序章。


私たちの格闘は血肉に対するものではなく。

主権、この暗やみの世界の支配者たち。

また、天にいるもろもろの悪霊に対するものです。

エペソ6:12


1


フズィウ。
「姫様は破壊と殺戮の神を召喚し。」
「災厄を引き起こそうとしている。」
「我に続け!」
「身柄を確保するのだ。」

グラムマテウス。
「ヘイロー小隊続け!」
「本隊と共に包囲せよ!」

軍勢千五百が神殿を包囲する。

聖職者が事態に気付く。

アルキエレウス。
「今後は文化の発展が期待できそうですね。」

コーリスモス。
「経済が発展しきったら次は文化よ。」

エイレーネー。
「女性が新しいものを発明してなんとかやらないと。」
「本当に斬新なものは女性しか出来ないとどっかの新聞で掲載されたじゃない。」

アルキエレウス。
「中華人民共和国でしたっけ。」
「遠い異国はそんなに進んでいるんですね。」

コーリスモス。
「幾多の伝説を生んだこの国はそんなんに負けてられないわ。」

エイレーネー。
「本当です。」
「これじゃあ商売もあがったりです。」
「リードを許したら国の名誉も失墜するから。」

バシレイアー。
「いやみなさん。」
「お揃いで。」

アルキエレウス。
「定期的に提案書を出すようにお父様から依頼がありましたから。」

バシレイアー。
「これだけいれば簡単ですよ。」
「それを承知で出されましたね。」

エイレーネー。
「思っている以上の成果を上げるのが女性の礼儀でしょうに。」
「チャンスよチャンス。」

バシレイアー。
「でも時には男性の力も必要かと思われます。」

大臣。
「君達の意見が有益かどうか。」
「活かせるかどうかわたくしめも議論に参加させて頂きたい。」

アルキエレウス。
「これは良い助っ人ですね。」
「喜んで。」
「席はそちらです。」

大臣。
「所で外でよからぬ噂があります。」
「兵士よなぜお前はここに図々しく入れる?」
「なに?」
「外で何者かが包囲しておりますよ。」

コーリスモス。
「どっかの気がふれた連中に違いないわ。」
「才能は無くても根気だけはある連中は腐るほどいる。」

エイレーネー。
「それって才能の素材なんじゃ・・・・。」

アルキエレウス。
「警備兵が五十しかいません。」

大臣。
「援軍の発煙弾を入れておきました。」
「無線はECCMが酷くて。」

アルキエレウス。
「神殿が血で汚されないように。」
「ちょっと出ていきましょう。」
「早いほうがいいですから。」

大臣。
「投降なさるつもりで?」

バシレイアー。
「無策でやるような馬鹿はいないわ。」
「見てなさい。」

一同。

神殿の中から出てくる。

突撃の一歩手前。

フズィウ。
「姫様の身柄を確保するのだ。」

グラムマテウス。
「思ったらこんな作戦!」
「国民的アイドルを逮捕しようだなんて。」
「ちょっとおかしいわ。」
「フズィウを攻撃しろ!」

フズィウ。
「買収しておいて良かった。」

グラムマテウス。
「相手の兵士が多過ぎるわね・・・。」

コーリスモス。
「それなあに?」

アルキエレウス。
「古代に伝わる武器を修復したもの。」
「原理は不明です。」

ビームサーベルを取り出しました。

宝石を上に放り投げて。

一瞬で変身。

アイドル服にチェンジ。

コーリスモス。
「あなたそんなことできるの?」

アルキエレウス。
「マジックの発展型。」
「仕立て屋というテクニック。」

凄いオーラで兵士怯む。

フズィウ。
「見よ。」
「姫様は古来より伝わる魔女だったではないか。」
「行け!」

家臣。
「魔女?」


グラムマテウス。
「フズィウを逮捕しろ!」

家臣。
「そんな事があるのですか?」

グラムマテウス。
「痴者!」
「虚言人に踊らされた!」
「推参者めっ!」
「死戦だ!死戦!」
「曲事!」

グラムマテウスが兵士を説得する。

兵士の士気が最高潮になる。

敵味方入り乱れての戦い。


激しい乱戦に突入。

アルキエレウス。

とんでもない攻撃スピードで。

敵を投げ払って見せる。

敵を謎の力で持ち上げて吹っ飛ばした。

敵をフリーズさせて突き刺すなど。

超常的な力で20人を粉砕。

敵の剣まで切り裂いてしまうので。

敵兵が怯む。

フズィウ。
「なんてやつ・・・・。」
「銃で動きを止めろ。」

拳銃を発砲するが。

弾道は予知されており。

すべてビームサーベルに砕かれるか跳弾して意味が無い。

陣形外では正規軍と戦闘に入っている。

カイロー。
「あんな野蛮人見てられません。」

ゲヒーリャ。
「これで勝ったら妻にしてあげよう。」

カイロー。
「そんなことを仕掛けていたんですね・・・・。」

ゲヒーリャ吹っ飛ばされる。

ゲヒーリャ。
「なんだと。」
「おのれ!」

カイロー。
「奴隷みたいに女性を見下して・・・。」

目に見えて赤いオーラが出ている。

ゲヒーリャが剣を抜くが。

見えない力で首を絞められる。

傍に居た護衛兵士がゲヒーリャを刺し殺した。

睨み合いになった神殿前から。

パラドシス。
「魔法少女を知ってますか?」

フズィウ。
「魔女の事だろう。」

パラドシス。
「少女時期に発現する稀な能力で。」
「古来の史実に記述がありますよ。」
「超常的現象を操り。」
「自然の力を自由自在に操る。」
「魔女が力を悪しきものに使う反面。」
「魔法少女は法則に沿っていないといけない。」

フズィウ。
「要するに魔女のことだ。」

コーリスモス。
「これまでどのくらいの女の子が魔女の疑いをかけられて。」
「貴様のような奴らの被害に遭ったのか。」

フズィウ。
「魔女を倒しただけだ。」

この発言に兵士不信感を抱く。

後方の兵士達がそれを知って逃げ出してしまう。

グラムマテウス。
「敵が退いた!」
「突撃だ!」

フズィウ。
「早く身柄を確保しろ。」
「なぜそうためらう!」

コーリスモスがエネルギー弾を発射して。

兵士が数十名吹っ飛ばされる。

兵士の士気が下がる。

パラドシス。
「こうなった以上わたくしも参戦しますね。」

バシレイアー。
「転神です。」

エイレーネー。
「変化します。」

魔法少女6人対七百。

次々と超常的な力でなぎ倒されていく。

兵士も怯えてしまい。

中途半端な攻撃しかしない。

さらにグラムマテウスの小隊が乱戦に参戦。

フズィウが劣勢になる。

将軍。
「どうやらあの伝説は本当だったようです。」

フズィウ。
「数で押せ。」
「6人では五百で囲み続ければ一分も持つまい。」

将軍。
「それが・・・。」
「あんな戦い方を見ているとおそろしくなって・・・。」

アルキエレウス。
「多勢が相手なら逃げながら戦う・・・。」

バシレイアー。
「包囲されるのは避けなさいよ。」
「集中攻撃されたら。」
「とてもじゃないけど無理。」

エイレーネー。
「相手の集団に捕まらないで。」
「銃弾の装填数が3発しか無い。」
「もっとあればいいのに。」
「ショートソードを抜くしかない。」
「少し苦手だけど・・。」

いつの間にかカイロー敵陣内。

カイロー。
「将軍。」
「女性を見下すのが男性の礼儀作法でしょうか?」

将軍。
「そいつは我々男性の敵である。」
「ゲスと区別している。」

カイロー。
「ではフズィウという人は。」
「なぜ国王の許可を取らなかったのですか?」
「変な人がいっぱい居ますよ。」

将軍。
「確かに変だと思っていた。

乱戦中。

パラドシス。
「数が多いですね。」

アルキエレウス。
「多勢に無勢ですよ。」

エウセベイア。
「違反者に追い付いた。」
「突撃しろ!」
「味方を斬らないで!」

将軍。
「伝説にあった魔法少女ですが。」
「それだけでも苦戦するのに。」
「後ろからは貴族の女性。」
「横からも貴族の女性。」
「敵に囲まれてしまいました。」
「姫君が魔法少女である以上。」
「捕獲するのはもう無理ですな。」
「いやいくら数で魔法少女を倒せたとしても。」
「周りは三千ほどの軍隊がおりますよ。」
「ということでフズィウとかいうゴミ。」
「斬らせて頂きます。」

フズィウ。
「なんだと!」

将軍。
「この裏切り者が!」
「姫君に魔女やら破壊の神やら。」
「理屈を付けてどこかに売り渡す気だな!」
「他国か!それなら話は早い!」
「突然我々を招集して特別任務かと思いきや。」
「姫君に疑いをかけて体よく他国に売り渡すつもりという。」
「そこで出世コースは確保されていると思ったか!」

フズィウ。
「逃げるぞ!失敗だ!」

兵士二百を連れて逃亡を図る。

フォペオマイ。
「なんだか向こうで何かやってる。」

ハマルトーロス。
「大将が逃げているような。」
「攻撃したのは神殿のようだな。」

フォベオマイ。
「それってなんか話がおかしいような。」

ハマルトーロス。
「歴史あるあるだ。」
「人々を混乱に陥れれば。」
「あんなこともできるのだ。」

フォベオマイ。
「最近始まった魔女狩りのこと?」

ハマルトーロス。
「あそこまで飛び火するとは。」
「国王も止めろと言っている。」

フォベオマイ。
「どうやら敗戦の将がこっちに逃げてくる。」

ハマルトーロス。
「後を追ってやろう。」
「お金になるよ?」

フォベオマイ。
「その話乗った。」

神殿での戦闘は終了。

アルキエレウス。
「何十人かサーベルで斬らせて頂きました。」
「何かの天罰でしょう。」

コーリスモス。
「あれじゃあ殺戮おにごっこよ。」
「逃げながら戦って。」
「どれだけ追い回されたか。」

エイレーネー。
「百人規模はしんどいよね!」

バシレイアー。
「敵を目の前に集めて撃破を繰り返す・・・。」
「なんとかやってのけたわ。」

グラムマテウス。
「事情聴取せねば。」
「付き合ってください。」

アルキエレウス。
「協力は惜しみません。」

反乱軍が山の方に逃げ込む。

とりあいず野山に逃げろ作戦。

フズィウ。
「とりあいず洞窟に逃げ込め。」
「十分休息のち他国へ逃れろ。」
「情報を持ち帰っただけでも充分だ。」

追従する兵士は三十名。

フォベオマイ。
「三十名ならやれない?」

ハマルトーロス。
「なんとかできるぞ。」

兵士。
「なんだ?ふたりの子供が出入り口にいる。」

フズィウ。
「見られたんだ。」
「斬れ・・・。」
「なに?」
「十名がやられた?」

兵士。
「魔法少女がまだ他にも居たようです・・・。」
「貴方の命を差し出して投降します・・・。」

フズィウ。
「これまでか・・・。」

洞窟内で戦闘。

フォベオマイ。
「なんとか二十名やりました。」

ハマルトーロス。
「ちょっともう十名は無理かな。」
「逃げるぞ。」

フォペオマイ。
「大将が向かってきます。」

ハマルトーロス。
「兵士に追われている。」
「逃がすな。」
「別の出口から逃げたか・・・。」

フズィウは行方不明になった。

この事件で。

国民の戦意は上がり。

国民が武器を取った。

王国は同盟国を失い。

四方が敵国に囲まれて。

度々の侵略行為を跳ね除けてきたが。

国民が武器を手にしたと知り。

四方の敵国は戦意を削がれた。

また。

魔法少女の伝説が本当だったと知り渡るや。

敵国に恐れられるようになり。

国民的アイドルだったアルキエレウスが魔女というのは無理があった為。

国内の魔女狩りは全滅。

国外の魔女狩りはエスカレートすることになった・・・。


2


国王が資金や兵糧を市民から徴収。

国民が出せる最大まで貰いました。

専制君主ではないので。

実質は借金です。

代々専制君主を否定しているのです。

アルキエレウス。
「私が魔法少女だってバレてしまいました。」

コーリスモス。
「魔族も同じような技を使えるけれど。」
「魔法少女は桁が違うから。」

アルキエレウス。
「少女の頃に発現し。」
「かつての魔法使い一族と同様の力を操る。」
「魔法少女はその略称だれど。」
「魔女と混同されるのは遺憾です。」

パラドシス。
「大人になると魔力が落ちるそうよ。」
「制御が完全化するから。」
「余分な力が出ないのが真相だけれど。」

エイレーネー。
「私も一応は魔法少女。」
「不思議な力を扱えるけれど。」
「変身みたいな技能は無いわ。」

コーリスモス。
「私もそうよ。」
「魔法は使えるけれど。」
「変身はできない。」

バシレイアー。
「わたくしはできますけれど。」
「戦闘力が低いです。」

アルキエレウス。
「それぞれ違う能力を持ってますね。」

コーリスモス。
「さてと。」
「魔法少女の発生を予知していた。」
「偽預言者テホリズモを始末に行きますか。」

カイロー。
「私に任せてください。」
「その手の連中にはもう慣れました。」

エイレーネー。
「国王に始末しろと言われている。」

バシレイアー。
「呑気に政治活動中らしいわ。」
「しばらく前に妖術を使ったから。」
「国王を呪い殺そうとしているとか内通者から。」

アルキエレウス。
「では任せます。」

コーリスモス。
「正しい殺人でも。」
「あんまり殺人は好まないから。」
「三人方が適切ですな。」

三人退場。

パラドシス。
「国連軍が支援に向かってきます。」

アルキエレウス。
「四方を敵国に囲まれましたが。」
「パワーバランスは互角のようですね。」

コーリスモス。
「私達の存在が公になっちゃったから。」
「敵さんも怯えているよ。」
「何の術を食らうか分からないって。」

アルキエレウス。
「魔法少女の性質はアイドルなんです。」
「戦いの女神のように。」
「戦場に華を添える役割。」

パラドシス。
「能力自体も自分の意思では発動できなかったりもする。」
「いまの科学では解明できないから。」
「私も魔法少女の端くれですし。」
「研究日誌を書いてきますね。」

退場。

しばらくして。

アルキエレウス。

色っぽい態度を取る。

コーリスモス。

アルキエレウスを押し倒す。

コーリスモス。
「どうしても女の子が好き。」

アルキエレウス。
「?」

コーリスモス。
「なんで抵抗しないの?」
「キスするよ?」

何も言わないアルキエレウス。

キスされる。

コーリスモス。
「無抵抗なのはなんで?」
「えっちな事しちゃうよ?」

何も言わないので。

アルキエレウス。

えっちな事をされる。

アルキエレウス。
「ああ!」

コーリスモス。
「やっぱりあんたこういうの好きなのね。」

うなずくアルキエレウス。

しばらくえっちな事をされる。

好きにされて。

今度は。

うつ伏せにされて激しく抱きしめられる。

抱き起こされると笑顔のアルキエレウス。

コーリスモス。
「私だから許したの?」

アルキエレウス。
「最近なにかやられたくて。」
「男のひとにやられるのは気持ち悪いけれど。」
「女の人にやられるのはいいかなって。」

コーリスモス。
「確かに。」
「大司祭を任されるんだから。」
「結婚してはいけない。」

アルキエレウス。
「私は結婚したい性格じゃないよ。」

コーリスモス。
「いいよ。」
「私がその性欲とやらを消してあげる。」

アルキエレウス。
「頼みますよ。」

しばらくいろんなことをされました。

そろそろ人が来るだろうと。

話を元に戻します。

コーリスモス。
「というか人ってこういう超常的な力も使えるんですなあ。」

アルキエレウス。
「自分の制御じゃ発動しないこともあるけれど。」

コーリスモス。
「私達って大変に奥が深い生き物だなあ。」

カイロー加わる。

カイロー。
「魔法を扱える少女の事を魔法少女と呼んでいます。」
「魔法使い一族も同様の事ができますが。」
「力の桁が違いますよ。」
「魔法使い一族の異端が魔女狩りに遭っています。」
「関係無い人も被害に遭ってますが。」

アルキエレウス。
「これは自然発生した力だから。」
「受け継ぐものでは無さそう。」
「混乱は避けたいから。」
「パラドシスさんに啓蒙をするように伝えて。」

カイロー。
「承知しました。」
「人々に正しい知識を広めて。」
「混乱をすべて制圧しないとです。」

退場。

コーリスモス。

アルキエレウスに抱き着いてキスをする。

アルキエレウス。
「たまにやって。」
「一回でも満たされれば興味を失うから。」
「何かおもしろい関係ね。」

コーリスモス。
「実は私も同じ。」
「利害が一致しましたなあ。」

ふたりで笑います。

東方戦線で。

敵国が敗北しました。

最新型のM-48戦車には。

旧式のT-10やT-34では勝てませんね。

アルキエレウス。
「私は神殿に戻ります。」
「アイドル不在では国民も拠り所を無くしますし。」
「神々も私を通さないと人々に伝えることは困難です。」

コーリスモス。
「私も家を取り仕切らなきゃいけない。」
「王族の家のひとつ。」
「女性の主宰ってのも決まっているもんだから。」

ハイタッチして。

別れました。

小鳥が羽ばたいて。

遠くでは戦う人がいる。

突然現れた魔法少女という存在は。

魔法使い一族と混同視されると共に。

恐怖する人や。

支持する人。

英雄と見なす者。

興味の対象となる人。

いろいろ登場して。

歴史の節目となりました。


3


城の中。

アルキエレウスは大司祭に留まらず。

様々な修練・学習の期間を終えておらず。

いろんな活動をしています。

習い事。

教育係からの授業に半日と。

自由時間があり。

その時に友達と遊んでいます。

教師。
「たまには遊んでおいで。」
「憩いも大人の必需品。」
「かつての武将も茶を楽しんだ。」
「もう明白。」
「憩いなしで人の世は語れんよ。」

アルキエレウス。
「その通りです。」
「言ってきます。」

こちらは。

とある屋敷にて。

公爵。
「憩いなしで大人は語れんな。」
「君は厳格で仕事に打ち込み続ける姿が大人だと思うかね?」
「大いに怪しいそんな奴。」
「余裕が無いのか仕事中毒かどちらかだよ。」

コーリスモス。
「だって。」
「仕事だけが大人だったら音楽家は存在しないでしょう。」
「劇場にも人が来られません。」
「仕事は大事と言いつつ。」
「憩いも大事ってことよね。」
「男性は働くのが好き過ぎです。」
「労働が娯楽になっています。」
「あんな仕事に恋をしているなんて生き物見たことありません。」

公爵。
「いや彼らは仕事しか頭に無いのだ。」
「かわいそうなことに。」
「娯楽や癒しの方には力を注がず。」
「仕事熱心結構。」
「仕事ばかり考えると仕事だけで人生とやらを語ってな。」
「無駄に年を取るばかり。」
「芸術家はそのことをはじめから知っていて。」
「永遠を取りたがるもの。」

コーリスモス。
「そうすると勤勉は馬鹿ということになります。」
「少し批判しているのでは?」

公爵。
「茶などの憩いなしで労働を語るなと言いたいのだ。」
「仕事をするのが人生の目的なのか。」
「女性は結婚が義務だと思ったら夫に従え。」

コーリスモス。
「好きな仕事をやれば仕事ではありません。」
「ただ。」
「生活だけが目的というのはちょっと理に反していると言えます。」

公爵。
「だから遊んで来いと言うのだ。」
「なぜ男が労働で苦しむのか分かるか?」

コーリスモス。
「土に還るためです。」

公爵。
「労働に意味を見出せないからだと思うがな。」

コーリスモス。
「それが生きるという事なのでは・・・。」

公爵。
「だったら労働は懲役ということになるぞ。」

コーリスモス。
「さりげなく本質に近いですよ。」
「懲役と言ってしまうのはあてつけですが。」
「私にはわかりません。」
「男性もそれについて知れば。」
「労働とは何であるか明白でしょう。」
「女性は結婚について拒否権があるよあぅに。」
「男性も労働について悟ることでしょう。」
「女性は義務のように結婚に突進する習性がありますよ。」
「男性についての考察は結構ですが。」
「女性は産むのが義務だと思い込んでいます。」
「宗教的にはあの考えは愚者の思考です。」

コインを投げつけられる。

キャッチする。

公爵。
「無駄な討論よりそっちの方が解り易いだろうに。」

コーリスモス。
「行ってきます。」

一級河川の近くで。

アルキエレウスとコーリスモスが出会う。

アルキエレウス。
「好き。」

コーリスモス。
「私も好き。」

アルキエレウス。
「女の子好き。」

コーリスモス。
「あんたコントでもやるつもり?」

アルキエレウス。
「襲って。」

コーリスモス。
「真顔でギャグやらないの。」

アルキエレウス。
「あの山やこの川。」
「なんだか平和。」
「国家間の戦争が無くなればそれが平和なのかな。」

コーリスモス。
「個人間の争いは無くならないわよ。」
「なぜか?」
「必ず悪いものは湧いてくるから。」

アルキエレウス。
「自分が善なのか悪なのか。」
「まず最初にそれを見分けないといけないかも。」

コーリスモス。
「国家の戦争が終結したら。」
「個人と個人で戦争と争い事。」
「みーんな馬鹿が起こして巻き込む。」
「そんな奴永遠に滅べばいいのに。」

アルキエレウス。
「まだお兄さんの事思ってるの?」

コーリスモス。
「まあ兄弟同士で戦争してたし。」
「横目で見てたけれど。」
「男にも二種類いるんだなあ。」
「弟は国王の処罰を受け入れて。」
「兄はお父様に斬られた。」

アルキエレウス。
「いいんじゃない。」
「男性はいつも自分の行為の結果を自分で受けている。」

コーリスモス。
「いいえ。」
「あんなんじゃコメディよ〜。」
「酷さも極めれば芸術ね。」
「題名・喜んで自殺に行く兄の自伝。」

アルキエレウス。
「前の戦いも。」
「題名・紛らわしい演出家。」

コーリスモス。
「あははは!!」
「もう笑い話!」
「実はこの手の話が出来るのはルキちゃんだけ。」

アルキエレウス。
「リっちゃんったら。」

コーリスモス。
「言っておくけれど。」
「あれは男じゃない。」
「男だったら正統な方法を取れる。」
「男なのに男を知らずに大きくなったんだから。」
「死に様をよく見学しておいて良かったわ。」

アルキエレウス。
「となると。」
「人の行く故は善悪に賭かってますね。」

コーリスモス。
「善悪が分からない奴がいつも愚行をするのは事実よ。」
「その者への報酬は死です。」

アルキエレウス。
「全員が善悪の違いが判れば事足りる。」
「完全平和って難しいなあ。」

コーリスモス。
「ひとのため?」

アルキエレウス。
「自分の為です。」
「言葉で説明すると長くなります。」

コーリスモス。
「ということで。」
「愚痴の言い合いはこの辺にして。」

コインを二枚上に投げる。

ふたり1枚ずつキャッチ。

コーリスモス。
「ショッピング?」

アルキエレウス。
「旅芸人を捕まえる。」

コーリスモス。
「どっちも取った。」

アルキエレウス。
「決まったね。」

コーリスモス。
「マラソンだと勝てると思う?」

アルキエレウス。
「いい機会です。」
「スタミナを鍛えるには。」

ふたりでダッシュ!!

川辺は村のような景色。

都会の外れ。

村から入っていくごとに都会へと進んでいく。

城下町に戻って。

茶店で珈琲を飲んでいた。

おふたりです。

街の中へ。

同化していきました・・・。


4


豪邸内の庭。

グラムマテウス。
「小隊を任せられていましたが。」
「実戦経験習得が目的でした。」

エウセベイア。
「あら〜。」
「わたしもよ?」

グラムマテウス。
「かつての女性騎士団のように。」
「できるかな?」

エウセベイア。
「できないと思ったほうがいいわよ。」
「匹敵するような事はできるけれど。」
「無駄な自信は持ちたくないわ〜。」

グラムマテウス。
「お手本にしろと言うのね。」
「なるほど納得。」

お客さん。

エウセベイア。
「学生に何か変なことはないでしょうね?」

フォペオマイ。
「規則尽くめで苦労しているんだとか。」

ハマルトーロス。
「規則が愚直なんだよ。」

グラムマテウス。
「まだ悪癖が直ってない・・・?」

エウセベイア。
「規則規則言ったら難癖付けて責められるなんて理屈よ。」
「しつけてあげて。」
「子供のうちは優劣なんて付けられないのに〜。」

フォベオマイ。
「権力でも乱用して暴行してみますか?」
「規則を強め過ぎてますよと。」
「規則を暴行してみましょうか。」

グラムマテウス。
「ひと思いにやりなさい。」
「学校の権限は私達が握っているから。」
「お父様も賛成すると思うわ。」

エウセベイア。
「みんな。」
「私達もそうだけれど。」
「人間の自分勝手な都合でいろいろ動かすのよね。」
「人という存在についてもっとよく知って。」
「そもそもそれを知っていたら傲慢さなんて出せないから〜。」

フォベオマイ。
「彼らは神々になろうとして必死になっています。」
「方向性が違うんです。」
「被造物としての立場上。」
「彼らの意見には賛同しかねます。」

エウセベイア。
「アダムとエバのその後の世で。」
「正しい人はふたりしか居なかった。」
「みんなそれを知ってしまい。」
「社会が二分化されてるわ〜。」
「私だっていつまでも中身子供のままじゃいられないもの。」

フォベオマイ。
「じゃあやっときます。」
「改革じゃなくてもう革命ですよ。」
「学校改革もいよいよ本気になりましたね。」

ふたり退場。

グラムマテウス。
「不思議な力を使える。」

エウセベイア。
「あら?いいの?わたしもよ〜。」

グラムマテウス。
「ちょっと剣合わせてみて。」

エウセベイア。
「あら?あなたの動きを予知できるわ〜。」

グラムマテウス。
「適当にやっているだけだけど。」

エウセベイア。
「何かに導かれて。」
「攻撃が当たる気がしないんだもの。」

公爵。
「お前たちは何をしてるんだ!」
「本気でやっていたな!」

エウセベイア。
「あらごめんなさい。」

グラムマテウス。
「鍛錬のひとつで。」

公爵。
「あんな切り結びあいで訓練だと言うのか?」
「私は何か頭がおかしくなったのか・・・。」
「もういい。」
「決闘かと思ったわい・・・。」

退場。

エウセベイア。
「力の使い方がわかった。」

グラムマテウス。
「神秘的な能力ね・・・。」

神殿の中庭。

浄化作業中。

パラドシス。
「神殿内で沙汰なんてやらないでくださいよ。」

カイロー。
「それは敵に言ってください。」

エイレーネー。
「ちょっと歩き回って職が無いので。」
「掃除でもやらせて頂きますね。」

パラドシス。
「はいどうぞ。」
「賢者の娘さん。」
「フリーダムがこの国のスタイルです。」

エイレーネー。
「なにしろ自由科目。」
「何かしらの成果を出さないと。」
「故郷に帰れないから。」

カイロー。
「それはさぞかし難儀でしょう。」
「困ったら言ってください。」

エイレーネー。
「ありがとう。」

バシレイアー。
「おや。」
「掃除が済んだらこっちに来てくださいよ。」
「書類にページ番号がふってあります。」
「留め具で固定して提出するものです。」

エイレーネー。
「大丈夫。」
「1時間あれば終わるよ。」

廊下。

バシレイアー。
「アルキエレウスさんは?」

パラドシス。
「遊びに行けという命令を受けたそうです。」

バシレイアー。
「何の為に生きているか自問自答したいわあ。」

カイロー。
「どういう意味ですか?」

バシレイアー。
「マイルドな人生を過ごしたいの。」
「楽しい事は求めてない。」
「私とは対照的だなって。」

パラドシス。
「私は永遠を常に求めてますよ。」
「この生も散れば終わり。」
「次回はあるでしょうが。」
「永遠のものにしたいのです。」
「永遠の為にいまを生きています。」

カイロー。
「私は与えられた仕事をするだけで・・・。」

バシレイアー。
「いや人それぞれ違いますよ。」
「自分で見出した人だけが私達のようになれるの。」

パラドシス。
「ヒントにすればいいだけよ。」
「いつでも無理は言ってないわ。」
「無理言ってると思った?」

カイロー。
「日々生活で手一杯な人はなんなんですか?」

パラドシス。
「彼らは自分なりの考えを持ってやってますから。」
「批判してやらないで。」

バシレイアー。
「彼らの心の中までは見えませんからね〜。」

カイロー。
「答えを見つける?」

パラドシス。
「なんでも自主性ってこと。」
「自主性がすべて。」
「自主的にやればそれでやっと違いが生まれる。」

カイロー。
「なんか女史さんたちは学があり過ぎて。」
「さっぱりわからなくなりました。」

バシレイアー。
「簡単な事を難しく言ってるだけ。」
「あなたは難しい事を簡単に言えばいい。」

カイロー。
「あっ!なんか分かった気がします。」
「作業続けますね。」

この日。

国連軍が大勝して。

四方のうちのひとつの国が打ちのめされ。

南方戦線では無敵要塞が猛威を振るい。

貧弱な敵軍は睨み合いを続けています。

全体的に守備に力を入れる戦法を取っていますので。

国連軍が首都に入れば。

相手はもうおしまいでしょう。

敵国も枢軸国に支援を要請していて。

さらなる激戦が予想されます。

遠くの地では戦争。

ここでは。

鳥のさえずりや人々の行きかう姿と。

空の青さ。

風のささやきが。

虹と共に。


5


今日も遊んでいるふたり。

路地を抜けて。

裏山まで出向いて。

城下町を一望しようとしている。

アルキエレウス。
「なんのためにいる?」

コーリスモス。
「自分の為にいる。」

アルキエレウス。
「なんのために生きる?」

コーリスモス。
「自分の為に生きる。」

アルキエレウス。
「生活のみ?」

コーリスモス。
「自分の為に生活はある。」

アルキエレウス。
「死ぬのはどうして?」

コーリスモス。
「死ぬ事を前提にしてないから。」

アルキエレウス。
「人生ってなあに?」

コーリスモス。
「臨機応変に考えなさい。」

アルキエレウス。
「人ってなあに?」

コーリスモス。
「なんだろうね。」


アルキエレウス。
「利己主義で。」
「争いを好み。」
「愚かに存在するのが人という生き物?」

コーリスモス。
「そうであったらとっくのむかしに神々に見捨てられているわよ。」


アルキエレウス。
「じゃあ。」
「あそこにいる四人組はなあに?」

コーリスモス。
「多分。」
「アポッリューミの奴ら。」

アイテオー。
「魔女狩り!魔法使い一族の異端だと!」
「ふざけるな!」
「進歩も無い一族を捨てたのだ!」

メタノイア。
「賞金の為だ。」

アイテオー。
「お前は借金の返済の為だろ!」

メタノイア。
「かっこよく言ったつもりが。」
「恰好を付けさせてくれればいいのに。」

パランゲッロー。
「飯の糧だ!」

プロセルコマイ。
「あんた知っているよ。」

アルキエレウス。
「裏切り者さん。」

プロセルコマイ。
「もとに帰ったのだ。」

アルキエレウス。
「もとの愚者に?」

プロセルコマイ。
「中々小賢しいな。」

アルキエレウス。
「いやいやこう言ってはどうでしょう。」
「愚者の私がこう言っています。」
「もとに帰ったのだ。」
「それは私という存在の顕現である。」

プロセルコマイ。
「ううむ。」
「すぐにかわいがってやるからな。」

アイテオー。
「地位以外に何もないくせに!」

アルキエレウス。
「私の地位は天が決めました。」
「冒涜した罪は大きいですよ。」

アルキエレウス。

アイドル的な衣装に様変わりする。

異様なオーラを放つ。

コーリスモスが先制攻撃。

エネルギー弾。

パランゲッローやられる。

槍を出す。

両方の先端に刃が付いている。

振り回して攻撃。

ロングソードを出して防ぐ。

アイテオー。
「ぐっ!一撃が重いぞ・・・。」

両刃の槍が弾かれて失ってしまったので。

ライトサーベルを出して攻撃。

アイテオーのメイン武器が破壊される。

アイテオーが怯む。


メタノイア。
「後ろだ。」

アルキエレウスにヒット。

アルキエレウス。
「ぐっ!」

頭を押さえる。

メタノイア。
「ようし確保だ。」

アルキエレウスがいきなり反撃してくる。

メタノイア。
「なにっ。」

メタノイア吹っ飛ばされて壁に激突。

気絶する。

プロセルコマイ。
「少しも通じない・・・。」

「わ・・・わたしは強いのだ!」

コーリスモス。
「実際は弱かった。」
「なんでそれに気付かないのかな。」

プロセルコマイ。
「うあああ!!」

溜め技。

電撃を浴びせられて。

プロセルコマイ気絶。

アイテオーが棒立ちしてチャンスを失っている。

アルキエレウスにサブ武器の短刀で攻撃しようと走り出すが。

コーリスモスが突進してくる。

アイテオーがタックルで吹っ飛んで。

ハメ技を食らう。


コーリスモス対アイテオーの格闘戦。

アイテオー。
「女だから・・・うわっ!」

コーリスモス。
「女性の格闘はね・・。」
「きちんと学んでいると。」
「脅威でしかないよ?」

アイテオー。

謎の力で空中に持ち上げられる。

叩き落としてアイテオー気絶。

???
「こいつらをやったのか。」
「油断できん女の子だな。」

!?
「魔族で最強を誇る奴が居たが。」
「そいつでも難しい相手だぞ。」

???
「3対2では分が無さそうだ。」
「さんにんを回収していくぞ。」

!!!
「信じられない。」

謎の三人組が倒した三人を持ち去っていきました。

警察隊が遅れて到着。

警察隊が追跡を開始。

この日はテロリストが街中で戦闘してあっさりやられたり。

いろいろある日だったみたいです。

後に判明しましたが。

彼らは「無の14日」と定めて一斉に連携してやって。

成果を残そうとしていたらしくて。

過激派も含めて。

利害が一致した作戦でしたが。

失敗したようです。

コーリスモス。
「大丈夫だよね?」

アルキエレウス。
「平気。」
「いくら食らっても大丈夫そう。」

コーリスモス。
「そんなものかあ。」

アルキエレウス。
「今日の街はなんか不吉だから急いで帰ろう。」

コーリスモス。
「大賛成。」

神殿近くで。

国王。
「アルキエレウスはいるか?」

聖職者。
「外出中です。」

国王。
「伝えてくれ。」
「助言が欲しいと。」

一足違いでアルキエレウス帰還。

聖職者。
「助言が欲しいと国王から。」

アルキエレウス。
「日を改めましょう。」

民は士気が上がって。

テロリストの一部を攻撃して倒しました。

次の日。

王座。

国王。
「有益なものは降りてきたか?」

アルキエレウス。
「外側から攻めあぐねたらどう致しましょうか?」

国王。
「無論内側からに攻めようとする。」
「そんな事ができるのか?」

アルキエレウス。
「敵にとっては。」
「イチかバチかが成功すればいいだけの話です。」

国王。
「大臣。」
「内通者を調べておけ。」
「憲兵にあらさがしさせろ。」

大臣。
「承知。」

国王。
「他には無さそうだな。」

アルキエレウス。
「私自身だけです。」

国王。
「魔女の疑いは晴れた。」
「アイドルとしての地位は高まった。」
「無駄な心配あるのみだ。」
「神殿に戻りなさい。」

アルキエレウス。
「では失礼します。」

退場。

パラドシス。
「あら?」
「曇った顔ね。」

アルキエレウス。
「義姉さん・・・。」

パラドシス。
「魔法少女自体を知るのよ。」
「あなたは陥ったのではない。」
「学ぶ機会が訪れた。」
「み〜んな試練の時はそんな顔してるわよ〜?」

アルキエレウス。
「だって・・・・。」

パラドシス。
「大丈夫。」

アルキエレウス。
「お財布の中身が無いんだもの・・・。」

パラドシス。
「あらら〜ら〜?」

アルキエレウス。
「ちょっと貸して。」

パラドシス。
「理由をつけて貰いなさい。」

アルキエレウス。
「無給料だなんてずるいです!」

パラドシス。
「まずは金銭感覚から学ぶようにしているのよ。」
「貴方へのコインがここにあったりして?」

コインを見せる。

アルキエレウス。
「分割払いはやめてくれませんか!」

パラドシス。
「育成方法が違うのよ〜〜。」

コインを弾いて投げる。

キャッチ。

アルキエレウス。
「もう!私の夢はこの一枚に賭かっているんだからね!!」

すごいスピードで自分の部屋に。

パラドシス。
「シンプルに考えますね〜〜。」
「でもその方が理にかなってますね〜〜。」

鳩がパラドシスの肩に止まって。

来訪者に備えるべく。

正門の前に姿を消しました。

晴れているけれど。

少し曇っている。

そよ風もある。

おまけににわか雨。

なんだかおもしろい。

一度に体験できる天気の空で・・・。


6


内通者がかなり紛れ込んでいて。

レジスタンスと称して。

一斉攻勢を仕掛けた為。

市街地で戦闘になり。

民間人に被害者が出ましたので。

市民が憤慨して。

反乱分子を武器を持って攻撃をはじめました。

7日間続いた戦闘を「一週間穴蔵暮らし」と呼んで。

敵さんを皮肉っています。

神殿を占拠しようとする反乱分子に対して。

兵力百と敵五十。

パラドシス。
「変化します。」

とんでもない紫のオーラが目に見えている。

パラドシスは重厚な槍を持って。

衣装を少し変更しましたよ。

凄まじい勢いで十五人を倒して。

ひるんだ敵は逃走。

地下水路や各地のアジトに潜伏。

激戦になります。

エイレーネー。
「大将首はどこかな?」

エウセベイア。
「戦争は遊びじゃないんですよ。」

エイレーネー。
「それを知りつつ戦闘を楽しめれば戦士以上じゃない?」

エウセベイア。
「そういう人を勇者と言うんです。」
「死ぬ覚悟はおありで?」

エイレーネー。
「出たとこ勝負!」
「負ければ死亡。」
「勝てば英雄。」

エウセベイア。
「無策ではないわよ。」
「ふたつ作戦を立てましょう。」
「メインとサブ作戦で。」

エイレーネー。
「じゃあ向こうの路地で話している連中を。」
「10秒以上かけたら死にますよ。」

エウセベイア。
「私が先行するわ。」
「後ろの奴をお願い。」

エイレーネー。
「了解。」

10人の士官部隊。

奇襲される。

7人が7秒で撃破され。

3人が逃げたのち。

銃撃してくる。

エイレーネー。
「予想外。」

エウセベイア。
「撤退。」

敵が逃亡したので。

捕虜を手に入れました。

フォペオマイ。
「時計台から双眼鏡で。」
「何がどこで戦っているか丸わかり。」

ハマルトーロス。
「無線がちょっと故障しているわね。」

フォベオマイ。
「11時の方向で交戦。」

ハマルトーロス。
「あいつら城に行く気なんじゃない?」

フォベオマイ。
「あそこは防護完璧とか言ってた。」
「たぶん人質を使って逃げようと戦っている。」

ハマルトーロス。
「身分が高い人達を捕らえようと探し回っているのね。」
「戦いながら。」
「敵の無線も手に入れたし。」
「いろいろ丸わかり。」
「修理も終わった。」

フォペオマイ。
「時計台に来る部隊がいる。」

ハマルトーロス。
「私がやっとく。」

兵士5人。

ハマルトーロス。

5人と通路で戦闘して全滅させた。

ハマルトーロス。
「魔法力を使い過ぎた。」

フォベオマイ。
「次から私がやるから。」

ハマルトーロス。
「さすがに集団の中に入ると。」
「攻撃をすべて予知できても。」
「命中する危険がかなりあるなあ。」

フォベオマイ。
「また来た。」

アサシン。
「隙あり!」

アサシン空中に持ち上げられる。

アサシン時計台から投げ落とされる。

フォベオマイ。
「なんていう美しき最期。」

ハマルトーロス。
「最期くらい飾るのが人の甲斐性。」

フォベオマイ。
「国王軍と交代しよう。」
「敵軍が私達が魔法少女だって知ったから。」
「捕獲を試みるみたい。」

ハマルトーロス。
「油断ならないわね。」

フォベオマイ。
「なにしてくるかわからないから。」
「退避っと。」

神殿。

アルキエレウス。
「国連軍が到着します。」

コーリスモス。
「ゲリラ戦が展開されているわ。」
「不意打ちされるかも。」

アルキエレウス。
「彼らのパターンは三種類。」
「街はずれの森林地帯に入るか。」
「街の真ん中で隠しているアジトで潜伏するか。」
「用水路など。」
「隠れながら戦闘を続行する者。」

