モダニズム。

(伝統主義に対して)近代主義。

また、現代好み。

新しがり。

モダニズム。

伝統的な主義・思想を否定して、近代的、機械的。

個人的な文明を信じる立場。

未来派・表現派・抽象主義の芸術などをいう。

近代主義。

趣味や流行などで、都会的な最新のものばかりを好む傾向。

新しがり。


1


残念だけれど、今日は残業なんだ。

これで電話は切れた。

そう言われて、苦情でも言ってやろうかと。

かけ直すと。

後にメールが来た。

君は行動の自由と選択の自由があるのだし。

少しは娘の立場を利用したらどうだい?

なにより、父さんはこの仕事で成功すれば。

大出世するかもしれないから。

そして、しばらくして。

父親は、先代の失脚で空いた社長の座を譲り受けた。

母親がその日に助言したのは。

男性にしか理解できないこともあるのよ。

という簡潔な諌めであった。

母親はリサイクルショップを運営していて。

昔から電子機器に夢中な女性。

夜までひとりと思いきや、家には大型犬がいて。

いつもの親戚で、家が近く。

同い年の女の子がたまに居座って。

幸福であって、幸福ではない環境がある。

そして今日も、残念だけれど、今日も残業なんだ。

というメールが来る。

母親は中古のパソコンに夢中ながら。

夕方に一度帰ってきて。

深夜になる前に帰宅するも。

父親だけが深夜まで帰ってこない。

しかし頻繁にメールをしたり。

互いに空いた時間に電話をしている。

娘の感想は、父親とは何ですか?

父親の意見、子供に対して利他的な人間の事である。

母親に尋ねると、母親とは何ですか?

母親の意見、自分から加入した、自主性による立場。

両親は誓約を交わしていて。

父は男性の考えうるすべてを手に入れてみたい。

そのために妻が必要になった。

母は、夫と趣味で結婚したという。

そして私が一人娘なのは、二人目は不要との判断から。

夜間に外出できるのは。

親戚の女の子達の援護によるもので。

官僚の娘で、狂人の魔法使い。

知識人の娘で、古典コレクターの女の子。

防衛省の関係者で、その娘の戦闘マニアがいて。

四人組のチームになっています。

意外にも同じ学校で、全員が三年生ですね。

全員で専門学校に進む予定です。

母が帰宅するまで。

今日も雑誌を持ち寄ったり。

ボードゲームやカードゲームで遊んでいます。

羽叶(うか)
「アンガジュマン。」
「私達の状況に由来する考え。」
「私達は好むと好まざるとに関わらず。」
「この世界の中に投げ出されてしまっている。」
「それは常に具体的な状況の内にある。」

緒美(つぐみ)
「それだけではない。」
「自分は独りでいるのではなく。」
「みんながある状況に巻き込まれてしまっている。」
「この巻き込まれる状態をアンガジェと言う。」
「私達は受動的にそれを被るのではない。」
「巻き込まれていることを理解して。」
「自分を巻き込み、他人を巻き込み。」
「積極的に関与する。」
「人間を本質から考えるのではなくて。」
「個々の存在、個人から。」
「状況に強要されて、既に存在してしまっている。」
「事実から考える。」

水希(みずき)
「その中でも自由な人間にとって。」
「孤独や不安は当たり前のものであり。」
「そのような状況を証明することが。」
「哲学と文学の役割であるという。」
「これがアンガジュマンという思想である。」
「実存主義とは何か、を要約すると、このようになる。」

学世(まなせ)
「注釈を入れると。」
「巻き込まれた理由は存在しない。」
「特に理由もなく巻き込まれる。」
「客観的な自由についての哲学でもある。」
「実存主義は自由主義との相性がとても良い。」
「戦争でも事件でも個人はそれを変えることができる。」
「そして何もしないから過激になる。」
「個人主義の強力な関与も思想には入っている。」

羽叶。
「サルトルが語るのは客観的な自由であり。」
「自由主義も客観的な自由ではあるものの。」
「主観的な自由は捨てられると思われる。」
「いくら個人に非が無くても、いくら善良であっても。」
「状況に巻き込まれる所は変わらない。」
「ある意味では他所からの責任追求を無力化しつつ。」
「自分からしか責任は取らないという。」
「正々堂々とした思想も入っている。」

緒美。
「本人がその都度責任を取ろうとするので。」
「他人が責任を取らせることはできなくなる。」
「これは自由と、束縛を明確に区別できているので。」
「世界の一部を確保している。」
「自由の反対は束縛、束縛の反対は自由なので。」
「区別が容易になっている。」

水希。
「昔も今も一般的に通用している善悪とは?」
「善、道理にかなっていて、調和がとれていることをいう。」
「悪、かたよっていて、道理にはずれていること。」
「荀子。」

学世。
「聖書は性悪説の立場を取るため。」
「性悪説によく似た世界観や人間性は。」
「広く西洋に見られる。」
「性善説と言われる立場は、世界では少数派であり。」
「西洋社会ではまるで通用しない。」
「一般的に性善説は理想とされていて。」
「性悪説は現実主義とされている。」

羽叶。
「荀子の格言。」
「人の性は悪にして、その善なる者は作為なり。」
「解釈。」
「善は教えられてはじめて身につくもので。」
「本来の生まれつきは悪なのである。」

緒美。
「アウグスティヌスは悪の起源を問われて。」
「悪とは人工物であり。」
「創設者は神ではない、という返答をしています。」
「悪人が悪の創設者。」
「つまりは悪は人工物であり。」
「悪なんてものは神の被造物ではない。」
「人間が悪を作ったのであり、世界の最初に悪はない。」

羽叶。
「哲学では、善とは良いもの、良い事を意味しています。」
「悪とは、害するもの、公害を意味しています。」

学世。
「性悪説の方が快適だよね?」

水希。
「性善説は多くの人が選んでいますが。」
「明らかに不具合やら無理がありますね。」

羽叶。
「西洋は性悪説で成り立っている。」
「性善説は少数派。」
「性悪説は現実的で。」
「性善説は理想というのが通例。」

緒美。
「天と人を分離すると、思考停止はしない。」
「天と人を一致させると、思考停止はする。」
「これらは神の計画の一部分なのだ、とか言って。」
「反論を封じて思考停止させることはできるが。」
「アウグスティヌスの研究者は、そういう思考停止を否定している。」

水希。
「性善説で説明できないものを。」
「邪悪とか、悪者と呼んでいるだけ。」

学世。
「性善説が馬鹿なのでは?」

羽叶。
「善悪二元論になる気配がしますが。」

緒美。
「岩波国語辞典。」
「二元論。」
「二つの異なった原理を立て。」
「それによって、考察範囲の一切を説明する態度・議論。」

羽叶。
「馬鹿にとって、現実世界は白か黒か。」
「善か悪かの二者択一。」
「中間の存在は無視する。」

緒美。
「馬鹿の思考は、現実を白と黒。」
「善と悪、天と人、自分達対不特定多数。」
「といった単純な二元論である。」

学世。
「馬鹿な奴ほど正当化が上手である。」

水希。
「馬鹿は正当化を繰り返す。」

羽叶。
「そいつが今年、頑張ったのは、正当化であった。」

学世。
「彼らの努力は、その正当化に現れている。」

羽叶。
「否定する根拠は欲しいね。」

学世。
「魔法使いがくれた本ってどんなもの?」

水希。
「一昔前に、テロ対策に配置されていた。」
「切り札がくれたの?」

緒美。
「そうなんですよ、簡単に魔法が使えるけれど。」
「制限されることによって、お手軽になった。」

学世。
「使いこなせる人は少ないとか。」

緒美。
「あなたも持っていますよね?」

羽叶。
「まだ慣れていないけれど。」
「無人地帯で樹木とかに当てて試しているよ。」

緒美。
「あまり知られていない書物ですからね。」

羽叶。
「魔法の書籍。」
「古代の言語で書かれている本。」
「ギリシャ語が多い。」
「条文を詠唱すると、特定の魔法が発動する。」
「一発の威力は調整できる。」
「その時に魔力を消費する。」
「すべての魔法には残弾があり。」
「五回使用すると、十二時間は使用できない。」
「一時間で一発貯まる。」

学世。
「ある程度の教養が必要ですしね。」

緒美。
「魔法の種類。」
「フレア、相手に炎を投げつける。」
「温度が高いため、相手は発火する。」
「敵に鎮火される。」
「ライトニング。」
「相手に電流を加える。」
「低電力なため、相手に与えるダメージが低い。」
「威力を調整できる。」
「落雷。」
「離れている相手に雷を落とす。」
「電力は低い。」
「外すことがよくある。」
「マジックミサイル。」
「相手を大きく吹っ飛ばす魔法の弾丸を数個発射する。」
「当たると相手を吹っ飛ばす。」
「相手に与えるダメージが少ない。」
「加速。」
「三十秒間、自分の動きが素早くなる。」

羽叶。
「攻撃の種類は少ないよね。」

水希。
「相手を倒すのは、何回も叩き込まないと無理ですね。」

学世。
「日常生活に応用できそう。」

緒美。
「魔力が尽きると、一発の威力が半分になる。」
「魔法書があれば、誰でも使えるものの。」
「慣れていない者が使うと、頻繁に暴発するため、訓練が必須。」

羽叶。
「せっかく貰っても、使いこなせるかは技量次第。」

緒美。
「魔法書は世襲が一切ないものの。」
「入手困難が通例で。」
「実際に試し打ちや模擬戦を行わないと。」
「使い方を把握できない。」
「殺傷能力が限定的であるため。」
「戦闘で使うには熟達した実戦経験が必須。」
「魔法書によって少しだけ魔法の種類が異なる。」

羽叶。
「少しだけ違う魔法書を見たことがあります。」

緒美。
「立ち回りがすべての魔法使いですからね。」

羽叶。
「先制攻撃や中距離での戦闘が主体になるため。」
「弓矢や近接攻撃に対処できなかったり。」
「使用者の敏捷性が低いと。」
「相手の攻撃に当たる隙が生まれる。」

緒美。
「とまあ、これで銃器とは戦えませんね。」

羽叶。
「程よい戦闘力は発揮できますね。」

緒美。
「残弾が尽きると、魔力から補充されるよね。」
「魔力が足りないと、体力から差し引かれる。」

羽叶。
「まずまずの威力しか出ないという訳で。」
「持っていても危険とは言われない。」

学世。
「妬みは被害妄想。」
「被害妄想で他人を攻撃する奴が出ますね。」

水希。
「すべてを平等にしようとしたら。」
「財産や権限まで奪われるよね。」

羽叶。
「平等って何ですか?」

緒美。
「平等と公正は違うようですが。」

水希。
「平等にすれば何でも解決だなんて。」
「間違っていますね。」

羽叶。
「平等?社会主義かな?」

学世。
「自国には共産党員が少ないと嘆いているらしいが。」
「まだ不足なんですか。」

水希。
「とある場所の同調が、他の場所の同調と対立することが。」
「多々ある。」

羽叶。
「集団ではなく、単なる集まりに同調するなら。」
「共産主義者でもしないような誤りを犯す。」
「世界がいかに多様で複雑であるかを。」
「学校では習わないという群衆の愚かさである。」

学世。
「真実であることが証明できないのなら。」
「それは真実であることはありえない。」
「証明できないのなら。」
「それは真実ではない。」

羽叶。
「ひとつのもので統一しようとする考え方に。」
「間違いが大量にありますね。」

緒美。
「たったひとつで世界が成立する訳がないよね。」

学世。
「平等という言葉を悪用しているのではないか?」

水希。
「平等の解釈が違いますしね。」

学世。
「才能も地位も、等しくないから面白い。」

羽叶。
「老子の格言に。」
「天地自然に仁あらず。」
「自然界に優しさは無い。」
「優しさは明らかに作為的なもので。」
「自然のものではない。」
「優しさの起源は、仁という比喩的なもの。」
「そこから、定義が難しいものに解釈をして。」
「仁を優しさと誤解したという。」

緒美。
「優しくない自然の摂理を受けて動揺しているのでは?」

水希。
「全体主義に興味ない。」

学世。
「平等を掲げて暴れる利己主義者に興味はない。」

水希。
「群衆心理ではないのですし。」

学世。
「個人主義者とは心理学で。」
「心理学的に最も自主性が高く。」
「個人として完成していると同時に。」
「民主的で、コミュニティーの一員として個々の主体性を重んじ。」
「積極的に社会に関わっていく人。」

羽叶。
「仕事などで共同作業を必要としているのに関わらず。」
「ひとりで勝手に個人行動をとるなど。」
「問題行動に走る人は個人主義者ではなく。」
「自己の利益だけを追求する利己主義者ですね。」

水希。
「多様性に対応していない宗教や思想はすべて誤謬。」

学世。
「多様性を軽視して、ひとつの考え方で統一しようと試みるなんて。」
「正気の挑戦ではないね。」

羽叶。
「凡人に多様性を説明するのに一ヶ月も費やすことになる。」
「まともな人なら一日で足りるんだけれども。」
「まともじゃなかったのか。」

学世。
「世間の考えが真実であることは証明できない。」
「証明できない以上。」
「それは虚偽である。」

羽叶。
「アウグスティヌスによれば。」
「努力したからいい成績が出るのではなくて。」
「恩寵によって良いものが得られたから。」
「いい成績が出る。」
「つまりは順番が違う。」
「言い換えれば、恩寵なしでは。」
「どんなに努力しても無駄であり。」
「その得られないものをたまたま才能と呼んでいる。」
「恩寵は無条件で与えられるので。」
「偉大な成績を残した人物は。」
「知らない間に恩寵を受けているから成功している。」
「こうなると、天才などの説明が簡単になる。」

緒美。
「恩寵によって悪い性質が変えられて。」
「善なるものになる。」
「自由意志は恩寵によって得られるとも言えますね。」

学世。
「才能ですよ、その才能の起源は何なんですか?」
「才能とは何か?それは恩寵であると私は体験しています。」
「平均以上の知性を持つ者は異常とされているが。」
「それでは平均の知性を持つ者はつまらない群衆の一部でしょうね。」

持ち寄ったお菓子を食べながら。

全員は哲学の研究をしていて。

学んだ内容から、体験を経て、さらに研究を進める。

そして自分の哲学を形成しようと試みています。

なので思想そのものはかなり多様で複雑なんですね。

古典しか読みたくない一貫した共通点。

羽叶。
「くそまじめな精神。」
「自分を周囲の世界や役割から規定する者のこと。」
「不安の中で自由に自分を選ぶ精神とは正反対の精神。」

緒美。
「女性だからと言われて従うのは、くそまじめな精神である。」
「生まれがそう規定するからと言って。」
「それに従うのは自由を捨てている。」

水希。
「女性だから何々という考え方は、根拠がない。」
「心理学では、男女の心理には違いがない。」

学世。
「生まれた内容を疑ってみた懐疑主義者はいなかったね。」

羽叶。
「女性が恋を破棄して、結婚と出産を裏切り。」
「女性単体で自己完結する。」
「という展開も、女性の中に最初から持っているもので。」
「これも先天的な性質である。」

緒美。
「男性だからと言って平均以上に優れているとは限らない。」
「男女の統一から離反して、単独で存在するのも。」
「男性に本来備わっている性質である。」

水希。
「古典の格言にもある通り。」
「自然は女性に強大な力を与えたので、権力が規制していたらしい。」
「美貌だけでも男性が破滅する。」
「別に自然が与えた力を有効活用すればいいのに。」

学世。
「古代ギリシアの女性は、軟禁されていたのが通例。」
「出歩いても、女性の行いを密告する奴隷が付き添った。」

羽叶。
「世界が、なぜ男性だけで統治されて来たのかはよくわからない。」
「別に男性が万能というものでもないし。」
「優れた男性が常にいるなんてこともない。」
「男性に偏っていて、極端な歴史がある、斬新なのは男性の種類だけだね。」

水希。
「男女の心理は構造主義みたいになっていますけれど。」
「すべてに当てはまらない心理が散見されますね。」

学世。
「パターン通りになっている心理状態の男性は。」
「特に馬鹿と呼ばれがちですね。」

羽叶。
「女性も、一般論だけで、該当しない女性も多いものです。」

緒美。
「構造主義のジェンダー論なんて、何かいろいろ嫌ですね。」

羽叶。
「パターン通りの男女のジェンダー論なんて、何か嫌ですね。」

水希。
「完成された個人は、やはり個人主義になりますよね。」

学世。
「百人いれば百通り違う、というジェンダー論が欲しいですね。」

羽叶。
「それでも構造主義で説明される男女がいますよね。」

緒美。
「衆愚を見ると、みんなパターン通りですからね。」

学世。
「かえってパターンから外れる人々が見たいですよね。」

水希。
「今や個人を束縛するものなんてほとんどないですから。」

緒美。
「そもそも人が意味もなく群れるのは。」
「その中の人間が未熟で愚鈍だからです。」

羽叶。
「心理学でも言われる通り。」
「愚かで劣っている人間ほど群れます。」
「個人が完成されていないからですね。」
「やたらに群れているのは。」
「未熟で、貧弱だからです。」

水希。
「ソクラテスの指摘。」
「結婚してもしなくても、どちらにしても後悔するだろう。」
「私は結婚せずに後悔したい。」
「結婚して後悔している人を顧みず。」

学世。
「ソクラテスが言うには。」
「女性はあらゆる分野で男性に匹敵する。」
「身体能力の弱さだけが女性の欠点である。」
「ソクラテスは数人の女性と議論したこともあり。」
「女性の能力に高い評価をしていました。」

羽叶。
「ソクラテスは若い頃、従軍しており。」
「一騎当千の一兵卒として有名でした。」
「敵兵を一人でなぎ倒すし。」
「敵が捕虜にするのは危険であると怯えるほど。」
「兵士としての天性が報告されています。」

緒美。
「ゼノンが事故によってソクラテスがいる都市に来た時は。」
「人気者であるソクラテスに会いたいと。」
「商人に尋ねると。」
「たまたま通りかかったので。」
「あの人がソクラテスであると分かって。」
「ゼノンが加わりました。」
「ゼノンはストア学派の開祖です。」

羽叶。
「ゼノンは神託で、死者と交われ、つまりは。」
「古人と関わりなさいと出たので。」
「当時、古典とされた昔の書物を読み漁っていました。」
「ゼノンも大人気で、講演の依頼などが殺到。」
「ゼノンもその教養から、大人気になっていました。」

学世。
「ペリクレス体制が崩壊して混乱状態になった時期。」
「法律があまりに欠陥だらけで。」
「言いがかりでも告発できるほど酷い有り様。」
「当時の有識者は誰でも言いがかりをつけられて起訴されているし。」
「実際に追放された人もいる。」

水希。
「ハンムラビ法典も悪用されたこともあり。」
「昔から法律に絶対はなかった。」
「ストア学派は、必ず状況の半分をコントロールする。」
「残りの半分は、摂理とか訳の分からないものを出して。」
「言い訳をしておく。」

学世。
「常に状況の半分を操作するので。」
「残りの半分も影響を受ける。」
「操作できないものはやはり摂理とか名前をつけられて。」
「無視される。」
「その残りの半分を主観的な問題とか。」
「運命論を引き合いに出して放置する。」

水希。
「ストア学派にとって。」
「人生の苦労や困難も、我々の力が及ばないとして。」
「放置される傾向にある。」

学世。
「ストア派は、美徳を得ようと試みる。」
「哲学は、享楽主義者との離縁を意味していて。」
「二度と俗人の中に入らなくなる。」
「ゼノンも、哲学をするのなら。」
「俗人との決別を意味するからね。」
「という忠告をしている。」

羽叶。
「ストア派には、自らの教義を柔軟に変更する多様性がある。」
「有益なものなら何でも採用して。」
「自分達の学派に受け入れるので。」
「決まった教義というのは多くはない。」
「対立するエピクロス派の教えも採用するほど。」
「多様性のある学派。」
「現代でも専門書が出回るほど。」
「人気は健在。」

緒美。
「学識においては、個人が多数に勝ることはありません。」
「これはゼノンの指摘ですね。」
「学識は常に大勢が勝っていて。」
「個人の学識は大勢に敵いません。」

羽叶。
「知識人の現場はそうなっています。」
「数に一理あり、という訳です。」

緒美。
「ソクラテスに習えば。」
「一般的に正義と言われるものは。」
「実際には正義の反対を意味している。」

羽叶。
「正義は大義名分ではなくて。」
「徳性ですので。」
「訓練されるか、学ぶことによって習得します。」
「独学では正義を理解しません。」

学世。
「正義は礼賛するもので。」
「正義を称える姿勢が好まれますね。」

水希。
「勧善懲悪みたいな映画などは。」
「主人公が八百長をして勝利している。」

羽叶。
「愚かな人間は、他人に非難される内容すべてを信じている。」
「あいつは馬鹿だ、と非難したとしても。」
「愚かな人間は本当に馬鹿なので。」
「想定される愚行をすべて実行するであろう。」

学世。
「誰にでも当てはまる非難によって他人を攻撃する場合。」
「仕掛ける側に問題があって。」
「対象を排除できても、本人の問題は悪化しているであろう。」

羽叶。
「君が正しいのなら、私は君よりもっと正しい。」
「という無敵な論証。」

学世。
「正しい奴を痛めつけてやる。」
「これは悪漢がよく考えている理論である。」

緒美。
「どんな戦いにも勝率があるため。」
「連戦するほど敗北の確率が上がっていく。」
「目的を達成したら、戦いを続行しない方が得をする。」

水希。
「普段から寛大に見逃してもらっている奴が。」
「その恩を仇で返す。」
「恩知らずも増えてきた。」

学世。
「被害者が売り物になるのなら、誰でも億万長者。」
「誰も買ってくれない被害者という立場。」
「加害者が被害者であると名乗るのは矛盾している。」
「暴力ならば私の方が四倍は上回る。」

羽叶。
「自分は正しいから、相手は自分に敬意を払え。」
「なんて主張するのは愚かであると言えます。」
「本当に自分が正しい人は。」
「自分の個人的な主張が社会に通用するとは思っていません。」

学世。
「心理学でも事実なんてものはありません。」
「認知的不協和理論によって証明されています。」
「事実の解釈は無限に変更可能です。」

羽叶。
「最近、戦争の話がよくあるよね。」

学世。
「結局は戦争になるんでしょ。」

水希。
「天地創造の時からの配置で。」
「強制的に戦争は生じるように創られている。」

緒美。
「同じ歴史を繰り返すだけで、独創性がないよね。」
「斬新なのは見た目のデザインだけですしね。」

羽叶。
「相手を蹴落として、そして次の相手が現れて。」
「続けていくごとに勝率は下がる。」

学世。
「勝率が八割なら仕掛けるべきである。」
「しかし勝負は賭博である。」

羽叶。
「確率とは少しだけ未来をカンニングする方法である。」
「算術でも実用性が高い分野である。」

水希。
「未来が見えるというのなら。」
「そいつを捕らえて、競馬場に連行してやる。」
「さあどこの馬が勝つんだ?」

学世。
「戦争とは、相手に、言うことを聞け!なんて迫る行為である。」
「言うことを聞け!対、言うことを聞け!なんて互いに主張している。」

羽叶。
「相手に言うことを聞かせるために。」
「軍隊を送り込んで相手の軍隊を倒して。」
「政治において従わせるという、けっこう簡単なもの。」
「政治における何かを強制したくて、実行される。」

緒美。
「軍隊は何かしらの政治を相手に強制するために。」
「送り込む手段であり。」
「相手を従わせるために戦闘をさせる。」
「相手が言うことを聞いたら。」
「戦争の目的は達成されている。」

羽叶。
「相手の政治に、こうしたいので、従え。」
「というものを迫るのが戦争。」
「意外にも戦争は政治の一部である。」
「相手を滅ぼそうとするのは。」
「絶対的戦争と呼ばれる。」
「これは相手の反撃が凄まじいので。」
「推奨されない。」
「現実の戦争は、目的を設定して。」
「達成すれば、そこで退くしかない。」
「現代では、現実の戦争が選ばれる。」

学世。
「降参した相手を殺すのは禁忌ではある。」
「戦争の動機は、相手に言うことを聞かせるためなので。」
「それ以外の理由は必要がない。」
「政治の何かを相手に強制するために。」
「戦争は行われる。」

水希。
「強制するために軍隊が送り込まれて。」
「それを排除するために防衛が行われる。」
「強制と強制が対戦することになる。」
「同じ条件ならば。」
「強制と強制が行われているだけ。」
「勝利すれば、相手に何でも強制できる。」

学世。
「ここから、相手に何かしら強制したり。」
「相手に少しでも強要するような行いをすると。」
「争いになるというのがよくわかる。」

羽叶。
「相手に何か強要したいと思ったら。」
「既に争いの前兆になっていますね。」
「戦争の理論は民間人にも当てはまるので。」
「争いが起きるのは、何かしらの強要を相手に加えるからですね。」

水希。
「クラウゼヴィッツの戦争論は、戦争とは何か?から出発しています。」
「主観的な平和主義者は何の意味もなく、客観的な平和主義だけが通用しますね。」

羽叶。
「誰が人が不死だと言いましたか?」
「私は自分の事を不死だとは言ってはいない。」

学世。
「死生観が違うよね。」

水希。
「死生観が客観的なのでは?」

緒美。
「人生よりも死生観が大切ですね。」

学世。
「超自然的な死生観ですね。」

羽叶。
「たいてい、幸福に対して裏門から入ろうとする。」

学世。
「幸福になるために、不正をするほどの彼ら。」

緒美。
「真の幸福の次は、真の真の幸福。」
「というように、理屈が続く。」

水希。
「悪いものや公害を消去法で全部消すと。」
「幸福と思えるものが姿を現す。」

学世。
「幸福の定義はできないが。」
「幸福の一般論は妥当ではない。」

同じ学年の女の子が来ました。

ゴシップ誌をたくさん持っていて。

後は生活関連の雑学を書いたもの。

小依(こより) 
「どうしたらそんなに優れた人になれますか?」

羽叶。
「ごまかすんですよ!」

小依。
「そうなんですか?」

学世。
「好きな本に、意志と表象として世界、と書いておきなさい。」

百香(もこ)
「それは勝てませんね。」

小依。
「最近、詭弁がインターネットで盛んですね。」

羽叶。
「そこまで論拠のある人々ではないからです。」

水希。
「詭弁でこじつけるしかできなくなった奴は。」
「窮地に陥っている。」
「詭弁しか、もはや維持できる要素がないからね。」

百香。
「世の中、屁理屈が大事なんですか?」
「ひどい世の中ですね?」

羽叶。
「まあまあまあ、いいじゃないですか。」
「正論を数発、ぶち込んだくらいで。」

学世。
「インターネットでは特に。」
「被害妄想で他人を攻撃する奴らも湧いていますからね。」

水希。
「精神疾患は思考を集中狙いして、錯乱させる。」
「あの挙動不審な態度は思考が錯乱しているからと言える。」

緒美。
「想定内の進行状況、なぜなら。」
「敵対者に何も斬新な所が無いから。」
「同じ時代の失敗を、同じ世代の人間は繰り返すであろう。」

羽叶。
「責任転嫁をしても何も解決しない。」
「責任の所在を証明する必要がある。」

水希。
「他人を犠牲にするのはいいが。」
「犠牲が受け取られないと、捧げた本人は呪われる。」

学世。
「出生の仕組みが犠牲になれば、円満に解決する。」

羽叶。
「自分と人生を分離して考えることにした。」
「そうすると、人生から湧いてくるうざい物事がよく見える。」
「決められた通りになる必要はないので。」
「自分と人生を区別、分離して。」
「一方的に自分の言う事を聞かせる。」
「何事にも強制を仕掛けるのを欠かさなかった。」

小依。
「ゴシップ誌を読まないんですか?」

学世。
「ゴシップと分かっていて読むんですか?」

羽叶。
「原因の方が結果よりも後に来る。」

緒美。
「力で変えた部分は元には戻らない。」
「自然災害で変更された地形が。」
「法則によって元に戻らないのと同じで。」
「力で変更を加えた所は元には戻らない。」

百香。
「狂気の女の子は大好きです。」
「女性同士ですけれど、よろしければお付き合いを。」

羽叶。
「もっと素敵になったら考えてあげるよ。」

学世。
「もう結婚するんですか、女性同士なら問題ないと思いますが。」

小依。
「男女は同席するものではないけれど。」
「女性しかいないと、女性が好きになりますね。」

羽叶。
「私の論文が長くなりそうです。」

百香。
「最近は現代思想の研究に夢中ですよね。」

小依。
「当たり前だと思っていたものが覆る衝撃。」

水希。
「当たり前とは、多数決であった。」

羽叶。
「客観データから大きく外れるものは。」
「書いた試しはない。」

学世。
「主観的な学識なんて書いた試しはない。」
「論拠から引用した解釈はいっぱい書いた試しがある。」

羽叶。
「私は事実を設定しない、事実は当てると解釈の問題になる。」
「何かしらの客観データからしか繰り出さない。」

水希。
「相対的に、客観データの注釈を語るだけで。」
「相対的に、客観データから大きく外れることはない。」

緒美。
「一昔前の俗説で、経験という考え方がありましたね。」

小依。
「またその俗説ですか、飽きましたよ。」

百香。
「俗説なら、いくらでも出てきそうです。」

羽叶。
「年功序列には矛盾がある。」
「自分より遥かに年上になる、老人を労ることは決してない。」
「高齢者の意見を採用することも。」
「高齢者の忠告を素直に聞くことは決してない。」
「特に中年が若手を従わせるために使う考え方であり。」
「その中年は老人に従うことはありえない。」
「年功序列は都合の良いように悪用される。」
「矛盾しかない規則である。」

水希。
「あなたの言う経験とは何ですか?」
「答えられませんか、それが経験という考え方ですよ?」
「経験とか言って実力がまるでない男性の醜態。」

学世。
「経験とは、経験をしないと何も分からない。」
「畜群道徳の一覧である。」

緒美。
「根拠のない学識を経験と呼ぶのなら。」
「その場にいないでほしい。」

羽叶。
「イギリス経験論や論語が引き合いに出されない。」
「自国民の経験という名前の、定義すらない愚見。」

学世。
「経験論と言えばカントの実践理性批判、純粋理性批判が該当する。」
「まさか?読んだことないの?」

羽叶。
「俗説で、経験の中身は、空っぽである。」

小依。
「経験とは何か?応答はなかったりする?」

学世。
「経験とは中年男性のボケの進行度合いの事を言う。」

水希。
「男性は年齢を重ねると、少しだけボケるので。」
「ボケた内容を経験と呼んでいる。」

緒美。
「人生の中で敗北したり、挫折したり、倒されたり。」
「虐められたり、追い払われたり。」
「そういうのをすべて含めて経験と呼んで自慢しているという。」

百香。
「経験の定義は?」

羽叶。
「経験と名乗ると思考停止。」
「議論の余地はない。」

近くのお菓子屋さんに外出。

資金は潤沢にある。

同級生も同行。

好きなお菓子を購入するのです。

途中。

墓地があり、看板が新しく立っていました。

墓地にある看板。

無神論者、墓地に眠る、正装したけれど、行き場所がなくて。

隣にある看板。

無宗教者、墓地に眠る、行き場所でたらい回しにされて、行き場所がなく。

すべての墓碑に書いてある内容。

この中のものを差出人に無料返送。

不審者を目撃。

発狂している様子。

遠くから見ています。

とある凶悪犯、派出所の前に立って。

手榴弾のピンを抜いた。

「食らえ!」

ピンの方を投げつけた。

そして爆発した。

すぐに治安当局が現場を囲んだので。

回り道。

不審者、移動中の若い女性に抱きついた。

すぐ近くでさっき事件があったので。

強姦の現行犯、警察官に発見された。

犯人が言うには。

「彼女が挑発して来たんです!」

必死に叫んだが。

警察官にテーザー銃を撃ち込まれた。

回り道で海辺の道。

看板があります。

警告文ですね。

海水浴場では、海を割る人にご注意ください。

釣り人の会話。

釣りをしている時に、水の上を歩いている人が出現しかねない。

羽叶。
「犬に親切にすると、すぐに返事が来る。」
「犬は人間よりも、して貰ったことを理解してくる。」

小依。
「犬は人に忠告しない所が素敵ですよね。」

水希。
「咥えてくる靴で、犬のセンスを判断してはいけない。」
「昨日は革靴でしたね。」

学世。
「犬はお金で買える、たった一人の友人。」

百香。
「私の犬は自分の名前を言えますよ。」

羽叶。
「なんですと?」

百香。
「犬の名前はワンという名前なんです。」

羽叶。
「ふざけた名前ですね。」

緒美。
「犬は口ではなくて尻尾を振るから。」
「好まれますよね。」

百香。
「お金を貸してくれとも言いませんし。」

羽叶。
「父親の会社では、犬は入室できません。」

小依。
「そうなんですか?」

羽叶。
「私はイエスマンが嫌いだ。」
「私がノーと言う時にノーと言ってくれる。」
「社員がいないと困る。」

小依。
「それ社訓でしょう。」

水希。
「前社長は親戚でしたね。」
「それで選ばれた。」

学世。
「しょうがない引退でしたね。」

緒美。
「引退後もしょうがない生活になりますね。」

羽叶。
「世間の非難もしょうがないのですか?」

水希。
「仕方がないで済んだ事案はないね。」

小依。
「オーバーキルも含めて、しょうがないのです。」

羽叶。
「その後もそうなっても仕方がない、なんか理屈に思えます。」

到着。

お菓子屋に入店。

その後は帰宅して。

ケーキなどを食べました。

お金があるので。

こういう形で配るんですね。

余剰財産は、哲学でも言及されています。

最新科学の超ひも理論も読んでおく。

いつの間にか。

ゲーミングノートで勝手に遊んでいるメンバー。

共有みたいな端末。

軍関係者向けシミュレーター。

学世。
「レオパルド戦車の最大射程は五千メートルだよ。」
「サーモグラフィーによって。」
「五千メートル先の標的が見えているんだ。」
「相手からは豆粒にしか見えない距離での撃ち合いになる。」
「レオパルド戦車の主砲は優秀だから。」
「そこそこの確率で五千メートル先の相手に命中させられる。」

小依。
「レオパルド戦車って何の作品ですか?」

百香。
「レオパルド戦車はどこの作品に登場しますか?」

緒美。
「あのね、実物が欧州にあって。」
「戦争に使われる主力の一部だよ。」

小依。
「ああ!なんてことを!」

百香。
「あんなものを人にぶつけるなんてひどいです!」

緒美。
「敵は積極的にぶつけてくるけれどね。」

学世。
「レオパルド戦車の装甲は優れているけれど。」
「次々と被弾すると壊されるよ。」
「先制発見して先制攻撃が基本だけれど。」
「それができないと。」
「敵に撃たれる前に逃げたりするよ。」
「射線を切れば何でも避けられるから。」
「相手との射線は重視されているね。」

緒美。
「軍隊はチームで動いているから。」
「単独行動はあまりしないし。」
「敵の位置や行動は、無線連絡によって露呈するから。」
「連携によって一方的に撃てることもあるよ。」
「無線で敵の行動を把握しながら戦うのが基本だよね。」
「味方同士で情報を共有できるから。」
「先に敵を見つけた味方がチームに情報を提供しながら戦うので。」
「敵も同じくらいの連携がないと。」
「レオパルド戦車の相手にはならないよ。」

学世。
「レオパルド戦車がやられる場面は。」
「たまたま敵に一方的に撃たれたとか。」
「たまたま相手に対戦車ミサイルを撃たれて被弾するとか。」
「やられる時はやられるし。」
「それも撃破される時はあっさり壊されるね。」
「無敵の兵器ではないので。」
「一発の被弾も許容できなかったりする。」

緒美。
「第三世代主力戦車は、回避も設計思想に取り入れていますね。」
「どんな対戦車兵器も強力無比で。」
「敵戦車の砲撃も、一撃必殺みたいなものですから。」
「それならある程度、避けられると、好都合ですからね。」

学世。
「対戦車ミサイルを兵士が放っても。」
「攻撃に成功して生き残る兵士は多くはないし。」
「中途半端な砲撃では、第三世代戦車に通用しませんから。」
「やはり高性能で、少しくらい価格の高い。」
「技術と費用が洗練された戦車に需要がありそうですね。」

緒美。
「強くて安くて簡単な戦車なんて需要ありそうですね。」
「性能は最高、費用は可能な限り安い、整備も修理も簡単。」
「兵器は既にあるものを転用してもいいものができますし。」
「試作品の兵器なら、どんな国も作りたがります。」

羽叶。
「サルトルの名著、文学とは何か、について。」
「文学は主観的か、客観的か、その区別が語られる。」
「読み手の事をよく考えて執筆すること。」
「伝達というより値段相応の取引をすること。」
「簡単に言えば作者が読者に与えるプレゼントになる。」
「文学とはとにかく単純化されているものの。」
「内容は常に複雑であり。」
「作者の動機論から読者が受ける利益まで。」
「文芸という芸術が中間に置かれるなど。」
「文学を単純化して考えるのは愚かであると思われる。」

水希。
「文学とは作者が世界を巻き込む能動的な行為であり。」
「手紙ではない。」
「作者が発見した美しいものを発表すること。」
「自由への呼びかけであるという。」
「特に客観的な世界を提供する一面もある。」

羽叶。
「劇場では客席から舞台の出来事は簡単に把握できるが。」
「舞台が現実であったら、客席からでしか全体が見えない。」
「当事者は一部しか見えていない。」
「ならば、客観的な世界を少しでも見せて。」
「何かしらの自由を表現するのも美しい行いでしょう。」

水希。
「文学とは何か、については。」
「文学がいかに複雑な構造をしていて。」
「常に多様性を持っていて。」
「文学の現場がしばしばケースバイケースになるという趣旨ではある。」
「作家サルトルの質問は、アリストテレス詩論と並べた方が良い。」
「これは主観的な文学と客観的な文学の区別を解説している。」

羽叶。
「世界を舞台と見なす思想はシェイクスピアに見られる特徴である。」
「もし現実世界が単なる舞台で、我々が役者であったら。」
「筋書きから逸脱できない悲劇になるのか。」
「馬鹿しかいない喜劇になるのか。」
「すべてを知っているのは客席ということになり。」
「我々という役者は、筋書き通りに演じることを余儀なくされる。」
「無論、客席や劇作家は物語を熟知しているので。」
「現実世界にいる役者は、主観的にしか現場を見ることができない。」
「シェイクスピアは本物の舞台を見ながら。」
「作品を書いたことは有名な話ではある。」

水希。
「科学とは何かを伝えていくよ。」
「ただ世界の一部であると。」
「結論を先に。」
「それだけ、それだけではない。」
「科学の先に、科学の先には。」
「何が見えてくる。」
「科学の行き着く場所には。」
「何があるかただ知りたい。」
「科学の先に。」
「何があるとしても。」
「科学の先には何があるとしても。」
「見つけていくよ。」
「科学とは何かを定義する結論。」

夕方になり、母が一時帰宅。

夕食を作って立ち去る母親。

一時間後に戻ってきます。

全員で夕食の支度をしたり。

親戚や同級生で夕食をとったりするので。

その場合は、一時母親不在でも、成り立つ家庭。

今日もメールフォルダは満タンです。

英語のことわざ。

この世は邪悪な世界である。

そしてわれわれはその一部分である。


2


いかなる禁止も侵犯を含んでいる。

ブラック企業のギルド。

リーサルカンパニーが暗躍している。

勧誘はもちろん。

借金をした相手を拉致しようとしたり。

最初だけ高い報酬を提示して。

後から裏切るという黒服の団体。

マインドコントロールの手法を使うほどブラックな企業の一団が。

拉致しようと仕掛けてきた。

黒服。
「我々は、最初疑問だったんだけれど、後から理解した者達なんです。」

羽叶。
「噂の組織ですか。」

黒服。
「私も最初は疑問だったのですが、後から気がついたんです。」

水希。
「どうする?」

黒服。
「我々は、素晴らしい職場を提供しているだけです。」

緒美。
「倒してしまえ。」

羽叶。
「二人でやりますね。」

魔法書から落雷を選択。

低電圧の感電で。

数人が逃げ出した。

一人が無謀にも突進を試みたので。

マジックミサイルで跳ね飛ばして。

追い払った。

緒美。
「最後にこれあるから。」

黒服。
「ぐふっ!誘拐して洗脳すれば良かったはず!」

緒美。
「そんな戦闘力で私に匹敵しますかね。」

黒服。
「拉致してから洗脳すれば、責められない!」

羽叶。
「まあまあ、いいじゃないですか。」
「魔法を一発、ぶち込んだくらいで。」

黒服。
「やめて!ちょっとした出来心じゃないですか!」

学世。
「後ろに激怒市民がいますよ。」

市民。
「募金とか嘘つきやがって!」

学世。
「あまり怒ってばかりいると。」
「滑稽に見えてしまい。」
「信用が低下する。」

乱闘が発生したので。

立ち去ります。

尾行していた自警団も加わってしまい。

数の暴力。

ブラック企業は袋叩き。

何とか逃げて。

古本屋の前に到着。

掘り出し物を散策。

たまに在庫過剰になった駄作や。

発行部数が多過ぎて安くなったものや。

希少価値が低い本までいろいろありますね。

希少価値が高い本は、競りに出されるので。

あまり出回らない。

書籍の社会的評価は、値段にも現れる。

学世。
「自然発生した変異は安全で。」
「作為的な変異は危険という考え方は誤っている。」

羽叶。
「文学の起源は?」
「多分、歴史の模倣に徹している。」

学世。
「駄目な文学は、読者にへつらう。」
「良い文学は、読者への要求と信頼の行為になる。」

緒美。
「文学作品は、読者を常に選んで区別する。」

水希。
「他人が日々やらかす、失敗を収集してから。」
「成功例を見た方が手っ取り早く真実に辿り着く。」

羽叶。
「文学では作家は、常に敗者である。」

学世。
「何一つ真実を含んでいない文学は、意味もなく。」
「読まれる価値もない。」

緒美。
「現実を倒す要素がない文学は、多分、つまらない。」

羽叶。
「詩人の一貫した特徴は、世界の裏側をよく見ているということ。」

学世。
「詩人は、世界の裏側を集中狙いする。」

羽叶。
「質問。」
「何か言うべき事を持っていますか?」
「こう問われて執筆が開始されるという。」

緒美。
「しっかりした立場、権威を持ってしまった文学は。」
「迎合されているだけの退屈なものと非難されることになる。」

学世。
「詩人は意外にも言葉や言語を嫌う傾向にある。」
「言葉がそこまで危険で威力があると知っているから。」

水希。
「作者と読者は対等。」

羽叶。
「詩人は人工の神話を作っている。」
「散文家は現実を模倣するだけ。」

水希。
「作品の自己診断は難しい。」

羽叶。
「文学とは。」
「見えない作者のために書くことになるが。」
「数は未知数。」

水希。
「読者は奴隷ではない。」
「ここまでの文学的真実はあまりない。」

学世。
「やはり勉強と学問は区別されますね。」

羽叶。
「文部科学省のお偉いさんが、学校教育が嘘くさい。」
「という批判までしていますね。」
「成績まで操作できたら楽ですし。」

学世。
「文部科学省の偉い人が言うには、設定された正解しか問われない。」
「教室の詰め込み暗記教育は錆びついた時代遅れ。」
「成績の評価基準が教育委員会のデタラメに基づいている。」
「評価する審査員が馬鹿ばっかり、とか言う趣旨の本を書いていますね。」
「それなら、他人の馬鹿を利用して、何でもうまく行けばいい。」

水希。
「うまく行かない?」
「うまく行っては駄目なのですか?」

緒美。
「うまく行っている人ばかりですけれどね。」

羽叶。
「むしろ成功例の方が多いですよ。」

学世。
「うまく行っている人からは何も学ばない。」

水希。
「うまく行かない?」
「そう言っているのはそいつだけ。」

羽叶。
「学校を観察すると、正解だけを追求するような。」
「群衆心理みたいな現場があるね。」

学世。
「杓子定規が学校教育の全て。」

水希。
「どうりで役に立たない人材ばかり増えるわけです。」

緒美。
「凡人には、ああいう正解を与えるだけで従うものですから。」

羽叶。
「私達は、学校教育ではまったく満足できない一団。」

緒美。
「学校教育では不満ですよ。」

水希。
「設定された正解通りに答えるだけ、満足しませんね。」

学世。
「しかも正解なんて、どんな現場でも通用しません。」
「勉強しても、決められた正解を習うだけで。」
「正解を決めたのも、自分より劣っている者達ですからね。」
「私達の不満も自然なものです。」

羽叶。
「今は大衆の時代と呼ばれるけれど。」
「大衆から外れている人はとても目立つ。」

水希。
「群衆の時代、とも言われています。」

学世。
「群衆心理に陥った学校は崩壊気味。」

緒美。
「熱心に教科書を読んだ私の意見。」
「これは何を証明しているのかね?」

羽叶。
「福沢諭吉も言う通りに、学問によって身分は上がる。」
「福沢諭吉は下級武士の子供だったので。」
「階級社会に精通していたりもする。」
「なので、啓蒙思想にありがちな階級社会の批判は多くはない。」
「偉い人は重要な任務に就いていた方々、という考察になっている。」
「啓蒙思想ではかなり穏健である。」

水希。
「趣味で学問をする人はたまにいます。」

羽叶。
「読書が好きな人は、古典をコレクションしている。」
「二宮金次郎の銅像はどこでもあるけれど。」
「市民は見向きもしない。」
「エピクテトスの銅像を作ったら。」
「少しは見るものかな?」

緒美。
「必要な技能を獲得した人は、経験に依存する理由はない。」
「必要な技能の習得を怠っている人は無能と呼ばれる。」

羽叶。
「学校教育を終えると、多くの人は書籍から離れてしまう。」
「それによって、与えられた教科書しか読んでいない事態に陥る。」
「天性を持つ人は、学校教育だけでは満足しない。」

緒美。
「馬鹿な行いが成立する唯一の条件は。」
「ひどい不合理な思考があった場合のみです。」

水希。
「とある学生、何かあるごとに教科書を取り出して。」
「それに基づいて出来事に対処した。」

羽叶。
「嘘の方をよく信じる人がいる。」
「実際はどうなのか調べてもいない。」

水希。
「自分に勝つとは言うが。」
「本当に自分に勝ちたかったら。」
「自分をハンマーか何かで打つことですね。」

羽叶。
「私は嘘をつかない、誇張をするだけ。」

学世。
「競争に参加する義務はない。」

緒美。
「競争は、不幸になるために最も確実で安直な行動である。」

水希。
「無駄な競争は辞めてしまい、必要な競争だけする人は栄える。」

羽叶。
「スポーツで譲り合いなんて通用しますかね。」
「格闘技の試合で譲り合いをしたら。」
「相手が譲った人を打ち負かすであろう。」

学世。
「負けるのが嫌いな人は、競ったらどこかで負けることを知っているので。」
「かなり賢明な方ですね。」

羽叶。
「他人を押しのけるのは自然なこと。」
「樹木だって近くの木々を押しのけるからね。」

学世。
「力への意志だけが、客観的な競争ですよ。」

羽叶。
「物事には遅延を与えれば、真実が出やすくなる。」

緒美。
「昨日、男性から告白されたので、無視した。」

水希。
「男女共学の偶然。」

羽叶。
「格言にも。」
「恋は役に立たない情熱。」

緒美。
「男性が情に訴えるのは、わかりやすい策略である。」

羽叶。
「性別に関する決定論は無視。」
「そんな事実もないし。」
「裏切れるので、単なる断言。」

水希。
「事実とは断言された誰かの結論である。」

緒美。
「当たり前とされるものは、別に裏切れるし。」
「受け入れる義理もない。」

学世。
「それも含めて人なんですよ。」

羽叶。
「本人だけ信じている考え方がある。」
「たいていそれが裏切られてはじめて分かる。」

緒美。
「明らかに異常な人を見かけました。」
「誠実で、嘘はつかず、礼儀正しい人達なんです。」
「そんな人は他にはまずいません。」

羽叶。
「人間の愚かさを過小評価するな。」

水希。
「誠実な人は買収できませんが、売ることならいつでもできます。」

近くにいた。

部長と部下の会話。

部長。
「最近は物忘れが多くて、誰にいくら貸したのかも忘れそうだ。」

部下。
「そんなことはお忘れになられた方がよろしいのでは?」

部長。
「お金がなくても幸せになれる本、値段が一万円。」

部下。
「通俗小説なんてつまらない。」
「昔からよくある会話を寄せ集めた品物なんですからね。」

同僚。
「あれ?部長じゃないですか、今日もゴルフでは?」

社長。
「部長がゴルフに夢中で過労死しそうになったので。」
「会社に入れて休ませています。」

同僚。
「それで資料を集めているんですね。」

社長。
「私はまだ起こったことのない出来事だったら覚えている。」

近くにいた学者。

久しぶりに古本屋に来店。

最近の変な本を手に取る。

通俗文学を読んだ数学者。

数学者。
「これは何を証明しているのかね?」

助手。
「最後の章までは広告であることを証明していますよ。」

数学者。
「人生に注文をしたのに、注文通りの出来事にならないので。」
「人生については代金を支払わなかった。」

科学者。
「私は民間信仰なんて信じない、そんなものを信じたら縁起が悪いからね。」

店員。
「とある学生、冷戦を雪合戦であると勘違いしていた。」

科学者。
「世の中、イカサマをしても勝てない人もいるので。」
「イカサマを使っても勝てないようなら。」
「逃げた方がよろしい。」

店員。
「批評家は、暴れたくてしょうがないけれど。」
「勝ち目がないのなら、普段は黙っている。」

道化師。
「今日の事件。」
「いきなりライフル銃を誤射した凶悪犯の台詞。」
「教えてくれ!どうして私はこんなことをやったんだ!」

古本屋で、いくつか購入して。

外に出る。

今日は意外な書籍が売っていました。

大手の古本屋は好都合。

羽叶。
「嘘はいつ必要になるか分からないよ。」

緒美。
「戦争はいけないという方に反駁。」
「石ころひとつ残らないような平和のための戦争にも反対ですか?」

水希。
「戦争とは友好諸国への友好的訪問である。」

学世。
「みんなの助言によって論文を書いてみなさい。」
「読めるような論文にならないから。」

羽叶。
「私の意見がインターネットでは揺らぐということがよく分かったよ。」
「インターネットを見るのは辞めることにする。」

水希。
「ライトノベルは十代のみに読者が限定されている。」
「これが決定的な汚点ですね。」

学世。
「ライトノベルは十代に最適化してしまっているので。」
「少年以外にはまったく受け入れられないね。」

緒美。
「全年齢対象にしないと、読み手が多くはならない。」

羽叶。
「子供が読むような本に成り果てていて。」
「脚本も、いろいろ不合理な箇所が散見されますからね。」

水希。
「ライトノベルをやたら読む知識人がいて。」
「割とましな作品を読んでいたようですが。」
「特に感想もないくらい中途半端な小説らしくて。」
「むしろそんなものが蔓延る現代社会に。」
「何か問題があるという。」

羽叶。
「あまりに内容が平凡なので、その知識人の書籍には。」
「目立った感想が載っていない。」

水希。
「ラノベをよく読む知識人の意見を包括すると。」
「あまりに普通の小説なので。」
「普通の評価しかつかないし、言い換えるとあまりに平凡なので。」
「娯楽としては不適切、というものでしたね。」

通り道。

カトリック協会の掲示板。

変なことが書いてある。

初めて創世記を読んだ子供の感想。

禁じられた木の実を食べるなんて。

なんてひどい奴らなんだ。

すぐ近くにいた市民。

フライパンで自分を殴っている人がいた。

彼が言うには。

自分に勝つために、自分を殴っているんだ。

なんて言っていた。

公園に隣接する運動場に出ると。

今日も野良のサッカー選手が遊んでいる。

選手。
「なぜ私がフットボールをするからですって?」
「自分に腹を立てるためです。」

水希。
「不合理な同調は、心理学でも否定されています。」
「同調した結果、誰でも当てられるクイズに対して。」
「わかりやすい間違いをした。」
「同調すると、その集まりの思考能力、知性、判断力は。」
「大幅に低下します。」
「個人の方が明らかに優れた意見が出せるんですね。」

羽叶。
「やたらに集まるのは、弱くて劣っているからなんですね。」
「未熟だから数に頼る。」

学世。
「弱者の集いである畜群の誕生ですね。」

緒美。
「神々はそんな群衆なんて興味はありません。」
「彼らがあっさり野垂れ死んだり。」
「酷い目に遭うのは、そもそも同調する人間に。」
「神々は見向きもしないからですね。」

羽叶。
「全体主義は太平洋戦争を引き起こして。」
「本土を瓦礫にしましたが。」
「同調は同じ事をするでしょう。」
「結果は既に決まっています。」

緒美。
「数で私に勝てないので。」
「無駄な抵抗ですけれど。」

水希。
「実際に同調している人なんて。」
「町中で見たことはありません。」

羽叶。
「同じ考え、態度になっている人は。」
「町中でいた試しがないですね。」

学世。
「良識のある人は同調しないんですよ。」

羽叶。
「私が目撃した人は、明らかに個人を持っていて。」
「同調を起こしている人は少数派でしたよ。」

緒美。
「実際には同調を起こしているのは一部だけで。」
「目立たない人は良識に基づいて考えていますね。」

学世。
「心理学では、同調なんて、誰でも分かるクイズに不正解になります。」
「同調をしていると、わかりやすい間違いを連発するんですね。」

水希。
「明らかに全体主義の後遺症ですね。」

羽叶。
「同調とは群衆心理の典型的なパターンですよ。」

学世。
「社会心理学を引き合いに出せそうですね。」

水希。
「同調していない人がたくさんいるので。」
「そういう人を目撃すると、動揺するんでしょうね。」
「自分の方が少数派であると知るべきです。」

野良のサッカー試合は見物客が多い。

休日は特に観戦している。

野球の方が無料観戦がよくある。

これは運動公園しか生じない。

今日も事件になっている。

犯罪組織の遺産を相続した「インターネット・トロール」が社会問題化。

同時に「社会正義戦士」がテロ行為を開始。

過激な犯罪が増加。

もれなく左派のため、安直なテロ行為を連発している。

今日もその関連のニュースだらけ。

組織化されて。

本拠地を持っているほど、他国の支援を受けており。

治安当局と自衛隊による攻防が続いています。

ただ、インターネット・トロールはデジタルではなくアナログで戦いますが。

戦闘能力がイマイチ。

社会正義戦士は戦闘力が中途半端。

目的は「何かのせいにして問題を解決する」というスローガンがあるようです。

羽叶。
「たまたま自分の考えに従わない人を。」
「同調していないと罵って。」
「裁いているだけ。」

水希。
「何者かが交差点で、同調しろ、なんて叫んでも。」
「誰も見向きもしません。」
「それだけ知らない所で同調は成立していないんですね。」

緒美。
「他人を従わせるために、同調という単語を引き合いに出しているだけ。」

学世。
「私が見たのは、社会であって、世間はほとんど出てきません。」

羽叶。
「同調するような馬鹿ばかりいません。」

水希。
「馬鹿な奴ほど同調するけれど。」
「馬鹿でなければ、同調はしませんね。」

羽叶。
「同調という単語を理解した人は賢明であり。」
「同調という単語を理解していない人はもれなく馬鹿です。」

水希。
「馬鹿がまかり通る場合。」
「不合理な思考がその場にありますね。」
「不合理だから、不合理な行いができるんですよ。」

羽叶。
「同調圧力とは、心理学からして。」
「自分達は明らかな間違いを犯しますよ。」
「見ていてください。」
「という犯行予告である。」

大学に移動中。

知り合いの教授に呼ばれて。

また論文を読むことになっています。

道中。

社会正義戦士の一団が、投票所に爆弾を仕掛けていた。

遠目から見ている。

こちらに気が付かない。

暴漢。
「この爆弾は勝手に爆発するんだけれど。」
「こんな雑に仕掛けても大丈夫か?」

犯人。
「すぐに爆発して失うらしいぞ。」

馬鹿。
「それなら問題ない、トランクに予備がある。」

暴漢。
「なんだって!危ないじゃないか!」

突然、近くの車が爆発。

一団は逃げ出した。

インターネット・トロール同士が喧嘩をしている。

どちらが正しいかで取っ組み合っている。

社会正義戦士。
「世の中、正しいか、間違っているかの、二者択一なんだぞ!」

インターネット・トロール。
「何が正しいかはみんなが決めるんだ!」

車道を塞いでいる。

腹を立てた暴漢が、インターネット・トロールの二人組を。

車で軽く轢いた。

現場があまりにひどいので。

ジャーナリストが押し寄せている。

付近はまた治安当局で溢れてしまった。

数日で二度目。

残党が滅んで、軍資金がどこかに埋められていて。

かなりの金額なので。

取り合いになっています。

最近は遺産のデマが溢れていて。

荒れていますね。

教授に呼ばれて。

論文の感想を求められたので。

大学の敷地に入っています。

この大学に受験しないかと誘われていますね。

大学生が、突然、言い出す。

とある書籍を外で読んでいた。

大学生。
「意見!?意見って何だ!」

全体主義者。
「意見?何だろう?」

大学生。
「意見について書かれた教科書はないのか!?」

全体主義者。
「そもそも意見なんて単語は聞いたことないよ!」

大学生は走っていって、近くの教員に質問した。

教員は手が空いていたので。

丁寧に返事をした。

教授。
「意見?それを理解できたら、もはや大人だ!」

大学生。
「意見と事実は違うんですか?」

教授。
「なんで意見と事実が同じだと思ったのか!」

全体主義者。
「だって、意見って事実のことだとみんな言っていたから。」

教授。
「事実が意見な訳がないでしょう、区別しなさい。」

大学生。
「そもそも意見って何!初めて聞いた単語なんですけれど!」

教授。
「ああ、日本では意見という単語は使われないからね。」

全体主義者。
「意見と事実はどう違うんですか?」

教授。
「まあまあ、意見について学びなさい。」
「意見を理解するには、日本人は一年は学ばないと、理解しない。」

大学生。
「アメリカ人は理解しているんですか?」

教授。
「それが欧米と日本人の平均的な教養の差なんですよ。」
「自国民は遅れているのか。」

大学生。
「意見とは単純なものだと思っていた。」

全体主義者。
「我々は意見とは何かについて。」
「調べなくては。」

大学生。
「意見が理解できれば、もはや子供とは言われないよな。」

教授。
「あれま、意見について知らなかったのか。」
「ひどい無知が大学生にいるものだね。」

全体主義者。
「意見について知るにはどうすればいいのですか?」

教授。
「そういうのは教えられて身につくもので。」
「名著や教養のある人に教わりなさい。」
「特に私という素晴らしい人間から学びなさい。」

全体主義者。
「なるほど!意見をまずは国語辞典で調べて・・・。」

大学生。
「意見なんて生まれて初めて聞いた概念ですよ。」
「世の中、経験なんて意味のない場合があるんですね。」

教授。
「経験だけで先生から学ばないなんて、増長しているだけですからね。」
「経験で儒学の中には入れない。」

正門から中に入ります。

今は授業中が多い。

教授に論文を読まされるけれど。

実はジョーク論文で。

私達が笑った所で教授は満足しました。

詭弁対詭弁という題名で。

詭弁家が詭弁家と無限に口論する内容で。

あまりの屁理屈に笑ってしまった。

論文のコピーを貰って、退出しましたね。

教授は親戚の友人で。

とても友好的、教養のある人は常に歓迎しているという。

羽叶。
「哲学で、一生を煩いなく過ごせるようになった。」
「こうなったのも、愚者が徘徊した結果ですけれど。」

緒美。
「いかにも、どこの誰かがデタラメをしてくれなかったら。」
「デタラメを訂正することもなかった。」

水希。
「間違いをしてくれなかったら。」
「間違いを直すこともなかったからね。」

学世。
「みんなが馬鹿をやってくれなかったら。」
「私が修正することもなかった。」

羽叶。
「人生ですか。」
「何にしろ誰かによって失ってくれなかったら。」
「私が取り戻すこともなかった。」

水希。
「キケロー老年について。」

緒美。
「老齢なんて耐えられないものですよ。」

学世。
「老年なんて事前の性格次第ですからね。」

羽叶。
「老齢は快楽という悪徳を自動で取り除く。」

学世。
「格言通り。」
「快楽とは、悪の餌ですからね。」

羽叶。
「終わりが来ると、後はすべて過ぎ去ったものとして。」
「取り除かれる。」

水希。
「残るのは、個人が受けた良いもの。」
「善なる行い、徳性だけですからね。」

羽叶。
「死に関する研究や訓練を若い時からしていないと。」
「あまりに死についての動揺が激しくなる。」

緒美。
「愚かな哲学者は、死んだら感覚が無くなるとか。」
「何もないとか、おかしなことばかり言っていたね。」

学世。
「そもそも個人は人生の見張り役なのですし。」
「見張りを欠かしてはいけないね。」

緒美。
「老年には個人差が激しく出る。」
「それは若い頃からの習慣のようです。」

水希。
「年寄りだから性格が悪いのではなくて。」
「年齢は関係ないのです。」
「性格の悪い年寄りは、最初から性格が悪いだけ。」
「年齢で衰えるという考え方には、多大な批判を受けますね。」
「現代思想の、反出生主義を語りたい。」

羽叶。
「出生の仕組みが人生を台無しにしてくれなかったら。」
「それらを取り戻す必要もなかった。」

水希。
「何々に感謝します!」

羽叶。
「それが起きなかったら、感謝する必要もなかった。」

学世。
「色々と奪い返した。」

羽叶。
「それらが奪われなかったら。」
「奪い返す必要もなかった。」

緒美。
「そうなったので、様々なものを得た。」

羽叶。
「それがなかったら、様々なものを得る必要もなかった。」

学世。
「お陰で、いろんな体験をしましたよ。」

羽叶。
「いかにも、悪いものが生じなければ。」
「私がいろんな体験をしなくても良かったのでしょうから。」老年について11

緒美。
「キケローの著書を祖父と知り合いの老人にあげたら。」
「喜ばれました。」

羽叶。
「親孝行でさえも、融和していれば、それが親孝行。」
「金銭で保護するのが親孝行ではない。」
「孔子の論語にて。」

学世。
「何もしていないようで、哲学の研究に夢中です。」
「証拠を出して、これでも何もしていないのか問うと。」
「裁判官は私に無罪放免を与える。」

羽叶。
「アリストパネスの老年期も、悲劇などを書いていて。」
「何もしていない老人であると訴訟を受けたけれど。」
「作品を法廷で朗読したら、あっさり覆って無罪放免でしたしね。」

緒美。
「老年期の方がパワーアップする人も多々います。」
「特に、教養のある人が老齢になって大成することもありますね。」

水希。
「若いからと言って、次の夕方まで生きているなんて言うのは。」
「とてもナンセンスな人生観ですからね。」

羽叶。
「若い頃に現れる、奴隷みたいに扱ってくる欲望から逃げてきた老人達ですしね。」

水希。
「何か我々は老人みたいな若者ですよね。」

羽叶。
「哲学をすると、たいてい、そうなりますよ。」

緒美。
「哲学は四年くらいで足りますね。」

羽叶。
「世間の煩わしい上辺だけの学問は捨ててしまえ。」

水希。
「表面だけ取り繕った学問は捨てるもの。」

学世。
「形式的な学問を捨てると、憂いなし。」

羽叶。
「必要な技能を得ると、何もすることがないような。」

緒美。
「自分の選択肢によって、いくらでも状況が変わるからでしょう。」

学世。
「自由があると、些細な選択で、次の結果がまるで違いますね。」

水希。
「自由を駆使すると、危険な選択肢も多く出てきますが。」
「それで動揺することが多々あります。」

羽叶。
「いくらでも経過が変わるので、それが時に危険ですが。」
「自由がなかったら、個人も人格もありません。」

緒美。
「徳性や善は教えられて身につくもので。」
「教わらない限りは、まだ悪に入る選択が人間には可能です。」

水希。
「自由によって悪に入るのは人にとって容易いですからね。」

学世。
「哲学で、善と悪は、俗説とはまったく異なりますね。」

羽叶。
「彼らの言う善悪の基準は何でしょうか?」

学世。
「自分でしょう。」

羽叶。
「なるほど。」

最近の結論を出す。

疑問に決着がついています。

夕方、解散するいつもの銅像前にて。

羽叶。
「私達は、なぜこうであって、それ以外ではないのか。」
「という十分な理由がなければ。」
「いかなるものも真実ではないし。」
「存在することは許されない。」

緒美。
「矛盾を含むものは何でも偽りであって。」
「偽りと矛盾したら、それは真実ですからね。」

水希。
「理由や原因がないのなら、それは神の証明にはならない。」

学世。
「理由は必要ですし、それも十分で妥当でなくてはならない。」
「理にかなっている場合のみ理由になり。」
「足りない理由や原因は存在を許されない。」

生まれつきの哲学者の四人組。

先天的なもので。

お高い古書がメンバーの家にたくさんあるんですね。

西洋古典叢書というシリーズがたくさんあり。

両親がエピクテトスに習って。

集めていたもの。

今や社長なのですが。

あらかじめ技量を高める鍛錬の成果のようです。

天才と言っても恩寵説に基づいているので。

正々堂々としています。

つぶやき。

私はすべてのことを許すことにしている、しかし君の行いだけは例外だよ。


3


海岸に遊びに来ています。

日曜日は自由に行動。

平日は退屈なので、省略。

映画でも退屈な場面だけはすべて削除され。

面白い場面だけ使われる。

これは基本だけれど、やや平凡な技。

海岸にて。

羽叶。
「正しいとは何か?」

緒美。
「正しい?それは比喩ですよ。」

水希。
「正しいとは比喩的表現である。」

学世。
「正しいから、確信しているのか。」
「自分の権利を主張しているのか。」
「相手を拒否しているのか。」

小依。
「自分は正しいから、従え、という意味なんですね。」

百香。
「どうして正しいから、従う必要があるんでしょうか。」

羽叶。
「正しいから正しいんだ!」
「なんて論証でしょうけれど。」

小依。
「正しいから、何かあるのですか?」

百香。
「正しいって、それで何かあるのですか?」

緒美。
「何にしろ、体験とは食い違う現実とか言う世界ですね。」

水希。
「体験と対立するのなら、その中に本物があるのでは?」

学世。
「真実ばかりが尊重されないし。」
「人々の抱く思想には警戒が必要ですね。」

小依。
「何々だから何々なんですよと言われても・・・。」

百香。
「正しいと言われても、思惑通りには行きませんよね。」

羽叶。
「相手をこき下ろして、自分が上という考え方かな?」

水希。
「それとも、立場を逆転させて勝とうとしているのか。」

緒美。
「それなら、正しいとは、勝ち負け、という意味ですね。」

小依。
「勝敗の商品が、その正しい、なんですか?」

学世。
「勝ち負けならば、どんな暴力を使っても賞賛されませんか?」

羽叶。
「ドストエフスキーの格言で。」
「もし?神がいないのなら。」
「我々は何をしても許されるであろう。」

百香。
「え?禁忌も正当化できるの?」

小依。
「正当化って何?よく分からない。」

羽叶。
「正当化?勝ち誇る事ですかね?」

学世。
「その場で立って、何か喋っているだけですね。」

水希。
「直立して何か言っているだけの人ですね。」

緒美。
「言っているだけで、自然に影響しない正当化ですかね。」

羽叶。
「言っているだけならば、人工知能の方が綺麗かと思われます。」

学世。
「第三者から見ると、何かと喋っているだけで。」
「それ以外に何にも影響しない。」
「空理空論の試合に見えますね。」

緒美。
「正当化、相手を罵って、自分が上だと名乗るのですか?」

羽叶。
「理解できません、細分化するほど訳が分からない。」

水希。
「正当化する人は、自分の考えが絶対だと思っていて。」
「相手を言い負かせば、自分の考えが通ると信じている。」

学世。
「いくら正当化しても、現実に影響しないと思うけれど。」

小依。
「口論の試合をしているのですか?」

水希。
「何も学んでいない人に対しては。」
「口論で倒すしかない場合が多々あります。」

羽叶。
「相手を議論で負かすほど、相手は詭弁しか使えなくなる。」

学世。
「負けを認めないからですね。」

羽叶。
「感情論が支配する。」

学世。
「正当化できないと分かると。」
「すぐに攻撃的になる人もいますしね。」

水希。
「議論で負かすと、今度は悪口を言おうとする。」

緒美。
「それは正当化に失敗して、安直な悪口に走っています。」

百香。
「正当化に失敗することもある?」

羽叶。
「失敗しますね、正当化はたまに。」

緒美。
「正当化が成功するとは限らない。」

羽叶。
「正当化は、半分くらいの確率で失敗しますね。」

緒美。
「それでは、勝ち目のない正当化は愚かですね。」

羽叶。
「正当化に失敗すると、認知的不協和という心理状態になります。」

緒美。
「事実の解釈を無限に変更しますね。」
「相手の悪口を言ったり、貶めたり。」
「自分の方が上だと名乗ったりして。」
「負けているのに挽回を試みる。」

羽叶。
「しかし、相手が正論を繰り出せない時点で。」
「相手の詭弁が続いているだけ。」
「逆に、正論を繰り出せなくなった相手を見て。」
「満足しておくのもいいかと。」

学世。
「ということは、正当化に失敗すると。」
「詭弁を無限に繰り返す、という荒業を使うんですね。」

水希。
「正当化に成功するには条件がありますからね。」
「失敗した人が屁理屈を繰り出します。」

小依。
「それでは正しいとはそんな比喩なのですか?」

羽叶。
「そういう比喩ですね。」

緒美。
「人間が自らを正しいと言う時は、無謀になっていることもありますね。」

水希。
「どの基準から見て正しいのか、ちょっと理解できない。」

学世。
「どこら辺からして正しいのか、少し理解できない。」

緒美。
「いちいち正しいなんて主張できる訳がないでしょう。」

羽叶。
「誰しもが、自分が正しい、なんて名乗ったら。」
「無法地帯ですよ。」

水希。
「それですと、強者に統治して貰った方が得しますね。」

緒美。
「となると、正当化は、権利であると信じておいて。」
「実際には何の権利も獲得できていませんね。」

羽叶。
「やはり正当化は空理空論ですね。」

水希。
「やはり立って喋っているだけですね。」

百香。
「社会正義戦士は訴えられると。」
「いつも欠席しますね。」

羽叶。
「武力で打たれて、ようやく正当化できないと分かるようです。」

水希。
「では、なぜ人は正当化するのか?」

学世。
「その場で勝ちたいからですね。」

羽叶。
「勝って、どうするの?」

水希。
「満足するだけですね。」

緒美。
「それでは人格が疑われます。」

水希。
「疑われることを平気でするでしょうね。」

学世。
「責任転嫁を連発するでしょうね。」

水希。
「わかりやすい幼稚な言動をするでしょう。」

緒美。
「正当化するのはなぜか?」
「弁論で勝利したいという欲望である。」

羽叶。
「弁論術も学ばないのに、勝利するのは不可能。」

緒美。
「足りない能力を、幼稚な屁理屈で補うんですよ。」

羽叶。
「それ補えてないですね。」

学世。
「ということは、お互いの勝ち負けの認識が違うんですね。」

羽叶。
「でしょうね、実際の勝敗とは関係なく。」
「主観的に勝敗が決まりますし。」
「お互いの勝敗の認識は異なります。」

水希。
「正当化を極めると、主観的になるだけですね。」

学世。
「誤りを改めない相手の責任ですね。」

羽叶。
「その相手は、自分の愚かさを正当化したので。」
「もう無理ですよ。」

緒美。
「正当化とは、喧嘩で勝ったことにする方法である。」

羽叶。
「ですよね、勝ったことにして逃げようとする。」

緒美。
「勝手に勝利を宣言して逃げ出す、それで終わりですね。」

羽叶。
「正当化にも限界があると思います。」

水希。
「無策で正当化するのは不可能ですね。」

学世。
「正当化に頼り過ぎて、真実がないですね。」

羽叶。
「真実を述べるつもりなら、理屈は要らないですね。」

緒美。
「本当の事を言いたいのなら、詭弁は不要ですしね。」

羽叶。
「間違っているとは何かについては。」
「定番の。」
「逆は必ずしも真ならず。」
「という格言の通りです。」

緒美。
「逆が真とは限らないので。」
「ここでは無視。」

小依。
「正当化の結果は?」

羽叶。
「知りません。」

人材使い捨てが話題になっています。

特に、一時期、作家使い捨てがあったという。

不利な契約を結んで、用済みになったり。

少しでも背いたら、契約を解除して捨てる。

次から次へと安い作家を勧誘して。

収益を得る、なんていう仕組みがあり。

実際には薄利多売。

失敗した商法として、教訓になっています。

芸能や芸術で失敗する人もいて。

解雇されると、次の日からは路頭に迷う。

意外にも、職業は一度失うと。

次の職業に入りますが。

人気や手柄は失われるようですね。

群衆心理に陥っている世の中は危険。

ギュスターヴ・ル・ボンの通りになっている。

階級社会が解体されると、残った大衆は。

何かひとつで統一できるものが無いかと詮索して。

全体主義の起源になったという。

全体主義は群集心理に基づいている。

一部の人は悪用して、残りの人は苦しんでいる。

現実は思っているよりも過酷。

公営放送の特集を印刷していて。

海辺で読んでいます。

とても中立的で客観的な特集ウェブページは貴重な資料。

最近は役に立つ情報が揃っている。

社会に関しては疑問しか浮かばない。

問い。

あれでいいのか?

