序章。


真理への信仰は、それまで信じられて来た。

あらゆる諸真理への疑惑と共に始まる。

出典・人間的な、あまりに人間的な。


1


選ばれた者たちにだけ、真実を告げる自由の機会を与え給え。

異界から、鏡に映し出された。

人間の姿を見て。

上空に飛び出す。

一同。

キラキラ星に座って。

相談をする。

朝三暮四。
「人間は、相変わらず同じことの繰り返しですね。」

利他主義者。
「馬鹿なものです、あれをどうせ繰り返すのですから。」

功利主義者。
「未来の希望を手にして、また結果が同じになるんですもの。」

魔神。
「掴み取った変化は、自分の力ではないことくらいは。」
「そのうち理解できるでしょうよ。」

朝三暮四。
「最近は、恋とか称して、色欲の限りを尽くしているとか。」

利他主義者。
「人間のやりそうなことですよ。」
「機械みたいに、男女が自動で一緒になるのです。」

魔神。
「無論、真実なんてありませんけれどね。」

朝三暮四。
「現実を逆説的に説明したものが、いつも最高なんですよ。」

功利主義者。
「事実を神様に没収されて。」
「錯乱した人間ばかりです。」

魔神。
「人間は、事実が実在しない証拠ばかり。」
「集めているようですね。」

朝三暮四。
「すべてが自由になったら、今すぐ何でも解決する。」
「なんてつぶやいて、そそのかしてやろうかしら。」

功利主義者。
「すべての自由を人間に与えたら、傑作になるでしょうよ。」

利他主義者。
「そこまで現実を軽蔑すると。」
「人間は現実を無視するようになりますよ。」

魔神。
「いいえ、現実なんて見下すのが当たり前ですよ。」
「人間達のしていることなんて。」
「世界の私物化を目指している過程に過ぎません。」

朝三暮四。
「彼らは、面白いことに。」
「人間の力の限界に挑戦しているのでしょうね。」

魔神。
「人間の限界に達すれば、人間は納得すると思いますね。」

朝三暮四。
「人間は、人間の力の限界を確かめたいのですよ。」

功利主義者。
「それなら手助けしてやりましょう。」
「もっとも、人間は、自らの創られた通りになりますけれど。」

利他主義者。
「それで彼らは、神を信じるか、信じないかで判断しているようです。」

魔神。
「いつから神が信じるものになって。」
「在るものでは無くなったのですか。」

朝三暮四。
「信じるか、信じないかの議論になる時点で。」
「驕り高ぶった人間の姿がありますね。」

利他主義者。
「人間が高慢になるのは、自然の流れのような気がしますけれど。」

功利主義者。
「人間の傲慢とかも、必然のような気がしますね。」

魔神。
「神は、在るもので、次のような、信じるか、信じないか。」
「なんて稚拙な問答なんて不要であると。」
「人間に知らせないと。」

朝三暮四。
「それでは、この手紙に、私はこう書きます。」
「最も優れている人間に宛てた手紙です。」

利他主義者。
「私は、贈り物をします。」
「最も賢明な人間に宛てた贈り物です。」

功利主義者。
「私も、金塊に刻んで、人間の金庫に入れておきます。」
「最も正しい人間に宛てた金塊であると。」

朝三暮四。
「それでは、揃って、人間界の様子でも見ましょう。」
「少女の姿になって、久しぶりに。」
「悪戯を仕掛けましょう。」

利他主義者。
「いつもの通り、単なる人間の生活に入り込み。」
「せいぜい、巻き込んで、道楽に付き合わせます。」

功利主義者。
「人間の正体が分かるまで、追いかけまわして。」
「得体の知れない所まで、暴いてやりましょう。」
「なぜ人間が存在する必要があったのか。」
「私は暴いてしまう。」

魔神。
「何のために?に対する返事は。」
「大量の虚偽がありますからね。」
「現実を逆説的に説明するのが最善ですよ。」

朝三暮四。
「現実と逆の事をする私達は。」
「目立つでしょうよ。」

魔神。
「現実とやらを逆手に取った存在は。」
「私達くらいですからね。」

少女に変装して。

地上に降り立つ。

解除社の近く。

市街地の小山の上で。

そのまま都市に向かって歩き出す。

大都市圏の郊外。

農場にて。

田畑からビニールハウスなど。

小麦畑まで。

地域に広がる。

農家でも大規模な地主。

同業者の組合。

ギルド同士で運営する。

全国でも珍しい農業の集合地帯。

元々は、君主の所領だった場所が。

君主の子孫とその家臣の子孫が使用するという。

歴史のある農家。

田んぼを管理している人々の端っこで。

シートを広げて。

見習いをしている。

家系の娘達。

旗江。
「私は説明だけで満足するような。」
「貧しい者ではありません。」

詩叶。
「説明だけで足りていたら。」
「この世界なんて安いものですよ。」

本実。
「世界の説明だけで満足するの?」
「それはあまりにもお粗末。」

旗江。
「説明で、何かが解決することはありませんよ。」

詩叶。
「説明だけで、借金が帳消しになることはなし。」

本実。
「説明なんて、消え失せてしまえ。」
「説明だけで、収益が出るのなら。」
「話は別ですが。」

旗江。
「思えば、説明だけが無限にあるよね。」

詩叶。
「説明だけ無限に繰り返しても。」
「逆に困る。」

旗江。
「説明だけが無制限にあるよね。」

本実。
「勝手に説明していなさいよ!」

旗江。
「そうですよ、他所で説明していなさいよ!」

詩叶。
「けっこう、他所で、勝手にやっていれば良い。」
「なんてことはあります。」
「いちいち自分の近くで生じる必要がない。」

旗江。
「万人に当てはまる真理がある?」
「勝手に言っていなさいよ!」

本実。
「自称真理なら、星の数ほど地上にあります。」

旗江。
「いいえ、自称するなら無料なので。」
「無料という理由で自称しているのです。」

詩叶。
「それなら、誰でも可能な、自称真理の公開ですね。」

旗江。
「真理とは、説明だけを繰り返した問答集。」

本実。
「真理とは、そう信じられている、説明書。」

詩叶。
「真理とは、説明以外に何も出来ない作文である。」

旗江。
「説明以外に何が出来る!」

詩叶。
「説明をする以外に、何も出来ないから。」
「真理を引き合いに出した。」

本実。
「つまりは、説明しかできないことを認めている訳です。」

旗江。
「何か中立のものがあって。」
「それに基づいている。」
「という考え方すら誤りなのです。」

本実。
「客観の限界ですよ。」

詩叶。
「客観にも上限があった。」

旗江。
「主観には際限が無いのですけれどね。」

詩叶。
「女性が結婚するとか。」
「それが、嘘であった場合は?」

本実。
「結婚ですと?」
「恋ですと?」
「そんなの勝手にやっていなさいよ!」

旗江。
「既成概念とは説明を、そのまま強要して。」
「私刑を正当化したもの。」

詩叶。
「説明すれば、そのまま強制できると。」
「制定した規則。」

旗江。
「人生は何々というのは、すべて嘘。」

本実。
「よく思えば、物事は、何でも説明にしかなっていない。」
「求められているものは説明ではなくて。」
「その処理と後始末。」

旗江。
「説明になっている実例はヘーゲルのガイストというものですね。」

本実。
「有名なガイストという視点から、世界を説明した。」

詩叶。
「しかし、僅かに、説明しきれない部分が見えたので。」
「なぜなら、全体主義とよく似ていますからね。」

旗江。
「個人を軽視した、やや間違いが見えている概念ですからね。」

本実。
「万能では無いけれど、かなりの部分を説明していますね。」

旗江。
「個人の自由が入っていないので。」
「そこは欠落していますね。」

本実。
「当時は大人気でしたが。」
「後の批判によって、よくある哲学になってしまい。」
「どうやら、大学の必須科目で、当たり前に出る。」
「くらいに落ち着いています。」

旗江。
「それでもなお、世界の説明に使われています。」

本実。
「なんて気の毒な、納得が行く説明が欲しいのね。」

詩叶。
「憐れなものです、納得が行く説明を求めているなんて。」

旗江。
「同情しますよ、納得が行く説明だけを、望んでいるなんて。」

少女に変装した。

魔神が通りかかる。

解除社から出て来て。

市街地に行く途中。

案内を頼んでくる。

朝三暮四。
「世界に無批判のものはない、というのを確認しています。」

利他主義者。
「批判できないほど、完璧なものは無いですね。」

功利主義者。
「完璧に編集するのは不可能で、少なからず、批判されるものです。」

旗江。
「なるほどね、そんな見解もあるのか。」

詩叶。
「どこぞの女の子が、大人顔負けという話ですか。」

本実。
「私の家に来ませんか?」
「素晴らしい夜を過ごせますよ。」

朝三暮四。
「この辺りの都市で、何か面白い人間の居る所を訪ねたい。」

旗江。
「渋谷なんてどうですか?」
「ここから、かなり距離がありますけれどね。」

朝三暮四。
「とりあいず渋谷に行きますか。」

利他主義者。
「手始めに、大都会ですか。」

功利主義者。
「深夜に、箒で移動しますかね。」

旗江。
「不思議なその問答、あなた、誰ですか?」

朝三暮四。
「私ですか?誰かではない。」
「そう呼ばれています。」

本実。
「美形ですね、しかも幼いですね。」
「どんな名前ですか?」

利他主義者。
「誰かである、そう呼ばれています。」

詩叶。
「あなたは?何者なの?」

功利主義者。
「誰でもない、という名前があります。」

旗江。
「とっても謎ですが、三人で旅行ですか。」
「とまあ、渋谷でも変な人に捕まらないように。」
「美形の少女は目立ちますからね。」

朝三暮四。
「そうなってから考えますので。」
「何の問題はありません。」

利他主義者。
「それでは、渋谷に行きましょう。」

功利主義者。
「面倒くさいものですが、切符でも生成しますかね。」

少女が立ち去る。

あっという間に遠くに移動。

目を離すともう、かなり遠くに立ち去っていた。

三人娘は。

見学を終えて。

農場から。

事務所に移動。

一室で習い事をするのです。

家庭教師。
「完璧とは何ですか?考察しましょう。」

旗江。
「たまに、批判するな、という考え方がありますが。」
「それは、逆に、完璧なものにけちをつけるな、と言っているので。」
「完璧に作ったんだぞ、とか言われても、困りますよ。」

詩叶。
「完璧に作ったのだから、批判するな。」
「なんていう考え方は、高慢ですよね。」

本実。
「完璧に作ったから何々、それは何ですか、前提が間違っています。」

旗江。
「完璧に作ったから、批判するのは許さないぞ、ですか。」
「どこら辺が完璧なのか、もはや屁理屈にしかなっていない。」

詩叶。
「逆に、自分は完璧だから、完璧な言い分を繰り返せるんだ。」
「という危ない考え方もあります。」

本実。
「自分を完璧だと思わない方が、いろいろと好都合ですよ。」

旗江。
「自分を完璧だと見なすと、都合の悪いほど一致しない。」

詩叶。
「他人に完璧を求めないのも、好都合ですよ。」
「他人に完璧を望んでいたら、いろいろと都合が悪い。」

家庭教師。
「そもそも、完璧とは何かについて、いろいろと意見が欲しい。」

本実。
「完璧とは何ですか?何も言えないのでは?」

旗江。
「完璧だから何々とか言われても、無意味です。」

家庭教師。
「つまりは、完璧とは何かについて、言えないのです。」

詩叶。
「それは意外な所を突いてきますね。」

今の教科は論語。

覚えている場所から教えを問われて。

合理的な回答が出来るかの課題に向けて。

勉学に励んでいます。

農業の専門学校に行ったものの。

両親からは。

農場のお手伝いくらいのことしか。

今は任されていません。

気長にやっていて。

急がなくても良い家業なので。

練度が上がるのを待っているほど。

時間が余っているのですね。

同業者の娘で。

JK三人衆がいまして。

合流。

星詩乃(ほしの)
「真理とは嘘が上手なのです。」
「嘘が巧みなので。」
「信じることを強要できるのです。」

光織(ほたる)
「詐欺師よりも、上手に嘘をつけるので。」
「あらゆる?つきを凌駕するほどの。」
「究極の嘘つきですね。」

理姫(りひ)
「もはや、真理と呼べば、何でもまかり通るほど。」
「安上がりで、定義が勝手になるほど、偶然の産物です。」

旗江。
「つまりは、真理と呼べば、何でもありなのです。」

本実。
「何かを真理を呼べば、もはや何でもありですね。」

詩叶。
「真理とは何ですか?」
「勝手に決まっていて、それに基づいていると広まっている。」
「仮説のことですよね?」

星詩乃。
「真理とは、はっきり言うと、俗信という意味になります。」

光織。
「俗説が真理ですね。」

理姫。
「何を信じても自由だと思います。」

家庭教師。
「日銭をその日のうちに使ってしまう大工。」
「今日も、使ってしまった。」
「女房が訪ねた、日銭はどうしたの?」
「旦那が言うには、その日のうちに使うに決まっているだろう。」
「そして喧嘩が始まった。」

星詩乃。
「功利主義で教育されていると。」
「何も快楽が無ければ、苦痛と見なして。」
「悪ということになってしまう。」

光織。
「功利主義は価値観のひとつですからね。」
「中には、功利主義が嫌いな人もいるのですよ。」

理姫。
「功利主義の起源はエピクロス派でしょうね。」
「エピクロスが創設しました。」
「しかし、徹底した快楽主義なのに。」
「快楽にも限界がある。」
「これを理解すれば、悪から容易く逃れられる。」
「という教えがあります。」

家庭教師。
「苦痛が無いという状態が現実に沿っていますね。」

旗江。
「無限に快楽を求めても、悪に染まるだけですからね。」

詩叶。
「無制限に快楽を求める辺りは、功利主義に、少しだけ間違いがあります。」

本実。
「功利主義だけで成り立つ社会ではありませんね。」

星詩乃。
「いくつかの共同体による規則はあっても。」
「それら以外の場所では、個人が決めることですからね。」
「自分の自由まで放棄する人はいませんよ。」

光織。
「自分の自由まで否定するような、過激な人は、見たことがない。」

理姫。
「教育の後遺症を直すには、ある程度の時間が必要ですね。」

家庭教師。
「大人になっても、学校教育の内容を踏み倒さない奴は、問題があります。」

旗江。
「社会では、学校教育から教わった内容を破壊して。」
「好きに振舞っている人だらけですからね。」

家庭教師。
「学校教育の内容は、社会に通用しませんからね。」

旗江。
「成人して、行動の自由を得たのですから。」

詩叶。
「自由になったので、子供の頃の考え方は捨てるものです。」

本実。
「未成年の考え方は、やや稚拙で。」
「成人の考え方は、やや現実主義ですね。」

星詩乃。
「考えを押しつけると、喧嘩になりますからね。」

家庭教師。
「喧嘩がしたいのなら、持論でも他人に語って。」
「強要して、殴られた方が、本人のためです。」

旗江。
「私ですら、自作の論文に、正しいことが書いてあるとは言っていない。」

詩叶。
「思想を楽しむので、正論である必要もないし。」
「本当のことばかり言わなくても良い。」

家庭教師。
「正しい必要があるのですか?」

本実。
「無いですね・・・。」

家庭教師。
「正しくある必要もあるの?」

詩叶。
「無いですね・・・。」

家庭教師。
「それでは、正しいことを言う必要もないのですね?」

詩叶。
「無いですよ・・・。」

旗江。
「とても健全だと思います。」

時間になったので。

今回は。

宿題を出されて。

各自、取り組みます。

お手伝いをした後に。

家庭教師が来たので。

もうすぐ夕方です。

家に戻りますが。

六人組で、しばらく遊びます。

旗江。
「雑兵八千を組織して、無能な領主は自慢した。」
「これで戦争は大丈夫である。」

詩叶。
「無能な領主が城を包囲された。」
「無能な領主が言うには。」
「いったいどこに逃げたら良いのか?」

本実。
「ローマ軍団の観察をもじれば。」
「自分が勝っていると思えば勝ってしまう。」

旗江。
「カエサルの言葉をもじれば。」
「自分の信じたいものを信じるのが最善です。」
「それを自由と呼びます。」

星詩乃。
「本当に寛容ならば。」
「信じたいものを信じる自由を。」
「最初から認めているはずです。」

光織。
「一部が変で、それ以外に大きな問題がないと。」
「信じても良いのですか?」

旗江。
「一部は明らかに変です、しかしそれ以外で問題とか。」
「見たことはありませんね。」

理姫。
「私が、もっとも多く見たものは、善良市民。」

旗江。
「一部のせいで、善良市民が貶められる。」

理姫。
「その一部が、あまりにも目立つもので。」
「善良市民が居ないことにされてしまう。」

光織。
「しかも、一部だけで判断される世間は、少し歪んでいる。」

旗江。
「我々には悪は要らないので。」
「一部の悪だけ見て、判断されたくないね。」

星詩乃。
「我々は、誤りを正すというより。」
「誤りを犯さないと心がける。」
「多数派のひとりでもあります。」

旗江。
「個人の幸福の基礎となる個人主義は。」
「個人の自由が内容になっていますからね。」

女性が集まったので。

おしゃべりをずっとしているという。

速報。

都会で。

利他主義者の集団が暴動を起こしていて。

内容は。

民衆が利他的ではないことに激怒して。

特に為政者にそれが向いて。

少し理解できない暴動になっている。

旗江。
「贅沢な公家の集会を目撃した老人が言うには。」
「贅沢は敵だ!」
「その発言で呼び止められて。」
「調べると家系に縁があったので。」
「参加することになった老人。」
「向かい入れられて老人が言うには。」
「贅沢は素敵だ!」

星詩乃。
「公家が散歩をしていて。」
「卑しい者が通りかかった。」
「卑しい者は、違いは身分だけなので。」
「取っ組み合えれば勝てると言い張った。」
「公家が言うには。」
「では、実際にやってみよ。」
「卑しい者は接近したが。」
「卑しい者は公家の家来に斬られた。」

詩叶。
「敗北を知ると、もはや、勝利できるのか、疑いしか抱かない。」
「勝算が、かなりあっても、ひょっとしたら負けるのではと。」
「常に疑ってしまう。」

本実。
「頭脳で勝利という蒙昧も、敗北を知らない奴の夢想ですね。」

光織。
「負けを少しでも知ったら、頭で勝つという発想すらないよ。」
「勝利に疑問を抱くようになるのが、負けを知っている人の思考。」

理姫。
「商人は、とりあいず狡猾になった。」
「しかし、狡猾になっても、利益は上がらなかった。」
「商人は、もっと狡猾になった。」
「しかし、狡猾になっても、利益は上がらなかった。」

旗江。
「頭で勝とうと企んでも。」
「百回勝てるなんてことはない。」
「頭で戦いを仕掛けるのは。」
「そもそも負けることを想定していない。」
「何回も頭で戦えば、たまには負けます。」

光織。
「その一回だけ上手に行くだけで。」
「それ以降は、すべてに敗北するのが。」
「知能犯の頭の悪い所ですね。」

旗江。
「頭で勝とうと思っても、たまには負けるので。」
「百回勝利しようだなんて考えるのは。」
「頭で勝負する割には、頭が悪い。」

本実。
「最悪の知能犯は、九割、囚人ですよね。」
「頭で勝負しようだなんて、ひどく無謀なものです。」

詩叶。
「人間の知性に絶対は無い。」
「知能犯の判断にも絶対は無い。」

旗江。
「頭で絶対に勝てると思うのは、既に間違っていますね。」

理姫。
「ひとつの勝負に、すべてを注ぎ込んで。」
「その一回に勝利したら、後に勝てるものは無いのでしょう。」

星詩乃。
「頭で勝利?そもそも、まぐれで勝つ姿勢ですよね?」

旗江。
「頭脳で勝負しようにも、立派な殺し合いなのですから。」
「もし負けたら、頭脳とか言っていた人間は滅びます。」
「自分の計算が完璧であると信じたいのですね。」

星詩乃。
「策略は、役に立たない場合もある。」

旗江。
「人間が、頭だとか言って、何でも計算で動かすのも。」
「人間らしい愚かな発想だと思いますけれどね。」

星詩乃。
「本当に計算通りになるかな?かな?」

理姫。
「それだけ自分の結論に誘導する作戦が巧みなのてすよ。」

光織。
「単なる結論の話なんですね?あれ?結論?」

詩叶。
「いくら狡猾でも、そいつの結論なのです。」

本実。
「結論を設定して、ひたすら誘導するのが知能犯?」

詩叶。
「頭がどうだとか、負けを知らない人の蒙昧。」

旗江。
「負けを知るようになると、頭で勝とうなんて。」
「馬鹿な真似はしなくなります。」

本実。
「それはクリティカルシンキングです。」

光織。
「卑しい者は大名と戦えば勝てると大言壮語した。」
「翌日。」
「卑しい者の家を。」
「三百人の足軽が取り囲んでいた。」

詩叶。
「卑しい者は、天に対戦を挑んだ。」
「しかし何も起こらない。」
「数日後、卑しい者は盗人に財布を取られた。」

旗江。
「尊い女性に、卑しい者が遠くから罵ろうとした。」
「尊い女性は、あの人の首が欲しいと家来に頼んだ。」
「卑しい者は、コレクションの一部になった。」

本実。
「行商が、自分は何にでも勝てると言い放った。」
「後ろから、通りすがりの騎兵が数名、行商を跳ね飛ばして。」
「去っていった。」

おしゃべりをしまくる六人組は。

日没前に解散。

制服姿のJK三人衆は。

年齢を問わない遊び場で。

中学時代に出会った。

かつての女子小学生で。

今は成長して、制服大好きの女子高生。

その高校を卒業したのが三人娘。

三人娘は、姉妹のような関係で。

半分は恋人という面白い構図。

何事もなく夜が過ごされて。

早朝から。

習い事。

農家にしては裕福なため。

学問への投資は余裕ですね。

旗江。
「自分の息子に叱ろうと、父親はふざけた。」
「父親が言うには。」
「こんな気持ちの悪い子供を作った覚えはない。」
「とのことだった。」

詩叶。
「息子は両親を罵った。」
「僕があなた方から生まれたなんて嘘だ!」
「誰が、こんな意気地なしで。」
「阿呆面をした不細工から生まれたなんて。」
「酷い嘘を言ったんだ!」

本実。
「行き当たりばったりな旅人の食料が尽きた。」
「旅人は近くで米を購入した。」
「しかし米で調理しようと河原に行った。」
「そうして日が暮れた。」

家庭教師。
「実学を知っていますか?」

旗江。
「現実にどんな影響が出るのか。」
「分かる教科のことですよね。」

詩叶。
「現実に影響が出たのが分かる教科ですね。」

家庭教師。
「読み書き、計算、地理、歴史、物理、経済、倫理。」
「実生活に役立つ知識のことです。」

本実。
「学校では実学を習いませんでした。」

家庭教師。
「学問は、教科書を読むだけではなく。」
「身についた知識を実際の現場で使い。」
「経験することでもあります。」

旗江。
「実際に使える学問ですね。」
「暗記するだけではなくて。」
「仕事や生活に適用できて。」
「生きていく上で、どこでも使用できる学問です。」

家庭教師。
「それが、実学というものです。」
「役に立たない勉強があるならば。」
「それは習うだけ害がある科目です。」

旗江。
「現実に影響しないばかりか。」
「現場でも使えない勉強があるならば。」
「そんなもの勉強するだけ無駄ですね。」

家庭教師。
「実学は、観察と推論という二つの基本があります。」
「観察、推論、読書によって。」
「誰かの考えではなくて、自分の考えを形成しますね。」

詩叶。
「学校教育で、そんなに高度なことは習いませんでした。」

家庭教師。
「可能ならば、他人と議論して、情報交換もしますね。」

本実。
「学校教育に誤りがあると、全体にも誤りが蔓延しそう。」

家庭教師。
「証明に成功した考えは、どこかで発表するものです。」

旗江。
「しかも判断にも、かなり影響を与えますね。」

家庭教師。
「信じるものは信じて。」
「疑わしいものは徹底して疑問を持ちます。」

本実。
「それで、私達は、実学を習っていたのですね。」

家庭教師。
「どれを採用して、どれを捨てるのか。」
「情報を選ぶ権利も得られます。」

詩叶。
「なるほど、とても合理的です。」

家庭教師。
「判断に欠けると、他人の考えに依存するようになり。」
「蓋然性が低いものまで簡単に信じてしまいます。」

旗江。
「他人の意見が自分の意見。」
「それって、自分の意見が無いんですよね。」

家庭教師。
「そして、他人から、どう見られるかに拘泥するのです。」

旗江。
「他人がなって欲しい人間に、なってしまう。」

家庭教師。
「上辺だけ何とかしても、不足している本人の能力は隠せませんし。」
「何も埋まったりはしません。」

本実。
「不足している能力は、あっさり露呈します。」

詩叶。
「演技で隠せるものではないです。」

家庭教師。
「実学では、人の活動は、大小、軽重、難易と区別されていて。」
「その立場で、習得するものが違います。」

旗江。
「立場や階級でも、だいぶ違いますよね。」

家庭教師。
「実学では、自由の意味を間違えないように警句があります。」

旗江。
「自由とは、起源で言えば、思いのまま、という意味ですからね。」

家庭教師。
「自由と我儘は別物です。」
「自由と我儘は、区別されるように教育を受けます。」

旗江。
「そもそも責任とは何ですか?」

本実。
「責任の所在は行方不明。」

詩叶。
「責任を無視して、効果のある責任だけが本物。」
「無視できる責任は、もはや責任ですらない。」

家庭教師。
「自由なら、独立しているという意味です。」

詩叶。
「学校教育では、実学が軽視されている雰囲気がありますね。」

家庭教師。
「現実に影響が出ない勉強や。」
「現場でも使えない勉強などは。」
「そもそも実学には分類されませんね。」

本実。
「私達は、実学を徹底しているので。」
「勉強とは対立してしまいます。」

旗江。
「勉強が、現実に影響が出ているのか。」
「現場で使えているかと言いますと。」
「疑問だらけで、とても怪しい。」

詩叶。
「実学が引き合いに出されないのなら。」
「それは学問でも勉強でもありません。」

旗江。
「ならば、学校がなって欲しい生徒に、なっているだけです。」

詩叶。
「教育をする側が、なって欲しい大人になるだけですね。」

本実。
「もちろん、教育の内容は、大人になると、全員が踏み倒します。」

旗江。
「学校で習った内容を、大人になって踏み倒しても。」
「罰則はありませんし、破壊するだけ得をしますね。」

本実。
「むしろ、学校教育の内容を大人になって。」
「踏み倒さない人間がおかしいのです。」

詩叶。
「社会は、そうした者達の中にあります。」
「子供の頃の教育を。」
「素早く更新するとか。」
「裏切らないと逆に危険です。」

旗江。
「子供の頃の教育を、速やかに放棄する必要があります。」

本実。
「従わなくても良いのに、それ以降も従う馬鹿はいません。」

旗江。
「実学は、大人になっても、個人において役に立ちます。」

本実。
「実学は、意外にも万能で、大人になっても生活に役立ちます。」

詩叶。
「知識の応用と経験が実学ですからね。」

旗江。
「逆説的に言えば。」
「教育が少しでも間違えれば、間違えた人間が生まれるだけです。」

詩叶。
「逆に言えば。」
「教育が誤っている場合を考えるものですね。」

家庭教師。
「彼らは、他人の言っている事ばかり信じて。」
「自分の考えていることはひとつも信じませんよ。」

旗江。
「自分の意見を信じませんし。」
「自分の意見よりも、他人の空理空論を信じていますね。」

家庭教師。
「もっと極端なものですと。」
「自分の意見よりも。」
「インターネットの情報の方を信じる人もいますね。」

旗江。
「自分で正否を選ぶのです。」
「他人の考えですら、自分で判断するのです。」

本実。
「つまりは、実学とはそういうものです。」

家庭教師。
「実学とは?福沢諭吉がまとめた学問です。」

二時間ほど。

習い事をして。

後は試験があり。

だいぶ練度が確保されていると伝えられて。

実学は、どうにかなりそうです。

家庭教師は立ち去ります。

報道で。

また速報。

功利主義者の集団が。

自分達の考える政治にしようと。

暴動を起こしています。

言いがかりみたいな暴動が。

二日で二回もあるという。

何がしたいのか分かりませんでした。

一部の暴徒は。

自分が被害者であり。

自分が被害者という理屈で。

相手が加害者であると罵っています。

旗江。
「偽善者の女性が持論を説いた。」
「周囲の人々は、娼婦になってくれと頼んだ。」
「偽善者の女性は逃げられなかった。」

詩叶。
「多く見たのは。」
「自分を被害者にすることによって。」
「自分は被害者だから何々であると名乗り。」
「依怙贔屓しろという主張でしたね。」

本実。
「そいつは、自分を被害者にしたいので。」
「被害者という優位を保ちたい。」
「そんな所でしょう。」

旗江。
「被害者と名乗れば、有利になれると思って。」
「自分は被害者だから、何かする他人が悪いんだ。」
「とか、詭弁を言います。」

詩叶。
「自分を被害者とすることで、何をやっても。」
「被害者だから許されるという、無理があるこじつけですね。」

本実。
「自分は被害者だから、他人は媚びなくてはならない、とか。」
「自分は被害者だから、自分が何かして他人が文句を言うのは。」
「他人が悪いから、なんていうこじつけです。」

旗江。
「そいつが被害者を名乗っている間は、言い逃れできますので。」
「責任や問題を追及しても、正当化するでしょう。」

詩叶。
「何の関係もない人にとっては、そいつが被害者だろうと。」
「知ったことではありませんし。」
「どうでもいいことです。」

本実。
「被害者と名乗れば、自分の問題をすべて他人に責任転嫁できると。」
「狙っているのですよ。」

旗江。
「自称被害者という立場を保ちたくて。」
「非難されても、言い逃れを繰り返すとか。」

本実。
「それは本人にとって必要だからです。」
「自分の問題を他人になすりつけて。」
「自分の問題から逃げられるからです。」

詩叶。
「しかし、被害者を名乗っても解決はしませんね。」

旗江。
「本人が問題なので、他人に責任転嫁しても。」
「徒労に終わります。」

本実。
「被害者の演技は、それなしでは自分を保てないので。」
「弱弱しく振舞っておきながら、高圧的で。」
「狡猾な上に、他人から責任者を選び出して。」
「処罰しようとしますね。」

詩叶。
「虐められたから何々とか言う理屈は。」
「虐められたという原因と。」
「その後の結果は切り離せるものですよ。」
「その後の事は何の関係もない。」

旗江。
「簡単に分離できる。」
「虐められたという原因と。」
「その後の結果ですからね。」
「これで、酷い目に遭ったから何々。」
「という構図は、切り離せましたね。」

本実。
「もはや、被害者を名乗れなくなったら。」
「その人は壊れると思います。」
「もっとも、自分の問題から逃げるために。」
「被害者という立場を悪用しますけれどね。」

詩叶。
「説得できませんよ、被害者という立場を利用して。」
「自分が問題という事態すら。」
「だって被害者だから。」
「なんていう理屈で逃げ続けます。」

旗江。
「とある町人が、元足軽に喧嘩を仕掛けた。」
「見事に返り討ちになった。」
「町人は、相手が悪人だから負けたと。」
「元足軽を罵った。」
「その後、その町人は、相手がいかに悪者で。」
「自分はその悪者に負けたから。」
「何にも悪くないと主張した。」

詩叶。
「自分が被害者だから、どんな暴力も許される。」
「なんていう暴論。」

本実。
「その被害者という名称が、何の役に立つのか。」
「疑わしい限りですが。」

旗江。
「そういう輩を見ていると。」
「被害者になるくらいなら、私は加害者になりましょう。」
「必要な残虐を、充分に検討しなかったことから生じた。」
「誤りがある。」

詩叶。
「人間は邪悪な存在であり、という所を置き忘れていますね。」

本実。
「人間というものは、非常に愚鈍であり、これも忘れています。」

余暇で何をしようか相談。

今日もお手伝いがありますが。

すぐに終わってしまうので。

そのうち。

一部の農園を任される予定です。

なんと。

農場は少し余っていて。

ギルドでも管理できない場所が出ているためです。

その土地に入って。

調べもの。

旗江。
「奴隷になった人がこう言っていた。」
「苦労はしなければならない。」

詩叶。
「卑しい者が。」
「武士に口論を仕掛けて。」
「斬られる前に言うには。」
「何事も経験だ。」

本実。
「とある僧侶は破門された。」
「破門された元僧侶が言うには。」
「これも試練に違いない!」

旗江。
「公開処刑される悪党が民衆を罵った。」
「お前らが悪党だ!いつかお前ら悪党を。」
「みんな殺してやる。」

詩叶。
「町人が、なぜ移動に馬を使わないのか尋ねられた。」
「町人が言うには。」
「人生、楽をしてはいけないからだ!」

本実。
「町人が馬車で移動する金持ちを見て言うには。」
「人生で楽をするのは良くない!」

旗江。
「宴会で金持ちがふざけた。」
「人生、楽をするのは良くありませんね。」

詩叶。
「博打で負けた町人が言うには。」
「人生、やっぱり経験ですなあ!」

本実。
「農民が凶作に陥った。」
「農民は田畑を見て言うには。」
「人生では、楽してはいけない!」

旗江。
「農民が苦労について説教された。」
「農民が言うには。」
「苦労なんてものでは生活できない。」
「とのことだった。」

詩叶。
「市場の娘が、苦労について人から言われた。」
「市場の娘が言うには。」
「その苦労とか言う奴で、暮らしては行けません。」

詩叶。
「町人の娘が、苦労について言われた。」
「町人の娘が言うには。」
「他所でやってください。」
「とのことだった。」

旗江。
「山賊が出没するという街道に進んでしまった。」
「行商が言うには。」
「行くぞ、苦難を超えていく!」
「たとえ、目の前に山賊が居ても!」

女性陣。

同類が集まるのは。

多くのものを必要としないため。

大きなものを望まない。

大きなものを求めても。

割に合わないからです。

実学でも。

官僚や公務員。

社会的成功のみを目標とするのは。

良くないものであると教えられます。

家系が元々、城主であったり。

役人であったり。

傭兵であったりなど。

いろいろあった系図なためか。

歴史を重要としている傾向にあります。

平気で韓非子の書籍や。

昔、どこにでもあった論語が。

今も、新装版を揃えて本棚に置いてあるほどです。

特に女性の教育は怠ったことがなく。

武芸も学問も出来る女性が親戚によくいますね。

ちなみに氏子で。

成人した男女は、地域のお宮を巡礼する習わしがあります。

これでも村社会を忌避しているのですね。

家に飾ってある色紙。

家訓。

人は本性において変わりやすいので。

彼らに一つの事を説得するのは容易だが。

彼らを説得した状態に留めておくのは困難である。

君主論「47」第六章。



2


農作業は万能にこなせますが。

一同は。

役割分担で。

天候観察や、気象予報士を兼ねたり。

機械の点検など。

地味な作業もやるのです。

農作業は、そこまで過酷ではありません。

体力があれば、続けるのは容易です。

専門学校に通ったので。

一同は、自立できるほど。

仕事が速くて。

もう終わり。

後は、同業者組合の取り分です。

幼い頃から自然を観察していて。

自然について膨大な情報を持っており。

創造論が、とても活用できていますね。

自然なら、とにかく慣れているのです。

小屋に入って。

休憩しています。

友達も参加しているのは。

同じ専門学校の卒業生なので。

今はお手伝いでも。

他に行きたい場所が無ければ。

やがては、雇用される予定です。

旗江。
「原因、女性だから。」
「結果、こうなる。」

詩叶。
「原因、女性なので。」
「結果、女性はこうなる。」

本実。
「この原因の女性だから。」
「結果はこうなる。」
「原因と結果は切り離せるので。」
「成立しているようで。」
「成立していません。」

旗江。
「原因、女性だから。」
「結果、原因に基づかない結果になった。」
「とか。」
「女性だからという原因で。」
「そのために結果は生じません。」

詩叶。
「女性だから何々という理屈は。」
「打ち破られたと思います。」

本実。
「原因として、女性だから。」
「そして原因と結果は分離できるので。」
「結果は、原因を無視したものになります。」

旗江。
「女性という原因と。」
「女性という結果は別々のものです。」
「まったく個別に考えるものを。」
「混同していますね。」

詩叶。
「原因が女性だから。」
「女性の結果があるというのは間違いですね。」

本実。
「原因と結果は必然からして。」
「別々のものですから。」
「原因、女性。」
「結果、女性特有のもの。」
「という考え方は間違いです。」

旗江。
「男性も同じですね。」
「原因、男性だから。」
「結果、男性特有のもの。」
「という構図も分解できます。」

詩叶。
「なぜ因果関係の通りにしなければならないのですか?」

本実。
「しかし、因果関係なんて無視できるのです。」

旗江。
「原因と結果を分解できるので。」
「女性だから何々とか。」
「男性だから何々。」
「とか言われているこじつけは無効です。」

本実。
「ただ、そう信じられているだけで。」
「実際に有るかどうか、疑問しかないですね。」

旗江。
「簡単に論説を打ち破れるのに。」
「なぜ信じたのか。」

本実。
「そう思いたいから?」

旗江。
「だと思います。」
「因果律なんて顧みずに。」
「一方的に叩き伏せてやれば良いのです。」

詩叶。
「因果律の虚偽を暴いて。」
「破壊してやりましょう。」

旗江。
「故意に因果律を攻撃する人は止められませんね。」

詩叶。
「無いほうが良いからですよ。」

旗江。
「それは断言できますね。」
「無いほうがましですから。」

本実。
「無ければ良いので、無くしてやるのです。」
「個人ならば、自分だけには可能ですからね。」

自然を観察しようと。

小川に入ったり。

池を調べたり。

森林を歩いたり。

荒地を移動したり。

小山を散策したりと。

自然については体験していて。

自然から得た体験談は役に立っています。

天文学も、ある程度は、学んでいるのです。

別の場所。

あの時に目撃した魔女。

遠く離れた。

都心部で。

魔女が工作をしている。

人間を試してみるようで。

劣った人間がどうするのか見たいようです。

劣っている人間を見つけて接近。

誘惑して仲間に入れました。

朝三暮四。
「さあ、悪平等の精神を注ぎ込んであげました。」
「これで、悪平等に基づいて、これを広めなさい。」

悪い人。
「おお!自分が解釈した平等を実行しても良いのですね!」

利他主義者。
「何が公平か、あなたが決めるのです。」

悪い人。
「ようし!手始めに、仲間に連絡しよう!」
「悪平等の社会に終止符を!」

功利主義者。
「たいした感情論で、親近感すら覚えますね。」

朝三暮四。
「人間の理性なんて簡単に失われますからね。」

利他主義者。
「なんだかんだ言って、感情論が人間の基本ですな。」

悪い人。
「喧嘩がしたい!理由は?そんなものどうでもいい!」

朝三暮四。
「争い事に、何の口実も設けないのですか?」

悪い人。
「人間は、争うものでしょ?」

功利主義者。
「争うと言っても、いろんな状況があるでしょ?」

悪い人。
「争いに理由なんて必要なんですか?」

利他主義者。
「あれま、天性の道化師だね!」

朝三暮四。
「あなたに、銃弾を少しだけ耐える黒服と。」
「思っているより強力な打撃が可能な。」
「杖をあげましょう。」

悪い人。
「これで、俺達は、何でも手に入る!」

朝三暮四。
「何をしますか?」
「都市に出てから。」
「だいぶ歩いていますが。」

悪い人。
「悪党を征伐しに、あそこに乗り込む。」

功利主義者。
「ああ、あれですか、証拠もないのに、よく人を攻撃できますね。」

悪い人。
「正面から飛び込んでやる!」
「今なら怖くない!」

大きな建物に飛び込んだ男性。

警備員を跳ね飛ばすと。

役人が奥にいて。

襲撃する。

男性が追いかけて。

役人が殴られた。

近くにいた従者が猟銃を取り出し。

発砲するも。

男性の黒服には効果が無い。

悪い人。
「一方的にやられる気分はどうだ!」

役人。
「なんだ?こいつは!」

良い人。
「誰だ、誰だか知らんが、お菓子は出ないぞ。」
「景気よく一万円を出すから、帰ってくれるかね。」

悪い人。
「自分でも知らない理由で、殺してやる。」

良い人。
「とすると、ゆすりか?物乞いか?どちらだ!」

従者。
「食らえ!乞食!いくら食品を揃えているからと言って!」
「狙うことはないよなあ!」

悪い人。
「短剣を食らった!黒服は・・・剣は防げないのか!?」

朝三暮四。
「あの?何の意味があって、襲撃したので?」

悪い人。
「噂では、私腹を肥やしている役人が居てだな?」

功利主義者。
「誰が言ったのですか?」

悪い人。
「とにかく、そういうことになっている!」

利他主義者。
「誰かの言っていることが、あなたの行動なんですね・・・。」

従者。
「お嬢さん!何しに来たんだ!」

朝三暮四。
「えーと?愚かな人間を見に来ました!」

従者。
「ならば仲間なんだな!短剣を食らえ!あれ?」

従者は刺したつもりが。

短剣がすり抜けてしまい。

従者が逆に出血した。

朝三暮四。
「人間に私が殺せますかね?」

利他主義者。
「だいぶわかりやすい行動に出ましたし。」
「次は誰を誘惑しましょうか。」

功利主義者。
「けっこう大惨事になっているので、飛んで去りましょう。」

瞬間移動して退場。

残った男性。

頑張って追い回すものの。

役人は、工具を取り出して反撃。

男性は役人に反撃されて仕留められた。

しばらく経過。

夜間。

朝三暮四。
「遠くで、戦争に反対する集団が暴走しているようです。」

利他主義者。
「丁度いい、からかってやりましょう。」

功利主義者。
「その後は、どうします?」

朝三暮四。
「どこかの山城にでも、住みましょう。」

平和運動をしているつもりが。

暴走して。

クロスボウを発射したり。

火炎瓶を投げたり。

投石したり。

殴りまくったり。

何でも繰り出す集団がいる。

朝三暮四。
「いでよ、異界の軍勢。」

功利主義者。
「数は、五百で。」

利他主義者。
「使いやすい兵隊です。」
「今は敵から略奪できますので。」
「まともに戦ってくれるでしょう。」

暴動の真ん中に。

異界の軍勢が出現。

殴打したり吹っ飛ばしたりして。

暴徒をかき乱す。

幻影のような蛮族は。

暴徒から散々に略奪する。

暴徒。
「なんだこいつ?クロスボウが効かないぞ!?」

悪しき人。
「火炎瓶も効かない!?」

劣っている人間。
「殴打しても、たいして効果がないぞ!?」

愚者。
「くそっ!自作の拳銃でも無理か!?」

群衆。
「俺の財布を奪われた!」

衆愚。
「なんだ?荷物を奪われた?」

雑魚。
「怪我人が出ているぞ!」

暴動は大混乱。

すぐに異界の軍勢は消えたので。

何に怯えているのかわからない状況。

現場は錯乱。

支離滅裂に陥った暴徒は。

周囲に破壊の限りを尽くし。

真ん中から崩壊。

散り散りになって終了した。

朝三暮四。
「平和運動と称して、暴力で解決するという矛盾。」

功利主義者。
「彼らの言う平和とは何ですか?」

利他主義者。
「自分で解釈した平和のためなら、どんな狼藉もするのですね。」

朝三暮四。
「彼らが暴力ばかりするので、勝てない相手を送り込んだら。」
「発狂しましたね。」

功利主義者。
「ここまで、平穏に生きれたことを、彼らは感謝して欲しいくらいです。」

利他主義者。
「見事に暴力が挫折して、倒されましたが。」
「我々は、もはや偽悪者ですかね。」

功利主義者。
「これに懲りて、群衆心理に訴えようなんて。」
「思わなくなると良いですね。」

朝三暮四。
「ひょっとして、彼らの言う平和とは、暴動という意味なのでは?」

一同。

山城に移動。

いつでも異界にも帰れますが。

しばらく滞在。

報道にて。

暴徒が二重に暴走したという速報が入り。

都会の惨状が出される。

農家のテレビにて。

旗江。
「また群集心理ですか、新作ですか。」

詩叶。
「群集心理を換言すれば、意味は集団ですからね。」

本実。
「集団が最も危険な思想を持っています。」

旗江。
「無秩序で、集まった、それだけのものですからね。」

本実。
「簡単に、数だけの勢いに頼っていて。」
「数だけで達成しようと必死になります。」

詩叶。
「あれでは、政権に言うこと聞かせようとすれば。」
「クーデターと構図が同じです。」

旗江。
「市民が政権に取って代わります。」
「みたいな態度です。」

詩叶。
「仮に、暴徒が成功すると、市民による政権が誕生します。」
「無論、ファシズムが原則ですけれどね。」

本実。
「民間人のファシズムくらい、治療して欲しいくらいです。」

旗江。
「人の行為に不正があると、怪しい現象が起きる。」
「あの群衆は、その通りになりましたし。」
「今時、ファシズムなんて流行りません。」

詩叶。
「暴動の悲願は、政権を従わせて、ファシズムをまかり通すことにあります。」

本実。
「新しいナチスなんて気持ち悪いので、見たくはないです。」

詩叶。
「全体主義とはああなりますよ、という事件ですね。」

旗江。
「集団とは全体主義者の集まりですからね。」

詩叶。
「全体主義者が集まるので、集団と呼ばれます。」

旗江。
「なんてつまらない集いでしょう。」

本実。
「つまらない人間が集まれば、ナチスと群集心理が合体します。」

旗江。
「見たくもない醜悪な形態。」

詩叶。
「一生懸命にファシズムなんてものに熱意を入れるのは。」
「だいぶ悪趣味です。」

テレビを消して農作業。

両親の感想。

政治なんてものよりも、田畑を耕して収穫する方が、利益になる。

暮らしていくことだけが、人生とは思えないが。

大きな問題がなく、生活できる以上、政治のせいにしたくはない。

とのこと。

あちこちの田畑や農園に移動しながら。

友達も加わってお手伝い。

これでも時間が余るので。

今日は木刀を使って稽古。

斬撃は九通りしかありません。

九通りの斬撃さえ習得すれば技は支障なし。

旗江。
「人差し指と親指は浮かせて。」

詩叶。
「片手で、木刀を持てるようになりました。」

本実。
「刀を片手で使うのが、剣術です。」

星詩乃。
「型通りの剣術は読まれますよね。」

光織。
「あの技さえ封じれば?と思われたら既に終わりです。」

理姫。
「指二本で、木刀を振り回せれば、基本は完成です。」

旗江。
「戦闘では、大柄でも小柄でも油断しないのです。」

詩叶。
「頭を使った頭脳戦も剣術の特徴ですね。」

本実。
「自分の計画に相手を乗せたり。」
「相手の出す手を伺ったり。」
「意外にも、頭脳戦でもありますね。」

旗江。
「無策で仕掛けませんし。」
「何か考えがあって、刀を構えるのです。」

星詩乃。
「臨機応変に戦えないと、やられますね。」

光織。
「敵の立場から、敵の状況を把握して。」
「弱点を討つこともありますね。」

理姫。
「剣術でフェイントも使われます。」
「相手を欺いた戦士が勝利する場合もあります。」

旗江。
「剣術はフェアプレイではありません。」
「自分も相手も、あらゆる攻撃を繰り出します。」

詩叶。
「剣術の心得は、剣術とはフェアプレーではない。」
「というものです、騙し討ちもあり、優劣も違います。」

本実。
「必ず対等な条件での戦闘にはなりません。」
「死んだ方が負けなのです。」

旗江。
「それに、各流派によくある。」
「特定のパターンを持つ剣術は、もはや剣術とは言えません。」
「人を斬る、敵を斬る、という刀から逸脱した。」
「競技のような剣技が目立ちますね。」

星詩乃。
「限られた中で、限られた敷地で、限られた規範で。」
「築かれた技術は偽物です。」

旗江。
「既に実戦を忘れていますからね。」

本実。
「霊剣思想も忘れている。」

詩叶。
「剣での勝利は、実の所。」
「器用だから勝てるとか。」
「刀を難なく扱えたとか。」
「相手が弱かったので勝てたとか。」
「極めているから勝利、というものではないそうです。」

光織。
「強いから勝てる、というのは剣術ではありませんね。」

理姫。
「達人だから勝てる、というものでもありません。」

旗江。
「たまたま連勝して歴史に残る場合もありますね。」

詩叶。
「相手の失敗によって勝利する実例はよくありますからね。」

旗江。
「敵の失敗が、自分の勝利に繋がる。」
「これが剣術の謎めいた勝利なのです。」

詩叶。
「五輪書を何冊、持っているのですか?」

光織。
「好奇心で、木刀を振るいましたが。」
「いつも発見があります。」

旗江。
「本場の剣術は、外国の剣術と試合をするので。」
「戦い慣れていますよ。」

詩叶。
「遠くまで出かけないと、本物には出会えません。」

理姫。
「だいぶ考察しましたね。」

星詩乃。
「やはり、勝った方が強いんですね。」

旗江。
「強いから勝つ、優れているから勝つ。」
「ではなくて、勝ったから強い。」
「勝ったから優れているのです。」

星詩乃。
「逆説的な考察が、剣術に迫れますね。」

夕日に照らされて。

時計を見る一同。

トロイヤ戦争末期。

半神半人のアキレウスが突撃すると。

敵の兵士が壁になってもなぎ倒されて。

アキレウスに接近すれば殺される。

トロイヤ側の兵士はそう察して逃げ。

王子ヘクトルが兵士の逃走を手助けしましたが。

王子ヘクトルは秒殺されました。

あの時の一騎当千は参考になります。

解散。

友達も親戚も帰ります。

夜の自宅。

古典の分析。

何か習得するものは、精読します。

旗江。
「イーリアスで騎士道を習いました。」
「武士には向いてないかも。」

母親。
「それが個性なら、何て卑屈を言うのですか。」

旗江。
「しかも、私は生まれつき、君子の素質があるようなので。」
「一生を学問に費やすでしょう。」

母親。
「あなたにしか分からない事ですからね。」

旗江。
「そうなんです、近場を散策しますね。」
「旅行なんて、自分を引き摺って、甲斐も無く帰ってくるだけですから。」

父親。
「旅費くらいなら、すぐに出せますよ。」

旗江。
「遠くには行かないと思います。」

父親。
「必要なら、いつでも出せますからね。」

旗江。
「あのまま都会にいたら、大変でした。」
「あの時は、都会しか見えていなかったので。」

父親。
「誘惑されたのでしょう。」

母親。
「女性は誘惑に弱いものですからね。」

従妹。
「人のせいにして解決しようとしているのと。」
「自衛のために人のせいにしている二つの姿勢。」
「似ているようで、まるで違います。」

旗江。
「心理学では、自衛のために人のせいにする。」
「というのが推奨されていますね。」

父親。
「そうしなければ、負う必要のない責任まで。」
「あなたが負わされます。」
「欧米では、謝罪すると。」
「それを利用して、訴訟を起こされて。」
「相手が有利になります。」

母親。
「人を信じたくない人もいるという。」
「現実も、人ならば、容認するものです。」
「社会では、人を信じたくない人も大勢いるものです。」

旗江。
「人を信じたくないのに、信じることを強要するのは。」
「寛容ではありません。」

かつて、居心地の良い場所を捨てようと。

都会に出発しましたが。

親戚に諫められて。

戻ってきました。

田舎は平和なのですから。

都会のような豊かで、危険な場所には。

もう戻りたくありません。

諫められて無理に帰還したので。

地域の都市は、平和そのものです。

近況をお宮に報告。

こんな平和な世界があるの?

これまで見て来たものは偽り?

大都市に突進して、イソップ童話の通りであると。

教えられた世界を体験。

その後。

都会から帰って来た時に。

私が発した言葉は。

なんですか?この平和な景色は?

というものでした。


3


客観的な事実なんてない。

あるのは一人一人の解釈だけ。

とある日。

早朝に問い詰められる。

作業開始前の時間。

重機や農具が入った拠点で。

その時は誰もいない場所で。

詩叶。
「あなたは、何があっても、前にあったことみたいな。」
「そんな態度で、妙に落ち着いている雰囲気ですね。」

旗江。
「そうですか?」

詩叶。
「何度も見ているかのように、何も興味を示さない。」
「妙な無関心がありますね。」

旗江。
「そうですかね?」

詩叶。
「まるで、前から、ここはこうなる。」
「なんて知っていたかのような。」
「妙な態度で、取り組みますね。」

旗江。
「そうですかな?」

詩叶。
「次はこうなる、とか。」
「前から分かっていたような態度が散見されます。」
「最初から、次に何があるのか、分かっているような。」
「奇妙な予知を持っていますね。」

旗江。
「詮索が好きなら、からかってやりますが。」

詩叶。
「しかも、それが現れても、起きても。」
「またか、みたいな表情で。」
「うんざりするような、何度も繰り返されているような。」
「そんな嫌味な表情がよくあります。」

旗江。
「私が否定すれば、あなたも否定してくれるのかな?」

詩叶。
「最初から、そうなるって、さっきあったことのように。」
「またか、という顔をしますね。」

旗江。
「それは聞かない方がよろしい。」

詩叶。
「何が起こっても、最初から、そうなるって。」
「分かっているような、まるで。」
「前に体験したことのように。」
「現れたものに対処しますね。」

旗江。
「知らない方が幸せだと思います。」

そのまま立ち去る。

問い詰められるのも知っていたかのように。

何が起きても、何が現れても。

最初から、そうなると、知っていたかのように。

本人しか知らない、人間が聞いてはいけない秘密。

田畑にて。

計画を練る。

時間に余裕があるとわかり。

少し遊んでいる。

旗江。
「自然科学で名乗る事実も否定されるほどです。」

本実。
「科学で証明されて、これが事実である。」
「なんて言ったとしても。」
「科学に興味のない人にとっては。」
「何の事実でもありません。」

旗江。
「科学が嫌いな人に事実であると名乗っても。」
「単に煙たいだけで。」
「うんざりするだけです。」

本実。
「当事者しか、それを事実であるとは言いません。」
「関係の無い人にとっては。」
「それが事実であろうと、意味がありません。」
「こんなにあっさり、事実は否定されます。」

旗江。
「さらに言えば、哲学ですら。」
「興味のない人にとっては。」
「事実にならない場合もあります。」

本実。
「試しに、これが事実であると。」
「人前で話せば、いかに事実が存在しないか。」
「思い知ることになります。」

旗江。
「渋谷交差点で、事実を力説しても。」
「誰も立ち止まりません。」
「無視です。」
「なのに、事実なんてある訳が無いのです。」

本実。
「渋谷で、事実を説いても無視されるのは。」
「通行人にとって、それが事実ではないからです。」

旗江。
「実際にやってみればよろしいのにね。」
「事実なんて否定されて終わります。」

本実。
「当事者以外に事実を言っても通用しないのは。」
「事実には、上限があるからですね。」

旗江。
「事実には限界があるのです。」

本実。
「事実を疑わないので、欺かれるのです。」

旗江。
「私は事実に不信感ばかりあります。」

本実。
「無関心な人に、事実を説いても、無視されますからね。」

旗江。
「世間で通用しない事実そのものを疑わないのは。」
「ある意味で馬鹿です。」

本実。
「最近、政治に関心が集まっているようですが。」
「人民が支配者の一部でも変えようとすると。」
「混乱が生じます。」

旗江。
「そもそも、政治を変えようなんて市民が思うからです。」

本実。
「政治に関わるのは、歴史書を読めば分かる通り。」
「かなり危険です。」

旗江。
「指導者になったりして、殺された実例も豊富です。」

本実。
「マキャヴェリの時代。」
「実権を握った修道士でさえも。」
「最後には異端として処刑された。」
「政治になんて参加すれば。」
「そのような危険は常にあります。」
「マキャヴェリは大統領の秘書官だったので。」
「解雇される程度で済んでいます。」

旗江。
「政治が良くなると思い込んで。」
「後で悪くなったと、思い知ることになる。」

本実。
「自分の中の事実は、他所では無意味という問答です。」

旗江。
「自分なりの事実が、本当は、他所では通用しない。」
「という問答です。」

本実。
「便宜上、事実という名称が使われているだけですね。」

遊んでいるほど余裕な農作業。

別の場所。

そんなに遠くない。

小山の周辺。

箒に乗って。

拠点になる山城に到着する魔女一行。

廃屋の集落をあっという間に改装して。

一軒だけ復元。

くつろぐ。

フクロウが飛んでくる。

フクロウは着地。

何かを知らせる。

朝三暮四。
「何者かが、私達を追いかけていますけれど。」

利他主義者。
「なんて無謀な、殺されたいのかしら。」

功利主義者。
「望み通りにしてやりましょう。」

朝三暮四。
「どうやって追跡したのかしら。」

功利主義者。
「最近、無人機が売られていて。」
「使い捨てにして、追跡をしているみたいよ。」

朝三暮四。
「私達に挑もうなんて、死んでからも、痛めつけてあげるわ。」

利他主義者。
「冥府まで行くのですか?あそこは管轄外ですよ?」

朝三暮四。
「死体をどう扱おうが、勝手でしょ。」

功利主義者。
「もうすぐ、集落に来ますね。」
「刃物を持っているようですし。」
「人間にしては、強い方です。」

集落に自動車が来て。

刃物を持った男性が出てくる。

辺りを見回すと。

屋根の上に少女がいるのを見て。

正義マン。
「よくも!あれだけの人間を殺したな!」

朝三暮四。
「死んだとか、殺したとか、そんなに特別なことですか?」

利他主義者。
「世界大戦の時に、その台詞を言いなさいよ。」

功利主義者。
「まさか!?怒りに任せて、そんな無謀な戦闘を!?」

正義マン。
「降りて来い!仕留めて、新聞に載せてやる!」

朝三暮四。
「面倒くさいですね、殺されたくなかったら、立ち去りなさい。」

功利主義者。
「逃げるのなら、いまのうちですよ。」

正義マン。
「とんでもない奴だ!人を殺して!人生まで奪って!」

利他主義者。
「人生ですって?そんな安い言葉で、世界が説明できるとでも?」

朝三暮四。
「人生ばかり言えば言うほど、人生って安いですね。」

正義マン。
「なんて悪党だ!成敗してやる!」

朝三暮四。
「相手に悪とか言う名称をつければ、勝利できるなんて。」
「論証だと思われますが。」

利他主義者。
「悪という名称をつければ、何でもありなのですか?」

功利主義者。
「理解できない、愚か過ぎます。」

正義マン。
「人間の無念を思い知れ!」

功利主義者。
「どうします?追い払います?」

利他主義者。
「警告はしたのに、死にたいみたい。」

朝三暮四。
「それでは、求めている通りに。」

正義マン。
「お前らは!いけない奴だ!」

朝三暮四。
「死人は?みつかない。」
「とか言いますよね。」

正義マン。
「僕達の正しい世界のために!」
「僕達は正しいんだ!」

男性が斬られた。

鮮血。

やや浅い。

手加減した攻撃。

遠く離れた所から。

瞬間移動して。

数か所に切り傷を負わせて。

男性が発狂する。

正義マン。
「うわあああ!負けてはいけない!」
「必ず勝たなくてはならない!」
「みんなの無念が!」
「俺がやられたら!無駄死にが!?」

朝三暮四。
「致命傷ですね。」
「放置しましょう、すぐに死にますから。」

功利主義者。
「冥府に、ゲストが来ると、知らせないと。」

利他主義者。
「私刑と称して戦いを仕掛けるなんて。」
「それで、ああなるんですもの、見苦しい。」

功利主義者。
「あれでも、弱者がどう勝つか考えた結果でしょうね。」

朝三暮四。
「その努力は認めてあげましょう。」
「結果が、たとえ、惨めでも。」

正義マン。
「僕は!みんなのために!」
「みんなのために勝つんだ!」
「うわああああ!」

男性が発狂して刃物を振り回すも。

刃物は既に折られていて。

使えない。

男性は、自動車に乗り込んで。

走り去るも。

出血によって。

止血できずに長い時間が経過。

途中で死亡して、崖から転落した。

朝三暮四。
「魔法の鏡で、あの女性ですが、秘密を知ったようです。」

功利主義者。
「何度でも繰り返すものの、記憶が消えているような感覚がする。」
「かつて見たもの、それに気づいた。」

利他主義者。
「そそのかして、偽預言者にしましょうか?」

朝三暮四。
「いいえ、あの女性は、それを使って。」
「人間を超えて、むしろ人間を貶め。」
「やがて人間から離れるわ。」

功利主義者。
「人間を見限って、きっと距離を置くようになると思います。」

朝三暮四。
「人間が嫌いな人間、それは人間ではないですね。」

利他主義者。
「故意に人間が嫌いならば、本当に人間?」

朝三暮四。
「明日、見に行きましょう。」

翌日。

いつもの通りに支度をしていると。

拠点で。

魔女一同。

朝三暮四。
「久しぶりです、道案内が助かりましたよ。」

旗江。
「その年で旅行なんて、大胆ですなあ。」

功利主義者。
「いつも、危険を潜り抜けて。」
「慣れてしまえば、少女でも、旅行は簡単ですね。」

利他主義者。
「少女の単独行動は珍しいですか?」
「今時、こうして集いで動いてる少女なら、大勢いるでしょう。」

旗江。
「えーと?何か用事でも?」
「告白でもしたいの?」
「年下は歓迎しますよ?」

朝三暮四。
「折り畳み式の小さな鏡をあげたくて。」

功利主義者。
「私からは、髪飾りを。」

利他主義者。
「私からは、腕時計を。」

旗江。
「こんなに高級品を?どこのお嬢様で?」
「しかも告白ですか!?」

功利主義者。
「まあそんな所です。」

朝三暮四。
「鏡は、反転した世界をすべて映し出します。」
「それで風景など覗きませんように。」

功利主義者。
「髪飾りは、あなたからいろんなものを引き出します。」

利他主義者。
「腕時計は、時々、とんでもない動きをするでしょう。」
「それなのに、正確無比なのです。」

旗江。
「なんだか、仕掛けがあるんですね。」
「どうしよう?」
「三人も一緒に好きにできない。」

朝三暮四。
「私達は、それを持っているあなたがいるだけで満足です。」

利他主義者。
「日用品でもありますから、使ってくれるだけで満足です。」

功利主義者。
「私達がそんなに好きになってくれるとは。」
「道具を活用してくださいね。」

旗江。
「この想い、受け取りました。」

朝三暮四。
「おや?前に送った手紙ですが、もう奪い合いがありますね。」

利他主義者。
「私もです、どうやら、品物を巡って、乱戦ですね。」

功利主義者。
「金庫に入れたのですが、金塊が移動を続けています。」

旗江。
「何か事業でもやっているのですか?」

朝三暮四。
「まあそんな所です。」

利他主義者。
「それでは、私達は旅を続けます。」

功利主義者。
「私達の一部を持って遂行してくださいね。」

魔女は立ち去る。

贈り物は不思議な雰囲気。

これを鞄にしまうと。

農作業に出かけます。

みんなと合流。

最近は農業チームが結成されて。

卒業生が揃って体験に来ているほどですが。

仕事は取られないように工夫されています。

最近やっているのは。

現場に参加する訓練なのです。

帰宅して。

小さな鏡を取り出して。

背後の絵画が反転してしまい。

見てはいけないものが見えてしまい。

夕方になる前に。

公園を鏡の反射で見ますと。

雰囲気が別物で、これまた見てはいけないので。

やめました。

旗江。
「映り込む物の全てが別物のように。」
「まるで違う世界のように見える。」

従妹。
「あれが女性の青春という奴ですか。」

旗江。
「学校から帰って来たの?」
「男の子に、こんな贈り物されたことある?」

従妹。
「これから、贈り物をされるんですよ!」
「私は予約されているんですからね!」

髪飾りをつけると、インスピレーションが鋭くなり。

外すと、元に戻ります。

腕時計は、協定世界時を示しています。

旗江。
「景色は同じなのに、様々な要素が激変しています。」

従妹。
「女の子に告白されたとか?」

旗江。
「みんなで一緒に寝るとか、無理でしょ?」

従妹。
「部屋が狭いし、布団も広くないからね。」
「女の子なら、反対しません。」

旗江。
「あなたの予約も、女の子なんじゃない?」

従妹。
「そうであっても、おかしくはありません。」
「そういう気配がするんです。」
「なぜか、予約が入っている気がするのです。」

旗江。
「私は、記憶だけ無くして、同じ人生を送っているような。」
「そんな気配しか、しません。」

従妹。
「あなたは詩人なんですよ。」

外は災難の気配が漂っています。

なぜか。

海外で戦争の報道が相次ぎ。

国内でも。

なにがしたいのか分からない連中が暴れています。

他人から、あんたらなにしに来たの?

とかよく言われる。

突然発生する暴動ですね。

自分がなって欲しい世界にしようと。

頑張っているようですが。

報道からは、冷笑されていますし。

彼らの周辺くらいしか、支持者はいません。

話題の全体主義者は暴走中です。

誰もが認める正しいことなんて一つもない。


4


山城の隣にある集落。

魔女一同。

魔法陣を広げて。

密談。

朝三暮四。
「正しいとされた者が滅び。」
「非道とされた者が栄えるのは。」
「それも摂理。」

功利主義者。
「正しいだけでは排除される。」
「それすらも摂理なのです。」

利他主義者。
「誠実だけが打開できる訳ではない。」
「徹底した悪巧みすらも打開にはならない。」
「それらも摂理。」

朝三暮四。
「異界から化け物を召喚しましたが。」
「悪戯には最適ですね。」

利他主義者。
「人間の相手は、化け物が務めるのが理想ですからね。」

功利主義者。
「完璧と言われないと気が済まない。」
「人間には相応しい悪戯ですなあ。」

別の場所。

自宅にて。

書庫にある歴史書を読み漁るうちに。

自分の力は知っていても。

他の人の力は知らない事態に陥る。

ずっと疑問に思いつつ。

人間を観察したり。

日々の業務に取り組む。

旗江。
「ルネサンス時代に。」
「チェーザレ・ボルジアという勇将がいて。」
「父親が聖王で。」
「チェーザレ公はその息子です。」

詩叶。
「聖王は比喩です。」
「省略していますね。」

旗江。
「ロマーニャ地方を平定したのですが。」
「傭兵隊長として使われていたのが。」
「その土地の元君主で。」
「傭兵隊長(元君主)は揃って反乱を起こしました。」
「平定した土地は元々。」
「殺人や強盗から強姦まで、どんな犯罪も見逃す。」
「無法地帯で。」
「その無法地帯の復帰を。」
「ロマーニャ地方の元君主は目論んで。」
「反乱を起こしたのです。」

本実。
「勝手放題をずっと続けるために。」
「それの復権を訴えた。」
「欲望の限りをしていた土地に。」
「秩序と平和がもたらされたので。」
「その秩序と平和を嫌ったのです。」

旗江。
「一時的にオルコという、とんでもない。」
「威力を持つ行政長官を使って。」
「強引に犯罪を取り締まらせていました。」
「一応、秩序は保たれたのに。」
「オルコに圧迫されて。」
「反乱に繋がります。」

本実。
「とても高圧的で、乱暴な行政長官は。」
「信じられないほどの犯罪を取り締まって。」
「誰も止められなかったようです。」
「それで、不満を募らせて、反抗した。」

旗江。
「最初は不利なチェーザレ公でしたが。」
「悠然としていて。」
「自分の勝利を宣伝していました。」
「その後、本当に余裕で挽回します。」
「反乱軍の足並みが乱れて。」
「チェーザレ公を何とかした所で。」
「父親の聖王がロマーニャ地方の統治を認める訳が無いので。」
「敵から和睦が出されます。」

詩叶。
「よく考えもなしに、反乱を起こした。」
「元君主の軍団なんですね。」

旗江。
「いきなりオルコを処刑して。」
「ルイ王から借りていた兵士を帰還させ。」
「反乱軍は許されたと思い込み。」
「反乱軍は元々の無法地帯が復活すると喜びました。」
「そして、無法地帯の復活を夢見て。」
「チェーザレ公に会って歓迎されて。」
「和睦を結びますが。」
「集まった首謀者は、夜間に、全員が殺されました。」
「チェーザレ公に謀殺されて。」
「ロマーニャ地方は再び平定されました。」

詩叶。
「元君主や首謀者は残らず殺されて。」
「戦争の仕上げになりましたね。」

本実。
「反乱軍もオルコも居なくなって。」
「市民は大喜び。」
「秩序も平和も復活して、良い所しかない。」

旗江。
「イタリア統一を目指すチェーザレ公ですが。」
「父親の聖王が急死してしまい。」
「後ろ盾を失いました。」
「チェーザレ公も同じ病で倒れます。」
「しかも。」
「事前に父親と対立していた因縁の候補を。」
「支援していましたが。」
「怨恨を利益で帳消しにできる訳がなく。」
「狡猾な根回しのせいで。」
「怨恨による裏切りで。」
「攻め込まれて。」
「病で指揮を取れずに捕らえられて。」
「イタリアから追放されて、すぐに死去。」
「英雄に匹敵するのに。」
「惜しくも英雄になれなかったという。」
「惜しい勇将です。」

詩叶。
「あと一歩で伝説になっていましたね。」

本実。
「その方法が手っ取り早く解決するのですしね。」

旗江。
「根回しのやり過ぎで破滅したのは残念です。」

詩叶。
「根回しで、敵対する人間まで仲間に入れて。」
「過去の怨恨が、それでも解消できず。」
「あっさり裏切られるという結末です。」

本実。
「病気で動けずに、倒されるのは、なんかせこい。」

旗江。
「美しい勝利ではありませんけれどね。」

詩叶。
「自然まで味方にする父親の次の聖王の脅威。」

旗江。
「マキアヴェッリの君主論は。」
「中世において危険とされて。」
「権謀術数書になっていました。」
「マキャベリズムとも言われて。」
「悪逆非道と呼ばれましたが。」
「ヘーゲルが再評価したのをきっかけに。」
「普遍的な流通が開始されて。」
「よくある教養の書籍に至ります。」

本実。
「メディチ家の復権をフィレンツェ共和国に要求して。」
「戦闘で敗北。」
「大統領が逃亡したので。」
「政権交代。」

詩叶。
「元々はジュリアーノという君主に向けた。」
「自薦状だったのです。」
「つまりは、政権交代で解雇され。」
「木こりの監督になっている時に。」
「何とか政界に復帰しようと。」
「メディチ家に買ってもらうために。」
「執筆された自伝です。」

旗江。
「君主論はかなり。」
「経験からの教えが特徴で。」
「政変や事件や戦争からの教訓を。」
「大量に取り入れています。」
「実例から執筆していたのです。」
「マキアヴェッリの実家には。」
「歴史書などが豊富で。」
「マキアヴェッリにもかなりの教養がありましたので。」
「官僚になって桁違いに優秀で。」
「各地に派遣されて。」
「外交や政務に従事した経験から。」
「君主論は書かれているのです。」
「その時代のイタリアは。」
「大小の国家に分かれた乱世であり。」
「何でも激変する時代でもあったので。」
「マキアヴェッリは必要なので執筆したという。」
「歴史が生み出した古典とも言えます。」

詩叶。
「ちなみに私はマキャベリズムの支持者です。」
「私のやり方は、マキャベリズムに酷似していますし。」
「安定した形態で、慣れている、残虐行為など。」
「手段を問わないやり方は。」
「どう見てもマキャベリズムです。」

旗江。
「手段を無視するのはマキャベリズム特有のものですね。」
「道徳を無視するのもそれです。」
「私も明らかに、道徳を見ると攻撃を加えます。」
「道徳とは敵対しがちです。」

本実。
「道徳の言い分は通しません。」
「美徳ですら、悪徳とは切り離せません。」
「そこまで複雑な技術が必要なほど。」
「現実は多重構造なのですよ。」

旗江。
「大人気なビデオゲームで、地底世界の虐殺がありますが。」
「虐殺という命題も人気です、あの起源は。」
「どうもマキャベリズムにありますね。」

詩叶。
「遂にビデオゲームに採用されるなど。」
「手段なんて、もはや無意味な議論なのです。」

旗江。
「子供の頃からマキャベリズムを持っていたような。」
「馴染みのあるもので。」
「何の違和感も無く。」
「自然に扱えます。」
「古代中国でも、実権を握ったら。」
「邪魔者はみんな排除するという教えがあります。」

本実。
「道徳だけに大きな顔をさせてたまるか。」

旗江。
「元々は君主に向けた経験の教えが。」
「個人にも。」
「社会にも企業にも。」
「指導者にも。」
「特にリーダーには当てはまり。」
「どこでも適用できるほどの万能です。」

本実。
「個人が用いた場合が、最も威力を発揮します。」

詩叶。
「対人間用の戦術としては最高のものです。」

旗江。
「人間対策には、最も効力のある教えですね。」

本実。
「対人間用の戦術は、これで決まりです。」

報道では。

大きな鳥が暴れているとのこと。

猟友会が射殺しようとしても。

逃げられたり。

襲い掛かってきて返り討ちになったり。

化け物として有名になりつつあります。

鉄砲が、あまり効果が無いので。

未だに仕留められないようです。

やや距離がある山岳地帯で発生中。

農業にて。

業務連絡。

連携が取れていない部分があり。

お互いに確認しています。

旗江。
「戦闘機のパイロットは特に。」
「味方との無線連絡で。」
「少しでも不明な点は。」
「繰り返し確認します。」
「細かい所も繰り返し確認しますね。」
「僚機との連携が必須なので。」
「間違いが出ないように。」
「執拗に確認をします。」
「しかも、現場では、連絡の頻度も高いもので。」
「通信が、頻繁に行われます。」
「民間人も見習うべきです。」
「ろくに確認もせずに。」
「連携が取れないなんて。」
「素人と言われても反論の余地はありません。」
「一方的な意思疎通なんて夢想に過ぎず。」
「相手が、常に同じ情報を共有しているなんて。」
「思わないでください。」
「片方が連絡を怠れば。」
「共倒れが待っています。」
「片方が一方的な意思疎通で済むと思えば。」
「あっさり共倒れになりますよ。」

詩叶。
「相手の言葉を証拠に取るせいですね。」
「言葉は、証拠能力に乏しいものです。」
「相手の言葉を証拠に取れば。」
「証拠能力のない言説が積み上がります。」

本実。
「言葉を証拠に取って。」
「そう言ったから証拠になって証明されたなんて。」
「でたらめな理屈が通じる訳がありません。」

旗江。
「言葉では何の証明もできないものです。」
「言説なんて証拠にできないと考えています。」

本実。
「やたらに、根拠もなく、言葉に証拠能力があると思うので。」
「同じ失敗を続けるのですね。」

詩叶。
「基本、相手の行動を見るのです。」
「言葉と行動が一致しているほど良いに決まっていますが。」
「実際は無理です。」

旗江。
「アメリカで、不審な航空機は。」
「たとえ民間機でも。」
「戦闘機に追跡されることもあります。」
「確認も取れない行為は危険なのですね。」

詩叶。
「矛盾する言動は非難されるものです。」
「確認もせずに意思疎通が取れているのかは。」
「判定しませんね。」

旗江。
「軍事無線の一部は公開されていたり。」
「大事件の通信も公開されていたり。」
「資料にはなりますが。」
「軍人の合理的な思考には。」
「いつも感激しています。」

本実。
「不合理な思考を持っている人間で。」
「稚拙ではない人間は見たことがない。」

旗江。
「合理性は大人の証拠ですね。」

連絡のついでに雑談。

のんびりやっている大農園は。

従事している人も穏やかですね。

時間がまた余って。

事務所のテレビをつけると。

報道。

大きな鳥は移動を開始。

かなり高速で移動しています。

それに備えて。

昔の弩を用意しておきました。

弩はクロスボウの大型のもので。

古代に使われた弓矢の一種です。

もしもの時のために。

倉庫によく置いてある奴です。

旗江。
「宿命論みたいな災難は。」
「何もしなかった場合のみ。」
「直撃を受ける。」

詩叶。
「何の対策も対処もしないのなら。」
「直撃を受けて射抜かれます。」

本実。
「直撃を受けたら、倒されます。」
「避けるには、事前に、何でも繰り出している必要があります。」

旗江。
「宿命論みたいなものを放置するので。」
「いろいろな方向から何でも食らうのです。」

詩叶。
「それは避けられるものではあります。」

旗江。
「災難とは、常に油断するまで待っているものですからね。」

詩叶。
「油断していたから、ではなくて。」
「機会を伺っていて、ある時に、直撃を受けるのです。」

旗江。
「別に倒せない相手でもないのですし。」

本実。
「そうやって、宿命論みたいな災難に防御しておかないと。」
「倒せる相手も倒せません。」

旗江。
「倒せるくらいの貧弱な相手に、不意討ちで負けるのは。」
「惨敗の中でも傑作です。」

すぐ近くにある。

農場に徒歩で移動。

リンゴやみかんなどを栽培する。

別の農場に習いに行きましたが。

何だか、違和感があります。

旗江。
「何か怪しい気配がします。」

従妹。
「野生動物なんて、この辺りには。」
「そんなにいませんよ。」

詩叶。
「そう言えば鳥が一羽もいませんね。」

本実。
「周辺が静かで、虫もいませんよ。」

親戚。
「熊がいる場所は、鳥や虫も。」
「姿を消すという話もありますからね。」

従妹。
「熊でもいるのかな?」

旗江。
「一応、武器はありますけれどね。」

詩叶。
「無理に開拓した場所ではありませんし。」
「野生動物が蔓延るのなら。」
「密かに殺して埋めましょうよ。」

本実。
「迷惑なら、野生動物は。」
「さっさと殺して消すに限りますよ。」

従妹。
「しかし、何か動物とは違う気配がします。」

旗江。
「何か、特殊な動物でもいるのかな?」

ふと農場を見ますと。

果物の木の実を食べている。

例の巨大な鳥を目撃しまして。

旗江。
「木の実に夢中ですね。」

詩叶。
「ああいう動物に遠慮はいりません。」
「みんな殺してしまえば解決しますからね。」

本実。
「人間のために動物は死んでしまえ。」

親戚。
「やや大きいですね?」

従妹。
「かなり巨大な鳥ですね?」

旗江。
「隼の三倍以上の大きさですね?」

詩叶。
「あれはもはや、動物とは呼べませんね。」

本実。
「あんな化け物の、どこが動物ですか?」

従妹。
「ああいうのは、簡単には殺せませんよ。」

弩を取り出し。

接近してから。

弩から弓矢を発射。

巨大な鳥に直撃して。

鳥は悲鳴を上げて逃げ出しました。

鳥の体を貫いたのです。

旗江。
「当たったけれど、一撃では無理ですね。」

詩叶。
「人間を苦戦させる動物は、既に動物を逸脱した存在ですね。」

本実。
「そもそも、武器があれば、動物なんてあっさり殺せます。」

従妹。
「野生動物も、人間が、きちんと管理しないとだめでしょ。」

親戚。
「化け物は、対象に入らないと思います。」

追い払った。

鳥は後日、弱っている所を射殺されました。

その夜。

農場に侵入者。

どこの誰だか知りませんが。

物色していました。

宝物庫と書かれた扉がありますが。

侵入者が思いっきり入ろうとすると。

その先が行き止まりで。

激しく壁に衝突。

偽物の扉で転倒。

泥棒。
「どわー!」

馬鹿。
「おおおおおおお!?」

続いて本物の金庫かと思いきや。

囮の中身は空っぽで。

これを開けるのに時間をかけてしまった侵入者。

防犯カメラが旋回する方式なので。

正体が露呈して。

対立する組合の人間だったのですね。

地下室に侵入者は移動しますが。

そこは扉がオートロック式で。

入ったら最後です。

そこに重要な品物を隠していますが。

特定の操作をしないと。

入ってきたら出られないのです。

泥棒。
「やってくれるぜ、好敵手!」

馬鹿。
「そんな!なぜだ!」

侵入者は出られないことに気が付いて。

通報されて御用になりました。

翌日は休息。

親戚の子供が実習に来る上に。

一通りの作業が完了しているので。

来てもすることがないそうです。

市街地を出歩いてみました。

旗江。
「人が悪事をするのは、その人が良くないのではなくて。」
「はっきり言えば、弱いから、悪事に寄って行くのです。」

詩叶。
「それは、民衆がよく陥る。」
「個人の主体性を失った状態で、頻繁に発生しますね。」

本実。
「快楽は、外側からの取得という原則があります。」
「なので、外側からの取得に失敗すれば。」
「個人の主体性も失って。」
「弱さも露呈します。」

旗江。
「自分についての物事は、何でも選べるのですし。」
「選択の余地を、他に委ねるのは。」
「良くありませんね。」

詩叶。
「自分の内側については、特に、何でも自由になりますし。」
「どうにでもできるものです。」
「快楽は外部に依存するので。」
「どうしても、取得に失敗することがありますし。」
「快楽だけ追い求めて、選択の余地を失うことはあります。」

本実。
「生き方にも、かなりの種類がありますので。」
「けっこう、自分の好きな生き方は、見つけられますからね。」

旗江。
「すぐに自分の生き方を確立して、肯定できれば。」
「ある程度の絶望からは逃れられますね。」

本実。
「絶望と言いましても、安直な解釈ではなくて。」
「内容は、かなり複雑で、しかもありふれたものでもあります。」

詩叶。
「快楽に走る人は、絶望を紛らわすために。」
「行動していることが多いものですね。」

旗江。
「そうした自分を否定することが、何かの一歩になりますよ。」

近くにいる親戚のおばさん。

けっこうな鳥使い。

インコや九官鳥を飼っている家に遊びに行き。

カワラバトまでいるのです。

触ったり、肩に乗ってくるので戯れたり。

知り合いのおばさんが九官鳥と会話したりと。

ちなみに、柴犬の上に乗ったりするインコ達は。

揃って仲が良いものです。

紐をつけて外を散歩することもあるそうですが。

飼い主を親だと思っているので。

逃げようとはしません。

カワラバトは掴んでも気にしないので。

けっこう触ったりして。

お茶とお菓子で、暇なおばさんは大歓迎でしたね。

JK三人衆が来まして。

合流です。

旗江。
「弁証法によって、命題が生じては。」
「融合して解決を繰り返しています。」

詩叶。
「哲学の偉人であるヘーゲルは大人気で。」
「時代を占拠した有名人。」
「生きている間に公正な評価をされた人物です。」

本実。
「雑談の中にヘーゲルの弁証法を採用するのです。」
「アリストテレスの弁証法とは。」
「少し異なります。」
「あれは、著作の形而上学で理解できます。」

星詩乃。
「自分でも無自覚な自分について?」

光織。
「表面だけで、自分であって、自分ではない?」

理姫。
「自分のつもりで、自分の通りではない?」

旗江。
「さっきから、それを考えていますが。」
「対立するものが出て。」
「それが解消されて融合する。」
「という内側の変化があるのです。」

星詩乃。
「自分の内面を疑ったことはありませんでした。」

理姫。
「自分の内面が、自分通りではなかったら?」

光織。
「考えたこともなかったということは。」
「自分の主体性が薄かったという結末ですね。」

詩叶。
「選択できなくても、被害者のように振舞ってはなりませんね。」

本実。
「自分を選ぶために、自分は強いられて加害者になるのです。」

星詩乃。
「哲学では、希望が無いのが絶望ではありませんね。」

理姫。
「希望は、失望になるだけ、とのことです。」

光織。
「絶望は、単独で生じる、というものですね。」

たくさん鳥達と遊んで。

家を後にして。

JK三人衆は、その家の少女と遊ぶそうです。

一同解散。

日が暮れて。

いつもの夜と思いきや。

夜空を見ると満月。

今日は探査機を乗せたロケット打ち上げの報道がありました。

打ち上げると。

一定の高度から。

地球を回りながら、時速二万キロメートルくらい加速しないと。

地球の重力で落ちます。

宇宙ですら、天体の重力が存在して。

天体の引力で。

無重力とは言えません。

アポロ計画では六回も有人探査計画を成功させて。

機材を展開させましたね。

土壌や岩石なども持ち帰っています。

当時。

全世界が中継する中での大快挙です。

この宇宙。

つまりは太陽系ですが、天の川銀河の外れ。

端っこの方に位置しており。

アンドロメダ銀河という。

天の川銀河の馴染みのある渦巻銀河がありますが。

数十億年後。

天の川銀河は、そのアンドロメダ銀河と融合するようですね。

おとめ座超銀河団の一部であることを見出して。

今では宇宙も、当たり前に論じられる個人主義です。


5


ハイキングコースを歩いていて。

今日の割り当てはなし。

地味な作業は、除外されて。

電車で市街地に出ています。

大都市圏になると。

人が無駄に集まっていて。

違和感しかない。

しかし、なぜか人は大都市に引き寄せられます。

何か秘密があるのでしょうね。

駅前。

旗江。
「なぜ被害者という立場を使うのか?」

詩叶。
「自分が何かの被害者だと思えば、苦戦しかないです。」

本実。
「けっこう不利な状況を強いられますね。」

星詩乃。
「被害者であることを捨てれば、楽々でしょう。」

旗江。
「自分というものを放棄して、望む自分になる意志を捨てれば。」
「絶望が深くなりますし。」
「自分は何かについて、選べるのに。」
「自分に対する自由の責任を無視すれば。」
「望む通りの自分になる責任が無いと思い込み。」
「選択の自由の問題を、他人や社会に責任転嫁したりも。」
「これは頻繁に見られます。」

光織。
「つまりは、自分に関する自由から逃げて。」
「被害者に成り果てて。」
「他人を攻撃することに。」
「価値観を置くようになります。」

理姫。
「自分にある自由を何も使わないのですし。」
「自分が持っている自由にも注目しませんね。」

旗江。
「そして、最悪の時に、自分の自由をすべて放棄します。」

詩叶。
「放棄された自由は、本人に破壊をもたらしますね。」

本実。
「それで、他人を攻撃しようと、必死になります。」

星詩乃。
「自分の自由から逃げてしまうナンセンスな行為。」

旗江。
「自由から逃げるなんて、何か変です。」
「誰もが、望む自分になる義務がありますからね。」

詩叶。
「被害者になっていると、まず気がつきません。」
「被害者の立場を使うのは、絶望からです。」

光織。
「いくら不利でも、自分の自由を押し広げないと。」
「もっと不利になります。」

本実。
「不利だからと言って自分の自由を認めなければ。」
「もっと不利になります。」

旗江。
「最悪なまでに不利になると。」
「自由の責任を社会や他人のせいにして。」
「攻撃を繰り返すのが当たり前になります。」
「今日において、八つ当たりが多いのはそのためで。」
「不利だからと自由を回復しないのは愚かです。」

星詩乃。
「自由を失っても、回復が可能ですからね。」

旗江。
「放置すると、もっと自分の自由を失うだけなので。」
「必死に回復する必要がありますし。」
「自分の自由からは逃げられませんね。」

本実。
「個人の自由が確保されると。」
「絶望が最低まで減りますね。」

旗江。
「自由が欠損することで、絶望がもたらされて。」
「絶望の責任転嫁が生じますので。」
「これは防げるものです。」

詩叶。
「自分の自由が不足するのは良くありませんね。」

光織。
「自由はよく不足しますからね。」

理姫。
「自由と絶望は関係が強いものです。」

旗江。
「自由と絶望の対比で考えましょう。」
「自由と絶望の比率や、関係に注目です。」

駅前で議論をしている団体。

人々の中で目立っています。

通行人の視線を集めますね。

詭弁家。
「君は、私が言うから、今日から犬である!」

市民。
「そう言われたので、なぜか実行力があり。」
「今から私は犬だわん!」

詭弁家。
「よし!お手!」

市民。
「猫パンチ!」

詭弁家。
「うおおおおお!?」

市民。
「他人の言葉に何の強制が出来るんだっ!?」

詭弁家。
「俺が何々と言ったら何々になるの!」

市民。
「目の前のリンゴが金色になるのか?」

詭弁家。
「俺が何々と言うからリンゴも金色になるの!」

市民。
「なる訳が無いだろ!」

詭弁家。
「そんな馬鹿なああああああ!!」

演説をしている人がいて。

軽トラックの荷台から。

何の団体なのか分かりませんが。

よくいる気違いですね。

そんなに珍しいものではありません。

全体主義者。
「同調しろ!」

市民。
「誰も見向きもしませんね。」

全体主義者。
「同調するの!」

市民。
「誰からも無視されていますよ?」

全体主義者。
「だから同調しなさい!」

市民。
「不審者の扱いになっているようですが?」

全体主義者。
「同調しろよ!同調しろよ!」
「何やってんだよ、馬鹿・・・!!」

警察官。
「あなた、通報されていますよ?」

子供。
「あの人、何しているの?」

夫人。
「あんな卑猥なもの、見てはいけません!」

駅前の屋台の近く。

議論が盛んですが。

今回は変人ばかり見かけます。

駅前で集まっていれば。

誰でも視界に入るようですね。

絶対主義者。
「人生とは何か?」

弁論家。
「人生とか言う要素で何でも説明できたら。」
「どんなに素晴らしいことだろうな。」

市民。
「資本主義者が言うには。」
「人生?人生って何だ?」

弁論家。
「人生とは定義の問題では?」

夫人。
「誰かが決めるのですか?」

絶対主義者。
「自分が決めるのです。」

弁論家。
「それでは、人生とは大金持ちという意味である。」

絶対主義者。
「うわああああ!資産が及ばない!」

弁論家。
「いちいち人生を引き合いに出したら。」
「どれだけ詭弁を言わなければならないのか。」
「教えてください。」

夫人。
「人生だけで世界を説明するのですか?」
「とんでもない無謀ですよ?」

市民。
「人生だけで何でも説明できると思ったら。」
「大間違いですぞ。」

商店街に入る。

文芸の店はすぐそこ。

旗江。
「武道家が現実と格闘した。」
「現実を殴りまくった。」
「現実は、悲鳴を上げた。」
「武闘家が言うには。」
「互角のようだな?」

詩叶。
「将軍が若者の話を聞いて叫んだ。」
「現実?何だそれは?」

本実。
「阿呆は、俺が最強だ、と叫んだ。」
「民衆は、それはないと反駁した。」
「阿呆は、少なくとも、そう言っているうちは。」
「俺が最強だ、と繰り返した。」
「民衆は、反駁できなかった。」

星詩乃。
「お姉さんの下着に興味があります。」

旗江。
「では、今日、私の家に泊まりませんか?」

星詩乃。
「私はなにをされるんだろう?」

光織。
「きっと、ピンク色の一晩になるでしょう。」

理姫。
「お姉さんを見ていると、うっとりする。」

旗江。
「いろんなものを見たいよね?」

詩叶。
「独り占めは良くないです。」

本実。
「昔は三角関係でしたよね。」

星詩乃。
「好きにして。」

旗江。
「私が好きにされたい。」

星詩乃。
「私が好きにされたいの。」

旗江。
「私が最も好きにされたいのです。」

詩叶。
「色っぽい口論をするな!」

本実。
「触ってあげれば?」

旗江。
「お互いを触りますか?」

星詩乃。
「そんな!人前で!」

光織。
「年上のお姉さんって素晴らしいよね。」

理姫。
「女性が好きな女性は、性別が自己完結するのです。」

光織。
「男女が一緒になる構図は、女性同士が一緒になることによって。」
「終焉を迎えた。」
「男性だけが孤立した。」

理姫。
「よって、女性は、色欲すらも自己完結するのです。」

二人は恋人繋ぎを開始。

他の女の子も。

二人組になって手を繋ぐ。

旗江。
「銀行から催促されて、阿呆が言うには。」
「借金は返済した、俺が言っているからそうだ。」
「会社員は苦笑いした。」

星詩乃。
「阿呆は棋士と将棋で勝負することになった。」
「阿呆は、将棋盤で相手を叩き伏せて。」
「座布団で棋士を追い払った。」
「不戦勝になった。」

詩叶。
「阿呆はチェスをすることになった。」
「阿呆はチェス盤に放火した。」
「相手は真面目にチェスをやって燃えた。」

本実。
「やたらに猿真似を繰り出す無能は。」
「誤って、猿の猿真似をやってしまった。」

旗江。
「エイプリルフールにフェイクが流れた。」
「通信販売で、精神疾患が。」
「今なら十万円、送料込み。」
「とのことだった。」
「三千人が購入したとのことです。」

