序章。


いかなる超大国といえども。

長期にわたって安泰でありつづけることはできない。

国外に敵を持たなくなっても。

国内に敵を持つようになる。

外からの敵は寄せつけない頑健そのものの肉体でも。

身体の内部の疾患に。

肉体の成長についていけなかったがゆえの内臓疾患に。

苦しまされることがあるのと似ている。

(ハンニバルの予言)


風刺詩を書かずにいるのは難しい。「ユウェナリス風刺詩」第一番30。



1


浜松八幡宮。

今川家の信仰を集めた八幡神を祀る。

浜松を代表する神社と言ってもよく。

浜松・諏訪神社・五社神社と並んで有名ですね。

中学生の女の子「葵」ちゃん。

敬神から参拝しようと思って。

自転車で久しぶりに来ましたよ。

葵(あおい)ちゃん。
「日本は神話の時代から続いている。」
「不思議だよね。」
「神道も神話の時代から続いている。」

紬(つむぎ)ちゃん。
「不思議な国なのよ。」
「神話の国。」
「それは日本。」

雫(しずく)ちゃん。
「そうなると人々の世界の解釈の方が。」
「理に合わないと出ますね。」

葵ちゃん。
「日本の民主主義は仁徳天皇の聖帝の世から来ている筈。」
「自由というのが欲しかったみたいで。」
「民はとうとう手に入れた。」
「自由を行使して堕落することも。」
「更なる次元に成長することもできるから。」

紬ちゃん。
「自由意思を使って人は堕落することができるから。」
「行き過ぎた自由はかえって危険かと。」

雫ちゃん。
「彼らの考えの根拠はありません。」
「偶然決まった世界の見解がまかり通っているだけでしょ。」

葵ちゃん。
「元をたどると。」
「一体あのひとたちは。」
「何を根拠に言っているのかな。」
「知能で劣っているようにしか見えない。」

雫ちゃん。
「わたしは大人の言う事なんて信用しないです。」

紬ちゃん。
「わたしも。」
「みんな自分は真実だと言うよね。」
「何が正しいか分からないご時世。」
「正解を求めてしまうのは禁忌。」
「様々な事物には答えがない。」
「ここまで高度化するとそうなるよ。」

葵ちゃん。
「我思うに我あり。」
「すべてを疑ってみたら。」
「理法だけが残りました。」

紬ちゃん。
「理法には従わないと駄目だよ。」

雫ちゃん。
「愚かな人間のことですし。」
「基本すらなってはいないみたい。」

葵ちゃん。
「うわあ失望する。」

神職。
「何ごとにつけても。」
「希望するのは絶望するよりもよい。」
「可能なものの限界をはかることは。」
「誰にもできないのだから。」

巫女。
「人生こそが、価値あるものだと人は言う。」
「しかし、私は読書のほうがいい。」

葵ちゃん。
「それはどこかで読みました。」

「良識はこの世で最も公平に配分されているものである。」

崇敬者。
「平和は人類最高の理想なり。」

葵ちゃん。
「シェイクスピア曰く。」
「簡潔は知恵の精神。」

巫女。
「自分が善人であるという前提で存在する人がいます。」
「なににしろ自分が善人という前提から出すので。」
「本人も自分が善人であるという前提でいます。」
「善にも強ければ。」
「悪にも強いというのがいちばん強力な性格である。」

葵ちゃん。
「なんだか凄い人がいます。」

紬ちゃん。
「よくあることなんです。」
「これは人間の力ではありません。」


巫女。
「若いうちに数回失敗することは非常に有益である。」
「トーマス・ヘンリー・ハックスレー。


雫ちゃん。
「桁違いの人物と会話できて光栄です。」


崇敬者。
「いかなる悪も知らぬ人は。」
「だれをも疑わぬ。」


神職。
「人と物争うべからず。
人に心をゆるすべからず。
「豊臣秀吉。」


葵ちゃん。
「自己主張しますと。」
「現代が奴隷道徳で決定されていたら?」
「反出生主義の人は奴隷道徳でルサンチマンに決められて。」
「義憤を抱いているのでは。」


巫女。
「言い方が悪いからって。」
「正しいことも聞き届ける必要はないというのは。」
「誰から見ても軽蔑される屁理屈でしょう。」

神職。
「あそこに看板がありますよ。」
「どうぞ。」

雫ちゃん。
「看板を読まないと。」

紬ちゃん。
「八幡神社が多いのは。」
「武家の守護神として厚い信仰があったから。」

葵ちゃん。
「徳川光圀公。」
「敬神尊皇の念あつく。」
「また、儒学を奨励し。」
「多くの学者を招いた。」
「古語辞典。」

雫ちゃん。
「むかしは神々と大名は密接に結びついていた。」
「ニヒリズムはいろいろ破壊したけれど。」

紬ちゃん。
「どっちかと言うと江戸時代が真実。」
「ゲーテを信用すれば。」
「歴史を知らないで。」
「現在を知ることはできない。」


雫ちゃん。
「科学を使えるようになったくらいしか。」
「取り柄が無い現代人。」
「情けない。」

葵ちゃん。
「何千年も学者達の間で培われて。」
「膨大な蓄積があって。」
「今の資料があるのです。」

雫ちゃん。
「アインシュタイン曰く。」
「宗教なき科学は跛行者であり。」
「科学なき宗教は盲者である。」

葵ちゃん。
「神々が人に力を与えたのが科学だと思います。」
「むかしのさらにむかしもありますし。」
「日本書紀にも故事が引用されていますよ。」


雫ちゃん。
「まったくですよ。」
「むかしとか言って終わったことにしたいらしい。」
「歴史観の誤謬。」


紬ちゃん。
「むかし?ニヒリズムという思想にどっぷり浸かって。」
「むかしとは言えません。」
「今も歴史です。」

雫ちゃん。
「信教の自由という法律もあるくらいだし。」
「法学者の論文を読んでみて。」

紬ちゃん。
「ああっと、信教の自由という法律については。」
「世人は知りません。」
「教えられた通りにしかみんな解釈しませんし。」

雫ちゃん。
「みんなあらかじめ答えが自分の中にあって。」
「それに従って反応しているだけ。」

葵ちゃん。
「えー?そーなの?」

雫ちゃん。
「哲人曰わく。」


紬ちゃん。
「ハトさんだ。」

葵ちゃん。
「ハトさんのほうが健全かも。」

雫ちゃん。
「それ言ったらおしまいだよ。」

ハト。
「気軽に観て行っておくれなさい。」
「中々かわいいもんでしょう。」
「むかしは八幡様に出て。」
「不思議なお知らせ魅せた者。」
「近年仲間が増えて。」
「気軽に観てはくれないか。」
「飼うよりは。」
「パンでも持って遊んでね。」
「私を養う必要はありぁしません。」
「その代わりにパンでも一切れひとつで遊んでくれ。」
「あなたを癒す鳥たちの。」
「その中でも特別なものだから。」

葵ちゃん。
「パン切れは持参しているよ。」
「かわいい。」
「自然由来の美的要素。」

紬ちゃん。
「そこがたまらない。」

雫ちゃん。
「なんか独特な動きがいいよね。」

ハトの群れでパンの争奪戦?

パンを細かくしてばら撒いたので。

争奪戦は消極的。

葵ちゃん。
「500円を偶然手に入れましてね。」

紬ちゃん。
「わたしは古銭を手に入れましてね。」
「現在価値では安いですが。」

雫ちゃん。
「外国の紙幣がありましてね。」
「海外旅行のおみやげです。」

葵ちゃん。
「看板?」
「詳しく書かれてますね。」

主祭神。

玉依比売命。

たまよりひめのみこと。

品陀和気命(応神天皇)

ほんだわけのみこと。

息長足姫命(神功皇后)

おきながたらしひめのみこと。

相殿神。

伊弉諾尊。

いざなきのみこと。

伊弉冉尊。

いざなみのみこと。

「八幡さま」と親しみをこめて呼ばれています。

思えば公式ページがありました。

看板に由緒多数。

葵ちゃん。
「最近流行している魔法少女!」

紬ちゃん。
「かっこいいしかわいいよね。」

雫ちゃん。
「女の子の美学のひとつの形。」

葵ちゃん。
「トレーニングしているけれど。」
「中々なれない。」

雫ちゃん。
「トレーニングでなれるの?」

葵ちゃん。
「宮本武蔵が好きで。」
「五輪書を熟読し。」
「二天一流を学んでみて思った。」
「適切な箇所で適切なことをできれば物事は合理的に進む。」
「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を錬とす。」

紬ちゃん。
「それだけ有望ならなれると思います。」

雫ちゃん。
「女の子って怠慢・怠惰が普通だからね。」

葵ちゃん。
「愚かな女性とは違うんですよ。」

雫ちゃん。
「もっと批判してあげて。」

紬ちゃん。
「女性って子供を産む為だけにいるの?」
「結婚する為だけにいるの?」

雫ちゃん。
「それを支持するのなら。」
「苦しんで子供を産まなければならない。」
「夫を恋慕うが。」
「夫はあなたを支配する。」

葵ちゃん。
「別に人の勝手なんだから。」
「女性を知らない女性かあ。」

紬ちゃん。
「日本書紀では結婚を望まない。」
「夫婦の交わりを望まない弟媛という女性が登場しますから。」
「少数であるものの。」
「結婚は回避可能なものですね〜。」

雫ちゃん。
「お召を辞退なされました。」

葵ちゃん。
「景行天皇。」
「私は敬虔なる者。」
「天神地祗を祭る。」
「別に選択は自由です。」

雫ちゃん。
「結婚は義務だとか。」
「自分の考えを押し付けられたら。」
「まあ愚かな女性はそうするでしょう。」
「賢い女性は自分で選んだ道を行くのでしょう。」

色恋。
「色事好きな女子たちよ。」
「お手をつけられ汚れなさい。」
「誓いを立てる女子たちよ。」
「夫と共に歩みなさい。」
「恋して汚され。」
「誓ってひとつに。」
「どちらも同じに見えまして。」
「異なる道でございます。」
「一緒になるは定めかな。」
「選択なしに染まるかな。」
「色事好きは泥沼へ。」
「誓いを立てたお人たち。」
「一心同体進みくだされ。」

葵ちゃん。
「あれ。」
「何かさえずりが。」
「夫婦の道は昔も今も変わらない。」

紬ちゃん。
「世間の声なんて衆愚の集まりですよ。」
「なんで従う必要があるんです。」

雫ちゃん。
「大丈夫。」
「そういう連中とはどちらかが死ぬまで戦うとします。」
「仕掛けてきたのは向こうになるから。」

葵ちゃん。
「では参拝。」

販売コーナーには神様の力が宿った。

お守りなどがあり。

お金を奉納することで頂けます。

巫女さんが対応。

葵ちゃん。
「わたしは厄除け。」
「どうせ人間に災いを加えられるんだもの。」

紬ちゃん。
「破魔矢。」
「弓道をやりますから。」

雫ちゃん。
「交通安全にしよう。」

帰り道。

紬ちゃん。
「精密射撃って簡単なの知ってました?」

雫ちゃん。
「そうなの?」

紬ちゃん。
「戦場では動いている的を狙いますから。」
「止まっている的なら簡単なんです。」

葵ちゃん。
「それは言えてる。」

雫ちゃん。
「そうなると。」
「戦知らず。」
「戦を知らずして戦えたりはしないと思う。」

葵ちゃん。
「私もそう思う。」
「魔法少女ってどうすればなれるのかな?」

紬ちゃん。
「とりあいずコスプレをすればいいんじゃないですか。」

葵ちゃん。
「じゃあやってみよう。」
「負け惜しみとでも言っておきます。」

鳥居を出てすぐに。

衣装チェンジで。

まさに魔法少女。

魔力が出てます。

なぜだか知りません。

紬ちゃん。
「すごーい。」
「そんなに簡単にコスプレできるんだあ。」

雫ちゃん。
「そこまで芸達者とは。」
「やるねぇあおいちゃん。」

葵ちゃん。
「いやこれ冗談じゃない。」

紬ちゃん。
「隠しても無駄ですよ。」

雫ちゃん。
「どんな手品か教えて。」

雫ちゃん。
「うーん。」
「何か出来そう。」

ちょっとした外れにて。

誰もいないのを確認。

ワールホール?から。

槍を取り出す。

続いてクレイモア。

振り回してみる。

周囲の人たちはこちらを見ている。

紬ちゃん。
「あれれ?」
「ホンモノ?」

雫ちゃん。
「なるほどねー。」
「さすがにあおいちゃん。」
「妖精にでも好かれましたかな?」

葵ちゃん。
「わからない。」
「何故か制御できるし。」
「クレイモアも簡単に振り回せる。」
「筋力の質がいいみたい。」
「筋肉は量じゃないってようやくはっきりしたよ。」

雫ちゃん。
「あおいちゃんにまわってきたかあ。」

紬ちゃん。
「公明正大の士よ。」
「わたしにもおこぼれをー。」
「なんちゃって。」

葵ちゃん。
「おっと。」
「魔法発動終了っと。」
「なんかいろいろ解る。」
「今日は早くに帰るね。」
「また。」

雫ちゃん。
「これはおもしろいことになりましたなあ。」

紬ちゃん。
「そのまま自壊するかもしれない。」

雫ちゃん。
「果たして使いこなせるか。」
「物に出来るか?」
「勝負は続くのですね。」

帰宅。

賢明。
「賢くて道理に明るければ。」
「世の暗闇でも。」
「照らして潜り抜けられます。」
「頭も良いらしく。」
「なんにでも器用にこなせるようです。」
「目の前が明るく。」
「暗闇に入りそうもありません。」
「私は人々を明るく照らせます。」
「愚者とは盲目。」
「この世の囚人になっても知りません。」

葵ちゃん。
「この力は?」
「魔法少女?」
「でもどうして?」
「人を選ばないのかな。」

夜になりました。

もう一回変身してみます。

何かが登場。

怠慢。
「するべき事は多くても。」
「あなたは己の好きもの。」
「それだけ追求すれば良いものです。」
「そしてとうとう路頭に迷い。」
「旅の資金が尽きるかのように。」
「野垂れ喚いて文句を言う。」
「災いの通り道も平気で歩き。」
「突進もしてきましょう。」
「あなたは跳ねられ身を落とす。」
「この世のことは何とやら。」
「しらばっくれるがいいもんだ。」
「後は私に任せなさい。」
「やがて怠慢の結果も訪れ。」
「子供のように馬鹿を見る。」

怠惰。
「わたくし安楽お見せします。」
「さあ快楽に浸り。」
「自分の事は忘れましょう。」
「あなたはただただ何もせず。」
「楽しい事を優先し。」
「自分さえ忘れて浸りなさい。」
「それがあなたの責任であろうとも。」
「存分に甚振って差し上げますとも。」
「その身を任せ。」
「来なさいな。」
「すべてを忘れ何事も。」
「あなたはもう何もすべきではない。」
「そう思い込んで。」
「一生。」
「人としての務めを忘れなさい。」

葵ちゃん。
「なんなのあなたたち!?」

怠慢。
「すべて私に任せなさい。」
「こうやって。」
「享楽主義となり。」
「人として大切なもの。」
「それと私と交換です。」

怠惰。
「何もしなくていいのです。」
「あなたの人生。」
「存分に楽しむがいい。」
「でもあなたの。」
「大切なもののひとつやふたつ。」
「あらゆる場面で奪って見せます。」

異空間?

葵ちゃん。
「うう!惑わされないよ。」
「消えなさい!」

クレイモアで切り刻む。

物理攻撃は効果が無い。

葵ちゃん。
「スピキュール!(太陽フレア)」

炎のレーザーで竜巻のよう螺旋状。

凄まじい熱風で攻撃。

怠惰。
「抵抗してもしなくても。」
「わたくしたちに屈服し。」
「あなたは密かに死に至る。」

怠慢。
「怠慢の結果は既に。」
「馬鹿バカしいものだと相場は決まっています。」
「それでも彼らは私に身を売り払い。」
「私が買ってあげるのです。」

葵ちゃん。
「プレアデス!」

綺麗な光の球が発生。

上空に浮遊。

不思議な攻撃。

怠慢真っ二つになる。

怠惰爆破される。

怠慢。
「私たちが負けるとは。」
「この娘は並の人ではありません。」
「大抵人間というもの。」
「私の甘い話に乗り。」
「喜んで身を売ってくれますから。」

怠惰。
「その通り。」
「みなさん死に至ると知りながら。」
「それでも御自分の。」
「快楽のためだと。」
「わたくしを求めて止まない。」
「でもまさか抵抗されるとは思いませんでした。」
「ほぼ全員の女性たちも。」
「わたくしの虜になって。」
「随分おもしろいように遊ばせてくれました。」

怠慢・怠惰消える。

目が覚める。

自分の部屋で立っている。

魔法少女の状態のまま。

葵ちゃん。
「なになに?」
「なにがあったの!?」
「でも力の使い方がわかったような。」
「正しい力の使い方・・・?」
「力の制御。」
「しかしさっきの連中。」
「本質を言ってくれました。」
「もう言わないで。」

就寝前に机に向かう。

教育が自由主義になったので。

宿題がありません。

少しむかしは教師の権威主義で。

教師の言う事を鵜呑みにして。

ロボットのようになるしか望みがなかったそうです。

それでは調教とあんまり変わらないです。

メール。

私達のルール。

負の言葉は使用禁止。

ベッドの中へダイブ。

葵ちゃん。
「普通ってそもそもなんだろう?」

また変なものが。

普通。
「オレはすべての基準。」
「しかし条文は無いぜ。」
「それでも万人の基準。」
「外れ物は私刑にするぜ。」
「私刑で自滅。」
「たまたま偶然成り立った普通であるので。」
「それで通らせてもらうぜ。」
「基準なのに条文が無いのは。」
「中々けっこう滑稽な話ですなあ。」

葵ちゃん。
「え?中々言ってくれますね。」

目が覚めると。

朝でした。

昨日は不思議な一日でした。

今日はぽかぽか。

風が吹き抜ける。

なんだか良い日になりそうです。

日記に書き記してみましょう。

「不思議いっぱい祝日の革命」



2


「華族」に報告して。

一員となりました。

魔力が自然に納まって。

自由自在に扱えますし。

必要なアイテムをくれました。

魔石だそうです。

魔力発動の上限を設ける道具で。

暴発を防ぐ希少品。

指輪型とペンダント型。

髪飾りなどいろんな種類がありますが。

宝石の髪飾りのバージョンを発見して。

それにしました。

紬ちゃん。
「すごーい。」
「これでアイドルみたいな〜?」

雫ちゃん。
「写真撮らせて。」

葵ちゃん。
「あんまり人には見せたくないー。」

紬ちゃん。
「不思議な女の子だあ。」

葵ちゃん。
「何に使うかなあ。」
「説明書だと。」
「天職の近道になるとか。」
「個性が明らかに出るから。」
「職業に活かせるみたい。」

雫ちゃん。
「これは出世コースですかねー。」

葵ちゃん。
「よく考えたら。」
「この道のプロとか居るらしいです。」

雫ちゃん。
「競争とか凄いの?」

葵ちゃん。
「貴重な存在だから別にそんなことはないみたい。」

紬ちゃん。
「めっちゃ強そう。」

雫ちゃん。
「ふたりで力試しと行きますか?」

葵ちゃん。
「おもしろい道楽。」
「かかってきて。」

簡単にふたりを転倒させました。

凄いパワーです。

雫ちゃん。
「ごめんフィジカルめっちゃ違う。」

紬ちゃん。
「勉強ばかりやってて。」
「武道を忘れてましたー。」

葵ちゃん。
「そんな。」
「弱いというのはあざけりの的?」

雫ちゃん。
「弱い奴は生存競争になったら負けますよー。」

紬ちゃん。
「ルサンチマン。」

雫ちゃん。
「ルサンチマンの苦労話。」
「めっちゃうざかったー。」

紬ちゃん。
「なんでも美化するからね。」

葵ちゃん。
「必要なんですよ。」
「私は力を肯定します。」

教員が入ってきました。

今日の学校授業。

自由科目で。

それぞれ成果をあげなきゃ駄目だそうです。

私はミツバチを捕獲しましたよ。

ミツバチ。
「ぶんぶんぶん。」
「働くボクたち。」
「ルンルンルン。」
「何の為か何の意味があるか。」
「そちらの質問意味わからん。」
「働きたいから働いて。」
「誰にも文句は言わせない。」
「この花からは花粉という。」
「対価交換?何だそれぁ。」
「あんたロボット?」
「ボクらは自然とひとつ。」

葵ちゃん。
「デンジャラスハンター。」

紬ちゃん。
「私は論語を研究したの。」
「実生活で役に立つから。」
「それと兵法も。」
「論文出せるよ。」

雫ちゃん。
「各国の文化について。」
「原稿があるのです。」
「それをそのまま提出だ。」

ナイス!

教員の言葉です。

下校して。

魔法少女は一度はするという。

夜の散策。

7時から市街地にて。

やっぱり痴漢が徘徊していて。

いつ襲ってくるか分かりません。

最近の男性って愚か者なのでしょうか。

愚者。
「私は決して改めはしません。」
「それは私が愚者だからです。」
「何度もバカをやっては。」
「結果になっても分かりません。」
「すっかり愚者の道ですか。」
「賢いとも凄いなど。」
「叩き売りしますとも。」
「こうして自分がバカだと分からないうちに。」
「いないほうがマシだと言われるのです。」

悪人。
「心の中に悪が入り。」
「私は悪に服従し。」
「ひたすらしもべになって働きます。」
「私が選んで負けたのです。」
「悪には死がお似合いです。」
「私は罪に至るでしょう。
「このあと悪の心に任せ。」
「善悪を見失い。」
「次に目を開ければ。」
「あらゆる罪責の鎖で繋がれているはずです。」
「お許し下さい。」
「まもなく私は悪によって気を失います。」

罪責。
「我はすべての罪を鎖に繋げよう。」
「知らずに犯したが。」
「それでも容赦はしないのだ。」
「お前のことだ。」
「言い訳くらいは好きにしろ。」
「我がそなたの支配者だ。」
「人の力が及ばぬと。」
「そのうち解る時も来る。」
「我は実行役。」
「赦しは専門ではないのだ。」
「我が善悪を教えてやる。」
「そのうち避ける事もできるだろう。」

葵ちゃん。
「この暗い雰囲気が歌のようです。」

背後に誰かいるので。

先制発見。

葵ちゃん。
「こんばんわ。」

愚者。
「ちょっといいかな?」

葵ちゃん。
「何がですか?」

愚者。
「まあいいじゃないか。」

葵ちゃん。
「ちょっと相手になってもらいます。」

愚者。
「ああああぁぁぁぁ!?」

変身した女の子に驚いて逃げ出す。

その1テンポ前に。

豪華な装飾が備え付けられた長い棒で。

殴って倒した。

そのまま立ち去りました。

葵ちゃん。
「うーん。」
「戦いというもの。」
「上手に動いたりは中々できない。」
「実戦の空気に押されて。」
「思考停止に体も動かず。」
「それでもなんとか倒してみた。」
「実戦経験。」
「戦いを知らずに。」
「戦いを忘れたら。」
「人は生きてはいけません。」
「なんにでも戦わないといけないものです。」

この夜は警察官が大忙しで。

治安が悪化していた時期だったそうです。

とりあいず正当防衛とは言え。

相手を殴り倒したので。

遣り過ぎだと言われる前に。

密かに帰宅。

9時ジャストです。

両親は私の事に気付いています。

とある休日。

天竜川で水遊び。

も兼ねて。

魔法少女のトレーニングです。

日頃の鍛錬の無い者は勝ちを放棄しているものですから。

周辺を少し荒野っぽくしてしまいました。

魔力は消耗が大きく。

考えて使わないと尽きてしまい。

気絶または死亡。

回復するまでゆっくりすることに。

紬ちゃん。
「いま日本各地で内戦だって。」
「世界規模。」
「魔法使い同士で戦争。」

葵ちゃん。
「魔法使いの少女時代が魔法少女。」
「けっこういっぱいいらして。」

雫ちゃん。
「異端者がいっぱいになったから。」

紬ちゃん。
「異端側って勝ち目あるんだって。」
「斎藤道三のように。」
「姦計に長けているから。」
「不審死とか謎の失脚。」
「意味不明な人物の台頭とか奇妙な事だらけ。」

葵ちゃん。
「私は動員を受けていないから。」
「でもそんな情勢なのかあ。」

紬ちゃん。
「なにがあるかわからないから。」
「警戒は大事。」

雫ちゃん。
「がんばってー。」

葵ちゃん。
「なんとかやってみるよ。」

わたしのはじまりの物語。

月並みだったわたしを変えた魔法少女というきっかけ。

水を得た魚。

僥倖。


3


ホームステイの女の子が来ると前から言われていましたが。

とうとう迎えに行きました。

旅客機で来日した。

豪華な衣装の女の子。

日本好きなクレスケンスルーナ。

とあるお国のお姫様。

ホームステイは名乗り出たので。

武士の末裔であると知り。

いろんな体験がしたいと。

敢えて中級家庭に来てくれた女の子。

葵ちゃん。
「はじめまして。」

クレスケンスルーナ。
「はじめましてー。」
「あなたのことよく知りたいな。」

葵ちゃん。
「そんな・・・。」
「いきなり告白だなんて。」

クレスケンスルーナ。
「そう取ってもいいけれど?」
「私彼女出来た。」

リーリエ。
「いや強引に持っていきましたね。」
「でもこれからひとつ屋根の下の。」
「夫婦生活ですよ?」

葵ちゃん。
「今夜は寝かさないぞー。」

クレスケンスルーナ。
「よっし!」
「私もいろいろ考えた。」
「いいことしよう。」
「アロマキャンドルがある。」

葵ちゃん。
「ああ!」
「こんな年で嫁入りだなんて!」
「世の中の不条理を感じるわ。」

クレスケンスルーナ。
「安心したまえ。」
「あおいさんを悪いようにはしません。」
「生涯守り抜いて見せますから!」

リーリエ。
「台詞が棒読みですよ。」

葵ちゃん。
「そんな。」
「傍にいたら自信ないよ。」

クレスケンスルーナ。
「その時は好きにして。」

リーリエ。
「段々と狂気になってきましたね。」
「はじめまして。」
「挨拶は程々に。」
「あなたの家に連れて行ってくださいな。」

クレスケンスルーナ。
「よろしく!」

快活なお姫様。

中流家庭に到着。

歓迎会。

葵ちゃん。
「物好き?」

クレスケンスルーナ。
「いいえ。」
「普通の暮らしとか興味ある。」
「王座に座っているだけでは見えてこないものもあるとか。」

葵ちゃん。
「なんかすごいね。」

クレスケンスルーナ。
「王道を学んでいる途中だから。」
「まずは民を知るのです。」

葵ちゃん。
「おおさすがお姫様。」
「お姫様も魔法少女?」

クレスケンスルーナ。
「クレンズでいいよ。」

葵ちゃん。
「日本語上手。」
「姫ちゃんって呼ぶね。」

クレスケンスルーナ。
「オーケーあおいちゃん。」

リーリエ。
「相性が良くて安心しました。」

クレスケンスルーナ。
「私はこの考察で成り立っている。」
「人とは一体なあに?」

葵ちゃん。
「なんだろうね。」

クレスケンスルーナ。
「人という存在はなんだ?」

葵ちゃん。
「スコラ哲学?」

クレスケンスルーナ。
「聖アウグスティヌス。」
「聖アクィナス。」
「ふむふむ。」
「そう言われるとその通りでございますなあ。」
「でも。」
「謎多き存在だよね。」

葵ちゃん。
「なんか変わっているなあ。」

クレスケンスルーナ。
「個体差が無いという意味?」

葵ちゃん。
「個性が強いっていう意味。」

クレスケンスルーナ。
「そっかー。」
「それが私の得意な所。」
「明日いろいろ見せてね。」

葵ちゃん。
「最後には夕焼けをバックに。」
「キスとか?」

クレスケンスルーナ。
「あははは。」
「テレビの見過ぎ。」
「テレビとか緒戦は商業。」
「広告とかも綺麗事を言える。」
「決して倫理は言わないからね。」

葵ちゃん。
「そう判断しましたかあ。」
「本当に難しいご時世です。」
「何が正しいのか分からなくなりました。」

クレスケンスルーナ。
「そんな時は感情論だけに注意ですよー。」
「道理にかなったものだけを信じるんですなー。」

このあと。

魔法少女のノウハウを教えてもらいました。

クレスケンスルーナ。

実は戦いに身を投じる傭兵です。

付き添いのリーリエと。

ディーミディウムと呼ばれる。

人類に災いをもたらすと予言され。

災害のひとつとして選ばれた魔法使いの一派が発生。

狂信者の集団で。

とうとう姿を現し。

西洋で猛威を振るい。

クレスケンスルーナはギリシャにて。

そのひとりを討ち取るお手柄で。

政府の指令でそれを追う。

男性魔法使いのオルフェンと連携していたりも。

クレスケンスルーナ。
「パルテノン神殿に巡礼しつつ。」
「討ち取れた。」
「まあ実力って奴かな。」

葵ちゃん。
「どんな鍛錬をしたんですか?」

クレスケンスルーナ。
「親に言われて戦いの技能。」
「まあ10年もこなしていればエキスパート。」
「玄人になれるもんだから。」

リーリエ。
「小さな頃から鍛えてたんですよ。」

葵ちゃん。
「私も同じですなあ。」
「もう7年になりますから。」

クレスケンスルーナ。
「そっかー。」
「同類かあ。」
「なおさら興味が湧いた。」
「一緒に寝よう。」

葵ちゃん。
「もう床入りだって。」

リーリエ。
「その手の諧謔が過ぎますよ。」
「せっかくの女の花園ですから。」

クレスケンスルーナ。
「そーゆーこと。」

葵ちゃん。
「あっ!いい匂い。」

次の日から。

周辺地域の名所や日本文化。

けっこう見て回りました。

なぜか都会が嫌いらしいです。

それよりも日本の自然豊かな田園地帯が良いと。

自然公園。

クレスケンスルーナ。
「なんでみんな都会に集まるのかなー。」

葵ちゃん。
「なんとなくだよ。」

リーリエ。
「特に考えもなしに?ですか?」

葵ちゃん。
「そのとおり。」

クレスケンスルーナ。
「あたまがかわいそう。」
「何か理由があればいいのに。」

葵ちゃん。
「みんななんとなく成立したものに従順ですから。」
「日本人の裏側が見えますよー。」

クレスケンスルーナ。
「おやおや日本人の闇とな?」

リーリエ。
「それは興味深いです。」

葵ちゃん。
「後進国の羨望。」
「現代・日本の裏側はとっても邪悪で。」
「汚い所も変な所も。」
「後で資料があったり。」

クレスケンスルーナ。
「それはたまらない。」

リーリエ。
「帰宅が楽しみです。」

帰宅して。

大喜びしてその資料を見ている。

お姫様。

日本のダークサイドを知ってしまったので。

なんとも言えない顔で。

次には笑顔になっていました。

けっこうおもしろかったようです。

とある日。

クレスケンスルーナ。
「基本を習ったことある。」
「この無人地帯でやろう。」

リーリエ。
「わたくしがお相手します。」

葵ちゃん。
「よろしく。」

自分が習った基本を教えてくれました。

外国人の女の子がやってきて。

華やかになった。

私の青春かな?


4


珈琲を嗜む午前中の日光浴。

リーリエがやってくる。

リーリエ。
「本格的に魔法を学んでみませんか?」
「近くに知り合いの魔法使いがいるのです。」

葵ちゃん。
「ご厚意に感謝。」
「紹介してくださいな。」

クレスケンスルーナ。
「けっこう通だから。」
「目と鼻の先にいたりするよ。」

リーリエに連れられて。

葵ちゃん。

近くに在中している。

珂珠(かじゅ)という先生の所に行きました。

お屋敷。

着物スカートでお出迎えする女性。

若いひとです。

リーリエ。
「新人さんを連れてきました。」
「中々有望な娘ですよ。」

珂珠。
「あらまあかわいい。」
「わたしの好み。」

葵ちゃん。
「なんてかわいい女性。」

リーリエ。
「お姫様の推薦です。」

珂珠。
「どれどれ。」
「私は育成が趣味で。」
「今回も楽しみを連れてきてくれました。」

葵ちゃん。
「はじめまして。」

珂珠。
「こちらこそ。」
「私は物好きで。」
「向こうから楽しみが来てくれるとは。」
「ああなんたる僥倖。」

志穂(しほ)
「おや?」
「侮れない雰囲気の娘が来たわねぇ。」

葵ちゃん。
「アイドルみたいな女の子がいる。」

珂珠。
「わたしの弟子ですよ。」

志穂。
「アイドル?」
「中々言ってくれるじゃない。」
「あんたこそ手練でしょ?」
「見た感じ強そうだし。」

葵ちゃん。
「そうかな。」
「あんまり自分の実力を知らないけれど。」

珂珠。
「謙虚でいいわあ。」
「早速見てあげます。」

屋敷で。

魔力について鑑定。

ちょっとした魔法。

変身。

ミラーの魔法を出して。

小さな鏡板を撒き散らしてみたり。

分身を出してみたり。

志穂。
「分身の攻撃力は無さそうね。」

葵ちゃん。
「はったりなんですよ。」

志穂。
「まだ手札がありそう。」

珂珠。
「素質を自分で伸ばす。」
「たまに見るわよ。」
「こういう優れた女の子は。」
「成長の余地が大いにあると見ました。」
「私の元で頑張ってみる?」

葵ちゃん。
「ではせっかくなのでお願いします。」

リーリエ。
「頑張ってねー。」
「あなたなら一級になれるわ。」

志穂。
「練習試合を申し込むわ。」

葵ちゃん。
「やらせて頂きます。」

珂珠。
「もう少しこの娘を見たい。」
「近くの小山に行きましょう。」

練習場。

吸引の魔石を装着。

一定までの魔法攻撃を吸収してくれます。

吸引すると発光するもので。

一定量まで吸収しますと。

ちょっとした電気が連続して発生する。

むかしから使われる競技用のアイテム。

もちろん選手同士。

安全装置として常用する。

指輪などを装備して。

魔力を制限していないと意味がありません。

そこまで強い吸収力は無いからです。

葵ちゃん対志穂。

珂珠。
「ルールはフリーよ。」


葵ちゃん。
「準備よし。」


志穂。
「合図なんて無いわよ?」
「知ってた?」

志穂ちゃん。

一方的に仕掛ける。

実戦は「よーいどん!」では始まらないからです。

お互いに構えて戦えば。

どちらも用意があるので。

準備万端な者同士の戦いは馴れ合い。

道場剣術は弱いのです。

実戦は一方的に仕掛けますので。

実力が問われます。

志穂ちゃんの先制攻撃。

志穂。
「小手調べ。」

葵ちゃん。
「読んでたよ。」

ホーミングボールを放ってきましたが。

リフレクターで防御。

志穂ちゃんは硬直した隙に間合いを詰めてきて。

葵ちゃんに衝撃波を食らわせようとする。

葵ちゃん。

側転。

透明な薄い光の球を形成。

不思議な青白い何かをばら撒いて。

辺りを薙ぎ払いました。

志穂。
「ちょ。」
「これ未知の物質。」
「食らうとステートがあるみたい。」

葵ちゃん。
「スピキュール!」

志穂。
「おっと。」

志穂ちゃん避けつつ少しずつ接近。

葵ちゃん近距離で。

光線を連射。

周囲が青白く発光。

霧のよう。

志穂。
「これ恒星の発行体を放つ魔法なんじゃ・・・。」

葵ちゃん。
「当たらない!」

志穂。
「ダメ。」
「あの娘の方が動きが速いし。」
「なんだか知らないけれど読まれている。」

珂珠。
「そこまで。」
「意外なほど実力があるわねぇ。」
「これは逸材を見つけたぞ。」

屋敷に戻る。

志穂。
「中々やるじゃない。」

葵ちゃん。
「しほちゃんもきちんとした技術を持ってる。」

志穂。
「そりぁそうよ。」
「きちんとした人に教わったから。」

珂珠。
「早熟だわなー。」
「魔法使いは超常現象を操る。」
「伝説の再現。」
「歴史を継承しなさい。」
「ギリシャ神話と出エジプト記で魔法が登場する。」
「現代に蘇った伝説こそ私達なのですから。」

葵ちゃん。
「そこら辺はしっかり習おうと思います。」

志穂。
「なんで勝てなかったんだろう。」

珂珠。
「柔よく剛を制す。」
「戦闘スタイルが柔だから。」
「勝てないのも無理はない。」

教えを受けて。

短時間でレベルアップ出来ました。

これから通い詰めるとします。

学校にて。

紬ちゃん。
「ホームステイのお姫様に先生まで得たんですか?」

雫ちゃん。
「あおいちゃんにはお似合いだと思う。」

葵ちゃん。
「そうかな。」
「照れる。」

紬ちゃん。
「神代は不思議な事が多かったと故事にあります。」
「現代においてそんなことがあっても不思議ではないですよね。」

雫ちゃん。
「むしろそういうのが現実にあるのだと。」
「忘れてしまった。」

葵ちゃん。
「むかしのひとでさえ。」
「民話など言い伝えを知っていました。」
「無から書物を描いた訳ではありません。」

紬ちゃん。
「そのとおり。」
「古代のひともいろいろ知っていて。」
「それを基にしていろいろ書いてました。」

雫ちゃん。
「なぜか言い伝えや伝説をたくさん知っていたのです。」
「むかしのひとの真実だったりね。」

葵ちゃん。
「なおさら不思議です。」
「古代の人々も伝承をたくさん知っていたのですから。」

雫ちゃん。
「所でお姫様を紹介してよ。」
「かわいいんでしょ?」

葵ちゃん。
「おやまあ。」
「女の子好きですか。」
「いいですとも。」
「でも私は一緒に寝たからね。」

雫ちゃん。
「おお。」
「先を越されてしまったか。」
「浮気するように仕向けてみよう。」

紬ちゃん。
「あはははは。」
「真正面から告白してはどうです?」

雫ちゃん。
「二択しかないような勝負はしませんなあ。」

葵ちゃん。
「また家に来てね。」
「その時に紹介できるよ。」

姫ちゃんのご厚意で。

先生をつけてもらえた最近。

私も人として独立できるのかな。

とても恵まれた運勢ですが。

けっこう道のりは東海道のようで。

たまたま街で豪遊しているのだと。

最近は思っています。


5


ベイブリッジが爆破されて犯行声明が出ました。

犯人はゼノ。

ゼノは異端者を包括した名前です。

わたしの周囲でも。

魔法使いに対する不信感が少しあります。

でも。

魔法の持つ可能性にみんな魅かれていますので。

賛否両論ですね。

クレスケンスルーナ。
「ああやられた。」

リーリエ。
「大胆です。」
「民兵を使ったんですねえ。」

葵ちゃん。
「でもなんで?」
「そこまで勝算はあるの?」

クレスケンスルーナ。
「斎藤道三って知っている?」

リーリエ。
「自分の娘である帰蝶を嫁がせた。」
「しかし夫は1年経過したのち自害。」
「もうひとりに嫁がせたら。」
「毒殺に遭いました。」

葵ちゃん。
「えー?」

クレスケンスルーナ。
「残った主君を倒して。」
「美濃の国を手に入れた。」
「現代に蘇った姦計の力。」
「そのあと息子に討たれる皮肉があったけれど。」

葵ちゃん。
「よく知っていますね。」
「というかそこまでの事が現に出来るんですね。」

リーリエ。
「日本史は好きなんです。」
「戦いの中で培われた人の美です。」

葵ちゃん。
「織田信長公は鍛錬を欠かさなかった。」
「私はそれに習いました。」
「史実にあるよ。」
「だから今川義元を討ち取ることもできた。」
「今川義元でさえ。」
「最強クラスの大名で。」
「由緒ある名だたる名将で。」
「並の相手ではない。」
「しかし信長公の勝利に終わった。」
「実力が違ったのでしょうか。」
「戦は結果がすべて。」
「勝利は結果論。」
「戦いを知らずして戦はできない。」

リーリエ。
「いやあ普通の女の子ではないですよ。」

クレスケンスルーナ。
「心構えが違うよね。」
「私と似てる。」

葵ちゃん。
「ああそんな。」
「あつかましくなりそう。」

部屋にて。

増長。
「さあお前は偉いのだ。」
「もちろん証明はされてない。」
「それでも己を信じ。」
「優れた賢い者だと信じていけ。」
「つまづいて倒れて。」
「その時には手遅れだ。」
「しかし私は言うぞ。」
「自分を妄信しつけあがってこそのお前だ。」
「勝てない相手と戦い殺されよ。」

葵ちゃん。
「そんなことない。」
「高慢は愚かさの形です。」
「そんなに私が愚かであれば。」
「あなたが打ってください。」

休日になりました。

お姫様はいろいろ出かけて。

何かしていましたが。

今日は一緒です。

お姫様と一緒に。

みかん狩り。

三ヶ日みかんは普通のみかんとは違うみたい。

クレスケンスルーナ。
「これが日本の自然というわけね。」
「みかんとはこういうものですか。」

リーリエ。
「わたしたちの国のものとは質が違うみたいです。」

葵ちゃん。
「みかんらしいみかんですよ。」

クレスケンスルーナ。
「気に入った。」
「もうちょっと食べる。」

けっこうたくさん食べたお姫様。

意外に大食い?

帰り際にフラワーパーク。

クレスケンスルーナ。
「花というもの。」
「とても着飾る。」
「いろんな種類があるのね。」

リーリエ。
「目の保養にいいですわあ。」

花々。
「私は儚く咲いては散っていくもの。」
「一時的には美しき。」
「また咲いては散っていきます。」
「この世の儚さを映しておりますが。」
「風流に撫でては。」
「楽しんでください。」
「色とりどりに咲き乱れ。」
「自然はこうだとお伝えします。」

葵ちゃん。
「豪華な趣味だと思いませんか?」

クレスケンスルーナ。
「お金持ちでもこんな豪華な趣味はしません。」
「いいこと言うよね。」

リーリエ。
「そうですねぇ。」
「お城でもここまでやることはないです。」
「そんな豪華な贅沢はやったことないです。」

クレスケンスルーナ。
「お金持ち顔負けです。」

帰宅して休憩。

地域に大きな公園がありまして。

バドミントンで遊びます。

クレスケンスルーナ。
「筋力に任せれば大幅なパワーロスするわよ。」

葵ちゃん。
「助言は素直に受けるよ。」

リーリエ。
「テクニックがすべてのスポーツかな。」

夕方になりつつ。

もう帰ろう。

終わり際に。

羽が噴水に落ちてしまいました。

クレスケンスルーナ。
「おおっとこれは取れない。」

シェルツ。
「雑用なら得意だよ。」

紳士風のポーカーフェイス登場。

リーリエ。
「いやそこまでやらなくても。」

シェルツ。
「レディに対して紳士というもの。」
「濡れても構わないという訳だ。」
「ほら取れた。」
「なんでも女性が優先。」
「レディファーストが男の礼儀。」

クレスケンスルーナ。
「ありがとう。」
「でも。」
「ちょっと待った。」

シェルツ。
「何か用でも?」
「惚れられたかな?」

シェルツ投げられて転倒。

クレスケンスルーナ。
「スリしたよね。」
「このフロッピーディスクを狙うとは。」
「只者じゃない。」

シェルツ。
「おっと話が違ってきたな。」
「逃げるとしよう。」

爆炎を起爆してなんとか逃れるシェルツ。

追跡。

葵ちゃん。
「何事ですか。」

不審者が後ろから。

仲間でしょうか。

不審者に腕を掴まれますが。

掴み手に手刀攻撃。

すぐに顔面の急所に手刀を当てて。

サイドキックで脛を破壊。

不審者。

負傷しながら深追いして手を出すものの。


接近のし過ぎで射程に入り。

チンジャブが決まる。

不審者倒れる。

葵ちゃん。
「この人ろくな戦闘力もなしに仕掛けたのですか。」

シェルツ。
「もう少しだったが。」
「女性はスペックが違うようだ。」
「知恵がある女性は驚異的だ。」

振り切って。

逃走用のバイクに向かうが。

リーリエが脱出手段のバイクを確保していました。

シェルツ。
「2対1かな。」

トランプを持って見えない斬撃。

謎の魔法攻撃。

リーリエはしゃがんで避けた。

リーリエは超スピードでスプリントダッシュ。

いきなりシェルツを組み伏せた。

リーリエ。
「連中の手下?」

シェルツ。
「半分はそうだよ。」
「でも情報と対価に見逃してはくれないか?」

リーリエ。
「何の情報ですか?」

シェルツ。
「神島に巡航ミサイル発射器を設置している。」
「私のお仲間が人質に。」
「スポーツ観戦のお邪魔をするだろう。」
「どこに着弾させるつもりやら。」

リーリエ。
「証拠は?」

シェルツ。
「こんなこともあろうかと。」
「密かにコピーしたこれを読みたまえ。」

クレスケンスルーナ。
「本当みたい。」
「これは返してもらうわ。」
「二度目はないからね。」

シェルツ。
「次は捕虜になるはずだ。」
「いろいろドロップしておこう。」
「さらば。」

バイクで逃走。

クレスケンスルーナ。
「旧式のパソコンでしか閲覧できない。」
「これを知っているとは何者かな。」


葵ちゃん。
「本当のことなの?」

クレスケンスルーナ。
「どうやらそのようね。」

リーリエ。
「司令部に連絡しましょう。」
「これはひとつの手柄よ。」

警察が来て。

さっき倒した不審者を渡しましたよ。

後。

自衛隊に連絡が入りました。

捜査の結果。

事実です。

三河湾にある神島という場所に。

巡航ミサイル部隊がおり。

人質作戦が決行されている目前で。

知らせを受けた華族が相談し。

強行偵察として動員要望がありました。

クレスケンスルーナ。
「私は傭兵だから参加する。」

リーリエ。
「あなたはどうします?」
「まだ充分な錬度は無いみたいですけれど。」

葵ちゃん。
「自分を試してみたい。」
「未熟ながら引き受けます。」

クレスケンスルーナ。
「やれそう?」

葵ちゃん。
「可能なら実行する。」
「不可能でも断行する。」

リーリエ。
「葵さんが・・・。」
「公正な評価をされたら・・・。」

クレスケンスルーナ。
「勇敢だねぇ。」
「でもやられないように。」
「自分の分はしっかりやるのよ。」

葵ちゃん。
「もちろん。」

思い切って引き受けて。

向かいます。

強行偵察。

本気の戦いです。


6


準備を整えて小さな漁港から。

味方の伊賀・甲賀忍者の末裔と合流しました。

鳥羽市立神島小中学校の近くの浜から。

漁船に紛れて上陸です。

リーリエ。
「目的が達成できればいい。」
「完全勝利を求めたり。」
「すべての敵を攻撃する必要はないわよ。」

葵ちゃん。
「兵法無くして戦はできません。」

クレスケンスルーナ。
「心配ないわ。」
「思った以上に出来る。」

上陸して。

虫取り女性みたいな恰好なので。

あんまり目立たないです。

虫取り網持ってますし。

でも。

偵察中にやっぱり変な雰囲気のひとが数名発見できました。

本隊に連絡。

伊賀忍者と甲賀忍者たちは。

もっと奥深くに侵入していきましたね。

できるだけ情報を送信して。

退却するのみです。

簡単なお仕事。

クレスケンスルーナ。
「最低限の情報があればいいの。」
「目的達成。」

葵ちゃん。
「小型の双眼鏡持ってきてよかった。」

リーリエ。
「黒魔術を使った科学トラップに引っかかりました。」

クレスケンスルーナ。
「ああ想定外。」
「逃げるわよ。」

葵ちゃん。
「え?」

引き上げようとしましたら。

女の子が上陸用の。

漁船を占拠しており。

戦闘体勢。

フィロー。
「私はフィロー。」
「討ち取って手柄にしてくれる。」

クレスケンスルーナ。
「天に唾する愚か者めー。」

リーリエ。
「兵力差がある。」
「葵ちゃんは取り巻きをお願い。」
「あとはなんとかする。」

葵ちゃん。
「任せて。」

数人の敵兵を攻撃。

発砲してくるものの。

バックラーの魔法を持っており。

謎の衣で跳弾していく。

敵兵拳銃を捨ててナイフを持つ。

クレスケンスルーナ。

隠し持っているバスタードソードを振り回す。

リーリエは豪華な装飾の方天戟。

宝石が変化して取り出す。

葵ちゃん。

鏡の蜃気楼を発生させて。

分身モドキでフェイント。

雑兵は一瞬だけれど動きが止まる。

葵ちゃんは青白い球体を発射。

ホーミングして雑兵を2人倒した。

電撃のような炎のような。

不思議な攻撃力。

フィロー。
「中々の使い手ですね。」

クレスケンスルーナ。
「甘くない相手です。」

リーリエ。
「雑兵を全滅させました。」
「残りはあなた。」

フィロー。

サーベルを駆使して華麗な動き。

見切れないクレスケンスルーナ。

リーリエが参加。

フィロー。
「蝶のように舞い。」
「蜂のように刺す。」
「極めし蝶剣の極意。」

クレスケンスルーナ。
「狂信者め。」
「見境なく巻き込んで!!」

フィロー。
「相応しい者に相応しい悲劇が訪れるのです。」

クレスケンスルーナ。
「それを判定するのは誰なのよ!」

フィロー。
「私達は大悪党。」
「人間などこの世に必要ないのです。」

クレスケンスルーナ。
「それはあなたの詭弁でしょう!」

フィロー。
「弱き者は憐れですね。」

葵ちゃん。
「かわいそう。」
「みんな自分が真実であると言うよね。」
「我ばかり強い愚かな人間のひとりなのでは。」

フィロー。
「私とて世界の一部。」
「世界が求めた者。」
「そうであっても。」
「同じ穴の狢。」

リーリエ。
「雲泥の差。」
「月とすっぽん。」
「妄言ばかりです。」

3対1になるも。

将校の服装をした。

女性が援軍として来る。

グラディウスを抜刀。

傭兵モナ。
「苦戦しているようね。」

リーリエ。
「新手。」

クレスケンスルーナ。
「雑魚は任せた。」

葵ちゃん。
「ちょっと。」
「雑魚と言っても簡単な相手じゃないです。」

数名倒すも。

激戦で消耗。

傭兵モナ。
「おやおや。」
「意外に強いようですな。」

葵ちゃん。
「生半可な心構えで。」
「いままでやってきてない。」

クレスケンスルーナ。
「将校よ。」
「お命頂戴!」

味方の援軍。

別方向から味方部隊が突入したのです。

黒い爆弾?が地面で爆発。

威嚇攻撃。

オルフェン。
「来てやったぞ。」
「中々苦しい展開じゃないか。」

葵ちゃん。
「かっこいい。」

傭兵モナ。
「まずいな。」
「全員退却だ。」

オルフェン。
「お金の為だな。」

傭兵モナ。
「大冒険もいいもんですよ?」

傭兵モナとフィローが逃げていく。

漁船のエンジンがやられていましたが。

ヘリコプターがやってきて。

退却。

島内では激戦が展開され。

自衛隊の特殊部隊と。

魔法使いを中心とした特務部隊が。

テロリストグループと交戦。

任務は達成です。

オルフェンさんイケメンですねえ。

こんなひとはじめて見ましたよ。

恋。
「私はあなたへ贈ります。」
「さっさと理性を失い。」
「盲目になりますが。」
「抗えない貴方が居ます。」
「婚姻届に判を押し。」
「さあて夫婦になって貰いましょう。」
「相手が誰であろうとも。」
「こんな強要強いていき。」
「あなたの目を曇らせます。」
「結婚するかしないかは。」
「人の勝手にございます。」
「それでもわたくし恋心。」
「結婚婚姻女に強いて。」
「男と寝させてやりますよ。」
「選ぶ権利はあったのかい。」

クレスケンスルーナ。
「ナイスオルフェン。」

オルフェン。
「俺はしっかりやれたな。」

葵ちゃん。
「すごい。」

オルフェン。
「何を見ているんだ?」

葵ちゃん。
「こんなかっこいいひとはじめて見ました。」

リーリエ。
「好き?タイプ?」

葵ちゃん。
「あっ!ちょっと。」

オルフェン。
「好意は素直に受け取っておくよ。」
「純粋に惚れられる名誉ある男であると分かった。」

葵ちゃん。
「あなたの奥さんは幸せになるはずです。」

オルフェン。
「結婚がしあわせとは限らないが。」
「そういう女性がいたら光栄だね。」

敵の司令塔がここにありまして。

他にも佐渡や。

奄美大島などの離島に武器を集めており。

発見即攻撃で。

ディーミディウムは少しだけ劣勢になりました。

私達はちょっとだけお手柄です。


7


お屋敷。

珂珠。
「充分に戦えたようね。」

葵ちゃん。
「はい。」
「自分でも不思議なくらい。」

志穂。
「大人とやりあって3人仕留めた?」
「やるじゃない。」

葵ちゃん。
「鍛錬の成果かな。」

珂珠。
「短期間で仕上がるとは思いませんでした。」

葵ちゃん。
「雑兵が相手でしたから。」

珂珠。
「充分ですよ。」
「でも大人の魔法使いには注意して。」
「生半可な相手ではありません。」

葵ちゃん。
「ですから。」
「これからもっと鍛えてみます。」

珂珠。
「とても前向きでよろしい。」

志穂。
「中々知恵がありそうね・・・。」

お屋敷でいろいろ習い事。

けっこう通い詰めています。

葵ちゃん。
「知恵が私の大黒柱。」
「何か歌がありそうな空気。」

知恵。
「武器より強い物が欲しければ。」
「私を訪ねなさい。」
「使い方も知恵が居る。」
「一度使いこなせば誰でも。」
「相手になりはしない。」
「私をさっさと尋ねて。」
「まともになることです。」
「しかし私はあなたを滅ぼそうと。」
「爆弾を扱う者のように。」
「あなたを巻き込み。」
「それでも強い。」

葵ちゃん。
「書き物をしてみよう。」
「いまは自由時間。」

ちょっとした物語で短編。

2000文字。

珂珠。
「ポイエーシス。」
「創作に関する魂の状態。」
「この魂の状態になると不思議なことに。」
「創作が出来る。」
「そもそも。」
「伝説から物語を創作するのが正道。」
「伝説や民話などを起源としている。」
「むかしのひとは言い伝えを知っていた。」
「そこを基にして話が発展していき。」
「物語として創作するようになった。」
「最終的な起源はむかしのひとの言い伝えや伝説。」
「ロボットはチェコの伝説ゴーレムから続いて現在の形になったとされる。」

志穂。
「けっこう学問をやっているのね。」
「人は学問によって決まるから。」
「ちなみに勉強なんて基本しか身につかないわよ。」

葵ちゃん。
「自分でエピステーメー(知の仕組み)を高度化させたから?」

珂珠。
「単純なエピステーメーは確かに危険です。」
「理由を引っかけ。」
「理由を掌握して操作する。」
「常套手段。」
「高度なエピステーメー。」
「臨機応変。」
「機転が大事。」
「理由を持たない。」
「すべてにおいて自由。」
「個々によって多少異なる。」

志穂。
「普通の方法で鍛えてないってことか。」
「それは私も同じよ。」

葵ちゃん。
「いいライバルです。」

志穂。
「切磋琢磨ってこと。」

数日後。

学校にて。

紬ちゃん。
「慣れてきた?」

葵ちゃん。
「習うより慣れよ。」
「みたいな。」

雫ちゃん。
「凡愚どもめー。」
「なんて叫んでみては?」

葵ちゃん。
「それでは狂人だよ。」

紬ちゃん。
「狂人ってむかしは尊敬の的だったり。」
「魅了する要素があったとか。」

葵ちゃん。
「歴史を継承するってそういう意味かあ。」

雫ちゃん。
「意外と歴史は奥が深い。」
「多彩な構造で種類も豊富。」
「学んでいけば分かりますとも。」
「でも数か月やそこらでは把握できませんぞ。」
「専門家の世界へ飛び込まなくては。」

葵ちゃん。
「さすがに歴史通だけある・・・。」

紬ちゃん。
「ローマは一日にして成らず。」
「積み重ねて。」
「ひとつの到達点や完成系になりますよ。」

葵ちゃん。
「中々博識で。」
「ちょっと気合いが入りました。」

紬ちゃん。
「勇気がありますね。」
「女性は勇気も必要ですから。」

帰宅。

リーリエが家事を片付けていました。

両親も笑顔。

葵ちゃん。
「身分があるのに。」
「得意なのは意外です。」

リーリエ。
「身分が高いからこそ。」
「下の者に負けてはいけないのです。」

クレスケンスルーナ。
「ザコだから下の身分じゃないの。」
「なんて言ってやるのも王道。」

葵ちゃん。
「うわすごい発言。」

リーリエ。
「それに貧困の事も知りたいですし。」

クレスケンスルーナ。
「いろんな世界を知っておく。」
「まずはそれからってことで。」

葵ちゃん。
「さすがお姫様だなあ。」

貧困。
「あなた貧しい意味をお解りでないですと。」
「心も体も精神も。」
「物もお金も貧しければ。」
「この世の価値あるものたちを。」
「見分けることなどできません。」
「本当に価値あるもの。」
「わからないでしょう。」
「お金も価値がありますよ。」
「権力も価値があるものです。」
「さてさて貧困の。」
「貧しい意味は知りました?」

リーリエ。
「賞状届いていますよ。」
「同年齢の新人賞。」
「今後の活躍が楽しみだそうです。」

葵ちゃん。
「え?私に?」

クレスケンスルーナ。
「見込みがあるそうよー。」
「自惚れないでねー。」

葵ちゃん。
「あらゆる戒めを読んでおきます。」

部屋に戻ってちょっと嬉しい。

華族は物分かりが良いひとたちばかりで。

ちょっとしあわせ。

歓喜。
「さあ歌って踊れ!」
「祝いの場では戯れて。」
「喜びの時に狂え。」
「汝それに値する。」
「人というもの。」
「理に合わない連中には。」
「これを手の届かないようにする。」
「ヤツらには買えない真理と悟り。」
「あやつらには私が似合わず。」
「だがしかし。」
「我が顔を出したら歌って踊れ。」
「我は人を選ぶが。」
「誰でも買える。」

これからも頑張ります。

わたしの出だし。

そこそこ。

いいみたい。


8


お姫様と友達と志穂ちゃんと。

お散歩。

葵ちゃん。
「みんな一緒にお散歩。」
「なんだか風が気持ちいい。」

紬ちゃん。
「河原に咲く花が綺麗。」

雫ちゃん。
「自然を満喫するのっていいよね。」

クレスケンスルーナ。
「日本は自然豊か。」
「哲学者は自然に還れとか言ったわよ。」

リーリエ。
「進化論で解説するならば。」
「私達は自然発生した存在ですからね。」

クレスケンスルーナ。
「本当に人という存在はなんだろう。」

葵ちゃん。
「こういう考察って必要なんじゃない?」

紬ちゃん。
「むしろいままで公に議論されなかったのが謎です。」

志穂。
「人間性についてもあまり論じられませんし。」
「あったとしても偽善者だらけ。」

葵ちゃん。
「あれは善ではありません。」
「道徳にかなっていません。」

雫ちゃん。
「どうでもいい人間中心主義ばかりで。」
「理法を知らないのかな。」

リーリエ。
「ある意味で原始的です。」

クレスケンスルーナ。
「人は神秘的な存在というのは。」
「間違いなのかな?」

志穂。
「あれが?そんな馬鹿な。」
「自分が神だと思い込んでいる連中だよ?」

葵ちゃん。
「人が愚かになったのかも?」

紬ちゃん。
「それはまずいです。」

雫ちゃん。
「歴史は繰り返す。」
「歴史家の言葉を引用すると。」
「腐敗する可能性もある。」
「分からないうちに。」

志穂。
「それは最悪の展開。」
「人類が愚か者であるならば。」
「打たれることになるでしょう。」

紬ちゃん。
「少なくともわたしは違います。」

葵ちゃん。
「愚か者の仲間になってはいけません。」
「人はあらゆる面で宗教的ですよ。」

志穂。
「人は宗教的な生き物なのでは?」

クレスケンスルーナ。
「それは有り得ます。」
「しかしこの自然を見ていると。」
「どうにかして一体化できないかな。」

葵ちゃん。
「人について。」
「正しさについてお手本を探せば?」

クレスケンスルーナ。
「それがあると簡単になるかも。」

リーリエ。
「人類は無批判ですからね。」

葵ちゃん。
「人類に関しては批判が必要になったのかな。」

紬ちゃん。
「鳥達を見ているとそうみたいです。」

雫ちゃん。
「人類が正しくあるといいなあ。」

葵ちゃん。
「世のすべて。」
「知りたる空しきひと。」
「されど風景。」
「それと異なり。」
「人は何を思うか。」
「日々の労苦を想う度。」
「益にならぬとならずとも。」
「好きにいますと。」
「人よおもしろき。」

クレスケンスルーナ。
「無意味に歩くの何の為?」
「自然一色嗜むためか。」
「小川と花々。」
「四季を見せ。」
「それでも。」
「かなりの楽しみと。」
「解らぬ人を見かけたら。」
「蝶々小鳥と。」
「頭上越え。」
「目の見えない健常者。」

トンビ。
「空から見渡し。」
「陸の支配者は人間だと思ってた。」
「とうとう人間空を飛んだ。」
「ああなりぁわたしら。」
「見下ろすだけではないんだわ。」
「たまにはわたしのたくましさ。」
「自然界の芸術であると眺めなさい。」
「あんたらどこから来たんだね。」

黒猫。
「どうやら人間さ武器ないね。」
「いいえ強過ぎて持てないのさ。」
「それにしても勝手気ままな所は。」
「うちらより勝るね。」
「猫より自由を踏みしめて。」
「鳥のように飛び立とう。」
「そう考えているに違いない。」
「墜落するか羽ばたくか。」
「どちらかになりそうだね。」

日吉神の猿。
「オレには敵わん奴がいる。」
「人間あれは何なんだ?」
「まったく異次元とんでもない。」
「命令がなければ。」
「関わらない。」
「同じような姿だが。」
「きっと天から降りた神秘的な生き物だ。」
「オレたちサルは人間を怒らせないように。」
「常に比較させ。」
「教訓としているんだ。」

オオサギが魚を捕っている。

突き刺して食べた。

かなり鮮やかで。

華麗な捕食。

オオサギが光って見えた。

さかな。
「オイラたち。」
「食べ物なのか生き物なのか分からないって?」
「いーのいーの。」
「ただ網張って。」
「引っかかった私ら。」
「焼いて食べな。」
「いーのーいーの。」
「自然はそういうこと。」
「どう見てもいーのーいーの。」
「ほれ釣ってくれ。」

市街地の鳥マニアの庭。

九官鳥からインコまで。

いろいろ飼っている。

余程好きなせいか。

一部は公開しております。

ヨウム。
「オイ!オマエラ他の動物と何が違うのかい。」
「反論できるハズだロ!」
「日々偉そうに振る舞っているが。」
「見かけ倒しじゃナイヨナ!」
「ソノスゴサを見せてもらおうか。」
「オイラは見学見学。」
「スゴイ所をたっぷり見ては真似だけさ。」
「それでもオイラは人間ガ。」
「どのくらいやるのか知りたイゼ。」

雫ちゃん。
「これどうやって覚えたの?」

葵ちゃん。
「その道のマニアの技です。」
「きっと秘伝の限りを尽くしたのでしょう。」

志穂。
「知らない世界はあるもんです。」
「浅い知識で知った積もりでいる奴らなんていくらでも。」
「しかし専門的な知識は底なし沼。」
「深くて多彩ですもん。」

珂珠。
「わたしも入れてー。」

リーリエ。
「かわいい女性が仲間入り。」

珂珠。
「フリルスカート。」

葵ちゃん。
「ああ眩しい。」

リーリエ。
「なんてかわいい。」

志穂。
「ああ!私のアイドル。」
「ここまでハートを掴んで。」
「このような甘美なときめきが。」
「私を突き動かしていく。」

クレスケンスルーナ。
「女性も進化する?」

紬ちゃん。
「いままで一番進化しなかったのが女性だったりする?」

雫ちゃん。
「それは非科学的だ。」

公園を通りかかる。

自然豊かな道。

幼女。
「大人になったらどこ入る?」
「揃いも揃って御相談。」
「男は黙って見ているが。」
「そういう設定微妙だね。」
「パターン通りがいいのなら。」
「パターン通りが嫌いかな。」
「女も好みがありまして。」
「嫁入り好きもいらっしゃる。」
「少ない方で。」
「嫁になど出なくても。」
「ひとりで行きたい賢女もいたり。」
「嫁に入る為に女はいるもんじゃあないですよ。」
「女は良くも悪くも分からぬものだと。」
「男は感心しているようで。」
「嫁入りするもしないも。」
「どちらも正解でありますね。」

墓地は穢れのある死者が埋葬されているので。

避けました。

崇拝している人間が何かに攻撃されております。

亡霊。
「我が輩を拝むのかね?」
「ならばあの世へ連れて行ってあげよう。」
「我が輩が主人でもよろしいか?」
「どうしようも我が輩の好き勝手。」
「そなたは我が輩の奴隷に志願したのだ。」
「あの世へしつかり連れて行ってやるから。」
「待ってなさい。」
「生きたままであの世へ行こうか。」

大きな花壇のある大公園で。

目の保養をして。

みんな別れました。

それぞれやることがあるのです。

しかしこの前の。

オルフェンさんは素敵でした。

色欲。
「子供や夫婦の誓いなら。」
「密かに行う甘美なやり取りを。」
「男女に任せ溺れなさい。」
「男は虜で逃れ得ず。」
「女は玩具のようにでも。」
「それぞれの扱い滅びなさい。」
「何回警告したのか知りません。」

玩具さんでガシャポン。

たくさん置いてありました。

子供が集まって。

好みの物が欲しいと。

寄り添ってお金を出しています。

貪欲。
「ほしいほしいと。」
「尽きる事果てしなく。」
「求めて掴んで。」
「こぼれていく。」
「どうしても掴めぬ。」
「そのうち満たす事ですら。」
「失敗しては苦痛へと。」
「程々にすればいいものを。」
「度さえ超えて溺死する。」

葵ちゃん。
「理性の欠片もない。」

子供。
「僕たち本能に忠実だよ!」

憤怒。
「怒れば怒り。」
「死に至れ。」
「怒って狂い。」
「死んで行け。」
「愚者の勇気をあざけりに。」
「私は傍に立ちとうございます。」
「さあてどんな怒りを現して。」
「踊ってくれたら楽しいな。」

志保。
「あの娘は何か違う。」
「天才ではない。」
「才能とは異なる何か。」

嫉妬。
「他人が手中に納めたら。」
「自分の取り分無視をして。」
「あの手この手で欲しいのよ。」
「自分の取り分無視をして。」
「手を出そうと伺って。」
「自分の取り分逃げていく。」
「あなたものは要らなくて。」
「他人の物は欲しいのよ。」
「それは盗人似ているよ。」

志穂。
「なんですか貴様。」
「消えなさい。」
「お前の理屈など。」
「思い通りになるものばかりじゃない!!」

葵ちゃん。
「自由かあ。」

自由。
「勝手に気ままにやりたければ。」
「わたくしの元に来なさいな。」
「自由と称して堕落することも。」
「立派になることも可能だもん。」
「あなたの自由は何の為?」
「この世の節理に縛られたくないと。」
「文句を言ったの誰かしら。」
「わたくしの元へ来なさいな。」
「あなたの自由にしてやります。」
「しかし自由の結果は。」
「いつでもあなたの責任です。」

葵ちゃん。
「今日は不思議な歌があるような。」
「ほんとなんだろう。」

今日はみんなと自然を散策。

健全で健康なひとときを過ごしました。


9


巨大クルーズ旅客船。

名古屋港に寄港して。

不審者がいくつかいるとのことで。

調査の依頼が参りましたよ。

精鋭部隊が組まれて。

少数精鋭で調査を引き受けることに。

クレスケンスルーナ。
「どんな細かい事もチェックよ。」

リーリエ。
「不自然な所は特に念入りに。」

葵ちゃん。
「暗黒のオーラを感知しています。」

クレスケンスルーナ。
「どこ?」

葵ちゃん。
「貧しそうな服装をしている傾向がある。」

クレスケンスルーナ。
「追跡してみましょう。」

味方の魔法使い。

不審者と戦闘になりました。

追跡していた不審者。

振り向きざまに攻撃してきますが。

エネルギー弾を打ち払いましたよ。

不審者逃げる。

20メートル先の兵士に一太刀入れるのに。

2秒。

次から次へと斬られていく。

曲芸のように飛び跳ねて。

動きがひたすら速いので。

傭兵たちは悪戦苦闘。

数秒あれば魔法少女に斬られるので。

敵は焦って士気が激減。

ヘリコプターがやってきたみたい。

船内で局地戦かな。

クレスケンスルーナ。
「あんたまた!」

フィロー。
「仕方がないのです。」
「ただ操られて。」
「私を救ってください。」

リーリエ。
「容赦はしませんけれど。」

モナ。
「政治家の婦人を人質にさせてもらう。」
「民間人もだ。」

クレスケンスルーナ攻撃。

あまりに重い攻撃で。

モナ吹っ飛んでしまう。

フィローがエネルギー波を浴びせてくる。

クレスケンスルーナ。
「直撃!?」

範囲が広くて避けられない!?

