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無智が至福ならば、思慮あることは愚なることだ。

邸宅。

敷地が広く。

二階建て。

内装は控えめ。

建物が広く部屋数も多い。

ここは世帯の拠点。

庭には池があり、鯉が泳いでいます。

放し飼いの猫と、飼い犬が一頭、大型犬。

木の上には、只今、ツバメが巣作りしていまして。

キジバトが遊びに来ますね。

身内の収入で維持費が出されている所もありますが。

大名家の末裔と、仲間と共通の拠点。

地下室で怪しい実験。

紫色の球体が浮いていて。

妖女から仕入れたもの。

非売品。

これを壊すと、壊したいものが一緒に壊れるので。

念じています。

七星。
「またもや既成概念の解体を開始したいと思います。」

麗羽。
「既成概念ですか、よくも勝手に作って巻き込んだな!」

梅乃。
「既成概念に惑わされて、洗脳から離脱すると、今は腹が立つ。」

七星。
「中庸を守らない人生の筋書きについて。」

麗羽。
「徳性を説くには、無理な相手ですよ。」

梅乃。
「中庸という言葉を知らない?」

七星。
「知らないんですよ。」

梅乃。
「その程度なんですね。」

麗羽。
「生まれが、いろんな宗教に干渉しているようにしか見えない。」

七星。
「他所の宗教に手を出してはだめよ。」

麗羽。
「実際にやってしまったのでは。」

梅乃。
「おお、雷でも気を付けるんだな。」

七星。
「触らぬ神に祟りなし、と言いますか。」
「自分の信仰と矛盾する筋書きなんてね。」

麗羽。
「そうは問屋が卸さぬ。」
「そもそも運命なんて、最終的な責任転嫁の対象です。」
「自由を諦める代わりに、最後に運命のせいにできる、という特典。」

梅乃。
「運命のせいにしても良くならないし。」
「得もしない、良いことは何もない、最後に責任転嫁できるだけ。」

麗羽。
「自分の根拠は自分ではない、自分を創った絶対者です。」

七星。
「自分は責任者ではあるけれど、最終的な責任者ではない。」

梅乃。
「自分で創っておいて、すべての責任を負わせる絶対者なんて。」
「いないよ。」

七星。
「運命は、実の所、存在しないものとして扱われている。」

麗羽。
「とまあ、最終的な責任を運命のせいにできるんですよ!」
「どんなことがあっても、すべての悪は免除されるんですよ!」
「その代わり自由は制限します、なんてものです。」

七星。
「外れようとするのではなく、存在しないものとして扱う。」

梅乃。
「すべての悪を個人に負わせる訳には行かない。」
「だから、無理に運命に従わせる。」
「いや、お節介だし、後でどうなっても私は構わない。」

麗羽。
「運命のせいにできる特典を、故意に無視する。」

七星。
「運命は、荘子の話ですと、自然由来のもので。」
「盲目的なものです。」

梅乃。
「何を運命として認めるのか、自分で選べと。」
「道家は指示しますね。」

七星。
「何を運命として認めますか?」

麗羽。
「神々に任せれば?」

梅乃。
「概念を運命として認める訳には行かないので。」
「天体の運動かな。」

七星。
「私は不可抗力だけを運命として認めます。」

麗羽。
「私はその都度、都合のいいものを運命として認めますね。」

梅乃。
「私は、宇宙の運行と、量子力学の自然界が運命です。」

七星。
「とは言っても、運命の存在は無視しますが。」

麗羽。
「運命に対しては私も無神論者です。」

七星。
「運命論は、自然科学、実存主義で危機に瀕しています。」
「本当の所は、エルの物語で出てくる。」
「生涯の見本ですが。」
「見本はいくらでもコントロールしてもいいので。」
「誰かのルールには違反していない。」

梅乃。
「因果律を無視するので、何でもありでは?」

七星。
「いちいち因果律で決めるなんて馬鹿げていますよ。」

麗羽。
「因果関係で人について決めるなんて、頭悪いですね。」

七星。
「ゲーテの格言で、人生は悪しき冗談である、とありますが。」
「本当に人生はジョークの連続ですね。」

麗羽。
「ただし、ジョークが理解できるのは。」
「死亡する直前ですし。」
「それまでジョークを理解できないであろう。」

梅乃。
「ベートーヴェンは自然死の直前に。」
「皆さん拍手を、喜劇は終わった!と言い残しているが。」
「人生なんて観客は少ないし。」
「誰が主人公なのか、さっぱり分からず。」
「脚本も素人作品である。」

七星。
「人生の筋書きの馬鹿馬鹿しさを。」
「喜劇と表現した記録は、適切に人生観を言い表している。」

麗羽。
「荘子が語るには。」
「生きることと死ぬことは別々のこと。」

梅乃。
「長生きする人もいれば、長生きして苦労して煙たがれる。」

麗羽。
「すぐ死んで、死因もつまらない、なんてことがある。」

七星。
「やはり生きることの直線で死を考えるのは、何か間違えている。」

梅乃。
「どうせ死ぬのに、一生懸命に生きるのは矛盾していませんか?」

七星。
「年老いると、年の功が価値を持たない場所では。」
「老人が持っている権利だけが若者が欲しいもので。」
「老人は希望もなく、いつ死んでくれるのか。」
「周囲の人々に疑われるという。」

梅乃。
「容姿が衰えてから考えるわ。」

麗羽。
「今の未来は次ではない。」

梅乃。
「最後におばさんになるのって。」
「自害したくなるような実例ですね。」

七星。
「若い時期を活用したのなら、後は自分で何とかする。」

麗羽。
「人は、生まれたら、死ぬのを待つだけですからね。」

七星。
「生まれたら、自分が滅びないようにして。」
「死ぬのをひたすら待つだけ。」

梅乃。
「ある年齢になると、自分の保身だけを考えて。」
「死ぬのを待つだけになる。」

七星。
「荘子の話で、ありますよね。」

麗羽。
「他人の人生観に惑わされた。」

梅乃。
「惑わされない方が難しいよ。」

球体が破裂しました。

破片は当たらなかった。

既成概念は見つけ次第、論破して覆す。

既成概念は、既に無効化されたようで。

体が軽いですね。

三人は専門学校の同級生で。

お互いに、ちょっとした関係があります。

二年後、専門学校を卒業するので。

社会を見学して、見て回って。

散策していますが。

専門学校は航空専門学校なんですね。

救難ヘリコプターとか、アクロバット飛行のパイロットとか。

特に防衛研究所に志願していますが。

すべてが通る見通し。

地下室は通信装置、インフラ整備が万全で。

そこを研究所に使っていますが。

今は本でいっぱいです。

家の端っこに、書庫があって。

大量に本があるので。

その中で育ちながら。

新刊を持ち込んでいます。

七星。
「反出生主義者が言うには。」
「人生とは個人が満足して出ていくだけのゲームです。」

麗羽。
「特定の役割を引き受けるのではなく。」
「自分という役割を続けるのではなく。」
「つまり身体に関する役割、血縁、筋書きを超えて。」
「自分がそうしたいと思ったものを盲目的に実行するだけ。」

梅乃。
「それって神みたいですね。」

七星。
「神を名乗らないと、やってられない人もいますからね。」

麗羽。
「今の時代、神とは言いません、絶対者と言われて、仮説として扱われます。」

七星。
「信仰の相対化は、もうとっくの昔の話ですが。」

梅乃。
「どんな宗教も、解決策になって、実際に解決するのなら本物。」
「最後に意味がなかったら偽物。」

七星。
「私は無神論者の気持ちも分かるよ。」

梅乃。
「指図するなっていう抗議でしょ。」

七星。
「どんな信仰の対象も、まず殴ってみて。」
「論破したり罵ってみて、実際に決闘を申し込んでみて。」
「それで超自然的な反撃を受けたら、それは本物なので問題がない。」
「偽物は反撃すらしない、したとしてもそのまま私が勝てる。」

麗羽。
「信仰の対象が攻撃されないとでも思っているのか。」

七星。
「神だからで攻撃されないと思ったら大間違い。」

麗羽。
「神という単語は定義が広過ぎる、なので、どうとでも言えてしまう。」

梅乃。
「逆に言うと、無神論者に、神に従え、なんて言う方が倫理的に問題がある。」

七星。
「なので私は無神論者の気持ちもよく分かる。」
「私も無神論者になりたい時もある。」

梅乃。
「ある場合では、無神論を利用して説き伏せるでしょ?」

七星。
「実は無神論とは便利な道具、うざい奴を説き伏せる道具。」

麗羽。
「無条件に信じる時代は終わって、今は中立に徹しているプラグマティズム。」

七星。
「信じても、報いがない、解決にもならない、それはそのまま信じても無駄。」

麗羽。
「変に信仰していると思われるでしょうけれど、プラグマティズムが好きなので。」
「しょうがない。」

梅乃。
「いくら神々から未来が見えている、すべてが見えていると言っても。」
「理解できないので、反抗したい気分になることはよくある。」

七星。
「少しは反抗しなさいよ、信じるだけの人々。」

梅乃。
「信じるって確認ですからね。」

麗羽。
「個人的な物事でしかない信仰の事は、他人に話さないことね。」

七星。
「他人に説明しても分かりません、個人のことだから。」

梅乃。
「自分の体験は、無暗に語っても理解されませんね。」

七星。
「信仰は個人単位のもので、集団でそうなるという実例はない。」

梅乃。
「変わった信仰ですけれどね。」

麗羽。
「信じる以上のことを求める信者なんですよ、我々は。」

七星ちゃん。

お姉さんが大島にいるので。

手紙を書いています。

前の手紙では、風俗嬢について教えられました。

数か月前、風俗嬢に連絡したら、会えましたが。

えっちなことは慣れていないので、敬遠。

梅乃ちゃんの世帯は小さなマンションと中くらいのアパートを持っています。

梅乃ちゃんのお姉さん、小刹ちゃんは東京に戻って来て。

推薦で名門大学に入っていますが。

大学を出たら、大島に戻る予定で。

七星ちゃんのお姉さんの星弥ちゃんと同居するらしいのです。

半年前。

自宅で、七星ちゃんは、梅乃ちゃんにえっちなことされまして。

後ろから抱き着かれて、触られて。

お互いにキスしたら、悪くなくて。

そのまま七星ちゃんが梅乃ちゃんを犯してしまって。

そこから、恋仲なんですね。

悪ふざけの結果です。

七星。
「人間は社会的に余っている、特にアジア地域において。」

麗羽。
「人口が無駄に増えれば、仕事の取り合いですからね。」

梅乃。
「科学的にも、地球の人口には定員、つまり上限があるし。」

七星。
「何のために増やしているのか、意味不明ですが。」

麗羽。
「最後に全滅するためでしょ。」

梅乃。
「豪快な滅び方ですね。」

七星。
「モッブがいくら増えても、面白くない。」

麗羽。
「モッブ?哲学用語ですね?」

梅乃。
「モッブを増やしても、私には何の利益もないが。」

七星。
「人間が理由もなく増えたので、社会を圧迫しているね。」

梅乃。
「色欲でも満たして増えたのか。」

七星。
「増え過ぎて社会が圧迫される、もう少し適切な数で合わせてくれてもいいのに。」

麗羽。
「まあまあ、都内に出れば、余っている人がたくさん歩いている訳で。」

七星。
「欧州では人口が余っているような所はなかったらしい。」

梅乃。
「実の所、数百年前から、文化的に人間が余っていると。」
「アジア地域の人々は思っていて。」
「退屈していたそうですね。」

七星。
「生まれてくる奴は、生まれることしか考えていない。」

麗羽。
「生まれた後のことは考えない。」

梅乃。
「そこと地上は違うよ、なんて言っても分からない。」

七星。
「所で、私が梅乃ちゃんを襲うので。」
「側面から麗羽ちゃんが妨害するゲームしましょう。」

麗羽。
「それはいいですね、梅乃ちゃんはどう?」

梅乃。
「覚悟はいいですよ、どうぞ。」

いきなり。

押し倒された梅乃ちゃん。

キスされますが。

横から麗羽ちゃんがスカートを掴んで。

七星ちゃんはそのまま服を脱がされてしまい。

立て直した梅乃ちゃんが、下着を奪いまして。

そのまま麗羽ちゃんに押し倒された七星ちゃん。

顔を舐められたので、突飛ばしたら。

下着を眺めていた梅乃ちゃんに激突して。

七星ちゃんは倒れた麗羽ちゃんを触ると。

梅乃ちゃんはそのまま見ているだけで。

結局は、麗羽ちゃんが弄ばれる。

ターゲットを切り替えた七星ちゃんが梅乃ちゃんに突っ込むと。

梅乃ちゃんは降参して、大人しくキスされまして。

満足したと思ったら。

また後ろから麗羽ちゃんに脱がされて。

この辺りで悪ふざけは辞めました。

なんだか、互いに性的魅力を感じて。

女の子同士で、その後、机に座って。

交互に顔をじろじろ見ていました。

ひとまず外に出ると。

謎のドローンが浮いていまして。

うちのドローンではないです。

祖父が、鷹を飼っていて。

鷹を飛ばして、ドローンを捕獲。

プロペラを七星ちゃんが大型メイスで破壊。

鹵獲できました。

七星。
「これが不審なドローンですね、操縦士はどんな気分?」

麗羽。
「こうなると、敵から手に入れた玩具ですね。」

梅乃。
「盗撮でもしたいのかな?」

七星。
「敵は利用価値のある捨て駒。」

麗羽。
「敵から盗んだ技能だらけですよ、私はね。」

梅乃。
「敵を利用して、パワーアップすることもあるんですね。」

七星。
「つまりは、私達があまりに美人なので、狙われている。」

麗羽。
「相手が女の子ならいいよ。」

梅乃。
「あなたは中立なの?私のライバルなの?」

麗羽。
「私は女の子が好き、もっと遊びたいな。」

七星。
「さっき顔を舐められた、変わったことしますね。」

梅乃。
「あの、私が顔を舐めたり、あなたが私の顔を舐めたりは。」
「いいんですか?」

七星。
「もちろん、今やります?」

麗羽。
「なんか舐められても、悪くないような顔をするよね。」

七星。
「あなたが美少女だからね。」

梅乃。
「舐めて、顔を。」

七星。
「今はできません、盗撮を倒したばかりじゃないですか。」

梅乃。
「あなたの下着、新品とすり替えまして。」
「まだ持っているんですよ。」

七星。
「それでは地下室に戻りましょう、あなたはどうするの?」

麗羽。
「見る、見たい。」

地下室で、これってえっちなの?グロテスクなの?

下着を交換条件で返してもらいました。

基本、梅乃ちゃんは受けで、七星ちゃんが攻め。

麗羽ちゃんは第三勢力です。

こんなことやっても、必ず狙いがあるので。

いけない所は触りません。

くっつきたい、それだけ。

放置していた勉強をしますが。

簡単過ぎるので、退屈して。

さっきから戯れていました。

昔から、三人共、勉強が簡単過ぎてつまらなくなり。

学校で悪戯を繰り返していました。

多分、祖父が学者で、幼い時から物を教えていたせい。

ようやく勉強に取り掛かりますが。

短時間で終わらせてしまい。

コスプレをして遊んでいまして。

未成年の体は小柄で、似合います。

なぜなら、美少女キャラクターの大半は未成年なので。

大人の女性のサイズでは似合わない。

成人寸前のサイズなら似合います。

求婚者が来ていて、話だけの予定でしたが。

男子禁制の地下室には来ません。

応接室で祖父に諭されて、青年は立ち去りました。

それで、ちょうどいい的がいたと思って。

ロケット花火を撃ち込んだら。

それが求婚者の帰り際でして。

青年は青ざめて逃げました。

祖父は大笑い。

祖母が、勉強はもういいから遊んでおいでと。

ようやく門が開くと。

近くにいた女子高生を口説きました。

七星。
「お嬢さん、私と来ない?お金ならあるよ?」

麗羽。
「どうですか、私の彼女にならない?」
「女性が望むことなら何でも手に入る私ですよ?」

梅乃。
「私といかがわしいことしませんか?無料ですよ?」

女子高生。
「キャー!綺麗!シャンプー何使っているの?」

少女。
「ひょっとしてアイドルとかやっている?」

麗羽。
「いけないことって興味ない?」

女子高生。
「誘惑するの?」
「色気があるから、引き受けちゃうよ?」

少女。
「一緒にゲームセンターに行かない?」
「もうすぐ夕方だし、帰り道!」

七星。
「私と女のゲームしましょう。」

麗羽。
「いけないゲームなら、私は好きですよ。」

梅乃。
「私は遊ぶ側であって、遊ばれる側は好きではないです。」

ゲームセンターに行きましたが。

なぜか路上格闘技Uをやらされて、ゲームプレイ。

次は、機動兵器に乗って戦うゲーム。

農業機械の四輪は、急停止、急発進が可能。

両腕にミニガン。

両肩にバルカン砲を装備している。

それでチームを組んで、対戦。

最後には、クレーンゲーム無制限プレイとなりました。

七星。
「摘んではいけない花を、刈り取ってしまった。」

女子高生。
「あなた、有名な女の人ですよね。」

少女。
「お金持ちですね、おかげで、景品は持ちきれないほど。」

麗羽。
「そろそろ対価を支払ってくれないと。」

梅乃。
「スカートめくりとか、どうですか。」

女子高生。
「やだ、冗談ばっかり、また遊ぼうね。」

少女。
「なんですかあの美人は、男は放っておかないよ。」

帰り際。

とにかく女性に狙われました。

女子大生。
「素敵!結婚してください!」

七星。
「結婚した後はどうするの?」

美女。
「あなた、うちに来ない?」
「あなたを見ると、くすぐったいんだけれど。」

麗羽。
「濃厚過ぎて、ちょっと私には早いかなって。」

婦女。
「ねえねえ、お姉さんに興味ある?」

梅乃。
「ありますが、内容に寄りますね。」

女性に口説かれること数回。

いつものことです。

七星ちゃん、昔は女性に拉致されまして。

ホテルに連れて行かれて。

裸体を見せて来て、刺激になりまして。

それだけだったので、事件にはならず。

昔から。

麗羽ちゃんは、なぜか女の子から見つめられます。

梅乃ちゃんは、同い年の女の子からよく、誘惑されます。

撫でたいらしい。

七星ちゃんはひたすら女性に口説かれる。

帰宅すると。

また祖父がドローンを鹵獲していまして。

凄い勢いで、倉庫が中破したドローンだらけになります。

鷹は不意に捕まえるし、ホーミングが凄い。

祖母はドローンを中古で売却するらしいのです。

ようやくドローンの操縦士が見えましたが。

どうにも女性のようです。

勉強が簡単過ぎて、蹴飛ばして遊びに行ったら。

男性ではなく、女性に狙われる女性になっていて。

実際に女性からの尾行、ナンパ、求婚は。

知らない所で数を増やしているのでした。


2


専門学校。

表向きは航空専門学校ですが。

裏は、軍事アナリスト養成機関で。

元自衛官が学校に勤務しています。

PMC養成部門があり。

予備役の構築を依頼されていますね。

エレクトロニック・カウンターメジャー(ECM)対策の部門もある。

これは行動を起こした先端の結果から。

相手の目的、位置情報、攻撃の種類などを割り出し。

逆探知することが伝統のようです。

要するに、電子戦の玄人を作る部門。

裏の顔が複数ある。

謎の学校なんですね。

小さな飛行場に。

航空機を持っていますが。

退役戦車を動かしたり。

電子妨害の訓練でドローンを落としたり。

模擬戦も入っています。

校内で、誰が特定のハニーポッドを落としたのか。

当てる試合がありました。

裏では、得体の知れない組織です。

梢(こずえ)先生が担任。

女教師ですが。

女性の趣味が広くて。

毎年、入学する女子生徒を見るのが楽しみらしい。

なぜか女子生徒に友好的で。

男子生徒からの評判は良くない。

授業中。

梢。
「さて、朝鮮戦争からイラク戦争までの兵器について。」
「きちんと覚えたかな。」

七星。
「洗練されていないテクノロジーですが。」
「それでも敵地を野原にするには足りるということですね。」

麗羽。
「イラク戦争以後から、兵器が高度化、ハイテク化が進んでいますね。」

梅乃。
「昔はこんなに性能が低いけれど、当時としてはまともな兵器ばかり。」
「しかもその時代の兵器が、後進国では未だに稼働している。」

梢。
「まさしく、その時代の傑作、力作だらけだな。」

梅乃。
「美術からして、かなりイケています。」
「デザインにも拘っているんですね。」

七星。
「見栄えが良くないと、買って貰えないし。」

麗羽。
「見た目が悪い兵器は、中身も悪いことがよくある。」

梢。
「男性的な美術的作品集という訳だな。」

女子高生。
「必要なものを破壊するので、無秩序ではない。」

少女。
「壊してもいいものを壊すことがよくある。」

青年。
「優秀な兵器はあるだけで、相手は反撃を予想して、攻撃できなくなる。」

美青年。
「なぜか戦争になると、殺人のルールも変わるよね。」

女の子。
「破壊ですら、評価の基準が変わるので、賛美されるし。」

秀才。
「善悪二元論が有名になったのは、大規模紛争の時に。」
「大規模攻撃で、破壊の限り、殺戮の限りを尽くされても。」
「それを防ぎきれない、反撃も足りていない、撃退が難しい。」
「自分より強い相手を裁けない、などからです。」
「競り勝った後、ようやく責任を問えるくらいでしょうかね。」
「負けたら、勝者がすべて決めるので。」
「善悪二元論は役に立たないことで有名になった。」

梢。
「兵器は相手を従わせるために、用意されるものだし。」
「自衛を怠った者は自殺したいだけ。」
「さて、戦闘機は覚えたかな。」

女子高生。
「戦闘機は、セミアクティブホーミングからの脱却。」
「そして中距離ミサイルから長距離ミサイルの復活まで。」
「一通り覚えました。」

青年。
「戦車は、ライフル砲時代から、物理的な限界である一三五ミリ砲まで。」
「覚えました。」

男児。
「戦闘艦は、昔の時代のものは、旧式過ぎて。」
「まともな対空防御がないことが分かりました。」

梢。
「実際、どうなるのか、シミュレーションを使って、学びましょう。」

軍関係者向け。

シミュレーターが起動されて。

実際の兵器は、練度にも寄りますが。

複雑な動きをしますね。

知らないことだらけ、最初に見た感想です。

知らなかったことだらけ、シミュレーターで体験しました。

両陣営、よく考えて作戦を練っているので。

一方的に勝てる戦争は稀です。

何も考えていない国家や軍隊なんていません。

シミュレーターで逃げ遅れた民間機が出ました。

梢。
「有事の際は、その空域と海域の民間人が危険に晒されます。」
「旅客機は飛べなくなります。」
「しかも周辺の空路は閉鎖されて迂回になります。」
「海路も変更されます。」
「しかも戦闘開始直前は、漁をやっている船と。」
「貨物を運んでいる船が、まだ戦闘地域にいます。」
「旅客機はすぐに逃げられますが、民間船は逃げ遅れます。」

男の子。
「誤射されると、民間人も殺されますね。」

梢。
「誤って攻撃って、けっこうあるんですよ。」

少年。
「些細なことで、兵士は誤認して、うっかり撃ち込んでしまう。」

少女。
「しかも味方の兵士にも、誤認による殺傷は日常茶飯事。」

梢。
「さて、弾道ミサイルや短距離弾道弾の連射について。」
「まず、情報が早期警戒衛星から送られて、自衛隊から民間に流されます。」
「最初に確認すべきは、どこを狙っているのか。」
「政府の中心なのか、軍事基地、つまりは司令部なのか。」
「虐殺が目的なら、大都市の駅に撃ち込みますが。」
「宣戦布告の合図なら、地方都市や田舎を狙いますね。」
「敵側は先制攻撃が普通で、いつの間にか準備していると思ってください。」

七星。
「防空網を突破されたら被弾しますので。」
「傍観者効果は無駄な抵抗になりますね。」

麗羽。
「日本の防空網は貧弱なので、複数発射で殺されますね。」

梢。
「敵が狙っている所が何処なのか、まず予想する。」
「通常弾頭なら、そんなに威力はない。」
「とりあいず地下に行けばよろしい。」
「核兵器ならば、爆発閃光は見てはいけない、と言っても見る人がいる。」
「この場合も地下が安全で。」
「着弾地点から遠ければ遠い方が何事も有利に運びます。」
「そして着弾して助かっても、油断してはならない。」
「同盟国、攻撃を脅威に認定した友好国が反撃を行います。」
「そんな国家を黙認できないので、核戦争になります。」
「実際には、ある程度の損害を与えて、同害報復になるでしょう。」

梅乃。
「第三次世界大戦ですか、勝てばいいじゃないですか。」

七星。
「その場合は、地球の片側が滅びますね。」

梅乃。
「勝てばいいので、事前に準備していれば、余裕を持って勝てるかと。」

麗羽。
「地球の環境が汚染されますね。」

梅乃。
「しょうがないよ、そんなことをする馬鹿がいるんだもん。」

七星。
「馬鹿のせいで滅びるなんて傑作じゃないですか。」

梢。
「という訳で、兵器の次は弾道ミサイル、次は宇宙に展開する。」
「早期警戒衛星。」
「核戦争以後、つまりポスト第三次世界大戦の仮説を教えるから。」

授業が終わりましたが。

やはり軍事アナリストの教育もしますね。

飛行機について。

アフォーダンス理論で、飛行手順。

つまり、飛ぶこと、降りることを、学びますが。

三年生は実技試験があるので。

それまでに筆記試験はすべてやるみたい。

放課後。

女教師。

宿題を教室で片づけてしまって。

その日のうちに提出した三人を見つけて。

仕掛けた。

梢。
「お嬢さん、水着とか興味ない?」

七星。
「ありますが、何か?」

梢。
「今度、市民プールに行かない?」

七星。
「行きます、覗きますが?」

梢。
「着替え中にですか、そのつもりですよ。」

七星。
「これはたまらない提案ですね。」

麗羽。
「先生も好きなんですね。」

梅乃。
「先生の水着姿ですか、見てみたいね。」

梢。
「そうやって発散しているのだからね。」

下校時間。

というか夕方。

帰宅。

中間地点に移動。

各自、別方面に帰ります。

公園を横断中。

森林の道、周囲に人はいない。

ストーカーしている女性ですが。

ゴスロリ姿で、なんだかストーカーに見えません。

ついに目の前に登場。

美少女。
「あなたを好きにしたくて、参りました。」

七星。
「そんな、美しいって罪なの?」

美少女。
「罪ですね、だから、あなたには罰が加えられないと。」

七星。
「どうするつもり?」

美少女。
「そうですね、裸になって、一夜、抱き合いましょう。」

七星。
「嫌です、適切な女の子がいるので。」

美少女。
「拒否できると思うんですか?」

七星。
「思います。」

美少女。
「美しいは罪、裁かれるんですよ?」

七星。
「勝手に法律を作らないでください。」

美少女。
「いいじゃない、ルールくらい、いきなり作っても。」

七星。
「誰かのルールなんて。」
「どこでも衝突するだけです。」
「もはやルールが力の優劣で決まっていませんか?」

美少女。
「理屈はいいのよ、やらせて。」
「指くらいいいよね。」

七星。
「嫌です、ハグくらいなら、いいんですが。」

美少女。
「嫌なこともしないといけないの!」

七星。
「学校の道徳ですか、まず手本を見せなさいよ。」

美少女。
「口だけの規則が学校の道徳でしょ?」

七星。
「確かに、手本もなし、口だけ。」
「言っていることとやっていることが違う。」
「それが道徳の本質。」

美少女。
「それではやらせて頂きますね。」

七星。
「動かせない真実なんて、ないんだって!」

美少女が掴みかかりますが。

簡単にパワーの差があるので。

相手の女の子を圧倒。

美少女を反対に捕獲しまして。

美少女の手をロープで縛って。

林の中に連れ込んで。

顔を舐めてあげました。

美少女。
「ひゃあ!まあ悪くないわ!」

七星。
「あなた、思っているより奇麗ですね。」

美少女。
「キスして、そうしたらストーカーを辞めて。」
「友達になってあげる。」

七星。
「あれ?ストーカーの自覚あったんですか?」

美少女。
「本当は特別な関係になりたくて・・・。」

七星。
「そうですか、それでストーカーが減るのなら。」
「安いものです。」

美少女。
「舌を入れるキスなんて、初めて・・・。」

七星。
「満足しましたか?」

美少女。
「私を性奴隷にして!」

七星。
「はいはい、もう友達ですよ、解き放ちます。」

美少女。
「次からは正々堂々、挨拶しますね!」

女性のストーカーは話が通じるらしい。

そうなると、男性のストーカーは。

男性特有の利己的な性動機が激しく出ているため。

相手の女性を物扱いするが。

今回、女性のストーカーは、複雑な動機を持っていて。

性的な接触をしたいだけらしい。

ちなみに同じ学校の上級生でした。

後で美少女が味方になったのは言うまでもない。

次の日は祝日でして。

有給休暇を取りたくて、私達を選んだみたい。

市民プール。

更衣室にて。

梢。
「どうだい?今、誰もいないので。」
「先生の欲求のはけ口になってくれるかい?」

七星。
「いいですよ、見てみたい。」

麗羽。
「今、裸体ですよね、タオルのみ。」

梅乃。
「そんなのが好きなんですか、悪くないですが。」

梢。
「どうだい、成人女性の裸体は?」

七星。
「好きです、なんというか、モデルみたいですね。」

麗羽。
「それを見せることで、発散するとか。」
「なかなか、処理が上手ですね。」

梅乃。
「なるほど、美術からして、センスのある裸体ですね。」
「裸婦デッサンとか、していいかな。」

梢。
「裸体デッサンは無理です、もう人が来ますので。」
「泳ぎましょう。」
「下着姿は、見たよね。」

七星。
「とても参考になりました。」
「あなたは美術的な女性です。」

麗羽。
「先生のそういう姿を想像していたら、本当に見れるとは思いませんでした。」

梅乃。
「美術からすると、かなりの点数になります、先生の体。」

梢。
「なるべく短時間で終わろう、変な目撃証言とか、勘弁してほしいから。」

七星。
「このくらいで処罰されるなんてことはないかと。」

校長。
「そうですよ、私のように、娘を連れて来ているなんて。」
「とても言えません。」

梢。
「うわっ!なにか凄い叔母様かと思ったら、校長先生!」

校長。
「こんなことで処罰されると思っているのか、じっくり遊べ。」

プールで、先生と遊びまして。

ちなみに、自然に対する個人の威力、なんてものも学びました。

水面で試しています。

どのくらい、プールに対して威力が出るのか?

自然に対する影響がない知識は偽物。

大災害の時にも、大災害に対して威力を発揮するものです。

市民プールは開館から来ているので。

二時間で帰ります。

自宅に帰ってくると。

待っていたかのように。

来訪者がいまして。

今回は、女性の求婚者がやって来まして。

祖父が諭しています。

婦人。
「あの女の子と結婚したいなって。」

祖父。
「未成年ですが。」

婦人。
「私は社内で地位も高いし。」
「一緒に出世できるといいんだけれど。」

祖父。
「本人はもう恋人がいるんだが。」

婦人。
「そこを何とかならない?」

祖父。
「面会して、気に入れば、あるかもね。」

そこで祖父は、七星ちゃんを呼びました。

婦人と面会。

好みではないと伝えまして。

婦人は、せめてほっぺにキスしたいと申し出たので。

一緒に更衣室に行き。

ほっぺにキスされると。

婦人は気が済んだのか。

大人しく立ち去りました。

ひょっとして次の相手がいる?

休憩したら。

地元のお店に出発。

玩具屋でプラモデルを見ていまして。

戦闘機、戦車、戦艦と、いろいろ買って。

バックパック満載で店を出ると。

何者かが、後ろから接近して来ていて。

振り返ると。

変な男性がいました。

変態。
「えっちなことしようよ。」

七星。
「嫌です、お金払って、娼婦とでもやるんですね。」

変態。
「え?お金払うと、女性といろいろできるの?」

七星。
「そんなことも知らないの?」
「世の中、合法的に、性的なものは手に入るんですよ。」

変態。
「それは知らなかった。」
「とりあいず君は素敵なので、抱き着かせて。」

七星。
「嫌です、相手を間違えています。」

変態。
「こんな綺麗な女の子を見逃したくない。」

七星。
「女性は物ではない、私は物じゃないよ。」

変態。
「ぐわあああ!殴られた!」

七星。
「頬にパンチするのは素人、目の周りが狙いやすい。」

変態。
「ああ、失明した!」

七星。
「え?利き手と反対のストレートですよ?」

変態。
「うわあ!化け物にやられた!」

すると、巡回中のパトロールカーが来て。

何事かと、警官が降りてきて。

病人ではないかと推測した。

警官。
「大丈夫か?何が起きたんだ?」

変態。
「化け物にやられた!」

警官。
「化け物?そんなものいませんが?」

変態。
「そこにいる!」

警官。
「この女の人が化け物?」
「何を言っているんですか?」

変態。
「だからそこの人が化け物で、やられたの!」

警官。
「化け物とは言えませんが、何があったので?」

七星。
「私に抱き着こうと、突進して来ました。」

警官。
「あらまあ、正当防衛だね。」

相棒。
「救急車呼ぶぞ。」

警官。
「さすがに、強姦で返り討ちになったら。」
「無になるだけですね。」

相棒。
「連れて行くけれど、拘留になりそうだね。」

七星。
「男の人を久しぶりに殴りました。」
「男性は女性に力で負けたら、何も残らないじゃないですか。」

解放されました。

変態は拘留される。

変態は連れて行かれて、お説教らしい。

市内を散策していまして。

自分のいる地域はすべて把握しています。

三十路と俗に言われている女性が。

挨拶して来まして。

そのうち三十路になることが決まっているのに。

まるで選んだかのように言われてしまう。

苦境があるらしい。

娼婦。
「残念だわ、今夜、あなたを誘って、一緒に寝ようと思っていたのに。」

七星。
「なんてことを勝手に企画しているんですか。」

娼婦。
「さっき病院で診察を受けて、梅毒ですって、私。」

七星。
「うわあ、近寄らないでくださいね。」

娼婦。
「女性同士で営業しているけれど、あなたとはもうできないわ。」

七星。
「風俗嬢なら、もう確保していますからね。」

娼婦。
「あら、私は用済みなのね、それに梅毒が加わって挫折は二倍。」

七星。
「勝手に企画して、勝手に挫折しないでください。」

娼婦。
「しばらく営業できないわ。」
「私は奴隷でいいので、貰ってください。」

七星。
「要りません、梅毒が早く治るといいですね。」

娼婦。
「あなたに感染させる訳には行かないので。」
「今夜は誘いません。」

七星。
「あなた、計画したから成功なんて思っていませんか?」
「計画、中間、結果でしょ。」
「なぜ中間が抜けているんですか。」

娼婦。
「はい?計画したら成功でしょ?」

七星。
「計画したら、予想外のことがあり、結果はどうなのか、という所でしょう。」

娼婦。
「計画したら、成功があるだけでしょ?」

七星。
「計画して予想外のことが起きて、望まない結果になる。」
「あなた、初心者にありがちな失敗をしますね。」
「戦争の素人ですね。」

娼婦。
「そんな難しいこと分かりません。」
「ただ、昔雇われて、あなた達に裸体を見せた営業は覚えています。」

七星。
「とても参考になりましたが、今はお大事に。」

三十路の女性、立ち去ります。

昔、性教育で雇ったことがあり。

女性だけの集会でしたが。

誤った性教育の危険性と、教えられた内容と実際の矛盾は。

そこで分かりましたね。

正しい性教育は、産婦人科が握っている特権ですけれど。

性行為だけで、背景にある、恋、結婚、収入、制度、契約。

年齢の経過、結婚生活、数十年後の予想など。

夫婦や恋人の関係から、性行為だけを抜き取ったものが独り歩きしているようです。

何も知らないうちに、性行為に巻き込まれる危険性はありますね。

ちなみに、女の人が好きになったのは、何度も美人女性に裸体を見せられて。

時に触ることも、押し付けられることもあったからで。

それも全部、成り行きで、相手の女性が仕掛けて来ていました。

性格からして、先天的に男性には近寄らないのですね。

とりあいず、産婦人科による性教育は。

未成年の無知・脆弱性のために、必須科目です。

文房具店で、再会。

そのまま、拠点に入りまして。

地下室にて。

梅乃。
「何か、白昼夢で、あなたに似た女性が昔から出るんです。」
「大正時代の衣装で、幼少期から出ます。」

七星。
「私も、あなたに似た女性が、幼少期から夢に出ます。」

梅乃。
「何か関係があるのでしょうか。」

七星。
「その白昼夢で、私は病死していませんか?」

梅乃。
「はい、あなたに似た女性は、ある場面では病死しています。」
「結婚が嫌で、逃げていたら、疫病が流行っている地域で。」
「疫病をもらって帰って来て、病死しています。」
「私は、襲って来た男と戦って共に海に落ちて。」
「溺死している。」
「みたいな白昼夢もあります。」

七星。
「ううむ、噂に言う前世ですかね。」

梅乃。
「それなら、その時に何か約束していたんですね。」

七星。
「恋人になるとか?」

梅乃。
「それなら、もうなっているので、白昼夢は役目を終えていますね。」

七星。
「そう言えばそんな夢は見なくなったね。」

梅乃。
「それなら、結婚しましょうか?」

七星。
「そういう前提で考えておきます。」
「多分、そうなります。」

麗羽。
「お菓子を持って来た、というか、いい雰囲気ですね。」
「たまには、私にもそういうのがあればいいなって。」

七星。
「それなら、そこの大きなベッドでお昼寝しましょう。」

梅乃。
「服は脱がないで、私服のままです。」

麗羽。
「はあ、魅力のある女の子、身内だけれど、囲まれて寝る。」
「うん、んん、あれ。」

七星。
「マッサージしますね。」

梅乃。
「私はサービスで、顔に吐息とか、体にしがみつきます。」

麗羽。
「体を揉まれて、顔に吐息、そして固定されて動けない。」
「なんかいい感じです。」

麗羽ちゃんは寝てしまいましたが。

起きた時には裸にされていて。

二人は宿題を片付けた直後で。

真っ赤になりつつ、満足した麗羽ちゃんは。

宿題の一部をカンニングしました。

時計を見たら、解散することになりましたね。

本棚にある希少本。

アフォーダンス理論の本には。

善悪は存在するのか?

というテーマのものがあります。

本当に善悪って存在するのでしょうか?

それを証明することはできるのでしょうか?

もし善悪がないのなら、どうしたらいいの?


3


都合の悪いものに一言、君の最期にグッドラック。

夜歩きに挑戦。

たまには、ということで。

夜にコンビニエンスストアに行きまして。

夜の客層って悪くない?

適当にお菓子を買って。

帰る途中。

後ろから謎の女性が接近して来ていて。

後ろから抱き着かれました。

七星。
「うわっ!なんかどこかで感じたことがあるような?」

梢。
「好きよ、美人さん、触らせて。」

七星。
「なんか覚えがある声ですね。」

梢。
「もっと強烈に抱きしめてあげる。」

七星。
「揉むつもりですか、というか、この人を知っているような。」

梢。
「前を向いて、こっちの体勢でも抱きしめたい。」

七星。
「なんか私は遊ばれているね。」

梢。
「さあ、私の物になれ・・・ん?」
「見覚えがある女の子ですよね?」

七星。
「そうですね、毎日、会っているような人ですね。」

梢。
「あなた、教師に私のような人っていませんか?」

七星。
「そうですね、今日の昼間に授業を行った。」
「女教師にそっくりですね。」

梢。
「ぎゃあ!七星ちゃんじゃない!」

七星。
「梢先生、そんな趣味があったんですね。」

梢。
「ごめんなさい、つい、手を出したというか、衝動的というか。」

七星。
「いいえ、別に悪くないプレイですよ。」

梢。
「これは内密に。」

七星。
「所で梢先生、今日はどんな下着を穿いていますか?」

梢。
「わかりました、それを見せたら、無かったことにしましょう。」

七星。
「先生も心地よい感触で、色っぽくて、いい匂いでしたよ。」

梢。
「え?そう?もう少しやってもいいかしら?」

七星。
「今度は私から抱き着きますね。」

梢。
「ああ、先生はいけないことを。」

七星。
「やはり先生も、女の人、我慢しなくていいのに。」

梢。
「もう私の物にならない?」

七星。
「一分だけは、いいですよ。」

梢。
「ああ好き、撫でさせて。」

七星。
「所で梢先生、胸を触らせてください。」

梢。
「仕方がないわね、はい。」

七星。
「とても素晴らしい体験でした。」

梢。
「誰にも言わないで、生徒を、しかも女性同士なのに。」
「こんなことしたから、何を言われるか。」

七星。
「いつもこんなことするんですか?」

梢。
「いつもは大人の女性を誘うのよ、成功したのは一度だけ。」

七星。
「それではまた明日も会いましょう。」

梢。
「あなた、好きなのね、あと、中々楽しんでいますね。」

梢先生は立ち去りました。

家の近く。

公園を横切る近道をしましたが。

人の気配がしない無人地帯は。

防犯上は悪い場所です。

こんな所に待ち伏せされたら。

なんて所には、高確率で不審者がいます。

前方に人影。

何者かが正面から現れました。

覆面。
「君が七星さんですね。」

七星。
「いいえ、私は通りすがりの女の子です。」

覆面。
「ほう、その通りすがりの女の子の名前は?」

七星。
「奈々ちゃんです。」

覆面。
「平気で嘘をつくな!」

七星。
「人が何も?をつかないなんて、思っていたんですか?」

覆面。
「君を拉致して身代金を手に入れる。」
「野郎共、来い!」

悪漢。
「こんばんわ、私は田代という者です。」
「先月、勤め先をクビになりまして。」
「拉致に参加させて頂いております。」
「よろしくです。」

暴漢。
「こんばんわ、倒産した会社の元社長です。」
「お金になる話と聞いたので。」
「どうせろくなことがないと思いましたが。」
「本当にろくなことがない仕事ですね。」
「よろしくお願いします。」

七星。
「ちょっと!そこの覆面、自己紹介するのを待っているんだけれど!」
「ひょっとして、あなた、自己紹介とかやらないタイプ?」

覆面。
「ああ、俺は、暗い過去から始まった。」
「貧困から抜け出たと思ったら、妻とは離婚。」
「子供の親権は取られてしまい。」
「行き当たりばったりの仕事を繰り返していたら。」
「人生一発逆転の話が出て来て。」
「それに乗ったのが追い打ちであった。」
「すみませんが、お金になってください。」

七星。
「今回は敵と味方に分かれてしまいましたが。」
「いずれ、手を取り合える日を信じていますよ。」

悪漢。
「それでは、私から始めます。」

暴漢。
「援護する。」

七星。
「ほれほれ、札束ですよ、こっちに寝返りませんか?」

悪漢。
「なんだと!五万円じゃないか!」

暴漢。
「これをくれるって言うのか?」

覆面。
「うわっ!やばい、こいつら目先の利益に目がないから!」

七星。
「五万円は安い?十万円で、私が買います。」

悪漢。
「よし!決めたぞ、明日の百より今日の五十!」

暴漢。
「後ろは違法、前は合法!」

二人組はある程度まで、突進するが。

反転して覆面に襲い掛かりました。

買収した。

覆面。
「うわあ!犯罪組織め!」
「下っ端にかける金が安過ぎるんだよ!」

悪漢。
「お前を倒して、女の子から数万円もらう!」

暴漢。
「数万円を軽く出せる女の子なんて。」
「仕事も紹介してくれるかもしれないし。」
「もはやお前に従う利点は無いぞ!」

覆面。
「ぐほぉ!」

悪漢。
「いくらくれるので?」

七星。
「三万円でどう?不満?」

悪漢。
「まいどあり!」

暴漢。
「仕事って貰えますか?」

七星。
「隠れギルドがあるので、リーダーの名刺渡しますね。」

暴漢。
「私をお買い上げありがとうございます。」

覆面、倒れている。

覆面、負傷したようです。

下っ端、二人組は立ち去りまして。

覆面は放置して、帰ります。

自宅に帰還。

護身用の吹き矢は未使用。

敷地内、門に入る。

玄関の前にて。

知り合いのおばさんが帰り際で。

旅行から帰って来たので。

少し雑談。

池の隣の椅子にて。

知人。
「しかしまあ、私の人生とは、生まれて、育って。」
「勉強して大人になったら、夫と出会って。」
「子供も生まれて、ようやくこの年になりまして。」
「特に取り柄もない私も、よくやって来れたなと思っていまして。」

七星。
「うーん、五十点!」
「平凡で平和なのはいいけれど。」
「人生がワンパターン過ぎるというか。」
「全体的な筋書きの安っぽさが気になるっていうか。」

知人。
「あらまあ私の理解を超えた審査員ですこと。」

七星。
「旦那さんはどんな半生を?」

知人。
「生まれて、勉強して、大人になってすぐ働いて。」
「まあ働き続けて、よくこの年まで使われたと思います。」

七星。
「働くだけなら、どんな男性にもできますよ。」
「生まれつきの労働者なら、旦那さんの方が。」
「そこら辺の人々より似合っていますが。」
「もっとオリジナルティのある要素はないんですか?」

知人。
「まあ、義に固い人ですし。」

七星。
「薄っぺらい義ではないですよね、否定されますよ?」

知人。
「とまあ、本人を見てもらわないと、本当のことはわかりません。」

七星。
「そうですよね、百聞は一見に如かず、ですよね。」

知人。
「言葉だけでは何も伝わらないのね。」

七星。
「プロフィールだけでは、あんまり他の人と違いがないかなって。」

知人。
「あらまあ、やだ、結婚相手にそんな高度なこと求める人なんていませんよ。」

七星。
「ああそうでした、恋なんて、けっこう誰でもいいかのような。」
「そんなものですからね。」

知人。
「それではこの日本酒を飲んで頂いて。」

七星。
「私は未成年ですよ、酔わせて何をするつもり?」

知人。
「飲んでくれないの?」

七星。
「自分が暴走する飲み物なんて、とんでもない。」

知人。
「それは残念ですね、少量ならいいのに。」

七星。
「遠慮します。」

知人。
「それではお酒を置いておくので、いつでも飲んでね。」

七星。
「飲酒する前提で、お酒を置いて行くな!」

おばさん、退場。

日本酒ですが。

祖母が家政婦に飲ませまして。

日付変更前には。

家政婦が下着姿になって。

廊下に寝ていたので。

部屋に運んでおきました。

次の日ですが。

何事もなく過ぎ去り。

一緒に下校しています。

七星。
「自分の時間と、他人の時間は、まったく異なりますね。」

梅乃。
「どんなものも、時間の影響を受けます。」

麗羽。
「時間については、相対性理論かな。」

七星。
「時間については謎だらけです。」
「本当に自然のものなんですかね。」

梅乃。
「人の記憶も、忘れたら無かったことになり。」
「物体の運動も終われば、あったことも、無かったことになる。」

麗羽。
「時間も科学の研究対象という訳ですね。」

七星。
「時間も科学なんですよ。」

梅乃。
「時間も物理学という訳ですね。」

麗羽。
「メンサという学生がいたような。」

梅乃。
「児童の発達指数を大人に当てはめた雑魚共でしょ。」
「そんなもの今更、相手になると思っているの?」

七星。
「あのね、知識は何でもかんでも詰め込むものではないよ。」
「必要な時に適切に取り出せるように。」
「整理整頓しているものなんです。」

麗羽。
「シャーロックホームズですか、そうですか。」

梅乃。
「特定の知識にものすごく詳しく、ある知識に疎いのが。」
「助手のワトソンの第一印象でしたね。」

七星。
「一瞬で届くはずの光にも速度があり、時間の制約を受けるのだから。」

麗羽。
「地上なら、どんなものも時間の影響を受ける。」

梅乃。
「しかし、流れる時間は、観測する人によって違ってしまう。」

七星。
「ちなみに相対性理論は二種類ありますが。」

梅乃。
「実際の天体観測で、裏付けられたという記録があります。」

麗羽。
「とある時間と、ある時間が矛盾するのは、よくあるパラドックス。」

七星。
「時に科学は神秘主義と大差ない。」

到着。

門は監視装置が搭載。

警備会社と契約しています。

地下室に入ります。

宿題を即日、提出して、学校に届けまして。

残った余暇で遊んでいます。

梅乃ちゃんが、家にあったウエディングドレスを着て登場。

仕方がないので、七星ちゃんは紫のドレス姿になる。

麗羽ちゃんは、修道女のコスプレをしています。

七星。
「なにをするんですか?」

梅乃。
「疑似結婚式。」

麗羽。
「それでは、あなた方は誓いますか?永遠に?」

七星。
「ごめんなさい、どこかで心変わりすると思います。」

梅乃。
「それじゃだめでしょ!」

麗羽。
「それでは誓いますか?」

七星。
「裏切らないという誓いだけは出来ません。」

麗羽。
「大丈夫です、無批判に相手のことを信じてください。」

梅乃。
「結婚式の常套句、まあいいでしょう、くらい言ってください。」

七星。
「ああ、人間をまったく知らないから、誓いなんて立てるんですよ。」
「なんだか誓いが安っぽくなって、錆びついていますよ。」
「結婚式なんて、古臭い、最新式はないんですか?」

麗羽。
「まあまあ、アインシュタインも、結婚なんて文明的な奴隷制度でしかない。」
「なんて言っているほどですし。」

梅乃。
「せっかく身売りしたんだから、高く買ってよ!」

七星。
「よしよし、奴隷として高く評価して、使い潰すことを誓います。」

梅乃。
「なんか怪しい誓いが大量に入っていますが。」
「人間同士の約束に絶対はないです。」
「誓いだけで、守らないことも破ることも。」
「人間にはできます。」
「問題は、きっかけ、それだけ。」

麗羽。
「それでは誓いのキスを。」

七星。
「大人のキスをしてあげる。」

梅乃。
「うわあどうしよう、結婚式でそんなキスを!」

七星。
「舌を口に入れさせて。」

麗羽。
「ちょっと待った!やり過ぎです、形式的に!形式だけだから!」
「結婚に本気になる人なんて、その時だけですから。」

梅乃。
「結局、好きなようにやられました、慣れてないよ。」

七星。
「実はお姉ちゃんから教わりまして。」

麗羽。
「お姉さんとキスしたの?」

七星。
「したことありますよ、なんでないと思ったの?」

梅乃。
「仲の良い姉妹ですね。」

麗羽。
「お姉ちゃんはどんなふうに思っていたの?」

七星。
「え?いつも女の子にするのと同じだって?」
「なんで私が後の相手になったのか、不思議なくらいだって。」

麗羽。
「姉妹で同類ですかい。」

着替えて。

希少本を読んでいますが。

この時代、時期しか揃わない、読めない本も多数ありますね。

書籍は、かなり昔は特権階級だけのもので。

庶民にはまったく届いていませんでした。

今は大量に発行されて、流通しています。

他の人を見ると、どうでもいい本ばかり読んでいる。

今、本棚に溜まっているのは。

軍事アナリストが書いた、ミリタリーマニアの本です。

けっこう国内では置いてありますし。

国内の軍事好きのために、一般的な本屋でも。

軍事の専門家、玄人、退役軍人が書いた本は手に入ります。

価値が高い本ほど、本屋では扱っていません。

通信販売は必須ですね。

日本では平和主義教育のせいで。

紛争や戦争に慣れていません。

いきなり攻撃されたら、何の用意もないですね。

大規模紛争の直前は、平和主義が絶対的な真理であり。

世界が守るべき規範であると言い張っていた集団がいましたが。

今はもういません。

七星。
「戦争ですか、古代世界も現代も、よくあることですね。」

梅乃。
「昔は、戦争で負けると、戦争捕虜で、奴隷になったりしています。」
「今と昔が違う点は、結果がましになった所だけですね。」

麗羽。
「道徳で敵の攻撃から身を守れるなんて思うのは馬鹿げているよ。」

七星。
「相手の道徳と、こっちの道徳は別物ですよ。」

麗羽。
「真面目な現場で、摂理に対する信仰を持つな。」

梅乃。
「ああ、地球観測史上、三番目の東日本大震災。」
「あれもよくあることなんですね。」

七星。
「たまに地上はああなります。」

麗羽。
「それでは壊れてもいいように、破壊される前提で都市を作らないと。」

梅乃。
「映像とか繰り返し見ると、人間って無力ですね。」

麗羽。
「平和な時代にも、救助チームや役人が。」
「かなり有能であった実績は捨てがたい。」

七星。
「いくら平和な時代が続いても。」
「ここまで来ると、弱体化なんてしませんね。」

梅乃。
「この時代は私の立ち位置、歴史はああなっている。」
「これからは、まだ現れていない。」

七星。
「とまあ、戦争や大災害が、自らが持っている世界観を。」
「すべて覆すという、厳しい現実ですけれど。」

梅乃。
「それまで持っていた世界観って、何が根拠ですか?」
「語り継がれる、推論の産物ですか?」

麗羽。
「まあまあ、平均的にはそうなるであろう、というのが。」
「一般的な世界観で。」
「自然を世界観の論拠にしてもいいし。」
「世界観の転覆を、一度は体験しておくものですよ。」

梅乃。
「そうですよね、一度は世界観がひっくり返ってもいいかなって。」

七星。
「白色の下着は素敵でしたね、無言ですか。」
「家政婦がケーキを持って来ました。」

麗羽。
「お姉さん、按摩とか食らってくれますか?」

家政婦。
「私がやるのなら、いつでも呼んでくださいね。」

麗羽。
「それは冗談・・・じゃないみたいですね。」

地下室からようやく出ると。

もう夜になっています。

迎えの車が来ています。

日の入り前の出来事。

庭の中に、猿が侵入したらしくて。

庭の中に放し飼いにしている。

ゴールデンレトリーバーが猿を殺しました。

猿は死体になっている。

ちなみに、豹くらいの肉食動物だと。

大型犬に殺されます。

犬が複数いると、猛獣も集団リンチで殺されます。

瀕死になるまでズタズタにされて。

動かなくなるまで、犬に攻撃されます。

番犬の役割を与えられている犬は、見掛け倒しではない。

猿は庭の隅っこに、半分埋められて埋葬されました。

既にトンビが死体を食べている。

調べたら、報道で、都心部に猿出現、なんて登場していた。

猿でして。

犬が殺したので、翌日、残骸は役人に持って行かれました。

深夜には、両親が帰宅。

両親の行動は不規則、変則的です。

いつもいないと思いきや。

たまにお店に行こうと誘って来たり。

いきなり植物園に行こうと言って来るので。

幸福については、かなり関心があるんですね。

朝になると、いつもの女の子と再会して。

同じ学校に通う。

老人は、人生は同じことの繰り返しであることを理解していて。

そんなものであると、嘲笑っています。

人生に何の意味も与えられないので。

いろんな理屈をつけることになった。

大道廃れて仁義あり。

何か目立ったスローガンが世の中に溢れると。

実はそれとは正反対のものが発生しています。

正反対のものに対抗しようとして。

思想宣伝が流行るんですね。

無駄な抵抗をするんじゃない!


