1


これは妖精チコちゃんの頑張りが。

みんなに認められる。

そんなお話。


ここは自然豊かなオリヴィエです。

このオリヴィエに住む妖精の女の子がおりました。

名前は「チコ」

チコちゃんはウッドハウスに住む。

この森の次期領主候補なのです。

チコちゃんは必死に鍛錬して。

領主として認めて貰おうと。

がんばっていますよ。

今日も鍛錬の日々が始まります。

ウッドハウスでこんにちは。

チコ
「今日は何をやろうかしら?」

家臣のヨウムがアドバイス。

しゅえっと
「とりあいずマラソンから始めてみては?」
「それより最近疲労がおありですよ?」

チコ
「それいいわねー。」
「まずはそこから始めましょ。」

チコちゃんは。

いつものドレスに着替えて。

出かけていきました。

しゅえっとも同行です。

森の中をマラソン。

帰りにカバンの中に。

採取した野草を詰めましたよ。

家臣の九官鳥である。

スィエルが来ましたね。

スィエル
「お友達が鍛錬したいと申し出ました。」
「フルールちゃんでございます。」

赤ずきん風の衣装を身にまとった。

ミドルロングの髪の娘が登場。

フルール
「チコおはよー!」
「竹刀で勝負しよ!」

チコ
「勝負しましょ!」
「楽しみだわー。」

チコちゃんとフルールちゃんは。

チコちゃんのウッドハウスで。

30分ほど剣の稽古です。

撃ち合いの練習から。

本格的に実戦練習になって。

いつも鍛えているチコちゃんが優勢でしたね。

フルールちゃんも鍛えていますが。

チコちゃんのほうが錬度が高いみたいです。

チコ
「剣の稽古終わり!」
「次は・・?」
「おにごっこをしましょ。」

フルール
「いいねー!」
「捕まるまで終わらないぞー!」

チコちゃんとフルールちゃんでおにごっこ。

フルールちゃん。

今度はおにごっこで勝ちました。

チコちゃんは体力で差がありましたよ。

チコ
「足だけは勝てないわよね。」

フルール
「足が速くてもテクニックだよー。」

チコ
「お昼まで休憩しましょー。」

フルール
「ごはん!」

チコ
「はーい。」
「お昼食べてってね☆」

お昼には。

豪華な野草料理が並びます。

フルール
「おいしいよー!」
「てんぷらにおひたし。」
「特に素焼きのドクダミ!」

チコ
「たんぽぽの葉の炒め物はどう?」

フルール
「これ絶品!」

チコ
「良かったー。」

お昼タイムのあとは。

ふたりでベッドで。

就寝でしたよ。

お昼のあと。

フルールちゃんと別れて。

チコちゃんは自主練を欠かしません。

森に種を植えたり。

畑に水をやったり。

お花を植樹したりも。

森中に種を植え続けて。

夕方から。

夜まで体操や。

勉強をしていましたね。

チコちゃんは。

鍛錬疲れでもうヘトヘト。

しゅえっと
「最近鍛え過ぎじゃないですか?」

スィエル
「少し休暇を取られては?」

チコ
「はーい。」
「でもまだやりますよー。」

チコちゃん。

くらっとしたので。

ベッドに入りました。

チコ
「忠告を無視してごめんね。」

しゅえっと
「頑張る所がご主人様の魅力なのですが。」

スィエル
「やり過ぎはよくありません。」
「お休みください。」

今日は修行のやり過ぎを。

ベットの中で反省。

そのまま夢の中へ・・・。

気持ちいいチコちゃんの寝顔でしたよ。


2


今日はいろんな人々が。

チコの森を見に訪れます。

この日に備えて。

チコはお花をいっぱい咲かせて。

おもてなし♪

森のはずれにバスが来ました。

チコがお出迎え♪

チコ
「えーっと。」
「この森の管理者のチコです!」
「自然散策楽しみましょう!」

人々
「かわいい妖精さん!」
「よろしくお願いします!」

チコはしゅえっとを連れて。

森の中を案内です☆

小川や。

お花畑。

生い茂る森林。

自然散策を楽しむ人々。

自分のウッドハウスを紹介したりも。

チコ
「どうですか?」
「いい森でしょ?」

人々
「癒されるわ。」
「お花がとっても綺麗で。」
「よく整えられているもの。」

チコ
「照れるなー。」

人々
「素敵なお散歩よ♪」

1時間自然散策を楽しんだ人々は。

チコちゃんに寄付をしてくれましたよ。

午後から。

チコちゃんは。

街のほうへ出かけましたね。

街は。

木目の家が立ち並んで。

木々が整理整頓されて。

自然を壊さないように建設されて街になっていて。

とてもメルヘンですね。

チコは領主である。

ローリエさんに呼ばれたので。

出向いたのでした。

ローリエ
「チコは頑張っているようですね。」
「この間も鍛錬でマラソンをしていて感心しました。」