葵ちゃん跳ね返す。

フィロー。
「この娘侮れない。」

葵ちゃん。
「戦いには慣れました。」

リーリエが背後にまわってきて。

フィローと鍔迫り合い。

クレスケンスルーナの重い攻撃。

エネルギー波を増幅して解放。

クレスケンスルーナ後ろに仰け反る。

フィローが追撃。

しかし葵ちゃんがスピキュールを当てました。

フィロー。
「うっ!?」

モナ。
「あんたら援護。」
「作戦失敗。」

狂信者。
「了解。」

異端者。
「後は任せろ。」

クレスケンスルーナ。
「こいつら!!」

異端者。

鉄の棒で攻撃。

クレスケンスルーナが斬りかかる。

いざ討ち合うと。

大きく仰け反り。

異端者吹っ飛ばされてダウン。

狂信者。

ハンドガンで攻撃するも。

リーリエは防御。

手の平を前方にかざすと。

前方に透明なシールドが形成され。

弾丸が跳ねていく。

リーリエ。
「プロテクター。」

異端者。
「前方からは抜けない!?」

後ろから葵ちゃんに斬られて。

異端者ダウン。

葵ちゃん。

銃撃戦が酷いので。

プロテクターによる光の衣を。

全身に纏い。

何発かの銃弾を弾いて。

数人の兵士を切り伏せる。

魔力の消費で。

プロテクターの効力が急激に低下していく。

そのため。

十字砲火を警戒して隠れた。

クレスケンスルーナ。

将校を追いかけますが。

銃撃戦が酷くて足止めされ。

素早く脱出されてしまう。

戦闘は掃討戦に移行。

すべての敵兵を排除。

正統派の勝利に終わりました。

クレスケンスルーナ。
「あおいちゃんナイス!」

葵ちゃん。
「充分にやれました。」

リーリエ。
「さすがね。」
「しかし敵さん。」
「単純な攻撃を仕掛けたわ。」

葵ちゃん。
「報道させて印象操作とか。」
「目的が別にあるとか?」

クレスケンスルーナ。
「あっ!それだ。」

リーリエ。
「図星。」
「それだよ。」
「報告しなきゃ。」

もちろんニュースで。

不審な点がありましたが。

放送倫理に撃破されましたよ。

他にもいろいろ目論見があったようで。

船の占領は建前だったようです。

思ったより高度な技をかけてきます。

しかし。

ディーミディウム。

一時期は最盛期を誇りましたが。

必衰の理。

少しずつ弱体化しているようで。

自然災害としての役目を果たしたら。

全滅してしまうかもしれません。

儚い歴史に華を添える。

捨て駒ですかね。


10


公園。

ハトたちと戯れて。

かわいいですね。

健気で自然体。

ハトの魅力にハマりました。

クレスケンスルーナ。
「見てみて肩に止まった。」

葵ちゃん。
「掴んでみた。」

リーリエ。
「あんまりベタベタ触らないように。」
「有害な菌を保有している場合もありますよ。」

クレスケンスルーナ。
「まあ免疫力なめんな的な。」

葵ちゃん。
「手はきちんと洗おうね。」
「衛生管理者の助言は格別です。」

何者かが遠くから覗いておりました。

帰ろうとしている時。

あのポーカーフェイスのスーツ姿。

シュルツが現れて。

クレスケンスルーナ。
「今度は正々堂々とやろうって?」
「とっても男らしいと思うわ。」

シュルツ。
「いや取引があって。」
「こっちのデータとそのフロッピー。」
「交換できないかと。」

リーリエ。
「相手に信用されるやり方をしてください。」

シュルツ。
「ではこちらをまず渡すから。」
「その上で交渉するとしましょうかね。」

マイクロディスクを差し出してくる。

携帯ゲーム機のような小さな端末を取り出し閲覧。

クレスケンスルーナ。
「本部と連絡してみる。」

シュルツ。
「こっちとて損ばかりするのは御免です。」
「無益な戦いはしませんよ。」

リーリエ。
「それまで背後を取らせて頂きます。」

葵ちゃん。
「なんか大人の駆け引きなのかな。」

10分後。

本部と連絡して相談。

フロッピーくらいは渡してもいいと判断され。

レアな情報と引き換えに。

交渉成立。

シュルツ。
「これ以降贔屓にしてくれると助かりますぞ。」

クレスケンスルーナ。
「使える奴だな。」

リーリエ。
「さて早くお逃げなさい。」

シュルツ。
「こいつはおまけ。」
「さらば。」

USBをドロップしていきましたが。

こちらは軍事情報でしたよ。

なんでもディーミディウムと異端者は。

一緒に山荘に立て籠もっているらしく。

偵察のち特殊部隊の攻撃が計画されています。

既に主力部隊は撃破されていて。

数日後には本隊を攻撃。

散り散りになったようです。

自宅にて。

クレスケンスルーナ。
「この小さな山荘に珍品があるんだとか。」
「占領されている。」

リーリエ。
「仕掛けてみます?」

葵ちゃん。
「わたしも参加していい?」

クレスケンスルーナ。
「もちろん。」
「フォローお願いね。」

リーリエ。
「オルフェンが来てくれますよ。」

来客。

オルフェン。
「これはお姫様。」
「私が特務部隊の指揮官です。」
「政府の命令通りに。」
「小さな山荘くらいなら。」
「珍品目当てに軍を動かす所存。」

葵ちゃん。
「やっぱりかっこいいです。」

オルフェン。
「女性が言うなら間違いない。」
「けっこう決まる格好。」
「苦労したものだ。」

クレスケンスルーナ。
「それでは作戦開始に準備するね。」

作戦決行日。

準備のち出発。

味方部隊と合流。

小さな山荘がありまして。

一個小隊が籠城しております。

特務部隊は10人。

戦力としては同等。

オルフェン。
「薄暗い。」
「視界もまだ効く。」
「夜までには決着をつけよう。」

リーリエ。
「特務部隊が攻撃を開始しました。」

葵ちゃん。
「援護します。」

クレスケンスルーナ。
「もう戦闘がはじまった。」

フィロー。
「またお会いできて光栄です。」

葵ちゃん。
「そんな過激派になぜいるのですか?」

フィロー。
「そうさせたのは衆愚です。」

葵ちゃん。
「歪んでいる?」

フィロー。
「子供の頃から嘘ばかり。」
「意味不明な価値判断を見て育ちました。」
「ルサンチマンに説教されたことも。」
「人間自体が災難でしたよ。」

葵ちゃん。
「そんな連中とは絶縁してやって。」
「世の中の馬鹿という馬鹿に行き当たり。」
「荒れてしまうのも無理はないです。」

フィロー。
「私を救ってください。」

葵ちゃん。
「私は偽善的な人助けはしないのです。」

クレイモアを取り出して。

葵ちゃんの攻撃。

フィローのサーベル。

華麗な剣捌き。

ステップが軍隊徒手格闘での特有な動き。

葵ちゃん。

不思議な魔法で。

自分の蜃気楼を見せて。

姿が歪んで見えるように工夫。

フィローが補足できない。

クレイモアでサーベルを弾く。

フィロー退却するも。

リーリエが側面から飛び出して。

フィローに寝技をかけて捕獲した。

葵ちゃん。
「戦況は?」

リーリエ。
「敵が逃げて行っている。」
「もう勝利よ。」

傭兵モナ。
「貴様らー!」

オルフェン。
「おおっと。」
「暗黒の世界に招待しよう。」

特定範囲が闇に染まる。

視界があまり無い。

傭兵モナは退こうとする。

闇の中から黒く紫の武器が飛んで来て。

防戦一方になる傭兵モナ。

敵兵援護。

しかし敵兵は玉砕。

傭兵モナはなんとか逃げ延びた。

クレスケンスルーナ。
「勝鬨ってわけ。」

葵ちゃん。
「戦果があった。」

リーリエ。
「上出来よ。」

オルフェン。
「敵の魔法少女を捕らえた?」
「いい仕事だな。」

葵ちゃん。
「きゃあ。」
「あなたのファンですからね!」

オルフェン。
「オーケー。」
「けっこう好みだよ。」
「そういう健気な女の子。」

支援部隊によって撤収。

すぐに。

捕虜にしたフィローという魔法少女。

呪術によって操作されていた女の子だったそうです。

裁判のち。

保護されました。

だけれど戦闘力が高くて。

即戦力として期待されちゃったりも。

局地戦が続く中。

連日の消耗を見せるディーミディウム。

終戦の目途は立っています。


11 


古城の中にて。

傭兵モナ。
「ということで集まってもらったのは他でもない。」

異端者。
「もちろん大作戦があるのだな。」

狂信者。
「逆転するのか?」

傭兵モナ。
「幹部のお前らを捕らえて投降する。」

兵士が取り囲んで幹部を拘束。

異端者。
「そんな馬鹿な・・・。」

狂信者。
「同志だったはず・・・。」

傭兵モナ。
「スパイってこと知っていたか?」
「最初から計画した通りだったよ。」

異端者。
「ハメられた・・・。」

狂信者。
「思えば不審な点が少しあったな・・・。」

兵士。
「車の手配が完了しました。」

傭兵モナ。
「では司令部に出発だ。」

フィロー。
「何も無かった人だけ余裕で居られる。」
「人は何もなければ何も分からない。」

傭兵モナ。
「食糧不足でやっと食べ物の本当の価値が分かり。」
「渇水で飲み水の恩恵を見出す。」

フィロー。
「人は何かあって始めて分かる。」
「キレイゴトは何も無かった余裕かまし。」

傭兵モナ。
「何も無ければ。」
「何も学ばない。」
「何かあって人は始めて分かるから。」
「普通に居られるのは放置されたから。」
「自分の番がまわってきたら。」
「きっと分かるよ。」

兵士。
「これから寝返ります。」
「提示された通りに。」

フィロー。
「私の術は健在かな?」
「私は理性的に生きる事にします。」

モナは異端者の幹部を複数拘束。

司法取引に出ましたが。

司令部とスパイの協定を結んでおり。

ほとんど無罪が確定していますよ。

2か月で解放。

オルフェン。
「迎えに来てやった。」

モナ。
「学生時代のように。」
「久しぶりにハメ外すか?」

オルフェン。
「ここは謹んで。」
「喫茶店で珈琲でも。」

同時期に。

保護されたフィローが復帰。

魔法使いが術を解いたら。

正常な女の子に戻ってくれました。

保護施設。

フィロー。
「仕返ししたい。」

オルフェン。
「ほう。」
「利害が一致しているな。」

モナ。
「こき使った詫びだ。」
「受け入れるよ。」

フィロー。
「嬉しいです。」

三人組の傭兵部隊が結成されましたね。

三人組で新しい戦いに出向くことに。

理性。
「あなたの理性と感情。」
「さてさてどちらが勝ちますか?」
「感情に身を任せ。」
「理性を捨てて行くのかい?」
「理性は人らしき。」
「すべてを与える贈り物。」
「感情論に走り逝き。」
「遂には愚かな人間仲間入り。」

感情。
「義による怒りは別物で。」
「私は本能そのまんま。」
「私の元へいらっしゃい。」
「古代の教訓お忘れか。」
「怒りは敵と思え。」
「貴重な訓戒無駄にして。」
「私の元へ来なさないな。」
「私は歓迎致します。」
「あなたを獣に突き落とせ。」

クレスケンスルーナ。
「日本文化を知りたい。」
「秋葉原行きたい。」

葵ちゃん。
「いつか言い出すと思って。」
「下調べは済ませているよ。」

リーリエ。
「さすがです。」

葵ちゃん。
「ただ資金が。」

クレスケンスルーナ。
「ポケットマネー。」

葵ちゃん。
「完了。」

新幹線で。

秋葉原。

はしゃぐクレスケンスルーナ。

早速。

メイドさんを見つけました。

クレスケンスルーナ。
「はれ?路上にいるの?」
「主人は?」

葵ちゃん。
「日本ではアイドル店員なんです。」

クレスケンスルーナ。
「あーそうか。」
「あれはなに?」

葵ちゃん。
「ゴスロリです。」
「元々は西洋のドレスだと言われています。」

クレスケンスルーナ。
「珍しい。」
「私の所ではあまり見ない華やかさ。」

リーリエ。
「着ぐるみですか。」
「あれは。」

クレスケンスルーナ。
「マスコットだー。」

葵ちゃん。
「こちらにメイドカフェあります。」

クレスケンスルーナ。
「趣向が違うのかな?」

メイドカフェに入ったら。

メイドさん。
「お帰りなさいお嬢様。」

クレスケンスルーナ。
「それ言われ慣れてる。」

メイドさん。
「にゃんにゃん!?やりましょ。」

クレスケンスルーナ。
「こんなへんてこダンスをしろと?」
「道化師みたい。」
「おもしろーい。」

リーリエ。
「日本では召使い。」
「道化師なのですか?」

葵ちゃん。
「遊びです。」

リーリエ。
「変わった趣味で。」
「しかし美形だらけなのが不思議です。」
「これは知り合いにお見せしたら。」
「求婚でもありましょう。」

メイドカフェで踊って。

次に。

アニメイト。

クレスケンスルーナ。
「アニメ?」
「芸術作品ってこと!?」

葵ちゃん。
「大衆向けだそうです。」

クレスケンスルーナ。
「美しいものでもありますの?」
「古き良き絵画の集まりとか。」
「金色の鎧?」

葵ちゃん。
「絵画みたいではないです。」
「デジタルみたいなコピー?」

クレスケンスルーナ。
「絵画をコピーしても。」
「本物特有のオーラはありません。」

葵ちゃん。
「見ればわかります。」

クレスケンスルーナ。
「おおっと少し芸術とは。」
「言えるものではありません。」
「見なかった見なかった。」
「こっちのかわいいカジノマシン。」
「くるくるまわして手に入れた?」
「かわいい品物もあるんですね。」

葵ちゃん。
「品がないものは見ないほうがいいかも。」
「立ち去ろう。」
「芸術作品は少数派。」

クレスケンスルーナ。
「しかし窮屈な街ですね。」
「人がいっぱいいるもので。」
「わざわざなんで。」
「こんなに集まるのです?。」

リーリエ。
「私は開放的で。」
「フリーダムな都市が好きですね。」
「ヴェネツィアなんて綺麗です。」
「ここはちょっと薄汚い。」
「素敵な物が台無しです。」

葵ちゃん。
「想定外でした。」
「美的感覚。」
「道徳法則をお持ちとは。」
「汚いものまで見せちゃった?」

クレスケンスルーナ。
「いいえ。」
「他山の石。」
「でも素敵な物もたくさんありました。」
「汚い所を排除すれば。」
「あとは簡単そのものです。」

新幹線の車内で。

東京を巡って手に入れた。

日本のお菓子。

気に入ってくれました。

帰還。

葵ちゃん。
「そういえばホームステイ。」
「もうすぐ帰っちゃうんだよね?」

クレスケンスルーナ。
「いいえ。」
「浜松医科大学に特別入学するの。」

葵ちゃん。
「え!?名門じゃなくて?」

クレスケンスルーナ。
「そこでは知り合いと親族が多くて。」
「友達も在籍しているの。」
「条件が整っているし。」
「無理に世界の大学に行こうと思わない。」

リーリエ。
「クレンズは本物の医療を学びたいんです。」
「医は仁術。」
「そんな教師を発見したのです。」

葵ちゃん。
「すごい独特。」

クレスケンスルーナ。
「医は仁術。」
「そのひとが教えてくれたから。」
「そのひとに教えてもらう。」
「そんなこと言う教師はまったくいないから。」

葵ちゃん。
「素晴らしいです。」
「応援するよー。」
「ということは?」

リーリエ。
「はい。」
「まだ居させて頂きます。」
「庶民の生活も中々知りました。」

クレスケンスルーナ。
「民の目線に立てば見えてくるもの。」
「もう少し一緒にいるよ。」

葵ちゃん。
「それは嬉しいな。」
「私の家が華やかです。」
「贅沢三昧私の青春。」

クレスケンスルーナ。
「うふふ。」
「意気投合。」
「これをあげるね。」

記念金貨。

イギリス2019年発行英国プルーフ金貨セット。

プルーフ金貨のセット。

コナンドイル生誕160周年記念シャーロック・ホームズ金貨。

ノルマンディー上陸作戦75周年金貨。

チャールズ2世時代の貴重資料であるサミュエル・ピープス日記の最終日から350周年を記念する金貨。

ヴィクトリア女王生誕200周年金貨。

ウェッジウッド社創立260周年記念金貨。

葵ちゃん。
「え?これ?」

クレスケンスルーナ。
「由緒ある家柄なんでしょ?」
「遠慮する理由はないわ。」

葵ちゃん。
「そうだよね。」
「見せてくる。」

両親は受け取りました。

名誉ある事ですし。

遠慮はしません。

この頃からでしょうか。

葵ちゃん。

真面目に生きようと決心して。

これまでの堕落した生き方を改めました。

友達と神社巡り。

葵ちゃん。
「七福神の一柱。」
「恵比寿様(蛭子様)の社殿を見つけました。」
「鳥居の前にある看板に書いてあったんです。」

紬ちゃん。
「それは運命なんだわ。」

雫ちゃん。
「きちんとお伝えしよう。」

国語辞典で。

祝福を引いてみたら。

幸福を祈ること。

神様から幸福を与えられること。

こう書いてあったのを知っていましたので。

三人でその通りにしました。

自分の重荷は背負っていきたいと思い。

そもそもその他の余計な重荷は要らないです。

猿田彦大神を見つけました。

これからの旅路は東海道のように見えますが。

ゴールなんてあるのかな。

私はこれまでの生き方を改めて。

いつの間にか友達に囲まれて。

決意を新たに。

葦原の中つ国にて。

独立へと。


12


巫女さんのアルバイト募集。

とのことで。

応募しましたら。

研修に出向いて教わります。

でも慣れていて。

体術もあるもので。

あっさり通過で就職です。

期間が設けられていて。

それまでお勤め致します。

わたしはいろんな雑務をこなしますが。

いろんなひとが噂を訪ね。

相談押し寄せ。

助言もけっこうできました。

志穂。
「あんた巫女服かわいいわ。」

葵ちゃん。
「どうもです。」

雫ちゃん。
「似合っている。」
「これこそ女性だー!」

紬ちゃん。
「神聖な女性ですね。」

葵ちゃん。
「私は清らかで居たいです。」
「なるべく清潔にするとします。」

なんか呼び出されて。

撮影会。

巫女服で模造刀を持ってポーズ。

雑誌の取材で。

記者が私に目をつけて。

依頼したそうです。

自分にうっとり。

かわいいかな?

難なく終えて。

お正月にも。

旗日にも。

来てほしいと依頼されちゃいました。

葵ちゃん。
「わたしは鼎巫女?」
「巫覡でしょうか。」
「かむなぎ。」
「神和で神を和やかにする者の意。」
「かうなぎ。」
「かみなぎとも。」
「神に仕える神職も意味している。」
「多くは女性で。」
「個人主義な傾向にあるみたい。」
「ひとりで活動してもいいのかな?」
「最近はかわいい巫女になれました。」
「これこそ女の子。」
「私なりの女性像。」
「きっと見つけてみせますよ。」
「私なりの女性に。」
「到達したい。」

神棚で礼拝。

休日。

珂珠さんとお茶してます。

屋敷にて抹茶。

珂珠。
「けっこうやれているようです。」
「通用していますよ。」
「むかしからの鍛錬のおかげですか?」

葵ちゃん。
「そうみたいです。」
「思った以上に通用しています。」
「魔法少女をきっかけに。」
「女性として飛躍したい。」

珂珠。
「いい心構えです。」
「向上する精神は大切です。」

家に帰ると。

姫ちゃんは。

自宅学習をしておりました。

さっき。

特別講師の元に居て。

みっちり仕込んで貰っていたそうです。

クレスケンスルーナ。
「おお!ちょっと取り込み中。」

葵ちゃん。
「またあとで。」

私の家では。

かわいい女の子を見放題。

女の子が好きなんです。

ちょっと嬉しい。

姫ちゃんを見ていたら。

ますます女の子が好きになりました。

百合が咲いちゃう季節かな?


13


夏の訪れ。

太陽照らす海の傍。

浜名湖の南方。

港の近くは絶好の釣りスポット。

浴衣姿の珂珠さん。

華族ナンバー3。

ロリータ系の服装で。

乙葉(おとは)さんとで。

友達勢ぞろい。

一緒に来ましたよ。

乙葉。
「乙葉だぞー。」
「車での移動なら任せなさい。」

雫ちゃん。
「戦国武将がデザインされた車に乗っている。」
「たまらんわあ。」
「車内にも歴史的なアクセサリーがいっぱい。」

紬ちゃん。
「痛車と呼ばれるらしいですけれど。」
「中々その手の通ですねー。」

乙葉。
「調子に乗ってやってしまったのだー。」

クレスケンスルーナ。
「これ美術品みたいでいいわね。」
「うちにも車が数台あって。」
「描いてくれる?」

リーリエ。
「それは多分。」
「芸術的であればステータスになりますね。」

珂珠。
「車もけっこう改良されていて。」
「車検通るのかしら。」

乙葉。
「正規品でのチューニングなのだー。」
「通るかどうかは考えてないぞー。」

雫ちゃん。
「いや考えてください。」

珂珠。
「近くに迫ったら。」
「部品を元に戻すでしょう。」
「考えて行動するひとじゃないから。」

葵ちゃん。
「直感で動いているみたい。」

志穂。
「ああよく当てられたわね。」
「そういうひとだから。」
「個性が強いから気を付けて。」

珂珠。
「到着。」
「装備よしです。」

乙葉。
「どうやってかっこよく駐車しようか。」

紬ちゃん。
「いやそんな事やらないでください。」
「普通でいいんです。」

珂珠。
「イタズラ好きなのもこのひとの特徴。」

降車。

乙葉。
「ビークルを確保してくる。」

珂珠。
「わたしたちは普通に釣りをしようね。」

クレスケンスルーナ。
「日本の魚ってどんなもの?」

リーリエ。
「かっこいいらしいです。」
「大抵は先が尖っていて。」
「巨大でパワフルな魚も普通にいるとか。」

葵ちゃん。
「それはカジキとマグロです。」
「魚についてはこれから見られますよ。」

乙葉さんは別行動へ。

釣りを楽しむ少女たち。

近くの森林隠れてね。

昆虫たくさん展開中。

セミ。
「ただ鳴いてます。」
「そりぁそうだ夏だもの。」
「私たちがいないと夏も寂しい。」
「ただ鳴いてます。」
「何が悪いのですか?」
「これが自然と言わんばかり。」
「ただ鳴いてます。」
「人間に捕獲されても。」
「夏ですからね。」
「潔く散ります。」

スズメが近くをトコトコ跳ねている。

葵ちゃん。
スズメをすず。」
「こう言って中々かわいいものです。」
「冬には食べ物に困るだろうと。」
「足してやりました。」
「彼らは在り処を知っているようで。」
「痩せているくらいなものです。」
「いつもより少ない食物で。」
「厳しい冬をいとも簡単乗り越える。」
「野山が養い自然の営み。」
「見てごらん。」
「人は手本を見つけたものです。」

イシダイが何気に泳いでいる。

浮上したり潜水したり。

挙動不審。

葵ちゃん。
「行ける?」

クレスケンスルーナ。
「あれがイシダイですか。」
「アタックするのは無謀そうだわ。」

志穂。
「場所が場所で行けないわ。」

葵ちゃん。
「放っておこう。」

志穂。
「うわカサゴ。」

リーリエ。
「あらまあ。」
「魚でも鎧武者のように。」
「着飾りたいのですね。」

珂珠。
「詩的な事を言う前に。」
「さっさと海に投げちゃって。」

志穂。
「投棄。」
「リリース。」
「釣った魚は食べるつもりはない。」
「バケツに入れたら返すのみ。」

葵ちゃん。
「終わり際に餌の塊を放り投げる。」
「海を知るのなら。」
「水の中も見渡せます。」

雫ちゃん。
「よし釣れた。」
「根性。」

紬ちゃん。
「体全体を使うように。」
「効率よく動きますと。」
「3倍くらいの力も出ます。」
「魚くらいなら負けません。」

再びイシダイ。

きわどい。

アタックするも捕獲ならず。

乙葉さん。

船を出して来ました。

友人の船を借りたようです。

乙葉。
「舟遊びしよう。」

珂珠。
「これが今回の目玉ってね。」

葵ちゃん。
「さすがです。」
「真面目に遊ぶのですか。」

志穂。
「私は金槌。」

珂珠。
「ライフジャケットをしておいて。」

志穂。
「浮き輪も?」

珂珠。
「備えあれば患いなし。」

クレスケンスルーナ。
「水平線。」
「日本は美しい場所がたくさんですなあ。」

葵ちゃん。
「天地創造の。」
「造形美。」
「偶然出来た地形ではないですよ?」

クレスケンスルーナ。
「あらま人知を超えてる。」
「さすがに畏怖したわ。」

志穂。
「あんたらやるじゃない。」
「けっこう釣れている。」

雫ちゃん。
「魚を知れば漁は簡単。」
「実力ってヤツ?」

紬ちゃん。
「奥義極めたりー。」
「なんてー。」

志穂。
「そんなに深い物事なのね。」
「魚。」
「たまらない。」
「もっと見ていよう。」

雫ちゃん。
「そろそろリリース。」
「弱ってしまう。」

志穂。
「さあ海に帰りたまえ。」
「食べない猟はしないもの。」

紬ちゃん。
「猟は食べるために行うもの。」
「遊びであればリリースが当然ですもん。」

乙葉。
「あっ操作忘れた。」

珂珠。
「そんな馬鹿な。」

乙葉。
「マニュアル見てくる。」

リーリエ。
「なにをやっているんです。」

乙葉。
「なるほど。」
「しばらく操縦していなかったから。」

珂珠。
「運転手が駄目になったらどうすんの。」

乙葉。
「いや違う。」
「魚群探知機。」
「新しく搭載されてるから。」

珂珠。
「そっち?」
「マグロ漁船なの?」

乙葉。
「どうせなら大物仕留めたいじゃん。」

珂珠。
「そんな大事業。」
「ここでやらないで。」

乙葉。
「狙うだけ狙ってみよー。」

葵ちゃん。
「なにこの魚。」

志穂。
「知らない。」
「焼いて食べればいいと思うよ。」

乙葉。
「魚であればとりあいず焼いて食べればいいの。」

リーリエ。
「そんな単純なものではないですよ。」

クレスケンスルーナ。
「あはは。」
「真顔で冗談言うんだから。」
「これが生きた魚ですか。」
「おもしろい生物です。」

日が暮れる前に帰還へと。

お戯れ。

葵ちゃん。
「蝋燭の火とて。」
「吹けば消えるは儚さよ。」
「夜を彩る炎よ。」
「人も同じくこうなるか。」
「夜明けの船出。」
「揺蕩う船のよう。」
「人もこうして海に出て。」
「これは船の中。」
「クルーズ船の中で灯してます。」

乙葉さんの車で帰宅。

乙葉。
「またねー。」
「次はジェットコースターがいい?」

雫ちゃん。
「戦闘機みたいのにして。」

乙葉。
「了解。」
「宇宙へ飛ぶ気持ちでいなさいな。」

みんな帰宅。

葵ちゃん。
「ちょっと休憩。」

クレスケンスルーナ。
「おおっと。」

葵ちゃん。
「ひゃっ。」

抱きしめられて。

そのまま寝転がる。

しがみ付いて離れない。

葵ちゃん。
「気持ちいい。」

クレスケンスルーナ。
「わたしもだよ。」

抱きしめられて。

そのまま寝ちゃった。

起きると目の前にリーリエ。

食卓に並べられた。

暖かい食事。

今日の夜はなんだか。

パーティーみたいですけれど。

外を見ると怪しい雰囲気。

影がそこら辺にて。

姿がちらり。

不審者でもいるのかな。

怪しい空気で満ちています。

なにやら。

遠くの方にランプが見えました。

噂。
「これは知らんでしょう。」
「噂も時には計略に。」
「用いる事もできますよ。」
「判断材料も。」
「憶測のみで語ります。」
「頭の悪い推理にて。」
「私はひとりで歩き。」
「いろんな人を訪ねます。」
「さてさていつになったら。」
「自分の頭の悪さに気付くやら。」
「馬鹿も見飽きた頃だけれど。」
「根拠の無い事理由にするさ。」
「阿保どもめ。」

道化師。
「根拠の無い話を信じて。」
「踊らされる人形だと。」
「お前は確かに言いました。」
「道化の仲間に入るなら。」
「自分が馬鹿だと認めなさい。」
「他人の嘘でも本当でも。」
「まかり通った世の中だ。」
「人形になるのもオチだがね。」

噂。
「みんな揃って気が触れて。」
「ずらっと並べて安売りだ。」
「愚かな人間たくさんで。」
「これでは足の踏み場もないですな。」

道化師。
「動物よりも優れてる。」
「そんなのあれ見りぁ幻想だ。」
「お前さんらは人間と。」
「猿の区別もつかんのかい?」

噂。
「そのような滑稽な。」
「皮肉の限りを尽くしたね。」
「それではこれらを。」
「いろんな人に尋ねては。」
「彼らに伝えておくんだよ。」

道化師。
「よろしくな。」
「馬鹿の相手は貧乏くじ。」
「あんたは随分と。」
「損をしたがるお方だね。」

噂。
「全員に。」
「屈辱を差し上げましょう。」
「こんなふうに売り込んで。」
「たまらず手を出し損害だ。」
「俺は損というより。」
「借金を作ってやるものだ。」

道化師。
「こんなの踊らねば。」
「こっちも気違い仲間だね。」
「そろそろ君に借金に。」
「貸して欲しいと強請ってる。」
「みんなの所へお行きなさい。」

噂。
「私が人形そのものに。」
「人を狂わせ遊んでます。」
「とどのつまりは馬鹿共の。」
「悪徳高利貸しでいたしんす。」

謎の気配が消える。

静かな夜間。

不気味な歌がささやいて。

去っていくのは人の世の。

池に映るは満月を。


14


今日は雨の日です。

ぽつぽつ降り注いで。

空気が清潔。

木魂。
「雨の日を。」
「楽しむことすらできません。」
「大人の意味を間違えた。」
「雨の日を楽しむは。」
「熟練たちの道楽だ。」
「若い連中雨の日は。」
「なんにもできずにやり過ごし。」
「当たって遊ぶは喜びの。」
「天の恵みと知らずかな。」
「小物は雨と罵るが。」
「詩人は雨と舞い踊り。」
「当たって楽しむ季節での。」
「小物の悪罵と雨の歌。」

葵ちゃん。
「雨の日ですねー。」

紬ちゃん。
「恵みの雨は楽しむに限ります。」

雫ちゃん。
「帰ったらテラスで楽しむとする。」

葵ちゃん。
「この爽やかな雨の空気。」

紬ちゃん。
「癒されますね。」

雫ちゃん。
「雨のしずくが跳ね返る美音。」

葵ちゃん。
「菓子パンをどうぞ。」

紬ちゃん。
「雨の日の美しさがわからない人っているの?」

葵ちゃん。
「いるらしいです。」

紬ちゃん。
「信じられない!」

雫ちゃん。
「わたしも信じられないです。」

葵ちゃん。
「少し雨にあたってみる?」

紬ちゃん。
「濡れない程度にしましょう。」
「許容範囲で。」

学校の玄関から。

少し出て。

雨にあたってはしゃぐ。

志穂。
「美麗!雨傘少女!」

葵ちゃん。
「なんて斬新な。」

雫ちゃん。
「雨のしずくが・・・。」
「わたしたちを祝福しているみたい・・・。」

紬ちゃん。
「素敵です。」

志穂。
「わたしは雨を歓迎。」
「たまにはいいじゃない?」

葵ちゃん。
「雨はわたしたちを祝福。」

雫ちゃん。
「ああなんて美しいひととき・・。」

今日は雨を観賞してます。

レインコート。

ワンピースみたいなかわいい服装。

下校して。

庭で雨を満喫。

夕方でしょうか。

晴れてきて。

ギンバトが舞い降りました。

ギンバトは何やらしきりに鳴いてます。

特徴的なかわいい鳴き声。

葵ちゃん。
「ではこのパンを召し上がれ。」

クレスケンスルーナ。
「うわっ!かわいいお客さん。」

ギンバトちゃんは手に乗せたパンを。

一生懸命頬張ります。

ギンバトちゃんはお礼に。

なでなでさせてくれました。

葵ちゃん。
「かわいい。」
「きれい。」

クレスケンスルーナ。
「どこかで飼われているのかな。」

葵ちゃん。
「放し飼い?できるの?」

リーリエ。
「通常は無理でしょう。」
「何か仕掛けがあるんです。」

ギンバトちゃんはなでなでされまくると。

とことこ歩いてから。

飛び去って行きました。

しばらくすると。

乙葉さんが歩いてきましたよ。

ギンバトちゃんは乙葉さん目がけて。

肩に着地。

乙葉。
「久しぶりに外で飛んだからねー。」
「感覚忘れてたみたい。」

クレスケンスルーナ。
「どんな仕組み?」

乙葉。
「ふっふー。」
「キスしてくれたら教えてあげる。」

クレスケンスルーナ。
「遠まわしに教えないよーだ。」
「そんな事言ってるー。」

乙葉。
「魔法もこのような分野まで及ぶもの。」
「科学と魔法は現在。」
「融合を開始してまーす。」

クレスケンスルーナ。
「そういうわけか。」

葵ちゃん。
「そこまで応用できるのかあ。」

乙葉。
「というわけでキスしていいよね?」

クレスケンスルーナ。
「それは約束が違うでしょう。」

乙葉。
「そうですよー。」
「証明書もないからー。」

ルンルン。

帰っていきました。

ボサッ!!

ずんぐりしっかりとした音。

お次の来客はカラスちゃんです。

カラスちゃんはカーカー鳴きながらおねだり。

パンの欠片。

屋根の上に放り投げると。

カラスちゃんはゲットして飛び去っていきます。

葵ちゃん。
「今日はお客さん多くていいね。」

リーリエ。
「賑やかですよね。」

葵ちゃん。
「なんかいろいろです。」
「不思議な世界。」

虹が空に現れ。

夕方に。

雨もたまにはいいものですね。

自然の恵み。

満喫です。


15


満面の星空広がる。

輝きの夜。

ふたりの少女は共に抱き合い。

星を見つめる。

志穂ちゃん・・・・きれいだね。

葵ちゃんもきれいだよ・・・・。

志穂ちゃん・・・。

葵ちゃん・・・・。

ふたりは優しくキスをかわした。

志穂。
「きゃぁぁぁぁ!!」
「なんてこと書いてるの!!」
「わたしのファンサイト!!」

雫ちゃん。
「見つけた。」

紬ちゃん。
「なんか知らないけれど。」
「有名なんだねー。」

葵ちゃん。
「ちょっといいかも。」

志保。
「いいんかい。」

紬ちゃん。
「男の子の考えてることって理解できない。」

午後の授業はグダグダ。

居眠りをしている人が続出。

先生。
「ほら!そこ!」

先生がチョークをまるで誘導ミサイルのように。

ピンポイントでおでこに当てる。

先生。
「ほら!そこも!」

次々とチョークを当てていくが。

途中から大外れ。

失笑される。

そして。

先生はあることに気が付いた。

先生。
「あら・・・?」
「チョーク全部投げちゃった・・・。」

先生はこそこそとみっともないポーズで。

チョークを回収。

何事もなかったかのように授業を再開した。

生徒。

一部失笑。

先生。

生徒から抗議を受けたよ。

あーあ。

トレーニングの時間。

志穂ちゃんと雫ちゃん。

2人は勢いよくグラウンドに出ると。

仲間が待つ場所に直行する。

その場所ではドッジボールのコートが作られていた。

掲示板には課題を提示した資料があり。

先生は課題を与えると。

遠くから傍観。

最初は統率者がいない群れです。

次に名乗り出たリーダーが駄目なもので。

志穂ちゃんがさっさと仕切って。

ドッジボールが開始。

雫ちゃん。
「いざ勝負。」

志穂。
「はい開始。」
「行くわよ。」

開始早々。

志穂ちゃんが鋭いボールを投げて。

雫ちゃんのチーム。

ひとりやられる。

負けじと反撃するものの。

あっさり取られる上に。

志穂ちゃんのボールは速い。

キレがあり過ぎて誰も取れない!

雫ちゃんのチーム。

あっという間に壊滅。

葵ちゃん。
「頑張ってー。」

紬ちゃん。
「研究しなくちゃ。」
「次の対戦で私のチームが対戦する。」

雫ちゃんが反撃。

投げ合いに。

確実に仕留める士気の高さ。

雫ちゃんのチームは。

弱い選手が脱落しますと。

動きが良くなりました。

こぼれ球を拾った雫ちゃん。

柔らかいが。

正確無比なボールを投げる。

変化球だった!?

1人にクリーンヒットするが。

当たったボールを素早く拾った志穂ちゃん。

雫ちゃんに鋭いボールを投げる。

雫ちゃん。

まるでそれが分かっていたのかのように軽く避けてしまう。

外野がそれを拾って雫ちゃんに投げるものの。

雫ちゃん。

既に弾道から外れていたのです。

まるで外したかに見える動き。

まさしく芸術的な回避。

志穂ちゃんのチーム。

拾ったボールを投げるが。

あっさりキャッチされ。

一瞬で投げ返されて。

ひとりノックアウトです。

その球を拾い。

志穂が雫ちゃんチームのひとりに投げ。

こぼれ球を雫ちゃんが投げ。

確実に人数が減り。

両者1対1になる。

ボールは志穂ちゃんが持っている。

じっと様子をうかがう。

雫ちゃん。
「ゾーンってね。」
「私の超人化をご覧あれ。」

気合いが入る雫ちゃん。

氣。

オーラが出ているような。

本気っぷり。

志穂。
「雰囲気が変わったわ。」
「士気が高そう。」
「ゾーンは知っているけれど。」
「戦うことになったわね。」

すると雫ちゃん。

何を思ったのか目をつむってしまった。

チャンスとばかり志穂ちゃんが投げる!

投げる前に雫ちゃんは弾道から外れていた!

外野が折り返すが。

雫ちゃん難なくキャッチ。

志穂ちゃんに投げつけるが。

威力に劣るそのボール。

簡単にキャッチされる。

志穂。
「投げる前の動作を察知して事前に避けている。」
「フェイントが有効?」

そう考えた志穂ちゃん。

フェイントを仕掛けます。

フェイントは上手いが。

なぜか雫ちゃんにバレている有様。

投げるのをやめた志穂ちゃん。

試合が動かない。

雫ちゃん。
「早く投げてよ。」

志穂。
「パワー勝負しかない。」

遠くから踏み込み。

雫ちゃんの足元に渾身の球を放つ。

雫ちゃん既に避けていた。

でもそれを予測していた志穂ちゃん。

投げる直前に弾道を変えたけれど。

キャッチされて。

反動で動けない所を当てられてしまいました。

志穂。
「うっ!思ったより強かった!」

雫ちゃん。
「一回勝っただけです。」
「先勝ちは糞勝ち。」

最近の戦績は志穂ちゃんが有利なんです。

最近は雫ちゃんが押してきてます。

今回は雫ちゃんの勝利。

別の種目だったら勝者は分かりません。

さりげなく激戦を繰り広げる両者。

校内ではゴールデンカードとして知られていたり。

自由主義の学校。

好きですよ。


16


ハロウィン。

仮装してます。

白雪姫なんですよー。

葵ちゃん。
「お待たせ。」

紬ちゃん。
「また会えて嬉しいよ、麗しのきらら姫!」

そう言うと。

紬ちゃん。

しゃがんで。

葵ちゃんの手に口づけをした。

紬ちゃんキラキラした顔ですなあ。

紬ちゃん。
「騎士様、今日もあなたにお供します。」
「いつもあなたの剣となり盾となりましょう!」

葵ちゃん。
「まあなんてこと。」
「王子様はどこにいらっしゃいますか?」

雫ちゃん。
「ここです!」

手を繋いで歩きます。

今日は道化ごっこ。

開催される都市部にて。

葵ちゃん。
「この毒リンゴをお食べ。」

道楽市民。
「いや!毒って言っちゃダメだろ!」

紬ちゃん。
「白雪姫が毒リンゴ?」
「創作の父アンデルセンもびっくりです。」

葵ちゃん。
「ではわたしはひーっひひひと言えばいいの?」

道楽市民。
「それは真似しなくていいと思います。」

葵ちゃん。
「お兄さん。」
「これた・べ・て。」

道楽市民。
「色気を使うな!それはズルい!」

紬ちゃん。
「このリンゴを買ってくれないと。」

雫ちゃん。
「家に帰れないんです。」

道楽市民。
「マッチ売りの少女かい。」

道化。
「アンデルセンワールドが暴走した!」

道楽市民。
「ってこれプレミアモノも混ざっている!」

道化。
「マッチ箱コレクション?」
「古いヤツだ!レアじゃないか!」

葵ちゃん。
「差し上げましょうか?」
「ゴミ箱に入ってたんです。」

道化。
「そんな馬鹿な!?これ貰うわ。」

道楽市民。
「ありがたく貰っておく。」

葵ちゃん。
「あんな二級品でいいのかな?」

紬ちゃん。
「充分過ぎるほど味があるんです。」
「古き良き時代のコレクションです。」
「立派な骨董品。」

雫ちゃん。
「渡しちゃっていいの?」

葵ちゃん。
「なぜかゴミ箱に入ってたんです。」
「放っておけば捨てられていました。」

みんなで踊りが開催。

仕切っているひとがいるのです。

それが乙葉さんだとは。

すぐに解りました。

広場の真ん中には音楽隊。

珂珠。
「マッチ売りの少女は大人気?」

葵ちゃん。
「残りをどうぞ。」

珂珠。
「骨董品が手に入るとは思わなかったぞー。」

志穂。
「わっ!凄く手の込んだマッチ箱!」
「よくそんなの持っているわ。」
「かなりの価値があるじゃない。」

葵ちゃん。
「まだ残っているよ。」


志穂。
「貰っておくわ。」
「古物商でもやっているのかしら。」


紬ちゃん。
「くるくるまわって。」
「軸足回転。」
「相手の前でスカートを。」
「ちょっとつまんで決まったね。」


写真家が撮影依頼してきましたよ。

人がいっぱい。

かわいい服装で5名は目立ってますね。

葵ちゃん。
「わたし?マッチ売りだよー。」

紬ちゃん。
「これを売らないと帰れないんです。」

道楽市民。
「うわあかわいい女性だなあ。」

珂珠。
「そんな貴方には。」
「少しだけ時間をあげてもいいよ。」

道楽市民。
「いいえ。」
「事実を言ったに過ぎません。」

珂珠。
「おやおや。」
「わたしも女性の魅力。」
「あるみたい。」

みんなで手を繋いで。

撮影会。

ステージがあって。

出し物があるそうで。

マジシャンが活躍。

近づいたら。

勝手にステージに上げられてしまい。

とりあいず歌ってました。

みんなノリノリですからね。

次の日に新聞で。

久しぶりの平和開催。

記事になりました。

今回のハロウィン。

みんなとってもハイテンション。

笑顔の花がたくさん咲きました♪


17


一緒に駄菓子屋に行く。

志穂ちゃんと紬ちゃん。

公園で食べては。

歓喜の中。

志穂。
「エネルギー補給。」

紬ちゃん。
「過充電は良くないですよ。」

志穂。
「怪しい気配がしてね。」

紬ちゃん。
「じゃあわたしは隠れていますね。」

不審者が現れて。

いきなり牽制。

志穂ちゃんは応戦していましたが。

別方向からもうひとり。

何かをひったくって逃げました。

志穂。
「またあとで。」
「あいつらボコボコにしてくる。」

紬ちゃん。
「ではまたね。」

不審者がひとり気絶しておりました。

志穂ちゃんの追跡。

犯人。
「こいつをあのお方に献上すれば。」
「俺も出世できる筈。」

志穂。
「あれは持ち主を選ぶ。」
「放っておけば何があるか分からない。」

上流邸宅。

破魔矢を改造した矢が置いてあり。

紬ちゃん。

庭にて。

それを空高く打ち上げましたら。

破魔矢が消えてしまいました。

志穂。
「さて返してもらいましょう。」

犯人。
「食らえ!」

スタングレネード。

閃光手榴弾。

あんまり効果がありませんが。

気付いたら。

犯人に矢が刺さっておりました。

志穂。
「なにこれ。」
「うそ!?」

警察が犯人を連行。

誰が射抜いたのでしょうか?

どこから?

姿が見えませんでした。

珂珠。
「魔法の補助装置。」
「天然石の月美。」
「家宝のひとつ。」
「失わなくて良かったですね。」

志穂。
「もう少し厳重に管理します。」

珂珠。
「しかし不思議な矢がいきなり刺さっていた?」

志穂。
「そうなんです。」
「周辺に魔力の気配はありませんでした。」

珂珠。
「それはいくつか事例を知っておりますが。」
「魔法少女が他にもいたのでしょう。」
「かなりの使い手です。」

志穂。
「魔法攻撃ではないみたいです。」

珂珠。
「そうなると正体不明。」
「そんなこともあるんですねえ。」

志穂。
「なんだか神秘的な出来事でした。」

学校にて。

紬ちゃん。
「おっほー。」

志穂。
「おはー。」

葵ちゃん。
「しほちゃん人気だね。」
「もうみんな集まっている。」

雫ちゃん。
「アイドルらしいアイドルですからー。」
「さすがのしほちゃんです。」

紬ちゃん。
「今日はリベラルアーツの授業だって。」

葵ちゃん。
「人は学問によって大きく違いが出る。」
「勉強は悟性を強化するだけ。」
「基本は万能ではないから。」
「私も孔子をお手本にやるぞー。」

紬ちゃん。
「勉強は利益の為。」
「学問は自身の成長の為。」
「似て非なるもの。」
「やるぞー。」


笑顔の紬ちゃん。

昼休みには。

校内掲示板にて。

神社本庁のホームページが紹介されており。

いろんなひとが見ていきました。

宗教教育を導入する予定があるそうで。

学校も。

高度な形態に移行するのでしょう。

やっぱり人は進化するのかな。

そう思う雰囲気が。

至る所にありました。


18


政府の会議室。

シェルツ。
「こういうわけで。」
「もう全貌が明らかでしょう。」

乙葉。
「大量の情報を集める。」
「そのために敵に入ったりしていたわけね。」

珂珠。
「それで?いくらで買ってほしいと?」

シェルツ。
「権力だけはお金で買えなくてね。」

乙葉。
「推薦状を書けますよ?」

シェルツ。
「それだよ。」
「私の求めし物。」

オルフェン。
「オレにもアテがある。」
「親父が権力者でね。」
「紹介しようか?」

シェルツ。
「いやらしいくらい。」
「走り回った甲斐がありました。」

同じ建物の別室。

けっこう豪華。

モナ。
「兵法としては寝返らせたり。」
「敵のスパイを懐柔するのは普通のこと。」

フィロー。
「わたしはあいつらの特徴。」
「ほとんど知っているから。」
「やっと本気を出せそう。」

部屋に入ってくる。

オルフェン。
「かつての最強魔法少女。」
「お手並み拝見。」
「頼もしい限り。」

モナ。
「その様子だと。」
「何か掴んだな?」
「大将はどこに?」

オルフェン。
「北海道の田舎の村にて。」
「細々と潜伏しているよ。」
「兵士が数名いるけどな。」

フィロー。
「雑兵くらいなら。」
「任せてください。」

オルフェン。
「これで大将に集中できるな。」

北海道のとある村。

細々と潜伏している大将を。

密かに討ち取りに。

向かいました。

家屋の裏側に。

モナが配置されて。

フィローとオルフェン。

正面から。

堂々と尋ねてみると。

敵が逃げ出して。

モナと交戦したあとに。

フィローが雑兵を薙ぎ払い。

オルフェン。

大将と対峙します。

オルフェン。
「お前が親玉か?」

将校。
「まあそんなところだ。」

逃げられない将校は。

グレネードランチャーで攻撃してくるのです。

フィロー。

手をかざす。

グレネードが跳ね返って。

将校倒れる。

それでも抵抗してくるものの。

モナ。

直撃弾を跳弾させる。

どこに撃っても弾が跳ね返る一方的な展開。

将校。

オルフェンに斬られて。

戦闘不能。

あっさり捕虜にできました。

警察に身柄を引き渡し。

自衛隊も来てますよ。

オルフェン。
「とりあいずノルマは達成っと。」
「いい仕事した。」

モナ。
「自分の役割がありますからね。」
「仕事にも自分の役目が出てくるもんです。」

フィロー。
「敵が思ったより弱かった。」

オルフェン。
「御嬢さんが強過ぎたんだよ。」

最近の戦況では。

将校が次々と減っていく。

局地戦にも対応し。

勝利も遠くはありません。

ニュースは戦果報告でいっぱい。

話題の中心。

ディーミディウム。

葵ちゃん。
「オルフェンさんって彼氏?」

クレスケンスルーナ。
「んなわけない。」
「男女仲良しでみんなカップルなの?」

葵ちゃん。
「うーん。」
「だんだん慣れてきた。」

リーリエ。
「初恋ですか。」
「でももうすぐ理性が勝ちますよ。」

クレスケンスルーナ。
「食らうと自分を制御できないでしょ?」
「もう操られるかのように。」
「すべての自由を失う。」

葵ちゃん。
「それで正常な判断もできなくなる。」
「ひとつ学びました。」

戦乱も少しずつ消極的に。

外国ではかなりの災いをもたらした。

ディーミディウム。

日本では。

敵将の戦死が相次いで。

生け贄なんですね。

かわいそうに。

わたしは成長するために。

冷静に観察しています。


19


最近はテロが発生していて。

政府は対応に追われています。

人々の様子が段々に気が触れて。

おかしな行動や言動が目立つようになったそうです。

魔法使いのお偉いさんが対応しています。

東京のパンフレットを見ている姫ちゃん。

葵ちゃんは誘いかけてみました。

午後になり。

華族のトップが多忙を極める時期。

密会と言わんばかりに。

林の中で。

シェルツ。
「何か術をかけられた市民がおりまして。」
「私も情報をかき集めて。」
「提出中。」
「買ってくれるかい?」

クレスケンスルーナ。
「おやおや。」
「まあいいでしょう。」

リーリエ。
「役に立ちそうな奴ですね。」
「情報料は請求することです。」

シェルツ。
「なにしろ顔が広いもので。」
「みんな自分の近くの馬鹿どもを。」
「売りたい売りたい叫んでる。」

クレスケンスルーナ。
「話は通しておくから。」

リーリエ。
「まあ風向きが変わったんですね。」

姫ちゃんが言い出しました。

噂の巨大都市がどんなものか知りたくて。

もう一回東京巡りしようと。

珂珠さんと乙葉さんとみんな一緒に。

雫ちゃん。
「東京だー。」

紬ちゃん。
「わたしは京都のほうが好きだなー。」

リーリエ。
「歴史ある都市であると伺っております。」

雫ちゃん。
「一度は京都に行かないと駄目なもので。」

紬ちゃん。
「歴史をそのまま保管したような都市ですから。」

クレスケンスルーナ。
「そんな都市があるの?」
「日本最強だね。」
「わたしの近くでも歴史的な都市はあるけれど。」

葵ちゃん。
「パンフレット持っているよ。」
「スマホに保管していたり。」

クレスケンスルーナ。
「どれどれ。」
「オー!?」
「これが和芸術というものかあ。」

志穂。
「芸術的な建築物もいっぱいあるわよ。」
「城も芸術品。」

珂珠。
「まさしくそれ!」
「さすが私の弟子!」

リーリエ。
「芸術品が普通に建っているんですか?」

葵ちゃん。
「こんなふうなもの。」

クレスケンスルーナ。
「オーマイガー。」
「美術館ですか日本って国は。」

乙葉。
「まあそんなところだよ。」

リーリエ。
「いやはや奥が深い。」
「歴史は芸術作品と言うけれど。」
「ここまで豊富ですと。」
「本国に送信しておきます。」
「データください。」

葵ちゃん。
「はい送信。」

乙葉。
「恋ドラマやらない?」
「展望台でキスとか。」

クレスケンスルーナ。
「私の国ではそんな簡素な演劇はやらないものです。」

乙葉。
「いいじゃない。」
「B級映画の積もりでさ。」

クレスケンスルーナ。
「ただキスしたいだけでは。」

乙葉。
「あれまあ。」
「もう少し練るべきでしたなあ。」

雫ちゃん。
「そろそろ前進しようよ。」

紬ちゃん。
「絶景とか言うのを見るために。」

葵ちゃん。
「展望台に。」
「そのあとお土産漁りましょう。」

東京タワー観光。

下の階はお土産市場なんですね。

これぞ東京!な品物が売られていて。

来た甲斐がありました。

今回は都会を一望してみたいと。

展望台に来たのです。

クレスケンスルーナ。
「これは綺麗と言うより。」
「効率重視。」
「美しくない。」
「文明自体が美しくない。」

葵ちゃん。
「むかしと何も変わらない。」
「人の有様も。」
「むかしと何も変わらない。」
「古代ギリシヤとほぼ同じ。」

乙葉。
「科学万歳!科学万歳!」

珂珠。
「そんなこと言わないでー。」

葵ちゃん。
「私達は強意見が多いなあ。」

雫ちゃん。
「美的観念から都市を見ますと。」
「わたしもそう思います。」

志穂。
「馬鹿の一つ覚えみたいにやってきたから。」

紬ちゃん。
「そうですか?」
「私は満足な出来ではないと思っています。」

志穂。
「もう少し美というものを探求できなかったのかしら。」

紬ちゃん。
「美しくないのは明白ですよ。」

帰り際に。

この場に留まりました。

ベンチに座って。

少し長かったかな?

雑談。

そのうち。

巨大なリュックを背負った人を見かけて。

乙葉さん。

誘導尋問したみたいです。

すぐに押し倒して。

中から爆薬を発見。

東京タワー爆破?

葵ちゃん。
「あらまあ。」
「索敵開始。」

乙葉。
「私だけでやれます。」
「先行する。」

珂珠。
「援護。」

志穂。
「私は連絡するわ。」
「武装警察到着には時間が必要。」

周囲を捜索しますが。

仲間が倒されたと知って。

不審者2人発見。

攻撃してくる。

魔法使いで。

小型爆弾を投げてきました。

跳ね返してやり過ごしますが。

移動しながら。

いろいろ投げてきます。

側面からクロスボウ。

打ち払った珂珠。

投げナイフなど。

いろいろ連射してくる。

珂珠。

薄くて透明なシールドを前方に展開。

攻撃の無効化。

連射馬鹿撃ち尽くす。

既に散開しており。

側面から姫ちゃん。

クロスボウなどを連射してくる。

連射馬鹿を斬る。

負傷して倒れるテロリスト。

爆弾野郎。

圧倒的な弾幕。

葵ちゃんが展開した分身モドキに投げてしまう。

乙葉さん。

超高速タックルで相手を撥ね飛ばす。

着地した爆弾野郎。

まだ手数がある。

リーリエは牽制。

クレスケンスルーナは投げてくる爆弾を。

前方で叩き落として避け続ける。

葵ちゃん。

遮蔽物を利用して。

なんとかまわりこんで。

後ろからみねうち。

爆弾野郎負傷して気絶。

ふたりを捕虜にすることに成功しました。

建物の二階から何かしている敵兵。

クレスケンスルーナ。
「あっ!出遅れた。」

リーリエ。
「撃たれる?」
「ああなんてこと。」

背後から接近。

オルフェンが後ろからねじ伏せた。

スナイパーライフルが落下。

援護役だったみたい。

フィローとモナも見えました。

武装警察が到着して。

大戦果。

オルフェンとフィロー。

モナとシェルツ。

なにやら話している。

シェルツ。
「私の情報は役に立ったかな?」
「さらば!」

クレスケンスルーナ。
「あいついったい何者!?」

オルフェン。
「凄腕のギャンブラー。」
「ポーカーで負けたことがないとさ。」
「おまけに荒稼ぎして。」
「最後にわざと負けて帰るとか。」
「地元じゃ変人扱いされてるが。」
「本物だよあれは。」

葵ちゃん。
「激戦になっている?」

乙葉。
「私は管理担当なので。」
「兵士たちは歯ごたえがあるでしょう。」

珂珠。
「戦闘マニアもいるもんですし。」

志穂。
「なにやってたの?」

雫ちゃん。
「市民の退避誘導。」

紬ちゃん。
「ミニ双眼鏡で不審者を探してた。」

志穂。
「素晴らしい。」
「そんな有能とは。」
「他の女性と何かが根本的に違う。」

葵ちゃん。
「これはついでなの?」

クレスケンスルーナ。
「観光の方が前よ。」
「後で計画を知ったの。」

葵ちゃん。
「東京タワーが瓦礫にならなくて良かった。」

リーリエ。
「まったくです。」
「作品が爆破されるなんて。」
「もったいない。」

説明と。

武装警察が索敵。

後はオルフェンがなんとかします。

帰されました。

帰路へ。

クレスケンスルーナ。
「これおいしい。」

乙葉。
「接吻のほうがおいしいと思ったよ。」

クレスケンスルーナ。
「台本書き直してきて。」

乙葉。
「シェイクスピアを読むことになるでしょう。」

葵ちゃん。
「あれってなんで書けたの?」
「シェイクスピアってお手本でしょ?」

珂珠。
「シェイクスピア学者もいますから。」
「歴史が生み出した文豪ってこと。」

葵ちゃん。
「なーるほど。」
「想像を膨らませて。」
「想像を形にできるかな。」
「私もちょっとやってみよう。」

帰宅すると。

ニュースは報道規制になっていたみたい。

連日。

過激な報道が目立ったので。

市民への悪影響を削減。

国営メインニュース。

切り札として。

魔法使いを主力とする。

自衛隊特別チーム。

「RMA」を稼働させたんです。

飛躍的に殲滅能力が向上。

局地戦での勝利を目指す。

密かに。

私宛にメダルが届きました。

簡単に贈られる。

感謝状メダル。

わたしも一人前?

なんとか果敢にチャレンジしたら。

大切な何かをいくつか見つけました。

真実よ。

嘘を塵にして。

世界の真実よ。

私にヒントをくれました。


20


珂珠さんと手を繋いで。

商店街。

人の基本を教わって。

中立で公正な教科書を渡されて。

今度は一緒に。

いろんな場所をプチ観光?

志穂。
「シューティングゲームがあるよ。」

珂珠。
「やってみる?」

葵ちゃん。
「プレイヤーは最高の人型兵器Rになって。」
「暴走したAI軍団を薙ぎ払う。」
「スコア式リアルシューティング。」
「内容重視なのね。」

自由に動けるシューティング。

一度もやられない珂珠さん。

志穂ちゃん。

突撃してキルが100。

損害が9。

志穂。
「一桁の損害なら本物なのよ!」

珂珠さん。
「早撃ちってね。」

スコアは6位。

けっこうゲーマーがやっているので。

ハイスコア争いは。

生半可なプレイでは勝てません。

ゲームは費やす時間が長いほど英雄になれますが。

中には頭脳プレイによってゲーマーたちを。

蹂躙してしまうひともいますよ。

葵ちゃんたち。

ブランド市場にて。

葵ちゃん。
「女性って大人になって結婚して終わり?」

珂珠。
「女性は結婚についての選択権を持たない。」

志穂。
「それは恋も同じ。」
「本能に抗えないものよ。」

葵ちゃん。
「わあ単純。」

珂珠。
「男は結婚を釣り餌にできる。」
「女性は基本的に単調。」

志穂。
「それらを知っているから。」
「外れる事もできる。」

葵ちゃん。
「私は未だ雛鳥。」
「これでは駄目。」

珂珠。
「あおいちゃんを見ているとこう思うわ。」
「獅子のようになれ。」

葵ちゃん。
「獅子のように?」
「かっこいい!」
「ライオンは勇気の象徴!」

珂珠。
「私は怪鳥。」
「本物の怪鳥は信じられない戦闘力があった。」
「獅子のようになったらいいと思うわ。」

葵ちゃん。
「不屈の闘志がみなぎる。」

志穂。
「雰囲気が違ってきた。」
「もう互角では無さそう。」
「これからが勝負ね。」

クレスケンスルーナ。
「おや?親子ですかな?」
「お似合いじゃん。」
「かわいい女性に美人の女の子。」
「まさか既婚者とはね。」

珂珠。
「いきなり会って。」
「お似合い?本当の子供のよう?」
「おまけに私がかわいい?」
「挙句の果てには既婚者とか言う。」
「なるほど。」
「容量ならいい方です。」
「なにせ独り者ですからね。」
「永遠に結婚しません。」
「実は妄想が嫌いで。」
「結婚の妄想を膨らませると。」
「とても気分が悪いのです。」
「既婚者と言われますと。」
「そんな妄想が好きなひともいるのだと。」

クレスケンスルーナ。
「ということは既婚者はみんな馬鹿であると言うのですか。」

リーリエ。
「おまけに気違いですと。」

珂珠。
「私から見ればそれが真実。」

クレスケンスルーナ。
「ということは。」
「みんななんで結婚するの?」

志穂。
「なんでだろうね?」

珂珠。
「強要されているだけでは?」

リーリエ。
「どうせ人間が勝手に制定した死文でしょう。」

葵ちゃん。
「女性とは結婚である。」
「なんてね。」

志穂。
「なんで結婚するのですか?」
「この問いには答えられない。」

クレスケンスルーナ。
「残るは衆愚だけ。」

志穂。
「女はパターン化した生。」
「惚れたらついて行こう。」

葵ちゃん。
「それはあなたの選択ではありません。」

珂珠。
「異議があるのなら。」
「強要してみろー。」

クレスケンスルーナ。
「意見は一致。」
「これは私達の正解。」

フードコート。

タピオカドリンク。

ブランドが並んでいて。

それぞれ強みを持っている。

少し並べば入手できましたよ。

クレスケンスルーナとリーリエ。

解散。

珂珠。
「習うより慣れよ。」
「指針は分かった?」

葵ちゃん。
「シンプルで解り易いです。」

珂珠。
「人はまず基本から。」
「応用はそのあとよ。」

葵ちゃん。
「まずは基本から?」
「確かに基本もなしに何もできない。」
「基本大事。」

志穂。
「基本もなしに生きるのは。」
「スポーツで何も習わずに。」
「プレイを強行する愚か者のようだ。」

高級車が止まっていて。

タピオカを優先して獲得し。

去っていく。

葵ちゃん。
「富・名声・権力。」
「男性にしか理解できないもんですね。」

志穂。
「資本主義なら。」
「資本家に逆らわないことね。」
「資本家に嫌われたらおしまい。」
「労働階級は単に従えばいい。」
「資本家階級は身分の違い。」
「世界の支配者は資本家なのです。」

葵ちゃん。
「この景色。」
「社会。」
「資本主義だなあ。」
「私は資本家の味方。」
「同士討ちは嫌いです。」

女性も自立できるでしょうか。

今日は社会を見渡し。

女性とはなんでしょう?

こんな問いが生じました。

それで思う所があるのです。

真実の女性。

真実の女性になるべく。

しっかりとまずは女性の基本から。

女神様から教わった。

霊知によって。

真実の女性に今日も近づき。

忠信な者へと。

この世界は人間たちが勝手に解釈したもので。

本当の世界を知りつつあります。

私の青春はすべて捧げました。

未来の事は神様が知っているので。

愚かな人生計画は捨てましたよ。

お手本を見つけて習ってます。

合唱。
「女の一生決まってる。」
「内容違えど同様の。」
「結果に至れり虚しさの。」
「正しい相手と添い遂げて。」
「婚姻棄てては。」
「タモトを分かち。」
「他人と違えしその道も。」
「勝手に作った死文なら。」
「畜群本能発揮して。」
「女の生に干渉し。」
「衆愚の光景地獄絵図。」
「みんなで手を出し堕とすなり。」
「地獄の住人総出にて。」
「ひとりの女を引き込んで。」
「仲間にしたいの丸め込む。」
「きちんと逃れてお往きなさい。」


21


下校すると決まって。

みんなとトランプしたり。

かんれんぼとか。

句会をしたり。

カードゲームで勝負が盛り上がり。

最近のは戦略性?機知?高度なゲームですなー。

今日もいつもの公園。

スマホ片手に雑談です。

クラスメイト。
「この金髪のかわいい女性。」
「だあれ?」

葵ちゃん。
「乙葉さん。」
「これ金髪じゃなくて黄色髪。」
「何かが原因で変異したって。」

クラスメイト。
「うそっ!?」

葵ちゃん。
「血筋にイギリス人がいたとか。」
「レアなんだって。」

クラスメイト。
「すごっ!」
「もう別物。」
「特別な女性。」
「ファンになったー!」

通りすがりの志穂ちゃん。

葵ちゃんを見つける。

志穂。
「葵ちゃんも人気が出たわね。」

ファン。
「どっちが強いの?」

志穂。
「互角。」
「いつも接戦。」

ファン。
「へぇー。」
「志穂ちゃんでも互角なんだ。」

志穂。
「侮れないわよ。」
「敵兵を何人も討ち取っているもんだから。」

友人。
「魔法使いの装束?」
「かわいい。」
「会ってみたい。」

葵ちゃん。
「迂闊に近寄ると。」
「何をされるか分からない。」
「意外と危ない女性です。」

友人。
「わたしはMだから。」
「大人の女性に強姦されてみたい。」

葵ちゃん。
「おおっと。」
「あなたも同類のようで。」
「また紹介してあげるね。」
「多分中学生の女の子が好きだから。」

友人。
「それは楽しみ。」
「どんなひとかなー。」

いつもの日常。

わたしの中でもっと成長したいと。

願望があるのです。

穏やかな日常の中で。

埋まってしまいそうな何かを発掘中ですネ!

