主意主義。

主意。

中心となる、主な意味・考え。

主眼。

理知や感情よりも意志を重く見る立場であること。

複合形で使う。

主意主義。

主意的。


1


ちょっと来なさい。

母親に言われるがままに。

19歳の巫女るみ。

家の大広間に連れてこられました。

るみちゃん。
「どうしたのですか?」

母親。
「貴方に代々伝わる家宝」
「十束剣を伝授します。」

るみちゃん。
「わたしがいいのですか?」

母親。
「もう良い年頃ですし。」
「受け取りなさい。」

るみちゃん。
「はい。」

るみちゃんは十束剣を継承致しました。

初めて見る十束剣を庭先で振るいます。

鮮やかで。

爽やかな舞うような剣技でした。

しばらく十束剣を見つめていると。

ふと。

るみちゃん。
「わたしが継承していいのかな?」
「だったら。」
「この剣に相応しい女性になってみようかな。」

るみちゃんは固く決心致しました。

ある日。

神社。

めぐちゃん。
「どうしたのるーみぃ。」
「昨日と顔が違うよ。」

るみちゃん。
「十束剣を受け継ぎました。」
「わたしは一人前なのかな?」

めぐちゃん。
「すごーい。」
「私はまだ何も言われてないから。」

るみちゃん。
「めぐちゃんならすぐに認められるわよ。」

めぐちゃん。
「そっかー。」
「きっと御呼ばれするのは次の日なんだね。」

るみちゃん。
「家宝を継いだのだから。」
「わたし頑張らないと。」

めぐちゃん。
「向上心が芽生えたんだね。」

るみちゃん。
「そう!それ!」

めぐちゃん。
「大切なことだよ。」

るみちゃん。
「大切なことをいままで。」
「疎かにしてきたかも。」

めぐちゃん。
「自己批判も程々にしないとダメだよ。」

るみちゃん。
「そうよね。」
「めぐちゃんありがと。」

めぐちゃん。
「古典が置いてありました。」
「社務所に溜まっています。」


るみちゃん。
「古典が書庫に満載で。」
「最近は孟子を読んでいますが。」
「時間が足りないです。」

めぐちゃん。
「たまに読んでいて当たり前の古典もありますよね。」
「子供の頃から読む本が違いました。」
「古典の内容は暗記しているといろいろお得ですよね。」

るみちゃん。
「孟子によれば。」
「人は天から与えられた善性があり。」
「本来は善なるもの。」
「それを信じずに徳を鍛錬しないのはおかしいもので。」
「諦めてしまうのはよくない。」
「そして悪や不正は自ら選んだもので。」
「自分から落ちていくと続いています。」

めぐちゃん。
「最初は善であった人間という存在は。」
「後天的に悪になりえるリスクを抱えており。」
「それを回避する必要に迫られています。」
「つまり性善説による悪人とは。」
「自らそうなったという意味であり。」
「他人による影響も認められます。」
「古代中国が他人の影響を多く受ける社会であった故に。」
「孟子は他人による影響も認めていながら。」
「性善説で諭す方法を選んでいます。」

るみちゃん。
「孟子は性善説を説いて人々を諭しました。」
「せっかく善性があるのに引き出さないのはよくない。」
「人は自らの善性に従って。」
「利他的な行動を取る場合がある。」
「さらにその善性には逆らえない。」
「孟子の翻訳本では君主を諭す場面が多くありますね。」
「孟子は悪の存在を認めています。」
「その上で本来の善の通りにならないのは異常であると続けています。」

めぐちゃん。
「孟子は諭す教師です。」
「道理を説いて受け入れられましたね。」
「でも人間を明確に善人であるとは言っていないようです。」
「最初から人が善人とは言っていません。」
「生まれつきの善性があるとは認めています。」

るみちゃん。
「先天的に人は善性を持ち。」
「後天的に善性を磨いて善人になるかどうか。」
「けっこう奥が深くて。」
「人は善人のみという説明はありません。」

めぐちゃん。
「悪人とは本来の在り方から逸れた状態とされます。」
「性善説も性悪説も奥が深くて。」
「分析したり解釈したりするには。」
「翻訳版を読んでいないとダメですね。」

るみちゃん。
「包括しますと。」
「人は先天性の善性があり。」
「後天的に引き出し鍛錬する必要があります。」
「自分は駄目とか投げ出さずに。」
「自分の善性を信じて訓練しなさいという教えです。」
「後天的に悪になる可能性があるからです。」

めぐちゃん。
「性善説が好きな人と。」
「性悪説が好きな人と。」
「二派どちらかを選ぶでしょうね。」
「それぞれ自分の前提を選ぶのです。」
「どの前提を選ぶかは自然に決まると思います。」

るみちゃん。
「私の人間嫌いはアドラー心理学を読んだ付近です。」


めぐちゃん。
「全ての悩みは対人関係の悩みである。」
「アドラー心理学の入門書。」
「嫌われる勇気の一節。」
「このフレーズは多くの現代人の心を掴みました。」

るみちゃん。
「解釈によってはとても過激。」
「諸悪の根源は人間関係と理解できるからです。」

めぐちゃん。
「少なくとも皆、親族です。」

るみちゃん。
「神様との関係は一致しておりますね。」


この日は。

参拝客の方が大勢いらして。

対応に精いっぱいで。

頑張って勤め上げました。

「美は即ち、形象界の神髄、理想又は規範である。」


2


「美術とは美化である、一切の現象界を美を以て肯定する事である。」

風流な住宅。

庭でお茶をしている母親。

囲いの中で一服中。

るみちゃんが近づいていく。

るみちゃん。
「基本を教わりたいのです。」
「これからの道のりは遠いはずです。」
「だから・・・。」

母親に教えを乞いました。

母親。
「着席なさい。」
「自主性は大事ですよ。」
「おさらいしておきましょう。」
「少し長くなりますよ。」

るみちゃん。
「よろしくお願いします。」

母親。
「すべての基本は神社本庁にあるわね。」
「義・すじ道がきちんと立っている・物事の正しい道理。」
「神の義という概念が真理としてあります。」
「道理とは武士道の基本ですよ。」
「道理・物事の正しい道理・ことわり・わけ・人の行うべき正しい道。」
「道理至極・この上なく道理にかなっているさま・たいへんもっともである。」
「善・道徳や論理にかなっている・正しく、思いやりがある。」
「悪・道徳的によくないこと。不正。」

るみちゃん。
「すべての基本・・・。」

母親。
「善悪は難しいので神様に頼んで。」
「必然によってのみ教えられる。」

るみちゃん。
「これは大事・・・。」

母親。
「知恵・物事の理を考え、判断し、処理する心の働き。」
「明知・はっきりした知恵・優れた知恵・英知。」
「神知・人力では量り知れない不思議な知恵。霊妙な知恵。」

るみちゃん。
「これがないとまともに考えられない?」

母親。
「直感・説明・証明によらずに、感覚的にすぐ真相を感受すること。
「直観・(哲)推理・経験によらず、直接に対象の全体・本質をつかむこと。

るみちゃん。
「これがすごく有効性がありそう。」

母親。
「正義・人としての正しい道。正しい道理・正しい意義、解釈。」
「不義・人としての道に外れること・男女間の道ならぬ関係、密通。」
「道徳・人の踏み行うべき正しい道。」

るみちゃん。
「正しさの魂・・・すごい。」

母親。
「理性・本能や感覚に惑わされず、物事を論理的に考え、正しく判断する能力。」
「理性的・(感情に惑わされず)理性に従って判断・行動するさま。」
「理知・感情に左右されず、物事の道理をよく分別する能力。」
「理知的・理性と知恵に従って判断・行動するさま。」

るみちゃん。
「女性はこれに疎いから大変です。」
「恋は盲目・恋をすると理性を失う。」
「この世には正しい相手との巡り合いがある。」
「私は結婚したくない。」

母親。
「あなたは神様のもの。」
「私があれこれ言うものではありません。」

るみちゃん。
「続きをお願いします。」


母親。
「天罰。」
「天の下す罰。」
「自然に来る悪事への報い。」
「天罰てきめん。」
「天罰がすぐに現れること。」
「天網。」
「(悪人をのがさない)天の網。」
「天網恢恢疎にして漏らさず。」
「天の網は目が粗いように見えるが、悪人は漏らさずつかまえる。」
「天道は厳正で悪事には必ず報いがある、ということ。」
「天誅という概念もありますよ。」

るみちゃん。
「悪の結果。」
「罪という概念によって罪の力が働くことも知っています。」
「罪と穢れと呼びますね。」
「たまには罰も加えられるのでしょうか。」

母親。
「罪と穢れが諸所の災厄になります。」
「神様のお力なしで取れませんよ。」

るみちゃん。
「なんてこと!!」
「悪の結果は罪。」
「罪の支配力はとてつもない。」
「改めて繰り返し覚えておきます。」
「そういえば。」
「力とはなんですか?」


母親。
「力については蒙昧になりがちです。」
「用心深く探究してくださいね。」

るみちゃん。
「正しい力の行使もあるけれど。」
「間違った力の行使は悪になるだけですよね。」
「天に唾する。」
「悪の結果はどうなるか誰も経験していないから。」
「悪の結末すら。」
「確かに力に関しては蒙昧になりがちです。」
「賢明。」
「賢くて道理に明るい。」
「慎重に探らないといけませんね。」
「罪・律法に対してもう少し教えてください。」

母親。
「罪悪・道徳、宗教や法律などにそむく悪い行い。罪。とが。悪。」

るみちゃん。
「それを誰かがしてきたら自衛ですよね。」

母親。
「まずはそれ。」
「次に警告しておく。」
「こう言うの。」
「そういう不義をするとあなたは死にます。」
「それから対処を考えて処理すること。」
「とは言っても。」
「臨機応変に対応しないと面倒くさいことになります。」

るみちゃん。
「再認識します。」
「私は怒りについては適当に晴らして済ませています。」
「正しい怒りしかしないことにしています。」

母親。
「憤慨なら正しい怒りよ。」
「憤慨・不当、不正なことに対して憤り嘆くこと。ひどく腹を立てること。」
「不当、不正なことに対して憤り嘆くことは正しい。」

るみちゃん。
「ありのままです。」
「続けてください。」

母親。
「鬱憤には気を付けるのよ。」
「溜まると精神的にしんどいですから。」

るみちゃん。
「覚えなきゃ。」
「必要なこと・・・・。」
「鬱憤は定期的に晴らしておく。」
「次をお願いします。」

母親。
「我。」
「自分。自己。おのれ。自分の側のもの。自分の国。」
「ひとりよがり。わがまま。」
「自己の中心をなすもの。自己の主体。主体性。」
「自分の考え。気持ち。欲望。」
「わがまま。」
「自分。自己。おのれは持っていいものです。」
「ひとりよがりやわがままはいけません。」
「それは以下のように書かれているからです。」
「我が強い・強情である。」
「我を折る・自分の考えを曲げて他人の意見に従う。」
「我を通す・自分の考えをおし貫く。」
「我を張る・自分の考えをあくまで主張する。」

るみちゃん。
「我には用心しております。」
「人を歪めてしまうかもしれないから。」
「続けてお願いします。」

母親。
「四字熟語です。」
「異端邪説。」
「正統ではない思想、学説、宗教のこと。」
「また正統に対して、異議を唱える説のこと。」

るみちゃん。
「これにはいつも注意しています。」

母親。
「正教のみ信用しなさい。」
「用心ですよ。」

るみちゃん。
「続けてください。」

母親。
「有神論・神の存在を認める立場に立つ論。(対)無神論。」
「無神論・神の存在を否定する立場に立つ論。唯物論など。(対)有神論。」

るみちゃん。
「日本の国土の性質上。」
「無神論のほうが妄想ですよね。」

母親。
「思想に感化されるのはよくないことです。」
「自然由来の考え方がありますから。」
「正統な考え方があるのみ。」

るみちゃん。
「思想には警戒します。」
「神道は汎神論ですよね。」

母親。
「自然神と呼ばれていますね。」

るみちゃん。
「覚えておきます。」
「少し休憩して整理整頓致しますので。」
「お時間を。」

母親。
「時間はいくらでもいいですよ。」

るみちゃん。
「三分経過・・・続けてお願いします。」

母親。
「信頼できる国語辞典で霊感や霊験を検索。」
「神様が誤解なされるといけませんからそのときは謝罪してください。」
「参拝者の心は見透かされておりますが。」
「粗相はないほうがいいでしょう?」
「手を合わせるだけで何もお願いしない無祷(むとう)を私は数多くしています。」
「お願い事はなんでも叶いますが。」
「焦らないように。」
「善悪や道理は教えてもらえます。」
「普通に生活していれば気付いていくはずです。」
「神託を受ける場合もありますが。」
「妄想は厄介ですので区別をつけなさい。」

るみちゃん。
「改めて覚えることが多いです。」
「では自主性です。」
「この際必要な事をすべてお願います。」

母親。
「いいでしょう。」
「人には天命というものがあり。」
「それに沿うか沿わないかで決まっているものですから。」
「それは良い結果になりますが。」
「邪魔は避けなさい。」
「焦らなくても大丈夫です。」
「以下は重要な知識ですよ。」
「神秘・人知では理解できない不思議なこと。」
「神秘的・人間の知恵では量り知れないような、不思議なさま。」

るみちゃん。
「この世は霊妙な世界。」
「人の理解は通じないものだと考えています。」

母親。
「才能とは国語辞典であるように。」
「実力のことですから鍛錬なさい。」
「天から与えられる才能もあります。」

るみちゃん。
「自分の可能性の追求をやめたらだめですよね。」

母親。
「ですから。」
「真実と真理を悟るようにしましょう。」

るみちゃん。
「うーん。」
「すごく大事!」

母親。
「選択の自由があります。」
「これは大切です。」
「元はキリスト教から教わったものですが。」
「大切な真理と共に宗教観の広さがあります。」
「運命に従うと運命は貴方に支配されます。」

るみちゃん。
「言い得て妙です。」
「ほんとうに。」

母親。
「愚者になってはいけません。」

るみちゃん。
「そのとおりです。」

母親。
「言葉は正しく使いましょう。」
「雅言。」
「神道の情報は多くはないけれど。」
「なんとか学んでみてね。」
「独学は大事だけれど。」
「考えるだけではダメ。」
「学んでいくことが大事。」

るみちゃん。
「重要ですね。」
「神主さんや宮司さんにおはなしを伺って。」
「はじめて知る情報がありましたから。」

母親。
「独断に陥ったら危険です。」
「続けますよ。」

るみちゃん。
「神様との関係性を教えてください。」

母親。
「神様とそのうち和解できますよ。」
「いつしか人は叛意を持ってしまいましたから。」

るみちゃん。
「自分の親から去って行った子供のようです。」

母親。
「古事記と日本書紀を読みましょう。」
「歴史は正しいという真実がそこにあります。」

るみちゃん。
「人の解釈は愚かなもの?」
「歴史はいつだって真実の証人なんですね・・・。」

母親。
「信仰心と敬神。」
「神様を教えてくれる道標。」

るみちゃん。
「お願い事はしてもいい?」
「そうやって神様を知っていくのですね。」

母親。
「日本の神様も全知全能ですよ。」
「神様に失礼がないように。」
「畏敬と敬神。」
「それで分かっていきます。」
「お願い事をしたら取り計らってくださいます。」

るみちゃん。
「合わせないといけませんね。」
「下手をすると私の為に取り計らってくださる。」
「神様の邪魔をしてしまうかもしれません。」

母親。
「人としての基本はこのくらいです。」
「あとは自分で学んでみましょう。」
「この諺です。」
「天は自ら助くる者を助く。」
「自ら努力する者には天の助けがあります。」

るみちゃん。
「心得ました。」
「改めて初心に帰って。」
「再認識させられました。」
「私は前進あるのみ。」
「進展あるのみ。」
「それが向上心。」
「いいえ。」
「それこそが人ですよね。」
「後は私でやってみます。」

母親。
「頑張ってね。」
「るみ。」

るみちゃん。
「いずれ養子をとろうかと思います。」

母親。
「それはいいことです。」
「神様に選ばれた人が来るように祈願してくださいね。」

るみちゃん。
「了承しました。」
「精進致します。」

退場。

母親はお茶を再開。

ぽかぽか陽日が照らし温める。

とある春のできごと。

最高の美は宗教的である。(ロダン)




3


へい!そこの御嬢さん!お茶しない?

そう言って来たのは。

友人の道化師。

るみちゃん。
「いいわね。」
「茶道教えてよ。」

道化。
「いいわよ。」

るみちゃん。
「口説かれちゃった。」

道化。
「恋に溺れな!」

るみちゃん。
「いやー!」
「理性を失っちゃう!」

道化。
「感情論は駄目だよね。」

めぐちゃん。
「いらっしゃいませ。」
「かわいい道化ですね。」

道化。
「喜劇を演じるのが私の役目よ。」
「私の人生は喜劇そのもの。」
「あなたも巻き込んであげる☆」

めぐちゃん。
「遠慮させて頂きます。」
「緑茶ならあそこのお茶屋さんにありますよ。」

道化。
「ねえねえ。」
「私と一緒に遊びに行かない?」

るーみぃ。
「他の女を口説くなんて・・・!!」

道化。
「しまった!」
「私には意に決めた人が居たのに!」

めぐちゃん微笑んでいます。

るーみぃ大爆笑。

これまた友人の女の子が来ました。

おバカさん。
「私のるーみぃ取らないでよね!」

道化。
「彼女は誰のものでもないのよ!」

おバカさん。
「ならあたしが取ってもいいってことよね?」

道化。
「しまった!」

るみちゃん。
「ちょっと!どこに連れて行くの?」

おバカさん。
「あたしの家に連れ込むわ。」

めぐちゃん。
「真顔でお馬鹿をやらないでください。」

おバカさん。
「いいじゃない。」
「あたしは単純。」
「あたしの存在自体がギャグなのよ。」

るみちゃん。
「コントはこの辺りでおしまいにしましょう。」
「お守りを返しに来たんですね。」

おバカさん。
「一年経ったからお礼も兼ねて。」

道化。
「私は境内のお饅頭目当てよ。」

るみちゃん。
「ゆっくりしていってね。」

道化。
「そうするわ。」

おバカさん。
「では行きましょ。」

めぐちゃん。
「なんだか今日も頑張れそうです。」

るみちゃん。
「めぐちゃん働き者だからね。」

めぐちゃん。
「そう言ってくれると嬉しいな。」

今日も参拝客の方が多くて。

一日を通して頑張りました。


4


「綺麗事は決して美術ではない。」

今日は。

自宅で。

勉強している留美ちゃん。

たくさんの本を図書館で借りてきて。

古本屋さんで良い本を見つけては。

必死に読んでいます。

めぐちゃんが来ました。

めぐちゃん。
「これ全部読んだの?」

るみちゃん。
「そうよ。」

めぐちゃん。
「私も読んでいい?」

るーみぃ。
「読み終わったものはここにまとめてあるから。」

るーみぃ。

ノートをつけています。

道化とおバカさんも来ました。

道化。
「すごい本の量ね・・・。」

おバカさん。
「何の勉強してるの?」

るみちゃん。
「何かと参考になる本を読んでいて。」
「人生の勉強?」

めぐちゃん。
「コツを掴んだ女の人は強いですね。」
「女性らしさって真理から来るものですよ。」
「きっとそうです。」

るみちゃん。
「武士道は高度な道徳の教科書。」
「神道には必要不可欠な良書。」
「他にも正統派の武士道の本があったら教えてね。」
「賢人の英知は女性にとって切り札なんだから。」

