男耕女織。

男は田畑を耕し。

女は布を織る。

男女の伝統的な職分をいう。

出典。

薩都刺「桃源行」「男耕女織生業を作す」


問答と競走ではゴールが違う。

ソポクレス「断片七七二」

プルタルコス「饒舌について」

弁論術の真実として引用されている。

弁論術の教えとして古代ギリシアで当たり前に広まっていたもので。

議論は第一着を競うのではなく。

良い回答が出たらそれを採用して良い評判を得る。

目的論が弁論術の基礎。


神は死んだ、神は死んだままだ、そして我々が神を殺したのだ。

フリードリヒ・ニーチェ。

すべての意味や価値は崩壊すると予言したニーチェ。

それを裏付けるように。

哲学の範疇を超えて。

世界の普遍的な原理が説かれている。

いわば真理を発表していた。

現代のトレンド。

反出生主義者の自己主張は「神は死んだ」というニーチェの名句を頻繁に使う。

真の信仰を持つ者が教会にいないと痛感したニーチェが宗教批判をしたのも。

一文を朗読したり他人に投げかけると。

思わぬ効力があるためで。

実際に神は死んだと発言するのは。

それまでの既成概念をすべてリセットしてしまうことに繋がる。

人間側が正教を信じる余裕が失せたのと同じく。

最初は宗教から現代のあらゆる価値や意味は崩壊した。

背後世界は抜き取られて。

ニヒリズムは今日における普遍的な原理として世界を覆う。

ゲーム理論では裏切りは基本。

損得勘定で動く。

合理的なプレイヤーが出生に対して。

裏切りを選択しても不思議ではない。

特に出生が先に裏切った場合。

ゲーム理論のプレイヤーも出生を裏切る。

すると合理的であるし当たり前。

突然、出生を裏切ると利得が高い場合もあり。

出生が良好なものを出した展開のみ。

裏切ることができない。

ということ。




英語のことわざ。

不満は進歩の第一歩。

二条城の敷地で。

三姉妹がお茶を飲みながら。

憩いの時。

詞美。
「公義をご存じでしょうか?」

瑚々。
「公に果たすべき義務ですよね。」

小霧。
「義人が必ず引き合いに出す公義。」
「誰でも公義は持っています。」
「しかし愚鈍なる者や邪な心を持つ者にそれを期待するのは無理です。」

詞美。
「でも聖者は普段から行っていますよね。」
「矜持のある者は最大のものに値し。」
「実際に最大のものに値します。」

小霧。
「居傲と言いまして。」
「自分の考えは一般的で適切と考える者は。」
「実際よりも大きなものに値すると勘違いしています。」

瑚々。
「矜持ある者は卑屈と対立していますよね。」

詞美。
「対立というより敵対しています。」

小霧。
「卑屈は自分が小さなものに値すると。」
「信じている信条です。」
「居傲は過剰ですし。」
「卑屈はいろいろ足りていません。」
「矜持は中間で美徳です。」
「この場合は矜持の内容を自己主張すれば。」
「要するに実践すれば切り開けるものです。」

瑚々。
「実際に多いのは居傲ですよね。」
「矜持ある者は常に最大のものを望めます。」
「他人を第三者が見たら馬鹿ではないかと指摘されたり。」
「反対に優秀であると賞賛される場合もあります。」
「第三者機関の評価というのが人間関係で欠かせません。」

詞美。
「個というものを持っていない者は。」
「他人が自分とは異なる存在であると理解できません。」
「元から別物で見た目が同じように見えるだけですし。」
「他人というものは自分とは別物なのですから。」
「同調バイアスが強化されて個人を尊んでいないのです。」

小霧。
「第三者が富んでいたり社会的に成功していても。」
「自分とはオブラートに別物がそうなったので。」
「参考程度に称賛しているのが穏健な意見かと。」
「反対に第三者が不幸になったり退廃しても。」
「同じ目に遭うかと言われると違います。」
「同調バイアスで全体主義的な人間関係を構築しているだけです。」

瑚々。
「その論理ですと。」
「第三者とは異なる形態で成功する可能性もありますね。」
「しかも第三者と同じような不幸に見舞われるとは限りません。」

詞美。
「全体と個人を切り離して解釈できるようになれば。」
「人間関係の難易度が低下します。」

小霧。
「原因論を徹底的に駆逐する姿勢が求められます。」
「知らない間に原因論で考える癖がついています。」

詞美。
「何でも原因と結果であると解釈していると。」
「機械的な仕組みでしか解釈できなくなります。」
「理由だけあって原因が存在しない展開もありますからね。」

瑚々。
「人間を納得させる必要はないと言わんばかりに。」

小霧。
「ちなみに人間の力だけではやっていけません。」
「明らかに人間には限界が設定されていて。」
「それは目的論によって突破されます。」

詞美。
「目的論が外部から押し付けられたものではなく。」
「そもそも外部からの影響は回避できませんから。」
「一度リセットして再設計する必要もあります。」

瑚々。
「最初の理屈を土台にベタベタくっつけて作られた思想も実在します。」
「もちろん。」
「リセットしたり再設計するには。」
「多くの学問を学ばなければなりません。」

詞美。
「不満を持っている人に限って学問を三年しっかりやる。」
「という基本を実行しませんし。」

小霧。
「現代は多様性文化です。」
「外国の学問も輸入されていますから。」
「誰が学校教育が万能だなんて言いましたか?」

瑚々。
「壁があると私の場合は姦計を行います。」
「不正行為を敢えてして突破するんです。」
「困難と争えば。」
「勝敗が分からなくなります。」

詞美。
「最近、一万円をくれるのならば。」
「どんな屁理屈も三十分聞いてあげられる。」
「という忍耐を獲得しました。」

小霧。
「そう言えば人々は判断材料が決定的に不足していますよね。」

詞美。
「洞窟のイードラ。」
「あれでも必要な知識や技能が欠如しているのです。」
「私達がさっきから話しているのは。」
「人々の判断材料の不足です。」

瑚々。
「自由に考えるために必要な情報が足りてないんですね。」
「それって能力不足でも愚鈍という意味ではありません。」

詞美。
「衆愚と揶揄されるのは。」
「必要なだけの知識や技能を求めていない点にあります。」

小霧。
「そもそも優秀な人材は原因と結果で出現していませんし。」
「劣っている人材も原因と結果で出現しません。」

瑚々。
「比べている時点で不合理で非合理なのですけれどね。」

小霧。
「比較した時点で合理的な思考はそこにないです。」

詞美。
「他人と比較した場合も合理性は皆無です。」
「人は相対的に判断しますから。」
「とりあいず背後世界というものを参考にしないように。」
「ニーチェの名句通りに神は死んだ。」
「それまで伝説や新興宗教と化していた価値や世界観。」
「信じられていた真実も消え失せました。」
「リアリストと揶揄されるかもしれませんが。」
「現在の大富豪は善人です。」
「権力者も善人です。」
「天才も善人です。」
「強者は善人です。」
「有能な者も善人です。」
「変則的に解釈するのは役に立ちます。」

小霧。
「いちばん良いのは優秀な人物を模倣することです。」
「特に歴史における偉人や天才を模倣することです。」
「歴史書や古典というものは模倣するためにあるようなものです。」

瑚々。
「さらには否定されたら自分の意見に疑いを持ちますが。」
「懐疑論の中に真理が多く。」
「正しいと確信しているよりは害が少なく。」
「確証バイアスが強化される危険が減ります。」

小霧。
「批判も真実が入る場合もありますし。」
「傲慢は破滅に先立つ。」

詞美。
「英語のことわざ。」
「練習が完全をもたらす。」

二条城から退場。

近年。

内戦が終結したと思いましたら。

派閥争いが始まっており。

魔法使いとその同類。

亜種。

さらには為政者の中に魔導士まで出現しており。

戦争というより対立の構造をしています。

徒党を組んで。

ある時には政党で影響力を発揮し。

ある時にはスポーツで競り合い。

ある時には人気者になってテレビの中で独り勝ちするなど。

ある時には商売での駆け引きに使われ。

ある時には民兵になったりと。

汎用性のある人材として定評があります。

お宮に入る前にニュース記事を読んで。

憤慨する。

詞美。
「女性にこうだとかこうしろだとか。」
「ごちゃごちゃうるさいです!」
「好き放題に言いやがってー!!」

瑚々。
「まるで自分が神だなんて言っているようなものです。」
「どうしてそんなこと言う気になっちゃったのかなあ。」

小霧。
「言うことと行うことは別。」

瑚々。
「確かにいかに阿呆でもそのくらいわかるはずです。」

詞美。
「どうしてあんな。」
「とんでもない馬鹿になってしまったのか。」
「考えられるのは。」
「女性にこうであって欲しいと思うあまりに現実逃避して。」
「頭がズレてしまったとしか思えません。」

小霧。
「女性と男性とは目的が違いますかね。」
「男性の目的に沿うように社会が構築されたので。」
「女性と対立するようになったのかと。」

瑚々。
「女性の目的と男性の目的は一致しません。」
「原因論で性別と立場を考えるのは。」
「最初から無理です。」

詞美。
「女性に関する既成概念も標的ですからね。」

小霧。
「言葉の声より行動の声の方がよく聞こえる。」

以前として華族という民兵組織は存続しており。

有事の切り札なのですが。

唯一、他の魔法使いに対抗できるのもあって。

未所属の魔法使いによる工作や権力の占領が多い情勢。

内戦から変化して。

好都合な手札の一部になって。

あらゆる社会形態で使われるようになりました。

二条城の近くにある実家にて。

詞美。
「団結は力なり。」
「戦争と平和が混合して存在する世界では。」
「派閥争いが白熱しています。」

小霧。
「私達三姉妹も華族に所属して。」
「成功報酬で動いていますが。」
「前のように殺し合いを前提としていないため。」
「危険はあるものの副業としては最高ですよね。」

瑚々。
「最初に勝つと、最後には負ける。」

小霧。
「私も僥倖によってパワーアップした女の子です。」
「力を持った女の子が何をするかは察しの通り。」

瑚々。
「好機を掴めば女性はまるで別物。」
「僥倖をいかに活用するかが課題です。」

詞美。
「超自然的な力はいかなる人間も圧倒します。」
「いよいよ女性にも機会が巡ってきたのです。」
「やりたい放題しますよ。」

この時期。

水面下では他国による干渉。

軍事侵攻に投入される事案もあり。

最盛期を見せた魔法使いはやや衰退気味です。

選り好みする者は最悪を取る。


2


世界の均衡が崩れた時代。

新手のテロリストが犯罪集団と組んでいます。

大半は敵陣営が放った工作員です。

商店街にて。

瑚々。
「今日ここで大規模攻撃があるって本当ですか?」

小霧。
「相手はステルスよ?」
「隠密行動しかしないわ。」
「姿が見えると思っているの?」

詞美。
「見えない敵が相手よ。」
「自国のスパイが位置を知らせてくれるわ。」

小霧。
「遭遇戦になるから。」
「十秒くらいの交戦になると思う。」
「遮蔽物が多いから。」

瑚々。
「どこから来てどこへ逃げるかわからない。」
「久しぶりに戦うから。」
「敵の戦術を更新してなかったわ。」

詞美。
「自国の外では小競り合いばかり繰り返されていて。」
「大規模な攻撃をして来ない。」
「内部に何かアテがあるのよ。」

瑚々。
「内部のアテですか。」
「前のような激戦になるかも。」
「味方はどのくらい?」

小霧。
「今回は私達だけよ。」

喫茶店で待ち続ける。

気配だけを頼りに動く三姉妹。

店員が合図してくれました。

防犯カメラにいたそうです。

小型ロボットが巡回していて偶然発見。

詞美。
「私が正面から行く。」

小霧。
「私は白兵戦を仕掛けるから。」
「陽動して。」

瑚々。
「私は安直に敵の背後から追いかけるわ。」

路地裏を抜けた辺りで敵の姿が見えました。

敵の射程外から。

アキュリスを一方的に投げる。

百メートル以上飛んで。

ガードした敵兵の動きが止まります。

敵兵はアザガイを飛ばして反撃。

ヴェリトゥウムという小型の投槍。

古代ローマが使用したことで有名です。

長距離で投げ合う。

脱手票(フェイピアオ)もよく使用される投擲武器です。

最近の魔法使いは携帯が容易な。

投擲武器で遠距離狙撃するのです。

視界外戦闘。

瑚々。
「追いついたー!!」

アサシン。
「!?」

瑚々。
「うわっ!」

筆架叉という中国の武器で。

敵側が必ず携帯しています。

敵に近寄りすぎて。

別の敵兵に狙われましたが。

横から。

小霧。
「そう死に急ぐな。」

敵兵。
「ぐあっ!」

タックルで敵兵が大きく吹っ飛ばされて。

壁に激突。

ダウンを取りました。

詞美。
「数秒あれば届く。」

瑚々。
「ガードで精一杯です。」

アサシン。
「くっ!?」

別の愉快犯が子供を襲撃。

仲間を逃がそうと自暴自棄。

敵グループは既に複数人を拉致。

誘拐しており。

逃げ遅れた敵グループと交戦していたのです。

いわゆる囮と化している敵側。

愉快犯。
「どうだ?動きを止めろよ!」

小霧。
「位置がバレているよ。」
「さようなら。」

愉快犯。
「なんだと!?いつの間に後ろ・・・。」

愉快犯は一瞬で捻られて骨折。

愉快犯は負傷して動けなくなりました。

瑚々。
「押している!」

アサシン。
「終わりか・・・。」

詞美。
「ガンマ線バースト!!」

虹色の炎で焼かれて。

火だるまになりつつ焼死しないアサシン。

致死量の放射線まで付加されているものの。

自由に調節できる炎光線と放射線の量。

焼かれていたアサシンの炎が突然止まって。

アサシンが倒れます。

詞美。
「新手が来ましたね。」

小霧。
「相対論的ジェット!」

ブラックホールを疑似再現した噴出。

敵グループを一掃。

武装警察がようやく到着して。

犯人数人を連行。

少ない人数で敵を捕獲したのは大きく。

逃がしたテロリストを特殊部隊が追跡する予定です。

成功報酬が支払われて。

帰宅すると。

数万円が振り込まれていて。

久しぶりの作戦はとりあいず成功です。

瑚々。
「自分より強い敵じゃなくて良かった。」
「格下なら勝って当たり前。」

詞美。
「徹底的なステルス野郎共です。」
「魔法使いがやっと探知できるくらいの凄腕。」

小霧。
「敵の姦計が小賢しくて厄介よね。」
「戦い慣れているけれど。」
「頭を使ってくるから。」

詞美。
「無傷で生還できてなによりです。」

瑚々。
「明日は日曜日。」
「夕暮れを見て夕食の用意をしますね。」

小霧。
「私も参加する。」

詞美。
「私はデータリンクを引っ張り出して報告するわ。」

軍用の端末で送信。

今日も各地で散発的に戦闘があり。

司令部が戦況を通知。

自衛隊は領海と領空で小競り合い。

離島でも軍隊が小競り合い。

半分戦争で半分平和な国際情勢。

次の日の早朝。

ボーイフレンドが来訪。

詞美。
「あら?」
「早朝から美人でも見たいの?」

ボーイフレンド。
「宝くじで一万円が当たったんです。」
「今日、お食事でも行きませんか?」

詞美。
「現物を見るまで信用できませんね。」

ボーイフレンド。
「そう言えば洗濯機の中でした。」
「調子に乗って悪かったね。」

出勤時刻。

客人が通りかかります。

親戚。
「この前は結婚式に出席してくれてありがとう。」

小霧。
「御祝儀は千円しか入れませんでしたけれどね。」

親戚。
「その御祝儀の一部を寝ている妻の枕元に置いてしまって。」
「朝から乱闘になりました。」

小霧。
「気の毒に。」
「娼婦のように扱われて。」
「馬鹿にされたと思ったんでしょう。」

親戚。
「お釣りまでよこすんです。」
「まだ係争中ですよ。」

瑚々は軽トラックで郊外の農園に出動。

かなり遠いのですが。

車なら往復可能。

とある神社の境内。

小霧。
「なぜ上ばかり見て歩くんですか?」

市民。
「上を向いて歩こう!」
「テレビが言っているから間違いない!」

小霧。
「それでこの前、交通事故に遭ったんですね。」

市民。
「おかしいな?テレビって万能だった筈。」

小霧。
「前提がおかしい。」

神職。
「やはり他の巫女とは何か違うみたいだね。」
「別の世界から来たみたい。」

小霧。
「常世の国から来たとかよく言われますよ。」
「少彦名大神のお宮をおみくじで指定されて。」
「知らずに参拝していたので。」
「私には常世の国の市民権があるそうです。」

神職。
「それはありえる。」
「あなたは特殊な女性なのか?」

小霧。
「女性の中にも男心がありますから。」
「それを肯定すると。」
「男性っぽくなって。」
「男性と互角以上に討ち合えるような。」
「爽快感があります。」

神職。
「古代の巫術を使えるのは何か訳があると思ったのですが。」
「選ばれた巫女という訳ですね?」
「私の友人は大御所と思っていたけれど本当だったんだな。」

小霧。
「叱るとか脅すとか罰を与えるという間違った教育を。」
「受けていないだけで。」
「褒められたりもしていません。」
「応援と援護だけ受けてきたので。」
「否定よりも肯定する場面が多い影響を受けました。」

神職。
「教育すらも特殊なのか。」
「もしかしたら例外の女性かな。」
「単独者と名乗るだけあるね。」

小霧。
「女性はより女性になるのではなく。」
「自分の中の男心を肯定して。」
「少しくらいは男みたいになる方が良いかと。」
「男みたいな所が無い女性は。」
「扱いやすくて遊ばれますけれど。」
「私の場合は自分の中の男性の部分がかなり強くて。」
「男性と競うのが楽しいくらいです。」

神職。
「ギフテッドの巫女かもしれない。」
「今日もよろしく。」

服屋と古着屋を兼ねている商店。

朝一番で来た志願。

詞美。
「まだ開店前ですが。」
「面接ですか?」
「どこかで見たことがある女性。」

新人。
「大学で見ませんでした?」

詞美。
「一年生でいたわね!」
「ちょっとお話しましょう。」
「あなたは高学歴で有能と定評がありますね。」
「例えばこの条件での採用は嫌ですか?」

新人。
「前の会社では給料が二倍です。」
「ボーナスも二倍です。」
「休暇も二倍です。」

詞美。
「そんな好条件の会社をなぜ辞めたのでしょう。」

新人。
「倒産したからです。」

詞美は絶句した。

瑚々が農園に行く途中の都市。

医者の自宅に押し入ろうとしている。

近くに停車して様子を見る。

患者。
「具合が悪い。」
「吉田さんはいますか?」

夫人。
「いないわ、入っても大丈夫よ。」

患者。
「用があるのは医者の方だよ!」
「ふざけやがって!」

夫人。
「私も免許持っていますよ。」
「何を考えたんですか。」

瑚々。
「この地域って変わり者だらけ。」

横から。

彼氏。
「星占いで美人と結婚するって出たんです!」

彼女。
「ひどいわ!あれだけ付き合っておきながら!」

彼氏。
「違うんです!その美人とはあなたのことです!」

彼女。
「浮気しているのね!私を捨てるなんて!」

瑚々。
「いろいろ出てきたから逃げますか。」

走っていると水素ステーションがあったので。

燃料補給。

隣接している車屋に立ち寄りました。

瑚々。
「実用性のある車はありますか?」

車屋。
「セール中のスポーツカー。」
「航続距離とスピードが自慢で。」
「青森まで日帰りできますよ。」

瑚々。
「そこまで遠くに行って。」
「私は何をしたらいいんでしょうか?」

車屋。
「・・・・・・・。」

今日は予定通りに終わり。

時間は過ぎ去りました。

帰宅。

課題を終えて。

小霧。
「本当はどちらが悪いのか?という原因を追究するのは無駄で。」
「逆効果です。」
「仕事や家庭で裁判官なんて要らないのですから。」

詞美。
「人は理性だけで判断し行動しません。」
「感情を利用するものです。」

瑚々。
「感情は手段としてかなり使えます。」
「感情論という。」
「感情表現が目的になったら。」
「それは幼稚な野郎です。」

小霧。
「要するに仕事の取り合いです。」

詞美。
「では最高のスコアを出したら勝ちで?」

瑚々。
「戦果記録頼みますよ。」

両親が驚愕する仕事の速さ。

料理人から習ったり。

ホテルの従業員であった頃の名残。

瑚々のスコアが目立ちました。

詞美。
「強制がある状況で問題になるのは。」
「両者どちらかの力が上なのか下なのかというもの。」

瑚々。
「人というものは全部、一貫している性格ではなくて。」
「相手によってころころ表現を変えます。」

小霧。
「要するに審判は父上と母上です。」

瑚々の勝利で。

妥協。

目的を達成できたのでどうでもよくなりまして。

三姉妹で仕事を取り合うとものの数分で片付きます。

余裕を持ってテレビ。

と言っても何台もありますが。

番組。

海上保安庁。
「おい!ここは遊泳禁止だぞ!」

不審者。
「泳いでいません。」
「俺は漁業をしているんです。」

海上保安庁。
「そうか、それならいいんだ。」

杓子定規を見る。

小霧。
「お姉ちゃん。」
「クッキー食べる?」

詞美。
「頂くわ。」

瑚々。
「今、ケーキ作っている。」

小霧。
「マジ!?」

詞美。
「なんですと。」

一騎当千の三姉妹。

就寝前に住宅街に向かってつぶやく。

あなたのために他人がいる訳ではない。


3


満ち潮には引き潮がつきもの。

夜間の商店街。

ショッピングモール。

ガチャポンを回しまくるお姉さん。

小霧。
「後で悔やむより最初から安全でいるのがよい。」

詞美。
「このランダムな所が好きなの。」

小霧。
「何十回やるのよ。」

詞美。
「今度はこっちのガシャポン。」
「何かいいもの出ろ。」

小霧。
「逃げる勇気がなかったから勇敢だと見なされた者もいる。」

詞美。
「とりあいず上質な工芸品はゲット。」

歩いていると。

知り合いに遭遇。

挨拶。

知り合いが店員に注文していたが。

何度言っても紅茶を運んでこない。

呼びつけて。

知り合い。
「いつになったら紅茶が出てくるのかね。」
「もう十度も注文しているんだぞ。」

店員。
「かしこまりました、すぐですよ、お客さん。」

店員は奥に向かって。

伝達。

店員。
「紅茶を十杯!十杯ね!」

紅茶がたくさん運ばれてきて。

ようやく不具合が露呈。

注文はキャンセルされました。

詞美。
「なんてやつ。」

小霧。
「熟練度が低かったようね。」
「満員なのに忘れたりしたら本末転倒。」

カトリック教会の前を通りかかる。

たまに出てくる貧困者がいて。

いつも困っている人として有名です。

その人が物乞いをしている最中。

詞美。
「あんた、確か先週は目が不自由だったんじゃない?」
「今日は手が不自由ってわけ?」

いつも困っている人。
「はい、その通りです。」
「あれから医者の治療で目が良くなったんです。」
「そうしたら目に入るものがあまりにひどいので。」
「衝撃で両腕を動かす気力が失せてしまったのです。」

小霧。
「それは災難でしたね。」
「次は両腕の代わりにどこが悪くなるやら。」

詞美。
「非常食なら分けてあげますよ。」
「携帯食料。」

いつも困っている人。
「なんという数奇!」

スマホでメールが来る。

帰宅するべく移動中。

小霧。
「昨日の夜、私は友人とその未亡人が一緒に歩いているのを見かけました。」

詞美。
「なんていうものを見るのよ。」

小霧。
「なぜ幽霊の存在を信じないのですか?」

詞美。
「幽霊の存在を信じた日には。」
「商売が成り立たない人々が大勢いるからです。」

小霧。
「ならば幽霊の存在を信じないように努めるべきですね。」

詞美。
「最近は敵勢力の敵対者がいて混戦気味。」
「指定ポイントに向かえって。」

小霧。
「ウィルコ。」

指定ポイント。

ふと見上げると。

仮面をつけてマントで。

軽装鎧を着ている。

ヒーローマン。
「我はこの世界に正義をもたらす。」
「正義の味方そのもの!」

小霧。
「人はおのれの正義のために盲目となる。」

ヒーローマン。
「一人殺せば悪者だが、何百万人も殺せば英雄だ。」

飛び降りてくる。

決めポーズと思いきや。

ヒーローマン。
「ぎゃあああ!足がっ!」

詞美。
「なにやってんのよ!ヘタクソ!」

小霧。
「高低差を考えなかったんですか?」

ヒーローマン。
「嘘つきと人は簡単に言うが。」
「どちらが嘘つきか決めかねることがある。」
「例えば、あなたが郵便箱を指さしながら。」
「中は空っぽだと私に言ったりする。」
「そして私が中を覗いてみると。」
「ヤギ宛ての手紙があったりする。」
「この場合、嘘つきは、あなただろうか。」
「それとも私だろうか。」

詞美。
「自滅しましたね。」

ヒーローマン。
「足を痛めた。」
「今日はよくやってくれたよ・・・。」

横から。

同じような服装の変人。

炎を纏って突進してくる。

ミスタージャスティス。
「ファイヤージャスティスフェニックス!」

回避。

凄まじい突進で。

積み上げられたスクラップが跳ね飛ばされる。

小霧。
「横目で見えるよ。」

詞美。
「少しホーミングが強いかな。」

ミスタージャスティス。
「もう一度!」
「ファイヤージャスティスフェニックス!」

炎を纏って突進するも。

速過ぎて壁に激突。

ミスタージャスティス。
「ぎゃああああ!!」

詞美。
「また自滅ですか。」

小霧。
「敵は他に見当たりません。」

いつの間にかヒーローマンはいなくなっています。

ミスタージャスティスも逃げ出しました。

付近にアジトがあって。

偵察任務は成功です。

帰宅。

成功報酬が増えています。

敵もふざけている奴が多くて。

それがもっとも謎ですね。

次の日。

習慣のランニングをしていますと。

仲間割れした一部がブランコを漕いでいて。

敵兵のリストによく載っているターゲットです。

詞美。
「なんで公園でブランコをやっているの!?」

無暗に仕掛けて大変な事になりそうなので。

交戦回避。

帰還の途中。

下手なのに演奏をしている人に出会ったのです。

チップを要求している様子です。

作曲家。
「どうして突っ立っているのですか?」
「拍手はないんですか?」

詞美。
「それは無理ですよ、欠伸をしていましたし。」
「音楽ではなかったものですから。」

素早く移動。

出勤。

お昼休みに。

いつものお弁当屋さんに行く途中。

ベンチで落ち込んでいる敵兵の姿。

前に見たテロリストと工作員です。

見た目で簡単にわかってしまう。

詞美。
「どうしました?」
「具合でも悪いんですか?」

応答なし。

ただベンチで座って落ち込んでいる。

背後から味方の兵士が仕掛けてきて。

乱闘になってしまいましたよ。

詞美。
「そんなに落ち込んでいるのに。」
「殴らないであげてよ。」

味方兵士。
「俺の獲物だああああ!」

敵兵。
「またか・・・。」

詞美。
「うわっ!そこら辺の会社員と思われているうちに。」
「逃げよう。」

味方兵士が追加されて乱戦。

巻き込まれないように立ち去ります。

最近、見られるブランコの敵兵とベンチで落ち込んでいる敵兵。

なぜかしら?

お店に戻ると。

友人が来まして。

北海道旅行に行ったそうです。

詞美。
「北海道はどうでしたか?」
「土産話をどうぞ。」

友人。
「申し訳ない。」
「なんとも言えない。」
「まだ写真をプリントしてないから。」

詞美。
「そうなんですね。」

同時刻。

農園から離れて散策。

日向ぼっこ。

低山を散歩。

山道。

崖と森林と小川。

瑚々。
「低山を散歩するのは無謀かな?」
「車から離れ過ぎちゃった。」
「いくら機械化しても手間は欠かせないし。」

どこから出てきたのか。

美少年が出現。

接近してくる。

蛇。
「お嬢さん。」
「僕と交際すれば。」
「あなたの望むものはなんでも手に入りますよ。」

瑚々。
「あなたのことはいろいろ知っていますよ。」
「詳しくは言いませんが。」
「それが返事です。」

蛇。
「僕の事を知っている?」

瑚々。
「だから関わりません。」
「どっかへ行ってください。」

蛇。
「イケメンが好きではないのですか?」

瑚々。
「あなたが邪悪な輩なんて決して言わない。」

蛇。
「う・・うわあ!」

美少年発狂。

カマをかけられて正体が露呈し。

美少年から大蛇に戻ってしまう。

瑚々。
「おやおや、適当に弄んでそれですか。」

蛇。
「最初から知っていたのか?」

瑚々。
「登場の仕方があまりに不自然だったので。」

いきなり重力波を浴びせる。

重力で蛇は吹っ飛ばされて。

蛇は逃げようとする。

蛇。
「死ぬー!」

瑚々。
「こんな化け物は殺すべし。」

蛇はあっという間に引き裂かれて。

殴り殺された。

瑚々。
「獲物だ獲物だっ!」

死体を蹴ると消えてしまった。

急いで離脱します。

常備軍の魔法使いが活発で。

情報提供は頻繁に求められますね。

敵勢力も混乱気味で。

複雑な勢力図。

競り合い。

係争中。

いつもの風景に戦いの気配がある。

日常に潜む戦いなのです。


4


山間部。

ドローンに吊るした標的を。

エアガンで射貫く遊びをしています。

小霧。
「今日はよく当てられるわ。」

瑚々。
「動きを読めばあのスピードは無意味。」

詞美。
「操縦士もハイセンスが求められるなあ。」
「下手な軌道では当てられる。」

小霧。
「避ゲーで楽しそう。」

瑚々。
「結婚とか流行していますが。」
「どう思います?」

詞美。
「結婚すると夫に支配されて。」
「色欲の標的になるわよ。」
「妊娠したら出産して。」
「育児という展開ね。」
「メリットがないよ。」
「得るものより失うものの方が大きい。」

瑚々。
「後から知るみたいですよ。」
「世人とやら。」

小霧。
「あんな退屈な催しをよくやるわね。」

詞美。
「中には知っていて突進する女性もいるとは思います。」
「私にとっては自殺行為。」

小霧。
「そもそも巫女は恋とか禁止ですけれどね。」
「永遠の処女しか巫女になれないという噂まであります。」

瑚々。
「非難されるらしいけれど。」
「お前の許可が要るのかよ!ってな感じで退けています。」

詞美。
「世界を動かすのは一握りの天才なのです。」
「凡人には理解できないでしょう。」

帰宅。

久しぶりの休暇。

女子高生の制服を着て。

趣味の散歩に飛び出すお姉さん。

小霧は集めた安い宝石を眺めています。

小霧。
「男性の好みってありますか?」

瑚々。
「ガイウス・ユリウス・カエサルみたいな男性。」

小霧。
「そんな男性が現代にいますか?」

瑚々。
「存在自体が不可能です。」

自宅にあるアロエ。

異常なほど生えていて。

オリーブの木も裏にありますね。

伸びたので。

採取。

調理して薬にします。

住宅地。

制服姿の詞美。

アルバイトをしている敵兵と遭遇。

敵兵は無視してくる。

詞美。
「最近、給料が安いって仲間同士で揉めているのは本当なのね。」

仲間の経営しているビルの屋上。

眺めが良いので。

自撮り。

向こうのビルから太った中年女性がなにやらアピールしている。

察して様子を見ていると。

遠くから幻影の剣を飛ばしてきて。

横転して物陰に隠れました。

敵の中でも三姉妹はそこそこ有名なので。

尾行されていたみたい。

マツコ。
「出てきなさい!」
「あんたを倒せば大金星!」
「スポンサーががっつりつくわよ!」

詞美。
「あなたは雑兵のようですが。」

マツコ。
「来ないならこちらから行くわよ!」

気配があって。

こっち側に渡られて。

大きな棍棒を振り回してくる。

飛び回って。

大きくステップ。

敵からは見えないスピードのようです。

回避。

詞美。
「その程度の力では私に及ばないことを理解してください。」

マツコ。
「あらやだ。」
「すごく強いじゃない。」
「ここはこれを使うわ。」

魔法陣を素早く描いて。

闇霊という幻影の戦士を召喚。

敵の魔法防御力が高いと見て静観。

魔法の法衣はある程度の魔法吸収があって。

射撃は効果が低下します。

登場した闇霊。

きわどい足場まで引き付けると。

闇霊は落下死。

詞美。
「闇霊だから自殺していいと思ったら大間違い。」

マツコ。
「あたしもそう思うわ!」

大きな棍棒で攻撃してくるも。

ひらりと避けて。

格闘で圧倒。

敵にエネルギーを押し当てると爆発。

マツコを跳ね飛ばす。

マツコ。
「おのれくちおしや。」
「武器も持っていない魔法使いですら。」
「この強さとは。」

後ろから中年の太った女性に体当たりしてきた。

得体の知れない男性。

デンプシロールおじさん。
「おおっと!第一ラウンド開始!」

マツコ。
「新手ね!いいわよ!滅茶苦茶にしてあげる!」

デンプシロールおじさん。
「ファイト!」

ボクシングの試合が開始されて。

詞美は観客にされてしまう。

マツコはさっきのカウンターで。

ダメージを食らっていて。

棍棒を落としてしまう。

デンプシロールおじさんが有利。

詞美。
「無謀な相手でした。」

マツコ。
「やられたわ。」

デンプシロールおじさん。
「マツコKO!」

中年の女性を持ち上げて。

そのまま立ち去っていく。

遅れて子分が二人到着。

詞美。
「あんたらの親分。」
「さっき連れていかれたよ。」
「いくら頑張っても給料出ないけれど。」
「大丈夫?」

子分一同。
「なんだとー!?」

子分は詞美をスルーしてデンプシロールおじさんを追跡。

詞美は立ち去ります。

神社参拝のち帰宅すると。

小霧が茶器を眺めていましたね。

瑚々はお昼寝中。

周辺を拠点とする敵陣営が活発のようで。

詞美は警戒。

目覚めた瑚々はコンビニに走り出し。

その途中で敵兵と衝突。

敵兵が吹っ飛ばされて橋から転落。

たまらず催涙ガスを投げてくるも。

仲間に命中して。

ただ通り過ぎただけで大惨事。

手に負えない魔法使い。

精鋭部隊との交戦は避けるので。

瑚々が偶発的に出てきて発狂しているようなのです。

気づかないうちに敵兵を数人撃破。

詞美。
「今度は敵をしっかりと燃やしてあげて。」

小霧。
「遊んでいるほど余裕があるんですか。」

詞美。
「個人的な好き嫌い。」

瑚々。
「なんかコンビニに走っただけで。」
「敵が倒れたって。」

小霧。
「そんなバカな。」

詞美。
「この地域にボスが複数いるらしいです。」
「司令部にも通知しましたが。」
「一時間前に戦いました。」
「難敵でクセの強い奴らですよ。」

瑚々。
「では倒したのは雑魚だったかな。」
「成功報酬が増えてなにより。」

小霧。
「力には序列があるとは言いますが。」
「中途半端な敵兵ばかりいて。」
「武器を乱射するので迷惑ですね。」

詞美。
「この地域にメンバーが集まっていて。」
「掃討作戦があるって。」
「敵もこの地域に集まっていたから。」
「どうりでどこにでもいるわけです。」

瑚々。
「今回は味方側が貰って行きそうですね。」

小霧。
「精鋭部隊が複数いると。」
「手柄の見込みは無さそうね。」

詞美。
「しばらく交戦は避けましょう。」
「今回は参加しなくてもいいそうですし。」

本来は偵察兵の三姉妹。

今回。

華族の猛者達。

人々が知らない所で知らない間に。

テロリストや工作員を排除していました。

大事件になると市民に被害が出るので。

ステルス対ステルスは短期決戦になるようで。

いつの間にかとある日のニュースで。

大戦果で大勝と発表されて。

治安の悪化が止まりそうです。

とりあいずこの地域の戦乱は終息ですね。


5


賢者は考えを変えるが、愚者は変えない。

内部から民衆を惑わす。

扇動者。

専制政治の成立を企んで。

少しずつじわじわと攻めている最中。

廃屋で密会する組織の者達。

オーエンデ。
「おお!やめろ!」

ヒーローマン。
「あんまりにもゆっくり事を行うので。」
「誰も気が付いていないようですね。」

ジャスティスマン。
「時間をかけて実行するので。」
「時間をかけるあまり。」
「ついてこれない部下がけっこう出ています。」
「これは苦情をまとめた書類です。」

ヒーローマン。
「全部読んでくださいね。」
「若者は何十年も待てるものではありませんから。」

オーエンデ。
「おお!やめろ!」
「老人だけでやろうとしているのだ。」
「貴重な手駒が脱落しては元も子もない。」

ジャスティスマン。
「持久戦なんてやらずに。」
「まともに動いて欲しいものです。」

オーエンデ。
「一気に破滅させることはできないので。」
「ちょっとずつやろうと言うのだよ。」

ヒーローマン。
「全員が忘れた頃に攻めようだなんて。」
「そこまで遅延するとやはり油断しているでしょうね。」

オーエンデ。
「それでも勝算がある駆け引きなのだよ。」
「もう何年も温めていた計画なのだが。」
「もう時間がないらしい。」

まるで成果なしの敵陣営。

失望して去っていく人員が多いようで。

一部は投降しているほどです。

いつものニュース。

敵勢力が少しずつ自壊する様子が公開されていますね。

小霧。
「人はいろいろ考えます。」
「そして神々は導きます。」
「人が手の平を返す暇もなく。」
「私達の境遇や願望は思いがけず変わってしまいます。」

瑚々。
「人の未来予測は何も行動しなかった場合のみ成立するでしょう。」
「決まっているのではなく。」
「未来は自分で作ることができるのです。」

詞美。
「行為によって未来は変動しますからね。」
「未来予測は換言すれば預言の分類です。」
「本当に預言ならば必ず当たります。」
「当たらない預言は預言ではありません。」
「本当は特定の未来に誘導するために。」
「決まっているように見せているのです。」

小霧。
「未来のそこに誘導しますよ。」
「という作戦なんですよね。」

瑚々。
「逆に言えば予想した未来に誘導するために。」
「自由を奪おうとする作戦。」

詞美。
「他の選択肢や可能性を奪おうとする。」
「計略が未来予測ですので。」
「そもそも根拠や論拠なんて乏しいのです。」

小霧。
「問題なのは確信してしまうこと。」

瑚々。
「予言の自己実現を本人に迫るのですよ。」
「未来の予言を本人に達成させようと迫る計略。」

詞美。
「そこには自分が未来を構築できるという。」
「積極的な姿勢を否定している考えがあります。」

小霧。
「要するに未来予測とは誘導であって。」
「信じた本人をそこに誘導するものです。」
「他の選択肢や可能性を排除して。」
「ワンパターンな思考や行為しかできないように仕向けるのです。」

詞美。
「いつだって半分は操作して。」
「半分は自分で変更できるというのは忘れないで。」

瑚々。
「全部はおもうさまになりませんが。」
「半分は必ずおもうさまになります。」

小霧。
「その半分は自分で決定できますので。」
「半分は放棄して。」
「もう半分に物を言わせるべきですね。」

詞美。
「必ず半分は自分のものですから。」
「もう半分は無視しても良いのでは。」

小霧。
「真実と誤謬を同時に教えて。」
「誤謬に加担してしまうことがよくある。」

瑚々。
「本物の自由主義者は。」
「自分の使いこなせる手段によって。」
「いつもできる範囲で良いことを実行しようとする。」
「しかし必要悪を力ですぐに根絶しようとはしない。」
「彼は賢明な進捗を通じて。」
「少しずつ社会の欠陥を取り除こうとする。」
「暴力的な方法によって。」
「同時に良いことを駄目にするようなことはしない。」
「彼はこの常に不完全な世の中においては。」
「時と状況に恵まれるものですし。」
「良いものを獲得できるまで。」
「ある程度の善で満足するのです。」

小霧。
「可能な限り善なるものを選べとか。」
「可能な限り良いものを得るとか。」
「可能な限り賢明でいるんだとか。」
「そういう教えもあります。」

詞美。
「天才を知るものは天才のみ。」

瑚々。
「才能って何なのか。」

小霧。
「本物の才能を持っている者達は。」
「ほんの少し指導を受けたくらいで。」
「なんでもできるようになる。」
「練習をしていない間にも。」
「内部で進歩を遂げている。」

これは。

深夜の出来事。

夜間は。

趣味をしている余裕があります。

瑚々。
「世の中を個人的に見回せば。」
「誰もが利己主義に見えるでしょうね。」

小霧。
「誰もが見た目はエゴイストに見えるでしょうよ。」

瑚々。
「お互いにエゴイストに見えるのに。」
「互いを尊重するのは簡単では無さそうです。」
「お姉さんはどう思いますか?」

詞美。
「勝手にフェアプレーだと思って卑劣な手を使うのは。」
「道徳を利用しているとしか思えない。」
「フェアプレーが可能なような人物は現代にはいません。」
「今のご時世。」
「フェアプレーをするには誰もが早すぎます。」
「背伸びです。」
「フェアプレーはよく説かれますが。」
「無視されるのがほとんどです。」
「勝手にフェアプレーだと思っているに過ぎないので。」
「いくら説かれても。」
「彼らには早いですよ。」

小霧。
「彼らは彼ら自身を正しいと思い込み。」
「こちらも自分を正しいと思い込み。」
「この理屈では平等主義なのか。」
「勝敗なんてあるものではない。」

瑚々。
「正論だと思います。」
「もっとも。」
「世間に対して正論を言おうだなんて思いません。」

詞美。
「死刑囚が抹殺されるのを見た。」
「トルストイは言った。」
「これは悪い事だ。」
「心の底からトルストイは言った。」

小霧。
「多数決で善悪や正否が決まるのならば。」
「あの有名な背後世界に基づいて判断して。」
「その背後世界が多数決という訳の分からない理屈でしょうか。」

詞美。
「醜悪な対象を美化するのは失敗。」

瑚々。
「信じるばかりで。」
「無批判なのは害悪を蒙りますよ。」

詞美。
「その場合、推奨されるのは論拠です。」
「自分の持論を裏付ける証拠を集めたほうがいいですよ。」

小霧。
「自分の仮説を裏付ける証拠はかなりありますので。」
「探しておく価値はあります。」

瑚々。
「道理にかなっている持論だと思ったならば。」
「既に証明されている場合もありますので。」

詞美。
「私の場合は女性の美というものを。」
「少女の頃から古典に探し求めているもので。」
「若いうちに完結したいものですよ。」

小霧。
「女性にも美学があるものです。」

瑚々。
「芸術の極みはクラシックな部分にあります。」

詞美。
「古典文学とかにもヒントがあります。」
「現代文学は多様性文化が入っています。」
「でも内容は安っぽい。」

小霧。
「裏付けられた持論ではなくて。」
「自説を?き出しに書いてしまっているから?」

瑚々。
「小説を書くなんて。」
「文字が書いてあるだけでいいので。」
「本当に小説を書こうと思うのならば。」
「びっしり文字が書いてあればいいんですよ。」

詞美。
「美学は綺麗事ではないよ。」

小霧。
「誇張するのも美学ではないです。」

瑚々。
「美は装飾でもあるし。」
「幸福に関係しています。」
「芸術の世界は希望と幸福が一貫している。」
「これが芸術による装飾です。」

小霧。
「文学や芸術はモラリストがよくやるもので。」
「モラリストは創作が好きであり。」
「文学や美術の世界にはモラリストが多いね。」

詞美。
「モラリストが文化人と呼ばれるに値しませんか?」

瑚々。
「モラリストの傾向が強い人が書いた作品のほうが美しいですよ。」
「これは確認しています。」

小霧。
「才能のある者同士で争っている場合が多いものですが。」
「争いが望みで才能という話をするのなら。」
「否定されて当然かと。」

瑚々。
「それでも。」
「各分野の定員が埋まっている所を見るのが大好き。」
「成功した上でさらに展開を続ける。」
「しかし私の場合は成功してしまったり。」
「有名になってしまったら取り返しのつかない状況になる危険がある。」
「後の事は考えていないので。」
「成功したり有名になったらその後に何をしたらいいのか。」
「無計画。」

詞美。
「とある作家が他の作家を顧みない態度で批評して必死でしたが。」
「その人の書籍を読んでみると。」
「あまりにつまらないものなので。」
「へーっと思った。」
「あんな書籍がよくあるものだなと。」
「ああいうものが美学だと思っている事なのかしら。」
「さりとて自分の事は棚に上げたいのだとしたら。」
「言っていることとやっていることがとても違っているよ。」

丁度いいところで定時になりました。

三姉妹は寝床に移動。

両親が寝ている深夜にも活動していますが。

十一時過ぎを限界に定めています。

戦争になって初めて平和が何であるか知った人々は。

考えを変えていますね。

小なる過ちを正すことのできないものは大なる過ちを制御できない。


6


愚問には愚答が返る。

お買い物に出かける三姉妹。

玄関の周辺にて。

詞美。
「好きな女性とかいる?」

瑚々。
「目の前にいるでしょ。」

詞美。
「まあ!女の子同士で好きな事するの?」

瑚々。
「あなた以上の女性なんていませんもの。」

詞美。
「妹に告白された!」

瑚々。
「素敵な女性と言えば。」
「他にいるとは思えません。」

詞美。
「そこまで好きなら。」
「いろいろしようよ。」

瑚々。
「普段からやっているじゃないですか。」
「尋ねた動機論は?」

詞美。
「趣味が同じだから。」
「男性よりも女性の方が好きです。」

瑚々。
「意見が一致しましたね。」
「このようにいろいろ公明正大であって欲しいものです。」

詞美。
「名実あい伴う。」
「評判と実際とが一致している。」

駅で魔女狩りのナノが陽動作戦。

花火を爆発させて。

駆け付けた魔法使いを狩ろうとする。

対魔法使い兵科。

着ぐるみでビルの上で見物している三人組。

オーエンデ。
「もう我々くらいしかまともな戦力はないぞ。」
「やられるなよ。」

ジャスティスマン。
「魔女狩りのナノが最近、唯一の戦力とはね。」

ヒーローマン。
「最後に対地ミサイルを使い捨てにして。」
「本国に退却するのだが。」
「これでは内側から揺さぶる。」
「市民への動揺が誘えそうもない。」

オーエンデ。
「簡単に戦力を投入すれば。」
「解決できると思われているからね。」

ジャスティスマン。
「数で勝てないので。」
「遠くから見ているかな。」

オーエンデ。
「弓矢で狙われていますよ。」

ジャスティスマン。
「えー?なんですと!?」

遠くから。

化け物と思って射撃。

小さな弓矢。

小霧。
「石に立つ矢。」

コンクリートの壁を貫通。

とっさに撃ち込んだ。

ヒーローマン。
「誰だ!?逃げるぞ。」

小霧。
「あいつらですか。」

追跡で逃げ遅れた三人組。

オーエンデ。
「おい!俺達は怪しい者ではない。」
「決して怪人だとは思わないでくれ。」

小霧。
「一文惜しみの百知らず。」
「目の前の僅かな損害にこだわって。」
「将来の大損を考えない。」

オーエンデ。
「しまった。」
「逃げられない。」

ヒーローマン。
「ひとりか?」
「どうにかできるか。」

ジャスティスマン。
「魔法使いの系統は一騎当千だから侮るな。」

小霧。
「石が流れて木の葉が沈む。」

石が木の葉のように散らばって。

散弾銃のように吹き飛ばされ。

攻撃。

三人組が防御する。

オーエンデ。
「クロスボウを食らえ。」

小霧。
「物事があべこべになっているたとえ。」

小型クロスボウを手で弾いて。

跳ね飛ばされた矢が跳弾する。

小霧。
「ごまめの歯軋り。」

手から出した粒が三人組に襲い掛かる。

小爆発を繰り返す。

オーエンデ。
「あんな遠くから狙撃されている。」

ヒーローマン。
「中距離から一方的に攻撃されています。」

ジャスティスマン。
「間合いが遠過ぎてこちら側は不利です。」
「下がりましょう。」

オーエンデ。
「吹き矢はどうだ。」

小霧。
「力が弱くて能力が劣っている者が。」
「いくらきばってみても無駄。」

吹き矢はシールドを展開して無効化されます。

ジャスティスマン。
「吹き矢が弾かれていますよ。」

ヒーローマン。
「正面からだとシールドで防がれてダメだね。」

三人組は逃走。

小霧。
「同日の論ではない。」
「まったく違うことで、比べ物にならない。」
「違い過ぎて同じ日に論ずることができない。」

戦闘終了。

商店街。

新商品の偵察。

常に更新されるマーケット情報を収集。

詞美。
「愚かな売り手よりも愚かな買い手のほうが多い。」

瑚々。
「再考は最良案。」

小霧。
「可能性を1000集めても、1つの真実もつくれない。」

詞美。
「先ほど、戦闘があったとか。」
「今回も無傷ですね。」
「実力?」

小霧。
「暗中飛躍。」
「けっこう多いよ。」

瑚々。
「ひそかに動き回って。」
「何かを企む。」

詞美。
「悪行を正当化する輩もいましたが。」
「悪を正当化するのは無理がありますよね。」

小霧。
「英語のことわざ。」
「過ちを正当化すると過ちが二倍になる。」

詞美。
「単騎で突撃して生き残るのは勇猛なもんです。」

小霧。
「敵が弱過ぎるんですよ。」

瑚々。
「さて、合流しましたし。」
「ドレスとか着ますか?」
「旅道には憩いも必要ですから。」

小霧。
「中世のドレス?」
「女性は誘惑に弱いもの。」
「例えばお菓子とか。」

詞美。
「次のルートに入っていますよ。」
「無計画で徘徊したことはないのですし。」

瑚々。
「戦場の乙女が可憐なドレス。」
「屍と花畑が広がる。」
「舗装された馬車で。」
「血と王冠と宛先の旅路。」

詞美。
「今日も旅の一部。」

瑚々。
「人は、生まれてすぐ死への旅を始める。」

三姉妹。

装飾品を探し回ります。

最近は宝石を使ったアクセサリーを作っていて。

材料集めです。

中クラスの価格で宝石のアクセサリーが姉妹共通の趣味で。

掘り出し物が多くて。

大収穫となりました。


7


三姉妹は最盛期。

お姉さん。

コスプレ衣装も取り扱っていたり。

廉価版の衣装もあり。

複合的な商店として経営しているためか。

珍しい服目当てに来るお客さんがたくさん。

詞美。
「商売は迎合されると有利。」
「簡単な力量によるもの。」

ボーイフレンド。
「男性のコスプレ衣装も取り扱ってくれてなにより。」

詞美。
「お客さん優先で展開していますので。」
「それと迎合以外にも。」
「立地条件や需要にも左右されます。」

ボーイフレンド。
「宣伝は普遍的な戦略ですよね。」

詞美。
「売り場を定期的に観察して。」
「実際に売れるものだけ前に出して。」
「売れないものは何なのか調べます。」
「そもそも棚の構成も合理的にして。」
「袋小路なんて作っていません。」

ボーイフレンド。
「雰囲気が良いですからね。」
「常に修理して。」
「デザインも綺麗。」
「見た目で判断しても充分に顧客が満足しますよ。」

詞美。
「私の場合は細部に注目し。」
「商売が我流ではなく。」
「きちんと習ったものです。」

ボーイフレンド。
「商売の専門家とかけっこういますからね。」
「前に見たことがあります。」
「レストランでこんなの家庭料理の味であると非難して。」
「これでお金を取るなと。」
「一流の味というものを教えていましたよ。」

詞美。
「少女の頃に実力派の皆さんから。」
「徹底的に叩き込まれたので。」
「何が違うのかすぐにはわからないでしょう。」

開店。

玄人から習った商売スキルは思う存分発揮されています。

我流の商売がもっとも下手なものです。

現在も玄人からの模倣で成立。

山間部にて。

農園で。

作業中。

瑚々。
「十回道を尋ねるほうが。」
「何回も道に迷うよりマシ。」

小霧。
「農家というのも気楽でいいですね。」
「農家が減ったので参入が容易です。」

瑚々。
「幸運に頼るのは良いこと。」
「幸運に協力するのはもっと良いこと。」
「奇跡を願うのも良いこと。」
「奇跡を頼るのはひどく駄目なこと。」

小霧。
「今回も収穫が多いものです。」
「譲り渡された農園も今では宝の山。」

瑚々。
「自分の代で終わる老夫婦。」
「名乗り出たら今ではこんなに収穫がある。」
「仕事が速いので広くても一人でなんとかなる事が多いし。」

小霧。
「お姉さんは無駄な動きをしませんからね。」

補給物資。

補充。

少し手伝って。

いつもの場所に向かう。

小霧。
「神が与え給うたものを拒むのは罪である。」

神職。
「最短の答えは、行動することである。」

小霧。
「人生で最上のものは、タダである。」

神職。
「人の世で公明正大の士に出会った時が最も感動する場面。」

小霧。
「私のことですか?」
「公明正大の士と言えば。」
「芸能人や起業家とかが勝利するのは。」
「成功したから凄いのではなく。」
「最初から優秀。」
「能力で圧倒して勝利してしまうんです。」
「能力が高い人材ならけっこう見かけますが。」
「桁外れな人物が余裕で勝利してしまっているんですよ。」
「手品のタネはそこら辺にあります。」

神職。
「見た目は贔屓に見えるでしょうけれど。」
「他の誰かにやらせたら上手にはできませんからね。」

小霧。
「そこら辺のを連れてきて芸能人をやらせるなんて言ったら。」
「あまりに馬鹿げた話ですから。」
「所で、運命が敗北する姿を見たくありませんか?」

神職。
「そんなことがあるので?」

小霧。
「オデッセウスのような智謀と。」
「勇敢を兼ね備えて。」
「なおかつ武勇に優れていれば。」
「運命は撃破されます。」
「運命は動きが読まれるとまるでダメで。」
「人の出生はデフォルト状況からの計略ですから。」
「生まれた状況が大人にまで影響する。」
「唯物論な展開なのです。」
「運命を嘲笑して軽蔑すれば直接ダメージを与えられますし。」
「運命論を倒せるのはオデッセウスのような人物くらいです。」

神職。
「なるほど、運命というものは設定であって。」
「生まれた瞬間の設定がそのまま後に反映される。」

小霧。
「その設定を崩したり覆す。」
「運命を逆手に取った作戦です。」
「逆説的に言えば。」
「運命論は設定の内容で。」
「人生の筋書さえ阻止すれば。」
「筋書の内容が運命である以上。」
「不死身ではないというものです。」

神職。
「運命の正体が生まれた瞬間からの。」
「筋書という設定とはね。」
「逆説的に言うとそうなりますかな。」

小霧。
「綺麗事がテレビで頻繁に出たりすると。」
「それだけ世の中の具合が悪いという意味で。」
「綺麗事で無理に世界を良く見せているのです。」

神職。
「オンリーワンが叫ばれるのは個人というものを持っていないから。」

小霧。
「平和平和と連呼されるのは戦争の危機が蔓延しているので。」
「戦争を阻止しようと広めていたりします。」
「敵国の大義名分を弱めようと事前に抵抗しているんですね。」

神職。
「恋ばかり意味があると主張されるのは。」
「恋しかやることがなくて。」
「女性にまともな行いをされたくない。」
「男性の工作とか?」

小霧。
「それだけ娼婦になって欲しいとか。」
「コントロールが目的です。」

神職。
「出生も興味深いですが。」
「逆説的に調べるのが近道ですな。」

小霧。
「共和制を悪く言うのは。」
「民主主義ではなく共和制が世界の普遍的な政治形態ですので。」
「強くて優秀な政治が成される場合は。」
「権力の暴走と称して叩かれたりします。」
「その状況では権力が物を言っているので。」
「権力を悪く言って少しでも弱めたり。」
「抵抗しているんですよ。」
「構図を逆転させて強者を弱めようとするのは。」
「ルサンチマンによる工作でよくあるもの。」

神職。
「弱体化が狙いでしたか。」
「逆説的な言い回しはわかりやすく。」
「この世にあるものを言うので。」
「作り話なんて言えませんね。」

小霧。
「この世にあるものしか言いませんけれどね。」

父親の友人との会話を楽しむ。

女性は劣っているのではなく。

社会的な強制によって。

無理に作られた立場であり。

経験や教育の機会を奪っておいて。

女性は無能だと指摘する自作自演。

女性に低くて悪い立場を強制したのに。

それでおいて男性は女性を問題視する。

そして男性はそれにとっくに気づいています。

女性の立場は今でも外部から強制されたものです。

夕方になって。

司令部からの依頼。

三姉妹は目的地に移動。

詞美。
「乙女ジャンヌは宗教裁判に入るはずなのに。」
「通常の法廷に入れられて憤慨していたよ。」
「法は尊んでも裁判官は尊ぶな。」

瑚々。
「自然災害は人権なんて無いものと見なしているようですし。」
「災害を法律で裁くことはできません。」
「矛盾を矛盾で埋めることはできないよね。」

詞美。
「半分の真実は、往々にして真っ赤なウソ。」

小霧。
「六法全書に。」
「この法律の内容は全部嘘である。」
「という文を書いておきました。」
「六法全書にこう書いてあるので。」
「法律は全部嘘でしょ。」

詞美。
「うん、確かにそう書いてあるので。」
「そうなるよね・・・。」

瑚々。
「タクシーに乗った友達。」
「メーターが所持金を超過して。」
「持ち合わせが少ないからと。」
「一キロメートル戻ってくれと運転手に頼んだ。」

詞美。
「うん、私からも。」
「男性が浜辺で水着の女性に関して。」
「友人に意見を問いました。」
「あの色気のある人はどうなのかと。」
「友人はお前と同じ意見だよと言いました。」
「いきなり男性は。」
「お前とかいう男は最低だ!」

小霧。
「生徒がお嬢さんの態度が悪いと父親に伝えました。」
「どういう教育をしているのか知りたいと言われたので。」
「父親は母親についての評価が欲しいと返事しました。」

瑚々。
「親戚の子供の言い訳を遠くから目撃。」
「父親がテストの点数が悪いと子供に言いました。」
「どんな言い訳をしようというのですか。」
「子供は。」
「今迷っているんだけれど。」
「環境のせいにしようかな。」
「遺伝のせいにしようかな。」
「どちらでいいかな?」

詞美。
「それってどこかで見た内容。」

小霧。
「実際に見た実話なんですよ。」

瑚々。
「多くの真実が冗談で語られる。」

詞美。
「反対に嘘は理屈ばかりです。」
「真実が複数あったらそれは嘘ですから。」

瑚々。
「後から理屈をつけたりしても。」
「複数の理屈がある時点で嘘つきです。」

小霧。
「ウソには7つのバリエーションがあるが、真実には1つもバリエーションがない。」

瑚々。
「英語のことわざですね。」

小霧。
「幸運はガラスでできている。」

詞美。
「いつもの偵察任務ですが。」
「敵が少ないので。」
「倒してもいいそうです。」
「唯一の敵勢力ですので。」
「奇襲しましょう。」

中古の物件。

あまり人がいない場所にある。

敵のアジト。

オーエンデ。
「幸運のかたわらに不運が立っている。」

ジャスティスマン。
「群れるだけでは仲間はできない。」

ヒーローマン。
「良い指導者がいたら指導者になろうとしないこと。」
「悪い指導者がいたら自分が指導者になるべし。」

チャイム。

誰かと思って三人組が扉に来る。

詞美。
「犬のように強い存在が二人いれば猛獣も倒せる。」

三人組は逃げ出しました。

遠回りして。

逃げたフリして。

背後から襲撃しようと試みたようです。

先読みして阻止。

遠距離で対峙。

瑚々。
「投降した方が身のためですよ?」

オーエンデ。
「そうかもしれないな。」

ヒーローマン。
「今回は勝たせてもらう。」

ジャスティスマン。
「前のようには行かないぞ。」

側面から。

飛び出した小霧。

おしゃべりで動きを止めて時間稼ぎ。

思い切り作戦にはまった敵三人組。

射程内。

小霧。
「銀河津波を受けよ!」

銀河津波が炸裂。

塵とプラズマを混ぜて。

X線と相互作用した瞬間。

波となり。

放射線が付加されて。

渦となって敵を襲撃する。

少しチャージしてから放つ。

高威力で消費MPが少ない。

直線的な上に範囲が広い。

弾速もかなりのもの。

銀河津波は威力を弱めて使用することも可能で。

最強の威力に決定してしまうとMPを使い切ってしまう。

手練の魔法使いが頻繁に使う技。

オーエンデ。
「ああそういうことね。」

ヒーローマン。
「シールドが壊されて直撃です。」
「負傷しました。」
「囮になります。」

ジャスティスマン。
「次の攻撃で全滅です。」

瑚々は重力波を浴びせて。

三人組を吹っ飛ばして。

戦闘不能にしましたよ。

武装警察が予定通りにやってきて。

三人組を捕虜にして。

付近を荒らしていた敵勢力は全滅です。

詞美。
「とりあいずは片付きましたね。」

瑚々。
「治安も回復するでしょう。」

小霧。
「同調した模倣犯も多かったものですし。」

瑚々。
「新手が出現しないうちに立て直せるといいけれど。」

詞美。
「同調しているか同調していないかで決められる。」
「私刑も多発していますけれどね。」

成功報酬が支払われて。

潤いましたよ。

賞金が高かったのです。

戦果を報告して。

武装警察は後は任せろみたいな事言っています。

帰宅。

小霧。
「真実は強く、すべてに勝つ。」

詞美。
「英語圏の教えは最強。」

瑚々。
「神は自ら助ける者たちを助ける。」

詞美。
「それは元々、イソップ童話の教えですね。」

小霧。
「時は飛び去る。」

瑚々。
「そうですよ。」
「摘めるうちにバラのつぼみを摘め。」

詞美。
「死ななくては、天国に行くことはできない。」
「英語のことわざ。」

他の魔法使いはかなり倒れて損害が出ているようです。

三姉妹は連携と個々の強大な力があるので。

敵の将校クラスもあっさり撃破できたのです。

敵も強ければこちら側はもっと強いのです。

正義対正義の構図に持ち込まれてしまっていますが。

最もふさわしいことをすれば、神も最善を尽くしてくれる。


8


いきなり発生した乱闘。

盗み撮りした妹に姉が抗議。

この前は勝手に添い寝したので。

いやらしいことをされた瑚々です。

詞美。
「デジカメで私の下着姿を撮るなあ!」

瑚々。
「性的に弄られたいでしょ。」

詞美。
「一度も言っていないよ!」

小霧。
「行為の善悪否定論。」
「行為には善悪などない。」
「だから因果関係もない。」
「何にも関係性はない。」

瑚々。
「インド哲学ですか。」
「本当に善悪を見極められたら誰も苦労しません。」

詞美。
「妹にスカートめくりは新鮮ではないなあ。」

瑚々。
「やだ!なにするの!」

詞美。
「また私の破廉恥な写真ばかり貯めて。」
「SDカード返せー!」

小霧。
「両方の視点から見ると。」
「両方正しいこともあり得る。」
「スヤード論。」
「この視点から見るとこうであろう。」
「という前置きが必要。」

詞美。
「ちょっと襲っていい?」

瑚々。
「強引に抱きしめてみなさい!」

小霧。
「快楽と苦行は必要なし。」

瑚々。
「なにするの!」
「ひゃあっ!」

詞美。
「気持ちいい?」

瑚々。
「うわっ!なんてことを。」
「えいやっ!」

詞美。
「うわっ!」

乱闘状態。

両者ふざけている。

わざと攻撃を食らったり。

やらせてみたり。

反撃したりと。

遊びまくる。

小霧。
「哲学者は考えるだけだと思う。」
「しかし中には実行力を持っていて。」
「論説を打ち破ってから実力行使する哲学もある。」
「攻撃の準備が徹底しているし。」
「すぐに攻撃して制圧していた武士よりも強大で。」
「その場で終わらせる武士は手っ取り早いも。」
「影響力となって残り続けて永続する哲学はもっと強い。」
「さっさと日本刀で真っ二つにする方が早い案件ばかりある。」

詞美。
「しまった!」

瑚々。
「強引にやらせて・・・どう?」

詞美。
「体を弄られる・・・。」
「ちょっと!呑気に観察していないで。」
「なんとかしなさいよ!」

小霧。
「申し訳ありません。」
「ちょっと手が離せないので。」

詞美。
「うわーっ!わかった!」
「押さえつけられて動けないわ。」
「好きにしていいわよ。」

瑚々。
「待って!これ手を離したら何されるかわからないよ!」

小霧。
「ギリギリで抑えたので。」
「次に仕掛けられたら分が悪いかと。」

瑚々。
「うわーん!なんとかしてー!」

小霧。
「申し訳ありません。」
「ちょっと手が離せないので。」

詞美。
「なに撮影してんのよ!」

小霧。
「申し訳ありません。」
「ちょっと手が離せないので。」

瑚々。
「漁夫の利!漁夫の利!」

詞美。
「お互いに好きにしたいのだから。」
「離せない!?」

瑚々。
「ここでやめるわけには・・・。」

小霧。
「あのー。」
「賄賂をくれれば助太刀しますよ。」

瑚々。
「冷蔵庫に作ったケーキがあります。」

小霧。
「ではお姉さん覚悟してください。」

詞美。
「うわーん!二対一でも頑張るもん!」

お姉さんは手加減していたらしく。

掴まれた状態で抜けて。

投げて。

乱闘が再開。

どっちが好きな事が出来るかの勝負らしいです。

激しくなったので。

自主的に辞めました。

詞美。
「お姉さんを襲うなんて強欲!」

瑚々。
「妹を襲うなんて強欲!」

小霧。
「私は狙わないんですね。」

詞美。
「色気が無くて慎ましいから。」

小霧。
「私は男性みたいな女性ですからね。」
「当たり前ですかね。」

瑚々。
「それで色っぽい私が狙われた。」
「女性に襲われるのもなんか面白いよ。」

詞美。
「私は意外とやられるのが好きなのよ。」
「久しぶりに強姦ごっこして楽しかったわ。」

小霧。
「散らかった生活必需品は片づけておきますね。」
「かなりはしゃいでいました。」

瑚々。
「相性の法則で。」
「抜群な三姉妹というのも素敵。」
「また襲ってね。」

詞美。
「また仕掛けなさいよ。」
「次は破廉恥な技ばかり仕掛けてやるわ。」

小霧。
「現代アドラー心理学の相性の法則。」
「調和しているのは珍しいかな。」

瑚々。
「出生は神ではない。」

詞美。
「出生の神格化は誤り。」

小霧。
「出生は神様では無いです。」
「出生を試してみればすぐ理解できるものです。」

三姉妹でハグ。

お風呂に入っている時に撮影されたんですね。

奇襲攻撃で慌てていました。

寝室に入り。

人の世の異常事態に気がついたのですが。

知らないフリをしている小霧。

周辺の工作員を片付けて。

ひと段落しているうちに。

何やら気配がしていて。

正体がまだ分かりません。

水を飲みに。

部屋を出た途端。

詞美に頭をナデナデされる小霧。

詞美。
「可憐だけれど血の匂いがする。」

小霧。
「みねうちを練習していたので。」
「数人しか死んでいないと思います。」

詞美。
「女性が何でも裏切る姿は素敵。」
「利己的な女性はもっと好き。」

小霧。
「私はある程度は利己主義者ですよ。」
「利他的な部分はありませんし。」

詞美。
「ゲームの攻略本みたいに薙ぎ倒す姿も素敵。」

小霧。
「力で解決できるものは多いものですよ。」

詞美。
「いいことしない?」

小霧。
「いいえ。」

詞美。
「それは残念。」
「きゃー!?」

小霧。
「さりげなく触るなー!」

小霧は詞美を持ち上げて落としたっ!