カラス。
「漆黒の制空権。」
「我らか鷲か。」
「知恵の賜物使い得て。」
「空の統治者名乗るなり。」
「猫も虐める強者にて。」
「共生するのは宿命かな。」
「我らの守護神八咫烏。」

インコ。
「籠の中だと言うけれど。」
「あたしはあたしで。」
「目的があります。」
「あなたと違うのです。」
「たまには部屋で放たれて。」
「あたしの一生それでよし。」

大型インコを連れた女性が通る。

クラスメイト。
「かわいい!あの女性だ!」

乙葉さん。
「あらかわいい。」
「いいもの見たわ。」

友人。
「ねぇ好きにしてくれるんでしょ?」

乙葉さん。
「そんなあ。」
「急がなくていいのよ。」

クラスメイト。
「華族ナンバー3なんでしょ?」
「普段から出歩いているんだあ。」

乙葉さん。
「監視やミスの防止。」
「状態の観察や現場視察。」
「余暇もできたりして。」

葵ちゃん。
「汎用性が高いひとなんです。」

友人。
「気が利く役割なんだあ。」
「縁の下の力持ち。」

乙葉さん。
「素敵な言い回し。」
「お礼はキスがいい?」

友人。
「うん!やってー!」

葵ちゃん。
「えー!?」

乙葉さん。

ほっぺにキス。

友人。
「キャー!キャー!」
「かわいい女性にキスされた!」
「付き合ってください!」

乙葉さん。
「その台詞はいざって時に取っておくのだよ?」

友人。
「今がいざって時です。」

乙葉さん。
「あらたまらない。」
「抱きしめてあげる。」

友人。
「ひゃー!」

乙葉さん。
「それでは女の子の嗜みを続けたまえー。」

乙葉さん退場。

クラスメイト。
「かわいいひとだなー。」

葵ちゃん。
「快活なひと。」

珂珠さんがやってきました。

フリルのスカート。

クラスメイト。
「このひとかわいい!」

珂珠さん。
「わたしも混ぜてー。」

クラスメイト。
「いいよー!遊ぼう!」

珂珠さんのお手本プレイに驚愕です。

手練はやっぱり違います。

今日は特に楽しんで。

自分のすることがあり。

解散です。

紬ちゃんと雫ちゃん。

女子サッカー部。

腕試しにやってみて。

それなりにやれたそう。

体験入部の感想をメールにて。

こんな優しい日常の中。

何か大切なものを忘れてしまうかも。

ヒントは足りているのです。

何かを掴みかけてます。

高校へは特別入学が決まっていて。

将来は保障されているみたい。

どこか虚しいのはなんでかな。

わたしは青人草。

神々の者。

これは不可説。

言葉で説明できない。

わたしです。


22


ちょっとした丘。

自然公園。

珂珠さんと乙葉さん。

趣味の夜会に参加です。

シェルツ。
「危険を冒した甲斐がありました。」

オルフェン。
「今後とも常連で頼んでおくよ。」

シェルツ。
「これは出世の朗報か。」

モナ。
「今日は憩いの場です。」

フィロー。
「存分に戯れましょう。」

クレスケンスルーナ。
「久しぶりのお遊び。」


珂珠。
「未成年も0時までに。」
「巻き込むさ。」

乙葉。
「フィローちゃん。」
「何か出し物あるのかい?」

フィロー。
「前より上手に力を使える。」
「本領発揮と行きましょう。」

光の球が周囲に複数発生する。

それぞれ独立して自由自在に動き回る。

廃棄されたドラム缶がいくつもあって。

光の球が命中。

ドラム缶が空高く吹っ飛ぶ。

拍手喝采。

次にもう廃車になってボロボロの車に向け。

エネルギー波を溜めて浴びせます。

木っ端みじん。

廃車の破片が飛んできて。

木の板で防ぎます。

続いて乙葉さん。

目にも止まらぬ早業で。

大きなドラム缶がボコボコになりました。

珂珠さん。

ドラム缶に手を開いて。

ドラム缶がぐしゃぐしゃに潰れます。

クレスケンスルーナ。
「ブロック粉砕します。」

コンクリートブロックが廃棄されていて。

バスタードソードで破壊してしまう。

打撃系の剣術。

リーリエ。
「もう的がありません。」

オルフェン。
「このくらいでいいだろう。」

モナ。
「中々の威力。」
「私はそんな技が無い。」

フィロー。
「あなたはストレートに強いです。」

オルフェン。
「オレはステルスだから。」
「派手な技を見るのは爽快だ。」

乙葉。
「ノクターン(夜想曲)第2番・変ホ長調Op.9-2。」

珂珠。
「甘美なクラシック。」

葵ちゃん。

連れてこられたけれど。

ひとりで夜空を鑑賞中。

月光。
「天文学はしったかぶり。」
「ろくな調査はしなくても。」
「推論並べて公認だ。」
「知ったかぶりをしなくては。」
「己を保てぬ阿呆ども。」
「何を根拠に言ったのか。」
「小賢しい人間の悪あがき。」

葵ちゃん。
「ではこの一文を追加すればいいですよ。」
「宇宙には未知の部分が多い。」

月光。
「宇宙には未知で溢れていますと。」
「素晴らしき条文制定だ。」
「そうなれば神秘の領域。」
「知ったかぶりより別物で。」
「余程の聡明発揮した。」

葵ちゃん。
「宇宙は未知の領域です。」
「ただただ眺め。」
「流星が来れば歓迎し。」
「輝きに見惚れる少女です。」
「あなたはいったい何者です?」

合唱。
「月光も。」
「あなたにスポットライトを当てようと。」
「私を見上げる義理ですね。」

葵ちゃん。
「なんて素敵な。」
「ではご厚意に甘えて。」
「眺めていますね。」

流れ星。
「夜空は私のキャンバスか。」
「刹那の煌めき魅せますよ。」
「特別なお方に願望を。」
「遂げさせようと狙ってます。」
「あなたも特別なんですよ。」
「ではほんの一瞬ご覧あれ。」

葵ちゃん。
「あっ綺麗。」
「観ているだけしかできない。」
「宇宙はいまだ未知の領域。」
「しかしこんなに美しいと。」
「未知によって魅了されますね。」

星々の合唱。
「いまだ未知の神秘的。」
「宇宙は知らず知らずとも。」
「それがかえって憧れる。」
「魅了の要因未知のもの。」

月光。
「天文学者は仮説を集め。」
「私たちの真下でばら撒いて。」
「綺麗に輝く私達を。」
「美しいとは思わない。」

葵ちゃん。
「いいえ。」
「いつの日か。」
「人知の及ばぬ説明が。」
「つくとは思っていますとも。」
「まだ少し人間の。」
「愚かな知恵が続きますが。」
「それまで待ってくれますか。」
「明知も届かぬ私たち。」
「こんなに愚かな存在で。」
「馬鹿をやりつつ進んでます。」

虫たち。
「一部の者よ幸いだ。」
「人間と似て非なる存在だ。」
「人間なんて必要ない。」
「そんなことも言えましょう。」
「裏切り者はあいつらで。」
「裏切られたのはあなたです。」

葵ちゃん。
「その時はどうか罰を与えてください。」

天啓。
「神々は悪平等などしませんよ。」

葵ちゃん。
「私は人間ではありません。」
「青人草と申します。」
「人間は失敗作でしょうか?」

聖霊。
「人は自由意志で堕落します。」

葵ちゃん。
「そういうことだと知りました。」
「そろそろ9時で。」
「俗事に捕捉されぬよう。」
「帰らせて頂きます。」
「素敵な光景ありがとう。」

静寂に包まれた丘の上にて。


23


テレビ特番。

ざっくり日本書紀。

珍しく健全な内容でスタートしたこの特番。

聖帝の世(ひじのみかどのよ)

ナレーション。
「国民は大御宝(おおみたから)と呼ばれる。」
「我が国はいにしえから民主体の政治であり。」
「日本の民主主義は仁徳天皇の御意思を継承している。」
「いまこそ聖帝の世に習い。」
「真の民主主義を実現しよう。」

第十六代「仁徳天皇」古事記・下つ巻。

天皇は高い山にて。

四方の国土をご覧になりました。

しかしどこにも炊煙が立ち昇っていません。

国民は皆、貧しいのだろう。

そこで三年間。

献上品と奴隷を免除しました。

そのため。

宮殿は破損が多発し。

雨漏りが酷いものでしたが。

全く修理せず。

なんとか避け続けたのです。

やがて国中をご覧になりますと。

煙で満ちておりました。

人民が豊かになったので。

課(みつぎ)と役(えだち)を再開し。

国民は栄え。

人々の苦しみが取り除かれました。

その御世を称えて。

「聖帝の世」と言うのです。

葵ちゃん。
「日本書紀は日本人の最高の教科書。」
「日本書紀の正統訳を熟読する必要がある。」

今日。

せっかくの土曜日なんですが。

残念な事です。

昼間なのに不吉な空気で満ちています。

クレスケンスルーナ。
「なんか外は雰囲気悪いよ。」

リーリエ。
「門の周辺が未完成なのでは?」
「明らかに工事をしていません。」

葵ちゃん。
「完璧なものには魔が宿る。」
「知ってます?」
「逆柱がある日光東照宮の陽明門。」
「12本ある柱の内。」
「1本だけ彫刻の模様が逆向きになっている。」
「これは誤って逆向きにしたわけではなく。」
「建物は完成と同時に崩壊が始まる。」
「という言い伝えを逆手にとり。」
「わざと柱を未完成の状態にすることで。」
「災いを避けるという。」
「言わば魔除けのために逆柱にしたのです。」

リーリエ。
「それで。」
「門の周辺が工事中断となっている?」
「不思議です。」

クレスケンスルーナ。
「ん?」
「これは汚れ?不自然な。」

葵ちゃん。
「割と新品であった。」
「ラップトップPCに傷を入れておきました。」
「何か不吉だったからです。」
「わざと未完成の状態にすることで災いを避ける。」

クレスケンスルーナ。
「迷信?一度でも霊感に打たれたら分かるよ。」
「世の中不思議なものだから。」

葵ちゃん。
「ほんとみんな嘘つき!」
「一度でも霊感に打たれると。」
「初めて分かる!」
「みんな嘘ついてるよ!」

クレスケンスルーナ。
「そこら辺はむかしのトルコ式宗教観で。」
「同じ神様を信じていると思って相互理解でいいんじゃない?」
「わたしは主と共に。」
「ほんと同じ神様の事を言っているのです。」


リーリエ。
「宗教については。」
「1986年10月。」
「ローマ教皇。」
「世界の各宗教・宗派の代表者を招き。」
「祈祷会を開催。」
「この史実を読めば理解できるかと思われます。」

葵ちゃん。
「じゃあ日記の内容に書いておこう。」
「。」

満つれば欠ける。

月が満月になると後はだんだんと欠けていくように。

すべて物事は、完成の域に達すると後は欠けていく。

人間も栄華をきわめると。

次には衰えるばかりだというたとえ。



「。」

道化師。
「人間たちが同じ事。」
「繰り返しは世の中の。」
「悪へ寄り付く男ども。」
「道徳知らずの女ども。」
「現代諸悪の具合の悪さ。」
「社会も病気だ人間の。」
「意味の分からぬことさえ世の常と。」
「まかり通した愚者の世で。」
「こうして踊ればまだマシだ。」
「少しもまともなこともできずとも。」
「ロボット機械動物の。」
「どうして人間言えようか。」

魔女。
「衆愚だらけで足の踏み場も無いよ!」
「悪平等の暗黒面。」
「勝手気ままな人間の。」
「あんな顔も見飽きたわ!」

道化師。
「連中の仲間になるよりは。」
「端っこで踊る方がずっとか良いものです。」
「私も随分巻き込まれ。」
「どっちが阿呆と問われたら。」
「私の方がマシでしょう。」
「連中我を張り正しいと。」
「まだ自分が真実だと言い張っています。」

魔女。
「自由の結果があれなのよ。」
「連中に混ざる苦労も知ってけろ。」
「この世でもっとも苦労する。」
「連中に付き合うこの身でさ。」
「いっそ居なければ憂いはないさ。」

道化師。
「あの救いようがない連中よ。」
「どうも処世術が必須科目。」
「今日は冗談捗ります。」

魔女。
「世捨て人になっちまいな。」
「連中はやりたいようにするさ。」

道化師。
「この世でもっとも大きい苦労とは。」
「愚かな人間共との共存だ。」
「私はあんな暗い世の中。」
「一部になったり致しません。」

合唱。
「人間たちの腐敗ぶり。」
「人間たちの不道徳。」
「人間だけは煩いだ。」
「世間もなんにも馬鹿を見て。」
「正しい道を忘却だ。」

葵ちゃん。
「なんだろうこの歌。」
「随分な皮肉だなあ。」

怪しい雰囲気の12時。

今日は不吉で。

家にいます。

誓約を使って人の世を。

占いなんてしてみたら。

凶と出たのは内緒です。


24


戦乱も終わり頃。

浜松城のふもとに東照宮があり。

家康公(東照大権現)を祀る社殿が存在。

参拝することに。

現人神?御神名は後水尾天皇から贈られたものとされる。

歴史は継承されているのです。

葵ちゃん。
「太平洋戦争の時は敗北で終わりました。」
「完敗。」

紬ちゃん。
「昭和天皇は戦争を批判しておられました。」
「当時は政府が全ての責任を負う政権で。」
「立憲君主制。」
「実質は政府が好き勝手やるもので。」
「天皇陛下は限られた権力しか発動できませんでした。」

雫ちゃん。
「中国はどのようになっている?」
「大変に奥地が開けており。」
「中国の奥地が深いのなら。」
「太平洋はなお広いではないか。」
「史実ですよん。」

葵ちゃん。
「元を辿れば明治憲法の欠陥が原因と言われています。」
「変更するな!と書かれており。」
「先進国は数年に一度は変更を加えていたもので。」
「徐々に付け込まれたという。」

紬ちゃん。
「天皇陛下は対アメリカ戦を。」
「無謀な戦いと記しております。」
「私達は緒戦は敗北者。」
「教訓としてやっていくしかありません。」

武者の銅像。

騎馬した物もあって。

迫力がある。

葵ちゃん。
「戦国時代の武士ってなんかカッコイイ。」
「勇敢な武将。」
「知略に長けた大名。」
「日本の歴史ってよく見ると。」
「人が造った芸術作品です。」
「歴史について専門的に学ぶと。」
「よくわかります。」

紬ちゃん。
「男性の華々しい活躍。」
「でもこれは女性には理解できません。」

葵ちゃん。
「男性にしか理解できないことなんです。」

紬ちゃん。
「せめてお手本にしようっと。」

雫ちゃん。
「この世の価値あるものを奪い合った?」
「男の人の憧れや理想は手が届いた。」

紬ちゃん。
「戦争というより戦乱。」
「日本の戦争はほぼ強要されているのでは?」

葵ちゃん。
「現代でさえ。」
「古代ギリシア民主制の改良型。」
「間接民主制ですから。」
「どうやらそれがいいとのことでの導入。」
「特に新しくない。」
「古代ギリシアの復活なのでは?」

雫ちゃん。
「アリストテレスは君主制・貴族政・民主制。」
「三種類の政治体制があって。」
「どれもメリット・デメリットがあるので。」
「どれが良いとは言ってない。」

葵ちゃん。
「無宗教な民主主義は盲目なのでは。」
「ニヒリズム!」
「人間中心のニヒリズム!」

雫ちゃん。
「私はニヒリズムだけは避けたいから。」
「ここにいる。」

紬ちゃん。
「神様中心の方がいいです。」
「人間中心はろくなことがない。」

葵ちゃん。
「戦争も義戦であればいいなあ。」

雫ちゃん。
「孫子の兵法。」
「戦争は政治の延長。」
「自分たちの意思を強要する。」

紬ちゃん。
「みんな仲良くなんて妄想です。」
「だから戦争があるんです。」

葵ちゃん。
「仲良くしましょう!なんてものは一種の命令ですし。」
「相性が悪いのに同じ場所に居させるのは一種の暴力ですね。」
「全員が自分は正しい!なんて主張すれば。」
「争いは絶えません。」
「平和の道を見つけるように。」
「平和の道を知らなくてはならない。」

雫ちゃん。
「世界に対して仲良くしろとは言わない。」
「自分の主権を確保しようとすると。」
「必然的に争いが生じる。」


紬ちゃん。
「子供の理屈で世界は出来ていません。」
「それ以前に人間は喧嘩好きで。」
「争いを好んでいます。」

葵ちゃん。
「自然の摂理は人にも適用されていると悟ることですよ。」
「これは真理です。」

雫ちゃん。
「野獣のような弱肉強食な部分も。」
「鳥のように平和な部分も。」
「人は持ち合わせている。」

「月夜半分闇夜半分。」
「この意味そのもの。」
「ことわざ通りだよん。」

葵ちゃん。
「その発言は真実だと思う。」
「いろんな意見があるけれど。」
「イラク戦争を対岸の火として観ていたし。」
「私は愚かな解釈を辞めようと思う。」

雫ちゃん。
「私は先の戦争での敗北の言い訳は辞めた。」


紬ちゃん。
「兵法としては。」
「韓国は敗戦国のひとつ。」
「中国は引き分け。」

雫ちゃん。
「戦争は最初からこの世にあるものです。」
「イエス・キリストの言葉。」

紬ちゃん。
「平和平和言っても。」
「結局負ければ黙って従うしかない。」
「力は正義なり。」
「プラトンの著書・国家。」
「勝利は常に強者が手にする。」

葵ちゃん。
「世界の歴史は。」
「残念ながら性悪説を中心に動いている。」

紬ちゃん。
「人類史から見て。」
「宗教から見て。」
「戦いを知る者から見て。」
「一見有り得なさそうだけれど。」
「人類は自然の赴くままに。」
「戦争へと身を投じた。」

葵ちゃん。
「戦争は自然の産物。」
「その中でも平和を重んじる意思を失ってはならない。」
「平和への祈りは神様に捧げる。」


雫ちゃん。
「神社で平和を祈るのは忘れてはいけない。」
「間違った平和主義はかえって他国の介入を許し。」
「戦争に繋がる。」

紬ちゃん。
これが平和だ!みんなそう言っている。」
こんなの自分の考えがひとつもありません。」
シリア内戦に対して無関心。」
そんなひとが平和って語れるんですか?」

葵ちゃん。
「私がもっとも悲しいのは。」
「自分も他人も。」
「御託ばかりで悲しい。」

紬ちゃん。
「いーこいーこ。」
「よしよし。」

雫ちゃん。
「みんな世間の考えに縋るしかない!!」
「せめてニヒリズムだけは壊しておこうよ。」

紬ちゃん。
「平和主義については考え直してみましょう。」
「あれでは主権の譲渡ですから。」


葵ちゃん。
「小善は大悪に似たり、大善は非情に似たり。」

境内にて。

意見交換。

のち参拝。

日本では幕府の力が必要不可欠。

幕府に力が無いと。

戦乱になってしまう。

幕府が建てられると終息。

外国では自国の繁栄の為に戦争が繰り返され。

最近は消極的。

戦争を否定することで無駄な争いを無くし。

争っても得をしないのなら。

誰も仕掛けません。

現在も主権を争っての攻防が続きます。


25


浜松城にて。

葵ちゃん。
「人は暮らす事しか考えていないけれど。」
「人が言ったものが正しいと言う証拠は無い。」
「私は心に言った。」
「この世は暮らすだけではない。」
「何であるか知らないので。」
「示された通りにしてみよう。」

志穂。
「手を繋ぎましょう。」

葵ちゃん。
「いいよ。」

志穂。
「暮らすだけ。」
「それがすべてと言いたいと。」
「人は自信満々説き伏せます。」
「結果は同じと見えるもの。」
「せめて華を持たせよう。」
「四季は廻って人よ過ぎ。」
「憐れな生も報われよう。」
「暮らし暮らしは日が流れ。」
「愚かな生き方改めます。」

葵ちゃん。
「そんなにいじめちゃダメ。」
「みんなまだ子供のようです。」
「いずれ悟ることでしょう。」

すぐそば。

稲荷神社。

衣食住の神様。

生活に関しては三回参拝すれば。

生活を保障してくれるという。

志穂。
「豊臣秀頼を放置したら。」
「また戦乱になっていたはず。」

葵ちゃん。
「将軍の資質なし。」
「統治に失敗して。」
「再び戦乱へ。」
「やられ役になっちゃった。」

志穂。
「死んで頂いたので。」
「太平の世が築かれた。」
「人は権威を失うと。」
「自然状態になって弱肉強食に陥る。」
「暮らしは政権があって成り立っている。」

葵ちゃん。
「民の裏切りだけは災難ですな。」

浜松美術館へ。

志穂ちゃんとは相性が良く。

たまに遊んでいますよ。

私より訓練を受けた期間が長く。

非凡そのもの。

志穂ちゃんも私の事を。

実力者であると思っていて。

切磋琢磨。

お互いの尊敬で成り立つ友情です。

さて。

このところ。

治安悪化につき。

魔法少女まで警備員として投入されて。

パトロールです。

警察官2名と一緒に。

存在感抜群。

遠くで発見した不審者。

逃走する。

魔法少女は「小さな王」と呼ばれていたり。

強くてかっこよくて有能で。

そういえば男の子に。

これまで3回告白されましたが。

丁寧に返しておきました。

幼女。
「魔法少女だあ。」

市民。
「この娘は戦場に行って敵兵をやっつけた。」
「強いぞー。」
「戦いを知っているんだよ。」

幼女。
「悪い奴やっつけてー。」

葵ちゃん。
「その悪い奴ってどんな基準で審査するのですか?」
「正義は人間が決めたものですし。」

志穂。
「そこは理法に従いましょう。」

葵ちゃん。
「わたしたちは戦士。」
「戦いは任せて!」

幼女。
「応援するー。」

2か月の動員で報酬もあったりします。

グルメを堪能してみたり。

ショッピングモール「ららぽーと」にて。

男子。
「ちょっと時間いい?」

志穂。
「あらまあ。」
「私を見る目がある。」
「私の魅力に気付いた?」
「10分であればオーケーよ。」

男子。
「よしっ!」

フードコートで。

パフェの代金を支払ってもらう志穂ちゃん。

15分雑談でもして。

さようならー。

男子。
「オレも女の子を見る目がある!」
「ちょっとしか話せなかったけれど。」
「まるで紳士のように構ってくれた。」
「たまらん。」

不良。
「あの娘とどんな関係だ?」

男子。
「15分話したのだ。」
「文句あるか?」

不良。
「文句ならあるぞ。」

男子。
「それなら心配ご無用。」
「オレは喧嘩が好きだ。」

不良。
「そういうからには強いんだな?」

男子。
「試してみるか?」
「逃げ腰だな?」
「ケンカもろくにできないとは情けない。」

不良。
「警察が黙ってくれればお前が倒れるまでやるぞ。」
「まずは弁護士を手配して。」
「それから戦ってやろう。」

男子。
「インテリかよ。」
「早く来いよ。」

不良。
「弁護士の手配が先だ。」

男子。
「ギャグなのかそれ?」

不良。
「いいか!あの娘はオレがアプローチするんだ!」
「取られてたまるか。」

男子。
「いや。」
「あの娘に決定権があると思うんだが。」

不良。
「もういい。」
「こんな馬鹿に構いたくない。」

男子。
「お前が言ってきたんだろ!」
「こらどこ行く!なんだあれ。」

志穂ちゃん。

葵ちゃんたちと合流。

帰宅へ。

次の日。

屋敷にて。

珂珠。
「手っ取り早く相手を倒す。」
「それを突き詰める。」

葵ちゃん。
「できます。」
「簡単かつ強い。」
「でも何か足りない。」

珂珠。
「私はヒントを出すわ。」
「大和魂。」

葵ちゃん。
「大和魂?」
「私にも宿ってます。」

珂珠。
「それを忘れずに。」

葵ちゃん。
「御意。」

志穂。
「お茶入りました。」
「あら?葵ちゃん。」
「お菓子あるよ。」

葵ちゃん。
「これはおいしそう。」

大和魂に気付いた最近です。

私は人の基本すら成っていなかった。

いまはなんとか習ってます。

自立した一人前の女性になるため。

訓練です。


26


小国神社。

御祭神。

大己貴命(おおなむちのみこと)

医療の神様が祀られている。

神聖な氣で満ちる清らかな聖地。

池の向こう側には。

御祭神。

国狭槌命(くにさづちのみこと)

厄除けの力が強く。

あらゆる災いを跳ね除ける。

霊験が著しい神様。

鯉が泳いでいる。

ささやき。
「人間っていつまであんなことやってるの?」

辛子の種。
「暮らす事が大事であって。」
「そのまま一生を終えてもいいんだって。」

草木。
「そうなると生の展開にパターンが絞られますな。」

蛍。
「みんなそれは当然です。」
「なんて結果に突進していませんか?」

ささやき。
「なんてこと。」
「もっと人間の事を憐れむべきである。」

蛍。
「そちらへ行くわ駄目なんだ。」
「幸福の方向と。」
「異なる地図を夢見ては。」
「無理に通って散々だ。」
「なんとか通って荒野にて。」
「渇水飢え死にしてしまう。」
「人こそ方角間違えた。」
「憐れな生き物ご観察。」
「なんとか助けてやりたいが。」
「我を張り倒してさようなら。」

葵ちゃん。
「人に対してもっと憐れむべきである。」

珂珠。
「なんだろうねこの歌。」

雫ちゃん。
「超常現象でしょうか?」

紬ちゃん。
「科学って非物質な現象の解明に挑んだら。」
「いろんな発見があると思います。」

乙葉。
「宗教を科学的に解明して立証する。」
「科学者ならできるよ。」
「人類がまた進化するじゃん?」

珂珠。
「否定するのではなく。」
「これは科学にとってはチャンスよ。」

葵ちゃん。
「科学は大切なチャンスを潰しているんです。」

志穂。
「エベン・アレグザンダー医師は臨死体験をした患者を診て。」
「死後の世界を信じざるを得なくなった。」
「臨死体験をした患者が超常現象なビジョンを見て蘇生していると。」
「患者が周辺の様子まで的確に言ってみせるなど。」
「ダメージを受けた脳は機能停止を確認しており。」
「蘇生前の患者に見えたビジョンが夢であるはずがないと訴えた。」
「エベン医師の心にはずっと大切にしている言葉がある。」
「ニコラ・テスラが臨死体験を含む未知の現象に対して残した言葉を引用した。」
「科学が非物質的な現象の解明に挑んだならば。」
「10年間で今までの人類の歴史全てを遥かに凌駕する進歩を遂げるだろう。」
「ニコラ・テスラ。」

珂珠。
「科学は異次元に進化しないかい?」

志穂。
「科学も次世代型に進化です。」

葵ちゃん。
「ものすごい事言ってるよ。」
「科学もそこまで取り込んでしまうと。」
「エスパーが当たり前になりそう。」

ささやき。
「人間は決まったパターンのうちどれかになる。」

蛍。
「内容は違うけれど。」
「結果はみな同じ?」

辛子の種。
「それはなんと可哀そうなこと。」
「人間を見たら労ってあげなければ。」

ささやき。
「ああ悲しい人の生。」
「自分がパターンの中のひとつだなんて知らずに。」

草木。
「生まれて暮らして終わる。」
「なんだか儚いわ。」

狛犬。
「そんな生に華を添えてやると言うのだ。」

ささやき。
「そのくらいして貰わないと。」
「生まれて卒業して就職して結婚して老いて死んでいく。」
「こんな可哀そうな生き物は見たことない。」

狛犬。
「せめて願望だけでも受理できると。」
「我々は導いてくるのだ。」

蛍。
「そうしないと存在に意味がない。」

ささやき。
「彼らは訓戒を読んだことがあるのかしら?」

辛子の種。
「結果が同じであるから。」
「内容の違いが大事になるでしょう。」

狛犬。
「よしてやれ。」
「そこまで可哀想な者達だ。」
「もう少し丁寧に扱ったらどうだ?」

ささやき。
「ではそよ風でも吹かしてあげましょうかね。」

蛍。
「さあて発光しなくては。」

辛子の種。
「私を摘んで食べないように。」
「人間たちに伝えておくれ。」

草木。
「それは容易い御用だね。」

ささやき。
「人は手本がありません。」
「どうすりぁいいのか分からんぞ。」
「なんとか地図を頂いて。」
「現在地も分からずも。」
「あんたは居るが沼地だよ。」
「人はとにかく花畑と。」
「言い張るのは悲劇だな。」
「あんたの場所は沼地にて。」
「早く逃れて街道へ。」
「沼にはまってさあ大変。」
「それでも花畑と見えますか。」
「これは随分皮肉だね。」

葵ちゃん。
「なにこの歌?」

志穂。
「さあ?」

乙葉。
「それにしても真実を言うのは辞めなさい。」

珂珠。
「今日はおもしろいテレビがあるとか。」

雫ちゃん。
「現代総集編。」
「特番でしょ?」

紬ちゃん。
「スポーツでスペシャルマッチ。」
「特に頭脳戦が良さそう。」

葵ちゃん。
「1時からだって。」
「今は11時。」

乙葉。
「南に行くとそれなりの飲食店がある。」

珂珠。
「間に合うようにしてあげる。」

参拝。

帰宅すると。

クレスケンスルーナ。
「すごい高度なクイズやるんだなあ。」

葵ちゃん。
「これはナゾナゾ。」
「高度なクイズ。」

リーリエ。
「ナゾナゾ?こんなの解けませんよ。」

東大生対IQ190の戦いです。

大学生。
「東大の力を見せてやる!」

インテリ。
「IQの前に跪け。」

ナゾナゾ対決。

通常のクイズなら難なくこなす両者も。

ナゾナゾを連発されると接戦です。

クレスケンスルーナ。
「オルフェンとフィローとモナのトリオ。」
「王国の警備部隊に採用されるって。」

葵ちゃん。
「腕前が買われたんですね。」

リーリエ。
「もう一度だけなら会えますよ?」

葵ちゃん。
「別にいいです。」
「プロマイド持ってますし。」

クレスケンスルーナ。
「することがあって。」
「大学卒業するまでよろしくね。」

葵ちゃん。
「こちらこそ。」

おもしろ動画をここぞとばかりに投入して。

視聴率を持って行かれないようにする他番組。

最近は姫ちゃんと一緒に寝たり。

女の子好きだから良かったです。

深夜。

???
「我に必衰の理ハ!?」
「かくも強く拒むカ・・・。」
「衰えていく存在の中に。」
「世を好きにできたらと夢想家になった者。」
「我も衰えて必衰の理に導かれ。」
「終焉を迎えよう。」
「一時は人の世を支配できたが我が身だが。」
「人に対しては。」
「世界に対しては無駄なあがき。」
「我は生け贄と言うのか。」
「都合良く利用された結末を迎えるのか。」
「ああ!我は消えていく。」

道化師。
「あんたバカだね。」
「真面目に人間なんて構ったら。」
「どんな労力を支払わされるか分かったもんじゃない。」

魔女。
「適当に構っておけばいいんだよ。」
「操作しようだなんて人間の馬鹿さ加減が増大するだけさ。」

道化師。
「むやみに人の世をコントロールすれば。」
「人間たちの馬鹿面が増えるばかりでさ。」
「ちょっとあんたは間抜けだね。」
「人間が馬鹿やるのを手助けなんてするから。」

魔女。
「口で言って分かってたらあんなことしてないさ。」
「目の前に穴ぼこあっても無視をして落っこちる。」
「人の言う事を無視すればそうなる。」

道化師。
「進んでいく道に熊が野良寝していたり。」
「橋が落ちているってのに。」
「溺れて襲撃されてはじめて気付くんだから。」

魔女。
「今夜は阿呆がひとり追加ってことさ。」
「Good!night!」

ミステリアスな雰囲気の最近。

御朱印が増えていきますが。

選択の自由を行使できるかな。

日常の中に。

理想を求めます。


27


池のある公園。

コンクリートの上に土を盛った池なので。

生物が豊富である。

近くに河川があり。

その水を引き込んだ。

自然公園。

昼間だけれど。

曇りなので薄暗い。

葵ちゃん。
「なんだろう?」
「人が集まっている。」
「集会でもしているのかな?」

道化師。
「考えたのは暮らしのみ。」
「暮らしさえ。」
「暮らしさえ良ければ。」
「彼らは満足で。」
「暮らしのことだけ考えて。」
「月日は巡り。」
「年月よ過ぎ。」
「暮らしの先へは。」
「こっちへおいでよ。」
「幽世と。」
「誘い導かれ。」
「暮らしの一生終えるのです。」
「暮らしだけがこの世のすべて。」
「言わんがばかり。」
「民はそれで満足で。」
「月日は巡り。」
「昼夜は転換。」

魔女。
「人よ嘘よ程々に。」
「どこから出た意見でしょう。」
「どうも人間の嘘というもの。」
「真実をいくらか混ぜていたり。」
「強引に詭弁を使って。」
「言い負かす事も多くて。」
「人間は付き合いきれんのです。」

クリスチャン。
「ニヒリズムから出た見解はみんな愚かなものよ。」
「西洋では絶対的な価値観の元に人は生きていた。」
「18世紀に入って価値判断は崩壊。」
「意味も無く生を過ごす世界を強いられた。」

哲学者。
「正しいように見えて正しくない理論ばかりで。」
「特に酷いのは。」
「悪は思考停止の凡人が作る。」
「悪人だけが悪を作るのではない。」

夫人。
「ルサンチマンなんてもっと酷い。」
「強者を悪と見なして。」
「弱者を善と見なす。」
「ああなんてこと。」
「プロテスタントでは人生は戦いであると教わったわ。」
「いろんな敵との戦いに打ち勝たなければならない。」
「ルサンチマンは降伏したか捕虜になった身で。」
「神様に対して言い訳を繰り返しているのです。」

道化師。
「いっそこう言いましょう。」
「生活だけが人生の目的だ!」
「暮らせればいいのだ!」

夫人。
「なんてこと!」
「愚かな金持ちとして戒めがあるのに!」

クリスチャン。
「そういうのがニヒリズムだと言っているんです。」

魔女。
「人間共に混ざってコソコソと。」
「車でも自転車でも徒歩でも。」
「人間共に混ざって。」
「いつまでもコソコソしていなければ。」
「まあ世渡り。」
「単純な人間を出し抜く悪知恵はお買い得ですよ?」

夫人。
「人間は自分こそ正しいと独善的です。」
「そこを利用してやるのです。」

クリスチャン。
「おや?人間は自分が神だと思っているのですか?」
「それとも神になりたいと?」

哲学者。
「猿から進化しただけの人間が神になりたい?」
「これは大笑い。」
「もう少し笑っておきます。」

クリスチャン。
「進化論を信じる人は少数派だと思いますがね。」

魔女。
「ダーウィンは学者だよ。」
「宗教家じゃない。」

道化師。
「そこら辺に気が付くべきでしたなあ。」
「むかしからいろんなパッケージ。」
「さあ使いこなした者は数えるほど?」

哲学者。
「日々暮らす事しか考えられない連中です。」
「そんな高貴な代物なんて無視するに決まっているでしょう。」
「そんな世界では奴隷道徳も教育で教えられます。」
「そう言えば男性だけはけっこう自由が通じますね。」

夫人。
「女の一生なんて。」
「育って卒業して。」
「仕事か結婚くらいで。」
「手間が無駄にかかる子育てに。」
「出産なんてさせられて。」
「あとは老いていくだけなんだもの。」
「特に子育てはペットよりずっとか手間が必要で。」
「次回の生涯。」
「結婚なんて破棄してやりましょう。」
「我ながら無駄な生とも思えますし。」

魔女。
「まあ女というもの。」
「いろんな事物を強要させられ。」
「本当の所の自由というものが無い。」
「結婚も強制みたいなもんで。」
「考えもなしに結婚なんて口に出してはいけないよ。」
「結婚してから数十年後の事まで。」
「きちんと推し測ってから入るんだね。」

哲学者。
「そうなると結婚とは奴隷制のことである。」

クリスチャン。
「それは立場の違いのようだね。」

哲学者。
「はっきり批判しておきたいので。」

道化師。
「さあさあ女は生まれ出て。」
「さあさあ結婚する為に育ちつつ。」
「さあさあ夫の元へ行きなさい。」
「さあさあ女の一生そんなもの。」

魔女。
「そうなると女は単純で馬鹿という意味だよ。」
「あんたね。」
「それを知らずに進んでいく連中に。」
「片っ端から言い触らしてあげな。」

夫人。
「言い訳なんですけど。」
「みんなこうだからとか。」
「なんとなく自分たちで女性という存在を定義付けて。」
「従ってしまったんです。」
「今日は理性がよく働きます。」
「いつもは感情的で。」
「判別できないのに。」

哲学者。
「善悪も道理も理性的判断です。」
「効いているうちはいいものです。」

魔女。
「いつしか阿呆の集まりも。」
「段々と王宮パーティーになってきたね。」

クリスチャン。
「2019年ですが。」
「今年も中世の暗黒時代でしたよ。」
「市民は見えていませんけれど。」

道化師。
「君も阿呆になってしまえ。」
「患いはないよ?」
「ただ常に踊っていなければ。」
「この世の気違いを題材に。」

魔女。
「この世を題材にすれば。」
「ホラー映画顔負けの芸術作品が作れるかもしれんわ。」

クリスチャン。
「人は正しい存在ではありません。」
「正しければこうなってはいません。」

哲学者。
「まあ所詮は猿という訳だな。」

夫人。
「進化論をそんな風に使わないでください。」

哲学者。
「みんな所詮は猿なのだ。」
「だからああなのだ。」

クリスチャン。
「聖書には似たような記述はいくつかありますが。」

哲学者。
「進化論とやらも中々イケてる説だと思うがね。」
「自然発生したなんて。」
「素晴らしいじゃないか。」

夫人。
「そうなると人間も自然の一部。」
「進化論とは人間が自然発生した史実になるんですか?」

クリスチャン。
「かえってそうなると神秘的ですよ。」
「汎神論に入りますけれど。」

魔女。
「野獣から進化して。」
「知的生命体として確立するのかね?」
「わたしら性悪説だからね。」
「その意見に異議は無いよ。」

夫人。
「私は無知無能が災いでした。」

哲学者。
「おっと!」
「陰鬱にならないうちに話題を変えようか?」

道化師。
「次は世間話でもしますか?」
「世人のどうしようもない具合の悪さ。」
「一生懸命が取り柄。」
「劣悪な生活形態。」
「堕落していく自由意思。」

クリスチャン。
「自由が堕落をもたらす。」

夫人。
「まあ眺めていましょう。」
「私達は例外者ですから。」

哲学者。
「世人をそんな目線で観れるなんて。」
「いい身分だな。」

道化師。
「このご時世。」
「阿呆か気違い。」
「どちらかにはなってしまうな。」

哲学者。
「私は阿呆だよ。」

夫人。
「阿呆として戯れる積もりです。」

魔女。
「よしわかった。」
「またみんなで踊ってみようか。」

世人。
「なんで?私が!私が!」
「俺は!俺は!そんなことない!」
「僕は正しいんだ!」
「こうなるべきだ。」
「それはこうだろう!」
「ルールだと?俺がルールだ!」

スズメ。
「ひとたちなにをしているの?」
「いつも暗い顔で。」
「今は昼間と言いたいけれど。」
「いつも夜のように影のように。」
「幽霊かと思うほど。」
「暗い雰囲気出している。」
「ちょっと危ない連中なのかしら。」
「接近したりはしませんよ。」
「感染したら元も子もないもんです。」

天地自然の法則。
「我に従っているうちは保証書を渡してやる。」

カブトムシ。
「さてさて人間に捕獲される準備でもしようかな。」

蝶々。
「女性も私のように綺麗に羽ばたけるといいですね。」
「そこら辺の女よりは綺麗に生きて見せますよ。」

イガグリ。
「おい!早く拾え!」
「誰だ!無視すんなー!」

魔女。
「おや?」
「薄暗い世の中なんだが。」
「このままでは隕石でも降ってきそうだ。」

道化師。
「まあ雨に打たれる程度が阿呆にとっては相応しい。」

哲学者。
「では人間には快楽と苦痛をくれてやれば。」
「具合が良い。」

クリスチャン。
「落雷でも来たらどうするんですか。」

夫人。
「衆愚の一部になるより。」
「阿呆になって踊るほうが私は好きです。」

道化師。
「人間のことだから。」
「そのうち発狂するに違いない。」
「巻き込まれないように。」
「端っこで踊っているかな。」

魔女。
「人間の狂気はいつものことじゃないですか。」

クリスチャン。
「そういうからには。」
「人とは欠陥品のことですよね?」

哲学者。
「人が欠陥品?」
「高い知能の結果として。」
「そう見えるんじゃないかな?」

夫人。
「本当に高い知能があるんでしょうか?」

葵ちゃん。
「なんだかユーモアラスなひとたちだなあ。」
「民は暮らしの事しか考えないから。」
「不自然じゃないと思うけれど。」
「女性の一生?」
「むしろなんで無批判だったんだろう。」

帰宅。

いろんな事が日常に消えていくんですね。

そう思っていたら。

姫ちゃんが。

突然押し倒してきて。

ウィンク。

キスされてしまいました。

ちょっと良かったかな。

リーリエ。
「クレンズ。」
「あれはぶどうジュースではありません。」

クレスケンスルーナ。
「でも美味しかったよ。」

リーリエ。
「度数は低いですし。」
「まあ一回飲んで免疫つけてください。」

葵ちゃん。
「こんな姫ちゃんもいいかな。」

クレスケンスルーナ。
「ちょっとえっちな事したい。」

葵ちゃん。
「なんかやられちゃうかも。」
「まあいいかな。」

リーリエ。
「葵さん。」
「今夜は頼みました。」
「私だけでは対処できそうもない。」

葵ちゃん。
「女の子好きなので。」
「こんな体験もしてみたかった。」

クレスケンスルーナ。
「続きしよー。」

大学のパーティーで何かあったみたい。

こんな姫ちゃんもかわいいし。

女の子が好きなので。

でもちょっとたまらなかったです。

目を覚ますと。

姫ちゃん。

顔真っ赤になりつつ。

着替えていました。

何も言わずに。

頭を冷やしてくると。

そんな姫ちゃんもかわいいなあ。

もちろん男子禁制ですよ?


28


家の中。

土曜日ですね。

学校は自由登校。

勉強についていけない子を集めた。

学習クラスが大繁盛。

志穂。
「ゲーム用のがあったわ。」
「携行無反動砲をモチーフにした。」
「小型クッションスーパーボール。」
「これで勝負よ。」

葵ちゃん。
「いいよー。」

志穂。
「本物の戦いとは。」
「よーいどん!」
「では始まらないわよ。」
「一方的に仕掛けていくのみ!」

葵ちゃん。
「そうこなくちゃ。」

10戦6勝。

ちょっと強かったかな。

帰宅。

葵ちゃん。
「私がイデア界に居る時。」
「真実を目の当たりにするけれど。」
「残念ながら。」
「イデア界の住民権は未だ得られてはいない。」

リーリエ。
「なぜこの家に預けられたか知ってますか?」
「我ら王家の旧友なんです。」
「古くから交流もありました。」


クレスケンスルーナ。
「家柄としては由緒以前に。」
「歴史が深いですと。」

リーリエ。
「教材が送られてきているので。」
「今日も簡潔にまとめて確認しましょう。」
「どうも冗漫な教材ばかりですし。」


葵ちゃんは机に。

リーリエと姫ちゃん。

ホワイトボードを使って授業。

同じ部屋でのやり取り。

葵ちゃん。
「日本書紀。」
「古事記。」
「私は青人草としての存在。」
「人間とは似て非なるもの。」

リーリエ。
「物質は肉体のため。」
「肉体は霊魂のため。」
「人間は神のために存ず。」
「聖アクィナス。」

クレスケンスルーナ。
「スコラ哲学。」
「私は被造物でぇーす。」
「被造物としての存在です。」
「被造物としてどうすればいいか考えましょう。」

リーリエ。
「いいですか?」
「人間は神になろうとしますと。」
「悪魔と同じく堕落します。」

クレスケンスルーナ。
「洪水が発生しても知らない。」

葵ちゃん。
「私も青人草としてどうすればいいのか考えてみよう。」

姫ちゃん。

休日も特別教師の元に通っていて。

そこまで一緒に遊べる機会は無いです。

でもたまに抱き着いて来たり。

私も触ってみたり。

姫ちゃんもなんかこういうの好きそう。

喜ぶんです。

クレスケンスルーナ。
「さてさてあの緑茶とやらを。」

葵ちゃん。
「えい。」

スカートめくり。

クレスケンスルーナ。
「ああっ!!」
「葵ちゃんえっちー。」

抱きついてほっぺにキスされちゃいました。

クレスケンスルーナ。
「好き。」

葵ちゃん。
「百合が咲きますよ。」

リーリエ。
「クレンズはむかしから女の子ばかり見てるんです。」

クレスケンスルーナ。
「男に興味ない。」
「でも。」
「かわいい女性とか美人女性とか。」
「なんか好き。」

葵ちゃん。
「ちょい百合ですね。」

クレスケンスルーナ。
「またやってねー。」
「少し癖になりそう。」

スキップで退場。

リーリエ。
「クレンズの笑顔が増えました。」

爽やかに退場。

葵ちゃん。
「そういえば誘えなかったけれど。」
「お買い物とか。」
「お姫様から見ると安物だよね?」
「でも骨董品関連はどうだろう?」

次の休日にお買い物。

クレスケンスルーナ。
「珍品だって?」

葵ちゃん。
「このお店に。」
「わあ凄い圧倒的。」

魔女。
「いらっしゃい。」
「阿呆がやっている珍品の数々。」
「見て行っておくれ。」

クレスケンスルーナ。
「これなになに?」

魔女。
「江戸時代後期に大量生産された。」
「普通の壺とお皿とか。」

クレスケンスルーナ。
「すごーい。」
「このお金は古銭だあ。」

リーリエ。
「クレンズが夢中です。」

葵ちゃん。
「こっちには特撮系。」
「あれ?」

クレスケンスルーナ。
「こっちの絵画は?」

魔女。
「浮世絵かい?」
「そっちも大量に製造された物品。」

クレスケンスルーナ。
「この茶器は?この鎧は?」

魔女。
「たいした品じゃないよ。」
「江戸時代後期から明治時代前半まで。」
「大量製造されたものを集めたんだ。」
「安くしとくよ。」

クレスケンスルーナ。
「これ欲しい!このキャラクターはなあに?」

リーリエ。
「後で配下の者に。」
「倉庫に輸送するように指示しておきます。」
「このくらいの品物ならいいでしょう。」

クレスケンスルーナ。
「素晴らしい!」

葵ちゃん。
「やっぱり楽しめたね。」

クレスケンスルーナ。
「こんな場所もあるなんてー。」
「葵ちゃんさすが!」

久しぶりに良い場所で遊べたかな?

まだ珍品を売るお店があるので。

しばらく見てまわることになりそう。

お礼と言わんばかりに。

ほっぺにキスされました。

なんだかおてんばだけれど。

快活で元気な性格ですね。

私は割と大人しいけれど。

獅子のほうに獰猛な部分があって。

制御に苦労しています。

いろんな景色がありますね。

答えも正解も存在しない世界ですが。

こうすべき!という指針は確かに実在し。

ヒントも探せばあるもんです。

姫ちゃんとはなんか友達なのか姉妹なのか。

友達以上恋人未満?

たまにくっついてきますし。

ちょい百合が咲いちゃう。

関係です。


29


珂珠さんのお屋敷。

今回は奥義のようなもの。

珂珠。
「人は自分勝手で愚かである。」
「よく言われているよね。」

葵ちゃん。
「人間は悪だ。」
「こんな事も言われている。」

珂珠。
「何が正しいか。」
「自分で正否を自由に決定してもいいのです。」

葵ちゃん。
「それは簡潔に言い表してます。」
「人間は自分で何が正しいか。」
「何が善で何が悪か。」
「決めていいのです。」

珂珠。
「故に人間は愚かで悪であると言われた。」

葵ちゃん。
「人々は好きなように善悪を決めています。」
「自分たちの都合で善悪を決めているのでしょうか。」

珂珠。
「理にかなっている事はすべて善。」
「理に合わないものは誤り。」
「物事の筋道と道理。」
「悪人とはかなり解り易いものです。」
「善人と主張しても理に合わない考えを持っていれば。」
「偽善者でしょう。」
「理にかなっているか?そうでないか?それだけです。」

葵ちゃん。
「人々は自分勝手に善だ悪だと言っています。」
「日本古来の考え方は。」
「西洋とは異なり。」
「物事のすじみちであれば。」
「殺人ですら容認される。」
「武士はそうしています。」
「それでも理に合わない事はしませんよ。」

珂珠。
「高度な道徳の教科書である武士道。」
「正しい殺人もあるんです。」
「否定できませんよ。」

葵ちゃん。
「実際に江戸時代では特に。」
「武士が人を斬る事はありました。」

珂珠。
「意外にも日本固有の考え方だと。」
「善悪が異なるのよね。」
「理にかなっている殺人は罪にならない。」
「理に合わないことをしてはいけない。」

葵ちゃん。
「けっこう自然由来の考え方なんですね。」
「世人はあれが悪いこれが悪い。」
「何が悪いか具体的に説明できませんし。」
「その基準はその人ですから。」
「そう思えば相手は悪ですから。」

珂珠。
「古語辞典から読んでみると。」
「日本固有の善悪は武士道から読み取れます。」
「何かやらかしたのでしょう。」

葵ちゃん。
「日本固有の善悪があって。」
「西洋と混ざって混乱したと思っています。」

珂珠。
「これがいいかも?」
「理法という概念。」
「これぞ公正で中立。」
「その人自身の判断ではなく。」
「理法に従って。」
「初めて正しい道理を見出す。」

葵ちゃん。
「定言ですね。」
「私は無条件で自然に振る舞う無為自然。」

珂珠。
「その調子。」
「理法に従う事で正しさがわかる。」
「常に道理にかなっているか?」
「それは理法の通りか?」
「自問自答。」
「自己診断。」
「問いで成り立つ。」

葵ちゃん。
「定言命法の発展型?」
「そうやって理法を知っていくのですね。」

珂珠。
「世人は自分でなんでも決定できる。」
「彼らにはあらかじめ。」
「頭の中に答えがあって。」
「それを基準に物を考えて反応している。」

葵ちゃん。
「間違えを指摘しても。」
「答えとは違うから。」
「そうやって跳ね除けます。」
「そうなると予定説。」
「神様はあらかじめ救う人と救わない人をお決めになられている。」

珂珠。
「それは公式見解。」
「悪平等という言葉の意味が分かるよね?」

葵ちゃん。
「神の条理に平等なんて無いでしょう。」
「理に合わない事ばかり繁盛してますよ。」

珂珠。
「それをあらかじめ避けるの。」

葵ちゃん。
「教えを受けないと。」
「駄目ですね。」
「私は独学でした。」
「凡人が作った教科書が愚書に見える。」

珂珠。
「子曰く、我は生まれながらにしてこれを知る者に非ず。」
「古を好み、敏にして似てこれを求めたる者なり。」

葵ちゃん。
「月夜半分闇夜半分。」
「この世では、よいことと悪いことが半々であるということ。」

珂珠。
「日本書紀は日本人の必須科目。」
「日本書紀の正統訳をもう一回読んでみよー。」

葵ちゃん。
「それに尽きます。」
「帰ったら読書あるのみ。」

基本をおさらい。

隣の部屋で。

志穂ちゃんが書き物をしておりました。

ちょっと拝見。

志穂。
「先人が確立した英知。」
「まるで道具や武器のよう。」
「学問をしないと何も出来ない。」

葵ちゃん。
「勉強は凡人が設定した資料を丸暗記するだけ。」
「まるで役に立たない。」

志穂。
「学問はかなりの威力。」
「武器のように振り回したり。」
「自由自在。」
「歴史上の人物や賢人。」
「偉人に天才。」
「こんな豪華で人類を極めたような人々が書き残した。」
「それを学べば力になって当然。」

葵ちゃん。
「現代人がいくら頑張っても。」
「歴史上の人物には及ばない。」
「現代人の基盤は歴史が支えている。」
「現代人なんて小さなもんです。」

志穂。
「現代人なんてそんな程度。」
「歴史を学ぶにつれて。」
「私達って小さなもの。」

葵ちゃん。
「戦争だって。」
「なんで発生するのか分からない。」
「当時の人々はよく知っていた。」
「ローマ帝国は。」
「ローマの神々の意向によって領土を広げていた。」

志穂。
「まだ解き明かされていないものはいっぱいだから。」
「分からないものはすべて未知のものとしましょう。」
「知ったかぶりはしたくない。」
「解き明かされるのを待ちましょう。」

葵ちゃん。
「それが賢明かも。」
「こっちの原稿は?」

志穂。
「下書き。」
「デジタルに入れた。」

葵ちゃん。
「すごーい。」
「私は100話の長編が書きたいな。」
「チャレンジ?」

志穂。
「私はそこまで書くものはないわ。」

葵ちゃん。
「日常モノは物語にならなくて焦ってるよ。」

志穂。
「物語の性質から見て。」
「日常系は無理があると思う。」

葵ちゃん。
「私は我流では無いから。」
「確かに。」
「再考が必要かな?」

ふたりが意見交換をしている中。

素晴らしい緑茶を飲む。

品質によって味か違い。

別物。

珂珠。
「非凡な女の子。」
「育成が終わったら。」
「どこに入れようか。」
「わたしの楽しみ。」
「これからは女性の天下!」
「なんちゃって。」

庭に撒いたお米と。

ハトの餌からパンくず。

鳥達が来訪している。

食べ物の譲り合い。

ハトとスズメが共存しようと距離を取ってついばむ。

カラスが屋根から覗いている。

哀歌。
「冬は訪れ季節は巡り。」
「のどかな風景そこにあり。」
「世捨て人になろうと思いつつ。」
「報道には随分惑わされ。」
「街に出向きては平和的な人は居て。」
「ある部分では野蛮で。」
「愚者でないそれだけの理由でここにおり。」
「人々の歪んだ世界を見物し。」
「理に合わないことばかりが蔓延って。」
「それもせいぜい人の業。」
「巻き込まないで私でさえ。」
「どうにもならぬ暗闇を。」
「花火と出れば喚いては。」
「他人のランプを羨めよ。」
「あなたは幽閉されし時の中。」

遠州のからっ風が吹き荒れる。

珍しい雪。

人に仕えてはいない。

故に人の掟や思想などは破棄されて。

神様から贈られる手紙のような。

それだけを指針に。

青人草は神意のままに。

日本は安浦の国。

細戈の千足る国。

磯輪上の秀真国。


30


姫ちゃん。

国際電話。

クレスケンスルーナ。
「また求婚?」
「書面にスペルミスがあるのでは?」
「私に身売りしたと確かに書かれています。」
「まさか奴隷になりたいなんて。」
「お父様に散々注意されたのに。」
「まだやってるんですか。」

通話終了。

リーリエ。
「今回は何で行きます?」
「悪戯と称して暴行しますか?
「誤射と称してクロスボウでも撃ちますか?」

クレスケンスルーナ。
「相手の親を含めて。」
「目の前で悪態ついて追い払ってやろうかしら。」

リーリエ。
「自然法では結婚に対しての選択権があるもんですから。」
「結婚の強制?」
「神に打たれて死んでも知りません。」

喫茶店にて。

オルフェンと合流。

その頃。

博物館。

古文書を読み漁る葵ちゃん。

なんとか資料室に入れました。

シェルツ。
「満足かな?」

葵ちゃん。
「どうもです。」

シェルツ。
「いやいやお味方同士。」
「言わない約束で。」
「では私は失礼するよ。」

辺境の浜辺で。

ディーミディウムの構成員に対して。

チームを組み。

暗殺を実行。

密かに車で近づいて。

裏庭から侵入。

狂信者。
「さてさて。」
「我々が勝利した後には。」
「存分に楽しむとしよう。」

オルフェン。
「世の中なにがあるか分からんぞ。」
「摂理を無視して人生計画なんてやめておけ。」

狂信者。
「おや?」
「どうやら我は計算を間違えたようだ。」
「我の計算機に対しては確信があった。」
「完璧だった。」

オルフェン。
「覆るものだよ。」
「完璧なものには魔が宿り。」
「不吉である。」

狂信者。
「ここで死ぬとは!」

狂信者暗殺される。

モナ。
「この周辺に敵兵が散発的に潜伏しているぞ。」

クレスケンスルーナ。
「あっさり殺ったけれど。」
「召使いに逃亡されたわよ。」

リーリエ。
「自分の勢力に連絡したんです。」

ヘリコプターが飛んでくる。

攻撃ヘリ。

フィロー。
「Mi-35です。」
「まだ発見されていません。」

オルフェン。
「あれでは退却が難しいな。」
「どの方法で脱出する?」

フィロー。
「私がなんとかします。」

フィロー。

手から光の球を複数発生させて。

凝縮して。

低高度を飛行し。

ホバリング気味の。

Mi-35ハインド攻撃ヘリに放つ。

直撃するものの。

撃墜ならず。

武装システムに不具合が発生。

ハインドを追い払いました。

戦車を発見。

モナ。
「今度は96式戦車ってわけ。」
「よく見渡したら。」
「敵兵の陣地が散発的にあるわ。」
「事前情報より強力なのがいるのね。」

オルフェン。
「96式戦車をなんとか避けて。」
「退却準備いいか?」

フィロー。
「車が破壊されています。」

モナ。
「敵さんの車を鹵獲したよ。」

クレスケンスルーナ。
「ちょっと。」
「戦車がこっちに来るじゃない。」

遠くから96式戦車が接近。

しかし通り過ぎていく。

自衛隊に攻撃されている味方の援護に行く為。

素通りした模様。

リーリエ。
「私達より重要な目標があるんですね。」

オルフェン。
「いまのうちに逃げよう。」

鹵獲した車で退避。

87式偵察警戒車と交代。

89式装甲戦闘車が布陣しておりました。

クレスケンスルーナ。
「充分好きにやったし。」
「そろそろ落ち着こうかな。」

リーリエ。
「傭兵は辞めるのですか?」

クレスケンスルーナ。
「主宰になろうと思う。」
「成果はあったし。」
「これ以上続けたら。」
「いつか戦死するだろうと直感があってね。」

リーリエ。
「それなら話は早いです。」
「王様もお喜びになられるでしょう。」
「中々の成果をお土産に。」
「地に根を張るのですから。」

クレスケンスルーナ。
「けっこうスリリングだったわあ。」
「戦場はいつも新鮮だった。」
「でもわたしには他にするべき事がありそうで。」
「傭兵としての目的は達成してるし。」

リーリエ。
「では祖国に報告を入れますね。」
「とうとう帰ってきてくれて。」
「王様のお手伝いをしますと。」

オルフェン。
「オレたちは貢献したよ。」
「降りるのは止めたりはしない。」

クレスケンスルーナ。
「協力に感謝するわ。」
「またいつか会えるといいわね。」

この作戦を期に。

クレスケンスルーナの参戦は激減していきました。

珂珠さんの車に揺られて山道を。

珂珠。
「おもしろいことじゃない。」
「伝説的な生き物を間近で見に行く。」
「しかも試練として。」

葵ちゃん。
「わたしは自分を試したいんです。」
「何か掴めるかも。」

珂珠。
「上等。」
「女性は何もしたくないからああしている。」
「冗漫に説くことはしないわ。」

葵ちゃん。
「冗漫と言えば。」
「最近は冗漫な文章で書かれる代物が多いんです。」

珂珠。
「お手本がないからねー。」
「憐れな事。」
「シェイクスピアと。」
「シェイクスピア学者の株が上がったね!」

山奥に到着。

ちょっとした村があったり。

意外にもきちんとした小さな街があったりしちゃいます。

ここには祭壇があって。

山の神に捧げものをしたとあり。

村長さんが教えてくれました。

もちろんちょっとした登山で向かいます。

山道が険しいですが。

一日で踏破できそう。

山奥にある祭壇。

ここには怪鳥が現れると言われており。

その姿を見たひとが複数人。

むかしはこのような生き物はけっこう居て。

現在では絶滅しているのです。

わたしは試練として。

怪鳥に会ってみたいとやってきました。

葵ちゃん。
「気配はします。」

珂珠。
「かつて7名の武士が返り討ちにあった。」
「最強の生き物。」
「自然の使者かもしれない。」
「北海道では乱開発で。」
「山深くを開拓したもので。」
「山の神の怒りに触れて。」
「巨大な熊が派遣され。」
「人間たちを殺戮したもの。」
「一度は火薬の匂いで避けて。」
「そんな熊は有り得ないと言いつつ。」
「なんとか猟師が撃ち殺した。」
「凄腕の猟師で良かったね。」

葵ちゃん。
「何もいないみたい。」
「祭壇の上に居座ってみます。」

しばらく待っても現れません。

おびき寄せに牛肉を用意していて。

失敗だったかな。

葵ちゃん。
「けっこう待ったなあ。」
「また来ます。」

珂珠。
「そうすれば?ろくな装備で山に入ってきてないし。」

葵ちゃんと珂珠さん。

下山。

後ろに怪鳥がおりまして。

突撃槍のような。

クチバシ攻撃をなんとか避けて反撃です。

葵ちゃん。
「動きが速い!?」

次の瞬間には葵ちゃんのすぐ後ろ。

クレイモアで打ち払い。

傷を与える刹那の攻撃。

怪鳥は目の前で棒立ちしますと。

飛び去って行きました。

羽を何枚か残して。

葵ちゃん。
「試練に勝った?」
「羽を回収しないと。」

珂珠。
「よくやった。」
「一人前に仕上がった。」
「そろそろ応用に行くからね!」

葵ちゃん。
「これからが本番!?」

素早く下山して。

目撃者の中で。

猟師さんが5人がかりで。

猟銃片手に仕留めに行くは5日前。

帰っては来ないと嘆きの声。

地元のおばちゃん噂です。

帰宅して。

獲得した羽は宝物。

すべての原点ここにあり。

少女時代の黄金期?


31


帰国するオルフェンさんから。

国章の絵ハガキ。

礼儀正しいですね。

レディファースト?

姫ちゃんは浜松カトリック教会に出かけました。

ちょっと思う所があって。

四人で電車に揺られます。

葵ちゃん。
「車だと時間が必要。」
「電車だとすぐだね。」

志穂。
「一直線だから。」
「あとスピードが100キロくらい。」

紬ちゃん。
「辿る道によって距離も時間も異なりますよ。」

雫ちゃん。
「それは言えてる。」
「究極的には空飛んだほうがいちばん速い。」
「富山から羽田まで1時間。」
「飛行機から見ると地上はコンパクト?」

葵ちゃん。
「地形の造形は偶然とは言えない。」

志穂。
「解き明かすものはまだまだたくさんある。」
「未知でいいのよ。」
「知ったかぶりしなくて。」

島田駅。

すぐそこに大井神社。

今回の目的は「祓戸大神」小宮への参拝。

二度と穢れることのないように。

罪責による血の代償と苦しみからの解放を祈り。

近くに恵比須神社。

七福神。

葵ちゃん。
「しあわせを祈ろう。」

志穂。
「いつかその時まで。」

紬ちゃん。
「ああ!破魔矢!」

雫ちゃん。
「どこ行くの?」

葵ちゃん。
「紬ちゃんは?」

志穂。
「あそこ。」

紬ちゃん。
「池の鯉。」

葵ちゃん。
「わたしも見たい。」

志穂。
「ううむ。」
「風流な楽しみもあるもんですね。」

本殿に参拝。

電車で掛川駅。

掛川城にて。

珂珠さんと乙葉さんと合流。

珂珠。
「実践で鍛えるわよ。」
「おもしろい娘を連れてきた。」

フィロー。
「前戦場で会わなかった?」

葵ちゃん。
「さあ?」

モナ。
「そこのお嬢ちゃん。」
「私を倒してみよ。」

葵ちゃん。
「みんな正義とは言いますが。」
「正義とはなんですか?」

モナ。
「正しい行いです。」

葵ちゃん。
「では悪者を倒すのは正しい行いですか?」

モナ。
「もちろん。」

葵ちゃん。
「では悪者とは何ですか?」

モナ。
「おお・・・っと。」

葵ちゃん。
「ということは正義とは何かを知らずに。」
「正しいと主張するのですね?」

モナ。
「やるじゃない・・・。」

乙葉。
「おおー。」
「この娘うちに置きたい。」

珂珠。
「まだ育成段階よ?」

乙葉。
「硬い事言わないの。」

フィロー。
「うーん魅力的。」
「好きになっちゃった。」

葵ちゃん。
「そんな。」
「わたしはあの人と寝たんですよ。」

フィロー。
「えぇぇぇぇぇぇ!?」
「誰よ?どの女よ!」

葵ちゃん。
「クレンズのニックネームの女の子。」

フィロー。
「それはいつかの女!!」
「口惜しや!」
「オーケーさえ貰えれば。」
「すぐにホテルに連れ込んだのに!」

モナ。
「いや本気じゃないだろうね。」

フィロー。
「かわいい女の子が好きで何か悪い!?」

モナ。
「ああそういう趣味。」
「惜しかったね。」

フィロー。
「憂さ晴らしする。」

フィロー天守閣に上がる。

手を広げてふざける。

城下の街を見下ろして。

叫んでみる。

フィロー。
「凡愚どもめー。」

モナ。
「何言ってんだよ。」

乙葉。
「民主制に対する皮肉だなあ。」

珂珠。
「君主制・貴族政・民主制。」
「どれが良いとは言えないけれど。」

フィロー。
「衆愚にルサンチマン。」
「凡人の集団に凡愚の集まり。」
「みんな平凡匹夫の社会。」
「やーいやーい。」

葵ちゃん。
「おわ。」
「敢えて事実を言わなくても。」

モナ。
「いやここで言わせておこう。」
「気も晴れるだろう。」
「この眺めからそんな事を言ってしまえば。」

フィロー。
「へらへら笑って。」
「快楽と幸福を混同しつつ。」
「人間の愚かな知恵で。」
「せいぜい頑張ってみろー。」
「あははは!!」

乙葉。
「放っておくと壊れない?」

モナ。
「憂さ晴らしには丁度いいだろう。」

葵ちゃん。
「個性的だなあ。」

志穂。
「なんですかあの皮肉は。」

紬ちゃん。
「ステキ。」
「そんな豪華な道楽もあるのね。」

雫ちゃん。
「私もやってみようかな?」
「庶民よー。」
「お前たちの真の支配者は民主制なのだー。」
「なーんて。」

志穂。
「君主には支配されないけれど。」
「別の何かが連中を支配しているのは明白ね。」

紬ちゃん。
「何かの支配は自然の摂理。」
「私達ってけっこういい身分ですね。」

フィロー壊れる。

モナが介抱。

掛川高校のグラウンド

珂珠。
「さてさて。」
「練習試合なんだけど。」
「記者とか生徒の見学とかあるよ。」
「公式試合だねぇ。」

葵ちゃん。
「良い舞台です。」
「腕試しと行きます。」
「私もまだ成長の余地は大有りです。」

フィロー。
「魔石チェック。」
「まずひとつめ。」
「制御封石は装着してるね。」
「次に蓄電魔岩。」
「ルールは武器なしで素手タイプ。」
「はい完了。」

葵ちゃん。
「では適当に開始します。」

フィロー。

変身。

ヴェネツィアマジックの衣装チェンジ。

葵ちゃんのスピキュールを。

体を回転して回避。

横に回り込んで。

光の球を投げてくる。

ホーミング。

それを弾く葵ちゃん。

距離を詰めてくるようで詰めないフィロー。

葵ちゃん。

透明な薄い光の球を形成。

不思議な青白い何かをばら撒いて。

辺りを薙ぎ払いました。

爆発するものの。

突進された葵ちゃん。

フィローと格闘戦。

葵ちゃんはカラスのような独特のステップで。

ひらりと回避。

葵ちゃんは手に青白い光の球を発生。

直接フィローに叩き込もうとする。

フィローは即座にエネルギー弾で相殺して。

後退。

葵ちゃんのスピキュール。

フィローの回避運動には当てられない!!

葵ちゃんも変身。

中距離での撃ち合いに。

接戦。

ホーミング弾を薄い鏡で屈折させて。

簡単に防ぎつつ。

スピキュールを中心に展開する葵ちゃん。

試合は長期戦に突入。

なんとか接近戦に持っていきたいので。

光の球をばら撒いて。

片っ端から空中に浮遊させて。

一斉攻撃を敢行。

遂に近距離でエネルギー波を発動。

葵ちゃん。

後ろにわざと飛ばされて着地。

追いかけるフィローですが。

それは分身で。

消えてしまいました。

霧になっているフィローの周辺。

青い爆発に巻き込まれるフィロー。

吸引の魔石はまだ電気を発しません。

葵ちゃんは自動ホーミング弾を食らって転倒していたのです。

フィロー。
「あれ?」

葵ちゃん。
「え?」

珂珠。
「そこまで。」
「魔力の消耗率が許容量を超えたわ。」
「引き分けね。」

葵ちゃん。
「かつての最強魔法少女。」
「名実通りの力です。」

フィロー。
「実力派の女の子とやれて。」
「感覚が戻ったわ。」
「良い試合が出来ました。」

葵ちゃん。
「かわいいですね。」

フィロー。
「成人したばかりよ。」

ハグされました。

乙葉。
「実践派ってすごいねえ。」

珂珠。
「師匠譲りよ。」

乙葉。
「あなたの師匠はもはや伝説ね。」

モナ。
「あんなんだっけ?」

志穂。
「あの娘前より見違えてない?」

紬ちゃん。
「魔法使い同士の試合。」
「見応えあります。」

雫ちゃん。
「あおいちゃんも出世したなあ。」

この試合は小さな記事になりましたよ。

強力新人。

かつての最強魔法少女と引き分ける。

なんて。

ちょっと思う所がありまして。

両親に相談。

新20円金貨を諏訪神社・五社神社に寄付致しました。

浜松八幡宮にも。

バージョン違いの新20円金貨。

余剰財産なんです。

家の蔵には大量の骨董品が眠っており。

せっかくだからと。

お父さんが勧めてくれました。

不思議な満足と精神的な充実があり。

こういう生き方も有りなんですね。

ちょっとばかり大人になれたかな?

学校にて。

志穂ちゃんが。

東大の難問を解いてます。

本屋で買ったそうです。

いや進んでますよね。

私も負けてられません。

まだまだ成長しますよ。

縄文杉になれたらいいかな?


32


お祭りがありまして。

何故かステージが設けられています。

誰が作ったのでしょう。

物好きもいるもんです。

ですが。

わたしたちには出し物があるんですよ。

没原稿になっていた戯曲があったもんですから。

密かに習い事をしていたもんです。

葵ちゃん。
「登録したよー。」

志穂。
「こっちは万全。」

葵ちゃん。
「まあ志穂ちゃんのことだから失敗はないでしょう。」

志穂。
「気の利いた発言よね。」
「大事な所でうまくいくだけでいいのかも。」

ステージ。

お客さんが集まって。

屋台が出てますが。

まだ本格的に活動してないです。

他の人は歌とか楽器とか。

手品ですねぇ。

わたしたちの番。

演劇。

ナレーション。

紬ちゃん。
「小学生時代。」
「一緒にアイドルになろう!」
「約束をしたっきり。」
「いつの間にかあの娘は消えていて。」
「なんでだろうといつも思ってた。」
「そのせいか。」
「傲慢は消え。」
「意味が半分無いような。」
「それでも驕りの無い歌唱力とダンスは評価され。」
「わたしだけアイドルになって。」
「メンバーとコンサートに来ている。」

雫ちゃん。
「虚ろだよ花蓮ちゃん。」

葵ちゃん。
「ステージの時だけ本気を出すから。」

委員長。
「リハーサル始まるよ。」

遠くでどこかで見た女の子が覗いていて。

あの時にそこにいた女の子。

でも見て見ぬふりをしておいた。

リハーサルの休憩時間に。

そっと女の子に回り込んで。

話しかけた。

志穂。
「わっ!見つかった?」

葵ちゃん。
「あなた小晴ちゃんだよね!」

志穂。
「そうではないと言っても。」
「納得するようには見えませんね。」

葵ちゃん。
「いままでどこ行ってたの!」

志穂。
「それがね・・・。」

紬ちゃん。
「余命宣告を受け小晴ちゃん。」
「あらゆる人間関係を断って。」
「祖母の家にて。」
「隠れ住んでいたのです。」
「少しずつ鈍るその体。」
「思わず引き留めた。」

葵ちゃん。
「事情はわかったわ。」
「でも約束は果たしたい!」

志穂。
「無理だよそんな。」

葵ちゃん。
「話してみるから!」

強引にメンバーに相談。

雫ちゃん。
「飛び入り参加?」
「素人じゃねぇ・・・。」

プロディーサー。
「そんな事言う前に踊ってもらおうよ。」
「なんで形式主義にこだわるのさ。」

雫ちゃん。
「まあ議論はそれで決着つくわね。」

小晴ちゃんのダンスは極めたかのように。

歌唱力はオペラ風であった。

プロディーサー。
「ほう?育成すれば大物になるかもなー。」
「飛び入り参加の件。」
「台本書き直せばできるよ。」
「もったいねー。」

葵ちゃん。
「ありがとうございます!」

志穂。
「こんなことが?」

紬ちゃん。
「コンサート当日。」
「飛び入りゲストとして。」
「小晴ちゃんが参加。」
「短時間であったものの。」
「謎の逸材と評判になったのである。」

葵ちゃん。
「約束が果たせて良かった!」
「これは運じゃない!」
「小晴ちゃんの力だよ!」

志穂。
「そう?でも前よりはキレがないし。」

プロディーサー。
「良かったら。」
「余命ギリギリまでうちでやらない?」
「いつでも帰すからさ。」

志穂。
「え?ほんとに?」

葵ちゃん。
「夢が叶った!」
「念願のアイドルデビュー。」
「ふたりで!チームで!」

紬ちゃん。
「一世を風靡した小晴ちゃんは伝説になり。」
「しばらくて再び隠れ住んだ。」
「体力が枯渇しており。」
「長時間続行はできなかったが。」
「飛び入り参加は大成功。」
「余命を過ぎた後も。」
「隠れ住んでいる小晴ちゃんの情報は手に入らず。」
「治療についても手紙は来なかった。」
「おわり。」

観客は拍手。

近くにいたテレビクルーが撮影しており。

なんとニュースで流れてしまった。

バラエティーと言って。

コメディアンがいろいろやる番組でも取り上げられ。

没原稿が通用してしまったのです。

葵ちゃん。
「なんじゃこりぁ!!」

志穂。
「いやあまぐれってあるものね。」

ポテトチップス片手に放送を観る。

女子中学生の出し物にしてはレベルが高過ぎたのです。

時の人みたいな扱いに。

学校では。

もうスターですねー。


33


駿府城。

跡地が公園になっていて。

大道芸ワールドカップの会場にもなった。

今川家が天下に名を轟かせた。

かつての最強が伺える。

ただし。

織田信長公が格上だったという。

世界の広さが戦国の世にはありました。

勇者に討たれてから。

今川家は滅亡へと向かってしまう。

歴史でたまにある第二世の失敗。

家康公がこの地を獲得して。

歴史の痕跡が今に残る。

葵ちゃん。
「広大な敷地と城の跡。」
「いつしか人は歴史を忘れ。」
「こんな時代も後世になって。」
「何と言われるか興味深い。」
「平和の享受か愚者の楽園か。」

志穂。
「マシな言われ方をしますように。」

葵ちゃん。
「自分の愚かさをひとつも知らない。」
「これってあり?」

志穂。
「私は人が理屈を言うのを黙って見ていました。」
「理屈を自分たちのルールとして。」
「あらゆる理屈に囲まれて生きています。」
「理屈を辞めるのなら。」
「すぐにあらゆるものが正しくなる筈です。」

クマバチ。
「理屈大好き人間さー。」
「理屈で通すぜ人の世は。」
「理屈で物言う世間でも。」
「理屈は大事と説くまでに。」
「理屈で染まって正しいと。」
「理屈で支配の社会にて。」
「理屈を離さず破棄もせず。」
「理屈が人のルールだよん。」

葵ちゃん。
「なんの歌だろう。」
「皮肉っぽい。」

志穂。
「自然主義文学と言って。」
「現実をそのまま描く文学形態があるわけ。」
「見たそのまんまを歌うなんて。」
「どんなお偉いさんの立場なんだか。」

葵ちゃん。
「背伸びして。」
「木と高さを競うものこそ人だわさ。」
「小鳥と速さを競っては。」
「ヒグマと強さを競うもの。」
「サルとは頭で勝負したい。」
「みんな人の望むこと。」
「なんでもできるといいながら。」
「なんでもできない隠し事。」

志穂。
「スズメという名とウグイスと。」
「古典作品春を告げ。」
「私の自然模倣よ。」
「ウグイスよ。」
「君の歌声真似てみて。
「不変の教科書作っては。」
「どんないかなる歌手も惚れ行くよ。」
「恋しい歌声。」
「春に待つ。」


葵ちゃん。
「実存主義としては。」
「人は自然ではなく。」
「不自然に陥っている。」
「自然を見ていると。」
「どうもそう思う。」

志穂。
「自然哲学なんて上品な。」
「現在のルールも人に関するものも。」
「世界の根本的原理から来るものではないと。」
「偶然そうなったのだと思うわ。」
「許されることすべてが正当だとは限らない。」

葵ちゃん。
「機械なんです。」
「ロボットなんです。」
「機械的に物を考えて。」
「ロボットみたいに動いている。」
「プログラムした通りにしか動いていない。」

志穂。
「自然を見て我がふり直せってことじゃない?」

葵ちゃん。
「自然哲学の結果はそれ。」

志穂。
「実存主義?女性って?」

葵ちゃん。
「女性は自分と自分たちを疑わなかった。」

志穂。
「暮らせればいい。」
「という考えと態度。」

葵ちゃん。
「自分が最後に死ぬ事を忘れているか。」
「否定しているのかな。」

志穂。
「死を記憶せよ。」
「(自分が)死ぬことを覚えていなさい。」
「ことわざ。」

葵ちゃん。
「教訓が活かされていない。」
「でも。」
「見込みある女性だけ選ばれて。」
「後は夫のしもべとなって。」
「恋と結婚と夫と子供。」
「女性はこんな貧しく卑しい考えで生きてます。」

志穂。
「わたしたちとは立場が違うのよ。」
「放っておけば?」
「防虫スプレーならあるけれど。」

クレスケンスルーナ。
「性欲なんて本能的なもの。」
「本人の意思に関係なく。」
「設定通りに動作しているとか。」

志穂。
「価値判断。」
「いろいろあるけれど。」
「目の前に宝石と金塊が出てくれば。」
「欲しくないという言葉は嘘になる。」
「共通の価値判断もあるのかな?」

クレスケンスルーナ。
「目の前に金塊があれば。」
「誰でも欲しいよね?」

葵ちゃん。
「男性を見たら骨があるのか。」
「軟体動物なのか。」
「調査したほうがいいです。」
「わたしは何回戒めたか分からない。」

志穂。
「人間なんかに感化されるもんじゃないわあ。」

葵ちゃん。
「この世については知ってしまったので。」
「虚偽のものは要りません。」

クレスケンスルーナ。
「むかし学歴社会だったそうだけれど。」
「あれって鑑定書だよね?」
「これがないと査定できないとか。」
「凡人の社会ってろくなことがない。」

リーリエ。
「皮肉たっぷり。」
「目的地に移動しましょう。」

静岡ホビーショー。

プラモデル展示や新作。

作品までいっぱい。

おもちゃという玩具を集めたお祭り。

ジオラマなんて普通なってしまい。

新作の模型などは所狭しと並んでは。

強力なラインナップでお出迎え。

詩人。
「見よ。」
「私が悩み苦闘した。」
「絵画としてここにある。」
「不思議な絵というもの。」
「一目で分かり。」
「結晶展示に見ておくれ。」
「いつも観覧者。」
「順路を終えればこれはまた。」
「戦場に投げ出されし兵士だよ。」

実はここら辺に出没する。

怪盗を追って三回目。

適当に遊びまわって。

まだ捕捉できません。

クレスケンスルーナ。
「昨日も宝石強盗。」
「怪盗の仕業。」
「盗んだ品物がオーナーのポストに投函。」

志穂。
「盗品を返却するって優雅だなあ。」

葵ちゃん。
「別の側面を聞かずに、何かについて判決を下す人は正しくない。」
「たとえ、判決は正しくとも。」

志穂。
「そういうわけで。」
「捕まえても意味は無いけれど。」

クレスケンスルーナ。
「戦ってみたいからね。」
「どんな相手だろう?」

葵ちゃん。
「もう7時。」
「今回も空振りかな。」

駅に向かう途中で。

引ったくり。

みんなで追いかけて。

路地にある廃墟の小屋に逃げ込まれた。

葵ちゃんはクレイモアで切り倒して。

降伏させましたよ。

志穂。
「なんで捕虜に?」

葵ちゃん。
「盗人を捕まえるには盗人。」
「見逃してあげるから。」
「協力してくれない?」

クレスケンスルーナ。
「捕まえたらポケットマネーで20万あげるわよ☆」

泥棒は承諾して去っていきましたが。

仲間が豊富だったようで。

1時間ほどで怪盗を売却してきちゃいました。

当たりだね☆

古い廃墟の小屋で。

警察を回避しようと。

潜めているそうです。

赤外線スコープで発見して。

さっきの盗人が確認完了。

これまた。

葵ちゃん変身。

アイドルコスチュームで魔力は三倍。

クレイモアで小屋を切り倒して。

怪盗は逃亡。

クレスケンスルーナ。
「怪盗勝負ー!!」

葵ちゃん。
「すんごい足が速い。」

志穂。
「体力では負けないわ。」

複雑な路地まで逃げられて。

突然発砲。

葵ちゃんは魔法陣プレートを手から発生させて。

銃弾が砕けます。

手榴弾を投げてきたので。

志穂ちゃんが跳ね返して。

爆発。

葵ちゃん。

複雑な路地を飛び跳ねて。

怪盗を捻じ伏せちゃいました。

クレスケンスルーナ。
「葵ちゃんのほうが速いのかな?」

リーリエ。
「葵さんは動きを読んでたみたいです。」

クレスケンスルーナ。
「なるほど。」
「だからあんなに速いのかあ。」

怪盗を連行。

パトカーが去っていく。

怪盗無残!魅了したのは一時的!悪者は偉人とは呼ばれない!