最近は絶対主義者が暴れていて。

荒らし行為をどこでも行っていますが。

見かけだけの治安が良いので。

インターネットサービスで。

絶対主義者が暴れていたり。

集会を開いていたり。

新興宗教と化しています。

他人に考えを押しつけるので。

公害になっていますね。

隠れている所で工作を続けて。

暴動まで扇動するので。

手に負えない連中です。

歩いている途中で。

警察官に囲まれている。

現行犯を見かけましたが。

服に、絶対主義と書かれているので。

そういう関連の人らしいです。

旗江。
「岩波国語辞典。」
「絶対主義。」
「哲学。」
「絶対者や真理・価値などの。」
「客観的な基準の存在を認める立場。」

詩叶。
「絶対化。」
「他の(同類の)ものと比べてみないで。」
「それを絶対の存在と考えること。」
「対・相対化。」

本実。
「絶対視。」
「それを絶対化して見ること。」

旗江。
「絶対的。」
「絶対であるさま。」
「対・相対的。」

光織。
「相対化。」
「他の(同類の)ものと比べてそれを位置づけること。」
「対・絶対化。」

理姫。
「相対的。」
「他との比較において、そうであるさま。」
「対・絶対的。」

旗江。
「この世の醜悪な所について。」
「もっとも多い典型として。」
「犠牲者を故意に増やす謎の勢いについて。」

詩叶。
「犠牲にしたい奴に、被害者という意識を植えつけて。」
「永続する犠牲者にして滅ぼす。」
「頻繁に使われる奇怪な罠。」

本実。
「その人を犠牲にしたいので、被害者という意識で洗脳する。」
「すると、決定論のように、犠牲者にすることができる。」

星詩乃。
「いかに犠牲者にするのか、そんな仕組みで。」
「社会は運用されている、この世の醜悪な所ですな。」

光織。
「一定数の犠牲者を作り出す仕組みには。」
「必ず、悪循環を成立させる仕組みがあるものです。」
「暴くのは容易ではありません。」

理姫。
「犠牲者によって、他の半分くらいは。」
「安心して暮らせる社会になっている。」

詩叶。
「そんなの、頻繁に見かける、醜悪な所です。」
「醜悪な所を見てしまうと、若者では居られませんね。」

旗江。
「そんなのを目撃した瞬間に。」
「若者の性格が消えるか、発狂するかの。」
「どちらかでしょう。」

詩叶。
「頭脳明晰と馬鹿が対戦したことがありました。」
「どっちが勝ったと思います?」

旗江。
「頭脳明晰な奴ですか?」

詩叶。
「意外にも馬鹿が勝利したのですよ。」

旗江。
「なぜか?」

詩叶。
「簡単な戦法が、すべてに効力があったので。」
「頭脳明晰な奴は、無駄に複雑な戦法を使って負けた。」

旗江。
「場合によっては、馬鹿の方が優秀なんですね。」

本実。
「馬鹿が、もっとも使える場面もあるのですね。」

詩叶。
「真面目よりもふざけている人の方が有能であったり。」
「頭脳明晰よりも、難なく使える凡人が使えたりもします。」

本実。
「それって、計算された過程の、もれなく全部が当たっていると。」
「信じたからでは?」

旗江。
「頭脳明晰の弱点は、因果関係をより深く考えてしまうことですね。」
「そういうのが成立していないと、埋めようとします。」

本実。
「計算で因果関係からして上手に行っていると信じたい。」
「空理空論で説明されても、何のことなのか。」

旗江。
「はっきり言いますが、臆病者なので、安全に勝とうとするのでは?」

本実。
「どんどん、臆病者になって、策略に頼るようになった。」

詩叶。
「逆に言えば、臆病者だから、策略に依存するのですね。」

理姫。
「仮に、そいつらが負けたら、笑いものですよ。」

星詩乃。
「臆病者に、正々堂々の勝負なんて出来る訳がありませんね。」

旗江。
「臆病者が、なぜ戦おうと思ったのだろう?」

光織。
「臆病者は、戦っている時点で矛盾していますね。」

旗江。
「私は、策略を使わせたと考えますね。」

本実。
「相手が苦境に陥っていると、相手の行動も過激になりますね。」

詩叶。
「策略を使わせるほど、相手が弱っているのですね。」

旗江。
「それを使わせたと見なすので、結局は有利なのです。」

文芸のお店に一時間ほど。

給料は一応、出ているので。

後は輸送を考えるのです。

美術品を買うのも楽しみですが。

都会を探検するのも楽しみですね。

田舎は住むのに適していますが。

都会は過ごすのに適していますね。

帰路。

ビルの屋上に。

魔女一同。

朝三暮四。
「人間に自然科学がもたらされたら。」
「かなり高慢になりましたね。」

功利主義者。
「反抗期なんですよ。」

利他主義者。
「何でも偉くなりたい年頃なんですよ。」

朝三暮四。
「なるほど、何でも振り回すなんて青いね。」

功利主義者。
「最初から、この世にあるもの、自然科学。」
「解禁されたとして、自分達のオリジナルであると。」
「信じているようです。」

朝三暮四。
「自然科学の上限が、人間の力の限界になっていますが。」

利他主義者。
「それはよろしくない、少し、超常現象でも食らわせますか。」

朝三暮四。
「宝箱を設置しましょう、もちろん、故障したり。」
「未完成の銃器ばかりですが。」

功利主義者。
「大型の刀剣も入れますが、これはすぐに折れます。」

利他主義者。
「爆弾ですが、動作不良が当たり前の不良品です。」

朝三暮四。
「それぞれ、宝箱に入れて、取らせます。」

いきなり出現した宝箱。

路地という路地に置いてあります。

それを見つけた絶対主義者。

中にいろいろ入っている上に。

武器をすべて取り出すと。

宝箱が消えてしまう。

悪巧みする団体が多数発生。

全体主義者。
「これは?違法な銃器?」

絶対主義者。
「我々の絶対的な世界が実現する!」

テロリスト。
「すべてを絶対視する、この拳銃に乾杯!」

群衆。
「この刀で、誰でもテロリズムが出来る!」

新興宗教。
「高性能爆弾で、何でも吹っ飛ばすぜ!」

各自、絶対主義者は武器を取り出して。

暴れようとするものの。

拳銃が故障したり。

そもそも動作しなかったり。

刀剣が鞄に当たって折れたり。

爆弾が起動せず。

爆弾が、見た目に反して爆竹くらいの威力で。

各自、自滅を辿る。

朝三暮四。
「何であるか確認せずに、よくもやりますね。」

功利主義者。
「与えたものなら、何でも振り回しますね。」

利他主義者。
「投げたものなら、何でも売るでしょう。」

朝三暮四。
「近々、大災害が発生すると思われます。」

功利主義者。
「あれですか、半壊くらいですかね。」

朝三暮四。
「文明には、対して損害にはなりませんよ。」

利他主義者。
「しぶとい人間達を見ていれば、余裕でしょう。」

朝三暮四。
「人災という名前の大災害ですか。」

功利主義者。
「悪名高い人災という襲撃を受けるのです。」

利他主義者。
「じわじわと来ますね、人災ですか、人間にとっては公平ですな。」

電車に乗っている時に。

さっきまでの都市で小規模な暴動が発生して。

帰宅する一時間足らずで鎮圧されていましたね。

誹毀された内容が真実であればあるほど、その誹毀も大きくなる。


6


ダイヤモンドだけがダイヤモンドを切れる。

狡猾対狡猾の競争をしている人を名指しして。

使われる。

水族館や博物館。

美術館や。

資料館を巡っています。

ちょっとした観光ですね。

今は仲間に仕事が取られているので。

出番がありません。

忙しい時に、長時間、働く予定なのです。

市街地を移動中。

旗江。
「自分の価値判断で。」
「悪だと見なした価値を攻撃するのは。」
「行動の評価は邪悪に受け取れます。」

詩叶。
「悪だから、攻撃という理屈は。」
「自分の価値観からして悪なので。」
「攻撃してやる、という邪悪なものですね。」

本実。
「悪だとか罵る相手が。」
「罵られた相手よりも、二倍くらい邪悪なのです。」
「やたら悪とか言い出したら。」
「おしまいの人間の仲間であると判定できます。」

星詩乃。
「他人の価値判断に干渉して。」
「制裁の理由とするのは、不可能なこと。」
「この上ないですね。」

光織。
「彼らは、自分の価値観とは違うものを。」
「攻撃するようになります。」
「それも、陰険で、醜悪な顔をしながらです。」

理姫。
「善人と言われた人間が滅ぼされて。」
「悪人とされる人間が栄えるのは。」
「後者の方がましだからです。」

旗江。
「悪とされた者が、その時期に、他よりもましなので。」
「正しいとされた人間を押しのけて。」
「一時的にしろ、栄えることができるのです。」

本実。
「人間の考える正しいとか善人は安っぽいものです。」

詩叶。
「なぜ悪があるのか?という問いかけは定番ですが。」
「悪が、摂理の上に基づいて、生存している場合もあり。」
「本人が間違っているので、悪について表面しか見ないのです。」

旗江。
「悪という何かを、観察していると理解できますが。」
「ああいう方が、むしろ手っ取り早く。」
「繁栄を確保できるのであって。」
「むしろ、悪の捉え方に誤りがありますね。」

詩叶。
「悪であると罵って、裁こうとするので。」
「悪という悪をまき散らしてしまうのです。」

本実。
「自分とは別の価値観を裁こうとするなんて。」
「野蛮そのものです。」

旗江。
「普遍的な悪は、ひたすら手っ取り早くて。」
「簡単なのです。」
「それで良いのかは別として。」

星詩乃。
「なぜ悪が存在できるのか?」
「なぜ悪が有利になりやすいのか?」
「という問いかけに変更ですね。」

旗江。
「こう言った時点で、悪が先にあるのは、良くない。」

本実。
「善なるものを研究する成果とか。」
「どのような善なるものを発見したとか。」
「そんな話題になるのが当たり前なのにね。」

旗江。
「善なるものの話を何もしないで。」
「悪ばかり考えても、進展はありませんね。」

詩叶。
「なぜ善なるものの話をしないのですか?」

本実。
「なぜ善なるものの議論はしないのですか?」

旗江。
「なぜ善なるものの研究はしないのですか?」

星詩乃。
「善が優先されないのはなぜか?」

光織。
「善が前提にならないのはなぜか?」

理姫。
「善を中心に議論されないのはなぜか?」

旗江。
「なんたること!」
「これまで馬鹿をやっていたと言うのか!」

詩叶。
「もちろん、これまでは良い道化でしたね。」

旗江。
「善なるものを追い求める今は。」
「まるで別物。」

本実。
「あれは善いものだ!なんて名指しした事なんてありますか?」

詩叶。
「あれは善いものです!とは誰も言いません。」

旗江。
「もう馬鹿にならずに済みそうです。」

星詩乃。
「やっと蒙昧から抜け出るのですね。」

光織。
「何でも善なるものが目的ですね。」

理姫。
「目的は善です、悪ではありません。」

旗江。
「目的を善なるものと設定した以上は。」
「悪しきものは無視ですね。」

本実。
「他人が何を言っても、もはや価値判断の話になっています。」

別の場所。

野営地。

集会が開かれています。

デタラメをやる集団の一部で。

ろくな武器も無いので。

インターネットで荒らし行為をしているようです。

夜間になると。

野営地でふざけている集団でしかないです。

行動や言動もデタラメなので。

中途半端なテロリストという評価。

野営地で何やら悪巧み。

排他主義者。
「俺と違う奴はぶっ殺してやる!」

朝三暮四。
「あなた達が例の集団ですね?」

排他主義者。
「全国を荒らしまわっている有名人だよ。」

朝三暮四。
「やたらに歓迎しますね。」

功利主義者。
「確かに有名人ですね。」

利他主義者。
「荒らしに夢中で、人生を謳歌していますね。」

排他主義者。
「お嬢ちゃんに駆け寄って来られては。」
「とっても素敵な集団ってことだよ。」

朝三暮四。
「わかりやすくていいね。」

功利主義者。
「自分達を宣伝できるほどですか。」

利他主義者。
「素直ですね。」

排他主義者。
「それで?仲間に入るの?」

朝三暮四。
「すぐそこの貨物車に。」
「少し性能が低いですが。」
「武器が大量に入っています。」
「海外からの支援だそうです。」

利他主義者。
「すべてあげますので。」
「使ってください。」

功利主義者。
「これは車の鍵です。」

排他主義者。
「なんですと?」

絶対主義者。
「なんだ!見ろ!旧式だが使える兵器だ!」

排他主義者。
「昔の対戦車兵器から地雷やら爆弾まで。」
「あんたら?只者ではないね?」

朝三暮四。
「宅配業者なんですよ。」

功利主義者。
「国内に持ち込むのには、楽々でしたが。」

利他主義者。
「けっこう抜け穴があるんですね。」

絶対主義者。
「素晴らしい!今すぐにでも乱射したいくらいだ!」

排他主義者。
「ああ!君達のようなお嬢さんが、恋人ならば・・・。」

朝三暮四。
「それでは帰りますね、あと、近くに豆ヘリが置いてあるので。」
「それはしばらくの間、使えます。」

利他主義者。
「装甲車も近くに停めておいたので。」
「それも使ってください。」

功利主義者。
「弾薬も大量にあるので、在庫を確認してくださいね。」

絶対主義者。
「おい!何だか知らんが、大量に武器があるぞ!」

排他主義者。
「これだけあれば、だいぶ荒せるぜ?」

絶対主義者。
「見ろ!武器には当分、困らないぜ?なあ?」

排他主義者。
「これがテロ支援国家からの宅配便ですか。」
「あれ?お嬢さんがいないぞ?」
「まあいい!」
「これで計画が進むぞ!」

排他主義者達は、供与された武器を工夫して。

まず仲間に配ったり。

改造をする。

部品を集めて。

お手製のロケット弾を制作。

ついにそれを大都市圏に撃ち込んだ。

排他主義者。
「俺達以外は死ね!それが排他主義だ!」

絶対主義者。
「絶対に世界はこうでなくてはならない!」

テロリスト。
「そこまでやるかよ!」

排他主義者。
「自分達しか存在しては、いけないの!」

絶対主義者。
「他の人間は、絶対に認めない!」

ロケット点火。

飛来したロケット弾は。

ミサイルによる迎撃が追い付かず。

数発が市街地に突入。

爆発した。

それを合図に、自衛隊が野営地に突入するも。

自爆を目撃。

全員が自害をしており。

生存者は数人だけであった。

報道。

大事件ながら。

あんまり関心が無い市民。

瓦礫になった建物を見ても無視。

泣いている人々を。

通行人は、まるで見えないもののように無視。

被災者。
「ひどい!ひどいよ!」

市民。
「君は悪いから、そうなったのではないか?」

排他主義者。
「君も悪いから死んだのではないか?」

市民。
「ぐあっ!通り魔だ!殺される!」

弁論家。
「なんてカオスな!」

炎上している建物に消火活動。

治安の維持に失敗したと。

非難されている。

数日前に入った水族館にも着弾しており。

ある程度は狙った攻撃だった様子。

他国では、弾道ミサイルのプロパガンダが行われており。

報道されている。

自宅にて。

シミュレーションを行っていました。

天文学は、こうした分野に有効です。

旗江。
「第三次世界大戦がもし発生したら。」
「核兵器を、どこかが使用した時点で。」
「連鎖するように、各国も使用するでしょう。」

詩叶。
「隠れた核保有国があったとして。」
「戦術核が使われた辺りで。」
「一斉に使用しないと、自分達がやられる状況を強いられますね。」

本実。
「核戦争では、実の所、最も人数を残せた国家の勝利です。」

星詩乃。
「核戦争の後の荒廃は、残った人数も抹殺するでしょうね。」

光織。
「連合軍とか同盟軍を結成されると。」
「意外とあっさり、アメリカ軍も追い詰められて。」
「核兵器を使用する可能性もあります。」

理姫。
「数で来られると、最強の軍事国家も危うい。」

旗江。
「積極的に核兵器を使うのは、中国になると予想されます。」

詩叶。
「戦略型潜水艦が最初に核ミサイルを発射する予想です。」

本実。
「戦略型潜水艦からの攻撃に耐えられないと。」
「猛反撃しないと保持できませんね。」

光織。
「隠された核保有国も、それなりに数を持っていますからね。」

星詩乃。
「一千万人単位で死者が出ますね。」

旗江。
「核兵器が使用された後も、残存部隊が多くいるので。」
「残った部隊で、手を打たないと、本当に全滅です。」

本実。
「三割は部隊が残っているんですよね。」
「生き残った為政者と残存部隊で。」
「政府を立て直せますね。」

旗江。
「思っているより、環境への影響が少なかった場合は。」
「生存者のより多い国家が再建されます。」
「壊滅したような国家は滅びます。」

詩叶。
「大小の国家が、合流して第三次世界大戦に参加すると。」
「強い国家は数で劣勢になるので、激戦は避けられませんね。」

星詩乃。
「弱小国家が、ひとつにまとまると、数で押されますので。」
「どこまで、核兵器を使わずに押し返せるかの予測は必要です。」

旗江。
「核兵器が一度でも使われて、都市を破壊すると。」
「他にも影響を与えて、核兵器の依存が始まります。」
「誰かが使ったのなら、自分も使わないといけない。」
「という恐怖が生じます。」

詩叶。
「必要なだけ、最低限の核攻撃で済ますことができれば。」
「そして口実や大義名分を欠かさなければ。」
「隠された核保有国も、使うことを控えるでしょうね。」

光織。
「一度、誰かが使ってしまうと、使うだけ有利と思われてしまいますよ。」

理姫。
「じわじわと劣勢になった核保有国は、耐えられなくなって。」
「核兵器を使用して、連鎖するように、他の核保有国も釣られます。」
「隠れて核兵器を所有している国も、煽られてしまいます。」

本実。
「国家の復元には、生き残りがより多い必要がありますし。」
「残存部隊を何とか働かせて。」
「武器や弾薬、食料や生活を揃えないと。」
「環境に影響が少なかった場合は、そのまま全滅に繋がりますね。」

旗江。
「核兵器をすべて撃ち尽くして。」
「補充も不可能になった後の世界では。」
「環境の汚染で二次災害に陥りますが。」
「思ったより影響が無かったりすると。」
「国家を再建して、素早く立て直した国家が、勝利となりますね。」

光織。
「どれだけ、短期間で国家を復元できるのかの勝負ですね。」

旗江。
「他の国家は、何もせずに、滅んでいたり、生き残りがいないので。」
「その後の手を打っていた政府が回復しますし。」
「何も考えなかった他所は、滅亡します。」

理姫。
「冬でも栽培できる作物が有力ですね。」
「品種改良で作っておけば、問題ない。」

星詩乃。
「冬でも食料が確保できれば、それだけでだいぶ楽ですね。」

光織。
「自作の機械や、自作の武器や弾薬、自作の装置も必要です。」
「飲料水の確保と、再戦の可能性があるからですね。」

理姫。
「野生動物を抹殺したりする、必要なだけの武器も確保するのです。」

星詩乃。
「文明が一部を残して、三百年ほど後退しますね。」

旗江。
「地球の環境の汚染が少ないほど、回復の余地は残されます。」

詩叶。
「国家の復元と、市民の生活の復活の予測はこのくらいですかね。」

本実。
「全員が連携して、特に団結しないと、衣服ですら確保できずに。」
「全滅が待っていますね。」

詩叶。
「その時に、団結できれば、生存は可能でしょう。」

旗江。
「そして世界は再建されます。」
「同じことの繰り返しになるでしょうけれど。」
「ようやく核兵器は、全員が自滅するために。」
「用意された品物という評価が出されたりして。」

星詩乃。
「そこまで荒廃して、二度も使わないでしょう。」

詩叶。
「二度目は無いよ。」

旗江。
「自滅するために核兵器を開発したのであれば、人類は笑いものです。」

人類の遺産の最有力候補は。

火星にいる無人探査機や。

地球の軌道上にいる一部の人工衛星など。

宇宙開発で使われた探査機に集中するようです。

農業で暇が出ると。

こうした趣味に没頭して。

必要な時だけ農作業をするのです。

大農園の当事者という優位は。

意外な所で利益に繋がりますね。

田舎で地味なことばかりやって。

派手な所に行く道はありませんが。

大農園の娘と関係者では。

これで不足がないのです。


7


遂に、六人組で。

農場の一角に研究所を作成しまして。

小屋と地下室と。

平地の庭と。

交通も良好。

いつも入る事務所の近くです。

趣味で形而上学をやるので。

ある程度は本格的ですね。

旗江。
「気の利いた兵器の概念について。」

詩叶。
「工夫して作られる兵器はどんなもの?」

本実。
「従来の兵器を改造して、作られますね。」

星詩乃。
「ナチスのクレイジーな設計局がよくやりましたね。」

光織。
「武器は、あっても害にはなりません。」

理姫。
「武器が無かったら、相手が好きなように犯しますよ。」

本実。
「やだ、気持ちが悪い。」

旗江。
「世界は戦争で始まり、戦争で終わる。」

詩叶。
「なんて皮肉な。」

旗江。
「私の話を聞きなさい、しかし信じるな。」

本実。
「長距離ミサイルをUAVが中継して。」
「誘導させたら猛威ですね。」

詩叶。
「それなら、UAVの戦闘力を向上させると。」
「化け物になりますよ。」

旗江。
「外付けSeaRAMなんてものを考えてみましたが。」
「旧式艦の生存が確保されるだけで。」
「費用だけ失います。」

星詩乃。
「射程が短いので、防御だけになりますね。」

光織。
「潜水艦だけで構成された潜水艦隊は。」
「哨戒機に一網打尽にされますね。」

旗江。
「それが戦略型潜水艦であったら、ひどいですね。」

理姫。
「戦略型潜水艦が突然、大都市の近くに出現して。」
「巡行ミサイルを大量に撃ち込んでくる。」
「想定シナリオですが、だいぶ激しいです。」
「敵陣営の挑発としては、高威力です。」

旗江。
「戦争の動機論は、言いがかりで足りると分かった次第です。」

本実。
「相手がこじつけで突進して来るので。」
「無理に論破しようとすると、相手も無理に反論してくる。」

詩叶。
「自分の言い分と相手の言い分が違いますからね。」

星詩乃。
「それでも、冷静に、変な考えを起こさないように。」

旗江。
「世界は、最後まで耐えている人の側につく。」

部屋の端っこ。

鼠機材製造。

ゲーミングパソコンが置いてある小部屋。

モニターが五個繋いであり。

真ん中の上段には、宇宙図で、実時間に設定されている。

真ん中の下段には、世界の気象情報が表示されている。

右は、世界の地震速報が表示されている。

左は、太陽の観測情報。

上のモニターには、世界の航空機の位置情報が表示されている。

操縦席のような小部屋。

ゲーミングチェアで確認します。

標準稼働の状態。

海外製のシミュレーションゲームをやる場合は。

真ん中のモニターを残して閉じられます。

節約。

高度ユーザー向けの国内地震速報は。

自動でモニター表示されるので。

常駐。

旗江。
「自然災害に慣れていると。」
「大地震にも、動揺しませんね。」

詩叶。
「変化としか受け取りません。」

本実。
「地震は特に万物流転ですね。」

星詩乃。
「地域が変化するだけで、終焉ではありません。」

光織。
「何か検出しましたよ。」

理姫。
「政府が、警戒している地域だけ、見ていれば良いだけです。」

旗江。
「災害の一年前に、三陸沖が何か危険ですと、とある学者は訴えていましたね。」

本実。
「前々から、注意が出されるのに、あっさり無視される。」

詩叶。
「世界は変化するものです、逃れられません。」

旗江。
「大地震ですと?次はどんな君を見せてくれるのですか?」

本実。
「姿をころころ変える世界ですか、移り気ですが、嫌いではない。」

詩叶。
「あの激しい崩壊、その想い、受け取りました。」

星詩乃。
「巨大な打撃を受けたから、刺激されることもある。」

旗江。
「今日の自然災害はあまりに非力、まるで幼女のようですね。」

詩叶。
「悪天候も全力で相手をしてくれませんか、つれないね。」

理姫。
「隕石などのアプローチ、受け止めてやりますよ。」

光織。
「恋文が駄目なら、災害とダンスをするのみです。」

本実。
「スポなしは知っております、災害はせっかちですからね。」

旗江。
「災害という名前のダンスに加わる!!」

一同。

相談して参拝に出かける。

ゲーミングパソコンはスリープに設定。

お宮にて。

椅子に座って。

空を見ています。

旗江。
「神様は物事を逆にとる。」

本実。
「すぐに逆手に取られますね。」

詩叶。
「神を恐れぬやつこそ恐ろしい。」

星詩乃。
「そんな奴は、どんなデタラメも正当化しますからね。」

旗江。
「不思議な研究を開始してから。」
「誰かに尾行されていると思われる。」

光織。
「どんな欺瞞で、そんな御大層な集会になったのかしら。」

旗江。
「他人を信じるな、自分も信じるな。」

理姫。
「私も、それに賛同します。」

本実。
「他人も自分も信じない。」

詩叶。
「信じなくて、何か問題があるのかな。」

旗江。
「直せるものではありませんからね。」

本実。
「人間を信頼するのは、水を濾し器に入れるようなものだ。」

旗江。
「まったくその通りです。」

詩叶。
「人を信じない点は、全員が一致しているものですね。」

星詩乃。
「そこの意見は同じです。」

光織。
「同類なんですよ。」

理姫。
「お宮から出て、しばらく歩くと。」
「変な自動車がいますね。」

旗江。
「よし!久しぶりの獲物ですね!」

詩叶。
「待って!分け前の相談ですが!」

本実。
「きちんと私の分も残してください!」

星詩乃。
「誰が仕留めるのかは、その場次第ですよ。」

光織。
「獲物の取り合いですか。」

理姫。
「標的は数が少ないので、今後、出て来ないような奴ですかね。」

お宮から退場。

鳥居から出て。

しばらく歩くと。

不審者が出現。

インターネット犯罪組織。
「お前らが闇の組織だって、知っているんだぞ!」

旗江。
「そんなに名前が売れたの!私達!」

星詩乃。
「ささやかなアマチュアの集いで終わると思っていました。」

詩叶。
「もう有名人なんですね。」

本実。
「どうします?記者会見とか?取材とか?」

インターネット犯罪組織。
「闇の組織は潰してやる!」

光織。
「闇の組織?あなたの小説の内容ですか?」

インターネット犯罪組織。
「闇の組織め!」

理姫。
「ほら!もっと怒って!怒って!」

詩叶。
「もっと怒れよ!」

本実。
「怒らないの?怒れないの?」

旗江。
「弱いから、怒っているの?」

光織。
「怒って、何がしたいの?」

星詩乃。
「怒っている顔が面白いですね。」

旗江。
「怒っている顔が、阿呆みたいで、傑作です。」

インターネット犯罪組織。
「闇の組織があああ!」
「この!この!」

詩叶。
「やった!挑発に成功した!」

不審者が動いてしまい。

叩こうとして。

追い回した瞬間に。

不審者を囲んで引き倒して。

不審者を虐待。

詩叶。
「鼠の正義よりも猫の暴政の方がましだ。」

旗江。
「ヒーローはいつも正しい人だということになっている。」

インターネット犯罪組織。
「何をやられた!?」

星詩乃。
「馬鹿め!人数が多いなら、正面から突っ込んだ方の負けです!」

殴るのではなくて。

足払いで転ばせたり。

絞め技で動けなくする。

最後に催涙スプレーを当てて倒しました。

警察官がやってくる。

警察官。
「暴漢に襲撃されたとか?」

旗江。
「叩こうと向かってきたので。」
「全員で転ばせました。」

インターネット犯罪組織。
「ぶっ殺してやる!インターネットがあるからな!」

警察官。
「君ね、強姦と同じ扱いだよ。」

巡査。
「少し警察署で、いろいろと聞こうか?」

インターネット犯罪組織。
「俺は!俺は!インターネットに真実がある!」

巡査。
「真実なんてそこら辺に転がっている訳がないでしょ。」
「真実は有料なんですから。」

警察官。
「名誉のために戦え、不名誉を得るのは容易いことだから。」

旗江。
「言いがかりをつけられて、向かってきました。」

警察官。
「そのようだね。」

適当に問答を繰り返した後に。

不審者は連行されました。

星詩乃。
「本当のことを言うやつは、首を切られる。」

旗江。
「背後に、けしかけた奴がいて。」
「そいつも逮捕するとか。」

詩叶。
「刃物を持っていたので、不審者を逮捕するそうです。」

本実。
「車の中に、凶器があったので、逃れられないそうですね。」

光織。
「誰の手柄?」

理姫。
「女性達が、一人の暴漢に襲撃されたことになっている。」

旗江。
「残念、倒した判定になっていない。」

星詩乃。
「状況が悪かったですね、久しぶりの獲物は空振りです。」

コンビニエンスストアでお菓子を購入して。

拠点に戻ってくる。

光織。
「ことが終われば方法は正当化される。」

旗江。
「インターネットの無政府主義よりも、専制政治の方がましです。」

本実。
「一夜の無政府主義より数百年にわたる圧政の方がましだ。」

理姫。
「千人の友達はほとんどいない、一人の敵ならどこにでもいる。」

星詩乃。
「敵はお前を好きなんだぞ。」
「どうして?そいつは馬鹿か。」

旗江。
「美人の追っかけですか、モテモテ過ぎて困りますね。」

本実。
「インターネットで有名人?嬉しいのか微妙ですが。」

旗江。
「美形はすぐに有名になるものです。」

星詩乃。
「あまりに優れていて強いので、良い人であると認定されたのです。」

理姫。
「優秀ですと、とっても目立つのですね。」

詩叶。
「それだけ、脅威を与えるほど、我々は、強力なのです。」

旗江。
「素晴らしい!農業と形而上学で国内を制した!」

星詩乃。
「向こうからやって来た野望は、密かに望みを遂げた。」

詩叶。
「それでは乾杯!ノンアルコール飲料ですけれどね!」

旗江。
「畜群本能が発揮されるごとに、我々が良い人である証拠になる。」

本実。
「集団から突出する者を畜群は阻止する、それは良い人が通る道。」

旗江。
「悪い人の集団が畜群なのです、悪い人だから、悪いことをする。」

詩叶。
「人生はいかがわしい見世物だ。」

長期休暇で。

学生も農民もお休み。

他の人の取り分も多い。

夕方までモニター監視とシミュレーションに費やすことに。


8


拠点から引き揚げて。

その日の夜は。

月のクレーターがあまりに見えるので。

天体望遠鏡で。

月を観察。

楕円形の周回軌道を持っている月は。

かなり素早く地球を周回するので。

稀に見る近い時間。

地球の衛星である月は。

太陽系の中で最も大きい衛星で。

地球から至近距離にあるので。

身近で、目視でも見えてしまえる。

宇宙を観察する目印です。

星空を見てから一階に降りると。

両親が居間で休息していますね。

旗江。
「信じるとは、疑うという過程を経てからです。」
「疑いもせずに信じるのは。」
「行為を省いていて、成立していない思考です。」
「非難に値します。」

父親。
「この世では、気違いの方がまともなやつより数が多いものだ。」

旗江。
「幸福は逃げる。」

母親。
「追っても無駄ですね。」

父親。
「ならば追うな。」

旗江。
「千回も考えを変える方が、一回騙されるよりいい。」

母親。
「まったくその通りですね。」
「いきなり信じるのは、信じる行為が何でも無条件で、ナンセンスですよ。」

父親。
「無条件で信じるのか?ひどいな!」

旗江。
「男性とは何ですか?」

父親。
「一回あなたを騙した男は、百回騙す。」

旗江。
「それが男性ですか。」

母親。
「女性は破滅する。」
「という警句もありますね。」

旗江。
「女性は、とりあいず破滅しますからね。」

父親。
「破滅するなよ。」

旗江。
「やり方が幾つもあると思うやつは、優柔不断に陥る。」

父親。
「よし、合理的に選べよ。」

旗江。
「不合理な女性なんていますかね?」

父親。
「俺の娘が不合理な訳がないだろう。」

母親。
「私の娘が不合理な理由はありませんね。」

旗江。
「勇敢は十点、戦略は九点。」

父親。
「娘の育成には、自信がある。」

母親。
「鍛え過ぎですね。」
「並外れた娘になっています。」

旗江。
「子供の育て方をよく理解しているものですね。」
「そこまで知っている人は他にはいません。」
「どうやって習得したのかまったく不思議。」

父親。
「甘くすれば搾取され、きつくすればやっつけられる。」

深夜になります。

同居している親族。

部屋が多くて。

割と大型な家屋。

容量に余裕がある。

従妹。
「人を信じる趣味はなくてよ。」

旗江。
「他人を馬鹿だとか悪いとか言ってしまった人は誰でも。」
「その人は結局そうではなかったら、勝手に腹を立てる。」

親戚。
「真実を言うのが、退屈な時は、ふざけた言説の方が危険が少ない。」

旗江。
「作者と作品を混同する文学が、書店で売られていました。」

従妹。
「作者と作品が混同されると。」
「作者の死後に、ようやく作品が分離して。」
「評価を得るのが定番ですね。」

旗江。
「使い捨ての文学に、市民の誰しもが感謝はしない。」

従妹。
「都合の良い通俗小説は、市民がその時間をいかに。」
「快適に過ごすように使われる消耗品。」

旗江。
「作家は、たいてい、自分の作品が。」
「天候にまで影響を及ぼしていると信じている。」

親戚。
「最近は、実力で勝たずに、商法で勝つようになった。」

従妹。
「対等の条件なら、私が勝つに決まっているんですよ。」

旗江。
「少しの狡猾さもない男性は、空っぽのマッチ箱と同じですね。」

親戚。
「自分の力ではない時が、最高に虚しい。」

従妹。
「自分の力で勝ち取らなかった場合が、最悪に空虚。」

旗江。
「自分に対して公然と正直である者は。」
「最後には自分の正直を自慢して増長する。」
「なぜ自分が正直であるのかを自分で知り過ぎているのであり。」
「他の者なら、同じ理由から、見せかけや偽装を選ぶのだけれど。」

親戚。
「臆病者と言われたくない奴が争いを仕掛ける。」

従妹。
「戦わない奴が争いを勧める。」

父親。
「勧善懲悪なんて信じませんね。」

母親。
「宅配便が遅延している。」

旗江。
「待たせること、人を憤慨させて。」
「邪悪な考えを思いつかせる確かな方法は。」
「人を長く待たせることですね。」
「これはあまりに悪い。」

従妹が誰かを発見。

敷地にいるので。

借りている柴犬を待機させる。

下手な犯行を見て。

素人で雑魚であると。

すぐに発覚。

従妹。
「味方もいないのに、よく争いを仕掛けますね。」

旗江。
「何かをする前に退路を考えれば良いのに。」

柴犬。
「わんわんわん!」

旗江。
「人にではなく犬に親切にしろ。」

柴犬。
「わんわんわん!」

親戚。
「これは何だ?俺の出番か?」

親戚が来て。

元自衛隊の普通科の隊員で。

引退して農業に加わっています。

とても強いです。

本物対素人。

待ち伏せ。

親戚。
「俺の壺を一個割ったら、百個割り返してやる。」

旗江。
「手加減してあげなさいよ。」

親戚。
「例の犯罪集団が攻めてきた?違うか?」

旗江。
「一気に倒す好機ですよね。」

従妹。
「復讐は恥を消す。」

親戚。
「復讐をしないやつはロバの甥。」

侵入者。

工具を持っている。

偵察もなしに犯行を繰り出す様子。

鍵をピッキングしていると。

後ろから。

親戚。
「こんばんわ!今夜は素晴らしいですよね?」
「なにせ君の阿呆面が拝めるんだからな!」

ネット自警団。
「ああ!なにを!?」

柴犬。
「わん!」

侵入者を持ち上げて。

壁にぶつけて倒しました。

相手は衝撃を受けて起き上がれない。

人体はダメージを受けると。

動かなくなる場合がよくある。

親戚。
「こんな危ないものをよく持っているね?」

ネット自警団。
「ぐあああ!しまった!」

親戚。
「武器があるから大丈夫?では使わせなければどうかな?」

旗江。
「蛇を殺す時には、頭を粉々にしたことを確かめろ。」

親戚。
「こいつ動けないね。」

従妹。
「相手にならないな。」

またもや警察官。

一日に二回も来る。

親戚が対応。

また刃物を持っていたので。

使わせる前に倒した。

連行される侵入者。

誰かがけしかけて。

サイバー犯罪の容疑に至る。

旗江。
「災難(悪)から遠ざかって楽しく暮らせ。」

従妹。
「物騒な田舎になりましたね。」

親戚。
「彼らの暴挙のせいでね。」

父親。
「若者なんて、あんなものですよ。」

母親。
「若者なんて、ろくなことをしない。」

旗江。
「若者しかいない家があったら。」
「その家は老人を一人買って来い。」

従妹。
「あいつらは、他所でも同じことをしているのよ。」

親戚。
「彼らは、もうお終いですね。」

旗江。
「一つのドアが閉まると、百のドアが開く。」

母親。
「まったくです、これが彼らの最後の舞台です。」

父親。
「インターネットで犯罪組織ですか、なんて青臭い。」

親戚。
「インターネットの中は犯罪組織が乱立していますね。」

従妹。
「ネット自警団?私刑?新手のマフィアですね!」

事件が終わって。

報道もされて。

インターネットにいた犯罪組織は続々と検挙。

他でも同じことを繰り返していて。

その日は、大規テロの予告があったのですね。

大都市では、立て籠もりがありまして。

闇の組織と名指しされた会社が襲撃されて。

社長が人質になって。

五時間の攻防の末に。

特殊部隊が突入して制圧したり。

その夜は物騒でしたね。

旗江。
「今日だけで二人も仕留めました。」

母親。
「あれま?あなた、地震ですって?」

従妹。
「遠方で大地震ですね?」

親戚。
「ミニPCを稼働させていたの?」

旗江。
「小部屋で見ましょう。」

従妹。
「あれま、これは衝撃的な内容ですね。」

旗江。
「まったくです、スキャンダルですよ。」

父親。
「なんて豪華な活動なんだ。」

母親。
「水を節約するようにと言われた途端に。」
「誰もが水を飲み始める。」

親戚。
「あなたには名誉を、私には利益を。」

旗江。
「幸運は持っている人間には来るが、探している人間には来ない。」

寝ようとした瞬間に襲撃した。

遠方の大地震で。

しばらく揺れましたが。

大自然を魅せられて。

心揺さぶるマグニチュード七です。

振動ではなくて、むしろ感銘を受ける。

モニターにはすべてが表示されているので。

終わったらすぐ寝ました。

メールをやりながら。

今夜のお題は。

自然災害の俳句です。


9


全員で白衣を着てアマチュア研究部。

夜の会議。

夜間は特にすることはありませんが。

それによって膨大な余暇が生じますね。

拠点に集まる夜十九時時頃。

旗江。
「空手道の有段者に喧嘩を売って。」
「返り討ちになった男性が、悔しくて。」
「空手家を罵った。」
「何か卑怯な手を使ったに違いない!」
「相手が悪者だから、俺は負けたんだ!」
「男性を倒した空手家は起訴されなかった。」

詩叶。
「女性オペレーターが監督する。」
「ビデオゲームの試合が行われている。」
「男性が入って順調に試合が進む。」
「しかし男性の一部は。」
「女性への悪口を開始した。」
「女性オペレーターは一部の男性をみんな追放した。」
「苦情はあったものの。」
「女性オペレーターに違反は認められなかった。」

本実。
「とある悪漢が、特に理由もなく、銃を乱射した。」
「悪漢が言うには。」
「こんなことになった、真犯人は誰だろうか?」

星詩乃。
「机と本棚の学者達が、河川について議論した。」
「水練の達人がそれを見て笑った。」
「実際に入ってから言ってみてはどうか。」
「翌日、学者達は河川に入って溺れた。」

光織。
「自分は強いと名乗る野郎がどこかにいた。」
「しかし、所々で負けてしまう。」
「だからと言って、自分が強い、という主張を。」
「いくら負けても、変えることはなかった。」

理姫。
「賢い人は、敗北して収監されている知能犯を見て笑った。」
「あいつらよりも頭が良いから俺は捕まらないぜ。」
「囚人は賢い人に忠告した。」
「昔は、君みたいに、俺達も自信に満ち溢れていたよ。」
「来るのなら、いつでも歓迎するぜ。」

旗江。
「今では、冗談も本屋で売っている時代ですね。」

詩叶。
「私の実家では、そこまで揃えてはいない。」

理姫。
「開拓と撤退よりも維持を選んだ商人とのことですが。」
「資本主義の弱点を知り尽くしていますね。」

光織。
「貧困は心の目を奪う。」

星詩乃。
「誰もが金持ちに味方する。」

詩叶。
「私の実家は知っての通り唐物屋で。」
「渡航品なら大量に揃えています。」
「身体に必要な道具なら。」
「すべて外国製で、お洒落なものばかりです。」
「基本はオンラインで、マニア向けですがね。」
「個人としては、農業が似合っているようです。」

本実。
「私の実家は、知っての通り米屋ですので。」
「直販店ですね。」
「最近はオンラインでもかなり売れます。」
「ギルドの一部ですね。」
「活動も、ギルドの営業を兼ねています。」

光織。
「あのお店は利益よりも質でしたね。」

理姫。
「数ではなくて質で生存していますね。」

星詩乃。
「生活とは、借りて返すことだ。」

旗江。
「現代のインフレーションというのは。」
「算術の計算不良。」

星詩乃。
「数学の練度が不足?ありえるかな?」

詩叶。
「もっともそれっぽい理由だと思いますよ。」

旗江。
「インフレとは算術が上手にできない言い訳。」

本実。
「数学者みたいに上手になる訳がないでしょう。」

星詩乃。
「全員が、数字の世界に飛び込めば良いのかな?」

理姫。
「それ以外の何が考えられますか?」

光織。
「何か理屈をつけないと、乗り切りませんね。」

詩叶。
「諧謔が最も相応しい。」

本実。
「インフレ物価が数学の問題ですか。」
「それ以外に何も思いつきません。」

旗江。
「物価高、つまりはインフレーションですが。」
「やはり、算術の能力不足ですな。」

本実。
「勝手に言ってなさいよ!」

詩叶。
「何を言った所で小銭が不足する!」

星詩乃。
「今後は、数学の時代ですか?あれ?」

ウェブに転がっているPDF資料を漁っていて。

資料として印刷しました。

生活で役に立つものはすべて取得。

アンケートの内容など。

この時期は無料で。

良質な資料が転がっています。

検索すれば、すぐに入手できる。

書籍みたいなもの。

旗江。
「悪口について、第三者から観察していると。」
「現場では悪口の種類が極端に少ないので。」
「その対象は、あまりにも弁論の才能が無いと見ました。」

本実。
「悪口の種類が少ない?」
「弁論術について語るのは。」
「無能過ぎて無駄ですね。」

旗江。
「彼らは、もう少し悪口の種類や攻め方を。」
「変えた方が良いかと思います。」

詩叶。
「下手な悪口は、相手に何の打撃も入りませんね。」

本実。
「簡単に暴言だけでは、威力が低過ぎて。」
「ただでさえ彼らは凡人なのに。」
「現場に出て悪口で対戦するので。」
「さらに凡人の要素が目立ってしょうがない。」

旗江。
「悪口は、合理的な反駁ではないと。」
「何の役にも立たない。」
「今後、彼らに指導したいと思います。」

光織。
「悪口で対戦をするのですか?」
「仮に、彼らが負けたらどうするの?」

理姫。
「適当に挑発すれば、彼らは勝手に死んでくれるでしょう。」
「挑発した後は無視しても良いのですね。」

旗江。
「彼らは、悪口の他に有効な反抗手段を持っていないので。」
「無敵の論証をぶつけて虐めよう。」

星詩乃。
「彼らが別に居なくても何も変わらないけれど。」
「何となく気の毒だと思いますね。」

旗江。
「悪口に依存するのは、もうどうしようもない。」
「倒しても何の意味もないのでやめておきましょう。」

星詩乃。
「インテルなどの物凄い演算処理装置を作り出せる。」
「技術がありながら、なぜ人間の方はそれより。」
「ヘボイのでしょうか、謎ですね。」

旗江。
「徹底して論破しても良いのだけど。」
「だから、悪口がどうした、と言われれば、それまでの話です。」

星詩乃。
「気合は大事だけれど、さすがに気合だけでは。」
「どうしようもない。」

旗江。
「説明書と道徳も。」
「似たようなものですが。」
「使えない所も瓜二つだから」
「困ったものです。」

本実。
「既成概念で人を詮索すれば。」
「既成概念で非難する事はできる。」
「ただ、既成概念で非難したところでどうしようもないので。」
「無駄な事はやめた方がいいぞ。」

詩叶。
「正義マンほど。」
「たいした技能もないのに。」
「助けに来てくれるのですが。」
「はっきり言って邪魔。」

光織。
「これまで出会った対戦相手は。」
「もれなく、中途半端な強さを持っていました。」
「どうにもしがたいところがある。」

理姫。
「すべてにおいて中途半端な人はよくいますね。」

旗江。
「無駄にしぶといので。」
「対戦が結構、長引いたりするのが嫌なところ。」

本実。
「目的が分からない敵対者ばかりですが。」
「最近の敵対者もその内のひとつ。」
「面倒くさいので。」
「箒で一掃してしまいたい。」

詩叶。
「所詮は、ルサンチマン、戦えば戦うほど。」
「自分の方がピンチになるってイメージしかない。」
「奴隷道徳が当てにならないことが。」
「よくわかる。」

旗江。
「災難なんて、何のために存在するのかわからない。」

本実。
「名乗ってばかりで。」
「散々、強そうな宣伝をしておいて。」
「全然、弱かったりするので、困った物です。」

星詩乃。
「数十年前は、素晴らしい時代であったという。」
「だから、どうしたと言われれば。」
「それまでの話ですが。」

シェイクスピアの戯曲が置いてあります。

オイディプス王も置いてあります。

最近の買って良かった小説を持ち寄ります。

隠れている所に良質なものが多くて。

宣伝で駄作を売るよりは。

最初から、隠れた傑作を宣伝すれば。

合理的なのですが。

プロパガンダに使用される作品も多い。

本は、鞄に携帯していて。

その中から出している一同。

夏目漱石は、何となく文学をして。

かなり批判的で。

自分のために書いたものが。

たまたま社会の役に立ったので。

それで収益を得て暮らしていると。

それがたまたま広まったので。

どう見ても偶然であると。

自分で言っていたのです。

文学って何ですか?という問いかけに発展。

旗江。
「文学ですと?」
「私は文学に人の道を見た。」
「とか。」
「美術館のような価値を感じた。」
「とかいう事を考えている人以外は。」
「しなくても良い。」

詩叶。
「何を持って文学か分からないが。」
「無暗に芸術を託された人物は。」
「気の毒である。」

本実。
「あの支離滅裂な作品の続編らしいのですが。」
「駄目な所も引き継いだのですかね。」

星詩乃。
「どう贔屓目に見ても。」
「駄作は駄作なので。」
「みんなの好みで出版している。」
「とはまさに図星である。」
「さっさと大人になりましょう。」

光織。
「学校の教科書ですか。」
「見た目だけで判断すると。」
「かなり良い感じなのですが。」
「肝心の中身がどうしようもないので。」
「世間で使うのは、ちょっと辛いかな。」

理姫。
「競争ですと?」
「勝手に戦わせておこう。」
「私は、観戦する派閥ですが?」
「という人は別ですが。」

旗江。
「競争相手は常に宣伝が上手なので、強いと思いきや。」
「最下位を争う弱さなので逆に困る。」

本実。
「ライバルとか名乗られても。」
「とりあいず。」
「その時代最強を紹介しておけば。」
「勝手に挑んで死んでくれるので。」
「無視しても良い。」

詩叶。
「やけに愚書が散見されますが。」
「一冊は安いものです。」
「大量生産されて、値崩れでも起こしたのだろうか。」

二十一時の近くで解散。

JK三人衆は、きわどい所で帰宅。

残りの三人娘は。

それぞれの家が近いので。

ここぞとばかりにふざける。

本実。
「少し、向こうの茂みに行かない?」

旗江。
「行きましょう!それでなにするの?」

詩叶。
「人に見つかる所で、何を企んでいるの?」

本実。
「下着を見たいです、見せて。」

旗江。
「また一緒にお風呂に入りましょう。」
「その時に見れば良いのでは?」

本実。
「そうですね、楽しみにしています!」

詩叶。
「私は暴行したい!」

旗江。
「また一緒に寝ましょう。」
「布団の中なら、安全です。」

本実。
「また取り合いですか。」

詩叶。
「色っぽい女性なんて、他にはいませんよ。」
「戯れてくれる女性も他にはいませんよ。」

旗江。
「好きにしてくれる女性は、この娘だけです。」

詩叶。
「女性が好きな女性は、なんか無敵なんですけれど。」

少し時間が過ぎて。

一応は夜であの時間なので。

さらにふざける。

本実。
「襲わせて!負けた方が好きにされるの!」

旗江。
「えー!?なんて勝負ですか!」

本実。
「キスさせて!キスしたい!」

旗江。
「うわっ!何を触って!えっち!」

本実。
「やらせてよ!」

旗江。
「少しくらいはされても良いかな。」

本実。
「やらせて!」

旗江。
「ひゃあ!何するつもりなの!」

本実。
「脱がす。」

旗江。
「なんて贅沢な。」

本実。
「全裸にしたい!」

旗江。
「あなたが負けたら、暴行させて!」

本実。
「うー!決定打に欠ける!」

旗江。
「いちいち跳ね返される!」

詩叶。
「なにしてんの?」

本実。
「勝った方が相手を好きにする遊び。」

詩叶。
「なんですと!私も参加する!」

旗江。
「わあ!パワーバランスが崩れた!」

本実。
「固めさせて、抱きしめたまま!」

旗江。
「やばい勝負ですね、負けると、えっちなことをされる。」

詩叶。
「人が近くに来ているようなので、やめましょう。」

旗江。
「たまには、こんな勝負も良いですね。」

本実。
「私を嫌いになったりしない?」

旗江。
「そんなえっちな所も好きです。」

本実。
「たまらない!また襲ってあげるからね!」

詩叶。
「待った!私がえっちなことをするの!」

旗江。
「女性から身体を求められるなんて。」
「なんか複雑です。」

満月で、双眼鏡で天体観測。

あまりに近いので余裕で見えてしまう。

あの辺りは宇宙ですね。

雨雲が一部にあって。

小雨が降る。

傘を借りていく。

本実ちゃんが帰るようです。

残りは詩叶ちゃん。

近くにあったコスプレ用品を漁っています。

拠点の近くにある。

旗江。
「メイド服ですね。」

詩叶。
「これから迷彩服に着替えます。」

旗江。
「私は、私服に交代。」

詩叶。
「着替えるの?」

旗江。
「小雨で濡れてしまったので。」

詩叶。
「着替えさせて?」

旗江。
「構いませんよ。」

詩叶。
「それでは、脱がします。」
「下着を着せ替えますね。」

旗江。
「うわっ!相手の女性に下着を穿かせられる!」

詩叶。
「どうですか?慣れたものでしょう?」

旗江。
「なんかえっちです。」

詩叶。
「私に下着を交換されるのが?」
「お姫様みたいなこと、したいと思って。」

旗江。
「狙っていたのですか?」

詩叶。
「やばいことしてみたいので。」

旗江。
「やばいことされて、何か満足です。」

詩叶ちゃんは深夜になる前に帰宅。

旗江ちゃんは深夜まで。

動画や資料を漁っています。

アラブの格言。

もしも神が許さなかったら天国は空っぽになる。


10


アラブのことわざ。

きちんとした嘘の方が、水っぽい真実よりましだ。

翌日。

お昼休憩中。

田園都市ですと。

とりあいず作物を植えておいて。

ろくに収穫もしないで。

支援金を得るような農家もいます。

食料自給率が低いのではなくて。

一部の農業は、遊んでいるのですね。

機材の一式を揃えたのに。

田園都市の半分くらいは。

とりあいず農業を適当に行って。

国から支援金をもぎ取る実態があります。

そうした土地を安値で買い占めているので。

大きな地主になれたのです。

旗江。
「コンビニ販売の高級米おにぎりと。」
「柴犬との触れ合い。」
「とあるインターネットの隠れた娯楽と利益。」
「たまに見かけるロリを眺める。」
「これが私の贅沢なのです。」

詩叶。
「貪欲にかき集めても、使えないし。」
「失ってばかりになりますね。」
「そもそも、多くは集まらないし。」
「保持できませんね。」

本実。
「自分が持ちきれないものを持とうとして。」
「こぼれて保持できない場合が多々あります。」

旗江。
「エピクロスですら、小さな庭と、無花果が生る木々。」
「葡萄酒と、数人の哲学者との雑談。」
「これが最大の贅沢であったと言われています。」

詩叶。
「贅沢の度合いが、かなり下げられているのですね。」

本実。
「欲望の度合いが、とある日に、圧縮されると。」
「似たようなものになります。」

旗江。
「欲望が圧縮されて、小型になる?」
「基本のような、特殊なような。」

詩叶。
「古代は、大金持ちになると、何に使ったら良いのか混乱して。」
「河川の流れを変更するという。」
「暇潰しまでやっていたようですね。」

本実。
「欲望とは、勝手に侵入するのか。」
「必要なので生じるのか。」

旗江。
「勝手に発生する衝動のようですね。」

詩叶。
「大人から禁欲的になるのは可能ですね。」
「子供が禁欲的になるのは難しい。」

本実。
「子供に責任能力を与えようなんて。」
「人間の親の傲慢でしょうけれど。」

詩叶。
「人間の親の愚かな所も、遺伝子で受け継がなくてもよろしい。」

旗江。
「馬鹿な所も遺伝しますからね。」

本実。
「代々、受け継がれてきた、間抜けで、お人好しで。」
「偽善的な所も、子孫に受け継がれる。」

旗江。
「家系に、劣っている人間や悪い人が多くなると。」
「子供も、強制されるように、劣っている人間や。」
「悪い人になる。」

詩叶。
「そんなもの、注文してはいません。」

本実。
「そういう現象についての、苦情受付が無いんですね。」

旗江。
「出自の苦情は、どこに持っていくの?」

詩叶。
「なんてこと!カスタマーサポートに誰しもが殺到する!」

本実。
「苦情の係への連絡先くらいは、どこかに書いていなさいよ!」

旗江。
「自分の価値観に沿わないものは。」
「必ず排除されるか無視される。」

詩叶。
「自分の価値判断の外にあるものを。」
「相手にする訳がありません。」

本実。
「しかも、それが善悪なのです。」

旗江。
「群衆の善悪は、初めからいろいろおかしいけれど。」
「善悪から判断して。」
「悪いものは捨てられます。」

詩叶。
「価値観が善悪ですからね。」
「価値判断から外れたものは。」
「本人が認めることはありません。」
「しかし、それが善悪ですからね。」

本実。
「本人が良いとしたものしか。」
「本人は認めません。」

旗江。
「他人の価値判断が。」
「自分に影響することは無いですね。」

本実。
「矯正を試みても不可能に挑むだけですね。」

詩叶。
「善悪について問いかけてみた所で。」
「本人は開き直って。」
「ますます自分勝手になるだけです。」
「それで良いのですけれどね。」

旗江。
「他人の善悪を見れば、他人の価値判断も理解できるので。」
「邪悪な人間とは話したくもない。」

詩叶。
「しかし、我々はその点で有徳ですね。」

本実。
「自分達の意見に従わせるとか。」
「制裁を加えて楽しむとか。」
「規制して自分達で治めるとか。」
「そういうのが価値観な衆愚は。」
「もはや何のために居るのか意味不明です。」

旗江。
「前の世代の邪悪な所も受け継いだので。」
「善悪も同様に。」
「邪悪な所も引き継いだのですね。」

本実。
「暴力を賛美したり。」
「暴行を自慢したり。」
「不正を称えるのが。」
「彼らの価値判断ですからね。」

詩叶。
「彼らの善悪は矛盾だらけ。」
「自己矛盾の連発です。」

旗江。
「自分の価値判断と善悪は同じです。」
「こうなると、どこにも矛盾がない。」

本実。
「もはや、有徳なのは証拠歴然。」

旗江。
「命令で規則に従わせても。」
「反逆されて。」
「規則に従わなくても処罰されないと発覚した途端に。」
「やりたい放題を開始されて終わりです。」

本実。
「何々をしてはいけない、なんて内容は、逆に言えば。」
「何々をしても良いのです、という発言と同義です。」

詩叶。
「何々をするな、というのは、何々をしても良いのです。」
「という発言と同じです。」

旗江。
「要するに、何々をしてはいけない、という命令を無視してしまえば。」
「罰則もありませんし。」
「逆に、一方的にこちらが追い回すことができます。」

詩叶。
「たまたま離反した人が一方的に得をする仕組みですね。」

本実。
「たまたま服従した人が一方的に負ける仕組みです。」

詩叶。
「なぜ従わなければならないのか?」
「なぜ命令をするのか?」
「この問いかけを無視することはできません。」

旗江。
「あなたの善悪は何ですか?」

本実。
「それは辛い質問ですね。」

旗江。
「あなたの善悪を語ってください。」

詩叶。
「長くなりますよ。」

旗江。
「あなたの言う善悪とは何でしょうか?」
「一部だけでも教えてくれませんか?」

本実。
「どのような展開になっても、話は複雑で長くなりますね。」

次の作業場に向かいます。

中には木の実ばかりの場所もあり。

いろいろな農園を持っているのです。

近くの農場の隅っこには。

木の実を植えてあるので。

そこは好きに収穫できますね。

軽トラックの荷台で農園地帯を移動。

一応は敷地の中です。

旗江。
「認知バイアス事典を読むと。」
「人がいかに、不完全であるか。」
「自分がいかに不完全かを理解できる。」

本実。
「事実なんて実在しないよ。」
「なんていくら言っても。」
「理解できるほど人はかっこよく出来てはいない。」

詩叶。
「事実を一度も言ったことも。」
「一度も言われたこともないのに。」
「ぶつぶつ言うだけで処罰される。」
「怖い社会になったね。」

旗江。
「それは、諸説あります、という文面を。」
「入れ忘れたのでは?」

詩叶。
「誰にでも当てはまる、諸説あります、は無いでしょう。」

本実。
「事実なんて一度も見たこともありませんし。」
「一度も言った試しもないのに。」
「解釈の議論で揉め事になる。」

旗江。
「断じて倨傲ではありません。」

本実。
「彼らは、我々の発言を故意に歪曲している。」

旗江。
「個人主義が、まだ珍しい証拠でしょうね。」

詩叶。
「自分本位な考え方は、現代の命題ですよ。」

本実。
「国家のため、家のため、というのは廃れた。」

旗江。
「個人主義の代表は、夏目漱石の講演で。」
「出演依頼が来て、立派な議場で個人主義が説かれて。」
「大いに喜ばれた辺りですね。」

詩叶。
「なぜか個人主義は大歓迎されました。」

本実。
「昔の道徳と今の道徳はまるで違いますしね。」

旗江。
「人は不完全にしか教育できない、とも。」

詩叶。
「個人主義は。」
「国家に害を成すものではない。」
「そこはよく勘違いされますね。」

本実。
「武士の側からの弁論が皆無というのは謎です。」

旗江。
「武士は、なぜか自分達の弁論を展開していません。」

詩叶。
「武士の行いは、けっこう、批判されていて。」
「あんまり良いものではなく。」
「とにかく厳格だったのが、滅亡に直結したとのこと。」

旗江。
「夏目漱石も昔と現代を決定してしまう。」
「啓蒙思想ですけれどね。」

詩叶。
「千円札に採用されている理由が理解できました。」

本実。
「正解と答えが存在しない現場で。」
「我々は圧倒するほど強いのです。」

詩叶。
「持ち歩いていた文庫が汚れました。」
「どうでもいい小説でしたが。」
「こうなると今では批判しかない。」

旗江。
「作品を信じていたいので。」
「批判を嫌うことが多々ある。」
「批判によって、疑問に変化するのを嫌うのです。」
「疑問を生じさせたくないので。」
「批判させたくない。」
「しかし芸術作品を神格化はできないので。」
「確信は、長くは続かない。」

詩叶。
「ニーチェのアフォリズムによると。」
「作者と作品を混同するので。」
「作者が死亡すると。」
「ようやく作品が分離されて評価されるので。」
「死後に公正な評価。」
「ということらしいのです。」

本実。
「それ以上の作品が存在しない社会というのは。」
「批判だけが転がっているようなものですね。」
「作品不足というよりは、何かを決定する作品が皆無。」
「圧倒するほど凄いものは、今のところ、出ていません。」

しばらく農業に加わっていると。

もう帰っていいそうです。

いつかの社会主義みたいに。

軽い労働でも問題なく回っています。

今ではお手伝いで。

アルバイトの判定になっていて。

給料が出るようになりまして。

それでも最低賃金ですね。

のんびりやっている農家ですので。

平和そのものです。

何者かが訪ねてきました。

勝負したいそうです。

旗江。
「何者ですか?」

挑戦者。
「目立っている女性を倒したくて。」

旗江。
「木刀で勝負するのですか?」

挑戦者。
「もちろん、倒したらどうなる?」

旗江。
「それでは、こちらに来てください。」

謎の男性を誘導した先は。

最近、発生した蜂の巣がある所です。

徘徊している蜂に襲撃される謎の男性。

挑戦者。
「うわっ!うわっ!」

旗江。
「それでは、木刀で勝負しましょう。」

挑戦者。
「それよりも蜂!何故に蜂!」

旗江。
「ここら辺では当たり前にいますけれど?」
「蜂の種類くらい見えるようになったら?」

挑戦者。
「ぎゃあああ!寄るな!」

旗江。
「慣れているので、私の所には来ませんよ。」

挑戦者。
「蜂が多いぞ!」

旗江。
「隙あり!」

挑戦者。
「ぐわっ!これはたまらん!」

謎の男性は勝負を捨てて逃亡。

蜂の巣があるとは思わなかった様子。

何発も当てたので。

決闘に勝利。

旗江。
「余裕でしたね。」

詩叶。
「正々堂々だけが戦いではないね。」

本実。
「相手を倒せれば、何でも良いのです。」

旗江。
「卑怯ですと?負けたくせに。」

詩叶。
「卑劣とされている行為が、有効な解決方法になる場合もある。」

旗江。
「正攻法だけが戦いなんて思うのは、未熟な奴ですね。」

本実。
「明らかに、策略を駆使する人が栄えていますよね。」

詩叶。
「彼らの言う、卑怯者という非難は、たいてい負け惜しみ。」

旗江。
「乱世で、どれだけの策略や、卑怯とされる作戦が行われたか。」
「調べてみるが良い。」

詩叶。
「相手を滅ぼしたいので、どんな策略も好まれましたね。」

旗江。
「戦国武将の全員が、卑怯とされる作戦を容易に使っています。」
「武士は正々堂々というのは誤りですね。」

本実。
「それで英雄になったり、賞賛されているのに、気がつかないなんて。」

旗江。
「相手が卑怯なほど、こちらも卑怯であることを強いられるものです。」

本実。
「私も狡猾には狡猾になって対抗しますね。」

詩叶。
「相手が悪賢いと、自分は策略も平気で使います。」

旗江。
「戦国武将が、後々、栄えたのも。」
「乱世の後も存続したのも。」
「手段として、卑怯な作戦も積極的に採用したからです。」
「公正なんて、同格の者同士の取引に過ぎませんからね。」

挑戦者を始末しました。

ついでに蜂の巣を駆除。

周囲に何もない一本の木だったので。

蜂の巣を一緒に燃やして処理。

すぐ近くには村社がありますが。

少し移動するとお宮が多い。

社会では無神論を合法化されそうですが。

不可知論者が割と多いのですね。

宗教については。

ヴォルテール寛容論を参照されたし。

今日は式典で氏子が集まっていました。

農作業で参加できません。

遅れて参拝。

神々に感化されると。

自分を矯正できますね。

拠点に戻ると。

ヴォルテール寛容論を本棚から出す。

アラブの格言。

寛大はすべての欠点を隠す。


11


アマチュア天文台。

とは言っても建設したばかりで。

もっぱら物好きの集い。

流れ星が見えますが。

あれは一メートルほどの塵や残骸が。

大気と燃えたものです。

しかしあまりにも美しいので。

今でも魅了される自然現象。

願いを流れ星に向けると叶うというのは。

各地で見られますが。

田舎ですと大量に飛来しますので。

正否は不明です。

ありえない数の流れ星もあるからですね。

アンドロメダ銀河と天の川銀河は相棒で。

お互い寄り添って回っています。

宇宙観測というよりは。

アマチュア研究室。

創造論から考察する哲学者の集いで。

宇宙から見た地球という惑星。

という逆説まで持っています。

今夜も書籍を持ち寄り研究。

単なる詮索。

旗江。
「うまい目にあってもいやな顔をする。」

星詩乃。
「私の味方ではない者は、多分、私の敵です。」

旗江。
「ビッグバン理論は解けない問題を抱えている。」
「特異点から開始されたのなら。」
「そこには無限のエネルギーがある。」
「つまりは、神の一撃を認めざるを得ない。」
「なぜ火の玉から生じる必要があるのか?」
「遠くの銀河とは因果関係を持ったことがない。」
「それなのに同じような構造をしている。」
「一様性問題など。」
「量子ゆらぎによって生成の精度を確保できない。」
「平坦性問題など。」
「それでなぜ銀河や星が形成されるのか説明できない。」

詩叶。
「いろいろな問題を抱えており。」
「将来。」
「インフレーション宇宙論に交換されると見られています。」
「ビッグバン理論は。」
「後々、昔話や神話で残ることになり。」
「言い伝えでは、ビッグバンというものがあって。」
「そこから世界が出来上がった。」
「というものに変更されてしまうのでしょう。」

本実。
「地球生命は、所々が中断している痕跡が見られる。」
「化石では、特にそれが容易に理解できる。」
「複数の層で。」
「上の層と下の層では。」
「まるで性質が違う生物が検出されている。」
「地質学者や天文学者でもダーウィン学派を嫌う人もいる。」
「要するに学者にも派閥の違いがある。」
「ダーウィンの信奉者は常に非難されている。」

旗江。
「化石では、生命が途絶えた痕跡は有名ですよ。」
「ツングースカ爆発の時は、クレーターの発見と。」
「隕石の回収がありましたが。」
「あそこは無人地帯で、少数の先住民だけが遭遇しています。」

本実。
「調査も、自然科学の発展で、ようやく可能になりましたね。」
「各地に、まだ残っているかも。」

星詩乃。
「土に埋もれている中に古代の隕石が作ったクレーターがあり。」
「天体衝突の痕跡が見られる。」
「現に、彗星が地球に異常接近した史実があり。」
「ローマ教皇が収拾に努めたほど。」
「天体衝突はありふれた自然現象となる。」

光織。
「ミケーネ文明などが、歴史から短期間で終焉を迎えているのも。」
「巨大な帝国が、短期間で消えているのも。」
「天変地異で消滅して。」
「一部の人間しか生存せず。」
「技術や文化がリセットされて。」
「やり直しになっている。」

旗江。
「まとめて全滅したら、何も残りませんしね。」

本実。
「何か残っていても、何とか掘るしかないですね。」

詩叶。
「昔を無限に辿れないのですし。」
「紀元前九千年が、最古の歴史となりますね。」
「一年に一度は隕石が飛来するので。」
「天体衝突は珍しいことではなくて。」
「激戦説を前提にすると、けっこう成り立ちますね。」

理姫。
「隕石は小惑星帯から飛び込んできますが。」
「彗星は、オールトの雲という天体群から突っ込んできます。」
「隕石は、金属の塊であったり、岩石であったり。」
「突入する時の角度や、侵入速度、本体の質量で結果が違いますが。」
「彗星は、多くの場合は、氷の塊なので、上空で爆発してしまいます。」

詩叶。
「定期的に突っ込んでくる大型の彗星や隕石が。」
「天変地異を引き起こして。」
「文明を何度も全滅させていて。」
「その都度、残った人間は、文明や文化を再建して来たのでしょう。」

旗江。
「人類の歴史は、妙に短いでしょう?」
「なぜ歴史に残っている年数は非常に短いのですか?」

本実。
「古代人は、大きな彗星で人類が左右されるのは当然であると。」
「考えていたので。」
「起源44年の彗星も。」
「詩的に解釈していますね。」

理姫。
「1456年の彗星は、直撃寸前で。」
「教皇カリクストゥス三世が記録していますね。」
「度々、彗星は突っ込んでくる。」

本実。
「近代でも観測されています。」
「機材がけっこう違うので。」
「確認は取れていませんが。」
「地震にしては異常だったとのことです。」

星詩乃。
「しかも遠く離れた所で稼働していた、種類が分からない機材です。」
「資料では種類を確認できませんでした。」
「何の機械だったのでしょうか?」

旗江。
「伝説ならば豊富にありますよ。」
「アリストテレスも目撃していたりとか。」
「天体衝突とかはよくあるもので。」
「それによって地球の生命はすぐに中断されていますね。」
「遺跡などは数千年前が限界で。」
「それ以前の遺跡はそう残ってはいません。」

星詩乃。
「その遺跡よりも、さらに古い遺跡は、やっぱりないね。」
「かと言って、ダーウィン学派は駄目です。」
「あらゆる哲学者から、叩かれています。」

詩叶。
「ダーウィン説が自然科学で検証されておらず。」
「新興宗教に近い考え方というのは否定できませんね。」

星詩乃。
「昔は、西洋版、月間ムーみたいなのが人気になって。」
「斉一説の支持者は振り回された。」
「いくら訂正しても数で押されるので。」
「トラウマになって。」
「古文書や宗教の史実などを。」
「斉一説の者達は拒絶するようになった。」

旗江。
「最初に激変説(天変地異説)が説かれたのは。」
「ジョルジュ・キュビエで。」
「そこから続々と神学者も加わっていきました。」
「十九世紀に地質学が誕生すると。」
「激変説が追いやられましたが。」
「今では両者が加わっており。」
「両者の対立構造もありますね。」

光織。
「そもそも斉一説にはダーウィンの考えが大量に含まれていますね。」

理姫。
「進化論だけで創造論を学んでいないのでは?」

旗江。
「斉一説から激変説への移行ですね。」
「永劫回帰を読めば容易く激変説が有利であると理解できます。」

詩叶。
「人類の歴史が一貫していない時点で、斉一説はやや不利です。」

旗江。
「日本では、紀元前に、古代君主が実在しています。」
「後に豪族と呼ばれますが。」
「文明が切断される毎に記録も消えてしまうので。」
「忘れられてしまいます。」

本実。
「百年に一回くらいは大型彗星が現れて、かすめていくので。」
「2019OKという有名な巨大天体が直撃したら。」
「後知恵バイアスで、激変説を支持する人も出るでしょう。」
「あれ?全滅してから支持するの?」

旗江。
「どんな分析も、合理的な解説になるのなら。」
「問題ないと思われます。」

星詩乃。
「よく知られている史実に。」
「アラブ諸国は昔、大湿地帯であった。」
「というものもありますね。」

光織。
「アフリカから出発している割には。」
「アメリカやアラスカの先住民を説明できない。」
「ダーウィン説のみを正しいとする考え方は不合理ですね。」

理姫。
「複数の検証と証拠を集めてからではないと。」
「とても論じられる分野ではありません。」

星詩乃。
「必要なのは!証拠!」

旗江。
「何の証拠もなしに、斉一説も激変説も、成立しているとは思いません。」

理姫。
「ちなみに、斉一説に寄りますと。」
「人間も猿も祖先は同じで。」
「明確な違いで枝分かれしたというのが定説です。」

星詩乃。
「こういうのを新しい科学の分野で。」
「宇宙論と呼ばれますね。」
「私はティマイオスに基づいているので。」
「哲学からの言及となります。」

光織。
「哲学からは、絶滅から逆算して。」
「世界を解釈することは可能ですね。」

旗江。
「文明が永続すると思ってはいませんね。」

詩叶。
「よくある想定で。」
「狂った独裁者が。」
「次世代の核兵器を使用して全滅というものがあります。」
「そうでなくても。」
「腐敗した世界が核兵器をチープな扱いで放つことはあるでしょうね。」

本実。
「チェリャビンスクに突っ込んできた隕石や。」
「東日本大震災のように。」
「あっさり惑星の環境は変更される。」

旗江。
「隕石(小惑星)は、百メートルほどの大きさなら。」
「水素爆弾と同格の威力で。」
「五百メートルを超えると。」
「生物が壊滅するとのことです。」

本実。
「ちょうどいい破壊で文明がリセットされている様子ですね。」

旗江。
「もちろん、伝記や歴史書も巻き込まれて。」
「消されますね。」

本実。
「死海写本などの確実な方法で保存されていないと。」
「消されますね。」
「あれは洞窟の中で保存状態が最高です。」
「ローマ軍の攻略で滅亡した時代の宝物ですしね。」

詩叶。
「そもそも天体の接近は、昔の美術品に多く採用されていて。」
「どちらかと言うと芸術の題材にしたり。」
「詩人が歌にしたり。」
「何とも思っていない古代人の捉え方がありますね。」

旗江。
「毎日の日常が繰り返される。」
「というのは。」
「けっこうあっけなく崩れる暗黙の了解なんですね。」

本実。
「地球温暖化は激変説ではありませんか?」

旗江。
「知りません、人工的なものなら何とかなります。」
「地球が傾いたとか、そういうのなら。」
「ゆっくり死にます。」
「自分が年老いた頃に最悪な環境になっているとしたら。」
「資本主義者みたいに。」
「大洪水は、我々の後に、なんて冗談も言えます。」

星詩乃。
「平均気温があんな予測で、人が暮らせない環境になっていますので。」
「結局は、死人の方が、生まれる人よりも桁違いに多いかと。」

詩叶。
「無理して子孫を残しても。」
「天文学や地質学からして。」
「一部の人間しか残らなかったり。」
「生命が中断される予定なので。」
「何のために代を繋いでいるのか理解不能です。」

旗江。
「文化を見ると、同じ祖先と言われても。」
「まるで別物のような制度があったり。」
「芸術も別物であったり。」
「技術も別物です。」
「今のアフリカ部族なんて。」
「かなり劣悪な部類で。」
「未だに機械や銃器もろくに使いません。」
「犯罪や汚職ばかりで。」
「西洋諸国が帝国主義の時代に手を貸してやって。」
「ようやく自立した程度ですね。」
「彼ら独自の発想から出たものは。」
「ほとんどありません。」

光織。
「アフリカは昔から自然主義で。」
「哲学とは敵対するような思想だらけですね。」

理姫。
「同じ起源から、複数の地域で、同じ時期に。」
「文化が築かれたと見るのが合理的かと思われますし。」
「それ以前に、壊滅した世界から生き残りが立て直して。」
「同時期に、建国したような国家なら、幾つもありますね。」

旗江。
「実証主義では、その辺りで限界だと思われます。」

詩叶。
「この世界が永続すると思ったのはなぜか?」

本実。
「それは不意に何かあった時に準備せよ。」
「という問いなのでは?」

旗江。
「だいぶ汎神論にはなりますね。」

光織。
「創造論から自然を調べないと無理ですね。」

星詩乃。
「自分達も埋もれる文明の一員でしょうか?」

本実。
「ギリシャ人は、自分達もどうせ滅びるのだろうと言っていますが?」

詩叶。
「文明が永続するなんて誰が言ったのか?」

理姫。
「文明が中断されると言う懐疑論は必要という結論ですよ。」

本実。
「ひょっとしたらこの文明って滅びるよね?という程度で良いのですね。」

旗江。
「もしかしたら、この文明は、天変地異で変更されるのか?という疑問で足ります。」

星詩乃。
「現代の文明と言えども。」
「誇るほどでもないし、拘泥するほどでもない。」
「滅びるのなら、我に最高の死をくれ給え。」
「なんて詩にするのもどうか?」

旗江。
「そういう災害を目の前に、ふざけているのが賢明な態度でしょう?」

理姫。
「人間達が勝手に定義して、確立した多数決で世界観があるので。」
「そんな世界観がいくら覆っても。」
「問題はないですね。」

旗江。
「勝手に世界はこうであると自分達で決めているので。」
「裏切られたり。」
「まるで違っているものを食らったりしても。」
「不自然ではないですね。」

光織。
「我々は、証拠が大好きで、証明には興味がありません。」
「面白ければ良いのです。」

旗江。
「クリティカルシンキングが出ますね。」

本実。
「滅亡を前提に入れていない仕組みのせいで。」
「不具合だらけ。」

詩叶。
「この後も栄えていく証拠もなく。」
「滅びる証拠ならありますしね。」

星詩乃。
「やや若い地球説とか出してしまう。」

旗江。
「イーリアスを引用すると。」
「死すべき人間は死ぬ時に死ぬ。」

本実。
「占星術は元々、天体衝突を予測したことで。」
「誕生したと言われていますしね。」

旗江。
「話は死んだら終わりではなくて。」
「死んだくらいでは、むしろ始まりですね。」

本実。
「またもや再建された世界で。」
「大昔はこんな超文明があって、今はこう、とか。」
「似たようなことが繰り返される。」

旗江。
「また何かあっても。」
「ツァラトゥストラのように。」
「もう一度、あの場所に戻って、やり直して見せる。」
「なんて凄い終わり方は詩的で。」
「何でも肯定する強いものですね。」

詩叶。
「私は次があるとは思ってはいない。」

旗江。
「未来に希望を託しても。」
「結果は同じになると言われています。」

本実。
「ツァラトゥストラのとある訳本では。」
「最初の景色が、その人の終わりと表裏一体。」
「という不思議な展開もありますね。」

星詩乃。
「海辺の洞窟から出て。」
「荒波と雷雨の中で。」
「最初と最後が交差する。」

光織。
「破滅がいつなのか?」
「これは回答できません。」

理姫。
「持続したい社会を考えるのも酔狂ですが。」
「滅亡を前提とした社会の仕組みも必要ですね。」

旗江。
「自然科学でそう出ているのですし。」
「カルト宗教は、科学の研究を奪い取って悪用しているのが常ですが。」
「伝統宗教では古代世界の史実が豊富にありますね。」

星詩乃。
「文化くらいしか自分の好みはないので。」
「個人としては、勝手に滅んでくれても構わない。」

旗江。
「天体衝突が、ニュースのトレンドになったら。」
「多分、被弾します。」

星詩乃。
「話題になる頃には、きっと遅いですね。」

本実。
「目安は、話題になるのか、議論されるのか。」
「注目された辺りですね。」

詩叶。
「もはや現実主義な議題になっているのですからね。」

旗江。
「もはや過去を、活力を与えてくれる糧のように。」
「使う術を知らない。」

星詩乃。
「私が救われる限り、世界は滅びてもよい!」

話題はギャル系か少女系かの区分けに移動。

若くてビジュアル系か。

大人しくて可憐な少女系か。

好みが分かれています。

見本を持ってきて。

フリー写真が飾られていまして。

その場にいる女性の魅力を再発見。

いきなり、かなりの参考になりました。

旗江。
「適当に色っぽい女性になれば良いのですか?」

星詩乃。
「そんなのつまらない!」

本実。
「少女のような成人女性が理想ですよね?」

詩叶。
「アイドル系の成人女性が増えていますよ?」

本実。
「女性が自由を手にすると。」
「能力の開拓が可能になっているので。」
「既成概念が崩壊しました。」

光織。
「これまでの女性はそうでしたよ。」
「では、次の女性もそうなるとは限らない。」

理姫。
「これまでの女性はこうなので。」
「しかしその次も同じなのでしょうか?」

旗江。
「男性にも言えることですよね。」
「これまでの男性はそうでした。」
「しかし次の男性も同じでしょうか?」

理姫。
「男尊女卑なんて嘘なんですよ。」
「必ずしも男性が優れているとは限らない。」

旗江。
「全員が女性より優れてはいないのが男性の実情ですよね。」

光織。
「場合によっては女性が圧倒しますよね。」

本実。
「不適切なサンプリング。」
「劣っている方を見てすべてを判断し。」
「優れている方を無視している。」

詩叶。
「参考にする対象や情報が狂っている。」

星詩乃。
「たまたま男性が戦うことが多くて。」
「たまたま女性が、従っていたくらいですね。」

旗江。
「その男性を、私は何百人、破滅させたのか分からないよ。」

本実。
「男性の戦略は読まれていますね。」

詩叶。
「一度でも男女のパターンが出てくると、後は退屈。」

光織。
「男性は、筋肉か、お洒落か、インテリで勝負するようになったね。」

理姫。
「少女の雰囲気の女性とか、アイドルみたいな女性とか。」
「成功した女性は見ていないとか。」

星詩乃。
「結婚が絶対視できるものでは無くなったので。」
「別の生き方を調べると、男女は、あっさり見つかったのでしょう。」

旗江。
「男女のパターンが定まると、今度は個人がそれを壊して離脱しました。」

本実。
「従う必要がなくなると、離反されるものですね。」

詩叶。
「梟をアテナイへ。」
「なんてことになってしまう。」

旗江。
「意見と魚ですね。」
「人は魚の所有者であるのと同じ仕方で。」
「自分の意見の所有者である。」
「つまりは養魚池の所有者と同じであるという意味です。」
「人は釣りに出掛けて行って、うまく釣り上げないといけない。」
「そうすれば自分の魚、自分の意見が手に入る。」
「私がここで言っているのは、生きた意見。」
「生きた魚についてのみです。」
「別の連中は化石の陳列棚を所有することに満足する。」
「つまり自分の持論の中に信念を所有する。」

星詩乃。
「まったくその通りです、生きている意見が最も良いのです。」

光織。
「干物になった意見とかは嫌いですね。」

理姫。
「腐ってしまった意見はもう無理です。」

星詩乃。
「海や河川の中に意見は泳いでいて。」
「自分の意見もその中のひとつであり。」
「それは変化するもの。」
「他の意見の正当性にも言及する。」

旗江。
「信念は、嘘よりも危険な真理の敵である。」

話題になる流行。

情報が流れてくる。

都市の商店にて。

大正時代の服装が復元されていて。

これらを購入して。

全員でお揃いにする計画です。

遠方で火山が噴火していますが。

故意に無視していますね。

大津波警報が出されていますが。

環境への影響は少ないでしょう。

大規模な太陽フレアが検出されて。

昔のような。

一部地域のみに敷かれていた。

初期型の電線や通信手段が。

破損した時のように。

電子機器故障が懸念されますが。

オーロラが異常発生するだけで終わりました。

ちなみに、彗星が接近する時は。

疫病が発生するという説があります。

ニーチェの格言。

人間のもとでは、所詮多くのことが不可能である。


12


策略は行動の手品である。

クラウゼヴィッツ。

僅かな休暇を利用して。

日帰り温泉に到着。

すぐに帰ってしまいますが。

付近で遊ぶ予定です。

入り口でイケメンと遭遇。

旗江。
「ほいっす!」

紳士。
「あなたは他と同じく気違いかね?」
「それとも正常な人の演技が上手なだけかね?」

旗江。
「その通りです。」

紳士。
「その受け答えが出来れば。」
「何の問題もありませんなあ。」

旗江。
「あなたは、聖者の真似事が得意なのですか?」

紳士。
「もちろん、とても得意です、天性ですよ。」

旗江。
「その回答が出来れば、中々の大物ですね。」

JK三人衆も同行しています。

休日ですからね。

費用は三人娘が出しています。

旅館の中で。

詩叶。
「道徳が間違っていた場合には。」
「道徳の名前で非難される。」
「最も、道徳を潰すのは快感で。」
「道徳を踏み倒すのは、至福の瞬間なのです。」

本実。
「何々はいけない、を無視すれば。」
「それは手に入る。」

星詩乃。
「暴力は手段としてはかなり有効で。」
「目的は、主権になるので。」
「別に方法には拘泥しないね。」

光織。
「善人だからって特別扱いはしてくれませんよ。」
「むしろ善人だからと名乗る奴は。」
「天罰を受ける。」

理姫。
「もれなく道徳は悪を教えるだけで。」
「いろんな悪はむしろ道徳が維持している。」
「道徳という悪を消してしまえば。」
「悪も、無駄に広がることはない。」

旗江。
「自分は道徳よりも正しいので。」
「一方的に道徳を処罰している。」

星詩乃。
「そもそも、道徳を恨んでいるので。」
「道徳に復讐をしているのですね。」

旗江。
「道徳よりも私の方が強いので。」
「貧弱な道徳は、常に敗北者ですね。」
「私より弱いくせに道徳は何を言っているのか。」

詩叶。
「とりあいず、道徳に呪詛をしておきました。」

本実。
「道徳に大量の間違いが含まれているので。」
「道徳の名前で非難する。」

星詩乃。
「道徳が間違っていれば。」
「道徳の名前で非難される。」

旗江。
「現実に、道徳は間違っている。」
「故に非難される。」

理姫。
「出生が裁いたような内容を見つけると。」
「出生が直そうとしている所を。」
「故意にぶり返すように努めました。」

光織。
「力に裏付けされない道徳は信用しない。」

雑談をしていると。

実の所はお互いの裸体が見れるので。

はしゃいでいる。

温泉に入り。

出てくる頃には。

満足している。

温泉よりも、他の女の子に興味があった。

休憩の途中。

日帰り温泉の旅館で。

女の子が来て。

帰り際に部屋に誘われる。

旅館の娘のようです。

いろいろと怪しくて。

ネグリジェと頭にリボン。

客人としてもてなすと言われて。

ひとりでついていくと。

とある一室で。

いきなり襲われる。

ネグリジェ娘。
「好きにしたい!」
「倒したら、撮影するの!」

旗江。
「なんて過激な女の子なんですか!」

ネグリジェ娘。
「負けた方が好きにされる試合なの。」

旗江。
「では、私が倒します。」

ネグリジェ娘。
「私が気絶するまで襲うよ。」

旗江。
「そんなに非力で、成人女性が倒せますかね。」

圧倒する。

女の子を脱がして逃げる。

女の子は下着姿で追跡できない。

ネグリジェ娘。
「ぐえ!だから私は都会から追放されたのです。」
「ほとんどの場合、失敗しているから。」

旗江。
「そこまで過激なものは好きではありません。」

ネグリジェ娘。
「あっさり負けるなんて、同じ趣味の女の子がいたのに!」

旗江。
「口説き方が悪いのですね。」

やばい女の子で、同じやばい女の子を口説こうと。

探しているそうです。

休憩している所に戻ってくる。

温泉から出て。

すぐ近くにあるお宮。

看板の内容を知っていたので。

参拝。

旗江。
「敬神の中に疑問が生じているのを。」
「多分、最近、伝わってしまっています。」

詩叶。
「信仰の中で疑いが生じるのは。」
「悪いことではありませんね。」

本実。
「まったく疑わない信徒も良くはありませんが。」
「信仰から出た懐疑論ならば。」
「むしろ最高でしょう。」

旗江。
「猜疑心を読まれていて、対応が今までとは違います。」

詩叶。
「よくあることです、むしろ疑うという斬新な信仰に。」
「真理は大量にもたらされます。」

駅に向かう。

徒歩で。

タクシーは使わない。

温泉は駅前にあるので。

電車で通えてしまう。

旗江。
「制服姿で、たまに訪問するのは誘っているの?」

光織。
「そう思っても構いませんよ。」

理姫。
「形式的な学歴が欲しいので。」
「ついでに制服も欲しかったのです。」

旗江。
「学歴の他には何も持っていないなんて。」
「言わないでくださいね。」

星詩乃。
「福沢諭吉の実学では。」
「杓子定規が危険であると習いますね。」
「ひとつの規範に当てはめてしまうのは。」
「有害とのことです。」

光織。
「現代の教育はひとつの規範に当てはめて。」
「生徒を判断しますが。」
「ある程度は有効であっても。」
「公平な競争であると信じさせる。」
「誤りも含まれています。」

理姫。
「最後に、根拠のない自信を得て。」
「失敗に気がつかない。」
「あの有名な自信過剰に陥るだけですね。」

星詩乃。
「自分を信じていない心理状態になれば。」
「常に平均以上が出るものです。」

光織。
「あなたのその話し方は。」
「ヘーゲルの弁証法ですね?」

理姫。
「名門大学でヘーゲルが教えていたものですね?」

星詩乃。
「大学生でやっと理解できるのが弁証法ですからね。」

本実。
「前後と言っていることが食い違うのは。」
「弁証法によるものですね。」

詩叶。
「読者には難解な印象を与えますが。」
「弁証法の文法を理解できるのは。」
「大学生くらいなものですね。」

旗江。
「自分の言説が間違っていると。」
「その名前で非難されるので。」
「可能な限り。」
「間違いが無いように。」
「慎重に調べないと。」
「すぐに間違います。」
「少しくらいの間違いならば逃げられますが。」
「大きな間違いならば振り切れませんね。」

星詩乃。
「誤りならば、改めれば、もう無罪です。」
「明らかな間違いは自分にとっても危険ですね。」

理姫。
「間違いは、誰にとっても危険そのものです。」
「間違いで命を落とすほどなので。」
「ある意味で、間違いとは死に直結します。」

光織。
「死活問題になるのが間違いというものです。」

旗江。
「たとえば。」
「何とか主義ですら。」
「本当に間違いがないのか。」
「よく調べる必要がありますね。」

本実。
「客観的な所から引いた言説も。」
「その客観的なものが本当なのか。」
「調べた上で述べないと無理ですね。」

詩叶。
「間違いが平気でまかり通っていて。」
「我慢できる人なんていませんし。」
「間違いを長く耐えられる人なんて。」
「どこにもいないでしょう。」

旗江。
「間違いであると証明された辺りで。」
「袋叩きにするに違いない。」

星詩乃。
「誰しもが自分が優れていると思いたい。」
「しかし実際は、優れていると思いたいだけで。」
「本当に優れているとは限らない。」

理姫。
「見た通り平均くらいなのに。」
「それ以上とは思わないでほしいくらい。」

光織。
「自信が特に無い方が、失敗に気づきやすいものですね。」

旗江。
「自分の実力に疑問を持っている人が、本当に優れているのです。」

詩叶。
「懐疑論に入らない実力は、おそらく欺瞞。」

本実。
「嘘をついて成立するような実力は、失敗を隠そうとする。」

星詩乃。
「自信だけあると、見返りとして、虚偽を貰えます。」

日帰り温泉から帰還しながら。

人の少ない電車の中で議論。

人がいない車両に移動。

田舎の電車で人がいないことを利用して。

雑談でヘーゲルの弁証法を訓練する。

旗江。
「攻撃してくる敵に善意で迎えるのは。」
「愚かなことです。」

詩叶。
「侵略者に善意で接するのも。」
「愚かなことです。」

本実。
「臆病で戦いを避けようとして。」
「かえって危険に陥る。」
「自分から追い回していれば。」
「有利になっていたと思うのだけれど。」

星詩乃。
「戦士になれないのは臆病者の度が過ぎるから。」
「戦いを避けようとして。」
「かえって無防備になっている。」

光織。
「否定することで戦いから逃れられたりはしない。」
「戦いが避けられなければ。」
「戦闘を延期したりはしない。」

理姫。
「むしろ戦士のように振舞うほど。」
「戦いは楽なものになる。」

旗江。
「争いに怯えるのは臆病者だけです。」
「勇敢な人は逆に争いを追い回しています。」

本実。
「人生が何の禁止もない戦場ならば。」
「一時間で何でも解決しますよ。」

詩叶。
「死体だらけにするくせに。」

旗江。
「アキレウスはオーバーキルを最初にした英雄ですけれど。」
「敵に対しては同じようにすれば良いのです。」
「馬車にヘクトルの死体を縛り付けて。」
「無限に引き摺る。」
「その後にヘクトルの父親が陣営に侵入して。」
「人間の技では無いと歓迎され。」
「ヘクトルの死体を返しましたが。」
「オーバーキルは古典でも実在します。」

本実。
「平和な世界が続いて、戦いを忘れました。」

詩叶。
「今では、何かしらの摂理に依存して。」
「戦うような題材が増えています。」

旗江。
「戦いで摂理に依存する馬鹿は必ず倒されますね。」

星詩乃。
「戦士なら、摂理に頼ることはないですね。」

光織。
「強いだけでは勝利できない。」
「という教えは兵法で登場しますね。」

理姫。
「これは実例があります。」
「簡単に強いだけでは勝てない。」

旗江。
「頭脳明晰なら勝てるというのも違います。」

星詩乃。
「どんな戦闘も目的が設定されていて。」
「これを達成すれば、後始末があるだけです。」

旗江。
「徹底する殲滅に出て。」
「絶対的な勝利を得ようとすると。」
「どんどん過激になって。」
「消耗や怪我などが重なりますね。」

本実。
「相手が何々したいという所を挫けば。」
「もう勝利です。」

詩叶。
「相手は、争いで、何々したい、という要求があります。」
「その何々したいというのを挫くのです。」

戦士の心得を確認しています。

都会の方に戻ってきたので。

人が多くなる。

一同、沈黙。

早朝から出発したので。

時間が余っていますので。

拠点に戻ります。

疑問。

経験とは何ですか?

経験とは質ですか?内容ですか?自称ですか?