4


日曜日。

いろんな女の子を眺めていました。

じろじろ見ても。

容姿の影響か、怪しまれない。

ファッションとか髪型とか眺める。

特にスカートの女の子が好きで。

遠目から見る。

しかし、まさか女の子が見ているとは思わず。

相手も警戒しない。

たまに近寄って。

会話を盗み聞き。

これは中学生の頃からの習慣。

なるべく怪しまれないように。

こんなことをやり遂げる技能を得た。

帰り道。

公園の周囲は、複数の方向に開けているので。

通路としては最適ですが。

いろんな人が潜んでいます。

なので、いつもは走って通るんです。

走って通り過ぎる人を、誰も追跡しようとは思わないけれど。

今回は、歩いてしまっていた。

ナンパされました。

梢。
「ちょっとそこのお嬢さん、時間ある?」

七星。
「おや、綺麗な人ですね?」

梢。
「ん?どこかで会ったことありますか?」

七星。
「あなたは教師ではありませんか?」

梢。
「やばい、また生徒を口説いてしまった。」

七星。
「先生も、美容院に行ったんですね。」

梢。
「君も美容院に行ったのか。」
「なるほど、雰囲気が少し違う訳ですね。」
「似ているからと、違う女の子だからいけると思った。」

七星。
「何がしたかったんですか?」

梢。
「ホテル。」

七星。
「便所では?」

梢。
「違うよ、ホテル。」

七星。
「行きますか?」

梢。
「え?行ってくれるのか?」

七星。
「玄関までは行ってあげますけれど。」
「わざわざ、家があるのに宿泊だなんて。」
「変わった趣味があるんですね。」

梢。
「ああ、もういいよ。」
「どうして君はそんなに頭が良いのか。」

七星。
「え?私だけ目立つなんて!」
「みんな同じくらいの知性があるんじゃないんですか?」

梢。
「うむ、君以下の頭の程度しか、みんな、ないな。」

七星。
「そうなんですか?苦労しているんですね?」

梢。
「君にとっては当たり前だが。」
「こちらにとっては頭が痛い問題でね。」
「たまにいるんだ、劣等生とか言われている人。」

七星。
「先生に頭脳明晰にしてもらえばいいじゃないですか。」

梢。
「そうだな!いいこと言う!」
「所で、ちょっと一緒に歩かない?」

七星。
「流行のドリンクとか飲みます?」

梢。
「お姉ちゃんって言ってね。」

七星。
「嫌ですよ、私のお姉ちゃんは。」
「お姉ちゃんって呼ばれるのが喜びなんですから。」
「ここで変更はないです。」

梢。
「そうなのか、それならお姉様はどうだ。」

七星。
「いいですよ、お姉様。」

梢。
「二十分くらい付き合ってくれ。」

七星。
「未成年の女の子と遊びたいんですね。」

並んで歩いていると。

先生の知り合いと遭遇。

先生が子供の頃に面倒を見てくれた。

近所の看護師。

少女の時代に、病気で入院した時に仲良くなり。

近所に住んでいて。

少し離れてから、会っていなかった。

熟女。
「あなた、もう娘がいるの?」

七星。
「お母さんの友達ですか?」

梢。
「お母さん言うな!」

熟女。
「だいぶ大きいわね、いつ産んだの?」

七星。
「何も分からないうちに、男の子とやったそうです。」

熟女。
「あらまあ、その男の子とは結婚したの?」

七星。
「してないそうです。」

熟女。
「それなら、あなたのことを、この人は考えてないの?」

梢。
「勝手に母親にするな!」

七星。
「子供なんて後から考えたそうです。」
「いろいろやる前から準備していたり計画していた訳ではなくて。」
「既に母親になっている人から教えてもらってないし。」
「いろいろやった後から考えたそうです。」

熟女。
「なんてこと、あなた、年上の母親達から何も聞いてないの?」
「そんなものでよく産んだわね!」

梢。
「こらこら、架空の話で、怒っているんじゃない!」

七星。
「給料も安くて、この身なりは、今日だけでして。」

熟女。
「とんでもないことをしてくれたわね!」

梢。
「だから、この女の子はうちの生徒!私は女教師!」

熟女。
「あらやだ、そのことを女の子に教えているのね。」
「勘違いしたわ、ごめんなさい。」
「その女の子に、私の母親体験を教えるわね。」

七星。
「ならないので、結構です。」

熟女。
「強姦されて無理になる場合もあるのよ。」

梢。
「それは生徒に知らせなくていい!」
「知らない方がいいから!」

七星。
「男の子なら、どのくらいの人数、殴って、怪我をさせたのか。」
「分かりませんが。」

熟女。
「あなた男の子を倒したの?」

七星。
「憂さ晴らしに、よく殴りました、今は法律の関係で。」
「難しくなりましたが。」

熟女。
「きちんと手加減してあげた?」

七星。
「全力で倒しました。」

熟女。
「だめじゃない、男の子を虐めたら。」

七星。
「申し訳ありませんが、その時期は弱いもの虐めが好きだったので。」

熟女。
「今は何か趣味はないの?」

七星。
「先生と一緒に歩くことですね。」

熟女。
「それなら良かったわ、さあこずえちゃん。」
「今のうちに、世渡りの術を教えてあげて。」

梢。
「おいおい!好き放題に言ってくれちゃって!」
「まあいいか、並んで歩いていると、娘にしか見えない。」

七星。
「長生きしてくださいね。」

梢。
「とんでもない、人には寿命があって。」
「自力で長生きするなんて、出来ないわ。」
「こずえちゃん、もっといろいろ教えてあげなくちゃ。」
「それでは、何かあったらまた病院で会いましょう。」

立ち去る知り合い。

ドリンク屋で、流行りの飲み物。

ドーナツ店に行ったり。

ファストフード店で飲み比べ。

先生は帰りました。

予定の時間を過ぎたから。

帰っている最中。

いつもの近道の公園に女の子がいて。

話しかけてくる。

女子小学生?

ミニスカートにニーソックスの衣装。

目立っていますが。

自分で選んだのか、着せられたのか。

しかし美形。

警戒されていない。

少女。
「ねえねえ、お姉ちゃん、なんでそんなに綺麗なの?」

七星。
「どうやら私が勝ち取った権利のようですね。」

少女。
「権利なんだ、それなら不細工はどうなんですか?」

七星。
「さあ?勝手にそうなったから、本人もこう言っていますよ。」
「勝手に不細工にしやがって!なんてね。」

少女。
「世の中って勝手にどうにでもなるんですか?」

七星。
「けっこうな物事が勝手にそうなりますね。」

少女。
「私がおかしいのではなくて、世の中がおかしいんですね。」

七星。
「世の中が自らの愚かさを認めることはありません。」

少女。
「そんなの傲慢じゃないですか、自分だけは認めないって。」

七星。
「いいえ、欠点だらけで、醜悪で、愚かで、馬鹿で。」
「頭おかしいくらいが、世の中だなあって、すっきりしますよ。」

少女。
「そうなんですね、気持ちが悪くて、頭が悪くて、汚点だらけで。」
「間抜けでお人好し、屁理屈ばかりで、中に入るとすぐ汚染される。」
「しかも下品で、動物的で、感情論ばかりで、勝手にいろんなことが起きる。」
「なんてくらいが、世の中だなあって、それでいいんですね、納得です。」

七星。
「大人になれば、多分、分かると思いますよ。」
「世の中、そこまで良くないってことに。」

少女。
「世の中の悪い所なんて、一冊の本に出来ますよ。」

七星。
「そうやって出来損ない、人間が作った駄作、脚本が小学生レベルみたいな。」
「そういう所が、世の中の素晴らしい所じゃないですか。」

少女。
「そうですね、私達が語った内容が、世の中が素晴らしいと言える所ですよね。」

女の子は後ろに走って行きまして。

何だったのでしょうか。

遠くに、友達と思われる女の子が集まっているので。

そこに行ったのでしょうね。

ゲームセンターで、連勝中の二人組。

勝っている所で辞めていた。

連絡を受けて合流。

麗羽。
「聞いた中で、そして他人に言っている所に居合わせた中で。」
「最も酷い暴言。」
「タバコのために君を捨てたパパほど怒ってないよ。」
「カナダ人の悪口、同じくらいのものを。」
「いくらでも言っていたね。」

梅乃。
「お前らは勝てないのをイカサマのせいにするのかよ。」
「これもひどい暴言。」

七星。
「その人の母親をいきなり罵るという。」
「謎のパターンはたまに見られますよ。」
「暴言の現場では。」

梅乃。
「自国民の悪口は、西洋ほどレベルの高いものではなく。」
「子供っぽいんですね。」

麗羽。
「日本人の暴言は幼稚、西洋人の暴言は高威力。」

七星。
「韓国も暴言の文化があるとか、言われていますね。」

梅乃。
「なんだ、我々の暴言とか、批判とか。」
「純粋で、汚れを知らない幼女みたいなものですね。」

麗羽。
「比較対象が出ると、我々はまさにピュアですね。」

七星。
「というか、あんなことを言い合って暮らしているとか。」
「かなり殺伐としている社会ですね。」

麗羽。
「怒っている時だけでは?」

七星。
「罵り合いオンラインゲームを視聴していると。」
「他人で無関係なのに、無傷で済まない動画がある。」

梅乃。
「よくあんなこと考えましたよね、西洋人に口論で勝てないよ。」

七星。
「暴言オンラインゲームとか、見るに堪えない暴言、英語字幕だらけ。」
「よくあんなバイオレンスな世界で平気ですなあ。」

梅乃。
「平均値がそれなので、慣れているんでしょうね。」

麗羽。
「え?でも、とても独創性があって嫌いではないですよ?」
「最初、資料として見た時から。」
「口論で無敗な人だなって、ちょっと羨ましかったし。」

梅乃。
「破壊衝動のことになると、みんな単純だよね。」
「微笑ましい。」

七星。
「そうですね、ふっふっふ、口論で私に勝てるかな?」
「なんて言わずに。」
「アドリブで、相手が傷つく言葉を合法的に浴びせられる。」
「優しさが反逆的で下品な音楽と呼ばれる文化ですから。」
「口論だったら絶対的に負けない、なんて言い出すと思って。」
「あれが当たり前なんですね。」

退場。

店の前で。

この地域で最強のゲーマーが来まして。

実は二人組を避けて来ていて。

女性に負けるのが嫌いらしい。

それでも歓迎されるゲーマーであった。

そして、後ろについている尾行。

デブで清潔感のない不細工が。

後をつけて店に入ると。

いきなり便所に直行して。

スマートフォンで連絡。

不男。
「あいつ何か盗んでいるんですけれど!」

職員。
「本当に何か盗んでいるのかな?」

不男。
「あいつイカサマしているんですけれど!」

職員。
「本当に盗んでいるのなら、対応させて頂きますが。」
「こちらから確認していないので。」
「どうにも言えません。」

不男。
「取り押さえる!」

職員。
「犯行予告ですか?」

不良集団が現れて。

カモになった。

不良が不男に絡んだら。

不男が逃げました。

七星。
「私刑。」
「処罰のための処罰になり果てる。」
「手段としての制裁が。」
「目的になってしまい。」
「制裁のための制裁。」
「処罰のための処罰になってしまった。」

麗羽。
「裁くために裁くのですか、滑稽ですね。」

梅乃。
「懲らしめるための懲らしめ、暴力でしかない。」

七星。
「無差別テロの犯人の言い分ですかね。」

麗羽。
「犯人が虐殺を実行した後に言いそうな考えではあります。」

七星。
「相手を裁ければ、冤罪でも喧嘩でもいいとか。」
「路上でいきなり人を殴って。」
「それを制裁と呼ぶくらい酷いね。」

梅乃。
「他人を理由もなく攻撃して、その結果を処罰と呼んでいるだけ。」

七星。
「自称裁判官が戦うのですか?負けたら、どうするんですか?」

麗羽。
「裁判官が戦うな!」

梅乃。
「しかし裁判官が戦うゲームなんてものがあって。」
「かなりひどい内容ですが。」

七星。
「そんなものありましたっけ?」

麗羽。
「自称裁判官が兵士になるのは、論争になりそうですね。」

七星。
「裁判官、兵士になり、敵兵と戦う、これは論争ですね。」

梅乃。
「戦いの結果で制裁が決まる、これって今まで無かった要素です。」

麗羽。
「何にもないのに、裁きまくると、裁判官が兵士になってしまい。」
「なんか意味が分からない裁判官になりますね。」

七星。
「裁判官と戦士は両立しないかと。」

麗羽。
「むしろ裁判官が、敵兵と戦っている所を見てみたい。」

梅乃。
「役割が違うと思いますが、それはそれで面白いかも。」

麗羽。
「論争になったりして、裁判官単独で犯罪者と向き合ったら。」
「どうなるのか。」

七星。
「論争ですか、時間がもったいないので。」
「私はクラシックを聴きますね。」

梅乃。
「みんな真面目に論争していないですからね。」

麗羽。
「そもそもみんな真面目に勉強したのかなぁ?」

七星。
「信じられない、一度も論説を打ち破ったことがない人達が。」
「今度は論争だなんて。」

梅乃。
「決して似合わないとか、実力に見合っていないとか。」
「そんなことは言っていませんが。」

麗羽。
「そうなんですよ、決して多数決でしか物を決められない人々とか。」
「推論や、適当な資料から変な結論ばかり出すとか。」
「そんなことは思っていませんし。」

七星。
「急に、言い争いで決着をつける人が増えたから。」
「対応できないんです。」

梅乃。
「あれ?多数決で決めようとしているって。」
「みんな自覚なかったんですか?」

七星。
「ううむ、我々はもっとお世辞が上手になる必要があります。」

梅乃。
「今回の訓練、お世辞の上達。」

麗羽。
「お世辞ですか、これまでまったく訓練していない。」
「新しい技能です。」

日曜日なので。

宿題を、勤務中の教員に届けまして。

強引に、提出。

どんな量の宿題も。

その日のうちに返すことが当たり前になり。

放課後なんて、宿題をやっていて。

いつも、閉校時間ギリギリで提出して帰ります。

高校時代は、いつもこんなもので。

両親から幼少期に習った。

あなたは何を知っているのですか?

なんて問いとか。

あなたは無知なので、これから何でも知ることになる。

とか。

無知で困らないように。

難しい書籍を買って来たり。

それもまた、祖父がわかりやすく説明するんですね。

アインシュタインも、教えるという姿勢について。

五才の子供にも理解できるように伝えることが。

本当に理解していることなのだ。

なんて格言を残しています。

アインシュタインの晩年はアメリカに亡命していて。

ひっそりとした地方都市で。

子供、学生に数学や物理を教えていて。

かなり詳しくて大人気という。

ちょっと暖かい史実もあります。

戻って来た。

三人娘。

久しぶりに書庫に入る。

市販の本が大量にありますが。

古典が中心で、現代書はないです。

今回は全体主義の起源、三巻がありました。

ビヒモス・ナチズムの構造と実際、も近くにありました。

ナチズムとは、権力を大統領に集中せよという要求から誕生しました。

選挙で選ばれた君主制なんですね。

全体主義の起源では、階級脱落者、モッブの話が多い。

モッブはどの時代にもいるし、現代にもいる。

指導者に付き従うだけで、罵ることと、投石しか出来ない。

それって最近も出現しましたよね。

君主制の中に貴族制が混ざったものは、成立しました。

民主制の中に貴族制が混ざったものは、成立しました。

民主制の中に君主制が混ざったものは、失敗しました。

もう滅んでしまって。

記録しか残ってない。

バラモン教典がありまして。

読んでいると、いろいろと発見。

多分、原典を読んでいない人ばかりいる。

そして、たまに、思想の誤訳が。

道徳として、伝わっているという。

愚かしいことがある。

古代ギリシャ人は、インダス川北岸に移住して。

アレクサンドロス大王の遠征で。

人口が増えました。

そのためか、インド哲学の中には。

ギリシア人の哲学者らしき人物が。

インド人みたいに登場します。

誤訳は発見した時、考えが崩れて。

誤訳を信じている人の破滅が見えますね。

七星。
「徳性を鍛える、これはギリシア哲学にもあり。」
「実は原始仏教、インド哲学にも見られている。」
「徳性を鍛えて、向上するのは理解しやすい。」

麗羽。
「いつしか、経験論で上に上に行くという。」
「誤訳が流行ってしまって。」
「経験で向上するものであると履き違えた。」
「なので、経験が偉いなんて誤った解釈に行き着いた。」

梅乃。
「経験がいくらあっても、徳性は皆無。」
「むしろ悪徳に陥って、それが経験による向上だとか。」
「何を言っているのか。」
「誤訳から繋げておいて、今も続けるなんて。」
「頭悪過ぎですね。」

七星。
「徳性は生まれつきのものではなく。」
「完全に後天的なものであると伝えられています。」
「原始仏教、婆羅門教典にはそうあります。」
「経験によって鍛えるとは書いていない。」
「とまあ、衆愚なんてそんな程度でしょう。」

麗羽。
「経験を積んで偉くなるとは書いていない。」
「誤りが言い伝えになって。」
「道徳になってしまった。」
「なんですか、婆羅門教典も読めないし。」
「原始仏教すら理解できないのですか。」
「まぐれでやって来たとしか言いようがない。」

梅乃。
「徳性は、一度理解すると、実践しやすく。」
「習慣になりやすい。」
「古代ギリシアでは美徳とも徳性とも言われていて。」
「共通点がありますね。」

麗羽。
「悪い意味で古臭い連中は、経験と称して。」
「主観的なことを繰り返している。」
「何を経験したのかは知りませんが。」
「この世に長く居座った、それだけなのに。」
「それを経験と呼ぶのは間違っている。」

梅乃。
「その経験論も、イギリス経験論とはかなり違ったものです。」
「経験、だから偉い、しかし。」
「経験、だから醜いし卑しい、なんて論証をすり替えることもできます。」

七星。
「経験したから、馬鹿である。」
「経験したから、経験したものしか分からない。」
「論証はすり替えることが簡単ですね。」

麗羽。
「経験したものしか分からない連中なんて。」
「迎合されて出世を試みるか。」
「低レベルの現場で活躍するくらいしか。」
「取り柄がないのでは。」

梅乃。
「同じレベルの人に囲まれると、それは有利でしょうね。」

麗羽。
「経験なんて、どうにでも言えるバーナム効果。」

七星。
「とりあいず自分の主張を経験と呼べば。」
「一方的に相手を見下してもいい。」
「なんて考えていたらしい。」

麗羽。
「経験が役に立たない場所では、足手まとい。」

七星。
「なので、経験を積んで向上を続けるのは間違いで。」
「徳性、美徳によって、向上するのが元々の教えで。」
「どこかで、いろんな人が間違えた、誤訳を世間に広めたんですね。」

麗羽。
「問題は、誤訳が何処で止まるか、なんですけれどね。」

梅乃。
「たいてい、そこら辺の雑魚が言っていることは。」
「何かの誤訳だったり、思想の考え方を間違えていたり。」
「そんなのが道徳として広まるので、気持ち悪いですね。」

七星。
「特に、一昔前の古臭い世代に多いのが、言葉の意味を間違えている。」
「甘え、甘える、国語辞典も読めないのか。」

麗羽。
「国語辞典。」
「甘え、人の好意をあてにする気持。」
「甘える、人の好意を期待し、慣れ親しんで人なつこくする。」
「また、わがままをする。」
「人の好意を遠慮なく受け入れる。」

梅乃。
「国語辞典で翻訳すると。」
「人の好意に期待している!」
「人の好意に期待するな!」
「ん?あれ?別に悪いことではありませんね?」
「期待すること自体は、外れることはありますけれど。」

麗羽。
「情けない誤謬ですね、言葉の意味から間違えているとか。」
「中年くらいの年頃で、認知症ですか。」
「まあ少しくらいはボケてしまってもおかしくない年齢ですし。」
「もっと昔はそんな愚かなことは言われていなかったので。」
「多分、精神疾患の流行と関係があるんだと思います。」

梅乃。
「あれま、一昔前の中年男性でもかっこつけたい時もあるんですね。」
「ヒーロー戦隊モノでもやるんですか。」

七星。
「哲学者は高齢になると著作活動が活発になり。」
「高齢が黄金期という立場が伝えられています。」
「愚者には高齢は冬らしいよ。」

麗羽。
「比較にならない、年齢による実力差ですなあ。」

七星。
「しかしその人の年齢は自ら選んだ訳ではないのですし。」

梅乃。
「そうですよね、その人にとっては冬ですけれど。」
「他の皆さんにとっては特に関係のないことですし。」

麗羽。
「ボケてしまって、愚かなことを広めてしまっても、おかしくない年齢ですし。」
「それを見てしまった人には害になりますが。」
「その他の人には関係がありません。」

七星。
「仕方がないよ、その人がボケたのも、その人が自ら志願したものではないので。」
「大目に見てやってください。」

麗羽。
「少子高齢化社会で、ボケている中年男性くらい。」
「少数、目立っていてもおかしくないよ。」

梅乃。
「もし仮に仲間入りをすることになったら。」
「その時は、そういう愚か者とは格の違いを見せてあげましょう。」

七星。
「もしボケている中年男性がいたら、若者と勝負せよとそそのかします。」
「中年男性が負ける所を高みの見物。」

麗羽。
「とまあ、誤訳を続けることですね、何も報われずに終わるためにね。」

梅乃。
「多分、努力にも限界があるんだと思います。」

七星。
「努力ですか、散々に繰り返されたせいで。」
「努力で何でも解決できると思い込む。」

梅乃。
「しかし何も努力しないよりはマシなのでした。」

麗羽。
「努力も特にしなくて成功している人はたくさんいますが。」

七星。
「そっちに入ればよろしい。」

梅乃。
「努力している人がいる一方で、努力もなしに。」
「出世したり、財産を築いたり、権力を得ている人がたくさんいたりする。」

麗羽。
「努力しているのか、努力させられているのか。」
「努力を強制されるのは、理不尽というより、頭おかしいなあ。」

梅乃。
「大丈夫ですよ、アイデアだけなら斬新ですって。」
「というかその他の幼さは補っているし。」

七星。
「つまりは、経験というアイデアは、最初から。」
「誰も信じていないってことですか?」

麗羽。
「まあ、経験だけの人気者って、いつも支持者、あんまりいないですからね。」

七星。
「そっか、そうだよね。」

梅乃。
「愚か者からの支持が厚いですよね。」

七星。
「そうだよね、社会には、あんまり知性とか、知能とか、関係ない人もいるんだっけ。」

梅乃。
「さっきから論じている対象の人って本当にいたの?」

麗羽。
「分からない、いたかもしれないし、今もいるかもしれない。」

七星。
「うわあ!なんてものがいるんですか!」

梅乃。
「うわっ!本当にいるなんて信じられない!」

麗羽。
「日本社会って、この先、無事で済むのかなあ・・・?」

書庫から出て。

今度は勉強のために、各自、帰ります。

正解、答え、二者択一の勉強って、今更、役に立つのかな?

博識っぽくなっているだけで。

実際はどうなんだろう?

学校ですか、私の出世への、踏み台になってくださいね。

翌日、学校にて。

噂のスクールカーストが言いがかりをつけて来まして。

複数人いましたが。

実は七星ちゃんは根回ししていて。

その数人以外は全員、味方です。

上級生のゴスロリ少女も、制服で援護します。

美少女。
「負け惜しみですか。」

優等生。
「あなたが気に入らないのよ。」

七星。
「中ボスの登場ですか。」

梅乃。
「あっ!中ボスだ!」

麗羽。
「腕試しをしたかったんですよ、ちょうどいいですね。」

優等生。
「え?五人も動員したのに?それ以外は敵なの?」

生徒。
「貴重な収入源になんてことをしてくれるんだ!」

女の子。
「金持ちに逆らったら、まずいよ。」

優等生。
「こうなったら、私達でねじ伏せるわよ!」

しかし下っ端の五人は逃げまして。

優等生がひとりだけ。

七星ちゃんが、突飛ばしたら。

優等生は十メートルほどノックバックして。

家具に激突。

七星。
「そうですか、チャンピオンを気取っている人を倒すのは。」
「気晴らしくらいにはなりますか。」

優等生。
「なんて力なの!?男の子なんて比べ物にならない!」

七星。
「優等生、いや本当にチャンピオンに相応しいのか、軽く試験と行きましょうか。」

梅乃。
「この人ですね、そこら辺の小物を倒すより。」
「よっぽど得しそうな相手になりますね。」

麗羽。
「力による支配はお好きでしょうか?」

七星。
「あなたのような臆病なライバルは必要ありません。」
「消えなさい。」

梢。
「そこ、何やっている、退学にするぞ。」

優等生。
「うっ!教師も味方なのね!」
「まずい相手に仕掛けてしまった!」

梅乃。
「敗北から、少しは学んだようですね。」

麗羽。
「まさか、あんな雑魚が、みんなが目指している到達点なのでしょうか!」

数でも質でも勝てない優等生。

大人しくなって。

それ以来、優等生、つまりスクールカーストの順位が変動。

別の優等生が一位になりましたが。

七星ちゃんとは競いませんね。

仕掛けない限り、チャンピオンでいられると。

分かっているからですね。

私が勝ったら、私が考えた創作ダンス。

一緒にやってもらいますからね。

最近ある戦いの数々。

けっこういい練習試合でしたね。

それでは本番は?まだのようですね?

本番までに、たくさんリハーサルをしておかないと!


5


風俗嬢と再び会いまして。

色気がありますね。

何だか少女のような雰囲気を持っている。

喫茶店にて。

七星。
「成人女性好きです。」

萌杏。
「あなた、調べたけれど。」
「いつまで未成年キャラで通すつもり?」
「鯖読みしていませんか?」

七星。
「だって旧基準だと二十歳で成人でしょ。」

萌杏。
「新しい基準だと、十八歳からよ?」

七星。
「年齢詐称は、基本かと。」

萌杏。
「成人しているのなら、やらない?」

七星。
「あなたを好きにするんですか?」

萌杏。
「私があなたを好きにしてもいいけれど。」

七星。
「高いんですか?」

萌杏。
「あなたのお姉さんからお代は貰っているわ。」

七星。
「あなたを好きにしていいの?」

萌杏。
「そっちが好きなら、構わないわよ。」
「あなたのお姉さんには激しくやられたけれど。」
「あれも悪くなかった。」

すると、梢先生が入店。

目立つ七星ちゃんを見つけた。

近寄って来ると。

隣にいる風俗嬢と対面。

梢。
「あっ!あんた!」

萌杏。
「あらまあ、この間は気持ち良かったですよ。」

梢。
「私の七星ちゃんに手を出さないで!」

萌杏。
「独り占めなんて良くないわよ。」

梢。
「私はけっこういい関係なの!」

萌杏。
「私とも、けっこういい関係だったじゃない。」

すると、今度は。

梅乃ちゃんと麗羽ちゃんが来た。

風俗嬢を見て。

複雑な感情を抱いた。

梅乃。
「私の七星ちゃんと、二人きりで、いいことするの?」

萌杏。
「まだ同意を得ていないわよ。」

麗羽。
「いくらでやれるの?」

萌杏。
「そうねえ、予約してくれないと。」
「お店のホームページ教えるわね。」

梢。
「私の七星ちゃんとやるなんて!」
「私とやるべきよ!」

萌杏。
「いいえ、どうせ私とやるんですよ。」

梅乃。
「私ともっといろいろやるの、他の女とはやらないで!」

麗羽。
「ねえねえ、本人、もういないけれど。」

萌杏。
「はあ?」

梢。
「身だしなみの部屋かしら?」

梅乃。
「というか、他の女といろいろするつもりだったの?」

麗羽。
「メールですね、複数人でやるので、自宅で待っているって。」

梅乃。
「あれ?取り合っている女の子が今いないということは?」

麗羽。
「邸宅に向かった人だけが本物ですね。」

萌杏。
「私は行っていいかしら?」

梢。
「どうせなので私も。」

麗羽。
「入れると思いますよ。」

萌杏。
「私が一番乗りよ!」

全員で、自宅に乗り込んだ。

地下室に入りますが。

誰が七星ちゃんとやるかで揉め事になり。

決着がつかないので。

麗羽ちゃんの提案で。

梢先生と萌杏ちゃんが。

七星ちゃんと一緒にお昼寝しました。

しかし梢先生が我に返って、いきなり立ち去ると。

萌杏ちゃんと一緒にお昼寝になって。

梅乃ちゃんも、二人の寝顔がなんかいいので。

黙認しています。

しばらくして、二人は起き上がると。

互いにハグして、風俗嬢は退場します。

しかし祖母が連絡していて。

せっかく素敵な女性が来ているので。

お泊りを提案して。

風俗嬢の萌杏ちゃんと梅乃ちゃんがお泊りになりまして。

最初は取り合いだったのに。

風俗嬢の色気、容姿、話術で仲良くなって。

恋人同士の中に、姉が入ったかのようになりました。

謎。

部屋にて。

割り当てられた部屋は三室ある。

一室は倉庫。

梅乃。
「ロングスカートなので、一般女性と区別がつかないですね。」

萌杏。
「あなたはいつも制服のような服装なんですね。」

梅乃。
「私は学校のような制服だけではなくて。」
「国内のいろんな制服が好きで集めています。」

七星。
「ねえねえ、顔を舐めていい?」

萌杏。
「どうぞ。」

七星。
「柔らかくて、顔を近寄ると、好きになっちゃう。」

萌杏。
「おいで、抱きしめてあげる。」

七星。
「年上の女性好き。」

梅乃。
「私は何をしてもらおうかな?」

萌杏。
「上に乗ってあげる?」

梅乃。
「綺麗な女の人に、上に乗られて、押さえつけられるの好きです。」

萌杏。
「どうかしら、顔が近いし、私はあなたを押さえつけているわよ。」

梅乃。
「もっと押さえつけて、なるべく敗北感を与えるかのように。」

萌杏。
「頬ずりしてあげるわ、吐息、匂いを嗅ぐ。」
「それと、他は何してほしい?」

梅乃。
「キスして。」

萌杏。
「そんなに簡単なものでいいの?」

梅乃。
「激しく揺さぶってから、いやらしく私の上で運動してから。」
「キスしてください。」

萌杏。
「いいわよ・・・あなたマゾヒスト?いや何でもないわ!」

梅乃。
「貴重な体験でした。」

七星。
「下着見せて。」

萌杏。
「見たいのなら襲えば?私は抵抗しないわよ?」

七星。
「年上のお姉さん、好き。」

萌杏。
「他にやりたいことは?」

七星。
「上に乗って軽く平手打ちとかどうですか?」

萌杏。
「どっかで見たことがあるプレイですね。」
「どうぞ。」

七星。
「どうですか、痛くない?」

萌杏。
「軽く暴行されるのも好きだわ。」

七星。
「それではそろそろ夕食に。」

萌杏。
「何が出るのかしら。」

食堂に行きますと。

料理をしているメイドがいまして。

このメイドは奉公人で訓練が済んでいます。

家政婦と一緒に働いていますね。

メイドの方はメイド服で。

家政婦は和服です。

夕食を終えて。

お風呂に入ろうと。

風俗嬢を誘いまして。

入浴。

七星。
「いいスタイルですね、モデルとかやっていましたか?」

萌杏。
「あなた、少女みたいな体なのに、意外と筋肉があるわね。」

梅乃。
「私はどうなんですか?」

萌杏。
「あなた、きちんとした服装をした方がいいわよ。」
「かなりえっちな体をしています。」
「気づかれてはだめよ。」

梅乃。
「そうなんですか?」
「私は理想の体型なんですね?」

萌杏。
「大人の体形と、少女の体形が合わさっているの。」
「体のラインを見られないように。」
「男の子を煽ってしまうよ。」

梅乃。
「それは危ない、気を付けます。」

七星。
「ちょっと触っていい?」

萌杏。
「なんで触らないの?もったいない!」

七星。
「いけない所とかは?」

萌杏。
「私は女性に身売りしているんですよ?」

七星。
「それでは遠慮なく。」

萌杏。
「あなたは、眼鏡はどうしたの?」

梅乃。
「視力が低いだけで、裸眼で物は見えます。」

萌杏。
「お洒落アイテムなのね。」

梅乃。
「私も触っていいですか?」

萌杏。
「早く触りなさいよ。」

お風呂から上がりましたが。

少し長く触れ合っていたので。

のぼせるくらいです。

部屋に戻ると。

既に布団が敷いてあり。

七星ちゃんの片方に梅乃ちゃん。

また片方に萌杏ちゃんと。

寝ました。

翌朝。

七星ちゃんと萌杏ちゃんは登校しますが。

風俗嬢の萌杏ちゃんは、もう一日、滞在します。

思っているよりお金をもらっているから。

もう一夜、七星ちゃんの遊び相手になりますね。

専門学校にて。

休み時間。

麗羽。
「学校で、やたらと物を落としたり。」
「ニュートン力学からしてありえない。」
「立てかけた本や筆記用具が倒れると思ったら。」
「手品のタネが見えてしまった。」

七星。
「それは興味深いですね。」

麗羽。
「子供の頃に、まず迷信、民間信仰の影響を受けた。」
「そんなものは宗教的にはありえないけれど。」
「大人が作った、子供を脅したり。」
「処罰する謎の存在をでっち上げていた。」
「目的は、子供を従わせるため。」
「まずそれが第一。」

梅乃。
「私がその迷信の対象を討ち取ったら。」
「庭にそいつらの首を飾ってあげますよ。」

麗羽。
「第二に、それを裏付けるような行動を。」
「無意識的に実行してしまっていた。」
「物を落とすのは、あらかじめ掴みにくい掴み方をしていて。」
「倒れる本は、無意識的に自分が倒れるであろう。」
「きわどい場所にいつも立てかけていまして。」
「筆記用具は、そうなるのが当たり前の場所に。」
「置いてしまって、それで倒れたり崩れたりしていた。」

七星。
「ということは、無意識のうちに、そうなると知っていた?」

麗羽。
「そうなんです、結果が見え透いて分かっていて。」
「それで倒れたり落とすと、迷信のせいにしている。」
「民間信仰を裏付ける物理的行動を最初にしてしまって。」
「そうなることが分かりきっているものを無意識で実行して。」
「倒れたり崩れたら、民間信仰の奴らがやったことになる。」

梅乃。
「トリックですね、民間信仰がいる訳ではなくて。」
「そういう奴らがいるということにしてしまう。」
「迷信の危険な所がありますね。」

麗羽。
「実は、脇目で見たんです、動体視力が良いので。」
「そうしたら、倒れるか倒れないか。」
「きわどい所にいつも何かしら置いてあるんですね。」
「確率からすると、倒れる半分、倒れない半分の所に。」
「いつも置く。」
「そして確率で倒れるが出ると。」
「迷信のせいにする。」

七星。
「それを無意識でいつもしてしまう。」
「存在していることにしてしまう。」
「ひどいなあ。」

麗羽。
「無意識的に、民間信仰を裏付けようと。」
「自分からでっち上げているんですよ。」
「自分が置いたのに、結果に怒ることがあって。」
「それは矛盾しているので。」
「なぜか、調べたら。」
「自分で自分に怒っているんですね。」
「つまり、自分でやった強制ミス。」
「実際にそんなもの引き起こす馬鹿がいたら。」
「絶句したり、怖がるでしょう。」
「しかし怒る。」
「それは、自分でやったのに、自分でやっていないと認めたくない。」
「矛盾からです。」

梅乃。
「考えるとそうですね。」
「自分から裏付ける行動をとり続ければ。」
「迷信も、本当にいるかのように錯覚しますが。」
「自分がそれをしなければ、迷信は無力です。」

七星。
「自分で存在しているかのように、裏付けなければ。」
「民間信仰もお終いですね。」
「そういう手品の類で、民間信仰は成り立っている。」

麗羽。
「迷信は、単なるトリック、手品で。」
「ようやく一部が見えたという訳です。」
「ユング心理学を読んだことがあるので。」
「見破れました。」

梅乃。
「無意識に民間信仰の何かしらを前提にして。」
「自分でそれを作ってしまい。」
「自分でしたのに、迷信がやったことになる。」
「ううむ、自分がしなければ、消えるだけですね。」

麗羽。
「そのような行為を自覚していない、自覚できない。」
「しかし、思わぬ所で手品が露呈するものですね。」
「動体視力が良くて、直前の行動が見える。」
「所詮、民間信仰なんてそう信じられているだけで。」
「自分でそのような迷信を作って。」
「この世に現わせて、現象として認識しているだけです。」
「現象学から言うと、解釈がおかしくなっていました。」
「前後が入れ替わっていて。」
「何かいるから起きるのではなく。」
「自分でやるから、何かいて起きることになっていました。」

七星。
「無意識なものを自覚すると。」
「もう意識しているので、無効でしょうね。」

梅乃。
「自分で引き起こして、それが民間信仰のせいだなんて。」
「少しでも崩れると、もう汚い。」
「今までそんな子供騙しを撃破した人がいないんです。」

麗羽。
「へえ、民間信仰とか、みんな気にしていないようですが。」

七星。
「民間信仰ですか、なかなか変なもの作るじゃないですか。」
「誰が作ったのか知りませんが。」
「なんかこう、子供向けみたいで。」
「大人の一部は信じるかもしれませんが。」
「変なものがより変なものとして。」
「語り継がれて、子供が真に受けるって。」
「滑稽な話としては、俗受けするかなって。」

梅乃。
「民間信仰ですか、なんか俗っぽい話ですね。」

麗羽。
「迷信がより迷信っぽくなっていい感じじゃないですか。」

七星。
「凄い、いい大人が迷信なんて引き合いに出して。」
「子供を洗脳するとは思わなかったです。」

梅乃。
「迷信が俗物の道徳だとは知らなかったな。」

麗羽。
「それは仕方がないよ、俗事ですから、面倒くさいけれど。」

七星。
「なんだ、みんな昔と変わらないんだ。」

麗羽。
「大丈夫、みんな民間信仰なら何でも信じると思うし。」
「自分達だけ避けられるだけ良かったです。」

梅乃。
「迷信って俗人に人気なんですね。」

七星。
「いくら迷信でも、大衆が信じているから。」
「揶揄すると、子供のように怒鳴り散らすと思いますよ。」

麗羽。
「鰯の頭も信心から。」

いつもは平和な日常。

積み重ねて、訓練。

いつものように授業は終了。

またもや、宿題は、三十分で終わって。

他の部活、サークルが終わるまでには。

完遂したので、帰ります。

今回は別々に下校しますが。

それは風俗嬢が、滞在しているから。

邸宅にて。

萌杏。
「お嬢さん若いね、えっちなことに興味ありませんか?」

家政婦。
「私は踏まれたい。」

メイド。
「私は脱がされたい。」

萌杏。
「やってあげる?」

家政婦。
「いいんですか?」

メイド。
「今なら誰もいません。」

風俗嬢と遊んでいる。

従業員ですが。

けっこう楽しそう。

風俗嬢はいろんなプレイを知っているので。

やってみたいプレイをやっていたみたい。

七星ちゃんが帰宅。

門が開く。

犬。
「ワンワンワン!」

七星。
「お座り。」

犬。
「ワン!」

七星。
「ほら、有線誘導のボールを追いかけて。」

犬。
「ワン!」

七星。
「次は、フライングディスクですよ。」

犬。
「ワン!」

猫。
「にゃーん!」

七星。
「ようやく帰って来ましたね、何か食べる?」

宝箱が置いてあり。

開けると、おやつが入っている。

犬と猫。

おやつを食べています。

犬と猫と遊んでいると。

鳴き声で気づいて、風俗嬢と家政婦とメイドは。

悪ふざけを辞めまして。

七星ちゃんが帰宅。

萌杏。
「あなたが来る前に、盛り上がっていたわ。」

七星。
「あれ、風俗嬢ともなると、派手に汚すんですか?」

萌杏。
「そうじゃないわよ、何をしようか計画していたの。」

七星。
「遊ぶ前から、力尽きるのはやめてくださいよ。」

萌杏。
「今から着替えるの?」

七星。
「着替えますが。」

萌杏。
「私が脱がしていい?」

七星。
「いいですよ、そういうの好きです。」

更衣室にて。

脱がされました。

着替えた。

風俗嬢と、雑談。

萌杏。
「女の子が好きにする前に、気になる男の子っていた?」

七星。
「はあ、男の娘ならいましたけれど。」

萌杏。
「女装男子ですか、まあいいです、私も子供の頃は。」
「男の子に興味がありましたが。」
「成長したら、もう女の子だけですね、見ているのは。」

七星。
「他の女性が自分の意志で結婚していないって分かった所で。」
「私は独立することにしましたけれどね。」

萌杏。
「あらまあ素敵、私は女性同士でやるようになる直前。」
「生まれて楽しみにしていた、あることをした。」

七星。
「なんですか?」

萌杏。
「結婚の気配があった幼馴染の男の子を思い切り裏切って。」
「遂にはストーカー扱いしてやった。」
「一度、彼は檻に入りました。」

七星。
「男の子は生贄なんですね、気の毒ですが、いい見せしめです。」

萌杏。
「気の毒?あんなのが?」

七星。
「近くにいることになったお姉様に同情します。」

萌杏。
「それっきり、男を裏切るのが好きになって、もう男は出番がなくなって。」
「女友達と、えっちなことをしているうちに。」

七星。
「ここにいますよと。」

萌杏。
「さあて、今夜は何しますか?」

七星。
「夕食の後、一緒にお風呂に入って、寝る。」

萌杏。
「そんなもったいない風俗嬢の使い方するんじゃないわよ!」

七星。
「裸で寝る?一緒に?」

萌杏。
「それはいいですね、お触り、各種プレイは?」

七星。
「なんだか恥ずかしいなあ、寝るだけですよ。」

実際には、裸で寝たのは、寝床に入った最初だけで。

結局は、下着姿で一緒に寝ました。

翌日。

支度をして。

門を出ます。

風俗嬢は、帰りましたね。

それを追うように、麗羽ちゃんが来る。

麗羽。
「あなたってお高いんでしょ!」

萌杏。
「このくらいの金額で。」

麗羽。
「明日、家に来ない?」

萌杏。
「いいですよ、お支払いは?」

麗羽。
「何がいい?手渡し?振り込み?」

萌杏。
「手渡しで貰います、それでは今夜、行きますね。」

麗羽。
「こんな女の人を、好きに触れる!」

梅乃。
「はあ、世間の人って、結局、何を言っているのか分からないや。」

七星。
「知性について、とか、あんまり興味無さそうな方々ですからね。」

麗羽。
「あの風俗嬢ってどんなプレイスタイル?」

七星。
「軽いタイプですよ、行ける所まで行き着く人ではないです。」
「激しくないし、むしろ程よくていい人かなって。」

麗羽。
「それなら、あの女の人を裸にして鑑賞してもいいってこと?」

七星。
「なんだ、あの人がいつもやっていることじゃないですか。」

麗羽。
「意外に何でもやるんですね。」

上級生の待ち伏せ。

あのゴスロリ美少女。

制服で登場。

会話を聞いて。

割って入って来た。

小百合(さゆり)
「あの!麗羽ちゃんですよね?」
「見ているうちに気に入ってしまったんだけれど!」

麗羽。
「気が合いますね、私は今、女性について夢中でして。」

小百合。
「ねえねえ、交際しない?」

麗羽。
「構いませんが、今夜、風俗嬢と約束していまして。」

小百合。
「それが終わってからでいいから、遊びましょう!」

麗羽。
「こんな所にいい女がいますね!」

七星。
「前にキスした女の子ですよね?」

小百合。
「いい女の子ってたくさんいるから、なかなか一人に決められなくて。」

七星。
「それとても理解できます。」
「いい女の子がたくさんいると、誰にしていいのか。」
「決められませんからね。」

麗羽。
「さてと、いつキスする?いつ抱かせてくれる?」

小百合。
「一緒に恋人繋ぎしてから、じっくり考えましょう。」

梅乃。
「あれ?あっさり手に入れている?」

七星。
「あんまり夢中になると、これから一緒に行動できるのかなあ・・・?」

梅乃。
「あれ、目の前にたくさんの人がいる、そうか、いたんだよね。」
「影が薄いっていうか、存在感がないっていうか。」

七星。
「というか、いた!大衆の一部!」

ひとり増えて登校。

一組成立したと思ったら。

登校中に、どんどん姉妹みたいになり。

先輩呼びが、お姉ちゃん呼びになってしまい。

美少女の方も、かなり気に入っています。

その晩、風俗嬢、ちょっと気になっていた相手といろいろできて。

満足のようですね。

そして大都市は人口密集地。

学校までの道のりは、通勤の時間帯。

世界とか、人生とか、政治とか、みんなそんな難しいことを考えられるなんて。

意外だなあ。


6


休日。

メイドの結葵(ゆき)ちゃんは。

住み込みで働いていますが。

すっかり融和していて。

たまに将棋で遊びます。

右穴熊囲いを攻略しようと。

結葵ちゃんは弱点を徹底的に突きますね。

将棋とチェスは、人工知能の方が強いです。

電脳戦では、名人と人工知能はほぼ互角の勝負をします。

家政婦は派遣なので、夜には帰りますが。

メイドの結葵ちゃんは、住み込みなので。

一緒に住んでいますし。

深夜には警備もします。

結葵。
「私は摂理など信じていない。」

七星。
「気が合いますね、私も摂理なんて信じていません。」

結葵。
「天罰なんて単なる慰め、そいつが居なければ起きなかったこと。」

七星。
「悪事とやらをした人は、最初から最後まで快楽で満たされますね。」
「しかし、一度倒れると、二度と立ち上がりません。」

結葵。
「お嬢様は摂理についてどうお考えですか?」

七星。
「無いものと考えています、なので、物理的に出るものしか。」
「信じなくなった。」

結葵。
「自分だけ公正でも、相手は公正ではありませんからね。」

七星。
「物事、出来事から学んではならない。」
「後から遅れてついて来る。」
「真実にだけ価値がある。」

結葵。
「天空に飛翔した竜のように。」
「経験を目的に宇宙の近くまで飛び上がり。」
「これ以上は行けないと、落下して来たばかりです。」

七星。
「そんなものでしょう、前提に誤りが多いからね。」

結葵。
「道徳の教科書って馬鹿みたいですよね。」
「これについては?」

七星。
「自分のことより道徳の方を優先しろという命令ですね。」

結葵。
「酷い失敗をしない限り、道徳の間違いには気づけません。」
「私は道徳や規則を守った結果。」
「他人に殺されそうになったことがあります。」

七星。
「自分のことより道徳の方が大事らしい。」
「道徳なんて守っても見返りはない。」
「報われないし。」
「他人に馬鹿にされるきっかけになる。」

結葵。
「大人で道徳なんて信じている人なんていませんからね。」

七星。
「とある愚か者は、自分のことよりも。」
「道徳が大切であると。」
「自分のことよりも道徳を守った。」
「結果は、自分の身を滅ぼし。」
「守った道徳は笑われて、一緒に消去された。」

