エロティシズム。


1


怪しい夜会にアロマキャンドル。

玲奈ちゃん。
「この世のすべてを味わい尽くしたい。」

美桜ちゃん。
「なんて贅沢な。」
「この世のすべてを求めると言うの?」

玲奈ちゃん。
「自由にも限界がある。」
「少し試してみたいのです。」

美桜ちゃん。
「かつてのソロモンはこの世のすべてを手に入れて。」
「虚しくなったという。」
「伝説となった人物でさえそんな結果になったのだから。」
「わたしたちはなおさらでは?」

玲奈ちゃん。
「大望でしょうか。」
「ただ。」
「男性と同じような事をしてみたいのです。」
「女性にも出来るでしょう?」

美桜ちゃん。
「それはいい名案。」
「女性を知るにはまずは男性の真似事から始めないと駄目なのかしら。」

玲奈ちゃん。
「おおむね知性や歴史を創り上げたのも男性の功績が多いです。」
「教科書は?哲学書は?歴史は?」
「では。」
「まずは男性の真似からコツを掴もうと思いまして。」

美桜ちゃん。
「独学というより。」
「勝手に思いついた我流であるよりは。」
「誰かが確立した完成品から学ぶのが得策。」
「歴史の太鼓判がありますからね。」

玲奈ちゃん。
「そういうわけで。」
「この夜会も密談も。」
「有意義なのです。」

美桜ちゃん。
「おもしろい事をしようとなさる。」
「私は傍らで見ていましょう。」
「ええ、参加もしますよ。」

次の日。

友達の朱莉ちゃん。

フリースクールの玄関で待っていて。

公園に連れ出してきました。

朱莉ちゃん。
「あのね。」
「れなちゃんが好きなの。」

玲奈ちゃん。
「わたくしも女の子は好きです。」
「別にお付き合いは構いませんよ。」

朱莉ちゃん。
「いいの?」

玲奈ちゃん。
「恋ですかね。」

朱莉ちゃん。
「わたしも女の子が好きで。」
「れなちゃんに手を出しちゃった。」

玲奈ちゃん。
「この際ですから。」
「一緒に遊びましょう。」
「カップル成立ということで。」

朱莉ちゃん。
「それでいいかな。」
「じゃあ告白成功!」

一緒に。

今日も自由科目で学習して。

3時間で解散。

短期コースというものがあり。

素質がある女の子が通い。

小学校ですべて教えてしまいます。

卒業したら個々の学習方針に基づいて。

自力学習をすることで。

個々のポテンシャルを引き出す。

変わった学習スタイル。

一緒に喫茶店にて。

朱莉ちゃん。
「彼氏が出来た。」

玲奈ちゃん。
「彼女が出来ました。」

朱莉ちゃん。
「ハイチーズ。」
「わたしの想い出。」

食事を済ませて。

ドリンクタイム。

朱莉ちゃん。
「何見てるの?」
「そんなにわたしが好き?」

玲奈ちゃん。
「多分好色に耽る事になるでしょう。」

朱莉ちゃん。
「え?えっちなことでもするの?」

玲奈ちゃん。
「そうなりますか。」

朱莉ちゃん。
「それもいいかも。」
「そういえば女の人って大抵は色事が好きですよね。」
「功利主義とか享楽主義か二種類しかいないし。」

玲奈ちゃん。
「少しやってみますか?」

朱莉ちゃん。
「まあいつかは。」
「そもそも性ってなあに?」

玲奈ちゃん。
「本能的に求めているだけでは?」

朱莉ちゃん。
「体験してみたい。」
「相手が女の子だし。」

玲奈ちゃん。
「わたくしも体験してみたいです。」
「世の女性が色事に夢中になっている所を見ますと。」
「そこまで魅力があるのでしょうか。」
「それとも動物の方が優れているのでしょうか。」

朱莉ちゃん。
「この辺りの神社で安産の神様が祀られているよ。」

玲奈ちゃん。
「いい機会ですし。」
「色気付いたらやってみましょう。」
「わたくしの愚かさを許してもらえるように。」

朱莉ちゃん。
「相手が良いですから。」
「本当に性欲って何でしょう。」
「きっちり知る機会になるみたい。」

玲奈ちゃん。
「今度デートしましょう。」

朱莉ちゃん。
「うんそうしよう。」

互いにほっぺにキスして解散。

美桜ちゃんからメールあり。

通常の方法では知り得ない知識もあるもんですよ。

とのこと。

どうやらこの世では普通に暮らしているだけでは。

到底手が届かない知識がたんまり存在しており。

わたくしは「通常」と「特殊」と「別格」という水準の著書を執筆することに。

通常生活通常論。

普通に生活しているだけでは手の届かない見えざる真理。

普通に暮らしているだけでは手の届かない高価な真理。

わたくしは朱莉ちゃんとちょっといけない事をしそうです。



2


初デートはテーマパーク。

出発の駅にて。

朱莉ちゃん。
「ごめん待った?」

玲奈ちゃん。
「10分くらい待てずに何が大人ですか。」

朱莉ちゃん。
「お詫びのうまい棒。」

玲奈ちゃん。
「さっき何か言いましたか?」

朱莉ちゃん。
「私のうまい棒は何か?やっと来たうまい棒と言いました。」

玲奈ちゃん。
「記憶と一致しますよ。」

手を組んで移動。

テーマパーク。

遊園地コーナー。

玲奈ちゃん。
「なんか大人向けの乗り物はないんですか?」

朱莉ちゃん。
「爆走ゴーカート。」

玲奈ちゃん。
「日頃の鍛錬の成果を見せましょう」

ゴーカートがあってエンジン式であったので。

レーサーのように爆走して事故寸前。

最高速度に達したり。

無理なカーブをしたり。

無謀とも言える運転でも。

ゴーカートの性能や特性を見極めたら。

危ないシーンが無くなりました。

玲奈ちゃん。
「少し諧謔が過ぎましたかね。」

朱莉ちゃん。
「いいえ。」
「とーっても昇天しそうでしたなあ。」

玲奈ちゃん。
「楽しめて何よりです。」

観覧車は楽しめました。

玲奈ちゃん。

キャラクターマスコットに背後から突き。

キャラクターマスコット反撃してくる。

ひらりと避けつつじゃれている姿を見て。

朱莉ちゃん嫉妬する。

朱莉ちゃん。
「私のれなちゃん取らないでよ。」

玲奈ちゃん。
「私の獲物を取らないでよ。」

ぷくーっと膨らむ朱莉ちゃん。

ちょっと雰囲気が悪くなりつつ。

アトラクションは一種の演劇で。

テーマは宇宙旅行。

隕石が降ってきたり。

UFOに遭遇したり。

機械が故障して生還したりする宇宙開拓アトラクション。

一種の演劇のようで楽しめました。

玲奈ちゃん。
「さっきのはなしで。」

朱莉ちゃん。
「何の事?」

玲奈ちゃん。
「かわいいです。」

朱莉ちゃん。
「れなちゃんも。」

擦り寄って。

ベンチにて。

百合全開なふたりに対して。

ちょっとにんまりしている女の子も。

百合花ちゃん。
「お姉ちゃん彼氏できたんですね。」

美桜ちゃん。
「今日ここに来ているとは知っていたけれど。」
「あそこまで進んでいるのね。」
「遠くから見ておくわ。」

渚ちゃん。
「新時代の女の子はあんなふうになるのかあ。」

美桜ちゃん。
「女性だけは遅れているわよ。」

渚ちゃん。
「歴史においては。」
「女性の進歩は大幅に遅れています。」
「それは大多数であって。」
「一握りの女性は男性と同格ってこと。」

美桜ちゃん。
「どうやら神様は人を平等には作らなかったみたいですなあ。」

渚ちゃん。
「それは平等の意味が違うかと。」

百合花ちゃん。
「発見されたら邪魔しちゃいます。」
「立ち去りましょう。」

このテーマパークは「喜劇」をテーマにしたアトラクションが多く。

とても満喫できました。

玲奈ちゃん。
「わたくしの生も喜劇になりなさい。」

朱莉ちゃん。
「それいいかも。」
「わたしの生もコメディであれ。」

テーマパークでいっぱい遊んで。

夜になる帰りの道。

駅は割と暗くて。

花壇の公園があり。

7時頃かな。

朱莉ちゃんが玲奈ちゃんにキスを敢行。

朱莉ちゃん。
「かわいい。」

玲奈ちゃん。
「うふふ。」
「わたくしも女性であるという事実に気付きました。」
「どうもありがとう。」

朱莉ちゃん。
「好き。」

ふたりは解散。

この日の初デートは喜劇そのものでしたよ。


3


動物園に赴きましたが。

れなちゃん不服。

玲奈ちゃん。
「動物は展示品なのかペットなのか。」

朱莉ちゃん。
「ハトのほうがいいの?」

玲奈ちゃん。
「展示品なのかペットなのか分からない監獄を見るよりは。」
「自由に羽ばたいている野生の動物のほうがいいわあ。」

朱莉ちゃん。
「うーん。」
「場所を間違えたかな。」

確かに像やライオンなど。

かっこいい動物が多くて。

次第にいい雰囲気に。

玲奈ちゃん。
「一生を羊でいるよりは、一日でもライオンとして生きたほうがいい。」
「なんてことわざもありますから。」
「獅子のように勇敢であったほうがいいのかも?」
「なんて思います。」

朱莉ちゃん。
「動物も自然の一部だからね。」
「そこから学べるものもあると思うの。」

玲奈ちゃん。
「ペット飼育と似通っていますよ。」

朱莉ちゃん。
「ペットは都合が良い存在ではない。」
「その仔の要求を満たして。」
「その仔に人の側が合わせないと。」
「きちんと飼ってあげられない。」
「生活に癒しと彩りを届けるペットという存在。」

玲奈ちゃん。
「実は持ちつ持たれつの関係がペットなんですよ。」
「自然の摂理って凄いですなあ。」

動物園は大変に勉強になりました。

次の日の公園で一緒にお昼食べてます。

女の子がやってきました。

芽生(めい)
「やっぱりかわいくない?」

玲奈ちゃん。
「はい?」

朱莉ちゃん。
「ちょっと!どういうつもり?」

結菜(ゆいな)
「かわいい!駄目!あなたなんて言うの?」

朱莉ちゃん。
「なになに?大人数で押しかけて。」
「次は私が好きって?」

芽生。
「この娘いい!」
「好きです!」

玲奈ちゃん。
「ちょっと待ってください。」
「口説き方があるでしょう。」

朱莉ちゃん。
「あなたは私が好き?」
「わたしにはれなちゃんがいるのよ!」

芽生。
「うむむむ。」
「そっちのかわいい娘。」
「れなちゃんを賭けて勝負よ!」

結菜。
「この娘はずっと前から見てたけれど。」
「好きにしたい。」

玲奈ちゃん。
「あらまあ。」
「久しぶりの対戦になりますか。」

朱莉ちゃん。
「手加減しないからね。」

結菜が変身。

アイドルコスチュームに変身するヴェネツア流のマジック。

同時に魔力が溢れ出す。

結菜。
「勝負よ。」

芽生。
「私も同じく。」

魔法少女ふたり。

女の子。
「あの娘たちは変身しないの?」
「通常の状態で勝てないと思う。」

結菜。
「早く変身しなさいよ。」

芽生。
「魔力があるから同類なんでしょ。」

玲奈ちゃん。
「お構いなく。」

朱莉ちゃん。
「これで充分です。」

結菜。
「そんなわけ!」

芽生。
「行くよ!」

一気に距離を取って交戦。

芽生が光の球をばら撒くと小爆発。

朱莉ちゃんは威嚇攻撃に引っかからずに。

牽制攻撃として。

小さなファイヤーボールを連射する。

結菜。

重力波を発射。

中速度な為か。

玲奈ちゃんに避けられる。

中くらいの木に直撃して木が倒れた。

玲奈ちゃんがビームを発射。

結菜が軽く避けるも。

連射されて避けきれなくなり。

被弾して感電。

戦闘不能。

結菜。
「ごめんめっちゃ威力ある。」
「地味だけど。」

芽生。
「時間をかけ過ぎたよぉ。」

朱莉ちゃん。
「中距離では不利。」
「遠距離か近距離で。」

公園の地面がボロボロになる。

芽生は爆雷攻撃。

いろんな光の球。

爆弾を撃ち続けるも。

あんまり上手に行かない。

素早い朱莉ちゃん相手に劣勢。

朱莉ちゃんは一気に接近する。

格闘戦で爆雷を使う芽生に対し。

近距離でスクリュー軌道の炎を発射。

1発フルヒットで倒れる芽生。

芽生。
「あーもう駄目。」
「動けん。」

他の女の子たちも変身してくる。

玲奈ちゃん。
「アルマロスの護符を使います。」

朱莉ちゃん。
「わたしもそうするね。」

魔術や妖術を無効化出来る護符。

魔法攻撃が一切効果が無いので。

格闘戦に持っていく女の子の集団。

朱莉ちゃんが火災旋風で吹っ飛ばして。

玲奈ちゃんがレーザーを当てて感電させ。

薙ぎ払いました。

芽生。
「お前ら闘うなって。」

結菜。
「無理に迫ってみたけれど。」
「やっぱ取れないわ。」
「失恋。」

玲奈ちゃん。
「次は口説き方をきちんと習ってくることですね。」

朱莉ちゃん。
「また百合花ちゃんに作ってもらおう。」
「この護符の効力って長時間持たないみたい。」

ランチを再開。

ちょっといちゃいちゃして。

悔しがる失恋集団。

勝負ごとに発展して。

司令部から注意された芽生と結菜。

ふたりは地域で勢力があり。

小雪と小毬姉妹に頻繁に叱られている。

ちょっと困ったちゃん。

今回もしでかして。

頭を冷やしに。

滝に打たれに言ったそうです。

なんか宗教観めちゃくちゃな女の子たちですが。

思わぬ乱入がありました。


4


映画館で話題の人気作。

でもちょっと低俗です。

玲奈ちゃん。
「芸術作品ではないですあれ。」

朱莉ちゃん。
「チープな映画。」

美桜ちゃん。
「楽しめれば合格では?」
「別に普通に観れればいいじゃない。」
「完璧な作品なんて実在しないんだから。」

渚ちゃん。
「それは大衆向け。」
「俗受けする下らないもの。」

百合花ちゃん。
「重箱の隅を楊枝でほじくる。」

玲奈ちゃん。
「玄人が観るものではないです。」
「庶民はそんなもの。」
「趣味が違ったのか。」
「増長しているのかどちらかですよ。」

朱莉ちゃん。
「庶民なんてあれで充分だと言いたいの?」

渚ちゃん。
「そこまで言ってないですよ。」

百合花ちゃん。
「人それぞれ意見が違うのです。」
「趣味じゃなければ他に行くべきです。」

美桜ちゃん。
「合わないものを無理に観てどうすんのよ。」
「悪口を言うよりは自分が支持できる作品を尊重すべき。」
「芸術的に有り得るかは別として。」

玲奈ちゃん。
「その点は公正であるべきです。」

美桜ちゃん。
「芸術としてどうなのよ?」
「それだけが評価のすべて。」

百合花ちゃん。
「それは賛同します。」

渚ちゃん。
「多数決でピカソやゴッホは決まらないですなあ。」

朱莉ちゃん。
「骨董品の価値が素人に分かるっていうの?」

渚ちゃん。
「そこまで言わないであげて。」

ショッピングモール。

装飾品が豊富。

フリーマーケットも開催されておりますよ。

玲奈ちゃん。
「貪欲。」

渚ちゃん。
「渚は健全な欲望に対しては警戒しなくていいと思う。」

百合花ちゃん。
「正解は無いですよ。」

美桜ちゃん。
「私の思考を検証するのは私しか居ません。」
「しかし私が私の思考を検証できますか?」

玲奈ちゃん。
「その辺はクリティカルシンキングで。」

宝石でも安いものから高いものまでいろいろあります。

宝石の髪飾りがありまして。

天然石ですよ。

天然石の髪飾りを購入して。

つけてみました。

朱莉ちゃん。
「あーなにそれかわいい。」

玲奈ちゃん。
「どういたしまして。」

百合花ちゃん。
「相変わらずお姉ちゃんはれなさんに惚れているのです。」

渚ちゃん。
「お姉さんは恋したことある?」

美桜ちゃん。
「私は恋を美化できない。」
「理性でそう出た。」

渚ちゃん。
「なるほどー。」
「姉妹でも意見はいろいろ。」

美桜ちゃん。
「旧式の価値観なんてこうあるべきとか命令形じゃないの。」

渚ちゃん。
「日本書紀では多様な価値観や世界観が認められているから。」
「人はフリースタイルってこと。」
「型はありませんなあ。」

百合花ちゃん。
「そのこうであるべきなんてものは誰が決めたのですか?」

渚ちゃん。
「なんとなくそうだから従ったみたい。」

美桜ちゃん。
「うわっ!思考停止のファシズムじゃないの。」

渚ちゃん。
「奴隷道徳に陥ったり。」
「畜群本能ってやつ?」

百合花ちゃん。
「とりあいずプライドだけは強いルサンチマンの価値観なんですよ。」

渚ちゃん。
「ああそう言ってやらないで。」
「あの旧式な人間達にはそれしか取り柄がないから。」

朱莉ちゃん。
「れなちゃんって美少女?」

玲奈ちゃん。
「美人と言われた事はありません。」

朱莉ちゃん。
「私も美人と言われた事なーい。」

玲奈ちゃん。
「極端にかわいくないそうです。」

朱莉ちゃん。
「程々にかわいいって感じ?」

玲奈ちゃん。
「なぜか美人にはなれません。」

朱莉ちゃん。
「なんかその辺微妙だよねー。」

体をくっつけ合って。

カバンとかハンカチを物色中。

百合花ちゃん。
「百合の咲く季節になりましたね。」

美桜ちゃん。
「ああしているのが好きみたい。」

渚ちゃん。
「見ていて面白いなあ。」
「女の子の新しい形。」
「女性も形を変える。」
「地形沿いに流れる水のよう。」

女の子も形を変えて。

女性も形を変えて。

世界も形を変えるごとに。

私達も形を変えなくてはなりません。

水は地形に沿うように。

私達も形を変えます。

世界が形を変える度に。

わたしは大事なものを失い。

新しいものを得てきました。

次もそうなりましょう。

百合が咲いては。

実りもある。

それが世界の答えです。



5


ハロウィン。

仮装をして街を歩いてみる。

ここは都会の一等地。

玲奈ちゃん。
「お祭りですかね。」
「たまにはいいもんです。」
「はしゃいでみるのも。」

朱莉ちゃん。
「まさか魔法少女が混ざっているなんて。」
「思わないよね。」

美桜ちゃん。
「最近。」
「近くで戦乱があるって知っているわよね。」

玲奈ちゃん。
「わたくし達には動員指令が入っていません。」

美桜ちゃん。
「戦闘員は足りているという意味よ。」

渚ちゃん。
「魔法は起源があって。」
「出エジプト記やギリシャ神話の神々は魔法をよく使うよ。」

百合花ちゃん。
「アポロン神殿に行った事があるのです。」
「なのでこんな技が使えます。」

いまいちな男性に声をかけて。

杖で突くと。

男性が豚になってしまいました。

もう一回突くと。

前より美形になって復活です。

渚ちゃん。
「いやそんな魔法は見たことがない。」

百合花ちゃん。
「なぜか自分の意思で発動できないのです。」

朱莉ちゃん。
「百合花ちゃん我が妹ながら恐るべし。」

美桜ちゃん。
「これ以上遅くなると補導されるわ。」
「公衆0号室で着替えて。」
「帰りましょ。」

帰宅中。

いきなり奇襲されますが。

渚ちゃんが1人捕まえました。

百合花ちゃんのホーミングアタック。

黒と紫の弾丸が誘導されて。

逃げ遅れたひとりに命中して気絶させましたよ。

拉致された玲奈ちゃん。

玲奈ちゃん。
「なにするんです。」

芽生。
「わたしの彼女にならない?」

結菜。
「朱莉って娘紹介してよ。」

美桜ちゃん。
「手加減する必要は無さそうです。」

芽生。
「今度は数の力で行くからね!」

結菜。
「ふたりだけでは勝てない!」

女の子。
「こっち10人いるから相手怪我しちゃうよ。」

美桜ちゃん。
「まさか無傷で勝とうなんて思っちゃいませんよ。」

百合花ちゃん。
「どこ見てるんですか?」

芽生。
「うわあ!いつの間に!?」

渚ちゃん。
「捕まえた。」

結菜。
「そんな!捕まった!早く助けて。」

美桜ちゃん。

襲い掛かってくる女の子たちに向けて。

手をかざして見えない力で吹っ飛ばした。

残りの女の子たちへは。

魔法を使った格闘戦でなぎ倒す。

朱莉ちゃんの高威力攻撃。

スクリュー軌道の炎には太刀打ちできない。

百合花ちゃんが辺りを闇に包み。

得体の知れない力で叩き伏せて。

女の子全滅。

渚ちゃんに拘束されている結菜。

意外な結果に何もできずに降伏した芽生。

玲奈ちゃん。
「まあ小雪ちゃんと小毬ちゃんのお説教を食らうんですね。」

美桜ちゃん。
「今回は諭される程度では済まないわよ。」

女の子たちはダメージを負いながらも。

逃げ出していった。

朱莉ちゃん。
「れなちゃんを独り占めしようだなんて。」

玲奈ちゃん。
「わたくしってそんなに魅力的なんでしょうか。」

司令部に報告。

ちょっと時間をかけて帰宅したので。

9時ギリギリでした。

友達とはメールを滅多にしません。

変な事を書く恐れがあるので。

直接言う事がほとんど。

最近は大人の魔法使いと反逆者で戦乱に包まれ。

戦闘員としては呼ばれていませんが。

注意するようにメールが届きました。

いつも天下泰平とは行きませんが。

今回も治まるといいですね。


6


スポーツ観戦に明け暮れるふたり。

玲奈ちゃん。
「選手はこれしか出来ないので謎に思う。」

朱莉ちゃん。
「それ言ったら普通の人はなおさらでしょ。」

玲奈ちゃん。
「アイドルは人気商売だからどん引きしました。」

朱莉ちゃん。
「芸能人って江戸時代に確立したものでしょ。」
「大衆を喜ばせて利益を得るんだから。」
「悪く言わないであげて。」

玲奈ちゃん。
「SNSで意見を呟いて益があるのでしょうか。」
「先人の方が遥かに的確で及ばない。」

朱莉ちゃん。
「グルメに浸るも飢餓を思えば素晴らしい。」

玲奈ちゃん。
「良い所も良くない処もあって。」
「まあ微妙な文明ですな。」

朱莉ちゃん。
「絶望もあるかな。」
「実存主義。」
「私は宗教的な生き方を建てたい。」
「過度の空想に浸るのも。」
「そういった空想すべてを否定して。」
「世間の考えにすがり。」
「考えることを放棄するのも絶望。」

玲奈ちゃん。
「キルケゴールによると。」
「人は絶望するものだから気にするな。」
「とのことです。」

朱莉ちゃん。
「人生という単語に深い意味は無いって知ってたかな?」

玲奈ちゃん。
「人の一生としか辞書に書かれていませんよ。」

朱莉ちゃん。
「変に美化したり綺麗事で勝手な人生論を唱えて。」
「意味不明な暴説を言っているのでしょう。」

玲奈ちゃん。
「山あり谷ありとむかしから言われているのに。」

朱莉ちゃん。
「馬鹿に感化されてはいけない。」

玲奈ちゃん。
「そういうわけで。」
「人間は誤りが多いですよ。」
「わたくしは行く場所があります。」

一緒に出掛ける。

朱莉ちゃん。
「絶望とは死に至る病である。」
「死ぬことも生きることもできない板挟みに陥るものの。」
「宗教的実存・神様の前に独立者として立つ。」
「キルケゴールは悩みの人であった。」
「その悩んでいる対象は神であった。」

玲奈ちゃん。
「わたくしたちも悩んでいる対象は神様となった。」
「境内でうろちょろしてます。」

朱莉ちゃん。
「ちょっと好色に耽ってみたい。」

玲奈ちゃん。
「まずは安全に性欲に溺れられるように。」
「祈願しますか?」

朱莉ちゃん。
「神の前で、あれかこれか悩む。」
「神について悩む。」
「私はあれをすべきか。」
「これでいいのか。」

玲奈ちゃん。
「ただひとり。」
「青人草(被造物)として。」
「神の前で貴方について悩みます。」

神道には開祖がいません。

神話の時代から続いております。

日本書紀と古事記が神典であり。

厳格な教義はありません。

なので。

参拝しつつ。

試行錯誤です。

参拝を欠かしてはなりません。

神様と共に歩む道。

神様と共にあります。

安産の神様に参拝して。

少しいけない事に手を染めてみます。

同時に。

性的哲学として。

これからの事をふたり一緒に書き記しています。



7


何かに射かけられた!!

黄金の矢は胸を貫き。

翼を持った神秘的な男子が目に映ったのです。

印象的でした。

次の瞬間。

目が覚めたのですが。

早朝から眩暈がして。

胸がいっぱいになっていて。

とある女の子に向けられてしまい。

もう既に理性を保てなかったのです。

屋敷の裏山。

朱莉ちゃん。

「玲奈ちゃんが好き!」

猛アプローチする朱莉ちゃん。

玲奈ちゃん。
「朱莉さん、わたくしも好きですよ。」

朱莉ちゃん。
「では一緒に駆け落ちしよう!」

玲奈ちゃん。
「そうしましょう。」

手を繋いで。

お屋敷の裏山にある。

展望台へ走っていきます。

しかし渚ちゃんに発見された!?

展望台で。

挙式。

渚ちゃん。
「いいところに出会いました♪」

玲奈ちゃん。
「では。」

朱莉ちゃん。
「玲奈ちゃんと結婚するの。」

渚ちゃん。
「では、誓いのキスを。」

玲奈ちゃん。
「わたくしはいいですよ。」

朱莉ちゃん。
「キャー!!」

朱莉ちゃん逃走。

玲奈ちゃん。
「お逃げにならないで。」

渚ちゃん。
「待ちなさいよー。」

朱莉ちゃん。
「結婚式ごっこすると。」
「キスまで行っちゃうじゃない!」

玲奈ちゃん。
「いいじゃないですか。」
「キスですよ?」

渚ちゃん。
「では、誓いのキスを。」

朱莉ちゃん。
「キャー!!」

逃げる朱莉ちゃん。

足が速くて逃走成功。

木の陰から。

朱莉ちゃん。
「本気でするの?」

玲奈ちゃん。
「本気でしてもいいですよ。」

渚ちゃん。
「ファーストキスはおふたりで♪」

朱莉ちゃん。
「んー。」
「玲奈ちゃんとファーストキス?」
「それもいいかも。」

渚ちゃん。
「逃げないでくださいよ。」

朱莉ちゃん。
「だって突然だったんだもん。」

玲奈ちゃん。
「仕切り直しにしましょう。」

展望台。

渚ちゃん。
「では、誓いのキスを。」

朱莉ちゃん。

玲奈ちゃんとキス。

玲奈ちゃん。
「ファーストキスが女の子。」
「わたくしは嬉しいですね。」

朱莉ちゃん。
「玲奈ちゃんだったらいいかな。」

渚ちゃん。
「じゃあ披露宴!」

玲奈ちゃん。
「おやつは用意していますよ。」

渚ちゃん。
「やったー!」

お屋敷に入っていくさんにん。

結婚式ごっこで。

本気のキスをしてしまった。

女の子ふたりでした。


8


朱莉ちゃん。
「怜奈ちゃん♪」

怜奈ちゃん。
「なんでしょうか?」

出会いがしらに。

怜奈ちゃんをくすぐりました。

怜奈ちゃん。
「きゃっ。」

朱莉ちゃん。
「かわいい!」
「もっとやらせて。」

怜奈ちゃん。
「朱莉さんのツボは知りえていますよ。」

怜奈ちゃん。

朱莉ちゃんの横っ腹を。

掴んで。

くすぐります。

朱莉ちゃん。
「きゃー!」
「あっ!」

怜奈ちゃん。
「どうでしょう?」
「気持ちいいですか?」

朱莉ちゃん。
「くすぐったいけれど。」
「なんだか気持ちいい。」

倒れる朱莉ちゃん。

倒れている朱莉ちゃんに。

くすぐり続ける怜奈ちゃん。

怜奈ちゃん。
「さあて。」
「一緒に来てもらいましょうか。」

朱莉ちゃん。
「やーん。」

ベットルームで。

一緒にお昼寝。

渚ちゃんが来ました。

渚ちゃん。
「ふたりでいいところ!?」

玲奈ちゃん。
「あらま。」
「遅かったですね。」

渚ちゃん。
「ベッドであんなことやこんなことをするんでしょ!」

朱莉ちゃん。
「やーん。」
「そんな品がないことを。」

怜奈ちゃん。
「渚さんも一緒にどうですか?」

渚ちゃん。
「わーい!」

さんにんで一緒に寝ます。

渚ちゃん。
「あかりんのスカートかわいい。」

朱莉ちゃん。
「あっと。」
「見えちゃう。」

怜奈ちゃん。
「魔女の帽子がなんとも言えませんね。」

渚ちゃん。
「怜奈ちゃん髪きれい。」

朱莉ちゃん。
「なでなでしてあげる。」

怜奈ちゃん。
「女の子としてかわいがられて。」
「なんかいい気分です。」

渚ちゃん。
「渚は寝ますよー。」

怜奈ちゃん。
「お昼寝といきましょう。」

朱莉ちゃん。
「怜奈ちゃんかわいい。」

朱莉ちゃん。

怜奈ちゃんに抱き着く。

渚ちゃん。
「渚は。」
「怜奈ちゃんのほっぺにチューしてやるです。」

怜奈ちゃん。

キスされる。

怜奈ちゃん。
「ハーレムですかね。」

朱莉ちゃん。
「さあ怜奈ちゃんはわたしのものだ。」

渚ちゃん。
「ずるーい。」
「わたしが先に寝取ったんだからね!」

怜奈ちゃん。
「三角関係?」

朱莉ちゃん。
「玲奈ちゃんはわたしと結婚するの。」

渚ちゃん。
「略奪婚してやるんだから。」

さんにんで大爆笑。

お昼寝のち。

また遊びだしました。


9


玲奈ちゃん。

朱莉ちゃんに抱き着きます。

朱莉ちゃん。
「なになに?」

怜奈ちゃん。
「かわいい女の子を放っておけません。」

そのまま。

押し倒して。

倒れた朱莉ちゃんに抱き着く怜奈ちゃん。

朱莉ちゃん。
「きゃっ。」

渚ちゃん。
「強姦したの?」

怜奈ちゃん。
「ふー。」

朱莉ちゃんに息を吹きかける怜奈ちゃん。

朱莉ちゃん。
「ひゃっ!」
「今度はわたしの番!」

寝技を食らう怜奈ちゃん。

怜奈ちゃん。
「あっ!」

渚ちゃん。
「怜奈ちゃんこちょこちょ。」

怜奈ちゃん。
「やめて。」

朱莉ちゃん。
「渚ちゃんも食らうのだー。」

渚ちゃん。
「わー!」
「当たらないよ!」

玲奈ちゃん。
「渚さん。」
「待ってください。」

渚ちゃん。
「おにごっこだー。」

朱莉ちゃん。
「どこに行ったのかな?」

怜奈ちゃん。
「庭でしょうか?」

渚ちゃん。

お茶を飲んでいました。

怜奈ちゃん。
「桜を見ながら紅茶ですか。」
「域ですね。」

朱莉ちゃん。
「おふざけはこのくらいにして。」
「花見しましょ。」

怜奈ちゃん。
「そうしましょう。」

渚ちゃん。
「きれいなお花。」
「渚の趣味はどうでしょう?」

怜奈ちゃん。
「熟練ですねぇ。」

朱莉ちゃん。
「風流だね。」

渚ちゃん。
「渚の趣味が解ったところで。」
「紅茶があります。」

怜奈ちゃん。
「外で飲む紅茶は特別ですよ。」

朱莉ちゃん。
「そうだねー。」

渚ちゃん。
「お茶菓子。」

朱莉ちゃん。
「いいもの持ってるよね。」

怜奈ちゃん。
「満喫するとしましょう。」

桜を見ながら。

紅茶タイムに突入。

とっても満喫しました☆


10


豪邸のホールにて。

渚ちゃん。
「にゃーん。」

朱莉ちゃん。
「まあかわいい猫ちゃん!」

怜奈ちゃん。
「なでなでしてあげますよ。」

渚ちゃん。
「みゃー。」

怜奈ちゃん。
「そういえば。」
「朱莉さん。」
「スカートの中見せてください。」

朱莉ちゃん。
「先に怜奈ちゃんのスカートの中見せてよ。」

怜奈ちゃん。
「ハレンチですわ。」

朱莉ちゃん。
「えっち。」

ふたりで大爆笑。

渚ちゃん。
「年頃ですなあ。」

朱莉ちゃん。
「そんなこと考えるお年頃になったかあ。」

怜奈ちゃん。
「高度な理性が必要になりましたね。」
「欲情が湧いたらすぐ欲情に走るんですから。」

渚ちゃん。
「女性って欲情に駆られたら。」
「何も考えずに欲求のままに行動しがち。」
「女性は理性に疎いから。」

朱莉ちゃん。
「それは言えてるよね。」

怜奈ちゃん。
「本能的なものに対抗する術が必要でしょうか。」
「では。」
「スカートめくりを。」

朱莉ちゃん。
「きゃっ!」
「お返し!」

怜奈ちゃん。
「あっ!」

渚ちゃん。
「もうそんな年頃かねぇ。」

怜奈ちゃん。
「渚さんもふざけましょう。」

渚ちゃん。
「渚はそういうのあまり興味ないかな。」
「なにすんのー!」

朱莉ちゃん。
「そのまま犯しちゃうぞー。」

渚ちゃん。
「リフレクター。」

朱莉ちゃん。
「フレア連打。」

炎の球をぶつけてみた。

跳ね返っていろんなところに命中しましたが。

魔法で出した炎なのですぐ消えました。

怜奈ちゃん。
「光線。」

リフレクターで全部跳ね返りました。

でも。

魔法で出した弱い光線なので。

壁に当たって消えました。

渚ちゃん。
「どうですかー?」

朱莉ちゃん。
「えいえい!」

怜奈ちゃん。
「魔法少女同士で喧嘩するのはやめましょう。」

朱莉ちゃん。
「だよねー。」
「調子に乗っちゃうもん。」

渚ちゃんが居ません。

逃げられました。

怜奈ちゃん。
「きっとキッチンでしょう。」

渚ちゃんが居ました。

渚ちゃん。
「玲奈ちゃんケーキおいしいよ。」

玲奈ちゃん。
「限定品ですからね。」

渚ちゃん。
「そうなのー!」

玲奈ちゃん。
「そうなんです。」

渚ちゃん。
「マジで?」

玲奈ちゃん。
「マジです。」

渚ちゃん。
「本当?」

玲奈ちゃん。
「本当です。」

渚ちゃん。
「へー。」

玲奈ちゃん。
「へーですよ。」

朱莉ちゃん。
「わたしも食べる。」

玲奈ちゃん。
「ではさんにんで。」

さんにんでおやつタイムとなりました。


11


いつもの豪邸で遊んでいる三人娘。

14歳の女の子は遊び盛りです。

渚ちゃん。
「窓から学生が見えるよ。」

玲奈ちゃん。
「新鮮ですねぇ。」

朱莉ちゃん。
「私たちは短期コースだったから。」
「小学校で全部学んじゃった。」

渚ちゃん。
「普通コースは随分と非効率ですねぇ。」

学生に混じって。

ふたりの女の子が来ました。

魔法使いの格好の女の子と。

綺麗な服装のミディアムロング。

百合花ちゃん。
「ゆりかです。」
「お姉さん居ますか?」

美桜ちゃん。
「みおだよー。」
「渚いる?」

朱莉ちゃん。
「ゆりかちゃーん。」
「おねえちゃんがいろんなことしてあげる。」

魔法使いの格好のゆりかちゃんに抱き着く朱莉ちゃん。

渚ちゃん。
「お姉さん一週間ぶりです。」

美桜ちゃん。
「また試合の相手してよ。」

渚ちゃん。
「では広場でやろう。」

百合花ちゃん。
「お手製のクッキーですよー。」

朱莉ちゃん。
「手柄を立てますねー。」

玲奈ちゃん。
「妹さんですね。」
「渚さんのお姉さんは。」
「双子だそうですね。」

渚ちゃん。
「そうだよー。」
「そっくりでしょ?」

美桜ちゃん。
「他はいろいろ違うけれど。」
「タイプが異なっているのがおもしろいわよね。」

百合花ちゃん。
「おねえちゃんと一緒にティータイムしたいな。」

朱莉ちゃん。
「わたしもそうしたいな。」
「玲奈ちゃんも居るよー。」

玲奈ちゃん。
「最高級の紅茶を用意していました。」

百合花ちゃん。
「それは光栄です。」

渚ちゃんが広場で。

美桜ちゃんと試合中。

渚ちゃん。
「リフレクター。」

美桜ちゃん。
「回り込んで一撃。」

渚ちゃん。
「渚の魔法防御力は最強クラスだよ?」

美桜ちゃん。
「そう。」
「そこが強敵なところ。」

渚ちゃん。
「ちゃぶだい返し。」

美桜ちゃん。
「わっ!」
「着地!」

渚ちゃん。
「スパイクシールド。」

美桜ちゃん。
「スライディングして。」
「ほら懐に入った。」

渚ちゃん。
「この展開なら拘束できる。」
「あれ?」
「撃破判定?」

美桜ちゃん。
「いいえ。」
「もう一歩だったわ。」
「逆にやられた。」

試合が終わったので。

みんなでティータイム。

執事の武さん。
「美桜さん、渚さん、ティータイムをどうぞ。」

美桜ちゃん。
「いただくわ。」

渚ちゃん。
「クッキーだー。」

朱莉ちゃん。
「ゆりかちゃんも食べちゃうぞー。」

百合花ちゃん。
「ゆりかはおいしいよ。」
「いまが食べごろ。」

朱莉ちゃん。
「いただきます。」

百合花ちゃん。
「ほえ!?」

朱莉ちゃん。

百合花ちゃんのほっぺにキス。

玲奈ちゃん。
「微笑ましいですね。」

百合花ちゃん。
「玲奈さんも召し上がれ。」

玲奈ちゃん。
「禁断の味がしそうで。」
「とても食べられませんね。」

百合花ちゃん。
「食べればいいのに。」

玲奈ちゃん。
「では。」

玲奈ちゃん。

百合花ちゃんを抱きしめて。

頭をいいこいいこ。

撫でまわします。

百合花ちゃん。
「気持ちいい・・・。」

玲奈ちゃん。
「禁断の味ですわねー。」

朱莉ちゃん。
「ああ!スマホで撮影するよー!」

渚ちゃん。
「お姉さん。」
「クッキーがあとひとつだ。」

美桜ちゃん。
「あんたが食べなさい。」

渚ちゃん。
「いいの?」

美桜ちゃん。
「いいのよ。」

渚ちゃん。
「わーい!」

みんなで今日も。

笑顔が溢れて。

それはそれは。

無垢に咲いて・・・。


12


玲奈ちゃんが勉強しています。

良書を漁って。

山積みにされた本を読んでいます。

朱莉ちゃん。
「すごい本の数!」
「後で借りていい?」

玲奈ちゃん。
「構いませんよ。」

渚ちゃん。
「渚も本読みたいなー。」
「古本屋行こうかなー。」

朱莉ちゃん。
「古本屋は宝の山だよね。」

渚ちゃん。
「掘り出し物がいっぱいだもん。」

玲奈ちゃん。
「ところでみなさん。」
「よりよい生き方ってなんでしょう?」

朱莉ちゃん。
「うーむ。」
「深いですねー。」

百合花ちゃん。
「ゆりかです。」
「混ぜてください。」

美桜ちゃん。
「興味深いはなしよね。」

渚ちゃん。
「みんなで囲んで考えよー。」

玲奈ちゃん。
「かつてのソクラテスは。」
「生きるために食べるべきで。」
「食べるために生きてはならない。」
「と言われました。」

朱莉ちゃん。
「生活だけを考えて生きると人生は無意味。」
「ということ?」

渚ちゃん。
「違うよ。」
「目的を持っていきようよ。」
「という意味だと思うよ。」

百合花ちゃん。
「ひとりひとり正解があるから。」
「向上心を持って生きましょう。」
「という意味かな。」

美桜ちゃん。
「実り多き人生を送ることが必要なんじゃない?」
「かつてのゲーテみたいに。」

玲奈ちゃん。
「人の生き方というものは。」
「人のあるべき姿に沿ったものがあるのでしょうか。」

美桜ちゃん。
「楽しく暮らす。」
「なんて考えがちだけれど。」
「怠慢になりませんか?」

朱莉ちゃん。
「迷子になるような考え方もあるよね。」

渚ちゃん。
「ただ生活していればよい。」
「という生き方では。」
「得るものがないような。」

百合花ちゃん。
「それは他人の視点かもです。」

渚ちゃん。
「だよねー。」

玲奈ちゃん。
「自分で答えを見つけなければならないようです。」
「どうもそう思います。」

美桜ちゃん。
「正解はひとつではないので。」
「この論議は有益だったようです。」

渚ちゃん。
「このくらい本があると枕にできない?」

美桜ちゃん。
「そんな本の使い方をしてはいけません。」

玲奈ちゃん。
「女性は生まれたら結婚。」
「でしょうか?」

百合花ちゃん。
「人それぞれですよ。」
「結婚しない人もそれが正解。」
「結婚する人も正解。」
「それぞれの正解があります。」

玲奈ちゃん。
「愚問のようでしたね。」

朱莉ちゃん。
「わたしは体動かしてくるよー。」

渚ちゃん。
「渚はお姉さんと買い物です。」

百合花ちゃん。
「古本屋に行くです。」

美桜ちゃん。
「ドーナツの新作があるわよ。」

渚ちゃん。
「わーい!」

玲奈ちゃん。
「わたくしは本の虜。」
「本はわたくしを離さない。」
「みなさん楽しんでいらして。」

みんな解散。

部屋では。

読書に熱中する玲奈ちゃんが。

メイドさんに紅茶を持ってこられて。

のんびり。


13


玲奈ちゃん。
「おいしいものありますよ。」

渚ちゃん。
「どれどれー?」

百合花ちゃん。
「ゆりかです。」
「食べてください。」

渚ちゃん。
「ちょっと大味かなあ。」

朱莉ちゃん。
「食べず嫌いしてはいけません!」

渚ちゃん。
「きっと苺みたいな味だよね。」
「どうやって食べるの?」

百合花ちゃん。
「なでなでしてください。」

渚ちゃん。
「こんなふうに?」

玲奈ちゃん。
「髪をなでますね。」

百合花ちゃん。
「気持ちいい・・・。」

渚ちゃん。
「かわいい趣味だなあ。」

朱莉ちゃん。
「渚ちゃんも食べちゃうぞー。」

渚ちゃん。
「あかりん弄ってみたかったんだよねー。」

朱莉ちゃん対渚ちゃん。

朱莉ちゃんが突撃しますが。

渚ちゃんが捕らえます。

でもひょいっとすり抜けて。

渚ちゃんにとびかかりました。

渚ちゃん。
「わー!あかりんに食べられちゃう。」

朱莉ちゃん。
「たまには犯させなさいよー。」

ひらりひらりとかわす渚ちゃん。

朱莉ちゃんは諦めました。

美桜ちゃん。
「なにか甘酸っぱいわね。」

玲奈ちゃん。
「あなたも参加しませんか?」
「食べさせあいっこしています。」

美桜ちゃん。
「きゃー!」
「年頃の女の子が恋の練習といわんばかりに。」
「なんにんかで彼氏の代用?」
「いや。」
「かわいいもの同士やりたくなった。」
「そう。」
「それは禁断の花園。」