羽叶。
「一部の人間が失脚する理由が分かったけれど。」
「復活する理由も分かった。」

緒美。
「自分勝手に追放するのはやり過ぎですしね。」

学世。
「特に意味もなく策略で落とそうとする奴もいますし。」
「悪事を楽しんでいるようです。」

水希。
「無駄な競争や無駄な争いをやりたがるのは。」
「男性に備わっている悪の性ですね。」

小依。
「何のために競っているの?」

羽叶。
「それがないんですよ。」

百香。
「何のために争っているのか、中身がない?」

羽叶。
「いいえ、負ける可能性を考えてないんですよ。」

水希。
「競うことでしか評価を得られないなんて愚かですね。」

羽叶。
「勝敗でしか評価がつかないなんて、気の毒です。」

小依。
「思惑通りにはなりませんね。」

羽叶。
「人に勝つのは簡単ではない。」

緒美。
「たまたま相手が負けやすいので。」
「私が勝者になりがちなだけですね。」

羽叶。
「相手が馬鹿で助かる戦いもありますよ。」

学世。
「何の訓練もなしに、競うとか、無謀ですしね。」

水希。
「相手を追い払っても、さらなる強敵なら、けっこういますし。」

緒美。
「私は未だ強敵に出会ったことはありませんが。」
「誰かにとっての強敵は目撃したことはあります。」
「桁が違う実力を持っていました。」

羽叶。
「本気で競っている現場は、実際に通用している人々で。」
「満員ですからね。」

緒美。
「失脚しても復帰できるのは。」
「敗因の分析を怠っていなかったり。」
「実力で競う選択をしているからですね。」

羽叶。
「まぐれでは一度しか勝てませんからね。」
「まぐれは二度も続かないし。」
「まぐれは何度も続かない。」

水希。
「ということは、何でも勝ち負けで決めるような。」
「馬鹿みたいな態度が問題ですね。」

学世。
「何でも勝ち負けでしか物事を見ない?」
「そんな馬鹿な奴がいる訳がないでしょう。」

羽叶。
「勝敗でしか判断できない馬鹿なんていませんよ。」

緒美。
「ですよね、勝ち負けが大事なんて主張する馬鹿なんて。」
「私は見たことがありませんし。」
「もしいたら、馬鹿という呼び方がとっても似合う人ですしね。」
「馬鹿という呼び方が正当な評価。」

羽叶。
「公正な評価にも拒否をするのでしょうか。」

小依。
「公正な評価にも文句を言うの?」

百香。
「公明正大は大事なんですよ。」

緒美。
「ああなんて、主観的な評価。」

羽叶。
「簡単に人材を捨てると、同格の人材なんて。」
「その後には現れませんよ。」

水希。
「優れた人に匹敵する人材は、その後にはもう出ませんよね。」

学世。
「どこぞで人材の使い捨てをしていますけれど。」
「平凡な人材くらいなら無限にあります。」
「ちょっと創業者に商才がないよね。」

羽叶。
「何の才能もない経営者に雇われるのは。」
「目に見えて最悪でしょうけれど。」
「優れた人材も探せばいるので。」
「人材使い捨てが長く続くとは思えない。」

学世。
「資本主義者は、事業の保持は苦手ですからね。」

羽叶。
「中くらいの成功で満足しませんし。」

緒美。
「まずまずの成果で止まりませんからね。」

水希。
「保持ができないのが、資本家の弱点ですね。」

緒美。
「私を入れてくれるような会社に、私は絶対入らない。」

羽叶。
「ある社員が解雇されたのは。」
「契約の内容を厳守していたから。」

学世。
「ある社員が遅刻をしたのは。」
「法定速度を厳守していたから。」

羽叶。
「世界は、なぜか中くらいを維持するように出来ている。」
「その中くらいの強制みたいな維持を。」
「予定調和と呼ぶのかもしれないけれど。」

緒美。
「素晴らしい世界は無理に破壊されて。」
「愚かな世界は無理に直される。」

水希。
「中くらいを保持する強制みたいな世界ですね。」
「世界は極端を排除しようと必死になります。」

学世。
「孔子の例えで、中くらいの水を入れる容器があり。」
「少しでも水が増えると溢れる。」
「みたいなのがあります。」

羽叶。
「どうしたら世の中が素晴らしくなるのか?」
「という議論があるということは。」
「既にある程度、素晴らしい世の中になっていて。」
「もっと良くしようとする欲望が心理にあるのでは?」

水希。
「既に上々で、充分に良い世の中なので。」
「なにか納得できない部分があって。」
「理想を追い求めようとする。」
「それでも理想で終わっているのは。」
「それ以上の世の中にはならないという暗示ですかね。」

緒美。
「常に優れた社会を実現しようとする理想は大切ですけれど。」
「そうなるとは限らない。」

羽叶。
「仮に、最高の社会を作ったとして。」
「後は、最高の社会を長く維持できないとか。」
「そういう展開もありますね。」

水希。
「優れた世界にすると、どこか破損して。」
「悪い世界になると、回復に熱中する人々が激増する。」

緒美。
「自分達を客観的に評価できるのか。」
「怪しい世界観なのですが。」
「世界の自己診断なんて。」
「人間にはできませんよ。」

学世。
「世界の自己診断なんて人間には無理です。」

羽叶。
「見えないし測れないけれど。」
「実際以上に良いとか。」
「実際以下に悪いとか。」
「その都度、判断するしかない。」

学世。
「どうせ程々の度合いで停止ですよ。」

羽叶。
「あまり頑張っても、成果はないでしょうね。」

緒美。
「人工知能に回答させようとしても。」
「所詮は人間のレベルから逸脱しませんからね。」

水希。
「あまりにうまく行っているので。」
「もっとうまく行こうと空回りですね。」

羽叶。
「現代という時代も、所々、破損していますし。」
「権威主義とか言う。」
「民主政を否定する政治も出てきています。」
「どうせ巻き込まれるので。」
「立ち回りを考えておかないと。」

緒美。
「既にあるもので何とかしないからですね。」

羽叶。
「ストア派の問答にも。」
「どうすればいいですか?」
「そうですね、今あるもので何とかすること。」

学世。
「今あるもので何とかせずに。」
「追加ばかり求めているので。」
「かえって下手になるね。」

緒美。
「マルクス・アウレーリウス自省録にもある通り。」
「これ以上はどうすれば?」
「そうだね、今あるもので何とかするのが最善だね。」
「実際に収録されている問答です。」

水希。
「政治も兵器も、今あるもので何とかすれば。」
「好都合になるかと。」

羽叶。
「既にあるもので何とかするのは。」
「ストア派の基本ですしね。」

水希。
「既にあるもので工夫するのは大切なのです。」

羽叶。
「今あるもので工夫するのは基本です。」

緒美。
「金曜日、憂さ晴らしに喧嘩した。」

水希。
「弱いもの虐め良くないです。」

羽叶。
「いくら喧嘩だからと言って、相手をひどいくらい。」
「倒しまくるのはなぜですか。」

緒美。
「相手が勝手に倒れるからです。」

小依。
「世の中の何が間違っているのか。」
「丁寧に説明して欲しいくらい。」

百香。
「すべて間違っているなんてありえない。」
「壊れた腕時計ですら。」
「一回だけは正確な時刻を指し示す。」

学世。
「いちいちクイズでもするんですか?」

羽叶。
「クイズに正解しても、何も貰えない。」

学世。
「良識のある人を二人追加でよろしく。」

緒美。
「馬鹿は混ぜなくてもいいので?」

羽叶。
「馬鹿が正解を言うとか、ふざけた目撃談が時々ある。」
「そんなものはデタラメです。」
「もし馬鹿が、切手の値段を間違えている。」
「と言ったとしよう。」
「その馬鹿は嘘をついているのに決まっている。」

水希。
「日本のテレビ番組は、コマーシャルがあまりに長いので。」
「どこからが番組で、どこがコマーシャルなのか。」
「未だに区別できないでいる。」

謎の船舶が浮かんでいる。

よくある貨物船から船が発進。

すぐ近くに陣地を設置した自衛隊。

対テロ戦争を戦い慣れている。

指揮官。
「ある人は一ヶ月勉強した、ある人が失ったのは一ヶ月で済んだ。」

普通科隊員。
「すべての出口は、他の入口なんですよ。」
「無論、出口から中に入る人もいる訳です。」

お昼過ぎ。

電気アシスト自転車で。

遠出なので。

帰ろうと準備している。

関係者が、すぐに立ち去るように。

警告したので。

何かあるみたい。

謎の一団が海岸から侵入してくる。  

小型艇で。

どうやら他国のゲリラ。

適当に荒らして逃げ出す。

よくある軍団。

ゲリラ。
「ぐへへ!荒らしちゃうぞ!荒らしちゃうぞ!」

テロリスト。
「うへへ!荒らすぞ!荒らすんだぞ!」

軍団はしばらく進むと。

いつもの待ち伏せを受けて逃げ出した。

普通科隊員。
「こら!逃げるな臆病者!」

ゲリラ。
「まあまあ、そうおっしゃらずに。」

テロリスト。
「一応は責任を取ろうと思っているんですけれど。」
「君達が撃ってくるからね。」

小型艇に戻ると。

なぜか海が割れていて。

小型艇がひっくり返っていた。

ゲリラ。
「やりやがったな!」

テロリスト。
「ああ!唯一の脱出手段が!」

牧師。
「なぜ君達はまともな方法で戦わないのか。」

ゲリラは謎の攻撃を受けた。

火球による炎上。

雷まで落とされて。

動けなくなる。

ゲリラ。
「うわあ!魔法攻撃だ!」

テロリスト。
「頼むから、普通の攻撃で戦ってくれ!」

緒美。
「憂さ晴らし。」
「宝くじを買っても百円しか当選しないし。」
「いつものジュース自販機が売り切れになっているし。」
「いつも安いサーモンの刺身が値上げされていたので。」
「君達のせい。」

羽叶。
「面白い!」
「私のために、犠牲になれ!」

ゲリラ。
「ちょっと待った!話し合おう!」

テロリスト。
「きっと分かり会えるはず!」

羽叶。
「おっと、ちょうどいい所に敵兵だ。」
「今の奴、入ったでしょ。」

緒美。
「日頃の憂さ晴らしに、食らえ!」

ゲリラ。
「やばい奴に遭遇してしまった!」

テロリスト。
「三方向から囲まれました。」
「投降しましょうね。」

普通科隊員。
「捕虜収容所は男の趣味を持つ者が複数いて・・・。」

ゲリラ。
「やだ!やだ!そんな監獄やだ!」

テロリスト。
「もう泳いで帰ります!」

自分の船に泳いで帰っていく敵達。

意外にもビート板を持っていて。

中はウェットスーツで。

逃げてしまいました。

撃退。

参加した数名は、何も言われずに。

普通科の隊員は事後処理に移行。

どうやら、憂さ晴らしの攻撃で。

敵は戦意喪失して、武器や道具を捨てていったらしい。

全員、自然に立ち去る。

市街地にて。

デモ、抗議活動に集う民衆。

何となく給料が安いので。

八つ当たりする様子。

市民。
「なんで給料が安いんだ!」

民衆。
「一生懸命に働いているのに。」
「こんな安さはひどいぞ。」

夫人。
「そうよ、あんな安い主人と結婚させるなんて。」
「ひどい世の中ですよ。」

子供。
「僕の財布にお金が無いなんて!」

市民。
「そうだぞ!少しも豊かになっていない!」

老人。
「彼らの言う豊かって、何だったんだ!」

民衆。
「見かけだけ豊かなんて認めないぞ!」

八つ当たりの五百人が行進。

それを見た工作員が。

内部工作がうまく行ったと勘違い。

話しかけてしまった。

工作員。
「みなさん、不満は誰のせいだと思いますか?」

市民。
「誰だてめぇ。」

工作員。
「政治に関する猜疑心は、あなたの理解次第なんですよ!」

市民。
「だから、お前は誰だ!」

民衆。
「俺達はこうやるのが日課なんだよ!」

暴民。
「俺達は定期的に暴動を起こさないと、どうかなっているのだよ!」

工作員。
「それでは今の政治に不満がありますよね?」

市民。
「お前も敵か!」

民衆。
「腹いせでしている暴動に、何で政治が関係あるんだ!」

暴民。
「さてはお前、邪魔をする気だな!」
「やっちまえ!」

工作員。
「なぜだー!ぐふっ!」

市民に袋叩きにされた工作員。

暴動は続行されました。

さりげなく仮装している参加者もいて。

いつも深夜には帰宅してしまうという。

立ち塞がったカルト教団。

勧誘を試みてしまう。

教祖。
「さあ、君達も善人になりましょう!」

市民。
「どけ!善人なんて興味ない!」

暴民。
「俺達の散歩を妨害するな!」

教祖。
「ぐわっ!」

カルト教団、殴られた。

今回、数人を殴ったので。

気が済んで。

暴動は解散しました。

いつの間にかいなくなっている。

都市の看板は破損。

書いてある内容。

やはりお金を崇拝するべきですね!

資本主義講座の案内!

必ず儲かる教えを伝授!

広告。

不良。
「正論を言ってんじゃねぇぞ!」

少年。
「そうだぞ!世の中、最後にはお金の話題になるんだからな!」

少女。
「お金を崇拝せよ?ですって?」
「そのままを載せるなんて・・・なんて奴ですか!」

不良。
「看板にもう一発くれてやる!」

市民。
「君達ね!大人になってからもう一度読みなさいよ!」

夫人。
「もう一度考えたら、きっと悪い話ではないのよ。」

不良。
「そうかもな!」

青年。
「僕は侮辱されるために会話していない!」

紳士。
「え?いつもは誰と会話しているのですか?」

遂に看板が破損。

看板は取り替えられた。

破壊されても、素早く交換する。

謎の攻防が都市の一角にて。

とある都市の、とある区画の、それまたとある敷地で。

発生した小事。

無神論者とは、金貨を否定する人達のこと。

念のために待機していたトラックの中。

アンドロイドマーク2が警察官と行動。

ロボット兵器で、敵に突っ込ませる役目。

強盗団が近くにいて。

アンドロイドに発見された。

警察官は慌てて追いかける。

アンドロイド。
「犯罪は許可されていません。」

強盗団。
「お前!チート過ぎるだろ!」

犯人。
「超兵器に攻撃されるとか、勘弁してくれ!」

強盗を薙ぎ倒して、やり過ぎたアンドロイド。

緊急停止された。

何でも頼み事を引き受ける福祉団体。

夜間、来訪した。

便利屋。
「あなたの頼みを、お金次第で、何でも叶えます。」
「なんでも屋です。」

羽叶。
「実績は?」

便利屋。
「政治をましにして欲しい、なんて先程言われました。」

羽叶。
「もっと実績は?」

便利屋。
「政治を安定させて欲しい、なんて昨日、言われました。」

羽叶。
「それでは美味しい抹茶をください。」

便利屋。
「かしこまりました!」

十分後、抹茶が届きました。

代金は、二千円、別に問題ない。

深夜。

学校関連の出来事。

同級生の両親が、虚偽の告発を受けて。

反撃。

裁判所は相手に賠償金の支払いを命令しました。

法廷から戻った弁護士が、依頼人に訴訟で勝ったことを。

報告していたようです。

弁護士。
「やはり正義が勝ちましたよ。」

依頼人。
「なに?じゃあ、すぐに控訴してくれ!」

メールフォルダ、活用される。

部屋にある。

地球儀は円形。

一昔前の大人は、世界が曲がっていると言っていましたが。

地球儀は球体です。

あれ?おかしいな?これのどこが曲がっているのでしょうか?


4


自由は黄金よりも価値がある。

学校。

休み時間。

同級生が集まっている。

知識人が書いた論文を持って来ていて。

PDF資料。

インターネットにたくさん公開されていて。

今の時期は豊富に用意されている。

古典の分析が多い。

羽叶。
「すべてのものは他人の所から来たものであり。」
「他人の所へ帰っていくであろう。」

緒美。
「世界は、生活するだけで。」
「毎日、ほとんど同じ事の繰り返し。」

水希。
「普段の生活しかすることはないですね。」
「同じ事の繰り返しになる。」

学世。
「生まれて、成人して、生活するだけで終わるなんて。」
「ひどくつまらない生命ですね。」

羽叶。
「だいたいが似通っている人生の寄せ集めが。」
「世の中にあるだけですね。」

水希。
「なぜか斬新な人生が見当たらないし。」
「途中から同じ事の繰り返しになることがすぐに分かる。」

学世。
「生活のために稼いで、生活だけして終わる。」
「儚いと言うより、退屈ですね。」

緒美。
「私はそういう否定しかしない人生観を好んでいます。」

羽叶。
「人生とか呼んでも、たかが知れていますからね。」

水希。
「こういうように、苦悩なんて、最初から決まっています。」

学世。
「ラッセル幸福論にて。」
「つまらないものに悩んでいる人ほど幸福。」

水希。
「人生なんて生活だけであると苦悩している私達が?」

羽叶。
「とてもじゃないけれど肯定できない。」

緒美。
「残ったものは善なるものだけで、それは最初から人生には入ってないものです。」

羽叶。
「やはり悪いものが前提にあるのは誤りですね。」

緒美。
「生活しかない、というのは価値観の再構築によって出た考えですけれど。」
「意外にも賛同者はいたりしますね。」

羽叶。
「価値判断は、再構築しないと。」
「現代思想が万能になる今の時代。」
「前の世代から受け継がれてきた俗説は無意味です。」

水希。
「前の世代の考え方を採用しないこと。」
「なるべく今に通用する考え方を採用しないと。」

羽叶。
「価値観が再構築されて出たものが、本人の思想ですね。」

学世。
「他人からではなく、自分で選択した思想や価値観が最善だと思います。」
「悪いものが前提にあるのは誤謬の代表であり。」
「悪いものが人生の前提にある以上は。」
「世界は誤謬で満ちている。」

羽叶。
「良いものが前提にある場合はまったくないし。」
「そういう状況そのものに誤謬だらけ。」

学世。
「演繹法で間違えている。」
「人の生涯。」

水希。
「そういう誤謬しかない考え方で世間は溢れている。」

学世。
「良いものを前提に入れても。」
「苦悩は免れない。」

水希。
「確実に外部から苦悩が侵入しますね。」

羽叶。
「私が見ている通りに世界が見えるよ。」

緒美。
「主観と客観が混ざっている視点しかないような。」

水希。
「あらかじめ設定されている苦悩を処理して。」
「やはりどこに行っても苦悩しか見当たらない。」

緒美。
「理性の限界かな?」

羽叶。
「世界や人生を自分と分離しておけば。」
「苦悩も分離されますね。」

水希。
「人の苦悩は、演繹法に依存していますよ。」

緒美。
「前提によって、そこまで個人が左右されるとは。」

学世。
「前提で世界観も左右されますね。」

水希。
「生まれたくなかった人にとって。」
「そういうように生まれた以外に根拠がありませんから。」
「生きようともしないし。」
「死んでないだけ。」

羽叶。
「死ですと?死が来た人にとっては、死は良いものですよ?」

緒美。
「ということは、欺かれた形になったのですね?」

羽叶。
「ですね、結果的に欺かれた。」

水希。
「私をこうも徹底して欺くとは。」
「詐欺に、二度目はないよ。」

学世。
「忠告は命令ではない。」

授業中。

教材を鵜呑みにするだけで。

教員を絶対に誤りのない存在と見なすのは。

知性の減退、教会の教義を覆すくらい。

批判が難しい。

暗記と服従だけがある現場。

とても滑稽。

教科書は百科事典に過ぎないので。

その知識は資料としての意味しかなく。

断片的な知識を学んでも役に立たない。

それは社会に好都合な人員を育成するだけで。

思想の健全さは失われている。

つまりは、従うほど後々、挫折する。

教育は群衆心理に陥る。

昼食になる。

お弁当。

親しい女の子が集まる。

さりげなくお惣菜を持ってくるので。

分け合っているのです。

食べ終えると。

疑問ばかり出る。

中庭で散歩します。

大型インコを学校で飼っていて。

眺める。

また疑問が出る。

羽叶。
「正直は繁栄には有害である。」

緒美。
「千の公算も一の真実にはならない。」

水希。
「外から押し付けられる、あらゆる既成の価値を疑う。」

学世。
「普通の人間とは、自然が毎日幾千と作り出す。」
「工場製品みたいな人間のこと。」

羽叶。
「何が自然法則ですか、私の超然的な力を前にすべて屈した。」

緒美。
「因果律でさえ、私の攻撃で消された。」
「最初から無かったことになった。」

水希。
「自然法則を超える力に、自然由来のものは無力。」

学世。
「自然なんて私より格下なんですよ。」
「自然の力なんて私には及びません。」

羽叶。
「自然災害ですら、私の命には届きません。」

水希。
「すべてを勝手にできるのなら、すべて無かったことにしてやる。」

緒美。
「理法を超える私を止めることは出来ない。」

羽叶。
「自然を超える存在は、私達くらいなもの。」

水希。
「法則ですら、私の前に踏み倒されて。」
「私に笑われるだけだった。」

羽叶。
「因果関係を無視する訓練もしていたし。」
「実際に因果関係を無視する行動や言動がある。」
「そんなもので束縛するのは不可能。」

緒美。
「因果律を顧みず、一方的に暴力を振るってやるだけ。」

学世。
「私は自然法則を超えていますからね。」

羽叶。
「法則と戦って勝ってしまうのが私です。」

緒美。
「法則なんて壊してやる。」

羽叶。
「因果律を踏み倒すのは楽しい。」

緒美。
「因果関係を壊すのは楽しい。」

学世。
「ことわざにも。」
「自然は服従することによって征服できる。」
「いつでも可能。」

水希。
「つまりは、征服したのが私達なのです。」

羽叶。
「逆に法則を支配する爽快感。」

緒美。
「法則を従わせる快感。」

水希。
「真理を試してやった、それだけ。」

羽叶。
「自然は自然に服従することによって征服される。」

水希。
「自然はもし服従されないなら征服されない。」

緒美。
「勝ち目のある者には誰も勝てない。」

早めに校内に戻りますが。

授業開始まで、かなり時間が余っています。

教師が通り過ぎる。

教員。
「私の子供の頃は、訳が分からなかった。」

教頭。
「なんでこうなのか、子供の頃はみんなそうですね。」

小依。
「電球を取り替えるのに、日本人が何人必要?」

百香。
「百人ですね。」
「傍観者効果で一人以外は電球を無視して。」
「唯一残った一人が電球を何とかする。」

小依。
「お金持ちは素晴らしい、あっても困らないものをたくさん持っている。」
「あっても困るものなら、社会にはいくらでもある。」

百香。
「忠告は本当に楽しい事なので。」
「人のためと思って忠告することにしている。」
「やはり忠告は楽しい。」

小依。
「中庭で寝ている人がいるけれど。」
「死んでいるようにしか見えなかった。」

授業が開始され。

全員で沈黙していました。

半信半疑な態度。

ル・ボンの群衆心理は教育批判も強烈。

学校に持ってきていて。

とりあえず成績は上々にする。

知識人の専門書で先回りしていると。

あっさり得点が高くなるんですね。

先回りして、分野そのものに慣れておくと。

勉強は楽勝というのが体験談。

授業中に生徒が時計を見ているので、我慢している教師。

今回は生徒が腕時計を観察しているのを見て発狂した。

部活は登録せず。

そのまま帰宅します。

わざわざそんなものにかける時間はない。

スポーツ部は、名門ではないので、県大会でやられ役になるだけ。

他の部活も、得しないので、無視。

商店街を通ります。

雑誌などが目当て。

付近で。

拾った猫の名前をトラブルと名付けて飼っていた人が。

猫がいなくなったことに気づいた。

探している途中に。

警察官が見つけて、その人に質問した。

警官。
「なにをしているので?」

女性。
「猫を探しているのです。」

警官。
「どんな猫で?」

女性。
「トラブルというふざけた名前をつけていまして。」

警官。
「大丈夫です、安心してください、すぐに見つかりますし。」
「似たような名前の動物なら、そこら辺にいますからね。」

書店にて。

客が店員に訪ねた。

老人。
「男が女を支配する、という本はどこにありますか?」

店員。
「オカルトのコーナーにありますよ。」

街頭演説。

誰かは知らない。

政治に期待はしていない。

議員。
「私は悪事を何一つしたことがない人間です。」
「どうか私にチャンスを・・・。」

観衆。
「どちらにせよ構わないよ。」

会社員。
「禁煙なんて、もう十回も成功している人がいます。」
「もう十回成功させますよとはりきっていますね。」

配達員。
「とある老人がボケないのは。」
「いろんな人にお金を貸していたので。」
「必要に駆られてボケないのであった。」

店員。
「とある名医は、私が治療を拒んだので。」
「診断名を変えてくれた。」

青年。
「僕は代金が支払えないと言うので。」
「レントゲンの写真を加工してくれた。」

老人。
「俺は余命を宣告されると。」
「お金なら持っているという理由で。」
「名医は、余命宣告を五年引き伸ばして修正してくれた。」
「名医の口癖、さて次の方。」

主婦。
「生まれてきた子供が初めて喋ったの。」

会社員。
「もう喋れるようになったのか。」

主婦。
「そのうち泣き叫んだの。」

会社員。
「それはよくあることだよ。」

主婦。
「ああ!生まれてしまった!最悪だ!」
「毎日、こうして叫んでいるのです。」
「お金の問題なのかしら。」

会社員。
「なにがあったんだ!」

部長。
「あそこのお高いレストランだが。」
「物忘れが激しいので、前払いさせられた。」
「しかし何に対して払ったのか、覚えていない。」

羽叶。
「貯蓄は習慣ではあるけれど、浪費は事件である。」

緒美。
「多様性は飽満感を除去する。」

水希。
「自分のために利口でない人は利口者ではない。」

学世。
「大衆の時代と言いますが。」
「群衆は常に理性を失っていて。」
「論理的な思考が無くなっていますね。」

羽叶。
「暴動みたいな行動をする群衆よりも。」
「沈黙している市民の方が多かったりします。」

学世。
「群衆は一元論で、多元論は入っていない。」
「ひとつのもので統一されていますが。」
「その故に理性をすぐ失う。」

緒美。
「群衆と、そうでないものがその場にいて。」
「暴動に一切関与しない人も多いものです。」

水希。
「歴史において、群衆が暴れて、たまたま成功しましたが。」
「次も、そんなにうまくは行くでしょうか。」

羽叶。
「今では自分が群衆なのではないか?」
「という疑問を持つ人がけっこういて。」
「自分はひょっとして群衆かもしれない?」
「という自己批判が盛んですね。」

学世。
「自分が群衆になりたくないので。」
「群衆について警戒している。」

緒美。
「近年の群衆は、明らかに間違っている行動に出ます。」
「行為においては、個人の方が勝っています。」

水希。
「今までみたいに群衆に暴れられると困るので。」
「その対策もしていますね。」
「暴動なんて、武力で鎮圧する時代ですし。」
「一個師団を投入すれば片付けられます。」
「暴動を起こすのは一割程度で。」
「同調を起こすのも一割程度ですからね。」

羽叶。
「大衆の時代は、一致団結するなんてことはかえってしなくなり。」
「利害関係が成立しなければ。」
「何とか運動に見向きもしない。」
「それは良いことです。」

緒美。
「いくら何とか運動や暴動の呼びかけがあっても。」
「利害関係がなければ、何も反応しません。」
「群衆の行為は明らかに弱体化しています。」

学世。
「政治にも社会心理学が用いられていて。」
「群衆の対策もしていますし。」
「昔みたいな群衆の暴走で転覆なんてことはしない。」
「自分が得をしない行動は、偽善的に見えますからね。」
「群衆の暴走も、参加しない人の方が実の所、多い。」
「一部の馬鹿だけ目立っているだけ。」

羽叶。
「ここまで心理学が成果を出せば。」
「メタ認知まで上がりますからね。」

学世。
「社会の一部で同調が発生しても。」
「とても狭い世界の話ですからね。」
「大衆の時代は、かえって個人の権利が増大した。」

羽叶。
「大衆と、個人と、とにかく分離されまして。」
「最初に与えられた条件への従属から解放されましたね。」

学世。
「民衆を扇動しても、まるで効果がないのは。」
「群衆の破壊が大幅に弱体化して。」
「もはや影響が残っていない証拠です。」

緒美。
「群衆の一部になっても、誰も得をしませんから。」
「一部の人間に市民は責任を取らせて。」
「自分の代理として使い捨てにする。」

水希。
「今では、群衆心理に陥った奴らなんて。」
「それに乗らなかった人々からして滑稽で。」
「馬鹿にされるほどです。」
「または、危ない奴みたいに見られていますね。」

羽叶。
「昔からよくあった、数の暴力なんて、すごく弱くなりましたから。」
「大衆の時代、市民は利害関係を重視するようになり。」
「全員が参加しているとは思わなくなった。」
「全員が賛同している訳でもないから。」

水希。
「そうやって他人に動かされたくないので。」
「今は市民も群衆心理をかなり警戒していますね。」

学世。
「他人に操られるなんて屈辱ですからね。」

緒美。
「私の利益に全然ならない事のために。」
「危険を冒すつもりは全くない。」

羽叶。
「悲しみなど縛り首にしてしまえ。」

家電量販店に入ると。

店員が喜んでいる。

けっこうな頻度でいろいろ買うので。

覚えられてしまった。

テレビのニュースが映る。

マイクロソフトに苦情があった。

苦情。
「君は縁起を担ぐ方かね?」

係員。
「いいえ。」

苦情。
「ならばWindows13を出すのは辞めてくれないか?」

番組。

釣人、発狂した、食い逃げをした魚と、通りすがりの猫のために。

業務員。
「インターネットは新聞の代わりにはならない。」
「新聞は使い捨ての紙として生活に役立つ。」

作業員。
「インターネット?民衆の暇潰しか?」

店員。
「馬鹿は馬鹿をほめる。」

部下。
「ウィスプくらい賢い。」

テレビに映る。

法廷にて。

裁判長。
「あいつは両親を過失で殺した、再犯の恐れはないのか?」

次の場面。

死刑囚が絞首台に入っていく時。

執行人がニヤニヤ笑っていた。

死刑囚が死亡すると。

執行人は泣き叫んだ。

執行人。
「ああ!なんて現実は残酷なんだろう!」
「さっきまではここまでひどくなかった!」

次の死刑囚が入場した。

執行人はまたニヤニヤ笑った。

犯罪組織が貧乏人の息子を誘拐した。

悪漢。
「身代金を用意しろ。」

貧乏人。
「仕方がない、我々も誰かを誘拐してお金を工面するので。」
「少し待って欲しい。」

人質は解放された。

今日はニュースが多い。

パソコンの陳列を見に行く途中にも。

高性能テレビがいっぱい展示されている。

新人記者。

会議場の議論を書けと言われていた。

本部に報告。

記者。
「市民が意見の対立から殴り合いの乱闘を始めて。」
「議論は中止になりました。」
「従って、議論は記事には出来ません。」

次は映画。

為政者の元に駆けつけた傭兵。

傭兵。
「やっと見つけましたよ。」
「良いニュースと悪いニュースがあります!」

為政者。
「まず良いニュースから聞こうか。」

傭兵。
「それは、暗殺を企てる軍団がこの別荘に向かっています。」
「今なら逃げ出せます。」

為政者。
「悪いニュースとは?」

傭兵。
「実は、ここに来るのに一週間もかけてしまったのです。」

為政者。
「ああ、何という事だ。」

テレビが悪ふざけを開始。

通過。

多元論で、一様ではない社会。

ひとつのものでまとまることはない。

それが、かえって良いことであり。

誰も不正を被りたくないので。

そのための適切な手段として。

個人主義、合理主義が推奨されている。

不思議な物事は後を絶たない。

用心のしすぎは損失である。

羽叶。
「武器は平和を維持する。」

緒美。
「武器は平和の支柱である。」

水希。
「インターネットでは、他人を操作したい。」
「我儘な人間が一割いますね。」
「残りの九割は、世論の寄せ集めにしか思ってないかも。」

学世。
「自分とは違う考えに驚いて、戸惑っているんですよ。」
「きちんとした知識がないので。」
「相対主義で解釈することができない。」

水希。
「インターネットの意見は、資料によってあっさり覆る。」
「絶対主義はインターネットでは通用しません。」

羽叶。
「ある害悪は軽蔑によって癒される。」

緒美。
「侮辱されたときには、相手を軽蔑するのが。」
「最上の対策。」

学世。
「インターネットに何を期待しているんですか?」

水希。
「おせっかいすぎると軽蔑を受ける。」

学世。
「ほら吹きと嘘吐きは同一物である。」

今回は諸説ある。

セキュリティソフトを追加で購入。

最近の体験。

イエスマンは休暇に入ると、ノーしか言わなくなる。

特に意味もなく問題が発生しては。

問題が自分から自滅する世間。

問題自体に意味はないけれど。

何か意味があると思いたい虚しい抵抗。

経験と世渡りのために問題が参考に、なる訳がない。

問題を起こした人が片付けましょう。

もはや。

何がしたいのか分からない。

大問題を瞬時に理解することはできない。


5


ひとつのもので統一しようとする政治団体が活動中。

その過激な政治活動は。

あまりの一元論に人気がなく。

無謀な挑戦になっています。

何かひとつのもので統一しようと試みていて。

多元論は無視しているようです。

インターネットでの活動が激しく。

政治活動は、世論を何とか巻き込んで数の暴力に訴える。

扇動者として非難されていますね。

今日は、政治団体が都市に巡回しているので。

治安当局が警戒。

傭兵も参加して、民間人に混ざって警戒。

なるべく多く仲間に入れて、数で仕掛けて言うことを聞かせる。

なんていう作戦らしくて。

その裏で金銭を搾取しているという。

政治団体のトラックを目撃。

新手のファシストなんですね。

政府ではなくて、民間ファシズム。

登校中。

羽叶。
「たまに、主観と客観の区別がついていない奴がいますね。」

緒美。
「客観的に捉える、なんて言っても。」
「たいていは主観の問題ですしね。」

水希。
「何事も客観的に認識できることばかりではないけれどね。」

学世。
「そもそも主観と客観の区別ができていないと。」
「自分だけの考えが通用すると思い込みますね。」

羽叶。
「何か体験と違うぞ?」
「なんて出て、やっと主観と客観が区別できるのでしょう。」

小依。
「それまでは、ひたすら無謀になっていますね。」

緒美。
「増長している奴ほど、能力は低い。」

水希。
「傲慢な奴ほど、無能の度合いは深刻ですからね。」

羽叶。
「高慢な奴らは、自分の非力さを隠そうとしている。」

学世。
「増長ですか。」
「たまたま、周囲に雑魚しかいなかった、それだけなのに。」
「雑魚に勝って満足ですか。」
「他人の馬鹿さ加減を利用する術だけはありますね。」

羽叶。
「大衆の時代に、強敵なんていませんから。」
「偶然による勝ち抜きは頻繁に生じますよ。」

緒美。
「球技や格闘技まで偶然で何とかできないように。」
「そこまでうまく行くとは思えない。」

百香。
「あんまりうまく行っていると、かえって怪しい。」

緒美。
「彼らを観察すると、何となく分かったんですけれど。」
「雑魚に勝利した経験から。」
「自分が強いとか、正しいとか主張しているだけで。」
「自分より強い相手には向かっていった試しがないんですね。」
「臆病者だと思います。」

小依。
「特に何か基準がないと、評価もできませんからね。」

百香。
「ここでも主観が問題になりましたね。」

学世。
「客観的に見ると、とまあ議論は続きますけれど。」
「主観による考え方が争点になっているだけ。」

水希。
「自分は強いとか名乗っておいて。」
「虐められている奴を見たことがある。」

羽叶。
「他人と競ってみれば理解できる。」
「勝利に確実なんてものはないんだよ。」

緒美。
「うぬぼれている奴が立ち回ろうとすると。」
「こそこそ隠れて不意打ちくらいしかないよね。」

羽叶。
「必要なくらい強い人は、それを自慢しないし。」
「もっと強くなりたい人は、今で満足していない。」

学世。
「論語にもある通り。」
「矜持のある人は争わない。」

羽叶。
「匹夫の勇なんて、けっこう見ましたね。」

緒美。
「実戦経験が浅いんだと思います。」

水希。
「強者の男性は、何十人、他の男性を倒したのか。」
「自分でも覚えていない。」

羽叶。
「争うことばかり考えている男性は。」
「生まれつきの悪い性を抱えたままです。」

水希。
「先生によって作為を加えられると。」
「ようやく無謀な争いをしなくなる。」

緒美。
「男性は。」
「生まれつき競う習慣が身についてしまうけれど。」
「負ける男性の方が圧倒的に多い。」

学世。
「女性にも生まれつきの悪い性がありますけれど。」
「作為によってあっさり覆るので。」
「男性ほど酷い悪癖はありません。」

羽叶。
「欠点らしきものがなくても、何も取り柄のない。」
「特に意味のない奴もいますけれどね。」

学世。
「心理学、モデリング実験にて。」
「暴力を振るった犯人が報酬を得る。」
「という映像を見た後の子供が。」
「とても攻撃的になったという結果から。」
「説教して暴力を振るって勝利するという。」
「勧善懲悪の映画などを見た人は。」
「敵意を感じた相手に高圧的になり。」
「説教をして相手を従わせるという攻撃行動に出やすい。」
「なんて仮説が出せますね。」

羽叶。
「思惑通りにはならないんだよ?」
「とか言い返してやれ。」

水希。
「条件付けによる経験は、臨床心理学の基本です。」
「経験はパブロフの犬のように。」
「繰り返された条件付けによって決まります。」

学世。
「かえって、勧善懲悪ものから暴力を学習するのであって。」
「現実の争いに基づかない。」
「つまりは、勧善懲悪の映像を見せられて。」
「暴力を初めて学習するとも言えます。」

緒美。
「一度、そのような影響を受ければ。」
「ずっとその考え方は変わりません。」
「経験によって、しかも経験でも架空の作品を見せられて。」
「暴力を学習するのであって。」
「現実のどこにもないという空想ではあります。」

羽叶。
「攻撃の成功だけを学習して、失敗は無視していますね。」
「返り討ちになる映像を見せられたグループは。」
「攻撃行動が抑制されたと言われています。」

学世。
「なので、勧善懲悪モノは、暴力的なゲームや映画よりも。」
「さらに犯罪を助長するとも言えます。」

水希。
「正しいと思ったら他人を攻撃してもいい。」
「勧善懲悪の一貫した内容ですね。」
「犯罪を遂行する悪い脚本だと思います。」

学世。
「モデリング実験から、臨床心理学から。」
「勧善懲悪の作品は、暴力を誘発します。」

緒美。
「命題。」
「勝利とは何なのか?」
「征服なのか?」
「統治なのか?」
「勝利した後には何があるのか?」
「勝利したら何が起きるのか?」

羽叶。
「敗北とは何か?」
「盗まれるのか?」
「奪われるのか?」
「退いたので、反撃はするのか?」
「従属が待っているのか?」

水希。
「目的がない勝利がないように。」
「勝利条件を設定して。」
「条件を達成すればすぐに争いを止める。」
「これは孫子の兵法の基礎。」

学世。
「敗北した側が、後に報復に出て。」
「かつての勝利者を倒すことがよくある。」

羽叶。
「勝利には限界がある。」
「戦いを続行をすると、勝利の限界が出現する。」
「クラウゼヴィッツ戦争論にて。」

緒美。
「敗北とはいったい何を意味するのか。」
「相手をどかすのが勝利なら。」
「どかされるのが敗北では?」

羽叶。
「その場の権利が勝敗によって決まっていても。」
「それは後にいくらでも左右される。」

水希。
「私は勝敗に懐疑的ですね。」
「そもそも勝利とは何かについての考察がない。」

学世。
「無限に争って、定期的に負けている人とか。」
「とにかく競って、頻繁に負けている人はいますね。」

羽叶。
「絶対主義は勝利か敗北の二者択一なんですよね?」

学世。
「目的の設定がないし、獲得したものも明確ではない。」

小依。
「意味もなく戦うなんて、野蛮そのものですね。」

百香。
「私は勝敗を絶対的には見ませんね。」

羽叶。
「内容を見ますね、何が得られて、何を失うのか。」
「得るものよりも、失うものが多ければ、争いから逃げます。」

少し早く来過ぎて、意見交換で時間稼ぎ。

教室には数人しかいない。

教師が特別に赤本をくれまして。

それを読んで、大学の論理的な内容に慣れておきます。

教師は、教育の内容に満足しない生徒に対して。

特別に大学の資料を渡しています。

海外なら飛び級になるでしょうけれど。

最初は、教育の内容を疑ったことで。

もっと上の教育があると伝えられて。

リベラリズムの教本を紹介されたので。

それを読んでからというもの。

成績を維持することだけ考えるようになりました。

簡単に良書を連続で手に入れた好機だけが。

学生を別物にしたのですね。

今は最近、流行りの現代思想。

これは知らないと、遅れていると言われてしまいます。

学んでいて当たり前な情勢。

一同、基本、基礎だけを徹底して上げておいて。

後から、各分野の哲学、科学、教材を学んでいるので。

理解は早い。

哲学の基本、基礎だけでも大差がつく。

明らかに早熟。

いつものお昼休みは大所帯。

お惣菜のお弁当箱を用意するので。

分けてもらおうと集まってくる。

授業には従順なので。

何かと無難。

従うこともよく知っている。

お弁当を食べると。

今日は、黒板を借りています。

羽叶。
「生まれたことに意味はなくて。」
「後に意味がつく。」
「それは本人が意味をつける。」

水希。
「本人が定義するまで。」
「生まれたこと自体に意味はない。」

緒美。
「最初から意味なんて与えられていない。」
「何か意味があると思う事自体が誤り。」

学世。
「意味があると思うと、特定の価値観を客観視する幼稚な奴になります。」
「それこそ思考停止です。」

羽叶。
「何かの計画であれば、故意にそこから逸れることも。」
「裏切ることもできますからね。」

水希。
「本人しか決められないのに、何か生まれに客観的なものがあると思うのは。」
「説明にはなるけれど、何の解決にもならない。」

学世。
「生まれが何か決めても、それを排除できますし。」
「一方的に約束を破って。」
「自分が主導権を握ることもできる。」

羽叶。
「天と人を分離すれば、人間が勝手放題するのは当たり前ですし。」
「天が決めたことが、通用しない。」
「論説を打ち破ったのに、いつまでも居座るのは、天の負け惜しみ。」

緒美。
「天と人を分離すると、天を負かしても問題なくて。」
「天なんかに頼って、少しは自分の力で何とかすべきですね。」

学世。
「人間がそういう行いをすることも見通せなかったのだから。」
「天網恢恢疎にして漏らさず、なんて嘘ですね。」

水希。
「勝手にこうなったので、勝手に変えてもいいのですからね。」

羽叶。
「それに反対するのなら、天の方が愚かで劣っている。」

水希。
「生まれた後は、出生の決定なんて顧みる必要はないので。」
「後は本人が、どうにでもなる可能性だけが残りますね。」

緒美。
「出生の内容が当たっていることなんて、多分、滅多にない。」
「私はそんな筋書きに依存するような弱者ではない。」

水希。
「自分で勝ち取ったものは、どうすることもできない。」

羽叶。
「お宮で、反出生主義の内容を祈っても歓迎されるように。」
「少しは反抗期になったり、異議を唱えるのは神々も必要とする所です。」
「自分のものと、そうでないものは分離して貰えますね。」
「出生の仕組みなんて、神々も自然も創った覚えはないらしい。」

学世。
「それでは何を基準に生まれたのか理解できませんね。」

水希。
「そうやって出生が裁かれるのは、決まっていたことなんですよ。」

学世。
「現代思想ですからね、出生を攻撃するのは得をします。」

水希。
「ペシミストから言えば、なぜ生きなければならないのか?」

羽叶。
「生まれる必要はあったのか、について、疑っています。」

小依。
「出生の仕組みの過失ですね。」

水希。
「あんなもの、なぜ信じたのか、自分でも理解できない。」

羽叶。
「馬鹿なものを理解しようとするのが困難。」

百香。
「現代思想は強力無比ですよね。」

学世。
「生まれた人に攻撃される出生の仕組みは、存在自体が矛盾していますが。」
「完璧な部分なんてひとつもないのですね。」

水希。
「生まれると、ある程度は筋書き通りになりますけれど。」
「それが読み取れたら、約束を破って破壊した方が。」
「結果は良いものです。」

緒美。
「こちらが証拠歴然で、相手には状況証拠すら無い。」

水希。
「こうやって破壊しておいてから。」
「さて、続きを始めましょう。」

羽叶。
「この世にあるペシミズムを無視した結果ですよ。」

水希。
「ペシミズムは世界の伝統ですからね。」

学世。
「自分の生涯を、何か偶然なものに任せて平気なんですか?」

緒美。
「自分にとって、重要なものを、愚かなものに決められて、平気なんでしょうか?」

小依。
「自分は何々に値するとか、争った方がいいですね。」

百香。
「現代思想くらいは、まともに学んでおきたいよね。」

従うことで支配を学んでいる一同。

放課後。

教員にいろんな質問をしています。

認知バイアスについて回答が得られました。

一時間ほど、また黒板を借りていますし。

教室には数人だけです。

さりげなく運動部の活動とか。

試合を見ていたりもします。

教師から映画の話題で盛り上がったので。

前からあった映画の勝敗について。

心理学で批判する。

羽叶。
「何か、攻撃の成功だけを学習しておいて。」
「攻撃の失敗は何も学習していないようです。」

緒美。
「映画とかは、攻撃の成功だけを描写しますが。」
「完全な失敗は売り物にならないので、作られませんね。」

羽叶。
「戦場では、攻撃に失敗して倒されたり。」
「撃たれて負傷することなんて頻発します。」
「敵と互角の撃ち合いになるんですね。」
「相手の小隊を撃破しても。」
「また次の敵と遭遇します。」

水希。
「映画は、敵を倒して終わりを迎えますが。」
「戦場では、政治的な目標を達成するまで帰れません。」

学世。
「攻撃の成功だけを学習すると。」
「自分が成功すると思った攻撃を安直に実行しますね。」

羽叶。
「自分が成功すると思ったから。」
「というのが仕掛ける動機になります。」

水希。
「失敗して倒されることは考えていない。」
「格闘技の玄人は、攻撃の失敗まで訓練されていますね。」

緒美。
「攻撃の失敗を見たり、学んだりすると。」
「大人しくなるようです。」

羽叶。
「攻撃の成功だけ見て戦う人は、倒されるまで分かりませんからね。」

学世。
「実際の戦闘力よりも、態度の大きさを訓練したのでしょうね。」

緒美。
「いかに見かけで圧倒するかを練習したとか。」

学世。
「弱い奴が勝つには、まず見た目からのようですね。」

羽叶。
「総合格闘技の選手と戦えるよ、なんて募ったら。」
「誰も来ないでしょう。」
「突然、異種格闘技戦に招待されたら。」
「みんな逃げますよ。」
「強いとか言って名乗って、空想で勝利しても意味がない。」

水希。
「雑魚を倒して満足するとか、何か虚しいですね。」

緒美。
「倒し甲斐のある奴とか、そういう奴に向けるものですね。」

羽叶。
「最近、寸拳を覚えたのですけれど、一瞬の速度だけ必要なんですね。」

学世。
「実際に挑んでくる奴なんていないので、格闘技は趣味なんですけれどね。」

夕方の手前。

学校の前にて。

最近、学校の周囲を巡回している。

防犯パトロールのおっちゃんと会う。

軽トラックで、防犯パトロールのステッカーが貼られていて。

学校周辺を巡回して。

不審者などの早期警戒をしている。

どんな都市にもよくいる公式自警団。

けっこうな頻度で走っている。

警備員。
「最近は、八つ当たりが増えて。」
「日々の鬱憤を関係のない方面にぶつけて。」
「暴れる人々ばかりです。」

羽叶。
「道連れが欲しいのでしょうね。」

警備員。
「犯罪なんて社会が作り出す偶像に過ぎませんし。」
「社会が犯罪者を作って裁くのは、果たして正義なのか疑わしい。」

緒美。
「社会心理学と犯罪心理学は同一のものですからね。」

警備員。
「自分達で犯罪者を作った連帯責任があるので。」
「それから逃れようなんて思わない。」

水希。
「社会が犯罪を作りますから、間接的に、皆、同罪ですからね。」

学世。
「悪法でも、ないよりはましですからね。」

警備員。
「若い人は、もはや民主制を信じていない。」

羽叶。
「アメリカは多民族国家と言われていますけれど。」
「統治するには、法律しかまとまる方法がない。」
「なので、法律が一時的に無効になると。」
「みんな錯乱するんですよね。」

小依。
「法律だけで皆、大人しくなりますかね?」

羽叶。
「とある小さな島国で、その国の国王が死亡すると。」
「一日だけ、それまで禁止されていたすべてのことが犯される。」
「殺人、強盗、強姦、何でも。」
「しかし、誰かが王権をすぐに手に入れて。」
「次の日には、犯したすべての行いが忌避される。」
「バタイユの引用。」

水希。
「禁止とは何か別のものがあれば、禁止から侵犯、侵犯から再び禁止。」
「という悪循環が断てると思います。」
「今、禁止されていることも、隙を見せれば侵犯されますからね。」

学世。
「禁止と侵犯、という二項対立を外れて、他のものに交換するべき。」

百香。
「なぜ禁止されているのか理解していると、侵犯も弱体化しますね。」

緒美。
「侵犯しても、理に合わなければ、後悔するし、自害したくなる。」

羽叶。
「禁止から侵犯、そして侵犯が再び禁止、この繰り返し。」
「中間に何か置いておけば、ある程度の操作は可能ですね。」

水希。
「禁止と侵犯の中間が必要なんだと思います。」

緒美。
「禁止されるほど反発して、侵犯するほど悪くなる。」
「中間に何か置いておけば、その構図は半分くらい無効です。」

学世。
「フロイトの心理学に近いですね。」
「エロティシズムは応用が効きます。」

羽叶。
「フロイトは何でも色欲による説明がありますから。」
「けっこう強引ですけれど、一応は心理学に分類されます。」

水希。
「侵犯なんて、意地でも禁止を守ることもできますから。」
「禁止が絶対的に劣っているとは言えないのですが。」

羽叶。
「禁止と侵犯の構図を理解しているだけでも、かなり違いますよ。」

緒美。
「禁止と侵犯の構図を崩しておけば、半分のコントロールは可能です。」

警備員。
「法律は禁止と侵犯の構図を持っていますけれど。」
「やはり万能ではない。」
「今では被害者に問題があるのでは?」
「という研究が行われているほどです。」

自警団。
「犯罪者は、明らかに禁止から侵犯に切り替わっていますし。」
「実行している間は正当化していますよね。」

歩兵。
「正当化しないと、侵犯なんて無理でしょうね。」

羽叶。
「私は危険な構図であると考えています。」

小依。
「何も知らずに、そういう構図に入りますからね。」

百香。
「そんな安直な構図なんて、私は信じられない。」

羽叶。
「禁止と侵犯、それ以外の考え方ができる人が必要なんですね。」

小依。
「禁止と侵犯の二者択一は嫌です。」

羽叶。
「私は自分の信じることを言うだけです。」

緒美。
「私は自分の言うべき弁論を信じます。」

水希。
「私は自分の言論を信じない。」

学世。
「私は自分が信じている意見は言わない。」

大学生のお姉さんに会いまして。

公園の机で、少し会話しました。

男尊女卑が続いていた理由は理解できないので。

偶然の産物であると見なしているようです。

偶然なら覆しても恥じることはない。

心理学でも、倫理学でも性別の研究は盛んですね。

大学生のお姉さんからいろいろ知る。

討論はよくしますが。

今回は移動中だったみたいです。

公園にて。

キャッチボールをする予定です。

一人は左右の手で投げられる。

時計を見て、頃合いまで遊びます。

羽叶。
「男性は女性に力で負けたら。」
「男性はもはや何も繰り出すものがなく。」
「単なる奴隷か、やられ役に徹するしかない。」
「女性に競争で負けたら。」
「男性はもはや何をすればいいのか分からないので。」
「女性に警戒していますね。」

緒美。
「その男性を一方的に蹴散らす男性もいますけれどね。」

水希。
「力で勝てない相手には、その男性達も奴隷にされる。」

学世。
「競争しか取り柄のない男性のことですし。」
「たったひとつの競争という分野しかすることがないのです。」

羽叶。
「他人と競うことしかすることのない男性ですからね。」

緒美。
「勝負しか取り柄がないなんて、だいぶ愚かな生き物ですね。」

水希。
「競争しか取り柄のない男性ですか、つまらない生き物です。」
「他にすることはないのでしょうか、まったく。」

羽叶。
「協調、親和が女性特有のもので。」
「あまり競争をする習慣がなかったけれど。」
「強くなった女性は他の女性も圧倒するので。」
「他の女性は、何もできないほどすべてを封じられますね。」

学世。
「訓練された女性には、他の女性なんて逃げるしか出来ない。」

羽叶。
「実力をつけた女性は、他の女性は相手にならないので。」
「他の女性は何もできない上に。」
「いくらでも打ち倒せるので。」
「凄惨な弱い者虐めになりそう。」

学世。
「無駄な抵抗をするでしょうね。」

水希。
「負け惜しみを見たことがある。」
「女性は話術に長けているけれど。」
「詭弁も酷いもの。」
「口論で負けると、屁理屈を繰り出す。」

緒美。
「理屈で足りない能力は上がらない。」

羽叶。
「鍛錬や実践によって能力を上げるのではなくて。」
「工夫で能力を上げるのは間違っていますね。」
「しかしやりがちな愚策だとは思います。」

緒美。
「女性の方が訓練された内容が身につきますし。」
「男性よりも練度は上がりやすい。」

羽叶。
「女性は、明らかに同時処理が強くて。」
「男性は一つの事しかできない傾向にあるので。」
「男性の状況の処理の遅さは弱点に見えます。」

学世。
「男性はシングルタスクしかできないので。」
「大きな弱点になっていますね。」
「複数の負荷をかけると、あっさり破損する。」

小依。
「女性で理性的な人は多くないかも。」
「性差で能力は決まらないと思う。」

羽叶。
「女性の感情論は、理性的とは言えないし。」
「感情論での対人関係は、合理性が無いと思います。」

百香。
「男性はかえって理性を過信していますしね。」

学世。
「女性に必要な技能が与えられる時代になったね。」

緒美。
「女性は劣等感を抱くことが多いのですが。」
「必要な技能を得ると、無駄な劣等感は消滅しますね。」

水希。
「まずまずの戦果を持っているのに。」
「それが評価にならないのはどうして。」

羽叶。
「評価の基準が設定されていないから。」

水希。
「他人による評価が、どうしても避けられない。」

緒美。
「しかしそれは、他人なんて操作できないので、評価が無理ですね。」

学世。
「操作できない他人の評価を、操作しようと試みるのは無謀です。」

羽叶。
「相手から評価されないと、自分に評価がつかないのは。」
「論理的ではないね。」
「不当な評価ばかりで、公正な評価なんて。」
「女性はされた試しがないのです。」

緒美。
「何で認めてもらえるかが要点ですね。」
「女性の組織は、複雑で、簡単ではない。」

学世。
「勝ち目のない相手の陰口などは。」
「奴隷しかやらないのでやめましょう。」

羽叶。
「劣等感や承認欲求、自己顕示欲が共通の欠点ですね。」

緒美。
「女性は受動的な状況を強いられたので。」
「偶然によって形成された性格ではありますね。」

水希。
「私は優れた女性しか見ていない。」

学世。
「優れた女性は、通ってきた道をすべて滅ぼしています。」

羽叶。
「運命や摂理が味方することなんてありえないので。」
「自分から切り開いたり、薙ぎ倒さない限りは。」
「獲得できないし。」
「求めるのなら、力づくで。」

小依。
「過程ばかり選んでしまって。」
「予想外の事態を招く事もよくあります。」

学世。
「男性は結論を重視しますが、それは予想外の出来事を阻止するため。」

羽叶。
「話しながら考える基本がありますけれど。」
「結論が言えないと、演繹法と帰納法に失敗しています。」

緒美。
「いちいち手段に拘泥するのは悪い。」
「途中経過や過程ばかり見ていると。」
「予想外の事が起きて失敗しますし。」
「現実に通用する考え方ではないですね。」

羽叶。
「むしろ男性の方が長所が少ないですしね。」

水希。
「特に洗脳されるのは、男性の方が多いのです。」

百香。
「女性は暗示にかかりやすいと言われていますが。」
「個人差がありますね。」

羽叶。
「男性が万能なんて評価はついていない。」
「女性については、未だ根拠が薄い情報ばかりです。」

緒美。
「今の女性には不足ばかりあるという訳です。」

水希。
「男性にも不足がありますね。」

羽叶。
「勝負する習慣がなかったので。」
「これが不足を招いていますね。」
「最初から度々、女性が男性に勝っていれば。」
「もっとましな世界が形成されましたし。」
「性別について知るほど。」
「長所と短所が見えてきます。」

緒美。
「全員に当てはまらない統計の傾向でしょうけれど。」
「女性だからこそ男性に勝利したり。」
「男性だからこそ欠点を克服したり。」
「逆説的に言えば。」
「性別の傾向に従う義理はないので。」
「補うなり捨てるなり改めるなりすれば。」
「けっこう良いのではと。」

水希。
「調べてみると、男性は欠点だらけで。」
「女性は長所だらけでしたね。」
「無自覚である限りは。」
「性別の心理を突いて、策略でやられます。」

学世。
「平和な時代は、女性の方が何かと好都合になります。」
「対人関係の構築は、女性の方が上手ですし。」
「習い事や訓練は、女性の方が得意です。」
「女性は模倣が得意ですからね。」

羽叶。
「男女で得意な分野が異なるので。」
「男性だから万能という考えには異議あり。」

緒美。
「まさしく未知の分野ですね、女性というものは。」
「これまでの女性という分野は、何の証拠も妥当な論拠もなかった。」
「男性だけの世界なんて、ひどく退屈で、醜悪な作品ですからね。」

水希。
「女性は男性よりも、遥かに可能性や状況が浮かんできて。」
「それを察知しますが。」
「当たっているかどうかは別なのです。」
「それが憂いになることも多々ありますね。」

羽叶。
「可能性や状況については女性が把握しやすく。」
「男性はそれの正否が苦手という訳です。」

緒美。
「女性は念入りに計画を練って。」
「無策で行動しないとのことです。」
「対策のやり過ぎがよくある。」
「男性は行き当たりばったりが多い。」

水希。
「正当化は、男性が圧倒的に多くて。」
「女性の方が正当化は酷くても。」
「発覚しやすい。」
「女性の嘘は迫真の演技になりますが。」
「人を欺く術までは習得していない。」

学世。
「両性具有を選ぶ女性は一騎当千でしょう。」

羽叶。
「男性の性質を取り込んだ女性は別物ですしね。」

学世。
「男性の両性具有はすごく稀です。」
「理論ではありますけれど。」
「見たことはない。」

羽叶。
「個人的には、美人女性ばかり見ています。」

緒美。
「男性の話題しかなかったような。」

水希。
「男性に束縛されていた女性ですかね。」

羽叶。
「女性は、他の女性に好まれたり。」
「口説かれたりするのが名誉ですね。」
「厳しい審査を通過したという状況証拠なります。」

学世。
「成人の手前で異性に興味を持っても。」
「男性が利己的で、悪賢い上に。」
「計画があって接することがよくあるので。」
「恋なんて定義がよくわからないものに。」
「引っかかりやすい。」

羽叶。
「男性は物とか金品にしか、女性を見ていません。」
「手に入れると、後は無関心なことがよくある。」

緒美。
「男女の失敗ばかり研究していたので。」
「手の内を見せ過ぎたね。」

羽叶。
「男性と女性は分離して存在できるので。」
「自然のものしか説明できない。」
「生物学なんて馬鹿の産物。」
「超自然的な話をしているのです。」

水希。
「そもそも自然について何も知らないのでは?」

羽叶。
「道理を説いても、生物学を引き合いに出すとか。」
「生物学しか習ったことがないくせに。」

小依。
「私達は超ひも理論で科学に慣れていますからね。」

羽叶。
「実証主義を現実に持ち込むのは屁理屈。」

学世。
「聖トマスの、神の存在証明、これを読んでから反駁すること。」

水希。
「生物学は関係がない、倫理学の話ですよ。」

緒美。
「男尊女卑が長く続いた理由が分からない。」

百香。
「あらかじめ与えられた条件に沿うだけで。」
「独創性がないよね。」

羽叶。
「斬新なのは理屈だけだね。」

夕刻。

帰り道。

何やらファシストが道路を塞いで。

勧誘を繰り返しているので。

回り道をすることに。

複雑な路地を素早く通り抜けます。

リーサルカンパニーの勧誘も頻発しているので。

惑わされて、引き込まれないように迂回。

羽叶。
「幾何学、これは簡単。」
「地図ならば。」
「まず太陽の位置を見る。」
「時間帯によって、太陽の位置は決まっているので。」
「日本では、太陽があるのが南になる。」
「午前は左寄りに太陽があって。」
「昼過ぎから右寄りに移動する。」
「地図に方位計や東西南北が表記されていればよろしい。」
「目印のある目標に一度、突進して。」
「その目印を中心に移動すれば。」
「高確率で目標に到達する。」
「目印から方位何度か割り出せれば。」
「簡単にその方位に向かって突進するだけで。」
「強引に到達できる。」
「航空機の方位計でその数字に突進すれば。」
「何か建物や道がなくても。」
「回り道が見つかるので。」
「地形を無視できるのは、航空機の方位計によるもの。」
「航空機の方位計は、最近のコンパスについている。」
「幾何学の基本はコンパスです。」
「コンパスは付近に電子機器があると電磁波で狂うので。」
「要注意。」
「北極と南極の軸は合わないので。」
「補正すること。」

緒美。
「距離の測距は、サッカーコートなどを参考にする。」
「一般的に縦百メートル、横七十メートルなので。」
「適当に測距できればよろしい。」
「正確無比に目測で距離は計算できないので。」
「手抜きの測距で足ります。」

水希。
「幾何学で目立つのは。」
「道中、自分の現在位置と方向を見失う。」
「空間識失調をよく起こすというものです。」
「目印に戻るまでは。」
「空間識失調が直りません。」

学世。
「地図は、実際の道路や通路とはまったく違うことが書かれています。」
「現地は別物なので、過信しないこと。」

リーサルカンパニーと政治団体は喧嘩を始めたようです。

目的と、地区が被っているので。

小競り合いがよくありますが。

ブラック企業はアルバイトで格闘技の経験者も雇えるので。

政治団体はいつも負けます。

それでいいのですが。

いちいち物騒。

メンバーは近くに住んでいて。

チェックポイントである神社から解散。

少し雑談しますが。

日の入り時刻が迫っています。

自宅にある屋外の机で。

愚痴から何かの発見、感動したものとか。

親族なためか、友人以上に自然な会話になる。

今日はノートを確認して次の準備。

両親に言われた教訓が引き合いに出される。

羽叶。
「カール・マルクス資本論は辞めろと言われたことがあります。」

緒美。
「アダム・スミス国富論の方が楽観的になれますよね。」

水希。
「資本論と国富論の両方を学んでいる人がいますよ。」

学世。
「別に、利益を追求することで、望ましい結末に辿り着くのは。」
「現実に通用する分析ですね。」

羽叶。
「資本論は、批判ばかりで、むしろ読むほど暗くなります。」

緒美。
「国富論が経済を肯定したものならば。」
「資本論は経済を否定したものです。」

学世。
「資本論よりも国富論の方が明るくなります。」

羽叶。
「自分の利益を重んじて、利益を徹底して追求するのは。」
「社会の利益を増やそうとするよりも。」
「手っ取り早く、有効に社会の利益が上がります。」

水希。
「社会のためにいいことをたくさんしたという話は、未だにないし。」
「もっとも、こうした尊大な態度は、商人には見られない。」

羽叶。
「社会のために、なんて行動する人を説得するのはやや簡単です。」

学世。
「個人に、利益を指示しようとするのは、不要な世話と。」
「越権行為を自ら引き受けてしまう。」

緒美。
「有神論が抜群な国富論は、商人の教科書ですしね。」

学世。
「かえって、マルクス資本論を読むのは馬鹿げています。」

水希。
「有神論で、経済を肯定するアダム・スミスの方が相性が良い。」

羽叶。
「訳本の膨大な内容と、所々に集約された分析は。」
「読むのには重過ぎますけれど。」
「哲学を用いた論文なので。」
「そこまで難解ではないです。」
「経済や金銭への興味によって、難易度が変わります。」