結葵。
「私は自分のために来ましたよ。」
「あなたの知り合いの友人という繋がりですが。」
「好きでやって来ました。」

七星。
「人のため、という考え方は利他的に見えますが。」
「自分の教わった道徳のためにやっていることになり。」
「人のために何かすることが良いことで報われる。」
「なんて信じている愚かさにある。」
「人に仕えるつもりなら、話は別ですが。」

結葵。
「お嬢様、論破で弱い者虐めはよろしくないかと。」

七星。
「自分より弱くて劣っている者達が調子に乗っているのを。」
「不愉快に思っているからね。」

結葵。
「お嬢様には天才が挑んでも負けるかも。」

七星。
「才能について、天才が譲歩し過ぎると。」
「悪平等にしかならない。」

結葵。
「成功した人の一貫したものは、ジャイアントキリングを達成した。」
「これにありますね。」

七星。
「芸能人とか著名人とか、そういう人は極端な成功なので。」
「それとは比較にならない成功だけが真似できますよ。」

結葵。
「科学的に言えば、芸能人は売れなかった場合の分岐があり。」
「その分岐では、道化師とか、平社員とか。」
「つまらないものも入っていますよね。」

七星。
「分岐次第では、変人っぷりが、社会で迫害の対象になっていたかもしれません。」
「しかし分岐は人気者と出たので。」
「見世物として商品になっている。」
「売れっ子とは、商品という意味ですので。」
「芸能人は、商品なのですが。」
「時代の需要によるもので、別の需要や時代の変転で捨てられる可能性があります。」
「しかし当分、芸能人は、流行りますよ、まず衰退しません。」
「娯楽を担当しているので、いなくなると大勢が困るから。」
「という所が理由です。」

結葵。
「なるほど、才能とは公共の利益なんですね。」

七星。
「公共の利益になっている時点で。」
「批判が難しくなっていますね。」

結葵。
「あれは名声ではなくて、役割ですよね?」

七星。
「名声ではないです。」
「それで満足している人が圧倒的にいて。」
「しかも収益が大量発生している。」
「なおかつ、大きな害がない。」
「特に干渉せず、嫌なら観ないことが容易にできます。」

結葵。
「あれだけが成功とか、一部分を切り取って語られがちですよね。」

七星。
「社会的成功が好きなら、それでいいと思いますけれどね。」

結葵。
「私は有能と無能の中間にいたいですね。」

七星。
「有能過ぎると打たれて、無能だと捨てられる。」
「有能であって、有能ではない、というのが私が好きなスタイルです。」

結葵。
「私は、有能でも無能でもない人でいたいです。」

七星。
「ああして宿命なんかが、与えた幸福なんて、その人は喜びますかね。」

結葵。
「人は与えられた幸福にはそっぽを向きます。」
「自分で作った幸福しか興味がありません。」

七星。
「成功の話ですが、あれは死ぬほど何かに没頭した人とか。」
「死ぬほど何かを追いかけた人がなれます。」
「話を聞くと、絶句するほど、死ぬほどやっていますが。」
「怠け者は、そんな話を聞いても理解できなかったりします。」

結葵。
「それってボディビルダーの筋肉は否定することが不可能、という話に似ていますね。」

七星。
「先天的なものに間違い多し、ということは私は知っているので。」
「お嬢様学校には行きませんでした。」

結葵。
「何か、それまでのすべてを覆すことがあったので?」

七星。
「人が普遍的に持つ、先天的な悪の性を教化によって修正されたから。」

結葵。
「え?そうなんですね?誰にですか?」

七星。
「お宮で祈ったら、簡単に直った。」

結葵。
「性善説なんて信じているのは日本人だけですからね。」

七星。
「両親も、先天的なものは何も信じるな、なんて言っていたので。」
「その結果が良かったのかも。」

結葵。
「合理的な教育ですね。」

七星。
「時に非人道的、倫理に反する実践も実行しましたが。」

結葵。
「私は両親に、すべては後天的なものだ、と教えられたので。」
「似た者同士なんだと思います。」

七星。
「えっちな趣味も?」

結葵。
「それはお嬢様次第です、私は何でもやります。」

七星。
「一緒に寝る?」

結葵。
「もう使用人と抱手の関係に戻れなくなりますが?」

七星。
「なんだか友人みたいな関係ですよね。」

結葵。
「互いに融和できるのに越したことはありません。」

結葵ちゃんは調理、買い出し、備品担当で。

家政婦は、家事、洗濯、掃除が担当です。

結葵ちゃんの実家は寿司屋なんですね。

一人前くらいはできるほど、料理の腕前があり。

メイドの訓練は、職業訓練校で習っています。

今夜は宴会があり。

身内が揃いますが。

結葵ちゃんのコネで、寿司のセットを回してもらえるので。

貴重な人材です。

広大な土地を貸して、収益を得ている実家ですが。

それでも節約はしているので。

酷い出費は、最近はありません。

七星ちゃんも財布にお札が平気で入っていますが。

友人や知り合い、クラスメイトには、現金ではなくて。

物にして、配ったり、プレゼントをしているので。

お金の話はしませんね、物の話はします。

邸宅に向かっている。

グループ。

半分休日のためか。

時間がある教師。

梢。
「私は決して年下の女の子と遊びたいとは思っていません。」

梅乃。
「私は先生とキスしてみたいとは思っていないからね。」

梢。
「なんですかその魅力的な提案は!」

麗羽。
「教師では出来ませんか?」

梢。
「だめよ、生徒を性的な対象とは見なせないわ。」

萌杏。
「あらまあ、女性に不満なの?また会ったわね?」

梢。
「やはり、正々堂々と女の子と出来るのは、あなた。」

萌杏。
「予約、待っているわね。」

一緒にファストフード店で食事。

その後、梢先生は別方向に行きまして。

ルールグレーゾーンを攻めるのが好きらしい。

ばったり会ったことにして。

ルールの抜け穴を突く。

ルールとなると。

北緯65度では、何をしても逮捕が無理です。

北緯65度では完全犯罪が簡単に成立します。

他人を攻撃するとバレますが。

というか報復を受けて銃撃されるでしょうが。

建物の一部を破壊、夜襲、窃盗くらいだと。

立件できる確率が大幅に下がるようです。

極めて極端な実例かな。

門の前に来ると。

自動で開閉。

大型犬が近寄ってくる。

梅乃。
「やはり人懐こい犬ですね。」

麗羽。
「訓練されている犬ですよね、動きが違います。」

梅乃。
「しかも犬は美食で買収できる。」

麗羽。
「犬は美食が共通の趣味。」

七星。
「ようこそ、あれれ、イッヌが菓子パンで買収された。」

結葵。
「お友達ですね、案内します。」

麗羽。
「ねえねえ、君、綺麗だね、年齢は?」

結葵。
「同い年だと思います。」

梅乃。
「女の子は好きですか?」

結葵。
「はい、好きです、あなたも対象ですよ。」

七星。
「あれ?姿見ていなかったんですか?」
「半年前からいますよ?」

麗羽。
「そうか、いつも裏側で、働いていたから。」

梅乃。
「こうして同席するのは初めてなんですね。」

七星。
「とあるカードゲーム全国大会出場者。」

結葵。
「本選で二勝しました。」

梅乃。
「なるほど、只者ではないってことですね。」

麗羽。
「有能な女の子はあはあ・・・!」

一緒にビデオゲームをすることに。

やたらと上手なメイドさん。

ビデオゲームも、全国大会に出たことがあり。

大会で一勝できるか、できないか、くらい。

あまりにレベルが違うせいで。

遂には、三対一で競っていました。

三人で一人に苦戦するなんて。

恥ずかしくなった。

別室にて。

家政婦。
「男性優位主義って何ですか?」

祖父。
「馬鹿者!あれは一部の英雄、偉人、名人が、人間を超えた力を発揮した、それだけで。」
「それ以外の男共は脇役か、衆愚の一部だ。」
「そんなわかりきったことを、今更言うんじゃない!」

家政婦。
「そうだったんですか?」

祖父。
「見れば分かるだろう!英雄はどうだった、それ以下の者達は?」
「使い捨て、記録すら残らない。」
「偉人は?男性の天才は?」
「主人公は偉人や天才で、それ以下は観客か、褒め称える係だったぞ。」
「名人は?達人は?それ以下の男は敗北者として消えたぞ。」

家政婦。
「そう考えると、そのまんまですね。」

祖父。
「わしは!自分の時代のやられ役に入っていたんだ!」
「とまあ、主人公のためのやられ役は、わしを含めて数万人だが!」

祖母。
「大正時代にあった、個人的な事件、記録なんて、何も残ってないです。」
「消え去って、過ぎ去って、痕跡すら残っていない。」
「どうせ百年の月日がすべてをなぎ倒して拉致します。」
「時間が、どんな事件も解決しますし。」
「時間が、どんな人間の積み重ねも没収します。」

家政婦。
「ナンセンスな質問だったのでしょうか。」

祖父。
「いいや、男性優位主義は、同じ男性という勝てない競争相手が大量にいて。」
「もうあんなのが嫌なので、やや感情的になった。」

祖母。
「要するに、自分は男性優位主義に加担していない、とのことです。」

家政婦。
「それは失礼しました。」

祖父。
「気にするな!若き日の思い出が蘇った、それだけだ!」

祖母。
「あなた、大胆ね、男の人に質問するなんて。」

祖父。
「別に嫌いではないがね、わしは過去の反省が無益だと思っているので。」

家政婦。
「もう質問は辞めますね。」

家政婦、その後、特に何も言われなかった。

さて、こちらは。

メイドがビデオゲームで、三対一でも勝って来るので。

白熱していた。

あまりに素敵なので、結葵ちゃんはボディタッチを多く受ける。

なぜなら、わざと負けるようになったから。

わざと負けるには、名人でも難しい。

ビデオゲームは辞めてしまって。

誰が結葵ちゃんにハグするのか取り合いになり。

結葵ちゃんはようやく解放されて。

宴会の準備にとりかかりました。

ビデオゲームとか、実力差が激しいですね。

競争率は、球技に匹敵するほど高い。

反対に、格闘技は、習っている人と、習っていない人では。

まるで別物。

競争率も、酷くない。

実用性が高くて、雑魚程度なら一方的に倒せるので。

試合に出なくても、試合に出る選手以下の格下相手なら。

逆らって来ない。

我流でよくある、棒立ちでまったく動かない。

そんな人にへなちょこパンチを頬に当てるのはやめましょう。

相手が動かないので、攻撃に成功しているだけです。

いきなり格上と戦わないように気をつけましょう。

家政婦。
「被害者と加害者はどちらが得ですか?」

祖父。
「加害者かな?後で懲らしめられて、そして立ち直って。」
「間違いが何たるかを理解するようになるから。」

家政婦。
「被害者はどうなるんですか?」

祖父。
「まあやられるだけ損ですな。」

家政婦。
「あらまあ理不尽ですね。」

祖母。
「被害者は不名誉なのよ。」

祖父。
「加害者と言っても、程度によっては。」
「後々の大惨事が確定してしまっているので。」
「その猶予を使っていい気になる程度かな。」

祖母。
「後でどうなってもいいのなら、加害者がお勧めですよ!」

祖父。
「被害者にはならないように、本来は敗北者、不名誉だからね。」

家政婦。
「そうします。」

廊下では、メイドが忙しく働く。

家政婦も加わる。

距離が近いはずなのに。

けっこう遠い、祖父の部屋と。

子供部屋。

七星。
「格闘技を習うと、誰も私に勝てないので楽しい。」

麗羽。
「子供の頃は、格闘技の有無で。」
「クラスメイトが手出しできるのか、できないのかが決まります。」

梅乃。
「自然災害が人間をぶっ殺しても、文句を言わないのはなぜか?」

七星。
「勝てないものとは戦わないという人間の良識です。」

麗羽。
「所で、あなたのメイドに手を出してもいい?」

七星。
「それ以前に、あの女の子に勝てますか?」

麗羽。
「戦えるんですかい。」

七星。
「空手部だったそうです。」

梅乃。
「空手は普遍的にあり、バランスが良くて。」
「使い手によってはそこそこ強いので、お勧めですよ。」

麗羽。
「無抵抗でやられてくれないかな。」

七星。
「口説けば?それなら、何とかなるかも?」

麗羽。
「よし口説いてくる。」

夕方。

両親、親族と車で合流するため。

一回戻る途中、ゴスロリ美少女が来まして。

買い物に出かけていて。

近くに来たので。

一緒に帰るようです。

小百合。
「どうしたの?生理?」

麗羽。
「いいえ、生理言うな。」

小百合。
「何か酷いことあった?」

麗羽。
「いいえ、あの屋敷のメイドさんに話しかけたら。」
「女の子としては凄いけれど、関係としては凄くないって言われて。」

小百合。
「あらやだ、口説いたの、私がいるのに。」
「大人しく私の所に来なさい。」

麗羽。
「そうしますね、いい女がたくさんいるので、ちょっかいを出しちゃった。」

こちらは。

走って帰宅中。

かなり走ったので。

公園で休憩している。

二分くらい滞在していたら。

思っているより日が沈むのが早い。

梅乃。
「ああ、門限が、とまあ、三回くらいは許すらしいけれど。」
「いつもとは違う、河川の道に来てしまった。」

愚者。
「お嬢さん、君いいね、体のラインとか・・・あれ?」

梅乃。
「しまった!お姉様から、体のラインを見られたらダメだって言われてたのに!」
「よりにもよって、ショートパンツ!」

愚者。
「ちょっといいかな、僕、ちょっと煽られてしまって。」

梅乃。
「うわあ追いかけてくるな!」

愚者が梅乃ちゃんを捕まえようと追いかけて来ますが。

河川の道です。

人がいません。

ひょっとしたら河川に落ちるかもしれないと思って。

逆手にとって。

先に橋の下側の隙間に降りたら。

相手も降りて来て。

相手が体勢を維持できず、河川に転落。

市民が目撃して通報、その人溺死しちゃったんですね。

事情がそれなので、お咎めなし。

数日後。

学校にて。

昼休み。

麗羽ちゃんは上級生の教室にいます。

小百合ちゃんが紹介していた。

一年生の教室にて。

七星。
「なんか因果関係を無視するのって大事だなあと。」

梅乃。
「みんないちいち因果関係なんて気にしてないみたいだし。」

七星。
「なんか意外、因果関係とか、そういうことあんまり考えないようですし。」

梅乃。
「だって、会話や行動に、因果関係が前提として入ってないからなあ。」

七星。
「みんな因果関係なんて信じていないんじゃない?」

梅乃。
「そっか、そうだよね、そんなこといちいち論じていたら。」
「何もできないからね。」

学校でスマートフォンを見ると。

ドラマがやっていまして。

石と木に責任を負わせるという。

変な裁判が映っていました。

石に有罪判決が出ています。

木にも有罪判決が出ましたが。

これって意味あるの?

今回思ったこと。

因果関係なんて無視していいでしょ!

いいでしょ、因果関係くらい。

え?それはない?

夢がないなあ。

いつからあなたはそんなつまらない大人になったんですか。


7


とある人の怒号、出身地に帰してやる!

天国に帰してやるとは。

何もそこまでしなくても・・・?

曇り。

小雨。

遊びに来ている友人。

上級生。

高級なお菓子を食べています。

客人ですね。

休日と夕方にいつも遊びますが。

今回は連休です。

ゴスロリ姿は歓迎されて。

学友は出入りを許可されました。

小百合。
「男性用のえっちな本を読みますか?」

七星。
「どれどれ、どんな感じですか?」

小百合。
「弟君が、あまりに買いたいけれど、恥ずかしいので。」
「私が買ってあげた。」

七星。
「お姉ちゃんのお手柄ですね。」

小百合。
「どう見ます?」

七星。
「これって一度、確認して慣れたら。」
「次から、参考資料として見なくてもいいのでは?」

小百合。
「ネタバレですからね。」

七星。
「興味本位で見た弟君は、一度確認してしまえば。」
「もう興味がなくなるのでは?」

小百合。
「そうなると思いますが。」
「身体の構造を確認したら、もう読まないと思いますよ。」

七星。
「なるほど、男性はこういうのを確認するために買うんですね。」

小百合。
「そうじゃないです、それはヌードデッサンで、元々は美術の資料です。」

七星。
「なるほど、無理にやばい体とか、無理にありえない体形とか。」
「煽るような内容ではない、その理由ですね。」

小百合。
「よくあるえっちな本に登場するモデルなんて。」
「体形が希少過ぎて、まずいないです。」
「読者を煽るために、わざとそういうやばい女を使っています。」

七星。
「とまあ弟君は、確認できたら、えっちな本に用済みだと思います。」

小百合。
「弟君には彼女がいて。」

七星。
「ん?彼女のそれを見ないで、ヌードデッサンを買った?」

小百合。
「成人していないので、どうせその恋は色欲だろうとか。」
「偶然の出会いは、興味本位の付き合いとか。」
「未成年で男女の出会いは、何も知らないから、とか。」
「世帯の人々に批判されたので、成人したら別れるそうです。」

七星。
「理性的な弟君ですね。」

小百合。
「両親から、子供は無知から開始される、と教わっていて。」
「知ったかぶりと推論が子供の思想で。」
「大人になれば何でも理解できると、世帯の伝統的な教えなので。」
「未成年で恋に落ちたら、偽物と判断しているようです。」
「彼女は、もうすぐ処女を失うでしょうから。」

七星。
「まともな判断力、知識も持たずに、関係を続けない。」
「先回りして教えておくので、損害は少ないようですね。」

小百合。
「私は女の子が好きなので、メイドさんに手を出してもいい?」

七星。
「口説いてみては?」

小百合。
「こんにちは、綺麗ですね、結婚とか興味ありますか?」

結葵。
「人生は一度きり、なんて持論を言われても。」
「その一度が終わったら、どこに行くのか。」
「天国なんて主張しても、誰も天国なんて確認していない。」
「人生は一度きり、という考えには根拠がない。」
「しかも生まれてすぐ死んだ赤子や子供は。」
「当然、その持論に入っているはずなので。」
「五歳以下で病死しても一度きり。」
「そんなこと言われても。」
「チベット仏教の高僧の生まれ変わりがいて。」
「本物であると一度認められているし。」
「ヒンズー教徒に語ると。」
「変なことを言うと批判されそう。」
「誰か死んだ後にその後、どうなるのか。」
「確認して戻って来てくれないのかな。」
「そうしたら、信じる根拠はある。」

小百合。
「岩波文庫、プラトン。」
「パイドン、魂の不死について、これを無視するのはどうかと。」

結葵。
「そのことを言っているんですよ。」
「人生は一度きりと考えている人は。」
「死ぬことを極端に恐れる。」
「しかし日本人の哲学者には何にも期待していません。」

小百合。
「確認できないから、一度きりと推論を言っているだけで。」
「霊魂がないのなら、それは哲学的ゾンビですね。」

結葵。
「宗教的に、人生は一度きりなんて考え方はありません。」

小百合。
「信じたい人だけ信じればいいよ、どうなっても知らないけれど。」

結葵。
「岩波文庫を読んでいるんですか?」

小百合。
「読んでいない方がおかしいよ、どこにでもあるし。」

結葵。
「それは気が合いそうですね。」

小百合。
「女の子として?」

結葵。
「選択肢として入れてあげてもいいよ。」
「頑張ってね、美少女さん。」
「そこまで難易度は高くないわよ。」

七星。
「どうだった?」

小百合。
「いい関係になれるかなって。」

七星。
「それは良かったですね。」

小百合。
「もう少しで集まる頃かしら。」

門の前にて。

機械の不具合で動かないので。

待っている。

機械は、よりにもよって!という時には必ず故障する。

ようやく、門が正常に動作した。

麗羽。
「正義の味方を名乗る悪人を見たことがある。」
「言っていることは正義でも。」
「やっていることは悪事ばかりで。」
「矛盾が目立つ。」

梅乃。
「正義が悪を倒す?」
「それでは私という正義が、誰かさんという悪を倒すのですね。」
「単純過ぎませんかね。」

梢。
「リアルで正義の味方を自称する人にろくなやつはいない。」

先生まで来ているが。

話が合うので。

祖父と祖母の友人という体裁です。

別室で、雑談していますね。

こちらは距離がある部屋にて。

中立の部屋。

つまり空き部屋。

七星。
「十秒後の未来を予測して動いているけれど。」
「そうなると。」
「十秒後の未来と、今の区別がつかなくなった。」

麗羽。
「人の未来予測には限界がありますからね。」

梅乃。
「未来について期待しないほど、結果が良くなるという。」
「謎の技があります。」
「期待しているほど、いろいろ悪くなる雰囲気があるね。」

小百合。
「日々の積み重ねは、時間のトリックです。」
「一日で習得したと思わせる、錯覚がある。」

七星。
「とある怠け者はこう言った。」
「あのボディービルダーは才能に違いない。」
「ある日、怠け者はこうも言った。」
「あれだけ長く走れるのは才能に違いない。」

小百合。
「何でも才能によるものであると語る人は多分、怠け者である。」

麗羽。
「才能で成功しても喜べないのは。」
「どこまでが自分の力なのか、まったくもって不明で。」
「何で優劣がついたのか、自分では分からない所ですね。」

梅乃。
「才能才能、いいえ、トレーニングでパワーアップしたのですが。」
「どうにも理解されない。」

七星。
「何でも才能扱いすれば、悪口を言いやすいからでは?」

麗羽。
「しかし実際、実力が物を言いますから。」
「敗北者は、敗北者なりの理屈があるんでしょうね。」

梅乃。
「負け惜しみも、くどくど繰り返されると辛い。」

小百合。
「そういう怠け者に社会的成功はない。」

七星。
「社会的成功以外の人生観が持てないのでしょうか。」

梅乃。
「大衆に仕えることを成功と呼ぶのは、ちょっと暗いかなって。」

麗羽。
「公共の利益になってくれる人が成功しやすいね。」

小百合。
「社会的な成功をする人とは、お金になる人である。」

七星。
「本人の成功と、大衆の金銭は同一のものです。」

麗羽。
「本人にお金と名声が、大衆にお金と快楽が、同時期、両立する。」

七星。
「成功って何ですか、意味が通じてないよ。」

小百合。
「社会的成功らしいのですが。」
「馬鹿に影響されて目指しているのか。」
「そうなる必要があるのか、なんとなくなのか、よくわからない。」

麗羽。
「自己啓発を偉そうに書いて、その著作はベストセラーになったものの。」
「いつの間にか古本屋に小さく置いてあって。」
「その後、その作家を見た者は誰もいなかった。」

梅乃。
「短期間で終わったね、期限付きの契約だったのかな?」

七星。
「成功ですか、何を言っているんですか。」
「貯金を一億円、貯めるという成功、自分達が充実するという成功。」
「子供や両親が不自由なく、健全に生活できる成功。」
「なんていう中くらいの成功は考えない。」
「自己啓発ってそんなに好きなんですかね。」

小百合。
「楽に出世したいだけですよ、きっと。」

七星。
「夢は大きければ、大きいほど良い。」

麗羽。
「これからその人は世界を支配する訳ですし。」

梅乃。
「ないし、それはないし。」

七星。
「出世したいと相手を蹴落とそうとしているようですが。」
「自分と互角か、格下を消して、消去法では出世しない。」
「強敵と対戦するか、格上と競うか、それしか道はないでしょう。」
「臆病者なのかな。」

麗羽。
「消去法で出世しようなんて幼稚ですなあ。」
「忠告するならば、運命らしいものを無くしてしまえ。」

七星。
「運命に依存している人ほど、運命の変転で倒れてしまう。」

梅乃。
「ライバル扱いされても、そいつをライバルと思った試しはない。」

小百合。
「出世を目指すのは結構ですが、後々の失脚の理由を今作らないことですね。」

七星。
「ああ、途中経過に拘って、予想外のことで異なる結果に行き着く。」
「やはり結果が大切で、途中経過など、どうでもいい。」

梅乃。
「プロセスも大事だと言われながら、結果が得られないと。」
「そのプロセスって意味あったのでしょうか。」

麗羽。
「結果が悪いと、プロセスも否定される。」

七星。
「結果が良ければ、途中経過は美化される。」

麗羽。
「今、競争社会の中で格闘している人は。」
「怠け者で、今ある実力だけで勝負を繰り返し。」
「ろくに鍛錬もせず、訓練もしていない。」
「思っているより能力が低いので。」
「たまに惨敗するのは、そのせいですね。」

七星。
「他人のせいにするよりも、実力主義になればいいのに。」
「忠告してあげたいくらい。」

梅乃。
「実力もないのに、蹴落としても、本人の実力の無さで落ちそうですね。」

小百合。
「正々堂々と競う方が気持ちいいに決まっています。」
「問題は、正々堂々と競う人が誰もいないということ。」

七星。
「我は何々なり、いざ尋常に勝負!とは反対のことを。」
「現代人はやりがちです。」

麗羽。
「武士ほどかっこよくない、現代人であった。」

七星。
「武士の一騎討ちは、美談でしょうね。」

梅乃。
「決着のつけ方が素晴らしい、まさしく強者!」

麗羽。
「しかしあれを再現なんて、出来ない訳で。」

七星。
「今は卑しい人や卑怯者が蔓延っていて。」
「一騎討ちを挑んでも、数で来ますからね。」

梅乃。
「武士の時代からして卑怯者、臆病者だらけ、というのが。」
「現代の汚点。」

小百合。
「戦うのか、戦わないのか、どっちかにしろってことです。」

別室にて。

話が合うんですね。

討論。

梢。
「法律の内容を道徳に言い換えるなんて卑怯な!」

祖父。
「もはや道徳など要らないね、法律がこうなっているからと。」
「法律だから何々と言えば済む話。」

祖母。
「法律と道徳を混同すると、道徳の意味がまったくなくなる。」
「法学、法解釈の話をすればいいじゃないですか。」

盛り上がっている三人。

別の場所。

今度は庭で話をしている。

身内です。

たまに遊びに来ますが。

いつもは自分達が経営する賃貸にいます。

次女。
「男性は、女性に敗北する可能性があることを考えない傾向にある。」

弟。
「女性が劣っているなんて、男性の妄想です。」

次女。
「女性はわざと、自分が劣っていることにして。」
「同情を買わせようとしているのでは。」
「フロイトの言う、しくじり行為。」

弟。
「精神疾患の患者の関係者の話を聞いた所。」
「例外なく、全員が無神論者、無宗教で、性善説であった。」

次女。
「オランダでは安楽死が法律で認められていて。」
「重度の障害、重度の精神疾患で回復できないと判断すると。」
「自ら安楽死の制度を利用して自滅する。」
「記事にもなりましたが。」
「安楽死の制度を申し込むと。」
「まず精神錯乱で勝手にやっているのだと判断されて。」
「精神科病棟に入れられるも。」
「その人は繰り返し安楽死を申請したので。」
「遂に申請が通って。」
「担当医が来て、家族に見守られながら、薬剤により自滅した。」

弟。
「現場、死ぬまでの間は暖かく、美しく、そして儚い終わりだったらしい。」
「安楽死はオランダの法律で、日本の法律ではないのですが。」
「もう生きているだけ無駄だと判断して。」
「合法的に、平和的にこの世から立ち去ることができる。」
「素晴らしい制度が世界には実在しますね。」

次女。
「無論、日本にはありませんが。」
「オランダの法律、制度を輸入した方が。」
「派手に自殺されるよりマシだと思いますが。」
「自分から生命を終わらせる権利は、当然、ある訳で。」
「それがオランダの安楽死ということ。」
「実例としてある時点で、善悪を揺るがすには充分ですね。」

弟。
「精神分析なのですが、しくじり行為はありますね。」
「今の女性は、故意に劣っている人になろうとする。」

次女。
「女性と言っても、いろいろいますよ。」
「思想、力量、立場、地位、権利、財産。」
「昔みたいなワンパターンな女性はもういません。」

弟。
「フェミニズムが行き渡ると、次は男性の立場が無くなっているかも。」

次女。
「男尊女卑が論破されて、崩壊して、まだ間もないですよ。」

弟。
「とりあいず、女性の兵士が男性の兵士をたくさん殺したことがある訳で。」
「戦場で男性の腕力なんて役に立たないね。」

次女。
「戦闘能力だけで、男女の性差を判断されてもね。」

弟。
「殺人における男女の優劣はない。」

次女。
「たまに思うけれど、法律を背景に持っていない警察官は。」
「現行犯相手に勝てないのではと思われるが。」
「そんなシチュエーションはない。」
「アメリカで非番の警察官が、強盗団数人を追い回したことならある。」
「負傷しても、たった一人で、数人を蹴散らしてしまった。」

弟。
「人は優劣が激しいですな、所で、カワラバトなんて飼っていたの?」

次女。
「不定期で撒いている鳥の餌に釣られたかな。」

弟。
「アフォーダンス理論で知ったが。」
「野生動物は、野山から食料、水を得ているが。」
「動物は人間と比べて、消費カロリーが極端に少ない。」
「そのため、人間と比べて、僅かな食事で足りる。」
「鳥類は、たまに見つける虫だけで、足りるのでしょうね。」
「ツバメの雛は、頻繁に親鳥が運んで来る虫を貰っていたけれど。」
「一羽単独なら、どうなんだろう。」
「ゴールデンハムスターなんて一日、二十キロカロリーで足りている。」
「犬は、ドッグフードがお皿に少し溜まっているだけで太るほど。」
「ロボロフスキーハムスターは、どこをどうやっても与えた餌が残るため。」
「勝手に貯めている。」

小百合。
「友達が少ないの?」

七星。
「そうですね、私の活動は、友達なんて大勢いると。」
「誰が信用できる奴なのか、見分けがつきませんから。」

小百合。
「何して遊びます?」

麗羽。
「それじゃあ紛争でも始めますか。」

梅乃。
「それもいいけれど、午後はどうするの?」

庭で、弟と次女が、工具で。

看板を作っている。

便所に設置する看板。

書いてある文字、凡人さん大歓迎!

軽トラックが素材を置いている。

誰がうまく木材を運べるのか。

弟と次女は議論していた。

すると、その木材を帰り際の梢先生が無理に引きずって。

運んでしまった。

議論していた弟と次女は苦笑いした。

次女。
「お見事、しかし腕力に訴えるとは。」

弟。
「素晴らしい、しかし力に訴えるとは。」

速報。

スマートフォンを見る。

投票で、正しき者と、愚か者と二人が残った。

正しき者が大差をつけて勝利した。

その日のうちに、暴動が起きた。

小百合。
「ソーシャルメディアとか、なぜあんなに凶暴な人ばかりなんでしょう?」

七星。
「今に始まったことではありません、半世紀前からです。」

麗羽。
「罵詈雑言が趣味のようですね、私は涙が出て。」

梅乃。
「なぜですか?」

麗羽。
「弟君が、罵詈雑言という悪趣味に、今度染まるので。」
「ソーシャルメディアについて、説得している最中なんです。」

七星。
「ああ、もう仲間になるんですね、気の毒に。」

小百合。
「今なら未然に防げるわ、頑張って。」

梅乃。
「罵詈雑言をする人が馬鹿なのか、最初に始めた頃に。」
「馬鹿の影響を受けたからなのか。」
「ソーシャルメディアが馬鹿なのか。」
「それとも利用者が馬鹿だから。」
「罵詈雑言が蔓延しているのでしょうか。」

家政婦。
「私は阿呆で、そんな話難しくて、近くで聞いていられません。」
「どうしたら利口になれるでしょうか。」

七星。
「自分のことを阿呆だと思うのなら、阿呆ではないよ。」

家政婦。
「それでも自分が阿呆だと思うのです。」

七星。
「あなたが自分のことを阿呆だと思っているので。」
「思い込みで阿呆になっているだけです。」

麗羽。
「また妹がテニスの地区予選で負けた。」
「まったくうまくないのに。」

小百合。
「これから上手になるんじゃない?」

麗羽。
「コーチから、下手と言われているのに、予選に出るから。」

梅乃。
「今日はどこぞの制服ですが、これなら。」
「体のラインは隠せますね。」

七星。
「既に体のラインを知っている人からは隠せませんね。」

祖父。
「しかし日本に文壇なんて意味あるのかい?」

祖母。
「日本には文学がありませんからね。」

結葵。
「それではなぜ日本に文学賞があるんですか?」

祖父。
「何をもって文学なのか、わしには分かりませんが。」

祖母。
「適当に小説って言えば、何でも小説でしょ!」

家政婦。
「暴論なのか、正論なのか、私には区別できません。」

結葵。
「まず文学の定義から開始されるんですよ。」

家政婦。
「そもそもですね。」
「私は文学賞の作品を一冊も買っていないので、関係がない話ですね。」

小百合。
「私は常識なんて信じるほど、狂っていません。」

麗羽。
「私が変になると、様々な人々が心配しますが。」
「大衆がいくら変でも、私が心配すると思いますか?」

梅乃。
「この都市で不審者が出ているので。」
「前みたいに沙汰にならないように気を付けています。」

七星。
「はて?この国に不審者なんていくらでもいるので。」
「いくら挙動不審な人がいても、不審者という証拠になりませんね。」

メイドの結葵ちゃん。

玄関の黒板に何か書いています。

道徳の授業。

あなたは小さな商店の店主です。

常連の人が毎日、来ては決まった品物を買います。

金額はぴったり千円です。

今日は何か違いました。

常連が誤って一万円札を出して。

そのまま去って行きました。

それを常連に知らせるべきでしょうか。

黙っているべきでしょうか。

家政婦が考えた刑罰。

釣り人を刺したカサゴには。

水が入った水槽の中で網に入れられて。

溺死させるという刑罰が適切。

雨が降りました。

大雨。

麗羽。
「しまった、ボロボロの傘しか持ってないよ。」

梅乃。
「買えばいいのに。」

麗羽。
「だって、雨が降るとは思っていなかったから。」

七星。
「形式主義ですか、そうですか。」

小百合。
「私は根性で帰りますね。」

結葵。
「お客さんですから、私の車に乗ってください。」

小百合。
「気を付けて運転してね、私の父親は裁判官なの。」

結葵。
「経験したことのない、すごく重い責任ですね。」

麗羽。
「私は迎えを呼んだので。」

七星。
「たまには雨もいいものですね。」
「晴ればかりで、変化が欲しかった。」

梅乃。
「私も車に乗りますね。」

結葵。
「所で、裁判官って、ちょっと私について。」
「いいこと言ってくれませんかね。」

小百合。
「まあ口説いてしまったし。」

結葵。
「あの件、前向きに考えておきますので。」

小百合。
「あれで満足しています、先約がいるからね。」

梅乃。
「麗羽ちゃんの写真って必要ですか?」

小百合。
「吉報を期待しなさいよ、お二人さん。」

一時的に、二人は訴訟無敵になりました。

メイドの結葵ちゃんは。

小百合ちゃんの話で、友人ということになり。

結葵ちゃんの両親の金銭トラブルはあっさり終わりました。

裁判官を親に持っている人に逆らうと終わります。

大雨、次の日には雨が止む。

翌日。

学校にて。

性善説の教員がいた。

生徒が煙草を吸っていたので注意した。

教員。
「こら、校内は駄目だ、校則でも駄目だ!」

生徒。
「いいや、校内でも駄目で、校則でも駄目だと分かっている。」

教員。
「じゃあ、どうして吸っているんだ?」

生徒。
「校内でも駄目で、校則でも駄目だって分かっているからさ。」

教員。
「君は優秀な生徒ですね、最初から校内でも駄目。」
「校則でも駄目だって分かっている。」
「こんなに出来ている生徒は見たことがありません。」

この後。

性善説の教員と生徒は厳重注意された。

昼休み。

天国を夢で見た女学生がいました。

景色は美しく。

居心地も良い。

太陽も輝いて、花畑が広がっていて。

おまけに誰一人もいなかったという夢です。

お昼の放送。

しかし競争社会の最前線は激しいですね。

毎週、一度は、誰かが勝ちます。

しかしもっと凄い人がいて。

その人は競争の現場に出なくても。

毎週、競争の最前線の方が近づいてくるんですから。

仲間に吉報がありました、それは厄介な人が死んでくれた、というもの。

しかし凶報がありました、それは厄介な人が死んだというのが。

誤報だったということでした。


8


夕方。

夜になるまで少しある。

帰宅して、すぐに散歩。

商店街の中心の噴水公園まで。

移動している途中。

喫茶店で会話を盗み聞き。

士君子。
「あれからやっとのことで。」
「長男と次男は小説家。」
「三男はライトノベルを書くことになりまして。」
「四男は絵描きになりました。」

丁年。
「それはいいですね、所で、あなたの大工場ですが。」
「景気はいいので?」

士君子。
「はい、何とか息子達を養える程度には儲かっています。」

青年。
「自慢話が好きな男がいてね、もう自慢話をしなくなった。」

婦女。
「そんなにすぐ辞めたの?その人?」

青年。
「そいつは父親からエロ本をたくさん貰って。」
「本棚をいっぱいにされたせいで。」
「誰にも自慢できないし、家に友達を呼ぶこともできないんだぜ。」

児童。
「僕、どうしても三つの単語を覚えられないんだ。」

夫人。
「どの単語なの?」

児童。
「野郎、老獪、衆愚っていう単語なんだけれど。」

夫人。
「それは後からでも間に合うわよ、坊や。」

何だか、耐えられない内容なので。

噴水公園によくいる。

ジュースの移動販売車を捕まえた。

人気店。

七星。
「やはり、これが私の楽しみ。」

美青年。
「お嬢さん、時間ある?」

七星。
「あなたのような美青年なら、都合のいい女くらい。」
「たくさんいるでしょ。」

美青年。
「なんて合理的な思考なんだ、年齢は?」

七星。
「あなた、年下?この辺りでよく見かける男ですね?」

美青年。
「申し訳ありません、話しかける相手を間違えました。」

七星。
「あっちのギャルとか、どうですか?」

美青年。
「いいですね、向こうに行きます!」

男は逃げた。

どこかで会ったことがあるのかな?

ベンチにて。

ジュース二杯目。

通行人が多い。

この地域に。

ひどい弁護士がいるらしい。

いつも負けてばかりで。

事務処理みたいにこなすので。

外れクジとして見られていた。

町長。
「この地域に弁護士がいるのはいいことですが。」
「それがあんな外れクジなんですか。」

町民。
「問題ないと思います、弁護士には変わりないので。」

町長。
「しかしですね、まともに勝てる弁護士ではないんですよ。」

町民。
「いいじゃないですか、みんながあれを弁護士と呼んでいるんだから。」
「あの弁護士だって、大衆の声に耳を貸さないといけないのだ。」

町長。
「そうですね、みんながあれを普通の弁護士であると言っている以上。」
「大衆の声に耳を貸し、庶民の味方でなければなりません。」

弁護士、その後も負けまくったという。

その代わり、安い。

地震発生。

というか、システムで把握しているので。

高みの見物。

近くで。

中規模地震で転倒した二人組。

一人は科学者、一人は哲学者。

科学者。
「科学の話ですが、巨大地震はなぜ起きるんですか?」

哲学者。
「それはね、海底や地下で、激変が起こって、そうなるんだよ。」

科学者。
「そんなの、説明になっていませんよ。」

哲学者。
「いいや、現にそうなるじゃないか。」

どんな説明にしても。

巨大地震は起きるのであった。

親子連れ。

美形の幼女を連れている。

父。
「人の見ている所で、千円を拾ったら。」
「とりあいず交番に届けましょう。」
「それが正直者というものです。」

幼女。
「正直者って大変なんですね。」

母。
「もし人が見ている所で一万円札を拾ったら。」
「交番に届けましょう。」
「正直者と褒められるはずです。」

幼女。
「正直者ってそんなにいい人なんですね。」

父。
「しかし五百円玉が一枚だけ、人がいない所で。」
「誰も見えない場所に落ちていたら。」
「正直者という収益は要りません。」
「拾って逃げましょう。」

幼女。
「分かりました、正直者でいるよりも。」
「五百円玉の方が大事ですからね。」

見慣れた女の子が来た。

梅乃。
「秘密についておかしなことがある。」
「悪いことをすると、バレるが。」
「良いことをすると、いつまでもバレない。」
「同じようにバレてもいいのに。」
「後者は、いくらバラそうとしてもバレない。」

七星。
「勉強はしないんですか?」

梅乃。
「片付けたら、遊んで来いと言われた。」

麗羽。
「せっかく勉強がないのに、遊ばないのは何事だ、なんて言われた。」

七星。
「もう勉強とか、すぐに片付けられて、つまらないですもんね。」

小百合。
「あんたらに影響されて、宿題を届けて来た帰りだわ。」
「学校まで遠くないから。」

七星。
「普通にできるでしょ。」

小百合。
「あんたらの普通のレベルが高過ぎです。」

夜が近づく。

日の入りの時間は、一週間ごとに確認していて。

その前には帰ります。

今日は二時間近く、散歩していました。

帰路。

近くにある会場。

演説をやろうとしている男がいる。

事前に正体がバレて。

テロリストであることが分かってしまった。

さて、それから一時間後の今、演説が開かれる。

観客はチケットを既に買ってしまっている。

演説をしようと、テロリストが会場に入ると。

誰もいなかった。

代わりに、オウム返し人形が置かれていた。

チンピラの二人組がいた。

不当な好運というものを、友達から知らされた野盗。

それなら、ギャンブルで勝てるだろうと。

競馬をやって大損した。

野盗。
「不当な好運があるのなら、勝てるはずじゃないか!」

友達。
「残念ながら正当な好運が無かった、それだけでしたね。」

その後。

不正行為だけはうまく行く野盗であった。

近くにある裁判所にジャーナリストがいました。

どうやら。

裁判が行われています。

軽犯罪の裁判員裁判なのですが。

罰金刑になります。

陪審員。
「必ず、この件で厳罰にしてやる。」

被告。
「なんだって、罰金刑なんだ、冤罪なのに。」

弁護士。
「そうでしょう、検察も、被害者も、あなたが無罪だって。」
「言い張って、聞かなかったのに!」

裁判員のせいで、誰しもが認める冤罪事件が。

罰金刑になってしまった。

過去、最悪の裁判員裁判でしたね。

帰宅。

夕食の準備中。

ほとんど出来ている。

家政婦も参加していた。

祖父。
「不平不満を言わなくても一生懸命にやっているな。」

結葵。
「いいえ、あんまり不平不満を言えないのです。」

祖母。
「ならどうして、そこまで活発にやっているんだい?」

結葵。
「だから言っているじゃないですか、不平不満を言えないんだと。」

夜になります。

イッヌは大きな犬小屋の中にいますが。

中は普通の住宅を小さくしたもの。

「ペットドア」があり、イッヌはいつでも庭に出られます。

何かを発見してイッヌが吠えました。

どうやら、侵入者だったようですが。

イッヌは先制発見が得意なので。

出撃して突進するイッヌ。

位置がバレた侵入者は逃げました。

敷地内に放し飼いになっている大型犬を攻略した人は。

今の所、いません。

メイドの結葵ちゃんは。

その時に懐中電灯を持って屋内を歩いていて。

侵入者が見えたそうです。

侵入者は女性でした。

次の日。

祖父と祖母が日帰り温泉に行くことになっています。

出発は明け方である。

夕方までには帰るツアーになっている。

家政婦に時間の管理を頼んだ祖父と祖母は眠りについていた。

すると、午前三時に家政婦に起こされてしまった。

家政婦。
「爺様、あと二時間しかないので、よく寝てください。」

祖父。
「知っているよ!」

家政婦。
「婆様、あと二時間しかないので、じっくり寝てください。」

祖母。
「あんた面白いことやらかすもんだね。」

明け方の出発に間に合ったけれど。

家政婦の悪戯に、夕方まで笑っていて。

何も中間報告をしなくてもいいと。

世帯で、後々に笑われるのであった。

次の日。

朝から。

察した教師。

睡眠不足で授業に出ている生徒がいる。

内科に行くべきであると。

先生は伝えに来た。

梢。
「あなたは夜も眠れないようですね。」
「成績に影響が出ますよ。」

学徒。
「そうなんですよ、困っているんです。」

梢。
「何か心当たりはあるんですか?」

学徒。
「それがですね、周囲の人々が道徳とか人道とか。」
「常識とか、そんなものを教えたがるので。」
「聞いているうちに眠くなって、日中、ずっと寝ているんです。」
「それで夜、寝れないのです。」

梢。
「ううむ環境のせいか。」
「そんな話は、夜に聞きなさい、ぐっすり眠れるから。」

学徒。
「分かりました、みんなに道徳とか人道とか、常識の話は。」
「夜するように、伝えておきます。」

その助言にて、この生徒の睡眠不足は治ったようです。

特に利他主義者の話は、昼間に聞いてはいけません。

夜に聞けば、利他主義者のおかげで、ぐっすり眠れます。

後日、生徒、回復したようです。

授業中。

学生。
「先生、理解できないことがあります。」
「自国民は、あれだけの技術を持ち、豊かな文化を築き。」
「同時に、全体主義を持っています。」
「いったい、どうしてこんなことになるのでしょうか。」

梢。
「日本人は三つの性質を持っていますね。」
「一つは高度な技術、もう一つは文化、もう一つは全体主義です。」
「この三つですが、しかし人間に多くのものは与えられない。」
「なので人間に二つまでのことは与えるが、それ以上は与えられない。」
「なので、技術があって全体主義である者。」
「それから文化人であって全体主義である者。」
「高度な技術を持ちつつ文化人である者の三つに分かれます。」

学生。
「長年の謎が解けました。」

梢。
「良かったですね、続けて。」

昼休み。

図書館にある資料。

ブルーレイディスクがある。

再生すると、戦争の記録でした。

第二次世界大戦に従軍しながら。

生き残ったフランス兵のドキュメンタリー。

徴兵された息子に母親が訴えた。

親。
「息子を戦場に行かせるなんて!」
「あの子は、同じ仕事を一か月も続けたことがないのよ!」

息子。
「工場の次は畑仕事、次は兵士ですか。」

役人。
「ろくに仕事もしなかったら、どうなるか分かっているのか。」

しかし息子は、戦争が終わると。

涼しい顔で帰って来た。

親。
「よくぞ戻ってきました、よく続けられたわね。」

息子。
「夜中に、陣地の二階で突っ立っていればいいって。」
「上官に言われたので、一年ほど突っ立っていました。」
「その代わり昼間は寝ていました。」
「仕事ってこんなに楽なものがあるんですね。」

帰還兵の息子。

その後、夜間警備の仕事に就いたが。

ほとんどは突っ立っているだけの仕事であり。

こちらは定年まで続いたという。

民間人のドキュメンタリー。

第二次世界大戦中、軍隊だけに商品を売りつけていた。

商人がいた。

戦争中、半額にして売っている。

戦場が拡大するにつれて。

入荷が難しくなっていった。

とうとう、店の近くに砲弾が着弾して。

倉庫の一部が壊れた。

その日から、半額は終了した。

戦争末期には、値段がインフレーションを起こしていて。

それでも、すぐに手に入れたい兵士が殺到していたという。

放課後。

梢。
「ううむ、こんなに魅力的な生徒がいると。」

七星。
「好きですか?」

梢。
「ええと、卒業したら、なにしてくれる?」

七星。
「連絡、待っていますよ。」

梅乃。
「浮気なのかな。」

七星。
「大人の女性と遊べるんですよ?」

梅乃。
「そうですよね、ちょっと遊んでみたいなって。」

麗羽。
「どんなことして遊ぼうかな。」

小百合。
「先生は激しいの好きですか、やばいの好きですか?」

梢。
「こらこら、勝手に人数を増やすんじゃない!」

七星。
「あれ?このくらいの人数でも、問題ないですよね?」

梢。
「そうだよね、気に入った女子は、君だけではない。」

小百合。
「集団でえっちなことされるプレイはどうかなって話ですよ。」

梢。
「そういうことね!考えておくわ!」

先生、溜まらず。

手を目に当てて。

ガッツポーズしながら。

立ち去ります。

卒業したら、教師と生徒の関係ではないので。

好きなだけ遊べるから。

待っているのかな。

しかしこれまで、たまにいろんな口実を作って遊んで来たので。

ひょっとしたら、告白でもしたいのでしょう。

帰路。

近くの商店街で窃盗があったので。

近寄ってみると。

監視カメラは万全、セキュリティに異常なし。

監視カメラが高級品のせいで、監視カメラだけが盗まれてしまい。

肝心の映像が無かったらしいのです。

なんですかそれ。

玩具屋に、ジェット戦闘機のラジコンが売っていまして。

一時期、人気を博したものです。

操縦が難しく、大きな広場が必要で。

おまけに物凄く高い。

店主。
「お嬢さん、常連さんだね、これは特別に半額で売っているよ。」

七星。
「それでは、別荘の無人地帯で飛ばすとします。」

店主。
「持って行ける?」

七星。
「家政婦が持ちに来るので、本人確認証だけ、提出しますね。」

店主。
「まいどあり!しかしラッキーだね!お嬢さん!」

七星。
「あまりの難易度に、みんな買わなくなった、伝説のシリーズですからね。」

店主。
「僕は、このラジコンの在庫を三十個も持っているんだ。」

七星。
「売れるといいですね。」
「あれれ、ラッキーなのは私で、アンラッキーなのはこの商人?」

小百合。
「流行の小説って、読者が物知りにならない?」

麗羽。
「読む前よりも経験を積んだ結果、増えた知識と経験によって。」
「その小説は二度と読まないという選択が可能になったからね。」

梅乃。
「見つけた、お泊りしていい?」

七星。
「どうぞ、久しぶりにいいことしない?」

梅乃。
「お姉ちゃんから、こんなもの借りたの。」

七星。
「なんてもの借りているんですか!」

梅乃。
「あなたは、何を持っているんですか?」

七星。
「お姉ちゃんが町中に来ていて、さっき玩具屋で会ったから。」
「こんなもの渡された。」

梅乃。
「とんでもないものをもらっているんですね!」

七星。
「使ってみる?」

梅乃。
「えっちなことで、酷い目に遭うのもいいかなって。」

七星。
「スリルですか、同感です。」

しかし、帰宅していた母親に。

やばいものは取り上げられました。

というか、何に使うものなのか分からないので。

母は分かったんですね。

なので、お泊りは、激しいこともなく、過ぎて行きました。

近くの民家で窃盗があり。

偽札が奪われました。

窃盗犯は、奪った偽札を使ってしまい逮捕された。

夜の街中でひったくり。

奪ったのはブランドの偽物、買ったばかり!