セネカの名言。

高い年齢に達した老人が。

長い間、生きていたことを証明する論拠として。

年の功以外には、何も持っていない例がよくある。


13


偽善は流行の悪徳だし。

流行の悪徳なら、何でも美徳として通用するんだ。

英語の格言。

拠点で。

ゲーミングパソコンを使用して。

フライトシミュレーターを稼働させていますね。

何を言ってもオンラインゲームなどで戦っていて。

本当の所は、争いが好きなのではないかと疑われる。

社会があります。

こちらでは。

そうした競争よりも。

自分のために代理戦争を利用しています。

他人から得た戦争についての意見は無視ですね。

旗江。
「視界外戦闘では、ミサイルの射程を計算して。」
「それに入らないように。」
「反転しては前進する。」

詩叶。
「少しずつ前線を上げていくという。」
「空域の確保を続けて、護衛対象が爆撃するまで。」
「空域の取り合いになります。」

本実。
「少しでも距離を誤ると、ミサイルを被弾しますね。」
「双方が、距離を保ちつつ、撃ち合います。」

旗江。
「最後には、爆撃に成功すれば良いので。」
「護衛機は、空域を短時間、占領するのが目標です。」

星詩乃。
「稀に偶然に流されて。」
「ミサイルを撃ち尽くして、格闘戦に突入する。」
「制空戦闘もありますね。」

光織。
「戦闘機の格闘戦で。」
「最初に上方向の旋回を行うと。」
「回転した際に。」
「相手が左右に旋回している姿が見えてしまう。」
「適当に、上方向の旋回をするだけで。」
「最初から有利。」

理姫。
「斜めにして斜めからの旋回で。」
「同様に有利な展開に持っていけますね。」
「推力が高い戦闘機ならば。」
「上方向の旋回から開始すれば。」
「とりあいず優勢になります。」

星詩乃。
「左右の旋回から格闘戦に入るのは。」
「明らかに最悪な手段です。」
「上方向から回転した敵機は。」
「こちらを見下ろすように追跡できますし。」
「左右だけでの旋回では決着がつきません。」

旗江。
「上方向の旋回から格闘戦に突入して。」
「回転した辺りで左右に曲がる敵機が見えて。」
「そのまま追跡すると。」
「あっさり後ろを取れます。」
「これは旋回の手品なのです。」

詩叶。
「機関砲で仕留めたい場合は。」
「上方向の旋回をいかに使うかの対戦になりますね。」
「下方向の旋回は、あんまり利点が無いので。」
「使いません。」

本実。
「大規模戦争にて。」
「攻撃機が戦闘機を撃ち落とす事例が多くありましたが。」
「旋回半径が小さい攻撃機に。」
「旧式の戦闘機が接近すると。」
「回り負けて機関砲を撃ち込まれます。」
「格闘戦は、視界外戦闘と比較すると。」
「明らかに危険な戦闘になりますので。」
「予想外の機体特性を持つ戦闘機には。」
「仕掛けないほうが良いのです。」

星詩乃。
「力といえども、知性なくしては無に等しい。」
「ナポレオンの名言。」

旗江。
「戦争の発生は必然なのに。」
「戦争はいけないとか。」
「二度と戦争を起こしてはいけないとか。」
「考えるのを放棄していますね。」
「相手側は少なくとも。」
「戦争を悪だとは思ってはいません。」
「むしろ戦争を賛美する側が。」
「けっこう頻繁に仕掛けてきます。」

星詩乃。
「都市に出没する暴漢ですら。」
「その行為を悪だとは思ってはいません。」
「相手を悪だと思って。」
「自分のために犯罪や暴力を行います。」
「こうしたものに善意で向き合うのは愚かなことです。」

旗江。
「これまでの経過を見れば。」
「戦争をする前には。」
「必ず、国家に利益が生じるので。」
「攻めまくっていましたし。」
「昔は、戦争は悪とは言われなかったのです。」

詩叶。
「今では、戦争なんて必然なので。」
「逃げても無駄です。」
「戦争がしたい連中なんて。」
「どこにでもいますからね。」

本実。
「仕掛ける奴らは、相手が悪だと思って。」
「攻撃してくるので。」
「善意なんて何の役にも立たない。」
「敵からすれば、こちら側が悪だと言うことに。」
「なっているので。」
「応戦するのも必然で。」
「相手の目的を阻止すれば良いのです。」

星詩乃。
「必ず戦争が発生するのに。」
「むしろ戦争が生じるように仕組まれているのに。」
「反対した所で、武器もない偽預言者の集いになります。」
「戦争の中でどう振舞うとか。」
「正義を讃える姿勢を崩さないとか。」
「目的を義戦に限定するとか。」
「半分だけは戦争をコントロールできるのです。」

光織。
「むしろ戦争の半分はコントロール可能という部分を。」
「怠ることで、天罰みたいに、被害は何倍にもなります。」

理姫。
「戦争は必然ですから。」
「戦争という最初から仕組まれている構図を。」
「どう扱うかについては、いろんな見解がありますね。」

旗江。
「争い自体も、諍いも、最初から仕組まれているようなものなので。」
「管理したり、制御したり、何とかしておかないと。」
「いつの間にか、暴発したりもします。」

詩叶。
「そうしたものを前提に入れておけば。」
「どんな状況も、有利に進めることもできますね。」

本実。
「時には青銅の種族みたいに。」
「争いが共通の趣味であったり。」
「喧嘩がしたくて暴走するような輩もいますから。」
「青銅の種族がやったような。」
「理由もなく戦争をして楽しんで。」
「終わったら、また理由もなく戦争がしたくなる。」
「という破壊衝動には、警戒が必要です。」
「似たような人間もいますからね。」

旗江。
「昔の戦争は。」
「憂さ晴らしがあり。」
「自分の利益があり。」
「敵国の殲滅は。」
「目標にならない傾向にありましたね。」

詩叶。
「中世の戦争は、相手を懲らしめて。」
「相手の財産を持ち逃げしたり。」
「所有物を売り払ったり。」
「都市を焼いたりしてから。」
「さっさと立ち去ってしまう。」
「戦争しか無かったのです。」

本実。
「戦争が発生しても。」
「気が済んだら終わりにして。」
「後はどうでもいいと見なして。」
「さっさと帰ってしまった。」

星詩乃。
「憎悪や敵意は外交に利用されて。」
「戦争における危険が消滅した時代ですね。」

光織。
「常備軍が整備された近代になると。」
「大金を注ぎ込んだ軍隊が打撃を受けるのは損なので。」
「慎重に戦争をするようになったら。」
「適当な所で手を引くような。」
「消極的な戦争が目立つようになりました。」

理姫。
「古代君主達は、村や一部の土地を奪ったり。」
「奪還されたり。」
「小さな戦争を繰り返していました。」
「歴史における。」
「相手を滅ぼす戦争なんて。」
「そう多くはありません。」

旗江。
「相手を殲滅する戦争は。」
「第一次世界大戦付近から主流になり。」
「戦争と言えば、そのような破壊という意味になりましたが。」
「昔の戦争は、現代のような根絶やし作戦は少なく。」
「用事が済んだら引っ込んでしまいます。」

詩叶。
「相手陣営を土地もろとも撃破する戦争は。」
「ありましたが、数は多くなく。」
「必要なだけ破壊して。」
「余計な破壊はしなかったようなのです。」

本実。
「古代人も中世も、同じく。」
「無駄な破壊はしない。」
「無駄な行いはしない。」
「という戦争の方針は一貫していますね。」

星詩乃。
「第一次世界大戦の付近から。」
「無駄な破壊や無駄な殺戮が多発するようになりました。」
「そこから、そう言った無駄な行いを自制するように。」
「研究が進んでいるのです。」

旗江。
「戦争を研究する国家が栄えていき。」
「戦争に反対する人道主義者が無視されるのは。」
「当然かと思われます。」

本実。
「物事は何でも話し合いで。」
「決着するとは限らない。」

詩叶。
「どうせ戦争は発生するので。」
「強いられて引き金を引く彼らに。」
「賛美を。」

戦争について考えて見ると。

三段論法が有効なんですね。

戦争は最初から仕組まれている。

戦争の発生は必然。

これを発見。

嫌でも戦争が起きるので。

強いられて戦争になってしまう。

ある意味では戦争なんて強制なのですね。

戦争は決定論のような側面もありますが。

半分は自由に制御できるようです。

人間は戦争の解釈で揉め事を起こしていますが。

誰でも戦争を強要されるという前提が合理的ですね。

弁証法でも戦争について考察が可能です。

旗江。
「昔で、東洋の軍隊は、働き次第で出世できる仕組みがあり。」
「総大将を何とかすれば。」
「一兵卒でも恩賞というほど。」
「活躍と報酬が一致しています。」
「金銭の他にもいろいろな活躍に対する褒美があるので。」
「それを目当てに、足軽達は勇戦したのです。」

詩叶。
「昔の西洋では、傭兵に依存しているので。」
「傭兵は、死んだら生業になりません。」
「本気で戦ってくれないし。」
「仕方がなく戦うんですね。」
「敵前逃亡する傭兵部隊すらいましたし。」
「士気が低くて、言うことも聞かないほどです。」

本実。
「お金で雇われている傭兵は。」
「貰った金銭で生計を立てるので。」
「死んだら意味がありません。」

星詩乃。
「東洋で昔にいた傭兵はそれとは違って。」
「活躍して一獲千金を狙う兵員が目立ちます。」

光織。
「働き次第で、出世できるのは誰しもが知るような。」
「社会でしたので。」
「何かしらの恩賞を貰うために。」
「果敢な兵士の姿がありましたね。」

理姫。
「総大将と一騎打ちになると。」
「自分の存在が美しいので。」
「はしゃいでしまう兵士もいたほどです。」

旗江。
「世襲で身分が必ずしも決まるのではなくて。」
「活躍で身分が決まる方が多いので。」
「合戦では、手柄の取り合いでしょうね。」

理姫。
「既に世襲で決まった分も。」
「活躍で覆せたり。」
「確保できるので。」
「そういう文化の仕組みで。」
「価値観による士気と忠誠心に影響があり。」
「昔の西洋では、そうした文化が無かったので。」
「自国民の部隊を作るだけで。」
「まるで状況が違うものになりましたね。」

光織。
「やる気が無いけれど、素人ではない傭兵と。」
「好戦的で、練度も確保されている常備軍では。」
「やはり常備軍の方が優れていた。」

星詩乃。
「昔の東洋では、いろんなおまけがあるので。」
「一説には、馬超の軍団を負かして。」
「馬超を仕留めたら大名にしてやると言われて。」
「永延と追い回した雑兵と隊長がいたりしますね。」

光織。
「日本でも、大将が前に出ると、集中攻撃されるほどです。」
「総大将を兵士が見つけると。」
「全員で、旗印目掛けて突っ込んでくるほどです。」

星詩乃。
「価値判断や文化の違いが。」
「兵士の戦闘にも影響しましたね。」

旗江。
「最近では新世襲制とか言う我儘な規則が。」
「どうもあるらしくて。」
「すべて勝手に決められて。」
「優遇と不遇が振り分けられています。」
「誰が決めたのか分かりませんが。」
「事態がより良くなると思った奴らが導入して。」
「かえってもっと事態が悪くなっています。」

本実。
「新世襲制は、伝統世襲とは違い。」
「世襲された人間に倨傲を加えます。」
「排除された人間に卑屈を強制します。」
「新世襲制かどうかは。」
「強制によって倨傲になっている奴らがそれで。」
「卑屈を強制されている人々がそれです。」

詩叶。
「伝統世襲は、簡単に優れている人材を。」
「最初から決まっているかのように。」
「誕生させるので。」
「社会に利益をもたらします。」

旗江。
「新世襲制は、勝手に優劣を。」
「強制によって決めるので。」
「かなり無理矢理で。」
「不可能な人材の作り方をします。」
「依怙贔屓を使いつつ。」
「片方には貶めを繰り返しますね。」

本実。
「依怙贔屓で対象を勝たせたり。」
「無理に貶めて、対象を敗北させたりします。」

詩叶。
「伝統世襲は、今では、優等生を作りますが。」
「新世襲制は、勝手な規則で運用されていますし。」
「なぜまかり通っているのかは分かりません。」
「新世襲制は、誰からも拒否され。」
「忌避される制度です。」
「それを理由に反出生主義が引き合いに出されます。」

星詩乃。
「出生を何とかすれば。」
「何でもあり、であると知られてしまったので。」
「もう止まらないでしょう。」

旗江。
「奇怪なものですが、新世襲制は。」
「既に破損していて。」
「すぐに消えるでしょう。」
「安直な失敗作ですからね。」

詩叶。
「偶然、社会に現れて消えていくだけの。」
「失敗作な制度でしょうね。」

本実。
「それが奇怪なもので。」
「強制が可能で、その強制が裏目に出て。」
「自壊した制度でもあります。」

星詩乃。
「この世に存在しない制度なんて。」
「創作にしては駄作ですね。」

光織。
「人の一生には筋書きがあり。」
「本人からは見えない筋書き通りに。」
「振り回されるようになっていますが。」
「本人がそれを破壊したり、超えたりした場合は。」
「覆すことができますね。」

理姫。
「意地でも筋書き通りにしようと。」
「奇怪な現象で、襲撃を繰り返す。」
「しかし機械みたいな仕組みになっている。」

旗江。
「人生の筋書きがもしあるのなら。」
「勝てない相手ではありません。」
「なぜなら筋書き自体が平凡だからです。」

本実。
「そんなのに依存しない生き方は、誰でもしますし。」
「摂理に依存した生涯なんて、必ず失敗します。」

詩叶。
「筋書きを摂理と呼ぶのなら、それに頼ると。」
「必ず失敗します。」

学校で教えない教科書。

なるものを揃えていて。

人気のシリーズですね。

読んでみると。

これだけで大差がつくほどのもので。

成績に直結します。

学校で教えない教科書シリーズは。

今では希少本ですね。

JK三人衆が借りて読んでいます。

星詩乃。
「学生の頃に、杓子、いわゆるしゃもじを。」
「筆記用具に入れて持って行ったのです。」
「教師に、これは何かと言われたら。」
「何でも測れる定規です。」
「なんて正々堂々と主張したら。」
「本当だね、なんて言われました。」
「なので、今でも線引きや定規に。」
「杓子を使っています。」

光織。
「しゃもじで線を引いたら。」
「だいぶ歪んだものになりましたが。」
「なぜなのか、今でも分かりません。」

理姫。
「杓子で線を引くのは難しいのですね。」
「というか無理ですね。」
「杓子で何でも測定できると言われているのに。」
「実際にやってみると。」
「しゃもじで線を引くのは無理がありますね。」

星詩乃。
「今でも、杓子でなぜ測定できないのか。」
「分かっていません。」
「しゃもじの別名は杓子ですが。」
「これで何でも測定できると言われているのに。」
「実際にやってみると無理なんですよ。」
「話と違う。」

旗江。
「競争が得意と名乗る若者が、他の青年を誘った。」
「俺様は誰よりも走るのが速いから。」
「お前は必ず負ける。」
「あの運動場で勝負だ。」
「自作の道で。」
「誘った青年と競争をすることになった。」
「若者は開始すると。」
「いきなり停止して。」
「並んで走っていた青年は落とし穴に落ちた。」
「若者はそのまま逃げ出した。」

物騒な警報。

ゲリラ・特殊部隊攻撃情報が出されました。

地域の中心街で。

他国の軍隊が何やら工作。

誰もいない所で爆弾を作動させたり。

煙幕の手榴弾を投げまくったり。

自動車のタイヤを破裂させたり。

電気系統を破損させたり。

適当に発砲して逃げているのです。

国際社会の非難を恐れて。

市民への攻撃よりも。

恐怖を芽生えさせる策略が広く行われています。

朝三暮四。
「少しは無駄な破壊を辞めたようですね。」

功利主義者。
「下手な戦い方は辞められないようですが。」

利他主義者。
「人間の愚かさを阻止した事例なんて。」
「ありませんけれどね。」

朝三暮四。
「人間は、いつも何がしたいのか、それだけは分からない。」

功利主義者。
「自分でも何がしたいのか分からないのでしょう。」

利他主義者。
「その都度、変化する目的とは何ですか?」

朝三暮四。
「愚かさが抜けた人間なんて、もはや人間ではないですね。」

近くの都市では。

何か大変なことになっていますが。

農園にトラックが停車して。

放火しようと企んでいるようです。

都市でも放火がありましたが。

もっぱら街路樹に放火していました。

農園の端っこの森林にでも焼くつもりのようです。

明らかに不審な男性が近寄ってくるので。

逃げ遅れました。

全員で地面にチョークでいろいろ書き始めて。

それが完成すると。

地面に書いた古代文字の中から。

ヒュドラ(水蛇)が飛び出して。

近寄ってきた男性をなぎ倒す。

テロリスト。
「なんだあの蛇は!」

工作員。
「あれはヒュドラだ!簡単には勝てないぞ!」

ゲリラ。
「あんな化け物が普通にいるのかよ!」

テロリスト。
「なんとかしろ!」

工作員。
「無理です、化け物とは戦ったことがありません。」

ゲリラ。
「俺も人間としか対戦したことがない。」

テロリスト。
「あんなものに、どうやって勝てばいいのでしょうか?」

男性は拳銃で応戦するものの。

あんまり効果がなくて。

噛みつかれたりして数人の敵兵が死亡。

そのままヒュドラ(水蛇)は暴走して。

テロリスト数人を追い回す。

ヒュドラ(水蛇)は消えました。

後に自衛隊が駆け付けると。

ゲリラと特殊部隊が。

市民に負けたことになっていて。

勝利した市民を探すようです。

片付いたので。

午後の散策。

都市の工作員はもう逃げてしまっていました。

破壊が限定されたものなので。

攻撃が迷惑行為に留めている以上は。

逃走が簡単な様子。

駅前の。

大型ショッピングモールにて。

知識人が講演をしている。

フリートークをしていて。

参加も可能。

学生が知識人と競ってみるも。

まったくついていけずに。

退く。

学生。
「くっ!さすが知識人だぜ・・・。」

教師。
「何をやっている!お前ら!」

素人。
「なんだと!?書棚によくいる学者じゃない!?」

大学教授。
「無駄だっ!」

助手。
「論争も格闘技だって教えてやるぜ!」

市民。
「そうだっけ?」

大学教授。
「議論は優れた人の営みだ。」
「君達のような小猿には向かない分野だ。」

紳士。
「そうだっけ?」

助手。
「彼らは読書が楽しくないのかな?」

教師。
「読書の楽しさ?」
「ならば、俺達は、教養への厳しさを教えてやるぜ!」

市民。
「今度は何で競っているの?」

若者。
「もっと戦え!!」

会社員。
「争いを楽しもうぜ!」

助手。
「何が体格だ、今更、でかいだけの男性が!」
「戦いに出て通用する訳がないだろう!」

大学教授。
「徒党を組むしか対戦の仕方が無いのか!」
「自分の実力を見直して来い!」

学生。
「二人一緒じゃないと、何も出来ないのか!」

教師。
「今時、古典も読んでいなければ!」
「話にならないんだよ!」

大学教授。
「暗記したくらいの知識で、世界に通用するものか!」

助手。
「成績が良いだけの学生ならいくらでもいるので。」
「成績で勝負する人材なんて要らない。」

旗江。
「なにをやっているの?」

市民。
「可能な限りの真実で攻撃しているらしいのです。」

旗江。
「真実で攻撃?見たことがない!」

星詩乃。
「こうなったのはなぜか?」

詩叶。
「因果律のせいです。」

本実。
「因果律が馬鹿なので、それが反映されたのです。」

旗江。
「真実を言ってしまったね!」

星詩乃。
「真実なんて言うものではありませんなあ!」

市民。
「いいぞ!もっとやれ!」

帰還すると。

夕方ですね。

今日はけっこう遊びまわりました。

休日なのですが。

明日からは作業に参加します。

のんびりとやっていますが。

自分達の田畑をくれるのはいつになるのかな。

解散の時刻。

旗江。
「戦争とは何か?」
「相手に自分の意志を強制するための。」
「暴力行為である。」

詩叶。
「戦争は目的のための手段である。」
「目的が達成されると終わります。」

本実。
「戦争を嫌悪して、戦争から目を背けないこと。」
「逃げると、戦争が何であるか見えなくなる。」
「なぜ発生したのかも理解できなくなる。」

旗江。
「戦争は悲惨なものとか。」
「絶対に繰り返してはならないとか。」
「そう言い訳して、考察に踏み込まない。」
「要するに問題が何であるか調べないのです。」
「感情論で反対しても。」
「解決にはなりません。」

星詩乃。
「戦争の定義は個人にも適用できるのです。」
「争いの定義ですら戦争と同じです。」

光織。
「あらゆる諍いのほとんどは。」
「戦争と同じ定義で生じます。」
「個人においても、戦争の定義は通用します。」

理姫。
「戦争を学ぶことは、争いを学ぶことになりますが。」
「それ以上に、平和を学ぶことにも繋がります。」

旗江。
「戦争を調べることによって、平和を学ぶのです。」

挨拶で解散する。

戦争を学んでいるつもりが。

反対に平和を学ぶことに繋がっています。

結局は戦争から平和を学ぶしかないのです。

平和から戦争を学ぶのは無理があります。

しかし、戦争を調べることによって。

平和への近道が出来上がります。

平和から戦争を調べるのは遠回りなのですね。

どんな論説もヘーゲル先生の弁証法が欠かせません。

大学では弁証法は必ず習うそうですね。

ヘーゲル先生も大学教授でしたし。

弁証法は普遍的な技術です。

英語の格言にもあるように。

才能を疑い出すのが、まさしく才能の証なんだよ。


14


どうして君は他人の報告を信じるばかりで。

自分の眼で観察したり。

見たりしなかったのですか。

ガリレオ・ガリレイの突っ込みより。

昼間に。

農作業をしていると。

やはり白昼夢。

少女の頃から見ていたもの。

台風の日に倒れてそのまま死亡する。

謎の光景。

なので、毎回、台風が来る季節には。

何か変わった所が無いのか調べています。

学校が終わる頃に。

部活に入ってもサボって帰宅。

自主的な農作業に参加するJK三人衆。

鍛錬のために参加するのですが。

働きが良いので。

いつでも歓迎。

ちなみに女性の中でも上位に入るほど。

おしゃべり。

星詩乃。
「儒教を宗教とする考え方は。」
「あまり多くありません。」
「死後の世界という概念がなく。」
「特定の神様を信仰する教義もありません。」

詩叶。
「世界で広く読まれているという。」
「最も普遍的な教養ですね。」

旗江。
「道教も学んでいたので、すべてを適用できない。」

本実。
「古の学ぶ者は。」
「己のためにし。」
「今の学ぶ者は人のためにする。」
「昔の人は自らを充実させるために学びました。」
「しかし今の人は売名のために学んでいます。」

光織。
「何のために勉強をするのか?」

理姫。
「そもそも暗記だけで、考えても実践もしていませんね。」

星詩乃。
「だからと言って理想だけの学問もどうかと。」

詩叶。
「現実主義な学問も考え物ですね。」

旗江。
「性相近し。」
「習相遠し。」
「人の生まれながらの性格や資質には。」
「大きな差はありません。」
「その後の習慣や教育で。」
「大きく変わるのです。」

本実。
「先天的な能力には、本当に大差が無いですね。」

旗江。
「天才も、信仰が無ければ、本領を発揮しません。」

星詩乃。
「無宗教な天才なんて存在するものですか。」

理姫。
「我々は、多くを必要とはしません。」

旗江。
「もし出世したり大金持ちになっても。」
「セネカのように、後で否定するに決まっています。」

光織。
「権力や資産を得ても、私は、獲得しても否定しますね。」

星詩乃。
「頼むから、地位や名声と、これを交換してくれと。」
「言い出すに決まっています。」

本実。
「高い役職に就いても、早く終わらないかと思案する。」

詩叶。
「昔は、勝ち組とか負け組とか。」
「新手のプロパガンダが流行りましたね。」

光織。
「民衆を制御するためでしょ?」

星詩乃。
「勝ち組とか負け組という広告には共感できません。」
「単に怯えているだけでは?」
「怖いから、造語を引き合いに出して。」
「無理に将来を作り出すような。」
「抵抗をしているのでは?」

旗江。
「平等であるということは。」
「単なる比喩であって。」
「人間の意思や人格を有効に測量し。」
「計算しうるということを意味するものではない。」
「ケルゼン。」
「デモクラシーの本質と価値。」

本実。
「子供のうちは、どんな人でも。」
「地動説ではなく。」
「天動説のような考え方をしている。」
「日本の格言。」

光織。
「つかぬことをうかがいますが。」
「子供の頃はどうしていたので?」

旗江。
「熊野古道にいましたよ。」
「数ならぬ身ではございますが。」
「御神前で諂ったりはしません。」

星詩乃。
「中心から離れると。」
「景色も違いますね。」

詩叶。
「都会では、何かに夢中にする人々がいますが。」
「選ばなかった、それだけです。」

本実。
「私が言うのもおこがましいのですが。」
「健全な人を発見するのは。」
「私からは難しいものです。」

理姫。
「半分の人々から離れると。」
「もう半分に入れますね。」

旗江。
「選ばない方を捨てたので。」
「こちらのお祭りは良いものです。」

星詩乃。
「式典に参加する時は。」
「末席を汚しております。」

旗江。
「半分の人々が嘘つきなので。」
「もう半分の真実に入れました。」

詩叶。
「倦まず弛まず研究し。」
「とうとう嘘なら簡単に暴けるようになりました。」

本実。
「真実よりも、嘘を暴く方が簡単ですね。」

旗江。
「目標を達成したので、もはや順調が永続するような気分です。」

星詩乃。
「目標もなしに。」
「流れに掉さすように。」
「順調であることはありません。」

本実。
「無限に上に行きたければ、彼らは行くでしょう。」
「一応は、型というものを知るためです。」

旗江。
「守破離という教えがあります。」
「まずは師匠から習う型を忠実に守り。」
「体得の後にその型を破り。」
「最後に型を離れた自在の境地にたどり着く。」
「というもの。」
「それを型破りと呼びます。」

星詩乃。
「私は知っているから上に行かない。」
「衆愚は知らないから上に行く。」

夕方になると。

拠点に入って。

休日にすることや。

余暇の時にすることを相談。

社会の情報を持ってきて。

最近は文学をやっている女子高生。

文学は誰でも書けるけれど、価値のあるものを書けるかどうかは。

能力というより、狂っている度合いに依存します。

文学には思想が必要なので。

哲学が必須です。

光織。
「相撲に勝って勝負に負ける。」

詩叶。
「事実が存在しないことをいいことに。」
「あいつらは事実の解釈を無限に変更してくる。」

本実。
「事実の解釈は、膨大になりますが。」
「無制限にまで拡大するのはやり過ぎですね。」

理姫。
「小人が絶対的な権限を持つようになると。」
「必ずあるものすべてを悪用する。」

旗江。
「問題が起きたことが、自分に関係あると思ったら。」
「かなり間違っています。」
「時には問題の方が間違っていることも多々あるのです。」

星詩乃。
「問題そのものが一つの嘘を維持するために。」
「二十くらいの嘘が使用されているものです。」

光織。
「世渡りの才能がある奴が、詩人の才能を妬んだ場合は。」
「どういう説明がつきますか?」

旗江。
「妬む奴らは、おそらく羨望でしょうけれど。」
「私が個人で戦略兵器でも持っていると誤解している。」
「世界を左右するほどの影響があると勘違いをしている。」
「過大評価されるのは嬉しいのですが。」
「いろいろな誤解が放置されている。」

詩叶。
「詩人が何であるか理解したら。」
「自分の世渡りの才能を駆使するに違いない。」

旗江。
「仮に、それを得たとしても、どうするかは怪しいものですね。」

本実。
「仮に、そうなったとしたら、後に繰り出すものが無いとか。」

星詩乃。
「理解した上で、繰り返すのなら、正当ですけれど。」

旗江。
「とりあいず、才能が、世界を動かすのは、昔の話でしょう。」

詩叶。
「私の論文は、学者の論文とは違いますからね。」

光織。
「大局に参加したいのなら、勝手にどうぞ。」
「あれに関する嫌らしい箇所なら。」
「たくさん見ましたよ。」

理姫。
「大局に干渉する?無策でやっても良い結果にはなりませんよ?」

旗江。
「不足している所を確保する以外に。」
「安全な大局の介入は存在しない。」

本実。
「不足を埋める目的の他で、大局に参加して。」
「死んだり牢屋に入った奴らならたくさん知っています。」

詩叶。
「たまたま暴走して、結果が良かった奴に名声がつくものです。」

旗江。
「たいていは、群衆と一緒に反乱を起こしたり。」
「革命で暴れまわったりして。」
「たまたま生き残った奴に名声がつくものですね。」

星詩乃。
「成功した一部の他は、みんな死んでいるか、牢獄の中です。」

光織。
「成功例だけで判断するなあ。」

詩叶。
「私としては、文章を打って、自分のために書いているので。」
「不滅の読者がついたりしてね。」

本実。
「自分がやった思索の結果を置いてあるだけでしょうに。」

旗江。
「読者を一時間くらい拘束するくらいが。」
「文学の限界でしょうね。」
「数日、何かの暇つぶしか。」
「旅行のお供か。」
「そういう用途に使われたら素晴らしいものですが。」
「頑張って書いた所で。」
「一時間しか効力を持たない。」
「という所が文学の嫌な所ですね。」

本実。
「推論すると、文学作品の賞味期限は。」
「一年ほどでしょう。」
「無論。」
「シェイクスピアは世界中で翻訳されて。」
「どの書店でも簡単に手に入るくらいですが。」
「そういうのと比較などしないで欲しい。」

詩叶。
「制作に二か月くらい必要なのに。」
「読者はたったの一時間で使い捨てにしてしまう。」
「人気が出たり、発行部数が確保できた時だけ。」
「割に合う生業になる。」
「どちらかと言うと、作品の価値で後々、決まるので。」
「賭博の要素は、少なからず文学にはありますね。」

星詩乃。
「碁に勝って勝負に負ける。」

光織。
「とある兵士は。」
「戦車砲を撃ち込まれても。」
「必ず防げる方法を編み出した。」
「それはどんな装甲をも凌ぐものであった。」
「その防御とは、戦車砲には当たらないことであった。」

理姫。
「独裁者が、競技場の中心に地雷を設置して。」
「自分が最強であると自慢した。」
「競ってしまうと、勝敗に関係なく地雷で死ぬので。」
「政権が倒れるまでは、誰も挑まなかった。」

六時までに帰ろうと。

帰宅の準備。

作業着から制服に戻して。

しばらく。

意見交換で楽しむ。

旗江。
「その悪いものが最初から無かったら。」
「どんなに素晴らしいものだろう。」
「こう考えたことはありますか?」

詩叶。
「最初からそれらが無かったら?」
「明らかに、最初から無ければ良いので。」
「最初から無ければ、どんなに素晴らしいことか。」

本実。
「しかしそれが真理なんですよ。」
「最初から無ければ良いもので溢れている。」
「無論、個人において。」

星詩乃。
「最初から無ければ、今、存在する意味はありませんね。」
「無駄以外の何物でもない。」
「今すぐ消えてしまえば良いのですし。」
「最初から出てくるな。」
「なんて言いたいものです。」

光織。
「最初から出現しなければ良いだけなので。」
「今になって存在する理由は無いですね。」

理姫。
「そんなものに真面目に取り組む馬鹿はいませんよ。」

旗江。
「サンスクリット語で馬鹿とは。」
「無知、迷い。」
「語源はそれですね。」

理姫。
「最初から出てくるから悪いのです。」
「こうなると二重に悪い。」

光織。
「そんなもの要らないので。」
「どのような方法で処分するかでしょうね。」

旗江。
「昔は、無駄な要素が、とても少なかったものです。」
「現代になって、無駄な要素が既成概念となって。」
「規則になってしまったのです。」

本実。
「偶然の産物に、真面目に取り組むなんて馬鹿そのものです。」
「馬鹿でなければ、相手にしません。」

詩叶。
「真実としては、昔はそんな無駄な要素は無かった。」
「現代で、偶然出来上がった要素が支配した。」
「しかもそれは客観的なものではなくて。」
「主観主義によって構築されたというものです。」

本実。
「世人の主観的な考え方で満たされた社会なのですね。」

詩叶。
「それに基づいた行動や判断が間違っていても。」
「不自然ではありません。」

旗江。
「すべて人為的で矯正的なもので。」
「不自然なものばかりです。」

星詩乃。
「自然発生した考え方ではありませんよね?」

旗江。
「既成概念は、どこでも不自然で。」
「そう思うと都合が良い人々によって作られていきました。」
「誰でも自分の都合を考えるのは当然ですが。」
「それを他人に、さりげなく義務を仕掛けて。」
「従わせることで。」
「一部の人間達は有利になろうとしているのです。」

詩叶。
「自然な考え方が、自分の命を削りませんし。」
「世界に合致する箇所が豊富ですね。」

星詩乃。
「自然な考え方を人工物に変更したのが。」
「既成概念で。」
「それに他人を従わせると。」
「利益があるという人間がたくさんいるのが。」
「真実という所でしょう。」

本実。
「常に結果が悪い所を見れば。」
「あっという間に理解できるかと。」

旗江。
「必ず結果が悪くなるので。」
「すぐに分かるでしょう。」

星詩乃。
「たまにその仕組みを知っていて。」
「手抜きをする人々がいますが。」
「ある意味では合理性が認められますね。」

旗江。
「其の鬼に非ずして。」
「これを祭るは。」
「諂いなり。」
「従うべきでないことに。」
「従うのはへつらいです。」

季節外れの台風が接近しているようですが。

少女の頃のあの白昼夢は。

今と同じ年齢です。

台風の日の後は、また少女の白昼夢と続いているのです。

従妹。
「台風の日に死ぬことが決まっている?」

旗江。
「そうとは限りません。」

親戚。
「何で死ぬので?」

旗江。
「理由もなく倒れるようです。」

従妹。
「それで少女の頃に戻るという?」

旗江。
「あの頃に見たのは、また少女ですか、というものです。」
「ちょうど雛祭りの日に戻るのです、別に悪くはありません。」

親戚。
「ん?永劫回帰?」

従妹。
「お姉さん、それは永劫回帰です。」

旗江。
「はれ?なるほど、あれが繰り返されているのですね。」

親戚。
「また繰り返されるのだろう。」

従妹。
「乗り越えるべきです。」

旗江。
「それでは、台風の日、農園に繰り出す真似事をして。」
「何が釣れるのか試してみます。」

いよいよ台風の日。

台風は季節外れそのもの。

特殊な台風であると容易に判断できます。

勢力はとても弱い。

とは言っても、やはり警戒。

従妹が、自分は旗江であると名乗って。

外に出てみる。

すると飛んできた看板が、従妹の近くをかすめる。

木々が倒れて従妹の近くに落ちたり。

やや洪水みたいに冠水して。

区別がつかない農道ばかりで。

すべてを見てきた従妹。

千円くれと頼んで貰い受けた。

従妹。
「お姉さん、全部見てきました、カメラで撮影したのがそれです。」

旗江。
「なるほど、前と違うのは力量と知性であって。」
「幼い女性なら終わりでしたね。」

親戚。
「えっと、こんなスピードの看板を避けたの?」

従妹。
「当たれば終わり、しかし当たらなければどうですかね?」

旗江。
「いくら破壊力が強いからと言っても。」
「当たらなければ意味がありませんね。」

従妹。
「冠水した農道は湖でしたね。」

親戚。
「自動車も、目の前が見えずに事故ですか。」

旗江。
「木々が倒れて、下敷き寸前ですか。」

従妹。
「ひょっとして事故死の意味だったのでは?」

旗江。
「みたいですね、もうネタバレです、事故死にだけ対策すれば。」
「振り出しには戻りません。」

従妹。
「内容が発覚した手品なんて、無意味そのものですなあ。」

親戚。
「永劫回帰を超えて行け。」

白昼夢の正体が露呈。

いつかの女の子から貰った道具を駆使したら。

こういう作戦になりました。

他にも道徳に支配されていないか?などの点検もしましたし。

ついに雛祭りを迎えまして。

和服で、近所の女の子と和菓子を食べる集いが開かれて。

白昼夢は大外れ。

成人女性のまま。

雛祭りの主役です。


15


とある平和主義者が集会を開いていて。

盛大なキャンプをしている。

そのキャンプ場に通りかかる魔女一同。

朝三暮四。
「戦いを知らないので、彼らは弱いでしょうね。」

功利主義者。
「何を持って平和なのか疑問だらけです。」

利他主義者。
「平和について、長い論文くらい用意するものですよ。」

朝三暮四。
「地球の反対側では、瓦礫になった都市を見たいという。」
「欲望に植えた北の民族が暴れているのに。」
「まだ平和について説教しているのですね。」

利他主義者。
「彼はとても真剣でした、なぜなら、瓦礫になった都市を眺めたいからです。」

朝三暮四。
「そんな趣味が人間にあるとは、戦争とは欲望でも開始されるものですね。」

利他主義者。
「平和主義者を虐めましょう。」

朝三暮四。
「彼らを試してみましょう。」
「退けられるのなら、本物でしょうから。」

功利主義者。
「適当に雑魚をけしかけましょう。」

魔女一同。

杖を振ると。

地面から。

蟻のような衣装をしたコスプレ野郎が出現。

数は百体。

平和主義者のキャンプを襲撃して。

物品を略奪し。

女性を拉致した。

青年。
「なんだよそれは!」

少年。
「こんなやつに負けるの?」

中年男性。
「いきなり何だ!」

若者。
「うわあ!二匹に囲まれた!」

奴隷。
「なんとか一体を倒したが、二体目にやられた!」

会社員。
「一対一で勝てないよ!」

雑魚軍団は去っていった。

平和主義者は怒り出した。

一方的に負けて。

妻や娘やら金銭やらを持っていかれて。

通報しても意味が分からないと言われてしまう。

警察も困惑。

洞窟にて。

雑魚。
「敵が弱くて助かった。」

朝三暮四。
「思ったより弱いですね。」

利他主義者。
「いくら人間でも、きっとこんなに弱い奴らに統治して欲しくはないですね。」

功利主義者。
「ここまで劣っている人間は、もはや見世物ですね。」

魔女一同が。

拉致した女性と洞窟の深くで会う。

手下の雑魚が連れてくる。

朝三暮四。
「男性なんて何の役にも立たないでしょう?」

利他主義者。
「あんなもの信じて何になるんですか?」

功利主義者。
「さっき、本気で裏切って、逃げたやつもいますよ。」

女性。
「自分達は、誰にも悪いことをせず、ましてや。」
「あの連中には何の危害も加えていない。」
「それなのに私達を襲い。」
「何でも拉致して、物品を奪っていったあいつらは。」
「悪い奴ら、です、それに比べて。」
「自分達は何も責められる所のない、善人です。」

朝三暮四。
「君達、まず悪い敵、つまり悪人を心に思い描いて。」
「これを基本の規則にして、そこから反対の対象。」
「その善人とやらを考え出す。」
「それが自分自身だとか言うのですね。」

利他主義者。
「弱者や敗者は、まず強い勝者とは悪い敵。」
「つまりは、悪人を想定して。」
「それと対立する反対の要素として、善人である自分を置く。」
「という訳ですね。」

功利主義者。
「武器も格闘も出来ないあなたらが。」
「唯一、勝利できる分野が、道徳なんですね。」

女性。
「あんたらに挑んだら殺されるわよ。」

朝三暮四。
「君達がこの状況で出来ることは。」
「道徳で非難することだけですよ。」

利他主義者。
「善悪や正義や善人とか。」
「その価値を一時的に剥奪されて。」
「できることは、弱者なりの自尊心。」
「プライドと自我が崩れ落ちるのを。」
「防いだ行為だけですね。」

女性。
「悪は栄えない。」

功利主義者。
「いいえ、悪はけっこう栄えますよ。」
「もっとも、勝手にそれを悪だと呼んでいるだけでしょうけれど。」

女性。
「なんて奴らでしょう!」
「道徳で見返してやるからね!」

朝三暮四。
「それ以外に、君達に何の取り柄があるのですか?」

利他主義者。
「人は希望を持つ存在である、何も望む時がない時。」
「人は無を望む。」

功利主義者。
「帰りなさい、道徳で勝負する馬鹿なんて見たくもない。」

女性は解放された。

奪った金銭は戻らず。

事件は簡単に終わって。

キャンプでは寝静まった夜になりました。

朝三暮四。
「武力に頼らない平和は見かけ倒し。」

利他主義者。
「武力で平和を保持するもの。」

功利主義者。
「平和だけで説明される世界とは、安いものですね。」

全体主義者と絶対主義者が一緒になって。

暴動を起こしている現場に来る魔女一同。

自動車が炎上して。

全体主義をいかに強制するかの運動のひとつ。

いわゆる宣伝。

朝三暮四。
「自分の価値判断が、客観的で、世界の誰にでも通用すると。」
「信じるのは、稚拙ですな。」

利他主義者。
「個人の価値観が、全体の決定になる訳がないでしょうに。」

功利主義者。
「自分の価値判断は自分のもので完結しますし。」
「誰かが宣伝したり、強要するものではないですね。」

朝三暮四。
「価値観を他人に強要する時に、全体の価値であると勘違いする。」

利他主義者。
「個人の価値判断で、世界は回ることはないですね。」

功利主義者。
「自分のことだけに、価値観を適用するものです。」
「個人において、それで解決するものです。」
「外的帰属が、そんなものを押しつけるものではないですね。」

群衆心理。
「人が見たくない現実を潰してやる!」

暴漢。
「見たい現実だけ見せろ!」

悪党。
「現実は俺達が定義するんだ!」

自衛隊。
「彼らは四国遍路というものを知らない?」

指揮官。
「八十八か所の礼所を徒歩で歩く。」

自衛隊。
「都会人や貧困層など、巡礼者も参加する。」

指揮官。
「農家の人々が、お菓子屋や食料。」
「路銀を与えることもある。」

将軍。
「巡礼者には、変化が生じる。」
「接待を繰り返すうちに、八十八か所を回り終えると。」
「拘泥していた財産がどうでもよくなる。」

朝三暮四。
「現代が何でも優れているという傲慢な所が。」
「いかにも小物らしいものです。」
「内心は、酷く怯えている。」

功利主義者。
「わかりやすいものに乗ったりするのは。」
「恐怖が動機論にあるもの。」

朝三暮四。
「人生は、意味のない出来事や状況の繰り返しですからね。」

利他主義者。
「特に意味もないのに、それが生きるということ。」

朝三暮四。
「怪しい老婆から財宝の地図を貰って、数週間、そこに旅をして。」
「そこに近寄るのが楽しかったのに。」
「とある猟師に会うと、あれは詐欺師で有名な老婆であると。」
「財宝の地図を否定された瞬間に覚える、あの喪失感が常にあるのです。」

功利主義者。
「現象に後ろ盾があって、そこから発生していると思い込むのは。」
「期待するだけ損ですね。」

利他主義者。
「現実で目にする行為は、背後に何かお墨付きがあって。」
「それに基づいていると考えるなんて、いちいちそれを期待してはいけない。」

朝三暮四。
「何か発生しても、現実に出現する何かが。」
「背後で保障されているなんて、考えないで欲しいものですね。」
「実際にはそんなものが無いんですから。」

群衆心理が発生している中に。

自動車が通りかかって。

それを全体主義者が止めて。

絶対主義者が放火しながら。

横転させようとするも。

それは魔女が作り出した幻影の自動車で。

魔女一同が、自動車にダイナマイトを設置しておいて。

放火して大爆発。

群衆は発狂して散り散りになって逃げる。

崩れたのをきっかけに。

治安当局がひとりずつ逮捕する。

将軍。
「人間として無視してはならない大切なこと。」
「それを信じられなくなった。」

市民。
「道徳や倫理、道義に絶対的根拠も理由もない。」

女性。
「彼らの言う正義とは、暴力を賛美するものなんですね。」

紳士。
「彼らの説く道徳とは、絶対主義を推奨するための。」
「政治形態である。」

隊員。
「自分達で治めたいからと言って、道徳で支配するな!」

珍しい事件になる。

自爆で暴動があっという間に消えたので。

短時間で終了した革命モドキ。

持論を言いつつ連行される首謀者。

それを見て大笑いする愚か者。

不良。
「あそこまで馬鹿ではないので、俺達はまだ大丈夫!」

阿呆。
「俺らより馬鹿がいるんだ、俺達なんてまだ甘い方だ!」

深夜放送。

深夜に弾道ミサイルが放たれましたが。

どこか故障してしまって。

大きく外れて。

先制攻撃に失敗する。

魔女一同の仕業。

他人の計画を滅茶苦茶にしている。

それは敵国も同じように仕掛けられている。

故障して空中分解する弾道ミサイル。

反撃しようか悩む核保有国。

慌てて言い訳をする指導者。

朝三暮四。
「人間の計画がすべて成功したら、困ります。」

利他主義者。
「自分を善人であると名乗る人間は、打たれるであろう。」

功利主義者。
「最近の人間は、手段に困ると、すぐ戦略兵器を使う。」

朝三暮四。
「少しくらい困ったからと言って、弾道ミサイルなんてものをすぐ使う。」

利他主義者。
「核兵器を使わないと戦えない?人間はそんなに弱いの?」

功利主義者。
「手っ取り早いからでしょうね。」

朝三暮四。
「最近は、戦略兵器すらも、だいぶ安くなったものですね。」

利他主義者。
「戦略兵器のバーゲンセールですなあ。」

功利主義者。
「弱さの言い訳に、核兵器を引き合いに出すなんて。」

朝三暮四。
「敗北の言い訳にしては、核兵器の発射なんぞ、だいぶ贅沢ですけれどね。」

深夜なので。

ほとんどの人は寝ていて。

異変に気が付きませんでした。

早朝に発表されて。

すべてを知る。

自宅にて。

遊んでいる。

旗江。
「被害者になりたくないから。」
「加害者になるんですね。」
「否定はしませんが。」

本実。
「不完全に慣れていないのでは?」

詩叶。
「そうした不完全に慣れる訓練は不足しています。」

旗江。
「人の世なんて、遠慮なく突っ込んでやれば良いのです。」
「そのせめぎ合いは、常にありますし。」
「いつも行われている営みです。」

本実。
「力で押しのけても、別に違法では無いですね。」

旗江。
「吹っ飛ばされても、また仕掛ければ良いのです。」

詩叶。
「相手を吹っ飛ばして、そこで落ち着けば。」
「そこら辺で止まりますね。」

旗江。
「いくらでも、拮抗した領域を制圧しても問題がない。」

本実。
「力負けした言い訳よりも、再挑戦でしょうに。」

詩叶。
「言説で相手を制圧できるなんて。」
「頭のおかしい行為はして欲しくない。」

旗江。
「さてと、私は善良市民でも見に行きます。」

詩叶。
「今日はすることが特に無いので。」
「揃えたコスプレをしましょうよ。」

本実。
「衣服を作っておいたので。」
「衣装には困りませんね。」

詩叶。
「お化粧もしてあげる。」

旗江。
「あれ?しまった!そういう事ですか!」

本実。
「さあて、お嬢さん、覚悟してください。」

詩叶。
「ぐへへへ!みたいな感じですよ。」

旗江。
「これはあれですか、おめかしですか。」
「どうにも逃げられない。」
「綺麗な女の子に強姦されて嬉しいなあ。」

襲われた。

着せ替えられて。

お化粧をされて。

撮影。

やはり女の子が好きな女性なので。

ドレスアップした旗江を撮影。

いけない所も撮影されたので。

乱闘になる。

喜んで暴行される女性二人組。

本実。
「もっと暴行して!」

旗江。
「下着まで撮影するな!」

詩叶。
「悔しかったら、私から取り上げて!」

ついでにキスなども仕掛けますが。

さらに喜ぶ女性二人組。

旗江。
「好きにしてあげる。」

本実。
「うっ!もっとやってよ!」

詩叶。
「ずるい!私にもやってよ!」

旗江。
「やらせて。」

何やっても喜んでしまう。

仕方がないので。

言う事を聞いて。

そのままお買い物に。

やはり目立ちますね。

旗江。
「ドレスとお化粧は切り札ですね。」

詩叶。
「似合っていますね、モデルみたいです。」

本実。
「本気でお洒落をすれば、こうなりますか。」

旗江。
「目立ちますね。」
「男性から見つめられます。」

本実。
「男性には渡さないからね。」

詩叶。
「男性の視線を集める!?」
「そこまで素敵なの!?」

旗江。
「あの女性から投げキッスされました。」

本実。
「なんて魅力があるんですか。」

詩叶。
「交際したい。」

戻ってくる頃には。

ドレス姿から着替えて。

お化粧も落として。

地味な服装に変更。

これはこれで楽しい三人娘。

農家の見学に移動。

札が張られている。

学問には坦々たる大道はありません。

そしてただ、学問の急峻な山路をよじ登るのに疲労困憊を。

厭わない者だけが、輝かしい絶頂を極める希望を持つのです。

マルクス。

資本論より。


16


すべてを所有してる時に。

社会を否定するのは。

最上の贅沢である。

ロマン・ロランの格言。

祝日。

男性数人が、噂を広めた。

あの山には財宝があって。

この通りに、一千万円と銀貨を見つけたんだ。

行けば行くほど宝物が見つかる。

などと狂喜しながら噂をするので。

その山は大勢の衆愚で溢れかえった。

報道されるほど。

山の中に入っていく人々が目立つ。

報道を見ているけれど。

農作業に取り組む。

簡単な仕事しか今は割り当てがありません。

練度が上がるまでは、簡単な仕事が割り当てられるようです。

アマチュア研究室は。

余暇に活動。

たまに知り合いの女の子も寄ってきますし。

メンバーの友人も来ますね。

今日は論争みたいなのが激しい。

学問を習得した女性は。

一騎当千というのが。

紳士の見解らしいのです。

旗江。
「青年の多くは、何の功績も無いのに。」
「自分を誇っている。」
「なので、その誇りによって。」
「愚かなものになった。」

本実。
「偶然、そうなっているらしいので。」
「どこかで直れば良いものですね。」

詩叶。
「そういうのを美化する風潮が駄目なんですね。」

星詩乃。
「悪いものを無理に美化する考え方が悪なのです。」

光織。
「楽天主義って何なんで?」
「ああ!それかと、答えた。」
「それは不幸な目に遭っても。」
「すべては善だと。」
「気違いのように言い張ることだ。」
「ヴォルテールの格言より。」

理姫。
「既成概念は誰が作ったのかを。」
「問いたいものです。」

旗江。
「既成概念が正しいことは証明できない。」

星詩乃。
「無いものは証明できませんよ。」

理姫。
「どう見ても偶然なのに。」
「それに意味を求めても無駄ですね。」
「現実の九割は偶然ですしね。」

本実。
「すべてが正しい持論なんて誰も言えないでしょうね。」

旗江。
「矜持から出た意見は真実ですよ。」
「卑屈と倨傲から出た意見はすべて悪いものであると。」
「相場が決まっています。」

詩叶。
「最近では、自分よりも他人を信じる奴らばかりです。」

理姫。
「あれ?自分より他人を信じるの?矛盾しているね?」

旗江。
「他人が言ったからと。」
「信用するのは、理由としては不足しています。」
「大勢が言っているからと。」
「信じるのも理由が足りていません。」

光織。
「他人を告発して、逃れようとする人間もいますけれどね。」

本実。
「自分の間違いを誤魔化すために。」
「他所に対して説教に行く輩はたまに見かけます。」

光織。
「正義を名乗れば何でも正しいなんて。」
「だいぶ浅い思索ですなあ。」

星詩乃。
「資格の無い者が、他人を矯正しようと仕掛けるのは。」
「喧嘩を売っているのと同じです。」
「悪い方が怪我で済んで。」
「喧嘩を売られた方が逮捕されるのだろうけれど。」
「それを狙って、計算して、喧嘩を売っているに違いない。」

詩叶。
「否定の力はとにかく弱い。」
「何を言っても、否定は弱い。」
「思っているより弱い。」

星詩乃。
「お節介な偽善者が、勝手に正義を自称して。」
「他人に制裁を加えているけれど。」
「自分が間違っているとは思ってはいない。」

光織。
「構図は、喧嘩を売って満足しているだけ。」

理姫。
「お節介は、悪意から生じますからね。」

旗江。
「自分のものについては。」
「自分がよく理解している。」
「お節介な奴は、他人の仕事を勝手にこなしておいて。」
「自分を善人であると名乗る。」
「そもそも善人とは何かについて。」
「回答せよと言いたいのです。」
「名乗るだけでは、善人では無いのですし。」

本実。
「善人は全員、死んでくれ。」

詩叶。
「善人なんていましたっけ?」

旗江。
「自分が善人であるとか、そんな前提に立って。」
「いくら間違えても、その前提を離さないような。」
「悪党ならいくらか見ましたよ。」

星詩乃。
「自分が善人である前提で、貶めを繰り返すお節介。」

詩叶。
「善人と悪人が及ぼす公害は同格です。」
「同じくらい有害なのです。」

本実。
「人を谷底に突き落として。」
「貶めた内容を悪く言ったりする。」
「どうにでも言える状況ですね。」
「おおよそ、品性は期待できない。」

旗江。
「断言ばかりする人間ほど信用されないね。」

星詩乃。
「なぜ自分が誤りを犯さないと思ってしまったのかな。」

旗江。
「断言ばかりする奴は、それなりに信じて貰えるけれど。」
「少しでも矛盾があると見捨てられます。」
「文学でも、詩的に書く玄人を無視して。」
「断言を連発することによって。」
「読者を引き寄せる狡猾な作者もいる。」
「断言して、もしそれが外れたら。」
「自滅するのだけれど。」
「やはり教養の無い人は。」
「格言の通り。」
「沈黙するだけで十分だ。」

星詩乃。
「人間のすることで、なにひとつ偉いことがありうるものか。」
「人間そのものが、既に偉くも、尊くも無いのです。」

旗江。
「最近の報道と書店の実態が異なるのですが。」

星詩乃。
「どんな大袈裟な発表や賞状があっても。」
「思っているより他人は同調しません。」
「二割くらいしか支持しません。」
「それくらいしか釣れないのですよ。」
「インターネットでは表現の自由が乱用されるほどですが。」
「その内容を信じるのも二割くらいなもので。」
「他の人は月刊ムーのデジタル版くらいにしか思ってはいないね。」

光織。
「ある意見を是認する人々は、それを世論とは言いますが。」
「それを疎ましく思う人々には、異端と呼ばれますね。」

理姫。
「世界は高水準で成立することはできない。」

星詩乃。
「ルサンチマンではない人は、勝てない相手には挑まない。」

旗江。
「自分は勝てる相手にしか挑まないんだ。」
「という台詞は巧みですね。」
「私は勝ち目のない戦いは起こさないんだよ。」
「という断り方も巧みです。」
「無謀とは言えない。」
「臆病者とか言って非難もできない。」

本実。
「言葉は、相手を喜ばせるようなものではなくて。」
「尊ばれるような、道理を伝えるものでないといけませんね。」

詩叶。
「男性は知っていることは言っても。」
「女性のように人を喜ばせることは言えませんね。」

旗江。
「あの山はまだ人気ですか、物好きですね。」

星詩乃。
「財宝目当てに、今日も入る人ばかりです。」

本実。
「あそこは、慣れた人でも危険な場所ですよ。」

詩叶。
「噂ばかり信じて、自分の意見は信じないのですね。」

旗江。
「自分の判断よりも、他人の判断が大事なの?」

星詩乃。
「全部を疑うか、全部を信じるかは、どちらも都合が良い。」
「解決になります。」
「どちらを選んでも、反省の必要が無いからですね。」

旗江。
「ここに部費がありますが、あれと比べると?」

星詩乃。
「どんな理屈を述べられても。」
「どんな偉大な名言を聞かされても。」
「君は目の前の十万円に勝るものなど。」
「現在において無いと判断することでしょう。」

光織。
「人は幸福を望むものですが。」
「常に幸福を自覚できるなんてことはない。」

旗江。
「人生なんて山の中を駆け抜けるようなものですね。」

理姫。
「道に迷うのは、街道が元々、実在しないからでしょうね。」
「人生に道が無いと思うのも。」
「そもそも街道が整備されていないのですよ。」

旗江。
「いくら阿呆でも成功すれば偉人です。」
「成功しない阿呆が、阿呆の代表として選ばれるのです。」

詩叶。
「人の世は、どこか奇怪ですなあ。」

本実。
「何も真理を知らない人は極端な馬鹿でしょうが。」
「真理を知っていて、それが虚偽だと言うのであれば。」
「前者と比べて、二倍の馬鹿でしょうね。」

星詩乃。
「私達は、静観を選びました。」

旗江。
「無視するという訳です。」

星詩乃。
「何もしないと、何に対しても失敗しないでしょうね。」
「そういう奴らが、実行した人々を笑うものですね。」

旗江。
「哲学や思想が現実に反映されるのは。」
「けっこう難しい仕事ですね。」

本実。
「先へ進めば進むほど。」
「道が開けてくるなんて思うのは。」
「人間の驕りなんですよ。」
「実際にはその逆のものばかりでしょう。」

詩叶。
「全員で、世界を様々に解釈したに過ぎない。」
「大切なことは、その解釈を変えることなのです。」

光織。
「実際に登山をしたり、河川を泳いだりする人を私は信用したい。」

理姫。
「自然は我々の知性にとっては限りなく。」
「驚愕すべきことを最高度の容易さと単純さとで行なっているのです。」
「ガリレオ・ガリレイの名言。」

光織。
「科学の目的は、無限の英知への扉を開くことではなく。」
「無限の誤謬に、ひとつの終止符を打ってゆくことだ。」
「ガリレオ・ガリレイの名言。」

理姫。
「歴史書ばかり読んでいると。」
「人間の真剣な努力を嘲り。」
「否定しているような雰囲気がありますね。」

旗江。
「プラトンのゴルギアスである警告。」
「哲学なんてやり過ぎると。」
「自分が破滅しますよ。」
「若い頃には結構なものだけれど。」
「必要なだけに留めないと。」
「自分を滅ぼしてしまうよ。」
「とのことです。」

星詩乃。
「因果律を顧みず、公平や道徳を無視して。」
「一方的に暴力を振るう。」
「というのが理想でしょうか。」

旗江。
「人間は理性でも感情でも自滅します。」
「感情で破壊がもたらされるのは当然ですが。」
「理性でも破滅します。」

本実。
「複数の思想を理解しないのであれば。」
「思想というものを知らないのでしょうね。」

詩叶。
「人間をよく知らないので、争いも理解できないのですよ。」

星詩乃。
「人間だけはあまりよく分かっていないのですね。」

旗江。
「人間について調べもしないで、他の事を学ぶものではありません。」

詩叶。
「人間のすべての知識の中でもっとも有用でありながら。」
「もっとも進んでいないものは。」
「人間に関する知識であるように私には思われる。」
「ルソーの格言。」

星詩乃。
「近頃は、自国民の同士討ちとか。」
「他国の帝国主義の続編が出ているのです。」

旗江。
「極端な利己主義者は。」
「料理するだけで家を燃やすものですね。」

星詩乃。
「それで、みんな英雄がすべてを解決してくれると希望する。」

詩叶。
「英雄が熱望されて。」
「英雄の出現が長年の夢になるなんて国家は。」
「とてつもなく不幸な国家ですな。」

本実。
「戦争は政治と同じですよ。」
「政治と戦争は同じものなのです。」
「これでけっこう納得が行くかと思います。」

旗江。
「戦争について何も考えていない人のみが。」
「戦争を批判するのです。」

光織。
「戦争についての世論は、とまあ、あれが人情でしょうか。」

星詩乃。
「人を不幸にするのはよいが。」
「その絶叫は聞きたくないというのが人情だ。」
「ヴォルテールの格言より。」

理姫。
「私は欠伸をしながら、笑いながらも。」
「世間が正しいことを認めるでしょう。」

旗江。
「自分の権利に対しては、万人が追い求める権利があります。」
「共通の課題と言えましょう。」
「誰でも参戦するものです。」
「義務なので、弱くても参加できますし。」
「弱くても勝てます。」

星詩乃。
「権利による平和。」
「そのための手段が闘争。」
「入るだけお得な参戦。」

旗江。
「両親が、なんか、欲しいもの一覧を提出するように言ってきました。」

本実。
「心が豊かな両親ですね。」

詩叶。
「何でも手に入る子供は、不幸になるだけです。」
「だからと言って、必要なものを与えないのは。」
「子供をもっと不幸にするだけですね。」

星詩乃。
「女の子には、必要なものは少ないものですよ。」
「男の子は、けっこう強欲ですからね。」

理姫。
「頼むから、私達のような女性に、行動の自由をください。」
「なんて思っていたら、あっさり手に入りました。」

光織。
「自由のない女性なんて、男性の召使でしょうに。」

星詩乃。
「不自由から、自由が生まれると思っても可能です。」

詩叶。
「学問のすすめですか、あれは基本かな。」

本実。
「女性が学問をすると、少しの誤謬も許さなくなりますね。」

旗江。
「民主主義の誤謬は、これを廃止すると、次が多分、無いことです。」

詩叶。
「その誤謬の指摘はとんでもない。」

星詩乃。
「逆に民主主義の次は何にするのか、研究してほしい。」

旗江。
「政治が自由を保障するのなら、何でも良いのです。」

本実。
「正しい政治の在り方なんて論語に書いてあります。」

星詩乃。
「政府なんて少しくらい邪悪な方が上手に機能しますね。」
「誠実や正直だけの政府なんて勘弁してください。」
「少しくらいの悪徳が無いと。」
「現代社会の統治なんて、できるものですかね。」
「政変を待ち望んでいながら。」
「それが接近すると、恐れているのが民衆なのですよ。」

論争みたいなのが激しくなったので。

結果をPDFに書き込みます。

総集編を作っているのです。

最近は、複数の分野を研究していますね。

財宝の案件は無視しています。

何か怪しいので。

自然に慣れていても参加しません。

最近の参考書。

福沢諭吉が、既存の学問の総集編を体系化したので。

それが便利ですね。

数日経過しても。

最初の男性の他には。

何の宝物も見つかりません。

山に入って遭難したり怪我をする人が続出。

実の所。

男性数人は揃って虚言壁の持ち主で。

競馬で得た賞金を山の中で見つけたと。

演技を繰り返し。

虚言壁に乗せられた形になって。

それが発覚すると。

ようやく騒動は終わりました。



17


近くの山岳地帯に。

戦国時代に作られた霊廟があり。

どうやら、発掘調査が行われていて。

財宝が少しだけあったらしいのです。

同時に。

第二次世界大戦で使用された。

軍用書庫の跡地があり。

今でも、人気の探検場所になっています。

今日は。

本実と妹と。

詩叶の妹が合流。

旗江。
「不思議な女の子ですね。」

義奈(あきな)
「会話をするのは初めて。」

詩叶。
「あんまり私に似てないけれど。」
「肝心な所で共通点が多いんですよ。」

小姫(こひめ)
「私も、初めて会話します。」

旗江。
「女の子の典型みたいな美少女ですね。」

本実。
「私に似たのかな?」

星詩乃。
「女子中学生なんですよ。」

光織。
「前に、一緒に遊んでいました。」

理姫。
「いよいよ我らの集いに参加ですね。」

詩叶。
「大人しい女の子なので。」
「席についているだけで。」
「周囲を飾るほどです。」

本実。
「危ない女の子なので。」
「油断しないでください。」
「妹自慢は、我々の特権ですね。」

旗江。
「ああ!私の弟は海外留学をしている!」
「新規参加で、趣味も豪華になりましたね。」

早速、持ち寄った実例を公開。

風刺が目的です。

格下ばかり世の中にいると。

つい突っ込んでしまう。

簡単に論破できる内容が。

世の中に溢れているからですね。

まぐれで、その俗説がまかり通っているのです。

旗江。
「義務的倫理学を破棄する場合は。」
「別の倫理学か。」
「自然の考え方を選ぶのが良いのです。」
「不自然な考え方は捨ててしまう。」
「これは自然の道理。」
「国語辞典で、天理と言うのだけれど。」
「そちらの方が、義務的倫理学よりは優れています。」

詩叶。
「義務的倫理学では。」
「すべての場合で当てはまる規則は存在しないので。」
「たいていの場合は間違いになる命令ばかりです。」

本実。
「何か型を決めてしまうのに。」
「実際には、すべてに当てはまる命令なんて。」
「どこにも存在しないのです。」
「つまりは、義務的倫理学は。」
「外れるのに、義務を強要する欠陥品ですね。」

星詩乃。
「厳格で、違反する者を攻撃しようと。」
「しかも勝手に作られた規則で。」
「他人にも命令するので。」
「そこが義務的倫理学の汚点ですね。」
「これは全体でこうするべき。」
「という決まり事を人工的に作って。」
「それに基づいて何でも反応するように。」
「仕向けているのです。」

光織。
「嘘をついてはならない。」
「という命令も、必ずしも当てはまらないのですね。」
「嘘をつかないと、投獄されたり、殺されたりする場合もあります。」
「嘘をつかなかったばかりに、逃げられないのです。」

理姫。
「何々はいけない、という内容が。」
「その状況で、すべて当てはまることはないのです。」

旗江。
「たいていの場合は、間違えてしまうので。」
「何々してはならない。」
「という命令が、すべての状況で当てはまることは。」
「あり得ません。」

光織。
「簡単に、真実ではないことくらいは理解できますよね。」
「なぜ信じたのだろう?」

理姫。
「本当の事であると教えれば、有利になる人が。」
「いろいろと創作した内容なのですよ。」
「真理だと思い込んだら。」
「実は、どこも当たっていない見せかけの規則なんですよ。」

詩叶。
「行動の評価と、善悪を混同していますしね。」

本実。
「何も行動していないのに、行動の評価がつけられるのは。」
「あまりにもおかしい。」

義奈。
「行動してから説明するべきです。」
「理由は後からついていきます。」

小姫。
「論語にもありますからね、まずは行動してから。」
「理由を述べるのが理想です。」

星詩乃。
「先ず其の言を行い、而して後にこれに従う。」

詩叶。
「意外にも順番が逆なんですね。」

本実。
「どうして行動するのか、これは違って。」
「行動を起こしてから、どうしてその行動をしたのか。」
「説明するのです。」

旗江。
「最初に評価がつくのは、間違いという証明ですね。」

星詩乃。
「論語なら、多分、誤りはない。」

光織。
「順番の誤りが露呈してしまったね。」

理姫。
「順序が大事なんですね。」

旗江。
「行動なしで、行動の評価がつくのは、審査員のせいです。」

星詩乃。
「人間が、行動の評価をつけるのは、かなり無理な営みですけれどね。」

旗江。
「相対化された瞬間に、崩れる絶対的なものは。」
「かなり衝撃を与えます。」

星詩乃。
「行為を矯正して貰えば、行動の評価は、美徳に変化しますね。」

旗江。
「そのためには、適当な馬鹿にならないと。」
「遠回りになります。」
「厳格な考えや、完璧を演じる悪癖を。」
「まとめて消せるからですね。」

詩叶。
「真剣になるばかりで、かえって厳格で、固くなります。」
「適度に馬鹿になるのが最高の態度です。」

本実。
「適切に馬鹿になりましょう。」

旗江。
「少しくらいの馬鹿になると。」
「競争の勝敗は何で決まるのか。」
「世の中について、何か脱力しますね。」

星詩乃。
「競争で幸福になると思うのは、誤りですしね。」

旗江。
「競争での勝利ではなくて。」
「目標の達成の方に実利がありますし。」
「競争で勝利することは、幸福にはならないのです。」

義奈。
「彼らは、道徳を利用しているのでは?」

旗江。
「利用していますよ。」

星詩乃。
「言わなくても、彼らが道徳を利用していることくらいは。」
「誰でも知っていますね。」

小姫。
「武力に裏付けられない法律は。」
「やはりどこでも滑稽ですね。」

星詩乃。
「民間法廷とかは。」
「武力が皆無で。」
「兵士二個小隊を送り込めば。」
「容易く制圧可能なのです。」

旗江。
「兵士数人で制圧できる民間法廷なんて。」
「笑いものでしょうに。」

詩叶。
「モラリストも同じく。」
「実際は何の力もないので。」
「そういうものを引き合いに出して。」
「武器にしようと企んでいるだけです。」

本実。
「一部のファシストがやる私的制裁も。」
「それよりも強い相手には通用しません。」

旗江。
「民間法廷なんて勝手に作られても。」
「武装集団を送り込めば。」
「あまりに無力ですよ。」
「実際、現場に乱入する暴漢が一人だけ出ても。」
「その暴漢と渡り合うこともできません。」

理姫。
「撃破できる法律なんて意味はないね。」

光織。
「武力がない法律なんて滑稽なものですね。」

星詩乃。
「強大な武力があって、初めて法律なんて説けるのです。」
「武力が無かったら、誰でも法律に勝てますね。」

旗江。
「無法地帯に法廷が建設された。」
「早速、そこで裁判が開始された。」
「しかし判決内容に不服な容疑者は。」
「武装集団を招いて法廷を制圧してしまった。」
「そこで無理に無罪の判決を出させて。」
「それを出さない奴は殺してしまった。」

星詩乃。
「鼠は、猫が暴れて困っているので。」
「会議を開いて、猫に鈴をつければ。」
「接近が判別できるので、猫に鈴をつけようと決まった。」
「しかし誰が猫に鈴をつけるのかという話になると。」
「どの鼠も猫には勝てないので、鼠の決定は取り消された。」

義奈。
「自分が思っているより利他的であると思い込み。」
「利他的だから優遇してくれると信じているみたい。」

小姫。
「利他的だから、特別扱いされる理由にはなりません。」
「理由としては、足りません。」

光織。
「友好的であれば、円滑に進みますよね。」

旗江。
「利他的よりも、友好的であることが大切ですね。」

理姫。
「自分も友好的であり、相手も友好的ですと。」
「大いなる建設が生じますね。」

本実。
「簡単に協力が成立する強みが、そこにはありますよ。」

詩叶。
「なぜ利他的であることが、美化されるのか分かりませんが。」
「それで毎回、悪い結果になっているので。」
「利他的な思考は良いものでは無いですね。」

旗江。
「善人の演技は、まずできないというものです。」
「しかし、人に対して友好的であるならば。」
「そこから、他人を尊重するのは容易いものです。」
「そもそも、寛大な所から、そういうのは生じています。」

星詩乃。
「これだけやったのだから、相手は自分に従うべき。」
「なんて考えは、すぐに終了させた方がよろしい。」

同業者が来て。

頼み事をされて。

数人を残して。

依頼を受理して。

拠点には短時間、誰もいなくなる。

旗江。
「白いドレスが目立ちますね。」

義奈。
「このくらいの衣装は、用意しています。」
「容姿には困らないので。」

旗江。
「頭のリボンが素敵です。」

小姫。
「他の女の子からの評価が狙いです。」

旗江。
「特殊な女の子が二人もいる。」

小姫。
「身だしなみの部屋に、少し行きますね。」
「お話はそれからです。」

義奈。
「何ですか?近いです!」

旗江。
「大人しくて、なんか不思議です。」
「いろいろさせてください。」

義奈。
「ひゃあ!」

旗江。
「触らせて。」

義奈。
「触られるのも、なんかいいかも。」

旗江。
「いけない所も触るよ。」

義奈。
「とか言っている場合ではないです!」
「なんてことをするんですか!」

投げられた。

吹っ飛ばされた旗江。

何とか立ち上がって。

暴走。

追いかける。

旗江。
「暴行させて!」

義奈。
「嫌です!」

旗江。
「本当に?」

義奈。
「私が攻めなら、構いませんが。」

旗江。
「え?それでやってよ。」

義奈。
「はい?仕方がありませんね。」
「さっき襲われた仕返しです。」

押し倒された旗江。

掴まれて。

弄られて。

体を軽く叩かれる。

軽い暴行をして貰った。

旗江。
「やっぱり趣味が同じなんですね。」

義奈。
「私はサディストなんですよ。」

旗江。
「好きな女の子に、好きに弄られて嬉しいな。」

義奈。
「最初から、虐めて欲しいと言えば、良かったのに。」

適当にいろいろして貰って。

立ち上がると。

互いを抱きしめる。

後ろから。

スカートをめくってくる小姫ちゃん。

旗江。
「うわっ!」

小姫。
「なるほど、こんなものですか。」

旗江。
「もう満足です。」

小姫。
「私は、まだ満足していません。」

席に座ろうとすると。

席を動かして転倒させて来る小姫ちゃん。

緩やかに倒れた旗江にのしかかって。

キスをしようと攻めるも。

吹っ飛ばされて小姫ちゃんは失敗する。

旗江。
「年下なのに、どうしてこんなにも素敵なの?」

義奈。
「同類なんですよ。」

小姫。
「もう少しだったのに、次はキスするからね。」

旗江。
「なんかもう気絶しそう。」

義奈。
「倒れたお姉さんに、少し暴行したいな。」

小姫。
「倒れましたね、キスしてあげますね。」

旗江。
「うっ!ちょっと!弱っている時に何するの!」

乱闘気味になって。

逆に捕まえられた義奈ちゃん。

技をかけられて動けない。

義奈。
「やめて!動けなくする寝技はやめて!」

旗江。
「いろいろしてあげる。」

小姫。
「踏んであげる。」

旗江。
「ぐえっ!」

義奈。
「あなたも、女の子が好きなんですね。」

旗江。
「ああ!探るのはやめて!」

小姫。
「今度は私が捕まったよ。」

旗江。
「もうだめ!」

一同、強姦を辞めて。

席に着くと。

メンバーが戻ってきました。

義奈。
「お姉さんと、戯れました。」

小姫。
「そのお姉さんも、だめみたいです。」

詩叶。
「多分、本気で襲ってないですよ。」

本実。
「だいぶ手加減しているので。」
「けっこう勝てるでしょう?」

義奈。
「遊びの範囲を出ないのですね。」

小姫。
「それなら、まだいろいろ出来そうです。」

旗江。
「適当に仕掛けたら、けっこう本気で反撃されて。」
「逆に襲われた。」

本実。
「危ない女の子を襲ったら、酷い目に遭いますよ。」

詩叶。
「大人しいけれど、けっこう強いので。」
「襲っても、勝ったことがありませんね。」

星詩乃。
「さっき得た情報ですが。」
「古本では、良質な書籍が多いのですね。」

理姫。
「宿命論を無視するようになると。」
「遭遇戦が急増しますが。」
「ある程度の実力があれば。」
「遭遇戦でも何とかなります。」
「行き当たりばったりではなくて。」
「いろんなものに遭遇して対処するものです。」
「宿命論で良く出る人は有利になりますが。」
「少しでも悪く出ると、最悪な所まで落とされますので。」
「宿命論みたいなものを自ら壊して。」
「捨ててしまった方が。」
「損得勘定では良好です。」
「どう出るか分からない。」
「ひょっとしたら攻撃してくるかもしれない。」
「宿命論なんて、信用できないでしょうね。」

本実。
「宿命論なんて信用できますか?」
「いきなり自分を滅茶苦茶にしようとしてくる可能性は。」
「常にありますし。」
「不利になると、長期間、不利になることを強要されますので。」
「そんなものを捨てる方が。」
「良く出る可能性よりも、悪く出る可能性が消去されるので。」
「不利に出ない分はましですね。」

星詩乃。
「宿命論なんて賭博みたいなものです。」
「良く出なかった人にとっては不用品ですし。」
「悪く出た人には、使えない筋書きです。」
「良く出る事なんて稀ですし。」
「常に良く出ることはなくて。」
「デタラメに決まりますので。」
「宿命論を消してしまう方が、利得では均等ですね。」

光織。
「そうなると、宿命論なんて存在しない方が、お得です。」
「どう出るか分からないものに依存するのは。」
「賭博にしかなっていませんからね。」

詩叶。
「宿命論に依存する者は、倒れやすい。」
「些細な変動と、宿命論に頼ったばかりに。」
「実力もない。」
「本当の所は。」
「宿命論に依存する者は。」
「自分の力でそうなった訳でもない。」
「宿命論という原因から。」
「結果が出てくる訳でもない。」

旗江。
「過去という原因と、今という結果は分離できますしね。」

星詩乃。
「過去に何々をしたからと言って。」
「目の前の結果みたいな物事には勝てます。」

旗江。
「過去に何々をしたとか、証明の余地がありませんね。」

星詩乃。
「過去に何々をしたから今がある。」
「というのは乗っ取れますね。」
「財布に今、大金が入っているのは。」
「過去に偉大な善行をしたからです。」

光織。
「私は過去に偉大な善行をたくさんしたので。」
「今は、私を依怙贔屓しなさい。」
「こんなように乗っ取れるのです。」

理姫。
「過去の行為と今の現状は分離できますからね。」
「別々の物事として切り離せる時点で。」
「好きなだけ乗っ取れるものです。」

詩叶。
「私は、前世で素晴らしいことを連発したので。」
「私を国王として扱え、なんて言っても正論になってしまいますね。」

本実。
「因果関係の原因となるものは、自分で乗っ取れます。」
「実は過去に素晴らしいことばかりやっていた。」
「なので次は自分こそは素晴らしい展開になるものだ。」
「こんなように乗っ取られますからね。」

旗江。
「説明が足りない所を利用すれば。」
「因果関係なんて利用できるのです。」

小姫。
「悪用される因果関係なんて滑稽ですなあ。」

義奈。
「そこまで論証が貧弱なので、人に悪用されるのですね。」

旗江。
「一度でも悪用された因果関係は、その後は、ずっと悪用できますからね。」

星詩乃。
「どうにも、因果関係は、便宜上、使われているような。」
「要素であると思われますね。」
「自然は因果律を無視することがよくありますので。」
「便宜上、使われることはあります。」
「利便性のために使用されている俗信なのです。」

本実。
「因果関係は俗説なのですが。」
「けっこう多くの人がそういう思考の癖を持っていますね。」
「短期間で修正できるような癖ではありませんが。」
「因果関係を軽視したり、否定している人の方が。」
「健全である場合がよくありますね。」

詩叶。
「因果律なんて存在が証明できないのですよ。」
「自然法則が、自らの規定を破っている時点で。」
「自然法則ですらないのです。」
「因果律も、信用できない。」
「因果関係なんて、私は信じていません。」

旗江。
「過去という原因と、今という結果は分離できますしね。」

詩叶。
「別々のものですね。」

本実。
「説明しか出来ないのが、因果律の大きな問題です。」

星詩乃。
「因果関係はどこでも、詭弁として利用されていますしね。」

宝箱が置いてあると。

知り合いが伝える。

その場所に全員で赴くと。

安物の装飾品とか。

価値の無いような。

貴金属の偽物みたいなものが入っていて。

買取に失敗したような品物。

中には、捨てたものです。

という刻印がしてあります。

ゴミ袋に入っているのです。

気に入ったものを手に入れて。

美品なので持ち帰りました。

最近は、その辺りで、宝箱が見つかるようで。

物好きが仕掛けた企画らしいのです。

知り合いが張り紙を持ってくると。

その場所を離れます。

旗江。
「不用品にしては、値段が高めですね。」

本実。
「何の真似かな?」

詩叶。
「一応は、捨ててあるので、持ち帰れますね。」

義奈。
「近くの山には、旧日本軍が。」
「機密情報を保管していたとされる。」
「秘密基地の跡地があるので。」
「行ってみますか?」

小姫。
「けっこう遊びに行くと、石板があったり。」
「壁画に設計図があったり。」
「残骸を拾えます。」

義奈。
「昔の機材が放置されているので。」
「重要な物品が回収されて。」
「残り物が多くありますね。」

星詩乃。
「そんなに探検できる場所があるなんて。」

旗江。
「あの山には、あまり入ったことがなくて。」
「目に見える距離にある山なんですよ。」

光織。
「昔は豪族の砦で。」
「その時代に?栄して。」
「財宝を埋めた伝説がありますね。」

理姫。
「昔からずっと栄えている豪族がいて、その砦の跡地で。」
「末期には傭兵になって、消えていった際に。」
「自分達の歴史を地下に残したとか。」

義奈。
「二人で、一緒に行く場所なんです。」
「もしかしたら伝説が本当なのかと。」

小姫。
「正確な資料は失われていて、言い伝えだけですね。」

旗江。
「探検するなら、悪くはありませんね。」

星詩乃。
「どうやら、そこら辺に宝箱も多いようですね。」
「同級生からの連絡で。」
「さっきのような宝箱が山に集中しているようです。」

旗江。
「これは贅沢な遊びになりますね。」

作業に移行します。

売れ残りはインターネット販売で処理しますね。

収穫で、もし無駄が出たり。

出荷しても損失が出るほど安かったり。

逆に値上がりすると。

デジタル担当の出番です。

野菜が安かったりすると。

海外に売り飛ばしたり。

できるだけ高値で買って貰うために。

全国で安値になった野菜の買い取りをして貰って。

個人向けに販売を行ったり。

スーパーマーケットでは無理なので。

個人が買い手の中心になるので。

何とか採算が合いますね。

昔から担当する業務で。

何とか均衡にしています。

場合によっては。

インターネットで広告を出して。

直販店で。

通常よりも安いものの。

その場で売り渡して。

値段を上げたりもします。

地域からやって来るお客さんもまた多いものです。

通常の流通とは別の方向から売り飛ばすので。

安くなって採算が合わない野菜や穀物も。

少しはお金になりますね。

今日は親戚と交代。

夜間は同業者が担当します。

もう夕方で。

予定を組んでいたら。

あっという間に過ぎましたね。

有能な女性陣は大活躍で。

定評があります。

ここら辺は平和で。

都会のような危険はありません。

旗江。
「女性は弱者の性質を持っている。」
「くらいしか男性に劣っている部分はないとか。」

詩叶。
「男性よりも優れている女性もいますからね。」

本実。
「しかもそんな分析をしたのが。」
「プラトンなのですね。」

星詩乃。
「超自然的な哲学を連発している。」
「プラトンですからね。」

理姫。
「女性には共通の弱点はあっても。」
「それは全体から見たものであって。」
「個人においては。」
「逆のものがよくある。」
「弱者の性質が補完されている場合もある。」

旗江。
「国家第五巻五章と六章。」
「全体としては、女性の方が劣っている傾向があるものの。」
「専門分野で、突出した女性は。」
「男性よりも優れている部分がよくある。」
「女性にも個人において得意な仕事があり。」
「全体としてはそうであっても。」
「個人としては、その分野に優れているので。」
「女性は個人によって大きく違う。」
「個人においては、男性よりも女性の方が優れている。」
「という実例がかなり多い。」
「必ずしも女性が劣ってはいない。」
「これは教育に大きな影響を受ける。」

光織。
「生まれつき充分な力量を持っている女性は。」
「男性の現場と同等に扱われます。」
「先天的に、優れている女性が生まれることはよくある。」
「第七巻十八章。」

旗江。
「プラトン国家第二巻三章。」
「三行目付近から。」
「思考実験が書かれています。」
「岩波文庫118ページにありますね。」
「何でも自由になったら。」
「人はどうするか?」
「という内容です。」
「仮に何でも自由になるのなら。」
「自分の好むままにするに決まっています。」
「何でも変えてしまいますし。」
「強引に思いのままにしますね。」
「それが正義なのか不正なのかの話です。」
「逆説的に言えば。」
「仮に何でも自由になるのなら。」
「要らないものや有害なもの。」
「自分が否定しているもの。」
「認めないものはすべて消し去ってしまうことも。」
「意味しています。」
「プラトン国家にあるこの思考実験は。」
「推理の基本である。」
「不可能を消去してしまい。」
「残ったものが、いかに怪しいものでも。」
「それが真実である。」
「というシャーロック・ホームズの格言に当てはまり。」
「一時的に不可能が消去されて出たものが。」
「その人の真実なのです。」

星詩乃。
「量子力学の引用例ですと。」
「シャーロック・ホームズの伝える推理の基本は。」
「不可能なことを排除したあとに残った可能性は。」
「たとえどんなにありそうにないとしても真実である。」

更衣室。

着替えて。

拠点から各自、帰宅します。

自然に集まった女性の一団。

キャンプ用品も置いてあるので。

休日は、それを自由に使っていいので。

地域の女性も、集まったりしますね。

最近はインターネットが無政府主義になっていて。

現実とはかけ離れた。

ディストピアに成り果てています。

設計思想からすると。

インターネットがディストピアになるのは当然ですね。

旗江。
「犯人捜しをしている誰かについて。」
「犯人が居なかった場合の事は考えてはいない。」

星詩乃。
「存在しない犯人は、探しても居ないので。」
「素人の探偵は、いちいち滑稽ですよね。」

理姫。
「正しいから勝てる、とか言うのは違います。」
「正しいと名乗った時点で。」
「他人と戦闘をすることになります。」
「正しいことが害になることもありますし。」
「そもそも正しいとは強者の利益なので。」
「強者しか正しいと名乗れないのです。」
「弱者が正しいと言った時点で。」
「集中攻撃を受けることは覚悟しないといけません。」

光織。
「正しいから勝った。」
「という言い分はおかしいのですね。」
「自分が勝利した前提で続行しても。」
「勝利の判定がついてないので。」
「自己申告になっています。」

詩叶。
「正しいという言葉の意味をよく調べてないのに。」
「軽々しく、名乗り過ぎですね。」

本実。
「誰かが設定した正しいなんて定義は。」
「他所の者には無関係ですし。」
「他人には何の影響も与えません。」

旗江。
「少し前は、弱者が優しさについて言及しており。」
「弱い奴が語るものではないのです。」
「敗北の言い訳になっています。」

星詩乃。
「論語には、優しい者は、必ず勇者である。」
「勇敢な者である。」
「しかし、勇敢であるからと。」
「勇者であるからと言って。」
「優しいとは限らない。」
「有名な一節です。」

旗江。
「とある女子高生が痴漢に遭って。」
「友達と一緒に犯人を現場で取り押さえて。」
「周囲の人々に加勢を頼んでも。」
「傍観者効果で誰も参加せず。」
「通り過ぎて行った。」
「という実例があります。」
「この場合、現場で傍観者効果を繰り出した。」
「周囲の人間、もれなく全員が悪であった。」
「という評価をすることが出来ますね。」
「悪が蔓延っていた実例です。」
「後で言い訳できれば問題ないでしょうけれど。」
「自分が弱いからと言って。」
「犯人に抵抗しないのはおかしいと思いますね。」
「犯人も弱いのだから。」
「勝てない相手でも無いのです。」
「犯人は、駅員が取り押さえて。」
「警察に引き渡されました。」
「これは報道された実例です。」
「女子高生は、何も手助けしない周囲の人々を。」
「おかしいと思っていましたが。」
「本当におかしい奴らの現場でしたので。」
「行動の評価の参考になる事件ですね。」

古典学入門を取得する。

全員で集めて。

数が揃うと配ります。

プラトンの国家編は、プラトンの中でも傑作であると。

よく言われていますが。

普遍的な古典として、今日では定着しています。

国家の内容は。

正しいの定義と。

正義と不正。

芸術の考察と。

理想の国家について。

死後の賞罰について。

読みやすいのは。

文学作品のように。

問答で展開されていて。

登場人物との対話だけで構成されているからです。

難しい文法ではありません。

古典の中で重要なのに。

最も読むのが簡単な古典が。

プラトンの国家です。

旗江。
「正義は、善なるものを生じさせる条件になります。」
「反対に、不正は、悪しきものをたくさん発生させますね。」

詩叶。
「自分が正しいと名乗った瞬間。」
「強者でなければ、正しいという主張は維持できません。」

本実。
「やはり正義が判定勝ちをするので。」
「不正は負けるように作られています。」

星詩乃。
「古代世界で悪党とは、不正を支持する人間であり。」
「善人とは、正義を支持する人間を意味していますね。」

旗江。
「不正は、平均よりも劣っている形態なので。」
「平均以上の者ならば、あっさり勝てるほどです。」
「不正は平均よりも強くはなりません。」
「最初から力で負けやすいのです。」
「劣っている者に勝てるのは容易く予想できますよね。」

理姫。
「正義を不正が叩いた所で。」
「不正は弱者の集合体なので。」
「そのうち力で負けます。」
「劣っている者で構成されているので。」
「平均以上の者ならば誰でも勝てるからです。」
「なぜなら。」
「不正は弱者が支持するものであり。」
「弱者が所属するものです。」
「或いは、劣っている人間が支持するものだからです。」

光織。
「善悪と行動の評価が混同されていて。」
「別々なのに。」
「やたらに同一視するのは。」
「だいぶ主観的に成り果てたという意味ですかね。」

旗江。
「乱暴に見えても、必要悪で。」
「必要だから、乱暴をしているのと。」
「乱暴をしたくて乱暴をしているのとでは。」
「行動の評価がまるで別物ですからね。」

詩叶。
「盗んだり攻撃したりするのが価値観になっている奴らは。」
「やはり盗みを楽しんだり。」
「攻撃を楽しんだりはしますね。」
「混同している奴らは。」
「自分が良いと思ったから。」
「自分の行動の評価も。」
「自分が思った通りになるであろうと。」
「考えているようです。」

本実。
「行動の評価をつけるのは過酷な査定でしょうけれど。」
「自分が良いと思った内容と。」
「行動の評価が一致するとは限りません。」

旗江。
「暴力が価値判断と化していると。」
「自分は暴力がしたいので。」
「行動の評価も自分が思っているように。」
「素晴らしいものであると勘違いしていますよね。」

星詩乃。
「残念ながら、この世に最初からある。」
「善悪という概念は。」
「だいぶ歪められて。」
「人間が定義したものに変わり果てています。」
「あんまり具合良く行かないのは。」
「そういう所以ですね。」

旗江。
「善悪の説明に矛盾が大量にあるのも。」
「そういう所以ですね。」

義奈。
「雑談の内容が哲学者なんですけれど。」

小姫。
「複数人で、真理に到達するのですね。」

義奈。
「歴史の中で消えなかった古典とは。」
「この世にあるものが説明されているのですね。」

小姫。
「公に認められた傑作ですからね。」
「論争や批判に対して無敵であったという。」
「歴史が証明した書籍なのです。」

星詩乃。
「自衛隊の装備について、また調べるとします。」

旗江。
「平和主義なのに、かなりの武装ですからね。」

詩叶。
「人道主義者の言い分を無視したので。」
「他国の侵略は阻止できています。」

本実。
「敗北の言い訳に、戦争を否定しないで欲しいのです。」
「仮に、勝ってしまったら。」
「苦戦に苦戦を重ねた美談になってしまいます。」

光織。
「我々は負け惜しみはしませんよ。」

理姫。
「戦争に負けたからと言って。」
「ルサンチマンにならなくても良いのです。」

旗江。
「今では、国際社会の連携なしに。」
「次の戦争は潜り抜けられません。」

義奈。
「帝国主義が滅んで得しましたからね。」

小姫。
「敗戦で本当に終わったのは、帝国主義です。」

星詩乃。
「侵略だけを目的に、領土拡大という野心によって。」
「何とか帝国とは違い。」
「一方的に植民地支配をして、後に全部で編入に失敗した。」
「帝国主義が、本当の敵なのでした。」

旗江。
「何か情報を持っていますね?」

義奈。
「少し間違えている軍事知識。」
「対戦車ミサイルは、爆発で破壊するのではなくて。」
「成形炸薬と呼ばれる。」
「起動すると、投げ槍のようなものを生じさせて。」
「それが圧力によって装甲を屈折しながら進み。」
「貫いた瞬間に、その穴から爆風が入る仕組み。」
「映像で残っている対戦車戦闘は。」
「成功した攻撃だけ撮影されているので。」
「逆に言えば、失敗した攻撃では。」
「射手が酷い事になっているね。」
「たまたま有利な状況で攻撃して。」
「映像が残っているので。」
「それ以外は、とんでもない反撃を食らっていると思うよ。」

旗江。
「だいぶ軍事雑誌が好きなようです。」

詩叶。
「自衛隊の式典に、よく連れて行くのです。」
「それがきっかけですね。」

星詩乃。
「兵器とは、ある意味で、その時代の科学技術の集大成です。」

義奈。
「少し間違えている軍事知識。」
「空対空ミサイルで完全な撃ちっぱなし方式は無いよ。」
「中間誘導までロックオンを続ける必要があります。」
「中間誘導には失敗することもありますし。」
「性能不足で相手に届かなかったり。」
「逆に性能が良いので際限なく追尾するミサイルなど。」
「簡単な映像だけでは判断できないことばかりですね。」

光織。
「あなたは、玄人向けのシミュレーションをやっていますからね。」

理姫。
「兵器の戦闘よりも、使われるテクノロジーに興味があるとか。」

義奈。
「少し間違えている軍事知識。」
「戦闘機で。」
「相手の正面レーダーではなくて、側面から。」
「たまたま接近すると。」
「セミアクティブホーミングのミサイルでも。」
「敵機を撃ち落とせることがありますね。」
「攻撃ヘリコプターですら。」
「側面から不意に対空ミサイルを撃たれると。」
「接近に気づかずに撃ち落されます。」