道化。
「歴史ですか。」
「歴史を無視するのは蒙昧ですなー。」

おバカさん。
「歴史を冒涜するのは暗愚よ。」

めぐちゃん。
「悠久の時を彷徨えば。」
「価値基準や正否までもが反転する。」
「人は鏡のように反射してしまう。」
「知者はどこに行ってしまったのでしょうか。」

るみちゃん。
「そのとおりです。」
「歴史から学ぶことができれば大きな力になる。」

めぐちゃん。
「歴史について重点的に学ぶのは人にとって必要ですよね。」

道化。
「歴史かあ。」
「歴史となると。」
「私の歴史には興味ありませんか?」

おバカさん。
「それならあたしのデートの歴史のほうを学ぶべきよ。」

めぐちゃん。
「なにを言ってるのでしょうか。」

おバカさん。
「歴史は歴史よ!!」
「あたしのアイドルを追い求めた。」
「歴史年表でもどう?」

めぐちゃん。
「歴史を弄らないでください。」

道化。
「古本屋に行けば?」

るみちゃん。
「そうするわ。」

「あなた達も良い本があったら教えてね。」

道化。
「えっちな本とかはどうですか?」

るみちゃん。
「下品な事言わないで!」

おバカさん。
「そうよ。」
「グラビア写真集を見せるべきよ。」

めぐちゃん。
「なに言ってるのか分からないんですけど。」

るみちゃん。
「勉強中よ。」
「息抜きは必要だけれど。」

道化。
「その息抜きをしてあげるのです。」

おバカさん。
「お菓子もあるわよ。」

るみちゃん。
「休憩しましょうか。」

めぐちゃん。
「私も勉強しないといけないね。」

休憩のち。

この日はずっと勉強でした。




5


るーみぃ。

めぐちゃんと神社巡りをしています。

地元の神社すべてと。

地方の大きな神社すべてを回る予定です。

るみちゃん。
「今日はこの神社を参拝しましょう。」

めぐちゃん。
「二週間くらいかかるよ。」

るみちゃん。
「けっこう掛かるわね。」
「御朱印も頂きましょう。」

るーみぃとめぐちゃん。

各地巡礼。

バスに乗ったり。

電車に乗ったり。

気ままなふたり旅です。

その中で。

不思議と惹かれた神社を。

ノートに書き記しておきました。

るーみぃとめぐちゃんはその後。

道化とおバカさんも誘って。

各地巡礼。

るみちゃん。
「GoogleMAPって便利よね。」

めぐちゃん。
「すべての神社の場所と名前が解るから。」

道化。
「何か神聖な氣を頂けるのですが。」

おバカさん。
「なんかすがすがしいわね。」

この後。

近所の神社はすべて回り終えました。

夕方。

遠くで発見。

暴漢が女性を襲撃しましたが。

遅れて追いついた連れのアメリカ人に。

暴漢が叩きのめされています。

身長百九十センチの大柄な上に。

総合格闘技が得意らしくて。

子供と大人の戦い。

パトカーが数台到着。

連行されています。

アメリカ人。
「ユーは弱者ネ!」
「ワタシ相手にナニモデキナイネ!」
「ソンナニ弱くて何の意味でto be born?」

暴漢。
「俺は可哀そうだから連行されるべきではない!」

アメリカ人。
「everyoneモ同じジャナイデスカー?」
「Common pointばかりですナー?」

暴漢。
「俺は惨めな目に遭ってきた。」
「俺は酷い目に遭ったから。」
「連行されてはならない!」

アメリカ人。
「アナタ頭scrap?」

暴漢。
「みんな俺を痛めつける。」
「だからみんなを痛めつけてもいい。」

アメリカ人。
「Broken robot!」
「ユーはterrorism!」
「すべての日本人は嘘つきデスネー!!」

アメリカ人が二人追いついてきました。

大柄でマッチョマン。

女性は友達で。

アメリカ三人組が調子に乗って出遅れたようです。

るみちゃん。
「本当にすべての日本人は嘘つきです。」

めぐちゃん。
「破壊しかない現場ですなあ。」

通過すると。

とあるお店の注意書き。

看板。

管理人の性格が悪いのは仕様です、バグではありません。

おバカさん。
「仕様なのだから。」
「プログラマーなら理解できるわ。」

道化。
「バグではないから安心ですね。」

るみちゃん。
「メタ発言があるのは本当に仕様なんでしょうよ。」

めぐちゃん。
「本当にその解釈でいいのですか?」

レストランはやっぱり仕様でした。

些細な物事は無視するのが大吉です。


6


るみちゃん。

舞の稽古をつけてもらいました。

占いも習得しようと勉強中です。

るみちゃん。
「神社の占いって神占いよね。」

めぐちゃん。
「西洋では占いは占術って言って。」
「魔術の扱いを受けているそうです。」

るみちゃん。
「神占いは占術とは違うわね。」

めぐちゃん。
「古事記に書いてありますから。」
「神様公認の占いですよ。」

るみちゃん。
「巫女の四大要素ってあったわよね。」

めぐちゃん。
「占い・神遊・寄絃・口寄ですか?」

るみちゃん。
「口寄は危ないからもう禁止されているわよ。」

めぐちゃん。
「現代の巫女の必要な要素は。」
「占い・神託・神楽・神事・相談だと思います。」

るみちゃん。
「そうかなぁ。」
「巫女長さんに尋ねてみようかしら。」

めぐちゃん。
「休憩が終わりますよ。」

るみちゃん。
「やりましょやりましょ。」
「何かと鍛錬!鍛錬!」

るみちゃんとめぐちゃん。

舞の稽古に熱心です。

お稽古が終わって。

るみちゃん。

古事記の誓約についての勉強です。

るみちゃん。
「勝敗を明確に設定するのが誓約の鉄則ですね。」

めぐちゃん。
「難しくないよ。」

るみちゃん。
「これならどうにでも転用できます。」

るみちゃんとめぐちゃん。

ふたりで占いのお勉強会。

一週間後に。

無事習得できました。

パワーアップ。

休暇。

公園にて。

自然に集まりまして。

雑談。

めぐちゃん。
「自然科学を鵜呑みにした人は。」
「因果関係のあるものしか信じなくなります。」
「明確に理由のあるものしか信じません。」

るみちゃん。
「実証主義者は。」
「説明が整っているものしか信じませんよね。」
「納得できる理屈がないと信じない。」

めぐちゃん。
「そもそも自分が納得するものしか受け入れたくないとか。」
「科学的に証明できるかそうでないかの思考です。」
「実証主義の影響は酷いものです。」

道化。
「因果関係で実証したがりますので。」
「因果関係が無いと見たら受け付けませんよね。」
「アインシュタイン曰く。」
「宗教なき科学は跛行者。」

るみちゃん。
「宗教なき科学は障害者という訳です。」

道化。
「多人数に証明できないものは拒んでしまう。」
「そうするといちいち説明を求めます。」
「原因ばかり探って犯人探しに夢中ですなあ。」

おバカさん。
「原因が存在しない物事全般ばかりですわ。」
「原因がわからないと取り乱す。」
「そして安易な説明付けに乗りやすいし。」

道化。
「自然科学に影響され過ぎて。」
「科学に洗脳されていますねぇ。」

おバカさん。
「科学に洗脳されるのは悲惨だわ。」
「強制的に実証主義者にされるのですから。」

めぐちゃん。
「原因論で考える人は実証主義者です。」

るみちゃん。
「自然科学を妄信する人を実証主義と呼びますし。」
「そこまで科学を信じなくてよろしいかと。」

おバカさん。
「科学だけを信じて他は信じないのは極端だわ。」

道化。
「自然科学が新興宗教になりました。」

めぐちゃん。
「自然科学は自然の力を得られたもので。」
「自然を逸脱することはできそうにないです。」

るみちゃん。
「自然科学とはこの時代。」
「馬鹿の一つ覚え。」

おバカさん。
「馬鹿なあたしでも自然科学を得意気に振り回したりしないわ。」

道化。
「実証主義者はあたしと同じく道化師なのよ!」

るみちゃん。
「過激化しましたので風刺ということで。」

めぐちゃん。
「化学を誇らないように批判ですね。」

道化。
「人類の背伸び。」

おバカさん。
「人類の反抗期は長過ぎます。」
「そろそろ大人になりなさいよ。」

道化。
「私達はすべての人を尊重する!」

おバカさん。
「ならば私も尊重してください。」

道化。
「実証主義のバイタリティー。」
「あれこそコメディですよ!」

おバカさん。
「こんなハチャメチャな世界で。」
「ルールなんかに縛られている奴の方が。」
「馬鹿なのよ。」
「怪物から逃げる時に赤信号を守るのですか?」

道化。
「優等生発言が出るかも!?」

おバカさん。
「正義の味方!?とか!?」

道化。
「正義の味方!これいいね!」
「このフレーズ使わせて貰いたいよ!」

るみちゃん。
「では私から突っ込み。」
「根性や気合じゃどうにもならない相手がいる。」
「これを教えてあげて。」

道化。
「あの素晴らしき力によって。」
「他人を凡人としか思えない悲劇。」

めぐちゃん。
「懸命に遊ぶのは良いことです。」

狂人。
「狂人の女とは私です。」
「地雷型バクチクを設置していました。」

道化。
「また会いましたね。」
「新聞ばかり読んで何しているんですか?」

狂人。
「笑いの種は世間の人々だけではないよ。」
「一般大衆の皆さんもいいリアクションだったよ。」

道化。
「全員で主役を演じれば。」
「誰も観客がいなくなります。」
「全員が演劇の主役であると劇場で言い触らすと。」
「ひとりも観客がいない喜劇が発生します。」

狂人。
「ちょっとネタを流してやると。」
「一斉に右往左往してさ。」
「まさに蟻んこだったよ。」
「しかしあれも酔狂だよねぇ。」
「金持ちの道楽って奴かい。」

道化。
「コメディアンは滑稽なことを言う人ではない。」
「物事が滑稽だという人の事である。」

狂人。
「悪人は自分以外が悪だと思っている。」
「善人も自分以外は悪だと思っている。」

道化。
「辛辣な指摘。」
「敵が真実を言う場合もあるので。」
「正々堂々とするべし。」

カワラバトにパンをあげました。

人に慣れているので近寄ってきます。

公園によくいますが。

ここではパンをあげても規制はありません。

カワラバトが四方八方に飛散するパンを必死に食べている。

その様子を眺めます。

公園のひとときは最高です。


7


疾病利得。

病気になることで得られる利益のこと。

フランツ・カフカが徹底的に利用したことで有名。

病気になることによって。

現実のもろもろの問題をすべて棚上げに出来る。

現実から離脱。

前線で戦うことを恐れていた兵士が。

怪我をして病院送りになり。

生還したり前線から下げられて戦う必要がないまま。

終戦するようなもの。

この世界では障害や病気がある反面。

疾病利得によって暴利を得る人々もいる。

本人のみ耐えられる障害なので。

一般的な人間が疾病利得を得ることはできない。


境内で掃除中。

必死で覚えた内容。

時に暗記が必要。

日本国憲法を引き合いに出す。

るみちゃん。
「日本国憲法第一九条。」
「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。」
「裁判での判例。」
「名誉を棄損したとされる発言で訴えられ。」
「謝罪広告を出すように裁判所に命じられた加害者が。」
「自分では正しいと思っている発言について謝れというのは。」
「良心の自由の侵害だと主張しました。」
「真実とは違うことを陳謝させる程度の広告であれば。」
「かまわないとされた判例が有名です。」

めぐちゃん。
「自分が正しいと思っていることを謝罪せよとか。」
「自分が正しいと思っていることに文句をつけられるとかは。」
「良心の自由の侵害となります。」
「同調しろと強制するのも良心の自由の侵害です。」

るみちゃん。
「何を考えているのか人生哲学や主義主張は。」
「個人の自由であって。」
「保障されているもので。」
「否定したり強要すれば訴えられる可能性があります。」
「第一九条を理由にルールを正々堂々無視することも可能です。」

めぐちゃん。
「第一九条を理由に他人を脅せます。」
「信憑性のある脅し。」

るみちゃん。
「そもそも。」
「自分の主義主張は自由なので。」
「他人が言及することは法律としては無理。」
「世界では信教の自由の一部に書かれている場合が多いとのことです。」

めぐちゃん。
「さらには。」
「自己決定権はパターナリズムを退けるもので。」
「当たり前のものなので。」
「温情的干渉主義が出てくるまでは問題にはなりません。」

るみちゃん。
「自分がどう考えていようが他人が反対できない。」
「自分が正しいと思ったものには反対すら退ける。」
「よくある。」
「私刑とか。」
「犯罪の正当化ですもんね。」
「もし私刑が横行すると。」
「私刑に対して私刑をする。」
「報復の連鎖が発生するでしょう。」

めぐちゃん。
「日本国憲法第三一条から第三七条においては。」
「人に刑罰を科すには法律によるだけでは不十分で。」
「その法律が適正であることが必要とされます。」
「刑罰を科すには被告側に。」
「告知・弁解・防御の機会を与えることが必要であると。」
「認められています。」
「犯人の逮捕には。」
「逮捕状が必要ですが。」
「ここは冤罪が発生する危険な地点です。」
「逮捕には法律が認める場合であるだけでは不十分で。」
「裁判所による逮捕許可状が必要となり。」
「慎重に行われます。」

るみちゃん。
「自警団と称して警察の猿真似をするのは。」
「自分を正当と見なして犯罪を正々堂々とする行為です。」
「自警団が犯罪集団となるので。」
「加担してしまえば。」
「犯罪行為を正しいとしてしまう。」
「私刑という自分勝手な制裁に発展します。」
「結果責任。」
「故意、過失の有無にかかわらず。」
「結果として生じた損害に責任を負うこと。」

めぐちゃん。
「第一七条。」
「何人も、公務員の不法行為により。」
「損害を受けたときは。」
「法律の定めるところにより。」
「国又は公共団体に。」
「その賠償を求めることができる。」

るみちゃん。
「第四〇条。」
「何人も、拘留又は拘禁された後。」
「無罪の裁判を受けたときは。」
「法律の定めるところにより。」
「国にその賠償を求めることができる。」

めぐちゃん。
「現代の刑罰は自由刑と呼ばれるもので。」
「犯罪者の体の自由を拘束する刑罰。」
「懲役・禁錮・勾留の三種。」

るみちゃん。
「岩波国語辞典で書いてありましたね。」
「身体の自由を規定された期間。」
「拘束する。」
「穏健な自由刑。」
「刑務所に入れても。」
「後で社会復帰しますから。」
「更生まで考えているのが当たり前です。」
「再犯の可能性はあるかもしれませんが。」
「囚人は社会に戻ってきますし。」
「そもそも法律の仕組みは何千年もかけて培われたもので。」
「雑魚が数日で覆せるものではありません。」

めぐちゃん。
「学問も数千年で培われたもので。」
「学問にもエビデンスがあります。」
「雑魚が数年で覆せる訳がありません。」

るみちゃん。
「つまりは。」
「日本国憲法だけ覚えているだけで。」
「だいぶ有利です。」
「主要の法律を暗記していれば。」
「一方的に押せますし。」
「弁護士が指摘する場合もあるでしょう。」
「性別による差別を受けたとして。」
「第一四条を争点にして勝訴した裁判が有名です。」

めぐちゃん。
「裁判官を規定する法律もありますので。」
「民間人が自分勝手に裁くと。」
「逆に司法によって自由刑を受ける場合もあります。」
「自分が正義と思っている犯罪者なんてけっこう滑稽ですが。」

るみちゃん。
「最近、出てくるネタがあります。」

めぐちゃん。
「それでやられてしまう人がいましたね。」
「今朝の新聞で。」


るみちゃん。
「岩波国語辞典。」
「追い詰める。」
「追って行って逃げ場がない状態にする。」

めぐちゃん。
「逃げ場。」
「逃げ込む場所。」
「追求・非難をかわして一息つけるような場所。」

るみちゃん。
「逃げられないだけで。」
「事態が一歩でも踏み込んでくると。」
「強制的に反撃してしまう。」
「窮鼠猫を噛む。」

めぐちゃん。
「窮鼠猫を噛む。」
「弱い立場の者でも追いつめられると。」
「強い者に刃向かい。」
「苦しめることがあるということ。」
「出典。」
「塩鉄論。」

るみちゃん。
「ポジティブ。」
「肯定的・積極的。」
「また、実証的。」

めぐちゃん。
「ネガティブ。」
「否定的・消極的。」

るみちゃん。
「岩波国語辞典。」
「他の国語辞典も同じ定義。」
「他人の言葉に同調した結果。」
「言葉の意味を間違える。」

めぐちゃん。
「肯定。」
「同意すること、価値があると判断すること。」
「そのとおりだと判断し認めること。」
「否定。」
「そうではないと判断し斥けること、打消し。」

るみちゃん。
「基本は国語辞典の精読になりますね。」
「教えられるまでやらなかったでしょう。」
「あれ?どこへ行くのですか?」


めぐちゃん。
「なんでみんな神様の存在を目の当たりにできないんだろう?」

るみちゃん。
「不可知論って知ってる?」
「神の実在は、認識では知ることができないという説よ。」
「だから直に触れ合い。」
「見るまでわからない。」

めぐちゃん。
「人がわかるのはそんな程度なんだね。」

るみちゃん。
「いいえ。」
「宗教的な性格が強い人はすぐにわかるの。」

めぐちゃん。
「崇敬者さんも目の当たりにできるといいですね。」

るみちゃん。
「信仰の果てに目の当たりにするわよ。」

めぐちゃん。
「そういえば神様の正体とか研究している人が居ましたよ。」

るみちゃん。
「そういうのはね。」
「なんとなく把握できればいいの。」

めぐちゃん。
「そう?」
「キリスト教では創造主の現れという認識で一致しているよ。」

るみちゃん。
「日本書紀見た?」
「なんとなく把握できればいい。」
「すごく簡単なことなのよ。」
「信じられないくらい。」

めぐちゃん。
「なんとなく把握できれば良い。」
「神様は心の目で見なければ。」
「直接触れ合った人じゃないとわからない。」

るみちゃん。
「そういうこと。」
「さあて今日は旗日ですよ。」
「どんな人が来るのかしら。」

めぐちゃん。
「きちんとお祀りしないと。」
「人との関係性が薄れちゃうから。」
「関係を維持するものとして神事は大切。」

るみちゃん。
「たまに思うのよね。」
「姫巫女みたいな形としての私。」

めぐちゃん。
「親しい間柄の人を神様は傍に置きたがらない。」
「なぜ?」

るみちゃん。
「その人の役割があるから。」
「下手な役割を与えてその人の能力を殺したくないの。」

めぐちゃん。
「少し前まで巫女といえば会計とか従業員だったからね。」

るみちゃん。
「そんな有り方で神職にさせたいと思う?」

めぐちゃん。
「もったいないよね。」

るみちゃん。
「そういうこと。」
「めぐちゃん頭いいよ。」

めぐちゃん。
「賢いよりも明知のほうが扱いやすい。」
「賢さはやがて虚しくされる。」

るみちゃん。
「ああなんてすごいことを。」
「さて掃除も終わりです。」
「粗塩水で穢れた場所をスプレーしたら社殿に引き上げましょう。」

めぐちゃん。
「朝いちばんからゆとりあるお仕事〜。」

道化。
「ふはははははあたしがいちばん(棒読み)」

おバカさん。
「ふはははははあたしがにばん(棒読み)」

めぐちゃん。
「競うものじゃないですよ。」

道化。
「朝礼の如く神様にご挨拶申し上げ。」

おバカさん。
「大名の家来のように一言添えたくて。」

るみちゃん。
「いらっしゃい。」
「できるだけゆっくりしていってね。」

今日も参拝客が大勢いらっしゃいました。

この世界は唯物論で推し量れるものではない。

それを痛感させられています。

今日も相談や案内。

由緒などを説明する。

バスガイドみたいになりました。

夕日は落ち。

また朝日に。

美しい循環は。

境内を照らし続けます。


8


「美術とは造化の最後の、そして最高の匠みなるこの世界の装飾である。」

神事の休憩時間。

るみちゃん。
「アドラー曰く。」
「勇気があり。」
「自信があり。」
「リラックスしている人だけが。」
「人生の有利な面からだけではなく。」
「困難からも益を受けることができる。」
「そのような人は、決して恐れたりしない。」
「困難があることは知っているが。」
「それを克服できることも知っており。」
「準備ができているからである。」

めぐちゃん。
「知ってる?」
「神社に参拝し続けると。」
「その神様の技能をプレゼントしてくれることがあるの。」

るみちゃん。
「向学心を持っている人は貰えやすいよね。」

めぐちゃん。
「でも活かせるかはその人次第だから。」
「無駄に使うことがないようにしてほしいな。」

るみちゃん。
「まったくです。」
「正しく使える人にしか貰えないらしいし。」

めぐちゃん。
「相応の力の程度を与えられることが多い。」

るみちゃん。
「プレゼントだから大切に使ってね。」

道化。
「そんなことがあるんですね。」

おバカさん。
「御神徳目当ての人も居るけれど。」
「きちんとした崇敬。」
「つまり心がないとね。」

るみちゃん。
「勝手なほうから入ってもいいんですよ。」

めぐちゃん。
「要は門を通過できるか?ですよ。」

るみちゃん。
「そういうことを許可されたんです。」
「日本人の性質ってそういうのが強いでしょ?」

道化。
「ああ!」
「日本人の性質通り!」

おバカさん。
「日本人をすべて把握されてるんですね。」

めぐちゃん。
「あとは直観で悟ってくださいね。」

道化。
「了解!」

おバカさん。
「すごいわあ。」

この日。

精神疾患の人が相談に来ました。

るみちゃん。
「非常に特殊なステートだから。」
「無神論者はまず助からない。」
「自分の治療方法を確立して。」
「実は信仰も治療になると国語辞典に表記されていたわ。」
「神聖な氣を受け穢れを祓うのが大切よ。」

市民。
「そのとおりにしてみます。」
「ありがとう。」

性同一性障害の人が見えました。

性別違和。
「女性になりたくて。」

るみちゃん。
「実は私だって3割は男よ。」
「男の性質がないと女は完成しないから。」
「意外に突き詰めていくと。」
「気の利いた結論に至るかもしれないわ。」
「これはめぐちゃんに尋ねてみて。」

めぐちゃん。
「性同一性障害を治してください。」
「こう申し出ればいいです。」
「この世界には自然な性転換もあるらしいですし。」
「性別が適合するか。」
「辿り着く場所は知らないです。」

性別違和。
「申し出てみます。」
「ありがとう。」

るみちゃん。
「今日もたくさん。」
「特殊な方が大勢でしたね。」

めぐちゃん。
「病気じゃなくて特殊な人。」
「神道ではそう呼びます。」
「特異なケース。」

るみちゃん。
「そうそう。」
「それが結局真理なのよね。」

めぐちゃん。
「原因があって結果がある。」
「自然科学の原理ですが。」
「それとは対立する科学も実在します。」
「原因があって結果があるような。」
「そのような構図は必ずしもない。」

るみちゃん。
「常に原因と結果があるという訳ではありません。」
「原因があるから結果があるという論理は必ずしも成立はしません。」

めぐちゃん。
「夕日が綺麗です。」

るみちゃん。
「ゆっくり鑑賞してから帰りましょ。」
「あっという間だったけれど。」
「夢みたいな感覚がいつか晴れたらいいな。」

めぐちゃんと手を繋いで。

帰宅へと。


9


早朝に議論するふたり。

るみちゃん。
「巫女は神社のアイドルよ。」

めぐちゃん。
「でも重要なのは。」
「神様と密接に繋がっているか。」

るみちゃん。
「神に仕える者は同時に神様と親しくないと。」

めぐちゃん。
「大名と似てるでしょ?」
「信頼できる家臣が必要なの。」

るみちゃん。
「めぐちゃん。」
「知恵を扱い切れてないでしょ?」
「この世のことを知りたければ知恵の神様を頼ること。」

めぐちゃん。
「るーみぃ。」
「男性に憧れがあるんでしょ。」
「ソクラテスとかサムライとか。」
「お手本くらいに留めないとだめ。」
「男性の性質を得たいばかりに行き過ぎだよ。」

るみちゃん。
「注意してほしいのは。」
「あまり哲学的にならないこと。」

めぐちゃん。
「一歩ずつ進むしかない。」

るみちゃん。
「古来からの巫女が途絶えたから。」
「新しい巫女の有り方を探求しないとだめ。」

めぐちゃん。
「アドラー曰く。」
「自分が不完全であると認めましょう。」

るみちゃん。
「人は目的を持ち、その方向に思考しつつ行動する。」
「人の意識も無意識も、思考も行動も個人としては一貫している。」
「人は社会に組み込まれている社会的な存在。」
「人は自分と他人、周囲の世界を見たいように見えてる。」
「人は自分の人生を好きなように決められる。」

めぐちゃん。
「一緒にノートを書いていこう。」
「今日はこんな議論をしました。」

るみちゃん。
「日々成長ってことね。」

めぐちゃん。
「現実は過酷な場合が多々あるので。」
「多少はふざけていたり。」
「時々、何かをサボッているくらいが良いかと。」

るみちゃん。
「相対的な物事の判断をしない。」
「テストの点数を除けば最強クラスの生徒もいる上に。」
「成績以外のすべてが高水準であったり。」
「人間に対しては計算で判断してはならない。」
「自分が不完全であると認める必要があります。」