朝になると、起きたよ、と知らせる一声、わん!

しかしこの所、演習だらけですね。

まあいいです、実戦ではないのですし。

しばらく、演習を続行することにします。


9


倒れそうな木はなかなか倒れない。

英語の成句。

脅しを受けた際に用いられる。

昼休み。

台風が接近しています。

小雨。

強風。

七星。
「結局、皆が求めているのは。」
「正しい答えではなく。」
「自分にとって都合の良い返事ですね。」

梅乃。
「それって素晴らしいことだと思います。」

麗羽。
「都合の悪いことを言われたら。」
「正否に関係なく、避けますね。」
「都合の良いことを言われたら。」
「誰しもが喜ぶ。」

七星。
「正論とか、正解とか、そんなものは今の時代。」
「どうでもよくて。」
「大切なのは自分にとって都合の良い答えなんですよ。」

梅乃。
「そうですね、私は利他的で素晴らしいことが人間であると。」
「主張する集団がいたとして。」
「もう一方は人間が利己的で手に負えないと主張する。」
「集団があったら。」
「私は後者を支持して応援します。」

麗羽。
「昔は、もっと簡単だったのに。」
「人間社会がインフレーションを起こして。」
「余っている人間によって社会が際限なく膨張して行くので。」
「変な理屈や、詭弁が流行っても当然ですし。」
「何かの正しさが否定され。」
「多様性も、多様性があり過ぎて複雑になっても。」
「おかしくないです。」

七星。
「自然、これは宇宙も含めて、自然な考えが最適ですね。」
「不自然な考えは目立ちますし。」
「不自然な考えほど、自然界、つまり現実に通用しない。」

お弁当を食べていますが。

これ幕の内弁当ですね。

買ったものを。

容器に移しているだけ。

メイドの結葵ちゃんがやっています。

麗羽ちゃんのお弁当は。

有名なお弁当屋さんから買ったものを。

同じく容器を移して持って来ています。

お金持ちの暴挙。

教室にて。

ソーシャルメディアで罵詈雑言を繰り返している友達。

そのことを知り合いに話した。

学友。
「悪口が癖になってしまう。」

女の子。
「なるほど、ゲームなんですね、それを続けて何年目になりますか?」

学友。
「三年目です。」

女の子。
「だいぶベテランですね。」

職員室で口論があったが。

教材については。

別に当事者では決めるようなことはない。

意見の違い。

モラリスト。
「道徳の教科書ではこうなっているんだぞ!」

退役軍人。
「おっと学校が違いましたよ。」

ついに午後。

授業中。

梢。
「運送業者が、名古屋から東京に行くのに。」
「どのくらいかかるか?」

七星。
「半日ですね。」

梢。
「どうして?」

七星。
「運送業者だって二時間はサボりたいでしょ。」

公立の小学校、中学校では。

授業料に見合った能力しか習得できないはずである。

つまりは、その三倍は出せば、三倍の能力を習得する。

お金持ちは、それをやっているのである。

公立の小学校、中学校を通過してもろくなことがないのは。

授業料が安いせいである。

現に、高校から値上げされるので。

なんとかなっているのである。

放課後。

麗羽ちゃんは習い事のために。

素早く帰った。

このために。

宿題は、出された直後からやっていて。

帰るまでにはクリアしていた。

なぜかもう一セット出された。

麗羽。
「これは何ですか?」

教員。
「今日の分はいいです、これは明日の宿題です。」

麗羽。
「これをやったら、明日はどうするの?」

教員。
「成績表に有利なこと書いてやる。」

持ち帰る。

帰路。

近くにある大学から。

寄って来た青年。

幼馴染、二人いた。

ひとりは、ストーカーとして処理されたが。

その男性は、今でも接近して来る。

幼馴染。
「生まれる前に、結婚の約束をした、そんな夢を見るのですが。」

麗羽。
「生まれる前に結婚の約束をした?ここは天国ではないよ?」
「地上だよ?」
「まず最初に契約書を見せるべきで。」
「それに法的根拠があるかどうか、弁護士に相談を。」

幼馴染。
「生まれたら、そうなるんですか?」

麗羽。
「はい?嘘に決まっているでしょう?」
「有利に事を運ぶためのもの。」
「?も方便。」

幼馴染。
「作戦に乗せられた、そんな約束するんじゃなかった。」

銀行の前にて。

なにやら、口論。

銀行家。
「君についてすべてを許す、だから死んでくれ。」

市民。
「死ぬ前には全額、返しますよ!」

マフィア。
「借金の返済は要りません、借金の代わりに命を頂きます。」

凡愚。
「それは困る、返すから、命は没収しないでくれ。」

帰り道で。

中学生が、別の中学生を倒した。

路上格闘で連戦連勝の不良。

下級生に秘訣を聞かれた。

後輩。
「どうしてそんなに勝てるんですか。」

先輩。
「なぜかって?」
「弱い奴を見つけて、挑発しているだけさ!」

移動中。

小中一貫校に。

迎えに行く家政婦と会った。

麗羽ちゃんの世帯にいる家政婦。

目撃したことを報告した。

ボイスレコーダー。

中学校にて。

一人だけ電気アシスト自転車で通学していた学生がいる。

なぜか?

末っ子。
「なんで一人だけハイテク自転車なんですか。」

教員。
「こら、静かに、あの子は教育委員会の教育長の息子なんですよ!」

末っ子のクラスメイト。

目撃した。

とある児童、数人から言われた。

一同。
「なんでみんなと同じじゃないんだ?」

子供。
「僕だけファシズムの仲間外れにするなんて酷いよ!」

末っ子。
「始めて小学校に通った時、学校なんてろくなことがないと思ったよ。」

教頭。
「どうして?」

末っ子。
「年寄りばかりで、何かボケているんじゃないかと思ったし。」
「教師が不細工ばかりで、美形が少ないし。」
「そもそも、校門の前で。」
「土台に磔にされてポーズを取っている偉い人が飾ってあるし。」
「薪を背負いながら、教科書を読んで歩く銅像があるし。」
「自分もああなるんじゃないかと思ったよ。」

教頭。
「教師がおっさんとばあさんばかりなのは不可抗力だが。」
「土台に磔になっている人は、銅像の見方が違うぞ。」

末っ子。
「だって、まともに物を覚える頃には老けているんでしょ?」

教頭。
「薪を背負いながら、教科書を読んで歩く人だって偉くなれたぞ。」

末っ子。
「そうしないと偉くなれないと絶望したので。」

小中一貫校。

お金持ちを狙ったのか。

不審者の情報がある。

しかしそれは自称探偵の仕業であった。

とある自称探偵、警察官から人気であった。

今日も公安に尾行されて。

スキャンダルのチャンスを狙われている。

七星ちゃんは既に帰宅しているが。

門の前にて。

性善説の論敵、アンチとして来た。

わざと答えられない質問をしに来た。

性善説を説く論敵が論争を仕掛けた。

論敵。
「人は生まれつき善人なので。」
「悪に染まることはない。」
「所が、悪を覚えると、その善人が悪になる。」
「これは欠陥なのでは?」

七星。
「それは簡単ですね、順番が逆で。」
「悪を生まれつき併せ持っているから。」
「生まれつき善人になるのか、悪人になるのか。」
「生まれてすぐ決まるが、それが変わったりもする。」

論敵。
「経験からして、善人に生まれる人が多いと思います。」

七星。
「それでは私と一緒に歩いて来て。」
「誰が生まれつきの善人なのか、悪人なのか。」
「本人に面と向かって言おう。」
「相手に善性があるのなら、親切に対応して貰えるはずです。」

論敵。
「面と向かって、あなたに善性がありますか?」
「なんて質問するのですか?」

七星。
「はて、それをやるのが嫌なんですか?」
「君の主張では、あなたに善性はありますか、なんて質問すれば。」
「自分は善人です、なんて名乗るはずですよ。」

論敵。
「いいでしょう、通行人に、善性があるのか問うことにします。」
「面と向かって、本人に尋ねます。」

そして論敵が問う。

通行人は見向きもしなかった。

論敵、喧嘩を売っていると誤解された。

最後には不審者として子供に罵られた。

論敵、意地になって続けたら、警官が来て、注意された。

梅乃ちゃんは帰宅して。

七星ちゃんが不要になった本を譲り受けて。

今回は、欲しい本をお揃いで買って読んでいます。

しばらくして。

本屋に出かけたら。

雑誌が置いてありまして。

作り話が好きな小説家がいるんです。

今回も作り話を掲載して。

近くにいた批評家がそれを読んだ。

評論家。
「この作家、自分の作り話の責任を取るつもりはないだろうな!」

これまた近くにいた。

小説家と編集者。

本屋に来たのは、取材のため。

人生とは何かについて小説を書くように言われた作家。

ここでも文句を言う。

編集者。
「人生とは何か、いいテーマじゃないですか。」

作家。
「そんなの無理じゃないですか。」

編集者。
「いいえ、老人になる頃には、書き終わっているよ。」

本屋で雑誌を買いまして。

通り道。

寺院の近くにて。

僧侶。
「生前、良いことをしていると、いい死に方をするらしい。」
「埋葬する際は地面の中で風化せず。」
「火葬すると、亡骸がすべて消えずに残ってしまい。」
「その死体は野犬や熊に食べられることはありません。」
「しかし生前、悪いことをしていると。」
「ろくな死に方をしない。」
「地中で土に帰り。」
「火葬で炭になり。」
「亡骸は、野犬や熊にもきちんと食べられてしまいます。」

寺院の中にて。

墓参りを熱心にやっている仏教徒。

今回は何か違って、墓地から振動している。

仏教徒が墓に念じると。

なんと墓の中から、ゾンビが現れて。

自分のことを先祖だと名乗った。

しかし仏教徒は驚いで逃げ出した。

ゾンビは言った。

先祖。
「俺について敬っておいて。」
「いざ出て来たら逃げるのか!」

子孫。
「死者に質問はできますが、回答の内容は期待できません。」

その端っこにて。

二人組。

死んだ夫の弟と。

夫の妻。

夫人。
「ああ、なぜ人は死ぬのですか?」

学者。
「私は死について、まったく知らないが。」

夫人。
「夫が死んだんですよ!」

学者。
「そう気になさらないで。」
「もう二度と起こらないことなんだから。」

近くの結婚式場。

玄関にて。

イケメン男性が車に乗ろうと出て来ている。

結婚式でお祝いに来た知り合い一同。

しかし新郎はまったく不愉快であって。

結婚式は遅延していて。

まだ始まらないようです。

新郎。
「親の言いつけで結婚したが。」
「今になって不愉快になった。」

友達。
「君、そんな心配は要らないよ。」
「他の人と同じようにできるさ。」

新郎。
「そんなことではない。」
「嫁が、どうやらここに来る途中。」
「交通事故に遭ったらしいんだ。」

雨が降って来まして。

視界が悪くなる。

近くで傷害事件があって。

パトロールカーが巡回。

犯人を追っているようです。

情報提供を求められました。

こちらは小百合ちゃん。

警官。
「あなたは誰ですか?犯人の特徴と一致している?」

小百合。
「犯人ですって?」
「私一人だけで犯罪なんて出来ませんよ!」
「空気と格闘すればいいんですか?」
「地面を破壊すれば犯罪になるんですか?」
「昆虫を殺害すれば、殺人罪なんですか?」
「私は何を攻撃して、有罪なんですか?」

警官。
「いいえ、人違いでした、目撃証言から犯人は男性でした。」

警官、立ち去る。

後日、小百合ちゃんが友達から聞かされた。

その傷害事件で、とある人が冤罪で逮捕され。

証拠不十分で釈放された。

知人。
「君はなんで逮捕されたの?」

青年。
「警官に冗談が通じないとは知らなかったから!」

今日は治安が悪いようです。

その夜。

初任務から性善説ばかり説く警官がいて。

たまたま一人で巡回していた。

交番勤務である。

この夜、挙動不審な者を見つけたので。

職務質問した。

警官。
「あなたは、どこどこの誰ですか?」

売人。
「ああ、ここで取引をしている者です。」

警官。
「どういう取引ですか?」

売人。
「まあ合法とは言えないので、今回でお終いですね。」

警官。
「君、法律は知っているんだね?」

売人。
「もちろん、法律は知っています。」
「法律をよく守っているので、もう辞めるんです。」

警官。
「どうしてこんなことするんだ。」

売人。
「生活のためですかね、まあ稼げた方だと思います。」

警官。
「すると、生活のために、法律を知っていてこんなことを?」

売人。
「そんな馬鹿な、あなたに見つかるまで、こうするつもりでしたよ。」

警官。
「おお、庶民はこのように正直者です。」
「法律に抵触するような男でも。」
「きちんと法律について理解していて。」
「法律を守っていました。」
「今回も決して嘘をつくようなことをしませんでした。」
「それでは手錠を。」

合法。

免許が要らずに物を売る方法。

こんな投稿をする。

公園で十万円の札束を落としてしまいました。

拾って届けてくれた人には。

宝石の指輪をお礼として出します。

昔、使用された商法だったりする。

お金について語られるということは。

国が富んだというもので。

軽はずみに論じていいテーマになったのでしょう。

経済学は、面白いもので。

誰かが調達した素材から、工場で誰かが作って。

経営者もいて、作られた商品が輸送されて。

お店に届く。

以上の行為を、消費者がお金を支払って、無かったことにする訳です。

さて、誰しもが金塊を持っている訳ですが。

ああ、金塊を持っていたことがあるってことでした。

ならば、持っていましたね。

はて、書かれた文章について何か腹を立てているようですが。

何をやっているのですか。

面と向かって、あなたに言った訳ではないでしょう?


10


アルメニア放送、早朝。

善人とは何ですか?

それは伝説の存在です。

悪人とは何ですか?

相手を罵る時に使う言葉で。

野郎と同じ意味です。

善悪とは何ですか?

善と悪が一緒に共存している理想郷です。

早朝から天に訴えるメイドさん。

結葵。
「出生の仕組みとやらの不正に、日々感謝しています。」

家政婦。
「あなたのEQはどのくらいですか?」

祖母。
「お前!誰に物を言っている!」

家政婦。
「EQくらい教えてくれてもいいじゃないですか!」

七星。
「漫画はなぜ流行るのか?」
「その理由はこれに違いない。」
「この世界は一週間で作られたと言われている。」
「ある説では少しずつ作られたと言われている。」
「しかし漫画は一年、または数十年で。」
「しかも星の数ほど作られる。」
「漫画の世界は面白く、この世は滅茶苦茶である。」
「かけた期間と手間が違うので。」
「両方の世界を比較すると、この世は退屈で。」
「漫画の世界は面白い訳です。」

梅乃。
「時間をかけて作るのって大切なんですね。」
「この世も、もうちょっと時間をかけて。」
「手間と工夫をかければ、もっと良くなったのでしょうね。」

公共放送を見る。

年会費は徴収されるが。

今の所、それに見合った内容になっていて。

特に無害。

他の放送局に比べて、遥かに害が少ない。

しかも自然災害。

大災害の時はかなり安定しているし。

正確無比な情報をすぐに得られる。

それ以外の人は年会費について批判している。

番組にて。

評論家が、厳しく小説家を非難したが。

その小説家の最新作は、まだ出ていない。

原稿は少しも書かれていないのである。

批評家。
「あんなに卑猥なことを書くなんて世間に無礼だ!」

役者。
「そんなこと言われても、まだその作品は出ていませんが?」

批評家。
「予備行為でも卑猥なんだよ!」

社会では、八つ当たりが流行っています。

とまあ、気持ちは分かります。

登校まで時間があるので。

散歩しています。

近所のお宮にて。

人がいて、雑談している。

その人は神社で祈った所。

宝くじで大当たりが出た。

しかし一万円という、どうにもならない金額であった。

信徒。
「一万円では喜べないな。」
「購入したのは全部で五千円だから。」

氏子。
「何を言っているんですか。」
「十万円が当たる所を手数料として。」
「九万円を徴収されたんですよ。」
「一万円ならいい方です。」

コンビニエンスストアまでの道にある。

寺院の中に。

侵入者。

酔っ払い。

墓地に辿り着いて寝てしまった。

朝になって起きると。

自分が死んでいるのか、生きているのか分からなくなった。

凡人。
「俺は墓地で死んでいるのか?」
「それとも、生きていて墓地にいるのか?」
「とにかく覚えてないぞ、どうする?」

一人として同じ人はいないのでは?

五万人いれば、五万通りの人がいるのでは?

すると、意見が一致しないのが当たり前で。

意見が一致することの方が稀なのでは?

意見が違って当たり前のことに怒る人って何?

時間になったので。

登校中。

平和主義者が演説していた。

いつもの通り。

核爆弾投下、空襲、被爆者など。

哲学者がそれを聞いた。

哲人。
「とまあ古臭い人々もいるもんだ。」

社員。
「他人事で良かったですね!」

哲人。
「いつまで被害者になっているんだ。」
「冷戦は?核戦争の脅威は?」

社員。
「いや、あんたは他人事だから、そんなことが言える。」

哲人。
「ああ、やっぱり他人事で良かったね。」

社員。
「海の向こうで威嚇射撃を受ける自衛隊。」
「台湾と沖縄の周囲では、戦闘機と艦載機が飛び交う。」
「こんな時代に平和主義ですか、矛盾していませんか?」

哲人。
「俺達は核爆弾を見てないし、空襲にも遭ってないし。」
「被爆者でもないからな。」

社員。
「どこをどうやっても、理解できることがない、悲しみ。」

哲人。
「そして次の戦争の当事者になる悲しみ。」

大通り。

道端で罵り合いをしている男性がいる。

愚人。
「お前の奥さんは元娼婦じゃないか!」

市民。
「はて、私が果たして結婚しているのかな?」

愚人。
「お前の奥さんは、年齢からして無理だろ。」

市民。
「僕に奥さんなんていませんよ。」

知人。
「なんだって君は妻を侮辱されているのに平気なんだい?」

市民。
「相手は僕が未婚であることを知っているんです。」
「友達も知っている、あなたも、もう知った。」
「しかし野次馬が、大勢、私達の口論を。」
「観戦しているのですから。」
「それを狙って来るのです。」

愚人。
「誰かが俺の嘘を信じれば、噂になるだろ!」

親子連れ。

園児らしい。

近くに保育園があった。

子供が言った。

少年。
「道徳と暴力って、どっちが強いの?」

親。
「それは暴力に決まっているでしょう。」

少年。
「でも、暴力を禁止することによって、有利になっているでしょ。」

親。
「まあ、道徳と暴力、お互いに戦って、決着をつけてみることですね。」

入院中の祖父の友人が。

大福が食べたいので。

持って来て欲しいと連絡したので。

代理で持って来ています。

病院にて。

役員。
「どうにも回復するのか、回復しないのか怪しい。」

七星。
「何か心残りは?」

役員。
「ああ、借りたお金って、誰に、どのくらいかな。」

七星。
「あなたから思い出さなくていい。」
「あなたの容態を知って、向こうから名乗り出てくるからね。」

梅乃。
「早くしないと借りたお金が消えますからね。」

登校中。

徒歩。

梅乃。
「葬式があった、欠席した。」

七星。
「暇があるのに、なぜ欠席したの?」

梅乃。
「私の葬儀にも来てくれる保証がない人の葬儀に行っても。」
「仕方がないからね。」

七星。
「他人の最後くらい、見てくれば?」

梅乃。
「いいえ、生前とさっぱり変わらないものですから。」

喫茶店にいる女性。

英雄と結婚する野望があった。

しかし候補と交際したけれど、まるで合わず。

二週間で破局した。

自分の人生に無駄が出来たと怒っていた。

婦女。
「あんなろくでなし、死ねばいいんですよ。」

夫人。
「あの男ですね、数日前、雷に打たれて一度死にまして。」
「心停止から戻って来たんですから。」
「お見舞いに行ってみてはどうですか?」

地元で噂になっている。

性善説を日ごろから説く老人がいた。

そしてその隣にいる老人が病死したので。

性善説の老人が死んだのではないかと。

詮索好きが様子を見に来たが。

何事もなく帰って来た。

物好きの会話。

子分。
「性善説の老人ですが、とうとう死にましたぜ。」

親分。
「あれ?あそこに歩いているのは、その老人ではないですか?」

子分。
「そんなことはありません、性善説を説く奴なんて信用してはいけませんぜ。」

親分。
「おい性善説の野郎、お前は生きているのか?」

老人。
「はい、生きています。」

親分。
「確かに、こんな奴の言い分を信用してはいけないな。」

朝食の顧客が野外レストランにいて。

梅乃ちゃんの身内でした。

一人暮らしの婦人。

最近、変わったことがない。

なんて連絡して来る。

婦人。
「駅の方では何か変わったことはありますか?」

梅乃。
「相変わらず、珍しいこともなく、退屈ですね。」

婦人。
「しかしこうも何も起こらないとは。」

梅乃。
「そんなに何も起こらないんですか?」

婦人。
「そう言えばこの前、迷い犬が人に飛びついていたっけ。」

梅乃。
「どうして、迷い犬になったんだろう?」

婦人。
「それは脱走すれば、迷い犬になるでしょう。」

梅乃。
「人があれだけいるのだから、通報されて保護されているはずです。」

婦人。
「すぐに見つかって、保護されましたわ。」
「人がそれだけいるのだから、当然です。」

梅乃。
「それで、他には?」

婦人。
「告白して来た男を振ったら、男が飛び降りたって。」

梅乃。
「なんだって、それだけで飛び降りたんですか。」

婦人。
「ただ不細工とか罵っただけなんですけれど。」

梅乃。
「それだと、あなたが殺したようなものでしょ。」

婦人。
「それは警察に事情も聞かれるでしょう。」

梅乃。
「警察が来るなんて、それがきっかけになったのは本当なんですね。」

婦人。
「務めている会社に不正があって、警官が聴取に来るのは二度目ですから。」

梅乃。
「いったい、最近、何回、警官が来たんですか。」

婦人。
「珍しいことではありません。」
「転職するごとに、その会社が不正をやっているのは。」
「いつものことですから。」

梅乃。
「そんなひどいことが毎回あるんですか。」

婦人。
「だから、変わったことは何もないと、言っているじゃないですか。」

七星。
「本当に変わったことはないんですね。」

麗羽ちゃんと合流しまして。

三人で移動中ですが。

観光客と遭遇しました。

観光客。
「秋葉原はどちらですか?」

七星。
「あちらですね。」

観光客。
「ええと、どこを指さしているんですか?」

七星。
「まあ秋葉原とは正反対の方向ですね。」

観光客。
「天空を指さしても分かりませんが。」

七星。
「なんですと、この世の物事や成り行きなんて、いつも逆様じゃないですか!」
「今更、本当の方向に直したり、本当の向きに変えろとか、無理を言うんじゃありません!」

観光客。
「我々はどこに行けばよろしいので?」

七星。
「そうですね、この世の出来事はいつも真逆ですので。」
「私が指さす反対の方向に行ってください。」
「あそこのバス停から秋葉原に行けます。」

観光客。
「どうもありがとう、反対の向きにあるタクシー乗り場から行きますね。」

麗羽。
「いいえ、そっちの方向にあるのは駅です。」
「駅から行ってください。」

梅乃。
「タクシーだと暴利になるので、電車で行きなよ。」

観光客。
「はい、どのくらいで着きますか?」

七星。
「明日までには着きます。」

観光客。
「目と鼻の先ですか?」

麗羽。
「半日で着くという冗談ですよ。」

学校の近くにて。

スピードを超過しているが。

パトロールカーに見つかって。

交通違反で捕捉された市民。

警官に罰金を支払うように言われた。

市民。
「何だって五万円なんだ!」

警官。
「私に文句を言わないでください。」
「そう決まっているんですから。」

市民。
「だったら四万円でどうだ。」
「それなら支払うよ。」

警官。
「値切るなんて無茶な。」

市民。
「いいえ、一万円はあなたへの賄賂です。」

警官。
「一瞬、迷ったが、定価の五万円をお支払いください。」

学校の手前にある道路。

レースでもやっているのか。

制御不能の速度を出していて。

さっき取り調べをやったパトロールカーが正面から出て来て。

運転手は大人しく降参した。

スピード違反で捕捉された車の運転手。

物価高騰をしているので。

罰金は痛手であった。

警官。
「罰金として三万円ですね。」

運転手。
「三万円は高い!」

警官。
「すみませんが、三万円は定価です。」

運転手。
「今はセールはあるんですか?クーポンは?」

警官。
「法律に割引はありませんよ!」

無事に校内に入れました。

昼間。

酔いが覚めたとある男性。

調子に乗っていた。

憎まれっ子世に憚る、という諺を知った憎まれっ子。

日本に来ていたマフィアと勝負した。

マフィア。
「度胸だけで終わるなよ?」

憎まれっ子。
「いいか、このピストルに弾丸を込めて。」
「自分の番で弾丸が発射されたら、負けだぞ。」

マフィア。
「いいのかい?もしお前が負ければ死ぬぞ?」

憎まれっ子。
「俺が勝てば服従しろ。」

子分。
「こんな大事件ですぜ、俺様が代理になる。」

憎まれっ子。
「どうせ勝てるから、お前の命は要らないぜ。」

マフィア。
「分かった、勝負してやる。」

憎まれっ子。
「行くぞ、俺の番からだ。」

子分。
「ふむ、俺の番だな。」

憎まれっ子。
「残念でした、悪漢ほど運がいい。」
「そして運は愚者に味方する。」

子分。
「俺は空回りだ、お前の番だ。」

憎まれっ子が引き金を引いた。

憎まれっ子。
「ぐわっ!」

晴天。

休み時間。

小百合。
「所で暇なので、紛争でもやらない?」
「下級生をみんな巻き込む。」

七星。
「それで明日は何の暇つぶしをやるの?」

麗羽。
「壊しまくったら、最終的に支払いはどのくらいになる?」

梅乃。
「暴れるんですか?」

梢。
「こらこら、何を計算しているんだ!」
「自分が暴れた賠償金まで、支払いにカウントしているんじゃない!」

小百合。
「近頃、いろいろとつまらないので。」

梢。
「残念ですが、急用で忙しくなることもある訳で。」
「つまらないことばかりではありません。」
「人生、楽しいことと、つまらないことのバランスが重要なのです。」

七星。
「ですよね。」

小百合。
「それで、硝子を割ると、どのくらいの勘定で済みますか?」

梢。
「お前ら!破壊は娯楽じゃないんだぞ!」

麗羽。
「ですよね、もうこれ以上のアイデアはないね。」

梅乃。
「問題や事件でも起きてくれると、暇つぶしに都合がいいのですが。」

梢。
「貴様ら!トラブルや問題ですら、暇潰しに使うのか!」

小百合。
「だって、争いとか、問題とか、事故とか、そんなものないと。」
「暇潰しに何すればいいのか、わからなくて。」

梢。
「先生がいるじゃないですか。」

七星。
「なるほど、意見は一致しましたね。」

麗羽。
「今日はどんな感じですか?」

梢。
「まあピンク色って所かな?」

梅乃。
「凄い、黒色の場合ってありますか?」

梢。
「昨日は黒色って所でしたよ。」

小百合。
「素晴らしい、先生は未婚ですよね?」

梢。
「そうですね、女性とは未だ結婚していません。」
「男性は嫌です。」

七星。
「休み時間も終わるし。」
「とりあいず課題を片付けようよ、それから考えましょう。」

小百合。
「まあ先生と結婚する可能性もある訳でして。」

麗羽。
「破壊と建設って、どっちが楽しいの?」

梅乃。
「時と場合に寄るでしょうね。」

次の休み時間。

勝ち組という人々が世間で自慢していた。

何かしらに勝ったらしい。

しかし勝利したと言うのなら。

どうしてまた同じ相手に勝利する必要があるのでしょうか?

昼休み。

ああ、眼下の人間が、珍しく人間っぽく見えます。

小百合。
「日本の文壇が酷いのは、文壇の中に日本人がいるからです。」

七星。
「そうでしたっけ?」

麗羽。
「文学について、いちいち審査員が酷いのはなぜか?」

小百合。
「やっぱり、大日本帝国の臣民が、多数加入しているからですよ。」

梅乃。
「そうかなあ?」

小百合。
「頭も悪そうですし。」

麗羽。
「何を言っているんです、頭が悪くても頑張っている人なら。」
「いくらでもいるでしょう。」

七星。
「そうですよ、頭が悪くても、頭が悪いなりに。」
「きちんと仕事をしているんです。」

小百合。
「そうでしたか。」

梅乃。
「これって他の人が聞いても耐えられる会話なのかなあ?」

梢。
「おおここにいたか、小説家の話をしている?」

小百合。
「用事を伝える前に、文学の審査員って悪くないですか?」

梢。
「なんだって?審査員に哲学者、科学者、法学者、モラリストを兼ねろって言うんですか!」
「そんなこと出来たら、苦労しませんよ!」

小百合。
「そっか、よく考えればそうだよね。」

梢。
「感動した、もし良ければ、もう四年いて欲しいくらい。」

梅乃。
「留年はしませんよ!」

七星。
「先生は学費って、授業内容に反映されていると思いますか?」

梢。
「ちょっとそれは別の部署の話かな?」
「手伝ってほしいことがあるので、後で職員室に来てね!」

教員のパソコンが全部、不調なので。

直しておきました。

オペレーティングシステムの軽量化、高速化を施して。

チューニングしたら、すべて直りました。

無駄が多過ぎです。

放課後になり。

帰ろうと。

宿題を即日、返納した瞬間。

関東の断層帯から、強烈な地震があり。

震度六弱が出まして。

一部、停電、断水。

休校にすると、教員が慌てています。

急いで帰りますが。

メイドの結葵ちゃんが自動車で迎えに来ていて。

友人という訳で、全員を送り届けて。

帰宅しました。

自宅に損害はなし。

地下室はシェルターなので、損害なし。

地下室で掃除していると。

結葵ちゃんが敷地の端っこで。

何やらしています。

天に向かって。

結葵。
「人類が滅びますように!」

すると、震度四の余震が発生しました。

伏せています。

結葵。
「冗談くらい、言ってもいいでしょ!」

家政婦。
「あの世では貨幣が違うらしいので。」
「どうやって稼ぐのかしら。」

結葵。
「ええと、良い生まれの賄賂はどのくらいになりますか?」
「貨幣の種類もよろしければ、教えてください。」

すると、震度三の余震がまた発生した。

結葵。
「値段くらい聞いたっていいでしょ!」

家政婦。
「まぐれで、何か当たっても知らないですよ。」

七星。
「もういいから、中に入って、倒木でもしたら、まずいから。」

結葵。
「お嬢様、給料って、もう少し上がりませんか?」

七星。
「ちょっと好きにさせてくれたら上がりますよ。」

結葵。
「そうじゃなくて、給料が上がるといいなって。」

七星。
「麗羽ちゃんと結婚すれば、物凄いお金持ちですよ。」

結葵。
「お嬢様と結婚したら?」

七星。
「まあないでしょう、でも悪くないですよ、その発言。」

チップをあげまして。

どうやら。

思っているより貯金が溜まらなくて。

焦ったようですが。

七星ちゃんの両親は、娘と親しくなった結葵ちゃんを手放したくなくて。

密かに給料を上げました。

帰宅していた両親。

父親。
「いいぞ!この勢いのまま、卒業してしまえ!」

七星。
「最速で片付けると、暇でしょうがなくて。」

母親。
「今の所、余裕ね、その調子よ!」

七星。
「あのレベルで私を食い止めようなど、愚かですね。」

父親。
「我が娘が学校で相手になるとは、世人も不運でしたね。」

母親。
「我が娘を見て逃げないなんて、みなさん度胸ありますね。」

七星。
「世人ですか、私が相手になった時点で、運の尽きですよ。」

父親。
「世間ですか、もう少しマシな抵抗をしてくると思っていましたが、期待外れでしたね。」

母親。
「我々を失望させないでほしいものです。」

結葵。
「さあて、チートなお嬢様の力を、思いっきり宣伝しちゃいますよ。」

七星。
「どこでそんな言葉を覚えたのですか?」

父親。
「あまりに勝負で勝てるので、雑魚には近寄らなくなった、それだけのこと。」

母親。
「雑魚の武器は常に新品で磨き上げられています。」
「一度も使ったことがないからです。」

両親、はしゃいでいる。

そのまま高級のレストラン。

しかも和食の名店に連れて行ってしまった。

付近では一部、停電、断水があるのに。

その名店は営業可能だったので。

やや混乱している街中を。

耐久力が無駄に高い自動車で疾走し。

中規模地震の片づけを、メイドと家政婦がやりつつ。

祖父は長い昼寝から目覚めるのであった。

祖母はVRゴーグルをつけていて、地震が演出だと思い込んでいた。

もしも弁護士を雇ったら。

自分に反駁したい人、策略を仕掛けたい人、悪評を広げて潰したい人々が。

どんな目に遭うか、とても興味があります。

多分、向こうも、自分の弁護士が、どんな弁護をするのか。

とても興味があるはずです。

どちらにしても、弁護士がどう弁護するのか。

お互いに興味深いという点では、アンチがいる割に、意見が一致していますね。


11


日本文学は共産主義をよく描いている。

こう言われて、本当なのか。

友人の自由主義者に尋ねてみた。

返事。

日本の文学はまず題材がないほど貧しい。

次に、文学の基準がなかった。

そして目的がなかった。

どうすればいいのか理想すらない。

しかも書くものは通俗小説ばかりで。

そのくせ、自分達は天国にいると確信していた。

なので、日本文学は共産主義社会をうまく描いている。

なるほど。

あと、日本の通俗小説は、あまりの文章の多さに。

読者が目を回してしまう。

誤った評価をつけるのは。

目を回しているからに違いない。

だって、本当に読んでいると頭がおかしくなり。

目が回るから。

上記の経験あり。

午前中は。

コンピュータールームで。

フライトシミュレーターをやっていまして。

それも授業です。

プロペラ機のみですが。

必須科目として、たまに開催されます。

お昼近く。

戦闘機の話題に移行している。

授業中。

生徒が、ホワイトボードではなく。

女教師の顔を見ている気がするのは。

私だけなのかな?

公立の学校では、教師の質が悪くても。

解雇されません。

私立になると、悪い教師をすぐに捨てる。

生徒は、教師を自由に選べるようにしないと。

悪い教師に当たった時に。

事故が発生すると思います。

授業内容は、ミサイルの撃ち合い。

梢。
「レーダーとはレーダ波を掃射すると。」
「送信したものが、何かと当たって反射して。」
「受信するが。」
「レーダー波には速度があるので。」
「片道分のレーダー波の速度から距離を計算して。」
「片道分の受信を、帰って来る速度から距離に換算している。」

七星。
「レーダーはデジタルの代表ですね。」

梢。
「レーダーには鳥の影まで映ってしまい。」
「たくさん鳥が飛べば、鳥の数まで分かってしまう。」
「そのため、旅客機はあっさりレーダーに表示されて。」
「向き、高度、速度まで計算されてしまう。」

梅乃。
「レーダーだけでそこまで分かるんですね。」

梢。
「日本上空を飛ぶ飛行機は、すべてレーダーサイトで確認されています。」
「民間機から、友軍機まで、ぜんぶ丸見えです。」

麗羽。
「ジャミングはレーダーを欺瞞するんですよね。」

梢。
「電子妨害は、こちらから紛らわしい電波を。」
「相手のレーダーが送信するタイミングで送り返して。」
「距離を誤認させる仕組みで、旧式のレーダーは簡単に騙されます。」

女学生。
「ステルス戦闘機は、鳥の影くらいに小さく映るので。」
「探知距離が短くなりますよね。」

梢。
「実戦投入したら、世界最強の戦闘機、ラプターが。」
「旧式のフルクラム相手に、短距離ミサイルの有効射程まで。」
「側面から接近されるアクシデントがありました。」
「合計八機による攻撃だったので。」
「被撃墜はありません。」

女の子。
「旧式の戦闘機はレーダー警戒装置がついていませんでしたよね。」

梢。
「イランがトムキャットを投入していた頃は。」
「イラク軍にはついていませんでした。」
「そのため、フェニックスミサイルで一方的に撃墜できましたが。」
「すぐにレーダー警戒装置が追加装備されて。」
「長距離ミサイルで狙われていると分かったので。」
「フォックスバット戦闘機は、攻撃を受けると。」
「すぐに反転して、超音速飛行で逃げたりもしました。」
「もっとひどいと、ロックオンされたら、ベイルアウトして、戦闘機を捨てました。」

青年。
「トムキャットの長距離レーダーによる長距離ミサイルは目立ちますね。」
「ようやく様になったみたいな。」

学生。
「ファントム戦闘機が、レーダーを駆使した、最初の戦闘機でしょうか。」

梢。
「ファントム戦闘機にはレーダースコープがついていて。」
「後部座席のパイロットが覗いていましたが。」
「先頭はアナログ計器ばかりで。」
「現代ではほとんどが退役していますね。」

男の子。
「あんなもの、使い物になりませんよ。」

少女。
「航空自衛隊も、つい最近までは使っていたんですけれどね。」

梢。
「すべてのミサイルがレーダー誘導ではありません。」
「ロシアの旧式のミサイルは赤外線誘導です。」
「それはレーダー警戒装置には反応しません。」

学生。
「今では中間誘導に成功すれば、ミサイルのレーダーで誘導できますからね。」

梢。
「完全な撃ちっぱなしはありません。」

同級生。
「昔は、撃ったらそのままと言われた誤解。」

梢。
「現代の戦闘機は、お互いに撃ったら反転して。」
「中距離ミサイルをエネルギー切れで墜落させて。」
「また撃ち合いをして、ミサイルのエネルギーを切れさせて回避して。」
「この繰り返しになりがちですね。」
「変な話、高高度から撃ち合いになって。」
「反転して下降して逃げると。」
「速度で優勢になり、ミサイルが当たりません。」
「しかし実戦では、燃料を考えないといけません。」
「それに、あらかじめどこに戦闘機がいるのか分かっていません。」
「早期警戒機がいれば分かりますが。」
「敵地に侵入すると、どこに潜んでいるのか分かりません。」
「そのため、どんなに高性能でも。」
「側面を突かれると、撃墜される危険がありますね。」
「次は管制官の話をしますので、お昼休み。」

今回は、戦闘機の基本について。

視界外戦闘について習いましたが。

民間機、飛行についても習っています。

授業終了。

昼休み。

七星。
「私はフォークウェイズの違反もしていないし。」
「モーレスにも触れていないが。」
「そういう社会学は、誰しもが知っている通り。」
「大学一年生でしか習わないので。」
「落ちこぼれは、何でもフォークウェイズの違反だと言い張ったり。」
「何でもモーレスに触れていると言いたがるでしょうけれど。」
「その人が大学に通っていないことだけは分かる。」

麗羽。
「フォークウェイズは客観的な道徳のひとつですね。」
「論理にかなっているので。」
「わかりやすいし。」
「社会学の用語なので。」
「まあこれが社会ですよと、同意できる。」

梅乃。
「モーレスはフォークウェイズの上位のもので。」
「フォークウェイズの違反よりも上の違反ですが。」
「私はしていませんし。」
「そもそも大学に通っていない人が。」
「理解できるものでもない。」

小百合。
「おお高卒よ、大学に行けないルサンチマンなのか。」

梅乃。
「東大生とかは知っていて当たり前ですよね。」

麗羽。
「はあ?そんなスーパーマンが理解していないと思う方がおかしい!」

七星。
「思うに、大学に入るのは難しいことではない。」
「落ちこぼれになる方が難易度は高い。」

小百合。
「だって、わざと落第しないといけないし。」

七星。
「もう一度、やり直してみろと言われたら。」
「満点狙いでやりますが。」

小百合。
「あんな簡単な試験に落ちる方がどうかしているよ。」

梅乃。
「審査員の問題なんじゃない?」

麗羽。
「しょうがないよ、あれをたいしたことないと思えるのは。」
「年齢を重ねてからでしょうから。」

七星。
「しかし私から見ると、なんであんなのに落ちているの?」

小百合。
「筆記が間に合わないからですよ。」

麗羽。
「時間制限という酷い落とし方ですか。」

七星。
「時間さえかければ、あっさり解けますが。」
「一問にかける時間がまったくないので。」
「事前に練習する期間が長いんですね。」

梅乃。
「なるほど、時間制限のせいでみんな落ちているんですね。」
「時間が二倍あれば、みんな受かるのに。」

小百合。
「いや、あんたら、自分の基準で考えてない?」

七星。
「え?当たり前のことを言っていますが?」

小百合。
「自分の基準で物を語っても、理解されませんよ。」

梅乃。
「そうですかね、それなら、何を基準にすればいいの?」

麗羽。
「次はその基準を設定するのに、議論は半日ほど続くのでしょうね!」

七星。
「世界は基準値で出来ている、と言われても。」
「自分達で基準を設定するのは、無理があるね。」

小百合。
「そんなに本気にならなくていいの。」
「社会がそうなっているという理由で。」
「大学に行かないといけないという。」
「根拠のない時代で頑張っているのだから。」

七星。
「そうですよね、学校なんて整えられて、二世紀くらいですもん。」

麗羽。
「歴史が浅い学校の話なんてつまらないね。」

梅乃。
「それでは古代アカデミアの話に行きますか。」

入学する条件で。

私が貸しを作らない限りは。

学校も学歴を売らない。

という約束をしています。

今の学校は、あまりに整備されていて。

窮屈ですね。

教育を行っているのが、特別に優れていない役人と下っ端なので。

教師の質は、古代と比較すると酷いものです。

簡単に言えば、教師は凡人です。

書記法という、写し書きを主体にする教育ですが。

書記法は、博識っぽくなるだけです。

本物にはなれません。

書記法は古代の発明品です。

それが使われるようになって。

プラトンが嘆いていたほどです。

写し書き教育は輸入品であり。

近代化で作られたものではありません。

とある大学生、卒業論文の末尾にこう書かれている。

私が学校教育を美化したことは。

誰にも言わないでくださいね!

午後の授業。

梢。
「誘導路は、安全に離着陸するために管理されています。」
「場所ごとに名前がつけられていて。」
「離陸する航空機、着陸する航空機は。」
「指示された場所に待機したり移動します。」
「場所で管理されているので。」
「無線で動かして、道を開けたり、どかしたりします。」

学生。
「どの飛行機とも被らないようにして。」
「流れ作業で離着陸するんですよね。」

梢。
「無秩序に離陸、着陸なんてしたら、地上で事故ばかりになります。」
「そうならないために、無線で、場所ごとに。」
「航空機を管理、誘導しているんです。」

学徒。
「そのおかげで、すんなり離着陸できるんですね。」

梢。
「着陸する航空機は、指示通りに着陸します。」
「離陸する航空機も、指示通り、位置につきます。」
「旅客機は、管制塔からすべて見えていますので。」
「着陸する旅客機は列になって時間差で着陸します。」
「離陸する旅客機は、前方が開いている場合が多いものです。」

女の子。
「距離は開いていますが、設定された空路から列を作って。」
「着陸する様子は、よく見かけます。」

梢。
「管制官の誘導によって、空中衝突、滑走路での追突。」
「地上での事故を防いでいるので。」
「守らないと、すぐ事故になりますし。」
「パイロットも、小競り合いをよくします。」
「自分達が早くターミナルに入りたかったり。」
「早く出発したいと。」
「急かします。」

青年。
「まるでパズルゲームみたいに、言い争いもしますね。」
「パイロットも管制について理解しているので。」
「あいつが出れば入れるとか。」
「この滑走路から出してくれと、直談判する。」

梢。
「滑走路は区画ごとに、侵入の許可が必要であったり。」
「許可を無視すると、毅然として警告するんですね。」
「円滑に離着陸ができるようにしているので。」
「従わないパイロットには腹を立てます。」

委員長。
「管制には合理的な思考が不可欠で。」
「無線のやり取りも、正確無比に情報を伝えていますね。」

梢。
「空軍になると、管制官の難易度は高くなります。」
「四方八方から軍用機が来るので。」
「すべて安全に離着陸が出来るように誘導、管理するので。」
「管制官の大会もあるほどです。」
「現場はユーモアラスで人間味がある所がよくあるので。」
「笑いあり、怒りあり、困惑ありという所でしょう。」

授業中。

ノートを取るのがめんどくさくなって。

一部の生徒、ボイスレコーダーを使っている。

人工知能に音声を文章化させているので。

先生が不愉快になっている。

管制官の話は、前半。

今は後半。

梢。
「旅客機は、離陸すると高度を取ります。」
「基本、飛行機は高度を取れば得をします。」
「低空飛行は推奨されません。」

七星。
「旅客機のエンジンは怪力なので、簡単に高度を取れますね。」

梢。
「そうです、ただ、旅客機は操縦桿が重いので。」
「ものすごく鈍重な操作性を持っています。」
「船のようなレベルの操作性で。」
「思うがままに機体を制御できません。」

梅乃。
「そんなに重いんですか?」

梢。
「旅客機の運動性は劣悪ですので。」
「距離と進路に余裕を持って飛行します。」
「いきなり曲がることはできないからです。」

麗羽。
「それなのに、よく制御できますね。」

梢。
「旅客機のベテランパイロットは、思っているより練度が高く。」
「慣れているので。」
「一般からして信じられない制御をします。」
「台風が接近していても、着陸できるほどです。」

学生。
「訓練が行き届いていますね。」

梢。
「現場知らずのシミュレーションでは習得できない。」
「本物の技ですので。」
「飛行に乗る時、ベテランパイロットなら。」
「事故で墜落する危険は減ります。」

女学生。
「ありえない方法で着陸させますからね。」

梢。
「旅客機は推力を失っても、しばらく飛べます。」
「高度を落として速度に変えて、滑空します。」
「思っているより長距離を飛行できます。」
「推力があれば、エレベータやエルロンを失っても。」
「操縦が可能なので。」
「多少の損傷では落ちない乗り物であると思ってください。」

虚偽の疑い。

学校の教科書はベストセラー書籍なんですか?

ならば学校の教科書を読んでいる間は。

社会的に認められた。

他のベストセラー書籍を読んでいないってことですか?

午後の授業は。

旅客機の面白話が主体でした。

放課後。

図書室に変な本があるよと。

教師に行ったら。

その本を持ち去って。

二度と戻って来ませんでした。

題名は、善人は権利だ!