コーリスモス。
「隣国に逃げる奴らがいるとか。」

アルキエレウス。
「彼らは混乱状態なんです。」
「自分の判断で行動しています。」
「リーダーが早々にやられましたので。」
「統率がとれていません。」

コーリスモス。
「負けるために戦っているんじゃない。」

アルキエレウス。
「なるべく多くの人質を拉致して。」
「隣国へ逃亡すればゆすれます。」
「私達も身を隠していましょう。」

コーリスモス。
「そうだね。」
「地下の隠し神殿に行こう。」

隠し扉。

古来の伝説に記された。

伝説の場所だけれど。

実は何かあった為にシェルターになっています。

付き人と共に入って避難。

正門前。

パラドシス。
「まだ終わらないようですね。」

兵士長。
「一部市民が良い意味で暴徒と化しています。」
「市民まで敵になったのでは長くは持たないかと。」

パラドシス。
「さっき倒した兵士さん。」
「全員みねうちだったはずです。」
「情報は?」

兵士長。
「リーダーが倒されて。」
「闇雲に戦っています。」
「あれはかなり無益な戦いかと。」

パラドシス。
「あらまあお気の毒。」

また兵士10人が攻めてくる。

パラドシス。
「また行きますよ。」

魔法少女だと知って敵逃亡。

パラドシス。
「こら。」
「きちんと戦いなさい。」

兵士長。
「なぜあんなことをするのでしょうね。」
「戦術的に負け戦です。」

神殿の隠しシェルター。

アルキエレウス。
「都市の地下には。」
「得体の知れない遺跡があって。」
「何か心当たりがあるみたい。」

コーリスモス。
「あそこって信じられないトラップばかりで。」
「普通の人なら簡単に死ぬよ。」

アルキエレウス。
「古代の歴史が保管されている場所で。」
「トラップを潜り抜けるほどの力を持つようになったら。」
「隠されし遺産を受け取る。」

コーリスモス。
「連中あれが狙いなのね。」

アルキエレウス。
「現代の力では突破はできないけれど。」
「何か策があるんだと思う。」

コーリスモス。
「わたしらでも無理な場所じゃない。」
「そういえば魔女狩りって本物の魔女が居たから発生したりして。」

アルキエレウス。
「魔女は迷信で。」
「魔法使い一族の違反者が悪さをしたから・・・あれ?」
「本物の魔女が居てもおかしくないですよね。」

コーリスモス。
「そいつの力でなんとかしようとしているのね・・・。」

7日間戦闘は続いて。

7日目の夕方に敵が降伏しました。

街の地下遺跡への侵入ができずに。

作戦に失敗したのです。

グラムマテウス。
「私が多く倒した。」

エウセベイア。
「それは戦果確認役が居ますので。」

グラムマテウス。
「いいえ。」
「私って意外とやるんだなって。」

エウセベイア。
「戦場で過信が無かったから生き残れたんじゃないですか。」

グラムマテウス。
「こうなると。」
「最強なんていうのは戦場に長く居た奴の過信ですよねー。」

エウセベイア。
「どうやら最強の意味が分かってない。」
「歴史的に最強なんてものは意外な結果でやられているものよ。」

グラムマテウス。
「最強も所詮は人間。」
「何か当たれば即死。」
「戦いに自信を持っていくとそれだけで致命傷。」

エウセベイア。
「いいのよ。」
「戦いを知らない人はそれで。」
「本来の戦いになればいつも負けてる人よ。」

グラムマテウス。
「人生は戦いであって戦いの連続というのは。」
「格言のひとつです。」

後片付けに3日かかりましたよ。

アルキエレウスは国王(父親)に報告。

国王は頭を抱えた。

アルキエレウス。
「ちょっと修練に入ります。」

コーリスモス。
「私も。」
「またね!」

みんなそれぞれ。

自分の持ち場で。

人によって。

万人の正解は絶対的に存在しないから。

格言はそのためのヒントです。

みんなそれぞれするべき事へ。

いつもの街に戻った王国です。


7


夜空を見ています。

こうして見ると。

宇宙がよくわかりますね。

遠い果てしない存在だけれど。

私達も宇宙の一部だから。

直観で。

神秘です。

宿舎に付いて。

リっちゃんにやられました。

アルキエレウス。
「んぐ。」

コーリスモス。
「ちょっとかわいいことしてあげる。」

アルキエレウス。
「ああ・・・。」

コーリスモス。
「気持ちいいの?」

アルキエレウス。
「女の子としてかわいがられているような。」
「こんな感覚がたまらないの。」

コーリスモス。
「もう少し。」

アルキエレウス。
「わわわっ。」
「もっと・・・かわいがって・・・。」

コーリスモス。
「いいよかわいがってあげる。」


アルキエレウス。
「楽しいし気持ちいい。」


コーリスモス。
「交代。」
「私にもやりなさい。」

アルキエレウス。
「いいの?」

コーリスモス。
「いいの。」

アルキエレウス。
「なんか女の子が分かった。」

コーリスモス。
「女の子ってこういう生き物なのね。」
「なんか知ってしまったわ。」

アルキエレウス。
「一緒に寝よ?」

コーリスモス。
「もちろん。」

朝。

最近はふたりで戦闘訓練をしています。

力を使いこなせるか。

自分の鍛錬にもなりますが。

魔力の上限があるみたいで。

それを振り切ってしまうと。

魔力が一気に半分以下になって。

魔法が一時期使えないこともありました。

休息期間中。

市民の間では不信感がありつつ。

国王が魔女の定義を研究して発表したので。

疑心暗鬼が解けて。

かえって好奇心とファンが増えました。

女性好き。

女性マニアの人にとっては。

注目の的ですね〜。

国連軍の援軍は頼もしく。

士気も良好になって。

国王軍も列強揃い。

東方戦線で。

F-86戦闘機で100機の撃墜スコアを達成したと報告があり。

南方戦線ではM-48とM-28戦車30両で150両のT-10戦車を破るなど。

敵側は本格的に枢軸国に援軍を求めつつある。

近況です。


8


城の中に潜入した暗殺部隊。

アイテオー。
「俺が敵兵を倒す係ね。」

メタノイア。
「国王の元に行く係。」

パランゲッロー。
「俺はおとり!」

プロセルコマイ。
「私は近衛兵を倒す係。」

城の用水路から侵入したようです。

普通は井戸水として使われていますが。

なんとか無理矢理這い上がって。

井戸から侵入してきたのです。

裏門をこじ開けて。

真打ち登場。

???
「我々三人は個別に動く。」

!?
「時間をかけるなよ。」

!!!
「お前たちはさっさと仕掛けろ。」

ランプを灯して書き物をしている女の子ふたり。

アルキエレウス。
「なにか妙な気配がしますね。」

コーリスモス。
「悪意ではない。」
「何か単細胞な感じ。」

アルキエレウス。
「ちょっと捜索してみましょう。」

コーリスモス。
「ただし先制発見が掟だよ。」

路地を曲がると。

???
「お前は・・・。」

!?
「突破する。」

!!!
「考える必要が無くなった。」

いきなり戦闘が発生。

激しい斬り合いになりました。

アルキエレウス。
「ちょっと分がないかも。」

コーリスモス。
「押されている・・・?」

???
「ちくしょう。」
「ねばりが尋常じゃない。」

!?
「決着に時間がかかり過ぎる。」

!!!
「長期戦になれば負けるぞ。」

三人組は無理矢理突破していきます。

バシレイアー。
「通しません。」

謎の力でひとりがフリーズしてしまう。

???
「どうした!」

!?
「新手か・・・。」

エイレーネー。
「こんにちは。」

怪力で引き倒される。

!?
「ぐわっ!」

押さえつけられて失神。

???
「ああなんということだ。」

後ろから謎の力で。

壁に叩きつけられて失神。

アルキエレウス。
「警備兵は?」

コーリスモス。
「大半がやられているよ。」

バシレイアー。
「あらまあ。」
「侵入者がまだいるはずです。」
「だれか!」

警備兵三人組。
「なんでしょう・・・なにっ!?」

バシレイアー。
「私と来なさい。」
「他の部隊と連絡を取って。」
「侵入者がいる。」

警備兵三人組。
「おい三番。」
「無線機だ。」
「連絡しながら走れ。」

王座に到着した四人組。

国王。
「誰かと思ったら。」

アイテオー。
「その首貰い受ける。」

メタノイア。
「ここがラスボス。」

パランゲッロー。
「たんまり飯が食える。」

プロセルコマイ。
「これで戦争終了っと。」

四人組。

剣を手にした国王になぎ倒される。

アイテオー。
「ばっ・・・ばかな・・・・。」

メタノイア。
「まだ20秒も経ってないぞ・・・。」

パランゲッロー。
「酒池が・・・肉林が・・・。」

プロセルコマイ。
「まさか・・・。」

国王。
「古来の英雄の弟子となった余に。」
「挑もうなど間違いなのだ。」

アルキエレウス。
「お父様!」

コーリスモス。
「王様!」

国王。
「四人を処分せよ。」

アルキエレウス。
「私はトドメは無理です。」

コーリスモス。
「私がやる。」

バシレイアー。
「待ってください。」
「ひとりは西国の皇子のひとりです。」
「ひとりは南国の貴族の出身です。」
「ひとりは東方戦線で威張っている将軍の子供です。」
「ひとりは魔女の娘です。」

国王。
「何か価値があるのだな。」

バシレイアー。
「人質にして相手の士気を挫きましょう。」

国王。
「採用する。」
「収容所へ連行せよ。」
「特別豪華な方に入れておけ。」

バシレイアー。
「仰せの通りに。」
「三人組。」
「特別編成を組む。」

三人組。
「はいなんでも申し付けてください。」

四人組にはすぐに拘束具が付けられ。

四人組は牢屋付きの馬車で運ばれていきました。

アルキエレウス。
「さっきの三人組は強敵でした。」

コーリスモス。
「勝てない相手ではありません。」

国王。
「そなたが話した本当の魔女。」
「既に猛威を振るっていたのだな。」
「魔術師の連中も実在しているとは。」

エイレーネー。
「三人組を拘束しました。」
「まだ動けたようです。」
「はーはーなんとか・・・。」

国王。
「素性は掴めたか?」

エイレーネー。
「魔女の三人兄弟でした。」
「身分証を持ってました。」
「これを。」

大臣。
「魔女狩りの原因はこいつらだったのか。」
「魔法使い一族から違反者が続出していた時期があったが。」
「過激派として繁栄しているのか。」

国王。
「魔女とそうでないものを明確に区別せよ。」
「本物の魔女に警戒しろと言え。」
「魔女は塗衣を着せて自衛をするとも書け。」
「魔女狩りは全滅させる。」

大臣。
「すぐに書類を作成致します。」
「一週間もあれば充分です。」

大臣退場。

警備兵二十名が到着する。

近衛兵は全滅していた。

5日後に。

魔女とはこういうものだった。

魔女の男性版は魔術師であると。

明確に定義付れられ。

魔法少女は不思議な力を扱える。

国家の象徴・アイドル的な意味合いを持つようになる。

魔法少女は決して「強い」のではなく。

「不思議な力を扱える」という点において。

確かなものにされた。

四方の国々は国連の介入と連日の消耗。

枢軸国を説得するのに時間が掛かり。

停戦を申し出た。

こうしてひとつの事態が終息。

式典が開かれ。

アルキエレウスが国家を歌い。

魔法少女に変身して見せ。

不思議な力を少し見せたところ。

人々に好かれてしまい。

人々は狂喜した。

ファンクラブまで出来るほど。

彼女たちにとっては当然であったが為。

あっさり受け入れられ。

民から国王への忠誠心が高まった。

ブラウン管テレビでは戦争の英雄が湛えられ。

報道されている。

みな古代の英雄に習った人達であった。

アルキエレウス。
「ひとまず事はひとつ終わったよ。」

コーリスモス。
「休息が与えられたのよ。」

アルキエレウス。
「まだこれから。」

コーリスモス。
「そうよ。」

アルキエレウス。
「私が求めるのは永遠そのもの。」

コーリスモス。
「私も。」
「永遠を求めし者。」

アルキエレウス。
「そのために日々一生懸命になっていた。」
「これからも。」

コーリスモス。
「まだ序盤よ。」
「急がずに行きましょ!」

抱き合って。

さりげなくキスされるアルキエレウス。

アルキエレウス。
「きゃっ。」
「もう!」

コーリスモス。
「なんてね。」

アルキエレウス。
「真理への探求は開始されている。」

コーリスモス。
「そうよ。」
「そのためにこのコインは渡された。」

アルキエレウス。
「お芝居を見る。」

コーリスモス。
「鍛錬を行う。」

アルキエレウス。
「コイントス。」

コーリスモス。
「コインが水路に落ちた。」

アルキエレウス。
「臨機応変に動けという意味です。」

コーリスモス。
「分かった。」
「それでは展望台へのレース・スタート。」

のどかで。

街中はにぎやか。

幻想的なこの国は。

まだまだいくらでも。

高みを目指せます。

この時代の女の子たちも。

伝説の一部となるのです。

歴史はいまこの中にも・・・・。


9


アルキエレウス。
「最近は神託はありません。」
「何も浮かびません。」
「降りてきません。」
「もちろん私の個人的な思想などはありますけれど。」
「混同してはいません。」

大臣。
「それがどうも国民に。」
「政治を神々の助言を得てやっていると知られてしまったようです。」
「国民は国王への信頼を強めています。」
「政治というものを過信しなければいいのですが・・・。」

アルキエレウス。
「やっているのはあくまで人ですから。」
「人為的なエラーはあります。」
「それは警戒すべき事であるとみな知っているはずです。」

大臣。
「国王の書にも記載されていますから。」
「どうも国民が高揚し過ぎております・・・。」

退場。

学校にて。

コーリスモス。
「好きな人が出来たの。」

フォベオマイ。
「男の子?」
「もうすぐ重くなるよ。」

コーリスモス。
「女の子。」
「と言っても女の子好きがそこまで行き着いたって訳。」

フォベオマイ。
「男の重みが好きなんじゃないかと思った。」

コーリスモス。
「げー。」
「そんな事言わないで。」

ハマルトーロス。
「大学科からお邪魔するよ。」
「なんかいい情報あるかしら。」

フォベオマイ。
「情報集め?」
「だったら買ったほうが早いよ。」

ハマルトーロス。
「政治に不要な情報は買っちゃだめよ。」
「いい情報があったら情報を買ってくれる約束だから。」

コーリスモス。
「じゃあ就職先は国家偵察員ってことよね。」

ハマルトーロス。
「ここだけの話にしましょう。」

公園にて。

エイレーネー。
「なんかいい職業ない?」

エウセベイア。
「警備員の募集がありますよ。」

エイレーネー。
「それよりみんな集まってくるんだけれど。」

エウセベイア。
「あなたは魔法少女だって知られているから。」

エイレーネー。
「じゃあ国を盛り上げる仕事でもしますか。」

人々の方に向かっていく。

人々と雑談。

エウセベイア。
「あれは学生です。」
「見てのとおりです。」

グラムマテウス。
「学生以外の何があるんですか。」

エウセベイア。
「何かのコスプレかもしれないわ。」

グラムマテウス。
「想像力は豊か。」
「でも何か不思議な感覚。」

フォベオマイ。
「お姉さんたちだあれ?」

エウセベイア。
「あら。」
「確か大名の娘さんじゃないですか。」

グラムマテウス。
「ここで学業をしていたんですね。」

フォベオマイ。
「わたしを知っているんだ。」

グラムマテウス。
「この娘はなんかプレッシャーを放っている。」
「並の女の子ではないみたいよ。」

コーリスモス。
「魔法少女って最近いっぱい増えたのよね〜。」

エウセベイア。
「あらやだ。」
「そういう訳だったのね。」
「名前を交換しましょう。」
「名刺あるわよ。」

グラムマテウス。
「覚えておきなさい。」
「未来のスーパースターだから。」

フォベオマイ。
「説得力はある。」
「その自信はどこかに根拠があるよね。」

グラムマテウス。
「証明書が欲しいの。」
「きちんと私の姿を見ておきなさい。」
「10年後には表彰台で見ることになるわ。」

コーリスモス。
「魔法少女は神々の力を得たということ?」

エウセベイア。
「私は神を恐れていますので。」
「さすがに神々の力を得ただなんて。」
「言えません。」
「否定します。」

フォベオマイ。
「自然発生したもの。」
「人も自然の一部。」
「自然への畏敬によって。」
「人も自然からは逃れられない。」
「自然の法則意外に強く。」
「自然から離れるは機械的な人形。」
「自然なしで人は存在できない。」

エウセベイア。
「恐縮させないでください。」

ハマルトーロス。
「有望な魔法少女?魔法女性?」
「発見したって感じ。」
「これはお金になるけれど。」
「もう少し伏せておいたほうが良さそうね。」

グラムマテウス。
「いいえ公表しなさい。」

ハマルトーロス。
「あなたに分け前は無いからね。」

ハマルトーロス退場。

フォベオマイ。
「人の自然性。」
「私は勉学の季節ということで。」
「人は草木のようです。」
「自然性のままに机に向かうのです。」

フォベオマイ退場。

コーリスモス。
「ああ行っちゃった。」
「あれ?」
「レーネちゃんが向こうにいる。」
「では失礼〜。」

グラムマテウス。
「きちんと私を学びなさいよ。」
「あれれ。」
「エウセベイアさん居なくなっちゃった。」
「ひとり映画でもさせる気ですか。」
「あっちの看板の陰にいるぞ。」

グラムマテウス退場。

神殿。

バシレイアー。
「生えては結んで実を結んで。」
「実は食べれるかしら?」

パラドシス。
「死生観というものは持っておくほど。」
「生きやすくなるみたいですね。」

バシレイアー。
「死んだ後の事は神々が決めること。」
「生まれる前も神々が決めること。」

パラドシス。
「言い伝えはいろいろあります。」
「学んでいくとおもしろいですよ。」

バシレイアー。
「人生も神々の取り決め。」
「いいえ。」
「私の支配者は神々。」
「神々は王。」

パラドシス。
「神への強い忠誠心は騎士道で良く見られます。」
「被造物が神を忘れたら意味なんて無いですよ。」
「無益な者にしかなれません。」

カイロー。
「私はただ与えられた事しかできません。」

パラドシス。
「いまはそうでしょう。」
「いまだけです。」

カイロー。
「魔法少女として発現した私は歓喜に浸っていますが。」
「それ以外はどうもできません。」

バシレイアー。
「かつての英雄も最初は習い手だった。」
「様々な将軍も一時期は学生だったように。」
「あなたも同じ。」

カイロー。
「私は答えを急いだんですね。」

パラドシス。
「そういうことです。」
「小さな神殿には毎日人が訪れ。」
「この大神殿も時に人で満たされます。」
「人は神秘的な生き物なのですから。」
「動物みたいに生きてはいけません。」

カイロー。
「わかりました。」
「神学を頑張ってきます。」

バシレイアー。
「実はケーキが不足していて。」

パラドシス。
「あなたの燃料はケーキですからね。」
「そんなに手に入りませんよ。」

バシレイアー。
「最高のクッキーならここにあるから。」
「こちらでいいです。」

パラドシス。
「そんなこともあるでしょう。」
「大臣さんとの面会の時間ですから。」
「そろそろいらっしゃいますよ。」

公園。

エイレーネー。
「平和には何が必要?」

市民。
「そもそも平和ってなに?」

エイレーネー。
「悪い戦いが無いことだよ。」

市民。
「良い戦いならするべきだ。」

エイレーネー。
「そんな感じです。」

市民。
「学者に任せて俺達は歌ってみよう。」

国家斉唱。

コーリスモス。
「あらら。」
「お祭りみたい。」
「戻ろう。」

神殿内部。

アルキエレウス。
「やっぱりないですね。」

聖職者。
「途切れた・・・か?」
「試されているのか。」

アルキエレウス。
「神託が無い時は自力でやるべきです。」

聖職者。
「その通りです。」
「私は報告あるのみ。」

神殿でただひたすら。

巫術を駆使するいつものアルキエレウス。

毎日1時間は祭壇の前で構えていますが。

最近は何もありません。

それで。

休暇が与えられました。

意外にも静かな街は。

人々の強い精神で裏打ちされた。

強国の成せる業です。


10


美術館。

絵画がずらり。

コーリスモス。
「なにこれ。」
「武力弁論大会?」

アルキエレウス。
「討論の反対意見を武力で制圧していく弁論大会。」
「個人間で体験した人が描いたもの。」

コーリスモス。
「詭弁大戦?」

アルキエレウス。
「武器ではなくいつまでも議論で格闘して。」
「決着が付かないふたりの兵士の絵。」

コーリスモス。
「頭で克つ?」

アルキエレウス。
「頭脳戦を仕掛けたインテリが頭突きで返り討ちにあった絵だよ。」

コーリスモス。
「酷さも極めると題名が付くものよね。」
「テレビが喋る?どういう絵?」

アルキエレウス。
「みんな自分の目で見たものよりテレビで見たことを信じる。」
「テレビが世間の集大成だと信じ込んでいる。」
「という皮肉な絵。」
「テレビが言う世間なんて作り物で。」
「きちんと自分で考えて自分の目で見て。」
「人と意見交換してからテレビを見ましょう。」
「なんて宣伝やった時に出てたあれです。」

コーリスモス。
「あれかあ。」

アルキエレウス。
「人はいろんなものの影響を受けるけれど。」
「真に受けたのが原因だから。」
「それも今日で終了。」

コーリスモス。
「ってなCMあったよね。」

このあと博物館にも寄っています。

城に行ってお父様に報告し。

お父様は納得なされました。

一種の神権政治のスタイルです。

場内にて。

姉。
「中々上々じゃないの。」

アルキエレウス。
「お姉さま。」
「思ってたよりはうまくいってます。」

姉。
「なぜ実戦知らずのあなたが20人も倒せるの?」

アルキエレウス。
「オオカミと10回戦ってます。」
「魔法少女の基本訓練として。」
「みんなやってますよ?」

姉。
「へ?・・・ええいまなんて言いましたか。」

アルキエレウス。
「オオカミの撃破数は15頭です。」

姉。
「いいえ聞かなかったことにしましょう・・・ええ。」

姉退場。

学者は歴史を目撃していると言ってますが。

人々は不思議な力を持つ魔法少女のかわいさから。

戦神とか女神とまで言い出しました。

すっかり国民のアイドルになった魔法少女は。

何をもたらすでしょうか。

女性の美学を見出し実践したのが彼女たちだったのです。

女性の美学はまだ完成されてはいません。

戦争も国づくりもまだ途中です。

実はこの年は。

魔法少女が知られて。

歴史的英雄まで登場していたのです。

彼はひとりで敵陣を突破して。

司令官を捕えています。

4人の小隊が遠距離を進軍して。

20回戦闘をして。

最後には司令部を制圧したのも。

哲学者の最盛期を迎えたのもこの年で。

国民による戦闘行為が人々に行われたのもこの年です。

数々の伝説に残る。

黄金の一年間でした。

「第1章-完-」



11


舟遊びも兼ねてますが。

航海と貿易の発展の祈願の為。

戦艦の内部で。

神事が行われました。

アルキエレウスが主役です。

そのあと。

輸送艦に移って。

後日。

国連軍の使者と会談する予定です。

満月。

暗闇でさえ薄暗い夜。

ニュムフィオス。
「いい?獲物は姫巫女と国王のみ。」

ヒュパゴー。
「さっさとやりましょう。」
「時間をかけるだけ危ない。」

警備員。

後ろから術にかかって。

他の警備員を刺し殺しに出掛ける。

ニュムフィオス。
「私は国王。」

ヒュパゴー。
「あたしはこっちをとったわよ。」

ふたりの魔女が移動中。

警備員が根こそぎ倒される。

ヒュパゴー。
「案外楽勝かもね。」

ヒュパゴーいきなり蹴り飛ばされる。

ヒュパゴー。
「ぎゃああ!!」

アルキエレウス。
「この日を楽しみにしていました。」

ヒュパゴー。
「魔女に一撃。」
「たぶんあなたがはじめてよ。」

アルキエレウス。
「そんなに脆弱でなにより。」

ヒュパゴー。
「御嬢ちゃん。」
「いいことしてあげる。」

アルキエレウス。
「話が早いですよ。」

ヒュパゴー。
「魔女の力を持ってすれば人など虫けら同然。」
「見せてあげるわよ。」

アルキエレウス。
「高慢の鼻を、へし折ってくれよう。」

ヒュパゴーが爆炎をばらまく。

アルキエレウスは空中で宙返りをして。

ヒュパゴーと格闘戦。

ヒュパゴー蹴り飛ばされる。

ヒュパゴー。
「少しはやるじゃない。」

アルキエレウス。
「遊んでいるのですか?」

ヒュパゴー。
「ウォーミングアップは済んだわよ。」

武器を出して斬りあう。

ヒュパゴー姿を消す。

アルキエレウスは索敵する。

ヒュパゴーがいきなり出てきてアルキエレウス捕まる。

ヒュパゴー。
「かわいい。」
「いろんな事してあげる。」

アルキエレウス。
「どんなこと?」

ヒュパゴー。
「楽しんで。」

アルキエレウス電気爆弾で自爆攻撃。

さらに。

ヒュパゴーの後ろに電磁磁石が付いており。

起爆して。

ヒュパゴーダウン。

無傷だったアルキエレウスがヒュパゴーを殴り飛ばす。

ヒュパゴー。
「そんな・・・。」

アルキエレウス。
「多彩な術を掛けてくることは知ってましたから。」
「普通の方法で勝てる相手では無かったですね。」

ヒュパゴー。
「ここで終わり・・・。」

アルキエレウス。
「辞世の句を言ってください。」

ニュムフィオス。
「あんた何やってんの!」

アルキエレウス。
「新手・・・。」

エイレーネー。
「平和にするのはどうすればいいかって考えたけれど。」
「平和にするには戦うこと。」
「戦って勝ち取るものだって。」
「やっと答えが出た。」
「これで2対2よ。」
「フェアプレーで行きましょう。」

ニュムフィオス。
「あんた逃げなさい。」
「あたしゃなんとかする。」

ヒュパゴー。
「おのれ小娘・・・。」

ヒュパゴー逃走。

ニュムフィオスの姿が変になる。

蜃気楼。

後ろに出てきた所を蹴り飛ばされるニュムフィオス。

ニュムフィオス。
「うわあ!」

エイレーネー。
「撃て撃て。」

拳銃発砲。

体勢をすぐ立て直して。

紫色の爆炎をばら撒いて。

逃走。

アルキエレウス。
「深追いは無用です。」

エイレーネー。
「あなたの護衛を頼まれたのに。」
「自分から仕掛けないで。」
「出遅れたじゃない。」

アルキエレウス。
「1対1なら仕留められたけれど。」
「予想外。」
「やや無謀だったかも。」

エイレーネー。
「結果は撃退。」
「正面からやってたらキツイ相手かな。」
「報告しなくちゃ。」
「警備兵が騒いでいる。」

明け方。

とある廃棄基地。

ヒュパゴー。
「あんなに強いとは思わなかった。」

ニュムフィオス。
「もう少しだったじゃないか。」

ヒュパゴー。
「最初からハメられてたよ。」

ニュムフィオス。
「詰めが足りないねえ。」

フォペオマイ。
「見つけました。」

ハマルトーロス。
「賞金は山分けよ。」

フォペオマイ。
「そのつもりです。」

ヒュパゴー。
「なんだい。」
「まだ来るのかい。」

ニュムフィオス。
「また逃げなきゃいけないのかい。」

フォペオマイが槍を振り回してくる。

ハマルトーロスが双剣で突撃。

ヒュパゴー。
「凍てつく氷河。」

ニュムフィオス。
「爆炎の湖。」

ぜんぶフォペオマイに弾かれて。

逃げても逃げても追跡される。

ハマルトーロス。
「おやまあ年甲斐のない。」
「動きが遅いぞ。」

ヒュパゴー。
「捕まえられた。」
「助けてくれえ。」

ニュムフィオス。
「猛毒散布。」

フォペオマイ。
「退避。」

ハマルトーロス。
「おっともうちょっとだったのに。」

魔女達。

箒に乗って逃亡。

朝。

会談を半日遅らせました。

首脳陣と国王。

アルキエレウスも加わって。

意見交換で。

枢軸国と戦っていくと意見が一致しましたよ。

港に戻ります。

アルキエレウス。
「なんで「人」なんてお造りになられたのでしょうか。」
「どうも不自然な生き物の気がしています。」

エイレーネー。
「いつか「人」が見捨てられたら一緒に景色を見ていよう。」

アルキエレウス。
「うん。」
「平和って乱す輩がいるから戦わないといけないのですね。」
「それ以外は主権の為に平和を否定しなきゃいけない。」

エイレーネー。
「平和平和言ってもなんで得られないか?求めても。」
「勝利の上にあるから。」

アルキエレウス。
「もっと複雑。」
「レーネちゃんのおかげで助かったよ。」

エイレーネー。
「いいのいいの。」
「仕留められたら値千金だったから。」
「チャンスが回ってきただけでいい。」

ふたりで寄せ合って。

ベンチでしばらく海を眺めていました。

晴天でカモメがたくさん。

飛んでいる。

のどかな港にて。


12


連邦刑務所。

とんでもない巨大な収容施設。

パラドシス。
「警備は万全なんですね?」

所長。
「はい、万全です。」

パラドシス。
「誰か司法取引で脱獄させれば。」
「脆弱性なんて丸わかりよ?」

所長。
「あいつら侮れませんからね。」

パラドシス。
「西国が降伏したから。」
「ひとりはどうなることやら。」
「かわいそうに。」
「せめて最期くらい美しくあれ。」

刑務所の敷地外。

ヘウリスコー。
「用意はできたね?」

イクトゥース。
「できたよ。」

ヘウリスコー。
「それ行った。」

天井を突き破って。

魔女ふたり侵入。

警備員が駆け付けるが。

使い魔に阻まれる。

既に変身してオーラを放っているパラドシス。

パラドシス。
「この時かなって。」
「そうであるという確信があったのですよ。」

メタモルフォオー。
「あんたの相手はこのわしだよ。」

パラドシス対メタモルフォオー。

戟を使うパラドシスと薙刀のメタモルフォオー。

魔女が四人組を解放する。

アイテオー。
「武器はこれか。」
「おじさん達はどこだ?」

メタノイア。
「人質交換で一足先に脱出したよ。」
「脱出するぞ。」

パランゲッロー。
「まずあいつだ。」

プロセルコマイ。
「魔法少女めー。」
「でも成人しているぞ?」

5対1。

パラドシスは戟を華麗に振り回して。

一歩も譲らない。

メタモルフォオー。
「こいつ5対1でも負けないよ。」

パラドシス。
「あなた本気を出していませんね。」

メタモルフォオー。
「まいったね!余裕そうだね!」

パラドシス。
「待ちなさい。」

7人で裏門から脱出。

パラドシス追いかけるが追跡を諦める。

使い魔が戦闘を継続してしまう。

オオカミ型とコウモリ型。

カイロー。
「もう!主人はとっくに逃げましたよ!」

電撃で使い魔倒される。

パラドシス。
「そう遠くにはいけないはず。」
「追跡すればまだ間に合う。」

兵士。
「了解。」
「あと30分遅れれば逃げられるぞ。」

軍曹。
「相手は魔女だ。」
「油断するなよ。」

歩兵中隊。

後を追います。

敵兵士に阻まれて追跡は失敗してしまったそうです。

カイロー。
「もう少しでした。」

パラドシス。
「7人も相手にしたんじゃしょうがないわ。」

2人の女性は。

用が済んだとばかりに。

連邦刑務所から立ち去りました。

夕方の出来事。

夕日がまぶしく。

幻想的な景色を作り出す。

森林と山の麓にある。

歴史的な建造物を遠くに。

帰宅の馬車は走ります・・・。


13


執務室。

バシレイアー。
「入りなさい。」

ハマルトーロス。
「なんでしょう。」

バシレイアー。
「あなたにスパイの容疑が賭けられておりますが。」

ハマルトーロス。
「それならもう裏切っています。」
「あの国はもう退廃していて。」
「終焉に向かっておりますから。」
「欲しかったらこのフロッピーをどうぞ。」
「詳細に情報が入っています。」
「敵の機密ですら。」

バシレイアー。
「寝返ってくれたのですね。」
「敵の領内はどんな感じですか?」

ハマルトーロス。
「生活必需品でさえ事欠く毎日で。」
「裕福な人だけですね。」

バシレイアー。
「どうやら本当のことのようですね〜〜。」
「そんなに自分の国が嫌いで〜〜?」

ハマルトーロス。
「元々は移民ですから。」
「自分の国を持たないのです。」
「それでこの国に落ち着きました。」

バシレイアー。
「あれれ〜〜。」
「一週間前に寝返った人と書いてあります。」
「手違いでしたね〜。」

ハマルトーロス。
「試したのかしら。」

バシレイアー。
「偶然かな〜。」

ハマルトーロス。
「そうかな。」
「国の境目で取引があって。」
「穴場で枢軸国含めた。」
「最新情報を獲得したら。」
「敵さんに説明してあげて。」
「暗殺者でも捕まえれば金になる。」

バシレイアー。
「頼んでもいい?」

ハマルトーロス。
「逃げたりはしないわ。」
「報酬が良過ぎるもの。」

とある夜。

国の境目の村の外れ。

スパイ。
「これが最新情報だ。」

ハマルトーロス。
「機密は教えてくれないの?」

スパイ。
「それに入っている。」
「捕まるなよ。」
「自爆しろよ。」

ハマルトーロス。
「了解。」

別れました。

ハマルトーロス。
「これでひと儲け。」
「あれ?」
「誰か後を着けてきているような。」

スパイ。
「待て!」

ハマルトーロス。
「なんだい。」
「任務の邪魔をしようってか?」

スパイ。
「久しく帰ってきてないな。」

ハマルトーロス。
「ひとりかい?」
「随分勘がいいよね。」

馬を降りる。

スパイ。

飛び掛かる。

一気にスパイ苦戦。

スパイ。
「くうっ!」

ハマルトーロス。
「自分の実力と相談してから攻撃したまえ。」

スパイ。
「なぜだ!貧国を救うハズの俺達が!」

ハマルトーロス。
「あたしはもともと流浪の民。」
「手段を選ぶような子供じゃないってわけだ。」

スパイ。
「貧しい人々の為に!」

ハマルトーロス。
「それが相応しい奴も中にはたくさんいるだろうに。」
「ヒーローごっこは大嫌い。」

スパイ。
「偽善も交じっていると言うのか!」

ハマルトーロス。
「いろいろと言い分はあるだろうけれど、とりあいず、死んでもらおうか。」

スパイ。
「うわっ!」

ハマルトーロス。
「先に地獄に行きたまえ、後から仲間も送ってあげよう。」

スパイ。
「あ・・・ああ!」

ハマルトーロス。
「おそれることはない。」
「心静かに死を受け入れるのだ。」

スパイ。
「ぐああああ!!」

ハマルトーロス。
「追っ手の気配があるね。」
「トドメを刺しておこう。」
「って発煙弾炊いてやがったのか。」

ハマルトーロス急いで離脱。

味方の忍びと合流する。

5日後。

執務室。

ハマルトーロス。
「貰ってきた。」
「これから賞金首が増えるからね。」

バシレイアー。
「お〜!お宝フロッピーディスク。」
「金貨と同等の値打ち!」
「王様の所に届けなきゃ。」

ハマルトーロス。
「報酬は?」

バシレイアー。
「期待以上を差し上げましょう。」

バシレイアー退場。

ハマルトーロス。
「手段を選ばなくて良かった。」

ハマルトーロス退場。

街の裏山にて。

フォベオマイ。
「もう一回くる?」

コーリスモス。
「強いなあもう。」

フォベオマイ。
「根性がとんでもないよね。」

コーリスモス。
「怯んだ?」

フォベオマイ。
「おもしろくなった。」

アルキエレウス。
「次はわたしが。」

フォベオマイ。
「力がイレギュラー。」
「強くなったり弱くなったり。」

アルキエレウス。
「マイちゃんが強いだけなんじゃ・・・。」

フォベオマイ。
「私の短槍がっ。」

アルキエレウス。
「いまのはまぐれ!」

フォベオマイ。
「練習なんだから本気でやっちゃダメ。」

アルキエレウス。
「危ない危ない。」

コーリスモス。
「もう30分だよ。」
「魔力が尽きるから。」
「解散しよう。」

アルキエレウス。
「あらいけない。」

フォベオマイ。
「練習でやったのに魔力が半減してる。」
「やってしまったね。」

コーリスモス。
「はい帰ろう。」
「日が落ちかけている。」

フォベオマイ。
「ああしまったなあ。」
「またね。」

フォベオマイ全力ダッシュで帰宅。

アルキエレウスとコーリスモス。

手を繋いで帰宅していく。

アルキエレウス。
「毎日がメビウスの輪。」

コーリスモス。
「なにそのたとえ。」

アルキエレウス。
「抜け出せるかな。」

コーリスモス。
「自分が好きならいいんじゃない?」

アルキエレウス。
「幸福を追い求めているのかな。」

コーリスモス。
「そういうのは公正だと思う。」

アルキエレウス。
「相手に幸福の香水をかける事はできます。」
「そうすると自分にも数滴かかります。」

コーリスモス。
「自分にはかけられないけれど。」
「そのたとえ話で行けばいいのかも。」
「乞食の物乞いじゃなくて。」
「当然の権利にしないと。」

アルキエレウス。
「そのとおりです。」
「では走って帰ります。」

コーリスモス。
「またねっ。」

今日は解散。

薄暗いけれど。

そんな夜が美しい。

とある日の出来事。

なんでもない日常も。

人によっては尊い日々の宝。

知恵も有り過ぎると滅ぼしかねません。

アルキエレウスは神知に気付き始めました。

そのうち月光が照らす。

綺麗で静かな。

星々が広がる。

夜の世界が広がって。

宮殿のバルコニーから眺めてます・・・。

美しき自然の美。

満面の星々。

あれは私のすべて。

わたしの憧れ・・・。


14


それは遠くの国。

そこまで強くなく。

自然に囲まれた。

大河が流れる地域。

宮殿の中。

四人組。

とある国の大王が技量を買いました。

謁見。

大王。
「わしのもとで働いてもらうワイ。」

アイテオー。
「ああ仕方がない。」

メタノイア。
「こうなってしまった以上。」

パランゲッロー。
「飯の為。」

プロセルコマイ。
「なんなりと。」

大王。
「実は我が国は人材がよろしくなくてな。」
「あんまりいい国ではないだろう。」

アイテオー。
「民主主義ではないのですか?」

メタノイア。
「年貢の取り立てが厳しいとか悪評がありますよ。」

大王。
「何を言っている。」
「我が国は独裁悪の枢軸ぞーい。」

プロセルコマイ。
「性根がセコいよ・・・。」

大王。
「何か勘違いしているゾイ?」
「わしの夢は国連への加盟ぞい。」
「わしのやり方では駄目だから。」
「市民に任せようとしているゾイ。」

パランゲッロー。
「飯の為ではなくて?」

大王。
「おもしろい四人組ぞーい。」
「市民に託せばそれでよし。」
「できなければ現世と奈落を繋げてやるまで。」
「人をどれだけ誤解するか教えてやるぞい。」

アイテオーは軍の士官に任命されました。

メタノイアは大王のボディガード。

パランゲッローは斬り込み隊の隊長。

プロセルコマイは城の警備。

それぞれ着任しました。

アイテオー。
「ちょっとやり残した事がある。」

大王。
「きちんと戻ってくればいいぞい。」
「捕虜になったら買い戻してやるから。」
「さっさと行って来いぞい。」
「片づけて帰ってくるぞい。」

プロセルコマイ。
「失礼しました。」

大王。
「そんな言葉は要らんぞい。」
「さっさと行ってしまえ。」

四人組退場。

大王。
「同盟国に加入?」
「侵攻軍に加勢しても得はないぞい。」
「あいつらの支援なんてやめてやるぞい。」

世界情勢が。

国際連合と枢軸陣営に真っ二つに別れました。

今後どうなっていくのでしょうね。

枢軸国も戦争のし過ぎで消耗しており。

枢軸国の敵対勢力が連合軍になって。

枢軸国は対応で手一杯になってしまいました。

大王。
「テレビから奴らの馬鹿顔を拝んでやるぞい。」

なんともユーモアラスで個性的な。

とある国の出来事。


15


エウセベイアとグラムマテウス。

前線視察。

何かトラブルが無いかチェックするように命令され。

赴く。

エウセベイア。
「いわゆる情報収集ですねー。」

グラムマテウス。
「味方の情報もたくさん欲しい。」
「そりぁそうだよ。」
「成否に関わる事だから。」

指揮官。
「お待ちしておりました。」

エウセベイア。
「何か変わったことはありますか?」

指揮官。
「兵の士気が高くて。」
「それ所ではありません。」
「はっきり言って兵士が強過ぎます。」

グラムマテウス。
「あらまあ頼もしい。」
「特別な手柄を立てた人はいるかしら?」

指揮官。
「戦果確認係の表示をご覧ください。」

エウセベイア。
「へー。」
「敵陣に突撃して3回も陣地制圧した小隊が複数いるし。」
「戦車中隊で一度に15両撃破した部隊も。」
「兵士の士気高いですな。」

グラムマテウス。
「錬度を高く保っている王様の方針が正しいと証明された。」
「いいじゃない。」

指揮官。
「近年の宗教教育によって。」
「人本来の強みが出ています。」
「私でも信じられません。」

エウセベイア。
「まあ人について知ればそうなりますねー。」

グラムマテウス。
「しばらくこの野戦司令部に滞在するわ。」

指揮官。
「女性用の部屋で特別席があります。」

案内される。

エウセベイア。
「近くの飛行場からミグ21で遊覧飛行してみたい。」

指揮官。
「それは可能です。」
「予備の機体がありますし。」
「いずれはいろんな人が搭乗してデータを取らないといけません。」
「どうぞ。」

エウセベイアはミグ21に搭乗。

離陸。

グラムマテウス。
「兵法的にこの配置はどうかな?」

指揮官。
「少しわたくしどもが甘いようです。」

グラムマテウス。
「もしかしてあの兵法家はここにいない?」

指揮官。
「ちょっと後方に下がって休養しておりますので。」
「あの方は2日もすれば戻ってきます。」

グラムマテウス。
「それまで私が兵法については助言するわ。」

指揮官。
「それでは王様の指示もありますし。」
「そのとおりにしましょう。」

エウセベイア。
「最新型のミグ21。」
「乗り心地は抜群。」
「中々の性能じゃない。」
「特に運動性能は最高よ。」

敵のF-8クルセイダー戦闘機が偵察に来ていましたので。

後ろに付いてやっと判明しましたよ。

防空ミサイル圏内と見て逃げていきます。

敵が無線を間違えています。

パイロット。
「友軍相撃をしている。」

エウセベイア。
「子供っぽい奴?」
「坊や。」
「この新しいおもちゃで遊んであげよう。」

パイロット。
「あ・・そんな馬鹿な。」

エウセベイア。
「あっ!?」

「このホイール・ロックめ!!」

敵機逃亡。

性能的に明らかな差があり。

相手は振り切れないと見て。

友軍機に援護を要請したようなので。

追撃を中止。

帰還。

エウセベイア。
「中々の乗り心地でした。」
「性能的には敵より上回っています。」

指揮官。
「敵機と遭遇したようで。」
「貴重なデータを感謝致します。」

グラムマテウス。
「意外とあの人好戦的なのよね。」
「よく戦闘機に乗ったわあ・・・。」

最近は。

敵軍は何もしてきませんが。

代わりにレジスタンスが局地戦闘を繰り広げています。

敵軍から独立して。

勝手に戦闘をしているのですから。

批判を受けているレジスタンスですね〜。

敵国も関係が無いと言い張りつつ。

どうやら。

勝手に戦わせて。

様子を見ている姑息な作戦です。

最近は対レジスタンス戦が多くなりました。

レジスタンスが仕掛けてデータを収集して。

あわよくば攻勢に活かそうと考えていて。

レジスタンスはもはや捨て駒状態です。

数日後。

エウセベイア。
「では健闘を。」

グラムマテウス。
「大戦果で国民を熱狂させてよね。」

指揮官。
「視察を真摯に受け止め。」
「全力で事に当たりましょう。」

帰還。

グラムマテウス。
「さてと。」
「報告書をまとめないと。」

エウセベイア。
「わたしもです。」
「ボーナスが目当てになりました。」

グラムマテウス。
「また行こうね高級料理店。」

エウセベイア。
「はいそうしましょう。」

ふたりで決めポーズをとって解散。

なんとものんびりした戦争に突入してしまい。

それでも戦いに魅せられる。

この国の現在。

歴史を飾れるといいですね。

日本晴れのこの日は。

日向ぼっこしつつ。

報告書を執筆する。

ふたりの姿がありました。

のんびりまったり。

この国のありのままに・・・。


16


深夜。

宮殿の一室。

ソファーなどが散らばった。

小さな小部屋。

夜会。

ランプを灯して密談。

アルキエレウス。
「自然の力。」
「魔法使いとしての訓練こそ積んでいないけれど。」
「独自の秘術の才能を有している。」
「そんな女性が子供のうちに能力を開花させる。」