新聞にて。

時の人かな?

魔法少女の高い戦闘力では当然なので。

それでも。

魔法少女としての地位は高くなりました。

ちょっと勝負したくてチャレンジしたのが。

大収穫で。

実力かな。

わたしたちは。

運だけで勝ってはいないので。

運だけで勝ち進んできた怪盗さん。

数年に渡る窃盗も。

終わりの時を迎えたわけで。

年貢の納め時だったんですね。



34


日曜日。

チャイム。

扉を開くと。

魔女の格好をした幼女が。

葵ちゃん。
「ほえ?魔女?」

クラルス。
「クレンズはおりますか?」

葵ちゃん。
「爆睡しているから。」
「もうすぐ起きると思う。」
「知り合い?」

リーリエ。
「久しぶりですね。」

クラルス。
「わたしは派遣されたので。」
「この地域に滞在してます。」

葵ちゃん。
「あの悪名高い魔女の女の子?」
「じゃなさそうだよね?」

リーリエ。
「我が王家を守護する善良な魔女の娘さんです。」
「迎え入れてもよろしい?」

葵ちゃん。
「両親を呼んできます。」

両親は歓迎。

幼女なのに大人っぽく。

テキパキ答える。

クレスケンスルーナ。
「私に会いに来たー?」
「どんなかわいい女の子?」

クラルス。
「これで二度目ですね。」

クレスケンスルーナ。
「きゃー小さい!」
「今回の用事はなあに?」

クラルス。
「護衛の補強だそうです。」

リーリエ。
「最近物騒ですから。」
「いつかは来るとは思いました。」

クレスケンスルーナ。
「わたしの妹ぉぉぉ!?」
「連れて帰りたい!」

リーリエ。
「別に可能ですよ。」
「養女にしようと計画が進んでいます。」
「あらゆる黒魔術を防御する術が豊富ですから。」
「王家は歓迎しているのです。」
「前例があるのを忘れました?」

クレスケンスルーナ。
「え?ほんと?これから小さい女の子を眺めていられる〜。」

葵ちゃん。
「なんか凄い事になってますね。」

リーリエ。
「近くに借り部屋があるそうです。」
「頻繁に加わってくれますよ。」

クレスケンスルーナ。
「朝ごはん食べたらあそぼー。」

葵ちゃん。
「ボードゲームを密かに貯めてあったりして。」

リーリエ。
「葵さんは怠慢とは縁がありませんよ。」

朝食後には。

ゲーム大会。

チャイニングチェッカー。

ドット&ボックス。

ヘックスで遊んだよ。

葵ちゃん。
「幼女とかロリとかいいかも。」

クレスケンスルーナ。
「でしょー?」
「たまらない!」

葵ちゃん。
「なんかしたいくらい。」

クラルス。
「そんな目で見ないでください。」

葵ちゃん。
「単純な趣味です。」

クラルス。
「それなら分かります。」

クレスケンスルーナ。
「ちょっと試合やってみない?」
「クラルスちゃん腕落としちゃ駄目だから。」

クラルス。
「はいやりましょう。」
「実践で鍛えられてはいます。」

車で。

竜洋公園。

軽くボールを蹴ったりして遊んだ後。

魔力をある程度は吸引する魔石を装着。

魔力を制限する指輪は外しません。

軽い練習試合。

クラルスは珍しくステッキを使います。

クレスケンスルーナ。
「おいでー。」

クラルス。
「行くよ。」

通常射撃。

ビーム砲の弱連射。

クレスケンスルーナ。

すべて手で弾いた。

続いてチャージショットが放たれる。

直撃はまずいので。

ガード。

クレスケンスルーナは不思議な力を発動。

手をかざして。

相手の内容を悪くしたり。

体感時間を遅くするステートを浴びせるも。

数秒で解かれてしまう。

接近しようとするも。

動きが速い。

クレスケンスルーナ。
「え?速い?この娘の動きについていけない?」

クラルス。
「攻撃が通用しないのですね。」

あまりの敏捷性。

手加減していたクレスケンスルーナ。

通常射撃を回避しつつ。

接近。

格闘攻撃をステッキで跳ね飛ばされて。

簡単には勝てないと察する。

リーリエ。
「このくらいでいいのでは?」

クレスケンスルーナ。
「うん。」
「そこまで。」

クラルス。
「さすがに強いです。」

リーリエ。
「消極的?」

葵ちゃん。
「うん。」
「リーリエさんの考察は当たっているよ。」
「クラルスちゃん。」
「心に恐れを持っている。」
「それが弱さの根源なのでは?」

クラルス。
「恐れ?」

葵ちゃん。
「心に恐れを持っている。」
「それがあなたの力を半減させていませんか?」

クラルス。
「そう言われてみると。」

クレスケンスルーナ。
「幼女なのに戦闘力は申し分なし。」
「楽しかったよ☆」

クラルス。
「認めてもらえて光栄です。」

リーリエ。
「護衛の補強にしては充分以上です。」
「素晴らしい娘を送ってくれました。」

クラルス。
「本当はもう少し早くに来てたんですけれど。」
「父親が神様の元へ帰りましたから。」

リーリエ。
「あれま。」
「最期の復活を祈りましょう。」

クレスケンスルーナ。
「ロザリオ?」

クラルス。
「銀で作られています。」

クラルス。

ロザリオに口づけする。

リーリエ。
「魔女の中でも。」
「悪用していた力を。」
「正しく使う人達もいるものです。」
「この娘は暗黒面からここに来ています。」

クレスケンスルーナ。
「昼間の世界からではなく。」
「暗闇の世界を知った上で来たんだね。」
「もう妹でいい?」

クラルス。
「妹が好きなんですね。」

葵ちゃん。
「人の趣味には理由がありません。」
「正しい力の行使。」
「プラトンは力は正義なりと言ったものです。」

リーリエ。
「力の強い者が結局勝ちますから。」
「力を肯定するのも正しい道理なのでしょう。」

クラルス。
「弱いことは悪いことです。」

葵ちゃん。
「体験としてはそれは正しい。」
「わたしにとってもかわいい妹です。」

リーリエ。
「みんなの妹になりましたね。」

クラルス。
「うふふ。」
「ちょっといろいろされそう。」

クレスケンスルーナ。
「これからよろしくー。」

クラルス。
「こちらこそ。」

遊んで打ち解けて。

最終的には養女になるとのことで。

王家を代々守護してきた縁の下の力持ち。

本格的に公になるんですね。

近くの小学校に編入したみたいで。

母親は傭兵として自衛隊で働いているみたい。

これ以来よく遊ぶようになりました。

護衛の補強でもあるせいか。

ことあるごとに私の家は賑やかで。

私の両親も加わるほど。

面白い近況です。


35


クレスケンスルーナがゲームセンターに遊びに行きます。

クラルスも同行。

クレスケンスルーナ。
「俗な遊び?ちょっとしてみたかった。」
「お姫様には似合わない?」

リーリエ。
「多様性の時代はなんでもありですよ。」

クラルス。
「そういう体験もお姫様には必要だと思います。」

クレスケンスルーナ。
「うん。」
「最高の意見。」
「わたしは。」
「こういう相手としか議論したくない。」
「自分の言っていることに誤りがあれば。」
「喜んで反駁を受けるとともに。」
「他人が間違ったことを言えば喜んで反駁するような人。」

クラルス。
「遊んでみたい。」

リーリエ。
「お年頃ですから。」
「私がなんとかします。」

クレスケンスルーナ。
「思った。」
自由の意味を間違えた。」

リーリエ。
「そうやって人は成長するもんです。」


クレスケンスルーナ。
「自由という名のわがままを。」
「求めて称して我が物に。」
「どこから出たの。」
「自由とは。」
「わがまま目的押し通し。」
「叛意を隠して主権へと。」
「自由と言い張り我が強く。」
「偶然そうなる自由なの。」
「みんなのわがまま代表と。」
「自由そのものスローガン。」
「プロパガンダに自由とし。」
「あんまり言い張る辞めようよ。」
「摂理は厳しく打ち砕く。」


葵ちゃんと雫ちゃんと紬ちゃん。

駄菓子屋巡りの真っ最中。

クレスケンスルーナが通りかかって。

興味津々。

クレスケンスルーナ。
「なにこれー?」
「小さなお菓子?」

雫ちゃん。
「おつまみとかいっぱいだよ。」
「駄菓子屋と言うんだから。」

クレスケンスルーナ。
「格安でこんな味気があるお菓子が!?画期的!!」

クラルス。
「欲しい。」

リーリエ。
「何個か買っていきましょう。」

葵ちゃん。
「いろんな種類があるよ。」
「お菓子ならここで揃うね。」
「いろんなメーカーの名品揃い。」

紬ちゃん。
「つまりはお菓子屋さんの中で特別なんですよ。」
「古き良き文化です。」

クラルス。
「日本は文化の宝庫なんですか?」

葵ちゃん。
「失われた伝統も多いかも。」

駄菓子屋に王族が入る斬新な光景。

クレスケンスルーナ。
「お姫様らしさってなんだろう?」

葵ちゃん。
「哲学的問答法が必要です。」

クラルス。
「自分の意見ではなく。」
「正否について議論するのですから。」
「自分はそこに無くて。」
「真理だけを目指すべきもの。」

リーリエ。
「その通りですよ。」

クレスケンスルーナ。
「王権神授説。」
「根拠あるんだけど。」
「なんで敗れたの?」

雫ちゃん。
「君主制は王様の支配。」
「西洋ではローマ法王の強い権力によって。」
「教会に認められないと王様になれないって。」

紬ちゃん。
「神様から与えられたのと同義なのに。」
「よく分からないですね。」
「君主制は腐敗すると僭主制。」
「独裁制になります。」

クレスケンスルーナ。
「古代ギリシャ政体の分類から引用?」
「貴族制は裕福な少数の支配。」
「腐敗形態。」
「寡頭制。」
「支配層が世襲されて。」
「法が機能しません。」

葵ちゃん。
「民主制は貧しい多数の人々による支配。」
「腐敗すると衆愚制。」
「確固たる方針に乏しく。」
「行き当たりばったり。」
「どれがいいですか?というのは話題になりそうです。」

クラルス。
「学校では規律ばかりです。」
「凡人の教師は要りません。」

葵ちゃん。
「教師も教えられた事しか出来ないから。」
「憐れんであげて。」

クラルス。
「規律は三要素に分類されます。」
「どこで何を行ってよいか。」
「次にいつ何を行うか。」
「身体を使って具体的に何を行うか。」
「幼い頃から規律を叩き込まれて。」
「抑圧されるようですが。」
「ご機嫌取りして分かったフリでいます。」
「権力の失効のちやりたい放題しますけれど。」

車が行き交う。

荷物トラックが来ていた。

近くのスーパー。

クレスケンスルーナ。
「勤労至上主義。」
「第一次世界大戦の時期。」
「一日四時間労働で。」
「人々が充分に暮らしていけるだけの。」
「物品を生産できた。」
「ラッセルの情報。」

葵ちゃん。
「18世紀イギリスの文学者ジョンソン。」
「すべての人間は怠け者か、怠け者志願者である。」

紬ちゃん。
「無意味に労働時間が増えたんですねー。」

雫ちゃん。
「ということは間違っている方向に文明を進めているのでは?」

クラルス。
「無駄に高度なのも駄目だと思います。」

葵ちゃん。
「シンプルな構造じゃないと。」

クレスケンスルーナ。
「たぶん無駄な要素が多過ぎるんだと思う。」

葵ちゃん。
「そういう議論はここくらいなものでしょう。」

クラルス。
「衆愚制で気付く人はいないでしょう。」

雫ちゃん。
「凡人の世の中だから。」

紬ちゃん。
「優れた人物の不在は最悪の結果をもたらす。」

リーリエ。
「導いてくれる人物が居ませんから。」
「路頭に迷います。」

葵ちゃん。
「それで間違ってしまっても。」
「正す人はいませんし。」
「人類には医者が必要です。」

クラルス。
「可謬主義。」

葵ちゃん。
「可謬主義は必須事項。」

クレスケンスルーナと解散。

ゲームセンター。

クラルスも参加。

リーリエは周囲を警戒している。

そのうちクラルスは満足して。

周囲の様子を見ていた。

クレスケンスルーナ。
「相手の人。」
「レバガチャプレイは強かったよぉ。」

志穂。
「あら?来てたのね。」

クレスケンスルーナ。
「レバガチャって言うんだっけ?」

志穂。
「失礼ね。」
「半分はフェイントなのに。」

クレスケンスルーナ。
「今は負け惜しみを言わせてー。」

志穂。
「なに言ってるの。」
「まぐれ勝ちよ。」
「たまには負けるもんですから。」

クレスケンスルーナ。
「そんなに猛者?」

志穂。
「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの?」

クレスケンスルーナ。
「大人げないよねー。」
「次はレースゲームでもやってみるー。」

志穂。
「余ったメダルをあげるわ。」
「持ちきれないし。」

クレスケンスルーナ。
「レースゲームやったら。」
「辞めるー。」
「どういうものか分かったから。」

志穂。
「まあ私が居て良かったね。」

ゲームセンターから立ち去る。

ファストフードなどを物色。

庶民の世界に身を投じて。

いろいろ見聞も広がりました。

クレスケンスルーナ。
「おもちゃ屋さんがある。」

クラルス。
「これはお宝ですね。」

リーリエ。
「ここは不審者が居ません。」

店内に葵ちゃん。

雫ちゃんと紬ちゃんも。

合流。

葵ちゃん。
「あらま。」
「プラモデルからフィギュアまであるよ。」

クレスケンスルーナ。
「これ彫刻とか銅像で見たことあるー。」
「人形なの?」

雫ちゃん。
「銅像は青銅で作るらしいけれど。」
「これは樹脂で作られている。」

紬ちゃん。
「芸術的センスは考慮されていませんが。」

葵ちゃん。
「美術品としての価値は低いです。」
「単なる置物ですから。」

クレスケンスルーナ。
「そんなんなの?」
「それでいいの?」

葵ちゃん。
「いつしかフィギュアは高価になってます。」
「美術品としては作られてないからです。」

クレスケンスルーナ。
「それは残念な出来ですねー。」

クラルス。
「飛行機の模型。」

リーリエ。
「いくつか買っていけばいいと思います。」

クラルス。
「探す。」

雫ちゃん。
「エアガンの弾をおもちゃの剣で弾いて遊んでた。」

紬ちゃん。
「大きい弾を使えばジェダイごっこが出来ますし。」
「コルク弾のことですねー。」

葵ちゃん。
「遊び用具にもなりそう。」

クレスケンスルーナ。
「こういう世界もあるのかあ。」

葵ちゃん。
「お姫様も下に降りてきて。」
「いろいろ見て回ると。」
「世界というものけっこう知るものです。」
「むかしは民の忠誠心が物を言いましたよ。」

クレスケンスルーナ。
「玉座に座っているだけでは見えてこないものもある?」

リーリエ。
「庶民を知らなかっただけですよ。」

クレスケンスルーナ。
「私は、私が何も知らないことを知っている。」

けっこう遊んで。

今日は行き先が重なりましたね。

家にて。

両親の趣味の対象にされるクラルス。

次の日には登校で。

教育が生徒中心なのでやりやすいです。

でも。

高度な事は教えませんし。

学校や教師を信用してはいません。

葵ちゃん。
「無理に強いられた学習というものは。」
「何ひとつ魂のなかに残りはしない。」

雫ちゃん。
「軍隊の訓練だと思って。」
「こなしておこうよ。」

紬ちゃん。
「戦前から何も変わってませんよ。」

志穂。
「凡人を信用する方が馬鹿ってわけ。」
「愚か者の演技も時に必要ですなあ。」

学校教育を読んだっきり。

学校の考え方などは信じていません。

むしろ訓練だと思って。

分かったフリしてます。

数学などは。

良書を読むと成績を簡単に上げられますし。

学んで意味が無いものは。

こんな狡猾なやり方で成績を稼いでます。

学歴でも貰いましょうか。

そんなノリで。

教わるというよりは。

トレーニングと見なして。

適当に取り繕ってます。

姫ちゃんは遅く帰ってくるので。

家では好きな事だけして。

宿題は不正行為で片付け。

道理にかなっていないものは。

論破しておきました。

教師が混乱しておりますが。

別にいいでしょう。

教材よりも私の学問の成果の方が正しいので。

意見が衝突したり。

教師から「神童」と勝手に呼ばれたり。

なんとも言えない学校風景です。


36


富士山を御神体とする神社に参拝。

富士山は霊山。

神を祭る山。

葵ちゃん。
「美しき富士山。」
「ああ我が故郷。」

雫ちゃん。
「おお大自然よ。」
「我らを迎え入れたまえ。」

紬ちゃん。
「そびえ立つ大自然よ。」
「わたしはいまここで。」
「地を歩き。」
「山に平伏し。」
「空を仰ぐのだー。」

志穂。
「霊峰よ。」
「あなたに比べたら私の小ささ。」
「人はか弱き者。」
「痛感致します。」

クラルス。
「19世紀。」
「ヨーロッパでは合理主義の精神で。」
「機械文明が発達。」
「人々は孤独や無力でいっぱいになった。」

リーリエ。
「人を交換可能な部品のように扱う機械文明は。」
「人々に過酷な労働を強いて。」
「尊厳を奪った。」
「信仰は薄れて。」
「ヨーロッパでは無神論が蔓延。」

クレスケンスルーナ。
「神の否定は。」
「根源的な価値の否定にほかならず。」
「私たちが生きる意義そのものの否定につながる。」
「ニヒリズムで絶望と退廃が支配し。」
「歪みと矛盾に陥った。」
「無神論の影響は人々に計り知れない影響を及ぼすことになった。」

近くに砦があり。

トレーニング用に魔法使いが建設した。

大正時代の建造物。

目標を指示されて。

クラルスが立ち寄ります。

珂珠。
「いってらっしゃい。」

乙葉。
「危なくなったら加勢してやるよん。」

クラルス。
「どうもです。」
「行ってきます。」

砦の中は広い。

罠はありますが。

簡単に避けて。

三階の王座は空振り。

どこかに証になる石が山積みになっているのです。

地下には瘴気が満ちていて。

長く居ると熱病の原因になりますよ。

クラルス。
「なにこいつ?」

ヌエの小さい版が合計三匹。

チャージ弾にて遠距離射殺。

二匹目は連射攻撃を当て続けて倒れましたよ。

三匹目と格闘戦になりますが。

相手の動きが遅いので。

殴り殺しました。

クラルス。
「地下は二階まである?」

大きなスカシバが登場。

優柔不断に動き回り。

体当たりを回避しつつ。

無言で射殺。

クラルス。
「このライフル砲ってけっこう威力あるんだ。」

見事に最深部の。

「邪悪なる根源」に到達。

怪しく巨大な鉱石と。

すぐ傍に山積みの証。

海底火山の鉱石のようで。

手に入れて帰還。

珂珠。
「速いね。」
「30分?」

乙葉。
「もう充分に強いんじゃない?」

クラルス。
「基礎がきちんとしているから?」

クレスケンスルーナ。
「早熟さん。」
「まだ成長できるよ☆」

リーリエ。
「報告は任せてください。」

簡単にトレーニングをクリアしたクラルス。

一同。

静岡空港に向かいます。


37


静岡空港。

セスナ。

滑走路に居ます。

珂珠。
「安全運転してあげる。」

乙葉。
「いやん。」
「ジェットコースターがいいな。」

葵ちゃん。
「冗談じゃない。」

雫ちゃん。
「戦闘機ではありません。」

紬ちゃん。
「飛行機という概念から外れた代物はなんでしょう?」

志穂。
「飛行機ですらない。」

紬ちゃん。
「概念があって。」
「概念から生じたものを本物とするのがイデア論。」

葵ちゃん。
「飛行機らしい飛行機とは?」

志穂。
「この民間機のことなのでは?」

紬ちゃん。
「こんなのが絵じゃない?」
「適当に絵を描きますが。」
「本物は大体ゴッホのヒマワリに集約されています。」
「こんなのが絵だからと言いつつ。」
「真なるものゴッホのヒマワリには無関心で。」
「絵について分かった気でいます。」
「洞窟で映し出された影がこれです。」
「こんなのが小説じゃない?」
「こんなのが音楽じゃない?」
「次々と出てくるでしょうけれど。」
「こんなのじゃないか?と思って信じているのが。」
「洞窟に映し出された影という意味です。」

葵ちゃん。
「プラトン。」
「洞窟の比喩。」

珂珠。
「零式艦上戦闘機の実用高度は五千メートルだとか。」

乙葉。
「セスナの速度は新幹線と同じくらい。」

珂珠。
「登山客には山が。」
「私には空がある。」

乙葉。
「キスしていい?」

珂珠。
「いろいろな意味で昇天するのでなしで。」

乙葉。
「いいじゃん。」

葵ちゃん。
「カップルの車じゃないんですから!!」

珂珠。
「そう言っているうちに。」
「富士山の空域に到着。」
「遊覧飛行。」

クレスケンスルーナ。
「なんて綺麗な。」

クラルス。
「すごい景色。」

リーリエ。
「意外にエンジンパワーあります。」

クレスケンスルーナ。
「神の国と言われる由縁がこの景色。」

クラルス。
「神様の国?日本?すごい。」

葵ちゃん。
「日本は神の国。」
「なのに無神論者が多いんですよ。」

リーリエ。
「とっくのむかしに証明されたのになぜ?」
「聖アクィナス。」
「神の存在証明。」

クレスケンスルーナ。
「覚えてます。」
「運動による証明。」
「神が存在しないとすると。」
「この世界に運動があることが説明できない。」
「ある物体が運動するには。」
「別の物体の運動が必要である。」
「その運動のつらなりの最初に。」
「自らは動かずに動かす者(神)が存在する。」

リーリエ。
「作用因による証明。」
「神が存在しないとすると。」
「原因と結果の連鎖が説明できない。」
「結果には何らかの原因があるが。」
「さかのぼればさらにその原因がある。」
「この原因の連鎖の最初に。」
「第一原因としての神が存在する。」

クラルス。
「必然性による証明。」
「神が存在しないとすると。」
「なぜこの世界が存在しているのかが説明できない。」
「この世界のあらゆる物は。」
「偶然生まれたものであって。」
「存在しなかったとしても不思議ではない。」
「この世界の存在を。」
「そうした偶然だけで説明しても説得力がない。」
「したがって。」
「必然的に存在するものである神が存在する。」

葵ちゃん。
「完全性の度合いによる証明。」
「神が存在しないとすると。」
「私たちが「完全さ」という概念を理解していることが説明できない。」
「私たちは絶対的に完全なものとの比較によって。」
「物事が完全かどうかを判断している。」
「その完全さを提供しているのが神である。」

珂珠。
「目的論的な証明。」
「神が存在しないとすると。」
「無生物が存在する目的が説明できない。」
「無生物も何かの役に立っていることがあるが。」
「偶然そうなるということはありえない。」
「飛んでいる矢(無生物)が射手によって目的付けられているように。」
「あらゆる無生物が何かに目的付けられている。」
「それこそ神にほかならない。」

乙葉。
「必要なことならば。」
「すべて学んでおこう。」

珂珠。
「実り多いねぇ。」

遊覧飛行。

滑走路へアプローチ。

珂珠。
「機首が上がらない。」

乙葉。
「トリム狂ってない?」

珂珠。
「それだ。」
「戻った。」
「エンジンの出力が低下しているけれど。」
「なんで?」

乙葉。
「さあ?」
「整備員に聞いてみよう。」

着陸。

葵ちゃん。
「とっても綺麗な空でした。」
「天之常立神様の存在を感知したよ。」

雫ちゃん。
「眼下に広がる雄大な景色。」
「月並みの表現ですが。」
「言葉にできませんなあ。」

紬ちゃん。
「こんなの贅沢。」
「富裕層になった気分。」

珂珠。
「ここにはおいしい珈琲があったりして。」

乙葉。
「お土産には模型が充実。」

紬ちゃん。
「おほほほ。」
「わたし。」
「重量過多にならないでね。」
「飛べなくなるから。」

クレスケンスルーナ。
「妹みたい。」

クラルス。
「わたしみたいなのが趣味でしょ?」

クレスケンスルーナ。
「そう言っちゃう所もたまらない。」

リーリエ。
「気に入られましたね。」

クラルス。
「お姉ちゃんって言ってやるんだから。」

クレスケンスルーナ。
「うわあ。」
「やられるー。」

リーリエ。
「息荒いです。」
「どうしました?」

クレスケンスルーナ。
「相応しい女の子が来て良かったです。」
「お母様に伝えて・・・。」

リーリエ。
「休憩しましょ。」
「どこも悪くはありませんが?」

珂珠。
「空港見学。」

乙葉。
「わたしらカフェコーナーにいるから。」
「デッキでも見ておいで。」

葵ちゃんたち。

展望デッキへ移動。

志穂。
「カップル多いなあ。」

葵ちゃん。
「立場としては見ないほうがいいよ。」

志穂。
「恋と結婚叫んでる。」
「いらっしゃいませ。」
「荒い歓迎男の憂い。」
「女のすべて。」
「やがてはこちらに来ますよと。」
「あれらは待ち伏せやがて来て。」
「いらっしゃい。」
「あなたは選んできたのか強制か。」
「こうして男と結ばれて。」
「女は夫に仕えては。」
「一直線に向かったね。」
「結婚確定テンプレート。」
「女は決まった生でしか許可せぬと。」
「独身貫く逃げ延びて。」
「非凡を排他と世人の愚かさよ。」
「選べぬ婚姻強制だ。」

遠くから旅客機飛来。

紬ちゃん。
「大型機。」

雫ちゃん。
「浮ければいいのに。」
「飛行艇みたいに。」
「事故発生の場合。」
「ラジコンみたいに油圧系統を無線操縦。」
「エレベータやエルロンを動かす。」
「エレベータを垂直尾翼に装備して。」
「エルロンも兼ねるとか。」
「こんなの作れない?」
「故障しても着水すればいい。」
「Be-200(ベリエフ)を旅客機に採用すればいいのに。」

葵ちゃん。
「それが出来たら人類苦労はしてません。」
「あはは・・・・。」

空港を思う存分。

民間機は軍用機と違った魅力がありますね。

航空祭に行った時も。

戦闘機用のエンジンが民間機に搭載された。

ジェットエンジン。

インターネットも最初は戦略兵器のひとつ。

平和は戦争から生まれる(Pax paritur bello.)

ギリシャやカルタゴの王などの伝記を残したネポスの言葉。

簡潔。

この教えは実際に通用しますし。

この言葉に沿った平和主義が真なるものだと思います。

欧州から出てきた平和主義者は。

現実を無視して。

現在まで人を無理に感化させて。

戦争に対して反対のアプローチを取っていますが。

本物は。

平和は戦争から生まれる。

こちらです。

歴史の生んだ言葉は真理。

車で移動中。

牧之原台地は茶畑が広がる。

志穂。
「インターネットで意見を主張する。」
「意見として。」
「個人的な主張だから。」
「それを前提条件にしているけれど。」

紬ちゃん。
「反論以前に。」
「反対以前に個人的な意見ですからね。」
「反対も何もありません。」
「メタ発言ですし。」

志穂。
「反論にもルールはあるのよ?」
「個人的な意見に反論する必要は無いでしょうけれど。」

葵ちゃん。
「前提から出す場合は。」
「前提が真なるもの。」
「前提が正しければ結論も正しい。」
「前提が間違っていれば全部間違いになります。」
「前提に間違いがあれば。」
「または一部が違えば。」
「反論が成立します。」
「前提が違うのでそうではない。」
「または一部が違うのでそうではない。」
「ここが反論のルールです。」

紬ちゃん。
「論証が主張された結論に行き着かないと。」
「その論証からそんな結論にはなりませんと。」
「指摘すれば結論も台無しにしてやれます。」
「その論証が果たしてそんな結論を導き出せるのか?」
「ここが反論のルールです。」

志穂。
「もっとも世間で多いのは。」
「というかほとんどの場合は。」
「結論だけを言い争うパターンですな。」
「結論はこうだとか。」
「結論だけをああだこうだ口論するのが定番。」
「結論に対して結論で争ってしまうと。」
「無限に続きますし。」
「数少ない例外を除いて。」
「結論だけを主張する人はけっこう無学な場合が多いわね。」
「凡人は結論だけ主張しますので。」
「そこを狙ってしまえば簡単。」
「結論だけで物を言っているよね?論証は無いの?馬鹿だなあ。」
「なんて。」

葵ちゃん。
「なぜそういう結論なのか?」
「理由を答えられなければ。」
「考えたとは言えません。」

志穂。
「前提から結論を導く。」
「真なる前提から始めると。」
「必ず真の結論が得られるのが妥当な論証。」
「妥当ではない論証もある。」

葵ちゃん。
「前提がひとつでも偽だった場合。」
「結論は偽になることも真になることも。」

紬ちゃん。
「前提が偽でも偶然真になったりして。」

葵ちゃん。
「ディダクション。」
「演繹は。」
「前提が真ならば結論も真。」
「お決まりの結論になるだけだし。」
「前提が誤りならば壊滅。」

志穂。
「インダクション。」
「帰納。」
「事例の多さで強くなる。」
「結論は確実にはならない。」

紬ちゃん。
「アブダクション。」
「仮説を立てるけれど。」
「これは間違いが発生しやすい。」
「可謬主義によって探究できる。」

雫ちゃん。
「帰納は観察によっては新しい知識を得られるかも?」

志穂。
「アブダクションは仮説だけれど。」
「知られていない現象や理論も展開できる。」
「科学の探求も仮説を立てるアブダクションから出発するし。」

紬ちゃん。
「問いに関しても。」
「問い自体に間違いがあれば。」
「何も得られない。」


リーリエ。
「なんで?どのように?」
「これは科学の問い。」
「なぜ?」
「なぜそうなのか?」
「しかしなぜそうなのだろう?」
「哲学はこういう問いを基本としていて。」
「真理への道です。」

葵ちゃん。
「ニュースでも。」
「なぜそのような主張ができるのか。」
「これを考えてみて。」
「どのような前提から。」
「どう論証されているのか。」
「立派な主張でも。」
「根拠が乏しい場合もある。」

志穂。
「充分に正当化されていれば進められる。」
「どのような事実で主張を覆せるかも考えられる。」

紬ちゃん。
「練習を行っていれば。」
「論理的におかしな主張には簡単に気付くもの。」

雫ちゃん。
「学問ガール最強説。」

紬ちゃん。
「リンゴのイデア。」
「リンゴはリンゴの木から実って獲得する。」
「では。」
「模造品はリンゴと呼べますか?」
「リンゴは概念の通りに。」
「リンゴの木の実から実って獲得できるもの。」

葵ちゃん。
「イデア論。」
「良い説明だと思います。」

紬ちゃん。
「プラトンのイデア論。」
「プラトンは何かが見えていて。」
「それを文字にしたけれど。」
「文字にすると解釈の違いや誤解もあるので。」
「プラトンが筆記したイデアとは何であるか。」
「誰も分からなかったんだ。」
「あまりに神秘主義なので。」
「近年まで的を得た解読は存在しなかったよ。」

志穂。
「先人の確立した学問。」
「学問は元々は哲学から派生したものですし。」

葵ちゃん。
「理性の強弱で使いこなせる高度なもの。」

珂珠。
「哲学を学べば全部わかる。」
「非凡ですなあ。」

志穂。
「予定調和ですよ。」

乙葉。
「まさにそれ!!」
「予定調和!!」

珂珠。
「予定調和を祈願したくなった。」
「只今牧之原南方道路の御茶屋。」
「見えたよ。」

乙葉。
「言っておくけれど。」
「論証も無いのに結論は言えない。」

珂珠。
「論証も無いのに結論を言うのなら。」
「小学生の口論と変わらない。」

クレスケンスルーナ。
「論証なしの議論なんてあるの?」

葵ちゃん。
「そういうお子様から卒業するために。」
「学問を習っています。」

志穂。
「学問ガールは最強だー。」

帰りは牧之原の御茶屋さんで。

お土産買って。

次に集まった時に。

お茶と言ってもいろいろありますし。

紅茶みたいなのとか。

高級のは味が濃くてマイルド。

ハーブティー?

富士山観光は収穫が多く。

この言葉が似合います。

楽しむことを学べ。

ルキウス・アンナエウス・セネカの言葉(倫理書簡集)



38


古書店。

お姉さんが営むお店。

古典が豊富で。

まるで博物館。

朱羽(あげは)
「いらっしゃい。」
「葵ちゃん来たね。」

葵ちゃん。
「また本を読みたくて。」

雫ちゃん。
「なんか物凄い雰囲気の場所。」

紬ちゃん。
「こんな場所があったなんて。」

志穂。
「なんか凄いものがあるんだとか。」

朱羽。
「あるわよ。」
「奥に入ってみて。」

奥の本棚には骨董品のように。

ヨーロッパの本が収納されている。

朱羽。
「マニアの人が買うのよ。」
「けっこう高価だけど。」
「学者も時々。」

志穂。
「宝の山ですな。」

朱羽。
「そのお宝を売っているのよ。」
「お高い本ならいくらでも。」

雫ちゃん。
「読書。」

紬ちゃん。
「ローマの歴史。」
「ローマって有名なのに。」
「あんまり良い説明がありませんよね?」

朱羽。
「そうだよねー。」
「空き地となっていた場所に。」
「都市が建設されて。」
「建国神話もある。」

紬ちゃん。
「お客さんが来て。」
「その部族の女性を拉致した。」
「粗末に扱われず。」
「待遇が良かったので。」
「その部族との戦争になっても。」
「拉致された女性が戦争を止めた。」

朱羽。
「そして合併になった。」
「部族は不利だったのに。」
「それを持ち出されて踊ったようです。」

紬ちゃん。
「周辺国との戦いで勝ったり負けたり。」
「新興国家として確立。」
「制度も整備されていく。」

朱羽。
「ローマの神々のおかげで。」
「平民は無視して。」
「新規獲得した都市を我が物にした。」
「ケルト人は敵対者を滅ぼして。」
「ついでにその都市を侵略した。」
「最後は金塊を出して帰ってもらった。」

葵ちゃん。
「カルタゴが攻めてきた時。」
「ハンニバル相手に散々な敗北を繰り返した。」
「兵力で圧倒的に上回っているのに。」
「戦の天才に勝てなかった。」

朱羽。
「逆にローマから天才を出したらあっさりカルタゴは滅んだ。」

葵ちゃん。
「その結果は。」
「ローマの潜在能力を引き出した。」

紬ちゃん。
「皇帝ですら市民の投票で選ばれるのは意外でした。」
「平民の投票が物を言ったんですね。」

朱羽。
「同じ時期のギリシアは没落した。」
「衆愚制に陥って。」
「機械化した制度で人を束縛。」
「滅亡。」

葵ちゃん。
「ローマは地中海の覇者になったけれど。」
「その過程で。」
「負かした相手を仲間にしていった。」

志穂。
「通常。」
「敗北したら奴隷になったり。」
「民族を滅ぼされたりする。」
「ローマは負かした相手を吸収した。」

朱羽。
「同盟国家。」
「現在のEUが出来上がった。」
「でも。」
「同盟国が裏切ったり。」
「数々の政変や戦乱に見舞われる。」

葵ちゃん。
「共和国になって。」
「国家は公共のものになったり。」
「やっぱり政治内部での抗争もあった。」

朱羽。
「アウグストゥスは複雑な方法で皇帝になったけれど。」
「皇帝と言うよりは。」
「事実上の地位で。」
「権力は集中したなかったとか。」
「資料としては正確なものは見たことがない。」

葵ちゃん。
「そして後に四百年続く。」

朱羽。
「良書を読むといいわ。」
「悪書はマイナス。」
「良書を獲得するにはコツが要る。」
「適当に選べばいいものではないし。」
「内容以前に愚書の方が圧倒的に多い。」
「何度も言うけれど。」
「愚書の数は膨大。」
「悪書とは読者や社会に害をおよぼす本。」
「内容が低俗。」
「もし悪書を読んでしまったら。」
「死を覚悟しなさい。」

「一握りの良書がすべてを教えてくれる。」

紬ちゃん。
「人は良書と学問で決まってしまうもの。」
「才能なんて言葉は忘れてしまいました。」

朱羽。
「人って大体。」
「良書を読んだ数で決まるのよね。」
「そこから実践で習得するなど。」
「どのくらいの学問を修めたか。」
「そういう所で能力が決まる。」
「才能という言葉は使わなくなった。」

葵ちゃん。
「インターネットも暗黒面に堕ちつつある。」
「プロフェッショナル執筆に出会える事もあれば。」
「ほとんどが素人の役に立たない有害な情報だったり。」

朱羽。
「インターネットは今の時代。」
「素人が大半だから。」
「当てにはならない。」
「インターネットでは玄人が書くなんて稀だし。」
「やっぱりいろいろと見ていると。」
「科学がいくら進歩しても。」
「人の内容は変わらない。」
「人の中身は変わらない。」

志穂。
「科学が進歩しても。」
「人は進歩しませんな。」

朱羽。
「人はむかしといまも変わらない。」

雫ちゃん。
「歴史を学べ。」
「または歴史を創れ。」
「学べ、さもなくば、去れ。」

紬ちゃん。
「ということで図書館でいいですか?」

朱羽。
「特別よー。」
「たくさん読みなさい。」

葵ちゃん。
「魔法使いの管理組合である華族。」
「最近動向が怪しいです。」

朱羽。
「人はむかしから何も変わってない。」
「歴史は繰り返す。」
「過去に起こったことは。」
「同じような成り行きを経て。」
「繰り返し起こるものである。」
「ローマの歴史家クルティウス・ルーフスの言葉。」
「現在も歴史は繰り返されている。」
「意外かもしれないけれど。」
「現在もその真っ只中にいるのよ。」

葵ちゃん。
「人は変わらなかったというわけです。」
「現在も歴史は繰り返されて。」
「その中に居ることを知らない。」

朱羽。
「かつての歴史は同じような成り行きを経て。」
「現在も繰り返されているから。」
「歴史は終わってはいない。」
「これまでの政治形態と同じく。」
「間接民主制の腐敗形態が必ず出る。」

志穂。
「生きる事は戦う事だ。」
「正当防衛は怠らない。」

雫ちゃん。
「ラテン語のことわざはおしゃれ。」

紬ちゃん。
「ゆっくり急げ。」
「多様性は喜ばせる。」
「おしゃれ。」

志穂。
「目を通すの速いわね。」

雫ちゃん。
「速読。」

朱羽。
「思う存分読むといいわ。」
「お客さんがそろそろ来るかも。」

葵ちゃん。
「邪魔にならないようにしてますね。」
「お姉さんもベテランになりました。」

朱羽。
「そう?慣れたのは間違いないわ。」

今日は古書店で。

日没と共に一緒に帰宅。

お姉さんは祖父から受け継いだ古書店を営んでいるのです。

膨大な古典。

ヨーロッパの本などで埋め尽くされた。

骨董品級の本が並んだ本屋。

度々。

学者や学生。

マニアが来ては。

買っていき。

新しいのを調達したり。

ビジネスに精通しているお姉さん。

日本の制度はプロフェッショナルでも全容が把握できないとか。

お姉さんは知り尽くしているみたい。

古典による在庫の山。

古書店は知る人ぞ知る。

名店なのです。


39


百歳の童七歳の翁。

古書店はもはや。

図書館になっています。

葵ちゃん。
「ファウスト?一部と二部。」

朱羽。
「この世で最高の小説はゲーテのファウスト。」
「今なお。」
「世界中の芸術家。」
「思想家に影響を与え続ける不朽の名作。」
「ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ。」
「ワイマール公の宮廷顧問官として。」
「ドイツの偉人として誰もが知る存在。」

クレスケンスルーナ。
「あのゲーテ先生ですか。」
「ドイツ人なら知らない人はいない。」
「詩人ゲーテ。」

クラルス。
「ゲーテ先生から文法を習いました。」

葵ちゃん。
「そうなると散文的ではなくて。」
「詩的になっているのでは?」

クラルス。
「そうなの?」
「だからみんな理解できない?」

朱羽。
「もっとも。」
「私が愚かなことを言うと。」
「彼らは私の言いぶんを認める。」

リーリエ。
「私の言うことが正しいと。」
「彼らは私を非難しようとする。」

朱羽。
「ゲーテ格言集。」
「これほんと。」
「正しい事を言うと非難しようとしてくるし。」

リーリエ。
「それって全員が正しくないという意味になります。」

朱羽。
「そうなると。」
「人というもの。」
「全員が愚者という意味。」
「さらには存在自体が誤りという結論になりますが。」

クレスケンスルーナ。
「予定説なんじゃない?」
「それでいいでしょ。」

朱羽。
「救われる者は決まっていると。」
「まあ楽観的に考えましょう。」

ミューズの女神。
「シェイクスピアのように劇であれ。」
「ゲーテのように詩的になりなさい。」
「散文的な文法は。」
「あなたを稚拙な阿呆へと。」
「蹴飛ばし雑魚の群れにへと。」
「突き飛ばした上で笑われます。」
「芸術そのもの散文で。」
「描けると思わないでくださいね。」
「散文的なお子様よ。」
「先人には遠く及びません。」
「足元すら拝めず腐りなさい。」
「芸術とはこういうの。」
「自然の美を見出して。」
「はじめて芸術が分かるもの。」
「タレスのように自然を観ては。」
「そこから出てくる現象と。」
「向き合いやがては芸術を。」
「美の表現忠実に。」
「芸術そのもの本当は。」
「芸術家だけの権利でね。」
「神々からの推薦状。」
「あなたは持っていらしてね。」
「芸術そのもの免許制。」
「以上が散文の幼稚さと。」
「芸術そのものイデアなの。」


朱羽。
「ミューズの女神が。」
「私に再び筆を取れと?」


葵ちゃん。
「こっちはシェイクスピア。」
「シェイクスピアとは誰もが模作する定番である。」

朱羽。
「シェイクスピアって知らないといけない文豪よ。」

リーリエ。
「むしろ知らない人っているんですか?」

葵ちゃん。
「残念な事に。」
「いるらしいです。」

クラルス。
「いい冗談ですね。」

葵ちゃん。
「知識が開けず。」
「物事の道理に暗いこと。」
「動物の方が健全。」

朱羽。
「鳥のようになれる。」
「しかし鳥よりも優れている。」
「それが私達のハズ。」

クレスケンスルーナ。
「さすがに古典の商人だけあるわあ。」

朱羽。
「私がなぜ学ぶのか?」
「蒙昧は死をもたらす。」
「これを見出したから。」

葵ちゃん。
「良識は大切ってことですよね。」

朱羽。
「そゆこと。」
「良識は大切。」

クレスケンスルーナ。
「思ったけれど。」
「日本人って具合悪いの?」
「祖国ではみんな顔色が良いけれど?」

朱羽。
「うん具合悪いよ。」
「お医者さんを呼んであげて。」

葵ちゃん。
「群盲象を評す。」
「みんなこの状態。」
「盲人達が集まって。」
「ゾウの様々な部位を触って。」
「これはなんだ?と話をする。」
「これかな?こういうものだ。」
「自分にとってはそうであるのに。」
「全員が正しくない。」
「主観が盲人で。」
「客観がゾウという寓話。」
「教訓。」

クラルス。
「群盲象を評す。」
「どこかの本で読んだことあります。」

反重力。
「現代に語り継がれる訓戒。」
「歴史は偉大な教師だよね。」
「そう思わないかな?」

朱羽。
「いらっしゃい。」
「また周囲から浮いたのですか?」

反重力。
「全体主義の社会は窮屈だよ。」
「おかげで私は反重力を手に入れた。」
「どうしても浮いてしまうが。」
「おかげで軽い軽い。」
「ちょいとふらふら漂ってしまうのが難点だがね。」

朱羽。
「知り合いの芸術家よ。」
「集会が好きで。」
「コネクションは豊富なんだけれど。」
「けっこう浮いてしまう人なの。」

反重力。
「全体主義が生んだゼログラビティ。」
「重力が操れるなんて思わなかった。」
「ここには題材がいっぱいある。」
「しかし。」
「生まれながらの芸術家なんて居るのかな。」
「最近こう思うのだ。」

本の虫。
「いかなる芸術自然哲学。」
「美を表現しようとも。」
「自然を観ては。」
「まずはそこから糸口即けて。」
「芸術家こそならば。」
「ひとまず自然観察を。」
「自然哲学必須だね。」
「どんな芸術自然を観ては。」
「やっとさ芸術家になれるもの。」

聖霊。
「宗教画と同じように。」
「文学も同じようにするべきだ。」
「でないと筆さえ独り手に。」
「動いてくれない宗教観。」
「散文なんて辞退して。」
「美術館に出向いては。」
「宗教画を真似ては。」
「筆に宿り。」
「とどのつまりは。」
「文学さえも宗教さ。」
「人間の知恵ではわからんよ。」

ミューズの女神。
「芸術の秘伝はなんですと。」
「伝授は容易で。」
「言葉で説明できぬとも。」
「芸術そのものイデアにて。」
「そなたにあげよう芸術を。」
「芸術家になればこその芸術を。」
「イデアで悟れ人の子よ。」

車が停車。

大学教授が現れて。

物色。

大量に本を抱えて。

支払いは二万円。

かなりのスピードでした。

反重力。
「ここは知る人ぞ知る。」
「まあ良い娘さんで。」
「最高の古書店ですなあ。」
「いいえ。」
「そのまんましか言いません。」
「ふらっと立ち寄っただけですから。」

朱羽。
「また来てね。」

葵ちゃん。
「源氏物語が全巻置いてある。」
「在庫多くない?」

朱羽。
「少し前まで文学をやっていて。」
「その名残で仕入れた。」
「ファウストと同じ物を描こうと思ったけれど。」
「さすがに及ばないわ。」
「ファウストを模作した作品です。」
「なんて言えないし。」
「長年の夢も霧のように去って行った。」
「可謬主義よね。」

ささやき。
「ねえねえ小説のイデアって知ってる?」

イタズラ妖精。
「そうそう。」
「文学にイデアがあるよ。」

ささやき。
「そこから出たもの真実よ。」

イタズラ妖精。
「オレンジの木から生った。」
「作品という名の木の実こそ。」
「しかしオレンジをコピーした。」
「オレンジモドキあるあるよ。」

ささやき。
「本物と偽物の違いはそれなのね。」

イタズラ妖精。
「今日も文筆家にイタズラして。」
「訳の分からない状態に。」
「貶めてはからかって。」
「さてどこのどいつに行こうかしら。」
「文学者へのイタズラなんて。」
「相応しいとは思わない?」

ささやき。
「文学という木から生った作品よ。」
「それをコピーしたのはエセ文学。」
「イタズラするには適してる。」
「さあ行っておやりなさい。」
「私も他の者をそそのかし。」
「筆を狂わせ遊んでみたい。」

イタズラ妖精。
「あたしもそろそろあちらへ行くの。」
「今日も遊び相手に困らない。」
「獲物と言わんばかりに。」
「さあいまから筆を乗っ取って。」
「滑稽な人物にしてあげる。」

クレンズが本を抱えて購入。

クレスケンスルーナ。
「ゲーテ全集の在庫がいっぱい。」
「ちょうど欲しかった。」
「日本語訳でもいい。」

朱羽。
「お金こそすべて。」
「なんて思わないと。」
「商売上手にはなれはしない。」

今度はお偉いさんの。

議員の車がやってきて。

邪魔しないように。

奥の本棚に移動。

二階まであるので。

二階のテーブルで集まって。

議員は散策。

10分で取り引きを済ませて。

退場。

葵ちゃん。
「そろそろ帰るね。」

リーリエ。
「長居は無用だそうです。」

クラルス。
「客も三日いれば鼻につく。」
「なんて言いますから。」

朱羽。
「別に構わないわよ。」

クレスケンスルーナ。
「好意をありがとう。」
「後の機会にまたじっくりと。」

葵ちゃん。
「お姉さんかっこいいです。」

一同。

退場。

骨董品と言える古本が集まり。

仕入れ方法も卓越。

商売上手なわけで。

どこで学んだのか分からないです。

お姉さんの古書店は。

知識の泉。

または。

井戸かな?


40


普段は会わないお姉さん。

いつも書斎にいるので。

家の中でも遭遇しない。

弟はサッカー留学で。

FCエスパニョールのユースに居たりも。

朱羽。
「さあて。」
「久しぶりに筆を取った。」
「明らかに無理だけれど。」
「無謀にも100話とか書いてしまおう。」

聖霊ジーニアス。
「いや普通にやめてください。」

朱羽。
「思えば充分な知恵を持てば済む話。」
「既にあるものをなぞっている?みたいな?」

聖霊ジーニアス。
「哲学もかつての学問を包括していたものです。」
「時の経過にてそれぞれに独立し。」
「学問の集大成である哲学はマイナーになりましたが。」

朱羽。
「感情論は子供くらいなもの。」
「理性的でなく。」
「感情に走った主観的な議論。」
「理性的判断で一面が木の実で覆われ・・・。」
「理性は、神が魂に点火した光なり。」

聖霊ジーニアス。
「私はあなたの宗教から派遣された使者ですので。」
「とまあ自由意思だけ貰って。」
「自由意志だけでやっている人間なんて連中です。」
「もう少し憐れんでやってください。」

朱羽。
「とある人の話では。」
「聖書は。」
「創世記で主から教わるはずだった内容すべてを網羅しているとか。」
「宗教画って確かに最高の芸術よね〜。」

聖霊ジーニアス。
「ミューズの女神を求めれば。」
「誰だって芸術家の資格は得られましょう。」
「美術館に行けば。」
「芸術の見本などは揃っておりますし。」
「美術館は芸術の宝庫。」
「美術館に行きなさい。」
「どうもあなたは宗教画に惚れ込んでいるようで。」
「そうなれば。」
「創造性も宗教の一部という結論でよろしいですか?」

朱羽。
「問い自体が間違っていると。」
「思考の無限ループ。」
「ああ!神様!私を愚から救いたまえ!」

書斎の外では。

ジョギングの準備をしている葵ちゃん。

朱羽。

書き物の休憩にと部屋を後にする。

ちょうど。

誘って。

一緒にお散歩。

葵ちゃん。
「ロシアの女の子は全員武器を習います。」
「武器も扱えない男はだらしがない。」
「学校の授業風景で。」
「本当に武器の扱いを教えられていました。」
「ロシアの女の子は強そうです。」

朱羽。
「あらまあ。」
「教条主義の現代日本人。」
「リードされちゃってる。」

葵ちゃん。
「日本では1950年ごろから暗黒時代。」
「2000年から2015年まで低迷してましたよ。」
「クレンズに伝えたら。」
「嘆いていました。」

朱羽。
「愚かな彼らを救いたまえ?」
「あれクレンズだったのね。」

神風。
「鳥は羽ばたいて。」
「天空を。」
「いいなあ。」
「でも人というもの。」
「鳥よりも優れていると。」
「何百回言われたことやら。」
「食べ物の在り処を知っていて。」
「苦労なんて滅多にない。」
「人はああいうふうになれるのが。」
「真理というもの。」
「鳥を見れば人も分かる。」
「獣を見れば人が分かる。」
「動物も人に似ているというのか?」
「鳥か野獣かどちらかだな?」

葵ちゃん。
「忘れられては。」
「夏の象徴セミたちよ。」
「何年も埋もれて。」
「季節の終わりに朽ちるその身。」
「人も舞台も同じようで。」
「セミのように現れて。」
「ひとときの舞台を終えては。」
「季節は巡り朽ちていく。」
「人もセミも。」
「そこの箇所は似ているね。」

朱羽。
「野の花。」
「女性に喩えますと。」
「儚く散るか。」
「もしくは摘まれてしまう。」
「宝石は女性に喩えますと。」
「永遠に輝いて。」
「形はそのままで。」
「ずっと宝物。」

葵ちゃん。
「雑草は踏まれても踏まれても。」
「それでも伸びる。」
「成長するのは木々でもあり。」
「樹木は教材なんて。」
「一度は観てね。」
「縄文杉。」

朱羽。
「水の流れのように。」
「地形沿いに流れる私です。」
「決まった型はありません。」
「水の流れは地形に沿って。」
「人は溺死して。」
「敷かれた街道を通らせて。」
「私は水の流れ。」
「水神様と共通点。」

葵ちゃん。
「自然すべては人と合わせ。」
「いつでもこの世界をありのままに。」
「人を誘うこちらへおいでよ。」
「泉は満ちて。」
「野に生える木々のように。」
「実り多き収穫よ。」
「農園でも野山でも。」
「多くの実りを毎年抱え。」
「真似はできない実りの数々。」
「栗でもみかん。」
「自然哲学。」
「さてさて。」
「人生ですか?なに?それ?おいしいの?」
「栗とみかんのほうがおいしいよ。」

朱羽。
「そう言うからには。」
「リベラリズムというわけね。」

葵ちゃん。
「リバタリアンだからかな?」

朱羽。
「自然権。」
「確かに。」
「これに基づいているのは。」
「納得するものよ。」

葵ちゃん。
「立証主義なんかになるものではないです。」

朱羽。
「科学的に証明可能な知識のみ正しいとする考え方。」
「歴史的に科学が常に正しかったわけではないことは。」
「科学に絶対的な信頼を置くことができない理由のひとつ。」

葵ちゃん。
「いろんな国語辞典を読んだものです。」
「どれも言っている事は同じでしたが。」

朱羽。
「自然権。」
「国家や政府が成立する前の自然状態の時から。」
「人間が生まれながらにもっているとされる権利。」
「生命・自由・財産権など。」

葵ちゃん。
「自然法。」
「自然界のいっさいの事物を支配するとみられる理法のこと。」
「自然を支配する法則。」
「時と所とを超越して存在する永久不変の法。」
「対義語は実定法。」

朱羽。
「自然淘汰の対象は。」
「今日誰が指を差されるのか。」

葵ちゃん。
「自然権に基づいた自由ならば許可されるよね?」

朱羽。
「自然法によって裁かれる者はいくらでも。」
「いつまで余裕でいられるかしら?」

葵ちゃん。
「運命に抗っても無駄ですし。」
「運命に従えば。」
「いつだって結果は良いもの。」
「運命は望む者を導き。」
「欲しない者をひきずる。」
「ルキウス・アンナエウス・セネカの言葉。」
「書簡集から。」

朱羽。
「多様性は喜ばせる。」
「マルクス・トゥッリウス・キケロの言葉。」

葵ちゃん。
「私は、伝えられたことを伝える。」

朱羽。
「新聞観た?」
「久しぶりに歩いてみようと思った理由。」

葵ちゃん。
「ロシアンで挙兵した勢力が大きくて。」
「核兵器を持っているとか。」
「大英帝国が脱退した影響で。」
「同調した国が続出。」
「AEU内で小競り合いとか。」
「アラビアンでは。」
「イスラムの教えに背く者達との戦い。」

朱羽。
「あなたは充分強いけれど。」
「一兵卒はいちばんリスキーよ?」
「指揮官が近代戦のシンボルだから。」

葵ちゃん。
「幸いにも戦える。」
「平和の為の戦いは。」
「まだずっと続いていくけれど。」
「義戦であることには変わりはない。」

朱羽。
「葵ちゃんなら杞憂かな。」
「文明という技術の発展を中心とする物質面の成果は多大。」
「文化という人間の精神的な価値の成果は残念なもの。」

葵ちゃん。
「男が田を耕さない年は、天下が飢え。」
「女が糸を紡がない年は、天下が凍える。」

朱羽。
「糸を紡ぐのは女性の役割。」

葵ちゃん。
「わたしは糸を紡ぐことにした。」
「ちなみに雄略天皇の御言葉です。」

朱羽。
「なんか自然を観ていると。」
「自分が不自然に思えてきた。」

葵ちゃん。
「みんなロボット化してますもんね。」
「自然を観ては自己診断できますよ。」

朱羽。
「そう言われて思ったけれど。」
「人間って神気取りだよね?」

葵ちゃん。
「神様の真似事をしたいお年頃なんですよ。」

朱羽。
「自分が神だと思っている人間たちかあ。」
「お気の毒。」

帰宅して。

夜になり。

屋根にて天体観察。

朱羽。
「自然を観よ。」
「芸術が分かるから。」

葵ちゃん。
「自然を観よ。」
「それが芸術だから。」

流星。
「宇宙を観ては。」
「これが芸術分かってくるよ。」
「すべてはそこから生じて。」
「芸術家には誰も生まれないと。」
「後天的に生じたね。」
「宇宙を観ては。」
「銀河系を知ることで。」
「芸術家になっていく。」
「宇宙を模倣しているから。」
「芸術は自然の模倣に過ぎないのです。」
「これが芸術の神髄ですね。」

早朝。

模造剣を使って。

いつもの練習試合ですね。

葵ちゃん。
「今回は何勝できるかな?」

クレスケンスルーナ。
「新しいのを覚えた。」
「能力開発って大事?」

クレンズ。

体をやや横に向けて。

剣を真っ直ぐ伸ばし。

叩き付けるように剣を討ちつけ。

それも狙い所が良くて。

パワーがあるのでまた弾かれてしまい。

負けてしまいました。

クレスケンスルーナ。
「ふぅ。」
「今回もギリギリ。」
「実力が拮抗していて。」
「今回はまぐれ。」

葵ちゃん。
「もう一回やります?」

クレスケンスルーナ。
「オーケー。」
「次勝てるかなあ?」

また。

剣を真っ直ぐに伸ばして。

叩きつけるように。

でも。

剣を捉えて。

器用に投げて。

クレンズ転倒。

クレスケンスルーナ。
「うわっ!近接攻撃には無理だわ。」

葵ちゃん。
「読まれたらおしまいですよ。」

リーリエ。
「能力開発も順調ですね。」
「貴族流のフォームは慣れが大切です。」

クレスケンスルーナ。
「こんなに非力だっけ?わたし?」

リーリエ。
「人の持つ本質的な弱さから。」
「力について知っていくべきです。」

葵ちゃん。
「姫ちゃんそんなに強いのに。」
「弱音吐かないで。」

クレスケンスルーナ。
「変身してみる?」
「リミッター解除で。」
「魔力の消耗は激しい。」
「魔石との相殺が無いように。」
「外して?」

葵ちゃん。
「周囲を巻き込まないように。」
「注意事項を確認っと。」

両者変身。

いきなり開始される。

実戦は。

よーいどん!では開始されない。

クレスケンスルーナ。
「えいや!」

力押しだったのです。

葵ちゃんに避けられ。

剣を受け流されてしまい。

パリィ。

なんとか防いで。

動き回って。

距離を取って突撃。

スピード勝負。

真正面から打ち合った葵ちゃん。

両者の模造剣が破損して。

吹っ飛んで。

池の中に。

もうひとつは米の倉庫の中に。

リーリエ。
「激しくやりましたが。」
「二度と変身してやらないほうがいいみたいですね。」

葵ちゃん。
「姫ちゃん手馴れてます。」

クレスケンスルーナ。
「葵ちゃん。」
「うまい。」

葵ちゃん。
「力を肯定するだけで。」
「かなり強くなるもんです。」

リーリエ。
「時間の余裕はそろそろ無いです。」
「今から支度すれば平均タイムは叩き出せます。」

クレスケンスルーナ。
「おおっと!」
「今日もいい試合になった。」
「また後で!」

葵ちゃん。
「健闘を。」

ハイタッチ。

今日も登校日。

むかしみたいな全体主義も消え失せ。

快活な女の子が増えています。

時代は移り変わって。

科学だけは高水準で。

人だけは何も変わりません。

今日。

両親が姫ちゃんの両親とランチしたそうで。

大学時代の親友ですから。

街を歩いて。

人を見ては。

人類は変わらなかった。

そう思っています。



41


国内でスカッドミサイルを組み立てて発射?

シュルツの情報。

正否が確かではないが。

田舎体験と称して。

偵察してみた。

渓谷と森林が広がる。

すぐ下にはちょっとした農地。

クレスケンスルーナ。
「これが自然ですか。」
「造形美というやつですね。」

葵ちゃん。
「よくある農村の風景も。」
「絵画にすると中々のもんですよ。」

クラルス。
「写真に収めるべき。」

リーリエ。
「珍しい生き物が用水路にいるものです。」

葵ちゃん。
「山地は生き物の観察には困らないよ。」
「都会のように病的じゃないから。」

クラルス。
「夜は星空が素晴らしいとか。」

葵ちゃん。
「ばっちり天体観察。」

クレスケンスルーナ。
「田舎はロマン派なのかな?

葵ちゃん。
「古典の方に入るでしょうか。」
「ロマン的なものは常に病的です。」

クレスケンスルーナ。
「なるほど。」
「こんな自然の具現化がむかしから今まであるんだね。」

葵ちゃん。
「自然に囲まれているから。」
「病的なものはどこにもない。」

クレスケンスルーナ。
「汎神論だわあ。」

いろんな木の実がなっている。

クラルス。
「リンゴのように実らせて。」
「みんなのように充実し。」
「しかしこれらは人には出来ぬ。」
「こんな程度の人なので。」
「所詮はこんなの意外だね。」
「人はひ弱さで小さくて。」
「敵わぬ事なら困らない。」

リーリエ。
「なんか履帯の跡がありますが。」

クラルス。
「敵がいる?」

クレスケンスルーナ。
「この辺りの地理は知らない。」

葵ちゃん。
「私は知っているから。」
「辺境の集落に行ってみよう。」

誰もいないような。

村も無いような。

道路だけある山道。

ずっと奥に集落があって。

ぽつんと一軒家の中。

リーリエ。
「降車して確かめましょう。」

葵ちゃん。
「そんなに遠くないです。」

廃墟になった集落が複数あり。

捜索していますと。

目立っちゃうんですね。

スカッドミサイルが見えました。

組み立て中。

クレスケンスルーナ。
「田舎観光がとんだ大事に。」

リーリエ。
「あの者はけっこう使えますね。」

クラルス。
「ライフルは無いみたい。」

葵ちゃん。
「遠過ぎて気付かれてないし。」

クレスケンスルーナ。
「司令部に写真と一緒に連絡しておく。」

クラルス。
「我々は危害を加える力を持っている。」

司令部に報告。

撤収。

徒歩で山道を来たので。

平地に停めてあった車の付近に。

農民が数人来ていました。

葵ちゃん。
「この付近の人かな?」
「にしては珍しいもの好き?」

クレスケンスルーナ。
「田舎の人もフレンドリーなの?」

クラルス。
「なんか違います。」

クラルスは先制攻撃。

農民のひとりが吹っ飛ばされた。

農民は懐から拳銃を取り出して発砲。

クラルスはステッキを高速回転させて跳弾させた。

リーリエが素早く。

吹っ飛ばされた農民を制圧。

葵ちゃんはどこからか取り出したクレイモアで突進。

三人目の発砲を剣で打ち払って。

切り刻んだ。

クラルスはビームを三連射。

最後の農民は回避運動を取るも。

クレスケンスルーナに殴り倒された。

クレスケンスルーナ。
「顔は筋肉がいくらあっても。」
「防御できない箇所。」
「それは人体の急所を意味します。」

葵ちゃん。
「顔面には急所が多い。」
「捕虜にするんですか?」

クレスケンスルーナ。
「尋問しようか。」

クラルス。
「私が得意なのでやらせてください。」

農民に変装していた中年兵士は。

すべて吐いて。

気絶した。

急いで離脱。

敵に見つかってしまったので。

敵は小兵力過ぎて追ってこれませんでしたね。

山道を下って。

山地から戻っている途中。

C-130空挺部隊とF-35が上空に飛んで来てましたよ。

強行偵察で発見されたのは。

ディーミディウム残党の集結であって。

付近の村々を巻き込んだ。

壮絶な最終戦となり。

敵のリーダーを捕虜にして。

終了したそうです。

物は試しでシュルツの情報通りに。

偵察してみたら。

何気にお手柄で。

褒められました。

やったね。


42


珂珠さんが新幹線の定期をくれました。

これを使って。

ひとり旅でもしてみようと。

新幹線の中にいます。

行き先は倉敷。

まずは京都駅に着きました。

葵ちゃん。
「とまあ都会ですなあ。」
「歴史ある風景も。」
「時代に埋もれてしまった訳です。」

観光地が点々としていますので。

なんとなく散歩することにしました。

二条城。

公家の雰囲気が強い城で。

城と言うより風流な住居でしょうか。

要塞というより趣味がよろしい。

京都御所は天皇陛下がむかし住んでいた場所で。

いつか江戸城を改築して移り住んだと伝えられています。

葵ちゃん。
「京の都は単なる都会では無かった。」
「歴史が色濃く実存した都市。」
「古風の趣味が詰まった都市。」
「歴史そのものが存在した都市。」
「都市そのものが歴史だった。」
「日本特色が包括された大都市だったのです。」

写真に収めます。

京都駅に戻って。

大阪。

通天閣を見る。

やはり名物の友好的な人々は健在。

葵ちゃん。
「相性が悪い者同士だとすぐ喧嘩になるけれど。」
「この人達は関係ないのかな?」

話しかけるとすぐに友達みたいな会話になる。

そんな光景を目の当たりにしましたよ。

フレンドリーな土地柄。

人との交流は盛んで。

人ってどこでもこんな感じならいいですね。

おばちゃん。
「あらかわいい。」
「ここら辺じゃ見ないね。」

葵ちゃん。
「星空から降ってきたんですよ。」

おばちゃん。
「あらまお上手。」
「うちの息子紹介したいわあ。」

葵ちゃん。
「それは謹んで辞退。」

おばちゃん。
「そんな硬い事言わないの。」

葵ちゃん。
「女性とは本能的に結婚願望があるんです。」
「理性はそれを発見します。」

中年紳士。
「無理言うなよ。」
「うちの息子にはもったいないわ。」
「もっといい男がいるに違いない。」

おばちゃん。
「あらやだ。」
「それを考えていなかったわ。」
「ごめんなさいねー。」

中年紳士。
「この娘は雲の上にいるんだから。」
「うちの息子には地の娘さんがいいよねぇ?」

おばちゃん。
「あなた心当たりない?」

葵ちゃん。
「息子さんがどんなのか知りません。」
「ただ。」
「女性は理由もなく惚れることが多いので。」
「息子さんにもチャンスはあります。」

中年紳士。
「うおー辛子みたいなもんだ。」

おばちゃん。
「ちょっとわさびが多くなったわね。」
「飴ちゃんあげる。」
「すんごい女の子居たってうちの息子に報告しなくちゃね。」

ふたり立ち去る。

大阪駅に戻って。

新幹線のホームにて。

珂珠さんからメール。

フィローちゃんが近くに居るそうで。

明日帰国するんだとか。

大阪駅から出ると。

フィローちゃんが待っていました。

フィロー。
「また会ったね!」

葵ちゃん。
「スカートファッションかわいいです。」

フィロー。
「これがわたしなりの女の子らしさってわけ。」

葵ちゃん。
「女性とは探求の末に発見するものー。」

フィロー。
「凡人の女じゃ無理ねー。」

葵ちゃん。
「それ言うとかわいそうだよー。」

フィロー。
「確かにー。」
「何かきっかけを与えてやるか。」
「女性にはチャンスが必要よ。」
「何か要因が無ければ女は何も出来ないもの。」

葵ちゃん。
「ハイスペックのパソコンに何のプログラムも入っていない。」
「女性はスペックが違うのに。」

フィロー。
「女性はハイスペックパソコンを凌ぐのに。」
「肝心のプログラムが空っぽ。」
「そんな例えは冴えている。」

一緒にたこ焼きを食べたり。

商店街の服屋でいろいろ着せられたり。

散策。

いつの間にかホテルに連れ込まれる。

フィロー。
「ちょうど予約してたのよ。」
「モナさんは来ないけれど。」

葵ちゃん。
「もう夕方ですし。」
「倉敷は諦めて。」
「明日帰ります。」

フィロー。
「大人の女性とお泊まり。」
「どきどきする?」

葵ちゃん。
「します。」

フィロー。
「わたしの下着姿とか見れるよ?」

葵ちゃん。
「それは素晴らしい。」

部屋に入って一息。

レストランにお食事に行きまして。

戻ってくると。

じゃれ合いに。

戯れて。

フィローちゃん。

ナインメンズモリスの名手でしたよ。

マンカラ。

ヘックス。

リバーシ。

ヨット。

戦争。

各種ゲーム。

接戦になるほど夢中に。

そろそろ寝る時間。

ちょっとシャワーとか。

たまんなかったです。

珂珠さんが両親に連絡してくれました。

フィローちゃんと一緒に寝ます。

葵ちゃん。
「いい感触。」
「いい匂い。」

フィロー。
「こんな小さな女の子と・・・。」
「んーたまんない!」

しばらくして。

葵ちゃんが。

フィローにいやらしい事をして。

固めて。

えっちな事をしちゃいました。

フィロー。
「あっ!いや!ちょっと!ああ!」

葵ちゃん。
「かわいい・・・。」

フィロー。
「ひゃっ!」

いろいろされちゃったフィロー。

葵ちゃんが手を放すと。

上に乗ってしまい。

フィロー。
「いけない娘!好き!」

葵ちゃん。

キスされる。

もう一回。

今度はあついキス。

目を開けると。

フィローは真っ赤。

20秒間キスされて。

抱き枕にされる葵ちゃん。

フィロー。
「この娘好きだから離さない!」

葵ちゃん。
「大人の女性好き・・・。」

翌日。

モナさんが来ました。

モナ。
「ハーイ。」
「そろそろ帰る時間だよー。」

フィロー。
「恋人が出来たの!」
「片想いだけれど!」

モナ。
「それは良かったね。」

葵ちゃん。
「フィローちゃん。」
「思ったよりかわいい。」

フィロー。
「またこの娘に会いに行くから!」

モナ。
「あはは。」
「いい傾向じゃん。」

葵ちゃん。
「モナさんは最初から寝返るつもりで向こうに居たんですか?」

モナ。
「そうだよ?」
「演技上手だった?」
「けっこう成果もあったし。」
「事前の密約は成功。」
「もう公開してもいいもの。」

葵ちゃん。
「それで敵の全貌が把握できたんですね。」

モナ。
「とってもスリリングな毎日だった。」
「その中で捕虜にされたフィローちゃんも助けられた。」

フィロー。
「本物の悪というものは。」
「理屈を言うだけだよ?」
「何を言っても打たれても。」
「毒を食らわば皿まで。」
「なんてノリで。」
「理屈を永遠と言うだけ。」

葵ちゃん。
「すごい経歴の持ち主なんですね。」

モナ。
「あんたもそうよ。」
「ルーキーなのにあんなに手練。」
「だからクレンズも許したんだなあ。」
「司令部も。」

葵ちゃん。
「ちょっと掘り返しちゃった?」

フィロー。
「いいのよ〜。」
「普通に埋めてもこういうのは。」
「放射能がある。」
「土壌汚染するよりはマシ。」

モナ。
「そういうわけ。」
「いまから関西国際空港。」

フィロー。
「最後に・・いい?」

葵ちゃん。
「別にいいですが。」

ほっぺにキスされました。

フィロー。
「諦めないから。」
「あの女に負けないから。」

葵ちゃん。
「ほえ?」
「フィローちゃんも姫ちゃんも好きですよ。」

フィロー。
「お嫁さんになってもらうから。」
「じゃあ。」
「See you。」

去り際にスカートめくりする葵ちゃん。

フィロー。
「きゃあ!」

葵ちゃん逃げ出す。

モナ。
「おわっ?どした?」

フィロー。
「大好きだからねー!!」

ホテル前で別れて。

帰路へ。

新幹線に座って。

景色は流れて。

風景は変わり。

浜松駅から帰宅です。

ちょうどお昼過ぎ。

葵ちゃん。
「ただいまー。」

クレスケンスルーナ。
「おかえり。」
「さあこっちに来て。」

葵ちゃん。
「ええっ!?」

抱きしめられて。

なにかされそう。

リーリエ。
「道端でおいしいジュースが売っていて。」
「それで飲んだら。」
「またあれですよ。」
「ちょっと抜けてます。」

クレスケンスルーナ。
「あれはすんごいジュースだった。」
「昇天しそうな味がいまも残ってるー。」

葵ちゃん。
「酒害じゃないですか。」
「ちょっと何するんです?」

クレスケンスルーナ。
「いろいろしてみたいー。」

葵ちゃん。
「えい。」

クレスケンスルーナ。
「ぎゃっ!」

大内刈りが決まる。

頭に星がまわっているクレンズ。

寝てしまいました。

リーリエ。
「たまに私から離れて行動してしまうんです。」
「動きが速いので。」
「追いつけない事もあります。」

葵ちゃん。
「普通の人では務まらない任務ですね。」

リーリエ。
「わたしの家は代々王家に仕えるメイドさんなんです。」
「実績があるから。」
「こういう任務の秘伝も受け継いでいますし。」

葵ちゃん。
「リーリエさんも並外れた非凡な女性だなあ。」

リーリエ。
「葵さんのご両親は。」
「我らの王族の方々と。」
「大学時代の親友としての親交がありますし。」
「歴史上でそうした交流は多かったとのことです。」

葵ちゃん。
「そこまで奥が深いのかあ。」

クレスケンスルーナ。
「葵ちゃんいただきまーす。」
「ふにゃー。」

リーリエ。
「しばらく子守唄です。」
「葵さんも休息なされてくださいね。」

葵ちゃん。
「お気遣いありがとう。」

お父さんとお母さんに。

大冒険を報告。

祝日をまたいだ。

今日は日曜日。

平和は戦争から生まれる。

世界中で引用されるこの格言は。

いまこの戦乱の解説者となり。

わたしは成長の原点として。

貴重な実戦経験は宝物だったり。

珂珠さんにはお土産の八つ橋。

やっぱり。

戦争から生まれた平和は。

じんまり来ます。

結局は平和の為に戦っていた。

わたしだったんです。


43


どんなに悪い事例とされていることでも。

それが始められたそもそものきっかけは立派なものであった。

(カエサル)

王様の時代も貴族の時代も。

最初は立派なもので。

後に害になった。

でも最初は最高のものだった。

カエサルの言葉は真実。


自宅。

ニュース。

消極的に報道されてます。

稀に批判ばかりして。

過激な連中もおりますね。

葵ちゃん。
「勝手気ままに為政者に。」
「文句つけたるなんてこと。」
「重い責任国に仕えし。」
「その身の大切。」
「国のもの。」
「庶民が託したその権利。」
「国のために止むを得ず。」
「庶民の裏切り災難だ。」
「自由を行使その結果。」
「わがままでもしますのか。」
「しかしあなたは都合。」
「お辛いのは政治家さん。」

クレスケンスルーナ。
「世界を観ても万華鏡。」
「そんなスコープお捨てなさい。」
「心の目で世界を。」
「隅々のありとあらゆる光景を。」
「観察すれば世界は見える。」
「心の目で見なさいよ。」
「世界世の中。」
「心の目。」
「決して覗くな万華鏡。」

リーリエ。
「詩とは何かと問われたら。」
「歌か感想。」
「それのみと言えない詩人の世界へは。」
「慎み詩人に問いてみよう。」
「自然に浮かんだ光景を。」
「文にしたため。」
「世界にしましょう。」

自分の机に向かい。

先人が確立した。

歴史が生み出した偉人の著書を拝見。

武士道は高度な道徳の教科書。

学校で習いました。

良書を購入して熟読してます。

ふと。

角川・新国語辞典を開きました。

-客観主義。

実在・価値・真理などは主観的認識や人間的実践を通すことなく。

独立に存在すると説く立場。

最近の人々は主観的で。

客観的ではありません。

客観性はありません。

主情主義が多いような。

感情論が多いのは主情主義の屁理屈なんですね。

私はこれを読んで。

事実・真実・真理は独立に存在すると説くことにします。

-主観的。

@自分一人の考えに基づくさま。

A自分だけに通用する独りよがりな態度。

(対)客観的。

姫ちゃんは自己主張について教えてくれていました。

特にアメリカで自己主張は良識。

自己主張をしない奴は馬鹿かつまらない人間。

欧米では自己主張が大事。

おまけに自分の考えがひとつも無いと。

愚か者だと言われる。

なるほど。

言われてみれば。

現代の日本人はロボットみたいなもんですし。

付和雷同のお手本です。

さらに。

欧米では性悪説ですし。

性善説は少数派だそうです。

学問を習って五年生。

クリティカルシンキングが身に付きました。

やったね。

葵ちゃん。
「わたしは反省している所がある。」

クレスケンスルーナ。
「おー!?人らしさが出たね。」

葵ちゃん。
「今までの生き方のどこかに過ちがいくつもあると。」
「悟ったよ。」

リーリエ。
「お手本も無いですから。」
「よく発見できましたね。」

葵ちゃん。
「自分の有り方のいくつかに過ちがあると理解できます。」
「理性こそ人。」
「人こそ理性。」

クレスケンスルーナ。
「なんて尊い。」
「人の振り見て我が振り直せ。」
「参考にして貰うよ。」

リーリエ。
「変わりましたね。」
「凛々しくなりました?」

葵ちゃん。
「もう立派な魔法少女ですから。」
「人としても賢明でありたい。」

クレスケンスルーナ。
「私は聡明でありたい。」
「まあ同志ってことだよねー。」

リーリエ。
「ほんとです。」
「日本に来て良かったですね。」

クレスケンスルーナ。
「ああジーザス。」

葵ちゃん。
「私はお参りして来ますね。」
「私は青人草。」
「まだ伸び足りない小さな芽。」
「成長していくから。」
「光合成。」
「水も肥料もいっぱい貰って。」
「そんな感じで成長していく。」
「まだ伸びたばかりで。」
「やがて大樹になるから。」

友達の巫女さんが言うには。

人としてのエキスパート(玄人)になるには。

神社で「私を優しく鍛えてください」と祈願するといいらしいです。

すぐに鍛錬の習慣が身に付くそうですよ。

おまけに。

あらゆる知識や奥義に行き着くものだと。

道案内の神様は神道において大切で。

まずは猿田彦命様にお訊ねするのが必要。

そうすれば技能や情報にも出会える。

その人なりの方法で。

案内してくれます。

誘導して良い情報に巡り合えたり。

猿田彦命様にお会いできるといいですね。

葵ちゃん。

いろいろあった出来事を。

戦記物語として出版予定です。

国語辞典。

戦記物語。

戦争を中心とした物語。

「平家物語」「太平記」など。

(同)軍記物語。

季節は廻って冬。


今は鳥居の前に居ます。

再び。

浜松八幡宮。

神々の前に独立者として立ちつつ。

正しい人にならなくてはと。

決意を新たにして。

魔法少女として。

人として。

わたしは思う所があり。

いままでの生き方を改めました。

熱田神宮に参拝。

帰り道。

鳥居の近くで。

枯れ葉が積もり。

小山になって。

もうすぐ一年になるのです。

私はこの力を理法に沿って使おうと。

心に決めた。

この冬に。

誓いし少女の新芽かな。



44


葵ちゃん。

巫女としてお正月勤務。

むかしはシャーマニズムの専門だった巫女はお手伝い。

ああした神事は廃止され。

いまでは新たな姿を追い求め。

日本神話はここにあり。

葵ちゃんが作成したガイドブック。

ホームページに筆記した内容。

神道の信仰は個人に芽が出て。

成長するものとし。

個人に依存する。

正統訳・日本書紀・古事記を求めよう。

リベラルアーツの理念を学んでおくと簡単になるよ。

神道ガイド。

まず神棚を祀ろう。

神社本庁にアクセスしつつ。

近所の神社をチェック。

整っている社殿に通いましょう。

参拝は手を合わせるだけがいいね。

何も祈らない方法で。

まずは慣れてね。

作法もすぐに覚えられます。

看板は必ず読む。

これは大事。

次にお願い事をしてみてね。

十回から十五回までだよ?