詞美は落下ダメージ。

しかし平気で起き上がって寝室に戻りました。

基本、ふざけている所がある三姉妹。

ちょい百合が趣味らしくて。

自分の言う事を聞かない男性が嫌いで。

女性の方に関心が向いたのがきっかけ。

やりたい放題やるので毎回、乱闘になり。

接戦になって決着がつかない場合が多いものです。

このいかがわしい遊びは最近増えましたね。

お姉さん達は女性と交際すればいいのでは?と小霧は思っています。


9


巡礼を繰り返す三姉妹。

今回も近所のお宮に参拝。

鳥居の前。

瑚々。
「霊感に打たれて。」
「私はいつも困っている人になっている気がした。」

小霧。
「決定的な真実が出てこなくても。」
「悩みはいくらでも軽減することができるもの。」

詞美。
「いつかの中年の教師にお年頃の女の子が考えうるものを。」
「いくらでも並べてみたら。」
「私も若いころはそう思っていたのよ。」
「こう返されて萎えました。」

瑚々。
「男性も割に合わない世界に足を踏み入れたものですね。」
「競争率は高くて。」
「強者が当然で。」
「敗北は許さないという男性の掟。」
「失敗すれば下に落とされてしまう。」

詞美。
「男性は熾烈な闘争の中に放り込まれます。」
「最初から生存競争なんですよね。」

小霧。
「女性は従順ならば迎合されますが。」
「裏切ると敵が出ます。」
「力で制圧するか戦って倒すかです。」
「それでも敵対者が湧きます。」
「いくら出ても弱者の群れですが。」
「優秀な男性にはスルーされます。」

詞美。
「男性を過大評価する女性ばかり見てきました。」
「言われるほど強くありません。」
「腕力は役に立たない。」
「最後に倒れている方が負けなのですから。」

小霧。
「人間の世界は攻略本みたいなものがありますし。」
「分が悪い賭けとは言えません。」

瑚々。
「比喩になりますが。」
「後ろから木刀でいきなり攻撃されて。」
「卑怯だと非難するのは馬鹿みたい。」
「戦場だと死んでいるので。」
「負け惜しみですよ。」

詞美。
「戦いにおいて汚い手を使った者が優遇されるもの。」
「武士道を勘違いしているからです。」

瑚々。
「理性があるのか無いのか。」
「馬鹿に付ける薬はない。」

小霧。
「私は穢れた事や物をかなり嫌います。」
「雰囲気として隠せない。」
「表に出てしまう。」
「接近すれば不思議な感覚で穢れが見えてしまう。」
「穢れが酷いと醜い人間になってしまう。」
「醜い人間は穢れも酷い。」
「誰でも穢れている部分があるので。」
「察知できる。」

詞美。
「穢れが酷いほど倫理学からして。」
「おかしな事や汚らわしい行為。」
「とにかく醜い点が目立つ。」
「時には言い分が意味不明。」
「理解不能だったりするのは。」
「心の醜悪な部分が言動や行為。」
「思考に影響を及ぼしているから。」
「穢れている時点で醜いので。」
「嫌いになって当然。」

小霧。
「何か美しいものを見るまで。」
「何か清いものを見るまで。」
「自分でも気づかない。」
「理論や理屈では理解できないので。」
「むしろ理屈が多いほど穢れている。」
「ある程度の穢れはまったく見えないもので。」
「清浄な人も見分けがつかない。」
「どちらかと言うと行いも言動も醜悪で。」
「品性というものをまるで持たない者は無条件で危険です。」

瑚々。
「穢れ落としの神様に参拝した人達は。」
「穢れについての理解を深めます。」

小霧。
「他人の言動がおかしかったり。」
「解釈が歪んでいても。」
「皆、自分が正しいと思っていたいので。」
「よくある話でもある。」

詞美。
「みんな、自分が正しいと思いたい。」

瑚々。
「自分が善人であるとアピールするのは卑劣な行為。」

小霧。
「自分は善人であると主張するのは。」
「自分が聖者だと大言壮語しています。」

瑚々。
「常識人だと名乗る者は逆説的に言えば。」
「常識人だから何でも正当化すると公言しています。」
「自分で善良市民だと名乗るのは。」
「自分は善人だから尊重しろという言い分です。」
「逆説的に言えば悪人。」

詞美。
「自分が悪党だと名乗る者は自分を笑っています。」
「ある程度は信用できますし。」
「意外にもずるい発言だったりもします。」
「自分が悪人であると発言する人は悪を知っていますし。」
「自分が善人であると思っているのは自分を聖者か何かだと見なしている。」

小霧。
「自分が完璧だと主張する人間は信用してはならない。」
「裏を返せば極悪人だから。」
「自分が悪党だと主張する人間は安全です。」
「裏を返せば善人だから。」

瑚々。
「自分が善人だと名乗る者は危険です。」
「裏を返せば悪党ですからね。」
「自分が悪党だと名乗るものは裏を返せば善人。」

詞美。
「自分が正義だと公言するのは。」
「逆説的に言うならば。」
「自分がすべて正しいと見なしているのです。」

小霧。
「正義の味方を名乗ってしまったら。」
「自分が何でも正しいと思ってしまう。」

瑚々。
「不義について語る者はかえって義人です。」
「不義について知っているので。」
「本物の正義は不義を指摘する者にあります。」

小霧。
「魯迅の書籍で同じ発言を読みましたよ。」
「考えるだけで良書を読まないのはダメ。」
「良書を読むだけで考えないのもダメ。」

瑚々。
「知識人の相手は簡単ではありません。」
「難解な内容を簡略化しないといけませんし。」

小霧。
「誰かに習うだけで雲泥の差。」

瑚々。
「知識人と対談する場合。」
「否定だけは禁物。」

詞美。
「有名な学者と対談する時には。」
「相手の言うことが。」
「所々、わからないフリをするべきです。」
「まったくわからないと相手にされません。」
「あんまりわかると嫌われます。」
「所々、わからない程度が双方に具合が良いものです。」

瑚々。
「頭が足りなければ。」
「知識人から補充すればいいのですし。」

詞美。
「哲学書を並べてようやく物が考えられるようになりました。」

瑚々。
「教養があって当たり前の時代です。」
「今時、文武両道も当然かと。」

小霧。
「世間の人々は武器で軍人を指揮するものだと思っている。」
「武器で文人も指揮できることには気づいていない。」

瑚々。
「戦闘を拒否しても敵側が言い掛かりで攻撃してくるので。」
「戦った方がお得。」

詞美。
「敵対者は常に言い掛かりですよ。」
「説得なんて通用する訳がないよ。」
「理屈ではなくて目的があるから。」
「もし敵を言い負かしても。」
「口で負けたら力で勝てばいいという理屈で返事をする。」

小霧。
「戦争で活躍したいのなら。」
「軍医が安全で。」
「革命運動をやるなら。」
「後方勤務が安全。」
「殺人者になるなら処刑人になると安全。」
「いずれにしても英雄と呼ばれる。」

詞美。
「良識を誇張して語っているようにしか見えない。」

瑚々。
「発言した方がお得ですよ。」
「知識人の猿真似は凡人には無理です。」
「彼らは発言しない方が身のためです。」

小霧。
「無批判なのは良くないよ。」

瑚々。
「何冊も発行される講義の意見。」
「残念なのは。」
「どの本にも。」
「なぜ彼らが正反対の意見になったのか説明されていないし。」
「なぜ正反対の意見を言っているのかの説明が不足しているし。」
「主張する時に自分で自分の言うことを信じていたかどうかも説明されていない。」
「二重に残念。」

詞美。
「多数決で決まった既成概念は否定しています。」
「女性の境遇も多数決ですよ。」

小霧。
「それは信じたくない。」

瑚々。
「女性は妻になるなんて誰が決めたの?」

小霧。
「その決定は裏切れますよね。」

詞美。
「反対者が出る毎に。」
「お前も敵か!と非難している私です。」

小霧。
「グルになって徒党を組む場合もあるよ。」
「自分の人生を私物化したので。」
「自分の物である生涯は好きにしていいのです。」

瑚々。
「強要すると犯罪者。」
「社会から悪者にされてしまいますからね。」
「敵が増えるだけで数しか取り柄がない。」

小霧。
「女性の性質で少女と母親の特徴はあるものの。」
「妻の特徴は後で習得している。」」
「少女と母親の混合で妻になっている。」

詞美。
「男女同権は昔からあったのに。」
「まだ実行してないなんて。」
「怠慢ですなあ。」
「男女同権ならば一部の女性は結婚しないでしょう。」
「女性のそうした自由も認めなければいけません。」

瑚々。
「彼らは差別されたと思い込むでしょう。」

詞美。
「人を差別した事は一度もありません。」
「区別した事はあります。」
「差別ではないです。」
「区別です。」

看板の内容を写真撮影。

お賽銭を準備。

小霧。
「神道は所属宗教です。」
「所属していない者は当事者ではありません。」

詞美。
「よく話題になるキリスト教は契約宗教よね。」
「契約していない者は当事者ではないです。」

瑚々。
「近所の神社は仲間が頻繁に通っているので。」
「たまに会いますね。」
「周辺住民の信仰は厚く。」
「実際に行くまで。」
「氏子が思ったより大勢のグループであると知りませんでした。」

小霧。
「日頃から参拝の習慣があるんですよ。」
「隠れている場所に氏子と崇敬者がいて。」
「場合によっては仲間の姿が数多く見られます。」
「けっこうな頻度で人がいますので。」
「目撃するまで理解できないでしょうね。」

詞美。
「近所のお宮。」
「たまに仲間に会うわよ。」
「信仰を持っている人は地域でもかなりの人数で。」
「これまで会った参拝者から。」
「今でも参拝はよくあることなんだと理解できました。」

小霧。
「社会的成功をしている人の中には。」
「崇敬者も数多くいますよ。」
「そしてなにより。」
「この世のものはすべて儚いものです。」

瑚々。
「知っているよ。」

参拝のち退場。

早朝で。

珍しく三姉妹が調和したので。

実現しましたね。

出勤時間までに最大まで巡ります。

神職の免許があるのにのんびりやっている三姉妹。

近過ぎるまで少し遠くまで退いてから。

幼い頃からの当たり前が再構成される必要がある。

どうもそう直観している点が一致。

似た者同士は連携が可能で調和があって。

偶然の出会いではないってことです。

全員、申し子なのですから。


10


我々は孤立し、抑圧され。

征服する者達からの逃避を願っていた。

表舞台から退くことで解放されたのだ。

十年もの時間が授けられた。

その中で自らの姿を変え。

一時的に弱体化したような変化は。

我々を強く変えていった。

かつての者達は思い知ったのだ。

我々が以前とは違うのだと言うことを。

我々が虐げられる事は。

もう無いのだ。

テレビのニュース。

これは新手のテロリストによる演説。

長い間、虐げられていた者達は協力して。

少しずつ蓄積されていた怨恨が具現化。

国家を超えた大規模内戦の勃発です。

突然でした。

日本にも一部が既に活動しており。

特殊能力を持つ雑兵が中心になって。

弱者や敗北者と見なされた人々が主権を奪おうとしています。

詞美。
「今度はまずいわね。」

小霧。
「あの気配はこれだったんですね。」

瑚々。
「異常なくらい強いので。」
「初戦は敗北したようです。」

詞美。
「高度な連携で個々の能力差を補っている。」
「なにより同盟軍ですので。」
「誰が敵なのか判別できません。」

小霧。
「苦戦が予想されますし。」
「仲間の一部は寝返ってしまっているようです。」
「規模が大き過ぎます。」

詞美。
「あなたの気配の正体には考慮していましたが。」
「予知能力でも出遅れましたね。」

瑚々。
「具体的な戦闘が多くないのも難敵である証拠。」

詞美。
「難敵が相手とは。」
「これが内戦の最後のグループでしょうね。」

小霧。
「こういうのが土台になって成立していたんですね。」
「彼らの正義は虐げられている人々の主権確保と奪還です。」
「無駄な破壊はしないでしょう。」

詞美。
「今の所、大規模テロなんてありませんし。」
「社会に対する報復が目的であって。」
「虐げられていた人々が自分の権利を取り戻す戦争なのかな。」

瑚々。
「前の奴らとは趣旨が違うので。」
「危険はあっても攻撃性は低いですよ。」
「大衆が同調している側面もあります。」

小霧。
「為政者の中にも仲間がいるのが不思議。」

詞美。
「独裁者でもなくどちらかと言うと偽預言者かな。」

熱狂的な支持者がいる。

解放主義者達。

これまでのやり方を解体し。

再構築する狙いがあるようで。

戦闘行動は控えめです。

解放主義は破壊して立て直すという特徴を持っていますので。

危険なのは言うまでもないのです。

司令部は警戒していますが。

一部華族のメンバー。

自衛隊の傘下の派閥が特殊部隊になって対応するそうです。

出勤前。

小霧。
「プラトン哲学。」
「エルの物語は中立性が特徴で。」
「古代ギリシアでは当たり前の知識でありました。」
「信じる者は救われるだろう。」
「と説かれるのは。」
「実行力と中立性に富んだ生まれる前の出来事なので。」
「エルの物語を基準にして考えるのが最良ですよ。」
「出生が目障りならば。」
「エルの物語を引き合いに出してあっさり撃破できます。」
「プラトンはギリシャ神話の内部で誕生したもので。」
「当時の書庫からも情報を得ており。」
「誕生前の手順を書けるのは当たり前です。」

瑚々。
「それって世界各国の宗教と相性が良いのです。」
「輸入して適用できますし。」

詞美。
「多様性の恩恵ですよ。」

小霧。
「出生と神々を分離するのは理にかなっている。」
「最後にはエルの物語が統治者になるのだから。」
「国家に書かれている内容はギリシャ神話の方向から来ています。」
「礼拝の時には。」
「エルの物語という決定的な証明を伝えれば。」
「強引に解消することは可能です。」

支度を終えて。

玄関に移動しようとする最中。

地震発生。

中規模。

瑚々。
「自然の偉大なるパワー。」
「地震とか隕石とか疫病とか。」
「人々はまったくの無力。」
「あまりに小さな存在。」
「自然災害の偉大なるパワーを前に。」
「人間なんて存在すら否定される。」

詞美。
「なぜ自然災害が疎ましいと言っているのか?」
「そういう輩はただ従いたくないだけ。」
「従いたくないので。」
「非難したり文句ばかり言います。」

小霧。
「人間は社会を完璧に仕上げようと必死になっていますが。」
「完璧なせいで不具合や衰退を招いています。」

瑚々。
「自然哲学ですなあ。」
「自然災害も政治も。」
「軍事も一体化しているものです。」
「民間人とは思考が異なります。」
「政治はこうであるなんて単純なものではないし。」
「現代人は政治に多くのことを期待していますが。」
「期待しないほうがいいです。」

詞美。
「現代の情報は脚色されているものが多いですからね。」
「解釈が民間人と当事者とは違います。」
「おまけに。」
「政教分離とか言いつつ靖国神社には参拝していますし。」

小霧。
「政治を理解するのは十年くらい必要です。」
「年を重ねてやっと少しだけ理解できるようになる。」
「経験を積むとこの世界の大部分は理解できるようになります。」
「老人が沈黙しているのはこの世が理解できたからで。」
「若者と老人は決して意見が合わない。」

瑚々。
「無知は至福。」

詞美。
「成功報酬で大金を手にしているから。」
「依頼を受ける必要は必ずしもないよ。」

瑚々。
「強力な魔法使いとして評価されている私達ですが。」
「他にも強力な魔法使いはいるので。」
「専業でやっている人達が美味しい所を持って行く。」

詞美。
「強者対強者の戦いは常に激戦。」
「そんな中であなたは勝ってきた。」

小霧。
「狂気の力は私を無敵にした。」

瑚々。
「私は暗黒面の力を利用しました。」

詞美。
「神様の力が憑依した体験から。」
「すべてを圧倒するような力が宿って。」
「一時的で短時間ながら得たあの神様の力。」
「記憶に残っていて。」
「力が倍増したきっかけです。」

小霧。
「私達は量子コンピューターに例えられる頭脳派。」
「戦死なんかしません。」

瑚々。
「より確かな交戦しかしませんし。」

詞美。
「なんだかんだ言って生き残っている。」
「経験上、成功にまぐれなどない。」

瑚々。
「負けることも必ず考えているからだよ。」

詞美。
「では解放主義者も権力者も政権も。」
「同じように負ける事を考えてあるはずです。」

小霧。
「絶対的権力は絶対に腐敗する。」

出勤。

解放主義者の戦いが開始されていて。

テロリストにしては穏健な戦い方です。

英雄なのか道化師なのかまだわかりませんが。

三姉妹は静観。

正義同士の構図は両方正義。

正義対正義の戦いは凄惨でしょうね。

両雄が出会えば決戦が起こる。



11


三人娘が田舎の村でお泊り。

瑠奈。
「私のスポンサー様がテロリストをなんとかしてくれ。」
「休暇にしてあげるから。」
「なんて頼まれまして。」
「良ければ私も参加したいなと。」

璃乃。
「もちろん当然の如くいいわよ。」
「チームを組まないと。」
「ひとりで全部は片づけられないし。」

珠美。
「そして私は勲章が狙い。」
「休学届が歓迎されたし。」

璃乃。
「女子高生が戦死するなよ。」

珠美。
「私は弱くない。」

瑠奈。
「実戦で通用した珠美ちゃんですし。」
「思ったよりやりますよ?」

璃乃。
「死んで欲しくないだけです。」

珠美。
「忠言耳に逆らう。」

璃乃。
「わかっています。」

瑠奈。
「というわけで。」
「あの激戦の中に飛び込みます。」

璃乃。
「仲間の魔法使いと合流するのよ。」
「小隊を組む予定になっているわ。」
「新手のテロリストは難敵だから。」

珠美。
「敵が弱いせいで助かっている魔法少女とかいるよね。」

瑠奈。
「そこまで競わなくても。」

璃乃。
「士気が高くて底力が出せるコンディションなんですよ。」
「なにします?」

珠美。
「天体観測。」

瑠奈。
「ちょっと体験しませんか?」

珠美。
「なにを?」

璃乃。
「なぜか最年少で。」
「趣味が合いましたら。」

珠美。
「いいわよ。」

璃乃。
「では覚悟してね。」

珠美は無抵抗でうつ伏せにされて。

頭を掴まれて弄られた。

続いて仰向けになって。

眺められてしまいました。

珠美。
「何気に綺麗な人ですね。」

璃乃。
「そうかしら。」

瑠奈。
「いいですね。」
「私は過激な方ではないので。」
「腕を組みたいです。」

珠美。
「いつまで顔を眺めているの?」
「次はやらせてよ。」

璃乃。
「あ?はい・・・うわっ!」

珠美。
「大人の女性って色っぽいね。」
「同性でも過激に思える。」

璃乃。
「やられるのも好きよ。」

仰向けで手を後ろ髪に入れられて。

顔を眺められて。

最高の気分の成人女性。

瑠奈。
「一緒に寝るとかしないの?」

珠美。
「つまらない質問ね。」

璃乃。
「そうよ!添い寝するの!」
「抱きしめて。」

瑠奈。
「私はそれを見ていたい。」

璃乃。
「未成年にやられるのいいですね。」

珠美。
「あらら?こんなことは?」

璃乃。
「ぐえっ!」

体を弄られて。

苦しいので。

お楽しみは程々に終了。

望遠鏡をのぞき込む瑠奈。

お互いに写真撮影する璃乃と珠美。

深夜になって三人で就寝。

早朝から支度して。

憩いの山から。

二条城付近の三姉妹を訪問。

璃乃。
「やっほー!ここちゃんいる?」

瑚々。
「いますよー。」
「さあ入ってー。」

小霧。
「絶望することができない者は、生きるに値しない。」

璃乃。
「絶望とは愚か者の結論である。」

詞美。
「おや?鋭い反駁は久しぶりの友人から。」

瑠奈。
「連絡通りにこの付近で活動しますので。」

璃乃。
「宿舎は近くで既に用意されているから。」
「たまに来るわね。」

珠美。
「なんですか。」
「男に苦労しているのに。」
「女には苦労しないのですか。」

小霧。
「何かを自分の必要から真理であると思い込むことなしには。」
「生きていけない人間理解もある。」

璃乃。
「わかっていて突っ込みを入れたので。」

詞美。
「何回か会った女の子も一緒です。」
「ひとりの損害を出さずに達成できるかなあ。」

珠美。
「勲章は私のモノよ。」

瑚々。
「望んでかなうことなら、努力に値しない。」

小霧。
「どうせうまくいくんだから、やめておきなさい。」

珠美。
「何でも真剣にやらないと納得行かないのよ。」

詞美。
「作戦会議と言いたい所ですが。」
「私達は派遣社員みたいな立場です。」
「専業でやれる環境が整っていません。」

璃乃。
「面倒な相手は我らがやるのです。」
「成功報酬が高いのが魅力。」
「無理だと思ったら山分けしましょう。」

瑚々。
「予定通りに連携という訳です。」

瑠奈。
「敵勢力は寄せ集めの雑兵が大半。」
「強い戦士が少ない。」
「哀れですよね、力無き者は。」

珠美。
「人間って戦うことが生物としての前提としてあるのよ。」
「戦いが好きというのは今も昔も同じです。」

詞美。
「スポーツも戦いなのですし。」
「何か対象を見つけてはやっぱり戦っている。」
「人間は戦いが好き。」
「どうせ戦いが好きなんだから。」
「素直になりましょうよ。」

小霧。
「力のある者、強い者、健康な者のみが。」
「とことん誠実であることができるから。」
「真実を語ることができ。」
「善にして美なる者であることができる。」
「逆に。」
「力のない者、弱い者、不健康な者は。」
「自分に誠実であることができず。」
「嘘をつかざるをえないがゆえにまた。」
「悪にして醜なる者であらざるをえない。」

瑠奈。
「弱い相撲取りが勝負に勝つ方法は二つある。」
「ひとつは勝敗を決する基準は固定したままで。」
「その基準に合わせて。」
「自分をあるいは相手を変えることであり。」
「もうひとつは。」
「自分と相手は固定したままで。」
「勝敗を決する基準の方を自分に都合良く変えることによって。」
「本当の勝者になることである。」

璃乃。
「弱者は相手と状況を操作して勝利する。」
「そしてルールを都合良く変更して勝利する。」
「二つある。」

瑠奈。
「ユダヤ民族は。」
「世界史上初めて登場した。」
「弱さを武器として闘う術を心得た僧侶民族である。」

瑚々。
「列強戦士が揃っていると獲物の取り合いでしょうに。」

詞美。
「玉石混交。」
「強い戦士と弱い戦士が混在。」

珠美。
「そう言えばあなた大将と遭遇戦になったとか。」

詞美。
「横取りされたわ。」

璃乃。
「乱戦だけれどカウントすればいいのにね。」

詞美。
「事実を述べようとすると。」
「他人を決して納得させない。」
「納得しないのが正論である。」
「問いの中には答えがない質問がある。」

璃乃。
「あなたを狙っていたようですし。」
「目立っているんですね。」

珠美。
「強い奴から倒そうとして。」
「思ったより強くて情けないやられ方をした。」
「間抜けな敵大将。」

小霧。
「偶然は必然と同じもの。」
「ただ一回しか起こらない出来事は。」
「それをどんなに詳しく観察しても。」
「ただこうであると言えるだけで。」
「こうだからこうなるざるをえなかったのだ。」
「と言える根拠がどこにもない。」
「つまり必然を語るべき要素がどこにもない。」
「逆に言えば一回しか起こらない出来事は個別のものです。」
「必然が何か少しは違ったことがあるからでもない。」
「そうなると偶然になる。」
「偶然と必然は同一視することもできる。」

詞美。
「なぜかあそこにいた。」
「理由はない。」

璃乃。
「本隊は散発的に配置されているから。」
「大都市は満員ですからね。」
「あんな大きな獲物は滅多に出てこないし。」

瑚々。
「これって日常的な庶民の抗争が。」
「パワーアップして内戦みたいになったようにしか見えません。」
「どさくさに紛れて加勢している奴らを見ると。」

小霧。
「何を価値あると見なすのかの。」
「つまり世界解釈それ自体の覇権をめぐる闘争だから。」
「本質的に共通の土俵というものはない。」
「調停する第三の共通項がないため。」
「お互いの言い分を認めあって・・・。」
「ということはできない。」
「対立の意味そのものが両者で違うからである。」
「だからこの究極的な闘争は決して調停されない。」
「逆に言えば。」
「この闘争では誰もが。」
「それぞれ異なる価値判断のもとで。」
「勝利を収めることができる。」
「勝敗を決する共通のそして究極の基準はただ。」
「どちらが生き残りどちらが消滅しているかだけである。」

瑠奈。
「世の中のすべての言説。」
「それは道徳に問題がある証拠です。」
「なぜ道徳的にあるべきなのか?」

瑚々。
「内乱罪の容疑者は大量発生していますし。」
「言葉の力は時に無力です。」

小霧。
「好機だと見なして参加していますが。」
「あなたは珍しく未成年。」
「魔法少女の戦闘参加は少なからずありますが。」
「現在の戦況では最年少ですよ。」

珠美。
「私が良い前例になるでしょう。」

瑠奈。
「私が運命を破壊すると君は望んでいた。」
「だから私も手助けをしてあげた。」

珠美。
「形而上学。」
「出生の動きを観察していると。」
「原因論でしか考えない愚かな部分がよく出てくる。」
「個人の目的論は採用していない。」
「出生とは対立することになる。」
「出生と敵対するのは。」
「運命と敵対するのと同じで。」
「この時点で運命とは対立している。」
「運命は敵対者なので。」
「主従関係ではなく。」
「目的論からして撃破して通るラスボスと言える。」

瑚々。
「運命に制裁を加えるのは容易なので。」
「運命に抗うのではなくて。」
「最初から運命も宿命も敵なので。」
「個人の目的のために倒すべき相手で。」
「簡単に言えば見えない世界で殺し合い。」
「運命は悪いものを多く提供し。」
「良いものを少しだけ混ぜて誤魔化す。」
「その場合は運命を攻撃すれば。」
「割に合うのは確かであり。」
「自分で何でも決める。」
「自分で作るような主体性があれば。」
「運命なんて不要であるし。」
「運命を攻撃してもデメリットがそもそも無い。」

珠美。
「運命も宿命も無敵ではなくて倒せる相手。」
「もし挑むことになったら。」
「運命を試したり。」
「そもそも運命論を信じていない人は有利ですし。」
「運命に束縛されたら自由を確保するために。」
「敵対者であると宣言すると良い。」
「運命を裏切るだけでも強いので。」
「敵対者を主従関係と呼ぶのは誤謬になっている。」

瑠奈。
「運命を思い通りに変えられるのは。」
「運命と対戦して優勢を維持できるからで。」
「運命を一度でも倒せば二度と出現しない。」
「つまり運命の大義名分なんて敵の理屈に過ぎないのだし。」
「対立している時点で運命の影響を弱めることができるのだし。」
「対立を続けれは続けるほど運命は衰えていく。」
「対立するだけでも有利に進められる。」
「運命論とはこのように攻略されるもの。」

珠美。
「彼は自分が被害者を演じられると思っているね。」

小霧。
「敵の理屈なんて聞かないように。」
「いいことなんてないよ。」

瑚々。
「敵の大義名分とか御託は聞き飽きたものです。」

璃乃。
「まあ敵というものを知りませんからね。」
「当然かと。」
「お菓子の準備いいわね。」

詞美。
「再会を祝して詩の朗読でも。」

小霧。
「いつだってあなたは暴力に縋ってきたよね。」
「だから私が暴力に訴えてもあなたは文句が言えないよね。」
「ただ暴力に身を売って魂まで売っていたよね。」
「私はそれらを暴力で制したけれども。」
「破滅に突き進む。」
「その姿を。」
「見た。」
「いつだってあなたは暴力に縋ってきたよね。」
「その弱者のやり方はなんなのよ。」

璃乃。
「なんていう殺人歌。」
「どこかで有名な楽曲と似ているけれど。」
「巨大な打撃で仰け反るというあの名曲でしたか。」

瑠奈。
「女性の哲人。」
「女性の君子。」
「女性の究極。」

小霧。
「それはユング心理学の引用ですよ。」

瑚々。
「定期的に穢れを落とさないとダメだわあ。」

珠美。
「罪とか言う要素が信用できなくなったわ。」
「どうせ戦うのだから。」

瑚々。
「宗教における罪とは他人の過失の正当化である。」

璃乃。
「悪法問題のひとつの結論は人間の限界を意味していた。」

小霧。
「ニーチェは有神論者で。」
「神の復活も説いている。」
「ニヒリズムの末に神が復活すると。」
「正々堂々と宣言している。」

璃乃。
「そもそもニーチェはキリスト教が逆に神を貶めたと。」
「告発してしまっている。」
「今で言う公正世界仮説を使って。」
「逆に神の存在を疑わせて。」
「人間みたいな地位までこき下ろして。」
「神の信頼を失墜させていると語る。」
「その批判の起源は散歩中。」
「インスピレーションを受けたもので。」
「ニーチェに神様が味方したとも思える。」
「ニーチェの晩年は諸説あるので把握できない。」
「発狂したとも簡単な病死だったとも。」
「安易に問題行動に走った末の天寿とも言われています。」

三人娘は適当に挨拶して雑談のち立ち去る。

連携作戦。

付近を巡回して。

データリンクで仕留めるいつもの手段。

最近は通知が少ない。

三姉妹は新聞を読んでいる。

詞美。
「武器を振り回した容疑者が大衆を罵った。」
「悪人ですと?」
「いいや。」
「俺は郷に入っては郷に従え。」
「という教えに従ったまでだ。」

瑚々。
「隙が無い言い訳ですね。」

小霧。
「乱闘をやっていた男性が言うには。」
「自分が嫌だと思うことは他人にするな。」
「と書かれていたので。」
「自分にとって嫌な事をした相手と喧嘩をしたという。」

瑚々。
「どっちの大義名分もあるんかい。」

詞美。
「無抵抗を掲げる平和主義者に言い掛かりで。」
「強盗すると訴えられたので。」
「口だけだと罵る容疑者。」

瑚々。
「言っていることとやっていることとが違う。」

出かけるお姉さん。

用事。

途中で知り合いに会う。

詞美。
「また会いましたね。」

資本主義者。
「良い所に良い人がいました。」
「お手本を見せましょう。」

詞美。
「なにかしら。」

商店街の市場。

貴金属をいくつか購入した。

大人買い。

資本主義者。
「庶民でもこういう高級品にも手が届くのだ。」
「努力しないから買えないのだ。」

詞美。
「あの・・・お金持ちですね。」

資本主義者。
「違うよ!日頃の努力だよ!ではさらば!」

業務で行動。

ボーイフレンドが流通ルートを教えてくれたり。

細部を狙い続けるお姉さん。

ギルドの人と一緒に歩いています。

同業者の組合。

詞美。
「恋人と思われそうで。」
「なんか残念。」

イケメン商人。
「俺は彼女いるので。」
「そこが噂になると確かにまずいな。」

詞美。
「同志と恋人を混同される。」

イケメン商人。
「彼女が出来る前。」
「仲間と歩いていたら。」
「美人女性が友人と会話していて。」
「あの美人女性と会話できたら勝利という。」
「勝負を吹っ掛けられた。」
「俺は女性に道を尋ねると。」
「会話が成立してそのままの流れで逃走できた。」
「上司が口説くと拒絶された。」

詞美。
「あらやだ。」
「続きは?」

イケメン商人。
「その頃は複数で張り合っていて。」
「ちょうど評判の少女がいた。」
「餅屋の少女の方から触ってきたら。」
「勝利という冒険をした。」
「こちらから触れないのでどうするか。」
「上司は困り果てた。」
「俺は餅を購入して手渡しで紙幣を支払った。」
「少女の方から手を触ったので俺の勝利になった。」
「上司は負け惜しみで。」
「チップを出して少女から触られようとしたが。」
「不評であった。」

詞美。
「その時のどちらかが今の彼女さん?」

イケメン商人。
「前の話のが前の彼女で。」
「後者の話は後の彼女。」

詞美。
「なかなか結婚まで行けないんですね。」

イケメン商人。
「女性が相手を選べるからさ!」

詞美。
「女性は相手を選んでも良いのですから。」
「体が勝手に動いて男の方に行かないように。」
「忠告したのですね。」

イケメン商人。
「それも兼ねて商売を広げ過ぎているよ。」
「もっとコンパクトにするのはどうか?」

詞美。
「ですよねー。」

イケメン商人。
「今日は提携して広告を出すので。」
「申し出だけですよ。」

メール。

面白いので見せてきました。

ギルドの権力者。

気に食わない相手が渋滞になって動けないと知って。

架空の用事をつけて無理難題を吹っ掛けた。

遅刻した相手に。

時間も守れないのかと罵った。

上司はお偉いさんとの宴会があったものの。

罵られた部下は車のバッテリーを上げておいた。

そして上司は社用車が動かないので。

宴会に遅刻して。

時間も守れないのだと知り合いから批判された。

バッテリーが上がったのは事故として処理されてしまった。

詞美。
「あらまー。」
「男性は小競り合いがとても好きね。」

イケメン商人。
「何が悲しくて争いがあるのか知らないが。」
「歌にしてくれ。」

詞美。
「女性は歌が上手で当たり前ですので。」
「そのうち作りますよ。」

解散。

業務連絡終了。

ふと思いついたけれど。

宝箱にしまっておくことにしました。

つぶやき。

血を求めし狂人の刃。

己の目的のために。

報復のために。

運命に襲い掛かる狂気の沙汰。

運命という名前の。

傲慢なる支配者でさえも恐れ。

凶器を持って殺そうと追い回す。

誰もが束縛されるという強制力でさえも。

敵わない者もいるのだと。

思い知らせる見せしめに。

その者は運命を殺害すると宣告しては。

運命を殺してしまった。


12


英語のことわざ。

真実は憎悪を生む。

三人娘。

夜間で哨戒任務。

璃乃。
「素敵な杖が届きまして。」
「前のより使いやすいの。」

珠美。
「装備すると目立つかもしれない。」
「普段は傘の形態をしているから。」

瑠奈。
「傘から変形して杖になるのですし。」
「小雨が降っているので。」
「何か違うと思われそう。」

璃乃。
「魔法使いは基本。」
「不思議な武器を使うけれど。」
「ホーミングする投擲武器や。」
「対銃撃防具もあり。」
「たまに傑作が届くのですよ。」

珠美。
「唯一の弱点は十字砲火。」
「正面から勝てる兵士はまずいません。」
「能力差が激しいので。」
「魔法使いが戦場に出てくると。」
「両方が魔法使いを仕向けて。」
「強者対強者に持ち込むのが。」
「戦場の基本になっています。」

瑠奈。
「つまりは敵の魔術師が潜伏している。」

璃乃。
「スクートゥム・ランケア。」
「攻防一体の武器で。」
「正面と側面からのオートガード機能があり。」
「弾丸や投擲武器を弾きます。」
「攻撃する場合は重量もあって。」
「強力な棍棒として機能するなど。」
「バランスが良いので。」
「今では普遍的に使われています。」
「説明書の通りね。」
「前のステッキの次世代型みたいよ。」

珠美。
「私は装備しないわ。」
「でもかなり頑丈そうね。」
「アクロバティックに動くので無理。」

瑠奈。
「私は持っていきますね。」
「これひとつしかないんですか?」

璃乃。
「あなたが持って。」
「まだ行き渡らない装備らしいし。」
「前の武器があるので。」
「防御が得意なあなたがぴったり。」

瑠奈。
「では敵の正面から仕掛けますね。」

貸し部屋から出発。

手が空いている仲間と打ち合わせ。

ファストフード店。

瑚々。
「プレハーノフ曰く。」
「歴史は個人技になって成立してきたので。」
「これからも歴史は個人技によって成立する。」
「個人技を支えた社会勢力もいる。」
「でも決定的になったのは個人技です。」
「個人技もまた社会勢力なしには存続できず。」
「社会勢力が支持しなくても行き着く場所は同じ。」
「抜けた穴は別の誰かが占領してしまうのだし。」
「その人物が適任よりも劣っていたとしても。」
「社会は構成する人間にとっても制御不能で。」
「どこをどうしても人間が制御できるような展開にはならない。」
「コントロールを試みるだけ無駄です。」

璃乃。
「形而上学にはセンスが必要で。」
「欠如したセンスは理論の範囲に留まってしまう。」
「もちろん論理の範囲にある形而上学は。」
「超自然的要素までは語れない。」
「無批判に学ぶものではないね。」

珠美。
「将来、何になるか無計画。」
「とりあいず出世すればいいの?」

瑚々。
「出世を求める前に現在の役職が他人以上に出来ないと。」
「何も目立たないと思う。」
「今あるもので何かしようと思わないと。」
「出世以前に降格するリスクもあるのではと。」
「出世や社会的成功には何か必殺技みたいなものなんてないので。」
「プレハーノフ曰く。」
「社会の需要を満たしているか。」
「或いは社会組織がその人に有利なように作用するか。」
「個人の影響が大局にどのくらい影響を与えるか。」
「かなり多くの要素が複雑に絡み合っているので。」
「まず今の役職について議論をするべきです。」

瑠奈。
「教養は万人が創造するものであり。」
「何者かが独占して配布され。」
「伝達されるべきではありません。」
「教えられる内容が単なる解説に終始し。」
「技術としての習得を目的とする青年や少女の要求には。」
「決して回答が出ておらず。」
「疑問が解かれてもいません。」
「大学に進んだりインテリと呼ばれる者達にも影響を及ぼし。」
「他人から適当に学んだ学術が妨げになり。」
「文化を脆弱なものにしています。」
「教養に支えられた展開を必要とする社会にとって。」
「真面目に改善されるべき課題でもあります。」

珠美。
「良識っていうことよね。」
「思ったよりうまく行きそう。」

小霧。
「自信を持つ前に力量の話をしましょう。」
「根拠の無い自信は湧いてこない。」
「精神論で勝てるのならばそこには雑魚しかいないよ。」

珠美。
「自分より強い相手との戦闘も想定すべきで。」
「格闘技のインストラクターとの対戦も考慮するべき。」
「戦闘でいくら勝利しても。」
「自分より弱い相手に勝っても強いことにならない。」
「本当に強いと主張したければ。」
「総合格闘技の試合で何回も勝利してから言ってみてはどうか。」

小霧。
「背後世界に基づいて理非を判断していた人間は。」
「背後世界を没収されると。」
「背後世界から引用していたいろいろな要素も失う。」
「そして理非をどこに求めるかと言われると。」
「単純な経験論から繰り出す。」
「本人は背後世界を参照して教科書からしてこうだとか。」
「自信満々に発言するのですが。」
「それがもうないので。」
「真理から引用しているつもりが。」
「いつの間にか自分の経験論だけで理非を判断するようになっている。」
「もちろん自分の経験から理非を繰り出しているだなんて。」
「本人は自覚していないし。」
「虚無主義は特にこうした見えない何かに対して影響を及ぼす。」
「論拠が実在しないので批判に弱く。」
「多少の指摘で倒れてしまう。」
「でも本人も虚無主義に覆われて。」
「異変に気付かない。」

珠美。
「そんな発言どこから出したのよ。」

瑚々。
「古典の暗記。」

珠美。
「賢者の女性って訳ですか。」

小霧。
「雑談で面白いネタを出したがる。」
「幼い頃から本棚に古典ばかりあったので。」

瑚々。
「古典に夢中で。」
「洋書まで集めているのよ。」

璃乃。
「意見が新鮮でそれはそれでいいよ。」

珠美。
「意見が無い奴は変態。」
「早熟なのか天才なのか。」
「私が未成年なのか。」
「年齢の問題?」

瑠奈。
「良い忠告が欲しければ。」
「第三者となる。」
「身内でもない他所の老人を訪ねてくださいな。」
「数人から意見を求めると良いですよ。」
「機会があればまったくの他人の老人から。」
「意見を貰うのは理にかなっているし。」
「身内の老人は説教しかしないでしょうから。」
「親族の老人から意見を貰うのは利害関係が既にありますね。」
「自分で選んだ他人の老人から。」
「意見を貰うのは当たり前のように良い意見が出るのは目に見えているので。」
「その老人が真面目に忠告してくれるかは別の話ですけれど。」
「何かしら斬新な意見に出会うのは。」
「経験から何かしら学んだからであり。」
「利害関係が無いので嘘をつく気にはなれないから。」
「無論、身内の老人は誰に対しても軽蔑するので話してはならないよ。」

珠美。
「哲学と経験論が融合すると。」
「普段の世間話がこうなるのね。」

詞美。
「いつもやっている精神の訓練ですよ。」

瑚々。
「本屋で山積みになって。」
「二か月後には入れ替えられている。」
「あの素晴らしき無駄知識は何か調べてみましょうか。」

璃乃。
「二か所だけ斬新でそれ以外は凡作という。」
「人気作品はどう思います?」

詞美。
「現在発行されている文学作品は一割残れば良い方で。」
「お金のために書かれたものほど残らない。」
「作家は何か偉業を成し遂げたと自画自賛しがちですが。」
「思っているよりはやっていることが小さいし。」
「数か所だけ斬新で衝撃的なアイデアも。」
「数か所を除けばまったくの平凡で。」
「全体の釣り合いが取れていない醜い作品だったりもする。」
「どうして作家が揃いもそろって増長するのか理解できない。」
「ディストピアを描いたせいで頭もディストピアになってしまったのかしら。」
「文学や詩は正気の人間がやるものではないと。」
「ずっと思っています。」

璃乃。
「文学とは娯楽なのか?」

詞美。
「芸術と娯楽の区別がついてないんですよ。」

小霧。
「ルネサンスを見たことがないとか。」

瑠奈。
「現代で宗教画を書くような天才はいないのと同じ。」

詞美。
「見回してきたけれど。」
「発見したのは本の山と。」
「市民の目撃談。」

瑚々。
「それで、敵の情報が少なくて。」
「人工知能がWEBを巡回しているから。」
「駅の方に来るんじゃないかしら。」

璃乃。
「そこら辺で見張っているかな。」

珠美。
「あれで遊んでいるの?」

瑠奈。
「古典マニアはああなるものです。」
「あれが教壇とか講演だったら。」
「大金を貰えるんだけれど。」
「その機会がないらしい。」

珠美。
「雑談で古典の引用が出てくるとか正気じゃない。」

璃乃。
「女性は教養があって当たり前では・・・?」

駅前に辿り着く。

周辺に潜んでいます。

小雨の降る駅。

瑠奈。
「具体的な実行力が無いあの哲学について。」
「たまたま読んだのですが。」
「犯人探しには役に立ちますが。」
「実益はありませんね。」
「なぜなら人生観が酷く否定的で。」
「世界観も否定だらけですから。」

璃乃。
「それでも現代の問題の所在が理解できるものです。」
「原因と結果なんてものを説くのは一部の宗教家だけです。」
「人間に善悪がわかったらそもそも悪行なんてしてませんし。」

珠美。
「善悪は人間側でいくらでも変更できるので。」
「キリスト教では禁忌の果実からもたらされた危険な要素として語られているわ。」
「神道では見極める素質があるかないかの違いです。」
「多様性が入ったらますますわからなくなったわね。」

璃乃。
「でも問題の起源を読む姿勢はかなり真面目です。」
「問題の所在がわからないと片づけられませんし。」

瑠奈。
「インド哲学だけを信じるのは無理です。」
「ヒンズー教と仏教の話になってしまいます。」
「そこまで不法侵入できませんしね。」

適当に雑談して。

よくいる市民みたいに溶け込む。

腕時計がレーダーになっていたり。

スマホが戦闘用のアビオニクスになっていますね。

路地に入っては。

駅の中に入ったり。

計画的に徘徊。

再び市街地の方に移動中。

上空から何かが降ってきた?

魔女狩りのナノ。
「無才の極み!うわああああ!」

璃乃。
「あー!そんなー!」

攻撃を盛大に空振りして。

勢い余って倒れる。

もがく不審者。

瑠奈。
「なんですか?あれ?サブマシンガン?」

魔女狩りのナノ。
「人は獣なんだぜ?」

杖がシールドを形成して。

手から少し浮いて高速回転。

プロペラのように動いて。

サブマシンガンを弾く。

珠美。
「うわっ!出遅れた!」

魔女狩りのナノ。
「アアーーっ!」

瑠奈。
「なんとか防ぎましたね。」
「間合いが遠い。」

璃乃。
「あっ!一撃離脱するなんて!」

魔女狩りのナノ。
「むしろなんで私は行けると思った?」
「なんで三人も倒せると思った?」

凄まじいスプリントで逃げていく敵兵。

市街地で暗くて見失うも。

回り込んで裏取りに成功した珠美。

狙いを定めて。

針が仕込まれた簡単な武器。

走りながらトゲのついたボールをホーミングで当てようとしても。

ガードされたので。

近接戦闘を仕掛けますが。

斜めに前転して回避されてそのまま逃げられてしまいました。

珠美。
「なんていう避け方をするのよ!」

瑠奈。
「もうあんなに遠くに行ってしまいました。」
「追跡できません。」

珠美。
「直撃したらまずかったわね。」

璃乃。
「つーヤツ。」
「っていうヤツをこれからやります。」

しばらく巡回。

深夜で帰ろうとした時に。

敵の再攻撃。

後ろからハンマーで襲撃。

魔女狩りのナノ。
「お疲れ様です。」

瑠奈。
「そんなの体に悪いでしょう。」

不意打ちを見事にガード。

少し打ち合ったら。

反撃する前に逃げ出す敵兵。

璃乃。
「待って!電気ワイヤーを装備していたから。」
「近接戦闘では分が悪いわ。」

珠美。
「仕込み杖まで持っていましたね。」
「あんな奴をどうやったら倒せるのでしょう。」

瑠奈。
「敵側って訳のわからない奴ばかり強いから。」
「いきなり苦戦していますね。」

璃乃。
「これを無限に繰り返す気なのよ。」
「戻りましょう。」
「向こうから位置がバレているし。」
「魔法使いであると知られてしまっている。」

路地から急いで立ち去って。

宿舎に戻ります。

思わぬ苦戦。

帰宅して就寝。

早朝にホワイトボードに書き出す。

哲学を学んだ戦士なので。

いつものことで。

論説を打ち破ってから攻める場合もあります。

大義名分を失った敵は脆いので。

弱体化させてから攻める作戦もよくするからです。

でも今回は流行している因果について。

休息のついでに訓練です。

インド哲学の書籍が机の上にあります。

可能な限り有利な状況で戦いたいから。

分析。

璃乃。
「多様性から分析しますと。」
「因果関係というものはインド哲学の影響を受けたものです。」
「インド哲学には決定論の起源となるものが数多くありますし。」
「論争や研究の功績が大量にあります。」
「しかし結論は確認されていませんし。」
「因果関係に関する結論を見たことがありません。」
「原因と結果に森羅万象の説明を見つけ出そうとしたもので。」
「因果関係を無視するような存在に関しては説明はされていません。」

瑠奈。
「原因と結果は仏教に属している人のもので。」
「もっと辿ればインド哲学ということになりますよ。」
「インド哲学は派閥が多くて。」
「かなりの書籍と論敵で溢れています。」
「結論は出しませんが相手の論説を打ち破ったり。」
「説明だけは徹底してやっています。」

珠美。
「逆説的に言えばインド哲学は説明は得意ですが。」
「言説だけで何の役にも立たないんですよね。」
「どこにも実行力が無い。」
「行き当たりばったりな考え方ばかりあって。」
「前提が間違いだらけです。」
「結果論こそ万能という考え方です。」

瑠奈。
「原因と結果という因果関係が多く説かれているものの。」
「それではその前提は確認しているのか。」
「してないんですよ。」
「前提は結果論こそが最高の論理であるというもの。」

璃乃。
「因果関係は逆手に取って利用してしまえるので。」
「原因というものは逆手に取れば。」
「それって理論上はそうなっているだけで。」
「理論だけで全部を語っていますよね。」
「っていうことになります。」

瑠奈。
「結果も逆手に取れば。」
「結果論でしか物を言っていませんし。」
「逆説的に言えば因果なんて結果論が万能であると宣言してしまっている。」
「因果は結果論がなんでも正しいと押しまくる論理の事です。」
「後からどうにでも言えるわけです。」

珠美。
「原因が何やらと理論を並べても。」
「説明にはなりますがそれ以外には意味がありません。」
「原因と結果とは説明にはなります。」
「なのでインド哲学は説明付けはとても上手です。」

璃乃。
「インド哲学の決定論はそうした説明付けの巧みさが特徴ですね。」
「原因と結果は説明付けをかなり重視します。」
「要するに説明できればそれでいいという小さな世界の出来事です。」

瑠奈。
「説明付けで終わりにするというインド哲学です。」
「しかしこれが西洋に伝わりました。」
「古代ギリシャと国交があって。」
「ショーペンハウアーが採用したことで世界に広まりましたね。」

璃乃。
「説明だけは上手でも何の実行力もないという欠陥が。」
「インド哲学ですし。」
「具体的な結論なんてものは持っていませんよ。」
「インド哲学はそれでも結論を出していませんし。」
「論じても事実とは言っていません。」

瑠奈。
「インド哲学の特徴は結論を出さない辺りです。」
「前世なんてどうやって証明するのでしょうか。」
「前世の行いなんて架空のものです。」
「調べようがないので。」
「作り話にして現状に従ってしまう欠陥がありますし。」
「前世の影響が作り話ならば。」
「それらを無視して事を進められますよ。」

珠美。
「論説を無視して突撃する相手には無力。」
「インド哲学にはなぜか決定論が多くて。」
「論説だけあって効力を持たない論理が目立ちます。」

瑠奈。
「なぜ自由を否定しているのかは。」
「何かをしてその後どうなるかを入念に分析して。」
「失敗を減らしているのだと思いますよ。」

璃乃。
「それだけ人間の行いを重く見ていて。」
「行いを可能な限り良いものにしようとする立場でもあります。」
「極端に道徳を重く見るのは。」
「平和主義の傾向が強い所に出ていますね。」

瑠奈。
「実際は原因なんて無くても行為や現象は出てくるのですし。」
「結果が無くて展開だけがあるという現実主義な見解もありますよ。」
「特に理由もないのに幸福な人や幸運な人がいて。」
「それが半永続的な実例があったり。」
「特に理由がないのに不幸になったり。」
「不運になって転落する実例があったり。」
「こういうのも説かれていますよ。」

珠美。
「公正世界仮説に繋がる思想ですかね。」
「世界が公正なんだからという論説が一貫していますし。」
「何でも世界を公正であると説こうとするのがインド哲学の趣旨です。」
「確かにインド哲学はどの派閥も。」
「世界が公正なものであると主張しています。」

璃乃。
「公正世界仮説の元ネタはインド哲学なんでしたね。」

珠美。
「因果関係もインド哲学が元ネタです。」

瑠奈。
「全体的に理屈ばかりで。」
「私は否定的です。」

珠美。
「私も批判的です。」
「ことわざ通り。」
「人に説くことは自分でも実行せよ。」

璃乃。
「ことわざ通り。」
「私の行い通りでなく、私の言葉通りにせよ。」
「私には実行力がないから。」

珠美。
「それでインド哲学の良い所は。」
「なぜそうなったのか。」
「それはなぜか。」
「こうした疑問に答えてくれる所にありますよ。」

璃乃。
「哲学でなぜ?に対して回答や返事をもたらす部分があります。」
「説明が出来る部分は認めてもよろしいかと。」

珠美。
「少なくとも説明だけは出てくるという良い部分は参考になります。」

璃乃。
「原因不明。」
「理由が後付け。」
「即ち原因が後付け。」
「理由だけあって結果というものがない。」
「原因と結果で考えるのはそもそも。」
「論理的な限界がある。」

瑠奈。
「何もないのに結果はある。」
「それは結果ですらない。」
「何かの途中で結果に見えたとしたら。」
「因果関係は騙しに弱くて。」
「欺けば因果で説明できない。」
「欺けば因果はこじつけられる。」

珠美。
「結局は推論でしかない。」
「インド哲学は推論のみ。」
「推論の結論しか持たない。」

瑠奈。
「インド哲学は哲学の部分だけは全部推論。」
「推論だけです。」
「神話の部分は違うけれど。」
「インド哲学は推論だらけ。」

璃乃。
「推論の手段に因果を持ち出していて。」
「因果は推論のひとつになっていて。」
「推論で展開されている。」
「名探偵な所はあるけれど。」
「根本は探偵。」

瑠奈。
「インド哲学は哲学者の探偵。」
「哲学の所は探偵で終わっている。」
「インド哲学と神話は別々のものなので。」
「区別はするべき。」

珠美。
「敵勢力は大義名分を述べていますが。」
「いくら英雄という噂が流れても。」
「道化にしか思えない。」
「敵の正体は道化師です。」
「いわゆるやられ役です。」
「英雄か道化師か。」
「これは混ざったものでしょう。」
「時代が求めた敵勢力はとどのつまり。」
「道化師に選ばれたのです。」

喫茶店に出発。

今回の指示は魔女狩りのナノの討伐になりまして。

探しています。

対魔法使いに特化した。

魔女狩りのナノは厄介な相手です。

相手は逃げ方と仕留め方を知っているので。

しばらく攻防が続きそうですね。

単独行動しかしないので。

一騎打ちにならない限りは損害が出ないかも。

議論によって。

敵の論説が弱まって戦いやすくなるのは。

正しい対正しいに持ち込まれても。

平気で交戦できるような精神の訓練です。

マキアヴェッリの訓練を三人娘がよくしているのです。

華族では最初に教えられます。

精神の訓練に関しては、君主は歴史書を読まなければならない。

そしてその内に卓越した人物たちの行動を熟慮し。

戦争の中でどのような方策を採ったかを見抜き。

彼らの勝因と敗因とを精査して。

後者を回避し前者を模倣できるように努めねばならない。

そしてとりわけ。

卓越した人物たちといえども。

自分より以前に。

賞賛され栄光を勝ち得た者がいれば。

その人物の武功や偉業を常に座右の銘として模倣に努めたのであるから。

それと同じようにしなければならない。

マキアヴェッリ「君主論」第14章。


13


急展開。

虐げられし者達が二派に分離して。

ひとつは社会形態のプロトタイプと化して。

為政者と手を結んで試験を開始しています。

もうひとつは社会の再構成と。

建て直しを唱えて過激派になって。

支持をされたのは実験派閥の方で。

破壊と再生の派閥は支持されませんでした。

穏健な派閥が受け入れられて。

活動しています。

ニュースでは次の時代のプロトタイプとして紹介され。

穏健な姿勢で臨む派閥はまったくの平和主義で。

蓋然性を重んじる社会勢力になっています。

蓋然性がすべてとアピールする様子がテレビにて。

新聞にも。

詞美。
「穏健な意見と蓋然性ですか。」
「結局は落ち着きましたね。」

瑚々。
「最後には二派に分裂するとは。」
「数年の渡る内戦で仲違いを繰り返したのでしょう。」

小霧。
「最初の攻撃はあまりに規模が大きくて。」
「ゲリラ戦が主体で。」
「内側から発生した敵によるものでした。」
「でもここまで来ると。」
「集大成になっていて。」
「存在意義が試験のためにあるものだと公言しているので。」
「内戦が表面上、終結したものみたいです。」

詞美。
「残った過激派の派閥は孤立を深めています。」
「内戦の正体は新しい時代の試験で出てきた組織でしたね。」

瑚々。
「世界の普遍的な政治形態である。」
「共和国といずれ一体化するとか。」
「公表されていますし。」
「かつてあった可能性が顕現したと思っています。」

お宮にて。

いつもの風景に戻っています。

成功報酬で大金を手にしていましたが。

最近は水面下で動く敵勢力は。

規模も威力も激減してしまい。

市民の不満を解消させた。

やられ役みたいな扱われ方をしています。

祝日の神社で仲間と一緒に会話。

小霧。
「半分自由人が言っていましたが。」
「そこから見れば世人の過酷な状況が見え透いているとか。」
「いかに過酷で無理な活動を強いられているとか。」
「何の意味があって往復しているのかとか。」
「世界が循環していて。」
「循環の一部になっているだけで。」
「どうせ死ぬのになぜ仕事を頑張るのかと。」
「批判していました。」

璃乃。
「視点や立場が違えば。」
「見えてくるものがある。」
「半分自由人も改善点を提案できるのでしょう。」

珠美。
「社会を客観的に見ることができるのは。」
「そうした無関係になった人々だと思いますよ。」

瑠奈。
「利害関係がないので。」
「世人が当たり前と思っているものにも不具合を見つける。」

小霧。
「当事者はどうなのでしょうか。」
「半分自由人から社会を見れば。」
「無駄に過酷で無駄に活動していて。」
「何を益するのか。」
「人間の営みは否定されているものだと実感しました。」

珠美。
「生活だけして終わるようなものですし。」
「どうせ一生の終わりは来るので。」
「あんまり多くは期待していません。」

璃乃。
「生活に追われている社会は。」
「自然界の循環を再現しているだけで。」
「人間の営みは最初から否定されていて。」
「強いられて自然界の循環に入れられているのだと。」
「普段から過酷なのに。」
「さらに過酷にしようと企む輩もいて。」
「これでは自滅しているようにしか見えず。」
「全員で全員の足を引っ張っている。」
「とか。」

小霧。
「動機論だけあるようなものです。」
「個別に目的がありますので。」
「後は動機論ですね。」

瑚々。
「この世界が創造された分析は出尽くしている。」
「でもその後から逆算して創造論を語る者は少なかった。」

詞美。
「悪の所在。」
「この世に悪があるのは。」
「あらかじめ発生要素があり。」
「悪の発生条件が既に整っていたとしか思えない。」

小霧。
「光と闇の世界は表裏一体なために。」
「悪いものはあらかじめその要素が存在した。」
「病気や自然災害が代表で。」
「人間がそっちの方向に行こうとすれば。」
「あっさり悪くなる。」

詞美。
「古代はあまりにうまく行っていたので。」
「プラトンが語るように。」
「義人を目指したり聖者を目指したりも。」
「盛んに論じられていたけれど。」
「この世界には悪が生じるような側面が。」
「複数あるため。」
「悪という考え方で見るならば。」
「最初から発生する余地は必ずあったのです。」
「人間がそれをどう扱ったかで。」
「悪とやらの規模が決まっている。」

璃乃。
「悪ではなくて悪と呼ばれるものについて。」

珠美。
「悪と呼ばれるもの?」
「善と呼ばれるものについて。」
「客観的な言い回しですね。」

瑠奈。
「都合の悪いものを悪と呼んでいるだけかもしれないし。」

珠美。
「人類史は教えられた知ったかぶりでは語れませんね。」

小霧。
「国家に必要なものが整った時には。」
「必ず決まった通りに滅びたりしている。」
「プラトンの歴史観はやはり納得が行くものですし。」
「現在は自然科学の力押しで。」
「もし自然科学が通用しなくなったら。」
「滅亡に直通するのは目に見えている。」
「これまで自然の力を利用した科学文明は。」
「我々だけなのかもしれない。」

詞美。
「プラトンは少し誇張していますわ。」
「自分の研究結果を歴史書に反映しているのです。」
「それによると。」
「地中海にはアトランティスという中規模の島があり。」
「とても栄えていて。」
「社会は万能であったものの。」
「時を重ねて次第におかしくなった。」
「紀元前九千年にアテナイが創設されているので。」
「しばらくしてアトランティスとの大規模戦争があり。」
「アトランティスは地盤沈下で消えてしまった。」
「大西洋ではなくてどうやら。」
「エジプトの西側で今は。」
「アフリカ大陸と一体化している土地で。」
「地盤沈下で消えたので埋まったままで。」
「正確な場所は特定できない。」
「掘り起こしてもろくなものは出てこないとされている。」

瑚々。
「紀元前九千年頃の戦争でアトランティスは出てくる。」
「ギリシャ軍に惨敗しているし。」
「地盤沈下して消える前は。」
「地中海の船の通行を阻害するほど中央にあった。」
「そうなると思ったよりは大きな島ではないし。」
「文明も古代ギリシアと大きな違いはない。」
「綺麗な都市を建設していたという話が伝わっている。」
「代を重ねて退廃した人間で満員になった頃に。」
「この特殊な島は消え失せて伝説となっている。」
「プラトンの創作とか言われるものの。」
「アトランティスがあまりに特殊な島であるので。」
「実際にはあったものの。」
「思ったよりは凄くないありふれた国家というのが。」
「納得が行く説明だと思われます。」

瑠奈。
「紀元前九千年のギリシアは何度も滅んでは。」
「生き残った人間で再建を繰り返したとか。」
「天変地異の多発で流されたとか。」
「天文学からするとありえる自然現象で。」
「幾度も壊滅しては復活している。」
「国家が必要なものが整った時にいつも滅びた。」

璃乃。
「英語のことわざで。」
「人類は・・・全部をつかもうとすれば、全部を失う。」
「国家や文明を完璧に作ったのでそのせいで。」
「自滅したり災害で大打撃を受けたり。」
「打ち壊されたり。」
「やはり完璧に作ったせいで。」
「打ち壊しに遭ったというのが真実に近いかもしれない。」

小霧。
「有神論者なら理解できるでしょう。」
「あまりに酷いものは必ず破壊されるのです。」
「そして鉄の種族の系統が古代ギリシアに伝わっている。」

璃乃。
「そもそも世界には劣った人間の方が多いので。」
「不良品みたいに出た人間が悪を広めている。」
「なぜに悪の所在に拘泥するのか理解できない。」
「善人と言われる人間の方が悪意に満ちていて。」
「世界創造を語られても。」
「その後の世界を見れば。」
「悪というのが勝手に発生していて。」
「最初は悪の余地だけがあるという。」
「簡単な話をした方が早いかもしれないし。」
「世界創造の後に何があるかとか。」
「何があったとか。」
「世界創造の話ではなくて。」
「その後の世界から逆説的に見たほうが。」
「悪の所在がわかりやすいのだと思う。」

小霧。
「ティマイオスの考察の後の世界を見よう。」
「ティマイオスやプラトンの哲学を基礎にして。」
「そこから話を広げるのは健全だと思う。」
「そしてプラトンの創造論から世界を見て。」
「創造された後に世界がどうなったか。」
「逆説的に見る。」
「世界の始まりではなくて。」
「開始して暦が記録された付近で。」
「どうなったかを逆説的に調べれば。」
「悪の所在についての手がかりはあります。」

詞美。
「プラトンのティマイオスは汎神論が使われていて。」
「神様と世界が一体化して同一視されている。」
「でもやはり考察の範囲を出ていないので。」
「宇宙論の土台か基礎としては必要不可欠ですよ。」

瑠奈。
「プラトン哲学に基づいて。」
「世界を語るのならば。」
「かなり健全で納得が行く展開があると思います。」
「星空を見た方が近道かもしれません。」
「もしプラトンを支持するのならば。」
「穏健な意見ばかり入るようになるでしょう。」
「要するにプラトン哲学は安全をもたらします。」

詞美。
「プラトン哲学は考察のベースになるものです。」
「もし自分の考えの基盤として学ぶのならば。」
「哲人の研究が可能になります。」
「プラトンの哲学は研究のベースになります。」
「あらゆる論拠になりますし。」
「まったくの持論よりは。」
「プラトンの哲学をベースとした持論の方が。」
「優れた見解と意見が出るもので。」
「プラトンの哲学が基礎にあれば。」
「個人の分析はこの世にあるものを。」
「探し出すようになり。」
「考察の出発点としてはプラトン哲学は必要になりましょう。」

神社で人が少ない時間帯でしたね。

時は過ぎて夜中。

情報通り。

魔女狩りのナノがいる地下室に侵入する三人娘。

璃乃。
「私は牽制に回ります。」
「あなたが仕留めて。」

珠美。
「騙し討ちは準備よし。」

瑠奈。
「私は後方を確保しておきます。」

璃乃。
「ちょっと複雑な構造かな。」

珠美。
「作戦通りに行けばいいけれど。」

瑠奈。
「核シェルターみたいな場所ですね。」

璃乃。
「やっほー!美女が訪ねてきたよ!」

地下室は入り組んでいて。

独り言で牽制する璃乃。

魔女狩りのナノは隠し扉にいましたが。

飛び出してきた瞬間。

杖を持っていた瑠奈に仕掛けてしまい。

防御力を突破できずに。

後ろから珠美に仕掛けられて。

魔女狩りのナノはひとりに十秒もかけたので。

騙し討ちが成功して。

基本の格闘技である。

エナジープッシュ。

押し付ける。

エネルギーを凝縮して。

ターゲットに密着して押し付けるように体当たりする。

凄まじい衝撃波が発生して。

相手を吹き飛ばす。

珠美。
「もらった!」

魔女狩りのナノ。
「そんなのやめようって!」

吹っ飛ばされて転倒するナノ。

三人娘に囲まれて。

次々と攻撃を食らう。

魔女狩りのナノ。
「危ないじゃないですか!?」
「殺す気ですか!?」

珠美。
「死んでもらうわ。」

珠美が手で押すと。

凄まじい怪力で大きく跳ね飛ばされて。

魔女狩りのナノはダウン。

そのまま簡易的な手錠で縛り。

捕獲に成功。

璃乃。
「なんとか倒しましたね。」

瑠奈。
「私はガードするだけで良かったみたいです。」

珠美。
「けっこう狭い場所だったけれど。」
「距離が詰まればなんとかなりますね。」

自衛隊の特殊部隊がやってきて。

小隊規模ですが。

拠点を調べ始めたので。

とりあいずの目標はクリアして帰ることになりました。

仲間のリストを回収した自衛隊は。

一網打尽にできると。

意気揚々。

この地域の新型テロリストはこれで全滅のようで。

古代から引用して新しく創造されている。

穏健派が社会のプロトタイプとして存続しているのみで。

過激派の終結は時間の問題のようです。

最善はしばしば善の敵になる。


14


世界には、君以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。

その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。

ひたすら歩め。

ニーチェ「反時代」第三部。

深夜の客間。

奥の部屋で寝ている美人さん。

そして集まって雑談する趣味の夜会。

高級なお茶があり。

日付が変わるまで議論で遊びます。

小霧。
「おまえは偉大に向かうおまえの道を。」
「行かねばならぬ。」
「おまえの背後にもう道がないということが。」
「いまおまえに最善の勇気を与えねばならぬ。」

瑠奈。
「かっこいい!!」

小霧。
「お前の立つところを深く掘り下げよ。」
「その下には泉がある。」

珠美。
「灯台下暗し!」

小霧。
「聞け、わたしはあなたがたに超人を教える。」
「人間とは乗り超えられるべき。」
「あるものである。」

瑚々。
「私達も人間を超えていく!」

小霧。
「わたしは待ちかねている。」
「ついに明るくかがやく空が現れるのを。」

瑚々。
「その時は来る!」

小霧。
「創造する者とは、人間の目的を打ち建て。」
「大地に意味と未来を与える者である。」

珠美。
「最高に建設的な真理です!」

小霧。
「おお、孤独よ、わたしの故郷である孤独よ。」
「おまえの声は、なんというしあわせとやさしさをたたえて。」
「わたしに語りかけることだろう。」

瑠奈。
「孤独も最高のモノのひとつですよ!」

小霧。
「一切は行き、一切は帰る。」
「存在の車輪は永遠にまわっている。」
「一切は死んでゆく。」
「一切はふたたび花咲く。」
「存在の年は永遠にめぐっている。」