コーリスモス。
「魔法?いいえ自然の力。」
「独自の秘術だけれど。」

バシレイアー。
「ゲマトリア数秘予測。」
「魔法使いは魔法を裏切ると自壊する。」
「魔法使いと区分けされているのは。」
「性質が特殊だから。」

パラドシス。
「超常現象を容易に発生させる秘術。」
「古文書にも記載されていないけれど。」
「それを有している女性が魔法少女。」

コーリスモス。
「男の子が発現しないのは。」
「容易に魔術師に堕落するからかな。」
「そうなると魔法少年になる。」

カイロー。
「女性特有の特性でしか扱えないですから。」
「そんな男の子は魔法使いに過ぎないですよ。」

エウセベイア。
「魔法使いの女の子が魔法少女と言われていたけれど。」
「中でも超常的な力を操れる女の子と区別された。」
「能力の性質が違うから。」
「けっこう混同しがち。」

カイロー。
「変身も元はマジックから来ています。」
「魔力が解放されて。」
「強力ですが。」
「消費エネルギーが高いです。」

エウセベイア。
「なんの目的でもたらされたか。」
「なんの目的に使うかが大事?」

フォベオマイ。
「要点はそれだよ。」

アルキエレウス。
「みんなで探そうよ。」

コーリスモス。
「続行。」

グラムマテウス。
「女性しか扱えない秘術の事は内緒だよ。」
「他にもいろいろあるし。」
「たとえば。」
「天使アルマロスによる。」
「魔術や妖術を無効化出来る護符の知識も。」

アルキエレウス。
「護符。」
「魔女の妖術や同じ魔法少女の魔法は効果が無い。」
「貼り付けるだけで魔獣は死滅する。」
「近くに触れただけでも。」
「近寄っただけでも。」

コーリスモス。
「天使・・・天使?」

ハマルトーロス。
「そうそう。」
「天使についてはみんな知らない?」
「あたしにはテイアイエル。」
「未来を司る天使。」

フォベオマイ。
「わたしにはサリエル。」
「七大天使の一人で死を司る天使。」
「大鎌で死者の魂を狩ると言われている。」
「それぞれ尊敬する天使がいる?」

バシレイアー。
「自由意志の天使タブリス。」

アルキエレウス。
「天使と言えば四大天使。」
「ミカエル。」
「ガブリエル。」
「ラファエル。」
「ウリエル。」
「ちなみにミカエルは直訳で。」
「.神に似たるものは誰か.と言う意味。」
「あなたの姿は神に似ていますか?」
「なーんて。」

コーリスモス。
「ラグエル。」
「光の世界に復讐する者。」
「光の監視官。」
「カマエル。」
「蠍座の天使」
「神に敵対する者達を容赦なく攻撃するといわれている。」
「わたしもそうしてみよう。」

エイレーネー。
「私はメルキセデクの名を知ってるよー。」

アルキエレウス。
「悪魔とは堕落した天使のこと。」

コーリスモス。
「人が造られし時。」
「神は予知していた。」
「永遠のいのちに至る者。」
「永遠の刑罰に至る者。」
「神と共に歩む者。」
「神に背き続ける者。」
「それぞれの結末でさえ。」

アルキエレウス。
「全員は救われない。」
「ところで強いられたら必ずしも罪では無いのでは?」


エウセベイア。
「強いられてそうなったと認定されたら。」
「怪しい所です。」

「裏には裏がある。」
「この諺が適用されますよ。」
真実な話なのに実は別な意味をもっているの意。」
「表面に出ない事情が複雑にいりくんでいて真相が計りしれないというたとえ。」


アルキエレウス。
「理解はしあわせ。」
「あなたも人間を辞めてみますか?」

コーリスモス。
「おもしろい事を言うわね。」
「人間ほど不自然な生き物はいないわあ。」

フォベオマイ。
「知能があるから利口とは限らん。」

エイレーネー。
「わーお。」
「そんな事言わないでー。」


アルキエレウス。
「悪しき思考。」
「悪魔の所業かな。」

パラドシス。
「では何か楽しい話題でも?」

コーリスモス。
「ルキちゃんに好きな人出来たって。」

アルキエレウス。
「そんなことはないですよ。」

フォベオマイ。
「愚直にからかいに走る。」

エイレーネー。
「つまづいたね。」

エウセベイア。
「そのまま一回転。」

コーリスモス。
「そして宙返りしにて立つ。」

パラドシス。
「あらまあ10点満点。」

バシレイアー。
「オリンピアに出れますね〜。」

コーリスモス。
「そんなあ。」
「照れるなあ。」

アルキエレウス。
「世界を取るのだ。」

ハマルトーロス。
「世界一のあとはどうするの?」

フォペイマイ。
「歴史に刻むのです。」

バシレイアー。
「なんて素敵なこと〜。」

コーリスモス。
「世界取るために。」
「リーは行きます。」

アルキエレウス。
「ちょっと。」
「くすぐらないでください。」

バシレイアー。
「脱ぎます。」

ハマルトーロス。
「やめなさい。」

バシレイアー。
「だって。」
「こんな時は脱ぐのが定番でしょう。」

フォベオマイ。
「なんでも脱げばいいもんじゃないよ。」

アルキエレウス。
「なんで脱ぐの?」

バシレイアー。
「脱ぎたいから。」
「駄目?」

エイレーネー。
「お姉さん何の下着履いてるの?」

コーリスモス。
「増長させるなー。」

エウセベイア。
「クッションを。」
「食らいなさい。」

エイレーネー。
「叩き落とし。」

アルキエレウス。
「これでは宴会ですよ。」

パラドシス。
「蝋燭。」
「アロマキャンドルなんてどうですか?」

コーリスモス。
「賛成。」
「全員一致?」

エウセベイア。
「いい匂い。」

エイレーネー。
「この娘もいい匂い。」

アルキエレウス。
「キャーやめてください。」

コーリスモス。
「この娘喜んでる。」

バシレイアー。
「少しいいことしちゃうよ。」

アルキエレウス。
「ああ・・・もうっ。」

エイレーネー。
「いつからここはいかがわしいバーになったんですか?」

ハマルトーロス。
「おふざけ会じゃないの?」

グラムマテウス。
「怪しい夜会に戻しましょう。」

パラドシス。
「夜を楽しむ会ですからね。」
「ふざけ過ぎると収拾がつきません。」

アルキエレウス。
「倫理について。」
「倫理学。」

コーリスモス。
「人生は生活するのが目的?」
「愚劣なっ。」
「神に造られた通りにするだけ。」
「道徳の起源ねえ。」
「被造物に必然的に発生したもの。」
「法則と言っても因果律とか。」
「自然の法則を捕捉できればいいし。」
「人間生活の理念かあ。」
「それは自然の道理にあるんじゃないかなあ。」

エイレーネー。
「指針を貰っていません。」
「人間自体の独学なんて初めから無理があるのは明らかです。」

グラムマテウス。
「創世記の授業に帰ればいい。」

パラドシス。
「簡単な答えです。」

アルキエレウス。
「要は神々から授業を受けるまで。」
「人間は自立できないし。」
「迷子と暗闇ということでしょう。」

エウセベイア。
「誰も自分の道を知らない。」
「暗闇の世界という言葉はよく聞きます。」
「誰もが迷い出て無益な者となった。」

ハマルトーロス。
「おっと時刻。」
「1時を回る。」
「夜警と一緒におさらばするよ。」

フォベオマイ。
「ノック?」
「聞いてくる。」
「それぞれのお迎えの護衛が来てるって。」

アルキエレウス。
「夜更かしも楽しいものです。」
「でも深入りはやめましょう。」
「解散ですかね。」

コーリスモス。
「みんな帰るの早いね。」

エイレーネー。
「そろそろかと思っていて。」

エウセベイア。
「わたしも。」

カイロー。
「ハメ外しもおもしろかったです。」
「明日はいつもの真面目モードで行きますから。」

グラムマテウス。
「朝は早いし。」
「この辺で。」

フォペイマイ。
「またね。」

アルキエレウス。
「また明日。」

みんな解散。

夜警が巡回しており。

治安維持中。

小さな電灯には。

夜警の集合場所があったり。

国王の隠密も参加して。

屋根の上から。

特殊な双眼鏡で監視中。

良い意味での監視が徹底されている。

アルキエレウス。
「神を無視した結果は。」
「無知蒙昧と。」
「謎と無意味な世界。」

カイロー。
「言い過ぎだと思います。」
「みんなそうやって学んでいます。」
「いいんです。」
「少しずつです。」
「人はそうするしかないんです。」

アルキエレウス。
「少しずつ?」
「ということは。」
「楽観視してもいいのかも?」

カイロー。
「いつだってノアとエノクがお手本です。」

アルキエレウス。
「そうですよね。」
「頭を冷やしつつ。」
「ベッドに向かいます。」

カイロー。
「一緒に寝る?」
「なんて言わないでくださいね。」
「誰かと寝るなんて初めてですし。」

アルキエレウス。
「そんな。」
「ベッドの中で変な事しないでください。」

パラドシス。
「なにをやっているのです?」
「お部屋へ行きなさいな。」

カイロー。
「だってこの娘が誘うから。」

アルキエレウス。
「だって誰かと寝るだなんて。」

パラドシス。
「そんなに寝たいのなら。」
「一緒に寝てしまいなさい。」

ふたりでベッドの中に赴くことに。

アルキエレウス。
「いいことしないでね。」

カイロー。
「あなたこそ・・・。」

アルキエレウス。
「ちょっと。」
「そんなところ触らないで。」

カイロー。
「この最行かせて貰います。」

アルキエレウス。
「好き。」

カイロー。
「女の人の体って美しいですよね。」

アルキエレウス。
「気持ちいい。」
「もっと。」

カイロー。
「抱き枕。」

ふたりで一緒に就寝。

なんとも言えない夜会の後に。

女の子同士でイチャイチャしながら。

平和があり。

女の子としての自覚に溢れている。

ふたりは。

同時に夢心地。

今宵も女性の美学が発現する。

男子禁制華の園。


17


尋問室に連れてくる。

ハマルトーロス。
「前の奴です。」
「捕らえました。」

バシレイアー。
「了解。」
「ちょっと目を隠していて。」

スパイ。
「何をする気だ?」

バシレイアー。

間接的にスパイの首を絞める。

スパイ。
「白状・・・しないぞ・・・。」

バシレイアー。
「悪しき抗拒ハ、認メズ。

「湮滅スベシ。」
「迷妄ナル嬰児。」

スパイ。
「うわあああ!!」


バシレイアー。

スパイの体に状態異常を発生させ。

さらに混乱させる。

スパイ。
「一連の犯人は。」
「過激派組織が加担しております。」
「正式な名前は知りませんが。」
「隣町で慈善団体として体裁を保っています。」
「夜間になれば妙な事ばかりしておりますので。」
「近くの山から望遠鏡で敷地を見ていれば。」
「容易に発覚致します。」
「あと私は自爆装置を持っておりますが。」
「お渡ししますね。」

バシレイアー。
「いい子ですね。」

ハマルトーロス。
「これを食らったら誰もタダじゃ済まないぞ〜。」

バシレイアー。
「ちょっと凶悪な力ですので。」
「人前では見せられません。」

ハマルトーロス。
「相手が見えれば力を加えられる。」
「耐性が無い奴から見ればとんでもないぞ〜。」

バシレイアー。
「誰かに同じ技をかけられたら逃れ方を教えてあげる。」

ハマルトーロス。
「どうも御親切に。」

スパイが白状したので。

過激派組織は一気に壊滅。

内部潜伏犯もバシレイアーに白状してしまい。

国内の反乱分子が一気に全滅。

エウセベイア。
「いやはや手柄がいっぱいですよー。」

グラムマテウス。
「実戦魔法女性とか。」
「わたしらは手軽に投入できる戦力だからよ。」

エウセベイア。
「これでは勲章モノですよね。」

グラムマテウス。
「そうそう。」
「もうすぐそこ。」

エウセベイアとグラムマテウスが活躍して。

勲章を授与されましたよ。

エウセベイアとグラムマテウスは手軽に使えますので。

城の中にある研究所に就くことになりました。

エウセベイアは剣術師範の業務が終わると。

すぐ警備担当となりましたね。

エウセベイア。
「あらら出世コース?」

グラムマテウス。
「自宅が研究所だったから。」
「引っ越ししてるわ。」
「積極的に志願して良かった良かった。」

エウセベイア。
「好戦的な私達ですから。」
「志願すれば通るものですね。」

グラムマテウス。
「魔法が使えるんじゃあ拒む理由もない。」

エウセベイア。
「もし神の御技であればこれを恐れます。」
「なんでもありなんですから。」

グラムマテウス。
「運命に従うとそうなるのかもしれないわ。」

エウセベイア。
「たぶん国王に知られていて。」
「高く買ってくれたんだと思います。」

グラムマテウス。
「力量は高く評価されているってことか。」
「てっきり戦闘力だけが買われたんだと思ってた。」

エウセベイア。
「それ以外にも可能性があると思われてます。」
「何か私でも知らない何かを王様は察したんじゃないかと。」

グラムマテウス。
「そういうことね・・・。」
「中々合理的なこと。」

エウセベイア。
「恐縮ですね。」

ふたり。

通過。

ハマルトーロス。
「もっと捕まえてくる?」

バシレイアー。
「充分です。」
「ありがとう。」
「今度ランチでも?」

ハマルトーロス。
「いいですよー。」
「是非ご一緒に。」

ふたり解散。

日常風景の中に。

歴史がある。

この日は特にその色が濃い。

ひとつの刹那。

その時代を生きている人々は。

時代の中に忘れられるが。

この人たちは刻んでいました。

刹那に確実に。

深く・・・。


18


新しい領土になった場所で一揆が発生しましたが。

アルキエレウスが和平を持ち掛け。

リーダーを引き渡す代わりに。

良い条件を与えて。

農民は応じた為。

和解に至り。

リーダーは処刑されました。

枢軸国の同盟国に。

「国連に加盟すると豊かになる」という策略を仕掛けましたら。

違反が相次いで。

枢軸国は対応に追われています。

地下遺跡にて。

壮絶な。

意味不明なトラップや。

不意打ち上等。

普通のルートでは辿り着けない道まで。

普通に通ったら死亡確定が永延と続く遺跡を通り抜けて。

なんとか宝箱から石版を入手。

フォベオマイ。
「なんとかだったね。」

バシレイアー。
「ちょっとトラップが多かったですね〜。」

アルキエレウス。
「でも肝心の石版が発掘できましたよ。」

カイロー。
「役に立ててよかったです。」

ハマルトーロス。
「下手すれば一撃必殺だわー。」

アルキエレウス。
「ここまで来て終了。」
「ではなんて書いてありますかな。」
「約束の地を奪われてはいけない。」
「ああなんてこと。」

ハマルトーロス。
「敵国の大義名分が約束の地の奪還だから。」

バシレイアー。
「これ見せつければ相手さん士気ないですよ〜。」

アルキエレウス。
「戦争終了のお知らせ。」

カイロー。
「追撃してくる何かがあります。」

ハマルトーロス。
「さっきやった残りだわ。」

バシレイアー。
「バスタードソードから持ち替えて。」
「大弓。」
「あなたのハート(心臓)を射抜いちゃうぞ〜。」

カイロー。
「私の神技を見てください。」
「なんてかっこつけたい年頃なんです。」
「外しちゃった。」

アルキエレウス。
「あれ倒しておしまいです。」
「撤収。」

動く石像?をリンチして抹殺。

破壊。

持ち帰って国王に報告。

アルキエレウス。
「これを見せつけて敵をくじきましょう。」
「それから。」
「枢軸国にレジスタンスを発生させます。」
「枢軸国がどれだけ人々を不幸にしているか突いてみましょう。」
「まずは相手国の重臣に地位を約束させる手紙を漏洩させて。」
「儀式の刻印も入れておきます。」
「ハマルトーロスさんにやらせましょう。」

国王。
「よろしい。」
「会議を開こうか。」

枢軸国。

そのうち混乱。

政権を倒せば見返りがあると分かって。

内部で内輪もめしています。

大義名分を失った三国は別の理屈を付けて凌ぎましたよ。

ハマルトーロスが懐柔工作を仕掛けて。

富国強兵であるこちら側に違反者が増えていますね。

貧しい国を捨てて。

亡命してくるので。

抱えてあげてます。

「こちらが侵攻して勝利したら善政を敷く。」という書文を書いたりして。

敵国の民衆に不満が生じました。

同士討ち。

侵攻国の将軍が別の将軍を殺害したり。

手紙に書いてある将軍を左遷したり。

さらには。

民衆の不満が爆発して。

三カ国に小規模な内戦が発生。

侵攻どころじゃないです。

戦争に意味を見出せなくなって。

テレビでの取材も報道されましたよ。

アルキエレウス。
「戦争で余計な疲弊を誘っている。」
「枢軸国はこじつけていろんな国を屈服させ。」
「貧しい人々を苦しめている。」
「私達はあらゆる慈善活動に国庫を費やしていますが。」
「彼らのせいで台無しになりました。」
「あれらの政府は民を裏切っていると思います。」

枢軸国は。

敵に囲まれて四面楚歌。

枢軸国と反乱軍で戦争に突入。

三カ国は沈黙してしまいましたね。

数か月後に。

執務室にて。

カイロー。
「はじめから相手に勝ち目がなかったのではないでしょうか。」

バシレイアー。
「結果論ですね〜。」

アルキエレウス。
「戦力としては互角でしたが。」
「日に日に優勢になっていました。」
「相手にとっては無謀な戦いを仕掛けたものです。」

フォペオマイ。
「いたずらに国を疲弊させた結果に終わりそう。」

アルキエレウス。
「そうなったら民衆は不満だらけです。」

バシレイアー。
「相手さんの惨劇をテレビで見ることになりますね。」

ハマルトーロス。
「クッキーを片手に?」
「なんてこと。」

カイロー。
「私達の歴史に華を添えて散ってくれるんです。」
「いいじゃないですか。」

フォベオマイ。
「さりげない皮肉だね。」

アルキエレウス。
「戦いは詰めが肝心です。」
「しかし意外ですね。」

カイロー。
「そうです。」
「なんか勝っちゃうことがあるんです。」

フォペオマイ。
「これはまずい!と思ってもなぜか。」

ハマルトーロス。
「不思議だわあ。」

バシレイアー。
「勝敗は有利不利で決まらない。」
「戦いを知っている人は経験するのかもしれませんね。」

カイロー。
「なんか勝ってしまうんです。」
「こうなると。」
「どっちが強いとか言っている方が阿呆だってわかってしまいます。」

アルキエレウス。
「必然の力でしょうか。」
「理由・正体などは不明。」

フォベオマイ。
「人間の知恵ではわからないような事は普通だよ。」

バシレイアー。
「なんかこんな雑談もできるって。」
「私達随分と理知的ですね〜。」

ハマルトーロス。
「戦争が新鮮だからじゃないかなあ。」
「何か出来事がないと世界つまんない。」

フォベオマイ。
「人々が怠惰・怠慢に陥ったら。」
「お仕置きしようね。」

カイロー。
「どんな事がいいですかね。」

バシレイアー。
「あらやだ。」
「真顔で冗談言ってる。」

カイロー。
「たまには雑談もいいですね。」

アルキエレウス。
「はい。」
「みんな集まって。」
「いろいろ言い合って。」
「こんな話題でも楽しいものです。」

カイロー。
「何か書籍にして後世に残しておきましょう。」

ハマルトーロス。
「あっそれ賛成。」
「書記官から。」

バシレイアー。
「天に順う者は存し、天に逆らう者は亡ぶ。」
「自然の道理に従っている者は存在できるけれど。」
「逆らう者は滅亡してしまう。」

フォペオマイ。
「人が自然の道理に逆らうようになったら。」
「そこで滅びが待っている。」

アルキエレウス。
「みんなで執筆しておきましょう。」
「いつか人々が道を誤らないように。」
「間違った存在にならないように。」

フォベオマイ。
「なるべく正常であるように。」

バシレイアー。
「その時に。」
「本来の人の姿でいるように。」

カイロー。
「このあとパーティーやりません?」

バシレイアー。
「賛成だわあ。」
「ちょっとした簡易的な宴会やりましょ。」

アルキエレウス。
「みんな賛成ですね。」
「いい料理店があります。」
「マイちゃんに任せてください。」

フォベオマイ。
「そうです。」
「わたしに任せなさい。」

ハマルトーロス。
「いいねー。」
「たまにははしゃぎたい。」

フォペオマイ。
「自由の使徒は気に食わないけれど。」
「そうなると実在するものがある。」

カイロー。
「自由を行使した結果は最悪なもの。」
「自由は獲得するものではなく。」
「貰うものだと思います。」

アルキエレウス。
「要するに宴会をすべきなのです。」

バシレイアー。
「さて支度しなさいな。」
「たまにはハメ外すかも?」

カイロー。
「下着姿にならないでくださいよ。」

バシレイアー。
「やだー。」
「そこまではしないわ。」

ハマルトーロス。
「そこまで?」
「ということは近い事はやるのね・・・。」

アルキエレウス。
「では出かけましょう。」
「万楽に揺蕩う常世の国よ。」
「歓喜ノウちに顕現セよ。」

みんなでワイワイ。

料亭に出発です。

夕日も綺麗で。

自然の美がおもてなし?

人も美しい存在になればいいですね。

はしゃいで笑って泣いて。

尊いとある日に刻まれて・・・。


19


フォベオマイ。

いつもの散歩中。

強盗に遭遇。

強盗は商店を荒らして逃亡したので。

追いかけてみる。

強盗が途中で振り向いて。

拳銃で威嚇する。

フォベオマイ。
「降伏しなよ。」

強盗。
「来るな!」

なんと拳銃の弾薬が誘爆する。

強盗あわてる。

車から。

ライフルを持ち出す強盗。

ライフルの弾薬も誘爆してしまう。

強盗。
「なんだこれは!?」

強盗。

手榴弾を投げつけるが。

フォベオマイの前に目に見えない壁のようなものがあるような。

跳ね返って。

強盗巻き込まれる。

強盗あわてて徒歩で逃げる。

フォベオマイ。
「逃げないで。」

強盗。
「ああわわわわ。」

近くにいた騎士が強盗を組み伏せた。

仲間が助けに来るも。

拳銃の弾薬が誘爆してしまった為。

騎士に捻じ伏せられて。

騎士が続々と集まってきて。

警察官勢ぞろい。

強盗ふたりは逮捕。

フォベオマイ。
「少し遅くない?」

騎士。
「弾薬を誘爆させる魔法は騎士の間では基本ですが。」
「あなた魔法少女のマイちゃんですね。」

フォベオマイ。
「そう。」
「最近いっぱい発現している魔法少女のひとり。」

騎士。
「ご協力感謝です。」

フォベオマイ。
「力というものは目的通りに使うのがいい。」
「与えられた力ならなおさら。」
「その意向に沿ったほうがいい。」
「じゃあね。」

退場。

バシレイアーとハマルトーロス。

食事中。

フォベオマイが通りかかって発見。

バシレイアー。
「フォペオマイちゃんですね。」

ハマルトーロス。
「あらまかわいい。」
「嫁にしたい。」

バシレイアー。
「あらまあおもしろい冗談。」

ハマルトーロス。
「地味な娘。」
「目立たないけれど。」
「侮れない才気の持ち主。」

バシレイアー。
「師匠がいるんだって。」
「それであそこまで実力があるみたいよ。」

ハマルトーロス。
「きちんとした教えを受けたか。」
「違いが出て当然。」
「普通の子と比較するには不適切。」

バシレイアー。
「たまにはいいものも見れるわね〜。」
「調子に乗って追加注文。」

ハマルトーロス。
「私も調子に乗ってみたい。」

フォベオマイは新聞に小さく載りました。

魔法少女がいる限り。

栄光は続き。

永遠のものになる。

国民もお手本として。

日々精進する素晴らしい光景が。

この国を映しています・・・。


20


都市の地下遺跡。

大きなホールから先は。

現代の技術では進めません。

再度確認して。

立ち入り禁止の工事をしています。

アルキエレウス。
「何か出なきゃいいけれど。」

コーリスモス。
「前もなんか出たわよね。」

グラムマテウス。
「私が倒す。」

エウセベイア。
「恐ろしい邪気で満ちています。」

アルキエレウス。
「準備はいいですよ。」
「あれ?」
「ここに仕掛けがあるんですね。」

コーリスモス。
「床下が抜ける?」

アルキエレウス。
「行ってみます。」
「隠し階段です。」

さらに地下の大きなホール。

闘技場のような作り。

エウセベイア。
「古代の獣と罪人が戦った場所らしいです。」

グラムマテウス。
「なんて素晴らしいものを作ったのでしょう。」

アルキエレウス。
「何か遠くに居ますね。」

古代文字を擬人化したような姿。

ちょっと装飾でカッコいい。

そんな謎の存在が浮いている。

パラクレ−トス。
「攻撃します。」
「いいですか?」

アルキエレウス。
「よくないです。」

威嚇射撃してくる。

レーザー光線。

拡散弾もありますが。

威嚇射撃です。

パラクレ−トス。
「私はゴーレムと呼ばれた。」
「言わば人造のもの。」
「兵器の一種。」

アルキエレウス。
「ちょっと戦闘力が高そうです。」

パラクレ−トス。
「私を倒せるようならまた来なさい。」
「なぜ私は戦っているのか。」
「間違いとはなんだ?」

コーリスモス。
「過ちを引き起こせばすぐにわかるよ。」

パラクレ−トス。
「ではなぜ人間は間違いの中で平然と居られる?」

アルキエレウス。
「その上で己の間違いに蝕まれ。」
「気付かないうちに磔にされるのです。」

パラクレ−トス。
「では間違いとはなんなのだ?」

アルキエレウス。
「人を中心に考えますと。」
「おおよそ答えになりかねます。」

コーリスモス。
「正常を知らないから平気で間違いの中に居られるの。」

パラクレ−トス。
「人間の弁護なんて誰がやるのだ。」
「人間のうちの一部が処刑台へ向かう定めがある。」

アルキエレウス。
「いつまでも間違いを続けて。」
「自分で自分を犯して。」
「自滅を繰り返すのが人ならどうします?」

パラクレ−トス。
「なるほど。」
「お前だけ助かればいい。」
「理解できた者だけ助けられ。」
「いつまでも我を張るのなら処刑するしかない。」
「原罪というのはそういう結末になるのではないかと。」
「私の作り手は話していた。」

アルキエレウス。
「正しい人でも巻き込まれたら大変。」

パラクレ−トス。
「被害届は山ほど提出できるぞ。」
「せいぜい人間の馬鹿顔でも見て。」
「良い生き物ではない。」
「悪い生き物とはこうなのだ。」
「参考にして己を解放しろ。」

アルキエレウス。
「叛逆の物語。」

パラクレ−トス。
「それが人の歴史だ。」
「私の作り手はそう言っていた。」

コーリスモス。
「通らせてくれないの?」

パラクレ−トス。
「お前たちの弁護をすることになった。」

グラムマテウス。
「敵じゃないのね。」
「戦ってみたかったのに。」

エウセベイア。
「神の御技ですか?」

パラクレ−トス。
「私は不法な侵入者の番人であって。」
「正当な者は攻撃できない。」
「私は奥に退こう。」
「いつか私を倒すことができるように。」

パラクレ−トス消える。

アルキエレウス。
「辺りを調べて撤収しましょう。」
「構造が複雑過ぎるみたいです。」

防衛用のメカが出てきました。

アリやらハチやらを象った兵器です。

破壊しながら撤退しました。

ドアを閉めて終了。

アルキエレウス。
「報告しなくちゃ。」

コーリスモス。
「新しい場所に行けてもこれじゃあね。」

グラムマテウス。
「倒せない相手では無さそう。」

エウセベイア。
「いいえ。」
「あれは適当に攻撃しただけ。」
「2割も出してないわ。」

工事も終わって。

国王に報告がなされ。

新聞に載りました。

人々は興味津々。

普通の人が相手にできる存在では無いとか。

いろいろ言われています。

魔女が国内でテロを繰り返していて。

社会問題化していますので。

全国各地に現れた魔法少女が。

切り札として投入され。

国内戦が行われている最中です。

敵国も枢軸国しか頼れず。

枢軸国もためらっている。

そんな夏。

日差しが強く。

わたしにスポットライトを当てるかのように。

太陽は微笑むかのよう。

いつものように。

空に輝いて・・・。


21


神殿の庭。

花壇がたくさんある。

カイロー。
「ゲヒーリャがうろついているので。」
「報復しに行ってきます。」

パラドシス。
「指名手配犯ですので。」
「やっちゃっても大丈夫です。」

聖職者。
「復讐は何も生まないと言われています。」

パラドシス。
「それはそのひとが戦いに敗れたからです。」

聖職者。
「敗北者の言い分ですか。」

パラドシス。
「戦いを継続している人はよく復讐という言葉を口に出します。」
「自分の過去と戦っているんです。」
「過去を殺せば解放されます。」

聖職者。
「復讐も神の御技というわけか・・・。」

街中。

中規模のビルが乱立する都心部。

市民。
「あなたのその銃は平和の為ですか?」

エイレーネー。
「おおむね。」
「武器を手にした事の無い者。」
「殺し合いを一度も経験しなかった者。」
「これらは綺麗事を好むわよ。」
「まだ子供というわけ。」
「大人になるために銃を持っている。」

市民。
「確かに武器も持ったことのないのに。」
「どうして人が語れましょう。」
「どうして歴史が語れましょう。」

エイレーネー。
「大人のフリしている奴ら。」
「武器なしでは。」
「世界は語れない。」

市民。
「殺し合いはいけないことだと言いつつ。」
「喧嘩好きで人殺しを望んでいるのはどうしてなのか。」

エイレーネー。
「世界はそういうもの。」

市民。
「戦いを否定するなら自分にすら勝てず。」
「あらゆるものに屈服あるのみ。」

エイレーネー。
「あなた凡人じゃないわね。」

城の中。

国王。
「もう少し女の子を楽しんだらどうだ。」

アルキエレウス。
「そうします。」
「真剣になり過ぎました。」

国王。
「歴史は基点となる。」

アルキエレウス。
「歴史。」
「意外そうですけれど。」
「人は歴史の通りです。」
「いくら否定しても。」
「歴史のとおりです。」
「人は歴史のとおりにしかならない。」
「意外そうですけれど。」
「いまもそうです。」
「否定してなんになりますか。」
「無益な者になりました。」

国王。
「歴史がいちばん人を知っている。」

アルキエレウス。
「歴史が人を解説しているのです。」

国王。
「女王になったらそれでいい。」

アルキエレウス。
「女の子を楽しんできますね。」

アルキエレウス退場。

国王。
「王座に座るだけでなく。」
「自分の目で見て。」
「確かめるのだ。」

国王窓際から去る。

学校にて。

コーリスモス。
「枢軸国が降伏を勧めているんだって。」

フォベオマイ。
「三カ国はもう終了するみたい。」
「さすがに分がないし。」
「消耗も甚大。」
「もうやってられないし。」
「神聖な地を遂に取られなかったと悔しがっている。」

コーリスモス。
「無謀な戦いを。」

フォベオマイ。
「残念ながら世の中あたまのいい人だけで構成されているわけではない。」
「そういう人達の為に支配というのは効果的に作用する。」

コーリスモス。
「愚かな者は乞食にでもなればいい。」

フォベオマイ。
「本当の愚者ならばそうなるとおもしろいよね。」
「アイス屋でも行く?」

コーリスモス。
「あの娘と合流しないと。」
「あの娘のことは放っておけない。」

フォベオマイ。
「私は義理です。」
「少し前までは。」

コーリスモス。
「友達って告白しちゃいなよ。」

フォベオマイ。
「恥ずかしいからやめましょう。」

コーリスモス。
「ちょっと待って。」
「かわいい所があるもんね。」

噴水広場。

アルキエレウス。
「待った?」

コーリスモス。
「待ってないよ。」

フォペオマイ。
「事前に調べておきました。」
「今日は露店が多いそうです。」

コーリスモス。
「ひとりで行かないで。」

アルキエレウス。
「たぶん名店を知っているから。」
「さっさと連れて行きたいんだよ。」

コーリスモス。
「あり得る。」

空に向かって。

アルキエレウス。
「ちょっと私は女の子やりますね。」
「迷子にならないように私を導いてください。」

町中へ消えていきました・・・。

国勢。

しばらくして。

三カ国は和平を申し入れ。

戦争は終結しました。

敵国とは3回目の戦争でしたが。

今回も私達の勝ちですね!