神様は寛容なので。

でも変な事は伝えないでね。

奇妙な感覚に陥ったら。

とりあいず謝って。

一週間ほど待ってみて。

猿田彦命様。

白髭神社。

道案内の神様なので。

神道の道案内をお願いすれば。

基本は完了。

事前に理に合わない思想に感化されていると。

妨げになるよ。

ことわざ。

「裏には裏がある。」

信仰と敬神・畏敬。

個人に寄ります。

罪穢れは頼めば祓い清めてくれますので。

自然権と自然法。

祖霊信仰・墓参りはククリヒメ様(白山神社)で離脱しようね。

こんな穢れた行為は脱退です。

近所の神社に通い詰め。

神様と繋がり。

縁を結びます。

個人に寄って内容が違うので。

この辺りで。



45


時は移り変わり。

私立の女子高生になっていた葵ちゃん。

学問と勉強を明確に区別された。

斬新な学校。

生徒や教育含めて。

有神論であることが条件という。

特殊な学校でもあるんですね。

七菜(なな)
「あおいちゃんを嫁にしたいのですが。」

佑衣(ゆい)
「そうであるならば。」
「わたくしと勝負しましょう。」

葵ちゃん。
「待って!わたしのことで争わないで!」

七菜。
「残念ですが。」
「勝ち負けは大事なのです。」

佑衣。
「もっと残念なのは。」
「一回だけの勝利には何の価値もないという真実です。」

七菜。
「一度だけの勝利に酔いしれて。」
「まだ10回以上勝たないといけない。」
「戦いとはそういうものなのです。」

葵ちゃん。
「あわわわ!?」
「どちらかのお嫁さんにならないといけないってこと?」

雫ちゃん。
「その戦い。」
「わたしが加わってもいいのでしょう?」

紬ちゃん。
「あおいちゃんをお願いします!」

七菜。
「勝負よー!」

佑衣。
「デッキをシャッフル。」

カードゲームで決闘。

お昼休みの出来事。

雫ちゃん。
「あおいちゃん。」
「おいでー。」

葵ちゃん。
「え?ほえ?」

紬ちゃん。
「漁夫の利。」

屋上で空を鑑賞。

葵ちゃん。
「お姉さんが戯曲を書くようになって。」
「注文もあるみたい。」

雫ちゃん。
「古書マニアだけあって。」
「手馴れてますなー。」

紬ちゃん。
「お姉さん。」
「偶然ではないようですね。」

空も芸術のように観えて。

芸術は自然の模倣?

最初は自然を模倣したという。

逆なんです。

自然の模倣から始まったのが芸術。

そこから人の自然性などを描くようになった。

そう思っています。

七菜。
「わたしのあおいちゃんを取るなー!」

佑衣。
「せっかく勝ったのにー!」

雫ちゃん。
「おお!因果応報。」
「自分の行為の結果を自分で受けるとは。」
「次は2対1だー!」

近くに落ちていた。

コルクエアガンで。

お戯れ。

葵ちゃん。
「あはは・・・。」
「ひとりに絞れないや。」

紬ちゃん。
「最近の女の子は果実のようですね。」

さりげなく。

お菓子を食べに教室に。

生徒はそれぞれ。

ボードゲームや。

お喋り。

議論。

研究などに没頭。

廊下を歩いていると。

いきなり後ろから。

スカートの中に手を入れられて。

触られる。

葵ちゃん。
「んぐっ!?」

佑衣。
「どう?」

葵ちゃん。
「もっとやって。」

佑衣。
「好きだねー。」

七菜。
「ちょっと!なに独り占めしてるの?」

佑衣。
「おお恋敵!友人と言えども容赦せぬ!」

ふたりで相撲になってしまう。

押し合いで。

両者互角。

葵ちゃん。
「こんな女の子も好き。」

紬ちゃん。
「ふざけてるんですよ。」
「でも。」
「半分くらいは本当の事を言っています。」

雫ちゃん。
「2対1は無理だったー。」

葵ちゃん。
「そろそろ授業開始。」
「ゆいちゃん。」
「ななちゃん。」
「今回は引き分けじゃない?」

佑衣。
「わたしも女の子が好きなの。」

七菜。
「だから。」
「独り占めしたい!」

雫ちゃん。
「とまあ。」
「趣味ですから。」
「特に何か言う必要は無いと思う。」

葵ちゃん。
「趣味が同じなんて意気投合。」

女子高生になって。

いろいろ考えることが増えました。

自己主張も大切で。

海外の常識も教わったりもしますよ。

いつの間にかわたしのまわり。

同じ趣味の仲間で溢れていました。

相性が合う人同士。

みんなくっつく。

私立校です。


46


校門。

委員長。
「好き。」

葵ちゃん。
「えっ!?」

抱きしめられた葵ちゃん。

見つめあって。

そのまま退場する先輩さん。

佑衣。
「あおいちゃん。」
「おはー。」

さりげなく口づけされてしまう。

葵ちゃん。
「んっ!?」

七菜。
「あっ!ずるい!わたしともしてよ。」

葵ちゃん。
「きゃっ!」

佑衣。
「今度パフェ食べに行かない?」

七菜。
「いまここであおいちゃんを食べちゃおうよ。」

葵ちゃん。
「わたしおいしいよ。」

佑衣。
「わたしと来てよ。」

七菜。
「わたし!」

一緒に手を繋いで。

挟まれて校内へ入る。

学校では掲示板を見ての通り。

大人とは?

こんな議論が生徒で中心になっている。

委員長。
「大人?歴史上の人物と比較したり。」
「武士や大名と比較しますと。」
「現代人って大人と言い張れるのか?」

葵ちゃん。
「世間の考えに縋り。」
「世間の考えによって。」
「自分を大人ということにしているのでは?」

委員長。
「それはみっともない。」
「でもどうやらそんな雰囲気がする。」

佑衣。
「あおいちゃんの意見に賛成。」

七菜。
「いろいろ偉そうな事を言いつつ。」
「知ったかぶりとか?」
「攻撃されたら何もできない人間が。」
「果たして大人と言えるのかな?」

JK。
「そうそう。」
「言うだけ言って何もやらないとか。」
「言っていることとやっていることが滅茶苦茶。」

委員長。
「なかなか難しい議論になりそうですが。」
「歴史から見るに。」
「現代人は大人とは言えない。」
「というのが導き出されます。」

葵ちゃん。
「歴史は偉大な教師って格言にもあるよね。」

委員長。
「現代人は馬鹿になっているという意見もあったりするぞー。」

紬ちゃん。
「歴史と比較されると。」
「現代人は道理にかなっていません。」

生徒。
「それはそうでしょう。」
「身分制が失われて。」
「平民と農民まで混ざったから。」
「武士道のような高度な道徳も忘れられて。」
「凡人の社会ですから。」

委員長。
「そう言われると。」
「ひょっとすると道を間違えたか。」
「進んだ先に答えがあったり。」
「これまでの歴史のように。」
「退廃があったり?」

葵ちゃん。
「やっぱり歴史上の偉人や。」
「天才が出てくると。」
「現代人の欠点ばかり浮き彫りになりますが。」

JK。
「自由というものを学ぶ時期になってたりして。」

女の子。
「まだ歴史は動いている。」

生徒会。
「と言いますか。」
「我を張る人々が蔓延。」

JK。
「我が強くなったよね。」
「庶民。」

生徒。
「自由がもたらしたものは。」
「あれなんです。」

雫ちゃん。
「すべて自由の結果さ!」

委員長。
「では。」
「大人というものは。」
「世間の考えに縋ることによって。」
「そういうことにしている。」
「これでいい?」

JK。
「それって後は立証できればゴールですよね。」

委員長。
「よし。」
「論文にしよう。」

今回の集会は解散となりました。

葵ちゃんはどうも疑問になって。

歴史書を読み漁る。

葵ちゃん。
「大人なら道理が分かるはず。」
「結果的に。」
「歴史がすべてを立証していた。」
「歴史はすべてを証明していた。」

キェルケゴールの哲学書を発見。

女子高生になると。

あんまり遊ばなくなり。

魔法少女の雰囲気も薄れて。

警備員の依頼も来なくなっています。

治安が良いんですね。

久しぶりに先生の家に。

珂珠。
「やっほー。」
「葵ちゃんに宮司のお誘いが来ているよ。」

葵ちゃん。
「え?宮司?」

珂珠。
「ちょうど適任を探していたとか。」

葵ちゃん。
「考えておきます。」

推薦状をいろんな所に出していた珂珠さん。

人材スカウトのプロフェッショナルだけあって。

抜群。

珂珠さんは知識階級なんです。

資本主義。

最高位には「為政者」

資本主義社会の王者として「資本家階級。」

中間階級として「知識階級」

最下層には「労働者階級」という構造。

法の下には平等であるものの。

根本的な違いが存在する。

資本家階級で有名なのは「ロス・チャイルド氏」

「ビル・ゲイツ氏」などの社長座から見て取れる。

三菱「杉山武史執行役社長」を含め。

労働者階級に対して生産手段を提供できる人を資本家と呼ぶ。

知識階級では「林修先生」や「池上彰先生」などが代表。2020。

知識階級とは?「知的労働に従事する中間階級」

労働者階級は大半を占めるために。

特筆すべき人物は存在しない。

近年。

人材獲得競争が激しいそうです。

早くも進路の話が出るとは思いませんでした。

女子高生になって。

わたしも成長したのかな?

姫ちゃんが大学卒業にて帰国。

もう半年も前なんですが。

わたしも変わりましたね。

人としての成長は大切です。


47


姫ちゃんが会いに来てくれました。

現在。

王室で教師をつけてもらっていて。

重役としての鍛錬の中。

隙間を狙っての来日。

クレスケンスルーナ。
「あおいちゃん。」
「いい女になったー?」

葵ちゃん。
「前と雰囲気違いますね。」

リーリエ。
「女性に告白して失恋したんです。」
「それっきり。」

クレスケンスルーナ。
「うむ。」
「大人の女性だ。」
「女子高生。」
「うむ。」
「これぞ女の子。」

葵ちゃん。
「ナポレオンみたいな英雄から。」
「これが女性だ!と言われれば本物。」

クレスケンスルーナ。
「ナポレオンはゲーテ先生と会って感激した。」
「これが人間だ!そこから出したのね。」
「素晴らしい。」

葵ちゃん。
「女性とはこうかな?」
「探究あるのみ。」

家にて。

お茶をしたり。

雑談。

フィローちゃんがやってきて。

フィロー。
「間に合った。」
「今度こそあおいちゃんは私の物よ!」

クレスケンスルーナ。
「は?」
「別に恋人では無いけれど。」
「なにか?」

フィロー。
「嘘つけー。」
「一夜を過ごしたくせにー!」
「わたしだって!わたしだって!」

クレスケンスルーナ。
「あおいちゃんに用があるって。」

葵ちゃん。
「フィローちゃん!」
「会いに来てくれたの?」

フィロー。
「そうだよー。」
「つい見たくなって。」

抱きしめられる。

葵ちゃん。
「おわっ。」
「どうしたんですか。」

クレスケンスルーナ。
「彼氏?」

葵ちゃん。
「片想いらしいです。」

フィロー。
「好きです!付き合って!」

葵ちゃん。
「そんなこと言われても。」
「でも嫌いじゃないですよ。」

クレスケンスルーナ。
「フィローちゃんの情念は理解できるわ。」

フィロー。
「うーん。」
「OKは貰えないかあ。」
「分かった!」
「わたし頑張るから!」
「いつかお返事貰えるといいなあ。」

モナ。
「申し訳ないが。」
「いつにも増して暴走しているから。」
「諫めておきます。」

リーリエ。
「よろしく頼みます。」
「三角関係でしょうし。」

フィロー。
「あの娘が好き!」

モナ。
「もう行くよ。」
「時間無いし。」
「一直線に向かうから。」

フィロー。
「あおいちゃんはあはあ。」

モナとフィロー退場。

クレスケンスルーナ。
「わたし行くね。」
「また来るから!」

リーリエ。
「機会がある毎に。」
「会いに来るつもりです。」

葵ちゃん。
「see you later。」

クレスケンスルーナ。
「平和でありますように!」

ほっぺにキスされました。

小雨の後に虹が出る。

霧に包まれた。

ちょっと幻想的な日に。

またの再会を約束して。

遠くで見送りました。

休日も過ぎて。

いつもの学校で。

日常は続きます。


48


いつもの駅。

鼻歌で歩いていますと。

爽やかな男の子に呼び止められて。

けっこうイケメン。

好漢。
「前から見惚れていました!」
「好きです!付き合ってください!」

葵ちゃん。
「むかしとあるキャンプで。」
「満天の星空に向かって。」
「思わず銀の弓を射かけた。」
「そう。」
「それがあなたに当たってしまったのです。」
「イタズラでした。」
「申し訳ありません。」

好漢。
「え!?」

葵ちゃん。
「わたしではないという意味です。」
「わたしは結婚しません。」
「夫には仕えません。」
「あなたにはあなたの相手が居る筈です。」
「あなたは素敵な男性ですし。」
「女性として見てくださった事は忘れません。」

好漢。
「ハート・ブレイク!」

葵ちゃん。
「次はイタズラに銀の弓を放って。」
「誰かの胸に誤射しないように。」
「注意しますね。」
「神道でもカトリックでも。」
「結婚の破棄は公認されています。」※公式教義では生涯独身が許可されている。
「しばらくぶりの好漢でした。」
「いい男に早朝から遭遇するなんて。」
「吉日でしょうか。」
「平和でありますように。」

若年紳士がやってきたよ。

葵ちゃんと挨拶する。

好漢。
「あなたはだれです?」
「もしかして先客がいたのですか?」
「名前は?どこのだれ?」
「すべて知りたい。」

アイドルマニア。
「名前を言え、行く先はどこだ、住いは、女房もちか。」
「独り者か。」
「あげくの果てに。」
「一つ一つ返答しろときた。」
「真直ぐに、手短かに。」
「要領よく。」
「しかも包み隠さずにとな。」
「なるほど。」
「要領なら、いい方だ。」
「おれは独り者だからな。」

葵ちゃん。
「シェイクスピア。」
「ジュリアス・シーザー。」
「詩人のシナが市民に発した皮肉。」

アイドルマニア。
「そう言うからには。」
「女房をもっている奴は、みな馬鹿だというわけだな。」
「こう続く。」

葵ちゃん。
「わたしは要領がいい方なので。」
「結婚はしないんです。」

アイドルマニア。
「じゃあ既婚者は馬鹿というわけだな?」
「馬鹿なのは既婚者の方だったな。」
「勝負はついた。」
「申し訳ないが。」
「ジュースを差し上げよう。」
「お前は相手を間違えたのだ。」

ボーイフレンドは雑談しますと。

立ち去ったのです。

好漢。
「さようなら。」
「この出来事よ。」
「青春の想い出となれ。」

学校。

と言っても。

フリースクールみたいなリベラリズム。

最近は「人」について考えています。

正しい人の道とは?

正しい道理とは?

正義のことです。

葵ちゃん。
「正しい人の道と言われると。」
「なんだと思う?」

七菜。
「正しい?」
「そうなると。」
「私達が普段正しくないと。」
「遠まわしに証明されてしまうのでは?」

佑衣。
「はっきり言えない。」
「即答できない時点で。」
「ひょっとしたら。」
「正しい人の道を知らないのが我々なのでは?」

葵ちゃん。
「おおっと!そう言われると確かに。」

七菜。
「正しい人の道ですか。」
「そうなると。」
「わたしは正しいのか?」

佑衣。
「人として正しいのか。」
「興味深い。」

葵ちゃん。
「正しい道理とか。」
「正しい道理?」

七菜。
「この世はあらかじめ正しさが存在していて。」
「それに合わせられるか?」
「正しく存在できるのか?」
「そういうこと?」

佑衣。
「正しい?やっぱり我々は正しくないのでは?」

葵ちゃん。
「深いなあ。」

委員長。
「正しい?」
「人はみな自分が真実だと言っている。」
「我が強いなあ。」
「そう思わない?」

佑衣。
「我を張るのは近代の悪風でしょうか。」

七菜。
「より正しさに近づいていくことが大事だと思います。」

志穂。
「むしろ。」
「正しさというものがあるんだと。」
「人としての正しさ。」
「正しい道理もあるんですよと。」
「中立で教えてくれているんだわ。」

委員長。
「自分が正しいとか。」
「その人がそう思っているだけとか。」
「正しい積もりが実は正しくなかったり。」
「何が正しいのか自分が決めてはいけない。」

志穂。
「自分で何が正しいのか決めてしまうのは。」
「愚の骨頂よ。」

葵ちゃん。
「順正であることが大切だと思います。」

佑衣。
「道理にかなっているか?」
「自問自答。」

七菜。
「正しさというもの。」
「道理に従っていなければ。」
「得られませんよ。」

委員長。
「そうそう!」
「道理に従うことが重要になる。」
「道理に従って。」
「正しさについて知っていくのだー。」

葵ちゃん。
「おわあ?」

抱きつかれた。

委員長。
「この娘はなんだか魅力的。」
「わたしが貰っていいかな?」

佑衣。
「それは困りますよ。」

七菜。
「恋敵が増えるっていうの?」

葵ちゃん。
「委員長も好みですよ。」

委員長。
「なるほどー。」
「あおいちゃんっておとなしいから。」
「それでもまったく違う側面もある。」
「ころころ変わって面白い。」
「けっこうMだから。」
「好きなこともできるわけだ。」

志穂。
「なにしても喜ぶから。」
「百合好きな女の子たちにとっては。」
「魅力的なお友達ってことか。」

委員長。
「あおいちゃんは取らないよー。」
「有意義な議論を続けたまえー。」

佑衣。
「知恵が強い先輩だこと。」

七菜。
「ところであおいちゃんは誰のもの?」

志穂。
「それはこれから決まるのでは?」

佑衣。
「おおー!いいこと言いますな。」
「人気アイドルさんよお。」

七菜。
「さすが志穂ちゃんということで。」
「次こそあおいちゃんを物にしたい。」

雫ちゃん。
「向こうでイチャイチャしているけれど。」

佑衣。
「なにー!?」

紬ちゃん。
「早く行かないと取られちゃうよ。」

七菜。
「うう!私達だけの話ではなかった!」

佑衣。
「行こう。」
「あおいちゃんを取り戻しに。」

志穂。
「なにやってんだか。」
「でもああいう趣味も理解できるわあ。」
「なんだかんだ言って女の子なのね。」

魔法少女であること自体が。

全員の興味を惹くようです。

今日も生徒の話題の中心。

人気者の葵ちゃん。

好戦的だけれど。

普段は大人しい。

おまけにMだから。

したいことができる。

葵ちゃんに惚れてしまい。

恋に落ちてしまう生徒もいるほどで。

特別な女の子である以上。

どうしても。

注目されちゃいます。

女性も過渡期。

新時代の女性がスタートしてますね。


49


ちょうど。

世界の多分どっかで。

BAKA-19ウイルスが蔓延。

みんなBAKA-19ウイルスに侵されてしまっていた。

筆者もBAKA-19に感染し。

BAKAを発症。

BAKAになってしまったが。

それほど重症化せずに回復している。

図書室で論語を読む。

いろんな訳で出版されており。

道徳的な歴史書。

子曰わく。

賢者は世を辟く。

其の次は地を辟く。

其の次は色を辟く。

其の次は言を辟く。

もっともすぐれた人物は。

その時代全体から逃避する。

その次の人物は、ある地域から逃避して別の地域にゆく。

その次の人物は、相手の顔色を見て逃避し。

その次の人物は、相手の言葉をきいて、それから逃避する。

逃避、隠遁についての教え。

図書室から戻ると。

先生に呼ばれて。

職員室。

先生から渡された書類が山積み。

ここに来て欲しい!という内容。

葵ちゃん。
「資料室で読みなさいと。」

志穂。
「あなたも?」
「魔法少女の多くは能力値が高いし。」
「不思議な知恵があるから。」
「期待されるのは当然だけれど。」
「そんなに?」

葵ちゃん。
「戦場に出向いて。」
「切り倒したり。」
「異名が。」
「さりげない駁撃。」
「しれっと猛虎。」
「そう言われていたとか。」

志穂。
「人材獲得競争も。」
「年々激しくなっているわあ。」
「あんたくらいになると。」
「取り合いなのね・・・・。」

休憩時間。

20分ほど。

七菜。
「あおいちゃん。」
「すごーい。」
「スカウトだらけだって。」

佑衣。
「まあ当然よね。」
「功績もあるし。」

葵ちゃん。
「あれだけ戦場で目立てば。」
「スーパールーキーとのことで。」

七菜。
「公明正大ってことでいいんじゃない?」

佑衣。
「女性のスペックの高さは立証されたっきり。」
「女の子の期待値も大幅に上がった。」
「あおいちゃんに集中するのも無理ないか。」

最近は。

女性のスペックの高さが立証されて。

男性との能力差が浮き彫りに。

わたしはわたしで。

進路の選択肢が多過ぎて。

路頭に迷ってしまう。

それでも毎年。

巫女のアルバイトは続けていたんです。

先生。
「大学生に推薦入学が決定されているぞ。」
「アインシュタインと同じく。」
「特別入学。」

葵ちゃん。
「ほえええ!?」

先生。
「いろいろ買われていないか?」

葵ちゃん。
「先生。」
「言葉の使用規則を誤っていませんか?」

先生。
「ほう?一目置かれるだけあるなー。」
「大学の資料を配るから。」
「持って行け〜。」


バッグの中には資料満載。

下校は過積載。

帰宅。

机の上に置いて。

先生の邸宅。

珂珠さん。

たまに知恵をこぼす。

霊知がある女性は珍しい。

壮年なので。

少女のような容姿がたまらない。

近況報告。

葵ちゃん。
「・・・・・自由を、自由が・・・・・・。」

珂珠。
「人の基本を伝えるが。」
「人に。」
「完全。」
「或いは完全無欠はありえない。」
「なぜなら人は不完全なもの。」
「完璧な人を揺さぶってみよう。」
「或いは完璧な人を打ってみよう。」
「完璧な人はボロが出るが。」
「詭弁で穴を埋めるはず。」
「完璧な人は言い訳も完璧だからね。」
「完璧な人は詭弁も完璧なのです。」
「自称完璧という意味ですな。」
「話を戻せば。」
「人のどこが完全であると言えるのか?」
「そうした不完全な人という存在が。」
「何か書けば。」
「完全ではない本が出来上がる。」
「肝心なのは自分が完全ではない。」
「不完全であると理解すること。」
「不完全であって完全ではないという前提を認め。」
「書いた本や行動から言動まで。」
「反映されることへの理解。」
「人の基本的な心得だぞ。」

葵ちゃん。
「人は人、自分は自分。」
「子曰わく。」
「道同じからざれば。」
「相い為に謀らず。」

珂珠。
「すべての人と調和を保ちたい。」
「しかしそれだけでは対処できない。」
「賢明な対処にならない面もある。」
「利益を求める者と道徳を求める者は別種の生活であるし。」
「対立する面はお互いに退ける。」
「亦た各おの其の志に従う也。」

葵ちゃん。
「われわれは皆、間違っている。」
「ある者はひどく。」
「ある者は軽く。」
「ある者は意図からして。」
「ある者は偶然に押されて。」
「あるいは他人の悪徳のために逸らされて。」

珂珠。
「人は皆。」
「あたかも死すべきものであるかのようにすべてを恐れ。」
「あたかも不死のものであるかのようにすべてを望む。」

葵ちゃん。
「個性と個人主義から性悪説になりました。」


珂珠。
「人は不完全なため。」
「他人の良識によって補われないといけませんよ。」
「自己完結しません。」
「人の不完全さが分かったのなら。」
「良識を他人から補充し。」
「成熟すべきです。」

葵ちゃん。
「驕りとは自己完結とか。」
「不完全への自覚が足りないから?」

珂珠。
「そういうことです。」
「わたしも知っている事しか話しませんよ。」
「不完全なのは自分も他人も同じですから。」

葵ちゃん。
「理解しました。」

珂珠。
「アリストテレースが語るには。」
「人は完全になるのか成長するのか分かりませんけれど。」
「岩波文庫を中心に読んでください。」
「あと、これを。」

葵ちゃん。
「mitaka」
「国立天文台のソフトウェア?」

珂珠。
「あなたに必要かと思って。」

なんだか最近。

飛行機のターミナルに居るようで。

どこへでも行けて。

ただし。

運賃は安くはありません。

事前に貯めたお金でチケットを買い。

自分で歩いて空港に来て。

こんな例えになりますね。

今日も読書。

最近は紫式部「源氏物語」を探求してますよ。

美しい文体ながら。

復刻された宝物である源氏物語。

原文が失われているとかなんとか。

文学の基盤(土台)は世界各国にも埋まっていて。

古書店や図書館で度々出会います。

私の発言については。

いつか教えてください。

説明してくれないと。

どこをどう正せばいいか分からないでしょ。

わたしは神様を。

信仰を忘れることがあると知っています。

忘れる事を知っているので。

失うことはありません。

神明神社。

豊受大御神。

社殿に参拝しますと。

氏子さんから話しかけられました。

氏子。
「合格祈願ですか?」

葵ちゃん。
「いいえ。」
「神様と縁があります。」

氏子。
「それはどういうこと?」

葵ちゃん。
「他人は信仰という姿勢で神様と向き合いますが。」
「わたしは神様が好きという点で違っています。」

氏子。
「なんと!神様が好き?」

葵ちゃん。
「はい、好きなので。」
「神様と関わり、御神前に出ます。」

氏子。
「私達とは異なりますね。」
「応援しています。」

女神様から。

女性を教わりましたよ。

続いて。

女性と会いました。

依姫。
「わたしは自然の道理を記した者。」
「著者の真実。」
「そうあるべきという姿。」

葵ちゃん。
「先ほど、女性について教えてくださいと。」
「祈願を繰り返した女の子です。」

依姫。
「人間という。」
「この世の小さな自称神さまは。」
「昔からずっと同じ性質で。」
「天地創造の日以来。」
「奇妙なことをやり続けています。」
「いっそ神様があいつらに。」
「天の光の照り返しをおやりにならなかったら。」
「あいつらも。」
「もう少しまともな暮らしができたかも知れません。」
「あいつらはその照り返しを理性と呼んでいて。」
「どんなけだものよりも。」
「もっとけだものらしく振舞うためにその理性を利用しているんです。」

葵ちゃん。
「忠告ですか?これまで忠告が人間の役に立ったことがあったの?」
「立派な助言も人間にはまず馬耳東風で。」
「なん度もしくじって自分で自分に腹を立てるわけ。」
「それでも性懲りもなしに我意を張り通す。」

依姫。
「人間というものがこういうものであるからには。」
「いつかまた似たようなことが起こるであろうが。」
「その時、その出来事をはっきり見定めようとする人が。」
「私の記述を有益だと思ってくださるなら。」
「それで十分である。」
「本書は今日の聴衆の喝采を得んがために書いたのではなく。」
「未来永劫にわたっての財産となることを願って書いたものである。」

葵ちゃん。
「私が描くものには公の模作用に筆記したものも含まれています。」
「これはノート?」
「本を出しているんだ。」

依姫。
「古典文学と。」
「アリストテレスの著書を読んでから。」
「物書きは始めるべき。」
「アリストテレスの創作論とオイディプス王は定番ですよ。」

葵ちゃん。
「学問の神様は創作好きで。」
「祈願した人に霊験を加えて。」
「神意にかなった作品を描かせてあげるのが趣味なんです。」

依姫。
「他の宗教や信仰の迷惑にならないように。」
「配慮は必要ですけれど。」

葵ちゃん。
「修辞学は文学の基本ですが。」
「自然に描ける人が多く。」
「文才がない人は出来ない。」

依姫。
「文才があっても。」
「まともな作品を描けるのかは別の話。」
「醜悪な出来物や馬鹿な作品はけっこう出てくる。」

葵ちゃん。
「優れた読み手にはなれますよ。」
「批評家って見たままを言っているでしょう。」

依姫。
「完璧な作品が存在しないのは考慮すべきです。」

葵ちゃん。
「芸術として相応しいのか?これが評価の基準とします。」

依姫。
「文学でしか出来ない事をするのが本物です。」

葵ちゃん。
「一度モノにすれば永遠のもの。」
「今日は良い人に出会えました。」

依姫。
「魔法少女も大変ね。」
「戦争に参加しないといけないから。」

葵ちゃん。
「戦争の技術は必要ですよ。」
「むかしから生きることは戦いの連続だと。」
「古典に多く見られる記述ですし。」

依姫。
「一兵卒が生き残れる保証はないけれど。」
「戦う姿勢は大切よね。」

葵ちゃん。
「軍隊徒手格闘も。」
「戦争の技術なのですけれど。」
「体を鍛えるのに役立ちますし。」
「実生活でスーパープレーも可能なほど。」
「戦争の教えは役に立つことばかり。」

依姫。
「戦争を敢えて肯定すれば。」
「知ることもできる。」

葵ちゃん。
「戦争を否定するのはナンセンス。」
「詭弁で戦争は無くせない。」
「アインシュタイン博士は。」
「平和主義者ですが。」
「軍事的な平和主義者。」
「平和の為なら喜んで戦うと書き残しています。」

依姫。
「人類の歴史は戦争の歴史?」
「いまもそうでしょう?」
「否定すれば誰かにやられるはず。」

葵ちゃん。
「負けても過ちを犯しても。」
「そういう人は気づかないしごまかします。」
「自分の悪しき行いも詭弁で切り抜ける。」

依姫。
「みんな。」
「過ちに気づかないだけで。」
「過ちをしていないことにしているから。」

葵ちゃん。
「戦争の結論を出すのにはまだ早いです。」

依姫。
「この世の最初から戦争はある。」

葵ちゃん。
「また、戦争のことや、戦争のうわさを聞くでしょうが。」
「気をつけて、あわてないようにしなさい。」
「これらは必ず起こることです。」
「しかし、終わりが来たのではありません。」
「マタイの福音書24章6節。」

依姫。
「潔白なイエス・キリストによって。」
「全員の罪が証明されてしまった。」

葵ちゃん。
「無条件降伏が望みなら。」
「戦争を否定し。」
「戦いを辞めればいい。」
「ただし、その人の権利は誰かのもの。」
「文句を言っても実力行使で服従させればいいだけ。」

依姫。
「性善説は結果論として偽善者になるだけです。」
「性悪説は合理主義に辿り着きます。」

葵ちゃん。
「むかしの人の行いが素晴らしいので。」
「一生懸命に学んでいます。」
「魔法少女にとっては。」
「いにしえの魔法使いはお手本。」

依姫。
「トロイア戦争の英雄は。」
「人間が及ばない力を持っていた。」
「力自慢でも弦を引くこともできない弓で。」
「12の斧の頭の穴を射抜いて。」
「矢が通過するほど。」

葵ちゃん。
「古代ギリシアには。」
「アイアイエ島のキルケ。」
「最強の魔女で。」
「呪いを回避するのは人間には出来ない。」
「メディアという魔法使い。」
「超常現象を操る伝説の持ち主。」
「コルキス王の姫君。」
「出エジプト記には。」
「ファラオのお抱え魔術師が。」
「災害を扱って見せる。」
「モーセも主から奇跡の力を与えられ。」
「魔術を自在に操り。」
「ユダヤの民を脱出させた。」

依姫。
「世界の創造された姿が戦争を勧めたのだから。」
「間違っているのは世界を改造した人間。」
「ローマ教皇曰く、人間の考えをしてはいけない、神様を選びなさい。」
「今日は永遠の処女の誓いを祈願するの。」

葵ちゃん。
「わたしは成長したい。」
「もっと大人になりたい。」
「山岡鉄舟殿がお手本です。」
「サムライ・トレーニングこそ才能の秘伝。」

依姫。
「山岡鉄舟。」
「一日200試合の練習試合を申し込んでいたという。」
「幕末。」
「山岡鉄舟殿は交渉で。」
「要求を突き付けて。」
「西郷隆盛は折れてしまった。」
「この人には敵わん・・・。」
「史実です。」

葵ちゃん。
「そのくらいの人物になりたい。」


依姫。
「わたしも同じ!!」
「訓練を受けていない人がこの世に出れるのかしら。」
「訓練なしで実戦に投入される兵士みたいに。」


葵ちゃん。
「自分でやるのには限界があるから。」


依姫。
「わたしも同じことをしています。」


葵ちゃん。
「神様に。」
「私を鍛えてください。」
「こうお願いすると。」
「その人にとって必要な水準に達するまで。」
「鍛錬が開始される。」
「神様から訓練を受ける。」
「その中には敢えて悪いものも含まれる。」
「というのも人の理解を超えた鍛え方も成されるから。」
「いろんな要素が時間をかけて向上していく。」
「肝心なのは。」
「神様の訓練は人の考える認識を超えている。」
「わざとけしかけたり。」
「これはクリスチャンにも見られる訓練で。」
「いつでもそれを頼んだ神様を忘れないこと。」
「お願いする時は御神名を記録しておくこと。」
「また。」
「それをお願いしたらすぐに。」
「能力が跳ね上がるので。」
「後天的な要素でもっと上の要素を知ってしまい。」
「文句や理想も多くなる。」
「訓練がいつ終わるのかは分からない。」

依姫。
「申し出た以上。」
「その人にとって必要なことなので。」
「本来のその人の道だから。」
「真実なのです。」
「逆に言えばそこら辺の人間など。」
「神様にとってはどうでもいいのです。」
「いてもいなくても同じ。」

葵ちゃん。
「わたしを鍛えてください。」
「そう祈願したら。」
「依頼した神様をできる限り忘れないこと。」
「最初からその人は神様の訓練が必要だったので。」
「真実の道に戻っただけなのです。」

依姫。
「状況は固定されてしまったり。」
「運が良くなかったり。」
「災害があったり。」
「不正を受けても。」
「戦争があっても。」
「神様が加えたものなので。」
「上手に活かそう。」
「クリスチャンの中には前例が多い。」

葵ちゃん。
「充分に成長すれば解いてくれますよ。」
「自立できないから。」
「他人は神様から見て雛鳥に過ぎない。」
「神様は敢えて状況を作るので。」
「すべて掃除することも可能です。」
「キルケゴールの単独者になりなさい。」

依姫。
「訓練によって単独者になるのです。」
「神様によってその人は自立したのだから。」

葵ちゃん。
「人によっては異なる展開があります。」
「神様の訓練に合わせるのが真実の人です。」
「うっかり頼んでしまっても。」
「必要だから祈願に至ったのです。」

依姫。
「予備知識が必要ですよね。」
「何十年分の訓練を可能な限り短期間で受けるので。」
「思い出して休息と癒しにすべきです。」
「予備知識が必要。」

葵ちゃん。
「そうしなかったら。」
「慈悲をかけられて。」
「情け多き生を全うするでしょう。」
「神様の訓練が必要な方は。」
「必ず訓練を受けますので。」
「今になって発生しただけ。」

依姫。
「一か月くらいでレベルが桁違いになり。」
「後天的にあの方が良かったとか。」
「訓練を受けてグレードアップしたので。」
「見つけたわけで。」
「訓練を受けなければ。」
「どうでもいいもので満足していたはずです。」

葵ちゃん。
「わたしを優しく鍛えてください。」
「こう申し出ると。」
「成長のスピードは遅いです。」
「時間のかかり過ぎ。」

依姫。
「人によって。」
「内容は違います。」
「個性があって。」
「全員が同じではない。」
「全体主義が正しいのなら。」
「個人など要らない。」
「ロボットで充分。」

葵ちゃん。
「自分の個性を見れば説明がつきますよ。」
「予備知識。」

依姫。
「桁違いの女の子に会っちゃった?」


葵ちゃん。
「あなたも桁違いのような。」
「神知がありますよね?」

依姫。
「あらまあ。」
「同じ青人草ですね。」


葵ちゃん。
「褒美なのか。」
「神様から全知全能の性質を一部。」
「頂くことが出来ました。」
「第六感は当たり前で。」
「直観はいくらでも実践可能。」

依姫。
「素晴らしいわ。」
「あなたの戯曲は増えているのね。」
「アイソーポス寓話では。」
「ライオンは一頭しか生まないのですが。」
「一頭でもライオンだよ。」
「って。」
「数ではなく質が大切。」

葵ちゃん。
「アイソーポス寓話好きですか?」

依姫。
「こんな風に持ち歩いてます。」
「予備を含めて三冊ありますけれど。」

葵ちゃん。
「わたしも本棚にあります。」

依姫。
「趣味が同じで同類ですね?」

葵ちゃん。
「そのようです。」

依姫。
「情報の交換が最高だわ。」

葵ちゃん。
「わたしもです。」
「連絡先を交換しましょう。」

依姫。
「素敵!」

葵ちゃん。
「これから他の社殿に参拝するの。」
「一緒にどう?」

依姫。
「ステキ!いい友人が出来ました。」
「この辺りに住んでいます。」
「おはなしは風景を楽しみながら。」

八幡神社の近くへ。

けっこう遠くまで来て。

電動自転車で長距離移動したものですから。

スクーターみたいな移動距離。

出会った女性は誰かの本当の姿らしいです。

どういう喜劇なのかな?

そういえば。

古典は喜劇か悲劇かの二分類でしたっけ。

不思議です。

手記。

私はすべての作品を未完成にしておくのです。

結果として。

いくらでも追加の余地があったりして。

無限に終わりませんが。

それは未完成だからであって。

多少の無理は他人に補ってもらおうと思います。

日光東照宮で用いられる逆手に取った方法なのですが。

誰も故事について詮索は出来ないハズですから。

神社に通っている最中に。

お姉さんの本屋から発掘した言葉です。

(H.48v.)

希望が死ぬと願掛けが生まれる。

レオナルド・ダ・ヴィンチ。


50


法律の無知はそれを破ってよい口実にはならない。

ホワイトボードに記されている内容。

いつもの授業。

日本国憲法。

教員。
「今回は全文を読む機会を提供します。」

志穂。
「デバイスに表示されているわよ。」

葵ちゃん。
「昨日の時点でインストール済み!?」

雫ちゃん。
「プリント版もありますな。」

紬ちゃん。
「学校教育って全体主義者ばかりとか聞きました。」
「本当ですか?」

教員。
「ここでは違います。」
「すべて国民は、個人として尊重される。」

葵ちゃん。
「個人?」

教員。
「憲法一三条前段。」
「すべて国民は、個人として尊重される。」
「として個人主義を表明しています。」
「これを理由に個人だけが人権主体でありうるという考えもあります。」

志穂。
「なるほどー。」
「全体主義は個人を認めませんので。」
「違憲と見なされるでしょう。」

教員。
「要するに。」
「全体に合わせる理由はなく。」
「みんなの意見ですら無視。」
「或いは反対しても。」
「憲法からして見て推奨される行為であり。」
「むしろ全体主義は反社会的とまで言えます。」
「さらに条文が続いていますね。」
「法学は簡単ではないのですが。」
「実定法と呼びます。」

葵ちゃん。
「全体主義を正々堂々と否定するのはなぜですか?」

教員。
「第一ニ条の努力が必要です。」
「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。」
「全体主義を倒してもいい口実になります。」

君子。
「小人の過つや必ず文る。」

女の子。
「吾、日に三たび吾が身を顧みる。」

教員。
「孔子の弟子に曾子という人物がいますが。」
「その人の言葉ですね。」
「小人は失敗をやらかすと。」
「取り繕うことばかり考える。」

志穂。
「失敗をやらかしたのはなぜか?」
「その原因を一切究明しない姿勢。」
「それによって同じ失敗を繰り返す。」
「失敗に対する反省がないので。」
「進歩も向上も期待できない。」

教員。
「原文は。」
「小人之過也必文。」
「孔子の弟子の子夏という人物が語った言葉だそうです。」

葵ちゃん。
「日本は全体主義が根強いので。」
「個人主義の表明は憲法であったのですね。」

教員。
「むしろ全体主義がいけないのです。」
「わたしの場合は黙認しません。」

女の子。
「校則が少ないのはなぜですか?」

教員。
「自己決定権があり。」
「校則をたくさん設定できないのです。」
「ブラック校則の多くは違憲だと思われます。」
「私の見解では。」
「法学の無知を突く形で横行しているのでは?」
「英語のことわざでは。」
「法律の無知はそれを破ってよい口実にはならない。」

葵ちゃん。
「暴政に陥った国では。」
「横暴に従わないからという理由で排除されたりしたとか聞きます。」

教員。
「全体主義が危険であるという歴史観もありますね。」
「第二十条。」
「信教の自由。」
「宗教が何かは定義されていません。」
「正教分離の影響でしょうけれど。」
「歴代の総理大臣が伊勢の神宮に参拝したり。」
「靖国神社参拝などがありますので。」
「この条文は。」
「政治が神々を支配すると考えるのにも似ている。」※アリストテレス・「ニコマコス倫理学・上」最後の締めくくり。

委員長。
「実際に伝統宗教の権限は大きいものです。」

教員。
「最悪の展開であるどっかの宗教や異端者の発生によって。」
「政治が蹂躙されるのを禁じてこういう条文にしているか。」
「実際の治世に悪影響が出ないように。」
「権利の濫用を否定している面もあるでしょう。」
「神社の一部を市が町内会に私有地として渡して違法となったり。」
「知事が公金を納付してしまい違法となるケースがあります。」

委員長。
「民間人に踏み倒されない保険でしょうか。」

教員。
「諸説あります。」
「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。」
「墓参りや仏葬や結婚式の参加も辞退可能です。」
「全文から記された条文はどこでも見かけますので省略します。」

生徒。
「宗教が何かは定義されていない?」

教員。
「宗教が何かは定められていません。」
「教材が2016年のものですのでお忘れなく。」

葵ちゃん。
「今上天皇の関係で実定法に分が無いですよね。」

教員。
「法解釈や適法かどうかは分かりません。」
「思想及び良心の自由もあります。」
「ざらっと説明して終わりたいと思います。」

生徒。
「むかしはテストの点数だけで人が測られたって聞きました。」
「残忍です。」

教員。
「英国チャーチルさんはこう言ったそうです。」
「教育を受けられなかった者は引用句辞典を読みなさい。」
「テスト以外のものには目を向けない。」
「テスト以外にいろいろあるのは無視という訳で。」
「テストの点数が全てだよ?」
「こう言われたらどうしますか?」

生徒。
「循環論法ですよね。」

教員。
「チェリーピッキングや滑りやすい坂論法などを検出しますよね。」

委員長。
「正しい最初の出発点から。」
「望ましくない結論が導き出されてしまうため。」
「相手に最初の選択が間違っていると迫る。」

教員。
「何度も言いますが。」
「答えはありません。」
「正解も無いものとして扱っています。」
「認識の遠近法を使用して個人主義を知って貰うのが今日の目的です。」

授業終了。

葵ちゃん。
「隣のクラスはまだ授業中。」

志穂。
「内容によって時間が変わるからね。」
「新しいタイプの教育だし。」

雫ちゃん。
「またなんかえっちなことされそう。」

紬ちゃん。
「あおいちゃんマゾヒストだから。」

葵ちゃん。
「女の子にやられるのは好き。」

志穂。
「百合は私も好きよ。」
「今日は純白なんだって。」

雫ちゃん。
「何のこと?」

葵ちゃん。
「あの時のことですね。」
「よくやられるんです。」
「毎日のように確認してくるので。」

紬ちゃん。
「なんのことですか?」

志穂。
「下校は華やかね。」
「私はリスナーを抱えているから。」
「魔法少女はアイドルよ。」
「定期的に出し物が必要だから。」
「資料室に行くわ。」

ちょうど隣の教室解放。

葵ちゃん。
「メール。」
「フィローちゃんから。」

紬ちゃん。
「大人の女性!?」

雫ちゃん。
「あの知り合いの美人!?」

葵ちゃん。
「ちょっと早く帰ります。」
「今日の下校はひとりかも。」

七菜。
「それは残念。」

佑衣。
「純白は故意ですか?」

下校の時間。

競歩で帰宅。

なぜかフィローちゃんが会いに来ていて。

宿泊したいという希望をお父さんが叶えました。

モナさんはどこでしょう?

葵ちゃん。
「珍客ですね。」

フィロー。
「大好きで来ちゃった。」
「珂珠さんのおかげで。」

葵ちゃん。
「わたしも大人の女性大好きなので。」
「ばっちりなのですが。」

フィロー。
「情報交換。」
「戦略でも立てようよ。」

葵ちゃん。
「賛成です。」

ずっと前にフィローちゃんとお泊まりしたので。

支障がないらしいです。

一緒に街を歩きました。

女子高生。
「なにあのひと!美人じゃない?」

jK。
「外国人!?」

女子。
「すごくない?存在感抜群。」

フィロー。
「なんか姉妹みたい。」

葵ちゃん。
「浜松城と美術館に行きますか?」

一緒に歩いて。

夜になって。

遂に。

一緒に寝ます。

葵ちゃん。
「あの時みたいに襲いますか?」

フィロー。
「いいの!?」

葵ちゃん。
「いいですよ。」

フィローちゃんが軽く押さえつけると。

葵ちゃん無抵抗。

真っ赤になって退くフィロー。

葵ちゃんが擦り寄ってフィロー発狂。

くちびるに。

優しいキスをして。

そのまま就寝。

お土産に。

1847年発行・ヴィクトリア女王即位10周年記念銀貨。

フィローちゃんがくれました。

家柄か。

高い身分の人と繋がりがあるようで。

お父さんが若い時も似たような出来事がけっこうあったらしいです。

たまんない交友でした。

どうなるか知りたければどうであったかを考えなければならない。


51


一人の作家から盗めばそれは剽窃。

たくさんから盗めばそれはリサーチ。

(ウィルソン・ミズナー)

お茶会。

妖女イザベル。
「なんか飽きたわ。」

妖女ロージー。
「こっちはスコアが忙しい。」
「eスポーツは最高の娯楽。」

妖女アリス。
「はあ・・・あなた変わったわねぇ。」
「お金持ちがいっぱいくれるから。」
「まだ続けたいけれど。」

妖女イザベル。
「工作も飽きたし前線に出るのも飽きた。」
「なんで内戦しているの?」

妖女アリス。
「わたしに聞かれても困る。」
「いろいろくれるから。」
「いくら裏側に徹しているからって。」
「あいつらの言う素晴らしい未来を実現させるだけ。」

妖女ロージー。
「その素晴らしい未来ってなによ。」
「来た試しがない。」

妖女イザベル。
「とりあいず頼ってきたからやっておいたけれど。」
「退屈。」
「得られるものよりも失うものが多い。」

妖女アリス。
「今度は宝石をいっぱいくれるって契約したの。」
「報酬をよこせとなぜ言わない。」

妖女イザベル。
「相手の魔法使いに発見されたら。」
「分が悪いもの。」
「あなたは余裕だからいいけれど。」
「いちいち相手にするのは面倒臭い。」

妖女ロージー。
「私は降りるわ。」
「ねえねえ。」
「CPUっって何がいいの?」
「AMDライゼン7買ったけれど。」
「自作パソコンって将来型のアップデートが簡単だから。」
「家庭用より有利よね。」

妖女イザベル。
「家庭用だとインテルCOREi5-10000くらいがいいわよ。」
「洗練されていない機材になぜそこまで投資する。」

妖女ロージー。
「科学が洗練されていないのは知っている。」
「Corei3-10000でゲームをやっている人が多いとか。」
「スペックは数年で塗り替えられるんだけれどね。」

妖女アリス。
「セレロンは放熱しないし。」
「安いし動作の安定に優れている。」
「ついぞ高性能化したくて。」
「Corei7-10000購入したけれど。」
「まだグレードアップしそうだし。」
「SSD搭載とセットだから。」
「十二万円もしたし。」
「高い家電製品だよ。」

幼女ロージー。
「アリスちゃんのパソコンを近代化改修してあげるっていう話。」

妖女アリス。
「いいの!?」

妖女ロージー。
「興味本位よ。」
「経費は必要ないわ。」
「技術のノウハウが欲しい。」

妖女アリス。
「日本産のパーソナルコンピューターは作りがいいわ。」
「海外では手に入らないし。」
「いつもHP製品だけれど。」

妖女ロージー。
「任せなさい。」
「備品のCorei9くらいは貯蔵しているし。」
「冷却ファンとかメモリとかSSDとか。」
「予備パーツはいっぱい。」

妖女イザベル。
「わたしのもいい?」

妖女ロージー。
「耐用年数は?」

妖女イザベル。
「十年使っているけれど。」

幼女ロージー。
「ならまだ動作するね。」
「今度、アタッシュケースに入れてくる。」

妖女イザベル。
「誰か来たよ。」

黒服。
「いつもの私共です。」
「要望書の内容を実行して頂きたくて。」

妖女イザベル。
「退屈だわ。」
「切り札とか言っているけれど。」
「つまらない戦争を仕掛けたもんね。」

黒服。
「あなたに見捨てられたらどうすることもできません。」
「あなた方次第でどうにでもなるではないですか。」

妖女ロージー。
「eスポーツの大会で優勝する方が大事なの!」

妖女イザベル。
「ディズニーアイランドの年間パスポートが届いてね。」
「残念だけれど、そんな暇ないの。」

妖女アリス。
「わたしなら空いているけれど。」
「謝礼が全額支払われていないわ。」

黒服。
「その分をお持ちしまして。」
「用意が遅れて申し訳ない。」

妖女アリス。
「この金額ならあの娘たちに取り次いであげてもいいわよ。」

黒服。
「あの娘たち?」

妖女アリス。
「Auroraとゾーイのコンビ。」
「私達でも危険視する妖女。」
「居場所はこの書類に書いてあるわ。」
「思ったより儲かりそうね。」

黒服。
「また気が変わったら参加してください。」

妖女アリス。
「気が変わったらね。」

妖女ロージー。
「わたしらに依存しっぱなしやん。」

妖女アリス。
「おかしなものは壊すに限る。」
「要望書ですか。」
「全体主義者を洗脳するのは朝飯前。」
「この邪悪な情報が書かれた本を出版するのです。」
「表向きはギャグにしか見えないでしょう。」
「でもインターネットに載せれば誰でも信じます。」
「欺かれた事のない大人ばかりいて滑稽だわ。」

黒服。
「これは知っていてもやられますな。」
「協力感謝。」

妖女アリス。
「わたしら次第で戦況が変わるなんて大げさな。」

妖女イザベル。
「妖女モルガンもひとりで大局を左右したから。」
「相手にとってはそうなんでしょう。」

妖女ロージー。
「あんな危険な奴ら紹介していいの?」

妖女アリス。
「歪んだものを壊したいので仕方がなく。」

妖女イザベル。
「それ分かる。」
「歪な世界を壊して。」
「修復する。」
「一度間違えた建築は壊してしまえ。」

妖女アリス。
「傍観者効果は嫌い。」

この世界が最悪の時を迎えようとしているのに。

私はただ、見えていることしかできない。

ただ眺めているだけ。

それでも、もし何か変えられたら。

すべてをリセットしたいだけ。

それは何も出来ない。

自分への慰めで。

情けない自分への歌。

この世は。

最悪な。

それがわかっているのに。

何も出来ない私がいる。

それでも出来ない私が。

それでも出来ない私がいる。

最悪な時に、最悪な事に。

田舎の集落。

Aurora。
「ついぞ見つけたな。」

黒服。
「こんな力の塊のような人物は初めてです。」

ゾーイ。
「面白い話ばかりしますね。」

Aurora。
「滅びるがいい人間共よ!」
「衆愚を虐待するのは我が喜び!」

ゾーイ。
「価値の無い人間が犠牲になればいい。」
「劣った人間が貧乏くじや損がある場所をすべて埋めて。」
「そうではない人間が損ではない得ある所をすべて埋める。」

Aurora。
「劣った人間は損する所をすべて埋めるのだ。」
「昔、奴隷という身分でそれが証明された。」
「理にかなった世界はそれだ!」

ゾーイ。
「愚かな人間。」
「愚昧なる者が悪いものを。」
「優れた人間の身代わりに受ける。」
「劣った人間の死に基づいた世界!」

黒服。
「思ったより危険そうです。」

反乱軍。
「どのくらいで協力を得られる?」
「ほとんどは妖女に賭かっているぞ。」

Aurora。
「ところでなにかないの?」

黒服。
「中世のドレスを用意しておきました。」
「サイズは知りませんので。」
「後で注文すれば届けてくれます。」

Aurora。
「うへあはあ!?」
「さっそく、なにをぶっ殺せばいい?」

黒服。
「最高司令官と同じ地位と。」
「女性についてのすべてを提供します。」

ゾーイ。
「女性についてのすべて?」

黒服。
「おおよそ考えられる女性のすべてを。」
「差し上げますので。」

ゾーイ。
「大体察しがついた。」
「女性のすべては魅力的。」
「はやくよこせ。」

Aurora。
「まず活動しないと褒美はくれないよ。」
「膨大な歴史的前例から出したね。」
「女性のすべてとやらを。」

黒服。
「協力感謝します。」

Aurora。
「このマントをやろう。」
「身を隠すのに役に立つ。」
「指名手配されても決して発見できない。」
「外出時は常に身に着けているように。」

ゾーイ。
「あたしからはカードをあげます。」
「これはおぞましい呪術で。」
「他人に見られてはいけませんが。」
「出せば無条件で通してくれるパスポートになります。」
「便利ですよ。」
「税関とかもこのカードで素通りできますし。」
「証明書関連なら万能です。」
「有効期限が一年しかないからまた取りに来なさい。」
「けっこう量産できますし。」

黒服。
「ありがとうございます。」
「これで目的が達成できます。」

ゾーイ。
「戦争の目的ってなに?」

黒服。
「我ら連合軍は統一の目的は持ちません。」
「我々に限っては。」
「私達こそ良い未来を提供できると信じています。」

ゾーイ。
「いいんじゃない?」
「その未来は衆愚制よりはマシでしょ?」

Aurora。
「意外にもコイツらの方がマシな展開になるかもね。」

数日後。

スマホで電話。

Aurora。
「いい話が来たけれど。」
「あんたの仕業?」

妖女アリス。
「結果がいいから。」
「文句はないでしょ?」

Aurora。
「結果論がすべてよね。」

妖女アリス。
「魔法使いとかどうする?」

Aurora。
「複数で来たら厄介だし。」
「魔法具で重武装するつもり。」
「並みの奴なら余裕よ。」

妖女アリス。
「依頼主にとっては失ったら終わりなんだし。」
「面白い未来とやらを見る前に死ぬのはセンスないわよ。」

Aurora。
「私がやられると思っているの?」
「でも油断することはないわ。」
「前より私の力は倍に増えていると知れ。」

妖女アリス。
「力の強い者と戦うと嘲笑の的になるわ。」
「誰かが投げたイスの間を私は一跨ぎするだけ。」

Aurora。
「裏側にいるから戦闘には参加しないでしょう。」
「発見されても蟷螂の斧。」

妖女アリス。
「男性の魔法使いはこちらの戦闘力を低く見積もっている。」
「女性のスペックの違いを見せることになりそうね。」

Aurora。
「桁違いな力を見てからでは遅い遅い。」
「無謀な人間が何人たかってくるかな?」

妖女アリス。
「無謀、相手が負けて当たり前なのに向かってくる。」

Aurora。
「あんたのおかげでお姫様気分だわ。」
「貴族まで巻き込めたら良かったのに。」

妖女アリス。
「それは無理でしょ。」
「それでも最高峰は貰ったよ。」

都心のホテルで会議。

老齢の呪術師と密会。

妖女イザベル。
「人や車が行き交いますが。」
「あれが何の益になるのですか?」

呪術師。
「少しはマシなことをしようなど思いますまい。」
「末人とやらで構成される景色など。」
「上流階級には害悪でございますよ。」

妖女イザベル。
「あははは!その通りね!」
「詩人の歌を詠んであげる。」

ただ周るだけの、世界に。

ただ廻り続けて、時は告げ。

廻り続ける。

ただ、それだけの時の中で。

ただ、廻り続けてよ。

同じことが回り続ける世界に。

いつまでも同じ時が、繰り返されるこの世界は。

ただいつまでも、滑稽で喜劇の中の、踊り狂う道化師。

いつまでも。

踊り狂う、道化師。

その世界は、踊る狂う、道化師になって。

消えていく、消えていく、廻る。


52


社交界でゾーイが出席。

未知の力を持つと恐れられているため。

同年代の女の子は寄ってこない。

この代わりに。

利用しようと大人が寄ってくるも。

うまいくらいに処世術を駆使。

いつの間にか友人になっている。

ゾーイ。
「子供の世界で育ちたくない。」

富裕層。
「大人の世界に来なよ。」
「君にはその資格がある。」

ゾーイ。
「子供の世界は子供の理屈。」
「大人を見て育つのが大人になるための近道!」

富裕層。
「さあこっちにおいで。」
「チェスの大会をやっていてね。」
「見てってくれ。」

ゾーイ。
「カジノでイカサマやってあげてもいいけれど。」

富裕層。
「それは間に合っているよ。」
「それを求めている人間ならいくらでもいるがね。」

ゾーイ。
「女は・・・なぜそうでなければならないのか。」
「愚者を中心に考えるからに違いない。」
「大人の世界で育って。」
「間違いに気づいた。」

詩人。
「どうだい?」

ゾーイ。
「洒落ています。」
「わたしも歌います。」

なぜ、あなたは、それを、せねばならないのか、興味深いのみだ。

なぜ、あなたは、それを、やらねばいけないのか?

偶然にも、そうなった、からとかは。

ナンセンスな、答えになっているよ。

なぜか?

なぜかな?

謎だよ、謎だよ。

ゾーイ。
「科学者のような詩ですね。」

詩人。
「よく言われる。」

吟遊詩人。
「なかなかうまいね。」
「お嬢ちゃんはなにかある?」

ゾーイ。
「大人の世界で育つといろいろあるもんです。」

この世の姿を、生まれた時から、ありのままで見てきた。

この世の姿を、ずっとこの眼で見てきた。

この世の形を、ずっとこの眼で見てきた。

この世の、どこに、行けばいいの?

この世のどこにもそれがない。

この世のどこにもそれがないと、知った上で。

この世の姿と、ただひたすら向き合って行った。

この世の姿と、ただひたすらに、向き合って、見つめていた。

この世の姿を、ただひたすらに、向き合って見ていた。

詩人。
「子供の発想ではない!」

吟遊詩人。
「これは仲間を見つけましたよ。」

ゾーイ。
「チェスを見に行きますが。」
「もったいないかな。」

吟遊詩人。
「私も行くところだ。」
「こっちだよ。」

ゲーマー。
「連勝ですな。」

紳士。
「みなさんお強い。」
「少しは勝たないといけません。」

科学者。
「勝率は三割ですか。」
「まあいいほうです。」

富裕層。
「誰か来ましたよ。」

吟遊詩人。
「これは決闘ですな。」

デュエリスト。
「サイフを賭けて勝負だ。」
「貧者の力を思い知れ。」

富裕層。
「警備員もよく通したね。」

ゲーマー。
「どうしてもって言うから呼んでおいた。」

招かれざる客。
「俺とも勝負しろ。」

チャンピオン。
「大会上位入賞のこの私が相手だ。」

吟遊詩人。
「本気の決闘ですな。」

ただそこに。

お前と、ここに。

それだけが、あって。

お前と、それが、あるだけの。

場所。

お前と私、それだけの。

時で。

私が、ここに、いるだけの時。

この悲しい戦いの。

終わりを告げるその場所は。

この悲しい戦いの果て。

破滅を告げる。

この時の景色。

この時を求めて。

私はここに。

この悲しい戦いの、破滅を告げるこの場所へと。

私は求めて今日まで来たのだ。

吟遊詩人。
「負けるのが見え見えです。」

招かれざる客。
「絶対勝つんだ。」

チャンピオン。
「開始早々。」
「弱いのが見え隠れしていますが・・・。」

ゾーイ。
「大人の世界はいろいろいて。」
「ひとりとして同じ人間はいないよね。」
「同じように見えて中身はまるで違う。」

父親。
「ここにいたのか。」
「自慢の歌を披露してくれ。」

ゾーイ。
「歌がうまいからって求婚されるのよ。」
「阿呆共め。」

歌を披露して拍手喝采。

プロ並みに上手。

後で少年と青年がやってくるも。

遠くへ吹っ飛ばして遊んでしまう。

異変を目撃した少年は密告するも大人は全員無視。

自分の協力者を悪く言う少年を打った。

詩人。
「いつもこの調子ですな。」

ゾーイ。
「今日は相棒がいないの。」
「ろくなことがない。」

詩人。
「悲劇を歌います。」

この世。

この世。

生まれて来たその日から。

生まれてその日から。

戦い続けて殺し合い。

生まれたその日から。

戦い続け。

どうしてこんなに。

続いていくの?

どうしてこんなのに。

続いていくの?

ただ戦い続けたのにどうして。

どうしてこんな結果にならないといけないの?

それは悲しい戦いを告げる者達。

ただ戦い続けて。

どうしてこんな結果になるの?