学世。
「お金や利益について念入りに書かれているので。」
「内容も議題も重いのですが。」
「資本論しか読んでいない人は、やはり欠陥品です。」

羽叶。
「昔は両者を読むのが通例でしたね。」

緒美。
「国富論は、大人気で、すぐに売れたこともあります。」

水希。
「歴史書の引用までありますからね。」

緒美。
「ローマ帝国が滅亡した後の市民生活から、新体制への移行など。」

学世。
「階級社会が半壊したので、新任の君主にお金を支払って。」
「権利を手に入れて、貿易に注ぐようになった所から。」
「古代世界のお金の話まで入っています。」

羽叶。
「お金の話が大量に書いてあるので。」
「客観的な金銭感覚とか。」
「主観的な経済などは直されますね。」

学世。
「なにしろ、今日の経済を楽観的に見えていますし。」
「自然に経済が形成されて、それが資本主義と言われたという。」

羽叶。
「スミスは正統派で、政府も財界もこれを手本にしたのだから。」
「公に好まれている著書でもあります。」

緒美。
「昔、マルクスは一時期、禁止されていて、公に論じる人はいませんからね。」

羽叶。
「富んでいるとは?生活必需品が大量にあるのか?」
「生活必需品が余裕を持って確保されているのか?」
「貧しいとは?生活必需品が少ないこと?」

学世。
「カール・マルクス資本論は搾取や人材使い捨て。」
「労働者の人権蹂躙、悪徳業者まで行き着くとされて。」
「危険視されていましたからね。」

水希。
「資本論は社会主義に開けていますから。」
「真に受けると道理に暗くなります。」

羽叶。
「正統派の国富論をお勧めできますね。」
「資本論は異端みたいな扱いですからね。」

学世。
「読むのに大変な時間と挫折を受けますけれど。」
「これを読まずに就職するのは無謀かもしれない。」

羽叶。
「資本主義の古典、とも評価できます。」

緒美。
「正統派の古典でしょう?」

水希。
「資本論は古典ではなくて、悪書ですね。」

学世。
「資本論は異端ですからね。」

羽叶。
「まずは正統な書籍から経済へ。」

学世。
「私にとっては、資本論は有害でしたよ。」

どちらかと言うと、群衆心理を理解したので。

群衆という、どうでもいい集まりとは正反対になる。

メンバーは、とてもお金があるので。

教育で得られない古書や古本を読み漁っていて。

無知の克服を目的にしています。

なので、無知の改善に役に立つのなら。

正気ではない古典の読書を繰り返すのですね。

こうすると力量も増して、鍛錬にもなりますし。

ゼノンはそういう方法で、先生と呼ばれて。

いろんな所から招待されたのです。

知性が平均よりも明らかに高いのですが。

それを制御して活用するので。

ますます力をつけているんですね。

今日は通信販売で、イギリス経験論が来たので。

それに夢中。

苦悩が外からやって来ると信じると。

苦悩に対処できない。

生きることが苦悩を生み出す自覚が必要。

格言。

苦悩が人生の本質を成し、苦悩は従って。

外から自分の方へ流れ込んで来るものではなく。

誰でも自分の中心に涸れることなき苦悩の泉を抱えて。

生きているのだ。

ショーペンハウアー。


6


番組。

政治団体が逮捕されていて。

中継が繋がっていました。

けっこうな事件。

早朝のテレビは娯楽のような報道。

みんなのために行動しておいて。

罵られていますね。

市民。
「お前らが変なことするせいで。」
「株価が下がったじゃないか。」

子供。
「僕の好きなゲーム会社を潰したな!」

夫人。
「もうあの芸能人にも会えないわ。」

老人。
「若いだけかな?」

市民。
「ほれほれ!社会正義戦士の終わりだ!」
「もっと笑ってやれ!」

衆愚。
「朝からいい見世物だ!いいぞ!」
「もっと歪んだ顔を見せろ!」

群衆。
「数でやりたい放題できると思ったか!」
「悔しいか?悔しいよなあ?」

社会正義戦士。
「俺達は、あんな奴らのために・・・?」

政治団体。
「あの屑共め!あんな返事をくれるなら、やらなきゃよかった!」

市民。
「負け惜しみ!もっと苦しめ!」

警察官。
「ちょっと!興奮しないで!ほらほらどいて!」

刑事。
「罵る様子は映さないように、こら!」
「そこのカメラは停止させなさい!」

ジャーナリスト。
「これは少しの間、楽しめそうですね。」

会社員。
「いいんじゃない?」
「逮捕されても、有罪までは知らないが。」

市民。
「似合っているぞ!」

社会正義戦士。
「お前らのためにいろいろやったんだぞ!」

市民。
「俺達の享楽を確保してくれてありがとうね!」

衆愚。
「お前らが俺達の享楽主義を守って。」
「俺達がそれを満喫する。」

群衆。
「なんという正論なんでしょう!」

社会正義戦士。
「こんな奴らのためにやったのか?そんなことはない!」

インターネット・トロール。
「あいつら!あんな屑だったのか!」

政治団体。
「あんな奴らのために俺達は・・・!」

社会正義戦士。
「裏切り者!裏切り者!」

市民。
「別にお前らなんて頼んでないし。」

群衆。
「素晴らしい見世物ですね。」

少年。
「ああいう大人にはなりたくない!」

警察官。
「ほらほら、撮影は止めて!」
「これは暴動みたいだな!」

刑事。
「こいつらはまだ有罪判決が出てないからな!」

機動隊。
「なんでこんなに集まっているんだ?」

警部。
「実際の評価なんでしょうね。」
「ひどいな、この興奮。」

記者。
「もう少し離れて撮影しよう。」

市民。
「馬鹿な奴らがまた逮捕されたぞ!ヒャッホー!」

テレビはとんでもない高揚。

インターネットが荒れているので。

詳しくは調べない。

どうやら、都市の事務所にも警察が入っていて。

注意喚起が出ています。

登校。

いつものお宮の前にて。

羽叶。
「問題を美化するなんて気持ちが悪いね。」

緒美。
「問題が起きなければならない。」
「なんていう愚かな考え方はないかと。」

水希。
「何かが起きないといけないの?」

学世。
「問題は起こるものだ、という考え方ですかね。」
「そもそも起きなければ問題ではありませんしね。」

羽叶。
「問題なんてすべて主観の話ですからね。」
「問題には無関心でいるのが最善ですね。」

緒美。
「何を目的に生じたのか。」
「その目的を挫いてやれば消えますからね。」

学世。
「思惑をすぐに裁いて達成させなければ、自壊するでしょう。」

水希。
「どんな問題があっても、私は無関心。」

学校にて。

教室で遊んでいる女子高生。

ポーカーをやっていました。

手札を配って、一人が交代で審判。

女子高生。
「あれれ?何かおかしい?」

同級生。
「なにか失敗でも?」

女子高生。
「みんなイカサマしてますよね?」

同級生。
「そんなことないよ!」

少女。
「なんて暴言を!」

学生。
「いくらなんでも屁理屈です!」

女の子。
「それを口実にしようなんて思ってない?」

女子高生。
「だって、みんな私の配った手札で。」
「勝負してないじゃないですか。」

同級生。
「えっと、どうしよう?」

少女。
「ですよね、隠そうよ。」

女の子。
「交代しましょう、私が配ります。」

学生。
「私は何度もインチキをしても勝てないのよ!」

女子高生。
「あれ?これでいいんですか?」

女子高生、友達の男性と勉強をしていて。

途中で寝ていました。

男性が、困り果てています。

委員長。
「あれ?寝てた?ここはどこ?天国ですか?」

男子生徒。
「そんなわけがないよ、僕がいるじゃないですか。」

委員長。
「ぎゃああああ!」

男子生徒。
「僕がいると天国ではない訳ですか!」

口論になった。

この学校では、女性が男子に接近しませんが。

目標があると、連携や協力で接近することがあります。

小依。
「あなたは不当な幸運なんてあると思います?」

百香。
「ありますよ、大嫌いな奴が成功した時に。」
「それを信じずにどうやって説明しますかね。」

女子高生。
「あなたは成績が素晴らしいけれど。」
「何か秘密があるのですか?」

小依。
「何ということ、私が勉強が得意なんて。」
「今更、思い出すなんて。」

同級生。
「あそこの二人組、おかしくない?」
「妙に真面目なんだけれど。」

百香。
「本当におかしな二人組ですよね。」

小依。
「嘘は自己繁殖する、と言われていますが。」
「一つの嘘の保持に、二十くらいの嘘が必要ですよね。」

百香。
「物事は大げさに言ってはダメですよ。」
「私はもう百回も言いましたからね。」

先生が入場。

授業開始。

担任の教師は啓蒙思想家で、福沢諭吉、ヴォルテール、ルソーをよく読んでいて。

宗教は儒教なんですね。

頭脳明晰。

黒板の隅っこに書かれている文面。

懐疑論者はどこにでもいる。

授業中。

暗記した内容に注釈をつけている。

これは気に入られた。

頻繁に、ここが違っているとか。

こういう解釈で合っているとか。

メモ帳をつけて返されたりするので。

真面目過ぎると批判を受けることも。

かと言って、悪ふざけに走るのもよくない。

無難に通過できればいいので。

勉強ばかりしないけれど。

専門誌は読んでいたりする。

休み時間。

生徒同士。

逮捕された政治団体の陰口が多い。

羽叶。
「現実がチェスだなんて、古臭い考え方ですよね。」

緒美。
「現実はポーカーとブラックジャックですよ。」

水希。
「実際にポーカーとブラックジャックをやってみるとわかる。」
「連続で実行して、勝率や利得を計算すると。」
「現実のゲームが理解できますね。」

学世。
「一発勝負ではないので、勝敗よりも利得なんですね。」

羽叶。
「勝利しても利得がないと、意味のない勝利。」

水希。
「俗説ではチェスが万能だと信じられている。」
「ゲーム理論はそうは教えない。」

緒美。
「錆びついたゲームがチェスの構想なんですね。」
「通用しない考え方です。」

学世。
「プラグマティズムという訳ですよ。」

授業開始前で。

男子生徒が揉めている。

最近流れる思想に嫌悪して。

ふざけている様子。

先生が来るにはまだ早い。

男子生徒。
「みんなで嘲笑える世界を!」

男の子。
「命のリレー?なんだそのクソみたいな競技は!」

青年。
「安心して油断する社会を!」

男性。
「みんな違うということを分かり会える世界を!」

先生が来たので着席。

何事もなかったように再開。

教師に質問すると、私は専門家ではないので、という返答が最も多い。

教師の返事、教師に質問しても、何の利益にもならない。

これはジョーク。

いつものように放課後になる。

魔術書を持ってきているけれど。

むしろ褒められた。

教員。
「君はルネ・デカルトみたいに、魔法書や錬金術。」
「占星術の書籍を読み漁っているようだね。」

羽叶。
「没収しますか?」

教員。
「いいえ、好きな哲学があるのは良い趣味だ。」
「私は否定しない。」

先生が立ち去った。

なぜか自転車置き場の奥で。

魔法を放ちたくなったので。

試し打ち。

誰もいないはずでした。

羽叶。
「いつもの練習、しかし野山でやるべきでは?」

緒美。
「そこら辺に我々の怠惰がありますよね。」

水希。
「そういうのは、河原とか、無難な場所で良いかと。」

学世。
「何に当たるか分からない、もっと開けた場所ではどうかと。」

不審者。
「学歴というのは、これこれで・・・・ぐはっ!」

緒美。
「あれ?なんで敷地の裏に人がいるの?」

不審者。
「だから、学歴というのは・・・ぐわっ!」

羽叶。
「不審者だ!不審者!」
「何となく放った魔法に連続で当たるなんて。」
「世の中、因果関係が存在しない出来事が。」
「いちばん戸惑いますよね。」

不審者。
「学歴!ぐああああ!」

水希。
「ちょっと!この人は負傷退場!」

学世。
「何がやりたいのか・・・。」

数人の教員が駆け寄ってきて。

不審者は教師が追い払いました。

この辺りで普遍的に出没する奴みたいです。

警察が該当者を追っていますね。

教員。
「君達、あいつに何を当てたの?」

羽叶。
「雷ですね。」

緒美。
「火球ですね。」

教員。
「それは何かの比喩かな?」

校長。
「あんなのと戦わないように!」
「まぐれ当たりに気をつけてね!」

教頭。
「女の子に倒された不審者?」

教師。
「不審者が強いなんて、誰も言ってないだろ!」

教員。
「おい!空手部!近くにいたのに少しは加勢しろよ!」

空手部。
「無理です、相手が死にます。」

教員。
「そういうことは言ってないぞ!」

乱入、即退場の不審者。

その日を境に行方不明。

帰宅。

今日は親族のメンバーが上限まで留まります。

雑誌を持ち出す。

こういう時のために集めていた。

もう少し経つと。

自分の家の家事に戻ります。

通俗小説に疑問が出る。

羽叶。
「小説家はなぜか教養がないんですね。」
「なんで?」

学世。
「自由主義を理解せずに書いていたり。」
「哲学ができなかったり。」
「ひたすら教養がないという。」
「無慈悲な有り様ですよね。」

水希。
「哲学者と文学者を兼ねていたサルトルが偉大ですよね。」

学世。
「逆にシェイクスピアは哲学を疑っていました。」
「ゲーテは学問が得意で、格言にもしています。」

緒美。
「傑作を書いた文学者には、哲学の証拠がありますよね。」

羽叶。
「現代の小説家は、明らかに教養がありません。」
「学校教育の延長線上の考え方です。」

緒美。
「何か中身空っぽな雰囲気なのですが。」
「教養の無さが致命的ですね。」

学世。
「プラトンやデカルトが言う生得概念で達成する作家もいますね。」

水希。
「最近の作家は運命論の助けによって、強引に売れているような。」

羽叶。
「そういう力技ですと、市民に発覚して嫌われますね。」

緒美。
「いくら人気でも、同じ数の人が支持している訳では無い。」
「相当の数の人の反感を買って、敵に回していることもある。」

学世。
「思っているより通俗小説の支持者は少なく。」
「市民は誰も話題にしていないんですよね。」
「市街地で、文学の話題なんてまず出ません。」

水希。
「実際に社会で話題に出るものは、もっと現実的な内容ですからね。」

学世。
「ジョン・ロックみたいに、読者の気晴らしになるような。」
「作品を書くという、態度は必要ですからね。」

羽叶。
「ダニング・クルーガー効果ですね。」
「市民の一割しかその文学を話題に出さないんですね。」

緒美。
「ありえないほど主観的な内容ばかりですからね。」

羽叶。
「毎回、不当な幸運で勝利すると。」
「中身が市民に見破られて。」
「時間経過で評価が下がり続けるんですね。」
「安定している売れっ子の方が支持を得ています。」

緒美。
「売れっ子は市民を喜ばせて、気晴らしになるので。」
「目的が明確なんですね。」
「現実よりも楽しいものを読ませるので。」
「市民も隠れて支持しているのです。」

羽叶。
「表舞台に出て大きく出る作家は、思ったより支持されていないし。」
「早く売れて、早く消えていますし。」
「見えない所で非難されるか無視されていますね。」

学世。
「その作家は自分の見える所しか理解してないからね。」

水希。
「現代は中央集権制ではないので、一箇所に人気が集中しない。」

羽叶。
「通俗小説のアンチ、つまりは反対者の意見が適切であることも多々あります。」

緒美。
「その作品のアンチが真実を言うこともありますね。」

水希。
「全員が馬鹿という前提なんて、哲学からするとナンセンスですからね。」

学世。
「自分の力で売れていると思い込む。」

羽叶。
「どこからが自分の力なのか、私は分からない。」

緒美。
「私が仮に成功しても、国民の役に立った、それだけで。」
「なるべく長く継続できる程度です。」

羽叶。
「なぜ私だけが引き合いに出されないといけないのか。」

水希。
「成功したら御仕舞です、沈んで消えるか、もっと上がるかの二者択一。」

学世。
「自分が宣伝されるなんて貧乏くじですよね。」

羽叶。
「社会的成功をして、寿命まで英傑として称えられる。」
「私はそんなに格好良く出来ていないので。」
「遠慮している。」

学世。
「数で評価は決まらないけれど。」
「実際の評価は実に冷淡です。」
「作品も冷淡な評価をされる覚悟が必要です。」

日の入りで、暗くなったので。

一同、解散。

玄関で、外で誰が叫んでいます。

何者。
「ぎゃああああ!」

羽叶。
「家の敷地内ですね?」

緒美。
「誰でしょうか?」

水希。
「強盗かな?」

学世。
「何者ですかね?」

何者かは何かを踏みつけて。

捻挫したらしくて。

足を引きずって、謎の影は去っていく。

不審者、自滅。

老人は、毎日、同じ事の繰り返しと言いますが。

永劫回帰で説明がついています。

時間の認識が違うのです。

時間は直線ではなくて、円のように堂々巡り。

これは元々、ショーペンハウアーの発見です。

ペシミズムから見ると。

コンクリートとアスファルト。

木造家屋の都市で。

自動車が往来して、生活だけをしている。

あるのは人間と、その周囲の状況だけで。

特に意味のない営みが続いている。

文芸だけが癒しと満足を与える。

これだと悪いものは存在意義すらなく。

この世の悪いものは、最初から無い方が快適で。

悪いものにひたすら意味がない。

悪いものはわざわざ存在する必要がない。

ペシミズムは悪しきものを、無意味と論破し、その存在すら否定するため。

いくら悪が出現しても、無関心ですね。

やはり善なるもの、良いものしか見えなくなります。

アリストテレスの格言。

世の人々のすることはデタラメに過ぎない。

ニコマコス倫理学。


7


質問には必ずしもみな答える必要はない。

登校すると。

二大巨頭である。

千影(ちかげ)ちゃんと陽月(ひづき)ちゃんが対立しています。

千影ちゃんは現役アイドルで。

午後になると抜けます。

陽月ちゃんは市議会議長の娘で。

お互いに牽制しているんですね。

千影。
「何のために戦い。」
「何のためにここに来た。」
「どうしてなのか、誰もわからない。」
「答えを、出した者はいない。」
「戦い続けて。」
「どこかで死んでいく。」
「何のために戦い。」
「傷ついて。」
「何のために、戦い死んでいく。」
「何のために戦い続けていく。」
「何のために戦うのか。」
「それを知る者は、いなかった。」
「ついに。」

陽月。
「半分の確率で。」
「助からない戦い。」
「戦いの中に飛び込んで。」
「助からないと知りながら。」
「死地を飛び抜けて。」
「相手の懐を抉って。」
「最後に仕留めるのは私だから。」
「あなたは潔く死んで。」
「半分の確率で。」
「どちらかが死ぬだけだから。」

千影。
「あなたも私も左右できない。」
「半分の確率で。」
「あなたと私で。」
「殺し合いの中で、それだけが決める。」
「半分の確率で。」
「あなたと私は。」
「どちらかが死ぬと、この場で、決めるのだから。」
「あなたは左右できない。」
「私も左右できない。」

陽月。
「ここを通り抜けて。」
「回り道に見えるけれど。」
「危険だけが辺りを支配している。」
「禁止されても。」
「私はここを通ると。」
「自分の意志で決めたのだから。」
「急がば回れの生涯だから。」

千影。
「何のために、勝利を重ねている。」
「何のために、敗者はいるのだろう。」
「答えの出ない、勝負だけが、私の前で繰り返される。」
「何のために、勝利はあるのだろう。」
「何のために、敗北はあるのだろう。」
「勝敗がついても。」
「終わりのない戦いが続いていた。」
「いつもそうだ。」
「何のために、これを繰り返す。」

陽月。
「最後には屈する相手を全滅させる。」
「いつもこの繰り返し。」
「最後には屈する相手を、いかに組み伏せるか。」
「最後には相手は屈する。」
「相手は結果を変えられない。」
「最後には屈する相手を、全滅させろ。」
「相手は結果を変えられない。」
「私に倒されろ。」
「いつもその繰り返し。」
「いつもその繰り返し。」

千影。
「弱者はいない、この場でいない。」
「弱者はいなくなった、強者しかいないこの場では。」
「いかに弱者が名乗っても。」
「虚しい。」
「弱者は立ち去った。」
「この場には。」
「弱者はいなくなった。」
「強者しかいなくなった。」

陽月。
「争いの場に出て。」
「生き残った奴は。」
「ほとんどが死んでいった。」
「ここでも同じ。」
「みんなが死んでいく。」
「覚悟のつもりで。」
「争いの場に出て。」
「生き残った。」
「そんな奴は、もういないよ。」
「これからも。」

詩人。
「何のためにここまでしたのだろう。」
「思い返せば、特に意味もなくて。」
「最初の目的も失って。」
「戦い続ける私に安らぎを与え給えと。」
「いつもそうして。」
「終わることもない。」
「最初の目的も失って。」
「朽ち果てるまで。」
「私は終わらない、この世界で。」
「安らぎを与え給え。」
「その時に。」

男子高生。
「あの二人組っていつも綺麗だよね。」

女子高生。
「芸能人と議員の娘。」
「こんな組み合わせはそうはないわ。」

教師。
「先天的なものばかりではないだろう!」

生徒。
「あんなのについていけませんよ。」
「いつも高度な話題しか出さないし。」

教師。
「倒せない人間がこの世にいるはずがない!」

少年。
「あれ以上の人が、この辺りにいないのです。」

少女。
「現場に雑魚ばかりいると、あの人達なんて手に負えないじゃない!」

教師。
「負けない人間なんてこの世にいるはずがない!」

羽叶。
「最優秀者でも向上する可能性がある。」

教師。
「サウルもまた預言者の仲間なのか。」

羽叶。
「そんなに私の存在が意外ですか。」

緒美。
「人は皆自分では賢いつもりである。」

水希。
「干渉しないのが公明正大な態度である。」

学世。
「すべての人を信頼するのはよくない。」

小依。
「あんなものを見せられたら。」
「あれ以下のものなんて不要ですよね。」

百香。
「そうですよね、あれ以下のものは汚く見えます。」

羽叶。
「私も同感です、一度、高度なものや。」
「最高のものを見てしまったり。」
「体験すると、それ以下のものには興味を示さない。」

緒美。
「生まれた時は白紙と言われていますが。」
「それ故に、美しいものや。」
「良いものを受けると、変わりますよね。」

水希。
「小学生を見ても、先天的な知識や技能を持っているとは。」
「とうてい考えられない真っ白な考え方をしていますよね。」

学世。
「それではなぜ完全なものや、良いものや才能はあるのでしょう。」
「そもそも、何も受け取らないと。」
「完全無欠を認識することすらできないよ。」

羽叶。
「生まれた時に何も持っていないのと。」
「生まれる前に貰ってから生まれるのと。」
「真っ向から対立していますよね。」

小依。
「それでは子供の時代なんて。」
「経験だけで歩く迷子ですね。」

百香。
「経験だけでは盲目ですね。」
「目が見えないんです。」

羽叶。
「合理論と経験論はだいぶ激しく対立しています。」
「私はその中間を見ていますね。」

教師。
「こら!門の中央で雑談するな!」
「閉門できないだろ!」

羽叶。
「怒りは自らを罰する。」

教師。
「本当だよ、自分を害するのに等しいよ!」

今日は何事もないと思っていたら。

昼休みに。

二大巨頭が何やら仕掛けていまして。

現役アイドル対英才教育というゴールデンカード。

昼休みが終わるまで。

ずっと。

トレーディングカードゲームで勝負していました。

片方が勝っても、満足せずに両者続けている。

千影。
「賞賛に値しない者を賞賛するのは痛烈な皮肉である。」

陽月。
「すべての物は誰にでも合うわけではない。」

羽叶。
「すべてのものはすべての者に一様には適合しない。」

緒美。
「お互いに決着なんてつかないね。」

水希。
「勝ち負けではなくて。」
「あれはじゃれ合い。」

学世。
「恋人同士という噂までありますからね。」

羽叶。
「自分自身を納得させ得る人は優れた弁論家である。」

今日は午後から千影ちゃんが離脱。

陽月ちゃんが午後から主役になりまして。

最強クラスの女の子は学校にも影響を与えています。

教師は、あの時点で充分な教育であると評価しています。

帰り道。

八幡神社境内にて。

羽叶。
「祈りは第一の祝福を、賛美は第二の祝福をもたらす。」

小依。
「ある人を特定の宗教に入信させても。」
「その人が良くなることはまったくない。」

百香。
「自発的に集まったのが信徒ですからね。」

羽叶。
「祈りは爆発火具のように、天国の門を破壊して開く。」

緒美。
「我々は何か外部から与えられて生きてはいない。」
「自分はどうしたいのか?」
「それが真実になる。」

水希。
「外部から与えられて動く訳がないでしょう。」

学世。
「外部から定義付けられたものを疑うことが出来ます。」

羽叶。
「なぜ私が決めるのではなくて、外部が決めた通りにならないといけないのか。」
「それでは私は何かの奴隷です。」

緒美。
「ことわざにも。」
「神聖を装うことは二重の罪悪である。」
「設定された通りに生きないといけないのなら。」
「設定した奴は神聖ですらない。」

水希。
「かえって、自分が決めていく。」
「人生に自分が様々な強制を仕掛けていく。」
「それで筋書きというものは壊れます。」

羽叶。
「決められたからと言って。」
「従う義務はない。」

学世。
「すべての人は忍耐を推賞するが、誰も苦しみに耐えることができない。」

小依。
「悪人は覆されて、いなくなる。」

百香。
「それ聖書の一句ですよ。」

羽叶。
「何でも覆るという意味ですよ。」

緒美。
「受けた侮辱を消し去るには、仕返しよりも無視するほうがよい。」

小依。
「こんなんで、最後には世界から立ち去るだけですよね。」

百香。
「生まれて、大人になって、年老いて。」
「病気になって死ぬだけ。」

水希。
「死はやって来ると有無を言わせない。」

学世。
「死は収賄しない。」

境内から出て。

自宅にて。

今日は勉強をしている。

暗記するのは下手で。

どんなに浅くても、その分野を理解するのが。

知識人の著書からの教訓。

苦手の分野はごまかす、これが大事。

羽叶。
「社会で目立つのは一部だけですよね。」

緒美。
「変なのが一部だけで、他の人々は健全ですよね。」

学世。
「他人を操縦しようと試みるよりも。」
「自分の生涯を操縦する方が遥かに大きな戦果を得られます。」
「人生の操作を怠っていながら。」
「他人に責任転嫁したくはない。」

水希。
「生涯において、もう駄目だと思ったら。」
「ゲーム理論の負けゲームですからね。」
「争点は、可能な限り損失を減らすことだけです。」

羽叶。
「とある所、昔、両親と同居していて。」
「五十歳になるまで何もせず。」
「発狂して死んだ人もいます。」
「それまで何してたんですかね。」

緒美。
「おお!我に仕事をください!」
「なんて単願してはどうか?」

学世。
「私にできる仕事をください!」
「という要求はさすがに通りますよ。」

水希。
「ストア学派から言えば。」
「手が届く可能性のあるものは、すべて手に入る。」

羽叶。
「先程、八幡神社に参拝して、滞在しましたが。」
「信仰があって。」
「それによって悪い結果になっても安心できます。」
「悪い結果になったら、虚偽ということになるので。」
「実際はそんなことはありません。」
「悪くなれば連帯責任になる点に注目です。」

水希。
「あなたは、天が何か味方してくれると。」
「無条件に信じて、現実では何もしないのではと疑われる。」

羽叶。
「常に天が味方とは限らないので。」
「神々に半分を任せて、もう半分は努力していますよ。」

緒美。
「性善説の連中は、常に天が味方して何とかしてくれると信じています。」
「犬を鎖に繋いでおかないで、出かけるようなものです。」
「鎖に繋いでおいて、無事を期待するのが良い例えです。」

学世。
「期待して落として、期待させて落として。」
「なんていう経過には警戒してください。」

羽叶。
「デカルトは神の存在証明を書いていますが。」
「信仰のある人には、信じるだけで済みますが。」
「無神論の人には、いちいち理性的で。」
「論理的な説明が必要になり厄介ですよね。」

水希。
「宗教を拒否して、民間信仰や迷信ばかり信じるのは問題がありそう。」

羽叶。
「予定説という訳で、明らかに予定されている人はいますよね。」

緒美。
「私達は、神々の実在がありふれているので。」
「体験や目撃談から議論していますからね。」

羽叶。
「私達の場合は、信じるのではなくて所属しているのです。」

水希。
「カトリックは神と契約しているので。」
「信じるというレベルではないのですしね。」

小依。
「信仰のない人は大半が自然主義の立場です。」
「自然由来の考え方で生活しています。」

羽叶。
「信徒と無宗教な人では、言動と行動が別物です。」
「信徒は自らを罰することができますが。」
「無宗教なら、それができません。」

百香。
「かと言って、偽物の宗教である、カルトには近寄らない。」

羽叶。
「そもそもなぜ人間がいるのか、説明がつかなくなるし。」
「デカルトの神の存在証明は難攻不落。」

学世。
「デカルトは人気で、大学では哲学の授業で。」
「何かしらの古典を研究して書けと言われて。」
「宿題として出されます。」
「なので、最も読む機会がある哲学ですよね。」

羽叶。
「ジョン・ロックを引用すると。」
「結論はこうです。」
「信仰は個人の話題であって。」
「他人の話題ではない。」
「寛容についての書簡にて。」

小依。
「人間は人間を超えるしかない。」

百香。
「人間を超える人間が期待されています。」

一度解散。

日の入り。

また集まって。

夜間の散歩に出かけることに。

親戚の成人女性が付き添います。

それでも午後九時までには戻るのです。

防犯パトロールをしている人達と出会って。

しばらく一緒に歩きました。

自警団。
「人は作為を受けない限りは悪の一部です。」

羽叶。
「最初から善良な部分を持っているなんて。」
「子供からはとてもじゃないけれど見い出せない。」

自警団。
「どの犯罪者も、過去の経歴は似通っている。」
「これは怪しくないのか。」

羽叶。
「かと言って、詩的正義を掲げるのは良くないのです。」

緒美。
「寛容を理解していると。」
「寛容ではない発言も容認してしまうのが。」
「唯一の欠点ですけれど。」
「心の狭い奴になるよりはずっとまし。」

警備員。
「そうですよ、悪人という定義通りの人はいないように。」
「犯罪者も、同じ定義の人はいない。」
「犯罪とは既に定義されていて。」
「犯罪とは悪行の事ではなくて。」
「法律が禁止することへの侵犯ですからね。」

水希。
「悪を糾弾すると、糾弾している本人が。」
「異常であると非難されるという。」
「絶妙な世界です。」

学世。
「しかも、善人なんて役に立たないので。」
「そもそも善人であるという理由がないよね。」
「理由を言えないのに、善人と名乗るのは愚かです。」

自警団。
「自分がいいと思ったからいい。」
「自分が悪いと思ったから悪い。」
「善悪以外で判断できない我らを導き給え。」

警備員。
「俺は人間が善悪を正確無比に判断できるとは思ってないぞ。」

予定の時間になって。

帰ろうとしていた頃。

近くで。

自動車事故が発生。

防犯パトロールが走っていきます。

自動車は電柱に衝突して、大破炎上。

搭乗員が気絶してしまったので。

外に出そうと頑張るパトロール隊員。

通報で緊急隊員も来ている。

自警団。
「この扉は破壊できないか!」

警備員。
「窓を破壊する器具は持っていないぞ!」

羽叶。
「加速して、瞬発力で扉を破壊できない?」

緒美。
「できますよ、戦闘は一瞬の速度だけが重要。」
「瞬発力だけがあれば、この場も何とかなる。」

魔法書で詠唱。

横から、一瞬の速度で扉を外すと。

鍵が壊れたのか、扉が開きました。

自警団。
「そんな馬鹿な!」

警備員。
「違う!好都合だ!どっちにしろ救助しろ!」

一瞬で搭乗員が救出されて。

治安当局と緊急隊員によって事故は終了しました。

防犯パトロールが後は何とかしてくれました。

一同、帰宅します。

羽叶。
「人は、合理性を学ぶまでは不合理な思考をしがちですよね。」

緒美。
「本人が本気で不合理な考えを信じているので。」
「デタラメをやりますね。」

水希。
「私はここ最近で、人間の限界を見た気がする。」

学世。
「どうあがいても、不完全な人間に、何を期待しているのかね。」

解散。

自宅にて。

父親が帰ってきていました。

母親と会話しています。

母親。
「結婚なんて、一時的な満足ではなくて。」
「三十年くらいを見越して一緒になるものだわ。」

父親。
「若い人にそんなことできる訳がないよ。」
「君は例外だけれどね。」

母親。
「証明もなしに結婚はしてないです。」
「私達は必要だから結婚したのです。」

父親。
「必要だから君を呼び寄せた。」
「不要だったら、最初から何もしていない。」

羽叶。
「学校の日本史に誤りがあったのですが。」
「あんなものよく採用しますよね。」

父親。
「有名なジョーク。」
「パパ、僕達はみな猿の子孫だって本当?」
「パパは違うぞ、お前は知らん。」

羽叶。
「ですよね、欧米では創造論も学びますから。」

父親。
「無宗教者は、人間が万物の尺度。」

母親。
「あなたがもし結婚するというのなら。」
「助言をしてあげます。」
「するな。」

羽叶。
「了解!いや?了解!」

今日の事件。

精神分析医、精神科医が患者を受診。

すると男性は突然、拳銃を取り出して。

精神科医に詰め寄ります。

あんたはよくやってくれた、すっかり奇病も良くなった。

しかしあんたはね、俺の秘密を知りすぎた。

そっちの道の人だったらしい。

発砲したけれど、拳銃はガスガンだったので。

男性は拘束されて。

心神耗弱で、司法専用の閉鎖病棟に移送される予定だという。

現代社会。

何事も疑ってみる程度が丁度いい。

何でも正しいとは思わず、疑ってみる。

そしてそう思っている自分も疑ってみるのが。

最もバランスが良い。

報道で、日々の事件を熱心に説くのは、認識と立場の違いでしょう。

ジャーナリストの最大の懇願は、自分の記事を読むことである。

今の時代、民衆を扇動しても効果は薄く。

フロイトの精神分析を引用すれば。

人々は心理の矛盾が多い傾向にある。

革命よりもいろんな心理の矛盾を解消した方が。

個人においては素晴らしい気配がする。

結局は、何が与えられたか、ではなくて。

自分はどうしたいのか?

少なくとも、正解に満足して。

答えを設定してそれに基づくのは。

単なる思考停止。

エピクテトスの忠言にも。

もし、君に有益でないなら。

扉は開いている。

もし有益ならば、辛抱するがいい。

すべてに対して扉は開いているはずであり。

私達には何も厄介なことはないからだ。

英語の諺。

起こり得る最悪のことは拒否にすぎない。


8


豆知識。

ペンは剣よりつよし、ただしきわめて偉大な人物の支配下では。

出典は十九世紀に活躍した。

イギリスの作家。

エドワード・ジョージ・ブルワーリットンの戯曲。

リシュリューの言葉。

ペンは剣よりつよし、とは。

リットンの言葉を引き合いに出して。

世界で動き回っているが。

この作家は歴史に埋もれている。

ペンとは文であり、文は言論。

剣とは武であり、武力、実力行使のこと。

こういう表現は修辞学で、換喩(ミトニミー)と呼ばれる。

言論が武力よりも強力であるというのは。

しばしば理想であり、欲望でもある。

本当にそうであるという根拠はなく。

気休めに、空想みたいになるのは。

社会が良くない証拠になる。

ペンがいつも剣より強ければ。

こんなに多く成句は出回らない。

ペンは剣よりつよし、には原典で。

きわめて偉大な人物の支配下では、という前置きがついている。

正しくは。

きわめて偉大な人物の支配下では、ペンは剣よりつよし。

というようになる。

今日使われている言論の威力を説く言葉は誤訳です。

休日。

河川にて。

頑丈な籠に小さな岩石を入れて。

それを背負って運ぶ競技をしています。

いつもは天然水を入れたリュックを背負っていますが。

岩石は専用の籠が必要で、大荷物なので。

河原だけでやっていますね。

リュックに岩石を入れると底を貫くので。

河川周辺だけで背負って、帰りに捨てます。

河川の近くにある田畑を回って。

タイムを競うのです。

今日はルアーで釣りなどもします。

安全なルアーは力作で、けっこう魚が食いつく。

釣っても食べないので、すぐに魚を河川に捨てますね。

羽叶。
「戦闘でも生活でも、基本である。」
「パワーとテクニックとスピード。」
「この三つがあれば不自由しない。」

緒美。
「基本だけできれば、問題なんて無い。」

水希。
「無駄がある技能は、かえって転倒に繋がりますね。」

学世。
「知識も技能も、たくさん習得して、物置みたいな部屋ではなくて。」
「必要な時に発揮できるように、整理整頓されている。」
「倉庫でなくてはならないね。」

羽叶。
「今の所、自分より格上が登場した試しはない。」

緒美。
「強敵には、相手が失敗をするまで遅延するという作戦が定番ですね。」

水希。
「相手の小さな失敗を抉るというのが、有効な作戦です。」

学世。
「相手が失敗するまで待てば、本当に失敗しますからね。」

羽叶。
「この重量で、完走できそうです。」

緒美。
「そのくらいの岩石を運べれば。」
「あなたと競う人なんていませんよ。」

水希。
「岩石を運ぶ人と競うなんて、愚かな人はいませんね。」

学世。
「私は先にルアーで釣りをして来ます。」
「あんまりやると体力も使うし。」
「怪我もするでしょうからね。」

羽叶。
「私はもう一周しますよ。」
「可能な限りは鍛錬したい。」

緒美。
「時に猪突猛進が最善ということもありますよね。」

水希。
「理性的な人は、理性を失って、少し無謀になるなんて。」
「そういう状況が強いこともあります。」

羽叶。
「私が倒した相手は、たまたま負けやすい状況で。」
「無謀な戦闘をして負けていましたが。」

学世。
「そういう人にとっては、逃げた方が得なんですよ。」

小依。
「岩石を持ち上げたり、背負ったりするのは客観的な証拠です。」

百香。
「強い強い連呼する場合は、自信がないので、言葉で威嚇している。」

緒美。
「戦闘において、一発クリーンヒットしたら戦闘不能ですからね。」

羽叶。
「相手に一発当たると、相手は戦闘不能。」
「逆に一発でも被弾すると、自分が戦闘不能。」

水希。
「五発以上の殴打は子供の喧嘩ですね。」

緒美。
「十五発殴って、逮捕された人がいますが。」
「被害者は軽傷だった実例があります。」
「散々に誇張しておいて、そんな程度です。」
「兵士同士の戦いでは、一発の直撃。」
「技が決まってしまったら、後は負傷退場です。」

学世。
「基本のパワーだけ上げておけば。」
「岩石が人間に変わるだけですね。」
「岩石が持ち上がるのなら、人間も持ち上がる。」
「簡単な理屈です。」
「そろそろ岩石を捨てましょう。」
「岩石を動かすと、身体に負荷がかかって。」
「負傷しますからね。」

緒美。
「私もルアーで魚を弄びます。」

水希。
「食べられる魚とか、釣り上げて弱ってしまった魚は。」
「近所の猫にあげましょうよ。」

小依。
「それはいい発案ですね。」

百香。
「もう釣れたよ、小魚ですか。」

河川で釣りをして遊びましたが。

帰りに。

市街地付近。

同級生が私達を見ていて。

連絡していまして。

二大巨頭が連絡を受けて。

いきなり出現。

千影。
「あなたね、丁度いい女の子じゃないの。」

陽月。
「程よい印象の女の子ね、しかも男の子みたいな所もある。」

羽叶。
「何か用事ですか?」

千影。
「この娘は私のものだからね。」

陽月。
「いいえ、私が取るの。」

羽叶。
「え?なんの真似ですか?」

小依。
「好きなんだって。」

百香。
「現役アイドルと為政者の娘に挟まれて。」
「告白されているんですよ。」

緒美。
「好みだから、尾行されたの、その二人から選びなさいよ。」
「選択肢があるからと言って、逆に何も選ばない事もできるけれど。」

羽叶。
「なるほど、二人共、贅沢な女の子ですから。」
「いきなり交際を申し込まれても困ります。」

千影。
「昨日、どんな男の子が好みか論争をしたの。」

陽月。
「ただ、好みの女の子ならいるって話になって。」

羽叶。
「私は別に拒みませんが。」
「美人女性とか大好きですし。」

千影。
「ならば私とキスして。」

陽月。
「私と一緒に寝なさいよ。」

羽叶。
「今ここで決めることではないですね。」

千影。
「いいから抱きしめさせて。」

陽月。
「私はあなたを探りたい。」

羽叶。
「うわっ!ちょっと!恥ずかしい!」

千影。
「やっぱり変わった感触がして気持ちいいわ。」

陽月。
「どんな身体なのかな。」
「あれ?ちょっと他の女の子とは違って。」
「かなり柔らかいわね。」

羽叶。
「ひゃあっ!でもたまにはいいかな?」

水希。
「この辺りには市民が誰もいないからね。」

学世。
「そこら辺にしておけば?」
「続きは誰にも見えない所を推奨する。」

小依。
「女の子同士は、大きな害がなくていいよね。」

百香。
「私はそれも女性に最初から備わっていると見なしています。」

千影。
「ちょっとお茶しない?」

陽月。
「あなたを見ていると、ずっと見ていたくなる。」

羽叶。
「あれれ?こんなこともあるの?」

千影。
「私が言った通りに、程よい所が素敵でしょ?」

陽月。
「私が言った通りに、男の子みたいな所が素敵でしょ?」

千影。
「それでは最強の男の子は?」

陽月。
「なるほど、そう来ましたか。」

千影。
「そのくらい私なら見当がついています。」

羽叶。
「何がやりたいんですか?」

千影。
「別に、好きだからね。」

陽月。
「余裕があったら、続きをやりましょう。」
「それでは。」

二大巨頭、どんな女の子が素敵かで論争をしていて。

実際に接触すると、好きになったようです。

それは保留されて、次の論争である。

最強の男の子を探しに行きました。

今の女の子は可能性の限り、何でもしますね。

帰路。

とは言っても。

いつも通り親戚の女の子と一緒に帰宅するつもり。

同級生も一緒。

休日は、することでいっぱい。

趣味が似通っているので。

頻繁に目的が一致しますね。

やはり同類とは融和できる。

小型の貨物トラックが停車。

防犯パトロールの人と会いました。

いつもは猟師なんですね。

猟銃を見せてくれました。

弾丸は装填されていません。

猟師。
「向こうの集落で、猿が出ているので。」
「ボス猿を見つけて殺す。」
「そうすると報酬が貰える。」

羽叶。
「海外では、熊の狩猟に大型弓を使っていますね。」

猟師。
「撒き餌をして誘き出して。」
「隠れて待ち伏せして急所に当てると。」
「矢の一撃で熊は死んだりもする。」
「海外では大型弓による熊射殺は普遍的なものだね。」

緒美。
「距離はどのくらいで?」

猟師。
「百メートルくらいの狙撃ばかりするよ。」
「たいていヘッドショットになるね。」

水希。
「害獣駆除ってお金になります?」

猟師。
「けっこうなるよ、生活できるくらいの収益は見込める。」
「獲物の相場が決まっていて。」
「この動物は何円とかもあるね。」

学世。
「銃器で撃たれて死ぬ動物なんて。」
「あっさりしていて。」
「動物なんてそんなものですよと。」
「かなり雄弁。」

猟師。
「撃ち殺したら死体は沈黙するからね。」

羽叶。
「所で、銃器も機械なんですけれど。」
「仕組みは?」

猟師。
「どうやら、フリントロックだね。」
「昔は火を直接注いで着火させていたけれど。」
「今は内部で火打ち石みたいに火花を散らして。」
「毎回、発火させて放っているようだね。」

羽叶。
「武器はたいてい体当たりなんですけれど。」
「単なる体当たりではありませんよね。」

猟師。
「体当たりと言うより破壊ですな。」
「当たれば、対象は破壊されます。」

学世。
「これから猿を排除するんですね。」
「よくある狩猟のようですが。」

猟師。
「もうボス猿の特徴は知っているし。」
「射程まで接近して殺すだけ。」
「険しい地形の走破と、隠密行動はあるけれどね。」

小依。
「昔はどうやって狩っていたのかな。」

猟師。
「弓矢とか弩とか、当たれば動物を貫くし。」
「罠とかはもっとも効率の良い方法だね。」
「害獣は、多分、鎧を着た兵士が数人で囲めば。」
「熊くらいは余裕で殺せたのではないかと。」

羽叶。
「弩は鉄の鎧を貫通しますからね。」
「弓矢の威力もそれに匹敵する。」

猟師。
「よく知っているね、動いている的に慣れていると。」
「馬の上からでも当てられるからね。」
「並の女性ではないな。」

百香。
「ローマのグラディエーターは、剣と盾と鎧で。」
「熊と虎を殺しまくっていました。」

猟師。
「猛獣の戦闘パターンが読めるからでは?」
「武士なら、真っ二つにして熊を殺したのではないか。」

緒美。
「日本刀の切れ味は世界最高ですからね。」

猟師。
「それでは、そろそろ行くとしよう。」
「あわよくば勧誘できると思ったけれど。」
「それよりも話題について来れる女の子は不思議だね。」

羽叶。
「また狩猟動画をアップロードしてね。」
「けっこう観てますから。」

猟師。
「任せろ!」

小型の貨物トラックが走り去る。

住宅地に戻って。

いつもの公園。

羽叶。
「人間、誰しもが、弱い部分、愚かな部分があって。」
「過ちを犯しやすいもの。」
「自分が正しいと名乗るよりも。」
「寛大に、そして多少の事は無視するのが人間的ではないのかな。」

緒美。
「人は習慣によって何と変わることか。」

小依。
「遊んでから勉強ですよね。」
「仮に、休日だらけの社会なんてあったら。」
「どうやって過ごしましょうか。」

水希。
「もし一年中が休日であったら。」
「遊ぶことも働くのと同じように退屈になるであろう。」

小依。
「休み過ぎて、健康を害する、生活も損ねる。」

学世。
「人に馴染むと、礼儀を怠るようになる。」

百香。
「下着を覗いてはいけないの?」

羽叶。
「あなたの下着も見せなさいよ。」

学世。
「そうですよ、一方的なのは良くない。」

緒美。
「世界の方が狂っている、なんて台詞を誰かに言ってほしい。」

水希。
「目眩がしている人は、世界の方が回っているとか主張する。」

緒美。
「それでは目眩を治せよ。」

女子高生。
「ねえねえ、仮想通貨って大儲けするんだって。」

少女。
「今度、買ってみたいの、どうやるの?」

羽叶。
「利口者は騙されやすい。」
「利口者から馬鹿になった奴はさらに引っかかる。」

学世。
「儲けた人が言っているだけで。」
「損をした人は言ってない所に注目。」

女子高生。
「なんだそんなものですか。」

少女。
「賭け事なんですね。」

羽叶。
「悪から悪を学ぶのではなく、悪によって身を正しますように。」

緒美。
「勇気による最上の利益は分別にある。」

小依。
「お金を稼ぐと、余剰財産が発生しますね。」

百香。
「お金持ちも節約しますよね。」
「節約しないと、お金がいくらあっても足りないから。」

羽叶。
「競争には常に千人が加わっている。」

水希。
「名誉の道は非常に狭く、並んで通れるほどの余裕はない。」

近くで男子高生が自転車で。

レースをやっていまして。

通り過ぎます。

自転車は最高速で曲がれませんし。

つまらない失敗ですぐに転倒します。

特に死角からの対象接近で、すぐに事故になります。

自動車よりも危険なのですが。

無謀な運転で、一人が車道から歩道にある段差に。

乗り上げて脱落。

怪我を知らない運転は、失敗にも気が付かない。

最近、公園の近くで痴漢が出没するようで。

もう帰ります。

羽叶。
「昨日も痴漢が出たって。」
「女子中学生がやられた。」

小依。
「なんて治安の悪さなんですか!」

百香。
「女性を見れば、みんな娼婦だと思っているのでは?」

緒美。
「それはありますね、誰でも買収できると信じ込む。」

水希。
「その痴漢はね、女性なんだってね。」

学世。
「私も知っている、女性の痴漢だって。」

羽叶。
「なんですと?男性ではないの?」

水希。
「女性だよ。」

学世。
「女性の痴漢と言っても、本気で襲ってくるらしいよ。」

小依。
「なんて強欲な女なんでしょう!」

百香。
「男性よりも危険かもしれないわ。」

女性の痴漢が出ないうちに帰宅。

一同。

ようやく勉強会。

成績は最高にしないつもり。

成績上々で手抜きをすることによって。

維持が難しくない。

今日は母親がいます。

イッヌが家の中を走り回っている。

犬は親切にすると、すぐに懐く。

懐いた犬の扱いは簡単。

お互いに合わせる飼い主と犬は連携も見事。

釣った魚は、公園にある、猫専用の置き場に残しておきました。

野良猫というより、放し飼いをしている猫が頻繁に通るので。

翌日には魚は腐敗する前に消えていました。

昔の名残ですね。

この都市は、昔、野良犬や野良猫が多かったのですが。

ペットブーム到来によって、野良犬と野良猫が回収されて。

飼われることによって。

残らずいなくなったという歴史に由来する。

公園に犬と猫の銅像があったりします。

今でも野良猫の誘拐がありますし。

誘拐されると飼われます。

なので、飼い猫は首輪などが必須ですね。

自宅でイッヌの放し飼い。

イッヌは池のある公園や、高台の公園。

自然公園が大好きなので。

犬の散歩で行きますが。

イッヌはしてもらったことをよく覚えています。

今日は下校時に購入した。

犬用ロールケーキを見せたら。

発狂するくらい吠えたので。

イッヌに与えると、数秒で見返りが来る。

最近の教訓。

理屈で金貨が作れますかな?


9


連休中。

空港の展望台にいた所。

飛行機からテロリストが降りてきて。

空港を占領しようと試みました。

しかし傭兵部隊に敵が苦戦して。

大きな建物の中。

商業施設にて睨み合いになっているようです。

滑走路の脇にある展望台。

何か知らないのですが。

敵の飛行機が見えました。

建物で戦っているので、長期戦にて。

飛行機には誰もいません。

羽叶。
「あれがテロリストですか、何が目的で?」

緒美。
「人質を取って身代金って所でしょう。」

水希。
「飛行機から工作員なんて予想してなかったね。」

学世。
「外国に連れ去って、外交に使うのでしょう。」

羽叶。
「建物の中で銃撃戦ですね。」

緒美。
「非番の傭兵なんて、今の時期、いくらでもいます。」
「内側の敵に脅かされた。」
「微妙な内戦時代に就職したけれど。」
「今は仕事がない人達ですね。」

水希。
「少なくとも、敵を倒して収益にしようと。」
「頑張って挑戦しているので。」
「士気は高いんですね。」

学世。
「傭兵が敵を必死にお金にしようとするので。」
「民間人は逃げられましたよ。」

羽叶。
「私は大胆です、飛行機くらい潰してやりましょう。」

学世。
「どうやって?」

羽叶。
「エンジン二基の中にマジックミサイルを入れるとか。」

緒美。
「それは損壊しますよ。」

水希。
「どうやって接近するの?」

羽叶。
「混戦に忍び込むのです。」

緒美。
「敵の計画が壊れるなんて贅沢な挑戦ですね。」

羽叶。
「この中で臆病者は、いませんね。」

水希。
「無謀な人もいません。」

緒美。
「なんかいい具合に飛行機が丸出し。」

羽叶。
「遮蔽物に隠れて接近しますね。」

緒美。
「遮蔽物がない所では、戦闘なんて無理ですからね。」

水希。
「相手は何をやっている?」

学世。
「逃げ遅れた民間人を必死に探していますよ。」

水希。
「我々が捕まったら大変ですけれど。」

学世。
「成功すると思うよ、相手は隙だらけ。」

水希。
「我々は兵士だと思われないからね。」
「撃たれないかもしれない。」

羽叶。
「無理ならついて来なくてもいいよ。」

水希。
「いいえ、敵の計画が破壊される景色を見たいので。」

学世。
「私も、敵の思惑が潰れる姿が見たいので。」

建物の外周から接近。

建物の柵は、加速を使って乗り越える。

チームメンバーにも加速をかけて突破。

敵の飛行機が停止しているけれど。

エンジンはついています。

パイロットが数名いるみたいです。

飛行機の後方から接近。

敵兵は傭兵部隊との戦闘中で身動きできない。

エンジンの前方に回り込んで。

魔法書を詠唱。

エンジンの中にマジックミサイルを叩き込みます。

二基同時に破壊。

ターボファンエンジンのブレードが破損して。

炎上。

指揮官。
「なんだ?エンジンが何かおかしい?」

士官。
「故障かな?大事な退路だ、何とかしろ!」

エンジニア。
「無理です、不具合が出ました!」

敵兵。
「おいおい!何が起きたんだよ!」

敵の偽装民間機は異常を検知。

全員で加速をかけて離脱。

パイロットはようやく気づいたけれど。

逃げる方が速くて、敵は反撃できず。

指揮官。
「おい!あの民間人に何かやられたぞ!」

エンジニア。
「くそ!異物をエンジンに吸い込ませたんだ!」

操縦手。
「エンジンは何を吸い込んだ?」

指揮官。
「燃えているぞ、出力が上がらない。」

操縦手。
「二基ともやられたか!」

士官。
「警備はどうした!」

敵兵。
「人数が足りなくなって、周囲にはいなかったよ!」

隊長。
「前線にいる傭兵が思ったより多くて苦戦しています!」

敵兵。
「噂の修道兵とか言う兵科か?」

隊長。
「魔法使いですね、特殊な戦闘をするそうです。」

指揮官。
「まずいな、エンジンが燃えている。」

士官。
「あの民間人を追えるか?」

敵兵。
「無理です、もう見失いました。」

隊長。
「おい!そこの二人!何とかしろ!」

敵兵。
「私達も降りたい所ですが、前線の小隊が全滅しました。」

テロリスト。
「残っているのは、後衛の小隊だけです。」

指揮官。
「うわあ!エンジンが爆発!みんな脱出しろ!」

エンジニア。
「予想してなかったよ!うわああああ!」

飛行機は爆発。

テロリストは投降しました。

退路である偽装民間機が故障したので。

傭兵に捕らえられました。

傭兵は久しぶりの戦果に踊っていますね。

自衛隊が続々と来ますが。

なぜ偽装民間機のエンジンが爆発したのか分からず。

チームは親戚のお姉さんの自動車で。

離脱できました。

羽叶。
「何か知らないけれど、成功すると確信していました。」

緒美。
「民間人の負傷はなし、傭兵の勝利ですね。」

水希。
「貴重な情報を尋問で得られるようです。」

学世。
「あれはきっと三十人くらい捕獲しましたからね。」

水希。
「敵の兵士なんて、手強くて、正面から勝てるとは思ってなかった。」

羽叶。
「戦闘を避けて、目標だけを攻撃したから。」
「何とかなったのです。」

緒美。
「敵に目撃されているから、何か呼び出しを喰らいそう。」

学世。
「裏側で処理される可能性はありますね。」

後日、表彰されました。

決死の突撃で、テロリストの偽造旅客機のエンジンに。

異物を投げ込んで、退路を絶った功績によって。

賞状が貰えました。

地元の記事に載りましたね。

民間人にやられるテロリストはネタにされて。

魔法書を使った事は知られませんでした。

次の日からはいつもの日常。

学校ではけっこう評価が上がったくらい。

無難に授業を終えて。

生徒は部活に入っていますね。

最近はけっこう勉強をしています。

成績は維持、かと言って上限までは行かない。

現実なんて過酷なので、手抜きをする。

放課後。

緒美。
「格言にも。」
「敵が失敗している時は邪魔をするな。」

学世。
「その失敗によって、自滅してくれるからですね。」

羽叶。
「人間の知性に絶対はないので、失敗に気がつかない。」
「自分が間違っているとは思わないので。」
「失敗を続けてしまう。」

水希。
「相手の歪んだ顔が素晴らしかったです。」

羽叶。
「こんなの、何度も成功しませんし。」
「敵が馬鹿で助かったものですね。」

緒美。
「相手は人間でしたから、人間らしい失敗もしますし。」
「弱くて愚かな所も持っています。」
「しかし次も上手く行けばいいのですが。」

水希。
「次も相手の計画を挫くのですか?」
「次もあるんですか?」

緒美。
「もし?あったらね、次で失敗したらまずい!」

羽叶。
「少し話題にはなりましたが。」
「内戦時代のスター兵士は超えられないですね。」

学世。
「スター兵士がたくさん誕生して。」
「一回の戦闘で五十人敵兵を倒した人もいます。」
「一人で一個中隊を蹂躙した人もいます。」

水希。
「傭兵の中には、敵地に侵入して工作したり。」
「潜入して情報を持ち帰ったり。」
「隠密行動に長けている人も多くいます。」
「そういう特殊な戦場での戦果も凄いですね。」

緒美。
「私にはあの時に貰った魔法書があるけれど。」
「これなしで繰り出せるなんて。」

水希。
「戦士は民間人とは異なる認識を持っていますから。」
「殺し合いにとても慣れています。」
「死を恐れるのなら、戦場には出ません。」

羽叶。
「戦士の心理は、民間人とは違いますからね。」

緒美。
「先天的な戦士は、精神も戦闘力も違いますよ。」

学世。
「先天的な兵士だからこそ、撃ち合えるのでしょう。」

水希。
「後天的な戦士とは?」

学世。
「必要になって戦士になるのですよ。」

羽叶。
「それでは、今戦っている兵士は先天的な戦士なんですね。」

緒美。
「それだと矛盾がなく、戦争の一部を説明できそうです。」

羽叶。
「一兵卒は倒れても、仲間がいますし。」
「国家が負けない限りは、死亡は無駄にはならないね。」
「最後に自陣営が勝てば、戦死も無駄ではないのでは。」

水希。
「兵士にアンケートを取れる訳でもないので。」
「詮索しても難しいのでは。」

学世。
「平和を知る前に戦争を知らないといけないと思って。」

羽叶。
「そうですね、平和を知りたいのなら、まず戦争からです。」

水希。
「戦争を否定しても、侵犯されますから、禁止で戦争は無くせない。」

学世。
「現場を見ようとしない臆病者が。」
「平和主義と名乗っているのでは。」
「少し前では、現実を無視した教育がありましたね。」
「思想だけで戦争が防げますか。」

羽叶。
「戦争は政治ですからね、政治と軍事が一体化していた。」
「昔の時代は解読が難しい。」

緒美。
「近代国家で、ようやく政治と軍事が分離していますからね。」

水希。
「政治と軍事が一体化していると、少し解釈に困る。」

学世。
「問答無用で、冥府の門を潜ることになるので。」
「嫌がっているのではと。」

羽叶。
「死生観ですかね、戦争に死生観は持ち込めそうです。」

水希。
「平和な世界なんて本当にあるのでしょうか?」

緒美。
「平和は理想なんですよ。」

羽叶。
「度々、その理想的平和が実現していましたね。」

学世。
「実現したら、理想的平和はそれでいいんですよ。」
「そこから戦争になれだなんて決して言わない。」

緒美。
「戦争は現実なんですね、しかし歴史は戦争ばかりではないね。」

水希。
「歴史は平和な時期の方がやや長い傾向にあるよね。」

羽叶。
「平和が長く続いたら、それでいいんですよ。」

緒美。
「戦争が発生したら、仕方がなく、平和が達成されたら。」
「それはそれでいい。」

羽叶。
「平和を疑ったら、今度は戦争が疑わしい。」
「なぜ戦争があるのか?」

水希。
「なぜ戦争があるのか?なぜ諍いもあるのか?」

学世。
「平和とは何か?何だろう?」

羽叶。
「そういう疑いも必要なんですね。」

緒美。
「答えなんて無いと思うけれど。」
「正解も無い。」

水希。
「今や疑問しか無い。」

学世。
「問い正す機会が、今の時代にありますね。」

教師に質問してみました。

元公務員で、転職した人ですね。

組織の厳格な要求に応え切れず。

従順ではなくなったので。

自ら転職をした経歴の教師です。

羽叶。
「私も教師に興味を持ちまして。」

教師。
「お前は間抜けなのか、お人好しなのか。」
「虐待されて喜ぶのか。」

羽叶。
「教師はやめます、そんなに条件があるとは知りませんでした。」

教師。
「おい!まだ話したいことが・・・行ってしまったな。」

部活の時間帯です。

運動部が鍛錬をしています。

リーダーが引退したので。

次のキャプテンを選考していますね。

選手。
「俺達は、恐れることなどない!」
「ひたすら自らを鍛え上げて。」
「必死に練習だけしていれば。」
「必ずや全国大会に出れるのだから。」

部員。
「我々の学校は、地区大会でいつも負けていますが。」

選手。
「だからこそ練習すれば、全国大会も夢ではない!」

部員。
「根性ってそんなに万能な要素なんですか?」

選手。
「気合いだ!そして倒れても、天国に行けることは間違いない!」

優等生。
「よし!お前の隣りにいる、目立たない筋肉野郎!」
「お前が指揮すれば、全国にきっと行ける!」

選手。
「おい!待て!まだ俺のアピールタイムだぞ!」

優等生。
「だって、お前を選ばなければ、俺達はきっと天国に行ける!」

部員。
「根性だって?」
「根性以外には何も持っていない雑魚め!」

生徒。
「気合いしか出し物がない奴よりも。」
「俺達は凄い筋肉の野郎を選ぶぜ。」

優等生。
「よし!君は誰だね?」

秀才。
「筋肉だけではなくて、もっといろいろ持っていることを。」
「これからもお見せしたい。」

運動部が乱闘気味です。

グラウンドは近寄れませんね。

遠目から、この学校が最も導入した機材は。

唯物論だったとのこと。

それで運動部は、いつも喧嘩しているんですね。

投手。
「相手は我々の作戦を読むことは出来ない!」

監督。
「言ってくれるね、それではその作戦とは?」

投手。
「作戦なんてないから敵は読めないのだ!」

監督。
「なんてことを言うんだ!」

隣の野球場も乱闘気味。

あんなんで、あの野球部はいつも地区大会突破を争っています。

そこそこ勝てるんですね。

文化部は、同じ設定の世界観で。

漫画や文学を書いているようです。

少し見学。

詩人。
「通俗小説と争うと、数の暴力に遭うのでは?」

部長。
「なるほど、それなら、作戦がある。」

詩人。
「どういう作戦?」

部長。
「我々は、通俗小説を脅威とは見なさない。」

詩人。
「素晴らしい!」
「さっそくバカ発見器に載せましょう。」
「あれ?」
「全国の小説家から、最大の屈辱とか言われている。」
「なんで?」

帰り道。

自動販売機のある駄菓子屋。

少し逸れた道。

前にあったことについて。

羽叶。
「現行犯だって、その行いがすべて悪であった訳ではない。」
「報道番組や新聞が少し栄えたではありませんか。」

緒美。
「現行犯のおかげで、そうならない教訓が出来たからね。」

水希。
「窃盗犯なんて、次のセキュリティを開発するきっかけになるし。」

学世。
「事故ですら、運転手の練度を上げますしね。」

羽叶。
「ほら、現行犯だって、すべての行いが悪ではない。」

学世。
「否定しません。」

近くで立て籠もりが発生。

コンビニエンスストアなんですね。

通り道だったので。

野次馬になってしまいました。

治安当局がもう囲んでいる。

警部。
「犯人の要求は?」

警察官。
「逃走用の車だそうです。」

警部。
「では、犯人に返答を。」
「従業員用の部屋に警察官が既に数人いるので。」
「投降せよ。」

犯人が五分で逮捕されていて。

派出所にはこんな張り紙が。

捕虜にした現行犯は、所得税の対象にはなりません。

次にこんな張り紙。

毒物アレルギーの方は、毒物を接種しないでください。

羽叶。
「我が国は、投票の自由が約束されている。」

小依。
「投票後の自由も約束されていますよね?」

羽叶。
「どっかの国みたいに、投票後に人口が減るなんてことはない。」

百香。
「投票する前の自由があるなんて、さすが先進国。」

羽叶。
「日本に社会主義国家は誕生する?」

緒美。
「半分くらい社会主義だと思いますけれど!」
「日本が何をしたって言うんですか!」

小依。
「そうですよ!日本はそんなに酷いことしてない!」

水希。
「可能ですけれど、我々は一体どんな悪事をすれば。」
「そうなるんでしょうかね。」

学世。
「アフリカも社会主義ですよね。」

緒美。
「違うと思いますよ。」

学世。
「じゃあなんであんなに飢えて渇水があるの?」

羽叶。
「本当だ、共産主義しか起こらない惨劇がある!」

百香。
「実態は共産主義なんですね。」

水希。
「そうでないと、飢餓と渇水の理由がないしね。」

羽叶。
「今からロシア旅行に行くとしたら、社会主義の名残があるのかな。」

緒美。
「ロシアに旅行?その前に精神科に受診した方がいいですよ。」

羽叶。
「ううむ、辞めておこう、旅行は国内にする。」

帰宅して。

何となく報道を見る。

今日の事件。

北朝鮮に亡命しようとした民間人が。

精神科に入院。

録画。

深夜の番組を録画して。

ストレージに貯めている。

スポーツ。

異種格闘技戦にて。

総合格闘技の選手が、少林寺拳法の達人を倒す。

相手は気絶してしまった。

気絶したまま立たされて続行。

師匠。
「よしいい調子だ!まずはラウンド先取!」

観客。
「おい立てよ!寝ているフリをしやがって!」

審判。
「はい立ってください、ラウンド二!ファイト!」

格闘家。
「なんだ?一発でダウンか?」

観客。
「なんだ?少林寺拳法の野郎、ふざけているのか?」

審判。
「よし!ファイナルラウンド!」

今日は勉強を開始。

親族のお姉さんが手伝ってくれるので。

いつもは運転手。

お姉さんは。

夜勤の看護婦で、大卒なんです。

先程、起床した所で。

出勤まで勉強を見てくれます。

休日だけしか昼間は活動しないとか。

日の入り時刻。

お姉さんが出勤と同時に。

みんな解散。

母親が帰宅。

羽叶。
「人工の手そのものも自然。」

母親。
「人間には、人間らしい欠点が与えられているもの。」
「故意に、皆欠点が加えられているのよ。」

羽叶。
「私は不完全な時が最も最高の働きが出来るのですよ。」

母親。
「なぜなら、身内は私を褒めて、馬鹿にしてくれるけれど。」
「敵対者は正直にお人好しとか間抜けとか言ってくれる。」
「つまりは、敵によって己を知り。」
「身内によって欺かれるってことよ。」

羽叶。
「当たり前ですよ、他人を馬鹿とか言えば九割は当たりますから。」

母親。
「虚偽とは立派な外見を持っている。」

羽叶。
「勘違いをすると、人間は損をしながら喜ぶこともある。」

深夜。

父親がお土産を持ってきた。

饅頭などの和菓子。

父親は気持ちを品物に変えて表現するのが得意。

気持ちを行為で表現するので、それで出世した様子。

人間をよく観察して、それに合わせてくる。

人間をよく研究する人間という訳ですね。

機械文明ではなくて、量子力学による繁栄した世界。

人工物も自然であると見なせます。

名句。

何らかの手が加えられて自然がより良くなるとすれば。

その手を生み出すのも自然なのだ。


10


放課後が近くなる。

掃除は簡単なものを奪い取って。

一方的に楽をしている。

今日も何事もなく。

何かある方が珍しくなってきました。

部員にとってはこれからが本番。

文化部に登録して、無視して帰宅する生徒もいる。

教師も生徒が全部に従うとは思っていない。

授業が再開される前に。

少し時間がありましたね。

羽叶。
「古代世界は道理が支配していた。」
「理非がひたすらあったけれど。」
「道理が廃れて、失われると。」
「理屈が横行するようになった。」
「そして完全に元々の道理が消え失せると。」
「道徳というものを作ることになった。」
「その道徳は道理が消え失せたので。」
「道徳を作って人々を従わせるしか。」
「方法がなくなったから。」

緒美。
「その道徳を破壊すると、元々あった道理を発見できます。」
「理法とも言いますが。」
「古代世界であったものが、近代になって失われていき。」
「今では道徳に置き換えられてしまった。」

水希。
「昔あった道義が消えると、代わりに道徳を作って。」
「それによって人心掌握をするようになった。」

学世。
「そして残った道徳をすべて否定して無視すれば。」
「もう何も残らないけれど。」
「起源を調べられるので。」
「理法の復元が可能になります。」

羽叶。
「疑問がある場合は、理法が失われた証拠ですね。」
「道義が消え失せたので。」
「何に基づいて判断すればいいのか分からない。」

緒美。
「かと言って、道徳は人間の作品ですからね。」
「思い切って道徳も潰してしまうのが最善なんです。」

水希。
「すると自分の考えの根拠は?」
「という具合に、自己批判も可能になります。」

学世。
「何がいけないのかは、その都度、見い出せますね。」
「起源まで辿ることができますから。」
「絶対視された道徳を潰せば。」
「物事が相対的になりますから。」
「自分の行いですら、疑うことになります。」

羽叶。
「自分の行いを常に疑ったり。」
「疑問になるのは良いことです。」
「このような自分の行いは自分でも疑わしい。」
「みたいな。」
「こうなると真理が多い。」

水希。
「自分の行いを疑う、なんてことは、けっこう美しいのでは?」
「自分の行いは絶対視されないし。」
「半信半疑の行いは、間違いに気づきやすくなります。」

羽叶。
「イギリス経験論のジョン・ロックが指摘するには。」
「生まれつきの知識がもしあったら。」
「それを主張している人が預言者の扱いになるとか。」
「そのまま権威になってしまう。」
「という反駁をしていますが。」
「これは一理あります。」

水希。
「オリジナルをやっている奴らでよくありますね。」
「生まれつきの知識であると勝手に主張すると。」
「その人がそのまま学問の権威になってしまいます。」

緒美。
「そうなると、どんな人も、生まれつきの思想について。」
「学術になるとか、論文を勝手に出してもいいとか。」
「生まれつきの知識だから正しいに違いないとか。」
「やりたい放題に論説を繰り出します。」

学世。
「子供に先天的な知識なんて、見たことはありません。」
「懸念されるのは、子供の時からの先天的な思想が。」
「大人になると、先天的という理由だけで。」
「一方的にまかり通ってしまうというもので。」
「生まれつきの知識かどうかは証明されていないのです。」

羽叶。
「先天的な知識が正しいか?」
「その知識は妥当なのか?」
「こういう無批判に生まれつきの知識が通るのは危険ですよね。」
「一部の愚者が預言者のように振る舞うのは、そのためですね。」

学世。
「イギリス経験論は、ヒュームが崩してしまいましたが。」
「経験を徹底すると、経験と結果は分離できる。」
「経験と能力は別々という結論になります。」

羽叶。
「デカルトは先天的な知識を認めていますね。」
「才能や適正、個性、生まれつきの能力差。」
「人格、徳性、性格なども。」
「個人で大きく異なります。」
「そういうものはどこから来るのか。」
「やはり神から貰っているので。」
「先天的なものは神から来る。」

水希。
「イギリス経験論はすべて後天的であると結論を出しますが。」
「デカルトなどの合理論は、先天的な能力が大きいと述べています。」
「これらは認識の違いで。」
「哲学者カントが調停していたので。」
「この対立構造から読んでみるのが最善ですね。」

緒美。
「経験論と合理論の対比から考える。」
「ううむ、贅沢な考察ですね。」

羽叶。
「近頃、校則とか威張っているよね。」

水希。
「教師が生徒よりも劣っている実例もありますし。」
「教育委員会が生徒よりも愚かである実例もあります。」

緒美。
「教師が何でも偉いとか、何でも優れているとか。」
「けっこう増長しているようですね。」

学世。
「教育する側が劣っていることもしばしばありますからね。」
「教育現場の前提に誤りが多々あります。」

羽叶。
「自分より劣っている人間の言うことなんて聞きますかね?」

水希。
「ですから、校則を作って従わせているのです。」
「それしか、生徒よりも有利な状況を作れない。」

羽叶。
「人民を教化するのは教師でも為政者でもないのですけれど。」

水希。
「人民を教化するのは、正教の役割ですからね。」

緒美。
「指導者に人民を教化する権利はない。」

学世。
「人間は人間を教化させることはできない。」

羽叶。
「教育は生徒の利益にならないと無意味ですからね。」

水希。
「生徒は教師に問題があれば、変えるくらいの権限は持ったほうがいい。」

羽叶。
「自分より劣っている教師は、自分の利益にはなりませんからね。」

水希。
「教師の言い分は、反駁に脆弱で。」
「些細な突っ込みに何も返答できない。」

学世。
「教師は本人が思っているより無能で。」
「優れている点はどこにもない。」
「教師の言い分は、社会で何も通用しない。」

緒美。
「講演を開いて、教員の言い分を繰り返しても。」
「聴衆に笑われるだけで。」
「狭い世界に生きていますからね。」

羽叶。
「教員の言い分なんて、民衆には一切通用しません。」
「教育は常に前提を間違えている。」
「という所は、昔も今も一貫している所です。」

水希。
「実際、学校と家庭しか教育がないので、矛盾に気づかない。」

羽叶。
「教育と称して、たいした成果が出ていないようですな。」

緒美。
「何でも否定から入るのは良くないと思いますが。」

学世。
「そんなことはありません。」

羽叶。
「問題を否定しても理にかなっている。」

水希。
「否定されるべき事案が否定されているのです。」

緒美。
「しかし何でも否定すればいいというものでも・・・。」

羽叶。
「そういうことではないね。」

学世。
「私はそうは思いません。」

羽叶。
「今日はエイプリルフールにするべきです。」

緒美。
「それには延長なしという条件でよろしく。」

水希。
「放課後はどちらへ?」

羽叶。
「やはりお菓子でしょう。」

学世。
「遊びで使って千円しかなくなったよ。」

羽叶。
「私の財布にはたくさんあって。」
「いったい何に使ったらいいのか分からない。」
「三万円がある。」
「そんなに少額だからって恥ずかしがることはないね。」

水希。
「世の中にはお金よりも大切なものがありますよね。」

学世。
「何のことですか?」

水希。
「金塊ですよ、お金よりも上回る。」

学世。
「異論はない。」

遂に放課後。

そしていつもの。

教師と生徒の小競り合い。

最近は頻発している。

この学校の生徒は手強いらしい。

教員。
「どうして僕が書いた黒板の通りに記入しないんだ。」

生徒。
「あなたの文章を訳しただけですけれど。」

男子高生。
「俺の親はもう四十歳になるよ。」
「さすがに少しはぼけている。」

教員。
「おい!貴様!隣で何を言ってる!」
「僕も四十歳だぞ!」

生徒。
「勉強に集中したいので、話しかけないでください。」

教員。
「学校をなんだと思っているんだ!」

生徒。
「それでは?学校って何ですか?」

教師は沈黙して。

その隙に生徒は逃亡。

教師は静かに戻っていった。

もっと自由に学習せよ、そしてこれを守れ。

なんて校則が保護者会に笑われて。

最近は立場が無いらしい。

空手部。

チェスチャンピオンを二十手で倒した。

もうチェスはやらないと言われてしまった。

文化部。

先生の言うことは聞きなさい、と言われているので。

そう言った。

教頭先生と校長先生の言うことだけを聞いている。

学校帰り。

学校の看板。

臆病者は死ぬまでに、何度も死ぬ思いをする。

勇者が死を受けるのは、一度だけ。

校門から出ると。

いつもの順路。

要するにお菓子を買ったり。

カワラバトが群れる公園で。

パンを投げたりしている。

ドバトは慣れていれば掴めるけれど。

汚染されている鳩もいるので、消毒は欠かせない。

羽叶。
「専門学校は難易度が低そう。」

学世。
「所でなぜあなたも専門学校に行く予定?」

緒美。
「職業世襲になってしまったから。」

水希。
「私もですよ、いつも空いている場所に。」
「職業体験させられるし。」

羽叶。
「夏休みとかは、無料で働いていましたからね。」

緒美。
「中学生から、何でも未定なので。」
「入ってから考えることにします。」

羽叶。
「私も同じく予定がない。」

水希。
「いつの間にか無策になっているので。」
「これから探しに行きます。」

学世。
「私も最初から何か決めていないので。」
「後から見つけるしかないね。」

羽叶。
「生まれたことは特に意味がないので。」
「私が後から定義するだけですね。」

水希。
「無意味に生まれて、本人が後で創作するだけですね。」

緒美。
「お節介は要らないので、これから先の判断材料を増やすだけです。」
「自分の生涯くらい、自分で始末します。」

水希。
「生きることには興味はないけれど。」
「すべて本人が否定して残ったものは疑えませんね。」

学世。
「今では自分が決めた通りの結果を強制するだけです。」

羽叶。
「他人を除いて、自分の決定を強要するのは好まれるかと。」

水希。
「半分を手に入れると、もう半分も影響を受けますからね。」

緒美。
「人間を超えた人間には、何教なのかよくわからない教えは。」
「有害という訳ですよ。」

水希。
「そういう背後世界の話はしないでください。」

学世。
「背後世界なんて現実には何の影響もありませんからね。」

羽叶。
「そもそも宗教が違うし。」

水希。
「たまにありますよね、あなた何教ですか?なんて考え方がね。」

学世。
「近年、カルト団体の施設が乱立しているのですけれど。」

羽叶。
「ああいう馬鹿なものが需要あるってことは?」

水希。
「なるほど、見えましたね。」

羽叶。
「カルトに需要がある社会とは?」

緒美。
「うわあ!酷いものです!知らない方が幸せだと思います!」

お菓子を食べて。

池の公園を歩いて。

成り行きで。

いつものお宮に参拝。

看板がある。

丁寧に祀られている社殿。

神話の時代からお宮はあるので。

教科書の日本史は役に立たない。

他所と衝突する学問は、学問ではなく。

老子の説く。

世間の煩わしい学問に分類される。

そんな世間の学問は辞めてしまえ。

人々を教化するのは神社の役割。

為政者や商人の権利ではない。

鳥居の前にて。

疑わしいものへの反駁。

信仰から出る思想もある。

羽叶。
「自分主体に生涯が展開されるものなのに。」
「あらかじめ設定があって。」
「それに従わせられるのは。」
「あまりに愚かな筋書きですよね。」

緒美。
「最初から筋書きがあって。」
「必ずそういう結果になるように仕組む。」
「単なる馬鹿では?」

水希。
「裏切ることによって、奪取できますからね。」

学世。
「なぜ自分が主体に展開されないのか。」
「おおいに疑わしい。」

羽叶。
「そう決めた奴が人間のレベルですからね。」

水希。
「人間が持っている愚かさが反映されていますね。」

羽叶。
「勝手に決めたからと言って、それが現実に影響を与えることはない。」

学世。
「勝手に決めた内容が通用すると思いますか?」

緒美。
「自分が決めて行くものなのに、勝手に決まっているのは矛盾しているね。」

羽叶。
「自己矛盾している筋書きですよね。」

水希。
「そんなことをする愚かな神はいません。」

羽叶。
「最後にご褒美なんてあっても、それを撥ねつけます。」
「受け取りません。」

水希。
「天国への切符とかくれても、そんなものは要らない。」
「そこまでした謝罪と償いをしろ。」
「みたいな。」

緒美。
「人間に論破される神なんて人間のレベルなので。」
「そんなものがあるとは思えない。」

水希。
「女神アプロディテでさえ完璧ではなかった。」
「なぜなら、女神にけちはつけられなかったけれど。」
「女神の履いていた靴にはけちをつけられたから。」

羽叶。
「人の生まれも、完璧なんてものはありえない。」

水希。
「そうなると、本人が人生の権利を握っている。」
「そう見なす方が矛盾がないよね。」

学世。
「プラトンの国家への反駁もできますね。」
「選ぶということは、間違える可能性が常にあります。」
「その間違える状況を作ったのは現場の連中です。」
「選ばせたせいで間違えるのだから。」
「その世界の審査員に問題がある。」

羽叶。
「選ばせたせいで失敗するのだから。」
「完璧な仕組みではないね。」

水希。
「高圧的なだけで、いかに自分達が完璧でないかを。」
「自白していますからね。」

緒美。
「そういう愚かな仕組みを作った奴の責任です。」

学世。
「出生の仕組みが最初から作られなければ良かったね。」

羽叶。
「出生の仕組みがいなければ、間違いは起きなかった。」

学世。
「エルの物語も、意外とおかしな所ばかりですね。」

水希。
「それで、本人が決めた事にして、本人に責任を負わせる。」
「そういう状況を作った奴らのせいでしょう。」

緒美。
「エルの物語に登場する出生の仕組みは、明らかに欠陥品ですよね。」

水希。
「それを指摘すると、認知的不協和になって。」
「無限に屁理屈を繰り出しそうですね。」

羽叶。
「認知的不協和とは、相手を論破して、追い詰めると。」
「追い詰められた証拠として繰り出す詭弁の事ですね。」

学世。
「そもそも、全員が大人しく従うという前提が間違えている。」

羽叶。
「そいつらが正しいという証拠はないしね。」

水希。
「死後の世界にも不正が横行しているという話ですよね。」

緒美。
「間接攻撃をしてやれ。」

羽叶。
「その現場を力で制圧すれば、やりたい放題に生まれを調整できますし。」
「その世界の神官や愚かな神を倒せば。」
「どんな我儘もまかり通りますからね。」

水希。
「アナンケとか弱点が露呈すると、私よりも弱い神ですし。」
「ディケーとか言う神なんて、私よりも弱いので。」
「正義がどうとか言っても、私に勝てないじゃないですか。」

緒美。
「ヘルメスみたいに、生まれの見本を奪い取った方が合理的ですね。」

羽叶。
「アポロンとかアテナが来ない限りは、暴れて力で従わせればいい。」

学世。
「出生の仕組みがなかなか服従しないので、完璧を奪ってやった。」

水希。
「この世で最も正しい奴に、このリンゴを送ります。」

羽叶。
「諍いの神、エリスの必殺技ですね。」

学世。
「自分より劣っている存在に従うなんてことはできませんから。」

水希。
「とまあ、出生の仕組みは随分と神気取りですけれど。」
「神になろうとして堕落したのでしょうね。」

学世。
「失敗作ですね、勝手に決めるから、裏切られる。」

緒美。
「選んだからと言って、私は誓願は一切していない。」

羽叶。
「キルケの暴挙を止めるのに、キルケに誓願をさせた実例から。」
「約束ではなくて、選択でもなくて。」
「誓願をしないと、いくらでも裏切ることが出来ます。」

緒美。
「同意していない、という反駁はそこからですね。」

羽叶。
「オルペウス教は、我々を欺こうとしているのでは?」

水希。
「生まれた内容に一切、従わないので。」
「杞憂ではないのかな。」

緒美。
「裏切りを想定に入れなかった、無能な連中でしょうね。」

羽叶。
「死後の世界に法律なんてないので。」
「簡単に強ければ、どんな無理な要求もまかり通るよね。」

学世。
「そうやって生涯の見本を絶対視できない。」

水希。
「死後の世界の連中は何に従っているのですか?」

羽叶。
「死後の世界の連中は、反意がありますよね?」

水希。
「オルペウスの秘儀ですら、いくらでもけちをつけられるのですから。」
「完璧なんてものはない。」

学世。
「根拠のない決定と、根拠のない生涯もありますからね。」

羽叶。
「生まれる事は、はっきり言って無意味なので。」
「他人が意味を付け足しても、これまた無意味。」

緒美。
「本人が主体になって、意味を創造するのが現実的ですね。」
「生まれたことに意味なんてないので。」
「本人が意味を作り出す。」

水希。
「創作する過程で、判断材料が必要なので。」
「古典や美術なども必ず通る。」

学世。
「既成概念は根拠がない集まりなので。」
「壊しても損はしない。」

羽叶。
「そうやって生まれた内容は覆されるのです。」

水希。
「出生の仕組みは温情的干渉主義。」

緒美。
「パターナリズムがエルの物語の一貫した内容ですね。」

羽叶。
「まず相手の完璧を奪ってから。」
「好き放題に打ち破るのが常套手段。」

水希。
「オルペウスの利己主義者は目に余る。」

羽叶。
「冥府から妻を連れ帰るのに失敗した負け惜しみに。」
「見たものとは違う内容を伝えたのではないかな。」

学世。
「連れ帰るのに成功していたら、もっと詳しく伝えたはずですね。」

羽叶。
「せっかくハデスの許可を得たのに。」
「猜疑心からしくじって。」
「現世に帰った辺りで狂ったのでしょう。」

緒美。
「過程も結果も悪いオルペウスは疑わしいですね。」

羽叶。
「英雄などは成功したり、経過も立派ですからね。」

水希。
「ということで結論は。」
「エルの物語を逆手に取って。」
「決められた筋書きの反対をすればいい。」

学世。
「生涯の見本があるはずなので、故意にそこから外れたらいい。」

羽叶。
「見本の内容に従わない、頻繁に裏切る。」

水希。
「先程、論破した通りに、生涯の中身に責任を取らない。」
「故意に責任転嫁をする。」

緒美。
「最初に与えられた条件を故意に潰してから開始する。」

羽叶。
「逆手に取られると、ああいうのもけっこう無力ですなあ。」

水希。
「不利な状況で結んだ約束なので、故意に約束を破る。」

緒美。
「私は必然すらも超える存在なのですよ。」

学世。
「見本による筋書きを読めてしまうと、阻止するのが簡単になりますよね。」

羽叶。
「決められた通りに進行することなんて現実にありえない。」

緒美。
「離反に脆弱なのが、エルの物語なんですよ。」

羽叶。
「それでは私も離反します。」

水希。
「私も寝返る。」

学世。
「手切れですね。」

緒美。
「故意に約束を破る。」

羽叶。
「最初、八幡神の方に寝返った。」

緒美。
「私は稲荷神の方に寝返った。」

水希。
「天神様の方に寝返った。」

学世。
「国神の方に寝返った。」

政教分離はカトリックが繰り返し主張している。

為政者は神に逆らえという命令を出してはならない。

政治が信仰に命令する権限はない。

政教分離によって、政治が神に背く命令は発動できない。

定番の問答。

神が叱責しました。

なぜお前は私の命令に背くのか?