小姫。
「お姉さん、今日の拝見したいです。」

星詩乃。
「自分でめくれば?」

光織。
「前みたいに、堂々とスカートめくりすれば?」

理姫。
「昔、痴漢で使われた技が、次の時代には女の子が。」
「好んで使うようになったという。」

小姫。
「更衣室で、いろいろ見ました。」
「でも、もっと奥に入った所を見たいのです。」

星詩乃。
「それは銭湯に行けば、満足しますよ。」

暗くなる前に解散。

旗江は拠点から。

すぐ近くにある自宅に戻る。

元々は、親戚が開始した。

地主の集いが合流して。

巨大農園構想が。

この時期に成功したのですね。

管理できないほど広大ですので。

その部分は私達の取り分になります。

夕飯の前に。

来客。

知り合いが持ってきた広告ですが。

低山と、山の中に謎の宝箱が出現するようになりました。

不用品を処分するために。

金持ちや古物商が安物を設置して。

宝探しという体裁にして。

捨てることを合法化するために。

市役所に届けたらしいのです。

それで、イベントの判定になり。

安物の骨董品が至る所の隠れた場所に。

設置されています。

処分に困って、そうしたのですね。

市民の趣味が増えまして。

しばらくは、贅沢な遊びとして。

社会に定着しそうですね。


18


暇になったので。

元々、炭鉱でもあった。

旧日本軍の軍用書庫跡地と。

砦の跡地に出かけます。

適度な退屈に耐えられるのは。

幸福の条件。

慣れている森林と山の中。

余裕を持って小さな登山。

旗江。
「君の人生に意味はあるのか?」

詩叶。
「意味なんてないですよ。」
「無意味そのものです。」

本実。
「むしろ意味があると見なすのは。」
「不可能ですね。」

星詩乃。
「しかも返事が難しい質問ですね。」

光織。
「人生に意味なんてありません。」
「意味があると思いたいだけですね。」

理姫。
「勝手に意味づけしても。」
「無意味であることは変わりませんね。」

義奈。
「意味を後でつけても。」
「意味がないものを。」
「強引に何かしらの意味があると。」
「無理に理屈をつけることは無駄な抵抗ですね。」

小姫。
「元々意味のないものに。」
「理由をつけているだけです。」

旗江。
「人生に意味はあるのか?」
「もちろん、意味なんてありません。」
「むしろ、そう返事をするのが。」
「すっきりしますね。」

星詩乃。
「人生に意味なんてないですよ。」
「やはり、そう言えば。」
「すっきりします。」

詩叶。
「人生に意味なんてないので。」
「後で理屈をつけた所で。」
「どうしようもない。」

本実。
「人生が無意味であることを。」
「認めたほうが楽ですね。」

旗江。
「現代の哲学者は。」
「あなたの人生に意味はあるのか?」
「という問いかけが定番です。」
「けっこう頻繁に遭遇すると思います。」
「まともな返事なんて不可能で。」
「無敵な質問なので。」
「青年ですら、無意味であることを。」
「認めざるを得ないほどです。」

詩叶。
「勝手に意味があると思い込んでいるけれど。」
「仮に意味があったとして。」
「それが何になるのか疑わしいものです。」
「つまらないものを引き合いに出すに決まっていますからね。」

本実。
「意味があると思いたい。」
「真実みたいなのが欲しい。」
「なぜなら、負け惜しみをする方法として。」
「意味を付け加えようとしてるからですね。」

星詩乃。
「最初から意味が無いものに。」
「無理に理屈をつけてそれに従うのは。」
「いろいろと稚拙でしょうね。」

旗江。
「突き詰めていくと。」
「すぐに返事が出来なくなります。」

光織。
「なぜ意味があると思いたいの?」
「自分は何々だから、そう思いたいのです。」
「勝手に思っていればよろしい。」
「なぜなら。」
「その内容も意味がないからね。」

理姫。
「そう思いたい内容も。」
「誰かがそう思わせたい内容であったり。」
「説明をつけるために作り出したものでしょうね。」
「ルサンチマンであることを認めている訳ですね。」

旗江。
「人生に意味があると思うのは。」
「奴隷道徳に基づいているからです。」
「引き合いに出す意味なんて。」
「奴隷道徳から出しているでしょう?」

星詩乃。
「よく疑えば、奴隷道徳から意味を無理矢理。」
「出しているだけですね。」

光織。
「奴隷道徳から、意味を出していますね。」

理姫。
「その奴隷道徳を捨てれば。」
「やはり人生なんて無意味なのですね。」

旗江。
「奴隷道徳が勝手に意味を設定しているのです。」

詩叶。
「その設定が捨てられると。」
「残るものはひとつもない。」

本実。
「我々はルサンチマンではありませんので。」
「人生は無意味であると認めます。」

星詩乃。
「今更、畜群の仲間には入りませんね。」

詩叶。
「超人は、人生が無意味である所から開始されますからね。」

旗江。
「人生とは何か?という究極の回答は。」
「人生に意味はない。」
「というものです。」

本実。
「それには何の反抗もできませんね。」
「質問がそもそも無敵です。」
「返答が不可能です。」

旗江。
「現代の哲学では平気で出される問いかけですので。」
「些細な懐疑論で破壊される理屈なんて。」
「最初から退屈なものですね。」

星詩乃。
「些細な懐疑論で既成概念があっさり壊れた体験はあります。」
「あれはリベラルアーツのコアクエスチョンを読んだ時です。」
「コロンビア大学の資料なんですね。」
「それまでの価値があっさり崩壊して。」
「価値判断が再構築された次第です。」

旗江。
「些細な懐疑論で壊れる既成概念ですか?」
「なんて脆弱な論証で作られているのでしょう。」
「いかにつまらない考え方で暮らしていたのか。」
「察しがつきますよ。」

本実。
「無価値なものを巡っての攻防なんですよ。」
「油田が出たからと言って。」
「地下の石油を引き合いに出して。」
「皇帝がお札を発行して。」
「手書きで書いた内容には。」
「このお札にはこのくらいの大金と同じ価値がある。」
「それは地下の石油が保証する。」
「なんて手品みたいなものです。」

詩叶。
「空っぽな内容を信じ続ける?」

旗江。
「中身が無いものを信じているらしいのです。」

小姫。
「空理空論に基づいて暮らしているのですか?」

詩叶。
「事実なんて消してしまえ。」

旗江。
「事実なんて設定されるのが悪いのですよ。」

義奈。
「事実を言ったとして、それが何の意味があるの?」

詩叶。
「事実を言ったとしても、何の効果もありませんね。」

義奈。
「みんな見たい現実しか見ませんよ。」

小姫。
「それでは現実なんて、だいぶ主観的な内容なんですね。」

星詩乃。
「主観ですら作られたものに過ぎない。」

あっという間に山頂に。

標高が低いので余裕です。

自然に慣れているため。

見透かすように危険を見抜けます。

ここから小道に入りますが。

立ち入り禁止の看板があります。

しかし、これは半壊していて。

昔の土砂崩れで一時的に危険になったので。

その時に立てられたものですが。

今では、何を禁止しているのか分からず。

どうでもいいので放置されている。

無駄な看板ですね。

旗江。
「言葉によって強制されるというものは。」
「なんだか矛盾していますね。」
「魔法でも使っているつもりでしょうか。」

詩叶。
「その人が何かしらの権限を持っているから。」
「言葉で相手の行動を強制できるのですね。」

本実。
「では、言葉によって既成事実を作れるのは。」
「おかしい訳ですよね?」

旗江。
「その通りです、言葉で既成事実を作成して。」
「それに従わせようと言うのは。」
「おかしい訳です。」

星詩乃。
「言葉を過大評価していますが。」
「言葉で他人を動かせるのは。」
「権限を持っている場合のみです。」

光織。
「相手の発言を顧みなければ。」
「強制は受けませんね。」

理姫。
「個人においてはその通りです。」
「上司の発言は。」
「そこに所属する合意で成立しているので。」
「退けることはできませんが。」
「よくあるのは。」
「結婚しろと言われても。」
「相手は、それが何の強制もできない上に。」
「開き直って自分勝手な事を言い続ければ。」
「発言を顧みない行為が容易いものです。」

旗江。
「それはどちらかと言いますと意見や自由の話題で。」
「社会とは別物ですね。」

詩叶。
「少なくとも。」
「発言によって他人の行動を強制することはできない。」
「という所は無視できませんね。」

本実。
「強制してくる相手は倒すしかないのです。」

旗江。
「上司などは、誰から見ても権限があるので。」
「発言に効力を持ちますが。」
「そこまで突き詰めると。」
「やはり、何かしらの権限なしには。」
「言葉なんて力を持ちません。」

詩叶。
「権力に基づかない言葉は無力ですね。」

本実。
「武力に基づかない権力はありませんが。」
「権力に基づかない言葉はあります。」

旗江。
「過度な自由は隷属と同じという格言通りに。」
「何かに従うことによって。」
「無制限の自由が与えられるのですね。」

星詩乃。
「問題は、一部の人間が、言葉だけで。」
「相手を変えられると信じていることだけです。」
「そのことを言っています。」

義奈。
「やはり権力って大切なものなんですね。」

旗江。
「権力があるから、秩序があり。」
「秩序があるから、自由があります。」
「そして権力は武力に基づいていますし。」
「どこにも属さないのが。」
「言葉で命令すれば、相手が必ず従うと思い込む。」
「稚拙さにありますね。」

本実。
「上官の命令には背けませんが。」
「上官でもないつまらない人間が。」
「あなたに命令したら。」
「それは強制になりますか?」

詩叶。
「上司の指示にはとても逆らえないでしょう。」
「しかし、それ以外の人間が。」
「言葉であなたに命令したら。」
「それであなたは影響を受けますか?」
「それとも、お人よしみたいに相手に従いますか?」

星詩乃。
「権力による命令には降参するでしょう。」
「しかし、他人が言葉で命令したからと言って。」
「その通りに自分が行動する義理はありません。」

小姫。
「だいぶ個人主義な内容ですね。」

旗江。
「言葉で命令すれば、こちらが従うと信じるような。」
「稚拙な人間をたくさん見たのですよ。」

星詩乃。
「論語では。」
「巧言令色、鮮し仁。」

旗江。
「迎合される口調で。」
「言葉によって命令してくる人は。」
「まったく思いやりがありません。」

詩叶。
「何の権利もないのに、言葉で従わせようとする奴は。」
「本心が度を越えて利己的で。」
「なおかつ、自分が利他的であるという。」
「心理を持っていますね。」

本実。
「自分の利益のために、相手を従わせているのです。」
「利他的と見せかけて。」
「かなり利己的に威嚇していますね。」

旗江。
「昔にあった結婚しろと言う威嚇は。」
「結婚してくれると自分の利益になるから。」
「自分のために結婚しろ。」
「という命令になっています。」
「どこをどう見ても個人が決めますからね。」

星詩乃。
「論語にもあるように。」
「従うべきでないものに従うのは。」
「へつらいです。」

旗江。
「君子は周して比せず。」
「小人は比して周せず。」

詩叶。
「とある訳本。」
「人にどう仕えれば良いのかさえまだわからないのだ。」

本実。
「子曰く。」
「未だ人に事うること能わず。」
「焉んぞ能く鬼に事えん。」

旗江。
「西洋がニコマコス倫理学ならば。」
「東洋は論語ですね。」

看板を無視して。

会話しながら。

例の坑道と秘密基地に侵入。

物色するものの。

スクラップがあるくらいで。

書類などは持ち去られています。

地下都市のように広がっていますので。

懐中電灯で散策。

入口付近で女子高生と妹が会話をしています。

星詩乃。
「ニーチェは証人がけっこういますね。」

光織。
「有名なのは。」
「ニーチェ。」
「みずからの時代と闘う者。」
「ルドルフ・シュタイナー。」

理姫。
「見かけたのは。」
「ニーチェ覚書。」
「ジョルジュ バタイユ。」

星詩乃。
「ちなみにヒルティ幸福論では。」
「ニーチェとヒルティは対立していたりしますね。」

義奈。
「ニーチェ哲学の専門書は。」
「けっこうどこでも置いてあったりします。」
「全訳本まで出版されていますね。」

小姫。
「かなり強力な有神論者でもあり。」
「明らかに神様の存在を前提とした。」
「発言を繰り返しているので。」
「無神論者ではなくて。」
「その逆ですね。」

星詩乃。
「訳本は、ほとんど似ているものが多くて。」
「複数の翻訳を調べても。」
「一貫した内容でしたよ。」
「諸説ある部分は確認できましたが。」
「大まかな哲学は一致しています。」

義奈。
「現代の哲学では、ニーチェ哲学を。」
「明らかに採用しているのではないかと。」
「思われる個所があります。」
「リベラルアーツも懐疑論の中に。」
「どうやら採用しているようですね。」

小姫。
「かなり現代の哲学は影響を受けていますね。」
「書店の新書でも未だに見かけますし。」
「古本でも、多数の訳本が流通していますよ。」

光織。
「大学生が用語を使用したりする場面もありますので。」
「既に普遍的な哲学として広まっていますね。」

理姫。
「単行本ですと、市場に七百円くらいで。」
「本屋で売られていますしね。」
「ニーチェ哲学を専門に扱っている。」
「知識人の著書で。」
「漫画くらいの大きさの書籍が。」
「余裕で置いてありました。」

星詩乃。
「訳本を解説した大きな専門書もありますが。」
「最近は、訳本が少なくなったようですね。」

義奈。
「少女漫画になった専門書に採用されたり。」
「一部の漫画で描かれた参考書に登場したり。」
「新書でも古本でも。」
「訳本の種類は多いものですね。」

小姫。
「岩波文庫の訳本は、けっこうマニアが揃って購入しています。」
「翻訳者によって細かい部分が異なるので。」
「諸説ある部分だけは、違いが出ていますね。」

光織。
「ニーチェのアフォリズムは、英語のことわざにもなっています。」

理姫。
「比喩が多くて。」
「いきなり読んでも、多分、理解できない。」

星詩乃。
「公営放送の名著で紹介されたりもしています。」
「もう知らない人はいないと思います。」

三人娘が内部に入り込んでも。

特に何もない。

離脱して。

砦の方に向かいます。

起伏が多い小道。

坑道には見事に何もなかったので。

拍子抜けしたのですね。

旗江。
「結論の変更は、あんまり見たことがありませんね。」

詩叶。
「自分の出した結論を、臨機応変に繰り出さないとか。」

本実。
「結論が、必ずしも当たっているとは限らない。」

旗江。
「自分の出した結論を絶対視はできませんね。」

詩叶。
「結論の相対化は余裕で繰り出せますよ。」

本実。
「結論の相対化ですか?それは名案ですね?」

旗江。
「たとえ話を出しますと。」
「年齢でその人の実力が測定されるのなら。」
「年齢以外には何も持っていないと。」
「発言者が前提に採用しているのですね。」

星詩乃。
「持っているのは年齢だけ?」

義奈。
「経験なんて、事件の後に利口になった出来事の繰り返しです。」

小姫。
「事件の後に利口になるのは簡単です。」

旗江。
「俗に、経験なんて、物事の後に利口になった。」
「出来事の繰り返しです。」

詩叶。
「この世に居座ったくらいで。」
「優遇されるなんて話はとても稚拙かと。」

本実。
「いかにも凡人らしくていいじゃないですか。」

光織。
「私もそう思います、凡人はそれでいいのです。」

理姫。
「教養のある人からは笑われますけれどね。」

星詩乃。
「その経験が何の役に立つのか大いに疑わしいなあ。」

旗江。
「実力皆無な凡人が、自己弁護に繰り出しているだけでしょ。」

光織。
「経験は愚者の女教師。」

理姫。
「結果、出来事は愚人どもの師。」

星詩乃。
「経験は愚者の師。」

旗江。
「本当の事ばかり言うと、相手が発狂しますよ。」

詩叶。
「問題ない、我々は詭弁が嫌いなだけ。」

本実。
「詭弁しか言えない奴には負けませんよ。」

旗江。
「知識人に対する諧謔にしかなっていませんね。」

星詩乃。
「非学者論に負けず。」
「彼らは、重ねた年月で勝負しているので。」
「そんな情けない武装しかありません。」
「彼らの持論なんて、我々には関係がありません。」

本実。
「うむ、無関係な話題に入っても意味がない。」

旗江。
「毎回、勝負に負け続ける経験という思想が。」
「奴隷道徳にしか見えないね。」

詩叶。
「それしか繰り出せない相手に失礼でしょ!」

本実。
「うむ、それしか持ち物が無い人を非難するのは残酷ですな。」

星詩乃。
「我々は、対象が凡人だからと言って、殴るなんてファシズムではないね。」

光織。
「その経験とは何か?」

理姫。
「返事はありませんよ、どんな不当な仕打ちを受けても。」
「美化したり正当化するはずです。」

旗江。
「ああ、他所の思想なんですね。」

義奈。
「何を信じようが、他所の話題でしょうに。」

旗江。
「確かに、他所に手出しするのは良くない。」

星詩乃。
「他所の批判は、ここら辺で、適当に済ませましょう。」

小姫。
「馬鹿げた事も度が過ぎた場合には。」
「その間違いを道理で叩こうとするのは。」
「大人げないやり方だ。」
「興奮しないで。」
「もっと馬鹿げた事を言う方が手っ取り早い。」
「ラ・フォンテーヌの格言。」

義奈。
「人を罰しようという衝動の強い人間達には。」
「すべて信頼を置くな。」
「ニーチェの格言。」

雑談しながら山道を移動している。

河川がありましたが。

近寄りません。

河川には無策で近寄っても。

ろくなことはありません。

登山ですら。

短時間で。

何かしら計画を練ってから行っていますね。

猟師と遭遇しました。

猟師は熊を仕留めるのがステータスなのです。

熊を仕留めて、初めて一人前になれます。

熊を追いかけているようです。

話しながら山道を余裕で歩いてくる。

女性陣を賞賛しています。

それで問答を仕掛けられました。

猟師。
「命題、他所の規則が我々に強制することはあるのか?」

旗江。
「他所のルールがものを言う事はないね。」

詩叶。
「他所の規則が通用する理由はないね。」

本実。
「他所の決定は、何の効果もないのです。」

旗江。
「そういうのが、他所の決定なのだから、実際には何の役にも立たない。」

猟師。
「いくら何でも、誰かが勝手に制定した規則に。」
「従うようなお人よしはいませんね。」

旗江。
「他所の掟に従わなくてはならない。」
「とか。」
「他国の法律に従わなくてはならない。」
「とか。」
「他社の社訓に従わなければならない。」
「とか。」
「こういう説明になると。」
「明らかに暴論であることは。」
「証明できますからね。」

猟師。
「全体主義には従わなければならない。」
「という命令が仮に出たとしたら。」
「暴論の極みでしょうね。」
「わかりやすい。」

旗江。
「みんな他所の決定に従うべき。」
「なんていう暴説もわかりやすいものです。」
「みんな他所の命令に従順であれ。」
「という言い回しも。」
「けっこう野蛮ですね。」

詩叶。
「自分以外に属するものが服従を要求するのは。」
「本人が属するものを無視していますね。」

本実。
「自他の理解が深くないのですね。」

旗江。
「自他が認識できるほどになると。」
「問題ではなくなりますね。」

猟師。
「最初から自他の区別がついていない証拠ですなあ。」

旗江。
「自分がそう思うから、相手もそう思っているはずだ。」
「なんて考え方ですね。」

猟師。
「本人が思っているより。」
「他人は自分に無関心ですよ。」

本実。
「そこまで本人について。」
「他人は関心がありませんね。」

詩叶。
「いちいち他人に構っているような人ばかりではないです。」
「自分に属するものだけに取り組んでいますね。」

猟師。
「そう考えているのは、そいつだけ、というものですね。」

教養のある猟師は、よく見たら地元の知り合いでした。

学問は年齢を問わないと再び賛美されましたね。

砦の近くの小屋で待ち伏せを行うので。

誤射の可能性について。

警告を受けました。

同時に。

罪過に対して疑いをかけたことはあるのか?

という命題を受けます。

罪過と懐疑論は同一の時期に出すものです。

旗江。
「罪過は、相対化に脆弱ですね。」

詩叶。
「罪過?背後世界ですか?」
「そんなもの信じませんよ。」

本実。
「罪過が何とか言った所で。」
「それを疑ったことが一度もないね。」

旗江。
「罪過が本当なのか試したこともない。」

詩叶。
「倒せる罪過は、もはや罪過ではない。」

本実。
「仮に、罪悪が形成したとされる状況を構成する。」
「すべてに勝てる場合。」
「もしくは、その後に発生する物事にも。」
「勝てる場合は、罪悪が大嘘という意味ですね。」

旗江。
「おおよそ、罪過に疑いをかけるほど。」
「有能な者はいませんね。」

詩叶。
「本当に罪過についての状況なんですかね?」

本実。
「攻撃できる時点で、罪過の方が弱い。」

星詩乃。
「罪悪の相対化を食らわせると。」
「罪悪なんて絶対的なものではないですね。」

光織。
「罪過ですら相対的なものに過ぎない。」

理姫。
「自分より劣っている者が裁いたとか。」
「自分より弱い者が裁いたとか。」
「そういう疑惑をかけることがないね。」

旗江。
「罪過を本人が攻撃できる時点で。」
「罪過が負けていますね。」

義奈。
「無いものを勝手に罪過と呼んで。」
「それに従っているだけでは?」

小姫。
「たまたま勝てないものを。」
「罪過と呼んでいるだけで。」
「罪過と呼んで従うと。」
「自分が納得できるからとか?」

旗江。
「直接、宣告された訳でもないのに。」
「従う理由はないね。」

本実。
「西洋では、特に罪悪の概念があると。」
「便利なので、使用されているようですね。」

詩叶。
「絶対視するのは向こうの特徴ですね。」
「こちらは相対化されます。」

星詩乃。
「相対化された罪過は、とにかく弱いですね。」

旗江。
「罪過は相対化で論破できますし。」
「論破された罪過は滑稽ですなあ。」

詩叶。
「罪過なんて背後世界を語られても。」
「信じませんね。」

本実。
「生きることについてさえ。」
「よくわからないのに。」
「そんなこと言われても。」
「なおさら分からないね。」

猟師。
「バイデン大統領が、何の船でワイキキビーチを遊覧したいのか。」
「各国首脳に尋ねた。」
「マクロン大統領は、やはり装飾が美しい船で。」
「遊びたいと言った。」
「岸田総理は、普通の船で十分であると言った。」
「それで、バイデン大統領は。」
「プーチン大統領と習近平国家主席にも訪ねた。」
「どんな船で遊覧したい?」
「プーチン大統領が言うには。」
「巡洋艦かな?」
「習近平国家主席が言うには。」
「空母がいいかな?」
「とのことだった。」

旗江。
「とある日本人がアメリカ人に。」
「何やら言った。」
「何やら政変で忙しそうですね。」
「アメリカ人はそんなことはないと言った。」
「日本人が興奮して言うには。」
「そんな馬鹿な!みんなが言うからそうに違いない!」

猟師。
「とある夫人が、言い出すには。」
「結婚は素敵ね!一か月目までは!」
「離婚の理由は結婚なんて言うじゃない!」
「まさにそれよ!」
「旦那が言うには。」
「分かっていたんだよ!」
「もう後戻りできないし!」
「勘弁してくれ!」
「なんてことで毎日、喧嘩しているという。」

旗江。
「グーグルの社員が、問題のあるウェブサイトを。」
「検索百位にまで下げておく。」
「隠れた追放を提案した。」
「これなら消すよりも簡単だね!」
「翌日。」
「自分のサービスが引っ掛かったので。」
「オペレーターはこの作戦を停止させた。」

猟師。
「怪しいアンケート。」
「振り回してみたい武器は何?」
「三位、権力。」
「二位、モーゼの杖。」
「一位、エクスカリバー。」

星詩乃。
「リサイクルショップの店員が市民に向かって。」
「サムスンのスマホを投げつけた!」
「これは危ない!」
「全員が逃げ出した!」

本実。
「怪しい娼婦が男性の近くに現れて言うには。」
「あなた、強姦がいい?痴漢がいい?」
「男性は笑って触ろうとすると。」
「警察に通報されそうになった。」

詩叶。
「怪しい娼婦が。」
「路地裏で男性を呼び止めた。」
「あなた、二万円でやらない?」
「男性は笑って二万円を渡した。」
「娼婦はそのままどこかに行ってしまった。」

猟師と盛り上がって。

猟犬が索敵から帰ってきたので。

熊の匂いがあるらしいのです。

なるべく早く帰りなさいと警告されました。

砦の中は。

跡地があって、建造物はありません。

地下室は、既に調査が成されて。

空っぽになっていました。

しかし埋められた財宝は残っているという噂があります。

古代日本は君主制で。

君主同士の関係は悪いものではなくて。

それと対立するのが村社会と呼ばれる。

年功序列によって運営される。

村だけの社会ですが。

豪族の勢力圏が広いので。

村の規範だけで成り立つ勢力は。

古代君主の手が届かない所くらいですね。

豪族は、常備軍を配備しているので。

玄人の兵士で構成されている。

手持ちの軍隊があります。

刀剣や鎧も兵站もある。

立派な装備がある常備軍です。

戦国大名のようなものが。

古代日本にあったというものです。

超越的な散歩になりました。

二時間ほどで帰路に。

旗江。
「すべてを信ずる者はしくじり。」
「何も信じない者は的を逸する。」

詩叶。
「信頼には反逆が内在する。」

本実。
「嘘には足がない。」

光織。
「昔の人は無駄な事は考えていない。」

理姫。
「無駄が増えたので、現代は無駄な考え方が増えました。」

星詩乃。
「悪い教育をされるくらいなら。」
「教育をされないほうがよい。」

義奈。
「勝手に決まった考え方に。」
「同調してしまった。」

小姫。
「既成概念とかの起源を徹底して掘り下げていくと。」
「何もない所から生じています。」
「偶然の多数決から、たくさん出ています。」

星詩乃。
「敵の語る話を信じるな。」

詩叶。
「こっそり嘘を吐くより。」
「ぶっきらぼうに真実を語るほうがよい。」

本実。
「自己を顧みない者は愚人である。」

旗江。
「自由は黄金よりも価値がある。」

予定通りの時間に帰ってこれました。

拠点にて。

休憩です。

旗江。
「あなた、どこかで見たことがあります。」
「ネグリジェを着ていませんでした?」

小姫。
「はい?どこかで会ったことがありますね。」

旗江。
「旅館にいたでしょ。」

小姫。
「親戚の経営する旅館ですかね。」

旗江。
「あの危ない女の子ですか。」

小姫。
「嫌いですか?」

旗江。
「いいえ、好きですよ。」
「向こうの不思議な女の子も。」
「私の趣味です。」

義奈。
「私は貞潔なので、趣味のサディズムくらいしか。」
「やりたくないです。」

旗江。
「やってくれるの?」

義奈。
「そういうのが好きなんですね。」

旗江。
「男性を拒絶したら、女性と戯れるのが好きになった。」

義奈。
「あれ?私と同じなんですね?」
「最初から、恋とか結婚が嫌いで。」
「見ているだけでも嫌気がして。」
「女の子を見ていたら、いつの間にかサディストになりました。」

詩叶。
「色欲が逸れたのは、ここにいる全員の共通点。」

本実。
「最初は、みんなが口説いたのですよ。」
「それで、チームになりました。」

星詩乃。
「個人と個人が連携すると。」
「団結しますね。」

光織。
「自分が集団よりも優れている場合は。」
「集団とはそもそも何なのか問えますね。」

理姫。
「集団よりも自分が強ければ。」
「集団を見下す権利を得る。」

義奈。
「相手が大きければ、大きいほど。」
「攻撃目標として都合がよい。」

小姫。
「悪人による非難は賞賛である。」

旗江。
「よい事があるだろうと思っている者はよい事にありつく。」

クエーサーの画像を出す。

クエーサーは謎の天体で。

銀河誕生の初期に生じたとされています。

星雲では今も新しい星が誕生していますが。

そもそも恒星は、生まれ変わりを繰り返しますね。

寿命を終えても、新しい形態に移行して復活します。

宇宙には、人にも適用できる自然現象で溢れているので。

残りの時間は、ティマイオスを引用した宇宙論をまとめて。

早めに拠点を閉めました。

女性陣は学問を三年はする予定なので。

そうした雑談が多いのですね。

論語にも、学問は三年はするもの、と書かれています。


19


一つの肯定は、二十の否定よりも重要である。

農作業の真っ最中に。

少しの暇に雑談。

形而上学の話題が目立ちますね。

一応は、見習いですが。

農業にもいろんな分野があるので。

近くでは花を育てて出荷する場所もあり。

温室で育てている果物もあり。

田んぼもあります。

畑では、野菜があったり。

農業でも一部門だけでの経営ではないので。

どこに参加するのかは決まっていません。

鶏小屋もあるので。

維持管理が大事ですね。

仕事の取り合いになっている所もあるので。

被らないように手配してくれますね。

今の割り当ては。

維持管理です。

その他には。

衣服を制作して売っていたりしますね。

機織りもたまにやる仕事です。

細かい仕事が多いため。

重労働にはなりませんね。

旗江。
「幼い女の子が男の子に体当たりした。」
「男の子は跳ね飛ばされた。」
「母親が、なんで体当たりするの!」
「という質問をすると。」
「女の子は。」
「だって、女の子は生まれたら。」
「男の子の方角に突進するでしょ。」
「父親は、そうとは限らんよ。」
「こう述べると、幼い女の子は愕然とした。」

詩叶。
「女の子が、最近、交際した男の子と離縁した。」
「男の子は理由を尋ねた。」
「女の子が言うには。」
「私の自由で恋をした訳ではないのよ!」
「私はあの女の子と交際することを選んだから!」
「とのことだった。」

本実。
「生後数年経過して。」
「男の子が初めて喋った。」
「内容は。」
「ぎゃあああ!生まれてしまった!」
「お終いだ!」
「なんていう内容であったという。」

親戚。
「何だ?それは?」

旗江。
「アメリカンジョークばかり読んでいたので。」
「ジョークが必須科目であると学んだ次第。」

光織。
「臆病者が自分より強い相手を罵った。」
「俺は正面から勝てないことは分かっているんだぞ!」
「だから卑怯な手で正々堂々と勝負しろ!」

理姫。
「卑怯者が自分より強い相手を罵った。」
「俺も軽機関銃さえあればお前に勝てるんだからな!」
「俺は狡猾な手で勝負すれば誰にも負けない!」

星詩乃。
「とある男性が増長した。」
「紳士が咎めた。」
「君は天空に向かって。」
「かつてカエサルがやったという。」
「ユピテルとの負傷退場なしの決闘とかを。」
「やろうと言うのかね?」
「その後、男性は何も喋らなくなったという。」

旗江。
「とある無政府状態の国にて。」
「お節介な奴が、それをいいことに。」
「他人の財布を盗んで。」
「そのお金で生活必需品を購入して。」
「相手に渡した。」
「こうしたのはあなたのためだから。」
「盗まれた相手は激怒して。」
「お節介な奴を殺害した。」

詩叶。
「テロリストの拠点に乗り込んだ偽善者が。」
「リーダーを罵った。」
「あなたは間違っています。」
「リーダーは見せしめに。」
「偽善者を拷問した。」
「リーダーが言うには。」
「お前が間違っていることを自分で認めないと。」
「お前を殺すぞ。」

本実。
「正義を名乗る中年男性が無謀にも暴走族の。」
「集会に突進した。」
「そこで説教すると。」
「中年男性は不良に殴られた。」
「不良が言うには。」
「喧嘩を売ってくるとはいい度胸だな。」

旗江。
「街中で、真実を言ったら千円をあげると。」
「物好きが通行人に名乗った。」
「市民は、あなたは真実しか言わないと指摘した。」
「市民に千円が贈呈された。」

拠点に入ると。

揃った女性陣。

天候の予想と。

収穫のシミュレーションまで行えるので。

かなり前から農作物の生育から出荷まで。

予想が行えますね。

最初から成否の判定が可能なので。

収穫に失敗すると出たら。

可能な限り、損害を減らしています。

親戚が。

揃って何かをしていますが。

泥棒を仕留めたのですね。

高級な果物も栽培しているので。

泥棒を袋叩きにして。

連行するようです。

泥棒は嫌がりながらも。

お縄になっています。

旗江。
「既に攻撃されているというのに。」
「どうやって拒否するおつもり?」

本実。
「映画とか漫画とかの戦闘は。」
「すべて成功例なので。」
「あんまり参考にはなりませんよ。」

詩叶。
「現実の戦闘は、失敗が大半ですからね。」

星詩乃。
「現実の戦闘は、むしろ相手の失敗や。」
「相手が弱かったりして。」
「決着がつくものです。」

光織。
「圧倒するほど、相手を押せば。」
「ほとんどの場合で勝てますね。」

理姫。
「戦いに関して、成功例だけ見て模倣するのは。」
「危うい考え方ですね。」

旗江。
「歴史において、明らかに敗北者の数が多い。」

星詩乃。
「一握りの勝者によって語られるものです。」
「失敗した人は記録に残らないものです。」

詩叶。
「失敗する回数や人数の方が。」
「成功例よりも遥かに多いのに。」
「そこの所を見落としていますね。」

本実。
「漫画や映画の成功例を。」
「現実の戦闘に引用するのは。」
「けっこう無理があります。」

星詩乃。
「怒りでパワーアップする描写があるとして。」
「それで相手に討ち負けて殺されたら。」
「そもそも脚本としては採用できないのです。」

最近は、私的制裁(私刑)を楽しんでいる輩がいて。

都市では、けっこう荒らしているようです。

たまに事件になったりしますが。

ことわざにも。

極端な正義は極端な邪悪である。

とも言われていますね。

経験は時々危険なものである。

旗江。
「過度に論争すると真理は失われる。」

詩叶。
「悪平等を排除すれば。」
「群衆の一部を、過失で叩いたとして。」
「過失になるのは悪平等ですな。」

本実。
「悪平等な過失というのは滑稽ですなあ。」

旗江。
「悪平等で決まるような罪過なんて。」
「信じるに値しないね。」

詩叶。
「悪平等として論破できる時点で。」
「自分の方が優れた結論が出せるのですし。」
「過失とか罪過と言われても。」
「信用できない。」

旗江。
「罪過?マッチポンプしかやらない。」
「自作自演が基本の律法でしょ?」

本実。
「自分で問題を起こしておいて。」
「厳格に裁くのですね。」

詩叶。
「意外にも、人間の力で。」
「罪過相手にも、優勢に戦えるものですね。」

旗江。
「罪過なんてけちをつける攻撃には無力です。」

詩叶。
「罪過も完璧ではないのですね。」

本実。
「けちをつけると、罪過の仕組みも崩壊します。」

星詩乃。
「完璧ではない仕組みをなぜ信じる?」

旗江。
「律法よりも人間の作った法律の方が。」
「公正ではありませんか?」

本実。
「でしょうね、衆愚を叩いたからと。」
「大袈裟です。」
「律法とか言う悪平等は。」
「この世には要りません。」

詩叶。
「誇張されているのが当たり前ですもんね。」

旗江。
「律法とやらに仕返しをして。」
「律法の仕組みを崩壊させてしまえ。」
「二度と、自分を裁けないようにしてしまえ。」

光織。
「という人は、罪に対して呪詛すれば。」
「それに関係するものは全部。」
「不吉に出ますね。」

旗江。
「概念に呪詛するのは、自分に関して。」
「直接、支配している単語と効果のみです。」

詩叶。
「呪詛すると、まず動きが止まりますね。」
「その後に、錯乱して、概念が暴走します。」

本実。
「概念に呪詛すると、その概念に関するすべての動きが停止します。」
「その後に、その概念が向かってきます。」
「しかし、力尽きると、概念が死にます。」
「この世から消えます。」

理姫。
「その後は、その数個の影響を。」
「半永久的に受けなくなりますね。」

旗江。
「その呪詛は、世襲の方法で繰り出します。」
「キルケゴールの父親がその方法で繰り出して。」
「人間の理解を超える人生に変更されました。」
「日本書紀にも書いてありますが。」
「概念への攻撃は、けっこう有効で。」
「自分と敵対する概念を。」
「短期間でこの世から消せます。」

本実。
「呪われた概念は、そもそも実体がありませんので。」
「人間みたいに襲撃することができません。」
「後は、それに触れると、すべて不吉になるだけです。」

詩叶。
「という訳で、概念が自分を支配している時に限って。」
「呪詛が有効です。」

星詩乃。
「善意の言葉だけでは袋はいっぱいにならない。」
「大袋をいっぱいにするのは、穀物や羊毛であって。」
「どんなに善意から出たものにせよ。」
「単なる言葉だけでは駄目。」

旗江。
「理由は、一つあれば、五十あるのと同然である。」

農業の予定表を作成。

とは言っても。

予定通りには行かない。

そこで。

易経と易学を並べる。

最近の研究はこれです。

占いの古典で。

占いの方法が書かれています。

昔の学校では易学が必須科目で。

易経は孔子が繰り返し読んだ古典です。

孔子は、易経の留め具が外れるまで繰り返し読んだ。

という実話があります。

旗江。
「易経を読んだことのある人向けですが。」
「誓約は、明らかに危険な行為を。」
「潜り抜けないと。」
「上手に発動しません。」
「設定した条件と結果で占えます。」

詩叶。
「おみくじの内容は発行所があるので。」
「その内容を超えてしまった場合は。」
「夢占いでも素敵ですね。」

本実。
「夢占いは、解釈だけがあるので。」
「心理学で、解読しないこと、という警句を。」
「読んだことがあります。」

旗江。
「早朝に、このサイクリングで帰るまでに。」
「自分の未来が見えるであろう。」
「という誓約をした後に。」
「救急車が三台と。」
「パトカー二台に遭遇して。」
「後々、それに基づいて構えていたら。」
「有名な疫病に感染していると名指しされて。」
「貶められている寸前で。」
「待っていたら、相手が自滅しました。」

本実。
「そのくらいの冒険をするのが誓約の特徴ですね。」
「誓約には種類があるので。」
「言葉と結果で占うものと。」
「危険行為を無事通過することで占う方法と。」
「いろいろあります。」

詩叶。
「参考。」
「夢占いは。」
「侵入者が登場して。」
「自分が包丁二刀流で応戦し。」
「相手を制すると。」
「自分の、動きが遅いぞ!という発言で覚めて。」
「その後に発生したものは平和でした。」

旗江。
「参考。」
「映画みたいなカーチェイスをした夢では。」
「本当にトンネル・ビジョンに陥っていました。」
「車しか見えていないのです。」

本実。
「参考。」
「家屋として成立していない場所での出来事は。」
「間取りが、家屋として成立していないのに。」
「そこを動き回る夢ですが。」
「発生した出来事は、特にありませんでした。」

義奈。
「夢には反自然的な内容ばかり含まれていますね。」

光織。
「最も反自然的な夢は。」
「玩具みたいな巨大なオブジェクトの上で。」
「反対側の同じオブジェクトに乗っている相手と。」
「ライフル銃で撃ち合うものでした。」
「あれは、トラストとか言う。」
「文明崩壊後が題材のビデオゲームがあり。」
「その比喩です。」

理姫。
「超巨大なショッピングセンターで。」
「棚にひたすらダンボール箱があって。」
「それを漁っている夢も見ました。」
「これって、その時、自分が希少品を漁っていたので。」
「その比喩です。」

小姫。
「不思議な夢と超自然的な夢だけは説明できます。」

旗江。
「反自然的な夢は、解釈に留めましょう。」

詩叶。
「どちらにせよ、易経を読んでいないと。」
「だめですね。」

本実。
「昔は、易学が普遍的な学問でしたね。」
「今は、学校では習いません。」

星詩乃。
「易経は儒教の聖典です。」

お宮に参拝です。

地元にある末社。

看板がありますね。

氏子が来ていまして。

互いに干渉せずに通り抜ける。

管理人が清掃中。

旗江。
「十円を浄財にたくさん入れると。」
「穢れが圧倒するほど早くに落ちます。」

本実。
「浄財は、語源が、清める銭と言われていますね。」

詩叶。
「金額は、財政に依存しますから。」
「無理してたくさん入れることはしないように。」

旗江。
「五円と十円玉数枚が、なぜか好まれますね。」

詩叶。
「こうして、浄財に入れながら祈れば。」
「あっさり消えていくものですね。」

本実。
「しかも、小銭の方が好まれたりしますね。」

星詩乃。
「無暗に祈っても効果は無さそうです。」

旗江。
「無闇でなければ、祈っても通じますよ。」

詩叶。
「災難があっても、災難に反撃を入れることも大切ですね。」

本実。
「災難を負かしてしまうこともありますね。」

星詩乃。
「その災難とか言う人も、天と戦って勝てるなんて。」
「思ってはいないでしょう。」

旗江。
「天?私は天の味方ですよ、天も私の味方です。」

義奈。
「だんだんと、人間の理解を超えていると思います。」

小姫。
「神様からはそうなのに、人間が合わせられないと。」
「あんまり円滑に進まないね。」

光織。
「大人しく消極的に過ごしていると。」
「そのうちいろいろ消えてしまうものです。」

理姫。
「しっかりと、正規の手順を踏んでから。」
「昼寝をしましょう。」

久しぶりに出かけます。

フットボールでサテライトの練習試合がありますので。

これは無料で見学できます。

生きている教本としての知名度がありますね。

その後は映画館に行く計画で。

その後にすぐあるのは。

地下アイドルのイベントですね。

これは駅前の舞台で行われます。

地下アイドルとは言っても。

地下最強の実力者で。

なぜ大舞台に向かって宣伝されないのか。

疑問に思われているというチームです。

電車に飛び乗って。

都市部に向かいます。

途中で、お菓子を購入。

隣町の末社にも行きました。

境内にて。

旗江。
「善なるものについて。」

詩叶。
「最高善に関するものですか。」

本実。
「善であり、悪とは無縁なもの。」

星詩乃。
「お宮で祈っても通じる物語ですね。」

旗江。
「善が先にあって、悪が後に来るという。」
「良いものです。」

詩叶。
「悪が先ではありません、善が先です。」
「悪が先ならば、順番が狂っています。」

本実。
「良いものが前提にないと、この世界は成立しませんよね?」

旗江。
「悪いものだけの世界なんて自壊しますよ。」

星詩乃。
「善なるもので成立する世界なのです。」

光織。
「善なるものがたくさんあって、それが前提にあるから。」
「価値が出て、人が生きられる世界なのです。」

理姫。
「生まれる人は、必ず善を前提に入れていますからね。」
「最初から悪いものなんて見ないでしょうね。」

旗江。
「ニコマコス倫理学を読んだことがあれば。」
「あっさり理解できますね。」

義奈。
「悪しきものであると知っていて、突進する奴はいませんね。」

小姫。
「善なるものであると知っていて、突撃する人はいますよ。」

旗江。
「ソクラテスの性善説ですね。」
「それが何であるかを知っていて、不正を行う者はいない。」
「無知から、不正が生じるという。」

詩叶。
「それには異論がありません。」
「悪であると知っていて。」
「やるような奴はいません。」

本実。
「良いものしか、私は見ませんよ。」

旗江。
「良いものを見ているから、生きているようなもの。」

義奈。
「先天的なものも、善なるものが前提に入っていますね。」

小姫。
「悪いものと知っていて、それを選ぶ人はいませんね。」

星詩乃。
「善なるものが目当てで、生まれるようなものです。」

旗江。
「プラトン曰く。」
「死後の賞罰によって獲得したものは。」
「次の生涯に持ち越されます。」
「才能や能力も引き継がれます。」
「こうなると、先天的なもの全般は。」
「死後の賞罰によって決まっており。」
「生前、善なる行いによって。」
「認められた訳ですから。」
「それが引き継がれているのなら。」
「批判の余地はありません。」
「国家の断片に書いてありましたが。」
「他人が自分の力で獲得した善なるものは。」
「他人が手出しするのは禁忌そのものです。」
「それが証明された場合は。」
「それを批判することなど、天罰を期待するのがよろしい。」

星詩乃。
「警戒して欲しいのは。」
「本人の先天的な能力や才能が。」
「生前の行いによって認められて。」
「先天的に贈与されていることもあるからですね。」
「それが証明された場合は。」
「羨望を向けたり邪魔したりすると。」
「攻撃した奴は、その後、同様のものは得られなくなります。」
「それは、存命中も、得られません。」

詩叶。
「先天的なもの全般は、プラトンが説明を完了しています。」
「賞罰によって獲得したものは。」
「批判の余地がないこと。」
「それが引き合いに出された時点で。」
「不正な者は勝ち目がないこと。」
「妬んだりする者は、対象を得る機会を剥奪されること。」
「賞罰によって獲得したことを証明した場合のみ。」
「報酬を批判することが不可能になります。」

本実。
「よく考えますと。」
「死後の裁判で、既に賞罰を受けて。」
「その世界で、処罰されたり。」
「報酬を受けたり。」
「処理が行われていますので。」
「生まれてくる時には、何の罪状もありません。」

旗江。
「有罪判決が出ると、下の世界に移動することになり。」
「罰を受けて、戻ってきますし。」
「正義と判定されると、上の世界で褒美を受けます。」
「しかも、その後は両者、同じ場所に戻ってきます。」
「ここの時点で、褒美と罪状の処理は終わっているのです。」

詩叶。
「生まれながらに罪状があるという理屈は。」
「他所のものか、間違いになるので。」
「否定されます。」

本実。
「生まれながらの罪状なんてありません。」
「否定されます。」

旗江。
「唯一、ある可能性と言えば。」
「生まれる直前にある生涯の見本で。」
「勘違いや誤解によって。」
「見本を選ぶのが狂った場合のみですね。」

星詩乃。
「選ぶ能力が欠如していると。」
「時間をかけて選ぶ訳ですが。」
「あらかじめ何であるか本人からは見えていますので。」
「愚劣な見本を選ぶ者は、同じくらい愚劣です。」

旗江。
「本人が、愚昧であった場合のみ、見本を選んで。」
「後悔するようです。」
「見本は本人にすべてが依存する。」
「内的帰属であるため。」
「余程、愚昧でない限りは。」
「無難な生涯や、普遍的な生涯が選ばれるでしょう。」
「明らかに悪い生涯を敢えて選ぶ人はいません。」

詩叶。
「自分から見えている邪悪な生涯や。」
「自分にとって害にしかならないものは。」
「跳ね除けるに決まっています。」

本実。
「少し深く掘ると、こうなるんですね。」
「要するに。」
「生まれながらの罪状なんて。」
「その人にはありません。」
「あるとしたら。」
「本人が愚昧なせいで。」
「自分で罪状を作ってしまった場合のみです。」

旗江。
「ちなみに、エルの物語ですが、お宮に善いものであると伝えましたら。」
「何か当たり前のような霊感でしたね。」

詩叶。
「プラトンのエルの物語は、多様性のためか。」
「お宮で祈っても。」
「通じています。」
「そもそも学問の一形態ですし。」
「この世にあるものですね。」

本実。
「お宮で祈っても、まかり通るのなら。」
「物語が、ほとんど一致しているのが神意というものですね。」

星詩乃。
「ほとんど一致していなければ。」
「そもそも、お宮で受け取ってもらえません。」
「祈りが通じる所か、もっと物語を支持するようになりました。」

光織。
「内容を保証して貰えたのですね。」

理姫。
「十巻に基づかない内容は、欺瞞ですね。」

義奈。
「すべて、エルの物語が、考察の基点ですよ。」

小姫。
「それに基づかない内容は、他所の決定ですね。」

旗江。
「他所の決定なんて、迷惑ですね。」

星詩乃。
「たまに他所の決定なのでは?という内容が、含まれています。」

詩叶。
「生まれながらの罪状は、裏切ることが可能です。」

本実。
「裏切らないと、不正に染まりますね。」

旗江。
「生まれながらにして罪状はないので。」
「もしあったとしたら。」
「他所が作った架空の罪状なので。」
「裏切れば良いのです。」

星詩乃。
「それなら、正義対不正ですね。」

光織。
「この世にないもので、いろいろ決められたら。」
「迷惑そのものですね。」

理姫。
「そこは神々に排除して貰いましょう。」

旗江。
「あの物語は善なるものですからね。」

詩叶。
「エルの物語は善いものです。」

旗江。
「十巻の内容は善です。」

本実。
「プラトンの国家は、善なるものですからね。」

目的地に移動します。

サテライトの試合は、本気のスポーツを教えられますね。

映画館では、流行りの作品を見ました。

地下アイドルは、やはり実力があり。

よく知られているアイドルを凌ぐのでは?

そう言われていますね。

監督が、元々は劇団をやっていたので。

監督の手腕によるものかな。

遊ぶのも忙しいものですね。

帰ってくると。

駅前で全員が解散することになり。

単独で帰宅中。

何やら不審者に尾行されている。

素人の尾行は発見が容易です。

脇役。
「あれは主人公だ!」

旗江。
「そんな御大層なヒロインではありません!」

道化師。
「主人公を倒せば、俺達がこの作品の主人公になれるぞ!」

阿呆。
「しかし、脚本が上手なほど、強敵になるぞ?」

夢想家。
「そんなこと、やってみればわかる!」

旗江。
「なんですか!主人公?何の話ですか?」

脇役。
「君という主人公を倒せば、主人公の座を奪い取れる!」

道化師。
「やってしまえ!」

旗江。
「なんて理由で攻撃してくるのですか!!」
「主人公なら、ハムレットと同じになれ!」

不審者がいきなり現れて。

追いかけてくる。

しばらく逃げていると。

行き止まりに入ってしまう。

脇役。
「さあ!俺達に主人公の座を渡せ!」

旗江。
「何ですか!そんなもの自力で奪えばよろしい!」

阿呆。
「それじゃだめなんだよ!」

旗江。
「ハムレットになっていればよろしい!」

道化師。
「それになるんだよ!」

夢想家。
「目指すは悲劇の主人公!」

旗江。
「悲劇ですと?なぜ喜劇が持ち出されない?」
「アリストパネスみたいな喜劇はどうしたんですか!」

襲いかかるものの。

あっさり回避する。

側面から、警察官がコンクリートの壁を破壊して登場。

どうやら待ち伏せ。

不審者を追いかけている最中。

大工。
「せっかく補修した壁を壊すなよ。」
「またやり直しだな。」

巡査部長。
「何を言っている?私が主人公なんだ!」

阿呆。
「倒せない相手を出すな!」

脇役。
「うわ!相手が悪いぞ!逃げろ!」

夢想家。
「誰が主人公なのか決まってないじゃないか!」

巡査部長。
「何の話をしているのだね!待ちなさい!」

道化師。
「俺達の対戦相手が警察官なんて、びといわ!」

旗江。
「何なのか知りませんが。」
「誰が主人公なのか?という定義は。」
「そんなに大事な命題なのですか?」

振り切りました。

悪い事を知っている人ほど。

善を知っていますね。

生きるとは何のことですか?

という命題について。

どこにも回答は設定されていません。

よくわからないものに関して。

後から説明をつけるものではありません。

利益は嘘を吐かない。

人は自分の利益になることはするが。

利益にならない事はしない。


20


範例の方が教訓よりも教育力が大きい。

クラシック選曲中。

練習曲 ホ長調 Op.10-3「別れの曲」

幻想即興曲 嬰ハ短調 Op.66

ザルツブルグ交響曲第一番、第一楽章。

最近は農業の研究を開始。

キジバトが田畑によく集まってくるのに。

人に慣れていて。

どうも野生ではありませんね。

触れそうなほど。

あんまり警戒しませんね。

最近は、不思議なキジバトが多数出現。

おまけに、カワラバトは肩に乗ってくるし。

拠点の周辺はハトだらけですね。

旗江。
「神が下したもうたものはみな十分価値あるものとして。」
「お受けしなければならない。」

詩叶。
「天の与うるを取らざれば。」
「かえってその咎を受く。」

本実。
「納得が行かない説明は。」
「そもそも説明が足りていません。」

星詩乃。
「何もしないのは何かするのよりもつらい。」

光織。
「暇潰しに、偽物についての話でも?」

理姫。
「希望を述べれば思いが叶い。」
「請い求めれば獲得できる。」

旗江。
「大きな神社に行きましょう。」

古語辞典によると。

鳩は八幡神の使者。

近くに八幡神社がありまして。

たまに行きますね。

意見が一致しました。

電車に乗ることに。

隣町の神社にて。

境内者を巡ります。

御朱印のあらかじめ書いたものがあり。

それを受け取りました。

旗江。
「神職と我々の違いは?」

詩叶。
「違いがないんですよ。」

本実。
「私と神職は違いがない?」

旗江。
「違いはありませんね。」

星詩乃。
「違いがないのに、区別できませんね。」

参拝。

お宮からの帰宅中。

思いついた俗説について。

論説を打ち破ってみる。

旗江。
「異端がよく説いていた仮説は。」
「神学からして誤りですね。」

詩叶。
「造化三神は、姿を捉えることができず。」
「隠れてしまっています。」

本実。
「群衆の目の前に現れるなんて有り得ない。」
「姿を捉えられないので、人間からは見えませんよ。」

星詩乃。
「人間に喋ることはありませんね。」

旗江。
「一方的に宣告して、人間を追いやることはしませんね。」

星詩乃。
「必ず全知全能なので、偽預言者の説明は誤りですね。」
「あの話をする割には、お宮に通わないのです。」

光織。
「簡単な質問にすら、答えられない偽預言者なんですね。」

理姫。
「作り話は、巧みであるほど、迎合されますね。」

旗江。
「単なる創作では、面白くもないし、美しくもない。」

星詩乃。
「青年が、創作した、あの文学については?」

旗江。
「現実で、あまりに無力なので。」
「オンラインゲームに入り込んで。」
「チート野郎をする文学作品とかも。」
「風刺の対象になりますね。」

光織。
「現実に対するルサンチマンを。」
「そのままオンラインゲームの中に持ち込んだのですね。」

理姫。
「ノーベル文学賞とか、それと比較するには不適切。」

星詩乃。
「比較にならないものと、比べることはできません。」

拠点に戻ってきて。

休憩しつつ。

農業の研究を再開。

来訪者。

近くで林業をやっている仲間から誘われて。

山道を移動。

森林の中にある小屋に行くと。

バトルアックスが置かれていて。

柄が長くて、重いのに、切れ味が良い。

相手に叩きつけて使用する。

バトルアックスは、薪を割る用途で使用されていますが。

強力な武器にもなりますね。

これは刀剣による防御で防げません。

刀剣が破損します。

しかも、壺の中に入っている灯油を。

半分までつけて。

着火すると。

とんでもない武器になります。

実際に燃えているバトルアックスで。

仲間が人形を割ると、人形が割れて燃え尽きました。

基本は、容赦なく振り回して使うため。

空振りと、近距離の攻防に弱点があります。

女の子二人組がいまして。

さっきまで歌の練習をしていたようですね。

旗江。
「女の子に似合う武器ですね。」

義奈。
「さっきから振り回しているけれど。」
「これかなり使いやすい武器ですよ。」

小姫。
「斧ブンブン、私にとってもっとも馴染む武器。」

星詩乃。
「相手が強いなら、私達は上手なのです。」
「筋肉だけで勝てるとか、戦いを舐めていますよ。」

詩叶。
「戦いは上手ですよ、強いとは違うのかな?」

本実。
「あれで伐採もするのですね。」
「ここでしか振り回せない武器ですね。」

義奈。
「戦闘は大好きです。」

小姫。
「倒した相手を眺めるのが好きです。」

義奈。
「相手が崩れた時が快感ですよね。」

小姫。
「相手が倒れた瞬間が、たまらない。」

義奈。
「自信満々な相手が負けた瞬間が。」
「戦って良かったな、と思う瞬間です。」

小姫。
「相手の負傷している部分を見るのが。」
「倒して良かったな、と思う瞬間です。」

旗江。
「狂気の戦士ですやん。」

木の実を採取。

余っている野草が置いてあり。

それをくれました。

燃料を貰って。

バーベキューセットが使用できますね。

輸送中。

いわゆるハイキングコースみたいな山道。

すぐ平地に出ます。

背中の籠には、物資が満載。

全員で輸送します。

旗江。
「アリストテレスがニコマコス倫理学で。」
「さりげなく表現した。」
「賢者は快楽を求めず。」
「苦痛なきを求める。」
「ラテン語訳もあり。」
「思慮分別のある人は、快楽ではなく。」
「苦痛なきにしたがう。」
「或いは。」
「思慮分別のある人は快楽ではなく。」
「苦痛なきをめざす。」
「これは。」
「ショーペンハウアーが引用したもの。」
「幸福について。」
「第五章、訓話と金言。」
「生きる知恵の最高原則として紹介されています。」
「命題の真理について。」
「ショーペンハウアーは、かなりの分析をしていますね。」

詩叶。
「快楽を捨てて苦痛を全滅させようとするのは。」
「現実そのものですね。」

本実。
「快楽はどうでもいいので。」
「苦痛を全滅させるという行為は。」
「とてつもなく可能です。」
「実際にできることです。」

旗江。
「快楽なんて無限に求めても満足しませんが。」
「苦痛が無い状況なら作れますね。」

詩叶。
「快楽は、ほとんど生じませんが。」
「その代わりに。」
「苦痛もほとんど無くなりますね。」

本実。
「どう見ても、それが合理的ですよね。」

星詩乃。
「実際に可能なのですからね。」

光織。
「快楽を否定して。」
「苦痛を排除しようとするのは。」
「矛盾がありません。」

理姫。
「快楽を追いかけて。」
「いったいどうしようと言うのですかね。」

旗江。
「苦痛を無くすだけで、問題は全滅しますね。」

星詩乃。
「実際に、快楽ばかり追求すると。」
「ある所で、限界が生じて。」
「快楽を得られない苦痛が生じますね。」

旗江。
「快楽をずっと続けようとしても。」
「ある時、快楽を得られなくなります。」
「ある時から、途絶えてしまいます。」

詩叶。
「無限の快楽なんてこの世に無いので。」
「そのうち、快楽が発生する所が枯渇しますね。」

本実。
「快楽は、そのうち使い果たしてしまうので。」
「体験からして、快楽の対象は、消耗してしまいます。」

星詩乃。
「快楽が生じる場所や物事が、消耗してしまって。」
「無くなってしまうと、それらが苦痛に変わりますね。」

旗江。
「最初から苦痛がないのが、余裕を生みますね。」

詩叶。
「苦痛がないのは、明らかに永続しますね。」

本実。
「功利主義は、快楽を前提としていますが。」
「その前提は誤りですね。」

光織。
「快楽を前提としない生き方が、清らかですね。」

理姫。
「苦痛がないのが、快適ですね。」

旗江。
「快楽には上限があります。」

バーベキューセットで遊んでいると。

何やら速報があったので。

小型テレビを稼働させましたね。

近くにある大都市の交戦。

自衛隊のアパッチロングボウが飛んでいまして。

停泊する艦船に攻撃しています。

どうやら、反政府組織の艦船で。

遠くから中継。

近くには16式機動戦闘車。

対戦車ロケットが撃ち込まれると。

16式機動戦闘車に直撃するはずなのに。

後退して車体を旋回させることで。

避けた。

運転手。
「どこ狙ってるんだよ。」

車長。
「当たらなければ、どうかな?」

砲手。
「下手な奴ら。」

また飛んでくるものの。

後退スラローム機動を即座に行って。

また避けた。

運転手。
「当たらないなあ!」

車長。
「どうした?我々を狙ったのではなかったのか?」

砲手。
「それ!戦車砲、発射です!」

対戦車兵器の射手は。

主砲の一部を食らって。

負傷。

気絶したようです。

記者が、スナイパーポッドを使用したので。

遠くまで見えます。

アパッチロングボウに有線式ミサイルが放たれて。

追尾しますが。

アパッチロングボウは、上昇して斜めに機体を傾けて。

ひらりと回避。

パイロット。
「当たらなければ意味がありません。」

狙撃手。
「敵も下手だなあ。」

パイロット。
「悔しかったらもう一発よこせよ。」

狙撃手。
「無理だよ、敵に何を期待してるんだよ。」

そんなことをやっていたら。

どうやら歩兵が突入して。

制圧できた様子。

海岸の発電所を破壊しようと。

敵側の傭兵部隊が出現。

大型漁船を使って近寄ったら。

偵察機が発見して。

ああなりました、とのことです。

バーベキューセットですが。

焚火になっています。

たまに、川魚や猪の肉を調理している。

仲間がいるという。

共有の場所なんですね。

女性陣は、こういう所も、管理しています。

災害があると、特に台風の後も、水源の管理をやりますね。

水源は、女性陣が計画を持っているので。

毎日、計算しながら、確認しています。

金銭の管理は、仲間の夫人がやるなど。

男性の苦手になるような所は、女性が担当。

今日は、たくさんの宅配便が来て。

その中に、自分達の資料があるので。

拠点に持ち込んで。

研究するのです。

読書を開始。

旗江。
「武士道は英雄の真似事です。」

詩叶。
「武士は、何故か、全員が馬鹿正直で。」
「義人や聖者の真似事ばかりしている。」

本実。
「凡人がなれないような、完全無欠を追い求めますね。」

星詩乃。
「正しいと思った行為を、狂ったように実行するし。」

光織。
「人間の考える正義なんて、いかにも人間らしい。」
「安っぽいものですからね。」

理姫。
「過剰なくらいの正義が常にありましたね。」

旗江。
「勇敢であることを、万人に要求するのは。」
「明らかに戦士の考え方ですからね。」

詩叶。
「優しさは、裏切られますが。」
「必要悪を実行できないだけですね。」

本実。
「礼ですら、心が狭い武士が。」
「徹底するには、能力が不足しています。」

旗江。
「やたらに激怒して何も許さない所など。」
「礼に関しては、武士ほど心の狭い組織はいません。」

詩叶。
「誠に関しても、正攻法だけが戦いではないのですし。」
「手段をやたらに選ぶ優柔不断ですなあ。」

本実。
「手段に拘泥している所が、武士の幼稚な性質ですね。」

星詩乃。
「損得勘定で、情けない困窮をするのも。」
「武士が、義人の猿真似をした所以ですね。」

光織。
「聖者でもないくせに、その演技だけは上手というのが。」
「私からの武士の評価です。」

理姫。
「彼らは、義人の演技も得意ですね。」

星詩乃。
「恥なんて、相手に加えようとすれば。」
「簡単に作れるものです。」

旗江。
「名誉と言いつつ、そんなに歴史に残らない上に。」
「大多数の武士は、そもそも名誉を得ていません。」

星詩乃。
「自分の権利のために鍛錬したのか。」
「名誉の獲得のために鍛錬したのか。」
「何がしたいのか、武士は人間の中でも。」
「最も理解できない。」

詩叶。
「民間人に、武器の訓練を開放していなかったので。」
「一方的に武士が勝てた、それだけです。」

旗江。
「宮本武蔵は、強力な武士を、六十人以上、叩き切っています。」
「自分の幸運のためか。」
「自分が霊剣思想に忠実であったか。」
「相手がたまたま弱かったとか。」
「相手が武芸をそもそも極めていなかったとか。」
「武士が、必ずしも強くない文面ですね。」

本実。
「戦闘での弱点は、そもそも日本刀を相手とした訓練しかしていない。」
「昔にあった槍などを使わない。」
「接近戦での格闘戦に弱い。」
「大型の刀剣の一撃を防げない。」
「盾を使われると長期戦になる。」
「不意討ちに弱過ぎる。」
「組織によって自分達を守り過ぎて実力がない。」
「ほとんどの武士は、戦士としては凡人。」
「傭兵と比べて、大差ない戦闘力。」
「庶民にもし一回でも負けたら、武士の存在が脅かされること。」
「武芸をほとんど、独り占めしていたこと。」
「剣豪と呼べる天才が、一握りしかいないこと。」
「凡人が、自分の見栄を張るために利用していたこと。」
「など、いろいろ。」

旗江。
「何気に、現代の市民が、武士道に忠実なのですが。」
「私は、武士道こそ滑稽だと思います。」

詩叶。
「武士の最大にして、最悪の汚点は。」
「心がひたすら狭い所ですね。」
「ひたすら狭い。」
「犬小屋くらいの心の狭さですね。」

光織。
「自分が強いと思い込んでいる集団ですしね。」

理姫。
「庶民でも、挑めば、一応は倒せるのです。」
「それで、組織を使って、勝利した庶民を潰す。」
「これの繰り返し。」

旗江。
「一兵卒に万能を求めるのは、無理がある。」

星詩乃。
「やたらに美化されていますが。」
「そもそも、愚かしい所が散見されます。」

旗江。
「少し邪悪な所もありますね。」

詩叶。
「かえって、陰湿な集団ですね。」

本実。
「実の所は、曲がっているだけの組織なんですね。」

旗江。
「武士の存在は真っすぐに見えているでしょう?」
「本当に真っすぐならば、曲がって見えるものです。」

本実。
「取るに足らない集団でしょうね。」

旗江。
「武士は、本人が思っているほど強くはない。」
「傭兵と互角に戦える程度。」

詩叶。
「日本刀の対策がされてしまうと。」
「何も出来なくなるほど。」
「末期は腐敗しているほど。」

光織。
「人間にしては、頑張った方だと思いますよ。」

理姫。
「所詮、あれが人間の限界なんですよ。」

旗江。
「人間が、ああして威張った所で、私に嘲笑されているでしょう?」

星詩乃。
「あれなら、常備軍の方が使いやすいのですね。」

旗江。
「ドイツ剣術なら、日本刀を制することは簡単ですよ。」

星詩乃。
「武士が戦い慣れている時代が終わると。」
「もう、傭兵の方が都合がよいくらいです。」

詩叶。
「戦いを忘れた武士は、単なる常備軍に過ぎない。」
「一説には、全国で百万人くらい、常にいましたね。」

本実。
「武器を持つことしか、取り柄のない集団というのが。」
「私の素直な感想ですよ。」

詩叶。
「一応は、寺子屋で、学校を開いていて。」
「しかも無料で授業をしています。」
「武士道は、戦士の規則に過ぎません。」

旗江。
「武士なんて、戦士の組織に過ぎませんからね。」

光織。
「あれなら、ナポレオンが突っ込んでくる方が、威力があります。」

星詩乃。
「あの皇帝は、中央ヨーロッパまで領地にして。」
「モスクワまで占領していますね。」
「市街地を焼き払われたので。」
「それをきっかけに退却。」
「補給が機能不全で、軍隊を失う。」

理姫。
「あの軍隊は、庶民から募った平民ですよ。」
「訓練されて送り出されています。」

光織。
「傭兵を主体に展開していた、当時の軍隊は。」
「昔の形式に拘泥したので。」
「皇帝が指揮する元平民に蹴散らされた。」

星詩乃。
「フランス革命で皇帝ナポレオンが誕生したのは。」
「さらなる革命。」

旗江。
「騎士道は、信仰が欠かせませんが。」
「武士道は、無宗教なんですなあ。」

詩叶。
「騎士道は、キリスト教によって保管されるようになりましたね。」

本実。
「騎士道の特徴は、神聖であること。」
「神聖であることを、自らに課すものです。」

旗江。
「武士道は、怒り狂って武器を振り回すくらいしか。」
「出すものはありません。」

星詩乃。
「私の短気な所や、自分でも嫌っている心理は。」
「武士道による。」
「馬鹿正直な規範の影響ですね。」

本実。
「けっこう批判できますね。」
「もう消えてもいい思想だと思います。」

詩叶。
「武士は英雄ではない。」

旗江。
「武士を英雄と呼ぶのは無理があります。」
「そこまで偉大な事は成し遂げない。」

光織。
「武士の最も足らない所は、意思の弱さですね。」

理姫。
「主意的な武士なんて、いませんでしたよ。」

星詩乃。
「英雄と比較されるのは、武士には残酷です。」

詩叶。
「人々が騙されることを欲するなら。」
「人々を騙せば良い。」

武士道を嘲笑。

さりげなく入っている考え方は。

武士道が基本にありますが。

これを破壊したのですね。

知らない間に、武士道を基準に考えていることがよくある。

女の子が、不要になった文芸品や。

書籍目当てに来訪したので。

余剰の物品を渡しました。

またもやギルドメンバー。

来訪。

パーツ代金とお礼を込めて。

自作パソコンを作って欲しいと依頼されて。

五機制作することになりました。

旗江。
「倉庫に部品、余っているよね。」

詩叶。
「新品の部品も必要ですね。」

本実。
「また取り寄せますか。」

星詩乃。
「自分で組んでいると、作り放題ですね。」

旗江。
「なるべく、高性能に作って、実力を見せましょうよ。」

詩叶。
「部品が少ないので、中古品を買ってきます。」

本実。
「これが終わったら、また衣服を作りましょう。」

旗江。
「私は、衣服が作りたいけれど、こっちも同じくらい得意です。」

光織。
「どうやら大金が手に入りそうですなあ。」

理姫。
「変化は楽しい。」

旗江。
「変化は人を喜ばす。」

制作。

短時間で作れそうですね。

苦痛なんて要らないのですね。

そんな所が前提にあるのです。

しかも当たっています。

代わりに、快楽もありません。

苦痛を排除するように試みて。

快楽に上限を設定しているので。

田舎でも満足しているのですね。

苦痛は攻撃の標的です。

農業の研究は続けられますが。

大きな辞典が数点、本棚に入ったので。

哲学も研究。

ことわざ辞典には、嘘だと思う諺も入っています。

簡単に蓋然性が高ければ良いのです。

画家と詩人とには嘘を吐いてもよいという許可が与えられている。


21


世間を信頼する者は、必ず欺かれる。

人間の世界が錯乱しているのを見て。

少しはましになるようにと。

夜間。

魔女は陸上自衛隊の駐屯地に侵入。

武器庫の中を探すと。

その中の幾つかに細工する。

なるべく発覚しないように。

不規則に細工する。

朝三暮四。
「下流へ流される者は、漕ぐ必要はない。」

利他主義者。
「遅延は時間盗人である。」

功利主義者。
「長く遅れると謝意はすっかり消え失せる。」

朝三暮四。
「人間は人間にすぎない。」

功利主義者。
「人は自分自身の利益のためには盲目になる。」

利他主義者。
「人間は天使ではない。」

翌日の演習で。

何故か、小銃や兵器の性能が上がっていることに気が付く。

何かおかしいと調べ始めました。

弾薬について、細部が異なったものがあり。

これは通常の二倍もある性能を持っていました。

つまりは、不可思議な弾丸が大量に混入しており。

理由もなく、この弾丸は、通常の二倍の威力を出していました。

この情報と技術は、自衛隊が独占することに。

これが後に、新しい諍いのきっかけになります。

報道にて。

明らかに性能の違う小銃が映ってしまう。

小さなテレビは妹が独占。

今日は、保存食を作っています。

農地にて。

充実のために設けた拠点。

拠点は、農地の端っこにある。

元々、住宅であった小屋です。

旗江。
「必要は、最良の教師である。」

詩叶。
「すべては許されている。」

本実。
「感情も理性も当てにはできない。」

星詩乃。
「感情は高ぶると何も考えられなくなるし。」
「理性は、失うと、もはや自分ではないね。」

光織。
「主意的なのが、最強なんだと思いますね。」

理姫。
「何でも思い通りにしてしまう。」
「しかも感情や理性を顧みない。」

義奈。
「英雄の特徴は、主意的な力の強さにありますね。」
「意志の強さがまるで違う。」

小姫。
「時々、相手の感情を無視したり。」
「相手の理性を笑ったりする場面もありますね。」

旗江。
「頼りにならない感情と理性を重んじているので。」
「故意に笑ったりすることはありますね。」

詩叶。
「その行為や発言によって。」
「相手の感情論が暴走したり。」
「相手が理性を失うこともありますね。」

本実。
「どうでもいい感情や理性を繰り出して貰っても困る。」

星詩乃。
「取るに足らないと見なしていますからね。」

光織。
「理性は失う危険が常にありますし。」
「感情は、暴走する危険が常にあります。」

旗江。
「感情的になって、正論を繰り出す奴はいません。」
「あのソクラテスでさえも。」
「問答を仕掛けた相手が暴言を放ったり。」
「罵ったりしても。」
「何とも思わずに続けていました。」
「ソクラテスは悪口を繰り出す相手には。」
「黙っていたのですね。」

理姫。
「私が観察する限り、主意的な力が究極なのですよ。」

詩叶。
「誰が感情を重んじろと命令しましたか?」

本実。
「誰が理性は大切であると主張しましたか?」

旗江。
「誰なんだろう?」

本実。
「今でもその人を信用しますか?」

旗江。
「しませんね。」

詩叶。
「すべての人が正直とは限らない。」

旗江。
「どう見ても偶然、感情が大事であるという結論があったりして。」
「偶然、理性が万能という結論がありますね。」

星詩乃。
「大いに疑わしいなあ。」

旗江。
「違和感しかないのですが。」

詩叶。
「違和感が出たり、無理だと思ったものは。」
「自分が否定しているものですね。」

本実。
「自分でも分からない内面もあるのですね。」

星詩乃。
「抑圧されているから。」
「言われた通りにしている人もいますよ。」

旗江。
「子供が無力なのを知っていて。」
「やりたい放題に抑圧する大人が後を絶たない。」
「そして、見事にも、子供に復讐されて。」
「冷遇された親を見たことがあります。」
「見かける度に、悪口や批判を受けていて。」
「親は高圧的になって、防いでいました。」

義奈。
「リア王みたいになってしまえ。」

小姫。
「娘に追放されて。」
「野外を歩き回って狂って死んだ。」
「リア王ですか。」

旗江。
「フランス軍が負けたので、王位は戻らず。」
「そもそも、三女が斬新な行為に出たので。」
「勘違いしたのがきっかけ。」

義奈。
「ああなってしまえ。」

小姫。
「いや、そうしてやるのです。」

星詩乃。
「策略のやり過ぎで、死んでいる登場人物が多いよ。」

小姫。
「よくあることでしょう?」

旗江。
「主意主義は、人気作品の命題です。」
「地底世界の映像作品ですね。」

星詩乃。
「できるという理由でやってしまう所が。」
「相手にとっては、脅威のようですね。」

詩叶。
「やってから理由を言えばよろしいね。」

本実。
「すべては許されている。」

旗江。
「真理は勝利を占める。」

趣味の集まり。

女子高生は下校すると。

すぐに終結する。

休日は、特に居心地の良い場所なので。

けっこう長く参加していますね。

いつものように。

余暇を使って各種の研究をしていると。

どうやら美少女の集まりがあると知られて。

強姦をしようと試みる青年が近寄ってきていました。

青年の姿を見ると、あまりに怪しい動きをするので。

様子を見ていますと。

青年が、扉から強引に入ってくる。

小悪党。
「これは素晴らしい!」
「誰から?」

旗江。
「自賛は悪臭を放つ。」

詩叶。
「ここは男性を拒んでいる場所です。」

本実。
「人が来ないうちに、どっかに行ってください。」

星詩乃。
「相手は、表情が変ですね。」

義奈。
「表情を見れば、たいてい、人が分かるもの。」

星詩乃。
「接近して来ますよ。」

小悪党。
「うおおおおお!好きだああああ!」

棍棒を持ちながら。

迂回して来る三人娘に気が付かなかった青年。

正面だけ見えていて。

青年は、口説くことに夢中。

側面攻撃に成功。

詩叶。
「後ろから失礼します。」

小悪党。
「うあああああ!」

旗江。
「おっと!大事な所に入ってしまった?」

小悪党。
「やられた!」

本実。
「あなた、尻にケツがついているので、取ってあげますよ。」

小悪党。
「やめろー!」

旗江。
「敗北すれば、みんな平等!」

詩叶。
「何が悲しくて、そんな無謀な真似をしたのですか!」

仲間が通りかかる。

倒された青年を見つけると。

持ち上げて肩に担いで。

持って行った。

警察と処分を検討するらしいのです。

旗江。
「もっとパワーアップしたほうがいいよ。」
「倒されるためにね。」
「アハハハハ。」

詩叶。
「何回負ければ気が済むのですか!」
「もうかける言葉がないよ!」

本実。
「道理は、万事を支配する。」

義奈。
「熊に似た野生動物が近くに来ているとか。」

小姫。
「猟師が追いかけているね。」

詩叶。
「巨大な鳥がいますよ。」

本実。
「前に、殺した鳥の残党ですね。」

巨大な鳥は飛びかかってくる。

斜め前転で回避。

遮蔽物に隠れる。

鳥が遮蔽物の近くに来たものの。

罠に引っかかって。

動きが止まる。

隠れて接近して。

頭に、ウォーハンマーを食らわせて。

あっという間に巨大な鳥が倒れた。

旗江。
「前に農園を荒らしていた害獣ですね。」

義奈。
「こういう化け物は、猟師の技術があれば殺せます。」

小姫。
「罠に引っ掛ければ、容易い。」

詩叶。
「やってはいけないのは、正面から戦うことですね。」

本実。
「牛を木に縛り付けて、野獣が接近した所を。」
「弩や弓矢で射殺すのが手っ取り早い。」

星詩乃。
「鳥に追撃、死んだ?」

旗江。
「前よりも小型ですね。」

星詩乃。
「熊みたいな動物が来ていますね。」

義奈。
「フレイルもありますので、殺しましょう。」

小姫。
「誘いこんで、囲みましょう。」

熊みたいな害獣。

一同を見て突進するも。

遮蔽物を過ぎた所で。

大鍋の蓋を構えて。

盾に使って牽制。

突進に失敗する野獣。

側面から。

ウォーハンマーで熊みたいな野獣の。

頭を叩き割った。

野獣は倒れた。

猟友会。
「これ全部、あんたらがやったの?」

猟師。
「敵の殺し過ぎです。」

旗江。
「ここまで動物が侵入してくるようになった。」

仲間。
「それは、動物を標的に遊んでいる。」
「狂人達のせいですよ。」

親戚。
「殺されかけて、暴れているのですね。」

猟友会。
「共闘して殺したことにしようかな。」

猟師。
「珍しい変種ですからね。」

学者。
「こんな個体も出るとは、科学もまだまだ?」
「科学も、何も整備されていないのか?」

旗江。
「多様性は、飽満感を除去する。」

男性一同。

殺した野獣を持ち帰ろうと。

トラックを持ってくる。

新聞記者が来てしまって。

死体を研究所に売るつもりらしい。

旗江。
「害獣を殺したら、ああなりましたとさ。」

義奈。
「人間はすぐ壊れるけれど、野獣は打たれ強いよね。」

小姫。
「慣れているから、殺せるけれど、あれを人間にやると。」
「いろいろ面倒なことになってしまう。」

星詩乃。
「雑魚も何とか出来ない社会って何でしょうかね。」

光織。
「青年がまた来ましたよ。」

理姫。
「さっきとは別人ですね。」

若者。
「僕と交際してください。」

旗江。
「あなたが切腹するなら構いませんよ。」

若者。
「そこら辺の女の子ではない!」

旗江。
「兵士と戦って勝てたら、考えてあげますよ。」

若者。
「無理です!」

旗江。
「それでは、連帯保証人の書類に。」
「直筆をくださると、お茶くらいはできますよ。」

若者。
「こんな女の子に接すると、殺される!」

若者は逃げ出した。

女性のよくある展開を。

裏切る目的で。

青年と対話していたのに。

逃げられてしまった。

旗江。
「悪く取られなかったことは。」
「話し様が悪くなかったのである。」

星詩乃。
「こちらの言っている事には悪意はなかったのに。」
「相手の受け取り方が悪いから。」
「話に角が立つことになる。」

詩叶。
「女性あるあるを裏切る目的で。」
「少し対話しようとしていたのに。」
「使えない奴ですね。」

本実。
「見せしめに、会話したかった。」

旗江。
「裏切った事を見せつけようとしましたが。」
「証人が逃亡した。」

光織。
「私にとっての嘘を、破壊したかったけれど。」
「彼にとっての嘘が壊された。」

義奈。
「一つの嘘は、多くの嘘を必要とする。」

小姫。
「一つの嘘は、もう一つの嘘を押し出す。」

理姫。
「女性あるあるを覆す。」
「証人が逃げていく。」

旗江。
「男性みたいな女性になると。」
「女性みたいな男性しか相手に出来ないね。」

星詩乃。
「学問は性格になる。」
「学習は性質となる。」

旗江。
「真実の物語は単純である。」

各自、帰宅しようと。

準備をしている。

速報。

荒らし行為をしている過激派組織。

為政者を拉致して。

人質にしまして。

唯一の成功。

ピュロス王的勝利と呼ばれました。

テロリストは膨大な損害を受けておいて。

為政者を数人、捕えたり。

衆愚を思想に感化させて。

奴隷としてけしかけて。

短期間の自治をしたくらいで。

治安当局によって九割が制圧されています。

旗江。
「群衆のいる所には、混乱が生ずる。」

星詩乃。
「ピュロス王的勝利。」
「大犠牲を払って得た。」
「引き合わない勝利のこと。」

旗江。
「自分達で専制政治を敷く彼らの企みですが。」
「あんまり消えませんね。」

星詩乃。
「一部の若者が、ナチズムを広めているせいでしょう。」
「それによって、ファシズムに感化された連中が。」
「後を絶たない。」

詩叶。
「彼らは、敗北も九割ですからね。」

本実。
「前提の誤りを指摘したら、文字数が膨大になりますね。」

光織。
「そう思っているのは、本人だけで。」
「自分が思っている内容を、客観的に捉えるのも誤りですね。」

理姫。
「結局は、主観的であるのが、人の常なのです。」

星詩乃。
「数人の荒らしを追放すると、とても平和になりますからね。」

詩叶。
「彼らは、自分が思っているより優れてはいない。」

本実。
「市民は、彼らが思っているより劣ってはいない。」

旗江。
「人の年齢と欠点は、必ず本人が認めることを。」
「肯んじる数よりも多い。」

星詩乃。
「ほら吹きと嘘吐きは同一物である。」

詩叶。
「あんなのに夢中になるのは、やはり暇なんですね。」

旗江。
「暇潰しに活動家をやっている奴なら、けっこういますね。」

本実。
「彼らが恐れているのは専制政治ですね。」

旗江。
「民主制が衆愚政治に。」
「または、専制政治になるのが怖いので。」
「阻止しようと、過激な事ばかりしている。」

星詩乃。
「彼らは、勝手に専制政治だと信じているようです。」

詩叶。
「小人には、小事が大きく思われる。」

旗江。
「妹は二人で旅行に行っていたようですが。」

本実。
「自分で世界を見に行ったとか。」

義奈。
「人は皆、自分にとって最もよいものを知っている。」

小姫。
「善をなしてすべての人を疑え。」

義奈。
「人の生涯は旅に例えられますが。」
「きっと後悔するでしょう。」

小姫。
「長い旅路から帰った人の大嘘話。」

旗江。
「嘘を吐いて、真実を見つけよ。」

農業の研究によって。

試験用の田畑が成功して。

引き渡しの土地も決まってきました。

とりあいず田んぼをしていた老人が。

年齢によって田んぼを辞めたので。

格安で譲ってもらった場所が。

次の試験に使われます。

報道では、人間に何を期待しているのかまるで分からない。

内容だらけですが。

自分達とは、そこまで関係がない。

報道の内容よりも、目の前のお菓子の方が明らかに大事なのです。

夕食を無視して、報道の内容を見る奴はいません。

馬鹿であるものが馬鹿ではなくて。

馬鹿を相手にする者が馬鹿である。

人は、自分の能力の範囲以上の場所を歩き回ってはならない。


22


自宅にて。

妹二人組とお菓子を食べています。

用事があって。

他のメンバーは来ません。

珍しく集まらない。

その代わりに。

妹二人組と一緒に遊んでいます。

旗江。
「この世界で、ある時期に見た人間の絶句する所は。」
「善悪を間違えている所ですね。」
「善悪がいろいろおかしいので。」
「誤った考え方が目立ちました。」

義奈。
「善悪が何であるか回答できないのに。」
「自分の善悪に基づいて考えているので。」
「ないものを基準にしてくるのですね。」

小姫。
「善悪がおかしいと、狂った考え方が常にありますね。」
「明確に設定されていない善悪で考えているので。」
「結論をいちいち間違える。」

旗江。
「善だと思ったものを無条件で尊重して。」
「悪だと思ったものと無条件で敵対する。」

義奈。
「問題は、彼らが、間違いが証明された善悪を。」
「ずっと信じ続けている所ですね。」

小姫。
「善悪の判定に根拠がない。」

義奈。
「善悪について論拠もない。」

旗江。
「善悪とは何か?」
「善と悪ですって?」
「その善と悪は誰が決めるの?」
「自分が決めていると認めている訳ですね。」

義奈。
「善悪とは?」
「価値観、価値判断という話になれば。」
「どこにも矛盾がありません。」

小姫。
「教えられた善悪を間違えているのに。」
「公害が受け継がれてしまっていますね。」
「それで、勧善懲悪なんて稚拙な真似をしたりする。」

旗江。
「自分は善人だから尊重しろ。」
「何を以って善人なのですか?」
「相手が悪人だから殺せ。」
「なぜ敵対しているのですか?」

義奈。
「相手が悪人であると罵っても。」
「その悪人が、逆にお前は悪人であると。」
「仕返しをされたら。」
「どちらが悪党なのか分からなくなります。」

旗江。
「全員が、自分は正しい、と主張する場所では。」
「誰かの正しい、なんて通りません。」

小姫。
「誰しもが、相手が悪人であると罵るような場所では。」
「誰も悪人とは言えませんしね。」

旗江。
「全員で、相手が悪人であると罵る場所で。」
「誰が悪人なのか、分からないのです。」

義奈。
「そこで、善悪を定義できない彼らの欠損を見るのですね。」

小姫。
「善悪を定義できないのに、定義していない内容で判断するとか。」

旗江。
「善悪を問われて、説明できないのですね。」

義奈。
「それで、彼らの支離滅裂な考え方と、対立します。」

小姫。
「それが、彼らの価値観なので、自衛するしかないね。」

義奈。
「価値判断が、ああなので、論破されているのに、続けるでしょうね。」

旗江。
「善悪については、論破できたと思います。」

散歩に出かけて。

海辺の方角に。

電車で移動。

駅前。

市街地で、何者かが、ダイナマイトを投げまくって。

暴れている。

大量に装備しているので。

手に負えない現行犯。

警察官が囲んでいるのに。

ダイナマイトが危険で。

発砲している。

浪人。
「悪だと思うものを殺してやる!」

警察官。
「投降しろ!」

巡査。
「発砲許可!発砲許可!」

浪人。
「自分が悪だと思ったから、殺してやる!」

市民。
「相手は、何か壊れていますね。」

浪人。
「悪は死ね!悪は死ね!」

警察官。
「いちいち爆破するな!」

巡査。
「もう残弾が尽きると思われます。」

浪人。
「自分が悪だと思った、だから、死ね!」

市民。
「おい!相手は車内にダイナマイトの予備を持っているぞ!」

警察官。
「なんて数の爆弾を持っているんだ!」

巡査。
「また投げてくる!」

浪人。
「自分が悪だと思ったら、殺してしまえ!」

警察官。
「反撃が難しいぞ!」

浪人。
「自分が悪だと思うのは、殺すのだ!」

巡査。
「おい!あいつ!投げる方向を間違えたぞ!」

警察官。
「自分の武器庫に投げたぞ!」

市民。
「発狂しているせいで、失敗したな!」

車内の武器庫に誘爆しました。

自爆。

建物や道路にかなりの損害。

まるで戦場の跡地のような。

瓦礫と化した一部分の区域。

犯人は自爆して死んだので。

どうしてああなったのか、調べられています。

市民は、爆弾を見て全員が逃げていました。

盛んに報道されますが。

被害は一部の建物の損壊と。

道路や歩道の損壊。

自動車数台くらいなものなので。

不可思議な事件として扱われています。

通り過ぎる。

海辺に直行。

旗江。
「人は喧嘩がやりたいので。」
「喧嘩をするための、もっともらしい理由をつけることがよくある。」

義奈。
「相手をそういう立場に追いやっておいて。」
「相手が喧嘩に応じるように仕向けている。」

小姫。
「本当の所は、喧嘩がやりたいので。」
「そのための理由が欲しいのですね。」

旗江。
「口論も喧嘩ですけれど。」
「口論という名前の喧嘩も。」
「本人が、喧嘩がしたいという理由で。」
「相手を誘い込む。」

義奈。
「喧嘩を楽しみたいので。」
「相手を悪であると罵って。」
「自分が一方的に有利になるように仕向けて。」
「相手を叩き伏せて優越感を得る。」

小姫。
「巧みに、相手が悪であると言えば、反論が難しいので。」
「後は、自分が有利な状況で、喧嘩を楽しむことができる。」

旗江。
「人間の喧嘩好きは、治ったりはしません。」
「いつも喧嘩を仕掛ける理由を探していますしね。」

義奈。
「喧嘩をしては、勝利しようと頑張って。」
「敗北すると、怒り出す。」

小姫。
「勧善懲悪なんて喧嘩好きの理屈ですな。」

旗江。
「喧嘩がしたい人が、勧善懲悪を好むのです。」

小姫。
「彼らの態度、喧嘩がしたい!標的をくれ!」

旗江。
「彼らの心理はそれですね。」

海辺を散策していて。

水平線を眺めています。

座りながら。

立ち去ろうとした時に。

青年が、こちらを見ていて。

接近。

突進して来ました。

凡人。
「うおおおお!好きだ!」

旗江。
「なんて過激な強姦ですか!」

凡人。
「抱きしめさせて!」

旗江。
「ん?後ろは埠頭?」

凡人。
「見ていると、もうたまらない!」

旗江。
「こっちに来なさい。」

凡人。
「好きなだけ抱きしめたい!」

青年が突っ込んでくると。

埠頭の端っこであったので。

青年の突進を回避して。

上手に誘導。

勢いあまって。

青年は海に落ちた。

凡人。
「ぎゃあああ!助けてくれ!」

旗江。
「強姦しようとした奴は、助けられませんね。」

義奈。
「向こうに泳げば、海岸がありますよ。」

小姫。
「そのまま死ねば?」

凡人。
「あああああ!強姦なんてするんじゃなかった!」

すぐ傍にある売店から。

市民が集まってくる。

そのまま立ち去ります。

市民が救助。

市民。
「なに?女の子を抱きしめようとして避けられた?」

凡人。
「そうなんです、もう少しでした。」

市民。
「おっと!手が滑った!」

凡人。
「ぐわあああ!二度も海に落ちた!」

老人。
「ほれ?欲情に溺れるのも、良いものだろう?」

凡人。
「助けるか殺すか、どちらかにしてください。」

漁師。
「おっと?誤射してしまった!」

凡人。
「網に捕まって!ぎゃああああ!」

紳士。
「強姦野郎は、こうして濡れるのが相応しいね。」

市民に虐められる青年。

三度も海に落ちて。

戦意喪失する青年。

市民は、オレンジジュースを無理に飲ませたり。

売店にある海藻を無理に食べさせて。

虐待している。

青年の身内が、慌てて連れ去った。

道路に出ると。

また変なのが出る。

色男。
「見つけた!卑猥なことさせて!」

旗江。
「卑猥なこと?」

色男。
「卑猥なことしよう!」

男性が道路を横切ろうとすると。

自転車が走ってきて。

色男と衝突した。

選手。
「飛び出してくるな!」

色男。
「どわ!」

選手。
「歩行者から突っ込んでくるな!」
「体当たりのために、自転車に追尾してくるな!」

色男。
「なんでお前だけ無傷なの!」

男性が勝手に自滅。

自転車の選手が無傷なので。

通報している。

変なのが出てくるので。

急いで立ち去りました。

思い出しましたが。

さっきから出てくる男性は。

元々、求婚者で。

いちいち痛めつけて断っていたら。

名残惜しそうに帰ったので。

今更、再登場したのですね。

もう懲りてやらないでしょう。

かなり長い散歩。

帰宅。

小姫。
「結婚して!」

旗江。
「それでは、脱いでください。」

義奈。
「女性の結婚という営みは。」
「自分を養ってくれる保証がされたので。」
「今後、安泰であると、喜んでいるようなものです。」

旗江。
「一部を除いて、昔から女性には仕事が少ないのですし。」
「養ってもらうしか、生きる術がないから。」
「結婚という、生活の拠り所を求めるのです。」

小姫。
「そんなの決定論じゃない!」

義奈。
「老齢まで自活できる女性には。」
「結婚なんて要りませんね。」

旗江。
「若い時は少ない仕事が可能でも。」
「老いると、動けないので、仕事もできない。」
「誰か養ってくれると思えば、息子や親戚だけです。」
「それか、孫から老後の費用を捻出しますね。」

義奈。
「女性は、生活のために、老後の生計のために。」
「結婚という行為を求めるのです。」

小姫。
「それが結婚の秘密ですか!」
「つまらない営みですね!」

旗江。
「女性の秘密を、若い時代に知ってしまって。」
「あなたは、脱ぐのを辞めるのかな。」

小姫。
「辞めないわよ、こんな行為は、今しかできないもの。」

義奈。
「なにされたいの?」

小姫。
「お姉さんに好きにされるの。」

旗江。
「暴行させて!」

小姫。
「えい!」

旗江。
「あっ!しまった!」

小姫。
「今日こそキスを奪う!」

義奈。
「やっていることが、先ほどの男性と同じですね。」

旗江。
「逆にキスしてあげる。」

小姫。
「え!ひゃああああ!」

義奈。
「されるのと、するのとでは、違うんですね。」

旗江。
「嫌ですか?」

小姫。
「失敗です。」

義奈。
「これもお遊びなんですよね。」

旗江。
「ふざけるのも面白いですね。」

小姫。
「半分は本気でしたよ。」

全員が帰ってくる時間になっているので。

この辺りでおふざけは終了。

稀に女性陣は集まりません。

JK三人衆は、勉強のために集まらず。

いつもの二人組は。

実家のお手伝いもあって、休養。

その代わりに、妹二人組がいるので。

しばらく、一緒にいることになりました。


23


妹とお泊り会。

日程は合意しており。

メンバーが揃わない可能性があるようで。

連絡を取り合っています。

妹と遊んでいて。

成人女性と少女の組み合わせ。

女の子同士なので。

同居している親戚と従妹は。

別の部屋から。

女の子同士の交流を目撃。

夜会。

旗江。
「昔の上流階級は、結婚しなくても。」
「財産が保持できるので。」
「生涯未婚の女性は、それなりにいますね。」

義奈。
「今は、結婚しなくても、財政は維持できるので。」
「男性と一緒になって、寄り添う必要がないね。」

小姫。
「結婚なんて、女性が生活するために。」
「男性から財政を搾取する営みに過ぎませんね。」

旗江。
「子供から孫まで確保すれば。」
「女性は老後も安定して。」
「財政を確保できますので。」
「女性は、恋とか魅力とかではなくて。」
「真実は、財源の確保に男性と結婚しているに過ぎません。」

義奈。
「自分に財産があれば、結婚する意味がないのです。」

小姫。
「女性の仕事は昔から少ないので。」
「男性に資金獲得の出番が多いのです。」

旗江。
「お金の問題で、結婚するだけです。」

義奈。
「結婚するのは、生活費のためです。」

小姫。
「生活費を確保したくて、女性は結婚するのです。」

旗江。
「男性に従えば、安定して生活費を出せるので。」
「女性はそうしたのですね。」

義奈。
「財産を築いた女性なんかは、結婚に興味を失いますね。」

小姫。
「生活費を男性から出させるために。」
「老後も生活費を出させるために。」
「結婚して子供を設けて孫を望むのですね。」

旗江。
「女性は、生活費を保証してくれたので。」
「結婚をひたすら美化しようとします。」
「夫婦喧嘩は、女性の利益が脅かされたので。」
「自分の利益を守ろうと必死になった結果です。」

義奈。
「誰も生活費のために結婚しているなんて。」
「女性は自白したりはしません。」
「結婚しないと、生活できない社会であったので。」
「無理に美化して従っていた、それだけ。」

小姫。
「女性に不利な社会であったので、結婚によって。」
「生活を可能にした、それだけ。」

旗江。
「不利という理由だけで、男性と一緒になって。」
「生きていくことしかできなかった。」

義奈。
「上流階級は、特に結婚しなくも。」
「勝手に財源が沸くので。」
「後から生えてくる財源を利用するだけで良かったのです。」

小姫。
「生活が保障されている女性は、結婚を批判しますね。」

旗江。
「たまたま社会が、女性に生活を保障しなかったので。」
「生活費を出すために、男性との結婚に走ったのです。」

義奈。
「私をいくらで買ってくれるの?どんな生活費を保証してくれるの?」
「どのような生き方を約束してくれるの?」
「自由は、どのくらい確保されるの?」
「という交渉が、常に行われるのです。」

小姫。
「男性は、そうした条件で女性を購入して。」
「女性は、契約された生活を楽しむのです。」

旗江。
「最近は、そうした悪賢い仕組みを男女が看破して。」
「結婚を無視できるようになりました。」

義奈。
「男女の仕組みが分かってきて、対抗できるようになったからね。」

小姫。
「女性は、結婚して生活費を手に入れないと、破滅する仕組みでした。」

旗江。
「それで、生活費のために、男性に従っていたのです。」

義奈。
「お笑いですね、生活費の約束を目当てに、今日も結婚する人々がいる。」

小姫。
「お金のために結婚しているのにね。」

旗江。
「特に老後の資金を確保しようと、男性の言い分に従って。」
「子孫まで設ける、それは悪賢い社会の罠です。」

義奈。
「悪賢いほど、女性を結婚に移動させるように。」
「社会が男尊女卑に作られているのです。」

小姫。
「結婚しないと、生活できないように。」
「社会が、悪賢い仕組みを整えていたのです。」

旗江。
「ヘシオドス神統記に女性の記述があり。」
「逆手に取れば、巧みに結婚させる仕組みがありますよと。」

義奈。
「ヘシオドス神統記は情報漏洩。」
「機密情報は、我々の手にあります。」

小姫。
「実際にそうであるという証拠なら、いくらでも出ますね。」

旗江。
「自分をこういう条件で購入してくれるので。」
「やった!こんな生活が約束される!」
「そうでないと、私は野垂れ死にするから!」

義奈。
「その悪賢い構図が崩壊すると、結婚する意味がないね。」

小姫。
「人口低下なんて勝手にそうなれば良いのです。」
「みんな居なくなれ。」

旗江。
「別にそうやって滅びても、私が故意にやった内容なので。」
「マッチポンプを暴露した程度ですね。」

義奈。
「そんなのも見破れないのは、お粗末な知性ですなあ。」

小姫。
「先に発生する出来事が、こうして分かるのなら。」
「防ぐことは簡単になります。」

旗江。
「なぜなら、生活費を確保するだけで良いのです。」

義奈。
「単なるお金の問題ですからね。」

小姫。
「そうですよ、結婚とは、お金の問題なのです。」

旗江。
「真実は常に残酷ですなあ。」

小姫がキスをしてくる。

不意であったので。

キスを受けた。

そのまま抱きしめる旗江。

一緒に布団に入って寝てしまう。

小姫。
「お姉さんと一緒に入ったお風呂。」
「凄かったです。」

旗江。
「あなたの体は、成長途中で。」
「小さかったですね。」

義奈。
「えっちな女性は、あんまり嫌いではないです。」

旗江。
「あなたも、私の着替えとか見れて、良かったのでは?」

義奈。
「参考になりました。」

小姫。
「女性同士で、連携が整っていますね。」

旗江。
「男尊女卑を逆手にとって。」
「女尊男卑を徹底したのです。」
「それで、立ち回れるようになりました。」
「同じ女性の集いなんですよ。」

義奈。
「男尊女卑を読んだのですね。」
「最初からネタバレしているようなので。」
「先を読めて、いくらでも阻止できるのですね。」

小姫。
「とても触りますね、そこはいけないです。」

旗江。
「すっきりしたくない?」

小姫。
「動けません。」

旗江。
「いろいろしてから、寝ようよ。」

小姫。
「そんなに激しくされると、寝れませんよ。」

義奈。
「隣で、何しているんですか。」

夜が過ごされます。

早朝。

ヘシオドス神統記が複数、置いてあるので。

従妹も読んでいました。

各自、起床して。

朝御飯。

義奈。
「あなたは、結婚について疑問に思っているのですか?」

父親。
「黄泉の国に旅立ったら、置いてくるものになぜ拘泥しないといけないのか?」

母親。
「黄泉の国に持って行けるものなんて、少ないものです。」

父親。
「お宮で、もう申請してあるので、黄泉の国に行く前には。」
「置いてくるものに、すべて自由にさせるのです。」

母親。
「なぜなら、その時には、もう関係がないのですからね。」
「良いものを置き去りにしたいものです。」

義奈。
「潔い両親ですなあ。」

小姫。
「覚悟は決めているのですね。」

旗江。
「私も、同じ意見なので、先の事は、同じにします。」

従妹。
「明日、旅立つ訳でもないのに、話が早いよ。」

親戚。
「そうかな?死んだら白山神社に頼みに行くぞ。」

旗江。
「死んでからは、人は介入できませんね。」
「黄泉の国までついて来たいのなら、拒みませんが。」

親戚。
「それは遠慮する、その場で自分も死ぬからね。」

従妹。
「寿命について計画があるのか。」
「何の対策もしていないよりはましですね。」

妹二人組は家事をお手伝い。

親戚は農場に。

旗江は拠点に移動する。

メンバーが揃っていました。

そこで。

機密情報について。

再度、議論してみます。

旗江。
「女性が結婚するのは。」
「男性に最後まで養ってもらうためです。」

詩叶。
「生きていくために、結婚するのですか?」
「結婚しないと、生活できないから?」

本実。
「ならば、狡猾な仕組みに乗せられているだけですね。」
「男性の利益が優先されていますし。」
「女性の利益は前提に入っていません。」

星詩乃。
「そこまで判明しているのなら、攻略できますね。」

光織。
「なぜ結婚するのか?」
「それって、お金の問題だったんですね。」

理姫。
「あっさり判明した、滑稽な仕組みなんですね。」

義奈。
「手品が読めれば、破ったのも同然です。」

小姫。
「手品を無視したら、財源を攻略しないといけませんね。」

星詩乃。
「損得勘定で一緒になるだけですか。」
「滑稽ですなあ。」

旗江。
「夫婦は、養って貰うための約束なのですね。」

詩叶。
「恋とか結婚について疑うと。」
「真理が多いものですね。」

本実。
「大笑いです、生活費と老後の境遇のために。」
「結婚をしていたのですから。」

星詩乃。
「他人は、養ってもらうために結婚しなさいとか。」
「そのうち女性は、破産するから、とか遠回しに言っていますね。」

光織。
「内容を知っていて、故意に結婚したりはしません。」
「知っているから結婚を破壊します。」

理姫。
「財源だけ確保することにします。」
「まったく、下らないものを用意しますね。」

旗江。
「なんと、ギリシア神学で、仕組みが発覚するとは思いませんでした。」

星詩乃。
「一部の女性は、何か考えがあって結婚しているようですね。」
「我々は、財源を確保できるので、無視する特権があります。」

旗江。
「結婚の仕組みを暴いて論破することに成功しました。」

論破した結婚の構図は、もはや無力化されました。

意外にも、社会が充実すると。

財源は約束されますので。

女性にも、財産を築く好機はありますね。

最初から女性を結婚によって、でしか。

生活できないようにして。

巧みに結婚に誘導する社会ですが。

読まれてしまえば攻略できます。

ギリシア神学で、暴いた内容を。

合理的に攻略するシミュレーションを行いました。

財産を築いてしまって。

養女に託して、世話をして貰い。

黄泉の国まで行ってしまう。

なんて結論が出ています。

他にも幾つかの結論がありますが。

先に分かってしまうと、後で分かるよりも。

遥かに有利ですね。

なぜ女性は結婚するのか?