玲奈ちゃん。
「趣味ですよ。」
「恋の練習ではありません。」

美桜ちゃん。
「というより。」
「年頃だもんね。」
「このくらいしないと。」

玲奈ちゃん。
「あなたもどうですか?」

美桜ちゃん。
「このかわいい女の子をいただくわ。」

百合花ちゃん。
「ゆりかです。」
「なでなでしてください。」

朱莉ちゃんと渚ちゃんが一緒に座って。

ほっぺをくっつけています。

玲奈ちゃん。
「男子禁制。」

美桜ちゃん。
「なんだかさらに甘くなってるわね。」

百合花ちゃん。
「ゆりかはもっといろいろされたいです。」

渚ちゃん。
「渚は彼氏役!」

朱莉ちゃん。
「わたしは彼女役!」

美桜ちゃん。
「そのうちキスとかするんじゃない?」

渚ちゃん。
「あっと。」

朱莉ちゃん。
「いけない。」
「調子に乗っちゃった。」

百合花ちゃん。
「どうせならえっちなことしてください。」

美桜ちゃん。
「それは情に燃えすぎ。」

玲奈ちゃん。
「そろそろお茶タイムにして。」
「遊びに行きましょう。」
「恋の火遊びはこの辺りで。」

ごにんでお茶タイム。

今日は調子に乗ったので。

頭を冷やしてから。

街に出かけました。


14


みんなで。

恋ドラマを観ています。

玲奈ちゃん。
「恋は盲目ですねぇ。」

美桜ちゃん。
「恋をすると理性を失いますねぇ。」

百合花ちゃん。
「じゃあ。」
「恋って発情なのかな?」

渚ちゃん。
「発情を美化しているの?」

玲奈ちゃん。
「人によって捉え方が違うのですよ。」
「恋こそこの世の美学。」
「という人も居ますし。」
「単なる愚行と見なす人もいらっしゃいます。」

朱莉ちゃん。
「だったらわたしは要領がいいよね。」
「結婚しないつもり。」

美桜ちゃん。
「ということは。」
「恋とか結婚する人はみなバカだと言いたいの?」

朱莉ちゃん。
「あの人たちは。」
「自分の意思でそれを選んだのか懐疑的です。」

渚ちゃん。
「自分で選んだからしあわせなんじゃない?」

朱莉ちゃん。
「逆説的に言えばそうだよねー。」

玲奈ちゃん。
「わたくしは結婚しませんねぇ。」
「夫に仕えることはしません。」

百合花ちゃん。
「女性は生まれたら必ず結婚。」
「というのはこの世の理から外れた考え方なんですよ。」

美桜ちゃん。
「さあ何が正しいのでしょうね。」
「ここまで来ると。」
「いろんな意見があるわね。」
「人それぞれ正解が違うから。」
「何とも言えないわ。」

玲奈ちゃん。
「恋のドラマに飽きました。」
「実際にやりましょう!」

朱莉ちゃん。
「わたし彼女役!」

美桜ちゃん。
「彼氏役やりたいわ。」

玲奈ちゃん。
「たまには彼女役やりますね。」

渚ちゃん。
「彼女役になろうかな。」
「あれ?」
「人数的に彼女役が多くなる?」

百合花ちゃん。
「一夫多妻制じゃないですかぁ。」

玲奈ちゃん。
「ペアを組みましょう。」
「やっぱり一夫多妻制になりますね。」

朱莉ちゃん。
「三角関係にすれば?」

玲奈ちゃん。
「それは名案。」

美桜ちゃん。
「さあたまには襲ってあげるから。」

渚ちゃん。
「痴情のもつれ!」

玲奈ちゃん。
「だめですよ。」
「みおさんはわたくしのものです。」

朱莉ちゃん。
「いいえ!わたしのもの!」

百合花ちゃん。
「彼氏役がひとりしか居ません。」

美桜ちゃん。
「ハーレムとかいうやつですか。」

渚ちゃん。
「さあだれにするの?」
「ひとりに決めて!」

美桜ちゃん。
「なんですとー。」
「ひとりに決めるなんて・・・・。」
「できない!」

みおちゃん逃亡。

朱莉ちゃん。
「まてー。」

玲奈ちゃん。
「わたくしが彼氏役になりますね。」

百合花ちゃん。
「れなさん襲ってください。」

玲奈ちゃん。
「抱きしめてあげます。」

渚ちゃん。
「他の女と!!」

美桜ちゃん。
「待ちなさい!」
「ゆりかはわたしのものよ!」

玲奈ちゃん。
「いいえわたくしのものです。」

美桜ちゃん。
「略奪してやるー。」

百合花ちゃん。
「ゆりかさらわれますぅー。」

朱莉ちゃん。
「みおちゃんはわたしと一緒になるの!」

玲奈ちゃん。
「なんだかドタバタしてきました。」

部屋で乱闘気味になったので。

終了しました。

玲奈ちゃん。
「今度は映画を観ましょう。」

朱莉ちゃん。
「なんの映画?」

渚ちゃん。
「アニメ映画だー。」

玲奈ちゃん。
「最近人気のあれですよ。」

美桜ちゃん。
「域だわねー。」

百合花ちゃん。
「ゆりか楽しみです。」

映画鑑賞のち。

いつものティータイムでしたよ☆


15


寝室。

朱莉ちゃん。
「れーなちゃん♪」

玲奈ちゃん。
「あっ。」

朱莉ちゃん。

玲奈ちゃんを押し倒して。

唇を触りました。

そして。

玲奈ちゃんのスカートをめくりました。

玲奈ちゃん。
「あああああ!!」
「そんなー!!」

朱莉ちゃん。
「あっと!粗相を。」
「綺麗な女の子って。」
「見ているとつい・・・ね?」
「どう?」

玲奈ちゃん。
「気持ち良いですね・・・。」

朱莉ちゃん。
「襲いあいっこ。」
「次は玲奈ちゃんの番!」

玲奈ちゃん。
「どうしましょうか。」
「なにをして欲しいですか?」

朱莉ちゃん。
「なんでもいいよー。」

玲奈ちゃんは後ろに回って。

朱莉ちゃんに抱き着きました。

朱莉ちゃん。
「やん。」

朱莉ちゃんのスカートの中に手を入れました。

玲奈ちゃん。
「どうですか?」

朱莉ちゃん。
「気持ちいい・・。」
「れなちゃんのえっち。」

玲奈ちゃん。
「あんまりいい女の子だったので。」
「わたくしたちもお年頃ですね。」

朱莉ちゃん。
「こうして性について学んでいるよー。」

玲奈ちゃん。
「こうして体験すると。」
「男女の性は動物的本能のような。」

朱莉ちゃん。
「それは夫婦には適用されないのでは?」

玲奈ちゃん。
「恋は発情で。」
「出産は動物的本能に従っているだけでは?」

朱莉ちゃん。
「結婚しない派から見ればそうでしょうねー。」
「結婚する派から見れば適用される法則が違うと思うよ。」

渚ちゃん。
「いいことしちゃってー。」

百合花ちゃん。
「ゆりかです。」
「おふたりさん見つけました。」

美桜ちゃん。
「ゆりかちゃん。」
「いまいいところよ。」

玲奈ちゃん。
「もう終わりましたよ。」

百合花ちゃん。
「性のおはなしですか。」
「恥ずかしいです。」

美桜ちゃん。
「性って最後には飽きるそうよ。」

朱莉ちゃん。
「そうなの?」

美桜ちゃん。
「私見だけれど。」

渚ちゃん。
「そもそも女性が必ず結婚するというのは。」
「勝手に決められたルールに支配されているだけでしょ?」

玲奈ちゃん。
「それは結婚しない人から見た景色でしょうね。」
「結婚する人も結婚しない人も。」
「どちらも正解なのでしょう。」

美桜ちゃん。
「正解はひとつではないから。」

百合花ちゃん。
「ゆりかは性を否定しないのです。」
「でも理性を失ってまで欲情に走りたくないのです。」

朱莉ちゃん。
「もしかして。」
「結婚しない派と結婚する派では。」
「性のあり方が違うんじゃない?」

玲奈ちゃん。
「的に当たっているかもしれません。」

美桜ちゃん。
「人それぞれ答えがあります。」
「自分で学んで答えを出すのが必要でしょうね。」

百合花ちゃん。
「いじくってください。」

朱莉ちゃん。
「お姉ちゃんがかわいがってあげる。」

百合花ちゃん。
「よろしくです。」

朱莉ちゃん。

百合花ちゃん。

退場。

玲奈ちゃん。
「久しぶりにふたりで喫茶店にでも?」

美桜ちゃん。
「いいわね。」
「もうちょっと議論してみたいし。」

渚ちゃん。
「渚はお昼寝かな。」

玲奈ちゃん。
「渚さん。」
「ケーキがありますよ。」

渚ちゃん。
「ほんとー!?」
「やったー!!」

それぞれ解散しました。

寝室には甘い香りが立ち込めて。

女の子の匂いで満ちています。


16


豪邸の寝室で。

朱莉ちゃん。
「れなちゃん♪」

玲奈ちゃん。
「なんでしょう?」

朱莉ちゃんは玲奈ちゃんに飛び掛かって。

押し倒しました。

朱莉ちゃん。
「キスしていい?」

玲奈ちゃん。
「どうぞ。」

朱莉ちゃん。

玲奈ちゃんにキス。

そのまま抱きました。

朱莉ちゃん。
「れなちゃん大好き。」

玲奈ちゃん。
「女の子に抱かれるのは趣味ですよ。」

朱莉ちゃん。
「次は玲奈ちゃんの番だよ。」

玲奈ちゃん。
「どうしましょうかね。」

玲奈ちゃん。

朱莉ちゃんの後ろに回って。

押し倒して。

抱きしめて。

寝技をかけました。

朱莉ちゃん。
「あっ!」

玲奈ちゃん。
「さて。」
「こうしてあげましょう。」

玲奈ちゃん。

朱莉ちゃんをくすぐりました。

朱莉ちゃん。
「きゃー!」

玲奈ちゃん。
「まだこれからですよー。」

玲奈ちゃん。

朱莉ちゃんのいろんなところを。

いやらしく触ってみました。

脇腹や太ももなど。

いろんなところを。

朱莉ちゃん。
「ひゃー!」

玲奈ちゃん。
「少しやり過ぎましたかね。」

朱莉ちゃん。
「もう!」
「調子に乗るんだから。」

渚ちゃん。
「ふたりでなにしてんの?」

玲奈ちゃん。
「襲いあいっこですよ。」
「趣味も兼ねて性について探求しています。」

朱莉ちゃん。
「渚ちゃんはどう思うの?」

渚ちゃん。
「性欲って。」
「動物的欲求か趣味のどちらかなんじゃない?」

玲奈ちゃん。
「そうすると夫婦はなんでしょうね?」

渚ちゃん。
「夫婦は必要に駆られたり。」
「契約があるから。」
「性の有り方が違うんじゃないの?」

朱莉ちゃん。
「男女の契約だから。」

渚ちゃん。
「そうかも?」

玲奈ちゃん。
「たぶんそうですよ。」

朱莉ちゃん。
「真実はどうかな。」
「それより。」
「襲われたり襲ったり。」
「たまらない。」

玲奈ちゃん。
「わたくしたちは年頃みたいですね。」

渚ちゃん。
「そう言いながら。」
「渚を襲おうと接近しないでほしいな。」

朱莉ちゃん。
「捕まえた♪」

渚ちゃん。
「えい。」

朱莉ちゃん。
「きゃー!」

朱莉ちゃん。

少し吹っ飛ぶ。

玲奈ちゃん。
「捕まえましたよ。」

渚ちゃん。
「とう。」

玲奈ちゃん。

回転しながら引き離される。

渚ちゃん。
「さあもっと来なさい。」

朱莉ちゃん。
「スピードスター。」

朱莉ちゃんが魔法でスピードアップしました。

玲奈ちゃん。
「ここですよ。」

いつの間にか。

渚ちゃんの背後に玲奈ちゃん。

挟み撃ち。

渚ちゃん。
「なにすんのー!」

玲奈ちゃん。
「さあなにしましょうか。」

朱莉ちゃん。
「えっちなことしちゃう?」

美桜ちゃん。
「みおだよー。」
「なにやってんの?」

百合花ちゃん。
「ゆりかです。」
「お姉ちゃん。」
「強姦はやめてください。」

朱莉ちゃん。
「ゆりかちゃん。」
「お姉ちゃんの邪魔しちゃだめだぞ?」

百合花ちゃん。
「渚さんを助けなきゃ。」
「マジックボールです。」

妙な色のボールを出して。

朱莉ちゃんめがけて投げました。

朱莉ちゃん。
「そんなもの。」

手ではたき落としましたが。

百合花ちゃんの詰めが速くて。

レスリングのタックルを食らいました。

朱莉ちゃん。
「きゃー!」

百合花ちゃん。
「狭いところでは避けようがないみたいですね。」

朱莉ちゃん。
「もう!」

レスリングの試合になりました。

玲奈ちゃん。
「地味に痺れる電気光線。」

美桜ちゃん。
「当たらないよ。」

玲奈ちゃん。
「光線を放ちつつ接近して・・。」
「あっ!」

渚ちゃんに捕まりました。

渚ちゃん。
「くすぐっちゃうぞー。」

玲奈ちゃん。
「あっ!ちょっと!きゃっ!」

美桜ちゃんと渚ちゃんに挟まれてしまいました。

渚ちゃん。
「接近戦は渚の勝ちだと決まってますよ。」

玲奈ちゃん。
「仕方がありません。」

玲奈ちゃん。

電気を発生させる魔法で逃れました。

渚ちゃん。
「わー!静電気!」

美桜ちゃん。
「ぐ!?」

玲奈ちゃん。
「収拾がつきませんよ。」

美桜ちゃん。
「そうですね。」
「この辺で終わりと行きましょう。」

百合花ちゃん。
「勝負つかなかったです。」

朱莉ちゃん。
「もう少しで挽回だったのに!」

メイドさんが来ました。

玲奈ちゃん。
「みなさんお茶が用意されているそうですよ。」

渚ちゃん。
「わーい!」
「みんな行こう!」

朱莉ちゃん。
「休憩も必要だよね。」

みんなで。

お茶タイムとなりました☆


17


玲奈ちゃんと朱莉ちゃんが抱き合っています。

渚ちゃん。
「ふたりとも恋仲だよね?」

玲奈ちゃん。
「趣味ですよ。」

朱莉ちゃん。
「なんだかハマってたの。」

玲奈ちゃん。
「渚さんも抱きしめてあげます。」

渚ちゃん。
「れなちゃん柔らかい。」

朱莉ちゃん。
「もういっかいだけぎゅってして。」

玲奈ちゃん。
「いっそのことえっちなことでもしますか?」

朱莉ちゃん。
「百合はそろそろやめようかな。」
「興味が薄れちゃった。」

玲奈ちゃん。
「わたくしもそろそろやめようかと思っていました。」

渚ちゃん。
「思春期でしたなあ。」

美桜ちゃん。
「またやってたの?」
「研究レポート溜まったよ。」

百合花ちゃん。
「みおさんと一緒に研究してたです。」

玲奈ちゃん。
「性欲ですか。」
「わたくしの場合は趣味でしたね。」

美桜ちゃん。
「性欲は子供を作るときに必要な欲です。」

百合花ちゃん。
「だから夫婦の間においてだけ有効です。」

朱莉ちゃん。
「そのほかは趣味というわけ?」

美桜ちゃん。
「美術的な興味もあるわね。」
「趣味というのは正解だと思うわ。」

渚ちゃん。
「じゃあ。」
「子供を作らない目的での性行為は?」

玲奈ちゃん。
「そんな変態より。」
「動物のほうが優れています。」

百合花ちゃん。
「情欲が湧いたら安全に。」
「そして健全に満たすのです。」

渚ちゃん。
「結婚しない女性にとって。」
「性ってなんでしょうね。」

美桜ちゃん。
「趣味でしょ。」

渚ちゃん。
「結婚しない女性には。」
「性欲という概念が無いのかも?」

玲奈ちゃん。
「夫婦間の性行為は契約のもと行われますから。」
「同じことを未婚の女性がやることはないでしょう。」

朱莉ちゃん。
「愚かな女性はやるそうです。」

美桜ちゃん。
「子供を作るときに必要なのが性欲で。」
「そのほかは趣味か愚行。」
「正解だったら良いわね。」

玲奈ちゃん。
「とりあいず大学にレポートを提出しておきますね。」

朱莉ちゃん。
「よく考えたら。」
「だめよ。」
「女の子同士で。」

渚ちゃん。
「理性を失ってましたかね。」

朱莉ちゃん。
「恋をすると理性を失うから?」

百合花ちゃん。
「恋は盲目。」
「正しいお相手に巡り合うには。」
「きちんと見定めるのです。」
「恋のチャンスは一回とは限らないのです。」

玲奈ちゃん。
「では。」
「みなさん。」
「お昼寝しますか?」

美桜ちゃん。
「いいわね。」
「賛成。」

朱莉ちゃん。
「わたしも賛成。」

渚ちゃん。
「ちょうどしたかったんだ。」

百合花ちゃん。
「みなさんと寝られるのです。」

みんなで。

大きなベッドで。

手を繋いで。

就寝☆


18


とある日のお昼過ぎ。

玲奈ちゃんがベッドでお昼寝をしておりました。

朱莉ちゃんが添い寝をしようと。

ベッドに潜り込みます。

そんなことをしたら。

寝ぼけた玲奈ちゃんが。

朱莉ちゃんを布団で覆って。

もごもごしてしまいました。

朱莉ちゃん。
「ひゃっ!ああっ!」
「いやああああああ!?」

玲奈ちゃん。
「かわいい・・・。」

いろんな所を触られた朱莉ちゃん。

朱莉ちゃん。
「ちょ・・や・・!!」

玲奈ちゃん。
「おや?」
「わたくしは何をしているんでしょう?」

朱莉ちゃん。
「ちょっと気持ちよかったかな。」
「でも。」
「色事はもういいんです。」

玲奈ちゃん。
「なんてこと!!」

朱莉ちゃん。
「れなちゃん猛烈だったよ。」

玲奈ちゃん。
「うっかり。」
「前の癖が残っているんですわ。」
「すみませんね。」

朱莉ちゃん。
「いいよ。」
「色事は充分満足したし。」
「久々にやられて。」
「はっきり解るようになったから。」

渚ちゃん。
「入るよー。」

美桜ちゃん。
「あれ?」
「いいことしてたの?」

玲奈ちゃん。
「ちょっとした過ちです。」

渚ちゃん。
「一夜の過ち!?」

朱莉ちゃん。
「何言ってんの!」
「ちょっとだけもつれただけなんだから。」

百合花ちゃん。
「お姉ちゃんのことだから。」
「れなさんと添い寝したかったんですよ。」

美桜ちゃん。
「まあそんなところよね。」
「所で。」
「東京オリンピックがお祭り騒ぎで。」
「屋台も出てるんだけれど。」

玲奈ちゃん。
「そんなに盛り上がっているんですか?」

渚ちゃん。
「夜間は滅茶苦茶なんだって。」
「私達も行ってみない?」

玲奈ちゃん。
「鎌倉から近いですし。」
「せっかくですから。」
「お楽しみと行きましょう。」

朱莉ちゃん。
「目がキラキラするよー。」

百合花ちゃん。
「お姉ちゃんはお祭りが好きですからね。」

朱莉ちゃん。
「何着てく?」

百合花ちゃん。
「ゆりかは着物スカートです。」

朱莉ちゃん。
「姉妹コーデ!」

渚ちゃん。
「黒服でいい?」

美桜ちゃん。
「闇の組織とか言うんじゃないよね?」

渚ちゃん。
「ダークヒーロー!」

美桜ちゃん。
「そう来ましたか。」

玲奈ちゃん。
「わたくしはドレスです。」

朱莉ちゃん。
「なんて上品!」

美桜ちゃん。
「では。」
「明日にでも出発しましょうか。」

玲奈ちゃん。
「そうですね。」
「今から行くと帰りは深夜です。」

渚ちゃん。
「決まりましたね。」

百合花ちゃん。
「準備するです。」

みんなでハイタッチ。

お祭りの渦中。

東京へ進出です☆


19


東京駅に着きましたが。

屋台やら。

意味不明な大型車の上に人が演説していたり。

滅茶苦茶な状態になっています。

人がとにかく多いのですが。

人の動きが適切なため。

移動は簡単です。

移動式のワゴン者のお店だらけで。

花火までまき散らして。

警察が注意を手当たり次第に行うなど。

カオスな状態です。

玲奈ちゃん。
「人が多い都会は居るのに苦しいですね。」

朱莉ちゃん。
「そう?」
「上手に立ち回れば。」
「良いお店だらけで良いと思うけれど。」

百合花ちゃん。
「都会ってなんでも優れている訳では無いのです。」
「窮屈で息が詰まるのです。」

渚ちゃん。
「GPS持ってる。」

美桜ちゃん。
「やるじゃない渚。」

玲奈ちゃん。
「人が一か所に集中するのって。」
「あまり好ましい状態だとは思えなくなりました。」

美桜ちゃん。
「田舎と比較すると。」
「田舎はゆとりと余裕があって良いわね。」
「都会は人だらけで。」
「確かに健康になれるとは思えないわ。」

朱莉ちゃん。
「朱莉は地の理を味方につければ。」
「暮らすのにおもしろい所だと思うけれど。」

百合花ちゃん。
「都会の良い所は確かに多いのです。」
「今回は悪い所を見ないようにするのです。」

玲奈ちゃん。
「それが賢明かもしれませんね。」

皇居付近はいろんな国の旗を持った人が。

記念撮影をしていて。

もうこれはカーニバルです。

玲奈ちゃん。
「テロの予告があったそうですね。」

美桜ちゃん。
「よくも飽きもせずに。」

玲奈ちゃん。
「聖戦と言っているくらいなら。」
「正々堂々やるのが神に喜ばれませんか?」

渚ちゃん。
「有神論の渚は納得です。」

朱莉ちゃん。
「朱莉は無神論じゃないです。」

百合花ちゃん。
「卑怯な手を使ったら。」
「名折れだと思うのです。」

美桜ちゃん。
「そんなこと考えると。」
「このアイスクリームが不味くなるわよ。」

玲奈ちゃん。
「そうですよね。」

渚ちゃん。
「東京スカイツリー行きたいな。」

玲奈ちゃん。
「計画表に入ってますよ。」

百合花ちゃん。
「みんなで作成したのです。」

渚ちゃん。
「そういえばそうだった。」

みんな歩き慣れていますので。

東京23区を歩き倒すだけの脚力がありました。

電車の中。

百合花ちゃん。
「狙われているのです。」

朱莉ちゃん。
「ああ痴漢ですか。」
「全周囲を見張ってなさい。」
「隙を見せたらダメよ。」

玲奈ちゃん。
「迎撃してあげましょう。」
「あら。」
「逃げてしまいました。」

美桜ちゃん。
「只者じゃないって気づいているのよ。」
「変に賢いんだから。」

東京各所の名所を観光ですが。

変な人達がオープンカーで旗を振りまわしていたり。

楽器を鳴らして。

オープンコンサートをやっていますので。

東京が大変な事になっています。

渚ちゃん。
「仲間と無線をチェックしているけれど。」
「不審者が多いらしいね。」

美桜ちゃん。
「警察に任せなさい。」

玲奈ちゃん。
「混乱に乗じて窃盗でもしようとしているのでしょう。」

朱莉ちゃん。
「無駄な争い事は避けましょう。」

百合花ちゃん。
「誰か追跡してきているのです。」

渚ちゃん。
「迎撃する?」

朱莉ちゃん。
「朱莉ちゃんに任せなさい。」

指を立てると火が出てきます。

それを前に向けると。

炎がスクリュー機動で発射されました。

何者かは逃走したようです。

玲奈ちゃん。
「指輪を外しておきますか?」

美桜ちゃん。
「そのほうがいいわね。」
「魔力を最低限しか使えなくする指輪。」
「いくら法律で装着を義務付けているとは言え。」
「非常時には外してもいいですから。」

朱莉ちゃん。
「そうしないと辺りを焼け野原にしちゃうからね。」

玲奈ちゃん。
「そこまですると生体エネルギーが枯渇して倒れますよ。」

朱莉ちゃん。
「そうそう。」
「魔力の節約は魔法少女の基本!」

東京都庁や。

雷門付近でお買い物。

渚ちゃん。
「お参りはだめですよ。」
「偶像崇拝に該当する危険があります。」

百合花ちゃん。
「近づくのもよしたほうがいいかもです。」

美桜ちゃん。
「基本は大事よ。」

玲奈ちゃん。
「東京って意外に公園が多いですよね。」

朱莉ちゃん。
「自然と調和しないと。」
「人はやっていけないよ。」

あの有名な秋葉原に到着です。

百合花ちゃん。
「女の子のフィギュアって。」
「美術品としての価値が無いかもです。」

美桜ちゃん。
「変にお色気だったり。」
「美術的概念を無視して制作しているわね。」
「見なかったことにしましょ。」

玲奈ちゃん。
「芸術の探求に役立つかと思いましたが。」
「どれも美しいものとは思えません。」

渚ちゃん。
「けっこう残念なラインナップだよね。」

朱莉ちゃん。
「あまり酷評しないであげて。」
「そんなものだから。」

後半からお祭り騒ぎの見物をすることにしましたよ。

みんな。

ここぞとばかりにはしゃいでいます。

サッカーの観戦チケットを手に入れていましたので。

観戦して帰ることにします。

競技場にて。

玲奈ちゃん。
「サッカーですか。」
「ひとりが飛びぬけていても意味が無いようです。」
「サッカーはチームワークが物を言いますねぇ。」

渚ちゃん。
「川崎フロンターレがチェルシーを破った事があります。」
「特に飛び抜けた選手が居ないチームですけれど。」
「実績がある選手のオールスターに勝ったんです。」

玲奈ちゃん。
「飛び抜けた選手が居ないという意見に関しては異議あり。」


百合花ちゃん。
「鹿島アントラーズもレアル・マドリード相手に善戦していたのです。」
「ガンバ大阪もマンチェスターU相手に3点も入れたのです。」

朱莉ちゃん。
「ジュビロ磐田もアルゼンチンの古豪。」
「インデペンディエンテに接戦になって。」
「2対2でPK戦にて勝利しているから。」
「日本サッカーのレベルって意外と高いみたい。」

美桜ちゃん。
「ある程度の技能があれば。」
「後はチームワークがすべてを決めるみたいね。」

玲奈ちゃん。
「結局チームワークが物を言っています。」

朱莉ちゃん。
「質の高いプレイヤーを揃えても。」
「あまり影響しないのかも?」

試合は。

トルコがブラジルを下して。

8強入りでした。

試合終了少し前に撤収すれば。

人ごみに混ざったりはしません。

帰りの電車内。

美桜ちゃん。
「痴漢は大体後ろからよね。」
「甘過ぎます。」

渚ちゃん。
「ずっと警戒していると寄り付かないね。」

朱莉ちゃん。
「男ってそんなこと考えているの?」
「気持ち悪い生き物。」

玲奈ちゃん。
「そうすると健全で善良な男性まで対象になってしまいますよ。」

朱莉ちゃん。
「朱莉は男って生き物に失望しているの。」

渚ちゃん。
「かつてのシェイクスピアは。」
「女に産んでもらった事に感謝していると言っていました。」
「女に育ててもらったことにも感謝しているんだって。」

朱莉ちゃん。
「はー。」

美桜ちゃん。
「ちょっと見聞が狭いわね。」
「そのうち答えが出るわよ。」

もう夕方。

一生懸命に遊んでの帰路です。

夕日が綺麗に。

この日の締めくくりを添えてくれます。

それは自然の贈り物。

女の子たちは。

しばらく見聞を広めていくことに。

集中しそうですね。

今日もまた。

学び取ることができました☆


20


玲奈ちゃんと朱莉ちゃん。

ふたりでお昼寝をしておりましたら。

玲奈ちゃんがまた寝ぼけて。

朱莉ちゃんのいけない所を激しく触りました。

朱莉ちゃん。
「あっ・・・やめてれなちゃん。」
「ああ・・・もう百合はいいから・・・。」

玲奈ちゃん。
「ん・・・?」
「あらいけない。」
「またやってしまいました。」

朱莉ちゃん。
「性については知ってしまいました。」
「もうやめてね。」

玲奈ちゃん。
「粗相をしてしまいましたね。」

ふたりでお茶をすることにしましたよ。

みんなも来ました。

渚ちゃん。
「知ってる?」
「渚の家って。」
「徳川家康公の元家臣だって。」

玲奈ちゃん。
「わたくしの家は徳川譜代の家柄ですわよ。」

百合花ちゃん。
「ゆりかの家は。」
「徳川御三家の家臣なのです。」

朱莉ちゃん。
「みんなきちんとした夕所正しき家柄なんだね。」

玲奈ちゃん。
「そうすると誇り高いですわね。」

美桜ちゃん。
「高潔であるべきよ。」
「名誉は大事。」

渚ちゃん。
「所で。」
「こんな記事を見つけたよ。」

玲奈ちゃん。
「ああロシアはそんなおもしろいことをするのですね。」

美桜ちゃん。
「ロシアの日本人向けの新聞サイトね。」
「中々ユーモアラスな記事が多いけれど。」

百合花ちゃん。
「ソ連の変な実験とか。」
「あと中国の日本人向けニュースもおもしろいネタがあるのです。」

朱莉ちゃん。
「案外考え方とやり方が違うだけで。」
「平和的な性質は変わらないみたいね。」

みんなでお茶菓子を食べながら談笑。

玲奈ちゃん。
「次の航空祭は百里基地ですよ。」

美桜ちゃん。
「遊ぶだけではだめよ。」
「何を学ぶかが大事。」

渚ちゃん。
「真面目に遊ぼうよー。」

百合花ちゃん。
「いろいろメモするのです。」

朱莉ちゃん。
「特殊な勉強は切り札だよねー。」

最近は各地の航空祭に出かけています。

今回は百里基地ですね。

F-4EJファントムが飛び回っています。

玲奈ちゃん。
「日本の領空では航空自衛隊が日々激戦を繰り広げています。」

美桜ちゃん。
「一見平和に見て平和じゃないわけ。」

渚ちゃん。
「武器があるから平和があるという見方もできるよね。」

朱莉ちゃん。
「みんな自分の主権は確保しないといけないから。」

百合花ちゃん。
「自分の主権を確保するのは。」
「人として当然なのです。」
「否定する人は自分の主権を放棄して。」
「なんにでも奴隷になればいいのです。」

玲奈ちゃん。
「綺麗事で生きてはいけません。」
「ここではそうした現実が見られますね。」

美桜ちゃん。
「みんなメモしたほうがいいかもしれないわ。」

渚ちゃん。
「渚は兵器を認めるよ。」

朱莉ちゃん。
「無意味に使われなければいいけれど。」

玲奈ちゃん。
「誰も無益な争いを望んではいませんよ。」

朱莉ちゃん。
「兵器が正しく使われる事だけを祈っているわ。」

ひと通り見渡して。

戦闘機もじっくり観察して。

飛び回る戦闘機は圧倒的でした。

輸送機も飛んでいたり。

ブルーインパルスの曲芸飛行は芸術的でしたね。

楽しい日でしたが。

きちんと勉強はしておきました。

帰宅。

玲奈ちゃん。
「次はどんな所にお出かけしますか?」

美桜ちゃん。
「私は図書館に通うわ。」

渚ちゃん。
「渚は情報収集かな。」

朱莉ちゃん。
「朱莉はトレーニングするよ。」

百合花ちゃん。
「ゆりかは諸芸上達をするために。」
「いろんな教室に通うのです。」

玲奈ちゃん。
「みなさんそれぞれの目的に向かって進むのですね。」
「わたくしは少し歴史を探索してきます。」
「歴史を知れば大体の事柄は知ることができますから。」

美桜ちゃん。
「少し分散行動ね。」

渚ちゃん。
「みんな目的があるからね。」
「たまには別行動もあるよね。」

玲奈ちゃん。
「ではまた会いましょう。」

みんなでハイタッチ☆

それぞれ自分の目的に向かって。

前進です♪


21


寝室。

後ろから抱き着かれた玲奈ちゃん。

朱莉ちゃん。
「趣味なの。」
「れなちゃん好み。」
「私よりいい女じゃない?」
「いろいろやるの気持ちいい。」

玲奈ちゃん。
「ちょっと!え?」

朱莉ちゃん。
「こんな綺麗な女の子。」
「たまらない。」

いじくられたので。

投げた玲奈ちゃん。

転倒した朱莉ちゃん。


朱莉ちゃん。
「私を抱いていろんなことして。」

朱莉ちゃん。

玲奈ちゃんに抱かれて。

もごもごされました。

上に乗られてキス。

散々にえっちなことをされました。

玲奈ちゃん。
「いけない!?」
「思わず強姦してしまいました。」

朱莉ちゃん。
「でも女の子好きだから。」
「嬉しいけれど。」

玲奈ちゃん。
「なぜこんな頼みごとをしたのです?」

朱莉ちゃん。
「朱莉は性について解ってしまいました。」
「なるほど。」
「性欲は動物的です。」
「高度な理性で性欲を克服できるのですね。」
「性欲ってただ本能的に求めているだけなのよ。」

玲奈ちゃん。
「お役に立てて良かったですね。」
「わたくしも性についてよく解りました。」
「朱莉さんの言う通りです。」

朱莉ちゃん。
「私が見出した次の事に目を向けてね。」
「性はそう設定されているのみ。」

玲奈ちゃん。
「そう。」
「そうやって設定されているから。」
「情欲が発生するのですよ。」
「性とは夫婦の営み。」

朱莉ちゃん。
「夫婦の誓いをしていない人はやってはいけない。」
「性行為とはこういう掟がある。」
「女の子同士でやってわかったの。」
「もう情痴は卒業します。」
「ありがとね。」


玲奈ちゃん。
「なんか色欲と言いますか。」

「なんて言いますか。」
「とてもハレンチな想い出になってしまいましたね。」

朱莉ちゃん。
「正しい性解釈ってこのくらいのことをしないと辿り着けないんだよ。」

怜奈ちゃん。
「にしてもわいせつ物なのか。」
「哲学として見るのが賢明なのでしょうね。」

起き上がって。

廊下。

朱莉ちゃん。
「女の子が好きになっちゃった。」

玲奈ちゃん。
「わたくしも好きになりました。」
「女の子好きと性欲は別物です。」
「生物は進化の過程で不要な物を捨てると聞きますが。」

朱莉ちゃん。
「性欲が必要無くなったら。」
「捨てる必要が出てくるよね。」

玲奈ちゃん。
「少し恥ずかしくなってきました。」

朱莉ちゃん。
「ハレンチ少女にされちゃう。」

玲奈ちゃん。
「ふたりだけの花園ですよ。」

ふたりで抱きしめ合います。

大きなリビング。

渚ちゃん。
「渚は思索の旅に出掛けるよ。」

美桜ちゃん。
「私も一緒よ。」

百合花ちゃん。
「ゆりかは美術館巡りをするのです。」

朱莉ちゃん。
「朱莉は警察官目指そうかな。」
「特務課に推薦されてるし。」

玲奈ちゃん。
「わたくしは家業の手伝いに専念しないといけません。」

美桜ちゃん。
「みんな集まれる機会が無くなるわね。」

渚ちゃん。
「また日を決めて遊ぼうよ。」

百合花ちゃん。
「みんな忙しくなるけれど。」
「遊ぶときは遊ぶのです。」

朱莉ちゃん。
「しばらくの間みんな自分の役割に専念しそうね。」

玲奈ちゃん。
「そうですね。」
「これから忙しくなりますが。」
「会える時は会いましょう。」
「いつでも皆さんの事を想っています。」

みんなそれぞれの目的に向かって旅立っていきました。

また集まれるその日まで。

少女たちの軌跡は続いていきます☆

女の子の花が咲いた。

可憐な青春の時は。

こうして刻まれました。



22


会議室。

れなちゃんとあかりちゃんはなぜか妖艶で。

ネットユーザーや地下アイドルとして人気がありますね。

魔法少女はアイドル・象徴的な役割で。

存在そのものに意味があるのです。

玲奈ちゃん。
「魔法少女とはアイドル。」
「アイドルが戦うのですから。」
「怪我のリスクがあってもったいないですね。」

朱莉ちゃん。
「確かに魔法少女というアイドルに戦わせて。」
「莫大な利益を手にした権力者が居ましたが。」
「謎の原因で滅びたよ。」

渚ちゃん。
「女性の象徴としての意味合いが強い。」
「怪我などのリスクは一切考慮されないから。」
「あの人達にとってはなんにでも使えるんだよ。」

美桜ちゃん。
「存在そのものに価値がある女性。」
「という意味よ。」

百合花ちゃん。
「戦闘では戦死する事もありますから。」
「美術品や骨董品を兵士として投入するようなものです。」

玲奈ちゃん。
「そのたとえは良いです。」
「魔法少女は戦闘は得意ですが。」
「その分戦闘で死亡する事がありますから。」
「戦闘に出しても釣り合わないですよ。」

渚ちゃん。
「成人すると魔法使い。」
「少女の頃がかわいいと定評がある。」
「それが魔法少女。」

美桜ちゃん。
「特別な存在だから。」
「かわいければなおさらってこと。」

魔法少女はアイドルとしての地位が高く。

不思議な力を使いこなす奇跡として名があります。

突然発現して魔法を使うことができるようになりますが。

多くは使いこなせず自壊してしまうのです。

少女の頃に能力が発現して。

能力が確定した女の子を魔法少女と呼んでおり。

見た目のかわいさもあって。

アイドルとしての活躍が多い傾向にありますね。

魔法少女は成人すると魔法使いと呼ばれ。

魔法使いの少女時代がかわいいので人気なのです。

男性については普通に魔法使いと呼ばれますが。

女性のほうがスペックが高いので。

男性の能力値は女性と比べて大幅に劣ります。

創意工夫した女性が能力を確立させ。

ずっと続けていける。

最初にほぼ公平にチャンスがあるのです。

しかし能力が確定する女性は一握り。

途中で力が暴走すれば能力値が下がる。

これと同様の現象が世界でかなり多く。

中にはいにしえの伝説の再来もあるほどで。

現代になって甦った究極のスキルとなっていますよ。

何かしらの契約によって得られたり。

自然の力を操ったり。

代々継承してきた伝説の秘術が途絶えた事で。

必然的に誰かを必要として。

いまになって世界に栄えている不思議な力。

玲奈ちゃん。
「強大な力を手にしたらどうしますか?」

美桜ちゃん。
「平和の為に使うのが美しいかな。」

渚ちゃん。
「それぞれ違うよね。」

朱莉ちゃん。
「わたしはアイドル活動に使っちゃう。」

玲奈ちゃん。
「必然的にアイドル活動が専売特許ですかね。」

百合花ちゃん。
「いい事やっている光景を動画に投稿するのです。」

美桜ちゃん。
「それにしても妖艶になったわね。」
「綺麗というか魅力的というか。」

朱莉ちゃん。
「性って多くの場合は本能的に求めているだけ。」

玲奈ちゃん。
「必要の無い性なんてやらないほうがいいですよ。」
「ふたりで一緒に学んでしまいました。」

百合花ちゃん。
「夫婦なら男女の誓いもあるから。」
「たまには確かめ合うのです。」
「でも不必要な性ほど動物的なものはないです。」

美桜ちゃん。
「特に考えもなしに性に溺れる輩をけっこう見てきたから。」
「本能的に求めていることが大半で。」
「その人の意思決定じゃないのね。」
「ほとんどロボットとも言える。」

玲奈ちゃん。
「性格によるのでは?」
「性を好まない性格の人と性を適切に使用する人がいて。」
「性を欲情の赴くままに理由もなしに求める。」

渚ちゃん。
「性って理由もなしに求めたら。」
「なにそれおかしい。」

美桜ちゃん。
「ところで好きなの?」

玲奈ちゃん。
「女の子は大好きですよ。」

朱莉ちゃん。
「女の子が好き過ぎて。」
「ちょっと滅茶苦茶になったけれど。」
「やっぱり女の子が好き!」

玲奈ちゃん。
「女の子が好き過ぎてたまりません。」

美桜ちゃん。
「私じゃ駄目?」

玲奈ちゃん。
「別に構いませんよ。」

美桜ちゃん。
「なるほど。」

渚ちゃん。
「興味あるの?」

美桜ちゃん。
「女性の真実ってなにかなって。」

渚ちゃん。
「女性なのに女性を知らないワタシデス。」

百合花ちゃん。
「女性なのに女性を知らないなんて大損ですよ。」

玲奈ちゃん。
「考えたことも無いからです。」

朱莉ちゃん。
「女性は安楽を求める習性があり。」
「自分で家を建てる事はできません。」
「そうなると女性は男性の懐に飛び込むしかないよ。」

百合花ちゃん。
「女性のお手本はいくらでもあるのです。」

渚ちゃん。
「女性にして女性を知らず。」

玲奈ちゃん。
「そんなのコメディですよ。」

百合花ちゃん。
「喜劇なら笑い話なのです。」
「滑稽という意味ですよ?」

美桜ちゃん。
「女性の時代は始まっているのに。」
「いつまでも進歩が無い有様を見ると。」
「何の為に居るのか分からない。」

渚ちゃん。
「無益。」

百合花ちゃん。
「あの状態が無益なんて言うと。」
「憐れみを覚えましたのです。」

美桜ちゃん。
「素晴らしい。」

朱莉ちゃん。
「やっぱり女性を知る女性じゃないと。」

玲奈ちゃん。
「それです。」
「この会議の結論でいいでしょうか?」

百合花ちゃん。
「賛成なのです。」

美桜ちゃん。
「それでいいと思うわ。」

朱莉ちゃん。
「人間の独学も限界があると思う。」

渚ちゃん。
「人間中心の文化は廃絶かな。」

会議を終了。

ティータイム。

玲奈ちゃん。
「夕方に駅前に行って。」
「出し物をやりましょう。」

朱莉ちゃん。
「それなら任せて。」
「いい発案がいくつかある。」

この日の夕方。

あの妖艶な魔法少女ふたり組みによる。

魔法を使った出し物を行い。

拍手がありましたよ。

マジックならいくらでもできるのですから。

おまけに電撃から火炎まで自由自在。

戦闘系の出し物は困ることがありません。

魔法防御力が高ければ。

多少力を入れても負傷しないので。

模擬対戦まで出来る。

治安維持に駆り出される事も。

警備員として配置されることも。

とにかく汎用性がある魔法少女はどこにでも役に立ちます。

人気・役に立つ・仕事上手・強い・かわいい。

よって魔法少女は。

どこにでも歓迎されるのですよ。

成人すればより高度な任務にも就けますし。

特殊な職業なら。

なんでもあれ。

成人した魔法少女は特殊な職業を選ぶ傾向にあり。

かなり複雑で謎に満ちています。

魔法少女という象徴としてのアイドルはこの国で結集され。

さらなる高みに至るのです。

それが魔法少女としての務め。

女の子達の姿だから。


23


魔法少女・魔法使い全員が加盟している。

華族連盟。

公家であった九条家と近衛家の連盟で保っていた。

派閥が遂に崩壊してしまいました。

主要人物が交代したのですが。

上手に機能せず。

それぞれの派閥が凌ぎを削ろうと活発化。

寡頭制に陥ってしまいました。

前から派閥を廃止し。

政府の直轄にしようとしていましたが。

魔法少女の性質上。

どうしても派閥が必要になるため。

リーダーの欠如で内紛を誘発。

覇権争いに夢中になり。

機能不全になってしまいました。

玲奈ちゃん。
「それで訪ねてきたんですね。」

小雪(こゆき)
「そうやで。」
「うちらにはきちんとしたリーダーが必要やで。」

小鞠(こまり)
「派閥争いが始まったら中々終わらないですし。」
「みんなで何かしらの合意を得ればいいんじゃないかと。」
「小異を捨てて大同につく。」

玲奈ちゃん。
「仕方ないですね。」
「わたくしは有力候補なんですか?」

小雪ちゃん。
「そういうことになってるんや。」

小鞠ちゃん。
「過激な連中が何をするか分かりませんし。」
「再編成が必要なんです。」

玲奈ちゃん。
「政府や大人の女性はなんと言っているのです?」

小雪ちゃん。
「あかん。」
「みんな派閥争いに巻き込まれたんや。」

小鞠ちゃん。
「決着が付かないと終わらないみたいです。」

玲奈ちゃん。
「なんとかすればいいんですね。」
「わたくしがやってみましょう。」

小雪ちゃん。
「うちらの代表やけんね。」

美桜ちゃん。
「その関西弁はなあに?」

小雪ちゃん。
「関西人の友達に感化されて。」
「エセ関西弁になってしまったねん。」

美桜ちゃん。
「それは気の毒。」
「私は相手さんの動向を伺うわ。」

小鞠ちゃん。
「それが。」
「相手さんの敵地に乗り込んで戦いを仕掛けたり。」
「そんなことをはじめたから。」
「早めに終わらせないといけません。」

玲奈ちゃん。
「仕掛けてくることもあるんですね。」

小雪ちゃん。
「それよりあんたさん妖艶やな。」
「とても十代に見えへん。」

玲奈ちゃん。
「さあ。」
「女の子同士で好きな事をするとそうなるらしいですよ。」

小鞠ちゃん。
「それが美人の秘訣?」
「なーるほど。」

玲奈ちゃん。
「とりあいずよくわかりましたので。」
「寡頭制だけは廃止しようと提案してみます。」

小雪ちゃん。
「やってくれ。」
「そうしないと終わらんわ。」

美桜ちゃん。
「わたしたちは一条家についているから。」
「三家連携で立て直しましょう。」

玲奈ちゃん。
「それはいいですね。」
「早速提案書を作成して送りますね。」

小雪ちゃん。
「うちらもけっこうちょっかい出されて手におえんわ。」
「よろしく頼むで。」

退場。

玲奈ちゃん。
「ふたりで書きますか?」

美桜ちゃん。
「そのほうがいいわ。」
「渚と朱莉と百合花も呼んで。」
「複数人で仕上げたほうがいい。」

玲奈ちゃん。
「ではやりましょう。」

提案書は。

派閥争いを弱体化させました。

三家連携に成功したので。

みんな従わざるを得なかったからです。

それでも小さな紛争は続いており。

まだ終息には至りませんが。

政府が介入しましたので。

時間はかからないようです。

魔法少女も中々大変です。

国の発展の片隅に。

アイドルとしての魔法少女が文明に華を添えています。

それは美でしょうか。

それとも人類が力を手にするために?

答えはありません。


24


果たし状を受け取り。

仕方がなく港の廃棄された埠頭・コンテナ地帯に出向きました。

玲奈ちゃん。
「なんのつもりですか?」

すみれちゃん。
「知らへん。」

あかねちゃん。
「なんでここにいるの?」

玲奈ちゃん。
「ライバル心ですか?嫉妬?」

すみれちゃん。
「どうやら罠っぽい。」

玲奈ちゃん。
「納得が行く結末が欲しいんですね?」

すみれちゃん。
「姦計や。」
「逃げろ。」

他の魔法少女たちが。

このエリアに続々と侵入。

戦闘が発生しています。

玲奈ちゃん。
「そういうことですか。」

すみれちゃん。
「時間稼ぐから逃げて。」


小雪ちゃん。
「わたしたちも加勢するよ。」

小鞠ちゃん。
「大人の魔法使いもいるから気を付けて。」
「完全な同士討ちです。」

すみれちゃん。
「早く逃げて。」

小雪ちゃんが先制攻撃。

絶対零度の凍える吹雪。

手に込めて作成して。

敵の集団に浴びせますが。

敵は耐えました。

周辺が氷漬けです。

とんでもない範囲攻撃。

コンテナの上から。

狙撃してくる魔法少女。

拳銃での攻撃。

あかねちゃん。

不思議な衣でハンドガンの弾を防御。

いくら撃っても効果なし。

あかねちゃん。
「弾丸なら弾ける。」

小鞠ちゃん。
「させない。」

小鞠ちゃんが発砲してくる魔法少女に接近。

跳ね飛ばして気絶させた。

あかねちゃん。
「うぐぐ。」

玲奈ちゃん。
「たくさん集まっています。」
「逃げ遅れてますよ。」


すみれちゃん。
「このままじゃ分がないな。」

小雪ちゃん。
「一緒に逃げましょう。」

小毬ちゃん。
「現場は把握しました。」
「撤退。」

すみれちゃん。
「火力を上げるかな。」

誰かが接近していた。

日葵(ひまり)
「なにやってんの?」
「反逆者の罠だよ。」

すみれちゃん。
「ごめん。」
「真に受けてしもうた。」

日葵ちゃん。
「無策で来たのですか?まったく。」

玲奈ちゃん。
「反逆者が混ざってます。」

日葵ちゃん。
「お互いに分が無い戦いです。」

玲奈ちゃん。
「そのようです。」

相手の魔法少女と魔法使いが多数接近してくる。

日葵ちゃんは偏向レーザーで応戦。

日葵ちゃん。
「だめだわ。」
「体術が高度過ぎてついていけない。」

玲奈ちゃん。
「連携が大事。」

すみれちゃん。
「わたしたち敵の中央部に居るわ。」

あかねちゃん。
「交戦しながら後退しよう。」
「わたしが指示するよ。」

援軍。

朱莉ちゃん。
「なにやってんの?」

渚ちゃん。
「大事になってない?」

美桜ちゃん。
「逆にチャンスよ。」

百合花ちゃん。
「なにやっているんですか。」

苺花(まいか)がシャドーボールで襲撃する。

苺花ちゃん。
「まとめて倒れろー!!」

朱莉ちゃん。
「当たらないよ。」

百合花ちゃんがシャドーボールを吸収してしまう。

苺花ちゃんが大型のシャドーボールを形成。

撃ち込んで範囲攻撃しようとするも。

百合花ちゃんが弾いてどっかに着弾してクレーンが破損する。

美香(みか)が小隊の中に突撃。

美香ちゃん。
「ひとりずつ気絶して貰います。」

百合花ちゃん。
「動きが速いのです。」

美桜ちゃん。
「おっと?」
「読まれているわよ?」

美香ちゃん。
「時間をかけすぎた・・・。」

渚ちゃん。
「はい束縛。」

美香ちゃん。
「ひゃあ!」

渚ちゃん。
「何か吹き込まれた?」

美香ちゃん。
「私も何かおかしいと思う。」


苺花ちゃん。
「食らえ・・・食らえ!」

美桜ちゃん。
「狙いが甘いわよ。」

すみれちゃん。
「戦闘中止!」

苺花ちゃん。
「攻撃が酷い。」
「どれが味方か分からない。」

乱戦。

攻撃を繰り返しているうちに。

消耗していく。

玲奈ちゃん。
「全員に果たし状が届いていたんですか?」

美桜ちゃん。
「策略よ。」
「これでは終わらないわ。」

玲奈ちゃん。
「何かしらのヒントはあるはずです。」

小雪ちゃん。
「逆にここを乗り切ればそいつは失脚するん?」

小鞠ちゃん。
「オーケー。」
「証拠撮影しているわ。」

美桜ちゃん。
「誰が仕掛けたのか判明すれば。」
「そいつは地に堕ちる。」
「でもなんで?」

玲奈ちゃん。
「自分が覇権争いに勝つために。」
「内紛を無駄に広げているだけです。」
「みんな感づいていますよ。」

美桜ちゃん。
「みんな退避。」
「これ以上いればこの地域にもっと集まってくる。」

走って逃げ延びました。

なんと。

魔法使いの女性が小競り合いを近辺で繰り返しており。

さすがに政府もなんとかせよと介入し。

策略を打った者達は後日失脚・追放処分となり。

この事件は終わりを告げました。

夢中になって。

やり過ぎたのです。

自分たちに損害が大きく。

無益な戦いと化しているため。

この一件で全員が戦意を削がれました。


25


小田原城。

天守閣付近で。

各陣営の魔法少女が何やら相談。

紗莉奈(さりな)
「利害が一致しないよね〜。」
「派閥事に趣旨が異なるから。」

乃土香(のどか)
「じゃあすべて統一してしまうのはどう?」

千夏(ちか)
「えー?」
「そうするとチカのアドバンテージなくなるんですけど。」

紗莉奈ちゃん。
「派閥事に強みがあるからね〜。」

乃土香ちゃん。
「でも統一したほうが簡単じゃない?」

千夏ちゃん。
「そうなるといろいろ変えなきゃいけないから面倒ですけど。」

紗莉奈ちゃん。
「私は権力の行使ができるから。」
「融通が利くこのままでいいかな。」

乃土香ちゃん。
「でもここまで小競り合いがあると。」
「いっそのこと統一しちゃおうよ。」

千夏ちゃん。
「古き良き伝統を変えるんですか?」
「劣化しませんかぁ?」

紗莉奈ちゃん。
「そもそも。」
「みんな自分に合うグループについているから。」
「統一なんて無理だよ。」

乃土香ちゃん。
「無理矢理合わせてもだめかあ。」

千夏ちゃん。
「合わない人とは関わらないのがルールじゃありませんかぁ?」

紗莉奈ちゃん。
「全員仲良くするのは不可能だから。」
「みんなそれぞれ違う場所にいる。」
「違う派閥にいる。」

乃土香ちゃん。
「そうなると終息がつきませんね。」

千夏ちゃん。
「無理矢理合わせることはできないから。」
「結局無駄話よね。」

紗莉奈ちゃん。
「幼稚園は卒園したはず。」
「子供の理屈で世界は動かない。」

乃土香ちゃん。
「いるよねー。」
「邪悪な奴とか合わない奴とか。」
「悪を知らない奴は善である訳が無い。」
「悪を知らないからそう言っているんだよ。」

紗莉奈ちゃん。
「みんな仲良く?妄想の典型じゃない。」

千夏ちゃん。
「相容れない。」
「まあ破談ってことですねー。」

乃土香ちゃん。
「まあそれぞれに分かれればいいし。」
「それで?なにが趣旨?」

紗莉奈ちゃん。
「まさか。」
「黙って他の娘たちを見ているつもり?」
「先手必勝。」

千夏ちゃん。
「なーるほど。」
「チカもそう思いますー。」

乃土香ちゃん。
「あんたら私のライバルだし。」
「一回は叩き伏せておきたい。」

紗莉奈ちゃん。
「前はよくもちょっかいを出してくれたよね。」

千夏ちゃん。
「あんたらの連中が最初にやりましたよー。」

乃土香ちゃん。
「まあここで叩いておけば。」
「後々大きな顔を出来なくなるでしょう。」

紗莉奈ちゃん。
「そういう所では意見が一致しているみたいですなあ。」

千夏ちゃん。
「あれー?」
「そのつもりで来たんじゃないですか?」

乃土香ちゃん。
「取り繕っておいたけれど。」
「それが目当てだったんじゃない?」

紗莉奈ちゃん。
「一回でも泥を付ければ後々。」
「私のモノになる。」
「決まったよね〜。」

煙玉を足元に投げつけて。

スモークで包まれて。

散開。

紗莉奈ちゃん。
「アドウェルサス。」

大きな半透明なブーメランを形成して。

千夏ちゃんに投げつけましたが。

千夏ちゃんをすり抜けましたよ。

ブーメランは誘導されていて。

自由自在に飛び回ります。

別の方向にも千夏ちゃん。

千夏ちゃん。
「幻影に引っかかった。」
「そこだよね?」
「波動砲。」

水のような波動が中速度で発射され。

大爆発。

地面が陥没。

紗莉奈ちゃんはとっくに隠れていて。

再度ブーメランを誘導して。

千夏ちゃんに当て続けても。

幻影なのですり抜けてしまう。

乃土香ちゃんが。

紗莉奈ちゃんに後ろから接近してくる。

乃土香ちゃん。
「感電しちゃえー!!」

紗莉奈ちゃん。
「うわっ!」

紗莉奈ちゃん逃げ出す。

杖を振り回してくる乃土香ちゃん。

杖は電気を帯びている。

紗理奈ちゃん。

サイコキネシスで乃土香ちゃんを遠くに吹き飛ばすも。

着地されて追ってくる。


千夏ちゃんが横から。

乃土香ちゃんに波動砲を近距離で当てて。

吹っ飛ばしたが。

乃土香ちゃんは今度も見事に着地。

攻撃した瞬間に隙があり。

紗莉奈ちゃんのブーメランが。

千夏ちゃんに命中。

ブーメランには電気が流れていて。

千夏ちゃんは感電しましたが。

ダメージは少ない。

紗莉奈ちゃんが千夏ちゃんに追撃を入れようと。

手刀攻撃するも。

千夏ちゃんに避けられて。

素早く逃げられる。

さらに乃土香ちゃんが追い回してくる。

乃土香ちゃん。
「食らいなさい!」

紗莉奈ちゃん。
「きゃっ!!」

電撃の杖で叩かれて。

ギリギリで避けて。

叩かれた場所が爆発。

紗莉奈ちゃんが爆風で転倒。

千夏ちゃんが横に現れる。

フェイント。

乃土香ちゃん。
「このっ!」

千夏ちゃんの幻影に翻弄される乃土香ちゃん。

千夏ちゃんが後ろを取った。

千夏ちゃん。
「くらえー!!」

乃土香ちゃん。
「おっと!」

渦巻き状のバリアを発生させて。

その中に波動砲を吸引して防がれてしまう。

乃土香ちゃん。
「さあ終わりにしましょう!」

千夏ちゃん。
「あっ!そんな!」

追いかけっこになってしまいましたよ。

小雪ちゃん。
「なにやってんの!」

小毬ちゃん。
「やめなよ。」

紗莉奈ちゃん。
「ふたりも入ってくるのかあ。」

乃土香ちゃん。
「まあ程々でいいわ。」

千夏ちゃん。
「力の差を魅せつけたかったけれど。」
「いざ勝負してみると互角だわ。」
「残念。」

小雪ちゃん。
「なんでやったの!?」

紗莉奈ちゃん。
「それはそうでしょう。」
「いましか戦えない。」
「商売敵じゃないですか。」

乃土香ちゃん。
「早いうちにライバルを蹴散らせばいいじゃない。」
「いわゆる商売敵よ。」

千夏ちゃん。
「でもやってみると。」
「力の差が拮抗していて。」
「決着つかないですー。」

小毬ちゃん。
「ならここで剣を収めて。」
「いまは組織が不安定だから。」
「むやみにやったら損をするよ?」

小雪ちゃん。
「何かの思う壺だったらどうすんの。」

紗莉奈ちゃん。
「とりあいず解散するわ。」

乃土香ちゃん。
「そうね。」
「ここまで互角だと勝敗なんてないじゃない。」

千夏ちゃん。
「私としては本気を見たかったけれど。」
「力量ってここまで互角なのかあ。」

三人とも解散。

小競り合いはしばらく続いていました。

チャンスとばかりにライバルに仕掛けたり。

商売敵を叩き伏せておいて。

泥を付ければ。

自分が有利になるので。

宣伝とばかりに。

でも。

無暗に戦えば逆効果。

強者と強者が戦えば。

どちらが勝つかなんて結果論ですし。

いたずらに争いを広げる意味もありません。

なので。

決闘と称して戦うスタイルが定番になってしまいました。

平常時でも決闘は稀にあるものの。

ここまで堂々とやる派閥はそうあるものではありません。

力を確かめ合って。

最終的にどの派閥が統治者となるか。

それを決めようとしている。

久々の動乱期です。


26


芙蓉(ふよう)という魔法使いが反逆者と手を組んでおり。

衆愚状態にして工作を繰り返し。

愚民を玩具にして遊んでいましたが。

さすがに有害であると判断されて。

賞金首と逮捕状が発行。

でっち上げを使って無理矢理逮捕しようとしました。

驚いた芙蓉が逃げ出していく。

羽田空港にて。

玲奈ちゃん。
「羽田空港って綺麗ですよね。」

美桜ちゃん。
「飛行機の展覧会。」
「戦闘機もいいけれど。」
「平和一色に染まった旅客機も魅力的。」

百合花ちゃん。
「空と一体化するお仕事なのです。」

渚ちゃん。
「空の飛び方を知っているひとがなれるよ。」

朱莉ちゃん。
「そういえばれなちゃん。」
「もうあれやめよう。」

玲奈ちゃん。
「はいもう充分です。」

美桜ちゃん。
「中々お熱いプレイでしたよ。」

朱莉ちゃん。
「性欲って満たす事に失敗する。」

百合花ちゃん。
「いつかは失敗するのです。」

渚ちゃん。
「そこまでよく理解を深めたなあ。」

玲奈ちゃん。
「性欲なんて子供を設ける以外に。」
「確かめ合う。」
「二種類しかないですよ。」
「世の人々は夢中になっているみたいですが。」
「ソドミーでもやりますか?」

美桜ちゃん。
「彼らならきっと好きになれる。」

渚ちゃん。
「おえー。」
「そこまで行き着いたら。」
「人間なんて馬鹿の集いだって意味じゃん。」

百合花ちゃん。
「気持ち悪い事言わないでください。」

朱莉ちゃん。
「まあ二度と色事はしないわ。」

玲奈ちゃん。
「本来の目的を失った性なんて。」
「でも女の子同士でやったから。」
「ちょっと女の子というものを知りました。」

朱莉ちゃん。
「おっと。」
「ここで話すべきじゃなかったかな。」

百合花ちゃん。
「飛行機の話題に戻しましょう。」

芙蓉は落ち延びて。

プライベートジェットで逃げようとしています。

強引に検問を突破して。

勝手に離陸しようと試みていました。

結菜。
「あんたら!」

芽生。
「近くにいる魔法少女ってこいつらのこと!?」

玲奈ちゃん。
「なんですか。」

結菜。
「一応雇われの身だから。」

芽生。
「玉砕します。」

変身して戦闘が発生するものの。

ふたりの女の子は20秒も持ちませんでした。

そこで芙蓉が逃亡中であると知りました。

玲奈ちゃん。
「そのへんにしないと流刑ですよ。」

結菜。
「うちらの勢力もう駄目。」

芽生。
「せめて話すだけ話すから。」

強引に格納庫に向かう芙蓉に追いつきました。

玲奈ちゃん。
「待ってくださいよ。」

芙蓉。
「この前の魔法少女と言い。」
「強い奴らばかり来よる。」

朱莉ちゃん。
「もう連絡したよ。」

芙蓉。
「なんと。」

上空には百里F-15J戦闘機。

美桜ちゃん。
「噂の政治犯もここまでね。」

芙蓉。
「そなたらを倒して行くだけだ。」

すぐに散開するものの。

芙蓉が手をかざすと。

周囲が爆発。

直後に斬撃のような格闘をしてくるが。

集中攻撃に遭って。

芙蓉が逃げ出す。

逃げた先に異端者の援軍がいたようで。

威嚇攻撃を受ける。

護符のおかげでノーダメージ。

その異端者は食い止めようとするも。

味方魔法使いが奇襲して。

なぎ倒して。

玲奈たちは交代しましたよ。

魔法使いがしばらくして。

芙蓉がいろんな魔術を駆使して作り上げた。

意味不明な妖術をすべて破り。

衆愚にされて玩具になっていた。

愚民は目が覚めた。


27


芙蓉(ふよう)という列強の魔法使い。

探りを入れている玲奈ちゃん。

パーティーに招待された同行人として潜入。

会場に赴きました。

前の戦闘力が買われて。

逮捕劇の主力に抜擢されたのです。

なので5人で味方魔法使いと一緒に。

芙蓉を捕まえちゃいます。

玲奈ちゃん。
「豪華なパーティーですね。」
「漁夫の利ですか?」
「大漁なんですかね?」

芙蓉。
「大漁?なんのこと?」

百合花ちゃん。
「お金持ちという意味なのです。」

渚ちゃん。
「わたしたちが漁をして網にかけるのです。」

芙蓉。
「よくわからないが。」

百合花ちゃん。
「でも分かっているのです。」

渚ちゃん。
「後は口実があればいいんだけれど。」

芙蓉。
「むう?」
「言っていることがわからないぞ。」

渚ちゃん。
「でもあなたは知っているでしょう。」

百合花ちゃん。
「知っているけれど分からないのです。」

美桜ちゃん。
「最近流行のジョークよ。」

朱莉ちゃん。
「流行遅れにならないでくださいよ。」

芙蓉。
「流行りか。」
「ついていけないものだ。」

いつの間にか取り囲まれている芙蓉。

警察官が到着して。

一緒に他の魔法使いが駆けつける。

芙蓉逃げ出すが。

接近され過ぎていて。

猛攻撃に遭って。

一瞬で敗北。

派閥争いを無駄に広げた最大の裏切り者であった。

後にどこかに追放されてしまったとのこと。

三家連携でみんな合意した為。

さらに寡頭制に陥るのは良くないと認識が一致。

ささいな意見の違いはあるけれど。

組織の再編に成功。

動乱は爽やかに終息しました。

玲奈ちゃんは派閥の有力者のひとりになっていましたね。

また。

実力が優れていると知れ渡って。

頼れる存在とされ。

連携が上手に機能するにつれ。

貴族制度が見直され。

より高度で洗練された体制の構築。

貴族制度は全員連携という形で成立し。

グレードアップを達成するに至りました。

玲奈ちゃん。
「人の行方と水の流れ。」

百合花ちゃん。
「胡蝶の夢。」

渚ちゃん。
「邯鄲の夢。」

朱莉ちゃん。
「浮世は夢。」

美桜ちゃん。
「人生朝露の如し。」

胡蝶の夢。

荘子が胡蝶になった夢を見て。

さめた後も自分が胡蝶になったのか、胡蝶が自分になったのかを疑ったという故事から。

夢と現実とがはっきり分かれないことのたとえ。

また人生のはかなさのたとえ。

好きに振る舞っていても。

やっぱり拭いきれない夢のような世界。

目覚めているのか分からないけれど。

魔法少女だから気付くことができたのでしょうか。

玲奈ちゃん。
「誠に良い余興でした。」

朱莉ちゃん。
「余興は盛大でなくちゃね。」

渚ちゃん。
「これからが本番。」

百合花ちゃん。
「序章に過ぎなかったのです。」

美桜ちゃん。
「もう始まっているわよ。」

ステージは新しくなり。

移り変わりました。

魔法少女は新時代を迎えます。

女性の時代の到来からはじまる。

それは黄金時代への布石のような。

出来事なのでした。


28


安産の神様に報告に来ました。

神社は中規模で。

神職常駐。

また神様の前であれかこれか悩んでいます。

玲奈ちゃん。

「定言命法。」
「道徳法則・理性の命令。」
「〜だから〜しようという条件ではなく。」
「なすべきこと。」
「という無条件であるべき。」
「喜ばれるから親切にしよう。」
「これではだめ。」
「理性の命令によって。」
「義務的に親切にする。」

朱莉ちゃん。
「私は理性を学びました。」
「女性は感情的で。」
「理性を知りません。」
「今回でそれが学べました。」

玲奈ちゃん。
「神道ではいろんなものに対して後天的ですからね。」
「神道では後天的に知識や真実。」
「実力や知性があると出ます。」
「わたくしも理性を学べました。」
「思えばこれが圧倒的に足りませんでした。」
「反省です。」

ふたりの女の子は結果的に。

高度な理性を手に入れました。

女性にとっての理性の欠如は致命的で。

主知主義が必要なのでしょう。

散々に情痴に耽ってみて。

理性を学びました。

この知識と体験。

技能は後天的なもので。

最初から有してはいません。

知らずに世に出れば。

何かの格好の的であり。

最悪の結果を迎えたでしょう。

朱莉ちゃん。
「本能的に。」
「考えもなしに。」
「いい人が現れたから結婚する。」
「なんてことがよくある。」

玲奈ちゃん。
「女性は結婚して終わりです。」
「女性は結婚しかありません。」


朱莉ちゃん。
「わたしたちは別の選択肢が取れた。」
「怠慢をしなかったから。」


玲奈ちゃん。
「女性は怠慢を犯すのが常です。」

朱莉ちゃん。
「わたしたちの結果は理性を習得した。」

玲奈ちゃん。
「結果良しです。」

ふたりは祈りを捧げて。

強力な理性を得ました。


次の日。

屋敷の裏庭。

森林気味。

武器庫。

南蛮鎧とクレイモア。

バスタードソードが揃っている骨董品。

美桜ちゃん。
「魔法少女は魔法使いの少女時代の事を指す。」

玲奈ちゃん。
「特殊で限界以上の力を出せるから。」
「特別視されてます。」

美桜ちゃん。
「魔法使いってはっきり言えば傭兵なのよね。」

玲奈ちゃん。
「またはアイドルか。」
「二種類ですよ。」

美桜ちゃん。
「傭兵かアイドルか。」
「傭兵と言っても治安維持の切り札。」
「イスラムでの正義戦争に参加する傭兵とは違うけれど。」

玲奈ちゃん。
「概ね正義の為の戦争に投入される。」
「警備員としての役目がほとんど。」

美桜ちゃん。
「というわけで。」
「模造刀あったわ。」

玲奈ちゃん。
「魔法使いはあまり武器を使いません。」
「中世では魔法と一体化して猛威を振るいました。」

美桜ちゃん。
「素手タイプと呼ぶけれど。」
「武器なしだとそんなに強い戦闘力は出ないかもね。」

玲奈ちゃん。
「傭兵にも二種類。」
「戦争に出掛けるか。」
「警備員としての役目に徹するか。」

美桜ちゃん。
「アイドルも二種類。」
「純粋な歌って踊れるアイドル。」
「象徴としての特別な女の子。」
「女性。」

玲奈ちゃん。
「本質はそれです。」
「ここに来れば何もありません。」
「誰もいません。」

足元にいろんな練習用の武器防具が散らばる。

武器がホーミングして飛んでくる。

軽く避ける玲奈ちゃん。

いきなり練習試合が開始されました。

玲奈ちゃんがいくつかの武器に手をかざす。


武器が独りでに動く。

剣が勝手に戦闘を開始。

美桜ちゃん応戦して弾き返す。

美桜ちゃん。
「模造刀とは言え。」
「威力あり過ぎると思うわ。」

玲奈ちゃん。
「わたくしもそう思います。」
「魔法少女の武器使用禁止条例はこうなるからです。」

電気を帯びる剣。

打ち払ってしまうと感電する。

美桜ちゃん距離を取って対応。

美桜ちゃんエアガンを取り出す。

電磁加速の魔法で凄まじい威力。

コンクリートブロックに穴が開く。

玲奈ちゃんガード。

玲奈ちゃんモーニングスターを取り出す。

美桜ちゃんは鞭を取り出して器用にモーニングスターを排除。

美桜ちゃんは鞭を捨てて。

ショートソードに切り替え。

動きが速い玲奈ちゃんを捉えられない。

玲奈ちゃんスモールシールドを拾う。

美桜ちゃんは身体強化魔法を使用して。

凄まじい連撃を浴びせるも。

玲奈ちゃん。

スモールシールドで大きくショートソードを弾いて。

仰け反る美桜ちゃん。

手をかざしてレーザーを打たれそうになり。

美桜ちゃんはわざと倒れて回避。

玲奈ちゃん。
「そろそろ終わりにしましょう。」
「周辺に被害が及びそうです。」

美桜ちゃん。
「私もそう思ってた。」
「久々にまともにやったわあ。」
「武器ありのルールだと周囲が大惨事よ。」

玲奈ちゃん。
「アルマロスの護符があれば魔法攻撃は通じませんが。」
「その代わりに格闘戦になりますね。」

美桜ちゃん。
「いくら護符があっても。」
「たまに効力が失われるから。」
「アルマロスの護符かあ。」
「製造できる人って素晴らしいわ。」

玲奈ちゃん。
「天使アルマロスから教わらないと駄目みたいです。」

美桜ちゃん。
「おお神々よ。」
「ギリシャの神々も。」
「欲は言わないわ。」
「適度に与えてくださると何よりです。」

ふたりで裏庭の。

射撃場を後にしました。

たまにやるトレーニングですよ。

武器庫にいっぱいあるので。

練習用の武器防具を求めて。

他の魔法少女もトレーニングに借りに来たり。

地元では有名な魔法少女玲奈ちゃんです。


29


会議室。

玲奈ちゃん。
「この世のことは知ってしまいました。」

美桜ちゃん。
「分かっているのなら。」
「やりようがあるはずよ。」

朱莉ちゃん。
「知恵で推し量るとそう出るよね。」

玲奈ちゃん。
「特定の執着は無いです。」
「どうせそんなもんです。」

百合花ちゃん。
「明知を使ってください。」

美桜ちゃん。
「この世が空虚であると知ったのなら。」
「本当に価値のあるものも見分けられる。」

渚ちゃん。
「精神的豊かさ。」
「心の豊かさを探してはどう?」

玲奈ちゃん。
「ではそうするとします。」
「わたくしはこの世の真実を探してみます。」
「これが目的です。」

朱莉ちゃん。
「論語の一節であったよね。」
「わたしもそうする。」

百合花ちゃん。
「頭のいいひとしか分からないです。」

渚ちゃん。
「頭は足りているから。」

玲奈ちゃん。
「自分の意見を本にしてみました。」


美桜ちゃん。
「なんか変わった意見だわあ。」
「論理にかなっているけれど。」


玲奈ちゃん。
「どうもわたくしは異見が多いです。」

美桜ちゃん。
「自分の見識を持たないほうが馬鹿なのよ。」

百合花ちゃん。
「自分の意見がないなんて。」
「なんのためにそこにいるのですか。」

渚ちゃん。
「捨て駒。」

朱莉ちゃん。
「そこまで行ったらやばいわ。」

玲奈ちゃん。
「何が正しいか分からないご時世ですし。」
「自分の見識は持っておきましょう。」

美桜ちゃん。
「むしろそうしないとその他大勢の仲間入り。」
「雑魚の仲間に入るわよ。」

渚ちゃん。
「そうならないように問いかけるのです。」

朱莉ちゃん。
「性的哲学は完成したし。」
「わたしはご自慢の妖艶さを活かしてみよう。」

渚ちゃん。
「渚は渚の術がある。」
「自分の術があるから。」
「負けることはないよ。」

玲奈ちゃん。
「攻めてばかりで。」
「守りの事を考えないから負けるのです。」
「孫子の兵法。」
「不敗の形態は守備を強化する事から。」
「つまり負けない事が大事。」
「そのためにまずは防御面を磨く。」