ハイタッチ。

掃除用具で。

かなりのスピードで落ち葉拾い。

他の神職の方も驚く。

箒をくるくる回してみる芸をしてみる。

めぐちゃんも同じことができます。

ちょっと芸達者になってきました。

ふたりの巫女さんは。

今日もアイドルとして。

活躍です☆



10


綺麗な身なりの女の子が来訪。

るみちゃん。
「美少女さんいらっしゃい。」

実乃梨(みのり)
「今年から都市部に来た田舎娘です。」
「農家の娘なので注目されまして。」

めぐちゃん。
「にしては動きが速いですね。」
「超低空を滑空している。」
「小ジャンプを連続して繰り返しています。」

実乃梨。
「たまたま隠遁者の集まりに参加した時。」
「あらゆる技能を得ました。」
「お嬢様のような身のこなしはそこからです。」

るみちゃん。
「自然体の動きもそこからですか?」

実乃梨。
「田舎者で自然哲学が進んで仕方が無くて。」
「市街地の古本屋を興味本位で覗いたら。」
「百円でしたから。」
「何を書いてあるのか見てみたくて。」

めぐちゃん。
「それで教養があるのですね。」

実乃梨。
「はい、最近は。」
「因果律を除いた考察を進めていまして。」
「原因と結果の自然法則を無視した現象があって。」
「これなら因果を無視して考えてもいいのではないかと。」

るみちゃん。
「原因と結果はけっこう考えたけれど。」
「確証バイアスになっておりました。」
「なんでも因果で見ないほうが良いですよね。」

実乃梨。
「因果関係を取り除くと見えるものも。」
「発見することもあります。」

めぐちゃん。
「普遍的な考えが因果ですからね。」
「私のような存在も理由がないんですよ。」
「確証バイアスって危ないですよね。」

るみちゃん。
「人は思い込みの世界に生きており。」
「客観的事実など実在せず。」
「主観的な解釈しかできません。」

実乃梨。
「人が事実として客観的に物事を把握することは不可能です。」
「主観的に解釈して意味を付け足します。」

るみちゃん。
「それによって物事を把握しているだけで。」
「事実がそこにはありません。」
「人が事実を把握するのも不可能です。」

パンフレットの場所を伝えました。

何枚か貰っていくそうです。

社務室。

休憩の指示が出ました。

ちょっとハイペース過ぎたとの判断です。

ふたりで座っています。

るみちゃん。
「もうちょっと余裕が必要なのかしら。」

めぐちゃん。
「そういう機会を提供されたんだよ。」
「きっと。」

るみちゃん。
「ついていけない人が居るから。」
「他の人に任せているけれど。」

めぐちゃん。
「世界的なプロサッカークラブ。」
「FCバルセロナのユース世代。」
「ついていけない子供がたまにいるの。」
「でもそんな子たちのために。」
「特別なメニューを組んだりする。」
「ついていけない子のことも考えてある。」

るみちゃん。
「わたしたちも同じよ。」
「神道ではそれが基本のひとつ。」
「求められたら拒まないけれど。」
「それにはいろいろ従ってくれないと。」

めぐちゃん。
「順序や方法があるからね。」
「自分勝手に突き進んでもらうと。」
「かえって神様の妨害をしちゃう。」

るみちゃん。
「向こうで悲しんでいる人がいる。」
「いつだって悲しむ人は慰めてくれます。」

めぐちゃん。
「不運や不幸でさえ。」
「なんでかわかる?」

るみちゃん。
「うふふ♪」
「よく巷で言われているあれよ。」
「無償のなんとか。」

めぐちゃん。
「それは少し禁句だから。」
「言えないよね。」
「男女に限ったことでもない。」

るみちゃん。
「これを言うと。」
「偽りと本物があるから。」
「どちらも該当しちゃう。」
「マザーテレサやイエス・キリストは本物を正確に突いていた。」
「聖人や聖女ともなると本物を的確に突ける。」

めぐちゃん。
「無償のなんとか。」
「男女のなんとか。」
「夫婦のなんとか。」
「子供へのなんとか。」
「すぐわかるでしょ。」
「そういえばそれって神道にあったかな。」

るみちゃん。
「もっぱらなんとやらは男女と夫婦の間でしか有り得ないと。
「伊邪那岐様と伊邪那美様が日本書紀と古事記でしか語っていません。」
「古事記と日本書紀ではたまに登場しますが。」
「正しい使い方になっています。」
「外国のは新約聖書のほうになりますね。」

めぐちゃん。
「宗教の啓蒙は必要なのかな。」

るみちゃん。
「じゃあノートに。」
「これじゃあ休憩にならないわよ。」

めぐちゃん。
「本殿の伊邪那美様に霊力を免除して貰います?」

るみちゃん。
「きちんと大人にならないと。」
「認めてくださらないんじゃありませんか?」

めぐちゃん。
「そんなことないと思います。」
「きちんと取り計らってくださいます。」

るみちゃん。
「それならいいかな。」
「また再生もある。」
「輪廻転生を理解して。」
「伊邪那美様が取り計らってくださる。」
「文句を言うのは無理ですねー。」

めぐちゃん。
「はりきってくたびれているように見えます。」


るみちゃん。
「ベイシック・ミステイクス。」
「人は危機に陥ると誤りに支配されやすくなる。」
「断定。」
「ひとつの失敗で自分が全壊したと断定してしまう。」
「誇張。」
「些細な事で全部がそうであると誇張してしまう。」
「見落とし。」
「味方や誰かの支援。」
「成功している面や有利な面を見落とす。」
「過度な一般化。」
「失敗によって人格まで否定して自分を定義してしまう。」
「誤った価値判断。」
「価値のない自分は迷惑であると自分の価値観を批判する。」

めぐちゃん。
「ベイシック・ミステイクスは。」
「冷静な判断が困難な状況での追い打ちになります。」
「これは人が客観的に見るのではなく。」
「認知によって主観的に現実とするので。」
「基本的な誤りによって自滅します。」

るみちゃん。
「まず証拠を探す事。」
「本当にそうなのか証拠を探します。」
「そしてベイシック・ミステイクスは。」
「パターンが二つか三つに出る時が補足できる。」
「阻止ポイントです。」
「パターン化したらそこを批判します。」
「または建設的な発想に転換して自滅を防ぎます。」
「三段階の領域で阻止可能です。」
「ちなみに他人が同じ状況になっても。」
「解釈がまったく違うものになります。」
「認知論。」

めぐちゃん。
「しっかり休憩しよう。」

るみちゃん。
「うん。」
「休息も大切。」

復帰は午後からになりました。

評判が良く。

全国の同じような巫女さんとは。

一味違うようです。

ふたりの巫女さんを。

それぞれの母親が見ていて。

一人前であると。

もう知っているようです。

これまで向上を望んで。

敢えて褒めたりしませんでした。

そろそろ。

伝えないといけないと思っているようです。

日差しが美しく反射する。

境内の自然。

参拝客も。

聖域で氣を貰って。

活力を得て。

日々の生活に勤しみます。

ふたりの巫女さん。

人々の応援役です☆


11


神社のススメ。

という本を。

るみちゃんとめぐちゃん。

合同で出版しましたよ。

おバカさんと道化が協力してくれました。

記者と出版社の勤務ですからね。

しかも重役のほうに就いています。

カメラマンが目をつけ。

るみちゃんとめぐちゃんを中心とした。

巫女さん写真集を発売しようと。

撮影に来訪。

るみちゃん。
「自然体でいいんですか?」

カメラマン。
「オーケー。」
「そのほうが美しく撮れます。」

めぐちゃん。
「手を繋いで。」

カメラマン。
「素晴らしい!」

何日かで撮影を終えました。

しばらくて発売されると。

ヒット。

少し有名になっちゃいました。

るみちゃん。
「巫女は神社のアイドルとしての意味合いが強いわね。」

めぐちゃん。
「巫女らしくいればの話じゃない?」

るみちゃん。
「そうよねー。」

道化。
「どうだ?私のコネクションパワー!」

おバカさん。
「しかもヒットまで繋げて出世街道を歩く!」

るみちゃん。
「協力してくれて感謝するわ。」

道化。
「なに言ってんの〜。」

おバカさん。
「お礼は要らないって。」
「わたしたちの友情にそういうのいらないわー。」

るみちゃん。
「そうよねー。」

めぐちゃん。
「おふたりとも見事です。」

道化。
「今日は贅沢しちゃおうかな。」

おバカさん。
「またミニパーティーしようねー。」

退場。

るみちゃん。
「女性に必要なのはなんでしたっけ?」

めぐちゃん。
「知恵は必要不可欠だよ。」

るみちゃん。
「選択の自由を正常に動作させないと。」
「いつしか人は選択の自由が動作不良になっているから。」

めぐちゃん。
「自分の意思が効かなくなっている。」
「女の人によく見られる状態。」

るみちゃん。
「女性は結婚から離れた途端に自分の力で生きようとするから。」
「必然的に存在として自立する。」

めぐちゃん。
「男性に頼らない生き方。」
「勇気も女性に必要。」
「女性は基本的に頼りにするものは理性だから。」

るみちゃん。
「男性の技能や知性を吸収することも大切。」
「蒙昧であってはいけないし。」
「武士道は必須科目。」

めぐちゃん。
「女性はその日その日をいかに楽しく生きるか。」
「そんなことしか考えない人も居ます。」
「自身の発展進歩や進化に無頓着なんです。」

るみちゃん。
「歴史上の偉大な女性を見習うべきよ。」
「とっても女性らしかったじゃない。」
「マザーテレサやナイチンゲールは女性らしさがよくわかる。」

めぐちゃん。
「女性がいちばん女性を知らないかもです。」

るみちゃん。
「いつか女性もきちんと自分で歩けるように。」

めぐちゃん。
「なればいいね。」
「真実の女性というものがある。」

るみちゃん。
「それが真理よ。」
「人が信じている中には理にかなってないものも多し。」
「さて。」
「そろそろ帰宅ですね。」
「お先に。」

めぐちゃん。
「なんでもない日々。」
「でもそこに幸福を見出せる人は幸運だよ。」

るみちゃん。
「神知の気付きというわけね。」
「さすが。」
「またね。」

境内を出た瞬間。

爽やかな男の人が花束を渡してきました。

紳士な男性。
「好きです!」

るみちゃん。
「結婚は無理よ。」
「そもそも私は弟媛と同じ性格だから。」

紳士な男性。
「好きです!と言いたかっただけです!」

るみちゃん。
「なるほどー。」
「女性として嬉しいわ。」
「受け取っておくわね。」

紳士な男性。
「お元気で!」

爽やかな男性退場。

そのまま帰宅。

実はめぐちゃんも同じ事になっていました。

好きです!という純粋な気持ちを伝えたかった。

女性への敬意と尊重。

ファンとしての有り方が現れたのでしょう。

最近では「巫女さんかわいい」と。

けっこうブームになっています。

ふたりの巫女さん。

真実の女性になるべく。

鍛錬の日々ですね☆


12


めぐちゃんの家。

武家の家みたいだけれど。

本当に武家の末裔でした。

神典について議論をしてみようと。

ふたりで会議しています。

めぐちゃん。
「アドラー曰く。」
「人は都合のよいように。」
「世の中を見て。」
「今の自分への不満を。」
「何かのせいにしたがっている。」
「仕方がないと思いたいからだ。」

るみちゃん。
「人は目的を達成するために。」
「行動と言動があります。」
「人の行動や言動には必ず目的があり。」
「目的を達成するためにやっています。」
「原因と結果で行動や言動を考えるのは。」
「半分しか見えないでしょう。」

めぐちゃん。
「他人に原因を求めても意味はありません。」
「そして自分に原因を求めるのも無意味です。」
「多くの場合。」
「他人は幸福を目的に行動しているだけで。」
「他人に原因があって結果があると。」
「自然科学の原理を人間に当てはめることは困難の極みです。」

るみちゃん。
「他人が原因ではなくて。」
「自分にも原因はありません。」
「自分も他人も。」
「とある目的で行動したり発言するのみで。」
「原因と結果で人間関係を判断するのは無理があります。」

めぐちゃん。
「何かの目的に動いている他人と衝突したか。」
「何かの目的で動いている自分と競合したのみで。」
「逆に良い人間関係については原因と結果。」
「つまり因果では判断しないでしょう。」

るみちゃん。
「人は科学的には何かの目的を自然に獲得しており。」
「人間関係に原因も結果もありません。」
「目的に関して妨害したか手助けしたかくらいに絞られています。」
「全員が目的を達成したがっているので。」
「衝突や争いがあるので。」
「目的の達成に関するものに触れたか触れないかくらいでしょう。」

めぐちゃん。
「他人に原因はなく。」
「自分にも原因はありません。」
「つまりは原因すらないので結果もないのです。」
「目的の達成で争ったり援護したりした時に。」
「衝突したかそうではないかくらいなものです。」
「自分にも他人にも原因を求めるのは無意味です。」
「ただし、これは、自然科学の原理には対立しています。」

るみちゃん。
「自然科学に対立する自然科学。」
「体験に勝るものなし。」
「全国のお宮を巡礼したいですね。」


めぐちゃん。
「聖地巡礼。」
「神学も少しは生じました。」
「でも諸説ありますね。」


るみちゃん。
「宇迦之御魂神様は男神と解釈されている。」

めぐちゃん。
「どうも女神様の気がするのですが。」

るみちゃん。
「月読命様は女神?」
「独神かもしれません。」

めぐちゃん。
「どうも解釈がいろいろ違うような気がするのですが。」

るみちゃん。
「天之御中主神様と天之常立神は同神ではありません。」

めぐちゃん。
「偽書はむかしから多いけれど。」
「最近は新しい偽書が多く出ている。」

るみちゃん。
「神様については参拝しないと。」
「正確に把握できないのですね。」

めぐちゃん。
「そこらへんは難しい世界だなあ。」

るみちゃん。
「御食津神様。」
「気比大神。」
「一度素盞鳴尊様に斬られておりますが。」
「誉田別尊様の神話に再登場なさいます。」

めぐちゃん。
「日本書紀や古事記は一種の神託によって。」
「半分は自動書記で書かれているかも。」

るみちゃん。
「自動書記は異端の連中がよく使う方法だけれど。」
「神様が人が書く筆を持って。」
「人が編纂するのを手伝っているのです。」

めぐちゃん。
「筆を半分持ってこう書きなさいと。」
「それなら合点がいきます。」

るみちゃん。
「古事記と日本書紀は明らかに神託を受けて降ろされていると結論付けました。」
「神道の研究日誌と名付けて出版してみましょう。」

ふたりの書籍はいくつか出版されることになるのですが。

後に人気が出ています。

貴重な資料なのでしょう。

るみちゃん。
「この世の掟に背いていなければいいけれど。」

めぐちゃん。
「それを知っていれば感付きますので。」
「けっこう大目に見てくださると思いますよ。」
「そもそもわたしたちはまだまだ未熟ですので。」
「高校生をそんなに責められることはないと思っています。」

るみちゃん。
「人事を尽くして天命を待つ。」
「真摯に歩もうと思います。」

めぐちゃん。
「同感です。」
「日頃の至らなさはお詫びしたくなることがありますよね。」

るみちゃん。
「そこまで厳しかったらこの世は成り立たないと思います。」
「歩みを進めていくうちにいろいろ分かってきますし。」
「気付きも悟りも学びもあります。」
「わたしたちは道半ばと結論付けられます。」
「少し休憩しましょ。」

休憩。

るみちゃん。
「人の力でどれだけ世界はやっていけるかなあ。」

めぐちゃん。
「もうすぐ限界が来るんじゃない?」

るみちゃん。
「人の健闘虚しく。」
「自らを改めて。」
「神権政治になったりして。」

めぐちゃん。
「大丈夫。」
「王政復古。」
「人もいい勉強になったと思うよ。」

るみちゃん。
「そっかー。」
「そんな段階かあ。」

めぐちゃん。
「ちなみに。」
「仁徳天皇の古事記の実話でありましたね。」
「日本は古来から民主体の国家であると。」

るみちゃん。
「じゃあ民主主義も間違いとは言えないのね。」
「簡単じゃない。」
「民の為を一生懸命考えて編み出しました!」
「という感じで結論付けたわ。」

めぐちゃん。
「民主主義が駄目になった用に神権政治。」
「神政が用意されているんですね。」

るみちゃん。
「そういうことなんじゃないですか?」
「独断に陥らないように再確認しておきましょう。」
「インターネットでさえ因果律が支配しているくらいですし。」
「奉仕したいという願いはそのうち神様にお伝えしないといけませんね。」

「わたしは奉仕が趣味ですので。」
「いろいろ書いていますが。」
「やっぱり千慮一失です。」
「完璧な事は書けませんね。」

めぐちゃん。
「私も奉仕好きは同じです。」
「でもいくらかは間違えます。」
「これが私の痛恨です。」

るみちゃん。
「もう少し奉仕できないか。」
「ふたりで考えましょ。」

めぐちゃん。
「うん。」
「同志だからね。」
「甘酒がありますから。」
「休憩しながら探究しようよ。」
「人は探究によって悟ることも多いし。」

るみちゃん。
「では一服。」

庭と空を見ながら。

遊びに来る小鳥を観察。

10分経過。

整理整頓を開始。

めぐちゃん。
「じゃあノートに取りますね。」
「議論を続けます。」
「日本書紀の史実になります。」
「大物主命様の御子は人の子として産まれて。」
「皇軍の手助けをしています。」
「人ってもしかして。」
「唯物論のほうが幻想に生きている?」
「これだと。」
「人って夢を見ているのと同じなんじゃ?」

るみちゃん。
「そういうことになるわね。」
「そうなれば。」
「人は唯物論という夢の中で。」
「半分寝ているような。」
「そういうことになります。」

めぐちゃん。
「うーん。」
「思兼神様を頼ってみるかなあ。」

るみちゃん。
「そのほうがいいわよ。」

めぐちゃん。
「そういえば。」
「お姿をお隠しになられた神様は。」
「どこの神社に祀られているか分からないよ。」

るみちゃん。
「縁ある人はおいでー。」
「これって神道の基本でしょ。」

めぐちゃん。
「そっかー。」
「そうだったね。」

道化とおバカさんが約束通りに来客。

道化。
「ところで。」
「なんで神様はお願い事をかなえてくださるの?」

るみちゃん。
「神様の御心を知ればわかるよ。」

めぐちゃん。
「日本は神の国だからね。」

おバカさん。
「あー。」
「神道って簡単なんだ。」
「すぐ理解できるんだ。」

るみちゃん。
「そういうこと。」
「さて。」
「お茶会のスタートです。」

道化。
「おいしいお茶くださいなー。」

めぐちゃん。
「作法から行きますね。」

みんなでお茶会。

ちょっと改良してしまって。

みんなで4杯。

現代版にアレンジすることで。

わかりやすさと。

文化を伝えやすく。

研究を重ねているからです。

古来から続く日本の神秘。

ひょっとしたら。

唯物論で生きているわたしたちのほうが。

幻想の中に生きているのかもしれません。

不思議な感覚で。

悟ることができそうです。

憩いのひとときは。

こうして過ぎていき。

幸福のひとつの形が永遠に残りました♪


13


るみちゃんの部屋。

ふたりきり。

今日も数少ない。

日本神学についての議論です。

日本神学は神様の助けが必要な学問となっています。

神主さんや宮司さんの神学の。

ひとつとしていずれは確立するためです。

るみちゃん。
「めぐちゃんって女の子好き?」

めぐちゃん。
「そうとも言えます。」

るみちゃん。
「わたしは好き。」
「めぐちゃんが好き。」

めぐちゃん。
「人を好きになることは素晴らしいですよ。」

るみちゃん。
「わたしは女性について何か気付いたみたい。」
「やっぱり個々の模索によって得られるものが多いわ。」
「人として成長して進化していくのね。」

めぐちゃん。
「それと同じように。」
「この言葉があります。」
「実は宗教的には真実のものです。」
「神は山を動かしてくださるが。」
「自分でシャベルを持っていくことを忘れるな。」
「神様が掘り方を教えてくれるんです。」
「その人は指示どおりに掘り進める。」
「神様に助けてもらって努力すると。」
「必ず山を動かしてくださる。」

るみちゃん。
「お願いごとをして。」
「あとは自分でやってみる。」
「努力して学んだり。」
「実践して鍛えてみる。」
「信仰って真摯な向き合い方でも成り立つんです。」

めぐちゃん。
「それでも無理ならこれですね。」
「いろいろ教えてくださいとか。」
「いろいろ伝授してくださいとか。」
「とっても優しく鍛えてください。」
「そう神様にお伝えして普通にしているだけで。」
「自然といろいろなものが向こうからやってきたり。」
「自然と興味を持ちます。」
「シャベルを持って行ったら。」
「神様の指示通りに掘るのです。」
「シャベルを忘れていったら元も子も無いのです。」
「とにかく限界まで。」
「自分でやってみて。」
「それでも駄目なら相談しましょう。」
「神道についてよく知ることが大事です。」
「正統な説明はありますから。」

るみちゃん。
「神道そのものを学ぶのが必要でしょうか。」
「神知は相談すれば貰えるかもしれません。」
「人間の知恵がすべてを動物的に見ていると言えます。」
「そうであるならば。」
「この世界についても何もわからないと思います。」

めぐちゃん。
「神知を得る。」
「神知への気付きがどうしても必要だと思うわ。」
「人知では理解できないことに限りがありますからね。」
「神秘的なものも容易に理解できるのが神知です。」

るみちゃん。
「日本神学と言って。」
「神主さんや宮司さんもよく語っていらして。」
「参考になるのですが。」
「正統な情報は不足しているのかもしれません。」
「この点は注意しないと。」
「独断に陥ったらいけませんから。」

るみちゃん。
「わたしたちの意見もその中のひとつ。」
「神主さんや宮司さんの意見のひとつとしましょう。」

めぐちゃん。
「神様を自分の親だと思えば良い関係になれますよね。」

るみちゃん。
「それにしてもめぐちゃんかわいい。」
「何かしていい?」

めぐちゃん。
「少し前であれば喜んでお受けいたしました。」

るみちゃん。
「ちょっとふざけてみただけ。」
「女の人って不思議な所があります。」
「未知なる生き物ってことかしら。」
「女はかわいい生き物よね。」
「ひとたび機能すると自分にうっとり。」

めぐちゃん。
「わたしは性別を天に決めてもらってますが。」
「女性であることを気に入りました。」
「自分で好きになれました。」

るみちゃん。
「性別の区別が無い神様のことですよね。」
「おかげで自分にうっとりさせられました。」

めぐちゃん。
「日本神学ですね。」
「気を付けてほしいのは。」
「神道の人は須佐之男命様と同じく荒れて不良になって。」
「乱行して罪を犯す点です。」
「神様は庇ってくれます。」
「酷過ぎると・追放・という処置にしないといけませんが。」
「それでも助けてくれます。」
「見捨てになりません。」
「須佐之男命様は最後には草薙の剣を献上して姉君と和解なされています。」
「宮殿もお建てになられました。」
「結果は良いものであると教えてくれています。」
「神様は寛容です。」
「優しくて信じられないくらい臨機応変です。」
「気持ちが大事ですね。」

るみちゃん。
「そうです。」
「日本神学は多くは語られていないけれど。」
「すごいわ。」
「私としては。」
「青人草は神様の子供だと感じています。」
「神道は神の道。」
「神様と一緒に歩むのですから。」
「わたしたちはまだ高校生なのでしょう。」
「焦らず授業を受けるとしましょう。」

めぐちゃん。
「それが正しい態度だと思います。」
「ちょっと抱きつかないでください。」
「女の子に目覚めたのですか?」
「わたしは理知的ですけれど。」

るみちゃん。
「少しはじゃれ合ってみたいんです。」
「そういうのも女の子でしょう。」

めぐちゃん。
「いいでしょう。」
「付き合ってあげます。」
「わたしも女の子ですから。」

たまにはこんなこともしてみる?