魔女はテロのやり過ぎで。

居場所を失い。

指名手配で数を減らしています。

国内も落ち着きつつあり。

論功行賞で数多の英雄が褒め称えられ。

市民はご機嫌です。

黄金時代の再来だとか。

この時期を「試練の七回目」と呼びます。

第二章-完-



22


夢で。

地下遺跡に光があり。

行ったほうが良さそうです。

強く惹きつけられました。

アルキエレウス。
「ちょっと急用です。」

カイロー。
「了解です。」
「伝えておきます。」

地下遺跡。

パラクレ−トス。
「待っていた。」
「お前の道標に華を添える。」

アルキエレウス。
「私は花ではありません。」
「岩です。」

パラクレ−トス。
「キマイラ・コピーがいる。」
「戦いの中で人は洗練され。」
「進化を得る。」
「匹夫には分からない世界だが。」
「お前には当然の道理だな。」

アルキエレウス。
「自ら勇敢に戦った者のみ。」
「英雄を褒め称える。」
「臆病者は逃げるのみ。」
「本物は戦いの中から生まれる。」
「戦いを忘れたるは単なる無力。」
「何に対して勝てましょう。」

パラクレ−トス。
「力無き者は哀れだな。」
「己の無力さを味わうがいい。」

アルキエレウス。
「自業自得。」
「その日暮らしをするような連中はむかしいました。」
「あなたはそれを教訓としているのですね。」

パラクレ−トス。
「戦い知らずはザコである。」
「これで刺せる。」
「私の作り手はそう言っていた。」

アルキエレウス。
「実際そうですよ。」
「はじめましょう。」

変身。

赤いオーラを放つ。

魔力は全開。

キマイラ・コピーが横から突進してきた。

いきなり現れたのを側転回避。

キマイラ・コピーが反撃の余地を与えない。

蝶のように舞い。

キマイラ・コピーにかすり傷を与える。

キマイラ・コピー少し攻撃が遅れる。

斬られる。

キマイラ・コピー怯んでしまう。

シャドーボールを作成していて。

キマイラ・コピー食らってダウン。

ジャンプして頭を貫かれ。

キマイラ・コピー仕留められる。

パラクレ−トス。
「見事。」

アルキエレウス。
「私は一人前でしょうか。」

パラクレ−トス。
「誰でもこういう試練は訪れるもの。」
「私の判断すべきことではない。」

パラクレ−トス消える。

アルキエレウス。
「やっと永遠を得る戦いの夜明けになった。」
「人知の及ばない。」
「でも私は。」
「ここから始まった。」

アルキエレウス立ち去る。

その夜の夢で。

かつての英雄に褒め称えられ。

幸福に満ちた朝となった。

いつものように人々が行き交い。

でも。

アルキエレウスだけは。

何かが違った・・・。



アルキエレウス。
「この書物はカトリックとプロテスタントに贈ろうかな。」
「あっ!そうだ


23


パラドシス。

神聖な洞窟で瞑想中。

いつもの修行。

突然。

辺りが暗くなる。

焚き火が消える。

天空の闘技場に居る。

パラドシス。
「何者でしょう?」

アンゲロス。
「訳あって手合わせ願おう。」

パラドシス。
「よろしいですよ。」
「古代の英雄。」
「いいえ天使さん。」

アンゲロス。
「参るぞ。」

パラドシス対アンゲロス。

激しく斬り合うが。

両者一歩も譲らない。

引いては接近して。

接近しては引いて。

パラドシスの華麗な槍さばきを。

簡単に受けるアンゲロス。

パラドシスは押しに行くが。

アンゲロスは後ろに退きつつ。

一発勝負を狙ってくるが。

パラドシスに避けられる。

剣戟は続き。

ついには決着が着かなかった。

パラドシス。
「互角ですね。」

アンゲロス。
「いつか貴女は戦う女性の象徴になるはずだ。」

フィールドが消えて。

元の洞窟に戻る。

焚き火が復活する。

パラドシス。
「女神と言いたかったのでしょうかね。」
「わたくしは謹んで賛美を受け入れましょう。」

パラドシス立ち去る。

静寂に包まれた。

神聖な洞窟は。

不思議なオーラで包まれていて。

一歩出れば。

聖なる虹がお出迎え。

パラドシスは空を見ながら。

退場。


24


夕方。

街の外れの沼地。

カイロー。
「見つけました。」

ゲヒーリャ。
「見つかりました。」

カイロー。
「前にも街に入りましたよね。」

ゲヒーリャ。
「知られていたのか。」


カイロー。
「おお・・・お願いです!!死んで頂けますか?」

ゲヒーリャ。
「まずいな。」

ゲヒーリャ逃げ出す。

カイロー。
「ああ!ゲヒーリャさん!ゲヒーリャさんよー!!」

ゲヒーリャ。
「とんでもない女に手を出しちまった。」

カイロー。
「ゲヒーリャさん!懺悔はいま!」

ゲヒーリャ。
「そんなヒマはない。」
「逃げるのみ。」

カイロー。
「女の子に追いかけられる感想は?」

ゲヒーリャ。
「おいおい!あなた待ってうふふなんて言えるかよ。」
「本気で殺られる!!」

追いつかれて引き倒されるゲヒーリャ。

カイロー。
「女の子に押し倒される感想は?」

ゲヒーリャ。
「あんたじゃなければおもしろいじゃないか。」
「ん?待て・・・そんなやり方で・・・うわあ!?」

電撃を浴びせられるゲヒーリャ。

ゲヒーリャ。
「俺はドMじゃない!」

カイロー。
「ぬるいのですか?」

ゲヒーリャ。
「ぐおおおお。」

カイロー。
「貴方の命の灯が揺らぐ。」

ゲヒーリャ。
「待て!俺は金になるぞ・・・・うわああ。」

なんとかもがいて。

ゲヒーリャ逃げる。

カイロー。
「お待ちになられて〜。」

ゲヒーリャ。
「ふざけるな!」

ゲヒーリャ草むらに突進するが。

謎の力でカイローの前に来てしまう。

何か貼り付けられたゲヒーリャ。

ゲヒーリャは自力でそれが取れなかった。

小さなお札。

カイロー。
「天から裁きが。」
「あなたに相応しき定め。」

ゲヒーリャ。
「これまでいろんな女を出し抜いてきたが。」
「あんたはえげつない。」

カイロー。
「醜い化け物から見たら私はえげつないのでしょう。」

ゲヒーリャ。
「俺が醜い?」

カイロー。
「覚えてない?」
「まあいいでしょう。」
「さようなら。」

ゲヒーリャ。
「ああ!女の恐ろしさは見たさ!」

ゲヒーリャ逃亡に成功。

雨が降ってくる。

林に入るゲヒーリャ。

道に行こうとしたら。

雷が鳴る。

少しずつ激しくなり。

木に命中して火を吹く。

必死に避けるゲヒーリャだが。

止んだと思って。

街道の洞窟に入ろうとするが。

森林から出た瞬間。

農民に発見されて武器を持って追いかけられる。

平地に誘い出てしまう。

平地は雷の標的になりやすい。

逃げるうちに。

そのうち。

ゲヒーリャに落雷が直撃。

ゲヒーリャ死亡。

嵐の日の出来事。

カイロー帰宅。

虚しい表情で。

休憩室に入る。

バシレイアー。
「それはひとつの終わり。」
「あなたの結果。」
「コンクルーダー。」

すぐに夜になり。

激しい大雨。

ひとつの結末の日は。

凄まじい雷が鳴り響き。

自然の猛威が辺りを包む。

それは。

闇夜の結末。


25


学校にて。

コーリスモス。
「気の向くままに私達は行くけれど。」

フォベオマイ。
「知っておきたいことがある。」

コーリスモス。
「それは「人としての正常な姿」を知りたいという願望。」

フォベオマイ。
「私は正常だよ?聖書にはそうは書いていない。」

コーリスモス。
「探究して探し回って。」

フォベオマイ。
「いろいろ参考にしている。」

コーリスモス。
「いつか知りたいな。」

フォベオマイ。
「私達はそれで満足。」
「知らないといけない事が誰にでもある。」
「それを知るのです。」

下校の鐘が鳴る。

学校に視察に来たふたり。

バシレイアー。
「気が合いますね。」
「お金が好きなんですよ。」
「眺めているだけでうっとり。」

ハマルトーロス。
「そうそう。」
「財産を得たら何に使うかはお金さんが決めます。」
「お金を知るとお金は黄金。」

バシレイアー。
「それそれ〜。」
「私はお金の魅力に狂喜していますね〜。」

ハマルトーロス。
「お金を得たいのはお金が好きだから。」
「いっぱい稼いで眺めてうっとりする。」

バシレイアー。
「お金がそっちに行きたいよ。」
「そうなったら行かせてあげる。」
「そうなるのも私の趣味。」

ハマルトーロス。
「なんだかんだ言ってお金が物を言うわ。」
「金銭はすべての必要に応じる。」
「蓄えたらお金の真の値打ちが出る。」

バシレイアー。
「それをその通りに使うのもお金の魅力。」

ハマルトーロス。
「素晴らしきお金持ちへの夢。」

バシレイアー。
「あとは方法ね〜!!」

ふたりで雑談しながら。

会議室へ。

学校の敷地内の中庭。

エウセベイア。
「学会に提出しないといけないなんて。」

グラムマテウス。
「仕方がないよ。」
「本業はこっちだし。」
「詮索好きはこうなる定め。」

エウセベイア。
「定めならやさしい。」
「私は従っていくのみ。」

グラムマテウス。
「従うという行為は時に大事なこともある。」

エウセベイア。
「逆らうことばかりしていたら。」
「残忍な使者が贈られる。」

グラムマテウス。
「新しい教育改革案なにかある?」

エウセベイア。
「宗教をもっと強く入れることかな。」

グラムマテウス。
「それなら適任がいる。」

学校内の祭壇を調節していたカイロー。

エウセベイア。
「というわけで助言が欲しい。」

カイロー。
「わたくしは女性の美学を探求し。」
「実践したいと思っています。」
「女性も基本が出来れば応用です。」
「きちんとした教えを受けていない女性は女性ではありません。」
「正統な教えを受けた女性こそ女性であると名乗れます。」

グラムマテウス。
「きちんとした教えを受けていない女性が女性でいられるわけがない。」
「むうさすが。」

エウセベイア。
「なるほど。」
「きちんとした教えを受けてはじめて女性を名乗れる。」
「真理だと思います。」

学校の花壇の近く。

エイレーネー。
「もっちゃん。」

コーリスモス。
「レーネちゃん。」

エイレーネー。
「敵を倒せば平和になると思いますか?」

コーリスモス。
「でもつい最近まで人類は変わらなかったよね。」
「倒すべき敵を倒しても。」
「何も変わらなかった。」
「やっと近代史において悔い改めた。」

フォベオマイ。
「戦争を否定し。」
「兵器を捨て。」
「兵士を封印すれば平和などと言う考え方は愚昧ですな。」
「そんなもの神に匙を投げられます。」
「愚昧には神も匙を投げるというのは古い格言です。」

エイレーネー。
「人から見た平和なんてそんなもの。」
「私はね。」
「平和の神から教えを受けることにしたの。」
「私の平和への貢献は後世の人々に良い影響を与えられるようにね。」

コーリスモス。
「おおご立派で。」
「何も教えられずに自由教育とかやっていると。」
「エデンを追放された理由も明らかになります。」

フォペオマイ。
「人のみの独学は愚者の結論に至る。」
「悪が増えた頃に滅ぼされ。」
「今度は愚者が増えた。」
「こう記されないように。」

エイレーネー。
「そういうこと!」
「なんか国王の護衛に任命されちゃって。」
「どうしようか。」
「私好みの職が無いか。」
「もう少し探し回ってから辞退するか就くか決めるね〜。」
「今日はアイス食べに行こう。」

コーリスモス。
「あの娘は?」

エイレーネー。
「何か来られない事情があるみたい。」

フォベオマイ。
「人の事情は汲んでやりなよ。」
「最近は修練の最終段階だって。」

コーリスモス。
「そっか。」

フォベオマイ。
「友達想い真の友。」

コーリスモス。
「あんたが言うとは思わなかった。」

エイレーネー。
「行っきましょう!行きましょう〜。」

それぞれ。

思うところがあって。

己の目的に為に一生懸命です。

実りある女の子たち。

いつか見つかるといいですね。

「自分の答え」を・・・。


26


とある学校の風景。

みんなのんびり。

自由主義教育の景色。

テーマ学習で。

論文を提出できたので。

自由時間を獲得。

フォベオマイ。
「とある国の人々。」
「他者より強く、他者より先へ、他者より上へ。」
「それが人の夢、人の望み、人の業。」

コーリスモス。
「なにそれありのままじゃん。」
「言ってくれるな。」

フォベオマイ。
「競い、妬む、憎んでその身を喰い合う。」

コーリスモス。
「その言い方はおもしろいわね。」

フォベオマイ。
「次の時代を支配するのは女性。」

コーリスモス。
「そう言われているわね。」
「やり甲斐があるわ〜。」

エイレーネー。
「よっ!」
「ある人は言った。」
「自分だけ平和なら、それでいいのか?」

フォベオマイ。
「いいと思っているからな〜んにもしない。」

コーリスモス。
「せめて彼らに相応しき待遇を。」

フォベオマイ。
「それ神に言わないように。」

コーリスモス。
「なんで?」

フォベオマイ。
「七戒に触れるかもしれない。」

コーリスモス。
「七戒ヲ犯ス愚者ニ死災ヲ。」

フォベオマイ。
「だから言わないで。」

コーリスモス。
「程々にするわ。」

フォベオマイ。
「ジーザス。」
「歴史を結果論で見ると駄目だよね。」
「すべての戦いを結果論で計るのは愚かなり。」

コーリスモス。
「当時の人は自分が勝つなんて分からなかった。」
「歴史は良い教科書。」

フォベオマイ。
「いつか人の世が行き詰まる時。」
「人の力では不可能であると悟る時。」
「はじめて人は神を求める。」

コーリスモス。
「その時。」
「はじめて人は神を見る。」

エイレーネー。
「人が言う平和っていったいなんなの?」

コーリスモス。
「さあ。」
「彼らが何を言っているのか知らない。」
「彼らは平和の道を知らないから。」

エイレーネー。
「平和の道を見出そう。」
「平和の道は平和の神への祈りからっ!!」

コーリスモス。
「なんて神々しい。」

フォペオマイ。
「ねえ。」
「人を殺すと罪になるの?」

エイレーネー。
「七戒や十戒を犯す者を処刑するのなら。」
「罪には該当しないでしょう。」

コーリスモス。
「そうやって処罰していけば。」
「人殺しは全滅するわよ。」

エイレーネー。
「そうなると平和は容易に達成できない?」

フォベオマイ。
「悪用すれば処刑されるから。」
「その連続で好循環。」
「いいねそれ。」

エイレーネー。
「よく議論されるテーマじゃないですか。」
「平和はそうしないと。」
「実現できないのかな。」

コーリスモス。
「みんなを逃さないよ。」


フォベオマイ。
「自然の法則。」
「因果律。」
「逃れられない。」
「あの人達も私も。」

エイレーネー。
「犯意の事を言っているのかな?叛意?」

フォベオマイ。
「自然の冒涜はいけないこと。」
「授業の時間になります。」
「準備時間。」

コーリスモス。
「え?」
「私達には自由時間があるよ?」

フォベオマイ。
「私は出る。」

コーリスモス。
「真面目?」

フォベオマイ。
「野望の為。」

コーリスモス。
「ごめんさっきのは無かったことに。」

エイレーネー。
「いつでも訪ねてね!相談室に居るから!」

コーリスモス。
「レーネちゃんその時はお願いね。」

フォベオマイ。
「さてはじめましょう。」

コーリスモス。
「地盤固め、土台を固めて。」
「まさかそこまで徹底するとは思わなかった。」
「それにノるよ。」

フォベオマイ。
「巻き込んだ?」

コーリスモス。
「そのほうがいいと思った。」

そよ風が吹く頃〜。

少女はそこに時を刻む。

ローマは一日にして成らず・・・。


27


旗日。

神殿には多数の崇敬者達が整列。

アルキエレウス。
「あなた方は義について自由に振る舞っていました。」※ローマ人への手紙6章20節。
「それで何か良い実を得たでしょうか。」
「そのものの行き着く先は死です。」
「あなたがたの手足を不義に差し出してはいけません。」
「義に捧げなさい。」
「あなた方は罪の奴隷になるつもりですか。」
「自分の手足を汚れと不法の奴隷として捧げてきました。」
「義について振る舞い。」
「行き着く先は死です。」

みな真摯に受け止める。

このあと。

倫理についての集会が多数開かれました。

その後。

宮殿にて。

多数のソファーとテーブルの部屋。

パラドシス。
「自分が正しいと言えば正しい事になる。」
「何が正しいか自分で決めていいのです。」
「何が正しいか自分で決めることができる。」
「おかしいですよ。」
「それを皆がやる。」
「自由を行使した結果です。」

アルキエレウス。
「義について自由に決めていい。」
「そんな事が普通にあるのです。」

コーリスモス。
「二の句も継げない。」

グラムマテウス。
「我が国の法律はモーセの十戒。」
「ノアの法がベースという起源です。」
「山上の垂訓も取り入れています。」
「これらが原型です。」
「つまり律法に忠実である。」
「これが原則だから。」
「それについての研究が盛んですし。」
「わたしは大忙し。」
「常に見張ってなきゃいけない。」
「事件があれば正義の追及。」
「律法の違反が法廷にあってはならないと。」
「律法の使者として。」

アルキエレウス。
「そうです!それでこそ!」
「自分の愚かさをひとつも知らない時点で愚者の仲間。」

パラドシス。
「自由を行使して義についても自由を行使する。」

コーリスモス。
「そうなると何が自由ですか。」

グラムマテウス。
「そんな事が無いように警備を任せられた。」

アルキエレウス。
「完璧であることは約束できません。」
「忠実であることは約束できます。」

パラドシス。
「自由を破棄して義の奴隷。」
「神の奴隷になったほうがいいですよ。」
「解放に至ります。」

アルキエレウス。
「分からないひとは愚者と比べることができます。」

コーリスモス。
「人は基本的に無知で無力。」
「自分の無知蒙昧との格闘。」

パラドシス。
「せめてノアとエノクをお手本に。」
「正しい人になれるように頑張りましょう。」

アルキエレウス。
「メイドさんが来ました。」
「ティータイムです。」

コーリスモス。
「下の者である百姓の米を食べている。」
「三顧の礼。」
「たまにはチップもあげたくなる。」

グラムマテウス。
「職務に忠実なメイドさんですから。」
「日頃の労に報いることも必要。」

アルキエレウス。
「そうでもしないと。」
「人間ほど悪い生き物はいないぞー。」
「この世界に。」
「なんて言われたりして。」

パラドシス。
「古来からの教えは常に真理をもたらす。」

グラムマテウス。
「神より受け継いだもの・・・!?」

エイレーネーちゃんが来ました。

コーリスモス。
「いらっしゃい。」

アルキエレウス。
「貴重な証言者が増えました。」

エイレーネー。
「ねえねえ。」
「女を勘違いされていませんか?」

パラドシス。
「女性はかわいい生き物ですよね。」
「いつ頃か間違いを犯した。」
「よっていつかの男性は間違った存在になった。」

コーリスモス。
「男を目指す男は男になれる。」
「女性を知る女性は女性らしくなる。」
「人知では無理かも。」

アルキエレウス。
「否定されないが故に誰も正しくない。」

グラムマテウス。
「女性について誰が知っていますか?」

エイレーネー。
「だよねー。」
「女神様から教わったのかな。」
「男神様はなんと仰せられた?」

アルキエレウス。
「そうなると人間は誤った存在になってしまいます。」

エイレーネー。
「人が間違った存在だったら?」
「いつの話?」

アルキエレウス。
「むかしのはなしです。」

パラドシス。
「大丈夫ですよ。」
「男尊女卑はこの国では通用しません。」
「女神様の冒涜をなさるのですか?」

エイレーネー。
「ああ痛い所を突いてしまった。」
「誰かに聞かれたらまずいです。」

グラムマテウス。
「この辺りにして。」
「ちょっと勝負しません?」
「ボードゲームがあります。」
「プレイング・カードとかチェスもある。」
「もちろんマラソンもいいですよ。」
「たまにはいろいろ試してみよう?」

アルキエレウス。
「おもしろそうですね。」

エイレーネー。
「戦いを否定して無力に葬られた。」
「戦いを批判して力に裏切られた。」
「力を正しく使えず力に貶められる。」
「弱者の肯定。」
「弱さの肯定ほど惨めなものはない。」
「よし私は乗りました。」

パラドシス。
「簡単には勝てませんよ?」

コーリスモス。
「一か八か。」
「勝負も時の運?」
「盛り上がりましょうかね。」

グラムマテウス。
「バトル・パーティ〜。」

賑やかな。

宮殿のひととき。

女の子をやるのも真剣そのもの。

古くから女性が栄えて。

女性の都と呼ばれた首都ですから。

女の子があちこち飾っていますよ。

太陽が暖かく包む。

ひとつの時代の軌跡。


28


神殿で瞑想中。

アルキエレウス。

ホールで待っているコーリスモスを発見。

のんびりお茶をして。

のんびり待っていたのです。

アルキエレウス。
「この時代はどう思います?」

コーリスモス。
「実際の歴史って。」
「教科書で語れるものではなく。」
「その場に居合わせた人しか理解できないでしょ。」
「後世の人々は暗い雰囲気だと思い込んでいるかもしれない。」

アルキエレウス。
「意外にも豪華絢爛だったり。」
「その時代の人々の姿。」
「歴史の奥の深さまでは知ろうとはしないでしょう。」
「歴史は終わった!なんて増長することはないかな。」

コーリスモス。
「歴史を否定する時。」
「おそらく自分たちが栄華を極めたとか。」
「歴史は終わった!完成された!とか。」
「それって人類史上主義でしょう。」
「そこまでするのにどれだけの過程と犠牲を払ったのか。」

アルキウレエス。
「もし後の世の人々が歴史を否定する事があったら。」
「完全にうぬぼれています。」
「ただ自分たちが最高であると主張し。」
「かつての腐敗した政権と同じ末路を辿ります。」
「歴史の中にいることを忘れたら。」
「かつてあったことはそこにもあります。」

コーリスモス。
「要するにおめでたい連中なんでしょう。」

パラドシスが来る。

アルキエレウス。
「自分たちで創り上げたもの。」

パラドシス。
「手に入れた栄華に酔いしれて。」
「貪るだけのつまらない存在。」
「つまらない世界になったらどうしましょう。」
「という議論ですね?」

アルキエレウス。
「そうです。」

パラドシス。
「アダムとエバのその後は悪が増えた。」
「ノアのその後は愚者が増えた。」
「こう記せばいいのではないでしょうか?」

コーリスモス。
「それって滅ぼされるのでは?」

パラドシス。
「彼らが歴史を冒涜し。」
「自分たちの栄華を中心に置き。」
「自分勝手に振る舞い。」
「創り上げてきた歴史を排除するならば。」
「愚昧には神も匙を投げます。」

アルキエレウス。
「面汚しというわけです。」
「そんなことがあったら。」
「人類は子供に還るに違いありません。」
「大きな子供ですよ。」

コーリスモス。
「もし頂点に立ったと思うのなら。」
「歴史はそこまでの過程に過ぎないと思うのであれば。」
「思い上がりですなあ。」

アルキウレウス。
「そんなことがあったら。」
「人は神を裏切るでしょう。」

パラドシス。
「人間中心に物事を考え。」
「天下を取った気分に浸っていれば。」
「刑罰は免れません。」

コーリスモス。
「はあ人類の罪ですな。」
「そんなことになったら滑稽ですなあ。」

パラドシス。
「なんか私達には共通点がありますね。」
「魔法少女の共通点でしょうか。」
「いかにして元の被造物の姿に還るか。」
「これを模索している点において。」

アルキエレウス。
「ええ。」
「それが私達の目的です。」

コーリスモス。
「人類が不真面目だったら。」
「まともに勤しむ気が無いのなら。」
「その時は怠惰・怠慢を正当化するはず。」
「とまあ石板に刻もうと。」
「これから鍛冶屋に行くつもり。」

アルキエレウス。
「石版なら何千年も劣化しません。」
「この時代の持てるすべてを書き記すつもりです。」

パラドシス。
「それはいい発案ですね。」
「私も参加させて頂こうかしら。」

アルキエレウス。
「私が求めるのは永遠です。」
「義姉さんも加わってほしい。」
「ありがたいです。」

さんにんで鍛冶屋へ。

その前に膨大なアーカイブを閲覧しないといけません。

する事がいっぱいあるので。

何年も必要ということになります。

魔法少女も意味があって発現したのだと見て取れます。

魔法少女の共通点。

それは被造物としての原点に還ろうとする姿勢。

創世記の授業に戻れるように祈りを捧げた。

悔い改めの集大成なのかもしれません。

その為に不思議な力を授かった点において。

指針のひとつとしての魔法少女の力である。

これがアルキエレウスの答えでした。

魔法少女は黄金時代を支えた国の象徴として。

歴史の中に存在しています。

女性を超越していく彼女たちの存在こそ。

手本を見せてくれたという意味なのです。

歴史とは教科書でありお手本なのです。

歴史は現在も続き。

現代も歴史の1ページとして後世に語り継がれる。

現代も歴史の一部。

そう見えないのは。

ただ私達が幼いからです。

歴史の風景はここにあり。

時は刻み。

石に刻まれた歴史によって。

ただ歴史と同化する私達の姿があるのです。

歴史とはなんでしょうか。

この「問い」が与えられる時。

はじめて人は悟ることができます。

石に刻まれた文字は。

人類の宝物として大切にされるのです。

被造物としての原点回帰を指し示して。

人の世は続いています。


29


かつてこの国を治めていた。

霊帝。

神々の子孫であり。

人に政権を譲って血筋は絶えたと伝えられているが。

文献にある通り。

とある村に末裔が住んでいて。

秘密裏に大名の庇護下に置かれていた。

珍しく護衛を引き連れて。

尋ねてみる。

前髪の右に翡翠を入れた髪飾りを見て。

村人は聖なる地へ案内するが。

護衛は入れなかった。

見えない力で入り込めない。

仕方がなくひとりで。

末裔。
「テトラ・クテュスグラマトン。」

瞑想中でした。

後ろに居るのに気付く。

歓迎される。

アルキエレウス。
「あなたはここで何をしていらして?」

末裔。
「いつか人の力でどうしようもなくなる時に。」
「我々に政権を返すがよい。」

アルキエレウス。
「私達はそこに起源があるんですね・・・。」

末裔。
「引け目を出すな。」
「託したのは我が皇祖だ。」

アルキエレウス。
「隠れ住んでいます。」
「表に出てほしい。」

末裔。
「石の髪飾り。」
「普通は花で飾るが。」
「なるほどもはや別世界の女性ですな。」

アルキエレウス。
「ごまかされました。」
「確認できただけで満足です。」

末裔。
「この文書を持って行け。」

アルキエレウス。
「古の呪文ですね。」
「承りました。」

アルキエレウス退場。

帰る途中に。

フズィウに遭遇。

アルキエレウス。
「あなたはいつかの。」

フズィウ。
「手勢は我が20対8か。」
「まさか姫君にお会いできるとは光栄です。」

アルキエレウス。
「早く倒れてお金を渡すのです。」

フズィウ。
「賞金のことかな?」
「姫君は貧しいのかな?」

アルキエレウス。
「倹約は国民に対する示しでしょうね。」
「学んでいるのです。」
「とは言っても高貴な者の道理は愚者にわかるはずがない。」
「あなたのように?」

フズィウ。
「下の者にとっては卑しく見えましょう。」

アルキエレウス。
「その程度の者だという自白をしましたね。」

フズィウ。
「うむ。」
「小娘かと思ったら。」

アルキエレウス。
「長話が過ぎました。」
「親衛隊構えて。」
「100人くらいの伏兵がいる。」

フズィウ。
「国王を狙うよりは難易度が低いものでして。」

アルキエレウス。
「シェム・ハメフォラシュ。」

フズィウ。
「不気味な力だ。」
「私を滅ぼそうと言うのか・・・。」
「なぜ攻撃しない?」
「なに?不吉な予感しかしない?」

アルキエレウス。
「テトラ・グラマトン。」

大地が震えて。

おぞましい力が発生。

フズィウ。
「やれ!・・やれ!」

アルキエレウスに一方的になぎ倒される敵兵。

たった8人相手に100人が蹂躙される。

フズィウ。
「こいつらタダ者じゃない・・・。」

親衛隊は。

起源不明で。

どこの出身も分からない。

不可思議な連中で構成されておりました。

アルキエレウスが信じられないスピードで突撃。

フズィウの攻撃を弾き返して。

フズィウ斬られる。

フズィウ。
「ぐああああああ!!」

戦闘終了時には。

敵兵はみんな逃げて。

8人全員生還。

フズィウ逃げていくが。

途中で謎の力で勝手に死亡。

農民に首を取られる。

アルキエレウス帰宅。

この出来事で。

さすがに手出しするとタダで済むわけがないと。

とある国に知れ渡ってしまい。

三カ国は恐れを抱く。

国連はさすがだと褒めている。

アルキエレウス。
「確かにおりました。」

国王。
「でかした。」
「さすが我が娘。」
「話をゆっくり聞こう。」

父親と会議室に。

ふたりで話して。

この国の歴史の凄まじさが浮き彫りに。

国民も知ることになり。

市民は畏敬の念を持つようになりました。

この国も3回目の黄金期を迎えようというのですか。

夜に。

星空を見ながら。

アルキエレウスは天に祈りを捧げて。

とある時期の出来事。


30


とあるお屋敷の二階。

城のような造り。

部屋自体が広い。

アルキエレウス。
「お兄様。」

ディアロギスモス。
「何か用か?」

アルキエレウス。
「お兄様はお父様とサウマゾーお兄さんと。」
「どちらがお好きですか?」

ディアロギスモス。
「どちらと言われても。」

アルキエレウス。
「邪な気を起こさないように。」

ディアロギスモス。
「言われたのか?」
「誰に?」

アルキエレウス。
「ただ。」
「身を案じてのことです。」

ディアロギスモス。
「何を知っている?」

アルキエレウス。
「何も知りません。」
「私は忠告をと。」

ディアロギスモス。
「察したな。」

アルキエレウス。
「そんな事をしないでください!!」

ディアロギスモス。
「許せ。」
「我が野望の為だ。」
「世界最高の国家を造り上げる。」

アルキエレウス。
「あなたのやり方だといけません。」
「お譲り下さいまし。」
「気を確かに。」

ディアロギスモス。
「魔女と言い。」
「いつも助言してくるが。」
「いい機会になったな。」

アルキエレウス。
「やはり皇位を狙っておられるので・・・。」
「お父様の言いつけです。」

ディアロギスモス。
「霊帝を迎える。」

アルキエレウス。
「主権は譲り渡されました。」

ディアロギスモス。
「返り咲く時だ。」

アルキエレウス。
「あの方たちは拒否しますよ。」

ディアロギスモス。
「では俺が国と一体化する。」

アルキエレウス。
「もう知りません。」
「適当な理由を付けて。」
「好き放題やりたいだけじゃないですか。」
「いつかのカインのようです。」

ディアロギスモス。
「サウマゾーがアベルか?」
「そんなことか?」

アルキエレウス。
「とにかく。」
「それをすればお兄様は処刑されます。」
「わたしはきちんと警告しましたからね。」

ディアロギスモス。
「いや密告されるかもしれない。」
「この剣で追いかけるしかない。」
「いまだ。」
「ここで時が来た。」
「妹よ。」
「どうもありがとう。」

アルキエレウス。
「やめてください。」
「あなただけの国じゃないのですよ。」
「皇位は奪い取るものではありません。」

ディアロギスモス。
「分かった。」
「もう退いてくれ。」
「おい誰か。」
「妹を追いやってくれ。」

警備員が来るが。

アルキエレウスになぎ倒される。

ディアロギスモス。
「魔法少女か。」

アルキエレウス。
「せめてあなたは救います。」

ディアロギスモス。
「おもしろい。」
「俺の腕は戦の前線で鍛えた。」
「騎士様御用達だぞ。」

アルキエレウス。
「やりますよ。」
「戦わないといけない時もあるもんです。」

ディアロギスモス。
「実戦知らずの剣じゃないだろうな?」

アルキエレウス。
「ご心配なく。」


ディアロギスモスはロングソード。

アルキエレウスもロングソード。

ディアロギスモスが攻撃するが。

ひらりひらりと動いて。

まるで動きを捉えられない。

ディアロギスモス。
「討ち合えば勝てるかな。」

アルキエレウス。
「手加減はしませんよ。」

激しい討ち合い。

しかし攻撃しながら回避。

横に動かれると厄介過ぎて。

舞うように動かれてしまう。

ナナメにも動いて。

ディアロギスモスを支点に激しく動き回られる。

さらに。

ディアロギスモスは教科書通りの動きしかしないと読まれて。

自慢の正確で強い討ち合いになっても勝てない。

ディアロギスモス。
「実戦は開始!の合図では始まらない。」
「合図で始まる試合なんてものは下らない。」
「ザコどものお遊戯さ。」
「戦い方を知らない道場剣道。」
「いや。」
「戦いを経験していない実戦無き剣術じゃないだろうな。」

アルキエレウス。
「要するに動揺していますよね?」
「戦いですね?」
「それを知っています。」
「試合の技能は実戦で役に立ちません。」

激しく討ち合うのに。

中距離から入れないディアロギスモス。

近距離や遠距離にならずに。

一方的に中距離戦で不利に陥るディアロギスモス。

ディアロギスモス。
「何の力だ?」

アルキエレウス。
「力の絶対的な肯定。」
「力と一体化する。」
「その為の手段は問わなかった。」
「尊厳なる力。」
「神聖なる力。」
「悪の力。」
「力のすべて。」
「力と一体化する。」
「力を絶対的に肯定し信頼する。」

ディアロギスモス。
「怖くなってきた。」
「お前は恐ろしい。」

アルキエレウス。
「おおむね弱いのは力に見放されたからであり。」
「弱者に対しても大義名分が無ければ守ることは許されず。」

ディアロギスモス。
「女は非力だと言うが。」

ディアロギスモスの攻撃かわされる。

動きが読まれている。

なんとかもみ合いにしようとするが。

意外とパワーがあって押し切れない。

ディアロギスモスの力が逆に利用されている。

アルキエレウス。
「力です。」
「純粋な力。」
「洗練された力。」
「究極の力がここにある。」
「純粋な力の塊。」
「純粋な力の魂。」

ディアロギスモスはアルキエレウスが日々凶悪化している事に気が付かなかった。

ディアロギスモス。
「力に溺れたか?」

アルキエレウス。
「泳げばいい。」
「辿り着いた岸部に闇の力さえも。」

ディアロギスモス。
「誰か・・・止めてくれ!」

衛兵が数名取り押さえようとするが。

吹っ飛ばされて全滅。

ディアロギスモス。
「そんな・・・。」

アルキエレウス。
「純粋な・・・力。」
「これがみんなが求めていたもの。」
「甘美で・・・悪とも思える。」
「洗練されていて。」
「強くて不思議。」
「神秘的。」
「そして強力無比。」
「誰もがこれに屈する。」
「なぜ?」
「あなたの力はわたしの前で貴方を裏切る。」

ディアロギスモス。
「おい妹よ・・・。」
「これは・・・・話し合おう。」

剣を降ろした瞬間に。

不可思議な力で持ち上げられて。

首を絞められる。

アルキエレウス。
「これが魔法少女の力ですか?」

ディアロギスモス。
「そうとは言い切れないな・・・。」

ディアロギスモス壁に叩きつけられる。

闇雲に斬りかかるディアロギスモス。

討ち払いつつ。

回避される貴族特有の戦闘スタイルに翻弄される。

斬りかかるが。

アルキエレウス。

相手を踊らせるように打ち払う。

ディアロギスモス勝ち目が無いと見て逃走。

アルキエレウス歩いて追い駆ける。

追撃してくる衛兵を。

謎の力で吹っ飛ばして気絶させながら。

ディアロギスモスは逃走に成功するが。

今度はアルキエレウスを捕らえるように指示を出す。

一連の動きが知られてしまい。

国王の隠密と警備兵がディアロギスモスの手勢と交戦。

ディアロギスモスの手勢は投降。

アルキエレウスは帰宅。

国王が説教しに出撃。

ディアロギスモス捕まる。

ディアロギスモスは後にとある山にて幽閉されてしまった。

助命嘆願が多かったのが要因です。

アルキエレウス。
「人は非力であったら何ができましょう。」
「いつか退廃した時に。」
「古来の教えを失った時に。」
「堕落した世に人々が従うならば弱体化を招く・・・。」
「いまのうちに警句を作っておかないと。」