それでもまだ戦い続けると。

どうして分かる訳もない。

ただ戦いの渦中に。

ゾーイ。
「芸術家にはいないと困る。」

詩人。
「このくらいの歌は自動で出てきます。」
「またどうぞ。」

一夜明けて会議。

田舎の小屋。

粗末な別荘だけれど。

誰もいないので都合がいい。

日本から帰国するとここに集まるのが定番。

妖女イザベル。
「時よ、時よ。」
「潮は満ちて。」
「時よ。」
「時よ。」
「永遠の時。」
「時よ。」
「時よ。」
「永遠の時。」
「この世のどこから現れては。」
「それらはすべて形になって。」
「わからないうちから形になって。」
「目の前に来るのは形になった。」
「それはいつかの望んだ姿で。」
「いつからか具現化して。」
「この世の中に。」
「それは確かに目の前に。」
「わからないうちから形になって。」
「こんな世界に落ちてきた。」
「こんなこともあるのだと。」
「形になった夢と希望。」
「この世の中に具現化して。」
「それは姿になって。」
「触れるほどの魔法。」
「この世の。」
「姿になって。」
「固形物とさえも見て取れて。」
「決して否定できない。」
「形になって。」
「それを使う術も手の中にあるから。」
「魔法のような出来事。」
「それを使うために。」
「この世は満ちる。」
「そのために来た。」

妖女アリス。
「なんか魔法少女の中にめっちゃ強い娘が。」
「いっぱい出ているって。」

妖女イザベル。
「なぜか?」

妖女アリス。
「女性の魔法使いは危険だけれど。」
「魔法少女はもっと危険になった。」

妖女イザベル。
「男は魔法を強引に使うし。」
「それだけしか武器がなくて工夫がないよね。」

妖女アリス。
「男性の方がスケールが大きい事を考えるので。」
「強いのが増えると面倒かも。」
「対策しておかないと。」

妖女ロージー。
「書物読み切れない。」
「どれから読んだらいいの?」
「お父様が書斎に誘導してくる。」

妖女アリス。
「良書と愚書と悪書について弁証法を使おうと思います。」
「まず良書と愚書は明らかに異なる内容です。」
「質や中身が豪華絢爛。」
「整理整頓と。」
「良書は美しく。」
「綺麗で清潔。」
「見栄えもよく。」
「クオリティも最高です。」
「次に愚書はどうでもいい内容で。」
「薄っぺらい容量と。」
「たいして得をしない文章ばかりで占められています。」
「見れば何を言いたいのか分からない頭の悪い出来栄えで。」
「退屈するはずです。」

妖女ロージー。
「やっぱりアリスちゃんは得意だね。」

妖女アリス。
「次に愚書は堂々と虚偽を書いてある場合が大半です。」
「全体的に愚書は汚いことばかり書きたがる。」
「愚かな点があればすぐに本棚に戻します。」
「次に。」
「どこからの引用なのかも調べる必要もあります。」
「正式な資料は購入するしか方法がありません。」

妖女イザベル。
「一部PDFがサービス豊富なくらいで。」
「資料とは図書館で探し出すか。」
「古本屋から仕入れるか。」
「新書を購入すべきです。」
「インターネットは資料ではありません。」
「WEBでは信用を逆手にとって欺く行為が簡単ですから。」
「どうやって見分ければいいのかと言われましても。」
「直観に依存するので。」
「善なる書物は弁証法が多く取り入れられており。」
「修辞学を習っている点が一貫しているもので。」
「よく出来ている本というのがポイント。」

妖女ロージー。
「玄人に尋ねるのが最善ってことかあ。」

妖女アリス。
「何も得しない本は本棚に戻す。」
「有害だと思った本も棚に戻す。」
「資料を購入する時はコツがたくさんあり。」
「探し手が弁証法を使いつつ時間をかけて術を習得し。」
「良書の持つ傾向を捉えれば失敗は減っていきます。」
「読書好きはたくさん本を購入するので。」
「愚書を購入する確率は極めて低い。」
「これは愚書をたくさん購入して欺かれた体験から。」
「悪い結果を分析して新しい書物に活かしているから。」
「少なくともポイントをこうして書いてしまえば。」
「愚書を購入する確率を減らすことができます。」
「蓋然性の高い書物が有益で。」
「穏健な意見は極端を取るよりリスクがありません。」
「難しい資料探しは失敗から。」
「悪書の持つ醜悪な点などを発見するしかありません。」
「図書館ではその訓練が可能です。」
「無料で本を読み放題なので。」
「長時間滞在して本を選び続ければ。」
「何が善いものか知れてきます。」
「私が失敗しなくなったのは。」
「蓋然性から真である書籍しか狙わないからです。」
「蓋然性から手に取って数秒で審査。」
「真であれば購入するのです。」
「偽であれば戻します。」

妖女イザベル。
「インターネットはもうやめてください。」
「情報操作や世論操作はWEBでは便利に使えます。」
「マスメディアが嫌だからと。」
「その反対が本当であると主張するのは間違っています。」
「極端です。」
「マスコミ嫌いからその反対が本当なのだ。」
「これは言ってはならないアピールです。」
「マスコミも人間ですから。」
「あなたも同じことをするでしょう。」
「論理的かつ合理的に考える人は愚書を避けています。」
「従って。」
「書籍選びは図書館で訓練してから。」
「本屋及び古本屋に入った方が近道でしょう。」
「これで少しは外れクジの確率は減りました。」
「予算は無限ではありません。」

妖女ロージー。
「やってみる。」
「膨大なレポートも読まないとだめかあ。」

妖女イザベル。
「アリスちゃんは最強の魔法少女に興味ある?」

妖女アリス。
「兵器と言われるなどの魔法少女には会いたくないわ。」
「分が悪いでしょ。」

妖女イザベル。
「資料映像を見ると。」
「歩兵二個中隊で囲んでもやられないそうよ。」

妖女アリス。
「戦闘力に特化しているのか。」
「タイプが違うから。」
「そんなもの相手にしたくないなあ。」

妖女イザベル。
「遭遇したらまずいわね。」
「考えておきましょ。」
「あなたは特に。」

妖女アリス。
「タイプが違うから戦闘力で勝負するのは・・・。」

吟遊詩人。
「こんにちは。」

妖女イザベル。
「気の利いた客を呼んだわ。」

黒服。
「戦果記録を届けに来ました。」
「アリス様万歳!」

妖女アリス。
「あんた破壊が随分と好きね。」
「私は有益だから見ても平気だけれど。」

黒服。
「そろそろ大規模な攻撃を再開しなければ。」

妖女アリス。
「ろくな戦力がないじゃない。」
「他の国家には戦力が残っているから。」
「巻き返しなさい。」
「工作ならいくらでもしてあげるわ。」

黒服。
「ではこの依頼を。」

吟遊詩人。
「これは歌いたくなります。」
「しかし見えない所でつぶやきましょう。」
「ずっと遠くに行った場所で。」

なぜあなたは自分をうんざりするほど。

たくさん見ておきながら。

まだ続く悪に心を染めるの?

なぜあなたはうんざりするほどに。

自分をたくさん見ておきながら。

まだ続く悪に心を。

ひたすら傾き続けて。

自己矛盾の塊になり続けて。

自己矛盾に蝕まれて壊れていくままに。

壊れていくままに。

なぜあなたは自分をうんざりするほど。

たくさん見ておきながら。

まだ続く悪に縋りつくの?


53


ホットハウス・アース理論。

地球「惑星」の限界は+1.5℃

2030年に温暖化が臨界を迎え。

自然環境がドミノ倒しに崩壊する予測。

科学的な裏付けが増えている。

遅くても2100年には発生する。

そして永久凍土から出てきた古代のウイルス「モリウイルス」

生物の体内に入ると12時間で1000倍になって細胞を突き破る。

今後、溶け出した氷から何が出るか得体の知れない。

モーションセンサー爆弾。

十年で結果が出る緊急事態。

残り時間は僅か。

葵ちゃん。
「しほちゃんはどう思う?」

志穂。
「その時まで生きているか知らないわ。」
「自分の寿命が長いとは思ってはいない。」

葵ちゃん。
「わたしも天寿が長いとは思わない。」

志穂。
「新世襲制があるとか聞いたわ。」
「世も末よね。」

葵ちゃん。
「猫に小判。」
「意味のない人を優遇しても。」
「害悪があるだけですよ。」

志穂。
「反対に意に沿わない人を追いやると。」
「社会にとって必要な人まで害悪を蒙るわね。」

葵ちゃん。
「その時に正当化しても無意味です。」
「プラトン曰く。」
「正義の敵は悪ではない。」
「正義の敵は別の正義。」

志穂。
「正当化すれば一方的に勝利できるというのは空想の中の話ね。」

葵ちゃん。
「全体主義者は個を持たないので。」
「決められた通りに動いているだけ。」
「個人主義は自分というものを持っている。」
「個を持つのは個人主義だけ。」
「新世襲制は全体主義から沿わない者を排除しているように見えるけれど。」
「過ぎたるは猶及ばざるが如し。」
「やり過ぎて甚大な害悪を生じている。」

志穂。
「資格のない者が手に入れますし。」
「不当な不幸に苛まされる人も出てきますし。」
「その優遇と冷遇は誰が決めるのでしょうか。」
「個人的な好き嫌いで決まっているだけでしょう。」
「新世襲制はそのように思えますが。」

葵ちゃん。
「カエサルのように戦争を仕掛ければ。」
「寡頭政治は排除できますよ。」
「止むを得ないほど新世襲制を処罰しなければならない。」

志穂。
「それで私が見たのは。」
「努力すればいいとか。」
「人間の力の限界なんてものがあって。」
「努力という人力ではどうにでもならない姿。」

葵ちゃん。
「この世の終わりに現れるというニーチェの予言。」
「末人が町中を埋めていると。」
「理に合わない現象をよく見ます。」

志穂。
「簡単に言えば地球は壊れているのです。」
「人類は自然に対して戦争をしかけています。」
「自然は常に反撃してきます。」
「これは自殺行為です。」

葵ちゃん。
「2040年には自然災害が苛烈化して。」
「台風も二倍以上の威力を持っている。」
「冬場でも熱中症の患者が出て。」
「夏場は外に出るのは自殺行為。」
「シベリアで38℃の猛暑が発生して。」
「モリウイルスという未知の病原菌が飛び出てきた。」
「あれは研究機関が調べるところ。」
「桁違いの威力を持っているとか。」

志穂。
「今後、永久凍土から何が出てくるかわからないけれど。」
「モーションセンサー爆弾よね。」
「人類が最悪な事をしでかしたら。」
「作動する爆弾。」

葵ちゃん。
「自然災害を支持する立場なので。」
「一緒に昇天しようと思っていますが。」
「神様が大好きな人は早死にするので。」
「例えばモーツァルト。」

志穂。
「その時まで生きていないかもね。」
「寿命が短いと思っている。」

葵ちゃん。
「ホットハウス・アース理論のシナリオ通りに進むと。」
「人の住めない環境が形成される。」
「そのうち生命体が存在できない惑星になる。」

志穂。
「日本書紀では天孫降臨から百万年経過した後に神武天皇が治めています。」
「その間に複数の文明が滅んでいるのでは。」

葵ちゃん。
「ギリシャ神話で。」
「わかりやすい理由で滅んだ四の種族のように?」

志穂。
「滅ぶのに時間は必要ないでしょ。」
「さようなら、遺言は?」

葵ちゃん。
「その時までに辞世の句をたくさん用意しないとね。」

志穂。
「ドッジボールで遊ばない?」

葵ちゃん。
「体の健康が精神の健康と直結しているから。」
「スポーツや運動の習慣は健康の最優先事項。」
「運動こそが健康。」
「運動が医者。」
「スポーツをやっている人は病気をしないでしょう。」

志穂。
「病気は中程度以上は到底耐えられるものではない。」
「軽傷なら誰でも余裕をかますでしょうが。」
「重症なんぞ絶句です。」

葵ちゃん。
「スポーツ女子は得点が高い。」

志穂。
「女性から男性への目線。」
「男性から女性への目線。」
「食い違う。」

葵ちゃん。
「色欲は強制であるので。」
「恋も強制だから。」
「未然に防いでおく。」
「待ち伏せしていれば色欲も恋も罠にかけられる。」
「しなければ異性に拉致されて。」
「もう脱出できない。」
「アセクシャルの視点。」

志穂。
「さて準備。」
「特番やるって。」
「月刊ムーを真に受けた連中が。」
「月刊ムーの内容をひたすらネタにする。」
「なんでも信じる馬鹿は引っかかるわよ。」
「幽霊なんていたら?」
「サタンに遭遇してさっさと奴隷になるか。」
「天使に遭遇してハデスへ強制送還か。」
「自然を巡回する神の使いに食われて消えるでしょうか。」
「日吉神社の近くにいる猿。」
「八幡神社の近くにいる鳩。」
「稲荷神社の近くにいる狐。」
「むかしから神獣がたくさんいるのがこの国です。」

葵ちゃん。
「これなに?」

志穂。
「設計図。」
「LinuxOSを改良して。」
「アプリ一覧をフォルダーにしたよ。」
「ひとつずつ開けるし。」
「左上のフォルダー選択アイコンで閉じたり開いたりできる。」
「フォルダーがすべてアプリの一覧と同じ表示で。」
「フォルダーをクリックすればアプリ一覧と同じく中身のファイルが表示される。」
「作業ディスクというウインドウに集約してある。」
「コマンドを打つタイプではなくて。」
「大量のコマンド集から任意で選択して実行する。」
「コマンド集があらかじめ豊富に用意されていて。」
「選択肢の中から実行する。」
「ウィンドウズ10を交換できるでしょう。」
「提案したら採算が取れないって。」
「もう少し普及したら採用されそう。」
「Linux」

葵ちゃん。
「OSって海外だと複数あるよね。」
「Linuxは無料で配布されているけれど。」
「コマンド入力で困りそう。」

志穂。
「マイクロソフト再生プログラムで手に入れたパソコンが余っていたから。」
「CPUがCorei7のゲーミングPC。」
「エンジンを回しているような挙動をしているわ。」
「発熱を無理に冷やしているし。」
「CPUの温度が100℃に達するというのは。」
「そのうち発火するのでは。」

葵ちゃん。
「高性能化だけを求めて安定性を無視した結果でしょう。」
「そんなパソコン使いたくないなあ。」

志穂。
「Corei5-10000の奴を使っているわ。」
「ノートパソコンに高性能CPUを装着すると。」
「発熱で壊れるからダメよ。」
「デスクトップでもエンジンみたいな稼働をするから。」
「ライゼン7とか程々の性能でいいでしょう。」

葵ちゃん。
「最新型のi5は初期型のi7よりも高性能ですし。」
「時代を先取りして失敗しそう。」
「何に使うんですか?」
「十年後にはCPUやパーソナルコンピューターの性能は。」
「全く別物路線になっているでしょうし。」

志穂。
「私もそう思うわ。」
「テスト機とは言え発火しそうだわ。」
「空調で冷却しても100℃に達するのは。」
「機械にしては不合格かも。」

葵ちゃん。
「powerPCなるものを姫ちゃんが持っていました。」
「グリペン戦闘機に使われているCPUらしいですが。」
「パソコンに無理矢理搭載して使っていたそうです。」
「信じられない。」

志穂。
「なんですと?」
「家庭用のパソコンに搭載できるの?」
「それ軍用のパソコン使っていない?」
「軍用のパソコンが民間用に転用されたから。」
「軍事用のコンピューター使ってるわよ。」
「パーソナルコンピューターもブラックボックスだから。」
「仕組みを知るには大学で二年も必要。」

葵ちゃん。
「時代をひたすら先取りして気絶しそう。」
「アーカイブを持っているよ。」
「ホットハウス・アース理論は有名です。」
「早くて2030年から発生します。」
「北極の氷が融解して。」
「海水が熱せられて。」
「膨大なメタンがさらに温暖化を推し進め。」
「いろんなものが誘発されて南極の氷も解けます。」
「後は人の住めない自然環境があるだけです。」

志穂。
「今後の研究で正確性が増しますし。」
「科学で証拠が揃うまで論文の扱いでしょうね。」
「でも国連のグレーテス事務総長まで言い出すと。」
「信憑性が揺らがない。」

葵ちゃん。
「今後、証拠が揃えばこの世の終わりも決定的。」
「別の展開があるとは思えない。」

志穂。
「楽観的な意見は出てこないでしょう。」
「外に行きます。」

ボールを投げて遊ぶ。

なかなか当たらないので。

持っているボールを盾にして防がれる。

防いでも逃げられるので接戦に。

葵ちゃん。
「巷では子供に責任をなすりつけようと頑張っている輩がいるとか。」

志穂。
「どうせステルスマーケティングでしょ。」
「あんまり有害だと立件されたりするし。」
「文学と言えども。」
「過激の度を越えた出版物。」
「それもアダルトDVDまでは行かないけれど。」
「警察に押収されて出版停止になったりした判例がある。」

葵ちゃん。
「人間は万能ではないので。」
「自分を診断するのにも限界がある。」
「真の客観は本人でも信じられないものだから。」

志穂。
「メタ認知があればいいのよ。」
「エゴイストの心理は独善であって。」
「自分だけが正しいと見なしている。」

葵ちゃん。
「人の事ばかり言えませんなあ。」
「早くボール投げれば?」

志穂。
「議論に夢中になって。」
「ここからが本番よ。」

激しくボールを投げあう。

100円ショップのテニスボールも落ちていて。

投げても当たらない。

必ず一手先を潰してくるんです。

息切れしてやっと両者五発程度当たりました。

志穂。
「やるじゃない。」
「初めて会った時から並ではないと思っていたわ。」

葵ちゃん。
「しほちゃんはみっちり訓練されているよ。」
「我流の立ち回りじゃない。」

志穂。
「次は折り紙やりましょ。」
「それとも風船がいい?」

葵ちゃん。
「風船を叩いて派手に吹っ飛ばす競技。」
「芸術点が問われるよ。」

志穂。
「さてやりますか。」
「一番弟子のパワーアップをとくと見よ。」

しほちゃんが前よりも倍の力を持っています。

成長するもんですね。

個人主義は個を持っています。

全体を無視するので単独行動できますし。

全体を持たないので自立しています。

野鳥が自己完結しているのと同じで。

全体に所属する理由がないのです。

生物として自己完結するのは個人主義であって。

全体主義者は決められた通りに動くロボットです。

全体がプログラミングした通りにしか動きません。

コンビニエンス・ストアにて。

葵ちゃん。
「憂いがあると悩みあり。」
「とにかく憂いは精神に悪い。」
「食べ物があるうちに食べ物について調べるべし。」
「過食は害だし飢餓は死に至る。」
「では中間はどうだろう?」

帰宅する途中。

家の前に。

巨大なカマキリがこちらを見ていました。

明らかに異常個体なので踏みつぶして殺しておきました。

既に粉々です。

わたしは全体主義を否定しています。

それは日本国憲法と歴史的前例からもわたしを裏付けています。

無敵です。



54


お宮の中の木材の段差。

通路のようになっていて。

そこに座って瞑想。

市民が頻繁に来訪するお宮はそこそこあって。

老人から若者まで様々です。

親子連れが境内で遊んでいることもあります。

信仰の有無は関係なく。

神々と個人との対話ですので。

神々は公園として境内を解放している場所もあります。

神様は全知全能で。

市民の事情も汲んでくれるのです。

相手の心を汲み取るのは尊い。

個性に合わせて交流してくれますので。

慣れてしまえば容易です。

雫ちゃん。
「境内にテーブルがあるのは嬉しい。」

紬ちゃん。
「すぐ目の前に小宮があるのは凄い。」
「イスも用意してあるのはよくわからない。」

雫ちゃん。
「神と人の違いを説いてもわかる人はいないでしょう。」
「人についてすべてを知っている神々です。」
「人間には限界があります。」
「その限界の中で暮らしていますし。」
「限界を超える知性は持ちません。」

紬ちゃん。
「神と人との関係を説いても理解しないでしょう。」
「人間の祖先は神々ですからね。」
「自覚している人はもっと簡単でしょう。」

葵ちゃん。
「女性に対しての知ったかぶり。」
「女性について知っていることにしている男性。」

紬ちゃん。
「人間の世界を維持するには厳格で勇敢な教えが必要でした。」
「大名が厳しかったのは。」
「人間にいろいろ許すと危険だから?」

雫ちゃん。
「いいえ。」
「性悪説です。」
「神様のやり方は人間の理解を超えたものです。」
「神様と人間の違いは。」
「神様が人間の理解を超えていて。」
「人間が他人を比較的簡単に理解できる点です。」

葵ちゃん。
「須賀神社に行かないと。」
「でも、三回も参拝しているけれど足りない?」

紬ちゃん。
「実存哲学からして女性の立場は悪く。」
「不利な状況から女性の立ち位置は開始されている。」
「歴史観から女性は必ずしも無能ではないですね。」

雫ちゃん。
「有能な女性はそこそこいて。」
「年代が進んでいくと少しずつ女性の立場が悪くなった。」
「修道女の中には女性の鏡とも言える女性も多く。」
「ヨーロッパでは女性の手本と言えば修道女。」
「修道女は結婚が禁じられている。」

紬ちゃん。
「日本では平安時代から室町時代において痕跡が見られるも。」
「戦国時代から江戸時代からと時代が変化すると。」
「女性に不利な社会情勢が増えていった。」
「いつの間にか女性は不利な状況に置かれた。」
「歴史観からすれば男尊女卑は真ではなく偽であるけれど。」
「結果論からして本当になってしまった。」
「女性は結婚して子供を生んで年を取るだけ。」
「この論証にどれだけ批判が集まるかを見れば。」
「時代が女性に様々な贈り物を提供しようと試み。」
「女性が拒んでいる様子を度々見る。」
「歴史の断片での女性は野心があり。」
「なにが男尊女卑に陥れたのか全くもって解明できない。」

雫ちゃん。
「こんな女性が演説した。」
「安心して子供を産める社会を。」
「いいえ。」
「十分に保護されているのにまだ望むのですか。」
「もちろん。」
「この女性にそんなこと言う資格はないと。」
「国民は非難している。」
「女性は夫と子供がいれば後はどうでもよくて。」
「そのパターンを歴史の中で永遠に繰り返している。」
「女性は大人になって結婚して出産して育児して。」
「夫に治められて年齢を重ねて最期。」
「これが歴史の中で永遠と繰り返されている。」
「これが変化する気配はない。」
「革命を起こす女性が女性の中から出現しない。」
「本質から見て不可能な事が女性に求められている。」
「新しいモデルを産み出すのは女性には不可能。」
「実存哲学で女性に敗北宣言が出されたのは有名です。」
「ニーチェを換言すると。」
「女性の負けです。」

葵ちゃん。
「事故は起こるもの。」
「失敗の言い訳としてもよく使われる諺。」

紬ちゃん。
「実存哲学強いですね。」

雫ちゃん。
「古代ギリシア哲学者の大半は反対者によって記録を抹消されたけれど。」
「残っているんだよね。」
「その書籍とかは。」

紬ちゃん。
「発掘すると出てきますよ。」
「哲学者って膨大な数いますから。」
「元祖学問なだけに研究が盛んです。」

雫ちゃん。
「この世の端があるのなら。」
「その端に手を伸ばすと。」
「その手はどこへ行くのか?」


紬ちゃん。
「進化論の変な所があるので。」
「猿はなぜ人間に進化する必要があったのですか?」
「わざわざ進化する理由がないでしょう。」
「なのになぜ猿は人間へと進化したのでしょう。」
「ここだけは説明できないんです。」
「動物だけで自然界が構成されていれば済む話なのに。」
「人間が誕生するのは生物的な矛盾になりますので。」
「猿が人間に進化する必要はないのです。」
「なのに人間がいるということは。」
「なぜ人類が誕生したかについて説明がありません。」
「進化論の盲点です。」

志穂。
「あら?学問ガールさん。」

紬ちゃん。
「ばったり会ったスーパーマン。」

雫ちゃん。
「今日は何を達成したの?」

志穂。
「あなた達は勉強会?」
「いつも思うけれど只者ではないわ。」

紬ちゃん。
「あなたはもっと只者ではないです。」

雫ちゃん。
「しほちゃんは特別だよね。」

志穂。
「聖書にも神は自分の所へ来た者を特別に扱う。」
「神はえこひいきなどはないからです。」
「という訳らしいわ。」

雫ちゃん。
「ここのお宮は境内広いから。」
「隠れた小宮がある。」

志穂。
「あれ?今まで見えなかった。」

雫ちゃん。
「お金の神と石板に書いてある。」

志穂。
「え?謎。」

紬ちゃん。
「奥の池は円形になっていて。」
「中央は厳島の再現になっています。」
「参拝方法が特殊です。」

葵ちゃん。
「お宮にはいろんな種類があって。」
「対面式は目の前に神鏡が置いてあったり。」
「暗闇であったり。」
「ご神体があったりするよ。」
「間接的な種類は。」
「目の前ではなくて上のほうにご神体があるから。」
「礼拝所の形で鈴とお賽銭箱がある。」
「小宮は直接的な種類で。」
「遠くにあるご神体と謁見する種類もあるよ。」
「こちらは遠く離れているから。」
「あんまり見ない。」

雫ちゃん。
「直接的なお宮は霊感が強くて負担も強い。」
「間接的なお宮は霊感が弱くて負担が低い。」
「遠方的なお宮は霊感が中くらいで負担も中くらい。」

紬ちゃん。
「ばっちり巫女さんに習っています。」
「わたしも巫女さんになります。」

雫ちゃん。
「資格取ろうかな?」

葵ちゃん。
「わたしがご神前に長く留まると。」
「不可知論が時々解除されるから。」
「霊威で圧迫されてしまうかも。」
「霊威を受けて平気なのも巫女の特徴ですし。」

志穂。
「外国では無神論とは言わないわ。」
「不可知論者と言うらしい。」
「目の前に御神霊がいらっしゃるのに。」
「少しも恐れないなんて。」

葵ちゃん。
「新年に氏子がお宮を開いて式典をするのですが。」
「あんまり接近すると持ちません。」
「霊威でやられます。」
「有能ではなく従者として都合がいいからと。」
「他の神職が選ばれているように思えます。」

志穂。
「神様を体験した人から見たら。」
「ご神前に長時間留まるなんて無理だわ。」
「認識では知ることができないので。」
「認識できないから平気なんでしょうかね。」

葵ちゃん。
「神社の夢をよく見るのですが。」
「悲運な人は御霊になることが可能みたいです。」
「祟りで災いが発生するかも。」

志穂。
「毎回、自分の親に会いに来ているようなものね。」
「たまには顔、見せたくなるでしょ。」

葵ちゃん。
「それは良い心です。」

雫ちゃん。
「情報の洪水だ。」

紬ちゃん。
「勉強と学問は違うけれど。」
「古典を読むと大量にある。」

雫ちゃん。
「なぜかむかしの人の方が優れている。」
「現代人より古代ローマの奴隷の方が優れているし。」
「古代ギリシアの賢人にどうやっても勝てない。」
「古代ギリシア人に勝利することなど不可能。」

葵ちゃん。
「それがわからないんです。」
「歴史は常に古典が必要です。」
「なぜかずっとむかしの人の方が優れているので。」
「現代人の説明がつかないのです。」

志穂。
「なんでも機械的に社会を作った害悪として。」
「現代人が歴史に勝てない状況を作ったのかも。」
「現代人は自業自得。」
「自分の行為の結果を自分で受けること。」

葵ちゃん。
「それは厳しい批判です。」

志穂。
「また会いましょう。」
「次は数時間後でしょうけれど。」

葵ちゃん。
「次があれば。」
「次に何が出てくるかわかりませんし。」

志穂。
「ならば。」
「また会うことになるわ。」
「何も起こらなければ。」

志穂は本宮に移動する。

葵ちゃんは瞑想を再開。

葵ちゃんは天啓の能力があるので。

何をすべきか簡単にわかります。

紬ちゃん。
「シェークスピア学者。」

雫ちゃん。
「いるよね。」
「古典文学は最高峰。」
「アリストパネスの蜂とか。」

紬ちゃん。
「裁判員になった父親がいて。」
「予知夢を見たからと言って父親をグルになって閉じ込めて。」
「騒ぎになって。」
「家庭で裁判することになって。」
「暴走した奴が訴追される。」

雫ちゃん。
「当時の裁判員は終わった後の検査で。」
「役人は好きにしていいルールでした。」
「なので暴行や虐待は日常茶飯事でしたね。」

紬ちゃん。
「法は尊んでも裁判官は信用するな。」

雫ちゃん。
「あれ?スマホでニュース。」

紬ちゃん。
「自衛隊の軽空母が運用開始。」
「チャイナも空母艦隊を多数配備。」

雫ちゃん。
「中の国が国産Su-27のマイナーチェンジ作りまくっているけれど。」
「旋回性能ではF/A-18Cの方が勝るんだよね。」
「本当に強いのかわからない。」

紬ちゃん。
「フライトシミュレーターで。」
「F-15の片翼をハンヴィーに追突させて折ったまま。」
「離着陸して技能訓練をしてみた。」
「意外と簡単だったけれど。」
「なぜでしょうか。」

雫ちゃん。
「イーグルの性能に助けられたとか。」

紬ちゃん。
「他の機体はダメだったし。」
「イーグルが優秀なのは認めます。」

志穂。
「あんたの荒削りな戯曲は発表するの?」

葵ちゃん。
「九年目まで待とうと思います。」

志穂。
「小説とかいう分野が稚拙に思えてしょうがない。」
「散文体の何がいいのかわからないわ。」

葵ちゃん。
「適当にこれが文学と言っているに過ぎない。」

志穂。
「弁証法も上手になったわね。」
「もう少し練習したら?」

葵ちゃん。
「そのつもりです。」

葵ちゃんは居眠り寸前でした。

瞑想再開。

完了。

帰ろうとすると。

死にかけた昆虫が突撃してくる。

ひらりと回避。

葵ちゃん。
「はい?大人しく食らうとでも思いましたか?」

紬ちゃん。
「人間のルール?」
「大人しく従うと思いましたか?」

雫ちゃん。
「世の中、裏ワザに限りますな。」

葵ちゃん。
「わたしは喫茶店行きますけれど。」

紬ちゃん。
「五分必要です。」

雫ちゃん。
「五分でなんとかする。」

葵ちゃん。
「ではわたし自撮りしていますね。」
「自分が好きなので。」

志穂。
「ナルシスト?」

葵ちゃん。
「男性にアプローチされては拒否しますが。」
「どうも客観的に女性を見れるのは男性だけで。」
「男性から学びました。」
「それでこうしています。」

志穂。
「なーるほど。」
「いい事聞いたわ。」

喫茶店に移動です。

平日も日曜日も余裕があるので。

いろいろなことをやります。

はい?もちろん自分のためです。


55


何もしないことは悪事をすることになる。

何もしないと悪くなったり、邪魔になりやすい。

何かをしていたほうがいいという警句。

乙葉さんがコンタクトしてきて。

浜松広報館に連行。

葵ちゃん。
「最後にいつ来たんでしょうか。」

乙葉。
「視点が違うでしょ。」
「ここも変化している。」

雫ちゃん。
「プラモデル。」

紬ちゃん。
「男の子みたいな趣味。」

雫ちゃん。
「それは影響されたから。」

乙葉。
「チケットは全部払うから行こう。」

最初にF-2戦闘機(型番不明)

葵ちゃん。
「グラスコクピットはタイフーンよりも優れています。」

乙葉。
「中の国はPL-15空対空ミサイルを装備しているから。」
「これで倒せるのかな?」

雫ちゃん。
「スパロー装備でPL-12に勝てるの?」

乙葉。
「セミアクティブホーミングでも。」
「相手を揺らがすくらいは可能。」
「散開すれば的にならないし。」
「敵機に損害を与えることはできる。」

葵ちゃん。
「ミサイルって有効射程で発射されたら。」
「すぐ反転すれば命中しませんし。」
「射程だけで決まらないと思う。」

乙葉。
「湾岸戦争でやっと。」
「旧式兵器では最新兵器に勝てないと分かったの。」
「それまでは旧式でも最新兵器に対抗できると考えられていた。」
「本気で旧式を出して最新鋭に勝てると誰もが思っていたの。」

紬ちゃん。
「それって交戦するまでわからないってことですよね。」

乙葉。
「評価と実戦は違うからね。」
「自衛隊の装備は貧弱に思えてしまうけれど。」
「なんでかな?」

雫ちゃん。
「模型がいっぱい。」
「人類って戦争大好きなの?」

乙葉。
「正義は武器に似たものである。」
「武器は金を出しさへすれば、敵にも味方にも買はれるであらう。」
「正義も理屈をつけさへすれば、敵にも味方にも買はれるものである。」

葵ちゃん。
「戦争は自然発生したと言われています。」

乙葉。
「相共に生活する人々の間の平和状態は、決して自然状態なのではない。」
「自然状態はむしろ戦争状態である。」
「即ち。」
「たとひ常に敵対行為が勃発してあるのではないにしても。」
「絶えずそれによって脅やかされているのである。」
「だから平和状態は樹立されなければならない。」
「何故かと言えば。」
「敵対行為が行われていないというだけでは。」
「まだ平和は保障されてはいないし。」
「尚且つ。」
「かかる保証の提出を求められた者が。」
「それを求めた隣人に対し、その保障を提出しないなら。」
「後者は前者を敵として取り扱ってもよいからである。」
「しかもこのような保障の提出は、ただ法的状態のみ起こり得ることだからである。」

紬ちゃん。
「戦争に反対しても戦争はあるので意味ありますか。」

雫ちゃん。
「正義が敗れる場面もあるんです。」

乙葉。
「正義はなされよ、たとへ世界は滅ぶとも。」

格納庫。

フライトシミュレーターがある。

戦闘機の展示品が大量。

イギリスの航空博物館みたいな構図。

葵ちゃん。
「戦争に反対すると。」
「仮想敵は付け込んでくるでしょう。」
「早く戦闘力が下がってほしいと。」
「平和を連呼すれば軍備や世論が扇動し。」
「士気や軍隊が弱くなります。」
「敵と競り合っている間に戦争を止めろとか要求したら。」
「相手の言いなり。」
「奴隷になるしかないのでは。」
「戦争に反対するのは矛盾していますよね。」

乙葉。
「戦争に反対するならば。」
「なぜこの兵器があるのですか?」

紬ちゃん。
「あの人達の平和っていったいなんですか?」

雫ちゃん。
「あの人達が言う戦争っていったいなんですか?」

葵ちゃん。
「矛盾していますよね。」
「突っ込みどころ満載ですよ。」
「利己主義者の思考は主観百パーセント。」

乙葉。
「足を引っ張っているだけです。」
「ギリシャ人の格言。」
「戦争は、悪人達を除去する以上に、悪人達を作るが故に、悪しきものである。」

雫ちゃん。
「真実に従って考察するだけで。」
「義であるからという理由で攻撃されたりして。」

乙葉。
「英語のことわざ。」
「その人と同じことを実行してからその人を批判せよ。」

雫ちゃん。
「戦闘機をこうして見れば。」
「兵器の方が雄弁。」

紬ちゃん。
「平和を訴えるなら。」
「きちんと武装しなさい。」

葵ちゃん。
「そもそも世の中には善人が少ないですから。」

紬ちゃん。
「日本国憲法は戦争を否定しています。」
「戦争は反対ではなく否定している態度が望ましいですね。」
「無論、わたしも戦争を否定したりします。」

雫ちゃん。
「戦争反対ではなく。」
「戦争を否定する態度でいます。」

葵ちゃん。
「でも歴史は戦争しかないから。」
「地球人類の生まれは戦いを目指している。」
「歴史観から見て人類は戦争をしなければならない。」

紬ちゃん。
「なるべく被害が少なくなるように。」

雫ちゃん。
「戦争するなら早く終わってほしい。」
「国際連合による国際社会は大歓迎。」
「国連を基準に考えたい。」

葵ちゃん。
「どうせ戦争はまた起きますよ。」
「哲人しか戦争の真理を知ることはできない。」

乙葉。
「プライドを売却して矜持を得るべし。」
「プラトン(饗宴)ではダイモン(精霊)が堂々と記されており。」
「プラトンの手助けをしている。」
「哲人による統治は究極形態。」
「なんでも成し遂げる黄金時代の設計図。」

紬ちゃん。
「支配によって醜悪なる行為が封じられていた。」
「歴史があるから今がある。」
「戦争って本当になんなの?」

雫ちゃん。
「戦争については知らない。」
「戦争ってなんだろうね?」

葵ちゃん。
「参加すればわかるよ。」
「湾岸戦争とイラク戦争をスルーして。」
「戦争を知らない今の世代?」
「寝ぼけたのでしょう。」
「歩兵のガンカメラをけっこう観ていました。」
「動画配信しているので。」
「戦争の資料から考察しています。」

紬ちゃん。
「他国の戦争には反対しない?」

雫ちゃん。
「同調して暴徒と化したケースもある。」

乙葉。
「暴動を起こした国民は、無法状態によって大きな災害を招いた慣例となる。」
「他国民に対する警告に役立つ。」

紬ちゃん。
「もはや世界を選びません。」

雫ちゃん。
「各国はしっかり武装しているので。」
「戦闘機って美しい。」

葵ちゃん。
「英語ことわざ辞典で。」
「選り好みする者は最悪を取る。」

乙葉。
「調和する世界が最高。」
「体験からして。」
「人は服従と調和の生き物。」
「支配階級を追いやってから。」
「自由人と奴隷がやりたい放題できる世の中。」
「という歴史観を持ってるわ。」

論争。
「足りないものを高慢で補うのは無理がある。」
「怒っていれば知識をごまかすことが可能であると思いたいのか。」
「まぐれで手に入れたイスにしがみついている。」

反駁。
「正当な議論をしましょうか。」
「正義が負ける所を見てみたい。」
「悪が勝利する光景を見てみたい。」
「なぜなら、どれも彼らの個人的な好き嫌いで決定されているから。」

論争。
「戦争についての結論は出ないですぞ。」

反駁。
「出る訳がないでしょう。」

紳士。
「結論なしという立場です。」

反駁。
「結論を置かない?それはいいぞー!」

F-4EJ改の展示コーナー。

乙葉。
「戦争についての結論も。」
「平和についての結論もない。」

葵ちゃん。
「わたしも同じ意見です。」

雫ちゃん。
「スカートでそんなことすると・・・。」

紬ちゃん。
「けっこう短いし。」

乙葉。
「女の子しか居ないでしょ。」

葵ちゃん。
「階段は危ないです。」

乙葉
「なんでも最高の時間があり。」
「その時だけはなんでも成功するものです。」
「あんまり人がいないから。」
「問題なし。」

葵ちゃん。
「わたしが内容を言い当てても?」

乙葉。
「随分と色事で遊んでくれますね。」

紬ちゃん。
「領空侵犯で敵戦闘機と格闘戦をすることがよくある?」

OB。
「爆撃機とかは多いですよ。」
「格闘戦に突入しても。」
「本気でやる訳ではないので。」
「帰ってくれればいいのです。」

雫ちゃん。
「旧式機で対抗できるんですか?」

OB。
「戦闘機の性能が全てではないよ。」

紬ちゃん。
「ごもっとも。」

雫ちゃん。
「核ミサイルって使えない兵器ナンバーワンだと聞きました。」

OB。
「反撃と破壊が酷くて使えるとは思いません。」

紬ちゃん。
「あんなに使えない兵器は人類史上初めてでしょう。」

OB。
「冷戦の時はいつでも戦争が発生する危険性はありました。」

葵ちゃん。
「おとはさんはそうなんですね。」
「先生は地味でした。」

乙葉。
「弄らないでよ。」
「若い期間はすべて使い倒す。」
「活用するから。」
「見られてもいいや。」

葵ちゃん。
「今日は休暇なんですか?」

乙葉。
「息抜きも必要でしょ?」

葵ちゃん。
「美人過ぎてダメ。」

乙葉。
「あれまあ女の人が好きなのね。」
「男なら紹介状に事欠かないけれど。」
「残念。」

葵ちゃん。
「個性です。」

雫ちゃん。
「X-15で大気圏離脱すると面白いですよね。」

紬ちゃん。
「大型機は操縦桿が重いですよ。」
「最近はF-35Bで揚陸艦から湧いて飛び立つのにハマっています。」

OB。
「物知りだね・・・。」
「ファントムは前面フラップを解放してから旋回性能は意外にも高いんだ。」
「ベトナム戦争ではMIG-21フィッシュベッドの驚異的な旋回に苦戦したよ。」
「F-15Jが就任しても。」
「傑作機だけあってまだまだ使えたんだ。」

紬ちゃん。
「AIM-120Bを装備したF-4F-ICEとかは好きですか?」

雫ちゃん。
「イギリスのファントム見たことありますか?」

OB。
「すごい人が来たね・・・。」

乙葉。
「フライトシミュレーター好きですって。」
「最近のは軍隊も訓練に採用しているから。」
「民間人のレベルも高いのよ。」

OB。
「そんな事情がありましたか・・・。」

乙葉。
「空で知った事があるのでしょう。」
「兵士が一番よく戦争を知っています。」
「司令官も大統領も。」
「太平洋戦争の原爆はさっさと投降すれば防げましたが。」
「今だから言えるんですけれどね。」

OB。
「本当に今だから言えることです。」
「当時の人は必死でしたから。」

葵ちゃん。
「今の男社会は男が勝ち取ったものなんだから。」
「男は勝者者として思うままに利益を享受すれば良くて。」
「いっさい女に配慮するべきではない。」

OB。
「爆弾発言です。」

葵ちゃん。
「女がそれを気に入らないなら、実力で勝ち取ればいい。」
「飲茶の最強!のニーチェ・引用。」

乙葉。
「強者の女性は関係ないけれど。」
「弱者の女性はいつも逃げ回るだけです。」
「女軍は神武天皇が使用した切り札。」
「かつて使用された女性だけの軍団は有名です。」
「日本は女性の主宰が生じやすいですし。」
「男尊女卑が真か偽かはわかりません。」
「みなさん行きますよ。」
「プラモデルくらいは任せなさい。」

雫ちゃん。
「年上の女性はあはあ。」

紬ちゃん。
「しずくちゃんまで狂気に呑まれた。」

葵ちゃん。
「綺麗だなあ。」
「好きにしたい。」

乙葉。
「情念を言葉にするんじゃない。」
「本気に取ってしまう。」

二千円はサービスしてくれました。

遊びのお誘いでしたが。

自衛隊はしっかり守っています。

意外にも結論にならないテーマが多いんです。

浜松広報館はそれを知る良い体験でした。

芥川龍之介の短章にこんな記述があります。

暴君を暴君と呼ぶことは危険だつたのに違ひない。

が。

今日は暴君以外に奴隷を奴隷と呼ぶこともやはり甚だ危険である。


56


危険思想とは常識を慣行に移さうとする思想である。


学校。

庭が広くて。

芸術家が手掛けている校舎と敷地。

中くらいのお城の雰囲気。

登校すると自由時間があって。

クラスの本棚によく置いてあるシェークスピア。

葵ちゃん。
「シェイクスピアはやりたい放題に書きまくる文法が特徴。」
「真似すると失敗しやすい。」
「影響を受けた人もやりたい放題に書きたがる。」

紬ちゃん。
「シェークスピアを読むとすぐ感化されるよ。」

雫ちゃん。
「シェークスピアを読まずに何が出来るの?」

志穂。
「おはようございました。」
「早朝からシェークスピア片手に雑談ですか。」
「女子もいい身分になってなにより。」

葵ちゃん。
「スィステーマ・ソラールというタイトルで出てくる。」
「ジェダイの騎士とシスの騎士。」
「魔法使いに立ち位置が似ているよね。」

志穂。
「ジェダイとシスと魔法使いは同義。」
「なくらいに似ている。」

紬ちゃん。
「作中は究極の歩兵として登場して。」
「ひとりで戦場を左右する。」

雫ちゃん。
「シス・ナイトも加わって激戦。」

志穂。
「指揮官がジェダイであったりシスであったり。」
「ジェダイとシスが融合すると?」
「どうなるかしら。」

葵ちゃん。
「科学だけ進歩して人間は進歩しないSFは嫌いです。」

志穂。
「娯楽だからそこまで細かく言わなくても。」

葵ちゃん。
「なんかルソー関連とかカントの平和論まで置いてあるけれど。」
「どこから集めたんでしょう。」

志穂。
「図書室はそういうので埋まっているわ。」
「尋常ではない古典マニアな校長。」

紬ちゃん。
「古い人間になりたくないので。」
「現代思想をやっつけて。」
「古典しか読まなくなりました。」

雫ちゃん。
「現在の小学生が何を考えているのか知らない。」

志穂。
「男性から盗めるものは盗む。」

葵ちゃん。
「中世ヨーロッパでよくあったのは。」
「騎士道で最初に教わる。」
「任侠。」
「弱い者を労る道徳。」
「弱い者を守る教え。」

志穂。
「強いものが弱いものを支配して良いという論証を作りなさい。」

雫ちゃん。
「論理崩壊。」

紬ちゃん。
「強いものが生き残るのなら。」
「なぜたいして強くない凡人が生き残っているの?」
「弱い部類に入るんだから。」
「上司や社会的強者には逆らえないはずですし。」
「強いもの勝ちなら上司に逆らうべきではないです。」

志穂。
「自分が強いと思っているのか。」
「本当は弱者なのに背伸びしているとか。」
「自分が弱いと思ってはいない奴とか。」
「できることなんてたかが知れているのに。」
「自分より強い相手に挑んで無事で済むのは勇者だけ。」

葵ちゃん。
「自分より弱い相手と戦っても虚しいだけ。」
「弱い相手と戦っても得られるものがないです。」
「みんな弱いから。」
「自分より弱い者としか戦わない。」

志穂。
「強いもの勝ちなら。」
「上司や政府には逆らうべきではない。」
「論理崩壊。」

雫ちゃん。
「実存哲学は猛威を振るいますねぇ。」
「その強いとか弱いとかは誰が決めるの?」

葵ちゃん。
「戦って優劣がつきます。」
「勝負するまでわからないです。」

志穂。
「つむぎちゃんは正論だと思うわ。」
「たいして強くない凡人が生き残っているのなら。」
「悪者に口実を与えてしまう。」

葵ちゃん。
「プラトン学派によると。」
「人は自分が悪であることに耐えられない。」
「だからなんとか自分を正当化しようとする。」
「なるほど。」
「自分を正しいことにして。」
「悪ではないことにしているので。」
「自分が悪であると自覚してしまうと。」
「破損してしまう。」

志穂。
「詭弁が多いのは無限の正当化でしょうね。」

葵ちゃん。
「世の中には詭弁が多いです。」

雫ちゃん。
「詭弁のひとつとして。」
「強いなら強者に向かっていけるハズですが。」
「強いとか言っておいて弱い相手としか勝負しないのは。」
「矛盾です。」

志穂。
「それって結果論から見るに。」
「弱さへの言い訳なのでは。」

紬ちゃん。
「格闘技を習って知ったのは。」
「筋力で戦ってはいない。」
「元々の筋力を有効にする技術があるんです。」
「我流が一番弱い。」

雫ちゃん。
「自己主張って大事ですよねー。」
「男性の中では優劣がついているようです。」
「男性って馬鹿ですね。」

志穂。
「ひたすら無謀。」
「匹夫の勇が目立ってない?」

葵ちゃん。
「女性を守るのは紳士や騎士ですが。」
「男性が女性に仕掛けても。」
「男性の中から防衛者が現れて暴漢を倒します。」
「男性の方が腕力があるとか言いますが。」
「ノックアウトパンチしか出来ない雑兵のどこが強いんですか?」
「アメリカの海兵隊員の方が200倍強いです。」

雫ちゃん。
「総合格闘技で試合に出るような男性を。」
「ケンカ好きな男性が避けるのは矛盾。」

紬ちゃん。
「腕力ってなんのことですか?」
「わたしは収穫期にお手伝いで。」
「大きな米俵を背負います。」
「あれって現代人の大半は担げない重量ですけれど。」

志穂。
「男性の戦士は男性の暴漢を倒している。」
「女性側が戦う意思を持たないから。」
「ザコにやられるのでしょうね。」

葵ちゃん。
「ザコの男性にやられる女性はしょうもない。」

紬ちゃん。
「小学生の時。」
「男の子を殴って血だらけにしてしまって。」
「大事になりました。」

志穂。
「なにそれ。」

雫ちゃん。
「格闘技って便利。」
「でもやり過ぎでは。」

志穂。
「戦争の技術を民間で使用すると。」
「女性でも男性を素手で殺害できるのは。」
「軍隊では誰でも知っているし。」
「海兵隊の女性は殺気が満ちていたわ。」
「相手にしたくない。」

葵ちゃん。
「女性の可能性について?」
「女性の能力は未知だから。」
「わたしも調べているよ。」
「形而上学。」
「そんなことが可能なのにもったいない。」
「同じ女性から見て。」
「猫に小判が多い。」

雫ちゃん。
「豚に真珠。」
「もったいないから私によこせ。」

紬ちゃん。
「しずくちゃんがダークサイドに落ちたあ。」

雫ちゃん。
「もうちょっと美形が良かった!」

志穂。
「中庸でいいのでは。」
「英語圏では程々でいいという教えがあるわ。」

雫ちゃん。
「一度、力を手に入れると使ってみたくなる。」

志穂。
「先生に習ったばかりで。」
「力の制御も満足にできないの?」

雫ちゃん。
「少しだけいい気になっていたい。」

志穂。
「ああそういうことね。」

葵ちゃん。
「世人の女性は男性から攻撃されても。」
「周囲に戦士がいるから。」
「男性対男性なんてどこにでもあるでしょう。」
「自分の得意分野を活かすべし。」

紬ちゃん。
「男尊女卑って偶然ではありませんか?」

雫ちゃん。
「成り行きでそうなったよね。」

志穂。
「男尊女卑の蓋然性は中くらいなので。」
「女性に関してはあらゆる点で蓋然性が物を言うわ。」
「高いか低いか。」
「真であるか偽であるか。」
「女性については蓋然性が不明な場合が多い。」

教師が入ってくるも。

ホワイトボードにテーマを書いて立ち去る。

本来の言葉の意味における民主政治は必然的に専制である。
何故かと言えば、民主政治はすべての人が一人を無視し。
或いは場合によっては彼に反してさえ。(従って彼はそれには同意していない)
議決し得る。
即ち、寛はすべての人ではないのに拘わらず。
すべての人が議決する如き執行権を許すからである。
しかしかかることは。
普遍的意志の自己自身に対する矛盾であり。
また自由に対する矛盾である。

雫ちゃん。
「今時の女子の雑談ってこれでいいの?」

紬ちゃん。
「もう少し女子高生っぽくなりますか?」
「どうしても力が余っているので。」

志穂。
「下校時に殺人犯を見つけたらぶっ殺してやる。」

雫ちゃん。
「なぜそんなに怒っているの?」

志穂。
「八つ当たり。」
「ガシャポン全部外れた。」

葵ちゃん。
「ギャンブルに投資しなくても。」
「外れのない遊びを推奨します。」

志穂。
「なぜ自分が怒っているのか分からない。」

葵ちゃん。
「力を持った女性は危険でしょうか?」

教師。
「力を持った女性は善い事です。」

志穂。
「カロリーメイトを忘れた。」
「貧血改善に役立つのに。」

教師。
「あなた何があったのですか?」

志穂。
「夢で。」
「見知らぬ男性がガシャポンを盗んで逃げるとさ。」
「このことね!!」

教師。
「それは残念でした。」
「何百円使ったのか知りません。」

葵ちゃん。
「教師に君子が多いのはなぜですか?」

教師。
「フランスの思想家ルソーは告白録の中で。」
「私がよい教師として通っていたのは他の教師がひどかったからだ。」
「と書いている。」

葵ちゃん。
「あらやだ。」

雫ちゃん。
「今日はいいことされないの?」

葵ちゃん。
「ずっと一緒に戯れている訳ではありません。」
「今日もお昼休みは凄いでしょう。」

授業進行。

お昼休みに呼ばれた屋上。

遊女の京子(けいこ)

木刀で勝負を挑んできました。

京子。
「一度、戦ってみたかった。」

葵ちゃん。
「チャレンジャーですね。」
「手加減はなしです。」

京子。
「力を持った女性がどれほどなのか見てみたい。」

葵ちゃん。
「そっちからどうぞ。」

京子。
「剣道部エース行きます!」

武器を攻撃してスタンさせたり。

フェイント。

突進するフリして後退したり。

後退するフリして突撃したりするも。

葵ちゃんは一瞬のスピードで。

接近戦に持ち込むと。

京子ちゃんを掴んで投げ飛ばしました。

京子ちゃんはなんとか立ち上がって向かっていくも。

葵ちゃんに。

サイドステップを連発されて何も出来ない。

京子。
「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ。」

葵ちゃん。
「動き回る相手には当てられませんか?」

京子。
「そんなに素早く動くと何も出来ない。」

京子ちゃん木刀で殴打されて降参。

京子。
「こんなの勝てる訳ないでしょ!!」

葵ちゃん。
「強いプレイヤーと試合が出来て面白かったです。」
「またやりましょう。」

京子。
「私が挫けていなかったらね!!」

志穂。
「実力差。」

葵ちゃん。
「戦闘で高揚すると勢いが増し。」
「被弾する確率が跳ね上がる。」
「兵士は高揚して突っ込めばいいけれど。」
「戦闘において興奮は禁物。」
「明鏡止水。」
「澄にして動揺なき心境を喩えるのに用いる言葉。」
「こんな言葉がある。」
「鏡に曇りがなければ塵垢がとまらぬが、塵垢がつけば曇りが生ずる。」
「それと同じに人間も長い間、賢者といっしょにおれば、心が澄んで過ちがなくなる。」

京子。
「うわっ!レベルが違うわ!」
「これは必然なのだ!」

教室で。

マックス・ヴェーバー。

職業としての政治。

為政者は道徳と切り離して政治を考えているようです。

新聞を読むと認識の違いがよくわかります。

共通認識なんかありません。

志穂。
「ガラスの家に住む者は石を投げてはいけない。」
「おのれに非をもつ者は人を非難してはいけない。」

クリスチャン。
「他人を裁くな、自分が裁かれないために。(マタイ伝7章1節)」
「英語圏の聖書は現代訳ではなく古文書形式。」

紬ちゃん。
「起承転結は漢文の詩で使われた技法。」
「小説で採用されていますが。」
「元々は漢文で詩を作る際に使用された文法なので。」
「万能であるかは懐疑的です。」

雫ちゃん。
「アリストテレスは戯曲に思想が用いられると説く。」
「実存哲学や自然哲学は基本。」
「模倣はギリシア文学で普遍的に行われていた手法で。」
「アリストテレスは情報量が多い文学を使えば。」
「ひとつから複数の物語を発生させられると説いた。」

紬ちゃん。
「迎合は全体主義に依存しているのですか。」
「人気も全体主義に属しているのですか。」
「同調した結果として人気もあるのですか。」
「芸術としての価値を無視しているのは。」
「大衆迎合主義なのでしょうか。」

君子。
「民衆も天才を認めることに悋かであるとは信じ難い。」
「しかしその認めかたは常に頗る滑稽である。」

葵ちゃん。
「実は自分の戯曲に何の自信もない。」
「分量もレベルも懐疑的に思えてならない。」
「哲学者に論駁されたらどうなるか知らないし。」
「世の小説家があそこまで自慢するのは不思議でしょうがない。」

志穂。
「書き上げた原稿。」
「哲学的な戯曲ですが。」
「これをどうしろと?」

紬ちゃん。
「中国の古典から小説に引用された技法が多いです。」

雫ちゃん。
「推敲という故事は。」
「古代中国のエピソードに収録されていて。」
「いろいろ作り直して間違った詩を指摘されて。」
「ニヤ笑いされた時に生じた。」
「いろいろ作り直して台無しにするという意味。」
「資料追いつかない。」
「玄人向けのアーカイブを参照するけれど。」

志穂。
「推敲。」
「驢馬の背に揺られながら。」
「ブツブツとつぶやいて。」
「放心しているうちに詩ができあがった。」
「賈島という人物の出来事。」
「次の句がふたつ出てきたので。」
「どちらにしようか迷ってしまい。」
「手で門を叩く仕草をしてみたり。」
「推す真似をしていた。」
「そのうち高官の一行らしいのに。」
「ブツブツ言って手真似しながら行列に突っ込んでしまった。」
「無礼者と罵られ。」
「韓愈の前に引かれた。」
「詩に気を取られて無礼に至った事情を。」
「賈島が話して詫びると。」
「韓愈は詩のことを訪ねて。」
「敲とした方がいいな。」
「と論じ。」
「意気投合。」
「ふたりは無二の詩友となり庇護者となった。」
「詩文の文句を練ることを推敲というのはここから生じた。」
「賈島の詩は推敲を重ねたもので。」
「表現に凝りすぎて意味の通じないものであると非難されている。」

佑衣。
「PDF形式。」
「ニュース。」
「この国は、いつの間にか北の朝鮮のような世襲制の国になっている。 」
「世襲排除・新規参入促進社会へ。」
「総理大臣が現代人元老院に入ろうとした。」
「世襲人間を追放しました。」
「世襲制は間接民主制でも嫌われ者。」
「最近の傾向は。」
「世襲排除、新規参入促進社会の実現にある。」
「これは都市活性化に止まらず、日本経済活性化にも必要である。」
「なぜなら、現在の世襲保護、新規参入排除」は否定されて。」
「格差は親(の職業・資産)次第」など格差問題の温床だからである。 」

七菜。
「専門家が専売特許を持っている分野を。」
「一般教育の教科書が定義するのはどうかと思う。」

志穂。
「馬鹿は打ったほうが直る。」
「悪法は打てないようにしている。」
「打ったほうが合理的。」
「この原理を悪用して馬鹿の一つ覚えをしたので。」
「打てないように悪法が必要になったけれど。」

佑衣。
「例えば。」
「手を出したら同レベルとか奴隷道徳を言ったら最期。」
「相手は好き放題に攻撃できる状況が作り出されます。」
「自衛もしないゴミとして扱われるのは奴隷道徳の方です。」
「これでは悪人が正しいと言っているのに過ぎない。」

志穂。
「プライドは市場の商人にとっては安い。」
「闇商人が高く買ってくれるわ。」

七菜。
「感情を相手にぶつけると。」
「相手も感情的になる。」
「感情論という名前の詭弁について。」

佑衣。
「論理的に言うと論理的に帰ってくる。」
「合理的に行うと合理的な結果にすぐなる。」

志穂。
「憤怒は損ばかりある。」
「テストしないうちに驕り高ぶるのは変態。」

教室は全員が別々の行動。

教師。
「生理が酷いならカロリーメイトを食べると。」
「マシになるかと。」
「貧血にはある程度は有効だと思われる。」

生徒。
「男性にも生理はあるんですか?」

教師。
「あるらしいよ。」
「性の解釈はデタラメだから。」
「詮索しないで欲しい。」
「病は策士。」
「あらゆる病気は姦計が得意であって。」
「どんな手でも使う。」
「病の策にハマらないように。」
「何が健康を維持できるのか調べる必要がある。」

女子。
「容姿と中身が一致した女性は見たことがありません。」
「男性にも言えることです。」
「肝心なのは中身とか言いますが。」
「どちらもダメならどうすればいいのですか?」

教師。
「性格が良い女性は久しく現れなかったけれど。」
「性格が悪い女性ならどこにでもいるので。」
「ナンパ男は正気ではない。」

図書室。

七菜。
「他人とやり方が違うからと言って。」
「攻撃される理由にはならない。」

佑衣。
「誰かが何かの欲望によって。」
「他人を犯罪者(悪者)にしたくて。」
「貶められて本当に罰せられてしまう人間もいる。」
「予言の自己実現。」

志穂。
「何を調べているの?」

佑衣。
「心理学。」

七菜。
「社会心理学。」

志穂。
「あの娘は屋上にいたわよ。」

佑衣。
「あおいちゃんは気分じゃないみたい。」

七菜。
「抱きついてみた時に雰囲気でわかった。」
「いつもいいことしないよ。」

志穂。
「これは論文?」

佑衣。
「民間のバス会社が飛行する車(もはや車ではなくて飛行機)の運用をすべて管理する。」
「民間人がミニ飛行機(彼らは車と呼んでいるが誤謬)を使用すれば。」
「どこかの高層ビルに突進したり。」
「飛行禁止区域に入りたがるに違いない。」

七菜。
「共同で書いた。」

志穂。
「空飛ぶ車って車ではないですね。」
「馬鹿みたい。」
「ヘリコプターでしょ。」

佑衣。
「民間の会社がバスや電車みたいに使ったほうが合理的。」
「じゃないと。」
「テロリストが使用することになる。」

七菜。
「こっちの論文も見て。」
「人工物による渇水で滅亡するシナリオ。」
「とある水系が渇水を起こして。」
「河川と周辺の人々の家屋に断水を引き起こす。」
「それが人類に打撃になって。」
「繰り返されて滅ぶ。」
「解決するには他の県から水を持ってくるか。」
「脱塩処理で海水を真水にするとか。」

志穂。
「そういうのが理解できるほど人間は賢明ではないわ。」

佑衣。
「本当に賢明ならこんな結果にならないし。」
「本当に一生懸命ならこんな結果にはならない。」
「本当に善人ばかりいたらこんな結果にはならない。」

錬度が上がって強力になる生徒。

普通の高校も近くにあるので。

駅前でよく見ます。

魔法使いトップ5を目撃。

聖也。
「ガーナの葬儀は新しい人生の始まりであると。」
「全員で祝福する形態を持っている。」
「最期に喜んでもらえるのは。」
「天に召された者にとっては嬉しいこと。」
「キリスト教の葬儀は神の元に帰ったという形式。」
「ガーナの葬儀は明るくて死生観が違っていいぞ。」
「人間への憎しみは持ち続けるだろう。」
「たとえ、敵側に寝返ったとしても。」

葵ちゃん。
「シスがいる!」

志穂。
「誰がダークサイドに落ちたの?」

葵ちゃん。
「男の子!」

聖也。
「死ぬのに時がある。」
「そのタイミングで死ねば苦はない。」
「平均寿命が万人に適用される理由はない。」
「偶然出来上がった思想はスルーするし。」
「死んだ後どうなるかは、死んだ後に考える事案であろう。」

志穂。
「世界の均衡とやらを取り戻す主人公が。」
「ダークサイドに落ちたのなら。」
「次回作は決定ね!!」

葵ちゃん。
「なに言っているの?」
「あれ?ちょうど駅で停車したから出て行っちゃった。」

志穂。
「わたしは本屋で買い物するわ。」
「次の駅で別れるわ。」
「学問と哲学のノーハウ集。」
「学問と実存哲学のノウハウ集。」
「反駁や議論の材料。」
「発売されたから。」

葵ちゃん。
「例えば。」
「人生とは何のことですか?」
「どうせ答えられないので。」
「人生なんて知らないのでは。」

志穂。
「なんとでも言って。」
「図書室で借りてきたけれど。」
「シェイクスピアは根本的にやりたい放題に書きまくる。」

正義よ支配せよ。

世界の悪しき者達がたとへ悉くそのために滅び行くにしても。



57


この学校には陽菜乃(ひなの)というエース女子がいます。

大勢の支持を獲得していて。

何か凄いことをするのではと。

今現代、目の前に天才がいたり預言者がいたりしても。

歴史観に寄れば不思議なことではありません。

アイドル系女子は民族衣装が好みです。

今日も図書室で。

陽菜乃(ひなの)
「私が甚だしく偉大な人物を例に持ち出すことがあっても。」
「誰も不思議に思わないでいただきたい。」
「なぜならば。」
「人間というものはつねに他の人びとが通った道を歩むものであり。」
「彼ら先人の行為を模倣しながら進むものだが。」
「先人の道は完全に辿ることができないし。」
「あなたが真似しようとする人物たちの力量にまで達することもないので。」
「賢明な人ならばつねに偉大な人物たちが通った道から入って。」
「甚だしく抜きん出たそれらの人びとの真似に徹するべきである。」
「たとえおのれの力量が及ばなくても。」
「せめて高貴な香りの幾分なりとも身に受けるために。」

生徒。
「今回は何を読んだの?」

陽菜乃。
「発見があったの。」
「これまでの教育は演繹法の前提しか言わなかったと。」

君子。
「みんな仲良くしましょう。」
「すべての人は仲良くすべきである。」
「隠れた前提。」
「子供であるという状態を利用して強引に言い負かしている現場がいくつかあったよね。」
「教育に言及するのは気が進まないけけれど。」
「前提ばかり話していて。」
「残らず全部が外れている。」
「前提を主張する割には、結論もないし、論証もないので、演繹法で失敗していた。」
「私は前提を否定する。」

女の子。
「どうして大人の人って詭弁が多いの?」

陽菜乃。
「大衆というものはきわめてわずかしか物を考えない。」
「彼らには、そのための時間と訓練が欠けているからである。」

志穂。
「心理学。」
「自己中心性バイアス。」
「人は誰かの気持ちを考えるときに。」
「自分の気持ちを参考にする傾向があり。」
「自分の気持ちは他人の気持ちと考えます。」
「人が他人のことを考えるとき。」
「自分自身を参考にしています。」
「自己中心性によって。」
「他人の事を正確に考えられないことがよくあります。」
「自己中心性がないのも良くないと考えられています。」
「分類はバイアスに属しています。」
「彼らが必要以上に利己的なのはそのためでしょう。」

陽菜乃。
「われわれが討論できる相手というものは、実は例外にぞくするほど。」
「わずかな人物なのである。」
「これに反して。」
「普通日常の人々は、誰かが彼らと同じ意見でないということだけでも。」
「すぐにそれを悪意にとる。」
「本当ならば、彼らの方こそ。」
「誰でもが彼らに賛成できるように。」
「自分自身の意見を工夫してもよかりそうなものなのに。」

志穂。
「無知な人間と議論すると気分を害するだけ。」

JK。
「リベラルアーツの授業では。」
「原爆投下も正当化できると教えられます。」

志穂。
「あらかじめ決められた通りに考えるように設定されているのでは。」

JK。
「意見が違ってもいいでしょう。」
「もちろん、合理的なのは私達です。」

陽菜乃。
「私が正義よ。」
「人間の考えをする者は人間に仕えなさい。」

君子。
「私も考えが変わっていきました。」
「以前は現代思想を教えられて。」
「なんでも信じていたのですが。」
「そういう馬鹿な所が無くなった今は。」
「現代思想とか人間の考えを信じる理由はありません。」

志穂。
「前には私も同じ意見をもっていたのだが・・・。」

陽菜乃。
「小学生まではみんなと同じ意見を持っていましたのです・・・。」
「残念ながら、馬鹿では無くなってしまい。」
「より合理的で理法の示す方向に行くことになりました。」

志穂。
「知り合いの社長に言ってみました。」
「所で、あなたが近ごろ主張されたところだが。」
「あれはどうしたのですか?」

陽菜乃。
「世間ではジャーナリストに振り回されて。」
「愚かな意見が飛び交っていますが。」
「一か月もすれば捨てるでしょう。」
「所で、あなたが近ごろ主張されたところだが。」
「あれはどうしたのですか?」

志穂。
「ジャーナリストは一種のアウトサイダーとして。」
「上級社会ではいつも、道徳的に最も劣った者を基準にして社会的に評価される。」

陽菜乃。
「運よく人間たちよりも書物を友として暮らすことのできる人は。」
「思想や知識が苦もなく伝えられ。」
「それとともにお互いの精神が軽快に作用し合うという状況しか念頭に置かないので。」
「人間世界はまるで様子がちがうのだということをとかく忘れがち。」

授業の開始アナウンス。

今日の授業は政治。

マックス・ヴェーバー「職業としての政治」

政治が権力-その背後には暴力が控えている-というきわめて特殊な手段を用いて運営されるという事実は。

政治に対する倫理的要求にとって、本当にどうでもよいことだろうか。

教師。
「為政者についてはこれを引用します。」

葵ちゃん。
「今も昔も変わらないですね。」
「中身だけは。」
「外装は変わりましたが。」

教師。
「本質は君主も民主も同じですよ。」
「統治の方法が違いますが。」

陽菜乃。
「世間では。」
「なにやら首相が退陣して喜んでいますが。」
「ではあなたは、我々が我々のリーダーを退陣することをお望みなのですね。」

教師。
「自分達のリーダーが追放されるのは喜ぶべきことですと?」
「酷いテーゼです。」
「実際はそうでしょうけれど。」

葵ちゃん。
「政治形態を変えてすべてが解決?」
「そんなうまい話ある訳ないでしょ。」

教師。
「すべての国家は暴力の上に基礎づけられている」
「トロツキーは例のブレスト・リトウスクでこう渇破したが、この言葉は実際正しい。」
「注釈。」
「為政者はどこにも道徳を持っていないので。」
「理解しておけ。」
「同時に、為政者に道徳を求めるのは間違っているという警句。」

女の子。
「なんだかんだで戦争に備えていますよね。」

教師。
「いますぐ平和が訪れる訳ではありませんね。」
「平和を知るには時期が早いのでしょうね。」

葵ちゃん。
「必要やむを得ざる戦争のみが正義であり。」
「それ以外に何の希望もない場合の軍備は憐れみである。」

教師。
「政治家は。」
「悪しき者には力もて抵抗え、しからずんば汝は悪の支配の責めを負うにいたらん。」
「という命題が妥当する。」
「平和主義者は、武器をとることを拒否するか放棄するであろう。」
「疲弊の時期が過ぎて、そこで信用を失うことになるのは、戦争ではなく平和の方であろう。」
「そしてそうなった責任といえば、われわれに一切の抵抗を禁じた例の態度であったのである。」
「しかし無意味な戦争、そんなことは今のところありえない。」

雫ちゃん。
「戦争と平和の前提ばかりあって。」
「演繹法から。」
「戦争はいけないものだという前提。」
「平和は無条件ものだとかという前提。」
「武器を捨てろという前提。」
「こうした前提から結論は導けません。」
「前提に誤りがあるので結論も間違っています。」

紬ちゃん。
「私は大前提を否定する。」
「私は小前提を否定する。」
「私は結論を否定する。」

教師。
「素晴らしい。」
「続けます。」

君子。
「示威行動。」

教師。
「無責任なジャーナリストの仕事がこれまでしばしば恐ろしい結果を生んだ。」
「危険なジャーナリストも存在する。」
「本当にすぐれたジャーナリストの仕事には、学者の仕事と少なくとも同等の才能が要求されるということ。」
「優劣がつく世界だから。」
「新聞やテレビを信じる理由はない。」

雫ちゃん。
「マックス・ヴェーバーは政治の説明書なんですね。」

教師。
「人間的に崩れてしまった下らぬジャーナリストがたくさんいても驚くに当たらない。」
「驚くべきは、むしろそれにもかかわらず、この人たちの間に、立派で本当に純粋な人が、局外者には容易に想像できないほど。」
「たくさんいるという事実の方である。」

生徒。
「政治の世界は綺麗なものだと思っていました。」
「実態は権力と裏側にある暴力による統治なんですね。」
「これが真実だったなんて意外です。」
「稚拙な時代が私にもありました。」

教師。
「この世がデーモンに支配されていること。」
「そして政治にタッチする人間、すなわち手段としての権力と暴力性とに関係をもった者は悪魔の力と契約を結ぶものであること。」
「さらに善からは善のみが。」
「悪からは悪のみが生まれるというのは。」
「人間の行為にとって決して真実ではなく、しばしばその逆が真実であること。」
「これらのことは古代のキリスト教徒でも非常によく知っていた。」
「これが見抜けないような人間は、政治のイロハもわきまえない未熟児である。」

君子。
「民間人は見抜けませんよ。」
「それが凡人の姿です。」

葵ちゃん。
「最近は新世襲制が横行していますね。」

教師。
「マキアヴェッリ。」
「新興の君主政体。」
「すべてにつきまとう困難。」
「政変の元をなす困難は、事態がより良くなるものと思い込んで、人民が支配者を変えたがることにある。」
「けれどもそれは思い違いである。」
「なぜならば事態がより悪くなったことを後になって彼らは身をもって知るのだから。」
「あなたは被害を与えてしまったすべての者たちを敵にまわすのであり。」
「そこへ導き入れた者たちを、彼らの思惑通りに満足させてやれないし。」
「彼らには恩義もあるので薬も使えず。」
「味方につけておけない。」
「地域住民たちの好意も必要で。」
「自分たちの目論見が外れ、当てにしていた未来への期待が裏切られたと気づくや。」
「反感を抑えきれなくなったから。」
「フランス王ルイ一二世はミラーノを占領してすぐに失った。」
「反乱を起こした地域を再度獲得。」
「不埒な者を罰して疑わしい者の罪を暴き。」
「弱った個所を補強して容赦なく強硬手段へ訴えた。」
「しかし世界が一丸となって立ち上がり。」
「フランス王の軍隊を撃破してイタリアから退けた。」

葵ちゃん。
「新世襲制・偶然が支配する世襲制。」
「マキアヴェッリ。」
「君主論・引用。」
「考慮すべきは。」
「みずから先頭に立って新しい制度を導入すること以上に。」
「実施に困難が伴い。」
「成功が疑わしく。」
「実行に危険が付きまとうものはないということである。」
「なぜならば。」
「新制度の導入者は旧制度の恩恵に浴していたすべての人びとを敵にまわさねばならないから。」
「そして新制度によって恩恵を受けるはずのすべての人びとは生温い味方にすぎないから。」
「この生温さが出てくる原因は。」
「ひとつには旧来の法を握っている対立者たちへの恐怖のためであり。」
「いまひとつには確かな形をとって経験が目のまえに姿を見せないかぎり。」
「新しい事態を真実のものとは信じられない、人間の猜疑心のためである。」
「ここから。」
「いついかなる時にも隙を窺って敵対者たちが襲ってくるのに。」
「そして徒党を組んで激しく立ち向かってくるのに。」
「防御する味方の側の生温い態度が生じてくるのだ。」
「その結果、彼らと共に、危機へ追い込まれてしまう。」

君子。
「いつか全てが出生で決まってしまう世界になると。」
「天授のもので恩恵を得てきた人々が憤慨しますよ。」
「近代化以前から天授のもので遂行してきた人達から。」
「それを暴力によって取り上げて。」
「機械化した世界に放り込んでしまいますから。」
「新世襲制に関する敵しかいなくなりますし。」
「誰も認めないでしょう。」

教師。
「出生のアドバンテージに依存していれば。」
「その人の力はたかが知れています。」
「本人の力ではありませんので。」
「倒しやすいでしょう。」
「新世襲制なんて本当にあったのならば。」
「本人の能力が常に疑問に晒されており。」
「誰もが依怙贔屓と罵るでしょう。」
「新世襲制は排除される結果になるでしょうし。」
「不可能な事を実行するのが新世襲制の特徴です。」

雫ちゃん。
「陰謀は君主を殺害して地位を得る為に仕掛けるも。」
「市民の怒りを買うのならその手は使わない。」
「陰謀が成功した例は少ない。」

紬ちゃん。
「ルサンチマンに有利なものを提供するのが新世襲制と呼ばれる。」
「人工の環境整備なのではありませんか?」
「しかし道徳では私達が勝っていますので。」
「不道徳な奴隷達が横暴を極める危険もあります。」

葵ちゃん。
「たまに言っています。」
「なにやら都合の悪いものを処刑して賞賛していますが。」
「ではあなたは、我々が我々の世界を破壊することをお望みなのですね。」