「体もとても頑丈に出来ていて。」
「雰囲気も変わりましたね。」

チコ
「そうですかー?」

ローリエ
「あなたは非凡ですよ。」
「今回はご褒美をあげたくて呼びました。」

ローリエさんは。

チコちゃんに。

魔法のステッキをくれました。

ローリエ
「森の神様の力が宿るステッキですよ。」
「あなたに差し上げます。」

チコ
「なんか魔法少女みたい。」

ローリエ
「アニメではありませんから。」
「お気をつけて。」

チコ
「ありがとう!」

チコちゃん。

帰り際にステッキを振ってみたら。

神秘的な感じがしたので。

気に入りましたよ♪

チコ
「お花の成長を促したり。」
「わたしを守ったりしてくれそう。」

るんるんで。

おうちに到着。

今日も鍛錬と行きたいところですが。

しゅえっと
「疲労にご注意くださいまし。」

チコ
「そうしますよー。」

今日は程々に鍛錬ですね。

人の街に出荷する。

朽ちない花の花冠や。

朽ちない花のアクセサリーを作って。

これは工芸品で。

コレクターの間では宝物ですよー。

朽ちない花は土に触れない限り劣化しないのです。

不思議な花も森にあるので。

それを採取できるチコちゃんの工芸品はプレミアなんです。

今日は。

それを作っていたら。

夕方になってしまったので。

チコちゃん。

次の日に売りに行ったら。

コレクター達が殺到して。

製作依頼が出たので。

ハードなトレーニングを自粛して。

しばらくは製作漬けにしましたよ。


3


チコちゃん。

すっかり体力が戻ったので。

タイヤを貰ってきて。

自分にタイヤをくくりつけて。

体力訓練をしていますよ。

しゅえっと
「とんでもない特訓ですな。」

チコ
「これくらいやらないと。」
「ダメになっちゃう。」

しゅえっと
「自分を鍛えるのはいいことですが。」
「やり過ぎはしないでください。」

チコ
「そうね。」
「スタミナ管理はわたしの課題だよ。」

スィエル
「また勝負のお相手探しましょうか?」

チコ
「あー!お願い!」

スィエル
「御意。」

スィエルは30分後に。

パルミエちゃんを連れてきました。

ゴスロリ姿の髪が長い娘です。

パルミエ
「なによ。」
「私と勝負したいって?」

チコ
「あわわ!」
「めちゃ強い娘呼んできたよー!」

パルミエ
「いいわよ。」
「たっぷりかわいがってあげるから。」

チコ
「雑草ボール当てあいっこ。」

パルミエ
「上等じゃないの。」

チコちゃん対パルミエちゃん。

とにかく一生懸命ボールを投げるチコちゃんですが。

見切っているパルミエちゃんです。

パルミエちゃん。

チコちゃんに攻めまくります。

でも。

意外にボールを外して。

スキができたところを。

チコちゃんが当てました。

パルミエ
「強くなったじゃない。」

チコ
「勝った・・・。」

パルミエ
「本気出してもいい?」
「もうちょっと。」
「狙いを絞るといいわよ。」
「あと、相手の弱点をよく見る。」

チコ
「やっちゃうぞー!」

チコちゃんも本気を出して。

パルミアちゃんと。

とっても楽しい試合ができましたね。

パルミア
「互角じゃない。」
「意外とやるわねー。」

笑顔のパルミアちゃん。

チコ
「さすがに強いよ。」

パルミア
「チコちゃんは前より強いよね。」
「もうすぐ抜かれるかも。」

チコ
「わたしに負けないでね!」

パルミア
「あたりまえじゃない!」

握手して。

その場はお別れです。

チコちゃんは領主の養女で。

生命の樹から生まれた存在です。

その生命の樹に肥料をやりに。

50メートルもある桜の木を訪れましたよ。

チコちゃん。

野草で作った肥料を桜の木の根っこに撒いて。

桜の木から花びらをいくつか貰いましたね。

生命の樹の花びらは。

滋養強壮に強力な効果があります。

ただし。

チコちゃんの体は特殊なので。

チコちゃんのような妖精しか効果がありません。

フルールちゃんに会ったので。

帰りはフルールちゃんと一緒です。

フルール
「いちご採れたよ。」

チコ
「ありがとー。」
「これお花。」

フルール
「朽ちない花じゃない!」
「分けてくれるんだー。」
「ありがとー。」

チコ
「さっき採ったマツヨイグサ。」

フルール
「ヨモギと交換しよ。」

チコ
「ミツバ&ハコベと卵を交換!」

フルール
「いいよ!」

チコ
「今日は卵と野草炒め♪」

フルール
「市場に行って野菜と交換しない?」

チコ
「じゃあいっぱい採ってくるね。」

分散。

街の市場。

野菜がいっぱい並んでいるので。

野草と交換しに来ましたよ。

チコちゃん。

中くらいのリュックいっぱいに野菜をゲットです!

