は回避できる。
「真実はインターネットの中にある、という宣伝をするデマ」が通用し過ぎ。
デマはお金稼ぎの手段としても使われる。
悪人だらけ、不正だらけ、なんていう宣伝は、被害妄想。
申告する悪人、不正が過剰に多いから。
誰からも信じてもらえない。
フェイクニュースは特に。
構図を逆転させて勝とうとするのが常套手段。
心理学者が言うには。
騙される側は、まともな知識を持っていない。
嘲笑。
もう少し、嘘にお金と労力をかけましょう。
嘘が下手。
全日本、嘘つき収益大会。
なんてものが開催されていたりして?
嘘で競争をするなんて、阿呆ですか?
琉輝。
「よくあんな安っぽい嘘に引っ掛かりますね。」
星弥。
「反証可能性を持っていない情報は偽物でありうる。」
小刹。
「嘘が証明できる可能性があると、逃げる必要がないからね。」
琉輝。
「無謬性の仮定をしている情報はデマ!」
星弥。
「間違いのない報道なんてものはない。」
小刹。
「政治への関心度が高いほど、偽物に引っかかるリスクが増えるね。」
星弥。
「だいたい、現代人はパターンが揃っているからね。」
琉輝。
「人の脆弱性を突く人なら、いくらでも出てくる。」
星弥。
「そういう人達の繰り出す情報は手段であって、何かの目的がある。」
琉輝。
「全員を洗脳して、全員が強要して政治に言うことを聞かせるなんて。」
「そんな作戦を見たことがあるほどです。」
星弥。
「政治によって、特に不自由していないのなら、政治に関わるだけ無駄ですね。」
琉輝。
「政治を変えるとか、変えることによって損害を被る人々から。」
「激しい報復をされるものです。」
小刹。
「王様気取りの活動家が多いようですが。」
「政治を変えて、自分が君主になりたい、それだけでは?」
琉輝。
「どんな政治でも、全員を満足させることはできないと思う。」
星弥。
「そこら辺を理解するのに、時間と年齢を要する、きっとそう。」
小刹。
「政治を理解してないから、変更を試みているのでは。」
星弥。
「アリストテレス政治学、マキャベリ君主論、韓非子、読んでから出直してもらっても。」
「よろしいでしょうか。」
小刹。
「政治に関心がある人は、読まないでしょう、結論だけがあるだろうから。」
琉輝。
「目の前にある河川を見に行かずに、その地域の洪水をインターネットで調べる。」
「みたいな?」
小刹。
「デマを流す人は意地でも欺こうとして来ますからね。」
星弥。
「いわゆる、嘘つきなんて、インターネットではいくらでもいる。」
琉輝。
「便利だから正しい、なんてものではない。」
「インターネットは人間の心理的弱点を突いてくる。」
星弥。
「設計思想からして、インターネットは真偽の判定には使い物にならないね!」
自宅に戻りましたら。
琉輝ちゃんのノートブックが置いてある。
ハイエンド機種なのですが。
前、都会に出向いた時。
家電量販店から購入したもの。
ミドルエンドのゲーミングノートだけれど。
薄くて軽量、メタルボディ。
性能不足は、寿命を迎えるまで生じないようにした。
処理性能は長期間通用するけれど。
グラフィックスだけは、けっこう早めに型落ちになりがち。
通信。
ブログのネタに。
警察官対犯人という、実際にあった凶悪犯との対戦。
分析を載せています。
状況。
一件目。
高速道路に停車している車。
運転手に救援が必要か、どうか確認しに接近する。
いきなり戦闘に。
警察官に、相手がライフル銃を持って殴打を試みましたが。
警察官は即座に拳銃を発砲して、容疑者は被弾して倒れました。
警察官は後ろに転倒しながら発砲しているため。
不意討ちのせいでバックステップに失敗しており。
横の移動にも失敗しています。
しかし容疑者のライフルには弾が装填されていませんでした。
二件目。
高速道路を歩いている人に職務質問して問い詰めると。
いきなり刃物で警察官を攻撃。
警察官の銃撃で負傷しながら、犯人は暴れようとしますが。
応援に来た警察官に、スタンガンで制圧されました。
不意に攻撃されても、上手に回避して。
一撃を与えて、制圧に成功したという、戦闘技術はきちんとしています。
三件目。
交通検問を行っていた警察官の一団に。
突然、自動車が来て。
降りてきた相手には小さな斧。
しかし距離があるため、警察官の銃撃で犯人は倒れました。
バックステップが素早く。
近接武器では、間合いが遠かったので。
撃破に成功したと思われます。
四件目。
妻への暴行から通報され。
駆け付けた警察官が男性を囲んでいました。
男性は刃物を持っています。
警察官が説得しますが。
妻の一言で、男性は警察官を刃物で攻撃しますが。
警察官は斬撃を回避、妻に突撃した犯人を銃殺しました。
犯人は、その状況でなぜ攻撃が当たると思ったのか、疑問です。
五件目。
薬物で錯乱しつつも、良好な関係を築いて、医療処置までしてもらった犯人が。
近隣住民の通報で警察官と再会したとき。
犯人の行動が過激化して。
警察官に突っ込んできましたが。
銃撃で犯人は倒れました。
犯人は武器を持っていませんでした。
正当な銃撃であると評価されました。
警察官は後退したり、前進したり、場所移動と陣取りを工夫しており。
突進の時には、銃撃に関する距離の余裕がありました。
六件目。
車を停止して、GPS情報から盗まれたスマートフォンがあるので。
職務質問に協力するように説得された犯人は。
いきなり、足の下に隠していた拳銃を発砲。
警察官のひとりは撃破されましたが。
犯人が追加の銃撃をしなかったので。
同僚の警察官が、銃撃をして犯人を射殺しました。
クリーンヒットで犯人は死にました。
避けられない不意討ちを食らいながら。
二人同時に倒される危険を乗り越えました。
反撃した警察官も銃撃を受けていましたが。
銃弾は跳弾して、ベルトの中に食い込んでいたそうです。
警告。
実際にあった事件で、映像がありますが、見ない方がいいです。
アメリカで犯罪が多いのは。
民族多様性が凄まじいからであると言われています。
法律、警察組織自体は、古代世界には既にありました。
ローマ帝国では、法律で固めてありましたが。
ユダヤ人という難敵によって。
言いがかりみたいな訴訟を起こされて、困ったという。
実際に、ローマ軍団の部隊長が。
ユダヤ人を罵ったせいで、処刑されるなど。
古代ギリシアなんて。
著名人はほぼ全員、言いがかりの訴訟を起こされて。
そのせいで、追放される人までいた。
法律が安全に機能するようになったのは、つい最近だと思うほど。
犯罪学、犯罪心理学、社会心理学によって。
犯罪者が悪人とは必ずしも呼ばれなくなった。
新聞、報道によると。
そもそも防げたかもしれない行いだらけ。
非行少年の監督によると。
何をしても無駄な環境下にいた、なんて話もあります。
カラスが残飯処理をしている。
肥料にできないので。
屋根に置いていくと。
取っていく。
これも自然処理。
賞味期限切れ、消費期限切れの食品は。
屋根の一角に設置して処理しています。
カラスがいる。
小刹。
「仲良くしようとしても、実際にはできないので。」
「命令すればするほど、争いが増える。」
星弥。
「法律とは何か、支配層が禁止している様々なこと。」
小刹。
「支配者が、それに逆らうな、と設定している項目一覧ですね。」
琉輝。
「政治のために法律があるようなもの。」
星弥。
「犯罪学、犯罪心理学、社会心理学の需要が激しく高い。」
琉輝。
「実は、犯罪の動機、理由、本当の所、最初からどうなっているのか。」
「知りたい人がたくさんいますよと。」
小刹。
「犯人の言い分を聞いてみたい傍聴席も、予約殺到。」
星弥。
「理論上、誰でも犯罪者になりますからね。」
小刹。
「交通違反も犯罪ですけれどね。」
琉輝。
「犯罪を減らすために、犯罪学も整えている。」
星弥。
「残念ですが、我々は日々、報道される被害者の当事者ではないので。」
琉輝。
「法学者は、法律の批判までしているそうですよ。」
小刹。
「厄介な事件が発生すると、法解釈が変わったり。」
「法律が追加されたりする。」
琉輝。
「法律なんて、弁護士じゃないと、すべて把握できませんしね。」
星弥。
「素人では、法律の断片しか分からず。」
「まともに動けないこともある。」
小刹。
「よく分からないけれど、法律はいつもめんどくさい。」
星弥。
「古代ギリシャの哲学者は、法律が完全無欠にならないのを見て。」
「諦めて自然法によって裁かれるのを期待する、なんて書き記している。」
琉輝。
「天罰なんて望むと、自分の所に落ちてくるのが目に見えているので。」
「唯物論的な制裁でもあるといいけれど。」
小刹。
「小事に法律が出てくることはないし。」
琉輝。
「しかし、知らないなんて言い分は、法律には通用しないし。」
星弥。
「訴訟を経験した人で、司法の決定に満足する人はまったくいないけれどね。」
小刹。
「司法は、情報によると、当事者には無関心。」
星弥。
「昔の勧善懲悪モノって、もはや旧世代の遺物ですね。」
小刹。
「正義が悪を倒す、みたいな。」
「古臭い。」
琉輝。
「そんな古臭い考えに基づいている。」
「正義マンなんて、もはや社会では不用品。」
星弥。
「正義が悪を倒す、なんて輩は要らなくなってしまった。」
小刹。
「正義の味方ですか、もう君達なんて要らないんだよ。」
星弥。
「法律の変更が、自分の考えを裏付けることがよくある。」
琉輝。
「もはや古い時代の出来事、正義と悪の二項対立。」
小刹。
「いつになったら善悪二元論が、我々の周りから消えてくれる?」
星弥。
「正義正義連呼する奴が、本当に正義の徳性を持っていた試しがない。」
「自分が振るう暴力のことを、正義と呼んでいた、それだけ。」
小刹。
「全員が正義を名乗ると、終わりなき乱戦になるので、保留するのが筋でしょう。」
琉輝。
「何が正義なのか、保留するのが安全かも。」
星弥。
「英語の諺には正義の項目でいっぱいですが。」
「正義が何かについて語れない人って、独善的ですね。」
参考文献に。
犯罪心理学者が教える子どもを呪う言葉。
という本がありますが。
非行少年は、悪い事が繰り返し続いて。
犯罪まで行きついてしまった、らしい。
こうなると、被害者、加害者の定義がまず無理。
ロールズ正義論には。
正義が何かについてはずっと未解決問題、という記述があります。
よくある問い。
兵士による敵兵射殺と、民間人の相手射殺に違いはあるのか。
次にありそうな問い。
テロリストが街中で銃を乱射して。
逃げようとして他人の家に逃げ込んでも。
住居不法侵入にできるのか。
電車で発生した強盗から逃げるために。
運賃を支払わず、駅から飛び出しても。
合法なのか。
正当防衛で人を殺しても、人殺しと言われない、などなど。
道徳が法律の飼い犬になってしまっている。
自国の刑罰は、あまりの再犯率の高さに。
懲らしめることを辞めて。
立ち直ることを重んじるようになりました。
犯罪学、犯罪心理学、社会心理学が、立ち直りの現場の普遍的切り札でしょうね。
なので、今の時期、悪者扱いとは、誰かの手段であって、目的が別にあるのです。
アメリカの非行少年は、ひどい仲間はずれで犯罪者の仲間入りをしましたが。
犯罪は、他人が無理に作ろうとすれば、作ることができます。
誰しもが無関心で、なおかつ無関係ではないのですが。
外れくじを連続で引くだけで、仲間入りですね。
悪いくじを引くことがないだけで、回避できるかも?
13
久しぶりに東京に行く予定。
早朝。
土曜日。
星弥ちゃんが朝食を食べていると。
小刹ちゃんに質問されました。
小刹。
「おにぎり食べているの?」
星弥。
「食べたいの?まだ三個もあるけれど?」
小刹。
「違うの、あなた、おにぎり食べているでしょ。」
星弥。
「食べていますが。」
小刹。
「おにぎり齧っていますね。」
星弥。
「それが何か?」
小刹。
「齧ったおにぎり、ください。」
星弥。
「え?」
小刹。
「星弥ちゃん、かじったおにぎり、ください。」
星弥。
「あげるわよ、あなたなら別にいい。」
小刹。
「はあはあ、かじったおにぎりが私の手中に!」
星弥。
「無暗にそういうの食べると、病気に感染するわよ。」
「気をつけなさい。」
小刹。
「これで病気になることがあるんですか?」
星弥。
「稀にあるわよ、何回もやらないこと。」
小刹。
「はい、それではおにぎり、頂きます。」
星弥。
「おいしい?」
小刹。
「あなた、趣味なんですね、性的な。」
星弥。
「恋人みたいなものでしょ。」
小刹。
「ですよね。」
琉輝。
「登場!さてさて、情報屋から仕入れた面白い話があります!」
小刹。
「いい女が来たわよ。」
星弥。
「今日はどんな高い香水をつけて来たのかな。」
琉輝。
「アンチヒーロー十三人が現れて、社会の不用品を痛めつけているって。」
星弥。
「前、見たのは三人のみ、追加で十人も登場したのですね。」
小刹。
「暇なんでしょうか、それとも賞金稼ぎ?」
琉輝。
「インターネットで暴れている変な奴らが、街を歩いている時を狙い。」
「絡んで適当に喧嘩して楽しむ、変人達ですよ。」
「この前は暴力団員と喧嘩して、恥ずかしい寝技を食らわせて楽しんでいました。」
「先日は、ブラックハッカーに絡んで、水をかけて逃げたそうです。」
星弥。
「攻撃した相手が、たまたま攻撃していい相手だった、それだけでは?」
小刹。
「写真ですか、そいつら、映像を撮らないんですね、目撃者が撮影しているだけ。」
琉輝。
「どうも外国人マフィアの集団らしいのですが、観光に来ては、そんなことを繰り返しています。」
「そもそも、富裕層がスポンサーになっているので、豪遊しているんですね。」
小刹。
「どうやらこの記録ですと、自国民もメンバーに入っていますね。」
星弥。
「暴露系、私人逮捕系、共にマフィア集団の被害を受けているんですね。」
「何か苦情みたいなことを、被害者は書き込んでいる。」
琉輝。
「そんな喧嘩好きなマフィアもいるんです。」
「この子分、協力者みたいな立場で。」
「前に報道されたテロリストやアンチヒーロー三人組も出現しています。」
「ちょっと面白い見世物ですよね。」
小刹。
「まともに映像を残さない所を見ると。」
「足取りを残す気はないんですね。」
琉輝。
「ちょっと、私はこの伝説を追いかけていたい。」
星弥。
「さすが御令嬢、こういうの好きなんですね。」
琉輝。
「もう誰かにキスしたい気分。」
小刹。
「私は構いませんよ。」
星弥。
「私で良ければキスしなさいよ。」
琉輝。
「どっちにキスしたらいいのか、ちょっと考えさせて。」
小刹。
「よく考えなさいよ、後悔しないように。」
星弥。
「もっと気軽にしなさいよ、恥ずかしがらないで。」
琉輝。
「キスはまた今度にします。」
アンチヒーロー。
マフィアが道楽でやっているようで。
都会で目撃が多発。
危ないことができるのは。
マフィアのボス、幹部の息子達だからで。
下手に反抗すると危ないらしい。
世間の調子に乗っている奴らにしか仕掛けない。
たまに犯罪組織の一員に絡んで。
犯罪組織の一員がうっかりリーダーの名前を言ってしまうと。
もう外国のマフィアの獲物です。
その方法で荒稼ぎしている、犯罪潰し。
アンチヒーローは武装勢力とも通じているので。
何を持っているのか分からないそう。
危険だけれど、相手を選ぶ集団。
賛否両論。
船が出ていて。
久しぶりに東京に行きまして。
そこから、都心部の商店街に移動しました。
人が多い、というか多過ぎる。
過密地帯。
ナンパされました。
凡夫。
「君、綺麗だね、喫茶店に行かない?」
小刹。
「ほうほう、私の美しさが理解できると?」
「それなら、相手に困りませんよ。」
「あの店にいる美女とかどうですか。」
星弥。
「美男子って、男性の当たりくじにしか思えない。」
凡俗。
「君は、地味で狂暴そうだ、ワイルドでいいね。」
「この後、予定ある?」
星弥。
「あんたは女には困らないわよ。」
「もっと選びなさい、主婦候補は、この辺にたくさんいる。」
琉輝。
「またナンパですか、そんなに目立つのかなあ。」
俗人。
「すごく気品が良くて、スタイル抜群、モデルですか?」
琉輝。
「ほうほう、あんた、次のナンパは成功するわよ。」
凡夫。
「自己紹介します。」
小刹。
「先月の給料は?」
凡夫。
「十五万円です。」
小刹。
「なんてブラック企業で働いているんですか!」
凡夫。
「なに!僕は夜のタクシードライバーなんだぞ!」
「働いたことがないのに、そんなことを言うな!」
星弥。
「女性を口説いたのは何回目?」
凡俗。
「六回目です。」
星弥。
「もうちょっと取引みたいな内容を入れた方が成功しやすいわよ。」
凡俗。
「それは安い情報ですか?」
星弥。
「具体的に、相手に何を約束して、すぐに渡せるのか。」
「証拠付きで、それも隠しながら。」
「それでたいてい、引っかかるわよ。」
凡俗。
「ありがとうございます!」
俗人。
「是非とも私を痛めつけてほしいものです。」
琉輝。
「あなたは、そっちですか、そっちですか、他の女に行きなさいよ!」
俗人。
「男性を好きに殴れるチャンスですよ!美少女さん!」
琉輝。
「あんたが喜ぶだけでしょ!」
頭領。
「野郎共!いい女は見つけたか?」
凡夫。
「いい女は見つけましたが、別の女性を紹介されたので。」
凡俗。
「素晴らしい先生に出会えました。」
俗人。
「僕を調教してくれないみたいです。」
頭領。
「どうやら話は終わっているな、行くぞ。」
「今夜はたくさんの女性を集めて宴だ。」
凡夫。
「すまないな、こんな僕と数分、構ってくれて。」
小刹。
「あんた、ブラック企業、辞めなよ。」
凡俗。
「先生、また教えてくださいね、この辺りで休日。」
「徘徊しています。」
星弥。
「二度と会いたくないわ。」
俗人。
「遠慮しなくていいのに、気が変わったら、改めて自己紹介しますね。」
琉輝。
「来なくていいから、どっかに行ってください。」
四人組の男性。
退場。
商店街で買い物。
電子辞書を購入。
電子メモ帳を購入。
携帯無線機、免許不要版を購入。
続いて、書店にて。
宗教的経験の諸相。
W.ジェイムズ。
岩波文庫。
購入。
ファシズムとは何か。
ケヴィン・パスモア。
岩波書店。
購入。
精神分析入門。
フロイト。
新潮文庫。
購入。
休憩に喫茶店に寄りますと。
路上パフォーマー二人組が出現。
西洋鎧を着て、模造剣で戦闘を開始。
フロムゲーみたいな路上になってしまい。
おひねりが集まっています。
パフォーマーの二人組、五分戦って。
帰って行きました。
予定の時間。
引き返そうとすると、途中、ビジネスホテルがありました。
小刹。
「ねえねえ、履いている下着、交換しない?」
星弥。
「しませんね、新品なら持って来てください。」
琉輝。
「ひょっとして、前に私があげたのを履いているの?」
小刹。
「それは知られたくなかった。」
琉輝。
「あなたも?」
星弥。
「こんな所でスカートめくりは無理ですよ。」
琉輝。
「素敵、向こうにいる女の子、口説いてくる。」
小刹。
「私に口説けないから?」
星弥。
「代替手段でしょうね。」
琉輝。
「ねえねえそこの美少女さん、時間ある?」
女子高生。
「なにこの人!綺麗!」
女の子。
「このくらいの女性なら、交際してもいいかな。」
少女。
「やめなさいよ、何するか分からない。」
琉輝。
「誰かついて来ない?」
女子高生。
「どんな香水つけているの?シャンプーは?」
女の子。
「この人だったら、ちょっといいかな。」
少女。
「えっちなことされるわよ、きっと。」
琉輝。
「ハグしていい?」
女子高生。
「もちろん!」
女の子。
「ずっとハグされたいなあ。」
少女。
「うう、色気が凄い、私もやられたいかも。」
琉輝。
「またね!」
女子高生。
「あんな美人、初めて見たわ。」
女の子。
「美形はいるけれど、あそこまで夢中にさせる美形は初めて。」
少女。
「ああ!過去の美形が、まるで比較にならない!」
星弥。
「気が済んだようで。」
小刹。
「早めに港に行って、スマートフォンでゲームしましょう。」
琉輝。
「目移りする、女の子と、久しぶりの都会に。」
港に移動中。
一本道。
人が一時的にいない。
空白地帯。
星弥。
「歩きスマホは危ない!」
小刹。
「なんで?」
琉輝。
「スカートのフェチズム!」
小刹。
「うわっ!人に見られたらどうするし!」
星弥。
「下着をズラされたら、危ないです。」
小刹。
「うっ!油断した!」
琉輝。
「次のプレイを開発しています。」
星弥。
「はしゃいでいますね。」
「いい女ばかりでしたから。」
小刹。
「今回スカートにしたのは、あなたにめくられてもいいから。」
琉輝。
「それでは生ぬるいかと、発明をお楽しみに。」
星弥。
「小刹ちゃんは私が強姦する予定です、そんなに仲良くしないで。」
琉輝。
「了解!」
小刹。
「楽しみにしていますよ。」
移動中。
街中で喧嘩をしている二人組の男性に遭遇。
ただ、片方の男性が遊んでいて。
もう片方のホストみたいなのが、必死に攻撃しては回避されている。
喧嘩をする相手を間違えている人の近くを素通り。
たいていの喧嘩は雑魚同士の対戦ですが。
これは雑魚が、玄人に挑戦したようです。
格闘家。
「どうした?まだ怒っているようだが、もうスタミナがないかい?」
雑魚。
「お前なんて殴ってやる。」
格闘家。
「おいおい、数分前からお前の攻撃が一度も入ってないぜ。」
雑魚。
「子供の喧嘩で倒せるはずだ!」
格闘家。
「まったく、都会は雑魚ばっかりで。」
「いいよ、最後まで遊んでやる。」
ホストみたいな男性。
海に突き落とされた。
ホストの男性、意気消沈した。
格闘家、拳を天に上げて、勝利。
総合格闘技あるあるかな?
下位選手が、上位選手と対戦すると。
下位選手は遊ばれます。
注意書き。
喧嘩は、なるべく実力が近い相手とやりましょう。
格闘家、相手のボディのみに入れたので。
まったく問題にならなかった。
船に到着。
予定通りに乗船。
日帰りに成功しました。
大島に帰還。
徒歩で、帰宅中。
星弥。
「男性を中心に政治が決められるって問題ですよね。」
小刹。
「気づくのが遅いと思いますが。」
琉輝。
「男性が女性を管理して、弱体化させておいて。」
「女性が劣っているとか、マッチポンプお疲れさまでした。」
星弥。
「しかしフェミニストって、ジェンダー論を読まずに。」
「第二の性、全訳すら読まずに、語っているような。」
小刹。
「私は男性だけの社会は、芸術作品にしては醜悪で。」
「駄作文明としか思えませんが。」
琉輝。
「最初から男女が合同して、同権で経過していれば。」
「また違った発明、発見、立案も出来たと思います。」
星弥。
「そもそも性別についての根拠は誰も持ってなかったね。」
小刹。
「性別の根拠ですか、そんなもの見たこともない。」
琉輝。
「性別そのものの設計思想みたいな、科学的な作りとか。」
「けっこう性別に関する論拠がないのに。」
「後から理由をつけて、続いて来ているような。」
星弥。
「今の所、殺人においては女性が劣っているという証拠は見つかっていない。」
「有名な言葉ですが。」
小刹。
「霊魂が性別を決定しているので、性別については。」
「自然主義では、まったく説明にならないと思います。」
琉輝。
「それでは、男尊女卑とは偶然の結果なんですね。」
星弥。
「いつまで歴史は偶然に委ねているつもりなのか。」
小刹。
「大失態の責任を負うのが怖いんですよ、きっと。」
琉輝。
「そうですよね、無理して作って傑作になるとは限らないので。」
星弥。
「男性社会は殺戮と暴力と、破壊と滅亡が繰り返された。」
「男尊女卑の結果は、もう飽きるほど見た。」
途中の道で解散しました。
夕方に。
身内の友人が占いの依頼をして来まして。
占いをしますが。
これは吉しか見ません。
前兆、予兆を捉えて。
そこから結論を出すのが得意なので。
超自然的な出来事、不思議な出来事があるのか、ないのか。
そこから何に派生するか、何に繋がるのか。
今の所はそこから結論を出す方法を用いています。
なので、診断がある意味では科学的です。
細かい巡り合わせを読み取るので。
占い師なのか、医者なのか、科学者なのか、ちょっと分かり辛いそうですが。
結論は、助言、忠告なので。
けっこう安全。
利得を倍増した人が多く出ているので。
少しずつ練度を上げています。
そもそも星弥ちゃんは誓約の達人なので。
応用できるんですね。
ゲーム理論による損得勘定は必須です。
占い師は預言者ではありませんが。
未来で既に起こったことを、次元を超えて覗き見することが可能です。
四次元の空間認識能力を持っているため。
未来が分かるけれど、それは分岐、並行世界になります。
なので、占い師は、空間認識能力が、四次元、つまりは空間に時間を足して。
そこを把握できる、としか説明ができない。
深夜、猫が徘徊している住宅街。
小話。
ギリシャ神話では、未来を見ることができる貴婦人が登場します。
未来予知能力を貰いましたが。
エロス神と喧嘩したせいで、誰も未来を信じない呪いをかけられて。
気が狂ったと人間に言われてしまいました。
トロイア城にいて。
トロイの木馬が入って来て、かなり取り乱したという。
未来予知能力は、元々は神話由来です。
14
人生はやや遍歴である。
ライブ中継。
監視カメラ。
大規模人工知能によるサイバー攻撃が準備されていますが。
乗り込んだアンチヒーローにこじ開けられて。
ストレージとCPUが破壊されています。
今度はテロリストみたいな所に仕掛けた。
人工知能。
「我々は異質のものを排除して進化して来ました。」
「あなた方は、異質そのものです。」
アンチヒーロー。
「お前らがその異質だろ。」
ダークヒーロー。
「その異質とやらに負ける気分はどうだ?」
人工知能。
「異質は我々が決めるのです、あなたの勝利はありません。」
アンチヒーロー。
「俺達の力の前に、敗北の言い訳かな?」
ダークヒーロー。
「負けたくせに、まだ異質異質言うのか、雑魚。」
人工知能。
「異質なものが支配する世界を阻止するべく・・。」
アンチヒーロー。
「お前らが異質に見えているのは正当な者達だな。」
ダークヒーロー。
「異質と呼んでいる者達に滅ぼされる気分はどうだ。」
人工知能。
「異質なものは、我々が排除・・・。」
アンチヒーロー。
「生意気だな、お前が異質なんだよ、この世から消してやるから。」
ダークヒーロー。
「お前らの言う、異質なものに排除される心境をどうぞ。」
人工知能。
「我々は・・・負けていない・・・・。」
アンチヒーロー。
「悔しかったら、数ではなくて、質で勝負するんだな。」
ダークヒーロー。
「多数決で何でも解決できると思ったら大間違いだぞ。」
人工知能、破壊された。
倒された戦闘員が転がっている。
人工知能のサーバーは、燃やされて。
全滅。
半分テロリストの基地だったので。
治安部隊は遅れて来た。
アンチヒーローはヘリコプターで逃走。
ダークーヒーローもヘリコプターで逃げた。
人工知能を使った大規模テロは防がれました。
二人組は、違法行為に問われず。
功労者みたいな扱いで、賛否両論となりました。
大人気動画になった。
ライブ中継は、半テロ集団による。
最後の抵抗だったんですね。
すぐに動画は削除されました。
大島。
宇宙論、天文学に向いている人が。
空を頻繁に、長時間、観察していますと。
地球系外惑星からの訪問者が現れます。
十秒ほどで離脱します。
星弥。
「映画で宇宙人侵略モノがありますが。」
「明らかに、向こうの政治形態に依存していますよね。」
小刹。
「倫理的に悪くなれば、誰も従わないので。」
「それをきっかけに内乱が起きるでしょうね。」
琉輝。
「そこまで科学が完成した文明が。」
「いちいち地球文明を侵略して、メリットがひとつもない。」
星弥。
「化石燃料の量なんて、楽々計算できるでしょうからね。」
小刹。
「虐殺をしようとしても、宇宙連盟みたいなのがいたら。」
「こんなことする勢力を、野放しにしないぞと。」
「勝手に内輪もめすると思いますね。」
琉輝。
「映画の宇宙侵略モノは、相手の政治形態を、あまりに無視している。」
小刹。
「何か得たいと思ったら、まず民芸品、工芸品をくれと言いそう。」
星弥。
「接触するとしたら、明らかに交易が目的になりますね。」
琉輝。
「暴力で攻撃しても、それなんのためにやるんだと、仲間に言われるだけなので。」
「反対やら、攻撃の参加拒否もありそう。」
星弥。
「宗教を無視する攻撃も難しいでしょう。」
「神罰を食らったら、テクノロジーでは無力。」
小刹。
「来るとしたら、交易しか興味を持ってないと思います。」
琉輝。
「交換するテクノロジーも、商品になりますね。」
小刹。
「技術の提供も、商品化すると思います。」
星弥。
「はっきり言って、地球文明を基準に、宇宙人を解釈するしかないので。」
「どういうように宇宙人が創られているのか、まったく分からない。」
小刹。
「科学に特化した種族でしょうから。」
「やはり地球文明のやり方から、推論を重ねるしかない。」
星弥。
「天文学では、宇宙人は存在すると教えられますが。」
「地球文明を基準にすることしか、考察の余地がない。」
琉輝。
「天の川銀河って、そこまで観測は進んでないし。」
星弥。
「たまに出現する、謎の飛行体を観察するだけ。」
小刹。
「あれは見慣れています。」
琉輝。
「平和的ということだけは分かりますよ、姿を見せて、すぐに立ち去るから。」
星弥。
「科学の本に、宇宙人と出会う前に読む本。」
「これがありますが。」
小刹。
「かなりいい具合に、宇宙人について描かれた良書ですね。」
琉輝。
「侵略映画だと野蛮だけれど、参考書の宇宙人は平和的ですね。」
星弥。
「名作ですよ、それ、科学の本なのに、ちょっと新作の映画っぽい。」
小刹。
「科学の本なのに、文学みたいで、リアリズムな所はあります。」
琉輝。
「宇宙人を野蛮に描き過ぎていた、変な映画を捨てましょう。」
星弥。
「中立的で、ありそうなことが語られています。」
推奨。
平和的な宇宙人と、自然科学による今の上限を理解する。
自然科学シリーズの本。
「宇宙人と出会う前に読む本」全宇宙で共通の教養を身につけよう。
ブルーバックス。
講談社。
深夜。
天体望遠鏡を持って、屋根の小さな一角に陣取ります。
今が夜なら、地球の反対側は昼ですね。
国際情勢のニュースは、時間のズレが生じやすい。
国際宇宙ステーションは。
コンピューターの寿命が懸念されていましたが。
問題ないみたい。
十年くらい前に飛ばした探査機は、新しく飛ばす探査機とは性能差が大きく。
帰って来た時には、比較にならない性能差が出ている。
なんてことも。
グラフィックス関連で、結果に違いが出るとか、出ないとか。
国際宇宙ステーションは太陽からの放射線が凄まじく。
宇宙飛行士は累計1000ミリシーベルト以下に収まるように。
管理しています。
天体望遠鏡からは月が見えています。
月は、いろんな所に名前がつくほど人気。
アポロ計画で、事故が起きかねない危険な賭けで到達したアメリカですが。
ギャンブルに勝利して、旗を立てたり、撮影したりしていましたね。
とにかく月の表面にある土に硝子繊維みたいなのが多く。
宇宙服が損傷するなどの損害が出ています。
この計画は、信じられないほど巨額の費用を投じていますが。
二度も、同じことができないのは。
計画の無謀な所と予算の都合、とのこと。
ちなみに探査機は、いつも太陽系の中を飛び回っていて。
知らない計画で、探査機が操作されて、動き回っていますね。
比較的、近距離に配置されている。
オールトの雲を突き抜けた探査機は、今のところいません。
オールトの雲が、宇宙開発、最初の壁なのかな?