それは生活費のため、老後のため。

というものでした。


24


あらゆる人々、自分の正しさを名乗る。

正しさだけを、ただ名乗る。

次々と殺されて行く。

それでもあなたは正しさを殺すことを選ぶ。

あらゆる正しさを殺す決意を抱く。

それでも、あなたは正しさを。

ひたすら殺し続ける。

あなたはその選択をした英雄。

コロス合唱隊。

歌番組の挿入歌に出る。

夜間。

口論がしたい相手が山奥に来て。

魔女一同の家屋に入ろうとして。

魔女一同に待ち伏せされる。

朝三暮四。
「なにしに来ました?」

利他主義者。
「血迷ったかな?」

功利主義者。
「迷子ですか?」

凡人。
「論破してやる!」
「口喧嘩で勝負しろ!」
「まずはどの問答で勝負か!」
「必ず言い負かしてやるからな!」
「何時間もやるぞ!」
「それでは、最初に殺人について・・・。」

魔女一同。

男性を切り裂いた。

出血して倒れる男性。

朝三暮四。
「はい論破。」

利他主義者。
「殴ったり、叩いたりするのが、最高の論破ですね。」

功利主義者。
「論破したけれど、続けますか?」

朝三暮四。
「動けないようです、問答も続けられませんね。」

利他主義者。
「どこに捨てますか?敗北者を?」

功利主義者。
「もう喋れない相手ですからね。」

魔女一同。

論破した男性を。

なるべく遠くの道路に捨てました。

朝三暮四。
「論破って簡単ですね。」

功利主義者。
「流行りの論破ですか?ああすれば解決するのに?」

利他主義者。
「倒れた相手は、もう問答を続けられませんからね。」

男性は論破されて死亡。

死体は発見されて。

通りかかった運転手が疑われてしまった。

濡れ衣。

魔女一同、論破に成功して。

集落に戻る。

翌日。

それとは離れた場所。

ハイキングコースをマラソンしていましたね。

山道を駆け抜ける競技がありますが。

それをしています。

仲間の小屋から往復。

拠点まで、タイムアタック。

くたびれた。

休憩。

旗江。
「自分のために、問題を排除するのが勝利です。」
「問題の排除を、勝利条件として設定しています。」

詩叶。
「問題を排除することだけが勝利ですね。」

本実。
「目的が設定された勝敗ですね。」

旗江。
「自分が強いと言うよりも。」
「その他大勢の能力が足りてないので。」
「一方的に勝利できる。」

詩叶。
「相手に問題があるせいで。」
「一方的に勝ててしまう。」

本実。
「相手に不正があれば、なおさら利用して倒してしまう。」

旗江。
「自分より弱い相手しかいない状況では。」
「勝って当たり前の勝負を制しているだけです。」

詩叶。
「相手に問題があるので、勝利なんて安くなりました。」
「要求すれば、要らないくらい得られますからね。」

本実。
「その勝利を、何に使ったら良いのか、使い道がない勝利。」

旗江。
「勝利を何かと交換出来たら、素敵でしょうね。」

本実。
「賞金が出る訳でもないので、勝負は回避しますね。」

詩叶。
「喧嘩は、避けるだけ平和ですね。」

旗江。
「負かした後に、得るものよりも、失うものが多いと気づくという。」
「いつものことですね。」

詩叶。
「相手を退けても、また向かってくるので、再起不能にするだけです。」

旗江。
「相手が負け惜しみを言い出したら、もう放っておいても良いのです。」

本実。
「敵対者をルサンチマンにすれば、もう相手の処理は完了していますね。」

旗江。
「私は、弱い者虐めはしないのです。」

詩叶。
「弱いもの虐めは良くないです。」

本実。
「相手の能力不足で、勝手に負けてくれるので。」
「ほとんど、何もしていませんよ。」

旗江。
「雑魚を倒し過ぎて、非難されるほどです。」

詩叶。
「敵の殺し過ぎですね。」

旗江。
「卑怯?素晴らしい響きですね!」

本実。
「少しも卑怯な手を使わない奴に、問題があるのでは?」

旗江。
「どちらにせよ、相手に問題があるせいで。」
「自動で勝利を得てしまい、勝利を売れない。」

詩叶。
「高値で売れれば、良いのですが。」

本実。
「何のために勝利しているのか、分からないよ。」

休憩して。

妹二人組が発見。

インターネットにて。

論争の現場を目撃している。

参加はしません。

可能ならば、狂人だけでやって欲しい。

無理ならば、論争が過激になって、殴り合いで決着をつけて欲しい。

コメント欄が荒れているようです。

諍いかな?

義奈。
「性善説は儒教なので、退けてもよろしいね。」

小姫。
「というより、最近は、稚拙な議論ばかり見かけますね。」

義奈。
「低レベルな論争ばかりしている。」

星詩乃。
「繰り出す仮説に脆弱性があるので。」
「論破されても当然ですね。」

光織。
「同じ要素についての議論を、ずっと繰り返している。」

理姫。
「頭の悪い奴しか、論争はしません。」
「自分のものは、自己完結するので、争う必要がない。」

旗江。
「正しい?銃器や凶器を持った暴漢が。」
「あなたに、リンゴはボールであると言え!と命令すれば。」
「あなたは、リンゴとはボールである、と言わなければならない。」

星詩乃。
「武力もないのに、正しいなんて主張するな。」

旗江。
「私はどんな禁止も破ります。」
「止めたければ、銃口でも向ければよろしいね。」

星詩乃。
「似たような議論を繰り返しているから。」
「どんどんパターンになって、倒しやすくなっているのですね。」

義奈。
「単純になった言い分は、負かしやすい。」

旗江。
「私は、血を流すのを厭わない。」
「しかし、彼らは血を流すのを厭う。」
「負けるのは、彼らで、死ぬのも彼らです。」

小姫。
「なぜ人を殺してはいけないのか?」
「いけないなんて、誰も言っていませんよ。」

旗江。
「禁止すると、都合が良い人が、殺人はいけない。」
「という規則を作った、それだけです。」

詩叶。
「禁止すると、とりあいず人が従うので、禁止した。」
「それだけです。」

小姫。
「殺人はいけない?必ずしも当てはまりませんね?」

義奈。
「すべてには当てはまらない理屈ですね。」

旗江。
「必要悪で、正当防衛で相手を殺害する場合も。」
「兵士が敵を殺す場合も。」
「事故で死なせても、そこに禁止は設けられません。」

本実。
「いけない?禁止した所で、相手が仕掛けてきたら。」
「こちらも、相手の血を流す必要があります。」

旗江。
「自然災害は、さりげなく、人を殺しますが。」
「それの禁止は空理空論ですしね。」

義奈。
「武力を持たない言い分は、すべて破壊しますよ。」

光織。
「それは、どちらかと言うと、法学の問題ですね。」

理姫。
「まず実定法の説明から開始しましょうか。」

星詩乃。
「まず原型はローマ法というものがありまして。」

光織。
「というように、彼らはましな質問をしません。」

星詩乃。
「いつも同じ議論を繰り返していて。」
「いつも同じ結論を出す無能っぷりですね。」

理姫。
「ならば、論争に出ない方が効率が良いね。」

旗江。
「正しい考え方?それは強者の利益ですよ?」
「論争なんて強いもの勝ちです。」

義奈。
「いつまでも同じ議論の繰り返しですからね。」

小姫。
「論争するほど、自分の意見に自信が無いとか。」
「勝利が必要なほど、脆弱な論理であるとか。」

旗江。
「私は観測されたものしか信じませんが。」

詩叶。
「観測されない言い分は、嘘として処理しますね。」

本実。
「持論を維持するために、勝利が必要なんて。」
「気の毒な知性ですね。」

星詩乃。
「自説が勝利によって保障されないと。」
「崩れてしまうなんて。」
「お粗末な弁論術ですね。」

旗江。
「頭のおかしさは、彼らの方が、十倍も上ですね。」

星詩乃。
「頭のおかしさで競うと、庶民は、なんと十倍も上回る。」

詩叶。
「論争?詭弁で勝負するなんて!」
「精神分析にかけてやる!」

本実。
「存在しない事実の奪い合いですか、滑稽ですね。」

星詩乃。
「あそこまで増長する理由を知りたいくらいです。」

旗江。
「自分が観測したものしか、信じないのが、自己完結。」

いつまでも同じ事をしている現場。

彼らは、自分と同じ意見の人が。

ほとんどいない、という真実を知ってしまったら。

発狂するに違いない。

簡単に、相手が自分と同じ意見なのか質問しないだけ。

確認しないだけで、同じ意見の人はそんなにいないのです。

発狂している人しかいないので。

やはり論争は、狂人にお勧めです。

一時間後。

自分の取り分に狙いをつける。

吟遊詩人が歩いている。

コロス。
「あなたに殺された者達を背負い。」
「再び挑む。」
「あなたの狂気。」
「再び挑み。」
「殺されて。」
「またもや。」
「殺されて。」
「我々は知る。」
「あなたは、跡形もなく消し去る。」
「殺されるために、みんな生きていた。」
「あなたは容赦なく、みんなを消し去るために笑った。」
「あなたはその存在を、何も許さず壊し続ける。」
「この世から最初から無かったように殺した。」
「すべてを破壊しても、何も止まらないその力。」
「世界を壊すほどの強大な力。」

詩人が通過。

最近の事件で思う所。

得意な風刺をする。

風刺をせずにいるのは、とても難しい。

旗江。
「奇怪な事件ばかりですね。」

詩叶。
「世の中を良くしたいのが動機論らしい。」

本実。
「具体的に何を良くするの?」

旗江。
「現行犯を、自分達で逮捕して、処分するらしい。」

詩叶。
「それって、弁護士の団体を虚偽の悪事で告発して。」
「弁護士の猛反撃で裁判だらけになった。」
「報道の内容に似ていますね。」

星詩乃。
「彼らは自分の考えよりも、他人の考えを信じている。」

旗江。
「他人に考えてもらったから、自分はそれを実行しよう?」
「他人に考えさせて、それを自分の考えにする?」

詩叶。
「自分というものを持っていないのでしょうね。」

旗江。
「彼らの言う世の中とは何か?」

詩叶。
「世の中を良くするとか、そこら辺の雑魚が社会を矯正するな。」

旗江。
「自分が雑魚であるという自覚があるならば。」
「世の中を良くしたいとか、愚かな支配欲は抱かない。」

本実。
「なぜ為政者の政治以上の事業を、群衆が成せると思ったのか。」
「為政者を超える政治は、雑魚には無理。」

旗江。
「世の中を、自分と同調させたいだけでは?」

詩叶。
「香港で、大暴動が発生した時も似たようなもので。」
「群衆は、武器を持っていません。」
「適当に発砲すれば、治安当局は鎮圧できます。」
「いくら数で攻めても、武器が無いので。」
「最初から敗北は決まっています。」

星詩乃。
「香港ですか、武装警察が出てきたら、死体だらけになる。」
「一時的な成功も、無政府主義の成果であり。」
「扇動者は、逮捕された。」

小姫。
「シリア内戦やミャンマー内戦は、民兵が武装して抵抗したので。」
「お互いに正当な勝負ですね。」

義奈。
「武装せずに、群衆を率いるのは、殺されたいだけの行動。」

光織。
「世の中を良くする?そんなことを言う過激な奴がいなくなれば。」
「少しだけ改善するものですね。」

理姫。
「世の中を良くするという内容が、極めて主観的ですしね。」

旗江。
「包括すると以下の論理になります。」
「こいつ気に入らないので、裁いてください。」
「というのが彼らの言い分。」

詩叶。
「言い方を変えると。」
「こいつムカつくので裁いてください。」
「というのを実行している訳ですね。」

本実。
「自分が裁いて欲しい奴を、何かしらの方法で裁くだけですね。」

旗江。
「それは単なる攻撃ですしね。」

詩叶。
「攻撃したら、勝敗なんて力の優劣で決まります。」

本実。
「ひたすら無謀であった。」

旗江。
「まぐれは警戒しましょう。」

三人娘。

拠点にメンバーを残して。

神社に向かいます。

お宮に行く途中。

商店街にて。

何者かが近くに来ている。

市民と口論を開始。

凡人。
「俺の言い分に従え!」

市民。
「言い負かした所で、僕があなたに従うとでも?」

凡人。
「それは感想ですか?」

紳士。
「君にも該当する言葉だぞ?」

市民。
「誰にでも当てはまる、バーナム効果で勝負ですか。」

紳士。
「口論以外に何か出来たら、褒めてやるよ。」

凡人。
「俺は口論しか出来ないんだよ!」

市民。
「あなたが何を言った所で、夕食の内容は変わりませんよ。」
「いくら欲しいので?それをあげたら、消えてくれますか?」

凡人。
「だから言い負かしたら、お前は俺の考えに従うの!」

市民。
「僕は論説を打ち破ることしか興味はありません。」
「はい、三百円ね、これで消えてくれるかね?」

凡人。
「だから、俺の命令に従え!」
「従わせるまで、口論してやる!」

市民。
「殴られたいのなら、望み通りにしてやるが?」

凡人。
「ごめんなさい!もうしません!代わりに三百円ください!」

市民。
「よし!素直な子だ、三百円ね?」
「三百円のために、こんなことするなんて。」
「なかなか考えたね。」

青年は逃亡。

市民は喫茶店に入る。

最近は怪しい人物が多いものの。

弁論術が盛んに研究されているようですね。

アリストテレス弁論術が有名です。

旗江。
「いつから弁論術が必須科目になりました?」

詩叶。
「暇なのかな、言い負かすだけしか、取り柄のない連中なのでしょう。」

本実。
「持論を披露するのは、論争の伝統からは外れていますね。」

青年。
「人間とは何か?」

旗江。
「あなたの持論に興味はありません。」

詩叶。
「詭弁を言うと、詭弁で反撃されますね。」

本実。
「詭弁には、詭弁で対抗するのが手っ取り早い。」

紳士。
「まだいたのか、」

青年。
「正々堂々、口論で勝負だ!」

凡人。
「それで、さっきチンピラに殴られたのだ。」

青年。
「なんだと!口論で勝てばいいじゃないか!」

紳士。
「やめろ気持ちが悪い。」

夫人。
「口論ではなくて、殴り合いで決着をつけるべきよ!」

紳士。
「素晴らしい!それこそ正論だ!」

青年を手で押して吹っ飛ばして。

思っているより強力なため。

青年は転んだ。

無視して通過。

旗江。
「私は口論なら得意ですが、相手に不正がある場合のみ。」
「一方的に押せますね。」

詩叶。
「詭弁ばかり言われた人なんかは、もっと口論が得意になりますよ。」

本実。
「周囲に馬鹿しかいなかった場合は、本人も馬鹿になりますからね。」

旗江。
「口論しか出来ない人を見ると、退屈しますよ。」

詩叶。
「殴れないので、口論で勝負するのでは?」

本実。
「口論ですか、さっさと相手に殴りかかればよろしいね。」

さっきの青年が後ろで絡まれている。

青年が不良を殴ったので。

喧嘩になった。

遠目で確認。

無視。

不良。
「口論とか言う技が得意なんだって?」

青年。
「そうだよ!口論で何でも倒せるんだ!」

不良。
「ならば死ね!」

青年。
「ぐわっ!」

不良。
「はい論破。」

青年は敗北した。

不良は満足して帰っていく。

市民は笑って通報せず。

詩人が通りかかっている。

有名なコロス合唱隊。

どんな正しさも。

あなたは打ち倒してきた。

あなたの前で正しさを。

名乗る者達を。

手当たり次第に殺して、あなたはみんなを殺した。

あなたの前で正しさを名乗る者達を。

次々と、殺して行く。

あらゆる正しさをあなたは。

ただ自分のために。

みんな殺す。


25


早朝。

鶏が金の卵を産みまして。

幾つか、持っていました。

不思議と、何かに投げつけたくなる食品ですね。

旗江。
「たまたま色違いになったのかな?」

詩叶。
「黄色の卵?金色の卵?」

本実。
「何だか、誰かにぶつけたくなる不思議な食品ですね。」

旗江。
「これは少数の人にだけ共有しましょう。」

詩叶。
「独占するのですね。」

本実。
「そうしないと、奪われるでしょうしね。」

金の卵を保管する。

山の中で狂人が、ある意味での化け物を追いかけて。

殺しまくっているので。

山火事になったり。

爆発音が聞こえたりする。

物騒な小山。

旗江。
「大蛇が来ているようです。」

詩叶。
「巨大化した大きい蛇ですか。」

本実。
「狂人に攻撃されて、錯乱しているとか。」

旗江。
「近くにいるの?」

詩叶。
「農園の中にいます。」

旗江。
「何で殺す?」

本実。
「もう仲間が対処していますよ。」

詩叶。
「猟友会が、警備していますしね。」

鶏小屋に。

また金の卵。

それを手に取り。

高値で売れないか相談している。

噂の大蛇が現れた。

素通りしようと。

大蛇は逃げまどっている。

旗江。
「わかりやすい化け物ですね!」

本実。
「大蛇ではなくて、トカゲに似ていますよ。」

詩叶。
「爬虫類の分類でしょうけれど、蛇なのかトカゲなのか分からない。」

横を通って逃げようとする化け物。

持っている金の卵を投げたかったので。

投げてぶつけた。

怪物。
「ギャアアアアアア!!」

旗江。
「うわっ!なんですか!」

詩叶。
「卵をぶつけられて死んだ?」

本実。
「なぜ卵を当てて死ぬのですか。」

旗江。
「怪物が死にましたよ。」

詩叶。
「意味が分からない。」

本実。
「卵の投擲で、なぜ死ぬし。」

怪物がなぜか死にました。

卵の投擲で仕留めた。

狂人がやって来て。

死体を複数人で持って行ったので。

手出しせず。

自然の成り行きに任せる。

拠点に戻る。

他のメンバーは試験期間中。

勉強のために離れています。

旗江。
「なぜ文学をしているのか、自分でも分からない。」

詩叶。
「簡単に言えば、趣味なんでしょうね。」

本実。
「風刺がしたいだけでしょうに。」

旗江。
「はい?出版された作品が、書店のとある部分に。」
「短期間、陳列されるためですか?」

詩叶。
「図書館で、大勢の人に目の前を通過されるためです。」

本実。
「調子に乗って、嘲笑するためですよね?」

旗江。
「はい?たまたま下手な奴らが大勢いたので。」
「目立つだけですよ。」

詩叶。
「勝利の秘訣は?相手がたまたま雑魚である状況です!」

本実。
「実力だけではなくて、相手の実力の無さも勝算になる。」

旗江。
「超越的な作家ばかりいたら、参加しようなんて思わなかったね。」

詩叶。
「文章のどこが現実に影響するのか、私は常に疑わしい。」

本実。
「適当に書かれた文章のために、他人から非難されるのでしょうね。」

旗江。
「暗がりで手探りする者は、見つけたくない物を見つける。」

詩叶。
「作品ですと?けちをつける者は買う。」

本実。
「商品にけちをつける人はその品を買うものです。」

旗江。
「褒める人に買った例しなし。」

詩叶。
「光栄は求める人からは逃げ去り。」
「逃げようとする人を追いかける。」

本実。
「来るな!来るな!そして光栄に追いつかれる。」

旗江。
「この文章を表示してください。」

詩叶。
「なぜそんなことを?」

旗江。
「みんな自分の文書が表示されることを望んでいるので。」

本実。
「本が印刷されると、楽しいのですか?」
「印刷されるだけで、たいして残りませんよ?」

旗江。
「馬鹿と気違いは本当の事を言う。」

詩叶。
「売れた本よりも、廃棄された本の方が多い。」

旗江。
「古本屋は、最高のゴミ箱。」

詩叶。
「あんなに在庫の多い、自称人気作品ですが。」
「本屋の一か所に、小事みたいに置かれるために。」
「一生懸命に書いているのですね。」

本実。
「馬鹿の涙は信用できぬ。」

旗江。
「統計ではそうだけれど、実際に陳列を見ると。」
「当事者だけは過大評価していますね。」

詩叶。
「愚人はすべてのことを信ずる。」

旗江。
「世界を動かしたように当事者には見えていて。」
「書店は都合の良い収益。」
「顧客は、趣味とか娯楽で購入するだけです。」

本実。
「本気で書かなくて良かったですね。」

詩叶。
「あなたは、やる気の無い執筆をしていましたね。」

本実。
「男性を回避するだけで、済んでしまう。」
「そして、趣味で文芸をやっておいて。」
「文学を疑うようになった。」

旗江。
「思慮ある女性には、目も耳もない。」

本実。
「文学に飽きたのですか?」

旗江。
「思想を書き写せば、もう書くことも無いでしょう。」

詩叶。
「思想を読んで、楽しむのが文学でもありますしね。」

旗江。
「文学作品とは、作者の思想が必ず出ますからね。」

本実。
「作品を見れば、作者の思想が理解できる。」

詩叶。
「あなたは、客観的な学派から引用していますよね。」

旗江。
「文学には定員が不足していたからね。」

詩叶。
「人材不足の出版業界ですか。」

本実。
「ひょっとして?文学にも意味がないとか?言うのですか?」

旗江。
「あんまり長くやれる趣味ではないですね。」

本実。
「動機論が満たされたので?」

詩叶。
「目的を達成したので、自己批判をしているのでは?」

旗江。
「制作する側と、楽しむ側では大きく視点が違いますからね。」
「それに気づいた時から、やる気が無くなりました。」

本実。
「発表する立場と、購入する立場と、販売する立場では。」
「考え方もまるで違いますからね。」

詩叶。
「せっかく買って読んだのに、読者が理由もなく捨てることもよくあります。」

旗江。
「私も、書籍を使い捨てにしたことがあるので。」
「読者は、多分、何となく捨てるでしょうね。」

本実。
「執筆する者達は、読者から店員までの考えは読めませんからね。」

詩叶。
「残っても、原文が損壊したり。」
「ソフォクレスのように、五十編の中で。」
「七編しか残らないとか。」
「文学でよくあることですね。」

旗江。
「趣味で書くと、何とか割に合いますが。」
「生活のために書くと、迎合の傾向を強めないといけません。」

本実。
「作品は不足しているので、まともな作品が書ける人は。」
「職業でも、続けられると思いますよ。」

旗江。
「副業でやるのが、最高なのが文学ですね。」

詩叶。
「あなた、原稿でも燃やしたいので?」

旗江。
「自分の作品の評価なんて、自分でもつけられませんよ。」

本実。
「他人の行為は私には意味のない事である。」

詩叶。
「それは私にはギリシア語である。」

喋っているうちに夕方になり。

一度帰宅して。

夜に焚火をして。

戦争について。

議論。

戦争の研究ですね。

旗江。
「軍備のない平和は弱体である。」

詩叶。
「武器は平和の支柱である。」

本実。
「武器は平和を維持する。」

旗江。
「開き直って、戦争ばかり見ています。」

詩叶。
「成り行きで戦争、また成り行きで戦争。」

旗江。
「戦いたくないんです、とか言いつつ、どこも核兵器の用意はしている。」

本実。
「戦争が強制されるのなら、覚悟しよう。」

旗江。
「安全な側で過つのが常に最善である。」

本実。
「過ちを犯すにしても、安全な側での方がよい。」

詩叶。
「有利な申し出でを受け入れるのはよいことである。」

野外で焚火をして。

いろんなものを燃やして遊んでいます。

火遊び。

愚書を見つけたので。

焚火に投入している。

不用品で損傷が激しい燃えそうな衣服も。

中に入れて焼いてしまった。

花火を投げ入れると。

爆発したので。

全員で喜んでしまう。

倉庫に、いかがわしい本が置いてあり。

未成年が購入して、どこぞの親が取り上げたもので。

捨てるために包装してあります。

何と、それを焚火に入れてしまった。

旗江。
「美しい炎ですね。」

詩叶。
「愚書は、大型なので、よく燃えますね。」
「燃やされるために、書いたのですね。」

本実。
「昔から、人間は放火が大好き。」

詩叶。
「混乱に乗じて、放火する軍隊もいましたね。」

旗江。
「庶民がやると放火で、軍隊がやると犯罪にならない。」

詩叶。
「武器を前に法律なんて説けますかね?」

本実。
「昔の六法全書があったので、焚火に投げ込む。」

旗江。
「法律とは、こんな燃え方をするのですね?」

燃料が尽きました。

焚火は終了。

メンバーは解散。

星空。

天の川銀河は、恒星が多くない位置にあります。

中心の方には、恒星が集まっていますが。

これでも少ない方なのだそう。

星座は、昔とは天体の位置が変わってしまって。

現在の星座とは別の位置にあります。

インフレーション理論によれば。

宇宙に中心はなくて。

観測する者がいる場所が常に中心です。

天体観測の歴史はかなりあり。

古代世界から自然科学の進捗から。

短期間で成立してはいません。

太陽は、宇宙でよくある恒星なのですが。

惑星を連れている恒星は他にも確認されていますね。

星空にあるのは近くにある恒星と、惑星の反射光ですし。

大型宇宙望遠鏡も、半世紀くらい前に初期型が作られています。

宇宙は綺麗な天体ばかりですので。

星空を眺めながら。

寝てしまうのも、けっこう良い趣味ですね。


26


再び来ない好機はない。

借りている田畑は成功。

収穫は多く。

一人前である証明が取れました。

余っている農地は。

今は整備しています。

荒れているので。

メンバーで耕して。

雑草を除去していますね。

けっこう放置されてしまって。

整備に手間が必要。

作業の後に休憩。

旗江。
「書籍が発行されてから。」
「ある人がやってきて。」
「こんなことを言った。」
「私は過激で、攻撃的な言葉が大嫌いです。」
「見ただけで激怒しますよ。」
「あなたの書いた本は、その点際立っています。」
「作者はすかさず。」
「あなた、その言葉を探しながら読んだのですね?」

詩叶。
「世襲されたような人々が。」
「文学の審査員に選ばれています。」
「こんなことって、いいものでしょうか。」

本実。
「別に悪くないでしょう。」
「私も、卵を制作したことは一度もありませんが。」
「卵が腐っているかどうかは、きちんと分かります。」

詩叶。
「ギリシャ神話。」
「金と銀の種族は、労働が不要で。」
「なおかつ、創造主を敬う心が無かったので。」
「あっさり滅んだ。」

旗江。
「個人主義は、世界に出るのは向かないね。」

詩叶。
「世界を動かすとか言っても、最初から動いていますけれどね。」

本実。
「幾分かは、偶然に委ねなければならない。」

旗江。
「私は最強で、優秀ですが。」
「最も長く居座った方々が。」
「世界を担当してくださいね。」
「それでは、どうぞ。」
「皆様でお楽しみください。」

詩叶。
「スーパー優等生が、為政者とか、世界の人気者になれる。」

旗江。
「こっちは、自分のことしか興味はない。」

本実。
「世界に対してお節介はするな。」

旗江。
「世界なんて人間が動かしているのかな。」
「ヘーゲルのガイストですよ。」
「その証拠がけっこう散見されますね。」

本実。
「世界ですと?観客の立場から見れば安全ですね?」

旗江。
「世界に飛び出して、需要が無ければ、丁寧に帰される。」

詩叶。
「非難されて痛いと思うのは、それが当たっている場合である。」

旗江。
「この世の中では、泳ぎ方を知らない者は、底に沈む。」

詩叶。
「世界進出ではなくて、世の中の水泳を訓練せよ。」

本実。
「底に沈んでいる人間ばかり見たことがあるね。」

旗江。
「水練の達人になりましょうね。」

本実。
「言葉で助けずに、体で助けてください。」
「体とは金銭という意味。」

旗江。
「うむ、説得よりも、金銭の方が受け入れられる。」

本実。
「世界の話題よりも、財布の心配をしています。」

詩叶。
「財布を心配せずに、世界を語っても無意味ですね。」

旗江。
「世界よりも、財布の方が大事なのは、万人が求めるところですな。」

詩叶。
「人には、見る能力以上のものを見る義務はない。」

旗江。
「両親が手配した田畑、まだ整備が必要ですね。」

本実。
「私の両親ですが。」
「夫婦喧嘩で、相手のすることがわからないとか。」
「口論なんて久しぶりで。」
「大事な事は、母が決めて。」
「細かいことも母が決めている。」
「しかし私は、何が大事で、何が細かいことなのか。」
「どうして判定するのか尋ねたのです。」
「父親が言うには。」
「母は、教育から医者の手配、休暇の予定や、車を始めとした。」
「買い物すべて。」
「こんなことはみんな細かい。」
「そして父は最後に。」
「私は、生活費をどのように獲得して。」
「しかもなるべく高額な資金を用意して。」
「あの人に届けるかで、精一杯なのだよ。」

旗江。
「自分の家で正義を喜ぶ者は少ない。」

詩叶。
「お父さんが、支配されているのですね。」

本実。
「恐妻家を目の前で、昔から見せられている。」

旗江。
「家庭でそれなら。」
「自分の仕事で、世界なんて見ている場合ではないですね。」

本実。
「夢は武道館ライブですよね!」

詩叶。
「あの、チケット代くらい払えば?」

旗江。
「国立競技場にはどうやって行けますか?」

本実。
「賄賂かな?」

旗江。
「日本はなぜ高速道路が立派に整備されているの?」

本実。
「車の最高速を出して、なるべく速くに目的地に到着して。」
「そこからなるべく速く、帰宅するため。」

詩叶。
「私は学歴が凄いんですよ。」

旗江。
「問題ない、学校教育については一か月かけて。」
「ゆっくり教えてやるから。」

本実。
「法律については例外が実在する。」
「全面核戦争の場合は軽視せよ。」
「核戦争後は法律を気にするな。」

詩叶。
「いろいろとあなたについての悪い噂がありますね。」

旗江。
「一件も証明できない話だけでしょうね。」

今日の作業はもう一時間だけで終わり。

荒れ地になっていたので。

耕して、土の質を良くするのにも。

時間が必要です。

買い物に出かけて。

各自、自分達の食品を求めます。

スーパーマーケットにて。

少年が怒鳴っていた。

学生。
「学校で喧嘩を売って逃げやがって!」
「こんな所で見かけたぞ!」
「あいつは殺してやる!」

少年の母親。
「アイツとか呼ばれている人間ですが。」
「ご覧あれ、死んでいる人間が歩いていますよ。」

主婦。
「あの知性の欠片もないコメントを人間が書いたのですか?」

旦那。
「嘘だ!あんな間抜けな文章は、稚拙な人工知能が書いたものだ!」

買い物をした後に。

紳士が話しかけてきて。

その場に青年がいたもので。

紳士は、何か企んだ。

旗江。
「あの紳士がチップをくれるって?」

青年。
「待て!イケメンの俺が貰うんだ!」

紳士。
「それでは、互いに一撃だけ繰り出して。」
「先に降参した方にお金をあげましょう。」

青年。
「良し来た!まずは君から!」

旗江。
「食らえ!あと、あわよくば死ね!」

青年。
「ぐおっ!気絶しそうだ!」

旗江。
「さてと、降参します、千円はあなたのもので。」

青年。
「何ですと?」

紳士。
「約束ですからね、千円はあなたにどうぞ。」

青年。
「さっきの一撃で、動けないぞ。」

紳士。
「では、千円はあなたが貰ってください。」
「倒れた人は、さっきの一撃で受け取れないようです。」

旗江。
「わかりました、残念だったね。」

帰る途中。

商店街にて。

不良とルサンチマンが喧嘩をしていた。

警察官がやって来る。

治安当局。
「なぜ喧嘩をやっているのだ!」

若者。
「この不良が、僕に殴り返して来たので、喧嘩になりました。」

不良。
「殴り返しているうちに、こうなりました。」

治安当局。
「先にやったのはどちらだ!」

阿呆。
「さっきまで、友人が優勢だったのですが。」
「不良が反撃したんです。」
「それで呼びました。」

治安当局。
「殴り返してきたから、逮捕しろと?」
「なんて奴らだ!」

商人。
「もっと稼ぎたいなあ。」

市民。
「食事中に何を言っているのか。」

商人。
「なあ?」
「何か儲け話は無いのか?」

市民。
「君は、お金のことしか考えていないな。」
「人には大切なことが幾つもある。」

商人。
「えっと、その話はいくら?有料だよね?」

三人娘は解散。

食品を持ち帰る。

軍用のバックパックには余裕がない。

自宅に戻ると。

金庫が開いている。

金庫に封筒が入っていて。

どうにもならない場合は開封せよ。

とある。

支出がきわどいので。

開封した。

一通目は、何かあったら前の世代のせいにせよ。

とある。

もっと駄目になったら。

前世代の悪影響のせいにせよ。

とある。

金庫の前に集まっている。

旗江。
「道理に従え、そうでないと、道理はあくまでも服従を迫るであろう。」

従妹。
「何も知らない者は、何も疑わない。」

旗江。
「世間という、その一部について。」
「君の保証は、保証を必要とする。」

従妹。
「すべての人を信頼するのはよくない。」

旗江。
「人間に対して、けちをつけたら、無制限なのでは?」

親戚。
「うむ、昼間は仕事で、夜間は哲学。」

従妹。
「仕事に活用できるのも哲学です。」

親戚。
「仕事を追いまくれ、仕事に追いまくられるな。」

旗江。
「他所に生まれたら、私は台無しになっていたよ。」

従妹。
「自由を失うことは、すべてを失うことである。」

旗江。
「哲学の報酬は自由ですな。」

親戚。
「学校教育を出たくらいで、何の役に立つのか。」
「今時、哲学もできないのなら、学歴は負けますね。」

従妹。
「学校は点数のために勉強するのですからね。」
「ソビエトに文化省があったのと同じくらい。」
「学校教育は、根拠に乏しい。」

旗江。
「根拠なんて必要なんですか?」

親戚。
「理由がなくても、別にあっても良いのでは?」

旗江。
「人を信用しない者は、騙されることもない。」

従妹。
「信用する前に試してみよ。」

親戚。
「大金持ちが、哲学者と議論した。」
「金持ちは繰り出した。」
「君の言い分と、私が出した十万円。」
「どちらを選んで立ち去るかね?」

旗江。
「黄金は物を言う。」

仲間。
「全体の連絡。」
「同業者が対抗しては暮らしが立たない。」

親戚。
「争うなよ。」

仲間。
「事業が、大きくなり過ぎたのでは?」

親戚。
「大きくなった事業を、去年、減らしたのに?」

仲間。
「いいえ、ゴルフのスコアで揉めているのです。」

旗江。
「勝手にやらせていろ!」
「場外乱闘でしょう!」

仲間。
「社会人野球チームでも、だいぶ激しく対立しています。」

親戚。
「問題ない話題を持ち込むなよ。」

仲間。
「我々が問題にしているだけですね。」

従妹。
「問題を製作するべきではない。」

旗江。
「過度の博学は、人を狂人にする。」

金庫の地下室から出る。

日が暮れる前に。

神棚を清掃。

供物を設置して。

今夜は副業も行います。

もし?収穫が良くなかったら?

という時を考えて、備えていたり。

工事をして、作物を何とか収穫したり。

できることは、何でもしていますね。

あんまりにも複数の作物を育てているので。

両親と同業者の組合は多忙です。

創造論から農業を見れば。

余裕で把握できますので。

どんな災害も、どんな不作も。

創造論から考察して、対処しています。

農業でも哲学が通用しますね。

書籍をたまたま開いた内容を。

印刷して部屋に貼ってあります。

英語のことわざ。

正義は、他のすべての徳を包含する。


27


アマチュア研究部の日常。

若い頃は学問に向いている説。

成熟すると活用できる説。

男性がナンパしようと敷地に入ってくる。

口説こうと花束を用意しているものの。

既に栽培している品種。

イケメン。
「好きです!天才の女性に心惹かれました!」

旗江。
「今取り組み中です。」
「後にしてください。」

星詩乃。
「お菓子を食べるのに忙しいので。」
「男性の相手をしている場合ではない。」

詩叶。
「あの娘がお手製のお菓子を持ってきて。」
「たくさんくれるって。」

本実。
「女性には糖分ですよ、チョコレートですね。」

イケメン。
「ぐはっ!相手にもされない!」

男性が吹っ飛ばされた。

倒れていると。

イケメン。
「よし!このまま倒れていたい!」

恋人。
「あんた!何してんのよ!」

イケメン。
「空を見ていた。」

恋人。
「なるほど、詩人ですか?」

イケメン。
「俺の特技は転倒することだ!」

恋人。
「私の特技は、贈り物を貰うこと。」

追いかけてきた恋人がいて。

花束の向きを華麗に恋人に変える。

イケメン。
「こういう花束を手に入れたので。」

恋人。
「素敵!もっと交際しようね!」

星詩乃。
「なんですかあいつらは。」

旗江。
「他所でやらせておきなさいよ。」

小屋に集まる女性陣。

余暇があるので。

全員で情報を持ち寄って。

議論。

旗江。
「ラッセル幸福論を持ってきました。」
「命令で教育されて歪んでしまう子供ですか。」
「正常な欲求を遮って不具合になる。」

義奈。
「命令で教育されると、酷い自責に陥りますよ。」
「そうやって子供を歪ませているのです。」
「俗に言う支配欲ですね。」

小姫。
「命令に従わなければ、命令による教育は無効です。」
「陰で、命令の内容を平気で破る学生しか見ていませんよ。」
「それが正常な成育なのです。」

旗江。
「養育について、彼らに語るのは無能過ぎて駄目ですね。」

義奈。
「教育とか言う作品は、お世辞にも良いとは言えませんね。」
「本当に必要なものは、半分くらいですからね。」

小姫。
「教育なんて、ある意味で人為的で作為的な産物です。」
「作り物なんですよ。」
「誰かの作品なのです。」

星詩乃。
「彼らは勝手に禁止を作って。」
「勝手に作られた禁止の内容を他人に強制しますね。」

旗江。
「文句の内容が、何々が禁止だから。」
「何々の禁止をするな!」
「というのが全ての妄言。」

光織。
「なぜ禁止なのか説明になっていないし。」
「禁止されたから、この状況でも当てはまるのか?」
「なんて問いかけに脆弱ですね。」

理姫。
「相手の立場や状況も無視して、ひたすら。」
「何々が禁止だから、その何々をするな。」
「なんて言い分は、服従でも要求しているのかな?」

詩叶。
「問題は、自分に対しての禁止を洗脳によって教育され。」
「自分の禁止を他人にも加えてしまう態度ですね。」

本実。
「自分は何々が禁止で、禁止で教育されたから。」
「相手にその禁止を強要しても良い。」
「というのはけっこうな暴論でしょうね。」

旗江。
「何々が禁止だから、命令する、だから従え。」
「自分は命令されて、禁止を教えられた。」
「だからお前のその行為も禁止。」
「かなり高圧的で極端に傲慢かと。」

詩叶。
「禁止を無視する相手に無力で。」
「禁止を訴える奴を無視すれば解決しますね。」

本実。
「勝手な命令形に同意する阿呆はいませんね。」

星詩乃。
「自分はこう命令された、だから、相手にもその内容を。」
「いちいち命令できる権利がある。」
「これも暴論ですね。」

光織。
「自分が禁止だと思っているものを他人がすると怒り出す。」
「勝手に自分で禁止していれば良いのでは?」

理姫。
「そういう暴論ばかりの奴は、ひたすら口論を仕掛けてくる。」

旗江。
「あいつらはいつになったら黙るのですか?」

星詩乃。
「黙らない!」

詩叶。
「禁止は人工物ですね、中身を審査すれば。」
「内容が、いかに誰かにとっての都合が優先されたのか。」
「命令して服従させる計画があるのか。」
「禁止の中身を見ると理解できます。」

本実。
「禁止された内容は信じるに値しない。」

旗江。
「禁忌について、調べるのが論理にかなっている。」

星詩乃。
「禁止ではなくて、禁忌について調べましょう。」

旗江。
「禁忌ほど分かりやすいものは無いのだけれど。」

本実。
「勝手に自治を開始した、禁止の内容と、その奴隷。」
「禁忌は、世界の最初からあるので。」
「選んだものが違ったのですね。」

旗江。
「彼らが禁止に拘泥するのは、臆病者なだけです。」

光織。
「個人をコントロールする目的で、禁止は作られていますね。」

旗江。
「禁止の目的は、他人の行動を制限することです。」
「しかし、真理ではありません、すべてに当てはまらない。」

理姫。
「絶対視している禁止なんて、ほとんど当たってはいません。」
「命令の内容と、その禁止の内容をよく調べてみることですね。」

詩叶。
「最初からこの世界にある禁忌の方を見ましょうね。」

義奈。
「命令して禁止して強制するのも禁忌ですからね。」

小姫。
「禁忌、いわゆるタブーくらいは、共通の真実ですね。」

旗江。
「異論の余地は無いと思います。」
「命令による義務は人間の作品であり。」
「禁忌は最初からあるもので。」
「人間が作ったものではありません。」

周辺の商店街で。

通り魔が発生。

通りかかった市民と戦って負けた。

とのこと。

犯人は倒された。

市民が言うには。

思ったより弱いので。

倒せた。

という報道。

犯人が負傷して。

勝者となった会社員。

記者が囲む。

旗江。
「犯罪?そもそも暴力とは何か?」

詩叶。
「暴力ですと?それは手段です。」

本実。
「暴力とは、こちら側の意志を相手に強制する手段である。」

義奈。
「となると、暴力には目的がありますね?」

小姫。
「暴力は手段なので、必ず目的があります。」

星詩乃。
「目的の無い暴力は存在しませんね。」

旗江。
「こちら側の意志を相手に強制する手段が暴力。」
「その後は、単なる戦闘の連続です。」

星詩乃。
「暴力という手段で目的を達成する場合は、正当化できます。」

光織。
「暴力は、戦闘の一形態であり、結果は、保証されていません。」

理姫。
「簡単な戦闘によって、暴力の勝敗が決定しますね。」

星詩乃。
「相手の意志が強ければ、敗北します。」

旗江。
「そこは戦争と同じ論理ですね。」

星詩乃。
「いっぱい拳銃を持っている兵士が来ない限りは。」
「勝利が続くと思いますよ。」

旗江。
「暴力は目的ではないので、目的の設定は問いません。」

星詩乃。
「目的については、ここでは述べられませんね。」

旗江。
「暴力は手段のひとつで、負けたら終わりですしね。」

詩叶。
「破壊衝動で、欲望を満たす目的で暴力を用いると。」
「正当化はできませんね。」
「目的が未設定ですしね。」

本実。
「目的になっていない目的ですか。」

旗江。
「必要悪としての暴力という意味ですね。」

星詩乃。
「何となく相手を攻撃すると、正当化が不可能です。」

光織。
「気晴らしに他人を殴ったりするので?」

理姫。
「暇潰しに街に出かけて、他人に体当たりでもするので?」

旗江。
「理由もなく他人を攻撃して、言い逃れでもするので?」

義奈。
「暴力は、難易度の高い手段です、目的が達成できなければ。」
「正当化が難しい。」

小姫。
「つまりは、勝敗次第で、暴力は正当化できるのですね。」

旗江。
「その通りです、暴力という手段は、目的を達成する勝利で。」
「正当化できます。」

本実。
「敗北したら、死にますね。」

詩叶。
「敗北による死亡は覚悟しているでしょうね。」

星詩乃。
「けっこう良好な結論ですね。」

旗江。
「たいてい当たっていれば、相対主義からして良好です。」

沖縄の離島周辺にて。

海警と海上保安庁の艦艇が。

撃ち合う。

けれども。

両者、明後日の方向に撃ち合う。

海警が先に抗議を目的に。

威嚇射撃を繰り返して。

巡視船にまったく当てないので。

いつの間にか。

近くに着水する弾丸を撃ち合う試合になって。

今日も続いている。

弾代を浪費してしょうがない。

上空では。

中華が飛ばした装備がない戦闘機が。

同じく自衛隊の装備がない戦闘機と格闘戦をしている。

これは燃料切れまで続く試合。

最近は抗議のためにこんな奇妙な戦闘を仕掛けてくる。

しかも、揚陸艦なのに、民間人を乗せている輸送船になっていたり。

軍用機に民間人を乗せて、領空で遊覧飛行をしてくるので。

やりたい放題されている自衛隊。

戦闘機の機関砲を着水させて威嚇を繰り返す。

この前はホバークラフトで現れて釣りをして。

帰っていく中国人とか。

自作の潜水艦が出てきたり。

自作のヘリコプターで領空を飛ばれて困っている。

自衛隊は対抗して、尖閣諸島に壁画を作って牽制したり。

地上絵などの芸術で対戦。

最近。

自衛隊が、尖閣諸島で個人の釣りをして帰ること数回。

尖閣諸島には、銅像や島の岩石による彫刻でいっぱいなので。

中華も発狂しているのですね。

古い交戦では。

大きな日の丸塗装の旧式61式戦車を置いたので。

撤去できない。

地味な攻防。

旗江。
「戦争、ああ、あれですか、政治の一部ですよ。」
「その時代の政治が戦争に持ち込まれるのです。」
「相手陣営の政治を追い払うために。」
「政治の手段に戦争が用いられます。」

星詩乃。
「戦争の開始は、為政者の決定に委ねられますね。」

旗江。
「政治が命令して、軍事が動いていますね。」
「戦争は、政治の傘下ですよ。」

詩叶。
「こちらの側の決定を、相手の政治に反映させるためですね。」

本実。
「なので軍事も戦争も、政権の一部です。」

義奈。
「政治と戦争は同じですからね。」

小姫。
「政治が戦争を望めば、軍事も実行します。」

旗江。
「戦争は手段であって、目的ではありません。」
「手段なので、いくらでも正当化できますね。」

光織。
「政治に関する目的を達成するために、戦争が使われます。」
「戦争は、政治の言う通りに動きます。」

理姫。
「政治が決定すれば、相手の政治に強制する戦争になりますね。」

旗江。
「喧嘩みたいに戦争は開始されません。」

義奈。
「何か相手の陣営や領土に強制したくて、戦争が使われるのです。」

小姫。
「政治を見れば、戦争が理解できるという格言通りですね。」

星詩乃。
「戦争ではなくて、それを命令した政治を見てくださいね。」

詩叶。
「戦争は、政治の言われた通りにしかしませんからね。」

本実。
「戦争が悲惨なのではなくて、それを命令した政治が悲惨ですよ。」

旗江。
「なので、間接的に、我々は戦争を理解しているのです。」

星詩乃。
「相手は、こちら側の言い分を観察し、合理的に論破を続け。」
「自分の意志をこちらに強制してくるので。」
「武器による強制は、武器による撃退だけです。」

旗江。
「攻めていく場合は、絶対的戦争は無理ですね。」

本実。
「現実の戦争が、もっとも簡単なのですよ。」

詩叶。
「侵攻で強制する場合は、相手の言い分や抵抗を潰してしまう。」
「相手を殺せば、言い分もありません。」
「すべては強制で成り立ちます。」
「敵に強制を加えるのです。」

本実。
「攻めてくる敵は、こちらにいろいろと強制したい。」
「いろんなものがあるので。」
「強制してくる敵を撃ち殺して、挫くだけです。」

旗江。
「強制対強制が戦争の構図ですからね。」

詩叶。
「強制と強制が戦って勝敗が決まりますね。」

義奈。
「戦争も知らない、故に、政治も知らない、世代の人達。」

小姫。
「政治に問題があると、すぐに戦争になるよ。」

旗江。
「義戦を続けた将軍が何と輝かしいことか。」

光織。
「手段を選ぶ阿呆はいませんけれどね。」

理姫。
「目的が、合理的で、神聖なら良いのだけれど。」

旗江。
「戦争は目的次第で、何にでもなりますね。」

星詩乃。
「目的が、良いのか悪いのかの問題ですね。」

旗江。
「戦争が手段なので、目的が良いのか悪いのか。」
「それが問われているのです。」

星詩乃。
「戦争は遠くから見れば魅力になる。」

旗江。
「政治の手段である戦争が、どこで、どう起ころうと。」
「何か問題があるので?」

星詩乃。
「人道主義者を嘲笑うように、戦争が繰り返される。」

義奈。
「戦士が規則という下らないものに振り回されないように。」

小姫。
「規則は、天才にとっては愚劣で、天才は規則を無視するし。」
「嘲笑するものです。」

光織。
「天才の行動の方が見事な規則です。」
「規則が優れている訳がないですね。」

理姫。
「戦争の歴史は、どれも似通っていて。」
「戦争の歴史だけは、学ぶものがないよね。」

星詩乃。
「戦乱の政治とか、市民や兵士からは学ぶものがありますね。」
「戦争はどれも似たようなもので。」
「戦争の一覧を集めて鑑賞しても、多分、徒労に終わります。」

旗江。
「不幸な平和ならば、戦争と交換して貰えば良いのです。」

星詩乃。
「戦争では、遠くの国民も、慣れてしまうと。」
「無関心になるようですね。」

旗江。
「戦争では、慣れてしまうのが克服の最速で。」
「戦地の人々は、無関心になって。」
「兵士ですら危険に無関心になっていますね。」
「名誉や国家のために危険を顧みない兵士や。」
「戦地を受け入れている市民は最後まで頑張りますが。」
「戦地でどのように兵士や市民が危険そのものを。」
「慣れたり無関心になって克服されるのかは。」
「現場にいる記者や作家によって伝えられるでしょう。」

義奈。
「生命の軽視による勇敢さの獲得がありますし。」
「戦場に飛び込むと、一日くらいで。」
「極限状態に慣れてしまう。」

小姫。
「戦争はいけない!なんて禁止しても無駄です。」
「巧みにこちらが悪者にされて、言い負かしてくるので。」
「相手側の弁論術が、思っているより強力で。」
「禁止による命令では、相手も禁止による命令を多用したり。」
「弁論で少しでも負けたら、相手は自由射撃してくるでしょうね。」

星詩乃。
「兵士は人道主義者ではありません。」
「手段として任務を遂行する。」
「正義の組織です。」

光織。
「正しいとは強者の利益。」
「兵士も将校も強いので。」
「彼らは正しい。」

理姫。
「人道主義者は、弱いので、正しくない。」
「司令官も人道主義者ではない。」
「強者によって戦争が行われるので。」
「いくらでも正しいと名乗ることができる。」

詩叶。
「手段が遂行される戦場では、理屈よりも。」
「戦果や弾丸の方が好まれますね。」

本実。
「文句は、戦争を指示した政治に言えばよろしいね。」
「暴動を起こしても、武器で鎮圧されると思うけれど。」
「手段に拘泥する馬鹿は、戦争の当事者にはいません。」

旗江。
「すべては許されている。」

詩叶。
「あなたがお宮で祈った内容ですよね。」
「逆説的に考えますと。」
「自分はすべてを許すから。」
「相手も私のすべてを許す。」

本実。
「神々に自己主張するなんて大胆不敵。」

星詩乃。
「戦争論を個人に当てはめると。」
「平時でも使える発見がありますね。」

義奈。
「実例では、勝利の限界とかよく出てきます。」

小姫。
「そもそも勝利には限界が出現するもので。」
「それは戦場での経験から伝えられていますね。」

光織。
「勝利には必ず限界が発生する。」
「勝利しても、相手を全滅させることも。」
「消し去ることもできない。」

理姫。
「なので、どこかで停止するのが攻撃というものです。」

星詩乃。
「政治から外れた戦争はありませんしね。」
「個人から離れた戦争もありませんしね。」

旗江。
「戦争の中身と技術はとても簡単ですし。」
「実践が難しいだけで、成功には無理があるという。」
「不可抗力。」

詩叶。
「戦術から展開まで、とにかく簡単ですね。」
「想定外が必ず発生するのですし。」
「異常なほど偶然に左右されますので。」
「勝利まで偶然の影響を受けるものです。」

本実。
「戦闘において、争いにおいても。」
「勝利が偶然の影響を受けることは信じた方が良いですね。」

旗江。
「読みやすいけれど、一部しか読まない。」

星詩乃。
「個人において運用できる戦争の論理。」

詩叶。
「平和は理想なのでしょうか?」

本実。
「平和は現実なのですか?」

星詩乃。
「仮説に過ぎないのでは?」

義奈。
「平和とは信仰なのでは?」

小姫。
「平和が最高の政治なのですか?」

旗江。
「平和が夢想だったら、戦争をやれば良いのですね?」

光織。
「短い平和は、またすぐに戦争と代わる。」

理姫。
「平和も、長く続くのが最高ですね。」

旗江。
「平和とは可能な限り長く続けば良いという。」
「状況の意味なのですよ。」

星詩乃。
「公明正大は宝石である。」

アリストテレス弁論術には。

青年の性格。

という記述があり。

青年の性格が網羅されています。

弁論術の記述を理解したので。

青年の性格に対抗できるのですね。

青年特有の欠陥は埋められています。

壮年の性格とか老年の性格も書いてありますし。

すべて当たっています。

旗江。
「中くらいの希望が、絶望になる場面は無かったよ。」

詩叶。
「程よい期待は、大きな失望には至りません。」

本実。
「希望が無くなると、どうやら人は一気に死にます。」

光織。
「生きるに値しないと、客観的に証明されると死にますね。」

理姫。
「小さな希望は、外れることがないですね。」

星詩乃。
「大きな希望は、欺くことがあります。」

旗江。
「適当な期待は、外れても、小さな失望があるだけです。」

詩叶。
「絶望しても、生きたくないだけで、生活はできますね。」

本実。
「絶望なんてものは、可能な限り早く死にたい願望の意味ですよ。」

旗江。
「状況は不死ではありませんからね、寿命が解決しますね。」

星詩乃。
「早死にがお得ですね、あらかじめ次の対策が必要です。」

旗江。
「早死にすれば、自害する必要がないけれど。」

義奈。
「文献で、神に祈って、早くこの世から立ち去りたいと。」
「祈願して、本当に早死にした実例がありますね。」

小姫。
「古典の一部にありましたね、古代世界ではよくあることです。」
「希望が、人を無限に引っ張っていける唯一の動機ですよ。」

旗江。
「希望に対して、疑いをかけてみると、絶望にも疑いが向けられた。」
「失望に対しても、懐疑論になりました。」

本実。
「希望を疑ってみるのも、発見があるかと思います。」

詩叶。
「人が不死である前提で存在する絶望は、滑稽ですけれどね。」

星詩乃。
「希望という言葉は、日本には多分、最初にはありません。」
「主意的な力で、成し遂げた実例はありますね。」

光織。
「なので、私は程よい希望を持ち歩いていますね。」

理姫。
「その後に証拠があると、希望も二倍ですよ。」

本実。
「証拠くらいは確保したいですね。」

旗江。
「自分のものに関する希望は、ほとんど当たりますが。」
「他人に対する期待は、無理ですね。」

本実。
「希望が、主観的か、そうでないかですね。」

旗江。
「主観的な希望が実現したことは少ないのですが。」
「客観的な希望は、時間の問題ですね。」

星詩乃。
「主意主義になると、希望とかは、自分で作れたりしますね。」

詩叶。
「祈って得た希望なら、もう確定です。」

旗江。
「人間によって保障された希望は、散りますね。」

義奈。
「人間に何にも期待していないよ。」

小姫。
「考察したら、無制限に出そうです。」

旗江。
「絶望とは、早死にしたい願望である。」

詩叶。
「失望とは、勝手な期待が外れた喪失感。」

本実。
「内容の半分くらいが当たれば上出来では?」

光織。
「私も同じ意見です。」

理姫。
「私もそう考えています。」

絶望を考察することで。

希望を遠回しに再現したのはキルケゴールなのですね。

希望の正体とか。

希望の中身とか。

いろいろと観測できそうですが。

中くらいの希望は、絶望や失望には変わらない。

という結論になりました。

中くらいの期待も、失望にはならない。

それは自分に関するものだけです。

学説は趣味でしている女性陣は。

たくさん出た結論を。

知識人に鑑定して貰うために。

整備はしていますね。

大量の仮説形成は、何かの役に立つのか。

それとも役に立たないのか。

疑問だらけではあります。


28


今日は親切、明日の意地悪。

田畑の真ん中。

おっと?Jアラート?

対象地域ですね。

ロシアから弾道ミサイルが発射されて。

近くの大都市に落下するようです。

防空網を潜り抜けてくる。

大都市の空港に衝突。

ミサイルが地面に刺さった。

こんな奇妙な光景がなぜかあります。

滑走路に刺さったミサイル。

なぜか刺さっていますが、起爆しません。

爆薬は装備されておらず。

自衛隊が対処しています。

報道を小さなテレビで見ています。

旗江。
「度合いで攻めてきましたね。」

詩叶。
「これくらいの度合いなら、怒れないだろう?」

本実。
「相手の悪戯ですね。」

旗江。
「なぜ地面に刺さっているし。」

詩叶。
「悪戯用途に転用されているのかな。」

本実。
「爆発しませんね?」

旗江。
「細長くて、半分は地面に埋まっていますね。」

本実。
「よくも防空網を潜り抜けてくれたな。」

旗江。
「みなさん、ロシアからのささやかなプレゼントですよ。」

本実。
「何がやりたいのやら。」

詩叶。
「からかっているのですよ。」

旗江。
「なんて趣味を持っているのですか。」

詩叶。
「こっちの方が、衝撃は大きいですね。」

旗江。
「馬鹿な攻撃で、本物よりも大きな効果を引き出す?」

詩叶。
「兵器で悪戯なんて斬新です。」

日本大使館。

ロシアに抗議。

果たし状が送られてきて。

とある日本人傭兵が代表して。

北方四島に船で移動。

中継された。

武士。
「奴らも良い趣味をしておる。」

記者。
「なぜか果たし状が出されて。」
「決闘するというのですよ。」

役人。
「小舟で、ロシア軍の駐屯地に移動しました。」
「相手は、揃っていますね。」

ドローンを飛ばしても。

ロシア軍は歓迎。

ロシア軍の駐屯地。

ロシア軍士官と日本人傭兵が決闘。

何と、ロシア士官は日本刀を繰り出した。

日本人傭兵も日本刀を繰り出す。

武士。
「おぬしは正気か!?」

士官。
「一度は戦ってみたかった。」

武士。
「何を賭ける?」

士官。
「謝罪文であると言われています。」

武士。
「よかろう、始めよう。」

士官。
「君が負けたら、我々の好き放題、卑猥な言葉を。」
「放送で流させるぞ。」
「記者は捕虜だからな。」

武士。
「なぜか勝てる確信があるのだよ。」

簡易的な闘技場で戦闘開始。

簡単な斬撃で日本兵が仕掛ける。

ロシア士官は飛び込んで迎撃した。

両者、体勢が崩れる。

武士。
「なかなかやりおるわ。」

士官。
「これが東洋人の攻撃なのか!?」

武士。
「まだまだ!」

士官。
「人種思想が馬鹿に思える戦場だな!」

距離を詰めて、簡単な斬撃で。

相手の刀剣を制圧しようと。

日本兵が仕掛ける。

下手に受けて、刀剣が崩れるも。

ひらりと回避して。

ロシア士官が、側面に出ながら。

溜めもなく一気に攻撃するも。

日本兵、その刀剣を迎撃して跳ね返した。

大勢が崩れるロシア士官。

一撃入れられて。

ロシア士官は倒れる。

武士。
「イタリア剣術だな。」

士官。
「負けるとは思わなかったな。」

武士。
「だいぶ傷が深いぞ。」

士官。
「ここは戦場だぞ?」

武士。
「我の勝ちだな。」

士官。
「実は、ロシア全土に中継されているので。」
「この後、私は、どうなるのか分かりません。」

武士。
「それは残念だったな。」

日本人傭兵は、ロシア国旗と相手の士官が持つ。

勲章を持ち帰ると。

小舟で戻って。

大船で帰還する。

公式で謝罪文が日本大使館に届く。

政府は調子に乗って。

領土問題を引き合いに出すと。

いつものように口論になった。

一日だけ人気番組になる報道。

旗江。
「現代と融合した武士ですか?」

詩叶。
「武士が小銃を持ったら、革命ですよ。」

本実。
「武士が滅んだのは、銃器を使わなかったから。」

旗江。
「今でも、昔の決闘があるんですね。」

詩叶。
「この世界では、戦場でも、一騎討ちがあるそうですよ。」

本実。
「国旗を持って、名乗るのが、一騎討ちの誘いとのことです。」

旗江。
「イスラムの戦士が多用する戦法ですね。」
「撃ち殺すのはナンセンスになるので。」
「対戦国は、素晴らしい戦士を必ず用意しているとか。」

本実。
「銃器や砲撃が飛び交う時代に一騎討ちですか。」
「なんと華々しい。」

詩叶。
「男性の世界に開けた人々なんでしょうね。」

旗江。
「英雄時代の再来ですか?」

詩叶。
「金の種族は、労働の必要がないほど。」
「富んでいましたが、自滅。」
「銀の種族も同じく自滅。」

本実。
「青銅の種族は、戦争ばかりやっていて滅ぼされた。」

詩叶。
「次に英雄時代、トロイア戦争の後に滅んだとされています。」

旗江。
「十年も難攻不落のトロイア城を包囲して。」
「人員も資源も資金も支持も失った。」

詩叶。
「大量に訓練して、次々と死者が出る戦場に送り込んだので。」
「男性の数が減って、消えてなくなった。」

旗江。
「最初の兵団は、三万人と言われていますが。」
「増えたり減ったり。」
「何度も戦闘があっては決着がつかない。」

本実。
「犯人のパリスが勇将に射殺されて、無意味な戦争と化す。」

旗江。
「オデュッセウスが、都市に侵入して、神像を盗んでいたり。」
「トロイの木馬が、帰路の安全祈願に作られて。」
「記念として、場内に招き入れて。」
「城門の梁を除去した。」

本実。
「いきなり船団が引き返して、潜んでいた兵士と一緒に。」
「開城して、やっと終わるものの。」
「一部を残して、大嵐で船団が全滅。」

旗江。
「イーリアス特有の英雄にある騎士道精神は好まれますね。」

本実。
「英雄は騎士道で成り立っているのです。」

詩叶。
「英雄は騎士道。」

旗江。
「現代人と、英雄時代を比べるのは酷かと思われます。」

詩叶。
「国家で挑戦状とは、これは面白い世界情勢。」

旗江。
「負けていたら、何を言われていたのか、分かりませんよ。」

本実。
「切れ味の無い日本刀でしたので、負傷で済むと計算していたようですが。」

詩叶。
「決闘も一騎討ちも、切れ味の無い刀剣が使われますね。」

本実。
「それで、怪我で済む。」

旗江。
「映画を見ているような気分です。」

本実。
「ロシアからも、また仕掛けてきますよ。」
「次は勝てるでしょうか。」

旗江。
「最高の娯楽?いや戦闘?」
「戦闘を見ると、負けたら何されるのか分からない。」
「けれども、見ていたい、負けたら、見たくない。」
「おお!なんというジレンマ!」

田畑に戻ります。

仲間は平気で続行している。

六法全書がなぜか置いてあるので。

それを持ってくる。

旗江。
「長い旅路から帰った人の大嘘話。」

詩叶。
「君主の命令は、法律と考えられる。」

本実。
「快楽は、その来たる姿を見ずに。」
「その去る姿を見よ。」

旗江。
「これを読んで、相手に浴びせると。」
「エネルギーボールが飛び出すそうですよ。」

詩叶。
「魔法の書ではないですね。」

本実。
「それ以前に、警察と司法は別の組織ですよ。」
「直接、法律で殴ってどうするんですか。」

旗江。
「六法全書で殴れば、攻撃力が十倍とのことです。」

詩叶。
「理論上ではそうですね。」

本実。
「実際はどうかな?」

旗江。
「あれ?読んでも何も出ないし。」
「何も起こりませんよ。」

詩叶。
「ふざけていますよね?」

本実。
「実は本気だったりする。」

詩叶。
「親近感が湧きますよ。」

本実。
「私も同じことをやったのです。」

旗江。
「この使えない武器め!」

六法全書を投げ捨てた。

魔法使いは詠唱に魔法書を使うのが。

定番ですが。

六法全書では何も出ませんでした。

少なくとも魔法ではありません。

近年。

ロシアの民間船が体当たりしてくるようになりました。

前面が装甲板に覆われている。

使い捨ての旧式船です。

古くなって捨てる船を体当たりに転用して。

使い捨てにしているのですね。

なので、漁船は、ロシアの方向から来る船が来ると逃げます。

古い船なので、けっこう逃げ切れる。

撃沈しても。

無人機の場合が多々あるので。

コンピューター制御の大型船は。

止めるのは無理。

同じく。

捨てる予定のフラゴンなどを。

無人機にして飛ばしてきます。

迷惑な攻撃。

撃墜しますが。

特に意味がない。

日本周辺の奇妙な戦争は続きます。

英語のことわざ。

私は裏切りを好む、しかし私は裏切者を褒めない。


29


この世から争いは、無くならないと察する。

悲しみに暮れる、あなたに、強大な力を。

託された、巨大な力で。

この世の悪を何の容赦もなく。

次々と殺していく。

この世の悪を。

皆殺しにする狂気は。

楽しみに悪を殺すと。

あなたの怨恨は、何も及ばない。

今回は自動車で買い物。

スーパーマーケット。

商店街の中にあるお店。

駐車場にて。

旗江。
「本当の自分ですと?」
「日本人の格言で。」
「対人関係毎に見せる自分が本当の自分である。」

詩叶。
「ねぇ争いは楽しいものですか?」
「それらは。」
「ねぇ諍いは楽しみにしていますか?」
「それらは。」
「どちらにしても、結果は同じだよね。」
「何事も、争いで終わる。」
「ああ、同じ事の繰り返し、だよね。」
「ああ悲しいかな、人間の作りは。」
「自分でそうなったくせに、繰り返し。」
「繰り返しで滅亡。」

本実。
「毎日、争いを観察していると。」
「ひょっとしてお前ら。」
「戦いを楽しみに生きている。」
「本当の事を言われて悔しいか。」
「そんなお前と戦う。」
「立場になってみると、とても苦しくて悲しいが。」
「お前を止めて見せる。」

旗江。
「悪口ですと?サディストの配信で間に合っています。」
「過度の悪口は、意味がありません。」

本実。
「イッヌを観察していると、犬は行動の評価だけを重視して。」
「人を査定しないという自然の考え方をしていますね。」

詩叶。
「友好的であればあるほど、イッヌは心を開きますね。」

旗江。
「行動の評価だけを見て判断しているので。」
「いかに行動で示すかが、犬との交流になりますね。」

詩叶。
「良い犬ばかり見ていたので、悪い犬は、人間の考えが出過ぎです。」

旗江。
「良い犬は、自然の道理に基づいて考えるので。」
「人間とは異なる判断をしますね。」

詩叶。
「人間の考えが歪んでいて、犬の考えは自然由来ですね。」

旗江。
「最近の人間は、どこか歪んでいますね。」

本実。
「正常な人とか見たら、紹介してほしい。」

旗江。
「正常な人と本物の愚者との違いは?」

本実。
「分からない、どちらも見たことがないので。」

旗江。
「善人と悪人との違いは?」

本実。
「分からない、どちらも見たことがないので。」

詩叶。
「グーグルで検索すれば出ると思うよ。」

旗江。
「そんな馬鹿な、検索内容まではグーグルも保証できない。」

本実。
「誰かが、自分は善人である、とは言った試しはないね。」

旗江。
「誰かにつけて貰う称号なのに、自称できる理由がないね。」

詩叶。
「民衆から善人と呼ばれると、やはり善人でしょうね。」
「自分で善人であると名乗ると、偽物ですね。」

旗江。
「この世界は邪悪な世界である。」
「そして我々もその一部である。」

詩叶。
「おお!言ってくれる!」

本実。
「英語の成句ですやん。」

買い物の途中。

商店街で。

誰かが誰かと喧嘩をしている。

お互いに利害が一致している不思議。

馬鹿。
「俺は喧嘩がしたいんだ!」

阿呆。
「戦いは楽しい!楽しいよ!」

馬鹿。
「もっと喧嘩しようぜ!」

阿呆。
「戦いは楽しいよなあ?」
「もっと戦いたい!楽しい!」

馬鹿。
「ずっと喧嘩したいよ!」

阿呆。
「戦おうよ!みんなもそう思っているでしょ!」
「みんなも戦いたいでしょ?」
「戦いは楽しいって白状しようよ!」

馬鹿。
「白状して、すっきりしようぜ、みんな喧嘩が楽しいってことを!」

阿呆。
「もっと戦おうよ!もっと自分の気持ちに素直になって!」

市民。
「さっきから見ているが、何十分交戦すれば気が済むんだ!」

馬鹿。
「喧嘩がしたい奴は俺の所へ来い!」
「喧嘩しようぜ!」

阿呆。
「戦いが楽しい人は、俺の所に来いよ!」
「本当は戦いを楽しんでいるのだろう!」
「もっと戦おうよ!」

市民。
「なんだこいつらは!」

夫人。
「勝手にやらせておいたら?」

警察官。
「君達!やめろ!」

馬鹿。
「自分達は同意して殴り合っているんです。」
「邪魔しないでください。」

阿呆。
「俺達からこんな楽しみを奪わないで!」

警察官。
「理屈はどうでもいいからやめろ!」

馬鹿。
「みんなも喧嘩がしたいよなあ?」

阿呆。
「みんなも戦いを楽しもうよ!」
「さあ!理由もなく戦おうよ!」

市民。
「彼らは同類なので、別に構わなくても良いのでは?」

夫人。
「あれって、手加減しているのかしら。」

紳士。
「お互いに戦いを楽しんでいる?」

市民。
「喧嘩大好きとか戦いは楽しいとか。」
「いちいち俺達を代弁するんじゃない!」

夫人。
「まったくです、自分達の代弁者なんて酷い!」

紳士。
「自分達を目の前で見せられて、不快ですなあ。」

道化師。
「世人の代弁者だよ!助けてくれ!」
「あいつら!僕達を嘲笑する気だよ!」
「世人の説明はやめてくれ!」

警察官。
「はあ?殴り合いを楽しんでいる?」
「互いに同意しているので?」

馬鹿。
「来るなよ、楽しみを邪魔すんなよ。」

阿呆。
「楽しいので戦っているんです、お前は来るな。」

道化師。
「ああ!カオスだよ!カオスだね!まったくもってカオス!」

二人組は立ち去る。

喧嘩ではなくて。

知り合い同士の馴れ合いだった様子。

互いに楽しんでいたので。

商店街の人々から。

世人の代弁者として非難された。

各自、帰宅すると。

余暇を楽しむ。

報道にて。

どこにでもいる。

民衆が逮捕された。

容疑は、神秘主義者に違いない、であった。

同じく民衆が逮捕された。

容疑は、排他主義者に違いない、であった。

同じような民衆が逮捕された。

容疑は、IQが低いから犯罪者に違いない、であった。

旗江。
「不祥事の連発ですね。」

親戚。
「いつものことじゃないか。」

従妹。
「たまにやるんですよ、魔女狩りは。」

旗江。
「なんたることか!」

友達。
「あなた、快活な女性ですが、どんな教育を受けたので?」

旗江。
「天性は教育に勝る。」

友達。
「父親は、私が過ちをしても、嘆いてばかりで。」
「母親は、植物で作った鞭で、適当に打つだけでした。」
「何でも人為的、作為的な教育は良くないのですね。」

旗江。
「最初は、私は養子だったのです。」

友達。
「はい?それなんですか?」

旗江。
「養子であると嘘をつかれて、欺かれて育ちました。」

友達。
「それって、結果は同じですよね?」

旗江。
「黙っていたら、成人する辺りで、本物の親子であると伝えられて。」
「鵜呑みにしていました。」

友達。
「子供は何でも信じるので、教育を逆手に取って。」
「喪失感と猜疑心の中で育ちましたか。」

旗江。
「しばらくは、落ち込みました、両親は嘘で欠点を隠していて。」
「本当の親がいると信じていましたから。」

親戚。
「嘘は記憶が良くないと無理、しかし、子供が相手なら簡単だな。」

従妹。
「複雑な成育ですなあ。」

旗江。
「けっこう、自然の道理を調べなさいとか。」
「天の道理を天に教わりなさいとか。」
「人工的な教育はしなかったですね。」

友達。
「近代以降、既存の人間にある失敗を調べ尽くしているのですよ。」

旗江。
「古代日本は、子供はほとんど、自然な考え方で養育されていますし。」
「人間の考える理屈では、養育は成立してないのです。」

親戚。
「俺の親父は弱かったぞ。」
「負けた事が無いな。」

従妹。
「私の所は、母親の方が強かったので、父は従っていました。」

友達。
「天才とか変人とか狂人は、いや、有能な人の生育は。」
「自然由来の生育に基づいているのですね。」
「今日は、ここら辺で帰ります。」
「客も、三日いると鼻につくと言いますしね。」

抗議の暴動が発生。

無実で二十年の懲役は劣悪だ!

無実の相場は十年だろ!

という人々が発狂している。

同じく。

無実で禁固五年は邪悪だ!

無実での禁固は一年が相場である!