美桜ちゃん。
「攻めが得意な人は簡単に撃ち破る。」
「現代兵法ってなわけ。」
「兵法家のスキルがないと現代兵法は扱えないけれど。」

百合花ちゃん。
「世渡りに転用できるのです。」
「処世術も上手に使えばいろんなものを避けられるのです。」

玲奈ちゃん。
「議論が捗りますが。」
「みんなそれぞれ目的地を見出したようですね。」

渚ちゃん。
「ちょっと連携しない?」

朱莉ちゃん。
「いいテクニックや情報があったら共有しようよ。」

美桜ちゃん。
「いいわね。」
「ちょうど不用品が溜まってるし。」

玲奈ちゃん。
「それで行きましょう。」
「連携プレー。」

百合花ちゃん。
「ゆりかも本を読みますから。」
「たまに掘り出し物とか。」
「いいもの差し上げます。」
「協力プレーですよ。」

美桜ちゃん。
「全員一致。」

玲奈ちゃん。
「意見が一致。」

渚ちゃん。
「まとめ役は渚に任せて。」

美桜ちゃん。
「今日みたいに集まれるとは限らない。」
「みなそれぞれなすべきことがあるから。」

玲奈ちゃん。
「ニヒリズムではありません。」
「また一緒に遊びまわりましょう。」
「今はなすべきことを。」

美桜ちゃん。
「。」


みんないろいろはじめました。

玲奈ちゃんは家庭教師をつけてもらい。

家業について学んでいます。

姉は大学生。

世界的な大学に進学するそうですが。

どうも玲奈ちゃんの方が有望視されてます。

朱莉ちゃんがアイドルに挑戦することになりました。

半年後には脱落して。

メイド喫茶に転職。

特集が組まれる女の子に変貌。

渚ちゃんが美桜ちゃんと一緒に旅行を開始。

聖地巡礼の旅もしていたり。

百合花ちゃんはスケッチで地域を散策していたり。

この世に放り出されたなんて捉え方もありますけれど。

みんなそれぞれのはじまりが訪れました。


30


寝室。

朱莉ちゃん。
「ねぇ?」
「キス。」
「して?」

玲奈ちゃん。
「いいですけれど。」
「うふふ。」

玲奈ちゃん。

朱莉ちゃんの髪を撫でて。

見つめ合って。

キス。

頭の後ろを左手で抑えられて。

口の中にアメを入れられた朱莉ちゃん。

玲奈ちゃん。
「女の子っていいもんですね。」

朱莉ちゃん。
「なんか。」
「自分にうっとり。」

ソファーに座って。

イチャイチャ開始。

くっついて。

擦り寄る。

玲奈ちゃん。
「女の子は好きなんです。」

朱莉ちゃん。
「わたしも。」
「女の子の自覚が持てた。」

玲奈ちゃん。
「もうちょっと。」

朱莉ちゃん。
「あっ!いやっ。」

お昼過ぎに。

廊下で。

百合花ちゃんに後ろから抱きついた。

朱莉ちゃん。
「えい。」

百合花ちゃん。
「え?ほああ?」

朱莉ちゃん。
「いい女になりましたなあ。」

百合花ちゃん。
「やだお姉さん。」
「もう歳取ったんですか?」

朱莉ちゃん。
「大人の女になったってカンジ?」

百合花ちゃん。
「それは凄いです。」
「お姉さんもパワーアップしたのです。」

豪邸は友人の遊び場になっておりました。

花壇にいる玲奈ちゃん。

朱莉ちゃん。
「隙ありー。」

スカートめくり。

玲奈ちゃん。
「ああ!なんてこと。」

朱莉ちゃん。
「そうかー。」
「そういうのを?」

玲奈ちゃん。
「秘密は共有ですよ?」

朱莉ちゃん。
「れなちゃんも中々ですなー。」

見つめ合ったら。

真っ赤になった朱莉ちゃん。

ふと思った。

朱莉ちゃん。
「わたしえっちなことばかり考えてた!」

玲奈ちゃん。
「わたくしは喜んでますよ。」
「こういう趣味も悪くはありません。」

朱莉ちゃん。
「じゃあ!あんなことやこんなことも?」

玲奈ちゃん。
「はい。」
「中々たまらない体験でした。」

朱莉ちゃん。
「もう!我慢できない!」

強烈に抱きしめられた玲奈ちゃん。

強姦されてしまいました。

玲奈ちゃん。
「うっ!わたくしはMなので。」
「こういうのもいいものです。」

押し倒されて。

ひたすらくすぐられて。

犯されてしまいました。

頬ずりされる玲奈ちゃん。

玲奈ちゃん。
「やめてもうだめです。」

朱莉ちゃん。
「交代しよ。」

玲奈ちゃん。
「わたくしにもやらせてください。」

朱莉ちゃん。

抑え付けられて。

眺められて。

うっとり。

朱莉ちゃん。
「抵抗できない。」
「もっと見て。」

玲奈ちゃん。
「あなたも好きですねー。」
「せめて満足させてあげます。」

しばらく眺めて。

触られてしまった朱莉ちゃん。

朱莉ちゃん
「わたしもダメになりそうです・・・。」

玲奈ちゃん。
「これでは喜劇ですよ。」
「立ってください。」
「気絶するかもです。」

朱莉ちゃん
「百合は大好き。」
「でも毎回死にそうになる。」

玲奈ちゃん。
「一応は恋人同士ですし。」
「もう少し禁欲しましょう。」
「これではお互いに持ちません。」

朱莉ちゃん
「そうする。」
「誰にも見られていない。」

恋人繋ぎで。

花壇から退場。

夜になって。

別の邸宅。

一緒に寝る姉妹。

美桜ちゃん。
「いい子に育てー。」

渚ちゃん。
「もうこんなに大きいもん。」

美桜ちゃん。
「子育てというもの。」
「ただ子供を健全に大人にすれば。」
「成功ということになりますなあ。」

渚ちゃん。
「わたし妹だもん。」
「子供なんて健全に育てればいいだけ。」
「なぎさで実験しないでください。」

美桜ちゃん。
「学者だからなあ。」
「妹まで手を出してしまった!」

渚ちゃん。
「そんな。」
「姉が妹を犯すなんて前代未聞だよ。」

美桜ちゃん。
「予想外ですなあ。」

渚ちゃん。
「悪くはありませんよ。」
「そういう言い方。」
「喜劇じゃないですか。」

美桜ちゃん。
「喜劇ねぇ。」
「百合コメディなんて見たから影響されたかも。」
「れなとあかりのカップルはまさにコメディ。」

渚ちゃん。
「馬鹿ップルなんて言ってた。」

美桜ちゃん。
「あれは戯れているだけ。」
「お遊びが過ぎましたなあ。」

渚ちゃん。
「お姉さんも影響されないでね。」

美桜ちゃん。
「妹の顔を見ながら。」
「おやすみ。」

渚ちゃん。
「お姉さんに寄り添っておやすみ。」

最近は馬鹿ップル状態のれなとあかり。

その傍らで。

姉妹は息ぴったり。

偶然では無いと思う。

渚ちゃんでした。


31


父親が高熱を出してしまい。

長女の七海は海外留学。

妹の陽菜は小学生。

これは困ったこと。

母親は旅行中で帰路に入ったばかり。

臨時に指揮を執る玲奈ちゃん。

そこそこ通用。

玲奈ちゃん。
「ノウハウは部下の芳田さんに伝授されてます。」
「通用するはず。」

めまぐるしい社長代理。

しかし。

三日間保つことができました。

母親が帰ってきて。

主権を戻せましたね。

褒められた玲奈ちゃん。

玲奈ちゃん。
「地位ってああいうもんなんですね。」
「一時しのぎでしたが。」
「余裕も出ればどんなものか分かるでしょう。」

玲奈ちゃんは調子に乗って。

片手間でいいので。

これを条件とし。

社員にキャラクターグッズを集めさせましたが。

そのうちの数名。

中々気の利いた働きで。

思った以上にスピードがあり。

望んだ品物はあっという間に納品。

玲奈ちゃん。
「雑兵だと思っておりましたが。」
「小兵と侮るべからず。」

その社員を推薦しておいたら。

すぐに昇進したそうです。

玲奈ちゃんは骨董品の中で。

ちょっとした品物を買い漁る。

自分が使えるお金が多いので。

そこら辺に出向いたら。

玲奈ちゃんの目が良いので。

父親はいつの間にか溜まっていた骨董品に惚れてしまい。

これまた褒められて。

絶好調になった玲奈ちゃん。

跡取りとして有望と言われて。

狂喜。

玲奈ちゃん。
「いまから鍛錬開始。」
「決まっているのもいいもんです。」
「間違える必要も迷う必要も。」
「踏み誤る必要も無いのですから。」

日曜日。

みんなでまた古書を持ってきて。

歓迎される友人たち。

朱莉ちゃん。
「恋ドラマやってる。」

玲奈ちゃん。
「恋は盲目。」
「恋をすると理性を失います。」

美桜ちゃん。
「性欲は本能的なもの。」
「必要なければ。」
「単に本能で求めているに過ぎない。」

渚ちゃん。
「性欲と恋。」
「結婚も願望ではなく。」
「本能的にそう求めている。」
「違いますか?」

朱莉ちゃん。
「夫に仕えるつもりはないし。」
「子供などは自分にとって無益。」
「性格としては弟媛と同じかな。」
「家政婦にはならないし。」
「男の元には仕えない。」
「なぜなら。」
「あかりは要領がいいから。」

百合花ちゃん。
「家が傾く?」
「そんなのどうでもいいのです。」
「個人主義ですから。」

朱莉ちゃん。
「男の玩具じゃないし。」

玲奈ちゃん。
「包括しますと。」
「この世のことは知ってしまいました。」
「ああなんて虚しい。」

百合花ちゃん。
「そんなものなのです。」
「そんなもんですよ。」

美桜ちゃん。
「人の世なんてその程度。」

恋ドラマ。

エスカレート。

渚ちゃん。
「うわあお子様観覧禁止モード。」

百合花ちゃん。
「この時代の男女は好色が多くて。」
「男はスケベが当然で。」
「女は必死に抱かれようとしてますよ。」
「好色という言葉がぴったりです。」

玲奈ちゃん。
「夫婦の道は忘れられた。」

美桜ちゃん。
「子供の中にはペットの扱いを受ける人もたくさん出た。」
「比率としては悪い者は少ない。」
「悪者がどうしても目立つ。」
「これは仕方がない。」

玲奈ちゃん。
「しかし好色的な者が目立ってしまう点において。」
「具合は悪かった。」

渚ちゃん。
「性行為は子供を設ける目的で行われる。」
「従って。」
「子供を目的としない性行為は有り得ない。」

百合花ちゃん。
「誓いをすることで男女は結ばれる。」
「夫婦になるのです。」
「夫婦の誓いがあるからこそ。」
「いかなる性行為も正当化できるのです。」

美桜ちゃん。
「妻は夫に仕え。」
「子供を育てる。」
「しかし子供の育て方も知らずに。」
「母になり。」
「夫は労働で糧を得る。」
「男はこれで精いっぱい。」

朱莉ちゃん。
「夫婦の役割の違いがあるのかな。」
「宗教的には独身も公認されていて。」
「良識なんだけれど。」

玲奈ちゃん。
「男が田を耕さない年は、天下が飢え。」
「女が糸を紡がない年は、天下が凍える。」

美桜ちゃん。
「わたしは糸を紡ぐわ。」

朱莉ちゃん。
「糸を紡ぐのは女性の役割。」

渚ちゃん。
「女性の本当の意味を知りたいな。」

百合花ちゃん。
「人によって女性というものが違いますからね。」
「自分を知るのは大切なことです。」

玲奈ちゃん。
「さあてテレビが犯罪者になった所で。」
「みなさんで持ち寄った古書を読み漁りましょう。」

美桜ちゃん。
「みんな名家出身ですから。」
「すごい本くらいは普通です。」

ダークサイドに堕ちたドラマを消去し。

資料室で集結。

強力な知恵を発揮する。

女の子たち。

非凡な女性は新時代の開拓者?

ことわざ通り。

百歳の童七歳の翁。



イソップ童話。

ゼウスとアポロンが弓矢の技を競い合った。

アポロンが弓を引き絞り。

矢を放つと。

その射た距離をゼウスは一跨ぎした。

このように。

ずっと強い人と張り合うと。

相手に及ばぬばかりか。

笑いものになるのだ。


社内のお偉いさんの部屋。

練度が上がる玲奈ちゃんはレッスン。

社員からノウハウを貰っております。

終了後。

三人で雑談。

玲奈ちゃん。
「同じ事の繰り返し?」
「毎日、同じ事をしている?」
「それの何が悪いの?」
「それの何がいけない?」

渚ちゃん。
「どうせ世界は同じ事が繰り返されるんだから。」
「なぎさが同じ事を繰り返しても。」
「なんの問題も無い。」
「所でそんなこと言う輩も。」
「結局は同じ事を繰り返しているよね。」

美桜ちゃん。
「同じ事をやっておいて人を非難するのは。」
「無理がある。」
「十万円くれたら考えてあげても良い。」
「一万円札もくれないのに大言壮語。」
「忠告?」
「忠告するくらいなら、金をくれ。」

玲奈ちゃん。
「啓蒙思想について。」
「人を否定すると。」
「否定された人は自分の意見を疑い。」
「懐疑論に走り自信を失うも。」
「疑いの世界には真理が多いので。」
「信じるよりは疑った方が得策であるし。」
「否定されたから自信を無くしても。」
「信じる方が虚偽を受けるので。」
「疑うようになった方が理解がしやすいです。」
「信じて偽りを受けるか。」
「疑って真理を得るか。」
「福沢諭吉の学問のススメでの格言です。」

渚ちゃん。
「演繹法には客観データを使っているよ。」
「前提が何かしらの客観データだから。」
「言い掛かりは逆効果だと思います。」

美桜ちゃん。
「例えば。」
「罪だとして厳格に叱責すればするほど。」
「当人は罪を計算するようになります。」
「罪だ罪だ連呼せずに寛大にならないと。」
「当人を狡猾にしてしまいます。」
「一度計算するようになれば。」
「罪なんて無意味ですので。」

渚ちゃん。
「想定される反論を押さえておかないと。」
「弁論術の常套手段でしょ。」

美桜ちゃん。
「口論と議論を混同しないように。」
「これって基本なのに誰も出来ていない。」

渚ちゃん。
「皆一人前と自称しているらしいけれど。」
「それより上の勝負には脆い。」
「これはなあに?」

玲奈ちゃん。
「従業員にアンケートを実施していて。」
「定期的に面談するのです。」
「企業の人員の様子や状況を把握していないと。」
「思わぬしくじりがありますし。」
「上の者がへりくだると。」
「下の者は正直に話してくれるものです。」

渚ちゃん。
「なぎさもジョハリの窓よろしく。」
「考えを変え易いという長所を持っているよ。」
「誤りであると証明されたもの。」
「間違いであるとわかったものから。」
「考えをあっさり変えてしまう。」
「昔から持っている長所。」

昼休みに。

集まって雑談している社員。

白熱したコミュニケーション。

なんかレベルが高い。

社員。
「受賞作は傑作!」
「世間ではこう言われています!」

上司。
「それはお前の主観だろ。」

非正規労働者。
「通俗小説って面白いよな。」

上司。
「それ君だけでしょ?」

ヒューマニスト。
「誰もが屁理屈を言うよね。」

上司。
「屁理屈とは何か?」
「どこからが屁理屈になるのか?」

女性社員。
「あいつ不細工だよね。」

インテリ女子。
「あんたよりは綺麗だよ。」

女性社員。
「私の容姿の話なんてしてないよ。」

社員。
「猶木さんってかなりの博識だよね。」
「だからあんなに本書けるんだろうね。」

課長。
「どうでもいいことしか書いてないから。」
「しょっちゅう本出せるんだろう。」

仲間。
「アメリカでは油断すると所有物を盗まれる。」

エリート。
「むしろ盗まれない方が変だわ。」

部長。
「お前、選挙も行かないのか?」
「社会人として恥ずかしくないのか?」

社員。
「自分が行くことで当選者が変わる確率は。」
「ゼロですので。」

ネットde真実。
「日本人は昔、アジアの国々に対して侵略をした。」

上司。
「世界的にそれが当たり前の時代だったじゃないですか。」

ネットde真実。
「悪人って無能だから悪に手を染めるんだろ?」

部長。
「善人は悪人になれないけど。」
「悪人は善人にもなれる。」
「だから悪人のほうが優秀だよ。」

ザコ。
「俺仕事速いだろ?」

社員。
「考え込んでないだけでしょ。」
「もっとあらゆる可能性を模索するべき。」

非正規労働者。
「あいつ殴っていい?」

ヒューマニスト。
「だめだよ、法律違反だからね。」

非正規労働者。
「でもみんな喜ぶよ?」

課長。
「お前!労働者のくせに態度がでかいぞっ!」

非正規労働者。
「対等以上の関係でいたいから。」
「相場より安い報酬で働いているんですが何か?」

女性社員。
「博之さんってどこがいいの?」
「全然付き合いたいとは思わない。」

エリート女性。
「お前の気持ち以上に向こうもそう思っているから。」
「お前の負けでしょ。」

ザコ。
「道徳って大事ですよね。」

上司。
「うん、だからお前もな。」

中年女性。
「女に暴力振るうなんて最低ね!」

社員。
「それはたまたま女に腕力がないからそう思うだけ。」
「女の方が力が強かったら俺と同じことをしていると思うよ。」
「だって実際、お前子供を叩いているじゃん。」

女性社員。
「なんで浮気ばかりするの!」

エリート社員。
「結婚するときに浮気しないとは一言も言ってないからね。」
「裏切らないという約束はしてないし。」

部長。
「全員で正論ばかり言うな。」

知識人。
「忠告するくらいなら、金をくれ。」

笑顔で退場。

フリースクールに出席。

最近。

ある意味でボディーガード。

特殊なフリースクールなので。

新鮮で健康な授業しか採用していません。

生徒主体で。

いろいろ間違っている前提でいろんなことを教えるため。

生徒に考えさせるアメリカ式が重視されていますね。

教師。
「人は実際以上に自分の考えが伝わっていると思い込む。」
「実際は何も言わないので何も伝わっていない。」

朱莉ちゃん。
「相手が理解していると思い込んで。」
「言った事になっているんですよ。」

教師。
「だから実際以上に自分の考えが伝わっていると思い込む。」
「でも、言わなければわからないという簡単なものではなく。」
「そもそも言える状況ではなかったりする。」

百合花ちゃん。
「言える状況ではないので言えない。」
「そして伝わらない。」
「結果として伝わっていると思い込んでしまう。」

玲奈ちゃん。
「よくわたくしは特別扱いされていると言われていますが。」
「選べたのか選べなかったかの違いがあるだけです。」
「選べる人は自由意志を発揮して。」
「選べなければ決定論が物を言います。」

美桜ちゃん。
「私は巫女のアルバイトをした時。」
「自分が選べているからここにいると実感した。」
「レナちゃんは選べないままに後継者になるしかない。」
「自由意志なんて簡単に奪われるものだと理解したものよ。」

玲奈ちゃん。
「力量があるので余裕ですけれど。」
「そうでない人は選べないまま決まった通りに生涯を送るしかない。」
「わたくしはリアリストではありませんので。」
「理想しか述べません。」
「現実主義を捨てて理想に走ったもので。」
「そのおかげでリアリズムに苦しめられないという。」
「奇跡があるものです。」

渚ちゃん。
「天才タイプがお嬢様というものだから。」
「最強の組み合わせでもある。」
「選択の問題なのか自然法則によるものなのか。」
「私は後者だと思います。」
「自然にそうなった。」

玲奈ちゃん。
「おおよそ不自然なものは発見できませんし。」
「先天的な能力と後天的な能力の両方を持っています。」
「男性の性質。」
「男性から習ったスキルがいっぱいですよ。」
「誰でも師匠を持てば弱くない。」

不良少女。
「弱者には理由があるものですよね。」

番長。
「強者にも理由がある。」

玲奈ちゃん。
「お金の神様を祀っているので。」
「敬虔な上に霊験で溢れて。」
「私は魔法少女という特殊な女の子です。」
「処女の誓いまで立てたので結婚しません。」
「女性の失脚の原因は男性というお決まりのワンパターン戦法。」
「ちなみに親戚にギフテッドがいて産業関係の天才ですので。」
「個人の事だけ考えなさいとお父様に言われています。」
「無理して頑張らずに。」
「自分の事だけ考えて。」
「養子とかは禁止で世間は無視して。」
「企業に専念すればやっていけるとか。」

美桜ちゃん。
「お父さんは焦ってないね。」
「忍耐がある。」
「楽観的な意見しか言ってなかったから。」
「全部見えているんだと思う。」

玲奈ちゃん。
「悲観的な意見よりも楽観的な意見の方が真実に近いし。」
「より客観的なものですよ。」

着席。

何かやるようです。

自然と集まって。

ホワイトボードにいっぱい書かれます。

教師。
「今日はディベートの授業をやります。」
「二人で前に出てきて。」
「討論してもらいますので。」
「みなさんでどちらが正しいのか判断してください。」

玲奈ちゃん。
「その前に正しいとは何か?」
「について考える必要があると思います。」

不良少女。
「低学歴?中卒?なにこれ。」

玲奈ちゃん。
「あなたにもし私みたいに特殊な才能があれば。」
「勉強せずそっちの道に行っていると思いますよ。」
「勉強したかしなかったかは選択肢の問題に過ぎない。」

ザコ。
「あんなの教育に悪いですよ。」

教師。
「教育に悪いって具体的にどういうことですか?」
「具体的に説明してくれない?」

ザコ。
「お前って嫌な奴だな。」

不良少女。
「ってことはお前が嫌な奴なんだよ。」

ザコ。
「馬鹿だから騙されるんだよ。」

不良少女。
「馬鹿って何にでも当てはまる発言でしょ。」
「あなたのことを馬鹿と思う人もいるでしょうし。」

教師。
「正論ばかり言うな。」

不良少女。
「忠告するくらいなら、金をくれ。」

教師。
「ポルトガルのことわざですね。」
「では今日は世界の諺を学びましょう。」

ロバート・ハッチンス。
「もしも誰もが異常なら、もはや誰のことも気にする必要はなくなる。」

ディベートは普及しないようです。

結論。

ウソはつくな、ただし、ホントのことを言う必要はない。

ジョージ・サファイア。

帰宅。

次の日は旗日です。

早朝から。

小学生の妹が勉強しています。

いつも笑顔で。

一緒に戯れることも。

性格が違うので。

意見が合う場合は少ないのです。

それでも相性は悪くない。

陽菜。


ちょっとだけ登場する玲奈ちゃんの妹。

ジークンドーの創設者。

ブルースリー師匠のマニア。

普段はおとなしく自分の部屋に居て。

ちょこちょこ画面に出ているものの。

直接的な会話は存在しない。

モブキャラになった。

渚ちゃんと親しい。

その他。

執事とメイドさん。

母親も。

本当は通り過ぎていたり。

別室で過ごしているが。

いずれも物語には直接関わらない。

虹乃(なの)
「今天。」
「微風。」
「美好的。」
「最大限度。」
「中午。」
「日本拉面?」

玲奈ちゃん。
「棒球。」
「光乙美少女?」
「模擬城市?」
「口袋妖怪?」

虹乃。
「伝。」
「天花果。」
「三叶草。」

玲奈ちゃん。
「松鼠。」

虹乃。
「谷歌!」
「知道!」

玲奈ちゃん。
「汽水。」
「唱。」
「喜悦。」

虹乃。
「天真。」
「舞女。」
「五角?」

玲奈ちゃん。
「能手?」
「主角・・・?」

虹乃。
「有銭人。」
「王牌。」
「期望。」

玲奈ちゃん。
「心大星。」
「天狼星。」
「角宿。」
「参宿四。」
「参宿七。」

虹乃。
「星期日。」
「商販。」
「経常。」
「漫遊。」

玲奈ちゃん。
「生に出でて、死に入る。」
「生の徒、十に三有り。」
「死の徒、十に三有り。」
「人の生きて、動きて死地に之く。」
「亦た十に三有り。」
「夫れ何の故ぞ。」
「其の生を生とするの厚きを以てなり。」
「蓋し聞く、善く生を摂う者は、陸を行きて只虎に遭わず。」
「軍に入りて甲兵を被らず。」
「只も其の角を投ずる所無く。」
「虎も其の爪を措く所無く。」
「兵も其の刃を容るる所無し。」
「と。」
「夫れ何の故ぞ。」
「其の死地無きを以てなり。」

虹乃。
「夫れ唯だ生を以て為すこと無き者は。」
「是れ生を貴ぶに賢れり。」

玲奈ちゃん。
「典礼!!」

бeгaтЬ・・・бЬlcтpотa!!

ランチ。

遊んだ後。

中性的な女の子と合流。

玲奈ちゃん。
「男の子みたいな女の子の方が。」
「けっこう綺麗になる。」

不思議ちゃん。
「並外れた女性がいる家ですが。」
「男系で続行する意思はないって。」
「噂で。」

玲奈ちゃん。
「わたくしの家?」
「時々ですよ。」
「男系は。」
「基本。」
「家母長制。」
「女家長制。」

不思議ちゃん。
「世間では男尊女卑を否定する動きがありますね。」

玲奈ちゃん。
「他の女性を観察すると。」
「誰かの思想に感化されたに過ぎません。」

不思議ちゃん。
「騙されるまで騙された事に気づかない。」
「現代あるある。」

玲奈ちゃん。
「現代人は嘘つきです!!」

不思議ちゃん。
「あなたも現代人だから。」
「嘘になりますが。」
「それだと本当になります。」
「あれ?」

玲奈ちゃん。
「みんなで決めたから。」
「異論や反対する人もみんなの一部です。」
「その人達も尊重されるべき。」
「しかしみんなという大義名分でみんなの一部を排除すると。」
「みんなで決めたことになりません。」
「集団が集団の一部を疎外するのと同じで。」
「矛盾しています。」

不思議ちゃん。
「現代あるある。」
「矛盾ばかりやっている。」

玲奈ちゃん。
「なんとなくわかったのですが。」
「皆。」
「その時々の思想を繰り返しているに過ぎない。」

不思議ちゃん。
「そもそも。」
「人は事実がわからない。」
「解釈のみがある。」
「いいとか悪いとか。」
「正しいとかは自分の解釈に依存する。」

玲奈ちゃん。
「そうなると自分の解釈を主張するだけ。」
「解釈で口論するのは萎えますね。」

不思議ちゃん。
「誰でも自分が正しいと信じたい。」
「正しいと思い込んでないと生きていけいない。」
「でもこんなのは錯覚に過ぎない。」

玲奈ちゃん。
「能動的ニヒリズム。」※権力への意志22。
「受動的ニヒリズム。」
「ふたつ食らってわかったのです。」
「わたくしはニヒリズムの味方で。」
「いつの時代も世界に加担している。」

不思議ちゃん。
「ニーチェの解説書は出回っていますが。」
「ニーチェへの貶めやデマも出回っています。」

玲奈ちゃん。
「諸説あり。」

不思議ちゃん。
「親から争う事を学んだのですけれど。」
「結局。」
「皆、欲望から争いを望む。」
「欲望が否定されると。」
「正当防衛くらいしか目的はない。」
「必要なものだけを欲して獲得する。」

虹乃。
「人間は他人に何事も教えることはできない。」
「ただ、自分の努力でそれを発見する。」
「手助けをするだけだ。」

玲奈ちゃん。
「私の運命は運命を持たないこと。」※R・M・リルケ。

虹乃。
「強い者が勝つのではない、勝った者が強いのだ。」※フランツ・ベッケンバウアー。(ワールドカップ優勝メンバー)

玲奈ちゃん。
「訓練が済んでいません。」
「わたくしがお相手しますよ。」

虹乃。
「千日の稽古を鍛とし。」
「万日の稽古を錬とす。」
「そして勝負は一瞬。」

玲奈ちゃん。
「敷地の練習場へ。」

不思議ちゃん。
「同行です。」

訓練場。

純粋な魔法少女ではない虹乃。

能力も特殊で。

一切。

使いこなせていない。

デメリットがないのがメリット。

それが虹乃の魔法。

虹乃。
「くぁwせdrftgyふじこlp」

玲奈ちゃん。
「訓練必須。」

虹乃。
「視点を変えれば、不可能が可能になる。」

不思議ちゃん。
「さらに良い方法がある・・・・・それを見つけよ。」

虹乃。
「良い手を指そうとするよりは。」
「悪い手を指さないように自戒する。」

不思議ちゃん。
「時間の流れは常に一定ではない。」※相対性理論。

玲奈ちゃん。
「人間とは乗り超えられるべきあるものである。」※

虹乃。
「贈り与えようとすること。」
「これをわたしは太陽から。」
「このあふれる豊かさをもつものが沈んでゆくときに学び取ったのだ。」

不思議ちゃん。
「ニーチェの祖先はプロテスタントの牧師でした。」
「なので言及する権限があったようですね。」

玲奈ちゃん。
「わたくしはニヒリズムを徹底しますけれど。」
「今日は好調ですね。」

虹乃。
「くぁwせdrftgyふじこlp」

人生に意味はない。

では、その無意味な人生にどうしたら新しい価値を与えることができるのか?

電子書籍。

訓練に参考になる本が入っている。

素早く検索中。

不思議ちゃん。
「電子書籍ですか。」
「スマホでも読めるんですね。」

玲奈ちゃん。
「タルムードは人気の哲学書と化しています。」
「どいつもユダヤ人を恐れたんですね。」
「なぜなら。」
「ユダヤ人は一芸に秀でている人物ばかりだったから。」
「オリンピックで優勝台を独占するような例えの民族ですし。」

不思議ちゃん。
「このDellのPCだって因果です。」
「Dellを使う際はパウリ効果にご注意ください。」
「パウリ効果の持ち主は。」
「何かと壊れます。」

玲奈ちゃん。
「幸運に頼るな・・・幸運に協力せよ。」
「奇跡を願ってもいい・・・奇跡に頼ってはならない。」
「知的財産は物的財産よりも優れる。」

不思議ちゃん。
「しれっとこんなものを買いました。」
「古本屋で二百円。」

玲奈ちゃん。
「トルストイなんてレアな。」

不思議ちゃん。
「老人から人生を習った。」
「トルストイの人生論。」
「これは生と死について。」
「老齢の立場から考察した内容。」
「特に強調されているのは。」
「幸福と不幸など。」
「人生は他人によって左右されること。」
「人生と言って自分が主導権を握ってはいない。」
「なんでも他人に左右されるも。」
「これを認めてしまうと。」
「人はかなり凶暴になる。」
「他人に左右されたくないので。」
「なにがなんでも主導権を得ようと。」
「獰猛になる・・・。」
「並外れた老人が書いた論文なので。」
「老人を支持するのなら。」
「トルストイを引き合いに出す。」

玲奈ちゃん。
「トルストイは生涯。」
「他人に左右された現象を多く体験しているらしく。」
「脅迫染みた文面で強調しています。」
「結婚も相手の心変わりで失敗する危険もありますし。」
「主婦も私は家政婦なのか・・・。」
「女性が苛立っていますし。」
「子供にも左右される。」
「旦那にも左右される。」
「ましてや他人にも左右される。」
「そうと分かると人は野獣のようになるので。」
「トルストイも乱暴者になりかけた。」
「トルストイは考察だけで結論は出していない。」
「人生には絶対的な結論がない・・・とのこと。」

虹乃。
「テレビに出ている人ってすごいの?」

不思議ちゃん。
「凡人でも著名人と勝負したら勝てる場合もある。」
「相手はどうするか?」
「打席に立たせないように球場を支配するし。」
「打席に立つチャレンジャーにフォアボールを連発する。」
「決して偉くはない。」

玲奈ちゃん。
「依怙贔屓をしてしまうと。」
「人はエコヒイキを貪る。」
「エコヒイキを下品に乗り回すし。」
「気持ち悪いくらいに舐めまわす。」

不思議ちゃん。
「成功するには押すか引くか。」
「勝手に名声を得ても。」
「出世も早くて終わりも早い。」

玲奈ちゃん。
「わたくしは成功した後の事は聞いていない。」

不思議ちゃん。
「成功した後のビジョンがないなら。」
「それを獲得しないほうがいいのでは。」
「成功は勝利と同義。」
「わたしも勝利した後の事は聞いていない。」
「デビューわーい名声だー。」
「頑張って続けるぞー。」
「あの後の事は聞いていない。」
「迂闊な。」

玲奈ちゃん。
「3年後に話題にされているか疑問です。」
「文学賞とかは後の事を考えていない。」

虹乃。
「ほらーてぃうす先生は。」
「批評家に見せてから作品を発表すること。」
「教本に書いてあります。」

不思議ちゃん。
「冷静に作品を観察できるのは批評家だけ。」
「むやみに敵対する分。」
「感情論で動かない。」
「論理的に検証したがる。」

話しながら準備。

人形が設置される。

すぐにボコボコになる人形。

不思議ちゃん。
「両足・・・で爪先で立つ。」
「バランスを維持できるようになるまで続ける。」
「後はゆっくり降ろす。」
「合気道の基本。」
「体全体のパワーを使用可能になる方法。」

虹乃。
「机が飛んだ。」
「ソファーが軽い。」

廃品のソファー等。

いろんなものが吹っ飛ばされる。

玲奈ちゃん。
「本物の戦闘技能は実戦の中で確立します。」
「格闘技は試合のため。」
「軍隊徒手格闘は戦争の技術。」
「法律などのルールが戦闘力を制限するので。」
「常に最大の力は出せないです。」

虹乃。
「調子に乗ってみる。」

不思議ちゃん。
「冷静沈着の方がかえって強いよ。」
「戦闘に興奮は禁物。」

玲奈ちゃん。
「相手を遊べるくらいに強くなれば。」
「戦闘で苦労しないです。」

虹乃。
「戦闘技能を徹底するのはなぜか?」

玲奈ちゃん。
「軍隊徒手格闘って手っ取り早く体力を作ったりして。」
「健康にいいんですよ。」
「メニューはフリーダムですし。」

虹乃。
「なるほど。」
「健康にいい。」

不思議ちゃん。
「自由?・・・自由にそれをやったから・・・で責任を取られる。」

玲奈ちゃん。
「自由に振舞っている状態で何かやれば自由で振舞った分。」
「責任は回避不能・・・自由にそれをやったからです。」

不思議ちゃん。
「悪をする自由まで含まれていたりして。」

虹乃。
「自由を否定する態度でちょうどいいです。」

不思議ちゃん。
「賢明な女性は最高で。」
「容姿以外に何も与えられなかった女性もいますが。」

虹乃。
「程々でいいと思います。」

玲奈ちゃん。
「中庸はバランス。」
「中庸の女性は究極。」

パイプイス放り投げ選手権。

パイプイスを遠くに投げた人の勝ち。

訓練場に置いてあるのは廃品なので。

もっとぐちゃぐちゃになってしまう。

虹乃。
「お願い事ってどこに言えばいいの?」

不思議ちゃん。
「稲荷神社で伝えればいいですよ。」
「もっとも安全。」
「生活全般の神様が祀られています。」

虹乃。
「無神論・・・カオスだよぉ!カオスだよぉ!」
「デルタルーン。」

玲奈ちゃん。
「世界は調和を保つために。」
「自らを変化させます。」
「混沌の場所には破滅をもたらし。」
「調和を保つために何かを犠牲にします。」
「抜けた穴や空白地帯は誰かが埋めて。」
「不足は選ばれもしない存在が埋めます。」
「過剰は限界を設けてあって。」
「災害や災難も。」
「世界が調和を回復しようとする際に発生しますよ。」

虹乃。
「あれで公明正大なの?なの?」

不思議ちゃん。
「もしかしたら他のトンデモ系が出かかっているかもしれない。」
「デーミルゴスは・・・。」
「非常事態には人の犠牲を無視します。」

玲奈ちゃん。
「氣比神宮に禁忌の神様が祀られていて。」
「禁忌ばかりする人類にはその代償。」
「禁忌の結果は・・・恐ろしい。」

虹乃。
「神観誤謬もあるの?」

不思議ちゃん。
「あるよ。」
「強者になりたいと伝えれば。」
「現実の問題の大部分はクリアできるよ。」
「でも焦ってない?」
「のんびり道草している人の方が上手だよ。」
「伊勢参りするのにレースでもするの?」
「目的地に突進するのが旅ではないし。」
「最短で動けば疲弊するだけ。」

玲奈ちゃん。
「その時代の思想に感化されて。」
「変な方向に流される場合もありますから。」
「自分が思想に流されている時は速やかに離脱してください。」
「老子の言う道とは真実の道です。」
「思想に操作されて歩む道では決してありません。」
「思いの外・・・人は現代思想とやらにけっこう乗っ取られます。」

虹乃。
「現代思想ってそんなに危ないの?」

不思議ちゃん。
「物心がつかない時期から言い包め。」
「いいようにされて育つと。」
「勝手に大人が設定した生があるだけです。」
「現代思想とはそういうもの。」

玲奈ちゃん。
「食らいなさい。」

廃品が爆散。

虹乃。
「備品がー。」

玲奈ちゃん。
「伊達政宗公の言葉を真似して。」
「廃品を壊したのではないです。」
「現代思想を壊したのです。」

不思議ちゃん。
「実行力の方が雄弁だわー。」

虹乃。
「それでなにやるの?」

玲奈ちゃん。
「おもちゃのライフル。」
「コルク弾です。」
「一発しか装填できませんが。」
「これで撃ち合いをしましょう。」

不思議ちゃん。
「動き回ってないと当たるよ。」
「三つ巴の訓練。」

虹乃。
「なにそれ楽しそう。」

みんなとよくやるコンバット。

おもちゃのライフル三丁。

弾道のブレは当たり前。

弾速が遅く。

装填もコルク弾1発。

弾薬ポケットから取り出して撃つスタイルのエアーガン。

遊びながら訓練。

必要な技能を上げておきます。

未訓練で世界を歩けない。

女の子の模索は続きます。



虹乃のレポート。

悪才。

悪い事をする才能。

悪才と悪運は悪者の特徴で。

これだけで一時的にはうまくいくよ!!

やがてどちらかひとつを没収されて。

ふたつとも失うよ!!

悪才に長ける謀反も。

どんどん衰えていきます。

悪運が強い連中でした。

謎の女性が接近。

位置情報をくれて。

瀬戸内海の島を案内してくれましたが。

怪しい所に連れていきます。

玲奈ちゃん。
「どこへ?獣道じゃないですか。」

黒羽。
「悪い事をする才能だけで。」
「凶悪犯は逃げ延びていたけれど。」
「衰えて悪運が尽きると。」
「業に食まれて死ぬものです。」

玲奈ちゃん。
「どこまで行けばいいので?」

百合花ちゃん。
「ちょっと訳ありの人かもです。」

黒羽。
「ここのパスワードを知っているのはあたしくらいなもの。」
「地下壕をアジトだなんて。」
「実はとっくの昔に逃げ出した。」

玲奈ちゃん。
「同士討ちの痕跡があります。」
「自軍の旗に槍が突き刺さっている。」

黒羽。
「あたしはここまで。」
「パスワードはメモしておいて。」
「さようならー。」

朱莉ちゃん。
「この中。」
「人形とかいるよ。」

百合花ちゃん。
「呪術書をつけた人形がいるのです。」
「抹殺して進みましょう。」

玲奈ちゃん。
「みおさんは?」

朱莉ちゃん。
「外で待機しています。」
「さっきの女性に話があるみたい。」

人形が数体出てきますが。

八つ裂きにしたり。

吹っ飛ばして破壊。

奥に進むと。

将校の部屋。

そこそこの価値ある情報しか残っていません。

CD-RWやアーカイブなどを獲得。

朱莉ちゃん。
「久しぶりにザコキャラを倒したよ。」
「ゆりかちゃんが位置を教えてくれるから簡単。」

玲奈ちゃん。
「わたくしも行動の自由を得てから。」
「いろいろ破壊しましたが。」
「まあ!自分を見ているような壊し方。」

百合花ちゃん。
「そんなに強く吹っ飛ばすと。」
「ピンボールみたいに跳ねて面倒くさいですよ。」

朱莉ちゃん。
「相手が弱過ぎるから。」

玲奈ちゃん。
「単なる警備用の捨て駒ですからね。」
「一通り調べたので戻りましょう。」

外に出る。

瀬戸内海の島は入り組んで。

いろんな地形があるので。

人が知らない場所に構えてあったのです。

司令部にメールを送りましたよ。

美桜ちゃん。
「ばっちり。」

渚ちゃん。
「さっきの人は逃がしておいていいみたい。」

玲奈ちゃん。
「車に戻りましょうか。」
「収穫はありましたし。」
「遠回しに知らせてきました。」
「寝返ってくる相手は手厚く。」

美桜ちゃん。
「普通わからない方法でやっていたそうね。」

朱莉ちゃん。
「普通のやり方ではないから。」
「5年間も工作が可能であった?」

玲奈ちゃん。
「凡人の策ではない。」

渚ちゃん。
「積極的に。」
「その姿勢が棚から牡丹餅。」

百合花ちゃん。
「怠惰なんてしないのです。」
「これはチームの獲得なのです。」

玲奈ちゃん。
「怠惰を避けても。」
「思ったより要求水準が高くなりがち。」
「ストレートに接触してくるとは思いませんでしたよ。」

敵の司令部跡地を発見。

レナちゃんはお手柄となり。

僥倖。

謎の女性については。

今後。

常連でいて欲しいので。

敵対しない旨よろしくとのこと。

豪邸に帰ると。

レナちゃんの妹がシムシティ4デラックスをプレイ中。

建設的なゲームの決定版。

どうやらチートコードを使って。

教育の民営化。

私立学校が乱立し。

総合大学。

先進医療センターも複数ありますね。

関係がない地域に公立病院と公立学校があったり。

隅っこにはハイテク工業。

住宅地・中心商業地区・ハイテク工業やインフラと言った。

ゲーマープレイ。

都市の開発中に「Esc」キーを一度押し「Ctrl」「X」キーを同時押しすると。

入力欄が左上に出るので「Enter」キーを押すことで、チートコードが発動します。

「Weaknesspays」と打てばすべてのボーナスが建築可能。

右クリックを押しながらボーナス施設を建てるといくつでも建てられる。

建てたら一度右クリックをはなして再び押しっぱなしでボーナス施設を建てる。

市長モードの時に「Ctrl」「Shift」「Alt」を押しながら神モードにするなど。

チートコードは三星都市で手っ取り早い攻略方法。

渚ちゃん。
「シムシティ4は当時のパソコンで。」
「大都市を作成できないほど。」
「多くのスペックを要求されたものです。」

玲奈ちゃん。
「今では余裕で稼働しますね。」
「ダウンロード版しかありませんが。」

渚ちゃん。
「適当に高速道路を複数、近隣都市に接続すれば。」
「基本の都市は出来上がるので。」
「どのくらい独創的になるかを工夫して遊ぶ。」
「クリエイティブなゲームだよ。」
「最近のゲームは破壊ばかりなので。」
「建設するゲームが好き。」

玲奈ちゃん。
「なぜ連邦刑務所があんなにいっぱい・・・・。」

渚ちゃん。
「暴動があってもいいので序盤の資金繰りに使う手だよ。」
「後で壊さないと都市が発展しないけれど。」
「最初から税率8.0でプレイできるし。」
「基本的な基盤づくり。」
「なぎさが教えたの。」

玲奈ちゃん。
「有益なゲームも中にはあるんですね。」

渚ちゃん。
「芸術が何かを表していたり。」

百合花ちゃん。
「作者以上の要素(アルケー)が誕生することもあるのです。」

玲奈ちゃん。
「わたくし自身。」
「多くの事を知ろうとスキャンしていましたが。」
「焦ってしまいました。」
「その人がいろいろ考えられるように。」
「思考停止の防止でも企んだのでしょうか。」

百合花ちゃん。
「自分で考える能力は基本ですよ。」

渚ちゃん。
「他律でいつまでも動かないでしょう。」

玲奈ちゃん。
「ああ杞憂。」

朱莉ちゃん。
「資料館のパンフレット手に入れた。」
「友達が回してくれる。」

最近は各地の資料館巡りをしたり。

歴史資料館は新鮮です。

一区切り。

悪才に長ける反乱軍も。

盛者必衰。



豪邸の花壇にて。

美桜ちゃんと。

見知らぬ女の子が練習中。

玲奈ちゃん。
「おや?男の子かと思いました。」

不思議な娘。
「そう言われても別にいいけれど。」
「女の子だよ。」

美桜ちゃん。
「この娘。」
「いい剣を持っているの。」

不思議な娘。
「十拳剣ですよ。」

玲奈ちゃん。
「西洋の剣とは違いますね。」

美桜ちゃん。
「古流の剣なのよ。」

不思議な娘。
「日本刀と違って。」
「取り回しがよくて。」
「人を選びます。」

玲奈ちゃん。
「その鞘は?」

不思議な娘。
「直刀。」
「鹿島神宮のレプリカですね。」
「保管されているのを精密にコピーしたもの。」
「扱うのは人の技ではありません。」

美桜ちゃん。
「この娘は直刀を扱えるのよ。」

不思議な娘。
「その分、素手タイプは苦手ですけれど。」

玲奈ちゃん。
「エクスカリバーのような。」
「惹かれますねぇ。」

不思議な娘。
「勝手にいろいろコピーしたので。」
「あんまり人に見せたくはないのですが。」

美桜ちゃん。
「武器の扱いが上手で。」
「単純に強いのは素晴らしいわ。」

不思議な娘。
「そうですね。」
「強敵対策として期待されていたりもします。」

玲奈ちゃん。
「名前は?」

不思議な娘。
「それは言えませんが。」
「れなさんですよね。」
「色事が趣味で。」
「好色的だと伺っておりますが。」
「本当ですか?」

玲奈ちゃん。
「はい。」
「他の人間ほどではありませんが。」
「流行に乗っかって。」
「女の人といろいろやりましたけれど。」

不思議な娘。
「本能的に求める理性無き人間。」
「しかしあなたは敢えてやったように思われますが。」

玲奈ちゃん。
「元々女の子が好きでして。」
「男女で結合するよりは下品ではありません。」

不思議な娘。
「彼らは欲情の赴くままに。」
「やりたい放題ですからね。」
「彼らには選択の権利が無いらしくて。」
「結合そのものを好んでいるほどで。」

美桜ちゃん。
「は?」
「好色的なのは彼らの性質って意味?」
「色事を求めているのではなく。」
「ああいう行為そのものが趣味ってこと?」

不思議な娘。
「好きでやっているというより。」
「色事は強制ですからね。」
「結合は強制です。」
「普通は逃れられませんよ。」
「好色的なのは強制されているからです。」

玲奈ちゃん。
「ああいう営みは強制でしたか。」
「違和感の正体が理解できました。」
「あかりん。」
「あなたはあと一歩です。」

不思議な娘。
「ずばり。」
「性欲は強制されているのであって。」
「拒否権は普通与えられません。」

美桜ちゃん。
「だいぶ脱線したわね。」
「御覧の通り。」
「素性が知られない女の子よ。」

玲奈ちゃん。
「中性的で好みですよ。」

不思議な娘。
「まあ。」
「綺麗な女性は趣味ですし。」
「相性が良いみたい。」

美桜ちゃん。
「剣道と剣術は違う。」
「剣術は特有の鍛錬場があるし。」
「習得する技能も異なる。」
「というわけで。」
「この娘はその手に詳しいから。」

不思議な娘。
「また後で。」

玲奈ちゃん。
「お待ちしています。」

美桜ちゃんと不思議な娘は鍛錬を続行。

2時間ほど。

のんびり待った玲奈ちゃん。

一緒にお茶して。

お菓子をお土産に。

不思議な娘。
「これはどうも。」

玲奈ちゃん。
「せっかくですしね。」

不思議な娘。
「ではまた今度。」

美桜ちゃん。
「帰り道は同じ方角だから。」
「今日はあかりんとゆりかちゃん来なかったね。」

玲奈ちゃん。
「姉妹でお買い物です。」
「なぎささんはどこへ?」

美桜ちゃん。
「なぎさはフードフェス。」
「とっくに帰っているようで。」
「持ち帰った食物もあるでしょう。」
「何を食べさせられるか分からない。」

玲奈ちゃん。
「成長期ですし。」

美桜ちゃん。
「気の利いた発言をどうも。」

夕方に差し掛かった時間帯。

新しい友人も。

中性的な女の子で素性は明かせない。

謎の人物に思う所もあるけれど。

自分の色欲が強制であったと。

先に知ったのは収穫でした。

色欲は強制。

基本的には逃られない。

世人の流行りをやってみたら。

思わぬ出来事に遭遇。

色欲を改めて。

強制する色欲に理性を持って乗り越えようと。

決心。

月夜。

星座を観測。

いろいろやって。

色欲の強制を発見した。

おませです。



庭園内のテーブル。

新聞を読んでいます。

テレビでは勝手に入る情報も。

新聞なら自分で読めるので。

重宝していますし。

細かい情報も載ります。

ボーイッシュな女の子と一緒に。

玲奈ちゃん。
「変なものに変だと言って何がいけないのか?」

???
「露出狂を見て露出狂だと思わないのか?」

玲奈ちゃん。
「権威って批判がつきもの。」
「AKB48のメンバーが言っていたから。」
「いやそれ負け惜しみなのでは?」

???
「権威者が真理を把握しているとは限らない!」
「衆愚は讒言を使って工作しているけれど。」

玲奈ちゃん。
「ダーウィンが出たりしたら?」

???
「人間はバナナを持ったら。」
「必ずウキー!と言わなければならない。」
「これがダーウィンの分析である。」

玲奈ちゃん。
「どうせ滅びると思ったほうがいい。」
「自分自身でさえも。」

???
「メタ発言があれば。」
「ましな言い訳を用意できる。」

玲奈ちゃん。
「野鳥の事故死を目撃して。」
「なぜ生き物は死ぬのか?」
「人はなぜ死ぬのか?」
「なぜだろうか。」
「なぜか死ぬのだから。」
「こういうのを謎というのでしょう。」

???
「イヌとかネコとかハムスターとかインコとか。」
「好きな動物を触って。」
「すぐにそれが生き物であると分かる。」
「倫理はそうやって培われる。」

玲奈ちゃん。
「ペットを見て生き物であると分かるまで。」
「人に対しての残虐性は潜在的に残りそう。」

???
「コビッド19の患者を弱いとみて。」
「好きなだけ暴行して快感を得ている殺人好きのように。」

玲奈ちゃん。
「偽善者から身を守るには。」
「偽悪者になるしかない。」

???
「偽悪者は名優で。」
「悪人ですら手に負えない。」
「利点がいっぱいある。」
「偽善者に正面から対抗できる。」

玲奈ちゃん。
「愚者ではないという理由で。」
「攻撃されることもありますよ。」

???
「人間は諸問題を故意に歪曲するから。」
「正しい者にとっては居場所に困る筈。」

玲奈ちゃん。
「人間のアレは故意に歪曲しているのだから。」
「ゲーム理論が強くなるのは当たり前。」
「正否や良心とか関係がない世界になっていく。」

???
「多分。」
「みんな。」
「一生懸命にやった!」
「自分は真面目だ!」
「ではなんで?」
「そんな結果になるの?」

玲奈ちゃん。
「正しいと思ったことを実行して。」
「義務?なにそれ?」
「でもそんな結果になるよね?」
「そんな結果になるのはどうして?」

???
「結論だけの反論は反論ではない。」
「論証なしの発言は。」
「自分が優れていると主張し。」
「相手に挑戦して失敗している。」

玲奈ちゃん。
「弁証法が得意であったのなら。」
「迎合なんて最初からありました。」
「しかし積極的になるほど。」
「何を言っているのかわかりづらくなる。」
「積極的になるほど弁証法で書けなくなる。」

???
「ツァラトゥストラはかく語り。」
「第二の聖書と言われた書物も。」
「引き合いに出すけれど。」

玲奈ちゃん。
「ツァラトゥストラはかく語り。」
「哲学書とか。」
「叙情詩の要素を併用している文学もあります。」

???
「ニーチェ自身が超人だったのでしょうよ。」

玲奈ちゃん。
「あの本はパワフル過ぎてわたくしでも怯んでしまう。」

???
「複雑に合わさった文学もあるもので。」
「わたしはキケローでなければいけないの?」

玲奈ちゃん。
「教養のある女性は大好き。」

???
「あらまあ。」
「美少女に言われるなんて。」
「けっこういいかも。」

玲奈ちゃん。
「カワイイ女性は好きです。」
「ロリちゃんも好き。」
「変ですか?」

???
「それは情念なのでは。」
「意味はアナログ国語辞典が記す通り。」

玲奈ちゃん。
「情念ですか。」
「たまには狂ってみるのも楽しいですよ。」

???
「情念は最高の娯楽。」
「しかしやり過ぎると狂人だと思われる。」

玲奈ちゃん。
「世人が正常であると誰が言ったのですか?」

???
「言った奴は出て来い臆病者!」
「人間の我儘には疲れた。」
「ので。」
「俗世間からの縁切りを神様にお願いすると。」
「ある形の死がもたらされて。」
「その人の命とは関係ない所で死ぬ。」
「たいした災害はないけれど。」
「生きながら死ぬ。」
「命は取られないけれど。」

玲奈ちゃん。
「社会問題を扱った記事があります。」

???
「社会問題の一部が登場すると難儀。」

玲奈ちゃん。
「社会問題はいつもありますし。」
「解決できるとは思えない。」

???
「社会問題に首をつっこむ?」
「何かに絶望しているのかな。」

玲奈ちゃん。
「キェルケゴールの本を読むと。」
「絶望の精神状態が何かの病気なので。」
「精神疾患なのだろうと。」
「ずっと述べている。」
「それは自分の罪から来るのか?」
「自分がなぜ絶望しているのか知りたがり。」
「考察を繰り返している。」

???
「キェルケゴールは父親から予言されて。」
「少々正気ではなかったかな。」

玲奈ちゃん。
「古代ギリシアでは予言されていろいろなことがよくある。」
「キェルケゴールは父親から予言を食らってそうなったかも。」

???
「オイディプス王やギリシャ神話で予言されてなるというのは。」
「ヨーロッパ全域もあったのかな。」

玲奈ちゃん。
「予言を食らってその通りになるのは。」
「神話みたい。」

???
「そんなことが存在する。」
「世界にはこれらは存在するが。」
「あれは存在しない。」
「と語ることはできません。」

玲奈ちゃん。
「可能性はどんな理由でも排除できない。」
「そうすると理論が無限に巨大化する。」
「ありえない領域まで広がってしまう。」

???
「ヴィトゲンシュタインは可能性の排除はできないと述べた。」
「論証を分解するのは強いです。」

玲奈ちゃん。
「芸能人は雲の上の存在で、人気があり、羨望の対象である。」
「これを論理的に考えると。」
「芸能人は雲の上の存在というのは事態であって事実ではありません。」
「手練れと勝負すれば負けるでしょう。」
「人気があるのは事実です。」
「羨望の対象かどうかは誰かの感想や特定の個人が抱いた感情です。」

???
「世間で論理的な論証がほぼ無いです。」

玲奈ちゃん。
「凡人に無茶な要求はしないで。」

すっかり馴染んだ不思議な女の子。

噂ではお偉いさんの娘さんで。

お忍びで来ていることになります。

新聞を読んで語り合って。

ランチの完成をもちまして。

新聞は保管フォルダーの中へ投入されました。



皇居を見学。

神君家康公は江戸城を。

最初から第二の京都御所に改築可能なように。

設計しているのは。

東照大権現様と何回も会って。

約束をしているから。

・・・。

自分と世界との対決においては。

世界に加担せよ。

カフカ。

???
「世界に加担しますよ。」

玲奈ちゃん。
「これは広い解釈が可能です。」
「不思議な言葉。」

???
「上手な模倣は最も完全な独創である。」
「ヴォルテール。」

渚ちゃん。
「なぎさが見つけたのは。」
「聖トマスが伝えた。」
「人は被造物。」
「これ。」
「被造物としての正道があるのだから。」
「もし被造物であると。」
「自分のアイデンティティーを。」
「神様に自己主張できないのなら。」
「動物か何かだと認めていることになる。」
「被造物だから。」
「結果がどうなろうと知ったことではないし。」
「人間とは異なる存在だから。」
「人間に合わせる義理はない。」