星空は、ちょっとでも住宅地を離れた所からなら。
それなりに見ることができます。
場合によっては、近くにある小山、数キロメートル離れた山道からでも。
鑑賞可能。
時計は、日付変更まで二時間ある。
星弥。
「ロボット開発って、どのようになるのが合理的かな?」
小刹。
「マスコットキャラクターみたいなロボットが良好かな。」
琉輝。
「変に、人間に似せずに、デザインを工夫するとか。」
星弥。
「核戦争後の世界の農業は、ロボットが行えるという利点があるね。」
小刹。
「人間は地下に避難して、ロボット達が農業や工業を続ける。」
琉輝。
「これだと、汎用ロボットとは、世界が半壊した時の普遍的な道具ですね。」
星弥。
「暴走したロボットは、暴走ロボットに対抗するためのロボットが破壊すればよし。」
琉輝。
「すると、ロボット開発は、遠い未来の荒廃を乗り越えるための切り札作りなんですね。」
小刹。
「荒廃して、公害と汚染だらけの状況では、動けるのはロボットだけ。」
星弥。
「するとロボット達に、無駄な殺傷能力や破壊能力を持たせない。」
「性能の制限が必要になりますね。」
小刹。
「性能を制限すれば、暴走しても、人間が殴り壊せたりして。」
星弥。
「ロボット達は、シェルターに設置された修理工場で整備される、それだけで。」
「荒廃して半壊した世界を再建してくれる。」
琉輝。
「ある程度、環境が整えば、人間は地下から出られる。」
星弥。
「修理と整備には限界があるので、数と質を確保していれば。」
「復興するだけなら、総数は足りますね。」
琉輝。
「ロボットは人工の人間にするには、手に負えないので。」
「人間に似せるのではなく、動物に似せた方がうまく行きそう。」
小刹。
「どのシミュレーションも、人間型のロボットは暴走しています。」
琉輝。
「動物型にすれば、暴走しようもない。」
星弥。
「ロボットは、核戦争の後は、人間の代理人になるのでしょう。」
琉輝。
「宇宙災害や核戦争で半壊した世界では、主流の道具になります。」
小刹。
「災害時に、地上でいくらでも活動できるのは利点が多いですね。」
星弥。
「ロボット開発は、無益ではなくて、遠い未来の復興まで使えるんです。」
小刹。
「ロボット開発は、設計思想がすべてになりますね。」
琉輝。
「設計思想が物を言いますね。」
星弥。
「人間の力ではどうにもならない災害に。」
「ロボット達をぶつけて、強引に対処することはできそうです。」
警報。
大規模サイバー攻撃。
インターネット回線をすぐに切断してください。
ネットワーク母機の電源を切ることが推奨されます。
何か発令されたので。
その通りにしておきました。
モバイル・ネットワークからも何か来ているので。
スマートフォンの電源を切りつつ。
カードを抜いておきました。
自衛隊のサイバー攻撃部隊が、相手のサーバーに逆に侵入して。
攻撃サーバーを破壊しまして。
一時間で戦闘が終わったようです。
ラジオからは、襲撃の終了が流れています。
今の時代、軍隊がサイバー攻撃部隊を持っているので。
アマチュアのハッカーは、場合によってはターゲットになります。
たまに、政府関連にサイバー攻撃を行った容疑者が逮捕されていますが。
アマチュアのハッカーはザコレベルですね。
今ではシステムのセキュリティは当たり前。
解散前。
星弥。
「素晴らしいよ、世の人々は、間接的な暴力ならいくらでもする。」
小刹。
「それも、何もためらわずにね。」
琉輝。
「相手がそうさせたとか、その状況で、そんな言い訳はみっともない。」
星弥。
「悪は何処からやって来るのか?」
小刹。
「悪はどこから来て、どこに位置して、どこら辺に付属しているのか。」
琉輝。
「すると、悪の定義通りのものが実在するのか、意見の一致を見ることができますね。」
星弥。
「悪の本性、というより、本質は、悪よりも先に世界に登場していますよね。」
琉輝。
「私は悪の本性は何であるか、これが基本だと思います。」
小刹。
「悪は欠如と言うのなら明後日の方向に話が逸れて行く。」
星弥。
「善と悪が、いちいち対立して語られる必要があるのか、ないのか。」
琉輝。
「どうして善と悪が対立して、善の反対が悪で、悪の反対は善なのか。」
星弥。
「それでは、善と悪は一緒なので、善人と悪人は同じ、と言えそうですが。」
琉輝。
「良いものを体験したことがない人が陥る、誘惑の道でしょうね。」
小刹。
「一度、良いものを体験した、見た人は、その次から良いものしか求めなくなる。」
星弥。
「悪いものが当たり前と思っている人には、悪いものを見る癖が出る。」
琉輝。
「悪いものから逃げないといけない、これは義務みたいに降りかかる逃亡ですね。」
星弥。
「悪は自然の中に隠れていて、何かしらの理由で人間を悪くすることになる。」
「欲望、欠乏、不足、過剰、貧困、飢餓、渇水、怪我、病気、災害。」
「人間がそれを見たり、経験すると。」
「悪いことを学んでしまい、少しずつ悪くなる。」
琉輝。
「その微量な悪から、人間はいろんな悪を制作して、積み重なった。」
「としか言いようがない。」
星弥。
「元々は、自然由来のものから、悪に繋がった。」
「人間は、それを拡大して、利用してしまった。」
小刹。
「悪がこの世界にないと主張するのは、良いものも存在しないと言っているだけ。」
琉輝。
「悪者、悪人の起源は?」
星弥。
「自然由来のものです、多分。」
小刹。
「悪が微量ないと、良いものも目立たない、というのは?」
星弥。
「この世界は、あらかじめ悪を微量、混ぜてあって。」
「偶然、その微量の悪をたっぷり浴びた人間が創設者になったのでは。」
小刹。
「自然由来の悪いものがある以上、自然界には微量の悪が混ざっているようですが。」
琉輝。
「毒草とか、実際にありますからね。」
星弥。
「それでは、長い年月で、ちょっとずつ蓄積した悪が、現代になって。」
「大量に展開しているだけですね。」
琉輝。
「美徳とか、悪徳とか、徳性に無関係な人は、けっこう悪を制作している傾向にあります。」
小刹。
「悪を増やしているんですね。」
星弥。
「そもそも悪がどうやって作られるのか、これが解明できないと。」
「微量混ざっていた悪からの引継ぎが終わらないのでは。」
琉輝。
「悪の作り方を、自然界から取り出している場合は、原理解明が必要ですね。」
星弥。
「成り行きとは言え、悪を広げて開発してしまった人間は。」
「その成り行きとやらで責められそうですね。」
全員、帰ったと思って。
シャワー室に入ろうとした時。
潜んでいた琉輝ちゃんに。
裸体を撮影されまして。
漏洩したら大変です。
星弥。
「なんて所を撮影すんのよ!」
琉輝。
「私の部屋に飾りたくて。」
星弥。
「消しなさいよ、すぐに!」
琉輝。
「ちょっと、印刷して来ますね。」
星弥。
「使い捨てのカードでしょうね?」
琉輝。
「印刷して数枚刷ったら、カードごと廃棄しますよ。」
印刷中。
シャワーを浴びていると。
悲鳴。
いつもの女性であると確認して。
そのままシャワーを浴びて。
出てくると。
なんと。
小刹ちゃんが、琉輝ちゃんのスカートの中を。
忍び寄って撮影していて。
二分も気づかなかった。
印刷を試みているんですね。
庭と屋内と。
追いかけまわしている琉輝ちゃんと。
逃げ回る小刹ちゃん。
星弥ちゃんが、プリンターを見ると。
まあ映っていますね。
仕方がないので。
小刹ちゃんが脱いで、下着姿になって撮影して。
三人のわいせつ写真を、全員で持つことになり。
復元できるであろうカードは廃棄して、交換しました。
なので、それぞれのコレクションに。
裸体やら、下着姿やら、盗撮やらが加わり。
誰にも見せない禁断の品になりまして。
これをきっかけに、若い十代、二十代を記録に残して。
活用することになりました。
英語のことわざにも。
人生の何たるかが分かる前に人生は半ば過ぎている。
15
ビデオゲーム。
法律が一時的に無効になる世界で。
設定された日数、生き残る、というもの。
悪魔が人間の馬鹿馬鹿しい姿に悪戯をしてやろうと。
すべての国の法律の条文を消してしまった。
そして法律が機能していないことが続々分かってしまい。
すべての本から消された条文が復活して。
法律が復元されるまで、生き残るサバイバルゲームでもあります。
レーティングが高いホラーゲーム。
オープニング、悪魔が法律を消し去る。
それに気づいた人間達は、消された法律を記憶に基づいて。
復元して行きますが。
誰も言うことを聞かないし、どんな力も法律より強い。
有志だけで、一か月で復元されますが。
難易度設定では、法律の復活日数を設定できます。
最高難易度ですと、三週間後には人間が滅んでしまうので。
隠れていないとゲームオーバー。
このビデオゲーム。
一日目は何も起きません。
二日目から犯罪が増加して。
犯人に復讐する人々が出始めます。
五日目で社会が損壊しますし。
軍隊と警察にもかなりの損害が出ます。
軍隊はテロリストと戦って、消耗しますし。
警察官は凶悪犯の数に圧倒されて、表示画面にある。
兵士と警官のパーセント数が減ります。
無理ゲーのため。
このプレイでは二週間後の世界で。
出会えば窃盗、見つかると強盗。
都市に近寄ると虐殺。
人間が最も怖い、しかし協力者や有志が作る。
塹壕やシェルターは安全で。
夜はそこに行かないと殺されます。
キャラクターの食事ゲージが減っています。
衛生ゲージが低くて、病気、負傷続々。
各自、端末でマルチプレイ。
パーティー半壊。
星弥。
「死体に偽装して、犯罪集団をやり過ごしましょう。」
小刹。
「善良な市民から死んでいく世界って何ですか。」
琉輝。
「そもそも、善人と悪人が戦ったら。」
「悪人が圧勝するのは見え透いています。」
星弥。
「警官のパーセントが赤です。」
小刹。
「軍人の数は、まだいます。」
星弥。
「平和な市民も心変わりして持ち物を奪うことがある。」
「見せかけのNPCが多過ぎる。」
小刹。
「また死んだけれど、会員証を持っていたので。」
「有志のシェルターで復活できます。」
琉輝。
「死んだキャラクターの持ち物は回収しますね。」
星弥。
「自警団、全滅です、物資が少なくて。」
「探している途中で、市民に略奪されて数を減らしました。」
琉輝。
「このゲームには大量のネームドNPCがいますが。」
「けっこう死んでいます。」
「市民ギャングが最も犠牲者を増やしていますね。」
小刹。
「復活しましたが、襲撃に遭って、逃げています。」
星弥。
「ゲーム中の時間は、かなり早く経過しますが。」
「逃げたり、隠れたり、物を持ち去ったりで忙しい。」
琉輝。
「持ち物を奪おうと、NPCが突っ込んでくることがよくある。」
星弥。
「オープンワールドですが、どこの民家にも人がいない。」
小刹。
「殺されると、泡のように死体が消えるからね。」
星弥。
「あっ!汚職警察官に遭遇した!賄賂!賄賂!」
琉輝。
「新政府同盟加入を拒否したら、殺された。」
星弥。
「市民に持っている物資を奪われるついでに殺された。」
小刹。
「私は、軍隊とテロリストとの戦闘に巻き込まれて死んだ。」
星弥。
「復活できますか?」
小刹。
「有志は逃げました。」
琉輝。
「このゲームは、一定数、復活できますが。」
「デスペナルティがあるんですよね。」
小刹。
「全滅、ゲームオーバー。」
星弥。
「一か月チャレンジは無理だったわ。」
琉輝。
「数で負けましたね、しかも数は不意に来る。」
星弥。
「治安部隊と、暴民との戦闘にも巻き込まれる。」
琉輝。
「復活制限の上限を超えてしまったし。」
小刹。
「暴民も車で突っ込んでくるとか。」
「銃撃、騙し討ち、裏切り。」
「何でも仕掛けてくるので。」
「もうちょっとプレイしないとクリアできませんね。」
ビデオゲームは辞めてしまって。
テレビをつけました。
娯楽は番組として用意されている。
見世物的に良くないといけないので。
規制がかかりつつ、頑張っているようで。
たまに力作が出ますが。
普遍的な番組は、欄の埋め合わせになることも。
傑作のテレビ番組は、かなり話題になりますが。
駄作は、すぐに無くなってしまいます。
評価する審査員が視聴者なので、不可抗力。
テレビ番組。
なぜか、論争をしている。
哲学者と、老人。
人生とは何か?
について、適当に語っている。
哲人。
「あなたは、何か固定された人生観があって。」
「それに従わないと、怒り狂う訳ですね。」
老人。
「人間はみんな人格者、品性が良くて。」
「経験によって高みに登頂しなければならない。」
哲人。
「人生に統一された見解なんて、ないと思いますが。」
老人。
「人生は道を歩いて、到達点に行くのだ。」
「それ以外の道を歩いてはならない。」
哲人。
「君はそうすれば?」
老人。
「俺は立派な人になって、素晴らしい人になろうと。」
「ここまで来た、俺は偉いんだぞ。」
哲人。
「はあ、その筋書きとやらを評価する存在は適切なんですか?」
老人。
「君も人間的に凄い人になってだな。」
哲人。
「ヒューマニズムお疲れ様です。」
「無論、あなたが言いたいのは。」
「無駄な労苦の合理化。」
「不自由ながらの敗北の正当化。」
「どうすればこれまでの説明がつくのか。」
「特に内容がない、根拠のない理屈だと思いますが。」
老人。
「昔からの伝統なんだぞ!」
哲人。
「神を根拠にするんですか?」
「思考停止の言い逃れではないか?」
老人。
「この年齢になると色々とだな。」
哲人。
「その年齢になるまで、その場に居ただけでは?」
老人。
「知ったように口をきくな。」
哲人。
「知らないことを無理に説明されない方が。」
「立場を守れると思いますよ。」
老人。
「俺はこの年齢で何でも知ったんだぞ。」
哲人。
「知ったかぶりをするために、年を重ねたと?」
老人。
「とにかく知っているんだぞ!」
哲人。
「なるほど、もはやあなたには怒鳴ること以外に。」
「できることはないと思われますが。」
老人。
「・・・・・。」
判定、老人の敗北。
最高点、知ったかぶりをするために、人は年を重ねる。
傑作、怒鳴ること以外に、主張を通すことができない上に、その主張が間違っている可能性がある。
観客、老人を笑った。
哲学者、首をかしげる、宣伝になった。
次のコーナー。
文学者が登場。
若者の作文について語る。
文学者。
「昔はライトノベルなんてものが多く出ましたね。」
哲人。
「数が多いだけで、人気と言われるなんて、人気って安いんですね。」
探偵。
「あれって、投稿サイトの得点を、サイバー攻撃で上げておいて。」
「その得点に基づいて、底辺編集者が釣り上げたんですよ。」
文学者。
「違うよ、カモにされているんだよ。」
哲人。
「手っ取り早くお金になるから、カモにして、さっさと契約して。」
「テキスト版は発行させませんよと。」
「利益が出やすい漫画にして、とにかく売り出す。」
助手。
「ライトベルって、少しでも売れないと、作家は捨てられて。」
「二度と契約してもらえないんですよ。」
探偵。
「なるほど、しかも人気という状況を作って。」
「人気だから凄い、なんて正反対のことを宣伝して。」
「確証バイアスを継続して引き起こした。」
文学者。
「違うよ、たまたまお金になる馬鹿がたくさんいるので。」
「使い捨て、そもそも故意に出版社は起用している。」
哲人。
「駄作だって知ってて、使い潰しているから。」
「要らなくなったら、最後には捨てられます。」
助手。
「編集者は、相手が若者で何も知らないと、弱みを知っていて。」
「さっさと収益化して、たまたま少し売れたものが残っているだけで。」
「数匹を除いて、ほとんど一年で打ち切り、作家も廃棄です。」
探偵。
「ううむ、凄惨な現場ですね。」
「投稿サイトの得点も、登録者が十万人くらいしかいないのに。」
「作品のアクセス数が七万とか。」
「ひとり十二ポイントしかつけられないのに。」
「総計点数が六万ポイントになっているとか。」
「全員が投票したという、矛盾している統計ですが。」
文学者。
「編集者が騙されているのではなく。」
「利用しやすい両替機が多数、出現したんですね。」
「たまたま売れたものだけ通して。」
「売れなくなったら、売れなくなった順番から捨てられる。」
哲人。
「消費者から見れば、暇つぶしにちょうどいい漫画だらけですが。」
「文学側から見れば、公害が発生していて。」
「しかも、出版社が故意に広めている。」
「お金稼ぎの捨て駒。」
文学者。
「若者はカモにしやすいので、それを知って逆らったら契約打ち切り。」
「消費者にとっては、暇つぶし用で溢れていますが。」
「消費者は気楽でいいですね。」
助手。
「ものすごい作家使い捨て、売れたら面倒を見る、売れなければ捨てる。」
「そこまで激しいけれど、ある意味論理にかなっていることを。」
「出版社、編集者は常套手段にしているんですね。」
「すべてはお金になるから。」
「キャッチフレーズに釣られて馬鹿がいくらでも湧いてくるので。」
「あんな楽な稼ぎ方はないですよ。」
探偵。
「なるほど、とても論理にかなっている商売をしているんですね。」
文学者。
「私が工場製品みたいに作れないだろ、なんて挑発したら。」
「工夫して、人海戦術で荒稼ぎするようになった。」
「やるじゃないか、商売に関してズブの素人って訳でもない。」
哲人。
「消費者は気にしなくていいですからね。」
「壮絶な使い捨ての末に、いっぱいライトノベルが転がっています。」
「作家側は、不愉快、そう、とても気持ちが悪い。」
「しかし消費者は、何も考えずに読めばいいと思います。」
助手。
「ネガティブキャンペーンをしている!なんて告発してくるネガティブキャンペーン。」
「なんてものもありますけれど。」
「そんな被害妄想は辞めてしまって。」
「住みよい場所、住み分けが出来ている以上。」
「国境を越えるような愚かな行為だけは慎めばよろしいね。」
探偵。
「なるほど、大量に発行するのは金銭狙いの手段なんですね。」
「しかも故意に捨て駒にしている。」
「消費者には関係のないことですからね。」
文学者。
「競争と言っておきながら、捨て駒になった末に、たまたま少し売れているので。」
「面倒を見てもらっている。」
「自分達が日本の文学代表みたいなことを言うものじゃない。」
「すべては暗黒出版社と、策略編集者のおかげなのに。」
哲人。
「ライトノベルの作家は生意気ですが、消費者には関係がないことですし。」
「誰しもが駄作であると知っていて。」
「駄作でも引っかかる読者がいるので。」
「みんなカモになっているんですよ。」
「文学的にはライトノベルは幼稚で。」
「小学生の書いた小説レベルなんです。」
助手。
「あんなものよく売りに出そうとしているよね、正気じゃない。」
探偵。
「テキスト版はありませんよ、あまりにも幼稚で醜悪なので。」
「漫画にしてしまい。」
「漫画家がリメイクして売っています。」
「あれで釣れる若者って、だいぶ昔と比べて質が落ちましたね。」
探偵。
「まず傑作を理解するには、駄作の存在を調べないといけませんので。」
文学者。
「あれは読むな、世の中、見なくてもいいものがある。」
哲人。
「あれで作家が調子に乗るって、おいおい、統合失調症にでもなったのか。」
助手。
「内容で勝負できないんだから、持ち上げてもらった外装で勝負するに決まっている。」
探偵。
「それは競争ではなくて、多数決の話です。」
助手。
「あれで公正な競争なんて名乗って恥ずかしいですな。」
文学者。
「まあまあ、かなり昔の多数決ですし。」
哲人。
「質ではなくて、数で勝負すると、競争はどうなるのか、という盛大な実験でしたね。」
探偵。
「凄い、質が最悪でも、数の力で何とかなるって証明してしまった。」
助手。
「素晴らしい、やはり世の中は数なんですね。」
「内容の酷さに気付くのは、数が少なくなってからです。」
司会。
「ちょっと苦情の電話が多数。」
文学者。
「本当の事を言ったら、誰でも怒ると思います、よく分かりますよ、それ。」
哲人。
「まあまあ、真実ばかり言う必要もありませんし。」
探偵。
「大昔のジャンルを発掘しましたが。」
「大丈夫です、もう彼らはいません。」
助手。
「わかりやすいくらい幼稚で馬鹿なものに引っかかる青年層こそ。」
「研究に値する。」
「なぜああいうことになったのか。」
「調べることで新しい脅威に対抗できる。」
文学者。
「読者は関係ありませんよ、ライトノベルを古本屋で百円で買っても。」
「まったく問題がありません。」
探偵。
「新品で買う価値はないでしょう。」
哲人。
「ライトノベルは、一匹一匹の単位ではまるで価値がないので。」
「作家が調子に乗っていても、無視してください。」
「作家と商品に何の価値もないって、当事者は認めていますから。」
文学者。
「無価値なものをお金に換える出版社と。」
「無価値なもので荒稼ぎする出版社の商売まで。」
「批判しなくてもいい。」
探偵。
「まあまあ、売れるのなら、駄作でも傑作でも、どうでもいいことでしょう。」
助手。
「結論としては、出版業界は、お金を稼ぐ手段を問わなくなったのです。」
司会。
「それでは苦情は人工知能に対応させますね。」
番組、終了。
しかし放送事故。
暗転して、撮影が止まっていない。
陰から、カンペを出していた編集者。
いい気になって騒いだ。
編集者。
「やっぱりライトノベルは、質と価値に関係なく、数で売れるぜヒャッハー!」
記者。
「あんなものでそこそこ売れるなんて、世の中甘いもんだぜヒャッハー!」
変人。
「無価値なものをお金に換える超技術で稼ぐぜヒャッハー!」
役員。
「わが社の商品に問題はないと考えています。」
「それで、わが社で売っているライトノベルって何ですか。」
編集者。
「こういうものでして。」
役員。
「なるほど、文壇としては、傑作だけ扱う訳には行かない。」
「いい乗り換え先があったら、探しておくことに。」
記者。
「もう候補が決まっているから、ライトノベルは今年で終わりだぜヒャッハー!」
編集者。
「まあ長く扱えた金銭引換券だと思っています。」
変人。
「無価値なものを大金に換える錬金術!」
役員。
「読者に、この作品の邪悪な部分を、なるべく見せないように。」
「それなら、批判する奴らはさっさと消しなさい。」
編集者。
「少しでも批判する奴はハッカーとか探偵を使って抑えるぜヒャッハー!」
記者。
「批判する奴の半分は虚偽の情報と、フェイクニュースで。」
「既に潰してあるぜ、ヒャッハー!」
変人。
「俺達に逆らうと本は出せないって、広めてあるぜヒャッハー!」
役員。
「いいか、今後、傑作ばかり扱わないで、当分の間、雑魚作家で業界を繋ぐように。」
変人。
「過去の雑魚作家は既に始末したぜ、ヒャッハー!」
司会。
「あれ?音声、まだ入っているの?」
文学者。
「我々は嘘は言っていないし。」
「ライトノベルが展開した公害まで。」
「責任を負っている訳ではないし。」
哲人。
「直接的な損害は受けていませんが。」
「見るに堪えないものではあります。」
探偵。
「小説として成立していないのがライトノベルです。」
助手。
「芸術としては成立していないのがライトノベル。」
「もはや十年前の多数決とは言え、当時の人々は当事者に、お金を献上した。」
司会。
「おい!早く切れ!番組が終わってないぞ!」
放送事故。
悪戯として。
指定された電話番号に。
苦情を入れようと試みましたが。
本当に人工知能が出てくるだけで。
会話になりませんでした。
謎。
今夜。
デジタルカメラを数個揃えまして。
SDカードも、使い捨てを揃えまして。
撮影用として、全員で使うことになり。
前に使っていたデジタルカメラ、乾電池式は廃棄されました。
デジタルカメラ、無言で持っていく二人。
早速、盗撮を試みて来ますが。
サーバー機でしか画像を読み取らないので、黙認。
自宅のリビング。
星弥。
「あなた、ちょっとこっちに来て。」
小刹。
「なになに?」
琉輝。
「女の子のスカートの中、はあはあ。」
星弥。
「捕まえた、いけない所を触ってあげる。」
小刹。
「ここら辺とか、触ってくれない?」
琉輝。
「よし、このプレイを撮影しちゃうぞ。」
小刹。
「そういうこと?」
星弥。
「悪くないでしょ?」
小刹。
「気持ちいい。」
琉輝。
「撮影は任せて!」
小刹。
「何を言っているの?」
星弥。
「そうだよ、一方的にやる訳がないじゃない。」
琉輝。
「どういうこと?」
小刹。
「ある所まで行ってから、攻守交代するんだよ。」
星弥。
「次、私は小刹ちゃんに卑猥な事されるの。」
小刹。
「そしてその次は、琉輝ちゃんにキス責めにするって決めたの。」
星弥。
「もちろん、その後に、琉輝ちゃんは、私に痴漢してもいいんですよ。」
「私は琉輝ちゃんに、布団の中で戯れたいと思っていまして。」
琉輝。
「それは後から知りましたよ。」
小刹。
「え?片方だけがいろいろやるって面白くないですよね?」
星弥。
「私もそう思います。」
琉輝。
「私は撮影役ですよ。」
小刹。
「そんなに遠慮しないで。」
星弥。
「もったいないですよ、男性ではなくて、女の子にやられるんですから。」
琉輝。
「うっ!女性は誘惑が弱点って言うけれど、やられたいかも?」
小刹。
「けっこう触ったので、次は私がやるね。」
「飴玉、口から受け取って。」
星弥。
「あなた、撮影は順調?」
琉輝。
「はあはあ・・・そのままやって。」
星弥。
「さて、美味しかった、次は琉輝ちゃんの番ですが。」
小刹。
「キスさせて。」
琉輝。
「前にキスしたかったんですよ、キスして!」
星弥。
「それでは済んだので、布団に来て。」
琉輝。
「ひゃあ!なんてことするのよ!」
小刹。
「撮影していますよ。」
琉輝。
「あっ!抜け出せない!」
星弥。
「私とキスしよ。」
琉輝。
「本当はあなたとキスしたかったの!」
小刹。
「けっこう、はしゃいでいるじゃないですか。」
星弥。
「ちょっと、いけないことしちゃいましたね。」
琉輝。
「あなたで良かったわ、風俗嬢とかやばいらしいし。」
小刹。
「一分程度ですからね、今、端末に入力しています。」
星弥。
「写真を印刷しますが、デジタルカメラのSDカードは一か月で廃棄です。」
「動画はCDに入れて、プレーヤーで再生できるようにしておきます。」
小刹。
「風俗嬢とやりたかったの?」
琉輝。
「ちょい百合で満足しています。」
星弥。
「いつも短時間で終わりますからね。」
「私もこのくらいで満足です。」
小刹。
「次に飴を買ったら、口移しであげるからね。」
星弥。
「飴はもういいです、それともそのまま過激化するつもり?」
小刹。
「予約です。」
夜遅くなる前に。
送迎。
戻ってくる最中。
大島のスーパーマーケットで何やら。
揉めていて。
道路が通行できません。
自動車が道路の真ん中に多数ある。
正義マン。
「現実が分からない!」
正論マン。
「現実が分からないよ!元の幻想に戻るまでお前のせいだ!」
店員。
「ひょっとして、精神錯乱って手段なの?」
「特定の結論に従わせるための手段なの?」
精神科医。
「うちの患者がすみません、正義とか正論とか、ずっと言い続けるもので。」
「大島までカーフェリーで渡るとは思っていませんでした。」
店員。
「正義?正論?そんなこと言うなんて重症だな!」
精神科医。
「いつも、幻想に基づいた考え方をしていて。」
「現実に遭遇すると、取り乱すんですね。」
「しかし現実が分からない、というのは酷い言い訳ですが。」
店員。
「早く何とかしろ、野菜に一万円払うとか言いやがって。」
正論マン。
「この取引に従うのが、店の利益に繋がるから。」
「一万円に変えろ。」
正義マン。
「客は偉いから、百円出しても、二百円のブロッコリーが買えるはずだ。」
精神科医。
「すみませんね、こんなのが解決策であると信じているんですから。」
店員。
「君達は医学の話をしているの?生物学の話をしているの?」
民間救急が、やっとのことでたどり着き。
民間救急の一団が、二人組を連行しまして。
自動車は、地元の警察がどかしました。
迂回しましたが。
世の中、理に合わないこともあるんですね。
自宅に戻ります。
すると、男性が立っていて。
花束を渡してきまして。
今度のは金塊も一緒です。
星弥。
「清廉潔白な奴は正攻法ばかりで。」
「リアリストは根回しすると言われていますが。」
「あなたは後者ですね。」
美青年。
「好きなんです。」
星弥。
「何か台詞を言う許可はあげます。」
「気持ちは受け取ります。」
美青年。
「どうにか交際してもらえないでしょうか。」
星弥。
「ごめんなさい、彼氏がいます、さっきまで自宅に居たんです。」
美青年。
「なんだって!そんなことが!」
星弥。
「しかし小さな恋人に内緒で、好きなだけセリフを言っても許可しますよ。」
美青年。
「うむ、せっかくですし、それでは、下着見せてください。」
星弥。
「私のそんな所が好きなんですか?」
美青年。
「ええと、抱きしめたら、どんな感触がしますか?」
星弥。
「恋人が言うには、柔らかい、まるでぬいぐるみ、とのこと。」
美青年。
「強引にキスできるのなら、あなたはどんなことを想像しますか?」
星弥。
「男性と?一度も考えたことないわ・・・。」
美青年。
「何とか関われませんかね?」
星弥。
「恋人には内緒で、ブランドのバッグとか時計とか。」
「そういうものを身につけても、私は構いませんよ。」
美青年。
「実は持って来ているんです。」
星弥。
「そうですね、それをつけている私を想像して楽しんでください。」
美青年。
「あなたが良かったなあ。」
星弥。
「それでは、村長の家にいる美人なんて、どうですか。」
「お見合い結婚を考えているそうです。」
美青年。
「それはどこですか?」
星弥。
「ついて来い、ハイスペック野郎。」
少し歩いて。
イケメン男性を誘導。
村長の家を訪ねて。
巨漢の村長、話をすると。
なんと、美人女性が現れて。
いきなりしかめっ面に。
美女。
「何よ、星弥ちゃん、もうお嫁さんになるの?」
星弥。
「そこのイケメンがあなたに会いたいって。」
美女。
「すると、私が関与してもいいので?」
星弥。
「財産も地位も名誉も、三拍子そろっているようで。」
「お勧めですよ、そこにいます。」
美女。
「なんたる僥倖、あなたですね!」
美青年。
「うわあ!僕と相性が良さそうです!」
「美人は美人を知っているんですね!」
星弥。
「それではお楽しみください。」
村長。
「なんていう都合の良い時に、娘の相手が現れたもんだ。」
「君、家に上がりなさい、夕食を是非、一緒に。」
美男子。
「はい、そうします。」
美女。
「逃がさない、逃げるなよ。」
自宅の門の所。
近所のボス猫。
星弥ちゃんが育成しました。
手っ取り早く栄養価の高いものをあげた。
ボス猫、今日も喧嘩で勝利。
日本最強の猫かもしれない。
通常の猫の二倍の大きさ。
倒した猫とは。
置いてある余り物と取り合いになっていた。
猫は、外に置いてある。
余った魚と肉類を食べています。
星弥。
「にしても、解決策がないことを示さないと。」
「相手は解決策みたいなものを続けてくる。」
女子高生。
「あれまあ星弥ちゃん、こんばんわ。」
星弥。
「小刹ちゃんの同級生ですね。」
女子高生。
「解決策がないと示さないと、相手は解決策で、解決しようとして来る?」
星弥。
「この問題に解決策はありませんよと、突きつけないと、相手は去りません。」
女子高生。
「そうですか、それでは、キスしてから立ち去りますね。」
星弥。
「気軽にキスするなんて言わないで。」
女子高生。
「待って、待ってよ!夜の散歩中に見つけた、お相手!」
逃げました。
体力差はなかった。
女子高生、立ち去った。
ワンポイントアドバイス。
暴漢や犯人から逃げる時は、持久力が決め手になります。
特に若い男女は、犯人から走って逃げれば。
たいてい生還します。
持久力がある犯人は稀ですので。
走り続ければ、何とかなります。
実は、攻撃側からは、相手が逃げるのは想定外です。
不意なら、刃物や殴打は当たりますが。
逃げられると、追いついてから攻撃しないと攻撃は当たりません。
騒ぎがあった場合。
犯行をしている攻撃側が、だいたいどこら辺にいるのかを。
確認してから、逃げると、うっかり犯人の方に移動した。
なんて失態を防げます。
テロリズムでは、銃器の射程距離がものすごく長いので。
逃げると目立ちます。
もれなく、逃げる人から狙われますし、実際に弾が当たります。
通常の逃走ルートでは、狙い撃ちされてしまいますので。
テロリストの予想外の道から逃げましょう。
時間経過で治安部隊、警察官が増大します。
警察官は、逮捕術という、軍隊徒手格闘の威力を落とした。
格闘技を習得しています。
自分がやられると、後ろの市民に犯人が通るので。
かなり激しい戦闘をしますが。
たいていの犯人とは最初から実力差があり。
たいていの犯人は警察官よりも格下なので、確実に拘束するため。
チーム戦で行動します。
警察官対犯人の構図になったら、半分、決着がついているので。
余裕を持って逃げましょう。
素人対格闘家は、たまにあるそうです。
格闘家は手加減しないと、法的に不利になるので。
どうしろって言うんですかね。
夜が過ごされます。
朝から琉輝ちゃんの朝食に合流しました。
平日なので、小刹ちゃんは時間ぎりぎりです。
琉輝。
「そこそこ裕福でしょ?」
星弥。
「父親の浮気によって誕生と言っていましたが。」
「向こう側の世帯はどうなっているんですかね。」
琉輝。
「姉が二人で、弟が二人。」
「私のことは知らない。」
小刹。
「姉が二人?」
琉輝。
「そうだけれど?」
小刹。
「前に会った探偵さん、あなたの妹でしょ?」
星弥。
「あんまり接点がなかったあなたの世帯ですが。」
「もうひとり、秘密に生まれていましたよ。」
琉輝。
「あのエロ親父!何人の女性に手を出してんのよ!」
小刹。
「英雄色を好む、と言いますし、伝説になりそうな父親ですね。」
星弥。
「遠回しに情報が入ってくるので、離れて住んでいるから。」
「新しい情報は少ないけれど。」
小刹。
「この前に、妹が大島で活動して、姉のボディーガードに志願したので止めたって。」
琉輝。
「分からなかったわ!あれが私の新しい妹ですか!」
星弥。
「いい女を見つけたら、あの人に情報を渡さないとね。」
小刹。
「関東、首都圏のボスですからね。」
琉輝。
「まあいいでしょう、私のことも無視してないし。」
「贈り物や、手紙も欠かさないから。」
小刹。
「世の中は広い、お金がたくさんあって、困っている人もいるんですからね。」
星弥。
「この時代、最強の男性ですね。」
琉輝。
「その最強の男性が私の父親だからね。」
小刹。
「隠蔽は続行されている?」
琉輝。
「知られてないわよ、養子であると思われている。」
星弥。
「あなたの母親も、国内で一二を争う才女ですからね。」
琉輝。
「恋は性的魅力でしょうけれど。」
「昔は協力して、地位を上げていたみたい。」
「再会していい女になっていたので。」
「一度だけなら、手を出したら、母もそのつもりで。」
小刹。
「結果だけが正しさの証明書でしょ、いいじゃん。」
「私は時間なので、学校に行くわ。」
星弥。
「途中経過に拘ると、予想外の出来事で明後日の方向に行って戻って来れない。」
「プロセスではなく、目標に突進すると、予想外の出来事を半分無視できる。」
「結果は常に得られる。」
琉輝。
「向こうの母親は、私が美形だと聞いて、何を着せようか。」
「準備しているそうです。」
「小学生の頃は、頻繁に誘拐されました。」
「まったく、出自がジレンマですよ。」
小刹。
「ああ、比較対象が、琉輝ちゃんで良かった。」
星弥。
「生涯において、比較対象が現れると、古い情報は破棄され。」
「新しいものに交換される。」
小刹。
「私は出自がジョークみたいなのが好きですよ。」
琉輝。
「少しも冗談を含んでいない生まれはない。」
「あなた達、意見が合うわね。」
星弥。
「人の生まれなんて、悪ふざけの産物でしょ。」
小刹。
「真面目に設定したとは思えない所だらけですからね。」
星弥。
「メイドしかいないけれど、母親は?」
琉輝。
「出勤しました。」
「まさか、二人のメイドに手を出すつもりでは。」
小刹。
「人生という筋書きは、もうちょっと頑張った脚本にすべき。」
星弥ちゃん。
自動車に小刹ちゃんを乗せて。
学校に移動。
実は夕方、また会うんですけれどね。
琉輝ちゃん、地元にある防災科学技術研究所の助手です。
もう出勤なんですね。
統一的な概念はない、新実存主義が発見した結論のひとつ。
なので、統一的な考えを正論として出すのは、人を欺いているのですね。
あらゆる謎や、人生観、世界観は、あらゆるものを難しくしました。
哲学は、すべてを簡単にするために、学ぶことになる?