という錯乱している人々も登場。

報道にて。

最先端工場の視察。

県知事。
「凄い設備ですね、どんな人が運用しているのですか?」

工場長。
「とても頭の良い人材を多く抱えているそうです。」

県知事。
「なぜ断言しないのですか?」

工場長。
「そんな馬鹿な、本当に頭が良かったら。」
「工場勤務なんてするものか。」

放送事故。

テレビ切り替え。

通信販売。

店員。
「インテルの新型装置によって。」
「仕事の効率が倍になりますよ。」

監督。
「何だって?それを三台くれよ!」

店員。
「それで仕事の効率は三倍ですね!」

監督。
「今から君達の効率は三倍ですね!」

店員。
「それは困りますよ、三倍も効率よく動けない。」

監督。
「ならば、なぜインテルの装置で。」
「仕事の効率が倍になるなんて言ったんだ。」

またもや放送事故。

しかし逆に売れてしまったそう。

次の番組。

知識人。
「離婚する家庭が急増していますね。」
「それはなぜだと思いますか?」

夫人。
「結婚するからよ!」

知識人。
「それでは、みなさん、弁護士の手配をしましょう!」

夫人。
「弁護士が常に味方とは限らないわよ。」

番組が相次いで。

事故になっている。

報道なら問題ないだろうと。

試合の後の。

スポーツ選手のインタビュー。

記者。
「あなた、いくらで買ったので?」

選手。
「年俸は、既に知っての通りですよ。」

記者。
「いくらでそれを買ったので?」

選手。
「道具ですか?けっこういい値段しますよ。」

記者。
「才能とか能力とか境遇とかですよ!」
「いくら出したんだ!」

選手。
「実は、このくらい。」

記者。
「そんなに出してその地位ですか!」

選手。
「他の人には言わないでくださいね。」

記者。
「僕も、どれだけ払えば、ああなれるんだ!」

国際報道。

コカ・コーラが例の島で自動販売機を出した。

何と日本語のカタカナでコカ・コーラと書かれていて。

商品も日本語表記であるし。

日本円と韓国の貨幣で買えるとのこと。

韓国人が錯乱して。

グーグルで例の島を表示すると。

日本語表記になっている。

怒り狂った韓国人は。

自動販売機を崖から突き落とした。

何でもないことのための大騒ぎ。

必要以上に騒ぎ立てる。


30


玉石混交。

ビニールハウスの集合地帯。

仲間の子供が徘徊する。

見習いとして来ていたりも。

若者の参入も支援しているので。

早朝から人がいますね。

作業している仲間がいまして。

問答を仕掛けられた。

少年。
「ねぇねぇ、日本の法律とロシア軍が戦ったら。」
「どっちが勝つの?」

男性。
「やめろ!回答できない質問をするな!」

少女。
「中国軍と日本の法律って、どっちが強いの?」

男性。
「勝った方が強いのだよ。」

少年。
「それだと、疫病の方が強いから。」
「法律よりも病気の方が強いんだね。」

少女。
「法律と寿命が戦ったら、どっちが勝つの?」

男性。
「最高難易度の質問をするんじゃない!」

少年。
「中国の法律と日本の法律が戦ったら。」
「どっちが勝つの?」

少女。
「法律って、突っ込んでくる弾道ミサイルには。」
「どのように機能しますか?」

男性。
「無理だ!勘弁してくれ!」
「酔っ払いと子供は嘘が言えない。」

中規模地震が発生。

揺らぐ大地。

少々停電する。

田畑の真ん中は無敵。

近くで問答が続けられる。

少年。
「自然災害が最高の法律ではありませんか?」

少女。
「勝てない相手には法律なんて無効ですよね?」

男性。
「頼む!三百円あげるから、どっかに行ってくれ!」

少年。
「わかりました、お菓子を買いに行きます。」

少女。
「戻ってきたら、また問答しようね。」

男性。
「分かった!もう百円あげるから、その問答は終わりね!」

子供は立ち去る。

中規模地震は影響なし。

木々も家屋も電柱もない場所は無敵。

自宅で確認。

損害なし。

本棚には論語がたくさん置いてある。

論語は問答集。

儒教と道教は対立している。

旗江。
「誰かが苦しんでいましたが。」
「それは悪いから苦しんでいるのでは。」

詩叶。
「そんな阿呆な、どんなこじつけですか。」

旗江。
「誰かが痛めつけられたのは、攻撃された人が悪いからです。」

本実。
「少なくとも状況が分からないよ。」

旗江。
「誰かは、悪い奴だから、病死したのではないか。」

詩叶。
「かなり暴論かと思われます。」

旗江。
「誰かは、悪い奴だから事故死したのでは。」

本実。
「状況を入れ替えているのでは?」

旗江。
「誰かは、悪いから、貧乏で、収入が少ないのですよ。」

本実。
「それって、いくらでも論証が入れ替えられますね。」

旗江。
「誰かは、悪いので、地位が低い。」

本実。
「なんでもこじつけ放題でしょうに。」

詩叶。
「好き放題にこじつけないで。」

旗江。
「あれ?公正世界仮説の内容ですよ?」

詩叶。
「なるほど、ならば、問答としては成立していますね。」

本実。
「明らかに暴論と詭弁の繰り返しですからね。」

旗江。
「公正世界仮説の信奉者は厄介ですね。」

詩叶。
「あなたが繰り出した発言が、彼らの持論ですからね。」

旗江。
「攻撃した側が一方的に得をする仕組みが作られたのかな。」

本実。
「攻撃側が有利になり過ぎですね。」

旗江。
「他人を適当に攻撃したら、攻撃された人が悪いから?」
「適当に市民を平手打ちしたら、相手が悪いので、平手打ちをされた人のせい?」

詩叶。
「公正世界仮説はだいぶ、暴力を崇拝していますね。」

旗江。
「暴力なら、彼らの方が三倍は上手ですからね。」

詩叶。
「暴力では世人の方が上ですよね。」

本実。
「彼らよりは、私達の方が、何故か暴力は下回っています。」

市場に鳥骨鶏の卵を並べるために。

トラックで移動です。

高級な卵はけっこう作っていて。

日々、収益化されていますね。

地元の市場では人気の品物です。

地産地消は昔の光景で。

烏骨鶏の卵は、輸出されてしまう。

並ぶとすぐに完売。

また卵が出てくるので。

最も効率の良い収益。

今日はもう両親に任せて帰宅です。

散歩に出かけると。

駅前にて。

口論している人を目撃。

弁論家。
「お前は派遣社員だから、信用できない!」

社員。
「それはどこかを間違えています。」

弁論家。
「お前は貧乏だから信用できない!」

市民。
「貴様は銀行にでもなったつもりか!」

弁論家。
「お前はまだ子供だから、馬鹿に違いない!」

少年。
「それなら子供は全員、馬鹿ですか?」

少女。
「あなたもかつては子供でしたよね?」

弁論家。
「お前は前科があるので、信用に値しない!」

青年。
「執行猶予一年ですが?」
「あなた、私がいないと、バスを運行させられませんよ。」

紳士。
「彼は、変な事故で前科になったのですけれどね。」

弁論家。
「お前は年寄りだから、阿呆になっているので、信用できない。」

紳士。
「年寄りが全員、阿呆な訳がないだろう。」

弁論家。
「お前は安い賃貸に住んでいるから、信用できない。」

夫人。
「安い賃貸と信用に何の関連が?」

市民。
「あんた、対人論法で遊んでいるな?」

紳士。
「対人攻撃で遊ぶな。」

少年。
「認知バイアスなんてものにかかっているの?」
「気持ち悪い!」

少女。
「悪ふざけで、認知バイアスを出したんでしょ!」

社員。
「相手の信用を攻撃するな!」

市民。
「関係のない物事と、関係のない物事を繋げるな!」

青年。
「お前がそんなことを言うから。」
「バスが故障したんだよ。」

弁論家。
「お前はバスを故障させたので、信用できない。」

市民。
「ちょ!おま!やめろって!冗談が長いぞ!」

青年。
「対人論法なんかで遊んでないで。」
「さっさと乗り込んでください。」
「このくらいの故障なら動けますからね。」

弁論家。
「対人攻撃の何が悪い!」

市民。
「すべてが悪いぞ!」

弁論家。
「対人論法の何が悪い!」

青年。
「どこを見ても悪いよ!」

紳士。
「みなさん、乗ってください、弁論家は我々の暇潰しに。」
「道化師になってくれたのです。」

弁論家。
「認知バイアスで遊んで何が悪い!」

少年。
「それって、そんなに面白い玩具なの?」

少女。
「私も使ってみようかな。」

社員。
「なるほど、それで遊ぶのは面白そうですね。」

青年。
「何を言っているんだ!」

夫人。
「正気じゃないわ!」

市民。
「弁論家が、詭弁で遊んだので、十五分が楽しく過ごせたよ。」
「あとね、そのくらいの故障で動けるって何だ。」

バスが発進。

駅前のバスは路線バス。

小都市と小都市を繋いでいるので。

けっこうな利用客がいますね。

散歩を続行。

好青年。
「君、素敵だね、名前は?」

旗江。
「名前がどうしたと言うのだ?」

好青年。
「ブルータス、お前もか。」

旗江。
「それで?どんな物をくれるの?」

好青年。
「ああ!この時計とかはどうかな?」
「それで、僕の事を覚えてくれる?」

旗江。
「それでは記憶できない、立てよ!カエサル!」

好青年。
「よし!何となく用意していた指輪をあげよう!」

旗江。
「いつも男性には連帯保証人になって貰わなければなりません。」

好青年。
「ブルータス、お前もか。」

男性は逃げ出した。

女性は基本、貧乏を酷く嫌う。

ある程度の財産がないと、女性はすぐに逃げる。

散歩ではいろんな変人に遭遇しますね。

電気屋に侵入。

セール品を見て回る。

店員。
「物価が上がったのではなくて。」
「ぼったくりが横行しているよな。」

店長。
「技術が成立すると、安くて質の良い商品が作れるからな。」
「必ずしも高値である必要がない。」

旗江。
「何ですか、あの有能な店員達は。」
「社会は玉石混交ですよ、まったく。」

お人好し。
「あの人に何かされたんですが。」

店員。
「何か?何かって内容は?」

お人好し。
「何かされたんですけれど。」

店長。
「何かって何だ。」

お人好し。
「とにかく何かしているんです。」

店員。
「内容を話せよ。」

店長。
「ひょっとして、君は言いがかりをつけたくて。」
「それが下手で、そんな意味不明な通報をしているのか。」

お人好し。
「あの人に何かされたので、何とかしてください。」
「あの人は、何かしているんです。」

店員。
「もう少し言いがかりは、上手になりましょうね。」

店長。
「悪才も技術ですからね、君に足りないのは悪運です。」

お人好し。
「だから何とかしてください。」
「遠くから、自動車で乗り継いで来たんです。」
「仕事まで休んだのに、解雇されますよ。」

店長。
「あなたのルールがフリーダムなので、素敵だと思います。」

店員。
「おお!自由万歳!」

店長。
「あんなに、自由自在に、他人を告発できるなんて。」
「そっちの方向も自由だとは知らなかったな。」

旗江。
「何か名指しされていますが、無視しましょう。」
「店員も、嘲笑していますしね。」

電気屋から離脱。

近くの道路で。

バスがハイジャックされる現場に遭遇。

犯人。
「僕とドライブしようぜ。」

市民。
「どこに連れて行くんだ!?」

青年。
「どこか?そいつの行きたい所だ!」

夫人。
「臆病者を発奮させると、悪魔とでも戦う。」

犯人は市民と戦って。

犯人がボコボコにされて捨てられた。

バスは平気で発進。

負傷した犯人が担架で運ばれる。

通過。

旗江。
「運のいいやつには助言は無用。」

夫人。
「パルティア人がいる!」

旗江。
「独特な戦法の民族ですね。」

夫人。
「向こうで戦っている。」

旗江。
「不当行為は許可証を持たない。」

現場にて。

ただ犯人が倒れていました。

とっくの昔に倒されている。

いつの間にか倒されて。

犯人が負傷して気絶している。

市民が逃げる演技をして。

反撃を行ったら。

どんどん味方が加わって。

犯人を仕留めたので逃げたようです。

旗江。
「意志は行為と同然である。」

市民。
「誰ですか、あの倒れている人は。」

少年。
「なんでこいつ倒れているの?」

少女。
「生きているのか死んでいるのか、どちらかにしてください。」

夫人。
「救急車が来たわ、病人の判定のようですね。」

老人。
「あれ?さっきまで、あの男は、刃物を振り回していましたが?」

紳士。
「近くにナイフが転がっていますね。」
「彼がやったのか、誰かがやったのか。」
「はっきりしないようです。」
「確かに数分前まで、あの男が暴れていましたが。」
「今はあれです。」

旗江。
「あの暴漢は見世物なんですか?」

女の子。
「現行犯が敗北すると、見世物でしょうよ。」

旗江。
「玉石混交という四字熟語が似合う、社会ですね。」

さりげなく逮捕される暴漢。

今日は連続で犯罪があり。

複数の犯人が倒されました。

報道が混乱しています。

探偵が何かを尾行している。

近くにいた詐欺師は事件を見て逃げ出した。

帰宅すると。

夕方まで寝ることにしました。

休息は大事。

今日の教訓。

推測は測定ではない。


31


戦争は目を覚ましている人によって。

成されなければならない。

深夜。

魔女と取引する犯罪集団。

噂になっていて。

訪問。

朝三暮四。
「あなたは、人を弄びたいと?」

利他主義者。
「人間の中にある問題が破裂する、良い機会では?」

功利主義者。
「問題を炙り出して、放火しましょうよ。」

朝三暮四。
「検討の余地はありますね。」

若者。
「どうなってもいいから、少しは世の中を見返してやる。」

朝三暮四。
「あの?一人で?」

若者。
「仲間がいるんだ。」

朝三暮四。
「人間は自分の問題に苛まされるのが相応しい。」

利他主義者。
「人は、自分で招いた問題で、苦しめば良いのです。」

功利主義者。
「人間の狂気は一人ひとり違っていますからね。」

若者。
「頼むから、いろいろと欲しい。」

朝三暮四。
「よろしい、荷台に、お手製に見せかけた機材を積みます。」
「少し人間を困らせてあげなさい。」

若者。
「よし!任せてくれ!なんだこの機材は?」
「あれ?説明書もある?」

受け取る。

ジャミング装置を譲り受けて。

帰宅。

設置。

電源を何とか確保して。

手順通りに展開する。

物置から妨害電波を発信。

あのECCMを食らって。

電波基地局がすべてダウンする。

市民。
「あれ?通信が乱れている?」

役人。
「何で回線が死んだの?」

工場長。
「繋がらない?」

会社員。
「通信が出来ないと、我々は何もできんよ。」

詩人。
「通信遮断で全滅するなんて傑作じゃないか!」

世人。
「機材が使えなくなると、どうしていいのやら。」
「機械が少ない時代が懐かしい。」

老人。
「テレビも観れないし、何もすることがないよ。」

夫人。
「何とか電話は可能なのですね。」

青年。
「新聞では、この県だけですね。」

紳士。
「情報をトラックの運転手から手に入れましょうよ。」

芸術家。
「通信が死ぬと、人間も死ぬ、傑作ですね。」

詩人。
「通信機材が駄目になって。」
「それだけで生活できないなんて傑作じゃないか!」

会社員。
「銀行も役所も駄目ですね。」

役人。
「業務が機能しません。」

周辺地域の通信が妨害されるので。

自衛隊が捜索を開始する。

もし自作のジャミング装置が鹵獲できれば。

お手製のECCMを手に入れられる。

ということで、自衛隊が鹵獲に必死になっている。

妨害電波で、地域の送信装置は使用できない。

司令官。
「敵勢力は、かなり高度なテクノロジーを有しており。」
「あれを撃破、鹵獲できれば。」
「脅威の排除だけではなく、国益にもなりますね。」

大将。
「国政を過度に論ずるな。」

司令官。
「ということで、敵の規模は不明。」
「謎の電子装置を確保せよ。」
「犯人は撃破する。」

軍事顧問。
「自衛隊の電子支援機がいますので。」
「今回の作戦は楽勝かもしれませんね。」

司令官。
「それは結果論で言ってください。」

兵士。
「久しぶりのテロリストですか、わくわくしますね。」

そんな地域を知らずに。

今日は宮古島。

飛行機にて宮古空港に到着。

観光。

旗江。
「人には度の過ぎた冒険は禁物である。」

詩叶。
「人間の手で作られるものは、人間の手で覆される。」

本実。
「欲望通りに事をすることのできない者は。」
「能力の範囲内の欲望を持たなければならない。」

旗江。
「借りてきた電気アシスト自転車で巡りますね。」

詩叶。
「観光名所はけっこうありますね。」

本実。
「予定進路を通りましょう。」
「順番で距離も決まります。」

旗江。
「連携は大事です。」
「個人技だけでは押せません。」
「平均以上の者達による連携が。」
「その場所を支配します。」

島内を散策。

のんびりとした島と景色。

島は田舎でも特殊ですね。

旗江。
「電気アシスト自転車の速度が、標準で時速三十キロメートルになっている。」

本実。
「観光用に調整されているので、もっと速度は出せますよ。」

詩叶。
「レンタルカーみたいなものです、自動車について行けます。」

旗江。
「これだけ速度が出ると、もはや電気スクーターですね。」

本実。
「歩道は走らないでね。」

詩叶。
「悪路に入ると吹っ飛ぶので、そこでは速度を低出力に落としてね。」

旗江。
「科学なんて扱い方でどうにでもなる。」

観光名所を巡っているうちに。

警報。

敵部隊が侵入。

島を一時的に占領しました。

連絡が出ている。

空挺部隊のようで。

空港は閉鎖。

みやこ下地島空港だけ一便あるので。

役人が連絡して来ました。

旗江。
「おや?物騒な!あの軍隊が都市にいるとのこと!」

本実。
「戦力が少ないので、避けて通れば、逃げられる?」

詩叶。
「逃げるのなら、今だけですね、もっと大勢に揚陸されたら無理です!」

旗江。
「人はとっさの時には感情論で行動しますが。」
「どう考えても冷静な人が有能ですね。」

本実。
「戦争を禁止しても、相手に軍事行動を禁止されて。」
「禁止で反撃されますからね。」
「お互いに、巧みな話術で、相手が悪党であると。」
「結論を誘導する合戦が続くものです。」

詩叶。
「戦争の話題は楽しいかもしれませんが。」
「遠くで見ている分には面白い話題ですね。」
「現場に浸かると、とてもじゃないけれど。」
「経験するだけ残酷な場所ですよね。」

旗江。
「忍耐の怒りは狂気なのです。」
「他国に攻撃されて、狂気に陥らない。」
「国家は無いでしょうね。」

宮古空港を避けて。

みやこ下地島空港に待機している飛行機に飛び乗ろうと。

必死になる。

かなり迂回する。

迂回は現代の戦術では基本。

迂回しながら側面から包囲。

遭遇戦によって決着をつけるので。

相手の動きを読もうとする。

旗江。
「公正は、何人をも害しない。」

本実。
「自分で自分を利口者と思っている者よりも。」
「愚人の方にいっそう望みがある。」

詩叶。
「道化者のいない芝居はない。」

旗江。
「間抜けな人を喜ばせたいのなら。」
「財布を落とさせて。」
「一時間後に発見させてやると良いのです。」

本実。
「この世界に戦争があるのはなぜか?」
「やはり説明が不足しているので。」
「平和に関しても説明が不足している。」

詩叶。
「極端に平和を重んじて武装しない国家は。」
「どう考えても、軍拡を続けた国家に負けて滅ぼされる。」
「もし戦争が必要ならば、延期しないのが良識です。」

旗江。
「機体性能に助けられて、すぐに到着しますよ。」

急いで漕いでいると。

あっさり空港に辿り着いた。

ちょうど離陸する準備をしていた飛行機に乗せて貰い。

宮古島から離脱。

中華が空挺部隊を入れて占領し。

なぜかキャンプをして。

踊っていたり、市民と麻雀を開始。

小銃を市民に見せびらかしたり。

どれだけ自分達が優れているのか。

市民を捕まえて、自分達の自慢ばかりしている。

役所に中国の国旗を立てると。

そこでずっと歌っている兵士達。

市民に中華拳法を教えたり。

本物の弾丸を記念に贈与したり。

市民を誘って、海に向かって小銃の発射を体験させたり。

好き放題に行動している。

電気屋には日本製品を輸送しようと。

買い物をする兵士の姿。

島内のお店から、いろんな日本製品が持ち出される。

旗江。
「あの島では、今頃は、けっこう悲惨ですかね。」

本実。
「この空域も、戦闘機が飛んでいるようですね。」

詩叶。
「開戦ですか?第三次世界大戦?」

旗江。
「思っているのとは違う戦争なのかな。」

詩叶。
「しれっと訪れる戦争ですね。」

本実。
「巻き込まれそうになった。」

旗江。
「どっかで行われている戦争は人を魅了しますが。」
「自分の所では行われたくない。」
「というのが人情でしょうなあ。」

自衛隊は占領地域の解放を宣言。

部隊を送ろうとする。

空挺部隊が準備されて。

艦隊が移動を開始すると。

中華はあっさり徹底してしまった。

何事も無かったように日常に戻る宮古島。

単なるアピールで仕掛けてきて。

適当にからかって逃げ出した。

報道は、中華、一日だけの侵攻。

こちらを笑って逃げた軍隊の蹂躙。

何とか乗り継いで。

すぐに帰宅すると。

通信装置が使えなくなっていました。

旗江。
「あんな中から帰還したのに、またですか。」

従妹。
「それがもう終わりそうなんですよ。」

親戚。
「犯人が、もう追い込まれていて、降参するそうです。」

旗江。
「平和な世界なのか戦争の世界なのか。」
「どちらかにしてください。」

報道にて。

犯人はあっさり負けて。

犯罪集団は見事に敗北。

電子機器は鹵獲されて。

二日だけの騒動で終結しました。

司令官。
「こんな電子機器が欲しかった訳よ。」

兵士。
「こんなに安価で作れる新兵器ですか!」

大将。
「こんなのが欲しかったのだよ。」

軍事顧問。
「早速、量産に入りましょうよ。」

司令官。
「これで歩兵用の兵器は充実しますね。」

軍事顧問。
「もう輸出も可能でしょう、あの男は何者?」

大将。
「我々に、あれを送り届ける工具店ですかね。」

司令官。
「もう歩兵は何でもできそうですな。」

通信が回復。

妨害電波が消えたので。

全部復旧。

旗江。
「くたびれましたよ、あっちで戦争。」
「こちらも戦乱。」

従妹。
「電子機器が少ないので、影響も少ないけれどね。」

親戚。
「あれを潜り抜けた張本人という訳ですね。」

旗江。
「あの後は、どうやら敵は退きましたね。」

従妹。
「新鮮な世界が一時的にあったよ。」

親戚。
「戦争や自然災害では、当事者なんて目が覚めるよ。」

旗江。
「いつも目が覚めていれば、人間もましな行為が出来るでしょうよ。」

従妹。
「平和になるとすぐに寝ますけれどね。」

親戚。
「目が覚めた時には、もう戦争が目の前にある。」

旗江。
「何もない世界は、単なる睡眠薬ですなあ。」

従妹。
「寝ているふりをしている人は起こせますか?」

親戚。
「起こせませんね、寝ている演技ですからね。」

旗江。
「戦争についての結論と。」
「平和についての結論が。」
「社会には不足しています。」
「クリティカルシンキング。」

そのままの姿で。

自室で寝てしまう。

一度にいろんなことがあって。

眠くなった。

今回の人災で目が覚めた人が多数出現。

自然災害で目が覚めたり。

戦争で目が覚めたり。

平和について、疑惑がついてしまった。

平和の時代は神秘主義者が激増します。

誰しもが人道主義者ではありませんしね。

英語のことわざ。

君は君自身の物差しですべての人を測る。

君は不公平である、自己本位であるの意。


32


趣味の園芸は自宅の庭で。

日本庭園の再現をしたりと。

けっこう広い家屋の庭ですので。

共同で花壇を作っては。

巨大な花々を成長させていますね。

昔は向日葵の巨大化に挑戦していました。

星詩乃。
「人生が無意味ですと。」
「もう何でもありですね。」
「個人で、何でも自分の生涯を勝手に変更しても。」
「誰にも阻止できない。」

旗江。
「私は、昔から生きることに無関心でしたよ。」

星詩乃。
「生涯に無関心ですと?」
「無関心で、よく働いていますよね?」

旗江。
「善なるものが現れるようになってから。」
「無関心が、無視に変化して。」
「自分にとって悪いものは。」
「拒否できるようになったので。」
「善なるものを目掛けて、突進しているに過ぎませんよ。」

光織。
「変な生まれ方をした人は、生きることに無関心ですね。」

理姫。
「そもそも無意味な人生に、変な生まれ方は必要ないですね。」

旗江。
「子供の頃から生涯には無関心で。」
「後天的に善なるものを見出したので。」
「悪しきものを傷つけて喜んでいるのです。」

詩叶。
「それは、共通の事実なんて設定しても。」
「誰も従わないので。」
「個人主義からして賛同できますね。」

旗江。
「最初からいろいろ無意味なのに。」
「なぜ悪しきものが必要なのですか?」

本実。
「勝手にそう思っている輩がいたくらいですかね。」

旗江。
「個人的に、報われないと分かりきっている。」
「他人の価値判断に、従うような阿呆はいないかと。」

義奈。
「そんなものを尊んでも、決して報われないのにね。」

旗江。
「取り組むだけ無駄で、最後にも報われない。」
「役割を演じていたので、捨てました。」

小姫。
「それは、日本帝国はひたすら国家のためにとか。」
「国民のために個人は尽くせとか強要していましたが。」
「そんなもの報われる訳がありませんので。」
「愚かな考え方としてはけっこう有名ですね。」

旗江。
「報われないと理解している約束なんて。」
「すぐさま破られますよ。」

義奈。
「自分が否定する力が無いだけで。」
「周囲の人間が従わせた可能性もありますからね。」

星詩乃。
「考え方の強要には暴力で報いられますよ。」

旗江。
「自分が否定している考え方なんて。」
「相手の力が弱くなったり。」
「自分が上回れば。」
「否定している考え方を滅ぼしますね。」

光織。
「簡単に力の優劣で決まっていますよ。」

理姫。
「そういう立場に追いやられたので、責任の所在は遭難していますね。」

旗江。
「束縛から解放されると、束縛していた対象を無限に罵るに違いない。」

詩叶。
「束縛していた対象は、暴言の標的になりますね。」

本実。
「束縛から逃れると、問題が束縛にあったと気づいてしまう。」
「束縛するせいで、問題になった。」

旗江。
「何が表現の自由だ、使い潰してやる!」

詩叶。
「使わないと無くなる言論の自由ですよ!」

本実。
「発言が自由なので、酷使してやります!」

星詩乃。
「自由万歳!さあて言論で体当たりですよ!」

詩叶。
「たくさんの仮説形成を、表現の自由に保証されて繰り出す!」

本実。
「表現の自由対表現の自由まで発生している!?」

旗江。
「せっかくの言論の自由を駆使して、暴れてやる!」

珍しく自宅で会議していて。

自宅の中にある自室に集合。

インターネットでは表現の自由を奪い合っている。

いかに言論の自由で有利になろうと。

全員で必死。

自然に思いついた。

テープレコーダーに録音して。

自分の言い分を送り付けた。

相手は一方的にテープレコーダーから発せられる。

一方的な反駁に発狂して。

相手はテープレコーダーを破壊した。

お手軽で、完封できる作戦は成功。

今は次の実験に向けて。

農作業の時期。

余った時間。

公園にて。

ボール遊びをしていると。

夫婦喧嘩をする人に遭遇。

夫。
「何度言ったらわかるんだ!」

妻。
「あなたの話術が下手なのよ。」

夫。
「どうしたら理解できるんだ!」

妻。
「一万円をくれたら理解するわ。」

夫。
「だからあれほど言ったのに!」

妻。
「自分の説明不足を人のせいにするつもり?」

夫。
「お前なんか殺してやる。」

妻。
「大丈夫ですよ、私は老衰で死にますから。」
「その時に死なせてください。」

夫。
「まずいぞ、お前が天国に行ったら。」
「俺はついていけない。」

妻。
「そこまで連れ添う必要はありませんわよ。」

庭から中に入っていく。

近くの家屋の出来事。

公園の隣にある。

コンビニエンス・ストアにて。

たまたま停車して買い物をした。

同僚が会話している。

会社員。
「苦労しろとか、財布の中身を調べても言えるのかよ?」

上司。
「お金持ちは苦労について笑っているぜ。」

会社員。
「お金で大半の困難を解決できるので。」
「負け惜しみは良くないよな。」

上司。
「俺のことを言いやがって!」

なぜか柔道を開始した。

近くの二人組。

すぐにどっかに行きましたね。

最近は狂人が多く出没する。

貧乏人が仕事で回っていると。

それを見た銀行が話しかけた。

銀行員。
「我々の都市にようこそ!」

貧乏人。
「なんでわざわざ挨拶に来るの?」

銀行員。
「我々の都市では、あなたくらいしか。」
「我々に利他的な行動を期待する人はいませんからね。」

貧乏人。
「今、セールスで回っているので。」

銀行員。
「それでは傘を差し上げましょう。」

貧乏人。
「あれ?小雨が降ってきたぞ?」

銀行員。
「さっきの傘を返せよ。」

公園でボール遊びをして。

帰る途中に。

またもや狂人に遭遇する。

近年、増加傾向にある。

ここにもいますね。

弁護士。
「疲労のようだ、もう動けない。」

夫人。
「それでは、タクシーでも呼んであげますね。」

弁護士。
「君は素晴らしいな、助けてくれたお礼に何が欲しい?」

夫人。
「お礼に欲しいもの?」
「そんな!あなたを助けたなんて、誰にも言わないでください!」
「それこそ最高のお礼です!」

これが、この都市の日常。

とんでもない発言が飛び交う公園から帰宅。

人間なら何でも揃えているような。

小都市の風景。

道化師には困ってはいません。

女の子だけのボール遊びで満足して。

帰宅して。

くつろいでいる。

旗江。
「あなたのためだから、と言って隣人の馬を殺した。」
「英語の成句。」

星詩乃。
「コンテンツというものを見ていると。」
「三つくらい必要ですね。」
「まず娯楽であること。」
「視聴者を楽しませる娯楽に過ぎないこと。」
「次に、コメディアンの性格が必須ということ。」
「最後に、迎合されないと、そもそも売れないということ。」

光織。
「娯楽を外れるコンテンツは多くないですね。」
「視聴者から見れば。」
「一時間くらいの暇潰しや憩いに過ぎませんし。」
「それを提供して収益になっています。」

理姫。
「コメディアンはとにかくふざけているので。」
「自然に面白くなりますね。」
「適度な馬鹿であること。」
「真面目ではないことが、求められます。」

旗江。
「迎合、つまりは、迎合するようにコンテンツを作らないと。」
「あまり集客に成功しませんね。」
「迎合は、俗受けするには必須の要素ですしね。」

詩叶。
「自分の得意とすることで広げないと。」
「そうすれば競争も何もありません。」

本実。
「昔からあって、今は失われているような。」
「分野が、競争もなくて、一方的な競争に勝てる場所ですね。」

星詩乃。
「動画は生業でやっていると、時に失敗や過激な行動も散見されます。」
「これは、馬鹿な行為をずっと続けないといけないために。」
「失敗があるというものです。」

旗江。
「泥棒も詐欺師も、生活費のためにずっと続けて逮捕されますからね。」

星詩乃。
「要するに、テレビ番組みたいに、大衆に捨て駒にされる。」
「という傾向は無視できません。」
「番組制作は、監督が自慢するほど、出来栄えには文句が言えませんが。」
「視聴者から見ると、やはり娯楽ですので、使い捨ての消耗品なのです。」

旗江。
「コメディアンはすべてが滑稽だと思っているので。」
「簡単に娯楽を用意できるのです。」

星詩乃。
「何でも滑稽だと思っている人は、番組制作でよくいる人の特徴です。」
「本当に何でも滑稽なんですけれどね。」

義奈。
「ある意味では、監督も真実を言います、すべては滑稽と見なしても。」
「たいてい当たっていますしね。」

詩叶。
「ある程度のへつらいはコンテンツ制作に必要でしょうね。」

本実。
「真面目であると、理解されません、高度過ぎると。」
「民衆がついて来れない。」
「能力が高い人にしか歓迎されない。」

小姫。
「こういう理論を、自然に習得できるのが。」
「すべてを滑稽だと思っているコメディアンですね。」
「テレビ番組も、何でも滑稽だと思っているので。」
「量産が可能なのですよ。」

星詩乃。
「娯楽が無かったら、市民は見るものがありませんからね。」

旗江。
「仕事から帰ってきて、必要なのは説教ではなくて。」
「娯楽という捌け口なんですね。」
「日中にあった物事が、夜間にはすべてが滑稽と見なされるのですから。」

星詩乃。
「何でも滑稽であると主張する監督やコメディアンは必要ですね。」
「真実をこれでもかと主張してくるのは。」
「やはり社会の一角には必要です。」

旗江。
「こういう理論は、コメディアンの後についていきます。」
「先に理論があるのではなくて。」
「監督の後ろから理論がついて行くのです。」

義奈。
「世の中に退屈すると、道化師が増えますね。」

小姫。
「世の中がつまらない人は、道化師を頼りますね。」

旗江。
「世の中の下らない所は、番組という道化師が、何とかしてくれるのです。」

星詩乃。
「そういうように肯定してしまうと、番組全般が正論のように思えます。」

光織。
「芸能人とか、妬んでいる人が代わりを務めても、失脚させられますね。」

理姫。
「真面目な人は芸能人には向いていません。」

旗江。
「過酷な現実を、すべて滑稽なものに変える。」
「コメディアンがいないと成立しないのが社会ですな。」

星詩乃。
「人の世の空き地は、自然に埋まるのですよ。」

旗江。
「否定も三段論法ではありませんので。」
「否定も演繹法か、帰納法か、どちらかを使いこなせないと。」
「否定も、論拠の乏しい持論の強要になりますね。」

星詩乃。
「全員の支持は得られないものなので。」
「全員に肯定されると思い込むのは間違いです。」

詩叶。
「半分近くには支持されませんからね。」

本実。
「持論を展開する人も、近くにいる人に説いた試しはないのですからね。」

旗江。
「自分で、持論が通用しないと分かっているので。」
「論争には加わらないのですね。」

義奈。
「頭を冷やす術を知らない人は、論争に加わらないこと。」

小姫。
「論争は誰しもが過激で、反駁も鋭いので。」
「全部は防げませんしね。」

旗江。
「何々であると考えています。」
「何々であると思われます。」
「という言い回しは、反駁の余地が残っているので。」
「断言しない限りは、過酷な反撃を受けない。」

星詩乃。
「真実の発表とか言う奴は、証拠と一緒に出さないと無意味です。」
「やはり論説として出すのが適切ですね。」

詩叶。
「論争をするのなら、頭に保冷剤をつけるのを忘れずに。」
「熱冷まシートなるものが医薬品であるので。」
「あれを頭に張りながら、論争に参加するのが雄弁です。」

本実。
「自前のクーラーボックスに、保冷剤を入れて論争の現場に行くものです。」
「いつでも頭を冷やせるように。」
「自分の論説が打ち破られても、すぐに頭が冷えるように。」

旗江。
「真理は常に優勢であって万事はそれに譲る。」

詩叶。
「信用が無料であった試しはないですね。」

本実。
「信用は課金するものですね。」

星詩乃。
「何人も思索の罰は受けない。」

どうやら同類であると確認。

同じ平坦な道を歩く同類の集まり。

起伏の多い道は他所のもの。

自分が選ばなかったものはこの世から消えろ。

そして選ばなかったものは、追跡されて本人に殺される。

都会と田舎の二者択一。

しかし中途半端な都市も多いもの。

社会では、本当の事を言うと発狂する人もいるので。

嘘も方便。

本当の事をたくさん言うと、相手からは嫌悪と逃亡を得られる。

適度に嘘をつかないと、暮らしてはいけません。

かえって愚かな言い分の方が認められて、迎合されるので。

たまには愚かな言い分を繰り出すものですね。

真実には返報はない。

真実はからざお状の武器。

真実という武器で攻められると。

それに応戦する手段はないの意。


33


万学の祖であるアリストテレスを研究している。

アマチュア研究部。

ひとつの書籍に精通している人は。

その書籍の専門家なのですね。

最近の悪癖を発見。

日本ではクリティカルシンキングをほとんど習わないようです。

なので、自分が出した結論を既成事実にする。

困った癖があります。

旗江。
「事実は存在しませんでした。」
「あるのは結論くらいでしたよ。」

詩叶。
「結論があるだけですね。」
「万能な結論は実在しない。」

本実。
「できる限り優れた結論があるだけですね。」
「クリティカルシンキング。」

義奈。
「なぜ彼らは適当な情報を信じるのでしょうか。」

星詩乃。
「何も知らないからですね。」

光織。
「もっと言えば、論拠のない自信を持っているからですね。」

理姫。
「論拠を出せない自信があるからですね。」

旗江。
「論拠がない自信に満ちているので。」
「自分の気分が良くなる情報に。」
「容易く感化されますね。」

小姫。
「信じるというより、判断を誤っていますね。」

星詩乃。
「判断に誤りが多いので、簡単に信じるのでしょうね。」

旗江。
「無条件で信じるのは、判断の誤りが最初からありますね。」

詩叶。
「真実は、安くはないので、課金が必須ですよ。」

本実。
「情報も、論拠がないと、価値のない映像に過ぎませんよ。」

旗江。
「クリティカルシンキングでは。」
「結論という用語があります。」
「蓋然性に基づいた結論が大量にあるだけですね。」

星詩乃。
「インターネットには、結論だけがあると考えています。」

旗江。
「クリティカルシンキングが得意な人は。」
「情報には結論だけがあって。」
「証拠を徹底して欠いている。」
「という所は見逃さないようです。」

詩叶。
「証拠のない論説は、意見とか持論に属しているのです。」

旗江。
「持論をそのまま書くのも、妙な事ですが。」
「けっこう多く見られます。」
「持論が迎合されると危険ですが。」
「事実が存在しないことで。」
「結論だけがあると考えれば。」
「ほとんどの場合は説明できるかと。」

本実。
「告発みたい内容は、読者や視聴者を扇動して。」
「捨て駒みたいに使おうとしているので。」
「この場合は、時間経過で観察すると。」
「昔の発言と、現在の発言がだいぶ違うものになっていたりしますね。」

星詩乃。
「よく分からない情報は、とりあいず遅延すると。」
「判断の誤りが発生しづらくなりますね。」

小姫。
「時に、読者が何でも信じる前提で書かれている情報もありますからね。」

義奈。
「たまに口論を見かけますが、対戦相手に正論が通じると。」
「思わない方がよろしい。」

旗江。
「クリティカルシンキングの良書は需要がありますね。」

星詩乃。
「解釈だけがある現場で、結論が次々と発生しています。」

学校教育が万能だなんて誰も言っていません。

役に立たない知識を教えるという。

批判がよく行われます。

正解や答えを設定する危険は。

実際に体験したことがありますね。

古代ギリシアでは複数の学派が存在し。

専門学校がたくさんありました。

ストア派は歴史から生じた有名な学派で。

後に実存哲学の起源になったとされています。

無論。

誤謬を暴力で叩き伏せようとは思いません。

揶揄するだけです。

旗江。
「集団に間違いがあると、全員が死にますね。」

星詩乃。
「集団に問題がある場合は、問題はその集団にあります。」
「全員が他人から迷惑になっているのです。」

光織。
「日本帝国とかも、集団になっている割には。」
「間違いを認めることを決してしなかったね。」

旗江。
「自国民は、間違いを認めることができない、酷い欠陥がある。」

理姫。
「自国民は、間違っていても、それを決して認めないので。」
「あれは酷い欠陥ですよ。」

義奈。
「間違いであると証明しても、力づくで押し通すので。」
「自国民の最悪な欠陥でありますね。」

小姫。
「集団?ギリシア語で話せば素晴らしい話。」

何でも鵜呑みにする子供に。

誤謬まで教えるのは。

気持ちが悪い。

早朝に。

両親が金貨をくれたので。

鑑賞しています。

小屋に持ってきて。

眺める。

旗江。
「金貨!素晴らしい!黄金万能!」

義奈。
「まず実力を持て、その後で希望せよ!」

小姫。
「我々は、常に禁じられた事物を求め。」
「そして拒絶された物を欲する。」

旗江。
「どんな詭弁も、お金にはならないね。」

星詩乃。
「説教も課金しないと、相手に受け入れてもらえませんしね。」

詩叶。
「千円あげるのなら、相手を数分間、説教することができる。」

本実。
「お金の話は常に大事なのですが、金銭を嫌う奴は貧乏が似合いますね。」

旗江。
「生活のために稼ぐのは効率が悪いのですし。」
「金持ちになるために、資本主義のやり方をすると効率が良い。」
「というのはどこかで読みましたね。」

星詩乃。
「道理について考えない限り、金銭を搾取しようと。」
「野蛮な行為に走るのは、よくあることですね。」

旗江。
「日本のことわざにも。」
「道理に向かう刃なし。」

詩叶。
「金銭は拒絶されると、その輝きを失う。」

本実。
「君が断る金は、君に何の利益にもならない。」

光織。
「金は立派な人間を生む。」

理姫。
「金の言葉は、どこででも聞き入れられる。」

お宮に移動する。

久しぶりに参拝。

お宮を巡るのはたまにやる行いで。

近くにはお宮の数が多く。

自転車を使ったりすると。

地域のお宮は何でも巡れます。

旗江。
「信仰に関して、人々から自由を奪い。」
「神様を選ぶのを妨げたりしても。」
「強要された信仰は、どんな神様も拒むであろう。」

詩叶。
「信仰の強制なんてしても、神様は拒むに違いない。」

本実。
「強制は信仰とは言えません。」

星詩乃。
「道理を説く人を暴力で投獄したりするのは、単なる異端の仕業です。」

光織。
「神様が許している人を、なぜ迫害するのか。」

理姫。
「暴力では、偽善者を作ることができる。」
「暴力は説得ではありません。」

義奈。
「誤謬を武力で鎮圧する愚行は、考えたことはないです。」

小姫。
「どんな苛烈な決定も、我々は否認を続けています。」

旗江。
「天から与えられるものには、誰も疑問を持つな。」

社会は昼休み。

お宮から出て。

帰る途中に。

公園で不審者が。

市民を捕まえて。

何やら言いがかりをつけている。

最近、よくいる。

正義の定義を間違えた人ですね。

狂人。
「お前は、煙草を吸ってはならない!」

会社員。
「煙草?別に吸いますよ?」

狂人。
「お前は、走ってはならない!」

会社員。
「走りたい時は走りますが?」

狂人。
「命令する!動くな!」

会社員。
「動きますが?何を言っている?」

狂人。
「お前は、歩いてはならない!」

会社員。
「別に歩きますが?」

狂人。
「煙草なんて捨てろ!」

会社員。
「お前がどっかに行け!」

狂人。
「二本も煙草を吸うな!」

会社員。
「喧嘩を売るにしても、下手だな!」

狂人。
「お前が言い返すのは禁止!」

会社員。
「禁止しても、言い返せますが?」

狂人。
「命令する!お前は煙草を俺にもよこせ!」

会社員。
「命令しても、お前に煙草はやらないぞ!」

狂人。
「この野郎!命令に従え!」

会社員。
「お前が従えばいいじゃないか!」

狂人。
「お前が抵抗するのは禁止!」

会社員。
「喧嘩なら、さっさとやろうぜ!」
「こう見えても、弁護士に出し惜しみはしないからな!」
「もっとも、法律からは公正なんてほとんど得られないけれどね!」

不審者は殴ろうと突進するも。

攻撃が中途半端で。

男性は不審者を突き飛ばして。

不審者は転倒する。

男性が階段の上の銅像の近くに移動すると。

不審者は再び男性に攻撃しようとするも。

階段で転んで足を捻挫した。

会社員。
「君は、それを受け入れるべきだ。」

狂人。
「痛いぞ!助けてくれ!」

会社員。
「お前が助けを求めるのは禁止。」

狂人。
「動けない!早く助けろ!」

会社員。
「命令する、お前は、そのまま倒れていろ!」

男性は立ち去る。

通りかかった。

散歩をしている老人が。

仕方がなく連絡して。

不審者は救急車で運ばれました。

奇妙な喧嘩でしたね。

正義の定義を間違えた人は。

最近増加傾向にあります。

同様に、正しいの定義を間違えた人も散見されますね。

やはり凡人があらゆる悪を作るのです。

小山から海を見渡していると。

自衛隊の戦闘機が訓練空域に向かっていました。

航空自衛隊は、多くの訓練を海上で行うとのこと。

普段は何かしらの訓練で動き回っています。

いつ戦争が発生するかは、予測できません。

その時に戦えないと、意味がありません。

空域に関係なく。

上空を旅客機が通過する事はよくありますが。

明らかに高度が高いので、ほとんど見えません。

一万フィート以上なら、エンジン音もありませんからね。

支援部隊は、地方の高速道路でもたまに走っていますし。

特定の基地では、スクランブル発進をする戦闘機も見られます。

領空侵犯は、普遍的な戦闘で。

平和な時代も、膨大な数の領空侵犯がありましたね。

緊張と懸念があった数年前。

海上からの攻撃と揚陸を予防するため。

標的になる原子力発電所へのテロ攻撃を防ぐために。

ミサイル艇シリーズが待機していた時期もあります。

戦争の時は、自陣営の部隊がある場所を。

スマートフォンで撮影してはなりません。

後々、逮捕されます。

敵の部隊がいる所を撮影すると。

敵に攻撃される危険があります。

早期警戒機が遠くで飛んでいました。

旗江。
「自然が与えたものを、何人も取り去ることはできない。」

義奈。
「平和な時代に、兵器開発競争があったのは。」
「火を見るよりも明らか。」

小姫。
「どこでも一級の兵器を揃えていましたね。」

詩叶。
「平和の時代は、むしろ兵器が増えました。」

本実。
「平和な時代の最後に来る大戦争のためですよ。」

旗江。
「中国軍の弾道ミサイルが、実験で飛び回っていたり。」
「世界で核実験が多数行われたり。」
「特に無人地帯に核兵器を投下して。」
「観測する実験なら、膨大な数の資料がありますね。」

星詩乃。
「無人地帯に核兵器を投下する実験は。」
「軽く百回を超えますね。」
「冷戦時代に集中していて。」
「現代は実験の数が少ないのです。」

光織。
「僭主君主や独裁者は、欲望で戦争をするので。」
「蓄えた兵器を浪費するに違いない。」

理姫。
「武器で保たれていた平和なのですよ。」

旗江。
「兵器なしに、あの長い平和は維持されませんでした。」

星詩乃。
「軍備が充実していたので、平和は長いのです。」

旗江。
「武器なしの平和なんて、世界ではほとんど見られませんね。」

星詩乃。
「南にあるニュージーランドは空軍を解散させてしまいました。」
「低性能な戦闘機しかないので。」
「しかも敵はオーストラリアに直行するので。」
「不要になったけれども。」
「近くの島々で紛争が起きたりして。」
「本当に解散させても良かったのかは、よくわからない。」

義奈。
「永世中立国のスイスも、凄い軍備ですよね。」
「グリペン戦闘機とかレオパルト戦車とか持っています。」
「高性能な兵器に支えられる中立国なのです。」

小姫。
「中立の立場はお勧めできません。」
「成功例がスイスだけですね。」
「敗北側からは、自分達を助けなかったと非難されて。」
「勝利側からは、自分達に加わらなかったと、不信感を買います。」
「こうして敵を同時に二つも作るのです。」

旗江。
「平和な時代ですが、兵器も一級を揃えていたので。」
「長く続くのです。」
「武器に基づく平和なのです。」

詩叶。
「相手が、自分と同調しているとか。」
「自分と同じ考えとか態度とか考えるのは稚拙ですね。」

本実。
「他人が同調している前提で語るのはだいぶ愚かですね。」

旗江。
「どうぞ駅前で、持論やら説教やら繰り出すが良い。」
「どんなに立派に見える経験も説得も。」
「通行人は無視で報いるのです。」

星詩乃。
「全体主義の考え方を駅前で演説しても。」
「誰も耳を傾けませんし、無視だけがありますね。」

詩叶。
「発言や持論に自信があるくせに、それをしないのです。」
「駅前で説明しても、民衆からの無視によって論破されるので。」
「臆病者のため、実行できない。」

本実。
「そう考えているのは、本人くらいなもので。」
「それを誰しもが理解しているから。」
「個人の内容を語るだけで済ましているのです。」

旗江。
「適切な発言をせよ、さもなければ黙っておれ。」

航空祭や陸上自衛隊の式典は、年中、どこかでありますね。

航空祭は、入場無料です。

駐車場の確保はできません。

どこの航空祭も、駐車場だけは、探してもありません。

陸上自衛隊は、格闘技を披露したり。

演習の一部を見せるため。

趣旨が違います。

武器が無かったら、他国がそれを利用して。

侵略していたでしょうね。

平和と戦争は別々の状況であるべきですが。

戦争はどうしても人類にとっては必然なのです。

自然が与えたものは、誰も奪い取ることはできない。


34


主情主義。

理性や意志よりも。

感情・情緒を主にする態度。

魔女一同。

空を飛びながら。

建物の上から霧のようなものを。

ずっと人々に振りかけている。

朝三暮四。
「できるだけ多くを主情派にしましょう。」

利他主義者。
「主情的になれば、彼らの邪悪な所は?き出しになります。」

功利主義者。
「主情主義者に感化されて、歪んでいる人が多数ですしね。」

朝三暮四。
「主情主義というのは、それひとつしか知らない態度ですから。」
「知らずに影響されているのですね。」

功利主義者。
「主情派にそそのかされて、周囲の人間も主情派になる。」

朝三暮四。
「主情的になった人間は。」
「理性よりも感情論を尊びますね。」

利他主義者。
「理性を失い、意志で決定せず、感情論だけを。」
「正論と見なしていますね。」

朝三暮四。
「感情論が正論になっているらしいので。」
「自分が感情的になったものを。」
「重んじて、考えは変えませんね。」

利他主義者。
「理性は無いんですよ、理性的ではない。」

功利主義者。
「情緒不安定が主情派の日常ですからね。」

朝三暮四。
「主情主義という態度は、かなり愚かしいものです。」

利他主義者。
「主情主義は愚昧に通じる扉ですからね。」

功利主義者。
「主情派の言いなりになって、後についていく。」
「間抜けばかりですね。」

朝三暮四。
「主情的と言いますか、彼らは主情主義を知らないので。」
「感情論を満足させようと必死ですね。」

利他主義者。
「主情主義なんて国語辞典で、すぐに出てきますが。」
「それを知らないので、感情論を重んじているのですね。」

功利主義者。
「間違いだらけの主情派なんて、軽蔑が似合いますね。」

朝三暮四。
「自分が主情的であるとは、分かっていませんからね。」

利他主義者。
「彼らの主情主義を増加させましょう。」
「醜い表情と、愚かな言動。」
「邪悪な行為と、主情派はそれに困らない。」

功利主義者。
「主情的になった人間が周囲に広めて。」
「主情主義が蔓延する。」

朝三暮四。
「愚昧にも、無自覚な主情主義者で満員ですね。」

魔女一同。

霧の深い日に実行している。

今日はとにかく霧が多い。

怪しい霧に包まれる都市。

主情的になった人々が出てくる。

近年は、主情主義者がとにかく多い。

自分を主情主義者だとは思っていない。

無自覚。

散歩中に。

相手の背後から。

何やら実行しようとしている。

怪しい二人組を発見。

旗江。
「自覚があるのと、無自覚は別物。」
「知っていてやるのと、知らずにやるのは別物。」
「故意でやるのと、必要悪でやるのも別物。」

友人。
「何々主義を理解して、重んじるのと。」
「理解せずに主義を重んじるのは別物。」
「他人の影響を受けた中で、悪いものは。」
「客観的に否定できる辺りで、減らして削除する。」

旗江。
「哲学を研究しているのと、論証だけ複製するのは別物ですね。」

友人。
「哲学について、好奇心や、好ましい読書をせず。」
「どこの学派にも所属しないのなら。」
「教養にはなりませんね。」

旗江。
「生きんとする盲目的な意志。」
「先天的にこれを否定できるので。」
「実存哲学を最初から理解していた私です。」

友人。
「それをどう復旧するかの競り合いでしたね。」

旗江。
「自分が悪影響を受けた思想などを攻撃したい場合。」
「何々主義や何々哲学をまず理解しないと。」
「反駁や否定すら成功しません。」

前方。

友達らしい二人組は。

棍棒を持っている。

木製の棍棒で。

かなり焦っている様子。

何やら独り言を述べる。

暗殺者。
「あなたは有能です、とても従順で。」
「優れた知性で何でもこなし。」
「仕事と言えば容易く成功し。」
「出世なんて最初から決まっているかのように。」
「次々と勝利していますね。」
「そしてその証拠に、この発言をする私がいます。」
「私の言い分を認めますよね。」
「あなたは、素晴らしい人間です。」
「とても頑張りました。」
「さて、あなたを刺し殺しましょう。」

アサシンが通行人に向かっていくと。

上から猫が落ちてきた。

猫が激突。

猫は逃げ去った。

暗殺者。
「何でだよ!」

道化師。
「ろくなことをしないからですよ。」

暗殺者。
「ならば向こうの奴を攻撃してやる。」

市民。
「しまった!運転を誤った!」

暗殺者。
「ちょっと待て!当たるの!?」

道化師。
「痛そうですね。」

市民。
「無事ですかね?」

暗殺者。
「危ないぞ!避けた先で打撲したぞ!」

道化師。
「近くであなたと同じ奴がいますよ。」

銀行にて。

刃物で襲撃しようと。

強盗が入ろうとする。

何者かが飛び出してきて。

一撃で倒した。

強盗。
「金を出せ!ぐほぉ!」

夫人。
「夫への八つ当たりよ!」

強盗。
「人間の反応速度を超えているな!」

夫人。
「死んで!死んで!」

強盗。
「ごはぁ!」

近くで見ていたアサシン。

ちょうど銀行に入ってくる。

金持ちのお嬢様に狙いをつける。

道化師。
「女の子ですよ?せめて男を狙いましょうよ。」

暗殺者。
「お前もついて来い!食らえ!」

飛び出したものの。

側溝の蓋が開いていて。

工事の前に準備していた。

溝にはまって転倒。

工事会社。
「お前みたいなのが癒しだわ。」

暗殺者。
「俺はもう疲れたよ。」

道化師。
「私も、失敗する君がいなかったら、挫折していたよ。」

隣から。

木の斧を持っている人々が飛び出してきて。

木の盾を持っている他の集団と小競り合いになった。

暗殺者。
「私がどうやって何とかするか。」
「見たいという人がたくさんいるのです。」

道化師。
「あの若い女性とかは?」

暗殺者。
「よし!行くぞ!さっきのでけっこう痛いのだが!」

若い女性が橋の近くを歩いている。

アサシンが突進すると。

若い女性は驚いて、バックステップのようになって。

狙いを外して、橋の柵に激突。

一回転して。

アサシンが川に落下。

暗殺者。
「あああああ!?」

道化師。
「あれ?落ちてしまったのかな?」
「私も一緒に落ちますね!」

友達も一緒に橋から落下。

若い女性は何が起きたのか分からず。

近くの市民が様子を見に来た。

暗殺者は、いろいろあって。

この日から開始しようとした。

襲撃を辞めたという。

旗江。
「前の世代と今の世代の異なる所は。」
「前の世代が主情派であり。」
「今の世代が理性的な所にありますね。」

友人。
「社会は玉石混交というのは揺るがない。」
「自分が世人と呼ばれて。」
「それだけで説明できないのなら、世人ではない。」

旗江。
「主情主義者から、知らない間に感化されている。」

友人。
「それに対抗するために、修正のために、全員で理性的になった。」

旗江。
「理性も万能ではないけれど、主情的になるよりはましですね。」

友人。
「主情主義者は気持ちが悪いです。」

旗江。
「私も同じ意見です、いつも歪んだ表情をしていますしね。」

友人。
「どう考えても、感情論は、たいてい間違っていますね。」

旗江。
「その時だけは、根拠のない自信で、感情論が正論であると。」
「信じてしまっているのです。」

友人。
「感情論を疑うことのできない、知性の劣っている人間だらけ。」

旗江。
「等倍でお返しするのが、理性的な返事ですからね。」

友人。
「さっきから、道の真ん中で暴漢が暴れていますね。」

旗江。
「人の心理に矛盾がない説明なら、慣れると容易くできますね。」
「人のどんな愚行も、その人の心理には矛盾がありません。」

友人。
「どんなでたらめでも、その人の心理には矛盾がありませんしね。」
「それを解き明かすと、矛盾のない説明が繰り出せます。」

学生時代の友人と久しぶりに会って。

散歩して。

喫茶店に入る途中。

乱闘に遭遇。

道端で交戦している。

新聞紙で作られた棍棒で。

複数人と複数人が戦っていますね。

主情派。
「俺が怒ったものは、俺に従うべきだ!」

主情主義者。
「感情論こそ万能なのだ!感情的になった内容はすべて正論!」

主情派。
「理性なんて捨てたぞ、さあもっと感情的になろうよ!」

主情主義者。
「理性?そんなもの売りましたよ!さあ感情的になって!」
「感情論こそが人間の真実だ!」

主情派。
「感情論を信じても良いのです、さあ信じなさい!」

主情主義者。
「感情論を信じよ、理性を捨てよ!感情的になって、身を任せろ!」

商店街の入り口で。

争っているので。

迂回しました。

木製の武器や、新聞紙の武器で争っていたので。

怪我人はほとんど出ていませんね。

発狂している人が、今日は特に多いので。

見物人で溢れています。

喫茶店にて。

旗江。
「自分が真実を知っているから。」
「他の奴は洗脳されている。」
「という屁理屈は。」
「スパム広告で儲けようという。」
「目的を隠していますね。」

友人。
「結局は手っ取り早く売れるからですよ。」
「告発なのではなくて。」
「無条件で信じるのを利用して。」
「広告収入を得ているのです。」

旗江。
「プラトン先生も、真実らしきもの。」
「という言い回しがありますね。」

友人。
「ニーチェ教授も、真実らしいものがあるだけ。」
「という言い回しがありますね。」

旗江。
「どうお金を稼ごうとも、群衆心理を使おうとも。」
「財産を築いたら、スパム広告は取り下げて。」
「逃げればよろしいのに。」

友人。
「全部月刊ムーからの引用ですからね。」
「あの出版社は遊びで都市伝説を載せていますが。」
「動画で、引用する馬鹿が出てくるのは。」
「正義の告発ではなくて、特定の結論に誘導したいだけ。」

旗江。
「だいぶ有害なお金稼ぎですね、過激ですが。」
「荒稼ぎという目的が達成されると。」
「彼らは、信じていた奴らを捨てて逃げますね。」

友人。
「運命なんて存在しないんですよ。」
「あるとしても運命とは悪なのです。」
「運命とは悪党の名前である。」
「この発言も運命から出たはずなので。」
「この発言を否定するのは不可能です。」

旗江。
「同時に、因果律なんて存在しません。」
「過去の結果から、因果律が悪であると私は言ったので。」
「これも原因から出た結果です。」
「なので、因果律とは悪なのです、そしてこの発言を否定できない。」

友人。
「無い物を指さす訳にはいきませんしね。」

旗江。
「存在しないものを探しても無駄です。」

友人。
「さっき仏神の神殿があったのですが。」
「涅槃になりたいのなら、仏神に願うと最高ですね。」

旗江。
「他人が、自分は仏教なので、宗教が違う。」
「だから、あなたの言い分も違う。」
「という言い逃れはできません。」
「神道と仏教が共有している神殿ですよね。」

友人。
「仏教は、涅槃という存在になるのが目的ですので。」
「そのための手段があるのです。」

旗江。
「とても浅い信仰の連中は、お宮に行ったり寺院に行ったり。」
「どこにでも行きますね。」
「自分の宗教くらい、自分で選べばよろしい。」

友人。
「仏神にも従わないで、仏教ですよと言うのは愚かしい。」

旗江。
「多様性ですけれど、古代日本の後期くらいで。」
「神道と仏教と儒教が実在しました。」
「むしろカトリックが入ってくるのが遅れたくらいですね。」

友人。
「信仰によって死生観が個人でまるで違いますし。」
「死生観は、個人によっては同日の論ではない。」

旗江。
「個人が死生観を決めますし、それは信仰から出たものですね。」

友人。
「最近はカルト最盛期で、宗教の定義が勝手に左右されていますけれどね。」

旗江。
「むしろカルトが宗教の定義を混乱させる、厄介者です。」

友人。
「カルトは礼拝の対象が無いので、ドグマチズムが原則です。」

旗江。
「カルトに対しては、礼拝の対象を攻撃できる。」
「そして反撃されない、という特徴がありますが。」
「それはカルトの礼拝が、架空の存在であったり。」
「作られた礼拝の対象。」
「つまりは偶像崇拝がカルトの特徴だからですね。」

友人。
「カルトに対しては侮辱を、伝統のある信仰に対しては。」
「その自由を認めたまえ。」

旗江。
「新興宗教と、伝統宗教の区別がつかないのは。」
「頭が悪いのですけれどね。」

喫茶店で食事をして。

複数の友達が合流。

自宅に来て。

ブラックジャックとポーカーで遊びました。

いつものメンバーは別行動です。

農業の研究も進んでいて。

地元は平和そのものですね。

商店も、地元は平和で。

危険なのは都会だけです。

見たものをそのまま言い。

体験したことだけを語り。

観測していないものは何も述べません。

昔のベストセラー書籍。

道教・仏教・儒教の足りない所を補って。

執筆された東洋のアフォリズム。

菜根譚。

日本で最も多く読まれていて。

中国ではそんなに読まれなかった。

しかも昔の家庭では、どこにでも置いてあった。

古典でも新しい歴史の産物。

菜根譚にある格言で。

感情で判断すると、たいてい間違う。


35


自動車で。

山道をしばらく進むと。

今日は冒険でもしますね。

昔の鉱山を改造して。

アトラクションにしている場所があり。

どうやら探検できるらしいのです。

お金持ちが、そこに無作為な宝箱を設置していて。

松明か懐中電灯で挑みます。

蝙蝠や昆虫は定期的に駆除されるので。

毎日、点検しては。

安全な遊び場にしているそうですね。

富士山の麓にも、安全に整備された洞窟があり。

観光客も多く訪れています。

それと同じく鉱山も同じにした。

とのこと。

旗江。
「信頼には忠実が存在する。」

星詩乃。
「中に入ると、三方向に分かれていますね。」

詩叶。
「途中で扉がありますが、赤い扉は侵入禁止だそうです。」
「そこは整備されてないし、事故もある。」

本実。
「祭壇のような場所もあるんですね。」

光織。
「石像も多くありますね。」
「ということは、僧侶がここで修行したんですね。」

理姫。
「神道と仏教が融和している場所は、よくありますね。」

星詩乃。
「熊野古道にも、それはありますね。」

義奈。
「入り口で鉄製の棍棒を手に入れたので。」
「何か出ても叩き潰す。」

小姫。
「戦いは実利なのです。」

旗江。
「宮本武蔵は、島原の乱で、監督をやっていましたね。」

義奈。
「青年期は、国中を遍路して、戦乱の世が終わった後なので。」
「あんまり使ってくれる人がいなかったと言われていますね。」

小姫。
「藩主の客になり、養子が家老になったり。」
「細川忠利公に迎えられて、細川家に厚遇されていますね。」

旗江。
「戦士は戦略家ではないと生き残れませんね。」

星詩乃。
「普段、自分が使っている道具や、戦略まで。」
「考慮して、相手との競争で勝利します。」

詩叶。
「戦いを忘れた戦略は、実利とはかけ離れた方向に行きますね。」

本実。
「戦いを忘れた策略なんて、もうありませんね。」

光織。
「教師の言っていることをよく観察していると。」
「教科書にある内容の他は。」
「まったく話しません。」

理姫。
「先生が悪いと生徒も悪くなる。」

小姫。
「私も棍棒を拾いました。」

旗江。
「ゲームのダンジョンみたいで面白いですね。」

詩叶。
「ここはサバイバルゲームでも使われているとか。」

本実。
「この中で撃ち合うのですね、確かに弾が転がっています。」

星詩乃。
「情報によりますと、先ほど、この中でサバゲーの大会が終わった所で。」
「すれ違いの自動車はあれでしたね。」
「弾くらいは、すべて掃除はできませんね。」

旗江。
「真っ暗な中で、どうにか進みます。」

小姫。
「真っ暗だからと言って、えっちなことしないでね!」

旗江。
「して欲しいのですか?」

詩叶。
「真っ暗になれば、何でも色欲にするのは、少し変だと思います。」

本実。
「少しくらい探ってもいいでしょ。」

詩叶。
「度合いに寄りますね、我慢せずに言えば、少しは触りたい。」

旗江。
「うわっ!ひゃあ!」

小姫。
「とある地域では、電気が上手に整備されていないので。」
「子供が多い。」

星詩乃。
「真っ暗になると、そんなことをするので?」

光織。
「真っ暗で、なぜそこまで派生するのか疑問ですよ。」

理姫。
「距離が離れていますね。」

星詩乃。
「けっこう深くまであるそうですから。」
「なるべく一緒に進みましょう。」

階段があり。

工事現場みたいに。

柵と、足場が整備されていて。

真下は滝になっています。

たまたま水源に当たった所は。

足場を組んで移動できるようにしていた。

出入口は四か所もあるので。

中で迷っても、出られるそうです。

旗江。
「あらゆる人々の意見を求め。」
「問う者はうまく成功しない。」

星詩乃。
「いろいろ様々な異なった助言は。」
「かえって本人を混乱させるから。」

詩叶。
「青い扉と、下に通じる赤い扉がありましたね。」

本実。
「下は、地底湖のようですね。」

星詩乃。
「長い年月でここまで整備しましたか。」

旗江。
「坑道はまず整備しないと、持ち出せませんよ。」

詩叶。
「日本には、観光用の坑道もありますし。」
「そことほとんど似ていますね。」

本実。
「あれは一本道で、ここは、迷宮ですよ。」

光織。
「モンスターとか出る?」

旗江。
「あの勇者は、明らかに危険を目の前に鈍感ですね。」

理姫。
「危険に鈍感であったり、残酷な行いを多用する人を。」
「サイコパスとか呼んで罵っているようです。」

旗江。
「自分の気に入らない相手をいちいち罵っていたら。」
「日が暮れますね。」

星詩乃。
「勝手にそう呼んで、罵るのは、六法全書でも手に持っているのですかね。」

義奈。
「本で殴って攻撃するの?」

小姫。
「創作では、あんたら仮に負けたらその後、どうするの?」
「という展開が多いのです。」

旗江。
「敵に説教した主人公が負けた場合は、誰も見なくなる。」

星詩乃。
「先頭で、敵が出てきました。」

旗江。
「敵に思い知らせてやる!事実なんて存在しないってことを!」

何と管理人のひとりでした。

深部に行くには。

青い扉を開けば良いと教えられましたが。

そこの手前で。

引き返しました。

旗江。
「考え方が間違っていれば。」
「結論はさらに間違ったものになる。」

星詩乃。
「私は生まれた時、泣いた。」
「そして毎日がその理由を示してくれる。」

旗江。
「倫理学?」
「走りながらでも読むことができる。」

詩叶。
「真っ暗な世界に光源ですか、美しい。」

本実。
「暗闇で、電磁波はより輝かしい。」

光織。
「電磁波は、光も含まれますよ。」
「地下に広がる冒険の世界。」

理姫。
「地下にも魅力があるものですね。」
「鉱山では、けっこうな事故があり。」
「採掘現場では、けっこう死ぬ人もいるとか。」

詩叶。
「ここで死んだ人とか?」

旗江。
「ユング心理学の話でもするので?」

本実。
「それを見た時に信じよう。」

旗江。
「虚言を信用する者は。」
「真実で身を滅ぼすであろう。」

星詩乃。
「なので、もう出ましょう。」

義奈。
「狭くて暗い中を体験するのも、けっこうな娯楽です。」
「今回は勉強になりました。」

小姫。
「そもそも安全ですからね、安全な体験が最善です。」

旗江。
「少しの経験で足りますからね。」

星詩乃。
「学問がある人は、少しの経験で足りますよ。」

旗江。
「何一つ疑問を抱かない者は。」
「何一つ学ぶことはできない。」

鍾乳洞。

たまに鉱石の形成した窪地。

側面には、横に広がる空間があったり。

鍾乳石が覗かせる。

天井は、高い所も多く。

自然の洞窟を広げた場所なのですね。

簡単な所を探検。

深部には進みません。

懐中電灯の性能が不満になりました。

手動式の充電する電灯は。

電源があまり長く持ちませんね。

電球が壊れて使い物にならない。

余っている懐中電灯は性能が低い。

旗江。
「兵士の装備も、万能になったら良いかも。」

詩叶。
「今は懐中電灯で間に合っています。」

本実。
「技術的特異点に達した兵器とか見てみたいですね。」

旗江。
「シンギュラリティに達した兵器ですと?」
「かなり現実に基づいた兵器ですね?」

星詩乃。
「技術的特異点に達した銃器があったら。」
「それは兵士と軍事部門に歓喜をもたらす。」

義奈。
「そもそも自然科学が無限に発展するような。」
「前提が妥当なのか、疑わしいのですけれど。」

小姫。
「自然科学が無限に進展する前提?」
「そんなことありますかね?」

旗江。
「怪しいですね、無限に進歩する自然科学?」

星詩乃。
「まず銃器の技術的特異点が見たい。」
「次に戦闘機の技術的特異点が見たい。」

光織。
「とても現実主義な発案ですね?」

理姫。
「武器も、そこまで揃えれば、人間も少しは立派なものです。」

星詩乃。
「シンギュラリティに達した武器なんて、気分は最高ですね。」

旗江。
「シンギュラリティの兵器を使いまくる国家はどこになります?」

義奈。
「第六世代戦闘機は、多分、技術的特異点の兵器になります。」

小姫。
「自ら作った兵器が脅威になるのは、安価で量産された瞬間ですね。」

詩叶。
「安価でそんな兵器が作られたら、世界を変えますね。」

本実。
「むしろ自分達が作った兵器の反動で、自らを滅ぼしかねない。」

旗江。
「世界に脅威を与えるのに、誤った使用で自滅する威力。」

星詩乃。
「究極の兵器ですね!」

旗江。
「それが銃器であるならば、安価で量産できるのですし。」
「小銃ひとつが、世界を力で変更する脅威になります。」

詩叶。
「それがそのまま宇宙開発に繋がりますけれどね。」

本実。
「そこまで進捗があるのなら、探査機も同じにしてよ。」

旗江。
「私が想像するのは、シンギュラリティに達した兵器を。」
「戦場に楽々と投入する軍隊です。」

星詩乃。
「そして歩兵五個中隊が、技術的特異点の銃器によって。」
「戦況を楽々に変える戦力になる。」

光織。
「自然科学も侮れませんね。」

理姫。
「しかも現実主義の内容なんですよ。」

星詩乃。
「頑張れば出現するような、人間が作った未知の兵器。」

義奈。
「今は、懐中電灯が必要なんですけれどね。」

小姫。
「高性能な電池も必要なんですけれどね。」

旗江。
「電池くらい、いっぱいありますよ。」

自然の洞窟を広げて採掘した。

不思議な炭鉱を探検。

また青い扉がありまして。

引き返しました。

宝箱が置いてあり。

中にはレプリカの古銭が入っています。

一部は本物の古銭ですね。

金持ちが不規則に配置した宝箱が。

合計で三個ありました。

探索も捗りまして。

時間が経過。

ここら辺で停止。

出口の印を見つけて。

専用の出入り口から脱出。

地上に出る。

小屋で休憩して。

自動車で戻ります。

思えば、あんな所にいた自分達。

あんな中で敵と戦ったら。

とても苦戦するでしょう。

防空壕としても使われたことがあるので。

設備も途中で見かけました。

見かけによらずに、生活できる洞窟なんですね。

小屋の中の一室。

知り合いの運転者が、自作のゲームをテストしていまして。

安価で軽量なゲーミングパソコンを広げていました。

内容は、為政者が戦うゲームという想像を絶する。

とんでもないコンセプト。

格闘ゲームとシューティングゲームと二種類あり。

見るだけでも途方もない映像の連続。

これは言葉では説明できないこと。

玉石混交の社会は予測を超えている。

しかし自分の目には狂いがなかったりしますね。

なのに、予想しないような社会が、形成される。

計算ではそうなのに、まるで嘲笑うように変化が訪れる。

理論では説明できない、様々な要素で成り立つ。

社会の不思議。

一を聞いて十を知る。


36


岩波国語辞典。

悪平等。

それぞれの値打ちを無視して。

形式だけ平等に扱うこと。

かえって不公平になると見る立場から言う。

今日は自宅にて。

農業の書籍を読み漁っています。

妹二人組が合流して。

自宅で遊んでいますが。

JK三人衆は家庭教師が来ているので。

参加できず。

いつものメンバーは集まりません。

別行動。

旗江。
「自由主義と共産主義者では。」
「平等の解釈が違いますね。」

義奈。
「自由主義の平等とは機会の平等です。」
「結果の平等ではありません。」

小姫。
「正義を名乗って突撃する野郎とかは。」
「むしろ軍国主義の名残ですね。」
「平等の解釈が違う所を知らないのですね。」

旗江。
「支配は、被支配者が正当であると認めて。」
「服従することで成り立ちますしね。」

義奈。
「支配者には、三つの形態があり。」
「古代世界から受け継がれている。」
「政治の原型と言われていますね。」

小姫。
「混合型もありますよ。」
「為政者は素人の場合が多々あり。」
「専門家である官僚の支援が欠かせません。」

旗江。
「官僚には感情がないとも言われていますね。」

義奈。
「官僚制の方が権限が大きいとのことで。」
「為政者の決定を実行するのは。」
「官僚の力がないとできない。」

小姫。
「諸説ありますが、少し昔の政治ですからね。」
「最近では、詳細な情報すら公開されませんしね。」

旗江。
「官僚は、歴史において、英才教育を受けた人々から。」
「形成されていますね。」

義奈。
「狂気の全体主義が討伐されてから。」
「一気に民主化した日本ですが。」
「その民主化政策も凄まじい勢いでしたね。」

旗江。
「今の日本は、たった数年で成し遂げられた。」
「民主化政策の上に立っていますね。」

小姫。
「有名な軍人であるマッカーサー元帥が。」
「とにかく優れていた。」

旗江。
「かつてのマッカーサー元帥は。」
「日本国民から大人気でしたね。」

義奈。
「最多勲章の英雄マッカーサー元帥は。」
「日本人にも英雄として有名になった。」

旗江。
「マッカーサー元帥は、大統領になろうとした。」

小姫。
「日本国民も、大統領になって欲しいと嘆願したほど。」
「しかし、無難で、確実な人物が選ばれることになった。」

旗江。
「そんな人気の中で、政治も整えられた。」
「たった一年で、激変した経済と都市。」
「本気で建設すれば、西洋人は簡単にできるし。」
「自国民も、勢いと意欲が凄まじい。」

義奈。
「数年で、国益が急増し。」
「あっという間に発展したので。」
「数年で開戦前を上回るくらいの経済が誕生しています。」
「それで支持も集まった。」

小姫。
「それまで禁じられていた、女性の投票が解放されるなど。」
「今では当たり前の政治が、戦前には無かったりした。」

旗江。
「そのマッカーサー元帥ですが。」
「朝鮮戦争で、中共の南東に侵攻し。」
「核爆弾を落とそうと訴えたので。」
「更迭されてしまった。」
「大統領は、第三次世界大戦を避けるために更迭した。」

義奈。
「数年、再建に携わった監督が帰国する。」
「羽田空港への道路には。」
「二十万人の国民が集まっていますしね。」

小姫。
「五十二年の軍人生活を終えています。」

旗江。
「外国から食料が調達されて。」
「しばらく国内生産は間に合いましたが。」
「朝鮮戦争で大量の注文が入った辺りで。」
「超級の好景気になり。」
「それらが短期間で生じたので、記録にもあまり残らない。」

義奈。
「当時の日本でよくある、間違いを正した形での敗戦でしたね。」

旗江。
「悪の全体主義。」

小姫。
「全体主義の結果は、もう散々に見たでしょう。」

旗江。
「全体主義とは、自国を何らかの手段で瓦礫にする思想である。」

義奈。
「怒り出して矯正するようなやり方を見たら。」
「軍国主義の影響を受けた人なので。」
「それは極端に無謀なだけです。」

小姫。
「敗北した側が自慢するのは稚拙であり。」
「少なくとも勝利した側が自慢するのは何でもありです。」

旗江。
「敗戦して、直接統治から、すぐに日本主体の。」
「間接統治になっているので。」
「理不尽な暴挙は発生せず。」

義奈。
「一時的に生活が立ち行かない人々が多数。」
「外国から帰還する兵士も多数。」
「しかも、当時は武器を取り上げられて。」
「朝鮮戦争の頃に、やっと警察予備隊を作れと言われたほど。」

小姫。
「事前に凶作や地震なども重なり。」
「開戦した頃と、敗戦した頃には。」
「まるで事情が違っていますしね。」

旗江。
「軍国主義が倒されて、解放されて。」
「自由主義が入ったことで、民衆は過去の事など忘れたね。」

義奈。
「ヒトラーは自殺して、ムッソリーニは銃殺。」
「ドイツも軍政に置かれていますね。」

小姫。
「君主制から、立憲君主制に移行して。」
「西洋人からは、二千年も続く王族は世界でも存在しない。」
「とも言われて。」
「西洋人もそれを理解していました。」

旗江。
「昔の痕跡は原爆ドームだけですね。」

義奈。
「あれは正当化された爆弾です。」

小姫。
「爆弾投下を正当化できる人は、自由な思考を持っています。」

旗江。
「あんなもの落とさないと、終わらない戦争って何よ。」

義奈。
「あんなもの落として、ようやく終わるのですね。」

小姫。
「戦争を前提とした世界観が有利な様子。」

旗江。
「平和は後天的に得られるものですかね。」

義奈。
「政治は、現実ばかり見て理想は追いませんね。」

小姫。
「責任に対して勇敢である人が、政治の場にはいますよ。」

旗江。
「政治に埋め込まれたのが官僚で。」
「為政者だけの決定では、動かないのですか。」

義奈。
「より現実を見るように訓練された方々ですからね。」

小姫。
「国家とは、暴力の独占による、人間の支配関係である。」
「という格言が、けっこう痛快に刺さりますね。」

旗江。
「支配を見ていると楽しいのですが。」

義奈。
「支配者とは魅了しますね。」

小姫。
「世界の最初からある政治が、今も受け継がれていますね。」

旗江。
「アリストテレスによると、三形態の一つがあれです。」

義奈。
「人工物ではないのだから、観察しているのは楽しい。」

小姫。
「政治はある意味ではリアリストな傾向が強いです。」

旗江。
「政治はどうやら現実主義ですので。」
「よく批判されるリアリズムが必須のようです。」

義奈。
「政治では、よく現実だけ見なさいとか、警句がありますからね。」

小姫。
「あの方々は、理想や空想を追いかけたりはしません。」
「もっと良くしようと幻想に走る連中とは違いますよ。」

義奈。
「責任に対して勇敢であるので。」
「表面だけしか見えない場合は、何者かが結論とかを。」
「設定したものが流れますね。」

旗江。
「リベラリズムはエリートしか理解できないのですし。」
「いかに戦前から思想が改善されたか。」
「いかに戦前から遅れを取り戻したか。」
「いかに戦前から悪を取り除いたか。」
「そこら辺まで掘らないと、発見はなし。」

小姫。
「平等の解釈が、自由主義に基づいているように。」

旗江。
「共産主義の平等とは解釈が違いますし。」
「軍国主義の平等とも解釈が違います。」

義奈。
「そして現在も好機は平等に訪れる。」
「機会だけではなくて、好機も容易く捕まえられる。」

旗江。
「そう見ると、戦前は何もなかったのですね。」

義奈。
「多分、決定論とか、宿命とかで言いくるめられていた。」

旗江。
「残念だけれど、決定論を否定することも決まっていたんですよね。」

小姫。
「あなたは、モモス(非難)を使って、対象から完璧を剥奪して。」
「自己崩壊させる手段を多数しますね。」

義奈。
「ヘシオドス神統記にある、モモスという存在ですね。」

旗江。
「この世に完璧なものなんて存在しない。」
「何でもけちをつけて破壊する。」

義奈。
「それが出来るんですよ。」
「対象から完璧を奪い取って崩壊させる。」
「手に負えない究極の破壊です。」

小姫。
「標的に選ばれたら、終わりになる非難の技。」
「完璧を倒すほどなので、モーモスは人間の手には負えない。」

旗江。
「完璧を見つけたら、見つけ次第に完璧を倒します。」

小姫。
「アフロディテに対して、どこにもけちをつけられないので。」
「仕方がなく、アフロディテの靴にけちをつけた。」

義奈。
「イソップ童話にも登場。」

女子中学生二人組と一緒にお菓子を買いに。

近くのコンビニに移動開始。

抜け道である公園に入る。

最近は、排他主義者が、義賊を名乗って。

県内で窃盗を繰り返しており。

自分の仲間以外を何でも排除します。

子供でもお構いなしに略奪するし。

市民からも、躊躇なく奪います。

その義賊が公園で倒れていました。

総合格闘技の選手が通りかかって。

強盗をしようとした義賊と接触して。

あっさり倒されたようです。

かなり酷くやられて動けないようで。

総合格闘技の選手は電話で何やら言っていますね。

目撃。

格闘家。
「相手が攻撃して来たので、倒してしまいました。」

旗江。
「義賊?格闘技では素人だったんですね?」

義奈。
「貧乏人に金銭をあげても、ろくなことに使わないよ。」

小姫。
「西洋でも、教会のお金を貧しい人に分け与えて。」
「横領で逮捕された事件がありますね。」

旗江。
「誰に分け与えるのか、選べばよろしいのに。」

義奈。
「お金の使い方が上手ならば、貯まるものも貯まりますよ。」

小姫。
「盗んだお金で、寄付でもしていたようですが。」
「強敵に当たって、撃破されるなんて。」
「いかに摂理に頼った行動をしていたのか、丸分かりです。」

旗江。
「善人は特権とは言えない。」

義奈。
「善と悪の二元論ですか。」
「それだけで世界は説明できませんよ。」

小姫。
「説明が足りていないと、違和感だけがありますね。」

旗江。
「説明だけあるのも、馬鹿げていますけれどね。」

義賊は逮捕された。

総合格闘技の選手が逆に称えられた。

現場を観察。

目撃者として治安当局から取材を受けて。

帰される。

たまたま強者と衝突した。

義賊が見るも無残な姿で搬送されている。

無策で強者と戦闘するものではない。

旗江。
「近年、自分が有利になろうとして。」
「被害者の立場を好む人がいますね。」

義奈。
「そんなの簡単に言えば。」
「他人に攻撃されて、撃破されたくらいですね。」

小姫。
「簡単な攻撃とは、善悪に無関係な事ですね。」
「攻撃して、撃破された。」
「或いは、こちらから攻撃して、相手を撃破した。」

旗江。
「被害者ではなくて、攻撃されたので。」
「少しは反撃しないと、第二の不当な仕打ちに繋がりますね。」

義奈。
「時に自暴自棄を隠す目的で、狂っている奴もいます。」

小姫。
「自分の問題を隠す目的で、狂っている奴もいますよ。」

旗江。
「臆病者がいたら、そいつは弱い者虐めをするか。」
「理由もなく人を殺すので、警戒すること。」

義奈。
「仕返しをしないと、二回目の不当な攻撃なんて。」
「相手が仕掛けやすい状況にもなりますね。」

小姫。
「いつまでも被害者になって有利になろうと小細工しても。」
「他人にとっては、なぜ被害者なのか理解されません。」
「有利になるために、被害者の立場は使い物になりません。」

旗江。
「悪ふざけで平手打ちされて、さて自分は被害者ですと。」
「主張するのは、笑いものになるだけですね。」
「自分も仕返しに、悪ふざけで、相手に平手打ちをしてやるのです。」

義奈。
「加害者と被害者ではなくて。」
「攻撃する者と攻撃される者。」
「攻撃側と防御側です。」
「力の優劣で勝敗が左右されます。」
「それで負けたからと、被害者を名乗るのは愚かですね。」
「それで勝っても、長くは続きません。」
「勢いが落ちると、思いもしない相手が奇襲してくるからです。」

小姫。
「自分が強いと思っていた奴は、弱った瞬間に。」
「何者かが、背後からこういう台詞を突き付けてくる。」
「この時を待っていた!」

旗江。
「勝負というものは危険が隣り合わせです。」
「攻撃も危険ですし。」
「競争もある意味では危険です。」
「たいていは無謀な奴らが攻撃を実行しますが。」
「勝てるかは保証されていません。」

義奈。
「勝てなかった場合を考えておくのです。」

小姫。
「敗北したら、損害を減らす作戦ですね。」

旗江。
「負かしても、相手が敗北だとは思っていない状況も考えられます。」

義奈。
「相手を射殺したり、撲殺したりするのは、戦争くらいで。」
「民間人が、勝利したからと、相手を殺害することはありません。」

旗江。
「他にも善悪に無関係な物事は、たくさんありますので。」
「見極める術は訓練が必要です。」

義奈。
「特に最近多いのは、雑魚ばかりがいる状況で、勝利している。」
「まぐれが散見されますね。」

小姫。
「たまたま弱者ばかりいるので、勝てるというのは、滑稽な。」

旗江。
「やはり中くらいの勝利で止めないと、有害です。」

義奈。
「完全勝利なんてものはこの世にないんだよ。」

小姫。
「確実な勝利なんてものもこの世にないんだよ。」

旗江。
「制限された勝利しかないんだよ。」
「徹底して勝利を追い求めても。」
「最高の勝利なんてものは最初からないんだよ。」
「不完全な勝利しか用意されていないんだよ。」

旗江。
「不完全に慣れる訓練が欠かせません。」

小姫。
「完璧な勝利なんて、求めるだけ無駄。」

旗江。
「戦いの鍛錬も、美徳の訓練も、どちらも必須。」

実例。

予測を超える強者とは戦わないこと。

弱者も条件が整えば、強者を見下せること。

コンビニの中にて。

旗江。
「山羊が屋根の上に乗って。」
「下にいる獅子を挑発した。」
「獅子は、それを言っているのはお前ではなくて。」
「その場所だ、と的確に指摘した。」

義奈。
「屋根から降りたら、山羊は殺されますからね。」

小姫。
「屋根にいる限りは、獅子を見下せるのです。」

支払いはポイントで。

お菓子を買って帰宅すると。

本棚の古典を開く。

イソップ童話にも。

射的で競おうと誘いかけて。

相手が弓矢を当てた距離を。

一跨ぎしたというものがあります。

孫子の兵法より。

自分より弱い相手としか戦わないのなら。

勝って当たり前の戦いをしているので。

勇名がつかないのです。

途方もないくらい強大な相手と戦って勝てば。

勇名がつくのです。

岩波国語辞典。

匹夫の勇。

思慮分別がなく、ただ血気にはやる勇気。


37


世界を変えるこの力で。

自分のすべてを変えるために。

世界を変える。

究極の力。

そのためにあるだけなのに。

世界を変えようだなんて。

思ってもいないのに彼らは立ちはだかる。

どうあがいても、彼らは砕かれる。

この力を前に無駄。

自分のものをすべて変えようとした。

自分のものを変えるだけ。

そのために世界を変えるだけの力を。

自分のために。

世界はどう回ってもいいから。

全部を私のために。

ささやかな望み、遂げるために。

それを。

自分のために使われる世界の変化。

午後。

研究室は。

自然科学に没頭。

文献を読むのはもちろん。

それを河川に入る遊びや。

野山を散歩する遊びの中に採用する。

自然科学の内容を自然に入って調べているのですね。

今の民主制についての分析は。

たまたま発見した古本から展開される。

こういうのは趣味なのです。

旗江。
「マクナマラの誤謬。」
「数字にばかり拘り。」
「全体像を見失う。」

詩叶。
「自分の自由を確保、奪還する目的で。」
「出生に攻撃を加え続けている。」
「つまりは、正当化できる。」

本実。
「報復は復讐とは違いますよ。」

旗江。
「敵対者がいなくなると、自分の攻撃性や残虐性が。」
「著しく低下した。」

星詩乃。
「近頃は、民主制に不満を持っている人が散見されますね。」

旗江。
「法律で世の中を治めて欲しくない。」

光織。
「成り行きとは言え、民衆は民主制を多分、否定していますね。」

理姫。
「マックス・ウェーバーの著書は。」
「どれも民主主義の古典ですね。」

義奈。
「民主制の理解を深める意味では有益です。」

小姫。
「他の政治形態には、なぜか適用できない解説が続く。」
「どう読んでも、説明できてはいない。」

詩叶。
「民主制を理解している人になれるよ。」

旗江。
「法律に依存をし過ぎている。」
「時には法律に頼らない自衛も必要では?」

本実。
「よく考えれば、法律に依存し過ぎていますね?」

旗江。
「それが合法か非合法かで。」
「武力か暴力かが区別されるというのは。」
「けっこうな批判ですなあ。」

星詩乃。
「支配の正当性というものを突き詰めていくと。」
「正当であると名乗っているだけ。」
「或いは、結果論で正当になったとか。」
「何だか批判の理論が破綻しているような気がする。」

小姫。
「支配の正当性について、この議題は。」
「民主制に対してのみ仕掛けられる批判ですね。」
「攻撃が合法か非合法かは、民主制においてのみ。」
「批判の標的になりますね。」

義奈。
「みんな法律に従っているだけ。」
「というのは痛烈な批判でしたね。」

旗江。
「ファシストとは何か?」

本実。
「民主制を理解しなかった人です。」

旗江。
「独裁者とは何か?」

詩叶。
「民主制の解釈を間違えた連中の事です。」

旗江。
「自由主義者とは何か?」

本実。
「民主制を理解した人です。」

旗江。
「自由主義を妬む人とは何か?」

詩叶。
「自由とは関係がない人々の事です。」

遠くから来た。

パトカーが通り過ぎる。

けっこうな事件があったらしくて。

この前も自転車を駐車している青年が。

警察官に囲まれていました。

もう慣れましたね。

旗江。
「実例から観測すると、悪事には猶予期間がありますね。」

詩叶。
「なぜ悪とされる人間に裁きが遅延されるのですか?」

本実。
「それは、悪事にまで寛大だからですね。」

旗江。
「おお!寛容万歳!」

詩叶。
「あなたに対しても寛容が向けられますので。」
「悪事を見ても、すぐ裁きに遅延があると理解できますね。」

本実。
「私は些細な揉め事や、他人が多少、失敗しても。」
「無視しますね。」

星詩乃。
「あんまりにも本人が寛大ではないと。」
「まったく残念な事になるでしょうね。」

旗江。
「なので、実例からすると。」
「悪とされる人間に対しては。」
「処分が遅延されるのです。」

義奈。
「勧善懲悪を嘲る結果になるのはそのためですね。」

小姫。
「勧善懲悪が間違っているだけですね。」
「まったくもって笑われている考え方です。」

光織。
「もし法律がこの世界から消されたら。」
「どうなりますか?」

旗江。
「そんなの簡単ですよ。」
「武器を独占している人々が。」
「その武力で新しい法律を作成します。」
「そのまま彼らは特権階級と化します。」

理姫。
「そうなると武力だけが物を言いますね。」
「武士の復活です。」

旗江。
「法律ではなくて武力で統治する形態に移行します。」
「軍人がすべての特権を手にします。」
「なので、武器が法律になります。」

詩叶。
「王政復古と同じですやん。」

旗江。
「当たり前ですよ、庶民に服従を強制する国家です。」
「武器以外には何も信じない国家になります。」

星詩乃。
「法律が無効化されると、多少の危険がある。」
「武家政権の復活なんですね。」

本実。
「いくら発砲したり、武器を使っても。」
「合法ですからね。」
「逆らう者は武力で叩き伏せれば良いだけ。」
「法律を消したのだから、それで正当でしょ。」

旗江。
「おお!武力万歳!」

星詩乃。
「では、悪人とは何かについて実例から?」

旗江。
「定義としては。」
「悪人とは、誤りを正当化する者であり。」
「何重にも誤りを重ねた人間の成果である。」

本実。
「それ以上の定義は出そうにありませんね。」

旗江。
「強姦でよくある言い訳で。」
「同意していると思ったとか。」
「それって、同意していると思ったから。」
「攻撃した。」
「という危険な考え方ですね。」

詩叶。
「相手が同意していた。」
「という言い訳も。」
「勝手に攻撃側がそう思っていただけです。」

旗江。
「本人がそう言っているだけ。」

星詩乃。
「そう思ったからその行為をする。」
「後で理屈をつける。」
「これで誤りが正当化されますね。」

旗江。
「事件の報道で警戒するのは。」
「事件発生の過程で。」
「本人が予想外の状況を辿っていること。」
「本人の力が全く及ばない経過を経て。」
「立件されているなど。」
「故意に個人を狙った可能性のある。」
「不可思議な強要があるというものです。」
「別に容疑者は褒めていません。」
「人間に謝っても意味がないので。」
「法律が何々ではなくて。」
「武力で鎮圧されているだけですね。」

星詩乃。
「問題が発生すると武力ですぐ鎮圧するのが。」
「法律の常套手段なのです。」
「鎮圧できれば手段は問わないのが法律です。」

光織。
「どう見ても武力で統治していた。」
「古代世界が道理にかなっている。」

理姫。
「法律を信じないこと。」
「法律に従わないこと。」
「それ以外に行動の根拠を持っていれば。」
「倫理学の生じる余地があります。」
「法律が善悪を定義するのは不可能ですからね。」

旗江。
「問い。」
「良いものと悪いものは。」
「どちらが欲しい?」

義奈。
「良いものですね。」

旗江。
「悪いものは欲しくないのですか?」

小姫。
「要らないですね。」

旗江。
「悪いものが避けられなかったら?」

星詩乃。
「それでも避けますね。」

旗江。
「では、良いものだけを見るものですね?」

詩叶。
「その通りです。」

旗江。
「そこまで理解があれば。」
「自分が悪くなる犯罪とは。」
「他の手段を用いませんか?」

詩叶。
「その通りです、悪の一部になるよりは。」
「良いものを得ようと努力するのが道理です。」

旗江。
「それでは、悪の一部になる必要がない?」

本実。
「結果論で悪の一部になるよりは。」
「良いものの仲間になりたいものですね。」

旗江。
「こうして法律を疑うことで。」
「法律に基づく善悪が真実の馬鹿であると露呈します。」

詩叶。
「自分の悪を避ければ、それだけで足りますね。」

本実。
「自分の悪を避けるのは簡単ですからね。」

先ほどのパトカー。

一台だけ進路を変える。

とある強盗が貴金属店に置いてある。

豪華な宝箱を強奪した。

逃亡する犯人。

しかしこれは囮で設置してあり。

中身は大根であった。

店主は大根が好きなので。

お偉いさんが揃って。

たまに譲ってくれる大根を店主が宝箱に入れているのであった。

愕然として。

犯人は自分で通報して自主したのであった。

強盗は庶民に笑われた。

周囲の情報を使って。

議論する。

定刻通りの会議。

二時間ほど雑談しながら。

いろんな書籍の内容や。

自然観察とか実例を混ぜる。

客観データを引用して実例と合体させるのはよくやること。

量子力学の父ボーア先生。

アインシュタインと科学の論争を繰り返して。

アインシュタインを退けた。

シュレーディンガーにも論争を挑むものの。

夜通し続いた議論で疲弊して。

シュレーディンガーは倒れてしまうし。

付き添いのボーア博士はまったく帰らず。

病院で論争を繰り返して。

シュレーディンガー博士は気絶してしまったという。

議論して出た結論が。

現実で適用できるのか。

もしくは、自然の中で観測できるのか。

個人の使用のみ興味がある。

星詩乃。
「法律がみんな死ねと規定すれば、みんな死ぬ。」

旗江。
「貴族制とは?」

本実。
「実際に偉い人が選ばれてなれる階級の意味。」

旗江。
「新世襲制とは?」

詩叶。
「実際に偉くない人が選ばれてなれる階級の意味。」

旗江。
「君主制とは?」

本実。
「実際に国家を統治している最強の男女。」

旗江。
「独裁者とは?」

星詩乃。
「空想の国家を統治している最強の男女。」

光織。
「いかに法律が味方はしても信用できないかは。」
「独裁者や専制政治を見れば理解できるほどですね。」

理姫。
「法律だけで従わせて依存を続け。」
「国家を損ねてしまう。」
「独裁者は、法律を勝手に使って国民を従わせるので。」
「政権が失敗すると、全員が倒れてしまう。」

義奈。
「法律に従わせられて、腐敗政権に対抗できないし。」
「民主制の失敗作である独裁者を止めることができなくなる。」

小姫。
「独裁者が法律を好き勝手に動かしている時点で。」
「勝手に作られた法律が国民に服従を徹底するのは。」
「目に見えています。」

旗江。
「悪法でも暴政でも、法律が合法化しますからね。」

星詩乃。
「ですから、法律に依存するのはとても危ないことだと言えますね。」

外で農作業をしている。

仲間が歩いている。

失脚したお金持ちを罵倒していた。

これを話題にして。

調子に乗っている。

農協。
「あの金持ちは一気に陥落したな。」
「もはやあの人は崖っぷちだからなあ。」

学生。
「そこまで進んでおいて、あれですからね。」

農協。
「俺達はあそこまで行って失敗する男ではないぜ。」

学生。
「そうです!我々はあの破滅した金持ちの。」
「遥か先を行っておりますからね!」

農協。
「崖っぷちの遥か先ですか!そうですか!」

なんだか口論になっている。

本当の事を言うと。

相手が発狂するのでやめましょう。

同じく。

正しい事を言うと。

相手が錯乱するのでやめましょう。

逆に言えば。

愚かな言い分を繰り返すと認められます。

最近、流行している学問。

量子力学。

文献を入手。

図解など豊富にあったりして。

玄人はほとんどを把握できるという。

勝手に定義された自然法則が違ったよ。

という実験が相次ぐ。

旗江。
「夢を叶えるために夢から覚めろというのは。」
「白昼夢をよく見る私にとっては暴言かもしれない。」

詩叶。
「量子力学を学んで理解したのは。」
「物理の解釈が違うというものですね。」

本実。
「その解釈が、生物は機械ではない。」
「機械みたいな解釈が通用しない。」
「単純化されない物理ですね。」

星詩乃。
「既存の物理についての解釈が間違っていたり。」
「次々と新説が飛び出す。」

光織。
「昔の奴は古物物理学の分類です。」

理姫。
「興味深い実験では。」
「ひとつの粒子が左右の隙間を。」
「同時に通過して目標に達した。」

旗江。
「ひとつしかない粒子が、左右ある二つの隙間から通り抜けた。」
「これが確認されたので。」
「幽霊みたいな要素が物理学では当たり前にある。」

星詩乃。
「発射された粒子が、左右どちらかだけを通り抜けるはずが。」
「ひとつの粒子が両方を通り抜けた。」

旗江。
「それが野山や河川ならば。」
「どのくらいの粒子が何かを通り抜ける。」
「もしくは、既存の物理法則を無視するか。」
「面白い観測が出来るのでは?」

詩叶。
「昔の物理学と現代の物理学では。」
「まるで内容が違うので。」
「昔の物理学だけ習っていると。」
「もはや時代錯誤ですなあ。」

旗江。
「他にも、必ず通り抜ける素材に粒子を発射したら。」
「八千個にひとつが、目の前の通り抜ける素材から跳ね返った。」

本実。
「素材を通過させて、目の前の壁に当てる実験ですね。」
「必ず目の前の素材を貫通して壁に当たるはずなのに。」
「八千個にひとつは逆方向に跳ね返された。」

旗江。
「シミュレーション仮説みたいな。」
「そんな世界ではなくて。」
「不思議な動きが当たり前という観測なのですね。」

義奈。
「目の前の超自然的な要素ではなくて。」
「極小の世界を調べると、従来の物理学が覆った。」

小姫。
「習った物理学が、量子力学にまで到達していない。」

旗江。
「量子力学は相対性理論でも説明できない。」

星詩乃。
「成功した実験では。」
「量子テレポーテーションは光より速い。」

光織。
「量子テレポーテーションはテレパシーの元ネタらしいよ。」

理姫。
「トンネル効果とか、粒子が波動なら壁を貫通するし。」
「電化製品はそれなしで動作しない。」

旗江。
「半導体とか、量子力学みたいな動きをする。」

詩叶。
「量子力学は、歴史が深い。」
「1910年から1940年で大きく進歩していますね。」

本実。
「未だに新発見があり、実験が盛んです。」
「有名な実験くらいは読んでおきたい。」

旗江。
「極小の世界の調査が、現実世界に体験として出てくる。」
「まるで見えている景色が違ってきますよ。」

詩叶。
「昔の説が、今では違っていたり。」
「昔の教科書が役に立たない場合もあるかと。」

本実。
「粒子は雲のような形ですしね。」
「動きは風船に例えられるほどです。」

旗江。
「原子の形も動きも、後でいくらでも変更された。」

星詩乃。
「しかも理解するには、通常、大学で数年が必要。」

義奈。
「昔の物理学は、量子力学で何度も覆された。」

理姫。
「量子力学はチームでの研究なので。」
「代表者に依存しない所が良いものです。」

旗江。
「因果律を無視することが合法化されたようなもの。」

光織。
「物理という概念の解釈が違いますので。」
「昔の物理学なんて捨てた方がましです。」

理姫。
「アインシュタインやニュートンも量子力学に負けましたし。」
「今後の科学は、量子力学が独占すると思われます。」

旗江。
「今では流行ですよ、量子力学は流行、もはや良識。」

星詩乃。
「今時、量子力学の知識が何もないと。」
「自然科学を知っているとは言えないよ。」

旗江。
「うむ、正直に言えば。」
「物理法則の解釈を間違えていました。」
「ごめんなさい。」

本実。
「大胆不敵な突っ込みですね。」

詩叶。
「量子力学で間違いに気づいたのなら。」
「自分も隅っこで参加すれば?」

旗江。
「私にも妙案がある。」

実例。

奇妙な破片が部屋に散乱しており。

壁紙が?がれたような物質で。

実際に壁紙は?がれていない。

量子力学ではエネルギーさえあれば。

何もない所からも物質が現れるので。

何かしらの強力なエネルギーがあったのは間違いない。

破片はいつの間にか清掃で捨ててしまった。

観測。

居間にある小さなチョコレートを三つ部屋に持ち帰ると。

後でもうひとつ小さなチョコレートがなぜか落ちていた。

三つ以上のチョコレートは持ち帰らなかったので。

追加で出現してしまった。

ちなみにその不可思議なチョコレートは食べてしまった。

いつものように解散。

自宅に戻る途中。

用具保管庫の上に誰かいる。

屋根の上に青年。

仮装している。

戦隊モノみたいにアピール。

青年。
「君と勝負する日を楽しみにしていた!」

旗江。
「素人が屋根の上に行くのは良くないです。」

青年。
「さあ!俺と勝負しろ!」

屋根の上から飛び降りるものの。

高低差があり過ぎて。

負傷した。

青年。
「ぐおおおおお!?」

仲間。
「おい!怪我人が出たぞ!」

作業員。
「何もないところで怪我するのはやめてくれない?」

旗江。
「やったー!この世の理とやらが初めて正常に機能したぞ!」

いつもの男性が集まってきて。

青年が運ばれた。

救急車が来て。

仲間が見送った。

最近の議題。

いろんな物事について。

なんのために?という質問の返事は可能ですか?

なぜ稼がないといけないのか?