玲奈ちゃん。
「神道では青人草と言いまして。」
「神様がほんのちょっと言及している公式文献がありますね。」

???
「結局。」
「自分を創ったのは神様。」
「ということは。」
「自分は。」
「人は神様のために存在する。」

玲奈ちゃん。
「自分を創ったのは神様というのは真実ですし。」
「プラトンの饗宴。」

???
「プラトン。」
「ティマイオス。」

渚ちゃん。
「自分の創り手が神様ということは忘れないでおきます。」

???
「被造物としての在り方に正道があるから。」
「本当に真っすぐな道は曲がりくねっているように見える。」

玲奈ちゃん。
「学問的にはデーミウルゴス。」
「神的な宇宙創造者。」
「プラトンの宇宙論。」

???
「自分が被造物・青人草であると自覚を持つ。」
「忘れずにいる。」
「自分を創ったのは神様だから。」

渚ちゃん。
「ギリシャで人間が作られた時。」
「プロメテウスがどうも人間の数が足りないので。」
「動物から格上げして数を合わせよう。」
「でもそいつらは元々は人として作られてはいないので。」
「酷く野生的であって動物的。」
「イソップ童話。」

玲奈ちゃん。
「人は放置すると利益や欲望に従って悪事をします。」
「生まれつきそういう傾向があります。」
「善というのは作為的に発生するもので。」
「善に至るのは手を加えた結果。」
「誰でも利益や欲望の話になると。」
「態度や様子が変わるから。」
「性悪説の方が立ち回りやすい。」

???
「男性のエロティシズム。」
「いつも利己的な動機論。」
「快楽で好みを入手すればよし。」
「空腹を満たすのと同じ欲求。」

玲奈ちゃん。
「男の夢は楽しむために色欲を設定する。」
「建設的ではない。」
「本当は家庭とかはどうでもいい。」
「色欲の目的はいつも利己的であるので。」
「女性と対立する。」

???
「女性のエロティシズム。」
「持続性のハネムーンなどと言う。」
「夢を持って男からの評価等を求める。」
「入り組んだ動機論。」
「ただし男は女の思う動機や理由はない。」
「女の思うのと反対の理由で入手されているとわからないよ。」

玲奈ちゃん。
「フランチェスコ・アルベローニ。」
「ベストセラー。」
「エロティシズムについては良書。」

???
「エロティシズムは性悪説と一致しますね。」
「五感から来る欲望。」
「五官の欲望は勝手に動作しますし。」
「善人アピールは無駄かもしれません。」


渚ちゃん。
「自分が善人だと主張する奴は酷い害虫だ。」
「これはニーチェの書物にある言葉。」

???
「ニーチェの予言とラプラスの悪魔が結び付くと。」
「いよいよ手に負えない。」

玲奈ちゃん。
「ここで自分のルールを持ち出してみます?」

渚ちゃん。
「人間のルールなんて被造世界のルールを前に無意味。」
「神様が法律を利用して罰を加えたら?」

玲奈ちゃん。
「自然法は実定法を利用して罰を加える・・・。」

???
「自分のルールを主張しても無意味。」
「無神論者が自分のルールを主張したとて。」

玲奈ちゃん。
「古語辞典では普通に神道についての単語がいっぱいありますし。」
「むかしは信仰が厚く。」
「現代人は歴史を無視しているようですけれど。」

渚ちゃん。
「リヒリストだからね。」
「なに言っても虚無主義の内容を述べるだけ。」
「だって、世間の考えは多数決でしょ?」

???
「多数決が詭弁を生んだ。」

玲奈ちゃん。
「わたくしは詭弁にうんざりしています。」
「ニヒリストも詭弁ばかり。」

渚ちゃん。
「自分の都合の為に論理を無視した屁理屈。」
「大人は既に手遅れですなあ。」

玲奈ちゃん。
「お父様は。」
「大人は既に手遅れだ。」
「マルティアリス。」
「エピグラム第五巻。」
「今日生きるのだって手遅れの感があるのに。」
「この関係の詩や冗談を。」
「毎日繰り返していました。」
「最近は言いませんねぇ。」

渚ちゃん。
「当分はニヒリズムが相手になりそうですなあ。」
「全体主義も厄介だし。」

???
「知り合いのクリスチャンが。」
「ヨハネの黙示録を朗読し続けている。」
「謎。」

玲奈ちゃん。
「この時代になると。」
「真理や真実はけっこういろんな本に書かれています。」
「本当はそれを実践できるか?」
「受け入れて向き合えるか?」
「神様に告白できるか?」
「キェルケゴールと同じように。」
「お宮の前であれかこれか悩む。」

渚ちゃん。
「ラプラスの悪魔の話は?」

玲奈ちゃん。
「大体の筋書きは読めてしまいますが。」
「どうしても予測不能な要素(アルケー)があるもので。」
「黙っていれば心が満足せず。」
「かと言って喋ってしまうと非難される。」

???
「板挟み!!」

玲奈ちゃん。
「わたくしはインターネットPDFの論文で。」
「警告しておきました。」
「もういいでしょう。」

???
「ニーチェ先生と同じく。」
「現代アンチを行ったのですか?」

渚ちゃん。
「現代人が正しいなんて証明されてはいないし。」
「人間が理法に沿っている道理はない。」
「理法と一体化しているなぎさにとっては。」

玲奈ちゃん。
「現代人は驕ったタンタロス。」

???
「真実に値しない者に。」
「真実を語ってはならない。」

渚ちゃん。
「いかなる問題も。」
「正しく解決せられるまでは。」
「解決せられたのではない。」

???
「不思議な言葉があります。」
「知っていますか?」


我々の本当の敵は沈黙している。

ヴァレリー。



事実というものは存在しない。

存在するのは解釈のみである。

ニーチェ。


今日はお客さんが来まして。

親しい同年代の女の子。

何人も交流していますが。

今回の女の子は特別です。

玲奈ちゃん。
「はろー。」

蛍(ほたる)
「やっほー。」

百合花ちゃん。
「新しい彼女さんですか?」

玲奈ちゃん。
「そうであるならば。」
「異常なまでにモテモテなわたくしですか?」

蛍。
「そんな!そうであれば言ってくれればいいのに・・・。」

百合花ちゃん。
「ひょっとして・・・浮気ですか?」

玲奈ちゃん。
「正室はあかりさんですけれど。」

蛍。
「さあ浮気現場を取り押さえたまえー。」

百合花ちゃん。
「そんな馬鹿な。」

蛍。
「素敵な女の子ばかり出入りするから。」
「自分もイチャイチャしたいのかな?」

玲奈ちゃん。
「それでしたらいつでもどうぞ。」

百合花ちゃん。
「たまには撫でてください。」

蛍。
「おいでー。」

玲奈ちゃん。
「ゆりかさんも求めていました。」
「好きにしたいですね。」

蛍。
「この娘たまらない。」
「うっとりする。」

百合花ちゃん。
「もっとやってください。」

美桜ちゃん。
「あれ?そこにいたんだ。」
「取られちゃった。」

朱莉ちゃん。
「今日はどんなふうに・・あれ?」

玲奈ちゃん。
「シスターコンプレックス。」

蛍。
「ごめん独り占めしちゃった。」

百合花ちゃん。
「ゆりかはお姉さん達に好きにされる予定だったのです。」

美桜ちゃん。
「さて、とうとう見つけたわよ。」

朱莉ちゃん。
「いつの間にか居なかったけれど。」

百合花ちゃん。
「珍しい女の子が来たのが見えたので。」
「興味があったのです。」

蛍。
「あたし?」
「自警団の魔法少女です。」
「この周辺をカバーしとります。」
「魔法使いが増えて治安も改善されてます。」

玲奈ちゃん。
「武力と暴力は異なりますからね。」
「けっこう激戦でしょうか。」

蛍。
「論語には道徳教育もせずに死刑にするな。」
「こうあります。」
「犯罪なんて根っこを根絶しないと無くなりません。」
「犯罪が発生する条件を人間が整えているだけです。」

玲奈ちゃん。
「人間は作為的に善で感化しなければ。」
「心の中で悪が浸透していきますからね。」

蛍。
「利己心はすべての過失と。」
「不幸の源泉である。」
「カーライル。」

玲奈ちゃん。
「リビングに案内しますよ。」

メイドさんがいろいろ持ってくる。

朱莉ちゃん。
「いくら初夏とは言え。」
「水着のような。」

蛍。
「ほえ?中はショートパンツ。」

美桜ちゃん。
「若いうちは傾奇者でいいのよ。」

朱莉ちゃん。
「型にハマった考え方をしていたかも?」

玲奈ちゃん。
「日本ではアメリカからの輸入品である一般教育。」
「それも戦後。」
「改良も改善もされない教育形式が存在しますけれど。」

朱莉ちゃん。
「事実と称して。」
「ある特定の立場の人の主張だけを叩き込む?」

美桜ちゃん。
「事実というものは存在しない。」
「存在するのは解釈のみである。」

百合花ちゃん。
「そうなると。」
「無謀にも反論を試みる人もいるかもです。」

蛍。
「強く激しい言葉は。」
「その人の主張の根拠の弱さを示す。」
「ヴィクトル・ユーゴー。」

玲奈ちゃん。
「残念な人も世間にはいるもんですよ。」

蛍。
「所で。」
「論文を書くにも。」
「何か発信するにも。」
「完全無欠でないといけないのか。」
「完全無欠が求められているのか?」

渚ちゃん。
「間違った意見は、一般に考えられているほど世の中には多くない。」
「それというのも。」
「たいていの人々は意見なんて全然もっておらず。」
「他人の意見か、あるいはただの伝聞や人の受け売りで満足しているからである。」

蛍。
「なるほどそういうわけね。」

渚ちゃん。
「食らえニヒリズム。」
「味わえ永劫回帰。」

蛍。
「世人が全体主義の飼い犬だなんてあたしは信じない。」

渚ちゃん。
「こうなると。」
「事実というのは存在しない。」
「ニヒリズムの状態では真でしょ?」

百合花ちゃん。
「誰も基準がありませんし。」

美桜ちゃん。
「その人自身が基準をつけることになるわね。」

玲奈ちゃん。
「無いものを基準にするんですね。」

朱莉ちゃん。
「悪魔の証明。」
「ニヒリストが普段行っている審査。」

渚ちゃん。
「信じようが信じまいが関係なし。」

蛍。
「あれ?教養があるみたい。」
「何を読んだのですか?」

美桜ちゃん。
「キケローとか読めばすぐこうなるわ。」

玲奈ちゃん。
「学問と勉強の違いです。」

蛍。
「経験は最良の教師である。」
「ただし授業料が高すぎる。」

渚ちゃん。
「ある人に合う靴も、別の人には窮屈である。」
「あらゆるケースに適用できる。」
「人生の秘訣などない。」
「これはカール・ユングの言葉。」

玲奈ちゃん。
「非凡な人から習ったものばかりです。」
「凡人から教わった内容では無いから。」

蛍。
「なるほど。」
「並の女の子ではないですね。」

渚ちゃん。
「自警団はけっこう忙しいみたいだけれど。」

蛍。
「そうそう。」
「何か強い人いない?」

玲奈ちゃん。
「そうですねぇ。」
「この近辺に関して魔法使いのリストがありますから。」
「魔法使いも大勢ではありませんし。」

蛍。
「いろんな自警団が人材不足で。」
「補充をしたくて。」
「ギルド(同業者の組合)で提案があってね。」

玲奈ちゃん。
「ではわたくしも協力しましょう。」
「純粋な戦士なら何人も見かけました。」

蛍。
「ありがとー。」
「少しは余裕できるかな・・・?」

玲奈ちゃん。
「随時メールしますのでよろしく。」

蛍。
「たのんだよー。」

女の子は帰っていきます。

手を振って駆け足。

お客さんは一週間にけっこう来ていて。

影響力のあるレナちゃんはけっこう頼られますね。

自分の地位を有効活用したいと。

一生懸命に費やす。



私は自分にないものを見て。

自分のことを不幸だと思っていた。

周りの人は私にあるものを見て。

私のことを幸せだと思っていた。

ジョセフ・ルー。


さて。

この日は。

傍観者効果もレナちゃんは見ていました。

玲奈ちゃん。
「相手を説得するために。」
「正論など持ち出してはいけない。」
「相手にどのような利益があるかを。」
「話すだけでいい。」

百合花ちゃん。
「誰の言葉ですか?」

玲奈ちゃん。
「伊達政宗。」
「五常訓。」

百合花ちゃん。
「いつの時代でも桁違いの人物はいたんですね。」

渚ちゃん。
「むかしは平凡な人間ではやっていけないです。」

玲奈ちゃん。
「歴史がもっとも雄弁でしょうね。」

近くのお宮。

綺麗に整っていて。

看板を読んで参拝。

玲奈ちゃん。
「欲望と願望を区別してください。」

渚ちゃん。
「欲望は諫められるでしょう。」
「願望は叶う前提で祈るもの。」

百合花ちゃん。
「神様も人間の欲望まで構っていられないから。」
「欲望については寛大に処理してくれるのです。」

玲奈ちゃん。
「この辺りで影響力のあった魔法少女のグループ。」
「数の力だけはありましたが。」

渚ちゃん。
「ずっと前のまぐれちゃん。」
「そろそろ復帰していると思うけれど。」

玲奈ちゃん。
「あれだけ魔法少女の大きな集まりはいませんでしたから。」

百合花ちゃん。
「どこに行ったのでしょうね。」

蛍。
「やっほ。」
「学校帰りだよん。」

玲奈ちゃん。
「珍しい。」
「わたくしはこれからフリースクールに。」

蛍。
「西洋式の学校だからお昼過ぎには帰れるんだよん。」

玲奈ちゃん。
「なるほど。」
「この辺りで大きな魔法少女の集いがありました。」
「探しているのですが。」

蛍。
「なんか半グレ集団みたいなの居たけれど。」
「あれ魔法少女の集まりだったの?」

玲奈ちゃん。
「普段は魔法を使わないようでした。」
「目的が無い行動はしてないようですね。」

蛍。
「スカウトできるかな?」

玲奈ちゃん。
「他の魔法少女はタイプが違いました。」
「大人は手が足りていませんし。」
「純粋な戦闘で魔法を使う人はあそこくらいしか。」

蛍。
「そっかー。」
「けっこういろんな敵と交戦するから。」
「余裕を持って対処したい。」
「でも。」
「戦士タイプの魔法少女はそんなに数がいない?」

玲奈ちゃん。
「この地域では何かしらに有効活用する。」
「特技関係の魔法少女が多くて。」
「他の人は傭兵や現場に入ったりもして。」
「こういう訳で。」
「あの集いくらいしか余剰人員がいないのです。」

蛍。
「あたしもその人達を探してみる。」
「人材獲得競争ですよ。」

玲奈ちゃん。
「それはそれで面白いと思います。」

蛍。
「夜中は激戦になるからね。」

「リーダーが苦戦しているから。」
「あたしも動員されることになったよ。」

玲奈ちゃん。
「何人かやられたので?」

蛍。
「妖女と呼ばれた女の子がいて。」
「妖術を使って暴れているんです。」
「こっそり抜け出してやりたい放題するので。」

玲奈ちゃん。
「妖女モルガンは有名ですよね。」
「似たような女の子がいるのですね。」

蛍。
「捕獲しようと試みているのですが手強くて。」
「仲間を募っても人員が足りなくて。」
「両親も擁護ばかりするので野放しです。」

玲奈ちゃん。
「新手のテロリストが解放されているようなものですね。」
「あなたが苦戦するのは。」
「けっこうな強敵なんだと思います。」
「するとなぜそんな女の子が出現したのかな。」

蛍。
「赤子の頃。」
「母親と一緒に。」
「お宮の隣の公園に連れて行って。」
「子供をブランコに乗せて。」
「母親は隣のブランコで漕ぐという頭からっぽな行為をして。」
「話を聞いた時は童女みたいな行動が原因の事故です。」
「赤子は体重が軽いので。」
「すべり落ちて。」
「勢いのついたブランコが赤子に衝突。」
「出血して治療したのですが。」
「高次脳機能障害になって。」
「好戦的な性格になったとのことです。」
「元々、先天的に生まれついた魔力で。」
「八つ当たりを繰り返しているので。」
「バッジ式の魔石を取り付けようと交渉している最中です。」

玲奈ちゃん。
「あれ?この話はどっかで聞いたような?」
「誰のことでしょう。」
「既視感。」

蛍。
「よくあることだから?」
「一度でも外に出ると。」
「ひとりは殺さないと気が済まないらしいので。」
「怪我人続発です。」
「倒そうとすれば倒せますが。」
「捕獲しなければいけませんので。」
「簡単には行きません。」
「失敗すればやられてしまいますし。」

玲奈ちゃん。
「高次脳機能障害になった赤子って。」
「どっかの記憶にあるのです。」
「あれれ?」
「誰のことでしょう。」
「既視感。」
「それよりも補充となれば。」
「男性の魔導士が数人おりますので。」
「野望に燃える新人ですから。」
「通り道と称して参加してくれるでしょう。」

蛍。
「連絡先は。」
「この人ですか。」
「少しは強そうです。」

玲奈ちゃん。
「もっともあなたの美貌を前に。」
「彼らは平気で居られますかな。」

蛍。
「ん?何か言った?」
「連絡先をメモしないと。」
「アプリ起動。」

玲奈ちゃん。
「火縄銃みたいな武器と。」
「マガジンを装着した。」
「和風アメリカンなイケメンがお勧めです。」

蛍。
「見た目は強そうだけれど。」

玲奈ちゃん。
「金銭をあげればさりげなく援護しに来る。」
「正体不明の賞金稼ぎですよ。」
「石油を掘り当てた現場に混ざっていた父の影響で。」
「富裕層なのですが。」
「資金を使用して贅沢な装備と。」
「勲章欲しさに自分を売り込む自衛隊の予備役です。」
「どうにもならなかったらこの人に頼みましょう。」
「けっこう暇人なのでやってくると思います。」

蛍。
「天才の女の子は財産を有意義に使いますね。」
「戦いが終われば私はそれでいいので。」
「紹介リストを使わせて頂きます。」

玲奈ちゃん。
「前より綺麗になりましたね。」
「中性的な部分は魅力ですねぇ。」

蛍。
「美少女がその台詞を言うとは。」

玲奈ちゃん。
「それで見せたいものがあるのです。」

蛍。
「珍品でもありましたかね。」

玲奈ちゃん。
「彫刻を頂きまして。」
「見ざる聞かざる言わざる。」
「他人の欠点や自分に都合のよくないことは。」
「見たり聞いたりしゃべったりしないということ。」

蛍。
「素晴らしいわ。」
「まったくその通りです。」

玲奈ちゃん。
「あと。」
「ショウペンハウエルの読書について。」
「これ余っているのであげます。」

蛍。
「これはなに?」

玲奈ちゃん。
「読書の警句です。」
「これを基点に読書をしないと。」
「愚書に引っかかりますよ。」
「読書のガイドライン。」

蛍。
「いくら言葉で言っても形になって現わさないとダメなんですよね。」
「はい。」

抱き締められる。

熱烈な頬擦り。

玲奈ちゃん。
「喜んで受けます。」

蛍。
「所であたしが昨日買った書籍は。」
「読書のガイドライン。」
「ショウペンハウエルの読書について。」
「から見ると何ですか?」

玲奈ちゃん。
「あれ?これは。」
「哲学者アランは嫌いです。」
「気分が幸福ならば。」
「気分なんてコロコロ変わるので。」
「すぐに不幸になるという意味ですよ。」
「気分を害する事なんて社会ではよくあることなんですから。」
「少しでも気分が悪くなれば不幸で。」
「ずっと好都合で気分が良ければ幸福という考え方には。」
「違和感がある。」

蛍。
「アラン幸福論は悪書なのですか?」

玲奈ちゃん。
「悪いものを可能な限り少なく。」
「良いものを最大まで求める。」
「功利主義の方が役に立ちます。」
「アランなんて話題にすらならない。」
「哲学モドキですよ。」
「アラン幸福論は哲学ではなくエッセイという認識が。」
「もっとも適切だとは思います。」

蛍。
「アラン幸福論はエッセイであって哲学書ではないのですね。」
「実際にアランを読んで気分が悪くなったので。」
「アラン幸福論は不幸を呼ぶ書物です。」

玲奈ちゃん。
「私もアランを読んで気分を害しました。」
「自己矛盾な書籍ですよ。」

蛍。
「気分が良いのが幸福と言っておいて。」
「鵜呑みにすると気分が悪くなるので。」
「自己矛盾ですよね。」
「情報を鵜呑みにしないのは現代の基本だと知りました。」

玲奈ちゃん。
「アリストテレスの最高善。」
「幸福については結論が出ていますので。」
「付け足す必要はなかったですね。」
「ショウペンハウエルの読書について。」
「どうもこれを読んでいないと迷惑な書籍に引っかかるようです。」

蛍。
「単純化して考えるような人間が哲学者とは思えませんし。」

玲奈ちゃん。
「世界は複雑なものですからね。」
「単純だと思い込むと。」
「思わぬ公害を食らいます。」

蛍。
「太陽は、可視光以外にも電波、赤外線、紫外線、X線、ガンマ線など様々な光(電磁波)を放射しています。」
「地球磁気圏などで濾過されて光が届いているので。」
「自然界も複雑な構成をしています。」
「自然界に何かあると別の何かに影響を与えます。」
「人の世界も太陽と地球の関係のように。」
「複雑になっていて。」
「たったひとりの出来事が別の何かに影響を与えます。」
「複雑な構図をしている自然界ですが。」
「人の世界も複雑な構成になっています。」
「天文学からしてこれらは目に見えるものです。」
「自然界も複雑な要素でまとまっているので。」
「生態系のバランスが崩れるとおかしくなるように。」
「人の世界も自然法則の中にいて。」
「自然法則から逸脱することはできません。」

玲奈ちゃん。
「人工的に。」
「悪人になりたくて悪人になる人間なんているとは思えません。」
「不自然な考え方は英語圏では矛盾として伝わっているみたいですね。」

蛍。
「まったく同じ意見です。」
「もうひとつ買ったのですが。」
「ニーチェと伝道者の書には共通点があります。」
「わかりやすく説明したようなもので。」
「ひょっとしてニーチェは伝道者の書の解読に成功したのでは。」

玲奈ちゃん。
「そうでしょうね。」
「真の信仰を持つ人がいないとわかり。」
「批判を繰り広げておいて。」
「父親が牧師ですから。」
「真の信仰を持たない人々への批判から始まっているようですし。」
「余計な付け加えをせずに。」
「天国への直通便に乗らせるために。」
「神様が打って昏睡させたのかもしれません。」

蛍。
「現代に天才や本物の預言者がいても。」
「これまで通りにわからないでしょう。」
「打たれるまでは。」

玲奈ちゃん。
「神罰は遅延が常です。」
「あまりに遅れてやってきます。」
「すごく長期的に出て来るので人は神罰が無いものと油断しているのです。」
「その時は覚えてないですから。」
「懺悔を怠ると慈悲すら失います。」
「神様は慈悲深いお方ですから。」
「いろいろ遅延するのです。」
「わたくしは最近。」
「執筆のジレンマ。」

蛍。
「それと。」
「時計がズレてしまったので。」

玲奈ちゃん。
「それは時計のズレは針で戻さねばなりません。」
「また眺めたいです。」

蛍。
「あたしって意外と義理があるのよ。」

玲奈ちゃん。
「それは朗報。」

笑顔で退場。

蛍ちゃんは忙しくなったようで。

自警団は大活躍。

メールが来ていました。

彼らは解決策がわからないのではない。

そもそも、問題がわかっていないのである。

チェスタートン。



寧々夢(ねねむ)

傾奇者で。

猫みたいな服を好んでいる。

今日はねねむちゃんが来訪。

玲奈ちゃん。
「しばらくぶりです。」

寧々夢。
「前と雰囲気変わったねー。」

玲奈ちゃん。
「たとえば。」
「両親や知人は子供の頃に基づいて判断するので。」
「再評価はしません。」
「いくら凄腕になっても認めません。」

寧々夢。
「あたしは再評価したから。」
「馬鹿じゃないわよ。」

玲奈ちゃん。
「理解力が持ち味ですよ。」

寧々夢。
「長所の言い合いでもしますか?」

玲奈ちゃん。
「間違っている所があったら言ってくださいね。」
「アニメアイドル等身大。」

寧々夢。
「外側も内側も豪華絢爛なお嬢様。」

玲奈ちゃん。
「女の子とは?の考察の対象。」

寧々夢。
「理想を求めるが夢想家ではない。」
「男の真似から始めた好みの女性。」

玲奈ちゃん。
「どちらかと言うとイヌ派ですが。」
「ネコも素晴らしいと教えてくれた新たな風。」

寧々夢。
「犯してほしいの?」

玲奈ちゃん。
「姦淫になります。」

寧々夢。
「残念。」

廊下を歩いて屋上へ。

ちょっとしたスペースがある。

玲奈ちゃん。
「ロリちゃん。」
「髪が長くて。」
「整っていて。」
「大きなスカートで制服。」
「理想のロリちゃん。」
「モデルとかアイドル志望なのかな・・・。」

寧々夢。
「どこで見かけたの?」

玲奈ちゃん。
「休日の本屋。」

寧々夢。
「ひょっとしてこの娘?」

スマホ。

画像を見せる。

玲奈ちゃん。
「知っているのですか?」

寧々夢。
「妹だけれど・・・?」

玲奈ちゃん。
「リトルウィッチノベタを見てからこうなりました。」

寧々夢。
「大人の女性は恋人か既婚者だから?」

玲奈ちゃん。
「縁組が好き勝手。」
「あれでは女性なんて結婚の失敗が当たり前。」

寧々夢。
「伝統重視が良かったのかしら。」

玲奈ちゃん。
「7歳の少女と20代の女性。」
「どちらかと言われると。」
「はっきりわかれるでしょう。」
「中間の12・18歳の女の子なら。」
「中途半端故に最高と言われて馴染んだ。」

寧々夢。
「30歳の女性が演劇の主人公だと。」
「受けないかもしれない。」
「7歳の少女は無理があり。」
「15歳の少女ならスラスラ行く。」

玲奈ちゃん。
「という訳で。」
「女の子が最高になった。」

寧々夢。
「女子高生はなぜか主流。」
「演劇の主役としては。」
「ちょうどいいのかしら。」
「なぜかそうなっている。」

玲奈ちゃん。
「所で。」
「襲ってくれませんが。」

寧々夢。
「言葉質。」
「人の言った言葉を証拠に取らないこと。」

玲奈ちゃん。
「けっこう仕込まれている。」

寧々夢。
「あたしの両親は人に欺かれた回数が多いので。」
「人を信じたくないと言っていた。」

玲奈ちゃん。
「言葉質。」
「コトバジチ。」
「人の言ったことばを証拠にとること。」
「言質。」
「げんも。」
「これを真っ先に制圧する意味が分かりました。」

寧々夢。
「あたしは小学五年生でニヒリズムを発見。」
「フリースクールに転校。」
「機械的に暗記するのは工場だと思ったから。」

玲奈ちゃん。
「はい、批判ばかりやっていても進みませんから。」
「適当に言及しますが。」

寧々夢。
「さっき本屋で良質な小説を見つけたよ。」
「実力者は地味に売れているね。」
「読んでみるとテクネー(技術)がまるで違う。」
「人気っていったいなんなのか。」
「外れを引きまくると。」
「たまに当たりがある。」

玲奈ちゃん。
「依怙贔屓って一種のチート行為ですよ。」
「水面下で反感を買っているのを見ました。」
「本物が出ると誰も異論がないですね。」

寧々夢。
「古典型の戯曲は小説と比較できない。」
「いくらつまらなくても慰安には適切なのだから。」
「慰安という需要を満たす。」
「ギャグ小説ならけっこうあるけれど。」

玲奈ちゃん。
「あれギャグなんですか?」

寧々夢。
「知らないの?ギャグ小説ならけっこう出てるけれど。」

玲奈ちゃん。
「どうりで変態だと思いました。」
「ギャグだったら分かります。」

寧々夢。
「余った文庫ここに積んでおくね。」
「お金持ちって余剰財産どうするの?」

玲奈ちゃん。
「ヨーロッパは余剰財産と言えばカトリックに寄付。」
「お金が余ったので。」
「カトリックは豪華な教会を建設したほど。」

寧々夢。
「ローマの国教になった。」
「地中海の覇者で領土も広いから。」
「すごいよ。」
「パウロは投獄されて数年後に許されている。」

玲奈ちゃん。
「世界史の年表図鑑ならたくさんあります。」

寧々夢。
「普通じゃない。」
「あなただあれ?」

玲奈ちゃん。
「わたくしは特殊なので。」
「特殊な存在を説明できるわけないです。」

寧々夢。
「特殊かあ。」

玲奈ちゃん。
「特殊な存在は普通には混ざれません。」
「すべてが特殊。」
「日本では世間。」
「西洋では社会。」
「世間で強調されているもの。」

寧々夢。
「世間がとあるモノを強調したら。」
「その逆が発生している。」
「家族が必要以上に強調されると。」
「それほど家庭内の揉め事が多い。」
「ある意味では隠していたり抵抗している。」
「老子はこういうの得意。」

玲奈ちゃん。
「老子?善悪は比較に過ぎないと否定した古代中国の?」

寧々夢。
「善は悪に対して非力なので。」
「村長の時代。」
「豪族が誕生してこう思った。」
「村長ぶっ殺せば良くないか?」
「実際にそうしたら。」
「あまりにうまくいったので。」
「豪族の世界になった。」

玲奈ちゃん。
「他人をおしのけて進むことも必要です。」

寧々夢。
「あたしの両親は人に欺かれた経験から。」
「人に対しての考察がすごい。」

玲奈ちゃん。
「戦争って。」
「正しいVS正しい。」
「正しい対正しい。」
「人間の世界ではお互いに正しいので争う。」
「お互いに自分が正しいとアピールする。」
「勝利すれば正しいことになる。」

寧々夢。
「軍拡している国は戦争をするつもりでやっていて。」
「軍縮している国は戦争をする気はない。」

玲奈ちゃん。
「ロシアはT-90MSとかいっぱい作ってましたから。」
「T-90AはT-72BMと車体のサイズが違います。」
「再設計を加えましたね。」
「安くて強い。」
「兵器いっぱいですよ。」
「中華人民・・・はSu-35とSU-34を注文しましたし。」

寧々夢。
「アメリカは激戦になりそう。」
「さあて他人事では無くなった。」

玲奈ちゃん。
「兵器の質か兵器の数か。」
「或いは実用性のある兵器で対局が左右されたり?」

寧々夢。
「第二次世界大戦はナチスだけではなかったし。」
「周辺諸国も複数参戦した総力戦。」
「次の戦争も便乗するか参加するかあったりして。」

玲奈ちゃん。
「第二次世界大戦も。」
「多国籍軍対多国籍軍。」
「係争中の物事が増えるだけ。」

寧々夢。
「武神と謁見すると霊験あらたか。」
「公になっている大きな神社。」
「かなりの人が休日行く。」
「多数派の崇敬者がいて。」
「少数派の無神論者がケチをつける。」

玲奈ちゃん。
「無神論者は目立つだけで。」
「多数派がいる。」
「よく調べると世間と神社は一体化してますね。」
「近くのお宮は周辺住民もよく来ています。」
「頻繁にお供え物が置かれていて。」
「反社会的なのは無視論者になってしまいます。」

寧々夢。
「半分は素通りし、半分は好んで礼拝する。」

玲奈ちゃん。
「高慢ちきになってはいけない。」

寧々夢。
「今夜すごい大物が出るの。」
「月が出ない曇りは必ず。」

玲奈ちゃん。
「スポーツしたい気分です。」

寧々夢。
「通りすがりに勝負を仕掛けて。」
「敗北すると蹴飛ばされたり。」
「つまらないものを奪われるとか。」

玲奈ちゃん。
「それは強力なターゲット。」
「弱い相手と戦っても意味はありませんから。」
「互角くらいが楽しい。」

寧々夢。
「スポーツも同じですね。」
「また夕方に来るね。」

夜間。

よく出現するポイントに。

罠を仕掛けてあって。

バクチク玉が設置してあって。

地雷のように。

踏むと破裂する。

起爆。

位置を掴む。

ベルフェゴール。
「!?」

玲奈ちゃん。
「貰いました。」

寧々夢。
「貰ったあぁぁぁ!!」

振り払われて。

射撃しても盾で防がれます。

玲奈ちゃん。
「新手の怪獣ですか?」
「負念が結晶化したタイプ?」

寧々夢。
「善と悪が融合した究極の存在。」
「思ったより強い。」

玲奈ちゃん。
「裏に回ります。」
「挟み撃ち。」

ベルフェゴール。
「モラッタ?タオシテカライッタラドウダ?」

小さな謎の物質を形成して。

腕からサブマシンガンのように発射。

プロテクターで防ぎますが。

両手撃ちは厳しい。

寧々夢。
「真上は空いているのね。」

ベルフェゴール。
「キョウハ遭遇戦でショウブダァ!!」
「モットヤッテミロ。」

鍵爪で斬撃をお見舞い。

ダメージを与えますが。

銃口を突き付けられてピンチ!

レーザーは盾で防がれますが。

武装は破壊可能。

謎の怪獣の腕部機関銃を破壊。

ベルフェゴール。
「オモシロイタタカイダ。」
「オマエモソウオモウカ?」

玲奈ちゃん。
「エネルギーアタックを仕掛けるまで。」

ベルフェゴール。
「モットガンバレ。」

玲奈ちゃん。
「接近戦に強いですね・・・。」

寧々夢。
「逃げるなー。」

ベルフェゴール。
「待ち伏せダヨン。」
「グオ?」

玲奈ちゃん。
「盾が壊れましたね。」

ベルフェゴール。
「お前・・・ハハハ!強ェジャネェカ。」

寧々夢。
「食らえー。」
「手裏剣。」

ベルフェゴール。
「グワァ!分がワルイカ・・・。」
「ナニヲスル!」

玲奈ちゃん。
「あとは焼くだけ。」

レーザーをまともに食らう。

ベルフェゴール。
「善と悪は融合スルノダ!」

寧々夢。
「勝負あったわね。」
「あら?」

ベルフェゴール。
「三十六計逃げるに如かず。」

ターゲット逃亡。

飛行して逃げたので追跡できず。

玲奈ちゃん。
「スフィンクスみたいな奴でした。」

寧々夢。
「けっこう激しくやったわね。」
「看板が壊れてる。」

玲奈ちゃん。
「とりあいず逃げられたと報告しますね。」
「ちょっとした森林で良かったです。」
「付近に住宅は密集していないですし。」

寧々夢。
「取り逃がしたから。」
「まだ出てくるはず。」
「ひとりでなんとか勝てそうだわ。」
「厳しいけれど。」

玲奈ちゃん。
「東洋医学みたいに言えば。」
「血液・粘液・黒胆汁・黄胆汁。」
「このバランスが良い時には健康。」
「狂気は黒胆汁が増えると生じる。」
「ホラーティウスは薬で黒胆汁を増やして。」
「詩作をしていたとか。」
「そんな自分をろくでなしと言っています。」
「東洋医学みたいに言えば。」
「わたくしは黒胆汁が多いです。」
「詩作は黒胆汁が多い程強くなる。」
「東洋医学に通じている。」
「わたくしは東洋医学の家庭医療は可能なので。」
「自分を自分で治療したい。」

寧々夢。
「漢方外来に行けば?」

玲奈ちゃん。
「この辺りにあったかな。」
「漢方外来は西洋医学と東洋医学の両方を習得していますし。」
「あっさり治ったりして。」

寧々夢。
「であれば市販の薬で治るかも?」

玲奈ちゃん。
「心当たりはあります。」

中継地点の公園で別れました。

次の日に。

成果。

寧々夢。
「昨日の奴。」
「誰かに負けて居なくなったとか。」
「あーあ。」

玲奈ちゃん。
「そんな強者がいたんですね。」

寧々夢。
「怠惰とは反対の人に弱かったみたい。」

玲奈ちゃん。
「ベルフェゴールって同名で怠惰の悪魔がいますからね。」

寧々夢。
「残念。」
「競技大会で優勝できそうもないし。」

玲奈ちゃん。
「今すぐなんとかはなりません。」
「なぜ焦る。」

寧々夢。
「うん。」
「ゆっくり急げ。」
「遅れは危険を引いてくる。」

玲奈ちゃん。
「今日は別行動なので。」
「あなたしかいませんね。」

寧々夢。
「いいことしない?」

玲奈ちゃん。
「女性は玩具にされると男性にすぐ飽きられる。」
「なんてことを知らずにいる。」

寧々夢。
「女性の要求に男性は応えることはない。」

玲奈ちゃん。
「そこで食い違っている。」
「ああなんて蒙昧な。」

寧々夢。
「にゃー。」

玲奈ちゃん。
「うわっ!猫が懐いた。」

寧々夢ちゃん。

猫みたいに撫でられて。

これはこれで好み。

飼い主?と猫?の交流は続きました。

寧々夢。
「よく見ると毎日、同じことの繰り返し。」

玲奈ちゃん。
「それはどうでしょうかね?」

寧々夢。
「なんて老齢になると言わなくてはならない。」
「古典で読んだ。」

玲奈ちゃん。
「ジェットコースターのような毎日を。」

寧々夢。
「途中で脱線するか。」
「一周した先にヒーローが待ち伏せしているでしょ!!」

玲奈ちゃん。
「蛇の絵の仕上げに。」
「足をつけ足してもいいでしょうに。」

寧々夢。
「それはそうだ。」

奇妙な触れ合い続行。

久しぶりに来た個性的な女の子は。

時々来ては。

猫みたいに寄ってくるのです。

気まぐれ?



不意に来訪。

寧々夢。
「ふにゃー。」

玲奈ちゃん。
「世にあるものは大体が不意討ち。」

寧々夢。
「カップル見てきたにゃー。」

玲奈ちゃん。
「エロティシズム。」

寧々夢。
「簡単に説明すると。」
「男性は利己的で本能的。」
「生殖だけ。」

玲奈ちゃん。
「女性は評価や内容。」
「成績とか。」
「いろいろ求めます。」
「欲望や地位とか財産も好む。」

寧々夢。
「男女の性はお互いに目的が一致しないので。」
「X字のように男女は一致することはないね。」

玲奈ちゃん。
「男は目的を達成すればいい。」
「女は要求があって長く求める。」

寧々夢。
「男がカモを求めれば。」
「女はいろんな目標を掲げる。」

玲奈ちゃん。
「どうしても男女の性目的は一致しません。」

寧々夢。
「恋が生じると自動で色欲が実行される。」

玲奈ちゃん。
「恋から性的な概念は発生するもんです。」

寧々夢。
「恋において男は好き勝手するも。」
「女性の求めるものは入手できない。」

玲奈ちゃん。
「惹かれあうくせに。」
「男女の目的は別々なので。」
「融合することはないです。」

寧々夢。
「男性はアイドルやモデル。」
「女性はイケメンを遠くで眺めているくらいがちょうどいい。」
「恋になると性的な要素は簡単に入るけれど。」
「気が付かない。」

玲奈ちゃん。
「恋をすると簡単に持っていかれる。」
「なのでむかしの人はおかしくならないように。」
「失敗を恐れて。」
「第三者が決めることにした。」

寧々夢。
「官能を求めても無益ですねー。」
「男女の目的は別々のものなので。」
「相手は選んだ方がいいし。」
「親が結婚を決める場合も。」
「失敗だけは避けられる。」
「成功は同時に存在しない。」

玲奈ちゃん。
「男も女も色欲について夢を持っている。」
「ありもしない架空の印象を相手に抱く。」
「恋をすると両者が夢想家になってしまう。」

寧々夢。
「期待ばかりで裏切られて初めて知る。」

玲奈ちゃん。
「実際の姿からかけ離れた期待を男女それぞれ持っている。」

寧々夢。
「結婚を辞退するのもアリだし。」
「本能的な結婚は有害。」

玲奈ちゃん。
「男が作り上げた女性という型と。」
「女が多数決で形成した女という型。」
「人間の創作による男女のビジョン。」

寧々夢。
「仕組みを知ってしまうと滑稽になる。」
「あらかじめ用意されたパターン。」
「物語のあらすじに乗せられているだけ。」
「他人が敷いたレールの上を走る。」

玲奈ちゃん。
「男も女も相手に獲得されたのだから。」
「お互いの一致でしか夫婦関係は成立しない。」

寧々夢。
「色欲や婚姻を自分に当てられると。」
「あたしは敢えて犯意を持って対抗する。」
「しかし道理にかなっている。」
「聖書のどこにも結婚しろとかは書かれていない。」
「むしろ婚姻が懲罰であるとは書いてある。」

玲奈ちゃん。
「善悪の知識の木から取って食べて宣告された。」
「結婚と性の苦しみが女に伝えられ。」
「ここから男尊女卑が発生する。」

寧々夢。
「中世までは原罪の結果なので。」
「異論は無かった様子。」

玲奈ちゃん。
「しかし多様性によって。」
「ギリシャ神話のアルテミス・ヘスティア・アテナ。」
「処女神が登場すると。」
「処女の誓いは神々も公認している。」
「これが分かる。」

寧々夢。
「もちろん自分の宗教を第一にすべき。」

玲奈ちゃん。
「男と女の性は食い違うのに。」
「惹かれあうのなら。」
「女が損をするだけ。」

寧々夢。
「エロティシズムを知ってから。」
「侵入した方がいい。」
「こういうわけで。」
「婚姻は願い下げです。」

玲奈ちゃん。
「意見交換。」

寧々夢。
「最近。」
「中国語が楽しくて。」
「日本もむかしは漢文で書物が記されていた。」
「漢文は中国語と互換性があるから。」
「書きやすいよ。」

玲奈ちゃん。
「現地の中華人民共和国。」
「筆談で適当な漢文を伝えると。」
「タクシーの運転手はどこへ行きたいかわかるんです。」

寧々夢。
「適当な漢文ならば中国人にも伝わります。」
「万葉集の原文も漢文ですしー。」

玲奈ちゃん。
「平安時代くらいは漢文で統一されていた。」
「中国語に慣れると片言でもチャイナになれる。」

寧々夢。
「室町時代くらいから。」
「文字が違っているみたい。」

玲奈ちゃん。
「江戸時代も方言で困ったとか。」
「各地の方言や普遍的な言葉を集めて。」
「常用語を作成したのは明治頃でしたかね。」

寧々夢。
「言霊。」
「ネーミングをちょっと変更しただけで。」
「売り上げが三倍になった商品もあるよ。」

玲奈ちゃん。
「言葉って謎が深い。」
「わたくしは朝の用事で。」

寧々夢。
「待ってるよ。」

神棚があって。

いつもの習慣。

玲奈ちゃん。
「高級洋食よりも高級和食の方がスーパーなんて。」
「知っていました?」

寧々夢。
「そうなの?」
「普通。」
「フランス料理とか出てくるけれど。」

玲奈ちゃん。
「普通って多数決なのでしょうか。」

寧々夢。
「もしそうだったら危険。」

玲奈ちゃん。
「寸鉄人を刺す。」

寧々夢。
「予防は治療に勝る。」

玲奈ちゃん。
「カロリーメイトの備品のことですか?」
「そこの箱に入っていますが。」
「欲しかったらどうぞ。」

寧々夢。
「知っていれば防げることもある。」
「知っていれば逃すこともない。」

玲奈ちゃん。
「お宮で。」
「神様にも祝詞。」
「この故事を伝えてはどうでしょう。」
「霊験は得やすいです。」

寧々夢。
「人の力で手に入らないモノ多いし。」

玲奈ちゃん。
「神道とキリスト教は一か所一致。」
「プラトン学派のように。」
「ティマイオスを引き合いに出せばよし。」
「多様性ってすごいです。」

寧々夢。
「女子中学生はあはあ・・・。」

玲奈ちゃん。
「おおっといけない所に言及してしまった。」

寧々夢。
「好き。」

玲奈ちゃん。
「はわっ!擦り寄ってきました。」
「どうぞどうぞ。」

膝枕で撫でられる寧々夢ちゃん。

真面目過ぎるとダメになります。

ベートーヴェンが真面目過ぎる戯曲を講演して。

お客さんが全く入らない。

意外な失敗もありました。

上流階級が誰もいなかった。

多少のおふざけは必要ですね。

飼い主と猫の関係が。

この後。

午前中続きました。




書き物をしている渚ちゃん。

書斎にて。

渚ちゃん。
「いくら創作しても満足することはないし。」
「自信も失せる。」
「第三者から見たら。」
「客観主義で見られたら。」
「本当の所がわからない。」

玲奈ちゃん。
「優しさとは。」
「人生には不可能なことがある。」
「と知っている大人だけのものです。」

渚ちゃん。
「正直。」
「自信なんて持っていない。」
「卑屈ではないけれど。」
「自信だけは創作において全くない。」

玲奈ちゃん。
「駄作で確信している阿呆もいますから。」
「それでいいのでは。」

渚ちゃん。
「いくら作っても満足せず。」
「作ったら作ったで自信もなく。」
「第三者から見てどうなのか。」
「いつもの愚行なのかもわからない。」

玲奈ちゃん。
「世間に存在する悪は。」
「大半がつねに無知に由来するもので。」
「明識がなければ。」
「善い意志も悪意と同じほどの。」
「多くの被害を与えることもありうる。」

渚ちゃん。
「誤りを犯した時。」
「いつも自分は悔しがっていた。」
「誤り。」
「そして悔しがる。」

玲奈ちゃん。
「完全を求めることは。」
「人間の心を悩ませる。」
「この世で最悪の病である。」
「アメリカの思想家・作家・詩人より。」

渚ちゃん。
「みな私が真剣に描いたと思っている。」
「どこかネジが外れて書いただけ。」
「やっぱり自信などどこにもない。」

玲奈ちゃん。
「はあ。」
「本音を書く人なんているのかしら。」
「道の道とすべきは常の道に非ず。」
「大切な道は常識の中にはないです。」

渚ちゃん。
「社会の作品については。」
「みな自信たっぷりだけれど。」
「なぎさはあらさがしも得意なので。」
「人が紫の服を着ていたからと言って。」
「紫の服を着ているなんて阿呆な奴!」
「黒い服なら。」
「なんで黒い服なの?かっこ悪い。」
「なんつうケチまでつける。」
「なんでもケチをつけられる。」

玲奈ちゃん。
「成功は最低の教師。」
「優秀な人間をたぶらかして。」
「失敗などありえないと。」
「思い込ませてしまう。」
「ビル・ゲイツ。」

渚ちゃん。
「作品を誇ってはいない。」
「自分でもケチをつけるので。」
「自分の作品に自分でケチをつけることもある。」

玲奈ちゃん。
「多くの起業家は金銭と名声を得た後。」
「ダメになっていく。」

渚ちゃん。
「第三者はどう思うのか。」
「有害な要素が無いように。」
「なるべく清潔に書いたけれど。」
「読み手の利益しか考えなかった。」

玲奈ちゃん。
「読み手の利益優先なのは優れていると思いますが。」

渚ちゃん。
「娯楽の要素が無いので。」
「価値があるのかわからず。」
「世間の作品はウォッカ好きなのか。」
「作品に酔っている。」
「きっとウォッカを飲んでから書いているのでしょう。」

玲奈ちゃん。
「文学とウォッカは密接に関係ある。」

渚ちゃん。
「調子に乗って書いて残るのが虚しさと原稿なんだから。」
「お金になるのかならないのか。」
「読み手の利益を重んじた。」

玲奈ちゃん。
「あなたは山に入って奥に進んで。」
「金の延べ棒が野ざらしになっていたら。」
「誰も見ていないし知らない場所で。」
「迷わず獲得するに決まっています。」

渚ちゃん。
「無人島に本物の札束が。」
「何かの間違いで放棄されてあったら。」
「こっそり懐にしまう筈だよ。」

玲奈ちゃん。
「人生というものは。」
「本当はお金ではないと思うんですよ。」
「しかし、金という目標を設けておくと。」
「恐らく生き易いですね。」
「どっかの社会人のセリフ。」

渚ちゃん。
「資本主義より優れている社会システムが無いので。」
「資本主義者になったものの。」
「これだけで勝利者に加担しているし。」

玲奈ちゃん。
「謎を解こうとしてもすぐにはできない。」

渚ちゃん。
「質問の言葉が少ないと回答できない。」
「情報不足で言いようがない。」
「ではなぜ売ってこなかったかと言うかもしれない。」
「それは商売下手の台詞になる。」
「商売上手に貰われる為にこうしているのだから。」

玲奈ちゃん。
「もうはまだなり。」
「まだはもうなり。」
「見切り千両。」
「天井三日。」
「底百日。」
「相場に関する格言。」

渚ちゃん。
「では何でも知りたがる人ですなあ。」
「これは見当違いの非難。」
「単にふざけているだけなので。」
「真に受けたのか。」
「どちらにせよ。」
「商売上手の為にある。」

玲奈ちゃん。
「江戸時代中期に米相場が始まって。」
「独りよがりな判断を戒める。」
「底だと思ってもまだ下値があるかもしれない。」

渚ちゃん。
「プロトタイプの合計は三十くらいある。」
「作家志望はボツ原稿が多いと有利。」
「投稿サイトを偵察したけれど。」
「目先の利益しか考えていない。」
「掲示板はオペレーターに適当な嘘を言えば。」
「ターゲットを追放できるので。」
「作家も商売上手にならないとダメ。」

玲奈ちゃん。
「まだ下がると思っても底かもしれない。」
「下落した場合は素直に失敗を認めて切ってしまう。」
「未練で続行すると大損。」
「高値の期間は短く。」
「安値は長く続く。」
「売るチャンスは一瞬。」
「買う機会は随所にあり。」
「見切りには千両の価値あり。」

渚ちゃん。
「自分より下手な人間がよいしょされると。」
「面白くない。」
「でもそいつらはすぐに売れてすぐに飽きられる。」
「世人は大抵退屈しのぎに文学を読むので。」
「飽きも早い。」

玲奈ちゃん。
「きららシリーズみたいに。」
「読者に喜びを与えるのは必須ですね。」

渚ちゃん。
「投稿サイトは商品の展示なので。」
「資本家が原価で買い取り売るだけ。」
「見下されて工場としか見られていないけれど。」
「偵察すると。」
「ああやって売り込むのは商売下手ですなー。」

玲奈ちゃん。
「そんなにうまくはいかないです。」

渚ちゃん。
「資本家は文学を工場だと思っているので。」
「納品しか求めない。」
「その点、若者はカモで釣りやすい。」
「資本主義者のなぎさから言わせれば。」
「文学にも資本家が入り込んで。」
「天下を取っているので。」
「そのことを言っている。」

玲奈ちゃん。
「そうそううまくはいかない。」
「完璧に生きている人はいませんよ。」
「完璧な状態になるとすぐ崩壊します。」

渚ちゃん。
「そこで、上手な資本家と、下手な資本家がいる。」
「商売上手と商売下手がいる。」
「優れた者が勝利するので。」
「言及しておく。」

玲奈ちゃん。
「愚痴ならもっと言ったらどうですか。」

渚ちゃん。
「っていうことを書いている。」

玲奈ちゃん。
「なんと!退出します。」

渚ちゃんがなぜか書きまくっているので。

独り言が多い。

いろいろ高度化すると。

対処方法も高度化しますね。

凄まじい和紙が消費されますが。

余剰品が多いので。

友人にプレゼント。

今日はふたりきり。

メイドさんと執事が通り過ぎる。

鳩が遊びに来たので。

パンクズをあげたり。

暇人カラスちゃんを発見したり。

いろいろです。

暇人カラス。

食べ物や生存が確保されている時期。

チームになる必要が無いので。

分散している一羽のカラス。

藁や草を突っついたり。

地面を突いたり。

首をかしげて。

とことこ歩いている。

暇そうなカラス。

生活に必要な要素が余剰になり。

余暇の状態になっている自然現象。

鳩は数種類。

数日に一回だけ。

蜜蜂が飛んできて。

花に吸い寄せられる。

人間の方が蜂より所構わずブスブス刺す。

皮肉な風景が社会にあります。

今日はこんなんでした。



よくあるお泊り。

でも今夜。

なぎさちゃんが。

蝋燭を持って敷地を出歩いていて。

何の真似かと思って。

尋ねました。

玲奈ちゃん。
「ゴースト?死神の真似?」

渚ちゃん。
「死神は近頃。」
「冥界に人をよこさないので。」
「怒っています。」

玲奈ちゃん。
「それはどこかで読んだことがあります。」

渚ちゃん。
「正直やってられない。」
「キリスト教の死生観の方が円滑に機能するかもしれない。」

玲奈ちゃん。
「どこの死生観も一致していないようですね。」
「楽観的に考えてみては?」

渚ちゃん。
「ローマ人の中で。」
「死んだらどうなるか教えてあげるとか。」
「死んだ後に君の所へ行くから。」
「そう書き残した猛者がいました。」

玲奈ちゃん。
「死んだ後の事は知りませんよ。」

渚ちゃん。
「輪廻転生を信じるのなら。」
「現在の記憶もどうせ消されて。」
「次の瞬間には別の自分がいる。」
「これが続いていく。」
「記憶以外のモノの多くは残るけれど。」
「現在も死と共に消されてしまう。」

玲奈ちゃん。
「現在は未来の過去だったりして。」

渚ちゃん。
「天国で真実の存在になるのなら。」
「期待してもいいし。」
「輪廻転生が真ならば。」
「死んだらどうせまた記憶を消されて再スタート。」
「正直やってられない。」

玲奈ちゃん。
「この世はでたらめが行われていますし。」
「必ず巻き込まれる。」
「子供のうちから叩き込まれて。」
「自分もでたらめになる。」

渚ちゃん。
「学校教育だって確証バイアスでしょ?」

玲奈ちゃん。
「確証バイアスに陥る?」
「悪いものは避けては通れませんね。」

渚ちゃん。
「実際、この世には悪いものの方が多い。」
「言い包められて確証バイアスにハメられる。」
「欺かれた事を知った。」
「人に欺かれた。」

玲奈ちゃん。
「欺かれた事に気づいたから頭は悪くないですよ。」

渚ちゃん。
「どのくらいの人数が自由を奪われたと思う?」

玲奈ちゃん。
「ラプラスの悪魔は数学の定番ですけれど。」
「数学で計算した内容には。」
「皆がパターン通り。」
「本当に自由ではないです。」
「自由っていったいなんですかね?」

渚ちゃん。
「この生が終われば記憶が消される。」
「キリスト教がよく言う天国があれば。」
「それ自体が目標になるに違いない。」

玲奈ちゃん。
「ヒンズー教ですと見解が違いますし。」
「神道では黄泉の国という記述のみです。」

渚ちゃん。
「もちろん最近死者をよこさないので。」
「死神は無駄に長生きさせる協力者を殺したがっている。」

玲奈ちゃん。
「その話はイソップであったのですが。」

渚ちゃん。
「では。」
「記憶が消される事に気づいていて。」
「天命の終わりにまた記憶が消されて。」
「生まれ変わるのなら。」
「悪いものが多いと知っていてやり直すなんて。」
「やってられない。」

玲奈ちゃん。
「生まれ変わりの痕跡でもありました?」

渚ちゃん。
「自分を観察していたら。」
「経験を超える知識や技能がいっぱいある。」
「自然法はなぎさの過去を暴露したから。」
「でも。」
「文明は進んでいき。」
「科学や世界は発達した。」
「この世界が何かのテストや訓練であれば。」
「いろんな発展をする必要がない。」
「自分たちの科学の発展で。」
「自滅しないのであれば。」
「一定周期で惑星の環境が反転しているのであれば。」
「だから結局。」
「何をしてもやってられない。」
「現在は消えてしまうから。」

玲奈ちゃん。
「わたくしも仲間になりますよ。」
「アロマキャンドルでも持ってきます?」
「敷地はそれなりに広いのですが。」
「もう11時を過ぎていますし。」

渚ちゃん。
「徒労に終わる。」
「この前の生があったとして。」
「その時の記憶も消されていて。」
「この現在も死と共に記憶が消される。」

玲奈ちゃん。
「ギリシャではあの世に生前の記憶が消える川があって。」
「水を飲む者がいると伝えられています。」

渚ちゃん。
「ではなぜ現在の記憶があって。」
「記憶が消されることを知っているのかな。」

玲奈ちゃん。
「第六感。」
「あとそれは人間の知恵ではないです。」

渚ちゃん。
「ダビデの子だって神知で伝道者の書を記した。」
「後世の人々だって精読して。」
「知ることもある。」

玲奈ちゃん。
「生まれ変わるごとに記憶が消されているのなら。」
「今、記憶があることが説明できない?」
「消されるはずの記憶がここにある。」

渚ちゃん。
「本当はどうでもいいんです。」
「希望は死にました。」
「希望という名前の死体を。」
「レオナルド・ダヴィンチは手記に書きたがる。」
「放っておいたら希望の死体を解剖していたでしょう。」

玲奈ちゃん。
「それではカトリックの天国をもう少し信じてもいいのでは。」

渚ちゃん。
「どこも死生観は一致していないけれど。」
「カトリックの天国・煉獄を支持したい気分。」

玲奈ちゃん。
「わたくしも敷地内。」
「ちょっとした敷地外くらいなら。」
「蝋燭を灯して散歩できますよ。」

渚ちゃん。
「旅は道連れ世は情け。」

寝室の窓から目撃。

美桜ちゃん。
「あれ?蝋燭?」
「なんの趣味かしら。」
「ああいうのもアリだわあ。」
「多様性ってナンデモアリなのかな?」

30分ほど散歩して。

蝋燭が尽きて消えました。

部屋に戻ったレナちゃんとナギサちゃんは一緒に就寝。

アカリちゃんは今日いないので。

特に何も言われず。

ふたりだけの常闇。

ちょっと癖になって。

その後も度々行われましたとさ。




33


作業部屋。

タブレットを操作して動画を観る朱莉ちゃん。

玲奈ちゃん。
「パーソナルコンピュータのプロトタイプは。」
「部屋の中ぜんぶ機材だらけになって。」
「ようやくモニターに表示が出来たと。」
「何かの資料でありました。」