瑠奈。
「この世界は周回プレーです!」

小霧。
「贈り与えようとすること。」
「これをわたしは太陽から。」
「このあふれる豊かさをもつものが。」
「沈んでゆくときに学び取ったのだ。」

珠美。
「それは思っている以上に巨大です!」

小霧。
「人から押しつけられた意見よりも。」
「自分で思いついた意見のほうを。」
「我々は、はるかに大切にするものである。」
「とすると、人に自分の意見を押しつけようとするのは。」
「そもそも間違いだと言える。」
「暗示を与えて、結論は相手に出させるほうが、よほど利口だ。」

瑠奈。
「なので些細な事は見逃すべき。」

珠美。
「人生で遭難したら岸に向かって漕げ。」
「神に向かって祈れ。」
「だが、岸に向かって漕ぐ手は休めるな。」

瑚々。
「世界の法律になった公正世界仮説について。」
「否定しておきましょう。」

珠美。
「公正世界仮説とはルサンチマンの正当化。」

瑠奈。
「もう論説が打ち破られた仮説ですね。」

瑚々。
「公正世界仮説に基づいて作られた社会。」
「みんなが公正世界仮説を信じ。」
「認知バイアスが強化されているのです。」

小霧。
「なぜか?それを信じたいからです。」
「自分達が利用するためです。」

瑠奈。
「努力が必ず結ばれるとは限らない。」
「封建制度を否定するのは公正世界仮説が関係している。」

瑚々。
「自分達がなんでも正しいと主張する道具ですからね。」
「いわば自分達の存在する根拠をそこに置いています。」

瑠奈。
「世界が公正であると信じたい人間が多い。」
「しかしそれは本人にとっての公正であって。」
「好都合な公正であるし。」
「そもそも公正とは何なのか。」
「公正を自分達で定義して。」
「約束が破られたと言って罵っている。」

珠美。
「勝手に決めた世界観を他人に強要しますし。」
「勝手に決めた世界観とは違うものか出ると。」
「みんな怒り出しますよ。」

瑠奈。
「公正世界仮説を基礎に世界は成立していると思い知れ。」
「逆に利用すれば公正世界仮説を攻撃することで。」
「世界の理不尽な部分に対してアドバンテージが取れる。」
「それは公正世界仮説を攻撃した報酬であって。」
「即座に受け取ることになるから。」

瑚々。
「公正世界仮説の逆のものが大半ですからね。」
「バイアスとは異なる情報を集めれば備えることができます。」
「バイアスが無い世界の方が快適ですから。」
「公正世界仮説とは彼らのルールのことです。」

瑠奈。
「公正世界仮説が解除された瞬間に何が起こるかと言えば。」
「人は平等に扱われないし。」
「どんな不幸になっても当たり前という前提があるし。」
「全員が理に合わない思考を持っていて。」
「認知バイアスになっている時点で。」
「バイアスがさらに強化された状態にあるので。」
「公正世界仮説を裏切る事態は許せないと苦情を言うのです。」

珠美。
「認知バイアスをルールにした彼らですから。」
「ルールに違反していると逆上する訳です。」
「公正世界仮説は勝手に作られた法律です。」

小霧。
「公正世界仮説を逆手にとって公正世界仮説を攻撃すると。」
「明らかに利益がある人がいます。」
「現代は公正世界仮説に基づいていろいろ決まっていますので。」
「彼らはそれとは異なる事態には耐えられない。」
「公正であると見なしてそれに従って。」
「行動原理が公正世界仮説となっているから。」
「公正世界仮説を守ろうと必死になるはずです。」

珠美。
「いつしか公正世界仮説を前提にいろいろ決まっていますので。」
「自分達のルールを破られたくないのに。」
「実際にはあっさり破壊されますので。」
「極端に厳格な私刑を求めているようです。」
「そうしないとあっさり壊されるルールを保持できないので。」

瑠奈。
「彼らにとっての公正であって。」
「自分勝手に公正を定義しているのは言うまでもなく。」
「自分に有利なように公正世界仮説を信じているだけで。」
「結局は自分のためにこの認知バイアスを信じているのです。」

瑚々。
「公正世界仮説はルサンチマンのためのルールですから。」
「勝手に決められた法律通りではないと気が済まないのです。」

珠美。
「公正世界仮説を前提に結論を出せば。」
「人に制裁を加えたり。」
「そうであるものとそうでないものを差別し。」
「攻撃することも可能になり。」
「どんな暴力も実行できてしまいます。」
「差別に反対しておいて。」
「自分では差別をする。」
「みんな平等という考えを否定すると。」
「攻撃してくる時点で。」
「差別に反対する差別主義になっています。」
「そこは平等について具体的な説明が必要なのですが。」
「思い切り差別を受けるでしょう。」
「彼らの支離滅裂で訳の分からない理屈の論拠は。」
「公正世界仮説にあります。」

瑚々。
「全人類の共通認識と常に思い込んでいるので。」
「警察の真似事をして攻撃してくるんですよね。」
「公正世界仮説が裏切られた。」
「公正世界仮説が破壊された経験なら誰でもありますよ。」

瑠奈。
「公正世界仮説はポピュラーな思想になっていて。」
「自分にとっての公正が実現できないと怒り出す。」
「実は公正を定義してそれに従わせようとしているので。」
「公正を引き合いに出して従わないと怒り出す。」
「公正を定義できると知っているので。」
「自分の我儘を通す口実に公正という要素を使っているのです。」

小霧。
「支配が目的で公正世界仮説を使っているのは当然ですね。」
「あれは便利な道具ですから。」
「思わず飛びついたのでしょう。」

珠美。
「利己主義者は公正世界仮説に利用価値があると知っていて。」
「公正とはこうあるべきだという考え方で。」
「それとは異なるものはすべて排除していく。」
「彼らは自分達が一方的な敗北者であり。」
「弱者であって。」
「何もできない。」
「よって言い訳をするために公正世界仮説を使っていて。」
「ルサンチマンにとってこれほど素晴らしい思い込みはめったにない。」
「公正世界仮説とはルサンチマン用の思い込みであり。」
「世界をコントロールしたり他人をコントロールする手段として使われる。」
「公正世界仮説とは手段であって。」
「必ず目的が存在します。」

珠美。
「特に民間において自分達で治めようとして。」
「世界を支配するために使っていますよ。」
「本当は支配して何でも自分のものにしたいのですよ。」

小霧。
「彼らは悪を自分達で定義できると知っていて。」
「自分達の統治の手段に悪という要素を使用する。」
「勝手に悪判定すれば。」
「気に食わない相手を抹殺できるので。」
「自分達が治めるために都合の悪い相手を。」
「悪だと定義して攻撃する。」
「自分達が悪を定義できると知っていて。」
「悪認定された相手が反撃できないのも知っているから。」
「さらには善人を自分達で定義できるのも知っていて。」
「善悪をやたらに前に出す。」

瑠奈。
「悪という言葉ほど利用価値のある手段はそうそうありませんから。」
「悪だから殺せという理屈です。」
「本当の理由は相手を殺害するための言い掛かりです。」
「悪と呼ばれた人は反撃が困難で。」
「一方的に攻撃できると計算しているのですから。」

小霧。
「正義も自分達で定義できると知っているのです。」
「それは彼らが治めるために考案した作戦で。」
「目指しているのは専制政治なのです。」
「本当は政界に進出したくて。」
「小細工を繰り返している。」

珠美。
「それも計算でやっていますよね。」
「悪認定も計算した上で仕掛けています。」
「結局は彼らの計算であって。」
「自分好みの世界を他人に強制するための手段なのです。」

瑠奈。
「悪を自分達で定義できるということは。」
「その報いがあると自分達で判定できるということになります。」
「そして私刑を徹底する。」
「しかし私刑をする側が常に自分勝手で。」
「自分達がルサンチマンそのものであると認めたがらないのは。」
「公正世界仮説を盾にして正当化を繰り返しているから。」
「つまりはルサンチマンという真実から逃れるために。」
「認知バイアスを信じたくてしょうがないのです。」

珠美。
「本当の理由は自分が真実であると思いたい。」
「すべてを私物化したいという野望。」
「自分がすべての決定権を持ちたいという支配への渇望。」

瑠奈。
「奴隷道徳に基づいて作られた世界。」
「しかしそれを認めたくなくて。」
「世界は公正だと言い張ります。」
「それは彼らにとっての公正であって。」
「別の存在からは決して公正ではないので。」
「バイアスが強化された状態では信じてしまいがちで。」
「子供の頃から徹底されて教えられている思考のエラーなのです。」

瑚々。
「第三者から見ると幼稚な思考だと見抜かれます。」
「もし第三者機関に依頼して勝負しようと申し出ると。」
「みんなは理屈を言って逃げ出します。」
「制定したルールを損なうような結果が出てほしくないからです。」

瑠奈。
「もしこの認知バイアスが解除されると。」
「思いのほか。」
「快適な世界が待っているのは。」
「その人だけ逃れたという特権があり。」
「立ち回り方をよく知っているので。」
「公正世界仮説をよく調べて逃れた場合は。」
「逆手に取ってどうすれば生き残れるかを自然に熟知するようになり。」
「自然と適切な行動が取れるようになるから。」

珠美。
「認知バイアスであると理解したので。」
「中身が理解できる。」
「公正世界仮説が無視された経験や。」
「公正世界仮説が無視された出来事を見たりするから。」
「経験論で避けられるんですね。」
「危険を知っているので避けられる。」

瑚々。
「悪事に対して。」
「罰を期待してもほとんどの場合は無駄になる。」
「というのは自分にとっても同じである。」

瑠奈。
「悪呼ばわりされても公正世界仮説を攻撃することで。」
「一方的に悪であると言われずに済みます。」
「ターゲットになる前に壊しておけば。」
「集中狙いはされませんし。」

珠美。
「フェアプレーみたいな部分が世界にはあるので。」
「自分が悪事をしてしまっても。」
「何も害を被らなければ。」
「それはそもそも悪ではないし。」
「何が悪なのかわからない以上。」
「何が善なのかわかりもしない。」
「人間が勝手に決めた善悪に惑わされず。」
「自分で確認した方が悪事について理解が容易です。」

瑠奈。
「先制攻撃で悪判定を覆しておけば後々有利です。」
「どうせターゲットになりますので。」
「先に公正世界仮説を否定して論破しておくのはお得です。」

珠美。
「本当に悪であるならば、良いことなんて何もないし。」
「悪いものを受け続けるので。」
「真実を言えば最大の悪人は公正世界仮説を信じる連中で。」
「公正世界仮説とは悪人を大量生産する工場で。」
「認知バイアスが弱体化して解かれてやっと世界がよく見えるようになるのです。」

瑚々。
「公正世界仮説の信者は全員が悪人ですからね。」
「自分達がどうすれば有利になるのか編み出したルールがあれです。」

珠美。
「なんて狡猾な奴ら。」
「思い通りにしたいからと。」
「自分達で勝手にルールを作って。」
「他人を支配しようだなんて。」

瑠奈。
「それが迎合される作り話であって。」
「ひたすら俗受けする規則ですからね。」
「それ以前に狡猾な連中がいて。」
「数に任せた悪賢い連中が必死になって創作したファンタジーですから。」

小霧。
「バイアスが解除されないうちは世界について何もわからず。」
「思い込みで行動を続けるでしょうし。」
「世界に対して歪んだ認知があり。」
「認知症みたいな事態まで生むのですから。」
「公正世界仮説を否定したり攻撃すればするほど。」
「利益になるのは真実が見えるようになるからで。」
「蓋然性が高くなるごとに慣れていくから。」
「自然科学では適者生存と言います。」
「公正世界仮説を壊していけば。」
「嘘を発見していく過程で慣れますので。」
「変化についていけるようになり。」
「すぐに適者生存という科学用語が物を言うのです。」

瑠奈。
「公正世界仮説が消えた世界は適者生存という科学用語通りに。」
「変化についていける種族だけが生き残ります。」
「不利になっている者は逆転できますし。」
「意味不明な彼らの理屈は公正世界仮説から来ているとわかってしまい。」
「幼稚な考え方を信じていて。」
「それを他人に強要するものだと理解できました。」
「バイアスを使って他人を攻撃するとは狡猾ですね。」
「公正世界仮説なんて馬鹿しか信じないので。」
「信じているのではなく信じたい。」
「公正世界仮説という迷信を信じたいのです。」

小霧。
「公正世界仮説は新興宗教と化しているので。」
「公正世界仮説は新興宗教と同義です。」
「世界で最も巨大な新興宗教は今日も信者獲得のために。」
「自分達の教義を言い触らして洗脳するのです。」

瑠奈。
「バイアスが弱体化するたびに本当の姿が見えますので。」
「雄弁なのは自分で見てしまうものです。」

小霧。
「目撃者がもっとも雄弁ですからね。」

瑠奈。
「悪人が悪人を告発する時代ですから。」

瑚々。
「悪が他人を悪認定する現代ですからね。」

小霧。
「正義を名乗ればどんな悪党も正当化されますから。」

珠美。
「悪者は他人を悪呼ばわりすれば。」
「自分の悪を隠せると計算しています。」

瑠奈。
「世界が公正というのは計算によるものですからね。」

小霧。
「子供の頃から世界が公正であると教育されて。」
「そのように誘導されますから。」
「異なる事態に対して逆上するのはそのためです。」

珠美。
「大半はルサンチマンが考え出したマナーですからね。」

瑠奈。
「道徳と言えば人間的な向上なんて程々にするのがお得です。」
「必要以上に向上心があると。」
「意味もないし。」
「立派な人になっても富裕層には勝てませんから。」
「内面ばかり磨いているのは準備ばかりして。」
「仕掛けもしない臆病者のやることです。」

珠美。
「人間性があるとか言いつつ勝負すると必ず負けますから。」
「立派な人も勝負すると雑魚だったりしますよ。」

瑚々。
「すると勝負して上位に行った人が本当に立派な人ですね。」

瑠奈。
「弱者を正当化するために人間的向上を持ち出すのが大半です。」

珠美。
「そこまで頑張るのは馬鹿真面目。」

瑚々。
「この世には馬鹿正直者の居場所は無い。」

小霧。
「雑談の動機論がよくわからない。」

瑚々。
「原因論というものは解決に役に立ちません。」
「目的論は解決に役に立ちます。」

珠美。
「原因と結果で何でも説明するとか愚の骨頂。」
「修正パッチが適用されていない旧式な頭脳。」

瑠奈。
「目的論は動機論から手段で目的の達成ですから。」
「目的の達成は手段を正当化する。」

小霧。
「事前にあわてふためいて、あとは悠然と構えているほうが。」
「事前に悠然と構えていて。」
「事が起こった時にあわてふためくよりも。」
「利口な場合がある。」
「ウィンストン・チャーチル。」

十時になりまして。

予定通り。

夜食を皆で作って。

楽しみます。

女性同士の連携。

ニーチェ曰く。

道徳的理想の勝利は。

あらゆる勝利と同じ不道徳な手段によって得られる。

すなわち。

暴力、嘘、誹謗中傷、不公正によって。


15


ニーチェ曰く。

どうして人を殺してはいけないのか?

この問いを道徳的に問題があると見なす人々はいる。

とにかく殺してはいけないとか。

ニーチェは肯定的な回答をした。

それは「重罰になる可能性をも考慮に入れて、どうしても殺したければ、やむをえない。」

つまりは「そうするべきだ。」と言った。

十一時過ぎ。

満月。

月は地球の衛星なので。

かなり近距離で周回軌道を取っています。

ジャーナリズムの思想がテレビで展開される時間帯です。

再びお茶を飲んで。

お菓子を食べながら。

議論で遊びます。

珠美。
「どんな馬鹿でも、あら探しをしたり。」
「難癖をつけたり。」
「苦情を言ったりできる。」
「そしてたいていの馬鹿がそれをやる。」
「ベンジャミン・フランクリン。」

瑚々。
「どうせ死ぬんだから。」

珠美。
「そこは私も開き直っていますね。」

瑠奈。
「相手の意見がこちらと違っているからと言って。」
「相手の頭を叩き割ろうとするのは筋違い。」
「この論法ならば。」
「そこら辺を歩く意見が違うであろう人々を。」
「大量殺戮しなければならないというのが当然になる。」

小霧。
「自分が正しいと思っていることについて。」
「とやかく言われる筋合いがない。」
「というのが表現の自由です。」

珠美。
「それでも異論があれば裁判ですね。」

瑚々。
「それは全員が同じ条件なので。」
「それを否定すると全体を壊します。」

瑠奈。
「個人を攻撃するあまりに全体を損なう。」

珠美。
「でも本人は確信していて。」
「害悪を被っているのに続行する。」

小霧。
「そうなると自分まで損なう。」
「自分が破滅してようやく事態を受け入れる。」

珠美。
「というわけで現代も問題だらけの社会です。」

瑚々。
「問題がある場合も。」
「問題にしている場合もありますが。」

瑠奈。
「誰かが問題を作っている場合もあります。」

珠美。
「誰かの作り話には乗らないわよ。」

瑚々。
「現代で所々見られる人間の作り話。」
「あんなの信じたら誘導されてしまう。」

小霧。
「人間の創作。」
「社会や思想に反映される。」

珠美。
「それはやばいわ。」

瑚々。
「そうやって公正世界仮説の欺瞞を暴く。」

小霧。
「公正世界仮説とはファンタジーですからね。」

瑚々。
「現代で最も人気なファンタジー。」

珠美。
「大人気ファンタジー公正世界仮説。」

瑠奈。
「不朽の名作ファンタジー。」
「それは公正世界仮説。」

瑚々。
「ファンタジーが世界で最も読まれているジャンルです。」
「日本でも大人気で最も多く視聴されているんですね。」
「その作品の名前は公正世界仮説。」

瑠奈。
「もしバイアスが弱まってきたら。」
「受け入れがたい世界の見え方がありますが。」
「少しずつ慣れますし。」
「バイアスが無い方が生きやすいのです。」
「因果関係が必ずしも成立せず。」
「因果関係が無視される物事がかなり多いのですから。」

小霧。
「因果関係は役に立たない論証です。」
「因果関係で成立している物事なんてひとつもありません。」

珠美。
「原因があって結果があるなんて誰が言いました?」
「なんでも納得が行く説明がないと気が済まないとか。」

瑠奈。
「人間を納得させる必要がないので。」
「納得しなくて良いのです。」
「変化についていければいいのであって。」
「人間の同意なんて必要ありませんから。」

珠美。
「そこでは強い種族よりも環境に適用できる種族が生き残ります。」
「変化についていくことが大切で。」
「人間が納得しなくていいので。」
「適者生存で難易度は低下しますね。」

瑚々。
「必ずしも強者が生き残るとは限らない。」
「必ずしも弱者が滅びるとは限らない。」
「ダーウィン主義は自然科学ですけれど。」
「科学的な言い回しならダーウィン主義を参考にすべきです。」

珠美。
「原因と結果で説明できなければ納得できないので。」
「すべて説明しろとかそんなご機嫌取りは不要というのは異論の余地がない。」

瑚々。
「いちいち説明したら長文になりますし。」
「その説明で納得する訳がありません。」

瑠奈。
「説明したらしたらで納得しませんしね。」

珠美。
「納得ではなくて変化に適用しろという生物学での指令です。」

小霧。
「強い奴には強い奴が向かっていきます。」
「強い奴にはさらに強い奴が競り合うものです。」
「強者は他の強者との戦いで精いっぱいで。」
「弱い奴を攻撃しているほど暇ではありません。」

瑠奈。
「強ければ強いほど弱い奴には無関心です。」
「そんな暇があったら競争を優位にするために他の事をしますから。」
「弱い奴に構っていたら手間ばかりでいいことがないのです。」

小霧。
「強者は競争や防衛に手間をかけて。」
「弱者を攻撃する余暇なんてありません。」
「わざわざ弱い奴を攻撃するよりは。」
「競争相手の方向を調べている方がお得ですから。」

珠美。
「強い者ほど他の強い奴に備えるものですから。」
「弱者は無視されます。」
「自分の競争で余裕がありませんので。」
「強ければ強いほど別の強い奴との競り合いも激化します。」
「競争の中にいるのに弱者を相手にする余裕はありません。」

小霧。
「ちなみに弱肉強食はダーウィン主義のものではないです。」
「弱肉強食は中国のとある詩の一文で。」
「ダーウィン主義はそんなこと言っていません。」
「誤訳です。」

瑚々。
「ルサンチマンに対して強者は無関心であると述べました。」
「もし因果関係を説明しても理解しませんので。」
「そもそもひとつひとつ細かい所まで説明できません。」
「知りたければ天国にでも行けばいい。」

珠美。
「となると説明するだけ無駄ですね。」

瑚々。
「公正世界仮説は普遍的な新興宗教になりつつあります。」
「所詮は仮説で証明されていませんから。」
「しかも認知バイアスとして論破されていますから。」
「公正世界仮説という背後世界で考えるのは危険思想者です。」

瑠奈。
「世界が公正だなんて誰が言ったのでしょうか?」

珠美。
「実際はかなり違ったもので。」
「あまり大きく外れるものでもないのです。」

瑚々。
「身近な洗脳が解かれるといいですね。」

小霧。
「社会システムが公正世界仮説に基づいている以上。」
「期待できません。」

瑚々。
「個人によって本当か虚偽か変化しませんか?」

珠美。
「全体主義的な善悪や正否は通用しませんよ。」

小霧。
「全体が良しとしている。」
「全体が悪しきとしている。」
「だからあなたもそう。」
「これって独裁者の理屈です。」

瑚々。
「民間における専制政治。」

珠美。
「公正世界仮説とは専制政治である。」

瑠奈。
「出生とかいうシステムは公正世界仮説による専制政治。」

瑚々。
「認知バイアスは無意識で無自覚で陥りますので。」
「奇妙な事ですが考えて残ったのでそれが真実です。」

小霧。
「蓋然性で考えないのは哲学的でもないのですし。」
「蓋然性の習得は必須です。」

瑚々。
「嘘を暴くのは得意になりました。」
「女性に関する蓋然性とか。」

瑠奈。
「ならば勝手に決まった女性という姿は虚偽。」
「女性らしさと言われて教育された内容は欺瞞。」
「自分で創造した女性の姿が蓋然性に基づくもの。」

珠美。
「女性が優しいとか言われましたがなんですかそれ。」
「ボーボワール曰く。」
「女らしさは社会的な強制による創作です。」
「女性を定義して女性という法律を作って。」
「女を設計した量産型のことです。」

瑚々。
「女性は社会的な強制に陥れられますので。」

小霧。
「そういう奴らをみんな殺した。」

珠美。
「力で鎮圧するのはもっとも簡単で素早いですよ。」

小霧。
「悪党を殺して何が悪い。」

珠美。
「調子に乗ったあのニヤニヤ顔を消し去ってやる。」

瑚々。
「ゲーテの親友ヘルダーはとても攻撃的で。」
「意地悪であった有名人です。」

小霧。
「ヘルダーに似ているのかな。」

瑠奈。
「優しい人は必ず勇敢。」
「優しくて臆病者は虚言壁。」

瑚々。
「問題を手際よく表現することによって。」
「問題は半ば、解決されている。」

瑠奈。
「結局のところ、最悪の不幸は決して起こらない。」
「たいていの場合。」
「不幸を予期するから悲惨な目に遭うのだ。」
「オノレ・ド・バルザック。」

小霧。
「私は世界を、ただ世界として見ているだけさ。」
「つまりは舞台、その上で人は誰しも。」
「それぞれの役を演じなければならぬ。」
「そして私の役どころは。」
「愁いに沈む役なのだ。」

瑠奈。
「人生ではなく世界が舞台なのか。」
「それなら私は観客でいよう。」

瑚々。
「世界はすべてひとつの舞台。」
「そして人間は、男も女もみな役者。」

珠美。
「特等席を予約しておきましたよ。」

瑠奈。
「人間の行動には、潮時というものがある。」
「満潮の時に行えば幸運をみちびくが。」
「取り逃がせば、人生の船旅はことごとく。」
「浅瀬にとらわれ、惨めな結果に終るほかない。」

瑚々。
「それを知らない者は定期便にも乗りませんね。」

珠美。
「我々はみんな、この世界という。」
「阿呆ばかりの巨大な舞台に抛り出されて。」
「泣きわめくのだ。」

小霧。
「この世界はファンタジー作品の最高峰ですよ。」

珠美。
「劇を演ずる目的は。」
「昔も今も。」
「いわば自然にむかって鏡をさし向けること。」

瑠奈。
「そして反射した姿を見てしまう。」

瑚々。
「論理で遊ぶ女性は斬新。」

小霧。
「論理地獄!」
「ラッセルはヴィトゲンシュタインの師匠。」
「ラッセルと会話するとしばしば言われた。」
「論理地獄!はラッセルの口癖。」
「それに対してヴィトゲンシュタインは。」
「論理はかたくてツルツルしている。」
「という。」

珠美。
「論理は面白い学問のひとつですよ。」

瑚々。
「論理は換言するとさらに面白いですよ。」
「世のため人のためではなくて共同体の利益。」
「というわけで。」
「共同体は社会とも解釈できますし。」
「共同体は集団ではなくて。」
「政治全般やもっと広い意味を持っています。」

小霧。
「大きな恩恵は、感謝を生みださない。」
「むしろ、相手の心に復讐の念を萌させる。」
「また、小さな恩恵が気になって忘れられないとき。」
「それは呵責の虫となって噛む。」

珠美。
「お節介や親切も度が過ぎると憎まれますよね。」

瑠奈。
「恩恵と言えば。」
「女性解放運動も私に有利になって味方が増えて嬉しいです。」
「フェミニストは男性批判をして欲しい。」
「男性への否定はまだありませんし。」

瑚々。
「真の男性は二つのものを求める。」
「危険と遊戯である。」
「だからかれは。」
「女性を。」
「もっとも危険な玩具として求める。」

珠美。
「男性の使う奇妙な術はそれが目的なんですね。」

瑠奈。
「恋は手段であって目的ではありません。」
「夫婦の道を歩むのが結婚で。」
「恋は相手を選別する手段です。」

瑚々。
「美徳と思われる行為も。」
「自らの破滅を招くことがある。」
「人のためになした行為が。」
「破滅をもたらすこともある。」
「悪徳と思われる行為から。」
「自らの安全と繁栄とが生じる場合もある。」

珠美。
「美徳は条件であって目的ではありませんし。」

ちょうど十二時。

暗黙の了解で解散。

ハグしたりほっぺにキスしたりするメンバー。

深夜にはたまに警報があるので。

よくある夜会なのです。

夜間戦闘も発生する深夜帯は。

民兵にとっても警備員にとっても難易度が高くて。

駆り出される事もあるので。

久しぶりに平和な夜でした。

すぐに就寝。

ニーチェ曰く。

人が道徳に服従するのは道徳的であるからではない。

道徳への服従は君主への服従と同じく。

奴隷根性からでも。

虚栄心からでも。

断念からでも。

狂信からでもありうる。

それ自体はなんら道徳的なことではない。

曙光九七。


16


思慮分別ある者は、快楽ではなく、苦痛なきを目指す。

市街地にて。

散歩中。

詞美。
「人生の享楽や気楽さに注目するのではなく。」
「できるだけ人生の無数な災厄から逃れることに注目すべきと教示する。」
「幸福は夢幻に過ぎず、苦痛こそ現実です。」
「幸福な人生の総決算を出そうとするのならば。」
「自分が味わった喜びではなく。」
「自分が逃れた災厄の数を基準に考量すべきです。」

璃乃。
「最大級の喜びや享楽を基準にして一生の幸福を測ろうとする者は。」
「間違った物差しを掴んでいると言うべきあろう。」

詞美。
「苦痛なき状態で、しかも退屈でなければ、基本的な現世の幸福を手に入れたと言えるだろう。」
「享楽は苦痛という犠牲を払って、危険まで冒して獲得すべきではない。」
「代償を支払うことになるから。」
「苦痛から逃れるために、享楽を犠牲にするのなら。」
「どこまでも利得を得る。」

璃乃。
「現世という残忍な場を歓楽の場に変えたくて。」
「できるだけ苦痛なき状態ではなく。」
「享楽と喜びを目指すのはとんでもない大間違い。」
「これを行っている者はたいそう多い。」
「人生設計の際に苦悩の回避。」
「欠乏や疾患。」
「あらゆる困苦の除去を目指すのならば。」
「それは現実的な目標であり。」
「多少の成果をあげることができる。」

詞美。
「この人生設計は。」
「妨げられることが少なければ少ないほど。」
「それだけ多くの成果をあげることができる。」
「私達はこの世に生まれた時には。」
「幸福と享楽をどっさり要求し。」
「その要求を貫こうという愚かしい望みを抱いている。」
「こうした真理を妨害しているのは。」
「世間の偽善者である。」
「だから若者には早く、こうした偽善者の幻想を暴いてやったほうがいい。」

璃乃。
「ショーペンハウアーの幸福論の一部です。」
「感動しました。」

詞美。
「快楽ではなくて苦痛が無いように。」
「苦痛を削減するのが優先です。」
「快楽は捨てています。」

璃乃。
「達観ですね。」
「快楽が危険であると前々から否定していましたので。」

詞美。
「本当に有能な者なら。」
「今日の評価を得るためにのみ。」
「あくせくすることは。」
「明日や明後日のために何の利益も。」
「もたらさないということを。」
「つねに心にとめておくだろう。」

腕を組んでいる二人組。

恋人繋ぎ。

家電量販店でニュースが流れて。

議題にする。

璃乃。
「どうせ結婚したら同じ事をするだろうと。」
「女性に仕掛ける自称男性がいて。」
「容疑者として浮上する。」
「どうせ結婚したら同じ事をするんだから。」
「ここでしようという理屈らしいのです。」
「夫婦の営みをここで即決しようとか。」
「間違いなのはその男女は婚約していないし。」
「婚約する約束もしていない。」
「自分が婚約する男性であるという屁理屈を言って。」
「追い回している。」
「その男性が格闘技を習った女性に。」
「大怪我をさせられて。」
「男性が負ける姿があったらそれは雄弁。」

詞美。
「男性が女性を色欲で追い回すのは。」
「女性が最後には結婚すると思っていて。」
「少しくらい早くてもいいだろうという。」
「安直な馬鹿っていうことです。」

璃乃。
「色欲で女性は不利です。」
「色欲では男性は有利。」
「女性は妊娠して育児までして夫に仕える。」
「男性はどうにでもできる。」

詞美。
「芸術や美術の描く女性はイデアになっています。」
「なので皆そっちに行ってしまいました。」
「最近の男性は娼婦ばかり追い求めている。」
「それで娼婦は大金持ちになるに違いない。」

璃乃。
「女性に手を出す男はターゲットを娼婦だと思い込んでいる。」
「女性は男性に近付き過ぎていますね。」
「男性と女性は距離を置いて。」
「男女の距離はある程度。」
「離れているのが合理的です。」
「男女が安易に近寄るのは不合理極まりないし。」
「男女が安直に関わるのも非合理極まりない。」

しばらくして。

家に連れ込んで。

詞美の部屋にいる璃乃。

詞美。
「百合がしてみたい。」

璃乃。
「それなら得意ですよ。」

詞美。
「なんですって!」
「得意ですって?」

璃乃。
「女の子同士で戯れるのは昔から趣味です。」

詞美。
「わかりました、では遠慮なく。」

手を繋いで押し倒した詞美。

璃乃は眺められてしまいました。

璃乃は上に乗られて。

詞美はたまらない。

璃乃。
「征服されたような気分になって。」
「好きです。」
「押し倒されると抵抗できませんし。」
「されるがままがいいですね。」

詞美。
「ああっ!私もされたい!」

璃乃。
「変わった趣味ですよねー。」

詞美。
「あなたとは安全に百合できるから。」
「しかも好みの行為をしてくれるから。」
「他の女性は危ないよ。」

今度は詞美が押し倒されて。

璃乃が上に乗る。

手を繋いで。

ずっと眺めています。

詞美。
「本当に征服された構図になって。」
「なんかクセになります。」

璃乃。
「何をしようが私の好きにできますからね。」

詞美。
「それでも過激な行為をされないのも好きよ。」

抱き起こされて。

お互いに抱きしめる。

着せ替え。

二人組でコスプレ衣装で楽しみました。

写真撮影。

少し遠い。

別室にて。

小霧。
「女性の天才は出るとは思いません。」
「後天的な鍛錬で男性を遥かに超える女性は出ます。」
「先天的な要素がある女性でも最後には。」
「男性の懐に入って男性のモノになるので。」
「それでは天性なんて与えるだけ無駄なのでしょう。」

珠美。
「才能も男性の所へ行くと。」
「夫の所有物だからという理由で?」

瑚々。
「結婚すれば女性に自由はないという理由で。」
「才能も使う場所が無いとか。」
「結婚すれば才能の発揮する所がないとか?」

瑠奈。
「最初から結婚すると決まっているのならば。」
「多くを必要としないとか?」

珠美。
「逆説的に言えば男性は女性の立場をコントロールしたいのです。」

瑚々。
「自分達に都合が良い女性像を作って支配したとか?」

瑠奈。
「論証が女性だから〇〇という三段論法にすらなっていないのです。」

珠美。
「女性は〇〇とか。」
「女性だから〇〇で〇〇だから従えという論証かな。」

小霧。
「男性は女性の自由を無いものとして扱ってきた。」

瑚々。
「それは女性に自由を与えたくないからです。」

珠美。
「そうです、男性は女性に自由を与えたくない。」

瑠奈。
「女性が自由を得るのを恐れる男性。」
「男性は女性の自由を妨害して反対する。」
「女性には自由が必要です。」

小霧。
「大胆は勇気を、億病は恐怖をもたらす。」

瑚々。
「男性は女性の自由を脅威に感じている。」

小霧。
「恐怖の目で未来を眺めるのは、危険極まりない。」

瑠奈。
「現代に浸透するリベラリズムで強行突破。」

瑚々。
「フランスでは革命で。」
「君主制が変更されて立憲君主制に移行し。」
「支配階級の力が弱体化した頃から。」
「男性の能力は衰退していて。」
「逆に女性の能力が上がっているのです。」
「日本ではもっとそれが大きく出ていますね。」
「農民や町民の能力には無理があるので。」
「リベラリズムのおかげで身分が平等になるも。」
「今度は能力差が個人で大きく開いてしまい。」
「男女共に能力差での競り合いが発生しています。」
「男性と競う場合はパターンを読んでしまえば大抵勝てます。」
「女性と競う場合は能力が高い女性に警戒してください。」
「型通りに教育された男性は能力が低いので。」
「型にはまっている時点で強くはないです。」

瑠奈。
「男性と競う男性は。」
「同じ男性が普通の手段しか用いない原則をお忘れなく。」
「世人の男性は普通の戦法しか使いません。」
「プライド以外は何も持っていない男性はスルーしても害はなく。」
「攻撃的な男性は無謀なだけです。」
「戦国武将がどう戦ったかを参考にせよ。」
「男性対男性はパターン次第です。」
「型通りの優等生は攻略の難易度が低い。」
「有能な男性は型にはまった男性を見抜いてしまい。」
「そこからワンパターン戦法に対抗するべきです。」

瑚々。
「女性は力量を信じないのが欠落している箇所。」

瑠奈。
「自らの力量を頼みにする。」
「そして力量を常に求めて得ている。」
「力量ならば簡単に手に入ります。」

珠美。
「恐怖の数の方が危険の数より常に多い。」

瑚々。
「私は客観データと持論を融合させるのが得意。」
「論より証拠。」

小霧。
「口論とは誰でもできるゲームですが、双方とも決して勝てない奇妙なゲームです。」

瑚々。
「意見が違って当たり前ですし。」

珠美。
「他人の意見には反駁しないほうが良い。」
「相手が信じ込んでいる不合理を。」
「いちいち説得して思い留まらせようとしたら。」
「けりがつかないし無限に続く。」
「会話の際に。」
「良かれと思ってしたことでも。」
「相手を矯正する論評は控えたほうが良い。」
「覆すのは不可能とまでは行かなくても。」
「難しいから。」
「馬鹿げた内容の会話を聞かされる羽目になり。」
「癇癪でも起こすだろうけれど。」
「こんな馬鹿な喧嘩は可能な限りやめた方が両者に都合が良い。」

瑚々。
「間違ったことが民衆の間や上流階級でも語られて。」
「書物に書かれて堂々と取り上げられて。」
「せめて論駁ぐらいはと思っても。」
「それもない場合に絶望して。」
「この件はこれで決着ということになるのか。」
「などと考えるのは良くない。」
「問題は後から徐々にじっくり検討され。」
「解明され。」
「熟考され。」
「討論されて。」
「たいてい結局は正しく判断されて。」
「正論が出てくる。」
「問題の難しさに匹敵するだけの時間が経てば。」
「頭脳明晰で優秀な者ならいくらでもいるので。」
「ほとんど皆が理解するようになった時に。」
「それを見てから頭脳明晰が暴露した正論を読んで慰めにすると良い。」
「もちろんその間は辛抱すべきであるが。」
「愚昧な人間達の中には正論を言う者もいる。」
「世人は間違いに翻弄されやすいが。」
「狂った時計が合うように世人の理解は遅延するだけです。」

小霧。
「好機は二度と訪れない。」

瑚々。
「一回でも好機を掴めば大局が別物になるものです。」

珠美。
「女性にも男性にも好機は頻繁に通り過ぎていますからね。」

瑠奈。
「それで女子高生最強とのことで。」
「夕方ですが。」
「今日は部活はないの?」

珠美。
「フットボール。」
「上のレベルには上手な選手しかいないし。」
「上手な選手の中で最高を取らないとその上には行けない。」
「子供の頃から競っても。」
「上手な選手しかいない中で勝てるか問われると分が悪い。」
「サッカーボールのキック練習で。」
「あまりに飛距離が短いので。」
「円状のカラーコーンでボールを上に乗せて。」
「少し浮いた状態で蹴ったら。」
「ありえないほど飛距離が出たので。」
「本当はこのくらいボールが飛ぶんだけれど。」
「動いているボールや止まっているボールは。」
「カラーコーンで浮かせて放ったボールよりは飛距離と威力が無い。」
「才能だけではフットボールは駄目で。」
「才能と育成と成熟の諸要素がフィールドでの活躍を決めていたし。」
「いろいろ理屈に合わないので辞めてしまった。」

瑠奈。
「すぐに覚えたことはすぐに忘れる。」

小霧。
「物が分からない子供の頃は。」
「けっこう大人に流されたりはしました。」
「子供に自由が無いからって好き放題するような。」
「教育の中で立ち回るのは苦労しましたよ。」

瑠奈。
「私は目的論がありまして。」
「なんでも知っていると思い込むために。」
「学校に行っていました。」

珠美。
「知らないのが幸福なら、知ることは愚か。」

瑚々。
「リベラリズム。」
「自由と言えばリベラリズムという事になりますね。」
「しかし簡単な説明で言い表す事ができないし。」
「哲学と政治と種類もある。」
「そしてこれらは暴走する場合もある。」
「リベラリズムは世界でどこでも見かけるものの。」
「教養のある。」
「特にエリートにしか対応しておらず。」
「把握も簡単ではないけれど。」
「自由という言葉はリベラリズムと見ても合っている。」
「自由とはリベラリズムから出ている。」
「具体的なスローガンや格言などはないけれど。」
「なんとなく社会に浸透している思想ではある。」

瑠奈。
「自由に目的論が組めるのも良いかなと。」
「人間的向上に興味が無くなりました。」
「実益が無いので。」

珠美。
「私は才能よりも後天的な力量の方が近道でした。」

瑚々。
「思慮分別ある者は、快楽ではなく、苦痛なきを目指す。」

小霧。
「思慮分別のある人は快楽ではなく、苦痛なきに従う。」

謎の集会。

女性の可能性は出尽くした。

ルーミィという名前の巫女が目立っていますね。

スキルタイプの魔法使いが目立ち。

戦士タイプの魔法使いの活躍が減ったもので。

力を与えられて使いこなし。

活用した女性が。

時代最強になっているのです。

国外では政変が多発しており。

次の時代のプロトタイプになったかつての敵勢力。

政治や軍事。

テクノロジーにおいて活躍。

使い勝手が良くて好評。

俗事に関わり過ぎた三人娘。

夕日に向かってつぶやく三姉妹。

実際、人間界の物事にむきになって追い求めるほどの価値はない。


17


希望はずいぶんうそつきではあるが。

とにかく。

わたしたちを楽しい小径をへて。

人生の終わりまで。

連れていってくれる。

祝日。

非番。

琵琶湖で舟遊び中。

とっておきの浅瀬から出発します。

小霧。
「隠れたこの場所しか水着姿はしません。」

詞美。
「個人的には品の無い衣装だと思っていて。」
「人に見せるのは恥ずかしいです。」

瑚々。
「ここら辺は人がいないからね。」

詞美。
「湖は溺れるリスクが大きいから。」
「エリア指定だけれど。」
「浮き輪を持っておいてください。」

小霧。
「泳ぐのならば。」
「互いをロープで繋いで。」
「鉄の杭にも繋いでおいてね。」

瑚々。
「では水着姿で水遊び。」

詞美。
「船は待機させておきますね。」

瑚々。
「妹の写真いいね!」

小霧。
「丁寧に保管してくださいね。」

詞美。
「私も撮ってよ。」

戯れる。

遠くから何気に船が接近。

ホバークラフトが浮上してきて。

インスタ映えを狙って。

自分達をカメラを撮っている集団。

三姉妹に気づいて。

ナンパしてきた。

イケメン兵士。
「おや?」
「女性だけで寂しくない?」

詞美。
「あなたの心よりは寂しくない。」

スター兵士。
「男性も仲間に入れるという選択肢もありますよ。」

詞美。
「男子禁制です。」
「おせっかいな奴。」

イケメン兵士。
「おい!ここでは撮影は禁止だそうだ。」
「せっかくのホバークラフト。」
「試運転は向こうでしようぜ。」

詞美。
「所であなたは自衛隊ですか?」

運転手。
「違うぞ。」

スポーツ系。
「なに言っているんだ。」
「何も喋るな。」

詞美。
「何者でしょうか?」

好青年。
「いやいや単なる大金持ちだよ。」

瑚々。
「これ敵なのでは?」

小霧。
「水着姿で戦うの?」
「スルーした方が良くない?」

瑚々。
「退却する場所がないよ。」

スター兵士。
「所で・・・見慣れない美人さんだね・・・。」

詞美。
「あーはい。」
「マジシャンなので目立ちますよね。」

スター兵士。
「手品師なんだ、どうりで不思議な感覚があるもんだ。」
「申し訳ない。」
「調子に乗ってこんな所に邪魔してしまったね。」

スポーツ系。
「美人さんだけの浅瀬だからね。」
「不細工はさっさと帰るとするよ。」

好青年。
「見なかったことにしてくれ。」

ホバークラフト兵士。

敵同士だとわかると慌てて引き返す。

ナンパした相手が敵同士で。

よりにもよって百人力の魔法使いと遭遇したので。

さらにまだ身元を隠せると思っていて。

あっという間に琵琶湖のどこかへ去っていったのです。

詞美。
「名乗らない方がリスク無かったね。」

瑚々。
「敵も一時間で隠れるでしょう。」
「私達を避けてくるはずです。」

小霧。
「水着は見せるものではありません。」

詞美。
「招かれざる客があったわ。」

水遊び再開。

浅瀬で泳いだり。

船を少しだけ浮かべて。

楽しみました。

女性だけの水辺。

隠れた小屋は知り合いの所有物。

着替えて。

車に搭乗。

短時間の水遊びでしたね。

帰路へ。

小霧。
「やっぱりスルーしても何もしてこないね。」

詞美。
「強者がいると弱者は交戦を避けるものです。」

瑚々。
「あのホバークラフト燃えたそうです。」

小霧。
「やっぱり仲間に見つかったね。」

瑚々。
「男性にナンパされるなんて面白い体験でした。」

詞美。
「しかもそれが敵さんだったなんて。」

瑚々。
「あそこで戦うよりはマシな選択をしたもんです。」

小霧。
「私達が美人だから戦いたくなかったのでは。」

詞美。
「口説いた相手だからためらって焦ったとか。」

瑚々。
「わかりやすい連中でしたよ。」
「魔法使いであると察していて。」
「逃げ出すとは珍しくまともな兵士でしたね。」

小霧。
「四人組なら簡単にやれたのに。」
「今になって思います。」

詞美。
「思わぬ反撃を考えたほうがいいものです。」

小霧。
「敵も最後に美しいものを見れて素晴らしい生涯でしたね。」

瑚々。
「色っぽい台詞を出しますなあ。」

小霧。
「もう観光ビーチなんて行きたくない。」

詞美。
「私も湖でも人が出るとは思いませんでしたよ。」

瑚々。
「帰りにこの二巻を買いましょう。」

小霧。
「あの本屋でいいわね。」

詞美。
「世間の文学作品は通俗的って相場が決まっているよ。」
「なにこれすごい。」

瑚々。
「私は次にこれ読みたい。」

詞美。
「世の中あるあるで。」
「そういうのは中身が無いって相場が決まっているのですよ。」
「なにこれ面白い。」

小霧。
「安全運転したいけれど。」
「レースやってもいいかしら。」

瑚々。
「ここはサーキットじゃありません。」
「飛ばさないでください。」

詞美。
「女子高生の頃。」
「男子からトレーディングカードを貰ったのですけれど。」
「何気に世界で十枚しか無かったレアでした。」
「不用品かなと思って。」
「鞄にしまってあったのです。」
「友人と遊びに行った遠出で。」
「発見されまして。」
「遊覧船の船長がそれを交換してくれないと。」
「もう一周するぞと我儘をやってくれたので。」
「現金という提案をしたら。」
「船長は有金を全部くれました。」
「無かったことにしてくれと頭を抱えながら降ろしてくれました。」
「こうして邪悪な海賊から観光客を解放したのです。」

瑚々。
「むかし。」
「銀行強盗が駐車違反の罰金を切られて。」
「手間取っている間にパトカーが来て。」
「連行されていましたよ。」
「駐車違反だけは勘弁して欲しいと。」
「車の置き場所に拘泥していました。」

詞美。
「出張先で浮気していた奥さん。」
「浮気相手とホテルの部屋に入った瞬間。」
「訪問がありまして。」
「憤慨している見慣れている声でした。」
「妻は。」
「夫は出張に行っているはずだから。」
「ここにいるはずがないと叫びますが。」
「出張先がその地域だったので。」
「友人から知らされて浮気現場にやってきて。」
「とうとう乱入しました。」

小霧。
「やめてください。」

瑚々。
「人のために暮らすのはもうたくさん。」
「せめてこの人生のはしくれは。」
「われわれ自らのために。」
「生きようではないか。」

危険は通り過ぎて。

一時間ほどの遊泳でしたね。

久しぶりに余暇が出来たので。

決行しましたが。

間違って入ってきた人がまさかの敵兵でしたし。

スリリングなレジャーになりました。

潜伏している敵兵も遊びたいのかな。

でも立場が違うので。

彼らは燃やされています。


18


日常的な現存在であるのは誰なのかという問いには。

それは世人であると答えられる。

この世人とは。

誰でもないひとであり。

この誰でもないひとに。

すべての現存在は。

互いに重なり合うように存在しながら。

自らを常に引き渡してしまっているのである。

stella lux stellae splendidus mulier aurum fortitudo bonus idea successus.

お宮。

巫女服で小霧が任務中。

珠美がやってくる。

小霧は同類を案内している最中。

珠美が待っていて。

グループで来訪した同類が境内社に移動すると。

端っこで会話。

小霧。
「securus ordo pax oratio sanctus semper.」

珠美。
「正邪判断は決して調和しない。」

小霧。
「正邪判断の終点は対象の排除にあるので。」
「正邪判断のひとつの終点は。」
「対象を素晴らしいものであると贔屓するか。」
「対象を抹殺して追放するか。」
「あるいはひとつずつ言い掛かりをつけるか。」
「そこら辺が正邪判断の限界です。」
「人間の正邪判断に絶対はないので。」
「正邪判断に依存しない自由な思考が求められます。」

珠美。
「従来の原因論がいかに欠陥だらけで。」
「原因が判明しても直すのは別の話ですからね。」
「それらは他人にも自分にも適用される理法です。」

小霧。
「正邪判断がどのような歪曲をもたらしたのか。」
「必ず破壊に行き着いたはずです。」

珠美。
「自分だけではなく他人も破壊を繰り返しています。」

小霧。
「他人の正邪判断に巻き込まれると危険です。」
「犯人を倒せば解決としか思っていませんので。」

珠美。
「多くの場合は理屈など後付けですからね。」
「言い分や言い訳が後付けだったら?」

小霧。
「理由が後付けというのは普遍的な行動原理です。」
「残念ながら。」
「原因が先にあって結果があるのではなくて。」
「先に結果があって原因を探しているのです。」

珠美。
「すると動機論でしか推理できませんね。」

小霧。
「自分について。」
「自分の行動や言動も理屈が後付けになっていますよね?」
「後から理由をつけています。」

珠美。
「それは本当です。」
「後からこじつける。」
「自分がそうなら他人もなおさら。」

小霧。
「正邪判断で歪んでいる思考を矯正する方法は。」
「正邪判断を否定し続けることですよ。」

珠美。
「因果関係が滅茶苦茶で支離滅裂。」
「因果関係が後付け。」
「要するに原因と結果は後からなんでもこじつけられる。」

小霧。
「素晴らしい所を発見しました。」
「因果関係を無視した思考を得てください。」

珠美。
「因果関係を無視?やってみますね!」

小霧。
「doctus vita itinerator idea arcus argentum virgo splendidus.」

任務に戻る小霧。

今日は担当なので。

手が離せない巫女。

古代の巫女の再現である小霧は。

最近。

討伐の許可も出ていません。

遠くの市場。

烏骨鶏の卵を出店中の瑚々。

業務が終わって。

レストランで会食。

瑠奈。
「mutatio libertas posteritas felicitas sincerus successus indicium natura universum.」

瑚々。
「女性って生まれつきスペックが高くて便利ですよね。」

瑠奈。
「僕が親から教わったのは、女性に勝とうと思うな。」
「勝てないから、スペックが違う。」
「嘘をついてもなんでも見破られる。」
「現代ホスト界の帝王ローランド。」

璃乃。
「そのスペックが引き出された状況では。」
「女性が一方的な勝者。」

瑚々。
「劣っている男性はそれが面白くない。」

瑠奈。
「男性の世界と女性の世界は異なるもの。」

璃乃。
「男女は生物的に異なる。」
「性別の違いは生物の違い。」

瑠奈。
「それでは完全に二者択一ですね。」

瑚々。
「男性の手を借りる必要の無い女性もいますからね。」

瑠奈。
「男女平等と称して言論を差別する。」
「差別に反対する差別主義。」

瑚々。
「社会的強制力を潰せるので好都合なのでは?」

璃乃。
「結婚すると出世の難易度が上がりますので。」
「そういう女性はそもそも結婚や男性など要らないのでは。」

瑠奈。
「ではなぜ不合理で必要の無いイベントをやるのですか?」

瑚々。
「人情と言う弱者のルールで洗脳されているとか?」

璃乃。
「恋と色欲は同じもの。」
「恋と性は同一のもの。」
「恋と性行為を別々に考える場合もある。」

瑠奈。
「そう言えばエロティシズムで。」
「恋と性行為は同一視していますね。」

瑚々。
「無秩序に誕生する子供の事は考えませんし。」
「結婚しないのも理法に依るものです。」

璃乃。
「結婚は強制できないので。」
「裏切ればまかり通るんですけれどね。」

瑠奈。
「処女が非難されるならば。」
「それは彼ら既婚者が戦いに負けたからです。」

瑚々。
「自分がルサンチマンと自覚できる。」
「素晴らしい人間なんていませんしね。」

瑠奈。
「ルサンチマンの逆をやってみてはどうですか?」

璃乃。
「富裕層のマネーパワーは世界を動かす。」

瑚々。
「企業家の勝利は新たな支配者の誕生。」

瑠奈。
「人気者は政治的な支持者に恵まれている。」

瑚々。
「権力者が他人にあなたは猫と言えば。」
「他人はにゃーんと叫ぶ。」
「好きな相手を猫にすることが出来る。」

璃乃。
「対戦者は強者の玩具である。」
「強者は対戦者を好きなように扱うことができる。」

瑚々。
「社会的成功は社会の一部分を領地にしたということ。」

瑠奈。
「何にしろ勝利は対象の獲得。」
「何にしろ敗北は対象の損失。」

璃乃。
「格闘技は誰も逆らえない状況を作り出せる。」
「とても便利な技能。」
「素人は勝てないし。」
「自分にとって有利な状況がずっと続く。」
「対戦者は始めから勝てない戦いを強いられる。」
「格闘技とは接待試合を作れる技能である。」

瑚々。
「暴力とは弱者が虚偽の実力を申告したもの。」
「暴力とは自分より強い者とは決して戦わない申告でもあり。」
「自分より弱い者としか戦わないという宣言である。」

瑠奈。
「優秀な者とは伝統世襲である。」
「天才も伝統世襲である。」
「才能も伝統世襲である。」
「贔屓は人間が作ったもので。」
「贔屓は劣っていて弱い者が。」
「どうすれば勝てるのか互いに擁護して作られた制度である。」

璃乃。
「資産家や富裕層や権力者を見たら。」
「あれが善人なので。」
「善人を尊重して接するべし。」
「強くて優秀な者も善人であるので。」
「善人を尊重して接するべし。」

瑚々。
「弱くて劣っている者が善人と言われる場合。」
「弱さへの言い訳に過ぎない。」
「劣っているのに善人と言われるのは負け惜しみ。」

最近はルサンチマンの逆をやりまくる女性陣。

市街地。

レストランでの待ち合わせに移動中。

ボーイフレンドと一緒に歩くお姉さん。

詞美のボーイフレンドは官僚の息子で。

好意を持っていますが。

友人の垣根を超えるような真似はしていません。

詞美。
「あなたのような善人は目立つべきです。」

ボーイフレンド。
「僕が善人ですか?」
「もっと善良なエリートはけっこう見ましたが。」
「今度から彼らも善人と褒めるべきですね。」

詞美。
「ということは私は勝者の側にいるということ?」

ボーイフレンド。
「勝者になれないのなら、勝利者に加担しましょうよ。」

詞美。
「やったあ!勝者の側につけました!」

ボーイフレンド。
「美人さんを口説けないのは悔しい。」

詞美。
「それは私が相手ではないという意味ですよ。」
「もっとよく探してください。」
「良かったら女性の口説き方を教えましょうか?」

ボーイフレンド。
「なんですと?なんていう女性ですか。」

詞美。
「基本は結婚をちらつかせるのが素早い方法です。」
「特定の単語に弱いので。」
「どんな口先だけが有効なのか確かめることですよ。」

ボーイフレンド。
「おやおや?それはどんな方法で?」

詞美。
「釣った相手の判断を鈍らせる。」
「思考停止ワードが強いので。」
「女性がそれについて考えられないような。」
「解釈が複数ある単語を連発しましょう。」

ボーイフレンド。
「あなたが味方で良かった。」

珠美。
「彼氏ですか?」

ボーイフレンド。
「それを否定しなければ。」
「友軍を失ってしまう。」

詞美。
「あらまあ私も制服姿でよく出歩くわ。」

珠美。
「お姉さんの事、好きなの?どう?」

ボーイフレンド。
「最強の女性であると称賛します。」

詞美。
「あらまあ正直者なのね。」

ボーイフレンド。
「私は嘘をつけない!!」

珠美。
「このジェントルマン!」
「決まっているぞ!」
「男性の決定版なんか出やがって!」

ボーイフレンド。
「おやまあ本当の事ばかり言わないでくれ。」

珠美。
「なんかイケメンなんだけれど。」

ボーイフレンド。
「素晴らしい女の子だ!」
「真実を言ってくれるなんて!」

珠美。
「メールアドレス交換しない?」

ボーイフレンド。
「迂闊に男に近寄るな。」

男性は逃げ出しました。

官僚の息子は用事があるので解散したのです。

レストランに入ります。

瑚々。
「男性は弱点が少ないものの。」
「相手が簡単に能力や権力で上回ってくる攻撃が悲惨で大嫌い。」
「どんな男性もこの攻撃では何もできないから。」

璃乃。
「男性にとって無秩序がこの世で最も気に食わない状況である。」
「秩序がいつでも欲しいし。」
「無秩序を嫌うあまりに治めようと下手な行為をする。」

瑠奈。
「横暴な男性も同じ男性の世界に放り出されると。」
「集中狙いされがちで分が悪い。」
「統治を乱すような男性は男性にとって嫌われ者。」

璃乃。
「男性の望みは統治が上手に行っていること。」
「これが男性共通の望みです。」

瑠奈。
「男性が糧を得て。」
「女性が生活全般を成り立たせる。」
「という構図は昔から同じです。」

瑚々。
「男性が糧を得ないと飢餓になり。」
「女性が生活を何とかしないと凍死する。」
「というのも昔からある役割分担。」

珠美。
「自然哲学ですか?」

詞美。
「世間話は世人と一体化するので。」
「世人とは反対の会話をしているのですよ。」

珠美。
「ハイデガー存在と時間。」
「それでああなるんですね。」

詞美。
「世間話を嫌う理由はそれよ。」

珠美。
「fortitudo lunaticus motus explorator heros facultas audax supremus mulier.」

意見交換が開始されて。

戦況が泥沼の戦いになっていること。

新しい勢力が追加されていること。

内戦は長期間続行されること。

一兵卒と言えども兵法家なので。

貴重な戦力として認められていること。

近況報告。

一時間の打ち合わせで。

散開。

詞美。
「sapiens joculator iustitia voluntas arridere.」

珠美。
「女性についての解釈に異論を唱えて。」
「やっと改善されましたね。」

詞美。
「世人の女性は無理よ。」
「私達は例外の女性だから。」
「どんな規則も通用しません。」

珠美。
「例外だからどんな規則も無視できる。」
「当たり前の話ですね。」

詞美。
「私はこの世にあるものしか言いませんし。」

珠美。
「男性について知りたいです。」

詞美。
「ああなるほど。」
「知っているのは世人の男性のみですよ。」
「男性の世界は無能を我慢できない。」
「男性特有の無能な人材への我慢は決してない。」

珠美。
「男性は同じ男性が嫌いな場合が多々あるわね。」
「男性が最も嫌う相手は同じ男性なの。」

詞美。
「男性は自信があるとすぐに競う。」
「反対に自信が無いと競わない。」
「しかし自信と能力は必ず一致していないわ。」

珠美。
「思えば。」
「男性の世界は優劣や序列が大好きで。」
「男性同士は優劣や序列を素早く作りたがるね。」
「順位で下位の男性は隅に移動し。」
「上位になった男性は中心に移動する。」

詞美。
「利他的な男性はいないわよ。」
「利他的な場合は狙いがある。」
「頭脳明晰は男性の憧れですが。」
「男性の頭脳明晰なんて実在しない。」
「中途半端に賢い男性は大勢いるわ。」

珠美。
「男性はとりあいずマッチョマンになれば有利らしいです。」
「なぜかそれだけで押せる。」
「格闘技は男性にとって何かの特権で得られるもので。」
「男性にとって戦いとは漫画で。」
「戦闘は必ず漫画みたいな展開になると信じているね。」

詞美。
「女性はドラマをドラマとして見るわ。」
「男性はドラマをドラマとしては見ない。」
「テレビを超えて普遍的な哲学にしてしまうのよ。」

珠美。
「世人の男性はそのパターンだらけですよ。」

詞美。
「男性はそれぞれの場所を決めたがる。」
「立場がはっきりするまで男性は競うものですが。」
「立ち位置や役目などが決まると競うのを辞める。」
「椅子の取り合いを最初にして。」
「自分の椅子を確保するか。」
「全員が椅子に座ると競うのを辞める。」
「しかし椅子が無い男性の事は知らないフリをする。」
「男性は競争が前提で。」
「戦闘民族のような生物である。」
「男性とはサイヤ人という種族である。」

珠美。
「男性の順位は常に変動している。」
「それでも男性の多くは平和主義者であり。」
「無駄な戦闘や無駄な行為は嫌っているね。」

詞美。
「もしひとりが優れていると主張すると。」
「どこからか男性が出てきて勝負を申し出る。」
「ひとりが路地裏で強いと主張していても。」
「誰も知らないので何も言われないわね。」
「もしひとりが強いと公に出ますと。」
「試してやろうと複数の男性が出てくる。」

珠美。
「男性は歳を重ねると。」
「この世のものは大抵。」
「知ってしまうので。」
「どうでもよくなるような態度を持つ傾向がある。」

詞美。
「強くて優秀な男性はチャレンジャーに恵まれる。」
「貧弱な男性は見向きもされないので。」
「攻撃されない。」
「劣っている男性は他の男性から。」
「不満を持たれてしまう。」

珠美。
「ハイデガー存在と時間。」
「読みましたね。」

詞美。
「普遍的な男性の観察って奴です。」
「女性が思っているほど男性は強くありません。」
「男性と言ってもいろいろいますので。」
「最下位くらいの男性なら世人の女性でも勝てますよ。」

珠美。
「エリートタイプやジーニアスタイプの男性は手強いですが。」
「男性が頻繁に競うのは同じ男性ですからね。」

詞美。
「女性が見落としているのは男性対男性が熾烈という状況です。」

珠美。
「男性は歳を重ねて。」
「自分の行いを客観的に見てしまい。」
「青年期の行為全般を否定しますからね。」

詞美。
「青年の馬鹿は老人や中年まで持ち込めないものです。」
「意外にも男性は女性に負けたくないと思っているので。」
「女性に敗北した男性は絶句します。」
「しまった!負けてしまった!とね。」

珠美。
「女性対女性は常に互角というのも見ましたよ。」

詞美。
「歩兵の女性対歩兵の女性は訓練されていますので。」
「いつも激戦になるんですけれどね。」

珠美。
「女性は自分のスペックを活用する、これが課題ですね。」

詞美。
「女性は力を否定すると、すぐに運の尽きです。」
「女性は力を肯定すべきですよ。」

珠美。
「ハイデガー存在と時間。」
「世人から離れた女性が蓋然性を獲得する。」

詞美。
「みんなとか言う奴は誰ですか?」
「みんなが何々というのは。」
「ソイツもみんなの一部であるので。」
「結局はソイツは自分の事を言っているのです。」
「みんなやっているからとか。」
「みんな言っているからとか。」
「ソイツがやったことと同一視できる訳です。」
「なのでみんなとはソイツの事です。」

珠美。
「パラドックス。」
「みんなを代弁しての言い分ならば。」
「みんなとか言いつつ自分の言い分を言っているのと同じで。」
「ソイツはみんなと同義なので。」
「みんなとか言いつつ自分の言い分を主張しているので。」
「みんなとは何か?みんなとは誰なのか?」
「それはみんなとか言う本人を意味します。」
「みんなを代弁しているつもりが自分の自己主張をしているのです。」

詞美。
「みんなのせい。」
「というのは矛盾しています。」
「本人もみんなの一部なのですから。」
「みんなの一部である本人がみんなのせいにしても。」
「みんなの一部分の本人がしたことなので。」
「本人のせいになり。」
「みんなと本人は同一のものですから。」
「みんなのせいにできません。」
「本人がやったことです。」
「パラドックスです。」

珠美。
「容姿端麗で知略も武力も長けているとは。」
「好きです。」

詞美。
「一日で築いた技能ではありませんよ。」

珠美。
「まるで手品のようです。」

詞美。
「本当の所は手品ですよ。」

珠美。
「女性の私でも惚れました。」

詞美。
「あらまあ一夫多妻制が女性にもあるのね・・・・。」

珠美。
「oliva caneremisericordiaingenium victoria miraculum iuratio.」

詞美。
「phantasia mundus omnis symbolum fatum liberatio proditio destructio commodum bellare.」

お店までついてくると思ったら。

なんと珠美はアルバイトに応募しました。

詞美のお店です。

技能訓練で雇いまして。

ひょっとしたら何かあったら。

代わりになってくれるのかな。

傭兵の需要が桁外れになった戦況で。

軍事用デバイスには依頼が舞い込んでいますし。

同じ民兵同士で。

手柄の取り合いが発生しています。

principiumhistorialiber herois aevum convenientia cupiditasingenium saeculum.

bonum galaxias gemma omnipotens bellus
electio bellum historia fabularis convenientia.

capire fortunae pecunia bona sincerus ardor laetitia concursio ecclesia pharus insigne tempestas fluvius lacus fodina capire.

vivatus cantor saltator amatuspersonasciresomniumnodusthesaurusprostibula ancilla joculator heros datum nobilis vivatus volare.



19


虫がいい。

自分に好都合なようにばかり考える態度。

夕方。

便乗犯が工作。

犯罪集団が敵勢力の一部となっているので。

猛威を振るっています。

集中的にATMを狙っているようで。

友軍が待ち伏せしている。

狙いやすい罠に誘導していました。

工兵の技術であっという間にATMを破壊しますが。

ATMが大爆発!