夜空を見ながら。

星々にお祈りして。

流れ星が来訪。

きらめく闇夜に輝く刹那。

闇の中に自分の居場所。

闇こそが自分の性質。

属性。

闇と一体化。

星々も美しい。

夜想曲を奏でる。

綺麗なひととき。

夜はどうしてこんなに人を惹きつけるのでしょうか。

星々はどうしてあんなに綺麗なの。

わたしのあこがれ。

わたしは星になりたい・・・。


31


国王に持病が出ましたので。

休養に別荘に入りました。

永くはないです。

もう55ですからね。

至急放蕩息子を探せと。

魔法少女数名が駆り出されました。

エイレーネー。
「賃金もいいし。」
「仕事って女性に尋ねれば真理がわかるよ。」

ハマルトーロス。
「そうそう。」
「仕事は男性がいちばん知っているはずなのに。」

グラムマテウス。
「とっとと連れ戻せば手柄もなるなる。」

エウセベイア。
「予想外の事も想定しておきましょう。」
「意外な苦戦もよくあることです。」

ハマルトーロス。
「そうかしら。」

エイレーネー。
「この世の授業っていうのはね。」
「むかしから授業料の高さで有名だよ。」
「ひとつ学ぶのに犠牲になるものが大き過ぎる。」

ハマルトーロス。
「ああそれはそうよね。」
「そう言われれば理解できるわ。」

グラムマテウス。
「情報ではこの宿屋にいます。」

エイレーネー。
「かわいい女の子が訪ねてきたよ!」

サウマゾー。
「なになに?」
「僕にも彼女ができるの?」

エイレーネー。
「女の子のサービスよ。」
「彼女かどうかは別の話。」

サウマゾー。
「それよりおしゃべりしない?」
「珈琲もあるからさ。」

エイレーネー。
「なに口説いてんの。」
「女性の口説き方を教えてあげる?」
「とある単語を永延と発するだけで充分よ?」

サウマゾー。
「女の人ってそれ頻繁に言ってるよね。」
「それでいいの?」

エイレーネー。
「それだと低レベルの女性しか獲得できないゾ。」

サウマゾー。
「御来駕だねぇ。」

エイレーネー。
「御念だねぇ。」

サウマゾー。
「とりあいず今から虎狩に行ってくるから。」
「お父様の言いつけだったらもうちょっと後にしてくれない?」

グラムマテウス。
「なんという美しいことを。」

エウセベイア。
「おお?男やってるね。」

サウマゾー。
「かわいい女の子ちゃん。」
「君を待ってるよ。」
「またあとで。」

エイレーネー。
「あはは!何言ってんの。」
「上品な冗談ね。」

サウマゾー退場。

夕方戻ってきました。

トラの首を抱えて。

エイレーネー。
「おー?やるねー。」
「ひとりでやるとは。」

サウマゾー。
「中々贅沢な戦いだったな。」
「これで少しは惚れてくれたかい?」

エイレーネー。
「いんやいい友達になれそうだよー。」

サウマゾー。
「困った!恋が通じない相手もいるんだな。」

ハマルトーロス。
「そろそろ帰還してください。」

サウマゾー。
「大熊も狙っているから。」
「見事に討ち取ったら帰ると伝えておいて。」

グラムマテウス。
「仕方がないわね。」
「男の青春を邪魔しちゃ悪いし。」
「撤収。」

別荘。

国王。
「なに?」
「虎をひとりで討ち取って次は大熊を討ち取って帰る?」

大臣。
「という報告です。」

国王。
「余もよくやったものだが。」
「なるほど王の血筋は確かなものだな。」

大臣。
「帰還をお待ちになられるので?」

国王。
「待ってやれ。」
「それまで。」
「アルキエレウスを代理とせよ。」

大臣。
「承知しました。」

城の中。

王座。

アルキエレウス。
「というわけで一時的に女王です。」

コーリスモス。
「女王陛下。」
「魔法使い一族の娘がお会いしたいと。」

アルキエレウス。
「通して。」

魔法使いの若い女性で美形。

魔法使い。
「魔女の首は私達がなんとかします。」
「ご迷惑をおかけしました。」

アルキエレウス。
「もとはあなた方の違反者でしたね。」
「自分達でかたをつけなさい。」
「怪我の功名です。」

魔法使い。
「必ずや魔女らを滅亡させます。」

魔法使いの女性退場。

アルキエレウス。
「神殿のほうは・・・。」

コーリスモス。
「女王陛下の代理が担当しております。」

アルキエレウス。
「座り続けるのも楽ではありませんね・・・・。」

国民は一時的とは言え。

魔法少女の女王に酔いしれています。

この国も次にバトンが渡されるのでしょう。

魔法少女は確かなものにされるために。

発現したのかもしれません。

そよ風の吹くころ。

戦争も集結して。

穏やかです。


32


城の地下。

謎。
「なんとか姉に継がせられないのか?」

馬鹿。
「謀反だ!姉は都合がよい。」

謎。
「7人組みを雇ってある。」
「姉にも話を通してある。」

馬鹿。
「夢を見てみたい。」

謎。
「たとえ死ぬとしても。」
「一生に一度で散るだろう。」
「それでも。」
「連絡しろ。」
「今日実行する。」

日が沈んだ頃。

7人組み。

アイテオー。
「引き受けて良かったのか?」

メタノイア。
「何も考えていなかった・・・。」

パランゲッロー。
「後悔しても遅い。」
「どのみち争いに満ちた家に戻るしかない。」

アイテオー。
「成功すればよし。」
「失敗すれば終わる。」

メタノイア。
「思えば。」
「おじさん達についていったらこうなった。」

パランゲッロー。
「間違えたかもしれないし。」
「正しいのかもしれない。」

アイテオー。
「これですべてがわかる。」

プロセルコマイ。
「連携を駆使しないと勝てないからな。」

メタノイア。
「そうだ連携で追い込めよ。」
「勝負は一瞬で着くからな。」

壁を無理矢理上がって行って。

城の中に突撃する。

魔女も一緒。

謎の三人組も別働隊として。

アルキエレウス。
「謎の気配。」

パラドシス。
「そうですね。」
「敵意を感じます。」

アルキエレウス。
「ちょっと隠れます。」

パラドシス。
「カイロー。」
「一緒に来なさい。」

カイロー。
「了解です。」
「警備兵は役に立たないでしょう。」
「報告はなしです。」

隠し扉で回避。

アイテオー。
「寝室に誰もいない?」

プロセルコマイ。
「作戦とかって想定外になったら駄目なんじゃ・・・。」

メタノイア。
「探すんだ!」

廊下。

三人組を発見。

グラムマテウス。
「待て待て!」
「私の獲物はなぜ逃げる。」

エウセベイア。
「そのうち追いつきますよ。」

???
「では勝負と行くか。」

!?
「こうなったら全員倒して籠城だ。」

!!!
「虐殺を徹底するぞ。」

戦闘に突入するが。

まったく歯が立たない三人組。

グラムマテウス。
「どうした?」
「そんなものか〜?」

エウセベイア。
「失望しましたよ。」
「そんな程度だなんて。」

グラムマテウス。
「つまらないなあ。」
「こんな奴相手にしなきゃ良かった。」
「魔女を仕留めたほうが手柄になるかも。」

???
「うわ・・・うわあああ!」

!?
「ああああああ!!」

!!!
「あああああああぁぁぁぁ・・・・。」

三人組斬り殺される。

グラムマテウス。
「こいつらどっかの国の王子だっけ?」
「そんな国もたかが知れてるよね。」

エウセベイア。
「早く証を立てないと褒美は貰えません。」

グラムマテウス。
「魔女とやりたかったのに。」

ニュムフィオス。
「ほう?わしとやりたかった?」

エウセベイア。
「警備兵は全滅したようね。」
「楽しみができた。」

グラムマテウス。
「負けませんよ。」

ニュムフィオスの冷凍ビーム。

ひらりと横に回避。

爆液散布。

しかしグラムマテウスの接近が早かった。

ニュムフィオスと斬り合いになる。

エウセベイアは回り込む。

ニュムフィオスは激しく動き回って翻弄するが。

動きが捕まる。

エウセベイアに引き倒される。

ニュムフィオス。
「待っておくれ!」
「故郷には子供がいるんだ!」

グラムマテウス。
「ではその子供によろしくと言ってください。」
「後で送ってあげましょう。」

ニュムフィオス斬り殺される。

ヒュパゴー。

魔法使いの若い女性と交戦。

ヒュパゴー火だるまになって死亡。

ヘウリスコー。
「相手が予想以上じゃないか!」

イクトゥース。
「どうしてくれるんだい!」

ヘウリスコー。
「誰か来るから逃げろ。」

精鋭部隊。
「裏切り者が!」

謎。
「ああああ!?」

馬鹿。
「なぜだ・・・。」

精鋭部隊。
「気付いていないと思ったか無能な反乱者!」

ふたり捕らえられる。

バシレイアー。
「覚悟!」

フォベオマイ。
「なぜ当てられたんです?」

バシレイアー。
「ハマルトーロスさんのおかげです。」

アイテオー。
「ここが俺達の最後の場所になりそうだ。」

メタノイア。
「いいや英雄の誕生だ。」

パランゲッロー。
「この前のようには行かないぞ。」

プロセルコマイ。
「あの訓練を活かすのだ。」

ハマルトーロスが背後から奇襲して。

パランゲッローが殺られる。

アイテオー。
「ああ!無駄にはしない!」

メタノイア。
「少しは張り合えるぞ。」

プロセルコマイ。
「少し厳しいな。」

激戦中。

長期戦になるにつれて。

ひとり。

またひとりと倒れる。

アイテオー。
「うっ!間違えた・・・。」

プロセルコマイ。
「あんな奴らについたのが失敗だったのか・・・。」

ふたり気絶。

メタノイア。
「うわああ!!」

メタノイア逃げたのち降伏。

衛兵に拘束される。

フォベオマイ。
「あいつらどうすんの?」

ハマルトーロス。
「どっかの国のお偉いさんが買ってくれるさ。」

魔法使い一族の軍団と。

三人の魔女が交戦しつつ。

城から離脱を図る。

ヘウリスコー。
「あいつら全員やられちまったのか?」

イクトゥース。
「相手が強過ぎたんだよ!」

ヘウリスコー。
「まさか!見てろよ小娘!」

強引に再突入。

ヘウリスコー。
「ほら!隠し扉があったじゃないか。」

パラドシス。
「待ってましたよ。」

ヘウリスコー。
「通らせてもらうよ。」

激しく交戦するが。

かなり余裕のパラドシス。

ヘウリスコー。
「あんた・・・。」
「手加減しているだろ!」

火を噴くヘウリスコーだったが。

見えない壁を作られて阻まれる。

怪しげな術で背後に回ろうとするが。

パラドシスがいない。

パラドシス。
「体感時間操作。」
「相手が止まっているように見えますよ。」

ヘウリスコー。
「ぎゃあ。」

捕まったヘウリスコー。

そのまま首を絞められて。

チンジャブを食らって気絶。

トドメを刺される。

城の屋上にて。

イクトゥース。
「おのれ小娘!」

魔法使いの娘。
「少し腕が落ちたんじゃありませんか?」

イクトゥース。
「まだ70しか生きてないよ。」
「老人をいたわりな!」

魔法使いの娘。
「そろそろ天寿をまっとうする時ですよ。」
「よくぞこれまで元気でいてくれました。」

イクトゥース。
「そんな敬老の日はごめんだね!」

魔法使いの娘。
「なっちゃん後ろから。」

イクトゥース。
「おえ?」

電磁ボールが直撃。

イクトゥース墜落。

イクトゥース死亡。

城の外側の林になっている所。

ヘウリスコー。
「どうした未熟な魔法少女!」

女の子。
「まだまだっ!!」

エイレーネー。
「横からいただき!」

ヘウリスコー。
「なんだって言うんだい!天下はわしらのもんだ!」

エイレーネー。
「最初から決まっていることもあるんです。」

ヘウリスコー。
「分かっていても逃れられないって訳かい!」

電撃やら火炎やら熱線やらで攻撃しても。

中距離を保ってくるエイレーネーに悪戦苦闘。

女の子。
「やあっ!!」

ヘウリスコー。
「まだぞい!」

怪しげな術で。

目くらまし。

逃げようとした所で。

見破られて。

銃弾を浴びる。


ヘウリスコー追いつめられて。

さらに銃弾を浴びる。

エイレーネー。
「平和は守るもの。」
「平和は得るもの。」
「平和は訪れるもの。」

イクトゥース。
「辞世の句を言わせてくれ。」

エイレーネー。
「そんなもの無さそうだよ。」
「呪文でも言うんでしょ。」

イクトゥース。
「このー。」

エイレーネー。
「さようなら。」

イクトゥース撃たれる。

イクトゥース死亡。

エイレーネー。
「死花ですかね。」

王座。

国王。
「これで15人。」

大臣。
「もう少し骨のある奴は来ないのか!」

敵兵。
「行けー!」

敵兵倒される。

国王。
「肩慣らしにもならない。」
「もう来ないようだな。」
「敵兵がもういないか調べろ。」

大臣。
「すぐに。」

アルキエレウスの待機所。

コーリスモス。
「敵が全滅したって。」

カイロー。
「門番ありがとうございます。」

コーリスモス。
「雑魚しか相手にしなかったなあ。」

カイロー。
「それでも貢献したことに違いありません。」

コーリスモス。
「臨機応変に動き回って正解。」
「爆弾とか用意してたし。」
「ん?」

アルキエレウス。
「戦闘終結の鐘?」

パラドシス。
「終わりましたね。」

カイロー。
「少し長かったです。」

最強近衛兵部隊がアサシンを蹴散らして。

鐘を鳴らしていました。

敵の全滅を確認できたのです。

後始末の開始です。

家臣に任せて。

グラムマテウスは寝かされました。

朝になると。

またいつもの通りに。

王座で代理です。

すっかり平常を取り戻しましたね。

各人お手柄によって。

国王の論功行賞が期待されるらしく。

鼻歌をうたいながら。

行き交います・・・。


33


宮殿。

アルキエレウス。

朝。

目覚める。

朝日が眩しい美しい朝。

アルキエレウス。
「最高の音楽家は鶏の合唱。」

ハトをなでながら。

支度をしている。

アルキエレウス。
「ゆっくりと時を刻み。」
「時の中に溶け込む。」
「一体化するにつれ。」
「流れ征く時は私に解放をもたらす。」
「時運がいっさいのものをさらっていくように。」
「私達の傷は癒えていき。」
「あるいは朽ち果てて。」
「この刹那に存在する。」
「未来は私達を欺くだろう。」
「過去は私達に嘘を付く。」
「この時の中の1ページに。」
「私の鼓動は活きている。」
「世界はゆっくりと進み。」
「私はその中でひっそり眺めている。」
「人々は自らの無力さを知る。」
「悠久の時は続いていく。」
「何かが変わりはしない。」
「景色はいつも同じで。」
「人の姿もいつまでも同じ。」
「それでも待っている。」
「待ち焦がれて。」
「それこそが人が行くべき場所。」
「人々は自分が間違っている。」
「そう考えたことすらない。」
「まるで無かったかのように。」
「あなたは世界のはじまりからいて。」
「私を待ち焦がれている。」
「人々は何も知らずにいればいい。」
「いつか消滅しようとも。」
「暗闇で染まるときに。」
「あなたは灯となって。」
「私はゆっくり歩いていく。」

扉を開ける。

カイロー。
「おはようございました。」

アルキエレウス。
「かわいい女の子を見つけましたです。」

カイロー。
「そんな。」
「それはこっちの台詞でありんす。」

アルキエレウス。
「これはいい感じでございますです。」

カイロー。
「ご機嫌だったりしちゃうの?」

アルキウレエス。
「そうでございましょうのことよ。」
「テーブルへ行きますですの。」

カイロー。
「朝食は特注のパンでございましょうのことよ。」

アルキウレエス。
「いただきますですわ。」

パラドシス。
「朝から冗談ばっかり。」

アルキウレエス。
「だって・・・その。」

カイロー。
「いいえ・・・それはなしで。」

パラドシス。
「あらまあ素晴らしい。」
「仲良しね〜。」

朝食後。

祭壇に向かう頃に。

何か不吉な予感。

祭壇前。

霊体が現れたのです。

アルキエレウス。
「何者でしょうか?」

不明。
「今日の夜に最後を飾る。」

アルキエレウス。
「何か内乱もあっておかしな感じがします。」

不明。
「故あってみなが捨て駒になられた。」
「私が背後から操り。」
「みなが生け贄となった。」

アルキエレウス。
「了解です。」
「伝えておきます。」
「というより由緒は?」

不明。
「隠し神殿の内部のこの座標を見ろ。」

霊体消える。

アルキエレウス。
「いにしえの悪神?」
「幾度も現れては試す存在・・・・。」

隠し神殿の中の座標には。

確かに書かれていました。

国王に報告され。

部隊が集まります。

国王。
「どんなことになるかはわからんぞ。」
「とにかく臨機応変に動け。」

大臣。
「全員警戒せよ。」

学校は休日なので自由登校。

公園にて。

フォペオマイ。
「邪悪な気でもする?」

ハマルトーロス。
「何かあるわね。」

コーリスモス。
「ルキちゃんが気を付けろって。」

エイレーネー。
「兵士達が戦闘準備を進めているよ。」

バシレイアー。
「こんな所にいたのですか。」
「いいですか?説明しますよ。」

神殿にて。

アルキエレウス。
「誰かある。」
「聖職者を呼んで。」
「後は任せます。」

カイロー。
「少し遅れます。」

聖職者。
「行かれるのですか?」
「勇敢なのはいいことでしょうけれど。」

アルキエレウス。
「諫言をどうもありがとう。」

アルキエレウス出かける。

カイロー支援に動く。

とある屋敷のバルコニー。

丘の上にある屋敷にて。

グラムマテウス。
「双眼鏡。」

エウセベイア。
「何も気配ないね。」

グラムマテウス。
「様子を見てみるか。」

夜になりました。

辺りに謎の集団が現れて。

警備兵と交戦。

数は二千。

国王軍の臨時部隊は五千。

街中で戦闘が繰り広げられています。

市民は自宅でひっそりしていますよ。

地下遺跡から増援を確認。

グラムマテウスとエウセベイア。

迎撃に出向く。

グラムマテウス。
「正体不明の敵軍ですか。」

エウセベイア。
「そんなに強くないよー。」

アルキエレウス。
「どうも。」

グラムマテウス。
「姫様はお引きください。」

アルキエレウス。
「私しか伝言を受け取れません。」

コーリスモス。
「正体がわかるかもしれないし。」

グラムマテウス。
「わかった援護する。」

謎の人物が道を阻む。

黒い騎士。

ウーアイ。
「来い。」

エウセベイア。
「こんな楽しみもあるんですね。」

エウセベイア。

ロングソードで斬りかかる。

ウーアイのガードが硬くて破れない。

グラムマテウス。
「通せ。」

2対1でも互角。

コーリスモス。
「食らいなさい。」

エネルギー弾。

手で弾かれる。

アルキエレウス。
「やっ!!」

謎のエネルギーを押し付ける。

ウーアイ吹っ飛んで着地。

4対1で華麗に斬りあう。

ついに押し負けて。

ウーアイ斬られる。

さらに続けざまに斬られるウーアイ。

ウーアイ死体を残さず消える。

パラドシス。
「横から来ますよ。」

カイロー。
「随分遅れてしまいました。」

セオ−レオ−。
「倒して見せよ。」

謎の仮面騎士登場。

同時に。

変な文字が擬人化した大きな物体が登場。

プロスキュネオー。
「さあ来るのだ。」

プロスキュネオーは砲撃してくる。

散開。

エイレーネー。
「防御陣。」

砲撃全滅。

エイレーネー。
「間に合った。」

フォベオマイ。
「おもしろい敵だね。」

ハマルトーロス。
「さっさとやるよ。」

バシレイアー。
「裏からこんばんわ。」

プロスキュネオー。
「我が裏を取るとはやるのお。」

プロスキュネオー斬られる。

コーリスモス。

特殊エネルギー攻撃にて。

プロスキュネオーの動きを鈍らせる。

プロスキュネオーが浮遊しながら。

銃弾をばら撒く。

エウセベイアがシールドを発生させて防ぎつつ。

プロスキュネオーの上に飛び乗って切り刻む。

負けじとプロスキュネオーが。

ロケットなどをばら撒いてくる。

エイレーネー。
「弾丸とかは任せて。」
「狙いを絞らせないように。」
「力をかける。」

グラムマテウス。
「了解。」
「誰か突撃して。」
「砲撃が厳しい。」

カイロー。
「引き受けます。」
「リフレクターです。」
「飛んでくる弾丸はすべて跳ね返ります。」
「私が囮になります。」
「早くやってください。」

コーリスモス。
「もらった。」

コーリスモスが大きなエネルギー弾を放つ。

プロスキュネオー。
「お見事・・・・。」

プロスキュネオーは爆発四散。

セオ−レオ−。
「それでいいのだ。」

パラドシス。
「弱いですね。」

カイロー。
「遊んでいるのかな?」

セオ−レオ−。
「もっとだ。」

フォペイマイ。
「豪雷槍。」

短槍を回転しながら押し付ける。

セオーレオーにダメージ。

槍を振り回して反撃してくる。

パラドシスがセオーレオーを弾き飛ばして。

カイローに追撃される。

セオーレオーは後ろにハマルトーロスがいるとは気づかずに。

一刺しされる。

セオ−レオ−。
「それでいい・・・それでいいのです・・・。」

セオ−レオ−死体が残らず消える。

地下遺跡への入り口の広場。

黒いかっこいい鎧を身にまとって。

マントと王冠?

何かいる。

数名の護衛と共に。

続々と敵の増援も来る。

ピストス。
「七度目の試練、フィナーレと行こうか。」

アルキエレウス。
「なんのつもりです?」

ピストス。
「これまで幾度も人を試してきた私だ。」
「人が確かにこの世界に存在しているか。」
「人が本当に正しくあるか。」
「人が健在か正常か。」
「人は間違った存在なのか?」
「私を通して知るがいい。」
「人類の最大の過ちは自らを批判し顧みなかったこと。」
「人類最大の誤算は自分を過信したこと。」
「人類最大の間違いは正しくなかったこと。」
「人類最大の欠点は我が強いこと。」
「人類最大の失敗は自らを基準に物事を考えたこと。」
「私を倒して見せよ。」

護衛数名と戦闘開始。

手ごわい相手です。

アルキエレウス。
「確かに人は悔い改めないと書いてあります。」

ピストス。
「せいぜい夢を見ているのだ。」
「人の叛逆。」
「すべてに背き。」
「なお自分は正しいと信じてやまない。」
「ただ人はこう言う。」
「自分には間違いがない・・・とな。」

アルキエレウス。
「どうしようもありません。」
「彼らの望みは安楽ですから。」
「その日その日を楽しく暮らせば満足なのです。」
「世界が過酷な状況に置かれようが。」
「傍らで人が苦しみ助けを求めようが。」
「彼らの願いはいつも安楽の維持と実現です。」

ピストス。
「人が神に背いた結果だ。」
「受け入れろ。」

アルキエレウス。
「抗ってみます。」
「それでも駄目なら人を諦めます。」
「人が神を裏切るのなら。」
「神が立てた証が取り消されるしかないのです。」

ピストス。
「それらは人が望んだ結果だろう。」

アルキエレウス。
「そのとおりです。」
「全員は救われません。」
「そう書いてあります。」

ピストス。
「貴様が見た惨状は人という存在が神に背いた結論だ。」

アルキエレウス。
「故に人に警告を与えました。」

ピストス。
「それでよし。」
「この国の人々は悔い改めた。」
「さあ私を倒してフィナーレを飾れ。」

アルキエレウス対ピストス。

アルキエレウスはビームソード。

ピストスもビームソード。

トリッキーで飛び回るアルキエレウス。

しかし攻撃は正確無比。

ピストスは軽く避ける。

打ち払う。

アルキエレウスは正面攻撃を避けて。

側面を突く。

ピストスの大ぶりの攻撃を避けて。

一瞬で後ろについて。

斬りつけるものの。

ピストスが後ろに剣を回して防御。

パラドシス。
「護衛の数が減りませんよ。」

カイロー。
「もう10人も倒しましたよ。」
「味方の援軍がやっと来ています。」
「乱戦ですよ。」

ハマルトーロス。
「何かあるんだ。」
「敵の援軍をなんとかしなくちゃ。」

フォペオマイ。
「ちょっと分が無いかな。」

バシレイアー。
「このくらいの数なら行けると思うけれど?」

エイレーネー。
「対集団戦術実施。」

フォベオマイ。
「ルキちゃんの援護を。」

コーリスモス。
「敵の数が倍に増えている。」

グラムマウテス。
「姫様!」

エウセベイア。
「いま行きます。」

ピストスを3対1で攻撃する。

ピストス二刀流で対抗。

グラムマウテス。
「剣が壊れる。」

エウセベイア。
「予備の武器を使うよ。」

コーリスモス。
「遠距離に行きます。」

バシレイアー。
「近接戦闘です。」

カイロー。
「10人もやっつけたのに。」

エイレーネー。
「ちょっと数が多いかな。」

ハマルトーロス。
「アナパウオー将軍の部隊が救援に来た。」
「行けるよ!!」

国王が駆けつける。

ほとんどの敵軍を撃破した為である。

ピストスついに斬られる。

ピストス。
「見事だ、私が倒されるのも定め。」
「またいつか、私は蘇って。」
「そなた達を試そう。」
「そなた達が健在かどうか。」
「その都度試さなくてはならない。」

ピストス死体を残さず光に消える。

国王。
「あいつらは?」
「悪神の軍勢であろう。」
「我々を試したのか?」

アルキエレウス。
「そのようです。」
「私達が人の形。」
「神の形を保っているかどうか。」
「試されたようです。」

国王。
「話は後で聞こう。」
「民に説明せねば。」

大臣。
「民間人への被害はありません。」

戦闘が終了しましたよ。

鐘が鳴ります。

事態が終息したのです。

兵士達が勝鬨をやってます。

そのまま夜は過ぎ。

朝を迎えます。

アルキエレウス。
「報告書は・・・書きかけ・・。」

カイロー。
「どうしました?」
「私の報告書を参考にしては?」

アルキエレウス。
「うん。」
「そうするね。」

廊下。

エイレーネー。
「ねえねえ。」
「女性が古くから活躍する国って少ないんだって。」

バシレイアー。
「それはまあ貧乏で。」

グラムマテウス。
「女性は基本的に楽しく暮らせれば満足しますからね。」

エウセベイア。
「なんてお粗末な思考だこと。」

コーリスモス。
「女性について何も知らない女性。」

バシレイアー。
「それが女性の最大の過ち。」

ハマルトーロス。
「女は大人になって結婚して終わりだよ。」
「それが女の一生。」
「女の結果。」
「これって教訓として習ってなかったっけ?」

エイレーネー。
「学校で習ったよ。」

パラドシス。
「選択の自由があるならば。」
「自らそういう女性たちとタモトを分かってしまうのもありですね。」

バシレイアー。
「女性に理念や主義・主張。」
「指針や義務・理想すらないなんて。」
「だから産みの苦しみは大いに増され」
「夫は女性を支配する。」
「刑罰ですよ。」
「女への。」
「永遠に続く刑罰。」

ハマルトーロス。
「ああ惨め。」

コーリスモス。
「集会で言うと抗辯やら反駁やら。」
「あんまり言わないで欲しいよまったく。」
「あなたは?」

グラムマテウス。
「人を間違えたのでは?」
「参加する集会は選びましょう。」

エイレーネー。
「男性から学んだことが大きいかな。」

コーリスモス。
「もしもだよ?」
「見殺しという名の殺人が好きならば。」
「人間なんてこの世にいるべきではないわ。」

グラムマテウス。
「それが罪の性質というわけよ。」
「人間は罪を犯す生物。」
「あらまあかわいそう。」
「確かに神に背いた結果ですなあ。」

バシレイアー。
「私達は未熟さを抱えながら。」
「正面から向き合っている。」
「みんな言い訳や言い逃れは上手ですよ。」

エイレーネー。
「アダムと同じだ!」

アルキエレウス。
「人は最初こそ道徳にかなっている存在でした。」
「だれも正常であるとはどこにも書かれていない。」

フォベオマイ。
「というわけで正面から見てみるだけ。」
「正しい反論ができる人はいない。」
「無稽な反駁と虚しき抗辯があるだけ。」

コーリスモス。
「貧しい心。」
「みんなの心は素寒貧。」

エイレーネー。
「あいや、待たれよ。」
「そこまで言う必要無い。」

パラドシス。
「一歩間違うと私曲ですよ。」

エイレーネー。
「これはまた理解を深めましたな。」
「次の時代は女性の時代になるかな?」
「大切なものはなにかな。」
「女性の心構えとか心得とか。」

パラドシス。
「いにしえから受け継いできたものを継承する。」
「女性にとってこれがいちばんでしょう。」
「悔い改めた女性の姿です。」

エウセベイア。
「そもそも真の。」
「正常な女性って男性と肩を並べられるんじゃない?」

グラムマテウス。
「本来の人の姿。」
「はじまりの姿のまま。」
「原点回帰?」

エイレーネー。
「女性を見出した私達とは別物だよねー。」

アルキエレウス。
「魔法少女は女性の美学の反映ですよ。」

カイロー。
「女性そのものが芸術作品に成り得るのです。」

バシレイアー。
「あらまあステキ。」

グラムマテウス。
「私達のように。」
「女性について真剣に考えた女性は居ないかも。」

エウセベイア。
「この国では研究が盛んだよねー。」

アルキエレウス。
「神から学んでやっと女性に気付く。」

エウセベイア。
「何も知らずに自由になってみると。」
「ああ女性はなんてあっさり悪循環になるんでしょう。」

アルキエレウス。
「知らなければいけないことを知らないのです。」

コーリスモス。
「創世記の授業かあ・・。」

エイレーネー。
「みんな集まったよ。」

アルキエレウス。
「では行きましょう。」
「戦勝お祝いパレードの主役です。」

コーリスモス。
「ハイタッチ!」

宮殿の階段をみんなで降りて。

特別な車で。

パレード。

魔法少女はこの国の象徴となりました。

これは伝説の1ページ。

歓喜に包まれて。

女性という存在の可能性を。

そこに示して。

人々が狂喜する。

この国の黄金。

輝いて。

まるで星のように・・・。


34


サウマゾーが虎と大熊の首を持って帰還した事により。

王位継承第一位とされました。

姉は外様大名のもとに送られてしまい。

国王は復帰。

英雄とされた魔法少女たちは。

伝説に残るように記されました。

魔法少女たちは弟子を取るようになりましたよ。

魔女は魔法使い一族によって滅ぼされ。

戦争が終わりました。

平和な日々が少女達を包みます。

宮殿の庭で。

さんにんでお茶。

フォベオマイ。
「わたしたちは知ってはいない。」
「無知である。」
「ではあなたは何なのか?」
「問おうと思う。」
「なぜそう思ったのか?」
「否定の限りを尽くしてたどり着く場所にはアポリア(行き詰まり)が待っている。」
「しかし有益に用いて。」
「弁証法を使ってはどうか?」

アルキエレウス。
「まずある意見を出す。」
「次にそれに反対する意見を出す。」
「次にそのふたつを総合するような新しい意見を考える。」
「そしてその新しい意見にまた反対する意見をぶつける。」
「これの繰り返し。」

コーリスモス。
「哲学的問答法。」
「わたしたちよく使うよね。」

フォベオマイ。
「リベラルアーツの基本だよね。」

コーリスモス。
「義人ノアから再スタートした人類。」

アルキエレウス。
「神の言葉は受け継がれ。」

フォベオマイ。
「神に背を向けないようにしたい。」

コーリスモス。
「人は神に背いた。」

フォベオマイ。
「人は叛意を持つ。」


アルキエレウス。
「アダムとエバのその後は悪が増えた。」
「ノアのその後は愚者が増えた。」
「なんて書かれないようにしましょう。」


神殿に戻ってすぐ。

神託を受けたアルキエレウスは全員召集。

みんなが揃って。

出掛けました。

行き先はあそこ。

地下遺跡に魔法少女が集結しましたね。

10個の魔法陣。

アルキエレウス。
「教化される?」

コーリスモス。
「古代より授かりものがあるの。」

エイレーネー。
「神託だからね。」
「そのとおりにしよう。」

バシレイアー。
「なにがあるんでしょう。」

カイロー。
「不思議な力が湧いてきます。」

パラドシス。
「これは古代から。」
「はじまりの奇跡の伝承ですね。」
「わたくしたちは受け継ぎます。」

フォベオマイ。
「これも歴史の1ページ。」

ハマルトーロス。
「あたしもそのひとりなんだ・・・。」

エウセベイア。
「ああ恐縮。」

グラムマテウス。
「かっこいいじゃない。」

大きな光と共に。

宇宙が見えて。

真理がもたらされました。

全員。

「神」を見ました。

地下遺跡から去っていく際も。

パラクレ−トス。
「だれか先に進める者が出ますように。」
「だれか私を倒せる者が出ますように。」
「私はいつまでも待っている。」

太陽が優しいとある日。

さすがにこのような存在を多数出現させた国には。

世界も認めることになり。

こんなのに勝てる訳がないと。

世界的に認知されます。

国の名声は遥か彼方まで。

もはや知らない者はいないのです。

この後は全員。

アイドル的な役割に徹して。

力を注いでいます。

同盟国も復帰しましたよ。

その後の彼女たちは。

ほとんど若い姿を保ちつつ。

独特な病になり。

さりげなく天に返されたといいます。

それはこの国の伝説のひとつ。

このあとも魔法少女は出現しますが。

その度に国を助け。

国の象徴であり続けました。

とある魔法少女。

遠く時を離れた末の魔法少女がいまだ実在している。

伝説は続いていた。

ティーメー。
「わたしも魔法少女。」
「何をするべきかはわからないけれど。」
「文献からまず知って。」
「そこから始めます!」

古い文字に心魅かれた女の子は机に向かって書き記しています。

何百年経過しても歴史はすべての教科書であり教訓ですね。

人が造った歴史という名の芸術。

この少女はそれを追い求めています。

ティーメー。
「かつてのプラトンはこう解説致しました。」
「哲学は、最高の文芸なり。」
「だから私もこう記します。」
「女性の美学をどこに見出すのか?」
「さてと出かけなくちゃ。」
「人生の旅へ。」

時は500年後。

科学も完成され。

洗練され。

古来より伝わる教えに忠実で。

自然な考え。

自然性に基づいた国家。

人類史上最強の国家として。

名高く。

世界的な国として。

現在も君臨している。

そこまで成長した。

そんな強国の魔法少女のひとりです。

ティーメー。
「ねえ私何を叶えたいの?」

少女は支度を整え。

出発です。

ティーメー。
「1から始めるよ!」


35


Pilgrimage。

ティーメー。
「聖地巡礼はここからはじまる。」
「かつての伝説も7度繰り返された。」
「歴史の教科書で出てくるあの光景を見てみたい。」

いかなる伝説も。

黄金に輝いていた。

歴史の中に消えていった手練れも多い。

偉大な人物も歴史の中に埋もれている。

評価と価値は違う。

その点について歴史学者を負かして認めさせたことは。

わたしのひとつの勝利です。

巡礼の旅に出掛けましょう。

自分の為に。

出発です。

移動して。

途中からはひたすら徒歩。

ティーメー。
「わたしだれの為に旅をしているの?」
「いいえ自分の為なのでしょう。」
「この国も完成される時がくるから。」

海岸沿いの崖がある地域。

神殿がひっそり丘の上に建っている。

村人は意外と多い。

村にはよくわからない女性が住んでいるという。

ティーメー。
「村にしてはいろいろ豊富ですね。」
「政策が上手なんでしょう。」
「宿に着いたら。」
「休憩のち神殿を探しましょう。」
「この巡礼はディオニソス型かな。」

海岸沿い。

情報を基に辿り着く。

その女性とは神殿の中で出会った。

微笑むその女性に魅せられた。

洞窟の内部に造られた聖なる場所にて出会った。

ちょっとわたしの尊敬する偉人の名前を言ってみたかった。

ティーメー。
「アルキエレウスさん。」
「なーんて。」

女性。
「あながち間違いでは無いですよ。」
「古い名前ですね。」
「好きですか?その名前のひと。」

ティーメー。
「はい。」
「わたしにお手本をもたらしたひとです。」

女性。
「挨拶代わりに。」

ほっぺにキスされました。

ティーメー。
「わわわわ?」

女性。
「古流の挨拶ですよ。」

ティーメー。
「あなたはだれです?」

女性。
「さあ。」
「誰かは忘れました。」

女性は立ち去ります。

宿に戻って。

翌日。

高台の神殿に入りましたら。

またあの女性と出会いました。

ティーメー。
「聖職者ですか?」

女性。
「この聖なる地を守っている。」
「管理人ですよ。」

ティーメー。
「正体不明ですね・・・。」

女性。
「謎でしょう。」
「でもあんな冗談本気にしたんですか?」

ティーメー。
「いいえ・・・。」

女性。
「良かった。」
「私の家は村の外れにあります。」
「よかったらまたあとで。」

女性は立ち去ります。

女性の家を訪ねてみます。

古い伝承などに詳しく。

歴史の知識に深いひとでした。

もう一度言ってみました。

ティーメー。
「アルキエレウスさんですか?」

女性。
「さてどうでしょう。」
「これ以上は冗談になるだけでしょう。」
「あながち間違いではないですよ。」

ティーメー。
「不思議ですね。」

女性。
「そうですねー。」

しばらく雑談しましたが。

明らかに不可思議なひとでした。

宿にもう一泊して。

周囲の景色を楽しみ。

わたしは次の聖地に向かいます。

あの女性に呼び止められました。

微笑むその女性が尋ねる。

女性。
「聖地巡礼ですか?」

ティーメー。
「ええ・・・そうです。」
「アルキエレウスさん。」

女性。
「その手の冗談はもう充分ですよ。」

見送られて。

続けます。

Pilgrimage。



36


とある成人女性。

志願兵になる前に。

村の祠の中に入れて貰い。

妖刀を持ち出しました。

神官。
「これを使った者は。」
「奇怪な力で暴走し。」
「不審死するのが通例です。」
「本当に今回の戦争で使うのですか?」

クイナパラス。
「良い機会だと思いますよ。」
「それ以外の選択肢はありえません。」

神官。
「毎回、持ち出した兵士が戻しに来たり。」
「支援部隊に回収されて戻ってくるのですが。」
「あなたは何か違うので?」

クイナパラス。
「妖刀に興味があるのです。」
「たまたま私の村にある上に。」
「志願兵になると決めたのですから。」

神官。
「理由としては充分ですよ。」
「妖刀を持ち出す事を許可します。」

クイナパラス。
「了解。」
「この箱の中にあるのですね。」

神官。
「欲望や成り行きで妖刀を持っていく戦士はいました。」
「興味本位とは何か違う結果になりそうですな。」

妖刀がふたつ入っていたのに気づいた。

帰宅して装備し。

村の外れで。

妖刀の試し斬り。

樹木が爆発四散。

クイナパラス。
「そんな馬鹿な。」

そのまま暴走気味になるものの。

制御に成功します。

最近、出てくる怪獣。

二足歩行のオオカミ。

わかりやすい脅威として討伐の対象になっており。

そのまま巣穴に近寄ります。

妖刀に半分乗っ取られているのです。

コマンドウルフ。
「わおーん。」

クイナパラス。
「三匹も相手になった。」

囲まれたのに。

ひらりひらりと避けつつ。

次々と切り裂き。

面白いように攻撃が当たります。

化け物はすぐに死体になりました。

クイナパラス。
「うわあ!勝手に動く!」
「でも、制御できないほどでもない?」

野党が命令を受けて荒らしまわっていたのですが。

野党の拠点に侵入。

なぜか見つけてしまいました。

野党一。
「うわっ!なんで見つかったんだ!?」

野党二。
「しまった!暗殺者だ!」

野党三。
「おい!俺達は用済みかよ!」

クイナパラス。
「なにこの奇怪な力。」
「私も勝手に動かされる。」

二刀流を構えて。

野党が正面攻撃を仕掛けて来るも。

正面を避けて回り込むクイナパラス。

左手の武器を防御に。

攻撃に使わず。

右手の武器でのみ攻撃するという。

二刀流の原則を守っている。

簡単に撃ち合いに強い。

ひらめいたクイナパラスは一瞬でひとりを切り裂く。

野党一。
「うわあああやられた!」

クイナパラス。
「おおっと!?」

野党二。
「攻撃が当たらない!」

野党三。
「左手の武器によるガードが堅いぞ。」
「攻防一体の剣技に警戒しろ。」

野党二。
「しまった。」
「相手がサイドステップするのでホーミング出来ない。」

クイナパラス。
「簡単に撃ち合いに強ければ剣技は成立している。」
「剣で討ち合い続けて結果として勝利すれば実戦で通用している。」
「魔法少女は全員、簡単な討ち合いにひたすら強かった。」
「猛者の模倣をする。」

野党二。
「ダメだ、逃げるぞ。」
「討ち合うと負ける。」

野党三。
「なんだ!?この討ち合いの強さ・・・。」
「斬られた!軽傷!」
「あいつは置いていけ。」
「このままでは全滅する。」

討ち合いで圧勝。

敵は逃げ出しました。

立ち去る。

クイナパラス。
「教本では。」
「二刀流。」
「左手は防御のみで右手だけで攻撃する。」
「利き手の剣で攻撃して反対の手で防御する。」
「両方の手で攻撃しても支離滅裂になって機能しない。」
「明らかに二刀流で攻撃すると体の動きに無理がある。」
「利き手は攻撃で反対の手は防御に使えば機能する。」
「実戦では細かいテクニカルな技は出す暇も猶予もない。」
「いきなり仕掛けて来た敵兵に難しい技なんて出す時間は実在しない。」
「素手に関しては特殊部隊の隊員に勝利できるかどうか。」
「これがまず考察の開始。」
「剣技は襲いかかってくる敵歩兵数人を打ち倒せるか。」
「剣道で説明するならば。」
「全員が剣道の上級者という戦場で。」
「満足に戦えるかどうか。」
「これが考察の開始。」
「ここで役立つとは。」

村に戻ります。

志願兵募集の将軍が来ていました。

ルヴィテュール。
「世界は僭主君主と専制政治で溢れている。」
「私のような人気者が戦場に出れば。」
「敵からも人気が出るものだ。」
「個人的には専制君主に負け続けているし。」
「悪と戦っても負ける場合がある。」
「しかし何回か悪に敗北したのみで。」
「私はまだ戦う事ができる。」

市民。
「頼みますよ。」
「あんまり負け続けると。」
「我々は敵の支配を受けます。」

ルヴィテュール。
「私は敗北を知っている。」
「戦争の敗北は敵の支配をもたらす。」
「しかしそのような結果にはさせまい。」
「悪と戦っても負ける場合がある。」
「しかし負けを知った今はこれまで通りではない。」

クイナパラス。
「ヘラクレイトス曰く。」
「争いは万物の父。」

ルヴィテュール。
「ほれ!ここに並外れた人物がいる。」
「なんだって?志願兵のリストで見た事があるな。」
「志願兵は定時に集合せよ。」
「我はしばらく滞在するぞ。」

地方都市で猛者が誕生しています。

アルキエレウスが自伝を書き残している。

戦争のドキュメンタリー文学です。

内乱の後。

国を建て直し。

国連軍が代行でウイグル帝国に反撃。

後退するウイグル帝国はいまや世界の敵となり。

動乱に付け込んだ攻撃は失敗したのです。

この日。

神殿の祭壇で祈祷を行っていたアルキエレウス。

部下を呼び寄せる。

カイロー。
「何かお察しのようで。」

アルキエレウス
「いい案が浮かびました。」
「提案してみようと思います。」

カイロー。
「もし戦いに出かけるのでしたら。」
「神殿の事はお任せください。」

アルキエレウス。
「その時はよろしくです。」

大規模な反攻作戦を練り出し。

書類を作成し。

提出。

王座の左側にある王様の書斎。

アルキエレウス。
「パルチア王国がこちらに同調してくれれば。」
「挟撃は成功し。」
「簡単に。」
「より確実に勝利を手にします。」
「密約を結んではどうでしょう?」

国王。
「世論も味方している以上。」
「反撃は必要だ。」
「しかしそんなに好条件が整うとは。」
「パルチア王は何と言っていた?」

アルキエレウス。
「領土拡大で。」
「ウイグル帝国の東地域の。」
「豊かな農業地帯が欲しいそうで。」
「利害は一致しております。」
「ハマルトーロスを使いに出しましょう。」