ひどいタイトルですね。

七星。
「スピリチュアルは善人を名乗っているが。」
「それは悪人ということになる。」
「善人ほど悪い奴はいない。」
「スピリチュアルは悪人の集い。」

麗羽。
「やさしい人とか、仁者の猿真似である。」
「仁者になろうとして、方法を間違えている。」
「しかもやさしい人は仁者ではない。」
「仁者は山を楽しむと言うが。」
「趣味で仁者は山が好きである。」
「ちなみに賢者は水が好き。」
「やさしい人で山を喜ぶ人はいなかった。」

梅乃。
「なぜ人を許せないのか、というタイトルの本がありましたが。」
「馬鹿馬鹿しい。」
「単純に相手が許せないから。」
「仕返しをしたいのに、洗脳されて、試せない。」
「矛盾した心理がある。」

小百合。
「悪認定されて、悪扱いされるのは。」
「善人がこの世にいるからです。」
「善人を裁いたり、排除すれば。」
「誰も悪認定されたり、悪扱いされません。」
「つまりは善人とは敵なのです。」

七星。
「悪認定されたり、悪扱いされたら。」
「善人と敵対して、実際に攻撃すること。」
「善人を罵ること。」
「そうすれば矛盾が生じて。」
「悪認定、悪扱いは崩壊します。」

麗羽。
「極端な性善説を説く連中がいましたが。」
「目的は分かりましたよ。」
「善人を王様にしようなんて。」
「その気になっていたあいつらの姿はお笑いでしたよ。」

小百合。
「善人を王にしようなんて愚かな。」

梅乃。
「善人がこの世を治めるという。」
「極端な性善説が目指しているものです。」
「結局、目的は善人による支配でしたね。」

七星。
「他人の意図を悪く言うと、すべて当たります。」

麗羽。
「他人の行為を悪意や利己的であると罵ると。」
「すべて当たります。」

梅乃。
「他人の思惑を利己的に言い換えると。」
「すべて当たります。」

小百合。
「洗脳で相手の性格を変えることはできない。」
「洗脳が解ければ、性格は元に戻る。」

七星。
「平和主義は洗脳ですか?」

小百合。
「平和主義だけでは洗脳ですね。」

麗羽。
「平和主義で洗脳すれば、仮想敵国も洗脳できると。」
「考えるのは愚かである。」

梅乃。
「スピリチュアルと陰謀論はセット販売されていますが。」

七星。
「陰謀論の起源はナチスがユダヤ陰謀論を作った辺りです。」
「なので、陰謀論はナチスとそっくりの考え方になっている。」

麗羽。
「陰謀説は、全体主義の起源三巻にも批判されている通り。」
「ナチスが始めたものです。」

小百合。
「現代の科学を否定したり、医学を否定したり。」
「政治を否定したり。」
「多分、自分のオリジナルがその時代を。」
「超えるものであるという。」
「一種の妄想を抱いている。」

梅乃。
「何でも陰謀と呼んで非難するのは、どうかなあ。」

七星。
「陰謀論とは、完全な懐疑主義である。」

麗羽。
「陰謀論ですか、確かに完全な懐疑論ですね。」

梅乃。
「疑っている自分を疑わない、これは伝統的な指摘ですね。」

小百合。
「陰謀論者って、疑っている自分を疑わないんですね。」

七星。
「完全な懐疑論は自己矛盾に陥る。」
「疑っているのに、その疑っている自分を疑わない。」

麗羽。
「陰謀論は、信じた人を自己矛盾にするんですよ。」

梅乃。
「矛盾しているから、他人の言葉に耳を貸さない。」

七星。
「なんだ、陰謀論なんてナチスの発明品で。」
「デカルトの懐疑論が完全化されて自己矛盾になったもの。」
「どこも斬新な所はないんだ。」

小百合。
「デマに引っかかる人は。」
「情報源が悪過ぎる。」
「情報源が、数パターンしかないため。」
「今ある情報を検証することができない。」
「情報を伝える人の真実性を誰も証明できない。」
「という問題が、それ以前にある。」

七星。
「人工知能のフェイクに限界があるのではないかと。」
「すぐに思われた。」
「距離にして車で十分ほどの距離にある。」
「河川が氾濫して、洪水になっているというフェイクがありましたが。」
「すぐに現場を確認できる距離であり。」
「その土地の特徴として、フェイク画像に該当する。」
「洪水など、誇張が過ぎて、ありえないことだった。」
「どんなに精巧なフェイクを作っても。」
「実際と食い違うので。」
「最後にはインターネットの情報などを。」
「誰も信じなくなり。」
「自分で確認したものしか信じなくなるだろうね。」

小百合。
「科学が進歩して、何々になったと言うけれど。」
「相変わらず不和、諍い、戦争、不幸、病気、事故があり。」
「科学が進歩しても、しなくても。」
「以上のことはまったく変わっていない。」

七星。
「ヘレニズム文化がそのまま進行していれば。」
「機械文明みたいなものをもっと昔に作れたと言われていますが。」
「現代物理学の起源みたいなものは衰退してしまい。」
「現実に姿を現すまで遅延してしまいました。」

梅乃。
「奴隷によって機械で人間を助ける必要がなかったので。」
「レーザー兵器まで作った古代科学は衰退してしまった。」
「当時のレーザー兵器は、鏡を張り付けて太陽光を集めて。」
「船に引火させて艦隊を撃破するものだった。」

麗羽。
「本来、対立しないはずの宗教と科学の喧嘩が激しくなって。」
「宗教の中から科学者が出て、やっと認めることになり。」
「機械文明の出現はやはり遅延してしまったのですね。」

小百合。
「今の機械文明は、遅延したものであり。」
「その科学を持っても、人間の世にある。」
「不幸、不和、災害、事故、喧嘩などの解決には役に立たなかった。」
「やはり人間は科学を使っても、たいして変わらなかったね。」

生徒の三割が帰った学校。

脳科学の病院を予約しようとしましたが。

何の異常もありません。

ただ、他の人が同じ病院に行くのではないかと。

心配になったので。

予約しておこうか、考えているのです。

いざとなって満席では、手遅れですからね。

女友達の中には。

暴動、政治運動、政権交代があるたびに。

心療内科の予約をしているようですが。

それは後から何百人も殺到しないためらしいのです。

医者に、異常がないので、来ないで、と言われるらしい。

宿題を、片づけた。

放課後で誰もいなくなった廊下で。

カンフー映画みたいな乱闘を目撃。

両者、格闘技を習っていて。

喧嘩しているみたい。

片方は中華拳法で、片方は古武術。

決着は、水風船を持っていて。

それが全部割れると負け。

みたいな決闘ですが。

サークルの人や部活の人が通りかかって。

観客になっています。

しかしいつまでも決着がつかないので。

教師が来て、警告したら。

両者、和解して去ってしまいました。

ようやく通過できる。

下校。

道路を歩いていると。

若い男性と若い女性が歩いていて。

恋人同士のようですが。

女性の方は男性を信じ過ぎです。

男性の方は雰囲気が悪く。

印象があまりに悪い。

統計的に、男性は暴力的なので。

見破ってしまった。

公園に来まして。

ここにはたい焼きやたこ焼きの移動販売が止まっています。

今日もいました。

ベンチに座って。

買い食い。

男性同士の潰し合いを見たら、あなたに利益があります!

それは競争相手の候補が、数人、一緒に消えてくれるということです!

おめでとう、これで、男性同士の戦闘を見た男性は。

勝率が消去法で上がりましたよ!

七星。
「男性はみんなチンピラみたいなもので。」
「その度合いがあるだけ。」
「大人しいのは度合いにして低いからで。」
「乱暴なのは度合いがひどいから。」
「男性が暴力的で野蛮なのは、度合いによるものなので。」
「気にすることはない。」

麗羽。
「人を信じ過ぎて、簡単なことに気が付かないね。」

梅乃。
「男性は負けず嫌いになりやすい。」
「自分の力を過大評価しやすい。」
「男性が創られる際に。」
「もっとよく神に似せておくべきであった。」

小百合。
「男性は真っ先に暴力を学習するため。」
「野蛮に見えるのだろうと。」
「しかし暴力で必ず勝てるとは限らないので。」
「矛盾しているような気がする。」

七星。
「その男性よりも偉いのは、その男性のプライドであり。」
「その男性は自分のプライドの傘下である。」

梅乃。
「男性は真面目に作られたとは言えない性別である。」
「どう考えても、女性の方がよく考えられて作られている。」

麗羽。
「男性優位思想を持つ男性が、他の男性と競り負けて。」
「敗北者として彷徨うのはなぜか。」

小百合。
「男性の性別はある人にとっては外れクジであり。」
「ある人にとっては都合のいい使い捨てである。」

麗羽。
「腕力と言いつつ、私に勝負を挑んでくれる男性はいなかった。」

七星。
「腕力なんて言う格闘技の流派はない。」

梅乃。
「腕力という名前の格闘技はない。」

七星。
「男性が腕力をふるうのは、明らかに自分が勝てる相手だと分かった上なので。」
「格上か、強敵にはまったく殴り掛からないし。」
「逃げたり、嫌がったりする。」
「男性は基本、自分より弱い相手にしか暴力を振るわない。」
「しかも自分より弱いか、弱くないか、しっかり調べた上で。」
「腕力という弱そうな名前の格闘技を使うのである。」
「臆病者なのかな、というと、男性は揃って腰抜けであり。」
「勇者は、軍人や警察、消防、救急隊員などに入ってしまい。」
「民間にはいなかったりするので、そのためです。」

小百合。
「なんて卑怯な、格下には高圧的で、格上には恐怖を覚えるなんて。」

梅乃。
「あははは、腕力ですか、そんなもので格上に勝てたりはしませんよ。」

麗羽。
「格下にしか、腕力なんてものを繰り出さない。」
「それでは、腕力なんて、その程度ですか?」

七星。
「男性なんてその程度です。」

小百合。
「戦士は自分より強い相手とも戦いますが。」
「そこら辺の男性は戦士ではない。」
「自分より弱いと思った相手としか戦わない。」
「弱者、つまりは臆病者です。」

麗羽。
「男性の中で臆病者は多いのです。」
「弱い奴ばっかり。」
「なので、強者が、バランスを整えてあげないと。」
「彼らは自らの弱さで自滅します。」

七星。
「傲慢になって、相手を過少評価して、我流で挑む男を。」
「何回も倒して、ダウンさせましたが。」
「まだ町を歩いているらしい。」
「敗北者が死なない社会は何か変ですね。」
「武士は敗北者を必ず殺しました。」
「それは敗北者が無限にリベンジをするからであり。」
「現代ではリベンジをいかに許さないかが、重要になるようです。」

小百合。
「だめじゃないですか、敗北者は死なないと。」

梅乃。
「少なくとも、相手の権利は奪えましたよね。」

麗羽。
「敗北者には死んでもらわないと、いろいろ困る。」

梅乃。
「男性のパターンを見破られると、見破った男性か女性は。」
「一方的に男性を蹂躙して。」
「彼らに敗北を強要してしまうね。」

七星。
「とある一般女性の台詞。」
「絶対的に勝てない相手、それは男性。」
「理解できなかった。」
「その男性を数百人、敗北に追い込んで。」
「まだ私は余裕で、もう数百人滅ぼしてやろうと。」
「笑っているからです。」

麗羽。
「間違いは、男性の優位を裏付ける証拠を見つけなかったことだけです。」

小百合。
「論より証拠、男性が有利という証拠を見つけられなかった。」
「間違いはそれだけ。」

梅乃。
「男に生まれたことを悔やむがいい。」

麗羽。
「男性だから優れていると思ったら大間違い。」

七星。
「実際は優劣が激しく。」
「弱者の男性は、もっと弱い人を相手に勝って。」
「自慢するしかない。」

小百合。
「そして、男性の半分は戦士ではない。」
「そのため、格下としか争わない。」

七星。
「統計になると、そういうことですね。」

梅乃。
「男性に生まれたことを後悔しろ。」

麗羽。
「反出生主義ですよ、それは。」

七星。
「まあ無批判もいけないことですし。」

小百合。
「いくら統計でそうだからと言って、本当のことにはならないけれど。」

麗羽。
「我々は統計の話をしているの?」

七星。
「反出生主義が人の世を破壊したがるのは。」
「思想によるものというより。」
「自分をこの世に送り出した仕返しであり。」
「恨みである。」
「憎いから人の世を壊しにかかり。」
「恨んでいるから、態度を変えない。」
「さて、美徳を持って説得するか。」
「懲らしめようとして返り討ちになるか。」
「関わる人には選択肢がある。」

小百合。
「私は無批判のものを信じる訳には行かないから。」
「よくも昔の人は生まれについて、何も疑わなかったね。」

梅乃。
「我慢せずに、反抗すればいいのに。」

麗羽。
「生まれについて、無批判に是認するのは頭おかしいなあ。」

小百合。
「さて、統計から論じると、普通の男性という形が出来上がる。」

梅乃。
「まあ統計ですね、比喩ですね。」

七星。
「当てはまらない人ばかりいる訳で。」
「当てはまるとしたら、モッブだけですね。」

麗羽。
「モッブならいくらでも叩いてもいいでしょ。」

七星。
「この時代の人間に対抗するには、多くのことを必要としない。」
「現代人は現代しか知らないので。」
「すべてにおいてパターン通りであるから。」

麗羽。
「現代人はワンパターンが目立つため、対抗するには多くのことを必要としない。」
「私は未だ自分以上の人間に出会ったことがない。」

小百合。
「雑魚に勝っても自慢できない、それは当たり前だから。」
「なので、雑魚に勝っても憂さ晴らしになるだけ。」
「八つ当たりの対象ならば、雑魚と戦えば、目的は達成できる。」

七星。
「現代には英雄時代のような人間はいない。」
「偉人もいない。」
「天才も少ない。」
「なので勝つこと自体は簡単だけれど。」
「勝ってどうするのか、勝利の使い道がいちいち無かったりする。」

麗羽。
「すぐ調子に乗って、自分を過大評価して、戦おうとする弱者を倒しても。」
「勝ったら勝ったで、勝利の使い道がない。」

七星。
「雑魚を始末すると、すっきりするが、その分、勝った時に得られる利益は微々たるもの。」
「だからと言って放置できないし。」
「よせばいいのに戦おうとするので。」
「戦闘ではなくて、ゴミ掃除にしかなっていない。」

梅乃。
「私達が衆愚とか雑魚とか言う対象は比喩ですが。」
「多くの場合はモッブのことです。」

よく考えると。

男性の代わりなんて、いくらでもいるじゃないですか。

問題が起きたら、男性を交換して、また問題が起きたら交換して。

あれ?問題は男性なのか?状況なのか?本人なのか?

ちょっと分からなくなった。

サイバー空間は第二の戦場。

というキャッチフレーズで、アメリカ軍のサイバー部隊は宣伝していたよう?

ですが?

ソーシャルメディアは民間人にとってはこれ。

サイバー空間は第二の社会。

無秩序!無法地帯!

最近、アカウント凍結が追い付いていない。

喧嘩好きが多過ぎです。

あなた、趣味は?

趣味ですか、趣味は、喧嘩!

ソーシャルメディアですか。

みんな殺戮が好きそうですし、夢中になる理由も分かります。

スマートフォン操作。

七星。
「悪評がありますね。」

梅乃。
「悪評なんて信じる馬鹿はいませんよ。」

麗羽。
「実際のものを見る前に、悪評を信じるんですか。」
「気の毒に思えて来た。」

小百合。
「他人の言いなりですね。」

七星。
「これを信じてくださいね、はい信じます、みたいな。」

梅乃。
「変な噂を流していますが、市民は踊らされる気配はないですね。」

麗羽。
「全員が信じることはない。」

小百合。
「これって、嘘をばら撒いて、信じた奴を捨て駒にして。」
「自分の手を汚さずに攻撃させる策略ですよ。」

七星。
「大学の試験の時に、受験者に痴漢しても。」
「会場に急いでいるので、立件して来ない、なんていう奴ですか。」
「似たような手ですね。」

小百合。
「つまりは、自分はそういう抜け穴を見つけたので、誰かが攻撃しろと。」
「そうすれば、自分の手を汚さないと。」

麗羽。
「他人に攻撃させるために、変なこと流すものではない。」
「そんなにやりたいのなら、お前がやれってことです。」

七星。
「ああ策略ですか、そうですか。」
「それでは策略とは、その程度ですか?」

麗羽。
「策略なら得意なので、多少策略がうまいからと言って。」
「私には及ばないよ。」

七星。
「策略が得意、つまり兵法家とは狡猾という意味ではない。」
「手品、トリックの達人という意味なんですよ。」
「無論、兵法における禁忌やジンクスを知っているので。」
「相手の策略を人に話したり。」
「公開したりすると、ジンクスで失敗させることができる。」

小百合。
「法律はよく見ると策略を通さない仕組みになっている。」
「策略を見破ると、法律は容赦なく策士に襲いかかるでしょう。」

七星。
「シミュレーションしたことがありますが。」
「どんな策略も、法律を突破できるなんてことはない。」
「どんなパターンも自分の敗北という判定が出る。」
「これはお気に入りのシミュレーションではある。」

梅乃。
「嘘つきが途中までうまく行き。」
「嘘が発覚すると。」
「誰しもが嘘つきを処罰しないと気が済まなくなる。」

七星。
「現代の兵法家は軍人を除くと。」
「たいして知略もないし、頭も良くない。」
「戦乱の時代ほど策略もうまくないし。」
「いちいち武力という最後の工程を忘れている。」
「なので、現代の策略は揃って無能である。」

麗羽。
「?つきは策略ではないね。」

梅乃。
「嘘で他人を動かして人に攻撃させる?」
「いちいち嘘なんかで誰かが動く訳がないでしょう?」

小百合。
「まあストーリーになっていれば、信じる人がいて。」
「その中にいる数人の馬鹿が実行することもある訳で。」

麗羽。
「ストーリーですか、アイデアは悪くないですが。」
「もうちょっと面白く書いたらどうですかね。」

七星。
「素人の脚本なんてものに、特に用事はない。」

梅乃。
「つまらないストーリーを信じる、つまらない視聴者。」
「その内容に基づいて、捨て駒は動くのですか。」

七星。
「残念ですが。」
「妄想の内容で他人を攻撃する人は、本当にいますよ。」

麗羽。
「知的障害かな?」

梅乃。
「その他の人々は無関心で、自分がすることに忙しくて。」
「他人の嘘なんてものに興味がありませんが。」

麗羽。
「嘘でも本当でも無関心ですけれどね。」

七星。
「そんなものに構っていたら、生活できない。」

小百合。
「策略なんて、生活に何の役に立つの?」

梅乃。
「生活に関係のないことで人を責めるものではない。」

麗羽。
「自分の生活を犠牲にして、変なことするな。」

小百合。
「ネットリンチといきってるが。」
「ソーシャルメディアでしか調子に乗れないので。」
「そもそもソーシャルメディアを使わなければ。」
「何の害もない。」

梅乃。
「ソーシャルメディアをやらないだけで健康になれるね。」

小百合。
「誰でも書き込める掲示板の無法っぷりや。」
「相手に何を言っても許されるチャットサービスなどを目撃していると。」
「ソーシャルメディアはもっと酷いんだろうなと察したから。」
「やっていない。」

梅乃。
「そうなると、相手は攻撃を行うことが不可能ですね。」

七星。
「そもそも私は問題になる行為はしていないし。」
「警告も受けていない。」
「正当だからね。」

麗羽。
「そうなると相手に問題があるんですね。」

七星。
「最初から無法地帯になるソーシャルメディアなんて。」
「世界中から、馬鹿が集っていることは見え透いています。」
「なんと、誹謗中傷の問題は、ソーシャルメディアが普及する前から。」
「私は理解していたので、今も使っていないんですね。」
「人より先に気が付いたので、私は賢者でしょう。」

小百合。
「所で、インターネットは電子書籍ではない。」

麗羽。
「無料だから、価値の低い情報があっても仕方ないでしょ。」

七星。
「誤情報とか、それがもはや当たり前。」

梅乃。
「情報取得に楽をした報いです。」

小百合。
「誤情報に気づかない人に問題があるが。」
「楽して情報を得る人にも問題がある。」

七星。
「まあまあ、その報いを自分で受けることですし。」

麗羽。
「よく考えれば、ヴォルテールの言う通り。」
「書いたもので過剰報復するのは理に合わないけれど。」
「感情的になって、正気を失うことはあるでしょうね。」

小百合。
「書いたもので他人を直接攻撃、なんて愚かなことは考えないが。」

梅乃。
「そんなに反論したければ、自分のスペースを作って載せればいい訳ですし。」

麗羽。
「反論が正当なのか、不当なのか、感情で判断すると、たいてい間違う。」

七星。
「インターネットは便利だから正しい、なんておかしな心理を抱く場所です。」

梅乃。
「人間の心理にある脆弱性をうまく突いているんですね。」

麗羽。
「インターネットは人間の心理を突いているので、栄えた。」

七星。
「しかし人工知能にまとめを表示させた方が、的中率は高いね。」

小百合。
「失敗例は、知ったかぶりで書いた、推論で書いた、経験していない。」
「確認していないのに書いた。」
「成功例は、少なくとも自分はそうして成功した、資料に書いてあった。」
「三段論法などで結論を出した、でしょうね。」

梅乃。
「しかしインターネットを情報源にするのは悪過ぎますね。」

七星。
「機械やテクノロジーの使い方くらいはインターネットで足ります。」
「高確率で当たるから。」
「それ以外は、デタラメばかりですね。」

梅乃。
「モッブが書いた解説なんて読んではいけない。」

麗羽。
「自分で調べたり、資料を買ったり、発見する手間を。」
「インターネットで省いた代償だと思います。」

小百合。
「そうですよね、楽して正解が欲しいから、インターネットで調べるんだと思います。」
「一か月かければ、自分で証明できるのに。」

七星。
「情報について楽をしたいので、インターネットに頼ってしまうけれど。」
「楽をした代償として間違いをたくさん読むことになるので。」
「まあ、インターネットを信じた結果ですね。」

梅乃。
「誤りはインターネットで検索したことだけですよ。」

七星。
「検索で客観データを探すようになったら、既に間違っているよ。」

麗羽。
「まあまあ、インターネットで検索しておかしくなっても、信じた結果です。」

インターネットはどのくらい人の道から外れているのでしょうか?

まあ、真っすぐ上ですね!

統計の話ばかりすると、どうしようもないので。

ここで議論は打ち切り。

帰宅します。

公園の林の中で。

指名手配犯がぶっ殺されて気絶していましたが。

無視しました。

誰がやったのか。

もし助けて!という合図に反応して。

ヒーローが来てくれるのなら。

財政難の時に助けに来てください。

金欠の時に、ヒーローよ、助けてくれ、なんて言いますので。

是非とも、ヒーローに助けてもらいましょう。

なにしろヒーローはボランティアですからね。

アラブの富豪が、観光旅行で大学を視察した。

日本の大学に入ると、社会的地位が上がると聞いた富豪。

そうか、ならばその大学を売ってくれないか?

皮肉?

いいえ、私は日本という国家の一員で、社会を重んじ、他人を尊重し。

あまりに国の方針と、社会の規則を大切に思っているので。

誰よりもそれに反する人間が嫌いなのです。

ですから、その人間を見るたびについ愚痴を言い。

陰口を言い、遠ざかり、罵ったり嫌ったりするのは。

国家を考えるあまり、我慢できないからなのです。

全員、帰路に。

自宅にて。

父親。
「君の両親の借金を肩代わりしてあげるから。」
「年老いるまでいてくれ。」

結葵。
「いいんですか?お高いですよ?」

父親。
「君を買うと思ったら安いものさ。」

母親。
「不倫っぽい発言はやめてください。」

結葵。
「これまでお金のことしか考えられなかったけれど。」
「他のことも考えられそうです。」

父親。
「まずは、我が娘に強姦される危険についてだが。」

母親。
「生殺与奪の権利を握ってしまうので。」
「娘からレイプされる危険があるわ。」

結葵。
「はい大丈夫です、嫌いじゃないので。」

父親。
「それは良かった、内緒にしておくから。」

母親。
「娘にえっちなことされて、辞めないでね。」

結葵。
「お嬢様も案外好きなので。」
「結婚できたらいいなって思ったことがあります。」

父親。
「その時は相談に乗るぞ。」

母親。
「私達は娘の結婚相手の候補を支援したのね。」

父親。
「候補は多い方がいいが、我が娘にはみんな候補が既にいるぞ。」

母親。
「いいじゃない、すぐに決まる訳じゃないし。」

父親。
「まあなんだ、娘とはうまくやれると思うけれど。」
「息子はどうかね。」

結葵。
「私は女の人の方が好きです。」

母親。
「子供なんて期待してはダメよ。」
「そんなもの思い通りにならないんだから。」

父親。
「そうだな、息子には婚約者がもういるらしいし。」
「娘とよろしくやってくれ。」

結葵。
「分かりました、でも性的暴行が合法だって分かると。」
「何されるか分かりませんけれど。」

母親。
「それは言わないので、娘の友人で頼みます。」

世帯に加入したメイドさん。

養子も検討されましたが。

メイドなので、とりあいず肩代わりした借金が無くなるまで。

いてくれるそうです。

というか、ずっと雇われてくれるそうで。

両親が空き部屋を新たに解放しました。

ちなみに、世帯の女性達から、ちょっかいを出されること数回。

妹扱いされることもあり、女性に性的に見られたりもする、結葵ちゃんです。

七星ちゃんは自宅の通り道で。

宝くじ売り場を見つけました。

素通り。

ちょっとだけ科学。

宝くじ。

巡り合わせについて。

スクラッチを体験して発見したもの。

高額当選する場合。

事前に、スクラッチなら売り場。

または倉庫に。

当選者がいくまでの間に。

そこの売り場に、スクラッチの高額のカードが。

輸送されている必要がある。

そして売れ行きによって、スクラッチの当選カードが移動して。

たまたま本人が行った頃に。

当選カードが入っていて、その中から当ててしまう。

この場合、運なのか、それとも偶然なのか、判断できない。

しかし運は科学的に言えば、この手の偶然によるもので。

残念なことに、これ一回では偶然でも。

連続で引き続けると、もはや運であり。

一回だけの当選なら偶然で、連続の当選は運によるもの。

すると、反対に、悪いクジを引いている人とか。

不運の人などは、たまたまその場にいたか、事前に用意されたカードを。

とある順番で引いただけなので。

それを連続で引いた場合は、何かしらのわざとである。

つまり何かしらの強制によって、遭遇するカードが決まっている。

巡り合わせを科学にすると、こうなるけれど。

一回、当たり、または外れを引く場合と。

何十回も当たり、または外れを引く場合は異なる。

なので、強制によって当たりを引き続けたり、外れを引き続ける訳で。

偶然というより、悪い場合は強制であり、良い場合は幸運と呼ばれるのでは?

どちらかと言うと奇妙ではある。

門が開かれるが。

時間に余裕がある。

七星。
「帰りましたが、何かしら遊びたいですね。」

結葵。
「もし良かったら、私とダーツやりませんか?」

七星。
「いいですね、やりましょう!」

結葵。
「私に抱き着いたり、顔を舐めたり、押し倒したり。」
「別にしてもいいからね。」

七星。
「まあ気が向いたらね。」

ダーツで遊んでいました。

うまいメイドさん。

最後は草地でバドミントンをして遊びまして。

時間になって。

結葵ちゃんは夕食の準備に入りました。

犬。
「わんわんわん!」

七星。
「まったくそこら辺の奴らは。」
「あんなのでよくやって行けますね。」

次女。
「人を罵るのはどうかと。」

七星。
「え?私は犬と話していたんですよ?」

次女。
「それならよし。」

父親。
「おお、馬鹿の仲間になることからお助けください。」

弟。
「祈っても無駄です。」

父親。
「私の父も同じく祈ったのだよ。」

弟。
「俺も同じことをするのか!いつかは!」

母親。
「近頃、お祭りがあるのよ。」

次女。
「そんなことは知りませんが。」

母親。
「都合の悪い人が死んだら、その日がお祭りなのよ。」

弟。
「あれ、なんだか分かる気がする話だなあ?」

次女。
「手紙?」
「求婚者?いいわよ条件があるわ!」
「首を吊って死んでからなら、結婚してあげるわ!」

日の入り。

日本文学と海外文学の違いは何か?

日本文学はいつまで経っても海外文学にはならないことだね。

家政婦に言われたメイドの結葵ちゃん。

調理で未だ失敗したことのない天才と言われていましたが。

失敗はしなくても、成功はしていない。

まだ食事に、精力剤を入れるという、成功をしていないと揶揄されて。

家政婦には、まだ給料に身売り代金が振り込まれていないんじゃないかと。

結葵ちゃんが言い返したら。

乱闘になって。

家政婦が負けて、祖父が喧嘩を辞めさせまして。

盗み聞きしていた祖母が笑っていました。

両親が廊下を歩いていると。

硝子が破壊されていて。

誰が壊したのか分からず。

夕食後。

祖父と祖母を除いて。

世帯の人を揃えて、問いました。

正直に答えたら、無料で修理してやる。

全員の回答。

日本に正直者はおりません!

後日、修理業者が来て、硝子を張り替えていると。

簡単な強度不足であると言われて。

硝子業者が正直者だったというオチです。


12


夜。

満月。

外は明るいですね。

月が出ていると、街灯並みに明るいので。

視界が良くて。

周辺を見渡すことが出来ます。

月の出ている夜は動きやすい。

七星ちゃんは結葵ちゃんを呼んで。

いきなりホールドしました。

左手で結葵ちゃんの腰を掴んで。

右手で、結葵ちゃんの後ろ髪を持ちました。

結葵。
「お嬢様、私に手をつけてもいいので?」

七星。
「キスしよ。」

結葵。
「喜んで。」

七星ちゃんは結葵ちゃんとキスしました。

すると、結葵ちゃんは何だか嬉しそう。

実は結葵ちゃんは七星ちゃんに好意がある。

キスして手を離すと。

お風呂の準備中なので。

提案しました。

七星。
「あなた、一緒にお風呂に入りませんか?」

結葵。
「はあ、いつものように洗いますか?」

七星。
「いいえ、裸で一緒に。」

結葵。
「お嬢様と?構いませんが?」

一緒に浴室に入った。

七星ちゃんと結葵ちゃん。

更衣室にて。

結葵。
「お嬢様、白色なんですね。」

七星。
「派手なものを穿かないといけないという規則はない。」

結葵。
「そうですよね、私なんてこれですから。」

七星。
「ほう、なかなか、それでは裸体の方はどうかな。」

一緒にお風呂に入りましたが。

いつものように結葵ちゃんが七星ちゃんを洗っています。

メイドさんが裸体なだけ。

お風呂を上がると。

寝室に連行。

七星。
「一緒に寝たいなあ。」

結葵。
「お嬢様とですか?構いませんけれど?」

七星。
「それにしては笑顔ですね。」

結葵。
「そうですか?美人と一緒に寝るのは。」
「女性でも嫌がらないと思います。」

一緒に寝ましたが。

特にお触りやプレイはなし。

西洋のメイドは、抱手に雇われている最中。

若い女性のため、恋に落ちて。

雇っている人と結婚してしまい。

お金持ちの夫人になることがありました。

武家では、使用人の女性に手を出すと。

子供が生まれる前から、女性は一気に出世してしまい。

男子が生まれたら、もうその女性は使用人ではなくて。

武家の重臣と化してしまいます。

メイドは引退しても、場合によっては。

お屋敷で寿命まで面倒を見てくれることがよくありました。

早朝。

起床すると。

なんと七星ちゃんと結葵ちゃんは同じタイミングで起きた。

結葵ちゃんはスタートアップが速過ぎる。

七星ちゃんはイッヌと遊んでいます。

犬小屋は、小さな小屋で。

四方は三メートルありますね。

祖母に相談した結葵ちゃん。

結葵。
「お嬢様は私が好きなのでしょうか?」

祖母。
「あの子は女の人の趣味が広いのよ。」

結葵。
「私もその対象ですか。」

祖母。
「女の人に認められるのは。」
「それだけ認められるものが魅力にあるのよ。」
「何かあったら相手をしてあげてね。」

父親。
「ん?メイドの結葵さんに我が娘が手を出した?」
「梅乃ちゃんとはうまくやっているのに?」

母親。
「あらまあ、他に相手がいるのに、興味本位?」

父親。
「結葵さんの方も喜んでいるし。」
「どっちが恋人になるのかなあ。」

母親。
「三角関係ですかねえ。」
「ああでも、梅乃ちゃんとは遠い血縁関係があるみたいよ。」

父親。
「それは聞いたことがあるぞ。」
「我らの長女は梅乃ちゃんのお姉さんが恋人だが。」
「あれなら、我らの末っ子は梅乃ちゃんにするとは限らないな。」

母親。
「まだ序盤ですよ、いいじゃない、まだはっきり決めなくても。」

父親。
「そうだな、まだ序盤だから、準備はもっと先だな。」

時間になり。

登校しますが。

メイドさんがお弁当を渡します。

お弁当屋さんの品物を、前日の夕方に購入して。

容器を入れ替えて出す。

この世帯特有の贅沢。

中央公園で待ち合わせ。

七星。
「はい私です、私ですよ、美女です。」

梅乃。
「さあて、こちらも美女が現れましたよ。」

麗羽。
「私も美女ですよ。」

七星。
「いい女いない?」

梅乃。
「ここにいます。」

七星。
「それでは今日の下着を見せて頂けたら。」

梅乃。
「あなたのも見せてよ。」

麗羽。
「所で、同い年くらいのメイドさんがいるらしいけれど。」

七星。
「そのメイドさんに性的行為をしたら、あなたはどうする?」

梅乃。
「あなた、最後には私のものになるんだから。」
「他のいい女で練習くらい、いいじゃないですか。」

麗羽。
「しかし、事実婚になれるとは限らないよ。」

梅乃。
「本当?」

七星。
「趣味は広くてもいいじゃないですか。」

梅乃。
「結葵ちゃんといろいろするの?」

七星。
「そうしたら、どうする?」

梅乃。
「でも、私を昔、犯して、一緒に喜んだじゃないですか。」

七星。
「私は女の趣味は広いんですよ。」

梅乃。
「本当に?」

七星。
「もう一回、犯してあげる?」

梅乃。
「実は私も結葵ちゃんを狙ったことがあって。」

麗羽。
「趣味と恋は別々ってことですね。」

七星。
「恋人として振舞えるのは梅乃ちゃんとだけですから。」

梅乃。
「私もです、でも、あんまり他の女ばかり。」
「手を出さないでください。」
「でも私は急いでないです。」

七星。
「あの人には、あれ以上のことが出来ないんですよ。」
「論より証拠です。」

梅乃。
「なるほど、そうですね、それ以上のことは拒否されますよね。」
「ならば、結葵ちゃんに昨夜、やったこと以上のことが。」
「私に出来る訳で。」

麗羽。
「なんで知っているの?昨夜とか?私にしかメールしてないし?」

梅乃。
「あなたのお姉さんから得た。」

七星。
「私にも選択肢があるんですよ。」

梅乃。
「私に集中してほしいな。」

七星。
「いい女ばかりで、難しいのです。」

麗羽。
「そうだよね、この前なんて。」
「七星ちゃんに、上に乗られたし。」

梅乃。
「私はどうなるんですか?」

七星。
「そんな、私が最も好きな女の子が不信感を抱くなんて。」
「二番目とか、三番目にいい女と接してもいいでしょ。」

梅乃。
「最近、あんまりしてくれないし。」

七星。
「そう言えばそうですね。」

麗羽。
「どうしたの?体調不良?」

梅乃。
「複雑な感情を抱いたので。」

麗羽。
「あれ?あなたも同じ趣味があるのでは?」

梅乃。
「相手は七星ちゃんだけだから。」

七星。
「なるほど、あなたも他の女といろいろしたいと?」

梅乃。
「そうなんですよ!恋人同士もそうですけれど!」
「なんで私の近くに、いい女が少ないのよ!」
「女の趣味を楽しめるくらい、いればいいのに!」

麗羽。
「そっちですか、羨ましいのは!」

梅乃。
「恋人の他に、気軽に手を出せる女がいて。」
「しかも女の趣味でいろいろできる女がいるから。」
「私にも、いていいでしょ、でも私は地味だから。」

七星。
「風俗嬢じゃだめ?」

梅乃。
「それもいいけれど、いい女いない?」

麗羽。
「それではいい女を探しに行こう!」

七星。
「それでは、気軽に遊べるいい女を、恋人と一緒に探しましょう。」

梅乃。
「いろんな女と遊びたい、はあはあ。」
「でも、七星ちゃんを超える女はいない、はあはあ。」

薄々思っていますが。

梅乃ちゃんは眼鏡を外すと。

道行く男性から見られるという。

そして女の子からも、視線を浴びるという。

ちょっとした秘密がありますが。

眼鏡を外せばいいのでは?

なんて言っても。

視力がやや不足するので、手放さないみたい。

相手がいないのは、眼鏡のせい?

それを伝えると。

どの女の子でもいいという訳ではない、なんて言われるので。

相手を選ばなければ、遊べる女の子はいるみたい。

道路の真ん中。

通りかかりました。

野次馬がいる。

因縁の対決、みたいな漫画なのか。

お互いにインターネットで激しく言い争っていた。

男性二人組は、同じ都市に住んでいたので。

喧嘩になっていた。

愚人。
「懲らしめてやる!」

凡人。
「こっちが懲らしめてやる!」

愚人。
「負けた方が懲らしめられるんだぞ!」

凡人。
「お前が負けて懲らしめられるんだぞ!」

愚人。
「勝った者が正義だ!」

凡人。
「まだ勝敗もついていないからお前は正義じゃない!」

愚人。
「正義は勝つんだ!」

凡人。
「戦いの決着で正義が決まるんだ!」

市民。
「お前ら!それなら正義は最初から決まっているのか。」
「勝敗で決まるのか。」
「正義が勝つように出来ているのか、分からないじゃないか!」

婦女。
「しかし邪は正に勝たず、とありますし。」

老人。
「邪悪なものは正しいものには勝てないね。」
「ただ、向こうの二人組は、お互いに正義であると名乗っていて。」
「お互いに相手を懲らしめると言っているので。」
「争いで決める正義とか、懲らしめるとか、いったい何だろうね。」

相撲が開始されましたが。

押し合いが長期戦になり。

道路の真ん中で喧嘩をしていたので。

通報されて。

警官に注意されて終わった。

力の優劣で決まる懲らしめって何だろう?

学校に入ります。

授業まで時間がある。

けっこう、時間前に来る生徒が多いですね。

こちらは。

男性同士で。

誰がイケメンなのか競っている現場。

審査員は、男性三割、女性七割。

イケメン対イケメンの試合になっています。

美青年。
「これ以上イケメンを増やしてたまるか!」

美男子。
「自分よりイケメンなんて、こんなの見たことがない!」

美男。
「お前らは知らない、俺のイケメンっぷりに。」
「全員から歓声が巻き起こるからな。」

美青年。
「なんだお前は、男に眼鏡なんて似合うのか?」

美男子。
「不細工なのか?でしゃばるな!」

美男。
「眼鏡を外して、髪を整える。」
「上着を脱ぐと。」
「筋肉モリモリだ。」
「これでどうかな。」

美青年。
「なんだ!こんなイケメン知らないぞ!」

美男子。
「認めるものか、こんな隠れたイケメンなんて!」

女の子。
「けっこういい男じゃないですか。」

美男。
「俺は伝説のスーパーイケメン優等生だ。」
「そんな見た目で、イケメンなどと。」
「その気になっていたお前らの姿はお笑いだったな。」

学生。
「凄いな、筋肉モリモリだぞ。」

学徒。
「これ以上のイケメンは知らないぞ。」

少女。
「卒業しても、こんなイケメンは見られないわあ。」

美青年。
「俺の出番はないのか!」

美男子。
「こんなイケメンに、どうやって対抗しろと?」

女学生。
「なんだ、イケメンを超える、超級イケメンなんてものがいるのね。」
「そこら辺のイケメンでは、私はもう満足できないわあ。」

授業が開始されます。

民間機について。

種類を習っています。

よく空港にいる機種は特に出題されますね。

休み時間。

沈黙は同意に等しい。

という諺を知った学生。

同級生が何も言わないことに腹を立てた。

学友。
「なんで君は腹を立てているんだ!」

学生。
「お前が何も言わないから、話が通じないじゃないか!」

こちらは別の教室。

沈黙は同意と見なされる、という諺を読んだ学生。

友達が千円貸してくれと頼んで黙っているので。

千円を強奪しようと小競り合いになった。

友達。
「なんで千円を奪おうとするんだ!」

学徒。
「だって千円貸してくれと頼んだ時、沈黙していたじゃないか!」

友達。
「返事をしないのが返事なんだよ!」

学徒。
「ならば沈黙は同意と見なされる、という諺は嘘なのか?」

友達。
「故意に黙っている人には無効だろうな!」

学徒。
「ならば、そんな諺、広めてるんじゃないよ!」

友達。
「知らねぇよ!沈黙したくて沈黙している人とか!」
「話したくないので沈黙している人とか!」
「同意するために沈黙している人なんて少数派だろ!」

学徒。
「ならば、沈黙は約束でも、契約でも無いってことか!」

沈黙しているからと言って。

本当に同意していることにすると。

後々、諍いの原因を作るらしい。

同意は手のひら返しをすることも。

心変わりで取り消すことも可能らしい。

結局、貸してもらえなかった。

休み時間。

端っこの廊下にて。

何か喧嘩をしている男子。

片方が、相手を一方的に蹴ったり、叩いたりしています。

男児。
「おらおら、お前を見ていると腹が立つんだよ。」

和郎。
「いきなり攻撃するなんて酷いなあ。」

童男。
「ならば、攻撃するぞ、いいかね、なんて言った後に攻撃しろと?」

梅乃。
「この人が何をやったと言うんですか!」

和郎。
「ボディがいい?それとも顔面?」

梅乃。
「私を無視するな!」

童男。
「もう少しお仕置きが必要かな?」

梅乃。
「そこまで他人を攻撃するのなら、私が相手になりますよ?」

和郎。
「ん?なんだ?俺と戦うのか?」

童男。
「いいだろう、勝負しよう。」

小僧。
「お前達のような借金取りと戦うのは、嫌いだが。」
「友達が攻撃されているのに、黙っている訳には行かない。」

梅乃。
「あの?私のこと、わざと無視していませんか?」

和郎。
「死に急ぐとはな、一緒に楽にしてやる。」

童男。
「お前も支払えよ、友達なんだろ。」

小僧。
「とりあいず慰謝料分は差し引かせて貰うぞ。」

和郎。
「俺達に勝てたら、慰謝料分の借金は差し引いてやるぞ。」

童男。
「お前が負けたら、友達と一緒に支払ってもらうぞ。」

梅乃。
「ねえねえ、私について、ここにいるんですが。」
「私はどうでもいいんですかと。」

小僧。
「よし、日本拳法を侮るなよ。」

和郎。
「行くぞ、素人ボクシングの威力を見せてやる!」

童男。
「生兵法の力を見せてやる!」

梅乃。
「なんで私を無視して戦いを始めるのかな。」

七星。
「無関係だからじゃない?危ないからこっちに来なよ。」

麗羽。
「正義の味方はもう流行らないと思いますが。」

梅乃。
「手伝ったら、小銭くらい、請求できると思って。」

授業開始直前。

教員が来たら。

四人の乱闘は休戦になって。

何事も無かったかのように。

教室に戻るんですね。

放課後、どんな乱闘をするんでしょうね?

教師が入場。

普通の科目ではなくて。

今回は制空権と攻撃ヘリコプター。

梢。
「制空権が取れないうちは、攻撃ヘリコプターは出て来ない。」
「味方の戦闘機しか空域にいないか。」
「相手の空軍が壊滅していないと。」
「攻撃ヘリは出撃しない。」

学徒。
「攻撃ヘリを、戦闘攻撃機と同じ要領で使えばいいのでは?」

梢。
「攻撃ヘリコプターは、速度が遅くて。」
「戦闘機相手に逃げられないんですね。」
「防御兵装も乏しく、速度でミサイルから逃げられない。」
「なので、攻撃機と同じように使えば。」
「制空戦闘機に狙われて、壊されます。」

女の子。
「すると、相手の空軍が機能していると、そもそも使い物にならないと。」

梢。
「戦闘機の追尾、ミサイルのホーミングから逃げられる速度も。」
「装備もないので。」
「制空戦闘機なんて、出てくるような場所では使えません。」
「相手の戦闘機が飛んで来ないであろう、空域では繰り出すこともありますが。」
「速度が遅過ぎるので、到着からの攻撃、離脱があまりに遅くて。」
「その間に何か来ると撃墜されてしまいます。」

少女。
「戦闘機がいるだけで、何も出来ないじゃないですか。」

梢。
「平地なら、戦闘機が来たら、着陸してやり過ごす。」
「なんてこともできます。」
「エンジンを止めて、パイロットは周辺に身を隠します。」
「しかし一度見つかれば、機関砲で破壊されますね。」

男の子。
「それなら無人攻撃ヘリだと、気軽に出せますね。」

梢。
「攻撃ヘリコプターは他にも、携行ミサイル、自走対空砲。」
「対空車両、機関銃、機関砲で落とされますし。」
「第三世代の主力戦車なら、主砲で飛行中の攻撃ヘリを撃ち抜きます。」
「自衛隊のコブラは特に危険で。」
「偵察ヘリからの情報に基づいて現地に来ますが。」
「戦車からは全方位が見えますので。」
「ローターの音で発見されて。」
「コブラ攻撃ヘリがミサイルで攻撃中、サーマルスコープで発見されて。」
「主砲でやられる、なんてこともあります。」

秀才。
「他の国の攻撃ヘリコプターは戦闘中、みんな動き回っています。」
「戦闘中に動き回るのは、主砲による撃墜を防ぐためなんですね。」

梢。
「歩兵はよく、攻撃ヘリに見つかると終わりを迎えるという。」
「警告を受けますが。」
「相手が攻撃ヘリコプターを攻撃機として使っている場合もあり。」
「制空権も確保せずに飛ばしている可能性もあり。」
「側面に対空ミサイルや主力戦車が通りかかる可能性もあるので。」
「まだ絶望とは言えませんね。」
「敵の攻撃ヘリが、翌日には残骸になっていて。」
「歩兵は、その残骸の傍を徒歩で、通り過ぎるかもしれません。」

秀才。
「戦争は勝敗というより、相手の損害が。」
「自分の損害を大きく上回れば、もう優勢ですからね。」

梢。
「まあそうですね、自軍の損害よりも。」
「敵軍の損害が際立って多ければ、優勢ですね。」

秀才。
「攻撃ヘリに見つかった兵士は、残念ながら生存率は低いけれど。」
「軍隊はチームプレーですから。」
「チーム戦である以上は、他の誰かが落とすこともありますよね。」

梢。
「その兵士がやられても、味方はまだたくさんいるので。」
「敵の攻撃ヘリコプターがいくら暴れても。」
「戦争が終わると、スクラップになって。」
「解体されていたり。」
「写真に載っていることもあるでしょうね。」

秀才。
「敵が攻撃に成功した場合で、失敗した場合のノウハウがありませんが?」

梢。
「軍の兵士向けの警告は、敵に失敗がないことが前提で。」
「敵が攻撃を成功させてしまったら、こうなるというもので。」
「敵の成功例が教本化するんですね。」
「敵の失敗に付け込むという技術も必要です。」

学生。
「敵も失敗するんですね。」
「しかし敵が成功したら、どうなっちゃうの?という予測は大切だと思います!」

梢。
「戦場でヒューマンエラーが起きるのは当たり前なので。」
「敵は自分の失敗で、こちらが撃ち落とせる場合もあり。」
「燃料が尽きる、弾薬も尽きる、故障などで攻撃できないこともあり。」
「敵の攻撃ヘリも通常撃破が可能ですから。」
「翌日には味方の攻撃でスクラップになっていることもあるでしょうね。」

学友。
「装備が整った軍隊に対する勝率は五割程度です。」

梢。
「そういうことを知らずに、侵略者は無謀な戦争をするのです。」
「兵器開発や軍拡は、平和な時代に最も盛んでしたから。」
「いつでも戦争をどうぞ、しかし短期間で、圧勝しますからね、という訳です。」

秀才。
「戦争があっても、期限内に終わらせればいい訳で。」
「問題は戦争の納期ですね。」

梢。
「いくら戦争が起きても、すぐに倒して終わらせればいいので。」
「長期化させないためにも。」
「優秀な兵器はこれからも必要です。」
「最も、故意に長期化させて、相手の結果を悪くする作戦もあります。」

女学生。
「なんだ、戦争なんて起きても、勝てばいいじゃないですか。」

梢。
「戦争が起きたら、まず形勢を見てくださいね。」
「どうやら相手が酷いことになっていれば。」
「後は戦争の期間の話になりますので。」
「戦争が終わるまで、待つだけです。」
「自軍が押されていたら。」
「まあ覚悟を決めておきましょう。」