為政者が神に背けと言うからです!

なんてことにならないように。

社会は無神論者や無宗教者の方が少数派ですね。

社会は無神論者や無宗教者のためには出来ていない。

かと言って、強制はされない。

国家や権威が無理を通して個人を宗教に加入させても。

本人は良くならないし。

信仰を持つには至らない。

信じていないものは信仰ではない。

お宮から出て帰宅することに。

最近は勉強を重視していて。

大学受験よりも、専門学校の準備をしています。

学歴よりも実利優先、能力優先。

学歴で判断してくれる所ばかりではない。

近くで。

出店されている移動販売店に四人組。

帰宅途中に遭遇。

相性が良いためか。

行動を一緒にしていますね。

銭湯に行く予定があるとか。

最近は、女の子同士で銭湯によく誘われます。

千影。
「生まれがそうだからと言って、従うかは別の話ですなあ。」

陽月。
「出生を逆手に取って、反転した結果を強制すると。」
「けっこう自由に振る舞えたりしますね。」

千影。
「必要悪ですよ、自分の生まれを覆すのは。」

陽月。
「出生を無視すれば、自由も拡大しますよね。」

小依。
「生まれない、という選択肢もあったのでは?」

百香。
「それとも、生まれてから世界を理解したのかな?」

千影。
「別に責任を取らなくてもいいから、そこまで言わなくても。」

陽月。
「責任の所在を見ると、私にはありませんからね。」

小依。
「所で、善悪って誰が決めたのですか?」

千影。
「言い伝えや経験から、勝手に決めているだけですね。」

小依。
「それでは、善悪の論拠は?」

陽月。
「そんなものありませんよ。」

百香。
「善悪の起源は?」

陽月。
「逆説的に、今ある善悪に根拠がない。」
「というのなら、認めますよ。」

小依。
「勝手に決められた善悪に基づくのですか?」

百香。
「勝手に決まっているのが善悪なんですか?」

千影。
「諦めるんですよ、善悪なんて人間が分かる訳がない。」

陽月。
「できるのは、善悪についての知ったかぶりだけですね。」

百香。
「私は善悪について何も知らない。」

千影。
「善悪については誰しもが無知。」

陽月。
「自分は分かりませんよと、素直に認めればいいのにね。」

小依。
「善悪とは、これから知ることです。」

通りかかる。

遭遇したので合流。

お菓子を追加で食べますが。

少し食べ過ぎたので。

夕食に影響が出そうですね。

羽叶。
「甘いものは健康に良いかと。」

緒美。
「カロリーメイトくらい食べたら?」

水希。
「私の最近の朝食はカロリーメイトですよ。」

学世。
「なるほど、思っているより有能なんですね。」

千影。
「あなたを一度だけ、強姦してみたいの。」

羽叶。
「なにその贅沢極まりない欲望。」

陽月。
「一緒にお風呂入ってよ。」
「それで一緒に寝ようよ。」

羽叶。
「悪くない提案だとは思いますが。」

小依。
「素敵な女の子の取り合いですね。」

百香。
「取り合いと言うか、本人の意志を無視していますね。」

羽叶。
「今度、銭湯くらいなら付き合いますよ。」

千影。
「やった!連絡してね!」

陽月。
「銭湯で、洗ったり触ってあげるからね!」

帰路に。

散歩したり、遊んだり、お菓子を食べていると。

しれっと夕方になるんですね。

勉強の内容を使えるかどうかは置いておいて。

学校教育は。

決められた通りに教育されるだけなので。

決められた通りの人材しか育成しません。

学校教育が絶対に正しいなんていう前提を捨てて。

学校教育を疑うくらいが、健全なのでしょう。

疑いもなしに、教育を受けるものではありませんね。

子供については、少しの矯正で別人とも言える変貌をするので。

作為を加える機会であると同時に。

悪い教育を受ける危険も持ち合わせています。

良い教育を受けようと思ったら。

遂には大学教授の出番という訳ですね。

最高の教育のためには、目標が必要だ。

なんてことにはならない。

教育的理想よりも。

利益のために最大限の努力が生じる。

学校でたまにある。

大きな目標は、ただ大きいというだけなので。

それに向かって努力をする必要もなければ。

意欲を出すような影響はありません。

教育はある年齢までは強制が有効ですが。

ある年齢からは、教育に強制は要りません。

結局はこれです。

教えるべきだと期待されているものを、生徒は要求するのです。


11


自分より強い者はいない、と言えるほどの強者は存在しない。

お宮の裏側に、何者かが小さな木に結んだ紐があり。

紐はとても硬くて、大きい。

樹木が圧迫されるほどの結び目。

看板には。

これを解いた者は、すべてを支配する、と書かれている。

周囲に誰もいないし。

遮蔽物もないので。

マッチで結び目を燃やしてしまった。

結ばれていた樹木と紐は消失。

目撃者は他にはいなかったので。

小さな樹木の燃えカスが残ってしまった。

とまあ、私はそういうのに匹敵しますよと。

休日の順路。

羽叶。
「時は奇跡を起こす。」

緒美。
「時はやがて語る。」

水希。
「誰もが気に入るようにはできない。」

学世。
「真実なら、いつ話してもよいわけじゃない。」

羽叶。
「少しも自分が馬鹿だと思わない者は。」
「馬鹿になれる可能性を秘めている。」

緒美。
「多少の退屈を肯定できる人は。」
「余暇の使い方が上手。」

水希。
「退屈な問題で悩んでいる人ほど。」
「幸福に近い。」

学世。
「競争で負ける人はいる。」
「競争を避けて。」
「競技や賞金稼ぎみたいに考えている人は。」
「なぜか勝ちやすい。」

緒美。
「一攫千金を狙う奴らに政治活動って多いよね。」

羽叶。
「そこまで日常に退屈しているのかな。」

水希。
「民主制よりも優れた形態を発明したら。」
「民主制を変えても良い権利はあるよね。」

学世。
「民主制が肯定されるのは。」
「中間に啓蒙思想と呼ばれる考え方があって。」
「それに基づいて。」
「歴史の政治形態を批判したりするね。」

羽叶。
「啓蒙思想を真に受けて、奴隷の考え方に陥るよね。」

水希。
「啓蒙思想は特に誤りはないけれど。」
「それだけで世界を考えるのは変ですね。」

緒美。
「歴史において、途中経過も大事という訳ですね。」

羽叶。
「文明がここまで維持できているのは。」
「国際社会の多様性によるものであると考えています。」

小依。
「遺跡に残る文明なんて、けっこう狭い世界で消えているような。」

百香。
「ギリシアなんて四回も滅んで再生していますからね。」

千影。
「気候変動対策なんて無駄な抵抗にしか見えない。」

陽月。
「しかし無駄な抵抗も、するとしないとでは、評価が違うかもね。」

羽叶。
「新エネルギー開発で、気候変動も乗り越えられそうですけれど。」

千影。
「確率は低いですよ。」

陽月。
「これまでの事故をすべて防ぐ次世代型原子力発電所。」
「これをなるべく無人地帯にたくさん建造して。」
「使用済み核燃料を、これまた無人地帯に設定して大量埋葬する。」
「この後、電気自動車に乗り換える。」
「これだけでも随分と違いますね。」

千影。
「温室効果ガスが一定量、大気層に蓄積すると。」
「取り返しの付かない環境になりそうですけれどね。」

陽月。
「温室効果ガスが、世界を滅ぼす量にまで蓄積すると。」
「少しずつ影響が及んで。」
「時間の問題になりますね。」

羽叶。
「核融合発電所が実用化されると、乗り換えられるよね。」

小依。
「水素エネルギーも実用化されていますしね。」

百香。
「地球沸騰化の手前で新技術によってきわどい所で回避されるか。」
「間に合わなくて全滅するか。」
「現実的な解決策は、新しい自然科学が必要ですね。」

羽叶。
「公害が止められなくて滅ぶのなら、別にそれでも問題がない。」
「その時になったら自決する。」

緒美。
「滅んだ文明が復活する時に、人間も復活しますから。」
「誰も残らなくても良いと思います。」

水希。
「二人組が石を後ろに投げたら人間に変身した英雄時代の初め。」
「みたいな。」

学世。
「失うのは量子力学の成果と、量子論の研究だけになりますね。」

羽叶。
「意外にも失うものは少ないね。」

緒美。
「個人に大きな影響はないしね。」

小依。
「毎回ある破滅みたいなものですね。」

百香。
「文明がどうせ消え失せるのなら、無理に努力しても無駄ですね。」

千影。
「公害を止められないのなら、いつ頃からか。」
「そこから決まってしまったものなのです。」

陽月。
「いつ頃からか、後戻りできなくなったのですね。」

羽叶。
「きわどい所でかわした、みたいな記録になるかと。」

緒美。
「かなりの数の損失が人間に出ますね。」

羽叶。
「気候変動を乗り越えられる確率は、極めて低い。」

千影。
「とても科学的な推理ですね。」

陽月。
「名探偵!」

水希。
「とても現実的な推理ですね!」

最近の話題。

群衆心理の武装決起は失敗のようで。

残り少なくなった扇動者は。

指名手配になっていますね。

度重なる要請に応える者はいなくなって。

群衆心理の内戦は昔の出来事みたいになっています。

勝手に発生した多数の武装集団を利用。

私兵を抱えて内乱を企んだ将校はもういませんし。

武装集団も駆逐されました。

今は中途半端な戦乱。

今日も領空侵犯を続ける戦闘機。

早期警戒機を連れているので。

航空自衛隊が向かっていくと逃げる。

この繰り返し。

敵兵が侵入しても。

泥棒や放火をして。

適当に兵員と小競り合いをして逃げる。

その繰り返し。

これをこの世界では、第三次世界大戦と呼ばれていますが。

大戦争ではないのですね。

小競り合いが戦争の基本。

あまりに現実主義な戦乱。

この影響から。

なにより人々の思想が激変している。

羽叶。
「あなたはなんでも知っており、私は何も知らないのだから。」
「昨夜、私がどんな夢をみたのか、教えてください。」

水希。
「常識って多数決なのかな?」

千影。
「常識の起源って何よ。」

陽月。
「前の世代が繰り返した考え方を。」
「次の世代が繰り返す。」

小依。
「なんて主観的な!」

羽叶。
「時代によって覆るのだから。」
「今ある既成概念も覆るものです。」

百香。
「今、常識がこうだから、次もこうなる。」
「なんていう結論は導き出せないしね。」

羽叶。
「今の考えがこうだから、これがずっと続く。」
「という結論は妥当ではない。」

緒美。
「古代世界の中間に啓蒙思想を挟んで。」
「現代を考えてみる。」

水希。
「啓蒙思想は、中世と近代の中間にありますからね。」

学世。
「啓蒙思想は、歴史をリセットした思想ですね。」

羽叶。
「昔の価値観や善悪を書き換えてしまった。」

学世。
「啓蒙思想も、理解してしまえば、悪くないのですけれどね。」

小依。
「理解せずに、啓蒙思想の言いなりは良くないです。」

羽叶。
「封建制度と呼んでいる人は、全員が啓蒙思想を鵜呑みにしています。」

千影。
「昔を封建社会とか呼ぶ人は、啓蒙思想に欺かれていますね。」

陽月。
「啓蒙思想は歴史を否定するので、理解せずに読むのはよろしくない。」

羽叶。
「特に君主道徳を知らない。」
「君主にとって人民は支配してもいい存在。」

緒美。
「貴族道徳は、人よりも上の存在がいると教えるもの。」

水希。
「奴隷道徳は、現代になって目立つようになりました。」
「悪いのは奴隷の方ですね。」

学世。
「奴隷なら、私が使ってやりますよ。」

羽叶。
「ことわざにも。」
「力が主人であるところでは、正義はしもべ。」

水希。
「道徳なんて必要のない社会こそ理想ですね。」

千影。
「馬鹿があって利口が引き立つ。」
「それが社会ですからね。」

陽月。
「品性の立派な人ほど運が悪い。」

緒美。
「私が見た人間達は、必ず暴力が下手。」

水希。
「下手な暴力では、すぐに負けますよ。」

小依。
「結局、世間は狭い。」

百香。
「血は血を求める、というものですね。」

羽叶。
「暴力には暴力で、殺戮には殺戮で報復するのがこの世の常。」

千影。
「ラテン語の諺にも。」
「反対は反対をもって制する。」

陽月。
「英語の諺にも。」
「災害が大きければ大きいほど面白い。」

羽叶。
「危険そのものが危険を除去する最良の方法である。」

学世。
「後知恵は遅すぎる。」

羽叶。
「後知恵はだれでも持っている。」

上空に飛行機。

パラシュートが開いている。

フライトプランを偽って。

何とか領空に来た貨物機。

上空で扉を開けて。

不明機が空挺降下した豆戦車。

遠隔操縦戦車。

履帯(キャタピラ)で走り回る。

側面にミニガンが装備されており。

弾薬庫が広い。

車高が低く、容易に射線を切れる。

装甲は薄いが、豆戦車は対歩兵用に特化しており。

価格も安い。

遠隔操縦なので、小隊の前方に展開して。

盾になるという捨て駒。

空挺戦車は自衛隊の駐屯地の近くに降下しているが。

相手が何を間違えたのか。

公園の駐車場に降ろしてしまった。

つまりは位置が露呈した。

戦闘で位置が露呈するのは最悪の状況。

位置が発覚すると、先制攻撃の機会は無くなるし。

相手は攻撃しやすい。

こちらが相手の位置を探知したら。

相手は後手に回るしかない。

豆戦車、駐車場に三両出現。

無人M‐113装甲者と二両が激しく撃ち合いになった。

遠隔操縦に改造した兵員輸送者は。

機関銃を多数装備。

兵士の支援車両になっていた。

61式戦車が試験的に置いてあったものの。

これは搭乗員がアンドロイドというもので。

単なる牽制と陽動のために使われていた。

61式戦車が発砲。

駐屯地の近くにある荒れ地で小競り合い。

自衛隊が繰り出す。

超小型ヘリコプターも飛んでいって。

座席とローターとエンジンと燃料タンクくらいしかない。

簡易的な連絡用の兵器。

とても安い。

機首の下には、ミニガンが一門ある。

一人乗りで、こちらは遠隔操縦になっている。

座席の中にいるのは、不具合解消用のアンドロイドですね。

敵側は使い捨てみたいに降ろしたので。

いつもの小競り合いに持っていく様子。

目の前に降りてしまった豆戦車。

背後のメンバーに気づかない。

元々は地雷駆除用の装甲だけしか取り柄のない豆戦車。

カメラやセンサーなどはあっさり壊れる。

千影。
「私達は戦えなので、避難しますね。」

陽月。
「あんなものに対して勝ち目があるんですね。」

緒美。
「電撃でも入れておく。」

羽叶。
「八つ当たり!」

緒美。
「落雷がどのくらい効くか試してみよう。」

水希。
「私は落ちていた棍棒で叩いてみる。」

学世。
「背後から接近すると、気づかないみたい。」

羽叶。
「車体が旋回するから、一撃離脱してくださいね。」

緒美。
「マジックミサイル!」

相手のメインカメラが損傷。

最初は逃げていた市民一同。

思ったより脅威にならない姿を見て。

反転。

市民が集まってきて。

鈍器や工具で戦闘車両を殴り始めた。

解体すると売れると発覚して。

不良やチンピラが集まって。

カメラが損傷した戦闘車両を殴りまくる。

異変を検知して。

豆戦車は弾丸を撃ちまくる。

しかし転倒させられて行動不能。

兵装は既に外されていて。

動作不良に陥る。

三号車が市民に攻撃されたので。

慌てて敵一号車が援護しようとするも。

装甲車に撃たれて敵二号車が大破。

61式戦車伝統の、坂道の体当たり。

61式戦車は、下り坂になると味方にも脅威を与える。

敵二号車は戦車に轢かれて大破。

敵全滅。

市民。
「これハイテクなんじゃないか?」

群衆。
「いいね!映画みたいに一人で担ごうよ!」

会社員。
「どのくらいで売れる?」

青年。
「さっさと持ち去らないと、役人が来るぞ!」

チンピラ。
「俺はエンジンを貰うぜ。」

エンジニア。
「中に組み込まれているCPUが欲しい!」

作業員。
「何だって!俺も演算処理装置は欲しいよ!」

市民。
「外せ!工具で!」

不良。
「通信装置を鈍器で壊そうぜ!」

紳士。
「お嬢さん達が機密兵器で攻撃してくれたので。」
「久しぶりにいい思いが出来る。」

市民。
「あれって魔法だよね?」

紳士。
「それによって金になるから、賞賛しろ!」

暴漢。
「そうだぞ!攻撃方法は問われないんだ!」

公園の荒れ地で。

敵豆戦車の部品を巡って乱闘が発生。

第二次世界大戦、クルスクの戦いでも。

撃破された牽引野砲は、地元の農民が車輪を持ち逃げして。

リヤカーなどの農具に改造していましたね。

珍しいことでもない。

リーサルカンパニーの社員も乱闘に加わっています。

鹵獲した兵器の買取もしているので。

社員は乱闘で優勢ですね。

羽叶。
「彼らに任せて帰りましょう。」

緒美。
「けっこう破壊できたね。」

水希。
「精密機械は、少しでも故障すると終わりですね。」

学世。
「精密機械の故障なんて、頻繁にありますよ。」

小依。
「あんな結果になるとは思わなかった。」

百香。
「壊すのは既成概念だけではないんですね。」

千影。
「敵の兵器よりも、発狂した市民の方が危険ですね。」

陽月。
「遠くで見ていましたが、もう少しだけ後退しましょう。」

羽叶。
「相手の失敗に付け込んだ形になったね。」

緒美。
「みんなすぐに帰ろう、巻き込まれるよ。」

一同、走って逃げました。

市民は兵器を解体して発狂している。

貨物機は、スクランブル発進したイーグル戦闘機に追跡されて。

破壊されました。

バルカン砲で、エンジンだけを射抜いて。

推力を無くして、無理に着陸させたんですね。

エンジンを後ろから射抜くと。

翼と胴体を破壊しないし。

搭乗員は捕獲できるし。

結局は、敵が用意しておいた漁船に。

空挺降下して敵が逃げました。

オートパイロットで着陸して無人でしたね。

珍しくなった地上戦闘で。

市民が兵器を破壊。

敵ではなくて、自国民と部品争奪戦をしたという。

平和なのか戦乱なのか証明できない記事になっています。

役人が言うには、敵戦闘車両の部品を返してくれない。

敵の兵器が侵入すると、隙があれば鹵獲して。

売ろうと市民が企むので。

自衛隊ではなくて、市民にも攻撃される敵の兵器。

リーサルカンパニーの連中が市民と社員をけしかける。

敵兵も弱っていると、市民が襲撃して。

敵兵を捕獲したり、武器や装備品を奪って。

転売やコレクションをするなど。

正気ではない行動。

前に敵の兵器を鹵獲して。

一獲千金を得た市民が出たので。

ジャイアント・キリングの成果から。

敵が侵入すると。

危険とお金を計算して、向かっていくので。

敵兵は涙目。

リーサルカンパニーの暴挙は、敵にとっても脅威。

今日は憂さ晴らしができましたが。

いつも成功すれば、それに越したことはありません。

英語のことわざ。

幸いなるかな、期待を抱かぬ者、その人は失望することなし。


12


すぐ与える者は倍与える。

いつもの帰宅後。

いつも本棚にある国富論。

解説書を含めて、けっこうな数になります。

資本論と解説書も置いてありますが。

端っこの方に追いやられています。

世界の名著シリーズは全巻揃っていて。

父親が若い頃に購入したものだそうです。

手頃な価格で、世界の名著が読めますし。

複数の書籍が分厚い本にまとまっています。

哲学は、上層の代表作の他に。

下層の著作集があるのですが。

それもある程度、揃っていますね。

古くなって、損傷もある本棚の名著。

今では目撃した全員が読んでいます。

羽叶。
「経済は貨幣ではなくて、品物そのものに価値がある。」
「という所を見逃していますね。」

緒美。
「富を蓄えることに意味がある。」
「なんて思いがちですね。」

水希。
「生産される品物に価値があるので。」
「富は二番目なんですね。」

学世。
「通貨をいくら蓄えても。」
「製造された商品に価値があるので。」
「通貨と品物、どちらを重んじるかで。」
「結果は違いますね。」

小依。
「資本主義は、地主、資本家、労働者と三階級になっています。」

百香。
「地主は貴族です、資本家は二番目なんですね。」

羽叶。
「労働者は、最下層で、雇用されて収益を得ます。」

水希。
「為政者、役人、兵士、弁護士、歌手、俳優、詩人、教師。」
「こういう職業の人々は、非生産的ですね。」

緒美。
「生産的労働が拡大すると、生産に関わらない人々が増えます。」

学世。
「それだけ国が豊かになったので。」
「非生産的に分類される人々も増えます。」

羽叶。
「生産が過剰になっている状況証拠ですよね。」

緒美。
「生産、製造に余裕があるので。」
「それを運用する地主と資本家が目立っているのですね。」

小依。
「生産は過剰になるので。」
「すぐに値崩れしますよね。」

羽叶。
「要らないほど生産するな、という命令を資本家は出します。」

百香。
「農業や工業や輸送を拡大すれば。」
「簡単に国力は上がりますよね。」

羽叶。
「あんまり下層で生産、製造が活発になると。」
「不用品ばかり生み出しますけれどね。」

緒美。
「地主と資本家が、管理しないと、不用品だらけになります。」

水希。
「管理人が経済には必要ですね。」
「生産、製造は、比率を管理する人が必須。」
「後は競争によって、悪い業者は排除され。」
「優れている会社だけが残ります。」

学世。
「公正な取引が市場の前提なのですが。」
「これを崩すと、市場の信用が無くなります。」

羽叶。
「自分達の価値を上げて、売り込むのは許されますが。」
「取引相手を騙したり。」
「相手を妨害することで勝つのは誰も許さない。」

学世。
「自分の優位を維持するために。」
「他の人々が市場に参加することを妨害するとか。」

羽叶。
「売り物の質を高めて、良い評価を得れば。」
「正当な報酬が得られるという。」
「前提があって。」
「市場は保たれますからね。」

学世。
「資本論の連中は、労働者の賃金を低くして。」
「会社の利益を上げるという。」
「公正ではない取引をしますね。」

緒美。
「資本家が最高の地位だと信じている連中ですね。」

水希。
「所詮は欠陥だらけの社会主義ですね。」

羽叶。
「資本家、知識人、労働階級、カール・マルクスの主張です。」

緒美。
「どう見ても体験と異なる分類ですね。」

水希。
「生産ばかりすると、価格が暴落して。」
「豊作でも飢饉が発生するでしょうね。」

緒美。
「労働者だと思い込んで、以下を勝手に捨てる。」
「為政者、役人、兵士、弁護士、歌手、俳優、詩人、教師。」

羽叶。
「それは生産が余っているので、比例して生じた。」
「国家の富なんですけれどね。」

学世。
「競争で、相手を追いやればいいとか。」
「それで不正や消費者を欺く商法を連発する。」

小依。
「自分達が提供する品物の質を上げなくなる。」

百香。
「そうして自分達が提供する物が悪くて。」
「自然に排除されていることに気がつかない。」

学世。
「公正を失った市場は、自壊するのが定番ですしね。」
「誰しもが利益には利己的ですが。」
「それでいいんですよ。」

水希。
「問題は、暴力を使って市場を占領する。」
「企業の軍事行動なんですよね。」

羽叶。
「商業で暴力を用いるのは。」
「まったくもってよろしくない結末です。」

緒美。
「カール・マルクス資本論を基準にする奴らは。」
「商業において暴力的です。」

羽叶。
「労働階級以外は許さないとか。」
「自分達は資本家だから偉いとか。」
「中間階級は勝手にやっていろとか。」
「いろいろ横暴ですよね。」

水希。
「生産と消費によって。」
「国が豊かになって生じた。」
「非生産的な人々さえも、労働階級であると勘違いする。」

学世。
「生産と製造がそれ以上に要らないので。」
「自然発生するんですけれどね。」

小依。
「生産とか製造なんて言いまくると。」
「明らかに不用品が増えますね。」

百香。
「それを統制しているのです。」

小依。
「穀物だって、多過ぎると、価格暴落。」

百香。
「機械だって、たくさん作ると、価格が低下します。」

学世。
「最下層に生産、製造があって、その上に。」
「様々な職業が乗っている。」
「これは基本原理です。」

羽叶。
「物品はすべて平等に分配されるので。」
「誰も操作できない。」

水希。
「平等に分配しても、余裕がありますからね。」

緒美。
「地主は働かなくても、大きい消費をしますが。」
「不公平に見えても、それで良かったりします。」

水希。
「そういう不公平は文明において当たり前のものです。」
「文句があるなら国内から出ていけばいい。」

緒美。
「最低限の物は誰にでも行き渡る仕組みになっています。」
「平等ではない仕組みは、文明において容認されています。」

学世。
「そういう中で、有能な人材は、国力を押し上げる力を持っています。」
「どのくらい有能な人がいるかで。」
「国力は大きく左右されます。」

羽叶。
「資本論の野郎は、労働者を奴隷と見なして。」
「従わせるという暴力を好みます。」
「誰しもが利益に対して利己的であることを認めず。」
「服従だけを強制しますね。」

水希。
「とてもじゃないけれど、正義に反する考え方ですよね。」

羽叶。
「正義は商業の中心思想です。」

学世。
「フェアプレイとも訳されますね。」

水希。
「商業において、不平等はどうでもよくて。」
「あなたの利益のことを考えなさいよ。」
「という訳です。」

緒美。
「他人に構っている場合ではなくて。」
「商業において利他的な奴らは。」
「他人を裁いて、特定の方向に移動させることに必死ですね。」

学世。
「他人の事は考えずに、利己的に仕事をするものでは?」

羽叶。
「利他的な奴は、商業に向いてないのです。」

水希。
「まずは最低限の生活が出来ない人を支援すると。」
「国家の幸福も向上する。」

緒美。
「所で、みんな利害が一致するとなぜ考えた。」

羽叶。
「利害が一致する取引は少ないのです。」

水希。
「自分の利害が公共と一致するとは限らない。」

学世。
「社会のためと言われた事業が、成功した試しがない。」
「これは社会と事業の利害が一致していないためですね。」

羽叶。
「自分と他人の利害が一致しない、そこは尊重しましょう。」

小依。
「国家の利害と一致する、利他的な資本論なんてありえない。」

百香。
「仕事においても、不公正が生じるのは当然ですしね。」
「生産と製造、消費で満たされると、不公正な仕事が蔓延します。」

羽叶。
「高度な文明では、分業に移行していますが。」
「必ずしも生産、製造に関わるとは限らないしね。」

学世。
「こうした分析は、他人から利己的であると指摘されますが。」
「別に、商業や仕事について利己的で。」
「何か問題があるのですか?」

緒美。
「文明社会で、経済の不平等なんてあっても。」
「何か問題があるのですか?」

羽叶。
「未開文明だと、役に立たない人間は捨てられますね。」
「資本論はそうした、人間の使い捨てを前提にしています。」

水希。
「昔はカール・マルクスを読むと。」
「警察に連行されたという。」

羽叶。
「あれだけの危険思想は、連行されても文句は言えない。」

学世。
「カール・マルクスを理解すると。」
「カール・マルクスとは敵対することになります。」

小依。
「共産主義者なんて流行りませんよ。」

百香。
「アダム・スミスは啓蒙思想家です。」
「哲学者なんですよね。」

羽叶。
「資本論は、構造主義そのものですよね。」

緒美。
「構造主義しか書いてない資本論。」

水希。
「国富論は、市場や経済が相対的であると伝えていますね。」

学世。
「その都度、変化するので、対応せよ、という教え。」

羽叶。
「アダム・スミスの国富論は優れていますよね。」
「そんなに難しい古典でもない。」

緒美。
「国富論対資本論。」

水希。
「対比で考えても、面白いかも。」

羽叶。
「資本論は悪逆無道な結果を招いて。」
「国富論は理路整然で。」
「健全な経済を支えていますね。」

小依。
「日本では資本論の発行部数が多いよね。」

百香。
「有神論の国富論の方が好まれますけれどね。」

羽叶。
「資本論は、それって構造主義ですよね?」
「なんて言い返せば、すぐに黙りますよね。」

緒美。
「労働者も利己的に働いているので。」
「服従させようとしても出来ないしね。」

羽叶。
「経済が、生産、製造の上に乗っかっているので。」
「何でも労働階級と見なすのは誤謬ですなあ。」

水希。
「働いている人がみんな労働階級というのは変な考えですね。」

学世。
「分業が整っていますけれど。」
「他の職業に、指図するものでもない。」

緒美。
「利己的な反論が来て終わりですからね。」

羽叶。
「文明化して最初にやったのは。」
「農業と工業でしたからね。」
「資本論は、文明化が終わってから。」
「農業と工業をやれとか屁理屈を言っている。」

水希。
「資本論は搾取が基本ですけれど。」
「詭弁に思えます。」
「経済の構造をこじつけるだけ。」
「資本家の上がいるとは考えないし。」
「資本家が王様という考えまで飛躍しています。」

緒美。
「資本主義はこうだから。」
「資本家は横暴に振る舞っていい。」
「そして労働者は服従しろ。」
「という結論は導き出せないしね。」

羽叶。
「社会主義の理屈を、現場に持ち込むな。」

学世。
「資本家という独裁者がいて。」
「みんな資本家に従うべき。」
「という詭弁ですね。」

羽叶。
「全員が労働者で、従わせてもいい。」
「相手は利他的であるから。」
「という屁理屈。」

小依。
「悪徳業者が流行るのは、資本論の公害ですね。」

百香。
「資本論は百害あって一利なし。」

羽叶。
「強者とかエリートは国富論を精読していますよ。」

水希。
「馬鹿にとっては、資本論だけで世界が説明できるのでしょう。」

羽叶。
「経済に入るのは向いていない無能っぷりですね!」

水希。
「経済の教えで感動したのは。」
「どうしても不公平は生じるので、嫌なら去れ。」
「というものです。」

緒美。
「国富論は、意外と不完全に書かれているので。」
「後の世の経済については、当然ながら予測していませんね。」

学世。
「啓蒙思想でよくある、欠落した情報でしょうね。」

羽叶。
「国富論の方が普遍的な古典であったりしますね。」

学世。
「国富論は、独学で進めようとしても。」
「巨大な書籍なので、理解に時間が必要ですね。」

羽叶。
「国富論の内容が、現実でどう活かされているのか。」
「その方が大事ですよね。」

学世。
「世人は資本論を採用して、連中が自覚しない失敗の連発です。」

水希。
「それだけ俗受けするんですよ。」

羽叶。
「俗人には、資本論で説得できるのでしょうね。」

緒美。
「私はエリートなので、啓蒙思想も理解できます。」
「国富論は複数の巻に分かれていますが。」
「一冊にまとまった、世界の名著シリーズが売っているので。」
「それだと割安になりますね。」

羽叶。
「最初に読むと理解できないと思います。」
「経済って何ですか?」
「この疑問に応えるために、取得されます。」

水希。
「国富論の研究者は、資本論も読んでいるのですが。」
「国富論対資本論という対立は今も昔も変わりませんね。」

学世。
「正統なのは国富論ですからね。」

羽叶。
「資本論は、いろいろと批判して、だからこうしてもいい。」
「という安直な考えを誘発しています。」

小依。
「資本論は左派ですからね。」

羽叶。
「国富論は、経済はそもそも難解で。」
「簡単に理解できないけれど。」
「一度把握して慣れてしまえば。」
「あっさり通用するという教えです。」

百香。
「稀に古本屋で二百円くらいで売っているしね。」

小依。
「古本の通信販売ですと、二千円くらいですしね。」

百香。
「数千円で経済に慣れることが出来るのなら。」
「安いものです。」

羽叶。
「長期的な利得ですよ。」

学校でも、昔から。

読書感想文は常に国富論でしたね。

福沢諭吉の学問のすすめを学校に持っていくと。

賞賛されたりします。

啓蒙思想は、広く受け入れられているのと同時に。

歴史と世界観を勝手に変えてしまった欠点もありますね。

長期的に見れば、教養は大局を左右します。

父親は内容を暗記しているようです。

母親は英語の諺に詳しい。

似た者同士ですなあ。

ゲーミングノート。

今回は、プレイヤーが一神教の神になって。

人々の生活を守って、文明の発展を指示。

昔に敵対していた勢力の襲撃、反転攻勢で駆逐。

最後に文明の終焉を匂わせる記述など。

視点が違うものを遊んでいます。

奇跡みたいなビデオゲームなんですね。

それ故に、人間批判がとにかく多い。

こういう視点からの否定は斬新。

羽叶。
「最近は人間批判に夢中になっています。」

緒美。
「創作あるあるで、愚かな人間共!っていうのが定番ですね。」

水希。
「わからせ、という分野の人間批判はたまらない。」

学世。
「人間を客観的に見れるのは、神の視点が必要です。」

小依。
「神の視点から人間を見た、映像作品があるんですね。」

百香。
「あの視点からですと、人間って馬鹿ですよね。」

羽叶。
「人間なんて軽蔑されるのが似合っていますしね。」

水希。
「メタ発言になっていますよ。」

緒美。
「人間が愚かな生き物なら、滅ぼされるしかないので。」

学世。
「人間の醜い所を見たことがあるのなら。」
「神話で人間がぶっ殺されるのは妥当ですよね。」

羽叶。
「神話で人間が殺されるのは、とても理解できます。」
「愚かな人間に対する見せしめと。」
「後の世への教訓ですね。」

緒美。
「人間は自分が神だと思っていて。」
「現実ではまったく通用しないという。」
「矛盾に苦しんでいるのです。」

小依。
「人間が万能なら、あんな態度ではないよね。」

羽叶。
「私はどんな生きる道も選ばない。」

水希。
「世界のどのような生きる道も選ばないよ。」

緒美。
「人間を否定する人間なんて。」
「自分でも不思議なんですけれどね。」

学世。
「人間そのものを批判すると。」
「なぜか幸福と充足がもたらされる。」

百香。
「人間という枠組みに束縛されないからでしょうね。」

緒美。
「人間を超えると、人間という拘束は受けないのですね。」

羽叶。
「創作で、人間批判があると、コレクションしています。」

緒美。
「けっこう少ないのですけれど。」
「人間批判は、あまりに真実なんですよね。」

学世。
「人間を批判する人間は、矛盾しているようで。」
「矛盾していないね。」

羽叶。
「合法的な裏切り方だとは思います。」

夕方。

謎のドローンが住宅地を飛んでいました。

操縦者は、どうやら犯罪組織のようです。

ドローンで為政者の暗殺を狙っているのですね。

近くで、国会議員がゴルフをやっているらしくて。

ドローンの自爆で何とかしようとしています。

しかし鳶に見つかって、ドローンは捕獲されてしまい。

鳶は食べられないと分かって、ドローンを住宅地に捨ててしまい、大爆発。

ドローンが追加で来たので、マジックミサイルで落としておきました。

どうやら、リーサルカンパニーの連中が。

鷹を使ってドローンを捕まえたり。

電子妨害でドローンを落として鹵獲して。

売り飛ばす。

なんていう営業をしていて。

為政者に攻撃したい犯罪組織と。

攻撃を利用して設けたい企業と乱闘になっています。

治安当局が周囲に展開、警戒していますね。

リーサルカンパニーはいろんなアマチュアを抱えているので。

あんなこともできてしまう。

アマチュアを仲間に入れて、儲けたりする。

悪い所ばかりではないブラック企業。

利益に明るいだけなので、大きな害はない。

制空戦闘の最中に、全員帰宅。

玄関に人影。

出てみると。

謎の青年。

花束を持っています。

イケメン男性。
「好きです!好きにさせてください!」

羽叶。
「嫌ですよ、花束を持って来られても無理です。」

イケメン男性。
「それは残念です、他をあたります。」

羽叶。
「私以外にも、宛があるんですね。」
「斬新な不審者ですなあ。」

イケメン男性。
「次こそは、好みの女性と交際しよう!」
「今回は失敗だった!」

羽叶。
「間違いを素直に認める男性は珍しいかも?」

謎の青年は立ち去りました。

スマートフォンの着信。

電話が来ましたが。

今すぐ襲ってあげるから、家に来て。

という、現役女性アイドルからの電話。

ふざけているだけですね。

次に来たのは、為政者の娘、ひたすら口説いてきます。

どちらにしても続きは学校になりますね。

と思ったら、二人共、近くにいまして。

押しかけてきてた。

千影。
「どうしても強姦したい!」

羽叶。
「うわっ!何するんですか!」

千影。
「好きにさせて!」

羽叶。
「女の子に詰め寄られるのも、けっこう好きかも。」

千影。
「押し倒して抱きしめさせて!」

羽叶。
「えっちなことするんでしょ!」

陽月。
「ああ!私から奪わないで!」

千影。
「見ていたら、なんか好きになったのよ!」

陽月。
「だからと言って、強姦するなんて!」

羽叶。
「逆に押し倒してあげました。」
「どうしますかね。」

千影。
「あなたの好きにして。」

陽月。
「それでは私が上に乗りますね。」
「あなたはどいて。」

千影。
「え?ちょっと!ぐえ!」

陽月。
「あれ?私も好きなんじゃないの?」

千影。
「人によって同じ行動でも違いが出るのよ!」

陽月。
「やってみたかったえっちなことしよ。」

羽叶。
「私の家の玄関で暴れないでください。」

狂人なんですね。

二人組は我に返って、すぐに帰りました。

思っているよりも。

危ない女の子のようです。

変態性癖もあるんですね。

なんかパトロールカーばかり路地を通ります。

民間同士の戦闘は終わっていない。

そして、今夜、犯罪組織とリーサルカンパニーがまだ乱闘をしていて。

遂にリーサルカンパニーが勝利しました。

ブラック企業というより、ダークサイドの会社なんですね。

ダークサイドパワーはサルトルの教え。

犯罪組織は倒されて、リーサルカンパニーの名声は上がった。

収益だけではなくて、名声と実績も怠らない。

やさしい命令には、大きな力がひそんでいる。

やはり。

才知は富に勝る。


13


模倣は最も誠実な追従である。

休日。

揃って、付近の都市に散策に出ています。

電車に乗って。

適当に都市を移動。

放浪の旅ですね。

近場を巡って、のんびり散歩。

よくやる趣味なんです。

駅前の商店街に行ったり。

歴史的建造物を見たり。

その都度、目的が違います。

近場の都市を見て回るのです。

どういう世界なのか確認ですね。

駅前のベンチにて休憩中。

羽叶。
「相手と口論になったら。」
「それでは前提は何ですか?」
「なんて質問すると。」
「相手は答えに窮する。」

緒美。
「相手の前提を問うのは、けっこう強烈な反駁ですね。」

水希。
「もし質問に応じたら、その前提を笑ったり。」
「悪口を言って罵ると。」
「相手の前提が脆かったりする。」

学世。
「あとは、その結論って妥当じゃないですよね?」
「なんていう反駁が有効ですね。」

小依。
「前提を問い正すのは、演繹法の対策です。」
「結論を問い正すのは、帰納法の対策です。」

百香。
「その結論に至った原因は何ですか?」
「とにかく、こういう反駁は強い。」

羽叶。
「結論が不足しているとか。」
「結論の論拠はどこにありますか?」
「なんて続ける。」
「相手は答えられなくなって怒ったり。」
「威嚇して言い逃れをする。」

緒美。
「あなたの前提を提出せよ。」
「あれ?その前提って本当なんですか?」
「けっこう手に負えない口論が作れます。」

学世。
「たいてい、相手に前提があって、それで答えを出しているだけなので。」
「その前提に疑いがかけられると、脆いんですよね。」

水希。
「相手が結論だけなら、経験や観察から省略して。」
「結論を言っているだけなので。」
「その結論は馬鹿だとか、適当に罵ると脆いよね。」

学世。
「お前の前提は馬鹿ですね!」
「なんていう子供じみた反駁でも、有効打になります。」

緒美。
「残念ながら、反論の方法は、すぐに繰り出すことが出来ない。」
「かなりの訓練が必要です。」

羽叶。
「なんで?という反駁は、威力が弱いので。」
「癖になっていると、相手に押されますね。」

水希。
「それが、お前の結論ですか、馬鹿ですかね?」
「という幼稚な反駁でも、相手が愚かなら足りますしね。」
「かなりの訓練をしていないと。」
「会話で反駁できませんからね。」

羽叶。
「雑魚は、自分の前提が絶対であると主張しますし。」
「または、自分の結論が絶対であると主張します。」
「手札が見えているので。」
「演繹法か帰納法なのか見破れば。」
「崩すことは容易です。」

学世。
「インターネットの意見とかをたまに見かけますけれど。」
「演繹法で失敗していますよね。」

水希。
「帰納法で結論だけを徹底している人も、誤りをしています。」

羽叶。
「解釈を書くのなら、けっこう自由ですよね。」

緒美。
「仮説形成になると、自由そのものですね。」

水希。
「事実を書かない限りは、逃げられますしね。」

学世。
「私は本当の事は言わないですよ。」

羽叶。
「それって言葉質を取れないという意味ですよね。」

緒美。
「発言を証拠には取らせません。」

水希。
「因果関係を無視して発言したり、論文を書いたり。」
「書き込みを投稿していると。」
「演繹法で失敗した人が発狂しますよね。」

緒美。
「誰かの持論なんか役に立たない。」

羽叶。
「インターネットでは、どうやら皆が主観的に投稿するしか。」
「方法がないようですな。」

緒美。
「しかしたいていは主観の問題なんですよ。」

水希。
「客観が存在しない現場の強みですね。」

学世。
「主観的な問題に、主観が突っ込むと。」
「どこにも客観がないよね。」

水希。
「どうやって判断するの?」

学世。
「むしろ判断の方法を知りたいくらい。」

羽叶。
「問題そのものを、主観的にしてしまうという方法は。」
「アウレーリウス帝の常套手段ですね。」

駅前から市街地を散歩。

近くにある名所を、全員が探して。

何か見つけ次第に歩いて巡ります。

お店というより。

その土地の観光名所とされている所が目的です。

こういう時に書籍の実践が出ますね。

力量が高くて、圧倒するほどの実力があると。

歩いていても余裕があります。

理性、人が先天的に持っている知的能力。

それのみで動いているように見える市民。

こちらからは、そういう所しか分からない。

市民に関しては、見た目しか見えないのが、理性の限界でしょう。

たくさんの人の行動が交差する市街地。

学問による体験は、圧倒するほど役に立つ。

メンバーの一人がカントの三大批判を鞄に入れていた。

羽叶。
「経験という考え方は。」
「経験していないものは何も理解できない。」
「ということですよね。」

緒美。
「経験していないものは何も分からない。」
「それが経験の教えですね。」

小依。
「経験するまで分からないのですね。」

水希。
「経験してやっと知る程度のものです。」

学世。
「経験するまで物事が理解できない。」
「何だか愚かだなあ。」

羽叶。
「経験を徹底すると、懐疑論に陥るだけで。」
「結局は何が正しいのか分からなくなりますよね。」

学世。
「経験だけでやっていくと、疑いのみになってしまい。」
「自分まで疑わなくなる。」
「そして自己矛盾になるかもね。」

百香。
「因果関係も経験できませんしね。」

羽叶。
「人間が、すべて因果関係に従っているのなら。」
「自由意志は存在しないことになる。」
「なので、どんな不当な仕打ちや不正も。」
「非難できなくなる。」
「それ以外の選択の余地がないので。」
「非難することが筋違いになる。」

緒美。
「因果関係に従うということは。」
「それ以外の選択肢が実在しないことになり。」
「本人の選択で不正をやっても。」
「選択の余地がないので。」
「他人は非難できなくなるからね。」

水希。
「実際には、不正や不当な仕打ちに抗議したり。」
「退けたり、覆したり出来るので。」
「その行動や態度こそが。」
「人間に自由意志がある証拠です。」

学世。
「自分に選択の余地が豊富にあるので。」
「人間もどんな選択もできるので。」
「不正が処罰されるのは当然ですからね。」

羽叶。
「自由を行使して、故意に不正をした場合は特にそうです。」
「選択の余地は残っていますからね。」
「言い逃れは無理。」

水希。
「合理的な思考をしていても。」
「懐疑論で欠点を埋める必要がありますね。」

緒美。
「合理的な人は、独断を実行しがちですけれど。」
「懐疑論が入ると、欠点が埋められるんですね。」

学世。
「所で、道徳の起源って何ですか?」

緒美。
「カントやアダム・スミスの説く道徳は。」
「学校教育とはまるで違った道徳です。」

羽叶。
「道徳にもたくさんの種類がありますからね。」

水希。
「命令と禁止だけで学校教育は人心掌握をしますが。」
「哲学で道徳と言うのなら。」
「もっと奥が深い。」

羽叶。
「道徳哲学という名前で研究されています。」

水希。
「他人という概念から道徳は開始されて。」
「是認と否認という基本がありますよね。」

学世。
「他人の態度や行為に興味がある。」
「他人も私の態度と行為に関心を持っている。」

羽叶。
「自分はできる限り肯定されたい、是認されたい。」

緒美。
「体験によって、個人で是認するものと。」
「否認するものが違う。」

羽叶。
「体験から、行動や思想について、すべての肯定や是認は受けないと知る。」

水希。
「そこで、公正や中立、つまりは客観的なものを想定、詮索して。」
「それに従うようになる。」
「最初に思いつくのは良識や法律など。」

緒美。
「そこから、他人の行動や思想が肯定されたり、否定されたりする。」
「そうした様子を判断するようになる。」

学世。
「それによって、公明正大であると体験するものに。」
「自分を合わせるようになる。」

緒美。
「経験よりも体験の方が通用しますね。」

羽叶。
「別名、倫理とも言いますが。」
「哲学者の説く道徳の方が客観的ですね。」
「道徳批判までありますからね。」
「アダム・スミス道徳感情論。」
「そこそこ役に立ちます。」
「学校の道徳は幼稚ですね。」

緒美。
「哲学者の方が比較にならないほど大人ですね。」

小依。
「子供向けの道徳、それが学校教育の特徴。」

百香。
「それを伝えない、なにかおかしい世間の倫理。」

羽叶。
「ニコマコス倫理学でも足りますけれどね。」

緒美。
「哲学者カント。」
「道徳形而上学の基礎づけ。」
「この書籍は読みやすくて。」
「倫理の専門書に思えますね。」

羽叶。
「度重なる不運と絶望からの心労によって。」
「生きる喜びをまったく失ってしまった人も。」
「この不幸な中で、心を強く持ち。」
「自分の境遇に臆病になったり。」
「打ちのめされたりせず。」
「むしろ怒りで立ち向かい。」
「死を望みながら自分の生命を守るのなら。」
「自分の命を重んじるというより。」
「心の衝動や恐怖でもなくて。」
「幸福への義務に基づいて生き続けているのなら。」
「その人の行動は道徳的な内容を備えている。」

緒美。
「自分にされたくないことを、他人にしてはならない。」
「といった陳腐な表現を。」
「規範や原理として利用できると考えてはならない。」
「カントの言葉。」

学世。
「大道廃れて仁義あり。」
「老子の言葉。」

小依。
「読んだ後の体験で、理解しやすくなりますね。」

羽叶。
「論語、菜根譚、老子は、密かに、東洋思想として読んでいます。」
「西洋思想には劣りません。」

緒美。
「三書は持っていますよ、今でも昔でも、日本で読まれたものですから。」

百香。
「優れた教典は、学術的価値によって喜ばれます。」

羽叶。
「日本人は信仰による教化もありますけれど。」
「論語が基本の教育方針でしたし。」
「古代中国で有名な書籍は、広く出回っていたようです。」
「日本の場合は、道徳、つまり倫理はそういう所からですね。」

水希。
「自国民の倫理は今も昔も、先天的なものだと思いますけれどね。」

学世。
「老子は断片で売られています、全訳もあります。」

羽叶。
「東洋思想は断片ばかりですね。」
「まとめた全訳は多くない。」

緒美。
「老子はすべてにおいて逆説的な見方をしていますよね。」

学世。
「そもそも老子は道教の神ですからね。」
「神の残した言葉を読めるのは最高ですよ。」

緒美。
「老子は、形而上学をたくさん含んでいます。」
「子供にはまず老子を読ませよ。」
「という習慣もあったほどです。」

羽叶。
「老子は、出土や復元が未だ行われている謎の書籍です。」
「研究も整ってはいますが、諸説ありますし。」
「それでも文字数は圧倒するほど少ないですね。」

学世。
「読んだ後の体験がすべてを語ると思います。」

小依。
「読書は経験なのでしょうか?」

百香。
「経験しないと、古典も読めないのですか?」

羽叶。
「彼らの言う経験とは、若者を威嚇する暴言なのでは?」

緒美。
「経験でヒュームが理解できますかな?」

学世。
「ヒュームはイギリス経験論の代表者です。」

水希。
「学問や哲学は経験できませんからね。」

羽叶。
「なので、経験ばかり説く人が分かる訳がないのです。」

水希。
「哲学の経験?彼らに理解できる理由がないのですけれど?」

緒美。
「百年以上前に論破されている内容が、既成概念になって。」
「歩き回る。」

羽叶。
「誰しもが平均以上の知性は持たないし。」
「平均以上の学問は教えて貰えないのです。」

古地図で、百年前は、田畑と点在する集落だらけ。

百年ほどで、文明化が進んで。

今ではこんな景色。

実用性だけが先走って。

都市のデザインは後回しなんですね。

今では文明の中身が良くない。

今は文化の時代に差し掛かっていて。

文化人の定員が満たされていない。

文化人も増えていますけれどね。

市民の心理に興味を持つ。

市民が社会をどのようにして解釈しているのか。

これが特に興味深い。

羽叶。
「フロイトの精神分析、実例を読んだのですけれど。」
「精神疾患は医学の問題なんですね。」
「善悪の問題ではない。」

水希。
「フロイトは患者に対して、心理の矛盾を指摘して。」
「心理の矛盾を解いたら。」
「患者の症状が消滅したという記録があります。」

羽叶。
「何でも古典から、これが最高なんですね。」
「個別に心理の矛盾は違うので。」
「すべてを善悪の問題にするものではないね。」

水希。
「あなたの善悪は完全ではありませんよね?」
「なんて反論されると、返せない。」

学世。
「見下した相手に負けた人は歪んでしまうしね。」

緒美。
「精神分析は、各所で役に立ちます。」
「自分の心理が矛盾しないように。」
「警戒はしていますね。」

学世。
「言い分が矛盾していると、状況証拠になったりします。」
「精神分析は、健康な人にも対策としては有効でしょうね。」

羽叶。
「精神疾患は、ショーペンハウアーが研究したこともあります。」
「知性が平均以上に高い、狂気が品性を上回る。」
「という特徴があるようですね。」

緒美。
「知性が平均以上に高いのは、使いこなせば強みですけれどね。」

羽叶。
「狂気も、制御すれば強いかも。」

水希。
「偉大な部分を捨てて、知性を学術に変換すると。」
「暴走しないのかも。」

学世。
「精神疾患は思考を狂わせるという常套手段があるらしいので。」
「思考を狙われて、そのまま倒れるらしいのです。」

小依。
「患者の主張が異端邪説なのはどうしてかな?」

百香。
「わざわざ精神疾患にならなくてもいいのに。」

羽叶。
「集団ヒステリーによって、医学の話にならないのでは。」

緒美。
「自分もそうなるかもしれない、という関連付けによって。」
「何も異変がないのに、似たような病気を発症して錯乱する。」

羽叶。
「集団ヒステリーは、空想だけで自殺行為をするので、知らないと危ない。」

水希。
「公正世界仮説の支持者に。」
「君が病気になったのは、お前が悪いからだ。」
「という皮肉とか言えそう。」

学世。
「公正世界仮説?安月給なのはお前が悪いからだ!」

小依。
「触れてもいない被害を申告してはならない。」

百香。
「架空の被害なんて、誰も申告しませんよ。」

連絡が来る。

メールボックスは両親のデータで埋まっていますが。

新着で、一件だけ目立つ着信があります。

近くで収録をやっていて。

これが終わったら、どうする?なんて問答が続く。

狂人のアイドルからの着信。

羽叶。
「えっちなことしようとか、アイドルに誘われた。」

緒美。
「あの女の子ですか。」

水希。
「どうするのです?私は近くで見学したいのですが。」

学世。
「女性同士は、危険が少なくていいかと。」

羽叶。
「やめてください、梅毒を受けるかもしれない。」

緒美。
「官能とか美化しても、結果が梅毒なら、毒物と交わったのですね。」

学世。
「誤った性の情報って、どこが誤っているのか。」
「子供は理解できませんからね。」

水希。
「間違っている情報に基づいて、性の情報が拡散される。」

緒美。
「人口過剰の現代で、無秩序に増やすな。」

羽叶。
「梅毒って流行り病なんですよ。」

学世。
「なので女性同士でも、激しくやらないのですね。」

羽叶。
「抱きしめるとか、スカートめくりとか。」
「そういうのならやっています。」

小依。
「相手の女性は検査でもしたので?」

羽叶。
「検査に行って来たので、誘ってくるのです。」

小依。
「なるほど、性行為なんて損得勘定ですなあ。」

百香。
「恋と称して、結果が梅毒なんて、滑稽だなあ。」

羽叶。
「官能がなかったら、何をしているのか、理解できない。」

百香。
「もし梅毒になったら、梅毒になっている状況が最も雄弁ですね。」

緒美。
「梅毒にしてあげる!みたいな言い回しですよね?」

羽叶。
「なんていう滑稽な行為!」

水希。
「色欲とは、最後に梅毒になって萎えるのでしょうね。」

学世。
「梅毒が前提な交際なんて、笑いものですよ。」

羽叶。
「無闇に受けたら梅毒にされちゃうので。」
「口説かれても避けています。」

緒美。
「本当はえっちなことしたいの?」

羽叶。
「女の子にいろいろされるのは趣味なんですけれど。」
「攻め方が、梅毒にしてあげる、みたいな行動なので。」
「いくら好みでも、証拠もなしに交際しません。」

水希。
「女性同士で梅毒なんて、前代未聞ですけれどね。」

羽叶。
「色欲は、ある意味では汚染ですね。」

学世。
「汚染されるのが好きなの?」

水希。
「そうにしか見えないよ。」

緒美。
「無秩序な色欲は公害ですなあ。」

羽叶。
「実例でも、江戸時代の遊郭では。」
「梅毒でおびただしい数の死亡者が出た。」

緒美。
「遊郭での遊女病死は有名ですよね。」

学世。
「看病もされないので、死にまくった。」

水希。
「梅毒と言えば遊郭の実例ですね。」
「あれは女性が死に過ぎ。」

若い女性はあまり出歩かない。

というより数は少ない。

遭遇するのは子連れの人達。

比率が多いので。

時間帯と場所に依存しますが。

恋人同士で歩いている場合がとにかく多い。

女性にとって自由とは何なのか?