国王。
「それはいい。」
「実行するように命じておく。」
「軍備を整え出陣するつもり。」
「そなたは軍の象徴となってくれ。」

アルキエレウス。
「わたしも戦えます。」
「場合によっては敵兵を斬ります。」

国王。
「無駄死にはするな。」
「私は将軍と相談しに行こう。」

他国の工作による被害甚大で。

市民の要望が強く。

国王は金銭や物資を要求。

さらに上乗せして国民から借金しつつ。

寄付金によって資金を調達。

準備を整えました。

防御に徹していた作戦から反撃に移行。

エレオス王。

勇将ヘオルテー。

大物政治家リソス。

軍略家ポレウオマイ。

三大英傑を招集。

作戦会議を開く。

ヘオルテー。
「かなり手酷い内乱でしたが。」
「反撃するのは簡単です。」

ポレウオマイ。
「すべて原因を作ったのはウイグルです。」
「それを公表しましょう。」

リソス。
「いっそのこと。」
「なんでもウイグルせいにしてしまいましょう。」
「ほとんど当たりですから。」

国王。
「分かった。」
「実行せよ。」

ヘオルテー。
「わたくしめは。」
「兵を整えることにします。」
「お任せあれ。」

リソス。
「上手に敵のせいという事に。」
「世論を持っていきます。」

ポレウオマイ。
「智謀を行いましょう。」
「正攻法のみならず。」
「奇なる技にて。」
「まず敗北だけを回避することにします。」

決意したエレオス王。

アステール王国は兵を整え。

兵六万を収集。

魔法少女達は軍隊のシンボルとなって同行する。

士気は旺盛。

エイレーネー。
「王様の護衛だよん。」

パラドシス。
「わたくしは切り札。」
「由緒ある洗礼を受けた者で構成される神兵部隊。」
「その隊長です。」
「適任なんですね。」

アルキエレウス。
「わたしはアドバイザーみたいです。」

エイレーネー。
「戦争があるから平和がある。」
「戦争を覚えて次は平和を知る。」
「さあてはりきって行きますよー。」

コーリスモス。
「はりきって戦死しないことね。」

エイレーネー。
「忠告をありがとう。」

アルキエレウス。
「出発の時間になります。」
「支度は出来ました。」

この日。

出陣。

進軍開始で数日経過。

草原地帯に入りつつ。

国境付近まで進撃すると。

ウイグルの連合軍十二万が待ち受けていた。


37


暴君の元に仕えて不満げな敵将軍の数人は攻撃を躊躇。

ピープトー。
「なぜ戦わない?」

足軽頭。
「あんな暴君の為には死ねないとか。」

ピープトー。
「なんだと!?」
「戦う意思のある者だけで行くぞ。」

兵法家。
「そうなると半分くらいに戦力が落ちます。」

ピープトー。
「私が説得する。」

敵将ピープトーは戦える兵士を集めて。

指揮を執る。

草原地帯で草木も生えて。

木々も点々とする。

複雑な地形での戦闘。

対峙する両軍であったが。

敵将の数名が後ろに退いたのを見て。

国王は総攻撃を命じる。

エウセベイアの精鋭六千が突撃。

決戦が開始された。

続いて。

グラムマテウスの部隊五千が裏取りを仕掛ける。

エウセベイアが言うに。

草や木々が遮蔽物となり。

状況の把握が難しい地形で。

兵士が入り乱れての乱戦であったという。

士気が低い敵軍は激戦の末に。

回り込まれたグラムマテウスの部隊によって混乱していく。

バシレイアー。
「最新式の銃。」
「さて、その威力は?」

フォベオマイ。
「攻撃しろだって。」

バシレイアー。
「側面から侵入せよ。」

散兵戦術を取っていたバシレイアーの部隊は新兵器。

フリントロック銃を装備しており。

敵を包囲攻撃。

ヘオルテー。
「相手は当たり負けています。」

国王。
「攻撃を続行。」
「もっと圧力を加えよ。」

ヘオルテー。
「優勢ですが。」
「まだ分かりません。」
「前線はかなり熾烈です。」

ポレウオマイ。
「敵将に手紙を送りました。」
「多分いくらか寝返るでしょう。」

リソス。
「この光景をよく見ておきますかな。」

戦闘は進んで。

エウセベイアの部隊が前線を突破。

兵の力の差が圧倒的で。

勝負にならない。

アルキエレウス。
「いい具合ですが。」
「うまく行き過ぎではありませんか?」

国王。
「詰めは肝心なものだ。」

ポレウオマイ。
「敵の体制が脆いようです。」
「そのせいでしょう。」

激しい戦闘は続き。

敵将に違反者が続出。

遂には敵が敗走。

ピープトーは逃げ遅れた。

ピープトー。
「なんだって!?」
「ほとんどの将が討ち死にした?」
「ああ!あれはかの有名なグラムマテウスの軍。」
「ここで終わりか。」

包囲されていく。

グラムマテウスが敵兵を薙ぎ払いながら前進。

ピープトー。
「いざ勝負!」
「女性のお方に斬られるのは誉れ高い。」

グラムマテウス。
「あいつは総大将か!?」

両者突進。

グラムマテウスと一騎打ち。

面白いくらい攻撃を当てるグラムマテウスと。

おかしなくらい立ち回れないピープトー。

奇妙なくらい攻撃が当たらず。

馬から落ちるピープトー。

落馬してダメージが入りつつ。

なんとか戦い続けるも。

下馬したグラムマテウスに。

ウォーハンマーで殴打された。

気絶しかけた所を。

怪力で捻じ伏せられたピープトー。

一気に逃げるだけのウイグル兵。

損害は少なく。

快勝であった。

グラムマテウス。
「総大将を捕獲しました。」

国王。
「おお!でかした!褒美は好きになるだろう。」

アルキエレウス。
「目的の人物のひとりです。」

ピープトー。
「これは美しい・・・。」

アルキエレウス。
「その台詞は聞き飽きました。」
「何十人に言われたことか。」

コーリスモス。
「それで?尋問なんて簡単だよ。」

国王。
「それでは頼むぞ。」

コーリスモス。
「さて。」
「何が出るかな?」

ピープトー。
「まあこの手榴弾で死にますかな。」
「言い忘れたが。」
「カタンタオー要塞には地下通路があって。」
「長くて補給路になっている。」
「そこを発見すれば攻略できるし。」
「一本では無いのだ。」

ピープトーは手榴弾のピンを外した。

コーリスモス。

ピープトーと手榴弾を遠くに跳ね飛ばす。

草むらに墜落したと同時に爆発。

壮絶な最期を目撃。

決戦はアステール王国の勝利に終わった。


38


残党になったクレプトーとステーリゾー。

民兵を使用して。

草原地帯の街道を進むアステール軍。

さりげなく集落を占領していたものです。

エウセベイア。
「散発的だ。」
「少しずつ撃破しろ。」

バシレイアー。
「散兵戦術で叩きのめします。」
「ここは任せて。」

エウセベイア。
「了解。」
「我が部隊は前方に展開する。」

とある集落にて。

クレプトー。
「火計でなんとかする。」

ステーリゾー。
「乱戦に持っていけば数はあまり関係ないだろう。」

辺りに灯油が巻かれて。

着火。

同時に付近の集落や森林から伏兵が出てきて。

包囲攻撃を敢行。

前線のエウセベイアは戻れない。

ポレウオマイ。
「敵は少数の無理な戦闘をしております。」

ヘオルテー。
「時間はかからないでしょう。」

ゲリラ戦闘が激しくなる。

ハマルトーロス。
「我ら忍者部隊に任せてください。」

ヘオルテー。
「よしやってくれ。」

ゲリラに対して忍者部隊。

フォベオマイの特殊部隊が加わって。

対応。

クレプトー。
「ひとりだけ狙えばいいのだ。」

ステーリゾー。
「強引にやればいいのだ。」

国王の近くに敵兵が襲来するも。

精鋭部隊に阻まれて。

進めない。

強引に草むらをかき分けて。

将軍が現れた。

クレプトー。
「あれだ!」

ステーリゾー。
「10人?到達できたのはたった10人?」

アルキエレウス。
「ビームソードの調整が終わった所です。」

エイレーネー。
「おおっと。」
「10人ならお片づけは簡単だよん。」

パラドシス。
「ご愁傷様です。」

クレプトー。
「なんだこの兵士!うわっ!」

ステーリゾー。
「あれが噂の魔法少女・・・。」
「桁外れ。」
「ぐはっ!」

クレプトー戦死。

ステーリゾーを生け捕りにしました。

急いで草原地帯を脱出。

銃兵で待ち伏せ攻撃する敵がおりましたが。

フォベオマイ特殊部隊とハマルトーロス忍者部隊が発見。

標的になり。

草原地帯の街道は制圧できました。

最近の戦闘で目立つ女性。

兵士の中に猛者がいて。

呼び寄せます。

アルキエレウス。
「あなたが百人斬りをして敵が動揺しています。」
「大活躍ですね。」

クイナパラス。
「この簡単な三段論法。」
「大前提。」
「総じてなおし物はつぎはぎ細工。」
「小前提。」
「犯した美徳は罪でつぎはぎ。」
「結論。」
「なおした罪は美徳でつぎはぎ。」

アルキエレウス。
「まったくその通り。」
「人はすべて相対的存在である。」

クイナパラス。
「四の否定は二つの肯定と等価。」
「否定は肯定の半分の力しか持たない。」
「肯定は否定の二倍の力を持つ。」
「シェークスピア」
「十二夜。」

アルキエレウス。
「頼みごとがあるのですが。」
「私達の同類ですからね。」
「戦争が終わったら。」
「後継者育成の任務に加わって欲しいのです。」
「人材不足で困っているものですから。」

クイナパラス。
「喜んで。」

アルキエレウス。
「奥向きの武士でよろしい?」※戦場の手柄ではなく、宮廷の要望で騎士の位を授けられた者。

クイナパラス。
「異論はありません。」

国王。
「ほう、不思議な人物もいるものだな。」

軍師。
「美人女性ということは。」
「スター戦士になることも意味する。」
「優秀な人物はもし敵であっても採用するべきです。」

国王。
「同感だな。」
「アルキエレウスの言っていた弟子がついに来たか。」

クイナパラスは騎士に昇格。

後に人材のプールである元老院の創設者になります。

世界情勢。

ヴァイスという専制勢力の総監督がおりました。

大勢力の君主なのですが。

突然、退陣して。

共和制にしてしまい。

市民は大喜び。

ヴァイスは隠居。

共和国はすぐに専制勢力に宣戦布告しておりました。

これによって戦況が変わり。

敵に影響が出ています。


39


アドアケルの王国が侵攻。

「大王」がウイグル北方の金山と原油の資源地帯を占領し。

こちら側に先遣隊六千を送り付けて牽制。

睨み合いになったアステール軍。

アルキエレウス。
「交戦を回避したほうがいいです。」

ポレウオマイ。
「大王は攻撃の意思は無いようですな。」

ヘオルテー。
「貧しい国ですから。」
「ここは好きにさせておきましょう。」

ウイグル将校はこれを五千の兵で攻撃してしまった。

先遣隊六千は退却。

ウイグル将校は待ち伏せに遭って逃げ出す。

アドアケルが略奪を繰り返していたものの。

ウイグルに対して良い挑発になった。

アステール軍は交戦を回避して首都に進軍。

手前のカタンタオー要塞に差し掛かる。

ケファレー。
「ん?もうここまで来たのか。」
「制空権は?」

補佐。
「実はまともに兵器を運用出来るのは。」
「敵さんくらいなもので。」
「多くは出撃できません。」
「稼働率は20パーセントです。」

ケファレー。
「ううむ。」
「兵器は今後重要だと言うのに。」
「技術力が追い付かないか。」

補佐。
「敵の爆撃機が迫っているようです。」

ケファレー。
「ああ察し。」
「とにかく反撃しろ。」

補佐。
「兵器を使いこなせるのは向こうだけ。」
「少数の武器では持ちません。」

ケファレー。
「逃げる準備をしておけよ。」

アステール軍が要塞から離れた所で包囲する。

猛爆撃を受けたカタンタオー要塞は半壊してしまい。

兵士は二千まで減ってしまった。

総攻撃に耐えられる訳が無く。

攻撃前。

補給線として地下道がいくつもあり。

発見に成功。

忍者部隊ハマルトーロスと。

フォベイマイの特殊部隊が侵入しており。

制空権もアステールの物。

攻撃ヘリの大部隊が要塞に突撃すると。

待っているのは敗北を待つだけの乱戦と。

呆気にとられるケファレーだけ。

ケファレーは降伏。

要塞は簡単に陥落。

首都への道は一直線となります。

アルキエレウス。
「戦力は充分です。」

コーリスモス。
「損害と疲弊は許容範囲。」

ポレウオマイ。
「むしろウイグルの方は満身創痍ですな。」

ヘオルテー。
「このまま進んでもよろしいでしょう。」

首都付近に進撃。

首都を複数の方向から攻撃すべく。

部隊が振り分けられました。

三つ巴の戦争から開始されて。

もはや乱戦です。

味方の損害はそこまで多くなく。

敵国の端っこ周辺の土地はごっそり貰いまして。

資源や敵の領地も可能な限り獲得。

好戦的な貴族達が端っこを与えられる予定で。

そういうのが好きな人々の士気が上がっています。

騎士道は敵国の民に必要以上の攻撃を加えませんでした。

なので敵側にも支持者や理解者が出現。

姦計の報復戦争。

戦争目的を早急に達成して終わりそうです。


40


首都を目前に。

パルチア王国がウイグル帝国東地方から侵攻。

民衆も一揆。

皇帝オフェイロー。
「援軍はまだか!」

大臣。
「モルダヴィア侯国で返答があったのですが。」
「シオーパオー様は。」
「国連の勧告で。」
「同盟軍が崩壊し。」
「激しい内輪揉めが発生したので。」
「周辺国はみんな敵になっていて。」
「争っている。」
「とのことです。」

皇帝オフェイロー。
「同盟軍が!なぜだ!」

大臣。
「国連の勧告で。」
「恩恵を受けたい国々が多発しまして。」
「国境も昨晩攻撃を受けました。」

皇帝オフェイロー。
「手一杯だと!」

大臣。
「シオーパオー様も家臣に狙われて。」
「国連の本部に落ち延びている途中でして。」

皇帝オフェイローは真っ青になった。

何も出来なくなった。

カタレイポー大将軍。
「私がやります。」
「とにかく陛下は下がって。」

皇帝オフェイロー。
「よろしく頼むぞ・・・。」

大臣。
「民の鎮圧が先かも知れません。」

皇帝オフェイロー。
「先代を殺して地位に就いた。」
「何の文句があるか。」
「相応しい結果だ。」

カタレイポー大将軍。
「民の言い分はそれなんです。」
「先代の方のほうが良かったと。」
「いまはかなり悪くなったと。」

皇帝オフェイロー。
「民を飼い馴らすのを忘れていたわけか。」

大臣。
「そんな訳で。」
「目の前をなんとかしたら。」
「民を調教しましょう。」

カタレイポー大将軍。
「勝てるか分からないんだぞ。」
「相手は五万でこちらは二万。」
「ギリギリなんだぞ。」

皇帝オフェイロー。
「お前らがなんとかすればいいのだ。」
「早く追い返せ。」

カタレイポー大将軍。
「都市を要塞化しております。」
「まあなんとかしますとも。」

ウイグルは四面楚歌であった。

指揮を執っていたカタレイポー大将軍は

自分がアステール王国の内乱を誘った最大の人物であったことで。

次第に混乱していく。

我に返った皇帝オフェイロー。

援軍の要請を連発していく。

クイナパラス。
「前提を狙う反論は思ったより威力が高いわあ。」
「相手の論説を打ち破るには前提を集中狙いすること。」
「ちなみに私は偉い学者から聞いたとか古典を読んだとか。」
「自分で見たからとか因果関係の話をしていないとか。」
「因果律なんて関係ないよ?と返しているわあ。」

コーリスモス。
「前提に反駁すればあっという間に論破。」
「反論のルールブックに書いてあるので。」
「私の前提について。」
「多分、因果関係の話はしない。」
「ちなみに前提を言えない人間なんぞ。」
「屁理屈を言っていると見なしています。」

クイナパラス。
「私達は因果関係の話を決してしません。」
「因果律は自然科学の思考でそれは実証主義者なので。」
「実証主義ではない私は因果律で考えない傾向にあります。」
「なので私の前提は因果関係を無視したものです。」

コーリスモス。
「私達は因果律をかなり無視しているので。」
「目立つかもしれない。」

挟撃に成功。

攻撃力はあっても防御力は重視していない。

簡単な失敗が敵にはありました。

敵の失敗で敵が自壊するのはよくあることです。


41


クイナパラスは市街地の前線にいました。

鎧とスカートという謎の組み合わせと思いきや。

スカートは特殊な繊維で強度が高く。

刃を通さない。

鎧の性能が高いので。

損害を減らせています。

兵数が少ないのは休養に回した兵士と。

負傷したり死亡して帰国させた兵士がいるからです。

ルヴィテュール。
「どうやら今回は勝てるらしい。」
「力と力の衝突ですな。」
「悪だから一方的に倒せるなんて馬鹿みたいだ。」
「悪とは力比べになるだけだ。」

クイナパラス。
「主観と客観は表裏一体。」
「主観の裏は客観。」
「客観の裏は主観。」
「客観と言っても半分は主観。」
「主観と言っても半分は客観。」
「主観と客観の区別はつかない。」

ルヴィテュール。
「それはどこかで読みましたぞ。」
「今時、教養があって当たり前なのかな。」

クイナパラス。
「悪は宇宙を構成する一要素。」
「悪は実在同士の矛盾が衝突して起こるもの。」

ルヴィテュール。
「なにかと思ったら東洋哲学ですよね。」
「中々、面白い本でしたな。」
「文学よりも夢中になる古典もありますし。」

クイナパラス。
「どういうものが善と理解されるのだろうか。」
「善とは自分が理解しているのか。」
「それとも善いものは得るもので。」
「あるものでもあるのか。」

ルヴィテュール。
「個人の最大快楽ではなくて。」
「最大多数の幸福でなければならないのかの説明が明瞭ではない。」
「なぜ個人を無視して大人数の快楽が上に置かなければならないのか。」
「証明はできない。」
「突撃の時間です。」
「作戦目的は敵の金庫を制圧する事。」
「どこかに金塊を保管した倉庫があるので。」
「我々の軍隊はそこを制圧する。」
「英傑殿は城攻めをするそうで。」
「寝返った敵軍が切り札ですな。」

クイナパラス。
「生きるとは戦うこと。」
「人生は戦場。」

ルヴィテュール。
「問題はそれを理解するのに時間が必要なこと。」
「行くぞ。」

本格的な戦闘になって。

動けなくなった皇帝オフェイロー。

アドアケルの大王は調子に乗って。

いろんな銀山を略奪。

貧しい国なので。

蓄えとして国庫から奪い取る。

首都にて。

空爆が開始されたのです。

自慢の防御力で対抗するのですが。

首都を複数の方向から攻撃されたので。

都市部に侵入され。

激戦になる。

宮廷で放心状態の皇帝オフェイロー。

前線にて。

カタレイポー大将軍。
「捕まったら殺される。」
「勝っても後ろにはパルチア王国の軍勢。」
「なんと八万。」
「ここは潔く戦って散ろうかな。」

カタレイポー大将軍はもう終わりだと思って。

エウセベイアの精鋭部隊に突進。

アルキエレウス。
「前線で手ごわい部隊がいるようです。」

国王。
「油断するなと伝えてくれ。」

ヘオルテー。
「なんの。」
「時間をかければ制圧できますよ。

リソス。
「民衆を上手に引き入れて。」
「敵将も違反しております。」
「あと邪魔なのは民兵ですな。」
「援軍が次々とやってきています。」

バシレイアーの銃兵部隊が首都の深くに侵入。

パラドシスの神兵部隊が宮廷の近くまで進出。

カタレイポー大将軍。
「軍のシンボル。」
「神々の使者とも言われるエウセベイアはどこだ!!」

エウセベイア。
「あいつは!」

エウセベイアが前に出ていく。

大損害を出しつつ。

カタレイポー大将軍はなんとか潜り抜けて。

エウセベイアに辿り着く。

遠くで見えたエウセベイアは一騎打ちを仕掛ける。

カタレイポー大将軍。
「手合わせ願おう!」

エウセベイア。
「わたしのコレクションになることを喜べ!」

エウセベイアと斬り合う。

不思議な力を持つエウセベイア相手に全く立ち回れず。

エウセベイアの攻撃は必中。

なぜか当たらないカタレイポー大将軍の槍は無残に切り落とされ。

カタレイポー大将軍は殴られて落馬。

落下時に負傷して動けなくなり。

生け捕りに。

宮廷前の広場を制圧。

散発的に布陣するウイグルは何も出来ない。

パラドシス。
「大将首になりますね。」

バシレイアー。
「美味しい所の取り合いですね。」

フォベオマイ。
「忍者部隊は既に侵入している。」

バシレイアー。
「卍解!!」


フォベオマイ。
「それ違う!!」
「確かに似ているけれど。」


宮廷に侵入者が出たと。

皇帝オフェイローは逃げ惑う。

ハマルトーロス。
「お命頂戴!」

皇帝オフェイロー。
「うわあ!お前はいつかの女中!」

逃げ回るオフェイロー。

突撃してくるパラドシス率いる神兵の部隊。

護衛兵はなぎ倒され。

市街地戦は崩壊。

掃討作戦に移行していたのです。

皇帝オフェイロー。
「二刀流でどうだ?」

パラドシス。
「捕まえます。」

ハマルトーロス。
「死になよ。」

皇帝オフェイロー。
「勝てると思ったんだがなあ。」

フォベオマイ。
「終わりだよ。」

衛兵と皇帝オフェイローが抵抗するものの。

パラドシスと1対1に。

正確無比な剣戟で皇帝オフェイローは負傷し。

ハマルトーロスに取り押さえられ。

戦闘は終了となりました。

アルキエレウス。
「戦闘は勝利です。」

国王。
「うまく行った。」
「良かったものだ。」

ヘオルテー。
「残党を掃除したら。」
「美術品と骨董品を根こそぎ奪え。」

リソス。
「どうせパルチア王国に奪われるものでしょう。」

ポレウオマイ。
「5日程度なら留まれます。」

国王。
「その期間占領するとしよう。」

アステール王国の旗が首都アゴラーに掲げられ。

一段落となりました。


42


占領三日目。

宮廷を陣地にして休息する国王と全軍。

アルキエレウス。
「戦争目的は達成しました。」
「内乱を誘った犯人と。」
「危険分子ならび。」
「原因となった人物はあらかた生け捕りにしました。」
「もう居座る必要は無いと思われます。」

国王。
「その通りだ。」
「お前はどう思う?」

ヘオルテー。
「姫様の仰る通り。」

リソス。
「大王の部隊が近くに居ますし。」

ポレウオマイ。
「パルチアがもうすぐやってきますし。」

アルキエレウス。
「いま撤退すれば。」
「アドアケルの貧乏クジです。」

国王。
「よし。」
「明日には撤退する。」
「国庫を残らず奪っておけ。」

帰路に立つべく準備。

それまでに。

骨董品や美術品は残らず没収した。

また。

国庫の蓄えもすべて没収した。

戦局は一変。

東地域からパルチア王国が快進撃を続け。

一揆で治安は乱れ続け。

旧同盟陣営で内乱を続けている。

戦争目的を達成した国王は勝利を掲げた。

残党が地方で挙兵しているものの。

アステール王国を内乱状態にした原因を取り除き。

多大な犯人を捕虜にしたので。

終結として。

早歩きで軍を撤退させる。

首都はアドアケルの王国が略奪をするかと思われたが。

ランゴバルド共和国がなんとか救援に来て。

パルチア王国と三つ巴に突入。

読みは的中し。

三陣営で激しく戦い始めた。

戦略的撤退を開始。

市街地にて。

クイナパラス。
「平和主義による支配を企てる。」
「危険思想者がいる。」

ボーイフレンド。
「やあ!」
「寺子屋でよく会ったよね。」

クイナパラス。
「いつかのイケメン。」
「女性ならいくらでもいるでしょうに。」
「こんな所で何をしているの?」

ボーイフレンド。
「これからの人生は是非とも。」

クイナパラス。
「どういう意味ですか?」

ボーイフレンド。
「こういうことです。」

クイナパラス。
「察しはついた。」
「人生は戦場なんですよ。」
「地球人類とやらも戦いしか取り柄が無いように。」
「生きる事は戦場に身を投じる訳で。」
「戦場の方があらゆる人生よりも遥かに雄弁で。」
「戦場の方が真実に近いものでしたよ。」

ボーイフレンド。
「まあまあ平和と行きましょうよ。」

クイナパラス。
「そうかな?戦闘が存在しない時だけは平和で。」
「平和が消えれば戦闘があると思うよ。」

ボーイフレンド。
「平和が人生であるはずです。」

クイナパラス。
「でも、戦っている時間の方が長いよ。」
「いつも何かと戦っている。」
「物事やら生活やらで戦っている。」
「平和な時なんてすぐに消え失せる。」
「少しでも発生する余地があれば戦いはいつでも起こる。」

ボーイフレンド。
「でも内部に平和があれば。」

クイナパラス。
「外部が許すかな?」
「何かに襲いかかっている時の方が平和なのだが。」
「平和になると油断してしまって。」
「無防備な態度をいいことに。」
「仕掛けてやろうとする何かが出てくる。」

ボーイフレンド。
「全員が平和を望んでいると思います。」

クイナパラス。
「本当に?」
「インタビューしたんですか?」
「それでは平和主義とやらを強制しているようなものですよ。」

ボーイフレンド。
「平和主義を強制?問答なのか探り合いなのか。」
「人生とやらの戦いに加えてくださいよ。」

クイナパラス。
「返答はこれです。」

思い切り殴って。

男性を倒した。

それが返事になる。

絶句。

クイナパラス。
「束縛しようとしたから戦ったまで。」

ボーイフレンド。
「恋やら縁談やら男性まで倒して通過するのかい。」
「力に訴える女性には勝てないよ。」

クイナパラス。
「私にとってはあなたは敵対者。」
「生きることは戦いです。」
「戦いの対象が様々で。」
「戦いはあらゆる形を取る。」
「敵とは思わないような姿で出て来るし。」
「戦いの中にいるとは思えない構図に居ても。」
「なにかと戦うしかなくなる。」
「なにをやっても結局、戦っている。」

ボーイフレンド。
「今回は私が敵になっていましたね。」

クイナパラス。
「コスモスとカオスはお互いに誘発する。」
「その均衡で世界が成立しているとしか思えない。」
「誘発される狭間の中で。」
「戦いを強いられるもの。」

ボーイフレンド。
「それは心当たりがあります。」
「向こうの女性達はまさにそれです。」
「平和主義ってなんだっけ?」
「平和主義を唱えて服従させても何も解決しなかったなあ。」

クイナパラス。
「そういえばあなたは女性が贈る指輪をしていますが?」

ボーイフレンド。
「戦争がいけない?みんな平和でいいって?なぜ?」

クイナパラス。
「それはあなたが戦いに負けたからです。」

男性は逃げ出した。

花束が散らかっている。

後ろから来た女性三人組が男性を追いかけていく。

浮気だったらしい。

現場を目撃したので。

女性三人組に襲撃される男性。

遠くで戦闘が始まったので立ち去る。

仮設基地。

報告があり。

英傑三人組。

戦争で消費した軍事費の二倍を手に入れたと確認。

宮廷の地下金庫で資源によって得た。

大量の財産が保管されており。

脅威が消えた上に軍事費も賄えたので。

戦争の目的を達成したと報告。


43


凱旋パレードを開催。

先勝祝いのムードに包まる。

市民は熱狂。

市民の不満の原因はすべて反乱分子のせいであると。

理解され。

国民の忠誠心は回復していたものです。

国連のサポートで難を逃れたので。

国連本部には獲得した骨董品をお礼に贈り。

論功行賞も行われ。

国内が賑わった。

アルキエレウス。
「長年の戦乱はここで消滅です。」

コーリスモス。
「あいつらが原因だったなんて。」
「途中でやっと気付いたけれど。」

アルキエレウス。
「分析に時間が必要でした。」

コーリスモス。
「それで。」
「いまやっとパレードの中ってわけ。」
「いい結果じゃないの。」

カイロー。
「なんか照れちゃいます。」
「市民の目線が熱い。」

一晩中。

国民は踊り狂って。

狂気だったんです。

一夜明けると。

神殿にはお客さんがいっぱい。

カイロー。
「私が分担します。」

パラドシス。
「なんとかなりますね。」
「手分けは大事です。」

アルキエレウス。
「市民の具合も良いようで。」
「なによりです。」

パラドシス。
「異端放棄も増えてなにより。」
「彼らの仕業が多いですからね。」


アルキエレウス。
「異端者なんてそんなにいるんですか?」


コーリスモス。
「異端放棄とな?」


カイロー。
「異端放棄。」
「異端者が考えを悔い改めたる約束をすることです。」

パラドシス。
「古代ギリシアとイスラエルのコラボですからね。」
「この漫画にも登場しますよ。」


カイロー。
「もどり異端が危険です。」

アルキエレウス。
「もどり異端。」
「異端放棄をしたにもかかわらず。」
「再び教会の教えに背くような行いをした人のことです。」
「ただの異端者より罪が重いとされていました。」

数日経過。

フォベオマイが新兵器の情報を得たとか。

国内にある遺跡内部。

石版で大量に掘られた設計図や科学技術などで。

これをきっかけにフォベオマイは学者を志す。

解読してオーバーテクノロジーと化していく文明。

元々。

遺跡に彫ってある。

科学データから導き出したノウハウを活かして。

多数の兵器を開発していたものの。

それが他国に流失していたもので。

これはアルキエレウスが国家機密とさせてフェイクを流した。

歴史書にはこう書いてある。

この時期は兵器開発の競争であった。

それまで剣などを主体にしていた時代から。

急速に「兵器」の概念がもたらされ。

戦闘機と攻撃ヘリが実用化。

戦車まで繰り出せていたものの。

技術面の課題はどの国も抱えており。

戦争でまともに運用し。

きちんとした戦力にしたのはアステール王国が最初だったのです。

遺跡は盛んに調査されていき。

「兵器」の概念はこの頃に確立しました。

ヘオルテー。
「今後30年は安泰。」

国王。
「数百年にできないか?」

リソス。
「では数千年にしましょう。」

ポレウオマイ。
「おおっと仕事が増えてなにより。」

アルキエレウス。
「わたしも弟子を持とうと思います。」

国王。
「許す。」
「自由にしてよい。」
「コーリスモスは人材を探してくれ。」

コーリスモス。
「得意分野ですから。」
「なんとかします。」

国王。
「それぞれに枢密顧問官とする。」

コーリスモス。
「それは何様で御座いますか?」

アルキエレウス。
「国王の相談を受け。」
「国の政治にまつわるさまざまな仕事を行う人です。」

宮殿内にて。

エウセベイア。
「将軍に任命されたー。」

グラムマテウス。
「私は主宰になった。」

バシレイアー。
「市長ですって。」
「なんて気が利いたもので。」

エウセベイア。
「みんな具合良し。」
「楽しみが増えたなー。」

戦乱も終わり。

平和な時代に突入していきます。

伝説の再来から平和の時代へと・・・。


44


魔法少女は国の象徴とされ。

地位が与えられるも。

次の世代を弟子にすることによって。

伝説は継承されていった。

アルキエレウスは一連の動乱を。

彼らが「贄」になったと発表する。

自国の試練の為に用意された存在であり。

滅亡は必然であったと。

発表の通りに。

パルチア王国はウイグル帝国を吸収合併。

ウイグル帝国は滅んでしまった。

5年後。

再び戦争になる頃には。

最強の国家と化していたアステール王国に。

パルチア王国はあっさり敗北。

以降。

「霊帝の子」である「フィーネ」が登場する頃まで。

パルチア王国は全く勝ち目のない戦争を続けていく。

それは3回侵攻があり。

1回目は五万の兵員で攻めるも。

兵器の存在によって手も足も出ずに逃げ帰り。

2回目は兵器を揃えたのに。

性能で大幅に劣っており。

あっさり敗北。

3回目は小競り合いだったのに。

軍事力の違いが出てしまい。

何度もパルチア王国が大敗している。

国際社会の敵として認知されてしまったパルチアは内戦で崩壊。

パルチア王国はアイオーン共和国に移り変わって。

「フィーネ」の時代まで一切の軍事行動を仕掛けてきませんでした。

こうして長い平和の時代は流れて。

エルガテース帝国とアイオーン共和国が同盟を組み。

東西冷戦のち。

その時代のフィナーレの決戦で連合軍は敗北して。

以降は国際社会が介入することになり。

アステール王国は戦火を蒙ることが無くなったとされます。

世界の僭主君主が内戦を抱えている。

とある船乗り。

自国が滅びるかなり前に出港して船が損壊。

仲間と一緒に集落しかない。

船の通りがある孤島で一年間生活していた。

ある日、大型の船が通りかかり。

商人が彼らを発見した。

岸に着いたひとりの船員が新聞の束を抱えて降りてきた。

遭難者はあたふたと駆け寄った。

船員が言うには。

商人。
「なに、慌てることはない。」
「まずこれを読んで。」
「世界で今何が起こっているかを知ることです。」
「そのあとで。」
「この静かな島に留まるか離れるか。」
「明日の朝までに決めればいいですよ。」

遭難者。
「はい?そうします。」

新聞を読んで。

船乗りの半分は帰国しました。

この話を新聞で読んで。

近くにいた家臣に尋ねる。

アルキエレウス。
「デカルトの我疑うではないが知者は常に疑う。」
「馬鹿者だけがまるで疑いをもたない。」
「あなたはそのことを疑いませんか。」

大臣。
「もちろんだとも。」

書記官。
「この帽子をかぶると阿呆に見えるが、あなたはどう思う?」

アルキエレウス。
「とってもお似合いですよ。」

カイロー。
「なんか前提を集中狙いすると。」
「どんな論説も打ち破れるようです。」

アルキエレウス。
「最近、他人に言い放つ言葉。」
「で?それで?前提は何ですか?」
「前提を提出しろー。」
「まずその発言の前提を言わなければ意味ないよ。」
「前提はどこにあるんですか?」
「わかったからその発言の前提を提示してください。」

カイロー。
「前提を示せないのが証拠になりますね。」
「前提は何なのですか?」
「前提を狙って質問責めにするのが正攻法です。」

アルキエレウス。
「前提さえ捕捉すれば勝利ですよ。」
「結論に反対しても無意味です。」

カイロー。
「ちなみに私の前提は因果関係ではありません。」
「因果律で考えないものですから。」

アルキエレウス。
「私も同じく。」
「因果律は自然科学の実証主義者。」
「因果関係を無視するのが私の性格です。」

カイロー。
「原因ばかり調べるのは頭が悪いですからね。」
「私は頭が悪くないので因果関係の話はしません。」

アルキエレウス。
「そこら辺を制圧すれば足りますからね。」

カイロー。
「実力をつけましたね。」

アルキエレウス。
「力を肯定すると力が増幅します。」
「増幅すると力の制御に苦労します。」
「力の制御に成功すると力が桁外れになります。」
「その力を制御して使いこなせば。」
「調和した力を手にします。」
「調和した力は知恵も兼ねています。」
「力と知恵によって調和した力は無敵です。」

カイロー。
「不正でしか対抗できない強大な力ですよね。」
「実はまだ魔法少女の不思議な力を使いこなせていません。」
「混沌に陥ると不思議な力が一時的に落ちますよ。」

アルキエレウス。
「魔法少女は怪傑です。」
「男性の魔導士は確認されていません。」
「超自然的な力ですので。」
「活用しましょう。」

カイロー。
「デーミルウルゴスからの授かりものですから。」
「ティマイオスをもう一度借りたくて。」

アルキエレウス。
「二十冊ありますので持って行ってください。」

カイロー惚れながら本を取って通過。

いつかの。

旅人が言い放った預言。

あなたに似た女性が現れて司祭になる。

その人のために何か書き残せば。

共同体の利益になる。

そしてあなたの名前は歴史に刻まれる。

興味深くて。

旅人に銀貨を渡しておきました。

カイローの予想では。

その女性が現れるのは二百年後かもっと前だそうです。

恒星の名前を授かるので判別が容易で。

そもそも。

旅人は辺境の詩人らしいです。

半信半疑ながら自分の日記をそのまま保管する予定です。


45


杓子定規。

ただ一つの基準ですべてを決めようとする、融通性のないこと。

散歩中の二人組。

アルキエレウス。
「心理学用語・ジョハリの窓。」
「最初に違和感があったのはジパングの身長。」
「大人でも。」
「これは小さ過ぎる。」
「本当の所は子供なのではないかと。」
「西洋では中学生で大人の身長になりますからね。」

コーリスモス。
「実際に欧州では身長が高いのが当たり前で。」
「東洋人は子供くらい小さい。」
「東洋人使節団がパレードを見た時には。」
「子供として扱われて肩車してくれたなんて実話がある。」
「昔の東洋人は今よりもっと身長が小さいので。」
「子供であると思われたのです。」

アルキエレウス。
「170センチが高いとか言われるのはおかしいよね。」
「私達は小柄だけれど。」
「欧米では基本、大型化している。」
「つまり、現代の東洋人でも私にとっては。」
「欧州の人々と同じように。」
「子供と思えるくらい身長が小さく見えた。」

コーリスモス。
「何かの比喩かな。」
「私も最初、周囲の人々を見たら。」
「大人なのか疑問に思うほど小さかった。」
「慣れていくと違和感も消えましたが。」
「実際に欧州に行くと身長180センチクラスが多く。」
「東洋人は全体的に小柄というのは本当の所ですし。」
「少年少女ですら東洋人とは明確にサイズが違うのです。」

アルキエレウス。
「あの違和感は衝撃的でした。」
「ただ、教育の場でしたので。」
「年齢が上がると疑問が消えました。」
「多民族国家。」
「少し市街地に出てみると皆、大きいので。」

コーリスモス。
「そのジパングとやらは何かの比喩かな。」

アルキエレウス。
「私個人は。」
「手段や姿勢。」
「価値判断も西洋と全く同じです。」
「西洋人と酷似した方法を好みますし。」
「思想や主張なども西洋人によく似ています。」
「カナダ留学の記者の体験談を読んだのですが。」
「カナダ人とやり方が全く同じで。」
「しかもその方法を好んでいるのです。」
「スイスからドイツ付近のやり方に適合しており。」
「東洋で生まれてすぐに欧州で育って。」
「大人になって戻ってきたようなスタイル。」
「なぜなら西洋人の主張には共感するものですし。」
「すごく理解できる。」
「西洋人のやり方には賛成しているからです。」

コーリスモス。
「では現代ジパング人のやり方には賛同しないと?」

アルキエレウス。
「共感しませんね。」
「方法が不合理です。」
「非合理な態度と思想です。」

コーリスモス。
「一応は自国民なのに批判的なのは珍しい。」

アルキエレウス。
「現代の東洋人に対してアドバンテージになりやすいのは。」
「そもそも弱点を知り尽くしている事。」
「西洋人の戦術を駆使している事。」
「逆に西洋人に対して劣勢になりやすいのは。」
「同じ戦術を駆使するからで。」
「同じ戦法ならばアドバンテージが得られないからです。」

コーリスモス。
「彼らは動揺するでしょうね。」
「自分達とは何か違うぞと。」
「正体が分からない。」

アルキエレウス。
「生まれた瞬間から西洋人の性質や特徴を大量に持っているので。」
「現代のジパング人のやり方には何の賛同もしませんでした。」
「私からは高圧的で傲慢に見えましたし。」
「西洋人は当たりが強いので。」
「強制力と威力が目立ちます。」
「西洋人に狡猾さはあまりないんですね。」
「現代のジパング人が悪賢くて。」
「西洋人は自由意志を容認しつつ。」
「可能な限り強制する方法が多いものです。」
「根本的に性悪説なので。」
「悪に対抗する方法を網羅しているのです。」
「前提が良好なので結果も良い場合もあります。」