最近は、ありそうなシチュエーションの解説が多いですね。

北海道では、けっこうありそうなことでした。

北海道に誰かさんが攻めてくると。

自衛隊は三倍の戦力を相手にすることになります。

沖縄にチャレンジーが仕掛けると。

同盟国の軍隊がたくさんいますので。

自衛隊を攻撃するというより。

アメリカ軍を攻撃するだけになります。

チャレンジャーは絶句することになるでしょう。

最近、中国軍が、すべての戦力を使って。

ようやく一隻の米空母を撃沈する動画が公開されていまして。

何もそこまで玉砕を覚悟で。

特攻しなくてもいいと思います。

中国軍に、特攻を真似されるとは思っていなかったのです。

とまあ、宣伝、コマーシャルですから。

本気になってはいけません。

昼休みになりましたが。

先生が密かに。

語りかける。

梢。
「どの女の子って空いている?」

麗羽。
「私は埋まっている。」

小百合。
「私は無理です。」

七星。
「相手が多過ぎです。」

梅乃。
「私はどうでしょうか?」

梢。
「今夜、ちょっと会わない?」

梅乃。
「どこで?」

梢。
「銭湯ならいいでしょう、時刻を伝えるわ。」

梅乃。
「年上のお姉さんと、お風呂ですか、洗ってあげますよ。」

梢。
「年上の女とやらを見せてあげるわ。」

七星。
「ようやく見つかったね。」

麗羽。
「というより、近くにいたね。」

梅乃。
「こういうのがやりたいんですよ。」

小百合。
「いい趣味ですね!」

先生と、今夜、銭湯で会う約束をして。

次の授業に進みます。

午後の授業は。

飛行機のプラモデル作り。

持参したものを作りますが。

戦闘機のプラモデルには資料も付属しているので。

詳細に戦闘機について理解することができます。

現在の自衛隊の装備だけは、必須科目なんですね。

放課後の前に。

新しく出来た、ゲーミングパソコンでフライトシミュレーターをやろう。

というコーナーが解放されているので。

任意で挑戦して欲しいとのことでした。

一日で習得できる技能は限られています。

知識も、一日では限られています。

積み重ねが大切、学校では特にそれ。

今日の授業、終了。

サークルは今日も開かれて。

人が集まっています。

余裕があったので。

一週間に一度の自主清掃に参加しました。

放課後。

七星。
「生徒の一人が万引きをしたと噂になっていますよ。」

麗羽。
「どこの店ですか?」

七星。
「なんでも古本屋らしいのですが。」

梅乃。
「はあ?悪書とか愚書なんか手を取る訳がないじゃないですか!」

七星。
「大手古本屋らしいですよ。」

小百合。
「あんな何もない店に入る奴がいますかね?」
「何を盗ったんですか、何もないから、盗るものなんてないでしょう。」

梅乃。
「何もない古本屋から、本を盗むなんて、無いものから盗むなんてこと。」
「できますかね。」

麗羽。
「奇跡が起きれば、何もない本屋から、何か出現する。」

七星。
「いいえ、奇跡があるなら、本屋に立ち寄る必要がないでしょう。」
「本を送り付ければ済む話ですから。」

梅乃。
「何もない所から万引き?変な話ですね?」

麗羽。
「あれ、でも、購入した本を本棚に戻して。」
「それからまた持ち去れば、万引き扱いできるのでは。」

小百合。
「購入した本を持ち去っても万引きでしょうね。」

梅乃。
「お金を払っていても、万引きなんですか?」

麗羽。
「だって、定価で買ってないし、裏面の定価で買ってないから、万引き。」

小百合。
「ああ、そうですか。」

七星。
「まあ、昔の出版社から、新品から降ろされて売り出されて。」
「古本屋の利益になるという点では、万引きですね。」

麗羽。
「それでは定義からして、何でも万引きなのでは?」

梅乃。
「凄い、きちんとレジ通しても万引きになってしまうお店、凄い。」

小百合。
「きちんとレジを通したことを確認した後が、探偵と万引きジーメンにとって。」
「最初の仕事になるんですよ。」

七星。
「その調子です!ようやくその手の人にも合法という意味が理解できるようになった。」
「それこそ、古本屋による教育の成果です。」

今日も不審者がいまして。

とうとう。

学校の付近からいなくなった。

理由は。

その不審者、弁護士に相談した。

愚者。
「言いがかりで殺人をすると、どのくらいの刑期になりますか?」

弁護士。
「最低は二十年ですね。」

愚者。
「言いがかりで虚偽申告をすると、何年の刑期になりますか?」

弁護士。
「まあ五年でしょう。」

不審者、五年間、真っ当に生きることになった。

五年を終えたら、また不審者をやることになった。

不審者の経歴。

結婚した、夫婦で互い浮気している。

息子は彼女を妊娠させた。

これらが背景にあると思われる。

帰宅すると。

地下室で調べもの。

七星。
「結婚して、子供を産むのは、なぜですか?」

人工知能。
「本当に結婚して子供を産むのはおかしい行動ですね。」
「男は女と見れば接近し、女の方は男と結婚するために生まれてきているような。」
「そんな有様です。」
「あなたが結婚を試みて、それが男性で、子供目当てなら、それはおかしいですね。」
「でもそれって、世間では当たり前のことですね。」

七星。
「コウノトリって撃ち落されるんですか?」

人工知能。
「そうですね、コウノトリが子供を運んで来ると。」
「子供を誤って落としたり、投石や弓矢で撃ち殺されて。」
「子供をその場に墜落させることがあります。」
「まあ、無理に狙っていいことはありません。」

七星。
「昔は持参金がありましたが、今はなんでないの?」

人工知能。
「持参金ですね、女の値段が暴落したからでしょうか。」
「それとも自分に何の値打ちもないと自白しているのでしょうか。」
「女性はボランティアで、男性は犠牲になるから。」
「釣り合うように、男性に苦難が寄っているから。」
「持参金は相殺されて、無くなったのでしょうね。」

七星。
「私が女性と結婚する方法はどのくらいありますか?」

人工知能。
「まず先に、まだいない男の方を送り返してください。」
「そうすれば将来分は返金されますから。」
「そのお金を相手の女性に贈ってください。」
「少しは好印象になるでしょう。」

麗羽。
「ふざけるな!」

七星。
「あれ?もう来たんですね、早いね?」

麗羽。
「これは私が開発した人工知能です!」
「黒歴史を使うな!」

七星。
「そうだったんですか、そうですよね。」
「本当のことばかり言う人工知能は嫌われますからね。」

梅乃。
「さあて、私は二時間後に先生と銭湯に行きますが。」
「あなたに、ちょっと顔を舐めてもらいたくて。」

七星。
「気持ち悪い、なんてこと言うんですか。」

梅乃。
「あなたがつい最近、好きでやっていたことでしょ!」

七星。
「そうでしたっけ?」

麗羽。
「思い出すために、私の顔を舐めてみて。」

梅乃。
「その役目は私がやります、さあ思い出して。」

七星。
「あっ!そう言えば私にはこんな趣味がありましたよ。」

梅乃。
「なんか嫌じゃない、これ嫌じゃない。」

麗羽。
「ねえねえ、無抵抗な私を暴行するのって、考えてみると、どう?」

七星。
「はい?それはそれで、悪くないと思いますが?」

梅乃。
「やられたいんですか?」

麗羽。
「ちょっとすっきりしないので。」

七星。
「それでは二人でやる?」

梅乃。
「私は後のことを考えます。」
「今回は、マッサージチェアを使いたくて。」
「体をほぐさないと、学校は座り作業ばかりで。」

七星。
「そこにある奴ですか、ではあなたは観戦してください。」

梅乃。
「ええと、モードセット、肩と背中。」
「肩と背中の筋肉が歪むと、不調が慢性化する。」

麗羽。
「私の手を縛って、どうするの?」

七星。
「顔を掴んで、眺める。」

麗羽。
「あなたも綺麗ですね。」

七星。
「眉毛いいですね、唇は、ちょっと色っぽくないけれど。」
「髪の毛、頬っぺた、ちょっといいですね。」

麗羽。
「あなた、よく見ると、とてつもない美人さんですね。」
「あなた以上の美人さんっていますかね。」

七星。
「同格なあなたも、好きです。」

麗羽。
「無抵抗で好きにされる、はあはあ。」

七星。
「もう抱きしめてあげる。」

麗羽。
「そう、もっと、もっとやって!」

梅乃。
「私にやれば良かったのに。」

麗羽。
「続きは小百合ちゃんとやりますね。」

七星。
「所で、胸について。」

麗羽。
「さっき確認していれば?縛られていたし?」

七星。
「しまった手順を誤った、それでは梅乃ちゃん。」

梅乃。
「はい、分かっていますが、何をするつもりで?」

七星。
「いいですよね。」

梅乃。
「それでは揉み返しが危険なので、マッサージチェアはやめますが。」
「時刻が迫っていますね。」
「胸でいいんですか?」

七星。
「ちょっと興味があって。」

梅乃。
「触ってみる?服の中を見る?」

麗羽。
「そんなの揉むに決まっています。」

七星。
「あっ!しまった!」

麗羽。
「あなたのお姉さん、一方的にやるのは嫌いだったね。」
「必ず攻守交替した、あなたは?」

七星。
「まあそんな所ですね。」

梅乃。
「ひどい、私の胸、調べてくれないんだ。」

麗羽。
「順番ですよ、まず私が最初で、あなたが次。」

七星。
「順番待ちです。」

梅乃。
「だったら、私の番では、自分から見せたり、顔に押し付けますね。」

麗羽。
「顔に押し付ける?それは興味深い!」

地下室で戯れていると。

時計が動いて。

制限時間までもう少し。

メイドさんが呼びに来ました。

結葵。
「もうすぐ制限時間ですよ、日の入り前です。」

七星。
「ねえねえ、胸ってどんな感じ?」

結葵。
「そうですかね、医者ではないので、よく分かりません。」

梅乃。
「私は先生との約束があるので、さらば。」

麗羽。
「ねえねえ、家政婦さん犯していい?」

結葵。
「あの人は、年齢に問題がありますよ?」

家政婦。
「なんですって!」

結葵。
「近くにいたんですね。」

麗羽。
「家政婦さん、年齢は?」

家政婦。
「実は二十代なんですよ。」

麗羽。
「それなら、ちょっと確認しますね。」

家政婦。
「やめてください!」

麗羽。
「満足したので、帰ります。」

七星。
「他の女の子のことを知ることが出来て。」
「私も満足です。」

麗羽。
「私はどの女の子も、身体については同じだと思いましたが。」
「内容については同じではないと思いました。」

七星。
「別に私は科学者ではないので、分からないです。」

全員、帰宅。

また夜になる。

結葵ちゃんが罠の点検をしています。

罠の場所は、通り道にはないです。

きちんと印や看板があります。

結葵ちゃんが警備を終えて。

深夜、寝室に戻ると。

ギャー!という悲鳴が聞こえて来ましたが。

どうでもいいので、寝てしまいました。

罠が一個、破損していることに気づいたのは翌日です。

朗報。

とある作家、読者が二倍になった。

結婚したとは知りませんでした。

読者は奥さんですね。

残念ですが。

作家としては知られているでしょうけれど。

格闘家としてはあまり知られていませんでしたね。

たいしたことはありません。

いくら作品を出しても、プロトタイプですからね。


13


純文学の主流は風刺。

現代の常識。

小雨。

雨がしばらく続く日々。

気晴らしなのか。

テロリストが犯行声明を出した。

しかし今の所、何もやっていない。

覆面。
「国内の善人を皆殺しにする。」

暴力主義者。
「善人を見せしめに地獄に送ってやる。」

その報道が出てから一か月。

何も起こらなかった。

再び犯行声明が出た。

覆面。
「探した所、国内に善人がひとりもいませんでした。」
「善人を殺したかったのですが、そんなものいませんでした。」

暴力主義者。
「いないものは仕方がないので、組織を解散します。」

そして、テロリストはいなくなった。

宣伝だけして姿を消した。

謎の組織であった。

小雨で登校中。

徒歩なのは、健康のため。

かなりの距離を徒歩で移動しているので。

歩き慣れている。

ローマ軍は新兵でも。

平均12時間で40マイル、64キロメートル移動できた。

そもそも訓練で行進訓練がある。

七星。
「しっかり計算が出来ていれば。」
「みんな競争で勝てますよ。」

梅乃。
「しかし誤算がたくさんあって。」

七星。
「だから、しっかり計算出来ていれば、みんな負けてない。」
「負けるのは、計算が下手な人だけ。」

麗羽。
「そうですよね、計算次第ですよね。」
「何か熱とかありますか。」
「自律神経失調症とか。」

七星。
「寝れば治ると、家庭医学ではありますが。」
「少しばかり頭が混乱しても。」
「寝れば治りますね。」

梅乃。
「一度に複数のことを考えたり。」
「処理しようとすると、頭は混乱しますね。」
「メモリ不足みたいな。」

麗羽。
「しかし寝れば治るのは本当ですよね。」

七星。
「しかしそれが私達だけでして。」
「他の人は寝ても混乱が治らないんですよ。」

麗羽。
「それは大変です。」
「もしそうならば、早めに手当てを。」

梅乃。
「精神分析医に診断してもらったことのない人は。」
「みんな正常ではない。」

七星。
「そうなると正常の定義が混乱します。」
「混乱は、寝て治ったばかりなのに。」

麗羽。
「誰かが設定する正常ですと?」
「それなら、ルールが確定した瞬間に。」
「あらかじめ誰が正常なのか、異常なのか、決まってしまっている。」

七星。
「後から違反が生じるのではなくて、あらかじめ。」
「誰が違反なのか決まってしまうのですね。」

梅乃。
「後出しじゃんけんみたいで卑怯ですね。」

七星。
「ルールなんてものを作る難しさが、それですね。」

麗羽。
「決められたルールから違反が出るのではなくて。」
「決めた瞬間に誰が違反なのか、最初から決まってしまうから。」
「その人が後から決められた通りに違反するだけですね。」
「物事の順番が違っているだけ。」

梅乃。
「そこまでルールなんてものを信じなくてもいいかと。」

麗羽。
「規則をよく守る正直者は、貧乏になるだけ。」

梅乃。
「正直者とお金儲けは別の話でもあります。」

七星。
「正直者が正しいとは誰も言わない。」
「私は正直を否定する。」

麗羽。
「正直者なんて、知っていることと言えば歩き方と一元論だけですからね。」

七星。
「無理して規則を作って、自分の首を絞めなければいいのに。」
「ああそうでしたね、自分の首を絞めるために、規則を作りたいんですっけ。」

麗羽。
「どっかの馬鹿が頑張って管理しなくても。」
「今日も社会が正常に機能していますね。」

梅乃。
「しかしどっかの馬鹿は、自分が管理できないと、面白くないのでしょう。」

学校に到着。

しかし余裕がある。

一昔前にいた。

性善説野郎の話があって。

まだいるらしい。

前の世代の欠陥ですね。

人間そのものは善ではないのに。

世の中は善人ばかりであると信じている。

それが裏切られると、元々の欠陥扱いするけれど。

その欠陥は最初から持っている訳で。

性善説は欠陥品の理論でしかない。

後の世に、人の性に善悪を当てはめることは廃止されているが。

人伝えに広まったものは、誤訳がありつつ蔓延している。

善人は現代思想の大家。

フリードリヒ・ニーチェによって攻撃を受けることになった。

善人は悪い。

七星。
「聖書は性悪説。」
「聖書由来の性悪説は。」
「どんな場合にも当てはまるので。」
「真理で間違いない。」
「そして性善説は、どんな場合にも外れているので。」
「性善説は嘘である。」

麗羽。
「孟子は?つきでしたね。」
「そもそも善悪二元論に気づいたのは。」
「聖書由来の性悪説であり。」
「性善説は善悪だけで考えているとは気づかなかった。」

梅乃。
「善人が最も悪くて、あらゆる害をもたらす。」
「性善説なんてどこも当たっていないし。」
「この世に居場所がない立場、論説ですしね。」

小百合。
「孟子対キリスト教みたいな論争ですが。」
「まあ聖書に嘘は書いていないということが。」
「経験で理解できたので。」
「孟子の論説は排除ということで。」
「孟子が何であろうが、排除させて頂きます。」

麗羽。
「まあ孟子なんて馬鹿な神がいましたよと。」

七星。
「本当に馬鹿なものを祭壇に上げましたね。」

梅乃。
「もう祭壇を打ち壊して、孟子を降ろすべきでは?」

小百合。
「孟子は魔神であった。」

七星。
「孟子なんて悪い神は排除。」

麗羽。
「生まれつきの悪の性を?き出しにさせて。」
「修正せずに悪人扱いとか。」
「頭大丈夫ですかね。」

七星。
「生まれつきの悪の性を?き出しにして大人になっているのに。」
「その悪い大人が、後に来る人の悪の性を罵る。」
「変な話ですね。」

梅乃。
「悪の性を修正できる、後天的な善性を持った人がまずいないので。」
「なかなか修正されずに、悪の性が長期化する。」

小百合。
「生まれてすぐに悪の性が修正できれば。」
「あっという間に、善性は確保できますからね。」

七星。
「体験からして、性善説の支持者には馬鹿で幼稚な奴ばっかり。」

麗羽。
「善人ほど悪い奴はいない。」
「善人は悪いので、消すべき。」

七星。
「もはや善人を恨んでいます。」

梅乃。
「私もですね、善人を憎んでいるので、善人を不利にしてやろう。」

麗羽。
「善人が迫害されて、一方的に殺される未来なんてあったら素敵ですね。」

小百合。
「牧師がインターネットで言うには、善人なんていません。」

麗羽。
「善人の演技をする奴に天誅を下さないと。」

七星。
「善人がやった悪行集を作ってありますが。」

梅乃。
「見せて、というか朗読して。」

七星。
「まず善人であると名乗っている活動家。」
「言っていることとやっていることが違う。」
「綺麗事を連発して、内容をまったく実践していないし、そもそも実践しない。」
「口だけで、行動はない、インターネットでくどくど持論を繰り返すだけ。」

麗羽。
「善人なんて口だけなんですね。」
「行動なんてない。」

七星。
「次の善人と名乗っている詐欺師。」
「善人であると言いつつ、金銭を騙し取ったり。」
「悪書を買わせようと、宣伝している。」
「ひどい奴は、番組で紹介されて、金銭搾取の現場に誘導して。」
「何の解決もしない。」
「口だけで、解決がない。」

梅乃。
「善人なんて悪いものですね。」
「やっぱり口だけが善人の一貫した内容。」

七星。
「次の善人。」
「他人を洗脳して金銭を搾取して。」
「母親を追い込んで栄養失調にした。」
「子供を餓死させた。」
「その上で、逮捕されたら。」
「裁判で、善意でやったとか。」
「泣き落としをやったせいで。」
「裁判官から。」
「被告がいなければ、事件は発生していない。」
「不合理な弁解と責任転嫁繰り返し、責任にまったく向き合っていない。」
「犯罪を故意に遂行した。」
「と言われるほど善人が邪悪。」
「これは報道されたけれど。」
「これも善人がやった悪事。」

梅乃。
「母親とその善人は共に有罪判決。」
「善人は刑務所にいます。」

小百合。
「無意味な殺人と恐喝をして。」
「それで自分だけ逃れようだなんて。」
「善人なんてそんなものなんですね。」

七星。
「もっとありますよ。」
「善人であると名乗って、他人を洗脳して。」
「特定の主義主張に誘導して。」
「自らの支持者を増やす行為。」
「こちらは金銭が狙いなのではなく。」
「自分達の主義主張に洗脳させて。」
「世論を作り出して、国民を世論に従わせようとしたもの。」
「平和主義者によく見られる。」

梅乃。
「善人がやった悪事一覧、うわあ、善人なんて邪悪だなあ。」

七星。
「さらに善人がやったお節介の一覧とか。」
「良かれと思ってやった、などと、いいと思ったらどんな愚行もしますよと。」
「自白してしまったし。」
「そいつがいるせいで、いちいち面倒が起きる。」
「他にもあって。」
「世の中に善人しかいないと信じているせいで。」
「それを子供に教えてしまい。」
「子供が真に受けて、世の中に善人しかいないと信じてしまう。」
「これが伝染してしまっていて。」
「被害に遭う子供が大勢いますね。」
「実際には、世の中に善人なんていません。」

小百合。
「仏教の僧侶も、説法で否定しますね。」
「この世に善人はいません。」
「みんな迷惑をかけてこの世に生まれて。」
「迷惑をかけて生きています。」
「なので、善人なんてものはいません。」
「要約。」
「以上は実話。」

七星。
「さて、善人には地獄に行ってもらわないと。」

小百合。
「残念ながら、牧師が言うには、全員が滅びないように配慮されているので。」
「地獄にいる人はいません。」

麗羽。
「地獄に人がいない?」

梅乃。
「そもそも地獄なんて信じているんですか?」

七星。
「いや、何かのファンタジー作品かと思って。」

小百合。
「逆に私は天国なんかで暮らしたくないですね。」

七星。
「天国ですか、気持ちが悪い、あんな所で何をしようっていうんですか。」

麗羽。
「天国がゴールとか、そんなに単純な世界でしょうかね。」

七星。
「天国は生前から辞退する。」

梅乃。
「天国って宗教が違う!」

小百合。
「地獄も天国も、大乗仏教の影響を受け過ぎです。」

七星。
「シッダールタは天国や地獄なんか説いてないね。」
「涅槃という、この世に二度と生まれて来ない存在を説いている。」

小百合。
「シッダールタはインドの神々を認めているし。」
「説法でインドの神々の名前を出しているので。」
「ヒンズー教の一派ですね。」
「仏教は元々、インドの神が伝来したものです。」

梅乃。
「天国、地獄が、仏教が論拠とは、貧しい思想ですなあ。」

小百合。
「とまあ、そういうの考えておいた方が。」
「現世で何かと使えるからでは。」

七星。
「ううむ、天国とか地獄とか、作り話にしては面白かったですよ。」

麗羽。
「天国、地獄ですか、もう少し話を練るべきでしたし。」
「もっと上手なストーリーを作れないものでしょうかね。」

小百合。
「何かの比喩なんでしょうから、人間が分かるようにしたら。」
「天国、地獄の話が、意味不明な通俗小説みたいに語ることになってしまったという。」
「誰かの話下手でしょう。」

七星。
「天国、地獄ですか、同人誌とか、アダルトのコーナーとか。」
「風俗とかの雑誌に書かれても、仕方のない話ではあります。」
「むしろ風俗の題材にならない方がおかしい。」

小百合。
「比喩なんでしょうから、それ以上、分かるように語れないかと。」

麗羽。
「そこは残念ですね。」
「誰しもが分かるように語った比喩でしょうから。」

梅乃。
「いちいち宗教観が錯綜していて。」
「誰が何教なのか、教義がなぜ被っているのか。」
「訳が分からない。」

麗羽。
「教義が別の宗教に干渉する?」
「その教義は売り物にでも出したのかな?」

七星。
「ビジネスとして教義を広めてしまうと。」
「そんなこともあろうかと。」

小百合。
「日本人は、特定の宗教に属していなくても。」
「適当に広まっている教義は信じるという。」
「変な所がある。」

七星。
「自国民は、無宗教であったとしても。」
「特定の宗教の教義は、なぜか信じている。」
「あんた何教ですか。」

梅乃。
「自国民は不可知論者ばかりいるので。」
「無神論はあんまり見ないなあ。」

麗羽。
「むしろ中途半端な有神論者が、教義か、教義の誤訳を信じる。」

七星。
「それだと、中途半端な有神論者のせいですね。」

小百合。
「仏教の僧侶も、民間で広まっている教義を聞かせると。」
「否定して、考え方が間違っていると指摘すると思いますよ。」

七星。
「日本はそもそも民間信仰が多過ぎるから。」
「混乱しやすいんだと思います。」

時計を見た。

先生が入場。

二分後。

授業開始。

今回は。

弾道ミサイル防衛。

スマートフォンには、国民保護に関する情報。

つまり空襲警報。

攻撃を受ける危険あり。

核兵器は量子論によって作られましたが。

科学者の動機は、二度と戦争が出来ないような兵器が作りたい。

というものでしたが。

配備されてから、大規模な戦争はまるで起きなくなりました。

その代わり、いつでも自らの手で、文明を終わらせる力を得た。

核戦争が自殺行為であることは。

理性的な為政者なら理解している。

梢。
「先ほど、弾道ミサイルが上空を通過しました。」
「放送は終了しました。」

女学生。
「ロケット花火のつもりなんでしょうね。」

美男子。
「弾道ミサイルで遊ぶな。」

梢。
「イージス艦だけの迎撃になりますと。」
「レーダーで捕捉しても、探知距離があまりに短く。」
「撃っても、間に合いません。」
「そこで、早期警戒衛星から、誘導して当てます。」

女の子。
「迎撃ミサイルの旋回が追い付かないし。」
「迎撃が可能な時間までに追いつけない。」
「一定時間経過で、迎撃が不可能になりますからね。」

梢。
「弾道ミサイルは、一定時間経過で、迎撃不可能で着弾します。」
「その判定になったら、辞世の句を言いましょう。」

学生。
「辞世の句なら得意ですよ、もう準備してあります。」

梢。
「ローンチ・オン・リモートと呼ばれる。」
「一隻のイージス艦が、レーダー役になって。」
「もう一隻のイージス艦がミサイルを撃てば、誘導に成功して当たります。」

学徒。
「なんか人工衛星と戦うようなものですね。」

梢。
「対ICBM兵器であるGBIが稼働していて。」
「ミサイルサイロから撃ちますが。」
「迎撃の成功が当たり前なので。」
「アメリカは準備がいいですね。」
「特にアラスカのGBIは有名ですね。」
「カリフォルニアにもGBIが配備されています。」
「大気圏外のICBMを撃ち落とす超大型ミサイルです。」
「高度1400キロメートルまで追尾できます。」
「性能は、対ICBM兵器として余裕があります。」

学生。
「つい最近も、ICBM迎撃実験の報道はありましたね。」

梢。
「自衛隊のイージス艦は、日本近海にいれば。」
「日本の全域をカバーできる場合があり。」
「弾道ミサイルくらいなら、遥か遠方から迎撃できます。」
「ミサイルの種類によりますが。」
「日本海にいると、逆に命中率が下がることもあり。」
「横須賀の沖合なら、沖縄に飛来する弾道ミサイルを撃ち落とせます。」

秀才。
「弾道ミサイルしか、日本は脅威がないね。」
「弾道ミサイルを封じれば、後の脅威は航空攻撃と。」
「無謀な特殊部隊の挑戦だけ。」

梢。
「イージス・アショアは、一か所あるだけで、日本全域を防御できます。」
「桁違いの速度と射程距離があるので。」
「東北に配備していたら、沖縄向けのミサイルまで撃ち落とします。」
「日本にも高度な防空網が欲しいですね。」
「冷戦時代に何をしていたのでしょう。」

授業中。

原子力発電所にドローンが三機も接近したことがあり。

有事の際に、インフラを攻撃できないか。

検討したもののようです。

こちらをぶっ殺したければ、原子力発電所を破壊する方が安上がりで。

そういう殺戮の世界を自国民は一切体験していません。

精神的ショックで倒れる国民は大勢になるかも。

平和主義が正しいと言われ続けて。

戦争論を知らないから。

戦争論を知らない、近頃の世代、みたいな歌になりそう。

休み時間。

七星。
「馬鹿ってけっこういますよね。」

麗羽。
「こらこら、馬鹿なんて言ったら。」
「誰でも当てはまってしまうので。」
「まるで誰かを名指ししているようでしょう。」

梅乃。
「誰だって、自分の気に入らない相手のことになりますからね。」

麗羽。
「ですので、安易に馬鹿なんて言うと。」
「当てはまる人が多過ぎるので。」
「やめましょう。」

七星。
「それもそうですね、定義が広いですもん。」

梢。
「おやおや暇ですね、では、善人とは何か?」

七星。
「善人?善人という称号でも、役職でもあるのかね?」

梢。
「ないですね。」

梅乃。
「その人は死んでから、善人と言われるのですか?」

麗羽。
「死んでからなら、善人なんて呼んでも実害はないよ。」

七星。
「では善人という証明書、もしくは資格なんてあるの?」

麗羽。
「なに、無免許で善人なんて名乗っているのか!」
「取り締まれ!」

次の授業は算術。

幾何学。

休み時間は。

廊下で何やらしています。

青年。
「俺は知ってしまった、イケメンを超えるイケメンを。」

美青年。
「僕のことかな?」

青年。
「逃げるんだ、勝てる訳がない!」

美青年。
「どうだ、イケメンを超えたイケメンは。」

女の子。
「イケメンの壁を超えたのね、凄いわ!」

女学生。
「少しはやるじゃないの。」

教材。

アリスタルコス「太陽と月の大きさと距離について」

幾何学の授業が無事、終わり。

自習になりました。

漫画を読んでいる。

教師からは芸術作品と呼ばれて。

学校に無関係とは言われない。

ファンタジーを超えるファンタジー漫画を読んでいまして。

ファンタジーの平均点を取った駄作とは違いますね。

ファンタジーの基本を作ったファンタジーは例外です。

今は自習。

自習は、教師による人間観察。

七星。
「大学に行っている人なら、通俗小説を読まないだろうね。」

梅乃。
「だったら、大学以下の学校で止まっている人々は。」
「通俗小説を読むってことですか。」

七星。
「大学教授はよく本を書く、科学の本、哲学の本、いろいろと。」
「でもそんな教授がいる大学で。」
「通俗小説が、大学生を騙せると思いますか。」

麗羽。
「そうですね、本当に勉強が出来たら、ライトノベルを始めとする。」
「通俗小説なんて読んでいませんね。」

梅乃。
「勉強ができないから、あんなもの読んでしまうんでしょ!」

七星。
「大卒なんて世界ベストセラーしか読まないと思います。」

麗羽。
「本当に読み書きが出来るのなら、ライトノベルなんて読まないでしょ。」

七星。
「読み書きが一人前にできるのなら、通俗小説の文法上の誤りとか。」
「幼稚な文章とか、見抜けるかと思われます。」

梅乃。
「ほら、大卒以下はまともに読み書きができないんだ!」

七星。
「そう言われると、返す言葉がないでしょうね。」
「なにしろ批判に誤謬がない。」

麗羽。
「理論上は、読み書きがきちんと出来るのなら。」
「ライトノベル、つまり通俗小説なんて読まないですね。」

七星。
「次から読み書きを練習しましょう。」
「読み書きが出来ない人は、芥川賞の作品を読みましょう。」

梅乃。
「読んでいるというより、読んだ後から開始されているのでは?」

七星。
「売れても、全員が支持していないし、腹を立てて捨てる場合もあります。」

麗羽。
「その場合は、読んでいるのではなくて、通俗小説に書いてある悪口。」
「特にライトノベルに書かれている罵詈雑言に腹を立てて捨てているのでしょう。」

七星。
「ライトノベルを始めとする通俗小説の支持者を見たことがない。」
「すごい、普通の人でも大卒くらいの教養がある。」

梅乃。
「読んだ後に内容を理解して腹を立てる?みんな大卒レベルですね?」

麗羽。
「高卒でも、大卒と同格の読み書きが出来る!」

七星。
「なんだ、みんな読み書きが大学レベルなんですね。」
「だから、読んだ後の行動が、証拠になるんですね。」

梅乃。
「まずライトノベルの作家は、まともに読み書きが出来ないと。」

七星。
「通俗小説も同じく、読者の方が読み書きが上手ですからね。」

麗羽。
「ライトノベルが人気?それは買う時の話ですか?」
「売る時の話ですか?」

梅乃。
「芥川賞は?」

七星。
「そんなものあったっけ?」

麗羽。
「芥川賞?それは読む前の話ですか?」
「読んだ後の話ですか?」

七星。
「凄い、どうやったら人気が作れるのかな?」

梅乃。
「まず、世論の作り方を教えてほしいくらい。」

麗羽。
「芥川賞だって?肖像画が何かイケメンで、かっこいい男ですね?」
「審査員会のパートナーでしょうか。」
「それとも、会長さんでしょうか。」

梅乃。
「直木賞もあったような。」

七星。
「直木賞?写真で載っている会長さんが、武士みたいで、和風でいい感じですね?」
「今はその方と相談して決めているのですね?」

梅乃。
「芸人が受賞したせいで、いきなり信用が失墜した、残念な賞。」

麗羽。
「市民からの不支持が厚い、すっきりした賞ですか。」

七星。
「市民から今年、最も嫌われた作品を紹介、ですか。」

梅乃。
「あんな冗談、付き合ってられない。」

七星。
「今では文学の信用なんてないですからね。」

麗羽。
「松下幸之助の水道哲学を引き合いに出したいね。」

梅乃。
「文学の業界は、市民からの信用が失墜して、信じてもらえない。」

七星。
「業界が腐敗したせいで、文学は当分、売れない分野扱い。」

梅乃。
「文学なんて今の時期、信じてもらえない分野のひとつです。」

麗羽。
「ライトノベルやら、芥川賞の芸人受賞から、出版業界が腐敗した。」

七星。
「その二つがなければ、今は大人気コンテンツとして栄えていたかも。」

梅乃。
「あの二つは、全体の事業にとって迷惑ですね。」

麗羽。
「誰からも尊敬されない、二つの事業。」

七星。
「とにかく利益にしたい。」
「自分達だけ成功したい。」
「売名したい。」
「人気という嘘をついて売りたい。」
「それによって。」
「業績のために利益を選ばない。」
「不正が発覚しなければいい。」
「倫理に外れた考え方になっている。」

梅乃。
「そのせいで、ライトノベルも芥川賞も、社会に認められていないし。」

麗羽。
「社会を豊かにする、要求されるものを送り出す。」
「良いものを安く出す。」
「使命、理想を社会で形にする。」
「すると誤った選択を取らずに。」
「社会に貢献し、実績となり、認められる。」

七星。
「理想のない事業は、やがて追い抜かれる。」

梅乃。
「そんなハイレベルなこと、理解しませんよ。」

麗羽。
「経営が傾いたら、二度と立て直せない報いがありますけれどね。」

七星。
「ライトノベルはやがて滅びると思いますが。」
「水道哲学によって、芥川賞も名誉を回復するかも。」

梅乃。
「今では芥川賞なんて汚名ですからね。」
「回復に数十年必要ですし。」
「他の文学賞に追い抜かれると思います。」

七星。
「日本の文学賞は、種類がそこそこありますし。」
「二種類しかないと思うのは、隠しているだけですからね。」

麗羽。
「日本の文学賞は二種類だけではないけれど、隠れているし。」
「情報を公開していない。」

梅乃。
「簡単に、芥川賞は、文学のレベルが低下したので。」
「審査員が困っているだけですけれどね。」

麗羽。
「あんまり国内文学でいいものは読んだことがない。」

七星。
「文学の低迷期ですからね。」

麗羽。
「幼稚な作家と、つまらない作品ばかりで。」
「審査員が昼寝でもしたのでは。」

七星。
「申し訳ないが、芥川賞の本を読むと、よく眠れるので。」

麗羽。
「何が書いてあるのか、さっぱり読み取れませんが。」
「少なくとも日本語で書いて欲しかった不満はあります。」

七星。
「まず翻訳機から探さないと。」

梅乃。
「出版会社でも審査員会でも、そんな長い新聞を読むんですか。」

七星。
「どちらかと言うと、芥川賞候補の質が大幅に低下して、信用も失った。」
「それで審査員は、まともな作品がないと、探し回っているのに。」
「毎年、きちんとしたのがなくて、嫌になっていたりして。」

梅乃。
「文学の信用が回復して、作家の人格と作品の質が高まったら。」
「また人気になりますよ。」

麗羽。
「勝手な世襲制も良くないですしね。」

梅乃。
「あれ?後天的なものよりも、先天的なものが物を言うの?」
「決定論では?」

麗羽。
「決定論が一方的に正しいって名乗るの?」

七星。
「中村天風の教えでは、生まれた初期配置以外は何でも変えられる。」

梅乃。
「中村天風の教えは、野球最強選手がよく読んでいましたね。」

麗羽。
「なんだ、論理的には、後天的なものが全部なんだね。」
「先天的なものとは、生まれの初期配置だけ。」

梅乃。
「中村天風の教えは人気がありますね。」
「松下幸之助の水道哲学と共にお勧めですが。」

七星。
「私は自国では、西尾幹二という哲学者しか知らないなあ。」

麗羽。
「日本の文化によく混ざる、三者ともそういう所があるんじゃないかな。」

休み時間。

抱き着いたり、胸を触ったり、キスしたりしている女の子数名。

男性は、なぜか女の子に叩かれたり、蹴られたりして、喜んでいる。

昼間からマゾヒスト発生。

女の子も楽しんでサディズムをやっていて。

喜んで受ける男の子がある。

平和だなあ、と思いつつ、平和が過ぎて、平和って何ですか?

平和過ぎると、弱体化したり、劣ったものが横行するのかも。

平和な時代には劣っているものが流行る。

七星。
「簡単に楽観主義者になれると思っているのでしょうか。」

麗羽。
「問題は馬鹿から生じるという一貫したものがあるので。」
「あらゆる問題は馬鹿という本質を見抜いている点では。」
「楽観的になるのは難しくないかと。」

梅乃。
「自分が作っている訳ではないし、どっかの馬鹿が作っているし。」
「どうせ馬鹿が起こすと分かっているので、楽観的になれるのでは。」

七星。
「馬鹿を修正するのに、数年かかったのかな?」

麗羽。
「数年前に、問題を解決したばかりですが。」

梅乃。
「問題を起こした人に、残された家族はいるの?」

七星。
「私にはあれだけの悪事はできないですからねえ。」

麗羽。
「私が八つ当たりしてもいいのなら、問題なんて、攻撃の口実になりますねえ。」

梅乃。
「やはり日本の将来は、有望な人に賭かっているのではなくて。」
「下半身に賭かっている。」

小百合。
「私達もキスする?」

麗羽。
「普通のキスで、私が満足すると思う?」

七星。
「よく商談に来る人がうざいので。」
「架空請求の請求書を渡したら。」
「二度と来なくなった。」

梅乃。
「そんなもの渡されたら、いくら偽物でも、来たくないよね。」

七星。
「行商は、私は無一文になってしまった、なんて言いつつ退場したね。」

梅乃。
「架空請求くらい分かったのでは。」

七星。
「それで、お金がないので、少しでも買ってくれと。」
「商品を見せてきた。」

梅乃。
「買わないんでしょう。」

七星。
「しょうがないので、二万円貸したら、もう来なくなった。」

梅乃。
「二万円でうざい奴が来ないのなら、安いものですね。」

昼休みが終わって。

放課後になっても。

宿題を片付けるべく活動しています。

即日納品は六割に達しました。

電話。

七星。
「はいもしもし。」

知人。
「あなた七星ちゃん?ちょっとお金が足りなくて!」

七星。
「では、七星ちゃんが戻ったら、そう言っておきます。」

知人。
「あなたが七星ちゃんでしょ?」

七星。
「私は七星であって、七星ではない、では切りますね。」

また電話。

七星。
「はいもしもし。」

友人。
「ああ、ソーシャルゲームのせいで借金が増えて。」
「どこから借りたらいい?」

七星。
「質問どうもです、てっきり私に貸してくれと言うかと思って。」

友人。
「どこで借りたら、いいのかな。」

七星。
「お金になる話がありまして、漁船についてなんですが。」

友人。
「釣りは得意だから、頼む。」

七星。
「それなら最低賃金でいいかな?」

友人。
「貸しにしておいてくれ、将来、支払う。」

結葵ちゃんが迎えに来ていて。

宿題に時間をかけてしまったので。

時刻が遅い。

帰宅しました。

門を潜る。

家政婦。
「私は幼い女の子は好きですよ。」

結葵。
「私も好きです、幼い人と女の子は。」

家政婦。
「幼い人と女の子?」

結葵。
「それなら、三十路は何なんですか。」

家政婦。
「三十二歳と美人女性が、何ですって?」

結葵。
「あんまりからかうと犯すよ。」

家政婦。
「誰が?」

結葵。
「お嬢様です。」

家政婦。
「え?いつの間に後ろに?」

七星。
「若い女の子をいじるなんて。」
「私がいいことしてあげますよ。」
「ここで日頃の不満を発散しよう。」

家政婦。
「きゃあ!七星様、やめてください!」

七星。
「ほらほら、若い子の匂いと感触ですよ。」

家政婦。
「冗談ですよ、冗談!」

結葵。
「姑じゃないんだし!」

家政婦。
「ずっと姑をやりたかったの!」
「子供の頃、ドラマで観て!」

七星。
「それなら私が姑でもいいじゃないですか。」

家政婦。
「私がやりたいの!」

家政婦、逃亡。

母親がいまして。

父親はどっかに偵察に行っています。

夕食前。

母親。
「将来の投資とは?」

七星。
「身内にいる赤子に牛乳でも飲ませておけ。」

母親。
「出版業界とは何ですか?」

七星。
「牛の皮を被った牛ですね。」

母親。
「牛革なんですか?」

七星。
「高いと思います。」

母親。
「これまでの半年で、もっと、こうしたらよかった。」
「と思うものは、何ですか?」

七星。
「昼寝が不足していたこと。」
「もっと昼寝をすべきだった。」

母親。
「あなたが二十五になったら、したいことは?」

七星。
「二十五歳になった一周年記念パーティーをしたいものです。」

母親。
「それはいいわね、お母さん、二十歳になった二周年記念まで。」
「あと少しよ。」

七星。
「ほう気が合いますね。」

母親。
「お母さんに似たかしら。」

七星。
「似ていない所もあるかもしれませんね。」

深夜。

近くを通った。

会社員二人組。

屋上から見えてしまっていたけれど。

無視していた。

強盗団に目をつけられて。

奇襲された二人組。

目の前から登場。

会社員。
「うわっ!なんだ?」

上司。
「誰だ、お前ら!」

強盗。
「その財布に十万円入っているのだろう?」

会社員。
「ちょっと待って!出すから二分待って!」

強盗。
「二分だと!?」

会社員。
「大人しく渡しますから、頼みます!」

強盗。
「いいだろう、待ってやる。」

会社員。
「この前借りていた、八万円をここで返します。」

上司。
「そう言えば借りていたな。」

会社員。
「利子として二万円、追加であげます。」

上司。
「ああ、所で状況についてなんだが。」

会社員。
「ああ、もう手持ちのお金がない!」
「友達の家に行かないと!」

上司。
「おい!待て!何をしてくれる!」

強盗。
「本当にあいつ、もう何も持ってないのか?」

上司。
「貧乏人だからね。」

強盗。
「所で、二分経ったが。」

近くにいた市民に通報されて。

強盗団は逃げ出した。

この事件は、軽犯罪として、捜査中となりました。

深夜の報道。

南シナ海で。

通行中の輸送船が攻撃された。

フランス製の短距離弾道弾が輸送中という情報が流れて。

中国海軍が、その輸送船に乗り込んだ。

たまたま船にいた。

テロリストが海軍に反撃した。

そして激しい銃撃戦の中。

積み荷を発見したら。

なんと、乳児製品が大量に積載されていた。

デマに踊らされて、銃撃戦までして、乳児製品を押収する。

デマという短距離弾道弾の威力を知った中国海軍であった。

知り合いの話。

病を患って入院している、重病の患者が。

日々、保護されている。

ある患者のつぶやき。

地元でこんなに大切にされていたのなら。

私は地元に留まっていただろう。


14


今日の出来事は、明日には歴史です。

地下室にて。

ゲーミングノートをモニターに繋いで。

リアルタイムで地震を観測、記録。

特に震度ゼロはよくある。

熱波の時は観測のチャンス。

酷い数字が出てくることも。

航空機の進路も表示させています。

帰宅したばかり。

七星。
「頭がおかしい人がいましたよ。」

梅乃。
「頭がおかしい?」
「頭がおかしい人なんて。」
「いくらでもいますから。」
「誰のことなのか分かりません。」

七星。
「お偉いさんが来ましたが。」
「夫人がいないので。」
「見分けがつかなくて。」
「三分も待たせてしまいました。」

麗羽。
「それは見分けがつきませんね。」

七星。
「それでお偉いさんが。」
「いつも妻といるせいで。」
「人生ついていないと。」
「文句を言っていました。」

麗羽。
「まあ夫婦なんて、一緒になると。」
「ついていない人生の始まりですからね。」
「ろくなことないですから。」

梅乃。
「なんで男性って不細工の女と結婚するの?」

七星。
「夜、寝床につくと、顔が見えないからね。」

麗羽。
「犬と恋人って、どちらが良いの?」

七星。
「犬ですね、犬は噛みついても、離してくれます。」
「恋人は、一度?みつくと、もう離しません。」
「なので犬の方が理性的で良いものです。」

麗羽。
「恋人とは、私がいちばん嫌いな人のことです。」

梅乃。
「嫌な人と、素晴らしい人の違いは?」

麗羽。
「素晴らしい人は、たまに物をくれる。」

梅乃。
「結婚って何するの?」

七星。
「その日のうちに離婚届を出すことです。」

麗羽。
「結婚届を出す前日が、その人にとって本当に幸福であった日です。」

梅乃。
「結婚すると健康を害するって本当でしょうか?」

七星。
「間違いなく不健康になれますね。」

麗羽。
「なんで結婚するのかな?」

七星。
「男性の方は女の人の気が狂うまで、待っているものですから。」

梅乃。
「女性は、なんで生まれつき無知で、馬鹿なんですか?」
「後天的に、有識者になり、賢明になりますよね。」

麗羽。
「生まれつき無知で馬鹿でないと、男性を好きにならないからね!」

七星。
「そうではない女性は、男性を無視していい。」

梅乃。
「近年、都市を徘徊している、インターネット自警団の訓練って何をやるの?」

七星。
「どうやって退却するのかをまず先に訓練します。」

麗羽。
「喧嘩を売ってくる相手を昨日で四度目の敗北を追い込みました。」

七星。
「三度目の正直という諺がありますよね。」

梅乃。
「最近の政治について手短に言いますと。」

七星。
「もう何度も同じことの繰り返しで。」
「議論が遅過ぎるよ。」

梅乃。
「作家って良くないのかな?」

麗羽。
「私には、あれだけの絵は描けませんからね。」

七星。
「毎日、日記を書くなんて、私にはできませんし。」

梅乃。
「あの駄作の小説ってなぜ陳列されているのかな。」

麗羽。
「陽動ですね。」

七星。
「置いておくことで、取り扱いをしているという証拠にしていますね。」

梅乃。
「作家ってまったく同じ人物でしたね。」

七星。
「みんな似たような人ばかりですね。」

麗羽。
「文壇の日本代表になるのって辛いでしょうね。」

七星。
「大企業の代表になる方がもっと辛いでしょうね。」

麗羽。
「知人の女性が、転職した時に、会社の金庫の鍵を閉め忘れてて。」
「鍵も紛失していたので。」
「連絡したら。」
「もういいよ、なんて言われたそうです。」

梅乃。
「社員ではなくなった直後に、誰かに盗まれたのかな?」

ポジティブシンキングとは。

マイナスをプラスにする思考ですが。

三万円の財布を盗まれたり、紛失したりすると。

どこをどうやっても。

その損害はプラスにならない。

プラスに考えても、三万円が戻って来る訳ではない。

ポジティブシンキングには物理的な限界がある?

強盗団が来ていまして。

結葵ちゃんが何かを持って。

玄関にいます。

強盗。
「金目のものはないのか?」

現行犯。
「玄関まで簡単に入れたな。」

道化師。
「僕達って逮捕されるために強盗をしているのかな?」

結葵。
「ようこそ。」

強盗。
「おう、上がらせてもらうぜ。」

結葵。
「食らえ、化学兵器。」

強盗。
「ぐおおおおぉぉ!?」

現行犯。
「なんだこのガスは、目が!目が!」

道化師。
「ぐわっ!有罪になりたくて、僕達はこんなことやっているの?」

結葵ちゃんがガスマスクを被って。

床下に向かって、クマ避けスプレーを乱射。

玄関がクマ避けスプレーで満たされて。

四人組の三人は気絶。

一人は逃げましたが。

そこに七星ちゃんがいました。

七星。
「食らえ、ラグビータックル!」

悪役。
「うわっ!倒された!」

七星。
「右フック。」

悪役。
「ぎゃあ!」

七星。
「足払いで浮く、落ちる。」

悪役。
「こら!少しは手加減しろ!」

七星。
「手加減って何ですか?」

悪役。
「手加減とはな、相手の力に合わせて戦うってことだ。」

七星。
「了解した。」

悪役。
「暴力はいけない!」

七星。
「倒れた所を掴んで引き摺って、投げたら、飛び掛かって踏む。」
「後は前蹴り。」

悪役。
「さらば人の子よ、ぐふっ!」

連続攻撃で犯人を倒した。

警官が来て、続いて弁護士が来た。

強盗団、敗北、逮捕。

この事件は弁護士によって速やかに解決しました。

同時刻。

近くの民家で集会があった。

平和主義者を中心に集まり。

年齢層問わない。

討論があり。

自説について語った。

少年。
「みんな仲良くすべきです。」

夫人。
「そうよね、みんな仲良くすべきです。」

不良。
「何言ってんだこいつら。」
「喧嘩で何でも決めればいいじゃねぇか。」

すると、十数人いた人々が。

怒り狂った。

老人。
「喧嘩なんてせずに仲良くするんだ。」

夫人。
「そうよ、あなたも仲良くしなさい。」

不良。
「なんだこいつら、すごい矛盾があるぞ。」
「違う意見にも仲良くしろよ。」

少年。
「こんな奴、苦しめてやらなきゃ!」

不良。
「まとめてかかってこいや!」

青年。
「みんな仲良くすべきだ、仲良くしない奴はこうだ!」

数人、不良にぶっ殺されて。

不良は逃げました。

仲良くしろ、とは何ですか。

仲良くしない人には仲良くしない。

矛盾ですよね?