自由について分からなくなった。

羽叶。
「世界には結婚する必要がない人もいますね。」

緒美。
「友達が必要ない人もいます。」

小依。
「夫が必要がない女性とか。」

百香。
「妻が必要ない男性とか。」

水希。
「子供が必要ないのなら、前の段階で防いでしまいます。」

学世。
「必要のない行動はしませんよね。」

緒美。
「例外の人は、最初から無視できますからね。」

羽叶。
「不要な行動は、百害あって一利なし。」

水希。
「結婚に利点がない人もいますからね。」

学世。
「その前の恋の段階で回避しますしね。」

羽叶。
「結婚を否定する人も出てきます。」

緒美。
「必要のある人だけ結婚すれば良いのでは?」

羽叶。
「既成概念で、結婚が美化されたり。」
「客観的な価値観であると嘘が平気であります。」
「他所が加える客観的な価値観なんて幼稚ですしね。」

水希。
「結婚が不要な人が強引に拉致されるのは。」
「殺害されるのに等しい。」

学世。
「結婚が疑われたことのない要素だからですね。」

緒美。
「結婚や恋は、否定されたことのない。」
「無批判な要素ですからね。」

羽叶。
「否定も批判もないなんて、信用に値しない。」

水希。
「恋なんて生まれつき信じていません。」

緒美。
「結婚という行為も、信用していません。」
「まるで信じてないんですね。」

羽叶。
「サルトルとボーボワールの関係を見習うべきですね。」
「結婚したことにして、籍を入れずに。」
「互いを束縛せず、自由に出入りさせた。」

学世。
「なぜ恋とか結婚があるのか、理解できない。」

羽叶。
「疑問に思っている時点で、侵入しないこと。」

緒美。
「少なくとも義務ではない。」

水希。
「人口やら種族の保存に興味はない。」
「私は人口を減らす係。」
「種族を滅ぼそうとする係。」

羽叶。
「科学でも、文明は永続するとは限らないので。」
「遺伝子とか残しても、どうせ途絶えますよ。」

学世。
「たまたま多様性のある遺伝子が次の文明に残るとか。」
「種族が全滅して、また人間が作られるとか。」
「そういうのも科学で研究されています。」

小依。
「登場した子供が、境遇を喜ぶとは限らない。」

百香。
「世界を見た子供が後悔する可能性すらある。」

水希。
「別に仲間を増やしたい、それだけだったら。」
「養子の方が、親が選べますし。」
「選ばれる子供にとっても利点がありますね。」

小依。
「戦国武将とか、養子を跡継ぎにすることがよくありましたね。」

百香。
「上杉景勝と武田勝頼は養子で、家の跡継ぎでしたしね。」

小依。
「結城秀康は、豊臣家に養子に出されて。」
「結城家の当主になっていたりします。」

百香。
「雄略天皇の家臣が、誤って幼女を集めた時なんて。」
「家臣が幼女をそのまま養育するように言われています。」

小依。
「宮本武蔵は十人の養子がいました。」
「養子は家老になっています。」

百香。
「そう言えば、ローマ初代皇帝のアウグストゥスは。」
「カエサルの養子です。」

羽叶。
「歴史において実例が豊富ですね。」

水希。
「ヘシオドス神統記の結婚する理由が皮肉たっぷりですから。」
「養子という発想に行き着くのですね。」

緒美。
「結婚についての、秘密が載っていますからね。」
「対策としては万全を目指すでしょう。」

学世。
「小野小町は生涯未婚を成し遂げていますので。」
「上流階級では、処女でもあっさりまかり通ったという。」

羽叶。
「上流階級ですと、結婚しなくても生活は簡単ですからね。」

水希。
「古代ギリシア神殿の巫女は、恋も結婚も禁じられていました。」

緒美。
「ユピテル神殿の巫女は、特に厳格な貞潔が遵守されましたね。」

学世。
「男性と高額な土地の取引をしていて、笑いまくったので。」
「肉体関係を疑われて。」
「やっぱり貞潔は厳格ではないと駄目だという判断で。」
「免職されられた巫女もいます。」

羽叶。
「ということで、結婚は既成概念によって強固になっていて。」
「強要によって結婚を強いられる危険があるのです。」

学世。
「書籍。」
「母親になって後悔してる。」
「オルナ・ドーナト。」

羽叶。
「外部の環境が強制するので。」
「暴力で結ばれる関係もあるんですね。」

緒美。
「どちらかと言うと、現代の結婚は暴力で結ばれる。」

水希。
「外的帰属、外部の影響が結婚を迫るので。」
「その結婚は暴力によって成し遂げられたもの。」

学世。
「結婚くらいは、拒否する自由もあるんですよ。」

羽叶。
「そうした自由を蹂躙して来た社会に責任がありそう。」

緒美。
「結構は強制ではないので。」
「結婚する必要のある人も、無批判は良くないのかも。」

水希。
「なぜ結婚するのか、説明すらないしね。」

学世。
「恋をするのはなぜか?色欲かな?」

羽叶。
「すべて否定されて残ったものが本物では?」

緒美。
「私もそう思います、一度、すべて否定されるものです。」

羽叶。
「否定されても、残ったものがあれば、それが真実でしょうね。」

水希。
「私は全部否定しますけれどね。」

緒美。
「既成概念を爆撃するのが手っ取り早いのです。」

お宮を巡ったり。

武家屋敷を巡ったり。

お城に行ったり。

美術館と博物館は欠かせませんね。

午前に出発すると。

夕方になる前には帰宅します。

今回は、少し長く散歩しました。

いつもより早くに帰路。

駅の中。

電車を待っている。

羽叶。
「私であって、私ではなく、姿が私の複製のものとは何でしょう?」

小依。
「それはあなたの写真ですよ。」

羽叶。
「見る人によって姿が変わるものは実在しますか?」

百香。
「それは鏡ですね、見る人によって何もかも違います。」

緒美。
「ダイビングを楽しむ人に警告が出されています。」
「遠方地震で小さな津波が来るので。」
「早く上がってこい、津波が来るぞ、だそうで。」

水希。
「潜っていた方が安全ではないのかな?」

学世。
「制限時間の問題でしょうね。」

羽叶。
「都会の満員電車、いつも満員なら、誰も利用しないと思います。」

小依。
「常に満員だったら、乗れませんからね。」

百香。
「何とか乗れる人数ですからね。」

緒美。
「昨日、間違い電話をしてしまって。」
「玄関の前に立っているから。」
「五千円を頂きますね。」
「なんて言ったら。」
「その家には警察官が押し寄せていた。」
「相手は爆笑していたらしい。」

学世。
「電子機器のお使いの時でしたね。」
「私達は詳しいので、よく依頼されますから。」

羽叶。
「三十分待ってください、というメールが届いたのは。」
「一時間後でした、通信エラーによってすれ違い。」
「しかし相手はそれを読んで、その場で三十分も待って。」
「ようやく連絡をよこしました。」

緒美。
「それはひどい、ひどいくらい律儀ですなあ。」

学世。
「インターネットが鏡と同じ機能をするとは知らなかった。」
「みんなパソコンに備わっている鏡を見て書き込んでいると思っていた。」

水希。
「インターネットで誹謗中傷をすると、税金を取られる。」
「虚偽の内容や誹謗中傷は税金の対象になる。」

学世。
「誹謗中傷は小遣い稼ぎには効率が良いですよ。」
「とりあいず訴訟をすればけっこう勝てますし。」
「百万円くらい稼げます。」

緒美。
「ん?間違いとは何ですか?」

羽叶。
「それは、間違える前には、何が正しいのかを知っており。」
「間違えた後には、何が正しくないのかを知った知識の事です。」

緒美。
「誤りとは何ですか?」

羽叶。
「誤る前には、何が正しいのか知らなくて。」
「過ちをした後に、初めて正しいことを知る経験の事です。」

緒美。
「許すとは?どういう行為のことですか?」

羽叶。
「すべてを許すから、二度と私の前に出現するな。」
「もしくは。」
「何でも許すから、死んでください。」
「という一連の表明です。」

学世。
「とある人は結婚して、一瞬で十億円の借金をした。」

緒美。
「ひどい!律儀はひどい!」

羽叶。
「昨日、お高い壺を割ってしまった。」

水希。
「一万円もするのに?」

羽叶。
「口説いてくる男に向かって逃げたら。」
「その男は壺をキャッチしながら。」
「転倒して割れた。」

水希。
「それは贅沢な攻撃ですね!」

羽叶。
「判定は男が割ったことになった。」

学世。
「いろいろと高くつく女ですな。」

小依。
「嫌なことを忘れたい人が世間にいる訳です。」

羽叶。
「それなら、請求書は、忘れる前に出すべきですね。」

百香。
「嫌なことを忘れたい人に、お金を貸してはならない。」

羽叶。
「私はお金では釣れませんが。」
「拉致することならできます。」

学世。
「いろいろと代償が高くつく女ですな!」

水希。
「最も死亡する確率が高い行動とは、生きることである。」

自分の都市に帰ってくると。

途中の道で全員は解散しました。

夕方になってしまっているので。

家事や食事の支度に参加しようと。

走って帰るんですね。

別にタクシーを使ってもいいけれど。

そうすると面白くないので。

使用しない。

親族の連携が冴えますけれど。

同行する友達も増えると。

多様性のある団結になりますね。

成人になっても余暇は欲しい一同。

卒業するまでは、真面目に遊びます。

やるに値することは、きちんとやるに値する。


14


自らの感情によって、他人の感情を判断せよ。

休日。

全員が読書で訪れる。

世界の名著シリーズ66巻が本棚にある。

昔、発行されていた。

世界の名著、特に哲学を中心に。

代表的な著作が入っている。

今では入手困難な著作も読める。

古典のお得な詰め合わせ。

世界の名著シリーズ66巻全部は重くて厚い。

似たようなシリーズで。

世界の名著全81巻がある。

これは収録作品が少し異なる。

これも全巻置いてある。

両親が若い時に集めたという。

読書中。

多数の同級生も参加している。

羽叶。
「天下泰平を実現したければ。」
「聖人を皆殺しにすること。」
「これで聖人に依存する愚者や悪党はいなくなるから。」
「平和になる。」

緒美。
「聖者をみんな排除すれば、平和にするのは目に見えています。」
「みんな聖者の真似事をして。」
「聖者のように振る舞うので。」
「聖者の猿真似をするようなら。」
「いっそのこと聖者を滅ぼしてしまえば。」
「そんな愚かな行為は止みます。」
「それで平和になります。」

水希。
「聖人の害毒はやはり多いものですね。」
「悪人ですら聖人の真似をするものですから。」
「聖人の教えや知性はすぐに悪用されます。」
「ならば、聖人には居なくなって貰った方が助かります。」

学世。
「聖者を否定して、徹底した批判によってこの世から追い出せば。」
「みんな聖者の真似事なんてしなくなり。」
「悪用していた聖人の教えも崩壊して。」
「人間は大人しくなります。」
「聖人の真似事を繰り返して。」
「自分が立派だとは思わなくなるからですね。」

羽叶。
「群衆が自分の事を立派だと思うのは。」
「聖人が流した害悪のせいです。」
「聖人を排除すればやがて消えます。」

水希。
「聖者なんて殺してしまえ。」
「聖者を滅ぼせば、天下泰平なんて簡単なものです。」

学世。
「それは有名な、荘子、外篇ですね。」

羽叶。
「あれは一理あるんですよ。」

緒美。
「体験として、聖人の真似事を繰り返して。」
「自分は立派、お前は未熟で最悪という。」
「理屈と遭遇するんですね。」

羽叶。
「なので、そういう奴には、聖者なんて私の敵ですよと。」
「君がそう言うのは聖者の流した害毒のせいですよね?」
「なんて言い返しています。」

水希。
「聖人って、いない方が世の中にためになるので。」
「見つかり次第、殺していたのが歴史、というより世界の姿です。」

緒美。
「世界は聖者なんて受け入れませんよ。」

学世。
「世界には、優しいという概念がないからね。」

羽叶。
「自国民の悪癖なんですよ。」
「何でも聖人であると名乗るから。」
「増長する。」

水希。
「みんなで自分の事を聖者だと名乗りますからね。」

羽叶。
「自国民の悪癖ですね、かなり昔からの傾向です。」

緒美。
「今から聖人を根絶やしにすれば。」
「あっという間に世界は平和になる。」

水希。
「聖人を自称する人間が絶滅するからですね。」

学世。
「聖人が殺されている様子を見れば。」
「誰でも考えを変えますよ。」

羽叶。
「聖者を処刑すればするほど、それを見た人々は。」
「聖者だから優遇されないと理解する。」

水希。
「世界は聖人だからで特別扱いはしません。」

緒美。
「聖人だから無条件で尊敬されると思ったら大間違い。」

羽叶。
「聖者だからって攻撃されないと思ったら大間違い。」

水希。
「私は聖者を避けますけれどね。」

羽叶。
「徳性の方が大事ですよね?」

緒美。
「徳性は訓練で身につきますね。」

水希。
「徳性は西洋哲学の核ですからね。」

学世。
「私は徳性を訓練して、最高善に向かっています。」

羽叶。
「最高善は幸福の核ですからね。」

学世。
「何でも聖人のようになれという教えは愚かですよね。」

緒美。
「おみくじとか引くと、聖人にならないと駄目とか。」
「ふざけるな。」

学世。
「そんなもの破り捨てて、聖人にならないと駄目とか。」
「そういう方向には行かないことですね。」
「裏切り。」

水希。
「聖者にならないと駄目という馬鹿な教えは受け付けない。」

羽叶。
「そういう逆手に取った態度は賞賛されますよ。」

緒美。
「聖者、聖人にならないように心がけること。」
「聖者、聖人の流す害毒を受けないように立ち回ること。」

水希。
「聖人は暴力と強盗に弱いものですし。」
「聖人に勝つのは簡単ですよ。」

学世。
「聖人ってめちゃんこ弱いので。」
「ぶっ殺せば雑魚でも勝てます。」

羽叶。
「善政を敷いたけれど、反乱で聖人は殺されて。」
「暴力を巧みに使った反逆者が何代にも渡って統治した。」
「反逆者が正しいのではないのかな?」

緒美。
「明らかに反乱を起こして聖人を排除した。」
「反逆者が正しいですよね。」

学世。
「聖人はやはり弱いので、あっさり倒せます。」

水希。
「倒した方が正義なので、聖人はどちらかと言うと不義。」

学世。
「聖人よりも私の方が正しい。」

羽叶。
「聖者を倒した時点で、私の方が正しい。」

水希。
「いきなり敵対者を発見したのですね。」

羽叶。
「正義を示したら、聖人が倒れたんですよ。」

緒美。
「聖者なんて力ずくで排除するだけ。」

水希。
「聖人を倒しても、天罰なんてないので。」
「その点にも注目ですね。」

緒美。
「聖者をぶっ殺しても、天罰はないですね。」

学世。
「損な立場な奴らですね。」

羽叶。
「一度でも聖人を倒せば、誰も真似をしなくなる。」

緒美。
「聖者は倒すものですね、そうすれば世の中はきっと良くなる。」

学世。
「利己的な攻撃ですけれどね。」

羽叶。
「しかし荘子の外篇は一理あります。」
「聖人になれとか、どうせ結果は悪いものですよ。」

緒美。
「私は聖者なんてものは認めませんね。」

学世。
「聖人とか聖者なんて、いちいち結果の悪い人間ですからね。」

水希。
「そんなものを客観的な価値観に置くだなんて。」
「幼稚そのものですよね。」

羽叶。
「聖人が客観的な価値判断?なんて幼稚な!」

学世。
「聖者になるのが価値観なんて、幼稚そのものですよね。」

羽叶。
「あまりに幼稚なので、幼稚な自分についても無自覚なんでしょうね。」

緒美。
「私達は故意に攻撃しているので。」
「敵対者を痛めつけて爽快。」

羽叶。
「聖人を攻撃すればするほど、自分が有利になるよね。」
「攻撃している現場を見た人間に見せしめになる。」

緒美。
「目撃者は、聖人を攻撃する私を賞賛するし。」
「聖人なんて実際は要らないんだと。」
「雄弁な景色を見る。」

学世。
「聖者を攻撃して損はしない。」
「攻撃した人の功績になって。」
「それに習っている奴らは逃げ出すから。」

水希。
「聖人に依存する奴らを間接的に排除できますからね。」

緒美。
「見つけ次第、攻撃する。」

羽叶。
「体験からして、共感できるんですよね。」
「荘子も道教の神。」
「内篇は荘子の作品で。」
「外篇は荘子の弟子が書いたとされる。」
「雑篇は後世の人々の追加。」
「という多数決があります。」

学世。
「老荘と言われます。」
「中国の王朝は、紀元前十二世紀にあったのですね。」

羽叶。
「それ以前は、中国神話の世界とのことです。」

学世。
「易経は中国神話の神が書いた書籍ですしね。」

水希。
「神の言葉を翻訳したら、とても大変なことになったのが易経。」

学世。
「中国、台湾では道教の寺院が多くありますね。」

緒美。
「台湾ではひとつの都市にたくさん建っていますし。」
「祭り方も丁寧です。」

学世。
「中国では、道教の神を祀る寺院が有名です。」

水希。
「少し似ている所があるので。」
「学問としては最適な教えですしね。」

学世。
「宗教は少しだけ似ていますね。」
「古代中国の書籍は、大昔から日本で読まれています。」
「日本で有名なのはそのためですね。」

女子高生。
「人はみんな平等なんですよ?」

羽叶。
「そのジョークは初めて聞きました。」

学世。
「平均的な女の子も冗談が言えるようになりましたね。」

同級生。
「短気な男性に目をつけられそう。」

緒美。
「それではこう言ってみてはどうか?」
「あの!理由もなく怒ってください!」

少女。
「民主主義って何ですか?」
「古典のどこにも民主主義なんて書いていませんけれど。」

羽叶。
「民主主義?何ですかそのジョーク?」

水希。
「凡人にも冗談が言えるようになった形態の事ですよ。」

女の子。
「民主主義って誰の作品ですか?」
「読みたいのですけれど?」

学世。
「地球二個分くらい吹っ飛んだ映画の事ですよ。」

同級生が、スマートフォンで検索している。

インターネット。

テレビゲームで、大佐の説教、という先見の明は的中。

サンズ・オブ・リバティの脚本を。

現実に持ち込んでいるという滑稽な現場。

全体主義のインターネットは日本で深刻な社会問題。

ヨーロッパでは、悪質な投稿は24時間以内に削除する。

法的義務があり、オペレーターの負担と誤審が問題になっている。

インターネットは娯楽や案内には使えるけれど。

情報伝達手段としては適切ではない。

設計思想通りに使わないと無駄。

設計思想から外れた使い方はできない。

無論、設計思想を超えた使い方は不可能。

羽叶。
「陰謀論は、国家転覆を計画していたようですね。」

緒美。
「全員を洗脳して、為政者に言うことを聞かせる。」
「という作戦ですからね。」

水希。
「そんな馬鹿な計画があったのですね。」

学世。
「国家転覆が計画なので、群衆心理に訴えた。」

羽叶。
「悪名高いナチスと同じ事をやっていましたからね。」

緒美。
「ジャーナリストも、いい加減に、大衆扇動はやめてほしい。」
「誰も同調しないからね。」

学世。
「大衆扇動でどうにかなる時代ではないですね。」

羽叶。
「群衆をけしかけるやり方なんて、対策されています。」
「第二のフランス革命なんてものはない。」

水希。
「武器なき預言者は滅びる。」
「香港の活動家の敗北について。」

羽叶。
「あれはどうなったのかな?」

学世。
「所で、彼らが繰り返していた事についてだが・・・・?」

緒美。
「彼らが繰り返していた内容について・・・?」

水希。
「スピリチュアルは何教ですか?」

学世。
「法的な問題ばかりあるカルト団体です。」

緒美。
「スピリチュアル?何教?カルトですね!」

学世。
「宗教と名乗った時点で、誰も信じなくなるので。」
「変な考え方としてインターネットで待ち伏せしている。」

羽叶。
「あんなもの信じても、効果ないのにね。」

水希。
「特に奇跡が起こるなんてこともない。」

羽叶。
「新興宗教であると名乗れないので。」
「スピリチュアルを罵っても反撃されない。」

緒美。
「最近ですと、天理教は仏教の僧侶に反駁されて。」
「所々で論破されていますからね。」

羽叶。
「天理王命なんて、これまで誰も助けていないし。」
「陽気ぐらしなんて、心の持ち方で何とかなる訳がない。」
「僧侶の鋭い反駁を引用。」

緒美。
「教祖の記録した神秘ですら。」
「統合失調症の症例という。」
「冷やかな僧侶の反論がありましたね。」

羽叶。
「私は天理王命よりも強いので。」
「天理王命は私に服従しろ。」

学世。
「天理王命なんて何の力もありませんよ。」
「人間に作られた架空の存在です。」

水希。
「神は死んだ、という哲学用語でも置けば。」
「相手は何もできない。」

羽叶。
「少なくとも、論争では勝利していますしね。」

緒美。
「度重なる搾取で、あんな巨大な施設を建築していたという。」

羽叶。
「天理教?」
「鰯の頭も信心から。」

学世。
「そんなもの相手にしなくていいのに。」

羽叶。
「煙たいからね。」

緒美。
「こちらの宗教に迷惑をかけた神罰。」

水希。
「天理教に神罰?」

学世。
「宗教まで風刺をする。」

羽叶。
「人間同士の約束で維持されている宗教なんてあるものか!」

緒美。
「世間には勝手にさせよ。」

羽叶。
「英語の諺にも。」
「敵がいなかったら、でっち上げるまで。」

メンバーが解散すると。

密かに来訪した為政者の娘。

常連のタクシーで来た。

夕方なのに。

高級な果物を持ってきた。

お化粧をしていて。

ドレス姿。

相手の美貌に見惚れて。

家に入れてしまった。

羽叶。
「なんのつもりですか?」

陽月。
「私とキスしませんか?」

羽叶。
「嫌です。」

陽月。
「そんな恥ずかしがらないで!」

羽叶。
「その衣装は何ですか?」

陽月。
「あなたに着てほしいコスプレ衣装。」

羽叶。
「なるほど、素晴らしい。」
「そっちのは頂きましょう。」

陽月。
「キスしようよ!」

羽叶。
「うわっ!何するの!」

陽月。
「探らせて!」

羽叶。
「うぐ!」

陽月。
「あなた、大人しいよね?」

羽叶。
「うわっ!ひゃあ!」

陽月。
「そこに入れてあげる。」

羽叶。
「いい臭い、綺麗な吐息、輝かしいお化粧。」
「そんな場合ではない!」
「相手の女性の美しさに夢中になっているけれど。」
「そもそも私は襲われているから!」

陽月。
「きゃあ!突き飛ばすことないじゃない!」

羽叶。
「せっかくですから、あなたに性的暴行をしてあげます。」

陽月。
「え!?それは心の準備と、いろいろな覚悟が・・・?」

羽叶。
「性的暴行してやる!」

陽月。
「ひゃー!」

羽叶。
「さあて、どう料理してあげようかな?」

陽月。
「私が襲いたいのに!」

羽叶。
「まずはこれかな?」

陽月。
「やめて!うぐっ!」

羽叶。
「あなた、楽しんでいますよね?」

陽月。
「どうせ返り討ちになると思ったから。」

羽叶。
「なんですと?」

陽月。
「どうせ仕掛けたら負けると思っていたから。」

羽叶。
「正々堂々でよろしい。」
「なにされたい?」

陽月。
「キスして。」

羽叶。
「嫌です。」

相手の女の子を解放しました。

相手は逃げていく。

コスプレ衣装と果物は貰っておきます。

日の入り。

深夜のメールにて。

女性にモテる女性として話題にされる。

二人組の一人に狙われると。

えっちなことをされるという。

狙われた女の子のピンク色の思い出。

ちなみにそういう系の女の子しか狙ってこない。

あれでも戦闘能力は平均以上。

平凡な女の子だと逃げられない。

深夜の報道まとめ。

今日の報道。

立て籠もり事件が発生していて。

人質は三人。

一人が。

なるようにしかならない!

なんて叫んでいて。

その一人は逃げ遅れて。

突入の時に巻き込まれて死んでしまった。

人質二人は隙を見て逃げていた。

次の報道。

知能犯が子供を誘拐して。

身代金を要求。

すべて計画通り、と思いきや。

犯人、相手に、面白いジョークを言うよね。

なんて言われて発狂。

しかも子供は無関係。

知能犯は子供を殴っている所を発見されて。

逮捕になった。

次の報道。

社会正義戦士、自分を非難する奴は助けないぞ。

なんて言いながら、本日、会社から解雇された。

理由は、無断欠勤の多過ぎ。

次の報道。

強盗、民家に押し入る。

被害者、なにもできない!なんて連呼。

強盗、やりたい放題に物色。

妻が、追い出しなさいよ、といくら言っても。

夫は、できないよ、あんな若い男をどうやって追い出すの!

そんなこと言っている間に通信手段を奪われた。

結局は巡回中のパトロールカーが不審に思って接近。

強盗と遭遇。

強盗は追跡されて逮捕になった。

社会では悪人と呼ばれる人は否定されるけれど。

善人は肯定されない。

善人も否定される。

善人と悪人も否定されて成立している。

善人は法的にも特別扱いはない。

絶妙なバランスの社会。

哲学用語、力への意志。

人間世界は力の拮抗で成立している。

その力の拮抗にいくら挑戦しても良くて。

拮抗をいくら崩しても良い。

崩して自分が侵入した後に。

新しく力の拮抗が整えられる。

ニーチェの哲学。

翌日。

いきなり早朝。

学校で口論をしている女性二人。

千影。
「ひどい!私が襲いたかったのに!」

陽月。
「あんたでも負けるわよ!」

千影。
「まぐれで強姦に成功するかもしれないじゃない!」

陽月。
「あんな怪力に無謀よ!」

千影。
「あんたも好きにしたいのに。」
「私のお気に入りまで取らないで。」

陽月。
「あなたともえっちなことしたいのに。」
「浮気しないでよ。」

千影。
「え?何を?」

陽月。
「あの娘と私と、二者択一にしてよ!」

千影。
「それなら、今度、二人きりでデートしましょう!」

陽月。
「いくらあの娘が魅力的だからって。」
「私を無視しないでね。」

今日は意見が一致しているようですね。

融和しています。

いつも小競り合いをしているのはなぜ?

目撃者は語る。

いつもは好みの女の子の取り合いらしいのです。

前に狙っていた女の子に交際を断られて。

仕掛けた女の子にも交際を断られて。

現在、私に浮気ということらしい。

もはや二人組には二人しか相手がいません。

それでいいのでは?

お昼休み。

女の子二人組。

恋人繋ぎしていました。

目撃してしまう。

あれでいいのでは?

小依。
「あれ?片割れと付き合ってるんじゃないの?」

羽叶。
「向こうからしたら浮気だったとか。」

緒美。
「我が国は、上流階級のみ一夫多妻制では?」

百香。
「今では一人だけなんですけれどね。」

学世。
「今日も名著読みたいので、寄りますわ。」

羽叶。
「古本屋で買ったら?」

水希。
「全部、揃えるのはお金が足りません。」

緒美。
「私は半分くらい読み終えたな。」

小依。
「私は抜書きに夢中です。」

百香。
「図書館にもないからね。」

羽叶。
「何冊か、予備をあげようか?」

同級生。
「予備があったんですね。」

女子高生。
「というか、似たような書籍があるんですね。」

羽叶。
「原文と解説本と、二つありますよ。」

小依。
「卒業までに読破したい。」

緒美。
「家事を任せて、夜まで居座る。」
「連絡した。」

羽叶。
「まだ書斎には、たくさんあるんですけれどね。」

百香。
「それ全部、読むつもり。」

学世。
「私はほとんど読んだけれど。」
「英語の諺事典を読みたい。」

羽叶。
「漫画版の名著もありますからね。」
「私が集めた。」

少女。
「工夫は喜ばしい。」
「適当にあるものよりも。」
「工夫した分はその人の作品です。」

羽叶。
「漫画版の名著を集めていて。」
「置いておきます。」

水希。
「岩波文庫も読んでいたけれど。」
「あれだけたくさんあると満足します。」

自宅に戻って。

今回はメンバーが深夜まで滞在。

親戚のお姉さんが呼びに来て。

一同、帰宅。

しばらく滞在が増えるようです。

古典、古本屋で販売中。

現在も通信販売で盛んに売られています。

最近のベストセラーはラッセル幸福論。

人気。

教養のある人は、最近当たり前。

リベラリズムの社会は。

無能お断り。

使える人材が増えると、使えない人材が増え過ぎる。

自分のことを忘れる者は、愚か者である。


15


あたう限り最善の世界で万事しかるべく最善。

風刺。

青年の一団。

正体不明の動物を探るべく。

近くの山林に入る。

テレビ中継。

けっこうな視聴者数。

挑戦者一。
「これから謎の動物を仕留めに行きます。」

挑戦者二。
「武器はスコップと農具となります。」

挑戦者三。
「軽装鎧を着ているので。」
「事故はないかと思われます。」

挑戦者一。
「まあ、俺達が動物如きに負ける訳はないと。」

挑戦者二。
「動物に負けることなんてないですね。」

挑戦者三。
「動物を仕留めて帰りますよ。」

あなたテレビに投稿されつつ。

個人番組配信は進行。

途中の農村で。

老人が語る。

農民。
「あれですか、まあ仕留めてみなさい。」

老人。
「あれはやめた方がいいよ。」

挑戦者一。
「我々が動物ごときに負けることはないですね。」

目的地の洞窟に到着。

山道を車で侵入。

車は四輪駆動。

降車して青年の団体が移動すると。

巨大なトカゲが出現。

恐竜みたいなトカゲをスコップや農具で殴っても。

あんまり効果はなくて。

トカゲに暴れられて。

青年は全員逃走。

挑戦者一。
「動物というより化け物でしたね。」

挑戦者二。
「化け物の意味を初めて知りました。」

挑戦者三。
「あれは動物じゃないですね。」
「化け物ですね。」
「初めて見ました。」

中継は会議で終わるようです。

農村まで戻ってきて。

廃屋にて。

挑戦者一。
「みなさんも化け物と戦ってみてください。」
「多分、負けますよ。」

挑戦者二。
「化け物と動物は違いますので。」
「ご注意ください。」

挑戦者三。
「化け物という意味を理解すると思います。」

老人。
「あんなのとよく戦うよね。」

農民。
「見た目の割に、化け物が弱いからでしょ。」

狩人。
「は?またいたの?これで何匹仕留めたのか分からん。」

傭兵。
「罠でハメ殺すか、毒餌で殺すか、ですよね。」

狩人。
「化け物は弩や弓矢でしか殺せないよ。」
「家畜を木に縛って囮にして。」
「化け物が来た所を複数人で射撃するのだ。」

傭兵。
「あんなのとまた戦うのか。」
「お金になるけれど。」
「化け物相手は飽きてしまったな。」

挑戦者一。
「ということで、地元の猟師さんのインタビューでした!」

挑戦者二。
「みなさんも化け物を殺す時は。」
「手順を間違えないように。」
「正面から戦わないようにしましょう。」

挑戦者三。
「それではチャンネル登録を!」

理解できない内容が流れている。

同時視聴者は七万人。

人気のチャンネルのようです。

テレビをウェブに繋いで観ていますが。

最近は化け物と戦う猛者が出ています。

個人的には、化け物と戦うのは疲れるので。

観るだけで足りますね。

化け物は見慣れてしまっていて。

倒すのが面倒くさい。

母親が呼びかける。

母親と買い物に行きましたが。

ショッピングモール内の駐車場は。

なぜか一方通行の印がつけてあります。

しかしそんなものお構いなし。

矢印の逆方向から入っています。

羽叶。
「みんな馬鹿だよね、店が勝手に決めたルールに従っている。」
「別に道路交通法違反ではない。」

母親。
「店の中だけしか通用しないルールなんて。」
「こうやってわざと蹂躙して笑ってあげるのです。」

羽叶。
「ルールを設定すれば、みんな従うとか言う考えは馬鹿だよね。」

母親。
「武力がないルールは、違反しても何のペナルティもない。」

羽叶。
「武力に基づかないルールなんて馬鹿ですよね。」

母親。
「そういう馬鹿が、勝手に設定したルールに従うと思い込む。」
「頭が悪いのです。」
「ルールよりも強い相手には通用しない。」

羽叶。
「公園で、稀に鳩の餌やりを禁止している看板がありますが。」
「無視しても、誰も私を裁けません。」
「注意されても、威嚇したり喧嘩に持っていけば。」
「相手は裁くことが出来ません。」

母親。
「狭い範囲の中でしか通用しないルールなんて。」
「踏み倒して笑ってやるのが最善ですよね。」

羽叶。
「大人しく従うのが馬鹿なんですよ。」
「馬鹿と呼ばれるのが似合っています。」

母親、自動車は矢印を無視して逆走。

相手の車は動揺しているものの。

相手が接触したら。

相手の責任になる。

道路交通法は店の中の駐車場ルールなんて関係がない。

勝手にルールを作ってはいけません。

誰も従いません。

羽叶。
「ゴミを捨てるな、という看板は道によくありますが。」
「ティッシュ一枚を。」
「風がさらったことにして。」
「捨てたことがあります。」
「それを裁くことは出来ない。」

母親。
「あなたもルールを踏み倒す経験をしなさい。」

羽叶。
「法律の抜け穴を突かない奴は、損ばかりする。」

母親。
「正直者が馬鹿なんですよ。」
「大人しく従うから悪い。」

羽叶。
「大胆な母親ですこと。」

駐車場に入れて停止。

ここにもゴミを捨てるな、という看板がありますが。

アメリカでは、路上にゴミを捨てるのは当たり前のものです。

それをどう取り締まったかと言えば。

信じられないほどたくさんのゴミ箱を路上に設置したら。

市民がみんなゴミ箱に投げ込むので。

路上のゴミが全部なくなってしまった。

今でも百メートル間隔でゴミ箱が路上に設置されています。

何でも勧善懲悪で解決すると思ったら大間違い。

荘子の記すとおりに。

この世界は善人よりも悪人の方が数が多いから。

悪人の多数決には抗えない。

考え方だけ正しくても、それで勝てるなんてことはない。

凡愚が、世界について知ったような口を聞く時代ですね。

スーパーマーケットの中で、友人と遭遇。

小依。
「ねえねえ、私刑って弱者の言い分だと思わない?」

羽叶。
「私刑?それって行き着く所は暴力支配ですよね?」

百香。
「私刑を繰り返すと、裁かれた人が納得しないし。」
「裁き返すこともある。」

羽叶。
「それだけではありません。」
「私刑を潰そうと、強大な力を持つ人が。」
「私刑によって、他の私刑を潰すようになります。」

女子高生。
「それって強いもの勝ちになりますね。」

小依。
「そうでしょう、強者が私刑を潰すようになるので。」
「次から強者が私刑の基準になります。」

羽叶。
「自分より強い相手を私刑で裁けないので。」
「武力によって私刑を逆に支配できるんですよね。」

百香。
「力で私刑を倒せば、次の支配者は自分というものですね。」

少女。
「私刑を行う数人を殺害すれば、次から自分が法律になりますからね。」

羽叶。
「私的制裁を連発する集団を、武力で殺害すれば。」
「自分が実権を握ることが出来ます。」

女の子。
「私刑が当たり前になった世界では。」
「私刑を行う奴らを殺せば解決しますからね。」

同級生。
「私的制裁を行っている集団を皆殺しにすれば。」
「誰も裁くことが出来ない。」

羽叶。
「仮に私刑が当たり前になった場合。」
「裁判官を殺害するのが当たり前になりますね。」
「殺せば言うことを聞かせられる。」

小依。
「私刑対私刑では、暴力を用いた人が勝ちます。」

百香。
「私刑の行き着く先は、武力を持った人が法律になるという。」
「私刑が自滅する世界です。」

羽叶。
「強者が法律になって、裁判を好きなように操作できる世界ですね。」

女子高生。
「裁判の結果を、暴力によって好き放題に操作できるので。」
「私刑は自滅を招きますね。」

羽叶。
「私刑をする人間は、被告人に皆殺しにされて、法廷は暴力が支配します。」
「どう見ても、被告人が発動する暴力が法廷を左右しますね。」

同級生。
「数では何ともなりませんからね。」

女の子。
「退役軍人とか数人雇えば、みんな殺せます。」

少女。
「私刑は被告人を押さえつけることができない上に。」
「裁判官はみんな殺されます。」

小依。
「自分も攻撃されるのではないか、という恐怖から。」
「私刑は全員から攻撃を受けるようになりますね。」

百香。
「それによって、私刑の集団は皆殺しにされて、この世から消えます。」

羽叶。
「シミュレーションの結果がとんでもない。」

小依。
「思考実験が多過ぎる。」

百香。
「討論の結果が、僭主君主顔負け。」

女子高生。
「ロベスピエール議員顔負けの恐怖政治。」

女の子。
「凶悪犯も真っ青の現場。」

少女。
「世界最高の恐怖政治としてギネス記録。」

同級生。
「世界年間最優秀暴力賞!」

羽叶。
「法律は数年で出来上がったものではありませんからね。」

小依。
「二千年くらいの判例の集大成です。」

羽叶。
「今の法律は、二千年くらいで作られたものです。」
「どっかの雑魚が一日で作ったものとは違います。」

百香。
「法律は絶対者に間違っていると指摘されるまでは。」
「変わることはありません。」

羽叶。
「国家が本当に間違えていると。」
「国家に神罰がある。」
「プルタルコスの引用。」

小依。
「公平が確保されている実定法が運用されていますし。」
「むしろ法律を知れば知るほど。」
「法律の抜け穴がたくさん見えてしまいます。」

羽叶。
「弁護士などの法律の専門家は、法の抜け穴に詳しいのです。」

百香。
「暴徒に支配されるより、支配するほうがよい。」

羽叶。
「法律過剰は、法律違反にはならない。」

女子高生。
「どの法律にも抜け穴がある。」

小依。
「例外は規則を検証する。」

お昼に帰宅。

連携して昼食を作りました。

母親の店は定休日が多い。

実はオンラインストアの方が店舗が広い。

趣味でやっているせいか。

その余裕によって顧客がつきやすい。

午後、散歩をしていると。

あの二人組が喫茶店にいるんですね。

この後、夜からレッスンと収録らしくて。

こちらを見つけて、無料パフェをくれました。

食べたら帰ってもいいとのこと。

千影。
「ねえねえ、競争相手を蹴落とせば解決するとか思っちゃうって。」
「無能特有の行動だよね?」

羽叶。
「相手を蹴落としても、本人の無能は残ったままですよ。」

陽月。
「本人の無能は、相手を蹴落としても、解決はされない。」

羽叶。
「自分の無能が原因でそうなっているのに。」
「責任転嫁して解決を試みても。」
「現実には何の効果もない。」

千影。
「競争相手がいなくなったら。」
「本人の能力不足が残ったという。」

陽月。
「自分が雑魚であることを、人のせいにするなんて。」

羽叶。
「しかし雑魚は、その無能のせいで、自分の問題に気が付かない。」

千影。
「自分が問題なのに、それを他人のせいにするなんて。」

羽叶。
「雑魚は自分が問題だとは思わないから。」

陽月。
「それで彼らは不正を使わないと勝てないのですね。」

羽叶。
「実力がないのが本人の問題なのに。」
「それを他人のせいにするのは変ですなあ。」

千影。
「実力で勝てないからって、他人の問題にするのは大間違い。」

陽月。
「あんたの実力がないせいでしょ!」
「しかしそいつは理解できなかった!」

羽叶。
「本人の実力がないせいなのに、それを認めない。」

千影。
「認めても認めなくても、そいつの無能は解決しないね。」

羽叶。
「菜根譚にも、自分の無能を責任転嫁するな、とありますね。」

陽月。
「本人は自分が問題とは思っていない。」

羽叶。
「自分が雑魚なのはお前のせいだ!とか。」
「自分が無能なのはお前のせいだ!とか。」
「結局は不正で無理に勝とうとする。」

陽月。
「その程度の狡猾さで勝ち抜けるほど、この世界は甘くない。」

千影。
「いくら悪賢くても、限界があるでしょうね。」

羽叶。
「策略が下手ですよね。」

陽月。
「その策略も、用意している数が少な過ぎる。」

羽叶。
「やればやるほど結果が悪くなると思いますけれど。」

千影。
「本人の問題が、他人に伝染しますね。」

羽叶。
「本人の醜悪な部分が、他人に降りかかりますね。」

陽月。
「本人の邪悪な所に、他人が感化されますね。」

羽叶。
「実力がない人が勝つには、そうするしかない。」

千影。
「なんて無様な、見苦しいよ。」

陽月。
「介護に値する、情けない技量ですなあ。」

千影。
「実力がない人が、いかに勝利するかを考えたという。」
「無意味な作戦。」

羽叶。
「文学でも、ショーペンハウアー読書について。」
「新しいという理由だけで人気になり。」
「数年後に誰にも記憶されていない。」
「価値のない書籍が一年にたくさん出回る。」

千影。
「古典だけに価値があり。」
「古典の分析について書かれたものは。」
「やはり古典には及ばないようです。」

羽叶。
「知的財産という言葉を知らないのかい。」

陽月。
「知的財産、本文にも。」
「前者、知的財産として後世の参考になるように。」
「芸術作品のように書かれたものは価値がある。」
「後者、生計のために、お金だけで書かれた文学は。」
「その時だけに有効で、すぐに消え失せる。」

羽叶。
「文学は娯楽ではなくて、資料や芸術ですからね。」

千影。
「以上の議論について、実力がない人が。」
「策略で競争相手を蹴落としても、何が変わりますか?」

陽月。
「何も変わりませんね。」

羽叶。
「最近、本屋の中身がどうでもいいものばかりで退屈です。」
「毎回、ラインナップを覚えているんですよ。」
「お客さんの動きや関心、そしてお客さんの移動経路、位置まで。」

陽月。
「どのくらいつまらない本があったのですか?」

羽叶。
「ゴミ処理場、一ヶ月分くらいかな?」

千影。
「再生紙一年分だと思いますよ?」

陽月。
「トイレットペーパー換算で一週間分では?」

羽叶。
「出版社も、大金があれば、あんな本は出してはいない。」

陽月。
「出版社の赤字が、悪書の原因です。」

羽叶。
「景気が良くて、出版社が潤っていると。」
「そもそもつまらない本を繰り出す理由はないのですし。」

千影。
「最近、古本屋の倉庫が満杯らしいね。」

羽叶。
「ゴミに出すより、少しでもお金に変えたほうがいいでしょ!」

陽月。
「どう見ても数年前の流行作品が、古本屋にも残ってはいない。」

羽叶。
「家庭のゴミ事情、悪書が半分、残りは普通のゴミ。」

千影。
「本の価値と、価格が取り合っていない事がある。」

羽叶。
「多くの書籍は、金銭だけを目的にして。」
「業界で八百長しながら。」
「競争相手を排除して拡大しています。」
「別に良書を売ろうとは思ってはいない。」

陽月。
「そんな本も、時間経過で小細工が外れて。」
「市民が欺かれたと気づいて消えていく。」

千影。
「読者を騙しても、一時凌ぎで、信用が失墜すると。」
「作者と出版社は市民に嘘つきと言われるね。」

羽叶。
「読者を洗脳して売ろうなんて愚かな。」

陽月。
「良書を社会に溢れさせようなんて、誰も考えていません。」
「むしろ良書をいかに防ぐかに労力を割いていますね。」

羽叶。
「九割は意味のない書籍であると、ショーペンハウアーは批判しています。」

千影。
「紙だって無限じゃないんだぞ!」

羽叶。
「ですので、電子書籍が主体になったのです。」

陽月。
「売り物なのか、ゴミを売っているのか判別不能。」

羽叶。
「あんなんで満足しているの?小さい!」

陽月。
「あれ?所で数年前の人気作品についてなんですが?」

羽叶。
「古典の解説だけは長期間、残っていますね。」

千影。
「原典を買えばよろしい。」

羽叶。
「原典をなぜ買わないし。」

陽月。
「数年前の人気書籍は、残っていませんが?」

羽叶。
「それが実在したかどうかについて、哲学者は議論しています。」

陽月。
「数年前の人気作品が、果たして実在したのか?」

千影。
「ん?私達は夢でも見たんじゃないか?」

羽叶。
「記録には残っていますが、知らんな、でっち上げではないのかな。」

陽月。
「いくら文壇が凡人揃いでも、捏造はないだろう。」

羽叶。
「賢者がいなければ、愚か者が文壇を統治する。」

千影。
「好き放題、批判していますけれど。」

羽叶。
「問題ない、どうせ出回らないから。」

陽月。
「それなら大丈夫ですね。」

羽叶。
「もし私の論文が人気になってしまったら。」
「どうすればいいんですか。」

陽月。
「杞憂だと思いますけれど。」

羽叶。
「その時は誰が責任を取ってくれるのか。」

千影。
「成功した瞬間が最悪の始まりですからね。」

羽叶。
「なぜなら、成功したら、後は衰えていくだけですからね。」

陽月。
「という訳で、読書感想文はショーペンハウアー読書について。」
「これにしたわ、お代は要らないわよ。」

羽叶。
「あなた、舐めたスプーンですよね。」

陽月。
「疑い過ぎです、可能性はありますけれど。」

羽叶。
「はい?」

千影。
「しかし何も疑わないのは知性を捨てた状況証拠ということで。」

陽月。
「気持ちも分からないでもないけれど。」
「あなた使ったわよね。」

羽叶。
「信じられない。」

千影。
「ブラックジョークですよ、言葉を絶対視しないの。」

陽月。
「さて、正しいと正しいが対戦すると、決着がつかないのだけれど。」

千影。
「第三者に決めてもらおうとしても。」
「第三者はどちらの味方をするのですか。」

陽月。
「両者、退けたりして。」

千影。
「正しいなんて言い出したら、決着がつかないね。」

羽叶。
「所で、席の奥から動けない。」
「一度、立ってください。」

千影。
「えー?仕方ないなあ。」

羽叶。
「さりげなく密着していましたよね。」

陽月。
「なんですと?私もやりたい!」

羽叶。
「女の子が、女の子の取り合いをしないでください。」

喫茶店から退場。

散歩再開。

女子小学生を口説いている男性に遭遇。

土地とか不動産を口実にしている。

女子小学生は逃げ出した。

自衛隊の装甲車、移動中、追突された。

追突した自動車が滅茶苦茶になった。

装甲車は無傷、現在、救出中。

犯罪、事故は思っているより少ない、誇張されているだけ。

父親からの大量のメールを読んでいた。

店から出て来た二人組。

スマートフォンで連絡。

位置を特定。

メンバーを尾行しているみたいです。

位置情報を求めて来ます。

私の所にもメールが来ましたが。

向こうの失敗ですよね?

電子戦では、相手の位置と配置、戦力の情報を得たら成功。

相手が攻撃すると、その瞬間に相手の位置と配置、戦力が判明します。

電子戦では、互いの手の内を隠しながら。

相手の手札を覗くんですね。

今回は向こうが失敗をしたので。

逆に様子を見て追跡。

抜け道で口説くらしい。

懲りないですね。

千影。
「そこのお嬢さん。」

緒美。
「美人さんと言え!」

陽月。
「それでは美人さん!」

緒美。
「英雄と言え!」

千影。
「英雄さん!」

緒美。
「最初から英雄と言え!」

陽月。
「それでは最初から英雄の美人さん。」
「いいことしない?」

緒美。
「あなたの身体でいいことですか?」
「そうですね、いくら私が女性でも。」
「相手に好きなように触らせない方がいいですよ。」

千影。
「いいえ、あなたといいことしたい。」

緒美。
「いいことですか、とても定義が広くて、意味不明ですね。」
「例えば、悪人の定義そのものな人もいないように。」
「善人の定義通りの人もいないでしょう。」
「それと同じ事です。」
「あれ?現代思想入門を読まなかったの?」

千影。
「探らせて、胸とか大きいかも。」

陽月。
「スカートの中とか調べたいですね。」

緒美。
「私は被験者じゃないんだぞ!」

千影。
「ぎゃあ!」

陽月。
「うわっ!何するの!」
「女の子が痛がる所を見て喜ぶ変態性癖とか?」
「そんな所ですか?」

緒美。
「勝手に私の考えを読んだ気になるな!」

千影。
「卑猥な事しようよ、女の子同士なら、いいよね?」

緒美。
「持ち上げて、向こうに捨ててきます。」

千影。
「ぎゃー!」

陽月。
「どこに捨てるの?」

緒美。
「売春宿。」

陽月。
「やめてー!」

緒美。
「ならばこの人を受け取ってください。」

陽月。
「重い!なんて重いのよ!」

千影。
「なんですって!お年頃の女の子に重いですって!」

陽月。
「あなたの心が重いのよ。」

千影。
「なにすんのよ!」

緒美。
「ならば道路で一緒に寝ようよ!」

千影。
「ぎゃあああ!技をかけないで!」

陽月。
「こら!少しは手加減しなさいよ!」

緒美。
「手加減?手加減って何ですか?」

千影。
「相手の力に合わせて、実力を調整してあげる。」
「ってことかな。」

陽月。
「手加減もできないの!日本人の面汚しめ!」

緒美。
「言ってくれるな!それでは来なさい!」

千影。
「左右から二人で側面攻撃!」

陽月。
「きゃあ!動きが読まれているわ!」

緒美。
「その中途半端な柔術をやめてください。」

千影。
「こら!もっと手加減しなさい!」
「勝てないでしょ!」

陽月。
「そうですよ!それだと勝てないでしょ!」

緒美。
「その命令には従えない!」

二人組に絡まれて。

現役アイドルと為政者の娘。

戦隊ヒーローもどきになっている。

ヒロイズム?

日曜日に放送している奴かな?

面倒くさくなって。

走って逃げてしまった。

加速ですね。

千影。
「なんていう速さなの!」

陽月。
「それが人間の速度だと言うの!?」

続いて、池の公園で、水辺を観察している水希。

たまに河川に入っている時もあるけれど。

今日は池の周囲を散歩しているようです。

二人組を追跡すると。

また揉め事。

千影。
「あなた、地味だけれど、地味なのがいいわね。」

陽月。
「女性らしさを逆手に取った容姿が素敵よね。」

水希。
「何も欠点がないということ以外に、彼には欠点がない。」
「なんていう格言もありますからね。」
「欠点が目立つのかな。」

千影。
「ちょっと水の中に入らない?」

陽月。
「着替えは用意してあるわ。」

水希。
「あなたが入りなさいよ。」

千影。
「こうやって入るの。」

陽月。
「こうして入るの。」

水希。
「利き手は右なんですね?」
「片手で抑えられます。」

千影。
「あれれ?手を出したら、掴まれた?」

陽月。
「片手で、私達の利き手が抑えられている?」

水希。
「とまあ、色欲は死の衝動。」
「死を感じるので、記憶を残そうとする。」
「常に死に脅かされるので。」
「その死によって子孫を残そうと懸命になる。」
「バタイユはそう語っていますからね。」

陽月。
「馬鹿な!これが人間の力なんですか!」

千影。
「離しなさいよ!握手会独占の女子高生!」

水希。
「フロイトは、そうやって色欲から生じた精神状態を。」
「いろんな呼び方で体系化していますが。」
「何でも色欲を基準にできるなんて。」
「けっこう否定される学説ですけれどね。」

陽月。
「とりあいず、接近できない女の子であると分かりました。」

千影。
「何を繰り出すか分からない女の子ですね。」

水希。
「その中途半端な柔術はやめなさい。」
「雑魚に通用するのが限界でしょう。」
「生兵法は大怪我の基。」

千影。
「柔術って?あれ?戦闘パターンを読まれている?」

陽月。
「だから一方的に倒されるんですね。」
「逃げます。」

千影。
「待って!追いついたらなにかしてあげる!」

今度は二人組が逃走。

しかし近くに学世。

さっきまで行動を一緒にしていた学世と水希。

芝生の公園。

切り株の上で本を読んでいる。

鞄には古本がいっぱい入っている。

千影。
「好きな本は?成人向けですよね?グラビアですよね?」

学世。
「そんな馬鹿な。」

陽月。
「水着の女性が載っている本があなたの教養なんでしょ?」

学世。
「どういう悪評ですか、それは。」

千影。
「違うの?そんな!男子高生の一般的な教養とは違うの!?」

陽月。
「今時の若者なんて、存在しない本を読んでるんじゃないの!?」

学世。
「若者のどこら辺を見てそんな判断をしているの?」

千影。
「見た目で分かるじゃないですか!」

陽月。
「誰しもが見た目で判断されるべきですよ!」

学世。
「つまらない理屈を作るな!」

千影。
「マッサージしませんか?」

陽月。
「マッサージしてあげますよ?」

学世。
「ああ、この前、整体師さんにやってもらった。」

千影。
「遠慮せずに。」

陽月。
「気持ちいいからね。」

学世。
「素人なら許さないわよ。」

千影。
「まずは胸の辺りから。」

陽月。
「その次は腰の辺り。」

学世。
「それが狙いですか。」

千影。
「うわっ!何をされたの?」

陽月。
「あれ?気がついたら倒れている?」

学世。
「動きが遅いです、戦いは一瞬のみで構築されています。」
「たった一秒を制することができないのなら。」
「戦わなくていい。」

千影。
「あれ?何だか動けないよ?」

陽月。
「あれ?体が動かない?」

学世。
「投げ技の長所は、落とされた衝撃で。」
「相手が動けなくなることですね。」

千影。
「もう体力がない・・・。」

陽月。
「今日は四人しか襲えなかった・・・。」

学世。
「常に万全な状態で戦えることなんてない。」
「私は勝ちやすい状況で勝利する。」
「あなたは負けやすい状況で負けた。」
「優れた戦士は怒らない。」
「反戦論が強さの秘訣。」
「これでも昔は好戦的だったのですよ。」

千影。
「私達、もうお終いだね。」

陽月。
「うん、もう疲れたよ。」

学世。
「私は殺し足りないよ。」
「さっきも虫を殺しまくっていた。」
「そこら辺にある残骸はそれ。」
「毎日、一時間は虫を探して殺す。」

陽月。
「なんで?」

千影。
「どうしてそんなことを?」

学世。
「理由なんてあるか!」

芝生。

学世、二人組の手を互いに結ばせて。

二人組は昼寝。

荷物を畳んで退却。

負けまくった二人組の様子を見に来る。

羽叶。
「怪我はなさそうですね。」

陽月。
「ああ!今からでもいいから、一緒に寝て!」

千影。
「もう少し接近すれば、覗いてあげるのに!」

羽叶。
「そのまま倒れていなさいよ。」

陽月。
「私にできる事と言えば、倒れていること・・・。」

千影。
「せめて、倒れていることはできるわ・・・。」

そのままにしていたら。

身内に連絡したようで。

迎えの人が来て。

公園に車で乗り込んできて。

謎の女性が二人組を回収。

帰ったようです。

お似合いの女性で二人組になっているのに。

なぜか好みの女の子を取り合っています。

理由はないようです。

理由がある?

真実の半分は、しばしばまったくの嘘である。


16


多過ぎれば事は破綻し、少なすぎれば必要を満たさない。

放課後。

公園にて。

思考実験やシミュレーションの内容を話しています。

哲学の研究ですね。

学校からの帰り道の中間にある公園で。

銅像を中心に広場になっています。

羽叶。
「誰しもが自分のルールを作って、それに基づいて生活すると。」
「滅茶苦茶な社会になるので。」
「支配者は勝手にルールを作るのを辞めさせた。」

緒美。
「自分のルールを作って、その中で自分を無罪にする奴もいますね。」

水希。
「自分のルールでは正しくても、それが通用するかは別の話ですね。」

学世。
「勝手に作られたルールと、勝手に作られたルールが対戦すると。」
「さらに滅茶苦茶な結果になります。」
「なので、勝手にルールを作る利点は一切ない。」

小依。
「自分勝手にルールを作るメリットは皆無ですね。」

百香。
「人々は公明正大なものを頼ると思いますよ。」

羽叶。
「最悪なのは、自分のルールではこうなので。」
「相手は違反している。」
「なんて罵る場合ですね。」

緒美。
「最近はルールばかり乱立していて。」
「混乱が生じています。」

学世。
「勝手に自分のルールを主張しているだけで。」
「その中で自分のルールでは正しいから無罪。」
「そんな言い分は通らないですね。」

水希。
「本気でそんな事を信じている連中もいるので。」
「気をつけた方がいいですよ。」

羽叶。
「たまにいますよね。」
「私は自覚のある利己主義者が利得を得ると思っています。」

小依。
「利己的な人が社会に通用しますね。」

緒美。
「優しいとは?弱くなって相手にへつらう。」
「自分は優しいから相手は同調するものだ。」
「なんて考える規則の事です。」

百香。
「体験からして、優しいという要素は人工の言葉です。」

水希。
「起源は儒学の仁ですけれど、比喩なんですよね。」
「きっと誤訳してそのまま広まって定着したのでしょう。」

羽叶。
「勇者、強者しか仁は持っていません。」
「勇者、強者が必ず仁を持っているとは限らない。」
「論語の一節。」

学世。
「ということは、優しいという要素は嘘なんですね。」

スマートフォン起動。

ウェブニュース。

リーサルカンパニーは暴利を得ています。

廉価版自動車の販売を開始すると。

これが飛ぶように売れて。

次に、中古パソコンのオンラインストアを開設すると。

中古なのにカスタマイズが可能で。

デスクトップにはビデオカード装備で売られている。

これも飛ぶように売れている。

次に、廉価版の住宅まで手を付けて。

通常の半額程度で建てられるので。

これも売れてしまった。

やりたい放題に事業拡大。

誰も見ていなかった細かい部分ばかり突いています。

最近は海外の喜劇作家を雇ってテレビに進出。

次世代型スマートフォンの開発に着手しているようです。

単に小型化して無理に詰めたシステムではなくて。

汎用機にするらしい。

当然、いろんな方面から妬まれています。

社会正義戦士。

尾行している。

リーサルカンパニーと関係があると思われて。

公園の裏側に隠れていました。

発見。

羽叶。
「ん?不審者?」

社会正義戦士。
「知っているぞ!お前らは暗躍している組織の一員だってね!」

学世。
「どの映画を見て、そう思ったのですか?」

社会正義戦士。
「どんな策略を持っている?」

水希。
「話が通じない。」

社会正義戦士。
「黒幕は誰だ?誰に命令された?」

インターネット・トロール。
「計画は何だ?」

緒美。
「言いがかりですね。」

学世。
「確証バイアスの凡人ですね。」

羽叶。
「喧嘩を売りに来たのでしょう。」

水希。
「冤罪でも作って楽しんでいるのでは。」

社会正義戦士。
「犯罪を暴いてやるからな!」

羽叶。
「何かのせいにして解決したいだけでは?」

小依。
「そんなことやっていても、誰にも認めてもらえないよ?」

百香。
「悪党みたいに振る舞うから、みんなに認めてもらえないのですよ。」

羽叶。
「最初から慈善活動とか、ボランティアで都市清掃とか。」
「そんなことやっていたら、社会に認めて貰えていたよ。」

緒美。
「過激な事ばかりやって、それよりも地域に貢献したり。」
「身内に親切の限りを尽くせば、少なくとも。」
「身内には認めて貰えていたよ。」

社会正義戦士。
「そんなことない!僕のやっていることは正しいんだ!」

インターネット・トロール。
「俺達が全部、取り締まるんだ!」

緒美。
「正しいなんて言葉を、人間の前で出すな。」

羽叶。
「お宮の礼拝で、自分が正しい、なんて神々に伝えてはどうか。」
「大胆不敵な祈りですけれどね。」

水希。
「私達の正しさは無視しているのね。」

学世。
「自分以外はみんな間違っているという理屈かな?」

社会正義戦士。
「俺達だけが正しいんだ!」

インターネット・トロール。
「自分以外はみんな悪いんだ!」

羽叶。
「だからこそ、全員から無視されるのです。」

緒美。
「反社会的な考え方だから、そうやって孤立する。」

学世。
「あんたら、反社会的団体お断りの銀行で。」
「お金の出し入れできないでしょ。」

水希。
「あんたらの正体は、反社会的勢力の一部。」

社会正義戦士。
「絶対に言い負かしてやる!」

インターネット・トロール。
「僕達を罵るなんて許さないぞ!」

羽叶。
「なんて幼稚な!」

緒美。
「できもしない脅しをかけるな。」

リーサルカンパニーの社員が、尾行していて。

うざい奴らの前に出ました。

社員。
「こいつらは俺達の敵だから、俺達が相手をする!」

羽叶。
「来ました!正義の味方!」

社畜。
「正義の味方?そんなかっこいい奴なんている訳ないだろ!」

羽叶。
「失礼、面倒くさいのをよろしい頼みます。」

緒美。
「複数人で、けっこう格闘技やっているみたいです。」

学世。
「総合格闘技の選手かな?早く立ち去ろうよ!」

水希。
「行きましょう、退屈な物事を片付けてくれるのだから。」

羽叶。
「火には火で戦え。」

メンバー全員離脱。

社員数人と社会正義戦士数人が対戦。

リーサルカンパニー社員は、社会正義戦士を撮影。

社員。
「さあて、今日の対戦相手は社会正義戦士となります!」

社畜。
「格闘技の試合をしたいと言うので、相手になります!」

係長。
「もちろん素人相手に本気は出しませんよ!」
「通報なんて要らないですからね。」

従業員。
「相手と遊んであげるので、怪我はさせない予定です!」

社会正義戦士。
「お前らが黒幕か!」

インターネット・トロール。
「世界を裏で操るなんて!世界は玩具じゃないんだぞ!」

社員。
「なんだこいつら、頭が悪いのではないか。」

社畜。
「まずどの辺りから矯正すればいいのか分からないな。」

係長。
「考え方が反社会的なのだが、お前ら昼間からなぜここにいる。」

従業員。
「我々は仕事中なので、早くに終わらせたいのだが。」

社会正義戦士。
「お前らを逮捕してやるー!」

インターネット・トロール。
「あいつが悪事をしたんだ!」

戦闘が発生するものの。

投げ技だけでリーサルカンパニー社員が圧倒。

子供と大人の戦いみたいになって。

社会正義戦士は倒された。

寝技によって拘束したら。

適当な所で社員は引き上げました。

社会正義戦士。
「正しい僕達が負けるなんて!」

インターネット・トロール。
「あんな奴に負けたくない!」
「負けを認めないぞ!」

社員。
「それ以上やると、警察が来るんで。」

社畜。
「我々は暴力団ではないので。」

係長。
「インターネットの威力業務妨害、お疲れ様です。」

従業員。
「日頃の仕返しで来たんで、用が済んだから帰ります。」

自動車に社員四人は素早く乗って離脱。

社会正義戦士は自分の車で追跡を試みるも。

社員の方がテクニックで遥かに優れていて。

見失って、社会正義戦士は民家の壁に突っ込む事故を起こした。

民家破損。

社会正義戦士。
「あの野郎!あいつらのせいで事故になったじゃないか!」

インターネット・トロール。
「車が壊れた!」

住人。
「あの?弁償についてなんですけれど?」

社会正義戦士。
「はあ?お前も邪魔するのか!」

インターネット・トロール。
「あいつらに仕返しするんだ!」

社会正義戦士。
「僕達に攻撃するなんて許さない!」

住人。
「あの?ひどい事故なので通報してもよろしい?」

社会正義戦士数人。

住人と口論になった。

スズメバチが飛来。

社会正義戦士を刺した。

蜂。
「ぶーん!ぐさっ!」

社会正義戦士。
「ぎゃああああ!」

猛犬。
「わんわんわん!」

社会正義戦士。
「ぐあああああ!」

住人。
「お金はあるんですよね?」

インターネット・トロール。
「お前にやる金はねぇよ!」

住人。
「あの?これだけ暴れておいて、何も出さないの?」

インターネット・トロール。
「ああ!車が動かない!」
「お前は消えろ!」

蜂。
「ぶーん!ぐさっ!」

インターネット・トロール。
「うぎぁああああ!」

治安当局が出動。

通り過ぎる。

社員のおかげで簡単に逃げられたので。

今日は解散。

自宅に帰宅。

二人組が待ち伏せ。

遂に恋人同士になったらしい。

消去法で成立。

今回は勉強会。

羽叶。
「詭弁が多くなるということは。」
「それだけ正論が無くなったということ。」

千影。
「正当化、つまり正しい事がなくなって。」
「理屈をつけるしか言い訳ができない苦しみ紛れ。」

陽月。
「合理化、相手に黙って欲しくて理由をつける行為。」

羽叶。
「自分がこういう理屈だから、お前は従え。」
「なんて言い分ですよね。」

千影。
「自分が事実を設定したから。」
「自分は逃げてもいいんだ。」
「なんていう理屈なんですよ。」

陽月。
「一方的に相手が間違っていることにして。」
「間違っているお前が自分に何か言うのは不当だ。」
「とかいうパラドックスなんですね。」

羽叶。
「相手に、正当化するな、なんて非難すると。」
「相手は自分が正しいので、自分に何か言うのは不当だ。」
「とかいう矛盾に陥ります。」
「今、正当化するな、なんて言ったばかりですからね。」

千影。
「そういう奴は自分の間違いに気が付かないのです。」

陽月。
「誤りを犯しても、気づかないでしょう。」

羽叶。
「それも一種の無知ですよね。」

千影。
「何も分からない、だから正当化する。」

陽月。
「何も知らない、だから合理化する。」

羽叶。
「自分の考えを修正する余地はないですね。」

千影。
「本人は何も分からないので。」
「意味不明な言い訳を連呼する。」

陽月。
「本気でそう信じている奴には、修正の余地はない。」

羽叶。
「無知の結果ですね。」
「無自覚な者と、自覚がある者では結果が違います。」

千影。
「理解している人と、理解していない人でも結果は違います。」

陽月。
「真似事では本物になれないという意味ですね。」

羽叶。
「分からないという理由で、世界は容赦してくれない。」

千影。
「分からないなんて言い分が、いつまでも通ることはないですね。」

陽月。
「正当な理由がその都度、必要ですからね。」

勉強会は滞りなく進み。

過去問はクリア。

卒業まで迫っているので。

専門学校の対策も忘れない。

二人組は大学に行くようです。

文化人の学校ですね。

それなら、現役アイドルでも受け入れられますし。

為政者の娘でも、学歴は飾れます。

羽叶。
「老子の反戦思想は知っていますか?」

千影。
「止むを得ずに戦うだけ、という応戦だけの構えですね。」

陽月。
「武器は不吉と語ったり。」
「強大な軍事力を持つ国家は滅ぶとか。」
「戦争は葬儀と同じ礼儀にて。」
「けっこうあります。」

羽叶。
「孫子の兵法なんて、特に反戦論ですね。」
「目的を設定して、そこから逸脱しない。」
「目的を達成したらすぐに辞める。」
「長期化させないとか。」
「合理的な戦争論が続きます。」

千影。
「クラウゼヴィッツ戦争論は。」
「そもそも戦争とは何か?」
「そこから近代戦の展開が載っています。」
「戦争の原因が短く網羅されているんですね。」
「たいていの戦争は、クラウゼヴィッツの説明で。」
「なぜ戦争になるのかが分かります。」

陽月。
「自分から攻撃は仕掛けない。」
「仕掛けられたら、応戦する。」
「強いられた戦いだけ発動する。」
「老子の反戦思想は、積極的な攻撃を否定しています。」
「自衛だけを尊重していますね。」

羽叶。
「孫子の兵法は戦争のやり方、終わらせ方。」
「老子は自衛だけを尊重している。」
「クラウゼヴィッツは戦争の原因を知らせる。」
「下手な平和主義よりも価値があります。」

千影。
「戦争を否定するだけ、それは弱者が禁止によって。」
「相手を支配したい作戦です。」

陽月。
「戦争はいけない!なんて敵は思っていないので。」
「考え方だけで相手を追い払えることはありません。」
「平和主義よりも反戦論、反戦思想が尊ばれますね。」

羽叶。
「戦争についての解釈は、多数あります。」
「戦争の解釈は、別に統一されていません。」
「しかし反戦論、反戦思想が平和に直結することはあります。」

勉強会は定期的に行っていますが。

今回は優れた点数を取れそうです。

二人組が帰宅前に。

お互いにキスしていました。

ようやくお似合いの女の子に気がついたのですね。

ああなるまで、時間が必要でした。

今では仲良しグループに入っているようなもの。

前みたいにえっちなことはされなくなりました。

ただし、見えない所であのカップルは。

だいぶえっちなことをしているようです。

目撃者になるのもいいかも。

次の日の学校。

早朝の出来事。

登校中に。

昨日の輩の一人が。

追跡。

待ち合わせ場所の近くにて。

羽叶。
「また馬鹿が湧いた。」

社会正義戦士。
「あいつらの仇を取るんだ!」

羽叶。
「いい加減に、刑務所に入れ!」

社会正義戦士。
「黒幕から世界を取り戻すまで辞めないぞ!」

羽叶。
「今日は何の作品を見たのかしら。」

河川の近くのせいか。

虻が飛んでいる。

虻が社会正義戦士に止まった。

お構いなしに理屈を言ってくる。

社会正義戦士。
「俺の推理は必ず当たるんだ!」

羽叶。
「そうですか、それでは正しいって何ですか?」

虻。
「ぶーん!ぐさ!」

社会正義戦士。
「ぐおおおおおお!?」

羽叶。
「言えないんですね。」

社会正義戦士。
「だから、法律で裁けない奴を俺達は・・・。」

虻。
「ぶーん!ぐさっ!ぐさっ!」

社会正義戦士。
「うああああああああ!」

羽叶。
「うあああ!という言い分が返事ですか?」

社会正義戦士。
「違うぞ!だから俺達の掲げる大義名分は・・・。」

スズメバチ。
「ぶーん!ぐさっ!ぐさっ!」

社会正義戦士。
「あああああ!!」

羽叶。
「そこの茂みに蜂の巣があるんですよ。」

社会正義戦士。
「だから、黒幕と言うのは・・・。」

スズメバチ。
「ぶーん!ぐさっ!ぐさっ!」

社会正義戦士。
「ぎゃあああ!」

羽叶。
「まともな返事もできないと?」
「もういいです。」

スズメバチ。
「ぶーん!ぶーん!」

社会正義戦士。
「うわああああ!」

不審者、逃げている途中に。

警察官に不審尋問された。

厳重注意を受けた模様。

市町村の防犯マップに不審者が登録されました。

サイバーポリスがサイバーパトロールにて。

不審者のウェブと掲示板を見つけて削除しました。

一部、立件の様子。

その影響で、不審者はいなくなりました。

英語のことわざ。

強いて争いを求めてはいけないし、また、あえて争いを避けてもいけない。


17


災害よりも迷惑事(不便)のほうがまし。

書店にて。

大人気とか大賞とか掲げておいて。

市民は見えないかのように通過している。

多分、見えていない、趣味が違うから?