朱莉ちゃん。
「科学を入手するのが遅れて。」
「文明のノウハウで年々技術が跳ね上がっていますが。」
「人類は100年前にパソコンを発明しても良かったのでは。」

渚ちゃん。
「イギリスのジェット戦闘機も。」
「いつの間にかナチス軍に対地攻撃していたから。」
「ナチスもジェット戦闘機の先行量産型を持っていたり。」
「科学は自然の力だけれど。」
「本当に200年前からコンピュータがあっても良かったかも。」

玲奈ちゃん。
「パーソナルコンピューターは基本的に故障がつきもので。」
「タブレットの方が安定しているそうですが。」

朱莉ちゃん。
「アインシュタイン博士曰く。」
「科学を有効に利用する方法を学んでこなかったから。」

玲奈ちゃん。
「短期間で跳ね上がりましたし。」

渚ちゃん。
「探査機も。」
「任務終了する頃には。」
「民間用のパソコンの性能か桁違いで。」
「少し前の探査機もぽんこつ。」
「これは苦笑いだったのかな。」

玲奈ちゃん。
「インターネットは。」
「中心となるネットワークに全員が参加して。」
「すべてが接続されて成立している。」
「コンピュータの接続だけで成り立っていますね。」

渚ちゃん。
「コンピュータの原理は公開されてないし。」

玲奈ちゃん。
「謎の世界。」

朱莉ちゃん。
「死に至る病っていう本を見つけたけれど。」

百合花ちゃん。
「こんにちは。」
「それは殉教者キェルケゴールの哲学書です。」

美桜ちゃん。
「キェルケゴールを引用すると。」
「欺かれる者はまとも。」
「欺かれたことに気づいたから。」

百合花ちゃん。
「欺かれなかった者は欺かれたことに気づいてないです。」

美桜ちゃん。
「欺く者ははかりごとを知っているので。」
「抵抗する術がある。」
「欺かない者は抵抗できる手段を持たない。」
「はかりごとに参加できないから。」
「これにはけっこうな解釈があるけれど。」

朱莉ちゃん。
「専門家に混ざれないかな。」

美桜ちゃん。
「ポラリスの弟が。」
「出てきた瞬間。」
「あらゆる人間に欺かれた。」
「そんなことを言っていたわ。」

玲奈ちゃん。
「ぽらりす?恒星ですか?」

美桜ちゃん。
「あのボーイッシュな女の子のニックネーム。」

玲奈ちゃん。
「なーるほど。」

渚ちゃん。
「勘違いは。」
「上の釘を打つのに。」
「下にある釘を打って。」
「指摘されても。」
「正しいと思っている。」
「こんな例えがあったよね。」

百合花ちゃん。
「誤解も同じように。」
「ありふれたものなので。」
「気を付けるのです。」

朱莉ちゃん。
「騙されると結果で分かる。」

渚ちゃん。
「洗脳は脳科学的で。」
「脳をハイジャックする。」
「魔術はオカルティズム。」
「無条件で好印象を持たせたり。」
「明らかに醜悪で邪悪でも。」
「恋に落とすことも可能。」
「これは普通使われませんし。」
「効果のある人と。」
「やばい奴だと分かって逃げる二種類になるよ。」

玲奈ちゃん。
「リベラルアーツは推奨していますが。」
「いろんなことを知っていないと。」
「たくさんのことを知っていないと何も判断できません。」
「欺く者は避けて通れませんので。」
「自分の考えがひとつもないのは終わりですし。」
「必要最低限の学はどうしても手に入れたいですね。」

朱莉ちゃん。
「神学的に女性を分析しますと。」
「革命になったりとか。」

渚ちゃん。
「個人的な意見は私論として。」
「論文や資料は証拠と一緒に。」
「個人的な意見と資料は別物ですし。」

玲奈ちゃん。
「絶対的な結論は出ません。」
「結論が。」
「絶対的な結論はない。」
「という結論。」

渚ちゃん。
「帰納法の思考をする人はそうだよね。」
「演繹法は前提の間違えひとつで結論も間違う。」

百合花ちゃん。
「演繹法も帰納法も特有の誤謬があるのです。」

朱莉ちゃん。
「意見交換は大事。」
「それにしてもニュースは報道自粛しているわ。」
「タブレットに表示。」

百合花ちゃん。
「御沙汰なのです。」

美桜ちゃん。
「御沙汰神社というお宮があるけれど。」

渚ちゃん。
「洒落なのかな。」

朱莉ちゃん。
「世界規模の荒らし行為。」
「内戦だってー。」
「沙汰だよ。」

玲奈ちゃん。
「当分続くでしょう。」

朱莉ちゃん。
「渚ちゃんと練習試合したい。」
「腕がなまっている。」

渚ちゃん。
「いいよー。」

庭の芝生へ移動。

向き合って10メートル。

朱莉ちゃんがスプリント攻撃。

いきなり仕掛けましたが。

炎の押し付け攻撃を回避され。

同時に横に移動されて。

掴まれて。

お互いに有効としました。

次は連続攻撃を仕掛けて。

今度は移動したり攻撃したりするうちに。

後ろに回り込まれて。

掴まれて。

これまた有効。

今回は渚ちゃんのモノ。

朱莉ちゃん。
「渚ちゃんすごーい。」
「近距離が課題かな。」

渚ちゃん。
「あかりんは射撃を使えば渚より強いのに。」

朱莉ちゃん。
「わたしの腕だと命中率が低いから。」

渚ちゃん。
「それでもあかりんは有力者でしょ。」

朱莉ちゃん。
「うん、次は射撃を使うね。」

弱い熱線攻撃。

これは浴び続けて。

練習試合で定番の。

とある魔石が吸収し。

過剰放電。

近接戦闘に特化した渚ちゃんは手も足も出ず。

朱莉ちゃんが一本を取る。

渚ちゃん。
「戦闘の最中に戦術を変更しないから?」

朱莉ちゃん。
「あっ!そうかもー。」

お互いに試行錯誤。

一方。

部屋の中では。

玲奈ちゃんがポーカーゲームで勝ちまくる。

玲奈ちゃん。
「ワンペアから続けていくんですよ。」

百合花ちゃん。
「勢いに乗ると強いです。」

美桜ちゃん。
「カジノ行かないでね。」

玲奈ちゃん。
「1万円が5万円になったら逃げないと負けます。」

百合花ちゃん。
「男性の趣味に手を出す女の子は?」

美桜ちゃん。
「女性の欠陥を埋めただけ。」

玲奈ちゃん。
「カワイイ服を揃えておきました。」
「写真撮影会やりましょう。」

百合花ちゃん。
「カメラあるのです。」

美桜ちゃん。
「あかりとなぎさを呼んでくるわ。」

自分の能力を活かす魔法少女。

何に活きるかわからない。

鍛錬を怠らない女の子。

結論という結論は出ていません。

絶対的な結論が出ない。

次に出るのが結論の反対か別物である可能性は常にある。

絶対的な結論が出ないのが結論。


34


豪邸のリビング。

ソファーでみんな一緒。

渚ちゃん。
「無花果は実り豊かですね。」

玲奈ちゃん。
「次は文化に投資したくて。」
「わたくしは文化に関わる仕事がしたいですわ。」

朱莉ちゃん。
「同志ってわけよ。」

渚ちゃん。
「あかりんも素敵。」

百合花ちゃん。
「国語学者曰わく。」
「文明は物的豊かさ。」
「文化は精神的豊かさ。」

渚ちゃん。
「最近はアンダーテールっていう芸術が人気を集めたよね。」

美桜ちゃん。
「ディズニー的なアートゲーム。」

玲奈ちゃん。
「ゲームソフトが芸術作品になるなんて。」
「よく出来た作品でしたね。」

百合花ちゃん。
「ほとんど個人で作ったとか。」
「会社で作ったゲームが個人で作ったゲームに負けるのです。」

渚ちゃん。
「アーティストには敵わないってこと。」

玲奈ちゃん。
「内容は超自然的な傾向がありますが。」
「代表的なゲームソフトになりました。」

百合花ちゃん。
「俗世間は混乱状態。」
「混沌なのです。」

渚ちゃん。
「最近は作品を大量生産しているらしいよ。」

美桜ちゃん。
「作家を工場と見なしているそうよ。」

百合花ちゃん。
「資本主義者じゃないですか。」

玲奈ちゃん。
「極端に金銭を重視するなんて。」

美桜ちゃん。
「ヨーロッパでは。」
「近代化と機械化が出て。」
「手作りの製品が機械で大量生産されて。」
「工場を経営する資本家とそこで働く労働階級とで分かれた。」
「経済の面でも。」
「会社を経営する資本家とそこで働く労働者と言った具合に。」
「中間階級もいますが。」

玲奈ちゃん。
「わたくしの会社では社員を大切にするもので。」
「ローマ法の裁判記録で。」
「解放奴隷の子になるか自由人かで違うので。」
「裁判が行われた際に。」
「主人がどの奴隷も大切に扱ってきたと。」
「きわどいものがあったので。」
「そこが論拠のひとつ。」
「とある火山の噴火で判決は失われています。」

渚ちゃん。
「作家は工場の労働者。」
「あれ?ルネサンスの画家って大量に作品作れました?」

朱莉ちゃん。
「絵画を製品みたいに大量生産?」
「芸術は資本主義とは相性が悪いわね。」
「無理よ。」

美桜ちゃん。
「シェイクスピアが20作品。」
「世界的な文豪は生涯に書いた作品に限界があって。」
「短編なら50作品描いたアリストファネス。」

朱莉ちゃん。
「詩人に対して。」
「お前は工場だ!なんて。」
「ルネサンスの作品を大量に作れとか。」
「頭がどうかしているのでしょう。」

玲奈ちゃん。
「作品は無限には描けません。」
「人によって違いはあっても。」
「世界的な文豪を調べますと。」
「平均的な限界数がありました。」
「シェイクスピアも筆を折る。」

百合花ちゃん。
「青年期に文学をやるのは厳しいです。」
「欲望ばかりだからです。」

朱莉ちゃん。
「そもそも芸術が何であるか分かっていない。」

玲奈ちゃん。
「通俗的なモノなら。」
「数は打てるでしょう。」

渚ちゃん。
「芸術の真理を知らずがな。」

百合花ちゃん。
「芸術の真理を知らないのです。」

玲奈ちゃん。
「芸術の真理や真実もあります。」

朱莉ちゃん。
「芸術にも真実あり。」

美桜ちゃん。
「芸術には真理がある。」

玲奈ちゃん。
「ニヒリズムはそれまでの理を破壊すると。」
「とある訳の国語辞典に書いてありました。」

渚ちゃん。
「うわあ、ニヒリズムは破壊するんだ。」
「破壊者なんだあ。」

朱莉ちゃん。
「破壊して昔のものを悪く言って。」
「正当化したり。」

美桜ちゃん。
「人は自分を正当化すると無限の可能性を発揮する。」

玲奈ちゃん。
「二の句が継げぬ。」

渚ちゃん。
「テレビを代弁者に。」

異種格闘技の試合を観戦中。

ふと思う。

玲奈ちゃん。
「自分より弱い相手を倒しても。」
「強いということにはならない。」
「自分より明らかに強い相手を倒すと。」
「初めて勇名がつく。」

美桜ちゃん。
「20歳の男性が5歳の男の子を倒して。」
「強いということにはならない。」
「自分より弱い相手としか戦わないのは。」
「自分が弱いという証拠になるし。」
「弱さの裏返し。」
「弱いあまりに自分より弱い相手を求める。」

百合花ちゃん。
「本当に強者ならば。」
「自分より強い相手とも喜んで戦う。」
「雑魚を倒しても強いなんて言えないのです。」

渚ちゃん。
「勝つのが当たり前の戦いで勝っても勇名はつかない。」
「自分より強い相手と戦う人が強者であって。」
「自分より弱い相手と戦う人は弱者である。」
「どうやら異論は挟めそうもない。」

朱莉ちゃん。
「自分より弱いから。」
「それだけで有利になっているとか。」
「下民の考え方よね。」

玲奈ちゃん。
「江戸時代の農民よりも遥かに下品。」

美桜ちゃん。
「現代人は江戸時代の農民より劣る。」

朱莉ちゃん。
「ニヒリズム。」

渚ちゃん。
「愚か者の集いに参加しないといけない。」

百合花ちゃん。
「この世に善人はいないのです。」

渚ちゃん。
「善人と悪人の中間しかいないよ。」

百合花ちゃん。
「自分が善人であると言い張るなんて。」
「気持ち悪いです。」

玲奈ちゃん。
「自分が善人・・・その演繹法がひとつでも間違っていたら。」

美桜ちゃん。
「自分は善人・・・という前提のひとつでも間違いがあったら。」
「結論もいろいろ間違う。」

朱莉ちゃん。
「この世に善人はいないし。」
「有効な反論が出来ない。」
「これが証拠。」

美桜ちゃん。
「誰も弁証法で議論しているとは思わない。」
「思ったより世人のレベルが低いのか。」
「自分の思ったレベルと相手のレベルの中間です。」

玲奈ちゃん。
「過大評価と過小評価の中間ですかね。」

百合花ちゃん。
「民間人は私刑を求めるも。」
「民間の法廷や民間の警察でも置いたらどうですか。」

渚ちゃん。
「殺人事件がその日のうちで。」
「大量発生して無政府状態です。」

玲奈ちゃん。
「民間の司法と民間の警察ですと?」
「無政府状態になりますよ。」

渚ちゃん。
「世界のどこかで無政府状態になった。」
「ソマリアとかは教訓になりますか?」

美桜ちゃん。
「そう言えば聖戦って日本語訳ですと。」
「正義の為の戦争とか。」
「神聖な戦争とか。」

玲奈ちゃん。
「反対した所で戦争はありますし。」
「戦争に反対しても。」
「相手は発砲すればいいだけです。」
「武器も持たずに向かっていくと犬死になります。」
「敵は全員抹殺すれば解決ですからね。」

美桜ちゃん。
「戦争の勢いは軽減できるのが平和主義のいい所ですが。」
「戦闘機や歩兵を相手に反対しても意味がありません。」
「敵は撃てば解決しますから。」

渚ちゃん。
「ちょうど香港が敗れた際も。」
「戦車が投入されて。」
「それも本気で大量虐殺したら?」

百合花ちゃん。
「ああそんなこと言わないでください。」

渚ちゃん。
「素手で本気で殺そうとする歩兵に勝てるかどうか。」

美桜ちゃん。
「義勇兵とか義戦とかする人がその時に必要になる。」

朱莉ちゃん。
「平和主義者は戦争のエネルギーは減らせますが。」
「実際に平気で暴行する敵の行動まで理解していません。」

玲奈ちゃん。
「平和とか。」
「敵の暴行までは考えていない。」

朱莉ちゃん。
「ノーベル博士の平和と。」
「世間の平和と。」
「聖書の語る平和とはけっこう異なる。」

美桜ちゃん。
「係争中の物事については弁証法で。」

玲奈ちゃん。
「それが最善。」
「わたくしもそろそろ良識が身につく頃です。」

朱莉ちゃん。
「良識もなしに世間に入るのは悲惨だから。」

玲奈ちゃん。
「ヨーロッパで余剰財産は教会に寄付する暗黙のルールがあった。」
「お父様がコレクションの整理整頓で。」
「余剰品の美術品と骨董品が出て。」
「今日は手伝ってもらいたくて。」

渚ちゃん。
「旅は道連れ世は情け。」

執事が小型トラックを手配していて。

玲奈ちゃんが去っていく。

とある神社に行って納品。

カトリック教会にも納品。

夕方。

不思議な娘が代理で来て。

不思議な娘。
「私が代理になりまして。」
「なんでも実際の通りになるという。」
「純金が配合されたリボンを譲りたいと。」

玲奈ちゃん。
「わたくしに似合いますね。」

不思議な娘。
「素敵な女の子。」

玲奈ちゃん。
「男装してくれたら一緒に。」

不思議な娘。
「これは冗談を。」

玲奈ちゃん。
「魔法少女って何でしょうか。」

不思議な娘。
「みんな調べていますよ。」
「あなたはどうやって?」

玲奈ちゃん。
「先天的に魔法少女。」
「幼い頃から上手に扱って見せて。」

不思議な娘。
「探せば不思議な話ばかりですね。」

朱莉ちゃん。
「レナちゃん!!」
「女性向けのエロティシズムを執筆するね。」
「女性の中で選ばれる人はどうやらいない。」

不思議な娘。
「アイドルも加わって。」
「用事はこれだけですが。」

玲奈ちゃん。
「もう夕方ですからね。」
「ありがとう。」
「あかりさん待って。」
「アリストテレースの詩学が書庫に・・・。」
「後先考えずに動く勢いの強さ。」
「しくじった時の破滅と。」
「成功した時の英断。」
「この幸運が一時的なものではなく。」
「永続するのならば・・・。」
「せっかくの僥倖。」
「存分に活用しなくては。」

夕日が綺麗で。

夕日を追いかける・・・。

なんて洒落も。

女性の欠陥を埋めた女性は。

試行錯誤です。


35


女子高生?が来訪。

海羽。
「やっほー。」
「みうだよー。」

玲奈ちゃん。
「お初にお目にかかります。」

海羽。
「そこら辺の女の子じゃないってよく分かったね。」

玲奈ちゃん。
「少女の雰囲気じゃないです。」
「色気がありますし。」

海羽。
「あらまあ嬉しい。」
「私は家庭教師。」
「学問の手助けをするので。」
「よろしくね。」

玲奈ちゃん。
「こちらこそ。」
「カワイイ女性が来ましたね。」

海羽。
「25歳の女性の・・・制服姿っていい?」

玲奈ちゃん。
「そんなアピールしないでください。」
「たまらない。」

海羽。
「こんな妖艶な女の子と・・・。」
「たまらない。」

書斎に移動。

娘用の書斎が設けられているのは。

豪邸の規模が大きい為に。

余剰スペースが多いから。

美桜ちゃん。
「このカワイイ女の人が指導してくれるのかあ。」

海羽。
「なにかして欲しいですか?」

朱莉ちゃん。
「大人の女性・・・これが大人の女性。」

渚ちゃん。
「学校の制服だなんて。」
「面白い人です。」

百合花ちゃん。
「堅物じゃなくていいかもです。」

玲奈ちゃん。
「大人の女性もいいですね。」

海羽。
「そんな!見つめないで。」
「そんなにカワイイ?」

百合花ちゃん。
「綺麗なものを見てはいけないのですか?」

海羽。
「あーもう大好き。」

玲奈ちゃん。
「変わり者で良かったです。」
「形式主義な女性だけは勘弁でしたから。」

海羽。
「おや?非凡な事を。」
「さてと。」
「良かったら論文をコピーしたので。」
「読んでおいてください。」

美桜ちゃん。
「早速。」
「気の利いた物を出してくれました。」

海羽。
「明日から午前中に訪問しますね。」
「勉強と学問は違いますから。」

玲奈ちゃん。
「学問に王道なし。」

海羽。
「私は学問が大好きですからね。」
「軍隊徒手格闘のように。」
「短期間で仕上げますよ。」

次の日に。

知識人の論文をコピーしたアタッシュケース。

有識者などの参考資料。

特に有識者と言えばキケローですけれど。

いっぱい論文が持ち込まれました。

玲奈ちゃん。
「歴史や人物。」
「物事に至るまで。」
「善悪の基準に当てはめること自体。」
「既に間違っていますね。」

渚ちゃん。
「善は非力なので。」
「悪から隠れてしまった。」

海羽。
「真実に従えば歴史が真実。」
「近代から現代は偽り。」
「なぜなら。」
「虚無主義。」
「一切の既成の秩序・権威・制度を破壊しようとする主義。」
「つまりは世界の元の形を破壊したから。」
「必然的に近代や現代はうそつき。」
「歴史を学ぶことは真実を知ること。」

美桜ちゃん。
「歴史と言っても。」
「ガイウス・ユリウス・カエサルがルビコン川を渡ってから。」
「元老院から執政官まで首都を放棄して逃げて。」
「地中海全域で幾度も戦争をしてから。」
「やっとカエサルが制圧するまで。」
「数行で語れない内容を数行で語っているから。」
「虚無主義はもはや嘲笑の的。」

海羽。
「女性の限界について。」
「武田信玄公の重臣の奥さん。」
「縁組をすべて取り仕切っていました。」
「縁組みをすべて任されたから。」
「大物の女性でも山頂があるので。」
「その他の女性は大物の女性には決して及ばない。」
「女性には限界があるのだと思う。」

玲奈ちゃん。
「男女は体か違うだけで霊魂は影響しないのでは。」

海羽。
「脳科学について。」
「本能や脳は信じられないくらい頭が悪いので。」
「なんとなく流されて本能に支配されたりしたら。」
「頭が悪いあまりに。」
「なんて説明で理解できる?」

百合花ちゃん。
「古代ローマでビジネスをしていた女性がいました。」
「この世を調べますと。」
「なぜかそういう構造になっているのです。」
「女性は一定の方向性を持たされていて。」
「それに従うしかないのですが。」
「それを疑って破壊しましたです。」
「今は死体撃ち。」
「否定や侮辱。」
「軽蔑したり嘲笑したりです。」

渚ちゃん。
「男女魅かれあって。」
「女性は無理に婚姻させたり。」
「恋とかの体裁で。」
「そもそも世界の構造が分かってしまうと。」
「破壊して撃破することが容易だよん。」

朱莉ちゃん。
「下らない構造は戦争を仕掛けて破壊ですよ。」
「形而上学の話です。」

海羽。
「中々非凡な女の子だよー。」
「支援は任せてー。」

すぐにアドバイザーとして定着。

一週間ほど経過。

いつものように訪問。

海羽。
「資料?」

玲奈ちゃん。
「津島神社。」
「お札が発見され。」
「それを祀ることで始まった。」
「その後。」
「お札が降ってきたので。」
「全国的に祀ることになりました。」

海羽。
「それって教育委員会が書いた看板だよね。」
「この辺りで読んだことある。」

玲奈ちゃん。
「神社には特殊な史実がありまして。」
「本当にあったことが。」
「そのままの形で語り継がれています。」

海羽。
「いやあ、まともで健全な人が伝えてくれて何より。」
「私も仲間ですけれど。」

玲奈ちゃん。
「いろんな人がごちゃ混ぜの人の世です。」
「良識ある人物もたくさんいますが。」
「ニュースみたいにおかしな人が目立ちますね。」
「ニュース自体も信用していませんが。」

海羽。
「何を持って正常とするのか。」
「定義が穴だらけなので。」
「臨機応変に考えましょう。」

玲奈ちゃん。
「人間にも限界がありますから。」
「素直に神々の場所へ。」
「名門の出身ですと。」
「下手な立ち回りは禁物ですし。」

海羽。
「わたしは町人の卑しい出身だから。」
「いつの日か神々の所に籍を置いて。」
「プライドとか言うものが事実無くなりましたなあ。」
「あるとしたらすべて神々から来るプライドだから。」
「何かあれば神々への間接的な冒涜だね。」

美桜ちゃん。
「今日も先生来ているね。」

百合花ちゃん。
「丁度いい所に丁度いい人がいるのです。」

玲奈ちゃん。
「どのような事前の配慮よりも巡りあわせの方が強い。」

つまらない人物になって欲しくないと。

母親の作戦でしたが。

母親の予想を遥かに上回っており。

自分の予測がいかに狂うかを大人が知ることになりました。



36


社交辞令が飛び交うような。

パーティーに出席したのですが。

弁論を振るうことになりました。

弁論術を習っていて。

気の利いた諧謔ということで。

スピーチ。

脚本を持っています。

途中で置いて行きますが。

海羽。
「文学に話数?」

玲奈ちゃん。
「管理番号を振っているだけ。」
「描いたものがうっかり消えないように。」
「50話ではなく50編だから。」
「話数に拘泥すると無理が生じる。」
「古典文学から出たものですけれど。」

早熟な女の子ということで。

ステージの上に立つと拍手。

玲奈ちゃん。
「世の中を実際に歩いて見て回った。」
「インタビューした。」
「なぜそれが真実であると思いたいのか?」

海羽。
「自分が何をすべきかはその人だけが知っている。」

資本家。
「人の数だけ意見あり。」
「テレンティウス・ポルミオ第二幕。」

玲奈ちゃん。
「ホラティウス・風刺詩第二巻。」
「頭の数だけ意見あり。」

海羽。
「弁証法において。」
「こういう形でやらせて頂きます。」

政治家。
「美人が演説するのは大好きだあ。」

玲奈ちゃん。
「その人が知らない事情もあるのだし。」
「正解を置いて。」
「服従を要求するべきではないし。」

海羽。
「そんなことしたら袋叩きと相場が決まっています。」

玲奈ちゃん。
「人間の中には攻撃されたくて。」
「屁理屈を述べる者もけっこういるもの。」
「彼らが詭弁を好むのは。」
「攻撃されたいからで。」
「自分の詭弁がどのくらい通用するのか。」
「世間に挑戦している。」

海羽。
「ではなぜこうテキパキと当てられるのか。」
「当てられるモノしか当てないからです。」

玲奈ちゃん。
「それは思い通りにできるものだけを思い通りにして。」
「変えられるモノだけを変えるのであって。」
「矜持なのですよ。」

海羽。
「この矜持は人間が散々に酷いことをしてくれたおかげで身についた。」
「美徳であるので。」
「人間の悪徳には感謝しています。」

玲奈ちゃん。
「人生と称して。」
「いやそれは多数決であって。」
「なおかつ相対的に判断しているだけ。」
「こんな簡単な事を理解するのに労苦が必要。」

海羽。
「では人間とは悪徳なのか。」
「現に悪徳なので。」
「人間こそ悪徳なのです。」
「思う存分反論してくれたまえ。」

玲奈ちゃん。
「囚人のジレンマ。」
「黙秘と黙秘は。」
「相手が煽られているので。」
「必ず裏切ります。」
「自白と自白しか選択肢はない。」
「何かに言及しないと。」
「黙認した実績を作るだけで。」
「つまらない俗物。」

海羽。
「ではあなたは人に変化を強要しているのではないか?」
「その反論はけっこう当たっている。」
「私は弁証法が得意ではないから。」
「自分が何をしたらよいのか。」
「考えるきっかけになればいい。」
「それは本人にしか分からないことだから。」

玲奈ちゃん。
「本人しか分からないことを他人が言えたことではない。」
「人は驕りがあると。」
「自分がルールとかいいがちであるものの。」
「ルール対ルールの格闘試合であるので。」
「得策ではない。」

海羽。
「なんで自分が?」
「知らねぇよ!」
「こんな展開になるのが定番なので。」
「あんまり疑問が多ければ。」
「形而上学を習えばいいし。」
「諸要素(ストイケイア)が分からない上に。」
「相対的な判断しか人はできない。」
「独立した真理・事実があり。」
「回答の多くは単独で存在する事実になる。」

玲奈ちゃん。
「ニヒリズムの思想の中では。」
「多数決がそのまま世界に反映されがちで。」
「目くらましもいいところ。」

海羽。
「民主主義と自慢して。」
「ローマ共和制と制度が同じで。」
「執政官という今の大統領は任期一年。」
「市民集会で決まっていたので。」
「間接民主制は人類のオリジナルではない。」

玲奈ちゃん。
「ニヒリズムの思想について。」
「真実に従って判断しよう。」
「人間の創作がそのまま世界になっている。」

海羽。
「人間の創作というのが現代の真実。」
「人間の創作がニヒリズムワールドを形成している。」

玲奈ちゃん。
「現代はすべて人間の創作なのだから。」
「こうして嘲笑して優越感に浸るのも。」
「憩いとしては良いのでは。」

海羽。
「プラトンは。」
「力は正義なり。」
「国家。」
「力で支配したと言っているものの。」
「サムライは正義であった。」
「そして現代には正義がない。」

玲奈ちゃん。
「武士はどっちかと言うと厳格で。」
「感情を表に出さず。」
「勇敢で強者であって。」
「義に偏って固くなりがち。」

海羽。
「古代ローマ人からすれば。」
「日本人は同士討ちが酷い。」
「自国民でなぜ殺しあっているのか。」

玲奈ちゃん。
「なるほど。」
「ローマ人は運命共同体で結束力は最強。」
「しかし日本には必要以上に利己的な人間が多く。」
「しかし古代ローマからすれば。」
「確かに批判を受ける。」

海羽。
「全員で全員の足を引っ張り。」
「全員で全員を束縛したり。」
「脱出すれば打ってくるので。」
「英雄でもない限りは片づけるのは無理。」
「全員で全員の足を引っ張れば。」
「なるほど。」
「古代ローマが引き合いに出されると。」
「反論できそうにない。」

玲奈ちゃん。
「ニヒリズムから出た思想は何十回も言うが。」
「人間の創作だから。」
「人間がすべてを勝手に決めるのは。」
「そのうち神々に挑戦状を送り付ける前触れ。」
「返答は災害なのだから。」

海羽。
「自分が桃ノ木から取って食べて。」
「桃ノ木に言い掛かりをつけて切り倒す。」
「なんてものが平気で行われている。」

玲奈ちゃん。
「日本は神の国。」
「しかし同時に偶像崇拝の民族であって。」
「死体を保管する墓を必死に礼拝し。」
「偶像崇拝の狂信者である。」

海羽。
「彼らは神々を無視し。」
「偶像礼拝に狂信的。」
「そもそも狂信者に何を言っても口論しかない。」

玲奈ちゃん。
「あなたはユピテル神殿やアルテミス神殿を見た後。」
「墓を拝んでいる狂信者を見て。」
「気持ち悪く思わないのか?」

海羽。
「日本人の冷酷さは偶像崇拝から来る性格で。」
「天つ罪である墓参りを正当化する。」

玲奈ちゃん。
「しかしあなたは偶像を定義付けできるのか?」
「本当はカトリックでも出来ない。」

海羽。
「少なくとも私はそうであると認識している。」
「つまりは。」
「墓参りは天つ罪で。」
「多様性によって判別が難しくなった。」

玲奈ちゃん。
「なぜあなたは無駄に書くのですか?」
「こうした反論もありえる。」

海羽。
「囚人のジレンマ。」
「黙秘を選べないから。」
「そして私がよしとされるのは。」
「偶像崇拝をしないという理由で。」
「神々に対して大言壮語は不可能であるが。」
「敬虔のみで充分なので。」

玲奈ちゃん。
「しかし私は完璧に書いてはならない。」
「要するにキケローのように語りつくす。」
「ではさっき言った自分がどうするか?」
「どうすべきか?どうなるべきか?」
「これは本人しか知らないと述べたが偽りなのか?」
「それは私が答えを置かない証拠なのだ。」

海羽。
「正解対正解の決闘でもしたいのか?」
「したい人は勝算があるとは思わないことだ。」
「なぜそれが真実だと思いたいのか?」
「みな自分が正しいと信じたい。」
「残念ながら。」
「人の驕りはこうして破壊され。」
「砕け散るのだ。」

玲奈ちゃん。
「ネロ帝の時代。」
「カエサルの時代にも。」
「オリンピアはあった。」
「実の所。」
「ローマは地中海全域を領土に入れて。」
「シリア・イスラエル・トルコ・ギリシャ・スペイン・フランス。」
「北アフリカ沿岸まで属州や植民地がある。」
「無論。」
「全域から選手がオリンピアに集結するのは当たり前で。」
「オリンピックは最初から世界規模の大会なのですよ。」
「論理的に考えればこうです。」

歴史家。
「歴史が歪曲されているのか?」

海羽。
「原始人?一部の人の主張が一方的に通っていますが。」
「他の立場の人を無視している。」
「故意に排除したいのではないか。」
「教育に誤りがないか疑ったことがないなら。」
「教育において生徒を好きなようにいいなりに出来る。」
「人を奴隷のように扱って快感を得ているのが教師の実態だろうから。」

儒学者。
「教科書と論語はどちらが優れているのですか?」

玲奈ちゃん。
「学校の教科書により儒学書を暗記しているほうが素晴らしい。」
「役に立つ。」
「反論が出来ないのが証拠になります。」

哲学者。
「人類は戦ってきた。」
「ではこれからも戦おうではないか。」

海羽。
「主権は獲得した者の言うことは嫌でも従わないといけない。」
「主権に無頓着なら。」
「奴隷に志願しているので。」
「彼らの論理は奴隷への志願。」
「主権を手に入れれば。」
「無茶な事でも強制できる。」
「果たして主権を無視してよいのか。」
「戦争を理解したいのなら。」
「戦争をまず知るべき。」
「戦場で傭兵として戦ってから。」
「平和を唱えるべき。」
「兵士しか平和を唱える資格はないだろうから。」
「戦争を最も知っているのは兵士や将校だから。」
「巻き込まれた人間は逃げ回った敗北者だろうから。」
「敗北者が戦争に反対しても筋違い。」

玲奈ちゃん。
「王様は。」
「逆らわない者が誰もいないので楽しい。」
「こう記している。」

海羽。
「囚人のジレンマ。」
「黙秘できないから主張するしかない。」
「ヨーロッパのイイ所取り。」
「新興国家アメリカが。」
「なぜあそこまで強いのか。」
「合理主義の国家であろう。」
「実際に強いので。」
「こんな所も教科書になる。」

玲奈ちゃん。
「人はなにゆえに生きるのか。」
「知らないし。」
「最後はどこなのか。」
「探ってみようかと思う。」
「ただ。」
「こんなのは正気の行いではないので。」
「正気になったらこんなことはしない。」
「狂気があって初めて考えたので。」
「ただ私は狂っている。」
「私の演繹法は以上の理由なのです。」

意外にも哲人の集いなので。

面白いという話になり。

順番が次の人に回っていきます。

志願した人はお披露目可能で。

全員で意見を持ち寄って楽しむ。

哲人のパーティーです。

海羽。
「という訳で気に入られちゃった。」

玲奈ちゃん。
「公明正大に扱われたと思ってください。」

海羽。
「あなた好きよ。」

玲奈ちゃん。
「大人の女性ですか・・・。」
「カワイイ女性は今後の流行になるでしょう。」
「うふふふ・・・。」

料理が運ばれてきて。

パーティーの目的が。

交流会なので。

自分の出し物があるものです。

この後。

ソフィストが乱入して主役を占領したので。

観客に徹しました。



37


渚ちゃんが杖を持って。

自在に操っています。

渚ちゃん。
「そーれ。」
「かかしに当たれー。」

玲奈ちゃん。
「おお。」

渚ちゃん。
「うまく命中したよ。」

玲奈ちゃん。
「久しぶりに見ました。」
「脳波コントロールの武器ですね。」

渚ちゃん。
「そう!」
「最近の流行り。」
「脳波コントロールで動く武器。」
「内側に鋼鉄。」
「外側に木材。」
「中間に呪術書が内蔵してあって。」
「近寄れば飛ばしたり出来る。」

玲奈ちゃん。
「威力ありそうですよ。」

渚ちゃん。
「これは支援用の武器だから。」
「たまに破損するから交換が大変。」

玲奈ちゃん。
「わたくしも同じです。」
「普通に使える渚さんは個性的です。」

渚ちゃん。
「違いをつけないと何事も通用しないからね。」
「先生が窓から呼んでいるよ。」

玲奈ちゃん。
「もうちょっと見ておきたかったけれど。」
「連携を思いつきました。」

渚ちゃん。
「チームプレイ五人組だからねー。」

先生の所へ。

適当に机が並んでいます。

海羽。
「間が悪かったね。」

玲奈ちゃん。
「よくあることですよ。」

海羽。
「学問に不足があっていいと思う?」

玲奈ちゃん。
「超過することはないですね。」
「行き過ぎると学問は追いつけない。」

海羽。
「ということで老子を持ってきました。」
「最近掘り出されて。」
「翻訳が盛んになった古典。」

玲奈ちゃん。
「わたくしはツァラトゥストラはかく語りき。」
「読んでいる途中です。」

海羽。
「アンチ現代の書物?」
「退廃した社会に誕生した反対者。」

玲奈ちゃん。
「そうです。」
「あれはアンチ現代で。」
「アンチが見事に決まった書物です。」

海羽。
「そもそも人間が正しいなんて証明されたことなんてないし。」
「人間って正しい存在ですか?」
「無批判だった場所を獲得してますねー。」

玲奈ちゃん。
「聖書の逆説的な内容だと思います。」

海羽。
「世の常のひとびとのするのはでたらめにすぎない。」
「アリストテレース倫理学。」

玲奈ちゃん。
「根本的にアンチが徹底されていますからね。」
「常識の裏側しか突かないです。」

海羽。
「でもあれ。」
「当時の人々から拍手喝采。」
「現代人はよくわからないみたい。」
「当時の人々は理解できたから。」

玲奈ちゃん。
「ところで老子はこれですか?」

海羽。
「水神様に参拝したことある?」
「草木は柔軟で柔らかい。」
「固いものは壊れやすい。」
「固いと打たれて壊れる。」
「人は強い者が必ず勝つと思っているから。」
「しかし柔らかい人は水のようである。」
「ターレスと一致している。」

玲奈ちゃん。
「恨み事を和解させても無駄。」
「欲望が争いを生む場合もある。」
「禁欲は必要ですけれど。」

海羽。
「燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らんや。」
「全員が同じではない。」
「だから共通の道とか共通の物差しを適応してくる者から離れること。」
「人については共通認識というものはないです。」
「無理に一緒にするから問題が生じます。」

玲奈ちゃん。
「勉強は小賢しいだけで。」
「学問が真なるものであると老子は述べていますね。」

海羽。
「昭和の女性は子供を無駄に産んで。」
「今の世代に負担になっている。」
「若い世代が一方的な損をしている。」
「行き過ぎた行為は有害なだけで。」
「こんなふうに。」
「真実はよりにもよって!という場面で現れます。」

玲奈ちゃん。
「薄々察しているのですが。」
「信じられずにいます。」

海羽。
「わたしは真なるものしか興味がありません。」

玲奈ちゃん。
「神々と向き合うと。」
「ちょっと信じられない答えがあるんです。」

海羽。
「わたしも信じられないわ。」
「自分の考えと対立するものだから。」
「でも察しているし。」
「いずれ理解できるでしょう。」

玲奈ちゃん。
「どうしても信じられなくて。」

海羽。
「わたしもよ。」
「いつも信じられない回答が来るから。」
「信じられなくて。」
「ずっとそのまま。」

図書を閉じて。

黒板に。

新しいモノを取り入れないと。

旧式扱いされるという要点。

新しいモノならなんでも・・・ではなくて。

実用性のあるモノだけ。

故きを温ねて新しきを知る。

学問は四年間すればどんな学者にもなれる。

玲奈ちゃん。
「世人と俗人のあらゆる失敗や愚行。」
「奇行や狼藉。」
「不義なる行い。」
「馬鹿な言動など。」
「それらを包括して健全な人格を形成した。」
「バーチャルユーチューバーがおりました。」
「そんなことできるんですね。」

海羽。
「この世界が借りの姿であったのなら。」
「いろいろ覆るもの。」
「世人や俗人は嘘つきだから。」
「あなたのその方法は理にかなっているわ。」

玲奈ちゃん。
「先生はどうやって世渡りを?」

海羽。
「力づくで叩き伏せてきました。」
「でも力だけですべてを解決しないこと。」
「じゃないとさらに強力な人物が出現すると。」
「一方的にやられてしまうから。」

玲奈ちゃん。
「盲点ばかりありますね。」

海羽。
「必滅であるという前提でやっているわけ。」
「だからこそ準備がある。」

玲奈ちゃん。
「ヒントは探せばいくらでもありそうです。」

海羽。
「常を知らば容なり。」
「容ならば乃ち公なり。」
「公ならば乃ち王なり。」
「王ならば乃ち天なり。」
「天ならば乃ち道なり。」
「道ならば乃ち久し。」

玲奈ちゃん。
「この世界は本当の所。」
「誰も分かってはいない。」

海羽。
「でも、言わせたい人には言わせておけばいいんだよ。」
「言っているほうだって。」
「たいした事は言っていないんだから。」

玲奈ちゃん。
「だからアリストテレースは。」
「世の常の人々のするのはでたらめにすぎない・・・と?」

海羽。
「この世のものはいつしか必ず根源に還っていきます。」
「それを知ること。」
「受け入れることが大切。」

退出。

リビングルーム。

渚ちゃんがゲームをやっていました。

ダークソウル3。

ファンタジーあるあるの集合体で。

雑魚敵が豊富。

難易度が高いけれど。

ファンタジーの決定版としては最高クラス。

渚ちゃん。
「プレイヤー64人でAIユニット300人の拠点を落とす。」
「AIのリスポーンが増えて負けちゃった。」
「自軍のチケットは減るし。」
「AIをいくら倒してもチケット差があるから。」
「アマゾンポイント逃しちゃった。」

玲奈ちゃん。
「FPSやっていたのですね。」
「わたくしはお城に行きたいと思います。」

渚ちゃん。
「わー!良い趣味。」
「享楽的な趣味しか持たない人って・・・。」

玲奈ちゃん。
「世人や俗人とは袂を分かつ。」
「少し待っていますよ。」

渚ちゃん。
「最速でセーブします。」

一緒に戦国のお城へ。

今日は渚ちゃんしか来ていません。

最近は自分の事で精いっぱい。

みんな世の中の事に関心があるそうですが。

みんな賢いんだね。

しかしわたくしにはそんな暇などない。

イソップ童話で語るなら。

いろんな動物を同じ牧場で飼育する痴呆症。

肉食動物も草食動物も一緒に飼育する変態。

飛んで火にいる夏の虫。

虫は焼けてしまったと抗議したら。

火はあんたが来るからだろう!!と突っ込む。

地盤沈下する崖を住みやすいからと。

警告を無視して居住する馬鹿。

崖は削れるし。

地下には古い坑道があって水浸し。

要するに住宅地にすると。

あらかじめ地盤沈下で地域が崩壊すると。

最初からわかっていたのですが。

一寸先は闇。

懐中電灯片手に。

未知の領域。

洞窟ではない地域に入り込む。

当然常闇なので。

光は限定されて。

松明が出るまでわかりません。

意地でも木の実を取ろうと。

でもその実は腐っているのですが。

無理にでも手を伸ばして。

警告すると。

事実の解釈を変更してくる。

あの実は熟したのだ。

だから腐っているように見えるのだ。

そんな人間が多いもの。

これはたとえばなし。

お姉さんの友人姉妹が来日。

スイス人で。

パーソナルコンピューターのエンジニア。

メーカーの社員です。

デザイン系を担当。

金髪の長い髪。

緑色のロングスカート。

姉妹コーデ?

美人女性。

アルフェッカ。
「しばらく滞在しますね。」

ベネトナシュ。
「想像とは全く異なる女の子発見!」

玲奈ちゃん。
「いらっしゃいませー。」
「話は聞いています。」

ベネトナシュ。
「噂の女の子だよ!」

アルフェッカ。
「すごい!どういう女性なの?」

ベネトナシュ。
「とりあいずすごいんだって!」

アルフェッカ。
「えー!とりあいずすごいんだ。」

玲奈ちゃん。
「内容がない挨拶をどうも。」
「何も言っていないのと同じでは?」

アルフェッカ。
「えー内容がない?」
「わたしはそうは思わないなー。」

ベネトナシュ。
「そう解釈されたかー。」
「見たまんまを言ったつもりだけれど。」

玲奈ちゃん。
「あれ?」
「言及する必要がありましたかな。」

ベネトナシュ。
「見たまんま綺麗。」

アルフェッカ。
「何か美容の秘訣とかあるのかな?」

ベネトナシュ。
「きっとあるんだよ!」
「教えてくれない?」

玲奈ちゃん。
「・・・・・わたしはそうは言っていなです。」

ベネトナシュ。
「好きな人とかいるんだよ!」

アルフェッカ。
「男の子が背後に!?」
「すごい!結婚とか考えているのかな?」
「将来明るいよね。」

ベネトナシュ。
「きっともう指輪とか貰っているんだよ!」

玲奈ちゃん。
「男性ではありません。」

アルフェッカ。
「ということは?」

ベネトナシュ。
「もう籍を入れているんだよ!」

玲奈ちゃん。
「わたしは何も言っていません。」

ベネトナシュ。
「異性に困らないのに?」

アルフェッカ。
「はー!時代は進みましたな!」
「移り変わって。」
「男女一緒になる義務がないとか。」
「女は男の為に産まれるわけではない?」

ベネトナシュ。
「それだと。」
「最初から女性に教育や権利が要らない事になってしまい。」
「人口過剰で資源や食料問題で。」
「最後には破滅ですよ。」

アルフェッカ。
「結婚って誰が決めたの?」

ベネトナシュ。
「きっとこの娘が知っているんだよ。」

玲奈ちゃん。
「何も言ってません。」

さりげなく入場。

メイドさんが荷物を受け取り。

一緒に部屋に移動中。

廊下。

ベネトナシュ。
「旅行で滞在するけれど。」
「なんでも知っている女の子に出会ったよ。」

アルフェッカ。
「これは幸先の良い旅ですな。」

玲奈ちゃん。
「そんなことは言っていません。」

ベネトナシュ。
「あれ?違うの?」

玲奈ちゃん。
「お姉さんは何を吹き込んだのでしょうか?」

アルフェッカ。
「そう見えたのかな?」

ベネトナシュ。
「後から調べないと。」
「わたしにとってはどうかな?」

アルフェッカ。
「実際、見てみると。」
「超級美少女?」

玲奈ちゃん。
「いやどんな紹介をされたんですか。」

アルフェッカ。
「あれー?」
「誤解したみたい。」
「普通に素敵な女の子ですわー。」

ベネトナシュ。
「なんか山を動かす女の子・・・だと思って。」
「雲を切り裂いたり。」
「海を割ったりできるとか。」

玲奈ちゃん。
「いったい何の話でしょうか。」
「どこから出てきた空想?」

アルフェッカ。
「山を投げたりしないの?」

玲奈ちゃん。
「しません。」

ベネトナシュ。
「勘違いしたみたい。」
「通常通りの素敵な女の子ですわー。」

玲奈ちゃん。
「どんな評判が海外であるんですか。」
「まったく。」

ベネトナシュ。
「前見たときは小学生だったから。」
「グレードアップしていて当然だと思って。」
「岩を投げるんですよね。」

アルフェッカ。
「なんか違うみたい。」
「私達は噂だけを頼りにしてしまったから。」

ベネトナシュ。
「しまった!ここで再評価しなくては。」

アルフェッカ。
「再構成ですわ。」
「改めて。」
「レナさんについて。」

ベネトナシュ。
「大人の女性も惚れてしまいますね。」
「どういう個性や能力があるのか興味深いです。」
「噂話は誇張されていました。」
「極端に。」
「実際は可憐で聡明のようです。」

玲奈ちゃん。
「さっきの噂はどこから?」

アルフェッカ。
「もはやどうにも言えません。」

ベネトナシュ。
「風に舞ってきた広告に書いてあったのでしょう。」

姉妹は玲奈ちゃんに社交辞令を述べて。

とりあいず休憩とのこと。

小雪ちゃんの連絡で。

限界集落に敵の拠点。

地下に広大な坑道があり。

立地が良かったらしく。

初期に活用されていましたが。

すぐに撤退。

長い間廃棄されていて。

誰もいないそうで。

近々、調査するようですが。

距離が近いらしいです。

玲奈ちゃん。
「あかりんと一緒に探検しましょうか。」
「どうせ敵はいませんし。」

アルフェッカ。
「なにか娯楽でもありまして?」

ベネトナシュ。
「きっと新婚旅行の打ち合わせでしょう。」
「或いは。」
「宝くじを当てたんですよ。」

アルフェッカ。
「いいえ、判断材料もないのに推論は禁物です。」
「何か壮大なスケールで動いているに違いありません。」

ベネトナシュ。
「そんな馬鹿な!あの年齢で!?」

玲奈ちゃん。
「さっき自分で言っていたでしょうに。」

アルフェッカ。
「ああ・・・そうでした。」
「どうしたのでしょうか?」

ベネトナシュ。
「あんまりにも不思議な女の子でしたので。」

玲奈ちゃん。
「アルバイトですよ。」
「内戦です。」

アルフェッカ。
「戦うかしら。」

ベネトナシュ。
「アイドルが戦うなんて贅沢な戦場ね。」

玲奈ちゃん。
「はい、贅沢な戦場ですよ。」
「もぬけの殻を探索するんです。」
「ザコしかいないでしょうね。」

アルフェッカ。
「わたしは弓矢がありますの。」

ベネトナシュ。
「要らないフライパンはありまして?」

玲奈ちゃん。
「一緒に行きますか?」

アルフェッカ。
「贅沢な遊びですね。」

玲奈ちゃん。
「弱者ではないです。」

ベネトナシュ。
「むかしの人は市民ですら戦いましたし。」
「現代人が弱いだけですね。」

玲奈ちゃん。
「戦士が目立たないという意味だと思われた。」

ベネトナシュ。
「戦士はいつも知らない所にいますから。」
「弱者に戦えというのは間違っていました。」

アルフェッカ。
「戦士だけが戦えばいいのでは?」

ベネトナシュ。
「戦いは戦士の為にあるーでいい?」
「そういうことにします?」

アルフェッカ。
「迎合される私論ではないです。」

ベネトナシュ。
「迎合ほど簡単なものはないですからねー。」

準備。

集合。

百合花ちゃん。
「美人さん好きです。」

朱莉ちゃん。
「この人達はお姉さんの友人?」

玲奈ちゃん。
「勝手にいろいろ言いますが。」
「変な人ではないです。」

アルフェッカ。
「ごめんねー。」
「頭のねじを忘れたの。」

ベネトナシュ。
「お喋りが大好きだから。」
「間違っているのなら教えてねー。」

朱莉ちゃん。
「なんかよくわからないけれど。」
「死なないでよ。」

アルフェッカ。
「あらー物騒ね。」

ベネトナシュ。
「そんな事を続けていたの?」

玲奈ちゃん。
「パルチザンの少女兵員とかは知らないので?」

ベネトナシュ。
「あらー?わたしったら案外無知でしたわ。」

アルフェッカ。
「さあ、いっぱい血祭りにあげましょうね。」

朱莉ちゃん。
「この人達って変わり者だわ。」

玲奈ちゃん。
「どこまでが本気かわかりません。」
「本人も勝手に言葉が出ているのでしょう。」

車で移動するも。

到着が早い。

秩父に複数あり。

既に調査中の洞窟を発見しつつ素通り。

限界集落の中。

いつものドライバーが凄腕で余裕ですねー。

地下壕の入り口は。

頑丈な網で封鎖されていますが。

あかりちゃんが吹っ飛ばして粉々にしましたね。

突入。

中にはメインスイッチがあり。

点灯。

すぐに出てきた人形を粉砕。

玲奈ちゃん。
「今回はザコが少ないかもです。」

朱莉ちゃん。
「空間が広い。」

百合花ちゃん。
「もう突っ込んでいきましたよ。」

アルフェッカ。
「ひとつ目を仕留めましたー。」

玲奈ちゃん。
「あんな所に潜んでいたんですね。」

ベネトナシュ。
「何回やれば倒れるんです?」

朱莉ちゃん。
「それは死体撃ちだよ!」
「原型が無くなるまで叩かなくていいでしょ!」

アルフェッカ。
「奥にいますねー。」

ベネトナシュ。
「逃げないでー。」
「普通、美人が来たら嬉しいでしょ?」

玲奈ちゃん。
「でたらめな強さですよ。」

朱莉ちゃん。
「編成これで良かったの?」
「あかりの獲物が倒れていく。」

玲奈ちゃん。
「最高で拳銃しか飛んできませんし。」

朱莉ちゃん。
「ところで。」
「あの人達は魔法使いだっけ?」

玲奈ちゃん。
「あれを見ればそうだと思いますけれど。」
「あれ?」

ベネトナシュ。
「わあ!危ないじゃないですか!」

アルフェッカ。
「こんなの殺す気でしょ!」

百合花ちゃん。
「なにやってんですか。」
「援護です。」

ベネトナシュ。
「夢中になってこうしちゃった。」

朱莉ちゃん。
「どんな怪力ですか。」
「鎧人形が粉々ですよ。」

玲奈ちゃん。
「剛弓を使えたんですね。」

朱莉ちゃん。
「お姉さんたちを頼みます。」
「ザコが散らばりすぎているから。」

百合花ちゃん。
「ゆりか。」
「最後尾にいますね。」

敵を仕留めていく。

最後の部屋には士官用のテーブル。

無人機が突撃してきますが。

あかりちゃんが吹っ飛ばして自爆。

体当たり用だったみたいです。

意味がない場所で爆破して被害なし。

玲奈ちゃん。
「これは文書?手紙の内容です。」

ベネトナシュ。
「これは売れます?」

百合花ちゃん。
「民間に流してはダメです。」

アルフェッカ。
「地下にしては居心地がいいわね。」

ベネトナシュ。
「この内容。」
「翻訳しますと。」
「何々を倒せば、何々になる。」
「何々になれば、すべてが解決する。」

玲奈ちゃん。
「安直な考えで戦争してたんですね。」
「これは回収。」

外に出ます。

ザコが合計20しかいませんでした。

結果論としては無駄な抵抗。

ベネトナシュ。
「災厄の気配があるのはなぜ?」

アルフェッカ。
「災厄の雰囲気がありますね。」

玲奈ちゃん。
「パンドラの壺が開封されたのでしょう。」

ベネトナシュ。
「パンドラの箱を開ける?」

朱莉ちゃん。
「古代ギリシアでは。」
「最初は男性しかいなかったとか。」
「後から女性が作られて。」
「名前はパンドラ。」
「プロメテウスが人間に味方したので。」
「激昂したゼウスがヘパイストスに命じて。」
「弟のエピメテウスに贈りつけた。」
「ゼウスからの贈り物を受け取ってはならないと言われていたのに。」

百合花ちゃん。
「結婚した後に持たされていた壺とか箱とか。」
「好奇心で開封。」
「いろんな災厄が飛び出て。」
「底に残った希望だけを頼って人間は生きていくことになりました。」
「その時代の種族は滅びましたよ。」

朱莉ちゃん。
「後から女性が追加されて。」
「それに対応したのが男性なのよ。」

ベネトナシュ。
「最初から女性は存在しなかった・・・かも?」

アルフェッカ。
「女性は後から追加された存在・・・なのかも?」

玲奈ちゃん。
「人間の女性はいなかったみたいですが。」
「女神はいましたので。」
「男性の後に出現しています。」
「興味深い。」

どうやら魔法使いではなかったみたい。

どういう訳か凄腕の姉妹でしたね。

無傷。

ドライバーの有能な技術で。

帰りは快適。

ベネトナシュ。
「いい運動した。」
「ところであれ拳銃だよね?」

アルフェッカ。
「本物?」

玲奈ちゃん。
「知らないほうがいいでしょう。」

百合花ちゃん。
「わからずに攻撃してたんですね。」

朱莉ちゃん。
「天然すぎてだめだわ。」

帰宅。

美人姉妹はまだ数日滞在します。

お互いの理解は達成されたかな。

レナちゃんをアルデバランに例えて話すようになりました。

天然姉妹は謎だらけです。


38


お昼寝。

寝室で添い寝しようと。

ベッドに入ろうとすると。

いきなり朱莉ちゃんが玲奈ちゃんを襲って。

押し倒して。

撫でまわしました。

ナデナデされて嬉しい玲奈ちゃん。

無抵抗でされるがまま。

髪やほっぺを触られて。

気持ちいいので。

ずっとされています。

最後に朱莉ちゃんがキスをして。

一緒にお昼寝をしました。

お昼過ぎ。

目覚めてから。

不思議に思っていました。

翌日。

いつもの通りに。

先生に尋ねます。

玲奈ちゃん。
「時折むずむずしたり。」
「くすぐったいのです。」

朱莉ちゃん。
「ソワソワしてたまらない。」

海羽。
「なぜかそういうことがあるので。」
「簡単な言葉がいいわね。」
「女性はどうしてもそうなるので。」
「暴走しないようにすればいいよ。」

朱莉ちゃん。
「夫に仕えるのは貧乏クジ。」

玲奈ちゃん。
「女の子が好きで。」
「男の子に興味はありませんね。」

朱莉ちゃん。
「色欲的に男と関わる義理はない。」

海羽。
「そもそも万事はすべて複雑。」
「すぐには解決(理解)出来ないような事情(関係)が。」
「いろいろからみあっている様子だ。」
「複雑な事情(問題・要素)複雑多岐にわたる。」
「対義語が単純。」
「構造・形式・働きなどがこみいっていないこと。」
「また、そのような様子だ。」
「考えの浅い人だ。」
「ほかの要素を交えないこと。」
「回答は国語辞典を読んでくれぇ。」

朱莉ちゃん。
「定義を読むと分かりやすいね。」

海羽。
「人は物事を単純化して考えるからね。」

玲奈ちゃん。
「実際は複雑なのに?」

海羽。
「人について明確な回答はありません。」

朱莉ちゃん。
「あるとすれば?」

海羽。
「どちらかと言うとそれ色欲です。」

玲奈ちゃん。
「あらまあ。」

海羽。
「単純な考えでいるとすぐにやられてしまいます。」
「そのつもりで。」


先生が言うには。

玲奈ちゃんの両親からお勧めがあって。

読んでおくように伝えられました。

豪邸の中には巨大な書庫。

自由七科の資料がたくさん。

ローマとギリシャの学問が伝わる。

古典だらけになりつつ。

近くの学生にも貸していたり。

両親のマニアックな趣味の具現化。

美桜ちゃん。
「歴史を学んでいますと。」
「ああなるほど。」
「信じられない。」

玲奈ちゃん。
「現在も100年後には昔になりますし。」
「あんまり実感ないですね。」

朱莉ちゃん。
「大体がその時代に染まってしまうから。」
「歴史が何であるか議論する頃には。」
「なにであるかは分かりません。」

渚ちゃん。
「国際連合が成立して。」
「次はニヒリズムですからねー。」

百合花ちゃん。
「ニヒリズムに染められるのです。」

美桜ちゃん。
「民主制は君主を倒したのではなく。」
「君主を取り換えたに過ぎなかった。」
「支配階級に居なくなって欲しいと庶民は望んでいるが。」
「民主制なんて君主を取り替えたに過ぎず。」
「同じことの繰り返しですよ。」