不良は正当防衛で不起訴になりました。

数日後。

何事もなく地下室で。

雑誌を読んでいます。

お揃いで服を買うのなら。

資金が出るからですね。

七星。
「この世のどんな暴力も滅ぼして来た。」
「暴力を超える残虐さで。」
「どんな暴力も私の前で無力に死んでいく。」

麗羽。
「どんな暴力も私の手にかかれば。」
「みんな死体に成り果てて行くだけ。」

梅乃。
「どんな暴力も手段を選ばない。」
「私の餌食になって行く。」

七星。
「みんな殺されるために。」
「暴力を振るう。」
「なぜ。」
「暴力を振るって殺されていくだけなのに。」
「それが分からない。」
「最期の瞬間に、ようやく理解する時。」

麗羽。
「暴力は、すべて、暴力によって覆されて滅びて行く。」

七星。
「論破されると、無言で同じことを繰り返す人について。」

梅乃。
「論説を打ち破られると。」
「その人は無言で行動を続けますよね。」

麗羽。
「何も言い返せないので。」
「自分の中で道徳と戦わせて。」
「道徳で勝っているから。」
「論破されてもいい、みたいな。」

七星。
「負けたことが分からない?」

梅乃。
「非学者論に負けず。」

七星。
「道徳で勝つのではなくて。」
「勝った方が道徳をくどくど言うのはありですか?」

麗羽。
「ありですね、せっかく勝ったのだから。」

梅乃。
「論破と言えば、同じ失敗をずっと続けて。」
「過去のそのせいで、何か恨まれていたり。」
「責任を問われているのに。」
「なぜかそれがいつまでも分からず。」
「なぜ自分がそうなるのか。」
「そう言われるのか、分からない人もいますね。」

麗羽。
「自分の母親の悪口ですか?」

梅乃。
「親なんて欠陥品でしょ。」
「どこがましで、どこがましでないか、それだけ。」

七星。
「凡人なんてそんなものです。」
「凡人なら、分からなくて当たり前です。」

梅乃。
「それでもっと繰り返すと、怒鳴り散らして。」
「道徳をもっと言うだけ。」

麗羽。
「道徳って何ですか?」

七星。
「弱者ほど道徳を重んじている。」

梅乃。
「そんなに弱いのなら、戦わなければいいのに。」

麗羽。
「弱いくせに戦うから、負けるんですよ。」

七星。
「まず道徳を教える前に、逃げ方を教えるべき。」

梅乃。
「相手に勝たないと、道徳なんて笑われますよね。」

麗羽。
「逆に勝利した側がいくら道徳を言っても許される。」

七星。
「しかし道徳は誰の作品なのか、まったく分からない。」

梅乃。
「まず道徳を作った人は誰なのかについて、教えるべき。」

七星。
「誰なんでしょうね?」

梅乃。
「いくら論説を打ち破られても。」
「自分の道徳は何々だから、と言って、負けたことに気づかない。」

七星。
「それは凡人だからでしょう。」

麗羽。
「凡人に分かることなんて何もないですよ。」

七星。
「その凡人が、知ったかぶりで道徳を広めているので。」
「問題があると思います。」

麗羽。
「そもそも問題が何なのか、分かっていないと思われますが。」

七星。
「道徳対道徳でいいんじゃない?」

麗羽。
「そうですよね、片方の道徳と相手になる道徳が戦う決闘です。」

梅乃。
「道徳で言い争うのはちょっと笑えますね。」

麗羽。
「いいんじゃない、道徳で口論できるなんて、滑稽ですし。」

七星。
「我々は道徳を倒せばよろしい。」

麗羽。
「道徳と道徳の戦いですか、これはゴールデンカードですね!」

七星。
「どっちの道徳が勝つのか、予想できないですね。」

梅乃。
「どっちの道徳が正しいのか、勝負で決着をつけるらしいので。」
「異種格闘技戦の開始ですね。」

知り合いが入場。

今日はメイドさんは留守。

家政婦が対応。

少年。
「僕は大人になったら大金持ちになる。」

夫人。
「どちらか一つだけですよ。」

男の子。
「お前の母ちゃんデブ。」

少年。
「お前のお母さんなんて無能じゃないか。」

夫人。
「私の悪口を、こんな大事な所で言うんじゃありません!」

紳士。
「息子の紹介状を書いてくれるって。」

息子。
「先に来ているよ。」

祖父。
「まあこれだね。」
「とても努力家で、勤勉で従順だ。」
「この子がいれば同僚もよく働くよ。」
「そして、あなたのためにその子が働くことができたら。」
「いい人材ですよと。」

紳士。
「ううん?何か変な所がありますが、貸しにしておきますか。」

弁護士。
「出生の仕組みに訴訟を起こす?」
「そんなことを?」

家政婦。
「相手が海外逃亡をするに決まっているじゃないですか。」

弁護士。
「法律を守らないその出生の仕組みが、法廷に来る訳がないでしょう。」
「私は前の件で呼び出されているので。」

家政婦。
「出生の仕組み、という人は安全地帯から、高圧的、傲慢に見ていますからね。」

祖母。
「知能犯って何なのよ。」

家政婦。
「うぬぼれているだけで、自信はあっても、失敗に気づかない。」
「ひたすら無謀な輩です。」

祖母。
「お金が盗まれたのよ。」

祖父。
「何を言っている、あそこにあったのは古銭だぞ。」
「通貨ですらない。」

紳士。
「こんな紹介状があれば、就職できるぞ。」

息子。
「これで僕もエリート街道に進めますね。」

スマートフォン。

動画サイトで謎の投稿。

報道。

メキシコに向かう飛行機がハイジャックされた。

しかし犯人はライブ中継して笑顔である。

犯人。
「俺達、これから死ぬので。」

悪党。
「まったく、ついてないな。」

機長。
「離陸して、しばらくして、エンジンが吹っ飛びまして。」
「それを知らずに拳銃なんて突き付けてくるので。」
「何をしたいのか、分かりませんでしたよ。」

犯人。
「二十分後に海に投げ出されるんだぜ。」

悪党。
「おい、パイロット!しっかり着水しないと殺すぞ!」

機長。
「無理ですね、片翼がないもの。」

悪党。
「あぁ?殺されたいのか!」

機長。
「私とあなたが死ぬ時間が入れ替わるだけです。」

犯人。
「という訳で、衛星通信から、僕達の最期を放送するよ。」

爆破。

片翼が壊れていて。

そこから中央部分が大破したようです。

ライブ中継には。

空を舞う犯人達と、燃えている飛行機が映っています。

カメラ停止。

動画を観ていると。

いつの間にか知り合いは退場していました。

玄関は清掃されている。

家政婦。
「あなた、アルバイトなんだから、しっかりとね。」

侍女。
「私は大卒ですよ、なんで掃除なんですか。」

家政婦。
「それなら、箒の使い方を教えてあげるわね。」

女中。
「この前、結婚式で、年配達が私を突いて。」
「次はあんただよ、なんて言うので。」
「私はまだ葬儀には出ないと突き放しました。」

家政婦。
「結婚式?私にはないの?」

女中。
「あれ?不思議ですね?」

家政婦。
「女の人なら、相手がいそうですけれどね。」

七星。
「さあ第七ラウンド始めようよ。」

麗羽。
「期待を裏切るなよ。」

梅乃。
「さあて通常のエンカウントですよ。」

家政婦。
「何と戦うんですか、御令嬢!」

樹木が破壊された。

腕試し。

ドラム缶を放り投げたせいで。

庭園が破損した。

祖父は笑っている。

メイドさんが帰って来た。

玄関の上に書いてあるセールストーク。

我々は。

皆様と皆様のお金を大切にしております。

いつもの通り、夕方になります。

宣伝。

文学についてはこちらが入口。


15


知り合いに年齢を訪ねると、四十歳。

大人になるのに、四十年もかかったのかね?

成人するのに、ぴったり十八年なんてことは。

必ずしもない。

夫婦喧嘩で、相手の欠点をよく確認していなかった。

という発言がよくある。

相手が好きな時には、相手の汚点が見えず。

好きでなくなって、ようやく相手の汚点に気付くのであった。

嫌なら結婚しなくていいのに。

女性が一人で生きていくのは大変?

女性が一人で生きていくのが大変な社会のせいでは?

自分の責任ではないアドバンテージがあるのに・・・。

地下室にて。

自作のテーザー銃を作りました。

スパナ傘も作りました。

最近、玄関の鍵がこじ開けられていて。

何者かの侵入を許してしまったので。

寝室に置くつもり。

鍵は道具でこじ開けられる危険があり。

万能のセキュリティではない。

侵入者は、玄関の前にあった金庫を盗みましたが。

中には何も入っていません。

罠ですね。

業者が来て、鍵を今日、改良しています。

帰りに本屋に寄って。

人気の小説を買いましたが。

なぜ持ち上げられているのか分からなかった。

昔のフリーゲームみたい。

昔のフリーゲームは、今ではとあるゲームに独り勝ちされてしまいましたが。

どうでもいいような。

俗受けする、子供っぽいゲームが、やたらと評価を集めていました。

それから十年くらい経過で。

誰も残っていません。

十年前、未成年からやたらと支持を集める作品がありましたが。

二巻だけ読んでみると。

何が面白いのか、何がいいのかまったく分からず。

同年代の、支離滅裂な思考に悩んだものですね。

その後も同年代のデタラメな思考について行けず。

縁を切りました。

小説も同じなのかな?

七星。
「小説家になりたい人に。」
「文学作品を見せたら。」
「小説家になんてなりたくないと言われました。」

麗羽。
「見せる作品が適切ではなかったね。」

梅乃。
「作品の評価はいつも誇張されている。」
「私はそれについて一千回、記事にしましたからね。」

七星。
「誰かが文学を特許申請していれば。」
「下らない通俗小説を発行させないこともできたかも。」

麗羽。
「お金を支払ってでも、つまらない作品を繰り出すと思います。」

梅乃。
「ライトノベルは新品で買うよりも。」
「古本で買った方が安いらしいよ。」

七星。
「ライトノベルによって、宣伝の力を理解しました。」

麗羽。
「凄いね、宣伝だけであそこまで広げられる。」

七星。
「敵ばかり作って、味方がいませんけれどね。」
「作家の身内からも批判されるレベルです。」

梅乃。
「実名を明かさないのも、内容を自覚しているから。」

麗羽。
「出版社は、作品としては見ていない。」
「お金として評価している。」

七星。
「作家の将来なんて関係ないし。」
「作品を刷れば、日本銀行でお金を発行するのと同じですからね。」

麗羽。
「昔みたいに、文学作品で希少本が出ないかな。」

七星。
「昔の文学が、いかに恵まれているのか、今更、露呈した。」

梅乃。
「今の文学はお金のために刷られて、捨てられますからね。」

七星。
「買う、読む、捨てる、はい小説。」

麗羽。
「私からすれば、白紙を購入して、読んで捨てているのかなと。」

梅乃。
「値段と釣り合わないですね、内容そのものが。」

七星。
「今の文学について理解していることは?」

梅乃。
「みんな死んでから、正当な評価をされることですね。」

麗羽。
「財布について、生活のためのお金なのか。」
「通俗小説のためのお金なのか、よくお考え下さい。」

梅乃。
「文学って、どんなものでも物語になっていればいいのですか?」

七星。
「物語ではなくて、内容が美しくなければいけません。」

梅乃。
「自伝とか、実話に限られてしまいますね。」

麗羽。
「だから、作家はそれを書けってことです。」

七星。
「読者が腹を立てる小説は通俗小説でしょう。」
「読者が滑稽だと思う小説は純文学となります。」

小百合。
「やけに怒っていますよね。」

結葵。
「部下が、言った、言ってないで、従わないので。」
「もう来なくていいって、言ったら。」
「本当にどっかに行ってしまった。」

家政婦。
「何が、言った、言ってない、ですか。」
「結果が出なければ、意味ないじゃないですか。」

結葵。
「押し問答ですよね。」

家政婦。
「あんな子供っぽい人は要りません。」

結葵。
「珍しく意見が合いましたね。」

家政婦。
「言ったか、言ってないかで、同意の有無を取るなんて。」
「あまりに劣っているので、許せませんよ。」

祖父。
「そっちの部署で決着をつけてくれ。」

祖母。
「一週間でしたが、あの女の子はもう来ませんよ。」

七星。
「最初から興味なかったです。」

祖母。
「そうなの?珍しいわね?」

七星。
「日本人は、他人が喋っていない。」
「架空の発言を参考にして。」
「判断するらしい。」

麗羽。
「自国民はまず発言しませんね。」
「相手に伝えるということをしない。」

梅乃。
「西洋人は、話さないことは何も伝わっていない。」
「喋らない限り、何も伝わらない。」

七星。
「問題は、架空の発言でっち上げることですね。」
「何も喋らないので。」
「喋らないことを利用されやすい。」

梅乃。
「黙っているので、勝手に判断されて。」
「それで何かを強制されて。」
「それに従ってしまうことがよくある。」

麗羽。
「それは逆に言えば。」
「何も言っていないのに。」
「勝手に同意したことにするな。」
「ってことですね。」
「そんなことする奴はぶっ殺してやる。」

七星。
「何も言っていないんですけれど。」
「なんで勝手に私が伝えたことにしているんですかと。」

梅乃。
「会話は情報量で決まります。」
「何も情報がないのに判断するのは矛盾していますね。」

七星。
「情報量が多いほど、相手に伝わります。」
「会話において、まず情報量を増やす訓練が必要ですね。」

麗羽。
「自国民の会話って情報量がいつも不足しているんですね。」

七星。
「しかも、何も喋らなくても。」
「すべてが伝わっていると思い込む悪癖を誰しもが持っている。」
「言った、言ってない、なんて小学生の口論になりがち。」

麗羽。
「西洋なら、あなた何も言っていないので。」
「私は何も知りません、なんて感じですね。」
「むしろ何か言わないと何も伝わらない環境に身を置いて。」
「相手に情報をたくさん伝える訓練をしないといけないのかも。」

七星。
「日本人は、何も言わないので。」
「何も言わない以上は、何も伝わらない。」
「しかし本人は何でも伝わっていると信じている。」
「本当に何も言わない。」
「他人も何も言わないので。」
「自分もその欠陥のある人々を模倣してしまっていて。」
「自分も何も言わないという第二号にされてしまうね。」

梅乃。
「伝達ミスは頻々に起きます。」
「それは何も言わなくてもいいという。」
「何も言わなくてもすべてが伝わっていると。」
「自分も他人も、つまりは身内も国民も。」
「そういう欠陥があり、自分も影響を受けて育っている。」
「生育の悪さがありますね。」

麗羽。
「自動で、何も言わない人第二号にされてしまう。」
「そう教えられているから。」

七星。
「情報がないのに、どうやって判断するおつもり?」

梅乃。
「みんなわざと黙っているからです。」

麗羽。
「何も言わないのではなくて。」
「みんな故意に黙っている。」

七星。
「なるほど、矛盾がない。」

梅乃。
「わざと黙っていて。」
「相手に万能を期待している。」
「しかし伝達には失敗する。」

七星。
「自分がそう思ったから伝わっている。」
「実際には情報がまったくないので。」
「いつも伝達に失敗する。」

麗羽。
「わざと情報を伝えない人ばかりなので。」
「生育上の公害ですね。」

七星。
「自分は王様、家来が何も知らないのが悪い。」
「という論証ですね。」

麗羽。
「自分は偉いので、他人という家来に伝わっていないのは。」
「おかしい、という屁理屈です。」

梅乃。
「黙っていること、伝達の失敗を人のせいにするんですね。」

七星。
「本人が黙っているせいで、勝手に決まっていることもある。」

梅乃。
「そういう愚か者の中で育つと。」
「黙っていればうまく行くと信じてしまう。」

七星。
「会話は情報量で決まります。」
「相手に情報を伝えなければ、自分が損をするだけ。」
「相手が情報をこちらに伝えなければ。」
「共倒れ。」
「連絡ミスですね。」

麗羽。
「問題は片方が理解していても、相手は理解していないので。」
「片方が架空の発言で勝手に判断して、間違える。」

七星。
「自分に悪癖がなくても、相手にはあるので。」
「片方の馬鹿のせいで、伝達に失敗します。」

梅乃。
「伝達で間違うのは相手のせい。」

麗羽。
「それに、黙っている人が何も意見がないと思ってはいけない。」

七星。
「意見が黙っていても伝わると、教えられてしまっているから。」

麗羽。
「自国民は。」
「黙っていれば何でも伝わるという。」
「間違っていることを教えられて育つ。」

梅乃。
「どいつもこいつも、黙っていても伝わると。」
「間違ったことを教えられているので。」
「全員が黙っている、なんて滑稽なことになる。」

七星。
「自己主張は、日本において猛威を振るいます。」
「それだけ自己主張する人が少ないからですね。」
「というか、見たことないです、自分の他には。」

梅乃。
「自分について、何も主張すべき所がないんでしょ。」

麗羽。
「そして予想とは反対の結果が出た時だけ怒る。」

梅乃。
「理不尽な怒りですね。」

七星。
「何も言わないのは、わざと何も言わないので。」
「罰を与えた方がよろしい。」

梅乃。
「そうしないと直らないでしょう。」

麗羽。
「沈黙している期間が長ければ長いほど。」
「不利になる。」

鍵が改良されて。

ピッキングツールでは開錠不能になりました。

犯人は近くを通ると、自動で撮影される。

防犯カメラで姿が写っていて。

三キロメートル圏内にいた。

会社員でした。

裁判所が、逮捕状を作成中。

裏門には、爆竹が置いてあって。

それが起爆することを知っていて。

側面から入り込んだようです。

イッヌはたまたま寝ていました。

結葵ちゃんは見回り中で。

結葵ちゃんに気付いて犯人は逃げたようです。

金庫は小型なので、わざと盗ませて。

戦闘を回避したので。

明日には犯人が逮捕される可能性があります。

本物の金庫は分散配置されていて。

いろんな部屋に隠されていますので。

把握が無理です。

祖父と祖母しか知りません。

身内もあまり知らない。

財産の隠し方ですね。

七星。
「ラテラルシンキングについて。」

麗羽。
「成功例、機知、裏技ですね。」

梅乃。
「ラテラルシンキングは裏技です。」

七星。
「ラテラルシンキングはトレーニングしました。」

麗羽。
「ずるいと思われても、かなりルールの中に収まっています。」

梅乃。
「裏技ですからね。」

七星。
「ラテラルシンキングは裏技集です。」
「体系化はされていません。」

麗羽。
「正解と答えで教育された凡人には。」
「習得に三年はかかりますね。」

梅乃。
「正解と答えなんかで、採点されるなんて。」
「どうりで凡人ばかり湧くと思いましたね。」

麗羽。
「正解と答えで教育するのは、腹が立つ。」

七星。
「その正解はすべてにおいて当てはまらないし。」
「答えは、通用するとは限らない。」

梅乃。
「正解と答えが、一元論化して、酷く単純になりますね。」

七星。
「とは言っても。」
「ロジカルシンキングとクリティカルシンキングが出来ないと。」
「ラテラルシンキングは機能しません。」

麗羽。
「正解と答えを無視できるのがラテラルシンキングの利点ですが。」
「かなりの訓練が必要というスキルですしね。」

梅乃。
「不正と違うのは、不正がルールや法律を無視するのに対して。」
「裏技は合法的で、ルールの抜け穴みたいなもの。」
「なんですよね。」

七星。
「裏技なんですよ。」
「ラテラルシンキングの本質は。」
「しかしそれを知っているか、知っていないかで。」
「かなり違います。」

麗羽。
「馬鹿正直に、正面から取り組むことしか。」
「正解、答え教育にはないですからね。」

梅乃。
「ラテラルシンキングでしか作られない製品。」
「サービス、作戦、災害対策、兵器もあります。」

七星。
「一般的にはロジカルシンキングのごり押しなので。」
「すべてが力業になっていますね。」

梅乃。
「クリティカルシンキングは普及していませんからね。」

麗羽。
「学校教育はロジカルシンキングに特化していますし。」

七星。
「私達の学校では、先月、習いましたね。」
「ラテラルシンキングの成功一覧表。」

梅乃。
「裏技で解決するのなら、裏技でいいじゃないですか。」

麗羽。
「ラテラルシンキングには途中経過なんてものはないです。」
「いきなり結論に行きます。」

七星。
「手段を選ばないというより、プロセスは無視ですね。」

梅乃。
「手順が省略されますし、結論に至る速度は一瞬です。」

麗羽。
「そんな便利な裏技は使わないともったいないですよね。」

七星。
「残念なことに、正解と答えという教育は。」
「当分、変わらないのですし。」
「そうなると馬鹿正直な解決策しか出て来ない。」
「そしてラテラルシンキングは長期間のトレーニングが必要で。」
「誰でも使いこなせる訳ではない。」

梅乃。
「学校教育は、律義者ですからね。」
「正解と答えに絞るのは、律義者。」

七星。
「そこから自由になるのもラテラルシンキングの技です。」

麗羽。
「何でもあり、というのがラテラルシンキングですからね。」

梅乃。
「制限内で、何でもあり、これが目立ちますね。」

麗羽。
「基本は、どこかで読むことがあるでしょうけれど。」
「裏技が使えるようになるのは。」
「時間が必要ですし。」
「ラテラルシンキングを一日で理解する人はいません。」

七星。
「私はラテラルシンキングを理解していますが。」
「それまでにけっこうな裏技を駆使して。」
「自由な解決方法を選んで来たので。」
「既に実績がありました。」
「そうではないのなら。」
「最初からチマチマ、重ねないといけませんね。」

梅乃。
「知らない間に私もラテラルシンキングを使っていました。」

七星。
「最初から知っていたのかな、そのように裏技を使うこともありました。」

麗羽。
「鮮やかに決まる所がたまらないですよね。」

梅乃。
「自由に物事を解決できる所もたまらないのです。」

七星。
「え?って方法で済ませてしまう。」
「相手が絶句することもありますね。」

何か違和感を覚えて。

みんなで、庭にある、バドミントンでも使う。

芝生の広場に行きましたら。

中規模地震が発生しまして。

それが遠方の大地震だったんですね。

震度五強で済みました。

七星。
「あれれ、みんな助けを求めるばかりで。」
「自分で自分を助けようとしない。」

麗羽。
「助けて助けて、いや、あんたが自分を助けなさいよ。」

梅乃。
「なんだかんだ言って、みんな助けを呼ぶばかりですね。」

小百合。
「何かあった時、助けを呼べばいいと思っているのは。」
「明らかに間違っています。」

結葵。
「助けを呼ぶ前提で、危機に陥っても、その人が困るだけです。」

家政婦。
「自分で何とかする力と知識を持った上で。」
「危機に陥るのなら。」
「自分の力を上回るものがない限り、大丈夫ですね。」

小百合。
「自分で何とかしないつもりで、何かあって、助けてくれだなんて。」
「自分では何もしないつもりですか。」

結葵。
「それで死んだ人は大勢いますよ。」

家政婦。
「何かあった時に、自分の力だけで打開できるスキルとか、素敵ですよね。」

結葵。
「アメリカ海軍特殊部隊は、どんな時でも自分の力で何とかします。」
「そういう訓練もしています。」

小百合。
「災害でも事故でも、自分で何とかするつもりでいないとだめです。」
「それでも無理なら、ようやく救助を要請できるでしょう。」

結葵。
「他人の救助よりも、自分の力を当てにしろってことですね。」
「そうすると、自分の力と他人の力を足して二倍です。」

家政婦。
「他人の力なら一倍、自分の力を追加して二倍、もう窮地は逃れました、みたいな。」

小百合。
「家政婦も悪くないです、無料でお手伝いは明日もしていい?」

家政婦。
「まあ気が合いますし。」

結葵。
「それよりも、お姉さんと意見が同じとは思いませんでした。」

家政婦。
「姑がしたいんだけれど。」

結葵。
「嫌です、所属は違っても、同僚なのに。」

麗羽。
「あの二人組は?」

家政婦。
「追放しました。」

結葵。
「まあ三十路のお姉さんと、私で、このお屋敷は足りるってものです。」

家政婦。
「三十路の美人さんでしょ、そこの美少女さん。」

結葵。
「ただの三十路じゃないんですよ、そこの美人さんは。」

梅乃。
「打ち解けましたね。」

結葵。
「姑プレイだけは合いませんけれどね。」

七星。
「あなた犯していい?」

家政婦。
「そんな、若い女の子に、そんな目で見られるなんて。」

七星。
「いいの?いけないの?」

家政婦。
「やめてください。」

小百合。
「あら、本当に女の人の趣味が広いのね。」

いつの間にか、地震のことは忘れられていた。

遠方は大惨事。

損害なし。

番組は中断して、地震について報道しています。

それだけ重大だということです。

都内の電車は止まりました。

そう言えば疫病の時に。

感染者の治療をしたり隔離したりしていた。

医療従事者に、みんなが八つ当たりしていましたが。

人間がコントロールできないものに挑戦するのはやめましょう。

そもそも、自然災害に文句を言っても無駄です。

人間の無駄な抵抗いいですね。

自然災害に抵抗しても無駄ですので、無駄な抵抗はやめましょう。

数日後の。

休日。

いつものように。

ゲームセンターで遊んでいると。

男性が現れて。

なんと恐喝のようです。

悪党。
「なあ、金持っているんだよな?」
「貸してくれない?」

七星。
「おや、いい所に、対戦相手が。」

麗羽。
「最近、練習台が欲しかったんですよ。」

梅乃。
「ああ、すみません、準備運動の最中です。」
「手伝ってくれるのなら、歓迎しますよ。」

悪党。
「持っているなら、貸してくれないか?」

七星。
「誰が相手をする?」

麗羽。
「ずるい、私も、見せしめにあの男を倒したいんだけれど。」

梅乃。
「私はあいつを新聞に被害者として載せたくて、しょうがないんですよ。」

七星。
「人間世界のパワーバランスを壊したくて、袋叩きにするのを。」
「我慢しているんですからね。」

麗羽。
「それではじゃんけんで。」

梅乃。
「そんなもので決めるの?」

七星。
「くじ引きで決めないと、争いになるでしょ。」

悪党。
「ちょっと、貸してくれるの?貸してくれないの?」

麗羽。
「よし私が当選、さあ私の被害者になれ。」

悪党。
「おう?俺は柔術を習っていてね?」

麗羽。
「さあ相手の手札も見えましたよ。」

梅乃。
「あらまあ、被害者は手札を見せてしまいましたね。」

七星。
「ああ、人間世界のパワーバランス破壊計画が!」

戦闘開始。

手を広げた悪党ですが。

麗羽ちゃんのストレートパンチが。

悪党の右手にクリーンヒットして突き指。

続いて、麗羽ちゃんの左フックで、悪党の指に当たって、突き指。

悪党が攻め手を無くしている所を。

素早く肘打ち。

悪党は気絶しました。

警官が来ましたが。

周囲の人々は、できる限り悪党に不利なことを言い続けたので。

悪党は暴行で逮捕され、搬送。

正当防衛がその場で成立しました。

味方が多かったね。

人をぶっ殺して遊んだ後は。

邸宅でお茶を飲んでいます。

悪党、後に新聞記事に載ってしまった。

加害者として、返り討ちとして。

お茶を飲んでいると。

母親。
「あなた、最近、何の遊びをしているの?」

七星。
「被害者を作って遊んでいます。」

母親。
「弱い者虐めは良くないわよ。」

七星。
「いいえ、相手にとっては天罰なんですよ。」

麗羽。
「天誅を下した。」

梅乃。
「私達が何かした?相手が天罰を受けた、それだけでは?」

父親。
「いつまで格下を相手にしているんだ。」
「虐殺はもうやめて、強敵を探すんだな。」

七星。
「そうですよね、もうやめてあげますね。」

麗羽。
「次はどいつが血祭りにあげられたいですかねえ。」

梅乃。
「私達は生命を何とも思わないので、何でも手に入るのです。」

結葵。
「生きるとは戦うことだ。」
「ヘレニズムの格言。」
「ならば戦士として、殺し合いとして、この世と向き合いましょう。」
「勝ち取ったものが私のもので。」
「私に敗北した人は滅びなさい。」

家政婦。
「人生なんて戦いばかり、しかし一度戦士になると。」
「戦いが下手な人や、戦況が理解できない人。」
「話し合いで何とかなると思っている人。」
「無抵抗なせいで殺される人。」
「自分に善戦する人、いろいろいますね。」

結葵。
「アレクサンドロス大王は生涯無敗でした。」
「マラリアで倒れるまで、たった一人が世界に匹敵しました。」
「戦場では、単騎で敵に突っ込んだほどです。」
「アレクサンドロス大王はアリストテレスの門下生です。」
「アリストテレスは、アレクサンドロス大王の死後、追放されて。」
「貴重な本は弟子が、こっそりエジプトに輸送しました。」
「アリストテレスは寄り道の途中で死亡しています。」
「そもそもこの世って、最初から最後まで戦いだらけですよね。」
「ならば、私も戦おうってことですよ。」

家政婦。
「この世が最初から戦いだらけなのはなぜか?」
「しかし今も、戦う対象と相手は変わりません。」
「勝てばいいのです、勝てば。」

地下室から出て。

ラン・ファイト・ランをやりました。

サンドバッグを一分間、殴打。

そして八百メートル全力疾走。

次は地面に寝かせたサンドバッグを一分間、殴打。

そして五百メートル全力疾走。

次にサンドバッグを一分間、抱えて運ぶ。

また、五百メートル全力疾走。

はあ。

人生のスタートラインはみんな違う、なんて言いつつ。

全員が同じ競技をやっている訳がないでしょ。

同じコートで、複数の競技が行われ過ぎです。

ええと、最初に言った人って。

律儀だね。

人生の競争?

しかし審判はこっちの味方です。

大切なのは審判への賄賂。

おや?審判がみんなこっちの味方なので、判定勝ちだねえ?

誰かが、何かをしています。

さて、計画は万全のようですが。

成功する確率は半分くらいですね。

そうしたら、相手は、本当の計画は現実を見ることなんですね。

なんて言っていました。

私が支配者になってもいいんだけれど。

残念ですが、支配者と同じように。

同じ所を繰り返し走れませんので。

ちょっと辞退したいなと。


16


休日。

曇り。

かなりの曇り。

現代人は空を見ません。

地震雲とか、無知の代表。

雲は、低空、中空、高空と。

種類がたくさんあり。

形も気象条件によって異なります。

しかし現代人は空をまったく見ないので。

ちょっと変わった雲があると不審に思うらしい。

雲の種類は天文学者が詳しいですね。

夜空は、明かりがある都市部ではほとんど見えませんので。

ちょっとした山の駐車場とかに移動する必要があります。

占星術は、アレクサンドロス大王の時代に記録されており。

世界の端っこを見ようと突進するアレクサンドロス大王が。

インドまで侵攻しようとした所、部下、家来の反対に遭い。

占星術師に占わせたら、凶と出たので、帰郷することになった。

古代の占星術は失われているようで、出回っていません。

アレクサンドロス大王が、とある都市に入る時に。

占星術師が、入場が凶と出たので、入らないでほしいと言われても。

アレクサンドロス大王は入ってしまい、そこにマラリアを持った蚊がいたらしい。

こちらは夜空を子供の頃からよく観察していることが大切で。

天体の運行が、人の運命に影響を与えているという思想によるものらしい。

現代人は自然についてかなりの無知になっている。

曇りで、雨なんじゃないかと思うけれど。

暗いだけで、雨雲なし。

尾行している男性が飛び出して来た。

挑戦者。
「何度でもリベンジしてやる!」

七星。
「いつかぶっ殺した、あの時の男ですね。」

挑戦者。
「現代なら、いくら敗北しても、何度でもリベンジできるんだぞ!」

七星。
「敗北者が死なない世の中は、お人好しですなあ。」

挑戦者。
「何度もやれば勝てる!」

七星。
「それで、また来たと、やられ足りないんですか?」

挑戦者。
「何度もやれば、リベンジに成功する!」

空水流。
「ちょっと待て、その美女を口説くのは俺だ。」

挑戦者。
「なんだお前は?仲間か?」

空水流。
「お前、口説き方がなってないな、なんのつもりだ?」

挑戦者。
「俺はそこの女に用があるんだ!」

空水流。
「奇遇ですね、俺もですよ、ナンパという用事がね!」

七星。
「あの、勝った方がナンパできるという報酬はどうですか?」

空水流。
「ん?あいつもナンパしているのか?」

七星。
「ストーカーみたいですけれどね。」

空水流。
「あれ?よく見たら、あそこの御令嬢!」

七星。
「気持ちくらいは受け取ってあげますよ。」

空水流。
「よし来た、異種格闘技戦と行こうぜ。」

挑戦者。
「お前もグルか!」

空水流。
「来いよ、戦い方を教えてやる。」

挑戦者。
「無限にリベンジすれば、敗北者から勝者になれるんだ!」

空水流の選手。

回転して連続で蹴りを当てまして。

挑戦者は二発で倒れました。

蹴り技などは一発食らうと、ほぼ終わります。

当たらないことが大事。

攻撃に当たらなければ、何でも勝てる。

空水流は、中途半端に強いと思われがちですが。

勝てる時は勝てます。

空手道の選手も蹴り技が上手なので。

蹴り技を被弾しないようにしましょう。

下手をすると一発で気絶します。

空手家の蹴りで気絶。

これは目撃したことがある。

空水流は異種格闘技戦で観ていて面白い武術。

カンフーがボロ負けしたことがある。

挑戦者。
「ああ!ああ!」

空水流。
「正当防衛だよね?」

七星。
「そうですね、相手はハンマー持っていますし。」

空水流。
「え?そんなもの持っているの?」

七星。
「服の下にある突起、見てくださいよ。」
「鈍器やら、刃物まである。」

空水流。
「使われないうちに倒せて良かったなあ。」

警官がやって来て。

銃刀法違反で現行犯逮捕。

空水流の人は正当防衛になりまして。

後日、会いに来るそうです。

友達として。

文房具店から古本屋。

文房具屋は、ぬいぐるみなども扱っているので。

それを購入。

古本屋は、普通の本屋と違って。

種類が多く、通信販売の古本コーナーみたいに。

珍しいものも多く出ている。

ホームセンターで秘密の殺虫剤を買いました。

移動中。

鬼神。
「片方の力を下げて、片方の力を上げてやる。」
「後は勢いに任せてやれ。」

馬鹿。
「俺はプライドの通りになるんだ!」

鬼神。
「誰も俺が勝敗に横やりを入れているとは思われないからな!」

馬鹿。
「鬼神の力で俺の力が上がって、相手の力は下がるんだ、それだけで勝つんだ!」

強姦しようと。

後ろから何者かが追跡して来ましたが。

角を曲がると。

チンピラと鉢合わせしたので。

目を合わせないように通り過ぎましたが。

後ろにいた男性が、角を曲がった時にいたチンピラと衝突して。

喧嘩になりました。

チンピラ。
「なんだこの野郎、文句あんのか?どけ!」

馬鹿。
「お前なんかに用はない。」

チンピラ。
「なんだと?ぶつかっておいて謝罪もなしか?」

馬鹿。
「どっかに行け、目の前の女に用がある。」

チンピラ。
「はあ?なめてんじゃねーぞ!」

鬼神。
「そのチンピラの力を下げて、お前の力を上げてやる。」

馬鹿。
「何するんだ!」

チンピラ。
「喧嘩を売りやがって、ただで済むと思うなよ。」

強姦に失敗してチンピラに絡まれた男性。

激しく抵抗しますが。

何もできません。

結局、男性は平手打ちを食らって逃げまして。

チンピラは気が済んだのか、立ち去りました。

チンピラ。
「妙な抵抗をしやがって、雑魚のくせに生意気なんだよ。」

馬鹿。
「なんで勝てないんだ!」

鬼神。
「それはお前が下手だからだ。」

馬鹿。
「なんだと、この野郎!」

変な男性、職務質問された。

後ろで。

喧嘩をしている所を。

遠くから見物していまして。

インチキ、イカサマの類は。

トリックが分かると、笑えますね。

そんなものに縋るしかない。

公園で合流。

七星。
「策略を仕掛ける前に、現実を見ましょう。」

麗羽。
「現実を見ない策士って多いですね。」

梅乃。
「まず策略を考える前に、現実を見ないとね。」

七星。
「なんか結果の平等を実現しようと必死なようですが。」

麗羽。
「自由主義陣営に、結果の平等なんてものはないんだよ。」

梅乃。
「平等を教え方を間違えていますよね。」

七星。
「すべて等しい、これは間違い。」

麗羽。
「間違った平等を教えられたせいですね。」
「平等をまったく理解していない奴のせい。」

梅乃。
「たいてい、結果の平等であると思い込む。」

七星。
「なぜチャンスの平等であることを伝えないのでしょうか。」

梅乃。
「共産主義者がいるから、特に小学校で大量にいる。」

麗羽。
「ここはソビエト連邦ではない。」

七星。
「働くもの食うべからず、実はこれ、共産主義のスローガン。」
「この台詞を言う人は、みんな共産主義者。」

梅乃。
「凄い、日本は共産主義者のパラダイスなんですね。」

麗羽。
「それで、みんな等しい結果になるとルサンチマンを煽る。」

七星。
「みんなパワーアップしてもいい、チャレンジャーになってもいい。」
「それがチャンスの平等ですけれど。」

麗羽。
「究極的には、みんなスーパーマンになっても構わない。」
「これもチャンスの平等。」

梅乃。
「みんな成功してもいいし、みんな出世してもいい。」
「誰でも強者になってもいいし。」
「誰でも勝者になってもいい。」
「チャンスは平等。」

七星。
「結果の平等なんて。」
「誰しもが何々にならなければならない。」
「簡単に言えば、全員が同じ強さ、知性、立場。」
「地位、財政にならなければならない。」
「しかしその基準とするレベルはかなり低く。」
「実現しようとすると、低レベル化を容易に招く。」

梅乃。
「頑張ればそれだけ見返りになる、という簡単なものですら否定される。」

麗羽。
「無理に基準が設定されて、基準が現実的に見るとかなり低く。」
「強制によって、低い基準の平均値を取らされるので。」
「努力しても、訓練しても、劣勢を覆しても、結果が同じになってしまう。」
「全員の結果を同じにするとか、愚かですね。」

七星。
「ルサンチマンを間違いなく煽りますね。」
「結果は平等のはずだ、だから、自分達も勝てる、みたいな。」
「敗北者を、無理に勝者にしようとする。」

麗羽。
「そもそも、みんな等しい、なんて教えられるのがおかしい。」
「平等を理解していない教師などが、そうしてしまう。」

七星。
「身分制が廃止されたのが平等ではない。」
「それまで妨害されていた、機会、好機が解放されて。」
「誰しもが、上の身分になれる機会があり。」
「偉くなる好機も掴める。」

麗羽。
「身分制の廃止と勘違いしていますよね。」
「身分制は確かにもうないですが。」
「身分制の廃止が平等ではありません。」

梅乃。
「実際、等しく教育を受けて、等しく国家から権利を受けていて。」
「何でもできる、そんな社会でしょ。」

麗羽。
「自由に何でもできるチャンスはあるんですし。」

七星。
「なので、我々を止める手段はないってことです。」

麗羽。
「共産主義が、結果の平等なんて詭弁を言いまくって。」
「世襲じゃないとだめ、とか。」
「認められないとだめ、とか。」
「根回ししないとだめ、とか。」
「そんなことは無駄な抵抗。」

梅乃。
「評価する人が凡人であった場合は、絶望的ですけれどね。」

七星。
「凡人に評価されたくないね。」

麗羽。
「凡人に何が分かるんですか、徘徊の仕方だけでしょ。」

梅乃。
「意外にも凡人が、壁になりそうです。」

七星。
「そうですね、凡人に何も期待できませんから。」

麗羽。
「凡人多過ぎです、全体主義でも復刻するつもりですか。」

梅乃。
「玄人とか非凡な人がいれば、だいぶ話が変わると思いますよ。」

七星。
「しかし、策略ですか、マキャベリが言うには。」
「相手を追い詰めるようなやり方はすべきではない。」
「相手が思慮分別のない反撃に出るから。」

梅乃。
「追い詰めるような人は頭が悪いんですね。」

麗羽。
「思慮がないから、追い詰めようとする。」

七星。
「中途半端な策士の失敗ですね。」

麗羽。
「策略のための策略?」

梅乃。
「相手を陥れることに、快楽を感じているとか。」

麗羽。
「どうせそんなものでしょ。」

七星。
「ゲーテが言うには、人間が本当に悪くなると。」
「他人を傷つけて喜ぶ以外に興味を見出さなくなる。」

梅乃。
「そんな理由でしょうね。」

お宮。

子供の頃は行く暇がなくて。

今は余裕があるので。

かなり通っていますね。

虚無主義を理解した上で、なおもお宮に行く人は珍しいのかも。

西洋の批判で。

無神論者は自分を裁く基準を何も持っていないので。

それを自分自身がつけることになります。

なので危険と言われてしまいます。

何度も通っていると。

たまに自分と同じ人がいるんですね。

参拝者に出会ったり。

そのお宮の祭典を目撃したり。

地区には隠れて、そういう人がいます。

今は中で準備中のようなので。

すぐに立ち去る予定。

七星。
「あらゆる考えの根拠がない。」

麗羽。
「考えの押し付けをやり返したら。」
「考えを押し付けて来た。」
「犯人が文句を言ってくるようになった。」

梅乃。
「その考えに根拠あるんですか。」
「なんて繰り返すと、相手が壊れるんですけれど。」

七星。
「既成概念のグルは、無駄な抵抗をして来ると予想されます。」

麗羽。
「思っているよりグルってたくさんいるんですね。」

梅乃。
「いつまでも根拠のない考えを繰り返している。」
「根拠がないので、その考えは無視できる。」

七星。
「特に人生観について完璧なものを用意すると。」
「災いを招いたり、破損したり、崩れたりするね。」

麗羽。
「人生観に完璧なんてものはないんだよ。」

七星。
「人生観の完璧な設定なんてしたら、滅ぶ原因になります。」

梅乃。
「人生観が完璧にならないように、言及が少ないんでしょ。」

七星。
「そもそも人生観に完璧なものなんてない。」

麗羽。
「もしあったら、一瞬で壊されますね。」

梅乃。
「その人生観は誹謗中傷の的になりますよ。」

七星。
「間違いなく、そんなもの設定すると、笑われますね。」

移動中。

丘の上から。

崖下に誰かいます。

市民が野次馬になっている。

街中で。

一般男性が捜査員に包囲されていました。

何かの事件。

若男。
「なんで?成り行きだったのに、こいつら何を言っているの?」

捜査員。
「ちょっと止まって頂いて、残念ですが、逮捕状が出ていまして。」

若男。
「そうなるしかなかったのに、逮捕されるのか?」

捜査員。
「まあ大人しく御同行頂きまして、弁護士と一緒に問題を解決できたらなと。」

若男。
「何言ってんだこいつら。」
「そうなるしかなかったのに、その内容で俺を拘束して。」
「刑務所に押し込めるのか。」

すると、後ろから来ていたテロリストがいまして。

悲劇なのか、爆弾を所持。

お手製の爆弾は、一部屋の全員を殺傷する威力を持ちます。

不審物があったら、すぐに逃げましょう。

不審物の特徴は、角ばっていて、重くて、硬い。

送り状がおかしかったり。

必ず爆弾が成立する適切なサイズになっています。

もちろん炸裂すると、一部屋は血だらけになります。

テロリスト。
「一緒に死のうぜ!」

捜査員。
「うわあ!過激派だ!」

若男。
「お前!メールの相手が変だったり、過激派に関与する集会にいると思ったら!」
「過激派の仲間になっていたのか!」

テロリスト。
「一緒に死のうぜ!」

爆発。

なんと捜査員と男性は負傷で済んだ。

テロリストだけが死んだ。

救急車が来ましたが。

武装した警官が来て。

規制線が張られています。

過激派に感化された人は、必ず前兆があります。

少しずつ、過激派に夢中になって行きます。

前兆はいくつかありますが。

気が付くと同僚や友人が過激派に加わっていた。

なんてことも。

市民。
「あの噂の偽新選組ですか。」
「相手を殺して、自分も死ぬ、みたいな。」

婦女。
「知っているわ、相手を殺しに来て。」
「ある程度殺したら、自分も死んでしまうという過激派集団。」

老人。
「相手を見つけたら、相手を殺して、自分も死ぬ、みたいな。」

役人。
「なんて奴らですか、見つかったら、相手と一緒に死んでしまうじゃないですか。」

庶民。
「だからそれをやって、アピールする過激派集団みたいな。」

婦人。
「時に切腹して果てるそうよ。」

会社員。
「そんなものに狙われたら、逃げ場がないよ!」

駄菓子屋に到着。

付近の大惨事の中を通って来ました。

駄菓子屋で、小銭が財布に入っていて。

好きなものを買って食べています。

駄菓子屋の横にあるベンチにて。

七星。
「ラディカルって悪いことですか?」

麗羽。
「ラディカル?肯定的な見方と、否定的な見方がありますね。」

梅乃。
「とりあいずラディカルなものが出て、後から評価をつければ?」

七星。
「だって、みんなラディカルなものが出る前に、消そうとするでしょ。」

梅乃。
「そんな誤謬を暴力で修正しようなんて、信じられますか。」

麗羽。
「ラディカルなものが出た所で、評価はどうなのかということで。」
「先に消すのは頭おかしいですね。」
「後から何とかすればいいのに。」

七星。
「ラディカルなものって、馬鹿によって防がれますからね。」

梅乃。
「それは暴力で防ぐのではなくて、きちんとした議論で。」
「評価をつけてから、称賛するなり、追放するなり、すれば言い訳で。」
「どんな利益になるのか分からないものを。」
「先に消すなんてね。」

麗羽。
「ラディカルという単語すら知らないんでしょ。」

七星。
「ラディカルを知らない?無能過ぎるでしょ!」

梅乃。
「いいえ、その人の能力を超えることを、期待するのはどうかなと。」

麗羽。
「誰のことなんだろう?」

偽新選組という過激派集団。

悪人を集中狙いするので。

ガラの悪い人や狡猾な人とか。

子供っぽい人は、特に狙われて。

いなくなりました。

偽新選組は衣装は新撰組ですが、単なるコスプレで。

相手を殺したら、自分も死ぬ、というテロリストです。

もちろん自分できちんと死ぬので、立件できません。

殺されるだけ損ですね。

警報が出されたので。

走って、帰りました。

小雨、霧が発生。

公園で解散すると。

おっと横目に偽新選組のひとり。

気づかれませんでした。

日本刀を所持。

公園の広場に来る人を待伏せしようと林の中にいた。

ちなみに、女子供容赦ないです。

道連れにするというのがスローガンらしい。

Jアラートである大規模テロ情報が発令されてしまいました。

Jアラートは自然災害の時などにも発令されます。

以下は実際にある警報。

弾道ミサイル情報。

航空攻撃情報。

ゲリラ・特殊部隊攻撃情報。

大規模テロ情報。

見慣れているのは弾道ミサイル情報ですが。

これは比較的、簡単に対処できます。

一発しか飛んで来ないから。

短距離弾道弾だと連射されます。

航空攻撃情報は、敵が護衛機を使って爆撃機、戦闘攻撃機を自国に向けて。

どこかを空爆しようとしているので。

誰が狙われるのかに注目です。

爆弾の衝撃波で吹っ飛んだり。

投下地点の近くにいると、内臓損傷を受ける危険があるので。

なるべく重要そうな施設から離れましょう。

ゲリラ・特殊部隊攻撃情報は、国内にそいつが既にいるので。

占領、拘束、破壊工作、なにより陸上自衛隊と銃撃戦が発生します。

巻き込まれるので、非常に危険です。

大規模テロ情報は普通のテロです、規模がだいぶ違いますので。

その地域にいたら、離れないと死にますね。

むやみに自衛隊の隊員や警官に助けを求めると。

敵と勘違いされて誤射される危険があります。

家の中や会社の中で、静かにしていましょう。

カーテンを閉めて、電気もつけない。

最悪の場合は、自国民、日本人も敵国に寝返ります。

特にお金で寝返ります。

最悪の場合、危険なのは同じ日本人ですね。

七星。
「ようやく門に着いた。」

結葵。
「お嬢様、早く入ってください。」

七星。
「焦っていますね。」

結葵。
「近くで、偽新選組と、武道家が交戦しているんです。」
「見つかったら、こちらに来るかも。」

七星。
「なんとエキサイティングな!」

門に入りまして。

翌日には、テロリストがいなくなっていました。

みんなアパッチ攻撃ヘリにやられた。

攻撃ヘリコプターには熱源暗視装置などがついていて。

昼間なら、敵兵の姿がシルエットになって見えます。

隠れても無駄。

暗闇でも戦闘していた。

急いで、血まみれになった都市を。

作業員が清掃していまして。

武装した警官だらけ。

上空にはコブラ攻撃ヘリコプターが飛んでいます。

問題を起こした人を倒しているのか。

問題を起こさせた人を倒しているのか。

ちょっと見分けがつきませんが。

意外にも、犯罪も、テロリズムも、戦争も、喧嘩も、訴訟も。

マッチポンプなんじゃないかと思うくらい。

自分が問題の発生源なのに、何かをした人を、善人顔で処理することがたまにあります。

そして何より、人生は無駄に難易度が高くて。

難易度が低い時はまったくありません。

人生の意味にも限界があるんじゃないかな?