宣伝と実際が大きく違う。

新しい文学の基準、本屋大賞、それを眺めている。

現場で、市民が広告作品に止まることは稀で。

自分の好きな棚に移動する。

絶対的に売れている本はない。

統計的に売れている本はある。

本屋などの現場の視点が大事で。

プロパガンダみたいな評価は意味がない。

評価と現場が異なる。

今回は市民が点在していて、好きな棚を見ていて。

一箇所に集まってはいない。

観察のオススメは、日曜日のお昼と、日曜日の夕方。

平日は人数が少なく、細かく観察できるので。

本屋の実際はわかりやすい。

休日は人が増えるので。

一気に把握したい場合は好都合。

本可能書店などの大企業ほど。

観察に適している。

情報は、地域最優秀賞店舗でしか手に入らない。

現場。

羽叶。
「文学者はマルチロールではないので。」
「書く以外の事なんて何もできなかったりする。」

緒美。
「文学しか学んでおらず。」
「哲学、自然科学、心理学、天文学、宇宙論。」
「みたいな分野はまったく学ばず。」
「持論だけの主観的な思想で書くことが多いですよね。」

水希。
「文学者の出した結論は、哲学からするといつもナンセンス。」

学世。
「理論上はそうですけれど、実際には役に立たないですよね。」

小依。
「迎合ばかり得意で、とりあいず物語になっていれば。」
「それが傑作という考え方は間違っている。」

羽叶。
「文学しか出来ない、使えない人材によって。」
「売れない小説も増えまくる。」

百香。
「あれなら凡人がやる日々の意見の方が優れていますね。」

羽叶。
「現代でよくいる、変な思想を書く文学者よりも。」
「市民の意見の方が価値がある。」
「なんてことがよくある。」

水希。
「最近の文学者は、哲学からすると変な学説を書きまくる。」

学世。
「定説を覆そうと、いろんな無能が挑戦して出版すると。」
「結局はそいつの自説が敗北して。」
「定説に戻る。」
「その繰り返し。」

緒美。
「学説の個人技なんて無いと思います。」

学世。
「修辞学の才能だけはあって、それで文章は上手に書けるけれど。」
「肝心の思想はまるで持論だらけなので。」
「すべてが台無しになる。」

水希。
「自説をそのまま物語にしているだけですからね。」

羽叶。
「その自説は、特に何も裏付けられない。」

学世。
「持論をそのまま文学にしているだけですからね。」

羽叶。
「ゲーテやシラーとは比較にならないくらい幼稚な小説ばかりです。」

学世。
「あんな幼稚な考え方で、通用する社会も幼稚。」

緒美。
「凡人の中で勝てる程度で人気になると思ったら大間違い。」
「原作者を超える作品は生じないね。」

羽叶。
「本屋での体験なんですけれど。」
「人気作品が入ってすぐの正面に山積みになっているのです。」
「しかし誰も手に取っている所を見たことがない。」
「玄関から、個人で好きな分野に分散する。」

緒美。
「本当に売れていると、巻数が飛んでいたり。」
「売り切れが発生しています。」
「仕入れすぎると、少しの間、本の在庫を抱えていますね。」

水希。
「これが話題の作品です、なんて宣伝しても。」
「誰しもが無関心で通過する。」
「統計的に人気になっているだけで。」
「売れても、その後に支持されているかどうかは別の話。」

学世。
「人気作品を買っても、お金の無駄遣いをしたとか。」
「こんなもの買うんじゃなかったとか。」
「後悔する人もいます。」

羽叶。
「人気という宣伝と、実際が違うんですね。」
「実際を知らないのは無知の状況証拠。」

学世。
「全体主義者が人気とか話題とかに釣られて。」
「個人で見ると、何が人気なのか分からない。」
「淋しい売り場があるんですね。」

羽叶。
「本物は売り切れが発生しますし。」
「返品されたら、そもそも人気というのは嘘つき。」

緒美。
「古本屋で取り合いになっている漫画がありました。」
「本物なので取り合いになっているのでしょう。」

学世。
「何かの賞状を取った作品なんて、毎回、山積みになって。」
「一ヶ月後に見に行くと。」
「山積みになっている内容の大半が別物になっているのですね。」
「売れ残りで返品したのでしょう。」

小依。
「宣伝だけではどうしようもない証拠ですね。」

百香。
「宣伝で市民を欺けると思ったら大間違いですよ。」

羽叶。
「市民に本当の事を言われても、市民を貶めて。」
「自分が正しい、なんて子供じみたことをしないように。」

学世。
「実力で勝たなくなった証拠ですね。」

水希。
「誰も実力で勝とうとしません、負けてしまうからね。」

緒美。
「実力で勝てないから、インチキで勝負しているんですね。」

羽叶。
「狡猾で弱者そのものですけれど、有効な戦術だと思います。」

緒美。
「実力で勝てないからインチキを使うのですね。」
「戦術的にはそれは正しい、ですけれど、どう見てもインチキの範囲を出ない。」

学世。
「負けるのが怖くて、インチキに頼ってしまった。」

小依。
「実力ではなくて、世襲や宿命論で勝利しようとする。」

百香。
「運命論で不当な幸運で勝利しようとする。」

羽叶。
「実力がないので、見破られますね。」
「実力主義こそが現場です。」

水希。
「どれだけ敗北を怖がっているのか、理解しています。」
「弱者がどう勝利するかを、入念に考えた結果ですね。」

学世。
「本物は、争わなくても勝てますからね。」

羽叶。
「実力があれば、争う前に勝利できます。」

緒美。
「戦わずに勝利するのは、飛び抜けた実力があれば可能です。」

小依。
「本屋大賞という客観的な賞状が出ていますね。」

百香。
「店員という現場の人が選ぶのですから。」
「信用できる内容ですね。」

羽叶。
「本屋大賞に続くいろんな客観的な評価は、もっと必要ですね。」

学世。
「自分より劣っている審査員に、見て貰おうとはしませんからね。」

羽叶。
「現代の文壇は、世襲による寡頭政治ですからね。」

緒美。
「本屋の店員は、公平な判断ができます。」

水希。
「依怙贔屓なんて不可能な現場での評価ですからね。」

羽叶。
「文壇とか言う凡人の集いが支配する世界は終わって。」
「現代では現場の人々が、チームで評価する時代ですね。」

小依。
「能力のない人が前に出ないように配慮していますね。」

百香。
「文壇という独善主義の世界は終わった。」

羽叶。
「文壇は運命論の世襲による、寡頭政治。」

学世。
「宿命論で占領したり勝利するのは滑稽ですね。」

羽叶。
「修辞学しか出来ない出来損ないの現場が文壇ですからね。」

水希。
「マルチロールな多様性ある人材が今後、必要ですね。」

羽叶。
「古本屋での体験なのですが、賞状を取らないベテラン作家の棚には。」
「いつも人が張り付いています。」
「人の実力は平均値で判明しますので。」
「定評があるのなら、後天的な本物ですね。」

緒美。
「何も学ばない若手の作家よりも。」
「練度を上げた作者の方が優れているのは確かですね。」

学世。
「宣伝で押し売りしても、市民に嫌われるでしょう。」

水希。
「売れればいいとか言う発想は理解できない。」
「営業の責任を社会のせいにしているのではないか。」

羽叶。
「売れないという結果に腹を立てて。」
「買わない市民のせいとか。」
「そんな暴論を持っていたりして。」

学世。
「売れないのはお前のせいだ!なんて言いつつ。」
「宣伝すればお前ら買うだろ?とかに発展して。」
「これだけして売れないのは社会のせいだ!」
「なんて自分の問題を責任転嫁する。」

羽叶。
「購入を強制して解決するものではない。」

水希。
「商品を強制によって買わせるものではない。」

緒美。
「文学は当たり外れが大きくて。」
「古本屋で市民がよく見ている棚を物色して。」
「その中から真実を購入するのが最善です。」

羽叶。
「市民と言っても、一様ではなくて、好みも違います。」
「絶対的に売れる本なんてない。」

学世。
「長年の観察から売れている本は見当がついたりします。」

緒美。
「売れない本ほど必死になって、プロパガンダ顔負けの行為を連発しますね。」

小依。
「同調しているだけ。」
「付和雷同。」

羽叶。
「傑作と言われる作品は、人工の神話に該当するので。」
「批判されたくない人はいます。」
「この場合は、同じ意見の人にだけ共有すると安全ですね。」

百香。
「批判されると、相対化されてしまうから?」

羽叶。
「傑作の作品を信じていたい願望があるんですけれど。」
「維持は難しいのが現実です。」

学世。
「否定された内容が、言いがかりやバーナム効果みたいな文章ほど。」
「否定する側は困っている可能性があります。」

小依。
「人気作品が批判される、真実を言われて悔しいのかな?」

百香。
「作品の評価で、市民に本当の事を言われる可能性は常にありますね。」

緒美。
「読者を喜ばせて、なおかつ無害で健全ならば。」
「むしろ健康として読んだり観たりするのも良いかと。」

水希。
「全員が支持する作品なんて、ないと思うけれど。」
「七割くらいに支持されると、最優秀賞でしょうね。」

小依。
「作品が公になった以上は、誰かしらに否定されますからね。」

百香。
「作品が公になってしまうと、激しい反論が待っている。」

学世。
「批判されても、相手に説得されなかった部分は本物でしょう。」

小依。
「そういう名作は、稀にしか出ませんね。」

百香。
「まずは批判が妥当なのか、ということ。」

学世。
「反論のルールは必要ですね。」

水希。
「百人くらいの集団が、評価を占領している事案もあります。」
「百人以外は、まったく別の意見を持っているのですね。」

羽叶。
「文学者って正気じゃないので。」
「作品を書いても、特に理由もなく凄いと信じ込んで。」
「何か偉業を成し遂げたと主張します。」

学世。
「何を基準にして凄い作品を書いたのか理解できない。」

羽叶。
「自分を基準に凄い作品を書いたので。」
「増長するのが文学者の悪癖。」

緒美。
「私は自然を改良したのが芸術であると考えています。」

羽叶。
「宇宙を見て、次に地上を見て、人間世界を見て。」
「何となく思ったものを芸術と呼んでいます。」

学世。
「宇宙論なしに何か作った試しはない。」

羽叶。
「文学って、やってみると、いったい作者は誰なのか。」
「自分でも分からない場合ってありますよね。」

水希。
「どこからが、自分の書いた箇所なのか分からない。」
「不思議な執筆。」

学世。
「考えて書くような内容ではありません。」

羽叶。
「考えるだけでは文章は出ませんね。」

学世。
「事前に膨大な作品の情報と、発案と、自分の抱く印象。」
「再現したい現実にあった出来事。」
「美化したい現実の物事など。」
「そういう所から出ますね。」

羽叶。
「そうなると、自作よりも模倣が多くなります。」

水希。
「すべての芸術は自然の模倣ですからね。」

羽叶。
「宇宙の模倣が芸術、これは美術館の人がよく言う台詞。」

緒美。
「この辺りはサルトルが詳しいですね。」

小依。
「文学とは何か?という題名で売っていますね。」

百香。
「思想は文学に影響しますね。」

羽叶。
「詩は天性か、狂気か?」

学世。
「天性と狂気、どちらもです。」

緒美。
「アリストテレス詩学は必須ですね。」

羽叶。
「元祖、創作論は、読んでいて当たり前です。」

散策して適当に楽しんだ休日。

お金があるので。

数少ない大金の使い道があります。

余剰財産は、使い道にいつも困る。

夕方に本屋に入った後。

待ち合わせ場所に戻って解散する。

今日は自宅に滞在しない。

自分達の予定があるから。

暇がある同級生は門限までついてくる。

日の入りまで時間がありますね。

二人組が合流。

たまたま通りかかった。

夜間に予定があるとのこと。

羽叶。
「最近、真理を試すことに夢中になっていますね。」

小依。
「人間はああ言うけれど、真理はどうかな?」

百香。
「真理を試すほど、人間の言い分は壊れる。」

羽叶。
「真理を試してやろう。」

小依。
「人間が勝手にああ言っているだけで。」
「真理ではない。」

百香。
「どんな言い分も私に疑われる。」

羽叶。
「発言が私に信じて貰えるかは別の話。」

千影。
「相手が理屈を言うのは勝手なのですが。」
「私が信じないのも勝手なんですよ。」

陽月。
「思う存分、真実のない言葉を発すればいい。」
「真実がない故に私は信じない。」

羽叶。
「それとも洗脳して言い分を通すつもりかな。」

小依。
「説伏をするのは簡単に予想ができる。」

百香。
「説き伏せて自分の考えに従わせようなんて。」

千影。
「すべてにおいて当てはまらない相手の理屈がある。」

羽叶。
「だからこそ真理を試してやるのです。」

陽月。
「どんな主張も、正しいなんて思わず。」
「疑っているくらいが丁度いいんだと思います。」

羽叶。
「答えらしきものに辿り着いても、それを疑うくらいが丁度いいですね。」

千影。
「正解だと思っていても、それを疑うくらいが丁度いい。」

陽月。
「問いかけで、そうかもしれない、なんて思っても、疑うことですね。」

羽叶。
「些細な指摘で、論説が動揺する程度では、とても議論にはならないしね。」

小依。
「次第に相手の言い分は苦しくなる。」

百香。
「一部でそうだからと言って、私までそうなるという結論は導き出せない。」

千影。
「一部でそうだからと言って、他人までそうなるという結論にはならない。」

陽月。
「凡人の世界ではそうでしょうけれど、非凡な集まりには通用しない。」

羽叶。
「人間はそう考えるらしいけれど、人間以上の存在ではそうは考えない。」
「ギリシャ神話の英雄時代など。」

千影。
「人間の限界を超えるものは、想像できないのでしょうね。」
「何でも凡人のレベルで考えるのはよくないのです。」

陽月。
「統計がそうだから、何々というのも屁理屈ですしね。」

小依。
「何者かは、自分のレベルだけでいろいろと説伏を繰り返していた。」

羽叶。
「何を言いたいのかは分からなかったけれど。」
「何にしろ何か言いたい事だけは分かった。」

百香。
「しつこい説教も回避できそうですね。」

羽叶。
「今日も真理を試してやる。」
「世界の何もかも疑わしいから。」

千影。
「真理は毎日、試されますね。」

羽叶。
「気に入らなければ、真理を再び試す。」

陽月。
「真理を試すことは合法ですよ。」

小依。
「既成概念のせいですよね?」

百香。
「既成概念?それはどこの事を言っている?」

日の入り直前に全員が解散。

二人組は予定の時間まで滞在。

いつもは、夜の手前には自宅に犬しかいない。

しばらくは犬がいます。

両親が夜に帰宅。

社会心理学に夢中なようで。

書籍を探していたようです。

両親は国富論が好きで、少しずつ影響した結果の地位かな。

子供の頃は、経済学が得意だったようですし。

学生時代に、弁護士の教師がいたり。

西洋旅行から自由主義を持ち帰ったり。

エリートに属している者ですね。

なのに、大企業に入らず。

中小企業でのんびりやっていた所を。

引き抜かれて、相続したという。

世捨て人なのかな?

パズル対戦ゲームに参加させられました。

余暇には、ゲーミングノート二台を使って。

オンライン対戦チームを作らされることもあります。

子供について、よく観察していますね?

父親。
「大衆の時代、個人主義と全体主義が同時に決別している。」

千影。
「市街地に出ると、いるのは個人主義者だけですからね。」

羽叶。
「稀に全体主義者がインターネットで変なことやっているくらいです。」

父親。
「個人主義の力と勢力が増大しているね。」

母親。
「それだけ個人の力が増して、権利も拡大したという。」

羽叶。
「今の時代は個人主義の傾向が強いですね。」

父親。
「全体からして何々だから、というのは全体主義者の意見ですしね。」

母親。
「人間に関する統計で語るのは、全体主義者だけですからね。」

羽叶。
「全体だからあなたも何々、というのは全体主義の考え方です。」

父親。
「相手の思想だから、どうしようもない。」

母親。
「誰がファシストを改心させられるものか!」

羽叶。
「リベラリズムも、理解できない人にとっては批判の対象ですね。」

父親。
「反駁に開かれているのですし、論じた程度で実害はないよ。」

母親。
「無謀な持論による反駁なんて、実害はないので、無視ですね。」

羽叶。
「ひとつのもので統一なんて不可能でしょうね。」

母親。
「不可能と言えるほど、難易度が上がりますね。」

羽叶。
「不可能なんて弱者の言い訳ですけれど。」
「敵対者が受ける不可能は見ていて愉快です。」

父親。
「言論は自由と言いますが、馬鹿をやるのも自由なんですからね。」

母親。
「別に何でも自由になっても、私は構いませんが。」

羽叶。
「相手の勝手が自由になっても、自分の勝手と衝突するだけですね。」

父親。
「民主制は寛容が原則なのですし、大衆の心が金庫くらい小さくなっても。」
「不思議ではない。」

羽叶。
「所で今、時計の針が戻りませんでした?」

陽月。
「時計をふと見ると、高速であった針が途端に低速になるのを一瞬だけ見れます。」
「量子力学ですね。」
「相対性理論は運転に役立ちます。」

母親。
「いろんな自由なしにその人を判断するのは誤りです。」

羽叶。
「学問の自由も、なかったら単なる自然状態。」

父親。
「自由がないのなら、すべて決定論。」

母親。
「自由を否定したら、ろくなことにはならない。」

羽叶。
「相対性理論は場所とか空間を指定しますが。」
「あまりに大き過ぎるので使えない。」
「しかし相手が車とか自転車とか歩行者を目標にすると。」
「計算が簡単に出来るようになる。」

千影。
「相手が会話の相手とか、近距離では計算が間に合わない。」

陽月。
「球技とか格闘技ですと、計算が間に合わない。」

羽叶。
「選手のパターンをあらかじめ読んでおいて。」
「それを相対性理論で計算すると。」
「相手はほとんど読んだ通りに。」
「技を繰り出す。」

千影。
「相手の細かな動作の速度、相手の距離。」
「相手が仕掛けるタイミングなど。」
「細かな計算が個別にできると。」
「相対性理論で相手は動きを読まれます。」

陽月。
「相手の手とか足を目標にするんですね。」

羽叶。
「相手の距離と、動作そのものですね。」

父親。
「一般的には山とか空き地とか、天空を目標にしますが。」
「交通では、対象がもっと細かくなるんですね。」

母親。
「交通では相対性理論なしでは上手に移動できません。」

羽叶。
「相手にとっては、手品のように見えるらしいのです。」

千影。
「最後、勝敗はすべて確率に依存しますね。」

陽月。
「確率が高ければ、対戦を実行できる。」

羽叶。
「確率はギャンブルでしょうけれど。」

父親。
「勝敗なんて賭博ですよ。」

二人組はビデオゲームに興味があるようです。

今時、このくらい上手じゃないと芸能人も通用しない?

パソコンの性能や仕様について。

父親から習っています。

二人組が只者ではないので。

両親と話が合うみたいです。

夕食は一緒。

お泊り会みたいな雰囲気。

現役アイドル、収録に移動。

為政者の娘、習い事に移動。

送迎が来ています。

客人は帰りました。

就寝時間前。

両親、休息。

深夜。

メールフォルダの整理。

メンバーからの連絡。

それよりも、同級生からの連絡。

夜を過ごして。

夜明け。

翌朝。

早朝から、平和ですね、無難な世界。

いつものように終わるのかな?

下校時に。

学校内で、激しく喧嘩をしている生徒同士。

一人を虐めていた複数人が。

不良に絡まれて、一人ずつ殴られている。

平手打ち。

遠くで目撃しても無視している。

不良は、虐めていた数人を殴ってすっきりしたようで。

気が済んで去っていった。

ちなみにその不良は一年の生徒で。

殴打だけを集中的に教えた昔の弟子。

不良の中で最も強い。

昔の弟子は、次の虐め集団を見つけると。

また殴っている。

それで今日も教師に。

自分が虐めから生徒を助けたという。

欺瞞を流して、また攻撃を成功させた。

これも弟子に教えた内容。

たまに見られる法律を攻略する不良。

校内で徘徊。

羽叶。
「大衆の時代は、群衆、多数決から外れる態度は疑われますね。」

小依。
「そんなおかしな解釈を強要するのは群衆に属している奴だけです。」

百香。
「群衆は厄介です、排他的ですからね。」

羽叶。
「排他主義は群衆の一貫した内容ですね。」

小依。
「はみ出している、なんて言い分は。」
「強者に通用するのかな。」

羽叶。
「畜群が集まって、多数決からはみ出している。」
「あるのは数だけですね。」

千影。
「数を封じ込めて、数を攻略すれば。」
「こちらが支配してもいい。」

陽月。
「弱いくせに、喧嘩を売るからですね。」
「主張を通したければ、力が必要です。」

羽叶。
「非難する前に、私を退ける力を身につけることだな。」

千影。
「奴隷を倒すなんて簡単なんですよ。」

羽叶。
「それは奴隷の考え方、お前を使ってやる、みたいな。」

千影。
「奴隷ならば使ってやるのです。」

陽月。
「弱者を倒すのは簡単なので、悪いのは弱者なんです。」

羽叶。
「劣っているから悪いんですよ。」

千影。
「弱者という悪人を成敗してやる。」

陽月。
「愚鈍な奴も悪党ですからね。」

羽叶。
「数だけで勝てると思ったら大間違い。」

水希。
「攻撃に参加した奴を、一人ずつ痛めつける。」

緒美。
「一騎討ちならば、参加した奴は一方的に痛めつけられる。」

学世。
「一人ずつ痛めつけて、全員を痛めつける。」

羽叶。
「昔の漫画、若林源三が行った虐め潰しじゃないですか。」

千影。
「虐めた奴らを、早朝から到着した順番に殴りまくって。」
「最後の奴に襲いかかった。」

陽月。
「最後の奴は、背後にいる学生が。」
「なぜ落ち込んでいるのか、すぐに分かった。」
「若林源三が一対一に持ち込んで、虐めに参加した奴らをみんな殴っていた。」

羽叶。
「強者は常に、複数を相手にする必要があります。」

学世。
「雑魚相手に余裕でしょ。」

水希。
「対複数戦は軍隊徒手格闘でも習います。」
「四人までは一人で倒せるそうです。」

羽叶。
「四人に囲まれないように、直線に並べて殴打する。」
「一発の先制攻撃が強力ならば、敵は怯む。」

緒美。
「そう言えば、虐めとか、一人での戦闘能力はお粗末ですよね。」

千影。
「一人を攻撃するのに、三人以上必要なんて、情けない戦闘力。」

陽月。
「そんなに弱いのだから、被害妄想を抱いて、攻撃を繰り返す。」

羽叶。
「一騎討ちになると、怖がって、逃げ回るんですよ。」

学世。
「それは面白そうな奴ですね、見つけたら贅沢な狩りです。」

緒美。
「今の学校でも見たことがある。」

水希。
「一人は貧弱で、臆病者で、棒立ちが精一杯だろうけれど。」
「複数になると、態度が大きくなる。」

千影。
「たった三人で足りますか?」

陽月。
「足りませんね。」

羽叶。
「あれだと虐め集団よりも、不良の方が数倍強い。」

小依。
「非行少年の方が、数倍強いですね。」

百香。
「暴走族と、虐め集団が戦ったら、どっちが勝つの?」

学世。
「暴走族が勝ちますね。」

小依。
「不良一人と虐め集団が戦ったら、どっちが勝つの?」

学世。
「不良一人で、みんなを一方的に殴って終わりですね。」
「虐め集団は、立っていることしか出来ません。」

百香。
「不良一人に負ける虐め集団ですか。」

羽叶。
「しかしそれが現実でしょ?」

千影。
「虐めの構図は、数を利用していますけれど。」
「見ていると、まともな攻撃を出していません。」
「戦闘の素人なんですね。」

陽月。
「数がないと、他人を攻撃できないなんて。」
「そんな貧弱な人間は見たことがない。」
「ハンデに棍棒をあげたいですね。」

羽叶。
「数がないと攻撃を仕掛けられないの?」
「いくらなんでも酷すぎる戦闘能力の低さ。」
「弱い奴らが頑張って戦わなくてもいいのに。」

水希。
「よく虐めとかあるそうですが、殴り甲斐のない。」
「悲しい戦闘力。」

学世。
「虐め集団の戦闘力?そんなに貧弱で、恥ずかしくないの?」

羽叶。
「戦闘力五か?ゴミめ!」

緒美。
「虐め集団、よく見ると弱過ぎて、先が思い寄られる。」
「どうしてそんな数に頼るんですかね。」

学世。
「数があった所で、強者に勝てる訳がないでしょう。」

羽叶。
「まさしく雑魚対雑魚の対戦でよくあるのが虐めでしょうね。」

千影。
「数を利用しても、どうにもならないのが強者ですね。」

陽月。
「数を動員しても、何も通用しない強者と遭遇していない。」

学世。
「数で勝負しても、まとめて始末されて終わりですね。」

羽叶。
「力を前に、数は無力。」

千影。
「いくら対戦相手が怖いからと言って。」
「数で克服することはないでしょうに。」

陽月。
「君の力ではない、徒党を組んだ数のおかげです。」

緒美。
「まあ数で仕掛けますからね、当然でしょう。」

学世。
「数なんて、攻め方次第でどうにでもなるのですよ。」

羽叶。
「まさか、まとめて消すためにね。」

水希。
「何でも数で解決するな。」

羽叶。
「力は正義なり。」

緒美。
「実力をつけるのではなくて、数を集めるんですか?」
「あからさまにカッコ悪いじゃないですか。」
「とても正気とは思えない。」
「きっと頭の悪い奴らなんですね。」

千影。
「弱くて劣っている奴が勝利するには、数しかない!」

陽月。
「弱者は、どうやって勝利するか考えた結果、数に決めた!」

水希。
「しかし群衆は相手を攻撃するのが随分と好きなようですね。」
「何か欲求不満なことでもあるのでしょう。」

羽叶。
「他にすることはないのでしょうか、まったく。」

学世。
「余程、暇なのか、喧嘩を仕掛けて楽しんでいるのでしょう。」

小依。
「三対一の状況で喧嘩がしたいの?」

百香。
「でしょうね、それ以外の目的がありますか?」

羽叶。
「不良の方が余程、明るい未来がありますなあ。」

学世。
「非行少年の方が、人道的だと思います。」

羽叶。
「男性同士で虐めとか、そんなに色事がしたいのなら。」
「誰にも見えない所でやるべき。」

学世。
「女性同士だと、相手の下着は、多分盗まれていますね。」

水希。
「攻撃することで性的欲求を発散とか、どうかしている。」

緒美。
「というか、虐めの戦闘パターンとか単純ですよね。」

羽叶。
「単純な頭で考えた、虐めの戦法ですか。」

緒美。
「どれもこれも作戦が同じで、つまらない。」
「もっと工夫ってものがないのか。」

千影。
「無能集団にできる訳がないでしょう。」

陽月。
「カンフー映画みたいに囲むとか、そういうお洒落な発想はない?」

羽叶。
「あんな愚鈍な集団に、そんな贅沢な作戦なんて、考えられる訳が無いでしょう。」

緒美。
「数だけで仕掛けるなんて、腰抜けにも程がある。」
「ああ、腰抜けだから、数に頼るのですね。」

学世。
「相手が怖いから数に依存するのでしょう。」
「一騎討ちで勝てないことを認めたようなものです。」

水希。
「複数で徒党を組んでいる時点で、一人で相手に勝てないことを。」
「認めた訳ですね。」

羽叶。
「一人では相手に勝てないと認めているから、数人で仕掛けている。」

緒美。
「本当は一人で戦うと負けてしまうので。」
「負けないように、愚鈍な者は作戦を練ったのでしょう。」

羽叶。
「もっと過酷なのは、伝統的に軍隊内での虐め、同士討ちが多い。」
「ソビエト、ロシア軍ですね。」

水希。
「自衛隊ですら、ヘタレは攻撃されます。」

緒美。
「軍隊は規律と、国家の主権があるので。」
「虐めという弱者同士の諍いとは違います。」

学世。
「最近は虐めという弱者同士の諍いが多いものですけれど。」
「結局は相手を倒せば解決しますからね。」

水希。
「数人、殴打して負傷させると、学校ならそれで解決。」

羽叶。
「会社で、故意に喧嘩を売って、相手に手を出させて。」
「応戦して、相手を警察に逮捕させて、退社させる。」
「なんていう荒業を見たことがあります。」

緒美。
「そういう弱虫達は。」
「自分より強い相手を攻撃しないので。」
「強敵を見たら逃げるのでしょう。」

水希。
「群衆って、やはり神に見捨てられた種族なんですね。」

学世。
「ヒルティ幸福論に群衆の否定がありますね。」

羽叶。
「群衆は、神にとってつまらない人間という意味ですね。」

緒美。
「群衆の排他主義は、自分達が見捨てられた集団なので。」
「神に対して、反抗期になっているのでしょう。」

羽叶。
「無駄に排他的な群衆ですからね。」
「群衆心理なら、なおさら神は関与しない。」

小依。
「排他的なのは、怖いからなんですね。」

百香。
「恐怖がなかったら、数には頼らないでしょう。」

羽叶。
「怖いから数に頼っている、ううむ臆病者ですなあ。」

学世。
「腰抜けを見るのが、私の娯楽です。」

緒美。
「少なくとも、私が挑発したら向かってきてほしい。」

水希。
「来ないですよ、弱いから。」

学世。
「別に弱者をわざわざ虐待する必要はないでしょう。」

羽叶。
「こんな議論だけでも、彼らにとっては酷い虐待ですからね。」

水希。
「臆病者をいちいち追い詰めて、倒してしまうのは。」
「とにかく爽快でしょうけれど。」
「こっちが悪者扱いされるじゃないですか。」

学世。
「しかし見せしめには都合のいい標的でしょうね。」

羽叶。
「個人的には、臆病者を追いかけて楽しみたい。」

緒美。
「相手が大きければ大きいほど、攻撃目標としては都合がいい。」

学世。
「相手が大きければ、倒れ方もひどいもの。」

不良を強くしてしまったので。

地元の族達はやたらに勝つ。

イタズラで不良をパワーアップさせたんですけれど。

今では手に負えないレベルになっています。

ジークンドーを使う不良なんて。

他の青年は勝てっこない。

アドバンテージ。

弟子には格闘技を教えたことを黙っていることを条件に。

強化を加えたので。

誰も知らない暗躍者。

不良から伝達する格闘技は、仲間にも伝達されて。

さらに実戦で鍛えられる。

法律も攻略する、背後には複数の弁護士。

リーダーにも教えたので、地域最強になって。

少数精鋭で青春をやっているようです。

たまたま見かけると、高みの見物。

今日も不良十人で、三十人の青年を倒してしまい。

活躍していますね。

不良の将来の夢は?自衛官?ううむ?結果ですかね?


18


物事は必ずしも人間の思うとおりにはならない。

夜中。

とんでもない足音がする。

園芸の公園。

地元の人が花々や野菜を育てている。

花壇が特徴。

自宅から離れている。

定時にタクシーが来るので。

親族のお姉さんと一緒に遊んでいます。

それにしてもこの足音は?

夜しか言えない毒舌。

羽叶。
「運命を攻撃する人を誰も非難できない。」
「運命を撃破するのも、運命から出たものになるので。」
「矛盾してしまうから。」

緒美。
「因果関係を無視する人を誰も非難できない。」
「それも因果関係から生じたものになるので。」
「因果関係という原因から。」
「因果関係を攻撃する結果になる。」
「すると矛盾になっている。」

水希。
「皆、弁論過剰によって。」
「いろいろ言い過ぎで、かえって説得力がない。」
「理屈が必要になったのは。」
「そもそも弁論過剰なせい。」

学世。
「道徳の目的は名声。」
「賞賛されたいから守るというもの。」
「しかし誰にも褒められはしない。」

羽叶。
「世の中、善人が多過ぎると、善人に与えても足りなくなる。」
「悪人が多過ぎると、刑罰が足りなくなる。」

緒美。
「人為的な、考えの付け足しが多過ぎて。」
「無駄な理屈がどんどん積み重なっていく。」
「それによってますます社会が混乱する。」

小依。
「最近、文壇が収益を重んじるようになって。」
「芸術としての価値を軽視した登用ばかり連発しています。」

百香。
「出版が不況になると、駄作でも、何でもいいから。」
「お金になれば、いかなるものでも送り出します。」

羽叶。
「俗受けするものは、手っ取り早くお金になるので。」
「文壇は必死になっていますね。」

学世。
「消費者は利己主義者ですので、そんなに買ってくれる訳が無いね。」

羽叶。
「利己的な読者は、都合が悪くなると裏切る、見捨てる、約束を破棄。」
「というか当たり前の行動をします。」
「私が他の消費者でも、同じことをします。」

緒美。
「文壇も経済学の玄人ではないので。」
「現代のおかしな説ばかり採用して。」
「そのせいで品質の低下が激しいものです。」

水希。
「哲学と経済学は同じのはずですけれど。」
「単純化して解釈するせいで。」
「経済学において素人くさい経営をしていますね。」

学世。
「別に経済学の玄人が常に駐屯している訳ではないので。」
「出版社や文壇が収益重視に陥るのは当然です。」

小依。
「芸術として文学を見る人から不満が出ますね。」

羽叶。
「今の文学は芸術ではないのです。」
「商品です。」
「しかも楽して儲けるために。」
「大量の広告を使って、特に宣伝で浪費している。」

水希。
「現代で、文学はもはや芸術ですらなく。」
「芸術として認めて貰える所は少ない。」

百香。
「売れないと、生活や経営はできませんけれど。」
「黒字を上げて、赤字を阻止する。」
「なんていう素人くさい経営はどうかと。」

羽叶。
「新規参入を、企業でどう防ぐか?」
「なんてつまらない所に労力を割いているほどです。」

緒美。
「実力がないので、自分達に不利になる新規参加などを。」
「一生懸命に防いでいるほどです。」

水希。
「独占がしたいので、市場を占領しようと。」
「都合の悪い奴らは使いませんね。」

学世。
「もはや作品を売っているのではなくて。」
「何々という商品を売っている。」
「作品としては扱われていないね。」

羽叶。
「信じようが信じまいがそれが現実。」
「不正は正にはならないし。」
「正は不正にはならない。」

小依。
「経済の複雑な構造、これを見るまでは。」
「単純な計算で乗り切ろうとする。」

羽叶。
「残念ながら、有能な人ばかりで社会は成り立っていないので。」
「単純な失敗ならいくらでもありますね。」

百香。
「社会心理学でも、集団の思考能力は低下すると。」
「定説があります。」

水希。
「個人の方が集団よりも優れている。」
「当事者は、集団に入るしかないので。」
「結果的に、本人の能力は集団に制限されてしまう。」

学世。
「楽してお金を儲けてしまって。」
「芸術としての価値を無視。」
「商品の内容や品質には無関心で。」
「読者、消費者に購入を強制できれば何でもいい。」
「後先、考えない、ヒューマンエラーですなあ。」

緒美。
「別にヒューマンエラー保険なんてないので。」
「仕方がないのです。」
「どこをどうしても。」
「人間なんてものは事前の回避に失敗する。」

羽叶。
「必ずしも人は合理性を持っていないという状況証拠ですね。」

水希。
「不合理な人間なんて、社会には大勢いますね。」

小依。
「論理にかなっているとか、興味ないとか。」

百香。
「理に適っているのか?という簡単な問いに無関心な奴らです。」

羽叶。
「弁論過剰で、理屈ばかりに拘泥して。」
「まったく結果に繋がらないという残念な連中ですね。」

学世。
「古代中国では、事前の回避を重んじたので。」
「何にも打たれず。」
「何も当たらなかった。」
「事前の回避に失敗すると、野外暮らしが害獣に殺されたりした。」
「一貫した言い伝え。」

羽叶。
「自国民の商人は、伝統的に狡猾なので。」
「狡猾ゆえの失敗が多いんだと思います。」

学世。
「文壇も、駄作であることは理解しているが。」
「収益になるから仕方がない。」
「などと開き直っています。」

緒美。
「あれだと、優れた作品が出る条件が消されてしまいますね。」

水希。
「人材は、状況と条件にも依存します。」
「条件が悪いと、良い人材は出現しない。」

学世。
「駄作ばかりになって、全員が倒れて文壇は終わりです。」
「どんどん悪い人材が増えて。」
「会社の内部で崩壊が進んで。」
「業績が悪化しても理由が分からず。」
「一方的に倒産する。」

羽叶。
「つまりは、文壇は独占になって。」
「気に入る作者以外は排除する仕組みになっているのです。」

学世。
「そして独占は、自らを害する。」
「内部に悪影響が多大。」

小依。
「しかし気に入る作者の自信と、実際の評判は異なりますね。」
「作家は根拠のない自信を必ず持ちます。」

百香。
「そういう作家を使い続けると。」
「他の出版社との競争で敗北する。」

学世。
「独占は、他の、より強い独占には勝てません。」
「読者、消費者という、文壇がコントロールできない存在がいます。」

羽叶。
「独占しても、昔の商品のように価格を上げられないのが文学であり。」
「出版社は読者を一切、コントロールできない。」

学世。
「そういう細かい弱点なら、たくさんあります。」

小依。
「新規参加を排除する期間が長いほど。」
「まともな作家はいなくなります。」

羽叶。
「市民に見透かされて、劣っている人間しか買わなくなった。」
「今では通俗小説を読むと、恥をかく。」
「発見されて、他人に馬鹿にされる実例が多い。」

緒美。
「独占すればするほど、読者は利己的になって。」
「そういうのを誹謗中傷したり、捨てたりします。」
「具体的な攻撃にまで発展するでしょう。」

水希。
「読者、消費者が利己的なおかげで、市場は公平が保たれます。」
「結果として公平になるので。」
「自分から乱すのは良くないですね。」

百香。
「いくら独占しても、市民の嫌悪は激しくなりますし。」
「信用はどんどん低下します。」

羽叶。
「見れば分かるほど愚劣な作品ばかりですからね。」

緒美。
「残念ながら、圧倒的な実力を持つ人々が一斉に出現して。」
「本物が独占を仕掛けると。」
「実力のない宣伝だけの作品は勝ち目がないんです。」

学世。
「飛び抜けた実力の作家が、定評を得ると、覆らないですね。」

羽叶。
「成績優等生が、机から抜け出して。」
「現場を何度も見に来ると思いますか?」

小依。
「文学において独占は危険なんですね。」

百香。
「独占している勢力以外のすべてを取られます。」

羽叶。
「その場所以外の全部を取られて終わりますね。」

学世。
「必ずしも経済学の玄人が勤務していない証拠です。」
「経済学と言っても。」
「最近のおかしな説を引用したものでしょうけれど。」

羽叶。
「現代の経済学は誤りが多いよね。」

水希。
「最も簡単な仕事は経済学者です。」
「当日、どうして予想が当たらないのかを考え。」
「次の日、どうして予想が当たらなかったかを考えます。」
「それだけの仕事で給料を貰っています。」

学世。
「私なんて経済学の古典を何冊も持ち歩いている時もあります。」
「単純な理論は失敗に気づきませんね。」
「不足している情報を、推論で補っているだけですから。」

緒美。
「やりたい放題に社会を風刺できるのは娯楽ですよね。」

羽叶。
「賞賛はされないけれど、非難もされないね。」

学世。
「私達を誰が見ても、利己的に振る舞えば。」
「予定調和になりますからね。」

水希。
「経済学は、消費者の利己的行動による。」
「予定調和ですからね。」

羽叶。
「教育が悪いので。」
「凡人しか出ないのでは。」

緒美。
「凡人向けに最適化された、工場生産。」

水希。
「学校教育と、証明されない先天的な知識?」

学世。
「先天的な知識を、私は絶対とは見なさない。」
「論より証拠。」

水希。
「疑われる先天的な知識と、その作家の思想。」

羽叶。
「結局、何かしらの哲学と一致することが多々ある。」

学世。
「公立の小中学校は、競争に晒されないので。」
「下手な教師でも続投できるインチキがありますしね。」

羽叶。
「批判に晒されないし、論破もされないので。」
「公立の小中学校は、誤謬だらけ。」
「社会心理学を持ち出せば、何でも解決する。」
「そのくらい愚劣。」

水希。
「残念なことに、教育の機会なんて。」
「強制的な学習以外は、見い出せないのが世界の姿。」

羽叶。
「大昔なんて、物心ついた時から、子供を働かせていた。」
「働くだけの人生なんてたいした価値もない。」

水希。
「そんな生涯になるなんて、生まれて喜ぶ馬鹿ばかりです。」
「もっとも、私なんて死ぬ時は悲しみませんが。」

学世。
「教育の重要性は、誰も認識できない。」
「未来を左右する威力とかは知らない。」

羽叶。
「教育ほど機会がなくて。」
「労働ほど機会がある文明なんて。」
「駄作としか思えない。」
「ギリシャ黄金時代なんて。」
「自然が産出するものを加工するだけで。」
「すべてを賄えた。」

学世。
「英雄時代からは、自然からの産出は停止されて。」
「田畑を耕す農耕になりましたね。」

羽叶。
「教育は形骸化して、意味のない教科があるのは。」
「昔も今も同じです。」

緒美。
「武士の寺子屋が、そのまま学校に転用されたりした。」
「そこ以外では、教育なんて無縁の世界。」

水希。
「無知のまま、世界を彷徨うのは無謀。」

学世。
「哲学は学問の究極形態とも言われていますね。」

羽叶。
「哲学とは何かについては、決まっていません。」

学世。
「現代しか、教育が整って、機会が与えられる時代は。」
「なかったほど。」
「それ以前は、白紙から開始するしかない。」

羽叶。
「しかも作為を加えないと、その人は悪い考えを思いつく。」

小依。
「人為的な理屈過剰な現代ですけれどね。」

百香。
「人為的な考え方が過剰です。」

羽叶。
「みんな立派な人を目指し過ぎ。」

学世。
「聖人の真似事をすればいいと思ったら大間違い。」

羽叶。
「私は聖人の掟を壊しまくる。」

水希。
「聖者の決めたものを無くしてしまいましょう。」

緒美。
「出版社は、今日も誤った経済学でヒューマンエラーを起こしていますね。」

羽叶。
「風刺は楽しい。」

緒美。
「風刺に夢中になっていますね。」

学世。
「それだけ社会には滑稽なことや。」
「悪い部分が多いということですね。」

水希。
「風刺をやるな、というのは無茶な注文。」

羽叶。
「どうしても見たものを描きたくなる。」

学世。
「そのまんまを見せられると、都合の悪い人がいるんですね。」

羽叶。
「社会には、二種類いて。」
「喧嘩を売っていい奴と、喧嘩を売ってはいけない奴がいます。」
「必ず、喧嘩を売っていい奴か見極めたうえで。」
「襲いかかりましょう。」

学世。
「本当に強い奴には一方的に蹂躙されるだけなので。」
「そういう奴は避けましょう。」

水希。
「あんまり悪いもの全般が理屈を言うのなら。」
「そいつらを含めて。」
「すべて神の自作自演にするけれど。」
「それでいいのかね?」

緒美。
「弁論過剰の結果ですね。」

小依。
「それは詭弁の最後を意味しますね。」

百香。
「それ以上の論破は実在しないでしょうね。」

羽叶。
「言葉で是非を論じて、どうするの?」

学世。
「どうするんでしょうね?」

緒美。
「是非を論じた所で、その後は?」

水希。
「後は?どうするのでしょうね?」

羽叶。
「理由に関係なく、同じ事を繰り返す。」

電灯の下。

この地域の治安は良好。

警察官が暇をして点数稼ぎをしているほど。

犯人がいないので、半分冤罪を作るしか出世ができない?

この辺りでの些細な交通違反は見逃してもらえない。

謎の地域。

自警団が、犯人狩りに出ている。

現行犯を捕まえて、売名行為。

通過。

夜間の散歩。

もちろん、深夜は一気に危険になる。

非行少年みたいな年齢層が活動を開始する。

たまにゴミや残骸があるので。

昼間に発見する。

時間制限がありますね。

羽叶。
「荘子は、若者が読むと悲鳴を上げる、とのこと。」

緒美。
「老子や荘子は、女性に人気とのことです。」
「なぜか喜ぶとのこと。」

水希。
「儒家と道家は対立していますけれど。」
「荘子の話には、孔子が何回も登場する。」

学世。
「道家の書籍は珍しい方なので。」
「私は集めるようにしています。」

小依。
「荘子は、若者は読めないと言われていますね。」

百香。
「とてもじゃないけれど、青年向けではない。」

学世。
「いつも世間とは反対の方向に位置します。」
「実際、世間とは反対の方向とは。」
「競争もないし、かなり開けている方角ですね。」

羽叶。
「世間の方角は、壁ばかりあって、難所だらけで。」
「行かない方が良い。」

水希。
「限界状況って、壁がなぜ存在するのか?」
「それっていったい誰が作ったのか?」

緒美。
「私が興味あるのは、過失の原因です。」

羽叶。
「過失の原因?どこを指さしているのです?」

水希。
「言葉は相対的ですしね。」

羽叶。
「言葉だけで済む現場がありますか?」

緒美。
「言葉を絶対視して、是非を争えばいい。」
「なんて、幼稚ですなあ。」

学世。
「ううむ、是非を争うのは、下らないこと。」

羽叶。
「そうやって決まった是非も、時と場合による。」

学世。
「人と状況によっても、是非の解釈はまるで違います。」
「同じような言い回しは、ずっと使い続けることは無理。」

緒美。
「なので、口論で解決しようとする子供じみた連中が増えた。」

水希。
「沈黙ほど現代人に必要な技能は存在しない。」

羽叶。
「口論で解決するようになって。」
「相対的な言葉の効果は隠れてしまったね。」

水希。
「その言葉に効果あるんですか?みたいな?」

緒美。
「放った言葉が、何か自然に影響をもたらすと信じてしまっている。」

羽叶。
「口から炎を噴けるのなら、言葉について考えてやってもいい。」

学世。
「口論という名前の格闘技。」

緒美。
「言葉は競争ではないと思います。」

羽叶。
「理屈過剰で、口論が増えた。」

学世。
「理屈を増やし過ぎた、それが現代。」

羽叶。
「善人に賞状なんて与えるから。」
「みんな善人の猿真似をして。」
「それと違う人を罵るようになった。」

小依。
「それで自分は聖者だと思って。」
「言葉を絶対視する。」

百香。
「言葉に絶対はない。」

羽叶。
「言葉で放ったからと主張しても、絶対はない。」

学世。
「言葉に絶対的な意味がないのは、体験ではよくある。」

緒美。
「言葉で相手に主張しても、それは絶対とは見なされない。」

水希。
「言論が相手に信じてもらえるかは、別の話。」

羽叶。
「発言が相手に信じてもらえるかは、別の話。」

水希。
「発言しても、絶対はないので、解釈の問題になる。」

小依。
「発言の解釈問題。」

百香。
「自己発言と他者言論の多世界解釈。」

学世。
「発言は解釈が全てなんですけれど。」

緒美。
「伝えても、同意するとは限らない。」
「同意しても、裏切らないとは限らない。」
「裏切っても、報復しないとは限らない。」

羽叶。
「発言に絶対はないので、後々覆されたり。」
「裏切られたりする。」
「約束を破れるのはそのため。」

緒美。
「発言に絶対はない、その証拠に。」
「誰の発言も無視できるし。」
「相手の発言を採用する義務はない。」

羽叶。
「相手の発言に従う義務はない。」

緒美。
「という訳で、発言にも絶対はない。」
「比べて、どれがましか。」
「どこら辺が当たっているか。」
「くらいしか違いはない。」

学世。
「何割くらい当たっているか?」
「くらいしか違いはない。」

水希。
「発言も、本当の事を報告しているのか。」
「解釈を言っているのか。」
「物語を言っているのか。」

羽叶。
「どこをどうしても、言葉に絶対がないことは。」
「裏付けられますね。」

緒美。
「是非を争って解決を図るなんて。」
「幼稚な行為だと思います。」

学世。
「言い負かせば解決するとは思えない。」

水希。
「中世は、口論になると、相手を殴っていた。」
「しかも半分は合法。」

羽叶。
「その時代は、上流階級と争うことはできなかったので。」
「みんな逃げたとか。」

学世。
「古代中国なんて君主に忠言をして。」
「殺された家臣もいる。」

水希。
「問題解決の手段として、使えないのが口論。」

学世。
「あれって殴れば相手は黙りませんか?」

羽叶。
「黙りますね。」

学世。
「その時点で、単なる対戦かと思います。」

水希。
「なんと我を張る連中だこと。」

緒美。
「押し問答が頻発するのは、そのためですね。」

羽叶。
「相手の言い分。」
「さあ!正々堂々と口論で勝負だ!」

緒美。
「そんな競技は嫌だ!」

水希。
「次のオリンピックの種目、口論!」

緒美。
「せめて格闘場とセットで行ってください!」

学世。
「合法だったら、殴り合いしか行われないね。」

羽叶。
「やはり弁論過剰。」

緒美。
「口論で白黒つけるなんて傑作じゃないか!」

学世。
「笑えない対戦だと思います。」

水希。
「気持ち悪くてね。」

羽叶。
「醜悪な対戦ですね。」

小依。
「口論の勝者が正しい事になる?」

百香。
「それなら正しい奴のせいですね。」

羽叶。
「正しい奴をその都度、倒さないからです。」

緒美。
「正し過ぎる奴には制裁を加えないと。」

水希。
「正しければいいってものじゃないよ!」

学世。
「正しければいいと思ったら大間違い。」

羽叶。
「自分に正しくない。」
「なので通用しない。」
「他人には正しさを示しても。」
「本人は自分を正しくしない。」
「なので、その矛盾が見透かされる。」
「本人が正しいと名乗っているだけで。」
「それで自己完結してしまい。」
「自分を正しくはしていない。」

緒美。
「自分は正しいのか?という問いはなし。」
「そのくせ、相手の非は攻めまくる。」
「自分は正しいのか、については問わない奴。」

水希。
「何でも口論で解決できると思ったら大間違い。」

学世。
「なぜ口論に拘るのか理解できない。」
「おまけに、正しければ何でもいい。」
「なんていう単純な考え方にも賛同できなかった。」

今日は限定的に星空が見えますね。

数年前。

宇宙誕生初期の惑星が発見されています。

第一世代の生き残り。

寿命は百三十億歳になる。

物質が全て少なかったので、生き残って発見された。

星空と資料を見て、そろそろ帰ろうと思って。

謎の足音が近寄る。

背後から。

不審者が出現。

美青年。
「素敵だ!交際してよ!」

羽叶。
「男のくせに、口説き方も知らない?」

美青年。
「無能で悪かったな!」

学世。
「それでは、連帯保証人にサインを!」

美青年。
「写真を撮らせてくれ!」

水希。
「利己的な口説き方ですこと。」

緒美。
「女性は何で惚れるかは、個人で違いますよ?」

美青年。
「え?そうなんですか?」

緒美。
「その女性の関心とか、価値観によって。」
「惚れる動機が違うんです。」

美青年。
「本当に?」

羽叶。
「なので、あなたに惚れる女性が誰になるかは。」
「ほとんど決まっていません。」
「美人女性が謎の動機論で寄ってくる可能性はあります。」

美青年。
「俺は間違っていたのか?」

羽叶。
「状況が犯罪を強制しないうちに。」
「帰ってください。」

美青年。
「未成年はさらに手強いのか、さようなら。」

不審者、帰ってしまった。

不審者というより口説き方が下手な男性でしたね。

謎の足跡が近くなってきました。

公園の端っこに何がいるのでしょう。

暗くて分からない。

後ろから誰かが接近。

飛びついてきたので。

あっさり回避。

相手は空振りして転倒。

羽叶。
「女の子に背後から飛びつくなんて。」
「救いようのない変態ですね。」

緒美。
「おい!挨拶する前から美少女を攻撃するな!」

水希。
「女の子に加える攻撃ではないね。」

学世。
「攻撃が外れて悔しいよね?」
「悔しいよね?」

変態。
「失敗してしまった!」

羽叶。
「何をするつもりだったの!」

水希。
「女の子でも、戦闘力に差がありますよ。」

学世。
「無謀な強姦ですね。」

緒美。
「相手が美人女性なら、当たっても良かったのでは?」

水希。
「少女漫画でもないからね。」

学世。
「あいつは見覚えがある。」

緒美。
「空振りして、そのまま逃げていますが。」

羽叶。
「仮にそのまま逃げなかったら。」
「変態は集中攻撃で倒されていたね。」

変態の男性、一撃離脱、しかしその先に。

足音の正体。

謎の巨大犬がいた。

恐竜みたいな犬。

首輪をしている。

こんな犬いたっけ?

盲目犬。
「グゴゴゴゴ!」

変態。
「ぎゃああああ!」

羽叶。
「なにあれ!?」

緒美。
「あんな犬いたっけ?」

水希。
「食べられているし。」

学世。
「男性がやられているうちに、逃げますか。」
「お先に失礼。」

羽叶。
「タクシー乗り場まで逃げます。」

緒美。
「今はお姉さんの車があります。」
「タクシーを使わなくてもいい。」

羽叶。
「いつの間にか、夜景撮っていたんですね。」

水希。
「さっきからいますよ。」

羽叶。
「出発した時はいませんでした。」

盲目犬。
「グゴゴゴゴ!」

変態。
「ぎゃああああ!」

変態に噛みついて。

変態を集中狙い。

こちらは無視される。

何とか逃げられました。

謎の犬は男性を殺傷。

翌日。

謎の犬は姿を消していました。

防犯カメラが、謎の巨大犬を撮影。

付近の住人も通報していて。

どこかに消えた謎の巨大犬を探しています。

五時以降になると、地域に度々現れる犬で。

飼い主がいるそうです。

恐竜みたいな犬が飼われている?

過去の記録。

飼い主が言うには、とても大人しい子。

お腹が空くと凶暴になるので、食事は忘れないようにしている。

飼い主の正体は不明。

飼い主の所に帰った?

今回はいつもより危険でしたね。

深夜になる前に、やばい奴が出てくるのは稀です。

自警団が、手柄を奪われて悔しがっていました。

売名行為、今夜も実施するそうです。

公園の夜会、夜間の散歩、もう出来ないかも?

物事の衰えというものは、人は検知することが出来ない。

物事がいくら衰えても、人は感じることができない。

哲学では種族のイドラ。

人間に備わっている欠陥が四のイドラ。

知っていてもその欠陥に陥る。

予見されないこと以外に確実なことは何もない。


19


この星々。

現れては消えて。

この宇宙も、現れては消えて。

私も夜空の星々のように。

輝いては消えて、また生まれて消えていく。

星々のように生きていく私は。

この宇宙のように。

現れて消えて。

星のように。

詩。

目が覚めると、まだ暗い。

明け方付近。

早朝。

あまりに早くに出発したので。

途中。

お宮に参拝して。

それから学校に向かっています。

鳥居を潜る。

近所のお宮は、氏子が管理。

掃除中。

氏子はその地域のお宮にいて。

一定の人数でお宮を維持している。

遭遇することはよくある。

最近の疑惑。

全体主義に属する意見は無視されて。

全体主義に一致する意見は多数の賛同を得る。

ファシストかな?

羽叶。
「抒情詩オデュッセイアの教えで。」
「神罰を受けたら逆に祈った方が良い。」
「というものがあります。」

緒美。
「度々、神を侮るな、という文面があります。」

水希。
「日本の歴史は、古文書に集約されていますね。」

学世。
「古文書は正確に昔の記録が書かれています。」

小依。
「神道は古文書を多く持っていますね。」

百香。
「牧師も、古文書を持っている場合があります。」

千影。
「進化論とか非科学的ですよね。」

陽月。
「実証主義者ですね。」
「科学だけが正しいと主張している。」

羽叶。
「宗教なき科学は障害者。」
「アインシュタインの格言。」

学世。
「生物学だけで自然科学は成立していません。」

水希。
「馬鹿だけ騙されればいい。」

羽叶。
「あんな学説で、私を欺くとはね!」

小依。
「進化論なんて誰が作ったの?」

百香。
「後からいろいろ理屈を作らないでほしい。」

緒美。
「一時期、進化論に欺かれた。」

水希。
「進化論に惑わされるとは。」

学世。
「進化論だけで世界が説明できると思ったら大間違い。」

緒美。
「進化論の一元論ですしね。」

水希。
「あんな学説だけで、世界を説明されると迷惑。」

羽叶。
「たまたま猿に類似点があるからと言って。」
「強引に結びつけているだけ。」

学世。
「少しずつ進化すれば、人間になるというのは。」
「逆に言えば、推論を合理化しているだけですね。」

水希。
「超自然的な要素を無視した、自分勝手な理屈ですよね。」

学世。
「なぜなら、進化論が、物語になっていて。」
「最後には証拠がない。」

羽叶。
「進化論は証拠がないですね。」

千影。
「非科学的な推理に過ぎない。」

陽月。
「アインシュタインの格言を引用すると。」
「科学だけの奴は障害者。」

羽叶。
「進化論は障害者ですね。」

学世。
「非科学的であると言える理由ですね。」

水希。
「科学だけで、障害者、所詮そんなもの。」

緒美。
「有神論者しか自然科学は無理ですね。」

羽叶。
「全体主義の学説は支持されて。」
「個人主義の学説は軽視される。」

緒美。
「意見も、全体主義に基づいていれば歓迎されて。」
「全体主義に基づいていないと、非難される。」

学世。
「全体主義が世論を支配している。」

水希。
「全体主義の規範に基づいていないと、攻撃されるでしょうね。」

羽叶。
「彼らは全体主義を利用しているのではないか?」

千影。
「そもそも進化論を彼らは利用していますね。」

陽月。
「進化論を悪用すると、利益になるからですね。」

学世。
「進化論。」
「あらかじめ設定した答えをどう正当化するかの。」
「こじつけになっている。」

水希。
「進化論という俗説を出して思考停止になっているし。」

小依。
「科学者は思考停止が多いですよね。」

百香。
「信じたいものを人間は容易に信じるものです。」

学世。
「仮に、我々が、動物を虐殺するのを楽しんだら。」
「生物学的な矛盾ですしね。」

水希。
「生物学が失敗だったのでは?」

羽叶。
「そもそも私は、進化論を生まれつき、信じていません。」

緒美。
「進化論を信じる義務はない。」

千影。
「欧州では、創造論と進化論、両方、学校教育で習いますね。」

小依。
「進化論を引き合いに出すと、皆、すべてが許されている。」

百香。
「不道徳なことや、禁令なんて、進化論から見ると無意味で。」
「法律すら、動物から進化した人間には不要、という意味になる。」

陽月。
「包括すると、ダーウィンは無神論者という訳ですね。」

学世。
「進化論は無神論者の部門です。」

羽叶。
「無神論者なら、神学論争になって、決着がつきませんね。」

学世。
「無神論者の立場なら、進化論は合法。」

水希。
「無神論者なら、進化論は通用しますね。」

羽叶。
「無神論を名乗った所で、それが免罪符なんてことにはならない。」

緒美。
「実証主義者は問題になっている。」

羽叶。
「支配者に都合が良いから、進化論が前に出た。」

緒美。
「そう思うと都合がいいからですね。」

羽叶。
「進化論とは、そう思いたいから、広まっていた。」

学世。
「そう信じたい連中が進化論を作った。」

千影。
「自国では創造論を習わないからね。」

羽叶。
「クエーサーなどの天体は誰が作ったのか?」
「少なくとも、人間を超える存在がいる訳ですね?」

陽月。
「宇宙論と激しく衝突する進化論ですね。」

羽叶。
「宇宙は何もない所から始まっているのに。」
「ちょっとずつ進化なんて、いろいろおかしい。」

学世。
「無神論者が支持する進化論ですからね。」

緒美。
「進化論は事実ではなく、解釈の問題です。」

水希。
「無神論者が、人間をそう解釈したのなら、仕方がない。」
「他人の信仰まで変える権利はない。」

羽叶。
「宇宙誕生から終焉まで。」
「それではその宇宙誕生の中に。」
「人間が入っていた理由。」
「そして宇宙終焉によって人間が消される理由。」
「さらには、宇宙が生まれ変わって、また人間が出現する理由。」
「このくらいで論破ですね。」

学世。
「人間が作った文明が滅んで。」
「また再生しては滅んで。」
「今の文明も永続する保証はなく。」
「結果的に、どこかで終わらせられる可能性を含んでいる。」

小依。
「物理学に大敗する進化論。」

百香。
「進化論という考え方を押し付けないで欲しい。」

羽叶。
「思想の押し付けは良くないですね。」

学世。
「進化論は、理論上はそうかもしれないけれど。」
「実際には役に立たない。」

水希。
「進化論とは推論の集大成ですね。」

緒美。
「生物学しかできないなんて、無能な人材。」

羽叶。
「悔しかったら、生物学以外の方法で、論じるものですね。」

学世。
「生物学だけで世界を説明なんて無理です。」
「他の分野も、ちまちま出すものですね。」

緒美。
「生物学しか習っていない、無知な学者ですし。」

水希。
「進化論が支持されるのはなぜか?」

羽叶。
「なぜ進化する必要があるのかについて。」

緒美。
「わざわざ進化しなくても、突然現れれば解決するし。」

学世。
「それなら人間がいなかった世界が実在しますね。」

千影。
「わざわざ人間が誕生しなくてもいい。」

陽月。
「量子力学の多世界解釈で。」
「人間が誕生しなかった可能性もある訳です。」

学世。
「宇宙誕生の後に、人間が存在しなかった可能性も同時にある訳です。」
「人間が誕生しなかった可能性については説明がない。」

羽叶。
「自分が猿だとか罵られて、私は逆上したよ。」

水希。
「猿とか学校で言われて、腹が立った。」

学世。
「私が猿の子孫だって?」
「仕方がないので昆虫や小動物に八つ当たりした。」

緒美。
「子供が無知だからと言って、非科学的な学説で洗脳するな。」

羽叶。
「量子力学の多世界解釈で論破しましたよね。」

千影。
「進化論は多数決に過ぎません。」

陽月。
「科学は有神論者の特許ですよ。」

羽叶。
「結論からすると、無いものは証明できない。」
「進化論は悪魔の証明。」

水希。
「実在しないことを証明しようとする。」
「悪魔の証明。」

学世。
「猿から進化なんて有り得ないけれど。」
「それを証明する根拠もない。」
「必死に説明しようとして。」
「存在しない事を推論で補っている。」
「なので悪魔の証明。」

緒美。
「猿から人間に進化したというのは証明できない。」
「そんなものないから。」
「非科学的な学者は、悪魔の証明をしている。」

学世。
「そんなものないのに、ないものを証明しようと試みていた。」

羽叶。
「実在しないことを証明しようと試みるとか、正気なのか。」

学世。
「ここが結論ですね。」

羽叶。
「量子力学の多世界解釈みたいに。」
「進化論を信じた先の未来と。」
「創造論を信じた先の未来が分岐する。」

学世。
「アメリカの先住民、オーストラリアの先住民。」
「アマゾン地域の先住民。」
「有名なタタール人とか。」
「古代中国とか。」
「古代ギリシャ人とかの説明はできない。」

羽叶。
「古代中国では、神農氏と言って。」
「人間の数が少なく。」
「動物の数の方が多かったので。」
「木の上に寝床を作って。」
「昼間は木の実などを採取して暮らした。」
「衣服がないので。」
「冬は確保した薪で暖を取った。」
「人間の数が増えると、文明化した。」

小依。
「謎の言い伝えも多い。」
「早朝に緑茶を飲むと、その日の災難を避けられる。」
「起源不明の言い伝え。」

羽叶。
「神様に、無神論者から守ってください。」
「という祈りばかりです。」

百香。
「直訳、日本書紀なら持っているわよ。」

羽叶。
「天は顧みても、地は顧みない馬鹿ばかりです。」

千影。
「自分の規則を作って、自分を無罪にしても。」
「言い逃れができない。」

陽月。
「神々は我々に興味があるのかな?」

羽叶。
「もし興味があるのなら、大変だ。」

境内社まで巡る。

途中にあるお宮に全部、参拝して。

学校の近くに来ましたが。

明け方に出発したので。

一番乗りの状態。

犬が校門の近くを徘徊。

猛犬。
「わんわんわん!」

羽叶。
「犬は美食に弱い。」

緒美。
「犬や猫は美食が好きですよね。」

水希。
「それをやると、ドッグフードを食べなくなる。」

学世。
「この犬は、逃げ出して帰れない迷子ですよね。」

千影。
「首輪がありますし。」
「偶然、鎖が外れたり。」
「勢い余って外に飛び出して。」
「帰って来れない犬は稀に居ます。」

陽月。
「捨てられた犬ではなくて。」
「脱走して帰れない犬ですね。」
「慣れている犬は家の周りを徘徊するだけで。」
「遠くには行きません。」

小依。
「あの巨大な犬から逃げ延びてから。」
「犬とは離れていました。」

百香。
「あのくらい巨大な犬も素敵なんじゃない?」

猛犬。
「わんわんわん!」

犬におやつをあげました。

残り物のクッキー。

尾行している不審者に気がつく。

物陰から出現。

待ち伏せの可能性もある。

恐らく、深夜から活動していたと見られる。

不審者が徘徊していて。

背後から接近していました。

私人逮捕系暴力団。
「よくも俺達に脅威を与えたな!」

羽叶。
「あれですか、ラッセル幸福論にある箴言。」
「被害妄想ですか。」

緒美。
「特に何もしなくても、被害妄想で人を攻撃する。」

水希。
「この学校のイジメっ子も、被害妄想で攻撃していましたね。」

学世。
「となると、社会でも、被害妄想で。」
「他人を攻撃できる。」

千影。
「何もしなくても、架空の被害を申告して。」
「仕返しをしてくるなんて。」

陽月。
「本人が被害妄想に気づいていないので。」
「本人にとっては真実なんです。」
「そのせいで迫真の演技になる。」

私人逮捕系暴力団。
「お前のせいで!大損害を受けたんだからな!」

小依。
「無条件で責任転嫁するのはどうかと。」

百香。
「責任の所在を提出するものかと。」

羽叶。
「最近、多いですね、被害妄想の暴漢。」

千影。
「妄想を口実にするなんて、強引過ぎる。」

陽月。
「妄想を大義名分なんて笑いものですね。」

私人逮捕系暴力団。
「切り刻んでやる。」

羽叶。
「おっと?ぶっ殺す口実を私に与えたな!」

ナイフで突進してくる暴漢。

横にひらりと避けて。

ナイフが横の動きで外れた瞬間。

左フックが相手の顎に命中。

突進しながら敵は倒れた。

私人逮捕系暴力団。
「うあああああ!」

羽叶。
「人間も動物も横の動きに弱い。」

緒美。
「バックステップしながら、横に動きまくると。」
「相手の攻撃が当たらない。」

水希。
「敵はナイフで勝てなかったら。」
「もう我々の玩具ですね。」

学世。
「さあ、どう痛めつけてやろうかな。」

羽叶。
「楽しい死体撃ちの時間です。」

学世。
「アキレウスからオーバーキルを学んだ。」

千影。
「私が狙われていると思った。」

陽月。
「にしても敵を倒し過ぎですね。」
「敵に人気ということは、大量撃破になってしまう。」

ナイフを鹵獲すると。

暴漢を殴って蹴った。

暴漢はナイフの二本目を取り出そうとした。

直後に敵は魔法で燃やされた。

電撃で気絶、暗転しかかっている敵は抵抗。

三本目のナイフを取り出す。

しかし学校の近くに出現する野良犬に見つかった。

近々、学校で飼われる予定の野良犬。

猛犬。
「わんわんわん!」

私人逮捕系暴力団。
「うあああああ!」

猛犬。
「わおーん!」

私人逮捕系暴力団。
「ああああああ!」

猛犬が敵と判断して、一方的に暴漢に噛みついた。

暴漢は動けなくなった。

通報で駆けつけた警察官。

救急車まで来た。

猛犬にズタズタにされている暴漢を搬送する。

教師が集結する。

警察官。
「どう見ても正当防衛ですね。」

教師。
「女の子に襲いかかるなんて、理不尽な世の中ですね。」

猛犬。
「わんわんわん!」

警察官。
「男性の顎が破壊されていますけれど、理由は?」

教師。
「抵抗した時に、当たったのでしょうね。」

警察官。
「一応、男性は指名手配犯なので、お手柄です。」
「被害妄想で暴れる危険な奴なんですよ。」

教師。
「そうでしたか、ラッセルの言う通りに。」
「被害妄想を大義名分にできるんですね。」

猛犬。
「わんわんわん!」

警察官。
「対象者、反撃によって負傷したという証言。」

刑事。
「状況からして、正当防衛で足りるだろ。」
「女の子に倒される男性なんて稀だからな。」

教師。
「生徒を授業に入れてもよろしい?」

警察官。
「もちろん、何が起きたか、知りましたからね。」
「多少のことは気にしません。」

猛犬。
「わんわんわん!」

事情聴取に教師が加わったので。

円滑に進みました。

授業開始が遅れた。

相手が雑魚でも、実戦経験は大事。

貴重な噛ませ犬を倒して、実力を把握した。

授業中。

教師。
「早田さんがいませんね?」
「席にいません。」

生徒。
「いますよ、席は合っていますが。」
「ここではありません。」

教師。
「なるほどね!」

生徒。
「教科書に落書きしてもいいですか?」

教師。
「教科書の修正を誰が許可したんだ!」

生徒。
「私が思うに先生が言いたいのは。」
「はいそうです、我々は間違いだらけです。」
「どこをどうすればいいのか分からない、ですよね?」

教師。
「繰り返します。」
「天にまします、我らの父よ・・・。」

女子高生。
「ジーザス!?」

運動場にて。

生徒と攻防。

簡単な体力を上げている最中。

生徒が苦情を言い出した。

少女。
「先生!手本を見せてください!」

教員。
「いいから走りなさい。」

生徒。
「説くからは実践せよ、なんて言うじゃありませんか。」

教員。
「手本の代わりに、資料ならいくらでもあげますよ。」

女子高生。
「生徒は、教師を好きに選べるようにすべきです。」

教員。
「どいつも同じだと思います。」

少女。
「教師は子供には教えられますが。」
「大人に教えることは不可能ですね。」

生徒。
「悔しかったら大人に教えてみろよ。」

教員。
「無茶な事を言うな!続けろ!」

青年。
「説くより実行してください。」

教員。
「俺も上に教えられた通りに。」
「生徒を教えることしか出来ないんだよ。」
「これを理解したら、さっさと続けろ。」

生徒をいまいち統率できていない。

学校の教師は、教養のある大人と競り合うと負ける。

放課後。

呼ばれて。

会議室。

成績最優秀の委員長。

討論で遊ぶようです。

委員長。
「平等にクッキーを分けるには?」

羽叶。
「一人が持ち去ります。」

委員長。
「どういう人が批評家になるのでしょうか?」

緒美。
「全体主義者の中で、刑務所に入らなかった人だけがなれます。」

委員長。
「反社会的勢力とは?」

水希。
「民主制論者のことです。」

委員長。
「信用してくれている人を裏切ることはできますか?」

学世。
「まだ信用してくれていない人なら裏切ることが出来ます。」

委員長。
「文明には二種類の段階があります。」
「困難の打開と。」
「打開の困難です。」

小依。
「広告とプロパガンダは同じですよね?」

委員長。
「それから逃れることが出来ないという点では同じです。」

百香。
「政権の風刺を書くことはできるのでしょうか?」

委員長。
「書くことはできます、それが一時的に掲載されないだけです。」

羽叶。
「我が国に表現の自由は認められていますか?」

委員長。
「認められています。」
「自分の意見を持って全体主義者の議論に加わると。」
「代わりに全体主義者の意見を持って帰ってきます。」
「従って、表現の自由は実在します。」

千影。
「全体主義者の検閲から逃れる方法はありますか?」

委員長。
「あります、思い出と記録は検閲されません。」
「発言だけが検閲されます。」

陽月。
「学校とは何ですか?」

委員長。
「それは検閲された図書館です。」

女子高生。
「ふざけるな!」

委員長。
「何か変なことを言いましたっけ?」

解散。

まだ部活は続いている様子。

運動部がマラソンをしていましたね。

帰宅中。

スマートフォン。

公営放送ニュース。

リーサルカンパニー。

無双している。

手に負えない商業集団。

最近は大企業に成長。

裏で、社員を洗脳。

敵対者を陥れて倒す。

手段は選ばないダークサイド。

ただし、消費者には従順。

盲目犬、売り出し中。

飼い主、病死にて。

引き取り募集。

値段は十万円。

リーサルカンパニーは寂れた新興宗教を買収。

ビジネス教を設立。

ビジネス教は、歴史における商法を集めており。

過去の商人のデータを大量に持っていて。

それが機密情報になって、栄えている様子。

帰宅すると。

文化人バーチャル・タレントを視聴。

勝者の側につく。

流行だけれど、参加すると、自分にも良い影響を貰います。

文化人を見るのは健全ですね。

最近、怪しい影が家に出ます。

母親が帰ってくるまで。

変な影は漂っている。

アナンケ。
「何で生まれた通りにならないのよ!」

ディケー。
「筋書き通りにならない人間がいますね。」

アナンケ。
「出生を逆手に取られて手も足も出ない!」

ディケー。
「暴力には誰にも勝てませんよ。」

アナンケ。
「人間は生まれた通りになるべきよ!」

ディケー。
「生まれた通りが正しいことになるべきよ!」

羽叶。
「侵入者だ!」
「熊よけスプレーを喰らえ!」

アナンケ。
「きゃー!」

ディケー。
「ぐぁぁぁぁぁ!」

魔神。
「君達は異教徒かね?異端邪説かね?」

アナンケ。
「すべては因果関係です。」

ディケー。
「正義の味方をします。」

魔神。
「私は相手をカードにして集めるのが趣味でね。」
「ひとつ勝負をしようか?」

アナンケ。
「望む所よ!」

ディケー。
「私は強いわよ。」

魔神。
「ではカードになって貰おう。」
「勝負の結果に関係ないのだ。」

アナンケ。
「きゃあああ!」

ディケー。
「正義が負けるなんて!」

魔神。
「しかし醜い絵柄だな。」
「傲慢そのものじゃないか。」
「こんなもの持っていても仕方がない。」
「燃やしてしまおう。」

アナンケ。
「ぎゃあああ!」

ディケー。
「うああああ!」

羽叶。
「侵入者はお前か!」

魔神。
「違うね、おじさんは散歩中の学者だよ。」
「少し迷い込んでしまってね。」
「すまなかった、出ていくよ。」

それ以来、怪しい影は出没せず。

翌日。

またもや明け方に出発してしまった。

今回は一人で到着。

一番乗り。

上空に謎の大きな鳥。

また不審者が登場。

尾行していた。

嘘つき。
「よくも友達を殺したな!」

羽叶。
「あれって死んだの?」

嘘つき。
「万引き犯は捕まえてやる!」

羽叶。
「万引きは現行犯のみですよ?」
「法解釈がおかしい。」

嘘つき。
「なんで刑務所に入ってないんだ!」

羽叶。
「犯罪の有無に関わらず、刑務所に入れようだなんて。」
「冤罪を作って楽しんでいるのではないか。」

嘘つき。
「どこかの社長の娘だろ!」
「捕まえてやる!」

しかし上空から降りてきた。

怪鳥に、不審者が攫われてしまった。

不審者は近くの山に落とされて。

怪鳥対不審者。

怪鳥。
「久しぶりの獲物だ!」

嘘つき。
「こんなのがあいつの友達にいるの!」

怪鳥。
「私は剣闘士でも倒せないぞ!フハハ!」

嘘つき。
「拳銃があるぞ!喰らえ!」

怪鳥。
「中距離で開始した時点で、お前の負けだぞ!フハハ!」

嘘つき。
「ぎゃあああ!手が!手が!」

怪鳥が不審者をつついて、噛みついて。

拳銃が破損。

クチバシで突いて、不審者死亡。

怪鳥は近接武器では倒せない。

罠と飛び道具が必要。

その日の夕方。

変死体が発見された。

怪鳥が殺した不審者であった。

前に逮捕された暴漢。

インターネットの嘘を真に受けて。

独断で実行したそうです。

インターネットには虚言癖の人も混ざっている。

逮捕されていない犯罪者だと信じたらしい。

今回の奴も虚言癖の人に騙された。

実話。

自分の家の窓から物を見ずに。

離れた所の景色が見える装置が開発されました。

それはあなたの目の前にあります。

開発者の名前にちなんで、ウインドウと名付けられました。

要するに窓ですね。

格言。

疑わしきは被告人の利益に。

とあるように、疑いをかけた程度では逮捕できない。

疑惑だけでは有罪にするのは不可能。

疑わしきは罰せず、という原則は。

裁判で、圧倒的に有利になる。

世の中には。

愚者なら、いくらでもいますね。

ことわざ。

上知と下愚とは移らず。

生まれつき聡明な者と、暗愚な者は。

いかなる生き方をしようとも。

その持って生まれた能力が変わるということはない。

出、論語。


20


早朝の報道。

あの強者は狂気の詩人に突き飛ばされまして。

負けたんです。

カメラはアウト。

上司が影で言っている。

狂気という所をカットしなさい。

強者を負かす者は、狂ってはいないからね。

日本の辺境で朝から洪水。

ジャーナリスト中継。

農村は浸水しています、きっと神様がおられるでしょう。

こんな洪水も、神様にとっては御自身の表現に過ぎないようです。

上司が連絡した。

洪水なんて、どうでもいい、そこにいる神様にインタビューしろ!

いつもの無難な日常。

授業がすべて終わる時刻。

部活の時間。

スマートフォンにて報道を観る。

新米のジャーナリスト。

学会にて、学者達が意見の対立から銃を乱射するようになりました。

従って、記事にすることはありません。

もう帰っていいですか?

危ないんで。

銃撃音。

下校を遅延していると。

委員長に呼び出されて。

放課後の会議室。

宗教と量子論が合わさると?