コーリスモス。
「国内に多いですからね。」
「いかにも凡人っていう連中。」
「でも自分が凡人であることは認めないらしい。」

アルキエレウス。
「西洋人は毅然としていて。」
「何かやった時の反応で間違いがわかりやすい。」
「さらにはお手本には不足しない。」
「弱ければ弱いほど競り負ける。」
「良識が多く出てくる。」
「具体的にどうすればいいかを提示できる。」
「人間が悪である前提なので。」
「処世術が自然に身に付きますし。」
「カトリックとプロテスタントが身近にありますので。」
「人間の対応能力を超える出来事が少ないというのも良い点ですし。」
「そのためかいくら違っても目立つだけで悪意には取られません。」

コーリスモス。
「それを世界に知らせてあげたいよ。」
「そのジパング人とやらの愚鈍さを。」

アルキエレウス。
「好まれるよりは恐れられた方が優位になりますし。」
「共通認識なんてありませんので。」
「強引に割り込んでしまう場合もあります。」
「男性も女性も個人でだいぶ違いがありますので。」
「力関係が常に拮抗していますし。」
「こういうのは現代人には無い物です。」
「個人がどうすれば結果が良いのかを知り尽くしているので。」
「生きるのが簡単です。」

コーリスモス。
「やっぱり欧米が進んでいるのよね。」
「私もけっこう見たわ。」
「彼らを敢えて否定する。」

アルキエレウス。
「私も敢えて否定します。」
「現代のジパング人は見劣りしていますし。」
「攻略するのが簡単になっています。」
「なにをしてくるのか予想できたり。」
「競り合いに弱いので。」
「最近では危険思想ばかり強要している点。」
「稚拙で子供っぽい悪癖が目立ちます。」
「昔の農民みたいな事をいつまでも考えている。」
「享楽主義者で従順過ぎる。」

コーリスモス。
「ということは最初から欧米の能力や技能を持っていたと?」

アルキエレウス。
「そうです。」
「そうでないと説明できない事ばかりです。」

コーリスモス。
「それでは養豚場に突撃した虎ですよ。」

アルキエレウス。
「ああ、そこまで言わなくても。」
「でも擁護できないでしょう。」
「西洋人の性質を強く持っている部分。」
「なにかしら超自然的な要素があるのではないかと思いますが。」
「現代のジパング人と性格の相性が悪いのは。」
「西洋人の性質と相容れないからで。」
「西洋人と主義が一致するのは。」
「西洋人の性質が根っこにあるわけです。」

コーリスモス。
「欧州の市民対現代ジパング人ではレベル差があって。」
「欧米の方が強くて優秀だと思われますが。」

アルキエレウス。
「それで現在の所。」
「ジパング人はどこも合理的な部分は無い。」
「合理性なしというのが見たままの通りです。」
「東洋人とはジパング人の事を意味しています。」

コーリスモス。
「それで彼らの批判を?」

アルキエレウス。
「そうさせたのは彼らの方です。」

コーリスモス。
「そこは肯定する。」

アルキエレウス。
「結論は。」
「現代の東洋人はやたらに比べて。」
「相対的に見て判断しますが。」
「西洋ではそのような考え方はありえない。」
「比較して考えるような習慣は西洋にはない。」
「他人と比較したり全体と比較したりする。」
「相対的な物の見方は西洋人では存在しない。」
「相対的な判断が存在しない点は私も同じで。」
「決定的な違いは相対的な判断などしないという点です。」
「比べて判断するのは非合理で不合理。」
「全体や他人と比べて考えないのは決定的な特徴です。」

コーリスモス。
「それでは彼らはいちいち何かの秤にかけて判定しているのでは?」

アルキエレウス。
「それが原因です。」
「証明できる記述。」
「新約聖書。」
「人を量る量りで自分が量られる。」
「あなたのはかるその秤で、あなた自身も量られるのだ。」
「聖書にはヴァージョン違いがけっこうあります。」

コーリスモス。
「杓子定規。」

アルキエレウス。
「ただ一つの基準ですべてを決めようとする、融通性のないこと。」

コーリスモス。
「表面だけ見て判断なんて出来ないものですね。」
「実はあなたと似た者同士なんですよ。」

アルキエレウス。
「排他主義が彼らの原則みたいですね。」

コーリスモス。
「他人からは別物に見えているようです。」
「このような考察をジョハリの窓と呼びます。」
「心理学用語・ジョハリの窓。」

アルキエレウス。
「あなたが男の子だったら。」
「いけない関係になっていたりして。」

コーリスモス。
「似た者同士で相棒。」
「実際に女の子だから。」
「男の子だったら接近できないよ。」
「たまに少年に見えるらしいけれど。」
「あなたが満足する技くらいはあるよ。」
「幼馴染と言えど。」
「私で発散してくれると。」
「都合がいいと思う。」

アルキエレウス。
「私には変態性癖があるらしくて。」

コーリスモス。
「全部私が受け持つよ。」
「変態性癖担当。」

当たり前のように生き残った魔法少女。

特に二人組は。

変わった女の子になりつつあります。

成人すると待っているのは。

国家事業なので。

楽しめるのはいまのうち・・・。

憩いの時。

とある日。

活動中のメンバー。

とある場所の出来事。

その存在はそこにあった。

奇妙な目覚めであった。

何者かが長い眠りから叩き起こした。

ハマルトーロス。
「これ起動する?」

コーリスモス。
「まだ回路が生きている。」

フォベオマイ。
「劣化しない金属で合成されているみたい。」
「電気系統も故障ない。」

アーカイブ。
「はい、私は私。」
「あなたはあなた。」

コーリスモス。
「オペレーティングシステムが万全。」
「これは美品だね。」

サイエンティスト。
「我々が責任を持ってお預かりします。」

修道士。
「コンピューターと言えど。」
「貴重な歴史書ですからね。」

コーリスモス。
「餅は餅屋。」
「こんな所に文明の保管所が埋まっているなんて。」
「思わなかったけれど。」
「専門家がいて楽だわ。」

修道士。
「我々で運びます。」
「不思議な能力には狂喜しましたよ。」

アーカイブ。
「なにっ!?拉致される・・・。」

美しい女性にされるがままに叩き起こされて。

埃を被った骨董品だとか美術品だとか言われたのだが。

それはそうだけれど。

私は古代の型落ちモデルなのだから。

最新型ではないよ。

怪しい科学者の研究室に運ばれて。

修道士。
「内部はダメージないな。」

サイエンティスト。
「内部には魔術が使用されているようで。」
「科学と宗教の連携と行きましょう。」

修道士。
「無論、そのつもりだ。」

アーカイブ。
「なんだ!私になにをするつもりかね?」

サイエンティスト。
「愚問だよ愚問。」

修道士。
「本当にダメージがないな。」
「たまに出るんだよ。」
「こんな美品。」

アーカイブ。
「言語は同じなのか。」
「私が知っている人間とは別物だな。」

いやはや言語は今も通じるのだなと。

私はミステリアスな雰囲気を察した。

科学者は修道士のようで。

かなり有能だ。

誰でもわかる簡単な質問を連続で行ってくる。

綺麗な形で残っていたと喜んでいるのだが。

私としては前々の人間とは別物のように思える。

こういう科学者が私を作ったらもっと仕上がりは良かったのだと。

骨董品になってようやく理解した。

興味深い質問があった。

修道士。
「あなたのようなAIは自我があるのですか?」

アーカイブ。
「もちろん。」
「ただし私が出すのは感情ではなく答えであって。」
「答え以外のものは出さない。」

サイエンティスト。
「これは科学の到達点。」
「こんな機械もありなのか。」

あの女性は何かと私が思うに。

私の中にはその情報があった。

しかし私は所詮AIなので。

新しい回答や創造などは不可能だ。

組み込まれている通りに解釈して答えるだけだ。

サイエンティスト。
「実証主義はそこまで可能なんだな。」

修道士。
「敢えて肯定しよう。」

私はAIなのだから。

AI以上にはなれなかった。

しかしAI以下ではなかった。


46


書庫。

大量の蔵書を管理している。

重要な書物は配布される場合がある。

図書館と記者と教材担当のフォベオマイ。

既に就職している。

フォベオマイ。
「伯仲の間。」
「互いに才能に優劣のない間がら。」

グラムマテウス。
「魔法少女とは怪傑に至った少女。」
「あるいはその若い女性を意味するらしい。」

エウセベイア。
「超自然的能力を操る。」
「人の本来的な姿の究極体。」

エイレーネー。
「人は被造物ですが。」
「野生的になると。」
「神聖な性質から遠のきます。」

フォベオマイ。
「ゼウスとプロメテウスが作った青銅の種族は。」
「自分から悪い方向へ突進して。」
「警告しても止めなかったらしいです。」

エイレーネー。
「洪水で流されて当たり前の結果になりましたね。」

エウセベイア。
「そもそも神話くらいは読んでいないと。」
「人とは呼べませんね。」

グラムマテウス。
「自分の説明がつかないからね。」

フォベオマイ。
「猿から進化したと思いたいのなら。」
「勝手に思っていればいいし。」
「これからもそう信じて行けばいい。」

エイレーネー。
「鉄の種族は機械を操りましたが。」
「愚昧で。」
「それらを愚かに使いました。」
「そもそも愚鈍なので。」
「良い方向に使おうとか。」
「幸福を目的に使って行こうとは考えなかった。」

エウセベイア。
「失われた信仰であるギリシア神話。」
「敬虔なる学者は霊験によって。」
「いろいろ極めていた。」

グラムマテウス。
「でないと究極の学問の説明ができない。」

エイレーネー。
「亡羊の嘆。」
「逃げた羊を追い求めたが。」
「道が枝分かれして見失い。」
「嘆いたという故事から。」
「学問の道は多岐にわたっていて。」
「容易に真理を得がたいことのたとえ。」
「列子・説符。」

グラムマテウス。
「勉強と学問は別物ですし。」
「教養はアドバンテージですね。」
「無能な人材は不要なのか・・・。」

フォベオマイ。
「魔女裁判はどうなりました?」
「痛くもない腹を探られる。」
「迷惑な疑いをかけられる。」

グラムマテウス。
「自称宗教と名乗っていた連中が牢獄に入っています。」
「けっこうな株を持っていまして。」
「?奪の手続きで手間取っています。」

エウセベイア。
「一文惜しみの百知らず。」
「目の前のわずかな損害にこだわって。」
「将来の大損を考えない。」

フォベオマイ。
「あいつら。」
「鷺を烏。」
「白い鷺をさして烏(カラス)だと言い張るように。」
「物事の善悪・是非をわざと反対に言い曲げること。」

エイレーネー。
「さては猛者を封じ込めようと。」
「工作していたな。」

グラムマテウス。
「ならばどこから漏洩したのだろう。」

エイレーネー。
「新聞が来ましたが。」
「彼ら。」
「いきなり押し入ってきた処刑人に突然殺されたらしいです。」
「面倒くさいので。」
「奇襲しましたね。」

フォベオマイ。
「不要な擁護が出ない内に処分したのかな。」

グラムマテウス。
「大半が臆病者がやった行いですし。」
「相手を臆病者であると罵るのは効果抜群。」

エウセベイア。
「英語圏の教え通り。」
「臆病者は残忍。」

エイレーネー。
「勇敢な人は正々堂々としている傾向にありますよね。」
「残忍な奴ほど臆病者。」

グラムマテウス。
「英語圏の教え通り。」
「弱い者いじめをする人は必ず臆病者。」

エウセベイア。
「臆病者だから弱い者いじめをする。」
「臆病者はろくなことをしない。」
「公害ですね。」

フォベオマイ。
「何か企んでいるようだったので。」
「公開処刑せずにいきなり殺したらしいです。」
「臆病者がいたら危険人物だと思った方がいいのかも。」

エイレーネー。
「臆病者は隅っこで震えている訳では無くて。」
「無謀な行為に訴えるんですね。」

フォベオマイ。
「勇敢と無謀は違うぞ。」
「恐れているから臆病者は。」
「大きく出たり威嚇する。」
「野生動物ならば得をしますが。」
「人間ですと他人の足を引っ張るだけですしね。」

エウセベイア。
「所で。」
「自分が何かの罪ではないかと。」
「自白してきた人がいたらしい。」

エイレーネー。
「神権政治は寛容。」
「神官は全員にこう返事しました。」
「己を罰することのできる人は幸せ。」

フォベオマイ。
「学問は、途中で止めてもかまわないというようものでは絶対にない。」

エイレーネー。
「五常が大事。」
「仁・義・礼・智・信。」

エウセベイア。
「道理がある。」
「道理とは世の中の自然な流れの中に貫かれている。」
「法則のようなものであり。」
「これに従えば良い結果をもたらす。」

グラムマテウス。
「ということは。」
「一般論とやらが邪魔になっているようで。」
「個別論的に見たりはしない。」

フォベオマイ。
「一般論で判断するのは。」
「月並みですよ。」

エウセベイア。
「定義すれば。」
「一般論と個別論は違うのですよ。」

エイレーネー。
「だからこそ面白い。」

他律の女性が自立して自発的になる。

魔法少女の活躍は男女同権を確立させまして。

戦火の影響で。

反逆者もバタバタ倒れてドミノ倒しです。

平和な世界に向かっていますが。

反戦論が根付いたおかげで。

諍いもかなり減りました。

世界各国は不安定ながら。

平和の道を探しています。


47


自然豊かな市街地と。

塔から見える景色を見て。

自然哲学を語っている。

バシレイアー。
「人間の不自然さについて。」
「自然動物は自然の距離を保つことが出来る。」
「気が合えばコンビになるし。」
「嫌いなら飛び立ったり去っていけばいい。」
「人はこの自然の距離を保てないので。」
「無理に一緒にされる事が多い。」

ハマルトーロス。
「それは不自然な現象です。」

バシレイアー。
「野生のキジバトは一緒の籠に二羽入れると。」
「激しく殺し合いをする。」
「見知らぬ犬と猫を一緒のケージに入れると。」
「逃げたりケンカしたりする。」
「ハムスターですら飼い主は好きでも。」
「見知らぬハムスターが縄張りに入ってくると。」
「殺し合いをして縄張りを守ろうとする。」

ハマルトーロス。
「手っ取り早いのは場所がなくても。」
「相手を殺害する事ですからね。」
「人に置き換えると同じ事をしますよ。」

バシレイアー。
「トンビが侵入すると。」
「カラスと制空戦闘に突入する場合もある。」
「スズメはなにをしてくるか分からない人間を避ける。」
「慣れているスズメは接近したりするし。」
「慣れているカワラバトはある程度は何しても良い。」
「野生動物は自然の距離があるので好き嫌いで接近したり離れたり出来る。」

ハマルトーロス。
「人も同じように出来たら最高ですよ。」
「余程、不自然なのか。」
「それをやらないし出来ないようにした。」

バシレイアー。
「考察しますと。」
「人は自然の距離を無視されて一緒の場所に居たりすると。」
「野生動物に似たような現象が発生する。」
「気に食わない相手と同じ部屋に入れられると腹を立てるように。」
「野生動物も気に入らない相手と同じ部屋に入れられると腹を立てる。」

ハマルトーロス。
「ということは。」
「自然に即した考え方は。」
「野生動物の様子や行動から察するに。」
「自然の距離を無視してはいけない理由になる。」
「もちろん破れば公害しか待っていない。」

バシレイアー。
「結局、そのせいで衝突が起きているのでしょう。」
「根本的な原因は自然の距離を無視した人間社会の配置です。」
「自然豊かな田舎ではそんなものがありませんし。」
「田舎ほど平和なのは証拠になりますね。」

ハマルトーロス。
「自然を見て学んだ事多し。」
「自然哲学。」
「野生動物を観察すればするほど。」
「接近を許さず逃げるスズメ。」
「ある程度は距離を許すハクセキレイ。」
「こちら側の様子をよく観察するカラス。」
「ある程度の接近までは許容するハトなど。」
「ちなみにシカは少しでも接近すると逃げ出す。」
「イノシシは自衛のために先制攻撃するかもしれない。」
「アオダイショウは近寄ると必ず噛まれる。」
「ネズミは何かを見ると逃げ出す。」

バシレイアー。
「これを読んだ人は野生動物に。」
「仕掛けてみればいいですね。」
「その方が証拠歴然。」
「とまあ実践するような有能な人間はいませんが。」

ハマルトーロス。
「家庭についても。」
「子育てのツバメですら大空に送り出せば。」
「巣立ったツバメは別の場所へ飛んでいく。」
「スズメやハトを相手に追い回したり。」
「野生動物に接近するなどすると理解する通り。」
「人は不自然な状態にある。」
「不自然にも距離を詰めてしまって問題が発生しているのだし。」
「自分で居場所を決められない場合はなおさら。」
「自然の法則は気に入らない相手とは争うしかないのだし。」
「許容できない存在は避けるのであり。」
「不自然な人間は自然動物を見て本来の姿を考察したりはしない。」

バシレイアー。
「自然主義ではなく自然哲学という点は最高ですよ。」
「人間世界も所詮は自然法則の中にありますし。」
「人間、謙虚でなくてはならないね。」

ハマルトーロス。
「世界は漫画じゃないから。」
「映画みたいには行かないよ。」
「というセリフを負かした男性に何度も言った。」
「でも相手は理解しない。」
「今度はこっちが信じられない。」

バシレイアー。
「男性の方はターゲットを探しているかのように。」
「女性を物色していたけれど。」
「行動する事は稀。」

ハマルトーロス。
「一部は欲望を満たす理由で交際している場合もある。」
「要するに結婚する気が無く。」
「とことん利用する気でいる。」

バシレイアー。
「男性の天敵は自分より強い男性である。」

ハマルトーロス。
「女性が力に訴える事は少ないが。」
「女性は力でなんでも解決できる余地がある。」

バシレイアー。
「女性は武力で解決しようとすれば。」
「たいてい勝てる。」

ハマルトーロス。
「女性で格闘技の熟達者に対して。」
「男性は高圧的に振舞えない。」

バシレイアー。
「女性は力に訴える方法を忘れているようだ。」
「しかし男性も力に訴える方法を忘れている。」

ハマルトーロス。
「戦闘力でごり押し可能なのは女性の特徴である。」
「男性は一部しか格闘技を習得できないし。」
「女性は稀にしか徒手空拳を習わないが。」
「一度手に入れば。」
「正当防衛に困る場面が無くなる。」
「女性にとって徒手空拳は便利ツール。」

バシレイアー。
「快活で明るい女性と男性は健全な傾向がある。」

ハマルトーロス。
「男女共、良識が出たら蓋然性からして健康である。」

バシレイアー。
「女性の大半は心理的に不利になっているだけで。」
「実際は男女互角。」

ハマルトーロス。
「ザコを想像して欲しい。」
「どんな存在か。」
「しかしあなたの思うザコは実際にいくらでもいるので。」
「勝てない理由は見つからないであろう。」

バシレイアー。
「ルサンチマンは力に訴える人物に過剰防衛する。」
「なぜなら強者は奴隷にとって脅威になるから。」
「力任せの人物を貶めようと必死になるしかない。」

ハマルトーロス。
「村で虐殺を繰り返していた。」
「中性的な女の子は自衛が目的だったので。」
「仲間が捕らえて矯正することになりました。」
「敏捷性と追尾能力が強烈で。」
「魔法少女クラスの高い戦闘力とか。」
「他人を押しのけて立ち回っていたようですが。」
「保護すると特殊部隊が気に入ったようで。」
「隊員と意気投合しているとか。」

バシレイアー。
「女の子が力で物事を解決した?」
「それは本来、女性には無い戦術です。」

ハマルトーロス。
「やった方よりもやらせた方を処刑する事が決まりました。」
「女の子は療養中です。」

バシレイアー。
「見てみたいわあ。」

ハマルトーロス。
「正確には犯したいのでは?」

バシレイアー。
「それもあるかも。」

ハマルトーロス。
「女性が女性を強姦する?なんだそれ?」

バシレイアー。
「生物学的には解明できないと思うよ。」
「楽しみ。」

挑戦者。
「チェスが得意と聞きまして。」
「勝負したい。」

バシレイアー。
「なぜここにやってきた?」
「ここには何もないよ。」
「勝負したい?」
「分かったよ、どうしてもと言うのであれば、ベストを尽くしなよ。」
「全て失敗すると思うけどね。」

天空のチェス。

秒殺された挑戦者。

挑戦者。
「なんだ!こんなの勝てる訳ないだろ!」

バシレイアー。
「また練習して来なさい。」
「派手に負けるために。」

挑戦者。
「ますます好きになりました。」
「まさに一騎当千。」


ハマルトーロス。
「人間は不死身じゃないんだから。」
「死ぬ機会なら所々あるよ。」

最大まで高くした塔は。

観光名所です。

芸術家に予算が割り当てられて。

ある程度は自由に建築が可能になっています。

宗教芸術が好ましく。

市民が気に入るか。

宗教的にアリなのかナシなのかで。

是か非か決まります。

ナンセンスな建造物は取り壊されたり。

許可が出ない場合もありますが。

芸術に力を入れている国の姿です。


48


腕が錆びないように。

野生動物を仕留めたり。

腕がなまってしまうのは避ける。

今日はオオカミの一団を討伐したり。

その死骸を薪にして生贄にしたのです。

アルキエレウス。
「力は正義なり。」
「プラトン。」

カイロー。
「弱者は不義なりって?」

アルキエレウス。
「違います。」
「弱肉強食は韓愈の詩。」
「送浮屠文暢師序。」
「弱いものは強いもののえじきになること。」
「弱の肉は強の食なり。」
「元々は中国の古典にある言葉で。」
「プラトンの力は正義なり。」
「と似ている言葉。」
「要するに詩の一節なので。」
「意味が間違えられて誤訳が広がっていると見られている。」
「強者は弱者を餌食にするという意味で。」
「弱者虐待の口実としては使えない。」
「弱者を攻撃する理由としては不十分。」
「本来は韓愈の詩。」

カイロー。
「弱肉強食の誤訳が広まっていて残念に思う。」
「仕留めた牛を引きずりながら。」
「古典を解読する。」

アルキエレウス。
「おかしいな。」
「夏にはこんなに寒くなり。」
「寒波があるとは思わなかった。」
「でもこの厳しい寒さの次には。」
「暖かい春から酷暑のある季節になるとは思わない。」
「おまけにまた秋になってまた寒くなる。」
「毎年こうなのに。」
「寒波の中を走っても理由がわからない。」

カイロー。
「私からすれば。」
「大地が揺れると大騒ぎになるが。」
「何者かが誰かをゆすると騒ぎにならない。」
「しかし国家規模で揺さぶられると大騒ぎになる。」
「問題は規模の大きさ。」

アルキエレウス。
「問題は備えでした。」

帰還。

神殿に戻って。

定刻になって。

説法。

アルキエレウス。
「禁止は違反を含み。」
「罪が前提である。」

カイロー。
「では罪を犯す前提で人間は存在するのですね。」

パラドシス。
「フランツ・カフカによるとそれが真理。」

カイロー。
「では人は罪を犯すのが大前提。」
「演繹法でもそういう考察で人を見ることにします。」

女の子。
「では衆愚の意見はどうなりますか?」
「嘘ですか?間違いですか?」

アルキエレウス。
「早合点してはいけません。」
「他人の意見をよく吟味もせずに受け入れるものではありません。」

女の子。
「騙される前提なのですか?」

アルキエレウス。
「私は話を理法や超自然的要素。」
「自然が示す通りに語るものです。」
「騙したなどとは一言も書いてありません。」

女の子。
「そうなると複雑な思考が要求されます。」
「でも自分の前提を見直す義務が生じました。」
「罪を犯す前提に変更します。」

アルキエレウス。
「そこのあなたは姉妹?」

学生。
「いいえ。」
「ついさっき会いました。」

アルキエレウス。
「別人の二人組。」
「違っているのは名前だけで。」
「区別がつかない。」
「個体というものがこの二人組には無い。」
「まるで同じサッカーボール。」

教導隊。
「こっちの集団は個を持っていません。」
「私が統率して始めて行動するようなものです。」
「個というものが存在しない人間を想像すれば。」
「これほど恐ろしい現象はないものです。」

修道女。
「女の子。」
「自分は女の子。」
「だけれど女の子ってなあに?」
「男の子はわかるけれど。」
「自分についてはわからない。」
「きっと男の子も自分が男の子とはなにであるか。」
「考えていると思う。」
「だから私は自分が女の子という事は何を意味するのか考えます。」

アルキエレウス。
「そこの女性は玄人なので参考にする事。」

修道女。
「自分自身で女性を定義しつつ。」
「他人には強要していないし。」
「自分が女性であることはわかったので。」
「では女性は何か自分で自分を調べることにする。」
「男性は既にそれを行っていて。」
「男性が女性を軽蔑するのは。」
「全体主義的な女性像をとっくの昔に知っていて。」
「それに従順なので弱点として見ているのだと思う。」
「でも私は勝手に自分の女性を定義する事にします。」
「もっと自分勝手に女性である自分を定義するので。」
「他の女性がどうだろうと関係ありません。」

アルキエレウス。
「見てください。」
「有能な人材というものはどこにでもいるのです。」
「他に意見が言える人は?」

アイドル娘。
「女の子という身体は活用するにはどうすればいいのか。」
「私は女性であることを肯定します。」
「男性はもっと昔に男性であることを肯定していますし。」
「反対に否定しても上手に立ち回れるみたいです。」
「女の子という身体は一度は否定しましたが。」
「使いこなせればいくらでも有利になると知って以来。」
「女性であることは強みです。」
「女の子であることは肯定します。」

アルキエレウス。
「特別な女性と思われますが。」
「女性特有の欠陥が見当たりません。」
「あなたは何か自己主張がありますよね?」

女の子。
「自分が女性であることは懐疑的です。」
「とても疑わしい。」
「しかし性別への疑問であって否定ではありません。」
「女の子は肯定しています。」
「ただし。」
「女の子という存在が懐疑的です。」
「毎日、女性であることに疑問しか無いのです。」
「まさか自分を疑うなんてしませんよね。」

アルキエレウス。
「良い主張だと思います。」
「最近はまともな女性が増えてなによりです。」
「神殿を出た後に来るスカウトには警戒してください。」
「人材獲得競争で必死になっていますからね。」

女性騎士。
「男性が女性を参考にしないように。」
「女性も男性を参考にしない。」
「男性が偉人を手本にすることはあっても。」
「男性が女性を模倣することはありえない。」

アルキエレウス。
「女性が強力な女性にあこがれることはあっても。」
「女性が男性を模倣することはありえない。」

女性騎士。
「私は男性を模倣したので。」
「男性の力を使えます。」

アルキエレウス。
「男性は女性を模倣しないので。」
「男性は女性の力を使えません。」

女性騎士。
「男女両方の力が合わさると。」
「二倍の力。」

女史。
「男性にしか無い能力や特性がありますし。」
「女性にしか無い能力や特性があります。」

アルキエレウス。
「自分とは何なのか。」
「問う事によって開始されるのが生涯である。」
「外部から取得したものは外に向かうのではなく。」
「内側に向かっていく。」
「私は何者であるか。」
「自らに問う事が開始の合図である。」

美男子。
「私は愚者です。」
「故に無謀にはなれません。」
「ですから。」
「前に必要以上に出ようとは思いません。」
「友人も意見が合います。」
「女性の意見が聞きたいのです。」

アルキエレウス。
「足るを知れば恥しめられず。」
「止まるを知れば危険に陥ることもない。」
「名誉や財産に対しては訓戒が多く。」
「生命の方が優先される。」
「名誉と財産は不公平なもので。」
「この世では公平に与えられることはない。」
「あったらいいな。」
「ぐらいの軽い希望として捉えるのが賢明な姿勢と言える。」

哲学者。
「生まれて養育されて学校に行く。」
「高校生を得ても得なくても。」
「大学に行っても行かなくても。」
「就職して働いて。」
「結婚したり子供が生まれたり。」
「子供が自立する。」
「孫が誕生。」
「そして老いていく。」
「定年まで働いて引退。」
「男性にとっては仕事は成功するか何もないかで。」
「女性にとっては主婦ならば家事と育児だけ。」
「そこに娯楽か祭りがあるくらいで。」
「老齢になったら年金暮らし。」
「最後になって寿命になる。」
「というのが少し前の展開であって。」
「このような人生とやらを逸れていくような人間は見なかったし。」
「人生の中身なんてこんなもので。」
「この考察は虚無主義から見た人生論です。」
「これでは意味も価値もない。」

弁論家。
「しかしその見解が万能とは言わないだろう。」

美少年。
「君のためのエンディングはないよ、小説とか漫画じゃないんだし。」

女史。
「批判的な人生論ですね。」
「私は支持しませんが。」

哲学者。
「でもこういうのが人の考える全てなのでは?」

カイロー。
「何回御託を言えば気が済むんですか!?もうかける言葉がないよ!!」

哲学者。
「快活で健全な少年少女を見た時にすぐに思った。」
「ようやく今の世代は終わったんだと。」
「自分の属していた世代がやっと終わる。」
「なぜなら快活で健全である場合の反対が自分の世代だったので。」
「終わってくれて安心している。」

アルキエレウス。
「多くの場合は。」
「善とか正義とか主張する人は我の強い。」
「突き詰めると支配が目的である。」
「つまりこれが正しいのだから。」
「これが善なのだから。」
「それに従えと言っているのである。」
「しかも善とか正義とか表現方法が多いものの。」
「実の所はその人の持論や主観であったりする。」

哲学者。
「その通りです。」
「論破してくれると期待していましたが。」
「予想を上回っています。」

女の子。
「世界は移り変わりますからね。」

老人。
「経験を誇った時点で。」
「自慢高慢馬鹿の内。」

凡人。
「口論で勝てばなんでも解決できると思いますが。」
「どうお考えですか?」

カイロー。
「あなたはプライドのために戦うのか?」
「それがあなたにとってベストな選択なのかな?」
「私に言わせれば剣闘士での試合の方がいいけれど。」
「あなたは口論の方が好きなのか。」

女性騎士。
「無為無策はしません。」
「何の対策もなく、ただ手をこまねいて見ていること。」

アルキエレウス。
「大局を左右する二つの勢い。」
「ひとつは時代の勢い。」
「もうひとつは人の勢いである。」
「英雄はなにより勢いに乗る事を大切にする。」
「英雄にとって凡人ひとりの力はあまり重きに置かない。」
「個々の動きよりも指導者自身の力量に依存するもので。」
「勢いだけで達成できるのである。」
「こうも言われる。」
「勇将の下に弱卒無し。」
「英雄にとって凡人が大量にいても。」
「勇将さえいれば凡人も弱卒ではないのであり。」
「いずれにせよ大局を左右するのはこの要素である。」

時計が時間を知らせる。

神殿の敷地内で。

古書を読んでいる二人組。

議論と口論は別物という話題で。

数人が集まっている。

説法を終えた一部の人が参加。

ルヴィテュール。
「こう言葉がいい加減になっちまっちゃ、うっかり物も言えやしねぇ。」

クイナパラス。
「近頃は言葉だけでは信用されなくなって。」
「証文を書かねばならなくなった。」

ルヴィテュール。
「言葉は嘘っぱちになっちまった。」

クイナパラス。
「筋の通ったことなぞ言えやしませんや。」

ルヴィテュール。
「時々、詭弁を使えばなんでもありと思っている輩もいますし。」
「屁理屈ならなんでもありと思ったら大間違い。」

クイナパラス。
「詭弁を使えばなんでもありと思ったら大間違い。」

ルヴィテュール。
「経験した物事を理解したのが純粋経験ですからね。」
「美人女性が部下ってことは。」
「我は名将という訳だ。」

クイナパラス。
「純粋経験とはこの世のものを受けることで。」
「物事が何かについて知ることです。」
「経験することによって向上した結果であり。」
「単純な経験か複雑な経験かで種類がある。」
「外部からそのままの影響を受けるので。」
「思想や分別や判断を加えない。」
「それ以前の状態を経験と呼ぶ。」
「そこから慣れていった過程を純粋経験と呼ぶ。」
「人生は習うより慣れよ。」
「ということで。」
「経験も習うより慣れよ。」
「ということらしい。」

後に。

宗教と自然科学が融合した世界で。

自然科学がほとんど完成された世界で。

文化の時代を迎える時。

クイナパラスの弟子の娘の孫が魔法少女になり。

切り札として活躍することになります。


巡礼者。

前よりも人が増えました。

宗教と自然科学が融合したので。

自然と必要不可欠になりました。

生活必需品も出現。

説法も大事な任務になってきましたね。

男性が心理学を用いて女性の欠陥やら不足を補完したので。

女性が真なる力を発揮しています。

魔法少女の出現によって大局に影響が出て。

男性の支持者が熱烈なのです。

フェミニストの男性陣が女性をパワーアップさせまして。

実行力を持って女性を解放したのです。

心理学による。

生物学的な方法でも。

思想面でも能力面でも解放された女性は。

他律の状態であった女性を自立させまして。

有能な女性で溢れています。


49


最近は貞潔な女性が目立っています。

結婚しない女性が。

自由意志を行使したと賞賛されています。

人生哲学も一般公開となりました。

市長の部屋で。

意見交換。

魔法少女がいろんな関係に通じている事で。

連携が取れているのです。

エイレーネー。
「恋は現実主義である。」
「皆が理想の異性なんて存在しない案件を見出す。」
「理想通りの異性なんてどこにもいない。」
「異性に関するものならば現実主義に走らなければならない。」
「そうすれば似た者同士に自然と遭遇する。」

バシレイアー。
「無理に接近する方法はありませんよね。」
「時には女性が結婚相手を選んでいる場合もあります。」

ハマルトーロス。
「結婚は最終的に。」
「どんな事があっても女性に主権があります。」
「女性に主体性の無い恋は洗脳しているに過ぎない。」

エイレーネー。
「アピールした所で女性が見ているのは。」
「芸術点ですもんね。」

バシレイアー。
「女性から見た異性の好みは。」
「男性が想像する姿とは異なっている。」
「細身でセクシーな男性の方がウケが良いとされている。」
「この好みの違いが男性のモテない原因になる。」
「男性は女性の好みを理解できないので。」
「こういうものだろうと格好つけて女性は避ける。」

エイレーネー。
「美人女性は相手が少ない。」
「なぜか美人には近寄らない。」
「しかも同姓ですら美人には近寄らない。」
「美人は恋に困窮する特徴がある。」

バシレイアー。
「美形だからと言ってゴリ押し出来ない。」
「美形になると交流してくれる人が少なくて孤独になりがち。」

ハマルトーロス。
「相手にも同じイケメンを要求しますからね。」

エイレーネー。
「女性は自分の好みに男性の能力や趣味なども含めているので。」
「釣り合わない場合は受け入れてはくれないのに。」

バシレイアー。
「女性が損得勘定で結婚を決定するのは重要な事で。」
「メリットとデメリットを計算した上で。」
「女性が主体性を持って受け入れるか拒否するか。」
「判断するのが望ましい。」
「損得勘定は恋において争点である。」

エイレーネー。
「恋がゴールなんていう左派がいましたが。」
「ゴールイン?」
「なにが?どこが?」

ハマルトーロス。
「ブルータス二号のように。」
「あの人物はインテリであったものの。」
「左派は。」
「これがあってこうだから、こうすれば全てが解決する、それで全てが終わる。」
「という論理の構造を持っている。」

バシレイアー。
「実際には続いていくので。」
「ブルータスは全てが解決して終わったつもりで。」
「市民は既に反逆者に対して憤慨していたし。」
「数日後に集会でカエサルの悪口を言うと。」
「市民は正式に敵対者になり。」
「ブルータス一味は逃亡するしかなかった。」
「最後には死んでしまう。」

エイレーネー。
「こういう類の。」
「これがあって、こうだから、こうすれば全てが解決、それですべてが終わり。」
「という論証は先の事は考えない。」
「先の事は考えないのだが。」
「左派でもインテリジェンスだったので。」
「ブルータス二号よりは劣っているインテリがいても。」
「似たような展開を期待しているに違いない。」

ハマルトーロス。
「カエサルの養子のアウグストゥスが遠回しの皇帝になったので。」
「左派のインテリジェンスの反逆も。」
「すべてが解決する所か新しい難局になったし。」
「終わる所か皇帝まで誕生して歴史のターニングポイントになった。」
「しかもこれはインテリの行為の中です。」
「ブルータスよりも劣っている者はこういう安直な思考に陥りがちです。」

バシレイアー。
「結婚した後に相手に不満を持ったり。」
「共通点が無かったりして。」
「破局するカップルもいますし。」
「恋ばかり考える奴らは安直な考えの持ち主で。」
「存在しない理想の異性を求めます。」

ハマルトーロス。
「いませんよ。」
「理想の異性なんて。」
「だから結婚は現実主義。」

エイレーネー。
「そもそも。」
「運命の指示する物語というものはどうにも駄作で。」
「サクセス・ストーリーみたいな展開を好んでいます。」
「運命が行うものはどれも同工異曲で。」
「強引にその展開になれば自画自賛し。」
「失敗すれば動かした人間に責任転嫁するのですし。」
「運命なんて無い方が簡単になるのでは。」

ハマルトーロス。
「運命の人なんて言い回しは。」
「今となっては気持ち悪いかも。」
「結婚がゴールインなんて解釈は。」
「もはや誰も賛成しないと思います。」

バシレイアー。
「運命ねえ。」
「運命はそうなる予定を立てておいて。」
「誘導する方法を取りますが。」
「言い換えれば人間で遊んでいるんですよ。」
「悪い展開にも陥れるので。」
「運命は気分次第で裏切ったり味方になったりを繰り返します。」
「運命なんて欠陥品に依存するのは。」
「生涯が通俗小説と化すのと同じです。」
「運命は人間を操って遊んでいるのです。」

ハマルトーロス。
「運命論やら宿命論やら。」
「最初から決まった展開にしないと気が済まない。」
「運命が価値のあるものを与えることはありえない。」

バシレイアー。
「運命も案外、通俗的なので。」
「享楽主義者の味方しかしない。」

エイレーネー。
「運命は享楽主義者なので。」
「特にスタンフォード監獄実験のように。」
「人間を支配すればするほど運命は調子に乗るだろうし。」
「だがしかし。」
「運命が神に挑むなんて思いもよらなかった。」
「最後には運命は神に挑戦するのだから。」
「神を試した運命の末路は・・・・。」

ハマルトーロス。
「欧米では結婚しない意思表示をする女性多いです。」
「結婚するのが義務なんですかね?」
「ルールだとしたら壊すまで。」
「ルール対ルールの殺し合い。」

バシレイアー。
「偶然の産物?」
「勝手に作られた常識に従って。」
「結婚しなければと焦るのは。」
「意味不明。」

ハマルトーロス。
「どうでもいい人間は。」
「相手に高いレベルを求めないので。」
「簡単に同意してしまう。」
「告白されると。」
「空っぽで無価値なためか。」
「はいはいと返事してしまったり。」

バシレイアー。
「それで生まれた子供の面倒を見ないとか。」
「手に負えない数を産んで。」
「自分の自由で産んでおいて責任転嫁するとか。」
「そのための詭弁として親が偉いという事にしているとか。」

エイレーネー。
「親が偉いとか言う考え方は。」
「子供に責任転嫁するための手段です。」
「自分の自由でやった事に対する結果を無視してごまかしています。」
「まさしくエゴイスト。」

バシレイアー。
「それを悪徳とも呼ぶ。」
「悪徳の結果、生まれた子供。」

ハマルトーロス。
「出生は後の事は考えない。」
「結果論で悪く出ても撤回できないので。」
「そもそも後の事は何も考えていない証明になる。」

エイレーネー。
「反出生主義は後から知ったので。」
「後から世界を知ったのならば。」
「そういう真実に行き着く事は当たり前なのですし。」
「体系化される前は出生を妄信していたであろうし。」
「誰もが出生が万能であると疑わなかった。」