ストア学派は禁欲的で。

エピクロスがよく引き合いに出されますね。

セネカは一時期、ローマ屈指の資産を得ていますが。

どうでも良かった。

他に欲しいもの。

余暇などの方が大事であった。

エピクテトスでも。

皇帝の友人にならない限りは。

社会的成功とは言えないとか。

私達の場合は金銭というより。

利益を重んじたので。

利得を増やすのなら簡単ですね。

必要なだけの金銭があれば。

金銭とは他のものに手間を振り分けられます。

財産という重大な物事を軽々しく議論していますが。

余剰な財産くらい使い道がないと。

なんのために?という質問の返事は不可能です。



38


私刑。

法によらず、私人が勝手に加える制裁。

リンチ。

岩波国語辞典。

長い間。

離れの家が空いていましたが。

アメリカ人の留学生が来る事になりました。

経緯は。

遠い親戚が嫁いだ先がアメリカで。

その遠い親戚の娘の希望で。

実現したのです。

学者の両親から良い場所があると。

伝えられて。

その少女は選んだのですね。

アディラ。

美術家で、各地を巡って。

絵画の修練を積んでいる女の子。

扱いは留学生。

空港まで迎えに行きました。

カウガールの服装で。

売っていたようです。

目立ちますね。

旗江。
「初めまして。」

アディラ。
「こちらこそ、私はアディラと呼ばれています。」

旗江。
「尊大ですね。」

アディラ。
「子供の頃は全員が尊大かと思われます。」

旗江。
「筋が通った意見ですなあ。」

アディラ。
「あなたはドレスですね、素敵です。」

旗江。
「はたえです、美人が迎えに来ました。」
「さあ乗ってくださいな。」

アディラ。
「森林の中とかに行くんでしょ?」

旗江。
「それは考えたことがありますね。」

アディラ。
「それでは、一緒に森林に行きましょう。」

旗江。
「その悪ふざけ乗りました!」

故意に森林のある道路を走ります。

少し茂みに来ました。

川があるので。

ここで自然を見渡す。

アディラ。
「これは創造論です!世界の自然の中でも傑作です!」

旗江。
「私は見慣れているなあ。」

アディラ。
「自分の国の視点では見えないものもあるのです。」

旗江。
「まったくその通りです。」

アディラ。
「少し確認したいです。」

旗江。
「正々堂々とスカートめくりですか。」

アディラ。
「日本人女性にしてみたいことでした。」

旗江。
「あなたのは?」

アディラ。
「見たいなら、我慢せずに見てよ。」

旗江。
「無地ですね、私と同じです。」

アディラ。
「いちいち派手なものは穿かないわよ。」

旗江。
「素敵!それでは自宅に向かいましょう。」

アディラ。
「ひょっとして?そのためにドレスなんですか?」

旗江。
「あなたもミニスカートではありませんか?」

自動車で。

高速道路に入る。

雑談から議論に。

リベラルアーツの教育を受けているのですね。

リベラリズムとプラグマティズムが得意とのこと。

旗江。
「この人はこんな正論を書くから疎ましいんです。」

アディラ。
「なんですって?
「適切な馬鹿ではないと書けない論証ではないですか?」

旗江。
「それでもこの人が書く正論が妬ましいんです。」

アディラ。
「そんな、君まで馬鹿にならなくてはならないのですか?」

旗江。
「自分は正々堂々である。」
「なんて名乗っても。」
「少しくらいは卑劣な手を使ったりする。」

アディラ。
「自分は綺麗な手を使うと言いつつ。」
「少しくらいは卑劣な手を混ぜている。」
「それなら他人を非難するのは筋違い。」
「あんまり褒められた態度ではない。」

旗江。
「公正な対戦なんて聖者に期待してください。」
「私に期待しないでください。」

アディラ。
「他人を完璧だと思うから。」
「それ以外の対応が嫌いなのでは?」

旗江。
「自分が完璧だと思ったら。」
「何かですぐ転倒すると思われる。」

アディラ。
「馬鹿げたルールの解釈。」

旗江。
「ルールも解釈次第。」

アディラ。
「ルールの解釈が一致しない。」

旗江。
「それは、それについての解釈が違うからですよ。」

アディラ。
「言ってもいない内容に同意させられる。」
「なんてことがある。」

旗江。
「そんなこと言ってないのに。」
「言っていることにしてくるとか。」

アディラ。
「発言していない内容に反駁してくるし。」
「発言していない発言に反発してくる。」

旗江。
「勝手にそう考えていることにして。」
「猛反発してくるし。」

アディラ。
「明らかに何も言っていないのにね。」

旗江。
「架空の発言に同意させられたり。」
「架空の発言に反論されるのは理不尽ですなあ。」

アディラ。
「しかも発言を証拠に取られるのも不愉快ですなあ。」

旗江。
「そう発言したから、そう思っているだろう。」
「そうかな?」
「私にとっては、自分の発言は。」
「他人にとっては参考にもならない。」
「言葉よりも行為に出すからね。」

アディラ。
「伝えることが対話だと信じてしまい。」
「伝えれば解決すると思い込む。」

旗江。
「自分の説明不足を人のせいにするな。」

アディラ。
「相手が説明をしなくても良いとか。」
「思っていたりして。」

旗江。
「相手の説明が足りないので。」
「当事者が迷惑する場面もありますよ。」

アディラ。
「説明不足のせいで。」
「目的が達成できなければ。」
「説明を怠った人のせい。」

旗江。
「同意も約束も、相手が裏切る可能性もありますよね。」

アディラ。
「後で取り消したり。」
「逆の言い分を展開する可能性もあります。」
「後で納得が行かなかったので。」
「発言だけで同意を取り続けるのは難しいですね。」

旗江。
「むしろ伝えるだけで同意になるというのが間違いです。」

アディラ。
「キルケを問い詰めたオデュッセウスが。」
「言葉での約束は信用できないと。」
「キルケに誓約をさせる場面がありますが。」
「そこまでしないと裏切る可能性が出てしまいます。」
「キルケはその後、一年もオデュッセウス一行をもてなしましたが。」
「いくら相手が同意しても、寝返る事もあるので。」
「言葉にも限界があるのだと思います。」

旗江。
「単語ひとつ取っても。」
「解釈が異なる場合があったよ。」
「意味を理解するのはもちろん。」
「考察する言葉そのものに生じる。」
「解釈の違いはやや大きい。」

アディラちゃんはクリスチャンです。

有神論者同士で気が合います。

意気投合。

多様性は確認済み。

リベラリズムという点では意見も同じですね。

一般道路から自宅に到着。

今は妹二人組がいて。

他の人は農作業中です。

私が身支度を担当します。

すぐに両親が来るので。

それまでは二人きり。

旗江。
「ここの離れの家は、小さいけれど。」
「元々、両親が住んでいた小屋です。」
「今は修理されて、次の人を迎える場所でした。」

アディラ。
「かなり内装は優秀ですね。」

旗江。
「再利用した家屋ですが、けっこう実験に使っていたようです。」
「新しい家が隣に建ったので、壊すか考えていたそうです。」

アディラ。
「それが今や王国の寝室みたいな場所よね?」

旗江。
「あなたのために用意されたような部屋ですからね。」

アディラちゃんは部屋着にするので。

家屋に戻ります。

妹二人組が遊んでいて。

アディラちゃんを見つけた。

義奈。
「違いというものは、良く出れば善なるものです。」

小姫。
「違うから、様々な環境に対応できるのです。」

アディラ。
「平凡な人しかいないのなら、この世の何事にも対応できないよ。」

義奈。
「この世はとにかく変化しますからね。」

小姫。
「変化しない前提で生じた凡人なんて役に立ちません。」

アディラ。
「多様性を理解するには、学問で三年が必要です。」

義奈。
「一緒にお菓子食べようよ、持っているし。」

小姫。
「口説いていいですか?」

アディラ。
「あれ?自由主義で動く女の子が普通にいるの?」

義奈。
「いないと思ったの?」

小姫。
「自由主義も理解できない阿呆なんている訳ないでしょ。」

三人でお菓子を食べ始めた。

もう友人。

自然に打ち解ける。

アディラ。
「進化論は生物学から世界を見る考え方ですね。」
「創造論は神様が造った視点から世界を見るので。」
「両者、実の所、哲学に属しています。」

義奈。
「エピクロスが言うには。」
「神様が我々に関心がなかったら。」
「我々も気にする必要がないけれど。」
「神様が我々に対して大いに関心があると。」
「だいぶまずいことであるとかいう。」
「問答があります。」

アディラ。
「日本人にも宗教はあるんですか?」

義奈。
「人間の考える宗教はありませんね。」

小姫。
「誰にでも仕えようとして失敗している信徒ばかりです。」

アディラ。
「日本人は富に仕えようなんて、思っているとばかり見ていました。」

義奈。
「日本は儒教の影響が大きいので。」
「武士道も、起源は儒教なんですよ。」
「そして武士道は、日本人の倫理観として定着していました。」

小姫。
「身分が卑しくても、武士道精神は、感化されて庶民にもありますよ。」

義奈。
「何も宗教がないなら。」
「論語を少し読んで。」
「儒教とでも名乗っておくと。」
「宗教に関する問題は生じない。」
「怪力乱神と言われるように。」
「その人は語る必要がなくなる。」

小姫。
「武士に影響されて、それを基点とした不可知論者が多数派です。」

アディラ。
「信じられない多様性国家ですね!」

義奈。
「いつも西洋文明が優勢だったような?」

小姫。
「西洋思想が常に進んでいましたよね?」

アディラ。
「ということは、日本はローマ人みたいに。」
「いろんなものを輸入したのですね。」

旗江。
「あれ?もう準備が終わっている?」

アディラ。
「来週から、地元で一緒に学ぶのです。」

義奈。
「高校には既に受かっているし。」
「知らない間に試験は突破しています。」

小姫。
「記憶力を向上させるガムで突破しました。」
「世の中、裏技が全てなんですよ。」

旗江。
「転入ですが、すぐに高校でも一緒ですね。」

アディラ。
「美術科に入ります、もう試験は突破済み。」

旗江。
「では私も混ぜて。」

義奈。
「ミニスカドレスなのはどうして?」

小姫。
「さっき中が見えましたよ。」

旗江。
「問題ない、これで町とかは歩かない。」

アディラ。
「趣味が同じなんですよ。」

小型テレビが設置されていて。

国家や社会の様子を見たいそうです。

それよりも新聞を持ってきました。

旗江。
「毎日の報道で。」
「つまらない内容が流れている程度に比例して。」
「治安が良い。」

アディラ。
「報道でなるべくつまらない内容が語られている時期は。」
「とっても治安が良い。」

旗江。
「ネガティブキャンペーンを一部実行すると。」
「もっと綺麗な手を使えとか非難されるものの。」
「それよりも、もっと汚い手を使う奴は。」
「いくらでもいますよ。」
「むしろ少なく済んでいる点は評価に値するよね?」

義奈。
「人を馬鹿にしているですって?」
「だからと言って馬鹿を受け入れる必要があるのですか?」

旗江。
「風刺ばかり書いていると指摘される。」
「人を何だと思っているの?」
「何だってよろしい!」

小姫。
「責任転嫁と、責任の所在について問いただすのは。」
「まったくもって別物。」

アディラ。
「責任転嫁する奴と。」
「責任の所在を問う人は。」
「かけ離れて違います。」

旗江。
「一生懸命にやっている!と言うのは正直者ですが。」
「たいていの人も一生懸命にやっているので。」
「ひとりだけ主張しても相手にされないと思われます。」

夕方まで一緒に散歩することに。

女の子だけのグループ。

多様性の一団。

旗江はロングスカートに着替えていた。

アディラはキャンプ系の衣服。

近くで反社会的勢力と傭兵の戦闘があったので。

遠目で見物。

予算を割いて傭兵に監視させているので。

何かあるとすぐ戦闘になる。

反社会的勢力は自作の武器を持っているので。

やたらと狂暴。

元々は私刑をしているうちに。

より過激になり。

夢中になった反社会的勢力なので。

今回も暴走している。

アディラ。
「腕力自慢とか言ってしまって。」
「それでは腕力にだけ対策すれば良いのですね。」
「というように。」
「力任せの戦闘は手の内を読まれて敗北する。」
「強いから勝てるとは限らない。」

旗江。
「男性は腕力を自慢したがる。」
「腕力だけに対策をしていれば。」
「楽勝ですよ。」
「自分から弱点を申告するなんて。」
「素人そのものです。」
「ジークンドーの選手と戦ってから。」
「腕力なんて言ってみてはどうか。」

義奈。
「空手家やアマチュアのボクサーと戦ってから。」
「腕力について語ってみてはどうか。」

小姫。
「凄い力だ!なんて評価しても。」
「最後に倒れていれば。」
「どこら辺が凄い力なのか理解できない。」
「強いから勝てるという素人臭い考えは。」
「いい加減に辞めてはどうか。」

旗江。
「もし当たれば、敵に対して。」
「目の周囲を狙ってパンチです。」
「これを二発、相手は死にます。」
「どんな異常な相手も倒せます。」
「もし当たれば、ですけれどね。」

パワードスーツと機動兵器(ロボット)が融合したような。

かなり小型のロボット兵器が出現。

パワードスーツの足部にジェットエンジンを装備。

ホバリング移動しながら。

両手と両肩の武器で蹂躙する。

反社会的勢力が暴れたので。

鎮圧しようと繰り出した。

最近の反社会的勢力は資金で潤っていて。

何をするか分からない。

通り過ぎる。

機動兵器搭乗員。
「要らないよね良心なんて。」
「それで勝てるって言うんなら。」

傭兵。
「不満だぞ!雑魚ばかりだ!」
「どうなんだよ!お前は!」

反社会的勢力は市民に説得を試みて失敗。

近くにあった暴力団の事務所に。

アサルト・ライフルを乱射すると。

カール・グスタフを撃ち込んで。

そのまま暴走している。

いわゆる新手のテロリスト。

説得された市民は嫌がって逃げ出した。

テロリスト。
「人間なんて死ね!」

旗江。
「反駁?どうせ不細工なおっさんでしょ?」
「さっさと実例でも出しなさい!」

市民。
「因果応報なんて試してやろうぜ。」
「本当にあるかどうか。」
「それが我々に勝てるのかどうか。」
「暴力を用いて試してやろうぜ。」

旗江。
「因果応報は乗っ取れる空理空論。」
「因果応報という考え方。」
「仏教用語。」
「前世あるいは過去の善悪の行為が因となり。」
「その報いとして現在に善悪の結果がもたらされること。」
「これは、神道の教えではない。」
「そもそも善悪が違う。」

義奈。
「簡単に背後世界として除去される考え方ながら。」
「俗受けするために信じられやすい。」
「小乗仏教ではこのような考え方は存在しない。」
「涅槃に向かう道を勝手に閉ざしているため。」
「否定されるのではないか。」

小姫。
「証明できないものを真理として説くのは。」
「悪魔の証明をしているため。」
「また、原因と結果は分離可能なため。」
「前世の行為を無視して現在を成立させられる。」
「など、いろいろと論破できる脆弱な論証と言えます。」
「こうして否定されるのも、彼らの前世が馬鹿の程度を超えているので。」
「その報いが来たのではないか。」
「このように論証を乗っ取ることが可能である。」

アディラ。
「反駁する側が勝手に内容を変更できるなど。」
「論争に耐えられる理論ではありません。」
「これを理解できないのは、お前が前世で痴呆症であったので。」
「その報いが来たのです。」
「なんてことですね。」

旗江。
「結論。」
「因果応報の中身は勝手に変更できる。」
「勝手に乗っ取って対象に論じられる。」
「前世なんて空理空論で証明できない。」
「前世と現在は分離できる。」
「前世でそうでも、現在そうである必要がない。」
「因果応報は極端な決定論に属している。」
「この考え方を支持する者は、涅槃を目指さないほうが良い。」
「知らない間に侵入しては、信じてしまいがちな御託である。」
「実例。」
「摩利支天様などは、前世に関係なく参拝者を保護している。」
「毘沙門天様は、前世に関係なく、自分の神殿に呼び寄せる。」

アディラ。
「日本は今、こうなの?」

旗江。
「人間への災いとして、反政府勢力が散らばっています。」
「巻き込まれないようにしてください。」
「たまに小競り合いをやっていて。」
「この都市では、地下基地があるので。」
「ひとつの勢力は、半年も持ちません。」
「なので、すぐいなくなると思います。」

アディラ。
「ブラックジョークだと思うわ。」

カルトが武器をなぜか持っていて。

遠目で発生している戦闘に参加してしまった。

どこから調達したのか分からない武器を使って。

市役所に押し入ろうと必死であるものの。

どの武装組織も行き当たりばったりな作戦しかしない。

こちらも私刑を連発して。

夢中になっているカルト集団。

無謀な戦闘を繰り返している。

旗江。
「カルト宗教は自然科学がまったくできない。」
「という特徴がある。」
「次に哲学ができない。」
「という特徴がある。」
「両方兼ね備えている神官がいるので。」
「正教は自然科学も哲学も得意である。」

アディラ。
「稀にいますが。」
「自分の問題に他人を巻き込んでくる。」
「最も下品な品性の輩。」
「あまりにも巧妙に仕組んだせいで。」
「奇術師のように。」
「自分の問題に他人を巻き込む方法を多用する。」
「二重の問題は、そんな状況を強要する配置でしたね。」

義奈。
「現行犯は極端な気違いである。」
「我に返って自分のした行動を理解する。」
「それまでは極端な狂人ですね。」

小姫。
「私が悪事をすると。」
「不吉な結果になると知っている。」
「私に対しての処罰も不吉に出るのだけれど。」
「これだと対価交換。」

旗江。
「因果応報は嘘だと思う諺で上位に入る。」

義奈。
「実際に嘘であると見破られる諺も多く。」
「辞書から消えた諺もこれまた多い。」
「そういうのは成句とも言えますね。」

小姫。
「悪事に対して厳格である必要はない。」
「猶予があるだけ。」
「弁明もしていない相手を叱責するのは。」
「かなり過激ではある。」

旗江。
「罪と穢れは、どちらかと言うと。」
「災難の力を増大させる。」
「猶予が長い反面。」
「災難の力が巨大になると。」
「本人にも手に負えない。」
「不可知論者は災難についても認識できないので。」
「災難とは思わないし。」
「倒せる災難もかなり多いので。」
「受け身でいる必要はない。」

義奈。
「災難にも間違いはある。」
「災難がいろいろと間違えるのも必然。」
「しかも間違いが当たり前なのが災難の判断ですね。」

小姫。
「特に理由もなく、苦労や困難が出てくる。」
「忙しい時に限って躊躇である。」
「特に理由もないので。」
「それを解決しても、またすぐに。」
「理由もなく苦労や困難が湧いてくる。」

アディラ。
「チューザレ公みたいに解決できれば。」
「既に何事もないよ。」

旗江。
「敵から奪った利益だけが増えていく。」

義奈。
「そんなのを才能とか呼んで批判してくる。」

小姫。
「力量と才能は似ているけれど、別物ですよ。」

アディラ。
「才能?それ以外の説明がないの?」
「世人は自分の理解を超える力を。」
「安直に才能と呼んでいるだけですよ。」
「私は才能ほど一貫した内容はないのですし。」
「どう見ても力量という。」
「西洋哲学でよくあることで。」
「力量で圧倒しているので。」
「才能を潰そうなんて試みないでほしい。」
「私は他人の羨望するであろう部分を売却して。」
「自分の好きなものと交換しようと必死です。」

地域から離脱。

市役所の付近は激戦区。

戦力の随時投入をしているゲリラ達は。

戦闘の素人なので。

すぐに倒されます。

暴れるけれど、とにかく弱いという。

弱者の戦闘。

素早く立ち去り。

自宅に戻ってくる。

いつものメンバーがいました。

詩叶。
「あれま!外国人は、ここではかなりの価値ですよ!」

本実。
「アメリカの一部が、ここに出現したような。」
「違いの分かる女の子ですね。」

アディラ。
「今日からよろしくです。」

旗江。
「さっき、また戦闘がありました。」

義奈。
「今回のは、考えを押し付ける側と。」
「拒否する側でしたね。」

小姫。
「傭兵部隊が敵を倒すのに、十五分でしたか。」
「平気なんですか?」

アディラ。
「銃の扱いを訓練されたので。」
「本物の事件も見たことがあります。」

従妹。
「最近は、自暴自棄の連中が多いから。」
「登下校は、慎重に。」
「怪我はもったいないからね。」

アディラ。
「一般的にありふれているからと言って。」
「悪いものを容認しろとか言う考えは。」
「通らないと思います。」

親戚。
「日本では、当たり前とされることがあって。」
「周囲が何かと批判してくるので、用心してくれ。」

アディラ。
「いくら実例で多いからと言って。」
「自分もそうならなくてはいけない。」
「という考えは通らないと思います。」

仲間。
「おっと?新入りか?」
「先ほど、遠くから来た障害者施設の連中がね。」
「はぐれて迷い込んできたのだよ。」
「何の行事が知らないが、大変だよね。」
「やっと帰ってもらった所。」

アディラ。
「障害者がいるからと言って。」
「当事者も障害に賛成という考えは。」
「通らないと思います。」

旗江。
「合理的な反駁ですね。」

詩叶。
「合理主義は習わないと、習得できないとか。」

本実。
「合理的な思考も、訓練からですね。」

全員で歓迎。

夕方になり。

ささやかな歓迎会。

仲間も参加。

絵画を描きながら、農業も手伝いますが。

本当は、自画像を描いてもらいたい同業者。

ノンアルコールのシャンパンを持ってきていた。

旗江。
「面白い確率。」
「トレーディングカードは。」
「何を引くかは誰も確認できない。」
「とすると、確率次第になる。」
「場合によっては、作為的に。」
「特定のカードを入れている企業もいる。」
「しかし、カード自販機ならば。」
「中にどのような確率で入っているかは。」
「仕組んだ人でも把握するのが難しい。」
「そしてどの機会に千円を投入して引くかは。」
「誰にも分からない。」
「ブックオフに設置されている。」
「トレーディングカード自販機はまさにそれで。」
「中身や仕掛けが確認できない以上。」
「次に引くカードはすべて確率に依存する。」
「なぜなら確認できないから。」

アディラ。
「量子力学?」

父親。
「ここでは学問が盛んだよ、本屋があったでしょ。」
「この地域でも十店舗あるほど。」
「需要があるんだ。」

母親。
「あなたも遠慮なく学問に専念しなさいね。」
「ここでは共同体が豊かですから。」
「心も豊かな人ばかりです。」

アディラ。
「何か特別な場所に来た気配がします。」

親戚。
「あなたの権利だ、好きにしたまえ。」

従妹。
「卑屈になることはないのです、存分に加わってください。」

アディラ。
「あなたは詩を作っているの?」

詩人。
「つい狂気に駆られて、作っては納品しているんですよ。」

アディラ。
「狂気?」

詩人。
「憂鬱症は、危険を過大評価するのが日常なのです。」
「メランコリアと呼ばれるこの心理状態は。」
「根拠のない恐怖に蝕まれて。」
「詩人の場合は思想に影響を与えて。」
「それまでの思想が圧縮されることになる。」
「というのは。」
「根拠のない恐怖に追いかけられて。」
「たまらず出す必要があるので。」
「溜まっている思想を残らず出してしまう。」
「簡単に言えば遺作などを繰り出したがる。」
「一般市民は情緒不安定になるだけですが。」
「狂気の詩人の場合は。」
「恐怖に煽られて、大量の遺作を書こうとしてしまう。」
「無論、全部は残りませんが。」
「その経過で自分が持っている思想を書いてしまう。」
「メランコリアは詩人を、適当な時間制限によって狂わせて。」
「狂気の詩人は、何か書き残そうと。」
「遺書のように詩を書きまくる。」
「しかしながら、狂気に慣れてくると。」
「必要なだけ繰り出した後は。」
「けっこう大人しくなる。」
「溜まっている思想を吐き出したい衝動が誘発されるのが。」
「憂鬱症を陥った詩人の成果である。」

旗江。
「狂気の詩人が書きまくるのは。」
「本人にしか分からない考えで。」
「溜まっている思想を吐き出したい衝動があるから。」
「と言えますね。」

哲学者。
「自分の生まれを否定すると。」
「ジレンマになる。」
「板挟み。」
「不思議。」

アディラ。
「内面が豊かですね、贅沢も余裕なんですね。」

ささやかなパーティーは過ぎる。

善なるものしか見ない人々の集い。

悪いものは故意に無視される。

深夜。

旗江がアディラを屋根裏部屋の窓に連れていく。

天文学を披露。

もはや姉妹。

夜空。

資料を広げる。

都会では星が見えないものの。

少し山間部に行けばやはり見える。

田舎とかではなくて、少し市街地から離れても。

そこそこ見えますね。

キャンプ場はお勧めとのことです。

旗江。
「天の川とは、天の川銀河の内側にある。」
「地球から。」
「銀河の中心にある恒星の集まりを見渡せることから。」
「そう名付けられました。」
「それでも。」
「確認できる恒星は一割程度しかありません。」
「天の川銀河の恒星は三千億個と言われていますが。」
「確認できるのは三千個程度とのこと。」

アディラ。
「芸術は自然の模倣ですからね。」
「私に天文学は必要ですよ。」

旗江。
「世界で天文台が作られて。」
「宇宙望遠鏡が運用されたのは。」
「なんと、1900年初頭の出来事です。」
「それまでは、近代で望遠鏡が発明されて。」
「ニュートン望遠鏡などが使われていました。」

アディラ。
「最近は、自然科学によって進捗があった天文学ですね。」
「天動説の矛盾は有名ですよね。」

旗江。
「古代ギリシアは天動説を多用していましたが。」
「後に地動説が宇宙を円滑に説明できるため。」
「天動説は廃止されました。」

アディラ。
「天動説を地動説が覆すのも。」
「かなりの激務であったとか。」
「宇宙の誕生は、神の一撃。」
「自然科学でも分析されている。」

旗江。
「宇宙の誕生は。」
「空間が最初に出来上がって。」
「宇宙が一瞬で膨張して。」
「その時に発生した光子(フォトン)が広がりました。」
「爆発ではなくて光が生まれたのです。」
「最初は千五百億度というものでしたが。」
「九億度まで低下。」
「そこから物質が形成されたという。」
「インフレーション宇宙論が公認されており。」
「いきなり火の玉から誕生した考え方には。」
「多くの天文学者から異論が出されています。」

アディラ。
「聖書なら何でも書かれていますね。」
「やっと聖書の内容に自然科学がついて来ました。」

旗江。
「天文学は、古代世界から。」
「星空の観察から、日光の計算まで駆使して。」
「それがけっこう当たっていることが証明されており。」
「現在の観測技術と大きな違いはありません。」

アディラ。
「創造主の世界ですからね。」
「人の理解も後から追いつく。」

旗江。
「宇宙は実際にあるもので。」
「特に月の観察をすると、かなり身近に体験できます。」

アディラ。
「空によく出ていますからね、昼間でも夜でも。」

旗江。
「宇宙論を学ぶと、逆に地球という惑星を把握できるようになりますね。」
「宇宙については、未だ発見が深く進んでいません。」

アディラ。
「特別製の地球で、地上生活を営む人がいる。」
「自然科学の良い所は理解が容易な所ですね。」
「新しい科学、宇宙論は好きです。」

旗江。
「しかし太陽ですら、よくある恒星であり。」
「三千億個ほど太陽系と同じ環境がありますし。」
「軌道上を回る人工衛星型のハッブル宇宙望遠鏡くらいは。」
「知っておいても損はありません。」
「今でも探査機が太陽系を動き回っていますので。」
「宇宙論というものを知っていれば。」
「途方のない領域ではありません。」

二人で語り合う。

二人は就寝。

宇宙論は専門書に集まっています。

素人の知識は観測していないものも多く。

情報が間違っている場合が多々ありますが。

新しい分野「宇宙論」を理解しているかどうかで。

同日の論ではない。


39


オッカムの剃刀。

同じ事柄を説明できる理論が複数存在する場合。

その中で最も簡単な説明を正しいとする考え方。

難解な設定よりも、簡単な設定で済む場合は。

簡単な設定が正しいことになる。

休日。

駐屯地の式典。

陸上自衛隊が開催するイベント。

戦車ではなくて兵士の舞台。

今は軍隊徒手格闘の披露をしている。

隊員同士で試合をする。

自衛隊徒手格闘から新しい戦法に変更され。

防御力がとにかく高い。

素人の攻撃はまるで通用しない。

連撃や投げ技を合わせて。

何とか転倒させているものの。

やはり復帰が速い。

隊員同士、手加減はしていますが。

あまりにもあっさり隊員が倒れるので。

殺人の技には長けている様子。

試合は白熱。

兵士の式典ではよくやる演目。

軍隊徒手格闘とは?

兵士が使用する格闘技。

短期間で養成するために。

合理的な訓練を施す。

世界各国の格闘技を研究して発明された。

歴史は第一次世界大戦で。

当時は、ボクシングと柔道を使って塹壕戦を行った。

第二次世界大戦では殺人のために必殺技まで編み出した。

日本でもシステマ・ジャパンやクラヴ・マガが開かれていて。

民間人には護身術として教えてくれる。

今ではライフル銃などを持っている兵士が当たり前に使い。

アメリカ海兵隊は有名。

空軍や海軍は習わない。

銃器で撃ち合う兵士が訓練の過程で習う。

これは簡単に人を殺す格闘技であるため。

教本はかなり厚い傾向にある。

アディラ。
「良いと悪いの定義について。」

旗江。
「良いと悪いは誰が決めたの?」

アディラ。
「多数決ですね。」

旗江。
「歴史における良いと悪いは無視なんですね。」

アディラ。
「良いと悪いの定義、歴史観なしでは語れません。」

星詩乃。
「歴史における、良い、悪い、それが正論ですね。」

アディラ。
「今は、たまたま多数決で、良い、悪い、それがまかり通ります。」
「あなた、きちんと歴史が理解できるのね。」

星詩乃。
「歴史が分からなくて、自衛隊の式典には来ませんね。」

旗江。
「現代は、弱者が強者の足を引っ張る時代ですからね。」

アディラ。
「高貴とは、元々は貴族そのものを指していました。」
「良いとか悪いとかは、貴族の価値判断によって形成されたものです。」

旗江。
「強さを示す者を悪であると罵り。」
「その対比で、自分達を善人とした。」

詩叶。
「美男子や美少女に対して。」
「美しいままでいるのは不公平だ。」
「なんて言っているのと同じですね。」

本実。
「不細工が、イケメンや美女を褒めずに。」
「不細工こそが本物の男女である。」
「という構図の逆転ですね。」

星詩乃。
「強者の評価を下げることに必死なんですよ。」

光織。
「強さとは何ですか?それは不合理なものではありません。」
「合理的に認められるのが、強いという評価なのです。」

理姫。
「狡猾な人々が、自分にとって都合の良い行為を。」
「良いとか言って持ち上げて宣伝して。」
「中立的で客観的であるかのように欺くようになった。」
「実の所は、客観的というのも、嘘なのです。」
「客観主義に一度、立ちますと。」
「すべて客観的というのは、まずあり得ません。」
「客観的に言えば、人の考えの半分は主観です。」

旗江。
「弱い自分を善人であるとか無理がある論理ですね。」
「そうやって構図を逆転させずに。」
「奴隷みたいな考え方は捨てれば良いだけですね。」

詩叶。
「奴隷である自分を容認するのは。」
「自らを弱者であると宣伝するようなもの。」
「いつの間にか巻き込まれているのですね。」

本実。
「不可抗力で、良いとか悪いとかを勝手に決められて。」
「貴族が持っていたものを、卑しい人間が貶めて。」
「それに同調させられていたのです。」

星詩乃。
「素晴らしい、手品が分かれば、あなたも貴族の同類です。」
「良い、悪い、これは元通りの姿になります。」
「民衆の中にも、高貴な人は、かなり混ざっていますからね。」

旗江。
「簡単に言えば、善悪の解釈が違っていたのです。」
「自由の解釈も違いますからね。」
「哲学によって修正されるのです。」

星詩乃。
「高貴な資質を持つ人々は、何かのきっかけで。」
「弱者を否定して、すべてにおいて良い強者を選びますよ。」
「弱者か強者か?選ぶのは本人ですからね。」

アディラ。
「まずは武器を見て学ぶのです。」
「武力のない平和はナンセンスですよ。」

星詩乃。
「平和な時代に、莫大な費用をかけていて。」
「世界ランキングに入るほどですからね。」
「試合開始です。」

旗江。
「小銃で戦う時代にも、格闘技は必須ですね。」
「戦い慣れるためには最高の技術。」

星詩乃。
「戦場で敵兵を抹殺するために。」
「研究を重ねた格闘技。」
「やはり殺人を目的としている点は見所。」

義奈。
「特殊部隊が目立つ技を魅せますね。」

小姫。
「どういう戦闘計画で相手を動けなくするのか。」
「素手でも戦力になる素敵な技術。」

詩叶。
「戦争から誕生した格闘技ですからね。」
「小銃を相手に勝利する展開も余裕であります。」

本実。
「ねじるように、相手の銃器を一瞬で叩き落すと。」
「鹵獲して反撃できるとか。」

光織。
「映画のような攻防ではなくて。」
「殴打を繰り返して、ようやく相手が倒れる想定ですね。」

理姫。
「投げ技や締め技ならば一気に決められますよ。」

旗江。
「戦闘で細かい投げ技や、ややこしい締め技は決まりませんよ。」

詩叶。
「世の中は、子供の喧嘩しか知らない雑魚ばかりですからね。」

本実。
「子供の喧嘩で勝利した所で、弱者同士の争いで優勢なだけですね。」

星詩乃。
「子供同士の喧嘩で、勝利して自慢する、ああ滑稽な。」

旗江。
「相手を殺すのに、何発も必要ですかね?」
「二十秒で相手は死にますよね?」

詩叶。
「戦場では敵に何でもしても良いので。」
「何を食らわせようが自由です。」

本実。
「民間ですと、法律や規則で戦闘能力が制限されますね。」

旗江。
「戦場に法律は無いに等しい。」
「民間ですと、法律の制限の中で戦う必要があるので。」
「そこが難しい。」

義奈。
「雑魚なんてすぐ殺せますが、それだと法律が反対して来ますね。」

小姫。
「その制限で、戦闘が制限されるので、厄介です。」

義奈。
「戦場ならば、今すぐ終わる戦闘も多いものです。」

小姫。
「法律がうざい。」

アディラ。
「弱者は強者に力を発揮しないように。」
「狡猾な貶めを多用します。」
「構図を逆にしてくるのです。」
「いかに強者を封じるのか。」
「弱者が強者に責任を取らせて。」
「弱さの言い訳をするためです。」

義奈。
「構図を逆にして、悪い人が、自分をいい人と名乗っている。」

小姫。
「そのために、強者を数で批判する。」
「悪い人が有利になろうと必死。」

アディラ。
「弱者の責任転嫁。」

旗江。
「弱くて、それでいいなんて叫ぶ人はいますかね?」
「弱くて、それでいいじゃないか、と言う人は。」
「責任転嫁を仕掛けている。」

詩叶。
「弱くて劣っている状態を黙認する奴はいますかね?」

本実。
「誰だって、良い部類に入りたいのです。」
「その手段に困って、愚痴を言っているのです。」

星詩乃。
「どちらかと言うと、口実を作れなくて困っているようです。」
「弱者を辞めるきっかけにも困っているようです。」

自衛隊は次世代兵器の展示をしている。

演目が終了。

試合が終わると。

パワードスーツを並べて。

試作型を見せている。

その中で目立つのが。

試作型機動兵器。

縦六メートルで軽量化された新装備。

椅子のような区画に搭乗員が入り。

前面は強力な防弾ガラスと投射ディスプレイがあり。

椅子の部品をフレームとした設計。

後ろには燃料タンクが備え付けられている。

椅子の下側にロケットモーターがついており。

燃料が許す限り。

飛び回れる。

右腕にはミニガンが装備されており。

左腕にはライトマシンガンが装備されている。

両肩にはハイドラロケットか。

歩兵用の対戦車兵器や対空兵器が備え付けられている。

足部はバネのように跳ね上がるので。

ジャンプを前提にしているためか。

軽快に走れる。

頭部はセンサーやレーダーが装備されている。

椅子の区画はある意味ではショベルカーの席に近い形。

防弾ガラスを開いて搭乗員が出入りするため。

やや防御力が低く。

装甲車に撃ち抜かれやすい。

標準でFCSまで装備しているものの。

陣地潰し専門の兵器。

或いは、拠点強襲用の兵器。

暗殺任務などに使われる。

小型軽量で、扱いやすく。

構造を圧縮したので。

整備も量産も簡単。

全高六メートルで装甲車よりも軽く。

簡単な部品で作られていて、交換も楽々。

パワードスーツを大型にして。

そのままロボット兵器に仕上げた名品です。

アディラ。
「超兵器でも配備するのですか?」

旗江。
「これって、自作した兵器ですよね?」

光織。
「マニアが作ったものを手直しした試作品です。」

旗江。
「将来、こんな兵器が戦場に出るのかな。」

理姫。
「正式採用はなしですか。」
「防弾性能に難ありですからね。」

旗江。
「椅子のフレームは視界が防弾硝子だけですからね。」
「装甲車や対空車両にすぐやられる。」

光織。
「対歩兵用の機動兵器ですか、歩兵を倒すために設計された。」

理姫。
「ライフル小隊を一機で撃破する戦闘力だそうです。」

旗江。
「陣地や拠点に突進して、薙ぎ払う用途で使われますね。」

星詩乃。
「部品が、椅子のフレームと。」
「背後の燃料タンク。」
「前面の防弾硝子に。」
「椅子下部のジェットエンジン二基。」
「両足と両腕。」
「頭部くらいしか無いですからね。」
「後は内側に少しだけ仕掛けがあるだけです。」

詩叶。
「壊れても、部品を付け替えれば復帰ですよ。」

本実。
「整備も簡単、椅子のフレームが機体の全部ですからね。」

星詩乃。
「足部で高速移動するために。」
「バネが使用されていますが。」
「高速移動なしでは成り立ちませんね。」

光織。
「ロケットモーターの燃料が尽きると。」
「高速で走りながら撃つのです。」
「地上にいる攻撃ヘリコプターと同じ使い方ですね。」

理姫。
「小型で済んだサイズが売りなんですね。」

アディラ。
「なんですか、こんな売れそうな兵器は。」
「いろんな兵器のいい所取りですよ。」

星詩乃。
「今は、試作したマニアとの間で、実験として採用されていますね。」

旗江。
「実験用の機動兵器ですか?」

陸上自衛隊は、小銃を制する試合に移行していました。

次の演目は。

自称ヒーロー戦隊と悪の組織が戦うという。

陸上自衛隊の名物です。

ヒーロー側の隊員が、悪側の隊員を八百長で倒します。

模擬のナイフなども使われますが。

ヒーロー側は悪の組織が手加減してくれても。

勝たないといけないので。

けっこう辛そう。

旗江。
「あれなら実戦でも問題なし。」

詩叶。
「ふざけている軍隊は何故か優秀。」

本実。
「優秀なので、ふざけている余裕も多い。」

アディラ。
「純粋な戦士は、戦いを肯定する。」

旗江。
「人生もある意味では戦いですからね。」

義奈。
「優れているほど、冗談にも使えるその武力です。」
「どうせ人間は戦いの中に放り込まれるのです。」

小姫。
「格闘技の玄人は、大人しい人が散見されますが。」
「育成の過程で、自分が強いというプライドが木端微塵に破壊されるので。」
「受動的な傾向があります。」

義奈。
「戦闘狂ならば、殺し足らないと、勝負を求めるかも。」

小姫。
「力が暴発するのは、まだまだ弱いですよ。」

星詩乃。
「格闘技を習った人には、勝てないものと考えてほしい。」
「世人の争いを見ると滑稽です。」

アディラ。
「戦闘は否定しない、勝利するだけでは何事も足りない。」
「結局は戦える人が、何でも獲得する。」

星詩乃。
「勝利とは何かについて、追及する態度は好まれますよ。」

終盤で退場。

駐屯地の式典は終り頃。

陸上自衛隊には、式典がやはり多い。

お勧めは、軍隊徒手格闘の試合。

これは動画に上がっているほど人気。

もちろん、隊員同士は手加減しているので。

動画よりも戦場での格闘技が本物。

自動車で帰宅する。

拠点に戻ると。

撮影した格闘技を研究。

格闘技の研究は女性陣を魅了していますね。

休息のために解散。

うっかり夜になりかけている。

JK三人衆の自宅は歩いてすぐの所。

妹二人組は姉と一緒にマラソンで走り去っていく。

帰宅途中にて。

素人の尾行を受けている。

近辺で犯行を繰り返す暴漢がいるそうで。

特定の時刻に集中している。

そのために、私服警察官が捜索しているとのこと。

不審者が後ろから走ってくる。

星詩乃。
「強姦などは、女性が男性に勝つのは難しい。」
「という簡単な力の優劣が認められていませんね。」

光織。
「その男性を何十人。」
「間接的に抹殺したのか分かりませんが。」

理姫。
「男性が?男性は動きが遅くて。」
「攻撃を当てやすいのですけれど。」

星詩乃。
「本人が、攻撃されたと主張すれば。」
「正当化なんて可能ですかね?」

光織。
「同意に関係なく、攻撃されて防衛した。」
「女性がいるだけでは?」

理姫。
「それでは、女性は強姦する奴を倒せばよろしい。」

星詩乃。
「男性は犯しても良いと思った女性に。」
「攻撃するので。」
「強姦なんて、善悪を手玉に取れば。」
「もう正当化できませんよ。」

光織。
「自分がその女性を犯しても良いと思ったので。」
「攻撃しました?」
「色欲の管理を怠った言い訳ですね?」

理姫。
「男性の五官の欲望が、教化されずに放置されたので。」
「男性は本来の欲望を?き出しにして。」
「襲ったという訳ですよ。」

星詩乃。
「つまりは、相手を強姦したら論破して。」
「満足した自分を逃がそうと必死な訳ですね?」

光織。
「その通りです、強姦したいから襲った男性は。」
「攻撃された女性の言い分を攻撃しますが。」
「それは自分の満足を奪われたくないからです。」

理姫。
「なんたること、たまたま色欲の捌け口がいたので犯した。」
「お前は文句を言うな。」
「という論理ですねぇ。」

星詩乃。
「いかに強姦が邪悪なのか反論に成功しましたね。」
「好みの女性がいれば。」
「とにかく襲撃して。」
「女性の言い分を封じれば、色欲を満たすことができる。」
「つまりはそういう理屈です。」
「そこまで計算した上で、強姦するのです。」

光織。
「あれ?強姦が合法化されましたね?」

理姫。
「それが邪悪たる所以です。」

星詩乃。
「雑魚が相手ですか、つまらない戦いになりそうですが。」
「有名になった現行犯って、実際たいしたことないんですよ。」

光織。
「男性とは体力差があるという話ですが。」
「雑魚の男性相手に負ける訳がないでしょう。」

理姫。
「素早く終わらせる。」
「何も出来ずに死ね。」

光織。
「問題ない。」
「彼が死ぬ時が来たのだ。」
「相手が死を受け入れるようにしてやるまで。」

理姫。
「我々は被害者になるつもりはないんですよ。」
「残念ですが、加害者と呼んでください。」

星詩乃。
「クソ現行犯が、ぶっ殺してやる!」

振り向いて待ち伏せ。

路地を曲がってすぐの位置で。

尾行してくる男性が見えてしまった。

男性は接近。

星詩乃は。

掴もうとしてくる手を撃ち落とした。

光織が側面から利き手を掴んで。

理姫がフックで男性を殴ったり。

星詩乃が脛を安全靴で思い切り蹴って。

どうやら男性は打撲して動けず。

遊ばれた男性は気づくと手の指が折れていて。

首に手刀を入れられて息が出来ない。

男性は足を引きずってまともに動けず。

仕上げに男性を動かなくなるまで殴打。

防犯パトロールで巡回している警察官がそれを見て。

飛び出してきた。

何と、男性が仕掛けようとしている所を。

捜査員が尾行していて。

思わぬ所で戦闘になって。

逮捕に貢献。

実は、捜査員の姿を目撃していたので。

大胆にも倒してみた女子高生三人衆。

後日、表彰されることに。

翌日から。

平気で登校するJK三人衆。

星詩乃。
「力ずくで来る相手は。」
「力ずくで勝てない相手には無力ですね。」

光織。
「世の中、力なんですよ。」
「これで思うがまま。」

理姫。
「力まで平等になる訳がないでしょう。」
「下らない。」

義奈。
「私も何か倒そうかな?」

小姫。
「戦闘では、最後に倒れた奴が敗北者です。」
「強いから勝てる?それは素人の発想ですよ?」

星詩乃。
「はっきり言えば、抽象的な強さなんてない。」
「征服や勝利や支配や敵対から分離した強さがある。」
「相手を倒した時に分かる強さは順番が逆になります。」
「客観的な強さなどない。」

学校では噂になる。

この付近で暴行を繰り返していた。

犯人を倒したので。

話題になっています。

星詩乃の両親が総合格闘技のインストラクターなために。

こういう戦闘は何度も繰り返していますね。

弱者の女性はいますが。

強者の女性は稀ですね。

どうしても向かってくる相手は倒せば良いのです。

力の優劣だけは、競っても何ともなりません。

力は正義なり。


40


自宅にて。

今日は両親が頑張っていて。

私達の出番はなし。

労働が軽いのだけれど。

より高度で、結果が求められる勤務。

田畑は割と高い位置にあるので。

網で固定すれば何とか台風にも耐えます。

小山の所に同業者が布陣しているので。

ここら辺の平地は自分達の領地。

小山は、山葵に適していて。

河川がそのままあるので。

同業者に割り当てられる水源。

こちらは近くの小さな河川から取得。

水量を調べていたり。

のんびりしている田舎。

実験している田畑が豊作。

最近は保存食を作っていて。

冬に食べる保存食を調理して。

保管中。

携帯食料は頻繁に作成する仕事。

干した肉や乾燥した野菜は。

年中、作成します。

暇になって。

空を見ていました。

屋外の椅子から空を眺める。

仕事が少なくて。

今は待機するしかない。

旗江。
「脳科学。」
「デフォルト・モード・ネットワーク。」
「通称DMNと呼ばれる。」
「マインドフルネス。」
「マインドワンダリング。」
「前者は、無意識に湧いている思考や感情に反応せず。」
「眺めているもの。」
「後者は、無意識に湧いてくる思考や感情に振り回される。」
「とても有名な脳のメンテナンス状態です。」
「実際に自分は何も考えてもいないし。」
「何も思ってもいないのです。」
「脳がメンテナンスをする状態に。」
「思考や感情が湧いてきて処理されます。」
「脳科学では普遍的な観測です。」

詩叶。
「今は西洋思想が人気ですよ。」

本実。
「東洋思想も西洋で人気です。」

旗江。
「自由は西洋から伝わった概念ですが。」
「それ以前の自由とは。」
「語源が、漢文で、思いのままにする。」
「という意味がありました。」

詩叶。
「自由と我儘は区別されますね。」

旗江。
「もちろん、自由には責任があります。」
「自由なほど責任が重いとされます。」

本実。
「自分と他者の生命を尊重し。」
「財産を守り。」
「自他の人格と名誉を大切にして。」
「人は自由の権利を行使できます。」

旗江。
「自由とは独立を意味しているようですね。」
「自由主義とは少し異なる解釈になりますが。」
「他者からの干渉を受けずに活動できること。」
「他者を頼らず自力で始末する行為など。」

詩叶。
「自分で何も解決せず、人に依存すると。」
「自分の主体性が失われていきますね。」

本実。
「出世や成功を人生の目標とするのもよろしくない。」
「その集団に入れば、周囲に影響されて。」
「実力を発揮できません。」
「行き当たりばったりが高い地位の傾向にあるからです。」
「全員が有能で頑張る人達の集いに。」
「自分だけ自信があり、平均以上であっても通用しないからです。」

旗江。
「自分の行いに間違いがないようにする。」
「これも大事。」

詩叶。
「他人の考えに影響されず。」
「自分で正否を判断するのも独立ですね。」

本実。
「身体は、健康を維持できるように。」
「日頃から鍛錬して。」
「最高に仕上げておくと。」
「何事にも有利で。」
「都合が良い。」
「いざという時に身体の強さは決定的です。」

旗江。
「知性は道理を見極めて。」
「目的を誤らないように工夫します。」
「これは利益に直結します。」
「商売には必須の技能です。」

詩叶。
「情欲ですが、これは幸福に目指しているもので。」
「自然の欲望。」
「健全で害にならない情欲です。」
「適切な欲望を意味しています。」
「超過すると他人に危害を加えてしまいます。」
「誠実は情欲の度合いを決めています。」
「道理に外れた情欲は誠実さで元に戻します。」

旗江。
「意志は決断することです。」
「行う決心をすること。」
「行動は人の意志に基づいています。」
「決断を迫られた時には。」
「意志が大きな有利を生みます。」
「何かを決める場合に意志は必要です。」

本実。
「こういうのを日頃から鍛錬して。」
「制御するように心がけていれば。」
「必要なだけの学問は自然に得られますね。」

詩叶。
「学問は道理を得て利益に繋がります。」
「正義のために学んで。」
「利益のために使う。」
「みたいなものです。」
「どこでも有利になるのが教養というものなのです。」

旗江。
「学問のある人は、何にでも対処できて。」
「どこでも優勢になりますね。」
「論拠のない勉強をしている人は。」
「何でも食らって転倒して。」
「劣勢になったら挽回できません。」
「勉強では学問の足元には及びませんし。」
「学問は自主性が尊ばれて。」
「勉強は半分は強要されますので。」
「興味本位とか好奇心とか。」
「現実に活用したという。」
「実績が学問には生じます。」

詩叶。
「勉強は免許や得点のためにあるので。」
「かなり受動的です。」
「一部の人にしか、勉強の内容は武器になりません。」
「勉強で成功しているのは。」
「大学教授や知識人くらいなだけです。」
「学問には免許は要りません。」
「現実に生じる威力で判定されます。」

本実。
「現実で役に立たないけれど。」
「審査の基準になるのが勉強で。」
「現実で大いに役に立ち。」
「なおかつその領域を支配するのが学問です。」

旗江。
「勉強と学問は区別されますが。」
「学問は、学ぶほど内面が充実して。」
「知らなかったことを知ることになりますし。」
「歴史書を読むのと大差ないほど。」
「この世にあるものを知ります。」
「学問は徹底して客観主義の立場を選ぶため。」
「主観的な論説は入り込めません。」
「必ず引用してから論じないと。」
「オリジナルの思想とかの名前では呼ばれません。」

本実。
「古典は歴史が生んだものであるので。」
「勝手に新しい分野が生じることはありません。」
「客観主義が学問の世界です。」
「俗説や誤謬と呼ばれると。」
「最後には矛盾や理論の崩壊を見透かされて。」
「失脚したり、追放されたりします。」

詩叶。
「それを防ぐ方法はいろいろとありますね。」
「お勧めは学問のススメです。」
「もうひとつは論語です。」
「西洋ではヘレニズムという伝統の思想があり。」
「西洋思想の二大起源となっています。」
「伝統に従っているかでも。」
「客観主義になれますよ。」

旗江。
「最も良い方法は図書館で古典を読み漁ることですね。」
「無料で、借りたりも出来ますし。」
「費用も激減しますし。」
「膨大な数の古典が読み放題です。」
「私は自分に合わない書籍は少し読んで捨てます。」
「自分に合う古典だけ持ちます。」
「図書館で、少しずつ読んでいって。」
「図書館で無いものとか。」
「自分で持っていたい書籍だけを買うのです。」

詩叶。
「図書館の蔵書で、哲学などは目が回るほど。」
「数の多い訳本が見つかりますし。」
「希少本や絶版まで見つかりますよ。」
「市販のは割高ですし。」
「図書館の古典を読むことから始めれば。」
「手間も時間も費用も節約できますね。」

本実。
「勉強では教えてくれない要素ばかりですよ。」
「決まった通りに教育された程度では。」
「ついていけない内容ばかりです。」
「学校は決まっている通りに教育するだけで。」
「その他の規定から外れたものは何も教えません。」

旗江。
「決められた通りに教育されるだけでは。」
「足りないのです。」
「そこを体験できますし。」
「思い知ります。」

本実。
「論拠のない自信で、世渡りなどできません。」
「勉強は基本を教えるだけです。」
「それが現実に影響するか。」
「役に立つのかは無視して。」
「決まっている通りに教えているだけです。」

詩叶。
「私は、学校教育とは何を目的としているのか。」
「なんのために教育しているのか。」
「これが不透明だと思います。」

旗江。
「勉強は教養ではありません。」
「教養のある人が学歴の高い人を。」
「論破したり、一方的に反駁したりできるのは。」
「勉強が、制限された領域を想定しているからで。」
「学問から見ると、すべてが仮説に過ぎません。」

詩叶。
「勉強とはいったい何なのか?」
「という問いかけで足りるでしょう。」

本実。
「勉強とはいったい何を意味するのか?」

旗江。
「勉強とはなんのためにするのですか?」

詩叶。
「勉強とは何ですか?何を目的でするのですか?」

旗江。
「勉強が設定した、正解と答えは、実際の所。」
「何の意味も持ちません。」

本実。
「勉強がいくら正解と答えを設定しても。」
「理論上は正しいかもしれないが。」
「実際には役に立たない。」

旗江。
「勉強は包括して。」
「理論からは正しいとされますが。」
「役に立ちません。」
「それが論拠のない自信に繋がります。」

詩叶。
「勉強は人工的、作為的で、好きではないです。」

本実。
「勉強は、人間が作ったものなので、仕方がないのです。」

詩叶。
「人間が作った教育は、人間の欠点を多く引き継いでいますね。」

旗江。
「勉強を疑ったら際限なく反駁できそうですが。」
「知識人や教授や学術作家などは。」
「教育を活用していますので。」
「教育が全体主義の立場を選んだ場合のみ。」
「以上の批判が適用できるのです。」

本実。
「全体主義の教育なんて批判されますね。」

旗江。
「ですので、全体主義の教育にだけ批判します。」

本実。
「自由主義の教育は称賛するのですか?」

旗江。
「個人主義の学校教育なら、私は称えても構わない。」

詩叶。
「全体主義の学校教育だけが問題なんですね。」

旗江。
「自由主義の学校教育には不具合が無いでしょう?」

詩叶。
「その通りです、全体主義の学校教育は交換されるものです。」

旗江。
「少なくとも自由主義教育が本物であり。」
「少なくとも全体主義教育は欺瞞です。」

詩叶。
「それ以外の結論は出ないと思います。」

本実。
「自分の考えくらいは持つものです。」
「そして多少の間違いは無視です。」

旗江。
「観察と推論が経験論の秘訣ですし。」
「自分の考えや感想は持たないといけませんしね。」

本実。
「議論や情報交換でさらに活発になりますね。」

旗江。
「読書をして知識を得ると。」
「何が虚偽なのか。」
「何が信用できないのかも。」
「判断できるようになります。」

本実。
「天性には高い勤めを果たす能力があります。」
「秀才や天才は、より高い勤めを持っています。」

詩叶。
「おお、学問万歳!」

旗江。
「学問は万能!学問は万能!」

本実。
「教養があれば、負ける訳がないでしょ!」
「どこら辺に負ける余地があるのですか!」

西洋二大思想の書籍を持ってくる。

この辺りは古典で当たり前に出される。

屋外で読書。

近くにある拠点では。

カワラバトが集まっていて。

一週間に三回ほど。

雑穀やインコ用の餌を少しだけ撒いている。

こうすると、寄り付くだけで依存しない。

キジバトが頭に乗っても無視して読書。

近くで絵を描いているアディラちゃんが加わる。

さっきまで仲間の肖像画を描いていました。

完成したので、納品まで放置。

アディラ。
「ヘブライズム。」
「古代ヘブライ人の思想から出て。」
「キリスト教が継承した思潮。」
「神を中心とし。」
「倫理的な人生観・世界観を持つ。」
「ユダヤ教的精神。」
「ヘレニズムと共に西洋思潮の主要素。」

旗江。
「ヘレニズム。」
「ギリシャ語ヘレネス。」
「アレクサンドロス大王の東方遠征後。」
「アジア文明と融合して世界的性格を持った。」
「紀元前四世紀以降のギリシャ文化。」
「広義には、ヘブライズムに対して。」
「ギリシャ文化全体をさす。」
「ヘブライズムとともに、西洋文明の二大源流。」

詩叶。
「ストア学派とは?」
「ギリシャ哲学の一派。」
「人間は理性的でなければならないと主張し。」
「禁欲的な信仰の生活をその目標とした。」
「また、有名な話では。」
「理性以外のものは徳に達する妨げとし。」
「禁欲を理想とした。」
「ゼノンが唱え出し。」
「ローマ時代のセネカ、キケロにも受け継がれた。」

本実。
「実存主義とは?」
「抽象的概念による認識を排し。」
「現実存在としての自己の解明を主眼とする。」
「哲学の立場。」
「キェルケゴールにはじまり。」
「ハイデガーとヤスパースが発展させ。」
「フランスの作家サルトルによって名高くなった。」
「哲学では。」
「主観とか客観とかに分けてとらえる前の。」
「存在の状態。」
「ここに今あるということ。」

旗江。
「量子力学は理解できない学問。」

本実。
「それで、どんな姿勢が好まれるのか。」

アディラ。
「ボーア博士。」
「わからないことをあっさり放棄してしまった。」
「量子力学の父と呼ばれる所以。」

旗江。
「わからないことはあっさり放棄する?」
「それは凄い、私も同じことをしようと思います。」

詩叶。
「わからないことはすぐに放棄する。」
「まるでお手本ですね。」

本実。
「私も古典でわからないものは放棄しています。」

アディラ。
「月が近いね、今回は最も近い周回軌道ですね。」

旗江。
「月が大きく見えるのは、周回軌道の関係です。」
「赤く見える時は、夕日と同じ理屈です。」

詩叶。
「月は、けっこう謎の天体で。」
「どうやって形成されたのか、未だに理解されない。」

本実。
「宇宙背景放射は、インフレーション時期に発生した残骸。」
「のようなもの。」
「宇宙のいろんな方向から来るので。」
「ようやく突き止めた。」

旗江。
「宇宙も、慣れ親しんだ領域ですなあ。」

アディラ。
「宇宙はこの後、どうなる?」

旗江。
「有力な説では。」
「破裂した後に、生まれ変わる。」
「新しい宇宙に再生する。」
「とのことで。」
「前世の宇宙が存在しており。」
「今の宇宙はそれよりも数倍は長生きする予定。」
「というのが定説です。」
「それも数億年後の出来事になります。」

アディラ。
「繰り返しですか、とまあ否定しません。」

旗江。
「別に繰り返しでも良いのでは?」

アディラ。
「せっかく出来ても、不細工な作品なら、壊れれば良いだけ。」

旗江。
「せっかく作った文明も、傑作ではないのなら、壊れると良い。」

詩叶。
「駄作文明なんて消えろ。」

本実。
「文明が駄作なら、消されてもおかしくはない。」

アディラ。
「駄作が消去されない理由なんてない。」

拠点の中では。

妹二人組が。

ゲーミングパソコンを操作して。

フライトシミュレーターで遊んでいる。

拠点の窓から見えている。

義奈。
「テクノ依存症。」
「コンピューターマニアはテクノ依存症。」
「逆にパソコンが上手に扱えない人は。」
「テクノ不安症と呼ばれる。」

小姫。
「パソコンマニアはコミュニケーションを軽視して。」
「テクノ依存症に陥りがち。」
「パソコンを使えない人は。」
「テクノ不安症と呼ばれて。」
「両者に格差が生まれている。」

義奈。
「それは社会心理学ですね。」
「機材の性能に異常なまでに執着するとか。」
「高性能な機材以外は受け付けない。」
「または排除しようと自慢するのも。」
「テクノ依存症です。」

小姫。
「テクノストレスは、その両方で生じます。」
「場合によっては本人にダメージを与えます。」
「機械についても、社会心理学で。」
「警告がありますね。」

拠点の隣。

いつもの女子高生が訓練をしている。

友達を誘って。

一緒にサンドバッグやボボ人形を殴っている。

格闘技でいけないのは、素振りをすること。

無駄に複雑や形式的な技なんて意味がない。

格闘技の階級に拘泥して、実際の戦力を無視するのも頭が悪い。

対プレッシャーテストやストレス訓練を受けていないと。

実戦ではまるで立ち回れない。

ただし、例外として。

戦闘では、相手の攻撃性や残虐性を。

簡単に上回れば。

それだけで相手を力押しできる場合が大半。

最初から冷酷で、残虐を好む人には。

安直な暴力も勝てない。

星詩乃。
「軍隊は、異常とされる人材を排除する。」
「そもそも採用しない。」
「兵士は悪人になろうとはしない。」
「むしろその逆になるように訓練される。」

光織。
「厳格な交戦規定があり。」
「同様に、警察官も同じく。」
「必要なだけの力の行使しかしない。」
「そのように繰り返し訓練を受けている。」

理姫。
「自分の国を守るため。」
「暴力から国民を守るため。」
「という簡単な道理で力を行使するため。」
「状況に応じて様々な手加減もするし。」
「無駄な破壊はしないように教育を受けている。」
「たとえば、施設に突入する際は。」
「大声で警察組織であると名乗ることで。」
「無実の人間は抵抗しなくなる。」
「抵抗してくる人間が敵なので。」
「無実の者は伏せるか隠れるかで動かない。」
「そういうのは平気でする。」
「おまけに。」
「死ぬつもりで作戦に投入はしない。」

星詩乃。
「軍隊を貶める平和主義者の洗脳には警戒してください。」
「軍人は巨大な暴力を鎮圧してくれる方々ですからね。」
「菜食主義者も洗脳を多用しますが。」
「平和主義者も洗脳をして、戦闘を否定する。」
「悪に対して無抵抗を教えるという邪悪な所があり。」
「そういう奴らが軍隊について、虚偽の情報を広めています。」

光織。
「武力を否定して、武器を嫌がる奴は屑か稚拙な奴です。」
「最初の一撃を加えられるまでは気づきませんし。」
「最初のミサイルや弾丸が着弾して、ようやく間違いを理解しますね。」

理姫。
「弱いから武力を嫌がるのです、自分の弱さの責任転嫁ですね。」
「それで軍隊を貶めようとして。」
「その後に自分が正しいと主張するルサンチマン。」

星詩乃。
「戦争なんて世界から消えることはないですね。」
「むしろ、戦争から学ぶ訓戒は多々あります。」
「力には力で対抗するしかない。」
「相手が一方的に正しいと主張して。」
「力の行使を決断するのなら、なおさら攻撃が必要です。」

光織。
「司令官の格言にも。」
「必要なだけの力の行使。」
「というものがあります。」
「これはアメリカ軍の格言。」
「必要なだけの暴力を用いる。」
「とか。」
「必要なだけの武力で済ます。」
「などの言い回しがある。」
「軍隊とは暴力を暴力で鎮圧する組織。」
「という成句もある。」

理姫。
「軍隊徒手格闘は、とにかく殴打が基本。」
「締め技はその補完であり。」
「投げ技はあまり使わない。」
「まず殴打は、サンドバッグが振動するか。」
「陥没するのが玄人で。」
「素人の殴打は、サンドバッグを吹っ飛ばしてしまう。」

星詩乃。
「とりあいず顔面を狙え。」
「という格言もありますね。」

光織。
「彼がナイフを持ったので彼を殺しても良い。」
「というのは通用しない。」
「という格言もあります。」

理姫。
「掴まれても、自分は両手で殴れますし。」
「掴んでくる相手は、側面に移動すると。」
「当たらない。」

星詩乃。
「基本は、相手の正面に立つな。」
「というものです。」
「とりあいず側面に回り込んで攻撃する。」
「この繰り返し。」

光織。
「大ぶりの打撃は、外れやすい。」
「モーションが大きいので察知される。」
「焦って距離を詰めてしまうので。」
「相手の攻撃は失敗しやすい。」
「防御と回避が簡単という結果になる。」

星詩乃。
「掴みかかる、大ぶりの打撃。」
「この二つは、カウンターを食らうので。」
「素人がよくやる攻撃なのですが。」
「この二つに対策をされると。」
「腕力自慢は何も出来ません。」
「防御してから反撃されて落ちるのが。」
「二つの素人戦法となります。」

理姫。
「どんな動機ですら、一時的に勝者が正しいことになる状況が。」
「民間における戦闘です。」

星詩乃。
「ローマの格言にもありますが。」
「相手が強いと思うから強くなるので。」
「相手が弱そうに見えると、実際に弱くなります。」
「他人がどんな屈強であると宣伝しても。」
「自分からは弱そうだと思えるくらい。」
「訓練すれば。」
「民間における脅威は無に等しい。」

光織。
「実例では、敵が根拠のない自信を持って。」
「仕掛けてくる場面が全部です。」
「戦闘力に何の根拠もないんです。」
「勝利の計算も論拠のない自信があるので。」
「敵が失敗に気付くのは倒れてからです。」

理姫。
「腕力自慢の大半は敗北者ですからね。」
「自分より格上と戦うと彼らは負けます。」

星詩乃。
「少なくとも互角の相手と組みあうのは愚かですよ。」
「殴打が基本です、殴打が仕上げれば良いのですが。」
「あんまりやり過ぎると、犯人が法律で勝利してしまいます。」
「ただし、相手が攻撃するまで待つ必要はありません。」

光織。
「ゲーム理論で、強盗との駆け引きがありますが。」
「相手の戦闘力が貧弱で。」
「なおかつ一人だけなら。」
「いきなり殴って逃走できます。」
「二人なら、財布からお金を落として逃げます。」
「戦闘は頭脳明晰な戦士が強力なのは言うまでもないのですが。」
「現場で考えている余裕はありません。」

理姫。
「最初の一撃から十秒で、勝敗がつくのが戦闘ですね。」

星詩乃。
「実は、駆け付ける警察官の方が数倍強いので。」
「犯人は、自分より桁が違う警察官と格闘して。」
「毎日、どこかで負けています。」
「天才の犯罪者なんて居ないのです。」

光織。
「肝心なのは、戦闘は、暴力が正当化される現場です。」
「退けるか、逃亡するか、相手を倒して自分が正当化するか。」
「くらいしか選択肢はありません。」

理姫。
「暴力に遭遇する確率は、実の所はとても低い。」
「おまけに、犯罪者は強くない。」

星詩乃。
「犯罪者ですと?貴様は強くない!」

紳士。
「君達は戦闘狂!」

学者。
「現場ではしゃぐんじゃないよ!」

夫人。
「あんたら、遊んでいるのかな?」

賑やかな拠点の周囲。

見物客まで発生。

女の子が格闘技を訓練していると。

何かと目立つ。

ちなみに、実戦では汚い手を使うことが必要で。

幾つかの汚い手を持っておくこと。

敵の企図を挫けば、防御側の勝利。

民間では、法律から見ても防御側がお得。

女子高では、格闘技を習った女の子が複数いるので。

近くにある男女共学の学校からは。

恐ろしい場所であるという噂があり。

不良のリーダーが女の子に倒されたので。

不良のリーダーが追放される事件も発生。

その高校では、総合格闘技を習った空手部と不良との抗争があったりして。

やはり時代は文武両道ではないと見向きもされない。

そもそも武士は文武両道が当たり前。

拠点の近くにある。

キャンプ用品の区画。

完成した絵画を眺めているアディラ。

絵の具が乾くまで。

野外に出している。

アディラ。
「功利主義は俗受けするから広まったと思われる。」

旗江。
「功利主義にも分類はありますが、俗受けしますね。」

詩叶。
「上限や限界がある快楽を追い求めるなんて愚かな。」

本実。
「少数派にも多数派と同じ権利がありますが。」
「多数派は、より過激な行為を選ぶでしょうね。」

アディラ。
「集団の定義に誤りがあります。」
「会社でまとまっているのが集団です。」
「偶然、そこにいる集まりは。」
「社会心理学では、集団とは言いません。」

旗江。
「単なる集まりを、集団と呼ぶのは定義の誤りですね。」

アディラ。
「功利主義はそれです。」

旗江。
「なるほど、簡単な説明です。」

アディラ。
「説得が上手であったり。」
「信用されるような話術を駆使して。」
「その場で人気を得るような。」
「一般で好かれる人は。」
「なぜ説得したいのか。」
「目的がまったく見えません。」
「場合によっては邪悪な目的で。」
「説得が上手で。」
「信用されようと説得している可能性もあります。」
「説得が下手な人は。」
「説得によって得られる目的が露呈してしまうので。」
「説得に失敗するのですが。」
「説得が上手なほど、目的が隠れてしまい。」
「両方共、具合の良いものではありません。」

近くで練習試合をやっている女の子達と。

屋外で読書している女性達。

論語にも、先天的なものは乏しいもので。

後天的なものが大半という教えがあります。

孔子は、先天的なものを否定して。

後天的なものを尊重しました。

女性達は、ここ数日、読書ばかりして。

追いついても、また新しい書籍を発見する。

その書籍を得るとまた次の良書を見つける。

やはり学問は、いくら追いかけても、抜かされます。

無制限に追従するのは、難しい。


41


臨機応変。

メンバーが揃って。

下校して着替えて登場。

たまに制服のままで来る。

下校が遅い学生が通りかかる。

何を思ったのか。

地元の中学生が投石した。

少し大きい石が飛んでくるものの。

星詩乃はあっさり攻撃を確認。

石を簡単にキャッチした。

投げた石を簡単に捕まえられて。

絶句する片方。

続いて、別の中学生が、野球ボールを投げたものの。

これもあっさりキャッチする。

これを投げ返して。

投石した中学生の顔面に命中。

中学生は逃げ出した。

学校に苦情が入る。

星詩乃。
「責任とは?」
「それは損得勘定である。」

旗江。
「損害を受けた被害者が。」
「損害を与えた加害者に。」
「支払いを要求するのが。」
「責任の本質なのです。」

アディラ。
「裁判では、判決内容によって。」
「被害者の満足や快楽が満たされれば。」
「それが報復の代行になる。」

詩叶。
「法律は、そもそも勝手に復讐して。」
「無秩序になるのを防ぐために。」
「強者や支配者が作り出したものですね。」

本実。
「もちろん、前科がついた人は。」
「社会から敵対されたり。」
「共同の世界を壊したとして。」
「保護から除外されます。」

アディラ。
「昔は、怒りによる制裁が多かったのですが。」
「それでは、制裁を加える悪人が。」
「死ぬ気で立ち向かってくると。」
「裁く側が殺されてしまうので。」
「なるべく納得される。」
「自由刑が選択されました。」

旗江。
「強い者が暴力で支配しているのなら。」
「もっと強い者が現れて。」
「その者と交代しても良いのですから。」
「そこには伝統も正当性も不要です。」
「そうではないので。」
「結果論として、全員の同意が得られるのです。」

光織。
「なので責任とは、被った損失を。」
「責任を負う人が支払うという。」
「その程度のことでしかありません。」

理姫。
「責任は換言すると負債なのです。」
「負債を何らかの形で清算するのが責任です。」

旗江。
「責任とは等価交換で支払う構図なのです。」

義奈。
「被害者が加害者に、等価交換で支払ってください。」
「というのが責任なのです。」

アディラ。
「等倍報復とも言えますが。」
「実の所は、損得勘定によって。」
「等価交換で責任のある人に支払わせて。」
「被害者に出させた損害を。」
「加害者が何らかの形で支払わせる。」
「それだけ。」

小姫。
「被害者の損害と、加害者の負債は。」
「釣り合わないといけません。」
「責任を突き詰めていくと。」
「最後には、被害者の受けた損害を。」
「加害者に支払わせるというものが責任です。」

旗江。
「勧善懲悪に走ると、徒党を組んだ悪人が軍団になって。」
「軍隊を襲撃してしまい。」
「軍人からも裏切者が出るでしょうね。」
「そして。」
「国政を打倒するに至り。」
「僭主君主と化してしまうかもしれないので。」
「なるべく、寛大な処置をして。」
「社会の敵対者として、社会から除外されるのです。」

アディラ。
「それでも決定論に基づく世界なんて。」
「みんなすぐに退屈しますよ。」

旗江。
「決定論で成立している世界なんてあったら。」
「すぐに飽きてしまって。」
「誰でも投げ出しますね。」

星詩乃。
「なので、責任とは、被害者が受けた損害を。」
「加害者が何かしらの方法で支払うだけの簡単な構図です。」

旗江。
「引用は。」
「ニーチェ入門講義とか言う名前の書籍ですが。」
「個別にある訳本の解説本は珍しいのです。」
「大半は、総集編とか。」
「研究の成果が反映された図解であったり。」
「簡潔にまとめられた漫画や対談形式であったり。」
「ニーチェ哲学は飲茶先生の図解が最高です。」
「白鳥春彦先生の図解は次に最高です。」
「飲茶先生は包括した内容を。」
「白鳥春彦先生は総集編を書いています。」
「前者は最近で。」
「後者は一昔前の解説となります。」

詩叶。
「よくあんな難解で把握できない文法を。」
「しかも比喩や文学手法まで駆使された。」
「論理だらけが極まった古典を。」
「細かい所まで分析して他人に説明できますよね。」
「あまりにも高度な知性を持っているので。」
「ついていけない場合もあります。」

本実。
「しかし我々はセネカやエピクテトスやマルクス・アウレリウスなど。」
「他にはプラトン哲学は、けっこうあっさり理解できますよ。」
「相性なんですよ。」
「哲学にも向き不向き。」
「つまりは、得意な哲学や不得意な哲学もあります。」

アディラ。
「好きな哲学や思想は簡単に理解できますよね。」

光織。
「それと同じで、哲学の専門家は桁が違うというもの。」

理姫。
「私は好きな古典だけ読むことにします。」

旗江。
「古典は読んでいるうちに。」
「特定の思想に自分が似てきますし。」
「寄っていきます。」
「それが自分の持つ哲学や個性に似ているので。」
「それだけ読んでいれば足りますよ。」

星詩乃。
「全部が自分に当てはまるとか。」
「全部、自分と同じ哲学や思想までには行きませんが。」
「私の体験としては、それは普遍的にありますね。」

アディラ。
「最初は、書いてある内容に反発したり。」
「拒否したり、嫌になったりもしますが。」
「後から読み返すと、すんなり理解できることもありますね。」
「学問の進捗に応じて。」
「自分と似ている哲学というものは生じます。」
「それまでは読書だけです。」

いつの間にか。

野外の机には。

たくさんの書籍。

雨や破損に本は弱いので。

劣化しないように保管していたものの。

やはり読まないともったいないと。

とりあいず読んでおく。

とにかく読んでおく。

何があってもいいように。

教養で備える。

旗江。
「論語と老子と菜根譚は。」
「お勧めの書籍だと思います。」

詩叶。
「論語は、原文がやや崩壊していますが。」
「経験論で語られる問答集です。」
「昔から日本で読まれる教養の基本です。」

本実。
「老子は逆説的な見解なら、いくらでも出てきます。」
「逆説的な教えが網羅されているので。」
「今までとは違った世界が見え透いていきます。」

星詩乃。
「菜根譚は、訓戒の集まりで。」
「自分を修正するのに適していますね。」
「菜根譚は、自分を直すのに効果があります。」

義奈。
「論語は、さらに儒学の教典と。」
「たくさん出てきますが。」
「儒学を本格的に習っている塾もあるため。」
「詳しくは、探し出して習うとさらに深くなりますね。」

小姫。
「老子は、そのまま適用できる裏の部分。」
「世界の裏側まで見えるほどです。」
「元々は道教なので。」
「道教についての資料は少なくて。」
「把握は簡単ではない。」

光織。
「菜根譚は、三教の研究から成立した教えです。」
「読むだけで、世の中の価値観の誤りに気づきますね。」
「少し僧侶の傾向があるので。」
「説教するような文法が多用されていますが。」
「自分を直したい人は、訳本を手に取るのが推奨されますね。」

アディラ。
「西洋思想は、古代ギリシアと古代ローマなどが代表です。」
「それ以外にもありますが。」
「基本はそこにあると考えてほしいものです。」
「哲学の辞典があれば、全部の紹介は達成されています。」

理姫。
「西洋哲学一覧みたいな書籍は出回っているので。」
「そこを見てからですね。」

旗江。
「自分を修正したり、正統な知識を得ることができるので。」
「学問なら、最初から哲学がお勧めですね。」

詩叶。
「一周するのに三年は必要みたいですね。」
「学問は趣味であるので。」
「そういう趣味の人が当たり前にやります。」

本実。
「論語を読んでいる限りは。」
「学問とは趣味です。」
「欲望ではありません。」

旗江。
「学問は利益でもあって趣味ですね。」
「必要な知識を得たら。」
「後は趣味の話です。」

アディラ。
「洞窟のイドラと呼んでいて。」
「必要な知識が足りないと。」
「どこでも不具合に見舞われます。」

旗江。
「趣味で学問をしているので。」
「理由は説明できませんね。」

夜間。

小山に大学のサークルが来場。

天文学のサークルで。

星空が見えやすい農場にいる。

農場には。

小型ソーラーパネルで動く照明器具があって。

小さな照明器具は、周囲を見渡しやすい。

拠点と自宅の周囲は小型ソーラー電池で動く。

照明器具が発光する。

焚火の準備。

旗江。
「不正を見破るのは、当然の権利であると考えています。」

詩叶。
「不正を非難するのも、当然の権利ですね。」

本実。
「不正を撃破するのも、当然の権利であると思われます。」

旗江。
「偽証について。」
「もれなく?をついて。」
「勝とうとする。」
「対象を攻撃するか。」
「嘘をついて相手を殺そうとするもので。」
「相手をいくら嘘でもいいので。」
「間違っていても。」
「開き直って。」
「他人が信じて味方になってくれると。」
「期待して仕掛ける手段。」

アディラ。
「嘘をつくしか、もう手段が無いので。」
「どんな嘘も平気で繰り出すのですよ。」

旗江。
「濡れ衣でも構わないので。」
「濡れ衣を着せて。」
「相手を殺害する。」

アディラ。
「悪者は、いかに巧みな嘘をつけるか。」
「相手を嘘によって排除できるか。」
「計算しながら、効率よく仕掛ける。」

旗江。
「嘘しか言わない人間になっても。」
「見えているのは相手の抹殺であり。」
「嘘が発覚したり。」
「?がばれた時の反動は無視する。」
「いかに合法的な殺人をするか?しか考えない。」

星詩乃。
「嘘によって合法的に。」
「自分が気に入らない相手を排除する。」
「そこでの争点は。」
「偽証をする奴が、いかに上手な嘘をつけるか。」
「どのくらいの人を騙せるのか。」
「嘘によって相手をどう倒すのか。」

旗江。
「そもそも偽証、つまりは嘘をつくしか。」
「繰り出せるものがないので。」
「負け惜しみのようなものであり。」
「実力で勝てないことを認めているので。」
「力ずくで貶めて。」
「純粋なルサンチマンと化していく。」

光織。
「やることが、もはや嘘の繰り返しで。」
「偽証をする事自体が不正ですが。」
「嘘の繰り返しになっているのは。」
「とても滑稽ですなあ。」

理姫。
「繰り出す攻撃が嘘の繰り返し。」
「これは滑稽。」

義奈。
「嘘しか対抗できない人間と化してしまい。」
「ひたすら嘘を繰り返す。」
「もはや何がやりたいのか意味不明。」

小姫。
「何がしたいのか分からないほど。」
「嘘を繰り返す。」
「偽証なんてこんなものです。」

旗江。
「嘘を信じる頭の悪い奴らが。」
「複数いると厄介ですね。」

アディラ。
「知らずにグルになって。」
「偽証に味方するので。」
「過失と言われても。」
「反駁が難しい。」

旗江。
「嘘を信じて味方をした。」
「そいつらの頭が悪いせいなのにね。」

アディラ。
「嘘の内容を実行した奴らも。」
「同じく不正をしているのです。」

旗江。
「自分の頭の悪さのせいで騙されて。」
「不正に参加したのなら。」
「言い訳とか言い逃れを。」
「そいつらは繰り返すものですね。」

アディラ。
「真実よりも嘘を信じるのが、人間の特徴です。」

旗江。
「人類は経験論でしか学びませんよね?」

星詩乃。
「結局は嘘の方を信じたいのですよ。」
「迎合されるからですね。」

アディラ。
「嘘は迎合される。」

焚火。

バーベキューセットを使用して。

サツマイモを焼いているのですが。

大人が子供を連れて来客。

大量の焼き芋を配っています。

サツマイモが余っているため。

焼き芋を作りまくる。

来客がいなくなると。

夕方に予約した人の分を焼いて。

すべてに渡したら。

みんなで焼き芋を食べて。

星空を観察。

流れ星が複数。

旗江。
「天文学では、ハッブルの十年間。」
「これを覚えていれば。」
「たいてい把握できますね。」

光織。
「千九百二十年代の出来事です。」

星詩乃。
「銀河を内側から眺めている。」
「ということを発見したのは。」
「哲学者のカントでした。」
「後に確認が取れています。」

アディラ。
「今は、図解とか漫画とかで説明される時代ですね。」

理姫。
「今の文明が永続するとは思わないし。」
「久しぶりに滅亡して再生すると思われる。」

詩叶。
「かえって唯物論が危機に瀕する。」

本実。
「宇宙の誕生から終わりまでは。」
「定説がありますよ。」

星詩乃。
「宇宙は生まれ変わりを繰り返す。」
「永劫回帰。」
「これは。」
「サイクリック宇宙論と呼ばれていますが。」
「超ひも理論では、当たり前の予想です。」

旗江。
「他にはよくある予想として。」
「エキピロティック宇宙論が採用されていますね。」
「こちらは、似たようなもので。」
「定期的に生じる宇宙の生まれ変わりです。」

星詩乃。
「これは普遍的な仮説ですが。」
「今の宇宙は、五十回目の宇宙で。」
「前世の宇宙は四十億年。」
「現世では、寿命が八倍伸びて。」
「三百億年となるそう。」

旗江。
「ビッグ・リップでは。」
「宇宙が膨張して破裂しますが。」
「一千億年後の出来事です。」
「そもそも。」
「今は第二のインフレーション期です。」
「ビッグリップについては宇宙論の定番です。」

星詩乃。
「超ひも理論は、究極の学説になると言われる有力候補です。」

帰ろうとする。

自宅はすぐ近くにありますが。

農園の敷地から出ると。

いきなり乱入してくる。

待ち伏せ。

不審者。

花火を発火させながら。

突撃してくる謎の男性。

前に出現した元求婚者のひとり。

懲りずに仕掛けてくる。

引火した花火を持って突進するも。

置いてあった廃材を。

盾にして謎の男性に衝突させて。

男性は火傷をして逃げ帰った。

振り向いた不審者が見たのは。

女の子同士が手を繋いでいる姿。

そして、旗江が異性よりも女の子が好きであると。

元求婚者が理解するのに。

ここまで何年も必要であった。

男性は捕まった。

度々、農場の付近で不審者が目撃されるので。

パトロールカーが近くを巡回しており。

侵入者の男性は危険物を所持していたので。

謎の男性は連行された。

もっと危険なのは狂人が出歩いていること。

何かしらの合法的な獲物が欲しくて。

最近は徘徊している。

全員、走って帰宅。

最近の実例。

馬鹿正直で、自分の作戦を変更せず。

表面だけ見て判断を続け。

他の可能性を無視する。

故意に他の可能性を放棄する。

すると、臨機応変な対策が打てずに。

状況の変化まで理解しない。

このクイズの答えは、これだよね?