教師。
「いい具合に実ってきたよね。」
「葵ちゃん。」
「抜きん出ているよ。」
「続けます。」
「為政者は道徳を切り離していますので。」
「冷酷で何を考えているか分からないでしょうけれど。」
「間接民主制が永遠に続く証拠はありません。」

君子。
「先生は注釈をつける能力が飛びぬけています。」

教師。
「それはどうも。」
「ここで優劣がつく要因を述べたいと思う。」
「天才について。」
「天才の知性を客観的知性と呼ぶ。」
「通常人は主観的知性。」
「天才は世界に向かっていて。」
「世界を純粋に客観的に把握してそれの鏡となる。」
「それに加えてどのような技術的修練を積んでいるかに応じて。」
「芸術や哲学などの作品の中で再現される。」
「凡人の知性は家庭用のもので。」
「その人の意志に仕えている。」

雫ちゃん。
「天才の考察は古典に見られますね。」

教師。
「要約した個所は伝えるので。」
「面白い部分はメモをしておいて。」

紬ちゃん。
「天才の能力は結果なんですね。」
「最初に持って生まれるケースは稀。」

女の子。
「なんだか深い場所に入ったよ。」

教師。
「以上のことで天才と凡人は違い。」
「能力で大差が開いてしまうと考えられる。」
「天才は能力というより。」
「最初から性格や知性が違うために。」
「或いは凡人と言われる人が生活面でしか考えず。」
「天才が世界を見ているように。」
「数か所の違いで大差がつくだろうと考えられている。」

ホワイトボードの面白い部分をノートに記載。

古典の授業はこんな感じ。

特に何もない一日だったので。

なんとなくしたかったこと。

帰り際。

街へ散歩に行きました。

葵ちゃん。
「ジョルダーノ・ブルーノと同じく。」
「人間の間に処して彼らと交際するのと、みかけだけ人間に似て作られた連中の間に処して交際するのとでは。」
「なんという大きなちがいであろう。」
「原因について・第一対話ワグナー訳二二四項。」

志穂。
「バルタザル・グロキアン。」
「人間でない人間。」

葵ちゃん。
「ティルヴルヴェルのクラールの。」
「俗衆は人間のようにみえる、人間と同じものは、私はみたことがない。」
「グラウル訳140項。」

志穂。
「真理の言葉は単純ですね。」

葵ちゃん。
「上には上がある。」
「ああ!万能なることわざ!」

志穂。
「賢者は考えを変えるが、愚者は変えない。」
「多様性と複雑化。」
「エピステーメーも様変わりしてしまったから。」
「それに私の生は天授のもので。」
「人力ではどうしようもない。」
「新世襲制とか話題でしょうけれど。」
「そんなうまい話あるわけないでしょ。」

葵ちゃん。
「この世のものと言えば。」
「成功・権力・地位・金銭・名誉・名声・評判・物品・異性・子孫・長寿。」
「これしかないのにすべてを手に入れる?」
「悪人を優遇すればいいのですか?」

少年。
「依怙贔屓で成立する世界なんて住みたいと思うか?」

志穂。
「また会ったわね。」

葵ちゃん。
「どんな人ですか?」

志穂。
「リスナー。」
「協力者。」

少年。
「そうだよなー。」
「生まれで出世で大成功?」
「そんなうまい話あるわけねーだろ。」

少女。
「反感を買うような思想ですよね。」
「新世襲制。」

少年。
「出生でなんとかしようという考えは無謀だよ。」

少女。
「無論、天授のもので決定されるのなら異論はありません。」

葵ちゃん。
「ナポレオンはこう言いました。」
「すべて不自然なものは不完全である。」

志穂。
「ということは新世襲制なんて不自然なものだから。」
「不完全なシステムな訳ね。」
「欠陥品に決定されるおぞましい危険を知ったら。」
「到底、贔屓にされようだなんて思わなくなった。」
「不可能な事を実行するのが新世襲制の特徴。」

少年。
「素敵な女の子。」

葵ちゃん。
「それはどうも。」
「第三者から見てそうなんですね。」

少年。
「男尊女卑なんて嘘だ!」
「誰かの作り話だ!」
「俺は信じないぞ!」

葵ちゃん。
「男尊女卑を信じないほうが賢明かと。」

少女。
「私もそう思います。」
「この子は私の弟です。」
「今日は文房具の補充ですので。」
「しほちゃんまたね。」

志穂。
「次があればね。」
「次もあるだろう。」

散策して。

珍しいお店もあったりして。

このご時世。

商業は重要なんですね。

商売上手が世界を手に入れる。

処世術が行く末を左右する時代。

葵ちゃん。
「そろそろ帰ろうかな。」
「また学校で。」

志穂。
「ティマイオス。」
「時間は、永遠の動く影。」

永遠が存在しなければ、時間もありえない。

いな、われわれの知性が時間を生じうるのは。

われわれ自身が永遠の中に立っているからにほかならない。


58


現代思想。

その時代固有の思想で。

その時代の考え方がまとまった形。

現代思想に基づいて解釈されるため。

柔軟な考えをすべて妨げる。

その時代のみで通用する考え方であって。

なんとなく固まった思想を基準に物事を考えるため。

影響力は巨大で。

なおかつ。

その時代でしか通用しない思想であって。

人間に対して強力な固定観念を与えつつ。

現代思想からでしか世界を見ることができないなど。

現代思想には必ず触れて感化されてしまうため。

さらには現代思想は解けることは基本ないので。

別の時代の思想やいにしえの認識などを引き出して。

不自然な考え方を駆除する必要がある。

巫女服で散歩する葵ちゃん。

旗日でお宮に日の丸が掲げられているので。

記念に参拝する訳です。

葵ちゃん。
「神々はフリースタイルを好むようですが。」
「なぜでしょう。」

雫ちゃん。
「教化されたからわかるんだと思う。」

紬ちゃん。
「神々に感化されると。」
「人間の考えは無くなりますからね。」

葵ちゃん。
「人々に神と人との違いや。」
「神と人との関係を説いても理解しないでしょう。」

紬ちゃん。
「それはニギハヤヒ様の台詞です。」

雫ちゃん。
「人間に仕えているのか。」
「神々に仕えているのか。」
「どっちつかずの人がいたりする。」

紬ちゃん。
「天皇の時代は。」
「人事や信仰に決まった形式はありませんので。」
「人の世に移行してからも。」
「後天的な努力で出世も簡単でした。」
「現在は全部機械的で形式主義です。」
「現代思想で判断しているに過ぎません。」

葵ちゃん。
「人間は都合のいいように状況を持っていきたいと願っていますが。」
「神様に尋ねるごとに回答を貰えたりします。」
「暗号化されていますので。」
「八幡神に尋ねるとキジバトがメッセンジャーになりがちです。」

雫ちゃん。
「賀茂神社に尋ねると。」
「カラスに遭遇する確率が跳ね上がったりもするよね。」

紬ちゃん。
「神様のやり方と人間のやり方は異なりますし。」
「そういうのを説明しても理解する人はいないかも。」

葵ちゃん。
「巫女服をたくさん作れるとは思いませんでした。」
「お姉ちゃんが得意ですので。」

紬ちゃん。
「巫女は侍女や神の使いを意味しますし。」
「不可知論を無視して神様を認識している時には。」
「娘のような扱いです。」

雫ちゃん。
「神職は管理人や神様の代理という印象が強いですね。」
「神様は本物しか尊重してくれませんが。」

葵ちゃん。
「神様から見たらどう?」
「人間がそうであると言っても。」
「神様から見たら違ったりします。」
「人間が否定しても。」
「神様は肯定している場合もあります。」
「そういう領域まで踏み込めないでしょう。」
「ことわざ通り。」
「底には底がある。」

紬ちゃん。
「神観誤謬という概念もありますし。」
「巫女服で参拝するのも。」
「人間の考えを無視しているから。」

葵ちゃん。
「ですから。」
「神様について説いても人間は理解しないでしょう。」

雫ちゃん。
「その後に。」
「ニギハヤヒ様に斬られた人間がいます。」
「異論は危険です。」

葵ちゃん。
「お賽銭はその時に出せる最大の金額がいいですよ。」
「霊験は時間差がありますから。」
「あとは。」
「霊感を感知して神様の対応を観察してください。」
「神様は実行力を持っていますので。」
「問答無用に押し進めます。」
「霊威に耐えるのは訓練が必要です。」

祈って。

小宮に移動。

何社か境内に鎮座。

紬ちゃん。
「知らない所で霊験あらたか。」

葵ちゃん。
「氏神様のお宮には。」
「最低でも三十回参拝しないと。」
「それも短期間で実行しないと。」
「認めてはくれませんよ。」

雫ちゃん。
「神様から貰ったものを粗末に扱ったり。」
「活用方法を知らなかったりすると。」
「逆罰のきっかけになったりして。」

葵ちゃん。
「祟り神と接して。」
「少しくらい食らうのも。」
「神様について知る方法のひとつです。」

看板が多くて。

詳細な情報を得ることができました。

御祭神を熟知しているかそうでないかで。

霊験も変化します。

葵ちゃん。
「礼拝は要求される場合もあります。」
「神様に応えないと。」
「呆れた顔をされるでしょう。」
「自分のことをすべて伝える必要もありますからね。」

紬ちゃん。
「神道は多様性がありますよね。」
「ヨーロッパの神学概念も吸収できますし。」

葵ちゃん。
「参考にするとより理解が深まりますし。」

雫ちゃん。
「日本書紀の公式バージョンって。」
「民間には殆ど出回っていないとか。」

葵ちゃん。
「最近、公式バージョンが出てきましたが。」
「あんまり見かけないですね。」
「可能なら神職執筆版とか。」
「専門家や編集グループが発行している版とか。」
「本物と偽物の区別がつかない時点で知れていますけれど。」

紬ちゃん。
「本物ならば証拠の品や。」
「証となる何かを得ているはずです。」

雫ちゃん。
「賽銭箱が中に格納されている。」

紬ちゃん。
「それは技術が必要です。」

葵ちゃん。
「一か月に一回は参拝しましょう。」
「ちなみに私は浄財に古銭を入れました。」
「安物の古銭でもいいので。」
「一度でも入れるのは本物の証拠になりますし。」
「五円玉が集まり過ぎて。」
「それも平成元年の五円玉です。」
「すべてしかるべきお宮に納めました。」

雫ちゃん。
「なにそれすごい。」

葵ちゃん。
「これが画像です。」

紬ちゃん。
「すごいくらい集まったんですね。」
「さすが巫女さん。」

境内から出ます。

詩人が歌を練っていましたよ。

こちらに見惚れているので。

歌について尋ねました。

少年。
「僕が女性でしたら男性の風刺詩を書いているでしょう。」
「僕は男性なので女性の風刺詩を書きます。」
「僕のお姉さんが男性の風刺詩を書いているので。」
「今は人目に見せるべきではありません。」
「詩を見たいのなら発表する際にその場に居合わせてください。」

葵ちゃん。
「女性が女性の風刺詩を書いてもいいような気がしますが。」

少年。
「その場合は高みの見物が可能な女性ならの話でしょうか。」
「もちろん僕のお姉さんも女性の風刺詩を書きます。」
「嘘がつけないという理由で。」
「失礼します。」

少年は立ち去りました。

帰宅すると着替えて。

みんなでレースを行いました。

ランダムで指定した場所へ。

電気アシスト自転車の最強モードを使い。

先に辿り着いた人が勝利です。

雫ちゃん。
「あれから鍛えたから。」

紬ちゃん。
「幾何学の実践はバッチリ。」

葵ちゃん。
「では時計が03分を指したら開始です。」

スタート。

けっこうこの遊びは頻繁に繰り返しています。

健康に良い遊びは。

健全な体の構築に向いていますし。

動ける体はトレーニングで養います。

旗日のレースはもう一回続いて。

常に接戦なのです。

機械化する文明は健康を害することが多いです。

不自然な行動が多いですから。

運動する習慣のある人は自然体で健康なのですね。

男性を模倣した女の子はまだ向上できそうです。


59


極端はすべて悪。

全体主義者が発狂して。

政府関係者を襲撃していますので。

娘と偽って同行している葵ちゃん。

為政者。
「志願兵一人は徴用兵二人の価値がある。」

葵ちゃん。
「機密情報の輸送ですからね。」
「煙のあるところには火があるとは言いますが。」
「消火が満足ではない?」

為政者。
「全体主義はいつの時代も暴政の加担者でしたし。」
「歴史的な前例なら幾らでもあります。」
「名がある女性が護衛なら頼もしい。」

葵ちゃん。
「ウェポンズフリーを命令して頂ければ。」
「いつかのように敵全員を抹殺しますよ。」
「今回は暴徒が相手ですが。」

為政者。
「なぜあのような行為をしているのか分からない。」

葵ちゃん。
「見えない所で発生した姦計や危険思想でしょうか。」
「説得が上手なだけで扇動は可能です。」
「蓋然性が高い情報よりも説得力がある情報の方が信じられる。」
「説服と言って説き伏せて思想改造するんですよ。」
「説き伏せられていいようにされているので二度と解けませんが。」

為政者。
「それは本当なのか裏付けが必要ですな。」

葵ちゃん。
「だって、人は見たいと欲する現実しか見ない。」
「この心理を悪用したもんですから。」

為政者。
「カエサルの作戦を使ったのか!」

葵ちゃん。
「わたしが見た限りではそうです。」
「そろそろ到着です。」

地下政府がある都市。

入り口は隠された場所にありまして。

葵ちゃんと護衛と為政者が扉を開けます。

緊急時の臨時政府として整備するのです。

葵ちゃん。
「讒言で貶められた哀れなスポンサー殿。」
「民間人がストーカーしていたとか。」

為政者。
「なにがあるのか。」

葵ちゃん。
「入り口の付近まで市民が偵察に来たそうです。」
「素人の尾行ですね。」

為政者。
「目的はなんだろうか。」

葵ちゃん。
「見たいと欲する現実しか見ない。」
「それが反社会的なストーリーであっても。

為政者。
「女の子を頼る老齢ですか。」

葵ちゃん。
「第二次世界大戦で女性兵士は数えきれないほど動員されました。」
「女性でも勲章を貰った人もけっこういるもんです。」

為政者。
「汎用性が強みですな。」
「席を外す。」

フィロー。
「正義の敵は悪ではなく別の正義。」

葵ちゃん。
「久しぶりです。」

フィロー。
「ファーストキスがあの女で良かったー?」

葵ちゃん。
「念の為にもう一回しておきました。」
「羨ましい?」
「お泊まりで遊んだ時に思いっきりされた時は。」
「気持ちよかったのですが。」

フィロー。
「たまらない!そんなふうに言わないで!」
「情念にどっぷり浸かるわあ。」

葵ちゃん。
「狂気の女性なんてレアです。」

フィロー。
「よく狂人と言われるわ。」
「なにか知らないけれど。」
「狂ったように戦うと大体ぜんぶ倒れている。」

葵ちゃん。
「戦闘で狂気が発揮されると手に負えないでしょう。」
「わたしは一瞬を捉えて跳ね飛ばしたので。」

フィロー。
「わたしのアイドルちゃん。」
「あの時よりも戦い慣れているよ。」
「呪術で戦闘力がダウンしていたから。」
「捨て駒にされかけた。」

葵ちゃん。
「捕虜になって無理に引き入れられたとか。」

フィロー。
「金塊を出しても拒むという理由で。」
「細工されたけれど。」
「全部解いてもらった。」
「でもひとりに数十人を動員するなんて滑稽だった。」
「疲弊させて倒れるのを待つだなんて。」

葵ちゃん。
「魔法使いは貴重な人材ですから。」
「無理にでも加えたかったのですね。」

フィロー。
「そういうこと。」
「地下政府は現在整備中だから。」
「終わるまで常駐するよ。」

葵ちゃん。

居眠り。

人の運命は機械的。

無限に広がる奥底まで続く。

歯車の集合体。

中には歯車が合わないギアも多く。

歯車が合うギアは機能するのみで。

しかしあれは人の一生など。

機械的な歯車でしかない。

葵ちゃん。
「人の一生は機械的に定められている。」
「機械文明に生きている我々は。」
「潜水艦のような閉鎖環境に置かれている。」

モナ。
「寝顔が見れたね。」

葵ちゃん。
「あれ?こんにちは。」

モナ。
「世界の各地で紛争があるけれど。」
「かつて存在した魔法使いの半数は戦死したよ。」
「子供は最初。」
「幽閉されているし。」
「牢獄の中にいるようなもの。」
「脱出するには他者の助けが必要。」
「レスキューが来ない限りは出られない。」

葵ちゃん。
「わたしのことですか?」
「壁にぶつかる時は前進を続けるからです。」
「裏技や裏道があるので。」
「最初から道を間違えているんです。」
「壁は自分に集中させてトンネル・ビジョンに貶めます。」
「でも。」
「ゲーム理論はチートや反則を認めています。」
「その幽閉されている子供とか壁とか言うのはチートや反則で片づけられます。」

モナ。
「そこまで言えるとは。」
「女子高生とは思えない。」

葵ちゃん。
「師匠から教わりました。」
「学問は臭き菜のようなり、能く能く臭みを去らざれば用いがたし。」

モナ。
「あの人手練だよね。」

葵ちゃん。
「少し書を読めば少し学者臭し、余計書を読めば余計学者臭し、こまりものなり。」
「知識はこれを学ぶ者の心に同化させられ、その品性に現れる時においてのみ、真に知識となる。」

モナ。
「お見事!」
「今は居眠りしておいたほうがいいよ。」
「暴徒が周辺を俳諧しているから。」
「体力温存。」

武士。
「同じ傭兵でござんすな。」

葵ちゃん。
「男性の魔法使いですか?」
「初めて見ました。」

武士。
「武士の女性。」
「武芸は女子の健康と護身。」
「非常事態に助けとなる。」
「夫や子を助ける献身的な役割に徹していたも。」
「家庭を義務としない観念が自然発生すると。」
「家庭を排除した生き方に変換する。」
「新しい形の女性が生じる。」
「正しい道理から来る義務が義理なため。」
「世俗が恣意的な解釈を繰り返し。」
「詭弁と偽善から堕落した。」
「世俗が義理と称したら詭弁か偽善の口実に持ち出している。」

葵ちゃん。
「武士の妻と娘も武家の高度な教育を受けていました。」
「わたしを育てたのは八幡神。」

武士。
「人間の考えを避けれたのは大きいぞよ。」

葵ちゃん。
「武士道でウソとは、何でも真実でなきこともしくはホントウでなきことを示すために用いられる。」

武士。
「女と思って失礼であった。」
「よく訓練されておりますよ。」

為政者。
「本当に讒言がありましたよ。」

葵ちゃん。
「格言の通り。」
「人を泥棒と呼べば、彼は盗むであろう。」
「人を悪く言えば悪者になる。」
「そういう理屈を知った上で讒言や悪口は言われるもんです。」

為政者。
「作戦という訳か。」
「それはどこかで読んだことがある。」
「もう少し時間が必要なので。」
「よろしく。」

フィロー。
「封建制を専制政治と同一視するのは誤謬である。」

モナ。
「ドイツ皇帝の言葉を借りれば。」
「王位は神の恩恵により、かつ神のみに対する重き義務と巨大なる責任を伴う、いかなる人も、大臣も、議会も、国王からこれを免除しえないのである。」

フィロー。
「フレデリック大帝の言葉を借りれば。」
「王は国家の第一の召使である」

葵ちゃん。
「上杉鷹山曰く。」
「国家人民の立てたる君にして、君のために立てたる国家人民には無之候。」

フィロー。
「この娘大好き。」

モナ。
「武器の点検中だよ。」

フィロー。
「手品で出すタイプはあんまり関係ないけれど。」

葵ちゃん。
「狂気は天才の始動因(アルケー)であるため。」
「狂気で戦闘を仕掛ける人物が戦いの天才を遥かに凌駕していることは。」
「自ずと知れてくる。」

フィロー。
「よく言われるわ。」
「戦闘中は狂っていると。」

葵ちゃん。
「武器が大量にあるということは。」
「融和は難易度が高いですね。」
「無理ゲーとか言う類では?」

モナ。
「融和を呼びかけるのは善い事ですが。」
「相手が賛同するかは別の話です。」
「敵になっておいて仲良くしようと言い放っても。」
「相手はそれを利用するでしょう。」
「例えば。」
「握手しながら寝首を掻くような真似をする。」
「融和を呼びかけること自体は善い事なのですが。」
「誰もが賛同する訳がありません。」
「主権が絡んでくると。」
「相手を倒す選択肢しかありませんし。」
「全員が賛同することはありませんので。」

フィロー。
「後のエバを惑わしたヘビは主がけしかけた。」
「ヨーロッパの人々は神よりサタンに似ている。」
「わたしはそう思っている。」

モナ。
「ヘビという被造物を敢えて放置していたような。」
「創世記の神話。」

葵ちゃん。
「私が贈ったナチスの映像からでしょ。」
「表情は最悪の密告者である。」
「ですから。」
「人をこの視点で観察しています。」

フィロー。
「ユダヤ人虐殺という構図から。」
「ユダヤ人という要素を取り除くと?」

モナ。
「それって何の理由もなく殺したのでは?」

フィロー。
「ユダヤ人はこうだから。」
「これって他の対象にも転嫁されかねない。」
「ナチスがその後無残なやられ方をしたのは。」
「第二のモーセが連合軍のどこかにいたから?」

葵ちゃん。
「第二次世界大戦の影響は潜在的に残っていますからね。」
「反戦論としては無謀な戦闘ばかりです。」
「ユダヤ人がドイツ人に置き換えられたら。」
「同じことをしますか。」
「違いはないですよね。」

フィロー。
「アリストテレスの言葉を借りれば。」
「あんなことをする連中は他にも同じようなことをする。」
「酷い悪事をした者は他にも同様の悪事をする。」

モナ。
「ヤハウェの直訳は主だから。」
「関係あるのよ。」
「同じ神様を信仰しているから。」
「旧約聖書を重んじる派閥だし。」

フィロー。
「これを公にすると論争の標的になるけれど。」

葵ちゃん。
「ルネ・デカルト曰く。」
「論争の標的にならないものはない。」

モナ。
「避けられないので。」
「自分の持論を持ち出しても無意味だわ。」

葵ちゃん。
「わたしの意見の批判者として。」
「わたし自身よりも厳格で公正だと思われる人には。」
「まず一度も出会わなかったわけである。」

フィロー。
「敵の魔法使いに発見されたそうです。」

葵ちゃん。
「いま行きます。」

地上で戦闘が発生。

敵の通信を傍受。


60




パターナリズム。

温情的干渉主義。

憲法で定められた自己決定権を。

当人のためにならないという理由で承認しない問題のこと。

レナッタ。
「お父様、慎重な指揮官の方が尊ばれます。」

エンリコ。
「一気に決着をつける。」
「数は多いんだから。」

レナッタ。
「損害が出ていますよ。」

エンリコ。
「全体主義者をけしかけろ。」
「暴徒を利用すれば数では二倍。」

レナッタ。
「市民を洗脳して政治犯の手駒として利用する。」
「今更誰も信じないでしょう。」

エンリコ。
「自分の為に市民を利用するなんて。」
「馬鹿な作戦を実行した奴らがいるんだよ。」
「一応は役に立っているから。」
「恩恵を受けておいて非難するのは筋違いだ。」

レナッタ。
「前衛の部隊を撃破したら。」
「私が乗り込みます。」
「負けたら即終わりの作戦が続いていますね。」

エンリコ。
「なんでだろうな。」
「負けると分かっているのに戦っているなんて。」

レナッタ。
「同感です。」
「遺言状を書いておいてよかったです。」
「どうせ死にますから。」

地下に侵入してきた兵員。

突然現れたフィローに切り刻まれる。

エンリコ。
「あの時の娘じゃないか。」

フィロー。
「あの時はお世話になりました。」
「ここで抹殺できるのが私の喜び。」
「あははは!!」

敵兵を殺しつつ。

狂っていくフィローが敵の攻撃を阻み。

数少ない敵兵を食い止める。

フィロー。
「あなたもハデスに落としてあげる!」

敵兵。
「相手の魔法使いが強過ぎます。」
「ネガティブ。」

フィロー。
「地獄は善意か希望で満ちている。」

罪さえ、帯びない刃。

次々と倒されていく。

アリのように小さい彼らに。

次々と殺され。

まるでアリのように。

次々と殺されていく。

アリのように小さい彼ら。

アリのように小さく。

殺されて。

アリのように小さい。

次々と殺されて。

罪さえも帯びない刃で。

狂気の力で。

エンリコ。
「こっちは死にまくっているぞ。」
「レナッタ!」

敵兵。
「素早い!?」

エンリコ。
「集中砲火!」
「撃ちまくればシールドは壊れる。」
「無敵ではない筈だ。」

フィロー。
「もっとやらせて。」
「こちらが斬ろうとしているけれど。」
「相手はこちらを殺したがっている。」
「あはは!」

レナッタ。
「わたしが相手です。」

大型メイスを振り回してフィローに挑む。

ひらりひらりと避けられる上に。

引いて守っていた葵ちゃんが割り込む。

劣勢と見たレナッタはメイスを葵ちゃんに撃ち込もうと突進。

フィローが追いかける。

その隙に敵兵は突撃。

モナは突撃銃で応戦中。

引いて避けてくる葵ちゃんに命中せず。

クレイモアを伸ばしてサイドステップを繰り返すため。

相手の剣を払うか回り込むしかない。

メイスの場合はカウンターを食らってしまう。

レナッタ。
「くっ!この娘も強い!」

フィロー。

素早く移動して銃撃を掻い潜り。

敵歩兵小隊を撃破。

激しく動き回るフィローに弾が当たらない。

リフレクターを展開されて。

当てても跳弾するので。

一方的。

エンリコ。
「貰った!」

フィロー。
「残念でしたあ!」

エンリコ。
「ダウン!ブラックアウト!」

リフレクターで撃ち込んだ弾が戻ってきて逆に被弾する士官。

フィローに切り刻まれてエンリコ死亡。

レナッタ。
「お父様が!?」

葵ちゃん。
「大将首を貰い受ける。」

レナッタ。
「さようなら、辞世の句を言います。」

葵ちゃんに思い切った攻撃。

メイスを突き立ててクレイモアの防御を掻い潜ろうとするも。

葵ちゃんは絶妙に距離を取って当たらない。

ミスをしたレナッタ。

空振りした所をばっさり斬られて戦闘不能。

レナッタ。
「ああっ!!」

葵ちゃん。
「一名撃破。」

自衛隊は援軍が到着。

APCが戦闘開始。

暴徒が敷地外から妨害してくる。

入った瞬間にフィローにやられて損害が出るので。

敵兵の数は次々に減少。

普通科の隊員が反撃に転じて。

正面入り口の戦闘は敵兵の自害という結果に終わりました。

葵ちゃん。
「これを予測していて募集したのかな。」

モナ。
「単独行動できるのが魔法使いの強み。」
「単騎での戦闘力が高いから。」
「単独行動で大戦果だね。」
「前より腕を上げている。」

フィロー。
「やりたい放題に斬り殺していたら。」
「いつかの士官を殺していた。」

モナ。
「前に聞いた。」
「仲間に入ることを強要された時に。」
「惚れてきた士官のこと?」
「こんな所にいたのね。」

葵ちゃん。
「武士道の義による力よりも。」
「狂気による力の方が上回っている。」
「なぜか?」
「悪の力を使いこなすほうが上回る。」
「自然に身につく力である上に。」
「強大な力をいとも簡単に得る。」
「これは通常、制御できない力。」
「凶悪犯が制御できず。」
「自らを滅ぼす力。」
「一度、従えれば。」
「義より勝る強大な力が再現される。」
「通常ではありえない戦闘方法やスピード。」
「変則的な戦術を可能にする。」
「全部が狂っている力につき。」
「扱える者が出ないハズの力。」

モナ。
「警備が増強されそうだよね。」
「敵に工作されないように。」
「お抱えの傭兵や普通科が常駐しているけれど。」
「女子高生ながら予想以上の手練だわ。」

葵ちゃん。
「桁違いの人物に習ったからですよ。」
「反対に言えば武器を否定し。」
「戦争まで悪く言うのは。」
「地球人類の本質から目を背けています。」
「なんだかんだ言って戦っているじゃないですか。」

モナ。
「あれだけ戦ったから今があるのだし。」
「今後、一切の戦争が無いとかいう証拠は出てこない。」
「カエサルの言葉を借りれば。」
「武器の時代が終わり。」
「法の時代となったから。」
「法の時代は好きな事を言えばいいし。」
「武器の時代になったら戦う以外の選択肢は無い。」

葵ちゃん。
「誰でも力が欲しいと思ったことはあるはずです。」
「わたしは言いました。」
「力は正義なり。」
「英語のことわざですが。」
「力ってどこにでも通用する不変の真理でした。」
「有効活用する術を学ばないといけません。」

フィロー。
「人は調和と服従の生き物だから。」
「平和を換言すれば調和するように持っていこうよ。」
「正義の敵は別の正義だと言った通り。」
「こちら側の正義と相手側の正義は敵対あるのみ。」

葵ちゃん。
「武士道は戦士の道です。」

フィロー。
「英語のことわざで。」
「世の中をつくるにはさまざまの人が必要。」

葵ちゃん。
「十分な面倒を見てもらいたければ、自分で自分の面倒を見よ。」

モナ。
「さっき連絡があって。」
「戦果記録から勲章があるって。」
「女性兵士としては久しぶりだね。」

葵ちゃん。
「え?勲章?」

フィロー。
「それなりに敵兵を倒すとけっこう貰えるよ。」
「即席で雇われる傭兵でも同じ。」

葵ちゃん。
「それは光栄です。」

為政者。
「これで何回目だ?」

大佐。
「三回目です。」
「敵の戦力は尽きているかと。」

為政者。
「めちゃんこ強い魔法使いがいると思って来て貰ったけれど。」
「普通のレベルじゃないね。」
「怪傑だね。」

大佐。
「そこら辺の魔法使いは歩兵小隊一個分の戦闘力と言いますが。」
「ひとりで敵部隊を翻弄しますから。」
「単独行動は助かります。」

為政者。
「良い人材を見つけたけれど。」
「あの娘は自衛隊に入ってくれるのかな?」

大佐。
「嘆願していますが。」
「惜しいです。」
「これから先は参加してくれないでしょう。」

為政者。
「自衛隊に入隊すれば得待遇なのに。」
「即席で雇えるだけ良しとしようかな。」
「イタリアコンビが常駐しているとは言え。」
「油断できないな。」

大佐。
「レナッタという魔法使いを捕まえました。」
「人質交換に使えそうです。」

為政者。
「父親が近くで戦死するとは。」
「ある意味では解放かもしれない。」
「他人事とは思えんが。」

大佐。
「ドストエフスキーの教えは。」
「女の涙に騙されるな。」

為政者。
「九牛の一毛。」

二日後に整備完了。

いつでも稼働できるようにしておいたそうです。

アメリカでは核ミサイルのスイッチを。

現地の魔法使いが守り抜いたり。

ロシアはスパイに従事させたり。

イギリスは軍隊に取り入れて未知の戦力として研究したり。

新しい形の歩兵として確立しています。

研究室に招待されたモナ。

大佐。
「視界外戦闘。」
「スカウター眼鏡を装着すると。」
「簡易型ディスプレイになって。」
「高度情報が入力される。」
「データリンクや簡易的なレーダーなどを駆使して。」
「相手の視界から一方的に攻撃を加える。」
「ロングレンジでの交戦になり。」
「少しずつ距離が縮まっていく。」
「視界外戦闘から開始され。」
「少しずつ接近していくスタイル。」
「戦闘員は。」
「射程が長い攻撃魔法を始め。」
「DXL-5狙撃ライフル。」
「長距離射程ライフルSVLK-14Sスムラク。」
「なんでも使う。」
「魔法使いの新バージョン。」

モナ。
「実験に参加してほしいと?」

大佐。
「頼みたい。」
「最終試験。」

モナ。
「喜んで。」

「これまで散々。」
「厭悪。」
「これだけがあった。」


切り札が用意されています。

海外では依然として内戦が激しいのですが。

ここではもう大規模な攻撃が見られなくなりました。

葵ちゃんは任務完了で解任されて。

報酬は貰いません。

簡易的な手続きで日雇いです。

自分の船は自分で漕げ。




61


君に害を与える人間がいだいている意見や。

その人間が君にいだかせたいと思っている意見をいだくな。

あるがままの姿で物事を見よ。

アウレリウス帝。


強襲揚陸艦にて。

姫ちゃんに呼ばれて。

カードゲームパーティーをしていました。

これから訓練で出航するため。

士気を維持する狙い。

軍港に招待されて。

姫ちゃんと再会。

葵ちゃん。
「しばらくぶりです。」

クレスケンスルーナ。
「やっぱりいい女になっているね。」
「見る度に更新されている。」

フィロー。
「なんですって?」

葵ちゃん。
「姫ちゃんもグレードアップしたよね。」

クレスケンスルーナ。
「バージョン2.0になりました。」

フィロー。
「わたしはどう?」

葵ちゃん。
「フィローちゃんって。」
「新手の女性だと思います。」
「前より魅力的です。」
「面白い女性だと思っています。」

フィロー。
「うへへ。」
「面白い。」

葵ちゃん。
「一緒にいるとまず。」
「退屈しないですね。」

フィロー。
「他には?」

葵ちゃん。
「容姿が豪華で。」
「内面も素敵。」

フィロー。
「まだいっぱいあるでしょ?」

葵ちゃん。
「なにするかわからない変則的な部分とか。」
「普通はありえない技術や。」
「存在しなかった筈の特殊な女性。」
「意外と美人ですし。」
「暴走する所がたまらないよね。」

フィロー。
「そんなにわたしのこと好き?」

クレスケンスルーナ。
「狂気の混じらない天才はいなかった。」
「狂気こそ本物の天才ってことかな。」

フィロー。
「本物の天才ってみんな狂っているの?」

クレスケンスルーナ。
「アリストテレースとホラーティウス。」
「天分か狂気かで決まるとかね。」

葵ちゃん。
「狂っているからこそ。」
「尋常ではない力を発揮できるのかも。」

フィロー。
「やっぱりこの娘は好き。」
「女性特有の欠陥はないし。」
「優秀な男性を上回るレベル。」
「天才の女性とか見たことなかった。」

葵ちゃん。
「神様が与えようとするものを拒むのは罪。」
「最初は男性の真似から始めました。」
「フェミニストの女性と同じく。」

クレスケンスルーナ。
「葵ちゃんも特殊だからかな。」
「カードゲーム届いたよ。」
「キャラクターデッキのみ。」

フィロー。
「最初の対戦は誰にする?」

リーリエ。
「追加で持ってきました。」
「まずは練習気分で。」
「何か賭けます?」

フィロー。
「ビジュアルカードがあるけれど。」
「それでいい?」

リーリエ。
「美術品ですね。」
「まずは練習で。」

軍人。
「女性の戦術は男性と違うようだ。」

兵隊。
「やり方が男とは違うのだな。」

エンジニア。
「女性の技術は転用できないか?」

歩兵。
「男を上回る女性が普通にいるぞ。」

クラルス。
「女性のイデア。」

モナ。
「洞窟暮らしの人々が。」
「壁を見て固定されています。」
「後ろに焚火があって。」
「いろんなオブジェクトが投影された影を。」
「洞窟暮らしの人々はずっと見ています。」
「本物は洞窟の外にあるのですが。」
「本物を見た人が洞窟の人々に伝えると。」
「違反者を殺そうとか言い出す。」
「我々は洞窟の比喩と同じだとか。」

エンジニア。
「自分だけ外に出ればいいだけでは?」

クラルス。
「他人無視で洞窟から脱出。」
「女神ヘラにそそのかされたセメレは。」
「ゼウスの真の姿を見ようとして。」
「絶命。」
「ここから引用したのでは。」

モナ。
「いま見ている世界が偽りであると。」
「真の世界が境界を隔てて存在する。」
「紙一重という世界ということかな?」

士官。
「私は分からない。」
「偽りを見ているのか。」

モナ。
「イデア論は参考になるよ。」
「現実主義者が言うならば。」
「本物があるって意味。」

クラルス。
「イデア論とは翻訳すると。」
「なんにでも本物があるよ。」
「という意味です。」

士官。
「どんなものにも本物がある?」
「こういうのは翻訳すればいいのか。」
「女性というものは。」
「まともに成立すると男性顔負けだな。」

フィロー。
「コンボは決定打かな。」

リーリエ。
「いいえ。」
「得意な形に持って行ったようですが。」
「これでうまくいかないでしょう。」

葵ちゃん。
「隣のテーブルは接戦みたい。」

クレスケンスルーナ。
「普段は作戦行動で使われているテーブルが。」
「カードゲームで大繁盛。」
「本当は戦争をしないに限るけれど。」
「どうしても発生するからね。」

葵ちゃん。
「反戦論。」
「孫子兵法書。」

士官。
「前からダンスに誘いたかった。」

モナ。
「結婚を強要されたら強要罪ではないか?」

士官。
「あなたに任せます。」

モナ。
「いかなる悪も知らぬ人は。」
「だれをも疑わぬ。」

士官。
「私は女性というものを全く知りません。」
「女性とはどういうものですか?」


モナ。
「たいていの女は性格を全然もっていない。」
「ポープ。」
「モラル・エッセイズ。」

士官。
「引用するのはなぜか?」

モナ。
「簡単だから。」

士官。
「でもその一言で少しわかりました。」
「まともな女性がいて良かったです。」


ジューベール。
「悪口は意地の悪い人の慰めである。」

葵ちゃん。
「選択肢が多いと逆に合理的な手を打てない。」
「F-35Bを見ました。」
「パイロットに興味があります。」

クレスケンスルーナ。
「訓練部隊なら紹介してあげるけれど。」

葵ちゃん。
「航空業界が第一志望です。」
「プロペラ機が好きですし。」
「ジェット機の方は。」
「スペースシャトルのシミュレーターで。」
「練習してますし。」

クレスケンスルーナ。
「民間機の方?」
「ならば政府専用機に知り合いがいるけれど。」

葵ちゃん。
「それは僥倖。」

クレスケンスルーナ。
「今度、元パイロットを紹介してあげるね。」

葵ちゃん。
「姫ちゃん好き。」

クレスケンスルーナ。
「わたしもだよー。」

士官。
「どんどん変化して。」
「移り変わる人ですな。」
「前回見たときは険しかった。」

モナ。
「新しいものに後天的なアップグレードで。」
「対処すると。」
「柔軟に考えるようにしたり。」
「万物は流転す。」

カードゲームパーティー。

1時間ほど経過。

艦長がやってきて。

緊急事態を告げました。

近くの巨大旅客船が遭難していて。

誰も乗っていないそうです。

奇妙な事件に魔法少女は効果的なので。

依頼されて。

MH-60ブラックホーク。

特務部隊仕様で。

しばらく離れた巨大旅客船のヘリポートに向かいます。

モナ。
「しばらくぶりの獲物かな?」

クレスケンスルーナ。
「おお大変、奇怪な現象に巻き込まれる。」

葵ちゃん。
「待ち伏せされるでしょう。」
「相手にアドバンテージを取られてはダメ。」

フィロー。
「この場合、何かは作戦があるよ。」
「その作戦を始めに見破れば。」
「攻略可能。」

ヘリポートに到着して降ります。

歩兵はデッキに一直線。

わたしたちは調査。

ショッピングモールのエリアにて。

モナ。
「あれま人形がいる。」

リーリエ。
「なんですって。」

クラブを持ったマネキンが20体。

いろんな方向から接近。

フィローが間合いを詰めると。

華麗になぎ倒しました。

鮮やかに一蹴。

10体が一瞬で切り刻まれる。

クレンズとリーリエが次々にマネキンを撃破。

葵ちゃんが発見。

短刀を持っている鎧が勝手に動いて。

後ろ側に回られて。

死角になっていましたが。

後ろにいたクラルスが。

付近の塵を圧縮形成して杖から発射。

鎧武者を貫通してダメージ。

葵ちゃんが切り倒して。

簡易的な鎧の武者が破壊されました。

クレスケンスルーナ。
「なんかいろいろある。」

モナ。
「呪術人形。」
「いわゆる兵隊の数合わせ。」
「中にある札を壊すとすぐに倒せるよ。」
「設定された形を破壊しても倒せる。」

フィロー。
「所々に潜んでいる。」
「不意討ちでやられないでね。」

目の絵がプリントされたドローンが偵察に来ていますが。

葵ちゃんが小さな鏡を遠くから投げつけて壊しました。

アブの形の模型があって。

一部が飛行しつつ。

刃がついていて。

突っ込んできます。

リーリエがあっさり撃破。

石像みたいなロボットが。

車載機関銃を持って攻撃してきます。

葵ちゃん。
「側面に回って。」

モナ。
「いまやっている。」

葵ちゃんのリフレクターで跳ね返る弾丸。

撃ち尽くすとリロードできない石像は。

モナに吹っ飛ばされて崩壊。

マネキンがピストルを乱射してきます。

クラルス。
「ちょっと戦い辛いです。」

クレスケンスルーナ。
「支援でいいよ。」

フィロー。
「拳銃くらいなら。」
「シールド防御で余裕だけれど。」
「数があるね。」

葵ちゃん。
「もう20体倒しましたが。」

モナ。
「こちらは30体。」
「残りは?」

リーリエ。
「見えているもので最後です。」
「後は適当に散らばっている人形が。」
「所々にいるだけ。」

拳銃を突撃しつつ。

シールド防御とプロテクターで防いで。

素早く間合いを詰めて切り倒し。

次から次へと撃破。

人形のクラブや短刀を使った攻撃は一切通用せず。

掃除完了。

住居エリアで歩兵が数十人を救出。

デッキは破壊されていましたが。

破壊が雑だったので。

修復が容易でしたね。

葵ちゃん。
「全部倒した?」

クレスケンスルーナ。
「もういないっぽい。」

クラルス。
「どこ探しても人形いません。」

リーリエ。
「歩兵に損害がないそうです。」

モナ。
「機関室は?」

リーリエ。
「歩兵が調べてますよ。」

葵ちゃん。
「狭いので。」
「待ち伏せされると無理かも。」

フィロー。
「まとまった人形はすべて倒したし。」
「さっきから非武装の雑魚しか出てないよ。」
「移動する?」

モナ。
「レクリエーションエリアに行こうか。」

何もいないので。

MH-60に戻ります。

なんか近くのタンカーから。

Yak-38フォージャーが発進したそうで。

飛んできました。

敵です。

葵ちゃん。
「戦闘機じゃないですか。」

クレスケンスルーナ。
「これは難敵。」

モナ。
「落とさないとヘリコプターが飛べない。」

クラルスが射撃しますが当たりません。

Yak-38が機銃掃射してきますが。

葵ちゃんが反撃。

小さな鏡を浴びせます。

当たったようで。

バランスが崩れるYak-38。

クレスケンスルーナが大技。

ファントム。

幻影がホーミングしていきます。

Yak-38に命中してトラブルが発生したようで。

失速。

yak-141フリースタイルが出現。

対地ロケットで攻撃しますが。

攻撃が外れます。

モナが投擲して。

普通に当てました。

フィローが手から多数の小さなエネルギー弾を形成。

大量に発射してYak-38に直撃。

墜落。

続いて。

葵ちゃんが接近してくるyak-141に対して。

小さな鏡を浴びせて翼を損傷させ。

リーリエがキラキラ星を形成して。

対空爆弾を投げつけ。

空中炸裂。

yak-141は片翼が破壊されて。

そのうち墜落。

どちらもAIが操縦していたらしく。

コクピットはもぬけの殻だったのです。

MH-60ヘリで離脱しつつ。

後続の調査員が到着。

エンジニアはデッキを修理して。

防犯カメラから。

富裕層を狙った身代金目的の大規模拉致事件であると判明。

近くの船を追跡しましたら。

タンカーなどの大型船にいっぱい人質がいまして。

外国からやってきた異端者の集いがやったとのこと。

宣伝と資金調達を目的としていて。

拿捕に成功して異端者は倒されました。

基地内の事務室にて。

中将。
「ちょうどいい所にいてくれて。」
「協力感謝する。」

クレスケンスルーナ。
「久しぶりに戦って。」
「腕がなまってたよ。」

モナ。
「わたしは軍人だから。」
「他国と言えども。」
「次からも喜んで。」

フィロー。
「そろそろ隠居したい。」

クレスケンスルーナ。
「あなたそれもったいない。」

フィロー。
「そうですか?」

葵ちゃん。
「なぜ彼らはあんなことを。」
「平気でするの?」

リーリエ。
「泥棒の心理。」
「何も考えていない。」
「泥棒は何を考えているのか?」
「何も考えていないんです。」
「盗む事以外は考えません。」
「それと同じく。」
「ああいう種類は何も考えないから。」
「平気で残虐行為をするもんです。」

モナ。
「アラン幸福論でそんな記述あったような。」

葵ちゃん。
「劣った人間とかはいましたが。」
「ああいうのは何も考えないんですね。」
「それをやる以外は何も考えていない。」

クレスケンスルーナ。
「そういうことよ。」
「犯罪者は犯罪をすることしか考えていない。」
「アメリカを見ると。」
「親の虐待で人格が歪んで。」
「犯罪者になってしまうパターンが多いね。」
「最初から決まっていたのかな。」
「それとも自由意思は人間にとっていくらでも奪えるという意味なのかな。」

葵ちゃん。
「神道では。」
「八方塞がり。」
「どんな方法も通用しない運気の状態。」
「この状況になると。」
「何もできない。」
「占い用語。」
「国語辞典にも載っているほど有名。」

クラルス。
「詳しく教えてください。」

葵ちゃん。
「完璧なほど手回しされていて動けないので。」
「八方塞がりになったら。」
「占い関係の神様に相談したり。」
「時間経過で衰えて不具合を起こすので。」
「静観すればいいことも。」
「現代あるあるで。」
「詰みとか呼ばれる状況が八方塞がり。」
「出生や経過で陥る人がけっこう多いです。」
「対策としては未然に防げれば良好で。」
「危険がないなら静観。」
「まずいのなら。」
「思いつく神様に相談するもので。」
「強烈なのは。」
「荒神様。」
「祟り神として有名な神様にお願いする。」
「なぜなら手段を選ばれない。」
「八方塞がりは有名ですよ。」

クレスケンスルーナ。
「八方塞がりという現象があるのね。」
「あのような状況。」
「日本で知られているとは。」

リーリエ。
「日本は神の国ですし。」
「ギリシャ神話の予言のような。」
「スケールが大きいものですね。」

クレスケンスルーナ。
「超自然的だと思う。」

中将。
「戦場から立ち去ったのに。」
「思わぬ所で参加になりましたね。」
「魔法使いは汎用性が高くて素晴らしい。」
「本当に良かったので?」

クレスケンスルーナ。
「得意だからね。」
「また協力が必要になったら参加できるよ。」
「戦場はもう入れないかも。」

フィロー。
「わたしは元々、警備員。」
「帰ったら勉強しないと。」

中将。
「またよろしく。」
「カードゲームパーティーはまた次回も開催します。」

葵ちゃん。
「東洋医学に知り合いは?」

クレスケンスルーナ。
「ごめん。」

葵ちゃん。
「了解。」

メールが来ていて。

明日の予定を先生に尋ねられて。

オーケーの既読。

帰りの車内で心理学の本を読みました。

リーリエ。
「心理学は見解が違うようですね。」
「人のモーションとかは基本で。」
「大まかな部分は判断材料になっていますよ。」

葵ちゃん。
「権威への服従実験。」
「アイヒマン実験。」
「スタンレー・ミルグラム。」
「電話帳で無作為に募集された市民に。」
「教育向上のプログラムの手伝いとして。」
「参加してもらい。」
「参加者は電気ショックを操作する計器盤を見せられて。」
「45ボルトの電流をやられ役が食らいます。」
「実際には電気は流れていない演技で。」
「見えない位置にいるやられ役は声だけ。」
「監督はやられ役が間違う度に少しずつ電流を上げるように指示されます。」

リーリエ。
「テストが進みますと。」
「とんでもない悲鳴を浴びせられて。」
「やめてくれと訴えられます。」
「参加者は戸惑いつつ。」
「監督はそれでも続けろと圧力をかけました。」
「そして三分の二がやられ役の悲鳴の後。」
「静かになった後も。」
「電圧を最大まで上げています。」
「もちろん演技で。」
「事前に用意したテープであったとも。」
「この実験結果から。」
「ほとんどの人にとっては。」
「権威者への服従の圧力は。」
「道徳や相手への共感を上回るということ。」
「人は服従と調和の生き物であり。」
「権威者に屈するのは自然の秩序なのです。」

クレスケンスルーナ。
「最初から弱い電力から開始されたので。」
「残虐行為に及ぶのは容易だったね。」
「ミルグラムはかなり非難されて。」
「参加者はトラウマになったり。」
「監督から容赦なく強要されて。」
「監督が参加者を虐めたほど。」
「人間関係は信頼が前提であるなど。」

リーリエ。
「広い解釈も示したね。」
「参加者は監督の指示で。」
「電気ショックは安全であると。」
「続ける必要があると信頼したからです。」
「論理的には支持できますし。」
「哲学としては理法がそのまま出たのではないかと。」
「興味深い実験ですが。」
「批判が絶えません。」

葵ちゃん。
「心理学は諸説ある?」

リーリエ。
「研究が進んでいますが。」
「解明に至ってはいない部分が多いのも。」
「多くの解説書が書いている通りです。」

クレスケンスルーナ。
「研究が進んで成果が出て。」
「決定版が出ていたりするね。」
「まだ進行中だから。」
「学者の決定版が出るまで参考資料を読んでいる程度がいいかも。」

葵ちゃん。
「なるほどー。」
「これは保留。」

送迎されて帰宅。

夕方なので。

そのまま休息する土曜日。

わたしの両親は子供の育て方を知ってから子供を設けたそうです。

かなりわたしの様子や具合を見て。

正確無比な対策を置いていたり。

何かあると先回りしています。

悪魔を知らないよりは知っているほうがいい。

悪い事を知らないよりは知っているほうがいい。

英語のことわざ。

私利私欲で産んだのではなく。

申し子で。

お宮で申請してわたしが産まれた。

いいえ。

私は嘘しかつかない。

というのもウソになってしまいますが。

それだと本当になる?

手記に書いて。

夜明け。

近所の電柱に「貼紙厳禁」と書かれた貼紙がありますが。

矛盾していませんか?




62


どんな長い道でも必ず曲がり角がある。


すがすがしい日。

先生の家に向かいます。

先生自慢のワゴン。

けっこうな人数が乗れる。

これに浮世絵がペイントされているのはもう慣れました。

志穂。
「東洋医学の免許持っているんですね。」

珂珠。
「そうだよー。」
「親が取っておけとか。」
「わたしの師匠も推薦してきた。」
「でもあっさり受かった。」

志穂。
「それは興味深い。」
「わたしの第一志望は東洋医学・・・・。」
「葵ちゃん来てます。」
「待ってました。」

珂珠。
「おはよう。」
「今日は中古のパソコンを見せるよ。」

葵ちゃん。
「Windows10で64ビット。」
「コア・セレロン。」
「マシンパワーが充分・・・ですけれど。」
「性能は?」

珂珠。
「SSDに換装すると性能が別物になるよ。」
「中古のパソコンはなぜか壊れにくい。」
「頑丈な設計が売りの業務用パソコンが再生品として回ってきたり。」
「初期不良をクリアしてあるからねー。」

志穂。
「耐久性は?経年劣化。」

珂珠。
「WindowsXPが現役だって知っていた?」
「病院や市役所で見れるよ。」
「余裕で動いている。」

葵ちゃん。
「メンテナンスすればそんなに使えるの?」

珂珠。
「セキュリティくらいしか残念な部分はないね。」
「セキュリティソフト入れればいいけれど。」
「中古のパソコンで良質な製品が買えたら最高。」

葵ちゃん。
「故障とかは?」

珂珠。
「新品はなぜか壊れやすい。」
「中古だと不思議と壊れない。」
「きちんと数年間動作した保証があるし。」
「今回は中古のパソコンを見せるよ。」

お昼ごろまで。

F-14トムキャットのイラン仕様の改造とか。

あれってホーク地対空ミサイルを空中発射用に改造して装備。

最初はサイドワインダーを装備せずに戦争に投入されたり。

メカニックぎっしりで。

やたらにボタンが多くて発進に時間が必要かもしれない疑惑。

先生はけっこう。

最新の情報を入手して聞かせてくれるんです。

そんなこんなで時間経過。

昼食に行くことに。

日本庭園。

よくあるタイプで。

芸術家が手掛けた庭。

小川から水を引いて。

小さな池や。

小川の支流が流れている。

岩と丘。

各種の草木。

花々が季節ごとに咲いていて。

野鳥が遊びに来るほどのもの。

定期的に鳩の餌や小鳥の飼料を置いて呼び寄せ。

人と野鳥が一緒に楽しめる工夫。

ここで先生としほちゃんとお茶。

葵ちゃん。
「今朝NHKのニュースを観ました。」
「中立ですね。」
「いい情報を貰っていますし。」
「他局は脚色されていて。」
「観ていると混乱しがちです。」

珂珠。
「アメリカでは分類されていて。」
「こちらは批判でこちらは称賛。」
「趣向が違うので選択可能です。」

志穂。
「脚色する意味がわからない。」

珂珠。
「人は意味のないことも平気でやるものです。」

志穂。
「ホンコンシティでの第二のフランス革命は敗北しました。」
「自分たちで選んだ民主制にも従えないそうです。」
「政府の言い分も報道すべき。」

珂珠。
「民主制で治まっているのなら民主制でいいでしょうね。」
「ローマ共和制の執政官制度が間接民主制の起源で。」
「これを模倣して現在の制度が作られています。」
「元々は王政のスキャンダルで。」
「王様の息子が狼藉して。」
「被害者の女性が訴えて自害したのをきっかけに。」
「ブルータスが革命を起こして共和制にしました。」
「カエサルを暗殺したのはこのブルータスではなくて。」
「同じ名前のブルータス。」
「ブルータスはラテン語で馬鹿とか愚者という意味です。」
「ガイウス・ユリウス・カエサルも執政官でしたよ。」※護民官・独裁官。

志穂。
「なぜ人を殺してはいけないか?」
「君主道徳では意味がない質問です。」
「道徳って複数ありますので。」
「貴族制だとさらに複雑化しています。」

葵ちゃん。
「ところでホンコンシティはなぜ素手でライフルに対抗したの?」

珂珠。
「匹夫の勇。」
「愚者の勇気。」

志穂。
「安易な優しさや思いやりは相手を見下す自己満足にすぎない。」
「同情とは自分の価値を高めるために人を利用すること。」
「優越感のためにする。」
「自分より上の人には芽生えない感情。」
「同情とは相手をナメて軽蔑し。」
「弱い者を労わる快感を求めている。」

珂珠。
「歴史は繰り返す。」
「しかもその歴史は新しいバージョンになって。」
「姿を変えて繰り返す。」
「だから繰り返されている事がわからない。」

志穂。
「歴史はマイナーチェンジされた出来事の連続。」
「むかしの出来事が姿を変えて連続しているから。」

珂珠。
「ギリシャのことわざ。」
「同じ川に二度と足を踏み入れることはできない。」
「移り変わりは激しいわ。」
「プラトン・クラテュロスに引用されたヘラクレイトスの言葉。」

志穂。
「ところで悪ってなに?」
「その善悪は誰が決めるの?」

葵ちゃん。
「法律の網にかかると初めて悪が決まる。」
「あれ?」
「それ以外は善でも悪でもない。」

志穂。
「普通の常識って六法全書みたいにどっかに書いてあるの?」

珂珠。
「常識は生まれた頃と今だって違いますよ。」
「世界各国。」
「文化も価値観も異なる。」
「育ちによっても善悪の基準が変わってしまう。」

志穂。
「戦争の時には人が人を殺す。」
「それが正しいという人がいて。」
「反対は無意味。」
「そもそも武器の販売は完全に合法で。」
「儲けて大富豪になっている人もいるくらい。」

葵ちゃん。
「ならば死刑制度だって批判されているし。」
「結局。」
「根本的な悪もケースバスケース。」
「こういう結論になります。」

志穂。
「原則や方針を決めないで、場合場合に応じて物事を処理すること。」
「根本的な悪もそういうことになる。」
「ケースバイケース。」
「和製英語。」
「原則や規則にとらわれることなく。」
「それぞれの事例に応じて。」
「個別の方法で対処すること。」

葵ちゃん。
「それって勝手に決めていいってことだよね?」
「原則や規則がないから。」
「決められ方なんて存在しない。」
「なんとなくだとか。」
「勝手に決めていいことになるよ。」
「それって支離滅裂な判断になりますね。」
「自分がそう解釈したからこうでいい。」
「という論証になります。」
「その人自身が基準になるわけです。」

珂珠。
「自分に都合の悪いことが悪。」
「自分に都合のいいことが善。」
「そういうことになりますね。」
「勝手に誰かの都合で悪認定されると恐怖政治でしょう。」

志穂。
「悪を勝手に作れるってことでしょう。」

葵ちゃん。
「人は転ぶとまず石のせいにする。」
「石がなければ坂のせいにする。」
「そして、坂がなければ靴のせいにする。」

珂珠。
「自分が正しくないのに正当化すると。」
「誰かが誤っていることにしないといけない。」

葵ちゃん。
「ああ!これはひどい。」
「自分の目で世界を探索したけれど。」
「世の中、悪人がよい思いをしているとかは嘘です。」
「悪人に見えるのは強者である場合が大半で。」
「オオカミ同士の殺し合いの賞品として富があったり。」
「大富豪も勝負して得た地位です。」
「為政者を悪者にして。」
「自分たちが上の道徳を持っているとか。」
「強者はみんな悪いということにしてくる。」
「ルサンチマンに洗脳されるとは思わない。」

珂珠。
「とある国が戦争で負けて領地を併合されました。」
「奴隷は元々は自分たちの土地であると主張し。」
「ぶどうだって自分たちのものであると盗もうとします。」
「簡単に見つかって失敗するのですが。」
「奴隷は集会を開きました。」
「しかしあの葡萄は奪う価値があるのか。」
「暴力で奪ったら最低。」
「命を賭ける価値はない。」
「あいつらのやり方を肯定してしまうと。」
「自らを正直者で孤高の存在として話がまとまり。」
「支配者を低レベルと陰口で罵り。」
「密かに様子を伺っていた兵士は。」
「そう思いたければそれでいいやと。」
「引き返しました。」

志穂。
「敵対心があっても。」
「まともにぶつかると負けてしまうので。」
「相手を貶めて。」
「自分の方が正しいと主張するんです。」

葵ちゃん。
「謀殺じゃないですか。」
「それで敵という存在を知りました。」

珂珠。
「立場を逆転させて勝利した事にする。」
「ルサンチマンは元々フランス語。」
「ニーチェはちょっとひねった使い方をしています。」
「ニーチェは不遇の天才で。」
「抜群の成績で大抜擢の連続。」
「病気になってから書作に勤しみ。」
「ようやく人気が出てくる辺りで。」
「昏睡して倒れて。」
「一説には病死するまで正気であって。」
「突然倒れて精神疾患と化すのはデマや貶めであると言われています。」
「ニーチェの予言と天才っぷりに妬んだ連中がいたらしいです。」

葵ちゃん。
「それは大変。」
「歴史が捏造されると手に負えない。」

珂珠。
「神功皇后様の本拠地は今の山口県なのですが。」
「卑弥呼とか言ってなんであんな所で発掘されているのでしょうか。」
「神功皇后様の旦那さんは仲哀天皇です。」
「山口県を都にしていました。」
「山口県下関市長府豊浦町。」
「福岡市東区香椎。」
「都が移った記述は日本書紀ではたまに記されています。」

志穂。
「一部の人の意見が全部通るわけはないです。」
「証拠を欲しがっているとか。」

珂珠。
「死海写本のように?」
「クムランの遺跡。」
「第四洞窟で旧約聖書の写本群が見つかったので。」
「聖書が歴史書であると証明になったのです。」

志穂。
「お宮で変な事を伝えて霊感があったので。」
「神様の反応が凄かったわ。」
「複数の方向からの検討が必要ですね。」
「一方の主張を採用すると。」
「必ず反感がある。」

葵ちゃん。
「御祭神に応神天皇と記載されているのが証拠です。」
「結果論として嘘をついている人ばかりいます。」

志穂。
「証拠なら困らない。」
「無神論者の主張はそう思うと気持ちがいいという意味?」

珂珠。
「凡人の世ですから故意に歪曲する奴もいます。」
「スルーしてくださいね。」
「凡人の成金に多くを期待しないでください。」

葵ちゃん。
「凡人の成金ならしょうがないです。」

志穂。
「異端邪説がよくやる慈悲深き神。」
「暴説。」
「虐めで自殺する子供や。」
「重い病気で亡くなる人をいますぐゼロにしてくれない。」
「信じる力が足りないとか。」
「信仰心があるかないかで人を差別する神がいるのか?」
「そんな力があったらすべての人を信じさせればいい。」
「新興宗教でよくあるパターン。」

珂珠。
「反対の願いを持つ人もいるんです。」
「信仰心が強い方が叶うの?」
「信じれば叶う。」
「信じなければ叶わない。」
「というのは願いの実現を人間が操作できるってこと。」
「異端を避けて神社本庁のホームページにアクセスすればよろしい。」
「言いたい人には言わせておいて。」
「言っている方だってたいした事は言えないから。」

志穂。
「思うて学ばざれば則ち殆し。」
「考えるだけではだめで。」
「良書や古典を読まないと危険。」

葵ちゃん。
「神様を体験した人しか知らない。」
「誰かに説明するのは分厚い本にしないといけない。」
「お宮に行かずに語るのは無理かと。」

珂珠。
「無神論者はいくら証拠を出しても信じませんよ。」
「認知バイアスに陥っている。」

志穂。
「世の中、白か黒かでしか無神論者は語りませんしね。」
「証拠を出しても無理。」

葵ちゃん。
「善人か悪人かで物を見ているとか。」

志穂。
「善とは弱者が自らを守る口実にすぎない。」

珂珠。
「人を信じすぎです。」
「道徳も否定されていますし。」

葵ちゃん。
「偽善的な人助けはしない。」
「とにかく自分の利得優先。」
「余裕があれば他人に回す。」
「道徳は大半が命令であって。」
「人の自然性を無視。」
「道徳は地域・文化・時代・宗教によってがらりと変わるし。」
「人を殺してはいけないとか。」
「君主道徳では意味がない質問。」
「君主制では殺した者勝ちですし。」
「報いを期待しても馬鹿を見るだけ。」
「道徳の命令は恐怖政治に等しい。」

志穂。
「反対や愚考を述べる人ばかりで。」
「暴説を選ぶらしいです。」

珂珠。
「まあその人には合わなかったので残念でしたね。」

志穂。
「普通が存在すると思っていたり。」
「自分の子供のトラブルと赤の他人のトラブルでは視点が違います。」
「ひとりとして一致している視点はない。」
「遠近法と呼ばれる現象です。」
「全員が違う世界の見え方をしている。」
「他人の提案に乗っかっただけで。」
「自分で見出した価値ではなかったとか。」

珂珠。
「それだけ物を考えない人間が多いのでは?」
「世の中の意見や主張は。」
「哲学者にとっては突っ込みどころ満載で。」
「世人は自分より遥かに上の人物を見たことがない。」
「世の中には論駁に耐えられない持論ばかり。」

葵ちゃん。
「地球人類がニヒリズムを克服したら。」
「わたしの戯曲や著書はそれ以降役に立つのかな?」

珂珠。
「ほいスマホ。」
「少し苦戦しているようだから。」
「Googleマップ。」
「2キロメートルくらいの表示で。」
「神社とだけ検索欄に打ち込んでください。」
「地域の神社はすべて表示されますが。」
「未登録の未発見神社は表示できません。」
「グーグルマップで探して。」
「ストリートビューで看板の有無などもチェック。」
「実際に足を運ぶのが最高です。」
「距離の表示で5キロメートルならさらに広範囲のお宮。」
「1キロメートルなら地区のお宮はほとんど表示できます。」
「名前が登録されていることが多いので。」
「こうやって探します。」

志穂。
「なんということでしょう。」
「神社と入力するだけで。」
「地域把握。」

珂珠。
「学べば学ぶほど。」
「現実の諸問題に対抗できますよ。」
「歴史は特に訓戒と箴言の宝箱。」
「多くの成功と多くの失敗が入っていて。」
「通用したものと通用しなかったもの。」
「高度な問題への対抗策。」
「良書を読んだ数だけ自分が高度化しますね。」
「よくあるのは勉強で受け身の態勢を取ってしまうこと。」
「自発的に手を伸ばせばいろいろ手に入りますし。」
「遅れても勉強より学問の方が遥かに勝る。」

葵ちゃん。
「古代ギリシア・古代ローマの自由七科は生活に役に立ちます。」
「あれは利益と密接に結びついていますし。」
「必要な学問は集約されていますね。」

珂珠。
「皆、人力でなんとかなるものだけを攻略します。」
「人力でどうにもならない不可抗力はえげつないので。」
「ギリシャのことわざ。」
「遅れに危険がある。」
「遅れは危険を引いて来る。」

志穂。
「石ころみたいな人はどうするの?」

珂珠。
「石ころも道の一部。」
「ルーマニアのことわざ。」

志穂。
「人の価値は誰が決めるの?」
「人の価値を決める人間の価値も誰が決めるの?」

葵ちゃん。
「聖歌の中には神が認めない者。」
「反対にすごく優しい言葉で。」
「すべての人への配慮があると。」
「愚者や悪者でも神様は配慮してくれている。」
「姫ちゃんがよく歌っていました。」

志穂。
「三拝九拝。」
「神様と和解した人は幸い。」
「あの本棚にあったニーチェの解説本。」

珂珠。
「ニーチェの解説書を読めるレベルになったようね。」
「むかしは悪書が多かったから。」
「集めるのは困難でした。」

葵ちゃん。
「適当に書いた適当な本とか見ました。」
「情報源無視でしたね。」

珂珠。
「引用元に注意してください。」

葵ちゃん。
「ニーチェ全集とか読むんですか?」

珂珠。
「この際。」
「ざっくり説明しましょう。」
「引用。」
「図解でよくわかるニーチェの哲学。」
「まんがでわかるニーチェ。」
「既に新書ではないです。」
「ずっと前から貯めていたものです。」
「何冊かあげますね。」

志穂。
「これは決定版?」
「現代のテーマはニヒリズムですからね。」

珂珠。
「フリードリヒ・ニーチェ。」
「能動的ニヒリズム。」
「すべてにおいてこれが正しいというものはない。」
「自分が真実を認識できるという立場を保留すると。」
「途端に虚ろな世界が発生します。」
「この場合。」
「能動的ニヒリズム。」
「受動的ニヒリズム。」
「二種類になります。」
「ニーチェ推奨は能動的ニヒリズム。」
「ニヒリズムを肯定しつつ。」
「ニヒリズムに加担し。」
「ニヒリズムを徹底する。」
「推し進めて。」
「反対せず。」
「大胆に寝返ってしまう姿勢。」
「ニヒリズムの中では解釈しか存在しません。」
「これまでの真理が失われた訳ですから。」
「あるのは解釈だけです。」

葵ちゃん。
「厭世主義ではなくてその反対がニーチェですよね。」
「力強く生を肯定しようとか。」
「強い人になろうとか。」

珂珠。
「わかりやすい説明はナイス。」
「ニヒリズムは強力な影響力を持つので。」
「その影響力でしなびてしまって。」
「否定的な態度が受動的ニヒリズム。」
「受動的ニヒリズムの態度は。」
「世も末のような認識に陥っています。」
「ニヒリズムの影響を受けてダメになっています。」
「やっぱり能動的ニヒリズムが推奨されています。」

志穂。
「先ほどのルサンチマンは現代あるあるで。」
「奴隷の考え方であると言いましたが。」

珂珠。
「ルサンチマン。」
「奴隷道徳。」
「道徳を好きなように定義した時代に発生したとされ。」
「ルサンチマンはもれなく道徳を故意に歪曲し。」
「道徳に変更を加える。」
「危険思想と同程度に脅威となる。」
「全体主義者の中にはルサンチマンが多く見られます。」

葵ちゃん。
「喧嘩で勝てない相手を貶めて。」
「狡猾に勝利しようと試みる行為ですね。」
「相手を貶めて自分が正しいなんて言うのは悪賢い。」
「狡猾で悪しき心を持っています。」

志穂。
「けっこう心当たりがあるかも。」
「ルサンチマンにならなければいいのよ。」

珂珠。
「奴隷特有の道徳。」
「敗北した際に悔しがったり。」
「負けてパワーアップしたり。」
「次に活かせばスポーツマンシップですが。」
「ルサンチマンは価値を逆転させて勝利した事にします。」
「サッカー(フットボール)でアイツがレギュラーになれたのは。」
「監督に媚びた不正のおかげ。」
「実際にはその人は潔白で。」
「妬んでいる人はまともなスキルはなかった場合です。」
「野球でスタメンにならなかったのは陸上競技の方がうまいから。」
「サッカーでレギュラーになれないと。」
「スポーツだけが全てじゃない。」
「これは本当の自分じゃないんだ!」
「価値や立場を逆転させて。」
「本当はこうなんだ・・・と叫び続ける。」
「それだけならまだしも。」
「妬みで相手を悪者にしたり。」
「その悪者の逆の人を善人に制定するわけです。」
「かなり陰湿で気持ち悪いですが。」
「フェアプレーが大事です。」

葵ちゃん。
「良書を読むだけで客観的情報を得られる。」
「見分け方を習っていました。」
「濃厚で決しておかしな内容ではない。」
「既にあるものから引用しているとか。」

志穂。
「学的認識は既にあるものから引用するって。」
「アリストテレースの講義であったわね。」

葵ちゃん。
「執筆において教科書は必要不可欠。」
「生活必需品。」
「教科書はアリストテレースの詩学ですね。」
「古典文学。」
「詩学に書いてある通りです。」
「詩学から論拠を出していますし。」
「読んでいる方は。」
「詩学から解読・論破してくださいね。」
「趣味の話になりますので。」
「批判は回避しています。」
「批判の条件五つを徹底的に排除したから。」
「わたしの趣味は。」
「アリストテレース。」
「詩学。」
「第25章に基づいています。」
「岩波文庫。」

珂珠。
「戯曲は詩ですし。」
「いかに読み手へ利益を与えるか?」
「という意味?」

葵ちゃん。
「面白いだけでは捨てられますが。」
「読者の利益が優先です。」
「せっかく読んでくれたので。」
「不利益な情報は削っています。」

珂珠。
「粗削りだけれど綺麗だわ。」
「欠点がないのが欠点。」
「欠点があるから大きいし美しい。」

葵ちゃん。
「小説は我流の文法で。」
「小説は文法無視。」
「文学の古典はすべて戯曲ですから。」
「小説と戯曲は異なります。」

珂珠。
「小説に文法が存在しない場合。」
「戯曲は演劇の形式を持っています。」
「古典に合わせたんですね。」

葵ちゃん。
「小説なんて読んでいたら馬鹿になりますから。」
「古典文学しか読みません。」

志穂。
「ある人にとっては害になるのでは。」

葵ちゃん。
「言っているような害はありません。」

珂珠。
「確かに一部の人にとっては害ですが。」
「道理にかなっている。」

葵ちゃん。
「しかも役に立つことなのです。」

珂珠。
「腕前の良い作家は映画を模写していると言われています。」
「NHK連続テレビ小説は本物しか採用されませんので。」
「NHKの質の良さと。」
「小説家の最高峰が観れちゃいます。」

志穂。
「小説は近代文学なのでは。」

葵ちゃん。
「それにしてもレベルが高いですよ。」

志穂。
「なぜあそこまで頑張れるのか。」
「私は分からない。」

葵ちゃん。
「アリストテレスも批評家でしたので。」
「批評家は審査員としてとても有能です。」
「批評家に見せてから発表したいです。」

珂珠。
「ホラーティウスの勧めでしたね。」

志穂。
「相対的に評価する人は直接民主制を支持しているのでは。」

葵ちゃん。
「文学は芸術ですし。」
「凡人が芸術を理解できるのでしょうか?」

志穂。
「凡人が芸術を理解?」
「文学は芸術。」
「それは国語辞典にもあるほどです。」
「凡人が芸術を理解できるとは思えないわ。」
「口論なのか議論なのか。」
「他人の前では混同しそう。」