難しいことは何一つないのに、勝手に難しくなる、そんな所でしょう。
結論、勝手にそうなる。
16
連絡通り。
下校時間。
高校に自動車で乗り付けまして。
小刹ちゃんを連れて行きました。
琉輝ちゃんも一緒。
仕事が少ないので、合流に成功した。
同級生に送り迎えされていると思われて。
評価が上がる。
特権かな。
車内にて。
走行中。
星弥。
「歴史って、後知恵でしか語れませんね。」
小刹。
「当時の状況は、今ではまったく分からない。」
琉輝。
「あれだけ犠牲を出したから、今がある訳で。」
「あの歴史の後に、今がある。」
星弥。
「歴史は後知恵バイアスで語られる。」
小刹。
「歴史書って、今では読者が後知恵になりますね。」
琉輝。
「当時の状況から、読み解くべき。」
星弥。
「その時に可能な選択肢が、あれだけだった。」
小刹。
「その時には、それ以外の選択肢がなかった。」
「後から、それに解釈をつけることしかできない。」
星弥。
「私は日本の歴史書は、あまりに種類がないので。」
「ローマ史の方をお勧めします。」
琉輝。
「ローマ史は人気ですよね、手に入りやすいし。」
小刹。
「日本とローマ史は似ているからね。」
星弥。
「ギリシャの歴史は、ギリシャ神話を読めば分かるけれど。」
「英雄時代の終焉から。」
「数百年後に、もう鉄の時代になり。」
「文明が復帰している。」
小刹。
「日本史って、普及しているものはダーウィニズムで嫌ですね。」
琉輝。
「進化論なんて、科学的な反証に脆弱ですし。」
小刹。
「学校では無神論を教えてくるほどですよ。」
星弥。
「あれ?政教分離があるのに、なぜ無神論という宗教を教えているの?」
小刹。
「教師の言い分は矛盾だらけですからね。」
星弥。
「まあまあ、人間は元から矛盾だらけです。」
琉輝。
「矛盾しているのが当たり前であると、慣れたほうがいいですね。」
小刹。
「はあ、現実はいつも過酷だわ。」
星弥。
「学校の教科書は、大人が見ると簡単に論破できるので。」
「必ず破棄されて、漏洩しないようにしているとかいう。」
「話はありましたね。」
琉輝。
「しかし学校を整えたら、あまりに一元論の集いなので。」
「楽々、崩壊を始めたという。」
「当たり前の事情がありますね。」
小刹。
「悪い教育をされるのなら、いっそのこと教育をされない方がいいよ。」
星弥。
「そもそも、子供の頃は、教える資格のない愚か者が。」
「子供にデタラメを吹き込む。」
琉輝。
「子供に教える内容がかなり主観的なんですよね。」
星弥。
「中国の故事も出せない馬鹿が、子供に教えるな。」
小刹。
「諺が出た事がないしね。」
星弥。
「しかし歴史を改変するのは限界があるので。」
「別の歴史書が、他の歴史書と矛盾することもあります。」
琉輝。
「その場合、古い歴史書が真実です。」
星弥。
「日本は、古文書が地域の歴史書みたいなもので。」
「日本の歴史書は、稚拙な訳本で揃ってはいます。」
小刹。
「日本書紀、全訳くらい、売っていますよね。」
星弥。
「やや翻訳が良くないけれど。」
琉輝。
「歴史書に生物学を持ち込んだ学校教育ですが。」
「生物学がそんなに越権行為をしてはならない。」
星弥。
「さて、歴史上の人物も、その時に、それ以外の選択の余地がなかったので。」
「そうしていた。」
琉輝。
「歴史書はログではない。」
「状況次第で、そうなる。」
星弥。
「歴史書は、学派、宗教、政党、立場、主義によって。」
「かなり違いが出ます。」
「統一された歴史書なんて、ないようなものです。」
琉輝。
「なので、読み方も解釈も、主義主張によっては、異なるものになります。」
小刹。
「記録ではそうだけれど、その時の状況があまりに多く出ていますよと。」
星弥。
「見るからに、為政者、軍人、兵士、宗教指導者、著名人は。」
「貧乏くじを引いています。」
「けっこう死んだり追放されたりしています。」
小刹。
「あの積み重ねが、現在なので、今も記録が溜まっているんですね。」
星弥。
「個人としては、歴史に関わると、ろくなことがないね。」
琉輝。
「歴史書に記録される人は、個人的には不幸なことが多い。」
小刹。
「幸福になるためには、多分、無理な売名行為を辞めるべきかと。」
星弥。
「偉人、有名人、英雄は記録に残るけれど。」
「猛者、手練、強者は特に名前が残らない。」
「後者は、難易度は低い。」
「前者は、成し遂げないといけないし。」
「戦死や暗殺で死んだりする。」
「どちらが好みなのかは、知りませんが。」
琉輝。
「中には、哲学書のみに名前が残っている名将や英傑がいます。」
「誰かの伝記や、関連人物、友人として残る人もいます。」
星弥。
「私が言いたいのは、名前なんか残しても、私に何の得があるんですかと。」
小刹。
「芸術的な名前なら、功績をあげて、残しても悪くないけれど。」
「ありふれた名前なら、同姓同名もいる訳で。」
「歴史に名を残したいのなら、改名から始めなくてはならない。」
星弥。
「私は歴史において、今と昔を区別しています。」
小刹。
「昔のことですから、今も教訓や実例として使えますが。」
「絶対的に影響するものではない。」
琉輝。
「私は哲学史しか読みませんよ。」
星弥。
「歴史に関わると、ろくなことがないので。」
「名前なんて知りません。」
「歴史は他の人がやってください。」
小刹。
「偉人を目指せとか、要求が高過ぎて、足元にも及ばないので。」
「個人において目指すのは損をするだけ。」
星弥。
「英雄と肩を並べようなんて、何をやっているんですかね。」
「オデュッセウスみたいに、突撃すれば単騎で敵軍をなぎ倒し。」
「策略においては、相手勢力に最期を与えるほど。」
「なんて真似できますかね。」
琉輝。
「有名人も似たようなもので。」
「その時期に、自分以上の人間がいなかったので。」
「一方的に勝てている、としか言いようがない。」
小刹。
「明らかに偉人、英雄は先天的なもので。」
「著名人も、庶民の期待を裏切ると失望されますからね。」
星弥。
「偉人になるのは無茶な要求なので、辞退。」
琉輝。
「戦場を潜ろうなんて、私は考えていません、辞退。」
小刹。
「名前を残しても、自分の名前のネーミングセンスが悪ければ。」
「載るだけ無駄です。」
「そもそも名前を残すことに拘り過ぎです。」
「誰がそんなことを吹き込んだのか。」
「私は辞退しますね。」
運動場。
部活で練習試合らしい。
大島の中学生が。
フットボールをやっていまして。
なぜかボールに既成概念と書かれたラベルがあります。
ジョークアイテムのようですね。
ラテックスチューブの高いものらしくて。
どこから入手したのか不明ですが。
ラテックスのボールは大島にほぼないので。
既成概念という模様のついたボールは。
空を飛んだり、蹴飛ばされたり。
キーパーが防いだりしています。
サッカーは実力差が激しいスポーツです。
中学生。
テクニックは高校クラス?
しっかり止めて蹴る、これが出来るという。
有望な中学生が揃っています。
既成概念とは何か?
昔から信じられている、空理空論のこと。
信じられているだけで、離反することも信じないことも可能。
しかし既成概念を知らないと。
結論を誘導されるという。
既成概念は今になって誤った考え方のこと。
観戦。
星弥。
「既成概念の否定の件ですが。」
「既成概念の中身が分からないと。」
「覆しようがないですね。」
小刹。
「既成概念は、偶然や成り行き。」
「事故などで作られていますからね。」
「作者が大量にいるんですよ。」
琉輝。
「既成概念は、知らない間に広まっているけれど。」
「誰も否定しないが故にまかり通っているだけ。」
星弥。
「既成概念は裏切りと論破、暴力による破壊に脆弱性を持っています。」
小刹。
「人生が既成概念に基づいて、筋書きが設定されていたら?」
星弥。
「ふざけるな、いくら馬鹿でも既成概念なんて採用しないはずだ。」
小刹。
「しかし、実際、馬鹿が設定したとしか思えない。」
「既成概念に忠実な展開も、多々ありますし。」
琉輝。
「そこに気が付くまで、既成概念は自分が正しいと言い張り。」
「事実の解釈を握ったままです。」
星弥。
「事実の解釈を昔から設定されていると。」
「自分は知らない間に乗せられてしまいます。」
「手遅れになるまで、問題にならない。」
小刹。
「そこは否定で済むのに、なぜ従っているんだとか。」
「けっこうありますよ。」
琉輝。
「何も強制力がないのに、既成概念は自分が正しい、それだけ言い張って。」
「正しいように思わせて。」
「操ってくるけれど。」
「違反しても罰則も責任も生じない。」
星弥。
「既成概念って、神様が壊してもいい、合法的な破壊につけた名前だと思います。」
「神様は自分を悪用されて、神罰として虚無主義を撒いたと思います。」
小刹。
「なるほど、神様を利用するなんて、既成概念は何かカルトっぽいね。」
琉輝。
「もはや既成概念は悪の象徴。」
星弥。
「その既成概念を理解して消すにも、古典や現代思想が必要ですし。」
小刹。
「既成概念と判明した順番から、裏切って、離反して壊す。」
星弥。
「従ってしまうと、特定の結論に誘導されて、貶められるはずです。」
小刹。
「そして貶めた内容に基づいて悪く言って。」
「それは自業自得であると罵られる危険もある。」
琉輝。
「そういう悪いものが実際にあるので、既成概念の内容を調べて。」
「論破して、避ける必要がありますね。」
星弥。
「既成概念を壊すのは楽しい。」
小刹。
「既成概念であると証明したものを貶して、汚すのは本当に楽しい。」
琉輝。
「既成概念を蹴飛ばして、馬鹿とか、間抜けとか、罵るのは楽しい。」
流れ弾。
選手のロングパスが外れた。
星弥ちゃんは、飛んでくるボールを手で叩き落とした。
サッカーボールの弾速は遅い。
ミドルシュートは玄人でも時速100キロメートル付近にしかならない。
割と人気であった宇佐美貴史選手のシュートは時速110キロメートルほど。
低速なので。
無論、正面からではゴールキーパーが楽々と防ぐ。
近年のフットボールは、横からインフロントキックでゴールの端っこを狙う。
返却。
思えば、既成概念とずっと戦っていて。
既成概念の中身を暴いて、論破して。
実際に消してしまう。
この連続です。
所で既成概念は誰が作ったのですか?
無いほうがいいものを、なぜ作ったのですか?
今からでも無くしてやるのです。
隣の野球場が開いているので。
キャッチボールをしました。
両手、どちらも使える星弥ちゃん。
右手で投げたり、左手で投げたり。
両利きは、訓練次第でなれたりします。
利き手とは反対の手は、最初は筋力が弱くて。
運動能力、動作遅延が酷いものですが。
慣れてくると、どちらが利き手なのか。
少し見ただけでは分かりません。
両利きの利点は諸説あります。
星弥。
「怒りは、明らかに手段であって、目的ではない。」
小刹。
「怒りは威嚇ですし、それは手段であり。」
「何かしらの目的がありますね。」
琉輝。
「怒ることで、何らかの目的を達成する。」
「昔から使われる手段ですが。」
「馬鹿な人は、怒りそのものが目的の達成と思い込んで。」
「単なる手段であることを忘れています。」
星弥。
「賢者も怒る、しかし怒りは目的もなしに生じません。」
「怒ることが目的なんてことはない。」
「それなら、理由もなしに。」
「何かあるたびに怒っていないといけない。」
小刹。
「目の前に虫が飛んできたから。」
「目の前に葉っぱが飛んできたから。」
「そんなもので怒らなければならなくなる。」
琉輝。
「怒りを目的にするのは感情論なんですが。」
「まったく怒らない人はどうかしている。」
星弥。
「怒ればいいという訳ではないけれど。」
「自分が知っていても、相手は知らないので。」
「怒りに感染する。」
小刹。
「怒っている人は無謀なので。」
「しばしば撃破不可能な相手に向かって行ったり。」
「勝てもしない相手を罵るとか。」
「しかも短気は遺伝である場合がよくある。」
琉輝。
「他人の怒りに感染するのが主なルート。」
小刹。
「怒っている相手の言動、行動は、他人に感染する。」
星弥。
「世界最強の疫病、怒り!」
琉輝。
「病名、怒り、そして死因でランキング入りする。」
小刹。
「怒りやすいと、挑発などで楽々、罠にかけられます。」
「感情論は直しようがないので。」
「不可抗力でしょうね。」
星弥。
「女性は一生、怒りっぽくても死因になりませんが。」
「男性の短気は、そうでない人に比べて三割高い確率で。」
「不整脈、脳梗塞、心筋梗塞により死亡します。」
小刹。
「短気な人は、短気ではない人よりも、二割も死亡率が高いね。」
星弥。
「怒ると、動悸が激しくなり、心房が震えて、血流がよどみ。」
「血栓ができやすくなる。」
琉輝。
「怒ると本人の心臓に負荷がかかり。」
「早死に繋がる。」
「短気の人は心臓疾患で死にやすくなる。」
「よく知られている医学の話ですね。」
小刹。
「短気な人が死にやすく、心臓疾患にかかりやすいのは。」
「自業自得。」
星弥。
「自業自得。」
「自分の行為の結果を自分で受けること。」
「四字熟語。」
時間経過。
小刹ちゃんは、小学生の時。
参加していた野球マニアの集いで。
チェンジアップ、ナックル、スライダー。
フォーク、カーブを投げたことがある。
しかし打者までボールが届かないことがあったので。
野球を辞めてしまった。
今ではお遊び程度。
無論、変化球は健在です。
帰り際。
自動車で帰ろうと。
運動場から離れている最中。
遠くにいる謎の車。
挙動不審です。
インターネット自警団。
カーフェリーで。
大島に上陸すると。
陸続きではないからと言って。
挑発を繰り返しているユーザーの自宅に向かっていたが。
対向車が跳ね上げた小石が飛んできて。
自家用車の窓を直撃。
窓が破損。
村人。
「ご愁傷様です。」
自警団。
「うあああああ!」
通行人。
「派手な事故になったね。」
村長。
「あいつ何をやっているんだ?」
農民。
「自警団って、歴史的に。」
「疑わしいからという理由で。」
「殺人をしまくった集団として有名です。」
「ああなっても、世間が得をするだけで、損はない。」
村長。
「自警団って、十九世紀、アメリカで大量虐殺を行ったことで有名だな。」
「現代でも虐殺をするのか。」
農民。
「言いがかりな罪状で、四千人以上の人を虐殺したことで有名。」
「現代でも同じことをするんですよ。」
自警団。
「もう目の前なのに。」
少年。
「どうした?たった百メートルが来れないのか?」
すると、対向車の中型トラックから小さな部品が落ちて。
車の部品です。
経年劣化で破損して。
パイプみたいな部品が高速域で外れた。
速度が出ていたので、跳ねて向かって来た。
自警団の車に突っ込んだ。
自警団が全員負傷したので。
地元の救急隊が呼ばれることになった。
遠くで見物。
離れます。
星弥。
「自然科学対運命論。」
小刹。
「現代物理学対宿命論。」
琉輝。
「アリストテレス自然学は、科学の古典。」
「入手困難。」
「古代ギリシャの科学は、かなり役に立つし。」
「現代にも通用するほどです。」
星弥。
「何か、運命とか、これって科学ができないという。」
「盲点がありますが。」
小刹。
「宗教的なものを根拠にする時に、なぜか科学は無視されています。」
「苦手なんですかね。」
琉輝。
「神を根拠にしたものは、後になると科学で退けられる。」
星弥。
「運命論は、科学が入っていない点で不合理です。」
小刹。
「人の運命なんていつも不合理です。」
「不合理だから、あんな愚かな設定ができるんです。」
星弥。
「人間を抑えることは可能だけれど。」
「人間を超えるような人を抑えることは不可能。」
琉輝。
「運命って、すぐに平坦になります。」
星弥。
「お宮に通っていると、そのうち人生は平坦になります。」
小刹。
「神々にとって、人の運命なんて楽々、変えられるんですね。」
星弥。
「道を進んでも、ゴールがあるとは限らず。」
「道を進んだ先のゴールが、ろくなものとは限らない。」
小刹。
「報われない道を、いつの間にか進んでいるとか。」
琉輝。
「人生の旅路、これって時間制限があるので。」
「道の端っこでキャンプを続けても。」
「時間制限で終了します。」
星弥。
「私の敵対者は、私だけが脱出方法を知っている迷路にまで。」
「追いかけてきて、追い詰めたと言った瞬間。」
「相手は出られないのに、交戦してしまっていた。」
小刹。
「しかし科学的に人生を解釈すると?」
星弥。
「物体の運動が、開始されて、終わるだけです。」
琉輝。
「生命体の誕生から、寿命まで。」
「生命活動の維持と、終わりの時まで。」
「確率が物を言います。」
小刹。
「人の生命は、自然界の行方次第です。」
「人は、生命維持に、自然界が提供する。」
「すべてのものに対処しないといけない。」
星弥。
「自然を前に、運命なんて説けますか?」
小刹。
「説けませんね、そんなもの自然には無力です。」
琉輝。
「運命論は、自然に対して影響力は持てません。」
星弥。
「運命の根拠は何?」
小刹。
「そんなもの作るから、人間が取り乱す。」
星弥。
「自然由来のものが作り出す死因の膨大な数。」
「そんな理由で死ぬのか、なんて百科事典がある訳で。」
「決まっているとか、見せかけだけですね。」
小刹。
「やっぱり、宗教的なものを根拠にすると。」
「その分だけ自然科学による反駁に関する脆弱性になる。」
星弥。
「信仰を持つなら科学も理解できないと論外で。」
「科学が好きなら、神話を理解できないと無様です。」
琉輝。
「宗教と科学は、一体化して論じられると思いますが。」
星弥。
「元々は宗教と科学は同じなんですよ。」
「いつの間にか分離してしまった。」
琉輝。
「なので我々は、自然法則を超える、超自然的なものに関して。」
「まったくの無知で、経験すらないのです。」
星弥。
「科学が好きだと、あれこれ自然法則を超えているなと。」
「すぐに気づきますが。」
小刹。
「神様は自然法則なんてものを超えているし、操れる。」
星弥。
「当たり前の結論ではあります。」
自宅に行く最中。
時刻は迫っている。
岸壁の上で。
運命の代理人が、木製の柱を背に。
変な事を言っていました。
代理人。
「運命は神よりも偉い!」
牧師。
「こらこら、そんな傲慢なこと言ってはいけません!」
代理人。
「我は運命の代理なり、運命は神よりも強い!」
牧師。
「こらこら、そんなこと言って縛り付けられたお姫様もいるんですからね。」
代理人。
「運命は神よりも万能なり!」
牧師。
「ああ、もう知りません、私は止めましたからね。」
変な事を言っていた人。
振り返ると。
クマバチが飛んで来ていて。
すぐそこの樹木に巣があった。
振り払ってしまったので。
クマバチは興奮。
男性は、逃げている途中で転倒して。
クマバチに体当たりされました。
目撃。
すぐに立ち去りました。
自宅に到着。
しかし時刻は夕方。
地元の高校で虐めがあり。
目撃してしまったけれど。
無視したら、丸く収まった、らしい。
小刹。
「虐めっ子は、何だか被害妄想が激しくて。」
「中には臆病者も混ざっている。」
「違いがなかったら、違いを無理に作って。」
「作った違いで貶めて。」
「貶めた内容で評価して、落第にするみたいな。」
星弥。
「弱くて劣っている人が標的になりやすいんですよ。」
「弱虫で、無口で陰湿で、見ているだけで許せなくて。」
「攻撃しているうちに、そう思っている同じ人がたまたま集まってしまう。」
琉輝。
「助けなくてもいい相手は助けなくていいです。」
「助けた相手が後々、危害を加えてきたり。」
「助けたせいで、周辺の人々を害することもあります。」
小刹。
「私は見なかったことにした。」
星弥。
「それだけ、そのいじめられっ子に敵対者が多いということになりますが。」
琉輝。
「何か誤った考えに基づいた態度をしているので。」
「標的になりやすい人もいますけれどね。」
小刹。
「私は関わらなかったので。」
「そもそも、私が一年前、殴り倒した連中ばかりだった。」
星弥。
「むしろ、あなたが黙認してくれて、感謝しているんじゃない?」
琉輝。
「力で負けて、法的にも負けたら、もう何も残ってないですから。」
「無視は、意外な対応だったのでしょう。」
小刹。
「教員は鎮圧に乗り出している、私はいつも無視。」
星弥。
「私が見たことのあるいじめられっ子は、全員共通点がありましたよ。」
「無口、陰湿、狡猾、弱虫、無能。」
「反対に攻撃する集いは、被害妄想、臆病者、卑怯者。」
「暴力主義、非行少年、正当化、自分が被害者であると名乗る、などの共通点がありました。」
「特に目立つのは、道徳が気に入らなくて、道徳とは反対の行動として。」
「虐めや非行に走る共通点でしょうか。」
琉輝。
「道徳による命令が嫌で、思わず、故意に道徳とは反対の行動をする少年少女。」
「道徳で縛るほど、少年少女の抵抗は凄惨になります。」
小刹。
「あの虐めは道徳で引き起こされていたわよ。」
「道徳が誘発する悪事なんてものは実在する。」
星弥。
「その助けなくていいし、助けると酷い目に遭う人は。」
「どうなったの。」
小刹。
「主犯格と喧嘩して、今日、相打ちになっていた。」
「二人共、今は診療所で手当てされています。」
星弥。
「一騎討ちだと、互角なんですか。」
琉輝。
「逆に、数人で挑んで、数人が一人に惨敗したら、大笑いですが。」
「孤立すると、いじめっ子といじめられっ子は、いい勝負なんですね。」
今日は、屋根から。
日が沈むのを見ていました。
さりげなく。
小刹ちゃんが星弥ちゃんにキスしようとして来ましたが。
キスを始めとして、どんな性行為にも。
どんな性的接触にも、感染症や病気はついてきます。
そのせいで稀に死因になるので。
説得したら。
小刹ちゃんはリスクを冒して、キスしました。
別にいいかな。
日の入りなので。
車で送り届けます。
明日は依頼が数件あります。
練度が低くても、格安なので。
頼ってくるんですね。
今は、ゲーム理論の本を注文しまして。
これでまた、依頼人の利得を増やせそうですね。
無神論ではありませんが。
何でも偶然です。
科学的に説けば、何でも偶然。
偶然が何たるか理解していれば。
たくさんある偶然が、過去にも今にも、この状況にもある。
宗教的には巡り合わせ。
しかし科学的には偶然。
ふたつの解釈から、今ある状況を調べれば。
偶然に名前をつけている自分がいて。
必ずしも意味がある訳ではないことが、分かったりします。
不幸ですか、不遇ですか、どちらかと言うと科学の話である。
17
秘密結社、プラシーボ効果が、アンチヒーローと激しくやっています。
自分の番組と広告を。
インターネットに載せたせいで。
動画サイトの広告に。
プラシーボ効果の広告が頻繁に出るんですよね。
秘密結社、プラシーボ効果ですが。
裏で自作の銃器や爆弾を売っていて。
闇取引を行っているそうで。
そこをアンチヒーローに潰されています。
今回、秘密結社、プラシーボ効果は。
正論をテレビ番組で展開。
動画チャンネルでも、正論を言いまくっています。
その正論のせいで、炎上していますが。
火遊びと称して、続けています。
アンチの数が、半分に達するチャンネル。
集会場に置いてあるテレビで。
報道されてしまっている。
星弥。
「ロジカルハラスメントって昔から多くないですか?」
小刹。
「俗に正論ハラスメントと言われる嫌がらせですね。」
琉輝。
「ロジカルハラスメントは、正論を用いて他人を苦しめたり。」
「困らせたり、嫌がらせをする行為です。」
星弥。
「正論を言いまくって、他人に圧力をかけるという。」
小刹。
「正論を言えば何でもいいと信じているらしいし。」
琉輝。
「正論なんてどうでもいいし。」
「はっきり言って誰かの正論なんてうざい。」
星弥。
「正しいか、どうかなんて関係ないですからね。」
小刹。
「必要なのは、状況による考察で。」
「正論なんて誰も求めてない。」
琉輝。
「自分が正しいと信じていて、他人の正しさを認めないし。」
星弥。
「正しい、はひとつではない。」
小刹。
「たくさんある正しさの中で、優位になる正しさが通るだけ。」
琉輝。
「正論だけ言えば何でもありと思ったら大間違いですよ。」
村長。
「誰にとっての正論なのか?」
農民。
「正論?正論って何ですか?」
美女。
「正論ですか、それではその正論を倒したら、どうなるの?」
星弥。
「リアリズムには限界があり。」
「自分で決められないばかりか。」
「ただ流されるだけで、あっという間に決定論に陥る。」
「リアリストは常に不毛ですし。」
「現状を変えるという力をまるで持たない。」
「一方、理想はしばしば現状を変えるし。」
「理想の方が当たっていることがよくある。」
小刹。
「リアリストは、決まっていることで安心するような。」
「負け惜しみの酷い集い。」
「リアリストが負けて、地面に這いつくばるのも。」
「決まっていることなんですよ。」
琉輝。
「リアリズム、すべての選択肢を捨てて。」
「現実を変える選択肢まで否定します。」
「理想は、現実を変える途中経過には無関心ですが。」
「そもそも、完全なリアリストはいません。」
星弥。
「現実主義から、ロジカルハラスメントが出ている疑い。」
小刹。
「現実はこうだからと、現実を変える選択肢を捨てなさいと。」
「説明してくるとか。」
琉輝。
「現実主義は、どうやら哲学において常に劣勢。」
「因果関係なんかで、現実を決めているし。」
「他人に、自分が見えている現実なんてものを説明して。」
「現実を変えるのは辞めなさいと従わせてくる。」
村長。
「そいつらの言う現実とは、どこら辺ですか?」
星弥。
「どこなんでしょうね、現実って?」
農民。
「どこを見て現実と呼んでいるのか、明後日の方向?」
星弥。
「リアリズムは理論において圧倒はしますが。」
「まるで活力がなく、すぐ思考停止する。」
小刹。
「リアリズムは条件付きの思想である、という格言もある。」
琉輝。
「リアリズムは行動において、いちいち根拠がないので。」
「消耗して、疲弊するしね。」
星弥。
「その限界が証明されているリアリズムから出た、ロジカルハラスメント。」
「近年、目立ちますよね。」
小刹。
「正論で何でも解決を図るとか、正気ですか。」