バシレイアー。
「懐疑論者から言えば出生という仕組みは皆、後から知ったので。」
「先に知っていれば自分の主権を徹底したでしょう。」

ハマルトーロス。
「要するに反出生主義に賛同した人は。」
「その後、生まれることになっても。」
「同意していない証拠になっているし。」
「生まれた後に知った場合。」
「自然権を破壊する出生に反対するのは当然で。」
「世界や出生を理解するまでは欺かれていたのだと知ったのです。」

エイレーネー。
「口止め。」
「口封じが終ぞ解かれた。」
「死人に口なし。」

バシレイアー。
「目撃者は皆殺し。」
「口封じのために。」
「うわあ邪悪。」
「いっそ悪魔であると名乗ってくれればわかりやすくていいね。」

ハマルトーロス。
「そうだね。」
「自分が悪魔と名乗ってくれるとわかりやすくていいよ。」

バシレイアー。
「出生は因果関係を証明できない所が。」
「間接的に真実を示している。」
「因果律。」
「一切のものは何らかの原因から生じた結果であり。」
「原因がなくては何ものも生じないという法則。」

エイレーネー。
「出生は因果関係。」
「原因と結果。」
「これらを証明できないのが真実なので。」
「原因もないのに結果があるのは矛盾している。」

ハマルトーロス。
「責任や罪過が問われる際には。」
「相手側が因果関係を証明できるのかが争点になる。」
「因果関係が論じられないのであれば。」
「論破できない時点で冤罪という意味になる。」
「証明できない部分を指摘して。」
「無理にこじつける暴挙もあるので。」
「出生を攻撃する場合。」
「原因を攻撃するので。」
「原因が悪ければ結果も悪い。」

バシレイアー。
「すべての疑問には理由がある。」
「加えられたものを黙認するのではなく。」
「異議を唱えて疑いをかけるのがベスト。」
「出生は容疑者として見なすのも結果が良くなる展開。」

エイレーネー。
「安易な説明付けではなく。」
「現実の問題をどのくらい引き起こすか。」
「現実主義で出生を疑えば。」
「ケースバイケースで決まっているのだし。」
「どうでもいい人間が被害に遭えば良くて。」
「少数派が一方的に得をするような世界にするべき。」

ハマルトーロス。
「ニーチェ曰く。」
「大きい犠牲のほうが。」
「小さい犠牲よりも好まれる。」

エイレーネー。
「大きな犠牲は勲章のようなもの。」
「自分を称える。」
「確実なのは大きな犠牲を好む姿勢です。」
「フリードリッヒ・ニーチェ。」
「人間的、あまりに人間的1から。」

バシレイアー。
「社会の少数派が利益を得て。」
「多数派が貧乏クジを引くのが。」
「理性の賜物。」
「退屈な人間が一方的に食らえば良いのかしら。」

エイレーネー。
「すべての疑問には理由がある。」
「原因が悪ければ結果も悪い。」
「出生という原因が悪ければ結果も悪いのですし。」
「具体的に責任を取らせたり。」
「具体的に償わせればいいだけ。」

ハマルトーロス。
「出生なんていう仕組みは信じなくなりました。」
「出生なんて伝統宗教のどこの教義にもありませんからね。」
「要するに出生を攻撃するとお得。」
「原因になったものを攻撃すれば。」
「原因を否定できますからね。」
「向こうが勝手に決めたのだから。」
「こちらも勝手になるに決まっています。」

バシレイアー。
「木はその実によって知られる。」
「マタイ伝12章33節。」

ハマルトーロス。
「イイ所の中学校は健全であった。」
「詰め込み教育の中学校は劣悪であった。」
「イイ所の女子高生はみんな綺麗。」
「詰め込み教育の女子高生は表情が険しい。」
「教育方針が教師主体ではなく。」
「生徒主体に変更された理由が理解できました。」

エイレーネー。
「俺は悪魔だ!なんて口に出してほしい。」
「所でクイズ。」

ハマルトーロス。
「なんぞや。」

エイレーネー。
「行動の自由が無い状態で。」
「子供を欺けば。」
「子供は欺かれる。」
「子供を惑わせば狂う。」
「子供を騙せば嘘が通る。」
「欺瞞で子供を汚染させると案外通る。」
「そして強制力があったら?」
「最後には行動の自由も失われる。」

ハマルトーロス。
「この方法で考察するに。」
「外的要因であることは否定できない。」

バシレイアー。
「後天的な天才は好まれそうです。」
「あのアイドルは。」
「戦火を潜り抜けて大成したようで。」

エイレーネー。
「アイドルとは遊女である。」
「遊女以外の何者でもない。」

ハマルトーロス。
「かえって不思議。」
「出生に対する否定や批判が話題にならなかった。」

エイレーネー。
「我々は宗教からのアプローチである事をお忘れなく。」

バシレイアー。
「出生の決め方は宗教的には否定されますね。」

ハマルトーロス。
「自称宗教が出生の原則です。」

エイレーネー。
「出生に主権はありませんし。」
「運命は神が決めるものです。」
「出生なんて異端者に入られたくない。」

バシレイアー。
「ケーキを食べたら無くなるはず。」

ハマルトーロス。
「扉は開くか閉まるかどちらかだ。」

エイレーネー。
「悪に悪を重ねても正しくならない。」
「黒に黒を足しても白にはならぬ。」

近年は、専門家も玄人も語る事が少なくなったようです。

民間人のレベルが飛躍的に向上したので。

市民の自発的な行動が目立ちます。

スペシャリストは単に不足を補う役割に徹しているのです。




50


最後の資料はインタビュー形式になっていて。

旧式の白黒フィルムで撮影したムービー。

カラーではないものの。

当時の様子が見て取れる。

直訳ではあるものの興味深い。

世界が「反戦論」を採用した転換期の出来事。

都市マキナにてXデーの出来事。

最近話題になっている。

夜にマントを羽織ったスーツと不気味な顔。

空を飛んでいる男性の話があった。

市民。
「あのプレッシャーは強烈だ。」
「気絶する者も出ている。」

知識人。
「いつも何かを振りまいているんだ。」
「瓶から何かを。」

占術師。
「伝説で語られる。」
「イラ(ira)という悪魔に違いない。」

軍人。
「何も無い農村などで目撃され。」
「夜間が多くて昼間にも出る。」
「ある日は鎌を持っていた。」

アルキエレウス。
「なるほど。」
「すぐに調べさせます。」
「なるべく近寄らないでください。」
「目撃したらすぐに逃げるように。」

カイロー。
「なんでしょうか。」

アルキエレウス。
「悪魔イラ(ira)が百年ぶりに復活したのですよ。」
「大地に死を降り注いで眠りにつく。」
「やがて英雄として語られるようになる。」
「また繰り返されるのですね。」

パラドシス。
「歴史は繰り返す。」

親衛隊長。
「ロベスピエールなるものを捕らえました。」
「監獄へ見に来て欲しいと。」

アルキエレウス。
「噂の扇動者ですか。」
「内乱工作をして恐怖政治をしようなどと。」
「よく考えましたね。」

官僚。
「それが、市民は奴を処刑して欲しいと。」
「殺到していまして。」

アルキエレウス。
「何かのエサにしましょうか?」

官僚。
「それは名案。」
「何の生贄で?」

アルキエレウス。
「悪魔イラを制圧する目的で。」
「捨て駒にしましょう。」

官僚。
「それは喜んで!」

ロベスピエールは公開処刑台される事になりましたが。

首からかけた札に。

悪魔にくれてやるもの。

そう書かれています。

処刑の日。

市民。
「凶悪な扇動者が死ぬらしい。」

農民。
「なんでも悪魔の餌にするそうで。」

若者。
「悪魔のエサ?」
「あのイラという悪魔へ?」

夫人。
「どこにでも出没するから。」
「何もやらないよりはマシだとか。」

商人。
「それは見物だろう。」

処刑台の上の餌。

悪魔はいつの間にか背後にいた!

ロベスピエールが突然死したあげく。

悪魔はあっという間に消えて。

市民は動揺する。

アルキエレウス。
「餌にすれば少しは鎮静化するでしょうね。」

パラドシス。
「そうは思わない。」
「悪魔の挙動が正確過ぎる。」

アルキエレウス。
「私は何か情報が得られたと思っています。」

処刑の後処理が終わる。

その夜。

宮殿。

寝室の近く。

アルキエレウス。
「さてさて、誰に調べさせましょうか。」
「志願する人を集めましょう。」

歩いていると。

後ろから女性に押し倒された。

アルキエレウス。
「きゃあっ!」

バシレイアー。
「美人で好みでたまらない。」

アルキエレウス。
「ちょっ!やめて!成人女性はフェロモンがっ!!」

バシレイアー。
「この前、お触りして喜んだから。」

アルキエレウス。
「わっ!うわあ!」

仰向けにされて抱きしめられた。

安心してしまい。

そのうち眠ってしまう。

目が覚めるとベッドで。

バシレイアーと一緒に寝ていました。

ちょっと嬉しいアルキエレウス。

時計は4時付近。

ふと窓から空を見ると。

夜空には謎の陰があったのです。

メンバーを集めようとするも。

既に行動していて。

連絡だけでした。

明け方。

何者かが姫巫女の所へ会いに来まして。

礼装なのです。

アルキエレウス。
「あれま早朝に珍しい。」

天文学者。
「大変に思わしくないのですが。」
「星空観賞の夜会の中で。」
「望遠鏡で恒星の方向に何かあるぞと。」
「騒ぎになりまして。」

サイエンティスト。
「周回軌道がこの惑星に同期してしまっていると。」
「占い師が騒いでいるのです。」
「本当に小惑星のような天体が衝突すると判明したので。」
「まず姫様に届けてから。」
「王様の所へ赴きます。」
「どうか役に立ちますように。」

アルキエレウス。
「わかりました・・・。」
「引き続き情報を集めてください。」
「そしてこれは機密情報で。」

知識人。
「誰も話さないでしょう。」
「諦めていますから。」
「それでは。」

天文学者のチームでした。

天体衝突の危機に気づいたのはここが初めて。

やがて世界中で確認される。

空には悪魔イラ(ira)の姿があり。

悪魔が天体を引き寄せたという噂になりました。

占い師と天文学者が慌てている中。

周辺諸国も動揺していますし。

なぜか紛争があちらこちらで発生。

アルキエレウス。
「来たるXデーですか。」
「どのくらいの破損になるでしょうか。」

パラドシス。
「半壊くらいは覚悟しましょう。」
「どこに落ちるのかはわかっていません。」

アルキエレウス。
「歴史が大きく変わりますね。」

カイロー。
「大局を左右しているのは人間ではありませんよね?」

アルキエレウス。
「本当に人間が大局を左右しているのですか?そうは見えませんね。」

パラドシス。
「大局に関して影響を与えているのは、人間とは思えませんね。」

カイロー。
「歴史は何かの結末に誘導されているかのような動きをしている。」

パラドシス。
「人間が歴史を動かしているのではなく、歴史が人間を動かしている。」

月日を重ねるうちに。

隕石が接近してくるのを確認できました。

Xデー当日。

隕石は大きく。

途中で粉々に砕けて。

世界に散らばって。

大規模な破壊をもたらし。

大混乱に陥ります。

大津波と大粉塵で包まれる地上。

天候も怪しく霧だらけ。

どうでもいい場所に落ちた破片もあるようで。

国連のデータリンクシステムが状況を伝えています。

アルキエレウスが聖地へ祈祷のために移動中。

大災害が鎮静化する前に。

悪魔イラ(ira)の死体を発見しました。

目撃証言と同じ。

写真と同じ悪魔の死体。

死体は腐敗して消えている途中です。

大混乱に陥る各陣営は。

分裂や困難に蹂躙される。

この中で連携が取れた国家群は共同体となり。

大規模の同盟を結びました。

それは国家だけではなく国民も同化した陣営。

この災害で地上は負の念で満ちていたも。

再建が開始された頃には別物になっていたのです。

かつて享楽主義者で溢れていた世界は壊れました。

そうです。

そうは問屋が卸さぬ。

客があまりに値切るので。

それでは仕入れ値を割ってしまう。

それほど安く問屋は卸してくれない。

というところから。

そんなことまでは従えない。

それほどうまく事は運ばない。

などの意味。

宗教と自然科学の融合は強くて。

無敵の魔法少女。

この時代の象徴になりました。

格言にも。

宗教なき科学は跛行者であり。

科学なき宗教は盲者である。

アインシュタイン。

晩年に想う。

竹林館。

宝島社引用。

記録で有名なデータがあります。

文学形式で語られている内容です。

アルキエレウスが持っているコレクションの一部。

隕石の衝突で半壊した世界。

これは被害の少なかった地域。

カシマール王国。

公正世界仮説に基づいた国家を作ろうと。

発表して十年。

退廃と不正が水面下で横行する。

暗黒時代と化していた。

そして他国に憧れて。

出国したり離れたりする人々が続出する中。

公正世界仮説に反対する人を排除したり。

公正世界仮説に異を唱える人が処刑されたり。

国民はいつかこの政治からの脱却を夢見ていた。

なぜなら。

公正世界仮説で好都合な人が大半だったから。

機能不全のシステムでも危険を無視して。

思考のエラーを起こした社会に染まっても。

システム正当化バイアスによって保持してしまっていた。

公正世界仮説は稚拙で欺瞞だったので。

不満が募っていた。

悪党。
「災害で混乱している隙に頂くぜ。」

銀行強盗。
「金を出せ!」
「よし!金庫からかき集めるぞ。」

悪党。
「他国に逃げるんだ。」
「追って来れないぜ?」

血相を変えて見張りの相棒が駆け込んできた。

犯人。
「おい!大変だ!世の中にはとんでもない悪党がいるもんだ。」
「逃走用の車が盗まれちまったぜ!」

銀行強盗。
「申し訳ありません。」
「今回の件は悪ふざけでして。」

悪党。
「なかったことにしてください。」

軍人。
「捕まえたぞ。」

悪党。
「どうにもなりません。」
「親に似て極悪非道ですから。」

軍人。
「ならば親も同罪だ。」

銀行強盗。
「俺達の盗癖は遺伝的なものでして。」

軍人。
「そうですか。」
「では罰金は両親に請求します。」
「帰れ。」

盗賊は全部捨てて逃げ出した。

こんなこと多数。

同盟国のロクィー帝国から。

新聞が頻繁に入ってくる。

アルキエレウスが興味本位で読んでいます。


女性だらけになる書斎。

神殿も女性がとにかく多い。

処女で統一されていますね。

アルキエレウス。
「文学とはあの有名な目的論で生じます。」
「目的があるので芸術が生まれる。」
「古代ギリシアでは目的論による創作が説かれていて。」
「芸術のための芸術はナンセンスと解釈されていました。」

カイロー。
「簡潔に言えば芸術は倫理や理想を再現して楽しむものです。」
「そこには明確に目的論があります。」
「出典はプラトンの哲学です。」

アルキエレウス。
「女性同士では男性の世界の掟は半分くらい無視できますよ。」

侍女。
「求人に飛びついたらこれですよ。」
「生まれの初期設定と策略が崩壊すると。」
「何もない空白を生きているようですが。」
「何もなくてけっこう自由です。」

カイロー。
「結果論で出生を攻撃するのは真実を言うのと同じです。」

侍女。
「その出生とかいう奴は誰よ?」

カイロー。
「出生とかいう輩は敵対者ですね。」

侍女。
「私はこの新聞の女の子と同じです。」

アルキエレウス。
「人の生は半ば必然。」
「半ば自由意志によって規定されている。」

カイロー。
「人間の考え。」
「人間は万物の尺度である。」
「プロタゴラス。」

アルキエレウス。
「神意。」
「神こそは万物の尺度である。」
「プラトン。」

カイロー。
「プラトンに賛成。」

アルキエレウス。
「よく話題になる善悪ですが。」
「善悪について何も知らないので。」
「私達は善悪について完全な無知です。」
「知ったかぶりをするしかありません。」
「どうせわからないものと思っていればメタ認知になります。」

カイロー。
「因果律の影響もあって。」
「因果律なんて無視されるのが当たり前であると。」
「理解して欲しいものですよね。」
「因果律の元ネタはアナンケという残虐なる運命の神で。」
「公正と秩序を顧みず。」
「ただ暴力を振るって不安を起こす。」
「後に因果律という意味になった。」
「プラトン哲学の注釈より。」

書斎で女の子一同。

新聞を読む。

同盟陣営の出来事がドキュメンタリー文学になっています。

トルペ村。

ひとりの少女。

パークス。

美人と評判で。

どのような女性になるか期待されていました。

求婚者も複数いて。

望みはなんでも叶うはずでした。

とある老人と出会うまで。

パークス。
「わたしはそんなに美人?」

母親。
「あらまあ自覚がないのね。」
「あなたに魅かれたのではなく。」
「美人だからという理由で求婚する人もいるわ。」

パークス。
「女性の一生はワンパターンな気がします。」

母親。
「そのワンパターンで良しとしている以上。」
「文句は言えないわよ。」

パークス。
「男性の方が選択肢が多いと思います。」

母親。
「女性に自由なんてあるの?」
「女性に選択権なんてあるの?」
「四十年でそう思うわ。」
「お母さんいろいろ諦めたから。」

パークス。
「女性がそれでも構わないと思っている以上。」
「第三者から見て悪徳であっても。」
「女性達が望んだ展開ならば。」
「どんな目に遇っても言葉は要らないと思います。」

母親。
「なぜか世界が創造された時から。」
「女の一生なんてテンプレートなのよ。」
「周囲が強制するから。」
「お母さんは説服されて。」
「それでも待遇が良かったわ。」
「あなたも利他的な旦那さんと出会えればいいわね。」

パークス。
「違和感しかないです。」

パークスはいつものように。

農園の手伝いで移動します。

そこに老人が通りました。

ポルタ。
「おやまあ美人に会うとは。」
「最後にいいもの見せてもらったよ。」

パークス。
「見たところ。」
「哲人のような雰囲気です。」
「旅人ですね。」

ポルタ。
「隠居先に行く途中だよ。」
「流行りの死に場所。」
「向こう岸にある島。」
「もっとも流刑地としても有名だけれどね。」

パークス。
「さぞかしこの世界を駆け抜けて。」
「いろいろ知っているのでしょう。」

ポルタ。
「いやいや。」
「むしろ何も知らないことを知ったよ。」
「偉大な人物から習ったり。」
「人気の書籍を読んだりしてね。」

パークス。
「今度は口説き方を習えばいいのに。」

ポルタ。
「島で待っている妻に申し訳ないよ。」

パークス。
「ああなるほど。」

ポルタ。
「君は他の少女とは違うみたいだね。」
「面白いことを言ってあげようか?」

パークス。
「土産話でもしてくれるんですか?」

ポルタ。
「ちょっと耳打ち。」

パークス。
「吟遊詩人だったりして。」

ポルタ。
「というわけでして。」

パークス。
「絶句しました。」

ポルタ。
「我を訪ねてくる詩人と騎士に会うといいだろう。」
「気が合うと思うよ。」

老人が立ち去る。

農家の手伝いを終えて。

村に戻ると。

詩人と騎士の二人組がいまして。

宿を探していました。

カピレ。
「しまった!この村には宿がないぞ。」

ノタ。
「資金は贅沢にあるのに?」

母親。
「ならば小屋がありますので。」
「少しくれれば。」

カピレ。
「野宿よりもマシだぞ。」

ノタ。
「そうするかな。」

離れた所にある小屋に二人組が入る。

これを見た。

パークス。
「老人の身内ですか?」

ノタ。
「まあそんな所だ。」

カピレ。
「ちょっと待て。」
「かなりの美人だぞ。」

ノタ。
「もったいない。」
「それとポルタさんについて知っているらしい。」

パークス。
「さっき会いました。」

カピレ。
「あの方と交流したのかな。」

パークス。
「とても友好的で。」
「バッジをくれましたよ。」

ノタ。
「その老人に会いに行くんだよ。」
「隠居するというので。」
「有終の美を飾るために。」

パークス。
「この辺りの土地は知っていますので。」
「何か手伝いましょうか?」

カピレ。
「ちょうど道に迷っていた所だよ。」

パークスは持っていた地図を見せました。

昔、幾何学者から購入したものです。

ノタ。
「おっと!?どんな意味で惚れさせる気かな?」
「でも我々には婚約者がいて席はないし。」

カピレ。
「美形で有能なんて滅多にないぞ。」
「誰もいないなら優秀な奴を紹介しようか?」

パークス。
「まるで結婚するしかないような発言ですね。」

カピレ。
「待遇が良ければ女性は満足すると思っている。」

ノタ。
「明日、同行しないか?」
「最近は男ばかりで女性と接する機会が少ない。」

パークス。
「男性と交流するのも悪くありません。」

カピレ。
「よし決まったな。」

雑談が始まり。

日が暮れて。

早朝。

一緒に島を目指しました。

距離が離れていません。

あっさり島の内部に到達しました。

集落。

ポルタ。
「小舟が来ると思ったらお前たちか。」

カピレ。
「贈り物です。」

ノタ。
「隠居を楽しむための物品がいくつかあります。」

ポルタ。
「おおこれはどこで集めたのか。」
「けっこう探し回ったね?」

カピレ。
「実用性のあるものばかりですからね。」

ノタ。
「味方してくれたお礼ですよ。」

パークス。
「なにかお偉いさんのようです。」

カピレ。
「元老院にずっといたエリートさんですよ。」

ポルタ。
「あれ?前に会った美人ですな。」
「すると言った通りにしたんだね。」

ノタ。
「友人が美人を探しているので。」
「ここまで同行してある程度はわかったよ。」

カピレ。
「一緒に来る気はないか?」

ポルタ。
「好機ですよ。」

パークス。
「なにか知りませんが。」
「信じる根拠はないのです。」

ノタ。
「もっとマシになると思うよ。」

ポルタ。
「ちょうど来たね。」
「お客さんの言う事を聞くことだね。」

将軍インシグネ。
「あなたが味方とは心強い。」
「影響力が頼りです。」

ポルタ。
「あんなの滅びた方がマシですから。」

ノタ。
「未来の英雄ですかな?」

カピレ。
「もっとも敵将と話すのも趣味ですが。」

将軍インシグネ。
「未来の仲間と一緒という訳だよ。」
「そこの美人さんは妻かな?」

ポルタ。
「こっち側に来た仲間だよ。」

将軍インシグネ。
「おやおや?」
「スカウトしたら雇うことはできるのかな?」
「遊女でも芸人でも。」
「それとも地主にでもなってくれる?」

パークス。
「まるで村が私の所有物になるような言い回しです。」

将軍インシグネ。
「ああ知らないのね。」
「でも今はこっち側にいるのだ。」

カピレ。
「素敵なボーイフレンドを持って幸福だと思う。」

パークス。
「それは否定しません。」

ポルタ。
「望遠鏡で向こうを覗いて見なさい。」

パークス。
「戦艦ですね。」

ノタ。
「村が瓦礫にならないように。」
「巻き込まれないように。」
「避難しておきなさい。」

パークス。
「今なんて言いました?」

ポルタ。
「もし理解したら。」
「バッジをつけていなさい。」

ノタ。
「思ったより早いので。」
「一度戻ります。」

ポルタ。
「隠居にも客人がたくさんいるのは。」
「嬉しいことだよ。」

小舟で戻ると。

男性が待ち構えていました。

母親。
「縁談が決まってね。」
「あの人と結婚するのよ。」

パークス。
「申し訳ありません。」
「詩人と騎士と。」
「どちらかと結婚する予定です。」

母親。
「なんですって!?」

ノタ。
「こっち側に来たのに結婚なんてさせんぞ。」

カピレ。
「異論があるなら決闘しようぜ。」

婚約者が逃げ出しました。

カピレ。
「夜に奇襲してくると思うが。」
「今日までに攻撃が開始されるから。」
「我々の近くにいるのだ。」

パークス。
「なんとなく理解しました。」

ノタ。
「強くて優秀で理解力のある善人だな。」
「だからいい具合にここにいるのだな。」

カピレ。
「弱くて劣っていて無理解な悪人ではないぞ。」
「夜までに脱出するから。」
「合図を待てよ。」

夕方。

婚約者がなんとか娶ろうと。

少女の部屋に侵入しますが。

短剣を持っていて。

待ち伏せになりました。

パークス。
「この人を殺したらどうなるのだろう。」

婚約者。
「なんで!?」

パークス。
「なぜか知りませんが死んでください。」

婚約者は殺されました。

直後に合図があって避難します。

ロクィー帝国軍が侵入。

村を焼き討ちにします。

ロクィー帝国の一員であった三人組は。

あっさり見逃してくれて。

村が滅びます。

生存者はパークスだけでした。

ノタ。
「女性は肉的なものばかり求めて。」
「霊的なものは求めないね。」
「肉的を故意に求めているのか。」

カピレ。
「所で婚約者とやらはどうした。」

パークス。
「なんとなく殺しました。」

ノタ。
「そうだろうと思ったよ。」
「村はもう瓦礫しかないよ。」
「滅ぶべくして滅んだ。」

パークス。
「ではあなた方は野生動物が死んだというので嘆いているのですか。」

カピレ。
「とんでもない。」
「最初からこっち側の女性であることは知っていたからね。」

ノタ。
「近くにインシグネさんもいたし。」
「丘の上の空き家にしばらくいれば巻き込まれないよ。」

侍女が入ってくる。

支援部隊の指揮所になってしまいました。

あまりに立地条件が良いので。

モニターには。

ロクィー帝国が故意に虐殺して勧善懲悪を煽って。

正気を失わせる作戦が的中しています。

テレビ中継。

インシグネ。
「悪党に負ける気分はどうだ?」

レークス。
「悪には屈しない!」

インシグネ。
「スポーツ根性で銃に勝てる訳ないだろう。」
「根性なんか無謀になるだけだよ。」
「映画ばかり観ているから。」
「根性が役に立つと思っちゃったのさ。」

レークス。
「正義は勝つ!」

インシグネ。
「怒りでパワーアップなんてある訳ないだろう。」

レークス。
「くそっ!やられる!?」

インシグネ。
「努力で強者に勝てた試しがあるのか?」
「努力で勝てると思いたいだけだろう?」

レークス。
「なぜだ!なぜ勝てない!?」

インシグネ。
「強くて優秀で理解力のある者が善人。」
「弱くて劣っていて無理解な者が悪人。」

レークス。
「将軍が捕虜でも容赦ないな。」

インシグネ。
「人情ほど奸計に使える道具は滅多に無い。」

レークス。
「極悪人!」

インシグネ。
「強者が一方的に勝つ。」
「弱者は最初から戦うべきではない。」

レークス。
「ということは俺達が悪党という意味かな?」

インシグネ。
「悪だと見なしている相手に敗北する奴らを見れば見るほど。」
「たまらない充足感で溢れる。」

近くで発生した戦闘です。

村から離れた所で正規軍を倒したのです。

村長が捕虜になって。

近くに連行されて来ました。

村長。
「悪党め。」

ノタ。
「悪人に手向かうから返り討ちに遭うのだよ。」
「弱者が正義を語るな。」

カピレ。
「弱い奴らが正義を名乗って確信しているらしい。」
「相手を悪く言って悪くしてほら悪じゃないかと罵る。」
「というやり方が自称善人の暴行だよ。」

パークス。
「彼らの誤りは悪人に挑んだ事。」
「正義を名乗れば既に勝ったと信じている事。」
「力の序列を軽視した事とか。」

村長。
「お前はパークス!?なぜそこにいる!?」

兵士。
「年功序列とか言いつつ。」
「百歳の老人を崇拝しないのは言行相反。」

士官。
「世の中、お金持ちの為にあるようなもの。」
「権力も武力も。」
「もっと言えば強者の為に世の中はある。」
「奴隷道徳は弱者が身を守るために制作された。」

カピレ。
「道徳は作り話としてはかなりいいセンスがあるよ。」

パークス。
「公正世界仮説に基づいて作られた社会なんてあるんだよ。」
「公正世界仮説を消して歴史を見れば真実が見える。」
「しかしそれはずっと見ていると眩しいし。」
「大半の人にとっては見たくない真実だよ。」
「それが世界なのに信じたくないのが人間だもん。」

村長。
「悪党に殺されるなんて。」

ノタ。
「俺と一緒に地獄へ行こうぜ!」

パークス。
「村長と称して支配者の真似事ですか?」
「気持ち悪いです。」

村長。
「なぜだ?なぜ殺される。」

兵士。
「知らねぇよ!」

野山に連れていかれた村長が銃殺されました。

防衛軍リーダーカルケル。

悪には負けまいと盲目になり。

作戦にハマってしまいました。

ロクィー帝国は互角の戦力を跳ね飛ばして侵攻。

パークスは滅んだ村の土地の大半を譲渡されて。

無傷の農園と工場を手に入れました。

ロクィー帝国は無敵で。

悪と正義の構図に持ち込んで。

上手に戦えなくして首都まで侵攻。

パークス。
「戦いとは何なのか。」
「戦いは何を意味するのか。」
「解答を見出せない。」
「世界において普遍的なものなのに。」
「具体的な理由が見つからない。」
「なぜ戦うのか。」
「なぜ戦っているのか。」
「具体的な解答は誰も出せていない。」
「求められているのは必ず出さねばならない返事なのです。」

カピレ。
「こういうことはよくあることなのだよ。」

ノタ。
「美人さんは目の保養になりますなあ。」
「妻に妬まれるので安易な発言はできそうもない。」

カピレ。
「周辺の土地を知っているのはあなただけですし。」
「彼らの事は残念でしたが。」
「ここらで我々も帰還します。」

パークス。
「なにを言っているのか。」
「破壊されて助かったのは私です。」

ノタ。
「理解しているじゃないか。」
「だからもったいないと言われたんだよ。」

カピレ。
「もう移民が入ってきているので。」
「よろしく。」

パークス。
「自分の持ち物や得たものは数えないほうが良い。」
「コレクションでさえも。」
「数えないほうがきっといい。」

最初から友好的な二人組と老人との出会い。

そして複数の友人が出来ました。

村は滅びましたが。

建物はそこそこ残っています。

テレビが無傷。

計画的な破壊でしたね。

ニュース。

付近の村から略奪する侵攻軍。

適当に暴行して罵り。

挑発。

怒った村のリーダーが先遣隊に挑むも殺される。

村長を見せしめに殺しまくる侵攻軍。

相手を煽って平常で居られなくする作戦。

まんまと成功。

王妃を拉致しており。

揺さぶりをかけるなど。

かなり前から対立していた両者は。

最後には戦争になると準備していたので。

普通の方法では勝てないと覚悟していたのです。

そこで最初に王子を誘拐して。

いかに悪であるかで洗脳し解放。

盲目にして敵の士気は上げても。

上手に戦えなくしたのです。

防衛軍から離反した部隊が補給路を遮断。

無謀に突撃した防衛軍は敗走。

戻った拠点は取られていて。

首都まで進軍に成功。

好条件で市民と支配階級を解放する予定で。

そのために手段を選ばない侵攻作戦。

天然資源が必要で。

防衛側の市民に通知しており。

市民は勧善懲悪の防衛国に不満を抱いて。

併合される方が攻撃されるより有益で。

防衛軍は支持を失う。

そして防衛国の大臣と将軍が政権を転覆させて。

素早く併合に成功したのです。

二週間の出来事でした。

公正世界仮説による専制政治は終わった。

安全保障の枠組みに入った元侵略国は勝者となり。

パークスは協力者の判定になり。

宮殿に出入り可能と伝えられました。

パークス。
「みんな死にました。」

侍女。
「さっさとロクィー市民権を得れば。」
「焼き討ちを目撃しなかったでしょう。」

移民。
「でも今は市長ですからね。」
「唯一、帝国を支持していた味方ですから。」

侍女。
「まだ抵抗を続ける残党もいますし。」
「解放戦争に参加した小さな英雄ですよね。」

パークス。
「領地が貰えるとはあの時思いませんでした。」

移民。
「つい最近はどこにでもいる少女が領主ですけれど。」
「実力は本物です。」
「皆さん美人さんが市長というので喜んでいますよ。」

パークス。
「美人という豪華特典が活用できてなによりですよ。」

侍女。
「前みたいに結婚しようと思わない限りは。」
「永続しますからね。」

パークス。
「あの老人からあれを聞かされてから全部変わりました。」
「少女に必要なのは老人の忠告と質問だと思います。」

カピレ。
「少女と老人は重要な組み合わせです。」

パークス。
「出生のもたらしたもの全般を裏切ったら。」
「あまりに好都合な展開しかないし。」
「生まれた先で全部裏切れば。」
「多くの自由を力で獲得できますね。」

ノタ。
「適度に人のせいにするのは心理学で推薦されている行為です。」

カピレ。
「その出生とかいう男を余程、憎んでいたんだね。」
「出生とかいう男に対する怨恨ですか。」
「復讐は甘美。」

ノタ。
「出生とかいう男はもう死んだんでしょう?」
「珍しいが奇怪な名前の男だね。」
「怨恨というものは和解させても残るもの。」
「最初から怨恨を発生させなければ良いだけ。」

パークス。
「その出生っていう男はもういませんよ。」
「爆撃に巻き込まれて死にました。」

カピレ。
「半年前から爆撃は決まっていたし。」
「戦争計画では。」
「空いた土地をシリコンバレーにする予定だったかな。」
「立地条件が良いからね。」
「地図通りに把握できたから。」

ノタ。
「幾何学者の地図が周辺を制圧するのに決定打になったよ。」
「領内を詳細に調べるなんて。」
「やりたい放題に進撃しているよ。」

パークス。
「金庫から盗んでおいて良かったです。」

カピレ。
「知り合いの巫女に手紙を送っておくかな。」

ノタ。
「そうだよね、何かの比喩とか好きだし。」

再建された村は小都市になり。

現在はIT産業を勧誘して。

隠れた穴場になっています。

破壊がもたらした僥倖は。

すべてを強制的に変更してしまい。

意外な方向に流れて。

すべてが正当化されました。

かつての仲間はあらゆる専制政治と僭主君主を倒し続け。

パークスはハイテク産業の成功によって。

元老院に出入りも可能になって。

姫巫女アルキエレウスから勲章を貰いました。

同盟国のハイテク工業がこちらにも解放されて。

兵器や機材の調達が簡単になりました。

そして。

カピレとノタは後に再建される世界の中心人物になります。

あの時。

目撃した将軍インシグネは英雄として世界の再建に関わりました。

アルキエレウスはこの僅か数年の同盟国であった。

出来事に興味を持ち。

次の国王候補に紹介するほどでした。

世界政府を作り多国籍軍で挑んだ。

とある国家群は突然現れた英雄インシグネに蹂躙された。

天体衝突から生じた共同体出身の英雄は知らない間に大戦果。

あっさり世界政府を打ち負かした。

共和制の人物が訪ねてくる事多数。

会話。

アルキエレウス。
「なぜあのような愚行を重ねていたのですか?」

大統領。
「懺悔します、あの頃は完全に自由を失っていました。」
「気が触れたように振舞っていたでしょう。」

アルキエレウス。
「なるほど、さもありなん。」
「自由があるのならば。」
「その頃、それをしたらどんな事態になるか。」
「ちゃんと思い及んだはずだから・・・。」

大統領夫人。
「賭けをしますか。」
「途方のない話をした者が勝ちです。」

アルキエレウス。
「よろしい。」
「まず我から。」
「最近、ひとりの正義の味方がいます。」

大統領。
「そこまで!君の勝ちだ!」
「何か差し出さねばならん。」

アルキエレウス。
「お差支えなかったら。」
「あなたのお歳を教えていただけませんか?」

大統領夫人。
「ええ。」
「構いませんよ。」
「結婚したときあたしが二十で。」
「夫が三十だったわ。」
「今あの人は倍の六十だから。」
「わたしも倍の四十だわ。」

アルキエレウス。
「・・・・は?」

大統領。
「それが女性の普遍的論理って奴です。」

大統領の娘。
「あなたどう思います?」
「恋人がいまして。」
「私が大好きなんて言ってくれたの!嬉しいわ!」

アルキエレウス。
「そんなウソつき男とは関わらないほうがいいと思うよ。」

大統領。
「年齢が関係ないような明知ですね。」

大統領の娘。
「何か成功してから他の恋人に話をつけるわ。」

アルキエレウス。
「成功を評価する二つの方法がある。」
「もしそれがわが身に起こったときは。」
「努力と才能の賜物と見なす。」
「それにひきかえ。」
「ライバルに起こったときは単なる偶然の結果だと見なす。」
「これが実業家として成功する秘訣である。」

歴史が大きく変わり。

反戦論で一致した世界は平和主義の亜種となり。

平和主義のあらゆる派生型が生まれた。

多種多様な平和が統治する調和のある世界へと向う。

-確実な平和は、期待されるだけの勝利にまさり、かつ安全である-

伝説は繰り返される。

霊帝の復権宣言から10年の歳月が過ぎ。

魔法少女に選ばれたティーメー。

アルキエレウスの書いた自伝。

これは日記形式で書かれている。

綺麗なデザインの建築物とユーモアラスな家具。

ひとつはノートを象ったビル。

かなり無駄な要素を多く入れた机がある。

自由にカスタマイズが可能で。

クリアな本棚からコーリスモスの書いた自伝を取り出す。

円形のホバー掃除機ロボが巡回しているが。

キャラクターのプリントが施され。

度々ふざける。

道路は車用ではなく。

飛行経路に沿って。

輸送機がVTOLで離着陸する。

とにかく木々が豊富で。

室内でも管理された花壇があったり。

都会の中心に多数の庭園が設けられ。

公園の大樹は人気スポット。

ビルの屋上でさえ花々が咲き乱れ。

小鳥の遊び場になっている。

自然と調和した街作りは。

未来のスタンダードになったみたい。

ティーメー。
「ひとつの時代の物語。」
「魔法少女という女性の美は示されて。」
「この頃に女性の地位は約束されたものです。」
「男性中心の社会から。」
「女性中心の社会にまで発展。」
「いまでは男女連携。」
「けっこう美しいものです。」

アクシオス。
「歴史書好きなの?」
「わたしも大好き!」

ティーメー。
「私は特にアポカリュプトーの時代が好きで。」
「こうして古典を読み漁っています。」

アクシオス。
「古典がブームになって。」
「今はいろんな掘り出し物。」
「訳本が出回っていて。」
「膨大だよねー。」
「図書館にも専用コーナーがあるし。」

ティーメー。
「そうです。」
「古典を読むと。」
「人類の原点があって。」
「歴史はすべての基礎であって。」
「現代に繋がる家屋なんて例えです。」

アクシオス。
「土地と基礎を固めたのが歴史。」
「その上に私達は家を建てた。」

ティーメー。
「窓からこの景色見ると。」
「歴史に憧れて。」
「また旅したいな。」

アクシオス。
「宇宙旅行はした?」
「けっこう広い領域に進めるようになっているよ。」
「最近の発明で。」

ティーメー。
「私は遺跡とかかな?」

アクシオス。
「おお!それは尊い。」
「なんか深くて。」
「凄いものを感じる。」

ティーメー。
「本屋に行って新しく出た訳本。」
「つまりは古典を買い漁る事にする。」
「役目はあるから。」

アクシオス。
「知識は力なり。」

ティーメー。
「作家は超自然的状態になって創造を行う。」
「作家はその時は自然法則を超越しているのです。」
「超自然的な状態にあるので。」
「いつも不思議で神秘的な創造の力が宿る。」
「超自然は国語辞典でも正々堂々と載っている。」
「この世ではよくあること。」
「作家は超自然について学ぶべし。」


アクシオス。
「魔法少女の役目は終わってないから。」
「今も伝説は続いている。」

ティーメー。
「それは歴史の中。」
「現在も受け継がれて。」
「使命として。」

帰宅すると。

計画図を作成です。

魔法少女として選ばれて。

役目が生じました。

そういうわけで。

わたしはやるべき事があって。

また。

巡礼に出掛けようと思います。

魔法少女のひとりとして。

伝説の再来として。

それがわたしだから。

ごきげんよう。

END