珂珠。
「いろんな意見があっていいと思いますけれど。」
「満場一致のパラドックス。」
「多数決で全員の意見が同じになり。」
「極端に満場一致に近づくと。」
「逆に信頼性が下がる現象。」
「多数決において全員の意見が一致する。」
「という状況は。」
「もしかすると誤った結果を選択してしまうかもしれない。」

志穂。
「コイントスでは表と裏。」
「賭けてみると。」
「表100パーセントなら。」
「何かの工作を疑います。」

葵ちゃん。
「ウェブ投票でひとりに票が100パーセント集中しますと。」
「統計方法に問題があると見なすのが自然です。」

珂珠。
「多数決で多いから正しいというのは自然のものではないですね。」
「人気も賞賛も事件ですら。」
「満場一致に近づいていくほど信頼性は低下します。」
「満場一致のパラドックス。」

志穂。
「六人の容疑があり。」
「十人の目撃者がひとりだけを犯人と言うのはありえない。」
「観測すると必ずバラバラの意見になる。」

葵ちゃん。
「もし人気者や人気作品とか。」
「評価が満場一致に近づいたら。」
「信用できるものではないです。」

珂珠。
「多数決の落とし穴。」
「満場一致のパラドックス。」
「科学の分類ですしね。」
「評判にもバイアスが発生しますので。」
「多数決は欠陥のある統計学です。」

葵ちゃん。
「意見交換も。」
「学的認識から出ていますし。」
「既にあるものから出します。」
「認めない相手は我が強い。」
「証拠を出しても認めないのなら。」
「欠陥のある刑事みたいなもの。」

志穂。
「欠陥のある裁判官とかも?」
「私刑とかは魔女狩りがやりたくてそうしているとか。」
「本当の理由はそんなもの。」
「悪の方が強かったら正義マンは負けて殺されてしまいます。」
「悪は逃亡に成功すれば勝利です。」
「だから悪に報いようだなんて言ってはならない。」
「わかりやすい悪は。」
「武器で抹殺されているような。」
「アリストテレス弁論術。」
「書かれていない法に対する不正。」
「自然法は災害として相手にぶつけてきますし。」
「自然権は連携しています。」
「災害をぶつけてくるのは勘弁。」

葵ちゃん。
「それで謎があるのですが。」
「善悪を逆転させて勝とうとする者がいます。」
「人民網日本語版。」
「BBCと論争した際に。」
「善悪を逆転させて勝とうとするのは・・・。」
「論駁の内容から。」
「善悪を逆転させて勝つこともできる。」
「こういう技があると知りました。」
「人は善悪に触れると。」
「異常が発生するのです。」
「なぜでしょうか?」
「善悪は逆転させることが可能です。」
「善悪を逆転することによって。」
「いくらでも都合の良い状況になりますが。」
「こんなことを平気でやるので。」
「人についての謎です。」

志穂。
「科学が研究不足なんじゃないですか?」

葵ちゃん。
「そうですよ。」
「自然科学が研究不足なんですよ。」

志穂。
「科学者の怠惰だ!」

葵ちゃん。
「科学力がそこまで行っていない。」

志穂。
「科学力不足です!!」

葵ちゃん。
「科学の進歩が遅い!!」

珂珠。
「ちょっとやめなさいよ。」
「科学の研究不足はわかったから。」

葵ちゃん。
「緑茶。」

志穂。
「牧之原。」

珂珠。
「自然哲学。」
「清く美しい清流の水は飲めますよね?」
「反対に。」
「汚いドブ川の水は飲めない。」
「飲める!などと主張しても。」
「病気になってオチです。」
「綺麗な源流は飲んでもいい。」
「というような比喩。」

葵ちゃん。
「当たり前ですが。」
「わかりやすいです。」

珂珠。
「真と偽りは明確です。」
「同じく。」
「海水を飲めますか?」
「飲めると主張しても無駄です。」
「高慢な人は海水を飲めると主張します。」
「でも海水を飲んだらどうなります?」
「飲めるのは真水ですし。」
「このようにして自然哲学で理非が理解できますよ。」

志穂。
「比喩すごい。」

珂珠。
「スズメを説き伏せようとしても。」
「向こうにとってはそんな人間は危険ですので。」
「仲良くしようと接近してもスズメは逃げます。」

志穂。
「それならば。」
「クマと口論できません。」
「仲良くしたくても。」
「クマはどうするでしょうか。」

葵ちゃん。
「猫に魚を盗むなと言っても。」
「猫には通用しません。」

珂珠。
「ナイス。」
「増水した川で洪水寸前の一級河川。」
「向こう岸に渡れませんよ?」
「認めなさい。」
「輩は無視して川に入って溺死します。」

葵ちゃん。
「向こうの島まで泳げると言われても。」
「実行してから言ってみてはどうか。」
「そんなことかもです。」

志穂。
「イカダこそ船であると言ってしまう人間とか。」

珂珠。
「ナイス。」
「薄い氷の張った湖で。」
「人の重みで割れます。」
「そんな湖に入ってはいけないと言っても聞かない。」
「いくら厳しく言っても無視される。」

葵ちゃん。
「とりあいず冷水の湖に入ってもいい。」
「なんて考えるのは大間違いです。」

珂珠。
「湖はプールだなんて言わないで欲しいです。」
「遠くまで泳いで溺れますし。」
「思わぬ事故があります。」

志穂。
「渡し舟はイカダでは成り立ちません。」
「小舟で運用するのが正しい。」

珂珠。
「ナイス。」
「池にむやみに侵入するべきではありません。」
「彼らは平気でする。」
「大雨で雨具もないのに。」
「大丈夫とか言われても。」
「信用する人はいません。」
「自然の道理。」
「こう読めばわかります。」
「真と偽。」

志穂。
「ニヒリスト化していいですか?」
「物理的に破壊したがる暴徒。」
「なぜなら。」
「風刺に困らないので。」


葵ちゃん。
「傍観者効果なんて出来ないので。」
「でも。」
「関係のない物事に首を突っ込んだりはしませんよ。」
「通りすがりの犬の耳を掴む・・・のはしません。」


珂珠。
「気の利いた話でも。」
「もし、私が人より遠くを見ているとしたら。」
「それは、先人の肩の上に立っているからだ。」

葵ちゃん。
「歴史から手本を探したんですね。」
「本物は必ず先人を追った。」

珂珠。
「世間は生きている。」
「理屈は死んでいる。」

葵ちゃん。
「世間は生き生きと動いていますが。」
「理屈が通用する試しはないです。」

珂珠。
「私は、この世を、めいめいが。」
「何か一役ずつ演じなければならない。」
「舞台だと思っている。」

志穂。
「シェイクスピアの言葉ですね。」
「役割や能力など似合っている役があるから。」
「作品の登場人物のように。」
「お似合いの役をするべき。」
「役割や能力は舞台に例えられる。」
「同時に、主役なんて自分で決められない。」
「自分が主役であると主張しても主役になれない訓戒。」

珂珠。
「名ばかりの成功者になるよりも。」
「真に価値ある人になれるように努力しよう。」

志穂。
「アインシュタインの経験論。」
「名声だけで内容が無い。」
「名誉を得てすぐに自分の国を貶め。」
「醜悪な言論を行い。」
「他国の権力者に迎合されたりなど。」
「看板を借りてやらかす人間が多い。」
「でも、本物は。」
「利他的で、人の味方をしつつ。」
「周囲の人を助けたり協力したりする。」
「価値があるとは有意義な人。」
「歓迎されて喜ばれるような。」
「豊かな人。」
「実質が伴って偽りではないこと。」
「意味のない人間とは違います。」

珂珠。
「何をやるのかを決めるのは簡単。」
「何をやらないのかを決めるのが大事。」
「マイケル・Dell。」

志穂。
「的を絞って無駄な事はするなという意味でしょう。」
「やらなくていいことはしない。」
「やっておいて無益なものは捨ててしまえ。」
「的をよく狙え。」
「注釈。」

珂珠。
「すべての人は世界を変えたいと思っているが。」
「自分を変えようとは思っていない。」
「世の中を良くしたいと思う人間は。」
「決まって自分を変えて順応することは無頓着。」
「という警句。」

葵ちゃん。
「格言くらいは読んでおくのが玄人。」

珂珠。
「あなた達、玄人向けの情報はなんでも覚えるのね。」

葵ちゃん。
「最近はニーチェの解説本を見つけて夢中です。」


珂珠。
「事実なるものは存在しない。」
「ただ解釈があるだけだ。」
「ニーチェ。」

志穂。
「ニーチェの解説書は必ず読みます。」
「事実なんてあるんですか?」


葵ちゃん。
「今時、事実なんて存在すると思っているんですか?」
「みんな、自分の解釈を言うだけで。」
「ひとりも本当の事を言っていないじゃないですか。」
「誰でも嘘をつきますし。」
「みんな、偽りを言っているに過ぎません。」
「事実だと述べた事が自分の解釈であって。」
「あるのは解釈だけで事実なんてありません。」

志穂。
「論点を事実にするならば。」
「そんなもの存在しないので誤謬です。」
「自分の解釈を万能であると信じる愚かさは。」
「見ていて醜悪ですし。」

葵ちゃん。
「自分の前提から自分の解釈を言っていますから。」
「自分の前提にいっぱい誤りがあれば。」
「結論もデタラメですよ。」
「今時、これが事実だなんて叫ぶのは。」
「自分の解釈を広めているに過ぎません。」
「そんなの広告費を払えばいいじゃないですか。」
「無謀なまでに嘘がつけるその秘密が知りたいです。」

志穂。
「広告費が払えないから。」
「なるべく安い手段と安直な方法で達成するのよ。」
「みんな、真っ黒な心が似合っているわよ。」

葵ちゃん。
「稚拙な事でも信じていたい!!」
「そんな様子は滑稽です。」

珂珠。
「取り除きたいのなら。」
「手段は選ばないことね。」
「残虐でなんでも解決することができます。」
「残虐が悪く用いられたか、あるいは良く用いられたかによって生じてくる。」
「良く用いられた場合は可能な限り役立つ事へと転換された場合であり。」
「悪く用いられた場合は残虐が募っていった場合である。」
「良く用いられた場合は神からも人間からも治療薬が得られる。」
「悪く用いられた場合は保持しようとしても不可能である。」

志穂。
「どっちにしても事実が存在しないと。」
「事実を論点にしても無意味ですよと。」

葵ちゃん。
「事実なんて無価値です。」

珂珠。
「事実を言い当てようとしても無意味ですよ。」
「解釈があるだけです。」
「色紙がありますので渡しますね。」

人を相手にせず。

天を相手にせよ。

天を相手にして。

己を尽くし。

人を咎めず。

我が誠の足らざるを訪ぬべし。

西郷隆盛「西郷南州遺言」

葵ちゃん。
「美しい和風芸術。」

志穂。
「サイン色紙に格言!?」

葵ちゃん。
「カワラバトが寄ってきた。」

志穂。
「たまらん。」
「パンの欠片が好きなのね。」


葵ちゃん。
「スズメも来ました。」


志穂。
「日光浴も心地よいです。」


珂珠。
「おっと。」
「そろそろ昼食です。」

席から移動する。

屋内で料理の支度が済んで。

庭を楽しみながら昼食。

雑穀と玄米。

とろろ。

焼き魚。

味噌汁に漬物。

各種野菜。

卵焼き。

粗末だけど美味しい。

質が違う・・・。

このあと裏の池に行き。

鯉に飼料をあげたり。

奥の小川。

山に繋がっていて。

順路を巡って川を楽しみました。

ニヒリズム。

現代のフィナーレ。



63


2019 OK。

100メートルクラスの小惑星。

地球から7万キロメートルという近距離を通過。

月までの距離の二十パーセント。

発見が最接近の24時間前。

衝突で都市ひとつは消滅する威力。

葵ちゃん。
「流れ星を観察していたんです。」
「中にはこんな隕石もあるんですね。」

志穂。
「それ有名になった記事よね。」
「確認されていない小惑星があったりする。」
「コース計算では一キロメートルくらいの小惑星は地球を逸れていく。」
「なんて言っていたわ。」

珂珠。
「もし直撃すると。」
「大きさが一定以上ならば。」
「映画を上回る破壊力がありますよ。」

志穂。
「やっぱり映画みたいに爆破するんですか?」

珂珠。
「映画のように。」
「衝突する小惑星に核ミサイルを撃ち込んでも。」
「中心部分はほとんど残ってしまい。」
「重力の影響で破片が集まって。」
「同じ大きさに復活してしまう。」
「核ミサイルで迎撃するには威力がまるで足りない。」

葵ちゃん。
「抵抗するだけ無意味ですね。」

志穂。
「自然災害って抵抗するだけ無意味なんですね。」

珂珠。
「探査機はやぶさはAI搭載の無人機なため。」
「自動で小惑星に降り立ち。」
「サンプル採取のち帰還を達成している。」
「これを大量に使っても効果は大きくない。」
「映画みたいに人間が小惑星に向かうことはないです。」
「無人機に核爆弾を積んで接着し。」
「自爆します。」
「これでも効果は薄いですね。」

葵ちゃん。
「どこに落ちるか分かりませんので。」
「そんなところに落ちるんですか?」
「なんて場所に激突するかも。」

志穂。
「地域レベルで壊れるだけで。」
「地球全体には影響が薄いようだけれど。」

珂珠。
「核ミサイルを大量に撃ち込んでも効果が低く。」
「少しくらい小さくする程度で期待できない。」
「小惑星のサイズが小さくなると。」
「数の多さで発見できないため。」
「落下する小惑星も出てくる可能性がある。」

葵ちゃん。
「ひとつくらい落ちたほうが世界を認識できます。」

志穂。
「自然災害を見るたびに。」
「人間の方が嘘を言っていたと理解できます。」

珂珠。
「2019OKは不意に来ましたので。」
「監視も万能ではありません。」
「落下した際は理法に矯正して貰いましょう。」
「いい薬になる筈です。」

資料を読んでいるふたりの女の子。

綺麗な女性が訪問。

乙葉。
「やっほー。」
「航空業界が何とやらで。」
「全体が把握できる応募ガイド持ってきたよ。」
「本当に行くの?」

葵ちゃん。
「神職か航空業界で揺れています。」
「前者は似合っていますし。」
「後者は培った技能が役立ちますし。」

乙葉。
「選択肢が多いと合理的な手が打てなくなるよね。」
「なんか広報で見学会があるって。」
「行ってみなよ。」

葵ちゃん。
「どうもありがとうございます。」
「行動しつつ結果がどうなるか。」

珂珠。
「採用は確定しているでしょう。」
「天候観察機のパイロットが空いていますし。」
「実際に足を運んでみればよろしい。」

葵ちゃん。
「そうします。」
「大学の受験も通る前提に立ってはいません。」

珂珠。
「レディネスは一定以上ですし。」
「難しくはないでしょう。」

乙葉。
「今の時代は知識労働の時代。」
「費やした時間で対価があるのではなく。」
「使われた知恵や知識に対して支払われる。」

志穂。
「大学の試験は無駄にロジカルシンキングで。」
「理屈っぽいから。」
「過去の問題集を古本屋で調べて。」
「特徴を把握してしまった方がいいわ。」
「試験が繰り出すパターンを予測すれば。」
「プランを持って片づけられる。」
「相手の出方が分かれば有利。」

葵ちゃん。
「神職ならびに巫女は。」
「神々に許可を得るか。」
「神々に一言報告してから就任するもので。」
「その方法でしか本物にはならない。」

乙葉。
「華族の新規登録数が倍増しているので。」
「未登録者をなんとかしたい。」
「事務ばかりだけれど。」
「私の所という選択肢もあるわ。」

珂珠。
「それだけ多いと混乱するだけです。」
「時間をかけて考えてね。」
「試験勉強で忙しいでしょうけれど。」

葵ちゃん。
「お姉さんが大卒なので。」
「当時の試験を研究してくれているんです。」
「なんでも裏技があるんですね。」

志穂。
「なにその公式チート。」
「私にもちょうだい。」

資料を持ってお姉さんの書店へ出かけていく。

良い商人は秘蔵の売り物を隠し持っています。

公式チートショップな訳です。

乙葉。
「この能力差はどうやって?」

珂珠。
「ガラティア効果。」
「教師や親が子供に肯定的な期待を持って接することで。」
「子供が自己成就するというもので。」
「ゴーレム効果は反対に否定的に接してしまい。」
「実際にダメにしてしまうものです。」
「しほちゃんとあおいちゃんも。」
「ガラティア効果が濃厚な環境から出ています。」
「それだけの違いで早熟な女性になったものです。」

乙葉。
「些細な事で突然変異。」
「私みたいな?」

珂珠。
「スキーマを与えたのもあるでしょう。」

乙葉。
「あの有名な?」

珂珠。
「スキーマ。」
「目の前の情報が不完全なものであっても。」
「関連する枠組み的な知識を使うことで。」
「推測して認知を行ったり。」
「予測を立てたりする知識のモジュールです。」
「スキーマは生活において。」
「認知や知識からどのように世の中の状況を把握しているかなど。」
「理論的に説明する概念です。」
「認知心理学・認知科学と呼ばれています。」

乙葉。
「さすがにあなたは。」
「狙い所が違うわね。」
「君子に近い女性というのは今でも好き。」

珂珠。
「故きを温ねて新しきを知る。」
「だから師になれたものです。」

乙葉。
「人に教えるのは苦手だわ。」
「あの娘達の学校も凡庸なものではないよ。」

珂珠。
「適正処遇交互作用理論。」
「もっとも学習効果の高い教え方は、生徒ごとに異なる。」
「生徒を努力型・従順型・離反型に分け。」
「教師を自発型・秩序型・恐怖型に分けます。」
「さらにその教え方を上手か下手かに分けます。」
「個々の生徒に合った教育方法で。」
「適した教師のタイプを見極めます。」
「アメリカの心理学者クロンバック。」

乙葉。
「そこに基づいているのね。」
「やっぱり物知り博士だわ。」

小田原の付近に魔法少女のチームがあって。

葵ちゃんも連携を取っています。

志穂。
「スマホ。」

葵ちゃん。
「はいわたしです。」
「この付近にはグループがいないですけれど。」

電話。
「すみれちゃんも把握していないわ。」
「しほちゃんと一緒に地域を監督して欲しいと小雪ちゃんが言っているん。」
「無秩序になるのは避けないと。」
「うちはリーダーと言っても旗艦という認識やけれど。」
「そのうち手紙が届くかも。」

葵ちゃん。
「リーダーはPM理論で検証しています。」
「命令・指示のP機能だけではなく。」
「現場の立場を理解して公正に扱うM機能も併せ持っていなければならず。」
「P機能で目的達成の計画で人を動かしたり。」
「M機能でチームを穏健にまとめるなど。」
「ふたつを持っているPM型リーダーが強いという研究結果が出ています。」
「マネジリアル・グリッド理論もよく知られていて。」
「こちらは。」
「アメリカの心理学者R・ブレイクとJ・ムートンが提唱しました。」
「可能ですけれど。」

電話。
「魔法少女も子供だから。」
「統率が取れてないと暴走する危険もあるんや。」
「優秀な女の子がいてくれると助かる。」
「未訓練ではまともに魔法が扱えないから。」
「貴重な人材が無駄になってしまうし。」

葵ちゃん。
「地域を束ねるくらいの力はあります。」
「しほちゃんにも話しておきますね。」

志穂。
「はい?地域を監督?」
「過剰負荷環境では情報の中から必要なものだけ取り入れて。」
「他は無視するとか。」
「私の情報処理能力は常人の十倍だから。」
「大きな役割は私に任せて。」

葵ちゃん。
「私は進路で余裕ないです。」
「しほちゃんに任せました。」

志穂。
「私は専門学校に行くから。」
「少しは余裕あるわよ。」
「任せなさい。」

古書店。

倉庫の中から登場。

朱羽。
「あらいらっしゃい。」
「巨大な金庫の中にお宝があるわよ。」

葵ちゃん。
「隠し持っている超高価な書物。」
「通常の方法では売らないんです。」

志穂。
「公式チートください。」

朱羽。
「え?インチキ?イカサマ?」
「日本の古典で復刻コピーされた教養書があるから。」
「その中にあるかもね。」

志穂。
「本当にチートがあるの?」

朱羽。
「あなた、チェスの世界大会の研究資料とか。」
「資本主義の中で形成された手記とか。」
「実戦データのアーカイブが目当てなのね?」
「普通ではありえない物品が置いてあるから。」
「特別に読ませてあげるけれど。」
「他人に言わないでね。」

志穂。
「豚に真珠ということで。」
「誰が他人に教えますか。」

朱羽。
「僥倖なのか必然なのか。」
「有効活用できるお姉さんなのよ。」
「セネカから教わった知恵だけれど。」

葵ちゃん。
「神は歯のない者にクルミを授ける。」
「活用方法を知らないと知っていて。」
「故意に与えることによって。」
「馬鹿にしているパターンもあります。」
「観察が必要です。」

朱羽。
「最初に勝つがいい、そして最後には負けるがいい。」

葵ちゃん。
「お姉さんはゲーム会社の監督だったんですよ。」
「でも事業から撤退する可能性が出てきたので。」
「素早く乗り換えたんです。」
「その後、まだ存続していますけれど。」

朱羽。
「ゲームって単純なのよ。」
「一騎当千モノは敵がやられ役で倒して当たり前。」
「これは悪影響が出やすい。」
「次に一兵卒がテーマのゲーム。」
「こちらは実際の戦争を再現したもので。」
「やられて当たり前。」
「研究するとローグライフゲームがこの時代最強だと知った。」
「無駄な要素が多いほど面白いって。」

志穂。
「ゲームは飽きたら捨てられますからね。」

朱羽。
「可能性に懐疑的だからね。」
「廉価版のゲームが優秀で。」
「あんまり力をかけると手間だらけでコストも高い。」
「PS2が繁盛したのも参入の難易度が低いから。」
「新しいものを作るのって工場みたいには行かない。」
「転職したらなんか職業心理学の本を見つけてね。」
「キャリア・アンカー。」

志穂。
「ゲームって娯楽ですから。」
「転職して才能が開花したという証拠歴然。」

朱羽。
「会社では最強だったわ。」
「アメリカの経営学者・心理学者。」
「ダグラス・マグレガー。」
「二つの対立的な。」
「X理論とY理論を唱えました。」
「X理論は労働者を信じない上に怠惰と見なします。」
「Y理論は労働者の自主性を尊重します。」
「最近はY理論が時代に合っていると考えられています。」
「アメリカの心理学者ウィリアム・オオウチは日本流の全体主義と安定を求めるZ理論を提唱。」
「これだけで圧倒的に有利。」
「売り上げ以外は。」

志穂。
「商業は長期的な視野と計画ですからね。」
「行き当たりばったりは商売下手に多いです。」

葵ちゃん。
「倉庫の中には久しぶりに入ったけれど。」
「地下もあるんですよ。」
「金庫でいっぱいですが。」

案内される。

隠し扉の先には大きな金庫でいっぱいの部屋。

朱羽。
「世の中は処世術よ。」
「処世術に長けているだけで物事はうまくいくものです。」
「処世術を学んだことは大きいわ。」
「なんでも処世術で力押しできるし。」
「商売上手は処世術が上手な人が多い傾向にある。」

志穂。
「YouTubeで人気が出ているんですが。」
「物を売る依頼も出てきています。」
「助言が欲しいです。」

朱羽。
「人を説得する時には。」
「メリットとデメリットの両方を伝えると。」
「信用されるようになる。」
「メリットだけ提示するビジネスマンは信用されにくい。」
「顧客や相手がいきなり態度を変える場合があるので。」
「説得に成功しても続くとは限らない。」
「説得にはテクニックが複数あるので。」
「策士であればあるほど有利に進む。」

志穂。
「うわあすごい教養。」

葵ちゃん。
「三冊貸してくれるって。」

志穂。
「お高い処世術の書ですか。」
「お姉さん好きよ。」

朱羽。
「定休日に試合を観に行くの。」
「スペインにひとりで。」
「あおいちゃんは忙しそうなので。」
「お姉ちゃんがしっかりこなしておくわ。」

葵ちゃん。
「二部リーグで採用されるって言われています。」
「そのうちJリーグに移動するでしょう。」
「念願の一部デビューが難しそうです。」

朱羽。
「競争率すごいからね。」
「腐っても鯛。」
「フットボールの才能はステータスよ。」
「あれでも下手な大人を数人相手にゴールを奪えるんだから。」

志穂。
「お借りします。」
「定休日以降に返しますね。」

邸宅に帰還。

先生は事務をするようで。

さりげなく解散しました。

葵ちゃん。
「自作PCって故障したら交換すればいいので。」
「機械の信頼性を無視できるとか。」

志穂。
「日本製のパソコンは中身が良いので。」
「あんまり壊れないわ。」
「パソコンも精密機械だから壊れる時は壊れる。」

葵ちゃん。
「法人向けのパソコンも持ってますよね。」
「ビジネス用途とかは信頼性が高くていいです。」
「なにかと交換したって言いましたが。」

志穂。
「大容量のSSDに換装する代わりに。」
「高性能なCPUを頂戴したのよ。」
「CPUのスコアはどうでもよかったんだけれど。」
「貰ったCPUの交換に失敗したのよ。」
「何気に対応していない型で。」
「しくじって破損した。」

葵ちゃん。
「それはひどい。」

志穂。
「怒って青くなった。」
「怒って赤くなる人はいるけれど。」
「私は怒って青くなった。」
「それで、私は怒ると青くなると知った。」
「私は怒る時は青ざめている。」

葵ちゃん。
「怒って赤くなる人はたいしたことはありませんが。」
「怒って青くなる人は恐ろしいです。」

志穂。
「破損したゲーミングPCの代わりにPS5を導入したけれど。」
「今度パーツ貰ってきて修理するつもり。」
「そんなに細かい部品は売ってない筈だけれど。」

葵ちゃん。
「戦闘機も数万の部品を組み合わせて稼働していますので。」
「パソコンも同じなんですね。」
「このお菓子で良ければ。」

志穂。
「慰めをありがとう。」
「またねー。」

帰宅。

受験勉強という訳ですが。

さっそく公式チートを発動です。

テストはクイズの形式を持っていることが多く。

大学の受験は理屈でいっぱい。

つまりは試験の内容を研究してしまい。

手の内を知った上でアタックするのです。

人間社会を逆手にとって力攻めする。

凡人がおおよそ取らない手段が。

兵法の極みなのですよ。

この世界は男性の方が優れていると思われがちですが。

修養を積んだ女性にとっては懐疑的です。

未訓練の女性にとっては不利であって。

高度な訓練を積んだ女性は難易度が低い上にアドバンテージが認められます。

形而上学の視点から女性について多方向の検証が可能で。

女性について分かっていることは全体の半分以下です。

包括するとこれが該当すると思われます。

コントロール幻想。

自分がコントロールできないことを。

あたかもコントロールできていると思い込む状態。

偶然による事象も自分の能力や意思で何とかできると思い込むことです。

秩序は物事が正しい状態を保つもの。

私の体験は一区切りです。


鏡文字。


でんなはのいなしはとこるべらしをいかせのこ。

のいいばれじんしをんけいのんにた。

いめふみいとっずらなれそ。


のなくぞんまでしなはたしいめつせがかれだ。

のいいてしぎいてがんにたをたなあ。


のないざんそなつけむんぜんかどほるきでいめつせをてべすはかれだのそ。

よいなえりあはれそにんげんに。


らたっなにうこんへんぜつとがちきてくも。

ねうましてっわかはびた。


にのたっだいてよくいへこそはりのちみ。

かのもるしがれだてんないいがうほくいへそよ。


てきおがいめくかにんげんにとるれさうょきいてをきうこ。

しうましてっなにんじつべのくたっま。


るいてしるしをいかんげたしんげいさをいせうのかのいせょじ。

いなれしもかるえこばれすうょきいてをきうこがしきれ。


なかるなうどばれすったにいだいさのんげんにのきさたえこをいかんげのんげんに。


よとびびた、いかせのこ。

てっわまてみ、をいかせのこ。

りがろひはれそ、いかせのこ。

のうもおうどてみ、いかせのこ。

てけづつきるあだた。

てめともをりわお。

はのくい。

のなたうのだた。


鏡文字。

レオナルド・ダ・ヴィンチが使用したことで有名。

左利きであったので生じたと言われている。

左から読むのではなく右から読む。



64


功利。

倫理用語で。

幸福と利益。

哲学のヴァージョンとは少し違う。


卒業式の日を終えて。

目指すべく進路を大学に向けまして。

先生からの指導も強力になり。

今回も。

なるべく遠くに徒歩で移動する訓練をしておりました。

駅から可能な限り歩いて。

身体の健康を確保する訳です。

浜北総合体育館・サーラグリーンアリーナへ向かいます。

雫ちゃんと紬ちゃんが電気アシスト自転車で。

通りかかりました。

雫ちゃん。
「デジタルに頼り過ぎると。」
「女性の体って仕上がらないよね。」

紬ちゃん。
「良いスタイルも日常的な訓練からです。」
「健康を害するのは半分くらいが運動不足で。」
「なんでも機械に頼るから。」
「自分で動く能力が足りてないのです。」

葵ちゃん。
「先生の指示でやっていますが。」
「回数を重ねると足回りが頑丈になります。」
「次は小山を登山するといいらしいです。」

紬ちゃん。
「病弱なわたしのお父さんとは正反対ですね。」
「青年時代に籠もった時に修得した。」
「作曲の技術は人々を納得させていますし。」

葵ちゃん。
「姫ちゃんが習った。」
「疾病利得という言葉。」
「病気になることで得られる利益。」
「前線で戦う事が恐怖であった兵士がつまらない怪我をして病院に下げられて。」
「戦死を免れる場合もあります。」
「現実の問題を棚上げにできるのです。」

紬ちゃん。
「その間に跳ね上がった技術は娘のわたしでも驚愕していました。」
「ちなみに演奏の方も卓越していて。」
「今は海外に居ますが。」

雫ちゃん。
「うちのお父さんはJFA発行のライセンス持ちで。」
「けっこう仕込まれたけれど。」
「そこまで上手にはならなかったなー。」
「お父さんの知り合いの稽古場に剣術を教えるグループがあって。」
「そこでは強いって言われるけれど。」

葵ちゃん。
「人間の根本的な弱さは。」
「勝利を手にできないことではなく。」
「せっかく手にした勝利を。」
「活用しきれないことである。」

雫ちゃん。
「古代カルタゴのハンニバルも。」
「副官にそういう批判をされたよね。」
「勝つことはご存じだが。」
「勝利の使い道はご存じない。」
「副官は首都に突撃した方がいいと言ったのに。」
「やらなかったので。」
「戦闘ではいくら勝ってもカルタゴ本国が陥落して。」
「引き渡し交渉の際にハンニバルを渡せとローマが要求すると。」
「ハンニバルは自害したし。」

葵ちゃん。
「人間の考えを逆手に取られたか。」
「人間の考えとは食い違う現象はけっこうありますね。」

紬ちゃん。
「特にわたしは前の運命の悪あがきと断末魔に悩まされています。」
「自然の運命は普通の運命とは違いますからね。」
「たまに両者が先天的に争いを続けている場合があります。」

葵ちゃん。
「道教では自然の運命が強調されていて。」
「人は本来の運命は自然のものですから。」
「それを実感した時は不自然な要素は負けていきます。」

雫ちゃん。
「反出生主義は最近の流行ですが。」
「けっこう便利ですね。」
「良いものがたくさんあっても。」
「悪いものひとつで台無しになるのではなく。」
「良いものがたくさんあっても。」
「悪いものが良いものを全て残らず台無しにする。」
「悪いものは良いものを打ち壊すので。」
「そのことを言うのだろうと思う。」

葵ちゃん。
「欲求阻止状況。」
「望むものを阻害されることで。」
「実現が不可能になる場合に陥る。」
「フラストレーションが増していくと。」
「欲求阻止状況で防衛反応を起こします。」

紬ちゃん。
「人の判断や査定がケースバイケース。」
「根本的な基準がないので。」
「ケースバイケースで決まってしまっている。」
「そうなるのも成り行きです。」

葵ちゃん。
「自分の意思の反対の行動を起こす。」
「別の意味に解釈を変更し。」
「目標や行動に変換。」
「理由をつけて正当化し。」
「合理的に解釈する。」
「さらには稚拙な状態になる退行を起こし。」
「或いは攻撃や衝動などを社会に有益な活動に変化させる。」
「防衛機制などの問題になります。」
「防衛反応を起こさない場合は。」
「何らかの行為に出る可能性があります。」
「対象に関する態度が冷酷になり。」
「無言で対抗するなどの交戦状態になると思われます。」

雫ちゃん。
「何気に厭世的だよ?」

葵ちゃん。
「マーク・トウェイン読んだんです。」

紬ちゃん。
「決定論的人間観で有名な?」

葵ちゃん。
「ペシミスティック。」
「自由意思には選ぶ権利はあっても。」
「決定を通らせる権威はございません。」
「自分に自由意志があると。」
「物事や現象に関しては判断して決定は下せます。」
「ただし、自由意思には権力や軍事力は殆ど持ちませんので。」
「状況を自由意思で強制変更することはできません。」
「自由意志は限定的なものです。」
「そうなると成り行きや偶然の方が明らかに強くて。」
「自由意思よりも的確な方向へ人を誘導するか流してしまえるでしょう。」
「マーク・トウェインのペシミスティック視点からは。」
「決定論の方が勝っていると考えられています。」

紬ちゃん。
「そうなんですよ。」
「自由意志は実行力に乏しいので。」
「大局を自由意志で変更することはできません。」

雫ちゃん。
「自由であると言い放っても。」
「権利が及ぶのは退屈な範囲だけという。」
「どんな顔をすればいいのやら。」

葵ちゃん。
「最大まで有利にすることはできます。」
「不利な要素は最低まで削減することはできます。」

紬ちゃん。
「いろいろ学ぶごとにいろんな場所で優勢を確保できますね。」
「逆に蒙昧なままだといろんな場所で劣勢に陥りますし。」
「場合によっては知らないことで。」
「一方的に主権が奪われてしまう。」
「理論武装をしておくと無敵ですね。」

葵ちゃん。
「善悪が関係ない展開も時々発生するもので。」
「善悪を見極める素質が無ければ。」
「その展開においても敗北あるのみ。」

紬ちゃん。
「愉快な本がありまして。」
「岩波文庫。」
「ショウペンハウエル。」
「読書について。」
「他二篇。」
「思索が大事で。」
「読書だけで体験なしはダメ。」
「多くの本を読むとモノにできずに害する。」
「読書は足りない部分や材料を提供するけれど。」
「自分のオリジナルを作り出すのは別の話。」
「社会には金銭目的で悪書が大量に発行され。」
「読み手から搾取する本も多い。」
「彼らは複製だけで。」
「文章になっていればいいという。」
「中身が無いもの。」
「本物の芸術は。」
「収入とは関係がない時代や。」
「殆ど収益が見込めない状況で描かれている。」
「中々、痛快な内容なので。」
「文学者と読書好きは読んでおくと面白いわ。」

雫ちゃん。
「歴史を貶めて今が最高だなんて言う現代主義者は。」
「ルサンチマンの同類に決まっています。」

紬ちゃん。
「作品とは。」
「思索が表現される。」
「金銭に蝕まれて。」
「バランスが取れなかったと言われているけれど。」
「ルソーのエミールみたいに。」
「作品形式で見たものを表現したいです。」

葵ちゃん。
「思想は三十年で移り変わると言われています。」
「不合理な主義思想は非合理なために潰れて。」
「反対者が勝利することになる。」
「しかし天下を取った反対者の反対者が勢力を増してきて。」
「その思想形態も倒されてしまう。」
「図書館の本も現在発行されている本も。」
「三十年で消え失せていると思います。」
「原因は不合理な点においてだけで。」

ふたりはサイクリングの途中でした。

解散。

誰か金色の衣装を纏った女性が歩いてきます。

カッツェ。
「シュリュッセルを見なかったか?」

葵ちゃん。
「誰ですか?」

カッツェ。
「おっと!質問を変えよう。」
「長身の男とクレイジーな女を見なかったか?」

葵ちゃん。
「人探しですね。」
「見ませんでした。」

カッツェ。
「サンキュー。」

金色の衣装の女性はどこかへ行ってしまいました。

そろそろ目的地ですが。

オベルジーネン。
「そこのあんた。」

葵ちゃん。
「なんでしょうか?」

オベルジーネン。
「どこかで見たことあるような?」

葵ちゃん。
「はて?」

オベルジーネン。
「・・・・・!!」
「型にハマった優等生ですと!!」
「現代あるあるの醜悪な女とかよくも言ってくれたわね!!」

葵ちゃん。
「はい?」

オベルジーネン。
「おまけに神様の手抜き作ですって!?」
「女の駄作とか好き放題に言ってくれるじゃない!!」

葵ちゃん。
「わたしはなにも言っていませんよ!!」

追いかけてくるので。

平時で持ち歩くショートスタッフ「2.34mm滑降砲」で応戦。

小石を弾にする武器で。

威力が低い。

オベルジーネン。
「うわっ!」
「人間型ボットなんて言われて。」
「タダで済むと思うなあ!!」

葵ちゃん。
「わたしはなーんにも言っていません。」

追い払うも。

追跡されて。

浜北総合体育館・サーラグリーンアリーナの敷地。

カッツェ。
「なんだあれ?」

葵ちゃん。
「あの人が探していたクレイジーな女ではありませんか!?」

カッツェ。
「おっしゃぁぁああ!!」
「会いたかったぜオベルジーネン!!」

バトルアックスを持って。

金色の衣装の女性が。

なんとかしてくれました。

シュリュッセル。
「漁夫の利と行きますか。」

オベルジーネン。
「あんたが台詞を考えたのね!!」

カッツェ。
「そうだと言ったら?」

オベルジーネン。
「ぶっころしてやる!!」

シュリュッセル。
「可憐な御嬢さん。」
「金色の乙女と仲間だったとはね。」

葵ちゃん。
「違いますよ。」

シュリュッセル。
「否定しても無駄ですよ。」

いきなり側面から来たので。

回避運動をしつつ反撃。

シュリュッセル。
「回避運動が速いね。」

葵ちゃん。
「なんですかあなた。」

シュリュッセル。
「しかしこのまま行けばこのニードルワイヤーで。」
「貫くことは可能だよ。」

小さな突撃槍が装着された。

有線式飛び道具です。

近接戦用で。

初速が速い有線式の突撃槍で突いたり。

ワイヤーで絡め捕ったりする。

どこかで見た武器。

逃げながら戦います。

葵ちゃん。
「ある程度逃げたら反転して一撃を加える。」

シュリュッセル。
「待てよ!」
「そのうちこの獲物でお前を・・・。」
「ぐわあああ!!」

カッツェ。
「死ね!シュリュッセル!」

オベルジーネン。
「シュリュッセルが!!」

長身の男は負傷。

カッツェはかかって来いのポーズ。

乱戦。

葵ちゃんは巻き込まれる。

遠くからロングスタッフの7.62ミリライフル砲。

一方的に相手に命中弾を与える。

志穂。
「こちらは見えないでしょう。」

カッツェ。
「その女の子は私の仲間じゃないぞ!!」
「カモーン。」

オベルジーネン。
「よくも騙したわね!!」

シュリュッセル。
「いや勝手に我々が勘違いしただけでは。」

敵はまとめてどっかへ移動。

勘違いされて追跡された謎の連中で。

お互いに争っていたみたい。

既に影はありません。

勘違いが分かって混乱していたようで。

なにがしたかったのか。

なにしに来たのか知りません。

訳が分からない事を言っていたので。

仲間割れでしょうか?

志穂。
「同じ事をしていたから。」
「先に辿り着いたおかげで。」
「いいポジションを取れたわ。」

葵ちゃん。
「巻き添えを食らいました。」
「降りかかる火の粉は払わねばならぬ。」
「降りかかってくる災いや危険は。」
「自分自身で積極的に防御しなければならない。」
「というたとえ。」

志穂。
「アイツら警察の追跡を逃れたみたい。」
「どこにもいないわ。」

葵ちゃん。
「濡れ衣を着せるような奴らです。」
「派閥争いか何かでしょう。」

志穂。
「私も知らない勢力もいる。」
「あなた無傷ね。」
「戦場に出ただけあるわ。」

葵ちゃん。
「けっこう強い奴でした。」
「長引いたらクレイモアで殺すつもりでしたが。」

志穂。
「前より冷静になっているから。」
「勢いは落ちているわ。」
「子供の時に習った技能は。」
「大人になってから再構築しないと使い物にならないわ。」
「また先生に教えてもらいましょう。」

市民が通報していたので。

民兵と警察官と自衛隊が情報を求めてきました。

報告すると充分なようで。

立ち去ります。

ふたりで帰ることに。

久しぶりのJアラート。

大規模テロ情報。

この地域で発令されたので急ぎ足で退避。

覆面。
「これは美しいお二人で。」

葵ちゃん。
「ふざけてないでどっか行ってください。」

志穂。
「さっき変態が奇妙な事をしていたので。」

覆面。
「まあ人質にするには十分ですな。」

葵ちゃん。
「さっきの連中の同類ですよね?」

志穂。
「周囲にはいない。」
「こいつだけ。」

覆面。
「腕に覚えがあるらしい。」
「試させてもらう。」

葵ちゃん。
「スピキュール(太陽フレア)」

覆面。
「うぐっ!」
「受け切った・・・。」

志穂。
「遅い。」

覆面。
「くっ!」

一瞬で背後に回った志穂。

凄い重量のあるロングスタッフが覆面に襲い掛かる。

覆面。
「やるな。」

覆面は遠くへジャンプすると反撃してくる。

クナイを放り投げると。

簡単に回避する葵ちゃん。

もう目の前ではなく詰めている。

十手を取り出して応戦する覆面。

覆面。
「攻撃が速い!こやつの動きについていけない!?」

志穂。
「そこです。」

覆面。
「おおおおお!?」

覆面は斜め回転で潜り抜けるとまた距離を取ってくる。

葵ちゃんはリミッターを解除してスピードアップ。

覆面は手裏剣を取り出して必死に投げてくるも。

クレイモアで全部。

迎撃。

覆面。
「さらにどうだ!?」

葵ちゃん。
「見切った。」

覆面。
「動きが読まれている・・・。」

投げナイフをさらに迎撃。

志穂が反撃させないように立ち回る。

覆面はチャクラムを葵ちゃんに投げるもスピキュール光線で迎撃されて墜落。

志穂に投げた分もライフル砲で迎撃されてしまい。

覆面は逃亡を開始。

志穂の二刀流電磁ショートスタッフ。

これは特殊な電撃によって相手をスタンさせる護身用の武器。

覆面は追いつかれて殴られてダウン。

素早く立ち去る葵ちゃんと志穂ちゃん。

武装警察が覆面を捕獲すると。

大規模テロが発生。

男性の魔法使いが集結していて。

金色の人は味方でした。

金色の人の仲間が出てきて退避。

巻き込まれましたが勝利。

葵ちゃん。
「泥沼の戦い。」
「正義対正義は未だ勝者がいない。」
「倒れた時に決着がつくので。」
「自分が正義であると言っても。」
「相手も正義である訳で。」
「徹底的に争ってくる正義と交戦し。」
「最後には力の強い者が相手の正義を打ち負かす。」

志穂。
「早い内に自分が正義であると自己主張した方が後々有利になる。」
「正義対正義は一方的ではなく。」
「本当に押し通したかったら殺し合いになるしかない。」
「或いは力の強い方の正義が相手を殺傷するわけで。」
「打ち負かされて正義を続行することは不可能なことで。」
「正義だから勝利というのは早計。」
「どの国も自分は正義であると主張する。」
「正義対正義の構図に素早く持っていけば。」
「相手の言い分が通ることはありえない。」

葵ちゃん。
「戦闘が長期化することもある。」
「勝敗が決するまで撃ち合いになるので。」
「誰かの正義が一方的に通ることはありえない。」
「選ぶ行動は時々で良いので自分が正義であると自己主張することで。」
「誰かの正義が通ることを防ぐことができる。」

志穂。
「英雄の猿真似をしている人間は正義だから相手を攻撃していいと思っているものの。」
「英雄や正義は戦場に出てくるのが当たり前であるので。」
「もはや力の強い方が正義となる。」
「勝てば官軍負ければ賊軍。」

葵ちゃん。
「世界の軍隊を見ればお互いに睨み合いになった時。」
「クリミア半島でイギリスとロシアの艦艇が押し問答をした際にも。」
「アフガニスタンでの戦いも。」
「十字軍遠征でさえも従わない国家が出ていた。」
「武器を持った預言者は敵の正義を壊して進んだ。」

葵ちゃん。
「相手も正義を掲げて向かってくる。」
「正義は勝ちません。」
「相手が倒れるだけです。」

志穂。
「お互いの正義を主張して衝突しているし。」
「中国の艦艇も尖閣諸島に侵入した漁船に対して。」
「違法操業として警告してくる。」
「ロシア人の国家に関する姿勢と。」
「アメリカ人の国家に関する姿勢は対立するものですし。」
「戦争はいつだって正義と正義の殺し合い。」
「戦争はお互いの正義を衝突させて勝利を目指すのだから。」
「英雄の猿真似をしてくる相手には同じ構図に引き込んで。」
「泥沼の戦いに陥れる作戦が有効だわ。」

葵ちゃん。
「犯罪心理学の定説。」
「犯罪者とそうでない人の間には明確な違いはない。」
「少し突っ込みを入れると。」
「一般的な人間と犯罪者には違いがない。」

志穂。
「手紙を書くの。」
「WEBに保存しておくもの。」
「最大まで優勢にできればいいほうで。」
「アーカイブや自己主張をしておくと。」
「読者の方にも利益が生じる。」
「読み手を最大まで有利にできるし。」
「自分も気軽に電子書籍を置いておける。」

葵ちゃん。
「しほちゃんお勧めのパソコン終ぞ買いました。」
「MAC・PCって癖があるけれどいいよね。」

志穂。
「Windowsも数台持っているけれど。」
「MAC・OS・PCが主役だわ。」
「癖があっても慣れるし。」
「動作の安定や信頼があってのアップルです。」

葵ちゃん。
「使いこなすとストロングポイントが冴える。」
「ウインドウズは簡素でゴチャゴチャしていてわからないです。」
「好みの話でしょうか?」

志穂。
「どちらか好きな方を使うべし。」
「MACとWindows両方使っているわ。」
「予備機は安い奴で済ましている。」

葵ちゃん。
「パソコンデビューはMACになりました。」
「現物を見るべきですね。」

志穂。
「市販の説明書があるから今度渡すわね。」
「戦い慣れると余裕まで生じる。」

葵ちゃん。
「あんだけ戦って冷静ですし。」
「何人か殺害すると。」
「有事でも余裕で居られます。」

志穂。
「血の匂いと剣の気配は消えないでしょう。」
「それさえも活用するべし。」

葵ちゃん。
「兵士は大体がこんなものです。」
「飛び入り参加ですが使ってくれました。」
「私は大局の一部でしかないです。」

志穂。
「ナポレオンみたいに大局の主人公はまず無理です。」
「大人の世界は激戦ですから。」
「熾烈な戦闘を勝ち進める人物は稀。」

葵ちゃん。
「それでも勲章貰いまして。」
「敵兵をけっこう倒していますし。」
「士官ばかり狙うので。」

志穂。
「究極の兵士だわ。」
「傭兵らしい所を発揮したわね。」
「力を持った女性が真実だわ。」

葵ちゃん。
「第二次世界大戦のソビエト。」
「女性兵士が百万人近く戦闘に加わって。」
「自発的に戦場へ入り。」
「熾烈な戦闘を潜り抜けて。」
「かなりの人数が生き残っています。」
「男性が驚愕するほどの射撃が戦果で残っています。」
「ナチスにとって狙撃手の女性兵士は脅威だったでしょう。」
「女性が戦場に出ると。」
「ソビエトの女性兵士のようになりますけれど。」
「時運が味方すれば全員が英雄ですよ。」

志穂。
「歴史において女性が戦うのは多くはないけれど。」
「女性についての証拠のひとつですなー。」
「スマホ見ると中継しているわ。」
「仮面の奴はぐれた士官だったらしいし。」
「これは貰った。」

葵ちゃん。
「傭兵登録が消えてしばらくですが。」
「また戦うとは思いませんでした。」
「臨機応変。」
「変幻自在に対応してくれた司令部に感謝しないとね。」

志穂。
「手記が捗りますなー。」
「PDF形式はもはや世界の基準。」


葵ちゃん。
「これはなんですか?」

・あなた・は強力で威圧的だと思います。

・なぜ・なら私達とは共通認識が違うからです。

リンゴがあったらそこにリンゴがあるだけで。

空腹の人と農園の人と果物好きが違う認識で。

目の前のリンゴを解釈すると言っています。

・ワタシ・はなんとなく・あなた・の言い方と・力任せ・の言動。

正論に近く真実に従ってぶつける方法を嫌っています。

・ワタシ・が愚者であるかは知りませんが。

・ワタシ・からあなたは異質に見えます。

・ワタシ・は自由から反論していますが。

・我々・は他人から正しいと言われているからです。

志穂。
「他人が抱くであろう反論を私が書いてあげました。」

葵ちゃん。
「自分自身を非難しているから。」
「他人に非難されることを拒絶しているわけですね。」

志穂。
「神様が裁判長ですから。」
「人間の裁きは必要がない上に違法というわけで。」

葵ちゃん。
「同感です。」
「責める人間を裁くのは誰なんですか?」
「監督者や何にも従わない人間が人を責めるのは愚かです。」

志穂。
「そういうわけよ。」
「女性は人間の力では無理が生じているように思える。」

葵ちゃん。
「VTuberを見れば女性の完成形とされるものが分かります。」
「女性は単なる訓練不足です。」

志穂。
「上から目線の言葉よりも下から目線の言葉。」
「カフカをお勧めするわ。」
「あなた。」
「最盛期よりも戦闘力が落ちているように思えたわ。」

葵ちゃん。
「やっぱり再構成が必要かな。」

志穂。
「少女の時代に仕上がるのは僥倖。」
「皆、現代思想の安請け合い。」
「青人草は群衆の仲間にはならない。」
「これは大きい。」
「群衆心理。」
「個人が群衆の一人となった場合に持つ特殊な心理。」
「反省力を失って感情的になり。」
「他人の言動にむやみに同調する心の状態。」

「人気者や人気作品の中には。」
「ル・ボンの群集心理を使った手品がある。」
「単純に断言だけすれば。」
「証拠や論証が必要ない上に。」
「断言には威力があるので。」
「群集心理で人気を獲得とか。」
「もはや倫理の問題ですよ。」

葵ちゃん。
「畜群本能がわたしの邪魔をしています。」
「大人になるにつれ。」
「社会を知っているかどうかが肝心です。」
「マックス・ヴェーバー。」
「社会学の根本概念を読んでいますが。」
「結論なんて出ません。」

志穂。
「結論なんて出ると思えないわ。」
「あれ?スマホで読んでいるけれど。」
「新着記事が大量発生。」
「ニュースがごちゃごちゃしている。」
「公明正大が義務のNHKさん。」
「テレビならNHKを観ていないと。」
「バイアスのかかった報道に引っかかる。」
「ジャーナリズムには賛同しないわ。」

葵ちゃん。
「反政府勢力の事ですか?」
「滑稽ですよね。」
「彼らが守りたかったのは、世界ではなく自分の持論。」

志穂。
「君がそう考える根拠になった材料そのものは。」
「決して君自身が創り出したものではない。」
「要するにそれは無数の書物。」
「無数の会話。」
「そして何百年の祖先たちの心。」
「頭脳から流れ出して。」
「君の心と頭脳に注ぎ込んだ思想。」
「感情の流れ。」
「それらから無意識に集めこんだ思想の断片。」
「印象の断片。」
「感情の断片。」
「そういったガラクタ群の集積にしか過ぎない。」
「目に見えない欠片ですら何一つ君自身の創造なんかじゃない。」
「それどころが借り物の材料をまとめ上げたという僅かな功績ですら君の手柄ではない。」
「それらは機械的に自動生成されたもので。」
「君という機械がやっただけのこと。」
「その機械も君自身がつくったものじゃないし。」
「それを支配する力すらも君自身は持っていないんだよ。」
「マーク・トウェイン。」
「人間とは何か。」
「引用。」

葵ちゃん。
「かなりペシミスティックですね。」

志穂。
「罪はなくても、罰がやってくる。」
「罰を受けたせいで、罪悪感がわいてくる。」

葵ちゃん。
「罪はないのに罰はやってくる。」

志穂。
「ここは絶望名人から習いましょう。」
「カフカを読むと納得するものです。」

お宮に参拝して解散。

偉人の中にも例外がいます。

カフカは極端に絶望しているもので。

絶望に襲われた時はカフカを読みましょう。

とある日。

先生に掛川市にあるお宮に連れて行って貰いました。

鳥居の目の前で。

葵ちゃん。
「完全主義ではないので。」
「自分にも他人にも完全を求めません。」
「業務や言動。」
「やることなすこと。」
「完全を追及したりはしないです。」

珂珠。
「自分も完全ではないのに。」
「ましてや他人に完全を求めることは不可能ですね。」

志穂。
「完全主義者は問題だらけ。」

葵ちゃん。
「最近は思想面での研究が進んで。」
「完全主義はけっこう有害と言われています。」

珂珠。
「係争中の物事も多いわ。」
「哲学の訓練をしていない凡人は参加できない。」
「凡人ですから哲学の訓練もしていません。」
「テーゼによる問題提起は。」
「つまらない人間の方が多く出していると思います。」

志穂。
「例えば善人も悪人も滅びろとか。」
「ニーチェはよく言っていますけれど。」
「アンチテーゼを出して攻略してくれた人はいないです。」

珂珠。
「オックスフォード英語ことわざ辞典386。」
「規則は破られるためにある。」
「規範を無視することを勧める言葉としてよく使われる。」


葵ちゃん。
「係争中の物事は当事者に任せたほうがいいかも。」

志穂。
「勝利至上主義とかは?」

珂珠。
「スコアを重視して。」
「結果論で熟達。」
「マスターすることが出来ない。」
「そして結果的にスコアも下がる。」
「スポーツ心理学では。」
「競争に勝利することよりも。」
「技術を極めるほうが良いとされています。」
「得点ばかり重んじると。」
「不具合や緊張で上手くいきません。」
「何回も伝えましたので。」

葵ちゃん。
「合理的に考えるのは最高な気分です。」
「合理的な女性が本物。」

志穂。
「質問。」
「不合理・非合理なものを合理化しても良いのか?」

珂珠。
「合理的ではないものを合理化することは不可能ですよ。」
「不当な不幸も理不尽も。」
「まず合理化してはいけない。」
「悪いものは一切合理化してはならない。」
「心理学では良くないものは。」
「合理化すべきではないと教えられる。」
「もし因果関係のないものを強要させられたら。」
「何の合理化もしないことで自滅させる事もできる。」
「あれこれ理屈をつけず。」
「肯定しなくても良い。」
「反出生主義でも見られるように。」
「そもそも合理的ではないのに合理化する理由はない。」
「矛盾は矛盾として認め。」
「自壊するように誘えば良くて。」
「合理化しないだけで良い。」

葵ちゃん。

「世の中の事も合理化しないようにします。」
「シャーロック・ホームズの推理の名言がありまして。」
「真実は合理化の禁止と出ましたので。」

珂珠。
「合理主義は古典でよく見られる究極の姿勢です。」
「どんな古典も合理的に描かれていますので。」
「歴史は合理的にしか動きませんよ。」
「歴史の解説書では。」
「合理的に動いているのが歴史であると。」
「すぐに分かります。」
「近況報告。」

葵ちゃん。
「なぜ反政府勢力は未だ消滅しないのでしょうか?」

珂珠。
「オックスフォード英語ことわざ辞典114。」
「悪魔の子には悪魔の運がついている。」
「悪人には不当に幸運がついてまわっている。」
「悪魔は自分の仲間の面倒をよく見る。」

葵ちゃん。
「正体が悪魔の子だったんですね」

志穂。
「オックスフォード英語ことわざ辞典466。」
「悪と悪を足しても善にはならぬ。」

葵ちゃん。
「当たり前ですね。」

志穂。
「なんか蔓延している誹謗中傷とか。」
「オックスフォード英語ことわざ辞典436。」
「君だって同類ではないか。」
「現在では、名指しで誰かを侮辱するような人を黙らせる言葉として使われることが多い。」

珂珠。
「オックスフォード英語ことわざ辞典202。」
「罪が深ければ深いほど、偉大な聖人になる。」
「過去に大罪を犯した者は、その後悔い改め、以前悪事に費やしたのと同じくらいの熱意を持って。」
「良いことに従事するよう自分を変えることができる。」

志穂。
「天つ罪。」
「国つ罪。」
「懺悔。」

葵ちゃん。
「好きで来たので。」
「定期報告。」


珂珠。
「英語のことわざ。」
「神が授けてくださるものは受け取りなさい。」
「神が与えてくださったものは自分のものにしてよい。」

境内。

氏子が設置した説明書が張られている。

八幡神社は全国で最も多く。

武家の守護神として信仰を集めた。

祭神。

本宮は「応神天皇・神宮皇后」

境内小社は「武御名方命」


珂珠。
「お宮参りが習慣になると。」
「第二の天性となり、性質となる。」
「それは生まれつきのものと同じということになる。」
「お宮参りが習慣になるとそうなる。」

志穂。
「習慣によって、言わば第二の天性が作られる。」
「キケロ。」
「善と悪の究極について。」
「第五巻25.74。

葵ちゃん。
「クィンティリアヌス。」
「弁論術教程第一巻。」
「これらからまず習慣ができ、次いでそれが性質になる。」

珂珠。
「習慣も快いものである。」
「なぜなら。」
「習慣として身についているものは。」
「事実上。」
「持って生まれついたのと同じようなものになっているから。」
「アリストテレス。」
「弁論術第一巻。」

葵ちゃん。
「お宮参りで習慣ですと報告できました。」

志穂。
「天性ということになるわね。」

珂珠。
「それがあなた方の性質です。」
「神聖なんですよ。」
「そしてこれこそがあなた方の持って生まれたもの。」

志穂。
「不可抗力が体験できるのは珍しいことで。」
「知っておいたほうがいいもの。」
「もちろん長い目で見て経験が少しでも残れば。」

葵ちゃん。
「経験論では。」
「運の良い人ほどサイコロを振らない傾向にある。」

志穂。
「現代で、体系的網羅的なものは、たいてい虚偽である。」
「このことを確かめるためには。」
「どの科学でもよいから。」
「二十年前に書かれた最も有名な体系的教科書を見れば充分である。」

珂珠。
「声高い非難や嘲笑には、自分の内心の動揺を密かにごまかそうとする。」
「意図より他に何事もない場合がしばしばある。」
「この区別は老年になれば自然に出てくる。」
「若い人たちにはそれは普通得にくいものです。」

志穂。
「有益な仕事は、必要欠くべからざるものです。」

珂珠。
「比較的真面目な人なら、誰でもこの世の嘘に飽き果てて。」
「人生の道の半ばで私は暗い森を彷徨った。」
「という詩で歌う気分になる。」

志穂。
「学校で教える多くの課目は。」
「大学においてさえ。」
「単なる学問的仮説に過ぎない。」
「そういう仮説を頭に詰め込むために。」
「一世代の間じゅうその時間と学習力を費やし。」
「後日。」
「その仮説が新説によって破られたことを知るというわけである。」

葵ちゃん。
「実例は教えるし、なおも教えるであろう。」

志穂。
「それでは何を信じたらよいのか、とあなたは当然尋ねるだろう。」

葵ちゃん。
「彼は私の持っているその他の欠点を知らなかったのだ。」
「そうでなかったら。」
「ただそのひとつだけを挙げはしなかっただろう。」


珂珠。
「神学者曰く。」
「神様は、神意によれば。」
「民を人生においてそれほど無造作に幸福にしてやろうという。」
「気持ちは少しもないのである。」

志穂。
「来世への希望は神学者も認めている。」

珂珠。
「我々の誠の喜びは、真に必要なものが満たされた時にのみ生ずる。」
「私は実践する者です。」
「徹底した実践で力と知恵を持ちました。」
「一人前に成長していますね。」
「先生が良かったから?」
「では、また参りましょう。」
「習慣ですからね。」

参拝。

上屋敷八幡宮。

池辺神社。

井伊谷の領主井伊直親が今川家に謀叛を疑われ。

永禄五年その釈明に向かう途中。

掛川城主朝比奈秦朝に主従十九人が謀殺された。

よってこの地に祀り八幡宮を建てたと大地のほとりにあった旧家。

鈴木家文書に記されている。

井伊家は彦根本家とは別に直親の曾孫直好から四代にわたって。

掛川城主を務めている。

元禄六年。

直好が城主の時上屋敷の大地に遷座され現在に至っている。

慶応四年東征大総督有栖川宮織二親王は官軍を率いて江戸に向かう途中。

掛川に宿泊大池の八幡宮を参拝された。

目と鼻の先に池辺神社が祀られており。

池に面して二つの神社があることは。

歴史的な背景を物語るものと思われる。


いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。

フランツ・カフカ。


自由と我儘との界は。

他人の妨げをなすと。

なさざるとの間にあり。

福沢諭吉。

学問のすゝめ。


何かをうまく語ることは。

何かをうまく描くことと同様に難しくもあり。

面白いものだ。

線の芸術と色の芸術とがあるように。

言葉の芸術だって。

それより劣るものじゃない。

フィンセント・ファン・ゴッホ。

ゴッホの手紙・上。(岩波文庫)



久努国造。

静岡県西部の国神。

浜松から菊川付近の広域を治めていた国つ神。

時代不明。

皇軍が素通り。

日本武尊命が休息地とするなど。

日本書紀には記されているものの。

素通りした時点で。

八十万の神の一柱であるとわかる。

人の世に移行すると。

姿を消すも。

現在も静岡県西部で祀られている事がある。

現人神であると思われる。

崩御のち。

土地を見守る国神になったと思われる。

日本書紀の神武天皇の時代。

国つ神が各所を治めていたので。

その中の一柱ではないか。

考えの及ばない世界がかつて存在した。

古事記と日本書紀は故事が引用されている記述が度々ある。

その時代においても故事が存在するため。

それよりもむかしの時代があり。

むかしの人もいろいろ知っていて。

日本書紀の神武天皇の時代でも。

故事があるのは。

むかしの人が残した伝説や史実が。

何かしらの形で存在していて。

包括して日本書紀が編集された為で。

その時代においても。

むかしのことは知られていた。

今日はむかしについては知られていないが。

歴史書に残る孔子でさえも。

むかしの人の行いが立派で。

それを一生懸命に学んでいると。

むかしのむかしが無限にあると見られている。

聖書の成り立ちを見ても。

旧約聖書はイスラエルの公の聖典であって。

むかしの時代なのに。

もっとむかしがあって。

むかしの人もいっぱい知っていた。

アリストテレースも。

書庫の中で読書を続け。

その読んだ本はどうやって書かれたか。

無限に辿ることはできないが。

少なくとも歴史は底なし。

村長の時代がかつてあったものの。

老人が弱肉強食で統治していたので。

秩序は存在せず。

なんとなくのやり方が多く。

衰退して滅亡。

代わりに国神が登場している。

それまでは。

老人議会で。

誰でも統治に取り込まれるので。

どんな政治が村で行われていたかは。

容易に想像できます。

公的機関は存在せず。

自然状態がかなり続いていたと読み取れる。

多数決による歴史観が濃厚な現代。

歴史が歪曲されてはならず。

正統なる史実から辿っていけば真実になる。

無論。

自分が真実だと言う人が多いが。

真実に従う人はいないであろう。

誰もが自分は真実であると主張するも。

真実に従う人はどこにもいないであろう。


参拝日記。

玉依比売様のお姿を認識し。

恋心から。

好きと打ち明け。※告白になった。

驚かれた霊感があった後。※合祀されている神様もいらっしゃる。

夫神様とは何回も会ったことがあり。(鵜葺草葺不合命様)

沈黙してくれた。

玉依比売様の霊威によって。

女神様への恋心が時々、出てきて。※本気で恋。

正直に言った分。

娘になりたいほど。


宗教と言われている段階では神様と共に歩んでいない。

ボランティアが投稿した動画。

生活が霊(神霊)に触れられなければ。

それはただの宗教にすぎない。

キリスト教讃美歌・真の祈りの効果(聖歌・翻訳)


面白い話。

プレイステーション1「LSD」

ドリームエミュレーター。

奇怪なゲームを発見してわたしもちょっと描きたいので。

夢の内容を覚えているだけ。

巡礼開始から観た夢の中で面白いもの。


-道標-

テープで仕切られたルートを永延と廻っている。

神職と思われる人物と一般市民。

私はテープの外側で。

小宮が右にひとつ。

前方にひとつ。

順路はテープの外側に沿って。

直角に通路があり。

石の壁と。

テープの内側にはタイル。

曲がって小宮を通り越すと。

その先の道は常闇。

一寸先は闇。

目が覚めた夢。


-深夜の巨大学校-

誰もいない高層ビルの学校内で。

深夜。

迷子になって探し物。

数人。

同じ人がいて。

目が覚めた。


-会社モドキの夢-

パソコンがハッキングされてバグっている夢。

思えば。

セキュリティががら空き。

一年後に発見したも。

遅かったかも。


-頼むからここに来てくれ要請-

水神様の小宮が指定されて目が覚めた。


-帰宅-

学校から帰る夢を二回見て。

1回目は都心部の学校から駅へ。

二回目は親の送り迎え。

多分タクシーで帰宅する手配中。


-行かないほうがいいぞ?-

プレハブ小屋を進んだ通路の先は。

またプレハブ。

二階のようで進んできた。

下に降りれば進めそう。

橋が目の前にあって。

前方のプレハブに繋がっている。

プレハブはけっこう大きな建造物。

橋は鉄板一枚で落ちる可能性がある。

その先は何もない空き家だと思われた。

目の前に氏神様がいて通してくれない。

阻止されてしまうので。

通っている道は最悪の結果を招くとラプラスの悪魔で発見した。


-行き止まり-

川を渡って浅いので。

その先の山小屋。

丘の上にある所に進む。

後から人がたくさん来て。

山小屋に住んでしまう。

人々はそこを山頂だと思っていて。

その先が存在しないことを知らない。

途端に私は逃げ出して。

増水している川を戻って。

流される水量をなんとかかわす。

川を渡り切って駅までワープする。

しかも背景は夜。


-リターン-

自分の街に電車で。

後方の質素な個室で戻ってくる夢がある。

自動車で自分の街に戻ってくる夢で。

途中で何か研究員の話を聞くシーンもあった。

親が。

質素な研究室の場面。

待合室で立っている自分。

すぐに夢から覚めました。


-浅間神社で何を伝えたか?赤子の暴動-

明らかに冥府の中を探索。

人工の洞窟。

浅い部分。

赤子が金太郎みたいな恰好で。

言葉がない文句を言ってきて。

刑務官にある程度。

指示できる権限が私にあったので。

指示すると。

赤子を平和的に取り押さえるか。

説き伏せていく。

刑務官は赤子を重視して。

こちらには来ないものの。

赤子に追跡されなかった。

洞窟の広場に出て覚める。

ハデス神(あの世の神)はここにはいない・・・と思い。

冥府の浅い部分であると思われた。


-リアリティーなしのリスク-

夢の中を探索するゲームが夢に出てきて。

穴に落ちてみよう・・・なノリで落ちた。

リアルに探索している雰囲気ではない。

洞窟の穴の中には。

行き止まり。

かなり高い上しか脱出口がない。

閉鎖空間。

数人。

謎の人物がいて。

これは夢だぞ?

そう言われて覚めた。


-常世国の無人地帯-

大きな敷地の神社で神楽のスペースがあって。

無人の巨大神社を探索。

その前には。

どっかから避難してきて。

墓地のような坂道を降りてきた。

ここが一番の近道で。

山道の一部から神社の場所に辿り着いた。


-参拝要請-

氏神様の神社を通り過ぎた崖沿いに。

大きな神社の入り口。

参拝者は満面の笑み。

御神名が表示されたので。

数字後に。

その場所に出向いた。


-どこに行っているんだ!!-

近所の神社に参拝しようとすると消えて。

小さな神棚になって。

無くなってしまう。

ただし。

場所が意味不明。

見当違いな何か・・・というメッセージ?


-岩-

巨大な岩がある館に入るも。

半分は地下の様子。

サルタヒコ神の表示があって。

僧侶が沈黙している。

小さな棚がいっぱいあった。

数日後。

悪路の脇に神社があって。

そこを通る夢を見る。


-観光気分で・・・あれ?-

水の館で。

池の上に造られた神社。

分かれ道の先では。

武田勝頼御祭神と書かれていて。

意味が分からず通過。

あとで調べると。

諏訪神社の事を指していた。


-常世国いらっしゃいませ歓迎-

進むと。

左に曲がる。

広間で両側に小宮がいっぱい並んでいて。

これは常世国ではないかと。

無人。

すんごい綺麗で豪華絢爛。

何かの館・・・で目が覚める。


-招待-

とある神社の境内にある小宮を指定されて。

夢で観たので参拝に来ましたと。

その旨、伝えた所。

意味のある夢は一切観なくなりました。

もはや映像化して。

はっきり夢に出てきたのです。


これ以降に意味のある夢は観ていません。



「超自然」は究極的な到達点。

あらゆるモノが超自然であって。

超自然的な要素はこの世界にどこにでもあって。

超自然的な現象や出来事はいつでも起こり得る。

神々は特に超自然な贈り物を好むために。

人の認識を容易に超えてしまう。

それでもなお。

神々と向き合い続ければ。

理解を得る。

超自然的については信じられない人はいない。

岩波国語辞典。

自然の理法を超越して神秘的なこと。

超自然的現象。

角川・新国語辞典。

自然の法則を超えた神秘的なもの。

「超自然」は究極的な到達点。


殉教者キルケゴール。

実存主義。

神の前で、あれかこれか悩む。

著者から選んだ。

単独者。

例外者として。

葵ちゃん。

これらを氏神様に伝えし。

単独者・例外者となった。

多数派や世間など。

人のすべてから異なり。

単独者として神の前に出て。

独立。

例外者としてすべてに関して例外となった。

キルケゴールはクリスチャンで。

裕福な商人の末っ子。

父親が若い頃に神を呪うなど。

また。

父親が再婚にあたって。

乱暴で婚約してしまったこと。

父親は罪の意識に苛まされ。

息子にも罪の意識として重くのしかかり。

キルケゴールは令嬢レギーネ・オルセンと婚約するも。

自分に対する罪の意識のために。

一方的に婚約を破棄。

実存主義の先駆者として。

学者として。

殉教者として。

哲学史における結果を残した。

キルケゴールの著書は。

哲学として定番中の定番。

どこでも読むことができる。

神様に単独者であるとお伝えし。

神様に例外者であると告白した葵ちゃん。

もはや記述不要。

Thank you!!


この世の果てに。

光る天体の。

名を呟いて。

憧れて。

いつの日か。

その傍に。

行けると信じては。

叶わぬ願いなど決して。

ありえないと。

星空輝いて見えるばかりで。

あの天体も。

この世の果てにあるから。

この世界の道標で手がかりばかりで。

世界の姿が顕わになる瞬間。

クエーサー。

この世の。

果てに輝いて。

標を。

難しい人の世のならわしに。

自ずと成り行きで引きずられて。

それでも諦めて。

神に託すなら。

救いは普遍でありながらも。

人の世の有様は神様も御存知で。

救いは神の御業であると。


全人類。

忘れてく。

この宇宙(そら)は銀河の一部だから。

この宇宙(そら)は銀河の一部だから。

この空を。

憧れて。

哀しい。

人の世を。

噛み締めて。

行くよ。

この宇宙(そら)は銀河の一部だから。

人はみんな銀河系の一部だから。


流星。

この空。

輝く。

この夜。

煌めいていく。

この宇宙の彼方から。

この空に。

降り注いで星よ。

この空のどこかに現れては。

それは一瞬の。

煌めきのために。

これはこの世の幻。

一瞬の奇跡のために。