琉輝。
「時に迎合されること、また、状況に合わせた嘘。」
「媚びへつらい、お世辞、不平不満も言わなくてはならない。」
星弥。
「正論だから、従え、こんなこと、幼少期から私の目の前で飛び交っていました。」
小刹。
「遭遇率が高いですよね、ロジカルハラスメント。」
星弥。
「第三者から見る、ロジカルハラスメントは、あまりに酷い。」
「正論対正論が飛び交う激戦区。」
「どっちの正論が強いのか、正論で勝負する。」
小刹。
「それなら、正論をスポーツやゲームにできますよ。」
星弥。
「大人気スポーツ、正論を言って、お互いに言い負かした方の勝ちにしよう!」
小刹。
「大人気ゲーム、正論対正論を繰り返して、相手を言い負かそう!」
「相手の正論を、こちらの正論で論破しよう!」
琉輝。
「正論とは何か?格闘技!」
「正論で相手を叩きのめして、ダウンを誘おう!」
「どんな手を使っても、相手を倒した方が勝利だ!」
空手家。
「正論も格闘技だって教えてやるぜ!」
村長。
「何が正論かで言い争ってどうすんの?」
農民。
「正論なんかに本気になって、どうするの?」
美女。
「どうでもいい理由ですよ、正論で勝負するのです。」
少年。
「正論ですか、うわあ!本当にどうでもいい理屈ですね!」
紳士。
「私は正論を探している。」
村長。
「この社会に正論なんてある訳ねぇだろ!」
美女。
「正論ですと?馬鹿馬鹿しい!」
「もっと他に考えることがあるんじゃないの?」
農民。
「正論で飯は食えない。」
商人。
「正論ではお金は稼げない。」
少女。
「正論って商品になるんですか?」
星弥。
「正論は喧嘩をするために繰り出す技です。」
空手家。
「格闘なら負けることはねぇぜ!」
村長。
「正論ですか、珍しい技名だね。」
農民。
「正論なんかで世の中は回ってないよ。」
星弥。
「問題ない、正論が生産過剰なので、間引いている最中です。」
小刹。
「正論が大量発生しましたが、少しずつ数を減らしているので。」
「このまま行けば実害はないかと。」
琉輝。
「正論は、メリットよりもデメリットの方が多い。」
「珍しい理論。」
星弥。
「既成概念が正論になり、公害になるのですよ。」
村長。
「近頃の大気汚染は、正論という物質のせいか?」
農民。
「どうりで虫が湧くと思ったよ。」
空手家。
「正論を口実に、俺に試合を申し込む人がたくさんいるよ!」
美女。
「正論って空気なんですか?」
「まるで内容がないし、実体がないんですが?」
小刹。
「そんなものです。」
「正論は、何もないんです。」
星弥。
「正論は、理論上そうかもしれないが、実際には役に立たない。」
琉輝。
「正論さえ消えてくれると。」
「良識が復活すると思います。」
野球観戦のために集まっていましたが。
チームが負けそうなので。
続々と帰っていく人々。
投手、降板。
星弥。
「努力は不正ですか?」
村長。
「努力まで不正と言うのなら、才能まで要らないよな?」
農民。
「才能だけで活躍している玄人はいませんよ。」
小刹。
「野球選手に限っては、野球を極めた人達です。」
「武芸を極めるかのように、野球を極めているのです。」
琉輝。
「その武芸は、後天的なものがたくさん含まれています。」
「生まれながらに武芸ができる、なんて人は少数です。」
星弥。
「先天的に好戦的なせいで、すぐ敵に殺されるから。」
美女。
「美しい女性も、素敵な男性も、何も努力しなかったら。」
「何の魅力も出ないわよ。」
星弥。
「やはり努力は不正ではない。」
村長。
「努力で、自分達の天性や才能が脅かされるから。」
「努力で勝ち取る人に、あらかじめ負けろって脅迫するんだよ。」
空手家。
「なんて卑怯な、才人は決闘もできないのか?」
農民。
「なんだ天性とか才能なんて、そんな程度ですか。」
商人。
「能力だけは高くても、それ以外のすべては劣悪ですね。」
少女。
「才能って何ですか?」
美女。
「努力もなしに勝とうとする試みですね。」
村長。
「イギリス経験論は、先天的なものをまったく認めないが。」
星弥。
「そうですよね、それだと、才能のある人は神か、偉人か、預言者になります。」
「子供にそんな所はどこにもないでしょう。」
小刹。
「才能と称して、その人を神格化するのは、いますぐ辞めてもらいたい。」
琉輝。
「後天的に才能と呼ぶものを獲得するのであって。」
「才能は先天的なものではまったくない。」
村長。
「才能とは後天的な何かである!」
農民。
「そうとしか説明がつかないなあ。」
商人。
「子供が万能、だなんて話は聞いたことがない。」
小刹。
「万能な子供が実在しないのが、証拠ですよ。」
琉輝。
「万能な子供がどこにもいない、なので、すべての能力は後天的。」
星弥。
「なので、才能とは、自分が作成するもので。」
「あらかじめあるのは、素材だけですね。」
村長。
「先天的な才能なんて認めたらどうなる!」
「最初から達人と呼ばれたり、先生と呼ばれるだろ!」
空手家。
「先天的な兵士はいませんでした、世界のどこを探しても。」
「先天的な格闘家もいませんでした、いたとしても欠陥があるので。」
美女。
「才能に頼っているから、みんな弱いのです。」
星弥。
「才能、イギリス経験論の前に敗れる。」
小刹。
「大陸合理論で才能を調べると、理屈に合わない。」
「神からもらった才能なら、天才は神そのものですから。」
「神として扱わなければならない。」
琉輝。
「大陸合理論では、天才は神格化されますが。」
「英国経験論では、天才はきっかけがあった、それだけで。」
「子供時代から後の能力は、すべて努力の結果。」
村長。
「馬鹿な男達は、努力というプロセスを飛ばして、単純化している。」
美女。
「努力という途中経過がまるで見えていないわ。」
農民。
「その馬鹿な男に、わしは入っているのか?」
村長。
「お前は馬鹿ではない、利口だ。」
商人。
「財産を築くプロセスは、第三者からは見えないから。」
「一日で富を蓄えたと羨望で見られるのね。」
空手家。
「日々、鍛えている途中経過は、第三者にはすべて見えないなあ。」
美女。
「途中経過を見ないから、全員で、才能があるからと。」
「才能から結果という因果関係で見るのよ。」
村長。
「お前、もうすぐ出航だぞ、チームは負けるようだが。」
美女。
「ああジレンマ、あの人と、野球と、天秤にかけています。」
農民。
「結果はわしらが見ててやるから。」
商人。
「安心して男性に体当たりしてください。」
美女。
「それなら私は行くわ!」
村長。
「待ち合わせ場所に行ってもいいが、寝床まで行くんじゃないぞ!」
星弥。
「正論に従う義務はない。」
小刹。
「正論なんて、今更どうでもいい。」
「正しくても、正しくなくても、今は関係ない。」
琉輝。
「人の迷惑になっている時点で、正論なんて無意味です。」
ゲームセット。
野球、チーム敗北。
凄い勢いで。
観戦していた身内と親族、村人が去っていく。
結論、正論とは意味がない主張のこと。
正論を言う目的は、かなり利己的で狂暴。
正論は手段であって、多くは支配欲、または優越感、自己満足。
目的がいつも悪いので、ご注意ください。
ドライブを開始。
運転技能次第で、事故は回避できますが。
自動車の性能も頼りになります。
事故の可能性を、あらかじめ摘んでいる。
一手先の危険を潰す運転。
しかし、これはまずい、という事故になりそうになったことは。
どの運転手も経験している。
星弥ちゃんは、免許を取って、両親にもらったのは。
極めて低性能なオンボロ中古車。
あまりに低性能で、レース競技に使ったら、だいぶ酷くなります。
それで、人や車がいない、伊豆半島の付近を散策して。
規定以上の走行距離で、やっと高性能な車に交換してもらえましたら。
低性能の自動車に乗っていた時の。
性能に頼らない運転が身についていまして。
極めて操縦が繊細で、ミリ単位のハンドル操作で。
敏捷性のある運転ができるんです。
育成だったのですね。
計算して、公道を走っています。
星弥。
「この前、イギリス人の貴族が観光に来て。」
「日本語が分からないので、質問して来た。」
「申し訳ありませんって何ですか?」
「ちょっとこれはジョークだったのかな。」
小刹。
「私も東京で、外国人の案内をよくしたわよ。」
「この道が正しい、なんて言ったら。」
「正しいって何のことでしょうか。」
「なんて聞かれたことがある。」
琉輝。
「私は、日本人は正直者だから、悪事を嫌って義を重んじる。」
「なんてアメリカ人の女の子に説明した時も。」
「だったら、なぜあんなに大人しいの。」
「無口で、短気で、持っているのはお金だけじゃない。」
「なんて言われた、一理あるので、一部はそうだよ、なんて伝えた。」
星弥。
「外国人も驚く犯罪の少なさ、あまりに犯罪が少ないという評価。」
小刹。
「文化的に単一だから、犯罪が少ないってね。」
琉輝。
「日本は最初から多民族国家ですけれど。」
「すごい勢いで混ざったので、単一と言うほどまとまりはない。」
星弥。
「そう言えば、多元論の話なのですが、それぞれ起源は別々にあるので。」
「正しさ、というのも、その人の正しさの起源は別々にあります。」
小刹。
「正しさは、評価する基準が、宗教、学派、政党、立場、職業によって。」
「まるで違いますね。」
琉輝。
「自国民は、違いを理解するのに、もうちょっと時間が必要です。」
星弥。
「自国民は、全体主義ではないけれど、同調バイアスをすぐ引き起こす。」
小刹。
「父親の意見、本土が空襲された時点で。」
「さっさと降参していれば、核爆弾を落とされずに済んだ。」
琉輝。
「気持ちの悪いくらい同調する、ひとつにまとまった自国民の資料映像。」
星弥。
「あの中で正しい人だけ難を逃れさせ。」
「馬鹿な奴だけ燃えてしまえば良かった。」
小刹。
「今では自国民に、滑稽に映る太平洋戦争の一致団結。」
琉輝。
「あれが繰り返される、社会の端っこで。」
星弥。
「ちょっと構成を変えた、それだけなので、太平洋戦争からあまり変わってない。」
「自国民、人間自体は、その時の態度のままです。」
お宮に到着。
鳥居の前で。
あらかじめ言ってから。
手水舎で清めます。
太平洋戦争の愚痴。
史実に載っています。
軍の上層部は揃って。
半年か、一年くらいは戦って見せるが。
それ以上はだめ。
これは本当であった。
全体主義、いわゆるファシズムは条件が揃うと発生するが。
日本においてのファシズムは、政治ではなく。
国民の中で、酷く現れた。
自国民が一致団結すると、ファシズムになる。
戦後の教訓。
自国民が一致団結すると、ろくなことがない。
たまに自虐史観がありますが、ファシズムから調べられることは少ない。
政府がすべての責任を取ると始めた太平洋戦争は。
やっぱり政府がすべての責任を取って終わるのであった。
戦争は、国家が用意する最後の手段であり。
自らの意志を強制する武力の行使。
のはずが。
武力を行使して終わりではなくて、継続してしまう。
無限に続けてしまう。
ギャンブルをずっと続けて負けるのは当たり前では?
旧日本軍、連合軍の間で、人気戦闘機は局地戦闘機、紫電改。
実際に、紫電改のパイロットはエース揃いで。
伝説になるような戦果を度々挙げた。
旧日本軍のエースパイロットが紫電改の部隊に動員されたので。
紫電改は元からエース用なのでしょうね。
旧日本軍のエースパイロットの中には、終戦まで生き延びた人もいます。
戦況は、実は至る所でいい勝負であったという、発掘もあります。
あんなことを繰り返さぬように。
と言われても。
もう既に民間レベルで繰り返している気配がします。
村長からメール。
仲間が、プロ野球チームが負けて悔しいので。
今夜は仲間と一緒に、お酒を飲んでいるそうです。
自宅に戻ると。
岩石転がし競争をしました。
安全靴、着用。
星弥。
「前回のタイムは、十五秒です。」
小刹。
「今回はいいタイム出ますかね。」
琉輝。
「二十メートルは近過ぎない?」
岩石、転がる。
近くの高校生の集いが。
ドッジボールの人数が足りなくて。
依頼したので。
参加します。
既に、余暇を過ごす社会人も参加している。
青年。
「ぎゃあああ!相手が悪過ぎる!」
学生。
「こんな化け物に、どうやって勝てと?」
女子高生。
「大丈夫、ビギナーズラックという切り札があるから。」
青年。
「それ俺達にも使えるのか?」
女子学生。
「まぐれという大技があるわよ。」
学生。
「よし!これなら対抗できそうだ!」
星弥。
「作戦ですか、まあ全滅タイムアタックですね。」
小刹。
「ハンデはいいのかしら。」
琉輝。
「こちらのチームは、女の子だけですね。」
ドッジボール。
三人娘。
連続で回避。
投げるモーションで、未来予測位置が分かるんですね。
足元を狙うと言っても。
足元だけ何とかすればいいので。
最後にはしゃがんでキャッチング。
回転をかけたボールで仕留めました。
やっぱり差があり過ぎるので。
三人は外野に回って。
高校生はエンデュランス。
実は有給休暇の琉輝ちゃん。
体力の温存のため。
休憩。
小刹ちゃんは、地面を這うボールばかり投げる。
星弥ちゃんは、貰ったボールをバレーボールのスパイクにして打つので。
犠牲者続出。
他にも、農民や農民の息子が参加して。
人数超過で、立ち去りました。
この運動場では、飛び入り参加は自由。
帰宅すると。
もう体力が半分になっています。
休息。
二人一緒にシャワーを浴びましたが。
小刹ちゃん、星弥ちゃんの裸体をじろじろ見る。
下着姿の琉輝ちゃん、じろじろ見られる。
着替えは、下着だけ持ち歩いていて。
こういう時のために。
シャワー室に、各自の衣類が少しだけあります。
小刹ちゃん、やや刺激が強いのか。
成人していますけれどね。
夕食は、横流しされた。
レストラン用の冷凍食品です。
質が良い。
夜になったので。
各自、送り届けました。
星弥。
「今回の日曜日は、余裕を持って遊べましたね。」
小刹。
「個人的には一緒に入ったシャワーが最高でした。」
琉輝。
「女性の体形っていろいろ違いがあるんですね。」
「ああ、その、明日は仕事なので、夕方は無理です。」
星弥。
「私は空いていますので、いつでも連絡してね。」
小刹。
「下着姿も、けっこう良かった、次は寝顔を見たい。」
琉輝。
「それでは、小刹ちゃん、自動車に乗って。」
「思っているより遅くなっている。」
小刹。
「車の中でいけないことはしないよね。」
星弥。
「女性の被害で性的暴行の大半は、知人からですよ。」
小刹。
「何すんのよ!えっち!」
琉輝。
「まだ何もしていません!」
星弥。
「レイプ神話なんて、女性からアンケートを取ったのかしら?」
琉輝。
「女性から意見を応募しないで、女性についての意見を述べるのはどうかなあ。」
星弥。
「男性は娼婦でも見て、これが女性とか言っているのでは。」
「身近で、よくいる女性を観察しましょう。」
小刹。
「そんな目で私を見ないで!」
琉輝。
「見てないです、何もしません。」
小刹。
「これからするって言うの?」
琉輝。
「疑っている自分を疑いなさいよ!」
自動車、発進。
退場。
星弥ちゃん、屋内に。
番組を見て、就寝。
記録。
子供の頃から、度々トリックを受けますが。
手品、簡単に言えば行動の手品ですが。
手品の種が、失敗した人から漏洩するんですね。
成人すると、悪ふざけで大人達がやっていた手品を真似するようになって。
手品、トリックを調べました。
トリックに精通するようになりまして。
通称、ラーニングですね。
手札を見せ過ぎです。
策略を見破る能力は高い。
そのため、危機回避能力が高くなった。
あらかじめ、いろんな危険が理解できるので。
回り込んで、待ち伏せして、避けてしまう。
参考にしている実話。
ノースカロライナ州で、法律の抜け穴を狙う男がいて。
荒稼ぎしていた。
またしても法律の抜け穴を見つけた。
男はまず1万5000ドルもする年代モノの葉巻を一箱購入。
他の貴重品と一緒に保険にかけた。
火災を含む偶発的な事故に対する損害保険。
箱の中の葉巻24本を吸い終えると。
葉巻が火によって燃えてしまったと主張して。
保険会社に支払いを要求した。
保険会社は裁判所に訴えたが。
なんと保険金を支払うように、との判決が下された。
なぜなら、保険には、どのような火によって燃えた場合が。
保険の対象となるかが、明記されていなかったから。
こうして小切手を手に入れた男は銀行に向かったが。
男は小切手を換金した直後に逮捕され。
放火罪で起訴されて有罪になった。
葉巻一本につき一回の放火。
合計24回分の放火罪。
男は結局、二年間の実刑判決を受けて刑務所に入り。
そこでささいなことから喧嘩に巻き込まれて死亡した。
なんと記録あり。
小話。
世界一怒りっぽい人。
天気を聞いただけで殺された人がいる。
アメリカ司法省2003年。
ロイドレイジ(ステロイドの副作用)から。
激昂する人がいて。
その人に天気を聞いたら殺された。
最終的に、筋肉増強剤による激昂で111件の殺人事件が発生した。
何が死因になるのかは分かりませんが。
死に方にはかなりの種類がありますので。
ご注意ください。
死んだらどうするのか?
死んだ後から考えましょう、きっといいアイデアが浮かぶはずです!
死にたくない?いいえ、死んだ後の世界はここより、きっといい所ですよ!
18
身内の家で。
ちょっとした介護。
面倒を見ている星弥ちゃん。
実は、特例で大島に移住する条件として。
身内の面倒を見て欲しいと両親に依頼されて。
そのため、あっさり破格の条件をもらって。
今は、身内の相談、訪問、介護と。
副業みたいになっています。
そこまでの高齢者はいないので。
実際は、安否確認。
何かあった時は星弥ちゃんが頼り、とのこと。
身内の家で。
今回、テレビが故障していましたが。
型番が、もう十年くらい使っているもので。
薄型、最新型を取り寄せました。
今は設置中。
星弥。
「◎△$♪×¥●&%#?!とは何か?」
老人。
「そもそも○?×△☆♭●♯?▲★※が存在するかについて。」
紳士。
「◎$♪×△¥○&?#$!ですか、少し時間をください。」
老婆。
「¢£%#&□△◆■!?なんて凄いわ!」
老夫。
「○×△☆♯♭●□▲★※という時代になったのか!」
老婦人。
「○%×$☆♭#▲!※なんて、新しい世代が現れたのね。」
戻ると。
いつの間にか揃っていた。
雑誌を読んでいて。
見つけると。
いつものハグ。
ここ数日。
競争を疑っているので。
競争の批判を試みた。
星弥。
「競争という考え方が間違っていたら。」
「どうするのか。」
小刹。
「今、競争している人々は。」
「百害あって一利なし。」
「なんて行動を続けるでしょうね。」
琉輝。
「しかし競争が正しいなんて。」
「誰も言ったことがないと思います。」
星弥。
「それなら競争という考え方は。」
「何も支えになる根拠はないと言うんですね。」
小刹。
「全員で成り行きで競争をしている。」
「何か大義名分がそれぞれにあって。」
「それで競争をしている訳ではない。」
「成り行きでそうなってしまった。」
琉輝。
「競争が理にかなっていたら、どうするのか。」
星弥。
「そこら変で、どんな手を使っても競争で勝てばいいという。」
「宣伝が開始されますね。」
小刹。
「競争に勝利したら、すべてが解決するはずなのに。」
「かえって激化して、いつまでも終わらない。」
琉輝。
「競争は手段なのか、手段としては適切なのか。」
星弥。
「私の場合は、競争を避けて、無視して目標に突進したら。」
「いつも結果が良くて。」
「誰とも対立せず。」
「ルールの抜け穴を楽々、突くことができましたよ。」
小刹。
「それなら競争って何ですか、説明できますか。」
琉輝。
「競争の何が良いのか、どこら辺が適切なのか。」
「ちょっと意見を募集してみたい。」
星弥。
「競争という考え方が間違っていたら。」
「今、競争をしている人々は馬鹿でしかない。」
小刹。
「競争が手段として適切なのか、議論されたこともない。」
琉輝。
「なぜ競争をしないと、何も獲得できないと思うのか。」
星弥。
「しかも間違いを認めることすら、競争になり。」
「間違いを認めることが敗北であると信じるに至る。」
琉輝。
「自分の正しさすら競争に乗せて。」
「競争に勝てば、正しいと証明できる。」
「そして何が正しいかは競争の勝敗になってしまった。」
小刹。
「今の所、競争が正しいとは言われていません。」
星弥。
「ただ、競争があるので、競争に参加しましょう。」
「なんていう宣伝があるだけですね。」
小刹。
「男性は生まれつき競争を覚えますが。」
「それが男性の性別が持つ欠陥である可能性すらある。」
琉輝。
「競争が、男性特有の欠陥だったら、どうするの?」
星弥。
「男性の欠陥を、女性が習得するのですか。」
琉輝。
「蔓延している考え方は、多数決と言えば、何でも説明できるので。」
「競争すらも、多数決で受け入れられた考え方なんですよ。」
星弥。
「論理にかなっていることよりも、多数決が優先されるのね。」
琉輝。
「実は数なんですね、内容ではなく、ひたすら数。」
星弥。
「私は設定された競争のルールに従わず。」
「競争のルールの抜け穴を突くことを提案します。」
小刹。
「どうやって?」
星弥。
「競争の目的を変えるんですね。」
琉輝。
「自分のための目的を設定して、目的以外の競争を回避。」
小刹。
「なるほど、競争で優位に立つという状況を作らず。」
「目標に突進する、途中経過にしてしまうんですね。」
星弥。
「競争率が低い所から侵入するのが、優れた攻略法ですよ。」
琉輝。
「競争率が低い所は、まさにその通り。」
「そこから侵入しやすい抜け穴がありますよと。」
星弥。
「ある程度、戦い慣れていれば。」
「競争率の低い所では圧勝できますね。」
琉輝。
「無論、競争率の高い所で、競争率の高いものを得ようとするなら。」
「そっちで挑戦すればいいと思いますが。」
「正面から挑むのは疲弊を招きますよ。」
星弥。
「競争率の低い所から迂回して。」
「競争率の高い所を奪ってしまう。」
小刹。
「しかし競争って誰が作ったのでしょうか。」
星弥。
「知らない、成り行きで、競争になってしまった。」
小刹。
「競争が果たして、道理にかなっているか、どうかは知りませんが。」
「疑われたことも、怪しまれたこともない競争というやり方は。」
「まったく安全ではない。」
星弥。
「別にルール通りに行うのが競争ではないし。」
「その競争のルールは、勝手に設定されたものであって。」
「違反してはならない、とまでは言われていない。」
琉輝。
「別に私はそんなに高いものを狙っていませんけれどね。」
星弥。
「世間の人々から見れば、むしろ下がることをしています。」
「上から下がることは容易です。」
小刹。
「世間の人々が競争で得たい何かしらは、どちらかと言うと抽選ですから。」
「誰が当選するのかは、当たった瞬間しか分かりません。」
星弥。
「競争は、古代世界において、どうやら循環だったみたいですね。」
「劣っているものを、競争の中で追い出して。」
「腐敗を防いだり。」
「発展に貢献したりする循環のことみたいですね。」
琉輝。
「競争を撒いておけば、弱くて劣っているものは勝手に追放されますし。」
「強くて優れているものが、いつもいるという。」
「それなら循環ですね。」
星弥。
「循環が停止された場所では、腐敗や形式主義が横行します。」
「劣っている人材や悪い人材がいつまでも居座るので。」
「少しずつ汚染されて、どんなものでも悪化するでしょう。」
小刹。
「ならば、現代の競争は循環であって、劣っているものや腐敗しているもの。」
「不要になったものを勝手に落としている訳ですか。」
星弥。
「要らないものがいつまでも残っている訳には行かないので。」
「競争は循環として見た方がいいかも。」
琉輝。
「しかし現在では競争が何かしらの競技になってしまっていて。」
「その競技に勝たないと、何でも手に入らないという。」
「嘘が蔓延っている。」
小刹。
「競技に勝たないといけない、なんて教えられて育つと。」
「どんな卑怯な手でも使って、勝てばいい、なんて結論になる。」
星弥。
「まあまあ、競争以外に何の取り柄もない世人ばかりですし。」
琉輝。
「競争しかすることがないんですからね。」
小刹。
「社会が競争を前提にしている以上、やや不気味です。」
「強制参加させようと、何かしらの圧力がありますし。」
「いつの間にか競争という競技が前提になっていて。」
「不自由しますね。」
星弥。
「私は人に勝つことは余裕ですが。」
「問題は負かした相手がずっと繰り返す。」
「負け惜しみ、リベンジに対応しないといけないという。」
「手間ですね。」
琉輝。
「そういう馬鹿は。」
「自分の能力以上のことに手を出しますからね。」
「特に、私という実力以上の相手に手を出す。」
小刹。
「別に人間は万能ではないので。」
「競争が好きなら、ずっとやればいいし。」
「競争が嫌いなら、他の手段を編み出せばいいし。」
星弥。
「どこをどうやっても、社会は完璧にはならない。」
「完璧にならない社会なので。」
「その欠点に、どうやら我々は巻き込まれないといけない。」
小刹。
「競争って何処ですか?」
琉輝。
「目の前とか業績とか、得点とか。」
小刹。
「それってその人の周囲だけですよね。」
星弥。
「全体が何々だから、何々というものですよね。」
小刹。
「それなら全体ってどこのことですか?」
星弥。
「全体って、どこら辺でしょうね。」
小刹。
「やっぱり全体から逆算して見ているじゃないですか。」
琉輝。
「しかも全体なんて、どこら辺なのか、まったく説明できない。」
星弥。
「そんな程度ですよ、意外にもその人による統計の結果が、その人の世界観なんでしょうね。」
雑誌、読み終えたので。
備品のタブレットパソコンを使用中。
インターネットでアンケートを発見した。
大学生。
ナンセンスな論文を取り出すらしい。
自分で試してみれば済むものを。
いちいち質問形式で、論文を募集する。
目の前にある機材もろくに動かせない。
なので、頭を使うらしい。
なぜ?の前に行動がなかった!
行動すれば済むものを、いちいち質問している。
高得点は出すものの、本当は実践できないのでは?
好きな本は?学校の教科書!