フルールちゃんと再開。

フルール
「高級品?」

チコ
「家臣にこのくらいは当然よ。」

フルール
「正論よねー。」

チコ
「今回のは最高級品なんだから!」

チコちゃんは。

森の維持管理を任されていて。

主に工芸品を作っていますが。

管理者の給料もあるので。

そのお金でも買えますけれど。

野草と交換ばかりしているので。

お金が溜まってしまってしょうがありません。

人の街に行ってお買い物をしても。

まだ余裕があるのです。

夕食。

チコ
「ごはんよー。」

しゅえっと
「トウモロコシと雑穀の飼料ですな。」
「質がよろしくて素晴らしい。」

スィエル
「私はリンゴですよ。」
「今回のは格別。」

チコ
「ふたりとも今回は高級品よ。」

しゅえっと
「それは光栄。」

スィエル
「うれしゅう。」

チコ
「野菜炒めおいひー!」

いつものように毎日を過ごし。

チコちゃん。

また明日から鍛錬です☆


4


チコちゃん。

人の街にお出かけです。

緑色のドレスに着替えて。

フリルのミニスカートですね。

家から出て。

森の外れには。

森の一族用のバス亭がありますので。

そこから街へ向かいます。

バスが来ました。

フルールちゃんとパルミエちゃんが後から来ましたよ。

フルール
「あら奇遇。」

パルミエ
「私達はふたりでお買い物よ。」
「デパートって所に行くの。」

チコ
「わたしは本屋だから。」
「方向が違うね。」

パルミエ
「あら残念。」
「またご一緒しましょ。」

フルール
「またね!」

チコ
「またねー!」

バスが来ましたよ。

バスで30分ほど降りて。

人の街に来ましたよ。

チコちゃん。

本屋に向かって歩きます。

人々
「妖精の一族だー。」
「かわいい!」
「綺麗なモノ作るんだって。」
「特別な存在だよねー。」

本屋に到着。

主人
「自然保護政策により割引致します。」

チコ
「ありがとー。」

チコちゃん。

バックいっぱいに本を買います。

チコ
「もっと勉強しなくちゃ。」

主人
「だったらこんな本はいかがですか?」
「偉人の名言を集めたものです。」
「お安くしますよ?」

チコ
「ちょうだいな。」

主人
「1000円にしときます!」

チコちゃん。

人の街でしか味わえない。

アイスクリームや。

たい焼きを食べちゃいます。

主人
「おや?妖精さん。」
「半額にしときますよ!」
「自然保護政策に貢献する俺!」

チコ
「ありがとね。」

チコちゃん食べ過ぎたので。

程々にして。

お次の本屋を巡ります。

ショッピングモールまで来ましたよ。

ふたりに会いました。

フルール
「あら奇遇。」

パルミエ
「あら奇遇ね。」

チコ
「奇遇だね。」

さんにんで。

買い物を楽しむことにしましたよ。

フルール
「この髪飾りどう?」

パルミエ
「桜の髪飾りなんてステキ。」

チコ
「わたしそれ買おっと。」

フルール
「お目が高い!」

パルミエ
「さすがチコちゃんね。」
「モノの高潔さが分かる。」

チコ
「これくださいなー。」

さんにんで買い物を楽しんで。

バスで帰宅。

人々
「あれ妖精の娘じゃない?」
「かわい過ぎない?」
「体も特殊らしいよ。」
「アイドルみたい。」

チコ
「話題のひと。」

フルール
「あるある!」

パルミエ
「そんなに珍しいのかな。」

バス亭から途中までさんにん一緒♪

チコ
「またねー。」

フルール
「また!」

パルミエ
「また会いましょ。」

帰宅ですよ。

しゅえっと
「いっぱい買いましたな。」
「お楽しみが増えて喜ばしい。」

スィエル
「財産は余裕があります故。」
「問題はありません。」

チコ
「どう?この宝石綺麗でしょ?」

しゅえっと
「アメジストと呼ぶ宝石ですな。」
「なんと美しい。」
「透き通った水のよう!」

チコ
「でしょでしょ!」

スィエル
「珍しい品ばかり。」
「私は興奮気味です。」

チコ
「うふふ♪」

チコちゃん。

珍品に囲まれ。

うっとりして。

しあわせになって。

しばらくスキップの日々が続いたのでした☆


5


マジカルチコアンドスペシャル!