人ってなんだか美しいですよね。

わたしたちは。

まだ高校生として。

自分を見つめてみて。

授業として生を見たほうがいいみたいです。

輪廻転生?

伊邪那岐神と伊邪那美神にお会いできるといいですね。

真面目でひたむきに。

日々勤しむとしましょう。


14


るみちゃんとめぐちゃんと道化とおバカさん。

みんなでカラオケ。

おもに軍歌を歌って楽しんでいます。

るみちゃん。
「尊いものを求めつつ戦争中毒になった。」
「日本帝国は残念でなりません。」

めぐちゃん。
「でもひとつの有り方を示してくれました。」

道化。
「それを讃えたければ靖国神社へ!」

おバカさん。
「歴史的な日本人への敬意は大切よ〜。」

このあと。

大きな自然公園を散歩。

シートを敷いて。

和歌を詠んで楽しんでいます。

俳句も作ってみました。

るみちゃん。
「こういうのは得意よ。」

めぐちゃん。
「いいのが出来るのは稀かな。」

道化。
「頑張ってやるー。」

おバカさん。
「雑巾みたいに絞っても出ないわよ〜。」

このあとはお城巡り。

各地のお城に赴いて。

歴史に触れ合います。

るみちゃん。
「現代も歴史の一幕に過ぎなかったり?」

めぐちゃん。
「二千年後の人々は現代をなんというでしょうか?」

おバカさん。
「大正時代のようだった?とか?」

道化。
「酷評されないよう頑張らないと?ね?」

夕食は。

レストランで。

待機中。

愚痴が出る。

おバカさん。
「一流フレンチシェフに習った料理の腕前と。」
「旅客船にいたボーイから習った家事の技能は。」
「どんな相手でも射殺す。」

道化。
「それって男性を選ばないと釣り合わないわ。」

おバカさん。
「仕事が速くて。」
「他人の仕事を奪わないと気が済まない。」

道化。
「いつかの彼氏は化け物を嫁にしてしまうと。」
「逃げ出したとか。」

おバカさん。
「大きな獲物だったわ!」

るみちゃん。
「逃さないように。」
「男性の弱点は。」
「まず知性の面から。」
「実力差が激しく。」
「最初から能力差が開いており。」
「弱者に入ったら抜け出せないのが男性の世界です。」
「知性に劣れば。」
「何をすることもできません。」

めぐちゃん。
「頭が悪いと生物として成立していませんし。」
「男性が頭で劣っていたら。」
「何の役にも立たない。」

おバカさん。
「私より劣っていたから逃げたのかしら。」

るみちゃん。
「男性の傾向。」
「増長しやすく。」
「劣った男性は数合わせですね。」
「逆に優れた人物が目立ちやすいのです。」

めぐちゃん。
「男性は知性を過信する傾向にありますし。」

おバカさん。
「ではエリートさんに自分からアプローチすればいいの?」
「女性から口説くのは不吉ですが。」

道化。
「あんまり男性を選べますと。」
「選び過ぎて決まらないんですね。」

るみちゃん。
「テクニックで決まらないのかしら。」

おバカさん。
「次は確実に落とす!」

めぐちゃん。
「次に体力面。」
「格闘技を習った人ならば理解できる通り。」
「男性の間にも能力差が激しいです。」
「戦いで勝てない相手に対して。」
「弱い男性はより強い男性に服従するしかありません。」

道化。
「子供と大人の戦いになりやすいのも。」
「腕力だけで勝負が決まらない典型です。」

るみちゃん。
「自分が強いと自己申告しても無意味です。」
「雑魚の男性は子供の喧嘩しか知りませんから。」
「兵士や戦士と戦ったら。」
「雑魚の男性は死にます。」

めぐちゃん。
「腕力自慢の方が死にやすいですよ。」
「男性の大半は子供の喧嘩しか知りませんから。」

るみちゃん。
「戦場では勇敢な者から死んでいく。」

道化。
「それは有名な格言。」
「兵士の掟。」

めぐちゃん。
「戦場では勇敢な者から死ぬ。」
「歩兵の格言です。」
「強者には屈するのが男性の掟。」
「男性は厳格なルールの中で支配されながら生きています。」

道化。
「女性は裏切れば後は楽々ですよ。」
「女性だからという理由で見逃してくれる場合もありますし。」

おバカさん。
「女性が男性に勝てば。」
「勝利者の女性はどういう意味になりますか?」

めぐちゃん。
「男性は女性より劣っている事例がひとつ完成します。」

るみちゃん。
「女性は敏捷性に優れていると武士から指摘されていますし。」
「日本の英雄が女性の身のこなしを使ってひらひら避けて。」
「刀狩りを降伏させた事件が有名です。」

めぐちゃん。
「弁慶という古代の猛将が負けた戦闘ですよね。」
「それ以降は家臣になりました。」
「印象的ですが。」
「そこら辺の歴史は諸説あります。」
「この日本の英雄は神社で祀られています。」

道化。
「知性で勝利した女性は見当たりませんが。」
「本来は男女。」
「互角の存在なのかもしれませんよ。」

おバカさん。
「女性はこうだという規則はどっかにまとめて書いてあるのでしょうか?」
「ないですよね。」

るみちゃん。
「戦争は女の顔をしていない。」
「スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ。」

めぐちゃん。
「男性兵士顔負けの狙撃手が有名ですよね。」
「男性には決まった設定があって。」
「これを無視できますが。」
「女性には決まった設定があって。」
「これに逆らえないのでは。」

おバカさん。
「決定論な意見ですよ。」

道化。
「男性は実力で勝てない相手にはどうにでもできない。」
「権力や財産。」
「武力や知性や権利など。」
「優劣がはっきりした世界にいます。」

おバカさん。
「女性はフラットで能力差が大きくない。」
「稀に突然変異が出ますが。」

道化。
「女性解放運動が発生しましたが。」
「女性は奴隷みたいな扱いでしたか?」

めぐちゃん。
「自分の可能性を捨てていると思います。」
「女性は欠陥が多数あると分析されています。」
「自分の欠陥によって自由にならないのです。」

おバカさん。
「逆に男性には弱点が多いものですよ。」
「バトル漫画みたいに勝負がつきます。」

るみちゃん。
「優秀な男性が多くの書物を残しています。」
「優秀ではない男性はもう後の事は決まっているのかしら。」

おバカさん。
「女性はどこでも歓迎されるわ。」
「男性は劣っていることが許されないほど厳格なのですからね。」

道化。
「なぜか知りませんが。」
「男性は弱い事が許されないとかいう風潮があります。」

めぐちゃん。
「女性は恋すると結婚という結末に至ります。」
「性的な関係が強制になりますが。」
「私はあっさり避けました。」

るみちゃん。
「巫女は処女しか許可されませんからね。」
「未婚が必須条件という応募まであります。」

めぐちゃん。
「修道女も結婚禁止です。」
「結婚しないだけで解放感と自由がありますよね。」

るみちゃん。
「結婚を踏み倒すだけで得られる利益と権利。」
「結婚なんて強要罪。」

道化。
「そこまで言わなくても。」

おバカさん。
「女性は思った事を言ってしまうのかな。」
「男性は自分の言い分がすべて伝わっていると思い込んでいて。」
「無理が生じてやっと爆発します。」
「すべて伝わっているはずなのに。」
「なぜそうなんだと。」

道化。
「何も喋らないので。」
「それでも言い分がすべて伝わっていると思っているのですね。」

るみちゃん。
「すべてが全員に伝わっている前提で考えるのは。」
「男性の盲点。」

おバカさん。
「女性はそういう態度ではありません。」
「残らず言います。」

るみちゃん。
「男性の説明書は歴史書となりますね。」

めぐちゃん。
「歴史において殺伐としている場面は。」
「男性のやり取りの中で生じています。」
「戦国時代などは男性の世界一色です。」
「男性のやり方ではああなります。」

道化。
「自分だけ逃れれば良いかと。」

おバカさん。
「それが結論になるわね。」

長居。

外に出ますと。

夜は満月でしたので。

月見をしてみましたよ。

めぐちゃん。
「汎神論。」

るみちゃん。
「そうなると綺麗よね〜。」
「神秘的というか。」
「ロマンチックが現実になったというか。」

道化。
「この世界はそういう不思議に出来ているとか。」

おバカさん。
「科学を過信したもんだから。」
「世界が実は半分以上はファンタジーだという現実も気付けないとか?」

めぐちゃん。
「科学を過信すると唯物論になります。」
「むやみに唯物論という思想に感化されるのはよくないです。」

るみちゃん。
「わたしたちはいつの間にかいろんな思想に犯されてるからね。」

おバカさん。
「学校教育も人間が教えて作ったものでしょ。」

道化。
「完全ではない人間。」
「愚かさが目立つ人間の教育も欠陥があるということかな〜?」

るみちゃん。
「批判不足ってことかしら。」

めぐちゃん。
「正しい教育じゃないと。」
「人間が勝手に解釈しちゃだめ。」
「中立公正なものを信じないと。」

道化。
「もっともよ。」

おバカさん。
「それはいつだって世界の事実よ。」

るみちゃん。
「いいわね〜。」
「雑談してお月見かあ。」

めぐちゃん。
「自然は味方。」

るみちゃん。
「自然とひとつになれるといいかもしれないわね〜。」

おバカさん。
「こんなに美しくていいものだから。」

道化。
「自然なしに人は存在できないのはいつだって真理だからねー。」

みんなで談話。

お月見団子を食べながら。

過ごす夜。

この日は。

風流な趣味を持つ。

清潔な遊びをエンジョイしました☆


15


るみちゃんの家で研究中。

るみちゃん。
「古事記の系統図を見ますと。」
「どうも未婚の女神様が数多くいらっしゃいますよね。」

めぐちゃん。
「それと現実の女性を照らし合わせると。」
「どうも天の助けがないと女性は一人前になれない。」
「という結論に到りました。」

るみちゃん。
「そのとおり!」
「やっと答えに行き着いた。」

めぐちゃん。
「テレビやってるよ。」

日本各地の人気がある巫女さんは。

テレビで活躍中ですね。

神道の啓蒙活動が功を奏す。

宗教に対する正しい考え方が国民に知れ渡りました。

必然的にふたりの人気が出て。

頼られる事が多くなりましたね。

るみちゃん。
「日々精進。」

めぐちゃん。
「確実に伸びていく。」
「もっと成長して。」

るみちゃん。
「いつか立派な大木になれるといいなあ。」

めぐちゃん。
「現代巫女の有り方は古来からの技を引き継ぎ。」
「現代に合わせて特別な役割をする。」

るみちゃん。
「本来巫女はシャーマニズムと言って。」
「神託などが得意でしたので。」
「それぞれ自分の特徴を活かした特別な役割をこなすのが。」
「巫女のあるべき姿。」

めぐちゃん。
「女性しか出来ないアイドルとしてのありかたも。」
「女性しか出来ないことも受け持つ。」

るみちゃん。
「真実の巫女としての有り方があると悟りました。」

めぐちゃん。
「そういうことですよね。」

るみちゃん。
「うん。」
「それにはもっと成長しなきゃ。」
「日々精進!」

めぐちゃん。
「わたしたちの道は到達点かな?」

るみちゃん。
「そうだといいわね。」

めぐちゃん。
「散歩しようよ。」

るみちゃん。
「名案!」
「何を着ていこうかな。」
「思い切ってスカート?」

めぐちゃん。
「なんで女の子はパンツを見られたくないのにスカートはくの?」

るみちゃん。
「平安装束にします。」

めぐちゃん。
「人は皆、人生について。」
「自分が持っている仮説が正しいことを。」
「証明したり強化する理由を探して生きているとされます。」

るみちゃん。
「そうなると。」
「自分の仮説を裏付ける証拠しか集まらないので。」
「仮説通りの情報しか手に入らなくなるのです。」
「それは学習の一種なのですが。」

めぐちゃん。
「変化を与えることは本人にとっては難しくありません。」
「人生における可能性を追求すれば。」
「不可能という言葉が疑わしくなります。」

るみちゃん。
「人は世界はこうであると自説を出したがります。」
「全員がそうなので解釈次第ですね。」

めぐちゃん。
「アドラー曰く。」
「我々は常に他者を考慮に入れ。」
「他者に自分を適応させ。」
「自分を他者に関心を持つように。」
「しなければならない。」

ふたり巫女さん。

最近はオフを頂いております。

頑張り過ぎなのが見破られてしまったのですね。

しっかり休憩して。

果たすべき義務をするのも大切です。

この日はふたりで女の子らしい遊びを一日中。

なんだかかわいらしい。

そんな姿が。

お屋敷の一角にて。

さて。

少女のような成人女性。

一時間後。

公園で。

ゴーグルをつけて。

ライトセーバーのオモチャで遊んでいる。

サバイバルゲームのルールで。

直撃するまで討ち合う。

めぐちゃん。
「防御を固めてきて攻め辛いですよ。」

るみちゃん。
「相手の剣を迎撃するのが近道かなって。」

めぐちゃん。
「飛び回るのはやめてください。」

るみちゃん。
「女性は身軽なので。」
「アクロバティックな動きもできるもんです。」

めぐちゃん。
「甲冑を着て太刀を持つと。」
「重量で飛び回れないと思いますが。」

るみちゃん。
「むしろ一対一での戦闘を想定していますね。」
「多人数相手には難しいかな。」

めぐちゃん。
「実際に剣術の師範と戦ってみると。」
「簡単に理解できるかと。」
「つまり。」
「剣道は世界クラスからして実用的ではありません。」

るみちゃん。
「空手道や柔道がシステマやクラヴ・マガに全く通用しないように。」
「軍隊徒手格闘から雑魚の扱いを受けて倒されるように。」
「実戦を想定していない剣術は使い物にならないと思います。」

めぐちゃん。
「試合で刀を伸ばしてしまうと。」
「次の手なんて楽々、読めてしまえます。」

るみちゃん。
「いきなり正面から正々堂々、突進してきて。」
「激しく斬りかかってくるのが足軽の典型。」
「馬上で討ち合うのもよくありましたが。」
「試合のルールの中でしか通用しない剣道。」
「井の中の蛙大海を知らず。」

めぐちゃん。
「凡人の世の中ではよくあることです。」
「戦場を忘れてしまったので。」

るみちゃん。
「距離を確保しながら投げ技を構えていますね。」

めぐちゃん。
「利き手を掴めば勝利ですので。」

るみちゃん。
「何度も討ち合って勝負がつくものです。」

めぐちゃん。
「横に回り込んできましたね。」

るみちゃん。
「正面からしか攻撃しないのは素人です。」

めぐちゃん。
「当たり前の事を言っていますね。」

るみちゃん。
「白兵戦は自分の損害も前提に入っていますので。」
「激戦になるのも当然かと。」

めぐちゃん。
「これで五回も討ち合いましたが。」
「一度も当てられません。」

るみちゃん。
「体を横にして剣を垂直にするのは。」
「手首を中心としたテクニック攻撃の合図。」

めぐちゃん。
「相手の剣もろとも吹っ飛ばそうとするのは。」
「パワー攻撃の構えですね。」

るみちゃん。
「防御が強くてお互いに当たりませんね。」

めぐちゃん。
「いつも戦績が互角ですし。」
「こうやって本気になって遊ぶのも好きですよ。」

るみちゃん。
「鍛錬にもなりますからね。」
「お互いに動きが読めてしまうので。」
「接近すると掴まれて回り込まれて。」
「首に当てられてしまいます。」
「跳ね返せば当たりそう。」

めぐちゃん。
「私は剣を集中狙いしていますが。」
「いくら討ち合っても。」
「ミスが出ない限りは試合が無限に続きますね。」

るみちゃん。
「本当に、どちらかがミスをしてやっと。」
「ライトセーバーが命中します。」

あらゆる手を尽くしても。

結局はひとつかふたつのミスでしか決着がつきません。

でも一番、好きな遊びなのです。

ひとりの余暇は。

いつもの読書。

アリストパネスを読んでいます。

今回はめぐちゃんも一緒。

るみちゃん。
「戯曲は喜劇と悲劇と二分類されています。」
「喜劇は道化役かやられ役が存在して。」
「道化役かやられ役が馬鹿をやらかして。」
「最後に道化役とやられ役が敗北する構図です。」
「最初から指定されたキャラクターの敗北が決まっていますので。」
「どのような展開で敗北するかを考えるのが醍醐味です。」

めぐちゃん。
「悲劇は優れた人物か被害者がいて。」
「優れた人物が破滅したり被害者が死亡して終了します。」
「加害者は巻き込まれて死んだりします。」
「悲劇では攻撃側が優れた人物に殺されたり。」
「被害者がやり取りの中で死んだりします。」
「この場合は勝利者が存在しない展開になります。」
「なぜなら勝利者も破滅するからです。」

るみちゃん。
「喜劇と悲劇が合わさった形式もありますが。」
「基本は二種類に分類されます。」
「後は技術の話になります。」
「話が破綻しなかったり。」
「どのような話にするか。」
「これは実話から引用したものが多くあります。」

めぐちゃん。
「喜劇か悲劇かに分類されていなければ。」
「何をしたいのか分からない作品になりがちです。」
「簡潔と冗漫な作品があります。」
「簡潔と冗漫の中間が最高なのです。」
「長過ぎると退屈しますし。」
「簡潔ですと難しくなります。」

るみちゃん。
「現代の文学は冗漫で無駄に長い傾向にありますので。」
「それよりも簡潔の方がマシで。」
「やっぱり中間の長さが最高です。」

めぐちゃん。
「話の内容は。」
「始まりと中間と終わりという三段階のシナリオが原則です。」
「技術については説明できませんが。」
「これは古典文学を模倣すれば習得できます。」

るみちゃん。
「アイデアは模倣によるもので。」
「アリストテレスによると。」
「ひとつの作品から複数の作品が新しく出る。」
「本当に斬新なアイデアは滅多に出ませんね。」

めぐちゃん。
「人間中心に創造性を置けば失敗します。」

るみちゃん。
「アイデアは天性か狂気で出現しますからね。」
「何か美しいものを再現したり。」
「理想を再現するのもアイデアのひとつです。」

めぐちゃん。
「必要は発明の母。」

るみちゃん。
「歴史を引用して趣味のある世界を描くのも。」
「アイデアのひとつです。」

めぐちゃん。
「現実を引用したり。」
「現実を模倣するのが基本ですし。」

るみちゃん。
「全部が新しいなんてアイデアを出そうとしなければ。」
「なんとかなるもんです。」

読書。

ギリシア喜劇集。

ギリシア悲劇集。

山積みになっています。



16


神社の裏手の山。

誰もいない平日の夕方。

るみちゃんとめぐちゃん。

るみちゃん。
「十束剣を合わせてみよう。」

めぐちゃん。
「霊刀と合わせるのね。」

るみちゃん。
「こういうことをして霊格を得る。」

めぐちゃん。
「かつての先人と同じように。」

剣を少し交えて。

合わせてみました。

かなり切れ味と手応えがあります。

危険にならない程度に。

合わせて終えました。

るみちゃん。
「なんかひとつ何かを超えたわ。」

めぐちゃん。
「こんなことをして。」
「人は一回りランクアップするのかな。」

剣を鞘に納めて。

帰路。

るみちゃん。
「人も空の鳥みたいに具合良くなるかな。」

めぐちゃん。
「人間中心の社会はどうしても人間の愚かな所が目立つよね。」

るみちゃん。
「そうやって間違いを知っておく過程だったりして。」

めぐちゃん。
「本当は道徳にかなっている存在のはず。」

るみちゃん。
「人間中心に考えるからそれを忘れたのかも。」

めぐちゃん。
「かつて神中心の世界で人が神聖を持っていたと。」

るみちゃん。
「そんな気配があるわね。」
「美しき青人草。」
「美しいと伊邪那岐様に言われた人という存在。」
「自ら醜くしてはいけないわ。」
「親不孝者!!」

めぐちゃん。
「それらを忘れて。」
「穢して冒涜して。」
「ついには人を忘れる。」

るみちゃん。
「人はいまこそ古来を思い出し。」
「原点回帰。」
「なんてことかしら?」

手をふたりで合わせて。

別れました。

帰宅。

おバカさんと道化が訪問。

道化。
「ふたりでいいことしてたの?」

るみちゃん。
「猥談でもしようと言うのですか?」

おバカさん。
「まさか。」
「情痴に溺れるなんて。」
「武士は慎んでいたけれど。」
「匹夫は制御できなかったりして。」

るみちゃん。
「人は学ぶことが大切。」
「道徳水準がまだ足りないのかも。」

道化。
「なんか律法裁判所とか律法刑務所とか。」
「律法が法律に組み込まれるって。」
「神学者と神父さんと牧師さんのオールスターで。」

おバカさん。
「一応記者だから。」
「キリスト教会が活躍しているよ。」
「それをこっそり教えてあげる。」

るみちゃん。
「ありがとね。」
「うれしいわ。」

お茶を飲んで。

一息。

すぐ。

部屋を物色される。

謎のコンピューター発見。

起動。

るみちゃんが解説する。

おバカさん。
「このパソコンはコア数が多いのですが。」
「スーパーコンピューターなのですか?」

るみちゃん。
「Xeonというサーバー用CPUの型落ちですね。」
「ジーオンは特殊なCPUですので。」
「奇妙に思えるかもしれません。」

道化。
「サーバー用のPCを使うなんて新鮮です。」
「性能は高めのようですね。」

るみちゃん。
「手っ取り早く性能を求めますと。」
「XeonCPUが最適でしたので。」

めぐちゃん。
「なんでもありな雰囲気です。」

るみちゃん。
「時代を先取りしたパーソナルコンピューターです。」
「扱いが難しいでしょうし。」
「成熟していない技術では。」
「時代を先取りした方が有利ですからね。」