17


解決策は十個ある。

ひとつめ。

決してすべてを喋らないこと。

最近。

再び不景気になったようです。

そんな時期。

自分の環境を整えるために。

闇の組織。

矯正作戦分隊。

化け物管理機関。

アジア童貞調査結社。

旧典新教。

四つの勢力が。

首都圏を荒らしまわっています。

すべては自分達の環境を整えるため。

また、犯人を見つけて。

その犯人にすべてをなすりつけて抹殺するため。

そして責任転嫁して、その真偽で争うため。

今夜も、誰かに集団で喧嘩を売っては。

カーチェイスをしています。

警官。
「とりあいず負けなさい。」

分隊。
「とにかく逃げますね。」

調査員。
「我々の環境を整えるという、大いなる使命のために。」
「立ち上がったのだ。」

教徒。
「犯人を裁いて、どうであろうと次々と裁き続ける。」
「そして最後に、ようやく真犯人を裁くことになる。」

社員。
「責任転嫁こそ、我々のすべきことだ!」

分隊。
「すべては攻撃される相手のせいだ。」

警部。
「なんていう暴論だ!」

警官。
「暴説も、けっこう人気あるんですね。」

激しく深夜の都内を走り回っていて。

邸宅の目の前を通りまして。

その次の交差点で。

前にあったテロで警戒していた。

自衛隊の装甲車がいて。

衝突してしまった。

装甲車は無傷。

分隊。
「ああ、俺達が環境を整えるのに。」

調査員。
「我々の環境が!」

社員。
「責任転嫁で何でも解決できる!」

教徒。
「最後に現れる犯人のせいだ!」

警官。
「ああ、ご愁傷様です。」

警部。
「調子に乗るから、まったく。」

全員が巻き込まれて。

数台の車が大破。

すかさず取り囲みます。

しかし謎のオートバイが複数現れて。

構成員を乗せて、逃げ出したので。

またもやカーチェイスになりまして。

朝まで続いて、ようやくグループの運転ミスで全員を確保しました。

しかし組織の構成員はもっとたくさんいますので。

数を減らした、それだけのようです。

深夜、邸宅にて。

雑談中。

七星。
「しかし何もしていない人にも褒美は必要ですよね。」

父親。
「何もしていないというより、黙って従っている。」
「黙々とこなしている。」
「すぐに片づけて、沈黙している。」
「あまりに静かにやっているので、何もしていないように見えるだけ。」

母親。
「しっかりやっている人とか、沈黙している人とか。」
「何も功績がないと思ってはいけません。」

七星。
「つい、そこにいるだけと思いがちですね。」

父親。
「積み重ねた、日々の蓄積は、後々。」
「膨大な恩賞で報いないと、不満が出るでしょうね。」
「それが連鎖して、後任の人にも不満が出る。」

母親。
「そうやって、黙ってやっている、隠れた功績を。」
「無視したり、報いなかったりしてはだめよ。」

七星。
「あまりに長い年月、少しずつ積み重ねた功績なので。」
「忘れがちで、気づきませんね。」

父親。
「これだけやったのに、何もないの?」
「なんて思われたら、反逆の前兆ですね。」

母親。
「何もしないことも、功績になることもありますから。」
「それをできる限り早く見つけて、報酬を与えると。」
「維持が楽ですよ。」

七星。
「そうですよね、メイドさんとか家政婦さんとか。」

父親。
「給料を上げたが、次はどうする?」

母親。
「生活に必要なものでも、山分けしますかね。」

七星。
「それいいですね、生活で使うものは、最高の褒美になります。」

これは、論功行賞ですね。

会議の結果。

翌日、高級なお菓子の予備があるので。

次々とメイドさんと家政婦さんに配りました。

微笑であったのは言うまでもない。

早朝。

結葵。
「忍耐の限界は、既に鍛えられた忍耐と同等である。」

家政婦。
「後から忍耐を鍛えるのは、遅過ぎますね。」

結葵。
「若い男の人とか、五年も待てますか?」

家政婦。
「何かに五年待て、まあ無理ですね。」

結葵。
「五年は長いでしょう、今から忍耐について学ぶ限りは。」

家政婦。
「老人なら、五年はそんなに長くないかも。」
「待った経験がかなりあるので。」

結葵。
「両親の借金ですが、あと五年も支払うんですよ、全員で。」

家政婦。
「五年も?」

結葵。
「計算上ではそうですね、五年ですね、五年で解放されます。」

家政婦。
「私なんて自宅のローンが十年もあるんですよ!」

結葵。
「独身で家を買ったんですね。」

家政婦。
「つい最近ですよ、小さな家を買いました。」

結葵。
「それいいですね、二人用の寝室はないんですか?」

家政婦。
「あったら、もっと大きな家を買っているわよ!」

結葵。
「男性の財産と一緒に?」

家政婦。
「独身女性の一人住まい、羨ましい?」

結葵。
「ふん、覗きに行きたい気分ですよ!」

家政婦。
「まあ、後から忍耐なんて無理ですね。」
「ずっと昔から訓練しないとだめですね。」

結葵。
「先に訓練を積んで、忍耐って言うのなら、できるでしょう。」
「何もなくて、いきなり忍耐が必要です、なんていうのはひどい。」

七星。
「二人で仲がいいですね、金銭について意見が合うようで。」

結葵。
「お嬢様は、忍耐についてどう思いますか?」

七星。
「これから訓練するので、まだ無理ですね。」

家政婦。
「私なんて訓練の手遅れですよ。」

七星。
「それでは忍耐の模範になって頂きたい。」

結葵。
「私は五年間、特に貯金もなく、使うお金もなく、働きます。」

七星。
「あれ?倉庫にある不用品は何も手を付けてないの?」

結葵。
「不用品?」

七星。
「捨てるのが面倒くさいので、木箱に入っています。」
「それなりに価値があるので。」

結葵。
「どんなものが入っているんですか?」

七星。
「安い貴金属とか、それなりの金額になる古銭とか。」
「昔、使われていた着物。」
「絵画とか、時計とか。」

家政婦。
「それは勝手に持ち去ってもいいの?」

七星。
「もちろん、私以外にも尋ねてみては?」

結葵。
「それが本当なら、臨時収入よね。」

家政婦。
「後から、世帯の人々に聞いて回りましょう。」

出発。

今日はタクシーを使いました。

これは遊びですね。

とは言っても。

いつものメンバーを集めて。

タクシーで登校。

費用が高くなりますが。

ちょっと変わった体験を、ということで実現しました。

運転手。
「パトロールカーがいない所で交通違反はない。」

七星。
「相変わらず冗談きついね。」

麗羽。
「正直にお金儲けをする方法を教えてあげようか?」

運転手。
「それはどういうことかい?」

麗羽。
「知らないと思っていましたよ。」

梅乃。
「私の母親は、決して?をつかなかったね。」

小百合。
「いつから?をついたの?」

梅乃。
「未成年の頃から?」

小百合。
「私の両親は、結婚するまでが幸せな人生だったとか。」

梅乃。
「まあ、男女の恋が友情に変わることは、多分、あるでしょうね。」

運転手。
「おお神よ、法律から守り給え。」

七星。
「死後になるまで自伝は完成しないと思う。」

運転手。
「私の操縦は粗削りだが、自動車の性能は最高だから行ける。」

激しい運転でしたが。

なんとか到着。

というか、タクシーのドライバー。

元レーサーだったんですね。

見たことがあるんです。

ずっとビリで走っている所を。

グランプリは好きなジャンルなので、観ていますが。

よく見たら、最下位争いをよくやる、あの選手でした。

解雇されたらしいのです。

成績不振で。

学校の中に入ります。

玄関の中にある大きな鏡。

梢。
「ああ、この鏡は、私を公正に評価してくれない。」
「私そっくりじゃないですか。」

劣等生。
「死ね!」

生徒。
「君と一緒になら、死んであげる。」

劣等生。
「本当ですか?」

生徒。
「まず、あなたが先に死んでください。」
「必ず私も後から死にますので。」
「もし私が死ねなかったら、後から必ず死にます。」

劣等生。
「それいいね!お互い、老衰で死のうよ!」

生徒。
「それでは老衰で死にますね。」

劣等生。
「老衰で死ね!死ね!」

梢。
「人間は五つに分類できる。」
「賢明な人、勤勉な人、正直者、強者。」
「残りの九割。」

生徒の間で話題になっている。

幽霊みたいなものに。

災いを起こされて。

困っている生徒。

社会に迷惑をかけてまで。

災いが起こっては。

飛び火している。

特定の個人を狙うつもりが。

周囲を巻き込む、公害になっているようですね。

登校中。

変なことになった。

幽霊。
「策略!だから策略!」

公民。
「なんだ、次から次へと。」

幽霊。
「今回もいろいろ起こしてやる!」

公民。
「またなんか起きた。」

幽霊。
「お前の対応能力を超える事件を起こしてやる!」

乱暴者。
「なんだ、無性に喧嘩がやりたくなった。」

粗暴者。
「俺もだ、無性に相手のものを強奪したくなった。」

公民。
「なんだ君達は。」

乱暴者。
「喧嘩をしてくれ!」

粗暴者。
「お前のものを何でもいいから盗ませてくれ。」

公民。
「なんでこんなにいろいろ起きるんだ?」

小競り合いになったが。

駅員に通報されて。

乱暴者と粗暴者は厳重注意を受けた。

幽霊。
「次は事故を起こしてやる。」

公民。
「なんだあの暴走自転車は!」

運転士。
「どけどけ、ぐわっ!」

突進するようなコースで来ましたが。

歩道の縁石に乗り上げて転倒しました。

幽霊。
「次は諍いを次々と起こしてやる。」

公民。
「おお友よ、なんだ?なんで怒っているんだ?」

友達。
「なんか知らんけれど、お前に対して怒っている。」

公民。
「なんなんだ?」

友達。
「俺も知らないから、理由も分からん。」
「今日は互いに会わないことにしよう。」

連絡が来て。

男性の父親と母親が口論したそうで。

理由が分からないらしい。

なので、姉が馬鹿みたいだって言ったら。

本当に馬鹿みたいなので、辞めたらしい。

幽霊。
「今度こそお前を策略で嵌めてやるからな。」

公民。
「なんだこの光化学スモッグみたいな奴は?」

幽霊。
「何か起こしてやる!」

公民。
「いつもいつも、お前が憎い。」

幽霊。
「起こしてやる、何か起こしてやる。」
「いろいろ起こしてやるからな。」

公民。
「あなたの完璧も、ここまで、でしたね。」

学校に行く途中にある寺院に。

仏像があるので。

その男性は礼拝したら。

空気みたいな何かは影響を受けた。

幽霊。
「うわっ!俺に罰を与えないでください!」

公民。
「こちらの祠にも礼拝しよう、それから学校に入ろう。」

幽霊。
「俺が地獄行きだって?」

公民。
「なんだか光化学スモッグが動揺しているような。」

幽霊。
「仏教にそんな権利が?うわああああ!」

変な幽霊、敗北して消えました。

宗教観がデタラメなのはルールの抜け穴ではない。

ころころ基準とする宗教を変えても、無駄。

カルトに関わると、超自然的なものと契約してしまうと言われています。

しかし一方的な契約なので。

それが勝手に契約したと言いがかりをつけているだけ。

キリスト教で発覚しましたが。

インチキ占い師は、そういうものと契約しているので。

本人しか知らない情報を奪ってくる、なので当てることがある。

これは牧師の警告。

本物の契約宗教なら、証があるので、すぐに分かってしまいます。

学校にて。

定時。

遅刻した生徒が三人。

原付バイクの故障であると説明しましたが。

その故障した箇所を回答せよと。

答案用紙が出されました。

もうひとりは、二分前に来ましたが。

日本標準時と学校の時計がズレていると抗議しまして。

その通りなので、許されました。

三人目は、刹那で授業に間に合いませんでした。

午前中の授業。

梢。
「生まれてきた理由は、まあ後でつきますね。」
「生まれた場所は、偶然です。」
「何事も必然だと思うから、ややこしくなるのです。」

七星。
「私の両親も、私が生まれたのは偶然だから。」
「後で決まった絆の方が大事だと言っていました。」

梢。
「その通りです、前提を間違えていると。」
「いつまでも間違えます。」
「演繹法を確認してください。」
「前提、必然、論証、現状、結論、何々は絶対的、誤謬ですね。」

梅乃。
「論破しても、動かないんですけれど。」

梢。
「状況とやらが、負けたのが悔しくて、固定しているのでしょうね。」

麗羽。
「まあ、私も、あそこに生まれたという、それ以外の根拠がないと。」
「両親にリセットされた訳でして。」

梢。
「ようやく物が見えるようになったね!」

学友。
「僕はこう生まれたこと以外に、何の根拠もないんです。」

梢。
「根拠がないのに、何かしらある、不思議ではありませんか?」

学生。
「何か、僕に対して、みんな歪曲して来るように思えるんです。」

梢。
「現状が絶対だと思っているからだめなんですよ。」
「現状はすべて度合いです。」

青年。
「決まっているものを、決め返したら、抵抗されたような気がする。」
「我々は偶然に、意味や意図をつけたがる、悪い癖でもあるのかな。」

梢。
「偶然が何か分かると、いかに、この世に偶然が多いのか。」
「見分けがつきます。」

女の子。
「すべてが偶然ではないけれど。」
「すべてが必然でもないよね。」

梢。
「一度なら偶然ですから。」
「何度も続けばようやく必然です。」

優等生。
「すべてが必然とは限らん。」

七星。
「理屈をこじつけるために、教義を利用してはだめですか?」

梢。
「宗教っぽい理屈を言えば何でも宗教、なんてことはないんだよ。」

梅乃。
「私達が教義を利用しているのですか?」
「他人が教義を利用しているのですか?」

梢。
「政教分離はともかく、信仰のある人は。」
「やはり科学をあんまり読んでないんですね。」
「なので目が見えない。」

麗羽。
「卑怯な手で、可能性を防がれることもあるでしょうから。」
「科学で、現実を教えないと、だめですからね。」

梢。
「宗教から見たものと、科学から見たものと、いつも解釈が二つあるんですね。」
「偶然は、科学の分野ですから。」
「アリストテレス自然学が推奨されますよ。」
「今回の教本は、それです。」

コピーしたものが配られました。

特別に、許可を得て。

教科書になっている。

アリストテレス自然学。

哲学者の師匠なるアリストテレスが書いた自然科学の本だけに。

かなり猛威を振るいます。

雷雨になりまして。

嵐になりました。

貸し出し用のレインコートがすべて消えていますね。

もちろん、下校はタクシーになりますが。

雷がひどくて、そこら辺に落ちています。

雷雲は特定の場所に浮かんでいて。

ひとつとは限りませんが。

その真下辺りに落ちることがありますね。

平地にいて雷が鳴ったら、逃げましょう。

雷は一瞬で来ます。

ちなみに自動車の中は雷を食らっても安全です。

もちろん、帰宅中のタクシーが雷撃を受けましたが。

無傷です。

人の現状には寿命がある。

宣伝。

正しい人の道は、今日も工事中です。


18


注意書き。

これを読んで発狂しないでください。

言い方が悪い?

問題ありません。

言い方を直すのは簡単です。

もう二十回もやったからね。

夜間。

地下室にて。

じゃれついています。

麗羽ちゃんは二階です。

小百合ちゃんは、祖父とその友人と。

トレーディングカードゲームをやっています。

白熱しているらしい。

現在。

女の子同士。

二人きり。

梅乃。
「ねえ、上に乗って!」

七星。
「それでは失礼します。」

梅乃。
「次はうつ伏せになるので、上に乗って!」

七星。
「まずは椅子みたいに乗りますね。」

梅乃。
「あなたもうつ伏せになって、私に乗って。」

七星。
「それでは、上に乗りますね。」

梅乃。
「ああ、いいです、この感じ。」

七星。
「好き。」

梅乃。
「たまにはいいよね。」

七星。
「これいいですね。」
「あなたは何がやりたいの?」

梅乃。
「体を好きに触らせて。」

七星。
「いいですよ、触って。」

梅乃。
「胸大きいですね。」

七星。
「ちょっと気持ちいいかも。」

梅乃。
「足を触ってあげます。」

七星。
「いいですね、もうちょっと上かな。」

梅乃。
「あれ、これは下着ですね。」

七星。
「豪快に触る?」

梅乃。
「ちょっとだけ触りますね。」

七星。
「普段は触らないけれど、たまにはいいですね。」

梅乃。
「ねえ、私を脱がして。」

七星。
「いいですよ、水着に着替えさせてあげます。」

梅乃ちゃん脱がされて。

水着姿になりまして。

そのまま抱きしめられて。

卑猥なことをされています。

梅乃。
「水着で、そんな。」

七星。
「やっぱりこの人、いいですね。」

梅乃。
「私は満足しました。」

七星。
「私もこのくらいで辞めておきますね。」
「すっきりした。」

地下室から出ると。

メイドさん。

風邪気味の家政婦さんと一緒にいたので。

どうやら、風邪薬を渡していたようです。

家政婦。
「明日は有給休暇にします。」

祖父。
「休め、もっとも休み過ぎはいかんよ。」

七星。
「家政婦さんも風邪になるんですね。」

梅乃。
「なるでしょ、別の生き物だと思っているの?」

家政婦。
「アルバイトで呼び戻した二人と講義やっているのよ。」

七星。
「ちょっと参加しますか。」

結葵。
「西洋医学を使った。」
「新陳代謝の上げ方。」
「風邪、熱病に向いています。」
「必要なもの。」
「なるべく良質な栄養ドリンク。」
「カロリーメイト。」
「カロリーメイト、ドリンク版。」
「風邪、熱病になったら。」
「朝に栄養ドリンクを飲みます。」
「多くの場合、無水カフェインが入っているので。」
「昼までに飲まないと、害になります。」

女中。
「カロリーメイトは栄養がたくさんありますからね。」

侍女。
「特に鉄分が入っていますし。」
「健康に良いものが、箱にたくさん書かれています。」
「これ全部、入るんですね。」

七星。
「それはかなり安上がりになりそうですね。」

結葵。
「カロリーメイトを食事に取り入れましょう。」
「カロリーメイトのドリンク版が売られているので。」
「どちらか一方だけで行けます。」
「すると。」
「免疫力、新陳代謝が跳ね上がり。」
「特に爪の伸び具合が三倍早くなります。」
「もちろん、免疫力もかなり上がっています。」
「そのため、通常よりも早くに。」
「風邪や熱病が治ります。」
「これは普段からやっていると。」
「やはり免疫力、新陳代謝が早いので。」
「風邪や熱病の耐性がまるで違いますね。」
「怪我も早くに治るようになります。」

女中。
「続けないと、だめですよね。」

侍女。
「毎日、続けると、単価が高くなりそうですが。」

七星。
「誰からも、健康になれる方法であると。」
「理解できますね。」

結葵。
「急性疾患には効果がないのと。」
「免疫暴走で自傷行為になっている病になると。」
「逆効果になりやすいので。」
「それは無効になります。」
「以上のことは、使ったことがあるので。」
「そして効果があったので語っていますが。」
「必ずしも同じ効果が得られるとは限りませんし。」
「さっさと入院するか、診察した方が早い場合が多々あるので。」
「西洋医学で可能な、軽症の治し方くらいですね。」
「東洋医学では葛根湯を飲めば済みます。」
「コスト無視なら、葛根湯で足りますので。」
「東洋医学がよく分からないとか。」
「医者に診てもらうほどではないとか。」
「そういう場合には、有効ですよ。」

侍女。
「昔は貧者が多かったので、医者にかかれなくて死んでいた。」
「医術の発展によって何々とは違いますね。」
「東洋医学は古代日本にも伝わっていたので。」
「医療費の不足で、死者が出ていた。」

女中。
「東洋医学で説明できるものばかりですが。」
「使い分けと、合併が推奨されているようですね。」

七星。
「西洋医学でも、東洋医学を真似できるんですね。」
「薬も手に入りやすいので。」
「実行が簡単ですね。」

梅乃。
「濡れちゃった。」

七星。
「一緒にお風呂に入りましょう。」
「濡れる前にやって、後にお風呂に入って処理です。」

一緒にお風呂に入りまして。

入った後。

床を確認して。

全裸の梅乃ちゃんを押し倒しました。

梅乃。
「今度は裸でするの?」

七星。
「ちょっと抱きしめさせて。」

梅乃。
「だめ、もうだめ。」

七星。
「好きです、裸もいいですね。」

梅乃。
「やっぱりあなたがいちばんです。」

お風呂で洗浄しました。

お風呂から上がると。

麗羽ちゃんが。

書斎にて。

精神分析入門を読んでいて。

ちょっと議論してみました。

七星。
「フロイトの精神分析入門。」
「自我は意志によるものとして。」
「まず超自我。」
「これは教育、生育の時に。」
「教わった規範、道徳が関わっていて。」
「自我を抑圧したり。」
「批判して、判断を惑わせますが。」
「これは強過ぎると、超自我が。」
「我儘な支配者でしかなくなり。」
「邪魔者になります。」
「何かに従わないと、超自我はすぐさま処罰に走り。」
「時にその人の判断を乗っ取ります。」
「過剰な道徳教育、厳格なしつけが原因で。」
「超自我が暴走して、出しゃばります。」
「この場合、超自我は、批判という枠組みを逸脱して。」
「行動を強要したり、命令したり。」
「違反を厳しく叱責するようになり。」
「自我と対立します。」
「こうなると超自我は不用品で。」
「自分の独断の方が優れている結果になります。」

小百合。
「超自我の目的は、本人の独断を防ぐこと。」
「しかし元から個人の判断には限界があるので。」
「人が不完全である以上、下手に間違いを恐れず。」
「独断でもいいと思います。」
「かえって独断を防がれたせいで。」
「超自我が間違っている場合に、損失を受けます。」

梅乃。
「本人の独断を防ぐだなんて。」
「お節介もいい所ですね。」
「パターナリズムでもやるつもりですか。」

小百合。
「昔から言われたことをベタベタ張り付けて。」
「愚かな人間のデタラメがすべて超自我に入っていますので。」
「別名スーパーエゴが正しいことはまったくありません。」
「スーパーエゴがよくやる批判の内容もデタラメですからね。」

麗羽。
「エスは、正常な欲望が阻害されると。」
「暴走を始めますね。」
「何かをしたい、何かが欲しい。」
「絶えず求めて。」
「たいした理由もないのに。」
「獲得を強要されます。」
「エスが暴走すると。」
「本人の意志に関係なく。」
「欲望の対象を得ようとするので。」
「もはや何のために買っているのか。」
「得ているのか分からなくなります。」
「貧困層が稀に暴走させます。」
「エスの暴走は、適切に欲望を処理していると。」
「まったく起きません。」

小百合。
「適度にエスを野放しにしていると。」
「勝手に発散されるので、暴走は起きないですね。」
「最悪なのは、エスに操られることです。」

七星。
「自我、超自我、エスという構成ですが。」
「もはや自我だけでいいんじゃないかと思えてくる。」
「超自我よりも、自分の判断の方が上です。」
「私の判断はスーパーエゴを超えています。」

梅乃。
「超自我が暴走するきっかけを作った馬鹿共がいて。」
「そいつらのせいで暴走することもあり。」
「周囲からはそう見えなくても。」
「本人にとって正常な欲望が妨害され続けると。」
「エスが暴走して。」
「手に負えなくなりますね。」

麗羽。
「超自我は、稀に二重人格みたいに。」
「教えられた規範、道徳、規則に基づいて。」
「人工知能みたいに作られることもあり。」
「無意味な反対、批判。」
「違反に対する苦しめ、叱責がひどくなり。」
「内側から洗脳まで至ることもあるでしょう。」
「軽い自己啓発、ロングセラーにも考察がありますが。」
「自分の中に人がいる、のではなくて。」
「正体は超自我であり。」
「その批判に従う必要はないのです。」
「従ってしまうと、判断ミスになります。」
「教えられた規範、道徳、規則が間違っていることがあり。」
「間違った内容に基づいて形成されたので。」
「従うほど、悪くなるのです。」

小百合。
「スーパーエゴの悪い所は、結果が分かっていて。」
「悪い方向に誘導することがある、ということですね。」
「エスは、自分の意志を無視して、欲しがることがあるという。」
「悪い所がありますね。」

七星。
「エスは、無自覚でも、自覚していても。」
「正常な欲望を極端に阻止されると。」
「暴走することになりますね。」
「暴走すると、どうやら。」
「お金がいくらあっても足りないことになり。」
「しかもエスは財政や収入にも影響を受けるので。」
「貧困層で暴発している人はいます。」
「欲望とする対象が何なのか。」
「分かっていれば。」
「それだけにお金を振り分けると。」
「軽減されて行きますね。」

梅乃。
「超自我は、間違った内容に基づいて。」
「形成されていることがよくありますので。」
「二つの暴走だけで。」
「だいぶ辛いでしょうね。」

七星。
「後から論破しても、超自我の暴発は止まりません。」

麗羽。
「間違いや嘘を暴いて。」
「放置すると、軽減されますので。」
「超自我の場合は。」
「それで軽くなりますが。」
「エスの方は、欲望の対象を入手し続けないと。」
「軽減されないので。」
「どうして自我、超自我、エスのバランスが崩れたのか。」
「調べてみる必要がありますね。」

七星。
「少なくともフロイトの理論ではそうですし。」
「経験でもありますね。」

麗羽。
「実践すると、こんなものでしょう。」

梅乃。
「けっこう当たっていますね、フロイトの理論。」
「経験と一致することがよくあります。」

小百合。
「体験談としては以上ですね。」

小さなテレビ。

報道。

緊急発進(スクランブル)

二千回突破。

令和5年度(2023年度)

航空自衛隊による緊急発進(スクランブル)回数は669回で。

そのうち中国機が479回、ロシア機が174回でした。

令和6年度(2024年度)は前年度比35回増の704回。

中国機無人機への対応も過去最多を記録し。

中国・ロシア機による活発な活動が続いています。?

ライバル達も、競争で乗り遅れまいと必死です。

戦争はとりあいず置いておいて。

まず競争で勝たないと、戦争には進めない訳で。

あらかじめ独占禁止法みたいになっていないと。

だめらしい。

小百合。
「非常事態。」
「弾道ミサイルの着弾、短距離弾道弾の連続被弾。」
「大規模地震。」
「宇宙災害による緊急事態。」
「生き埋め、負傷、被災。」
「まずこれって。」
「平静を取り戻さないと。」
「死亡する確率が跳ね上がりますね。」
「本能的な行動を取って、かえって危険に陥る。」
「死にたくない、という思考が。」
「死に向かって動いてしまう。」

七星。
「まず確保すべきは。」
「自分の負傷を確認すること。」
「かすり傷なら包帯で足ります。」
「何か刺さったら、これは救助が必要です。」
「足を挫いたりしたら、もう行動ができないので。」
「足がやられるのが最も辛いでしょう。」
「負傷の種類をまず確認ですね。」

麗羽。
「なるべく体力を使わないこと。」
「通信機器のバッテリーを長持ちさせるために。」
「電源を切るか、省エネモードにする。」
「次に状況を把握する。」
「情報が入れば、それに基づいて行動する。」
「自分の衛生状態、満腹度、水分を確認する。」
「事前に疲労していれば、下手に動かない。」
「二次災害や、瓦礫による負傷。」
「混乱による心理状態に配慮する。」

梅乃。
「最も良いのは。」
「鎮静剤などを服用することでしょうね。」
「市販の鎮静剤は、軽いものから重いものまで。」
「いろいろありますが。」
「心理状態を緩和します。」
「ただし行動能力は低下しますので。」
「政府の避難所に行ってから。」
「もしくは安全を確保してから服用すればいいよね。」

小百合。
「使用できる便所を探しておくと。」
「後々、有利になりますね。」
「食べ物や飲み水は、被災後、すぐに店頭から消えます。」
「公園の水道が無傷で、清潔な水ならば。」
「ペットボトルに入れて数日くらい飲めます。」
「食事は、しばらく抜きです。」
「なので体力を消耗しないこと。」
「自衛隊の支援が来るのは、かなり早いからですね。」

梅乃。
「私は携帯食料と飲料水を持ち歩いています。」

麗羽。
「旅行の時は、食事なしでも行動できるように。」
「鞄にカロリーメイトと飲料水を入れますね。」
「GPS発信機も携帯します。」

七星。
「なにより、トレーニングで緊急事態。」
「非常事態に慣れておくことですね。」
「大地震くらいなら、訓練で軽減できますよ。」

小百合。
「大地震なら、未来予測を立ててみるのもいいですね。」
「大地震では、決まったパターンの逃れ方はありません。」
「助かったらラッキーくらいに考えるのも有効です。」

七星。
「大地震ではそういう対策が可能ですが。」
「弾道ミサイルを食らうと。」
「周辺にいない限りは無傷で済みますし。」
「短距離弾道弾ならば、ターゲット以外にはあんまり食らいません。」
「宇宙災害ですと。」
「巨大隕石になりますが。」
「大きさに寄って破壊力が大きく違うので。」
「何とも言えません。」

麗羽。
「巨大隕石が落下すると。」
「まず衝突地点はどこなのか。」
「この情報が必要ですね。」
「人工衛星とか破壊される可能性があり。」
「通信網が壊れて、情報が伝わらない場合があり。」
「何が起こっているのか分かりません。」

小百合。
「情報の伝達が破損することによって。」
「防御が疎かになり、生存率が低下します。」
「インターネットも使えなくなると思います。」
「先に動いて、物資を確保してシェルターなどに籠った人が。」
「生存率が最も高いグループになりますが。」
「可能なら、集団を作って籠った方がいいですね。」
「その後の連携、事故対策、精神において仲間がいると、有利になります。」

梅乃。
「隕石があんまり大きくなかったり、衝突地点が地球の裏側だったりすると。」
「影響がないです。」

七星。
「衝突地点の近くにいると、熱風で即死しますし。」
「破片や瓦礫に打ちのめされます。」
「海に着水すると、百メートル級の津波になりますが。」
「海抜、百メートル以上にいるだけで無効ですよ。」
「彗星が突っ込むシミュレーションについては知りません。」

小百合。
「小惑星が突っ込んでくると言っても。」
「大きさや着弾地点で威力がまったく違うものになるので。」
「慌てる前に。」
「情報を集めてからでも。」
「行動しても遅くないです。」
「影響が出るまで二十四時間は猶予があります。」

梅乃。
「天文台の早期観測網をすり抜ける小惑星も出るかと思いますが。」
「どちらにせよ、直撃コースの計算が出たら。」
「覚悟しましょう。」

麗羽。
「いくら調べても、地球に突っ込んでくる大型の小惑星は。」
「どうもいないようです。」

七星。
「人間が滅びても、次の文明が再び芽生えますので。」
「人間の居場所はなくなりませんね。」

麗羽。
「英雄の種族は、船に乗って生き残った夫婦が。」
「後ろに石を投げたら。」
「石が次々と人間になって。」
「人間の数が確保されました。」
「地球の環境が回復すれば。」
「人間は復活しますので。」
「別に何ともないですね。」

七星。
「ああ、巻き込まれて死んだ、なんて思ったら。」
「一万年後、なんか生まれ変わったけれど。」
「前と景色、あんまり変わらないな。」
「なんてこともあるかと。」

小百合。
「無神論者やダーウィニズムにとっては。」
「人間の滅亡は、二度と地球に生命が誕生しないという。」
「酷い説に至りますけれどね。」

七星。
「とまあ、当事者が、百歳の誕生日を迎え。」
「病気で入院して死を待つだけ。」
「という時代になって。」
「いきなりテレビで。」
「どうも今の文明は存続が無理そう。」
「なんて言われるかもしれませんし。」
「もしくは、百歳の誕生日に。」
「昔、いろいろ存続が危ぶまれたけれど。」
「今、何ともないじゃないか、嘘つき、なんて言っちゃうかもしれません。」

梅乃。
「そもそも次の時代は現れるまで未知のものなので。」
「新しいもので、すべてが覆る日も来るでしょう。」

麗羽。
「新しいものは、現れるまで未知のものですからね。」

七星。
「新しいものが出た時に初めて驚き。」
「新しい時代になった時に、初めて納得するのでしょう。」

麗羽。
「シミュレーションはあるでしょうけれど。」
「量子力学の多世界解釈とか。」
「多元宇宙(マルチバース)論集中講義とか。」
「最低限、読んでいないとだめですね。」

小百合。
「宇宙論、天文学、などの論文、解説、図解など。」
「最低限、読んでいないとだめです。」

七星。
「個人的には。」
「ベストセラー。」
「エレガントな宇宙:超ひも理論がすべてを解明する。」
「これは論文の中でも好きです。」
「新品で売っていないけれど。」

梅乃。
「ポピュラー・サイエンスの第一人者。」
「ブライアン・グリーンですね。」
「面白い論文が多いので。」
「お勧めです。」

翌日は休日です。

それぞれの楽しみ方がある。

お泊り会でした。

翌日。

十時に来店。

大手古本屋。

価値の低い本は店頭に。

価値の高い本はオンラインストアに入れているようで。

新刊で買った方が美品になるので。

微妙だなあ。

漫画は格安で買い取られます。

資料や哲学書は高価買取になります。

日本の古本屋では買取価格がひどく違うので。

近くに高価買取店がないと。

売値が安くなります。

本を売りに来た人が、百円で買い取られて。

辞めると言って立ち去りましたが。

そんなに高く買ってくれる所は。

郵送が必要になったり、宅配買取が必要になるので。

手間の高価買取か、速攻の安値買取なのか。

その場で現金というのは。

現場での買取くらいらしい。

ただし、通信販売で、これ失敗したな。

という本はまとめて売ると。

それなりに返金みたいな買取になるのでお得です。

しばらく。

古本屋にて。

本を漁っていると。

店員と上司が口論していまして。

レジの所でやっているので。

無視していましたが。

叱られている側は女性で。

上司は男性で。

どうやら男性側の主張に正当性がありそうで。

女性側は言い訳を連発しています。

勝敗が最初から決まっているのに。

なぜ言い訳で解決できると思うのだろう。

同じことを繰り返しているので。

古本を購入して素早く立ち去りました。

ここで、勉強のため。

メンバーは解散。

七星ちゃんは自宅に帰って。

プラモデルを作っていまして。

完成しまして。

もうすることは勉強しかないので。

勉強をやっていると。

父親と母親が忙しく走り回っていました。

最近、何があるのでしょうか。

祖母の話によると。

毎年の地代、借地料を使って適当に購入した。

格安の土地で。

何やら、ショッピングモールの駐車場に入っているとか。

マンションを建てたい人がいるとか。

金持ちが豪邸を建てたいとか。

交渉しているらしい。

つまり、土地をよく見て購入したら。

後で高く売れるという訳で。

財産が増えるようです。

深夜になりまして。

暴動を見物しに行きました。

いわゆるデモですね。

デモは、接近すると危ないので。

横切ってはいけません。

そもそもデモ隊と機動隊が接触する所は。

戦闘の真っ最中ですので。

どんな理由にしろ。

近寄るだけで巻き込まれますし。

誤認逮捕もあります。

身内が持っているホテルから見れるということで。

空室から高みの見物。

なんか力で解決しようとしている所は。

他と大差ないんじゃないかと思いました。

帰路。

とある裁判官。

宿舎から出て。

居酒屋にいて。

おでんを食べていました。

お酒は飲んでいない。

すると。

変な人が絡んで来まして。

喧嘩になった。

愚人。
「おお?お前?お偉いさんか?」

判事。
「なんだ、弁えろ、小僧。」

愚人。
「なんだとじじい!」

判事。
「口の利き方に気をつけろヒヨッコ。」

愚人。
「やんのか!」

判事。
「お前は暴行罪で、懲役二年とする。」

愚人。
「ぶっ殺すぞこの野郎!」

判事。
「お前に判決を言い渡す。」

愚人。
「何が判決だ、取り締まりのない所には違反もないんだよ!」

判事。
「ぐわっ!何をする!」

判事が攻撃されると。

近くの席にいた。

ヤンキーが反応。

立ち上がって、絡んでいた男性を突き飛ばして。

数人で囲んだ。

不良。
「おいおい、この裁判官はな、俺達の事件を担当しているんだぞ。」

非行少年。
「何かあったら、有利な所がまずくなるだろ!」

判事。
「ああ君達か、保釈中の身だったね。」

愚人。
「何をするんだ、数人で囲むなんて卑怯だぞ。」

不良。
「おい判事さん、ここは任せて、そこで飲み食いしてもらおうか。」

判事。
「保釈中だから、暴れるなよ。」

非行少年。
「この酔っ払いを摘み出せ!」

愚人。
「うわあ!数には勝てん!」

変な人、追い出されまして。

店主がお代を請求しています。

数人のヤンキーがいるので。

酔っぱらいはその後、店に戻れませんでした。

なぜか、野次馬になってしまった。

判事の友人が来まして。

何事かと。

法官。
「何があったんだ。」
「今夜は映画を借りに来たんだが。」
「君は居酒屋で食事かね。」

判事。
「ああ、何事もなかったよ。」

法官。
「それならいいが、乗っていくか?」

判事。
「別にいいよ、護衛がいるし。」

法官。
「ん?お嬢さん?どこかで見たね?」

七星。
「小百合という女の人の友達です。」

法官。
「なるほど、法律についてどう思う?」

七星。
「法律について知るには、専門家に尋ねるか。」
「数年間、学ばないと無理。」
「簡単に言えば、法律についてすべて把握しているのは。」
「裁判官、検察、弁護士、警官、法学者くらいで。」
「それぞれ役割や立場、解釈が異なるので。」
「やはり素人がインターネットを見た程度では。」
「何も及ばない所ではありますね。」

法官。
「しっかりとした意見だね。」
「娘をよろしく、それでは。」

高級車が走っていった。

小百合ちゃんの父親?

それとも同僚?

名前を覚えられて、顔も覚えられているので。

何かあったら、味方になってくれそうですね。

帰宅して。

岩波国語辞典を開くと。

自分が架空の概念を参照していることがあると。

よく分かります。

言葉が百年単位で変わっているからと言って。

今、単語の定義を変えていい理由にはなりません。

そういうのは、長い年月をかけて、少しずつ変化します。

単語。

信じる。

1.それを本当だと思い込む。

正しいとして疑わない。

2.信仰する。

言葉の定義を間違える、または他人が話す通りに解釈すると。

架空のものに浸かっていることがよくありますね。

世間の馬鹿は今日も非難される。

ええと、馬鹿の発見能力は高いね?

発見。

ビリよりもさらにビリがいる。

参加人数が増えるごとに、前のビリが上になる。

寝る前に乗った。

体重計。

音声ガイダンス。

ひとりずつ乗ってください。

体重計は排除されました。


19


予言をした人がいるとして。

当たると称賛されますが。

外れると、みんな安心します。

なぜ外れた場合の責任を負わないのでしょうか。

当たった場合と、外れた場合と、二つの責任が。

予言した人にはあるはずですので。

外れた場合にも責任を負わせるべきでは?

矛盾ですね。

帰宅後。

都市で話題の。

闇の組織。

矯正作戦分隊。

化け物管理機関。

アジア童貞調査結社。

旧典新教。

同盟を組んでいて。

共同作戦?

また四馬鹿が何かしています。

都内で。

通行人に喧嘩を売っている。

分隊。
「お前は悪だ。」

会社員。
「悪?いきなり何ですか?」

調査員。
「お前は悪だから、苦しめなくてはならない。」

会社員。
「悪って何だよ!」

教徒。
「お前も悪だから、倒さなければならない!」

市民。
「お前の言う悪って何?」

社員。
「見つけたぞ悪、お前という悪がいなくなれば。」
「もっと良くなるんだ。」

都民。
「へぇそうなんだ、所で悪って何?」

分隊。
「悪を裁いて、無くすんだ!」

喧嘩を売っている所を。

パトロールカーが現れて。

四馬鹿は逃げ出しました。

最近は、誰かを悪にして。

その悪を倒せば解決する。

なんてことを考えて実行しているらしい。

極端な左派かな?

訳が分からないことを言う集団ですね。

「悪扱いとは?」

人工知能の回答。

その内容が具体的な事実を伴うものか。

あるいは抽象的な誹謗中傷にすぎないのか。

他人を悪扱いすると、侮辱罪、名誉毀損罪で訴えられる可能性があります。

人工知能は、検索を濾過する?

報道で見て。

疑問だらけ。

七星。
「悪なら殺していいの?」

麗羽。
「というより、悪だと思ったら、殺していい、なんて思っているのでは?」

梅乃。
「それでは悪の定義って何ですか?」

七星。
「まず悪の定義が必要ですね。」

麗羽。
「悪人とか悪党とか、今は比喩ですからね。」

七星。
「悪の定義を設定せずに。」
「自分勝手に他人を悪と呼んで攻撃するのなら。」
「無意味に暴力を振るって楽しんでいるだけですね。」

梅乃。
「悪なら何でもしていいという、犯罪の正当化ですかね。」

麗羽。
「他人を悪と呼ぶのは、加害者がやる単なる正当化ですね。」

七星。
「議論で悪を定義せずに、暴力で議論の決着をつけようとするのかな。」

梅乃。
「悪について何も知らないことは、明らかですよね。」

七星。
「まず、重要なことですが、悪とされる人には行動があるんですか。」

麗羽。
「行動の評価を悪と呼ぶのなら、行動もなしに悪にはなりませんね。」

七星。
「次に、その人の価値観で、その人を悪と呼んでいませんか?」

梅乃。
「そうなると、その人を悪と罵っているのは、その人だけですね。」

七星。
「さらには、自分が一方的に善人で、相手が一方的に悪人であると。」
「自分で思っているのではないかな。」

麗羽。
「つまりは、悪呼ばわりする一人か二人を除くと。」
「周囲の人々の、誰もその人を悪呼ばわりしていないってことですね。」

七星。
「犯罪の場合は、行動が非難され、評価も悪くなりますが。」
「犯罪でもないのに、悪扱いするのって矛盾していませんかね。」

麗羽。
「ひょっとしたら、自分の暴力の正当化に、悪という単語を利用しているのでは?」

梅乃。
「誰かを一方的に傷めつけたくて、破壊衝動の正当化に。」
「悪という名前をつけているのでは。」

七星。
「そもそも悪の基準って何なの?」

麗羽。
「悪であると罵れば、攻撃を何でも正当化できるという。」
「そこまで計算に入れているから。」
「利己主義者が使う常套手段ですよね。」

梅乃。
「やはり危険ですよね、悪なら殺していい、いかに犯罪であっても。」
「悪なら殺していい。」
「それって、悪呼ばわりする人が悪ってことですよね。」
「法律に関係なしに悪を殺すと、裁かれるのは殺した側ですから。」

七星。
「一貫しているのは、負けたことがない人の言い分でしょうかね。」

麗羽。
「悪と呼んでいる何かに負けたことがないので、傲慢なんですよ。」

梅乃。
「敗北を経験したことのない人の言い分であることは間違いないですね。」

七星。
「自分達を有利にするために、他人を悪扱いするのは邪悪だなあ。」

麗羽。
「自分が有利になろうと、悪扱いは手段として使われます。」

梅乃。
「なるほど、悪扱いは手段であって、目的が他人の排除なんですね。」

七星。
「悪扱いとは手段です。」

麗羽。
「狡猾ですなあ、手段として善悪二元論を利用するとは。」

梅乃。
「卑怯者という言葉がよく似合いますよね。」

結論。

「悪扱い」とは、何かの手段です。

目的が別にあります。

これ以上の結論は出ませんでした。

悪とは何かについては。

いろんな考えがあります。

都市を歩いて、人を観察していると。

ペシミズム、厭世思想に何の矛盾がないことが分かってしまい。

生きているというより、生きさせられている人々であると。

主観的には見えてしまいました。

生きることが強制になっているように見えます。

私はある程度まで行ったら、後は寿命を待つだけです。

時間制限による終了は、早く終わらせるための汚い手ですが。

とても有効です。

もちろん、いろんな苦労や苦難も、その人と一緒に死にますので。

苦労、苦難も寿命があり、死にます。

今日は夕方。

みんなが帰りました。

七星。
「暗い人の生涯。」
「なんのために歩む。」
「何かを求め。」
「この暗い中を。」
「その先にあるものは、何もなくて。」
「終点もなく、ただ長い平原が。」
「端から、端まで。」
「残るのは、足跡。」

小百合。
「こんばんわ。」

七星。
「何ですか、美少女さん。」

小百合。
「一緒にラーメン食べに行かない?」

七星。
「そうですね、夕食については言っておきます。」

小百合。
「ちょっと大所帯だけれど、女の子だらけのラーメン屋って斬新かも。」

七星。
「下にいる人達ってみんな友達?」

小百合。
「半分は子分、半分は友人です。」
「麗羽ちゃんは、もうすぐラーメン屋に着きます。」

七星。
「噂のラーメンですか、どんなものですか?」

小百合。
「隠れた名店です。」

七星。
「それはいいものを見つけましたね。」

ラーメン屋に移動します。

日の入り。

ラーメン屋は、他の女の子が並んでいて。

入れ替わって、来店できました。

料理人は玄人ですね。

七星。
「ではお勘定は私が払いますね。」

麗羽。
「私が半分負担しましょう。」
「追加が欲しい人は、今のうちに。」

小百合。
「せっかく名乗り出たので、サイドメニューを頼みますか。」

女の子。
「これ頼んでいいの?」

女学生。
「早く頼みなさいよ。」
「まだ全員、食べ終わってないから。」
「なるべく高いものを。」

梅乃。
「私も対象に入っているようで。」
「どれにしようかな。」

七星。
「最近、財布にお金があり過ぎて。」

麗羽。
「補充されるから、使わないとね。」

七星。
「余剰財産ですからね。」

小百合。
「有意義な使い方ですね!」

女性、十人もいる大所帯でした。

帰宅中。

交通事故があり。

壁に自動車が突っ込んで停止しています。

救助に来た人が大勢いて。

ひとりは医学生のようです。

運転手。
「ぐふっ!俺は手遅れなのか?」

医学生。
「はい、そうですね、重症かもしれません。」
「手遅れかもしれません。」

運転手。
「いつだったら、手遅れじゃないのか?」

医学生。
「事故になる前なら、手遅れではないです。」

救助されているので。

加わりませんでした。

救急車、到着。

救急救命士。
「ん?打撲だね?」

医者。
「車は滅茶苦茶だけれど、君、打撲だね。」

運転手。
「どうりで、たいして痛くない訳だ!」

帰り道にある。

河原にて。

花火セットを持っている男性がいて。

友達に向かって、花火のセットを引火させて。

体当たりしていました。

自爆で遊ばないでください。

市民。
「うわっ!花火がこっちに飛んで来た!」

阿呆。
「お前も馬鹿の仲間にならないのが気の毒だと思って。」

市民。
「馬鹿になる予定はない!」

道化。
「せっかく馬鹿の仲間になれるのに、喜ばないのか。」

市民。
「馬鹿になるのは、思っているより難しいぞ!」

看護師。
「あの花火を見て、落ち着きましょう。」
「今までの心配が馬鹿みたいじゃないですか。」

医者。
「しかし明日が初めての手術でして。」

看護師。
「きっとうまく行きますよ!」

花屋。
「間違って、葬儀用の花に、新天地おめでとう。」
「なんて書いたものを送ってしまった。」

店員。
「え?相手の方、気に入っていましたよ?」

青年。
「姉ちゃん、帰ったら英語の宿題、手伝って。」

姉貴。
「どんなものをやっているの?」

青年。
「ええと、英語で、私は少女ですか?」

姉貴。
「少女ではありませんね。」

青年。
「しかし、英語の宿題なので、きちんと発音できないと。」

姉貴。
「まあ日本は、英語の教科書がひどいものですからね。」

ファストフード店。

割引あり。

お手伝いしてくださる方は半額。

そうでない方は定価。

自販機にデジタルアンケートが置いてありました。

我が社の自販機に満足頂けたら、いいね!

我が社の自販機に不満でしたら、ライバル社に良くないね!

入力してください。

自販機に来た二人組。

通り過ぎる。

暴漢。
「うんざりだ!決闘しろ!」

悪漢。
「何の武器でやるか?」

暴漢。
「手榴弾でどうだ。」

悪漢。
「分かった、引き分けだ。」

夜には。

悪ふざけをする人もいますね。

帰宅しまして。

やはり、競争は簡単なんですね。

ライバルが突き当たる。

数々の困難から。

自分の方が早く逃げて抜けるだけですから。

競争は簡単ですね。

結葵ちゃんが仕事中。

寝具の整理整頓、運び出し。

結葵。
「所定の位置に設置したら。」
「次はお風呂の準備ですよ。」

女中。
「工場勤務なんかより楽しくて。」
「体力次第で、何でもやれそうです。」

結葵。
「あなた工場勤務なんてしていたの?」

女中。
「馬鹿だったからですね。」

結葵。
「あんなもの、向いている人なんて少ないものですよ。」

侍女。
「工場が仕事だと思っていましたが。」
「ここにアルバイトに来たら、まったく違いました。」

結葵。
「工場勤務の話だけはしないでください。」
「あれはだいぶ残酷です。」

家政婦。
「私は納税のために働いている気がします。」

結葵。
「自分の言うことは信じていませんが。」
「私の言うことに信じる人がいると驚きます。」

家政婦。
「真実を、すべての真実を、そして真実のみ。」
「なんて法廷っぽく発言したら、どうですか。」

結葵。
「三つ、別々の回答を言うだけですね。」

七星。
「ねえねえ、馬鹿って何ですか?」

父親。
「小学生の頃、先生がお手本を見せたじゃないか。」

七星。
「罰金を払っている人がいましたよ。」
「罰金って何ですか。」

父親。
「下手なことをすると支払うことになり。」
「上手なことをすると支払うことになるお金です。」

母親。
「恋は夢のようですね、結婚すると目覚めます。」

父親。
「お目覚めはよろしいかね?」

母親。
「おはようございます。」

七星。
「寝てたほうが良かった?夢を見ていた方が良かった?」

母親。
「うなされる方が良かったですね。」

父親。
「大丈夫です、ここはホテルです。」
「二度と出られませんが。」

母親。
「睡眠薬には期待していたのよ。」

父親。
「睡眠薬なしで、宿泊して頂いた方がよろしかったのです。」

七星。
「結婚って何ですか?私もやらなくてはいけないの?」

母親。
「あなたは行かなくていいわよ、もう手本は見せたわ。」

父親。
「そうだぞ、父さんと母さんみたいになりたいのなら。」
「話は別だが。」

七星。
「女の子と結婚すればいいかな。」

母親。
「しなさいよ!養子はこのくらい欲しいわ!」

父親。
「おお、性別二元論よ。」
「結婚してもしなくても、たいして変わりませんよ。」

女中。
「この本は力学ですね、ニュートンですか。」

侍女。
「ニュートンは確か、万有引力を発明した人ですよね。」

結葵。
「あれは発明品ですか、そうですか。」

女中。
「リンゴが頭に落ちて来て、それで思いついたらしいのです。」

侍女。
「とても痛かったでしょう。」

女中。
「まず、痛い、と頭を抱えた後、これだ、とひらめいた。」
「なので、万有引力の序文には。」
「今日も、痛い、そして引力とは何々と書いてあります。」

家政婦。
「なんですか、その史実改ざんは!」

女中。
「人工知能が運用されているんですね。」

侍女。
「きっと失敗を人間と同じく人のせいにするでしょう。」

女中。
「凄いですね、人間そっくりです。」

結葵。
「私は死後じゃなくて、生きているうちに。」
「公正な評価をされたいなあ。」

家政婦。
「今でも高評価ですよ。」

結葵。
「私の名前が書いてあるじゃないですか。」

家政婦。
「実物にも、別の評価があるという訳ですか、なるほど。」

祖父と祖母に。

自宅は終の住処(ついのすみか)ですか?

と尋ねると。

まだ死んでいないので分からない。

とのことでした。

ちょっとした報道。

夜のコンビニエンスストアの監視カメラにわざと映った芸人が。

監視カメラの範囲で、踊ったり、ふざけたりしました。

お馬鹿映像として、テレビ局に送られたらしい。

芸人、これにてブレイク。

監視カメラに怪しい人は映りますが。

怪しくない人は映りませんからね。

ログ、敵対者は見えざる手に葬られた「ぐえ!」

私にとって敵対者は必要なんです。

彼らは、喜びと笑いと陽気な踊りの雰囲気をもたらしてくれます。

ただ、そこにいないだけで。