チコちゃん。

アニメの影響で。

この前貰った魔法のステッキを振ってあそんでいますね。

でも。

神秘的な感じがしたので。

使い方が分かってきましたよ。

チコ
「これって。」
「ステッキがわたしを導いている。」
「これを持つと何かに導かれる。」

そのまま。

進んでいくと。

森の神様を祭った祠があるので。

お花をお供えしましたね。

そのまま森の外れに。

神社があるので。

お参りしましたよ。

チコちゃん。

そのあとお勉強をしていたら。

スィエル
「領主様から訪問要請があります!」

しゅえっと
「領主様からおよびですぞ。」

チコ
「はーい。」
「行ってきまーす!」

街の領主の館へ赴きます!

チコ
「何の用でしょうか?」

ローリエ
「チコの頑張りには敬意を払えます。」
「毎日お勉強から訓練までこなしているそうですね。」
「他の娘に任せるよりもチコに任せたほうが良さそうです。」
「この調子を続けてくださいね。」

チコ
「分かりましたー!」

ローリエ
「これは毎日のご褒美です。」

オレンジ色の水晶をもらいました!

家に帰って鑑賞。

チコ
「きれい・・・。」

しゅえっと
「チコ殿の功績ですな。」

チコ
「うふふ♪」

チコちゃん。

マジカルステッキを持って。

踊りだしましたよ。

マジカルチコ&スペシャル!

チコちゃんご機嫌です♪

チコちゃんは。

午後から。

クロスカントリーです!

マラソンで。

森中を巡ってます!

しゅえっと
「たぶん体力が持ちませんぞ。」

チコ
「程よくやるのよ♪」

スィエル
「水お持ちしました!」

チコ
「ありがとー。」

程よいコースを走った後。

家に帰ってきたら。

カラスの郵郵便屋さんがいましたよ。

カラスちゃん
「お手紙お届けです。」

チコ
「ありがとさん♪」

手紙を見ると。

次のバスツアーの連絡でしたよ。

明日からも鍛錬ですが。

その前に。

バスツアー招待の営業もこなす。

キャリアウーマン?なチコちゃんです☆


6


チコちゃん。

食べられる野草を分かりやすく。

子供にも分かるように解説した。

野草図鑑を出版しましたよ。

さらに。

森で出来る遊びを詳しくまとめた。

森林遊戯読本を出版。

ふたつともベストセラーになっちゃった!

人の世界では。

現在。

教科書として採用されていますよー。

しゅえっと
「大変な売れ行きですぞ。」

チコ
「えへへ♪」
「手柄になったね!」

スィエル
「取材の依頼が入っておりまする。」
「どうしますか?」

チコ
「そっかあ。」
「その日なら空いてるわよ。」
「オーケー出しといて。」

スィエル
「御意。」

しゅえっと
「それも出版するので?」

チコ
「さっき完成したんだ。」
「森林浴物語!」
「仮のタイトルだけれど♪」

しゅれっと
「まさに多芸多才の才女!」
「さらに惚れ込みましたぞ。」

チコ
「照れるよー。」

スィエル
「領主様がお呼びです。」

チコ
「手紙?」
「お話があります?」
「なんだろー。」
「行ってくるね。」

チコちゃん。

領主様の元へ到着。

ローリエ
「チコ。」
「やはり見込んだ通りですね。」
「他の娘に任せるより。」
「チコが適任だと分かりました。」
「満ち溢れる向上心も敬意に値し。」
「チコを弟子にしたいと思います。」

チコ
「えー?」
「次期領主になれるの?」

ローリエ
「領主になるのは7年後になりますね。」
「それまでこれまで通り特訓をおこなって。」
「立派になってください。」
「わたくしもきちんと教えますゆえ。」

チコ
「了解です!」

チコちゃん敬礼!

チコちゃん。

3日に1回は通って。

領主様からいろいろ学ぶことになりましたよ。

帰宅。

チコ
「やったぁ!」
「領主様に認めてもらえた!」

しゅえっと
「おめでとうございます!」

スィエル
「さすがチコ様。」

チコ
「これからが本番なの。」
「頑張るんだから!」

チコちゃん。

次の日にまた領主様の館に出向いたら。

賞状を用意して待っておりました。

ローリエ
「これをあなたに。」

フルール
「チコちゃんすごい!」

パルミエ
「ついに抜かれちゃったわね。」

チコ
「ありがとうございます!」

ローリエ
「一層の活躍を期待しますよ。」

チコ
「活躍を約束します!」

チコちゃん。

そのまま表彰され。

有名人になりましたよ♪

次の日には。

チコちゃん。

またトレーニングでしたね。

午後から領主様の元で勉強会があります。

チコちゃんは次期領主として。

領主様の元で。

頑張っています。

周囲に認められたチコちゃんは。

これからも。

一生懸命に。

オリヴィエで暮らしているのでした☆




-完結-