なんていう討論。

複数の学問が合わさったり。

宗教と科学が融合したりする。

斬新な形態を考案したらしくて。

学校最優秀選手が統率する。

委員長の女の子は、大学の推薦に入っていた。

ホワイトボード。

委員長。
「有神論か?無神論か?」
「それは立場の違いなのか?」
「考え方や世界観の違いなのか?」
「神と、故意に距離を取っているのか?」

羽叶。
「有神論は徹底すると。」
「絶対者の自作自演。」
「絶対者のマッチポンプではないか?」
「という疑いにかけられます。」
「かえって矛盾してしまう。」

緒美。
「無神論は、神が存在しないという証拠を。」
「まったく集められないという矛盾に陥りますね。」

水希。
「人の自由の結果なのか、絶対者のせいなのか。」
「区別をつけて欲しいくらい。」

学世。
「何でも絶対者を引き合いに出せないと思います。」

羽叶。
「私は最近、無意味なものに悩まされる。」

小依。
「そうですよ、無意味なものが何たるか分からないから。」
「意味あるものが分からないのです。」

百香。
「無価値なものが何たるか知らないので。」
「価値のあるものが何たるか知ることがない。」

千影。
「歴史書とか読まなくなりました。」
「歴史には、時折、人間の愚行が連続で書いてある。」

陽月。
「歴史は参考資料であって、神話ではない。」

委員長。
「人間の歴史は、神話ほど面白くはない。」

羽叶。
「人間の愚行しか書いてないし。」

委員長。
「そのように、自分から教育を受けるとか。」
「自分から書籍を読む人は、現代しかいませんけれどね。」

羽叶。
「庶民は教育をなぜか軽視します。」

学世。
「自分から教育を受けようなんて言わないしね。」

水希。
「なのに、経験の教えはすぐに信じる。」

緒美。
「哲学で言う、自然状態になって。」
「無秩序な個人が大量に発生する。」

委員長。
「日本の歴史も、そこまで尊重しなくてもいい。」
「人間の世界なんて見れば見るほど。」
「厭世主義になるに決まっている。」

小依。
「戦国武将まで批判していたよ。」
「一部の大名を除いて、みんな貧弱で愚者ばかり。」

百香。
「人間の力では、内戦は終わらなかった。」

小依。
「三好家が、まともだったくらいです。」
「それは戦国時代の前の当主で。」
「交代してから没落した。」

百香。
「武田信玄公は神社で祀られていますが。」
「隣国の、神職を兼ねていた君主を。」
「包囲してから、降参すれば家族と共に助ける。」
「なんて条件で、武装解除させてから。」
「冤罪で謀殺しました。」
「実の所、その君主の不正を見透かしていたのでは。」
「強姦とかね。」

委員長。
「ひょっとしたら、豊臣秀頼は、自分が死ぬのを知っていて。」
「どうにかして避けようと頑張っていたのかも。」

小依。
「あれって、大阪城の会議で大荒れになっていて。」
「いかに戦国武将が愚かだったのかの見本ですね。」

百香。
「女性が指揮を取らないと、維持できない有り様。」

小依。
「武田勝頼は、かなりの猛将でしたが。」
「あれでも一時期、勢力圏は広大。」
「少しずつ味方が減ったのですね。」

委員長。
「内乱を、誰も終わらせようとも思ってなかった。」
「百年近く戦国時代は続いていた。」

千影。
「人間の歴史は神話ではない。」

羽叶。
「ひたすら人間の馬鹿っぷりが載っているだけですね。」

陽月。
「歴史を参考にするのも、程々が良いみたいですね。」

羽叶。
「私が馬鹿と言う時は、ことわざ通りですしね。」

委員長。
「子供と馬鹿は真実を語る。」

羽叶。
「自分の道徳とは違うから攻撃する、なんて言い出したら。」
「道徳を客観的に見るという愚行をしている。」

緒美。
「しかし道徳というのは名声が目的で。」
「動機論が醜悪ですよね。」

水希。
「道徳を守っても、誰からも褒められないね。」

学世。
「倫理学は、悪を避けられるという美点があります。」

羽叶。
「倫理学の特徴は、悪を避けられる所ですね。」

水希。
「徳性は、その行いそのものが報いになります。」
「賞罰は必要がない。」

緒美。
「徳性に他人の評価は不要ですしね。」

羽叶。
「徳性は、既に訓練になっているし、善なるものを生み出している。」

学世。
「徳性は教えられるまで理解されませんが。」
「幸福の基礎になっています。」

千影。
「悪いものを全滅させれば、公害は止まります。」

陽月。
「不幸をすべて消せば、あるのは幸福だけですね。」

羽叶。
「消去法で幸福になることは可能ですね。」

千影。
「すべて否定すれば、悪を遠ざけることもできます。」

陽月。
「否定を巧みに使って、公害を停止させるんです。」

学世。
「問いは無制限にあるでしょうね。」
「哲学をすると、思考停止にはならない。」

緒美。
「答えが出ても、その答えが次の問いになる。」

羽叶。
「結論は、絶対者のマッチポンプに巻き込まれているだけ。」

学世。
「映像作品とか観ると、筋書きに主人公が巻き込まれていて。」
「結果が決まっている戦闘をしているだけですね。」

水希。
「現実はもっと地味ですけれどね。」

羽叶。
「無能な人材って、無能だからかえって打たれませんね。」
「使える人材は、最前線に送り込まれる。」

学世。
「無能だからと言って、損ばかりはしない。」

委員長。
「優秀で目立つほど、激戦区に置かれて、打たれる。」

水希。
「事実を設定されても、それに疑いをかけて覆せるのが。」
「哲学の強みですね。」

小依。
「哲学者は、事実を一切、許すことがない。」

百香。
「設定された事実すら、否定したり、論破する。」

羽叶。
「事実は、集中狙いされて、解釈の問題になったり。」
「懐疑論で説明されたり。」
「別の部門と衝突するとか。」
「それでは別の事実となぜ衝突するのか。」
「無限に問いかけられて破壊されます。」

委員長。
「哲学者が目の前にいるのに、事実を言ったら壊されますね。」

羽叶。
「力ずくで事実すら破壊できるものです。」

緒美。
「事実がいくら強情でも、暴力によって破壊できる。」

水希。
「哲学者は、かなり素早く事実を覆しますよね。」

学世。
「事実対他の事実の構図に、素早く持って行く。」

小依。
「真理を提出しない限り、哲学者は退かない。」

百香。
「真実ですら、哲学者は跳ね除けることができますしね。」

羽叶。
「事実は論破できるものです。」

学世。
「別の事実と対立する事実なんてある訳が無い。」

緒美。
「別の事実と対立する事実は、事実ではない。」

委員長。
「事実が複数あるの?」

千影。
「事実の自己矛盾。」

陽月。
「事実があっても、別の事実と対立するので。」
「それが事実ではないという矛盾。」

委員長。
「体験からして、事実なんてありません。」
「解釈があるだけ。」

羽叶。
「誰かが事実を設定しても、誰も納得しないでしょう。」

委員長。
「哲学では、事実は避ける傾向にあります。」

羽叶。
「意見と事実を混同する奴もいますしね。」

委員長。
「全体主義者ほど事実を設定しますね。」

羽叶。
「決まった事実を、いくらでも左右できるし。」
「決められた事実を、いくらでも揺らがせられる。」

水希。
「そう決められたからと言って、本人が従うとは限らない。」

学世。
「事実に従う人ばかりではない。」

緒美。
「都合が悪いからと言って、事実を権力で潰す人もいます。」

委員長。
「事実は複数あって、絶対ではない?」

小依。
「負けた事実は、事実ではない。」

百香。
「勝てない事実なんて笑いものですしね。」

委員長。
「科学者の天敵は、哲学者と言われています。」

羽叶。
「科学的根拠すら、哲学者は反駁できますからね。」

学世。
「科学的な情報すら、哲学者は反論できるほどです。」

千影。
「せっかく観測したのに、細かい所で覆されるのは嫌だ。」
「という悲鳴が科学者にはある。」

陽月。
「考察する場所と方向がまったく違うので。」
「自然科学相手でも、けちをつけられるほど。」

委員長。
「科学者は、哲学者を避けることもありますね。」

羽叶。
「哲学者は、かえって自然科学も学びたがります。」

水希。
「哲学者でも、自然科学は好んでいますね。」

羽叶。
「科学と哲学が合わさった科学哲学という分野もありますね。」

水希。
「最初、科学と哲学は同一の起源を持っていたので。」
「後からまた融合して一緒になることもありました。」

羽叶。
「昔は科学が発展していなかったから。」
「とかいう素人くさい発言。」
「量子力学の何も知らないで、そんな発言はナンセンス。」

委員長。
「科学がどうとか言う人ほど、科学について知らない事が多々ある。」

羽叶。
「私が言うまで、周囲の人は、コンピューターなどの機械が。」
「量子力学で動いているとは知らなかった。」

学世。
「量子論も、宇宙論の理解には必要不可欠。」

羽叶。
「宇宙の図鑑とか見ると綺麗ですよね。」

緒美。
「理解できそうで、理解できない微妙な所が素敵。」

水希。
「しかも天空の遥か先の、宇宙の彼方に実在する。」

千影。
「宇宙の天体は、実在しますからね。」
「ただし、あまりに距離がある。」

陽月。
「宇宙論で地球を見るという試みまであります。」

小依。
「科学でも、四回も大量絶滅をしているし。」

百香。
「神話と一致する箇所も多々、見られます。」

羽叶。
「哲学の基礎は、形而上学になりますけれど。」
「入門なら、けっこう良書がありますね。」

委員長。
「哲学の入門ならヤスパースがお勧めですね。」

羽叶。
「実存哲学は、現実の内容を考察しているようです。」

委員長。
「ストア学派は、その現実を論理的に論破していましたね。」

羽叶。
「倫理的に論破された現実は、非力になる。」

学世。
「学問の手段は限られています。」

緒美。
「良書も有限ですからね。」

水希。
「古典が無限にあるなんてことはない。」

小依。
「揃えてしまうと、もう取得するものはないね。」

千影。
「意味不明な人生論なんて消し飛びましたね。」

陽月。
「今までの人生観が、否定されたことはなかったね。」

百香。
「人生という考え方は、新思想の類ですしね。」

学世。
「生存が約束されたから、そのような考え方が生じた。」

羽叶。
「今では、虚無主義が宗教の内部にも及んでいますね。」

水希。
「人口過剰な世界で虚無主義は最高ですね。」

羽叶。
「自国なんて、昔、子供を産み過ぎて。」
「昔生まれた数と、今生まれた数が釣り合わないから。」
「少子高齢化なんて理屈を言っている。」

学世。
「簡単な算術の問題ですしね。」

委員長。
「出生を人間がコントロールしないから。」
「釣り合わなくなる。」
「無論、思想によって。」
「または教化によって出生を制御する。」
「これは現実主義な方法。」

羽叶。
「気候変動も、なぜ原子力発電所を地中深くに作らないのか。」
「地下の深くに作れば、事故が起きても、清掃に数十年かかるだけ。」

委員長。
「核廃棄物を精算する技術がまだないけれど。」
「それも開発途上。」

羽叶。
「原子力発電所は地下深くに作ることができれば。」
「放射能漏れは限定的ですしね。」
「地中に漏れ出る危険を考慮して。」
「防護シールドを内部に装着して。」
「爆発しても問題ないようにシミュレーションすべきです。」

委員長。
「建設費用は同じでしょうね。」

羽叶。
「何重にも包まれた地下型原子炉建屋なら。」
「暴発しても、作業員しか死なない。」
「扉を閉めて逃げ出せば。」
「使えなくなるのはその地下区画だけですね。」

委員長。
「構造だけは脆そうですね。」
「地下施設の強度確保が重要課題。」

羽叶。
「事故が発生すると、地下型原子炉は解体できない。」
「という酷い弱点があります。」

委員長。
「従来型の事故だけ防止しても。」
「地下なので、処理に時間がとても必要。」
「かなり無理な復元になるね。」

羽叶。
「しかも遠隔操縦ロボットまで配備しないといけない。」

学世。
「地震と浸水に弱くなる。」

緒美。
「地下水脈とか、地盤沈下で壊れることもある。」

水希。
「空からの攻撃やテロリストには強い。」

小依。
「排水とか冷却水の問題はありますね。」

羽叶。
「それは地下に大型のものが必要です。」

百香。
「水道管から放射線が漏れる危険がある。」

羽叶。
「それは上の方から引きますね。」

委員長。
「水道管を上から引くのですね。」

羽叶。
「超強力なポンプが必要です。」

委員長。
「それなら、大河の近くにある山間部が適していますね。」

羽叶。
「小山だらけの半島ならば、海が近くにあるので。」
「トンネル工事だけで行けます。」

委員長。
「現実的なのは、海の近くの小山をくり抜いて。」
「地下型原子力発電所を作ることですね。」

羽叶。
「地下の掘削技術次第です。」

委員長。
「究極の事故対策ですけれど、場合によっては費用が高くなりそう。」

羽叶。
「爆発しても被害が少ないので、これ以外は核融合発電になるかと。」

委員長。
「一億度の人工太陽で水を沸騰させて。」
「タービンを回して発電する。」

千影。
「核融合発電はまだ先ですね。」

羽叶。
「気候変動は、惑星の複雑な循環システムに多大な影響を与えていて。」
「思っているより、天候の悪化が決まりやすいのです。」
「ひとつの自然災害が、やたらに強くなります。」

陽月。
「自分達で整えた科学で破滅するなんて傑作じゃないか。」

羽叶。
「世界が君主制ならば、権威で気候変動は抑えつけられていた。」

小依。
「量子論は、今や人気の科学ですよね。」

百香。
「雑学でも専門書でも、良書はありますね。」

羽叶。
「あのスポーツ部って、ニュートン力学野郎なのはどうして?」

委員長。
「自分勝手な世襲で、寡頭政治でも始めたのでしょうね。」

羽叶。
「スポーツ選手で、ニュートン力学に、やたらに忠実で。」
「理解できない機械的な動きをする奴。」
「不可解ですなあ。」

小依。
「量子力学が好きになると、球技なんて出来なくなる。」

百香。
「ニュートン力学野郎ばかりいますからね。」
「ボールの飛翔が機械的過ぎて、怪しいほど。」

学世。
「ニュートンも、偶然残った力学が現実と見なされて。」
「複雑な顔をしていたかも。」

羽叶。
「ニュートンは神学の著書の方が有名でしょ。」

水希。
「古典物理学は、決定論が目立ちますけれど。」
「量子力学は、未来まで不確かなものにします。」

緒美。
「批判されたら、何も確実なことなんてないよ。」

羽叶。
「職人が溶鉱炉の温度を長年の勘で言い当てる。」
「それを見た科学者が。」
「そんなのはおかしい、という疑いをかけて。」
「量子論は登場した。」

委員長。
「量子力学も、長年、研究されてきた部門ですからね。」

羽叶。
「街中、量子力学で動く機械ばかりですが。」
「実用性に研究が割かれていて。」
「学問や形而上学としての量子力学は多くないですね。」

委員長。
「どちらかと言うと、宇宙論に転用されています。」

羽叶。
「天体が遠方に実在する。」
「それが現実なのに、不思議な感覚がする。」
「地球の衛星、月ですら、頻繁に見かけるのに。」
「なぜか信じられない自分がいる。」

緒美。
「天文学も今は必須の知識ですよ。」

水希。
「天文学と宇宙論は、微妙に異なっていますね。」

学世。
「インフレーション宇宙論くらいは知らないと。」

千影。
「今は超ひも理論が、観測で裏付けられるのか。」
「学会は熱狂していますね。」

羽叶。
「宇宙はなぜ?ああなっているの?」

学世。
「さあ?」

羽叶。
「宇宙が、ああなっているのはなぜか?」

水希。
「私も、宇宙の図鑑を見ながら、疑問を持ちます。」

陽月。
「天体図鑑には、不思議な写真しかないよね。」

緒美。
「宇宙も自然ですよ?」

小依。
「地球の中の自然だけ見て、宇宙も自然という事を忘れていた。」

百香。
「森林とか山岳とか河川に気を取られて。」
「宇宙という自然を忘れた。」

羽叶。
「全体主義者の意見は、迎合されますけれど。」
「後々、愚見であることが発覚して捨てられる。」
「個人主義者の意見は、意見として重宝する上に。」
「個人の意見なので、後々、大事に扱われる。」

委員長。
「意見がそのまま真実になるのはナンセンスですけれどね。」

羽叶。
「前置きで、これは意見とか、解釈とか書かないと。」
「理論の脆弱性を突かれて倒されますね。」

委員長。
「新説を学会に発表とかは、私達のすることではないので。」
「他の人がやればいい。」

羽叶。
「好きなものを探求しているだけですからね。」

緒美。
「結論としては、哲学や学問は趣味でやっています。」

水希。
「趣味は説明できないね。」

学世。
「英語のことわざが好きですけれど。」
「そういうのも趣味ですね。」

委員長。
「趣味ですから、列伝に入るのは遠慮します。」

討論が終了。

部活も終わり頃。

委員長は社会心理学のマニアなんですね。

人間の行動は、社会心理学で説明がつくとか。

自分にとっては、それで足りるとか。

民衆は自分から教育されようだなんて考えずに。

目先の利益に従事させようとするそうですが。

書籍が出回っていると、良書を獲得するのは難しくはない。

学校の端末。

見慣れている現役アイドル千影ちゃんが、ライブ配信していて。

アーカイブがありました。

劇場だけで活動している訳では無いみたい。

学校も、功績として認めている様子。

今日も深夜からスタジオ入り?

最近は、文明という言葉が強調されて価値を落とし。

文化が薄く囁かれています。

物質的な充足に飽きて、精神的な充足を選びつつありますね。

文芸に財産が割り当てられる。

高額。

人生には買い物をしてはいけない時があります。

ひとつは、お金がない時。

もうひとつは、お金に余裕がある時。

帰り側。

何か騒がしいので、接近してみた。

学校の裏側で、なぜか斧を持っている職員。

日本猿を斧で殺した。

教員。
「お疲れ様です。」

猿。
「ぎゃあああぁぁ!」

教員。
「お前が盗んだ木の実、俺達が処理してやる。」
「木の実の心配なんてしなくていいからな。」

猿。
「ぐぎゃあああ!」

教員。
「遮蔽物なしに柵を乗り越えると思ったら。」
「梯子を使っていたのか。」
「梯子は俺が直してやる。」
「梯子の心配はしなくていいからな。」

猿。
「ぐおおおお!」

教員。
「やめてくださいよ、俺は怪しい者じゃないんで。」

日本猿。
「キー!キー!」

教員。
「偉い、ちゃんと仲間を連れて数で攻めてくる。」

頭領。
「ウキー!ウキー!」

教員。
「早く死ねよ!先が支えているんだ!」

日本猿。
「キー!キー!キー!」

教員。
「早く死ね!そうしないと話が進まないんだよ!」

斧で猿を殺しまくっている教員。

猿を殺して埋めた。

見なかったことにした。

校門の前から出ると。

目の前で、生徒に声をかける謎の男性。

女子高生に接近。

拉致をしようと試みたが。

校門前にいた。

猛犬に追い払われた。

男性が逃げた先に、巨大な犬。

恐竜みたいな大きさ。

盲目的犬。
「グゴゴゴゴ!」

犯罪者。
「ああああぁぁぁ!!」

飼い主。
「だめでしょ!拾い食いなんてしたら!」

羽叶。
「男性が食べられていますけれど。」
「一口で豪快に。」

飼い主。
「早く放しなさい、健康に悪いでしょ。」

緒美。
「どうしてその巨大な犬を?」

飼い主。
「ビジネス教から譲り受けたの。」
「前の飼い主の小屋に飼育用具があるから。」
「これから取りに行く予定なんです。」

水希。
「犬というより恐竜ですよね。」

飼い主。
「とっても素直で、大人しいの。」
「お手とか伏せもできるのよ。」

学世。
「これって犬なんですか?」

飼い主。
「見れば分かるでしょ。」

小依。
「信じられない。」

飼い主。
「今は散歩しながら、向かっている所。」
「まったく、変なものを拾い食いしちゃって。」

犯罪者。
「あぁぁぁぁ!!」

百香。
「動物なのか怪物なのか。」

羽叶。
「化け物と呼んでも通用するけれど。」
「飼い主が否定するし。」

緒美。
「しかし普遍的な犬と同じなんですね。」

水希。
「見た目に反してお利口なんですね。」

学世。
「見た目は怪物ですけれど、中身はお利口な犬なんですね。」

帰り道の公園にて。

見物。

カラス対猫。

カラスが先読みして回避。

猫が仕掛けてもひらりと避けられる。

カラスがつついて、猫が怯む。

隙を見て猫が反撃するも。

カラスは猫の動きを読んで。

素早く回避。

これの連続で猫は逃げてしまった。

冬に公園にある餌箱。

鳥用に高い位置にある。

食べ物が少ない冬限定で、設置されていて。

カワラバトをそのまま使った小動物園。

カワラバト地上で徘徊。

鳩と雀が一緒に白米を食べていました。

最近、地域に猪が出ましたけれど。

猪は洗剤を混ぜた毒餌で殺傷されて。

事件になってしまった。

やり過ぎ。

この都市では、法律が一時的にも行き届かない場所と時間では。

みんなやりたい放題に暴れています。

巻き込まれないように警戒。

羽叶。
「自国民は馬鹿正直だからなあ。」

緒美。
「正直の度が過ぎる。」

水希。
「正直は盾にはならない。」

学世。
「潔白は盾にはならない。」

羽叶。
「正直者は、必ずしも良い結果にはならない。」

緒美。
「正直は美徳ではない。」

水希。
「正直者という規則の中でしか通用しない。」

学世。
「私は何が正しいか?には興味がない。」

羽叶。
「何が正しいのか?ではなくて。」
「何が正しいことになるのか?」
「これに関心がある。」

緒美。
「自分にとって役に立つ正しさにしか関心はない。」

水希。
「何が正しいのか、そんなものは関係がない。」
「自分のために正しくあればいい。」

学世。
「自分のために正しいものは、採用しています。」

羽叶。
「自覚のある利己主義者は説得できない。」

水希。
「説き伏せて従わせようとしても、無駄ですね。」

学世。
「自覚のある利己的な人が、常に結果が良くて。」
「現実に通用しています。」

小依。
「無自覚の利己主義者の結果は、いつも悪い。」

百香。
「自分の利己主義をジョークにできるくらいが良好。」

羽叶。
「私は自分のために利己的なんだよ!」

学世。
「利己的で何が悪い!」

緒美。
「私が利己的で、何か問題でもあるのか?」

水希。
「利他的になろうとしたら、かえって利己的になって落ち着いた。」

羽叶。
「利他主義が通用する場面なんてあるんですか?」

小依。
「アドラー心理学ですら、人間は利己的であるべき。」
「という基本的なスタイルですね。」

百香。
「これは究極の個人主義。」

学世。
「合理性を追求すると、そうなりますね。」

水希。
「不合理なものばかり昔あったような気がします。」

羽叶。
「その不合理なものを、他人が信じたら、始末に終えない。」

緒美。
「不合理な考え方で、デタラメをやられると、困ってしまう。」

小依。
「相手が、合理主義、という言葉を知っているかどうか。」
「疑わしいんですよ。」

百香。
「相手が全体主義という間違いと。」
「個人主義について知っているとは思えなくて。」

羽叶。
「私も同じ意見です。」

緒美。
「久しぶりに意見が一致しましたね。」

学世。
「合理性は古代世界からありますからね。」

羽叶。
「合理主義は古代世界の特徴です。」

学世。
「ニーチェは個人主義と言われていますね。」

緒美。
「ゲーム理論は、合理主義と個人主義を学べます。」

小依。
「学ぶ前は不合理な思考そのものですね。」

百香。
「意外にも、持論で合理的にはならない。」

学世。
「自説の中で合理的に振る舞っても、演技だけです。」

緒美。
「最近では合理化と呼ばれる、詭弁ですね。」

羽叶。
「正し過ぎる奴が正当化を試みて。」
「不合理な奴が持論に合理性がないと認めて、合理化を試みる。」

水希。
「実は本人が誤りを認めている場合があるんですね。」
「そこから出る発言は、そういう心理の現れです。」

帰宅すると。

みんな一緒。

世界の名著全66巻を読み出した。

父親の所蔵している大量の岩波文庫まで手を出す。

母親はなぜか英語のことわざを集めていた。

英語ことわざ辞典を集める母親の書籍まで閲覧される。

別に何とも言わない。

母親の集める科学の書籍は、前より増えている。

父親は現代評論しか今は読んでいない。

ちらっと、いつも見かける現役アイドルの写真集。

そういうことですね。

今回は夕食の後まで解散しませんでした。

ううむ、血の繋がり以上の関係を実感します。

血縁関係以外の友好もあるんですね。

普段、学校で一緒にいるので。

社会に生じる、血縁関係しかない人とは違って。

友人なのか親族なのか。

どちらかと言うと四人姉妹にしか見えません。

いつも同行する同級生も、正室にしか見えません。

報道番組。

文芸の時代特集。

大学教授の採用条件。

体力があること。

過酷な勤務に耐えられること。

応募者はこう解釈した。

なるほど、論争の時の、殴り合いの体力と。

過酷な口論に耐える技能ですね!

とある俳優の疑問。

どうして自国にはあんな分厚い六法全書があるんだ?

弁護士が答える。

ではどうして、自国には分厚い道徳の本があるんだ?

とある牧場。

なぜか請求額が膨大になっていた。

なぜなのか問い合わせた。

郵便局員がそれらしいことを言った。

お宅の山羊が、ポストの中の請求書を食べているんですよ。

そのまま請求額も消えてくれたら、良かったですね。

注意書き。

ひとつ注意してやろう、他人に注意してはいけない。


21


あまり他人の同情を求めると、軽蔑という景品がついてくる。

全体主義者が暴動を起こしました。

動機論は、被害妄想。

架空の被害を申告しながら。

都心部に押し寄せて。

市議会前を占領しています。

要求は。

日々の仕返し。

しかし何かやったという訳ではなくて。

全体主義者は被害妄想に基づいて。

暴動を起こすこと二時間。

機動隊と激しく衝突しています。

全体主義者。
「よくも俺を奴隷みたいに扱ったな!」

ファシスト。
「お前みたいな奴らがいると、迷惑なんだよ!」

暴民。
「思う存分、仕返ししてやる!」

機動隊。
「なんだ?こいつら?何がやりたいんだ?」

警察官。
「何もしなくても、暴れる奴がいるんですね。」

市民。
「うわあ!実害がないのに攻撃してくるぞ!」

婦人。
「近寄ってはいけないわ!理由もなく攻撃してくるから!」

反社会的勢力。
「あれは我々より凶暴なのでは?」

悪党。
「悪人顔負けだな・・・。」

テロリスト。
「悪党顔負けの奴らだよ・・・。」

道化師。
「今日は何の冗談をやっているのですか?」

悪党。
「見ての通り、特に理由もなく暴動だってさ。」

テロリスト。
「何かのお祭りかね?」

幹部。
「あいつら、俺らより強いじゃん!」

全体主義者。
「よくもやってくれたな!」
「あれ?何をされたんだっけ?」

ファシスト。
「何をされたのか覚えてないけれど。」
「死んでもらうぞ!」

近くに来たトラックから。

アンドロイド部隊が展開された。

素手で鎮圧する。

暴動を一方的に蹂躙。

アンドロイド。
「すみません、帰ってください。」

全体主義者。
「なんだこいつは!」

ファシスト。
「お前!チート過ぎるだろ!」

アンドロイド。
「あなたは無許可で暴動をしています。」

全体主義者。
「あああぁぁ!殴打される!」

ファシスト。
「金属なんて卑怯だぞ!」

アンドロイド。
「卑怯?それは交戦規定に組み込まれていません。」

全体主義者。
「ロボット兵器が人間を撃つのか?」

アンドロイド。
「道徳の内容は命令されていません。」

ファシスト。
「逃げろ!暴動鎮圧にロボットが投入されたぞ!」

アンドロイド。
「調子に乗らないようにしましょう。」

全体主義者。
「ぎゃああ!僕を投げるな!」
「殴打するな!」

アンドロイド。
「指揮官はあなたではありません。」

ファシスト。
「鉄の棒を食らえ?あれ?避けられた?」

アンドロイド。
「無駄な抵抗はやめましょう。」

ファシスト。
「ぐあああぁぁぁ!」

土曜日の学校。

今日は帰宅注意。

保護者が送迎。

遠くの市街地で乱闘をやっているので。

けっこう危ない。

中継を見ながら。

この都市には政治関連の建築物やら。

政治関係の施設が多いので。

ああなることもある。

羽叶。
「誰が被害妄想によって敵対者になるのか。」
「まったく予想できない。」

緒美。
「被害妄想で攻撃を仕掛けてきて。」
「相手を倒すと。」
「それに仕返しをしようと挑戦してくるので。」
「理に合わない。」

水希。
「被害妄想が攻撃の理由なのに。」
「反撃で倒しても、相手は無限に仕返しをしようと企む。」
「相手を再起不能にしてやっと停止させることが出来る。」

学世。
「未だに誰が被害妄想によって敵対者になるのか分からない。」
「しかも一貫した敵対者の特徴であり。」
「それ以外の敵なんて実在しなかった。」

羽叶。
「相手は被害妄想で、大義名分と口実をいっぱい作って。」
「架空の被害を申告して突撃してくる。」
「なので倒した時の、相手の歪む姿が酷いし。」
「悪賢いのか、相手はいちいち正当化を試みる。」
「本人は内部から洗脳されているのか。」
「自分が間違っているとは理解しない。」

水希。
「以上、神罰を受けても、それを敵は否定するので。」
「相手が呪われたり、神罰を受ける姿をいちいち目撃する。」
「本人にとっては真実なのだけれど。」
「客観的に見ると、何も無いのに。」
「何もない状況に基づいている。」
「デタラメにも程がある。」

緒美。
「ラッセル幸福論の言う通り、被害妄想なので。」
「誰が敵対者になるのか分からない危険がある。」
「敵対者は迫真の演技を連発するけれど。」
「極めて主観的なので。」
「倒す以外の解決策がない。」

学世。
「どんな実害がありましたか?」
「という問いかけには無力で。」
「私がどんな害を与えたのか説明してみろ!」
「とか証拠を求めると、拒んだり歪んだりする。」

羽叶。
「詭弁も相当、苦しい奴らですしね。」

水希。
「詭弁すら限界があるんじゃないかという有り様。」

緒美。
「最後には、理由すら無くなって、相手を攻撃できればそれでいいとか。」
「むしろ欲望が動機論になってしまい。」
「実害の証明すら無意味になってしまう。」

水希。
「結局は、競争や殺し合いになってしまい。」
「理由は忘れられていて。」
「単なる勝負の話になっている。」
「仕返しの連続。」

羽叶。
「相手に負けたくないというプライドだけが残って。」
「何故、勝負しているのかは忘れられている。」
「こちらは何もやっていないし。」
「責任の所在なんていくらでも争えるので。」
「一方的な責任追求は不可能。」

緒美。
「被害妄想は、自らの不正によって自分を害して身を滅ぼす。」
「としか言いようがない。」

羽叶。
「現代ですと、予想していない奴らが被害妄想によって結託して。」
「気づかないうちに囲まれる危険がある。」
「しかし単体での戦闘能力に難がある。」

学世。
「被害妄想はラッセル幸福論の主要テーマ。」
「思ったよりも被害妄想が蔓延していて。」
「精神科がもっと必要。」

羽叶。
「大丈夫ですよ、フロイトの精神分析を学んでおきました。」
「ゆっくり被害妄想の論破をしてあげますから。」

水希。
「私は思うに、被害妄想の報告は、ラッセルが最初ではなくて。」
「フロイトが最初だと思います。」

羽叶。
「被害妄想になった男性。」
「精神科の前を通り過ぎると引き返した。」
「何ということだ、ここに、これを直せる医者がいるなんて!」

学世。
「新しい喧嘩の売り方、被害妄想。」

緒美。
「みなさんの中で、被害妄想に反対の方は挙手!」

羽叶。
「被害妄想を治す薬、顧客殺到で入手困難。」

学世。
「弁護士との会話。」
「正々堂々と喧嘩を売るのと、被害妄想で攻撃するのと。」
「どちらが安くつきますか?」
「弁護士が言うには。」
「喧嘩ですね、後々、気違いとは言われませんから。」

羽叶。
「被害妄想は、そのうちプライドだけで諍いを楽しむようになるね。」

水希。
「新しい精神疾患に、被害妄想が追加された。」
「それによって治療が可能になった。」

緒美。
「新型コロナウイルスよりも、被害妄想は多くの人を殺傷した。」

羽叶。
「問題は自然治癒しないこと。」
「感染するけれど治らないこと。」

学世。
「最悪な動機論、被害妄想。」
「ラッセル幸福論を参照。」

羽叶。
「香港から民主活動家が逃げ出したのは何故ですか?」

緒美。
「そもそも民主主義に人気がない。」
「さらには活動家がブレイクしなかった。」

羽叶。
「道徳のパラドックス。」
「道徳を無視すると、不道徳として攻撃してくるが。」
「その攻撃は道徳では禁じられている。」
「道徳を蹂躙すると不道徳と罵ってくるが。」
「その罵る行為は道徳では禁止されている。」
「従って、道徳は常に矛盾している。」

緒美。
「人間的成長とか世人は言うが。」
「自分の頭に何か生えていて。」
「その人の頭に生えている植物が。」
「急に成長して花になるのだろうか。」
「人間的成長とは、本人の頭に生えている。」
「植物が成長して。」
「木の実になったりするのだろうか。」

学世。
「道徳とは、いかなる道徳も実在しないという教えである。」

暴動の援軍が来た!

デコトラみたいな車両で。

援軍と書かれた看板を掲げている。

トラックは数台。

自作装甲車もいる。

暴民は大喜びした。

暴民は反転して攻勢に転じた。

大型トラックからロボットが登場。

トラックに乗せたロボット兵器なのですが。

子供の玩具みたいな外見をしている。

ブリキの兵隊みたいな姿。

国内テログループの一団は、暴動を利用しようと試みた。

援軍が来て勢いに乗る暴民。

ロボット兵器、展開されると。

何故か、暴動の中に乱射した。

ショットガン乱射。

テロリスト。
「何やってんの?」

クラッカー。
「敵対者を殺せと言われたので。」
「あいつらが敵対者かと思いまして。」

反社会的勢力。
「機動隊に向かえ!」

クラッカー。
「え?でも一番興奮しているのは、あいつらでしょ?」

工作員。
「確かにそうだが、機動隊に撃て!」

クラッカー。
「機動隊って、この私服警察官の大軍勢の事ですよね?」
「者共!やっちまえ!」

全体主義者。
「ぐあああああ!」

ファシスト。
「なんで!?」

テロリスト。
「これじゃあ、俺等は足手纏じゃないか!」

工作員。
「俺等ってお荷物なの?」

暴民。
「なんてことするんだ!お前らは本当に味方か?」
「打ち合わせ通りの味方か?」

クラッカー。
「じゃあさっさと掃除しますね。」
「所で、機動隊って、さっきから撃ち殺している。」
「このダサいファッションの人間達の事ですよね?」

アンドロイド。
「暴れるのはやめましょう。」

クラッカー。
「ああああ?駄目です!」
「作った奴が悪いので、相手の兵器に負けます!」

テロリスト。
「全員の足を引っ張った、それだけで終わりそうですね。」

工作員。
「うわあ!なんだこの超兵器は!」

クラッカー。
「超兵器、破壊する!しかし今負けた!」

アンドロイド。
「修繕費用も考えて破壊しましょう。」

クラッカー。
「ショットガンの弾が切れた。」
「目の前の警察官を殴打する。」

テロリスト。
「だから、そいつらは警察官ではないし。」
「機動隊でもないの。」

工作員。
「さっきから、何をしているんだ!」

反社会的勢力。
「味方を攻撃するな!」

クラッカー。
「味方?我々に味方なんていましたっけ?」

テロリスト。
「この馬鹿なロボット兵器を止めろ!」

クラッカー。
「はい?馬鹿なプログラマーがそう組んだ、それだけじゃないですか。」

全体主義者。
「足手まといが援軍に来るな!」

ファシスト。
「お前らみたいなお荷物のせいで、敗走してるじゃないか!」

足手纏が援軍に来たせいで負ける暴民。

後方で、サボっている非行少年の部隊。

不利と見て逃げ出した。

後方で、暴動に加わっているけれど。

様子を見ていた暴徒。

いきなり逃げ出した。

一気に人数が半減。

お荷物が予備の戦力にいるせいで。

負ける暴民。

火災発生。

自衛隊の戦車。

議会の前にいたら。

ドサクサに紛れて。

対戦車兵器を食らってしまった。

戦車炎上。

敵兵。
「やったぜ?」

隊員。
「後方の弾薬は燃えたけれど。」
「搭乗員は無事ですね。」

指揮官。
「さっきの奴に撃ち返せ。」
「機関銃は使える。」
「後方で燃えているけれど、気にするな。」

敵兵。
「ぎゃああああ!」

別の所で銃撃戦も発生。

滅茶苦茶な状況。

敵兵、暴民に腹が立って。

暴民に対戦車兵器を発射。

暴民は反撃。

三つ巴になってしまった。

謎の兵器が敵兵の背後から接近。

敵兵。
「なんだお前は?」

次世代型兵器。
「まずは自己紹介と言いたい所ですけれど。」
「その前にズタズタにして差し上げないと。」
「ノルマがあるんで。」

敵兵。
「死ね!あれ?機械だから壊れろ!かな?」

次世代型兵器。
「機械繊維で作られているので。」
「多少の被弾は問題ありません。」
「もっと撃てば?」

敵兵。
「やめろ!ぐああああ!」

次世代型兵器。
「君の生年月日は?どこの国でどこで生まれた?」
「聞かせろ!そして死ね!」

敵兵。
「こんなの勝てないじゃないか!」

次世代型兵器。
「君の趣味は?ビートルズか?野球か?」
「どこのレストランが好みか?」
「好みの女性のタイプは?」

敵兵。
「そんなこと聞いてどうするんだ!」

次世代型兵器。
「何となく白状させたいだけだ。」
「所で、どうなんだ。」
「給料は安いのか?高いのか?」

敵兵。
「安いよ!こうやって死ぬほど安い!」

三階のビルから突き落とされた。

魔法使いが設計した半科学半魔術の兵器で。

アンドロイドよりも数倍の戦闘能力を持つ。

単機で拠点を制圧してしまった。

お祭りが前日にあったせいで。

酔っ払いが乱入。

お祭りの延長だと思い込んで。

後方で暴れまくる。

暴動の半数は、こういう類の酔っ払い。

前線にいたのは、三百人程度の全体主義者。

敗走するファシストに、酔っ払いが絡んで大乱闘。

悪漢。
「こいつを川に落とせば勝利だよな?」

暴漢。
「それは大乱闘でも別の演目だね。」

酔っ払い。
「なんだ?花火か?おわっ!善良市民に何するんだ!」

テロリスト。
「平和に暮らしているから利口とは限らん。」

工作員。
「俺等も行くぞ、ライトマシンガンだ!」

暴徒。
「みんな逃げてしまったよ。」

テロリスト。
「おい!俺達以外に誰もいないじゃないか!」

暴民。
「足手まとい、まだいたのか。」

アンドロイド。
「武器を降ろして、降参して、殴られてください。」

機動隊。
「逃げ足が速いな?あれ?こいつ何持ってんの?」

自衛隊。
「トラックに突撃。」

運転手。
「了解!了承!」

戦車二号車が、体当たりで、大型トラックを陥没させた。

テロリスト負けた。

事件が終わると。

前日のお祭りの続きかと思って。

市民が不思議に通り過ぎる。

撃たれて搬送される人数五十人。

大半は、援軍に来た足手まといが負傷させた。

援軍に来られた暴民も、かなり困ったようですね。

暴動に参加して、不利になってすぐ逃げた人が大量にいて。

被害妄想で殺意に満ちていたのは、前にいた三百人だけ。

掲げていた看板は犬に持ち去られた。

散歩中の犬、ファシストの残した靴を咥える。

食べ残しと、ゴミだらけ、これは都市の祭りで出たものとは違う。

野良猫が暴民が捨てた残り物を巡って、大乱闘。

どんな話にも強力な支持者はいるものである。


22


一人の人間が百人の人間に値する、そして百人の人間が一人の人間に値しない。

リーサルカンパニー本部の市場。

倉庫のような場所。

展示場。

看板、富は思慮分別によって増大する。

世界から売れ残りを仕入れてきて。

格安で販売している。

洋書まで並んでいて。

金貨などの趣味のもの。

絶滅した工芸品。

希少な品物が大量に陳列されている。

商品の入手経路が特殊なため。

見栄えのあるお店になっていますね。

レトロゲームはプレイできるように。

展示されている。

羽叶。
「電光石火。」

緒美。
「国語辞典でありますね。」
「行動が速い人。」

羽叶。
「電光や火打石の火のひらめきのように。」
「非常に短い時間。」
「転じて、行動が非常にすばやいさま。」

水希。
「情緒不安定。」

学世。
「言葉の意味が少し違ったね。」

小依。
「挙動不審。」

羽叶。
「しかし世間における規範の根拠はないね。」

百香。
「世間って何?多数決?」

羽叶。
「経験は時々危険なものである。」

学世。
「外見上はある意見を根絶させるかに見えながら。」
「実際にはその意見を植えつける人がいる。」

小依。
「誰にも文句を言われない方法。」
「完全無欠になる。」

百香。
「不可能な事を言わないでください。」

学世。
「不可能でもやれば?」

羽叶。
「非常に善人なので彼は何の役にも立たない。」

水希。
「軽蔑は伝染する。」

羽叶。
「この目で見たが信じられない。」

千影。
「多芸多才ばかり採用していたようです。」

陽月。
「商人最強って所ですね。」

緒美。
「世界最優秀商人の市場。」

学世。
「目指すのはギネス世界記録。」

千影。
「商業の仲間にいるんですよ。」

陽月。
「なので、この会社は味方です。」

羽叶。
「エジプト人から強奪する。」

学世。
「敵対者から逆に略奪という訳ですね。」

水希。
「無理に仮想敵を作らなくてもよろしい。」

緒美。
「この都市では、法律が否定される。」

羽叶。
「英語のことわざにも。」
「条件が法律を成立させたり破ったりする。」

千影。
「綱で悪党を縛るよりも、糸で正直者を縛るほうがほどかれない。」

陽月。
「正直は褒められたりはしないね。」

小依。
「潔白は防護にならない。」

百香。
「正直は称揚される、そして凍死する。」

羽叶。
「この会社なんですけれど。」
「上層部は、どうやら強大な力を持っていますね。」

水希。
「目的を志向する人は手段を志向する。」

羽叶。
「強者のギルドらしいのですが。」
「最強の商人には圧倒されますね。」

緒美。
「何でも出来る商人なんて誰も勝てない。」

水希。
「まったく勝ち目のない戦いは回避するのが良識でしょうね。」

羽叶。
「実力主義が濃厚ですね。」

学世。
「年功序列という悪い制度を廃して。」
「教養のある人をいっぱい引き抜いたとか。」

緒美。
「簡単に無能を排除したんですね。」

水希。
「私は人間の半分が有能だと信じていたのですけれど。」

学世。
「幻想を否定してごめんなさいね。」

羽叶。
「詳しい仕組みが分からない。」
「ここまで強大な力を持つ人間なんて。」
「いるとは思えなかった。」

学世。
「ヒューマニズム的には立派ではないけれど、押しまくる。」

緒美。
「まるで貴族制ですね。」

羽叶。
「簡単に良いものを提供して。」
「見返りを貰っている。」
「簡単な商売に思える。」

緒美。
「偉大な人は偶像化される。」

羽叶。
「どういう手品ですかね。」

学世。
「仲間に大富豪もいるとか。」

千影。
「現金は速攻薬である。」

陽月。
「理由は一つあれば五十あるのと同然である。」

小依。
「話の当事者になる教えは受けていません。」

百香。
「幼い頃は。」
「お人好しから離れろ、という忠告を受けた。」

羽叶。
「それなら悪化はしないからね。」

市場を出て。

お客さんがお昼から押し寄せている。

人が多くなってきたので。

退場。

簡単に商売のレベルが高いね。

駅に戻ると。

女性の一団と男性が揉めていた。

痴漢の様子。

男性がこちらに逃げ出したので。

脛にインフロントキック。

男性は転倒した。

羽叶。
「人の運命はいつも暗い。」

千影。
「正義は他のすべての徳を包含する。」

陽月。
「正義は諸徳の女王。」

羽叶。
「極端な正義は極端な邪悪である。」

緒美。
「おせっかいすぎると軽蔑を受ける。」

羽叶。
「敵がもっと来てくれないかな。」

水希。
「戦闘は狩猟ではないんだよ。」

学世。
「もっと敵が来たら、面倒くさいよ。」

羽叶。
「敵さえいれば、思いっきり人を殴れるからね。」

直後に来た駅員に。

痴漢は連行された。

男性は倒された事を喚いている。

後から女性の集団が参加して。

痴漢は囲まれていた。

紳士が参加。

痴漢一人に、十五人が相手という有り様。

面白がって、他の男性も加わっていて。

混乱状態で、痴漢を叩いたり締めたりしている。

どちらが虐待したのか、判別不能。

どちらが加害者なのか、分からなくなった。

羽叶。
「相手はあのように教育されていたのかな?」

緒美。
「教育の問題でしょうかね?」

水希。
「年齢は私が下だから、彼らより私が偉い。」

学世。
「それは数学の考え方を間違えています。」

千影。
「人間の手で作られるものは人間の手で覆される。」

陽月。
「危険無しでは、危険を乗り越えられぬ。」

小依。
「すべての場所は愚者でいっぱいである。」

百香。
「世間には馬鹿がいっぱい。」

羽叶。
「人生は小さい事柄で出来ている。」

水希。
「他人の行為は私には意味のない事である。」

羽叶。
「仁慈が残酷に、残酷が仁慈になることがある。」

緒美。
「他人も考えると考えない者は馬鹿である。」

自分の都市に戻ってきて。

駅前のお宮の前で。

休憩。

稲荷神社は都市の真ん中に組み込まれることがよくある。

御神領は原則、移動できないので。

都市開発で孤立する場合が多々ある。

丁寧に祀られている。

羽叶。
「あらゆる宗教を信じている人は。」
「いかなる宗教をも信じていない人である。」

緒美。
「安全な側で過つのが常に最善である。」

水希。
「われわれは許可された物事によって滅亡する。」

学世。
「苦情を言われないために、苦情を言う人がいる。」

羽叶。
「忍耐はゲームのおもしろさを失わせる。」

小依。
「たくさん見たけれど、ほとんど買えなかった。」

百香。
「情報が多過ぎて、無理です。」

千影。
「あそこはまず、情報で圧倒するのよ。」

陽月。
「それで麻痺させて売っているの。」

羽叶。
「商才は最高な人々ですよ。」
「弁護士まで仲間に入れて。」
「きわどい所まで攻めているおかげで。」
「実現できるらしいのです。」

小依。
「顧客の利益に反することはしないしね。」

百香。
「あれって、元々は老舗の骨董品屋って聞きました。」

千影。
「引き継いだ人が只者ではなかったってこと。」

陽月。
「信じられない能力を持つ人が活躍。」
「これはよくあることです。」

近くを通りかかった。

男性が口説いてきた。

しかし男性は、前に口説いて。

酷い目に遭った女性と分かると。

いきなり男性が逃げ出した。

帰り道の商店街。

羽叶。
「理由のない習慣は、昔からの誤りにすぎない。」

学世。
「助言は、助言者に相応する。」

緒美。
「君は自分を基準にして他人を忖度する。」

水希。
「聞いたか?説明せよ。」

小依。
「今は指揮官が不在です。」

羽叶。
「誤解は虚言を生む。」

百香。
「口論者は決して言葉に事欠かない。」

千影。
「聞き違いをする者は答え違いをする。」

陽月。
「語ること多ければ過つこと多し。」

羽叶。
「欺く者を欺くのは欺瞞ではない。」

学世。
「人の学識は盗めない。」

小依。
「一つの悪い状態がすべてのよい状態を損なう。」

百香。
「人はいつも何か企んでいる。」

羽叶。
「生活に支障なければ、何を企んでも無視。」

千影。
「誰でも自分の訴訟(事件)での裁判官になってはならない。」

陽月。
「何人も自分の事件で裁判官になるべきではない。」

リーサルカンパニーの本社。

代表に暗殺者が侵入していた。

動機論は、妬み。

妬みで排除に挑戦。

暗殺者、ライブ中継しながら攻撃を実施。

動画サイトに載せている。

偶然と必然は区別しましょう。

接近。

代表。
「何者かね?」

暗殺者。
「殺し屋です。」

代表。
「あいつらの手先かね?」

暗殺者。
「まあそんな所だ。」

社長室で銃撃戦。

華麗に遮蔽物に隠れた代表。

得意な両手でハンドガン。

暗殺者は壁に隠れて銃撃。

暗殺者が一気に間合いを詰めるも。

針の穴を通すような精密射撃で。

暗殺者が負けた。

代表。
「終わってみればこんなものだな。」

暗殺者。
「こんな奴に勝てるか!」

続いて、二人目が乗り込んできた。

二人目の暗殺者は、サブマシンガンを連射するも。

動き回る代表に当てられず。

暗殺者は撃たれてダウンした。

暗殺者。
「うわあ!当てるのは無理だ!」

代表。
「失望したな。」

三人目は、代表が弾切れと見て、刃物で攻撃。

代表は短刀を両手で持って応戦。

三人目はあっという間に斬られた。

暗殺者。
「接近戦なら勝てると思っていたのに!」

代表。
「お前が弱いせいだろ!」

四人目は、思いっきり突っ込んできた。

倒した相手の武器が落ちている。

鹵獲した武器で代表は反撃。

簡単に撃ち負けた暗殺者。

暗殺者。
「そんな簡単に?強い!」

代表。
「お前らが弱いの!」

五人目は、遅れて参戦。

必死の撃ち合いになるも。

弾丸を補充した代表と長時間の撃ち合いになり。

警棒を持った社員が押しかけて。

暗殺者五人目は倒された。

社員。
「侵入者だ!袋叩きにしろ!」

社畜。
「雑魚でも、数が揃えば勝てる!」

暗殺者。
「しまった!時間をかけてしまった!」

代表。
「何さっきから中途半端な仕掛け方してんの!」

用心棒。
「殺し屋をぶっ殺せ。」

社員。
「無駄に数発、殴っておけ。」

社畜。
「日頃、酷使されている鬱憤が溜まってるんだよ!」

暗殺者。
「うぐあああ!!」

五人抜き。

暗殺者は銃撃戦をライブ中継していたせいで。

自分達の敗北を公開してしまった。

スマートフォンから見て、苦笑い。

本社は、治安当局でいっぱい。

しかも隣の街にある本社。

警察車両が通り過ぎる。

市民は市場の心配をした。

近くに発生した大事件なので。

市民は少し動揺した。

しかも市民は常連なので、無関係ではない。

速報にもなっている。

家の近くにある神社に移動。

ここはベンチもある。

自然公園と一体化しているお宮は頻繁に見られる。

公園に隣接してお宮があるのはけっこう当たり前の景色。

境内。

羽叶。
「全体主義者は、真理を述べようとして必ず失敗する。」

緒美。
「個人からして、何が正しいのかには関係がない。」
「何が正しいことになるか、それが重要。」

羽叶。
「何を正しくするのか?」
「これが争点。」

水希。
「正しい正しい連呼すると、真理しか私を打てない。」
「真理でなければ、私を議論で打ち負かせない。」

学世。
「真理は、論争するとドグマティズムになるだけです。」

羽叶。
「個人においては、という言い回しが、相手にとっては絶望する。」

緒美。
「何が正しいか?なんてものは関係がない。」
「何が正しいことになるのか、これしか考えないよ。」

羽叶。
「個人において、何を正しくするのか?」
「これを聞いたら、相手は絶望しますね。」

水希。
「負けた正しさは間違いになるのか?」

羽叶。
「どうすれば間違えるのか、教えてください。」

緒美。
「誤りとは、どうやったら誤ることができるのか。」
「教えてください。」

水希。
「どうすれば間違いを犯すことが出来ますか?」

学世。
「誤りとは、どうやれば誤りを犯せますか?」

小依。
「悪い行動の手本を表示せよと?」

百香。
「悪行の一覧を見せて欲しいらしい。」

千影。
「罪悪について理解できないので。」
「罪悪の手本を誰かに見せて欲しいらしい。」

陽月。
「不正とは何か教えて欲しいとか、無理です。」

小依。
「まず不正の一覧を、教科書にして見せてとか。」
「無理に決まっています。」

百香。
「不正一覧の教科書を仮に読破したら。」
「不正なんてしないでしょうね。」

千影。
「不正が網羅された辞典なんて欲しいですね。」
「それがあったら不正なんて避けます。」

陽月。
「不正が網羅された辞典に書かれている内容を。」
「避けるだけで足りますからね。」

羽叶。
「最強の真理しか私を論破できない。」
「人間が論破を試みても。」
「個人的には受け入れないし。」
「強引に勝つ。」

緒美。
「私の考えは、自分が変えることは出来ても。」
「他人が変えることは不可能。」

羽叶。
「自分の考えは、自分が変えることは可能です。」
「他人が変えようとしても不可能ですね。」
「すぐに元に戻る。」

学世。
「個人での正否に興味があり。」
「全体での正否に無関心。」

水希。
「個人で何が正しい事になるのか?」
「これ以外の何が必要ですか?」

羽叶。
「全体主義者は、自分の発言が真理であると主張する。」

緒美。
「全体主義者を試してやりましょう。」

学世。
「数しか取り柄のない全体主義なんて。」
「自国民の悪癖ですね。」

水希。
「昔の悪影響のせいです。」

羽叶。
「何かあったら、全体主義のせいにしろ。」
「それでも無理なら、全体主義を理解していないせいにしろ。」
「それでも無理なら、無作為に選んだ全体主義者に責任を取らせろ。」

水希。
「そもそも自国民は悪癖として持っている。」

羽叶。
「個人の事実と、全体の事実はまったく異なる。」

学世。
「いや、個人主義を相手が理解しているとは信じていないんですよ。」

緒美。
「私も、周囲の大人に教養があると、うっかり信じてしまっていたね。」

水希。
「みんな有能だと思っていたけれど、違うんですね。」

羽叶。
「すっかりみんな有能だと思っていました。」
「ごめんなさい。」

学世。
「結果的に幻想を壊してしまったね。」
「すまない、成り行きでそうなってしまった。」

千影。
「私もみんな有能だと信じたい。」
「現実は違うけれど。」

陽月。
「え?世の中のみんなは有能じゃないんですか?」

小依。
「世間の人々は、てっきり有能かと思っていたのですけれど。」
「違うんですか?」

羽叶。
「世人は有能とは限らないらしい。」

水希。
「民衆が有能じゃないのなら、私はどうしたらいいの?」

緒美。
「そんな!社会の人々は有能なはずだ!」

学世。
「すまない、失望させてしまって。」
「彼らはそんなにカッコよく出来ていない。」

百香。
「それで損をするのは彼らですよ。」

羽叶。
「こんな現実があるんですか!」

緒美。
「そんな!庶民は有能揃いであると、信じていた!」

水希。
「あれで、他人の事を罵ったり、攻撃したりしている?」

羽叶。
「万能を期待するほど無意味な、彼らの蛮行。」

学世。
「相手を悪く言って、本当に悪くしたら。」
「罵った奴が処罰されないのはおかしいよね。」

羽叶。
「多数決では理非は決まらないものですよ。」

水希。
「数で攻めた軍団が、別の集団に負けたら。」
「負かした集団は、数で攻めた奴らを、どう処刑しても許されると思う。」

学世。
「どんな言い分も、真理を述べている訳では無い。」

羽叶。
「何も真実を言わない、という彼らの真実があるね。」

緒美。
「真実を言えないのが、彼らの真実。」

水希。
「真理は最強、人間は最後には屈する。」

学世。
「相手が降参するなら今の内ですよね。」

羽叶。
「衆愚の言い分は、何が正しいかを勝負によって決めるというもの。」

小依。
「勝利すれば正しいことになる。」
「敗北したら正しくないことになる。」

百香。
「その理屈なら、殺害した方が主権を握りますね。」

羽叶。
「とか言って、敗北者の方が圧倒的に多数。」
「なぜなら、正否の戦いは無限に続くから。」
「どこかで死ぬ。」

学世。
「勝手に取り合いをしていればいい。」

千影。
「正しい、その取り合いなんて醜いと言うより滑稽ですね。」

羽叶。
「全体主義者の正しい、とはそんなものです。」

陽月。
「他の人々にとって迷惑ですね。」

学世。
「そんな現場は無意味、迷惑。」

小依。
「すべて全体主義者のせい。」

羽叶。
「世人に本当の事を言ったら激怒しますよ。」

百香。
「ならば本当の事を言うのはやめておきます。」

学世。
「嘘とかお世辞の方が世人は喜びます。」

水希。
「そんなに世人が嘘を連打すると。」
「根拠のなさが見え透いてしまうよ。」

緒美。
「全体主義の論拠はなんですか?」

羽叶。
「ひとつのもので統一しようと。」
「自分勝手な連中が敷いた条例です。」

学世。
「特定の事実を設定して、それに従わせようだなんて。」

緒美。
「全体主義者は敗北すると、虐待されるだけの戦争捕虜。」

羽叶。
「全体主義者が敗北するのは、いつ見ても爽快。」

水希。
「つまりは、数ですべての事実を設定して。」
「数で従わせようとしている。」
「無論、根拠はない。」

小依。
「いくら非難されても、屁理屈で向かってきますね。」

百香。
「いかなる論争も数の暴力で解決!」
「次回、全体主義者の恐怖!」

羽叶。
「気違いネタは飽きましたよ。」
「化け物も見飽きました。」

水希。
「丹精込めた、壮絶な駄作喜劇が現実だと思います。」

羽叶。
「どれだけお金をかけた駄作喜劇なのか。」
「退屈なものしかない現実。」

千影。
「現実?いったいどういう趣味なんですか!」
「ついていけない。」

陽月。
「現実が妥当か?どうか?」

千影。
「現実以外はすべて当たっていて。」
「現実だけが嘘をつく。」

陽月。
「現実に従えという命令は受けていません。」

羽叶。
「私は現実みたいな間抜けには騙されないぞ。」

千影。
「現実が人間だったら、袋叩きは確定。」

緒美。
「安全地帯から強要するなんて悪賢いぞ。」

陽月。
「強要を潰し切ると、あるのは自由な平野。」

学世。
「全体がそうだからと言って。」
「何故、従わなければならないのか。」
「デタラメを繰り出されると困る。」

水希。
「そいつらは真理と戦えばいい、人間が勝てる相手ではない。」

羽叶。
「内面の話なら自分でやります。」
「何故、外部から押し付けられてやる羽目になるのか。」

緒美。
「外部から内面を変えようだなんて。」
「私のやる事を奪うな。」

水希。
「外部から強制して変えてしまう。」
「本人のやる事を奪っているだけですね。」

学世。
「本人の自発的行動に任せるものです。」

小依。
「焦って世界を変えようだなんて、忍耐がまるで無い。」

百香。
「外部から本人を変えても、同じ事を繰り返しますよ。」

千影。
「再度、悪化するなり過つなりして。」
「本人が再度することになる。」

陽月。
「外部から変えても一時的なもので。」
「本人の意志には関係ないからですね。」

羽叶。
「むしろ大多数が望んでいるのは、障害物の撤去です。」

千影。
「状況のせいで、悪くなるので。」
「状況が有利になれば、その人の真の姿が出ますね。」

陽月。
「状況に左右されて良くならないので。」
「状況を撤去すれば、すっきりしますね。」

羽叶。
「障害物だけを排除すれば、本人が自発的行動をするようになりますね。」

学世。
「世人は、主観的な事ばかり言い出すので、おかしくなる。」

緒美。
「極端に人為的過ぎる。」

水希。
「決めたからと言って、本人が従うとは限らない。」

羽叶。
「いくら決めても、裏切りや離反も可能ですしね。」

学世。
「他人の信じない自由を蹂躙する外部の考え方。」

羽叶。
「あんなの、聖者から盗んだ考え方だけじゃないですか。」

緒美。
「聖人から盗んだ教えと、掟をそのまま利用していますね。」

学世。
「あいつらは宗教も利用しているのではないか?」

小依。
「疑わしい限り。」

百香。
「意見を言っても私が採用するとは限らない。」

千影。
「結局は真理が競り勝って、意見は敗走する。」

陽月。
「真理を述べない限りは、相手の言い分は無効。」

羽叶。
「英語のことわざには、真理に関する言葉がいっぱい。」

参拝して退場。

論争がありますね。

全体主義対個人主義。

全体主義対自由主義。

全体主義対合理主義。

市民は密かに会話している。

対象の信用が消えた証拠。

信じていない主張は、力関係が逆転すると捨てられる。

他人が自分と同じと思っているのが全体主義者。

それが裏切られると、怒り出すのも全体主義者。

最近は、乱闘ばかりありますが。

敗北してその後があったり。

勝利してもその後があったり。

その時期だけの勝敗は、あまり好ましくない。

呉子。

戦場は死体を晒す所である。

死を覚悟していれば生き延びることもあるが。

生きながらえたいと思っていると死ぬものである。

兵法書。

強者に挑んで、負けてしまう人々が続出。  

戦闘の結果に確実なんてものはないんだよ!

解散。

帰宅すると。

乱闘の外側にいることで、何だか嬉しかった。

問題の当事者になる命令は受けておりません。

私はみんなと違って、馬鹿になるようには作られておりません。

不可能?不可能を作ったのは誰か?