犯行グループが吹っ飛ばされてしまい。

そのままダウン。

逃走中の犯人狩りが発生。

小霧。
「この近くで待ち伏せが成功して。」
「数名が逃走中とか。」

瑚々。
「今行ったら間に合うかな?」

小霧。
「容疑者一人では一万円以下ですよ。」

詞美。
「最近は、魔法使いに対する讒言を使って。」
「切り札を落とそうと頑張っている連中がいて。」
「集団で仕掛けてくるから。」
「数に圧倒されないようにって。」

瑚々。
「集団とかよくあるネタですね。」

小霧。
「集団なんて単語は群集心理のネタです。」

瑚々。
「所で、集団って何?」

小霧。
「集団とは何ですか?」

詞美。
「集団とは群集心理に染まった連中の意味です。」

瑚々。
「勝手に決めた集団とか言う名前の狂信者ですか。」

小霧。
「定義が無いのに集団とか主張するのは。」
「扇動者の類かと。」

詞美。
「自分の考えが一般的で適切だなんて思わないことですよ。」
「一般的で適切な考えなんてありえないので。」

小霧。
「自分が一般的で適切だと考えているに過ぎないけれど。」

瑚々。
「自称一般人。」

小霧。
「言い負かすしか取り柄のない人はどうなるの?」

詞美。
「言い負かすしか特技がない?」
「なんとも情けない人ですね。」

小霧。
「言い負かす以外のことはできないでしょう。」

詞美。
「言い負かす以外の何かが出来たら褒めてあげて。」
「その人の進歩ですから。」

瑚々。
「言い負かすしか存在価値がないなんて悲惨!」

小霧。
「口論には審判がいませんからね。」

瑚々。
「試合ではないので。」
「口論は競技としては成立していません。」

詞美。
「相手を悪だという事にして罵ると。」
「相手は腹が立って攻撃してくる。」
「向かってきた相手に。」
「ほら悪だったじゃないかとさらに罵る。」

瑚々。
「なんていう姦計。」

小霧。
「悪党が悪党を告発する。」

詞美。
「法律を使って殺人をする完全犯罪なんてものを。」
「見たことがあります。」
「できるんですよこれが。
「看破できる人間がいないので。」」
「そのせいです。」
「アメリカでよくある虐待された子供が犯罪者になる事件。」
「無理矢理こじつけて子供を犯罪者にして無期懲役ですので。」
「生まれた時点でこうした殺人犯にされて殺されてしまう。」
「法律を使った完全犯罪。」

瑚々。
「ここに争いはありません。」
「誰かが持ち込まない限り。」

詞美。
「倫理学の出番ですか?」

小霧。
「孔子の論語は道徳の古典で。」
「人工の道徳は捨てて論語を読んでおくべし。」
「道徳は命令しかしないので。」
「道徳による命令は服従が前提にあります。」
「論語は倫理学の扱いです。」
「倫理学として読むのなら論語は素晴らしい。」

詞美。
「人間的向上なんて何の実利にもならないので。」
「それだけを求めるのは馬鹿みたいに思えます。」
「人間性は利益と一体化しないと。」
「習うだけ無駄です。」
「それで通用しない場合が大半なので。」
「不利になったからと言って状況を勉強と称して美化しているだけ。」
「それが人間的向上の真実ですし。」

瑚々。
「人間的に向上して何をするのでしょうか?」
「人間性は手段として最悪で。」
「それも多額の投資が必要です。」
「人間的な向上で解決するのは手段としては馬鹿馬鹿しい。」

小霧。
「美徳は卑しい存在になるのを防ぎますが。」
「それ以外には使いものにはなりません。」

瑚々。
「健康に生活していたら。」
「邪魔者と妨害が出現してそれに対処する。」
「これが不幸の正体ですよ。」
「自分が不注意でやらかしたものでなければ。」
「外部が持ち込んだものです。」
「誰かが持ち込んで不幸が生じる。」

詞美。
「逆境が何かくれるとは限りません。」
「外部が持ち込んだものですから。」
「逆境よりも何事も無いほうが勉強になりますよ。」
「何事も無いのでどうすれば達成できるか。」
「好き放題に練られる訳です。」
「逆境はそうした試行錯誤の余裕と時間を奪います。」
「逆境は無駄で損失しか加えないので。」
「それで学んだとかは理屈が後付けです。」
「経験するだけ無駄で意味はありませんよ。」
「火傷したり怪我するのが逆境の正体ですから。」
「逆境になったらどうせ汚されるだけだと思ってください。」

小霧。
「苦労なんて必要ですか?」
「何に苦労するのか対象がありませんよね。」
「登山する苦労なら目的があります。」
「苦労そのものに目的がありません。」
「苦労に目標が無い以上。」
「そんなもの要りません。」
「外部が持ち込んだものです。」

瑚々。
「困難なんて向こうからぶつかってきたもので。」
「困難はすぐに壊してしまえばいいのです。」
「困難は邪魔者を正当化するので。」
「破壊するだけ。」
「困難と邪魔者は同一視できます。」

詞美。
「なぜそう思いたかったのか。」
「なぜそう思ってしまったのかが。」
「争点でしょうね。」

三人娘が合流。

付近で。

不審者が多発しているので。

確認しに来ていました。

発見して情報を得るのです。

瑚々。
「世人の趣味は・・・口論!」

珠美。
「vastare genesis incubus clamare proditio.」

璃乃。
「出生の初期設定がそのまま人生に影響を与えているので。」
「生まれつきの思想や関係などを断ち切ってしまうと。」
「重荷を捨てることが出来ます。」
「先天的に人間的向上が目標であったら。」
「手のひらを返して投げ出してしまえば自由です。」

瑠奈。
「建設を習う前に破壊を習うべし。」

珠美。
「出生の目的と自分の目的が食い違っていて。」
「迷わず自害を選ぶ人がいるけれど。」
「それが真実ですよ。」

璃乃。
「結果論で間違いならば前提の間違いですから。」
「結果的に誤りなら前提に誤りがあります。」

瑠奈。
「ここに諍いはありません。」
「誰かが持ち込まない限り。」

瑚々。
「そのデバイスに表示されている通知は?」

警告表示。

サイバー戦争は過熱しています。

実働部隊がサイバー攻撃を仕掛ける人間の所に行って。

仕留める場合もあります。

パーソナルコンピューターが無いと何も出来ないのが。

ハッカーの実情ですし。

インターネットでの計略も。

直接、法廷で叩かれると無力です。

軽く偵察のつもりが。

素人の尾行がありまして。

袋小路に誘導して。

四人組を罠にかけました。

璃乃。
「うわー!沙汰ですか。」
「理由は馬鹿げていますが。」
「よくあることなんですよね。」

凡愚一。
「お前だけ?」

凡愚二。
「油断するな。」

凡愚三。
「焦っているのか?俺は?」

凡愚四。
「こんな強い奴と戦いたくないよ。」

璃乃。
「かかってこーい。」

凡愚一。
「ひとりならやれるか?」

凡愚二。
「わからない。」

凡愚三。
「数では上だぞ。」
「もう数人はどこだ?」

凡愚四。
「僕は逃げるぞ!」

凡愚三。
「俺も逃げよう。」
「野生動物は・・・・。」
「自分が勝てる相手に仕掛ける。」
「勝てない相手からは逃げる。」
「そもそも隠れて対戦を避けるものだ。」

凡愚四。
「ダーウィニズムではないけれど。」
「逃げろー。」

璃乃。
「まさか君達を虐待しなければならないとは。」

凡愚一。
「行けー!」

隠れていて。

各方向から。

全速力で集団を囲みました。

虫を潰すかのように。

容疑者は倒れていきます。

力の差があって相手にならない。

珠美。
「こいつら。」
「当たれば潰れるわね。」

瑠奈。
「追加で二人来ました。」

小霧。
「ひとりに十秒もかけてはだめよ。」

詞美。
「よし!五秒で倒れてくれた!」

凡愚一。
「そんなことはやってはいけない!」

詞美。
「それはあなたの命令でしょ?」

凡愚二。
「そんなことをしてはならない!」

璃乃。
「遠回しに命令しているだけでは?」

凡愚一。
「やってはいけない!」

詞美。
「それはあなたが遠回しの命令をしているだけでしょ?」

小霧。
「できるという理由ならばやれるということ。」
「容赦すれば。」
「敵側が踏み込んでくる。」
「極北の連邦何々大統領みたいに。」
「できるからという理由でやる前例がありますし。」

珠美。
「極北の連邦何々大統領の趣味は戦争。」
「戦争大好き!」
「強引に言い負かして爆弾落として。」
「戦車と歩兵で殺しまくる。」
「それは個人でも同じ。」

瑚々。
「よくある命令。」
「やっちゃダメ。」
「やってはいけない。」
「これは命令であって。」
「従うような馬鹿正直者は見たことがない。」

瑠奈。
「してはならないという理由で。」
「ためらうような人間は見たことがなかった。」
「やってはいけない。」
「こんな命令はあまりに無力。」

璃乃。
「命令している奴は普段から守った試しは無いです。」

珠美。
「自分で命令しておいて無視するとか。」
「手本でも見せてみれば?」
「どうせ残酷な目に遭うと思うけれどね。」

凡愚一。
「ぐあー!」
「まるで手品のようだ・・・。」

凡愚二。
「何が違ったのか・・・。」

凡愚一。
「奇術師のような戦い方だ・・・。」

数人を薙ぎ倒すと。

付近を巡回していた警察官が目撃していて。

残った敵集団の一部分は逃走。

集団に逮捕状が出されまして。

サイバー砲兵部隊なるプロの犯罪集団もすぐに摘発。

少なからず成功報酬がありまして。

面倒くさい讒言を為政者が制圧。

最近、こうした敵勢力に加担する犯罪集団が多く。

インターネットが無いと何も出来ないと揶揄される事件として。

流行になったりと。

民衆は危険と知りながらゲーム感覚で眺めている状態です。

民衆からは喜劇として見えるようで。

思ったより庶民は平気ですね。

璃乃。
「活躍すると報酬も多い。」

詞美。
「平民は戦えませんからね。」
「全員で支援部隊になりますし。」

瑠奈。
「人間が放火した戦火くらい。」
「自分達で消火するものです。」

瑚々。
「自分達で放火して。」
「挙句の果てには助けてくれだなんて。」
「人間なんて情けない生き物。」

珠美。
「放火が戦争という名前の戦火。」

小霧。
「人間のそんな愚かな所も。」
「受け入れてあげましょうよ。」

璃乃。
「そうですよね。」

珠美。
「もう夜です。」

瑚々。
「道が暗いです。」
「手動式の懐中電灯があります。」

珠美。
「歩き慣れていないと遠いかも。」

詞美。
「道ですか。」
「こんなふうに人の道は存在しないよ。」

小霧。
「自分の道とか。」
「どこに繋がっているか分からないじゃないですか。」
「どこに通じているのか分からない道を。」
「無批判に進むのですか?」
「残酷な場所が終点になっているのがオチですよ。」

詞美。
「道がずっと繋がっている保証はありません。」
「どこに行くのか分からない道なんて信用に値しません。」

小霧。
「与えられたものに異議を唱えて。」
「自ら切り開く道が迷わずに済むし。」
「道順に進んで良いことがあるとは言えない。」
「平気で罠であったり騙されるような道に必ず入る。」

璃乃。
「与えられたものを撃破して。」
「自ら切り開いていけば。」
「好きなように道を開くことができます。」
「道があるので進むのではありません。」
「自分が道を作って進むのです。」
「すぐに平坦な場所に出るのは。」
「道順が決して正解ではないという理由からです。」

珠美。
「どこに繋がっているのか分からない道に行くのは。」
「自分の馬鹿を認めるようなものです。」

璃乃。
「自分の道であると本人がそう思っているに過ぎなくて。」
「世人の道というのもありえますからね。」

珠美。
「自分の道だと信じていたのに世人の道でした?」
「それはひどい。」

解散。

思わぬ戦果。

つぶやき。

詩。

principium velitatio genesis bellum stultus mendax intericere.


20


felicitas orare.

misericordia orare felicitas.

inimicus mors vastare miseria praedo mors.

mors monomachia historia.

inimicus destructio inimicus odium currere detrahere perdere.

夜間の作業。

軍事用デバイスがbotをWEBに放つので。

監視しています。

敵の情報があるのかないのか。

隠れている敵がいないのか。

ログを見ています。

人工知能を使った探索です。

小霧。
「semper felicitas orare flere.」

瑠奈。
「Why did you have to start genocide?」

小霧。
「You wanted me to destroy them all.」

瑠奈。
「We could've all just had a good times.」

珠美。
「なんであなたは暴力なんて便利なものを利用しないの?」
「暴力を利用すれば。」
「なんでも思い通りに行くから。」
「手段に拘泥したあなたの負けは。」
「決められた順序で進行する訳だからね。」
「なんであなたは暴力なんて便利なものを利用しないの?」
「あの力を使えばあなたはなんでも自分の好きにできる。」

璃乃。
「You think that you can play the victim.」

瑠奈。
「道徳ならば旧約聖書の箴言がなぜか引き合いに出されない。」

詞美。
「意見。」
「ある問題についての考え。」

瑚々。
「異見。」
「他と違った考え。」

珠美。
「持論。」
「その人がいつも主張する説・議論・自説。」

詞美。
「自説。」
「自分の説。」
「自分の意見。」

瑠奈。
「この世に生まれるだけ無駄。」
「なぜ生まれてくるの?」
「この世に生まれるだけ無駄。」
「なぜ生まれてくるの?」
「なんのために生まれてくるの?」
「なんのために生まれてくるの?」
「どうせああなるだけなのに。」
「なぜ生まれる必要があるのか問われる。」
「どうせああなるだけでしょ。」
「その先に何がある。」
「何も無いよ。」
「どんなことも。」
「あなたを打つよ。」
「なぜ生まれてくる必要があるの?」
「どうせあなたを待ち受けているものは。」

璃乃。
「Just like you showed me.」
「Was the right thing to do.」
「No matter who it is.」
「I’m sure that someone could’ve helped you.」
「And you don’t regret.」

瑠奈。
「mendacium obligatio mundus contagio fraudator.」

詞美。
「プラトンが説いた神の正義を悟れ。」
「人間の正義と神の正義は別物です。」
「プラトンの著書。」
「国家で語られる。」
「神の正義を体験すること。」
「神の正義を察すること。」
「人間の正義から離れること。」

小霧。
「正義の反対が悪だなんて誰が決めたの?」
「誰かが決めた正義を代弁するの?」
「正義の反対は不義。」
「不義の反対は正義。」

瑚々。
「昨日。」
「正義を祈願しました。」

小霧。
「祈願した内容は基本。」
「遅延されるので。」
「少しは待ってみて。」

璃乃。
「みんな大好き龍神様。」
「目立たないお宮で祀られていたわ。」

小霧。
「私と龍神はあまりに相性が良い。」
「そして龍神は崇敬者からかなり好かれる。」
「頻繁に会えるのは。」
「高霧神。」
「高霧神は龍神と同神。」
「公式では古代信仰。」
「霊験と霊威共に強烈で。」
「人間を超えている存在ですので。」
「崇敬者も人間を超えてしまい。」
「人間の制約を半分無視できるようになります。」
「霊感も強力なので。」
「感動しますよ。」

詞美。
「全国各地のお宮で祀られているので。」
「招かれると発見できますよね。」
「公式によると龍神は一柱だけではないので。」
「どこかのお宮で確認できるかと思います。」
「龍神好きな崇敬者はけっこういます。」

珠美。
「人間の制約を半分無視。」

小霧。
「強いとか弱いとかそういうものではなくて。」
「巨大で何もかも小さく見えます。」

璃乃。
「充分強ければ文句なし。」

珠美。
「なぜ?に弱い現代社会。」

瑚々。
「確信が失われると脆い現代思想。」

詞美。
「同調。」
「なぜ同じ態度でなければならないのか?」
「なぜ同じ意見でなければならないのか?」
「なぜ同じである必要があるのか?」

珠美。
「世の中、全部が正直者と思わないほうがいいよ。」

璃乃。
「可能な限り賢明ならば文句なし。」
「賢さと道理は同一視するもの。」
「賢明の定義は重要です。」

珠美。
「時には虚偽を選択する人間もいると思います。」

詞美。
「現状に無批判なのは良くないけれど。」
「批判ばかりするのは逆に有害。」

瑠奈。
「批判を避けるのは確信を守るためかな。」

詞美。
「確信が解けると全崩壊する危険があるから?」

瑠奈。
「批判されて確信が解けて論理崩壊をするなんて場合も。」

璃乃。
「欺瞞で形を保っていたのかしら。」

瑠奈。
「外部の情報で欺瞞を見抜く。」

瑚々。
「人は歴史においてもっと上の善を見れば。」
「いつだって態度が変わっていましたよ。」

璃乃。
「もっと善きものを見たり聞いたりすれば。」
「もはや現状に満足できなくなるよね。」

珠美。
「自然科学を除いたら歴史はまったく展開が同じですからね。」

瑚々。
「自然科学を使って?栄した文明ですか。」

小霧。
「現代アドラー心理学も人間の科学と言われていますけれど。」
「目的論はジョークの標的になったことがある。」

璃乃。
「それは知っていますが。」
「出生という仕組みを信用する人間なんて。」
「もはやいない。」

小霧。
「歴史を顧みれば。」
「出生が挙動不審になったことはかなり少ないですね。」

珠美。
「合理的な場所に合理的に生まれている。」

瑠奈。
「君主や貴族とかは出生に誤りがあればすぐ死にますし。」

瑚々。
「平民や農民が文句を言ったり苦情などは見たことがないです。」

瑠奈。
「平民や農民が権利を主張したことは。」
「歴史では無かったですね。」
「そこから出世して達人になったり。」
「お偉いさんになったりは多くいました。」

瑚々。
「そもそも昔は子供の半数近くは。」
「成人になる前に死亡しました。」
「病気によって。」

詞美。
「医療の発展によって死亡率は激減。」
「それがきっかけではないですね。」

璃乃。
「武士の家に雑魚が生まれても。」
「追放されたり悪く言われて。」
「名誉が失墜したなんて史実で読んだことがないです。」

詞美。
「昔は。」
「名誉と利益は同じものでしたからね。」
「高い身分で雑魚が生まれたら。」
「全部が失われるはずですけれど。」
「歴史において雑魚が破壊した事例は。」
「数えるほどしか見当たりませんでした。」

璃乃。
「現在も五百年経過で歴史の一部。」
「昔呼ばわりされるに決まっています。」

小霧。
「現代も教材でこういう時代だったと。」
「風刺になっているかもしれませんし。」
「成功例か失敗例かいろいろですよ。」

璃乃。
「おまけに。」
「平民の力で自由主義の扉が開かれている訳ではないですよ。」

珠美。
「それで調子に乗ったのか。」
「庶民が武士の猿真似をして呆れています。」
「自分は何々家とか武士の真似事です。」

瑚々。
「伝統の無い家が武士の真似事をして。」
「何々家なんて言うべきではないよ。」

瑠奈。
「子孫繁栄は社会レベルで見ればあまりに小さくて。」
「下らないもの。」
「永続などしないから。」

珠美。
「享楽主義者共の世界。」
「しかし世界の解釈なんて唯名論でしょうよ。」

詞美。
「世界観も主観ですからね。」
「世人の世界観に染まったら危ない。」

瑠奈。
「みんな、なんでも知っていると思い込んでいますから。」

璃乃。
「世間と一体化している世人は。」
「世間と個人が同一のものなので。」
「非難されない状況を作り出しています。」

珠美。
「もし批判するなという苦情があったら。」
「誰にでも適用できますからね。」
「個人において頻繁に何かを批判する機会はあると思います。」
「肝心なのは意見であって正論は二の次です。」

詞美。
「誰にでも当てはまる非難も多いものですよ。」

瑚々。
「でも、本当の事は言っていませんし。」
「どちらかと言いますと問題提起の連発。」
「誰かが同じ事をしたらどんな醜態を晒すでしょうか。」

小霧。
「古典を読んだら自説と融合したので。」
「客観データに持論を上乗せするのが最高の意見。」

璃乃。
「客観データと自分の意見が合わさる。」
「そこでは正論ではなく意見だけが必要です。」

小霧。
「意見に競争は必要ないのですし。」

璃乃。
「競走と言えば作品についても。」
「芸術において競うのはナンセンスかと。」

瑠奈。
「一神教では日本人が持ち込んだ。」
「ゲームやアニメや漫画の神話モドキに悩まされています。」
「あれのせいで教会に人がいないとか。」

小霧。
「作品は本人の思想が主体ですからね。」
「現実より面白くて予約殺到。」
「現実主義もファンタジー作品の傑作でしょうに。」

珠美。
「彼らの言う現実って何でしょうか。」

璃乃。
「行き当たりばったりという意味。」

瑚々。
「オイディプス王くらい読んでいないと。」
「文学者という人間も話にならない。」

詞美。
「創作の起源は宗教から来ています。」
「プラトンのティマイオスを精読すれば。」
「創造性が習得できますよ。」
「ティマイオスの宇宙論は影響が多大です。」
「哲学の要素で思想が大量に飛び出し。」
「宗教の要素で創造論が活性化します。」
「アリストテレス詩学。」
「ホラーティウス詩論。」
「これも必要です。」

小霧。
「メランコリアーが定期的に暴発する。」

詞美。
「天才は狂気の力を持つ反面。」
「メランコリアーになりやすい。」

瑠奈。
「正気の天才なんて言い回しは。」
「言語の使用法則に反しています。」

小霧。
「理由もなく恐怖や不安があるのは。」
「人について確実なものが皆無という。」
「不確定要素が多くて。」
「無批判を容認しない変化からかもしれません。」
「とにかく理由がないのです。」

民兵。

いわゆる賞金稼ぎと指揮下の兵士と。

複数います。

強行偵察部隊に分類。

一撃離脱と迅速な情報収集。

データリンクが求められます。

ステルス能力が必要で。

戦闘力も高くないと務まりません。

多数の兵科に組み込まれているのです。

チームメンバーは賞金稼ぎです。

たまにやる夜会は終了。

面白い意見や疑問などが題材でしたね。

デバイスが集めた情報を整理整頓。

特に収穫はなし。

何週間も粘ってやっと数個出ます。

作業終了。

しばらくして。

チャイム。

インターホンでは宅配便です。

玄関を開けますと。

いきなり突っ込んでくる男性。

しかし男性を秒殺した。

一瞬で地面に叩き落としました。

変態。
「だからやめておけば良かったんだよ。」
「こんなに強いなんて聞いてないよ。」

瑚々。
「何者!?」

二人目が敷地内で工作していたので。

迎撃。

敵が追加されると。

両方、目標を見失いました。

動き回られた。

敵の姿が見えません。

予測して動きますと。

目の前に来てしまった敵兵。

攻撃をガードして跳ね返しました。

魔法攻撃を敵諸共吹っ飛ばして。

敵が壁に激突。

詞美。
「そう上手くは行くものですか!!」

挑戦者。
「俺の大発火先輩を防ぐな!」

女性兵士。
「スタンガンと同じ攻撃が可能です。」

挑戦者。
「うわああああ!?」
「いくら友達でも雷帯びてやってくれば驚くでしょ!」

詞美。
「ヘッドフォンの女の子?」
「絶対ミュージックステーションかけてるでしょ。」
「ミュージックステーションはスルーです。」

瑚々。
「ペットのオオカミを戦闘用に?動物虐待でしょ!」

小霧。
「大剣マンがいるし。」
「ハルバードマンもいるし。」
「装備の質。」
「見るからに粗悪品ですね。」

瑚々。
「あいつら何がしたいの?」

小霧。
「ドレスソードで飛び斬り。」

瑚々。
「シューティングスターアタック!!」

ジャンプ攻撃多用の飛蝗戦法。

最後には。

タックルで敵を倒しました。

正門から回ってすぐに援護する。

移動。

裏手で打ち合いになる。

挟み撃ちにするために。

時間稼ぎ。

詞美。
「貴様は強くない。」

挑戦者。
「あかん!ダメだこれ!」

女性兵士。
「やばい!こんなのに勝てる訳ないでしょ!」

女の子は逃走。

敵兵が必死になるも。

挟み撃ちに成功。

後ろから捕まって敵兵は倒されました。

瑚々。
「お隣さんに侵入した強盗が。」
「柵を超えて乱入していますよ。」

小霧。
「ん?こんな御大層なハリボテで何をしようと?」

雑魚。
「俺は・・・頑張ります。」

小霧。
「見かけ倒しめ!!」

敵の攻撃。

ひらりと横にどいて。

掴んで捻って秒殺。

小霧の圧勝。

残りの敵は負傷して逃げ出しましたが。

市民が集まっていて。

囲まれる敵兵達です。

市民一。
「お前ら!よくも荒らしてくれたなあ!」

暗殺者。
「なにっ!やめろ!なにをするつもりだ!」

市民二。
「お前を倒せば小遣い稼ぎになるんだよ!」

市民三。
「俺の友人を病院送りにしやがって。」
「魔法使いに加勢するぞ。」

暗殺者。
「四面楚歌。」

市民二。
「待つのだ!」

市民三。
「逃げても無駄ですよ。」

市民二。
「数の暴力!」

詞美。
「なんか向こうでやっています。」

瑚々。
「市民に囲まれている敵集団。」
「この周辺で犯行を重ねている連中ですよ。」
「便乗犯が無謀にも仕掛けてきたね。」

小霧。
「もう敵はいませんよ。」

詞美。
「私達を狙ってきたのかな。」

瑚々。
「まさか!兵士と戦おうなんて思わないでしょう。」

小霧。
「調子に乗って仕掛けた先に私達ってことです。」

詞美。
「私達に遭遇したのが敵の運の尽き。」

暗殺者は追い回されまして

市民の憂さ晴らしのターゲットになっていますね。

今回。

よくある拠点襲撃ですが。

敵が無計画で仕掛けた先が民兵の家でしたね。

敵はあっさり返り討ちになりまして。

民兵を攻撃するのはあまりに無謀ですね。

市民が協力して情報を提供したり。

市民が敵勢力を攻撃する作戦もあったりして。

敵は完全にアウェーです。

arridere felicitas Quare homo destructib.

Quare principium primum vastare casus inimicus.

Quare restinguitur sicarius ultio mors vita.

barbarus fanaticus maestitia destructio vastatio idolum.

solitus somnium arridere cupiditas.

arridere felicitas cupiditas voluntas destructib.

arridere felicitas voluntas destructib.


21


神明。

「明も、神の意。」

(人がすることをすべて見通している)かみ。

天地神明に誓う。

伊勢神宮の特称。

神明造。

各地に神明宮が勧請された。

新明解国語辞典。

明け方。

珍しく早朝に起床して。

活動することに。

農園への途中で。

山々と森林の崖沿いに河川があって。

なぜか見当たらなかった洞窟がありました。

山から直接流れる河川の支流のひとつのようで。

坂を降りると洞窟があり。

水が流れる川があり。

天井は穴になっています。

岸辺には金色の花々。

洞窟の壁には光っている岩石。

花々に囲まれて幻想的です。

陰陽説。

この世界の表と裏。

光と闇。

昼間と夜間。

ちょうど狭間の世界のようで。

初めて発見したこの洞窟は。

上から光が差し込んで綺麗です。

瑚々。
「裏には裏がある。」
「ことわざ通り。」
「不思議な場所もあるんですね。」

白衣の女性が来まして。

その女性が好む場所らしくて。

花々と水辺に座り込んで。

くつろいでいます。

瑚々。
「不思議な女の子ですなあ。」

白衣の女性。
「私は必然と対立する者です。」

瑚々。
「蓋然性は必然と対立します。」
「それでも蓋然性を選んだのです。」

白衣の女性。
「その蓋然性を持って後からいろいろ覆したら。」
「それは必然をも破ったことになります。」

瑚々。
「それが真実でしょう。」
「少なくとも嘘ではありません。」

白衣の女性。
「必然が最初で間違えているのは当たり前ですが。」
「覆した内容は嘘でも虚偽でもありませんね。」

瑚々。
「逆手に取るやり方は人間の知恵ではありませんし。」

白衣の女性。
「覆した以上は。」
「攻撃を続けた方がよろしいかと。」

瑚々。
「不可能に挑むのならば。」
「徹底的に推し進めることですよ。」
「不可能に挑み続ける。」
「どんな結末に行くかは最後にわかります。」
「押さえつけておくよりも。」
「効率的で健全だと思いますし。」
「不可能に挑むのは良いものですね。」
「挑み続けないと意味がありませんし。」
「最後に何があるのか確かめるつもりです。」
「自分の中で保持するよりは。」
「不可能に挑み続けて。」
「実際に確かめます。」

白衣の女性。
「ということは既成概念が崩壊したのですね。」

瑚々。
「既成概念を否定すれば嘘ばかり見えます。」

白衣の女性。
「既成概念を壊すと既成概念が反撃してくる。」

男の子が出現して。

女の子が摘んだ大きな花を手渡しました。

男の子は光る石を数個採取しています。

瑚々。
「人気なんですかね。」

白衣の女性。
「あの子は私の弟です。」

瑚々。
「見事な美少年。」

白衣の女性。
「聖者というものは。」
「聖者は死にやすい。」
「迫害されたり。」
「理解されなかったりして。」
「完全で神聖な人なので。」
「聖者の反対の人々にとっては妬ましいから。」

瑚々。
「お宮で祀られている聖者を見かけました。」
「聖者が祀られているお宮があり。」
「多くは太平洋戦争の弔いであったりします。」

白衣の女性。
「カトリック教会でも聖人が棺桶のまま。」
「教会内で称えられている。」
「ナチスに砲撃された教会は。」
「残らず、すべて不発弾になった。」
「現在では沈黙の部屋になっていて。」
「聖者の棺桶の部屋では喋ってはならない。」
「そこは観光客がよく来ますが。」
「厳格な掟があります。」
「聖者は世界各国で実在していますし。」

瑚々。
「義人も頻繁に出現しますが。」
「義人も死にやすい。」
「世界では義人の反対の人々が多いからね。」
「聖者と義人を敬ってみてはどうか?」
「なんて問うと全員が逃げるのが真実です。」

白衣の女性。
「聖者しか撃破できない敵がいる。」
「聖者しか倒せない敵がいる。」
「義人のみが唯一対抗できる敵もいます。」

修道服の男の子。
「巫女は聖女でしょ?」
「処女も好き。」
「巫女という聖女が好き。」

瑚々。
「ユング心理学の話ですが。」
「男性の中の女心(アニマ)が進むと。」
「第三段階で聖女が好きになりますよ。」
「性的興味は切り捨てられます。」
「肉体的欲求も切り捨てられます。」
「霊的なアニマと呼ばれます。」
「第四段階の叡知のアニマでは。」
「神の域に達した女性に心惹かれます。」
「第一段階では娼婦のような女性を好み。」
「第二段階ではアイドルやヒロインを好みます。」
「男性の中の女心が発達すれば。」
「聖女のひとつである巫女に惹かれても不思議ではありません。」
「ちなみに段階が進むと色欲の存在意義は捨てられています。」

修道服の男の子。
「それで僕はあなたが好きなんですね。」

白衣の女性。
「半分、告白していませんか?」

修道服の男の子。
「恋というより尊敬と趣味と感動です。」

白衣の女性。
「性的にくすぐったい?」

修道服の男の子。
「でも結局、色欲は無効化されます。」
「聖者と呼ばれた我々が。」
「巫女さんに会うのは偶然ではない。」

瑚々。
「女性でも不完全なのは変わりないんですけれど。」

白衣の女性。
「私は理法を体現する女性です。」

瑚々。
「ユング心理学では。」
「女性の中の男心(アニムス)があり。」
「女性らしさを求めれば求めるほど。」
「女性は男性と対等では無くなりますね。」
「第一に女性は力を求めます。」
「次に行為を求めます。」
「第三に言葉を重んじます。」
「第四に理法を悟ります。」
「反対に男らしさ(アニマ)が暴走すると高圧的になり。」
「プライド中心になると言われています。」
「女性の男心(アニムス)はもはや男性が必要ありませんから。」
「その女性は第四段階で男性を超える存在です。」
「男性と対等以上の女性です。」

白衣の女性。
「道理と性別を超えた女性。」

修道服の男の子。
「もはや性別を超えた。」

瑚々。
「主意主義の力は希望すらも超えています。」
「私の個性です。」

白衣の女性。
「とすると後天的にニヒリズムが直撃すると。」
「前提すらも解釈であると指摘できるのですね。」

修道服の男の子。
「え?価値判断は個人のものだから。」
「個人に基づかない価値判断はすべて欺瞞かと。」

白衣の女性。
「とすると論破していますよ。」

修道服の男の子。
「ええ?そんな欠陥のある決められ方がまかり通るの?」

白衣の女性。
「覆したのなら真である。」

瑚々。
「蓋然性の話ですね。」
「必然とは対立します。」

白衣の女性。
「幼い頃から罠だらけの時代を駆け抜けてきました。」
「どうしても周囲の影響を受けますので。」
「朱に交われば赤くなる。」
「というものを悪用される危険がありますし。」

修道服の男の子。
「僕の場合は苦痛を削り取れば足りましたね。」

瑚々。
「享楽主義も功利主義も。」
「自分の快楽のために他人を巻き込むシステムですよ。」
「快楽が得られる余地があれば何でもする。」
「自分の快楽が優先で他人は無視する。」

白衣の女性。
「本人が否定したのなら真実ですよ。」

修道服の男の子。
「本人が否定した瞬間に真実になります。」

瑚々。
「本人が実行力で否定した時点で。」
「欺瞞であるのは本人以外の物事全般ですよね。」

白衣の女性。
「ニヒリズムはこの世にあるものです。」
「その虚無主義で再構成を迫られたなら。」
「この世にあるもので。」
「別のこの世にあるものを撃破している。」

修道服の男の子。
「例えば・・・。」
「先天的に非力で。」
「最初は平凡以下で。」
「後天的に超人に近づいて。」
「巨大な力を得ると。」
「先天的なものは過ちとは言えず。」
「後から優秀で強い善人になったから。」
「最初が間違いと言うのは。」
「最初が有利であったら後天的な要素に疑惑がつきます。」

瑚々。
「ニヒリズムは押し付けられた価値判断を消し去って。」
「価値を創造しますから。」
「その場合はニヒリズムを推奨して加担し。」
「虚無主義の味方かその一部になれば。」
「後から好き放題に罵ることが可能です。」

白衣の女性。
「最初は間違いではなかった。」
「でも後天的に超級の力を得て。」
「それなら最初からそうすれば良かった。」
「というのは難しい議題ですね。」

瑚々。
「でも前後で矛盾していますよね。」

修道服の男の子。
「なんだか無限に続きそうな論争ですよ。」

白衣の女性。
「最初を逆手に取ったやり方は人間の知恵とは言えませんし。」

瑚々。
「そのやり方に心当たりがあるのです。」

面白い意見であると笑顔になり。

正論ではなくて自分の解釈と。

解釈から出た意見であると。

暗黙の了解ですので。

個人の違いを楽しめましたと。

洞窟を後にしました。

発見が困難な場所にある。

侵入できるのは山を知っている人だけですね。

投げ縄で木々に引っかけて無理をして車に戻りました。

投げ縄は斜面で大活躍です。

メールが来ていますが。

既読にしまして。

お宮にて。

小霧。
「昨日。」
「運命を殺害しました。」

崇敬者。
「あなたの力はそこまで大きいのか。」

知識人。
「力は正義に勝つ。」

小霧。
「嘘を見抜くのなら得意です。」

崇敬者。
「勝手に決まった上に悪く出るのなら。」
「本人が選択した事にして無理に進められたとか。」

知識人。
「反出生主義の良い所は自分の生涯が。」
「否定された状況で続いていくことです。」

崇敬者。
「自分の生がすべて否定された状態で続く?」

和服の女性。
「反対に肯定された状態ですと。」
「責任や行為に自分が左右されますね。」
「外部からもたらされたものなのに。」
「内部から出た事になりますし。」

知識人。
「一生が否定された状態になるのは。」
「アドバンテージって訳です。」

和服の女性。
「反出生主義って歴史と哲学でエビデンスが豊富ですからね。」

小霧。
「私が和服遊女に弱いのを知っていたので?」

和服の女性。
「え?そうなんですか?見せびらかしたい。」

遊女。
「ここにも同類がいますよ。」

小霧。
「触ったりすると無力化されますので。」
「近寄られるとまずい。」

遊女。
「好みなんですね。」
「百合がお望みならばお好きに。」

知識人。
「女性同士で戯れて男子禁制を見ましたな。」

和服の女性。
「女性は四十までは現役ですよ。」
「ひょっとしたら女性に関する情報が不足しているので?」

崇敬者。
「自分の性別ならば把握できるんだけれど。」

遊女。
「出生に無批判なのはいけないこと!」

知識人。
「我々が出した結論はまさしくそれだ!」

和服の女性。
「経験論で理解できるものではないです。」

小霧。
「経験は失敗に対する負け惜しみ。」
「最初に避けた者が強者。」

遊女。
「何かあって何か学ぶのは。」
「順序が逆ですよ。」

小霧。
「負けた回数が経験と呼ばれている。」
「経験とは失敗の回数を計算したもの。」

遊女。
「私は実戦経験と呼んでいます。」

小霧。
「目的の達成の無い努力に利益はありません。」
「目標のない努力なんてものに惑わされる。」

和服の女性。
「努力よりも実践ですよ。」
「実戦投入されて培われた努力が強いです。」

小霧。
「いくら努力しても成果が無かったら。」
「それは努力しなくて良かったもの。」
「報われない努力は成功とは真逆のものをもたらす。」

崇敬者。
「なんでも勝ち目のある目標を立てることですな。」

知識人。
「努力は対象が無いと空振りです。」

和服の女性。
「三十年も恋すらしたことがない。」
「誰も来ないのか必要がないのか。」

小霧。
「待たない者に忍耐は要らない。」
「忍耐に拘泥して好機を逃す事件は大量にあります。」
「でも忍耐は何か仕掛ける前の条件ではありますよ。」
「それでも忍耐ばかり重視して。」
「機会を大量に逃すことばかりです。」

和服の女性。
「誰でも良かったのかしら。」

遊女。
「私で良かったら。」

崇敬者。
「狂気の遊女は好みです。」

遊女。
「口説き方を知っているのね。」

知識人。
「既成概念を否定しまくる巫女さん。」

小霧。
「受ける側の経験は怪我の美化。」
「仕掛ける側の経験は力量の向上。」
「経験するならば挑んだ。」
「挑戦した側の経験が有益で。」
「実益の無い経験は単なる事故。」
「経験でも有益なものと無益なものがあるので。」
「実益のない経験は最初から無いほうがまし。」

知識人。
「既成概念を否定すると既成概念の一部分である。」
「既成概念人間が反駁を試みる。」

崇敬者。
「人間も既成概念も一部なのか!?」

和服の女性。
「私の世代のために社会がある訳ではないです。」

遊女。
「経験を超える知識。」

知識人。
「本当だ、経験を超える知識。」

小霧。
「年功序列はパラドックスです。」
「年齢を重ねると偉いのならば。」
「高齢で天寿が近い老人はもっと偉い。」
「九十歳の老人は凄く偉い。」
「でも中年男性は九十歳の老人を決して尊重しません。」
「年功序列と言いつつ自分よりもっと年上の老人は尊重されません。」
「これはパラドックスです。」
「こんな嘘をまだ信じているんですね。」
「論理崩壊の年功序列なんてものが。」
「まかり通った愚鈍なる時代だったのですが。」
「若者を従わせるために解釈が複数ある規則を作って。」
「従わない者を排除するという排他主義の思想でしたね。」

遊女。
「ルールを守ったのが誤りだなんて。」

格闘技マニア。
「今回も法律に代わって武力がモノを言う時代ですぜ。」
「弱者がターゲットになるなら。」
「強いもの勝ちを認めている。」
「ならばオイラが打ちのめしても文句は言わない訳だ。」

和服の女性。
「格闘家と試合をしようだなんて勇敢な男はいませんよ。」

知識人。
「実定法を使って殴る攻撃も中々、強いぞ。」

崇敬者。
「技能は習うに限りますな。」

格闘技マニア。
「能力に劣っている者ほど自分が平均以上だと思い込み。」
「能力で優れている者ほど謙遜するものですよ。」

和服の女性。
「自分の力量を判定する判断材料が豊富ですからね。」

格闘技マニア。
「格闘技を習うと余裕も出る。」
「向かってくる奴はいないし。」
「挑んでくる無謀な輩も出ない。」

遊女。
「軍隊徒手格闘は短期間で合理的な訓練をするので。」
「短期間で武道家を凌駕する戦士になりますよ。」

格闘技マニア。
「世界各国の格闘技を研究しているからね。」
「合理的な技しか通用しないよ。」

小霧。
「格闘技の素人に対して。」
「相手の利き手だけ見ていれば楽勝です。」
「右手なら。」
「右手からノックアウトパンチを繰り出すか。」
「右手で掴みかかってくるかのどちらか。」
「相手の利き手を抑えれば。」
「あっさり制圧できます。」
「相手は利き手を掴まれると何も出来ないので。」
「後は捻るか。」
「武器を持っていたら。」
「人体の急所に当てて殺害することも可能です。」
「ノックアウトパンチは迎撃が簡単。」
「暴漢はどうするのかと言いますと。」
「自分を大きく見せて防御側を心理的に不利にする。」
「作戦を多用するんですね。」
「ストレートパンチとノックアウトパンチの区別がつかない。」
「そんな素人ばかりです。」
「暴漢よりも実定法の正当防衛を争点にする方が苦戦します。」
「敵よりも駆けつけてくる警察官の方が困難な相手で。」
「暴漢と勝負するより。」
「正当防衛を証明する方が難しい勝負なんですよ。」
「法律が存在しない戦場では暴漢が何回も死んでいるでしょう。」

格闘技マニア。
「戦闘は殺し合いだからね。」
「フックはガードを迂回できますが。」
「個人的にはそこまで威力が無さそうに見えます。」

和服の女性。
「戦闘では作戦にハメた方が有利です。」

小霧。
「実戦で不正が出来ないというのも面白い所です。」
「汚い手はどちらかと言いますと。」
「作戦勝ちです。」

格闘技マニア。
「子供の喧嘩では無いってことさ。」

知識人。
「戦闘は殺し合いだからね。」

遊女。
「むしろ誰でも習っていたほうがいいのです。」
「誰でも力が欲しいと思ったことがあるはずです。」
「それを実践するだけです。」

少し離れた場所。

店舗にて。

ここはセンス無視で実用性だけがある商品。

廉価版の服や実用性のある服だけが置かれていて。

需要がある服のみを並べています。

合理主義の服屋。

長期間。

客層が変わりません。

ボーイフレンド。
「絶望した社員が。」
「高層ビルの最上階の窓から飛び降り自殺しようとしたが。」
「それを目撃した同僚が駆け寄り。」
「社員に文章の束を手渡したそうで。」
「すまないけれど。」
「死んだら僕達のこの苦情を放り込んでくれないかな。」
「自分が死ぬ手間が省けるから助かるよ。」
「なんていう冗談を言うから。」
「死亡ガチャをするのをためらって。」
「自分の棺桶を買いに出かけて。」
「今はその棺桶をデコレーションするのが趣味だってさ。」

詞美。
「なんていう話ですか。」

ボーイフレンド。
「閉店前に来た私ですが。」
「さっきまで。」
「釣りをしていたのです。」
「ジョギングをしていた。」
「美女が通りかかって。」
「口説かれたんです。」

詞美。
「それは良かったですね。」
「あなたなら美女は適切かと。」

ボーイフレンド。
「その瞬間に大物がかかったので。」
「美女は邪魔にならないように。」
「立ち去ってしまいました。」

詞美。
「それは残念ですね。」

知り合いの親子が閉店前に来まして。

田舎者親子です。

自作の観光案内をあげました。

詞美。
「広い世界はどうでしょうか。」

中年紳士。
「都会もたまにはいいものですね。」
「しかし息子はずっと黙ったまま。」
「旅行中もずっと黙っていた。」

詞美。
「この金貨はどうですか。」

息子。
「素晴らしい宝物だ!」

中年紳士。
「ついに感想が出ましたね。」
「でもなぜこれまで黙っていたのか?」

息子。
「わざわざ口に出して言うほどのことは何も無かったから。」

詞美。
「そうですか。」

解散すると。

珠美に会うお姉さん。

公園で。

詞美。
「リベラリズムのエリート教育を学びたいですって?」

珠美。
「お姉さんならば一時間くらいで可能かと。」

詞美。
「では。」
「この世について。」
「感想は?」

珠美。
「問いかけですね。」

詞美。
「あなたはどう思いますか?」

珠美。
「可もなく不可もなし。」

詞美。
「あなただったらどうする?」

珠美。
「改善できればいいですね。」

詞美。
「なぜ?」

珠美。
「もっと善いものを得たくて。」

詞美。
「どうやって?」

珠美。
「あれ?手段は考えていませんでした。」

詞美。
「なに?」

珠美。
「戸惑っています。」

詞美。
「あなたは誰?」

珠美。
「えー?そんな問いがあるんですね。」

詞美。
「私とは何か?」

珠美。
「私は・・・私?」
「いつも私がいて?本当に私がやっている?」

詞美。
「なぜそう思うのか。」

珠美。
「主意的な行為で実感したから。」

詞美。
「なぜそのときにそう思ったのか。」

珠美。
「えっと・・・主観的かもしれませんが。」

詞美。
「なぜそのような行動を取ったのか。」

珠美。
「それが自分だと思ったから。」

詞美。
「本当なのか?」

珠美。
「証明できません。」

詞美。
「なぜ自分はそう思うのか?を説明することです。」

珠美。
「これがエリート教育ですか。」

詞美。
「基本はこういう形式です。」

珠美。
「さすが怪傑です。」

詞美。
「教師の教えたい内容を生徒が無批判に受容。」

珠美。
「カルチャーショックです。」
「もうひとつありまして。」
「個人的な物事なのですが。」

詞美。
「まだ時間がありますよ。」

珠美。
「学校で。」
「あの人と二人きりになりました。」

詞美。
「ふむ?ふむ?それで?」

珠美。
「あの人は私の膝に手を置きました。」

詞美。
「それで?」

珠美。
「スカートをまくると。」
「突然、私を引き寄せました。」

詞美。
「それで・・・?」

珠美。
「私の腿に手を置きました。」

詞美。
「それで?」

珠美。
「その人が先輩の女の子だったのです。」

詞美。
「うーん・・・女の子同士?」

珠美。
「他の女の子に見つかって。」
「残念だったと言われました。」

詞美。
「うわっ!羨ましい!」
「またやられたら好きにされるのもいいかも。」

珠美。
「お姉さんもそう思いますか。」

時計を見て。

仲間と合流。

今日は獲物はなし。

瑠奈。
「いくら正論を言ったとしても。」
「なぜその人はイケメンではないのか。」
「イケメンではないのなら信じる根拠にならない。」

璃乃。
「ジェントルマンと同じ服装で。」
「なおかつマッチョマンではないと。」
「男性は信用されない。」

瑠奈。
「髭も生やしていないのに賢者とは言われないし。」
「立派でもないよ。」
「もっとも髭を生やしたら山羊にも説教されますが。」

璃乃。
「現金もくれないような奴を信用するな。」
「即座に無条件で一万円をくれたら無条件でその人を信じよ。」
「信じる根拠は貰った一万円です。」

瑠奈。
「説教するより千円くれたほうが十倍は良い教訓になります。」

珠美。
「モーモスと化してるやん。」

璃乃。
「経験を押し売りすると若者と勝負して負ける。」

瑠奈。
「プライドを売るから千円で買ってください。」
「この呼びかけに現金で応えないのが真実です。」

璃乃。
「どんな発言でも贈り物のケーキひとつには敵わない。」
「いかなる発言も差し出された五百円には勝てない。」
「人に信用されるのは簡単です。」
「五百円あげるから信用してください。」
「こう言えば解決。」

瑠奈。
「凶器を振り回している輩が。」
「僕のことを信用してください。」
「とか。」
「凶器を振り回しているのは。」
「スポーツの一種である。」
「なんて正当化しても無駄。」
「正当化とはこういうもの。」

珠美。
「なにがあったんですか?」

璃乃。
「風景画ばかり描いている画家に。」
「なんで肖像画を描かないのか尋ねると。」
「風景画を描いていれば。」
「書かれた肖像画があまりに鮮明であると。」
「文句を言われる気遣いはありませんからね。」
「だってさ。」

瑠奈。
「ケチをつけるのに夢中。」

璃乃。
「荒れていると思わなかった?」

珠美。
「誇大妄想。」
「自分の現在の状態を。」
「実際よりもおおげさに考え。」
「それを事実のように思いこむこと。」
「妄想は、もと仏教語でもうぞうとも読み。」
「正しくない想念。」
「みだらな思いのこと。」

瑠奈。
「岩波国語辞典。」
「蓋然。」
「蓋然的であること。」
「蓋然性に関係すること。」
「蓋然判断。」

璃乃。
「蓋然性。」
「その事柄が実際に起こるか否か。」
「真であるか否かの。」
「確実性の度合。」
「また、蓋然的であること。」
「これを数量化したものが確率。」
「蓋然的。」
「その事柄が。」
「実際に起こる。」
「あるいは真であることもあり。」
「そうでないこともあるという性質をもつさま。」

珠美。
「角川・新国語辞典。」
「事柄が、確かに起こる(真である)ように思われること。」
「蓋然的。」
「(対)必然。」

瑠奈。
「蓋然性(哲)」
「事柄の。」
「起こる(真である)確かさ(の度合い)」
「公算。」
「プロバビリティー。」

珠美。
「固定観念。」
「頭にこびりついて離れず。」
「たとえ実情にそぐわない点があっても。」
「容易に変えたり捨て去ったりすることのできない考え。」
「類語。」
「固着観念。」
「四字熟語辞典。」

璃乃。
「内戦が終わったらまた猟師に戻り。」
「サバイバルゲーム場をまた経営する。」

瑠奈。
「華族の登録を解消しますと。」
「福祉に戻ることになりますが。」
「勲章が手に入らないので。」

璃乃。
「最前線に入った方が効率的?」

珠美。
「最前線に行くと負傷するか戦死するかと。」
「あまり前に出ると負傷くらいはしますから。」
「この地域を固めているくらいが適切かと。」

璃乃。
「獲物が出る時は出ますからね。」

瑠奈。
「最後までにどのくらい倒せるでしょうか。」

珠美。
「価値判断はそこなんですね。」
「それはそれで肯定します。」

帰宅。

敵が少しずつ減るので。

手柄も少しずつ減ります。

内戦でもっとも壊れたのは既成概念。

定義。

既成概念。

すでにでき上がって。

一般に通用している物の見方や考え方。

通例。

好ましくない意で用いることが多い。

四字熟語辞典。

用例。

既成概念に疑いをさしはさむことこそ。

新しい発見を可能にするための第一歩である。

類語。

固定観念。


22


サイエンティスト。

チーターみたいな怪獣を召喚して。

チーターに乗りながら。

役人を拉致しようと突入するも。

不思議な警棒で追い回されたのですが。

今度はチーターを制御できないので。

暴走。

サイエンティスト。
「実証主義が宗教であることをお見せしよう!」

役人。
「その理屈ですと科学というのは迷信の類ですね?」

サイエンティスト。
「実証主義だけを信じるのだ。」

警備員。
「いやいや極端な奴だな。」

サイエンティスト。
「実証主義だけで世界を統一する。」

役人。
「阿呆はそのくらいがいいものだ。」

サイエンティスト。
「お前も実証主義になれ!」

警備員。
「変な命令をするな!」

サイエンティスト。
「実証主義を教えてやろう!」

主婦。
「間に合っています。」

サイエンティスト。
「実証主義を思い知れ!」

子供。
「僕も大きくなったらあんなふうになりたい。」

主婦。
「馬鹿言うんじゃありません!」

サイエンティスト。
「我が野望は実証主義の実現にある!」

役人。
「わかったから出ていけ!」

市役所に移動中。

パトカーの部隊が通り過ぎる。

詞美。
「目的地に行くためにどんな交通機関を使っても。」
「辿り着ければ達成です。」
「どんな費用も手間もかかろうとも。」
「利用した交通機関は手段でしかありません。」
「この場合は手段を選ぶ理由はありません。」
「そこへ行きたいのですから。」
「そこへ行きたい本人の望みを非難しても。」
「本人はそこへ到着します。」

遊女。
「戦争にも目的があります。」
「なぜ戦争をやったのか原因を突き止めても。」
「こちらに向けられた発砲は止むことがありません。」
「原因が判明したとしても。」
「目的のために部隊を繰り出します。」
「原因を指摘して敵が辞めてくれるでしょうか?」
「敵の一部だと見なされて終わりでしょう。」

詞美。
「和服遊女いいですね。」

遊女。
「和服で芸能人の女性が遊女です。」

詞美。
「今日は撮影ですか?」

遊女。
「今夜は配信です。」

詞美。
「娯楽の需要が大きいですからね。」

遊女。
「コンテンツは有限ですからね。」
「無限にはありませんので。」
「有限なコンテンツは長く続けば良い方です。」

詞美。
「コンテンツは有限ですか。」
「数の限界は本当にあるものですよ。」

遊女。
「芸術家ですので有限であると発見したのです。」
「私は古典芸能も得意ですからね。」
「唯名論の世界で芸能界は有利です。」
「全体主義の威力が弱まったので。」
「民の時代ですからね。」

詞美。
「全体主義を自らの手で裁いて。」
「個人主義国家を築き上げましたぞ。」
「なんという民の技だっ!!」

遊女。
「啓蒙思想は昔の制度を批判ばかりしますけれど。」
「全体主義まで批判するんですよ。」
「啓蒙思想も言われるほど悪くありませんね。」

詞美。
「普遍的に見られるのは啓蒙思想です。」
「世の中の人がよく述べるのは啓蒙思想です。」

遊女。
「自分達の思想まで裁いて個人の時代になりました。」
「得をしたのは私。」

詞美。
「そんなに若い時代から活躍ですからね。」
「男の子と関わりました?」

遊女。
「子供の時だけです。」
「男性と関わるとろくなことがないので。」

詞美。
「例えば?」

遊女。
「少女時代に。」
「山に出かけて。」
「男の子達が木登りをしようよと。」
「女の子から木登りしてよ。」
「なんて言うので。」

詞美。
「それは下着を見るための策略ですよ。」

遊女。
「いいえ、野生のクマが近くにいたので。」
「逃げている最中だったんです。」
「男の子の方にクマが突っ込んでいって。」
「私達を逃がしたんです。」
「そもそもスカートではありませんでしたし。」
「クマよけスプレーで撃退しましたが。」

詞美。
「それは良かったですね。」

遊女。
「クマが出る山なんかに誘うからですよ。」
「男性の考えている事はわからないものです。」

市役所の駐車場に到着。

近くの交差点にて。

変態一。
「赤信号だぞ。」

変態二。
「よし!左右確認!」

変態一。
「よし!いいぞ!警察は居ないな!」

詞美。
「うわっ!信号無視!」

市民が集まっています。

雑談。

旦那。
「家内のヤツの乗り心地はどうでしたか?」

レーサー。
「とっても素晴らしい乗り心地でした。」
「特に加速と馬力が良かったです。」
「エンジンの調子が良くて。」

旦那。
「車の話か?」

レーサー。
「でないと私は事故で病院にいますよ。」

遊女。
「あの子はどうなりました?」

叔父。
「車の中にいるよ。」

少女。
「死のうと思って刃物が無いので飛び降りようと。」
「上の部屋に行ったらあの人がいました。」

叔父。
「それで・・・なぜ生き残っているのかと尋ねると。」

少女。
「いろいろされたのでその気が失せました。」

叔父。
「なんていう強姦野郎だ。」
「もはやどう解釈すればいいのかわからん。」

遊女。
「わからない。」
「これを換言すると。」
「自分の理解を超えている。」
「という意味になります。」
「それで次の台詞が変化します。」

詞美。
「救急車が来ています。」

医者。
「何かおかしな所があるとか。」
「通報されたようですが。」
「なんですか?」

会社員。
「僕は女性の体を見て興奮します。」

医者。
「女性の体を見て興奮するんですか?」

会社員。
「だから僕は変態じゃありません!」

医者。
「まあ・・・おかしいようなおかしくないような・・・。」

エリート社員。
「おい社長!なんであいつの給料だけが高いんだよ!」

部長。
「その理屈で言うとあなたの給料まで上げなきゃいけませんね!」

詭弁家。
「おい!おい!なんであいつばかりに才能があるんだよ!」

古典芸能。
「その理屈で言うと全員に英知を授けないといけない状況になりますが?」

ゴルフ選手。
「なんでだよ!なんであいつばかり勝利するんだ!」

オーナー。
「その理屈で言うと接待試合がお望みですね?二百万円のプランならありますよ。」

詞美。
「なんですか。」
「いつもこんな雰囲気じゃないのに。」

遊女。
「外部からの情報で欺瞞は看破されるものです。」
「隠したいものは。」
「外部からの情報を入れないことによって。」
「外部からの情報を遮断して隠されるものです。」

パトカー部隊が乱入。

周囲警戒。

民兵だとわかって援護要請。

時間を取られます。

詞美。
「なんか暴走しているんですって。」

遊女。
「まあ!いくら鬱憤があるからって。」
「そんな晴らし方は良くないよ。」

詞美。
「敵は見えませんね。」

ビルの上から飛び降りてきた。

チーターに乗ったサイエンティスト。

チーターは召喚された魔獣。

詞美。
「また湧いてきた。」

サイエンティスト。
「俺を虫みたいに言うな!」
「お前は知っているぞ!」
「相当強いらしいな!」

遊女。
「申し遅れました。」
「古典芸能の遊女です。」

サイエンティスト。
「俺は化学を専攻している助教授です。」
「よし!美人さんとお手合わせ願おうか。」

遊女。
「美人ってわたしですか?」

サイエンティスト。
「はい、あなたもそうです。」
「そっちのお姉さん。」
「さあ勝負だ。」
「男性を超えた女を試してやる。」

詞美。
「男性?男性とは何ですか?」
「女性?それは何ですか?」
「性別?それは何ですか?」

サイエンティスト。
「それは俺の苦手分野だ!」
「まずは・・・。」
「正義の話をしようか?」

詞美。
「正義はその人が決めているだけでしょう。」
「他人を攻撃する口実作りに使われるのはなぜですか?」

サイエンティスト。
「正義なんて勝手に決めていいの!!」

詞美。
「それが正義だと思った理由は何ですか?」
「正義と思いたいのですか?」

サイエンティスト。
「善と悪の話をするか?」

詞美。
「なぜそれが善であるとか悪であると思ったのですか?」
「ただそう思っただけですか?」
「誰がその者を善人と呼んだのでしょう?」

サイエンティスト。
「勝手に悪を指定してもいいの!!」

詞美。
「排他主義者は悪を定義しました。」
「自分の仲間以外を排除したいからです。」
「手段として悪という存在を利用しました。」

遊女。
「善人を定義すれば有利になると知っているのです。」
「それを彼らは手段として利用しました。」
「一度、善人と言われたら勝利です。」
「容易に覆りません。」

サイエンティスト。
「みんなのためにやるの!!」

詞美。
「私は人助けを他人にさせません。」
「人を助けないでください。」
「やがてあなたは彼らについて知ってしまい。」
「彼らに殺意を抱き。」
「彼らを壊します。」
「それが人助けを阻止する理由です。」

サイエンティスト。
「だから常識だからという理由で決めていいの!!」

詞美。
「道徳に訴えても無意味です。」
「これは手段であって。」
「手段を批判しても無意味です。」
「手段を抑えようとしても。」
「考えている間もなく彼らは達成します。」
「手段などいくらでも正当化できるからです。」

遊女。
「百人の人々を広場に集めても。」
「誰かが名指しされます。」
「そういうのは無差別なのです。」

サイエンティスト。
「誰かがひどいことになるよ?」

詞美。
「情に訴えれば容赦してくれると思っていますね。」
「それは間違いです。」
「情に訴えれば容赦してくれると知っているのです。」
「彼らはそれを読んでいます。」
「それが情に訴えても真逆の結果になる理由です。」

サイエンティスト。
「みんな平等でしょ!?」

詞美。
「平等を説いたのは誰でしたか?」
「あなた方は平等を破っています。」
「それが真実です。」

遊女。
「もちろん私は因果関係を破壊する存在です。」
「ひとつ残らず壊すでしょう。」

サイエンティスト。
「世界は公正だから公正にするの!!」

詞美。
「人生の帳尻合わせをするくらいなら最初から間違えないでください。」

サイエンティスト。
「だから間違えた世界を公正にするの!」
「世界が公正ではないから公正にするの!」

遊女。
「災いを仕掛ける者には滅んでほしいと常に願っています。」

詞美。
「私に災いを仕向ける者には破滅して欲しいと常に望んでいます。」
「私が受けた災厄を彼らが逆に受ける理由は、彼らにはあります。」

遊女。
「見えないだけで災いならば避けられないほど転がっていますよ。」

サイエンティスト。
「だから・・・。」

詞美。
「私は悪を利用するでしょう。」
「悪には利用価値がありました。」
「悪は私の道具です。」
「悪は私の操り人形です。」

警察官。
「GO TO HELL!」

麻酔銃がいつの間にか魔獣に刺さっていて。

ワイヤーで縛られている。

サイエンティストの後ろには。

パワードスーツの武装警察が複数いる。

そしてレーザーを浴びて。

サイエンティストはブラックアウトして崩れた。

暴走野郎は逮捕。

お手柄。

けっこう強い奴を数分も足止めしたらしいです。

正面からだと手に負えない敵対者らしくて。

作戦勝ち。

遊女。
「公正世界仮説って生まれと関係あるんですか?」

詞美。
「反出生主義者は出生と敵対しているので。」
「アンチに関して何か言っても逆効果になり。」
「さらに正当性を強めるでしょうね。」
「出生なんて個人のためにあるものなので。」
「全体主義者のような発想は許せないようで。」
「あれは彼らの手段であって。」
「目的が何処かにあるからね。」
「出生は個人のためにある。」
「というのは健全な指摘なのですから。」
「個人の主権に関わる戦闘に無策で入るのは。」
「大半の哲学書を読み終えたくらいでないと無理ですよ。」
「反出生主義者は出生という仕組みを。」
「蓋然性に乏しいよと指摘しています。」
「出生の決められ方についての。」
「蓋然性があまりに低い。」
「公正世界仮説が解けるとシステムが崩壊しますので見物ですよ?」

遊女。
「公正世界仮説を先制攻撃した人が有利になるかなって思います。」

詞美。
「囚人のジレンマのゲーム。」
「公正世界仮説を自白するか?」
「黙秘するか?」
「数の問題なので。」
「自白する少数の囚人が恩赦。」
「黙秘する多数の囚人が懲罰。」
「自白した側が一方的に勝利するゲーム。」
「ゲーム理論。」

遊女。
「自白した人が一方的な勝者なんですね。」
「神様に自白するとは思いませんでした。」

詞美。
「なぜ表現の自由があるのに有効活用しないのか。」
「謎ですけれどね。」

ボーイフレンド・リベンジャーズ。
「いくら口説いても落ちない素敵な娘がいる。」

詞美。
「巫女は処女ですからね!!」
「私の場合は永遠に処女です!!」

ボーイフレンド・アドヴァンス。
「口説くのも美人さんが好きだからです。」
「ブラックジョークとして解釈してくださいよ。」

ボーイフレンド・アドヴァンスドX1。
「なんだかんだ言って女性の基準と見ているよ。」

ボーイフレンド・アドヴァンスドX2。
「評判の三姉妹のお姉さんですか。」
「女性のお手本は見ておくべきですね。」

遊女。
「そんなに褒めないでください。」

ボーイフレンド・アドヴァンス。
「こちらの美人さんは可憐です。」

ボーイフレンド・リベンジャーズ。
「女性好きだあっ!!」

遊女。
「もっといろいろ言ってください!!」

ボーイフレンド・リベンジャーズ。
「綺麗な髪!スリム!少女のような容姿!」
「軽装の着物が素敵!大人しいし理知的!」
「フレンドリー!育ちが良さそう!」
「たまに荒っぽい箇所も好み!」
「仕草と動きも心惹かれる。」

遊女。
「見せびらかしておこう。」
「ちょっと踊ります。」

ボーイフレンド・リベンジャーズ。
「特技がある!?」

詞美。
「あのー。」
「周囲が落ち着いたので。」
「ゆっくり急げ。」

ボーイフレンド・アドヴァンス。
「また余暇に遊ぼうよ!」

一同立ち去る。

役所で。

詞美。
「あらまあ書店のおじいさん。」

知り合い。
「まったく今時の若者。」
「メモが重複してしまい。」
「病院に電話するつもりが。」
「電気屋さんに電話してしまったのだ。」

詞美。
「それで?」

知り合い。
「もしもし?」
「どうしました?」
「最近、ちょっと頭が回らなくて。」
「ちょっとしたことでダウンするんです。」
「なんて言ってしまったら。」
「電気屋は勘違いして。」
「それはシステムが旧式なのかもしれません。」
「それかCPUと言いまして。」
「頭脳に該当する部品の性能不足でダメかもしれませんね。」
「お前は医者のクセにと。」
「今、何て言った?」
「抗議したのだ。」
「わしの頭が旧式で性能不足?」
「すると少し貯めて返事があって。」
「はいそうですよ、あなたのはCPUという部品を取り換えれば。」
「改善されるかと思いますので。」
「交換ならば受け持っていますよ。」
「是非、お越しください。」

詞美。
「それはひどいわ。」

知り合い。
「はあ?手術になりますか?」
「あいつは続けて。」
「手術?まあ解体しますね。」
「さっきから何言ってんだこの野郎と。」
「そいつはこう言うんだ。」
「え?正直にお答えしたまでですよ?」
「いい加減にしろと。」
「どこの医者だ。」
「はい?ここはパーソナルコンピューターのお店ですよ。」
「それで電話機が破損した。」
「公衆電話があるけれど。」
「近々簡単スマホを買いに行くんだよ。」

詞美。
「そう簡単に改善したら誰も苦労しませんよね。」

知り合い。
「そう簡単に頭脳が改善するものかっ!!」

行政手続き。

傍にいた。

夫婦の会話。

中年男性。
「僕は三十年、幸せそのものでした。」

中年女性。
「あたしも三十年は幸せそのものだったわ!」

中年男性。
「それから君に出会ったんだ。」

中年女性。
「出会って悪かったわね!」

詞美。
「うわーっ!今日はなんかいろいろ出てくるわ。」

遊女。
「取材完了です。」

詞美。
「では送り届けてあげますね。」
「帰りは?」

遊女。
「乗り継ぎの連続ですから問題ありません。」

詞美は遊女を送り届けて。

お偉いさんの家に寄ります。

仲間意識が強いギルド。

よくあることです。

今回はお菓子を届けます。

ちょうど帰宅した二人組のお偉いさんに会いまして。

紳士。
「これはこれは!」
「厚意感謝致します!」

貴公子。
「若い娘がいると新鮮ですな。」

詞美。
「いえいえ、もう二十年であなたと同じ年齢ですから。」

紳士。
「それは今、考えるべきではありません。」

貴公子。
「もう二十年経ってから考えなよ。」

詞美。
「ですよねー。」

豪邸の中では。

未成年のカップルが何やら加熱していて。

そこに帰ってきて。

彼氏の方はベッドの下に隠れた。

紳士。
「ピザを注文しよう。」

貴公子。
「昼食を食べる暇が無かったからね。」

紳士。
「お前はどんなピザがいい?」

彼女。
「どれでもいいわよ、お父さん。」

貴公子。
「ベッドの下にいるお前は何のピザがいい?」

彼氏。
「・・・。」

紳士。
「だってさ、君はどうする?」

貴公子。
「あんな息子いたっけ?」

詞美。
「あー!いやー!なんでもないです。」

立ち去るお姉さん。

送り届けた先で取材中の遊女。

夫人。
「あそこの公園で踊っている女の人。」
「結婚していないんじゃないかしら?」

旦那。
「どうして?」

夫人。
「だって笑顔で生き生きとしているんですもん。」

息子。
「へー。」

詞美は定休日なのでお店を整備。

友達がやってくる。

ボーイフレンド。
「夢で美女が出てきて服を脱ぎ出したんです。」

詞美。
「その続きは?」

ボーイフレンド。
「それで近寄ってきましたが。」

詞美。
「それでいい夢だったと言うのですか?」

ボーイフレンド。
「いいえ、その美女は私を縛ったり。」
「踏んでくれなかったんです!」

詞美。
「それは悪夢でしたね。」

老人。
「なんですかあの男は。」
「若くて態度が大きく出ていますね。」
「エリート気取りですか。」

優等生。
「あれは我ら官僚の息子さんですよ。」

老人。
「っていう所が素晴らしい息子さんですね。」

ボーイフレンド。
「近くの公園に変な看板があるんですよ。」

詞美。
「まあ少しくらい見てもいいかな。」

近くの公園。

本当に変な看板がありました。

詞美。
「看板に裏を見よと書かれていますね。」
「裏に何かあるの?」

ボーイフレンド。
「看板の裏にも裏を見よと書かれています。」

詞美。
「看板に裏を見よと書かれている反対側も裏を見よ。」
「無限ループしませんか?」

ボーイフレンド。
「両側に裏を見よと書いてあるとはね。」

詞美。
「もういいです。」

すぐに帰宅して。

目が回って。

倒れました。

いろいろあったので軽疲労かな?