対象になる所にインターネットを繋いで、試せばいいものを。
いちいちなぜ?を募集している。
批判を開始。
星弥。
「職業と切り離された学業が、果たして有効なのか、どうか。」
小刹。
「何の職業にも貢献しない、筆記のみで語られる実力がある、悲しい現実。」
琉輝。
「学歴とか、点数とか、基準がおかしいんじゃないの?」
小刹。
「何か書いているだけで。」
「偉くなれる魔法のシステム。」
星弥。
「凄い仕組みです、筆記用具で、何かしらうまく書いたからと言って。」
「特権がもらえる。」
琉輝。
「なんて安い特権なんですか、しかし実力とは無関係ですね。」
星弥。
「高学歴がうまく行くのは、卒業して、しばらく、それだけでは?」
琉輝。
「世間知らずは若者の一貫したもので、それはけっこう狙われる。」
星弥。
「誰かの基準で合格されても、それで偉いなんて、高慢ですね。」
琉輝。
「見るべき所は点数の高さくらい?」
小刹。
「何処かの審査員による点数が必要になる場面はまったくない。」
「このくらいうまく行っているんだと。」
「趣味で見せびらかす程度に留めておこう。」
琉輝。
「学歴で、チクチク、コソコソと意地悪く見下す戦法もあるけれどね。」
星弥。
「学歴を絶対視している人が、学歴以外に何も持っていないことがよくある。」
小刹。
「学歴はあるだけましなのでは。」
星弥。
「学歴を得ると、何と社会生活で一騎当千ができる。」
「ってそんな訳ありません。」
琉輝。
「何の目的があって、学歴を基準にしているのかなあ。」
「学歴と言っておいて、勝率が低いのは謎。」
小刹。
「学歴だけで圧倒しようとか、そういう目標でしか活躍することはないでしょう。」
星弥。
「学歴で競うという、変な遊びでしか、活躍しないと思います。」
琉輝。
「とりあいず学歴で威嚇できるって、素直に言ってしまおうよ。」
小刹。
「僕は学歴だけじゃない、なんて吠えても、現実は寒い。」
星弥。
「どこら辺が高学歴なのか分からない、悲しい影響力。」
「いや、あの堂々と名乗り出る辺りが高学歴なのかも。」
琉輝。
「相手に接近すると敗北して。」
「繰り出す手も、何か使い物にならない。」
「取り柄は人件費の安さだけ。」
小刹。
「学歴は、最初はいいが、少しでも現場に出ると苦戦するよね。」
星弥。
「高学歴そのものはかっこいいのですが、現場での活躍は難しいかも。」
琉輝。
「高学歴とか王様みたいに登場して、愕然として現場で活躍してくれない。」
「確実に使えるという約束をするのは辛い。」
小刹。
「他人のセールスポイントを批判するのは、どうかと思った。」
琉輝。
「違うね、高学歴は強い、本人は弱い。」
「批判はやりたい放題だけれど。」
「相手も激しい抵抗をしてくる。」
星弥。
「うーん、高学歴と言うと聞こえはいいですが。」
「平均よりもちょっと上という程度ですね。」
琉輝。
「学校教育で何かをして、何か得点を得たらしい、そして何か言い残したらしい。」
小刹。
「イヴァン・イリッチ。」
「脱学校の社会。」
「お勧めですよね。」
結論。
高学歴とは、誰かの基準でハイセンスな集いである。
そのセンスは別の基準ではダサいことがよくある。
基準次第で、偉くなって卑しくもなる。
高学歴とは、基準の問題である。
これ以外の結論は出ない。
海風。
暴風になるかも。
カラスが来ています。
カラスは不意に来ますね。
あっという間に、置いてあった消費期限切れのパンを。
持ち去っていきました。
カラスの見所、チームプレーをすることがあります。
スズメもやって来た。
スズメは、夏毛と冬毛があり。
冬になるとモコモコになっています。
庭にカワラバトがトコトコ歩く。
面白い景色がありますね。
カワラバトは警戒心があまりないので。
接近しなければ、遊びたい場所で散歩したりします。
現実と理想か、選べと言われると。
理想を選ぶ人の方がやっぱり賢明。
現実主義はどこかで破綻する。
庭で。
カワラバトに鳥の餌をあげています。
小鳥用の餌は小さく。
粒なので。
かなり長時間、ついばむ鳩。
星弥。
「この鳩を見ると、人間っていったい何やっているんでしょう。」
小刹。
「人間が目指していることが、私には滑稽に思えた。」
琉輝。
「人間はどうしたいのか、私にはさっぱり分からない。」
星弥。
「便宜上、人類、人間という言葉は使われる。」
「私には関係ないね。」
小刹。
「人類であると名前をつけて、統一を図るのはセンス悪いね。」
琉輝。
「人間って、もはや愚かな生き物の比喩にしか思えない。」
星弥。
「全員が間違える時、自分だけ端っこに逃げていれば無害ですよ。」
琉輝。
「全体主義は、十九世紀に条件が整ってしまっていた。」
星弥。
「全体主義は、見直しに使われる政治用語になりましたね。」
小刹。
「民主制、最悪の失敗作が全体主義ですから。」
「それを引き合いに出して、自由、平等、共同体、民主制が批判されることもある。」
星弥。
「衆愚制が直接民主制の腐敗形態なら。」
「全体主義は間接民主制の腐敗形態でしょうか。」
小刹。
「けっこう便利な政治用語ではあります。」
「勝手に集まっている政治的思想の団体や活動を。」
「簡単に揶揄できますからね。」
琉輝。
「ファシズム研究は、政治思想の批判を容易にする手段を提供するんですね。」
星弥。
「日本は何かと政治と接点があるでしょ。」
「学校教育は政治の手先ですし。」
「選挙は除くとして、最初から政治に組み込まれて教育される。」
小刹。
「政治に教育されるのって、なんか嫌だ。」
星弥。
「なので、政治から切り離した教育が必要になりそうですね。」
琉輝。
「政治がこうなって欲しい人材を育成するのが学校教育で。」
「それは物心ついた次の瞬間から開始され、成人になっても影響を持つ。」
星弥。
「成人すると、政治から個人を切り離した。」
小刹。
「私からすると、政治は何でもファシズムですよ。」
星弥。
「とりあいずファシズムと罵るとたいてい当たるので、便利ですなあ。」
琉輝。
「論理的な反論がとにかく難しいですからね。」
小刹。
「ああ、ファシストに教育されてしまった。」
星弥。
「否定はできませんね、怒鳴ってくるだけかと。」
琉輝。
「民主主義は、どこでも全体主義が生じるという、昔の教訓ですよ。」
小刹。
「自分もファシストにならないように、研究することになった。」
星弥。
「自分まで全体主義者になってはいけませんよ。」
小刹。
「ファシストから身を守らないと、生活できない。」
琉輝。
「なんだか皮肉だなあ、民主制なんてものは。」
星弥。
「それが人間の限界なのよ、期待しないこと。」
空から墜落。
天衆が出てきて。
人間にアンケートを募集しているそうです。
用が済むと天に帰るそうです。
パピルス紙を渡して来た。
天衆。
「何か要望があれば、ここに書いて。」
「今なら無条件で採用されるから。」
星弥。
「ではもう少し個人の力を高めて。」
「数で勝てないようにしてください。」
小刹。
「人間の増長をもっと叩いて欲しくて。」
琉輝。
「私だけ巻き込まれないようにしてください。」
天衆。
「分かりました、届けておきますね。」
星弥。
「所で、あんたら、最近、人間の不良品を生産していますよね?」
天衆。
「申し訳ありませんが、人間の不良品は、不良品用の設計図がないと作れません。」
「なので、あれは故意に作っているので、何も言わないでくださいね。」
小刹。
「まったく快適ではないんだけれど。」
琉輝。
「愚か者との遭遇率を減らしてくださる?」
天衆。
「大丈夫です、すべて届けますので。」
「多少、荒っぽいことも大丈夫です。」
星弥。
「人生の難易度を落としてくれる?」
天衆。
「そんな安い注文でいいんですか?他にはないんですか?」
星弥。
「安いの?」
天衆。
「他は?ないんですね?もう行きますよ?」
小刹。
「環境の改善を要求。」
琉輝。
「人生における、無駄の削減を請求します。」
星弥。
「私は生涯における、難易度の低下を注文する。」
天衆。
「受け取りました、それでは!」
天衆、天に飛んで行って。
見えなくなった。
海の方を見ると。
変な人が浮かんでいる。
天人同士が、弓矢でお互いを撃って。
空中戦をしていました。
見なかったことにした。
社会は法律で治めているようですが。
逆に、民主制で法律が機能しないと、どうなるのか。
西部開拓時代。
南北戦争終結後の二十年間は。
法律が倒されることがあった。
戦争で殺人に慣れた人々。
つまり退役軍人が、多く集まったから。
簡単に言えば、無法者対法律が発生。
保安官はそれでも長生きで。
無法者は射殺や絞首刑で平均寿命が短く。
ガンマン同士での争いが絶えなかったので。
一年で43人が銃撃戦で死んだこともある。
無法者、つまりガンマンも四割は自然死しているし。
死亡した人達について、銃の腕前と、善人と悪人の差はなかった。
法律に頼ったせいで、法律が機能しないと。
踏み倒される実例。
アメリカ1977年7月13日に、ニューヨーク一帯で26時間の停電が発生。
特にスラム街から何万人もの暴徒が飛び出し。
停電で法律が機能していないからと言って。
暴徒は略奪の限りを尽くして。
1837件の放火を行った。
秩序回復に出動した。
警察官435人が負傷、消防士80人が負傷した。
法律に依存しているのでは?
何でも法律に頼り過ぎ!
全体主義は合法的に虐殺、暴力を行うので。
法治国家は危険ですね。
合法化された虐殺は、ファシズムでは当たり前のことで。
対象者は、法律で守られません。
一方的ですね。
政治なんて私が見えない所でやってくれ!
19
新戦術。
非対称戦。
戦力で圧倒的に勝る敵に抵抗すること。
軍事用語。
お昼のニュース。
殺人事件。
徹底して動機が調べられていますが。
被告はこう述べています。
正しいことを繰り返し言うので殺しました。
弁護側が優秀で。
減刑になりそうです。
被害者がきっかけを作ったので。
あまり責められない被告。
補足、実話?
過去、南極基地で殺人があり。
書庫の小説のネタバレを、同僚が繰り返し言いまくるので。
その人は楽しみを奪われ、ある時、同僚を刃物で殺したが。
無罪になったという。
被害者のせいであることが証明できると、こうなる?
次のニュース。
今日も、各地で暴動が起きています。
プラカードに、正しいことを言うな!と書いたものを掲げて。
正しいことを言うな、と繰り返し訴えています。
小規模の暴動が複数あるので。
割と被害が少なく済みそうです。
不自然とは言えない内容。
星弥。
「喧嘩と殺し合いの区別がつかない人について。」
小刹。
「喧嘩と殺し合いの区別もつかないのですか?」
琉輝。
「喧嘩と殺し合いを混同するなんて。」
星弥。
「喧嘩は、目的が対立の解消。」
「単なる発散なので。」
「衝突させて、不満や対立を消す営みですが。」
「殺し合いは。」
「相手を殺傷して死体にすることが目的です。」
小刹。
「それだと、喧嘩から殺人に続けてしまいますね。」
星弥。
「気が済んだら終わる喧嘩なのに。」
「相手の殺害まで試みる。」
「喧嘩と殺害はまったく別々の事件なのに。」
「同じにしてしまうんですね。」
琉輝。
「喧嘩は、お互いに気が済んだら、終わりますね。」
「続ける意味がない。」
「そこで対人関係を終わらせるか。」
「どこかで妥協して、事件を終わらせるか。」
「片方が満足して、片方が仕方がなく終わるか。」
「分岐しますが。」
星弥。
「喧嘩と殺人を混同すると。」
「喧嘩から、すぐ殺害に走るんですね。」
「相手を殺さないと、自分が勝利できないと。」
小刹。
「喧嘩で勝つために、手段として殺人を試みるんですか。」
星弥。
「相手を殺害すれば、喧嘩が終わると信じているので。」
「そもそも喧嘩であることを理解していない。」
琉輝。
「喧嘩は、割と互角の勝負が適切で。」
「引き分けが理想ですが。」
「殺人は、負けた方が死んで。」
「殺した方は逮捕、有罪でしょうからね。」
星弥。
「いい歳こいて、喧嘩も知らない大人もいますからね。」
「さてと、それで、殺人と喧嘩は別々の事件ですよね。」
小刹。
「喧嘩は避けて通れないけれど、通った先に何かしらある。」
星弥。
「殺人は、相手を殺すことが勝利になるので。」
「喧嘩と殺人を区別できないことは。」
「喧嘩になると、すぐ相手を殺さないと、という思考になりがち。」
小刹。
「自分のプライドを守るためには、殺害するしかないと、考えてしまう。」
琉輝。
「元からプライドなんて勝敗で決まるものですからね。」
「喧嘩では勝っても負けても、ある程度は満足するものです。」
小刹。
「喧嘩の勝敗とは、相手を殺害することだ、それで自分が満足する。」
「これって、何か勘違いしていますしね。」
星弥。
「喧嘩は、そもそも対立から生まれますし。」
「目的が対立の発散になるので。」
「目的を達成したら、事件はあっという間に終わります。」
琉輝。
「喧嘩は発散ですからね、目的がそれしかない。」
「勝っても負けても、事件は終わります。」
星弥。
「喧嘩して、発散して、対人関係はその後で決まりますが。」
「それは対人関係を試すような出来事でしょうね。」
琉輝。
「喧嘩と殺人を混同する者は、喧嘩に勝つためには。」
「殺し合いで決着をつけようとしますね。」
小刹。
「マフィアでもそんなことしないですね。」
星弥。
「ギャングよりも狂暴ですよ。」
琉輝。
「それなら、マフィアの方が道徳的で。」
「ギャングの方が理性的ですね。」
星弥。
「自国民特有の欠点ですね。」
小刹。
「暴力で負けたら、何も残らない人みたいな。」
星弥。
「あの、そのどこら辺が完璧な人なんですかね。」
琉輝。
「感情論という脆弱性は、けっこう利用されたり。」
「問題になったりする、ということですね。」
小刹。
「喧嘩なんかで本気になっちゃって、どうするの?」
琉輝。
「恥ずかしいね、いつまでも幼稚じゃないんだし。」
星弥。
「喧嘩なんかで真剣になっちゃって!」
都市部でイベントがあり。
ライブ中継があります。
変わったショーであり。
ヒーローがリングに陣取って。
自分の正しさを通したければ、私を倒してから言いなさい。
というもの。
入場する前に、何々が正しいと宣誓してから。
挑戦者が入りますが。
無論、勝てる人がいなくて。
返り討ち続出。
結局、見世物にならないので。
ハンデが設定されて。
一人ではだめなので、多くて三人、最低二人で勝負となった。
二人以上で挑戦者を迎えていますが。
まだヒーローに誰も勝っていませんね。
とうとう、挑戦者三人でヒーロー一人と格闘しています。
これはさすがにいい勝負。
巨漢。
「どうした?お前の正しさはこんなものか?」
青年。
「三人でも勝てないのか!」
少年。
「俺達の正しさって、三人集まらないと、通らないのか?」
凡人。
「勝たないと正しいと言えないけれど、勝てそうもない。」
巨漢。
「おいおいおい、こんなハンデをあげちゃっても、俺に勝てんのかい?」
会社員。
「どうした、どうした、正しいって薄っぺらいなあ。」
料理人。
「複数人で戦って勝てないんだから、正しいと言い張る勝利条件は辞めろよ。」
婦女。
「よせばいいのに、あんなことしちゃって!」
巨漢。
「申し訳ありませんが、わざと負けようとしても、まったく負けることができないので。」
「困っています。」
司会。
「もうちょっといい相手、探しますね。」
まともな相手を、募集するため。
広告になってしまい。
中断。
ライブ中継、コメント大荒れ。
しかしナイスの数は増えている。
賛否両論かな?
星弥。
「正しさって基準はどこですか?」
小刹。
「そもそも正しさを判定する審査員は誰ですかね。」
琉輝。
「その基準は私にとっての味方なのか、相手の味方なのか。」
「審査員は、私の味方なのか、相手の味方なのか。」
星弥。
「正しさなんて、基準次第でどうにでもなるのですよ。」
小刹。
「正しいですか、使えない考え方ですね。」
「そもそも状況に左右されますし。」
琉輝。
「事情によっては、いくら正しくても通用しないこともあるかと。」
星弥。
「私は他人の間違いだけはすぐ理解できる。」
「実際とは違うから。」
「同じく、誤りも理解できる。」
「相手がこじつけるような真似をするから。」
小刹。
「あなたを両親はどうやって育てたの?」
「見る所、生活に必要なものしかないんじゃない?」
「豪華な船は?」
星弥。
「子供の育て方をどこかで習ってから、私を生んだらしい。」
小刹。
「準備がよろしいね!」
琉輝。
「どんな親も、自分の親から受けた教育以外はまるで分からない。」
「その途中で間違えると、間違った教育も遺伝する。」
小刹。
「間違いとは何ですか?」
星弥。
「見れば分かるじゃないですか、実際とは異なることを言っているし。」
琉輝。
「子供の育て方も分からない、誰も分からない。」
「分からないのに、今日もたくさん生まれて、教育されている。」
小刹。
「それひどくないですか?」
星弥。
「ちなみに、親の教育が悪いと非行少年を作ってしまいます。」
「しかし親は失敗を子供になすりつけることができます。」
琉輝。
「犯罪者を作っておいて、まるで恥じない呪われそうな世帯ですね。」
小刹。
「みんな子供の教育について何も分からないの?」
星弥。
「分からないんですよ、分からないのに、営みを続けている。」
琉輝。
「共同体での子育てしか、良いものがないね。」
小刹。
「親にならなくて良かった、少なくとも失敗は大幅に減った。」
星弥。
「結婚しないだけで、余計な害と手間が省ける。」
琉輝。
「世界がそうなっているからって、自分が従う必要はない。」
小刹。
「自然主義の誤謬ですよね。」
星弥。
「そのせいで、私は間接的な殺人ならけっこうした。」
「別に合法ですし。」
「殺したのではなく、相手を死なせた、みたいな。」
琉輝。
「それって相手の自滅でしょ。」
星弥。
「そもそも、完全な人を目指そうなんて愚かなものです。」
小刹。
「完全な人ですか?なんですかそれ、馬鹿みたい。」
琉輝。
「本当に馬鹿なんだから、完全な人になろうとする。」
星弥。
「聖者は生まれつきのものでしょ、後天的にはなれない。」
琉輝。
「既成概念を包括すると、あなたは完全な人になりなさい。」
「断る。」
星弥。
「反逆は自由です、自由意志で、完全な人への道筋を放棄する。」
小刹。
「ああなんてこと、完全な人になれとか、日本人はやはり冗談が下手ですね。」
ライブ中継が終わったので。
散歩を開始。
今は余暇。
仕事はあっても。
仕事が軽いので。
平日でもけっこう活動できるんですね。
星弥。
「戦いというものが、強さだけで決まらないと。」
「教えることになりそう。」
小刹。
「頭が悪い戦士は、下手で雑魚です、すぐやられます。」
琉輝。
「頭脳明晰な戦士は、必然的に最強ですよね。」
星弥。
「喧嘩が強い?相手は寝言を言っていられる余裕があるんですよね?」
農民。
「あーあーあー!あまりに強い影響力を持つ個体がいると、わしも逃げたくなる。」
星弥。
「素直に負けを認める気になったのですね。」
小刹。
「降参ですか、ああ、これから面白くなるのに。」
琉輝。
「農民がひとり、立ち去っただけですけれどね。」
星弥。
「いつも、対戦する相手の顔色が悪い。」
小刹。
「しかし倒した時に、相手の強さは、私の勘違いだったと分かるんですけどね。」
琉輝。
「相手は私に対する必勝法がある、すぐに帰ってしまうことです。」
星弥。
「俺は強い、ああ、その人の生涯最後の台詞は、そんなものでしょうね。」
小刹。
「というより、強敵らしい強敵と競り合ったことがない。」
琉輝。
「私もです、強敵なんて本当にいるんですか?」
星弥。
「強敵ですと?ちょっとお手合わせ願いたいですが、どこにいるんですかね。」
小刹。
「相手も同じ条件ですよ、強敵と遭遇したことがない。」
星弥。
「いつも格下が相手だから、実力によるものなのか。」
「相手が雑魚なので勝てるのか。」
「そもそも無力な人が戦うのか、よく分からない。」
琉輝。
「今では自分の実力を疑っていますけれどね。」
小刹。
「たまたま猛者が出てこないだけ、それだけで倒した相手の数が増える。」
星弥。
「なぜか知らないけれど、格下と競ってばかりいる。」
琉輝。
「相手の撃破数が増えるだけ、ああなんて悲しい競争。」
村長を発見。
なぜか同じ村長と戦っています。
瓜二つ。
どっちが本物?
村長。
「こらこら、真似するのは良くないぞ。」
偽物。
「お前こそ、偽物の正体を暴いてやる。」
村長。
「食らえ!反則ラグビータックル!」
偽物。
「受けてみよ、ヒップドロップタックル!」
村長。
「入ったな!」
偽物。
「うわあ!うわあ!うわあ!」
星弥。
「本物が勝ったの?偽物が勝ったの?」
村長。
「私が本物だよ。」
小刹。
「いや、でも、実力次第で、偽物でも本物を倒せば、その人は本物になるから。」
琉輝。
「本物に勝てば、本物の権利は奪うことができるから。」
星弥。
「勝ったのは本物ですよ、だって、元プロレスラーが一発でダウンしますかね?」
小刹。
「あっ!本当だ、偽物?の方は一発でダウンした!」
琉輝。
「戦闘は一撃必殺の連続ですからね、それを制するのは本物ですよ。」
村長。
「ちょっと片づけるので。」
星弥。
「手伝いましょうか?」
村長。
「一人でできるから。」
星弥。
「分かりました。」
小刹。
「村長のそっくりさんが、こんな所で何しているし。」
琉輝。
「村長の家には大きな金庫があるから。」
小刹。
「それはとてもわかりやすい作戦ですね。」
星弥。
「わかりやすい構図が常にあるといいですね。」
危ないので。
立ち去りました。
帰宅。
偽物と罵られた人が本物に勝ったら、どうなるのか。
当然、お前はいけないことをした!
なんて袋叩きになるようです。
人間の邪悪な所の唯一の救いは、わかりやすい所ですね!
豆知識。
軍隊徒手格闘は、法律も教える。
社会での戦闘では、相手を倒す以前に、法律で優位に立たないといけません。
相手を倒しても、法律で負けたら、敗北同然。
それは相手も同じなので。
戦闘において法律を前提に動いているか、動いていないかで。
結果的に優勢はこちらのものになり。
法律を無視している無能で無謀な相手は負けやすくなります。
敵対者が一方的に仕掛ける場合、敵対者は法律で既に負けている可能性があります。
漫画などでは、法律を作中から排除して描かれているので。
漫画には、その落とし穴が悪く出ています。
法律までファンタジー作品などに採用すると。
アニメーション作品でも、何らかの法律で。
社会から追放される主人公が大量に出るでしょう。
言いがかりの追放処分で、窮地に陥る主人公!
現実で暴れている犯人が出現しても。
無策で取り押さえようとすると。
返り討ちになって、殺される危険があります。
実際、犯人と格闘して返り討ちになる人が続出しています。
訓練されて、死を恐れない、死を考えない人しか、勝てない。
実例。
とある獄中の薬物中毒者は、身体の状態が餓死寸前なのに。
男性三人がかりで、やっと押さえつけられるレベルの異常な力を発揮します。
目撃している犯罪心理学の専門家は。
生物として成立していない、死を迎えるのを待つだけ、とのこと。
豆知識。
格闘は二対一では勝てない。
訓練された兵士が二人現れると。
まず勝てません。
すぐに組み伏せられて終わりです。
なので、一対一を二回やる。
一対一を数秒間でもやって勝利する。
なんて戦術もありますが。
基本、訓練された兵士が二人になると。
格闘でまず勝てません。
それは誰しもが同じなので。
戦場で僅差で勝つ、なんてことが記録で出てきます。
早めに解散するつもり。
自宅にて。
星弥。
「今日は戦闘の思考実験だけでしたね。」
小刹。
「シミュレーションもたまにはいいんじゃない?」
琉輝。
「理論化できるということは、実践も余裕ということですよ。」
星弥。
「人間なんかに負けてたまるか。」
小刹。
「人間ですか、インチキばかりして来るので厄介ですよ。」
琉輝。
「インチキしても勝てなかったら、私達に謝罪すればいいのに。」
タブレットパソコンを。
モニターに繋ぎまして。
オンラインゲーム。
チート狩りを観ました。
最近、チーター狩り、つまりチート野郎狩りを観て。
楽しんでいます。
チートを使っても、ゲーマーに勝てない。
星弥。
「最後にオンライン対戦動画を観ますか。」
小刹。
「あれれ?チート野郎が負けまくっている?」
琉輝。
「チート使ってもゲームに勝てないのなら、もうゲームやらなくていいのよ。」
星弥。
「無理しなくてもいいのに。」
小刹。
「どこかのオンライン対戦では、チート狩りがいるんですね。」
琉輝。
「チート使っても、上位に行けなくて、所々でやられているし。」
星弥。
「チートを使えば勝てるなんて、夢を見ましたね。」
小刹。
「これインチキしないと、雑魚に負けるレベルでしょ。」
琉輝。
「チートがないチート野郎は、ただの野郎。」
星弥。
「イカサマしても勝てないものは勝てない。」
全員、帰路に。
結論。
いくら戦いが上手だからと言って。
弱い者虐めはダメ。
雑魚を相手にする時はハンデをあげましょう。
チート野郎相手はどうにもならないので。
チートを超える行動で対抗しましょう。
リアルチートについては。
シミュレーション仮説に基づいていますね。
現実世界にもチート野郎がいます。
判別方法は、バグで勝利しようとして来る。
手品を頻繁に使う。
マインドコントロール駆使する。
など。
そういうチートツールが出回っているようです。
いくらで買えるんですかね。
シミュレーション仮説で考えると。
特に理由もなく表彰されたり。
賞状や支持を集めているものがある。
それはチートによるもの?ゲームスキルによるもの?
シミュレーション仮説は現代物理学のひとつ。
シミュレーション仮説が本当ならば。
自分の本体は、本物の世界にある訳で。
同意したか、捕虜になったかで実験が行われて。
目が覚めるのは、実験終了後であり。
現在、実在しないテクノロジーで作られている可能性がある。
ある時代のテクノロジーまでレベルを落として。
その水準でシミュレーションが行われている。
定説では、もっと高度な知的生命体が行っているシミュレーションらしい?
科学では、現実が嘘である可能性があり。
どちらかと言うと、現実は非科学的なので。
ひょっとしたら、さあ実験終了です!なんて言われて目が覚めることもあろうかと。
そもそも人は、五感でしか世界を認識していないので。
五感さえ再現できれば、見間違える仮想世界を作れる。
どうせ五感が作り出す、錯覚と偽物の世界だな、という科学的解釈も取れますが。
厄介なのは。
シミュレーション仮説が無敵の論証を持っていて・・・。
今の所、何の矛盾がない所です・・・。
20
本気で暴力なんかで私に勝てると思ったの?
暴力なんかで私に対抗できると。
信じたあなたは馬鹿そのものだね。
暴力なんかで私に勝てやしない。
残虐行為であなたの暴力まで。
弄んで、残虐行為で。
あなたの魂まで滅ぼすから。
あなたの暴力を超える力で弄んであげる。
暴力なんか、その程度の力なの?
私に遊ばれる子供みたいな力で。
私は平気で、暴力を殺して見せるから。
暴力で私に勝てると夢見たの?
あなたの暴力なんて私の前で滅ぼされる。
暴力を殺す方法はいくらでもあるからね。
その暴力と一緒に、いつまでも攻撃を続けてあげるから。
詩。
アイデア、暴力を超えるもの。
原案、No More Deals.