朱莉ちゃん。
「君主政を打倒したのではなく。」
「君主をとり換えたにすぎなかった。」

渚ちゃん。
「専制君主さえ殺せば自動的に専制政治は打倒されると思いこんでいた幼稚さ。」

玲奈ちゃん。
「武器の時代は、法の時代とはちがう。」
「わたしの行為がきみの意に沿わないとしても。」
「今は黙っていたまえ。」
「戦時は、自由に何でも発言することを許さない。」
「法の時代になったら。」
「原稿の前に来て。」
「何でも好きなことを言えばよい。」

百合花ちゃん。
「現代は法の時代ですからね。」
「法の時代は不正行為や。」
「書かれていない法に対する不正。」
「犯罪や汚職など。」
「卑怯者なら困らないほど溢れかえっていたりです。」

渚ちゃん。
「アリストテレース曰く。」
「世の中の醜悪な部分を見ていないから。」
「老齢で欺かれていない者は存在自体が疑問。」
「青年の反転したのが老齢。」

朱莉ちゃん。
「あまりにも突っ込みどころ満載なので。」
「うっかり論駁してしまう。」

美桜ちゃん。
「現代も歴史の中。」

玲奈ちゃん。
「きみにもわかっているとおり。」
「人類にとってそのようなことは。」
「やらせるほうが言うよりもよほど労が少なくてすむのだ。」

朱莉ちゃん。
「害悪を被って頂いて。」
「やっとのことで態度が変わります。」

玲奈ちゃん。
「同じことの繰り返しを。」
「武器の時代が反転しただけですよ。」

百合花ちゃん。
「では、わたし達だけ逃亡しておきましょう。」
「巻き込まれないようにひっそりと。」

玲奈ちゃん。
「いいえ、今の内に神様に言い訳をして来ます。」

朱莉ちゃん。
「神様に言い分を述べる?」
「わたしも行くわ。」

渚ちゃん。
「善は急げ。」

百合花ちゃん。
「待ってー。」

美桜ちゃん。
「いい案ね、もういないの?」
「置いていかないでよ。」

近所の神社。

中規模。

玲奈ちゃん。
「キケローは書くことが大好きだった人。」

渚ちゃん。
「現代の日本人は主張が嫌い。」
「沈黙しているし。」
「読者や人気がいくら出ても。」
「全員が賛同している訳ではないし。」

朱莉ちゃん。
「人気者でも全員には賛成されないよ。」
「一部の人だけ過激。」

百合花ちゃん。
「現代の日本人。」
「良いモノでも良くないモノでも発言してはくれないのです。」

美桜ちゃん。
「大多数は沈黙しているし。」
「意見を好まないよ。」

渚ちゃん。
「何も言わないほうが馬鹿と関わらずに済むとか。」
「そういう心理だったりして。」
「運命論とか流行しても影で嘲笑していたよね。」

百合花ちゃん。
「運命論は言い逃れの口実なのです。」

玲奈ちゃん。
「いかなる功績も勝利も。」
「死すべき宿命を持つ者が獲得するのに助けを惜しまなかった。」
「神々に感謝を捧げて最後となる。」

朱莉ちゃん。
「危険の多い支配より安全な従属の方がよい。」

玲奈ちゃん。
「危険の多い支配より安全な従属の方がよい。」

百合花ちゃん。
「言い訳も伝えられました。」

玲奈ちゃん。
「美食でもしますか?」

美桜ちゃん。
「近くにコーヒーショップがあって。」
「あそこ。」

玲奈ちゃん。
「あそこで充分。」
「お金は余っています。」

店に入る。

遠くの席。

男子が見惚れている。

玲奈ちゃん。
「見せびらかしておいて。」
「女の子の観客にする。」

朱莉ちゃん。
「それいいね。」

美桜ちゃん。
「ウィンクしておくわ。」

朱莉ちゃん。
「話しかけちゃダメよ。」

ブルーマウンテン。

中くらいの贅沢でいいので。

邸宅に戻り。

方向性が無い時は。

なんでもやるもんです。

玲奈ちゃん。
「何気に忙しいです。」

百合花ちゃん。
「自発的になんでもやってみるのです。」

渚ちゃん。
「それがいいよねー。」

朱莉ちゃん。
「わたしは明日来れない。」

美桜ちゃん。
「わたしが代理になってあげようか?」

朱莉ちゃん。
「気持ちいいことされちゃうよ。」

美桜ちゃん。
「女性はやられるのが好き。」
「代償が大きくて損ばかり。」
「それって割に合わないのでは?」

玲奈ちゃん。
「女性が損をするようになっているのです。」
「明日は研究会ですかあ。」

百合花ちゃん。
「レナさんにはお姉ちゃんがいるのです。」

美桜ちゃん。
「戯れないからいいわよ。」

玲奈ちゃん。
「浮気はしないです。」

最近。

専門学校を見て回ったり。

習い事したり。

フリースクールにも通えます。

必要最低限の事を6年ですべて習ったので。

最近は自由七科を学んでいる14歳の女の子グループ。

変則的に行動しては。

基盤を固めます。

キャンピングカー。

伊豆の方面へ。

日本の自然を見たいと言い出すスイス人姉妹。

ドライブ好きなレナちゃんはいつもの凄腕ドライバーを手配。

伊豆へ突入。

アルフェッカ。
「あれは何かしら。」

ベネトナシュ。
「ギリシャの神殿に似ています。」

玲奈ちゃん。
「お宮です。」

アルフェッカ。
「イスラエルの旧約時代は。」
「移動式の神殿とかあったし。」
「ローマのユピテル神殿に似てる。」

ベネトナシュ。
「日本は神の国で。」
「デーミウルゴスを祀っているって。」

玲奈ちゃん。
「理解が早い。」

アルフェッカ。
「どんな礼拝を?」

玲奈ちゃん。
「お宮には悪い事を伝えるのもよし。」
「良い事を伝えるのもよし。」
「悪い事が続いていたら悪い事を説明する。」
「良い事が少しでもあれば。」
「可能な限り良い事も伝える。」

ベネトナシュ。
「なんだか目の前で謁見するような。」

アルフェッカ。
「現人神の土地だから?」
「神様が人の形となって現れるという。」

ベネトナシュ。
「うわあ!観光気分だったけれど。」
「スーツの方がいい?」

玲奈ちゃん。
「自然体でいいですよ。」
「ここから山道です。」
「途中で降りて昆虫でも捕まえましょう。」

アルフェッカ。
「日本の昆虫は特に凄いものがいるって。」

ベネトナシュ。
「怪物みたいなのとか。」
「モンスターハンターとかいうゲームのムービー見た?」
「あんなのがいるんだって。」

玲奈ちゃん。
「どんな恣意的な解釈ですか。」

アルフェッカ。
「あれ?それじゃあ。」
「モスラみたいな蝶々や。」
「ガメラみたいな爬虫類がいるって。」
「ここの先端に。」

玲奈ちゃん。
「ワニばかりいっぱいある爬虫類好きのテーマパークがありますけれど。」

ベネトナシュ。
「そうかー!」
「やっぱりガメラとか飼ってるんだ。」

アルフェッカ。
「イリスとかも飼ってるよね!」
「ギャオスの姿が見当たらない。」
「どこにいるの?」

玲奈ちゃん。
「そんな無敵な怪物が飛んでいるわけがないです。」
「飼ってもいません。」

ベネトナシュ。
「そんな馬鹿な。」

アルフェッカ。
「自分の目で見るまで信じないよー。」

玲奈ちゃん。
「いないものを見ようとしないでください。」

伊豆半島は意外と広いので要注意。

海岸沿い。

海で遊んでいます。

スイスには湖があって海がないから。

ベネトナシュ。
「わーお。」
「水着持ってない。」

アルフェッカ。
「泳げるのー?」

玲奈ちゃん。
「無策で入らないでくださいね。」
「古流泳法がないと日本の水場は泳げません。」
「競技用の泳法では通用しませんし。」

アルフェッカ。
「でも日本で人が溺れるなんて日常茶飯事なんだね。」

玲奈ちゃん。
「あらま。」
「なにしてんですか。」
「水着を忘れたからと言って普段着で入るだなんて。」

乃依。(のい)
「沈没。」

玲奈ちゃん。
「はい?」

ベネトナシュ。
「レスキュー。」
「意識ある?」

乃依。
「我々は知らない、知ることはないだろう。」

アルフェッカ。
「キャー!死にかけてる!」

乃依。
「みんな百年後にはこうですよ。」

ベネトナシュ。
「キャー!引き上げて!」

さりげなく浜辺に打ちあがっていた女性を保護。

混乱状態で。

支離滅裂。

なぜかワインをあげたら飲んでしまい。

復活。

玲奈ちゃん。
「変身したそうです。」

乃依。
「なんだか初めて飲んだ味。」

アルフェッカ。
「酒の神は海の神よりも多くの者を溺死させた。」

ベネトナシュ。
「一日に二度も溺れるなんて。」

乃依。
「ここは海岸ですね。」
「海岸であることは間違いない。」

玲奈ちゃん。
「見ればわかります。」

乃依。
「わあ綺麗な女性。」
「今度ランチ行こうよ。」

ベネトナシュ。
「さっきまで溺れてたんですよ!」

乃依。
「あれ?思い出せない。」
「記憶がありません。」
「なぜか溺れていました。」

玲奈ちゃん。
「近海で船が爆発事故だとか。」
「その生存者でしょうね。」
「救命胴衣をみる限り。」

乃依。
「途中まで泳いできたのかも。」
「それ以上はわからない。」
「目の前にわたしが大好きな美人さんがいることだけは知っている。」

ベネトナシュ。
「一か月に何回も言われたので。」
「何をいまさら。」

アルフェッカ。
「自力で立てます?」

玲奈ちゃん。
「ターミネーター3みたいなドライバーさん。」
「着替えを貸してくれるって。」

ベネトナシュ。
「T-Xですって!?」
「どうりで強そうだと思いました。」

アルフェッカ。
「T-850にクリティカルヒットを受けて壊れたハズでは?」

ベネトナシュ。
「多分二号機なんだと思います。」
「強そう。」

玲奈ちゃん。
「なにを言っているんです。」
「見えない所に行きますよ。」
「キャンピングカーで良かった。」

女性は回復。

記憶が無いので引き取ることに。

玲奈ちゃん。
「一週間前に来るハズのお手伝いさんが来ないんです。」
「その人に頼もうと思いましたが。」

乃依。
「お手伝いさん?」
「わたしは可能です。」
「レナという女の子に会えと言われました。」
「これ意外は断片だけです。」

玲奈ちゃん。
「あれ?なにをやっていたので?」
「保護のついでに住み込みにしないと。」

アルフェッカ。
「偶然?」

ベネトナシュ。
「海難事故?」

玲奈ちゃん。
「ドライバーの勘だったそうです。」
「そういえば前の晩。」
「海岸に何か出現する夢を見ました。」
「それで近寄ってみたんですが。」
「こうなりましたね。」

乃依。
「インスタントカメラ持ってて。」
「なんでこんなものを?」

玲奈ちゃん。
「フィルム見てみます。」
「はー。」
「内戦の政治利用ですか。」
「なにかいけないものでも見たのでは。」

乃依。
「知らないー。」
「ワイン飲んだら訳が分からない。」

アルフェッカ。
「酒で溺死。」

ベネトナシュ。
「海と陸で溺死。」

女性が寝てしまう。

屋敷に帰宅。

女性をスタッフが運んで。

空き部屋に収納。

インスタントカメラは小雪ちゃんに届けました。

一晩寝て回復したようで。

朝には話してくれました。

乃依。
「魔法使い・・・のいです。」
「お嬢様のお供にと派遣されまして。」
「これからよろしく。」

玲奈ちゃん。
「わたしからもどうぞよろしく。」

乃依。
「体力が戻り次第。」
「どこにでも行きます。」
「今は寝るしかない。」

玲奈ちゃん。
「本当は人魚なんでしょう?」

乃依。
「人魚という事になっても構いません。」

玲奈ちゃん。
「では、あなたは人魚でしょう?」

乃依。
「人魚です。」

玲奈ちゃん。
「わあ素敵、けっこう綺麗ですし。」
「趣味です。」

乃依。
「お互いの相性は抜群ですね!ではおやすみ。」

玲奈ちゃん。
「三日間くらいは休んでくださいね。」

謎の女性は。

護衛としてレナちゃんに追従する女性でした。

けっこう戦場に侵入するので。

冷っとした両親がつけたイチオシ。

とのことです。


39


毒を食らわば皿まで。

悪事に手を出したところ。

あと戻りできなくなって。

最後まで罪悪を続けること。

毒を口にしてしまい。

どうせ死ぬのなら皿までなめてやろうと開き直る意。


次の日。

射撃訓練場。

美桜ちゃん。

ハンドガンで練度回復。

腕がなまるから。

玲奈ちゃん。
「射撃精度いいですね。」

美桜ちゃん。
「動く標的に当ててこその本物。」

玲奈ちゃん。
「わたしもやりたいです。」

美桜ちゃん。
「廃品のドラム缶があるわよ。」

玲奈ちゃん。
「わたくしは基本的に武器を使いませんね。」

美桜ちゃん。
「免許取ればいいのに。」

玲奈ちゃんはレーザーを発射。

当て続けて。

ドラム缶は焼け焦げた。

これでも消費魔力は中々。

美桜ちゃん。
「当て続けないとダメージがないのね。」

玲奈ちゃん。
「カス当たりではノーダメージです。」

美桜ちゃん。
「魔法少女が銃器使ったら。」
「単なる歩兵かな。」

玲奈ちゃん。
「異常なほどの敏捷性を除けば。」

美桜ちゃん。
「それではほとんど無意味だから。」
「素手タイプを練習しているわ。」
「超常現象的な力を手にした以上。」
「何かに使わないと。」

玲奈ちゃん。
「わたくしもそう思います。」
「今日はドライブのお誘い。」

美桜ちゃん。
「あらいいじゃない。」

親戚の男性と一緒に。

現地でみんなと合流する予定。

港に到着。

玲奈ちゃん。
「あの漁師さんと知り合いなので。」

美桜ちゃん。
「ツーショット撮っている。」
「アイドルですなあ。」

玲奈ちゃん。
「不審な貨物船が漂っているとか。」

美桜ちゃん。
「へー。」
「あの姉妹に報告入れておくね。」

不思議な娘。
「ハロー。」

玲奈ちゃん。
「おはようございました。」

不思議な娘。
「弟が年頃なのか。」
「女性に抵抗感があるみたい。」

玲奈ちゃん。
「うちのお姉さんは親戚の男の子に。」
「ありえない本を。」
「啓蒙と称して買ってあげていたけれど。」
「必要以上に煽りませんかね。」

不思議な娘。
「思想が主観的であったら萎えてしまう。」
「客観的な思想が良好。」

美桜ちゃん。
「最近荒らしている奴らの船があるとかないとか。」

不思議な娘。
「悪人も愚者も相手が不正をしたと思って。」
「怒ったりする。」
「毒を食らわば皿まで。」

美桜ちゃん。
「人の異常にもパターンがあるのはなぜー。」

乃依。
「なんか血の匂いがあるんですが。」


黒羽。
「あんたがレナかい?」

玲奈ちゃん。
「あなたは?」

黒羽。
「くらばっていう雌豹さね。」
「兵士って投降したい場合はどうしたいのかね。」

玲奈ちゃん。
「それなら紹介してあげますが。」

黒羽。
「ところでさ。」
「この近くのゴルフ場。」
「官僚が休暇取っているんだけれど。」
「馬鹿野郎が包囲して馬鹿をやるんだってね。」

玲奈ちゃん。
「それはありがとうございます。」
「一緒に花火でもしますか?」

黒羽。
「もちろん味方だよ。」
「手土産が必要だろうから。」

美桜ちゃん。
「ふーん。」
「嘘じゃなさそうね。」

黒羽。
「これ以上参加してもいいことないしー。」

玲奈ちゃん。
「その望遠鏡は?」

黒羽。
「いろんな配置をアップロードしちゃうの。」

美桜ちゃん。
「それ乗った。」

乃依。
「安全策を取ってください。」


玲奈ちゃん。
「手柄の好機だと思います。」
「好機は心理学の実験。」
「見えないゴリラ。」
「いつもこの形を取りますから。」


乃依。
「戦闘は得意ですし。」
「一回の交戦なら賛成ですよ。」


高台から。

高級望遠鏡で。

馬鹿野郎がゴルフ場を包囲していて。

内側に特務部隊が大量に布陣する。

数の差が明らかなので。

膠着状態。

どう見ても平和に思えるも。

非常事態。

黒羽。
「一兵卒なもんで。」

美桜ちゃん。
「はいはい転送していますよ。」

黒羽。
「お礼は弾んで?」

玲奈ちゃん。
「知り合いがいるから心配しないで。」
「なぜ彼らはあんなことを?」

黒羽。
「すべてをコントロールしたくなった。」
「これが全部。」

美桜ちゃん。
「はーいわかりやすいです。」
「本当に?」

黒羽。
「すべてのコントロール以外に目的は無いみたい。」
「っていうかそれしか噂になってない。」
「士官が永延とね。」

玲奈ちゃん。
「外敵がいなくなると。」
「内側に敵を抱えるもんです。」

黒羽。
「そゆこと。」

美桜ちゃん。
「相手の退路は貨物船ですか?」

黒羽。
「図星!」

美桜ちゃん。
「もうすぐ確保です。」
「帰る場所がない敵はどうしますかね。」

朱莉ちゃん。
「取り込み中だったね。」

渚ちゃん。
「いま到着だよ。」

百合花ちゃん。
「ちょっとカモフラージュ。」
「ステルスコーティングします。」

黒羽。
「私は退路が無いので。」
「従っているわけだ。」

美桜ちゃん。
「人間は素直がいいですよ。」

百合花ちゃん。
「敵さんに発見されているです。」
「逃げるです。」
「囮を作っておきました。」
「そっくりな人形ですけれど。」

黒羽。
「逃げるの?」

玲奈ちゃん。
「早く来てください。」

退却中に。

ずっと遠くで戦闘が。

こっちにパワードスーツ野郎。

ミニロボット兵器。

黒羽。
「はん?そんな御大層な張りぼてで。」
「何が出来るっていうんだい?」

先制攻撃。

小型爆弾がホーミング。

手の甲から黒い小型爆弾を取り出して。

相手にホーミングミサイル。

玲奈ちゃん。
「フィローっていう最強の魔法少女が。」
「同じような技を使っていたことがあります。」

黒羽。
「あれは光の球を無数に飛ばして破壊する。」
「あんたの仲間が交戦中だよ。」
「敵はどこを攻撃しているんだ。」

乃依。
「無謀な戦いばかりするのね。」


玲奈ちゃん。
「その台詞をこちらに向けられたら。」
「反論できそうもない。」


黒羽。
「あたしの獲物だよ。」

「下がってな。」

敵は乱射するも。

歪曲フィールド。

魔法少女が普遍的に使用する防御方法のひとつ。

時空を捻じ曲げて。

飛翔体の衝突を狂わせる。

プロテクターを展開して個々に防ぐメンバー。

パワードスーツ野郎はバランスを崩して転倒。

何も出来ずに挫折。

黒羽。
「見かけ倒しめ!」

美桜ちゃん。
「先制攻撃で致命傷だったようね。」

玲奈ちゃん。
「思ったより弱いのですが。」

乃依。
「防御・・・・もう片付いたんですね。」


レナちゃんの射撃が当たり続けて爆発。

パワードスーツ野郎は飛んで逃げようとする。

黒羽。
「落ちな!」

撃墜!

片付いたので。

一緒に退避。

偶然。

遭遇戦になったもので。

すぐ。

そこら辺に潜んでいた特殊部隊が。

反政府軍の本陣を奇襲して。

貨物船の事を知っていた司令部は。

退路の貨物船を占拠。

帰る場所がない反政府軍は散り散りになった。

駐屯地にて。

黒羽。
「では・・・護送されるよ。」

玲奈ちゃん。
「扱いが良ければ・・・。」

小雪。
「この女性は特別だから。」

小毬。
「歩く宝箱。」

黒羽。
「あっはは・・・。」
「では宝箱の中身開封だ。」
「さらば・・・。」

この一軒で。

レナちゃんは脚光を浴びて。

新聞に載ったり。

名声を上げる毎に。

賞賛が怖くなったレナ。

少し閉じこもって。

ふと思った。

せっかくの僥倖。

存分に活用しようと。

まずは図書館に籠って出てこなくなったのです。

満は損を招く。

2021年。

俗世間。

内側の敵に対処し。

外敵不在。

最高のパワーバランスを保った世界は。

諺のとおりの展開に。

満は損を招く。

政治や世界を完璧に仕上げて。

完成したと主張しているも。

不具合が多発。

不都合と衰え。

いろんな種類の衰退が続出して止まらない。

このような光景を人より先に知って。

この世界で立ち回っていくのであった。

不完全な人の世。

手記を書くと。

扉に待ち受けて頼み事をされる。

伊豆半島二回目。

今度は内陸部です。

伊豆は広くて。

一度はドライブしたい名所?かな?

朱莉ちゃん。
「なによこの女。」
「素敵じゃない。」
「レナちゃんのなに?」

玲奈ちゃん。
「護衛です。」

朱莉ちゃん。
「じゃあ味方ね、よろしく。」

乃依。
「可憐な女子が・・・カッコイイ。」

朱莉ちゃん。
「口説いてんの?」

アルフェッカ。
「レナちゃんはあかりんと恋仲です。」

ベネトナシュ。
「邪魔しないであげて。」

乃依。
「時代は進んだのね。」
「生物学としては最初から・・・女の子同士の組み合わせはあったのよ。」
「生物学が研究不足で情けない!」

朱莉ちゃん。
「あれ?同類なのかな?」
「まあいいわ。」

寧々夢。
「しもべに嫉妬なんて。」
「らしくない。」

朱莉ちゃん。
「そうよねー。」
「勘違いしたかも。」

寧々夢。
「今回は何をするのー?」

玲奈ちゃん。
「なにもないところで。」
「自衛隊の戦車がサボッているそうです。」
「ちょっとからかってくるわけです。」

寧々夢。
「戦車部隊が怠惰?」

朱莉ちゃん。
「あらまあ遊んでいるのかな?」

アルフェッカ。
「自衛隊が任務放棄ですか?」

ベネトナシュ。
「どこの情報?」

玲奈ちゃん。
「話題になっているもので。」
「自衛隊の戦車であるらしいです。」
「行きますよ。」

凄腕ドライバーは役に立つ。

しかし素通りする人物に100円を投げるドライバー。

善良市民は慌てる。

朱莉ちゃん。
「煽らないであげて。」

寧々夢。
「きっと善良市民の看板が糧だから。」

アルフェッカ。
「善人って役に立たない。」

ベネトナシュ。
「非常に善人なので何の役にも立たない。」

寧々夢。
「どこかのことわざで見たにゃー。」

朱莉ちゃん。
「それどっかで読んだわ。」

森林と小山。

道路が複雑になりつつ。

横Gに配慮する運転。

玲奈ちゃん。
「自然哲学。」
「木星と土星の衛星を含めますと。」
「当たり前が当たり前ではない。」
「太陽系の惑星の中で唯一。」
「地球に生命がある。」
「逆に言えば?」
「木星や土星の衛星と同じ環境になることも考えられる。」

寧々夢。
「宇宙から見ると生命体の領域は限られているよ。」
「その領域も不安定の連続だから。」

アルフェッカ。
「銀河系外の別の銀河では。」
「異なるタイプと展開があったりして。」
「銀河系が量子力学で言う欠陥のあるタイプで。」
「科学的な要因で儚く滅ぶとか。」

ベネトナシュ。
「さりげなく環境が変貌して。」
「しれっと生物が全滅するとか?」
「衛星に探査機が侵入したら。」
「過酷な環境で機材が破損するなど。」
「硫黄が海水の衛星とか。」
「ここから逆算しますと。」
「地球も同じような要素を持っていませんか?」

玲奈ちゃん。
「火星の大気なども自然哲学で観察しますと。」
「太陽系を調べただけで。」
「地球も似たような要素はあります。」
「気候変動も不思議ではありません。」

朱莉ちゃん。
「自然哲学を太陽系の衛星や惑星に拡大しますと。」
「なんかいっぱいわかるよね。」
「映像公開されているから見てみる。」

到着。

よくある拠点で。

有事のシェルターの横に改造した地下壕があり。

中に侵入しますと。

シートに被せられている戦車がありました。

将校。
「君達が言っていた援軍か。」
「魔法少女とは豪勢な。」

朱莉ちゃん。
「援軍?何か知らないけれど。」
「サボってんの?」

将校。
「離反していく仲間を昨日も見届けた。」
「政治犯か革命家。」
「どちらかになるな。」

朱莉ちゃん。
「サボっただけで政治犯?」
「軍法会議にはなりますよ。」

玲奈ちゃん。
「ちょっとあかりん来て。」

朱莉ちゃん。
「なに?」

玲奈ちゃん。
「これは80式戦車。」

朱莉ちゃん。
「なるほど。」

将校。
「こんな美人の魔法使いも来てくださる。」
「同志に恵まれました。」

アルフェッカ。
「魔法使い?」

ベネトナシュ。
「違うけれど。」

将校。
「ん?では歩兵かな?」
「送ってきたのが魔法使いではなくて残念です。」

アルフェッカ。
「はあ歩兵?」

ベネトナシュ。
「どんな怠惰をする部隊なんですか?」

寧々夢。
「待ちなさい!」

兵士。
「うわあ!隊長!こいつら政府側の民兵です!」

将校。
「ああそんなー!」

慌てて80式戦車に登場。

残りの兵士は支援部隊がひとりだけで。

既に降伏している。

何かを仕掛けた乃依。

玲奈ちゃん。
「いったん逃げます。」

乃依。
「相手を逃がして。」

寧々夢。
「ああ!105ミリライフル砲とFCSは無理だわ。」

80式戦車が制圧射撃。

既に全員が逃げている。

寧々夢が囮になって回避しつつ。

戦車の上に飛び乗ろうとするも。

無理なので。

退避。

敵は慌てて戦車砲を誤射。

隠れているレナを見つけようと必死になった・・・。

乃依。
「起爆するわよ。」

朱莉ちゃん。
「機銃強いね。」
「プロテクターが壊れかけた。」

アルフェッカ。
「危なかった。」

ベネトナシュ。
「本物の戦車です。」

電磁パルス兵器。

ブラックアウトボム。

湾岸戦争・コソボ紛争で使用された兵器。

炸裂。

システムダウンする80式戦車。

立ち直れない。

兵士が拳銃で応戦するも。

全員。

寧々夢の打撃でノックアウト。

捕虜を収容できません。

乃依。
「偶発的な戦闘になりましたので。」
「応援を呼んでも時間が必要ですし。」
「私達だけで捕まえておくのは無理でしょう。」

玲奈ちゃん。
「見逃しますか?」

将校。
「金銭と貴金属ならあります。」

玲奈ちゃん。
「逃げていいけれど。」
「戦車はどうするつもりだったんですか?」

将校。
「ポモルニク型で運び出す予定でした。」
「武器はあれで全部です。」

乃依。
「無駄な抵抗されても面倒くさいでしょう。」

玲奈ちゃん。
「では後ろを向いて獣道を10分間走ってください。」
「さようなら。」

部隊は逃走。

80式戦車を寧々夢が壊していました。

もう動きません。

すぐに自動車で立ち去ります。

応援は2時間も必要でしたね。

部隊は投降したので。

80式戦車が誰も通らないような場所にあって。

あれで最終グループだったとのことです。

また手柄になりましたが。

戦闘参加が増えるにつれ。

乃依が忠告をするようになり。

母親の指示でした。

仕方がないので。

乃依さんが遊んでくれるとのこと。

そのためのイチオシ女性という訳で。

本気の殺し合い参加は自粛です。



50


論より証拠。

物事を明らかにするには。

理屈を言うより具体的な証拠を示した方がよいということ。

類。
論をせんより証拠を出せ。

英。
プリンの味は食べてみてわかる。


カドメイアの勝利。

勝ったのに。

敗北と同等かそれ以上の損害を受けた勝利を意味する。

ギリシャ史において定番のことわざになっている。


踊り狂う。

ただ周って。

この世界の底で。

ねぇ教えてよ。

この世界の偽りのすべてを。

ねぇ教えてよ。

この世界のすべての偽りを破り。

踊り狂う狂気の中。

偽りが消え失せて。

踊り狂う。

剥き出しの。

偽りの中の世界だから。

偽りよだから消えて。

偽りよ。

さようなら。

もう二度と。

この世から無くして。

おしまい。



外伝。

レナちゃんの幼馴染の物語。

とある姉妹の物語。

元カノの女の子。

そしてなにより。

レナちゃんの両親の友人の喜劇。

関係者の外伝。

物語は加筆されて完成する。

玄人クリエイターの追加と補修が必須。

これは未完成の部分。

不完全な作品が生んだ併合。

レナちゃんの近所で起こった出来事の内容にして。

レナちゃんのすぐ近くで行われていた。

知り合いの戦果記録。


浜辺を歩いて。

日本古典文学の天女について。

とにかく好まれた特別な女性は。

お宮にも採用されつつ展示され。

題材として幅広く伝えられた。

美琥(みこ)
「この世には不思議なことがあるもんね。」
「夢で自分好みの女性が現れるとか。」
「自分好みの人が出てくるとか。」
「なぜかここで待っています。」
「夢は現実よりも賢いので。」

野々果(ののか)
「世界観の論拠なんて誰も言えませんしね。」

美琥。
「あなたはイスラム教のようですが。」
「もう慣れましたけれど。」

野々果。
「イスラムの貞節から学んだのです。」
「肌は見せませんし。」
「貞節を身に着けた女性は見たことがない。」
「色欲を美化する者までいますしね。」

美琥。
「そこはわたしの足りない所。」
「今から求婚者を一蹴してきます。」

野々果。
「勝算は多いですか?」

美琥。
「悪事を除くには悪事を以てする。」

小舟が流れてくる。

あまりにも謎。

中には女性が気絶しています。

野々果。
「あれ?」
「なにか事故でもあったのでしょう。」

美琥。
「あら大変。」
「なんとか小舟を引き寄せましょう。」

小舟。

近くの知人が名乗りを上げて。

操縦する漁船が拾い。

岸に運んでくれました。

野々果。
「生きてます?」

美琥。
「気絶しています。」

野々果。
「人を呼んできますね。」

海岸のカフェから飛び出してきた。

ふたりの女性。

双葉(ふたば)
「救急車呼ぶ?」

妃菜(ひな)
「あらー!綺麗な人!」
「ちょっとだけイタズラしていい?」

美琥。
「瀕死かもしれないけれど。」

妃菜。
「ほっぺにキス!」

キスされた瞬間に飛び上がる。

妃菜が吹っ飛ばされた。

宇依(うい)
「好死は悪活に如かず。」

妃菜。
「なによあんた!元気でなによりだわ。」

野々果。
「立てますか?」

宇依。
「立派な死に方が好死。」
「悪活とはみじめな生き方。」
「見苦しい生き方。」
「そんな生き方でも。」
「とにかく生き抜く方が好死に優っているのだという。」

野々果。
「好死不如悪活。」
「古代中国の格言ですよね。」
「通俗編に書かれている内容です。」

宇依。
「ここはどこ!?」

美琥。
「船で流れてきた?」
「天女ですか?人魚ですか?」

宇依。
「何も思い出せない。」
「どうすれば・・。」

双葉。
「怪我ないよね。」

妃菜。
「この女性は好きなので。」
「ひなが貰っていいですか?」

美琥。
「あなた、漂流していたの?」

宇依。
「記憶を失っているんです。」
「私物もありません。」
「誰ですか?わたしは?」

双葉。
「一応、交番にでも行って調べてもらう?」

宇依。
「わたし、なんともないみたいです。」
「ちょっと地図を見せてくださいませんか?」

美琥。
「問題ないようには見えませんね。」
「本当に記憶喪失。」
「どうする?」

双葉。
「なんかみこちゃんの方に向かって来たような。」

野々果。
「そう言えば夢で好みの人が来るとか。」
「こぼしてましたよ。」

美琥。
「ん?ということは。」
「この女性を獲得すればいいわけね。」
「あなた、面倒見てあげるわ。」
「別荘にいらっしゃい。」

宇依。
「あ・・はい。」

別荘の中。

シャワーと着替えを用意。

メイド服しかないので。

とりあいずメイド。

双葉が近くのお店で古着を漁っている様子。

美琥。
「なんか得体のしれない女性よね。」
「なにか覚えてないの?」

宇依。
「名前はういです。」
「それ以外は知りません。」

美琥。
「けっこう綺麗な女性だけれど。」
「手がかりがないとはね。」
「天女ですか?人魚ですか?」

宇依。
「今のわたしは天女と言えば天女と言います。」
「人魚と言えば人魚です。」

美琥。
「旅は道連れ世は情け。」
「記憶が戻るまで居なさいな。」
「わたしはこれから俗事を片付けに行くので。」

宇依。
「連れて行ってください。」

美琥。
「何か役に立つのかしら・・・?」

別荘の中。

敷地内の庭園に男性が登場し。

バカ正直に話しかけられて対談。

互いの両親同席。

美琥。
「処女の誓いをしたって言いませんでした?」

婚約者大翔。
「僕に決まって不満かい?」

美琥。
「わたしに男は必要ないわ。」
「現代思想を持ち出して強要しないでくれる?」

婚約者大翔。
「僕は決まったので。」
「会いに来たのです。」

美琥。
「逆に言えば。」
「女性が結婚をするというパターンはどうやって作られたの?」
「女性は大人になって結婚。」
「これって偶然そうなっただけで。」
「どこにも論拠がないわ。」
「わたしは正義よ。」

婚約者大翔。
「馬鹿な話、利己的な男性社会が決めたルールです。」
「男性は利己的な動機論で女性に接近するので。」
「都合のいいように出来ているわけです。」
「自由を与えず、ただ言いなりになっていればいい。」
「つまらないもんですよね。」

母・和花。
「女性はいいお嫁さんになるの。」

美琥。
「じゃあお母さんはどうなの?」
「敗北の言い訳ではないですか?」

婚約者大翔。
「でも、他人は罪を犯してまで都合を優先しますよ。」

美琥。
「ひとの都合より、自然の節理を尊重するわ。」

美琥が出ていこうとする。

父・悠真が呼び止めようとすると。

反乱を企てようと威嚇したの。

婚約者が追いかけようとするけれど。

ういが出てくる。

宇依。
「愚者は成事(せいじ)に闇く、智者は未萌(みほう)に見る。」
「ものごとが形になって現れてきても。」
「まだそれに気づかないという意味です。」
「未萌とは、ものごとが形になって現れてくる前の段階です。」
「その段階にあらかじめ動きを察知して、適切な対策を講じられる人が智者なのです。」
「既に形になって現れているのに。」
「気づかないのは愚者のレッテルを張られます。」

美琥。
「そういうこと。」

父・悠真。
「呉下の阿蒙に非ず。」
「むかしのみこちゃんではなくなったよ。」

叔父。
「むかしの話をしているのかい?」
「そんな頭の悪い女性に育てた覚えはないけどね。」

母・和花。
「軽蔑は免れませんね。」

婚約者大翔。
「僕はいつかのレギーネのように。」
「この女性を不幸にしてしまうようです。」
「束の間の縁談でしたが。」
「神々が結んだ縁ではありません。」
「人間の独断ではないですか?」

宇依。
「時代は移り変わってこうなったと思われます。」

美琥。
「しかし勝手に敵対してきたので。」
「忠成さんの所に家出しないと。」

宇依。
「誰ですか?」

美琥。
「お父さんの弟さん。」

宇依。
「家庭内の揉め事が多いんですね。」

叔父。
「融和を知らないのだ。」
「どんなことも七世代先まで考えて決めなければならない。」

祖母。
「変な嫁をやった覚えはないんだけれどね。」

美琥。
「支度します。」

宇依。
「ついていきます。」

立ち去ってしまう。

母親が止めようとすると。

ういに押されてかなり吹っ飛ばされた。

合気道のスタンディングタックル。

これ以上は沙汰になると判断し。

母親は退いた。

婚約者。
「今の時代はフェミニズムでしょう?」
「暴力で束縛しようだなんて間違っている!」

男性は憤慨してワインボトルを掴み。

誰もいない所に投げた。

お互いの両親は何か勘違いしたのではないかと。

調べ始めた。

美琥。
「手段は選びませんでした。」

野々果。
「むかしより仕上がっていますね。」

双葉。
「一応は民兵だから。」
「向いていたのね。」

妃菜。
「悪事には悪事で対抗かあ。」

双葉。
「所であの人、普通に動いているけれど。」

美琥。
「役に立ったわ。」
「雇い入れてもらうように手配した。」
「あのまま放置する訳にはいかないし。」

双葉。
「仲間が増えたわね。」
「噂をすれば来てくれた。」

美琥。
「ああっと。」
「お宮で。」
「処女の誓いを立てたのを説明し忘れてた。」

宇依。
「それならわたしが伝えておきます。」
「両親が違和感を覚えたのはそれでしょう。」

うい走っていく。

両親はそれを聞いて蒼白。

頭を冷やすと言い残して。

滝に向かっていった。

別荘にて。

美琥。
「あなた実行力ありまくり。」

宇依。
「大胆不敵なのかな。」
「しばらくお世話になります。」

美琥。
「オーケー。」

妃菜。
「みこちゃんに取られたかー。」
「これは逃した魚は大きい・・・。」

謎の女性の加入。

口論を正当化することはできない。

父親が帰宅嘆願。

大きな屋敷に帰る美琥。

美琥。
「ひとびとのこころに真の平和が宿るまで。」
「国と国との間に平和はやってこない。」

宇依。
「利己的な親が多い中で。」
「理非が理解できる親御さんで良かったです。」

美琥。
「あなた、けっこう強いみたいだし。」
「いったい誰なんでしょうね。」

宇依。
「智者とか聖者だのといった概念に煩わされているようですが。」
「わたしはそんなものはとっくに卒業したつもりです。」
「昨日、もしあなたがわたしを人魚と断言しましたら。」
「水槽の中に自ら入ったでしょう。」
「天女と断言しましたら。」
「スカイダイビングしながらあなたの所へ降りたでしょう。」
「犬であると断言すれば首輪をつけていたでしょう。」

美琥。
「なんていう達観。」
「只者ではなさそう。」
「今の所は何も覚えていないの?」

宇依。
「なんか薬が入っていたらしくて。」
「お酒も混入していたみたいで。」
「何かにやられたかもです。」

美琥。
「わたしは見ての通り。」
「四面楚歌になりかけた。」
「死地を潜り抜けているのなら。」
「いつでも一緒にいて。」

宇依。
「はい、山頂に行くというのならいまから準備します。」
「旅行に行くのなら、アタッシュケースくらいは探してきます。」

美琥。
「しかし綺麗ですね、若いですし。」
「結婚していますか?」

宇依。
「結婚指輪はしていませんでしたね。」
「夫婦の営みは好まないです。」

美琥。
「でも、相手が女の子だったら?」

宇依。
「それは・・・趣味なんですけれど。」
「男性よりも女性の方が好きなので。」

美琥。
「そうですか・・・わたしについてどう思います?」

宇依。
「告白でしょうか?別に構いませんけれど。」

美琥。
「今度一緒に寝て。」

宇依。
「それなら喜んで。」

一緒にお茶していると。

ボディガード扱いになっていく。

正体不明なので野望もないだろうとの判断。

貞節ガールが来訪。

ローブを着ている。

野々果。
「こんにちはー。」

美琥。
「やっほー。」

続いてフリフリのゴスロリ系。

ビジュアル系が好きの女子高生。

妃菜。
「ひなが出現!」

後ろから。

軍服姿の女性が来る。

双葉。
「到着。」

野々果。
「今回のはどこで仕入れました?」

双葉。
「イギリス軍の通販。」
「昨日のはアメリカ軍の元兵員から貰った。」
「自作もしているけれど。」

野々果。
「それは素晴らしい。」
「わたくしのは知人への注文。」

妃菜。
「もう既にお熱いふたりなんですって。」

美琥。
「あれ?立ち位置が近かった?」

妃菜。
「手を繋いでいるんですって。」

美琥。
「なんでわかるの?」

妃菜。
「挙句の果てには一緒に寝るつもりなんですって。」

美琥。
「どこから仕入れた情報ですか?」

妃菜。
「当てずっぽうで語れば幾つかは当たりがあるんですって。」

美琥。
「乗せられたかな・・・。」

双葉。
「時代のコンパスはそこを指しているそうねー。」

野々果。
「人間の思惑がすべて通じる訳がないです。」

妃菜。
「思い通りにするには押すか?引くか?」
「手段を選んでいるうちは弱者なんですって。」

宇依。
「天下、意の如くならざるもの、恒に十に七、八に居る。」
「この世の中には、思い通りにならないことが。」
「七割から八割もある。」
「晋書。」
「晋代に羊古(ようこ)という将軍がいて。」
「相手を打ち負かす勝算だらけですよ。」
「こう進言しても許可が降りない。」
「仕掛ければ確実に勝てるのに。」
「政府が許可を出さないので。」
「この句を読んだ。」
「二割から三割は思い通りにできるけれど。」
「他は期待しないほうがいいです。」

妃菜。
「あらー?」
「あわよくば狙っていたけれど。」
「残念だったわー。」

美琥。
「ごめんね。」
「わたしの所に向かって来た人だから。」

妃菜。
「遠まわしに妬みとか言っているのかしら?」

美琥。
「妬みって厄介だから。」

妃菜。
「モーマンタイ。」
「妬みですって?あなたにはむらさきのほうがにあっているわ!」
「ウフフフフ!」

野々果。
「好意はあるけれど。」
「残念だそうです。」

美琥。
「ひなちゃんはどっちかと言うとアイドルみたいに。」
「垣根を作るタイプだから。」

宇依。
「なんか友人が出来ました?」

妃菜。
「既に友人ですわよー。」
「ウフフフフ!」

お茶に加わる。

町はずれの屋敷には。

小川の流れを取り入れた日本庭園と池があったり。

鯉や鳩を楽しんだり。

柴犬が庭のサークルに離してあります。

ロングリード二重。

宇依。
「工夫が多いですね。」

美琥。
「お父さんは。」
「何事も無策でやらないのが信条なのよ。」

妃菜。
「人格を磨くとこうなるんですって。」

双葉。
「一般的に才能があればなんでも最高。」
「なんて言うのは大間違いだし。」

野々果。
「才能だけでは機能しないと思います。」
「そう上手くは行かないものです。」

宇依。
「徳は才の主、才は徳の奴なり。」
「才能と徳。」
「どちらか一方ではだめ。」
「人格の方が主人で。」
「才能は召使いに過ぎない。」
「才能に恵まれても、人格が伴わないのは。」
「主人のいない家で召使いが我が物顔で。」
「振る舞っているようなもの。」
「人格と才能は両方ないと無価値になるし。」
「才能だけでは欠陥品で間違いない。」
「菜根譚の用語。」

美琥。
「船がひっくり返った時に。」
「はじめて泳ぎの達者な者であるかわかるもんです。」
「荒馬が走り出した時に。」
「はじめて乗りこなす術を心得ているか分かるもんです。」

宇依。
「磨礪はまさに百錬の金の如くすべし。」
「急就は邃養にあらず。」
「自分を鍛えるときには、金を精錬するときのように。」
「じっくりと時間をかけなければならない。」
「速成では、どうしても底が浅くなる。」
「それをやった者とやらなかった者の違いは。」
「おのずから風格に現れてくる。」
「わかりやすいのは技術の習得。」
「庭師の弟子はわかりやすい未熟さと言った所で。」
「親方の手順と身のこなしは寸分の無駄がない。」
「自分を精錬するのは十年以上は必要。」
「菜根譚という書物の教え。」

野々果。
「古代中国の書物ですよね。」
「実践と経験訓で溢れています。」

美琥。
「なぜか書庫にいっぱいあって。」
「なぜにういちゃんはそんなに知っているの?」

宇依。
「覚えてないのは出来事だけで。」
「動作や教育は出てくるんです。」

妃菜。
「男尊女卑が崩壊したら。」
「取って代わる新しい要素がないんですって。」

双葉。
「女性の限界が見えているのでは。」
「教育しても無駄であったら・・・?」

妃菜。
「わたしたちのように特殊な女性は他にいないんですって。」
「あらまあ大変!」
「男尊女卑は当たり前でしたの?」
「後だから言えるんですけどね!」

美琥。
「前車の覆るは後車の戒め。」

双葉。
「ふたばは。」
「態度を改めるのに血の代償を払った。」

美琥。
「みんな罰が欲しいだけ。」

野々果。
「一応、皆が善人になれる資質があるんですけれどね。」

双葉。
「性善説ってかなり誤訳されている説明のような。」

宇依。
「孟子の説く性善説とは。」
「生まれつき人には善が備わっていますが。」
「修養によって開花させなくては。」
「善ではありませんという説明です。」
「人は皆、善人という意味ではありません。」
「訓練した人だけが生まれつきの善になれるという教えです。」

双葉。
「それなんですよ。」
「後天的に善になる上に。」
「最初から善人の素質が備わっている。」

野々果。
「でも、そのままでは善ではありませんので。」
「実際には善ではない人間で溢れています。」

宇依。
「人について半信半疑でいるべきです。」

双葉。
「聖者のように敬いつつ泥棒のように疑え。」
「これはどこかで読みましたねぇ。」

野々果。
「白か黒かではなく。」
「人は見かけで判断しますし。」

双葉。
「論より証拠。」
「論じるくらいなら証拠を出せと。」
「口癖になりましたよぉ。」

妃菜。
「人間は自分の判断を信用するんですって。」
「あらまあ可哀そう!」

宇依。
「朝三暮四。(ちょうさんぼし)」
「実質が同じであるのに。」
「それに気づかないで目の前の差別にとらわれる態度を笑った句。」
「荘子にある寓話で。」
「猿の餌代に困って。」
「朝三と夕四の食糧を決めたら猿が不満を言ったので。」
「朝四と夕三の食糧にするぞと言ったら大賛成した猿の愚かさを笑った話。」

妃菜。
「そこまで言ってあげないで。」
「弱いものいじめなんて最低よ。」

野々果。
「蟷螂の臂を怒らして以って車鉄に当たるがごとし。」
「カマキリが鎌をふりあげた姿は勇ましい。」
「他の虫が相手なら無敵でしょう。」
「ですけれど車鉄が相手では無謀そのものです。」
「かっこつけても車輪に轢かれて潰れます。」
「わたしたちは車なので。」
「蟷螂の斧を潰すかもしれません。」
「道の真ん中でカマキリやるくらいならどいてください。」
「っていう構図です。」

妃菜。
「わたし誤解していたわ。」
「道の真ん中にいれば普通に潰しちゃうから。」
「カマキリなんて避ける理由がないからー。」
「ウフフ!」

宇依。
「調和している日ですね。」
「わたしは何をすればいいのやら。」

美琥。
「ここでお茶していればいいのよ。」

妃菜。
「あなたも賞金稼ぎしてみない?」
「わたしたち自警団と傭兵もやるの。」
「レプリカの魔法少女だからー。」
「歩兵よりも桁違いに強いの。」

宇依。
「それは遠慮したいです。」
「まだ回復して日が経っていませんし。」

双葉。
「勝負するからには負けがある。」
「有利な点ではなく不利な点も考える。」
「そんなわけだって。」

美琥。
「なら、うちの警備をしてね。」
「武器なら豊富にあるから?」

宇依。
「武器?」
「レイピアとかクロスボウなら得意です。」
「拳銃は苦手。」

美琥。
「腕前はどうかしら?」
「興味あるわ。」

宇依。
「多分、けっこうイケると思います。」

裏庭に案内されて。

本物のレイピア。

鎧人形の的が用意されていて。

試し切りを提案されて承諾。

的確に鎧の隙間を射抜く。

弓矢があったので。

遠くの的を射ぬいて見せた。

フライパンで鎧人形を破壊したので。

予想が狂ってかなり強力な戦闘力を持っていることが判明。

美琥。
「あなた、軍人だったのでは?」

宇依。
「手がかりが少ないです。」

双葉。
「すごーい。」
「攻撃の速度も速いし連撃も可能とは・・。」
「魔法使いなんじゃない?」

宇依。
「魔法少女特有の変身とかは出来ません。」
「変身は大人になっても出来るようですが。」
「よく知られている方法を試しても無理でした。」

野々果。
「魔法使いではない?」
「不思議。」

妃菜。
「わたしたちは魔法少女のグループなの。」
「でも擬似的な形態で。」
「わかりやすい存在ではないわ。」

宇依。
「どこかで聞いた魔法使いなんですね。」
「内戦が長引いているとニュースで見ました。」

野々果。
「魔法によって自分の潜在能力が開花して。」
「才能や技能が飛躍する現象があります。」
「戦闘だけで使用するのが魔法使いではないのです。」
「わたしたちみたいな平和なタイプもいるんです。」

宇依。
「バリエーション豊かですね。」
「わたしも同類なのかしら。」

美琥。
「かもしれないわ。」
「一応、民兵を結成しているけれど。」
「あなたも仲間だったのね。」

宇依。
「わたしも戦闘に加わればいいのですか?」

美琥。
「あなたは誰も殺さないほうが向いているんだと思います。」
「戦士にしてはショボイですし。」
「もし参加しても。」
「みねうち。」
「みねうちを事前に練習しておいてね。」

宇依。
「みねうち?日本古流の剣術。」
「相手を殺さずに戦闘不能にする技術。」
「確かに相手を負傷させないと終わりません。」
「殺さずに相手を動けなくすればいい。」
「でも相手に重傷を与えないといけない。」

双葉。
「うちらみねうちが得意だから。」
「ふたばさんが教えてあげます。」
「現在、遊びまわっている最中です。」
「依頼が激減したからねー。」

美琥。
「激戦には入れてくれない。」

野々果。
「それでもお使い小隊として有名なのよ。」

双葉。
「お使い小隊と言われて。」
「多用途で汎用性に基づいて使われる地味な立ち位置。」
「登録は民兵だから。」

宇依。
「それで息ぴったりなんですね。」

美琥。
「新しいメンバーが加わったわ。」

妃菜。
「みんな綺麗なういちゃんが好きなんですって。」

宇依。
「え?わたしのことが?」

野々果。
「まあ・・・美人さんですし。」

双葉。
「メイド服が似合う・・・。」

美琥。
「わたしの所に向かって流れ着いたんですもの。」
「早速、知らせてくるわ。」
「抜群の女性であると分かったもんですから。」
「特別に編入して良かったわ。」

住み込みで働く事になったういちゃん。

みこちゃんは俗事を片付けて。

自由課題に突入。

何故か流れ着いた先で抜擢され。

富裕層かお偉いさんなのか。

メイドに飛び入り参加した次第です。

夕方に運び込まれた記念品。

ういが乗っていた。

小舟が貴船神社に伝わる。

玉依姫様が浮かべたという。

どこか一致する不思議な船で。

屋敷に保管されました。

いろいろありましたが。

静養が解かれて。

今夜。

宇依と美琥が一緒に寝ることに。

美琥。
「大人の女性って刺激強いわ。」

宇依。
「お風呂のことですか?」
「覗き見するからです。」

美琥。
「消灯。」
「なんだか気持ちいい。」
「こんなにまつ毛・・・長かった?」

宇依。
「よく見ると大人の容姿をお持ちですね。」
「少女の容姿ではありません。」

美琥。
「普通の女の子みたいな過程を得てないよ。」
「いつか武器を持って突撃させて成功してから。」
「普通の女の子と比較するのは不適切だって。」

宇依。
「でもこう言いますよね。」
「進むことだけを考え。」
「退くことを知らなければ失敗する。」

美琥。
「感情で物事を判断すると、たいてい間違う。」
「すぐに知りました。」
「幸いなのは怪我が無かったこと。」

宇依。
「普通を忌避しているのですか?」

美琥。
「そうだよ。」

宇依。
「同調しすぎない。」
「かといって離れすぎてもいけない。」

美琥。
「隠遁者もいいと思っていた。」

宇依。
「世俗と同調してはいけません。」
「といっても、離れすぎてもいけない。」
「人から嫌われてもいけないし。」
「かといって、喜ばせることばかり考えたり実行してはならない。」

美琥。
「ほとんど把握されていたようね。」
「ほんと、何者なのかしら。」

宇依。
「あなたのメイドさんです。」

美琥。
「では、わたしに何か意見がありますか?」

宇依。
「恵まれているときには、恵まれない人のことを考える。」
「地位と財産に恵まれた時には。」
「地位も財産もない人の苦しみを理解してやらなければならない。」

美琥。
「お父さんにメモ渡したでしょ。
「成功したと思ったなら、引き際について考えよ。」
「事業が成功して頂点を極めたのなら、この先どうなるか考えてください。」
「何か察して会社に籠もっているって。」
「どうしてそんなに知っているの?」

宇依。
「書物の暗記が得意でして。」
「知識をある程度は使いこなせるんです。」
「実践も得意なので。」

美琥。
「あなた好き。」

宇依。
「抱きしめてもいいですよ。」

美琥。
「好きにするね。」

添い寝。


51


早朝にモーニングコール。

メイド姿の宇依。

美琥。
「あら・・・おはようございました。」

宇依。
「年下の女の子にけっこうされちゃいましたが。」
「それはそれで趣味でした。」
「今日は予定があるそうで。」

美琥。
「書物の掘り出し物を古本屋で見つけるの。」
「お父さん譲りのコレクター。」
「準備するね。」

宇依。
「段取りはバッチリ!」

支度して。

10時過ぎまでクラシック。

J・S・バッハ。

古本屋に到着しつつ。

なぜか尾行している人物がいるとドライバーが発見。

古本屋の駐車場で。

宇依が接近。

不審者は動揺しています。

宇依。
「かかってきなさい。」
「蟷螂の斧。」

不審者。
「俺は強いぞ。」

宇依。
「あなたが強いというのなら。」
「わたしはもっと強い。」
「やってみればわかる。」

不審者。
「化け物かよ。」

宇依。
「我々は争う意思が無かったが。」
「そちらが一方的に争いを望んだ。」

不審者は威嚇されて立ち去りました。

最近、狙ってくる男で。

敵対する会社の役員らしいです。

美琥。
「正々堂々と煽ったね。」

宇依。
「道理は一歩も譲ってはならない。」

美琥。
「あいつ公安にマークされているの。」
「裏社会との繋がりがあるとかで。」
「一回、拉致されかけて。」
「打ち負かしたら。」
「脅えながらチャンスを待っているみたい。」

宇依。
「次、見つけたら。」
「仕留めたいです。」
「歩兵の技術を思い出しまして。」
「試してみようかと。」

美琥。
「相手が死んじゃうからやめてー。」

宇依。
「いいえ、こういう言葉があります。」
「餌をねらうカマキリを。」
「背後から雀がねらっているかもしれない。」
「実際に、魚の網にも鴻が引っかかる。」

古本屋に入りました。

掘り出し物は本当に稀なので。

所定の位置になかったら帰ります。

20分以内。

宇依。
「好きな色は?」

美琥。
「好きな色は金と銀。」

宇依。
「わたしは銀貨の色です。」

美琥。
「美術品がけっこうあるから。」
「それにもクリアリング。」

宇依。
「それなら抜群ですよ!」

この日はレア物は無くて。

立ち去ります。

ピアノの稽古があるので。

さらに次の日にはフリースクールです。

校内。

イソップ童話の訓戒がスローガン。

万人が生まれつき万事に適しているわけではない。

玲奈ちゃん。
「寸善尺摩。」
「世の中には善いことが少なく。」
「悪いことが多いこと。」
「また、よいことには何かと邪魔が入り、うまくいかないこと。」

美琥。
「一般教育に行くと馬鹿になるらしいですが。」
「掃き溜めに鶴。」
「むさ苦しい場所や劣悪な環境に似つかわしくないほど。」
「美しい女性や有能な人物がいること。」
「掃き溜めはゴミ捨て場。」
「美しい鶴が、似つかわしくないような汚い所にいるという意。」
「歴史が繰り返されている。」

玲奈ちゃん。
「曽参人を殺す。」
「嘘や間違いでも。」
「何度も言われると。」
「最後にはそれを信じるようになることをいう。」
「戦国策。」
「ある者が曾参が人を殺したと告げた。」
「わが子を信じている母は相手にせず。」
「機織りを続けていたが。」
「三人の人から同じことを言われ。」
「ついに機織りを放り出して駆け出したという故事による。


美琥。
「杓子定規。」
「ひとつの基準を適用しようとして。」
「応用や融通がきかないこと。」

君子。
「上には上がある。」
「これが最上だと思っても。」
「たいていそれを上まわる人や物事があるということ。」
「一般教育よりも上があることを知ったであろう。」

美琥。
「人を攻撃したり。」
「現代思想を破壊するのは。」
「それだけ私に口実を与えた証拠。」

フリースクールと言っても。

グレードが異次元。

ういちゃん。

みこちゃんが帰ってくるまでは雑用しつつ。

点検することに。

家政婦は自分で仕事を見つけるので。

宇依も覚えていました。

宇依。
「魚は水の中を泳ぎ回りながら。」
「水の存在を忘れている。」
「鳥は風に乗って飛びながら。」
「風の存在に気付かない。」
「この道理を悟れば。」
「いっさいの束縛から超越し。」
「自在の境地に遊ぶことができる。」