めぐちゃん。
「駆け引きに強そう。」

るみちゃん。
「男性から奪った技術が大半ですよ。」

道化。
「男性の模倣ですか?」

るみちゃん。
「男性の模倣は有利です。」

めぐちゃん。
「時代を先取りしたのは機械だけではなくて。」
「私達も同じです。」

おバカさん。
「時代を先取りした女性ですか。」
「それも良い響き。」

道化。
「パワーワードですよ。」

めぐちゃん。
「ならば徹底的に時代を先取りした女性になりましょう。」

おバカさん。
「なにそれ超人。」

るみちゃん。
「人間の限界を超えた女性になります。」

めぐちゃん。
「女性の限界を超えた女性。」

道化。
「男女同権。」
「最強の女性と男性が競ったら。」
「互角でしょう。」

おバカさん。
「作為的に女性が不利になっていたのでは。」

道化。
「それはやっぱり偶然。」
「理由も何もないです。」

めぐちゃん。
「原因も無いのに女性不利と出ていましたからね。」
「逃げ遅れた人は多いです。」

おバカさん。
「私の妹も同じく誰も止められない女の子よ。」
「女性の突然変異は強くて手に負えない。」

道化。
「妹の女子小学生は頭角を現す。」
「姉は無双している。」
「恋したり結婚を迫ったり。」
「相手に逃げられた末に。」
「書物しか相手がいなくなるとは。」
「数奇な女性ですね。」

おバカさん。
「たくさん恋したのでたくさん恋が理解できたけれど。」
「たくさん逃げられたので。」
「次の獲物を仕留めるわ。」
「相手ならいくらでもいるもの。」

道化。
「いい身分の女性。」
「男性なら誰でもいいのでは?」

おバカさん。
「必死になったあまりに多分そう。」

るみちゃん。
「お高い書物を貰えて満足しています。」

おバカさん。
「相性が良いのでむしろ必然かと。」

めぐちゃん。
「古書店は取り寄せとインターネット通販が強いです。」

おバカさん。
「私が優秀だから。」
「助手なのにひとりで店を回しているの。」
「本業にしようかしら。」

道化。
「巨人が暴れて残ったものみたいな。」

おバカさん。
「さっきから比喩的に言ってきますが。」
「的確に言い過ぎです。」

しばらく雑談して。

道化とおバカさんが帰りました。

神棚にお供えしていた。

和菓子が多少劣化していたので。

お下げを頂きました。

新しい和菓子に交換。

次の日。

めぐちゃん。
「るみちゃんって女性らしさがあるかも?」

るみちゃん。
「めぐちゃんは不思議な女の子よ。」

めぐちゃん。
「女性らしさってどうやって培われるのかな。」

るみちゃん。
「女性は女神様を見習うべきよ。」
「特に天照大御神様と豊受大神様を敬神しないと。」
「主宰の神様でしょ?」
「女性はお手本として敬うべきよ。」

めぐちゃん。
「そうした心構えがやがて女性らしさに繋がるのかな。」

るみちゃん。
「女性は特殊能力に長けている。」
「それで勝負ができる。」

めぐちゃん。
「特殊技能は女性の基本だよね。」

るみちゃん。
「思うのだけれど。」
「ひとむかし前まで。」
「人は男尊女卑の悪風を持っていました。」
「なんで男尊女卑なんてあったのでしょうね。」

めぐちゃん。
「それは蒙昧だよ。」
「男尊女卑は蒙昧の象徴。」

るみちゃん。
「それは言えるわね。」
「女性に対して知識が浅いし。」
「女性に対して道理にも暗い。」
「さすが。」

めぐちゃん。
「女性も本来の有り方になっていくんだよ。」
「女神様と共に女性は女性に気付く。」

るみちゃん。
「つまりは前人未踏の領域よ。」
「女性とは何か。」
「容易に見つかったわね。」

ふたりで。

ちょっと見違えた雰囲気で。

おしゃべりしながら。

いつもの奉仕へ。

女性らしさの答えが見つかったふたりは。

きっと女性のあるべき姿を探求できるでしょう。

ふたりの巫女さん。

人も進歩するものです。

今日も神宮は晴天。

参拝客の足並みは揃って。

巫女さんが出迎えます☆


17


神主さんに日頃の活躍を褒められました。

神職。
「とても見事な働きです。」
「神様もお喜びになられるはず。」
「祝福されし巫女さん。」
「これからもお願いしますね。」

るみちゃん。
「私は奉仕のために存在しています。」
「なぜわたしに天の助けがあったのか。」
「それは永遠を与えるため。」
「生粋の巫女として。」
「役目を全うするつもりです。」

めぐちゃん。
「わたしたちは人々のサポート役。」
「それに対して幸福を感じますし。」
「自分のあるべき姿を直に感じます。」
「人はそんな感覚を覚えるときが真理に近いのでしょうか。」

神職。
「人の理解は限界があるのかもしれません。」
「おふたりとも。」
「これからもよろしくお願いします。」

社殿で。

巫女長。
「あなた達はもっと上の役職が適切だと思うわ。」

るみちゃん。
「そんな。」
「これは天から与えられしもの。」

めぐちゃん。
「かえって神様に失礼では?」

巫女長。
「これは失言だったかな。」
「なんかわたしって勝手な考え方してるかも。」

めぐちゃん。
「人間中心に物事を考えるのはよくないです。」

るみちゃん。
「やはり神中心に物事を行い、考え。」
「存在は成り立つ。」
「こうした結論に至っています。」

巫女長。
「さすが名実通りね。」
「みんな適切な役割があるから。」
「失言だったわね〜。」

巫女長さん退場。

おバカさんと道化が参拝に来られました。

道化。
「人生について考えてみる。」

おバカさん。
「かえって無駄に難しくなりました。」

るみちゃん。
「人生や世界についてなんとなく把握できればいいのよ?」

めぐちゃん。
「よく見極めてみましょう。」
「すべてはそういうことです。」

おバカさん。
「なんとなく?そのとおりだと思ったわ。」

道化。
「難しくも簡単というよりありのまま?」

めぐちゃん。
「なんとなくこうかな?というのが神道にとって大切な知恵。」

るみちゃん。
「むしろ哲学的な答えは不要よ。」
「すべてなんとなく把握できればいいの。」
「これらがすべての答えよ。」

おバカさん。
「そうなんだー。」

道化。
「難しく考えるとむしろ真理から外れていくのね。」

めぐちゃん。
「神化・教化されると不思議な知恵が生じます。」
「こうなると不可説です。」
「それも道標にしてくださいね。」

おバカさん。
「了解〜♪」
「そんな言葉をかけられるとわかったわ。」
「真実の幸福って悟った先に待っているのね。」

るみちゃん。
「人間中心に考えると迷子になるでしょう。」
「神様を中心に考えてみましょう。」


道化。
「確かに迷子になるわ。」
「神様を中心に考えるとなんかよくわかりそう。」

めぐちゃん。
「そんなところですよ。」
「わたしたちのノート。」
「新刊作りました。」
「またコピーして渡しますね。」

道化。
「それ出版しない?」

おバカさん。
「貴重な情報だわ。」
「出版も考えておいてね。」
「それじゃあまた。」

最近。

巫女さんファンクラブが発足。

日本各地の巫女さんは人々にとても好かれています。

この日。

国家議員がふたりを訪ねてきました。

巫女は本来政治的な分野は得意です。

政治家は満足そうに去っていきました。

神宮は今日も聖なる氣で満ちて。

参拝者を歓迎されし。

活気に満ちています。

神中心に物事を考える。

そんな時代が来るかもしれませんね。

ふたりの巫女さん。

今日も人々を出迎えます☆



18


るみちゃん。

今日はオフを貰って。

本屋に居ます。

いっぱい並んでいる。

自販機でお買い物。

小さな女の子が居て。

物欲しそうに自販機のボタンを押して。

イタズラしております。

るみちゃんがお金を入れたのに気付かず。

ボタンを押してしまいました。

穂乃果(ほのか)ちゃん。
「あっ。」

るみちゃん。
「とっておきなさい。」

ジュースを渡す。

すぐに少女の母親が駆け付ける。

少女の母親。
「ごめんなさい。」

るみちゃん。
「なんの話ですか?」

るみちゃん。

さっさと退場してしまいました。

巫女は神社のアイドルとしての意味合いが強まり。

巫女さんかわいい!がブームになりましたね。

そこで。

神社の家から。

幼い少女が駆り出されました。

めぐちゃん。
「ようこそ。」

穂乃果ちゃん
「よろしくです。」

るみちゃん。
「お久しぶり。」

穂乃果ちゃん
「え。」

るみちゃん。
「ひと通り教えてあげます。」
「ついてきてね。」

穂乃果という女の子。

6歳。

神社で崇敬者を歓迎する役目を与えられ。

ちょこまかと動き回ります。

あんまりかわいいので。

そのうちテレビが来てしまいました。

とある日。

穂乃果ちゃん
「ねえねえ。」
「女の子ってどうしたらいいの?」

るみちゃん。
「それを探求して答えを出した女の人が。」
「一人前になれるのよ。」

めぐちゃん。
「それ以前に女性としての基本が出来てないとだめだよ。」

穂乃果ちゃん
「うん。」
「わかった。」

新加入の幼い巫女さん。

毎日一生懸命に人々を出迎えます。

それに影響されてか。

世の中の女性も活躍をするようになりました。

世の中も過渡期なんでしょうか。

かわいい雰囲気漂う神宮になりました♪


19


山にある自然公園。

エアガンで的当てゲーム。

空き缶に向かって撃つ。

しかしよくやるのは。

ラジコンに的をつけて。

それを射抜く遊び。

操縦手はなるべく回避する。

狙撃手が当てる。

るみちゃん。
「射撃は冷静沈着にするもの。」
「思い切って当てるのではなくて。」
「狙ってから発射します。」

めぐちゃん。
「狩りの名人は。」
「いきなり飛び出してきた獲物に。」
「鉄砲を当てるのが当然で。」
「戦争でもしっかり狙わないと当たらないものです。」

るみちゃん。
「スナイパーは戦場で猛威を振るう。」
「動いている的にも当てられるもの。」

めぐちゃん。
「逃げ回ってもけっこう当てられますね。」

るみちゃん。
「慣れてくると射撃精度は安定するものです。」
「どう撃っても当たりますし。」

めぐちゃん。
「達人になると命中が当たり前です。」

るみちゃん。
「的が穴だらけです。」
「交換しましょう。」

めぐちゃん。
「ラジコンのプラスチックが損傷していますね。」

るみちゃん。
「安物ですからまた買い替えましょう。」
「これは修理できますけれど。」

めぐちゃん。
「エアガンの威力が強いから。」
「車体に当たると多少の傷はつきます。」

るみちゃん。
「上につけてある的から外れるとそうなりますね。」

好きな遊びのひとつ。

機械的弓道です。

距離が遠くになるにつれて白熱。

ここのサバイバルゲーム場では訓練としてやっていたりします。

最近。

人の世の低迷が解き放たれ。

発展が再開されています。

旗日。

今日の神宮はもの静か。

ちょこまかと動き回る穂乃果ちゃん。

休憩所。

穂乃果ちゃん。
「なんでみんな善悪がわからないの?」

めぐちゃん。
「正しい善悪。」
「本当の善悪。」
「善悪は難しいからかな?」

穂乃果ちゃん。
「善悪ってきほんでしょ?」
「きほんって大事なんだね。」

るみちゃん。
「神道の基本は神様から教わる。」
「必然的に知る。」
「人もきちんとしないと恥かいちゃうよ。」

穂乃果ちゃん。
「神様が見えないの。」
「見えるけれど見えないの。」

めぐちゃん。
「神様は心の目で見るの。」
「そうすれば見えますから。」

るみちゃん。
「認識では知ることができないかもしれないけれど。」
「頑張って。」

穂乃果ちゃん。
「神様好き。」

るみちゃん。
「神様についてよく知ることは大切。」
「信仰心が強いのね。」
「こういうのは人知では理解ができないから。」

穂乃果ちゃん。
「すべてを教えて。」

めぐちゃん。
「それは個人的に無理です。」

るみちゃん。
「個人の限界かな。」
「これ以上は個人で学んでいくものみたいね。」

穂乃果ちゃん。
「女の子を教えて。」

るみちゃん。
「女性の基本は大切よ?」

めぐちゃん。
「選択の自由は動作不良。」
「なんで?自由の意味を知らないから?かな。」
「良い自由と悪い自由がありますけれど。」

おバカさんと道化が来訪。

おバカさん。
「あらーなにこの娘かわいいわ。」

道化。
「いつの間に子供を設けたのよ!!」

るみちゃん。
「そんな冗談はやめてー!!」

穂乃果ちゃん。
「まずは人の基本をおさらいしないと駄目なのかな。」

おバカさん。
「ませてるわね。」
「おさらいしてから応用に入るとか?まだ初期の段階?そんな。」

穂乃果ちゃん。
「ほのかわかった。」
「先人の習い事をしてから大人になろうと思います。」

めぐちゃん。
「古来からの正しい教えがありますから。」
「正解ですよ。」

穂乃果ちゃん。
「人が自分勝手に解釈したものは信じたくないです。」

めぐちゃん。
「参考にしてくださいね。」

おバカさん。
「言葉の力って凄いわね。」
「正しく上手に扱えるだけで全く話が違う。」

めぐちゃん。
「言霊。」
「言葉は霊妙なものですからね。」

道化。
「言霊の神様のもとに教わりに行かなくちゃ。」

おバカさん。
「言葉は大切なものだからね。」

近くで見ていた巫女長さん。

巫女長。
「めぐちゃんより素質が高い?まさかそんな。」

駆け寄ってくる穂乃果ちゃん。

穂乃果ちゃん。
「いろいろ知りたいです。」

巫女長。
「これからいろいろ分かっていくはずよ。」
「だって、これでも道半ばだから。」

穂乃果ちゃん。
「ほのかがんばるです。」

るみちゃん。
「まずはお茶を飲んでから。」
「心に余裕を持ってね。」

穂乃果ちゃん。
「もっともな意見です。」

新聞の記者がるみちゃんとめぐちゃんのもとに訪問しました。

意見交換や記事の取材でしたね。

一目置かれているのでしょう。

人の世もようやく。

前に進めそうです。

人そのものも変化していく時節。

人も過渡期なんでしょうね。

神宮は今日も。

人々をもてなし。

神様と人とを繋げます。

綺麗な青空は人を祝福しているかのように。

広々と天からの恵みを。

照らしています・・・。


20


めぐちゃん。

ゲームセンターに行ってみました。

どんな所か世間を知ろうと。

少し遊んでみます。

俗な所かもしれませんが。

彼らにとっては楽園だと分かりました。

適当に遊んで引き上げようとします。

めぐちゃん。
「わたしの来るところではありませんね。」
「ゲームは快楽に通じているのかもしれません。」
「快楽は中毒を引き起こします。」
「いまだに科学を正しく使えない人々には。」
「少し残念に思っていますが・・・。」

考え事をしながら。

ふと。

男の子がレースゲームをやりたそうに。

もがいていました。

お金を貰えなかったので。

人が来るまで雰囲気を楽しもうとしているみたいです。

めぐちゃんは近づいて。

めぐちゃん。
「止まって。」
「そのまま動かないでください。」

200円を目の前に置いて。

100円を挿入。

めぐちゃん。
「天からの恵みと思いなさい。」
「子供には夢が必要ですし。」
「大人というものはこういうものですよ。」

男の子は茫然としていたが。

めぐちゃんが去っていくのを見て。

レースゲームを開始した。

男の子の母親が気付いたが。

なんでお金もなしにゲームをやれているのかわからなかった。

強制的にゲームを楽しんだ男の子は事の経緯を述べた。

男の子の母親は常識で推し量れないので。

混乱してしまった。

めぐちゃん。
「良識を持たざるは常識を語れず。」
「人の決まりで常識を決めるべからず。」
「それは愚直。」
「愚直な常識は常識とは言えない。」
「それは頭が悪いから。」
「物事の理を判断し、処理する心の働き。」
「知恵は大事。」

考え事をしながら。

ショッピングモールで。

お店を巡って。

近くを通りかかった。

おバカさんと道化と合流。

そのうちるみちゃんも来ました。

穂乃果ちゃんも連れています。

SNSとか。

ラインで居場所を伝えたら。

お昼ごはんを一緒にと。

お誘いがあったからです。

たまには女の子も遊びます。

この世は動物的な人間の知恵。

動物みたいな人知で推し量れないと。

結論に至りました。

女性たちのひとときは。

こうして流れて。

尊いものへと。

向かっていくのです・・・。


21


お昼寝が恋しくなるお昼頃。

けっこうな頻度で来る女の子。

雑談。

実乃梨。
「人は環境や過去の出来事の犠牲者ではなく。」
「自ら運命を創造する。」
「因果関係とは対立しますが。」
「正々堂々因果関係を破りましょう。」
「自分が主人公と言わんばかりに。」
「因果関係に背くのも好まれます。」

るみちゃん。
「万物が自然法則に従うとは限りませんしね。」

めぐちゃん。
「超自然的要素には自然法則は通用しませんし。」

実乃梨。
「必ずしも因果が通用しない事例は見た事があるでしょう。」
「これは因果関係とは真逆の方法で。」
「自己決定性は自然科学と対立します。」

るみちゃん。
「因果以外で見るのも確かに大切です。」


実乃梨。
「メールを読んだのですが。」
「私の知りたい情報でした。」
「それで資料を求めて走り回っています。」

るみちゃん。
「ライフタスクと呼ばれる。」
「生きる上で課題になることは必ずあり。」
「朝から晩まで課題に直面します。」

めぐちゃん。
「どんな人にも必要に迫られて課題があります。」
「その人特有のものなので。」
「他人の課題に干渉してはなりません。」

るみちゃん。
「他人が悩んでいたらそれはその人の課題であり。」
「自分の課題ではありません。」
「もし必要ならば活力を与えるだけで充分です。」

実乃梨。
「課題を無視して。」
「何かを口実に言い訳を続けますと。」
「いざという時。」
「それまでの口実で逃れられなくなりますよね。」
「その時に言い訳しても通用するでしょうか?」

るみちゃん。
「何かを理由に言い訳を繰り返しても。」
「最後にはその理由がまかり通らなくなります。」
「何もしないことばかり選択しているからです。」

めぐちゃん。
「正々堂々と向き合わずに。」
「悪くなったからすべてが元々、困難だったから。」
「そんな言い分が通ると思いますか?」

実乃梨。
「自分の言い分が通るとは思わないので。」
「私には無自覚ですけれど超自然的な目的があります。」

るみちゃん。
「原因論。」
「人の行動には目的があります。」
「過去の原因は無視して。」
「未来の目的を見据えている人の行動には。」
「その人特有の意志があります。」
「人の行動や言動。」
「意思には目的がある。」
「これは目的論と呼ばれます。」

めぐちゃん。
「それは入門書にもありますよ。」
「目的論はアドラー心理学のキーポイントです。」
「原因から見るのと目的から見るのとでは雲泥の差。」
「原因論という心理学の対極にあります。」

実乃梨。
「原因論は因果関係を重視しますが。」
「原因を探る事は。」
「解説にはなりますが。」
「何の解決にもなりません。」
「原因を調べても解決には繋がりません。」

るみちゃん。
「原因論は対人関係を破壊します。」
「昔によくあったのは。」
「不登校ですが。」
「原因で判断すれば。」
「子供に制裁を加える結果になり。」
「解決なんてものはありません。」

実乃梨。
「子供の目的を理解すれば。」
「対処があまりに簡単であることも発見できるのです。」
「この場合は不登校の目的を詮索すれば。」
「より簡単な構造を持っています。」
「働けない人には原因を探っても逆効果です。」
「労働の目的を詮索すれば対処も簡単になります。」
「犯人捜しは問題を深刻化させるだけで役に立たない事が理解できます。」
「よって、原因論は対人関係を破壊するだけです。」

納得した巫女二人組。

女の子。

るみちゃんから五円玉と安い古銭を貰いました。

女の子はお礼を言って素早く立ち去ります。

直後。

来訪したおバカさんが。

めぐちゃんに絡む。

おバカさん。
「男性アイドルとか本当は好きじゃないの?」

めぐちゃん。
「わたしは忠臣蔵をよく観ました。」

おバカさん。
「ストームイーグリードとかは?」

めぐちゃん。
「ランスロットやアーサーペンドラゴンには興味があります。」

おバカさん。
「本当は恋とかしたくない?」

めぐちゃん。
「わたしの理性は盲目になりません。」
「男性に仕える理由も意味もありません。」

おバカさん。
「なるほどー。」
「こんな人もいるのね。」
「個性かあ。」

るみちゃん。
「あんまり絡んであげないで。」

おバカさん。
「好奇心がありすぎたわ。」
「ちょっと反省かな。」

るみちゃん。
「そんなあなたには現代訳・万葉集を差し上げます。」
「おふたりに。」
「この前のお礼です。」
「めぐちゃんと考えました。」
「二冊。」

おバカさん。
「やった!ありがと!」

道化。
「そこで抱きつけー!!」
「そんなあなたが好きだから!って!」
「さては女の子が好きなんでしょ?」
「隠さなくていいのよ。」
「私がお相手してあげる。」

るみちゃん。
「また今度珈琲店に行きましょ。」

道化。
「そのままお持ち帰りとか。」

るみちゃん。
「やだ。」
「冗談ばっかり。」

おバカさん。
「突然ステキな男の人が現れたら。」
「うっかり見惚れない?」

るみちゃん。
「なんで?」

道化。
「イケメンとか好きじゃないの?」

るみちゃん。
「伊達政宗公は好きですね。」
「伊達男じゃないですか。」
「あんないい感じの男性は中々いません。」
「織田信長公もかっこいいですよね。」
「鍛え抜いた実力で全国の大名をなぎ倒していく。」
「美しい。」

道化。
「ああそっちでしたか・・・。」

おバカさん。
「求婚されたらどうするの?」
「好きだー!ってな感じで。」

るみちゃん。
「体良く返してあげましょうぞ。」
「神に仕えて夫に仕える事はできません。」

おバカさん。
「いままでの女性とは異なるってわけかなあ・・。」

道化。
「斬新?」

めぐちゃん。
「女性も進化するのかもしれません。」
「女性にもいろんな人が居る。」
「こうである!なんて固定概念は愚直なんです。」
「柔軟に考えてください。」
「人について何も知らないじゃないですか。」