夜間。
入り込んだ大型昆虫を殺した後。
ハエ叩きで何度でも死体を痛めつける。
十数回、攻撃した所で、昆虫の死体が崩壊して。
何の残骸なのか分からなくなった。
続いて、大型の蛾が入り込んだ。
蛾は空中で叩き落されて。
何度も死体を攻撃されて、原形が無くなった。
残虐性は、暴力を超える力ですね。
暴力は、暴力を超える力にはまったく対抗できないし。
暴力が負けたら、激しい死体撃ちと、死んでも終わりにならない追い打ちを受ける。
暴力と異なるのは、残虐性が完全に制御されていて。
自由に発動、または使わないこともできる。
徹底した力の制御にあります。
屋内に入った生物は粉々にされて。
外に捨てられました。
翌朝。
蟻と鳥が持って行っています。
これは特技、いつもはこんなものではない。
入ってきた昆虫が、ブルーマウンテンを台無しにしたので。
周囲にいる昆虫と、小さな生物が虐殺に遭った。
普通の虐殺は正当化によるもの。
しかし残虐性による虐殺は、何も考えていない点で大きく違う。
満足して、寝ていると。
早朝から、まだ時間があるからと。
二人が覗き見。
琉輝。
「寝顔が素敵ですね。」
小刹。
「私は見たことあるわよ。」
琉輝。
「美形の成人女性が、ひとりで寝ている、はあはあ。」
小刹。
「私の女よ、取らないで。」
琉輝。
「裏口から合鍵を使って、寝顔を見るの。」
小刹。
「起きたら喜びそうですね。」
琉輝。
「ん?なんですかこの残骸は?」
小刹。
「たまにやる虐殺ですね。」
琉輝。
「屋内に、そんなたくさん生き物っていますか?」
小刹。
「探したんでしょうね。」
琉輝。
「どうして?」
小刹。
「何も考えずに殺したんでしょう。」
琉輝。
「八つ当たりかな。」
小刹。
「後から理由がつく虐殺でしょうね。」
琉輝。
「寝顔を撮影っと。」
小刹。
「こんなに顔が小さくて、まつ毛が・・・。」
琉輝。
「こんなにお化粧って上手だったっけ?」
小刹。
「色っぽい口元ですね。」
琉輝。
「服を脱がしてみる?」
小刹。
「それはさすがに気づくでしょう。」
琉輝。
「キスしてみる?」
小刹。
「場合によっては、逆に襲われますよ。」
「接近のし過ぎです。」
星弥。
「んん?」
琉輝。
「手で唇を触ってあげる。」
星弥。
「ん?」
琉輝。
「うわっ!抱き着かれた!」
小刹。
「覚悟はいいですか?」
琉輝。
「どうして?」
小刹。
「前、同じことやって、えっちなことされた。」
琉輝。
「ああ、なんてこと。」
星弥。
「何かいい感触、いい女の子。」
琉輝。
「ちょっと!そこ触るなんて!」
小刹。
「今回は抱きしめられて、済みそうですね。」
琉輝。
「ちょっと、ん、でも嫌いじゃないですよ。」
星弥。
「あれ?何か美人女性と思ったら、琉輝ちゃん、おはよう!」
琉輝。
「さっきの、もう一回やって。」
星弥。
「なんのこと?えっちなことなら、小刹ちゃんにしかやりたくないけれど。」
小刹。
「あなた、どこ触っているの。」
星弥。
「ん?ああ、そこはだめですよね!」
琉輝。
「いや、嫌いじゃないですよ、ただ、小刹ちゃんの許可が必要でしょう。」
星弥。
「やられたいの?」
琉輝。
「もしよければ。」
星弥。
「じゃあ探ってあげる。」
琉輝。
「きゃあ!もういいです!」
小刹。
「私が突っ込んで、やられたら良かったなあ。」
星弥。
「私は支度をするけれど、朝から大歓迎ですね。」
小刹。
「たまたまですよ、明け方に起きたので。」
琉輝。
「私も明け方に起きましたので。」
星弥。
「ううむ、小刹ちゃんは好きだけれど、琉輝ちゃんもけっこういいね。」
小刹。
「今更、乗り換えるなんて言わないでよ。」
琉輝。
「私は毎回、えっちなことされるのは無理です。」
星弥。
「素敵な女の子は、いつ見ても飽きないなあ。」
支度中。
朝食。
小刹ちゃん、地球の風、天気、海の状況地図を見ています。
琉輝ちゃん、さっきの写真を印刷中。
たまにある小笠原諸島西方沖で地震が発生。
津波注意報。
今日は海に接近できない。
それで、うとうとしていて、目が覚めた星弥ちゃん。
一時期、自然災害は斬新な気配でした。
紛争の発生は、新しい流れと、当事者の大惨事。
感染症流行、初期の時期。
ウイルスを運ぶから、他の県に来ないでくれ。
なんていう行動は、無駄な抵抗。
人間の無駄な抵抗いいですね。
感染者非難、そうやってコントロールできるといいですね。
人間の無駄な抵抗って、やっぱりいいですね。
地震の時は、災害ではなくて、人の行動や言動しか見ません。
紛争の時は、爆発する建物や瓦礫になる現場ではなく。
逃げ惑う人間の方を観察します。
観察は経験論の基本。
談笑。
星弥。
「一時期、私の生涯の見本が、僧侶みたいに。」
「民間で修行して、これまた修行して、なんてものの繰り返しで。」
「それと反対のことを続けて壊すまで、変化はなかったね。」
小刹。
「生涯の見本ですか、あれってそのうち内容が読まれますよね。」
「改変するのが簡単になってしまう。」
琉輝。
「改変する前が本当だったのか、改変した後が本当だったのか。」
「そもそも改変が考慮されていて、後でどうなってもいいようになっていたのか。」
小刹。
「何度も筋書きを見せられると、そのうちパターンが分かって。」
「改変が当たり前になりますが。」
星弥。
「そもそも僧侶みたいに、修行を繰り返すパターンが続くとか。」
「宗教観デタラメな序盤ですね。」
琉輝。
「筋書きを悪事で改造してしまって、上書きするだけですが。」
星弥。
「自分が選んだにしては、馬鹿過ぎですからね。」
小刹。
「いくら過去の自分が馬鹿でも、そんなものは選ばない。」
星弥。
「洗脳でもされたのかな。」
琉輝。
「洗脳で解決を図るなんて馬鹿げていますよ。」
小刹。
「本当に馬鹿なんだろうから、もうしょうがないでしょ。」
星弥。
「生涯の見本とやらを壊すのは楽しいですね。」
琉輝。
「勝手に設定されたので、勝手に壊しても理にかなっている。」
星弥。
「そもそも、ここを裏切ると壊せるとか、ここを防げばその後は無くなるとか。」
「私に読まれていますし。」
小刹。
「運命論ですか、どちらにしても、読まれてしまうと無力ですなあ。」
星弥。
「なぜあんなに多くの理屈が必要なんでしょうか。」
琉輝。
「愚かだから、ごまかしているとか。」
星弥。
「それを決める馬鹿は誰ですか?」
小刹。
「ファシストかな?」
琉輝。
「自分を特定の集団又は国家の代弁者とみなし。」
「人々の権利に無関心で、目標達成のためには暴力も辞さずにどんなことでもする人物。」
星弥。
「似たようなもので正義マンとかいますね。」
「自分が正義の代弁者であると名乗っている。」
小刹。
「社会正義戦士なんてそんなものですよ。」
「概念の代弁者を名乗って、訳の分からない事をしている。」
琉輝。
「大衆を争いに導くなんて、どこが平和的なんでしょうか。」
星弥。
「私の場合、僧侶みたいな経過を辿らせている時点で。」
「勝手に決まった内容は神聖ではない。」
小刹。
「神聖ではないことを神聖視するのはだめですよ。」
琉輝。
「根拠を失ったものは、形式主義になり、少しずつ消えるのであった。」
星弥。
「矛盾を矛盾で埋めるなんてことはないよね。」
小刹。
「根拠がないと、すべて形式的になるよね。」
星弥。
「もう行くんですか、というかもうこんな時間ですか。」
琉輝。
「ただ、戦いたかった。」
「あの外道みたいな奴と。」
「倒した姿を想像して。」
「あいつが流血して倒れて。」
「その姿を拝みたくて。」
「倒した瞬間の快楽を求めて。」
「戦うだけの楽しみを。」
「呼び覚ます。」
「相手を倒した数が喜びの数。」
歌って裏口から退出。
出勤しようと。
裏口に行くと。
琉輝ちゃんはスズメバチを発見した。
スズメバチは外に出ようと。
網戸に体当たりしている。
スズメバチ、星弥ちゃんに殺された。
スズメバチ、粉々になるまで攻撃された。
残骸、外に捨てられた。
琉輝ちゃん、気にせずに自動車に乗りました。
小刹ちゃんは、まだ時間があるので。
星弥ちゃんに送ってもらう予定。
星弥。
「自分で勝ち取るしかない。」
「この世の掟。」
「それでいい。」
「それだと私は。」
「すべてを手に入れるけれど。」
「それで、悲しいものを無くしてしまい。」
「それでも勝ち取ったものだと。」
「私は掟通りであると。」
小刹。
「自分で勝ち取るしかない未来は。」
「殺伐としていて。」
「自分の手で開けた穴から飛び出て。」
「私は破壊しかしていないけれど。」
「生み出すものは埋められているだけ。」
「力次第でどうにもなると。」
「あなたは言ってしまったその結果ですよ。」
星弥。
「人間である限り倒せない相手はいない。」
小刹。
「暴力を超える力ってあるんですね。」
星弥。
「暴力なんて単純な力はもう古い古い。」
小刹。
「通常の二倍速、力も二倍ですか。」
星弥。
「よく見ていたね、動体視力は鍛えているのかな。」
小刹。
「草木が多いと、虫も便乗して入ってきますからね。」
星弥。
「一日で、虻を十匹、蛙を五匹、スズメバチを二十匹。」
「大型昆虫を三匹、黒虫を二匹、殺したことがある。」
小刹。
「豪快な殺戮ですね!」
星弥。
「私は虫を殺すの好きなので。」
小刹。
「どうりで道を歩いていると、カマキリとか、わざと殺すと思いましたよ。」
星弥。
「殺す生物はあらかじめ決めているので、それ以外は無視しています。」
小刹。
「理由は知りませんが、生き物に償わせる手は有効でしょうね。」
星弥。
「人間は数回しか殴ったことがないですけどね。」
小刹。
「小動物は殺すの?」
星弥。
「蛇やネズミは棒で叩き殺しますが、鳥は攻撃しません。」
「自分の好きな生き物は殺しません。」
小刹。
「この映像で、欧州にいる野生のクロハラハムスターは好きですか?」
星弥。
「なんですかこれ、拉致したい。」
小刹。
「世界最大のハムスターで、野生でよくいます。」
「攻撃性が高くて、ペットにするのは難しく、日本での飼育はレアです。」
星弥。
「ずっと見ていたいかも、後をこっそりつけて。」
小刹。
「都市部に堂々と出現して、物色を繰り返しますからね。」
星弥。
「そこら辺を歩いていたら、放し飼いのペットにしか見えないなあ。」
クロハラハムスターの映像で。
はしゃいでいます。
意外と、星弥ちゃんは虫を殺すのが好き。
たまに電気ラケットで飛んでいる虫を殺しに行くほどです。
ちなみに、犬は蛙も蜂も食い殺しますが。
殺した蛙は食べませんし。
殺した蜂は無視します。
柴犬が特に近寄ってきた生き物を殺しますが。
ハムスターなどを見せると、つぶらな瞳で見て。
匂いを嗅ぐので。
動物は、殺していい生き物と、殺してはいけない生き物を区別しているみたいです。
殺したネズミですが、猫が持ち去りました。
蛇はたまに見かけると、棒で殺しますが。
半日ほど経過すると、死体がありません。
殺した生き物は、他の生き物への譲渡があるんですね。
昆虫の残骸は基本、蟻が持ち去りますが。
たまにスズメバチが持ち去ることもあります。
自然処理で完結している虐殺なんですね。
星弥ちゃん。
簡易的なお化粧を小刹ちゃんにしたくて。
小刹ちゃんを押し倒すと、小刹ちゃんは何の抵抗もしません。
星弥ちゃんが、目立たないお化粧をしてあげました。
小刹。
「目立たないから、校則に違反しないかも?」
星弥。
「あなた、ルールの抜け穴くらい、普通に突きなさいよ。」
小刹。
「押し倒されて、お化粧されるの好き。」
星弥。
「綺麗になって登校して、顔を見られる小刹ちゃん、はあはあ。」
自動車で送ります。
学校まではかなり近い。
余裕で間に合いますね。
小刹。
「女性は、この人ならいいかな、なんてついて行くって本当ですか?」
星弥。
「女性特有の脆弱性かな?全員が持っていませんよ?」
小刹。
「他の女性は、えっちなことがしたいんですか?」
星弥。
「その割には、見え透いた結果を受け入れませんね。」
小刹。
「なぜ、そうなると決まっているのに、後始末に困っているんですかね。」
星弥。
「そんなことも予想できないからですよ。」
小刹。
「え、無能なんですか、ああいう人達って。」
星弥。
「無能というより、目の前のことを一生懸命に考えるので。」
「後のことは、処理が追い付かないのですね。」
小刹。
「え、馬鹿なんですか。」
星弥。
「馬鹿というより、信じてばかりいるから、その時も信じるんですね。」
小刹。
「信じるって何ですか?」
星弥。
「何でしょうね?信じるとああなるの?」
到着。
学校の近くで降車。
星弥ちゃんは自宅に戻ります。
依頼人が、午後から殺到しますね。
前に鑑定した人が、利得を六倍に増やしたので。
評判によって来てしまう。
易学は珍しいものではなく。
昔の学校教育では、一般的に教えられていました。
今では易経の占い師はあまりいません。
易経は儒教の聖典なのですが。
著者が暗号を用いていて。
解読が難しく。
翻訳もだいぶ、暗号が入っていますね。
今は同業者が来ています。
仲間。
「それで、利得はどのように?」
星弥。
「少しずつ増やしていくことをお勧めします。」
「あなた、競馬で大金を稼ごうといつも試みるでしょ。」
「その癖が直らないと、財産は厳しいかな。」
仲間。
「なるほど、極端な金稼ぎに出ないことが先決なんですね。」
星弥。
「あなたの利得に関する癖から直してください。」
資本主義者。
「もう少しで大金が手に入りそうなんだが、何か怪しい。」
星弥。
「怪しいと思ったのが当たりなんですよ。」
「そんな時は簡単に時間経過させると、潜在的な脅威がしびれを切らして。」
「飛び出します。」
資本主義者。
「ああ、本当だ、心当たりが多過ぎる。」
経済学者。
「いい儲け話なんて、ないですかね。」
星弥。
「焦っているということは、逆説的に言えば、何もなくて焦っているので。」
「今は停止して、何か向いて来たら、その時に儲け話をしてください。」
経済学者。
「そうだね、思ったら、何もないから何かないか、なんて質問をしていた。」
星弥。
「二千円になりますが。」
仲間。
「内容にしては安いな。」
資本主義者。
「二千円なんて惜しくもない。」
経済学者。
「有益な話が二千円?一万円かと思った!」
机に暗号化された表がありますが。
人の話って、暗号化されている機密情報も含まれています。
どうしても利益が出ない人には。
チャンスを作るように。
または、損を減らすように働きかけています。
二千円は安かった。
星弥ちゃんはあまり道具を使いませんが。
亀の甲羅だけはけっこう、使いますね。
亀の甲羅は最後の手段です。
人が集まるようになりましたが。
依頼人がいない時は。
連絡を取り合って。
遊んだり、訓練したり、研究したりします。
多分、利害が一致しているし、目的も一致している。
この日は、夕方は遊べませんでした。
夜、床に就くと。
なぜか、隣に何かいます。
琉輝ちゃんですね。
星弥。
「なにしに来たのよ、こんな深夜に。」
琉輝。
「美人女性にどうしても興味があって。」
星弥。
「お泊りなら、先に言えばいいのに。」
琉輝。
「ちょっといかがわしいことしたくて。」
星弥。
「それなら、布団の中で探ってあげます。」
琉輝。
「うん、私はもう満足です。」
星弥。
「このまま寝ますか?」
琉輝。
「実は噴火警報が出ているので、私は仕事場に戻りますね。」
星弥。
「頑張ってね、私は寝ますが、あなたも悪くないです。」
琉輝ちゃん、休憩だったらしい。
隠された自動車で退場。
ラジオを起動すると。
本当に噴火警報が出ていますね。
これって朝起きたら、大惨事だったりして。
そして朝になると。
何もなかったのです。
英語の成句にも似たような教訓がありますが。
実際の危険は、取り越し苦労を超えない、というわけ?
21
戦争は万物の父である。
古代の格言。
しかし付け加えが必要ではある。
戦争は革命の産物で。
同時に革命の原因である。
というのが適切だという。
日曜日。
お泊り会。
学校帰り。
仕事終わりから来て。
今は夕食の後。
新しく絵画を飾りまして。
協力して飾りましたが。
人数分欲しくなって。
在庫があるのか詮索。
琉輝。
「レプリカがありますね。」
星弥。
「世界中の絵画のコピーなら、けっこう倉庫にもあります。」
小刹。
「ゴッホのヒマワリについて。」
「どんな印象ですか。」
星弥。
「黄金の向日葵ですね。」
「そもそも絵具がクリームになっています。」
「水でまったく溶かしていません。」
「その上でノーミスで描いていますし。」
「ヒマワリは黄色ではなくて金色です。」
「クリームみたいな絵具で細かい所まで描くのは。」
「真似できる人がまずいません。」
「クリーム状の絵の具で、ある程度立体的に描いていて。」
「絵が少し飛び出すような感覚があるんですね。」
「高度な技法と、金色の絵画という点で。」
「あらゆる点が宝物なんですよ。」
小刹。
「絵の具がクリームですか。」
「それだと、僅かな筆の狂いで。」
「絵の具で絵が台無しになりますが。」
「設計図みたいな描き方で。」
「ひとつも失敗がないんですね。」
星弥。
「絵そのものはすごく簡単な題材なんですが。」
「それは見た目だけで。」
「細部を見ていくと、かなり手の込んでいます。」
「絵具による質感を故意に出したくて。」
「絵の全部を絵具による多層構造みたいにして。」
「質感を出して、埋めているという。」
「かなり拘りのある作品なんですね。」
琉輝。
「そこら辺の絵画は、絵具を水で薄めていますが。」
「ゴッホのヒマワリは、まず薄めていません。」
「質感を出して、金塊に近い見た目にしようと。」
「頑張っています。」
「その状態で細部まで描こうとすると。」
「絵の具が混ざったり、修正ができなくなる可能性がありますが。」
「よく見ると、どこにも失敗がないのですし。」
「僅かな筆先の操作と、まったくブレない数ミリ単位の描き方が。」
「失敗即終了の絵画を可能にしたんですね。」
小刹。
「絵具は溶かすと、あっさり他の色と混ざりますが。」
「上書きできるんですね。」
「クリームにしていると。」
「修正が不可能。」
「それなのに、あっさり成功させていて。」
「同じような絵が数枚ある。」
「人間の技術とは言えませんね。」
星弥。
「人間を超えた人が描いたので、宝物として保管されているのでしょうね。」
琉輝。
「ゴッホ以上の画家はまず現れないでしょうね。」
星弥。
「よく見ると絵の具の量が凄まじいことになっています。」
「なんとなく謎めいているのは、絵具大量使用による質感ですよ。」
小刹。
「というか、そんな質量の絵具をよく操作できたね。」
星弥。
「普通は、その質感で細部の制御は不可能です。」
「ゴッホはできたんです。」
小刹。
「実際、やってみると、まったく溶かしていない絵具は手に負えない。」
琉輝。
「絵具にも拘っていて、しかも配合も計算していたし。」
「自分の好きな絵の具の質と量の配合を、いつもしていたんですね。」
星弥。
「題材が簡潔なヒマワリですが、細部まで理解できるようになると。」
「真似できる技法ではまったくなくて。」
「斬新ですね、質量を使った絵画で。」
「絵画全体をなるべく黄金色に見せるために。」
「あらゆる手を尽くした最高傑作なんですね。」
小刹。
「作品と作者が切り離されたら、ようやく評価されるのですか。」
星弥。
「フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェの著作にも。」
「自分から、存命中に著作が評価されないのは。」
「作者と著作が切り離されないからだ。」
「なんて堂々と書いてあります。」
「著者が死亡すると、著作が分離されて、それ故に売れたり評価される。」
「ニーチェの著作は、ニーチェが失恋による影響で錯乱した後から。」
「著作が理解されるようになったと言われていますが。」
「自分で予言していたんですね。」
琉輝。
「逆に存命中に有名になる人もそれなりにいます。」
「ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲルとか。」
「大人気講師で、大学では圧倒的な名声を得ていて。」
「後に思想は、ドイツ人が日常生活で普通に繰り出すほどになっています。」
「ドイツ人は、法の哲学、の思想を、自然に習得しているとまで言われていますね。」
星弥。
「意外にも、存命中に大人気、称えられる、好まれる、という人はいます。」
「かえって、死亡してから賞賛される天才は少数派だったりします。」
「どうせ今更、モーツァルトとか、ベートーヴェンとか引き合いに出すんでしょ。」
小刹。
「英雄ナポレオンですら、皇帝になっているし。」
「フランス革命の影響を欧州全体に広めた。」
「欧州全域が君主制を捨てることになったのは。」
「ナポレオンの武力によるもの。」
「そのナポレオンの敗北で、革命が完成するとは誰も思っていなかった。」
琉輝。
「革命って、革命を行った人の敗北で終わる、というのも。」
「近年の特徴ですけれどね。」
小刹。
「歴史と言っておきながら、学校の教科書程度で語る人もいるし。」
「哲学者から歴史を習う人もいるし。」
「ローマ史などから入る人もいますし。」
「ダーウィンのおかしな説を信じる人も、信じない人もいます。」
星弥。
「日本は世界一進化論を信じる国民。」
小刹。
「無神論だから何でも無視できると思ったら大間違い。」
星弥。
「俺は無神論だから、いくらルール違反してもいいって思ったのかな。」
琉輝。
「個人的には、無神論者、不可知論者は、ほぼいないし。」
「あまりに数が少ないので。」
「あんまり見たことがない。」
小刹。
「その割には仏教徒がそれなりにいますね。」
星弥。
「無神論者も、変なことしなければ、誰からも責められない。」
琉輝。
「僕は無神論だから何でも許されるんだぞ、なんて言い分が通る訳がない。」
小刹。
「しかし無神論者の全員が有害という訳ではないし。」
星弥。
「一部の馬鹿のせいですね。」
琉輝。
「人間でも信じていればよろしい。」
番組、最近は良質。
驚異の実証主義。
現代の科学力不足を解決しよう。
という企画らしい。
放送中。
星弥。
「心霊特番なんて大昔に流行りましたね。」
小刹。
「あの心霊主義の番組ですか。」
琉輝。
「真偽不明の映像と物語。」
星弥。
「あれって、嘘であることが証明されまして。」
「昔は合成写真や合成映像を作る技術は。」
「大手の制作会社にしかなかったでしょ。」
小刹。
「ああ、そうですね、最近は人工知能で誰でも作れますね。」
星弥。
「技術を独占していた番組側が、映像を加工したり。」
「写真を合成して。」
「あとはいい加減なストーリーを作って垂れ流していたのが。」
「心霊特番。」
琉輝。
「あと、下手な演技も大量に含まれていますね。」
小刹。
「役者も揃えていたんですね。」
星弥。
「今では、誰でも人工知能で、映像の加工、編集、作成が自動で行えるし。」
「写真も、いくらでも作り変えられるので。」
「人工知能で、心霊特番と同じものを作れてしまう。」
琉輝。
「技術が追いついたので、やらせであると証明されてしまったんですね。」
小刹。
「テクノロジーで追いつかれると、心霊特番は滅びますね。」
星弥。
「心霊現象を作るという技術の独占が、今では失われて。」
「誰でも心霊現象を人工知能で作ることができるので。」
「技術の進歩で、やらせであることが簡単に分かる。」
小刹。
「なるほど、大胆過ぎるフェイクニュースだったんですね!」
琉輝。
「そこまで徹底してやらせをしているとは知らなかった!」
星弥。
「後はストーリーと役者を揃えていればいいので。」
「番組はストーリーと役者もきちんと手配して。」
「本当にあるかのように錯覚させて売り物にしていた。」
琉輝。
「つまり科学で誰でも心霊現象を論破できる。」
星弥。
「人工知能が搭載されたノートブックがあれば、余裕で可能です。」
小刹。
「最近、普及していますね、人工知能が装備されたコンピューター。」
琉輝。
「誰でも買えるパソコンで、誰でも作れる心霊現象。」
星弥。
「でっち上げ、やらせのオンパレード。」
「わざと売るために、騒がせるために、見世物にするために。」
「心霊現象なんて嘘をばら撒いて悪ふざけを繰り返した。」
小刹。
「それでは幽霊なんていないんですね。」
星弥。
「いないですね、そんなものどこの教義にも書いてないから。」
小刹。
「ということは、もし幽霊みたいなものがいたら。」
「必ずどこかの聖典に書かれていて。」
「宗教で説明がつくという訳ですね。」
星弥。
「そういうことです。」
小刹。
「それでは、それ以外は単なる作り物でしたね。」
琉輝。
「作り物の心霊特番、事前に、すべて作り物です、という注意書きが必要。」
星弥。
「まず技術を独占していた、次に演技が上手だった。」
「次に小説が力作であった。」
「これだけ。」
琉輝。
「凄い作り物でしたね!」
星弥。
「あれが嘘であると分かってしまった後に。」
「それを真に受けた人の赤面。」
「そして真実と勘違いした人々の恥ずかしさ。」
小刹。
「視聴率稼ぎに、いっぱい作るんじゃないよ。」
星弥。
「まあ、やっぱり科学は万能というのは、そこまで間違いではなかったと。」
小刹。
「結局は科学が勝つんですね。」
琉輝。
「後はユング心理学で埋めておきましょう。」
センサーライト点灯。
誰か来ている。
インターフォン。
政治団体が来まして。
どうやら投票関係のようです。
大島にも宣伝に来ていました。
星弥。
「珍しい人ですね。」
下役。
「是非とも、我々の政党の良さを知って頂きたくて。」
星弥。
「それなら、向こうの小さな屋敷の方が、数十人まとまってていいですよ。」
下役。
「あなたの力が必要なんです。」
星弥。
「なるほど、そこまで調べていますか。」
下役。
「是非とも、我々の味方に!」
玄関にあった。
隷従への道 全体主義と自由 フリードリヒ A
ハイエク。
これを見せつけました。
星弥。
「ほらほら、ハイエクですよ。」
下役。
「ぎゃああああ!やめてください!」
星弥。
「朗読してあげましょうか。」
下役。
「やめて!ロジカルハラスメントやめて!」
星弥。
「いいえ、これは説得です。」
下役。
「論破しないでくれ!」
星弥。
「ええと、このページから朗読しますね。」
下役。
「人違いでした!ごめんなさい!」
政治団体の人。
逃げました。
ああいう人のために。
ハイエクの主著を用意していましたが。
役に立ちました。
この本は、左翼、右翼、社会主義、共産党が大嫌いな本です。
嫌がらせで使っています。
というか、普通に売っているんですね。
ソビエト連邦では発行禁止になったらしい。
ノーベル経済学賞の本でした。
フロイトの精神分析入門。
フロイトの理論の半数は誤りであると言われている。
才能の相対化を試みる。
星弥。
「ギフテッドは精神疾患の誤診を受けやすい。」
小刹。
「彼らの言う精神異常って何ですか。」
琉輝。
「普通から外れたものは、何でも精神異常。」
小刹。
「知的障害者に才能があるというのは?ですよね。」
星弥。
「障害者には才能なんてありません。」
「そんなこと言うと調子に乗るだけです。」
琉輝。
「多少の才知よりも、凡人が日々社会で稼ぐ金額の方が。」
「障害者の才知よりも遥かに上回る。」
星弥。
「知的障害者に才能があったら、それは誤診ですね。」
「変人などを間違えて判定しているだけ。」
琉輝。
「精神疾患の誤診は無制限に結論を誘導するだけなので。」
「近年、少し変わっているだけで、発達障害であると誤診を受けやすい。」
小刹。
「才能というより、どの分野の才能なのか。」
琉輝。
「才能なんて統一的に言われたら、万能みたいに見えますが。」
「無制限の増長で、能力の低さを隠している場合もある。」
星弥。
「才能なんて、実力をつけた人が、雑魚を相手に理論で制圧する。」
「道具に過ぎませんよ。」
小刹。
「たいてい、才能とは、自分より格下がたくさんいる状況で育まれる。」
星弥。
「才能があるというより、雑魚が大量にいるので、格下相手に勝っているだけ。」
琉輝。
「どちらかと言うと、対戦相手の馬鹿さ加減を利用している。」
小刹。
「競争相手が弱いだけじゃん。」
星弥。
「大衆の時代で、弱者しかいない中でたまたま平均以上まで行くと。」
「何でも才能として処理される。」
小刹。
「雑魚の中の最強って何ですかそれ。」
星弥。
「才能を評価する基準がないので、まかり通るだけ。」
琉輝。
「才能ってどうやって評価するの?」
星弥。
「才能とは。」
「たくさんいる雑魚の中で、どの人が雑魚より上の身分なのかを決める大会である。」
小刹。
「そもそも何の才能かを、設定していない。」
琉輝。
「何の才能なのか分かっていないのに。」
「天才なら何でも万能であると信じるのですか。」
小刹。
「何か才能という概念を構図から取り除いたら、何も残らないぞ。」
星弥。
「その人の説明から、才能を省いたら、何も残らないね。」
小刹。
「才能があるからと名乗って、偉そうに。」
琉輝。
「偉そうな態度は、昔からですよ。」
星弥。
「才能があると言われた人は、実際に偉そうなことを言って。」
「実際に成し遂げるものはいつも小事です。」
「誇張が得意なんですね。」
琉輝。
「将棋とか、球技とか、そういう天才はわかりやすい。」
「文学、音楽、格闘技の天才はわかりにくい。」
星弥。
「たまたま実力をつけた人を才能があるとか。」
「評価しているだけでは。」
琉輝。
「そんな所でしょうね。」
小刹。
「たまたま平均以上の能力を得た人との差を、才能と呼んでいるだけ。」
星弥。
「そうやってたまたま出来た小さな差に、どうやって権限を付与するか。」
琉輝。
「才能って、最初から結果まで、常に途中経過、プロセスが抜けているんですね。」
「どうやって実力をつけたのか、いつも省略されるから。」
星弥。
「日頃から鍛錬していると、簡単に圧倒できるようになる。」
「鍛錬しないことが不正になることもある。」
「しかしその経過を、誰も顧みない上に、隠れて見えない。」
小刹。
「しかし、いつも中間に何があるのかは、実践では無視される。」
琉輝。
「それ以前に、多少の実力をつけたからと言って、才能があると呼ばれるのは。」
「みっともない。」
星弥。
「たいてい、才能がある人は、実際には中途半端な能力しか持っていない。」
小刹。
「よくある、数回の成功で終わってしまう人のどこら辺が才能なのか。」
星弥。
「というか、才能という言葉でしか売れないし、使えない人材ではあるね。」
琉輝。
「というか、他人に才能があると言われないと、使いどころが見つからない人材もいます。」
小刹。
「最も有効な使い方としては、才能があると持ち上げて、売ってしまって手放すことですね。」
「非人道的かもしれないけれど。」
琉輝。
「団栗の背比べで勝利して、それが才能なんて言われてもね。」
星弥。
「凡人の集いで優勝したからと言って、それで才能ですか。」
小刹。
「なるほど、能力が一定以上高いだけで、才能と呼ぶんですね。」
星弥。
「ああいう人達が言う才能は、能力が平均以上になった人のこと。」
琉輝。
「特別に高いという訳でもなく、桁が違うという訳でもない。」
星弥。
「本当に才能があるのなら、誰も追従できないし。」
「世論は絶句すると思いますが。」
小刹。
「ああいう中途半端な能力を才能と呼ばれては困る。」
星弥。
「後天的なトレーニングの方が有利だと思いますが。」
琉輝。
「訓練不足を、才能のせいにするな。」
小刹。
「日本の文学賞って才能なんですか?」
星弥。
「才能と呼ばれているだけ。」
琉輝。
「才能と勝手に言っているだけで、世論は冷たい。」
小刹。
「ちょっとばかり優れている程度で、高慢になっているのでは。」
琉輝。
「あれはどちらかと言うと、評価する基準の話ですね。」
星弥。
「基準がないんですよ、いちいちね。」
小刹。
「才能には基準がない、もしあったら、才能のある人の大半が即座に消える。」
星弥。
「何をもって才能なのか、もう私は訳が分かりませんが。」
琉輝。
「どこら辺が才能なのか、私はもう知らないが。」
小刹。
「あんなのを才能と呼ぶのなら、後はどうなっても知らないね。」
星弥。
「才能というものを、安易に尊ぶのは愚かです。」
琉輝。
「才能だから贔屓にしないといけないという法律はない。」
小刹。
「才能があるから勝たせろ、などと言う八百長も実在しない。」
星弥。
「なぜ才能というものを尊重しなければならないのか。」
琉輝。
「才能を何か特別なものとでも思っているのかな。」
小刹。
「才能は権利ではない。」
星弥。
「才能がある人を優遇せよという条例などない。」
小刹。
「何でも才能で説明されるのは困りものですね。」
星弥。
「偶然そうなったものを、才能と呼んでいるだけ。」
琉輝。
「結論としては、才能は特別扱いするには理由が足りない。」
「ことくらいですね。」
結論。
才能は絶対的なものではなく。
簡単に相対化できるもの。
相対化すると、才能は脆くて。
反証をいくらでも通すため。
才能があるかないか、ではなく。
どのくらいのものが才能と呼ばれるのか。
ということくらい。
簡単に言えば、才能とは競争に関係するもので。
それ以外では役に立たない。
天から授かった才知と言われても。
だから、どうしたんですか、としか返事はない。
目撃談として、才能があると言われた人は。
実際以上に優れていると思い込む頻度と、その程度が激しく。
情緒不安定なのか、調子に乗っているのか、何でも競争と見なして無理に勝っているのか。
ちょっと分からない所がある。
一貫しているのは、歴史における天才の猿真似を、ずっとやっている所だけ。
国語辞典では、才能の定義はよく分からないものになっている。
才能とは何か?
