ある朝。
14歳の天使クロエちゃんは天から降りてきました。
人の姿を見たかったからです。
最初に街の中心に降りました。
人はみんな善良でした。
人は一生懸命に生きていました。
クロエはそんな人が好きになります。
人は幸運な瞬間に出会いました。
人は喜んでいます。
クロエはそんな人の姿にときめきます。
ある人は悲しんでいましたが。
そのうち慰められました。
こっそり教会を視察です。
みんな神を忘れてはいません。
クロエは安堵しました。
人が善をしていました。
クロエは大喜びしていました。
お昼頃。
地上のお金を使って。
ランチをしていると。
何やら歌って賑やかになります。
「ひょっとして、人は美しいのかな?」
とクロエは思いました。
街を散策していると。
どの人も真剣な顔です。
自分の果たすべきことをやっています。
夕方。
カップルが多くなりました。
人が人を好きになる光景を見ています。
そろそろ帰りましょうか。
路地裏で悪者が待ち伏せしていました。
5人ほどでしたが。
わけもなくやっつけてしまいました。
クロエは。
「わるい人もいるんだなぁ。」
「でも。」
「神は悪者が死ぬのをお喜びになられない。」
「彼らが悔い改めてくれますように。」
夜になりました。
人が窓から祈りを捧げています。
この様子を見て。
クロエは人が大好きになり。
よく見てから。
天に帰っていきました。
人は美しい存在でした。
でも。
自分で自分を穢している面もありました。
神の分け御霊である人が。
このあとどうするか。
クロエはわくわくが止まりません。
クロエは今日も。
人という存在に恋をしています。
END