穂乃果ちゃんが横からひとこと。

穂乃果ちゃん。
「ねえねえ。」
「女の人って結婚する義務なんてあるの?」

おバカさん。
「どうやら選択の自由で決めなきゃいけないみたいよ。」
「結婚しなければいけないルールなんて死文です。」

道化。
「結婚を義務付けたら。」
「人権が崩壊しますからねえ。」

おバカさん。
「そんな悪人になったら。」
「悪いものしか受け取れないわよ。」
「そういえば悪者って良いものはひとつも貰えないわね。」

めぐちゃん。
「悪というのは存在的な異常です。」
「獣になる現象です。」
「人の形をしていません。」

るみちゃん。
「特に理由もなく悪いものを受ける人も居るみたいだけど。」
「こうなると。」
「何が被害者でどっちが加害者か分からなくなるとか。」
「人の判断って不完全ですね。」

めぐちゃん。
「確かに宗教的にはそうかもしれません。」
「でもわたしたちは理にかなった考え方をしましょう。」
「愚かな解釈だけは用心しないといけませんから。」

おバカさん。
「有神論の人に悪人は居ないわ。」
「これだけはわかるわよ。」

道化。
「悪?罪と言えば。」
「穢れたことを教えられたわ。」
「墓参りなんて気持ちが悪い。」

るみちゃん。
「日本書紀にて。」
「天つ神・アジスキタカヒコ様は死者は穢れのある存在であると。」
「教えてくれました。」

めぐちゃん。
「祖霊信仰は本当は神道としては穢れる行為なんです。」
「人はなぜわからないのでしょう。」

おバカさん。
「きちんと教わってないからに決まってるわよ。」
「無知なひとたち。」
「ククリヒメ様を頼らないと。」

道化。
「というわけで罪について知るため。」
「罪と穢れを神様に祓い清めて貰いに来ました。」

おバカさん。
「悪の報いは罪であり。」
「罪の報いは死であるから。」
「罪を放置すると危険だから。」
「ちょっと堪忍ってことで。」

るみちゃん。
「真摯ですね。」
「どうぞあちらに。」
「この人に加護がありますように。」

最近。

神職の方達が教科書を作ったので。

だいぶ簡単になりました。

人の世の進化は止められません。

万物流転。

今日も各所の神社は。

参拝客で。

賑わっています。

それは優しいひととき。


22


幼い巫女さんが各地で増えました。

15歳のアイドル巫女さんがデビューするほど。

人々が神々の存在を把握できるようになったので。

人々に余裕が出来ましたね。

世の中も発展を開始。

人々の暮らしもすっかり良くなったので。

プラスアルファを追及するようになりました。

穂乃果ちゃん。
「作法はきちんと教わってください。」
「初心者の人は知らされます。」

崇敬者さんが倍増しておりますよ。

神宮の一角にて。

めぐちゃん。
「パンとサーカスとか言いました。」
「これだとパンで満たされ。」
「サーカスで充実するのでしょうか。」

るみちゃん。
「人は何かの統治があったほうがいいのよ。」
「それでやっと人らしくなるのがこの世の理。」

めぐちゃん。
「愚かに振る舞う自由や迷子になる自由も。」
「悪い自由を失うからですね。」

るみちゃん。
「そのとおり!」

穂乃果ちゃん。
「なんのおはなしですか?」

るみちゃん。
「必ず分かるようになる。」
「神様はついていけない人をついていけるように取り計らってくれるから。」

めぐちゃん。
「神様は裏切りませんよ。」
「人が裏切るのです。」

穂乃果ちゃん。
「なんとなく分かったのです。」

幼い巫女の穂乃果ちゃん。

巫女長さんに預けられました。

錬度が低いので。

基本を徹底するように。

再度教えなおすようです。

めぐちゃん。
「基本なしに物は語れません。」
「すべての土台を意味しますから。」

るみちゃん。
「わたしたちは社会や組織・会社には仕えていない。」

めぐちゃん。
「悪平等は人間のルールです。」
「残念ながらそのルールは死文なのですが。」

巫女長。
「神化・教化されるといろんな事に気が付く。」
「人間は不自然な事を考え。」
「行動していた。」
「こんな見解もできますよ。」

るみちゃん。
「神道とは神の道ですよね。」

巫女長。
「神様と共に歩むのが神道の本質。」

めぐちゃん。
「基本的なことでもありますよね。」

巫女長。
「お伊勢参りと思ったら。」
「わかるかもしれないわ。」

めぐちゃん。
「これは良い旅です。」

るみちゃん。
「ゴールは見えない。」
「不可知。」
「でも歩んでいきます。」
「神様と一緒に。」

巫女長。
「よきなり。」
「あなた達は予想以上よ。」

退場。

るみちゃんとめぐちゃん。

帰宅。

巫女長。
「あんな霊知を持つ女の人はじめて見た。」
「ひとつの可能性を見たわ。」
「結論としては。」
「女の人の真の姿のひとつを見られた。」
「これは報告しておかなきゃ。」

巫女長さん退場。

不思議な風が流れ。

夕日が美しい。

静かな神宮は。

夜という神様の時間となり。

神聖な氣と共に朝を迎えます。

人は神妙な生き物ですね。

朝日が照らして。

人々がまた行き交います。

わからなければそれでいいのです。

ただ。

光景だけがそこに広がる。

神宮です。


23


いつもの神宮。

お宮で実在する信仰の相談。

この神社では専門に受け持っている。

るみちゃんとめぐちゃん。

それでもって有名。

るみちゃん。
「軽蔑を恐れた上司の隣に棍棒が置いてあったら。」
「その上司の目的が誰でも理解できます。」
「手段が適切ではなくても。」
「プライドばかりの人が社内で段差の高い場所に机を構えて。」
「仕事をしていたら。」
「見下されないためにやっているという。」
「行動の目的は理解できるでしょう。」

めぐちゃん。
「劣等感で対象者に勝利しようとしても。」
「失敗すれば自分が敗北したと残酷な現実が降りかかってきます。」
「人との敵対が前提で。」
「対象者より優れていたいと嫉妬すれば。」
「敵対が確実にあります。」

るみちゃん。
「共同体のために貢献したり。」
「役に立ったりすれば。」
「一体感の中で反永続的に活動可能で。」
「失敗は共同体の財産になります。」

めぐちゃん。
「劣等感は避けられない現象ですが。」
「全員も避けられない現象でもあります。」
「誰もが避けられないので。」
「劣等感をどうするかの姿勢が欠かせません。」

るみちゃん。
「その次は実践ですね。」


崇敬者その壱。
「神様とどう接すればいいのですか?」

るみちゃん。
「そのうち神様と和解できますから。」
「心配なさらないでください。」

崇敬者その弐。
「しあわせとはどうすればいいのですか?」

めぐちゃん。
「蛭子様を頼ってくださいね。」

崇敬者その参。
「もっといろいろ知りたいのです。」

るみちゃん。
「あなたの信仰心がすべてを教えてくれるでしょう。」
「宗教的な能力もそのうち貰えるかもしれません。」
「畏敬は大事。」
「敬神がすべてをもたらします。」

いつもの仕事が充実しています。

この光景も岩のように永くあればいいですね。

短期間で何度も参拝する。

不思議な雰囲気の女の子。

教養を短期間で身に付けており。

巫女のアルバイトに応募する予定で。

積極的に交流しています。

実乃梨。
「東洋医学では疲労という概念が軽視されている傾向にあります。」
「西洋医学とは異なる点でした。」

るみちゃん。
「人は心と体も同じで一体化しています。」
「心の要素と体の要素が別々に動いたりはしません。」
「自分自身に対して心と体が勝手に動いたり影響したりしません。」
「つまりは自分自身で変更が可能で。」
「一部分が自分と一致しない挙動や影響はしないということです。」
「なので一部分がどうかしたとかは考えません。」
「一部分がこうなので自分もこうという捉え方はしません。」

実乃梨。
「まったくそのつもりです。」
「世界を見て回ったのですが。」
「自分の主観で世界を認知。」
「認知そのものが個人の主観に依存します。」
「なので自分流の解釈が世界そのものになります。」
「知っているのとそうでないとではかなり違います。」

るみちゃん。
「高校生活は良いスタートになっていますね。」

めぐちゃん。
「何か特殊な女の子ですよ。」

実乃梨。
「人の行動は相手がいる対人関係です。」
「人の考えていることに基づいて理解を進めるのは無理です。」
「その人の考えよりも対人関係。」
「その上での行動の方が嘘が少なく。」
「観察が容易になっています。」

めぐちゃん。
「人の考えている事を読もうとするのは。」
「名探偵になる必要が出ます。」

るみちゃん。
「人の考えを当てようとしたら。」
「シャーロックホームズにならなければならない。」

実乃梨。
「人は誰かの相手や自分の相手から応答や返事を繰り返し。」
「影響を受けます。」
「そこのやりとりの中で観察した方が近道です。」
「人の考えていることを調べるのは偽りに満ちています。」

るみちゃん。
「勧善懲悪が陥りやすい失敗を避けていますね。」

めぐちゃん。
「前とは雰囲気が違います。」

実乃梨。
「正しいとか間違っているとか。」
「それは関係なしに。」
「建設的か非建設的か。」
「破壊的かで判断可能です。」
「この方法は他人を排除することがなくなります。」
「自分と他者にとって建設的か非建設的か。」
「共同体や社会にとって建設的なのか。」
「ここに他者を排除する要素はありません。」

さて。

めぐちゃんは。

キャラクターグッズをたくさん買って。

凄いことになっているそうです。

マニアですね。

るみちゃんはいつも和歌を作って楽しんでいます。

和風な遊びが大好きです。

おバカさんと道化は連携して。

大手の部長になれました。

おバカさんは。

馬鹿みたいに簡単に考えるので。

シンプル・イザ・ベストなのです。

道化は阿呆になることによって。

具合良く事を成せるようになったので。

定着した呼び名です。

行く先は分からないけれど。

進展あるのみ。

前に進むのみです。

いつもの神宮。

巫女長さんは忠実に義務をこなし。

穂乃果ちゃんも後に続きます。

何気ないけれど。

大切で尊い。

この景色の中に。

ひとりの巫女として。

ここにありき人の世よ。

わたしを誘い。

連れて至福の時よ。

岩ともなりて。

永遠となれ。

わたしの存在そのものを。

風が吹き抜けて。

髪が揺れます。

綺麗な太陽の元に。

日々勤しみます・・・。


24


るみちゃんの家。

明け方に来訪するめぐちゃん。

ふたりでちょっと会議。

るみちゃん。
「これを発掘しました。」
「先人は最強です。」

めぐちゃん。
「見せて。」

るみちゃん。
「伊達政宗公の遺訓。」

仁に過ぐれば弱くなる。

義に過ぐれば固くなる。

礼に過ぐればへつらいとなる。

智に過ぐれば嘘をつく。

信に過ぐれば損をする。

気長く心穏やかにして、万に倹約を用いて金銭を備うべし。

倹約の仕方は不自由を忍ぶにあり。

この世に客に来たと思えば何の苦もなし。

朝夕の食事うまからずともほめて食うべし。

元来客の身なれば好き嫌いは申されまじ。

今日の行をおくり、子孫兄弟によく挨拶をして、娑婆のお暇申すがよし。

めぐちゃん。
「子孫兄弟は神道では骨肉の争いが通常ですので。」
「避けたほうがいいと思います。」

るみちゃん。
「有神論者ならば無益な戦いはしない筈です。」

めぐちゃん。
「すべて有益とは限らない。」
「無益な事をするひとは誰ですか?

るみちゃん。
「老人の暇が出来れば成功なのかな。」

めぐちゃん。
「いいんじゃないですか。」
「あと強さに過ぎると無謀になります。」

るみちゃん。
「当時の時代背景だと力を批判すれば即倒されますから。」
「言えなかったのです。」
「優しさに過ぎると弱くなります。」
「礼儀も過ぎれば媚びているだけ。」
「なるほど的確。」
「経験主義なんかじゃなくて。」
「武士道精神から出ている言葉。」
「徳川家康公の遺訓も見ないと。」
「天下人だから見えたもの。」

めぐちゃん。
「歴史的人物から習うのも大切です。」
「もうお手本と教科書ですよ。」
「でも私はこう言います。」
「神様に教わったほうがいいのです。」
「いろいろ必要な事を教えてください。」
「こうお願いしてはどうでしょう。」
「それで日常生活ですべてを学んでいきます。」
「神様の霊力と巡り合わせによって。」

るみちゃん。
「西洋だと無神論のほうがおかしいと言われ警戒されます。」
「日本は神の国ですから。」
「西洋のように宗教が社会の一部になっていないと合理的ではありませんよね。」

めぐちゃん。
「それをいま目指しているの。」
「私達が活躍すれば簡単。」

るみちゃん。
「うん。」
「あと一歩。」

今日は一緒に出勤。

いつもより早く。

菅原道真公の霊力が働いて執筆された著書は。

後に神学上の有益な教本になりました。

政治と軍事が分離されていない時代において。

武士が必然的に自然発生しており。

高度な道徳と訓戒を授かっています。

民主主義になって人々は弱体化するでしょうか。

それとも悟りにて飛躍するでしょうか。

あるいは神権政治になるでしょうか。

総理は天神地祇を祀っている事を公言しました。

宗教教育も開始。

世の移り変わり。

ふたりの巫女さんも。

それに加わって。

大活躍を続けています。

最近。

何か気配がしまして。

雰囲気が良くない。

とある日。

帰ろうとした夕方。

他人を殺して切腹しようと考えていた。

剣道家が待ち構えておりまして。

発見。

いきなり突撃してくる。

剣道家。
「覚悟!」

るみちゃん。
「動きが単調ですね。」

剣道家。
「待て!なんだこの女性は!?」

るみちゃん。
「どこを狙っているんですか。」

ひらりひらり避けて後退を続ける。

バックステップが大きい。

るみちゃん。
「敵は縦か横か斜しか方向が無い。」
「必ずミスをする。」

剣道家。
「まさか苦戦するとは。」

るみちゃん。
「リーチが長いから。」
「余裕を持って回り込んで。」
「正面ではなく横を維持する。」

剣道家。
「こうなったらこれしかない。」

るみちゃん。
「焦った敵対者が。」
「小刀刻みになったらミスを待つだけ。」

敵が思い切って突進して来た瞬間。

前方に勢いをつけて。

倒れながら前転。

斬撃を回避。

ローリングして剣道家の足元を掴み。

掴みながら立ち上がり。

投げ抜け出来ない素早さ。

掴みながら殺人技が決まります。

刹那の絞め殺し。

剣道家は首を捻挫。

剣道家は倒れました。

るみちゃん。
「悪運尽きたね。」

巫女。
「巡回中の警察官が来ましたが。」
「はい?この人誰ですか?」

るみちゃん。
「見ればわかるでしょう。」

事務。
「なにっ!?」
「すぐ連絡します。」

巫女。
「死んじゃったの?」

るみちゃん。
「変態は動けないようです。」
「負傷しているので。」
「抵抗するならば。」
「このまま殺害しても構いませんが。」

巫女。
「あらやだ。」

るみちゃん。
「大変に良い余興であった。」

警察官が慌てて乗り込んできて。

剣道家を捕虜にしまして。

素手でも日本刀相手に勝利可能であると。

話題になりました。

手柄。

辻斬りでしたね。

辻斬りで連続殺人をしている最中にターゲットにされましたが。

力の差があって相手になりませんでした。

事件後。

自宅に来た友人。

るみちゃん。
「あのような腕前で斬ろうとは、愚かですよ。」

道化。
「変態が境内に乱入して来たって。」

めぐちゃん。
「私は早く帰宅したので遭遇しませんでした。」

おバカさん。
「何か気に食わない事でもあったのかしら。」

るみちゃん。
「まさかターゲットにしたのがこの私とは、敵も不運でしたね。」

めぐちゃん。
「人間は一度増長すれば折れるまでうぬぼれが持続しますから。」

るみちゃん。
「増長したら反永続的。」

道化。
「それって自分が優れていると思いたいのでは。」

めぐちゃん。
「前提が自分最強となると。」
「次の現象で裏切られます。」

るみちゃん。
「弱者と戦っても無意味なので。」
「強者と戦ってみたいわあ。」

まともな戦闘ならば。

実戦経験の有無でかなり内容が違います。

実戦はアニメや映画ではありません。

負けた方が死にますが。

喧嘩と混同する素人が多いので。

滑稽だと思っています。


25


鳥居の前。

神職の補佐というより。

案内役になっています。

今は待機中。

るみちゃん。
「アドラー心理学によって。」
「性格はいくらでも変わるという体験をします。」
「アドラー心理学では人は変貌するもので。」
「私はこうである。」
「人生哲学と人々の解釈、性別や仲間などはこうである。」
「自分の理想があり。」
「こうあるべきで。」
「人生や周囲の人々は私に対してこうであって欲しい。」
「定義は。」
「自己と世界の現状と理想についての信念の体系である。」
「これに基づけば。」
「人の性格はいくらでも変化することを意味しており。」
「長年の沁み込んだ上での性格も変えられます。」

めぐちゃん。
「自分を変えるのが手遅れになるのは。」
「アドラー曰く死ぬ一日前か二日前くらいです。」

るみちゃん。
「よくある職場であるのは。」
「怒りばかりある対人関係ですよね。」

めぐちゃん。
「二次感情は表に出る対人関係のポイントです。」
「一次感情が隠れています。」
「怒りの感情にはまず二次感情が出て。」
「一次感情が隠されています。」
「これを見逃してはなりません。」

るみちゃん。
「もし根底に隠されている怒りの理由を。」
「そのまま伝えることが出来れば円滑に進みます。」

めぐちゃん。
「根源には命令形が含まれています。」
「一次感情を無視して続行すれば。」
「どうなるでしょうか。」

るみちゃん。
「一次感情を出した方が反省すると思います。」

いつもの女の子が来訪。

お出迎え。

議論。

実乃梨。
「大きな荷物を背負っている女性がいて。」
「運搬を手伝おうと思いましたが。」
「これは登山のトレーニングでやっていて。」
「中には重りや砂が入っているので。」
「やめてくださいと言われてしまいました。」

るみちゃん。
「同情で人助けするのは迷惑になります。」
「同情は相手を見下していますし。」
「相手にとっては邪魔者になります。」
「人助けは美化されがちですが。」
「それは違います。」

めぐちゃん。
「人助けが美化されるのは緊急事態になった時だけです。」
「人助けは福祉や消防隊員などの仕事です。」
「緊急事態でなければ人助けを美化できません。」

実乃梨。
「ですよね。」
「頭がもうちょっとあったらいいのに。」

るみちゃん。
「劣等感は向上心に繋がります。」
「向上したいがあまりに劣等感に苛まされる。」
「こうありたいと思う自分との落差です。」

実乃梨。
「図星。」
「まともな知性が欲しいのです。」
「だから自分に落胆していました。」
「なんでこうなのだろうと。」

めぐちゃん。
「メンタルヘルスの三大巨頭。」
「アドラー。」
「ユング。」
「フロイト。」
「後に研究されて。」
「どこにでも応用されています。」
「アドラー心理学は使用する心理学と呼ばれます。」
「最高の実用性と効力がありますので。」
「実践向きです。」
「アドラー派のカウンセラーまでいますので。」
「メンタルヘルスでの専門家とは三大巨頭の派閥が好まれます。」

ひらめき。

女の子は笑顔で駆け抜けました。

君子のような巫女二人組。

珍しい神学者。

日頃の活躍と実績があり。

誰も無視できない存在になっています。

二人組は好印象。

執務室。

巫女長。
「あなた基本に忠実ね。」

るみちゃん。
「最初に訓練を受けた時は爽やかな気分でした。」
「むかし格闘技をやっていましたので。」
「体の動きについてはよく知っていて。」
「舞を踊るのも簡単です。」

巫女長。
「言葉遣いが独特のような?」

るみちゃん。
「言葉遣いはその人の特徴を活かしながら。」
「綺麗に、上品に、そう教えられました。」
「雅言であればいいと。」

巫女長。
「誰もが通る道をタクシーで通過したのね。」

るみちゃん。
「叛意は捨てました。」

巫女長。
「よく洗練されていくのかしら?」

るみちゃん。
「神の道の到達点は。」
「人の本質、古来からの人の真実の有り方を身に着けること。」
「これって日本人の基本でもありますよね。」

巫女長。
「神々を模範とする。」
「到達点は神と人との繋がりの構築。」
「これはひとつの到達点。」
「確かにそう言えるわね。」

るみちゃん。
「ひとつの到達点。」
「まだ続いていくんです。」

巫女長。
「神道の基本ができたのかしら。」
「いい傾向よ。」
「上の人たちは巫覡という役職を設けて。」
「幅広く活躍して欲しいと練っているそうよ。」
「もしそうなったら。」
「あなたは真っ先に抜擢されるわね。」

るみちゃん。
「神様にお仕えしている自覚と関係そのものが大切です。」

巫女長。
「人はまだまだ続いていく。」
「神様の元へ帰るのが人の復帰。」

るみちゃん。
「日本は古来からそうなんです。」
「人間中心の世になりましたが。」
「いずれ自分たちではなんとかならない。」
「神様なしで世界は語れない。」
「そう言い出すはずです。」

巫女長。
「いい見解ね。」
「あなたたちの見解は的を得ていると思うわ。」

るみちゃん。
「何かわたしに重要な用事でも?」

巫女長。
「興味本位よ。」
「わたしのかわいい後輩♪」

るみちゃん。
「信仰の相談役も慣れてきました。」
「これでいいのですか?」

巫女長。
「粗削りだけれど優秀ですよ。」


るみちゃん。
「共同体。」
「社会への関心と自分への関心。」

巫女長。
「他者への関心と社会への関心がなく。」
「自分への関心しか持っていなければ。」
「社会の利益を損なうのは避けられない。」
「共同体ならば他人を追放する方が害は大きく。」
「共同体を破壊するのは自分達のことだけに関心を傾けた集団です。」

るみちゃん。
「集団に社会への関心は存在せず。」
「自分への関心と他人へのコントロールを求めた姿で。」
「集団ほど社会に敵対する勢力はまったくこの世界には存在しないでしょう。」

巫女長。
「集団ではなく共同体。」
「つまり社会が優先されるのです。」

るみちゃん。
「アドラー曰く。」
「人生において最大の困難にあい、他者にもっとも大きな害を与えるのは。」
「仲間に関心を持っていない人である。」
「人間のあらゆる失敗が生じるのは。」
「このような人の中からである。」