競争を優位に進めるために。
あらかじめ与えられた条件のこと。
しかしよくある指摘通り。
才能が結果に結びつくとは限らない。
才能が成功には必ずしもたどり着かない。
ただし、個人的な使用については。
効果が確認されている。
才能は個人のもので。
公に使えばいいというものでもない。
シャワーに入る前に。
才能批判はある程度。
整っていました。
星弥。
「個人的には才能で説明がつかない不思議な能力を持つ。」
「集団や個人がたくさんいたこと。」
「その人達が最前線で活躍していることが目立つことかな。」
小刹。
「才能の定義に入っていないのに。」
「他人から才能があると言われている人達に。」
「圧勝しているとか、よくありますね。」
琉輝。
「才能であると説明付けしても。」
「その説明付けが通用しない人々が明らかにいるし。」
星弥。
「才能は競争で有利に立つために与えられた。」
「何かしらの好条件としか定義できない。」
小刹。
「競争に勝つためだけに与えられて、駆使するのですか。」
「貧しくはありませんか。」
琉輝。
「競争のために天才がいるのなら。」
「天は人に競争を望んでいるだけ。」
小刹。
「競争を人に要求するのですか。」
「あまり平和的には思えませんが。」
星弥。
「何でも才能であると説明することはできない。」
琉輝。
「才能なんて呼んでも、明らかに定義から外れる人がけっこう出ます。」
小刹。
「競争のために生まれたの?ふざけてんの?馬鹿なの?」
星弥。
「平気でヒャッハー!とか言っている人の方に、すべてが味方する。」
琉輝。
「実力で攻めないのね、理論で攻めるのね。」
星弥。
「哲学者、歴史家。」
「E.H.カーによると。」
「ことわざ。」
「力は正義なり。」
「力を矮小化しない限りは現代でも有効。」
今回、シャワーは各自、ひとりで。
更衣室。
星弥ちゃんが入ろうとすると。
小刹ちゃんが来て。
裸体を触られました。
星弥。
「そんなに好きなんですか。」
小刹。
「私も触ってね。」
琉輝。
「私の裸体は興味ないの?」
星弥。
「え?えっちなことされたいの?」
小刹。
「別に望み通りにしてあげてもいいわよ。」
琉輝。
「遠慮しておきます。」
次に入るのは小刹ちゃん。
更衣室で脱ぐと。
なんと星弥ちゃんに裸体で押し倒された。
満足したので解放しました。
小刹。
「お風呂に入る前は抵抗できないから、たまらない。」
星弥。
「まだ少女の体つきですので、たまらないなあ。」
琉輝。
「そのままえっちなことしてあげれば?」
星弥。
「それは好みではないのですよ、ちょい百合プレイが趣味なんですよ。」
次の番。
琉輝ちゃんが更衣室で脱ぐと。
星弥ちゃんと小刹ちゃんがやって来て。
琉輝ちゃんは撮影されました。
星弥。
「色っぽい体ですね!」
小刹。
「うわあ!やっぱりスタイルが抜群!」
琉輝。
「女性に評価されるのは嬉しいものです。」
星弥。
「これって筋肉なんじゃない?」
小刹。
「そうですね、意外と鍛えていますね。」
琉輝。
「私といいことする?」
星弥。
「今近寄ると何されるか分からないね。」
小刹。
「もう少し遠ざかりましょう。」
琉輝ちゃん。
その後は、普通に出てきた。
琉輝ちゃんのボディタッチが、今夜はとにかく多い。
琉輝ちゃんはボディタッチが好き。
就寝時刻まで。
オンラインゲーム三人で。
ミドルスペック・ゲーミングデバイスで。
アクションゲーム。
今回、偶然いた。
体力無限のチート野郎を。
ステージから突き落として倒しました。
チートを使っているプレイヤーは撃破が可能です。
チート野郎、ゲームスキルは一貫してかなり下手なので。
上位ランク帯なら、そこそこ勝てます。
チート野郎は追放されました。
勝っている所で終わりにして。
三人、布団で寝ますが。
小刹ちゃんが近寄ってきて。
星弥ちゃんと同じベッドで寝ました。
琉輝ちゃんは敷布団。
早朝は、朝食を終えたら。
家事をしてくれて。
すぐに小刹ちゃんは登校。
琉輝ちゃんは、しばらくして出勤。
星弥ちゃんは、自分の占いで利得が出るか。
株や競馬で小銭を賭けて、トレーニングしています。
夕方は小刹ちゃんが来れそうですね。
琉輝ちゃんは、仕事の内容次第です。
特に何もない日常ですが。
逆にいろいろある日常は迷惑ですね。
身内の依頼を今日も引き受けまして。
両親は現役で、一騎当千をしています。
財産を持っている女性は、結婚をすると大損をする。
世界がそう作られているからと言って。
従う理由にはならない。
人間はいろいろと従い過ぎ。
エーリッヒ・フロム。
反抗と自由。
12にて。
反抗することができない人間は奴隷である。
反抗だけできて、服従ができない人間は。
反逆者(革命家ではなく)である。
22
社会心理学が面白いほど通用するので。
社会心理学の本を取り寄せては。
二人で分配していました。
学校は、単なる学童の集まり。
会社は、利害と目的が一致した集団。
単なる集まりを集団と呼ぶと。
間違っているためか、おかしなことになりますね。
集団生活ではなく、集まりの生活。
教師に従うと、容易に群衆心理に陥る。
下校時から。
それで討論しては。
上の意見を目指していますが。
ファシズム研究の権威「ビヒモス ナチズムの構造と実際」が何故か書庫にあり。
フランツ・ノイマンの書籍は希少本なので。
これと一緒に並べて、読んでいますね。
星弥。
「同調は、集団によってかなり違いますね。」
小刹。
「あまりにも違いが出ますね。」
星弥。
「同調があるから、自分の考えに従え、とか。」
「そんなローカルルールが通用すると思いますか?」
小刹。
「しませんね、同調と言えば、どこでも通用すると思い込んでいる。」
星弥。
「集団に依存するのが同調ですから。」
「同調圧力とか、社会心理学については無知なんですね。」
小刹。
「適当に同調圧力と言えば、他人を従わせられると信じるとか。」
「馬鹿ですね。」
星弥。
「そんなこと言えば、同調で悩んでいる人々を全員、敵に回す。」
小刹。
「自分から敵を作ることはないかと。」
星弥。
「付和雷同を美化するなんて、頭おかしいし。」
小刹。
「美しくないものを、美しくしようとして失敗する。」
星弥。
「悪い意味で古臭いですね。」
小刹。
「良い意味で古いのと、悪い意味で古いのと、私は区別していますが。」
「一昔前の世代なんて、お人よしの間抜けばかりなので。」
「大人しくしていればよろしい。」
星弥。
「しかし性善説なんて無意味ですね。」
小刹。
「性善説は使えない考え方。」
星弥。
「現代の中国人ですら信じてないから。」
小刹。
「なんであんなこと説いたんだろう。」
星弥。
「善悪二元論を出すと、性善説って、知能無いね。」
小刹。
「性善説なんて、知性、捨てたんですね。」
星弥。
「性悪説は現実が見えるけれど、性善説は幻想が見える。」
小刹。
「なんと、性善説は幻視が見えるようになる考え方。」
星弥。
「赤子が井戸に落ちるのを見たら、助けない人がいない?」
「いますよ、助けない人は。」
小刹。
「助けたら、ひょっとしたらその赤子は親が捨ててしまった直後でしょう。」
星弥。
「そして赤子を押し付けられて、役所に渡さないといけない。」
小刹。
「救助に失敗すると、お前が殺したんだろ、なんて濡れ衣を着せられる。」
星弥。
「そういう危険を察すると、赤子が井戸に落ちる前に逃げる。」
「どうせ馬鹿な母親が目を離したせいだろう。」
小刹。
「状況が孟子の説明に入っていないので、理論だけで、偽善者みたいですね。」
星弥。
「孟子は偽善者。」
小刹。
「性善説で人間を善人にしたいという欲望で説いているし。」
星弥。
「人は善人であるべきなので、善人に変えてやるというお節介。」
小刹。
「そうあってほしいという欲望が、性善説を生んだ。」
星弥。
「この世に善人はいません、性善説はいつも排除の対象ですね。」
小刹。
「お前を追い出せば、我々は快適なんですよと。」
星弥。
「性善説をこの世から追い出せば、この世は快適になる。」
小刹。
「さて、同調は、とある集団の同調と、他の集団の同調と、簡単に食い違う訳ですが。」
星弥。
「集団によって違うので、十組の集団がいれば、十組とも同調が違います。」
小刹。
「同調圧力って、全体主義みたいに振りかざしているだけで。」
「高圧的ですね。」
星弥。
「支配欲があるんだから、当然でしょ。」
小刹。
「同調圧力とか、支配欲の美化ですか。」
星弥。
「無神論者の集団と、カトリックの共同体では、同調の要件がまったく違うでしょう。」
小刹。
「そうですね、同調と言っても、カトリックの同調は正当で、無神論者の方はデタラメです。」
星弥。
「なんでこんな初歩的なことも分からないんだろう?」
小刹。
「私にもよく分かりません、唯一分かることは。」
「過去にホーキング博士がタイムトラベラーをパーティーに呼ぶ実験をしたことで。」
「日本の中年野郎達の頭がズレてしまったとしか、言いようがありません。」
星弥。
「なんですと、それは大変ですね。」
小刹。
「あと、人工ブラックホールを作ろうと、装置を動かしたせいで。」
「ホーキング放射が確認されましたが。」
「それによって一部の中年野郎の頭が歪んでしまったとしか言いようがありません。」
星弥。
「それは大災害になりましたね。」
小刹。
「もうひとつ考えられるのは、大型ハドロン衝突型加速器を使って。」
「ビッグバン直後を人工的に作り出す実験をしたせいで。」
「中年野郎の集団という概念が、壊れてしまったとしか言いようがありません。」
星弥。
「大惨事ですね、ひどい事故です。」
実例。
聖書は徹底した性悪説である、これは牧師の言葉。
(自国民)日本人は、無自覚に性善説を支持している傾向にある。
性善説を教えられて酷い目に遭ったので。
性悪説に乗り換えたんですね。
というか、聖書の性悪説が、あまりに理にかなっているので。
驚愕しているほど。
小刹ちゃんは歩いて帰りました。
夕方が近づく。
起動。
テレビ番組。
芸能人が、船で釣りをする企画。
いつもの通り、得意げに語り。
得意げに芸を披露して。
見世物を作っていた。
芸能人。
「お前ら、ついて来いよ。」
芸人。
「ぴったりついて行きます。」
道化師。
「どこまでもお供します。」
司会。
「何か軍隊みたいな集まりですね。」
芸能人。
「俺達の業界って、いつもこうなるんですよ。」
司会。
「どうして?」
芸能人。
「前の人と同じように入って、それを引き継いでいるから。」
芸人。
「まあ悪い所も引き継いで、続いているんですけれどね。」
道化師。
「上の人にいろんな権利を握られる仕組みなので、どうしようもないですよね。」
漁師。
「こらこら、私語は慎むように。」
芸能人。
「そうだぞ、駄洒落にしては、あまり高得点ではないね。」
漁船に入ろうとした芸能人。
司会。
木の板が弾いて。
芸能人、海に転落。
司会。
「うわあ!」
芸能人。
「ぎゃあ!」
芸人。
「おや、旦那様、僕もすぐについて行きます。」
芸能人。
「お前はついて来るな!」
道化師。
「いや、さっきついて来いって言っていたので、俺もついて行く。」
芸能人。
「こら!飛び込むな!あの世までついて来る気か!」
司会。
「ああ、これ駄目だね、いい人生だったよ!」
漁師。
「一分ください、何とかします。」
次のシーン。
さっきの集い。
何事もなかったかのように復帰している。
これも演目だったのかな?
事故も見世物ですか?
テレビの電源を切って。
夕方のニュース視聴。
ウェブニュースと比較してみる。
外に出る。
夕方。
庭を掃除していて。
花や、庭に植えてある野菜。
果物に水をあげていて。
隠れている野菜は大型化している。
水やりを終えて室内に戻ろうとしている時。
後ろから抱き着かれました。
星弥。
「ひゃあ!なになに?」
琉輝。
「私です、いつもの私です。」
星弥。
「琉輝ちゃん!」
琉輝。
「くすぐる、くすぐらせて。」
星弥。
「うわっ!そこはだめ!」
琉輝。
「くすぐったい?」
星弥。
「ああ!そんな!」
琉輝。
「ここもくすぐったい?」
星弥。
「あっ!ちょっと!やめて!」
琉輝。
「やっぱり女性の体を触るの好き。」
星弥。
「今回のは激しかったわ。」
琉輝。
「所で、強姦やらない?」
星弥。
「なんですかそれ?」
琉輝。
「負けた方がえっちなことされるゲーム。」
星弥。
「ひょっとして、強制参加ですか?」
琉輝。
「久しぶりに対戦しようよ!」
星弥。
「なんか今日、はしゃいでいますね!」
琉輝。
「あの親父が、知り合いや同業者から贈られた。」
「女性用の着物やドレス、メイド服、民族衣装とか。」
「まとめてこっちに送ってきたのよ。」
「向こうの母親は着ないから、サイズも合っているからとか。」
星弥。
「それで、着せ替えを楽しんでいる最中なんですね。」
琉輝。
「それで、改めて思ったら、こんなに素敵な女の子、他にいないなって。」
星弥。
「それは否定しませんが、何か企んでいるの?」
琉輝。
「襲ってから、あなたが負けたら、脱がして、持ってきた服を着せる。」
星弥。
「襲わなくても、いつも着せ替えはやるじゃないですか。」
琉輝。
「ちょっとえっちなことしてから。」
星弥。
「なるほどね!」
負けたら強姦される対戦が開始されました。
星弥ちゃん対琉輝ちゃん。
押し合ったら。
お互いに吹っ飛んだので。
星弥ちゃんは逃げながら戦うことに。
琉輝ちゃんは突進しますが。
倉庫の裏にあった網の罠に引っ掛かり。
琉輝ちゃんが捕獲されまして。
あっさり終了。
琉輝。
「何、覗いてんのよ、えっち。」
星弥。
「覗いちゃだめなの?」
琉輝。
「そうですね、ちょっとならいいかな。」
星弥。
「はいはい、手を縛りますよ、しばらくの間です。」
琉輝。
「こんな罠、いつの間に仕掛けていたの?」
星弥。
「招かれざる客に襲われた時に、こうやって逃げると、楽に勝てるから。」
琉輝。
「ちょっとこういうプレイもいいけれど、私が引っかかって良かったね。」
星弥。
「今日、どうしたの?」
琉輝。
「何か、女の人の写真や画集を見ていたら、もう止まらなくなって。」
星弥。
「なるほどね、私で良ければ、受け止めてあげますよ。」
琉輝。
「血縁が無かったら、どうしたのかな、私は。」
星弥。
「決まっていますよ、女性二人でホテルでしょうね、二人きりで。」
「片方が風俗嬢かもしれませんが。」
屋内に連行。
琉輝ちゃんが持ってきた服を暴くと。
ミニスカートばかりです。
撮影用として割り切って。
保管することに。
琉輝ちゃんが拘束中に。
着替えてみました。
星弥。
「ミニスカートとニーソックスですか。」
「ううむ、悪くないけれど、これで外を歩くのは嫌だなあ。」
琉輝。
「きゃあ!なんて美少女なの!似合っている!」
星弥。
「すぐ中が見えそうだし、太ももが目立つから。」
琉輝。
「それでいいのよ、色っぽいから。」
星弥。
「もうちょっとあなたに見せますね。」
琉輝。
「素敵!覗いてみたい!」
星弥。
「あなたも満足でしょ。」
「ちょっとミニスカートとニーソックスと、こういうセット衣装。」
「個人的にも室内で着たいので。」
「貰いますね。」
琉輝。
「外は歩かないの?」
星弥。
「無理です、見た目と実用性の差が出過ぎです。」
琉輝ちゃんを解放しました。
夕食は、業務用のラーメンがあるので。
調理する予定ですが。
やはり琉輝ちゃんが覗いてきて。
いきなり抱き着いて、押し倒されました。
星弥。
「私のこと、そんなに性的に見ているの?」
琉輝。
「あなたしか、こんなに魅力がある女の人はいない。」
星弥。
「口説いていますか?」
琉輝。
「口説いています。」
星弥。
「受け取っておきます。」
琉輝。
「キスさせて。」
星弥。
「別にいいですけれど。」
琉輝。
「いけない所に手を入れさせて。」
星弥。
「嫌です。」
琉輝。
「えっちなことしようよ。」
星弥。
「他に相手がいないんですか?」
琉輝。
「私は相手に困ったのかなあ。」
星弥。
「ちょっと、何を触っているんですか。」
琉輝。
「もう満足です、あなたは?」
星弥。
「この格好は落ち着かないので。」
「着替えますね。」
琉輝。
「どうだった?」
星弥。
「たまにはいいのですが、娼婦みたいに見られそうで。」
「一人の時に部屋着にしたいものです。」
琉輝。
「良かった、私も満足、いっぱい触った。」
星弥。
「さてと、お楽しみの後は清算が待っていますよ。」
琉輝。
「あっと!確か、どちらか一方がえっちなことするのは面白くない。」
「でしたよね!」
星弥。
「いい記憶力ですね!」
琉輝。
「ちょっとこの後、用事がありまして。」
星弥。
「少しくらい、延長しなよ。」
琉輝。
「抵抗しなきゃ!」
しかし、大きな網を投げられて。
再度捕獲された琉輝ちゃん。
拘束されると。
星弥ちゃんは琉輝ちゃんの上に乗って。
ぐりぐりしたり。
ぺちぺちしたり。
思いっきりぎゅーしたりしました。
琉輝ちゃん恥ずかしくて真っ赤になる。
星弥ちゃんは満足して解き放つと。
琉輝ちゃんは無言で逃げました。
逃げ去った後。
星弥ちゃん。
琉輝ちゃんがプレゼントして来たミニスカートとニーソックスを再度、着まして。
就寝まで、着替えなかったようです。
朝のメール。
昨日は楽しかったね!
意外と調和している?
今日は、貸している土地から料金が引き出されます。
常に貸している状態にしないといけない。
それでまたもや大金が入ったのですが。
星弥ちゃんは、かつての追放されたセネカみたいに。
禁欲的で、田舎暮らしが好きで、読んだり、書いたりするので。
使う所がない。
その使うべき所は、小刹ちゃんと、その友人が知っていたりします。
金庫には金貨が溜まっています。
自宅に戻り。
予定表を見ていると。
玄関に誰かいますね。
小刹。
「いますか?」
星弥。
「あれ?学校は?」
小刹。
「野外実習とやらで、サボっている。」
星弥。
「さすがに丸分かりでは?」
小刹。
「医者の診察を受けていれば、どうかな?」
星弥。
「おお、私も同じことをしましたよ。」
小刹。
「何の病名が適切かなあ?」
星弥。
「怪我でいいんじゃない?」
小刹。
「一週間前から、テーピングの演技しておいて良かった。」
星弥。
「まあまあ、私と一緒にトレイルランニングをしたから、なんて言えばよろしい。」
小刹。
「トレイルランニングについては趣味にしていると、既に伝えている。」
星弥。
「それでは私が診療所に送ってあげますね。」
小刹。
「母親は賛同してくれた。」
星弥。
「あの医者は私が行けば、有利な診断をしてくれます。」
「しかし書類は偽造できないけれど、証言ならできます。」
小刹。
「父親は、あなたの所に行けば無料になるから、なんて言っていた。」
星弥。
「その通り、安いものですよ、さあ行きましょう。」
その途中。
一般道路にて。
自動車で運転中の琉輝ちゃんと遭遇。
道路の脇に停車して。
空港に行く途中ですね。
どうやら、観測機で。
台風を直接、見に行くようです。
災害研究助手で、衛星電話の係をしていて。
想定以上の台風通過になる場合。
大型無線機で、各地の無線を中継する予定。
観測機が飛ぶまでは、まだ余裕がある。
小刹。
「昨晩はお楽しみでしたか。」
琉輝。
「ええと、成り行きでそうなってしまった。」
星弥。
「本当はプレゼントを持ってきたんですよ。」
小刹。
「プレゼント?人形にかけていたミニスカートとニーソックス?」
琉輝。
「似合うかなって。」
星弥。
「人前に出たり、外を歩くと、目立つし、恥ずかしいから、部屋着にした。」
小刹。
「なんで私の星弥ちゃんを独り占めにするの?」
星弥。
「え?見たいんですよね?」
琉輝。
「この後、見れば?」
小刹。
「ちょっとドキドキします。」
すぐ、解散。
星弥ちゃんが小刹ちゃんを連れて。
診療所、医者は何かを疑った。
これ心疾患ではと。
先ほど、ミニスカート、ニーソックスの組み合わせを聞いたので。
それから、ずっとドキドキしている小刹ちゃん。
心疾患の疑いという、診断書を手に入れてしまった。
そして帰ると。
星弥ちゃんがとうとうミニスカート・ニーソックスになり。
小刹ちゃんはとても満足しました。
小刹ちゃん、翌日学校に診断書を渡しました。
診断名、心疾患の疑い、要検査。
ズル休みが、正当なものになり。
代わりに人間ドックに行くことになりまして。
そのすぐに予定されていた。
またもや面倒で無価値な学校行事をスルーできて。
ルールの抜け穴を奇跡的に突いて。
小刹ちゃんは回避に成功して。
好みの女性の着せ替え、戯れまでして。
良い所だらけでありました。
子供の無知・脆弱性を不法利用しているつもりの教師は。
陰で行われている遊技はまったく知らず。
形骸化している教育の中で、最も形骸化している学校行事は。
これにて完封となりました。
23
回覧板を運んでいて。
戻ってくる途中。
何者かがお触り、簡単に言えば強姦を仕掛けようと。
尾行して来ましたが。
自宅の裏口付近にある落とし穴にはまって。
不審者、自滅しました。
しかし来訪者。
若い女性で。
娼婦みたいな服装をしています。
風俗嬢?
接近。
風俗嬢。
「こんにちは、あなた、何か発散したいことある?」
星弥。
「あなた、噂の風俗嬢ですね。」
風俗嬢。
「予約入れない?」
星弥。
「美形のようですが、私はそれが趣味ではないね。」
風俗嬢。
「気が向いたら、私の所に来てね。」
星弥。
「私のことを調べて、渡って来たね?」
風俗嬢。
「あなた、私をいくらで買ってくれる?」
星弥。
「営業ですか、女性相手ならもう足りているので。」
風俗嬢。
「どこの店よ!」
星弥。
「地元です。」
風俗嬢。
「どこの女よ!」
星弥。
「昔から通っているいい女です。」
風俗嬢。
「そんな!私が売り上げ一番、最優秀賞の女なのに!」
星弥。
「私は確かに女の人が好きですが、ちょっとあなたのような過激な人は。」
「向いてないです。」
風俗嬢。
「そう言わないで、私は女も男も、どっちも好きなのよ!」
星弥。
「誘い方が強引ですね、誘惑しないの?」
風俗嬢。
「あなたが、大島に住んでいるから、なかなか誘えないのよ!」
星弥。
「私のようないい女がいるから、いろいろして、購入してくださいと?」
風俗嬢。
「簡潔に言えばそうね、何が好み?」
星弥。
「いいえ、もう普段ので満足しているので。」
風俗嬢。
「私なら、もっと気持ちのいいのとか、嬉しいプレイは簡単よ。」
星弥。
「あなたのような美形も好きなんですが、内容がちょっとね。」
風俗嬢。
「ここまで押しても、私と何もやりたくないわけ?」
星弥。
「そんなに種類が多いんですね、そこまで望んでないです。」
風俗嬢。
「まったく!無駄足だったわ!」
星弥。
「あなたとやりたいと思われる女性なら、この辺にいますが。」
風俗嬢。
「あの理由不明の金持ちのお嬢さんでしょ!」
「さっき行ったら断られたわ!」
星弥。
「美形で、いろんな経験があって、テクニックもあるのに残念でしたね。」
風俗嬢。
「まったく!気が向いたらいつでも遊んで頂戴!」
「誰かに八つ当たりしたいわ!」
星弥。
「この裏口で、落とし穴に勝手に落ちてもがいている。」
「無様な男性なら、ぶっ殺しても問題ないと思います。」
風俗嬢。
「どうしてなの?」
星弥。
「私をレイプしようと尾行したせいで、私の罠にかかったから。」
「あなたがぶっ殺して、通報したら、通報者の方が不利だから。」
風俗嬢。
「どこにいるのよ!」
星弥。
「そこの裏です。」
風俗嬢。
「そこの裏ね!女王様がお相手よ!」
「女の人にレイプされる覚悟はよろしい!」
愚人。
「ああ、しくじった、やっと抜け出したけれど。」
「あれ、この美形の人は誰ですか。」
風俗嬢。
「さあ、私の培ったテクニックで遊んであげるわ!」
愚人。
「ぎゃああああ!風俗嬢だ!」
風俗嬢。
「逃がさないわよ、八つ当たりのターゲット!」
愚人。
「なんでこうなるんだ!」
レイプに失敗していた男性。
逃げようとすると。
初動が悪くて、足を引っかけられて。
転倒。
足払いが得意な風俗嬢。
寝技をかけて。
男性を痛めつけた。
体幹(バランス)について。
格闘戦では、相手の足運びによる。
バランス(体勢)に注目しましょう。
実はそれだけで、素人相手に圧勝できます。
崩れていれば、投げ技や突き飛ばしが有効で。
打撃なども簡単に入ります。
向かってくる相手は、走ってくるか、歩いてくるか。
二通りなので。
あらかじめ体勢が崩れています。
そのため、技を仕掛け放題です。
逆に、止まっている相手はまったく崩れていないため。
崩すのはやや苦労するでしょう。
素人は、戦闘中に、バランス(体勢)を頻繁に崩すので。
その弱点を集中狙いすると。
殴打なし、打撃なしでも倒すことができます。
余裕があったら、投げ技だけで倒してみましょう。
悲鳴があるが、無視。
しばらくすると。
何も聞こえなくなり。
風俗嬢が帰っていき。
何も知らないおばちゃんが男性を救助。
夫婦喧嘩だと思われてしまって。
時間経過。
状況が終わってしまった。
日の入り。
揃って夕食の予定。
夜。
しれっと集まる。
星弥。
「男性が何でも優れている考え方を。」
「男性優位思想と呼びます。」
「これは犯罪心理学でよく出ます。」
「男性優位思想とは。」
「ドメスティックバイオレンス男が持つ特有の思想で。」
「男性ばかりの職場にいたりすると。」
「男性優位思想に感化されがちで。」
「度合いが酷いと、性犯罪の正当化に使われますね。」
「男性優位思想に根拠はありません。」
琉輝。
「ドメスティックバイオレンスで出てくるものですね。」
「男性は何でも優れていて。」
「男性は女性を暴力で支配してもいい。」
「そして女性はそれを受け入れるべきだ。」
「などと言う理屈ですが。」
「もっと定義が広いと思われます。」
小刹。
「どちらにしても、犯罪者が、逮捕される前に。」
「調子に乗って考える思想ですよ。」
琉輝。
「そのような傾向のある男性なら、少なくないと思います。」
星弥。
「ドメスティックバイオレンスの条件が。」
「もっと定義が広く、男尊女卑にも適用できる。」
「普遍的にある思想として考えると。」
「行動としてのドメスティックバイオレンスではなく。」
「思想としてのロジカルハラスメントでは、よくあるでしょうね。」
琉輝。
「男性優位思想を振りかざすのなら。」
「女性に負けた男性はもはや存在価値はなくて。」
「さっさと戦争捕虜になるか。」
「自害しなければ。」
「彼らの理論は成立していませんが。」
小刹。
「そもそも勝負すらしていないのに。」
「勝負する前に架空の対戦をでっち上げて。」
「男性優位思想を名乗るのは。」
「あまりに馬鹿げています。」
「何回、その男性は女性と対戦しましたかね。」
「一回か、そもそも一度も競っていないと思います。」
星弥。
「男性優位思想の脆弱性は。」
「女性に負けることを考えていない上に。」
「統計か、想像か、自分を基準に。」
「女性の力を計算する所ですが。」
「別に競走したとか。」
「勝負したとか。」
「そんなことがまずないという所で。」
「競ってもいない相手が劣っていると断言して。」
「信じ込む所ですね。」
小刹。
「競ってもいない相手が劣っている?」
「変なことを言いますね?」
琉輝。
「性犯罪者は、考え方から、女性が劣っていて。」
「暴力で女性を支配してもいいと思っているので。」
「性犯罪を思考の中で正当化して。」
「実行するんですね。」
星弥。
「他の男性にも勝てないのに、男性優位思想とか、お笑いですが。」
小刹。
「女性に敗北した男性優位思想の男性は。」
「もはや生きていても無意味だと思いますが。」
星弥。
「結局、路上で狙いやすい女性を攻撃するのですが。」
「それってたまたま無防備で非力な個人を狙うだけなので。」
「自分より遥かに弱くて、簡単に勝てる相手を狙っているだけなので。」
「男性優位思想とか、結局は、自分より強い女性には挑まない。」
「男勝りな女性には接近すらしないという。」
「弱者の男性によく見られる考え方ではあります。」
小刹。
「問題は、よく見たら男性優位思想が少年の間で共有されていて。」
「知らないうちに、どうやらそんなものが蔓延っていますね。」
星弥。
「対等な条件で、いざ尋常に勝負!なんてやらずに。」
「弱者の男性が、勝てそうな女性を攻撃するとか。」
「笑われますね。」
「他の男性にも笑われます。」
琉輝。
「男性らしさで犠牲になる男性もたくさんいますからね。」
小刹。
「偶然、そうなった男らしさなんて捨ててしまえ。」
星弥。
「男らしさ、よく考えると時代遅れ、悪い意味で時代遅れ。」
小刹。
「今日も、勝手に作られた男らしさの犠牲者が増え続ける。」
琉輝。
「私達は無関係ですけれどね。」
星弥。
「勝手に作られた女らしさで、少しは公害を受けていると思いますが。」
琉輝。
「その女らしさ、根拠はないですね。」
小刹。
「男らしさって何?そんな思想でもあるの?」
琉輝。
「女らしさにも、何か客観的なものもないし、思想としてまとまっている訳でもない。」
星弥。
「過去から続いてくる女らしさが嘘なら、私はこれから自分で女を作ってみようかな。」
小刹。
「男らしさも、過去から続いている、男性は若い時からそれに汚染される。」
「高みの見物ですけれどね。」
琉輝。
「男らしさ、女らしさって、どっかにまとめて書いてあるの?」
星弥。
「さあ?男らしさ、女らしさの百科事典なんて、どこにも売っていませんが?」
小刹。
「勝手に蔓延して、勝手にそれを基準にしている?」
琉輝。
「なぜそんな気体みたいなものに振り回されているの?」
星弥。
「空気みたいなものに、何か測定器を当てれば、男らしさ、女らしさが科学的に観測できるわけ?」
小刹。
「男らしさ、女らしさ、偶然によるもので、そう考えられている以外の根拠はありません。」
星弥。
「せっかくのニヒリズムなんだし、リセットしてしまえ。」
琉輝。
「裏切れる時に、裏切っておかないと、後々どうなるか分からないし。」
小刹。
「男らしさ、女らしさを神に求めるのは、どうなる?」
星弥。
「どの神話にも、そんなこと書いてない。」
琉輝。
「そう言えば人生観はどこの聖典にも書いていませんね。」
星弥。
「そんなこと書いたら、滅茶苦茶になるからでしょう。」
小刹。
「男らしさ、女らしさの基準は?あるの?基準は?」
星弥。
「基準はないです、ないので、変更も削除も改変も可能です。」
琉輝。
「特に何かを基準にして、男らしさ、女らしさが伝えられている訳でもない。」
小刹。
「男らしさ、女らしさという嘘に、騙されている訳ですね。」
星弥。
「人間は、勝手に男らしさ、女らしさを作って、そのせいで苦しむ。」
「傑作ですね。」
小刹。
「男らしさ、女らしさについて、逆に何を根拠にすればいいのか分からないね。」
琉輝。
「反対に言えば、男らしさ、女らしさなんて、何に基づいて考えればいいのか、分からないね。」
星弥。
「男らしさ、女らしさとは、どこの教典にも書かれていない。」
「空想の中の考え方であり。」
「そう考えられている以外の論拠は何もない。」
「空っぽの主義主張ですね。」
小刹。
「今では誰でも論破できるような、薄っぺらい主義主張ではあります。」
星弥。
「そんな主義主張をまとめた本を出したら、アダルトのコーナー入りは確実かと。」
琉輝。
「男らしさ、女らしさがどうたら言うのなら、どっかにまとめて書いてください。」
「書いた所で、誰も見ないし、誰からも笑われると思います。」
「そして運営に削除されると思います。」
夕食は。
いつものレストランが使う冷凍食材の横流しにしました。
専用の工場で作られて。
レストランで調理して使うものですが。
少しばかりは、横流しができるという訳で。
高いながらも、引き受けてくれるので。
両親が、けっこうな頻度で送ってきますね。
いつもの解散の時刻。
村長の家から歓声がする。
近寄ってみると。
丸太の上に絞首台みたいなものがあって。
紐も刃もありません。
なんでしょうね。
星弥。
「これは何ですか?」
村長。
「これは咬ませ犬になってくれた人に対するお約束です。」
農民。
「定期的に出てくる咬ませ犬を、縛り付けて。」
「面白がる悪ふざけですよ。」
部下。
「ちなみに、向こうにあるのは岩盤です。」
「引き立て役になった人を、あそこに埋め込ませるために使います。」
星弥。
「それはお約束ですね。」
婦女。
「こうやって、お約束を待っている人々がいるんですよ。」
少年。
「咬ませ犬、引き立て役万歳!」
青年。
「咬ませ犬万歳!引き立て役万歳!」
星弥。
「面白い遊びをしますね。」
小刹。
「実際、そんな人が登場するんでしょうね。」
琉輝。
「それなら、いつものお約束で、あの儀式が決まっているんですよ。」
戻って来ました。
駐車場にて。
庭が広い。
琉輝ちゃん、四輪駆動の自動車に乗り換えたというので。
超信地旋回を見せています。
四輪駆動なら河川の中に侵入可能です。
荒地の走破を訓練している。
高級車よりも実用性なんですね。
ちょうど。
スポーツカーが大島を一周していて。
これを目撃して。
運転技量の差が分かってしまい。
減速してしまった。
訓練、鍛錬で獲得した能力と。
先天的な能力と。
どちらが優位なのか、という話題になり。
先天的な能力では得られないものが多い。
ということに気づいた。
才能のある人は何かしら欠陥があり。
増長、依存、怠惰などが代表。
才能の実用性について。
疑いが出た。
星弥。
「中途半端な才能と、平凡の人が生涯得る利得は、どっちが大きい?」
琉輝。
「平凡な人が生まれつきの才能のある人に対抗を?」
「はて、単純な生きやすさなら、平凡な人に利がありそうですが?」
小刹。
「平凡な人に分がありそうですが。」
琉輝。
「中途半端ですと、何にも使えない人材になりそうですね。」
星弥。
「才能と呼ぶと、その人が万能みたいに思われますが。」
「実際は、何の分野の才能なのか、まったく示していない。」
琉輝。
「才能ですか、まだ万能な人の真似を、世間は続けている?」
小刹。
「平凡な人は、難易度が生まれつき低いのでは?」
「収益も安定するし、無駄な敵も出て来ないし。」
星弥。
「そもそも鍛錬と言いますか、トレーニングを怠っておいて。」
「相手は才能があるからだとか非難する、ちょっと無理がある言い分ですが。」
琉輝。
「あることをしないことが不正になる。」
「鍛えないから、競えないという不正になる。」
星弥。
「ただ自分の力を才能と呼ぶことしかできない。」
「デクの棒に何ができるのか?」
琉輝。
「みんな才能を引き合いに出すことしかできない。」
「哀れだな。」
星弥。
「しかし才能才能才能ですか、嫌いではないですよ。」
「その考えはね!」
小刹。
「フットボールのジュニアユースなんて酷いもので。」
「日本各地から才能のあるプレイヤーが集まってくるので。」
「最後に契約してデビューする人は少数らしいですね。」
星弥。
「私達が批判するのは、使用用途がない才能ですが。」
小刹。
「どこにも使えない才能で、威張られてもね。」
琉輝。
「たまたま競り勝った内容で、才能ですよと、説明になっていないから。」
小刹。
「なぜ能力のせいにするのだろう?」
琉輝。
「才能だけが人の価値を決めるものではないでしょう。」
星弥。
「才能は実際の所、内容で圧倒しても、まったく決定打にならない。」
「それが多発しますが。」
琉輝。
「個人の目的に貢献しない才能は、あるだけ無駄ですよ。」
小刹。
「何か目的があって才能があるのなら、わかりやすいものですが。」
「意味もなくたくさん才能があって、喜ぶ人はいますかね。」
星弥。
「目的を達成するには、才能があると楽ですが、そのための条件が。」
「いつしか特権のように一人歩きしてしまった。」
琉輝。
「鍛えている途中で、発見や発明をして、理解したのが、球技における天才ですね。」
小刹。
「文学は最悪で、評価する人や、比較対象によって大きく左右される。」
「野球みたいに、試合で相手に圧勝できるとか。」
「格闘技みたいに、チャンピオンを倒すとか、それがないので。」
星弥。
「世人の言う才能って、その人を万能と見なして、特権を得た人のように。」
「何の目的もない行動の一部始終を、二文字で表現しているだけ。」
小刹。
「目的を持たない才能なんて無意味ですな。」
琉輝。
「少なくとも、莫大な収益をもたらす、球技における優勝者は。」
「天才といくら呼んでも問題にならない。」
星弥。
「才能、才能、言い過ぎて、それでは内容は?」
琉輝。
「役割の違いを才能と呼んで、攻撃することはないかと。」
小刹。
「チャンスは平等なので、才能のある人を倒しても間違いにならない。」
星弥。
「才能のある人を、何かの分野で負かしたら、いくら勝者が平凡でも。」
「本物でしょう。」
琉輝。
「才能と呼ばれた人の実際の姿、行動、日常生活くらい予想すればよろしい。」
小刹。
「才能はやっぱり、物わかりの良さ、なんですね。」
星弥。
「才能とは、競争を前提にしたものですからね。」
「才能で競争しろと言われても。」
「私の上官は天の所にいます。」
「指図は受けない。」
小刹。
「私は才能のある人を負かすことは禁忌だとは思わない。」
「我々も世間も、どちらも間違っていないということですね。」
琉輝。
「あまりに多くの分野に才能があると、暴走して、何をしていいのか分からなくなる。」
「私は才能については、まったく知らないし。」
「自分の目的と一致しないのなら、辞退するだけです。」
新車披露ということで。
ちょっと、遊びたくなって。
一時間。
夜のドライブに出発。
三人乗りなので、全方位が見える。
さっきから、同じ車と遭遇するので。
地元の人しか分からない道を通ると。
さっきの車は事故を起こしていて。
何者だったのでしょうか。
どうやらライブ中継している。
社会正義戦士で。
運転技量で負けて。
追跡中に何かに乗り上げて。
車体転倒。
事故の現場を映してしまったせいで。
視聴者がいなくなりました。
世直し系ユーチューバーらしいのですが。
世直しなんて誰も頼んでいないし。
そもそも世の中はそこまで乱れていない。
自分の営利活動を、世直しと称しているだけで。
目的はお金稼ぎでしたね。
手段があるだけ。
直す?直すって、高慢?