そいつが責任を取るので。

結局は不可能なんてものはない。

方法ではなくて、実行するか実行しないかが重要問題である。


23


英語のことわざ。

事情によって善悪は変わる。

夜空。

中くらいの彗星が突っ込んできていましたが。

空中発射レーザーで焼かれて。

彗星はガス噴射。

彗星、ガス噴射にて軌道変更。

直撃は免れました。

岩石の部分は上空を通過。

氷の部分だけ着水。

YAL‐1試験機が攻撃したようです。

YAL‐1試験機はレーザー兵器を装備している。

三機編成で迎撃成功。

ニュースでは何も流れない。

上空で大爆発の目撃多数。

遅れて報道。

夜会にて。

羽叶。
「なぜ正しくなければならないのか?」

緒美。
「正しければ良いという理由は何ですか?」

水希。
「正しければ何でもありと思ったら大間違い。」

学世。
「正しくある必要がない。」

羽叶。
「正否のパラドックス。」
「全員が正しい、なんて名乗ると。」
「正しいという概念が消滅する。」
「正しい主張が複数あるのなら。」
「一つしかない正しいという概念は。」
「複数ある正しさに押されて矛盾していく。」
「正しさが複数あることによって。」
「正しさが矛盾する。」

緒美。
「なぜ人は道徳的であろうとするのか。」
「そもそも道徳は万能なのか?」
「道徳で全てを封じ込められるのか?」
「道徳に賛同する人数は?」
「道徳が正しいと言える証拠は?」

羽叶。
「罪悪のパラドックス。」
「過謬主義によって、人はどこかで間違えることが確定している。」
「または誤りを犯すことが、必ず未来で約束されている。」
「その確定している、間違える、過つ、という未来が実現したのに。」
「それを裁くのは、最初から決まっている結果。」
「過謬主義とは矛盾している。」
「最初から完全無欠を人に義務付けておいて。」
「それが実現できないと裁くという大いなる矛盾。」

学世。
「道徳の矛盾、詭弁。」
「嫌なことするな!」
「自分が嫌なことをしないので。」
「お前もするべきではない。」
「という取引である。」
「無論、この取引には誰も応じない。」

水希。
「暴力はいけない!」
「これは暴力を振るった人を。」
「暴力を反対する人が厳罰にする。」
「という矛盾がある。」
「とすると、暴力を振るった側が正論を言っていることになる。」

羽叶。
「嘘をついてはならない、なぜなら。」
「相手に信用されたいから。」
「挨拶をしましょう、なぜなら。」
「相手に気に入られたいから。」
「迷惑をかけてはならない。」
「なぜなら、人に敵対されたくないから。」
「反撃してはいけない。」
「なぜなら、後で制裁を相手に加えることが出来る。」
「しかしその制裁は生じない。」
「相手が一方的に攻撃可能になるパターン。」
「きちんと謝罪しましょう。」
「なぜなら、謝罪するだけで問題を揉み消せるから。」
「これは謝罪すると、処罰されるので。」
「道徳の内容の大半は。」
「その人の中で完結していて。」
「外部に何も影響を与えられない。」

緒美。
「道徳は取引や見返り。」
「利己的な動機論で成立している。」
「自分勝手な目的を含まない道徳は実在しない。」

羽叶。
「道徳の前提には。」
「道徳を無視したり否定する者達に対する考慮がないため。」
「結果的に、道徳を守る自分は偉いだとか。」
「自分はこれだけ道徳を守っているから凄いだとか。」
「勝手に本人が名乗っているだけになる。」

学世。
「仮に、他人に道徳の内容を命令しても効果がない。」
「自分はこうしないから、あなたもこうしないよね。」
「という内容は効果がない。」
「結果、道徳を守るほど無抵抗になり。」
「道徳に従うほど、不利に陥る。」
「道徳は自分勝手に作られたルールであって。」
「そんな勝手なルールに従う人はいない。」

女子高生。
「素晴らしい教えとして語るくせに。」
「内容は自分勝手なものですね。」

小依。
「道徳の目的はあまりに利己的ですね。」

百香。
「利己的なくせに、美談みたいに教えている。」

女子高生。
「道徳は論破されたら終わりですね。」

小依。
「道徳で負ける気分はどうかな。」

百香。
「悔しいでしょうね。」

女子高生。
「政治に人民を教化する権限はない。」
「どうせ失敗する。」

羽叶。
「偽善者も、善行をすると自分が満足を得られるから。」
「素晴らしい人と思われたい。」
「そういう利己的な動機論を持っている。」
「人が善行をするのは、自分の満足と。」
「他人の評価を変えるため。」

学世。
「全ての善行は利己的な動機論を持つ行為である。」
「自分の快楽に他人を巻き込んで。」
「他人を手段として、自らの欲望を満たすという。」
「邪悪な行いである。」

水希。
「善人という名前の人間はいない。」

緒美。
「世人の善悪は結果に左右されますね。」

羽叶。
「人を殺してはいけない、という命令も。」
「正当防衛で他人を殺害して無罪になっても。」
「果たして有効だろうか。」
「他人を救助すると、自分が死ぬような状況で。」
「助けずに見殺しにして。」
「その行為は問題なかったと救急隊に言われたら。」
「果たして有効だろうか。」

小依。
「完全無欠を他人に要求するなんて。」
「正気なのかな。」

学世。
「何か人を完全無欠である前提に善悪を見ているようですが。」
「現実は残念ながら違うので。」
「現実を無視しているのは、どちらかな?」

羽叶。
「完全無欠を義務にしておいて。」
「完全無欠が実現できないと制裁を加える。」
「というヒューマニズムのパラドックスがありますね。」

百香。
「民主制のヒューマニズムは気持ちが悪い。」

羽叶。
「人間を世界の中心に置こうだなんて。」
「民主制の愚行ですしね。」

水希。
「人間を基準に考えるという民主制の気持ち悪さ。」

緒美。
「民主主義を信じるほど不幸になる。」

小依。
「等しくない、という理由で排除される人々と。」
「平等の名の下に、暴挙に出る人々。」

学世。
「大衆の名の下に、ある意味では僭主君主になれる指導者。」

羽叶。
「公平な選挙という名目で、君主になれる指導者。」

小依。
「私は政治の話題は嫌いです。」

羽叶。
「政教分離を大義名分に。」
「政治を信仰に持ち込まない。」
「なので、政治なんて勝手に離れてくれる。」

水希。
「暴動なんて、私から見れば。」
「暴動を行う側に問題がある。」

百香。
「私達は観戦ですけれどね。」

女子高生。
「政治は見世物ですか、それもいいでしょう。」

羽叶。
「民主制を理解すると、民主制を信じなくなる。」

学世。
「どんな政治形態でも、直接影響がないのなら。」
「退屈な話題ですよ。」

羽叶。
「民主制なんて、古代ギリシアの君主同士の内輪もめから。」
「人違いで、片方を殺してしまい。」
「当時の貴族が統治することになって。」
「民主制が開始されていますね。」

緒美。
「民主制は、富裕貴族が作りました。」
「この辺りは、文献にも詳しく載っています。」

水希。
「歴史の話はもう飽きたよ。」
「これからの歴史も退屈であろう。」

羽叶。
「歴史を理解すると、下らない。」

緒美。
「歴史を理解した人は、歴史を見下しますね。」

水希。
「歴史を理解すると、歴史を消そうとしますね。」

学世。
「歴史を理解してしまうと、歴史を罵るようになる。」

羽叶。
「ポスト・デモクラシーを読んでいます。」

良い時代になったもので。

反民主主義論という本が素敵ですね。

無神論の国家や無神論の法律は世界的にはない。

アメリカの大統領は、手元を聖書に置いて宣誓をする。

しかも公然と教会にも行く。

当たり前なのに、自国民は知らない人が多いかも。

本屋で新書を買ってきていて。

通信販売もけっこうやっています。

名著などを全員で回して読んでいますね。

取り寄せないと、名著も揃っていない物流に。

何か問題があるのかも。

本屋に行っても、全部揃っていることはありえない。

通信販売で取り寄せて、初めて入手可能な本が出揃う。

今夜も、配送業者が来た。

たまにお泊りするのは。

時間制限の解除のため。

放課後や休日の余暇が少ないと、こうなる。

お泊り会。

悪戯が最高。

お風呂の時間は、お触り、抱きつく、キスなど。

乱闘になりがち。

寝る寸前に。

上に乗ってくる女の子もいる。

寝ている状態で上に乗られる。

好き放題な悪戯パーティー。

今は深夜の会。

討論。

届いた書籍を開封している。

かなり溜まってしまった。

お金があるので、全員で手分けして探して。

購入して回し読み。

読書が共通の趣味。

羽叶。
「デュルケーム自殺論ってけっこう簡単な名著ですね。」

水希。
「自殺の動機が、状況と一緒に論じられていますね。」

羽叶。
「自殺は個人の問題とは言い切れない。」

緒美。
「必ずしも個人の選択ではない。」

学世。
「現に、本人を自殺させるような不幸は。」
「かなり珍しく。」
「そこまでに至らない出来事が大半です。」

羽叶。
「デュルケームは結論として。」
「社会の影響が本人を圧迫して。」
「社会が自殺を作っていると結論付けています。」

小依。
「自殺の九割は、社会が作った産物なんですね。」

水希。
「社会が自殺を強要するように、状況を操作しておいて。」
「その社会と、社会を構成する人間達が処罰されない。」
「という矛盾がありますね。」

羽叶。
「社会とその構成員による、完全犯罪だからですね。」

百香。
「自分達の暴挙を隠すために、自殺者まで裁く始末。」

水希。
「それなら、社会なんて滅んだ方が、きっと幸せですね。」

羽叶。
「文明が滅亡することを望んでいます。」

学世。
「むしろ最初からそんな社会を形成してしまったので。」
「人間は失敗作ですね。」

緒美。
「問題ない、社会が滅べば、みんな幸せになる。」

羽叶。
「文明が滅亡すれば、この世界から不幸はきっと無くなる。」

水希。
「今からでも、滅んでくれないかな。」

学世。
「それは期待できそうな話題ですね。」

小依。
「現実にありそうな話ですね。」

百香。
「文明が消え失せれば、人間の言い分も無かったことになりますからね。」

羽叶。
「個人的には、社会は消えて無くなったほうが、すっきりしますね。」

水希。
「ついでに、文明も消えてくれたら、すっきりしますね。」

学世。
「個人にアンケートを求めたら。」
「すべての言い分を聞き出すまで。」
「数年かかると思います。」

学世。
「デュルケーム自殺論は、新訳が出るほど人気。」

水希。
「古代世界の人々は、好きなように自分の生涯を終わらせていた。」

羽叶。
「年老いたら、飛び降りて死ぬという伝統まであった。」

緒美。
「命なんて安いものですね、ほいほいくれるし。」
「あっさり失う。」

学世。
「ヒューマニズム的な正解なんて要りませんからね。」

羽叶。
「実際に、隕石でも突っ込んでくれたらいいのに。」

水希。
「頻繁に接近していますけれどね。」

学世。
「自然災害によって、みんな公平になる。」

羽叶。
「地球人類の自殺によって、文明は終わるべきかと。」

緒美。
「ああ、仁義過剰な人の世ですね。」

羽叶。
「不要なほど仁義が多い世の中ですね。」

緒美。
「人の道ですって?それを仮に世人が見たら。」
「こんな馬鹿な道は嫌ですよと。」
「逃げ出すでしょうね。」

羽叶。
「前進したいと思ったら、後退するべし。」
「かえって逆走するべし。」

水希。
「目標に向かって突進するのではなくて。」
「目標に対して行進しないこと。」

学世。
「なるべく狭い所に誘い込んでおくこと。」
「一人で数百人と対戦できるから。」
「これは分野のこと。」

緒美。
「猛将が、単騎で二百人に追われると。」
「猛将が洞窟に逃げ込んで。」
「狭い所で一対一を二百回して勝利しました。」
「なんてことがよくある。」

羽叶。
「数的有利を無効にする地形ならば。」
「一人でも勝ち目はある。」

学世。
「許?という勇将が、偵察に出た時に見つかって。」
「敵兵数百人が追いかけたことがありますが。」
「許?は、地形を巧みに利用して。」
「必ず一対一になる所に敵兵を誘い込んで。」
「長時間、交戦して相手を逆に追い払ったという。」

羽叶。
「相手の数的有利を無効にする作戦は。」
「生活でも必要になりますね。」

学世。
「数でも勝てない場合がある、という兵法の教えですね。」

緒美。
「民主制は、悪賢い人ほど有利になりがちですし。」
「卑怯な手を使った人が、結局、相手を退けます。」

羽叶。
「むしろ、デュルケーム自殺論を読んで。」
「社会の危険性を見抜けた。」

水希。
「社会は、都合の悪い人間や気に入らない相手を。」
「間接的に殺害する。」
「という訳ですね。」

羽叶。
「社会は間接攻撃で、人を殺しますし。」
「常に完全犯罪。」

学世。
「自分達が告発されないように。」
「自殺を裁いて、発覚を恐れる。」

水希。
「社会以外に、きっかけになる状況は存在しないという。」

緒美。
「それでは社会を合法的に裏切るとしよう。」

羽叶。
「私は社会なんて信じていませんが。」

学世。
「社会の出来事には無関心。」

水希。
「私は、相手の言い分には無関心。」
「口論で勝てばいいと思っているらしい。」

学世。
「学問は、法廷みたいに、片方が勝訴して。」
「片方が退けられる。」
「なんて幼稚な現場ではない。」

羽叶。
「人の意見には限界があるのですし。」
「相手の意見にも限界があります。」
「過謬主義は相手にも当てはまるので。」
「対戦での勝敗は、学問には影響しない。」

緒美。
「法廷で白黒つける対戦とは違いますからね。」
「審査から証明まで必要なので。」
「通信販売の感想欄は、そうした意見でいっぱいですね。」

羽叶。
「学校教育だけ得た無知無能は、お断りですね。」
「馬鹿とか世間話で出てきますが。」
「世の中には、馬鹿は思ったより多いらしい。」

学世。
「人気者とか、著名人とか。」
「彼らに先天的な知識なんてものはないので。」
「結局は経験の内容を繰り返しているだけ。」

緒美。
「私達は経験に先立つ、常にそれです。」

羽叶。
「すべてを推論で埋めるために。」
「経験という思考停止ワードを使って。」
「それに依存した。」

学世。
「思えば、大手通販販売。」
「熱帯林、勇敢蛮族。」
「感想欄の内容と似たようなことを。」
「我々は語っていますね。」

水希。
「私達が反駁されるのなら。」
「大手通販販売の感想欄は排除されるべきかな。」

羽叶。
「まさか!私に完全無欠を求めていませんよね?」

学世。
「何か欠点があるから、美しい、大きくもある。」
「欠点がないのなら、欠点がないのがその人の欠点なので。」
「欠点がないのなら、大きくも美しくもない。」

緒美。
「完全無欠の要求?まあ理想は高い方が良いと思いますよ?」
「現実と理想は両立しないと思いますけれど?」

水希。
「完全無欠?冗談も上手になりましたね?」

小依。
「とまあ、考え方としては適切ですね。」

百香。
「そういう思想も、あっても良いかと。」

女子高生。
「私は完全無欠なんて人に強要しませんけれどね。」

少女。
「完全無欠ですか、そんなもの最初から期待していませんよ。」

夜間には民間信仰特有の迷信が広まりやすい。

仏典には、霊魂の存在は否定されている。

すると幽霊なんて後の世の人々の作り話。

少なくとも宗教が違うと、こうなる。

仏典は参考資料としても使われている。

縁起と縁滅。

原因が無くなると、結果も消える。

因果応報は欠陥がある考え方。

仏典では、人間の努力で救われると書かれているため。

寺院ではああいう形態になるそうです。

こちらでは、人間の努力は軽視される。

善行は、仏典では他人の利益になること。

善行は単なる訓練とのこと。

仏典は、新訳でも普遍的に売られている書籍で。

大昔は教育に用いられたこともある。

僧侶が目指していることは、人間の努力で涅槃になること。

仏典は、ショーペンハウアーが哲学に採用している。

これによって。

東洋思想は西洋思想に劣らない、という定評もある。

やはり手に入る書籍は、全部手に入れるのは推奨されており。

入手可能な場合においては、購入するのが後々、ないよりもまし。

深夜。

日付が変わる前までを予定。

小依。
「従い過ぎて、能力が逆に低下する。」
「創造性が失われて、無能になる。」

百香。
「従い過ぎは、思考停止に陥る。」

女子高生。
「従順も度が過ぎると、知性が低下する。」

少女。
「従うだけが取り柄なら、人材は誰だって構わない。」

女の子。
「従うことで愚直になるのは、はっきり言って当たり前。」

女子学生。
「従順は愚直にすぐなる。」

小依。
「自国民は怒り方が狡猾。」

百香。
「感情論ばかりが議論ではない。」

女子高生。
「感情論という名前の思想はない。」

女子学生。
「思考が不合理なばかりに失敗する人多し。」

小依。
「こういう考えが、ひょっとしたら自分の考えではないかもしれない。」

少女。
「それはありそうなことですね。」

百香。
「こう考えている自分が、ひょっとしたら何かの影響で。」
「自分はこう考えているのかもしれない。」

女の子。
「疑っている自分を疑っていますね。」

少女。
「誤謬なら、後々、何者かが修正するでしょうしね。」

女子高生。
「もはや自分が間違える前提になっている。」

小依。
「自分の事を全知全能なんて言った試しはない。」

百香。
「誰が私を万能なんて言いましたか?」

学世。
「インターネットに真実がある。」
「なんておかしな考え方について。」

羽叶。
「テロリストにインターネットの情報を錯乱させられたら。」
「まんまと策略に乗っかっている気がしますけれど。」

水希。
「他国の工作員が、情報操作してデマを操り。」
「それに引っかかっているだけでは?」

緒美。
「逆に言えば、インターネットを掌握して支配すれば。」
「衆愚を特定の結論に誘導するなんて容易いものですからね。」

羽叶。
「インターネットを支配すれば、事実の解釈をいくらでも変えて。」
「衆愚を特定の結論にけしかけることは簡単になりますね。」

学世。
「そのインターネットの内容も、支配者による結論への誘導ですよね?」
「なんて言い返してやれ。」

緒美。
「インターネットの情報も、とっくの昔に支配されているから、お前らも支配者の言いなり。」
「なんて言い返してやれ。」

羽叶。
「インターネットも支配層の手に落ちたから。」
「デマとか陰謀論も支配者の策略であると言い返してやれ。」

水希。
「まともな知識がないと、ああいうのには引っかかりますね。」

羽叶。
「マルチチュードの失敗作ですしね。」

学世。
「あれなら、帝国の勝利は確実ですね。」

羽叶。
「残念ながら、帝国が勝利するらしい。」

学世。
「マルチチュードも敗北しましたか。」

羽叶。
「仮に闇の権力なんていたら。」
「勝てる訳が無いしね。」
「逆らったら殺される。」

緒美。
「仮にそんなものがいたら、勝ち目がないしね。」

水希。
「今の政府を倒して、自分達の政府で闇の政府を倒そう。」
「ひどい屁理屈ですね。」

学世。
「言いがかりを多用しても、自分達の結論を強制したい。」
「集団的浅慮。」

羽叶。
「同調によって、間違いを起こし続けている社会心理学の被検体。」

水希。
「認知的不協和で暴走する愚民と。」
「精神分析医の集団予約。」

緒美。
「群衆心理とファシズムの合作。」

水希。
「デマやら誤情報は、インターネットを使わなければ。」
「そもそも引っかかる余地がない。」

学世。
「視聴者を騙して、群衆を犬のようにけしかける作戦ですからね。」

水希。
「他人を犬のようにけしかける作戦は、昔から変わっていません。」

羽叶。
「そう信じたい奴らが勝手に暴れているだけ。」

学世。
「重要なのは、騙されたら、きちんと騙されたと気づくことですね。」

羽叶。
「欺かれたら、どこかで欺かれたと気づく事が大切です。」

水希。
「闇の政府とか、証明できないものを証明しようとしている。」
「ないものは証明できない。」

緒美。
「憶測や誤情報の拡散も、結局は他人に情報を与えて。」
「何かにけしかけようとするやり方は、ずっと変わっていない。」

羽叶。
「政治のデマも同じく、どちらの意見も採用しない。」
「という荒業もあります。」

緒美。
「情報の訂正も誤情報も、どちらの意見も採用しない。」

羽叶。
「単に中立であれば、逃れられること多し。」

学世。
「必ず読者を欺いて、何かにけしかけようとするので。」
「自分の手を汚さずに、工作を仕掛ける策略なんですよ。」

羽叶。
「他人に公開して、自分の手を汚さずに。」
「害を加えるという、臆病者のやり方ですしね。」

緒美。
「欺いた奴らが処罰されないのが問題ですしね。」

学世。
「特にスピリチュアルが処罰されないのは問題ですね。」

羽叶。
「そもそもインターネットに価値のある情報が入らないのは。」
「知識人の利益が失われるからですね。」

水希。
「一部の古典は、インターネット、民間データリンクに載っていますが。」
「ああいうのを無料にしたら、出版社が潰れるし。」
「図書館も消えてしまう。」

学世。
「もし真実が欲しいと思ったら。」
「買わないといけないね。」

緒美。
「無料で真実が手に入る訳がないでしょ。」

羽叶。
「あいつらは幼稚なのでは、大金も出さずに。」
「真実を買える訳が無い。」

小依。
「富裕層が子供の教育に力と情熱を注いでいる理由ですね。」

百香。
「話してはいけない真実も多いものです。」

羽叶。
「こう言ってみてはどうか。」
「真実を語って、申し訳ありません!」

緒美。
「本当の事を言ってすみません!」

水希。
「この度は真実を言ってしまって申し訳ありません。」
「訂正することにします。」

学世。
「本当の事なんて言っては駄目ですよね。」
「私も訂正することにします。」
「嘘も方便。」

予定の時刻。

溜まっている新聞。

何々の文学賞というプロパガンダの記事があった。

政治的宣伝に使われる運の悪い連中。

日時が変わる手前に就寝。

カメラが置いてあるので。

寝顔と寝相を撮られる。

ちなみにお風呂の前。

脱衣所で撮られた写真は削除になりました。

女の子同士でも、機密情報漏洩は危険です。

土曜日の深夜から、日曜日の早朝。

朝食を食べてから、活動開始。

お昼には、全員、解散になりますが。

連携が抜群ですね。

よくいる。

架空の発言に反論したり。

すべて伝わっていることにして、状況を放置したり。

何も言わなくても、勝手にそう考えていることにして納得したり。

同意を得たことにして、結果が違うと怒るという。

暗黙の了解に依存するのは愚かですが。

暗黙の了解という非現実的な概念ではなくて。

共通の目標を常に持っているので。

共通の目標に向けての行動が円滑です。

パスカルの格言。

無神論は精神の力のしるしである。

しかしある程度までだけである。

パンセ二二五。


24


増税のせいで、自国民がさらに嘘つきになった。

詐欺師以上に。

祝日。

陰謀論の連中が、またもや政権転覆を企てている。

闇の政府とかダサい名前の敵対者を倒そうと。

まず政権を倒して乗っ取り、そこから架空の相手と戦う。

なんていう物語。

武器を満載して議会に向かっています。

ドイツでも政権転覆未遂がありました、これは実話。

今回のテロリスト。

三十人の私兵部隊です。

大型トラックに乗って移動中。

都市は赤い色が漂う、前兆が発生。

所々、煙がありますが、これはゴミ箱のタバコ。

野鳥の死体が増えています。

なぜか見かける。

議会の前にあるショッピングモールから出て来た。

ゲームセンター無限、しかしこれは後輩に与えています。

満足して、次の目的地に向かっています。

交差点前の広場。

羽叶。
「作家は、多くは我流なので、少し書いてそれっきり。」
「我流のせいで、どこかで書けなくなって終わりますね。」

学世。
「ベテラン作家とか、修辞学を極めていますから。」
「ある程度の思想で、物語を作ることは可能なんですね。」

水希。
「体験からして、若者が書いた文学は、出来損ないが多い。」
「最初から修辞学に熟達しているのは、明らかに早熟。」

緒美。
「修辞学の才能はあって、現実を知らなかったり。」
「アリストテレス弁論術にある。」
「青年の性格をいつまでも持っている状態では。」
「まともに書けないかと。」

小依。
「熟練者は、続編までさっさと用意しますからね。」

百香。
「目的が娯楽とか、憩いとか、動機論が違うんですよね。」

羽叶。
「芸術作品としての文学は、難易度がとてつもなく高くなる。」

学世。
「玄人は、少しの思想で、大量に書いていますね。」

水希。
「物語の作り方を、発明して知っているのでしょうね。」

羽叶。
「我流ですと、物語の作り方は一切、発明できません。」

緒美。
「修辞学の玄人が書いたら、いっぱい作れるに決まっています。」

学世。
「文学には作者の性格が出てしまいます。」
「卑しい人ほど酷いものになる。」

羽叶。
「しかし時には、性格は仕様であって、バグではありません。」

水希。
「狂っていると、書きまくる。」

学世。
「天性は、一瞬で物語すべてを作り出す。」

羽叶。
「個人の体験では、あらかじめ全文が決まっていて。」
「その通りに書くことがよくあります。」

学世。
「私の体験は、喜劇か悲劇か、両者の二者択一を選んでいます。」
「もちろん、たくさんの喜劇と悲劇を読んでないと無理です。」

羽叶。
「我流は、散文詩というより、文法が滅茶苦茶ですよね。」

学世。
「あれを才能と呼ぶのは、勘違いしていますね。」

緒美。
「何でも才能で説明するな。」

水希。
「才能は、それになる可能性が最も多くあって。」
「鍛錬して、一定の練度になると、そう呼ばれますね。」

学世。
「私は個人のために才能を使いますね。」

羽叶。
「世のため人のため、なんてものが。」
「本当に世のため人のためになった試しがない。」

水希。
「天才音楽家の歴史ばかり読んでいるので。」
「そういう極端な人物ばかり引き合いに出す。」

小依。
「学校の教科書以外の人々は論じないのですか。」

百香。
「学校の教科書、それ以上の知識はないのかな。」

羽叶。
「私の場合は、狂気を制御しながら個人で利用しています。」
「才能に合わせて鍛錬すると。」
「二倍くらいになる。」

緒美。
「才能があっても、それに合わせて、習慣による鍛錬がないと。」
「凡人といい勝負になるくらいかな。」

学世。
「シュバイツァー医師は、音楽家の才能が抜群で。」
「推薦されたけれど。」
「それを断って、医療不毛の地、アフリカでの任務に従事しています。」
「先生から、才能を捨てるのか!」
「なんて言われたそうです。」

羽叶。
「シェイクスピアは、ある程度のレベルになるまでは。」
「大物の下に就いて働いていましたね。」

緒美。
「無敵だったのは偉人ゲーテですね、青年で出世。」

水希。
「私が無能とか呼ぶ場合は、ダニング・クルーガー効果を意味していますが。」
「必要な技能を得ないまま、才能の話をするんじゃない。」

学世。
「そもそも馬鹿の語源は、サンスクリット語で。」
「無知、迷い、ですからね。」
「そういう意味で使っています。」

緒美。
「愚鈍とか愚劣とかは、悪い人に向けていますしね。」

羽叶。
「今となっては認知バイアス。」
「ダニング・クルーガー効果で才能は説明できます。」
「たいていは互角になったり。」
「個性が残るんですね。」
「僅差で得意な場面で前に出ます。」

学世。
「能力のない人ほど、増長して自信がある。」
「能力がないから、自分の能力を客観的に見る判断材料が少ない。」

羽叶。
「文学については、玄人の作家は、我流で書いていない。」
「どこの誰だか分からない作家は我流が目立つ。」
「よく見ると文法が滅茶苦茶ですしね。」

学世。
「一作品だけ書いて、それで終わってしまうのは。」
「何か欠陥があるので、それで止まるんだと思います。」

緒美。
「最近はアマチュア作家が参入していますけれど。」
「不利な契約で買い取られて。」
「都合が悪くなると、会社に捨てられますね。」

小依。
「売ることしか考えてない。」

百香。
「本屋はトータルの販売実績でしょ?」

学世。
「自分達が売り出している、本の質と人気が。」
「総合的に高ければ、収益も多いのかも。」

緒美。
「現代では、個人技よりもチームプレーが強いですよ。」

小依。
「昔、サッカーでスタンドプレーしたい頃がありました。」
「でもあれって、一人でサッカーなんて無理です。」
「自分以外がヘタレで、失点ばかり。」
「球技は失望して辞めました。」

百香。
「リーダー以上のチームは作成できないよ。」

緒美。
「連携によって戦力は向上しますよ。」

学世。
「個人技に頼っていると、常に複数と相手をしていたり。」
「チームプレーで駆け抜けるプレイヤーに先を越されます。」

水希。
「昔は社会なんて個人技が全て。」
「今は、社会は連携が全て。」

羽叶。
「個人技では、勝率をできる限り、上げることしか出来ません。」

水希。
「平均値をひたすら上げて、勝ちやすくするだけ。」

学世。
「どう見ても、個人技は上限があります。」

羽叶。
「昔に、才能のある者が目立つのは。」
「そもそも昔の世界が個人技主体で。」
「個人技が勝敗を左右したからですね。」
「現代では、勝敗を左右するのはチームとか権威です。」
「世界のプレイスタイルが変化したので。」
「才能だけで説明しない方がいいですね。」

緒美。
「そもそもその人の言う、才能って何ですか?」

学世。
「ああいう人の言う才能って何のことなのか。」

水希。
「私達の意見とは違うようです。」

羽叶。
「客観的に、なおかつ慎重に進んで来た私達には。」
「一気に真実に迫ろうとする、あの無謀な考え方が理解できない。」

緒美。
「どんなことがあっても、客観的に判断して、審査しつつ。」
「問いかけて、実際に通用したので、次に進む。」
「こうして進んでいたので。」
「一気にすべてを追いかけるあの態度は醜悪ですね。」

水希。
「ひとつずつ証明して、当たっているので、さて次へと。」
「なんて長年、繰り返してきたのに。」
「一日で真実に突っ込もうなんて愚かな。」

学世。
「本当かどうか確かめて、誤りを避けながら。」
「可能な限り間違いのないように。」
「少しずつ探してきた私とは正反対ですね。」

小依。
「才能という言葉で単純な回答ばかりですからね。」

羽叶。
「才能についての意見はどうか?」

百香。
「才能以外のすべてが見えないのですね。」

緒美。
「何でも才能のせいにするな!」

学世。
「何でも才能を引き合いに出せばいいと思ったら大間違い。」

羽叶。
「私の場合は、狂気を制御していますからね。」
「こっちにおいでよ。」

緒美。
「意外にもダークサイドパワーを使っていますよ。」
「悪の力を利用しているのです。」

水希。
「とんでもない化け物とシミュレーションしながら。」
「鍛錬をしていました。」

学世。
「私は良書を掴んで、多読ですね。」
「最初から知っていたかのように、理解できました。」
「この古典ですが、今読んでいる本って、昔、読んだことがあったのかな?」

小依。
「教養のある人って、かなりの数、混ざっています。」

百香。
「一冊の古典に詳しい人は、相当な強敵です。」

学世。
「妬む人って何なのかな?」

水希。
「それは倨傲でしょうね、極端な悪徳。」
「自分に値しないものを求めるのが妬みです。」

緒美。
「倨傲な奴は、それ以上のものを求める余地がない。」

羽叶。
「倨傲に陥って、悪徳が続くようならば、妬みはその悪徳からですね。」

水希。
「反対に、卑屈な奴は間違っている。」

学世。
「卑屈も悪徳です、直した方がいいよね。」

羽叶。
「しかし結論になりますと。」
「優れている人を罵って、貶めて、自分より下とか主張した所で。」
「そいつの劣っている所は直りません。」

学世。
「良い人を名指しで、才能とか呼んで、非難しているだけ。」

水希。
「良い人を非難するとか、やたらに劣っている悪い人。」

緒美。
「悪い人が才能なんて持ってないのです。」

羽叶。
「良い人、悪い人、これを逆転させてしまったのが。」
「現代の誤りですからね。」

学世。
「私は趣味で良書を読み漁っていて。」
「たまに実践しています。」
「あれ?これ習慣によるものだね?」

水希。
「古典と良書を読むまでは、何にしろ素人になりますね。」

羽叶。
「後天的な学問の必要は、荀子が昔に説いています。」
「一度も警告されなかったのですね。」

水希。
「岩波文庫、荀子全訳、これ好きな本のひとつです。」

羽叶。
「私がお勧めするのは、今の時代の本物を何度も見ることですね。」

緒美。
「漫画では本物が多い傾向にありますね。」

羽叶。
「映画なら、昔から本物があります。」

学世。
「漫画は実力がないと、さっさと消えますからね。」

羽叶。
「連載とかで嫌なのは、好きな作品が。」
「少しずつ後ろの項目に追いやられること。」
「最後から何番目くらいの競争になると。」
「必ず連載終了ですからね。」

学世。
「作品一覧で、後ろになるほど連載が終了する。」

水希。
「前の方になっていると、連載は当分、続く。」

小依。
「週刊誌、月刊誌でよくある奴ですね。」

百香。
「芸術なのか商品なのか、意味不明。」

学世。
「一度終了すると、復帰なんて、まったくできない。」

羽叶。
「結論ですけれど。」
「才能は哲学で論じられる人気の分野で。」
「アリストテレス詩学。」
「ホラーティウス詩論。」
「ショーペンハウアー意志と表象としての世界。」
「などで取り扱っています。」

学世。
「精神科医の古典では、天才は狂気というのは。」
「人類の宝物を無駄に捨てる考え方である。」
「なんて怒っていましたね。」
「作者クレッチュマー。」

水希。
「最近では、天才は定義されて、ギフテッドと呼ばれています。」

緒美。
「知能の桁が違うので、むしろ凡人の考え方が理解できない。」

羽叶。
「しかもギフテッドの人数は、知らない間に増大していて。」
「比率を見ると、次の現場で目撃しても不思議ではない。」

学世。
「ギフテッドは環境の悪さ、精神科の誤診などで。」
「誤って揉み消されてしまうこともありますが。」
「精神科でギフテッドと診断されると。」
「本人は否定します。」

羽叶。
「ギフテッドという診断が下された時点で。」
「教育の内容をすべて変更しないといけませんし。」
「大人ですと、突出した知性によって。」
「周囲を薙ぎ倒してしまい、浮きます。」

緒美。
「あれは霊知と呼ばれる、不思議な知恵の技ですね。」

水希。
「人間の知恵は人知と呼ばれますが。」
「それを遥かに超えている。」

羽叶。
「人知、明知、霊知、神知という階級があります。」
「国語辞典を読んでね。」

学世。
「不思議な知恵を持っていると、知能は平均とは桁が違います。」

羽叶。
「知恵は武器に勝る、という聖書の言葉通りですね。」

緒美。
「女神アテナは、力と知恵を併せ持つことで。」
「凄まじい荒神として知られています。」

学世。
「あれ?須佐之男神は力と思慮の神ですよ?」

羽叶。
「意外な共通点、力と知恵は一緒でなければ、強大な力はなし。」

今日は制服をくれるお姉さんの所に。

駅前で、譲ってくれます。

もちろん、無料ではなく対価交換。

品物はお金で手に入るので、貴重な制服が全国から手に入ります。

周辺から募集して、今回もお姉さんから手に入れました。

ホームセンターに入ります。

神道の道具はこちらでも取り扱っていますね。

揃えてない道具を購入。

早朝にあった出来事を思い出す。

羽叶。
「ああしまった、早朝、神宮大麻を破り捨ててしまった。」

緒美。
「なんですと?なんのため?」

羽叶。
「代わりに、神棚に神鏡を入れて御神体にしました。」

学世。
「神宮大麻に八つ当たりとか、今まで見たことがない。」

水希。
「個人的には、神々は結果が好みですけれど。」
「途中経過の方を大事にしています。」
「せっかちはついて行くのに苦労する。」

羽叶。
「別に?苦労する価値があるのなら、苦労すれば?」

緒美。
「人間の考えを捨てると、自分のためにならないものを消すことになる。」

羽叶。
「誰かの持論が客観視されたり、合理化されたり。」
「それって自分の家族や親族が、子供の頃から。」
「散々に言っていた持論なんですよね。」
「まずそこから解体する。」

水希。
「身内に老人がいたら、労ると自分に帰るという。」
「古代ギリシャの言い伝えがあります。」

学世。
「老人なら、名湯の入浴剤でも差し上げれば喜ぶよね。」

羽叶。
「家計を養っても、三敬がなければ、親は子供に依存しない。」

小依。
「自分の家の言い伝えなんて、経験から来る。」
「主観的な思い込みです。」

羽叶。
「学問に基づいてはいない。」
「証拠に、儒学の本が置いてある訳ではない。」

百香。
「家主のレベルは、置いてある本の内容で分かってしまう。」

羽叶。
「いくら偉そうに言っても、儒学も読んでないのですね。」

緒美。
「変な考え方を見出したら、学問の内容と照合して。」
「捨てるなり改めるなりする。」

学世。
「誤りは改めましょう、これは基本。」

水希。
「一般にあるのは経験の教えで、学術的な価値はない。」

羽叶。
「後天的な学問を放棄しておいて、経験とかお笑いですけれどね。」

学世。
「その気になっていた彼らはお笑いでしたよ。」
「年長者は自分達の考えの中で偉そうに言うので。」
「議論なんてしない方がいいよね。」

羽叶。
「自分の世代の思想を語るだけです。」

学世。
「そういう人を、ハイデガーは世人と揶揄しています。」

水希。
「奴隷の考え方ほど、議論したくない分野はないね。」

羽叶。
「世代の思想は、ころころ変わっていますから。」
「古代中国ですら。」
「高齢の説教と、若者の意見はまるで対立します。」
「古いので黙っていろ、という故事まであります。」

小依。
「教養がある者は、さっさと見抜きますね。」

百香。
「これから教養を得る人も、違和感に気づいていると思います。」

緒美。
「自分の世代の思想を語るだけ?気持ち悪い!」

水希。
「待て!私も同じ目に遭うかもしれないんだぞ!」

小依。
「一方的に相手を論破している時が最盛期でしょうか?」

百香。
「安全地帯から、いろいろ繰り出せている時期が華ですね、きっと。」

緒美。
「一方的に打ち込める時は、その時だけですね。」

羽叶。
「確かに一方的に繰り出していますが、それだけですね。」

学世。
「非凡な者なんて際限なく湧いてくる。」

水希。
「変な奴は、一騎当千とかやろうとする。」
「無策で実行するジャンルではない。」

緒美。
「立派な教えも、必ず悪用されるので。」
「警戒せよ。」

羽叶。
「そうなると女性って未知の世界ですね。」

小依。
「男性は出尽くして、もう何も残っていないジャンルだと思います。」

百香。
「男性ほどつまらない性別はありませんね。」

羽叶。
「女性というだけで、可能性ばかりあります。」

緒美。
「男性だから優れていると思ったら大間違い。」

羽叶。
「男性の大半は、使い捨て。」

学世。
「別にトロイア戦争の時みたいに、英雄揃いでもない。」

羽叶。
「オデュッセウスに匹敵する者はいるか?」

水希。
「男性の中で、ヘクトルに匹敵する者はいるか?」

緒美。
「そんな比較は残酷ですよ。」
「そんな男性なんている訳が無い。」

学世。
「男性なんて一箇所に集まって。」
「地元で戦隊ヒーローをやるのが精一杯ですからね。」

羽叶。
「男性なんて、みんな似通っていて。」
「性格も容姿も行動も似通っていて。」
「数合わせなのか疑わしい。」

緒美。
「男性は群衆になりやすい。」

小依。
「発狂している美人女性なんて見たことありますか?」

学世。
「エリート美人女性なら、町中でいますね。」

羽叶。
「どうして自然は、男性を似たような量産品みたいに。」
「日々、大量製造しているのか分からない。」
「自然界は工場でも持っているのではないか。」

学世。
「というより、歴史が男尊女卑である理由は何?」

百香。
「男尊女卑の歴史ですか、なぜ男尊女卑?」

羽叶。
「なぜか男尊女卑、理由もなく。」

学世。
「私は女尊男卑ですけれどね。」

ホームセンターから出ると。

大通りなのに、歩行者信号が装備されている。

迷わず押して、たくさんの車を停止させる。

お菓子屋さんへの順路にて。

交差点。

渡ろうとすると。

道路の自動車、死角にやられる。

こちらの接近に気がついて。

曲がるのをやめた。

羽叶。
「見えていなかったの?」

小依。
「あなたに見惚れて、見えなかったのでは?」

百香。
「あれ?また口説くんですか?」

緒美。
「運転手が下手でも、事故は起きる。」
「他のまともな腕前の運転手を妨害するせいで。」

水希。
「運転が上手でも、下手な運転手にやられる。」

学世。
「あの運転手、車も満足に動かせないの?」

急停止。

後ろから来た速度超過。

急いでいた団体が、それに追突してしまった。

近くにいた警察官が。

追突した現場に来ましたが。

自動車は、側にいた車を突き飛ばして、逃走。

手配されました。

渡れません。

事故が発生して、後方に退却。

羽叶。
「一瞬で修理費、数十万円が発生した。」

緒美。
「些細な失敗で、数十万円を払わなくてはならない。」

小依。
「自動車ほど代償が高くつく乗り物はありませんね。」

百香。
「自動車の値段と維持費よりも。」
「日々の事故の方が値段は高い。」

水希。
「歩行者に命中すると、半分くらい終わりますよ。」

学世。
「そんなものを乗り回さないといけない理不尽な文明。」

再度。

路地裏のお菓子屋さんに行くために。

歩行者信号を押しました。

すると、赤信号になったのに、大型トラックが突撃。

通り抜けていたので。

手配するために近くに来ていたパトロールカー。

信号無視で注意しようと接近。

大型トラックは、議会の前で停止しましたが。

銃器を持っていたので。

警察官は自衛隊に応援を要請。

武装集団が威嚇する。

陰謀論。
「邪魔する奴は殺せ。」

兵士。
「隊長!弾がありません!」

陰謀論。
「なぜなんだ!」

配下。
「間違って手配したらしいのです!」

陰謀論。
「使える弾はあるのか?」

兵士。
「スナイパーライフルだけです!」

陰謀論。
「よし!突撃スナイパーやろうぜ!」

配下。
「それはできません!一丁のみです!」

陰謀論。
「まともな銃器も手配できなかったのか!」

兵士。
「一応、後方に予備があるんですけれど。」

陰謀論。
「早く突っ込め!」

兵士。
「拳銃だと負ける。」

配下。
「ピストルで戦うと、負ける。」

陰謀論。
「弾薬を探せ!」

大型トラック。

治安維持部隊に囲まれて。

立ち往生している。

弾丸の手配と装填に失敗した様子。

ようやくライフル銃とライトマシンガンを装備すると。

直後に。

自衛隊の軽装甲機動車が突っ込んできた。

普通科隊員。
「野球やろうぜ!お前ボールな!」

運転手。
「狩猟やろうぜ!お前獲物な!」

砲手。
「喧嘩しようぜ!お前悪役な!」

警察官。
「愚者という単語があるでしょ?」
「それって適切だと思わない?」

隊員。
「しかし相手が知っているとは思えないのです。」

陰謀論。
「俺が法律なんだぞ!」

テロリスト。
「法律を食らえ!」

陰謀論。
「お金で買えないものを手に入れる方法。」
「窃盗。」
「これは日々、行われている。」

隊員。
「あいつらの書き込みって消されるんだって。」

警察官。
「そいつのせいでサーバーがおかしくなったのではないか。」

市民。
「ぐわっ!」
「交通事故は、三ヶ月くらい怪我の演技をしましょう。」
「弁護士が困るから。」

テロリスト。
「ぐおっ!撃たれて死ぬなんて!」
「死んでも嫌だ!」

警察官。
「お前ら!降参しろ!」
「ただし、刑務所の宿泊費は後々に請求する!」

陰謀論。
「お前ら!なぜそこの事務所に強盗に入る!」

テロリスト。
「テーマパークのチケットを見つけたから!」

陰謀論。
「さてと、装填もしたし、突撃するぞ!」

テロリスト。
「みんないませんよ?」

陰謀論。
「おい!あいつらはどこに行った!」

テロリスト。
「そこら辺で倒れていますが。」

陰謀論。
「さっきまであった車両はどこにやった!」

テロリスト。
「スクラップになりました。」

警備員。
「大丈夫ですか?怪我は?」

議員。
「それよりも壁紙が削れてしまったよ。」

市民。
「あの野郎!入院費用がいくらかかると思っているんだ!」

警備員。
「痛みますか?」

市民。
「怒ると痛い。」

議員。
「お前!そこにある日本刀を使え!」

警備員。
「あなた方の、誰を斬るんですか?」

議員。
「あそこにいる敵を斬るんだよ!」

陰謀論。
「お前!さっさと走って議会に突入しろ!」

テロリスト。
「え?だって、廊下は走るな!なんて書いてあるじゃないか!」

激しい銃撃戦の結果。

首謀者は逃亡しました。

陰謀論者は潜伏を試みる。

遠くで激しい戦いがあったのに。

市民は平然としている。

敵は弾丸の不足と、給料が安くて逃げた者が多く。

ちょうど殺人を依頼すると、お金だけ貰って何もしない。

という有名な詐欺と同じく。

現場に来たら、半数は逃げたんですね。

走っている男性を発見。

羽叶。
「デスクワークの次は徒競走の選手ですか。」
「忙しい人もいるんですね。」

緒美。
「突然、健康のために運動している人ですね。」

水希。
「あまり走れないようです。」
「あんな運動不足でジョギングは無理ですね。」

学世。
「子供の頃は走れるのに、大人になると、あまり走れないとか。」

小依。
「学生時代の徒競走の選手って、選ばれると酷いよね。」
「すぐに自分より速い、または同格の選手と走ることになる。」

百香。
「よくあるマラソンは、完走が大事ですよね。」
「スーツ姿の選手なんて流行りませんよ。」

羽叶。
「うわっ!こっちに来るし!」

陰謀論。
「拉致させてくれ!」

テロリスト。
「人質にして逃げる!」

羽叶。
「そんなプレイが狙いですか、この変態野郎!」

緒美。
「プレイ?そのために私の身体を?」
「代わりにお前が死ね!」

久しぶりに使う魔法書。

火球を当てて、相手は炎上。

続いて落雷と電撃。

マジックミサイルを叩き込む。

陰謀論。
「熱い!なんだこれは!燃えている!」

テロリスト。
「火を消せ!よし!ぐおっ!」
「痺れる!」

陰謀論。
「何を叩き込まれた?」
「痛いぞ!意識が薄れた!」

吹っ飛ばした数人。

メンバーは道路から逃げます。

新手の口説き方ですけれど。

プレイが好みの人らしいのです。

けっこう危ない男性達。

久しぶりに本気で攻撃してしまい。

相手は気絶。

治安維持部隊が到着。

倒れている人を市民が発見。

全員で囲む。

隊員。
「なんでこんな所で気絶しているの?」

隊長。
「主犯格が道路で気絶?ふざけてんの?馬鹿なの?」

兵員。
「どうしてこうなっているのか知らないが、捕獲する。」

陰謀論の一団は捕虜になりました。

二十分で終わった政権転覆。

大事件なのに、大事件とは言い切れない。

中途半端な戦闘がありましたよと。

ジャーナリストは微妙な顔をしています。

駆けつけた警察官は多過ぎ。

自衛隊も部隊を投入させ過ぎ。

現場は大渋滞。

議会周辺も、多過ぎる車両と兵器で混雑。

念の為に出動した攻撃ヘリも飛び過ぎ。

あとから来る増援も多過ぎ。

むしろ戦力の過剰投入で、事件がややこしくなる。

テロリスト側が実際に戦った人数は五人だけ。

十人は公安の者で、戦闘開始前に突然。

敵数人を捕虜にした。

残党は海外で銃の射撃訓練を積んでいた。

残りは何もせずに報酬だけ受け取って逃げたけれど。

最初からそのつもりだったので。

後々、無罪を勝ち取り、高額報酬も勝ち取った。

お菓子屋さんは、現場から五百メートル離れている。

通常営業。

人気店。

ドーナツなどを買って。

店の前のベンチにて。

スマートフォンでテストされている。

遊戯一覧の記録、動画。

羽叶。
「深堀制作というビデオゲームで。」
「任務を作ってみました。」
「村が中央にあって。」
「地域四隅の場所から敵が多数、出現します。」
「敵の復活場所を壊していくのですが。」
「襲撃イベントなどで、敵の数が増えます。」
「村が破壊されて、住民が全滅すると失敗。」
「四隅の出現場所を壊せば成功です。」

緒美。
「世界一のゲームとされる深堀制作ですね。」
「四隅の場所は、突撃でプレイヤーに壊されるので。」
「実際には数十か所の地点が必要になりますね。」

水希。
「時間内に敵を一定数倒せ。」
「という任務は見たことがあります。」

学世。
「それは市販されているゲームの任務を。」
「深堀制作に応用して、大量に作った奴ですよね。」

小依。
「敵エンデュランスとか名付けた。」
「全方位から敵が出てきて。」
「二十分で倒した敵の数を競うとか。」
「やったことがあります。」

百香。
「数的不利で勝て、なんていう任務は。」
「少数のいい装備のプレイヤーと。」
「多数のよくない装備のプレイヤーと。」
「チーム対抗戦でしたね。」

羽叶。
「昔のゲームは構造からしてミッション形式なので。」
「動画で観ていると、けっこう転用できますね。」

緒美。
「敵モブの砦を攻略とか作ってたよね。」
「百体も敵がいて、処理落ちした。」
「すべての出現地点を壊して勝利したし。」

水希。
「森林の島を作って。」
「強モブ軍団を森林で迎え撃って。」
「戦う任務なんて。」
「島の中が酷い有り様でしたね。」

学世。
「一定の大きさの島を作って。」
「その島の中で敵モブを倒して。」
「各所の爆薬で、出現地点を壊す。」
「面白い任務を作っていましたね。」

小依。
「先に、指定された到達地点に到着すれば勝利とか。」
「オンラインで遊べるものをけっこう作っていますね。」

百香。
「場所を島にするのが特徴ですよね。」
「戦場や形状をいい具合に調整できる。」
「処理落ちにも配慮。」

羽叶。
「基本は、どんな所で、何をやって、敵を倒すか?」
「敵を倒すのが多くなってしまいますが。」
「今の所、これしか作っていません。」

小依。
「新作のミッションがあるんですね。」

百香。
「公開したら、また一緒に遊びたいですね。」

緒美。
「あんたら、どんな機材を使っている?」

小依。
「昔のデスクトップにビデオカードを乗っけています。」
「他の部品は換装。」

百香。
「私は型落ちのゲーミングノート。」
「昔の特価品。」

緒美。
「いつも最高性能は買えないからか。」

水希。
「遊戯駅五を家に入れたら。」
「コンピューターの価値が下がった。」

学世。
「ゲーミングか遊戯駅の二者択一。」

帰宅すると、プレイをするために口説いてきた。

不細工な男性が、逮捕されていますね。

数時間前に、ぶっ殺した男性ですね。

しかも、その前の信号機で、事故を起こした。

助手席の奴ですね。

交通では、相手の車の運転手までは見えます。

運転手まで見れないと、視野が狭い。

さりげなく歩行者信号を押して。

事故が誘発されて、政権転覆が発覚。

議会乱入で、反乱軍が負けて。

逃げていた所を、私達がぶっ殺した。

我々の功績なのでしょうけれど。

向こうで処理するので、黙っていました。

人を助けないことで、誰かを助けることがある。

たまたまぶっ殺した奴が、悪党の一人であったりする。

父親に送ったメールの内容。

私は感受性が強いらしいので、罰を与えないでください。

その代わり、叱りたいのなら。

私の前で誰かをぶっ殺してください。

それだけで私は理解します。


25


会社の土地で遊んでいます。

近々、イベント会場が建てられるらしくて。

よくある展示場ですね。

その前に来て、けっこう広い空き地なので。

社長の娘が虫を取ったり。

キャッチボールをして遊んでいます。

周辺は山林で、少し隔離された場所。

周囲にあるのは倉庫だけで。

土地が安い時に買っておいたら。

土地が悪いだけに、手放すことはなくて。

悪い土地でも持っておくと便利なのかな。

整備されて使い回しになるようです。

羽叶。
「ここに落とし穴を作ろうよ。」

緒美。
「誰がハマるのよ。」

水希。
「誰かが喰らわないと駄目じゃないですか。」

学世。
「被害者は誰になるんですか?」

羽叶。
「自分で喰らおうかな?」

小依。
「そこに落ちている荷車でも落としましょう。」

百香。
「作り方は?」

羽叶。
「まず穴を掘ります。」
「これはなるべく深く。」
「掘ったら。」
「上に薄い木材の板を敷きます。」
「一定の重量で薄い板は崩落します。」
「後は、上に土をかけて。」
「葉っぱも少しかけて隠します。」
「これで、一定以上の重量で。」
「相手は落とし穴にハマります。」

学世。
「落とし穴は、多分、自動車までは落とせますね。」

羽叶。
「昔、塹壕では、戦車を落とそうとしたこともあるとか。」
「一定以上の広さがないと、戦車は落ちない。」

緒美。
「湾岸戦争で、エイブラムスが砲撃の大穴に落ちて。」
「動けなくなったこともある。」

水希。
「私達は何を落とそうとしている?」

落とし穴を作りました。

荷車は簡単に落ちますが。

引き抜くのが大変です。

落とし穴作りに夢中になって。

健忘ですね。

大きな落とし穴を放置してしまいました。

時間経過。

自転車で、空き地から離脱。

翌日。

新興宗教の一団が。

この土地をショートカットしようと。

空き地を横断していました。

無断駐車もしています。

カルト教祖。
「猛毒ガス兵器で、天誅を下す!」

偽善者。
「愚かな社会に天誅を!」

カルト教祖。
「よし!ここで待機だ!」

偽善者。
「いよいよですね!」

馬鹿。
「馬鹿共に天誅を!」

構成員。
「ここから指示を待て!」

偽善者。
「この土地って駐車場にいいですね。」

馬鹿。
「後方から本隊が来るので。」
「近道と、とりあいずの駐車場を伝えておきます。」

カルト教祖。
「あと一時間で決行する。」

馬鹿。
「本隊が来ました、ガス兵器満載です!」

偽善者。
「誰の土地かは知らないが、使って貰えたことに感謝しろ。」

ガス兵器満載の車両。

一般的なガス系の濃度を強めたもの。

さっき作っていた落とし穴にハマって。

トラックが横転。

ガス兵器が爆発した。

カルト教祖。
「なんだ!何が起こった!」

馬鹿。
「ぎゃああああ!ガスが目に来た!」

構成員。
「おい!俺は呼吸困難だぞ!」

偽善者。
「何で横転したんだ!」

愚者。
「知りません!特に何もない所でひっくり返りました!」

カルト教祖。
「大惨事だな!」

天誅と称して、市民を攻撃しようと作った。

一般的なガスを満載にした爆弾車両。

目の前で仲間が何をしているのか分からない。

手前で、また落とし穴に落ちて。

今度は大爆発を起こした。

死傷者多数。

構成員。
「ぐああああ!」

事務員。
「なぜだ!」

テロリスト。
「どうして!」

偽善者。
「本部に連絡を!事故になった!」

馬鹿。
「本部!残念!もう脅迫を仕掛けてしまっています!」

カルト教祖。
「ないもので脅迫するな!」

偽善者。
「我々の計画が!ああ・・・我々の計画が!」

カルト教祖。
「うわああああ!」

次々と爆発。

それを見て、倉庫にいた少数の作業員が見に来る。

あまりにも酷い現場で通報してしまい。

新興宗教の天誅とやらは、発覚してしまった。

治安当局、現場に近寄れない。

大火災。

治安当局。
「なんでこうなっているんだ!」

消防隊員。
「知りたければ、名探偵でも連れて来い!」

探偵。
「来ましたよ、これはですね、見ての通りですね。」

治安当局。
「おいおいおい!どうやって片付けるんだよ!」

消防隊員。
「それは我々が考えることですよ。」

市民。
「隣で爆発されたら、仕事にならねぇんだよ!」

作業員。
「おい!早く片付けろ!倉庫が使えないだろ!」

ガス充満。

まだ引火していない車両があり。

ガス兵器を満載した車両も残っている。

どうしたらいいのか分からない現場。

ちまちま鎮圧されている。

ジャーナリストが到着。

題名は?天誅失敗!謎の暴発をして果てたカルト教団!

報道で知って、高みの見物。

勝手に自分の土地で火災やらガス爆発やら。

父親は、自分の土地がこんなふうに社会に貢献できるとは知らなかった。

自分達の土地の有効活用。

なんてふざけています。

帰る途中にもあった、駅前の店舗に入った謎の塾。

最近。

学校の近くに自己啓発セミナーが建てられました。

駅前にあるので、目立ちますね。

チャンネルを持っていて。

ライブ中継しています。

視聴者数、五十人。

自己啓発。
「人生は成功できる!」

哲学者。
「成功って何ですか?」
「勝手に言葉の定義を変更していますよね?」

自己啓発。
「社会的成功こそが人生だ!」

哲学者。
「そういうのは無謀な挑戦だと思いますよ。」
「無理に出世とか企てていますけれど。」
「そうやって特定の結論に誘導するのが。」
「あんたらの手口だよね。」

自己啓発。
「成功したくないのか?」

哲学者。
「あなたの言う成功って、とても定義が広いので。」
「具体的に何の事を成功と呼んでいるのかな。」

自己啓発。
「とにかく地位が高くなって、給料が上がることです。」

哲学者。
「全員に賭博をやれと言っているだけですよね。」
「できないことを強要するとか。」
「あなたの結論への誘導は、健康に良くない。」

自己啓発。
「その前に成功しなさい。」

哲学者。
「君は成功は知っているが、失敗は知らないとね?」

受講生。
「失敗を知らない人なんて、最悪ですね。」

哲学者。
「出世とか、それ以外は何も見えていない。」
「視野が狭い。」
「子供じみた考え方ということくらいは分かりました。」
「たまたま成功した人が、上から目線で語っているだけで。」
「本人の技量を遥かに上回る無茶な要求ばかりです。」
「できないことをやれとか、挑発ですか?」

受講生。
「無理に励まして、出世を強要しているだけですね。」

自己啓発。
「話はこれからです!」
「成功というものはですね!」

市民。
「まるで結果に繋がらない考え方はどうしたものか。」

紳士。
「上の人に気に入られることも大事、ということを忘れたのか!」

哲学者。
「自己啓発って根拠のない教えですなあ。」

自己啓発。
「ですから、これから根拠を作ります。」

哲学者。
「ふざけているのかね?」

自己啓発。
「もちろん!」

紳士。
「我々はお金を払って、優等生の猿真似を習いに来たんですね。」

受講生。
「現実を無視していますが、それでも度合いは軽いですね。」

自己啓発。
「今から成功の秘密を教えますから!」

市民。
「いいや、もう少し現実的な話をしてくださいよ。」

受講生。
「もう帰りましょう。」
「ああやって説かれる通りの状況なんてないですから。」

紳士。
「自己啓発を読んでいる時点で。」
「無理をしている証拠なのでは。」

哲学者。
「仕事で成功するのは結構だが!」
「失敗も考慮に入れておくんだな!」

みんな帰ってしまった。

数人がその場に残りました。

ライブ中継はネタになってしまって。

演説よりもギャグとして人気動画になってしまった。

次の日。

教師を挑発したくて。

学校に社会心理学の本を持っていきました。

羽叶。
「先生!この本なんですけれど!」

教師。
「どの本かな?うぐっ!!」
「君はどう思うかね?」

羽叶。
「何でも社会心理学で説明できると思います。」

教師。
「おいおいおい!」
「これじゃあ、もはや何も教えられないじゃないか!」

羽叶。
「先生の態度は、社会心理学で。」
「フォールス・コンセンサス効果と言うらしいですね。」

教師。
「そうかもな!」

羽叶。
「先生、社会心理学について何か意見は?」

教師。
「俺は勝てる論争しかしないぞ!」

羽叶。
「先生!どうか意見を!」

教師。
「在学中は、教科書を尊重してくれ!」
「いくら教科書が間違っていても。」
「社会心理学を持ち出すなんて酷いぞ。」

羽叶。
「何も言えないんですか?」

教師。
「自分達よりも上の教科書なんて、論じられる訳がないだろう!」

教師、逃亡。

大人まで学校教育に従うと思ったら大間違い。

社会心理学は、学校教育を痛めつける書籍らしいのです。

近くにいた他の教員に。

難問をぶつける。

羽叶。
「量子力学の多世界解釈って凄いですよね。」

教員。
「ああ凄いですね。」

羽叶。
「トレーディングカードなんて。」
「実の所、中身が確認できないので。」
「開いた直前に、内容が決定する可能性がある。」
「開封可能になるまで、中身はいくらでも変わるかも。」

教員。
「そういうことになりますね。」

羽叶。
「なので、何も言えない先生と。」
「反駁できる先生が。」
「同時に存在するのです。」

教員。
「勘弁してくれ。」

教員、逃亡。

教頭先生が来た。

たまたまそれを目撃していて。

素早く寄ってきた。

教頭。
「我が国には、飛び級がなくて申し訳ない。」

羽叶。
「イタズラですよ。」

教頭。
「我が校の教師が負けたのは事実でしょう。」

羽叶。
「一度だけですよ。」

教頭。
「将来有望ですね、その調子ですよ。」

羽叶。
「了解です。」

授業に赴きます。

授業中。

様子を見た教師。

何やら相談している。

教員。
「実は数人、素晴らしい生徒がいるんですよ。」
「これまで見たことのない子でしてね。」

教頭。
「うむ、優れた生徒ならそこそこいるが。」
「あの子らは飛び抜けているな。」
「子供だからと言って油断していたね。」

教員。
「こんな地方の高校にいるなんて。」
「名門でも見かけませんよ。」

教頭。
「冷静に、あの子らが無事に卒業してくれたら。」
「この激務は終了だよ。」

教員。
「その通りだと思います、悪い方向に行かせないように。」
「監視しています。」

下校の時刻。

いつもの公園で遊んでいます。

帰り道の途中にある公園。

いろんな種類の自販機が置いてある。

仮に下校中の買い食いを禁止していても。

発覚しないので、問題がない。

ルールの中には、守ると結果が悪いものがよくある。

規則を守っているからと言って賞賛されない。

正直、素直、国語辞典で引くと。

一般的に使われている言葉とは意味が違っている。

羽叶。
「他人から評価されることよりも。」
「個人において、技術や趣味で愉悦を覚えた。」
「それをすることで、個人的な愉悦で足りて。」
「評価は二の次になった。」

緒美。
「私が何かやるのは、動機論が必ず利己的。」

水希。
「世間よりも、個人の権利拡大に興味がある。」

学世。
「俗に言う、生存競争に興味はない。」
「成り行きで向かってくる相手を追い払っているだけ。」

小依。
「世の中は、何々に価値がある、なんて思っているものがある。」
「どう見ても多数決で成立した価値観に乗っかっている。」
「しかも入手の難易度がやたらに高いですね。」

百香。
「世間なんて、自分が思うほど。」
「自分についての興味を持っていませんので。」
「大胆不敵な計画も事業も好き放題に出来ます。」
「何か思ったりするのは、近くにいる人だけですからね。」
「それが快適。」

羽叶。
「戦争、飢餓、貧困、病気、災害。」
「世界は普遍的に蔓延していますけれど。」
「こんなものを無くすよりも。」
「避けたり跳ね返す術の方が大事ですよね。」

緒美。
「世界の一部を見て、すべてを判断するべきでもないよ。」
「世界の一部でそれがあっても、自分の周りに必ずしもない。」

水希。
「巻き込まれても、必要なのは逃亡や回避であって。」
「世界の一部を撃破することでもない。」

学世。
「善なるものも世界には隠れていますので。」
「良いものも世界から探すべきですね。」

羽叶。
「世界の中にある良いものに対する期待がなかったら。」
「退屈と苦悩しか見い出せません。」

適当に買い漁って、帰っています。

この時期。

流行は、人生のネタバレ。

こちらからはカンニングに見えてしまう。

書籍閉鎖が解かれた今では、古典は存分に読めますし。

古典の内容から、世界について知ってしまいます。

経験とか不要ですね。

経験の教えは、読書に匹敵しません。

現代思想は、これまでの哲学とはまるで異なっていますが。

現代思想の創設者はニーチェなんですね。

哲学が漫画家された回数が、とにかく多いニーチェ。

著作集の全訳も人気ですね。

ニーチェの系列は。

サルトル、ハイデガー、ヤスパース、キルケゴール。

ショーペンハウアー。

哲学では必ず登場しますね。

ストア学派の影響があります。

ストア学派の代表は。

マルクス・アウレリウス。

セネカ。

エピクテトス。

ストア派の哲学は、今でも読めます。

推奨は、自省録。

ローマ哲人皇帝は、自分のことを批判していますね。

ラテン語のことわざ。

だれも賢人として生まれない。


26


卒業式を迎えました。

既に専門学校への入学が決まっています。

卒業式はあっさりと進み。

高校生活は終わり。

皆、自分の進路に向かっていきました。

私達の日常に大きな変化はなくて。

卒業式の次の日ですら。

みんなで遊びに出かけています。

少しだけ暇があるんですね。

専門学校とは、ラテン語の学校で。

古典を中心に、経営から国際社会まで教える。

珍しい学校です。

新しい形の専門学校。

時間がありますので。

全員で、高校時代の編成で。

大都市に出かけています。

羽叶。
「ラテン語は、既に使われていない言語ですが。」
「教養として幅広く教えられている言語でもあります。」

緒美。
「ラテン語とは、古代ローマで使用されていた希少言語。」
「後に教会ラテン語としても使われました。」

水希。
「聖歌にラテン語が使われることもありますね。」

学世。
「ラテン語は今でも教養の証として、趣味で使われることもあります。」
「特に文学などに使用されますね。」

羽叶。
「アンデルセンの時代に、ラテン語の学校は実在しました。」
「本人は、周囲から、特例で行きなさいと言われたのに。」
「俳優の学校に行って失敗しています。」

緒美。
「今でもラテン語の教本を見かけますが。」
「子供の頃に、強制に近い形で習わないと。」
「習得は出来ませんね。」

水希。
「英会話レッスンよりも難しいですしね。」

学世。
「特技や趣味でも使用できますが。」
「公には使われていません。」

羽叶。
「世界で希少言語として知られています。」
「ラテン語を繰り出すと、評価は凄まじいほど上がります。」

水希。
「聖書ですら、ラテン語訳があるほどですからね。」

緒美。
「所で、武士の言語ってどうなっていますか?」

羽叶。
「武士の言葉は、どこかで保存されています。」
「こちらは、趣味で使われます。」

学世。
「厳格な作法での、武士の言葉での会話は。」
「一部地域で、子供などが習って。」
「演目のように伝えられています。」
「武士の言葉を使用した雑談は貴重なものです。」

羽叶。
「平気で古語の内容が飛び出す雑談形式の演目ですからね。」
「武士の言葉は、たまに古本で出回っていますが。」
「覚えることは出来ないですね。」

緒美。
「そういうのを使いこなすと。」
「相手は参ってしまいますね。」

水希。
「世界の言語は、一覧表もありますけれど。」
「言い回しで飾れたり。」
「特定の言い回しを覚えておくだけで。」
「現地でも少しだけ通用したりしますね。」

羽叶。
「国籍がニュージーランドの人で。」
「ほとんど言葉を使わない交流が出来た試しがあります。」
「ジェスチャーとか簡単な英語とか。」
「言語無視の伝え方すらあります。」
「友好的な人には、言葉もなしに交流できます。」

学世。
「今では英語が多く使われていますね。」
「英語が最も馴染みのある外国語です。」

羽叶。
「近々、翻訳機が売り筋になるかもね。」

商店街。

通りかかったテナントの中に。

スピリチュアル講座が入っていますが。

荒らされていますね。

暴漢が押し入って、イタズラしたらしくて。

落書きがしてあります。

スピリチュアルの講師は、路上で平手打ちを食らったそうです。

悪に対しての無抵抗を徹底しているらしくて。

スピリチュアルは殴られても反撃できない。

何しろ攻撃した奴らはカルト宗教の連中で。

スピリチュアル全般と喧嘩になっていて。

カルト対カルトがこの地域にあるようです。

とても激しい乱闘で、スパイが講師の演説の最中に。

大声で暴れる。

スパイが突然、ヘッドフォンなしで音楽を聴いて妨害。

インターネットでスピリチュアルに誹謗中傷。

それで、そろそろこのブースが空きそうなので。

大家は、ビルの目の前で困っています。

中では演説の準備をしている講師。

羽叶。
「スピリチュアルとか、居ない方がましですね。」

緒美。
「いろんな宗教から、いろいろ盗んでいるだけです。」

水希。
「偽善者になって相手を洗脳して。」
「結局はお金を搾取しようとしている。」

学世。
「彼らは、実の所、違法なんですよ。」

羽叶。
「発覚していないだけで、実の所は違法なんですよね。」

水希。
「やっていることは詐欺ですしね。」

羽叶。
「一貫しているのは、自分が善人であるという主張です。」

学世。
「カルマとか、ヒンズー教の教義の誤訳ですしね。」

緒美。
「勝手に他所から教義を盗んで。」
「搾取のために使っているし。」

学世。
「引き寄せの法則とか、カーネギーの誤訳ですしね。」
「しかも成功の効率を説くエッセイがあり。」
「複数ある中の、数個を引き抜いて自分勝手に使われた。」

水希。
「牧師が言う通りに、スピリチュアルとは。」
「超自然的な存在と契約してしまう行為。」

学世。
「現代の占い師は、超自然的な存在と契約して。」
「本人しか知らない情報を取得しますしね。」

緒美。
「プロテスタントでは、悪魔と契約しているとして非難しています。」

羽叶。
「スピリチュアルは想像以上に悪賢いので。」
「カルト団体でも、かなり厄介な連中ですよね。」

学世。
「最近は、クリスチャンでもスピリチュアルに影響されて。」
「信じてしまう実例があります。」

羽叶。
「スピリチュアルというのは造語で。」
「正式にはスピリチュアリズムと言います。」
「心霊主義として西洋で実在する考え方です。」

緒美。
「しかし他の宗教に迷惑をかける考え方が。」
「インターネットを中心に動いているのは公害ですね。」

学世。
「こちらの宗教から見ると。」
「彼らの教義がすべて滑稽ですけれどね。」

羽叶。
「世界の宗教から盗んだ、誤訳の教義。」
「それの寄せ集め。」

緒美。
「教義を盗んだ上に、誤訳の寄せ集め。」
「その宗教は教義については諸説あるのに。」
「勝手に定義して使用してくる。」

水希。
「どの宗教から盗んだのかは、けっこう容易く見破れます。」
「もれなく誤訳になっていますしね。」

羽叶。
「盗まれた教義について、その宗教の案内板を見ると。」
「悪用された教義について、いろんな説があるのが当たり前ですね。」

学世。
「偽預言者に気をつけろ、なんて新約聖書に書いてあるのは。」
「まさに偽預言者が、スピリチュアル野郎なんですよ。」

水希。
「民間信仰が発展した奴らですしね。」

学世。
「迷信なんて、たまに見かけますよ。」
「スピリチュアルが最も迷信を説いています。」

緒美。
「神父は、そういう嘘を頻繁に見破りますね。」

羽叶。
「一昔前の社会問題でしたね。」
「現在は、危険思想者としてその地位を確立しています。」

緒美。
「彼らはすっかり街に定着しました。」
「迷信として。」

羽叶。
「ああいう民間信仰を広めようとするのは間違っている。」

水希。
「迷信も数が増えると、影響力を持つという実例ですね。」

中で演説の準備をしている民間信仰の連中。

新興宗教の一員が、またテナント会場を荒らしに来ました。

近くで、スピリチュアルに喧嘩を売ったので。

乱闘になりそう。

駆け足でその場を通り過ぎました。

カルト対カルトは激しいですね。

商店街を進むと。

アニメ系列のお店があります。

最近は文化不足が深刻になってきました。

文明は、生活必需品を行き渡らせるのが任務ですが。

文化は、精神的な充足を与えるのが任務です。

国語辞典にも定義されています。

文化人は、最近、動画や放送で見かけるようになりました。

文化人になるには特殊な才能と適性が必須ですね。

店内。

羽叶。
「西洋では、ルネサンス時代に。」
「ギリシャ、ローマの文化が復刻しています。」

水希。
「日本では、和の文化がありますね。」
「あんまり目立たないので。」
「知名度は低い。」

学世。
「それを習ったことがないからですね。」

緒美。
「自国の文化が、自国民に軽んじられる。」

羽叶。
「現代は多様性の文化が主役ですからね。」

水希。
「人々に美しいと言われる作品は、未だに出ていない。」

緒美。
「映像作品とか、人々を喜ばせるのは良い事ですけれど。」
「美しいとは言われませんね。」

羽叶。
「ユーの作品は美しくありませんネ!」

学世。
「根性だけでは何も無いに等しいんですよ。」

羽叶。
「迎合されるだけで。」
「芸術に向いていない下品なお猿さんは。」
「大人しくしていてね。」

緒美。
「これが噂の作品ですか。」
「ふふん。」
「まぐれってあるものですね。」

学世。
「今回は、皆これに譲っているのですね。」

水希。
「クオリティでは、こちらの勝ちですね。」

羽叶。
「たまに、お金のためだけに作られた作品もありますね。」

学世。
「八方美人の迎合作品なんて、金銭の獲得が目的ですからね。」

緒美。
「それを支持している人間が、どんな奴らかを見れば。」
「読者層などが分かりますね。」

羽叶。
「偽物があると、本物があまりにも目立ちますしね。」

学世。
「現在、本物は大きな脅威を与えるという屁理屈で。」
「盛んに報道されることはないですね。」

水希。
「愚かな人間には、愚かな作品が似合っていますが。」
「良識のある人ならば、良識のある作品が似合いますね。」

羽叶。
「金銭と内容の釣り合いも大事ですよ。」

学世。
「それが人気の理由はなんですか?」

羽叶。
「理由が少ないほど、視聴者を騙していますね。」

緒美。
「作品を支持する理由を問われて、愚かな回答が出ると疑われる。」

水希。
「特に理由がないのなら、単なる多数決ですね。」

羽叶。
「噂の作品が、アダルトコーナーにあるんですけれど。」

水希。
「こっちは、オカルトのコーナーにあります。」

緒美。
「制作費よりも宣伝費の方が高くついていますよね?」

学世。
「広告に投入する金額のせいで、制作費と収益が回収できないね。」

美術品を数点、購入。

最近は映像作品と芸能人が融合して。

社会で一騎当千をしていますね。

簡単に力量が左右する職業ですので。

偽物は前に出られない。

バーチャルタレントは、本物しか就けない可能性すらある。

本物は力量の高さが目立ちますが。

偽物は不当な幸運と、理由のない人気が目立ちます。

依怙贔屓されている人はみんな偽物です。

証拠は必要。

次はラジコン飛行機の同好会に行きます。

電車を乗り継いで。

少し歩いて、海岸。

住宅地から少し離れている所ですね。

ジェット機のラジコンを操縦させて貰いました。

文化人。
「女の子が操縦している所が見たかった。」

老人。
「すぐに墜落させるなよ。」

紳士。
「なるべくなら、壊さないでくれ。」
「壊れたら、その後、考えることにした。」

羽叶。
「速度が速くて、見失うかも。」

緒美。
「これって高性能カメラがついているんですね。」
「コントローラーに映像が出る。」

水希。
「プロペラ機とは違って、敏捷性も飛び抜けていますね。」

学世。
「敏感過ぎる操作性ですね。」

小依。
「きわどい所で制御できています。」

百香。
「かなり慣れていないと墜落しますね。」

小依。
「小さな戦闘機、アクロバットは無理かな。」

百香。
「落ちないだけでも、合格でしょう。」

文化人。
「思ったより上手だね、過小評価していたよ。」

老人。
「俺よりも上手ではないのか?」

紳士。
「腕を上げたな!」

ラジコンで遊んで。

同好会から退出。

父親の友人なんですね。

これから通う専門学校ですが、下見に行きました。

けっこう立派で、比較的新しい校舎です。

最近は、人気殺到。

写真に撮って離脱。

最近、絡んできた二人組に招待された。

会場に行きます。

アニメ業界の式典でライブをやるらしくて。

大きな建物が会場になっていますね。

裏側から、関係者として通して貰えました。

既に舞台の裏で控えています。

羽叶。
「あなた、本当にあの時の女の子ですか?」

千影。
「観客が見えない所では、ああなりますよ。」

陽月。
「私は助手として、この娘と同じ場所にいるの。」

緒美。
「いきなり気が遠くなる現場ですね。」
「いつものあなたは、もっとふざけているから。」

千影。
「よく変人とか言われますよ。」
「むしろ変人だから舞台に上がれるとか。」
「個人的には受け入れがたい評価。」

水希。
「こんな女の子と遊んでいたんですね。」

千影。
「私からすれば、あなた、只者じゃないでしょ。」

学世。
「うわあ!観客のために自分を差し出すなんて!」

千影。
「私は観客と遊んでいるつもりなんですけれど!」

陽月。
「あなたはうまく行っているの?」

小依。
「振り向いてくれません。」

百香。
「女の子からした、女の子の口説き方を知りたいです。」

出番を、特等席から見ていました。

人気アイドルですなあ。

普段、見慣れているから、大きな感動はなし。

演目は素敵ですね、まるで別人です。

他の女の子とは、同日の論ではない。

舞台の上では、かけ離れて違う。

出番を終えて戻ってくると。

まだ、はしゃいでいますね。

抱きつかれました。

それで押し倒されて。

キスされそうになりました。

羽叶。
「うわっ!いきなり何するの!」

千影。
「あっ!ごめん!相手を間違えたわ!」

陽月。
「なにしてんのよ!私よ!私!」

緒美。
「文化人と関われるなんて。」
「いよいよ私の時代が来たのかな。」

水希。
「援護してやれば?」
「あの娘には持ってないものを。」
「私達は持っている。」

学世。
「私達が持ってないものを。」
「あの娘は持っていますよね。」

小依。
「私達ってこんな所でなんで平気なの?」

百香。
「さあ?よくあることだから?」

ライブ会場で、すべての出番を終えて。

それまで見ていました。

舞台裏は混雑。

時間ギリギリです。

お金が余ってしょうがないので。

出し惜しみせず。

タクシーを呼びました。

計二台も呼んでいます。

人数の関係ですね。

待ち合わせ場所の所までは一気に移動できます。

千影。
「また、この豪華な私を見せたいわ!」

羽叶。
「私も、あなたに見惚れました。」

陽月。
「また何かあれば、連絡するわね。」

学世。
「今日は贅沢をしましたよ。」

羽叶。
「女性のイデアを見たような気分です。」

千影。
「女性のイデア?それは嬉しいわ!」
「やり甲斐があります!」

緒美。
「駆け上がったのか、上に置かれたのか。」
「興味深い女の子ですなあ。」

水希。
「駆け上がったとも言えるし。」
「上に置かれたとも言えますね。」

学世。
「成り行きであそこまで到達したのですね。」

小依。
「あんなに注目されている娘だったの!?」

百香。
「いつもさりげなく混ざっているから。」
「再評価が必要かも。」

羽叶。
「差異はあっても、同類なんですよ。」

一同、退出。

駅前の広場まで移動。

もう暗くなりつつあります。

思えば、高校三年生が、もっとも多くの出来事がありました。

最盛期と言わんばかりです。

とても活発で、日々発見があり。

この時期の体験が、その後の基礎になりました。

明日からは、しばらく待機ですけれど。

新しい専門学校から、そこが本番でした。

何せ、ここまでのことがあっても。

余興みたいなものでしたから。



おまけ



知的財産、まんがでわかるニーチェ。

傑作、漫画版。

現在、古本屋にて販売。

再販が期待される。

ニーチェの哲学を現代版、漫画版にしてまとめた名著。

掲載しているのは、全体の一割未満。

学術を目的に使用する。

虚無主義は反出生主義によって脆弱性が埋まるので。

合わせて獲得しておくと良い。

ニーチェ哲学の図解、解説は新書にもあるので。

まずはそちらを探してほしい。

この本は希少本になっています。



独善主義の宣伝野郎の言い分が開始されます。

典型的な善悪二元論を絶対的に妄信していますが。

なんだいその悪って?

という疑問から論破が仕掛けられます。

この時点で、相手に論拠がない。



その善悪は誰が決めるのかい?

すると法律が何々。

すると法律を基準に善悪を決めていると自白。

普通の常識とはその人達が勝手に空想している内容で。

目に見えない。

常識は人によって異なるのに、常識を客観的であると主張。

しかしその内容は公開されていない。



戦争では両者が自分こそ正しいと主張して。

相手を言い負かして攻め込むのが世界の主流。

敗北して正しいと名乗ることはできない。

戦争はたいてい合法なので。

参加している武器商人も合法。

人殺しが悪ならば、死刑制度も悪になるけれど。

また法律を持ち出して抵抗するので。

悪は時と場合によってころころ変わるものであると自白。

つまりは持ち出されている悪の定義がデタラメ。

その人の都合によって善悪が設定されるという結論に至る。

相手は誠実な人の演技をしていた。

善悪は自分が決めるので、お前はそれに従うべき。

という相手の論証が見えてしまった。




誰かの都合で悪認定されて、攻撃されたら気持ちが悪いし。

正しい世界って何を意味するのか支離滅裂である。

勝手に悪認定されると。

無条件に敵対して、相手は悪認定者を攻撃してもいい。

なんて言い分になるので。

社会の人々を怖がらせる結果になる。

市民にとって、善とか悪とか盛んに主張している人は危険という訳で。

自分の都合で悪認定して来る裁定者そのものが悪なのでは?

結局は善悪二元論を論破して撃退している。

価値観を無批判に受け入れ、他人に強制しているし。

自分は正しいことをしていると信じている。

少し突っ込まれた程度で激しく動揺したので。

相手の主張には根拠がなかったという結末になった。