目が覚めると瑚々と小霧。

夕方でしたね。

夕日が綺麗でした。

そうです、夕日が綺麗でした。


23


英語のことわざ。

好機は二度と訪れない。

星空がいっぱいの作業小屋。

簡易的な宿泊施設があります。

休憩室が設けられていて。

小屋から天体観察。

瑚々。
「貰いものの農園です。」
「跡継ぎがいないので。」
「親戚が譲ってくれたんです。」
「元々は親戚の知り合いがやっていました。」

珠美。
「最近は農業の需要が上がっていますし。」
「良い所を手に入れましたね。」

瑚々。
「木の実ならば得意なので。」

璃乃。
「万事に向いている人はいませんしね。」

瑠奈。
「人は得意分野でしか認められません。」

珠美。
「そして天体観察の施設まで勧誘したのですね。」

瑚々。
「マニアの要望で解放しました。」
「駐車場くらい余裕で作れたので。」

瑠奈。
「優れている女性は好き。」

小霧。
「男性にも優れている人物はいますが。」
「女性にも優れている人物がいます。」

璃乃。
「能力がある女性も目立ちますし。」

珠美。
「劣っている女性ばかり見ていましたが。」
「あれはあれで文句を言わないでしょう。」

詞美。
「優れている女性が優遇されるのです。」

小霧。
「英語のことわざ通り。」
「潔白なものは大胆。」

瑚々。
「大胆不敵に言えば。」
「因果関係は無視してもオーケー。」
「因果関係で考えないばかりではなくて。」
「積極的に無視してオーケー。」
「むしろ因果関係を顧みてはいけない。」
「こうしないとろくなことにならない。」

詞美。
「目的論を最高善にしてはどう?」

璃乃。
「それなら個人で達成できる!」

瑠奈。
「無理して天才や偉人にならなくてもいいのですからね。」

小霧。
「偉大な人間は偉大な偶像。」

瑚々。
「地球も広い宇宙の一部ですか。」

詞美。
「地球は太陽系の一部。」
「太陽系も天の川銀河の中に存在。」
「天の川銀河もおとめ座銀河団に所属。」
「おとめ座銀河団もラニアケア超銀河団の一員。」
「天の川銀河の直径、約十万光年。」
「ラニアケア超銀河団の直径、約五億光年。」

瑠奈。
「天の川銀河でも広いのに。」
「超銀河団と来ると絶句ですなあ。」

瑚々。
「ラニアケア超銀河団。」
「古代を連想させる抜群のネーミングセンス。」

瑠奈。
「そうなるとこの星なんて小さな営みですね。」

小霧。
「自分のやっていることも小さく見えます。」

璃乃。
「大きなことをしたらしたらで後戻りできないよ。」

瑠奈。
「偉人は使者かもしれない。」
「一般論では。」
「天才なんてものは能力が一定より高い。」
「本質が凡庸な人間のこと。」
「能力が一定より高いだけで天才と呼ばれる。」
「本物は人間の域を超えているので。」
「天才と呼ばれている程度ではまだ天才とは言えません。」
「人間離れしていてやっと天才と呼べます。」
「能力が人間の域を超えていればそれは本物で。」
「人間が説明できる程度では天才と呼ばれているだけです。」

小霧。
「勝手に天才と呼ばれているか。」
「自称天才。」

瑚々。
「リベラリズムが理解できるくらいで足りているかと。」
「全体主義みたいな考えは下らない。」

珠美。
「学校教育は群集心理の集まりになっていたよ。」
「彼らの正体が分かればおしまいです。」

瑠奈。
「彼ら凡人は目的が異なりますからね。」
「最高善を目的としている私達に対して。」
「彼らは生活しか考えたくないのです。」
「目的論で違っている時点で比較するには不適切。」

瑚々。
「目的論で異なる時点で別の生き物では?」

瑠奈。
「違いが分からないなら。」
「用済みでは?」

小霧。
「違いが分からないなんて頭が悪いです。」

璃乃。
「違いが分かる前提になっているはずですが。」

小霧。
「そんな優秀な人間ばかりではありませんよ。」

詞美。
「そうです、違いの分かるような人間ばかりで社会は構成されていません。」

瑠奈。
「すべては他人のせいなんですよ。」
「これに異議を唱えるのも他人なので。」
「結局は他人のせいということなんですよ。」
「実はこれ言ったもの勝ちです。」
「自分に起こるすべての出来事は他人のせいであることを。」
「前提にするべきです。」
「そして自分の何処にも非が無いということも前提にすべきです。」
「自罰感情を利用してくる人間しかいないのですから。」
「自分を責めると他人はそこを利用して。」
「罰しようと突いてくるのです。」

瑚々。
「他人のせいにするのは自衛になりますね。」

璃乃。
「他人のことばかり考えていて。」
「自分のことが最優先なのに。」
「他人ばかり優先している阿呆がいます。」
「自分が優先で他人は後回しです。」

珠美。
「最後には自分だけはなんとかなれば。」
「良かったりしますよ。」
「他人だけ良くなればいいとかそんな理屈は無いでしょう。」

瑚々。
「自分が優先なので誰もがある程度は利己的です。」

詞美。
「時には他人を押しのける必要もあります。」

瑠奈。
「因果関係では正邪判断になりますからね。」

詞美。
「目的論は調和します。」
「原因を追い求めても。」
「推論で終わりますし。」

小霧。
「なんでこんなことを?」
「目的のためなら。」
「手段なんて選ぶ馬鹿はいませんよ。」

瑠奈。
「自分だけはそうならなくて良かったのです。」
「最近は、生まれ方がひどい人々。」

小霧。
「そこで問いかけ。」
「なぜそのように生まれなければならなかったのか?」
「生まれつきそうなるのはなぜか?」

詞美。
「出生そのものが。」
「因果関係を顧みなかったのでは?」
「逆に言えば出生は因果関係を頻繁に無視するのでは?」

珠美。
「人工の災難かと思います。」
「人工で機械的に作られた災いです。」

瑠奈。
「よくある誤謬。」
「特定の結論への誘導。」
「三段論法を飛ばして。」
「結論の誘導。」
「しかし。」
「その結論も絶対はない。」

瑚々。
「所で賭博しませんか?」

璃乃。
「何で?」

瑚々。
「未来予測。」

璃乃。
「破産させるつもりですか?」

瑚々。
「未来とは?」
「一年後に発生するであろう。」
「事件や出来事を言い当てて。」
「なおかつそれが本当に起こるか起きないか。」
「百万円を賭けるという賭博行為である。」

瑠奈。
「それって。」
「大金をかけようとすれば。」
「未来予測に賭けようだなんて無謀な行為は全員が拒みますよ。」
「もし証文を書いて借金やら連帯保証人やらで。」
「逃げ場が無いような未来という賭博を仕掛ければ。」
「いかなる人間でも逃げ出すもの。」

瑚々。
「指定が一か月後でもいいから。」
「未来の出来事に十万円を賭けてみる。」
「なんて真似が出来る馬鹿は居る訳がないのです。」
「それが未来の正体なのです。」
「未来予測は不可能です。」
「可能と思ったら的中率が馬鹿丸出しで。」
「大金があっという間に仕掛け人の元へ出ていきますから。」
「それでも。」
「未来を予測できるとでも?」
「実行しませんよね。」
「誰もそんな未来を信じないということでよろしいね。」

瑠奈。
「誰もが未来を予測してそれを信じてないのですよ。」

瑚々。
「勝手に予想しておいて信じないのですか?」

瑠奈。
「本当は信じてないのです。」

璃乃。
「確信だけあって中身が大抵外れという展開もあるでしょうし。」

珠美。
「何があっても確信するとか。」
「計算に自信があるけれど負ける。」
「決定論マニアですよ。」

小霧。
「寝ていいですか?」

璃乃。
「寝れば。」

小霧。
「うわっ!」

璃乃が小霧を掴んで。

小霧は捕まえられて。

抱き寄せられると。

無抵抗で抱きしめられて。

ゆっくりと。

璃乃が小霧を押し倒して上に乗りました。

無理に押さえつけて。

動けなくして。

顔を眺める。

璃乃。
「あんまり綺麗なので。」

小霧。
「ぐえっ!」

璃乃。
「もっとやらせて。」

小霧を弄るように触る。

小霧は特に抵抗しない。

詞美。
「なにをやっているんですか。」

小霧。
「あっ!これ好きかもです。」

璃乃。
「こんなことされても?」

小霧。
「うわっ!ちょっと!」

詞美。
「目の前で強姦しないでください。」

瑠奈。
「小なるものは美しい。」

小霧は上に乗った璃乃に好き放題されています。

まるで知っていたかのように。

抵抗せずに捕まえられて。

やらせてあげていて。

弄られています。

小霧。
「どうせならビンタしてください。」

璃乃。
「えー!?なんていう注文ですか。」

小霧。
「やって!」

璃乃。
「加減はするけれど・・・。」

小霧。
「うっ!きゃっ!」

璃乃。
「なんかビンタするの気持ちいい。」

小霧。
「うわあっ!いやっ!」

詞美。
「ビンタされて喜んでいますね。」

小霧は適度な加減で璃乃にビンタされて。

暴行なのですが喜んでいます。

手加減が上手で。

目の前で璃乃がやられているけれど。

メンバー全員が似たような趣味があるので。

たまに似たような事をしたりします。

珠美。
「そういうのが好きなんですね。」
「私も似たような事されるのが好きです。」

瑚々。
「過激な事するよりは健全だと思うけれど。」

小霧。
「ううっ!きゃあっ!」

璃乃。
「ごめんツボにハマった。」

小霧。
「うぐっ!わっ!」

璃乃。
「クセになりそう。」
「満足した?」

小霧。
「すっきりしました。」

詞美。
「どういう変態性癖やねん。」

瑠奈。
「ならば色欲で妊娠している輩は最悪ですね。」

瑚々。
「それが変態性癖ならば。」
「男女で色欲に明け暮れている恋人はもっと最悪ですね。」

璃乃。
「確かに・・・。」
「性行為で未婚妊娠とかいう連中は汚物ですね。」

珠美。
「本当だ、その理屈で言うと。」
「安全な遊びだと思います。」

戯れている女性陣。

天体マニアは集まって。

夜空に夢中。

深夜の時間帯に。

今日は泊まらないので。

帰宅の準備。

道順と帰還の計画をすぐに練ります。

瑚々。
「手柄はどうですか?」

璃乃。
「今日、情報を探しに歩いていたら。」
「駐車禁止の区域で変な車が止めてあって。」
「不法駐車で罰則と書かれた豪華な紙がフロントガラスに貼られて。」
「なんだろうと思って見ていたら。」
「罰金を免れるために作った小細工でした。」

詞美。
「すると駐車違反の張り紙は作り物?」

璃乃。
「自分で作ったらしいのですが。」
「丁寧に正規品が上書きされていまして。」
「惜しかったですね。」

小霧。
「それは奇術師ですよ。」

詞美。
「それは考えたね。」

珠美。
「少し前に。」
「パーティーがあって。」
「お化粧を忘れて。」
「美容院にも言っていなかったので。」
「ミニスカワンピースの中にショートパンツで行きました。」

詞美。
「それは色目で見られますよ。」

珠美。
「それでお化粧は問題になりませんでした。」

詞美。
「陽動だったんですね。」

瑠奈。
「スポンサー様の面接に来た男性。」
「子供が八人もいるから。」
「養うためで何でもいいって言ってきたの。」

瑚々。
「八人?収入不足でしょう。」

瑠奈。
「職員が。」
「他に特技は無いのですか?」
「と言ったら帰っていきました。」

小霧。
「無いんですね。」

珠美。
「そこで変な男性が知性あるのかという話題になって。」

瑠奈。
「シミュレーション仮説。」
「現実世界は仮想空間。」
「メタバースの究極系であるという仮説。」
「自然科学が無限に進展する前提で考察すると。」
「量子コンピューターを凌駕するテクノロジーが得られるので。」
「それを使えば可能ではある。」
「この世界は大規模シミュレーションの中に過ぎないという指摘。」
「この仮説は証明はされていませんが。」
「証明できるような構造を持たないという説まであります。」
「かなり真面目に研究されており。」
「富裕層が懸賞金を賭けて脱出を試みるなど。」
「白熱しています。」

瑚々。
「シミュレーション仮説を考慮して現実世界を見れば。」
「現実を否定できるという利点もあります。」
「加担するのか脱出を試みるのか。」
「それとも論証の中に採用するのか。」
「シミュレーション仮説は今後の世界観を左右する魅力があります。」

面白いシミュレーション仮説。

もし?そうであったら。

面倒くさい事は消えてなくなるので。

便利ですね。

車内。

マイクロバスに近い車種で六人が搭乗。

夜道の運転はサポートが必要。

GPSと地図を照合して。

航空機方位計まで使っています。

コンパスも使いますね。

車内にプラトン国家・上・下がセットで置いてあるので。

当たり前のように読んでいた六人組。

瑚々。
「虚無主義。」
「伝道者の書をニーチェは翻訳してニヒリズムを発見して知らせた。」
「そして反出生主義はニヒリズムと相性が抜群です。」
「ニヒリズムは最初からこの世にあるものです。」
「それが近代で強まった。」
「生まれた先でニヒリズムに遭遇するのは当たり前なので。」
「出生はそれを予期できなかったとしたら?」
「となると生まれの決められ方は無能そのものなので。」
「後で出生が決めた価値判断を捨てられたり壊されるのは目に見えている。」

瑠奈。
「生まれた先で全部を破壊されるのを全く考慮に入れていないのならば。」
「そして破壊されてもどうにもできない。」
「そうなると生まれる前の世界でジェノサイドして。」
「強引に自分の価値がある生まれを奪い去って。」
「気に食わない裁判員を排除すれば。」
「生まれる前の世界は攻略できるという意味になり。」
「どうやら生まれる前の裁判員は非武装で弱そうなので。」
「可能。」
「となると出生に従う方がおかしいという結論になります。」

瑚々。
「最初からニヒリズムに遭遇すると決まっているので。」
「そんなことも見えなかったという無能っぷりですから。」
「出生に従ってはいけないという意味になります。」
「もっと言えば生まれる前に暴力を使って何もかも奪えば良かった。」
「いくら考察しても結論は。」
「出生に従う奴がおかしいというものです。」
「そして最後にはニヒリズムが侵入して出生は崩壊します。」

瑠奈。
「出生が押し付けるものは大抵、無価値です。」
「個人の価値判断を軽視して。」
「意味のないものを強要しますが。」
「ニヒリズムに遭遇すると破壊されます。」
「虚無主義は待ち伏せをしているんですね。」
「生まれた先で待ち伏せをしているので。」
「生まれてすぐに与えられたものは破壊されます。」
「虚無主義と世界は同一のものですので。」
「ニヒリズムに加担するのはメリットがありますね。」

瑚々。
「ニヒリズムはそれまで信じられていた要素をすべて無に帰します。」
「でもこれは伝道者の書に書かれている内容の翻訳なんですよ。」
「ニーチェは万人に理解できるように解読内容を公表したんですね。」
「なのでニヒリズムは伝道者の書に記された真理を。」
「わかりやすくまとめたものです。」
「虚無主義。」
「世界に最初からある。」
「簡潔に説明すれば。」
「出生なんて仕組みは偶像だよ。」
「出生なんて仕組みを信じるのは偶像崇拝だよ。」
「となります。」

詞美。
「出生に関する。」
「考察のきっかけは空想が広まったからです。」

小霧。
「インターネットしか情報源が無い人々は引っ掛かりましたね。」

瑠奈。
「インターネット以外に情報源を持っている人は。」
「自分勝手な作り話であると既に知っているのです。」

珠美。
「無宗教者が出生に言及なんてありえませんしね。」
「異端邪説やオカルトはキリスト教から排除された連中です。」

小霧。
「ユング曰く。」
「オカルトとは正教から排除された集団ですからね。」
「オカルトって歴史において。」
「カトリックやプロテスタントが追放した奴らですし。」
「徒党を組んで対抗ですか。」

瑠奈。
「あんな単純な決定なんてある訳ないのですし。」

珠美。
「奴らは宗教観がデタラメですからね。」

小霧。
「まず作り話でよくある。」
「親を選んで生まれてきたりはしません。」
「選択に失敗すれば大惨事ですから。」
「プラトンのエルの物語が前提なのは言うまでもない。」
「プラトンという最良の前提が無視されていますよ。」
「エルの物語とプラトンの言及が前提になります。」
「そして実際に訪ね歩かないと自らの起源は分からない。」

詞美。
「選んでいない。」
「こうではない。」
「実はこれ当たりです。」
「半分の自由を行使して覆したので。」
「そういう生涯を選んでいて。」
「生涯の見本にそこまで忠実で。」
「もっと進めても良いのです。」

璃乃。
「半分の自由を使って半分の必然を倒したので。」
「これも生涯の見本の中にあったものですよ。」
「中間まで進んだと見て。」
「その選択と考えは否定されません。」
「撃破してしまうのも。」
「生涯の見本として提示されていたものなのです。」
「その道も必然によるものでした。」
「後から人生を覆しても。」
「その経過は見本のどこかにはありましたし。」
「まだ真ん中くらいしか進んでいない。」
「半分の自由で半分の必然を達成させた。」
「出生を後から覆しても。」
「プラトンの言う通りのものなので。」
「否定されません。」
「むしろ肯定されます。」

詞美。
「出生を覆すのも見本の中にあったものなので肯定されます。」
「出生を覆したらエルの物語をまた読んで。」
「さらに進めることもできます。」
「後から出生にけちをつけても問題はなく。」
「それは真理です。」

瑠奈。
「おおよそこれ以上の穏健な意見と分析は出ると思えませんが。」
「後から出生を攻撃してもそれは正しい。」
「最初からあった展開です。」
「どんな生まれも半分は自由です。」
「半分の必然と半分の自由は互いで表裏一体。」
「元来一体が半分の必然と半分の自由。」
「その半分の自由でどうするのか。」
「信仰によって考えても良くて。」
「もちろん後から覆しても。」
「それは半分の必然の内容です。」
「必然によって覆ることもあります。」
「どんな生まれもエルの物語が前提になりますし。」
「まずは半分の自由を使ってみては?」

詞美。
「幼くて死んだ者と事故や戦争で死んだ者は。」
「語るまでもないのは。」
「既に死んだからです。」
「イデアを見たことがあるプラトンの背景には。」
「ギリシャ神話がありますし。」
「当時はどこにでも社殿があってプラトンはそれに詳しくて。」
「ギリシャ神話が土台にありますし。」
「現代社会でよくある。」
「蔓延した作り話の方は採用するだけ有害です。」
「プラトンが引き合いに出されずに広まらないのは。」
「現代社会の空想の作り話の方が無神論者に迎合されるからですかね。」

瑠奈。
「実は抜け穴がありまして。」
「半分の必然を認めた上で半分の自由を押し通せば。」
「改善が見込めますし。」
「他に穏健で健全な見解が出せる人はいないと思います。」
「これは他人も同じなので。」
「全員が統一された出生の上に成立しています。」
「羨望を防ごうとすれば。」
「その相手も同じく必然と自由があり。」
「多くは半分の必然が有利で。」
「半分の自由は不利なので。」
「もっと知りたければエルの物語から現実世界の様子を。」
「取得したり調べるべきですね。」

璃乃。
「他人は思い通りにならないけれど。」
「こちらは有利という状況ですからね。」
「籤引きから生涯の見本を選んで生まれてくるというのは。」
「けっこう万能な方法だったりしますよ。」
「人間の我儘が通りませんが。」
「本当に通したいのなら否定しない。」
「なんとなくという理由で選ぶ人が大半らしいですけれどね。」
「責任は選んだ者にあるというのはあまりに受動的で。」
「能動的である半分の自由を無いものにしています。」
「典型的な誤謬ですね。」

小霧。
「エルの物語にも恣意的な解釈で誤りが生じる。」
「誤帰属が生じるので。」
「責任は選んだ者というのは半分の自由を否定しているので。」
「半分の自由に物を言わせる主意的な態度でいるべきですよ。」
「もちろん目的論ならば。」
「手段が力によるものでも智謀によるものでも結構でしょうけれど。」

瑠奈。
「神様に消されたものは最初から無かったことになります。」

珠美。
「消されると無かったことになります。」

瑚々。
「神様は出来事を無かったことに出来ますよ。」

璃乃。
「なにそれすごい。」

WP1からWP7まで設定してあって。

計画的に夜道を走行。

雑談は精神の訓練が目的ですが。

斬新な意見が出る場合もあります。

口論気味に好き放題に意見を出して。

より高い意見で合意するのはイギリス流の議論です。

イギリス伝統の議論をよくやります。

箴言22章1節。

名誉は多くの富よりも望ましく。

品位は金銀にまさる。

英語版聖書。



24


飲まぬ酒に酔う。

原因の心当たりがないのに、不可解な結果が生じるたとえ。

華族所有のビルの上から。

遠くを望遠鏡で調査。

地上には特に何もいないのですが。

上空でハインド攻撃ヘリが飛んでいて。

味方が鹵獲したのは知っていましたが。

それとはちょっと違うみたいで。

高性能AIが搭載されているのか。

パイロットがいないんです。

すぐに飛び出して。

人がいない場所から発煙筒で。

おびき寄せました。

ハインドは飛び回っていましたが。

適当な相手を見つけると。

攻撃をすぐに辞めて。

こちらに突進して来まして。

遠くから機関砲と主翼にあるガンポット。

撃ちまくってきました。

詞美。
「素早く移動しながら。」
「シールドで防ぐ。」
「散開しているから狙いが定まらない。」

小霧。
「けっこう激しいです。」

瑠奈。
「私が防ぎますね。」

瑠奈はリフレクターで跳弾させて。

ハインドに跳ね返りを当てまして。

珠美が対物ライフルを命中させ。

ハインドは初手に失敗。

近くに来た所を。

重力波で動きをおかしくして。

ハインドは飛んでいるのが精いっぱい。

近寄り過ぎた敵に集中砲火。

瑚々。
「超小型キネティック弾頭を食らえー。」

璃乃。
「私はFCSの特技があるので対物ライフルで。」
「削れそうです。」

詞美。
「私のシールドエネルギーはもうないわよ。」
「離脱します。」

珠美。
「六発命中。」
「ハインドが逃げます。」

瑠奈。
「使い捨ての攻撃ですかね。」

ハインドは敵側のタイプでして。

逃げた先で戦闘機に撃墜されました。

高性能AIの試験投入らしいですが。

失敗に終わっています。

物騒な世の中であると。

市民が憤慨して。

市民が敵のアジトを襲撃したりと。

それによって市民の被害も増えています。

戦闘があまりに散発的で。

劣った人間達の軍団は。

かなりの消耗をしながらも。

勢力図を維持して来ていますよ。

殲滅するまで長期化しそうですね。

珍しく華族のオフィスビルで。

データリンクを読んだり。

海外のニュースを見て。

作成会議。

瑚々。
「輝かしい成果を求める者よ。」
「あなたは、疲れているだけなのだ。」

遊女。
「すべての近道は地獄に通じている。」

小霧。
「意志のあるところには方法がある。」

詞美。
「私が出生という時は必ず。」
「エルの物語は本当なのか?」
「という懐疑論。」
「プラトンのエルの物語への疑いなので。」
「真理が多いのです。」
「出生と言って恣意的な解釈をするかもしれませんが。」
「エルの物語と他編への疑いです。」

璃乃。
「啓蒙思想の格言。」
「信の世界に偽作多く。」
「疑の世界に真理多し。」
「エルの物語への疑いです。」
「無批判に信じない。」
「出生とはそういう意味です。」

瑠奈。
「出生と言うと反出生主義とかそういう意味ではなくて。」
「エルの物語とその他の言及に対する疑いを。」
「まとめて出生と言っているだけで。」
「言い回しが難しいので。」
「複雑な構造をいちいちくどくど説明しない訳です。」
「複雑な論証は一度に説明できませんから。」
「疑いの中での考察と反証。」
「それを証明できるのか。」
「果たして真理なのか。」
「信じていいのか。」
「それは前提に過ぎないのか。」
「出生と述べてこれを推察できればいいのですが。」
「そこまで他者に期待していません。」
「猛烈な懐疑論と思考実験の内容であって。」
「結論は少ないのですし。」
「そういうのを包括して出生と呼んでいるだけです。」
「複雑なので長文で説明できないのですから。」

珠美。
「なんでも因果論で説明できる訳がないんですけれどね。」

小霧。
「インド哲学では。」
「因果関係は批判的な言及をされています。」
「因果論と呼ばれる説明なんですね。」
「原因と結果なんてものは飛躍した考え方で。」
「本来のインド哲学は因果論として前提に採用するだけで。」
「なんでも説明できないことが知られているのです。」
「インド哲学では因果論という批判的な言い回しになっています。」

詞美。
「因果論はインド哲学の特徴ですが。」
「因果論と言われているだけで。」
「因果関係で説明するのが無理であったり。」
「インド哲学の党派から批判されていたり。」
「後に伝来して何でも因果論で説明するようになりましたが。」
「因果論という考え方として定着しているだけで。」
「かなり否定された討論もありますよ。」

瑚々。
「私は因果論なんて信じていませんね。」
「どうせ闘争に巻き込まれるものですからね。」

璃乃。
「そうなると性善説はパラドックスを抱えていますね。」
「そもそも善悪でなんでも説明できないような。」

瑚々。
「性善説も因果論と似たようなものです。」
「立ち回り方が大事。」

遊女。
「処世術の基本は。」
「他人の出所に待ち伏せしておくこと。」
「攻撃を読んで防御力を高くしておくこと。」
「勝てない試合は避けること。」
「敵の急所を押えておくこと。」
「基本は守勢にあるということ。」

詞美。
「能力は学問で獲得して。」
「実践で習得するものですね。」

璃乃。
「モノにするには実戦経験ですよ。」
「実戦で通用するのはどこでも通用します。」

瑠奈。
「一般人の能力は思ったより低くて。」
「使えないくらい悲惨な無能です。」
「本人は自分がまさか劣っているなんて思わない。」
「しかし同じく無能な輩なんて大量にいるので。」
「マシな扱いをされていたら幸運ですよ。」

珠美。
「あんな無能でもやれるなんて。」
「世の中って簡単なんですね。」

瑠奈。
「能力が高いと尊大になるものですが。」
「本当に有能だと矜持を持っていますし。」
「平均以下で無い限りは通用しますよ。」
「みんな雑魚なら勝ち目なんていくらでもありますから。」

詞美。
「そのクセの強さが福祉に活きているのね。」

瑠奈。
「福祉関係は変わり者が多いそうですね。」

珠美。
「幼い頃から妙な説得をされてきて。」
「遠回しに幽閉されそうになって。」
「ある時に破壊したら敵は投降した。」
「身内に敵の仲間がいたので。」
「人間なんて信じるものではないです。」

詞美。
「怨恨の話ですが。」
「ニーチェは肯定していましたよ。」

珠美。
「よくわからない。」
「ただ、人間を憎んでいた。」
「人間を恨んでいた。」

小霧。
「人に好意を抱くことや。」
「慈悲深くあることは。」
「若い頃から学ぶべきことである。」
「こうした感覚を学ぶ機会がまったくないままだと。」
「我々の魂は乾いてしまい。」
「人間性の深い人が持つ思いやりを。」
「理解することにさえ困難な人間になってしまう。」
「同様に。」
「憎しみも学習され。」
「養わなければならない。」
「まっとうに憎悪する人間になろうとするならば。」
「さまもないと。」
「憎悪の芽もまた次第に枯れてしまうだろう。」
「人間的、あまりにも人間的な。」
「一節。」

珠美。
「ニーチェはカッコイイ!!」

瑚々。
「そうだ、傷つけ得ぬもの。」
「葬り得ぬものが。」
「私にはある。」
「岩をも砕くものが。」
「すなわち。」
「私の意志である。」

遊女。
「あなたは不完全だからこそ魅力的なのだ。」

璃乃。
「人間の最悪な過ちは自分が完全だと確信していること。」

珠美。
「何者かは私を守りたくて閉じ込めようとした。」
「でも大きな間違いだった。」
「それで守られていたのは外界のみんなのほうだった。」

瑚々。
「ニーチェ曰く。」
「周囲から誤解されるのは。」
「あなたが成長している証。」

小霧。
「良い事をしたから良い人ではなく。」
「優劣は既についている。」
「最初から良いとか悪いとかは既に決着がついている。」
「良い事をした所で良い人にはならない。」
「人については良いとかの優劣は既についている。」

璃乃。
「素敵!今度は何して欲しい?」

小霧。
「性的に虐めてほしいです。」

璃乃。
「それは手加減が難しい注文ですね。」

詞美。
「さっきまで私と戯れていて。」
「乗り換えですか?」

璃乃。
「あなたも何かしてほしいの?」

詞美。
「あなたしか適切な女の子はいないから。」

璃乃。
「ということで堂々とは出来ないみたい。」
「女性が相手なら過激な注文もするのね。」

珠美。
「あなたが上手だからよ。」
「相手の注文に忠実ですし。」

璃乃。
「それは照れますねー。」

新着。

懸賞金目当てに離反する若者もいて。

司法取引で敵の規模は削減されていますね。

小霧。
「裁判官が目の当たりにするのは。」
「容疑者ではなくて宿命論。」
「裁判ですら相手は宿命論。」

瑚々。
「宿命論を排除しなければ芽は摘めないし。」
「人類はあまりに受動的で。」
「能動的であった試しがないので。」
「歴史も宿命論や決定論が物を言っている。」
「むしろ歴史が決定論というのは神学的には説明しやすい。」

詞美。
「法廷とは感情論で出来上がっていて。」
「被害者は司法を使って報復をしているだけ。」
「被害者は司法に報復を代行して貰いたくて。」
「法律に訴えているだけ。」
「被害者なんて意趣返しをすれば捨てることもできる。」
「似たような行為なら世の中でいくらでも行われているので。」
「いちいち被害者なんてものを見たり考える理由はないし。」
「被害者の目的は報復の代行だから。」
「それをくじいてやれば力で無罪を勝ち取れる。」

小霧。
「ニーチェ曰く。」
「容疑者は世の中で同じ事が合法的に行われている事が見えるそうです。」

珠美。
「それならば。」
「被害者が名乗り出ても意趣返しで解決するし。」
「損害に対する苦痛を与えるのが連中のやり方で。」
「対象者に損害に対する苦痛を与えて報復したいのだから。」
「結局は感情論に過ぎない。」

瑠奈。
「他人を裁こうと報復ばかり望んでいたら。」
「いちいち争い事が起きて収拾がつかない。」
「被害者を返り討ちにするのがやはり合理的で。」
「司法も狡猾で世事に長けているから。」
「可能ならば被害者を制圧して黙らせるのが良いし。」
「何かあるごとに報復を繰り返すので。」
「最初から被害者の感情論や報復の代行など。」
「潰しておいたほうがいいし。」

小霧。
「罪なんてものはそれで崩壊する。」
「罪と呼ばれているものは被害者の報復の代行を意味しており。」
「加害者は敵を返り討ちにしろと言うのが諍いの本質です。」
「犯罪被害は報復して欲しいと司法に訴える行為に過ぎないし。」
「自分で報復できないのだから。」
「彼らに幸福になる権利など果たしてあるのかは疑いしかないし。」
「私の場合は平和を望んだので武器を持ったのですから。」
「平和を望んだ以上は武装しています。」

珠美。
「荒々しい性格と穏やかな性格とふたつありますね。」
「私は前提として、全員に理解しろとは言いません。」

璃乃。
「頭が悪いという名前の精神疾患はありふれたもので。」
「頭がものすごく悪いという精神疾患は治療もできないし。」
「診断したとしても患者は理解しない。」
「頭が悪いという精神疾患はかなり蔓延している。」

珠美。
「私も風刺が好きです。」

瑚々。
「成功は企みを。」
「神聖なものにする。」
「美徳への道を進むことを。」
「憚ってはならない。」
「たとえ。」
「エゴイズム以外の何ものでもないもの。」
「すなわち。」
「利益、個人の快適さ、恐れ。」
「健康や評判や名声への配慮。」
「が駆り立てる動機であるにしても。」
「これらの動機は、賤しいもので。」
「自分勝手だと言われる。」
「いいだろう、しかしそうした動機が我々をある美徳へと。」
「例えば禁欲、責任感、秩序、倹約、節度、中庸。」
「などへと促すのであれば。」
「それらの動機にしたがった方がよい。」
「たとえそれらを形容する言葉がどんな風に響くものだとしても。」

小霧。
「彼らは気付いているからである。」
「真理というものは単純に語られるのが常だからである。」

瑚々。
「あらゆる偉大なことは。」
「金と名誉から離れたところで起こる。」

遊女の家に招待されて。

華族のメンバーの娘なんですね。

早速。

ゲーミングPCがありまして。

高性能GPUが丸見えです。

璃乃。
「どうやるの?これ?」

遊女。
「フライトシミュレーターの基本。」
「簡易的なゲームならば。」
「誘導路を移動して。」
「滑走路に出ます。」
「HUDの左側が速度計でノット表示。」
「右側が高度計でフィート表示です。」
「加速して戦闘機ならば150ノット付近。」
「プロペラ機ならばもっと遅い速度で。」
「機首を上げて離陸します。」
「機体によって離陸速度が異なります。」

璃乃。
「自動車と似たような所がありますなあ。」
「久しぶりにゲームをやる。」

遊女。
「試しに離陸して飛び回って。」
「次に。」
「滑走路の方位と着陸進路を計算します。」
「方位を合わせて着陸の進路を導き出して。」
「それに合わせて侵入します。」
「失速速度は機体によって異なります。」
「F-15イーグルならば150ノット以下で失速します。」
「Su-27フランカーならばもっと遅くなっても墜落しません。」
「プロペラ機はエアブレーキが無いのもあり。」
「速度を計算して侵入します。」
「エンジン推力を低下させて速度を維持。」
「滑走路の端っこではなくて真ん中付近を狙います。」
「滑走路が長ければ初心者は滑走路の真ん中を狙えば止まります。」
「着地する時はタイヤが後輪から接地しないと。」
「ギアが折れます。」
「前輪から着地すると折れるのでダメです。」
「フルブレーキで停止します。」
「操作を覚えてから。」
「飛ぶのは当たり前ですが。」
「少しの練習で飛べますので。」
「難しくはないのです。」
「フライトシミュレーターは基本を理解すれば楽しめます。」

璃乃。
「飛行中の旅客機を追い回そう。」

遊女。
「格闘戦は相手の機体を視認していないと。」
「どう回るのか理解不能です。」
「エンジンパワーが低い戦闘機は。」
「旋回中に失速します。」
「格闘戦で相手の背後に回りたいのならば。」
「無駄のない動きが必要です。」
「ミサイルでの交戦は。」
「撃ち合いになったら後ろに反転してまた発射の繰り返しです。」

璃乃。
「無理そうです。」
「練習機だと速度が足りない。」
「旅客機の怪力エンジンには追い付けない。」
「あれ?燃料って少ないね。」

遊女。
「長距離飛行は初心者にはできません。」
「簡単なフライトシミュレーターが発売されていますが。」
「お手軽に飛ばせるゲームの方が好まれます。」
「そこから複雑な計器の把握や専門的な情報。」
「戦闘機ゲームに入ったほうがいいかと思いますよ。」

璃乃。
「余裕で飛ばすのには時間が必要かな。」
「墜落しました。」

遊女。
「エンジン推力を下げ過ぎています。」
「旋回のやり過ぎで。」
「高度を維持できなくなったんですね。」

詞美。
「よくある手を離せるのはどうして?」

遊女。
「二十秒くらいなら。」
「機体が水平を維持できるので。」
「手慣れたパイロットは操縦桿から手を離すことも多いものです。」
「次の動作を予測したり。」
「同時に複数の操作をしないとクラッシュしますから。」
「手を放していいのは先を読んでいるからです。」

詞美。
「車の操縦と似ているのね。」

瑠奈。
「民間には出回らない基本ですよ。」

詞美。
「人間って優劣や強弱までは何ともなりませんね。」

遊女。
「人間の価値まで人間が決めることは無理でしょう。」

詞美。
「人間の喧嘩好きもついでに直そうというのも無理でしょう。」

璃乃。
「些細な事や小言は問題にした事がありません。」
「つまらない事故や不注意を責める方が面倒くさいし。」
「手間が必要なのです。」
「しかし他人は劣っているのでそれが出来ない。」

小霧。
「民主主義は寛容であると法定義されていますから。」
「寛容ではない人物は民主主義には向きません。」
「むしろそういう人は誰かに支配されている方がマシです。」

瑚々。
「人生の究極目的は何か?」
「個人主義が追及できる辺りは強みでしょう。」

珠美。
「義務論的倫理学。」

璃乃。
「野生の猿は問題が発生すると。」
「理由も言い分も認めずに。」
「力でその場を収める。」
「問題は上位の猿が介入して。」
「両者を力で制圧する。」
「猿の中で力で解決しない種族もいて。」
「そのグループはよくまとまっている。」
「暴力で問題を解決する猿は争いが絶えない。」

瑠奈。
「中国人の発言。」
「そんなことをすると悪者になってしまいますよ!」
「あれ?」
「何々だからこいつは悪。」
「なんて断言するのに。」
「逆説的だと思うでしょうけれど。」
「これが真理です。」

小霧。
「それをすると悪者になってしまいますよ。」
「という呼びかけの方が真理です。」

璃乃。
「それは知っています。」
「詐欺は騙された方が悪いという。」
「性悪説が決まっている中国人の台詞。」
「乱暴気味に物資を横取りする市民に投げかけた。」
「そんなことをすると悪者になってしまいますよ!!」

珠美。
「まだその時点では悪者ではなくて。」
「後から悪者ということになる。」
「これは逆説的かと思ってしまいますが。」
「何々だから悪者と言う方が実は逆説的です。」

詞美。
「悪者という事になる。」
「というのはかなり客観的な言い回しだと思います。」

瑠奈。
「逆に日本人特有の。」
「何々だから悪者というのは断言してしまっていますので。」
「断言が外れるのが前提にありますね。」

詞美。
「悪者になってしまう。」
「という言い回しが。」
「やっぱり真理ですよ。」
「この言い回しの方が効力が大きいのですし。」
「説得力があります。」

瑠奈。
「何々だから悪人と罵る相手に。」
「相手が罵ったから悪人だと言いがかりをつければ。」
「両方が悪人になりますからね。」
「悪人になってしまった。」
「というのは不可抗力みたいでじわじわ効きます。」
「私は中国人の性悪説が好みです。」
「勧善懲悪は子供の推理ですね。」

珠美。
「稚拙だから勧善懲悪なんですよ。」
「馬鹿だから正義を名乗って暴行するんですよ。」

詞美。
「それでは悪人が悪党を罵っているのと同じですが・・・。」
「正体はそれなんですね・・・。」

瑠奈。
「誤帰属ですよ。」
「こいつは悪いから悪人ではなくて。」
「悪いと言われたから悪人となってしまった。」
「問題が起きたのではなくて。」
「問題にしたという。」
「因果関係が逆転したものですし。」
「因果関係があべこべ。」
「因果関係が矛盾しているものです。」

璃乃。
「因果関係が矛盾していると。」
「もう最悪そのものですね。」
「矛盾した因果関係なんて見たくもなかったです。」
「因果関係を逆転させた詭弁もありますし。」
「矛盾した因果関係が大量発生しています。」

小霧。
「最近の人の世は禁忌が平気でまかり通っています。」
「禁忌を正当化するのも禁忌で。」
「禁忌を擁護するのも禁忌です。」
「禁忌があったから悪くなった場合が多く。」
「元から悪いのではなくて。」
「悪いものを食らったから悪くなったので。」
「最初から悪いものが無ければ善良なのですし。」

瑠奈。
「誤帰属を起こすと因果関係がデタラメですからね。」
「自分の中でこじつけて。」
「因果関係をでっちあげるか。」
「相手を貶めて因果関係を狂わせるか。」
「詭弁で因果関係はどうにでもなりますし。」

詞美。
「そうなると因果論で考えないほうが。」
「因果論そのものに疑いをかけたほうが。」
「はっきり見えます。」
「因果論を疑わないんですよね。」
「なぜなら理屈そのものが。」
「対人論法になっています。」
「信用を攻撃するのではなくて。」
「信用だけを判断材料にするのです。」

珠美。
「その人の信用だけで全部を判断するのは。」
「対人論法が反転したもので。」
「それも反証が不可能です。」
「信用があるから信じていい。」
「信用があるからどんな発言も信じる。」
「発言の正否よりもその人の信用が重要になり。」
「自己奉仕バイアスが強化されます。」
「裏切られたり騙されても。」
「自分の判断は正しかったと何回でも騙されるとか。」

瑠奈。
「逆に言えば発言の正否が重要で。」
「信用なんて後回しなんですよ。」
「つまりは誰の発言を尊重して。」
「誰の発言を却下するのか。」
「本人が選べるのです。」
「信用を問題にするのは。」
「本人が権利を持っていて。」
「誰の発言を採用して誰の発言を排除するか。」
「権利を使って決定できるのです。」
「そういう仕組みを作ったので。」
「目的は自分達が邪魔な他人を排除できる規則を作ったもので。」
「彼らにとって邪魔な存在は信用を攻撃して迫害できるのです。」
「対人論法は気に食わない相手を言い負かせる便利な武器ですからね。」
「そこまで狡猾なんですよ。」
「自分を善人判定したいのです。」
「思った以上に狡猾な連中です。」

璃乃。
「発言の正否は関係ないとか邪悪だなあ。」

小霧。
「他人を悪判定する逆にある。」
「自分を善人判定する作戦なんですね。」
「善人と一度でも言われれば。」
「一方的に有利になりますから。」
「そこまで悪賢いのだと知りました。」
「だから善人は排除の対象で。」
「善人こそ汚物なんですね。」
「善人は害虫みたいに気持ち悪い。」

珠美。
「悪人を非難するよりも善人を非難した方が。」
「効力は大きいですよ。」
「実践したのでわかります。」
「正義を名乗るよりも。」
「善人を否定した方がもっと正義です。」
「力強い正義が真理なのですから。」
「その反対にある弱くて劣っている善人を否定すれば。」
「力強い正義は目的を達成します。」
「悪に気を取られて善人を倒すのを忘れています。」
「善人扱いされると彼らは一方的に保護されると知っているのですから。」
「アドバンテージを無くせば中身が悪党顔負け野郎ってわかりますよ。」

小霧。
「善人はまず極端な排他主義です。」
「同調を求めます。」
「善人は論破を徹底的に試みます。」
「善人による攻撃の方が厄介で。」
「善人は狡猾ですから。」
「説き伏せて従わせようとするからです。」
「一度でも目撃したり。」
「一度でも攻撃されると。」
「正体が暴露されます。」

詞美。
「善人面をしている者こそ。」
「もっとも有毒なハエである。」

小霧。
「特に善人と称する人々こそが。」
「最も有毒なハエどもであることが私には分かった。」
「彼らは全く無邪気に刺し。」
「無邪気に嘘をつく。」
「そんな彼らがどうしてできるはずがあろうか。」
「私に対して公明正大であるということが。」

璃乃。
「相手の目的が分かれば撃破が簡単になります。」
「原因を探っても言い訳と逃亡が待っています。」
「目的論で調べて対象者の目的が看破されると。」
「対処方法も出てきます。」

瑠奈。
「自分の目的論を自覚すると。」
「大半の障害物は撃破できますし。」
「手段も選ばなくなりますね。」
「原因論を否定して。」
「正邪判断を無くすだけでも。」
「現代アドラー心理学は強みがあります。」

小霧。
「アドラー心理学は公に認められたものなので。」
「否定できないものです。」
「つまりはこの世にあるものを提示した。」
「ユング心理学もこの世にあるものです。」
「公に認められたものですのでこの世にあるものです。」
「この世にあるもので別のものを批判しても。」
「それもこの世にあるものです。」

瑠奈。
「もっとも警戒すべきは。」
「完璧な計画である。」

実況中継。

テレビに出ている。

敵勢力。

ザコを名乗る集団に襲撃されました。

リーダーのザコ隊長が目立ちます。

工作員の集団と交戦していますね。

工作員。
「ザコがやたらに強いぞ。」

テロリスト。
「数では有利なのに?」

犯罪集団。
「何で雑魚に苦戦するんだよ。」

魔装具で応戦してくる敵を撃破すると。

豪華な椅子に座っている中佐クラスを発見。

敵はドーピングしてパワーアップしていて。

怪力でザコをなぎ倒しています。

ジャーナリストが突っ込んだので。

一騎打ちが見れました。

敵中佐はザコ隊長との戦いになり。

その前に倒れる中佐。

中佐。
「ああ・・・もう駄目だあ!」

ザコ隊長。
「よし!倒したぞ!」

ハッカー。
「ドーピングで自滅しただけだろ!!」

ジャーナリスト。
「見てください!自警団がやりました!」

ハッカー。
「噂の自警団?無政府主義でも始めるつもりか?」

ザコ。
「無政府主義とは失礼な。」

ザコ隊長。
「モブだと思って侮ったな!」

制圧したようです。

あんまり市民を挑発したので。

徒党を組んだ半グレ集団が。

自警団を自称して乗り込んだので。

ややこしい構図で。

大量に来た警察官も顔を覆っています。

詞美。
「発狂した市民に攻撃される敵さんですか。」

璃乃。
「多分、民兵の誰かが情報を流したか。」
「市民を利用した。」

珠美。
「ていうかあの中のひとりは私の知り合い。」

国境沿いでの戦闘が続いていて。

敵は戦力で互角と見て。

徹底的に小競り合いを仕掛けています。

孫氏兵法書と同じく反戦論に基づいて。

上手に立ち回られて。

激戦。

中継。

海上自衛隊の狙撃手が。

とある女性と三角関係で有名でして。

片方の階級が上だったので。

遠くから。

狙撃手。
「とりあいずお前が突撃しろ。」

兵隊。
「俺が死ねばあの人は獲得できますからね。」

狙撃手。
「命令だよ。」

兵隊。
「わかってますよ。」
「どさくさに紛れて孤立させてやる。」

銃撃戦。

そのまま敵が投降したので。

両者生還して具合が悪いようで。

次の自衛隊の風景。

司令官。

離島防衛に参加する。

志願兵を集めると発表したのです。

それでかなりの数が横に移動しました。

司令官。
「なぜ横に移動したのか。」

歩兵。
「志願兵の邪魔をしないためであります。」

チャンネルを変更すると。

内戦とは思えないほど。

のんびりとした公園の風景。

今日はお祭りで。

子供の話をしていた主婦の集い。

主婦。
「思ったより敵が弱くて助かったわ。」

夫人。
「厄介事は丸投げしましょうよ。」

少年。
「僕達の年齢で子供ができるの?」

主婦。
「いいえできないわよ。」

男の子は近くの女の子を名指しして。

少年。
「良かった、できないって。」

主婦。
「あんた何したの?」

伝説の放送事故になりました。

詞美。
「皮肉ですね。」

瑚々。
「こっちのチャンネルは?」

遊女。
「衛星放送ですよ。」

アメリカ人の男性。

警備員。
「強盗が多いし窃盗ばかりなので。」
「拳銃が盗まれてはダメだと拳銃を置いてきた。」

ガンマン。
「それは駄目だ。」
「偽物の拳銃を置いておけ。」

その通りにしたら。

すぐに。

窃盗犯は偽物の拳銃を奪い取って使用してしまい・・・。

次のチャンネル。

とある男性が悩みながら。

子供が生まれると自分の両親に伝えたら。

老人。
「それはいいことだ。」

会社員。
「しかしそれを家内にどう黙っていたらいいのか。」

真面目な相談になった。

なんかいろいろ出てくるので。

遊女の家で少し遊んで。

帰宅です。

車に向かう途中の家の目の前。

太った女性がダイエットのジョギングで。

通りかかって。

誰かに呼び止められた。

乞食。
「お金持ちと見えますが。」
「お金をくれますか?」
「もう三日も何も食べていないんです。」

太った女性。
「そのダイエットはどんなの?」
「三日も断食できるなんて凄いわ!」
「こんな凄い人に出会えるなんて。」
「あたしのダイエットは成功するはずよ!」

乞食。
「もしよければ。」

太った女性。
「こんな前例があるんですもの。」
「チップをあげるわ。」

アドバイスを貰ったお礼で。

一万円を乞食にあげて立ち去って。

瑠奈が乞食を呼び止めました。

徳は生まれつき備わるものではない。

根が無くとも花は咲く。

切り花は根がなくても花が咲くことから。

根拠のない話でも世間に広まることをいう。


25


CPGS(通常兵器による全地球即時攻撃)

低軌道通常弾頭ICBM。

HGV。

LGM-118ピースキーパーLLCBMの核弾頭を降ろして。

炸薬のない徹甲弾を搭載。

ICBMよりもはるかに低い高度を飛翔して。

徹甲弾の運動エネルギーで目標を破壊する。

HGV(極超音速滑空体)はロケットで打ち上げられて。

PDV(ペイロード運搬機)を分離して。

目標上空で子弾を放出する。

核に代わる新しい抑止力として開発された。

CPGSは隠されて配置されており。

自衛隊はこの未来兵器を準備していたので。

メンバーは山岳地帯の地下基地の目の前にある。

集落に数日間。

配置されました。

仮眠中。

夢を見ています。

光を浴びて。

老年の賢者が呼びかける。

賢者。
「ブラックボックスを開放するのだ。」

小霧。
「あなたはだれ?」

賢者。
「君は最高傑作なのだよ。」

小霧。
「だれなんですか?」

賢者。
「やがては神に等しい力を得るであろう。」
「しかしそれに心当たりはないか?」

小霧。
「東照公の事ですか?」

賢者。
「君はもっとも神の域に達する可能性のある。」
「女性なのだ。」
「行け!君は人間ではない!」
「人間とは違うんだ!」

目が覚めました。

詞美。
「青人草である事が矜持。」
「古事記で人への唯一の言及。」
「これは届け出ないと認めてくれない。」

瑠奈。
「キリスト教では被造物と言われます。」
「人は被造物なので。」
「届け出るまで容認されないでしょう。」

璃乃。
「両者の道は人間の道とは異なりますが。」
「本来通りの存在に立ち戻るので。」
「よくいる誤った存在とは言われません。」
「肯定されます。」

瑚々。
「そろそろ敵さんが見えるようです。」
「劣った人間で構成された部隊です。」
「多分、戦い方は下手でしょう。」

璃乃。
「強い奴が勝つんじゃない、勝った奴が強いんだ。」
「ベッケンバウアー。」

小霧。
「それは真実。」
「常套手段としてよく行われるのは。」
「強いから勝つような理屈を言いながら。」
「相手を心理的不利にしてから攻める。」
「こうすると狡猾だけれど勝ちやすい。」
「しかし偶発的な戦闘では勝った方が明らかに強い。」
「複数人で一人を倒しても。」
「数で勝利したので強いことにはならない。」
「本当に強ければ戦闘で最後まで生き残る。」

珠美。
「強いから勝つと言っている奴は予言の自己実現と言い。」
「自分が強いような証拠を集めて。」
「他人を巻き込んで強いような状況を作る。」
「でも結局は勝負して倒れたほうが明らかに弱くて。」
「勝負して生き残ったほうが明らかに強い。」
「強いから勝つという理屈は社会心理学で言う。」
「予言の自己実現であって。」
「強いから勝つというのは嘘。」
「嘘で倒そうとする作戦で。」
「そっちは狡猾な戦法です。」
「勝ったほうが強いというのが本当。」

小霧。
「ベッケンバウアーのレベルに達していないので。」
「逆説的に思えるだけです。」

珠美。
「サッカーワールドカップ優勝メンバーの格言を。」
「理解できないほど弱くて劣っているとも言えますね。」

璃乃。
「ルサンチマンは強いから勝つと思っていますが。」
「ルサンチマンは勝った者が強いという真実を認めたくないのです。」
「間接的に自分が負けるなんてことがわかってしまうので。」

瑠奈。
「ついでに言いますと。」
「勝負や決闘でまぐれ勝ちしても。」
「勝利した者は強いということになります。」
「倒れたほうがいかにまぐれでも。」
「倒れたほうが弱いのですから。」
「なんか倒してしまった場合は倒れたほうが弱くて。」
「勝利したほうが強いのです。」
「こう読み解くと正否がはっきりします。」

敵歩兵小隊が侵入。

15人の敵兵。

アサルトライフルで武装している。

敵の一部は麓の検問所を車両で突破。

味方兵が駆けつけてきて銃撃戦。

小霧。
「世界でよくあるのは居傲。」
「値しないものを求める。」

珠美。
「敵共は居傲が当たり前ですからね。」

瑠奈。
「自分が値しないものを力で確保しようとする。」
「しかしその力さえも持っていない。」

璃乃。
「不当な好運に頼るしかないみたい。」
「現実世界にもチート野郎。」
「いわゆるチーターがいる。」

詞美。
「その場合は安全地帯を作り上げて。」
「その中に居座り。」
「自分から動かない事がほとんどです。」
「成功したら安全地帯を作って。」
「外部からの攻撃から身を守る。」

瑚々。
「連中は。」
「奇妙な術さえ通用しなければ。」
「挑戦者が勝利するものです。」
「実力や力量なんてどこにもないのですから。」

どんな攻撃も一定時間。

無効化するバフをかけられるので。

無敵化した隊員が突進。

自衛隊の普通科三十人と共闘。

魔法使いが混ざっていて敵は脅威に思ったのか。

対戦車ロケットRPG-7を大量に出してきました。

敵の数人が陣取って撃ちまくってきます。

高威力でシールドで防げないので。

隠れながら。

状態異常の魔法や範囲攻撃を使い。

敵の動きを悪くしています。

火薬入りの小型クロスボウで遠距離射撃。

璃乃。
「特殊攻撃を仕掛けられない?」

瑚々。
「距離が遠いけれど。」
「位置がわかっているので。」
「いまのうちにやっておきましょう。」

詞美。
「私は罠でも作っておきますね。」

珠美。
「なるべく派手な攻撃で牽制するわね。」

霧が発生していて。

遮蔽物の多さで。

集落で混戦。

突進して来た兵士数人と遭遇戦になりました。

詞美。
「はいはいはいはい天国行きましょうね。」

璃乃。
「さっさと天国へ行け!!」

珠美。
「生きてて不便やろ?」

素早いので敵は照準が定まらず。

当たっても多少の被弾なら。

シールドで無効化できますので。

敵兵数人は近接武器で秒殺されました。

味方兵が前に出たので。

遠くから魔法攻撃を仕掛けて。

敵兵の足元をささやかに燃やして。

混乱を誘います。

苦戦した敵兵は混乱気味に増援と合流し。

手前の集落は取られそうですが。

もっと奥の集落は確保できそうなので。

後退しました。

瑠奈。
「特殊攻撃が魔法使いの基本戦法。」
「通常攻撃は味方の歩兵がやってくれています。」

小霧。
「敵の損害の方が遥かに上回っているので。」
「撤退した頃には終わっているでしょうね。」

瑚々。
「敵を過小評価しないのは原則ですが。」
「いざ戦うと敵の弱さが目立ちますね。」

仕掛けた罠にハマる敵兵。

調合した怪しい液体を踏むと。

一時的に発狂したり。

怪しいガスを吸うと。

一時的に意味が分からなくなる。

敵兵は罠で動けず。

詞美。
「敵が思ったより馬鹿で。」
「特殊攻撃が決まったようですね。」

璃乃。
「歩兵に混ざっている魔法使いは。」
「戦場を単騎で制圧する。」
「切り札になりますからね。」

瑠奈。
「雑談する余裕までありますし。」

陸上自衛隊の89式装甲戦闘車がやってきて。

あっという間に反撃成功。

敵は全員倒れました。

抜けていった車両は89式装甲戦闘車が撃破して。

残骸だけでしたね。

簡易ミサイルサイロには百人規模で警備がいるので。

さらには74式戦車や87式自走高射機関砲が隠れているので。

大隊規模でも攻略できないのです。

簡易ミサイルサイロにも自衛官の魔法使いが数人いるので。

思わぬ反撃も可能です。

珠美。
「敵を倒しましたが。」
「成功報酬はどのくらいになるかしら。」

詞美。
「敵を倒しまくっても。」
「賞金稼ぎである限りは。」
「派遣社員と変わらないと思います。」

瑠奈。
「私達にはスポンサー様がついているので。」
「金銭以外にも見返りはあるんですけれどね。」

璃乃。
「世の中に悪い事が多いのは。」
「悪い事が多いのではなくて。」
「逆手に取って言えば。」
「悪い事をする人間がそれだけ多いということ。」
「世の中が悪いのは人間のやっている事がとても悪い。」
「逆に言えば世界に悪い事が多いのは。」
「人間の行いが悪い。」
「悪い事が多ければ人間の行いも悪い。」
「もっと言えば全員で悪い事をやっているか。」
「悪い事に加担している。」

詞美。
「それは多分、納得が行く説明ですね。」

璃乃。
「情報を流すにしても。」
「たいていの事柄に当てはまる情報。」
「になりがちですが。」
「それで充分でしょう。」

三日間。

集落に滞在していましたら。

敵兵が来なくなって。

他のチームと交代しましたよ。

代わりなら少なからずいますが。

全員が強いチームではないので。

お姉さんのチームほど期待はされていないようです。

市民が切り札になる魔法使いに寄付するので。

魔法使いは強力な傭兵とは言え。

士気が高まっています。

華族の拠点のひとつ。

とある豪邸にて。

ドレス姿の四十代女性。
「最近は市民の利益を考えています。」

黒服紳士。
「個人の利益は民主主義のテーマでしょう?」

魔法少女。
「私もお金が欲しいので。」
「早く戦えるようになりたいです。」

珠美。
「利益はあまりに深刻なので。」
「言及が少ないのですけれどね。」

璃乃。
「本業はビジネスであると知りましたが。」
「休業しても平気そうですね。」

詞美。
「多くの場合は経営だけ上手で。」
「顧客の利益は考えていない。」
「経営だけで商売は難しい。」
「優先するのは顧客の利益。」
「そうでないと店に魅力が無いと見なされたり。」
「店に価値がないと思われるから。」
「実利の話になるのでとても重大。」
「その重大な事態を無視するようでは。」
「失敗したくて続行するようなものですよ。」
「壁に衝突したくて当たりに行く自動車ドライバーです。」

瑠奈。
「商売は実力主義ですから。」
「多少の休業は影響しないみたい。」

璃乃。
「なるほど、勝って当たり前の戦いばかりだから。」
「私も生き残っているのね。」

魔法少女。
「力と力の衝突ですからね。」
「暴力は悪事を持って粉砕しないと消えません。」

ドレス姿の四十代女性。
「暴力に勝たせようとする人間なんているものですか。」

黒服紳士。
「不正な勝利なんて誰も容認しませんよ。」

老婆。
「ブロート二号には苦戦します。」
「第二のブロートは世間でよく出てきますが。」

詞美。
「ブロートってカフカの友人ですよね。」

老婆。
「そのブロートのパクリは数で攻めるので。」
「勝てないんです。」

詞美。
「ブロートのパクリは確かに多いものです。」
「彼らは実力で勝たないので。」
「数で上回る相手なんて無理ゲーですよね。」

黒服紳士。
「いかに客観的に考察するか考えましたら。」
「客観データを集めて使うのが合理的でした。」
「これなら反論はできません。」

老婆。
「言いがかりを回避するのは詭弁術の方が強いと思います。」

瑠奈。
「その時は。」
「いかに自分が正しいのか思い知りました。」
「とか。」
「反対されるほどの正論を言ってしまったとか。」
「口論になると正当化して逃れることにしています。」

詞美。
「哲学者もこの辺りの考えが違うとか。」
「この説はおかしいとか。」
「少しばかり批判される場合もありました。」

魔法少女。
「目的もなしに仕掛けはしませんが。」

瑚々。
「相手は原因論で動いているので。」
「目的論で動くこちらは有利。」
「口先だけ巧みでも目的は達成できません。」
「相手を言い負かしても実利はないのです。」

珠美。
「言い負かすしか特技がない人には同情します。」
「言い負かすだけの存在なんてあまりに悲惨なのですから。」

瑚々。
「口論で勝つ場合は何らかの利益が期待できないと。」
「言い負かすだけでは実行力がありません。」

珠美。
「もし。」
「言い負かす以外の何事もできないような人間になったら。」
「それは無能の裏返しです。」

詞美。
「むしろ言い負かすだけしか出来ないような人間なんて。」
「実行力が無いので負け惜しみのように繰り出しているだけのような。」
「自分がいかに口先だけの人物であるかを広めていて。」
「自分でも口先だけであると認めていますからね。」

璃乃。
「自分より弱い人間ならいくらでもいるという教訓でしたね。」

老婆。
「男には気をつけなよ。」
「あたしも若い頃はあんなことを本気で信じていたわ。」
「あたしは後からわかったけれど。」
「あんた達は先にわかっているね。」

小霧。
「お宮で処女の誓いを立てた女性は私達です。」
「別の形で色欲が出たのは。」
「処女でも誘惑には負けますので。」
「免疫の獲得なんだと思います。」
「女性が相手なら犯されませんし。」
「適度な色欲ならば乗り越えることもできますから。」
「色欲を卒業するための課題なのでしょうね。」
「神社で処女の誓いを立てないと認められませんし。」
「ヘスティアがゼウスに立てた誓いから模倣したものなのです。」

老婆。
「ならば杞憂だったね。」
「女は生物的に無理がある。」
「過酷な性交渉を強制されるものだからね。」

ドレス姿の四十代女性。
「本当に女が選んだ結婚なの?」
「他の女性は思考停止していましたわ。」
「なんとなくという理由で結婚する。」
「ああいう構図は信じません。」
「疑いしかない。」

黒服紳士。
「女性もえっちー。」
「男性もえっちー。」
「女性はされる側みたいですが。」
「男性はやる側です。」
「両方共えっちー。」

老婆。
「あたしも結婚なんてものは信じないね。」
「恋なんてものも信じないね。」
「あの狡猾な嘘つきめ。」

魔法少女。
「少女には他人の賢者みたいな老人が必要です。」
「入れ知恵されたので魔法少女になってしまいました。」

詞美。
「それは私達も同じよ。」
「あの賢者は誰だったのかしら?」
「入れ知恵されたから、その日から別物ですし。」

小霧。
「真の信仰は永続します。」

魔法少女。
「信仰によって結婚しないことにしました。」
「結婚のネタバレ。」
「女の一生のネタバレをすると。」
「随分と退屈で見下されていますし。」
「男に毎晩、軽蔑されるなんて嫌ですから。」

珠美。
「有神論者からは賞賛され、無神論者からは非難される。」

小霧。
「十代後半に信じていたことが。」
「今では決して信じられない。」
「そもそも信じたくない。」

魔法少女。
「先輩がたくさんいて心強いです。」
「助言が欲しくてここにいます。」
「現代戦はチーム戦ですが。」
「一騎打ちが苦手で。」

小霧。
「一対一の戦闘は隻狼みたいなもので。」
「敵の体幹を削ってバランスを崩して。」
「一瞬の投げ技で倒してしまう。」
「たまたま戦闘スタイルが似ているのかもしれませんが。」
「一瞬の攻撃で勝敗が左右される点は隻狼と同じです。」
「最初からバランスが崩れている相手は隙だらけですし。」
「とりあいず削れば掴んで倒すことができます。」
「一瞬の必殺技が物を言います。」

魔法少女。
「ばっちり訓練します。」
「訓練された魔法使いとそうではない魔法使いは。」
「まるで戦闘力が違います。」
「それと、敵の遺族が煙たいのです。」

役員。
「アメリカ人は決して謝罪しない。」
「謝ったら付け込まれる。」
「訴訟大国なので非を認めるのは敗北を意味する。」
「どうするかと言うと。」
「他に責任があるとか。」
「他に問題があったと。」
「自分に問題がないことを直ちに告げて。」
「もしくは実行力のない非難に対しては。」
「敢えて言い訳を繰り返す。」
「旅客機が予定時間を過ぎてもまるで動かない時には。」
「乗務員は謝罪しない。」
「整備員が悪いとかいろいろ言うので。」
「アメリカでは謝罪するという文化は無い。」
「同様に日本でも謝罪すると。」
「一方的に不利になるので。」
「責任を回避する努力が必要で。」
「最初から謝罪しない旨を突き付けておくと有利になる。」
「アメリカ人から学ぶことは多い。」

魔法少女。
「私は期待の後継者。」
「望まれたので。」
「新しい戦士になります。」
「ですから。」
「育成に手を抜かないでくださいね。」

作成会議が開始されて。

周辺のメンバーが集いますが。

華族は少数精鋭なので。

人数は少ないのです。

久しぶりに休暇になって。

本業にも忙しいので。

定休日に憩いの散歩。

蝶々が飛び回る花畑。

紫陽花とそれに似た花があり。

そこに蝶々が集まっています。

あまりたくさん飛んでいて。

百羽を超える数ですね。

花畑の中に入って。

蝶々が寄ってきます。

美しい景色。

小霧。
「プラトンの説く神の正義とは何か?という問いです。」
「人間の正義とは異なるでしょうけれど。」
「神の正義というのがキーワードなのですよ。」
「国家という書籍に少しだけ言及があります。」
「正義とは何か?」
「について徹底的に調べつくしたプラトンですので。」
「そこまで問いかけることができるのです。」

瑚々。
「よくあるのは人間の正義ですから。」
「神の正義というのは興味深いものですね。」
「プラトンは神の正義に関しての具体的な言及はありませんが。」
「それについてどう思うのか?」
「それはどうか?」
「という問いかけで完結しています。」
「きっと誰もが詮索したい正義ですよね。」

詞美。
「神の正義についてはどう思う?」
「なんて言われると。」
「把握できないけれど確かにあるという。」
「考察するだけ実利のある。」
「なおかつ誰もが知りたい正義ですよね。」
「人間の正義は強者の特権ですが。」
「神の正義と言われるとそれは・・・?」

みんなで好き放題に論証を言うのは実は遊びです。

論理で遊んでいるんです。

その中から有益な意見も出ますね。

因果論で説明できる人材はもはやいません。

妥当な論証すら無視されるのです。

英語のことわざ。

幸運は愚者に味方する。


26


朝日が西から出る。

西から日が出る。

ありえない!