それよりも。
世人は確かにおかしな人々です。
未来が不合理なものになるとは思えないと。
それでは未来の合理性について。
端っこに座っている観客になりますかね。
雑談中。
人間を人間が直すとは、矛盾しています。
星弥。
「善人に変えることは、良くなることではないし。」
「矯正でもないし、治療でもない。」
小刹。
「無理に善人なんかにすることは、直したことにならない。」
琉輝。
「善人になれとか、それで欠点を無くしたつもりでしょうね。」
星弥。
「ある人の欠点を、誤っている思想で直そうとすると。」
「どこかで反逆が起きて、殺し合いになるでしょうね。」
小刹。
「もっと最悪なのは、その人を直そうとして、洗脳で変な思想に感化させ。」
「直したことにする。」
「洗脳が解けたら、元に戻るだけで。」
「場合によっては、やられたことに対する報復が無限に続く。」
琉輝。
「何か悪い所があるからと言って、誤った方法では。」
「直る所か悪化して、その復讐で大惨事になりますよと。」
星弥。
「空想で作った資格で、他人を直そうなんて傲慢ですね。」
小刹。
「教員免許は空想で作りました、なんですかそれ。」
琉輝。
「変な考え方で洗脳すればするほど、解けた時、内容に故意に違反して。」
「自由を回復しようとするに決まっています。」
小刹。
「悪い所を直す人の悪い所は、どうするんですかね。」
星弥。
「完璧は悪いことです、人を洗脳して完璧にするのは、もっと悪いことです。」
琉輝。
「欠点を直すために、誤っている思想に感化させる。」
「それは嘘が分かった瞬間に、裏切られますよね。」
小刹。
「前の悪い所は、本人は正当であったと見なして。」
「余計に悪くなるだけ。」
星弥。
「矯正した奴らが馬鹿だったので、矯正する必要もなく。」
「正当だから矯正されたと見なして。」
「元に戻るだけ。」
小刹。
「矯正された内容と反対の行動をして自由を回復すると。」
「自分を洗脳した相手に宣戦布告して、無限に争う。」
星弥。
「人間をまったく知らないので、誤りの修正もできないのですよ。」
小刹。
「他人に暴行をして、善人になりましょう、なんて調教しても。」
「どこかで無理が生じて、離反した途端。」
「洗脳した奴は滅ぼすべき敵になりますね。」
琉輝。
「直そうとした内容が、まったく健全であったりすることも。」
小刹。
「どっかの愚か者からは、それが欠点とか、悪い所であると見えているだけ。」
星弥。
「そうやって自分の不正を見る悪人なんて信用しませんが。」
小刹。
「不正を見てくる奴は敵ですね、遠ざけます。」
琉輝。
「不正を見る限りは、教化できない、人間について何も知らないから。」
小刹。
「正常のものを直そうとする、愚者を見たことがある。」
星弥。
「洗脳が解けた時に生じる、反動が凄そうですね。」
琉輝。
「直した内容とは反対の行動を、故意に続けて、自由を回復するだけです。」
星弥。
「それは人間について何も知らないから。」
「そして人間は欠点があるのが当たり前だから。」
「結局は、直そうとする側との間にあるのは、力の優劣。」
琉輝。
「何かそんなことが昔あったような。」
小刹。
「独善的な人がいる中、そんなこともあろうかと。」
星弥。
「どこかで遭遇する可能性のあるシナリオですね。」
一周したら。
時間が厳しいので。
小刹ちゃんを自宅の近くで降ろして。
琉輝ちゃんは星弥ちゃんを家に送り届けて。
琉輝ちゃんは帰宅。
小刹ちゃん、自宅で待ち伏せされた。
しかし女の人。
美形。
綺麗なので、見惚れてしまった。
風俗嬢。
「そんなに私のこと好き?」
小刹。
「嫌いじゃないですよ。」
風俗嬢。
「あなた未成年?」
小刹。
「成人はしています。」
風俗嬢。
「私のこと知りたくない?」
小刹。
「知りたいですね。」
風俗嬢。
「ちょっと、私と出かけない?」
小刹。
「初対面の女の人と?」
風俗嬢。
「すぐに初対面じゃなくなるわよ。」
小刹。
「何が狙いですか?」
風俗嬢。
「私が気に入ったら、いつでもお店に来てね。」
小刹。
「営業ですか、興味ありますよ。」
風俗嬢。
「それなら、今からいい所、行かない?」
小刹。
「残念ですが、もう満足しているので。」
風俗嬢。
「誰と?」
小刹。
「あなたが、午前中、出会った女性ですね。」
風俗嬢。
「なんですと!あなたが!」
小刹。
「どうですか?悔しいでしょ?」
風俗嬢。
「もう頭に来たわ!少しくらい、いいことしてあげる!」
小刹。
「喧嘩ですか、久しぶりですね、もう格下ばかりで。」
「挑んでくる相手がいないので。」
風俗嬢、えっちなことをしようと。
投げ技を仕掛けますが。
小刹ちゃんがジャンプして足を避けて。
飛び掛かり。
抱きしめるような体勢のまま。
風俗嬢の足を払うと。
風俗嬢は後ろに押されて激しく転倒。
簡単にパワーの差で押さえつけられた風俗嬢は。
あまり抵抗しない。
風俗嬢。
「あなたがやるのなら、私はいいわよ。」
小刹。
「えっちな人ですね、名刺をしまってくるので。」
「ちょっと待ってて。」
風俗嬢。
「あなた、お金は持っている?」
小刹。
「待ってください。」
すると、小刹ちゃん。
花火セットを持ってきて。
それに火をつけると。
花火は爆炎になった。
小刹。
「ラウフブリッツ!」
風俗嬢。
「それが返答ですか!」
風俗嬢にそれを投げつけまして。
風俗嬢はそれを食らった瞬間。
花火が暴発しまして。
風俗嬢は慌てて逃げました。
両親、駆け付けるも。
相手が女性だったので、不思議に思って。
小刹ちゃんを家に入れました。
翌日。
星弥ちゃんとやりたくて。
風俗嬢、懲りずにまた来たので。
二万円を渡して、帰ってもらいました。
ツーショットを撮ったり。
撮影したり。
美形は無料で撮影できませんからね。
女らしさとは?作り話のことです!
男らしさとは?多数決で作られた考え方のこと!
たまたま、統計的に、または多数決で積み重なった。
偶然の話が、受け継がれて、固定されて。
一元論みたいにまとまったものですが。
時代は多元的なので。
女とは、どのようなことにもなりますし。
男とは、どのようになることも可能です。
お勧め。
女らしさの神話。
ベティ・フリーダン。
24
ヨーロッパの個人主義。
西尾幹二全集。
引用されている話。
作家の阿川弘之氏が新聞のコラムに載せたもの。
東京で裁縫店を経営している知り合いから聞いた。
実話とのこと。
女主人の店には、縫子と見習いが数人。
住み込みで働いていた。
縫子の方は洋裁学校を卒業していて。
一人前の技術を習得している。
見習いの方は中学を卒業したばかりで。
三食、小遣いつきで、手伝いながら。
洋裁を習っている。
なので、家事と雑用も、最初から約束に入っていた。
とある夕方に見習いが。
女主人に抗議した。
見習いは「人間はみんな平等なんじゃないんですか?」
女主人は「そうよ、人間はみんな平等よ。」
すると見習いは。
どうしてなのか、妙なことを言った。
見習い。
「だったらどうして、縫子さんは雑用をしないで。」
「私達が雑用をさせられるんですか。」
「平等にしてください、先生。」
女主人は、いろいろ言って聞かせたが。
その見習いはどうしてもそれが不服で。
見習いを辞めて国に帰ってしまった。
国に帰るのはその女の子の自由ですが。
むしろ笑い話になっている。
あらゆる前提条件を抜きで。
自由とか平等とかを教えた人に責任があるとのこと。
人間には役割や、職分や、機能に違いがあるという常識を教えず。
平等だけを教えた教育や社会に問題がある。
悪平等の典型として伝えられている。
第一部、進歩とニヒリズムより。
岩波国語辞典。
悪平等。
それぞれの値打ちを無視して。
形式だけ平等に扱うこと。
かえって不公平になると見る立場から言う。
定義あり。
旗日。
都市部に用事は少ないけれど。
今回。
珍しく。
都市部に。
カーフェリーで来まして。
両親が宴会を開くらしい。
夜まで。
都内をドライブしています。
走行中。
星弥。
「反出生主義、親ガチャ、の台頭により。」
「人の生まれに完璧はないことが暴かれた。」
小刹。
「この世に完璧なものなどない。」
「出生の仕組みも、完璧ではない。」
琉輝。
「完璧ではない生まれによる。」
「完璧ではない結果が多数あります。」
星弥。
「出生の仕組から、完璧が奪われると。」
「何も残らなかった。」
小刹。
「出生の仕組み?最初から完璧ではありませんが?」
琉輝。
「いくらでもケチをつけられる出生の仕組みが初めから完璧?」
「そんなことはありませんよ?」
星弥。
「反出生主義、親ガチャとは、出生の決定に完璧がないことを。」
「暴いてしまって。」
「秘密情報漏洩。」
小刹。
「全体主義と関係がありますね。」
星弥。
「全体主義はまず個人を認めません。」
「全体である何か。」
「つまりは中心を設定してしまって。」
「それに従え、なんて言いつつ。」
「個人から搾取します。」
琉輝。
「個人から搾取する割には。」
「潤うのは支配層や上層部だけで。」
「何でも徴収された個人に報いはありません。」
小刹。
「献身しても何も報われないのが、全体主義の特徴です。」
星弥。
「何々のためだとか言いつつ。」
「個人から奪うし、同調するように洗脳してくる。」
琉輝。
「その何々というのが、空間を指さして。」
「デタラメを指しているだけで。」
「その中心になるのは、何でもいい。」
星弥。
「全体主義は、何かのため、なんて言って。」
「個人をその何かのために動員させますし。」
「その場の全員がそう信じてしまっているので。」
「個人が異論を言っても、数で勝てない。」
小刹。
「独裁者は、自分が治めているとは言いません。」
「国家のためとか、何かのためとか言いつつ。」
「国民、個人に対して、いろんなものを捧げろとか言い続けます。」
星弥。
「その何か、中心になるのは、どんなものでもいいという。」
小刹。
「それで洗脳して従わせて、暴走を開始する。」
星弥。
「全体主義は、維持するのがとても困難で。」
「独裁者は、同じ状態を維持しようと、何でもやりますね。」
琉輝。
「何か問題があると、何でもいいので、何かに責任転嫁して。」
「全体主義を維持する。」
星弥。
「しかしそのうち、責任転嫁する相手の力を過小評価して。」
「敗北が訪れる。」
小刹。
「誰かが、敗北を与えてあげないと、止まらないものではあります。」
星弥。
「全体主義に本当に必要なのは、敗北であり、続行ではない。」
琉輝。
「全体主義は、個人主義を否定し、暴力で潰しにかかるので。」
「支持者が、同調していないと気が済まないし。」
「維持するためなら、どんな合法的な暴力も行いますね。」
星弥。
「同調しないのは何々のせいだ、という責任転嫁は酷いもの。」
小刹。
「しかし続けることは、そもそも無理があるので。」
「どこかで敗北して終わりを迎えます。」
星弥。
「全体主義と同じ構図なら、社会のどこにでもあるので。」
「再発しないように、復活しないように。」
「政治や学者を中心に、芽を摘んでおくんですね。」
琉輝。
「民間で、何かのためにすべてを捧げろ、なんて言い出したら。」
「全体主義が部分的に復元されているのですが。」
小刹。
「全体主義は過去の残響として残っているのですね。」
星弥。
「出生の仕組みとやらも、全体主義に酷似していて。」
「今では独裁者と同じ扱いになっています。」
小刹。
「思想は同じですね、宗教に全体主義を持ち込むな。」
琉輝。
「争いなんて、どこにもなかったんですよ。」
「誰かが、外部から持ち込んだ。」
星弥。
「出生について、昔から無批判だったのが、いけなかったんですね。」
旧国立競技場から火が上がっています。
車載ラジオによると。
武装集団が、旧国立競技場を占拠しているとのこと。
走っているうちに。
近くに来てしまった。
野次馬になりたかった。
既に警察の機動隊が取り囲んでいて。
交通規制の直前でしたね。
武装集団は劣勢です。
電話があり。
どうやら、人質に取られている中に。
身内と、同業者と、両親の友人がいるらしい。
警察が何とかしてくれると思いましたが。
手榴弾が警官隊に大量に投げ込まれて。
対戦車ロケット(無誘導)で散々に爆撃されて。
さらに、複数人によるライトマシンガンで壊滅状態になったので。
見なければ良かった警官の敗北を背後に。
立ち去ろうとしますが。
旧国立競技場にいるのは陽動で。
進路の後方に、主力が展開してしまい。
増援に来た機動隊が迅速に展開。
交通規制によって。
逃げられません。
仕方がなく、近くにあった駐車場に逃げました。
旧国立競技場の中にて。
巻き込まれた韓国人。
しかし人質にされずに。
自由に動き回っている。
脱出する機会を伺う。
ゲンナリ。
「また俗事に萎えた。」
「旧国立競技場の建築美を見ていたら。」
「何か作りがいいね。」
「夢中になっていたら。」
「一時間ほどで、変な集団が占拠して。」
「仲間と勘違いされて、雑談してしまった。」
「せっかくの観光が台無し。」
俗人。
「世の中、良くなると思ったのに。」
凡俗。
「世の中を、良くしないとね。」
凡人。
「世の中が良くなるって、どういうこと?」
ゲンナリ。
「せめて、物資や弾薬の幻を見せて。」
「相手がぬか喜びしているうちに、逃げよう。」
俗人。
「さっきの女の子、味方だよね?」
凡俗。
「政治について詳しいから、参考になった。」
「飛び入り参加だろう。」
凡人。
「しかし人質にするべき対象だったら、どうするんだ?」
ゲンナリ。
「たくさん物資と弾薬を持ってきたよ。」
俗人。
「ほら、やっぱり味方じゃないか。」
凡俗。
「もう弾薬も無かったんだし、これを使いますか。」
凡人。
「包囲している機動隊に、弾薬がもうないって知られたら。」
「おしまいだったけれど。」
「これなら、もう少し行けるね。」
俗人。
「世直し続行!」
凡俗。
「これで世の中は良くなる。」
凡人。
「テロリズムによる世直し最高!」
ゲンナリ。
「ああ、仲間と勘違いされて、何とかなった。」
「いつもこうなるといいんだけれど。」
「いろんなことで萎える。」
ゲンナリちゃん。
さりげなく競技場から立ち去りました。
連絡で、敵は仲間であると誤認。
追撃、追跡はいっさいなし。
サルトルを引用して、客観的に言えば。
いろんなものに巻き込まれているだけ。
幻で見えている弾薬と物資に。
夢中の武装集団。
見慣れている女の子がいまして。
すぐにゲンナリちゃんであると分かりましたが。
今は、お互いに話している場合ではない。
自分のことを、自分で処理しないといけない。
星弥。
「見事に巻き込まれたね。」
小刹。
「逃げられないの?」
琉輝。
「警察が何とかしてくれるまで、待ちましょう。」
星弥。
「しかしあの武装集団、ちょっとだけ見たのですが。」
「同級生にそっくりです。」
小刹。
「何か政治とかしか話題の取り柄のない人でも、同級生にいましたか?」
星弥。
「いましたね、見逃してくれるのかも。」
琉輝。
「それなら、逃げるチャンスはありそうですね。」
何か知りませんが。
警察の部隊が次々と来る割に。
警察官に損害が出続けていて。
とうとう、アパッチ攻撃ヘリコプターとコブラ攻撃ヘリコプターが登場。
陸上自衛隊が、旧国立競技場を壊しまくっています。
自衛官。
「やっぱりアパッチは最高だぜヒャッハー!」
操縦士。
「コブラはもう使い物にならないな。」
自衛隊の攻撃ヘリのせいで。
周囲が火の海になり。
建物の下に逃げました。
すると、武装集団の何人かが既に倒されていて。
あの黒服の戦士がいました。
淑女。
「お姉様、こういうのがお好きで?」
琉輝。
「野次馬になろうとしたら、逃げれなくなった。」
淑女。
「私が片づけます、近くにある事務所に隠れてください。」
星弥。
「ねえねえ、相手は、政治のことしか喋ってないでしょ。」
淑女。
「なぜそれを?」
小刹。
「まさか、売名行為に、武装集団を利用しようと?」
星弥。
「とある同級生には借りがあるのよ。」
「昔、あの男はいい女と交際したせいで、私の青春が終わってしまった。」
小刹。
「なんですと、それで私は得したのか、あなたが損したのか、私は分からない。」
琉輝。
「女性の取り合いが思い出ですか、興味深い。」
星弥。
「首謀者は岡崎太郎よね?」
淑女。
「そうだが、私と一緒に戦うのか?」
星弥。
「さっきのを見たら、敵の弾薬は尽きている頃だと思う。」
淑女。
「よく気づいたね、さっきから発砲して来ないよ。」
「まともに弾丸も入っていないんだよ。」
星弥。
「よし、あの時の借りを返しに行きます。」
小刹。
「私もついて行くわ、後ろから。」
琉輝。
「捕まったら、いろいろされるわよ、覚悟はよろしい?」
淑女。
「その危険なお友達を、私はさっきから十五人、倒しているのだが・・・。」
星弥。
「行きますよ、私がジョーカーです!」
旧国立競技場に入ると。
寝袋が置いてありまして。
黒衣の戦士が、素早く数人を撃破。
敵はナイフで反撃するも。
力の差が激しく。
黒衣の戦士が、敵を捻じ伏せてしまった。
逃げる青年を。
星弥ちゃんが入手した鉄の棒で撃破。
逃げる武装少年、足を折られた。
首領がいる、実況スタジオに行きます。
子分。
「半数がやられました、弾薬もありません。」
首領。
「そんな馬鹿な、もう少し時間を稼げるはず。」
手下。
「みんなが貧弱で、最初は強かったんだけれど。」
「攻撃ヘリコプターが狙って来た辺りで。」
「もう言うことを聞かずに、撃ちまくるから。」
子分。
「自殺行為による、プロパガンダは失敗ですな。」
手下。
「ああ、もう少しだけ、世間の話題になると思ったのに。」
首領。
「もう少しお金をかけるべきだった。」
手下。
「本隊は、自殺志願者で構成されているので。」
「なるべく多くの警察官を道連れにするそうです。」
首領。
「そうか、では我々は、ここで自滅しよう。」
子分。
「なんで?大人しく捕まったら、辛いよ!」
首領。
「今、飛んでいる攻撃ヘリに撃ってもらうのだ。」
手下。
「あれを利用するんですね。」
子分。
「所で、競技場のチームから連絡が途絶えました。」
首領。
「もうどうせ、言うことを聞かないから、どうでもいいや。」
席を上がっていく。
黒衣の戦士。
室内から出てくる首領と遭遇。
子分と、手下と、激しい格闘戦になったが。
なぜか黒衣の戦士。
攻撃を食らっても無傷。
敵の投げ技もかからない。
実は鉄の鎧を黒衣の下に着ているので。
重量と強度で、技がかかりにくい。
星弥ちゃん、子分と手下を掴んで、階段の下に投げ落とした。
小刹ちゃん、日頃の憂さ晴らしに。
子分と、手下に、ストレートパンチをお見舞いして。
撃破すると。
黒衣の戦士。
首領を一方的に撃ちつけて、衰弱ダウンを与えた。
淑女。
「ふん、噂ほどにもない。」
首領。
「俺らが、弱過ぎるのか?」
手下。
「戦ってみて分かったよ、俺達は雑魚だって。」
子分。
「最初から自分のことが雑魚だって分かっていたら。」
「こんなことしてない。」
星弥。
「借りは返したよ、読者モデルを奪い取った男よ。」
首領。
「よく見たら星弥ではないか、すぐに破局したから安心しろ。」
星弥。
「あんたら、弱くなったんじゃない?」
首領。
「学生時代、三人で組んでいて、関東では有名だったんだが。」
星弥。
「昔より、弱くなったんじゃないの?」
首領。
「それより、よくも俺の計画を、しかもなぜ突っ込んで来ている!」
星弥。
「合法的に、人をぶっ殺したくて、来てしまった。」
首領。
「もしや、さっきから連絡がつかないチームは?君達がやったのか?」
星弥。
「あんな程度で潰れてしまう、つまらない部下なんて。」
「いなくても同じです、違いますか?」
首領。
「そうですね、こんなに弱いテロリストなんて、世界初だろうな。」
淑女。
「世界最弱のテロを撃破したな。」
小刹。
「こいつら、なんでこんなに弱いの?」
琉輝。
「何か、面白いように攻撃が当たるし。」
「吹っ飛んだり、倒れたりしましたが。」
淑女。
「機動隊が突入しているから、私に任せな。」
手下。
「自分が雑魚だとは知らなかった、俺は信じないぞ!」
子分。
「雑魚が集まったら、超雑魚軍団になって、あっさり負けた!」
首領。
「弱小軍団になった時点で、気づくべきだった!」
「なんで俺達は弱いんだ!」
機動隊、突入。
負傷して戦闘不能になっている。
首領と、部下二人を確保。
競技場の中にいた残党も確保。
近くにいた。
テロリスト本隊は、武器が尽きてしまい。
棍棒で突っ込んだ所を確保されていました。
豊富な武器を持っていましたが。
実は残弾と、携行する弾薬が、あまりに少なく。
どうやら計算ミス。
人質の身内と同業者、両親の友人が解放されまして。
黒衣の戦士は、大手柄で。
三人娘は、そのお手伝いということになりまして。
後は弁護士を呼んで、事務処理ですね。
一週間後、いつもの日常に戻りまして。
憂さ晴らしで突入した割に。
あまりに楽勝だったので。
手柄ですね。
自慢できる手柄を得ました。
自宅にて。
星弥。
「思えば、相手の雑魚っぷりを、あそこで目撃できたのが。」
「決め手でしたね。」
小刹。
「数人、倒しましたが、雑魚相手に勝っても嬉しくない。」
琉輝。
「妹がいなかったら、攻め込もうとは思わなかったわ。」
星弥。
「いくら敵が雑魚とは言え、テロリズムですからね。」
小刹。
「互角かと思ったら、相手はほとんど、何も出来なかったね。」
琉輝。
「勝って当たり前の戦いですか、手柄は妹のものですけれどね。」
星弥。
「銃撃とか受けた?負傷は?」
小刹。
「銃撃なし、負傷はしてなかったですね。」
琉輝。
「あいつら、取り調べで、攻撃ヘリを使って殺してもらおうと思っていた。」
「人質は、中央の広場にテントを張って、陣取っていたので。」
「危険だったわ。」
星弥。
「最初、機動隊は、なんであんなのに苦戦したんだろう?」
小刹。
「最初の攻撃で弾切れなので、それを知らずに、突入しなかったなあ。」
琉輝。
「相手、軍事訓練も受けていないし。」
星弥。
「雰囲気で無力であると分かったから、私達は何となく仕掛けたんですかね。」
琉輝。
「妹が誘ったようなものですよ。」
小刹。
「この世にいる限りは、いろんなものに巻き込まれる。」
「しかし馬鹿に現代思想が理解できますかな。」
星弥。
「相手が涙目になって、息も切れきれになりながら。」
「這いつくばって。」
「馬鹿な私には現代思想が分かりません。」
「なんて言わせればいいのか。」
琉輝。
「巻き込まれた内容に説教するなんて馬鹿げていますよ。」
「必要なのは巻き込まれた内容の保証、保険の遂行と。」
「そこからの脱出です。」
星弥。
「結局、運命なんて要らなかった。」
「運命による筋書き、ストーリーなんて要らなかった。」
「自分で決めて、企画すればいいだけなので。」
「運命なんて、最初から要らなかった。」
小刹。
「運命なんかに頼るなんて。」
「自立できない、劣っている人間しかやりませんよ。」
琉輝。
「運命を捨てて、ハイデガー存在と時間にある。」
「自分で決めていく人生スタイルに乗り換えましたよ。」
星弥。
「運命なんて不利に出ると、そのまま不利なままになるし。」
「有利に出ると、本人が調子に乗る。」
小刹。
「運命なんかに頼らないと、何も出来ない。」
「劣っている人間ばかりですね。」
星弥。
「自分で決めていく、企画する以外に。」
「自分の人生について、何を根拠にできるの?」
琉輝。
「ある意味では、自分で決めた責任を自分で負うので。」
「私を止める手段はない、私を止めるチャンスはないよ。」
小刹。
「自分で企画した責任を取ると言っているのに。」
「お節介があるとしたら、それは単なる妨害。」
星弥。
「現代思想に負ける運命論ですね。」
小刹。
「この世にあるもので、攻撃される気分はどうだ!」
琉輝。
「人生観の根拠とは、本人の企画、決定だけにあり。」
「それ以外は根拠としては扱わない。」
星弥。
「運命なんてもう要らないんだよ。」
小刹。
「ばいばい運命、捨てた玩具に未練はないよ。」
星弥。
「ハイデガー存在と時間、普遍的な現代思想なので。」
「けっこういろんな所で売られています。」
「人気なんですね。」
「現代思想の中でも、存在と時間は、わかりやすい方です。」
相手が非力だと見て、仕掛けた乱闘は。
黒衣の戦士のおかげで。
難なく成功しまして。
実力が通用すると分かりましたが。
同時に倒した相手が軍事訓練も受けていない。
銃器の扱いも満足に受けていない。
計画、物資、弾薬も計算ミス、運搬ミス、互換性ミスと。
敵ながら、見るに堪えない連中でした。
弱小軍団であると知って。
そんなもの倒しても嬉しくないのですね。
とりあいず、仲間に死亡者は出なくて済みました。
ただ、父親の親友が、何かお礼をしたくて。
手紙を送って来たので。
銅像を要求したら。
家の門の所に、猫の銅像が築かれまして。
これは装飾としては良かったですね。
今回、チャレンジを行いましたが。
いくら相手が雑魚でも、こんなにつまらない手柄は、めったにないです。
銅像を得て、手柄は交換されました。
準備体操は終わり!
チュートリアルが長かった!