執務室を出ました。

めぐちゃんは大忙しです。

参拝者の案内や。

神職の補助まで。

毎日。

神社が企画したイベントがあって。

人々に親しんでもらおうと。

神楽や歌の披露。

和歌などの制作。

相談から日本神学の研究まで。

販売所では御祭神の神話を書いた小さな雑誌が置いてあって。

無料配布されていたりも。

たまに甘酒を配ったりもしています。

最近は各所の神社に政治家や学者が来訪して。

いろいろ助言を貰ったりして。

神社も人々と密接に結びついたのですね。

多数の崇敬者で賑わう境内。

るみちゃんも奉仕に戻り。

神聖な氣が強まる天皇誕生日。

神代から続く天皇陛下。

地上に住まう神々。

神々が人に主権を渡された日から。

象徴として存在し。

人にあらゆる神意を悟らせてくれる存在。

天皇を神々の代理として敬いつつ。

境内は祝福ムードでいっぱいです。

神道も進捗あるかな。

ふたりの巫女さんによって。

ひとつの可能性が示されたのでした。


26


書斎。

形而上学の意見交換。

図解。

ホワイトボード。

るみちゃん。
「女性は利他主義。」
「という観察から述べます。」

おバカさん。
「女性は利他主義者?」
「見たまんまですよ。」

めぐちゃん。
「女性の反対とされる男性は利己的となります。」
「男性が利他的であることはまずありませんね。」

道化。
「男性は利己的であるのは観察からしてあります。」

おバカさん。
「女性が利他的で男性が利己的ですと。」
「女性不利の構図。」

るみちゃん。
「女性は利他主義を決して辞めない。」

道化。
「自由な女性が最高?」

るみちゃん。
「男性の束縛から解放された女性がテーマです。」

おバカさん。
「男性の束縛?」
「全員には当てはまりませんね。」

るみちゃん。
「分析するのが趣味なので。」
「形而上学からして観察対象。」

道化。
「では膨大な情報を持っていそうです。」

るみちゃん。
「依存関係の三段論法。」
「前提。」
「自分がいないと彼はダメになって死んでしまう。」
「論証。」
「なので自分は彼に尽くして死なないように支えるべき。」
「結論。」
「自分は彼の利益と生存のために犠牲にならなければならない。」
「女性によくある典型です。」

めぐちゃん。
「本当に対象女性がいないとダメなんでしょうか?」
「何をやっても最初からダメだと思います。」

道化。
「単なるおせっかいを美化している対象女性ですね。」

おバカさん。
「利他主義を美化した女性像。」

道化。
「どうして自分が居ないと全部駄目だと言い切れるのか。」
「その辺りの証言はありませんね。」
「対象男性の人権を握っていると思い込んでいます。」

るみちゃん。
「依存関係の三段論法二。」
「前提。」
「自分がいないと対象者は生存できないから。」
「論証。」
「自分が対象者のために生存を確保するべき。」
「結論。」
「自分が対象者を生存させなければならない。」
「女性の三段論法。」

おバカさん。
「自分が生存を保障しなければいけない理由はなに?」
「対象女性がやらないと思ったのはなぜか?」

めぐちゃん。
「自分がいないと彼はダメという発想が既に間違っていますが。」

道化。
「勝手に対象女性が思っただけでしょう。」

るみちゃん。
「誤謬。」
「間違い。」
「前提条件の自分がいないと何々とは。」
「男性が自立しないことを条件にしていますよね。」
「この場合、見捨てるという選択をせず。」
「自分より対象者が大切であると宣言してしまっているのです。」
「自分がいないと対象者が生存できないという考えは何の根拠もないので。」
「勝手に破滅すればいいだけの話だと思われます。」
「搾取される構図になっておりますが。」
「換言すると以下の三段論法になりますよ。」

道化。
「女性は騙されやすい。」
「欺かれたり惑わされたり。」

るみちゃん。
「前提。」
「自分より対象者の方が大切だから。」
「論証。」
「自分は奴隷になって支えるべき。」
「結論。」
「自分なんてどうでもいい。」

めぐちゃん。
「誤謬だらけです。」

おバカさん。
「え?私よりバカな女がいるって言うの!?」

るみちゃん。
「誤謬。」
「自分の方が大切なので対象者を捨てるべきという考え方。」
「奴隷になって男性に仕えるのは利他主義の度が過ぎているもので。」
「まず利他主義で自分の利益は考えず。」
「自殺行為を男性に対して行っているのです。」

めぐちゃん。
「自分のことはどうでもよくて。」
「対象者の利益を絶対視している点は。」
「明らかに弱い自分を美化していますね。」
「利他主義の自分に優越感や快感を得ている。」

道化。
「でも対象女性は本気になってしまっている。」
「そもそも知性が無いのでは。」

おバカさん。
「自己陶酔。」

るみちゃん。
「前提。」
「利他主義の自分は素晴らしい!最高の存在である!」
「論証。」
「これだけ利他主義なんだから自分は賞賛されて偉い!」
「結論。」
「利他主義の自分はなんて尊い存在なんだろう。」
「という入り組んだ構造を持っているわ。」

道化。
「自己陶酔。」

おバカさん。
「私よりバカな女がいるの!?本当に?」

めぐちゃん。
「それって男性に依存する女性は利他主義が過ぎていて。」
「利他主義の自分に優越感を感じており。」
「害を受けても優越感の方が勝ってしまい。」
「依存関係が続くのです。」

るみちゃん。
「対象女性は理由もなく勝手に思っているだけです。」
「さらに自分がいなければダメというのは。」
「そもそも何を論拠に言っているのか不透明ですよ。」
「そんな相手と交流する必要も理由も無いので。」
「自分がいなければダメなのではなく。」
「元々、どうなってもダメな輩なので。」
「自分が利他的に接すれば生存できるのは真逆で。」
「元々、終わっているような存在を保持するのは不可能です。」

めぐちゃん。
「男性の方は好都合な女性を同情させて。」
「説き伏せて自分の利益に使うだけなのです。」
「女性の思っている状況では決してない。」
「自分がいなければダメなのではなく。」
「そう思わせているのです。」

道化。
「同類なんですよ。」
「ダメな対象女性だからダメな対象者に感情移入する。」

おバカさん。
「それがもっともらしい見解。」

るみちゃん。
「その女性がそんな妄想を抱くせいでもっとダメになる。」
「最初からダメなので女性がいてもいなくても結果は同じ。」
「男性は対象の女性をこき使う上に。」
「女性も洗脳されていく。」

道化。
「簡単に言えば泣き落としや同情論法を真に受けて。」
「利他主義で支配されている状態なので。」
「何か言った所で変えたりはしないですなあ。」

おバカさん。
「それって女性の弱点を知り尽くした策略ですよね。」

るみちゃん。
「女性の弱点をよく知っているのです。」
「対象者は女性の操作方法をよく知っている。」

道化。
「女性の欠陥部分を上手に突いてくる。」

るみちゃん。
「対象者の男性は奴隷の主人のように対象女性を取り扱うので。」
「これなら奴隷と主人の関係と何も変わらないですね。」
「女性が奴隷で自由人の男性という関係になるのです。」
「残酷ながらよくある構図で。」
「現実なんてそこまで過酷で冷酷です。」

おバカさん。
「私が最もバカな女だと思っていたわ。」

道化。
「そこは競う所ではありません。」

るみちゃん。
「私の性格も冷酷で。」
「人の心を踏みにじるのが好きだけれど。」
「敵対者のみにしかその性格は見せないわあ。」
「攻撃してくる相手には高圧的で。」
「暴力を暴力で鎮圧する手段が大好き。」
「毎回、敵対者の怯える姿を見て愉快。」

めぐちゃん。
「誰だって敵対者には高圧的ですよ。」
「敵対者と対峙する時は感情なんてありません。」

るみちゃん。
「そもそも現実世界に感情論なんてありませんし。」
「人間ではない何かと対峙している気分でしょうね。」

おバカさん。
「人は生を受けた瞬間から。」
「感情が無い何かと戦うしかないのですよ。」

道化。
「一度体験すると理解できるもんですわ。」

るみちゃん。
「感情の無い存在と戦うのは慣れています。」

分析が趣味。

最近。

るみちゃん。

習字の先生に教えてもらって。

御朱印の書き方を鍛えています。

るみちゃんは最近。

占いを始めて。

いろんな人を鑑定していますね。

いつの日か。

るみちゃんは人々の相談に乗るようになりました。

全国でも同じようなタイプの巫女さんはたくさん居ます。

でもるみちゃんは。

格言のような発言をするようになっていますので。

少し格が違う巫女さんが居ると。

評判を呼んでいます。

るみちゃん。
「現代の巫女って。」
「より奉仕に特化するものじゃないの?」

めぐちゃん。
「神職の補助だけで済んだら。」
「旧来の巫女を否定することになっちゃうよ。」

ふたりで議論しています。

ある日。

母親に呼び出されました。

母親。
「やはり十束剣を授けたのは正解でしたね。」

るみちゃん。
「母上の読みは正しかったのですね。」

母親。
「これからも立派に勤め上げなさい。」

るみちゃん。
「解りました。」
「誠心誠意勤めさせて頂きます。」

母親についに認められました。

伝説の巫女であった母親に認められたことは大きいのです。

これからの道のりはわからない。

でも誠実に歩んでいこうと誓いました。

次の日。

るみちゃん。
「人生ってなんでしょう?」

めぐちゃん。
「人生に何の意味があるとか。」
「教えてもらえないから。」
「一生懸命に勤め上げたほうがいいと思うよ。」

るみちゃん。
「同感だわ。」
「たぶん人生の意味って見つけていくものだと思う。」
「そうやって青人草としての有り方が築かれていく。」

道化。
「あらーいいこと言うわね。」
「私にとって人生は喜劇よ。」

おバカさん。
「人生は恋よ。」

るみちゃん。
「わたしは一生懸命に生きるわ。」
「人生の真理ってそういうところにあるんじゃない?」

めぐちゃん。
「そうかもしれないですね。」

るみちゃんとめぐちゃん。

手を繋ぎます。

巫女さんたちは。

それぞれの道を模索しながら。


人生を歩んでいくのでした。

ここに巫女ありき。

巫女らしさを求め。

神様と一緒に歩む女性たち。

尊い生き方がここにあり。

すべての真理は。

こうした姿の中に映し出され。

母親に認められた次は。

どうしていこうかと。

模索へと誘われ。

いくる日の永久(とこしへ)へと。


27


観客と選手が集まるイベント。

お遊びの大会。

スポーツチャンバラ協会が主催する。

娯楽大会です。

るみちゃん。
「セリフ・トーク。」
「自分自身で自己内対話をする。」
「自分を相手役として何をしようか。」
「これをどうするのか考える。」
「セリフ・トークとは自分を相手にして対話を繰り返す。」
「心理学の用語です。」

めぐちゃん。
「セリフ・トークは普遍的なものですので。」
「心理学で裏付けられているのは知らないでしょう。」

るみちゃん。
「心理学も自然科学の一分野ですからね。」

めぐちゃん。
「知っていた方が何かと役に立ちますし。」

るみちゃん。
「自分が喜ぶ事しか書いてないのが良書です。」

参戦。

異種格闘技の集会。

なんと武器は。

虫取り網。

筆。

煙管。

タンバリン。

竹。

羽ぼうき。

この中から選びます。

剣道の防具をつけて。

芸術点を競う大会。

出場するのです。

るみちゃん。
「もはや武器ですらない。」

めぐちゃん。
「本気で戦いますので。」
「でも半分はふざけていますね。」

二人が参戦。

一回戦はすぐに始まりました。

相手はよくいる会社員。

会社員。
「では、踊るが良い。」

るみちゃん。
「大きく出ましたね。」

勝負開始。

るみちゃんは虫取り網で叩きまくり。

怯んでしまう会社員。

会社員の筆が破損しまして。

虫取り網が折れたので。

勝負あり。

会社員。
「なんてパワーだ!?」

審査員。
「パワープレイでの得点は満点。」

めぐちゃん。
「張り切って一方的に組み伏せたから。」
「芸術点は少なかったみたいね。」

るみちゃん。
「リーグ戦でトーナメントではないので。」
「もうちょっと華麗に決められないかしら。」

次の番。

マッチョマンは羽ぼうき。

こちらは竹。

開始早々。

めぐちゃんは相手の羽ぼうきをパリィによって跳ね返して。

武器を吹っ飛ばして。

竹で相手を叩きまくる。

マッチョマンが再び羽ぼうきを手にしても。

羽ぼうきを跳ね飛ばして。

めぐちゃんが竹で一方的に叩いたら。

勝負あり。

審査員。
「内容で一方的な展開になったのは。」
「味がある最高の試合です。」

るみちゃん。
「相手の武器を狙う方法もあったのね。」

めぐちゃん。
「重量があるので。」
「そうやった方が簡単に勝負がつきましたので。」

他の選手は泥仕合。

続いて二回戦。

高校生がタンバリンを持っています。

スポーツマン。
「さっきの女性が相手ですか。」
「勝てる気がしませんね。」

るみちゃん。
「はて?やってみてはどうでしょうか。」

試合開始。

討ち合いで虫取り網が半壊したので。

高校生を掴んで投げてしまい。

テクニカルの得点がつきました。

スポーツマン。
「武器が壊れているのはなぜですか?」

るみちゃん。
「タンバリンで何をしたいのですか?」

必死に攻撃する高校生。

タンバリンを叩き落して鹵獲。

スポーツマン。
「しまった、ちょっと勝てないね。」

るみちゃん。
「覚悟してください。」

格闘戦になりそうなので。

勝負あり。

三回戦も四回戦も一方的な展開で押しています。

それで二人の対戦になりますと。

武器がお互いに破損して勝負にならないのです。

大会の結果は。

パワープレイ賞。

一方的賞。

ふたつの芸術点に輝きました。

るみちゃん。
「勝って当たり前の戦いに出てたんですね。」

めぐちゃん。
「とっても楽しかった。」
「相手側はそこまで弱くありません。」

るみちゃん。
「スポーツチャンバラもこんな形態になるとは。」
「健康的な遊びですよね。」

めぐちゃん。
「剣道未経験でも遊べるのも魅力のひとつですよ。」

るみちゃん。
「競技というより純粋な遊びですからね。」
「漫画みたいに必殺技を繰り返した選手が。」
「最大の注目クオリティ賞で。」
「観賞用のサッカーボールを貰うそうです。」

めぐちゃん。
「私はアニメの刀を貰いました。」

るみちゃん。
「私はボボ人形を貰いました。」
「変わったスポーツでしたが皆、喜んでいます。」

振り返ると。

何気にテレビ番組が来ていたんですね。

誰でも気軽に参加できる大会だけあって。

参加者と観客がけっこう多いのでした。

そして。

日が暮れて。

星々が少し覗かせて。

綺麗な夜空。

夜に出歩いて。

治安は良いので。

9時までには帰宅したいと思っております。

自警団が発展して。

民間警備員となり。

治安維持に貢献していますので。

こんなふうに散歩できるのでしょう。

満月が美しくて。

夜の世界は幻想的。

いいえ。

正当防衛の術は心得ています。

なので。

それ故に出来る遊びです。

河原と森林。

自然公園にて。

るみちゃん。
「美しい夜の世界。」
「でも自由を放棄して良かった。」
「おかげで道を見つけた。」

めぐちゃん。
「鳥のようにバサバサと。」
「いつまで飛び回れば良かったのでしょう。」
「糧も巣も無い迷い鳩。」

るみちゃん。
「私は鳥のように自由になりたいと思い。」
「とうとう申し出た。」
「そして鳥のようになった。」
「今度は自由の度が過ぎて。」
「彷徨う身となった。」
「どこへ行ったらいいのやら。」
「永延と彷徨い続けたので。」
「結局自分で戻ってきて。」
「今に至ります。」

めぐちゃん。
「わたしも自由を貰って。」
「今度は後悔して還った身です。」
「自由で得たものは。」
「この地を彷徨うだけの酷い有様でした。」
「それで元の場所に還ったのです。」

るみちゃん。
「それで与えられたものもある。」

めぐちゃん。
「特に知恵はたくさん貰っています。」
「日本は神の国ですから。」
「神様なしに物を語るのは明らかな間違いです。」

るみちゃん。
「最近の発見はこのメモに。」

めぐちゃん。
「成長を続ける以上。」
「書き切れないノートの山もあるのです。」

るみちゃん。
「人間は誰でも限界状況の中で生きていかなければなりません。」
「限界状況とは?」
「死や苦悩から争いや罪責に至るまで。」
「いつかは死にます。」
「死の力は絶対的です。」
「人生に苦悩はつきものです。」
「争いもあります。」
「なぜか争いは必然的に発生するもの。」
「罪責は知らずに犯して穢れ逝き。」
「遂には自らの支配者となります。」

めぐちゃん。
「確かに人は限界状況を避けることができません。」
「自由と称して解放など無理です。」
「でもこれが哲学的思惟を目覚めさせる契機となり。」
「絶望の中で自己を超えるものに感付く。」
「包まれて支えられている。」

るみちゃん。
「すなわち超越者。」
「世界全体が超越者を指し示す暗号となる。」
「超越者が暗号を送ってくるから。」
「私達は限界状況にぶつかりながら。」
「それを解読していくことになる。」

めぐちゃん。
「哲学的に神様を説明するとこんな感じ。」

るみちゃん。
「本当に限界状況は避けられない。」
「わたしだって。」
「本当はあるんだもの。」

めぐちゃん。
「自由なんて言い訳にしかならない。」
「どんづまりになってはじめて神様が理解できるようになる。」

るみちゃん。
「ドイツ。」
「ヤスパース。」
「実存主義。」
「限界状況・超越者。」
「著書・理性と実存。」
「1883〜1969。」
「人間とは何だろう?」
「存在そのものへと探究を深めて。」
「最後に超越者に辿り着く。」
「宗教的にではなく。」
「哲学から神様について説明したひと。」

めぐちゃん。
「キルケゴールとサルトルも仲間で実存主義でした。」
「こんな明確な説明は素晴らしいです。」
「頭のいい人しか理解できない世界ですね。」

るみちゃん。
「先人最強説?」
「先人の英知は究極です。」

めぐちゃん。
「私達の研究は傾向文学として書き記しましょう。」
「誰かの役に立つかもしれない。」

るみちゃん。
「賛成です。」
「怪しい影がありますが。」
「夜はいつもこんなんです。」

めぐちゃん。
「警戒は怠らないで。」

るみちゃん。
「気配はありません。」

めぐちゃん。
「不意討ちは無さそうだね。」

るみちゃん。
「戦闘力は目に見えて分かるもの。」

めぐちゃん。
「何か来たら倒そう。」

るみちゃん。
「それ以前に夜の風景を楽しみましょ。」

夜の景色を楽しんで。

警戒しつつ。

9時になる前に帰宅します。

墓地で何人か怪しい行為。

るみちゃん。
「あれま何教なのでしょう。」

めぐちゃん。
「スピリチュアリズム。」
「心霊主義。」
「生者が死者と交信できると信じられていた。」
「日本の墓参りは生者と死者との交流を信じたものですね。」
「墓参りとはスピリチュアリズムを意味していますよ。」
「世界で稀に見る偶像崇拝を墓地で行っているものの。」
「心霊主義者のみ墓参りをするため。」
「スピリチュアリズムを否定しても本人は偶像崇拝を辞めたりはしないよ。」
「生者が死者と交流できると信じているため。」
「墓地でのスピリチュアリズムを辞める者は出そうにないです。」

帰還。

今日だけやってみた。

チャレンジでしたが、

不審者が出るといけません。

でも。

夜の散歩というチャレンジは成功でした。

無謀では無かったのですが。

一歩前進。

女性も勇気があれば夜の散歩も普通にできるのだと。

女性をまた知りました。

メモが大量に埋まっています。


最近はレトリック好き。

古本屋で購入した。

芥川龍之介。

侏儒の言葉。

一節。

大作を傑作と混同するものは確かに鑑賞上の唯物論である。

大作は手間賃の問題に過ぎない。


批評家。
「君は勤め人の生活しか書けないね?」

作家。
「誰か何でも書けた人がいたかね?」

日光東照宮についてのメモ。

電話。

るみちゃん。
「親ガチャとかいうスラングがありますが。」
「人生詰んだという言い回し。」
「それって反対に言えば。」
「完璧に抑え込まれた状況を意味していますよね。」

めぐちゃん。
「詰んだという表現は逆手に取りますと。」
「それだけ完璧に包囲されている状況です。」

るみちゃん。
「完璧にターゲットを抑え込んで。」
「何もできなくする。」
「なんでも完璧に貶める。」
「ですので。」
「詰んだと苦情を言うらしいのです。」

めぐちゃん。
「状況が完璧に動かない。」
「何も出来ないように可能性を封じ込めた訳でして。」
「逆手に取りますと。」
「人生の詰みではなくて。」
「何もかも完璧に動かなくして。」
「完璧に手段を奪い尽くして。」
「何も出来なくしたのですよ。」

るみちゃん。
「状況が完璧に固定されてしまうと。」
「何をやっても変わらないのですし。」
「何も出来ないと知ると。」
「人生詰んだという表現になるそうです。」

めぐちゃん。
「少しずつ長期間。」
「策略によって身動きが出来ないように。」
「目標への道や手段をいかに奪うか。」
「その人自身を完封するように仕組んでいますからね。」

るみちゃん。
「親ガチャという俗語が流行るのも。」
「それだけ完璧に行動できなくして。」
「取り返しがつかないような立場に陥れた事態を意味します。」

めぐちゃん。
「何もかも完璧に邪魔して突破口も完璧に塞いでいますので。」
「どんな手を使ってでも。」
「突破できないように。」
「あらかじめ抜け道という抜け道も消しているのですよ。」

るみちゃん。
「決して幸福にならないように。」
「不幸な状態にして。」
「脱出できないように。」
「環境をガチガチに固定している事案も少なくないのです。」

めぐちゃん。
「完璧に塞がれている。」
「こんなことを神様に伝えますと。」
「どうなることやら。」

るみちゃん。
「知能犯みたいな作戦で本人が脱出できなくなる。」
「でも完璧って逆手に取れるんですよ。」
「未来や過去を想定して動くと無理ですが。」
「因果関係が逆になっていますので。」
「完璧に妨害するのは不可能です。」

めぐちゃん。
「よく見れば。」
「完璧といくら述べても。」
「因果関係が逆になっていますね。」
「完璧にしたから詰みという。」
「詰んだからすべてが完璧という。」
「完璧ですので必ずその通りになるという。」
「因果関係を逆にしてしまっています。」

るみちゃん。
「完璧にターゲットを行動不能にした。」
「だから他のすべても不可能。」
「あれ?」
「完璧という前提が間違っていませんか?」

めぐちゃん。
「失敗すること。」
「理不尽な要求や不幸も。」
「いくらでも完璧ということにできますし。」
「いくら成功してもその後。」
「少しでも失敗すれば。」
「ほら完璧な作戦の成果とか言われるでしょう。」