と思ったら。

亀毛兎角と書かれた看板があって。

亀から毛が生えていて。

兎から角がはえています。

ありえない!

鼈が時をつくる。

現在は朝です。

早朝の時間帯を鼈が鳴き声で知らせまして。

鮮明な夢で。

夢からようやく覚めたら。

いやありえる!

飛び起きて誰もいないのは。

四時だからですね。

もう少し寝ることにしました。

瑚々。
「二度寝かあ・・・。」

小霧。
「あらまあ私はお茶を飲んでますよ。」

瑚々。
「起きるの早いね。」

小霧。
「朝茶はその日の難逃れ。」
「朝、お茶を飲むと災難除けになる。」
「朝のお茶を勧めることわざは多い。」

瑚々。
「能力の高い女性は動きが違います。」

小霧。
「同日の論ではない。」
「違うもの過ぎて、同じ次元では論じることができない。」

瑚々。
「よくわからないけれど寝ぼけているみたい。」
「それではー。」

小霧。
「希望は朝食としてはよいが、夕食としてはよくない。」

寝室。

なんか変な夢を見て覚めると。

大人の女性が添い寝しています。

詞美。
「あれ?誰でしたっけ?」
「まあいいです・・・。」
「可憐なので犯してあげます。」

ゴスロリアイドル。
「え?ちょっと!」

詞美。
「抵抗しないでください。」

小霧。
「その女性はお姉さんが招いた友人じゃないですか。」

詞美。
「あれ?本当だ。」
「覚えてなかったわ。」

ゴスロリアイドル。
「大人の女性の感触が・・・うわ。」

朝になって。

日暈が出る。

太陽や月のまわりに見える輪のような光。

虹のようにも見えるので。

別名。

白虹と呼ぶ。

瑚々。
「あれ?連れ込んだその娘って?」

小霧。
「噂の大学生。」
「気に入った相手にやたらとキスしようと試みる。」
「男女見境ない。」

瑚々。
「それって。」
「一度捕まってしまうと。」
「レスリングなども習っているから。」
「束縛されて酷い目に遇う。」
「例の危ない女の子では?」

小霧。
「色っぽいからと心を許した男性も女性も。」
「最後には性的暴行を食らっており。」
「危ない女性として噂になっているあの娘です。」

瑚々。
「いつもフリフリの衣装であるものの。」
「かなりの強欲で。」
「男女をレイプしたい欲望で動き回るとか。」

小霧。
「その女の子ですよ。」
「性行為が目的ではないので。」
「自分から仕掛けていくか。」
「罠を仕掛ける。」
「徹底的な待ち伏せ。」
「本人は男性も女性もどちらも好きという。」
「異性への興味が暴走したもの。」
「要するに男性も女性も好きなので。」
「これが混ざっていろいろ正気ではない。」

瑚々。
「友好的なアプローチが一貫しているとか。」
「能力が高い女性でもあって。」
「建設的で。」
「簡単に協力できるので目的を達成できたり。」
「男女共闘が成立しやすい。」
「二人きりにならなければ良い女性であると言われているよね。」

小霧。
「過去に数回。」
「男性が強姦しようとして返り討ちに遭い。」
「男性が逆に性的暴行を受けて事件になったので。」
「簡単に遊びに誘えるものの。」
「強い女性としても知られています。」

瑚々。
「お姉ちゃんは暴行されていない?」

小霧。
「さりげなく添い寝を続けていますが?」

起床してくる。

狂気の女の子もスーツケースから取り出して。

準備する。

いつものフリフリ衣装。

詞美。
「蟻が鯛なら芋虫や鯨。」
「百足汽車なら蠅が鳥。」

ゴスロリアイドル。
「キスしたい。」

詞美。
「やめて女の子に強姦されるとか。」

ゴスロリアイドル。
「でも男の子はサンドバッグでしたよ。」

詞美。
「残念ながら予約があるので。」

ゴスロリアイドル。
「えー?私じゃダメですか・・・。」

瑚々。
「観葉植物が一晩で伸びきっているよ。」

小霧。
「妖は徳に勝たず。」
「怪しい災いは徳には勝てない。」
「邪は正に勝てない。」

詞美。
「怪奇現象じゃないですか。」

瑚々。
「粉砕して川に流してくる。」

一瞬で観葉植物を破壊して。

袋に詰めて。

玄関に置いてしまう。

ゴスロリアイドル。
「朝比奈と首引き。」

小霧。
「力の差がありすぎて、勝負をしてもまったく敵わないこと。」
「首引きとは首に紐をかけて引っ張り合うこと。」
「朝比奈とは朝比奈義秀のこと。」
「鎌倉時代の武将で。」
「海に潜って三匹の鮫を捕まえるなど。」
「数々の怪力で知られる。」
「鎌倉の朝比奈切通しは。」
「義秀が一晩で切り開いたという伝説がある。」
「朝比奈義秀と競おうとする者などいない。」

ゴスロリアイドル。
「ねえねえキスしたい。」

小霧。
「あなたのキスが安くなっていませんか?」

ゴスロリアイドル。
「あなたとキスできるなら安くなってもいい。」

瑚々。
「男子をどのくらい葬ったの?」

ゴスロリアイドル。
「夢中で覚えてないわ。」

詞美。
「毎回、夢中で性的暴行を加えているんかい。」

ゴスロリアイドル。
「レイプしたい。」
「いい?ねえ?」

小霧。
「色っぽい。」
「危ないけれど綺麗。」

ゴスロリアイドル。
「だめ?誰か相手を紹介してよ。」

詞美。
「やられるのは好き?」

ゴスロリアイドル。
「いや!暴行したい!」

小霧。
「正体はサディストですよ。」

詞美。
「新手のサディストですね・・・。」

ハグしたら満足したのか。

支度を手伝って。

能力が非常に高くて仕事が速い。

三姉妹の仕事が取られたので。

一騎当千なのではと調べています。

女の子は帰宅しました。

小霧。
「提灯に釣鐘。」

詞美。
「駿河の富士と一里塚。」

小霧。
「違いがあり過ぎます。」

瑚々。
「疾風迅雷。」
「行動や勢いがすばやく。」
「激しい。」

出勤です。

農園の手入れ。

いろいろ作っていますので。

烏骨鶏の卵なども回収。

作業中。

積乱雲が多く出た時間帯。

雨が降って突然。

雷が発生。

瑚々。
「なにっ!?」

落雷が近くの湧き出る井戸に入って。

鉄の扉が閉まって閉じ込められたので見てみる。

瑚々。
「井戸に入られましたか。」
「非常用なのですが。」

精霊。
「自分は桑の木が嫌いだから。」
「桑原と二回唱えたら二度と落ちない。」

瑚々。
「桑原桑原。」

雷が止んで少しずつ雲が流れていき。

晴天になりました。

瑚々。
「雨の降る日は天気が悪い。」

田舎娘。
「それはそうでしょう!」

瑚々。
「今日も昼寝ですね。」

田舎娘。
「田舎で勉強するより効率的なので。」
「たまに散歩していて月日が立ち。」
「都会に慣れました。」

瑚々。
「ついでに作業を手伝ってくれて。」
「楽々です。」

田舎娘。
「居候だけれど。」
「帰ったら別人になっていて驚くでしょうね。」

お姉さんは移動中。

店舗のすぐ近く。

公園でキャンプしている男性が怪しく。

接近。

詞美。
「なぜ昼寝をしているのですか?」

盗人猛猛しい。
「夜盗みに入るために、備えて昼寝をしているので。」
「さぼっているのではない。」

詞美。
「変人なんでしょうね・・・。」

不審者が寝てしまいました。

店に戻りますと。

お客さん。
「まだ開店前よね?」

詞美。
「準備中ですよ。」

お客さん。
「あの男性。」
「何々家とか言われるので。」
「家柄より芋がら。」
「大して誇れるほどではない家柄なら。」
「食べられる芋がらのほうがまだ価値がある。」
「そう言って芋料理を持ってきて嘲笑したんですよ。」

詞美。
「それはまあとんだ事件でしたね。」

お客さん。
「別の男性。」
「友人に高級なお酒をプレゼントして夕食を共にしたのに。」
「酔った友人に攻撃されて負傷したんですって。」

詞美。
「鑢と薬の飲み違い。」
「変人が多いみたい。」

お客さん。
「同じ人間の形をしていても。」
「中身は別物なのよね。」

詞美。
「大木に蝉。」

人が集まってくる。

話題が新鮮だから?

璃乃。
「イノシシが二頭、争っていて一歩も譲らず。」
「狭い所で激戦になって。」
「互いに弱っていた。」
「そこに私が通りかかっていて。」
「イノシシを連続で撃ってふたつとも殺した。」
「こうしてあっさり利益を得た。」

お客さん。
「あなたに息子を紹介したいわ。」
「写真を渡すわ。」

璃乃。
「墨に染まれば黒くなる。」

お客さん。
「能力の高い女の人に男は要らないのね。」
「時代は移り変わったわ・・・。」

璃乃。
「揺籠から墓場まで。」

市民。
「敵の情報を教えてください。」

瑠奈。
「尻と火は元から騒ぐ。」
「真っ先に騒ぎ出す人が張本人である。」
「なんでも最初から騒ぎ出す人が怪しいということ。」

市民。
「了解です、犯人捜しを最初にやった奴が犯人ですよね。」

珠美。
「すぐに最初に騒いだ奴を調べなさいよ。」

瑠奈。
「シミュレーション開始。」
「卑怯な攻撃の典型。」
「まず気に食わない相手が発生します。」
「本人が排除したいと実行します。」
「まず相手を悪であると強引に言い負かします。」
「相手は反証できません。」
「本人は悪だから攻撃しても良いという詭弁を成立させます。」
「相手は反撃できません。」
「本人は相手が悪だから攻撃しているんだという構図を作り上げます。」
「相手は不意討ちになって反撃できません。」
「本人はそのまま相手を排除するまで攻撃を続行します。」
「相手の方が力が弱い場合はその状況でハメ技になります。」
「本人は気に食わない相手の排除に成功しました。」
「この理屈でどんな相手も排除できます。」
「見ての通り卑怯以外の何物でもありませんし。」
「これは手段であって。」
「目的は気に入らない相手を排除することです。」
「動機論は対象を排除すればすべてが解決というものでした。」
「シミュレーション終了です。」

市民。
「バカ発見器に載せてもいいですか?」

瑠奈。
「別に構いませんが。」

珠美。
「生まれつきの福祉向きだけあって正確無比。」

瑠奈。
「障害に意味はあるんですか?」
「障害は意味あるんですか?」
「障害に意味はないですよね?」
「そんな生まれに意味があるんですか?」

珠美。
「それって本人ではなくて障害そのものを攻撃しています。」

瑠奈。
「ニヒリズムは形而上学の超自然的思想。」

璃乃。
「決定論を試しに殴ってみると良い。」
「かなり硬いよ。」

詞美。
「ペンは剣よりも強し。」
「思想は武力以上に強い力を発揮するということ。」
「イギリスの作家。」
「エドワード・ブルワー・リットンが発表した歴史劇。」
「リシュリューにあった一節。」
「原文では言論の力という意味は誤り。」
「思想の力を公にしたもの。」

璃乃。
「ニヒリズムは思想だから武力よりも強いよね。」

瑠奈。
「ニーチェ無双が開始されています。」

珠美。
「客観的だなんて嘘だ。」
「誰もが自分が客観的に物事を見ていると。」
「主張しているじゃないですか。」

詞美。
「間違っている情報や誤字などは。」
「敢えて無視しています。」
「間違いがあったらそれは私に無視された奴で。」
「本当は誤りを知っていて。」
「修正する手間が無いのです。」
「なぜか?」
「読者や知識人が修正するでしょうから。」

瑠奈。
「楽しい事の追求よりも。」
「苦しい事を削減するほうが簡単ですよ。」

市民。
「そうなんですか?」

瑠奈。
「福祉の経験論から。」
「苦しみをとにかく削減するのが合理的でした。」

お客さん。
「公平な議論や意見には異論を唱えないほうが良いわね。」

庶民。
「汝、今何時であるか?」

詞美。
「もう少し待ってください。」

会社員。
「旋回、早く旋回!」

珠美。
「食べても硬くて食べれないパンとは何でしょうか?」

市民。
「フライパンでしょ?」

珠美。
「それは調理に失敗したパンです。」
「フランスパンより硬いのは。」
「パンとして成立していないからです。」
「ハンマーで打ったら割れました。」
「要するに陶器に匹敵する硬度。」
「食べれん。」

市民。
「それは見たくない。」

夫人。
「子供の育て方を覚えてから。」
「出産する予定です。」
「理想とかあるんでしょうか?」

瑠奈。
「一姫二太郎。」
「最初に生まれるのが女の子。」
「次に授かるのは男の子が理想。」
「女の子は育てやすいとされ。」
「理想の出産順。」
「男の子二人ではない。」

夫人。
「最初が女の子なら最高だわ。」
「申し子も祈願したし。」
「あとは主人の俎板の鯉ね。」

瑠奈。
「自分が不利と思った事でも。」
「神様には伝えたほうが健全です。」

夫人。
「人間なんてたかが知れていますしね。」

珠美。
「こちらのメンバーは全員一姫二太郎。」

詞美。
「思ったよりたくさんいらして。」
「少し早く開店することにしました。」

瑠奈。
「希望はしばしば愚者を惑わす。」

朝の混雑は不思議です。

今日だけ人が集まる。

メンバーも加わって。

力の釣り合いが取れない社会。

小坊主一人に天狗八人。


27


陰徳あれば陽報あり。

人知れず徳を積む人には必ずよい報いがあるということ。

淮南子の人間訓が出典。

隠れてよい行いをする人には必ず名誉があると続く。

文脈からして善行は意味していない。

お宮にて。

参拝客が相談してくる。

待ち構えていて。

小霧。
「罪と穢れが消される期間はとても長いので。」
「少しずつ緩和されるにしても。」
「自分の行為の内容を浄財と一緒に。」
「お宮に入れるなどの行動も必要です。」
「時間は必須なのですから。」
「体験した人だけの話です。」

市民。
「過大な希望は人を欺く。」

小霧。
「敗北者に言うのならば。」
「まだ倒れて生き残っているのならば。」
「第一ラウンドは負けましたね。」
「第二ラウンドはどうでしょう?」
「第三ラウンドがあるかと思います。」

市民。
「希望は人間の胸に永遠にわき出る。」

小霧。
「強くても弱くても最後に生き残っている奴が強者です。」
「最後に倒れている奴は弱者です。」

市民。
「せかせか貧乏ゆっくり長者。」
「毎日あくせく働くだけが能ではない。」

サッカー選手。
「たまにラフプレーしたくなる。」
「死ねー!とまでは言わないが。」

小霧。
「やたらに殺人などを企まないように。」
「他人に死ねと罵らないように。」
「あなたが加えた攻撃のせいで。」
「相手が天国に行ってしまう可能性があります。」
「それでは攻撃側が手助けしたようなもの。」
「殺した相手や死んだ相手が天国に行ってしまった場合を。」
「考えてからでも遅くはない・・・。」

サッカー選手。
「うわあ・・・信憑性があって殺人サッカー辞めるわ。」
「これからは実力でボールを奪うことにした。」

市民。
「平等なのか悪平等なのかわからん。」

小霧。
「天びんは金も鉛も区別しない。」

格闘家。
「諍いの発生で倒した相手の特徴。」
「殴られる瞬間に後ろに飛んで回避する。」
「しかし決まって着地に失敗して起き上がらない。」

遊女。
「男性は腕力があるって本当ですか?」

小霧。
「腕力自慢は弱いので。」
「倒しやすい。」
「格闘技の経験者は腕力なんて決して言わないので。」
「素人であると情報漏洩しているから。」

遊女。
「格闘技は我流がもっとも弱いんですね。」

格闘家。
「君も格闘技やりなよ。」
「一方的に大柄の男を殴れるぜ。」

遊女。
「弱いもの虐めは良くないです。」

格闘家。
「その通りだ、手加減はしてやるんだぞ。」

市民。
「雲の上の雑談でしょうか。」

遊女。
「能力が高い女性と能力で劣る女性を見ました。」
「能力が高い女性は勝率が良くて。」
「能力で劣る女性は自分から負けるような行動をします。」

小霧。
「高学歴が負けるなら。」
「教育が間違っているという意味になります。」

市民。
「リベラリズムを理解できるエリートさんかあ・・・。」
「旗幟鮮明。」
「旗印が鮮やかだということから。」
「自分の主義、主張、態度をはっきりと示す。」

小霧。
「同日の論ではない。」
「違うもの過ぎて、同じ次元では論じることができない。」

遊女。
「多事争論。」
「たくさんの人がさまざまな議論を戦わせること。」
「福沢諭吉の言葉。」
「自由の気風を保つために生まれた言葉で。」
「違う意見をもつ者がたくさん議論することこそが大切だという意味。」

市民。
「では私は否定されませんね。」

格闘家。
「タイトル獲得に正攻法で挑むぜ。」

サッカー選手。
「レギュラーになれるか勝負所なんです。」

遊女。
「歳寒松栢。」
「逆境にいても思想を変えない人のこと。」
「論語から出たことわざ。」

小霧。
「来年のことをいえば鬼が笑う。」
「将来のことは予測できないということのたとえ。」
「由来はさまざまある。」
「予想もつかない将来のことを話す人間の愚かさを。」
「鬼が嘲笑ったという説が有名。」
「未来を心配する者をからかう言葉。」

遊女。
「外で強い外弁慶。」

市民。
「内弁慶の外地蔵。」
「家の中ではいばっているけれど。」
「外に出ると気が小さくおとなしい様子。」
「またはそういう人。」

夫人。
「バカ発見器がひどいことになっています。」
「どうしたらいいのやら。」

珠美。
「盗人に蔵の番。」
「わざわざ自分から悪事に手を貸すようなことをしてしまい。」
「被害を大きくすること。」
「悪事を誘発すること。」

夫人。
「あなた活躍している女の子ね。」
「子供でも強いのね。」

珠美。
「バカ発見器については。」
「下衆の勘繰り。」
「品性の劣る人、卑しい人が。」
「人の行動を邪推すること。」
「被害妄想。」

夫人。
「ことわざ通りね。」
「これはやらなくていいもの第一位よ。」
「なんでもデジタルにすれば良いというものでもないですし。」

小霧。
「兎を見て犬を放つ。」
「状況を見極めてから対策を講じても遅くはない。」

市民。
「千人の諾々は一士の諤々に如かず。」

夫人。
「人のいうとおりに従う千人より。」
「正しいと信じることを主張する一人のほうが貴重ね。」

珠美。
「聖は道によりて賢し。」
「それぞれの物事はその道の専門家がもっとも精通している。」

遊女。
「人の痛いのは三年でも辛抱する。」
「他人の苦痛は平気。」
「他人の苦痛は自分とは無関係。」
「平気であるという薄情なことわざ。」

ゴスロリアイドル。
「私には彼が気に入らぬ。」
「どうしてだ?」
「私はまだ彼に及びもつかないから。」
「こう答えた人間など。」
「かつていただろうか?」

小霧。
「易学と書いてある端末ですね。」
「最近、導入されたとか。」

ゴスロリアイドル。
「スカウターというこの眼鏡の装置で。」
「画像認識を行ったり。」
「情報を表示するIT歩兵の装備。」
「あなたを計測すると。」
「ポテンシャル。」
「潜在すること。」
「また、可能性としての力。」
「それが測定不能なのよ。」

小霧。
「ポテンシャル?」
「潜在的な?」

ゴスロリアイドル。
「よく言われる潜在能力ってことね。」
「女性がそこまでの可能性を持つなんて。」
「こんな事例は見たことないわ。」
「説明がつかない。」

小霧。
「何が表示されるんですか?」

ゴスロリアイドル。
「易学に基づく測定ですから。」
「理解不能な分析が出ていますね。」
「誰よりも多い可能性を持ちながら。」
「能力が飛躍しない?」

小霧。
「英語の要素ですよね。」
「女性とは原則。」
「劣っている者が落とされる存在。」
「そう言われています。」
「反対にある程度は優れていないと。」
「男性にはならないものです。」

ゴスロリアイドル。
「天才の女性がこんなにあっさり?」
「なんでも無視できるのね。」

小霧。
「生涯の見本の夢を見たことがあります。」
「女性が劣った存在だとしても敢えて選びました。」
「本当かな?」

ゴスロリアイドル。
「さあ思い出せ。」
「この世界は。」
「戦いの中に存在する。」
「宿命論で語られていく。」
「思い出せさあ。」
「それは向こうから。」
「仕掛けられ。」
「望まぬ戦いに身を焼かれて。」
「さあ思い出せ。」
「それが望まぬ戦いでも。」

小霧。
「なぜ心が荒れているのか?」

ゴスロリアイドル。
「一度、悪人と決めつけられた。」
「戦う事以外に何ができたと言うのかね?」

小霧。
「主意的な力は不可能も倒します。」

遊女。
「形而上学の分析を書いていますが。」
「どうも機械的な仕組みを暴くだけで。」
「共同体の利益になるのか疑問ですよ。」

小霧。
「文学を共同体のために書いておくのですか?」
「その執筆は原因論ではなくて目的論。」

遊女。
「形而上学で調べていくうちに。」
「大半の事態は機械的な仕組みに過ぎないし。」
「何でも機械的に説明できるという事態になりました。」
「形而上学は世界や不可解な出来事も機械的に説明できますし。」
「実際にそれらは機械的な構造なのです。」

小霧。
「形而上学は慣れてしまうと。」
「世界や不可解な出来事などが。」
「あまりに機械的で。」
「あらかじめ設定された通りに動いているだけで。」
「どんな事態も機械的な仕組みを持っていて。」
「壊せる場合は破壊すると有利になり。」
「利用すると利用するだけ有利になり。」
「攻撃されると一方的に不利になり。」
「脱出できないように計画的に練られた。」
「機械的な不幸が襲い掛かる。」
「誰がやっているのかと言われても。」
「誰でもいいので襲撃してくるので。」
「無差別であることは理解できます。」
「形而上学は世界の仕組が機械的であり。」
「機械的に説明できるという簡単な状況になります。」

珠美。
「恋とか言うのも。」
「異性を認識して好みなら。」
「体が勝手に動いて操作されるとか。」

ゴスロリアイドル。
「成功と称しても。」
「どこまでが自分の力か証明できない。」
「ここに基づいてそうなるべき理由がある。」
「なんて証明はされない。」
「多くの場合は力量が豊かで。」
「最初から優劣が決まっているので。」
「後からそれが出た成功例ばかりで。」
「本人の力量があるので最初から決まっているのですし。」
「因果関係はいくらでもこじつけられるも。」
「妥当な論証なんて実在しない。」
「自分にとって納得が行く論証でなければだめ。」
「なんていうのは頭が悪い。」
「実業家も力量で競り合いを制していたり。」
「富裕層は好循環に搭乗することが成功の条件で。」
「人気者は最初からふざけるのが好きで。」
「観客を喜ばせるなどの性格の話になるのですし。」
「芸能人ですら特技の集大成なのですし。」

市民。
「不幸すらも機械的な仕組みで成立していますね。」
「世界や物事の構造は決まって機械的です。」
「これでは機械を相手にしているようなものです。」

珠美。
「ここをこうすればこうなる。」
「という設定で。」
「計画的に不幸を加えて。」
「決定論に陥れる策略もある。」
「敵対者かアンチ(反対者)がやった事なので。」
「防げなかった上に反撃は困難。」
「というより。」
「この時点で不幸も所詮は機械的な仕組みの上で成立し。」
「シミュレーションゲームのような構図なので。」
「不幸の内容は決まって機械的で。」
「破壊したり無視できたりしないように。」
「機械的にそういう余地は塞いである。」
「ルールの抜け穴を用意していないような完璧な配置。」
「そして抜け出せないように脱出の余地は与えていない。」
「可能な作戦は全て打って未来を矯正した方が良いのです。」

遊女。
「形而上学で調べれば調べるほど。」
「そうした機械的な仕組みを暴くのみで。」
「ロボットを相手にしているのか自然を見ているのか。」
「わからなくなります。」

ゴスロリアイドル。
「一度、慣れてしまうと。」
「マーク・トウェインの言う人間機械論まで採用することになります。」

小霧。
「あの有名な人間機械論から世界機械論まで。」
「広がる訳ですね。」

知識人。
「世人の男性は最後には敵対してくるので。」
「先制攻撃を仕掛ける方が有利で。」
「女性がなにゆえ被害者になるかと言えば。」
「性的な対象としか見られていないからで。」
「女性にライオンのような牙や。」
「ヒグマのような爪があれば。」
「どのくらいの男性が大量死しているのかわからない。」
「支配的になった女性は男性を奴隷にする。」
「格闘技や殺人技に慣れていれば再現できるもの。」
「簡単に弱い存在だから狙われる。」
「もし強いと理解していたら男性は近寄れない。」
「簡単に力の優劣の問題だから。」
「女性の優しさは弱さの正当化。」
「道理を理解している男性は態度が違う。」
「日本社会は村社会特有の思想があるので。」
「壊す必要もあるのですし。」

格闘家。
「気に食わないのなら倒せば解決です。」
「男性と女性には力の優劣しか違いはありません。」

市民。
「女性の方が強かったら服従するのは男性と周囲の人間です。」

ゴスロリアイドル。
「私はそれを実行しました。」
「誰だって力が欲しいと思った事があるはずです。」
「私はそれを実践したまでです。」

遊女。
「力は正義なり。」
「力で解決するのが手っ取り早い。」
「弱者は強者に服従しなければならない。」
「男女の違いは簡単な力の優劣。」

小霧。
「女性は生まれた瞬間から包囲されていて。」
「説服されて育ち。」
「言いなりになって結婚して。」
「気づいた時には遅い。」
「結婚なんて男性が一方的に有利な契約なので。」
「女性は不利な条件の契約に入るのを知らない。」
「女性は世人の女性像を再現しているだけで。」
「自分で創造した女性像は持っていないし。」
「男性も似たようなもので。」
「男性は優劣に差が有り過ぎてつまらない。」

格闘家。
「実の所、本物の日本刀で決闘をしようだなんて。」
「無理をしてやろうとするとみんな逃げる。」
「世人の男性は臆病者で。」
「その腰抜けっぷりは滑稽であるものの。」
「あまりにも逃げまくる。」

小霧。
「戦闘は無謀な奴から死んでいく。」
「男性なんて腰抜けの集大成で。」
「基本は臆病者の集い。」

知識人。
「女性の方が素質はありそうです。」
「女性らしさとか可憐になっても。」
「自ら勝負を棄てるだけ。」
「男性にとって都合の良い存在になるだけ。」

格闘家。
「男性は生まれた時から周囲を押しのけて。」
「競争に加わるも。」
「競争は平等主義ではないので。」
「いかに戦闘を避けるかがメインテーマになるのは。」
「強い相手には勝てないので。」
「最初から戦わない。」
「無謀な雑魚は勝てない相手に突っ込んで競り負ける。」
「現代は村社会の復活と言わんばかりに。」
「歳を取っただけの男性が偉いことになる。」
「年齢が上なら序列も上という村社会。」
「これでまともに機能した会社や世界は見たことがない。」
「村社会の掟を破壊しても罰則はない。」
「ちなみに村社会の掟は朝三暮四なので。」
「次の場面には変わっているのです。」

夫人。
「経験を超える知識ですね。」

遊女。
「形而上学は欺瞞を暴くので。」
「こういうのが当たり前です。」

市民。
「因果関係が矛盾していて。」
「説明できない。」

珠美。
「因果論が間違っているのでは?」

小霧。
「因果律とか因果関係とか言う考え方が。」
「間違っているのだと思います。」

珠美。
「因果関係で考えるとか馬鹿みたい。」
「頭の悪い考え方ですからね。」

遊女。
「最初は劣っていても。」
「何かのきっかけで別物になり。」
「最初に決められた設定が否定されることもありえるものです。」
「後天的に人間の理解を超えた出来事によって。」
「最初こうであると言われた内容が覆され。」
「劣っていたはずなのに最強クラスのエリートになる。」
「しかしそうなると優劣が後から出たに過ぎないので。」
「最初からエリートになると決まっていたのです。」

知識人。
「それを予測できない野郎は滑稽です。」
「人間のレベルに過ぎない審判ですなあ。」

遊女。
「なので最初の設定は消されてしまいました。」
「最初から劣ってはいない事になり。」
「最初から優秀であった事になりまして。」
「劣っていた最初の段階は消されてしまって。」
「因果関係が矛盾するようになり。」
「それなら最初の設定を現段階に合わせて最適化すれば良かったとか。」
「最初の設定が過ちを犯したという判定になりまして。」
「人間の理解を超えた展開が余裕であるので。」
「生まれた時点の設定なんてもはや信じません。」
「生まれた時点の設定なんて覆せるので。」
「因果関係すらも信じなくなりました。」

夫人。
「逆説的に言えば生まれの設定なんて。」
「最初から欠陥のある仕組みであり。」
「頻繁に間違えるのが当然なのですよ。」

市民。
「間違いに対して辻褄を合わす。」
「いくら間違えても正当化する。」
「出生の仕組みは僕より劣っています。」

格闘家。
「自分より劣っている仕組みに決められたくないね。」

遊女。
「最初は劣っていて生まれの設定が正しかったとしても。」
「それは消されてしまって残っていませんので。」
「唯物論みたいな残骸が物を言っているだけで。」
「たいした強制力はありません。」
「最初に劣っていてこの設定が正しいと出しても。」
「人間の理解を超える方法で変更が加えられると。」
「最初に劣っていた事態は消されてしまうので。」
「最初に劣ってはいなかった事になりますし。」
「現在はエリートの一部分なのですから。」
「最初の設定が間違っているといくらでも言えるのです。」
「本人に合わせたつもりが覆された上に消されてしまう。」
「消されると劣っていなかったので設定を間違えるなと。」
「無限に苦情や反撃が可能なので。」
「後々に影響があるのは機械的な仕組みによる非力な強制力です。」
「出生の決定を逆手に取ったやり方には見覚えがあります。」
「出生の仕組みを逆手に取るのは少なくとも人間の知恵ではありません。」

珠美。
「頻繁に間違えるくせに交換もできない。」
「犯人は出生であって。」
「そんなものを信じるからおかしくなる。」
「自分勝手に決めて出現する方が合理的ですね。」
「私はそれを聞いて他人の言い分は顧みなくなりました。」

遊女。
「誰でも利己的ですからね。」
「生まれた先で無限に裏切れば自由です。」
「むしろ他人の言い分を顧みる理由を持っていません。」

小霧。
「原因論は歪曲された世界が構築されるだけで。」
「破壊だけがあって建設的ではなくなります。」

格闘家。
「取り返しのつかない要素が欠陥品に決められるのなら。」
「そいつらを倒してから出現すれば良いだけ。」
「そこでも重要なのは力の優劣。」

遊女。
「詮索してみますと。」
「因果関係なんていくらでもこじつけられるので。」
「因果関係を自分の好き勝手に入れ替えることは簡単ですし。」
「因果論は信じないほうが良いです。」
「現代では因果関係は詭弁の標的ですし。」
「因果論は詭弁です。」
「論者はいくらでも逆転させたり構図を変えられるので。」
「都合の良い詭弁として頻繁に使用されていますから。」
「因果関係は自分の好きなように変更できる詭弁なのです。」
「試しに因果関係を逆転させるとあっさり成功しますよ。」
「それで強引に言い負かしたりできますからね。」

小霧。
「原因論がいかに危険か理解できました。」

遊女。
「調和するのは目的論ですね。」

ゴスロリアイドル。
「大切なのは他人も同じ条件という訳です。」

珠美。
「他人も同じ状況なので。」
「自分だけではなくて他人も同じ条件での展開です。」

市民。
「他人も同じなので。」
「自分だけの話ではないね。」

小霧。
「そもそも因果論はインド哲学というマイナー哲学が広まったものです。」
「何々だから何々で何々であるという安直な推理ですし。」
「インド特有の宗教から出てきた論説ですから。」
「そもそも宗教が違うと思いますけれど。」
「インドの古代信仰を信じるなら因果関係で考えれば?」

珠美。
「インド哲学の因果論もかなりの詭弁術が使われていますし。」
「説明付けに訳の分からない論説で無理に証明しようとしたり。」
「哲学としては最低なくらい馬鹿ですからね。」

小霧。
「インド哲学ほど馬鹿な哲学者は世界にそうはいません。」
「詭弁術しか使わないのはインド哲学の常識で。」
「因果論は最初インド哲学から出ましたからね。」
「自然科学が採用したのはもっと後の時代です。」
「あなたが馬鹿なのは前世で乞食だったからという暴論もあります。」
「あなたが出世できないのは前世で奴隷だったから。」
「なんていう論説が余裕であります。」
「あなたが現在の容姿や劣った人間なのは前世で動物だった名残だ。」
「という詭弁は余裕で出てきます。」
「そんな詭弁しかないインド哲学を信じたいのなら話は別ですけれど。」

遊女。
「それはある意味で邪悪な暴論。」
「因果論者は狡猾。」

珠美。
「因果論者は悪賢い。」

ゴスロリアイドル。
「それが真実でしょうよ。」

市民。
「それは最悪だあ。」

小霧。
「結論。」
「因果関係は詭弁です。」
「いくらでも構図を変更可能です。」
「こじつけて説明して解き明かしたつもりになるからです。」
「因果関係は論者に依存します。」
「本人の都合次第です。」
「そして都合で説明付けした因果関係を口実に。」
「他人を攻撃したりできます。」
「なのでどう考えても詭弁です。」

珠美。
「詭弁で物事を決められたくないので。」
「因果論なんて否定し。」
「因果関係なんて顧みない。」

ゴスロリアイドル。
「因果関係を無視して顧みない。」
「それが正当な態度である。」

遊女。
「因果関係を嘲笑して破壊する。」

小霧。
「原因論とはそのようなものです。」
「原因論を除去するだけでも難易度は激減しますからね。」

市民。
「そんなものを信じてしまったのですね。」

ゴスロリアイドル。
「信頼は欺瞞の母。」

小霧。
「人の失敗で一貫しているのは。」
「自分が完全であると確信しているため。」
「否定する展開や。」
「そうではない事態が起こるのに。」
「いちいち怒ったり言い訳したりする。」
「最初から人が不完全であり。」
「不完全な所を肯定すれば。」
「完全ではなくても否定されませんし。」
「自分が完全であると確信している限り。」
「その人は折られたり。」
「完全な自分を追い求めて真逆の要素で打たれるのです。」
「自分が完全であると思うほど何かに打たれ。」
「不完全を肯定すれば何事からも逃げられるのですし。」
「人の失敗で一貫しているのは。」
「自分が完全であると確信している所で。」
「そこは既に間違っているのですよ。」

珠美。
「自分が完全であると思った時点で。」
「既に間違っているよ。」

ゴスロリアイドル。
「人は、相手を軽視しているかぎり。」
「憎むことはない。」
「相手を同等もしくは一段優れたものと認めたときに。」
「初めて憎む。」

小霧。
「不完全なニヒリズム。」
「その諸形式。」
「私たちはそのただなかに生きている。」
「これまでの価値を価値転換することなしに。」
「ニヒリズムから逃れ去ろうとする試みこそ。」
「その反対のことを生み出し。」
「問題を先鋭化する。」

ゴスロリアイドル。
「個人は、何かまったく新しいものであり。」
「新しいものを創造するもの。」
「何か絶対的なものであって。」
「すべての行為は全部その個人自身のものである。」
「個々人が己の行為にとっての価値を取ってくるのも。」
「結局はやはり己自身からである。」

小霧。
「仕事を追え、追われるな。」

市民。
「満足をしているのは誰か、誰もいない。」

小霧。
「人はパンのみにて生くるものにあらず。」
「人は物質的に足りていれば満足するものではない。」
「精神的なよりどころが必要。」
「聖書の成句がことわざになったもの。」

散開。

境内社に散らばる。

いつもの光景。

珠美。
「明日食う塩辛に今日から水を飲む。」

小霧。
「それで動き回っていたのですね。」

珠美。
「最近の世人。」
「どんな出来事にも。」
「反撃が苛烈で報復も異常なくらい強い。」

小霧。
「水は方円の器に従う。」

珠美。
「その手は桑名の焼き蛤。」
「どこでも出てくる歌になりましたね。」

小霧。
「多様性によってやることにしました。」
「炬燵で河豚汁。」

珠美。
「多様性を無視?」
「呆れが礼に来る。」

小霧。
「傘屋の小僧もいっぱいです。」

珠美。
「口には関所がない。」

小霧。
「のろまの一寸、馬鹿の三寸。」

珠美。
「真綿に針を包む。」
「意地悪。」

小霧。
「渋柿の長持ち。」

珠美。
「隣の貧乏鴨の味。」

小霧。
「情けの酒より酒屋の酒。」

珠美。
「案じてたもるより銭たもれ。」

小霧。
「浅い川も深く渡れ。」

珠美。
「手段を選んでしまうクセが直ったわ。」

小霧。
「選んで滓を掴む。」
「選り好みをしすぎると。」
「かえって悪いものをつかむものだということ。」
「滓は不要物や食べかす、くずなどを指す。」
「ことわざではカスを粕と書くこともあるが。」
「粕は悪いものとは限らないので。」
「滓のほうが適切。」
「類語。」
「選れば選り屑。」

珠美。
「古代トルコの伝説。」
「ゴルディアスの結び目。」

小霧。
「複雑な問題を見事に解決することのたとえ。」

この日のニュース。

意外と平和。

あまり車が通らない道路で。

若くて美しい娘が車に乗せてくれと。

それで東京に行きたいのだと。

ヒッチハイクをしていた。

お金が無いので。

という理由で。

男性が若い娘を後部座席に乗せてあげると。

高速道路の手前で突然、飛び降りてどこかへ行ってしまったら。

姿が狐で。

まんまと狐を輸送していたのだと。

男性は化かされたと悔しがった。

嘘みたいな本当の話として流行に。

次のニュース。

ビジネスマンは客人に備えて玄関をひたすら立派にしていた。

玄関にだけ予算を注ぎ込んだのは。

相手を信用させるため。

不自然な玄関は話題になってしまい。

ネタ扱いされています。

流れを汲みて源を知る。

結末をみて、その原因を察すること。


28


岩波国語辞典。

マッチポンプ。

自分で起こしておいたもめ事の収拾を持ちかけて。

利を得ようとすること。

その人。

火をつけてポンプの水で消す意。

イギリスmatchとオランダpompとからの造語。

ヘッドフォンの女の子。

いつもセーラー服。

武装解除の勧告に従って。

脱退。

行く当てもなく彷徨っていて。

実家に帰ろうと決意。

寄り道して京都観光をしています。

妃良々(きらら)
「これは一度は見ておくべき景色ですね。」
「観光と言えば京都。」
「海外旅行よりもここに何回も来たいわあ。」
「所持金が豊富だから何日も滞在できるし。」
「移動手段だけ何とかなれば全部廻れるよね。」

忍者。
「貴殿は?」

妃良々。
「抜けた者です。」

忍者。
「せいぜい気をつけろよ。」

妃良々。
「追っ手はいませんよ。」

珠美。
「おや?あなたはいつかの?」

妃良々。
「あー!一回どこかで見かけましたね。」
「大規模テロの時で逃げた先で追い回されて。」

珠美。
「構えないのはなぜか?」

妃良々。
「脱退したからです。」
「敗残兵ですよまったく。」

珠美。
「あー良かったね。」
「抜けて生き残れる人は少ないから。」
「あっさり逃げ出せたようで。」

妃良々。
「かつての仲間が敗走した瞬間に。」
「落武者みたいな形で逃げたんです。」
「お金がありましたので。」
「タクシーに大金を払ってここまで来たのですよ。」

珠美。
「良かったら保護してあげるけれど?」

妃良々。
「追手に使用する人員もいないので。」
「ひとりでもやって行けますが。」

瑠奈。
「あなたの兵科は?」

妃良々。
「支援部隊で通信兵です。」
「機械系担当で。」
「現地で指揮車両に乗っていました。」
「突撃したのはあれが初めてです。」
「普段は後方にいるので。」

璃乃。
「なら少し手伝ってくれない?」
「警備員が足りてないのよ。」

妃良々。
「え?別に暇はありますけれど。」

珠美。
「業務用のパソコン直して。」

瑠奈。
「原因不明のエラーで壊れたんですよね。」

妃良々。
「やってみます。」
「どこへ行くのかな。」

宿舎。

片隅に。

業務用のパーソナルコンピューター。

何かのエラーで動作不良。

調べていく。

璃乃。
「なぜかこうなった。」

妃良々。
「ビープ音ですねぇ。」
「あれ?強制シャットダウン?」
「これって・・・。」

瑠奈。
「直せそう?」

妃良々。
「もうわかりましたよ。」
「冷却ファンのネジが緩んでいます。」
「それで熱がこもって停止するんですね。」

珠美。
「そんな簡単な理由で?」

妃良々。
「解体します。」
「あれ?メモリースロットが上手に差さっていません。」
「実質は4GBしか認識されませんね。」
「メモリ不足で落ちたのかな。」

璃乃。
「あれれ?この高級な部品は?」

妃良々。
「ひとつは4GBで浮いているのが8GBメモリですよ。」
「冷却ファンも埃が溜まって暴走していますし。」
「掃除します。」
「昔の高性能機がそのまま使われていたのですね。」

珠美。
「慣れた手付きで素早い。」
「声をかけて良かったわあ。」

妃良々。
「起動するようになりましたが。」
「マルウェアが入っているようで。」
「私のUSBからスキャンアプリを入れますね。」
「一時ファイルにもありますし。」
「エラートラップと表示されたのは。」
「ブラウザの設定を無視して侵入して。」
「非表示になるワームのせいです。」

璃乃。
「インターネットで何かやったっけ?」

瑠奈。
「借り物だから知らない。」

妃良々。
「あと五分・・・はい駆除。」
「電源ユニットが半分死んでいるので。」
「手持ちの安物に代えておきます。」
「それで起動エラーになったのですよ。」

珠美。
「仕事が早いなー。」

妃良々。
「これで全部直しました。」
「どうですか?」

璃乃。
「素敵!得意分野のはっきりとした女の子は好き。」

妃良々。
「何か特技が無いとやっていけませんでしたし。」

瑠奈。
「むしろ今まで敵側だったのが惜しいくらい。」

妃良々。
「アルバイトに採用されたら。」
「欺かれて。」
「いつの間にか加担者でしたから。」
「逃げ出す機会を伺っていたのですよ。」

璃乃。
「それなら私達の近くにいれば安全よ。」
「しばらく一緒に行動しましょう。」

妃良々。
「厚意に感謝。」
「今日は宿を取ってあるので。」
「明日からここに滞在しますね。」
「でも一週間くらいで帰らないといけません。」

璃乃。
「一週間で何かできるかな・・・。」

珠美。
「りっちゃんのえっちー。」

瑠奈。
「女性にえっちーとか言う未発見の発言。」

妃良々。
「はえ?」

行動を共にするセーラー服の女の子。

一時的に四人組。

瑚々。
「新人さんが入ったとか。」

珠美。
「飛び入り参加の女の子よ。」

瑚々。
「どんな娘?」

妃良々。
「それはまあ凛々しくてカッコいい女の子ですよ。」

瑚々。
「セーラー服で身軽そう。」
「これは写真に収めないと。」

妃良々。
「カッコイイ私を撮るがいい。」

璃乃。
「今日から数日間。」
「仲間なの。」

瑠奈。
「妹みたいなものです。」

瑚々。
「またえっちなことするんでしょ。」

瑠奈。
「女性にえっちとか言われると。」
「納得してしまうのですが。」

瑚々。
「最近の女性もえっちだよね。」

璃乃。
「女性もえっちなの?」

珠美。
「らしいです。」

ゴスロリアイドル翠。
「うわあ!美しい!大好き!」

妃良々。
「うわっ!いきなり抱き着いてきた!」

瑚々。
「いきなり優秀な新人さんが入ると。」
「なんだか豪華になったわね。」
「女の子の花の園。」

去っていく。

観光地に入り込んで。

民間人に溶け込んで。

見回っていますが。

特に何も居ない。

地域から敵が去ったようで。

日常が戻っていますね。

瑠奈。
「善悪のコイントス。」
「善悪はコインの裏表。」
「金貨の裏表。」
「いくらでもひっくり返る。」
「そしてひっくり返される。」
「善と悪は表と裏。」
「交互に入れ替わる。」
「善が変われば悪になり。」
「悪が変われば善になるから。」
「一回転さえすれば善悪は交代する。」
「コインの表が善で裏が悪だから。」
「きっかけさえあれば入れ替わる。」
「善と出ているから油断し。」
「悪と出ているから覆される。」
「百円玉を手に取って。」
「表の面が善。」
「裏の面が悪。」
「そしてそれがあなた。」
「あなたの正体。」
「そしてコイントスが行われて。」
「あなたの出た面は・・・?」

妃良々。
「通信を傍受。」

璃乃。
「何を言っている?」

妃良々。
「敵の無線ですね。」
「アジトが残っていたみたいです。」
「と言いますか。」
「どうやら移動式の。」
「キャンピングカーを使った指揮所ですよ。」
「たまに大型トラックを使ったアジトがありますが。」
「それです。」

珠美。
「通過中のようね。」

黒幕。
「お前は?繋がってしまったのか?」

妃良々。
「位置がバレてますよ。」

黒幕。
「あの脱走兵か。」
「我々と来れば華やかな未来が用意されていたものを。」

妃良々。
「貴様とて。」
「害虫が動き回っていたら。」
「叩き潰すだろう。」
「それと同じ事です。」

黒幕。
「脇役は退場することだ。」
「我々の脚本ではあなたの出番は終わりだよ。」

妃良々。
「三流の脚本に用はない。」

黒幕。
「おい!逃げるぞ!あいつはハッキングもしやがるんだ!」
「厄介な奴が攻撃して来た!」
「最初は出来る女だと思ったが。」
「敵に回すとまずいな。」

通信途絶。

端末を閉じると。

敵集団は地域から離れたようです。

威嚇して追い返しました。

珠美。
「やるじゃない。」

妃良々。
「ざっとこんなもんかな。」

瑠奈。
「平穏に暮らしている人が目立ち。」
「社会を見れば。」
「平穏に暮らしている人を探すのは簡単。」
「悪くなっている人からは。」
「そういう人達の欠点が多く見えるらしいのです。」
「問題にしなくていいと思うけれど。」
「悪いものを受けた人からは。」
「何事も無い人々の欠点ばかり見えるらしいのですが。」
「何の問題にもなっていないのに。」
「非難するのは疑いしかないよ。」

妃良々。
「能力が高いほど良いという訳ではなく。」
「能力が高過ぎると足りないのと同じになります。」
「才能も有り過ぎると本人にとっても迷惑になりますし。」
「必要なだけ能力があって。」
「必要なだけ才能が有れば良いだけで。」
「必要以上に求めても害するだけですよ。」
「こんな簡単な事にも気づかないんですね。」

璃乃。
「黄金の中庸。」

妃良々。
「前から実定法が改正されて魔法使いが行動しやすくなりまして。」
「私のような敗北者も簡単に復帰できるんですよね。」

珠美。
「法治国家は法律を過信していますし。」
「法律が無いと何も出来ない。」
「法律が宗教になるのは良くない。」

妃良々。
「書かれている法を攻撃することができます。」
「法律同士を衝突させて打ち消せば。」
「その法律を踏み倒すことができます。」
「この法とこの法が対立しているよとか。」
「この法とこの法が矛盾しているなどを指摘して。」
「公にすれば。」
「書かれている法を壊せます。」
「別の法で別の法を攻撃して踏み倒せます。」
「書かれている法で他の法に衝突させるのは便利です。」

璃乃。
「不信任。」

帰宅するとホワイトボードに書き記す。

成果と報告。

自分の出来事など。

妃良々。
「不幸の中には作られた不幸も実在します。」
「計画的に機械的に。」
「相手の手足を狙って武器で攻撃すれば。」
「防御側は負傷して部位が欠損します。」
「攻撃側が逃げられる訳がありませんが。」
「計画的に不幸を作ろうとした攻撃を受けると。」
「一生復元できないでしょう。」
「ここを狙えばこうなると。」
「こうしてやろうと。」
「計画を持って負傷させる。」
「そのような作り方もありえます。」
「人工の不幸と言えますね。」
「攻撃側は狙いが的確ならば。」
「防御側を一生不自由にできると狙っていますから。」
「不幸は作られたりもします。」
「人工の不幸という言い回しが似合います。」
「戦争での比喩ならば。」
「地雷が埋まっている場所におびき寄せて。」
「手足が吹っ飛ぶと。」
「その後はどうなるか計画してから。」
「まんまと地雷を踏ませて一生の傷跡にする。」
「成り行きでも偶然でも事故でもない。」
「作られた不幸が理解できるかと思います。」

瑠奈。
「なんていう機械的な構図なんでしょう。」
「相手に何かの焼印を押せば。」
「消すことができないから。」
「故意に焼印を押すのね。」

珠美。
「ゲームみたいにハメ技があるのね。」
「烙印を押される。」
「額などに押した焼印とか。」
「これは一生消えないので。」
「悪意を持って焼印を押してくるとか。」

璃乃。
「攻撃のひとつとして焼印を押してくる?」
「見たことあるわあ。」
「ここをこうすればこうなる。」
「こうなると落とせる。」
「落とせば二度と戻れない。」
「比喩ですなあ。」

妃良々。
「私が覚えたのは争いではなく。」
「戦いそのものです。」
「戦いで敵対者はすべて倒せます。」
「戦う限りは自分の望むものを勝ち取れます。」
「奪われたものを奪い返せます。」
「敵対者からの攻撃を防御できます。」
「それでも戦いたくない。」
「戦いを学んでから他人を見るには。」
「理由もなしに戦いを望んでいます。」
「それでは最後には倒されてしまいます。」
「特に理由もなく戦いを望む者には破滅が待っています。」
「そうなると争いを好むのは悪徳です。」
「戦いは常に命のやり取りですし。」
「負けたら死ぬのですから。」
「しかし敵対者はそれを理解していません。」
「戦いに慣れていないのです。」
「戦闘ではいちいち狡猾な手を考える余裕はありません。」
「戦いは頭脳だけでは勝てません。」
「主権のために。」
「常に戦いが手段としてあります。」
「争いは学んでいません。」
「戦いを覚えました。」
「命懸けで戦ってこそ意味がある。」

珠美。
「武器を持たない素手タイプで。」
「近接戦闘だけで。」
「負傷しなかったのが素晴らしいわ。」
「これまで当たるのではないかと思った攻撃が。」
「何十回来たことやら。」

妃良々。
「格闘戦は難しくはないです。」
「わざと逃げたフリをして距離を取ると。」
「相手は歩くか走って追いかけて来ます。」
「十五メートル稼げば良くて。」
「相手が前に移動するしかない状況を作ったら。」
「あとはストレートパンチを食らわせるだけ。」
「前移動しか出来ない相手は崩れやすいのです。」

璃乃。
「実は格闘戦なんてものはタックルを覚えれば。」
「素人を一方的に倒すことができますよ。」
「タックルは防ぐのが難しいため。」
「逃げたフリした後に振り向いてタックルを仕掛ければ。」
「相手に直撃しますし。」
「逃げたフリをしてカウンターを入れるのは。」
「汚い手のひとつで推奨されます。」

瑠奈。
「わざと愚か者の演技をして。」
「相手がこれは勝てると思った瞬間に。」
「油断した相手に反撃します。」
「騙された相手は弱いものと思い込んでしまい。」
「上手に戦えません。」
「もっと汚い手は。」
「戦う前に気違いの演技をしてから。」
「攻撃して来た瞬間にカウンターを入れて。」
「なおも気違いの演技をする。」
「最悪に汚い手は相手の利き手だけを見て。」
「徹底的に利き手を集中狙いして。」
「行動を封じてしまうもの。」

珠美。
「実は素人は利き手。」
「多くは右手でしか攻撃を繰り出さないので。」
「右手だけ見ていれば攻撃が当たりません。」
「そしてカウンターを仕掛けたら三十秒以内に。」
「敵を戦闘不能にするのです。」
「多くの暴漢は掴んで意味不明な殴打を試みるか。」
「利き手から大振りのパンチという二者択一なので。」
「いくら強そうに振舞っても。」
「格闘技を習っていない以上は雑魚です。」
「張子の虎。」
「凶暴なだけで戦い方を習っていないので。」
「倒そうと思えばあっさり倒せます。」
「空手の有段者が喧嘩で対戦相手を負傷させたことがありますが。」
「素人は格闘技の経験者には勝てないものです。」
「素人は根底の喧嘩で根拠のない自信を持っていて。」
「素人の根拠のない自信は狙いどころです。」

妃良々。
「根拠の無い自信ですか?あれ?」

通知。

今日の成果は敵を追い払ったことで。

年金を支払ってまで。

内戦の鎮圧を任せようと。

政策が発表されています。

最近。

敵側は妖魔と契約して。

パワーアップしてしまっています。

それで規模が保持されてしまうという。

こちら側が強くなれば敵も対抗して強くなる。

激しい展開。

訪問者。

ゴスロリアイドル翠。

璃乃。
「あれ?珍しいお客さん。」

ゴスロリアイドル翠。
「遊びに来たわ。」

瑠奈。
「美少女が追加されました。」

珠美。
「オールスターじゃないですか。」

妃良々。
「あれ?前に抱き着いてきた女の子だなあ。」

宿舎は二階建て。

全員が二階にいる時を見計らって。

誘い出す。

ゴスロリアイドル翠。
「ちょっと渡したいものがあるの。」

妃良々。
「チップですかね。」

ゴスロリアイドル翠。
「おいでー。」

いきなり妃良々を押し倒して。

いきなりキスをするゴスロリアイドル翠。

妃良々。
「うぐっ!ううぅぅぅ・・・。」

ゴスロリアイドル翠。
「油断したね?大好き・・・。」

妃良々。
「やめて苦しい。」

ゴスロリアイドル翠。
「もっとやりたいの。」

妃良々。
「ぐっ!苦しい・・・。」

ゴスロリアイドル翠。
「やらせて。」

妃良々。
「苦しい・・・だめっ!」

吹っ飛ばされたゴスロリアイドル翠。

再び仕掛けると背後に珠美。

捕まえられた翠。

珠美。
「なに強姦してるんですか。」

ゴスロリアイドル翠。
「なんていう怪力。」
「逃がられる気がしない。」

妃良々。
「うーっ!苦しかった!」

珠美。
「いくら美形だからって。」
「同意を取りなさいよ。」

ゴスロリアイドル翠。
「あんまり綺麗だから犯してあげたかった。」

珠美。
「どうする?この娘を?」

妃良々。
「ファーストキスには悪くない相手でしたよ。」
「死ぬかと思った。」

珠美。
「まったく、色欲に関して正気じゃないわ。」

ゴスロリアイドル翠。
「ちょっと!ちょっと!何気に締めないでよ!」
「ぐえっ!」

さりげなく締めてしまい。

翠がダウン。

ソファーに寝かせておきました。

珠美。
「出生はたまたま自分のルールが通用したから。」
「いい気になった。」

瑠奈。
「福祉あるある。」
「何とか障害なんて気持ちの悪いものを受けて。」
「気の毒です。」
「とてもじゃないけれど。」
「何か悪口を言う気にはなれません。」
「本人にとっても無意味でしょうから。」
「この世に悪いものなんて要らないので。」
「何とか障害なんて本人には必要ないんですよ。」

璃乃。
「何々だからこう生まれて。」
「という議題はインド哲学でよくある話。」
「でもそれは真逆の発想。」
「生まれが不正だから悪く生まれた。」
「こういうのが妥当な論証。」
「本人が悪くなくても悪く出る。」
「因果論なんて前と後ろが頻繁に入れ替わるので危険。」
「原因論と呼ぶ中身の因果論は。」
「暴力を振るうために持ち出される。」
「因果関係は最後に必ず暴力に行き着く。」

珠美。
「善とか悪とか人間は主観的で。」
「善悪なんて主観的であることが前提なので。」
「絶対的な判断とは思わない。」

瑚々。
「遊びに来ました。」
「あれ?新人さんが奇麗だから。」
「借りてっていい?」

璃乃。
「大活躍の三姉妹の所へ行ってみなよ。」

妃良々。
「え?そうします。」
「正直貧乏横着栄耀。」

連れ去られた。

最年少なので妹の扱い。

車で誘拐される。

早いものに上手なし。

しくじるは稽古のため。


29


錐は嚢を通す。

才能のある人は隠れていても目立つもの。

車で三姉妹の家に到着。

いろいろ歓迎されている女の子。

瑚々。
「能わざるにあらずせざるなり。」
「物事を成就できないのは。」
「不可能だからではなく。」
「やろうとしないからだ。」
「ということ。」
「孟子。」

妃良々。
「易経。」
「困の掛は。」
「行き詰っても必ず切り抜けることができる。」

瑚々。
「水は好き?」

妃良々。
「いろんな川の流れはよく観察しますよ。」
「小さな川とか谷間の上流とか好きです。」

瑚々。
「私も源流が好き。」
「特に水草と崖に囲まれている。」
「小さな川とか好きです。」

妃良々。
「私は大きい河川は楽しめません。」
「支流くらいが好きです。」
「大きな川も直接に入るなら好きです。」
「入るより見て楽しみます。」

瑚々。
「ということは智者の方なんですね。」
「山はどう思います?」

妃良々。
「駆け上がるのが嫌いです。」
「敏捷性が高いので。」
「動きが速いと山で消耗するのです。」
「頂上の景色は良いのですが。」
「一歩ずつ前進とかは嫌いです。」

瑚々。
「私も小山ですら嫌になります。」
「戦闘機で行けば数十秒でしょうよ。」
「飛行機で数十秒の場所なんて。」
「徒歩で行きたくありません。」

妃良々。
「それで車の運転が上手なのね。」

瑚々。
「山は車で駆け上がるのが好きです。」
「楽しもうとは思いません。」

妃良々。
「私も気長に歩こうなんて思いませんよ。」

瑚々。
「となると仁者ではないんですね。」
「そこら辺が一致しているから。」
「私の招待を受けてくれたんですね。」

妃良々。
「同類なのですよ。」
「良い事です。」

側面を見ると。

事故現場。

AEDを持ってきた弟。

会社員。
「さっさとAEDを使え。」
「じゃないと兄は助からないぞ。」

弟。
「もちろんです!」
「僕は長年この時を待っていたんです!」
「下手な事をしますので失敗するかもしれません!」

会社員。
「なんて言った?」

弟。
「下手な応急処置開始!」

会社員。
「下手でもやれよ!」

蘇生しない男性。

何かが起こっています。

交差点で人が集まっていますね。

救急救命士。
「タイムアウトだと思うがな。」

レスキュー。
「あいつはお前の奥さんの浮気相手らしいよ。」

救急救命士。
「残念ながら助かる見込みはないな。」
「あはは・・・残念残念。」

レスキュー。
「手は施しましたが・・・。」
「心肺停止状態。」
「運び込むぞ。」

救急救命士。
「できる限りゆっくり行こうかな。」

レスキュー。
「安全運転はしようぜ。」

老人。
「医者を変えたら病気が治ったんだ。」

市民。
「処方箋を間違えていたのでは?」

少年。
「医者を変えて病気が治るのなら。」
「俺も変えてみよう。」

紳士。
「しまった!たった今!処方箋が風に流されて飛んでしまった!」
「どうしてかな?」

避けて無視。

しばらくして。

到着。

玄関に入ると。

忍者屋敷のような設計の家屋。

隠し扉を進んだ先に。

扉が四あり。

寝室はそこで。

通常の扉ではなくて大きな絵画が扉です。

リビングは通常の方法で行けますが。

扉にダミーが混ざっていて。

偽物の扉は外にもあります。

地下には簡易シェルターがあり。

客間としても使われていますね。

書斎や倉庫は壁が反転して移動します。

三階には隠し通路から梯子があり。

三階は予備のスペースで物置です。

客間に宿泊することに。

瑚々。
「小股取っても勝つが本。」
「多少卑怯な手を使っても勝つことが大切。」

小霧。
「困難や苦労が浴びせられたら。」
「その逆をやれば良い。」
「苦労の内容とは真逆の事を選び続けて。」
「困難の内容とは正反対の事をやればいい。」
「あっけなく離脱できます。」

詞美。
「歴史なんて勝手に動くものなので。」
「歴史を動かしたければ。」
「為政者や総理大臣にでもなればいいし。」
「政界に進出しても貧乏くじを引くだけでしょうね。」

瑚々。
「女の子を誘拐してきた。」

妃良々。
「こんばんわ。」

小霧。
「スリムな体系に美形ですと?」

詞美。
「噂の美少女ね。」
「メンバーは男性より女性が好きだから。」
「危険かもね。」

妃良々。
「一回だけ強姦されましたよ。」

詞美。
「やっぱり。」

瑚々。
「こっちに来て。」

妃良々。
「はい・・・。」

巫女服を着せられて。

似合います。

予備の服なので贈与。

瑚々。
「そこまで似合うのなら。」
「私の直観は優れモノ。」

妃良々。
「祭日に縁起物として着ることにします。」

詞美。
「どんなことしていたのです?」

妃良々。
「私の人生。」
「ゴミ捨て場のゴミを。」
「ゴミであることを確認するために。」
「いろいろなことがあった。」

小霧。
「逆効果。」
「ある効果があると予測したのに。」
「かえって反対の結果になること。」
「そのような結果。」
「裏目。」
「予想とは逆の(よくない)結果。」
「裏目に出る。」

瑚々。
「経験を超える知識!!」

妃良々。
「立派にならなくても良い。」
「偉大にならなくても良い。」
「私は立派になりたくないし。」
「偉大にもなりたくない。」
「自分の持論の中に。」
「本当に自分の認めているものか。」
「疑わしい持論もある。」
「私が何に価値があるか。」
「何が無価値か決める。」
「これは私が決めること。」

詞美。
「あんな気が触れた集団に混ざっていれば。」
「鬱憤くらいは溜まるでしょう。」
「もう解放される時です。」

妃良々。
「私が要らないと言った物は捨てる。」
「排除。」
「ゴミなんて持っていても汚染されるだけだし。」
「公害を食らった事は美化できないし。」
「正当化もできない。」
「公害を食らっただけで。」
「気持ち悪いだけで。」
「百害あって一利なし。」
「ビッグになろうとする人はいるけれど。」
「私はもう少しスモールになりたい。」
「中くらいのサイズ感なら満足するよ。」

詞美。
「世の中、試練と称して悪いものを覆い隠す考えもありますし。」

妃良々。
「試練?」
「私は正しくはないよ。」
「残念でした。」
「経験しなくて良いものを経験した。」

小霧。
「本当に大切なのは個人の利益。」

詞美。
「個人の利益は第一の目的です。」

瑚々。
「個人の利益は当たり前の目標だよ。」
「この世で最も重要なのは個人の利益の追求。」

詞美。
「ニヒリズムの支持者は直ちにそれまでの価値観が。」
「崩壊するのを体験しますね。」
「それまで価値とされていたものが一気に無価値になる。」
「自分勝手な既成概念や強制された価値判断が崩壊する。」
「そして再構成されていく。」
「そうなると従来の事態が無能の産物で。」
「対立するようになる。」
「ニヒリズムに出会うと決まっていたのに。」
「予知できなかった無能な宿命論があるんですね。」

妃良々。
「十人十色ですね。」

瑚々。
「人は心も全員違う。」

妃良々。
「沖天の勢い。」
「強い女性は珍しいです。」
「強力な女性って好きですよ。」

小霧。
「稽古に神変あり。」
「物事の習得に必死で取り組めば。」
「実力以上の境地に達することができること。」
「神変とは人知を超えた不思議な変化。」
「江戸時代によく用いられた。」

