めぐちゃんは神社の家に生まれました。
幼い頃から英才教育を受け。
元々優れた資質を持っていた為。
上達が早く。
自分で工夫するなど。
向上心が豊かでした。
ただ。
知恵があり。
この世の事を見透かしてしまいます。
この世が儚いものだと思い。
意味を見出せなくなります。
小学生のある日。
日本書紀を見せられ。
熟読しました。
この世は科学で説明できず。
むしろ。
この世のことを科学で説明しようと試みていると考え。
自分の世界が宗教的であると捉えます。
この世に意味を見出せなかっためぐちゃんは。
正しい解釈を試みました。
めぐちゃんは他の人より多く学びます。
ひとつの事柄から。
たくさん学びます。
これは知恵があるからできました。
なんとなく勉強しては。
自然と触れ合い。
何か儚くて。
でも大切で。
不思議な感覚です。
中学生で巫女デビューしました。
かわいいと評判になります。
でも疑問は晴れなくて。
知恵が有り過ぎたのでしょうか。
この世の一切のものが儚いものだと。
意味はあるけれど。
儚いものばかり。
見出せませんでした。
「私たちはなんて儚いものを追い求めてるんだろう。」
「みんなの価値観が私には綺麗に見える。」
「でもそれを追い求めた結末は、また儚い。」
出世欲に溢れる男の子に惚れられました。
でも。
出世を追い求めることに。
虚しさを感じています。
男の子は去っていきました。
もうひとりの男の子が惚れてきました。
結婚して家庭を持つ。
そんな事に意味は見出せません。
めぐちゃんにとっては愚かな事でした。
男の子は去っていきました。
高校に進学すると。
同じ神社の家のるみちゃんに出会います。
るみちゃんと意気投合しました。
るみちゃんは別格でした。
ひたすらレベルが高く。
そんなるみちゃんはめぐちゃんの知性に惚れました。
めぐちゃんは変わっていきます。
理屈で説明できないこともありました。
理をもって、説明できないこともありました。
めぐちゃんは自分の資質を伸ばしていきます。
めぐちゃんは家事が得意で。
そこからなんでもできるようになっていきました。
友人も増えました。
成績は常にトップです。
でも大学には行きません。
普通の勉強は普通の人しか生み出さないと。
知っていたから。
やめてしまいました。
めぐちゃんは特殊な勉強しかしませんでした。
いつしか非凡な人と言われ。
そんな自分が好きでした。
るみちゃんの母がめぐちゃんの資質に目をつけ。
神宮の巫女に推薦。
見事に通り。
巫女をやっています。
めぐちゃんは一生を神職で居たいと思い。
自分の居場所を決めました。
一体この世は何を求め。
何を得ればいいのでしょう。
めぐちゃんは無欲な自分に気が付きます。
自分の好きなものに目を向けると。
なんということでしょう。
たくさんあるではありませんか。
めぐちゃんは好きなものに囲まれました。
「この世は発展途上。」
「女の人が直接文明に関わってないですし。」
「基本的なものだけあります。」
「私はそれで満足です。」
めぐちゃんの部屋はグッズでいっぱいです。
「また生まれ変わるとしたら。」
「真面目に生きたいな。」
「いまのように。」
めぐちゃんは何か大切なものや大事なことを。
失っていたのです。
それを悟った瞬間。
より良く生きるようになりました。
めぐちゃんはこの世のことが解り過ぎました。
それがかえって大切なことに気が付かせてくれました。
人は暖かく。
いつも一生懸命です。
めぐちゃんは。
この世が儚いものだと感じつつ。
これで良いのだと。
神宮で。
巫女をやっています。
END