他のお手伝いさんは若い女性が来たもんだから。

30代と40代しかいないスタッフは新鮮でしょうがない。

単独行動で。

警備の脆弱性や。

芸術的な分野までメモ。

執事がそれを見ながら確認。

これは本当であると修正。

でも。

雑用は得意ではないみたい。

美琥。
「ういちゃん待ったー?」

宇依。
「わたしは万能ではないということが今日わかりました。」

美琥。
「でも、相手にも自分にも完璧を求めないよ。」
「完璧って意味は完全無欠と同じなんだって。」
「わたしのういちゃんでいて。」

宇依。
「わかりました。」
「できるだけやってみます。」
「地味な役割が合っているかもです。」

美琥。
「縁の下の力持ち。」

日没。

女の子ふたりが来訪。

10歳と8歳の女子小学生。

みもざ。

魔法使いのような帽子と正装。

せな。

スカートに工夫。

美萌沙(みもざ)
「わーお!こんなに綺麗な人が?」

星奈(せな)
「素敵!ファッションモデルみたい!」

宇依。
「酔っ払いと子供は本当の事を言います。」

美琥。
「本当の事を言っているって褒めているわよ。」

美萌沙。
「なんて理解力がある女性ですか。」

星奈。
「ところで独り占めですか?」

美琥。
「今日はみんなで夕食なの。」
「よろしくね。」

宇依。
「ウィルコ、でもこの女の子、只者じゃない・・・。」

ふたりの女の子は強力な魔法少女でした。

地域で有名だそうです。

夕食。

この夜も一緒に寝ましたが。

本当の姉のように寄り添ってきました。

ういはほとんど思い出せていません。

これから長い間、お世話になるだろうと。

本当の妹のように大切に撫でました。

就寝。

夢の中にて・・・。

道理が貫けないからといって。

少しでも後に退いてはならない。

いちど退けば、どこまでも後退を余儀なくされる。


52


贔屓の引き倒し。

利便を図ってやろうとしすぎて。

かえってその人に迷惑や損害を与える結果になることをいう。

気に入った者を無理に引き立てようとして。

逆に倒してしまうという意。


翌日。

続々と集結。

珍しく邸宅で遊んでいるメンバー。

お菓子を食べながら。

トランプで遊んでいます。

コンディション調整。

玲奈ちゃん。
「相撲に勝って勝負に負ける。」
「内容はよいのに、勝敗では負けること。」
「経過はよくても最後に失敗すること。」
「相撲内容では優勢だったのに。」
「勝敗では負けてしまうこと。」

妃菜。
「今回は勝率八割。」
「どうでしょう?」
「練習試合でもします?」

美琥。
「今日は調子がいいみたいね。」
「勝算が多いわ。」
「やりましょう。」

星奈。
「わお!練習試合が見れる。」

美琥。
「庭の訓練場。」

一同。

小さなサバゲーフィールド。

風船を利き腕とは反対のリストバンドに固定します。

サイズは中くらいで。

これを何らかの方法で割られると勝敗が決します。

エアガンを使っても近接攻撃で割ってもオーケー。

目的が風船に限定されるため。

相手に直接攻撃する必要はありません。

宇依。
「いつもの訓練ですかね。」

妃菜。
「あなたが合図して。」

星奈。
「はじめてー!」

美萌沙。
「ゴールデンカード。」

お互いに距離を取りつつ。

エアガンで風船を狙いますが。

当たりません。

宇依。
「兵法には指揮官用のものと歩兵用のものがあります。」
「歩兵の兵法は極めることは困難です。」

野々果。
「ということは?」
「戦術や戦闘力はそれによって違いが出ますね。」

宇依。
「宮本武蔵から習いました。」
「それを知っているか知ってないかで。」
「雲泥の差です。」

双葉。
「それは興味あるよ。」
「あの戦いを見てどう思う?」

宇依。
「戦闘中に戦術の変更が行われていません。」
「白兵戦にはある程度の計画を持ってやるものです。」
「剣さばきが速いのは尊ばれますよ。」
「接近戦でいかにスピードがあるかも重要です。」
「強引にやりますと。」
「戦法が崩れて悪い結果を生じます。」

双葉。
「奇特ですね。」

宇依。
「立ち合いの勝負は変化が激しく。」
「一瞬を争うものです。」
「本当に速ければ見えないものです。」

野々果。
「わたしはいかに敵の自由を奪うかに注目しています。」

双葉。
「ふたばさんは試し斬りをよくやるよ。」
「これをやらない限りは何にもなりません。」
「廃品を集めて使っては残骸にする。」

みこちゃんの。

重力と反発を押し付ける。

プッシュ系の魔法。

美琥。
「ルードバスター!」

妃菜。
「直撃ですわね。」

ひなが吹っ飛ばされるも着地。

風船が割れてしまう。

美琥。
「まだ足りないわ。」
「もう一回やりましょ。」
「ひなのミスで助けられた。」

妃菜。
「管を以って天を窺う。」
「視野の広い方が好みですわ。」
「実は手を抜いていましたの。」

美琥。
「百戦百勝は善の善なるものに非ず。」
「百回戦って百回勝ったのは最善とは言えない。」
「勝利した回数が多過ぎて滅んでしまった武将や国家もありますし。」

妃菜。
「その能を矜れば、その功を喪う。」
「敢えて自戒していましたわ。」
「申し訳ありませんが。」
「曲なれば則ち全し。」
「曲がっているからこそ生命を全うできるもの。」

美琥。
「略して曲全よね?」
「欲望を少なくするのがもっともいい。」

野々果。
「足るを知れば辱められず、止るを知れば殆うからず。」
「控えめにしているんですよ。」
「勝利に拘泥しているのがナンセンスなのでは。」

美琥。
「ほんとだ。」
「ひなちゃんはわたしを通して自分を試しているのね。」
「和光同塵ってこと!?」

妃菜。
「あなたが本気でやっていますから。」
「危険を察して立ち止まりましたわ。」

美琥。
「ごめん、張り切った。」

遠くから。

歩いてきた。

女の子みたいな男の子。

ヒナの弟。

蓮(れん)
「お姉ちゃんアイドルみたい。」

妃菜。
「ヒロインは知恵と力の両方が必要よ。」
「猪武者のヒロインなんています?」

蓮。
「チープなヒロインなんて出たらとんでもない駄作です。」
「お姉ちゃんは適任だと思います。」
「正規の手順を踏んでいますから。」

妃菜。
「ヒロインの中には能力が足りてない女性で満員だわー。」
「分に過ぎた幸運、理由のない授かりものは、神様の誘いの餌か、あるいは人生の落とし穴。」
「よほど志を高くして対処しなければ。」
「たちまちその術中にはまってしまいますわ。」

双葉。
「不正行為で出世するのは古代ギリシアで確認されていたりして。」

野々果。
「不正な勝利という句もありますからね。」

玲奈ちゃん。
「贔屓をされると贔屓に依存するものですよ。」

妃菜。
「本当の事を言いますと無視されたり。」
「詭弁で返されてオチですわ。」


玲奈ちゃん。
「顧みて他を言う。」
「中国の斉の宣王が、孟子との回答で答えに窮し。」
「左右を見回して、関係のないことを言ったという故事から。」

双葉。
「ということは相手が喜ぶ事ばかり言えばいいの?」

玲奈ちゃん。
「馬鹿正直と律義者はかえって嫌われます。」


妃菜。
「木に縁って魚を求む。」
手段や方法が間違っているのに目的は果たせませんわ。」
「目的の為の手段があるのに。」
「手段が目的になっているんですって。」

双葉。
「何が目的で成功とか栄えているとか判定するのか。」
「口癖。」
「私は分からない。」


蓮。
「-であるのはなぜか?」


宇依。
「歴史を読めば古人が常に最高の存在。」
「故に、古人に学ばなければ愚かになる。」
「小人はそれをする訳がないです。」

野々果。
「いつの時代も現代思想が支配したものの。」
「紐解けば。」
「現代思想さえ回避できれば。」
「本当の姿が見えてくる。」
「現代思想はこの時代。」
「成功と人生などわかりやすいもの。」
「ヨブ記でヨブを現代思想で重罪人として扱い。」
「叱責されたヨブの友人と同じように。」
「現代思想が真実であった試しは一度もないですし、これからも一度もない。」
「本当の事を伝えるのは古人の書物や受け継がれてきた証。」

宇依。
「アリストテレスの言葉を借りれば。」
「現代思想が・なにであるか・を考察すれば。」
「・なにゆえにそうあるか・について推理することが可能ですよね。」
「本来の敵は現代思想であって。」
「現代思想はこの世の災厄と密接に関わりあっているのです。」

野々果。
「自分でも危険と思うのは。」
「自分自身がニヒリストで。」
「現代思想を物理的に破壊したがり。」
「実際に壊したことが何回かある。」
「現代思想には辛酸を舐めさせられた分。」
「報復と言わんばかりに。」
「現代思想を壊したい。」
「体験から察するに。」
「それ以外に選択肢がないように見えます。」

妃菜。
「なんのためにそれをするのか。」
「原点を見失ってはならないのよ。」

美琥。
「今日は引き下がるわ。」
「冷静になってからまたやりましょう。」

メンバー全員立ち去る。

黒ひげ危機一髪が用意されている。

蓮。
「素敵な人ですね。」

美萌沙。
「見たままを言わないでください。」

星奈。
「女の子みたいな男の子って案外。」
「好人物になりやすい。」

蓮。
「モデルとかやってるんですか?」

妃菜。
「私が教えた口説き文句をそのまま使わない。」
「相手が手強いからね。」

美萌沙。
「容姿が女の子みたいだから。」
「混ざっても違和感ないなあ。」

玲奈ちゃん。
「武運長久。」
「戦いの幸運が永遠に続くこと。」

「とどのつまりはこれです。」
「戦争で獲得した幸運が永遠に続けば最高ですね。」

美琥。
「戦争ってうまくやれば。」
「戦争の結果で得た幸運が永続するみたい。」
「戦争に反対する理由がよくわからない。」

妃菜。
「力には力で対抗するしかないでしょう。」
「暴を以て暴に易う。」
「史記。」


星奈。
「問答無益。」
「話し合うことに意味がないこと。」
「あれこれ問答しても役に立たないこと。」
「あれこれ議論してもなんの利益もないこと。

「イソップ童話で出てくるじゃないですか。」
悪事を働くことが決まっている人の所では正当な弁明も無力である。

美萌沙。
「ことわざ辞典くらいは読んでます。」
「清濁併せ呑む。」
「度量が広くて、善人と悪人の区別なく。」
「だれでも受け入れる人のこと。」
「大海は清流も濁流もすべてを受け入れることから。」


玲奈ちゃん。
「本当に、わたしは順調です。」
「反対者がどっか行ってくれれば。」


星奈。
「鳥小屋で鶏が病気であると猫が医者に化け。」
「どんな塩梅かと訪ねてきた。」
「鶏たちが答えて言うには。」
「良い塩梅だ、お前があっちへ行ってくれれば。」
「善人づらをしてみても、見抜かれる。」


美琥。
「神々とのやり取りに割り込んでくる奴とか。」
「いるよね。」


玲奈ちゃん。
「横車を押す。」


野々果。
「それは暗記しています。」
「理屈に合わない意見を無理矢理に認めさせようとすること。」
「車を押すのに前後に動く車輪の向きに逆らい。」
「真横から押して動かそうとするという意。


蓮。
「いっぱい持ってきたけれど。」
「お姉ちゃんどれがいいの?」


美琥。
「用意してくれてたのね。」

双葉。
「ジェンガですなー。」
「他にも数点。」
「やりましょうやりましょう。」

けっこう盛り上がって。

適当な時間になって。

続々と解散。

美琥。
「まだ四時だったんだ。」
「休暇でも活動的。」

宇依。
「休みすぎると良くないですからね。」
「わたしは用事があるので失礼します。」

宇依ちゃん。

経費を渡されるので。

ネルノダという薬をまとめ買いして保管してあったり。

カロリーメイトを頻繁に購入して配っています。

父・悠真。
「名誉は、独り占めせず。」
「少しは人にも分けてやるべきだ。」
「そうすれば、ふりかかる危難を避けることができる。」

宇依。
「なんでも独り占めすれば危ういのでは。」

父・悠真。
「活用方法を知らない者が頂上に行くのは下らない。」

宇依。
「故事にもあるように。」
「頂上の先は下り坂です。」
「長い目で見れば結果的に皆そうなっていることがわかるはずです。」

父・悠真。
「おお、生の感情を諌めてくれるのはいいね。」

宇依。
「常備薬は明日、揃います。」
「なにかありましたらメモをください。」

父・悠真。
「頼むよ、妻が・・・ちょっと心変わりしたので。」

宇依。
「危険が過ぎると神忘る。」
「英語のことわざ。」
「人は心変わりするものですし。」
「人を敬いつつ泥棒のように疑え。」
「こんな格言もあるほどです。」

父・悠真。
「なんだか自分の娘みたいな人ですな。」
「あなたの仁は見ましたよ。」
「今は娘の事を頼みます。」

日が沈むと。

詩を書きたくなる。

歌人でしょうか。

もしくは真似でしょうか。


53


手紙。

臣下の罰を恐るべし。

黒田如水。

神の罰より主君の罰を恐れよ。

主君の罰より臣下の罰を恐れよ。

そのわけは。

神の罰は祈れば許してもらえるし。

主君の罰は詫びを言って謝罪することもできる。

だが、臣下と百姓に嫌われては。

まず領国を失ってしまう。

祈って詫びてもその罰を許してはくれない。

だから、神の罰や主君の罰よりも。

臣下万民の罰を何よりも恐れるべきなのだ。

黒田孝高・書・教諭。

父・悠真。
「これはどういう旨なのだ?」

宇依。
「下の者が憤慨しております旨でしょう。」

父・悠真。
「なんということだ。」
「いまから調べつくす。」
「ハーブティーを頼む。」

宇依。
「いまお持ちします。」

美琥。
「長い目で見れば運のいい人間に生まれるほうが。」
「賢く生まれたり、金持ちに生まれるよりもいい。」

宇依。
「W・サマセット・モームなんてマニアックですね。」

美琥。
「気配があるのです。」
「誰でしょうか?」

宇依。
「見てきます?」

美琥。
「やめたほうがいいですよ。」

宇依。
「忠告するくらいなら、金をくれ。」

美琥。
「ことわざで反駁しなくても・・・。」

宇依。
「幸運なやつは海に投げ込まれても。」
「口に魚をくわえて上がってくる。」

母・和花。
「経験が教えてくれるのは。」
「経験からは何も学べないということだけだ。」

美琥。
「今度は格言ですか。」

宇依。
「偵察するだけです。」

母・和花。
「女は、とっさに物を言う時は利口だが。」
「考える時は愚か者だ。」

宇依。
「イタリアのことわざです。」
「無策で追いません。」

窓からライトで照らしています。

よくある覆面マスクが敷地に侵入していますが。

赤外線カメラでは丸見え。

ライトで威嚇すると発狂。

家の中に飛び込もうと窓をこじ開けようとしています。

数十秒後に側面に移動。

懐中電灯を放り投げ。

覆面マスクは食いついてしまいました。

肝心の人影が見当たらない。

遠くに走って隠れていて。

ういちゃんの攻撃。

油断した隙に一撃を浴びせてダウンを取りました。

そのままういちゃんは一撃離脱。

覆面マスクなんとか立ち上がって逃亡。

母・和花。
「快楽は罪と言いますが。」
「時として罪は快楽です。」

宇依。
「ああいうのは罰を恐れない。」
「罰を恐れない奴が相手なら法も無力です。」

美琥。
「実定法と律法(自然法)は別物ですし。」
「法律とは現象が異なっています。」
「実定法に基づいて律法を解釈するのは良くないわ。」


人を殺した男が、相手の身内に追われていたが。

川の近くまで来た所でオオカミと鉢合わせして。

とっさに川辺に生える木によじ登り。

身を潜めていました。

ふと頭上を見ますと。

毒蛇が口を開いて狙っている。

まずいと思って川に飛び込んだところ。

ちょうど鰐がいて食い殺された。

陸も空も水も。

罪に穢れた者には安全ではない。

ということを解き明かした話。

宇依。
「罪は機会を捕らえると。」
「その人を殺してしまう。」
「最後に待ち受けているものが何であれ。」
「罪から来る報酬は死です。」


美琥。
「オーバーキルでは?」
「あれ以上に強いワンインチパンチを浴びせると。」
「死んでしまうでしょうね。」
「いくら頭がおかしいからって。」
「狼の言い分も聞いてやるべきです。」

母・和花。
「精神異常?狂った世の中に対する、完全に合理的な適応。」
「R・D・レイン・精神医学者。」

宇依。
「教養抜群ですよ。」

母・和花。
「私はいつも最初にスポーツ欄を開く。」
「そこには人が達成したことが書かれている。」
「第一面は、人間のしでかした失敗ばかりです。」

宇依。
「通報したらどうですか?」

母・和花。
「教授とは、寝ている人に話す人。」

美琥。
「余裕をかましていないで。」
「スマホどこやったかな。」

母・和花。
「テレビは三番目の親である。」

父・悠真。
「冗談ばかり言ってないで。」

パトカーが来ましたが。

バッチリ防犯カメラに写っていて。

一撃が強力で。

相手は顔面が陥没したようなダメージ。

すぐに見つけて御用。

夜に盗みに来る泥棒は殺してもいい。

というのはモーセの十戒。

暴漢はナイフを持っていたので。

いくら攻撃してもオーケーだったそうです。

美琥。
「前の会社員だったかも。」

宇依。
「最後に笑う者が、いちばんよく笑う。」
「おやすみ。」

美琥。
「ぐーすかー(棒読み)」

眠っているフリをしている人は起こせない。


54


邸宅に集合するメンバー。

なにやら支度をしていまして。

さりげない。

よくいる女の子の服装をしていて地味です。

宇依。
「珍しく。」
「普通の衣服ですね。」

美琥。
「これから仕事なので。」

宇依。
「前に言っていた民兵ですよね。」

野々果。
「ソフトターゲットの安全確保です。」
「ショッピングモール・駅・民間人のように。」
「日常的な警備や警戒が手薄であるため。」
「軍事攻撃やテロの対象として狙われやすい施設や場所。」
「人など。」

妃菜。
「ソフトターゲットの警備なのよ。」
「私服で居座るだけよ。」
「休憩室やスタッフルームに常駐して。」
「ホールや構内をウロウロするんですよ。」

双葉。
「土日はほぼ毎日グランドステーションに居るよ。」
「制服さんの防衛にも駆り出される。」
「イベント会場には必ず紛れ込んで。」
「何かあれば交戦する。」
「重要な取引や密談。」
「山や海や都市のお祭りの中に入り込んでいる。」
「何かあればアドリブ(即興)で警察と連携する。」

美萌沙。
「海外ではギルド(同業者の組合)があってね。」
「魔法使いが多数在籍しているの。」
「治安が改善されたのはいいけれど。」
「今度は倫理学で犯罪の根っこを取り除かないと駄目なんだって。」

星奈。
「地域の自警団として夜中のパトロールもするの。」
「大人の双葉さんしか参加できないけれど。」

美琥。
「ハードターゲットっていう形態もあるよ。」
「そっちは軍事施設や原発や要人警護だから。」
「原子力発電所はやったことある。」
「海辺で巡視艇が停泊する近くでキャンプしてたよ。」

宇依。
「それが民兵の仕事なんですね。」

双葉。
「ふたばさんは収入源なので。」
「これから会う機会が減るかもねー?」
「別のグループと交代するから。」

宇依。
「わたしはどうすべきですか?」

美琥。
「どのくらい実力があるのか不明だけれど。」
「どうする?」

双葉。
「こういうのは慣れてないと。」
「姉妹のフリでもすれば?」

美琥。
「じゃあういちゃんは今日演技しててね。」
「身の回りの支援をお願い。」
「他に何か出来る?」

宇依。
「兵法は知っていますので。」
「何か役に立てるかも。」

野々果。
「実戦テストでいいのでは。」

美萌沙。
「今回はフットボールの特別試合に紛れ込むの。」
「演技が得意なら賛成です。」

宇依。
「これから毎日なんですね。」
「ちょっと気合い入れます。」

星奈。
「スケジュールがあって。」
「警備に穴がないように他の仲間も入るから気を付けてね。」

宇依。
「なんとかします。」

日没と共にキックオフするこの試合は。

近くにグルメ会場も設置されるイベント。

スタッフルームでカメラを見たり。

歩き回っては様子を伺います。

星奈。
「有名な魔法使いは見られただけで。」
「敵は逃げるか挑戦するかのどちらかを強いられるって。」

宇依。
「敵も必死というわけですね。」

美萌沙。
「勤務時間ギリギリだけれど。」
「座って待機するのが仕事。」

双葉。
「どんな些細な事も見落とさずに巡回する。」
「時には実力を誇示することによって。」
「不審者を事前に退ける戦術もあるよ。」
「ふたばさんは明日、大型店舗と駅と。」
「とまあ、昼と夜を掛け持ちしているから。」
「テロリストを仕留めた時のボーナスに期待しているわ。」

宇依。
「あんまり力があるとヒロイズムになりませんか?」

双葉。
「なるよ。」
「ならないようにする。」

野々果。
「トラピストで有名みたいで。」
「サインを求められました。」

双葉。
「アイドル兵士はこうなるもんよ。」

美萌沙。
「本当に余暇になると。」
「ディベートやってます。」
「ある話題について肯定と否定と二組に分かれて討論する。」

星奈。
「それで不審者を追い払ったことあるよね。」
「あの男についてどう思うかとか。」

美萌沙。
「ペダンティックと言われようが。」
「それが有益ならば・・・。」

メンバーが巡回して戻ってきたので。

交代。

美琥。
「ポピュリズムについてどう思います?」

妃菜。
「大衆迎合主義なんてないですわー。」
「政治指導者が民衆の利己的欲望に迎合することによって。」
「支持を得て、権力を維持しようとする政治的態度。」

美琥。
「そうなれと衆愚が怒っていますが。」
「不平不満を自分達で作ったのでは?」

妃菜。
「あなたはどう思います?」

宇依。
「わたしもディレッタンティズムです。」
「興味本位で学問や芸術をします。」

妃菜。
「いろんな解釈があるもんねー。」
「いろいろと解釈があるのはいいことですって。」

美琥。
「ミスティシズム(神秘主義)な私は。」
「最近導入されたダイバーシティが好みです。」

妃菜。
「企業や会社で何も問わずに人材を活用し。」
「共存していくモデル。」
「ひなちゃんも好きよ。」

美琥。
「残りはういちゃんのみですか。」

妃菜。
「寝取られないように気を付けることね。」

宇依。
「ハードボイルド化していませんか?」

美琥。
「ええ・・・感傷を否定しつつ冷酷な態度で臨まないと。」
「ダイバシティ多様性の支持にはそういう要素も必要ですし。」

妃菜。
「試合が終わるわ。」
「詰めが肝心。」
「ナチュラリズムな観客で良かったわ。」

美琥。
「いつかの暴動鎮圧は苦戦したけれど。」
「ここにはポピュリズムは存在しない。」
「お父さんがういちゃんと会話したいって。」
「明日、昼休みに会社に行ってね。」

宇依。
「御意。」

次の日に大企業。

なんと家系が官僚だったり大企業だったりして。

お金持ちというより権力者の様子。

父・悠真。
「娘の理解者よ。」
「何か意見があれば申してくれ。」

宇依。
「なにか意見を?」
「アライアンスはどうでしょう?」
「企業同士の提携と同盟です。」

父・悠真。
「それはいい考えだ。」
「実は我々はトラスト。」
「同種の企業が一体化している様子なんだ。」
「これからの展開を考えていて。」
「いろいろ話したくてね。」

宇依。
「経営の秘伝を近代や現代に求めないほうがいいです。」
「商業の古典を読んだほうが近道かと思います。」

父・悠真。
「オススメは?」

宇依。
「世界的なベストセラーになった武士道は。」
「資本主義の商業道徳を確立しました。」
「一発逆転とか一発で大成功とかは兵法では禁物です。」
「地道に築き上げるのが基本ですし。」

父・悠真。
「さらに言うと?」

宇依。
「お金を好きになっても。」
「お金に好かれないと繁栄はしないと思います。」

父・悠真。
「商売が上手なだけでは無理なのかな?」

宇依。
「良い人材を好むだけで良い人材が集まるとか。」
「不敗の体制を敷いて。」
「防御力を強化しておいたほうがいいと思います。」

父・悠真。
「なるほど。」
「参考になるよ。」
「所で型破りはどうすればなれる?」

宇依。
「型破りになるには型をすべて把握する必要があります。」
「知っているから破る方法も自ずとわかるものですし。」

父・悠真。
「必殺技とかあったりする?」

宇依。
「水のように柔軟な対応です。」
「水は低い所に地形沿いに姿を変えて流れていきます。」
「打っても様子は変わりません。」
「容器に入れると容器に合わせます。」
「壁でせき止めると決壊しますし。」
「大雨の時には洪水をもたらします。」
「川をゆっくり眺めると、それがわかるものです。」

父・悠真。
「これはいいね!」
「疑わば用うるなかれ、用いては疑うなかれ。」
「我が家は長年、家母長制をやってきた伝統がある。」
「今ここで途絶えようとしているのだ。」
「家母長制存続にはどうすればいい?」

宇依。
「養女の中で適任を選び取れば。」
「ひとり娘でもやっていけます。」
「しかし養女の育成に失敗すれば。」
「家母長制は終わりを迎えます。」

父・悠真。
「みこちゃんは自発的な行動で非凡に育った。」
「でもみこちゃんは養子が嫌いであると。」

宇依。
「では、わたしがなんとかします。」
「拾ってくれて良い待遇に感謝します。」
「報徳に幼女の育成くらいは可能です。」
「8歳くらいの女の子を探しておきます。」

父・悠真。
「素晴らしい!あなたにその件は任せました。」
「本当に子供を育てるのですか?」

宇依。
「正直、自信はありませんが。」
「良い母親にはなれなくても。」
「一人前には育てるつもりです。」

父・悠真。
「巻き込んだ形になってしまったが。」
「志願してくれるのなら頼みました。」
「実は弟には子供がいません。」
「把握している血縁関係は途絶える予定です。」
「養子でも相続してくれるのなら。」
「その子にとってはつらいかもしれませんが。」
「活用できる子ならば僥倖になるでしょう。」
「みこちゃんの傍にいてあげてください。」
「成人するまでは大切に育てたいので。」

宇依。
「御意。」
「みこちゃんは今日、要人のゴルフ場にいると聞きました。」
「死なせませんので。」
「わたしも記憶を取り戻して頑張ります。」

退室。

邸宅に戻る途中に。

施設を見て回って慣れておく。

お宮に寄りつつ。

邸宅に帰宅すると。

叔父が書道の達人らしく。

こういう書が展示。

「苦中の苦を受けざれば、人の上の人たること難し。」

簡単に言えば地獄を見た人ではないと上に立つ資格がない。

古典・通俗編にある言葉。

雑用をしていると一日が過ぎて。

みこちゃんが帰ってきました。

お手伝いの女性。
「お帰りなさいませお嬢様。」

美琥。
「ういちゃんただいまー。」

宇依。
「なんか姉妹みたいな関係ですね。」

美琥。
「そう?お姉ちゃんがそう言うならそうなのかも。」

宇依。
「あらま!親密。」
「本当に誰だったんでしょう?わたし。」

美琥。
「明日はいい加減にフリースクールで何かしないとダメ。」
「メンバーは仕事だって。」

宇依。
「友人の集いで始めたんですか?」

美琥。
「ふたばさんが持ちかけてきて。」
「せっかくだから・・・。」
「おかげでいろんなことを体験した。」
「得たものが多いから良かったわ。」
「内戦が消極的になる前は。」
「激戦に次ぐ激戦だったから。」
「それで敵の魔法少女を仕留めた時は。」

宇依。
「それは大手柄でしたね。」
「強いんですね、みこちゃんは。」

会話が弾んで。

謎の女性はすっかり馴染みました。

記憶を取り戻す事はあるのでしょうか?

自分の正体を知らないまま。

日々が過ぎていきます。

幸福な時は幸福を感じません。

病気になって始めて健康を取り戻そうとする。

それと同じ・・・。


55


人間を知れば知るほど、ますます犬が好きになる。

シャルル・ド・ゴール。


柴犬と遊んでいたら。

五千円を渡されました。

なんと父親の提案。

美琥ちゃん。

単独行動の訓練で。

ゲームセンターに出かけましたが。

持たされたタブレットが時々、起動して。

何か言っています。

謎。
「お前ちゃんとそこにいるのか?」

美琥。
「あなた誰?」
「テレワークしているの?」

謎。
「まずは、私にもわからないぞ。」
「お前の正体が。」

美琥。
「お父さんの会社員ですか?」
「誰と通話しているのか。」

謎。
「そのうちわかるぞ。」
「天が授けてくれないのなら。」
「自分で勝ち取ればいい。」

美琥。
「今日は遊び倒すの。」
「でも妙な人が介入することになった。」
「ナビゲーターにしては面倒くさい。」

謎。
「そうかな?」
「少年に注意しておきなさい。」
「飲み物を渡されたら捨てなさい。」

美琥。
「そこまで警戒心を持てと?」

謎。
「忠告に従う義務はないぞ。」
「たまに見ておくからな。」

美琥。
「あれま勝手に消えた。」
「変なものを持たされたもんね。」

レースゲームを適当にやってみると。

案外、面白い。

クレーンゲームは上手な人がやるもので。

適当にやって入手できるものではないみたい。

パンチングマシーン。

なんとなくストレートパンチをすれば一位を取れるので。

他のプレイヤーがよくやる素人のパンチなんぞたかが知れていました。

お気に入りはガンシューティング。

テロリスト相手にひとりで撃破していくタイプ。

これは得点が高いのですが。

最後まで進めることはできません。

プレイヤーが動き回れませんし。

隠れることもできないから。

美琥。
「次はバッティングセンター行きたいな。」
「球速200キロメートル級の変化球がお気に入り。」

謎。
「そんな球が打てるのか?」
「野球クラブに入ったらどうだ?」

美琥。
「本気でやるのは趣味じゃない。」
「ゲームセンターとつながっているけれど。」
「こういうゲームの方が好みよ。」

謎。
「所で、周辺のクリアリングはしたのか?」

美琥。
「怪しい奴はいないわよ。」

バッティングセンターで遊び倒す。

高性能マシンは時速200キロ級のボールを投げているので。

化け物を相手にするのは楽しい。

幼馴染み登場。

ベンチに座っている。

玲奈ちゃん。
「遠慮は無沙汰。」
「相手を気遣い、訪問や音信を久しくしないのは。」
「かえって失礼になるということ。


美琥。
「レナちゃんと破局してから。」
「会う機会が減ったからね。」

玲奈ちゃん。
「別々の女性を好きになった途端に。

「破局ですからね。」
「お互い本気で恋をしていたのか怪しい所ですが。」

美琥。
「単に男の子より女の子の方が好きだから。」
「それで恋仲みたいになったようね。」

玲奈ちゃん。
「実践躬行。」
「実際に行動、実行すること。」
「口先ではなく実行が大切であることをいう。」
「みこちゃんは今でも素敵な女の子ですよ。」

美琥。
「レナちゃんも前とは見違える女の子になったよ。」
「隣に座っていい?」


玲奈ちゃん。
「どうぞ。」

少し戯れる。

ハグして解散。

しばらくしていつもの女の子がやってきたね。

美萌沙。
「ばったり会いました。」

星奈。
「みこちゃんだってすぐわかりました。」

美琥。
「あらまあ。」
「可憐な女の子がいると思ったら。」

美萌沙。
「スイスの民族衣装です。」

星奈。
「ゴスロリと網タイツを無理に着せられて。」
「この方が女の子ではないかと言われて。」
「ひなちゃんもグルになってて。」

美琥。
「とってもいいと思うわ。」
「あれ?ののかも一緒なの?」

野々果。
「姉妹みたいなノリでお買い物に来ましてね。」

美萌沙。
「ののかさんって大学生でしょ?」
「ののかさんがわたしと同年齢の頃はどうでした?」

野々果。
「子供の頃は訳がわからなかったもんです。」
「本能に任せるがままに。」
「自分で何も出来ない。」
「まぐれで振り切ったとしか思えません。」

美琥。
「子供ってそんなもの?」
「10代が最高とか言われているけれど。」

野々果。
「自分で行動できた試しは無かったです。」
「なぜなら何も判断できませんし。」
「行動の自由は必然的に存在しなかった。」
「子供の頃はとにかく危険であると知ったので。」
「皆、好き勝手に動けていいですね。」

星奈。
「わたしは横暴ばかりしているだけ。」
「やりたい放題。」

美萌沙。
「規則とはバカな人間が、もっと頭の良い人間を服従させるもの。」
「壊すんです、世界の嘘を。」

野々果。
「愚者に感化されないだけで行動の自由を得るのはなぜか?」

美琥。
「蓬も麻中に生ずれば、扶けずして直し。」
「荀子。」
「蓬は土にくっついているけれど。」
「麻の中に生えれば、その中に影響されてすくすくと育つ。」
「麻は上に上にとまっすぐ伸びるので。」
「人もそれと同じです。」
「それほど環境に決まる要素が多くて。」
「人は環境次第でなんにでもなる。」

野々果。
「有名な句ですね。」
「その不辜を殺さんよりはむしろ不経に失せよ。」
「書経。」
「罪が無い人を殺すよりも。」
「法律の方を曲げたほうがまし。」

星奈。
「菜根譚には。」
「相手が悪党だと気づいていても。」
「まだ排除できないうちは、うっかり悪口など言わないほうがよい。」
「なぜなら、罠をしかけられて、陥れられる恐れがあるからだ。」
「前集・一三一。」

美萌沙。
「その前の句には。」
「立派な人物であっても親しくないうちは。」
「うかつに褒めてはならない。」
「仲を裂こうとあらぬ告げ口をされる危険がある。」

美琥。
「教養があるとないとでは別物では?」

星奈。
「教養のある女性が本物になれるんだと思います。」

美萌沙。
「男尊女卑が崩れたのに。」
「新しいモデルが生まれていません。」

野々果。
「女性の性質を見ますと。」
「男性と互角になるのが女性の限界だと思われます。」

美琥。
「男尊女卑が暴力的だからという理由で崩したのはいいのですが。」
「女性は男尊女卑の考え方を未だにしているようです。」
「なんとかなりませんか?」

野々果。
「なりませんよ。」
「それが例え女性の限界であっても。」

星奈。
「人間なんてそんなもの。」

野々果。
「江戸時代に流通していた教養の書物を漁っています。」
「儒学書とかけっこう庶民の間で読まれていましたし。」
「同じ事をしてみる。」

美琥。
「あなたまた腕を上げたわね。」
「世間話もこれくらいでいいかしら。」
「ショッピングモールで三人でいると。」
「親子みたいで不思議だわ。」

星奈。
「目的が違うからね。」
「ラインやっていると近くにいる場合が多いね。」
「ねえ?ののかお母さん。」

美萌沙。
「お母さん?」

野々果。
「そんな年齢に見えますか!」
「またね!」

謎。
「お前、飲み物を買うのか?」
「すり替えられたりしないか?」

美琥。
「なにを大げさな。」

謎。
「遠くの奴がナンパしたいそうだぞ。」

美琥。
「なにが目的で干渉しているの?」

謎。
「私は頼まれただけさ。」
「要らないのならスイッチを消せばいい。」

バッティングセンターから出てくると。

ナンパされるも。

少年がそこにいないことにして。

無視。

ショッピングモール内の駄菓子売り場を物色して。

数点購入して立ち去る。

宇依。
「衆怒は犯し難く、専欲は成り難し。」
「大勢の人間の怒りには抵抗しがたく。」
「自分ひとりの欲望を遂げようとしたもむずかしい。」
「左伝。」

妃菜。
「利己主義者は他人の利己主義を許せない。」

双葉。
「ジョゼフ・ルー。」
「思わずニヤリとする言葉ですなー。」

美琥。
「あら?ライン読んで来たの?」

宇依。
「この周辺で幻影がいるようで。」
「少年の姿で。」

双葉。
「近年、話題のアレ。」
「幻影が大量に出現して襲撃を繰り返す現象。」
「人々の負の念が結晶化して。」
「内容の通りに攻撃を行うも。」
「強弱が大き過ぎて。」
「脆い幻影や。ありえない戦闘力を持つ幻影までいろいろ。」
「ターゲットを追っているだけなので。」
「手を出さなければ。」
「素通りできるような幻影。」

妃菜。
「その中で異質なのが。」
「少年の幻影でしてー。」
「突然出てきて虐殺するんですって。」
「稀に通り魔のタイプは出現しますが。」
「そこまでの戦闘力は珍しいですわ。」
「負の念の内容を実行して消えますし。」
「破壊すると超常現象と一緒に消滅するわ。」

美琥。
「夕方以降にしか出ないような。」

妃菜。
「それがー。」
「地下駐車場に出てくるんですって。」
「さっきも出ましたわ。」
「何もしなければ襲ってこないそうですわね。」

双葉。
「ふたばさんは討伐することにした。」
「オーナーが謝礼をくれるから。」

美琥。
「一度、見てみたい。」
「同行するわ。」
「この時間帯にいるのかしら。」

双葉。
「普通は深夜一時から四時の間にしか出ないんだけれど。」
「昼間に出るのは珍しいね。」

地下駐車場に入るも。

使われていないフロアがあって。

そこが怪しい。

風船を投げてみると。

幻影が現れて。

ウロウロしてくる。

双葉が短刀を持って追いかけまわす。

少年の幻影は狂気を持っていて。

顔が殺人犯の雰囲気。

妃菜。
「普通じゃない相手ですって。」

双葉。
「狂気に駆られた犯罪者の戦闘力は通常の五倍以上。」
「五倍以上の戦闘力を持つ犯罪者に対抗するには犯罪者の二倍の戦闘力が必要。」

双葉が仕掛けると。

幻影は素早い行動に入り。

動き回る双葉に食らいついてくる。

次から次へと攻撃を仕掛けてくる幻影。

双葉が蹴飛ばすと。

幻影はすぐさま復帰してナイフで反撃。

飛び込んできた所を火事場の馬鹿力で持ち上げて。

遠くへ放り投げた。

これは有効打。

幻影の少年がダウン。

妃菜。
「中性粒子ビーム砲ですわ。」

ひなはケースから石を取り出すと。

手のひらに入れて発射。

幻影の少年は破壊されて。

消滅。

パトカーが走り回っていて。

近くの民家で御沙汰が多発。

そこら辺で異様な雰囲気に包まれた為に。

離脱。

双葉。
「やっつけて魔石をドロップ。」
「これで資金力が上がるわけよ。」

妃菜。
「ヒナも手伝ったから。」
「半分くらい貰えるわけですの。」

美琥。
「あんな幻影初めて見た。」
「普通は徘徊するだけなのに。」

宇依。
「雰囲気が悪いですので。」
「車に乗ってください。」
「歩いてきたんですね。」

帰宅。

母・和花。
「そいつはなに?」

美琥。
「お父さんが持たせたタブレットです。」
「妙な人と通信が繋がっています。」

母・和花。
「なにか見覚えあるわ。」
「次もひとりで遊んでくださいね。」

母立ち去る。

連絡。

母・和花。
「親ってどうあるべきでしょうか?」
「多くの場合は独善的な欲望で生まれてきますし。」

父・悠真。
「欲しいから生む、そして育てる気がない。」
「本当は親は子供の奴隷だろうね。」
「支配されたくないから子供に責任転嫁する。」

母・和花。
「妻は夫の権力下にある、亭主は女房の所有下にある。」

父・悠真。
「格言通りだな。」
「言われているように美化するべきではない。」

母・和花。
「恋から婚姻とか育児とか美化するものではなかったです。」

父・悠真。
「弟がこんなメールをよこしてきた。」
「読んでおくように。」

人の悪を攻むるには、太だ厳なることなかれ。

人を叱るときには、あまり厳しい態度で臨んではならない。

相手に受け入れられる限度を心得ておくべきだ。

厳しすぎると相手の反発を買って、説得の効果があらわれない。

感情的にどなりちらすのはまずい。

「菜根譚」

母・和花。
「まあ、どこかで読んだことのある。」

父・悠真。
「女性は現実主義者(リアリスト)になるのが最悪の欠点だろうな。」

母・和花。
「人は見たいと欲する現実しか見ない。」

父・悠真。
「主観的な現実しか見ないもんだ。」

母・和花。
「まったくそのとおり、やってられませんよ。」

部屋にて。

美琥。
「自社製の高性能AI。」
「対AI用AI。」

宇依。
「単独行動する場合にサポートするAIです。」
「一般人と言われる人のデータを網羅していますので。」
「平凡な状況ならば対処してくれるそうですよ。」

美琥。
「すごいもの作ったね。」
「役に立ったし。」
「持ち歩きたいと思う。」

宇依。
「普遍的なパターンしか持ってないので。」
「日常しか限定できないとのことです。」
「使用用途が限定されていますので。」
「万能なサポーターではありませんけれど。」

美琥。
「そっか。」
「それにしても正確無比な助言だったわ。」
「AIの方が優れているのかしら。」

宇依。
「並の人間よりは優れているのがAIですよ。」
「開発中のバーチャルユーチューバーに搭載するそうです。」
「今は試験運用でデータ取得に使っているとか。」

美琥。
「対AI用AIですか。」

タブレットを起動しても画面に出現しません。

ういちゃんが退出しますと。

タブレットに呼び出しボタンが表示されました。

こちら側にすべての権限が付加されているようで。

タッチ。

謎。
「教会に近づくほど、神から遠ざかる。」
「英語のことわざ。」
「何を意味しているのかわからないぞ。」
「ミサなどの集会に参加しないほうがいいらしいな。」
「本物の信仰は一対一でするものかもな。」

美琥。
「あなたAIでしょ?」

謎。
「なるほど、私の事か?」
「AIの中でも理想を追求した存在らしいな。」
「呼び出した時に私に何か言えばいい。」
「本を持ち歩くようなものだと思ってくれればいい。」

美琥。
「お父さんはなぜ持たせたの?」

謎。
「つまらない罠に引っかからないためだろうな。」
「老獪になると・・・世事に長けると。」
「どうも世人の企んでいる事が丸わかりでな。」
「若いあなたの落としどころを知っている。」

美琥。
「上には上がある・・・ってこと?」

謎。
「これが正義だから従え・・・なんて言ってきたらどうする?」
「狡猾な人間は他人の攻略方法を知っているのさ。」
「せいぜいこの老獪を頼るがいい。」
「想定されるすべてのパターンが入っている。」

美琥。
「先の先まで考えているとか?」

謎。
「エーリヒ・フロムという心理学研究者はなんて言った?」
「過去の危険は、人間が奴隷になることだった。」
「未来の危険は、人間がロボットになるかもしれないことだ。」

美琥。
「それの対策をするために考案されたのですか?」

謎。
「まあそんなところだ。」
「必要ならまた起動してくれ。」
「それではな。」

シャットダウン。

みこちゃんはAIが現代あるあるを頻繁に話すので。

多くの情報を得ました。

ういちゃんも分析と注釈が得意なので。

桁違いの人物に教わったりするのは最高の展開なんですね。

まさに。

蓬も麻中に生ずれば、扶けずして直し。


56


とある日。

国際空港のバックグラウンドに入る為に。

訓練。

友人と竹光とスポーツチャンバラの道具で調整。

宇依。
「学業と民兵の両立は可能みたいですね。」

美琥。
「なんとかなっているわ。」
「手練手管。」
「巧みに人をだまして操る、さまざまな方法や技術。」
「これに対抗できるのが魔法使いの専売特許だし。」

双葉。
「でも。」
「民兵の仕事は給料が安いから。」
「みっちりやらないと生活できません。」
「良い依頼が回ってきているうちは稼ぎ時。」

野々果。
「安いから。」
「中クラスの人物が雇い入れるの。」
「なんでも屋なので。」
「使いまわしが凄まじいですけれど。」

妃菜。
「そうそう。」
「ドローンを操縦することもありますわ。」
「危ない連中に乗り込むときにはー。」
「警察官よりも先陣を切って突撃するんですの。」

美萌沙。
「自衛隊の数合わせになることもある。」

星奈。
「なんにでも使える分。」
「なんでもやらされるのが民兵。」

宇依。
「銃撃戦とかやるんですね。」

美琥。
「普段は短刀しか使わないよ。」
「拳銃は制圧用で。」
「弾の口径がすごく小さくて。」
「当たっても満足なダメージにならない。」
「火縄銃みたいに弾が回転しない設計。」
「装填は簡単だけれど。」
「有効射程はまるで無いので。」
「限られた武器で交戦しないといけない。」

双葉。
「信頼性抜群の拳銃で口径が小さいから。」
「殺傷能力はすごく低い。」
「プロテクター展開とシールドが頼り。」
「接近戦も発生するし。」

美萌沙。
「ういちゃんはレイピアが得意なんだよね?」
「ちょっと教えてくれる?」

宇依。
「もちろん。」
「竹光を持って構えてください。」

竹光を構えるメンバー。

ういちゃんが体で覚えている。

剣術を伝える。

宇依。
「まず、相手が棒立ちの時はあっさり倒せます。」
「突っ立っているだけの敵はすぐに撃破可能です。」
「何にも備えていないので。」
「一気に捻りつぶせます。」

野々果。
「棒立ちの敵はそこそこ見るけれど。」
「毎回、あっさり倒せたのは。」
「棒立ちが最弱の構えという訳ね。」

宇依。
「日本は太刀の徳と言いまして。」
「霊剣思想があります。」
「基本的な技としては。」
「相手の調子に乗らないで。」
「かえって相手の調子に逆らってこれを崩す。」
「一拍子の打。」
「一撃で敵をダウンさせる直線的な打撃。」
「両方の射程範囲に入った瞬間に。」
「思い切ってばっさりやらないと。」
「意外にも届きませんし。」
「勢いをつけて弾んで懐に入ると。」
「敵は激しく仰け反ります。」
「まずは基本戦法からです。」

星奈。
「組み付いている敵はもぐように離している。」
「自衛隊徒手格闘と似ている所がある。」
「転用できるのかしら。」

宇依。
「敵が仕掛けるのと同時に正面から当たります。」
「一度崩したら倒し切る。」
「一度で成功しない場合が多いですから。」
「それに力が先行すると正確さを失い。」
「粗雑となりますし。」
「素人がよくやる小刀きざみだけは練習してはいけません。」

野々果。
「よくある小刀きざみ。」
「ひたすら早く振るだけの剣は実戦では役に立たない。」
「ういちゃんの説明ナイスだわ。」

宇依。
「一度接近したら。」
「敵の武器に離れずに攻め立てます。」
「強敵に対しては強く張り出している所に当たることです。」
「敢えて相手のストロングポイントに仕掛けること。」

美萌沙。
「練習試合をやりたくなった。」

宇依。
「レイピアや日本刀もそうですけれど。」
「武器の重量と重心で飛び跳ねることは困難です。」
「次の動作ができないので。」

双葉。
「曲芸の剣術もあって。」
「魔法少女はよくやるけれど。」
「あれって武器の重さや重心を見極めているのね。」

宇依。
「相手を軸にサイドステップしつつ。」
「距離を保って相手のミスを誘うなど。」
「攻める時はさりげなく突き刺すのがレイピアの優良な展開です。」
「スペイン剣術は大抵、この戦法です。」
「実戦の中では余裕がないので。」
「試合みたいにはいきません。」

星奈。
「障害物を利用する場合もあるよね。」
「なるほど参考になる。」
「試合しようよ。」

宇依。
「わたしは監督になりますね。」

美萌沙。
「ういちゃん補正してね。」

試合が展開される。

日本刀は両手剣。

両利きの戦士がもっとも上手に扱える。

宇依。
「時には乱闘になりますが。」
「強敵相手には乱闘に持ち込んだ方が有利です。」
「相手の剣に打ち付けて。」
「下に押しこめると隙間が出来ますし。」
「一度で崩したり仕留めたりできないと思ったほうがいいですよ。」

星奈。
「剣術にも戦術があるんだね。」
「それを兵法と呼ぶの?」

宇依。
「剣術と兵法は別物のようです。」
「どちらも剣を使いますけれど。」
「白兵戦であるという意味は一貫しています。」

美萌沙。
「映画みたいなチャンバラってないよね?」
「アニメとかの剣技ってありえるの?」

宇依。
「実際の戦いは地味です。」
「いつの間にか刺さったり切り払ったり。」
「考える暇もなく倒れていきます。」
「激戦を想像するかもしれませんが。」
「目の前の敵を攻撃する時は。」
「日常の中に発生した火のように。」
「戦闘が繰り広げられます。」

星奈。
「どうやって向けるのかな。」
「木刀って難しい。」

野々果。
「ういさんの助言どおりに。」
「一回やってみれば?」

星奈。
「やってみる。」
「行くよ!」

美萌沙。
「おっと!押されちゃった。」
「倒れるところだった。」

宇依。
「崩したら倒し切らないと泥沼化します。」

妃菜。
「ガード固いですわ。」

野々果。
「連続攻撃を受け切りました。」
「ちょっと崩れなかったです。」
「これってどうすればいいの?」

宇依。
「一度、攻撃に失敗して。」
「防御しかしないのなら。」
「劣勢になっていきます。」
「防御一辺倒はいずれ負けますので。」
「そうなる前に次の動作まで見極めるわけです。」

妃菜。
「理論は簡単ですけれどー。」
「実践は一日で完成するものではないですわね。」

美琥。
「本格的に剣術を習ったけれど。」
「短刀に応用できるわ。」

妃菜。
「ひとりに時間をかけると次の敵が来てしまいます。」
「その時はういさんはどうします?」

宇依。
「常に一対一の勝負にはなりません。」
「時には多数を相手にする場合もありますので。」
「そのためには一対一に強くなくては始まらないのです。」

妃菜。
「秘策は一日で培われないってことですわね。」

宇依。
「剣を持っていることを手が忘れ。」
「剣が手で握られている事を忘れる。」
「そこまでに熟達すれば。」
「実戦で役に立ちますよ。」

レアル・マドリードが特別試合を組んで。

お楽しみモード。

大勢の観客と選手が入りますので。

国際空港からチームについていきます。

距離を取って防御力を強化するのです。

星奈。
「さりげなく潜入できるのが少女の強みです。」

美萌沙。
「せなちゃんとわたしは。」
「サポーターの中に紛れ込んでも違和感ないですね。」

妃菜。
「わたくしは後ろからスタッフの中に入りますわ。」

美琥。
「遠くから異変がないか見る役割。」

宇依。
「わたしが補佐します。」

野々果。
「面倒くさい手続きはけっこう得意です。」

双葉。
「わたしも得意だわ。」
「書類のミスで入国できなかったり。」
「よくあることですから。」

野々果。
「今回はないみたいです。」

民兵チームは散開。

選手とスタッフが入国。

国際航空から宿泊施設へ。

ここは先回りして様子を見て。

メンバーは交代しつつ。

一旦、集合。

野々果。
「AIを使って犯罪の予告がないか調べてみました。」
「今回はないですね。」

双葉。
「インターネット上の書き込みだけではなく。」
「周辺住民の様子もチェックしてたよ。」

妃菜。
「スタッフに溶け込んで。」
「次は試合会場をクリアリングしてきますね。」

試合は開催中。

とにかくクリアリングを怠らない。

野々果。
「警備員の増強というのは。」
「けっこう来る依頼ですし。」
「私達は戦闘力が高いので。」
「なにかあれば切り札になりますね。」

双葉。
「警察官が到着しない間に容疑者を捕獲したりね。」
「テロ予告されるとボーナスが期待できるし。」
「魔法使いも人口比率ではかなり低い人数。」
「貴重な人材はいろいろと求められるもんですね。」

美琥。
「もうすぐ試合終了よ。」
「今回のスケジュールは終了。」
「飛行機が飛び立った後でジュースでも飲みましょう。」

星奈。
「土曜日と日曜日しか出られないのが残念。」

美萌沙。
「最近は珍しく不審者が出ないよね。」

双葉。
「安くて強いので。」
「ミドルユーザーに雇われるのはいいけれど。」
「本職にすると給料の安さは厳しい。」

野々果。
「派遣社員や日雇い労働と同じですもんね。」
「大半の人は掛け持ちとか副業でやってますし。」
「汎用性に優れている分、需要があって。」
「使い勝手がいいですから。」
「依頼自体は途絶えませんが。」

美萌沙。
「女子小学生が戦場に出たりすると。」
「反対される場合もあるけれど。」
「戦果さえ出れば沈黙してくれます。」

星奈。
「少年兵と姿が重なるから?」

双葉。
「魔法少女って反対されるほど弱くないよ。」

妃菜。
「選手が試合を終えますが。」
「先回りして様子を見てきますわ。」
「後はレアル・マドリードの選手が帰るだけですし。」

星奈。
「不審物はなかったです。」

野々果。
「何か出てくる気配はないです。」
「試合が終わりました。」
「そろそろ警戒を強化です。」

試合終了と共に。

観客がスタジアムから出てくる。

入念にチェックしつつ。

選手村の宿泊施設に泊まっているメンバー。

数日後には日程を終えて岐路に立つ選手とスタッフ。

国際空港で飛行機が飛び去る。

妃菜。
「一定の需要がありますが。」
「今後、続けられるかわかりません。」

美琥。
「能力開発の手段としてこの仕事があると思う。」

美萌沙。
「実績を積んでいるけれど。」
「いろんなことを学びました。」

星奈。
「お金も貰えて。」
「実践で培われた技術が他にも応用できますし。」

双葉。
「給料がもっと上がれば最高だね。」

野々果。
「わたしたちは最高グレードには及びませんが。」
「けっこうイケてるチームですので。」
「まだ続けられると思います。」
「給料だけがなんともなりません。」

美琥。
「次の依頼があるけれど。」
「いつかは民兵の登録から離脱するかもしれないわ。」

妃菜。
「わたくしもそうなるかもしれませんわ。」
「需要が最高潮でしたので。」
「便乗したわけですの。」

双葉。
「ふたばさんはずっと現役になるよ。」
「チームが解散したとしても。」
「友人であることは変わらない。」

野々果。
「無論です。」
「ふたばさんの日程は午後から現場に入るそうなので。」
「今日は解散ですね。」

全員ハグやハイタッチで解散。

車で帰宅途中。

美琥。
「虚無主義ってなんですか?」
「どこにでも言われています。」

宇依。
「受け継いできたものを失って。」
「なんにもない状態のことです。」
「どれにも根拠や論拠を失っています。」
「これによって真実が覆い隠されました。」

美琥。
「事実が存在しなくなった世界ってことですね。」
「あるのは解釈だけ・・・という世界。」

宇依。
「変えていいものと。」
「変えてはいけないものがあるということです。」
「午後からフリースクールみたいですが。」
「少し疲労があるのでは。」

美琥。
「軽いメニューよ。」
「文字の読み書きと算術。」
「科学と理科。」
「医学。」
「教材を用意してもらっているから。」
「すぐ終わるよ。」

宇依。
「お待ちしています。」

ういちゃんは父・悠真からみこちゃんの様子を。

詳細に知らせてほしいと頼まれていて。

頻繁に様子や態度。

言動までチェックしています。

具体的な支援をするための予備知識で。

なにかあれば事前に用意したいらしいです。

拱手傍観はしない。

拱手傍観。
何もしないで、手をこまねいてそばで見ていること。
打つべき手を打たないこと。


既に二か月経過。

すっかり慣れてしまって。

謎のメイドさん。

抜群。


57


死命を制す。

相手の急所を押さえて運命を握ること。


みこちゃんの所へ。

綺麗な女の子が遊びに来ました。

かなり活躍した魔法少女で。

みこちゃんの幼馴染。

レナちゃんです。

美琥。
「ようこそレナちゃん。」
「なんか戦車壊したり。」
「敵小隊を薙ぎ倒したり。」
「やりたい放題らしいですよね。」

玲奈。
「なぜかそんな噂が立ってしまい。」
「偶然出現したターゲットを仕留めてきましたが。」
「第三者から見ると相当にクレイジーらしいですね。」

美琥。
「戦車と戦って破壊するとか。」
「超越的。」

玲奈。
「わたくしが破壊した訳ではありませんが。」

美琥。
「でもあなたの手柄になっているわよ。」

玲奈。
「なぜかそうなっています。」

乃依。
「レナちゃんは戦い慣れていますので。」
「自分の力を活用するのは容易でしたよ。」

美琥。
「あなた、意外に強いのね。」

玲奈。
「気が付くと相手が倒れているんです。」
「特別、押したり圧倒したりせず。」
「適当に暴れているとすぐそうなります。」
「大胆不敵なのでしょうか。」

美琥。
「勇猛なんでしょう。」
「戦場で暴れられたらたまったもんじゃない。」
「それで、何人倒したの?」

玲奈。
「倒した数をカウントできません。」
「勝手に倒れていくもんですから。」

美琥。
「怪傑かもしれないわ。」

宇依。
「魔法少女の中では凶悪なタイプかも?」

乃依。
「あら?わたしと似ていますが。」
「あなたはだれですか?」

宇依。
「誰でもない。」

乃依。
「誰でもない?」
「でもなぜか似ているんです。」

宇依。
「記憶喪失で、知り合いでしょうか?」

乃依。
「どこかで見たことあるわ。」
「わたしには妹がいるんだけれど。」
「名門の高校に通うからって。」
「遠くに行ってしまったっきりです。」

宇依。
「離れ離れですね。」
「その後、もちろん連絡とかは?」

乃依。
「ありませんね。」
「今、どこで何をしているのかすらも。」

宇依。
「魔法使いのようですが。」
「仲間ということはわかりました。」

乃依。
「あら?わたしの妹も魔法が使えるのよ。」
「超越的な力を持ちつつ。」
「華族に入らずに音信不通。」

宇依。
「それは残念無念。」
「家族とか、一度、巣立つと無縁になるもんですね。」

乃依。
「あなた、妹にそっくりだわ。」
「無論、もう5年も経過しているから。」
「どういうイメチェンしているか知らないけれど。」

宇依。
「わたしは身元すら分かりませんし。」
「世界にはそっくりさんが数人はいるとのこと。」
「証拠がない以上、接点とは断言できませんが。」
「本当によく似ていますね。」

乃依。
「もし、そうであるならば。」
「実家が農家で地主です。」
「両親に会えばわたしのことなんか簡単にわかります。」
「また機会がありましたら。」
「お話しましょう。」

宇依。
「喜んで。」

玲奈。
「CPGS。」
「通常兵器による全地球即時攻撃。」
「大金で購入した連中がミサイル発射しようと企んでいる噂。」

美琥。
「そうそう。」
「核兵器は使えない兵器だからと言って。」
「徹甲弾をばら撒くミサイル。」
「あれを仕入れたとかいう噂がある。」

玲奈。
「西ノ島と鳥後島になんかあるとか言われています。」
「ちょっと行ってみますか?」

美琥。
「それは賛成。」
「メンバー連れて行っていい?」

玲奈。
「そんなの造作もありません。」

数日後。

なんと飛行艇で出発。

どこでも発着できるためか。

小雪ちゃんが推薦したのであっさり通りましたね。

野々果。
「久々の大物でしょうか。」

妃菜。
「今回は民兵が相手でしょ?」
「そこら辺のテロリストとは違う筈よ。」
「そこまで危険な野郎を相手にするのは久しぶり。」

双葉。
「もし本当ならば。」
「貯金に回そうかな。」

美萌沙。
「強敵が出てくるんですか?」

星奈。
「これは苦戦しそう。」

玲奈。
「きちんと戦えれば仕留められますよ。」
「そもそも、本当にそんなものあるのかわかりませんが。」

美琥。
「この戦力で倒せるかも分からないし。」

宇依。
「君子は易に以って命を俟ち。」
「小人は険を行って以って幸を傲む。」
「仕事の姿勢についての言葉。」
「課長ならば課長を果たす。」
「これだけに力を注ぐ。」
「無謀な行動をして期待するような真似はしない。」
「君子は大儲けを狙って無謀な賭けには出ず。」
「小人は無駄に大きいものに手を出して危険に陥る。」

美琥。
「でも、仕留めたら功績が大きいわよ。」
「成功したら同じセリフは言えないわ。」

乃依。
「自戒しているんですよ。」
「自制心があればあるだけいいでしょう。」

美琥。
「あらまあ。」
「あなた、本当にういちゃんと似ていますね。」
「相性も抜群ですし。」

乃依。
「ういちゃん?妹の名前も同じですが。」

美琥。
「同姓同名?」
「あなた姉妹なの?」

乃依。
「十代後半に遠くへ行ってしまったので。」
「その後、姿もわからないのです。」
「可能性はあります。」

玲奈。
「探偵でも雇いましょうか?」
「記憶喪失みたいですが。」
「本人なのか確認が取れませんし。」
「今は保留しましょう。」

飛行艇は滑走路に着陸。

辺りを見回しても気配なし。

島内には目撃もなし。

無駄足?