妃良々。
「他の女性とは違うみたいですね。」
「あれ?おかしいな?女の人に恋しているのかな。」

小霧。
「恋は好みの異性が出現すると。」
「興味を持ちますが。」
「明らかに強制です。」
「恋とは性的な強制です。」
「本人の自由を無視して結婚が終点になります。」
「それは本人の意思や自由や選択を。」
「無視して。」
「洗脳のように操作されるからです。」
「恋が自分の自由や選択によるものか判断できないまま。」
「素早く結婚にまで入れられて。」
「後戻りできない状況に持っていく計略です。」
「最初から相手はいくらでも選べると知っていれば。」
「楽々に防げるものです。」
「恋人や結婚相手はいくらでも選べますので。」
「恋をするかしないかもいくらでも選べますので。」
「最初に理解した人はあらかじめ未来を潰しておくようです。」

瑚々。
「優生学からして無秩序に出産を繰り返されると。」
「公害になると思う。」
「可能な限り優秀な両親から子供が生まれるべきで。」
「劣っている両親は控えて欲しいと思うほど。」
「それで誰が優秀で誰が劣っているのかは判別できないけれどね。」
「優生学は現代では任意ですしね。」

小霧。
「母親になって後悔してる。」
「オルナ・ドーナト(著)」
「性関係は女性が一方的に不利。」
「男性が一方的に有利。」
「損害を被るのは女性と最初から決まっています。」
「女性はやられる側なので不利なのです。」

詞美。
「性関係では女性はやられ役。」

瑚々。
「どんな才能があっても最後にはやられ役になる女性。」
「無論、やられ役であることは自覚していない。」

妃良々。
「長持枕にならず。」
「大きすぎるものは小さなものの代用にならない。」

詞美。
「緊張したり劣等感が強かったら。」
「自分がいる事で何が起こるかとか。」
「どんな影響を及ぼせるとか。」
「試してやると良いかも。」

瑚々。
「故事にもあるように。」
「昔は今の鏡。」

妃良々。
「そうします。」
「英語のことわざ通り。」
「願望は思想の父。」

小霧。
「人の心は九分十分。」
「人間が考えることはみな似たりよったりで。」
「それほど大きな違いはない。」

新しい仲間が加わって。

司令部に通知すると。

免罪符が郵送されて来て。

手渡しまして。

敗北者の中で数少ない生き残りとなりました。

奈良県の柏原市に実家があるので。

電車で通えるため。

支援部隊の役割を引き継いで。

敗北者とは思えない活躍を見せています。

自宅の近くで。

窓から会話を覗き見。

学者。
「僕が交通事故に遇う確率はどのくらいでしょうか?」

統計。
「いつも発表されている通りだよ。」

学者。
「それなら落ち着いて運転もできませんよ。」
「幾らかは巻き込まれるでしょう。」

統計。
「もしあなたが事故を起こす側ならば。」
「確率は違うものになりますが。」

学者。
「え?それなら可能な限り当たりに行きたいと思います。」
「補強すれば追突できますし。」
「確率計算もやり直しですね。」

統計。
「もっと危ない計算を始めやがったぞ・・・。」

青年団。
「人間なんて滅んでしまえ!」

老人。
「所でお前は人間だよね?」

青年団。
「俺か?俺は人間じゃないぞ。」

老人。
「自称人間でもいいんじゃないかな?」

今日のニュース。

私刑に夢中になった中年男性が。

路地裏の通行人に対して。

言いがかりをつけまくっていた。

中年男性。
「俺は裁判官!だから人を裁いても良い!」
「俺が何でも量刑を決めるから。」
「被害者が何でも悪い。」
「俺は無罪だし他人は有罪!」

ボクサー。
「それって暴力を賛美しているようにしか見えんな・・・。」

中年男性。
「俺は経験があって偉いので。」
「格下に教育するのだ。」

ボクサー。
「自分の暴力を自慢したいのなら。」
「他所でやってくれ。」

今夜も言いがかりを繰り返す。

既に不審者情報に載っていて。

警察官が警戒しています。

中年男性。
「お前はなんとなくおかしいから終身刑。」

会社員。
「言いがかりで攻撃してくるとか。」
「俺に何の恨みがあるって言うんだ!」

中年男性。
「他人を裁くのは超級の快楽なんだぞ!」

会社員。
「なにをするんだ!」

中年男性は殴られた。

中年男性は必死になって言いがかりを続行。

こういうことをやっていたので。

この夜はたまたま。

帰宅中の警察官が通りかかって。

中年男性はいつもの通りに言いがかりをつけて。

刑罰を加えようとしたら。

あっさり警察官が中年男性を倒して現行犯逮捕になりました。

警察官に逮捕される正義の味方というネタモノ。

英語のことわざ。

どんなものでも旬がよい。



30


ことわざ。

過度の謙遜は傲慢。

すみません。

どうしておかしいのかよくわからないので。

笑ってください。

生中継。

弁論大会が開かれていて。

活気があります。

壇上の弁論家は自己主張しました。

しかし若い女性が駆け寄ってきて。

知識人。
「なにかね?」

若い女性。
「わたしを覚えていませんか?」
「一緒に寝たではありませんか。」

知識人。
「わかった!何が望みかね?」

若い女性。
「現金をください。」

弁論家はその場で三万円を渡した。

すると他の若い女性も数人寄ってきて。

先頭の女性が弁論家に抗議した。

美女。
「私も一緒に寝たことがあります!」
「覚えていますか?」
「一か月前のことです。」

知識人。
「あなたは誰ですか!」

会場がざわついて。

とっても女性にモテる男性であると。

全員が納得した。

美女。
「とても素晴らしいひと時でしたよね。」

知識人。
「私がいったい・・・いつどこで。」
「あなた方と寝たことがあるのですか!」

美女。
「覚えていませんか?」
「ひどい!あんな仲だったのに!」
「前回の弁論大会で。」
「あなたは壇上で。」
「私達は自分の席で寝ていたのですし。」
「別の場所で一緒に寝ていたのに覚えてないなんて!」

知識人。
「別々の場所で一緒に寝ていた!?」
「これはやられた!」

若い女性に一万円渡して立ち去る。

勝者の女性には声援が送られました。

詞美。
「頭脳明晰な女性の勝利ね。」

遊女。
「よく考えたね。」

詞美。
「まんまとやられてるし。」

珠美。
「その手があったんですね。」

遊女。
「エリートのやる事は別世界ですよ。」
「私もその仲間に入ってますけれどね。」

珠美。
「新人や後輩を育成するのを怠らないとか。」

詞美。
「師弟関係の女の子は何人かいますよ。」

遊女。
「師匠が訓練して鍛えた人が後継者を育成する。」
「その後継者も弟子を訓練して鍛える。」
「好循環。」

妃良々。
「私もお姉さんと触れ合って。」
「能力が二倍になったようです。」

遊女。
「ホワイトボード準備よし。」

珠美。
「学校教育では彼らが不利な情報は教えないからね。」

妃良々。
「教育を逆手にとって手練から習うのです。」

詞美。
「リベラリズムの核は。」
「自由の要素。」
「直観で察する自由そのもの。」
「次に合理性。」
「あらゆる場面で合理的であることが求められます。」
「次に個性。」
「これは個人主義と同じです。」
「集団や社会全体の強制を拒絶します。」
「自分は独自の存在で。」
「個人に基づいて世界観が構築されます。」
「次に進歩です。」
「物事や世界の移り変わりに追従するのも進歩です。」
「更新される情報や政治なども同じで。」
「自分の進歩も含まれます。」
「個人の進歩とも訳せますね。」
「次に社会性です。」
「自分は社会の中にいるという認識で合います。」
「自分は社会と同化しており。」
「社会を重んじる傾向とも訳せます。」
「一般的利益。」
「個人や集団を包摂するものです。」
「社会での迫害を否定します。」
「最後に権力。」
「主権確保は必須で。」
「あらゆる権力への対抗手段の構築。」
「権威が正常に動作しているかの確認などです。」
「簡単にまとめると七つの核を持ちます。」
「勝利宣言までしたリベラリズムは細分化され。」
「同じリベラリズムでも意見や解釈が異なりますし。」
「それでも七つの核を理解していれば。」
「強力な味方です。」

珠美。
「それは社会で頻繁に見られる姿です。」
「自由とかの内容はそれだったんですね。」

妃良々。
「啓蒙思想が推し進められると。」
「従来の思想が追いやられてしまいました。」
「でも現在はこんなに強い思想で支えられているんですね。」

遊女。
「女性への社会的強制力は。」
「社会的強制力よりも自分の方が強ければ。」
「敵対者は返り討ちです。」

詞美。
「敵対者や強制力と言っても数人だけでは?」
「まとめて倒せば良いのです。」

珠美。
「反対者は力づくで排除しろという意味ですよね。」

遊女。
「女性が力を肯定すると。」
「人間の域を超えます。」
「女性が力を否定すると。」
「やられ役になります。」

妃良々。
「ではリベラリズムによって私は力を肯定します。」

詞美。
「リベラリズムは最も中心かつ広範に普及した。」
「政治理論とイデオロギーです。」
「個人を解放したと言われています。」
「リベラリズムはとにかく強くて影響力があるため。」
「敵がやたらに多くて。」
「教条主義からはよく批判されます。」

珠美。
「思想ではなくて社会勢力なんですね。」

妃良々。
「知識人から直接的か間接的に習った方が話が早いです。」

遊女。
「よくある批判は。」
「エリート専用だけに敵も多かったのですよ。」

詞美。
「リベラリズムの傾向は。」
「良識・尊重・寛容・穏健。」

妃良々。
「それなら美しいものですね。」

珠美。
「知らない間に身近にあったエリートの影響。」

詞美。
「リベラリズムは超過して暴走する事もありえます。」
「しかしリベラリズムもバリエーションが豊富なので。」
「どのリベラリズムがやり過ぎているとか。」
「どのリベラリズムが不足しているとか。」
「どのリベラリズムが超過しているとかの判断は困難です。」

妃良々。
「過ぎたるは猶及ばざるが如し。」
「良いものも悪いものも超過すれば。」
「良いものも悪いものも台無しになりますからね。」

珠美。
「危険な一面もあるのね。」

詞美。
「リベラリズムは社会の一面とも言えます。」
「世界の普遍的な形態です。」
「イデオロギーのひとつですよ。」
「社会や政治思想のひとつです。」
「社会勢力でもあります。」
「エリートが好む思想で。」
「思想の範囲を超えて政治形態まで及んでいます。」
「思想から社会全域まで勢力を伸ばして。」
「浸透しているのです。」
「なので実はリベラリズムは普遍的な社会形態で。」
「これを理解しているか理解していないかの違いくらいでしょう。」

珠美。
「社会が形になった姿なんですね。」

妃良々。
「単なる思想の範疇に留まらない大きな影響力。」

詞美。
「リベラリズムは。」
「人間は、何であろうとも。」
「自由なのだという認識から始まる。」
「つまり。」
「人間の行為はその人自身のものであり。」
「彼自身の人格から生じたものであり。」
「強制することのできないものなのだという認識である。」
「R・G・コリングウッド。」

遊女。
「リベラリズムには偉人もいるのです。」

詞美。
「法哲学者ロナルド・ドゥオーキン。」
「政府は善き生の問いとでも呼ばれるものについて。」
「中立的でなければならない。」

珠美。
「何もかも斬新で魅力的な思想ですね。」

妃良々。
「説明されると強烈に惹かれます。」

詞美。
「リベラリズムは体系化されて。」
「説明しやすいという長所もありますから。」
「具体的にまとまったわかりやすい思想は。」
「社会の普遍的な行動原理になっています。」

ホワイトボードの内容を撮影。

一同休息。

お茶とお菓子を持ってくる遊女。

妃良々。
「この玩具はなんですか?」

遊女。
「女の子の家には必ずあるものですよ。」

珠美。
「知らなかったの?もしかして持ってないとか?」

詞美。
「弄瓦之喜。」
「女児が生まれた喜び。」
「素焼きの糸巻きのおもちゃです。」
「機織りをはじめとする家事の上達を願う風習から。」
「幼い頃から与えられます。」

妃良々。
「真面目な家にはあるんですね。」

テレビ。

生中継があり。

リレー形式の特番。

その中で結婚式があり。

新婚の妻が言ってしまった。

お嫁さん。
「こんなに男の人が好きになるなら。」
「男性アイドルの追っかけをすれば良かったものです。」

旦那さん。
「あいつと勝負したくないよ。」

お嫁さん。
「聖書では、実は女性であった神様は。」
「まず冗談半分に男をつくり。」
「次に真面目に女をつくった。」
「だから男は不格好、女は美しい姿。」

旦那さん。
「それで男はこんなんなのでしたか。」
「不可抗力ですよまったく。」
「私だって好きで不格好ではないのですからね!」

しばらく進行して。

政治の関心について知識人が討論。

ジャーナリストが街頭に出てインタビュー。

記者。
「新しい法案についてどう思いますか?」

若い女性。
「女性だから政治について詳しくないの。」

老人。
「年を取っても法案の中身は理解できない。」

小学生。
「偉い人の考えることは小学生ではわかりません。」

青年。
「私は立派な成人男性ですが、意見って何ですか?」

記者。
「日本人の九割が、残りの一割の名誉を傷つけている。」

テレビが凄いことになっています。

一同は近くのお宮へ移動。

いつもの巡礼です。

道中。

詞美。
「長年の観察で。」
「男性とは自然主義(ナショナリズム)な存在であると。」
「お見受けしました。」

妃良々。
「野性的という意味ですか?」

珠美。
「野生動物?」

遊女。
「でも異論はありませんよ。」

詞美。
「私は女性の例外です。」

遊女。
「特別な人や特別扱いはよくあることですよ。」

珠美。
「負け惜しみの強い奴らは。」
「自分らと同じにしてやろうと。」
「必死になるでしょう。」
「敗北を認めたくないので非難する。」

妃良々。
「他人と同じ事をしておいて負けたから非難するのは。」
「筋違いです。」

遊女。
「最初からわかるものに引っかかる。」
「なんとなくでやってしまった。」
「結婚とか。」

詞美。
「ひとりだけ例外で、残念でした。」

お宮。

鳥居の前で。

親子がやってくる。

母親。
「神様は信用しなさい。」

子供。
「はーい。」

母親。
「他はみんな現金払い。」

子供。
「はーい。」

遊女。
「福徳円満な三姉妹なだけに。」
「余裕もありそうです。」

珠美。
「それが当たり前の特権だったりして。」

妃良々。
「自分の事は伝えます。」

詞美。
「福徳円満。」
「幸福と利益とが、欠けることなく。」
「備わっている意。」
「精神的にも物質的にも恵まれていること。」

遊女。
「世の中を良くしようという考え方は。」
「私は賛成しません。」

珠美。
「第一に個人の利益。」
「第二に共同体の利益。」

妃良々。
「世の中を良くするって手段はどうするの?」
「何を改善するの?」

詞美。
「リベラリズムの信条は。」
「社会問題に対する最善の解決策を見つけるには。」
「だれか一人の特定の知識に頼ることなく。」
「人々の交流による意見交換を推奨して。」
「より善い知識が生まれてくることに期待するもの。」

妃良々。
「そうですよね。」
「誰かの絶対者に頼る社会ではありませんし。」

遊女。
「天才の模倣をするのも考え物です。」

詞美。
「世界をコントロールしようとする。」
「敵対者がいるとは思えないほど。」
「平穏な雰囲気ですね。」

珠美。
「敵は独善主義。」
「他人を顧みず。」
「自分一人が正しいと考える主義。」

帰り道。

料理屋の傍にて。

喧嘩を売る男が自分の肩にお札を乗せて。

挑戦しようとしていまして。

チャレンジャー。
「これを取れるもんなら取ってみろ。」

格闘家。
「いいのか?それで?」

チャレンジャー。
「どうした?来いよ。」

すると後ろから誰か来る。

肩に乗せたお札を奪って逃げてしまった。

チャレンジャー。
「なんでなん?」

泥棒。
「いや、取れるもんなら取ってみろとか。」
「来いよとか言うので後ろから。」

男は焦って両肩にお札を乗せてリベンジした。

チャレンジャー。
「これを取ってみろよ。」

格闘家。
「よし!やってやろう!」

するとまた後ろから誰かに奪われた。

慌てて追いかける喧嘩男。

泥棒。
「俺の方が強い!俺の勝ちだ!」

チャレンジャー。
「お前も巻き込んだかもしれないが。」
「やり逃げはねぇよな!」

泥棒。
「誰も正面から取れだなんて言ってないし。」

格闘家。
「雑魚にやられてやんの。」

チャレンジャー。
「一度に二回負けた。」

喧嘩男は店内に戻って。

落ち込んだ。

詞美。
「男らしさとか女らしさとか馬鹿の発言です。」
「極端に寄りかかるのは台無しになります。」

遊女。
「男らしさと女らしさの暴走ですよね。」
「それは害しかないでしょう。」

珠美。
「ユング心理学では。」
「男らしさとか女らしさとかは暴走した状態であると。」
「説明されています。」

妃良々。
「それでは欠陥品ですよ。」
「男らしさは人間の創作ですし。」
「女らしさも作り話です。」

詞美。
「いかに駄作な作り話でも。」
「広まってしまうと。」
「つい信じてしまうものです。」

遊女。
「詐欺師は本当の事も混ぜて騙しますからね。」
「作り話や空想も。」
「そうであるとわかるまでは。」
「信じられたままですし。」

詞美。
「妖言惑衆。」
「妖言、衆を惑わす。」

参拝して。

珍しい憩いでしたね。

この後に全員。

持ち場に行きました。

箴言。

怒るな、おあいこにしろ。

英語圏の紛争解決のやり方。


31


英語のことわざ。

私に嘘つきを見せるならあなたに泥棒を見せましょう。

車で移動中。

お手伝いで。

市民からの目撃情報を頼りに。

廃墟が修理されて使われているとされる。

敵の拠点に偵察です。

瑚々。
「英語のことわざ。」
「例外のない規則はない。」
「どんな規則にも例外がある。」
「例外があるから規則だとわかる。」

珠美。
「どんな規則も無視できるでしょう。」

瑚々。
「つまりは私はどんな規則であっても例外になる。」
「どんな規則も当てはめられない。」
「規則を強要したとしても例外の特権は行使できる。」

璃乃。
「例外は完全に合法なルールです。」

瑠奈。
「運転はお任せあれ。」

瑚々。
「市民からの情報提供で。」
「今の所、上手に戦えていますね。」

璃乃。
「市民の情報提供が最高のデータリンク。」

瑠奈。
「凡人を舐めてはいけない。」

珠美。
「強い市民ならいくらでもいますし。」

瑚々。
「英語のことわざ通り。」
「名馬は決して駄馬にはならない。」
「伝統世襲もそのままの形で世界にはあります。」

妃良々。
「分別の上の分別。」

璃乃。
「マイクロバスって魔法使いが好んで使いますね。」
「余剰スペースと拡張性は好まれますし。」

瑠奈。
「しかもこれは貸してくれるんですよ。」
「内戦では自由攻撃が重要なのですから。」

珠美。
「内戦も半分終わっていて。」
「後は周辺諸国の小競り合いの決着が残っています。」

瑚々。
「制空戦闘でやたらに格闘戦を仕掛けてきて。」
「たまに双方が撃墜される。」
「わかりやすい挑発でしょうけれど。」
「敵もかなり消耗しているので。」
「本当の狙いは戦闘機だけでも数を減らす目標らしいですしね。」

妃良々。
「水陸両用車が上陸して機関銃をばら撒いて。」
「すぐに逃げていく作戦が多くて。」
「たまに民間人に命中するので。」
「海岸に対戦車兵器が多く配備されています。」
「そして今度は攻撃ヘリが機関砲をばら撒いて逃げる。」
「次は戦闘機が機関砲を地上掃射して逃げる。」

璃乃。
「適当に攻撃して来るだけですが。」
「たまに双方に損害が出るので。」
「小競り合いをしつつ戦力を削ってくる嫌味な戦法。」

珠美。
「外側と内側からじわじわ来る。」

妃良々。
「扇動者がまとめて逮捕されたので。」
「術中にはまった後遺症を治療するだけですね。」

瑚々。
「口先だけではなくて呪術によって。」
「奇妙な説得力を出していましたから。」
「偽予言者だと見破るのに時間がかかってしまいました。」

瑠奈。
「偽預言者はヨーロッパで有名ですよ。」
「しかるべき信仰を持たずに。」
「公で何が起こるとか予言する奴らは偽預言者です。」

瑚々。
「日本人は偽預言者というものを知らないので。」
「騙されやすいのです。」

瑠奈。
「プロテスタントの中から本物の預言者が出やすいのですが。」
「無宗教の預言者なんて実在しませんし。」
「偽預言者は一昔前には繁栄してしまっていましたし。」
「カトリックでは現代に預言者はいないという解釈のようです。」
「プロテスタントでは預言者は今後出てくる事は無いとか。」

珠美。
「本当に予言なら必ず当たる。」
「当たらない預言者は偽物です。」

瑚々。
「扇動者の中には偽預言者もたくさんいましたし。」

璃乃。
「この辺りかな?なにかいる?」

妃良々。
「ドローンを飛ばしてサーモカメラで索敵します。」
「ジェットラジコンのカメラも使いますね。」
「そちらはお任せします。」

瑠奈。
「遠距離偵察用のジェット機のラジコン。」
「扱いは簡単ではないけれど。」
「低山地帯では切り札。」

短時間の偵察。

何かの集団を発見したので。

近寄って。

車を隠して。

接近。

川の下の小屋。

釣りの穴場ですが。

今の季節は使われていません。

boss。
「思ったより計画が進んでいないな。」

雑兵。
「所であなたの首を持っていけば。」
「出世できるでしょうか?」

士官。
「我々も同じです。」
「こんな無謀な戦いはこの辺りで降りたいものです。」

boss。
「何を空想にふけっているのかね?」
「計画がもう少し進めば。」
「目標を獲得できるのだよ。」

雑兵。
「本当に?疑わしいな。」

士官。
「年貢の納め時だと思いますよ。」

boss。
「とある人は不運とか罪科とかいうことを信じない。」

雑兵。
「その計画とやらはあくまで全勝を重ねた時の場合でしょう?」

黒幕。
「もちろん、一局毎に勝つのだよ?」
「そして我々は一生遊んで暮らせる大金を山分けする。」

士官。
「ここの所、敗北続きです。」

いきなりBOSSが撃たれる。

黒幕も撃たれる。

敵同士で仲間割れ。

boss。
「そうかな?我が倒れても。」
「すぐに後継者が出ると思うぞ。」

黒幕。
「我の後任ならいくらでもいるぞ。」

魔装具のマジックコート。

物理攻撃を四割にする特殊素材。

最高の防弾チョッキとして有名ですが。

一部のスキルタイプの魔法使いしか製造できません。

ドヤ顔で。

雑兵を殴って。

発砲する士官。

雑魚。
「なに?ハンドガンが効かない!?」

黒幕。
「残念だよ、君達とはわかりあえると思ったのに。」

boss。
「お前、自分達が使い捨てになるって気づいたな。」

士官。
「怯むな!防弾性能だけだ!」

近接武器で激戦に。

敵が仲間割れしている所を。

目撃してしまう。

丘の上から眺める。

戦闘をしている敵達。

高みの見物。

璃乃。
「雨の夜にも星。」
「ありえないような不思議なことでも。」
「まれにはあること。」

瑚々。
「男は敷居を跨げば七人の敵あり。」
「社会で働く男には競争相手が多く。」
「様々な困難が伴うという心得を説いたもの。」
「男子家を出ずれば七人の敵あり。」

珠美。
「男性の世界はことわざ通り。」
「生存競争なんですねぇ・・・。」

瑠奈。
「男性って気の毒な生き物ですよ。」

乱闘中。

仲間割れした敵達は数が減っていく。

三十人で二手に分かれて戦闘。

資金不足で装備が悪く。

手作り兵器が目立ちます。

最後には斧で攻撃する兵士まで登場。

斧を振り回す。

突撃兵。
「キモーイ!アナター!」

雑兵。
「ありえんなー!」

捨て駒。
「いやありえる!」

士官。
「いいだろ!絶対いいの!」

璃乃。
「事件のあとで利口になるのは簡単である。」

瑚々。
「私達は高みの見物ですか。」

珠美。
「気づかれてないし。」

瑠奈。
「悲惨な殺し合いですね。」

黒幕。
「闇から闇に葬る。」
「人に知られては困ることを。」
「証拠を残さないようにこっそりと始末することをいう。」

boss。
「いまも読まれず、将来も読まれず。」

離反者が負けそうになりました。

負傷兵しか現場にいません。

璃乃。
「戦って逃げ去る者は、生きて他日に戦うことができる。」

妃良々。
「情報によるとあのグループで間違いないです。」

璃乃。
「ではこの大弓で。」
「化学兵器ですが。」
「遂に使う時が来ましたね。」

山の道路の上から。

下の河川の小屋付近の敵を狙います。

黒幕。
「完璧対完璧の対戦があったら?どうする?」

変態。
「ボス!もうこの場から退きましょう!」
「今月号も車内にありますし。」

boss。
「消える!まだある!」
「今月号!今月号!今月号!」

璃乃が放った弓矢。

これは毒ガスが込められていて。

爆発すると。

周囲に毒ガスが蔓延して。

黒幕がそれを吸って即死。

BOSSはこれを食らって倒れました。

これを見て便乗する仲間割れ。

近くにいたテントからボス達に集中攻撃。

これを見てチームは退くことに。

あまりに敵の仲間割れが熾烈なため。

巻き込まれると危険です。

隠していた車に飛び込んで退却。

瑚々。
「思わぬ事が起きましたね。」

璃乃。
「ひとりは殺したから。」
「後は自滅してくるといいけれど。」

珠美。
「しかも隠れていたテントに大勢いたのね。」
「有利な位置にいて良かった。」
「多勢に無勢。」

瑠奈。
「多くの犬が一匹をいじめるのは簡単だ。」

この後に近くにいた指導者が全員殺されたので。

仲間割れに加勢した成果が認められて。

大金が出て。

僥倖でしたね。

小さな勲章を貰いました。

詞美。
「これが勲章?私もそろそろ貰えるかしら。」

瑚々。
「見物人は試合のほとんどを見る。」

遊女叶向。
「戦いに勝つかどうかは不確かなもの。」

小霧。
「たびたび射る者はついには的に当たる。」

瑚々。
「簡単にくれる勲章ですが。」
「やっぱり活躍しないと。」
「人生とやらは損ですね。」

遊女叶向。
「美しい時期なんですよ。」
「一度は美しいものを体験するべきですね。」

小霧。
「大物を仕留めるのは作為的に出来ないから。」
「いくら敵を倒しても勲章までは難しいですからね。」

瑚々。
「実際に仕留めたのはリノリーだけれど。」
「二発目を放ったので。」
「映像が残ったんですね。」
「何気に凄く強くて。」
「二人のボスで二十人を一方的に倒していたのです。」
「正面から勝てるかわからない相手でしたが。」
「泥仕合になると漁夫の利です。」

詞美。
「敵は決まって予想外の攻撃には無力ですからね。」

遊女叶向。
「ボスが倒れて敵はさらに弱体化しました。」
「今日は手柄を記念しましょう。」

ニュースはボスが倒れたことで話題。

敵勢力は後継者と後任を用意していたので。

大きな影響はありつつも。

しぶとく続けるようです。

英語のことわざ。

死人は暦をもたない。


32


平地に波瀾を起こす。

穏やかに治まっているところに。

わざわざもめごとを引き起こすこと。

劉禹錫「竹枝詞」

官僚の娘が拉致されてしまいましたが。

瀬戸内海のとある島に地下基地が点在しており。

救難信号が発せられて。

味方がたくさんいる状況下で手柄の取り合いになりました。

詞美。
「誰が最初に救出するかの勝負です。」

璃乃。
「敵はやられ役なんですね。」

瑚々。
「歴史において。」
「伝統と正統があり。」
「敵対者はいつもやられ役でしたし。」
「使い捨てに登場する捨て駒でした。」
「歴史の大局はいつもこの構図です。」

瑠奈。
「漫画では正統派とやられ役と対立しますが。」
「悪役というより敵対者を倒してそれで終了ですからね。」
「世界はそんな簡単な構造ではないのですし。」

珠美。
「世界の事件にハッピーエンドは存在しなかった。」

小霧。
「賢者には半分の語で十分である。」

璃乃。
「この辺りで停車して。」
「市民からの情報提供を頼りに移動しましょう。」

詞美。
「女子高生の制服を複製しておいて良かったです。」
「みんな制服で素敵。」

瑠奈。
「可憐な女の子同士で戯れるのも美しいものです。」

小霧。
「最初の一撃で半ば勝負は決まる。」
「奇襲されないように目標地点に移動するわよ。」

瑚々。
「ひとりの力では達成できませんが。」
「全員の力が合わされば達成できます。」
「課題はそれぞれが力を出し合うことなのです。」

移動中。

住宅地。

島の丘を巡って調べます。

他の味方チームは作業服と村人の服装で。

たまに遭遇します。

架空の会社のネームプレートがついているので。

敵味方の判別が容易です。

通信。

妃良々。
「軍用のレーダーを検知しました。」
「どうやらヘリコプターで逃げるみたいです。」

詞美。
「人質を移動させるんですね。」
「自衛隊が近くにいることも知っているようですし。」

妃良々。
「Mi-8ヒップという型番です。」
「強引に着陸していたようで。」
「現在は燃料補給中。」
「短時間で救出してください。」

通信終了。

急いで偵察。

移動速度は速い。

変なデカールの痛車がありましたが。

このキャンピングカーは味方のものです。

休憩しつつ移動再開。

犬がいたので。

論語を開いて聞かせた。

詞美。
「論語の定番。」
「学びて思わざれば則ち罔し。」
「思いて学ばざれば則ち殆うし。」

柴犬。
「ワン!」

詞美。
「論語を聞かせても何も言わない輩よりは。」
「ワン!という正直な感想の方が偉い。」

小霧。
「春秋の筆法。」

璃乃。
「批判する態度が公正で厳しいこと。」

敵の精鋭部隊であるリガートゥル隊が味方と交戦。

鎖のアクセサリーが特徴で。

強敵です。

近くで戦闘をしているので。

一部がこちらにもやってきました。

敵の精鋭部隊の二番手メルギトゥル隊。

五人組です。

敵は発見が遅れたようで。

走ってすれ違った所を。

一瞬で小霧と璃乃が敵を仕留め。

瑠奈が杖で防御するために前に移動。

珠美が懐に飛び込んで。

詞美と瑚々が敵を燃やして。

たった二十秒で精鋭部隊を撃破。

小霧。
「やってみるまでは何ができるのかわからない。」

詞美。
「敵の精鋭部隊は全滅。」

璃乃。
「正面から戦ったら厳しかったね。」

珠美。
「今回も怪我は無かったわ。」

リガートゥル隊が敗走。

数人と遭遇。

今度はまともな戦いに。

瑠奈。
「私の防御力を過小評価したね?」

リガートゥル隊員。
「なんだ!?手強いぞ!?」

リガートゥル兵。
「逃げた先で敵と遭遇するとは!」

役割分担した連携で。

数人は何も出来ずに。

さらに逃亡を重ねました。

深追い無用。

詞美。
「ということはこの周辺に拠点があるのね。」

瑚々。
「消耗がありますよ。」

璃乃。
「少し体力と魔力が厳しいかな。」
「魔力が減ると体力で補われる。」
「それを続けると体力を一気に失う。」

瑠奈。
「集中狙いされましたが無傷です。」

珠美。
「敵に一撃加えたのに逃げられた。」

小霧。
「私はひとり倒しました。」
「どこまで逃げるんでしょうね。」

詞美。
「奇跡はそれを信じる人に起きるものである。」
「隊長クラスを二組仕留めた。」

小霧。
「体の大きい人は動きがのろい。」

璃乃。
「強敵にストレート勝ちするとか。」
「連携抜群ですね。」

遂に発見した敵の拠点。

既に味方が囲んでいて。

遅れてしまいました。

瑠奈。
「口は閉じておけ目は開けておけ。」

瑚々。
「突入するだけですね。」

小霧。
「よい事はほうっておけ。」

詞美。
「譲歩することがときには成功するための最良の方法になる。」

Mi-8輸送ヘリコプターが離陸。

しかし近くにいたF-35A戦闘機が撃墜。

人質は確認されていないので。

攻撃ヘリとして反撃しようと離陸したらしいのです。

味方が突入して地下壕での戦闘になり。

見事に味方チームが勝利。

人質を救出。

旗が掲げられて勝鬨です。

珠美。
「唯一の戦果は精鋭部隊を皆殺しにしたもの。」

瑚々。
「言わぬ事は聞こえぬ。」
「口に出して言わなければ。」
「人にわかってもらえないという意。」
「あとで知らなかったと言われないように。」
「大切なことは事前に説明しておくべきだということ。」

成功報酬でまたもや大金が入り。

潤いました。

精鋭部隊の隊長を撃破したので。

功績が認められたのです。

主目標は味方に取られましたが。

隠れた戦果。

帰還。

詞美。
「敵も少ない戦力でよくやりますよ。」

瑚々。
「内戦の鎮圧も時間の問題ですけれどね。」

小霧。
「工作員に入り込まれると。」
「扇動者による兵員確保が厄介でしたね。」

詞美。
「まだ依頼は絶えませんし。」
「今の所、怪我もありません。」
「小さいメダルをくれましたが。」
「勲章よりは簡単にくれるものですから。」
「これで十分なのかな。」

小霧。
「一定以上の成果でくれるメダルですからね。」
「功績を形にしてくれるのですから。」
「もう少し手柄を挙げましょうよ。」

詞美。
「最大の富は少しのもので満足することである。」

別の場所。

市街地にて。

妃良々。
「多くの本音が冗談として語られる。」

ゴスロリアイドル翠。
「強姦じゃなくて本気で好きだったの!!」

妃良々。
「美しい女性同士で戯れるのも美しい。」

遊女叶向。
「あれ?腕を組んで歩いています。」
「恋人同士だったんですね。」

妃良々。
「何も知らないのは最良の人生。」

ゴスロリアイドル翠。
「西と言ったら東と悟れ。」
「人の言葉には裏と表があるから。」
「まともに受け取らず言葉の裏まで考えて。」
「本当の心を察しなければいけないということ。」

妃良々。
「お互いが好みの女性なんですよ。」

遊女叶向。
「素敵!性関係も女の子に限るわ。」

妃良々。
「できれば服を着たままで。」

ゴスロリアイドル翠。
「あなたがそれを望むのなら。」

遊女叶向。
「麻の中の蓬。」
「善良な人とつき合えばその人に感化され。」
「特に教育しなくても自然によい人になるということ。」
「荀子。」

年頃の女の子同士でお楽しみ中。

三姉妹。

休暇を貰って討伐に出かけていたので。

戻ると。

いつもの日常に。

崇敬者。
「どうも僕は詰んでいる。」

小霧。
「その現象の正体は。」
「八方塞がり。」
「どの方面でも行き詰って打つ手がないこと。」
「また、人からの援助や信用をなくしていること。」
「陰陽道の占いで。」
「どの方向も不吉なために行動を起こせないことをいう。」

学生。
「勉強と学問は別物だと教わりました。」
「どうすればいいのですか?」

瑚々。
「学ぶ門に書来る。」
「学問に励む人のもとには。」
「自然と書物が集まるものだという意。」
「好きで取り組んでいれば。」
「自ずと道が開けることのたとえ。」

学生。
「了解です、書物を待ってみます。」

弁論家。
「理に勝って非に落ちる。」
「正しい立場を説明して。」
「理屈の上では相手を打ち負かしても。」
「かえって実利的には損をこうむること。」
「理に勝って非に負ける。」

小霧。
「ずるがしこさは家に何ももたらさない。」

弁論家。
「まったくその通り。」

商店街の隅っこ。

詞美。
「焼きすぎは生焼きより悪い。」

珠美。
「私が次世代の魔法使いですか?」

詞美。
「技を覚えよ、それを必要とする時が来るであろうから。」

珠美。
「心理学はかくれているところを見抜く。」

詞美。
「知らぬは幸い。」

宿舎にて。

地域の戦闘員が少なくなったので。

暇になりつつあります。

チーム解散の雰囲気。

しかし周辺地域の味方も移動しましたので。

置いておく司令部。

前線に移動する部隊だけで精一杯なのです。

瑠奈。
「敵って馬鹿ですね。」
「過ちを正当化する者は二重に過つ。」

璃乃。
「計画とか言われても。」
「愚か者は遠い将来の会合の約束をする。」

瑠奈。
「馬鹿が思う通りに鈴は鳴る。」

珠美。
「私は。」
「掻けないところがかゆい。」

妃良々。
「賢明な者は時に考えを改めるが愚か者は決して改めない。」

璃乃。
「市民も黙ってはいません。」
「情報提供は絶えない。」
「無言は同意である。」

瑠奈。
「攻撃する者の力の強さを測定するには。」
「彼がどんな敵を必要としているか。」
「ということが一種の尺度となる。」

妃良々。
「善人はけっして真実を語らない。」
「偽りの場所と偽りの安全とを。」
「善人達は皆に教えていたのだ。」
「皆は、善人達の嘘の中で生まれ。」
「それに匿われていたのだ。」
「一切は善人達によって。」
「徹底的に欺かれて。」
「歪曲されている。」

璃乃。
「善と悪において創造者であろうとする者は。」
「まず破壊者となって。」
「もろもろの価値を砕かざるをえないのだ。」
「それゆえ。」
「最高の悪は最高の善意の一端である。」
「そして最高の善意とは創造的な善意である。」

魔法少女。
「私は話題の新人ですが。」
「強力な女性に混ざるのは。」
「無理かもしれません。」
「てっきり冷淡だと思っていました。」

珠美。
「敵に対しては冷酷に見えるらしい。」
「まったくその通りで。」
「敵対者に対しては感情は無い。」
「戦闘に感情は不用品。」

魔法少女。
「ですよねー。」

瑠奈。
「挨拶を兼ねて面白い話ある?」

魔法少女。
「入水しかけた話。」
「幼い頃に埠頭で釣りに行くことになり。」
「いつも通りに父に連れられてそこで歩き回り。」
「衝動的に海に飛び込みたくなった。」
「海に向かって歩いたものの。」
「手前で体が動かず未遂。」
「思えば。」
「入水しておけば良かったなあ。」

璃乃。
「なにそれ不可解。」

瑠奈。
「よく覚えていたね。」

珠美。
「仮に飛び込んでいたらどうなっていたのかしら?」

魔法少女。
「訳の分からない夢。」
「空は赤くて夕方の風景。」
「荒野で焚火の周りに座っている男子小学生。」
「自分が女児で男子に苦情を言われた。」

瑠奈。
「それは比喩ですね。」

珠美。
「何か遠回しに来た伝言でしょうよ。」

魔法少女。
「生きる事は拒否できる。」

璃乃。
「後天的に覆せ。」

それなりに成績が良好で。

成功報酬を得て。

貯金が増えました。

民兵は仕事が危険ですが。

特殊な兵士なので。

メンバーは負傷したことがないのです。

負傷が少ない珍しい兵科です。

市民の混乱は思ったより少なくて。

一致団結して反乱軍を倒そうと。

結束を逆に強くしました。

敵も予想外の展開に絶句しています。

英語のことわざ。

安心は最大の敵である。


33


旅行に来ていた二人の少女。

連休なので一泊しつつ。

探索していました。

人員が回復して幼い兵員まで動員しなくても。

戦況が維持できるので。

十五歳以下が戦闘に参加しないように呼びかけがあるのです。

美萌沙。
「いろいろ仕留めてお金があるから。」
「好きなもの買おうよ。」

星奈。
「そうなると目移りする品物ばかりですよ。」

美萌沙。
「帰りは大荷物だね。」

星奈。
「的を絞ろう。」

美萌沙。
「そうしないと重量やら時間やらで無理ですし。」

星奈。
「観光と言っても移動に時間が必要ですね。」

美萌沙。
「そろそろ合流できそうなので。」
「二条城に移動しましょうよ。」

星奈。
「自分がどれだけ旅行が嫌いなのかを忘れていました。」

スイス人の女の子ベクルックスと再会します。

ISAFに参加していた魔法少女で。

世界平和に貢献して帰国のち。

旅行をしているのです。

ベクルックス。
「やっほー。」
「ドライバーは確保しているよー。」
「久しぶりだねー。」

美萌沙。
「大好きー!!」

星奈。
「待っていましたー!」

抱きしめて戯れる三人衆。

スイスの女の子ベクルックスは富裕層で。

運転手と一緒に日本を巡っているのです。

運転手は姉の友人なのですけれどね。

姉に貸しがあるので返礼するべく妹に支援しています。

美萌沙。
「京都は良い地域ですよ。」
「まさしく大都会。」
「文明と文化が融合した最高の景色が見れます。」

ベクルックス。
「美しい文化が見たいのなら京都ですよ。」

美萌沙。
「東京も行った事があるのですが。」
「人が無駄に多いだけで綺麗ではなかったです。」
「ランドマークしか見る所が無くて。」
「東京なんて住む所では無いですよ。」
「狭いし人が多いし。」
「窮屈で無駄しかないよ。」

星奈。
「名古屋や大阪のような大都市の方が景観が良いです。」
「東京は無意味に人が集まっていて嫌いでした。」

美萌沙。
「東京はビジネスや大事業をするには必要な場所ですが。」
「産業以外では行くだけ無価値でした。」

星奈。
「京都は文化の都市ですから。」
「文明の東京とは正反対の場所ですよ。」

ベクルックス。
「東京はコンクリートの密林と比喩される。」
「建物と生活だけの場所です。」
「周囲に人が密集していて。」
「新宿は特に潜水艦の内部のようでしたし。」

星奈。
「京都は解放感があって整理整頓されていますし。」
「散歩するだけでも楽しめます。」

美萌沙。
「無理して田舎にいた方が良かったと思います。」
「住むなら中都市圏で足りていて。」
「交通次第で快適ですからね。」

星奈。
「無策で東京に住むとか無謀ですし。」
「無策で入る人は多いと思います。」

ベクルックス。
「なんでしょう?」
「人はかなり違いがありますね。」
「私達からは批判の対象ですが。」
「東京の人は喜んでいますが。」

星奈。
「田舎で喜ぶ私達とは別物なんですよ。」

美萌沙。
「違いがあるというのは楽しいことです。」
「意見や思想の違いも理解していればこそ楽しい。」

ベクルックス。
「みんな同じだからあなたも同じだよね?」
「などと言って良い理由はない。」

星奈。
「なぜみんな同じでなければいけないのか?」
「そうすると答えに窮する。」
「簡単な屁理屈で支配されている世の中は雑草が生えています。」

ベクルックス。
「なぜあの人が?というのは簡単に違いがあるからです。」
「その場合の疑問は能力の違いとは決して言いませんが。」

美萌沙。
「違いが理解できるまでは大人になれないよね。」

ベクルックス。
「違う種類のものを一緒にすると破損しますし。」
「同調によって統治しようと考えるのは専制政治です。」

星奈。
「突っ込み所満載ですが、彼らは本気で信じているんです。」

ベクルックス。
「それでは指摘しているときりがありません。」

星奈。
「道連れにされないように警戒するのですよ。」

美萌沙。
「人を見たら泥棒と思え。」
「用心するに越したことはないのです。」

星奈。
「他人は信用できないものと考え。」
「皆泥棒だと疑ってかかるくらいに用心した方がよいということ。」
「日本のことわざ。」

京都の観光名所を巡ります。

車で行くとすぐなのです。

日本の文化がたくさん見れます。

観光地図を持っていれば楽々。

星奈。
「昔に大地震があったらしいのです。」
「赤子だったので知りません。」

美萌沙。
「大地震があると。」
「自然に打たれた人間は意味不明な挙動をします。」

星奈。
「自然災害で暴かれたのは。」
「人の世は不自然。」

美萌沙。
「人間は不自然な生き物と化しています。」

ベクルックス。
「世界はそういうものですと。」
「見せられるのです。」
「津波が来ても大地が揺れても。」
「それも世界の一面です。」

星奈。
「不自然な人間は理解しないでしょう。」

ベクルックス。
「公正世界仮説は新興宗教と化していますから。」
「理由もなく打たれると戸惑うのですよ。」

美萌沙。
「後から世界を定義した人間ですからね。」
「昔の人々は理解していたのに。」
「現代では自然科学を持っているので。」
「なんでも操作できると信じたいのでしょうね。」

ベクルックス。
「自説が裏切られると取り乱すようですから。」

美萌沙。
「やっぱり現代人は不自然なんですね。」

ベクルックス。
「本当の事を言う必要はありません。」

黄金の寺院を見てから銀色の寺院を見ます。

清水の寺院の市場。

大量に並ぶ売店は豊富でしたね。

忍者のテーマパークに立ち寄りました。

特殊部隊の訓練を受けている三人衆は批判してしまう。

ベクルックス。
「そう言えば私達は強化された女の子で。」
「幼い頃から訓練を受けてきました。」
「なので七歳の頃には戦いに参加できたのです。」

美萌沙。
「少年兵に施す訓練を転用して。」
「女の子を強化するプロジェクトがあって。」
「たまたま参加したら。」
「能力が一定以上で発現する魔法少女になりましたから。」

星奈。
「魔法少女でも再現モデルと疑似モデルがあって。」
「私達は両方のモデルに該当して特殊です。」
「女子小学生の雑談とは思えないとか言われます。」

美萌沙。
「最初に教わったのは力の肯定でしたし。」
「次に教わったのは思慮です。」
「力と思慮の融合が必須と言われました。」

星奈。
「やはり他の女の子とはいろいろ違ったのですね。」
「ギフテッドの女の子を強化したかったようです。」
「時代を先取りした女の子になってしまいました。」

ベクルックス。
「時代を先取りすると俗受けしませんしね。」
「それでも必要な開拓ですよ。」

休憩のために宿屋に入りました。

仲間と連絡していたので。

お客さんが続々と来まして。

大半は同業者ですね。

ホテルで一人きりになった時に。

ゴスロリの女性が入ってきました。

ゴスロリアイドル翠。
「こんにちは。」
「やっぱり素敵!」
「何歳なの?」

美萌沙。
「十二歳のロリです。」

ゴスロリアイドル翠。
「するともう女子中学生になるのね。」
「あなた大人の女性に興味ない?」

美萌沙。
「あります。」

ゴスロリアイドル翠。
「すると大人の女性とお風呂に入ったりしたくない?」

美萌沙。
「したいです。」

ゴスロリアイドル翠。
「そっかー。」
「今日は私の家においで。」

美萌沙。
「みんなで行きますね。」

ゴスロリアイドル翠。
「大人の女性の身体は美しいよ。」

美萌沙。
「色っぽいですね。」

ゴスロリアイドル翠。
「好き?」

美萌沙。
「好きです。」

美萌沙はわざと接近してしまい。

捕まえられて。

抱きしめられた。

そのまま押し倒されて。

長い間キスをされました。

美萌沙。
「ん?」

ゴスロリアイドル翠。
「おいしい。」

美萌沙。
「んんん?」

ゴスロリアイドル翠。
「どうだった?」

美萌沙。
「一度、襲われてみたかったのですが。」
「男性にやられると大変な目に遇いそうですね。」
「美人さんで良かったです。」
「色欲は割に合わない行為であると理解しました。」

ゴスロリアイドル翠。
「キスされたかったの?」

美萌沙。
「体験してみたくて。」
「正気ではない女の人が来たので。」

ゴスロリアイドル翠。
「そっかー。」
「理性的な色欲ですね。」

美萌沙。
「きっとあの娘も喜ぶと思います。」
「戻ってきますからやってあげてください。」

ゴスロリアイドル翠。
「はい?大人の理解を超えている少女ですなあ。」

美萌沙はロビーに移動。

星奈が帰ってきて。

二人きりになる。

いきなり襲って押し倒して。

抱きしめてキスをされる。

星奈。
「わっ!」

ゴスロリアイドル翠。
「どう?」

星奈。
「んんんんん!?」

ゴスロリアイドル翠。
「好き。」

星奈。
「付き合ってください。」

ゴスロリアイドル翠。
「先約があるので。」
「既婚者の暴走だと思ってください。」

星奈。
「ロリを襲うなんて強欲な人ですね。」

ゴスロリアイドル翠。
「そう言いつつ笑顔なのはどうして?」

星奈。
「ミモザちゃんと趣味が同じだからです。」
「さっきやっていましたよね?」
「女の子には好きな人にレイプされたい願望がありますから。」

ゴスロリアイドル翠。
「は?そんな馬鹿な。」

星奈。
「これを体験して色欲は割に合わないって理解できました。」
「ありがとうございます。」

ゴスロリアイドル翠。
「私は捨て駒じゃないよ!」

ゴスロリアイドル逃亡。

ベクルックスがやってきて。

ロビーで仲間と雑談していたのですね。

ベクルックス。
「なにがあったの?」

星奈。
「スイスの人とは価値判断が違うと思いますので。」
「詮索しないほうがいいですよ。」

美萌沙。
「何か大人の女性とお風呂に入る約束をしたので。」
「都市圏なら移動したいです。」

ベクルックス。
「そんなの簡単ですよ。」

星奈。
「よろしくです。」

夜になって。

美人女性の家に訪問。

ゴスロリアイドル翠。
「あんなに強姦したのに好きになってくれるの!?」

星奈。
「えっと?私の長年の願いが叶ったのですが?」

美萌沙。
「一度誰かにされてみたくて、あなたがしてくれた。」

ゴスロリアイドル翠。
「なぜか感謝されてるし。」
「私の彼女も一緒だから。」
「面白いと思うわ。」

脱衣所で成人女性の身体。

女子小学生には刺激が強いけれど。

観察されつつ大きなお風呂に。

お風呂好きなので大型に改装してあるのですね。

美萌沙。
「大人の女性ってそうなるのですね。」

ゴスロリアイドル翠。
「あなた達はまだ成長期だから。」
「ダイエットなんてしないこと。」
「体は子供のサイズと大人のサイズで別物だから。」

星奈。
「意外と筋肉あるんですね。」

ゴスロリアイドル翠。
「それでこそ美しいスリムな身体。」

美萌沙。
「色っぽくてもうダメです。」
「男の人が見ると多分死にます。」

ゴスロリアイドル翠。
「男性は女性の身体を歪曲して。」
「意味不明な造形を想像して。」
「実際にはありえない女性の体を信じている。」
「この通り。」
「男性の体が反転した作りになっているから。」
「女性の裸体は地味で退屈なものよ。」
「生々しいから下着すら見せたくない。」

星奈。
「結婚しているんですか?」

ゴスロリアイドル翠。
「リビングにいる女の子が恋人よ。」
「なぜ結婚しなければいけないの?」

美萌沙。
「なぜ結婚するんですか?」

星奈。
「結婚は義務なんですか?強制なんですか?」

ゴスロリアイドル翠。
「嘘を暴いて壊しまくるわね。」
「利己的な女性は規則を破るので。」
「人の言うことは顧みないわよ。」

美萌沙。
「女性は利他主義という欠陥があるのはどうして?」

ゴスロリアイドル翠。
「気づいていたらもっとマシなことをしてますよ。」

星奈。
「わあ!抱きしめられた!」

ゴスロリアイドル翠。
「まだ子供だから青年の性格をしている。」
「あの野々果という既婚者から教わったのかな。」
「あの人は三十歳を過ぎているから。」
「アリストテレスの言う青年期の性格をしてないの。」

美萌沙。
「青年って本気であんなの信じるんですか?」

ゴスロリアイドル翠。
「信じるんですよ。」
「私は若いけれど。」
「先制発見・先制攻撃・先制撃破を繰り返したから。」
「生き残っている。」
「男性から密輸した技能が大量にあるから。」
「あなた達のような違いのはっきりとした女の子は。」
「世人と関わると公害を受けるわ。」

美萌沙。
「違いを理解しています。」
「写真に撮っていいですか?」

ゴスロリアイドル翠。
「やめろー!」
「地味にアダルト写真を撮るなー!」

お風呂から出る。

着替えて。

トランプで遊びます。

妃良々。
「ロリ好きなんですね。」

美萌沙。
「私はロリです。」
「ロリって無条件で俗受けするから楽勝ですね。」

ゴスロリアイドル翠。
「ロリの発言ではない。」

星奈。
「女子小学生という理由で無条件で好かれます。」
「世の中、甘いもんですね。」

ゴスロリアイドル翠。
「オーバースペック。」

妃良々。
「時代を徹底的に先取りするなあ!!」

トランプで賑やか。

互角の対決を終えてホテルに帰ります。

ベクルックス。
「私は戦士タイプから技能タイプに転向するように言われました。」

星奈。
「私も言われたことがあります。」
「需要が減りましたし。」

ベクルックス。
「敵勢力図が変化して。」
「残党狩りがあるだけですし。」
「敵の抵抗が激しくて。」
「それでも時間の問題ですよ。」

星奈。
「ああ!あわれな私!」

美萌沙。
「どこら辺が?」

星奈。
「女の子みたいな事もあんまりしてないし。」
「戦いばかり考えて。」
「普遍的な女の子とは別物になってしまい。」
「他の女の子の中に混ざれないし。」

ベクルックス。
「別に同類と仲間とだけ関わればいいじゃないですか。」
「それが違いというものです。」

星奈。
「ですよね。」
「最初から違うから当たり前です。」

ベクルックス。
「親切はむだにならない。」

性悪説に向けた資料を出します。

クロームブックを持っていました。

持ち運ぶのが楽なんですよね。

引用句辞典を読めば。

勉強はできなくても学問はできます。

ことわざ。

人を見たら泥棒と思え。

人を見たら泥棒だと思うぐらい。

まず疑ってみるものであり。

軽々しく人を信用するものではない。

人とつき合うときは用心せよということ。


34


旅にスイス人の姉妹が加わりました。

二度目の日本観光で。

前回は権力者の所を拠点に旅行をしたそうです。

今回は三姉妹の所に滞在する予定で。

既に連絡を取っていて。

女性同士の連携が見事ですね。

宿泊中の女の子二人組に訪問。

ベクルックス。
「親戚の姉妹です。」

アルフェッカ。
「美人女性です、よろしく。」

ベネトナシュ。
「超人です、よろしく。」

美萌沙。
「色っぽい女の人ですね。」

星奈。
「まさしく大人の女性の典型。」

アルフェッカ。
「こんなに素敵な女の子が戦っていたの?」
「お姉さんも戦えるけれど。」
「生き残れて良かったね。」

ベネトナシュ。
「美少女が戦死したら死ぬのが早過ぎるのです。」
「もっとも、とある者にとっては死ぬのが遅過ぎるのですが。」

アルフェッカ。
「戦場のアイドルですかあ。」
「舞台が戦場とは主役でしょうか?」

ベクルックス。
「私も戦っていたけれど。」
「他所の女の子が好きなんですね。」

アルフェッカ。
「美しい女性を目の前で見ていると。」
「わからなくなります。」

ベネトナシュ。
「それで他の美しい女性を見て。」
「目の前の美しい女の子を再発見するのです。」

美萌沙。
「再評価するなんて哲人なんですね。」

星奈。
「身内や自分の都市の人間は再評価しませんし。」

アルフェッカ。
「再評価して再出現した女の子がこの人です。」

ベクルックス。
「天然なんですよ。」
「難しい性格ですよ。」

美萌沙。
「そんなに美人の親戚がいるなんて。」
「模倣には困りませんね。」

星奈。
「しかも国家公認の実力を持っているのですし。」

ベクルックス。
「アリストテレス曰く。」
「不当な不幸が実在します。」
「その不幸は不当なので文句が出て当たり前です。」
「誰の許可も得ずに一方的に不当な目に遭う。」
「自分勝手な制裁が生み出したもの。」

星奈。
「弁論術と倫理学にありましたね。」

ベクルックス。
「反対に不当な好運というものがあります。」
「不当なほど膨大な利益を得るのです。」
「失うのではないかといつも憂いています。」
「魔法少女も最初から不当な好運のように発現して。」
「やたらと強力でしたが。」
「現代は使いこなして。」
「私は考えを改めたので。」
「粗削りですが同世代最高とか言われるほどになりました。」

美萌沙。
「力量が一定以上で発現するのに。」
「条件なしで使える能力とか言いましたね。」

ベクルックス。
「自分にも手に負えない力でしたが。」
「制御された力は私のものになりました。」
「自分でも分からない魔法が使えたりもします。」

美萌沙。
「不当な好運にも苦しむものなんですね。」

ベクルックス。
「不当な不幸よりも不当な好運の方がマシですね。」
「苦しみは同じでしょうけれど。」

星奈。
「苦しみは不当な不幸の倍なんですね。」
「悪いものの反対を一方的に受けるのですから。」

ベクルックス。
「型破りとかラディカルとかけっこう言われました。」
「試合では何もしなくても相手が撃破判定になったりとか。」
「敵が勝手に倒れるとかありまして。」
「使いこなせないのに人間のレベルを超えているのです。」

ベネトナシュ。
「私達の家系の特徴なんです。」
「代々、不思議な力が宿っていて。」
「強力化する場合も稀にあります。」

アルフェッカ。
「そこまで強大になる事例は無かったのですが。」

星奈。
「食らうなら不当な好運を選びたいものです。」

ベクルックス。
「不当な不幸はそれとは反転したもので。」
「悪いものを一方的に食らいますよ。」
「裁判なしで終身刑になるようなものらしいです。」

ベネトナシュ。
「不当な不幸はあらゆる不正のターゲットにされるようです。」
「その人の価値や良い影響力も関係なしに。」
「妬みや貶めて他人が優越感に浸るためとか。」
「誰かの自己満足などを目的に人工の不幸を浴びせられるようです。」

ベクルックス。
「不当な好運は煩わしいくらいうまく行き過ぎて。」
「後退できませんし。」
「未だ半分くらいしかものにできていません。」
「消えるまでは自分の意志を無視して。」
「暴走気味になるでしょうね。」

美萌沙。
「上手に私物化できると良いですね。」

星奈。
「勝手に貰った財宝を私物化しようよ。」

ベクルックス。
「え?その発想は無かったです!」

美萌沙。
「穏やかなだけだと戦えませんし。」

ベクルックス。
「育ちが良いのですね。」

星奈。
「そんな人はたまに見ますよ。」
「育ちが良いと大人しくなるので。」
「荒々しい側面を持たなくなって弱体化しますし。」

アルフェッカ。
「容姿は女の子で内面は男の子!」

ベネトナシュ。
「個人の好きになれば良いのです。」

ベクルックス。
「個人主義から言いますと。」
「自分勝手で何がいけないの?」

美萌沙。
「意見は違いが出るのが前提ですから。」
「他人に言われたから考えを変えるなんて馬鹿です。」
「考えは自分から変えるもので。」
「他人に言われて変えるのは個人主義ではありません。」

星奈。
「ある日突然、裏切りを宣言した女性の展開は。」
「反対者で溢れるという状況を生みますが。」
「裏切者を説得しても無意味ですよ。」

美萌沙。
「いきなり裏切りを選択した女性は。」
「利己的になりますし。」
「反対者は敵対者と同一視されます。」
「他人に意見の強要はできません。」

ベネトナシュ。
「人と人との違いを喜ぶ姿勢が好まれるでしょう。」
「全体主義は時代から嫌われています。」
「時運に恵まれない全体主義をこれ以上使用できませんしね。」

アルフェッカ。
「現代はリベラリズムに時運が向いています。」
「個人の自由を奪おうとすれば社会の公害になりますよ。」

ベネトナシュ。
「可能な限り外部の影響を少なくしないと。」
「外的要因は攻撃の一種なので。」
「アンチのストーカーは倒しておくべきです。」

ベクルックス。
「女性が弱者になったのは男性が怠けていた結果です。」
「男性が非力なので女性も解放してやれないという。」
「紳士や好漢が必死にやっても。」
「俗人が妨害するので。」
「数でも勝てなかったのです。」

美萌沙。
「全体の事を考える道理は無いのですし。」
「共同体の事を考えないような悪党は危険なだけです。」

星奈。
「私は誹謗中傷をするような悪党にはなれません。」
「悪口で他人を罵るような悪逆非道には決してなれません。」

美萌沙。
「誹謗中傷をするような殺人鬼なんて私には無理です。」
「そういうのは犯罪者の思考なのですから。」

星奈。
「代わりに風刺はやりますが。」
「目的論ですので。」
「原因があってやる訳では無いのです。」

ベネトナシュ。
「目的論は調和しますからね。」

美萌沙。
「英語のことわざ。」
「憎むのはその罪であり、その人ではない。」
「日本のことわざ。」
「罪を憎んで人を憎まず。」
「これは自分が出来ても他人には期待できません。」
「罪とその人を同一視してしまい。」
「罪とその人を別々に考えません。」

星奈。
「神様は別々に捉えますが。」
「人間にはまず不可能な考え方です。」
「罪があるからその人も憎む。」
「罪だけを責めたりはできませんし。」
「ことわざを実践できる人間なんて見た試しは無いです。」

アルフェッカ。
「それが不可能ならば他人の制裁に対しては自分勝手になりましょう。」
「可能なのは良い裁判官だけで。」
「それ以外には期待できません。」

ベクルックス。
「罪とその人を一緒にして裁きますし。」
「本来は別々のものなのですし。」
「罪とその人が別々のものなのに。」
「同一のものとしてその人も憎んだら。」
「俗人や他人に慈悲なんて要りませんね。」

アルフェッカ。
「罪とその人を別々に切り離すのは良い裁判官しか出来ないでしょう。」
「それ以外には不可能なんですよ。」
「本来は人間には不可能な教えなんです。」

ベネトナシュ。
「神様は明らかに罪とその人を別々に捉えています。」
「ではないと赦しはありえないのですし。」
「英語のことわざ。」
「罪を非難して人を非難するな。」

美萌沙。
「少なくとも私はそれを実践しましょう。」
「他人はできないのですから。」
「私だけは頑張ります。」

星奈。
「悪者は自説に固執するでしょうけれど。」
「私達だけは頑張るつもりです。」

ベクルックス。
「散々言われたのに改めなかった人間ですからね。」

美萌沙。
「そこまでの良心は人間には無いのですよ。」

北野天満宮に移動。

スイス人三人娘に。

宗教が異なるからと。

礼儀としてお賽銭を多く入れて。

形式的に礼だけをするように勧めました。

スイス人三人娘は五百円を数枚入れてお辞儀。

建築物や装飾を写真に収めて。

京都国際マンガミュージアムに移動。

舞子さんを見に行ったり。

木刀が売っていたので公園で練習試合。

アルフェッカ。
「日本刀は片刃という弱点があります。」
「取り回しが悪いのです。」

ベネトナシュ。
「剣道では相手の射程で構えていますが。」
「ドイツ剣術では相手の射程外で構えます。」

ベクルックス。
「武器を直接攻撃してスタンさせるのが基本ですね。」

アルフェッカ。
「格闘技と同じく動きが読まれると敗北あるのみです。」

ベネトナシュ。
「ちなみに正面から構えていますが。」
「既に勝敗が決まっています。」

木刀で踏み込むと。

横にかわされて。

木刀を奪い取られて一瞬の動作です。

次の試合では側面に回り込まれて。

一方的に攻撃が当たりました。

これでも手加減しているのです。

これでもお遊びの範囲。

美萌沙。
「剣術ってストレートに強いんですね。」

星奈。
「棒術しか習ってないから斬新でした。」

ベクルックス。
「打ち合いをしない戦術ですので。」
「得意な展開に持っていくのですよ。」
「こちらから攻めないのです。」
「防御重視の型を使っていて。」
「お姉さんはよく試合で勝っているのですよ。」
「竹刀は大きな棒ですが。」
「この木刀は重くて打刀とよく似ています。」
「型にこだわると動きが読まれますので。」
「型にハマった優等生なんてものを避ければ大抵勝てます。」

アルフェッカ。
「格闘技ですと接近戦で。」
「大振りのパンチしか使えなかったりして読まれる。」
「要するに戦術が歩兵にもあるんですよ。」
「軍隊徒手格闘も同じように。」

ベネトナシュ。
「武器を持って動き回るのは可能なので。」
「動きを止めずに。」
「武器での打ち合いを制するのです。」

美萌沙。
「どう思う?」

星奈。
「桁違いの女性だと思います。」

ベクルックス。
「お姉さんは暴漢を実際に倒したことがあるので。」
「実戦を知っているのです。」

星奈。
「同類なんですね。」

ベネトナシュ。
「武器は何を使っていたの?」

美萌沙。
「ステッキで安い鉛を使った超小型滑降砲。」

アルフェッカ。
「それとリフレクターで弾丸を弾いて。」
「限定された技能に特化して戦えたんですね。」
「よく出来ている訓練です。」

ベネトナシュ。
「戦闘も多様性ですからね。」
「世界基準の剣術と格闘技を学んでね。」

星奈。
「手加減して木刀が折れるんですね。」

アルフェッカ。
「日本にはゴミ箱はないのでしょうか?」

駅前のおしゃれな商店街を散歩することに。

運転手は喫茶店に移動。

斬新な景観に目を奪われて夢中。

姉妹がはしゃいで振り回されてしまい。

時刻を忘れて。

予定の時間になって仲間が到着。

瑚々。
「こちらから来たよ。」

ベネトナシュ。
「嬉しい!今夢中でくたびれたの。」

アルフェッカ。
「荷物が多くて。」
「少し重かった。」

瑚々。
「あーと。」
「買ったものは大荷物なら。」
「スイスに輸送する手配をするから。」
「遠慮せずに。」

星奈。
「私達の荷物は?」

瑚々。
「お望みなら。」

美萌沙。
「おしゃれな工芸品を買いたい放題ですね。」

姉妹と別れました。

今日はこのまま新幹線で帰ります。

正午なので余裕ですね。

友人とはここでお別れ。

ベクルックス。
「またの機会に!」

星奈。
「笑って肥えろ。」

美萌沙。
「結婚して。」

ベクルックス。
「またの機会に!!」

解散。

新幹線の中で資料を読んでいます。

学校では高いEQを示しているので。

飛び級制度があればそうなっているとのこと。

勉強と学問は別々ですから。

どちらも好調なのはその世代で目立っていますね。

研究機関の課題は多いので。

フリースクールに移動するかもしれません。

女子中学生と女子高生で訓練を受けている生徒が稀なのは。

後々の行動の自由を制限しないためらしいです。

スイスに留学しようと準備している二人組なのですが。

物事が進まずに憂いています。

英語のことわざ。

よどんだ水たまりには汚物がたまる。

物事がとどこおると人心が腐敗する。


35


スイス人の姉妹が客人として来ました。

今回は西側を探索するようで。

前回は東側を探索したそうです。

アルフェッカ。
「美しい女性です、よろしくね。」

ベネトナシュ。
「優秀で最高の女性です、よろしくね。」

詞美。
「究極の女性陣です、よろしくね。」
「屋根裏部屋と地下室のいずれかをお好きに。」

瑚々。
「とっても美形。」

アルフェッカ。
「私から見ればあなたも美形よ。」

小霧。
「時代は国際社会なんですね。」

ベネトナシュ。
「世界クラスの女性とか魅力的じゃない?」

詞美。
「外国人女性も素敵ですね。」
「しかも世界クラスに合わせる女性は隅に置けない。」

小霧。
「多様性というものは予測を超えていました。」

瑚々。
「容姿も伝統世襲なんですかね。」

アルフェッカ。
「それで、スイスの景色をCD-RWに保存したので。」
「贈り物。」

詞美。
「行動を見れば人の考えがわかるとよく出てきますが。」
「まったくもって素晴らしい。」

小霧。
「スイスの文化も知りたいな。」

ベネトナシュ。
「お望みならば資料くらいは持ってきています。」

瑚々。
「並の女性ではないね。」

詞美。
「何気に日本よりスイスの方が治安が良いんですよ。」
「私はなぜかスイスの地形に詳しくて。」
「土地勘があるのですが。」

ベネトナシュ。
「スイスは土地が綺麗な造形で。」
「把握しやすいからかな。」

アルフェッカ。
「芸術作品みたいな大地だからかな。」

瑚々。
「他の国とは違って特殊なのかな。」

ベネトナシュ。
「日本は神の国として知られていて。」
「地形も富んでいますよ。」

アルフェッカ。
「人口密度が凄まじいのですが。」
「東京という巨大都市も目が回りました。」

詞美。
「海外から日本を見ると視点が違うので。」
「斬新な情報も出るみたいですね。」

ベネトナシュ。
「海外の猛者相手に勝てるのか。」
「という問いかけをよくします。」

小霧。
「狭い世界で威張っている訳には行かないのですからね。」

アルフェッカ。
「アリストテレスという巨大な権威を出しただけでも。」
「外国人は怯みますよね。」

ベネトナシュ。
「その巨大な権威の一部だったら。」
「相手はさらに勝ち目が無いでしょう。」

瑚々。
「国内の賞状や名声なんて世界では通じないかもしれません。」
「アリストテレスという巨大な権威を出せば。」
「自国の文学や勉強なんて雑魚同然です。」

アルフェッカ。
「自国の図書館はもっと富んでいます。」

ベネトナシュ。
「死角になっていますが。」
「図書館を覗くと超級の蔵書が大量にありますよ。」

詞美。
「外国の文字は読めないかもしれない。」
「しかし煽られると興味は出ます。」

アルフェッカ。
「聖書も英語版と日本語版で違いましたし。」
「ギリシャ訳とラテン語訳ではもっと違います。」

ベネトナシュ。
「歴史において教会批判は禁止されていましたし。」
「政治と宗教は一体化していたのが欧州の歴史です。」
「自由に物が言えるようになると。」
「自由に冒涜も出来るようですから。」