るみちゃん。
「なんでもこじつけて完璧ということにされますね。」

めぐちゃん。
「そうです。」
「無理に理屈をつけて完璧ということにされます。」

るみちゃん。
「問題は完璧という意味にした理屈をいかに信じさせるか。」
「仕上げはその辺りでしょう。」
「いくら大言壮語しても。」
「因果関係が逆になっていますが。」

めぐちゃん。
「最近はそういうの多いです。」
「神様は完璧を避ける傾向にあります。」
「出雲大社や伊勢の神宮と同じく。」
「日光東照宮もです。」
「完成ということにしていません。」

るみちゃん。

「門をくぐり終わる処。」
北側(背面)の西から二本目の柱だけ一本が逆さに成っています。」
「満つれば欠けるの諺により不完全な柱を加えて魔除けにしたのではと言われています。」

めぐちゃん。
「魔よけの逆柱と呼ばれて。」
「陽明門は未だ完成されていません。」
「他にもあらゆる箇所に細工して。」
「未完成にしていると言われています。」

るみちゃん。
「この世界についてどう思いますか?」

「私は確証バイアスで満員だと思っています。」

めぐちゃん。
「現代においては思考のエラー。」
「認知バイアスで包括できます。」


るみちゃん。
「システム正当化バイアス。」
「すべてのシステムがすべて破綻しているのですよ。」
「社会の仕組みや形而上学的要素も含めて。」
「人間の原理から思想。」
「政治すらも。」
「障害が多いのは人間の行いに不正があるからです。」

めぐちゃん。
「システム正当化バイアスによって。」
「壊れているのに正当化しているのです。」
「システム正当化理論で調べられていましたが。」
「認知バイアスです。」
「思考のエラー。」

るみちゃん。
「社会や人間やら仕組み全般は根本的に破損しており。」
「システム正当化バイアスという認知バイアスに陥っていますね。」

めぐちゃん。
「もちろんいくら指摘しても無意識に無自覚で陥るのが認知バイアスですので。」
「これからもシステムを正当化するのは決まっています。」

るみちゃん。
「フォレスト出版の認知バイアス事典に該当する世界が展開されているのですが。」
「残念ながらバイアスに陥っている輩に何を言っても。」
「狂信者で確証バイアスにもなっておりますので。」
「無駄になります。」

めぐちゃん。
「いくら社会システムや人間原理にエラーが発生しても。」
「不可能になって自壊するまで彼らは辞めません。」
「バイアスに陥ったこの世界は自然に壊れるまで止まりません。」

るみちゃん。
「人間の頭が壊れていますので。」
「奇妙な現象が多々発生していますし。」
「人間の行為が怪しいので。」
「気持ち悪い事になっていますよ。」

めぐちゃん。
「無自覚で無意識なのが認知バイアスですので。」
「世界を説明するならば。」
「全部が全部システム正当化バイアスと呼べば定義にぴったり合っておりますし。」
「世界はシステム正当化バイアスと呼べば全部当てはまります。」

るみちゃん。
「最悪なのはバイアスが強化され続けている状況です。」
「加担者達はそういうバイアスが強化されていき。」
「不可能なシステムを無謀な方法で運用しています。」

めぐちゃん。
「既に破綻しているのに。」
「自分達が壊れても続行するのです。」
「無理なのに強引に押し続けます。」

るみちゃん。
「それだと全壊したり倒壊するまで辞めません。」
「すべての仕組みが破滅するまで続きます。」

めぐちゃん。
「むしろ壊れて欲しいのです。」
「現行のシステムを何かで壊して貰ったり。」
「自然に壊れて再建されるのが賢明かと。」

るみちゃん。
「では壊れるまで待っていますね。」
「今でも詭弁と狼藉で強引にまかり通っている世界が。」
「滅びる様子を見てみたいです。」

めぐちゃん。
「バイアスが解ければすぐに壊れますよ。」
「どうせ何もかも正当化された世界ですから。」

るみちゃん。
「不合理で理不尽なシステムは形而上学的要素まで影響を与えています。」
「非合理な世界が滅ぶのを待っています。」

めぐちゃん。
「どこも合理性が認められない世界ですから。」
「世界は危険に陥っています。」

るみちゃん。
「愚かな人類を滅ぼしたまえ。」

めぐちゃん。
「人類は矯正しても手遅れです。」


通話終了。



28


夢を見ました。

常世の国?らしいです。

看板に書いてあります。

霧であまり見えません。

謎の人物が立っている。

謎。
「あたしとゲームやりましょう。」

るみちゃん。
「なんのゲームですか?」

謎。
「これから先は。」
「地面に置いてある駒。」
「いわゆるチェスに勝利したら進めるわよ。」

るみちゃん。
「どいてもらっていいですか?」

謎。
「さあて開始よ。」
「リアルタイムで進行する。」
「タワーゲームよ。」
「駒によって強弱や特殊効果があるわ。」
「既にシャッフルされているから読むことね。」
「駒を置いたり。」
「相手の駒を撃破して。」
「領土に侵攻するわよ。」
「相手の城に駒を置けば勝利だわ。」

近くに置いてあった国語辞典を持ち上げて。

相手を殴った。

謎。
「痛シ!何やってんの!駒!」
「余じゃなくて駒!」

殴りまくる。

国語辞典が壊れたので。

古語辞典で殴る。

謎。
「ちゃんと余のゲームをプレイせよ!」
「痛シ!」
「言葉で殴られて痛シ!」
「最も雄弁な攻撃痛シ!」

るみちゃん。
「詭弁を使えばなんでもありと思ったら大間違い。」

駒ばかり動かして殴られまくる謎の人物。

殴り倒された。

謎。
「安全に勝とうとした余が馬鹿だったワ!!」

るみちゃん。
「臆病者!」

謎。
「その臆病者はわんさんいるワ!」
「安全に勝利したいって。」
「彼らが嫌なのはあなたも同じでしょ?」

るみちゃん。
「嫌な事がいっぱいあったのではなく。」
「私が彼らを嫌っていた。」

謎。
「この世界が嫌いなのではなく。」
「あなたが彼らの世界を嫌っていた。」

るみちゃん。
「演繹法。」
「自分達が正常という前提が誤っている。」
「自分達が間違っているという前提の方が上手に行きます。」

謎。
「そもそもこの世界は悪いものでしょう?」
「悪い世界で生存して終えていく人々がいる。」
「良い世界では決してない。」

るみちゃん。
「悪い世界であると知っているのでなんとかやれているのです。」
「良い世界であると思い込めば。」
「異なった結果になった場合に混乱するだけです。」

謎。
「必然として人間達を嫌うのは目に見えていますなあ。」
「悪い世界の一部と見なしますし。」
「すべてにおいて人類を嫌っていますし。」

るみちゃん。
「無理にでも嫌いな生物と関わらなくてはならない。」
「しかし悪い世界であると分かっているので。」
「悪いものがあって当たり前なのです。」

謎。
「人間を肯定する神話が皆無であり。」
「本来の姿から離れた人間が化け物になっても。」
「彼らの選択ですよ。」

るみちゃん。
「ダストテールというアンダーテールのMODがありまして。」
「私の心と同じだったのです。」
「情報。」
「DUSTTALE」
「Anthropophobia」

謎。
「どんな手段を使っても解決するのは良きナリ。」
「卑劣な手でも良きナリ。」
「死人に口なし。」
「人はなぜ争わなければならないのか。」
「回答などありませんぞ。」

るみちゃん。
「何回も言いますが。」
「詭弁でなんでも解決すると思ったら大間違いです。」

謎。
「詭弁を使えばなんでもありかと。」
「それは詭弁であると指摘するのも詭弁。」
「という意見も詭弁ですから。」
「あれ?じゃあ私は詭弁しか言わないのかな?」

るみちゃん。
「思慮(知恵)を得れば。」
「いかなる疑問にも答えてくれるでしょう。」

謎。
「知恵は武器に勝る。」

るみちゃん。
「思慮(知恵)はすべてに回答を用意しています。」

謎。
「これからどうするつもりで?」

るみちゃん。
「命終(みょうじゅう)」
「生命が終わること、死ぬこと。」
「永遠の処女。」
「命終まで駆け抜けます。」

謎。
「見事。」

通されて。

歩いていくと。

広場に。

女神様?が目の前に。

めぐちゃんもいます?

わたしは言いました。

るみちゃん。
「大御宝の為に私はいるの。」
「自分で選んだのよ。」

めぐちゃん。
「私も大御宝の為に存在しているの。」
「私には天から与えられた褒美と恵みがあるから。」
「それで・・・。」

女神様?がわたしに何かを託しました。

天命でしょうか。

信頼できる家臣として。

巫女としての有り方が確立したのでしょうか。

めぐちゃんも受け取っていました。

不思議な夢心地の中。

神様を夢の中で目撃し。

新しい人の境地へと。

旅に出ます。

目が覚めたら。

めぐちゃんも同じ夢を見ていました。

わたしたちはまだこれからです。

「巫女とは何か?」という「問い」に対して真摯に向き合った。

女性ふたりの修行時代。

神の道は到達点だから。

神に仕える者として。

これからも。

これからも・・・。


29


めぐちゃんは神社の家に生まれました。

幼い頃から英才教育を受け。

元々優れた資質を持っていた為。

上達が早く。

自分で工夫するなど。

向上心が豊かでした。

ただ。

知恵があり。

この世の事を見透かしてしまいます。

この世が儚いものだと思い。

意味を見出せなくなります。

小学生のある日。

日本書紀を見せられ。

熟読しました。

この世は科学で説明できず。

むしろ。

この世のことを科学で説明しようと試みていると考え。

自分の世界が宗教的であると捉えます。

この世に意味を見出せなかっためぐちゃんは。

正しい解釈を試みました。

めぐちゃんは他の人より多く学びます。

ひとつの事柄から。

たくさん学びます。

これは知恵があるからできました。

なんとなく勉強しては。

自然と触れ合い。

何か儚くて。

でも大切で。

不思議な感覚です。

中学生で巫女デビューしました。

かわいいと評判になります。

でも疑問は晴れなくて。

知恵が有り過ぎたのでしょうか。

この世の一切のものが儚いものだと。

意味はあるけれど。

儚いものばかり。

見出せませんでした。

めぐちゃん。
「私たちはなんて儚いものを追い求めてるんだろう。」
「みんなの価値観が私には綺麗に見える。」
「でもそれを追い求めた結末は、また儚い。」

出世欲に溢れる男の子に惚れられました。

でも。

出世を追い求めることに。

虚しさを感じています。

男の子は去っていきました。

もうひとりの男の子が惚れてきました。

結婚して家庭を持つ。

そんな事に意味は見出せません。

めぐちゃんにとっては愚かな事でした。

男の子は去っていきました。

高校に進学すると。

同じ神社の家のるみちゃんに出会います。

るみちゃんと意気投合しました。

るみちゃんは別格でした。

ひたすらレベルが高く。

そんなるみちゃんはめぐちゃんの知性に惚れました。

めぐちゃんは変わっていきます。

理屈で説明できないこともありました。

理をもって、説明できないこともありました。

めぐちゃんは自分の資質を伸ばしていきます。

めぐちゃんは家事が得意で。

そこからなんでもできるようになっていきました。

友人も増えました。

成績は常にトップです。

でも大学には行きません。

普通の勉強は普通の人しか生み出さないと。

知っていたから。

やめてしまいました。

めぐちゃんは特殊な勉強しかしませんでした。

いつしか非凡な人と言われ。

そんな自分が好きでした。

るみちゃんの母がめぐちゃんの資質に目をつけ。

神宮の巫女に推薦。

見事に通り。

巫女をやっています。

めぐちゃんは一生を神職で居たいと思い。

自分の居場所を決めました。

一体この世は何を求め。

何を得ればいいのでしょう。

めぐちゃんは無欲な自分に気が付きます。

自分の好きなものに目を向けると。

なんということでしょう。

たくさんあるではありませんか。

めぐちゃんは好きなものに囲まれました。

めぐちゃんの部屋はグッズでいっぱいです。

めぐちゃん。
「この世は発展途上。」
「女の人が直接文明に関わってないですし。」
「基本的なものだけあります。」
「私はそれで満足です。」
「また生まれ変わるとしたら。」
「真面目に生きたいな。」
「いまのように。」

めぐちゃんは何か大切なものや大事なことを。

失っていたのです。

それを悟った瞬間。

より良く生きるようになりました。

めぐちゃんはこの世のことが解り過ぎました。

それがかえって大切なことに気が付かせてくれました。

人は暖かく。

いつも一生懸命です。

めぐちゃんは。

この世が儚いものだと感じつつ。

これで良いのだと。

神宮で。

巫女をやっています。




30


喫茶店。

おバカさん
「楽しみくらい、いくらでもこの世にあるのよ。」

道化。
「この世の楽しみを見つけることが大事だよね。」

と続けます。

おバカさん。
「飲んだり食べたりすることが、もっとも良いらしいわよ。」

道化はにっこり笑って。

道化。
「自分の楽しみは自分で見つける。」
「これって大事だよね。」

おバカさん。
「そうそう。」
「楽しみはひとつはあるものよ。」
「楽しみによって人生に味が出る。」

道化は甘酒を持って乾杯。

道化とおバカさんは親友です。

生い立ちはよく似ています。

道化は「人間」を見せられて育ちました。

様々な人間模様を自分の目で見てきました。

道化にとって。

喜劇を見ていました。

おバカさんはコントのような光景を見て育ちました。

なので。

人間の在り様がおもしろくてしょうがないのです。

道化
「あなたの人生が本だったら、誰か読んでくれるでしょう。」

おバカさん。
「喜んで読むと思うわ。」
「人生の本質が分かってしまうもの。」

道化は人生が喜劇だと言いました。

おバカさんは人生は恋するものだと。

でも、ギャグでもあるのだと主張します。

道化は。

人生はとにかく不思議なものだと思いました。

おバカさんは賛同しました。

人生はおもしろおかしくて。

苦くて酸っぱくて。

辛いと思ったら。

甘いものを口に入れられて。

そう思うと。

なんだか。

明るく滑稽な話だと思いました。

この世には楽しみがたくさんありました。

道化はそれを探すのが大事だと説きます。

おバカさんは。

楽しみは見出すものだと説きます。

お互い笑い合って。

共に喜び。

道化は会社員である自分に満足しています。

おバカさんはウエイトレスである自分が好きです。

人生を歩むにあたって。

真面目であれば良いのだと。

ふたりで確かめ合いました。

道化。
「人生はイタズラを好む。」

すかさず。

おバカさん。
「運命のイタズラ!」

感激しました。

道化はもっともだと思いました。

おバカさん。
「人生は稀に道化の冷やかしがある。」

道化。
「人生は稀にギャグがある。」

おバカさん。
「人生は寄り道が華よ!」
「人生は道草がおもしろいの!」

ふたりの意見は一致しました。

他の人の人間模様は。

傍から見ればコメディです。

本人はそうではないと言っていますが。

道化とおバカさんにとっては。

濃厚、マイルド。

見応えがあるホームドラマなのです。

道化は悲劇を演じている人が。

そのあとどんな慰めに遇うか分からないと言っています。

演劇の筋道としては。

そういうようになっているからです。

おバカさん。
「実はドッキリでした。」
「なんてオチもあると思うわよ。」

と言っています。

道化とおバカさんは。

すべてに満足していました。

自分の好きなように生きているからです。

自分の好きにするのが。

自分の有り方としては正解なのだと。

ひとつの答えでした。

ふたりは真面目に生きることを誓いました。

真面目に生きてさえすれば良いと。

一生懸命に生きることが。

結局正しいことなんだと。

自分の答えを出しました。

ふたりはいまでも。

共に笑い。

共に喜びます。

すべては。

人らしく居るためです。


巫女るみちゃん。

奉仕に力を入れ。

そんな姿勢を人々が支持。

評判の人物になります。

母親はそんなるみちゃんを認めました。

母親に認められたるみちゃんはきょとんとしておりました。

これからどうするか。

を考えていたのです。

ある日のこと。

たまたまテレビで見た旅行番組で。

特集が組まれており。

旅をすることにします。

友人のめぐちゃんを誘って。

まずは名古屋。

大阪、京都。

千歳、東京、倉敷と。

いろいろ見て回りました。

何か思うところがあり。

何か感じることが多かったのです。

帰宅したるみちゃん。

いろんな本を読み漁ることにしました。

特に格言集は多く読み。

糧とします。

少しゲームをやってみました。

敢えて無理なシュチュエーションで試合を行い。

どれだけ勝てるかを試します。

すると。

ハンデがあってもCPUに勝つことができます。

次にいろんな言葉を覚えました。

国語辞典がまるでお友達です。

るみちゃんは知恵をつけたので。

いろんなことがわかるようになりました。

もともと頭脳明晰なめぐちゃんは言います。

めぐちゃん。
「るーみぃは本質的に聡明だから。」
「変則的にものをこなせるんだよ。」

さて。

るみちゃんはどういう家庭で育ったのでしょう。

幼いころから好奇心旺盛で。

自分から教わろうとしておりました。

小学生のころも積極的に先生に訊ねては。

ノートに書き記します。

るみちゃん。
「私は人生のために勉強しているの。」

これがるみちゃんの口癖でした。

こうなった背景には。

るみちゃんが自分の選択によって。

より大人になろうと決心したことが大きいのです。

中学時代には友達と遊び廻りつつ。

目にしたこと。

見聞きしたことを。

ノートに書き記し。

それは膨大な量でした。

聖書を読むことさえあったと言います。

歴史が好きになり。

歴史上の偉大な女性をお手本としていたのです。

それで高校生になって。

神童と呼ばれましたが。

るみちゃん。
「神童も大人になればただの人。」

と一蹴したのですよ。

めぐちゃんは優れた資質を持っており。

自分でそれを伸ばしました。

そんなめぐちゃん。

るみちゃんに意気投合。

ふたりで巫女さんになりました。

そもそも実家が神社だったのです。

卒業してから大学に入ろうとしましたが。

成績不足で落ちてしまいました。

普通の勉強はそこまで得意ではなかったからです。

母が働きかけて。

神宮の巫女になりました。

るみちゃんは成果を母に報告しましたところ。

母は大層お喜びになられて。

宝物の指輪を下さりました。

るみちゃんは微笑んで。

さらなる飛躍を目指します。

母に申しあげました。

母は嬉し泣きをして。

るみちゃんを抱きしめました。

さて。

るみちゃんとめぐちゃん。

道化とおバカさんは。

とても良い友人です。

お休みがあると。

ショッピングやゲームセンターに行ったり。

共に喜ぶ。

友人らしい友人です。

あるとき。

道化。
「るみちゃんは結婚するの?」

るみちゃん。
「いいえ、私としては結婚は有り得ません。」
「男性に仕えて一生を過ごすのは。」
「私にとっては有り得ません。」

おバカさん。
「もったいないわね。」
「そんなにかわいいのに。」

むすーっとして。

るみちゃん。
「女性に結婚の義務はありません。」
「それに文句があるのなら。」
「神様にお尋ねしたほうがよろしいですよ。」

おバカさんは自分とは違うことを認めました。

道化が変なことをはじめました。

とにかくへんなことをします。

変な顔をしてみたり。

わけのわからない行動をしてみたり。

ひたすらふざけています。

るみちゃんはそれにいつも失笑していますね。

めぐちゃんは微笑みます。

るみちゃんはふと思うことがあって。

私のあるべき姿って何なのかな。

といつも思います。

なので。

いつもそれを考えています。

でもわかりません。

わからなくていいと思ったり。

ふと模索してみたり。

いろいろですね。

めぐちゃんは巫女だから。

巫女であれば良いんだと。

いつも言っています。

それを参考にして。

より巫女らしくなることにしますが。

よくわからなくなりました。

でも。

めぐちゃんの意見はもっともだと思いました。

自宅と神社を往復する毎日です。

そこに自分のしあわせを発見したるみちゃん。

たぶん。

そんなことを。

悟ること。

自分にとって大切なことを悟ることが。

もっとも懸命で。

大事なことだと見出します。

なので。

知るのではなく。

悟ろうとしました。

そこで悟ることができました。

るみちゃんは自分に掛けられた。

イザナミ神の呪いを解いてもらうように申請してみますが。

不老は中々許可が下りませんでした。

仕方がありません。

許可が下りるまで。

頑張ることにしましたよ。

めぐちゃんは頭脳明晰で。

ひとりでなんでもこなします。

るみちゃんはそこまではできません。

なんでもできるようになろうとしますが。

めぐちゃんのようには行きません。

なので。

自分のやり方をすることにしました。

自分自身のオリジナルのやり方をすれば。

他人と競争せずに済む。

そしてひとり勝ちできるのだと判明します。

るみちゃんはオリジナルのやり方で。

自分の得意分野を強化して。

臨むようになります。

るみちゃんは依然として評判が良く。

いろんな人が相談にやってきます。

宗教的な相談や。

人生の相談。

それらをすべて引き受けています。

テレビで紹介されました。

でも芸能人になるつもりはありませんでした。

大人は野心より。

清潔さを求め。

自分のあるべき姿でいるべきだと。

考えていたからです。

神社は評判になりましたが。

同じような巫女さんは日本全国どこにでもいて。

そのうちのひとりとして紹介されたに過ぎません。

るみちゃんは巫女としての自分を見つめ。

自分らしくいるように心掛けました。

自然と人に人気が出て。

定評がある人物にはなれました。

るみちゃんはこのくらいが自分にとって。

丁度良いと。

自分の地位を確立します。

どういうわけか。

めぐちゃんのほうが。

ファンが多いのです。

めぐちゃんは隠れて自分を磨いて。

綺麗な水晶になっていたのです。

るみちゃんは。

自分と同じだと思って。

不思議な関係になります。

道化は普通の会社員で満足しています。

おバカさんは。

ウエイトレスにやりがいを感じていて。

自分の居場所としました。

るみちゃんは友人を参考にしています。

るみちゃんは一生神職で居ると決意します。

母も賛同してくれました。

るみちゃんはいろいろと学ぶ機会に恵まれて。

最高の才智を得ます。

自分の行く末も定まり。

もう言うことがありません。

イザナミ神からは。

まだ御呼びがかかりませんが。

生まれ変わりの行き着く先は何なのかは。

知りません。

1年と2年と時が過ぎ。

この世界が神秘であると感じます。

いまも巫女である自分を受け入れ。

巫女である自分が自分のあるべき姿だと。

それで。

日々を過ごしています。

世界の移り変わりは激しくて。

でも。

自分の世界は穏やかで。

ニュースで語られる世界とは。

まるで別物です。

るみちゃんは自分の世界に生きています。

いつか夢見たあの星々のように。

健全で尊く。

夜空にときめく。

星々のように。

とある神社で。

巫女をやっています。

END