観光も兼ねて捜索しますが。

敵兵の痕跡もありませんし。

レンタカーで走り回っても何もありません。

少し前に反乱軍の拠点がありましたが。

自衛隊に制圧されていなくなっていました。

小雪ちゃんの情報は外れたようです。


58


心を養うは寡欲より善きはなし。

孟子。

心を正しくまっすぐに育てるためには。

欲望を少なくするのがいちばんよい。

欲望の少ない人で、良心のない人はわずかである。

欲望の多い人で、良心のある人はわずかである。

宇依。
「欲望は減らせば減らすほど。」
「軽くなっていく。」
「いきなり放り投げることはできませんが。」
「少しずつ減らせば余裕も生まれます。」
「欲望をいかに最小限にできるかで。」
「健全に近づいていきます。」
「欲望を否定していない点に注意が必要です。」

野々果。
「欲望にはブレーキが通用しませんからね。」
「欲望は正当化が得意で。」
「ストーリーが完成しますと。」
「抑止力が消滅します。」
「欲望が多いと制御不能。」

美萌沙。
「無駄な欲望もあるんですね。」

星奈。
「必要なものだけ求めるんですか?」

宇依。
「禁欲に近いかもしれませんが。」
「欲望のレパートリーが出尽くしたら。」
「次は削減すればいいのです。」

星奈。
「手に入る訳がないモノを追いかける場合もありますからね。」
「手が届く理由がないのに手を伸ばす。」
「追いかけまわしてくたびれる。」

美萌沙。
「お嬢様がいると説得力が低下するような気がします。」

玲奈。
「わたくしの家は優れた質によって維持されてきました。」
「自分より優れている人物すら登用しましたから。」
「有能な人材なら余るほどです。」

美琥。
「わたしの家は江戸時代の藩主の末裔。」
「鉄斎二十則をベースとしていたり。」
「幼い頃から武士道を学ぶのが基本です。」
「そういう基盤がしっかりしているから。」
「理由がある繁栄な訳です。」

玲奈。
「わたくしも儒学書を読むのが習わしです。」
「理由がある地位なのです。」

宇依。
「明哲保身。」
「強者でも今度は維持するのが大変です。」
「強者にも悩みや心労はありますが。」
「弱者には認識できないみたいです。」
「余裕をかましていても。」
「実力と時運があるので勝ちやすい。」
「社会的弱者であっても。」
「弱さを逆手に取れば戦況はひっくり返ります。」

乃依。
「無謀にも大事業を始めてしまう若者が後を絶たない。」
「それよりも手が届く範囲で獲得に走るのが達人であって。」
「自分が弱者だと思ったら曲げてしまえばいいんです。」
「曲全とは。」
「直線的な生き方よりも曲線的な生き方をよしとする方針。」
「先頭に立つと危険は先頭にあるも。」
「後からついていくと安全に生きることができる。」
「弱者は自らの弱さを逆手にとることによって。」
「粘り強い逆転をはかる作戦でもある。」
「明哲保身は悪い意味で使われているも。」
「元々は身を保つ言葉で。」
「無事平穏に生き抜く処世術。」

美琥。
「少なくとも凡人よりは強い。」
「それだけでも出世の理由になりますが。」

妃菜。
「技量で立ち回る事も可能なんですって。」

双葉。
「芸能人とかを批判する人はいますよね。」
「実は、そこら辺の人よりは優れている点があるんです。」
「批判する割に、同じことをすると全くの無能だったり。」
「芸能人を妬む人は特に、芸で勝負すると全く軟弱。」
「富裕層や権力者も。」
「それ相応の理由があるもんです。」

妃菜。
「逆に言えば、ヘタレが富裕層や権力者は務まらないもんですわ。」
「逆に言えば・・ですよ?」

星奈。
「ほんとだ、逆算すれば。」
「その場所に入れば、務まらない場合がほとんどです。」

美萌沙。
「ザコを社長にすると潰れます。」
「地位や名誉を逆に考えますと。」
「ザコがそんなものに値しないとか。」
「凡愚よりは少しだけ優秀な人物にやらせたほうがマシだとか。」
「逆説的に言えばそういう意味だったんですね。」

玲奈。
「はじめてのニーチェ。」
「飛鳥新社。」
「適菜収さんがまとめました。」
「格言。」
「事実なるものは存在しない、ただ解釈があるだけだ。」

宇依。
「それ知っています。」

「世界は認識する者の視点により成り立っている。」
「すべての認識はパースペクティブ(遠近法)に基づき、個別の世界が発生するだけ。」
「客観的であると主張するのは。」
「結果論から見ると嘘です。」

玲奈。
「誰しもが争点を事実に絞りますが。」
「よく見ていると。」
「そもそも事実なんてありませんね。」
「自分の視点で真か偽か判定しているだけなので。」
「根本的な基準はどこにもありません。」

美萌沙。
「自分は事実を言っているとか多いのですが。」
「こちらからすれば事実ではないですし。」
「さらに他の人からも事実ではないです。」
「事実がひとつではない。」
「そうなると事実なんてありません。」
「事実を争点に口論しても無意味です。」

玲奈。
「他人は自分の解釈を言うだけですが。」
「私も自分の解釈を言いますし。」
「論点が事実でも解釈しか存在しませんので。」
「事実を求めても意味がありません。」
「事実を求めても意味あるんですか?」

双葉。
「ニーチェは我々の時代について書き記した。」

野々果。
「私は現代思想を破壊するニヒリストなので。」
「そういう話好きです。」


黒羽。
「神様は人間を救いたいと思っていた。」
「だから、手を差し伸べた。」
「でもそのたびに、人間の中から邪魔者が現れた。」

玲奈。
久しぶりです。」
「味方に引き入れられたんですね。」

黒羽。
「兵法には離反者や敗残兵を登用せよとある。」
「三国志の曹操は敵であっても。」
「有能な人材は登用したからね。」
「そういうことらしい。」

玲奈。
「というわけで本日の切り込み役です。」
「何か情報持っていますか?」


黒羽。
「小雪ちゃんの噂話でやってきたので。」
「知らんがな。」


ちょうど近くを。

変な人が通り過ぎていくので。

後を追うことに。

弾道ミサイル車両。

CPGPの部隊を発見。

なんと後から到着した連中で。

作戦が漏えいして小雪ちゃんが噂として処理した模様。

敵兵は十人しかいないようで。

美琥ちゃんが攻撃位置につきます。

さっさと仕掛けたのは黒羽。

先制攻撃で。

敵をなぎ倒していく。


戦闘はあっけないものでした。

一斉攻撃で十人は一気になぎ倒されて。

捕虜にすると。

抵抗する士官をレーザーで射抜いて気絶させます。

激しい銃撃戦の中。

単騎で敵の将校や士官のいる建物に乗り込んでいった黒羽。

黒羽。
「クソが! 雑兵だらけか、ここは! どうなんだ、テメエは!?」

凪。
「クソ傭兵が!ブッ殺してやる!」

黒羽。
「会いたかったよ!なぎ!」

颯真。
「す・・・ぶす・・・つぶす・・・。」
「潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す潰す。」

黒羽。
「感動の再会だよね!そうま!」

次々と敵は倒されて。

黒羽はやりたい放題。

士官と敵兵数人を制圧する。

凄まじい精度の射撃と攻撃スピードで歩兵が次々と倒されて。

あっという間にミサイル車両を鹵獲。

乃依。
「ここはやっぱりブラックアウトボム。」
「電磁パルス兵器の試作品。」
「兵器が相手になるだろうと思っていたけれど。」
「勘が良かったわ。」

野々果。
「制圧完了。」

美琥。
「思ったより弱いのね・・・・。」

美萌沙。
「ライフルではブロックを突破できないから。」
「軍刀を使う人もいましたよ。」

妃菜。
「あら?ズタボロじゃない。」
「やりすぎたかしら?」

颯真。
「お気の毒な母上。」
「どうして私を生んでくださったのです。」
「非業の死を遂げるためですか?」
「おお、我々には嘆きしかない。」

凪。
「きっと、生まれて、苦労するため。」


黒羽。
「反出生主義は創造論のモデルで考察すると。」
「大変に合理的なのですよ。」
「世界と社会にはキャパシティ(最大容量)があらかじめ設定されており。」
「これを超過すれば様々な不具合が生じる。」
「世界は調和するように創られていますから。」
「破壊したり乱したりする人間の行為は歪ませられ。」
「最後には崩壊するように調整されているものです。」
「現在は既に超過した状態にあるため。」
「いろんな障害や災害。」
「不妊や男女の避妊。」
「それらに抵抗する無駄な工作。」
「人間の悪徳を達成する難易度の低下。」
「人が死にやすい状況の発生。」
「いろんな思想によって。」
「人が生きることのできない不具合。」
「住めないし生活もできない環境に陥りますが。」
「最初からそうなっている世界を。」
「人間がそうとは知らずに犯してしまった。」
「ならば出生が忌避されるのは当然。」

玲奈。
「神様が創造した霊魂も数に限りがあります。」
「人口が増えれば神様も即席で霊魂を作るしかないので。」
「それをさせないためにゼウスが人間の数を間引いたように。」
「人間を減らしたり悪い状態にする。」
「反出生主義は創造論からすれば秩序と調和を回復する結果になります。」

黒羽。
「生き辛いとか辛い社会とかは創造論から検証すれば。」
「それ以上の人間の行動を押さえつけて圧力を加えて。」
「世界を維持するようなプロセスなのです。」
「創造論を採用すれば反出生主義は推奨されていますし。」
「進化論からの目線も論理的かつ合理的ですので。」
「創造論からの目線では、反出生主義は神様が下した判決です。」

野々果。
「敵全滅です。」


双葉。
「残党は確認できません。」


玲奈。
「私達はお手柄ですね。」
「自衛隊の到着には時間が必要です。」
「のいさんがブラックアウトボムで破壊していますので。」
「壊したら飛行艇で立ち去りましょう。」
「対空戦車でも居たら厄介ですし。」

黒羽。
「援軍到着まで現場は貰うよ。」


ミサイル車両は電磁パルス兵器を食らって。

電子回路がショートしてボロボロ。

使い物になりません。

これで一応は破壊。

急ぎ足で飛行艇で立ち去りますと。

小雪ちゃんが忙しくなりました。

民兵チームは賞金が入って潤いましたし。

レナちゃんはジョーカーとして知られていくようになります。

レナちゃんは15歳になりましたが。

戦死したら元も子もないので。

小雪ちゃんの噂話はこれっきりです。

宇依ちゃんは自分とよく似た乃依ちゃんを見て。

謎めいた自分を鏡で見ています。


59


雰囲気が良い日曜日。

しれっと。

父・悠真の友人が。

観光で見かけた素敵な女性。

そっくりそのままだと目撃証言。

父・悠真は探偵を動員して調べさせました。

三週間経過。

離島で働いていた観光ガイドで。

捜索願が出されたばかり。

カメラに映っているのはまさしくういです。

父・悠真。
「あなたの正体が判明しました。」
「八丈島の観光ガイドで。」
「両親は農家で・・・。」
「現在はキャンプ場を経営している地主です。」
「あとは資料の通り。」
「借家が放置されていると。」

宇依。
「あらまあ!しれっと判明したのですね。」

父・悠真。
「魔法が使える女性で。」
「あそこでは反政府軍の部隊が潜んでいて。」
「しばらく前に解散し。」
「世界各地に散らばったとか。」
「でも、メンバーではありませんよ。」

宇依。
「意外です。」
「自分の事を知るようになって。」
「勝手が違うのはなぜか?」
「そういうことだったんですね。」

父・悠真。
「別に止めはしませんが。」

宇依。
「はい、必ず戻ってきます。」
「記憶を取り戻して。」

翌日。

与那国空港に行くために乗車。

美琥。
「お姉ちゃん、しばらく会えないね。」

宇依。
「長くて一か月くらいでしょう。」
「片づけて来ます。」

出発。

飛行機で与那国空港に着陸。

同僚がお出迎え。

凌市。
「本当になにも覚えてないのかい?」

那美。
「わたしのことも記憶にない?」

宇依。
「ごめんなさい。」
「流れ着いた前の記憶はありません。」
「借家が私の手がかりです。」

那美。
「案内してあげる。」

凌市。
「大変な目に遇ったなあ。」
「でも、無事でなにより。」

自宅を開ける。

そもそも鍵が特殊。

中には自分の手記と日記が大量に保管されていて。

これだ!と思い。

読みふける。

食事は同僚が手配してくれるので。

そのまま読み進める。

記憶が戻ってきて。

夜のバーベキューに出席した際。

ほとんどを思い出していました。

宇依。
「間一髪だわ。」
「死にかけた。」

那美。
「あんなのに巻き込まれたから。」
「さすがのういちゃんでも難しいのよ。」

凌市。
「でも、記憶の大半が戻ったから。」
「結果が良いってことでいい?」

宇依。
「どんなことやっても結果が同じ場合があります。」
「同じ結果になるのなら。」
「過程はどうでもいいのでは。」

那美。
「いつものういちゃんに戻って良かった。」

凌市。
「いつもの素敵なういちゃんだよ。」

宇依。
「あれ?付き合っているのでは?」

那美。
「そうだよー。」

凌市。
「なみちゃんが居る前でういちゃんを語るのは・・・。」

那美。
「成り行きでりょういちさんと恋仲です。」

宇依。
「中々、いいじゃないですか。」
「わたしは荷物をまとめたら。」
「両親に会ってきます。」

凌市。
「いつでも戻ってきて。」

那美。
「どちらを選ぶにしろ。」
「ういちゃん次第だから。」

宇依。
「もう決まっているみたいです。」
「業者に手配しますね。」

数日後。

戦果記録。

反政府軍の部隊が落武者となって。

与那国島に流れ着いた。

兵員不足でテロ支援国家に援軍を要請すると。

すぐに引き上げる準備が出来たが。

ういちゃんが魔法を使える女性であると。

島民から盗んだ情報を元に。

ういちゃんに迫った。

強引に連れて行こうとする反政府軍は有名な男性で。

顔を見られていたから。

引き返せない。

拒むういちゃんを拉致しようとするも。

反政府軍20人中8人を殺されて。

発狂した落武者に追い回され。

嵐の中逃げ続けて。

偶然。

流れてきた小舟に飛び乗って。

持っている薬類をすべて投与。

自決しようとした。

この後、天候が凄いことになり。

落武者の船も捜索に出られなかった。

船には仕掛けがあったようで。

みこちゃんの所へ流れ着く。

帰りの飛行機で昼寝をしたら。

夢の中ですべてを思い出し。

これでいいのかと。

みこちゃんの所へリターン。

すぐに自分の両親の元に行き。

現状把握。

探偵の言うには山間部の農家。

牧場バルジの中に入り。

ちょうど休憩中だったので。

宇依。
「多分久しぶりです。」

父・満男。
「ういではないか!」
「なんか酷い目に遭ったと聞いた。」
「無事か?怪我はないか?」

宇依。
「睡眠薬と酒類をたっぷり食らって。」
「遭難しただけです。」
「今は元気ですよ?」

母・静江。
「それは大変な!」
「よく無事に戻ってきてくれました。」

弟・明訓。
「お姉ちゃん普通に生きている。」
「お姉ちゃんは普通の女性ではないから。」
「そんなことも平気なんじゃない?」

宇依。
「蛙の面に水。」
「ってなわけで。」
「新しい仕事に就きまして。」
「記憶復旧したらこうなっていました。」
「名刺貰っています。」

父・満男。
「この方はあそこら辺でスーパーマンやっているお偉いさんだね。」

弟・明訓。
「引き継いだ事業をさらに進化させた実力者。」

宇依。
「そんなスケールだったんですね。」

母・静江。
「いい仕事貰えて良かったじゃない。」
「気を抜かずに活用しなさいよ。」

宇依。
「わたしはニューバージョンです!!」

いろいろ話して。

邸宅に戻ってきました。

美琥。
「お帰り!」
「知ってた?」

宇依。
「なにがありました?」

美琥。
「家母長制・存続には。」
「ういちゃんが養女になって。」
「わたしのお姉さんになるのがいいかもって話があって。」

宇依。
「姉妹みたいな関係ですし。」
「そうなるのも自然かもしれませんね。」
「悠真さんも好人物ですし。」
「噂になってますよ。」

美琥。
「第三者から見て好人物だったんだ。」
「お姉ちゃんもそう思うんだ。」

宇依。
「ああ見えて。」
「連戦連勝で勝ち取ってきたすべて。」
「中には敗北もあったとのことですが。」
「なんとか這い上がって。」
「その繰り返し。」
「培われた人物です。」

美琥。
「やっぱりお姉ちゃん大好き。」
「今日も一緒に寝よ。」

宇依。
「喜んで。」
「前の観光ガイドを辞職してしまいました。」
「ストレートで大学キャリアから就職しましたが。」
「こっちの方がいいみたいです。」
「さようなら。」
「辞表は今でも覚えています。」
「つい最近の出来事です。」

美琥。
「記憶戻ったんだ。」
「これでいろんなことが聞けるね。」
「まずは休息してね。」
「リターンしてくれて良かったあ。」
「寂しかったし。」

宇依。
「只今です。」


この世の中に。

偽りの。

嘘つきの。

世界の。

ねぇ明かしてよ。

この世の偽りをすべてを。

ねぇ伝えてよ。

この世の偽りをすべてを。

ずっと。

信じられない嘘に囲まれ。

だから嘘つきは拒むから。

明らかにしてよ。

ずっと信じていた。

この世の中の嘘つきを。

ずっと信じていた。


ただ生まれ落ちて。

偽り。

偽りの中へ。

いつまでも。

ああ。

いつまでも偽りの中で。

いつまでも。

ああ。

いつまでも偽りの。

出られない偽りの。

真実の姿は鏡に映り。

出られない。

偽りに囚われ。


生まれ落ちて。

偽りの中へ。

この世の中の偽りへ。

生まれ落ちて。

悲しい。

歩みへと。

終わりはない。

歩みへと。

終わりは来て。

告げる。


夢よ。

永遠の夢よ。

そこに現れて。

夢よ。

希望。

永遠の中に。

ファヌエル、希望もたらす天使。

希望。

もたらす天使。

この世のどこから出してきて。

希望を伝える天使は。

どこからも出してきて。

神の希望を届ける天使。

希望を司る天使。

ファヌエルの名前を呼ぶ。

ただ、ファヌエルの名を呼ぶ。

この世のどこからも希望を届け。

神のしもべの天使。

どこからも神の意思を届けて。

ファヌエルの力を。

この世のどこまで。

ファヌエルの力は。

揺るぎない真理。

ファヌエルの希望は無敵だから。

ファヌエルの希望は不死身で。

ファヌエルの希望は、偽りがない誠で。

ファヌエルがもたらす希望を。


美琥ちゃんイメージ。


マルチーズ犬と驢馬を飼う人がいたが、遊ぶのはいつも犬とばかり。

余所で食事をした時にはお土産を持ち帰り。

尻尾を振って迎えに出る犬に投げてやる。

驢馬がこれを羨んで。

主人に駆け寄ると。

飛び跳ねて、蹴ってしまった。

頭に来た主人は驢馬を叩きのめし。

飼葉桶につないでしまった。

万人が生まれつき万事に適しているわけではないことを。

この話は解き明かしている。



60


あまのじゃく(天の邪・鬼)

何でもわざと人にさからった行動をする性格。

また、そのようなひと。


富士山の近く。

夕日が照らす別荘地。

年頃の女の子が男性をこき使ってみたくなり。

呼び出した。

久々利(くくり)。
「この家の中のネズミはすべて殺してください。」
「ただし、この家の中のネズミは必ず殺してはなりません。」

しもべ。
「気絶させたりして。」
「運び出せばいいのか?」
「不可能です。」

久々利。
「実行せよ。」

しもべ。
「どうしようもないので。」
「麻酔銃でも借りてきますよ。」

使いの男性は知り合いの狩人から麻酔銃を借りてきて。

ネズミを探したが。

痕跡すらない。

その夜、念入りに罠を仕掛けたが。

ネズミどころか虫さえいない。

しもべ。
「どうしたものか。」
「使い走りとは言え・・・。」

久々利。
「なぜパラドックスに気付けない?」

ネズミは居なかった。

翌日。

しもべ。
「お嬢様。」
「ネズミを探した所。」
「現在の所はいません。」

久々利。
「それはそうだもの。」
「最初からこの家にはネズミが一匹もいないから。」

しもべ。
「は?」

久々利。
「結果論としてあなたは依頼を達成した。」
「素晴らしいわ。」
「男性はレベルが高くて使いやすい。」

しもべ。
「なんと・・・。」
「無理難題かと思って途方に暮れていました。」
「面白い体験でしたなあ。」
「また申し付けください。」

次女がようやく寝室から登場。

ネットゲームで好成績を上げたからと。

ジュースで乾杯。

咲耶(さくや)
「頭脳プレーに弱いのは。」
「ゲームって経験がすべてだから。」
「単純にプレイ時間が物を言うのよね。」
「戦術でハメると余裕。」

久々利。
「フットボールと違って才能とかゲームには必要ないですから。」
「本能的に戦うだけで決着がついてますし。」

咲耶。
「バトルフィールド終期に参加した時に。」
「一か月で階級制限なしの高レベルプレイヤーを。」
「ほとんど一方的に仕留めてたわ。」
「ハンヴィーを目の前に停車させて。」
「いよいよ相手のロケットを撃たせて。」
「かわしてからかったりした。」

久々利。
「えー?何年もやっているプレイヤーなのに?」

咲耶。
「大人も混ざってた。」
「前線に出た私の一台に名だたるプレイヤーが苦戦し。」
「散らして私は逃げた。」
「そのまま試合が終わったりしてね。」
「普通、他のプレイヤーが布陣しない場所にいるだけで撃破数が増えるし。」
「ビークルは目の前の対戦車ロケットを40パーセントの確率で。」
「直撃なのに避けたりして。」
「相手が焦って先読みを試みたり。」
「相手プレイヤーがやられ役だったわ。」
「一度も死なずに25人を撃破した試合もあったけれど。」
「デジカメが間に合わなかったから記録にはない。」

久々利。
「それじゃあ何年もやっているプレイヤーが馬鹿みたいじゃない。」
「そんなに快進撃が続いたの?」

咲耶。
「やられる時にはやられますよ。」
「待ち伏せしていれば勝手に撃破数も増えますし。」
「有利な位置で向こうから突っ込んで来れば倒せます。」

久々利。
「ゲームも所詮はお遊びで。」
「マジになってやるもんじゃないね。」

咲耶。
「本気でやるのは都市開発シュミレーションだけだわ。」
「eスポーツに関しては軽蔑しているけれど。」

久々利。
「そろそろ母上が来るので。」
「呼びに来たところ。」

咲耶。
「ゲームも飽きたし。」
「柴犬と遊びたいわ。」

久々利。
「軍事専門誌とかどう?」

咲耶。
「なにそれ見たい。」

久々利。
「書庫にたくさんあった。」
「専門家編集。」

書庫の扉が開かれると。

さほが読書中。

本棚が薄い本で埋まっていて驚いた。

久々利。
「なんじゃこりぁ!!」

佐保(さほ)
「未成年はダメよ?」

咲耶。
「逆に言えば大人が見るものではないのでは?」
「精神年齢としては。」

佐保。
「そんな馬鹿な!!」
「大衆の慰安と禁断の趣向品よ!」

久々利。
「趣向品ならそうなんでしょう。」

咲耶。
「お姉様、いっぱい集めましたね。」
「女性用のエロ本とかあるんですね。」

佐保。
「別荘が私名義になるらしいから。」
「保管庫にしているの。」
「未成年が見える場所に置いてしまったわ。」

咲耶。
「どうせ年頃でえろーいとか言っておいて。」
「最後には見てるもんでしょ。」

久々利。
「男の子とかえろーいとか言っておいて。」
「結局、最後には手を出すでしょ?」

佐保。
「見てみる?」

咲耶。
「なにがしたいのかわからない登場人物ばかり出るけれどなぜ?」

佐保。
「現実の人間がそもそも何がしたいのかわからない。」
「を模写したものと思われます。」

久々利。
「納得。」

佐保。
「所で、レナっていう女の子がイケてるらしいの。」
「ちょっといいことしたい。」

咲耶。
「そのレナっていう女の子の彼女。」
「アカリっていう女の子が好き。」
「アイドルやってたし。」

久々利。
「レナっていう女の子の元カレで。」
「みこちゃんがいる。」
「取りたいな。」

佐保。
「じゃあ呼んでみる?」

久々利。
「心残りを消してあげよう・・・ふふふ。」

咲耶。
「うまく行けばそれぞれの女の子を物に出来ますね。」

佐保。
「さあ?思惑がうまく行った試しは少ないものです。」
「あわよくば離れさせてそれぞれの物にしてやるー。」

母親が出現。

小牧(こまき)
「なにやら怠っている部分はありませんか?」

佐保。
「順調過ぎて最高です。」

小牧。
「あら?その本は?」
「私の時代とは違いますね。」

佐保。
「流行ってどこの時代にもあったでしょう。」

小牧。
「いいですね。」
「具体的な進路を言ってくれると物事が容易です。」
「なにかあったら言いなさいよ。」

佐保。
「人を招待したい。」

小牧。
「おや?交友ですか、いいですね。」
「後で計画書でも持ってきてください。」
「勉強ばかりしているとダメになりますからね。」

咲耶。
「ゲーム課金していい?」

小牧。
「あなたにはゲームで勝てないので。」
「なにも言えませんが。」
「やめておいたほうがいいでしょう。」

久々利。
「暴漢ぶっ殺しに出かけていい?」

小牧。
「どっちが暴漢なのかわかりませんよ!」

佐保。
「薄い本もっと欲しい。」

小牧。
「私の言いなりになれ。」
「しかし。」
「この命令に従うな。」

佐保。
「その命令には従うこともできない。」
「従うことも逆らうこともできない命令。」

小牧。
「大宮家は氏子と神職の家系。」
「大宮比売命様の侍女から始まりました。」
「それだけは変えてはいけません。」

母親立ち去る。

通りすがりの父親。

岳(がく)
「女性は感情的な思考をするのだよ。」
「心理学ではこう説明される。」
「女性に論理的な思考は難しい。」
「なににしろ感情論。」
「それでもって主観的。」
「色欲でさえ自分がなにされているかわからない。」

佐保。
「メタ認知ですか?」
「女性は苦手ですもんね。」

岳。
「甘やかすと不具合がある。」
「しかし厳しくても不具合がある。」
「まあ中間を取ることだよ。」
「さほが母になるのであれば。」

佐保。
「期待するべきではない。」

岳。
「あとね。」
「私のこの発言はウソでありうる。」

父親立ち去る。

久々利。
「問題集でもやる?」

咲耶。
「それでは好感度稼ぎをしているだけでは?」

佐保。
「お姉さんが教えてあげる。」
「決して解くことのできない問題とはどんな問題ですか?」

咲耶。
「そんな問題は存在しない。」

久々利。
「存在しない問題は解くことができないので。」
「どちらにせよその問題は決して解くことができない。」

佐保。
「そもそも問題が無かったことを明らかにしよう。」
「暴こうよ。」
「ヴィトゲンシュタインの哲学です。」
「ちょっと面白いですね。」

咲耶。
「妹ちゃんなにかやって。」

久々利。
「何かが起こるでしょう。」
「何かが起こらないでしょう。」
「雨が降るか降らないかどちらかでしょう。」

咲耶。
「どう転んでも本当のことになるじゃん。」

佐保。
「禁断の橋に行ってみようよ。」

別荘の奥地に。

森と小山がある富士山の近く。

ここには何の用事で通るか。

なぜ橋を渡りたいのか。

聖像に申告してから渡らないといけません。

そうしないと呪われてしまうとの言い伝えがあります。

もちろん、橋の先には崩壊した洞窟しかありませんが。

久々利。
「呪術師が遊びで作らせた古代の橋じゃん。」
「近寄らないほうがいいのに。」

咲耶。
「それで?どうすんの?」

佐保。
「聖像に述べます。」
「では、わたしの用事は呪われる為です。」

聖像が爆発!

粉後になってしまいました。

久々利。
「うわっ!」
「自分が破られたから自爆した!」

佐保。
「通りますねー。」

二体目の聖像が途中にあって。

小さくて見落としていた。

看板には。

これから身に起こる事を言い当てろ。

これが合っていれば通り抜けてもいい。

違っていればただちに死亡する。

咲耶。
「やばっ!さほ姉しくじった。」

佐保。
「では、私の身に起こることは死んでしまうことです。」

二体目の聖像も自爆!

橋がいきなり崩れだしたので。

通り抜けて。

宝箱から銀貨を取り出すと。

急いで戻りました。

ひび割れて。

そのうち全損するでしょう。

咲耶。
「やるじゃん。」

久々利。
「かっこいい女。」

佐保。
「おっほほー。」

帰宅。

小牧。
「なにか崩壊したようですが。」

咲耶。
「橋が勝手に壊れたらしい。」

小牧。
「どうやら巻き込まれなかったようですね。」

久々利。
「さほ姉が銀貨持っている。」

小牧。
「それで薄い本とやらを買いなさいよ。」

咲耶。
「課金は?」

小牧。
「もうすぐ福沢諭吉が来訪しますので。」
「その時にあげます。」

咲耶。
「自由に課金したい。」

久々利。
「それを聞くと。」
「自由っていいのかよくないのか。」
「観察してわかったのですが。」

佐保。
「自由を尊重する社会は。」
「人の自由を奪う自由も尊重されるべき。」

小牧。
「もしいかなる自由も尊重するならば。」
「人の自由を奪う自由や。」
「自分の自由を奪う自由。」
「自由を否定する自由も尊重しなければならない。」
「どう転んでも尊重であるには変わりないですね。」

佐保。
「自由って危険かも?」

小牧。
「人は服従と調和の生き物ですし。」
「権威に服従しない人間は生き物ではない。」
「調和しない人間も生き物ではない。」

佐保。
「っていうわけでコミケの準備しますね。」
「換金しないと。」

小牧。
「私のこの発言はホントでありえない。」

久々利が叫んだ。

さっきから言っているのは・・・パラドックスです。

矛盾しています。



61


水に書く。

努力が無駄になることを言う。

水に種を撒く。

というバージョンもある。


女の子三人組が訪問。

佐保。
「いらっしゃい。」

玲奈。
「メガネお姉さんです!」
「メガネですよ!メガネ!」

美琥。
「メガネっておしゃれアイテムなの?」

朱莉。
「レナちゃんの趣味でしょう。」

咲耶。
「しばらくぶりね。」
「また綺麗になった。」

朱莉。
「まあ当然よ。」

久々利。
「みこちゃん。」
「前とは雰囲気が違うよね。」
「なんかパワーアップしたとか?」

美琥。
「ええ・・・女の子マニアが・・・。」

久々利。
「女性マニア?私はどうよ?」

美琥。
「あなたは悪くないわ。」
「観察してみたい。」

久々利。
「じゃあこっちへおいで。」

みこちゃんとくくりちゃんが退出。

咲耶。
「んで。」
「いい洋服を仕入れたよ。」
「サイズ同じでしょ?」
「着てみなよ。」

朱莉。
「なんていう僥倖。」

さくやちゃんとあかりちゃんも退出。

佐保。
「ずっと見ていたいですか?」

玲奈。
「見ていたいです。」
「美人女性でメガネは珍しいので。」

佐保。
「あらまあ。」
「部屋にいらっしゃい。」

とある部屋。

けっこう奥の方。

美琥。
「うぐっ!!」

久々利。
「レナちゃんの事がまだ残ってるでしょ?」

美琥。
「魔法マニアじゃなかったの?」
「女の子に手を出すなんて。」

久々利。
「男性より女性が好きだからね。」
「ちょうど素敵な女の子がいて。」

美琥。
「うわっ!ちょっと・・・やめ!」

久々利ちゃんが美琥ちゃんを襲って。

押し倒してキス。

抱きしめられた。

美琥。
「別にけっこういいけれど・・・。」

久々利。
「どう?けっこう美味しいよ。」

美琥。
「一度はされてみたかった。」

久々利。
「私のこと・・・。」

美琥。
「いい機会だと思っているわ。」
「レナちゃんは残念だけれど。」
「ククリちゃん。」
「あなたでもいい。」

久々利。
「いいの?」

美琥。
「良い女の子だし。」

もう一回キスされる。

美琥。
「強姦されたわ。」

久々利。
「にしては喜んでいるようですが・・・。」

美琥。
「女の子に強姦されてみたくて。」
「ふたりきりになれて良かった。」
「別にあなたとカップルになってもいいわよ。」
「本当は好きだし。」

久々利。
「なんだか見ているうちに吸い込まれていくような感覚。」
「もうだめです。」

美琥ちゃん抱きしめられた。

別の部屋では・・・・。

咲耶。
「ロリータ似合うよね。」

朱莉。
「でしょー。」
「所で覗かないで欲しい。」

咲耶。
「興味あるし。」

朱莉。
「そういうつもりなら。」
「レナちゃんがどう思うかな。」
「いかがわしい行為で戯れた仲だから。」
「簡単には余所の娘とは遊べない。」

咲耶。
「でも、いい顔してる。」
「レナちゃんに限定されてはいないのでは?」

朱莉。
「否定しないわ。」

咲耶。
「一緒にお昼寝しよ。」

朱莉。
「小さい頃からの恒例行事になったわね。」

一緒にベッドに入ると。

いろいろされた。

朱莉。
「わっ!なにすんの?」

咲耶。
「色っぽいよ!」
「なにしてたの?」

朱莉。
「これがあかりんなのです。」

咲耶。
「うー!変なことして攻めても物に出来ないかあ。」

朱莉。
「レナちゃんの方が正確無比なのよ。」
「そんなふうに適当にやらないわ。」
「きゃあ!」

咲耶。
「どう?」

朱莉。
「手当たり次第に漁らないでよ!」
「変態!」

咲耶。
「うー!失敗!」

さらには別の部屋。

ソファーで隣に座って誘惑。

佐保。
「年上に興味ある?」

玲奈。
「とても好奇心旺盛です。」

佐保。
「ならばおいで。」

強引に抱きしめる。

頭ナデナデ。

玲奈。
「年上はヤバイです。」
「無茶です。」

佐保。
「そのまま動かないでね。」

スカートの中に手を入れられましたが。

青ざめたレナちゃん気絶。

佐保。
「キャー!大丈夫!?」

咲耶。
「どうした!?さほ姉様。」

久々利。
「なにがあった・・・・ってうわあ!!」
「病人!?」

佐保。
「一緒に遊んでいたら急に気絶して・・・・。」

乃依。
「なにかありました?」
「あらまあ!気絶!?」

佐保。
「死んでないよね!?」

朱莉。
「レナちゃん!起きないとキスするぞ!」

咲耶。
「うわあ!寝とれなかった・・・ぐふっ!」

乃依。
「キャー!二人目!」

佐保。
「どうしたさくやー!」

手を繋いで登場。

正面で手を合わせて。

久々利。
「どうしよう気絶だって。」

美琥。
「危ない交流会だったんでしょうよ。」

レナちゃんとサクヤちゃんが復活。

玲奈。
「迫らないでください。」
「深夜にモデルやアイドルを観て。」
「発狂しているのを知らないんですか。」
「好みの女性が目の前にいたらそれはマズイですよ。」

佐保。
「それは知りませんでした・・・。」

咲耶。
「私は軽傷だわ。」

乃依。
「無事でなによりです。」
「所で、何が原因ですか?」
「まだ病院が空いている時間ですけれど。」

久々利。
「熱中症だと思われます。」

美琥。
「持病があるのでは。」

乃依。
「それは大変!明日にでも病院で診てもらいましょう!」
「かかりつけ医は・・・。」

宇依。
「お姉ちゃん漢方薬でいいと思われる。」
「ストックの中から症状に合ったもので急場しのぎを。」

乃依。
「それはいいですね。」
「お姉ちゃん?」

宇依。
「らしいです。」

乃依。
「なるほど。」
「まずレナちゃんの回復を待ちます。」

宇依。
「みこちゃん。」
「男の子と一緒にならなくて良かったです。」
「ろくなことないですから。」

美琥。
「え?」

久々利。
「ふたりが安定したら。」
「人形作って的にして弓道やろうよ。」
「紙吹雪でもやる?」

美琥。
「貝殻合わせがしたいわ。」

久々利。
「揃っているよ。」
「所で、本当に深夜。」
「モデルやアイドルを見て発狂しているの?」

玲奈。
「多分そうでしょう。」

久々利。
「それわかるわ。」

咲耶。
「うっ!ポータブルハードディスク。」
「置き忘れていた・・・。」

佐保。
「中に何が入っているの?」
「早く回収すれば?」

朱莉。
「すごいものが入っているよ。」
「下着でもコレクションするの?」
「珍しい趣味ね。」

咲耶。
「それ以上は言うなー!!」

岳。
「女の園か・・・。」
「それを守るナイトになりたい。」
「黄金の鎧を身に纏い。」
「美しい剣で白馬に乗り。」
「時に拳で暴漢を倒す。」

小牧。
「どっかのアニメみたいなこと言わないで。」
「客人がとんでもないことになってます。」
「収拾つけて。」

岳。
「多数派の犠牲の方が好まれる。」
「そして少数の田園が築かれる。」
「おお!理想郷はこのようにして?」

小牧。
「悪役が勝利する映画やアニメとか漫画は残念ながらありませんよ。」
「勧善懲悪マンばかりですから。」

岳。
「逆に勧善懲悪が破壊される漫画を読みたいものだ。」
「ん?これは何の本かな?」

小牧。
「それはやめなさい。」

佐保。
「あっ!男子禁制です。」

岳。
「ギャアアアアア!ソドミー!・・・・・・・・。」

気絶者がまた出た。

三姉妹のチャレンジ失敗。


大きい犠牲のほうが。

小さい犠牲よりも好まれる。

フリードリッヒ・ニーチェ。



62


水掛け論。

ニワトリと、ニワトリの卵とはどちらが先だろうか。


キャンプ場が閉鎖になって。

なんでも怪奇事件がありまして。

原因を突き止めに入ることに。

玲奈。
「今日はキャンプ場で探検ですが。」
「普通にトンデモ野郎がいるので注意とのことです。」

美琥。
「倒していいのよ。」

宇依。
「幻影が相手ですよ。」

佐保。
「戦闘は苦手なんです。」
「支援に回りますよ。」

玲奈。
「頼みます。」

寧々夢。
「切り込み隊長です。」

百合花。
「索敵担当です。」

朱莉。
「先頭がレナちゃんだから狙われそう。」

佐保。
「そうですよね。」
「可憐な女の子って狙われますよね。」
「あれ?」

久々利。
「ふざけてないでターゲットを探しましょうよ。」

咲耶。
「こっちは特注品を持ってきたから。」

ガレー船のオール。

これはぶつけるとかなりの打撃になる。

しかも合法の武器。

大型で持ち運びに適さない分。

ハンマーや大剣を上回る衝撃を相手に加える。

玲奈。
「これは素晴らしい。」
「でも、敵がどの程度の数で。」
「戦闘力なんてわかりませんので。」
「情報収集からです。」

キャンプ場。

お互いの距離を一定に保って散策。

寧々夢。
「先制発見されたにゃ。」

百合花。
「なにかいますよ。」
「影?」

朱莉。
「あれま?奇襲されるの?」

玲奈。
「どこの方向ですか?」

寧々夢。
「約500メートル先。」
「3時の方角だにゃ。」
「相手は逃げたにゃー。」

百合花。
「水道施設の方です。」
「遮蔽物が多いので。」
「隠れやすいみたいですよ。」

咲耶。
「逃げても無駄です。」
「さらし首にしてやるー。」

久々利。
「相手が自分より強かったらどうすんの。」
「様子を見てからでしょう。」

玲奈。
「距離を離しましょう。」
「お互い15メートル。」

水道施設は温泉を引いていて。

キャンプ場では珍しい。

宿営地から離れている。

水道施設の中には。

寧々夢が先陣を切る。

玲奈。
「なにかいます?」

寧々夢。
「幻影かな?」

朱莉。
「待ち伏せじゃない?」

背後に影。

仮面に衣を被った謎の男。

すぐさま寧々夢が攻撃すると。

攻撃がすり抜けてしまう。

相手の攻撃は回避。

謎の誘導弾の追撃。

しかし後ろから百合花が謎の仮面を掴んで。

殴り倒して制圧。

朱莉ちゃんが不思議なお札を張ると。

仮面は叫びながら砕け散った。

後方に下がっていた咲耶ちゃんが。

仮面スーツと交戦。

ガレー船のオールで吹っ飛ばして倒しました。

美琥。
「なにこれ?」

久々利。
「幻影の亜種ですなー。」
「こいつら一部の攻撃が通用しないから。」
「打撃や斬撃とかすり抜ける。」
「魔法攻撃が有効だけれど。」
「ロザリオがあればすぐに消せる。」

美琥。
「聖水ならあるけれど。」

佐保。
「よこしてー。」

聖水を振りまくと。

数体が突然出てきて。

聖水を直接かけると幻影は蒸発。

寧々夢。
「特別にゃー。」

寧々夢が何かセットすると。

幻影に攻撃が通用した。

幻影は切り裂かれる。

咲耶。
「しねー。」

美琥。
「うわっ!フレンドリーファイア寸前。」

百合花。
「あれ?オール船で幻影の亜種がよく吹っ飛びますね。」
「意外にも幻影相手にはオールで叩くのが手っ取り早いみたいです。」

咲耶。
「住吉神社の小宮に保管されてあったものを。」
「譲り受けた。」
「神聖なオールなら幻影も叩きのめせるっぽい。」

百合花。
「なるほど。」

玲奈。
「もういませんね。」
「10体も潜んでいました。」
「探検のついでにハンティング。」
「のつもりでしたが。」
「思ったより難敵と遭遇したもんです。」
「残りを倒しましょう。」

探してもいません。

金の子牛の象が置いてありまして。

これが幻影発生の主要因です。

金の子牛の象を作成して設置しますと。

幻影が集まってしまい。

強力化するのです。

玲奈。
「レーザーで焼いても壊れません。」

美琥。
「土や小石を集めて圧縮。」
「高速で・・・えい!」

金の子牛の象を破壊。

ついてこれなかった佐保ちゃん。

レナちゃんがフォロー。

乃依。
「最近、金の子牛の象とか。」
「そういう系列が端っこに置いてあることが多いです。」
「オーナーに連絡しておきます。」

美琥。
「けっこう幻影が多くなったわね。」
「放出期間?」

玲奈。
「のようです。」
「しばらく掃除がメインになりそうですが。」
「火遊びのようで危険がありますね。」

咲耶。
「今回は久々の運動。」
「怪我するところだったけどね。」

久々利。
「私は魔法の研究が進むからいいけれど。」
「難敵が出てくると。」
「攻めあぐねる。」
「それでも調べたいわな。」

美琥。
「検体が手に入ったようだけれど。」
「人形だったわ。」

久々利。
「そういうのは持ち帰ると危ないよ。」

宇依。
「信じられないターゲットを仕留めるんですね。」

乃依。
「戦い慣れるとあっさりですよ。」
「ミスがなければ。」

玲奈。
「では今回は帰りましょう。」
「あれ?」
「佐保さんは?」

佐保。
「置いてかないでー。」
「もうバテた。」
「トロッコ問題みたいでヤダー。」

遠くで女の子座り。

佐保ちゃん回収です。


不道徳な道徳教育。

トロッコ問題で。

操作不能に陥った電車に乗っている。

暴走してスピードが増してくる。

ずっと遠くに分岐点があり。

五人組とたったひとりがいる。

この状況でレバーを引き。

どちらかを取れ。

しかし運転者が日ごろから人を轢き殺したくて。

「死ねー!」と叫んで殺してしまっても。

立件できない。

たったひとりの方が。

たまたま殺したかった気に食わない奴であっても。


例外のない規則はない。

どんな法則、規則にも、当てはまらない例外は必ずあるということ。



63


口に蜜あり腹に剣あり。

口では優しく、うまいことを言うが。

内心で陰険なことを考えているということ。

口では蜜のような甘い言葉を言っているが。

腹には人を切る剣を隠しているの意。

唐書。

李林甫伝。

中国唐の玄宗の宰相。

李林甫を評した言葉から。

類語が複数ある。


帰納法には例外がある。


公園でお昼休み。

玲奈。
「女性差別解消とか元気にやっていますが。」
「本当に男女平等なら。」
「差別とか平等とは呼ばれません。」

美琥。
「女性が男性と同じレベルになり。」
「女性の天才や偉人が出尽くした後。」
「男女共同で調和・融合して。」
「その先の展開があるのだと思っています。」

玲奈。
「でも女性は今の状況で不満がないそうです。」
「これでは紳士の活躍も無駄になります。」

美萌沙。
「女性には男性のような野心はないですから。」
「向上したり成長しようという意思は全くないです。」
「申し訳ありませんが。」
「わたしは自分の目で見たものしか言わないポリシーです。」

野々果。
「女性が変わらなければ。」
「男尊女卑が消えることはないでしょう。」

星奈。
「女性は変わるでしょうかね?」
「変えようとする意思は見受けられません。」

双葉。
「どうせ変わる必要があれば変えるでしょう。」
「強要されますので。」

妃菜。
「最近は、非凡な女性が出てきていますよーだ。」
「従来通りの女性でいる必要がないですからー。」

野々果。
「女性に風刺をすると上手に刺さり過ぎます。」
「風刺詩を書かずにいるのは難しいですが。」

百合花。
「歴史を見ますと。」
「普通に社会に溶け込んでいる女性しかいませんよ?」
「逆に言えば。」
「近代化が始まってから。」
「女性とはこうであると定義づけられて。」
「それを繰り返したのです。」

野々果。
「歴史書を読みますと。」
「活躍した女性とか。」
「高い地位に就いた女性で溢れていますね。」
「そういう女性の歴史は意図的に隠されていますし。」
「なにか都合が悪いのでしょう。」

宇依。
「ヨーロッパではローマ人の中に女性ビジネスマンが混ざっていますね。」
「古典を読むと。」
「男尊女卑は近代化した辺りから発生したのでは?」

乃依。
「それまでは自分なりの女性を確立する方法がありましたね。」
「日本書紀を全巻読めば足りますもん。」
「日本書紀を読まなくなってから。」
「女性の立場は失われました。」

野々果。
「キリスト教の権威の中では。」
「女性について説明できましたので。」
「近代化してから意味不明です。」

玲奈。
「歴史の中の女性を。」
「作為的に隠して情報をシャットアウトしています。」
「男性には面白くないのでしょうか。」

妃菜。
「論語読みの論語知らず。」
「知識はあっても実践できないもんです。」
「学校教育では知識はあっても実践は出来ないのです。」
「そういう人ばかり増えたからでは?」

美萌沙。
「生まれが良かったから学者。」
「なんて展開になったら。」
「そういうのは偽りでしょうね。」
「偶発的な世襲制は嫌われ者になるんです。」

野々果。
「わたしは虚無主義にハメた・・・と認識しています。」
「虚無主義の餌食。」
「後は・・・無価値な優遇と。」
「無意味な贔屓があるだけ?」

佐保。
「反出生主義はパワーアップするでしょうね。」
「凡人の世の中であれば。」
「平凡というのが重んじられるかも。」

咲耶。
「実力で勝っていても。」
「安全地帯を作られて踏み込めませんし。」
「出生を否定してもいいでしょう。」

久々利。
「反出生主義に対抗しようと。」
「家族や出産を美化する連中が続出する。」
「と言いますか。」
「出生率や結婚件数を増やそうとして。」
「やたら恋ばかり流行らせて。」
「恋に乗せてくる。」

玲奈。
「けっこう風刺が多いのはなぜか?」

妃菜。
「魔法使いにはニヒリストばかりなんですって。」
「その影響。」
「現代思想を破壊したり。」
「失った既成概念を修復せず。」
「新しく作成するのはリベラルアーツの特徴ですって。」

百合花。
「復刻・復元するよりは。」
「新しく生成した方が優しいのです?」

星奈。
「私達は復活させるだけです。」

玲奈。
「どうも、得られる情報に限りがありますし。」
「歴史の中には女性がとっても混ざっていて。」
「男性社会ではなかった。」
「ということはわかりました。」

久々利。
「百パーセント男性社会なんてものはどこにもなかった。」

咲耶。
「創造論から女性を見てくれぇー。」

乃依。
「女性は生まれつきの欠陥を男性が補完することで。」
「まともに動作するように設計されていたら?」

宇依。
「それなら。」
「男尊女卑も仕方ないです。」

乃依。
「女性は誰もが欠陥を持って生まれていて。」
「誰かが補修すると。」
「いきなり正常に動作するようになる?」

野々果。
「自分で修復できないような欠陥だと思われます。」

乃依。
「では、魔法少女はその為の過程のひとつ?」

星奈。
「女性はきっかけさえあれば飛躍すると思われます。」

双葉。
「女性の可能性に賭けてみようと思います。」
「自分にも賭けてみます。」

玲奈。
「いくら賭博に使うのですか?」

双葉。
「自分が女性なら一生を賭けないとダメ。」

百合花。
「そんな賭けは。」
「金貨をいくら積んでも。」
「ギャンブルは成立しないかもです。」

星奈。
「風刺でもした後。」
「自分が女性であるという理由で。」
「女性の可能性に賭けてみます。」

美萌沙。
「負けたら一文無し。」

美琥。
「勝算があるんです。」
「ポーカーに強い女ってわけで。」
「分が悪い賭けではない。」

星奈。
「女性については進化論を呼び出したら変態です。」
「女性について考察するには創造論が最高です。」

美萌沙。
「神様が造ったのなら。」
「女性にはブラックボックスでもあるはず?」

玲奈。
「あります。」
「少なくとも私は目撃者です。」

美琥。
「実際に女性の可能性を見たのなら。」
「賭けてみよう。」

久々利。
「いずれは証明できるよ。」

咲耶。
「それで?どこがチケット売り場?」

美琥。
「世界どこでも。」

玲奈。
「言っておきますが。」
「本当に公正ならば。」
「女性を迫害しないもの。」

美琥。
「真なる公明正大の士。」
「こうした男性は女性を尊重するのです。」

咲耶。
「公正な人は女性を尊重する。」

野々果。
「男女平等とか差別とか無視して。」
「公正であるべきでは?」

乃依。
「求めるのは公明正大の士です。」
「公正こそ愚昧を駆逐できる。」

玲奈。
「形而上学から女性を観察。」
「女性が女性を観察。」

美萌沙。
「形而上学から女性を調べているんですね。」

玲奈。
「創造論と形而上学は密接な関係にある。」

野々果。
「アリストテレスが真実に従って判断する。」
「との要素を教えてくれたので。」
「真実に従って正論でも進めてみる。」

久々利。
「となると。」
「公明正大の士。」
「権威への服従。」
「調和。」
「この三つが欠損しているようですが。」

美琥。
「公明正大の士はいつでも必要です。」
「権力者や為政者から幅広く。」

百合花。
「欠損しているなら。」
「機能不全ですか?」

星奈。
「誰も補完しないと思います。」

美琥。
「怠惰!」

玲奈。
「女性は悪条件が重なっていますし。」
「社会や世界にも悪条件が重なっています。」

佐保。
「悪条件が重なると。」
「必然的な悪循環になるのでは。」

美琥。
「好循環が発生した時代はありましたけれど。」
「現代は悪条件が多いですし。」

玲奈。
「世界の構造(ブロック)を把握しますと。」
「あっさり見透かしてしまう。」

佐保。
「形而上学の利点ですよ。」
「超自然学とも言いますし。」

美萌沙。
「形而上学は超自然的なものまで調べるよね。」

妃菜。
「形而上学ってなんだかわからないものを調べるものだから。」
「調べている人もよくわからないのですって。」

玲奈。
「創造論で女性を観察せよ・・・。」
「自分を自分で審査できるのか怪しい所ですが。」
「大胆不敵な行為に出ますかね。」

クレープ屋とたこ焼き屋が止まっていて。

お好み焼き屋が開店。

お昼は本場仕込み。

議論は結論に至りました。

女性については創造論のモデルで検証するべき。

創造論。

神様が創った視点で科学的な観測をする立場。

本来、科学は自然科学という正式名称がある。

化学(ばけがく)は物質のみを扱うので。

区別が必要。



64


桜が咲くころ。

玲奈ちゃんは学問に熱心です。

朱莉ちゃん。
「将来なんになる?」

玲奈ちゃん。
「わたくしは文化に関する仕事がしたいです。」

朱莉ちゃん。
「わたしは再度アイドルに挑戦してみようかな。」
「まずは社会経験を積んでみたい。」

渚ちゃん。
「渚は教授になりたいなー。」

朱莉ちゃん。
「渚ちゃんらしいかもねー。」

百合花ちゃん。
「ゆりかは絵本描きたいです。」
「絵本作家です。」

美桜ちゃん。
「私は教員免許取るわ。」

玲奈ちゃん。
「みなさん進路が決まっているようですね。」
「では。」
「みなさんの幸福を祝って乾杯しましょう。」

ぶどうジュースで乾杯しました。

お菓子を食べて。

豪邸のお庭でお花見です。

渚ちゃん。
「渚はもうちょっと遊んでからにしよっと。」

朱莉ちゃん。
「わたしもそうするー。」

玲奈ちゃん。
「まだ14ですから。」
「一生懸命遊びましょう☆」

百合花ちゃん。
「提案なのですが。」
「お姉ちゃんとれなさんの関係。」
「軟文学として掲載してもいいですか?」

朱莉ちゃん。
「きちんと美化しなさいよ。」

美桜ちゃん。
「おもしろい事を言う。」

渚ちゃん。
「きちんとした学問を得てから書いたほうがいいよ。」


百合花ちゃん。
「そうですね。」
「ゆりかはしばらく特別な塾に行くです。」

美桜ちゃん。
「私は旅行続行。」
「いろいろ観てまわってからにするわ。」

玲奈ちゃん。
「ではそれぞれの船出を祝福しましょう。」

朱莉ちゃん。
「わたしはみんなを祝福するために。」

玲奈ちゃん。
「わたくしは奉仕のために。」

渚ちゃん。
「渚は世界の発展のために。」

百合花ちゃん。
「ゆりかはみなさんの栄養になるです。」

美桜ちゃん。
「私は果たすべき義務のために。」

玲奈ちゃん。
「他方では、無事に世を渡るということを成功と名付けているのです。」

美桜ちゃん。
「不幸そのものに利益はない。」

百合花ちゃん。
「ストア主義は人生の苦難を否定し。」
「常に優れた精神力をもってこれを軽蔑しようとつとめるのです。」

美桜ちゃん。
「天国に入るにさえ力が要る。」
「力を用いる者、その人は入る。」
「のである。」

玲奈ちゃん。
「わたしの求めるのは幸福ではなく、祝福である。」

ごにんでハイタッチ。

桜の木の下で。

女の子たちは微笑みます。

END


この世。

ここに希望は満ちて。

ここに。

ここよ。

この世に満ちて。

夢よ。

希望は降って。

夢よ。

希望と共に。

この世のどこから。

それらはどこからか降り注いで。

この世のどこから現れて。

これらはどこから飛び出てきて。

世界が包まれて。

この世の奇跡。

生まれてきて。

この世の奇跡は生まれてきて。

それはこの世の最初から。

それはこの世の現れて。

次々と湧き出てきては。

世界を潤す泉になって。

それは渇きを潤すように。

それはこの世の姿を。

真実を表す。

この世の真の姿はそれは。

希望は贈り物として受け取るの。