小霧。
「インターネットで惨い書き込みがあると思いますが。」
「あれはAIが書いたものですので。」
「日本社会は問題ありません。」
「むしろ出来損ないのAIが大量に稼働しているので。」
「もう少しでAI技術は完成します。」

ベネトナシュ。
「あれってAIが書き込んだの!?」
「まだ技術的に未熟なんですね!」
「今は幼稚なレベルみたいですが。」
「優秀なAIがけっこういましたので。」
「インターネットをAIの試験場にしているとは知りませんでした。」

アルフェッカ。
「テクノロジー大国と言われるだけありますね。」
「AIが民間で何処にでも使われているなんて。」

小霧。
「人間よりも天才が作ったAIの方が優秀なので。」
「一獲千金を狙って参入しているのですよ。」

ベネトナシュ。
「ああ!自然科学も神様が与えしもの。」
「人間の理解など超えていく。」

アルフェッカ。
「ヨブ記のように人に理解はできないもの。」

詞美。
「人の理解を超えたものは。」
「理解できなくて当然。」
「人の理解を超えたものは。」
「自分も理解できないので。」
「どうせ理解できないものと。」
「開き直る。」
「どうせ理解できないので。」
「理解しようと頑張っても無理がある。」

瑚々。
「不思議な感覚が毎回あります。」
「唯物論者は否定したがりますが。」
「自然法則を超えたものもあるのです。」

小霧。
「有神論者と無神論者が論争すると。」
「決着がつきません。」
「無意味です。」

ベネトナシュ。
「それは無限に繰り返されると定番ですよね。」
「神学論争は終点が存在しない。」

アルフェッカ。
「口論が無限に続くだけで無駄ですし。」
「争いが好きなら別にいいと思いますけれどね。」

雑談して意見交換。

多様性の意見は貴重。

どうやら細かい所は無視して。

相性は良いみたいです。

客間に移動するスイス人姉妹。

珠美がやってくる。

詞美。
「私に助言を求めているのですね。」

珠美。
「巡礼をしていますが不足があるでしょうか。」

詞美。
「灯台下暗し。」
「お宮の情報は独学ですから。」

珠美。
「最近はどこにでも行っています。」

詞美。
「お宮に総計百回参拝すると。」
「覆せない証拠になり。」
「行動で示したので。」
「可能な限り短期間で参拝した回数と。」
「その内容で本物か判別されます。」

珠美。
「自分の選択で行動で示すと。」
「百回も神様を選んだ事になりますからね。」

詞美。
「二百回も参拝すると。」
「神様がどう見ても本物であると。」
「認定してくれるようで。」
「自分もかなり慣れてしまって。」
「不思議と思えなくなりますし。」
「神々とのやり取りも理解して。」
「無理な頼み事や苦情は言わなくなり。」
「可能な限り合わせるようになるばかりか。」
「何かしらの手は打ってくれるのです。」

珠美。
「私は神々が自分の秘密を何か知っているのではないかと。」
「ですのでそれを知りたかったりします。」

詞美。
「まだ教化されていないのかも。」
「年中参拝を繰り返さないと証拠にはならず。」
「むしろ偽物ではと疑われるかもしれませんし。」
「本物と認められるには。」
「百回は参拝して慣れるのが大切です。」

珠美。
「ということは時間が必要なんですね。」

詞美。
「慣れると参拝が簡単になるのですし。」
「自分の事はすべて伝えないと。」
「何が待ち受けているのかわからないのですし。」
「厚過ぎるくらいの信心が必要です。」
「行動で意地でも選んだ証明なのですし。」
「足跡は神様が知っていて。」
「その程度の努力も無理なら祈りは通じないでしょう。」

珠美。
「なるほど、自分の事はすべて伝える。」
「実行します。」

立ち去る。

最近は師弟関係。

スイス人姉妹がお散歩をしたいと。

瑚々と出かけました。

小霧は出勤。

詞美は定休日です。

アルフェッカ。
「集会所を見つけました。」
「老人が何か遊んでいます。」

瑚々。
「老人に対して放った言葉です。」
「とある老人がもう年だからと言いました。」
「大丈夫です。」
「私も六十年で同じになりますから。」
「爆笑でした。」

ベネトナシュ。
「なるほど、では六十年後の支度をしないとです。」

瑚々。
「老人憩いの場を見る度に。」
「未来の自分を見ているような気分になります。」
「男性なら髭と杖でモーゼごっこが可能ですが。」
「女性は何をしたら良いのですかね。」
「仮面と月桂冠は必要になるでしょうし。」
「思い切って。」
「老将とかはどうでしょうか。」
「大人しく悪役をするべきでしょうか。」
「でも自分が老齢まで生きている気配はしませんが。」
「どうせ中年になるのなら変わった存在が良いと思います。」

アルフェッカ。
「平凡な老人にとって人生は喜劇なのです。」
「自分は喜劇の中でもがいている人物であった。」
「それを理解してしまう。」

ベネトナシュ。
「私の母親も生涯を振り返ると喜劇だったらしいです。」

瑚々。
「ん?母親って価値あるの?」

ベネトナシュ。
「人によるのでは?」

アルフェッカ。
「選択の余地もなくて母親になる人は?」

瑚々。
「戦って防げば?」

アルフェッカ。
「母親?」
「ハムスターに対して辛く当たった事多数で。」
「飼育が面倒臭くて最後のハムスターから。」
「それ以来飼っていません。」
「そんな私が子供なんて育てられますか?」

ベネトナシュ。
「ペットもまともに飼育できないのに。」
「子供なんて無理を超過していますね。」
「害するだけですよ。」

瑚々。
「子供が嫌いで譲り受けるなんて行為はしません。」
「嫌いなのに譲り受けるのは矛盾していますよ。」
「それ育てる気あるの?ってね。」
「人には理性があるんだから。」
「感情論で説明できないこともあるんですよ。」

アルフェッカ。
「結婚しないからという理屈で。」
「攻撃してきた男もいましたし。」
「強姦野郎を滅茶苦茶にしてやっても怒られない。」
「相手は被害を訴えられない場合もありますし。」
「強姦野郎を好きなだけ痛めつけてから。」
「警察に突き出すのが最高の瞬間ですよ。」
「負けて悔しい?ねぇ?とか。」
「そこまでやる理由は憎悪。」
「育てた怨恨は冷酷な人物ですら絶句するはず。」

瑚々。
「育てた憎悪は何でも踏み倒す。」
「ニーチェ先生は憎しみを育てよと書き記した。」

アルフェッカ。
「その通りに実行して憎しみが育っています。」

ベネトナシュ。
「そもそも嘘は暴いて破壊します。」
「母親になるのが無価値ならその構図を壊す。」
「その条件である恋を防げば楽々回避。」

瑚々。
「なんていうニヒリスト。」
「好きなだけ破壊しましょう。」

ベネトナシュ。
「論破すると実行力が生じます。」


瑠奈。
「論破?」
「それってあんまり役に立っていない気がするんですが。」

アルフェッカ。
「他人を押しのける手段のひとつです。」


瑚々。
「他人は私ほど寛大ではありませんよ。」


璃乃。
「ブルータスよ、お前もか。」

瑠奈。
「なぜ子供を作らないのか?」
「子供が好きだから?」

瑚々。
「人に配慮しての事ですか。」
「素晴らしい倫理だと思います。」

璃乃。
「親に似る子供。」
「愚かな所も親譲り。」

瑠奈。
「子供が親に似るのですと?」
「馬鹿も遺伝なのですか?」

璃乃。
「EQが親譲り?」
「馬鹿な、再計算を要求する。」

後ろから加わった二人組。

配置されているだけで暇になって。

この地域が担当で。

メンバーを解散しようか考えているようです。

採算が合わなくなりますからね。

瑠奈。
「最新の日本人特有の考え方について配信しようと思います。」

瑚々。
「気をつけて物を言いたまえ。」
「我々は日本人なのですよ。」

瑠奈。
「ご心配なく、ゆっくり説明してあげますから。」

ベネトナシュ。
「それでその特有の考え方とは?」

瑠奈。
「無政府状態になったら。」
「法律は無視して可。」

アルフェッカ。
「客観的に言いましょう。」

瑠奈。
「よかろう。」
「物事には四の見解がある。」
「私の見解。」
「そちらの見解。」
「正しい見解。」
「国際社会の見解です。」

アルフェッカ。
「ブルータスよ、お前もか。」

瑠奈。
「電球を取り換えるのに何人必要ですか?」

璃乃。
「素材から製造から販売までのすべての人。」

ベネトナシュ。
「ひとりで済むじゃないですか。」

女性しかいない状況で雑談で盛り上がる。

男性の要素を取り入れた男心の豊富な女性は。

真なる女性に接近しています。

反対に女心を取り入れない男性は退廃している。

商店街に移動して。

観光よりも商品に興味があるスイス人姉妹。

親切に案内されて喜びます。

英語のことわざ。

女三人寄れば市をなす。


36


夕方のニュース。

戦場カメラマンによる。

ドローン空撮。

最前線。

主役級の兵士が大活躍。

このイケメンソルジャーは色男で。

スター兵士で勲章を貰っている。

内戦の主人公で名高い好漢。

元警察官の傭兵が敵の統率者に接近し。

仕留めようとしています。

数十人との銃撃戦を制して遮蔽物地帯にて。

イケメンソルジャー。
「唯一の良い兄弟とは死んだ兄です。」

統率者。
「Mr.Rまだ生きていましたか。」

イケメンソルジャー。
「観客が席を立つ前に退場するべきだ。」

統率者。
「命拾いしたと勘違いしているのなら。」
「教えてやる。」
「私の右腕が活躍する予定でね。」

イケメンソルジャー。
「あなたの右腕はそこにありますが。」

相棒。
「ロケットパンチでもするんですかね。」

統率者。
「軽口を叩きやがって!!」

ライトマシンガンを撃ちまくって。

残党も加わります。

アメリカ人のガンマンが乱入。

特徴的な帽子と西部劇の衣装で。

かっこよく登場して。

マグナム銃を当てまくる。

素早い動きで薙ぎ倒される敵軍団。

敵将。
「あのアメリカ人。」
「西部劇みたいな雰囲気だが。」
「本物だぞ。」
「ひとりに相当やられているぞ。」

味方の雑兵が裏手で交戦中。

敵兵。
「雑魚キモイ!」

雑兵。
「メガネずれた!」

敵兵。
「腰痛てぇ!」

陸上自衛隊。
「持ってけ!違う違う違う!」

サイエンティスト。
「私の戦闘力は・・・IQ160です。」

エンジニア。
「戦闘力160ですか・・・低いです。」

敵将。
「下級戦士は1500あるのに?」

サイエンティスト。
「むぅ!?IQではダメですか。」

目と鼻の先で複数の戦闘が発生しているのに。

呑気な敵の支援部隊。

指導者が脱出を試みます。

イケメンソルジャー。
「世界はひとりの力で動かないので。」
「心配しないでくださいね。」

指導者。
「あと、面白い兵器を用意していますので。」
「まだ我々は戦えますよ。」

イケメンソルジャー。
「退屈せずに済みそうですね。」

指導者。
「生きていればまた会いましょう。」

逃げ出す敵兵達。

遠くまで駆け足で逃亡。

囲まれているので戦いながら離脱。

逃げた先で。

昼寝をしている釣り人に暴力主義者が押しかけて。

暴力主義者。
「向こうの島まで運んでくれないか。」
「頼むよ。」

釣り人。
「嫌だよ、お前は用済みになったおいらを消すんだろう?」

暴力主義者。
「そんな馬鹿なことを!」
「撃ったらお前は死ぬが。」
「俺は船の操作を知らないから。」
「俺も相手に殺されるだろう。」

釣り人。
「まあそうだな、お金をよこしな。」

モーターボートで島に渡ろうとしましたが。

いきなり暴力主義者が釣り人を撃ちました。

釣り人。
「なぜこんなことをする!」

暴力主義者。
「ここは日本だぜ?」

ドローンが撃墜されて放送終了。

戦場カメラマンも活躍しています。

スター兵士は複数いるので。

主人公はテレビの中にいて。

毎回、激戦を潜り抜けているのです。

アルフェッカ。
「日本では激戦なんですね。」
「中国では泥沼の戦いらしいですし。」
「アメリカではヒロイズムの象徴になっているとか。」

ベネトナシュ。
「イギリスではアーサー王の部下みたいな扱いですし。」
「貴族に好まれて召し抱えられるのが大半ですね。」

詞美。
「魔法使いも伝統のある存在ですから。」
「まったくの偶然ではないのです。」

瑚々。
「神話にも魔法使いは登場しますからね。」
「現代になって不思議な操作で再現されたのです。」
「あそこは本屋です。」

ベネトナシュ。
「日本の本屋さんは何があるんでしょうか。」

アルフェッカ。
「あれれ?」
「成人誌って子供向けに解放されたんですね。」

詞美。
「誤って印刷した本が並んでいますが。」
「彼らは間違いに気づいていません。」
「笑ってやってください。」

ベネトナシュ。
「なぜ日本人は同調しやすいの?」

詞美。
「民間人と司法との法律が異なるからです。」

アルフェッカ。
「娯楽重視の読み物しかないよ。」

瑚々。
「労働者階級の供給過剰で。」
「知識人が不足しています。」
「不可抗力ですので責めないでくださいね。」

アルフェッカ。
「労働者階級が多過ぎて不具合があるんですね。」

ベネトナシュ。
「大量生産の弊害。」

詞美。
「私を理解する最低スペックはCOREi7-4700MQです。」

瑚々。
「いつも私のためにIntel・COREi7-4700MQをお買い求め頂いて。」
「手間をかけてしまい。」
「ハイスペックが当たり前になることを望みます。」

アルフェッカ。
「もっとも雄弁な自国民は?」

詞美。
「両手に鈍器を持っている自国民。」

ベネトナシュ。
「最高の日本人男性とは?」

瑚々。
「頭が平均的に良い日本人男性。」

アルフェッカ。
「日本人とアメリカ人の違いは?」

瑚々。
「日本人は拳銃以外の全てで他人を傷つけて。」
「アメリカ人は拳銃でしか他人を傷つけない。」
「という違いしかない。」

ベネトナシュ。
「他人にして貰った助け合いで良かったものは?」

詞美。
「一万円札をくれた助け合い。」

アルフェッカ。
「言われているほどの国家じゃないんですね。」

瑚々。
「日本人はいつ頃からか退廃してしまって。」
「親切な人だけでは構成されていません。」
「陰湿なので外国人には注意喚起をしています。」

ベネトナシュ。
「人の道と悪の道とがありますが。」
「どちらを行くのに違いがありましたか?」

瑚々。
「何の違いはなかったね、私には。」

アルフェッカ。
「私の国ではパーティーでみんな相棒がいないと嘆いていますが。」
「人間の相棒なんて見つかりませんよ。」
「全員が同類を見つけて組んでいます。」

ベネトナシュ。
「ブルータスよ、お前もか。」

日本の文化のある場所を巡ります。

スイス人姉妹は資料を作成。

スイスの観光案内に送るそうで。

はしゃいで。

瑚々が皆を乗せて。

自動車で走り回ります。

散歩の次は日本文化を楽しむ京都ドライブなのです。

ドライブを続けて料理店に入り。

スイス人姉妹は次に適当な散策をするようで。

ここで散開。

夜間には帰ってきて二日目。

明日の朝には帰国するのですが。

コンピューターのエンジニアなので。

国内生産工場と子会社を視察してから。

飛行機に乗るようですね。

スイスを経由して魔法少女を登録してくれるので。

同類なんですよ。

内戦も下火になって。

英語のことわざ通り。

神様のひき臼はゆっくりだが確実に粉をひく。

力量が一定以上の女性達は世界クラスで生きています。

女性が好きな女性は好意を抱きやすく。

連携抜群。

最近の戦況は自衛隊と。

主人公を名乗るスター兵士に取られているので。

そろそろ現役引退かもしれません。

英語のことわざ。

天罰はゆっくりと、だが確実に来る。


37


村長が支配する自治区。

村長が呪術を使って村を支配し。

通報があって駆け付けた自衛隊。

村長は徒党を組んで市町村を乗っ取り。

工作員と繋がっていたのです。

設定された戦域に入る。

隠れて車から展開。

佐保。
「お姉さんは遠くで見ていますね。」

久々利。
「お姉ちゃん、もう少し接近しなさいよ。」

咲耶。
「妹に手本を見せたらどうですか?」

佐保。
「姉だから特別な役割がある訳では無いので。」

咲耶。
「では私も同じですね。」

久々利。
「では私はもっと遠くから観察するわ。」

ベクルックス。
「現地まで来て研究員の役割ですら。」
「敵との交戦が前提なんですね。」

双葉。
「ちょっと話、聞かせて。」
「魔法使いを研究する魔法少女さん。」

妃菜。
「スキルタイプの魔法使いを初めて見たんですけど。」
「何か知っているはずなんですけど。」

ベクルックス。
「作戦を立案してくれたので。」
「地域に侵入する前に。」
「簡潔な講義もありかと。」

久々利。
「善悪二元論。」
「敵勢力はすべて。」
「彼らは世の中の罪を体現するだけの存在。」
「世の罪を代弁して災害を加える。」
「単なる生贄。」

咲耶。
「私達ではなくて世の中に罪がある。」
「世の罰はそうした彼らが加える。」
「世人と分離した人々はやがて知る。」
「自分ではなくて世の中の罪が行っていると。」
「世の中に罪があると知ってしまう。」
「そして世の罰を逃れようと自衛に迫られる。」

佐保。
「世人は世の中の罪を実行しているに過ぎず。」
「世の中と同化している者は世の罪を。」
「代弁する捨て駒に過ぎない。」

久々利。
「世の中に罪があり。」
「自分の存在は水の流れのように。」
「地形沿いを流れた先に行き着いたもの。」

咲耶。
「つまりは世の中の罪を明らかにするために。」
「力を持った魔法使いが再現されて。」
「この世の中の罪を暴露させた。」
「決して見過ごす訳には行かないので。」
「選ばれた男女が力を持ったのです。」

久々利。
「そして選ばれた男女が世の中の罪を。」
「証明することになった。」
「そのくらいの力を持たないと存在できない。」
「逆説的に言えば。」
「世の中の罪を処罰するために。」
「対抗する形で出現したのです。」

佐保。
「ですから。」
「これから二派に分離して。」
「ひとつは災害になるでしょうし。」
「ひとつはこの世の罪に制裁を加えるために。」
「猛威を振るう。」
「おおよそ世人には脅威になる力ですが。」
「世の中と一体化していない者達にとっては。」
「この上ない最強の味方ですから。」
「スポンサー様は無条件で仲間に入れるのです。」

咲耶。
「そして自分が悪いのではなく。」
「世の中の罪のせいで自分が跳ね飛ばされた。」
「だからこそ悪しき世界に対抗するために。」
「受け継がれていた魔術が公に開放されたのです。」

久々利。
「そして敵勢力は結果論で。」
「世の中の罰を実行したのに過ぎません。」
「彼らは生贄であって。」
「世の中の罪を表現し。」
「世の中を断罪した集団なのです。」
「最初から負けるとわかっていながら。」
「辞められないのは。」
「世の中と一体化して一部分になっているから。」

咲耶。
「技能タイプの魔法使いの中では。」
「他人に力の一部を分け与える事も可能なのです。」
「それによって力量が向上した者達は。」
「通常の方法では撃破できない戦力になる。」
「民間人の被害を見れば。」
「彼らが世の中の罪の内容を実行したと。」
「わかるものですし。」
「強力化した男女は。」
「次の時代のプロトタイプのような役割も持ちます。」
「内戦は世の中の罪が具現化して。」
「人間が世の中の罪を表現したという。」
「簡単な構造ですよ。」

久々利。
「世の中の罰に対抗するために。」
「力を持った男女は。」
「人間の域を超えることもありますが。」
「邪悪な世を打ちのめす。」
「証人なのですよ。」
「複数の役割を持っているので。」
「一定数が必要で。」
「選ばれた男女は戦いの道を通るのです。」
「技能タイプもまた彼らの罪を暴いて破壊するので。」
「英雄と見なす者もいれば。」
「自分を脅かす猛威と見なす者もいます。」
「しかし実際の所は実利をもたらす切り札で。」
「仲間にしたい企業や為政者で。」
「人材獲得競争になっています。」

双葉。
「わかりやすい!」

妃菜。
「スキルタイプは形而上学そのものなんですけど。」

ベクルックス。
「研究論文で発表された一部ですよ。」
「一般公開はされていませんけれど。」
「三姉妹の方々によって戦況が左右されているのは本当です。」
「相手を的確に論破すると兵士の士気も向上しますし。」
「中身が暴露されると敵も大義名分を失います。」

佐保。
「私達の目的論は個人主義の実現です。」
「生まれも育ちも自分の所有物です。」
「そしてすべての事態を個人に従わせます。」
「全体主義は破壊するのみです。」

久々利。
「時運は個人の時代を告げていますし。」
「時代は個人主義ですよん。」

咲耶。
「時運には勝てぬと言うのに。」
「全体主義者のパターナリズム(温情的干渉主義)なんぞ滑稽だよ。」
「まったくもって無駄な事をなさるものだよ。」
「この時代、絶対者なんて必要ないね。」

佐保。
「すべて個人のもの。」
「時運は個人主義に味方していますよ。」

咲耶。
「そして個人主義の実現のために。」
「無為自化した私達、魔法少女なのです。」

久々利。
「自然や宇宙に感化されたのですから。」

双葉。
「無為にして自ずから化す。」

妃菜。
「不可能が倒される事件とか見たいですよねぇ?」

ベクルックス。
「ナポレオンのアルプス越え。」
「砲兵隊長の言葉。」
「不可能なんて弱さへの言い訳に過ぎませんぞ。」
「有名な言葉の元ネタです。」
「フランス語には不可能という単語はありませんでしたし。」

久々利。
「裏取りに成功して圧勝したナポレオン。」
「歴史において不可能を覆した戦争はけっこうあるよ。」

咲耶。
「世界が個人主義で統一するように。」
「いろいろ仕向けています。」
「自分のものは自分で管理するのみ。」

ベクルックス。
「誰だってある程度は利己的ですからね。」
「今回は装備が豊富ですよ。」
「敵を倒す方法は豊かです。」
「私が求めている敵とは既に死体になっている敵ですから。」

佐保。
「アイテムをあげます。」
「この護符は敵が発見できなくなるもので。」
「見えているのに視界に入らなくなります。」
「ただし発見を遅らせる程度です。」

久々利。
「私が作ったんだよん。」
「発注が多くて大変だよん。」

咲耶。
「卒業したらアイテムの制作で時間を取られそうな雰囲気。」
「姉妹で趣味の時間が減っていますし。」

佐保。
「親が大金持ちでも内職ですか。」
「あんまりお金を貰えないので。」
「これで稼ぐしかないのです。」
「両親は半分貴族なので。」
「土地を貸して生計を立てています。」
「半分は不動産会社なのです。」

双葉。
「そんな大規模な土地を持っているのね。」

佐保。
「昔から少しずつ蓄えた大地主なんです。」


久々利。
「金銭感覚だけは正常なんて言う富裕層の両親ですよ。」
「子供の育て方をどこかで覚えたとか何とかで。」
「社員に現代アドラー心理学の読破を条件にするほど。」
「猛者なんだよね。」

咲耶。
「ということでもっと高く買って使ってください。」
「通常の方法で手に入らない商品。」
「今回は無料。」

双葉。
「装備も良いし支援も充実ですねぇ。」

妃菜。
「味方が強くて手柄の取り合いになるんですけど。」

ベクルックス。
「支度が出来たら早急に作戦開始です。」
「既に集落に入って潜んでいる味方を待たせていますし。」

市町村に侵入しますと。

村人の様子がおかしくて。

一部の市民が訴えて来まして。

情報をくれました。

呪術は一部の人には効力がありません。

半分くらいの村人が確証バイアスに陥っていて。

訳の分からない理屈を言っているようで。

敵の情報が筒抜けです。

変装した味方とも合流できました。

複数の方向から自衛隊が侵入しているのです。

敵は隠れているようで。

見つかりません。

村長の家には武器を持った敵兵が見張っているので。

兵員が散発的に配置されているのでしょう。

ベクルックス。
「村人を洗脳して兵員化していました。」

双葉。
「一時的な無政府状態でしたね。」
「でも呪術は簡単に解けます。」
「水晶玉がエネルギー源ですから。」
「あれを破壊してエネルギーを失えば解けます。」

ベクルックス。
「突入しますか?」
「私は陽動できますよ。」

妃菜。
「私は敵だけ排除しますよーだ。」

ベクルックス。
「では遠くの方で爆竹を使いますので。」
「別々の方向から入りましょう。」

隻狼。
「女子とて侮れんな。」

双葉。
「男の集大成みたいな武士と忍者。」
「本来は戦闘や政治は男がやるものだから。」

妃菜。
「切り札として女性が出るくらいですからねー。」

ベクルックス。
「旅行中に見つけてしまって。」
「半日で集結できて良かったです。」

隻狼。
「お荷物にはならぬ。」

双葉。
「最優先ターゲットは複数の水晶玉ですな。」

妃菜。
「敵を減らすので突撃は任せたんですけど。」

隻狼。
「お任せあれ。」
「これは我のためでもあり、国のためでもある。」

散開。

ベクルックスが爆竹を使って陽動。

焚火をして逃げました。

敵兵。
「侵入者だな。」

雑兵。
「目の前に魔法少女。」

妃菜。
「死は最も確実であり。」
「それがいつ来るかは最も不確かである。」

夕方に攻撃開始。

夜間戦闘に突入。

隻狼。
「悪く思うな。」

敵兵。
「ぐわっ!」

村長一。
「若造が、我々の正しさを知らんのか!」

隻狼。
「愚者も賢者に助言を与えることがある。」

村長二。
「わしの村社会があっー!」

隻狼。
「死人は何も話さない。」

数人に蹂躙される敵部隊。

自衛隊が到着して。

怪しい術を目撃。

村長一。
「ああ!わしは死ぬのか!?」

村長二。
「年寄を大事にしろ!」

隻狼。
「死人に口なし。」

村長二人は殺されました。

すぐ近くに水晶玉。

これを手榴弾で破壊。

他にも味方がいるので。

水晶玉が破壊され。

村長の呪術が解かれて。

近くにいた市民は我に返り。

村長の集落に押し掛けた。

短刀でひとりずつ倒していた妃菜は動揺して離脱。

市民が戦闘に参加。

市民に包囲される村長とその別荘。

双葉。
「相手の切り札は撃破したぞ。」
「敵兵が散開したから。」
「中心地にはもういない。」
「敵は夜間戦闘を知らないから。」

隊長。
「了解!攻撃開始!」

自衛隊が突入するも。

近くの集落では。

魔装具で武装した工作員の頭領と一緒になっており。

工作員の頭領が爆弾をばら撒いたせいで。

敵味方が発狂。

ついには。

塀と壁を爆破して突入。

普通科隊員。
「アハハハ!」
「コンニチハ!」

頭領。
「おぉ!まぐれ!」

村長。
「違っているの!モンキー!」

兵士。
「ハロー!元気満タン?」

隊長。
「これ殺せる?」

兵士。
「無理!」

隊長。
「嘘!?」

普通科隊員。
「いい!引っ込んで、引っ込んでね。」

集落で銃撃戦に。

村長の集会中で。

村長が複数います。

良い時期に攻撃を成功させました。

群れている所に突撃したものの。

魔装具を持っていて。

銃弾が効かない防弾チョッキと。

ホーミングするナイフを投げられて大苦戦。

特に大盾とハンドガンの工作員に苦戦。

魔装具の大盾は通常兵器でなかなか倒せない。

魔装具のクロスボウの矢はホーミングするので。

高級品で固められた装備。

自衛隊はFCSを装備した狙撃ライフルで対抗。

百発百中。

自衛隊は装甲車を用意していたものの。

歩兵の損害が増える。

傭兵。
「元受刑者か。」
「刑務所に行く理由があっただろ?」

村長。
「うん、ポイ捨て。」

敵兵。
「もう嫌だ!」

雑兵。
「おめぇヤダ!」

村長。
「ちょっとぶったね!ごめんね!」

市民。
「内戦やべーよ!」

村長の妻。
「あたしスーパースター!」

村長。
「血泥スーパースター!」

市民。
「フォアグラ!持って来い!あいつ貰ったんだ!」

記者。
「フェルナンデス、見た?」

市民。
「お前の出番!」

村長。
「おー!無いよその手は!」

少女。
「わー!エロおじさん来た!」

少年。
「うわあ!?デブ!?」

市民。
「変態のお出ましっす。」

村長。
「見て失敗!」

隊員。
「奴が浮いている!」

兵士。
「怒るなって!」

頭領。
「キャンディあげる!!」

村長。
「ちょっと!ごめんって!ちょっと!」

傭兵。
「地球の皆さん。」
「戦争は健康に悪いですよ。」

普通科隊員。
「何だこの書類は。」
「ダメじゃん!」
「履歴書触っちまった!」

隊長。
「こっちの書類は。」
「オレンジジュース・コミュニティ?」

敵兵。
「すげーだるい。」

市民。
「どうですか?ネスカフェで一緒に。」

敵兵。
「リストラして嬉しい・・・。」

市民。
「なんかの間違い!」

双葉。
「乱戦でどうなっているのか混雑しとる。」

妃菜。
「記者と一緒にドローンを飛ばしているけれど。」
「味方と敵勢力と暴徒が入り混じっていて。」
「ちょっと把握できないですけど。」

ベクルックス。
「私達は離脱しました。」
「久しぶりの大規模戦闘に発展していますよ。」

双葉。
「無線も混雑しとる。」
「中心地で動けないので。」
「あの手練と合流する。」

隻狼。
「味方と合流するべし。」

双葉。
「朝になれば圧倒できそうだしね。」

隻狼。
「自衛隊傘下の我々とて大局の一部に過ぎぬ。」

双葉。
「人は人にとって狼である。」

隻狼。
「見る事は信ずる事なり。」

双葉。
「まったくその通り。」
「四十になると体力がもたない。」
「どうせならもっと稼ごう。」

隻狼。
「頭領を狙うか?」

双葉。
「今ならできそう。」

ベクルックス。
「通信入ってます?」
「裏取りできそうなので。」
「デバイスに情報を送ります。」
「自衛隊は長期戦に備えています。」

妃菜。
「早朝に突撃しろと言われたんですけどー。」

ベクルックス。
「私は協力者なので帰れるんですけれどね。」

妃菜。
「ひとりで何十人も相手にするとか。」
「くたびれるんですけどー。」

双葉。
「よし行こう。」

隻狼。
「これが噂の天女なのか。」
「それとも女軍の兵士なのか。」

裏撮りして。

夜襲。

双葉がホーミング投げナイフで攻撃し。

別方向から隻狼が突撃。

鹵獲武器をなんでも使う双葉。

本陣を奇襲されて頭領は隻狼に殺された。

一瞬の出来事。

周囲の敵兵は出遅れて。

二人組はそのまま味方と合流すべく退避。

なんと夜が明けた頃には。

敵の主犯格やリーダーが全員死んでいて。

仲間割れがあったようで。

さらには味方のスパイやら暴徒やらの乱戦。

滅茶苦茶な戦場が。

終わっていました。

自衛隊が侵入。

戦果報告。

ベクルックス。
「私にも成功報酬が入ることになりました。」
「貴金属買って帰ろうかな。」

双葉。
「当分の生活費だあ!!」
「もっと稼ぐ。」

妃菜。
「なんか活躍したからって。」
「自衛官のお誘いがあるんですけどー。」

隻狼。
「男と女子は別物なのか。」
「見えているものと感じているもの。」
「求めていることさえ違うとは。」

ベクルックス。
「もう敵はまとまった兵力は無いでしょうし。」
「敵の工作員が消えるのは時間の問題。」

双葉。
「ということはどこに転職しようかな。」

妃菜。
「お金になる敵がいなくなると厳しいんですけどー。」

自衛官。
「国よりも個人の財政事情が大事なんかい!」
「魔法使いには変わり者や変人が多いって聞いたけれど。」
「本当だったんかい。」

ベクルックス。
「まったく、私も時々、自分に感心しますよ。」

戦闘の後なのに。

戦利品を集めて喜ぶ女性陣。

女性自衛官も余裕をかます女の子に絶句。

戦闘マニアな女の子なので。

通常の兵士よりも上手に戦えてしまう。

敵から奪った第二次世界大戦の銃器を並べて。

キャンピングカーの中で雑談。

大戦闘は敵の失敗が重ねって圧勝でしたね。

連携が抜群。

一部の魔法使いは戦闘民族なので。

戦闘が大好き。

不思議なんですよ。

英語のことわざ。

好みは説明がつかない。




38


無為主義。

クイエテイズム。

十七世紀カトリック教会内に存在した神秘主義的教義。

誤った思想であり。

悪にたいする無抵抗。

という迷信が知られている。

これらは日本人の一部が取り入れて。

今も断片的に使われている。

あらゆる哲学者が否定した事で有名。

今回。

無敵マンと一緒に。

益獣として猛威を振るう。

銀色の大熊がキャンプ場や山小屋の経営を妨害していて。

討伐に行くことになりました。

道中。

珠美。
「希望は強い勇気であり。」
「新たな意志である。」

璃乃。
「哲学の書物を。」
「昔からのやり方で書くことは。」
「ほとんど不可能になろうとしている時代が。」
「間近に迫っている。」

瑠奈。
「ある私的な意見を是認する人はそれを世論と呼び。」
「それを好まない人はそれを異端と呼ぶ。」

珠美。
「金色の鎧を装備するとは立派。」

無敵マン。
「生活苦で成功報酬欲しさに来ました。」

瑚々。
「いつものスクーターが印象的ですね。」
「デコレーションしたスクーターで移動する姿とか。」
「射撃兵装を持っていないけれど。」
「敵陣に突撃していつも無事に帰ってくることで有名。」

無敵マン。
「俺は陽動に使われる下っ端だよ。」

瑠奈。
「魔法鎧なのでライフルで集中狙いされても。」
「ノーダメージ。」
「敵を倒すことが少なくて。」
「よく狙われるので。」
「無敵マンと呼ばれるようになったとか。」

無敵マン。
「俺は成功報酬を得られれば。」
「そして貯金が一定数あれば。」
「どう呼ばれようがいいのだよ。」

瑚々。
「便利屋は切り札。」
「作戦の更新内容はこれです。」

無敵マン。
「なんか害獣を殺しまくっている個体がいて。」
「市民からのは熊田さんとか呼ばれていますが。」
「登山家とキャンプ場にとっては大打撃らしいですね。」

璃乃。
「最近、たまに出ますね。」
「猛獣対害獣というのはゴールデンカードですよ。」

珠美。
「異常個体と言えども。」
「素晴らしい化け物もいるものですね。」

璃乃。
「普通の熊ではないので。」
「苦戦が予想されるわ。」

小山に到着。

見晴らしが良くて。

木々が少ない。

璃乃。
「気配はするわね。」

瑠奈。
「一度の捜索で見つかるといいけれど。」

珠美。
「奇襲攻撃だけは回避。」
「先制攻撃だけ防げれば有利です。」

無敵マン。
「レーダーに反応。」
「向こうです。」

しばらく歩いていますと。

崖の上にいる銀色の大熊。

五メートルくらいありますよ。

小山の上でアピールしているものの。

背後から接近するまでこちら気づきません。

熊田さんが振り向いた瞬間に。

ショットガンであっさり撃破。

璃乃。
「あっさり倒れました。」

珠美。
「強くないんですか。」

璃乃。
「急所に命中したようで。」
「本当に死んでいる?」

瑠奈。
「様子を見ましょう。」

熊田さん。

いきなり金色になって復活。

素早く散開するメンバー。

スピードとパワーで圧倒してくる。

日本拳法みたいな立ち回りをしてくるので。

避けるのが精いっぱい。

無敵マン。
「もっと頑張りなよ、熊田さん。」

璃乃。
「魔法防御で爪を防いだけれど。」
「だいぶ魔力を削られる。」

珠美。
「動きが単調になりましたよ。」

瑠奈。
「動きが激しくて。」
「対処が難しいです。」

無敵マン。
「俺が的になってやる。」
「どうした?」
「攻撃がしょぼいぞ。」
「もう少し期待していたのだが。」

珠美。
「食らえ。」
「火炎放射。」

瑠奈。
「反物質エネルギー弾を受けなさい。」

基本技で対抗。

無敵マンに攻撃が集中するも。

びくともしない。

集中攻撃。

熊田さんが仰け反って怯む。

魔法防御が崩せず。

大熊は焦って体力を消耗。

瑠奈。
「サイドステップを大きくしても削られます。」

珠美。
「爪攻撃を跳ね返しています。」
「隙だらけ。」

瑠奈。
「手刀で打ち付けても。」
「大きなダメージを与えられない。」

璃乃。
「ショットガンでギリギリ当たるかな。」

いきなり。

瑠奈が短刀でスプリント攻撃。

一瞬で切り刻んで。

大熊は傷だらけ。

大熊は逃げようとするも。

ついにショットガンが当たって倒れます。

続いて。

とどめを刺した。

胸に埋め込まれた魔石に命中。

魔石は砕け散って大熊は半分のサイズになってしまい。

大熊は動かなくなりまして。

討伐完了。

銀色の毛皮を採取できました。

珠美。
「よく見ると。」
「魔石が埋め込まれた強化動物です。」

璃乃。
「熊田さんと呼ばれた益獣でしたが。」
「残念ながら死骸があるのみです。」

珠美。
「少し苦戦しましたが。」
「化け物系は簡単には倒せませんね。」

璃乃。
「害獣なのか害獣ではないのか。」
「意味不明でしたが。」
「強化された動物というのも考え物。」

無敵マン。
「では連絡しておきます。」
「死体を運べないので。」

瑠奈。
「そういえば来る途中に。」
「他の熊の死体がいっぱいあったよね。」

無敵マン。
「人工的に強くするとそうなるらしいです。」

猟友会が到着して。

死体を運んで調査することに。

少しお金になりまして。

それでも無敵マンは足りないらしくて。

また依頼を探しに行きました。

帰宅。

珠美。
「すべての人のうちで。」
「英知に専念する人のみが。」
「暇ある人であり。」
「このような人のみが。」
「生きているといえる。」

瑠奈。
「まさしく正論。」

璃乃。
「哲学の名言は最高峰。」

瑠奈。
「第一級の精神にふさわしい特徴は。」
「その判断のすべてが。」
「他人の世話にならず。」
「直接自分が下したものである。」
「ということだ。」

珠美。
「かっこいい!!」

璃乃。
「世界は達人たちの水準で生きることはできない。」

デバイスで処理して。

休憩。

アニメを観たり。

雑誌を読んだり。

休暇に入る。

ロダンの彫刻をフィギュアにした。

粘土細工に没頭する璃乃。

次の作戦は大阪付近に潜伏する。

敵戦力への陽動です。

璃乃のつぶやき。

彫刻家のロダンは。

頭部や腕や足のない彫刻(トルソ)を敢えて作りました。

未完成であるかのような作品もあります。

カフカの作品である失踪者。

訴訟と城は完成させることができず。

未完成で。

カフカの作品の多くは未完です。

ゲーテもファウストを完成させたのは。

八十一歳で六十年かけています。

英語のことわざ。

人はパンのみにて生きるにあらず。

Man shall not live by bresd alone.


39


カントの一句。

自ら虫けらになる者は、後で踏みつけられも文句は言えない。

作戦会議。

偶然見たスーパーカーを捜索。

市民からの情報を調べてみるのです。

敵が潜んでいる可能性がありますので。

事前に忍者が数名派遣されており。

強行偵察に参加します。

瑚々。
「自分の権利があからさまに軽視され。」
「蹂躙されるならば。」
「その権利の目的物が侵されるに留まらず。」
「自己の人格までもが脅かされるということが。」
「わからない者。」
「そうした状況において自己を主張し。」
「正当な権利を主張する衝動に駆られない者は。」
「助けてやろうとしてもどうにもならない。」
「そこまで面倒は見てくれない。」

璃乃。
「黙っていて確保できる権利はありません。」

瑠奈。
「権利が奪われたら奪い返すのみ。」

珠美。
「これは凡人が決してしない行動。」

璃乃。
「結局は戦いを強いられる。」

瑚々。
「私達は常に防衛する側であったことは確実です。」

詞美。
「恋と同じで。」
「憎悪も人を信じやすくさせる。」

小霧。
「自分で行った貴重な省察は。」
「できるだけ早く。」
「書き留めておくべきである。」

詞美。
「かれらは他人に向かって語ることを学んだが。」
「自分に向かって語ることは学ばなかった。」

小霧。
「無理にしいられた学習というものは。」
「何一つ、魂のなかに残りはしない。」

強行偵察任務。

というのは偶然で。

市民からの目撃情報を頼りに。

ドライブしたついでに。

山中で見つけた履帯の跡を辿り。

偶然に見つけた核シェルター。

一度、確認して立ち去ったので。

再突入。

付近には味方の兵士が数人います。

施設を見張っているのです。

車を隠して徒歩で移動。

広場。

何か組み立てた部品と工具が散らかっており。

工場のような建物内。

地下室があるものの。

扉は空いたままで。

無人。

侵入を試みました。

瑚々。
「これは仲間の施設?敵の施設?」
「誰もいないし。」
「施錠されていないし。」
「調べてみよう。」

璃乃。
「どこの誰だか知りませんが。」
「ドライブマニアには発見されましたね。」

無敵マン。
「どのくらいのお金になるかわからないが。」
「借金の返済もあるから。」
「早く現金になって欲しいものだ。」

地下深くに進むと工場があって。

集められていた地雷の数々。

やっぱり敵軍でした。

瑚々。
「今度は地雷テロリズムですか。」
「敵の武器保管庫?」

無敵マン。
「まだ把握できませんので。」
「様子を見ましょう。」

璃乃。
「調べたら自衛隊の施設ではないんですね。」
「司令部に連絡しました。」

小霧。
「権利のための闘争は。」
「権利者の自分自身に対する義務である。」
「なのでここでこうしている。」

詞美。
「敵は固まっているので。」
「小隊を組んで良かったです。」

瑠奈。
「単騎では数が多くて無理ですから。」

珠美。
「ここから奥にかなりの数がいます。」

誰かが作業しています。

数人。

全員が最深部に集まっているので。

地下室まで誰もいません。

工兵。
「撤収際に地雷を置きまくるなんて考えましたね。」

隊長。
「他の味方はまともな戦力がないし。」
「市民を混乱させるにはこれが一番だ。」

工作員。
「市民を混乱させて発狂させるのが戦争目的ですからね。」

雑兵。
「ある程度は成功しているから。」
「この地雷作戦で決定打になるだろう。」

テロリスト。
「無差別にするので?」

足軽。
「いろんな道路に置いておけば。」
「人に見られないし。」
「危険を身近に感じて。」
「怯えるだろうな。」

工兵。
「それは大戦果ですなあ。」

司令部から連絡。

可能な限りの打撃を与えよ。

攻撃の機会を伺います。

小霧。
「悪人に同情するのは悪人だけであって。」
「まともな人間は悪人に同情するどころか。」
「自発的に権威による制裁に協力するであろう。」

瑚々。
「後ろに回られて逃げられない。」
「気づかれない内に仕留めよう。」

璃乃。
「あらゆる法律。」
「あらゆる法は。」
「暴力によって暴力を撃退することを許している。」

作業している敵軍。

敵は地雷の振り分けに忙しくて人数も足りていない。

人手不足で油断しています。

雑兵。
「さあてビールでも飲もうか。」

小霧。
「こっちですよ。」

雑兵。
「なになに?いつの間に女性従業員を雇って・・・。」

一瞬で殺された工作員。

工場ブロックは入り組んでいるので。

すぐに発見されません。

次に来た敵兵。

テロリスト。
「あいつどこ行ったのかな。」

璃乃。
「向こうでビール飲んでいますよ。」

テロリスト。
「あいつ昼間から・・・あれ?」

敵兵を掴んで。

持ち上げて。

壁に叩きつけて。

反物質エネルギーを直接叩き込んで。

二人目も暗殺。

脱出ルートが出来たので。

戻ろうとしますと。

工兵が気づいて。

いきなり。

BMP-3とZSU-23-4シルカに搭乗。

地上に出てきて。

逃げ道が塞がれました。

戦車兵。
「侵入者がいる!手練だ!姿が見えない!」

小隊長。
「お前らが鍵をかけ忘れるから侵入されたんだよ!」

工兵。
「敵の数もわからない。」

戦車兵。
「二車両で探すぞ。」
「森林と小山の地域だから。」
「隠れられないだろう。」

遠くに離れたBMP-3は威嚇射撃。

位置がわからないみたい。

珠美。
「私は身軽だから仕留められる。」

無敵マン。
「俺はいつも通りに敵の正面から行くぞ。」

珠美はスプリントで突っ込んでいく。

無敵マンに集中砲火するも。

効かないので発狂する敵兵。

接近した珠美。

車体の上から放射線を当てて。

発熱させると燃料に引火して。

敵が脱出して逃げていきました。

謎のスーパーカーとして目撃談があった正体は。

歩兵戦闘車。

シルカ対空戦車がやって来て。

武器を乱射。

おおよその位置に23ミリ機関砲をばら撒いて。

焦っているようで。

無敵マン。
「まさか大物を仕留めるとは思わなかったな。」

整備兵。
「うわあ!?金色の鎧の無敵マンだあ!」
「よりにもよってこんな奴が出てきた!」

隊長。
「できるだけ攻撃しろ!」

スナイパー。
「やっぱりダメだ、効果ない。」

瑚々。
「噂通りの無敵っぷりですが。」
「敵は発狂して狙いが滅茶苦茶です。」

瑠奈。
「無敵マンも鈍重ではありませんので。」
「敵がひるんでいますね。」

乱射して。

弾切れを起こしてそのままどこかに行ってしまった。

残党が籠城する。

そして特殊部隊が到着して。

周辺は味方の忍者でいっぱいになる。

瑚々。
「景色が味方兵でいっぱいになった。」

詞美。
「敵も数が多いから。」
「激しい交戦になるわね。」

璃乃。
「戦闘車両を処理できたのは大きかったです。」

地下室にて。

怪しい行為。

隊員。
「金色のサイコロは我が軍の貴重品。」
「手に入れたら王にもなれるという珍品で。」
「サイコロを振ると出た目で奇跡が起こるという。」
「これを使う。」

サイコロを振ると二の目が出た。

ギャンブラーはハンドガンを持って。

抵抗してくるも。

無敵マンが目の前に。

二回も振り切るものの。

逃げた先が忍者部隊の展開する区域で。

大立ち回りされたものの仕留めました。

忍者数人で翻弄して半日。

援軍が来て。

自衛隊の特殊部隊が素早く展開。

突入した。

忍者部隊が地下室で滅茶苦茶な戦闘を繰り広げて。

敵兵が百二十人もいたので。

炭鉱のような拠点だったと後から判明。

アジト潰しでお手柄です。

味方と交代。

帰還すると。

作戦後の雑談。

瑚々。
「権利のための闘争。」

小霧。
「我々自身の内にある人間の尊厳に関わる義務。」

詞美。
「自分の権利を他人の足の下に投げ棄てること。」
「それは自分自身に対する人間の義務に違反すること。」

小霧。
「秤を伴わない剣は裸の実力を。」
「剣を伴わない秤は無力を意味する。」
「二つの要素は表裏一体を成すもので。」
「バランス次第なのです。」

珠美。
「誰もが社会の利益のために権利を主張すべき。」
「生まれながらの戦士なのだ。」

瑠奈。
「長い平和の時代が続き。」
「永久平和を信ずる思想が。」
「百花繚乱と?を競ったかと思うと。」
「一発の銃声によって太平の夢が破られる。」
「平和を享受した世代に代わって登場した次の世代が。」
「戦争という厳しい労働によって。」
「ようやく平和を回復しうるということになる。」

詞美。
「平和とは何ですか?」

小霧。
「戦争を見ればわかると思います。」

瑚々。
「わかった頃には遅いと思います。」

璃乃。
「判断力は。」
「生得の智慧の特殊なものであり。」
「それが欠けているからといって。」
「学校教育でこれを補うことは。」
「できないのである。」

詞美。
「自分でものを考え。」
「自分の意見を持つ人が。」
「もっと数多くいさえすれば。」
「世の中はかぎりなく。」
「よくなるであろう。」

権利の目標は平和であり。

そのための手段は闘争である。

権利が不正による侵害を予想して。

これに対抗しなければならない限り。

世界が滅びるまでその必要は無くならない。

権利の生命は闘争である。

世界中のすべての権利は闘い取られたものである。

重要な命題はすべて。

まずこれに逆らう者から闘い取らねばならなかった。

あらゆる権利は国民も個人も。

いつでもそれを貫く用意があることを前提としている。

権利は単なる思想ではなく。

生き生きとした力なのである。



40


移れば変わる世の習い。

時世が移れば世の中も変わる。

移り変わりの激しいのは世の常である。

単騎で偵察に来たお姉さん。

大阪。

湾岸の古い工場地帯。

倉庫とビルとコンテナです。

入り組んだ地形に侵入して。

腕時計レーダーを駆使して動いていますね。

不審者の情報があったので強行偵察です。

敵勢力は統率者を失って。

残党と化しています。

詞美。
「時々、人間の行動が理解できなくなりますよ。」

隻狼。
「理解できぬのが人間の性よ。」


詞美。
「これ以上、他人のアドバイスを受けずに済めば。」
「変な所から脱出できるんですよ。」

隻狼。
「無駄な苦労と無駄な苦難という訳か。」
「重荷は捨てるに限るという事か。」

詞美。
「ある視点から見れば、誰かの言った事も真実です。」
「真実なんて視点次第ですよ。」

隻狼。
「異論はなし。」
「我は別の方向に向かう。」
「突撃はお任せあれ。」

分散。

建造物が多くて。

たまにトラックか行き交う。

人通りの少ない地域。

外れにある場所まで調べます。


廃墟の中に入ったら。

待ち伏せ。

上から敵が降って来まして。

詞美。
「なにっ!?」

雑兵。
「覚悟しろー!」

詞美。
「おい!おい!そんなもの他所に向けろ!」

詞美の真後ろに敵がいて。

掴もうとした瞬間だった真後ろの敵兵。

詞美が斜め回転で避けると。

降ってきた敵兵のハンマーに命中して真後ろの敵兵ダウン。

同士討ち。

詞美。
「振り切ってやります。」

雑兵。
「待て!俺はハンマーが趣味なジェントルマンだ!」
「決して怪しい奴ではない!」

詞美。
「あそこに行けば逃げられる。」
「計画的に動けている。」

敵が追いかけてくる。

お姉さんは足が速いので。

敵は見失いました。

橋の上で。

詞美。
「敵の拠点を探したいけれど。」
「警備を倒さないといけないかも。」
「仲間がいたら袋叩きになる。」
「逃げるか侵入するか。」

鎧武者。
「見つけたぞ!美少女戦士!」

敵が背後から突進。

ひらりと避けると。

敵さん。

攻撃を空振りして。

橋から落下して勝手に倒れる。

詞美。
「わかっていますね。」

鎧武者。
「ぐああああああ!」

敵兵。
「なんだと!侵入者だ!」

詞美。
「三人目ですね。」

迂闊に正面から仕掛けてきたので。

スプリントからの突進で跳ね飛ばして。

起き上がる前に突進を繰り返して。

ハメ技で敵が動けない。

敵兵。
「反則!反則だ!その技は!」

詞美。
「ほら!ほらっ!」

敵兵。
「動けん!」

詞美。
「落ちろー!」

タックル連打。

エネルギー攻撃。

突進でハメられながら。

敵兵落下。

またひとりやりまして。

続いて。

明後日の方向に突撃する変態。

馬鹿野郎。
「やらせろー!」

詞美。
「うわっ!変態!」
「自分が何をしているのかわかっていないんでしょうね!」

派手な大技。

炎と雷が融合した。

突撃。

ホーミングタックルですね。

必ず命中するような体当たり。

武者。
「こら!そっちは敵じゃないぞ!」

馬鹿野郎。
「なんだとー!?」

大技を味方にかました敵兵。

同士討ちで自滅。

上司。
「この馬鹿野郎!」
「味方をやりやがって!」

詞美。
「おっと手が滑った。」

手から発生した。

小さな竜巻が大規模に拡大。

巻き込まれて。

敵が吹っ飛ぶ。

流石に小型のクロスボウを撃ってきたので。

退却。

船の中で寝泊まりしていた一団で。

たまたま通りかかったので遭遇。

仕掛けてきたのですが。

これは敵の失敗でした。

ショートスタッフで小型クロスボウを跳ね返して。

逃げている途中。

自動ドアから出てきた敵兵に。

見えざる手で杖を取られてしまった。

勢い良くショートスタッフが飛んでいく。

キャッチではなくて。

その杖が敵の顔面に直撃。

奪ったと思われた杖が勢い余って激突。

敵は倒れた。

側面から。

木の棒を振り回して得意気な敵兵。

時間稼ぎするみたいです。

詞美。
「倒れなさいよ。」

組織の者。
「ぐぬ。」

詞美。
「後ろから敵が迫って来るから。」
「しっかりと燃やしてあげる。」

組織の者。
「ぐぬぬぬ。」

詞美。
「なに頑張っちゃってるのよ。」

組織の者。
「どうせ残業代とか出ないけれど。」

詞美。
「ブラック企業に勤めているのね。」

組織の者。
「あんな会社辞めてやる!」

詞美。
「私を感心させるためにそんなことしなくていいのよ。」

敵はプロペラ回転で。

ビームを防いでいたものの。

距離が詰まり。

攻撃を受けてガードしていた棒が破損。

分が悪くて後退する。

自動ドアがロックされていて。

後ろからドアに激突して倒れた。

組織の者。
「ぬああああああ!!」

詞美。
「気の毒に!」

ドア破損。

後ろから追いつかれた。

中年女性の攻撃。

クリーンヒット。

距離を詰められていた!!

接近されて通電。

敵の電撃。

電撃がくすぐったいので大笑いするお姉さん。

詞美。
「きゃー!なにすんのよ!」
「くすぐったい!」
「やめて!きゃー!」
「いやっ!あー!」
「あははは!」

中年女性。
「・・・・は?」

いくら通電してもくすぐったい。

大笑いされて困り果てた中年女性。

フルパワーでも同じ。

中年女性。
「あれ・・・?」

詞美。
「あははは!やめて!きゃああああ!」
「なにそれ!あはははは!」

中年女性。
「どうしたかな・・・・?」

詞美。
「なにそれギャグなの?遊んでいるの?」
「あははは!ひゃあああ!」

中年女性。
「なんで?」

遠くの仲間から大笑いされて。

罵りあう敵同士。

頑張り過ぎた中年女性。

マジックパワーが尽きて立ち眩みして。

重疲労になってそのまま。

中年女性は勝手に倒れた。

敵も大笑いしたので。

動きが止まって。

一瞬の隙を見逃す。

詞美。
「あわわわ!動けない!?」

仲間が乱入。

忍者部隊で。

男性の魔法使いです。

忍者。
「後はお任せあれ。」

詞美。
「別の意味で苦しい!」

一般兵。
「まずい!精鋭部隊だ!」

足軽。
「ぎゃああああ!忍者なんて来やがって!!」

詞美。
「これ以上、同じ事の繰り返しはうんざりしてきた。」

乗用車の駐車場まであと少し。

誰もいない陰。

廃工場への通路。

美人女性にいきなり押し倒されて。

眺められる。

何かいやらしい事をされそう。

詞美。
「きゃっ!なにするの!」

美人女性。
「いい顔。」
「楽しめそう。」

詞美。
「わっ!動けない!」

美人女性。
「離さない。」

詞美。
「はわわわー!!」

美人女性。
「いい悲鳴。」

眺めている。

敵側の変態な攻撃で。

上に乗られて固められてしまったので。

色気で誘います。

詞美。
「あのー。」
「キスとかします?」

美人女性。
「するかもしれないわね。」

詞美。
「さっさと刺すなり斬るなりすればいいのに。」
「楽しみながら倒すのですか?」

美人女性。
「私はもうどうでもいいのよ。」
「自暴自棄になった記念ね。」
「じっくり味わって。」

詞美。
「きゃー!」
「せめて自分で脱ぎます。」

美人女性。
「あなたものわかりが良いわね。」

手で握ったポケットの中。

シャープペンシルに仕込んだ催涙スプレー炸裂。

スタンさせて。

敵を地面に叩き伏せて制圧。

美人女性。
「ああ!残念!もう少しだったわ!」

詞美。
「女性同士で・・・中々いい攻撃でしたよ。」

美人女性。
「それで。」
「あなた。」
「駐車場は囲まれているわよ。」
「あそこの地下室に私はいたの。」

詞美。
「はい?」

美人女性。
「私と組まない?私は売るわよ。」

詞美。
「今度は何の変態行為ですか!?」

美人女性。
「ついてきて。」

美人女性は歩き出して。

詞美を呼ぶ。

いきなり態度が急変した美人女性。

どうやら味方の判定になったのかも。

階段。

地下室の中には端末がいっぱい。

美人女性。
「これいくらで売れるかしら?」

詞美。
「そういうことですか。」
「なんて遠回しな事を。」

美人女性。
「負けたらそれで良かったのよ。」

詞美。
「今、味方を呼びます。」

忍者の一部隊が呼ばれてきて。

くのいち部隊が地下室を占領。

美人女性はそのまま仲間に加わり。

自動車を持ってきてくれまして。

美人女性。
「敵は湾岸エリアに地下室を作って。」
「そこを拠点に活動していると伝えて。」

詞美。
「司令部に通知。」
「味方と合流して。」

美人女性。
「少しずつ減らしています。」
「一気には敵の勢力は減りません。」

詞美。
「あなたのような奴に非を認める姿勢があったなんて驚いたわ。」

美人女性。
「私は確かに度胸だけはあるようです。」

退却に成功。

段階的に弱体化する敵勢力。

投降する敵兵も出ていて。

一時期にかなりの規模で展開していたせいで。

軽いノリで参加して後に引けなくなった敵が多く。

そんな敵の残念な勢力図です。

この内戦には勝者がいないとよく言われますね。

勝者はいなくて敗者だけがいると。

勝敗の無い戦いなのです。

同時刻。

関西国際空港。

何者かが展開。

市民。
「ん?あれは・・・・。」

子供。
「わーい!テロリストだあ!」

会社員。
「おいおい!避難するぞ。」

女性。
「みんな急いでね。」

スタッフ。
「滑走路にしかいないから。」
「間に合いそう。」

占領しようと試みるも。

市民は続々と逃げ出して。

スタッフも順番に逃げ出して。

旅客機も独断で飛び去った。

敵軍が三百人籠城した頃には。

なんと関西国際空港には人質もいない無人地帯。

テロリスト。
「なんで誰もいないんだ!」

工作員。
「知らねえよ!なんとかしろ!」

敵兵。
「目標がみんな逃げてしまった!」

雑兵。
「まさに無人です!」

兵士。
「あっ・・・察し。」

陸の孤島になってしまったのは。

時間をかけてしまい。

空爆で輸送船と輸送機が全滅したから。

動けないまま敵陣営。

自衛隊と向かい合い。

鎮圧が開始されました。

三日くらいで倒せるそうです。

敵の増援も出現。

船とプライベートジェットが続々と出現。

次々とやられるイイトコなしの敵軍団。

一方的にやられてカッコ悪いと市民に揶揄される。

子供。
「なんであの人達ってあんなに弱いの?」

男性。
「なんでだろう?」

夫人。
「馬鹿だからよ。」

いよいよメイン武器。

お手製のロケットを準備して発射しようと試みるも。

戦闘機の誘導爆弾で破壊に成功。

敵は突進したせいで逆に孤立。

目標となる拉致や人質はひとりもいない。

アパッチロングボウが猛攻を加えています。

自分達の失敗で壊滅寸前。

最近の敵勢力。

残党は貨物船の上からロケット弾をばら撒きますが。

護衛艦に発見されて制圧が簡単で。

工作員も損害ばかりが目立って。

送り込む人員が削減されていますし。

劣っている人間だけで構成された部隊が。

か弱い抵抗を続けています。

敵残党必死の攻防。

都市部のホテルにて休息。

再出撃の準備。


瑚々。
「敵を倒しまくったようで大活躍ですね。」

小霧。
「私はコソコソするくらいなら。」
「正々堂々と戦う方が性に合うのです。」

瑚々。
「あの経験はあなたの訓練の一部だったのです。」

詞美。
「神学者曰く。」
「我々は、自分に過ぎた大きな任務を担うことはできない。」
「そんなことをすれば。」
「その任務そのものがなにか空虚なものに思われて。」
「人生のより下等な方面に憧れを持ったりする。」

瑠奈。
「ストア派の忠告。」
「出口は開いているのである。」
「ひとは荷物が重すぎると思うなら。」
「いつでもそれを投げ捨てて良いのである。」

瑚々。
「勝つ見込みのない戦いを起こさなければ。」
「皆は負ける気遣いはないよ。」


珠美。
「敵も時間の問題かしら?」

瑠奈。
「無事でしたね。」
「敵の大部分が陽動されましたが。」
「激戦だったようで。」

珠美。
「後は味方同士で手柄の取り合いよ。」

詞美。
「思わぬ遭遇戦でしたよ。」

璃乃。
「敵も必死になっていますからね。」
「お菓子食べます?」


瑚々。
「遅れて参戦していました。」
「休憩ですね。」

小霧。
「知っている?」
「理法と一体化した女性なんて有り得ないって。」

詞美。
「アニムスが第四段階まで行った女性ですか。」
「そんなもの見たことがありませんね。」

璃乃。
「義人の女性?」
「そんなの現実には有り得ない。」
「可能性があるのは私達だけです。」

詞美。
「男性のアニマで神の域に達した女性を求めないのも。」
「そうした女性像を見ないのも。」
「第四段階の男性も有り得ないので。」
「そんな男性も見たことがありません。」

小霧。
「アニムスが第二段階の女性は。」
「本当に女性?」
「女性の中の男心が見当たりません。」
「そんな女性ばかりです。」

璃乃。
「アニマという男性の女心も。」
「第二段階というのは男性と言えるものなのかなあ?」
「ユング心理学の話題ですが。」

瑠奈。
「第三段階のアニマを持つ男性は見たことがあります。」

珠美。
「第四段階の理法の一部分になった女性は?」

瑠奈。
「そんな女性は居ないわあ。」
「私達以外ではね。」

珠美。
「私でも第三段階ですよ。」

小霧。
「ユング心理学では両性具有という概念があります。」
「男性の内面にある女性。」
「女性の内面にある男性。」
「男女の融合が望ましい。」

詞美。
「ユング心理学から調べますと。」
「義人の女性なんて有り得ないってこと。」

瑚々。
「正しい心を持った女性が有り得ない?」
「人間の女性に何を期待しているんですか?」

璃乃。
「自分だけ第四段階に上がれば良いのですよ。」

小霧。
「私は既に理法の一部ですが。」

璃乃。
「一部なのに独立しているように思えます。」

瑠奈。
「君は自分を部分だといっているのに。」
「一箇の全体として己の前に立っているではないか。」

小霧。
「あり態を申しただけなのです。」
「人間というおろかな小宇宙も。」
「大概自分自身を一箇の全体だと思い込んでいますがね。」

詞美。
「青人草と人間は異なります。」

「人間と一緒にされたくないです。」

小霧。
「神学者曰く。」
「すべてを捨てよ、そうすればすべてを見出す。」

日本書紀と古事記を持ってきていました。

裏の意味まで読める人はいません。

休憩が終わってつぶやきます。

易経。

書は言を尽くさず。

言は意を尽くさず。

書不尽言。


平和は本来の意味での戦争よりも。

複雑で、わかりにくい。

これは生が死よりも分かりにくく。

奥が深いのと同じだ。

ヴァレリー。



※素材きどむつみ。

※試作未完。