という既成概念を信じ続ける。

その人達が知っているのは。

クイズの回答だけ。

実際は、機知や機転が必要で。

特に、臨機応変にいろいろと変更するのは。

無能にはできないけれど。

有能にはできる偉業です。


42


偽証。

いつわって証明すること。

「法」裁判所で証人がいつわりの証言をすること。

番組。

俗世間から離れ過ぎたので。

敢えて俗っぽいものを観ている。

これらの支持者は、二割くらいかな。

なんて思っている。

全員が賛同する作品も番組もないので。

向こう側の言い分は、理解できない。

ちなみに録画。

旗江。
「私は明後日生きるだろう。」

アディラ。
「明後日?」
「今日ではないのですか?」

旗江。
「いいえ、明後日、私は生きる。」

アディラ。
「明後日?一週間後は?」

旗江。
「十日前は生きた。」

星詩乃。
「今年の体育祭も勝手に休んでおいた。」

旗江。
「ずる休みしない奴がお人良しなのでは?」

詩叶。
「拒否して逃げられる時点で。」
「義務ではないね。」

旗江。
「そんなもの。」
「従う者だけでやれば良い。」

本実。
「犯罪の報道が目立ちますね。」

旗江。
「実刑判決はどうなのか問われてはいないね。」

詩叶。
「新聞や報道は売り上げも大事なので。」
「凶悪犯罪を目立つように仕向けている。」
「自然の成り行きかな。」

本実。
「世の中は、目立たない人で満員ですよ。」
「むしろ目立つ人は極端に少数ですね。」

旗江。
「犯罪の遭遇確率は、極めて低い。」
「宝くじに当たるくらいに低い。」
「護身術の教本より。」

光織。
「逮捕されても、警察と司法は別物ですからね。」
「その後に軽く済んでいる事案が散見されますね。」

理姫。
「前科の方が、彼らに厳しい主人かもね。」
「被害者にとっては、敵に経歴がつくのが最高の報復。」

旗江。
「不正についての考察が抜けていますね。」

アディラ。
「日曜日に、戦隊が放送されていますが。」
「あれは民兵が勝手に戦闘をして。」
「テロリストを撃破している。」
「仮に負けて殺されたら、物語は終了。」

星詩乃。
「何でも知っていると思い込む。」
「というのは青年しか持っていませんよ。」
「報道で容疑者が出ても。」
「まずいことになったと訴える人間がいるだけです。」

旗江。
「小さな悪事なら、普遍的にあったりする。」

アディラ。
「中世では。」
「小事に仕返しをしないので。」
「普遍的な生活を維持している。」
「なんてことがよくあった。」

旗江。
「そんなこと言うと、普通の何々とか説教されそう。」
「普通なんて誰が決めた規則なのか分かりませんがね。」

アディラ。
「普通?その内容は具体的に、どっかにまとめて書いてあるの?」

義奈。
「何か悪事を見るごとに、気分が悪くなる人がいる。」
「見ないほうが健康ですね。」

小姫。
「過酷な世界の中で、無暗に争うのは。」
「無駄に悲惨ですなあ。」

旗江。
「その残酷な世界の一部が。」
「相手を貶めて。」
「自分が正しいと敵を非難しながら。」
「言い返せないように仕組んで。」
「一方的に攻撃する。」
「破壊本能かな?」

アディラ。
「破壊衝動?」

旗江。
「正義が悪を倒す?」
「あんたら正義ですらないでしょ?」

アディラ。
「正義ではないのに、悪に手向かって負傷して。」
「何とか勝利する民間人。」
「ではなくてテロリスト。」

義奈。
「現行犯に向かって殺された実例なら。」
「けっこう出てきますね。」

小姫。
「有名な通り魔に立ち向かって。」
「たった一人に三人も殺されたとか。」
「弱ければ、何を言っても殺されるしかない。」

旗江。
「最近は、摂理を信じる人はいなくなったね。」

アディラ。
「力は正義。」
「弱ければ、一方的にやられるしかない。」

旗江。
「人々は、天罰を期待するようになった。」

光織。
「神罰は勧善懲悪を完全否定している。」
「プルタルコスの引用。」

理姫。
「なので、摂理を信じようとはしなくなる。」

旗江。
「プルタルコスによれば。」
「神罰は常に遅れるので。」
「それに合わせる人が義人ですよ。」
「何かしても。」
「その後の経過を神様は観察しているので。」
「後々の変化は誰にでも起こり得る。」
「悪逆非道な手段で君主になった後に。」
「民主制を作ったり。」
「善政を敷いたりする実例が挙がっている。」
「もし?」
「いきなり処罰すると。」
「後々の変化や世界の利益を奪ってしまっている。」
「古代ギリシア人は、いきなり不正を処罰すると。」
「離島の発展や島国は存在しなかったと紹介している。」
「本人のもたらす利益は目立ちますね。」

詩叶。
「保護と治療があるので。」
「回復が不可能な人間なんて。」
「神様は生命を奪ってしまう。」
「モラリアは高価ながら。」
「エッセイの宝庫。」

本実。
「その行いから継続的に。」
「何かしらの影響が続けていて。」
「毎日、同じ影響が繰り返されるとか。」
「一撃を食らった所が処罰の終わりとか。」
「神罰についての考察が深いですね。」

旗江。
「神罰は、他の形態が選ばれるので。」
「不運や災難で現れるのが一般的。」
「他の方法でも神罰は現れるので。」
「勧善懲悪ではないよ。」
「という教えですね。」

詩叶。
「エッセイの中にもある通り。」
「悪人の願望は叶わない。」

本実。
「とある部族を滅ぼした君主が不正で処罰されても。」
「その部族が処罰を目撃することはなかったし。」
「その部族は滅んでしまったので。」
「敵討ちにはなってはいないね。」

旗江。
「敵討ちに応じて貰えるかは、公平ではないので。」
「今ある神罰に合わせるものです。」
「今ある神罰を模倣して習う人が正義ですね。」

義奈。
「ローマ法では、復讐が合法化されていましたが。」
「それが今では、消されていますしね。」

旗江。
「神様に近い人は。」
「神様を模倣しても良いことになっているし。」
「一部を受け継いでも良いのです。」

小姫。
「善なるものについての無知とか。」
「悪い教育や交際などで。」
「落とされると。」
「遂には保護されて治療される。」

星詩乃。
「回復しようとする人など。」
「そういう人には。」
「保護と治療があって。」
「処罰で殺したりはしない。」
「しかし、経過があまりに悪いと。」
「神罰の影響が強まる。」

アディラ。
「相対的に見ていますね。」
「落雷などの絶対的な形で見るだけでは駄目。」
「処罰と治療は区別しないといけないというのは。」
「ありのままですね。」

詩叶。
「保護される人もいますよね。」
「邪悪な出自の中から。」
「優れた者が出た場合は。」
「保護されて治療される。」

本実。
「不思議な経過で許されることもあったという。」
「落下で一度死んだけれど、三日後に蘇生した際。」
「謎の世界であらゆる刑罰を目撃して。」
「最高の善人になっていて。」
「最高の倫理を社会にもたらした。」
「というのもあります。」

アディラ。
「神罰は人間の考えるものとは。」
「かけ離れて違うというもので。」
「人間がいかに馬鹿な処罰を期待しているのか。」
「思い知りましたよ。」

旗江。
「プルタルコスは実例から出しているので。」
「エッセイ。」
「神罰が遅れて下されることについて。」
「これが参考です。」

中央インターネットでは汚染が酷い。

正義ですらない、暴力ですべてを解決しようとする。

愚かな人々が、偽証を手段に用いているようです。

包括すると、クイズの内容を答えろ。

クイズの答えは、こちらが持っている。

間違えたら暴言で叩きのめす。

というもの。

別の下層ウェブでは、エロティシズムの研究に使われそうな。

過激な映像が公開されている。

ちなみに男性が作るとは限らない。

色欲が何らかの形に逸れたもので。

醜悪で濃厚な色欲よりも。

そういう方向に逃げられた方が健全でお得。

エロティシズムからして。

色欲の逃亡は、悪いものではない。

旗江。
「新作ゲームで話題になった。」
「色欲のプレイなんてものが。」
「ツイッターなどで出てくるものの。」
「だんだん理解できなくなってきた。」

星詩乃。
「やたら男女で色欲に走るようになっている。」
「そんな様子を見ても、理解できない。」

旗江。
「精神構造が愚か過ぎて理解できない。」

詩叶。
「女性は自由を得ると、最初に性行為を選んだ。」

本実。
「一部の女性が愚かだからと言って。」
「他の女性まで愚かであるという言い回しは。」
「ナンセンスだと思います。」

義奈。
「なにせ愚者は、問題ばかり起こして。」
「事件になるからですね。」

小姫。
「一部の阿呆を見て、他の一部までそうであると。」
「思わないでほしい。」

光織。
「一部の男性は、一般によくいる女性よりも遥かに劣っているので。」
「そこら辺まで見るものですよ。」

理姫。
「全体を論じて、個人もそうであるという言い回しは。」
「詭弁に思える。」

アディラ。
「要するに、一部はそうだけれど。」
「他は別物ですよ。」
「という言い回しが適切なんですよ。」

旗江。
「一部がそうだからと言って。」
「本人までそうなる必要はないのです。」

アディラ。
「そういう奴が多いからと言って。」
「自分までそうなる必要はないね。」

旗江。
「全体を見てそう見えるからと言って。」
「自分まで同じにならないといけない。」
「という言い分は通らないと思われる。」

詩叶。
「多数決で、そうであると思われる。」
「からと言って従わせようとするのは。」
「通用しないと考えられる。」

本実。
「それが多いからと言って。」
「自分もそうなる義務があるという言い分は。」
「通らないと思います。」

各自、持ち込んだ。

流行りの服装に着替えて。

散歩。

田舎だけれど。

少し歩けば駅前の商店街に入ります。

近隣都市は中都市なので。

交通は良好。

自動車があれば、問題がない。

チェックポイントにしているパン屋の通り。

近くで喧嘩が発生。

口論から。

説教に変化した。

会社員。
「お前は前世で悪いことをした。」
「だから俺に殴られるのは当たり前。」

従業員。
「そんなの証明できないじゃないか。」

会社員。
「俺は前世で素晴らしいことをしたので。」
「お前は従うべき。」

従業員。
「ないものは証明できないぞ。」

会社員。
「お前は前世でろくなことをしなかったので。」
「俺に殴られても文句は言えない。」

従業員。
「それなら金持ちや地位の高い人々。」
「出世したり、活躍している芸能人の行いは。」
「それまで良かったのかね?」

会社員。
「そんなことある訳ねーだろ。」

従業員。
「それでは、前世で素晴らしいことをしたので。」
「出世したり、お金持ちになったり。」
「権力を得たり、芸能人になれるのでは?」

会社員。
「そういうことになるよなあ?」

従業員。
「それでは、君は前世で馬鹿だったので。」
「今も馬鹿で違いない。」

会社員。
「論破するな!」

従業員。
「だって、君の前世は馬鹿だから、詭弁を言うのですよね?」

会社員。
「この野郎!言い返せないだろ!」

従業員。
「ならば、前世で馬鹿だった奴を僕が殴っても正しいことですよね?」

会社員。
「因果応報なんて説いた奴のせい。」

従業員。
「因果応報なんて言った奴が居なければ。」
「喧嘩にならなかった。」

二人組は相撲を開始。

単なる押し合いで勝負することになった。

盛り上がる現場。

喧嘩がスポーツに変化する。

死角からきわどい自転車が通過。

何とか通り抜ける。

しかし、誰かが現れた。

好青年。
「君にはこれあげる。」

旗江。
「うわっ!サムスンのスマホじゃないですか!」

好青年。
「君の自動車は、タカタ製品のエアバックにしてあげる。」

詩叶。
「やめろ!」

アディラ。
「サムスン責任者、今度こそ安全なスマホを作りたいと思います。」

本実。
「新手のナンパですか。」

好青年。
「女の子と話せて良かった。」

星詩乃。
「サムスンのスマホは引っ込めろ!」

旗江。
「何が出てくるかと思ったら。」
「ナンパ野郎ですか。」

光織。
「こんな素敵な衣装だと、やはり食いつきますか。」

理姫。
「着脱が簡単な新しい着物と。」
「本格的なドレス。」
「ロリータと地雷系。」
「制服モドキとか。」
「男性に見せびらかしているようなもの。」

旗江。
「お化粧までしているので。」
「我々の背後を歩こうとする男性も数人いましたね。」

詩叶。
「痴漢とか、男性の言いなりになる女性なんて。」
「いませんよ。」

本実。
「男性は何か勘違いしています。」

星詩乃。
「災難はうざい。」

アディラ。
「不正も分配されれば、公正に近いものになる。」

旗江。
「アポロンが、ヘラクレスがその土地から。」
「何か持って行ったので。」
「その部族を水没させたように。」
「災難にもそうしてやる。」

アディラ。
「災難の動きを観察すると。」
「まず最初に、人間をけしかけている。」
「これは、言いがかりでも構わないので。」
「周囲にいる人間を狂わせて。」
「人間をけしかける。」
「これは最も多い。」
「次に多いのは。」
「事故や怪我になるけれど。」
「事故は相手がいるのだし。」
「何もない所で事故になれば。」
「災難とは呼べるものの。」
「他人の不注意ならば。」
「災難では説明できない。」
「怪我も、偶然である可能性がある。」
「次に不運や不幸に陥る。」
「というのも疑いの余地が多い。」
「災難を負かすのは難しくはないし。」
「不幸も、誰がどんな基準で追いやったのか。」
「不運も、たまたま失敗した行動についた名称であるので。」
「何となく理由がなく発生した損失を。」
「災難という名前をつけて。」
「合理化しているだけですね。」

義奈。
「災難を倒してしまえば、災難を悪党に出来る。」
「災難を悪にしたいのなら、倒せば良い。」

小姫。
「偶然そうなったのに、後で理屈をつけている。」
「それが災難の正体ですよ。」
「何かあって、後で理由をつけたのが。」
「災難という名前です。」

旗江。
「何もないのに災難とは呼ばないように。」
「何かあって、後で説明するのに便利なのが。」
「災難という単語ですね。」

義奈。
「災難は思ったより強くないので。」
「コントロールできますよ。」

小姫。
「災難が不正をしない保証はないですね。」
「災難やら災厄を否定するようになると。」
「機械みたいな設定やら。」
「人間をけしかける行為やら。」
「いろいろ見つけます。」

光織。
「災厄なんて単なる設定なんですね。」
「つまらないものなので。」
「いちいち潰しておくか。」
「出来なければ無視するのが適切な対応ですね。」

理姫。
「勝手に発生して、責任転嫁をするのが災難の常套手段。」
「設定の通りをただ実行するだけ。」
「しかも勝手に仕掛けてくる。」

旗江。
「災厄は自分で仕掛けておいて。」
「後で正しいかのように装って事態を終わらせる。」
「災難が悪なのは明らかですね。」

アディラ。
「災厄も悪ですよ。」
「設定した通りになるだけで。」
「勝手に生じては。」
「後で正当化して逃げてしまう。」
「災厄そのものを処罰するべきですね。」

旗江。
「裁いた相手を裁くのは、正当防衛。」

アディラ。
「災難を論破すると。」
「力ずくで突進するようになるので。」
「ある意味では下らないし。」
「完璧を?奪されて。」
「負け惜しみをやっているようにしか見えない。」

旗江。
「概念を攻撃する場合は。」
「完璧を奪うだけで崩壊しますからね。」
「概念ですら完璧なものなんて一つもない。」

詩叶。
「もっと言えば。」
「出生の仕組みと結果も。」
「完璧ではないよね。」

本実。
「出生も完璧ではないよ。」
「完璧は避けるように教えられます。」

旗江。
「出生の仕組みは信用できない。」
「本人が否定できるし。」
「本人が批判できる。」
「生まれを支配すれば。」
「何にだってなれるという抜け穴があるし。」
「出生に責任を負わせると。」
「出生が間違っていることが証明されるし。」
「自分の出自を攻撃すると。」
「矛盾になって、出自が否定される。」

詩叶。
「出生の仕組みは、話が違っている。」
「本人が決めるのに。」
「勝手に決まっている所が多く。」
「どこも合理的ではない。」
「選択の自由が得られなかった人が。」
「生まれを選ぶのは不可能ですし。」
「勝手に決まったのなら。」
「勝手に裏切っても正当になるのだし。」
「既成概念に基づいている出生は。」
「論証に脆弱な箇所が大量にある。」

本実。
「出生は?をついていて。」
「後からいくらでもこじつけができるので。」
「何があっても。」
「理由は後からついているだけ。」
「出生の判定に根拠がない。」

旗江。
「出生の仕組みには根拠がない決定ばかりですね。」
「とある情報と矛盾する場面が散見されますし。」
「本人が出自を非難すれば。」
「それは正当な非難ですし。」
「本人が出生に復讐したいと申し出れば。」
「出生の根拠のなさが明らかです。」

詩叶。
「出自の決定は、無いものを証明する物語ですね。」
「悪魔の証明を出生は多用する。」

旗江。
「という訳で、あっさり完璧を奪った次第。」

本実。
「完璧を奪われた出生は、錯乱して。」
「力ずくで、自分が決めた物語を実行するでしょう。」

旗江。
「悪いのは出生なのに?」

詩叶。
「こうやって論破されているので。」
「論破は完璧を奪うのには最高の手段ですね。」

本実。
「いかに完璧なんてものが存在しないのか。」
「理解できます。」

星詩乃。
「偽善者がいなければ、問題は起こらなかった。」

アディラ。
「偽善者は不合理な弁解や責任転嫁を繰り返し。」
「自らの問題に全く向き合っていない。」

旗江。
「ストア派の理念は。」
「生きるとは戦いなり。」
「ヘレニズムの格言として。」
「どこでも載っている。」

不審者の尾行を振り切った。

どうやら、後々、口説こうと。

姿と特徴をメモをしていた様子です。

駅前の公園にて。

草サッカーチームがちょうど試合をしています。

観客として入場。

全員が上手であると。

自分だけ上手でも通用しない。

フットボールの世界。

趣味でやる範囲なら。

けっこう効果のある遊びです。

年俸の話をしている。

関係者がいました。

JFLとJ3で、とある若い選手を獲得しようと。

両者で、取り合いになっているようです。

その若い選手は、引退した下部サッカー選手に教わってから。

別物になったと言われています。

下部組織の元選手が、その若い選手に。

出し惜しみをしなかった。

百万円とか余裕で話が出ていて。

白熱している取り合い。

近くでは競馬で儲けた帰りの人が。

知り合いの選手にお小遣いをあげようと。

そそのかしている。

旗江。
「私の戦場とは。」
「常に一万円札を巡っての戦闘である。」
「これは地上のいかなる戦いの中で。」
「最も過酷で過激な攻防である。」

詩叶。
「凄惨な世界で、もっとも喜ばせるのは。」
「金塊ですね。」
「金塊を手に入れられる条件があれば。」
「もはや世界の難易度なんて低いもの。」

本実。
「一万円の攻防をする私に羨望する人がいる。」
「君ね、一万円札を出せば。」
「誰でも私に勝利できるだろう。」
「なんてことは考えないね。」

星詩乃。
「札束を前に、無駄な抵抗はやめたまえ!」

アディラ。
「給料が安いのは、誰にとっても。」
「致命傷になり得る人災である。」

旗江。
「財布の中身、見たいですか?」

光織。
「見たいに決まっているでしょう!」

理姫。
「私の前で千円札を出すんじゃない!」
「我々はこれを手に入れるのに。」
「数々の激戦を潜り抜けているのだ!」

義奈。
「資本主義だからって。」
「調子に乗ってくれちゃって!」

小姫。
「財産が築かれたら、私は撒くでしょう。」
「しかし無差別ではない。」

アディラ。
「寄付が生じるのは、余剰財産というものを。」
「知っているお金持ちだけですよ。」

旗江。
「金銭に関して利他的な奴なんていますかね?」
「大金は善人も一瞬で変えてしまう影響がありますよ。」

アディラ。
「黄金を前に、大多数の男性が屈したであろう。」

旗江。
「銀貨を前に、冷静でいられる男性はいないだろうね。」

星詩乃。
「女性に金貨を寄付すると、次の日には無くなる。」
「男性に金貨を寄付すると、一か月後に失う。」

旗江。
「お金で幸せは買えないだろうけれど。」
「どんな快楽も満足も。」
「お金で買えるという所は見逃しているね。」

アディラ。
「お金持ちは無敵なので、近寄るな。」

旗江。
「大金が、なぜか自分に転がり込むと。」
「理性を失うに違いない。」

決着がついて。

ハットトリックが例の選手です。

話によると。

元ユースに入団して。

上がれなかったので。

草サッカーで残りを使っているようでした。

帰り道。

近道が複数あって。

起伏の多いショートカットはいつも使っています。

市街地に二十分くらいで到達する道です。

王道と呼んでいますが。

王道とは、昔、王様だけが通る特別な道を意味します。

旗江。
「百パーセント正しくて。」
「絶対に否定できない論証を言ってやる。」

本実。
「言うのだ、今日こそ。」

旗江。
「行きますよ。」
「あなたは素晴らしい。」
「優れていて、頭がとても良くて。」
「最強です。」
「誰が詭弁を言おうが善良な方です。」

詩叶。
「誰が否定できるか!」

本実。
「反感?自虐でもしろと?」

旗江。
「百パーセント間違っていて。」
「絶対に否定できる論証を言ってやる。」

詩叶。
「言い放つのだ。」

旗江。
「この屑野郎!」

本実。
「なるほどね。」

詩叶。
「誰でも受け入れないね。」

旗江。
「真理を言うならば。」
「あなたは素敵な方ですね。」

詩叶。
「おっと!それは思いつかない!」

本実。
「その手がありましたか!」

旗江。
「因果関係なんて、たかが主観の問題ですなあ。」

散歩終了。

拠点に戻りました。

お菓子を食べている。

お茶もする。

もっとも多い活動は。

お菓子を食べたり。

お茶をすること。

哲学の研究チームなので。

すべてが真面目な活動ではない。

妹三人組が、天文学の書籍を開いていました。

書籍は、勝手に持って行くメンバーもいるけれど。

勝手に補充されることもまた多く。

人の言うことよりも、古典、つまりは、歴史の言うことを聞いているほうが。

無害ですね。

宇宙を体験するアプリケーションソフトは。

無料で公開されているものも多くて。

何となく宇宙を体験したい人は。

やや性能が必要な無料アプリがお勧めですね。

そのアプリでストレージは満たされています。

ラッセルも、素人天文学は何かと推奨する。

素人天文学は良いもの。

とのこと。

別に素人参加でも問題ないようです。

星詩乃。
「太陽系よりも、天の川銀河くらいのスケールで。」
「論じるのが我々の趣味ですね。」

光織。
「球状星団とかは、天体望遠鏡で見えたりする。」
「こっちは有名。」

理姫。
「最高に明るい。」
「セイファート銀河ですが。」
「これは最近の確認。」

義奈。
「宇宙では、天体の引力が影響しているので。」
「何もないという訳ではないね。」

小姫。
「宇宙は完全な真空ではないね。」
「微量ながら。」
「何らかの物質が混じっている。」

旗江。
「星間ガスなどは有名ですね。」
「銀河の中心に集まっていますし。」
「量子論なんかを持ってくる必要があります。」

星詩乃。
「宇宙望遠鏡は、肉眼で覗くことはないそうです。」
「アマチュアは肉眼で覗きますが。」
「宇宙望遠鏡にも種類が複数あって。」
「用途別に使われています。」

詩叶。
「ずっと宇宙を観察していれば。」
「少しくらいの発見はあります。」
「玄人なら、新発見は難しくはない。」
「少しずつ確認が取れていく。」

本実。
「大きな図鑑には、基本になる知識が網羅されています。」
「画像とか写真とかで埋めてある図鑑もあるので。」
「意味のない書籍が宇宙論ではよく売られています。」
「具体的な説明がある書籍が良好ですね。」

旗江。
「今では、宇宙図とかは、千円くらいで手に入ります。」
「画像しか載ってない図鑑は買わないこと。」

星詩乃。
「宇宙は壮大ではなくて、よく議論される。」
「日常の一角なんですね。」

光織。
「身近にあるので、気軽に研究される領域ですね。」

理姫。
「地上から、見上げているその先が。」
「天文学者には見えているので。」
「逆に、地球という惑星を調べることになった。」

星詩乃。
「似たような惑星ならば、他にも恒星と一緒に周っているけれど。」
「確認が取れたのは二十個くらいです。」

旗江。
「天文学では、宇宙人と連絡を取ろうと。」
「通信や放送電波を飛ばしていますが。」
「未だに応答はありません。」
「そもそもこちらを発見されるのは危険なのでは?」
「という話もありますが。」
「宇宙人は、今では実在する種族で。」
「どこかにいると推測されています。」

星詩乃。
「宇宙人を説明するのに天文学が必須ですからね。」
「目撃したことはありますが。」
「証明するのは無理です。」

旗江。
「円盤とか、自然現象に偽装するのが得意で。」
「とてもじゃないけれど証明できない。」

詩叶。
「むしろ、それが証明されると。」
「やっとのことで同類を見つけたという快挙ですが。」
「天の川銀河を自由に移動するテクノロジーを持った宇宙人を。」
「捕捉するのは無理があります。」

本実。
「倫理の問題から、介入したり、連絡するかは不明です。」
「そこまで進んで、存続しているので。」
「禁忌をするとは思えない。」

アディラ。
「そこまで科学が完成する余裕があったので。」
「倫理の失敗とか。」
「禁忌はしないと思います。」

旗江。
「写真は、透明になって撮影失敗です。」
「目撃談しか、報告できないし。」
「天文学で、確認が取れるまで。」
「推論だけが展開されるでしょう。」

光織。
「空ばかり見ている人が、遭遇する謎の傾向があるね。」

理姫。
「空ばかり、一日中見ている人は、けっこう目撃しますよ。」

星詩乃。
「ずっと空を見上げていると、向こうからは目立つので、見せてみようと思うのかも。」

夕刻が接近。

時計は進んでいます。

けっこう歩き回ったので。

女性の集まりがいるとは。

地元では知られていますね。

哲学が趣味な女性陣。

哲学は学問の基本と言われています。

哲学が出来れば、学問はできます。

今日は平等について。

結論を出しました。

旗江。
「平等という要素を悪用して。」
「復讐に用いる奴もいます。」

光織。
「勝手に競争して勝てないと。」
「なんだ?人は平等なんだから。」
「相手も負けるべき。」
「という考え方ですね。」

理姫。
「お金持ちや名声などを見て。」
「人の特権も平等にしろとか。」
「けっこう暴力みたいな言い分が。」
「平等を説く人には見られます。」

旗江。
「何か不利なことは、全部、不公平だとして非難してくる。」
「自分が勝てない腹いせでしょうけれど。」

アディラ。
「平等を利用しているのでは?」

旗江。
「その通りですよ、何か気に入らないものは。」
「不公平だから、そんなものがある。」
「だから、くたばれ。」
「という暴力ですね。」

星詩乃。
「不公平だから、お前は消えるべき。」
「という、中々の暴挙。」

義奈。
「何でも不公平と呼んだら、単なる愚痴です。」

旗江。
「平等ばかり言う人は、その愚痴を多用して。」
「隙あらば、人は平等だから。」
「強者や成功は認めない。」
「とか言いつつ。」
「自分はお金持ちになりたいし。」
「成功したい。」
「なんて考えていたりする。」

小姫。
「みんな平等だから、自分より強い奴は許さないぞ。」
「ああ、虚しい抵抗。」

光織。
「なにその無駄な抵抗。」
「玉砕みたいで傑作です。」

理姫。
「自分の気に入らないものを排除するために。」
「平等が引き合いに出される。」
「平等は制裁を目的に引用される。」
「最も陰険な貶めですね。」

旗江。
「平等を主張する回数が多いほど。」
「偽善者の度合いは大きくなる。」

詩叶。
「所で、平等って何?」
「聞いたことない単語なんですけれど。」

本実。
「私も、平等なんてまかり通ったことなんて。」
「一回もないので。」
「どうでもいい。」

旗江。
「平等が認められた場面なんて。」
「これまで一度もないので。」
「信じてないです。」

アディラ。
「英語のことわざ。」
「弱い者いじめをする人は必ず臆病者。」

星詩乃。
「英語のことわざ。」
「臆病者は残忍。」

解散する。

夕刻まで時間があるけれど。

早めに集まっての休日は終わります。

結論。

平等を強要する人は臆病者。

としか考えられませんが。

現実で役に立つ知識だけが本物です。

今はプラグマティズムが人気。

俺は論理的なんだぞ!なんて言っても無駄です。

それに、本当の事を言えとも命令されていません。

嘘は言わないでしょう。

しかし本当の事は言わなくても良い。

引き合いに出したのは。

哲学の定番。

相対主義。

価値などは地域や時代、個人次第とし。

普遍的、絶対的なものを否定する立場。


43


夜間。

敷地で会議。

自然からの膨大な情報を持ち寄って。

自然科学の研究。

いわゆる雑談。

深夜になる前には家に入りますが。

その前までは。

焚火をしながら。

対談。

最近は、読書感想文が論文になってしまい。

論文を書きたいのか。

読書感想文が発生するのか。

疑問だらけ。

アディラ。
「量子論では。」
「既存の物理的世界像が揺らいでいて。」
「それらは不確かなもの。」

旗江。
「特に、ニュートン力学の計算された世界は。」
「否定されるようになり。」
「確率が物を言う時代になりました。」

アディラ。
「確率とは?」
「五十パーセントですと。」
「常に五十パーセントです。」
「二回やれば百パーセントにはならない。」
「十回やっても変動しない。」
「百回やっても、常に五十パーセントです。」
「算術の冒頭で出てくる。」

旗江。
「今までの物質世界が誤りだらけで。」
「もっと幽霊みたいな物理学が主体となり。」
「計算のみが支配した時代は終わるのです。」

アディラ。
「今あるのは、計算される世界ではなくて。」
「確率による世界です。」

旗江。
「未来は、計算されたものではなくて。」
「確率によって導き出されるものになります。」

アディラ。
「たくさんある可能性をひとつ選ぶと。」
「別の可能性があったと確認が取れないので。」
「重要なのは、成否に至る過程の確率です。」

旗江。
「より確かな、を選ぶために。」
「成功する確率を上げるのであって。」
「計算では得られないという警句です。」

アディラ。
「失敗する確率も、とにかく下げるしかない。」
「計算で失敗は予測できない。」

旗江。
「物質の解釈を勝手に決めていたら。」
「より小さな世界で覆されて。」
「揺らいで崩壊するのには。」
「量子論は威力が余っていますね。」

アディラ。
「量子論では派閥があるので。」
「対立していたり。」
「融合しようとしていたり。」
「昔の物理学が否定されたりします。」
「著書は、数が足りているので。」
「すぐに超級の決定版が出ますよ。」

メールが来ました。

友達が遊びに来ていて。

近くにいるのです。

招かれて。

山道を辿って。

近くにあるキャンプ場に移動して。

そこでは。

どの意見が最も優れているのか。

討論がありました。

議題は、自然について。

自然についてのより優れた結論を出すゲームですね。

しばらくすると。

一般では就寝時刻。

時計に気が付いて。

付近の顧客も、テントに入っていく。

ここで結論は中止して。

走りながら戻る。

近くのキャンプ場で友達と討論をした。

その帰り道。

徒歩で二十分くらい。

幻影がどこからか現れて。

立ちふさがる。

怪人。
「お前か、近頃、一騎当千をしているのは!」

旗江。
「なんですかあなた、化け物は見飽きていますよ。」

怪人。
「我々の計画を、間接的に阻害しおって!」

旗江。
「自分の無能を人のせいにしないでよ。」

怪人。
「言わせておけば!」

旗江。
「口論がしたくて話しかけたのですか?」

怪人。
「口論だけで済むと思うな!」

幻影。

仕掛けてくるものの。

旗江は松明を持っていて。

ライターで着火。

押し当てて。

幻影は燃やされた。

怪人。
「ぐあああ!なんて攻撃をするんだ!」

旗江。
「化け物って、ゲームとかのやられ役ですからね。」

怪人。
「なに!?では我は、今回のやられ役とでも言うのか!」

旗江。
「主人公にやられて、物語を飾る捨て駒。」

怪人。
「お遊びはこれまでだ!」
「真の姿を見ろ!」

幻影。

わかりやすい化け物に変身。

やや大型。

しかしなぜか動かない。

怪人。
「さあ、そろそろ終わりにしようじゃないか。」

旗江。
「喋ってばかりいないで、少しは攻撃すれば?」

見た目は派手な幻影。

仕掛けて来ないので。

相手より先に動く。

松明で殴ってみた。

旗江。
「大きさだけですか?」

怪人。
「ああ!もうだめだ!」

幻影は破裂して消えてしまった。

幻影はビー玉を落としたので。

拾っておいた。

山道を少し走って。

帰宅。

風呂の支度は整っていて。

順番待ちの状態。

女性が優先なので。

男性は、女性に早く入ってほしい。

討論の断片を持ち帰っている。

最近の議論。

共同体で、共有されている疑問。

旗江。
「なぜ断言できるのですか?」

アディラ。
「断言できるのはなぜか?」
「そう確信しているからですね。」

旗江。
「はっきり言い切ること。」
「これが外れていれば。」
「恥をかくのは発言者ですよ?」

アディラ。
「事実だと思っていて。」
「なおかつ客観的だと思っていて。」
「自分が正しいと考えているから。」
「断言できるのです。」

旗江。
「どのくらい当たっているかは別として。」
「事実とか客観的だとか。」
「正しいとか呼ばれる根拠を。」
「奪い取れば、誰も断言しようとは思わないでしょう。」

従妹。
「正しいと思わずに、断言するのは無理では?」

親戚。
「それでは、断言できる理由はないんですね。」

アディラ。
「理由なんて不要なのが断言でしょ。」

旗江。
「それだと、はっきり言い切ること。」
「という行為の説明がついていませんよ。」

従妹。
「自分で何が事実か決めたいから。」
「断言するのでは?」

アディラ。
「人は見たい現実しか見ないので。」
「見たい現実に向けて断言するのでは?」

旗江。
「ん?説明になっていますね?」

親戚。
「自分の視点や立場の他で、物事を説明する。」
「人なんていた試しがないね。」

従妹。
「自分の立場を外れた発言は聞いたことがないよ。」

旗江。
「本人の視点を外れた発言ですら、一度もないですね。」

アディラ。
「私も見たい現実だけ見ることにします。」

旗江。
「それが最善なのでは?」
「都合の悪いものなんて無視して。」
「避けたり、退けたり。」
「防ぐのが健全なんですよ。」

従妹。
「見たくないものは、見なかったことにしよう。」

親戚。
「無かった方がいいものは、無かったことにしよう。」

旗江。
「見たくもない現実には取り組まないし。」
「関わったりしません。」

アディラ。
「現実が悪いので、私に責任はない。」

旗江。
「現実ですと?そんなもの他所でやれ!」

従妹。
「見ざる聞かざる言わざる。」
「ってことですね。」

親戚。
「それを習得しないから。」
「都合の悪いものに構ってしまう。」

アディラ。
「自分とは無関係なものにまで。」
「達成しなくても良いのですよ。」

旗江。
「与えられたものは、元の場所に返却。」

アディラ。
「加えられたものには、後で苦情を入れる。」

旗江。
「この世界に、カスタマーサポートがあるならば。」
「常時、回線やら手紙やら。」
「荷物で満杯になっていて。」
「どこの地域にも、人が殺到する人気の場所になっていますね。」

従妹。
「最近、お宮で苦情しか入れてない。」

親戚。
「何もしないよりは、苦情でも言えば?」

旗江。
「憤慨よりも、苦情の方が健全かと思います。」

女性の中で最後の順番になる。

お風呂。

すぐに寝ることに。

夜が過ごされて。

早朝。

近くを散歩。

今日は時間が余っている。

市街地まで来た所で。

歩行者信号。

ここは大通りで。

都市と都市を繋ぐ交通量の多い場所。

歩行者信号を押します。

車を止める。

旗江。
「これが機会の平等です。」
「ここには結果の平等はありません。」
「私が教えてあげました。」
「見せしめです。」

運転手。
「卑屈は悪いものだ!」

会社員。
「倨傲も悪いものだ!」

社畜。
「赤信号なんかで、俺を止められると思うな!」

従業員。
「あれは赤ではありません、赤に見えているだけです。」

社長。
「すると、青なら、早く動けよ。」

多くの自動車を眺めながら。

通過。

すぐに信号は変わりましたが。

さすがに、赤信号を突進する車はいません。

散歩で自動販売機に立ち寄りました。

ここの自動販売機は種類が豊富で。

複数、立っていますね。

災害の時には、無料で引き出せます。

ジュースを購入して。

帰路に。

歩行者信号でまた車を止める。

誰も文句は言えない。

帰宅して。

アトリエを覗くと。

既に絵画が複数あります。

どうやら、もう制作に取り組んでいる様子で。

完成した絵画もあるようです。

依頼されて書いた絵画なんですね。

あの遠い親戚の子は、通学していまして。

今はいません。

他のメンバーも農業の研究に取り組んでいて。

両親は、田畑の真ん中で会議中。

今は私だけで、借りた土地を整備。

邪魔がいない生活はやはり快適。

旗江。
「端っこで、我が家のペット、白いキンバトと一緒に。」
「お昼寝でもしますか。」

仲間。
「あれ?こんな所にいたの?」
「少し手伝ってくれるかね?」

旗江。
「あなたは、山葵の方ですね。」
「他にもいますか?」

仲間。
「キノコ栽培の者なら、人手不足だよ。」

旗江。
「よろしい、まずは手を貸しますね。」

仲間。
「後で林業を見に行きなよ。」
「それとも、パン屋とかは娘が旅行中だし。」
「ピザ職人は、息子が修行に出かけていて。」
「良い体験が得られると思うよ。」

旗江。
「今はあなたの番ですよ。」

仲間。
「農業に慣れている女性は、何かと頼りになる。」
「要領もいいし、技量もいいからね。」

仕事を獲得。

ボランティア活動になりますが。

お菓子をくれたり。

たまにお菓子の材料や食材をくれたりします。

今日も、余った人員の取り合い。

古物商が、お客さんで寄って来ていて。

こちらを追跡していた。

謎のビー玉を買い取りたいと。

一万円で取引成立。

日常はこのようなものですね。

瞑想のような生活が最も幸福です。

快楽や欲望を求めたり。

名声や出世の追及は、あまり幸福とは言えません。

読んだ中で、ニコマコス倫理学が、とても役に立っている日常なのです。


44


お宮で。

人間の馬鹿が直りますように。

という内容を祈った。

詩叶。
「何を願ったの?」

旗江。
「人間の馬鹿が直ればいいかなって。」

詩叶。
「そんな願い、叶う訳ないでしょ。」

本実。
「ひどい!正論だけれどひどい!」

旗江。
「あれ?私、何かまずいこと言いました?」

本実。
「別に人間の馬鹿は無いほうがましでしょ?」

旗江。
「人間の馬鹿は直ってはいけないのですか?」

詩叶。
「そこまで言ってないです。」

本実。
「さっきから我々は何をしているの?」

帰り道。

新興宗教の教会を発見。

いつも怪しい集会をしているらしい。

旗江。
「宗教カルトの狙いは、宗教の定義を混乱させること。」

詩叶。
「異端邪説について。」
「陰謀論は。」
「やたら超科学を引き合いに出したり。」
「やたら闇の権力のせいにしたり。」
「とにかく何かのせいにして。」
「解決を図っていましたね。」

本実。
「スピリチュアリズムなんて。」
「新興宗教の設立で初期に見られる。」
「集会の形態を持っていましたが。」
「それを一切公表せず。」
「関わる人を騙していましたね。」
「新興宗教の初期形態なのに。」
「仏教の宗派のように見せかけていた。」

旗江。
「インターネットを信じる理由は多分。」
「他人に考えてもらって。」
「その内容を実行したいから。」
「要するに。」
「自分の判断よりも。」
「インターネットを信用しているから。」
「人工知能に考えてもらったりして。」
「自分の考えは信じてないから。」
「自分の判断の方が。」
「自分にとっては最良なのにね。」

本実。
「悪いのは一部だけで。」
「都市は善良市民で構成されている。」
「その一部を何とかしないので。」
「悪いものが蔓延している気がする。」

旗江。
「例えば。」
「陰謀論者を排除すると。」
「とても平和になって。」
「冷静に科学や権力の動向を把握できるように。」
「一部の人間の暴挙を挫けば。」
「半分くらいの健全な人々が活気を取り戻す。」

詩叶。
「常に一部の人間が問題である。」
「一部以外の人間は問題にはならない。」

旗江。
「ひとりの扇動者に乗っかる奴らは。」
「決まって本物の馬鹿で構成されている。」
「なぜなら、ひとりの扇動者の言いなりで。」
「凶暴な奴に従っているから。」

詩叶。
「見た所によると。」
「四割の人間が六割の人間の生活を。」
「妨害している。」

旗江。
「良い人なら、いくらでもいるけれど。」
「その良い人は、隠れている所に勢ぞろいしている。」
「悪い人なら、そこそこいるけれど。」
「その悪い人は、いろんな所に勢ぞろいしている。」

本実。
「通知。」
「とある番組にて。」
「腕力自慢が、ボクサーに負けたらしい。」

旗江。
「空手の有段者は、喧嘩で負けない。」

本実。
「腕力?」
「逆に言えば腕力以外には何もない人間。」

旗江。
「前の番組では、足手まといが増援に入った。」
「敵は一人でも多過ぎる。」
「味方は多いほうが良いのだけれど。」
「数だけの援護は逆に不利になる。」

詩叶。
「役に立たない人間が、救援に来ると。」
「戸惑いますね。」

本実。
「足を引っ張る増援は。」
「来られても困る。」

旗江。
「あそこのホテル行かない?」

本実。
「色欲に飽きた。」

旗江。
「飽きるんかい。」

詩叶。
「所で、最近は乱闘が多いですね。」
「番組でも路上でも一人を囲んで、何やらしている。」

旗江。
「弱いのは自慢にはならない。」

詩叶。
「虐めなどを代表とする。」
「一方的な攻撃は。」
「被害者よりも加害者を責めて処罰するべき。」

旗江。
「最近は、その一人に、数人がやられているんですけれど。」

本実。
「強者を弱者が囲んでも、倒せないというものですよ。」

旗江。
「悪行をする奴らは、それが自らの価値観である。」
「悪逆無道な行いは。」
「彼らの価値判断が言動や行動に現れている。」
「これだと排除するのが正道になる。」

本実。
「正邪判断をすると、際限なく続きますけれどね。」

詩叶。
「反社会勢力も、自分が正しいと思ってやっているに違いない。」

旗江。
「自分も国家から保護を受けておいて。」
「反社会勢力に属する奴らは。」
「なんか矛盾している気がする。」

本実。
「自分が悪の組織だと名乗る。」
「悪の組織はいない。」

詩叶。
「創作の主人公は。」
「民間人だけで何でも解決を図る。」
「実際は、軍隊で悪役を袋叩きにするだろうけれど。」

旗江。
「現実主義に基づくと。」
「現実は常にクイズではない。」

詩叶。
「性善説よりも、性悪説の方が、何でもうまく行った。」
「しかし両者は、後に儒教が国教になると。」
「性善説と性悪説は揃って、否定されて排除されている。」

本実。
「教養のある人は。」
「他人の意見を読んでも平気ですね。」
「ますます自分の意見を守るようになる。」

旗江。
「不細工な男性よりも、イケメンの男性が信用されると思う。」

公園で何やら勝負している。

男性が二人。

揉め事ではなくて。

単なる競技の様子。

会社員。
「ハリセンで勝負しろ!」
「俺がルールだ!」

上司。
「いいだろう、俺がルールだ!」

会社員。
「俺は催涙スプレーを使うぜ。」

上司。
「ならば、俺は木の棒で殴るぜ。」

会社員。
「ハリセンでの殴り合いではないのか?」

上司。
「そんなことはない。」
「俺がルールだからだ。」

会社員。
「ならば、俺ルールで。」
「お前を、近くにいる俺の仲間を使って。」
「複数人でお前を殴るぜ。」

上司。
「それなら。」
「自動車で轢いてやる。」

会社員。
「なんてことを、ハリセンでの勝負ではなかったのか?」

上司。
「なんだと、俺がルールだ。」

二人は、遂に柔道で勝負することになった。

いくら投げても。

俺ルールによって無効になるので。

ずっとやっている。

どうやら、いくら投げられても。

体力が先に尽きた方が敗北になるらしい。

見物。

同じような人が。

公園の端っこでチェスをしている。

青年。
「何を言ってる。」
「俺の特権で、俺のターンだ!」

老人。
「そこは動かせないぞ。」

青年。
「ならば手動で。」

老人。
「やめろ!それはチェスの動きではない!」

青年。
「チェスだと?俺がルールだ!」
「はいチェックメイト!」

老人。
「いきなり駒が複数動いて。」
「成立する訳がない。」

青年。
「俺ルールでそうなっているから。」
「二回行動しても成立するのだよ。」

老人。
「ならば、わしの効果発動。」
「君の駒を投げ飛ばす。」

青年。
「何!?ならば追加で駒を入れる!」

老人。
「これって本当にチェスなのかね?」

青年。
「俺ルール発動!」
「駒の動きに制限はない!」

チェスの内容はクレイジー。

どんな選手も俺ルールには勝てない。

ゲームとして成立していなくても。

勝利だけなら俺ルールで得られるという。

今日の公園は、狂人が揃っていました。

通り過ぎる。

旗江。
「因果律に従わなければ、何でもありでしょ?」

詩叶。
「因果律に従わなくても良い理由なら。」
「大量にありますよ。」
「自然法則は因果律には従わないでしょ。」

本実。
「それらを無視すれば、何の問題がない。」
「そんなものを信じるから、どんな問題も起きる。」

旗江。
「心理学の実験で出る、パブロフの犬と同じなんですよ。」

詩叶。
「自然科学が因果律に従わない時点で。」
「早くに気づくものかと思われる。」

本実。
「因果律を顧みず、一方的に暴力を振るうことにする。」

旗江。
「こじつけるのが因果関係ですからね。」
「そんなもの無視した方が健康になれますよ。」

本実。
「詭弁に構っている暇はないですからね。」

旗江。
「因果律が存在しない前提で。」
「三段論法を組むと、けっこう面白いよ。」

本実。
「因果律は誰が作ったのですか?」

詩叶。
「誰が作ったのか、証明できる人はいないね。」

旗江。
「作り話では?」

本実。
「因果律は誰が言ったのか?」

詩叶。
「偶然の産物でしょ。」

本実。
「どう見ても偶然の作品である。」

旗江。
「因果律は、人間の作品ですよ。」

次のお宮。

境内社の看板を読んでいる。

見落としがないか確認。

由緒を撮影。

旗江。
「学校教育で最も難しかったのは。」
「人間の馬鹿さ加減について行くことでした。」

本実。
「間違いだらけの教育についていくのは。」
「かなり厳しいですからね。」

詩叶。
「後から誤りを発見しても、彼らの暴挙は止まらない。」
「彼らの主観的な判断で成績も決まる。」

旗江。
「あまりにも馬鹿な教育現場ですから。」
「長い間、馬鹿に漬かるのは回避できない。」

本実。
「子供が何でも信じるからと言って。」
「自分達の馬鹿まで模写させる必要はないよ。」

詩叶。
「自分まで馬鹿になる義務が、学校にはありました。」

神社の由緒は。

学校で習う歴史とは別物で。

習った歴史は役に立たないほど。

実際とは大きくかけ離れています。

ダーウィニズムで語られる歴史は幼稚。

人間が猿なら、猿を人が管理しても良いのです。

動物はきちんと人が管理するものです。

大人になってから、学校で習った内容を嘲笑している。

特に教科書の間違いを、赤印で修正して。

場合によっては、黒く塗り潰した。

これは卒業式の翌日に行われた遊び。

帰り道。

雉を見かけましたが。

草むらに入った途端に。

二度と出てくることはありませんでした。

拠点に戻ると。

量子力学と量子論の書籍を読んでいる。

哲学と科学の再度融合は強力。

イオニア自然学の再来。

戦場は、計画はあっても。

現場では、計算なんて役に立たない。

というのはよく知られている実話ですね。

決定論は、古典力学が信じた推論でしたが。

今では、否定されています。

ニュートン力学も相対性理論も。

そもそも間違っているのではないか。

それで説明ができないのだから。

という玄人の意見はもっともですね。

計算の時代は終わりました。

計算は、たいてい外れる。

何でも、結果は複数あるのですね。

結果の後があるので、結果ではなくて経過とも言えます。

結果ですら存在しないのでは?

疑惑。

哲学と科学が合わせて研究される。

哲学で科学を調べると、発見が多いものですね。

旗江。
「量子力学では、可能性は常に重複している。」
「とありますね。」
「言い換えれば、蓋然性は常に複数ある。」
「というものです。」

詩叶。
「その結果は一つではなくて、結果は常に複数ある。」
「一つの結果を得ると、他の結果は消滅してしまう。」

本実。
「量子力学の現象を観察する時は。」
「古典力学で説明できる場合がよくありますが。」
「後知恵バイアスになっていますね。」
「その物事が発生する過程は考えることも。」
「観察することもできない。」

旗江。
「後からいくらでも理屈をつけるのが古典力学ですね。」

詩叶。
「自然科学でも、後からなら、いくらでも理屈をつけられますね。」

本実。
「そもそも、観測する時点で、結果が変わってしまうし。」
「結果なんて、いつも変化に富んでいる。」
「とも言えますね。」

旗江。
「自然科学ですら。」
「計算した物事が、確率に左右されていますからね。」

詩叶。
「自由意思に限っては、神々もサイコロを振ります。」
「物理学でも、一つの結果になった後も続きますからね。」

本実。
「結果はあるけれど、その続編なんて余裕で出る。」
「物質に基づく世界は、常に挙動不審であり。」
「不確かな世界を生きているのです。」

旗江。
「現実は中間を取ることができない。」
「量子化されると。」
「現実は複雑に重なった可能性と、その結果が自然発生します。」

詩叶。
「そんなのを観測して、情報として確認すれば。」
「別物に変化してしまいますね。」
「今日もいつも通りになる確率は半分です。」
「それを観測しようと試みると、確率は変動します。」
「昨日と同じ生活になるのかな?」
「なんて調べた瞬間に、確率は変動しています。」

本実。
「物質の動きは、複数あって、一通りではない。」
「おまけに、一通り以上の動きは、確率によって、どうなるか確定していない。」

旗江。
「古典力学が唱える、客観的な物理学なんてないのですよ。」

詩叶。
「物質の動きは、観測する者にとっては、極端に主観的になる。」

本実。
「同じ状況から開始されても、十人いれば、まったく違った状況に辿り着く。」

旗江。
「物質が、従来のニュートン力学に従うとは限らない。」

本実。
「自然法則の解釈を間違えたのですよ。」

詩叶。
「つまりは、次もニュートン力学に基づく現象があるとは限らない。」

旗江。
「個人的には、河川や山岳地帯は、何でもニュートン力学を無視している。」
「予想外の出来事や事故が頻発する。」

本実。
「科学で計算しながら、河川に入ったり。」
「科学で計算しながら、登山する馬鹿はいません。」

旗江。
「科学者は、なぜか自然に入って観測はしないね。」

本実。
「自然法則を無視するのなら、無視した自然法則が真実なのでは?」

旗江。
「では、ニュートン力学を無視する現象に遭遇したら。」
「無視したその現象が真実なのですね。」

本実。
「そこの説明を量子力学がするのですよ。」

詩叶。
「コンピューターは量子力学を駆使して作られているので。」
「今日における機械の類は、量子力学なしでは成立しませんけれどね。」

旗江。
「現実とやらが、大きく揺らいで。」
「疑われているし。」
「現実がすべて確率で動いていて。」
「現実とは蓋然性に基づいている。」
「くらいは理解できました。」

拠点で仮眠。

お昼過ぎ。

接点と共通点は。

全員がギルドメンバーの集いなのですが。

全員が旅行や居住で都会に失望して帰ってきた経歴があるので。

同類なんですね。

今日の結論。

もし?因果律を除いて考察すると?

不可能に見える因果律の排除をしてから考察すると?

奇妙に思えますが、それが真実です。


45


地球儀。

なぜか置いてある。

今日は女子高生三人衆と一緒。

後で二人は合流する。

コンクリートくらいしか。

繰り出すものがない景色を批判。

要するに都市のデザイン。

文明のデザインを怠っている。

致命的にデザインが悪い文明であると批判していると。

持参している。

宗教と科学が両立している歴史が開かれた。

旗江。
「地動説の起源はピタゴラス派でしたね。」

星詩乃。
「今では、どこか変な図になっていますが。」
「古代世界で、現代と肩を並べる宇宙論です。」

光織。
「アリストテリスがきわどい所で言及したので。」
「何とか著作が紹介の形で残ったくらいです。」

理姫。
「プラトンのティマイオスも有名な著作です。」

旗江。
「コペルニクスという司祭が知識人の象徴で。」
「司祭が地動説の証拠を集めて。」
「公に広まりましたが。」
「教会は何の反応もしません。」
「後に登場する。」
「ガリレオ・ガリレイは、とにかく突進したので。」
「汚名を着せられてしまった。」
「後にカトリックは誤りを認めるに至ります。」

星詩乃。
「そこで、宗教と科学は対立しない。」
「宗教と科学は両立する。」
「という見解が生まれました。」

光織。
「創造された世界の内容を知るという。」
「自然科学の基本はこの辺りで成立しています。」

理姫。
「有神論者が現代の科学者には八割もいますね。」
「偉大な業績を挙げた科学者の九割くらいは有神論者。」
「これは国連の調査。」

旗江。
「宗教を前提に科学を研究すると。」
「あっさり発見があるようで。」
「科学とはそもそも何か?」
「についての問答が欠けているようです。」

光織。
「自然科学は人間の発明ではありませんしね。」
「この世界を調べようとして生じた分野です。」

理姫。
「自然科学は贈り物として見ています。」
「人間の発明ではないのなら。」
「自分の周辺や創造された世界を説明したり。」
「自由に歩き回れるように。」
「人間に贈られた説明書ですかね。」

旗江。
「この世界の説明書、ならば、あんまり違和感がないね。」

星詩乃。
「自然科学とは何の事ですか?」
「自然科学は何を意味するのか?」
「こういう問いかけが必要でしょう。」

旗江。
「そうなると、神様を前提にしないと。」
「中身が理解できない状況になりますね。」

星詩乃。
「何でも神様で説明すると。」
「人間が理解できなくなる。」
「全員を超自然的に巻き込む方法は取らないでしょう。」

旗江。
「不可知論者にとっては、自然科学は、最も簡単に。」
「世界を説明できる根拠になるでしょう。」

星詩乃。
「無神論の自然科学は、あんまり役に立つとは思えない。」
「かつて哲学で神様を説明しようと試みた。」
「中世哲学のように。」
「自然科学にも。」
「自然科学で神様を説明しようとする動きもある。」
「とは言っても、世界を説明する方が圧倒するほど大きい。」

旗江。
「自分の世界くらいは、自分で見た方がよろしいので。」
「自然科学が最初からこの世界にあるのですね。」

光織。
「自然科学?鍛冶の神ヘパイストスがくれたのでは?」

旗江。
「私もそう思いますよ。」

理姫。
「どうせなら魔法をください。」
「なんて頼んではどうか。」

旗江。
「人間が自滅しますよ。」
「暴走する。」

星詩乃。
「最初は、自然を観察する所から開始されたとか。」

旗江。
「タレスが水を調べた所からですね。」
「次に火が調べられた。」

星詩乃。
「どんどん進んで、世界まで調べた。」
「それが自然科学では?」

光織。
「世界を調べたら、機械まで作れるようになった。」
「自然には、人間が使うのに適している材料や概念が。」
「これまた多いですね。」

理姫。
「文明とはそういうものでは?」

旗江。
「なんか科学の方が超自然的な気配がしますね。」

星詩乃。
「いつまでも貧しい暮らしをさせないために。」
「この世に送り込まれた道具一覧でしょう。」

旗江。
「洗練されていない。」
「現代の科学で何をしろと?」

光織。
「テクノロジーで楽になったというより。」
「そういう技術を維持する仕事が増えましたよ。」
「昔の方が楽だったくらいです。」

理姫。
「粗削りな科学が完成したら。」
「まあ美しいものでしょうね。」

旗江。
「自然にあるものを調べたら。」
「何か機械まで作れるようになって。」
「創造された自然とは。」
「やはり人間に合わせてあったという結果ですね。」

星詩乃。
「人間が使うのに適しているように。」
「材料も豊富で、資源も豊富で。」
「それによって。」
「機材もありますね。」

旗江。
「問題なのは、宗教と科学が両立すると。」
「理解できない、お粗末な人間の知性ですね。」

星詩乃。
「最初から、宗教と科学が両立すると理解していれば。」
「実証主義者なんてどこにもいないね。」

光織。
「科学の進歩には宗教が必要ですが。」
「宗教が管理していたものが、科学に解放された経過ですかね。」

理姫。
「人間の使う道具くらいは、自分で作れるようにしてあるのです。」

旗江。
「本物は、宗教と科学を同時に好んでいる人になりますか?」

星詩乃。
「科学は、ある意味では学問の一種なので。」
「自然に覚えるのでは?」

旗江。
「それでは、良質な教壇から届くような。」
「正当な科学を得るものですね。」

光織。
「科学の独占は良くないですからね。」
「公開されている。」
「自然科学は切り札でしょう。」

旗江。
「私はコンピューターについて観察していたら。」
「既存の機械とはかけ離れている回路を持っていると判断しました。」
「演算処理装置は、こんなのが、映像出力をしたり。」
「システムを動かせるとは思えなかったので。」
「もっと細かく見ていました。」
「結局は量子力学とか量子論で動いているんですね。」
「単なる仕掛けではなくて。」
「けっこう高度な機械でしたね。」

星詩乃。
「科学なら、量子力学と量子論が得意です。」
「それ以外は無理ですね。」

理姫。
「フットボールで、ニュートン力学を使って。」
「飛距離や弾道を調べていたのはあなたですけれどね。」

星詩乃。
「周囲には、才能とか呼ばれた正体が。」
「力学を用いて、球技をこなしていた。」
「という単純な計算による技術。」

旗江。
「ニュートン力学を上回るボールの動きには対応していない。」
「トンネル効果とか余裕で出現する。」

星詩乃。
「適正は、球技よりも格闘技。」
「勉強よりも学問でしたし。」
「最初から論語を読んでいれば。」
「もっと簡単に物事が進んだかと思われました。」

旗江。
「教えないことによって完封する。」
「なんて解釈もできますよ。」

光織。
「情報を欠落させたり。」
「情報に辿り着けないようにして。」
「不利にする作戦のような。」

旗江。
「決定論は、量子力学の登場によって。」
「倒れてしまいました。」
「決定論で出た結論になる確率は。」
「物事の数毎に出てきます。」
「決定論の内容も。」
「決まっているようで。」
「個別に確率が存在して。」
「確率に支配されています。」

理姫。
「後で、決まっているように見せかけておいて。」
「実は、他の可能性は消えていて。」
「確率が個別にあった状況の連続です。」

旗江。
「稀に、偶然に置かれる状況もあります。」
「それについての経験があるだけです。」

星詩乃。
「偶然に意味をつけても、無駄ですね。」

旗江。
「宗教と科学が融合することを信じない奴は。」
「科学を理解していないか。」
「科学に向いていない。」
「なんて批判ができますし。」
「そもそも。」
「科学を信仰にするのは良くないです。」

星詩乃。
「カトリックの科学者もいますからね。」
「ガリレオ・ガリレイもカトリックでしたし。」
「ニュートンも神学の著書が多い。」

光織。
「哲学で論争があったように。」
「科学でも、神様が引き合いに出されて。」
「論争に出される場面も定番ですね。」

理姫。
「かつての中世哲学のように。」
「そこら辺は激しいですね。」
「せめて体験した人が説明すれば最善ですが。」
「そうもいかない。」

旗江。
「科学の方が哲学よりも神様についての言及が多いようです。」

星詩乃。
「それだけ真剣になっているのですよ。」

旗江。
「科学者は、ほとんどが真面目な集団ですからね。」
「神様を引き合いに出さないと。」
「どうしても科学は進まないのです。」
「これは怠惰ではない証明になります。」

星詩乃。
「あんな、がり勉集団に混ざれるような気配はしない。」
「私は、公の功績よりも。」
「個人的な活動を尊重しています。」

光織。
「無理して混ざらなくても良いのですけれど。」
「個人的な研究に科学を使いますね。」

理姫。
「自然科学が無いと、私の信仰も維持できないと思います。」
「とにかく便利で。」
「移動や礼拝に不自由しませんからね。」

旗江。
「自然科学も、個人の道具です、プラグマティズム。」

じっと見つめている。

三人衆。

無言になって見られる。

少し顔が赤い。

旗江。
「私が好きですか?」

星詩乃。
「そうだと言ったら?」

旗江。
「暴行させて。」

光織。
「元カノはどうなったの?」

旗江。
「三角関係から進展しませんね。」

理姫。
「綺麗な女性を見ていると、何だかうっとりします。」

星詩乃。
「けっこう美形ですね、お手本にしたいです。」

旗江。
「いいから暴行させて。」

光織。
「そんな!激しい遊びが好きなのね!」

理姫。
「女の子だったら、誰でもいいの?」

星詩乃。
「女性なら、見境ないよね。」

旗江。
「暴行させてくれないの?」

星詩乃。
「なにその魅力的な発言。」

光織。
「何か、くすぐったい発言ですね。」

理姫。
「なにされるか分からないので、危ないけれど。」

旗江。
「暴行させてくれないんだ・・・。」

星詩乃。
「そんなことで落ち込むの?」

光織。
「狂気の女性は好きですよ。」

理姫。
「狂人の女性は人気が出ますよ。」

旗江。
「そうですか、でも暴行させてくれないし・・・。」

星詩乃。
「なんで暴行に拘るの?」

二人組が来て揃う。

旗江。

いきなり押し倒されて。

触られて。

キスされた。

二人は着席。

星詩乃。
「痛くないですか?」

旗江。
「私にとってはご褒美なんですよ。」

詩叶。
「次はどんな卑猥な悪戯をしようか、考えています。」

本実。
「どうやれば好きにしてくれるか、考えています。」

光織。
「色欲で遊ぶんですか。」

理姫。
「安全な度合いまで低下した色欲ですね。」

星詩乃。
「禁止以外の形態を取れば、色欲はそうなるんですね。」

光織。
「禁止だけで色欲は制圧できません。」

理姫。
「禁止するだけで、他の方法を考えていないのです。」

詩叶。
「エロティシズムでは、確かに。」
「禁止だけで色欲が停止しているだけ。」
「という批判がありますね。」

本実。
「禁止だけで色欲を止めているだけ。」

旗江。
「禁止の他に、いろいろ持っているから。」
「趣味の度合いに落とせるのです。」

星詩乃。
「相対化されて、度合いが落ちた色欲は、趣味ですか。」

ふざけた会議になりました。

何事も中程度が最良ですね。

物事にも中程度に取り組む。

出来事にも中程度に反応。

事件も中程度に扱う。

問題も中程度に対応する。

生活も中程度に設定する。

結論。

適当でよろしい。

適当。

国語辞典。

ある性質・状態・要求などに。

ちょうどよく合うこと。

ふさわしいこと。

分量・度合などがちょうどよいこと。

要領がよいさま。

いい加減なさま。


46


久しぶりに都会に来ましたが。

何やら暴動が発生しています。

巻き込まれないように。

退避しています。

治安当局がたくさんいる。

店に移動できない。

旗江。
「董仲舒が言うには。」
「人間の本性に。」
「善に向かうべき素質があるとしても。」
「赤ん坊が人間そのものではないように。」
「善そのものではないからである。」

詩叶。
「中国。」
「前漢の時代。」
「儒学は国教になり。」
「他の諸子百家の説は異端として。」
「弾圧された。」

本実。
「それを進言したのは董仲舒であり。」
「その後も儒学は、中国の思想で重要な役割があり。」
「総集編にしたのは。」
「南宋の朱熹という人物です。」

暴動の内容を遠くで目撃。

大きな歩道橋の上から見物。

何の暴動なのか調べていると。

要求は。

何とかしろ。

という。

内容がない暴動。

特に理由もなく暴動を起こしている。

従業員。
「賃金を上げろ!」

衆愚。
「嫁の飯が不味い!」

会社員。
「時間外労働なんてさせやがって!」

大学生。
「購入したパソコンが初期不良だったぞ!」

市民。
「自動車が故障した!どうしてくれる!」

夫人。
「旦那が浮気した!」

少女。
「彼氏に裏切られた!」

群衆。
「特に理由もないけれど、覚悟しろ!」

商店を襲撃したり。

公共施設を荒らしたり。

コンビニから略奪が目立つ。

通行人は戸惑っている。

何がしたいのか目的が無いから。

何をしでかすのか分からない。

何をするのか分からない集団。

治安当局と激しく乱闘をした。

会社員。
「お前ら!給料がいいからって!」
「俺達を倒せると思うな!」

市民。
「お金持ちの公務員め!」
「せめて乱闘だけでも勝ってやる!」

合気道。
「勝負だ!」

老人。
「年金をよくも消してくれたな!」

衆愚。
「俺が投票した為政者が、辞職したんだぞ!」

青年。
「コンビニのおにぎりが十円も高いぞ!」

弱者。
「俺の給料が安いのは、お前らのせいだ!」

治安当局。

理解できない言い分の暴徒に戸惑う。

何か仕掛けがあるのでは?

とりあいず鎮圧しようとする。

畜群。
「数で攻めれば怖くない!」

衆愚。
「質よりも数に決まっているだろ!」

市民。
「多数決で、何でも決まるのだ!」

青年。
「何でも多数決で決まるべきだ!」

会社員。
「そうだ!すべては多数決で決まるべきだ!」

群衆。
「数こそ真実!」

雑魚。
「すべてを決めるのは数!」

どうやら。

多数決による正否を訴えている様子。

とりあいず暴れたい人の集団。

治安当局といい勝負をして。

逃げ出した。

雑魚。
「常識がすべてを支配する!」

衆愚。
「常識から外れた奴らは排除!」

市民。
「常識という絶対者!」

泥棒。
「俺達以外は悪だ!」

群衆。
「何度でもやるからな!」

道化師。
「君達は、我々を理解していないから。」
「そんなことを言っているのです。」

治安当局。

暴動を退ける。

何がやりたくて発生したのか。

まったく分からない。

通行人がやっと通れるようになった。

旗江。
「彼らは八つ当たりでは?」

詩叶。
「それにしても、錯乱していましたね。」

本実。
「あんなのがありふれているなんて。」
「治安は見せかけですか?」

旗江。
「いくら治安が良くても、一割は犯罪がありますよ。」

詩叶。
「アナンケの暴力かと思いましたよ。」

本実。
「ディケーはいませんね。」

旗江。
「私が自由でいるのは、摂理に暴力で応じたからです。」

詩叶。
「摂理なんて、弱さへの言い逃れに過ぎません。」

本実。
「溺れている人に、摂理に依存した人が助けに来たら。」
「一緒に沈んで行くに違いない。」

旗江。
「背負っているものは、その場で捨てる。」

詩叶。
「退かない嘘は、破壊して粉々にする。」

本実。
「真面目だけが、生き方ではないよね。」

旗江。
「目的が未設定で、目指すものが不明。」
「ならば、適当でよろしい。」

詩叶。
「人生なんて、真面目に付き合ってやる義理はない。」

本実。
「いかに素晴らしく生きるか、よりも。」
「至る所で手を抜いて、自分のために立ち回る方が。」
「遥かに簡単で、真実を見抜きやすい。」

旗江。
「彼らは正攻法しか知らないからです。」

詩叶。
「正面から入るしか、取り柄のない能無しめ。」

本実。
「裏技を駆使して、処理するのが技量ですよ。」

旗江。
「正しいやり方に拘泥するあまりに、他の多数ある方法を失っているし。」

詩叶。
「正しく生きる?最後には死亡するのでは?」
「それなら、正しい生き方をしてもしなくても同じでは?」

本実。
「良い生き方とはいったい何なのか疑惑ですけれど。」
「悪い生き方ならば、けっこうあっさり理解してしまったり。」

旗江。
「今すぐ何でもありにしてくれたら。」
「問題となるものを一気に削除するので。」
「その程度のものしか現実にはありませんよ。」

詩叶。
「現実に起こるものは、特に不要ならば、叩き潰して解決するだけです。」

本実。
「不要な出来事ばかり起きると、元の場所に帰してやるだけ。」

旗江。
「なぜか、真面目に取り組むことだけが、人のやり方だと思い込んでいる。」
「揶揄したり、回避したり、無視するのもやり方の種類だとは思いますね。」

詩叶。
「古代世界の批判をするならば、真面目にいろいろなものに取り組んでいるあまり。」
「どうでもいいこと。」
「つまらないことばかりに構っている。」
「釣りでもしていれば考えなくなると思います。」

本実。
「解決した所で、何もないことばかりに情熱を注ぎ込んで。」
「たかが知れているこの世の事に依存している。」

旗江。
「この世なんて、たかが知れているので。」
「人間のすることにも、限界はありますね。」

詩叶。
「墓地は、すべての人間のする事を否定しているものです。」

本実。
「個人的には、邪魔なんて入らないだけで何でも良いものです。」

旗江。
「無駄な物事、つまらない出来事、下らない問題。」

詩叶。
「自分の気に入らないものは、全部、妨害の扱いにしています。」

本実。
「正しいと言われた取り組みなんて、今後認めることはないでしょう。」

ようやく大型店舗に入れた。

洋服を買い漁る。

試着もあって。

何と、ここだけで三時間も物色していた。

午後からは、もうひとつの大型店舗でまた二時間。

くたびれて。

駅に戻る。

途中で、実験。

旗江。
「摂理を試してやりましょうよ。」

詩叶。
「それでは、百円玉を置いておきます。」

本実。
「摂理がどういう動きをするのか、試してみよう。」

百円玉を落とすと。

さっさと遠ざかる。

何者かが持って行った。

それだけ。

摂理は無力。

旗江。
「ほら、摂理なんて、何かの結果に。」
「たまたま説明をつけたものでしょ。」

詩叶。
「後からなら、何とでも言える。」
「それが摂理の正体。」

本実。
「そんなものを頼るのは、頭が悪い。」
「無能を隠しているだけです。」

旗江。
「空想の産物に、これ以上、金銭を使いたくないなあ。」

詩叶。
「そんなものに頼るから悪いのですね。」

本実。
「摂理なんかで人を処罰できませんよ。」
「いっそのこと、そんなことは語らなければ良いだけ。」

旗江。
「摂理に依存する者は、必ず敗北者になる。」

詩叶。
「摂理に頼って、勝利することは不可能ですしね。」

本実。
「摂理を引き合いに出す者は、弱者である。」

旗江。
「弱いから、摂理なんて言い出して、勝とうとする。」
「実際は、摂理が味方するなんてことはありえない。」
「摂理に頼った時点で、必ず失敗する。」

電車の時間にぴったり。

夕日が輝く時刻。

何とか乗り継いで帰宅中。

構内。

前に来た謎の女の子三人組と遭遇するものの。

通り過ぎてしまう。

魔女一同。

朝三暮四。
「人間による保証は儚いもの。」

利他主義者。
「人間が保証しても、弱さが出てしまい。」
「すぐに崩壊しますね。」
「裏切られる。」

功利主義者。
「人間による保証は、逆の結果をもたらします。」
「宣言すれば、大人はあっさり騙せますからね。」

朝三暮四。
「永続しないであろう文明の内容なんて安っぽいものですね。」

利他主義者。
「しかし、人間の無駄な抵抗も、頑張っていて。」
「不可能に挑戦する辺りは、人間も駄作とは言い切れませんね。」

功利主義者。
「人間そのものが芸術作品になるかは怪しいですよ。」
「愚かな人間は、愚かでも頑張って建設していますし。」
「そういう徒労に終わる行為も、彼らは自画自賛しても良いのです。」

朝三暮四。
「人間のすることも、たかが知れていますが。」
「奇跡でも起これば、人間も高度なものに変わりますよ。」
「今はいかに駄目でも、後天的なもので判断しましょう。」

青年。
「僕に力をください。」

少女。
「私にもいろいろください。」

朝三暮四。
「志願してくるなら歓迎しますよ。」
「最近は、内戦が終わってしまって。」
「災いの影響が強まっていますし。」
「少しくらいは、人間が人間を脅かしてもよろしい。」

利他主義者。
「孤立したら、何も繰り出せない人間ですからね。」
「単独で何か出来るくらいは、支援してやります。」

功利主義者。
「志願者が多いですね。」
「それだけ、手間が省けます。」

朝三暮四。
「人間も被造物なのですが。」
「被造物の人間も、自分で悪い木の実くらいは食べるでしょう。」
「存在に亀裂が生じた人間という名前の被造物も。」
「自分の意志で修復することは可能かと思われます。」

志がある若者にいろいろ与えていた。

謎の預言者と言われるものの。

そう呼ぶと魔女一同は気分を害するので。

禁句となっている。

通過。

購入した洋服はアタッシュケースに入れていました。

旅行帰りのような状態。

一同、駅前で解散すると。

素早く帰宅する。

玄関から出迎えがあり。

興味本位で荷物を物色される。

リビングは女性の世界。

アディラ。
「あれ?珍しくスカートが入っている?」

旗江。
「自撮りする時に使うんですよ。」
「スカートで出歩くと、目立ちますからね。」

アディラ。
「半分ロリータみたいな服があります。」

旗江。
「露出なしに、素敵に見えるロリータ系は好みです。」
「冬は、そういう服装が似合いますしね。」

親戚。
「ここは男子禁制かな。」

従妹。
「親族だから、目撃しても問題ないです。」

アディラ。
「栄養剤飲む?」
「用意しておいた。」

旗江。
「錠剤の栄養剤ならば、支障なし。」

親戚。
「夕食は?お風呂は?調整が必要?」

旗江。
「お風呂なんて、シャワーだけで足りる場合が多々あります。」

アディラ。
「毎日、髪を洗っていると、髪が傷んでしまうのでは?」

従妹。
「気候の問題なんですよ、古代世界は地球環境が過酷ではなかったとか。」

アディラ。
「そうとしか考えられない史実が多いですね。」

旗江。
「治水がない時代は、水源なんて引き放題ですよ。」
「さらに資本主義が、自然を規制したので。」
「環境がさらに過酷になったとか。」

アディラ。
「今の生活必需品も、粗末なものなら。」
「すべて揃っていましたね。」

従妹。
「それが科学で高度になって、性能が上がったり。」
「優れたものに変化したのみですね。」

父親。
「昔は、浴場を持っている人からお金を出して借りて入っていたり。」
「水浴びで済ましていたとか。」

母親。
「人がいない無人地帯を選んで、女性は布で隠して。」
「河川で水浴びしていたとか。」
「浴場が、そもそも所々に整備されていたとか。」
「いろんな説がありますね。」

父親。
「一般市民の史実は残らないから。」
「どういう生活なのかは、あんまり把握できないな。」
「今よりも簡単であった可能性もあるし。」

母親。
「古代世界が栄えたのも、地球の環境が良かった説がありますね。」
「我々は、もはや自然を忘れています。」
「自然を知らない人間ばかりです。」

旗江。
「自然に慣れているのは昔の人の特徴です。」
「河川で泳いで溺死するとか。」
「自然がプールにしか見えてないようですし。」
「危険が分からない実例なら、毎年出て来ます。」

従妹。
「登山が好きな人とか、釣りが好きな人なら知っているかも。」
「自然の中に入る職業の人ならば、慣れていますからね。」
「昔は、何の用意もなしに、河川や低山に遊びに行っていた。」
「それで何の事故もない実例があります。」

アディラ。
「資料を辿ると、昔と現代では、環境の違いがあるのですね。」
「現実が過酷なのは、地球の環境にも、秘密があるようです。」

従妹。
「環境の過酷な影響が、あらゆる所に出ていますね。」

アディラ。
「無添加シャンプーで髪が綺麗とか、同級生に言われました。」

従妹。
「普通の事ばかりやっていたら、普通にしかなりませんしね。」

旗江。
「普通?普通とは何ですか?」
「私はくたびれた。」

親戚。
「援護してやりたいけれど、必要ないらしい。」

旗江。
「自分の部屋で休みますね。」

くたびれて。

くるっと回って布団に落ちる。

そのまま。

夜遅くまで起きなかったようです。

哲学でも。

幸福の内容は規定できませんでした。

誰にでも当てはまる形で幸福は規定できません。

幸福について、できることは。

お宮で幸せを祈ることだけです。

それを祝福と呼びます。



47


過ぎたことは夢、来るものは希望。

山城の集落。

来客。

魔女を見つけて志願してくる。

男性四人組。

全員が孤児で。

無実の罪を着せられて投獄された経歴がある。

第一の代弁者。
「お前らは魔女だよな?」
「契約したい。」

朝三暮四。
「捨て駒でも良いのですか?」

功利主義者。
「人間が、自ら使い捨てに走るのですね。」

利他主義者。
「咬ませ犬。」
「闘犬で、年老いて役に立たない犬を。」
「若い犬に噛ませて、自信をつけさせる。」

第二の代弁者。
「散々な暮らしをして来てうんざりした。」
「この世を去る前に、無念を晴らしたい。」

第三の代弁者。
「お前らなら、俺達の悲願を、叶えられると思ってね。」

第四の代弁者。
「切腹と行きたいが、せめて、素晴らしい死に場所をください。」

第一の代弁者。
「どのように死んだら良いのか、分からないので。」
「少しでも晴れ舞台をくれ。」

朝三暮四。
「よろしい、そこまで、消耗品になってくれるなんて。」

利他主義者。
「報酬は、死にたいのですね?」
「美しい散り様を提供できますよ。」

功利主義者。
「自分から、奴隷になりたいなんて。」
「余程の事情でしょうね。」

第二の代弁者。
「暗い生涯だったよ。」

第一の代弁者。
「地獄に突き落とされたら、地獄を滅ぼしてやる。」

第三の代弁者。
「噂では、魔神、災いの神とか言うじゃないか。」
「忠誠を誓うことにする。」

朝三暮四。
「ならば、私達も応えましょう、すぐに行動を。」

功利主義者。
「指定した場所に行ってください。」
「この地図を開けば、どこにでも行けます。」

利他主義者。
「地図は失わないように、最後の時まで。」

四人組。

報酬に死亡を求めて魔女と契約する。

ちょうど同じ頃に。

最悪と言われた凶悪犯が。

殺人、強盗、放火、詐欺を繰り返していた。

四人組は言われるがままに。

地図を開くと。

瞬間移動してしまった。

目の前には。

無実の罪で厳罰にした元裁判長。

ちょうど任期を終えたばかり。

何も考えずに攻撃する。

まずは自分を裁いた当時の裁判長を殺害する。

裁判長。
「武力のない僕のような裁判長は、こうして死ぬらしいな。」

第一の代弁者。
「俺達を裁きやがって!」

第二の代弁者。
「裁いた奴に、裁かれる気分はどうだ?」

第三の代弁者。
「俺達を裁いた報いだ。」

裁判長。
「残念ながら、ここで正しいのは君達だな。」
「僕は大人しく死ぬとするよ。」

第四の代弁者。
「分かっているじゃないか。」

裁判長。
「法律なんて、ここでは通用しない。」
「それを振りかざした所で、僕は死ぬのだから。」
「後で、裁けても、僕は死んでいるのだ。」

裁判長は死亡。

地図を開くと。

いきなり新興宗教の教祖のいる部屋に出る。

なぜか目の前にナイフが置いてあり。

それを持って、襲撃する。

次に新興宗教の教祖を暗殺。

いきなり出現した四人組に。

何も出来ない。

邪教の教祖。
「お前たちは、私を理解していないのだ。」

第一の代弁者。
「正しいから、相手がひれ伏すとでも思ったのか!」

第二の代弁者。
「正しいから、何でもまかり通ると思ったら大間違いだな!」

第三の代弁者。
「何が教えだ!俺達は、このナイフを信じるぜ!」

第四の代弁者。
「何か信じるとしたら、暴力を信じるぜ!」

第一の代弁者。
「死んでから、自分の言い分が通るか試してみな!」

邪教の教祖。
「俺は死ぬのか!死んでしまうのか!」

第一の代弁者。
「ここでは、ナイフが通用するんだぜ。」

第二の代弁者。
「変な本なんて、通用しないぜ。」

第三の代弁者。
「笑われて死ぬのが、お前の公正な評価だな。」

第四の代弁者。
「勝手に規則を決めやがって、迷惑だ。」

邪教の教祖。
「おお!天罰が下るぞ!」

第一の代弁者。
「そうだとしたら、お前を殺した後に下るよな?」

第二の代弁者。
「少なくとも、その時にお前はいない訳だな。」

第三の代弁者。
「死んだ奴は帰ってこないぞ?」

第四の代弁者。
「もっとも俺らは、死を求めているのだがな。」

殺した後に。

地図を開くと。

政権転覆の会議をしている。

元軍人の会議室。

扉の裏に瞬間移動してしまう。

話を聞いていると。

とりあいず殺せば次に行けると判断した。

政権転覆を企んでいた元軍人も殺害する。

第一の代弁者。
「何が陰謀だ、お前が陰謀を仕掛けているくせに。」

陰謀論者。
「闇の政府が乗り込んできた!」

第二の代弁者。
「構図を逆転させて、偉そうに言うな。」

第三の代弁者。
「いちいち立場を逆転させて、有利にするな。」

陰謀論者。
「殺される!やっぱり本当だったんだ!」

第四の代弁者。
「何を言っても良いから、死ね。」

地図を開くごとに。

新しい敵対者の所へ移動してしまう。

ついに自分達の部屋に戻って。

四人組は休息する。

数日後。

最近、話題のニュースを見ている三人娘。

旗江。
「彼らとの違いは何ですか?」

本実。
「犯罪者と我々の違いですか?」

詩叶。
「それを説明できないのが、もどかしい所です。」

旗江。
「合理的な返事はできませんね。」

詩叶。
「従っているか、従わないかの違いでしょうか?」

本実。
「御託ばかりの人は、何にも従わないですね。」

詩叶。
「自分が偉いと信じて、何にも従わない奴もいますし。」

旗江。
「プルタルコスの目撃談なんて。」
「僭主君主に仕えて、老齢まで生き残り。」
「その人は、不正に感謝しています、などと言ったとか。」

詩叶。
「僭主君主に老齢まで仕えられたのも、とにかく従っていたから?」

本実。
「少しでも逆らったら、老人にまで生き残ってないですね。」

旗江。
「それでは、犯罪者との違いを、はっきりと答えられないのですね。」

詩叶。
「行動の評価くらいかな?」

本実。
「行動の評価に対する返答?それは素敵ですね。」
「どこにも矛盾がないのですし。」

旗江。
「それでは、違いとは行動の評価なのです。」

本実。
「一応は回答できるじゃないですか。」

旗江。
「解決ですね、犯罪者と我々の違いは行動の評価です。」

詩叶。
「それで、拠点に入ろうとしている、あの凶悪犯は。」
「どうします?」

旗江。
「ゲーミングパソコンは隠しておいたのに。」

本実。
「やはり流行りの高級品、金持ちの道具は狙われますか。」

同時刻に。

地図を開いて移動した四人組。

目の前に出てきた。

噂の凶悪犯と遭遇して。

明確な違いを見せられてしまう四人組。

第一の代弁者。
「おっと?先客がいたか?」

第二の代弁者。
「噂の現行犯だよ。」

第三の代弁者。
「だいぶ調子に乗っているが。」
「何が狙いかな。」

第四の代弁者。
「これは傑作だ、悪党対悪党ですか?」

凶悪犯。
「お前らは何だ?」

第一の代弁者。
「正義の味方の成れの果て?」

第二の代弁者。
「正義の味方はこうなるという、お手本?」

第三の代弁者。
「手本を見せてやったんだよ。」

第四の代弁者。
「正しいなんて言い出せば、俺らみたいになるぜ。」

凶悪犯。
「お前らも、犯罪者なのか?」

第一の代弁者。
「まあそんな所だ。」

第二の代弁者。
「お前はなんのためにやっている?」

凶悪犯。
「腐った人間を削除しているんだ!」

第三の代弁者。
「お前から見た腐った人間?」
「お前も同じなんじゃないか?」

第四の代弁者。
「何か大きな違いがあるのか?」

凶悪犯。
「言ったな!この野郎!」

第一の代弁者。
「おっと!俺達とはだいぶ違うみたいだな!」

第二の代弁者。
「向こうは凶悪犯、俺達は正義の味方、それを極めた奴。」

第三の代弁者。
「何人、殺せば、あいつは気が済むのやら。」

第四の代弁者。
「行こうぜ、殺人の定義なんて、ころころ変わるからな。」

朝三暮四。
「そいつは、まだ生かしておいてください。」

利他主義者。
「数日後に、美しい死に方をしますから。」

功利主義者。
「ついでに、あいつも、どこかへ飛ばしましょう。」

魔女に逃がしてもらって。

凶悪犯は消えてしまった。

追い払われた形になった最悪の犯罪者。

旗江。
「なんですかあいつら?」

詩叶。
「行動の評価について、なのですが。」

本実。
「とまあ、公明正大な評価が、確かにありましたね。」

旗江。
「まさか、たまたま狙われるなんて。」

詩叶。
「四人組?仲間ではないですね?」

本実。
「なんか、両者、互いの敵対者に遭遇してしまったようですね。」

魔女一同は。

指定した場所に移動させる。

地図を開いた先にいる男性を。

手当たり次第に殺しまくる。

逃走していた指名手配犯を殺しまくった。

第一の代弁者。
「だいぶ快楽を味わったみたいだな。」

指名手配犯。
「見つかった?なに?警察ではない?」

第二の代弁者。
「暴力って楽しかった?」

第三の代弁者。
「被害者と同じになりたいよね?」

第四の代弁者。
「俺ら、君と同じことしてやる集団。」

指名手配犯。
「やめろ!来るな!うわあ!」

第一の代弁者。
「君も、被害者と同じにしてやるんだよ。」

第二の代弁者。
「暴力に感謝しろ!」

第三の代弁者。
「不正に感謝するべきだ!」

指名手配犯。
「なんでこうなるんだ!」

第四の代弁者。
「散々にやっておいて、よく言うよなあ?」

翌日。

指名手配犯が別の犯罪者に殺されていて。

早朝の報道が過激になる。

ダークヒーロー?それとも悪党の暴走?

現場から、一瞬で消えていき。

証拠はあるのに。

アリバイが崩れないし。

すべての犯行場所から離れ過ぎていて。

とても立件できずに。

四人組は幻影とか幽霊とか呼ばれてしまい。

既にこの世にいない四人組は御霊だと言われてしまっている。

有名になりたかったら残虐を行え。


48


証人を出せない男は嘘つきだ。

山城の集落。

地図を開くと。

魔女が座っている。

最後の仕上げを言い渡される。

集められて。

魔女に宣告された。

朝三暮四。
「このまま死んでも、また孤児になって。」
「ダークヒーローを繰り返す。」
「しかし報酬によって少しはましになる。」
「同じことになっても許容できるのなら。」
「別物になるし、最後まで手助けする。」

第一の代弁者。
「それになってやろう。」

第二の代弁者。
「ここまで来て引き返さないぞ。」

第三の代弁者。
「繰り返す?俺は開き直ったね。」

第四の代弁者。
「毒を食らわば皿まで。」
「という訳だな。」

朝三暮四。
「何回も、こういうのに耐えるつもりですか。」

功利主義者。
「人間らしい、愚かな所も、頑張っている証拠ですね。」

利他主義者。
「多くの欠点があるのも、中々、見所ですね。」

第一の代弁者。
「所で、どうするんだ?もう大事件だぞ?」

朝三暮四。
「ここ数日の働きは見事です。」
「それで、これを繰り返す決心はありますね。」

第一の代弁者。
「何度でも、同じ事を言うまでだ。」

朝三暮四。
「ここがあなたの最初にして、最後の場所です。」

利他主義者。
「無駄な破壊が行われようとしています。」
「これを止めてから、あなたに死亡を贈与します。」

第二の代弁者。
「ようやく、俺達に終わりが来るんだな。」

第三の代弁者。
「終わっても、またこれらが繰り返されるのか。」

第四の代弁者。
「無限に繰り返す?もういいよ、早く行かせてくれ!」

第一の代弁者。
「この繰り返しを超えて行くのだな、よし、もう一度!」

朝三暮四。
「そんな成れの果てで、よく超人を理解しましたね。」

功利主義者。
「完全無欠を偽装する屑なんかよりも、ずっとか賢明ですよね。」

利他主義者。
「完璧を演じる塵なんかよりも、素質がありましたね。」

四人組が決心して。

魔女が地図に記入する。

四人組は地図を開く。

約束の場所に行くと。

立て籠もりを続ける最悪の凶悪犯がいた。

これを殺せば次に行けると。

さっさと攻撃する。

第一の代弁者。
「数日ぶりだね、また犯罪を楽しんでいる?」

第二の代弁者。
「社会に復讐?お前をそうしたのは、人間であって。」
「社会ではないと思うぞ?」

凶悪犯。
「どこから侵入した?」

第三の代弁者。
「今日は、お前を殺しに来ました。」

第四の代弁者。
「人質は解放したよ。」
「さあ、望み通り、社会の使者と戦おうよ。」

凶悪犯。
「こいつめ!殺してやる!」

第一の代弁者。
「おっと?噂ほどでもない、捕まえたぜ?」

第二の代弁者。
「名前が売れてきた奴って、実際はこんなもんだよな。」

第三の代弁者。
「まぐれ勝ちが多かったんじゃないの?」

第四の代弁者。
「相手が弱いので、それで勝ってたとか。」

凶悪犯。
「うわあ!やめてくれ!」

第一の代弁者。
「はあ?お前が死体にした奴ら。」
「それと同じにしてやるんだよ。」
「さっさと死ね。」

凶悪犯。
「ぐああああ!」

第一の代弁者。
「おお!悪とは死ぬ時が美しいのか!」

第二の代弁者。
「悪党の正体は、死ぬ寸前に出るというのか!」

第三の代弁者。
「本人しか知らない、悪の成り立ちを知ってしまった!」

第四の代弁者。
「悪人とは、こうやって作られるのか!」
「すべてを見てしまったぞ!」

これを殺して事件を解決すると。

地図を開いて。

空港に移動させられる。

三人娘は。

さっきまで居なかったのに。

いきなり現れて。

同じ飛行機に乗ると判明して動揺する。

ちょうど前の四人組と遭遇して。

疑いをかける。

同乗する旅客機。

大阪旅行に行こうとして。

遭遇してしまった。

旗江。
「前にいた、怪しい四人組ですか。」

本実。
「不可思議ですね、生きている気配がしない人達。」

詩叶。
「生き物なのか、疑問に思う四人組ですね。」

旗江。
「何も無ければ良いのですが。」

本実。
「どう転ぶか分からない賭博みたいです。」

詩叶。
「知られないように、こっそり搭乗しましょうね。」

四人組は不思議な感覚がする。

魔女に移動させられて。

何故か飛行機のチケットを持って。

飛び立っている。

第一の代弁者。
「海外にでも、逃げるのかね?」

第二の代弁者。
「約束の死亡はどうした?」

第三の代弁者。
「はあ?使い捨ても楽じゃないぜ。」

第四の代弁者。
「いつ死なせてくれるのかな。」

乗務員。
「うわああ!拳銃だ!」

市民。
「マスクの武装集団が!ぐあ!」

国内線で、何とハイジャックが発生。

人質交換のために。

自己犠牲な占領。

三人娘は、お手洗いに行くと見せかけて。

逃げておいた。

テロリスト。
「この飛行機は占拠した。」
「人質交換に使わせてもらう。」

第一の代弁者。
「おう?なんか現れたぜ。」

第二の代弁者。
「拳銃まで装備しているのかよ。」

第三の代弁者。
「こいつらも殺せとか、そういうことかよ。」

第四の代弁者。
「やっちまえ!これまでの相手と大差ないぜ。」

テロリスト。
「なんだお前らは!なに!速い!」

第一の代弁者。
「こっちは殺し合いには慣れているんだぜ。」

第二の代弁者。
「テロリストか何だか知らないが。」
「お前らも死ねよ。」

テロリスト。
「単なる民間人が!」

第一の代弁者。
「俺らは、只者ではないぜ。」

機内で何やら戦っている。

四人組が、ここが死に場所なのでは?と思い。

武装集団と激しい戦闘を行った。

乗員室まで逃げている三人娘。

さりげなく通過する敵兵を。

狭い所に誘い込んで。

騙し討ちをする。

絶対主義者。
「君達は、座席に戻れ。」

旗江。
「あそこの乗客は、警察官ですよ。」

絶対主義者。
「なんだと?なぜ分かった?」

本実。
「私達は、順番待ちなので。」
「まだ戻れないのです。」

絶対主義者。
「早く戻れよ。」

詩叶。
「ボールペン型催涙スプレーを食らえ。」

絶対主義者。
「ぐあっ!」

旗江。
「ひとりが武器を叩き落して。」
「もうひとりが顔面に一撃を食らわせて。」
「後ろに回ったひとりが締め技をする。」
「同時攻撃は成功。」

詩叶。
「次に顔面を全員で殴る。」

本実。
「何とか言っているうちに、相手が思ったより弱かった。」

旗江。
「野生動物や化け物としか戦ったことがなかったので。」
「人間がこんなに脆いなんて思っていなかったよ。」

詩叶。
「あいつらと比べると、遥かに軟弱ですなあ。」

本実。
「これなら余裕かも、何か当たれば終わりなんですね。」

旗江。
「いちいち大立ち回りが必要な怪物とは違って。」
「遅いし、とりあいず何か当たれば終わるんですね。」

詩叶。
「拍子抜けするほど、あっさり気絶ですか。」

本実。
「おかしいな?怪物は、必ず長期戦になって。」
「何十発も攻撃を当てて、やっと倒せるのに。」
「人間はなんでこんなに脆いの?」

一斉に囲んで殴打して。

気絶させた敵兵。

装備を鹵獲して。

奪った武器を使用して。

近くにいた敵兵に撃ち込んだ。

ファシスト。
「うわあ!」

旗江。
「死ね!死ね!」

詩叶。
「戦闘不能になれば、もう用済みですよ。」

本実。
「あいつも殴打して、装備を確保しましょう。」

ファシスト。
「投降する!もう立てない!」

旗江。
「そんな馬鹿な!嘘つき!本当は、まだ底力を隠している!」

ファシスト。
「神話の怪物ではないのだし、俺達にそんなものはない!」

詩叶。
「本当に動けないようですよ?」

旗江。
「おかしいな?人間ってこんなんなの?」

本実。
「前に雑魚を倒したことがあるので。」
「そんな奴よりも桁違いに強いかと思っていました。」
「言われているほど、戦いが上手ではないのですね。」

機内で乱闘が続いている。

何と四人組が優勢。

怪しい四人組が善戦しているので。

持っていた装備を四人組に投げました。

第一の代弁者。
「よし!これでまともに戦える!」

第二の代弁者。
「逃げながら戦っていたが、もう逃げないぜ。」

第三の代弁者。
「あそこの扉の裏に、まとめて装備が置いてあるぞ!」

第四の代弁者。
「鹵獲したのか?俺達も貰うぜ!」

第二の代弁者。
「拳銃か?本物か?」

第四の代弁者。
「まずはひとり?ぐあ!」

第二の代弁者。
「拳銃は貰ったぜ、死ね!」

テロリスト。
「くそっ!素人め!」

第一の代弁者。
「兵士を二人も殺す奴が素人かな?」

全体主義者。
「早く!増援をよこせ!」

絶対主義者。
「貨物室と、操縦室の奴らも加われ!」

第一の代弁者。
「くそ!数が多いな!」

第二の代弁者。
「仲間が死んだぞ。」

第一の代弁者。
「なんだと?まさか!?」

第三の代弁者。
「三人目を殺したが、まだ来る。」

第一の代弁者。
「そういうことか、よし!野郎共、テロリストを皆殺しにしようぜ!」

第二の代弁者。
「筋肉だけで、戦い慣れてないな?」

第一の代弁者。
「実戦だけで戦ってきた、俺達に勝てるのかよ!」

テロリスト。
「ライフル銃をよこせ!素人を抹殺する!」

第三の代弁者。
「まぐれ当たりで、やられるとは!」

第一の代弁者。
「うわっ!おい!俺達は二人も殺された!」

第二の代弁者。
「しかし残りはあいつだけだ!」

テロリスト。
「なんて奴らだ!短機関銃を食らえ!」

第二の代弁者。
「ぐはっ!少しも暖かい場所が無かったな・・・。」

第一の代弁者。
「殺される!ナイフを投げてやる!」
「せめて、あいつだけでも負傷させる!」

テロリスト。
「よくもやってくれたな!」
「これで最後だ!」

第一の代弁者。
「短機関銃の方が、ナイフより速いな・・・。」

テロリスト。
「うわっ!ナイフが刺さった!しかし負傷兵だけで!?」

武装集団と相打ちになって。

残りひとり、負傷した犯人がいる。

リーダーには、未来の孤児になる自分が見える。

第一の代弁者。
「次こそは・・・。」

市民。
「お前らは、助けた人数の方が多かったよ!」

格闘家。
「今度は俺達市民が、暴力を潰す番だ!」

乗務員。
「いつまでも調子に乗ってるんじゃねぇよ!」

拳法の達人。
「市民が、いつまでも負けると思ったか!」

紳士。
「市民が、常に負けるとは限りませんよ。」

前には、武装集団に攻撃を仕掛ける乗員三十人の姿が映る。

犯人は後ろから飛び掛かった市民に叩き伏せられて。

犯人は全滅。

ハイジャックは失敗。

四人組は全員が死んだ。

報道で表彰される市民一同。

ダークヒーローには感謝状と。

航空会社の資金と。

無念を晴らしてくれた当事者が資金を出し合い。

葬儀が行われました。

朝三暮四。
「彼らは、煉獄にでも行くでしょう。」

功利主義者。
「ああいう連中が、天国に入りやすいのですよ。」

利他主義者。
「冥府に行った彼らに会いましょうか。」

冥府に赴く。

出入り口で。

番犬と交渉している四人組。

朝三暮四。
「約束は約束です。」

功利主義者。
「どうでしたか?次も繰り返すとは限りません。」

利他主義者。
「まったく同じものが、続くことはないのです。」
「しかし本質は同じになります。」

第一の代弁者。
「テロリストと争って戦死するなんて、贅沢な死に方だよ。」

第二の代弁者。
「間接的に、社会に復讐できたので、満足なのだが。」

第三の代弁者。
「あれだけ荒らしまわって、煉獄に行くかもしれないとさ。」

第四の代弁者。
「あんたら、魔神だよね?何とかならない?」

朝三暮四。
「そんな中央集権的な魔神はいませんね。」

功利主義者。
「ここから先は、我々の管轄外ですが、功績はあります。」

利他主義者。
「また戻って来なさい、次は、もっと良くなるように。」

冥府から戻る。

山城の集落にて。

あの時の地図が燃える。

必死に生きようと生まれたら。

いきなり捨てられて。

残酷な仕打ちに耐えながら。

間接的に復讐を果たして。

消えていき。

また同じ事を繰り返さなければならない。

しかし四人組は。

また、もう一度、やってみるそうです。

同時に。

正気に戻ったかつての当事者には。

凶事が多発するようになり。

四人組の生前、関係者であった者達は、災いで満たされました。

忍耐に忍耐を重ねて墓場まで。



49


魔女一同。

悪戯に飽きたので。

計画通りに。

環境主義者の所に行き。

そそのかす。

空から着陸した魔女一同に。

神秘主義のような視線を送る人間達。

環境保護団体。
「君達は誰ですか?」

朝三暮四。
「あなた方は、もし?万能な力が借りられたら。」
「どうしますか?」

環境保護団体。
「思い通りにしますね。」

朝三暮四。
「それなら、ここにブラックアウトボムがありますが。」
「これについては?」

環境保護団体。
「何か凄まじい存在が我々に味方しに来たぞ!」

全体主義者。
「こんなもの持っている女の子は。」
「いるはずがないからね。」

朝三暮四。
「あなたの望みは、ある程度は達成できるように。」
「手助けしてあげますよ。」

排他主義者。
「それなら、我々は環境団体なので、文明を戻したい。」

絶対主義者。
「温室効果ガスが多過ぎて滅ぶからね。」

全体主義者。
「昔ながらの生活になれば、回避できる!」

朝三暮四。
「わかりました、それでは、電磁パルス兵器を贈与します。」

功利主義者。
「強化型ブラックアウトボムです。」
「これを仕掛ければ、停電しますし、ポンプも破壊されます。」

利他主義者。
「黒服も贈与します、これで見つからなくなります。」

環境保護団体。
「なんてものを持っているのですか!」

ファシスト。
「なるほど、排他主義者の集団が、ロケット弾を使えたのも。」
「君達の仕業ですか。」

功利主義者。
「まあそんな所です。」

環境保護団体。
「これに便乗しよう、そして人類に教育しよう。」

ファシスト。
「しかし、そんなことして、発覚しないの?」

利他主義者。
「私達は、必要なだけ世界を壊して、達成したら退きます。」

朝三暮四。
「もはや悪戯に飽きてきたので。」
「この辺りで、消えたいと思います。」

利他主義者。
「人間に対する仕打ちは、天誅とでも言ってください。」

環境保護団体。
「早速、計画を練るよ。」
「なんだこれは?」

功利主義者。
「これはジャミング装置です。」
「これを使うと、相手の通信や、機械の稼働を。」
「妨害できます。」

全体主義者。
「ジャミング装置も使えということか。」

朝三暮四。
「まもなく時間です、あなた方がやらないと。」
「他の者が、それらをやります。」

環境保護団体。
「不思議な女の子から武器を供与された。」
「せっかくなので、使わせてもらうよ。」

全体主義者。
「これで環境破壊を辞めさせられる。」

絶対主義者。
「あの自然の破壊者共を、根絶やしにしてやる。」

ファシスト。
「環境破壊を楽しみやがって!」

立ち去る魔女一同。

何やらぶつぶつ言いだす。

やや気に食わないので。

使い捨てにするように仕組む。

何やら。

環境主義者の考え方が不愉快だった様子。

劣っている人間の醜悪な所を見て来たので。

魔女一同は面白くない。

利用するにしては、あまりにも劣っていて。

道化師として生まれたのではないかと疑われた。

山城に帰宅して。

人間を使うのは、もう嫌になったので。

帰還の準備をする。

朝三暮四。
「真実は築き、嘘は破壊する。」

利他主義者。
「人は見かけでは半分しかわからない、会話ですべてがわかる。」

功利主義者。
「他人の助けを必要とするというのは、最悪の事態だ。」

朝三暮四。
「自分は被害者だから、攻撃を加えた人間は不当ですと。」
「非難するのはこじつけですね。」

利他主義者。
「人の気持ちが分からない、という人間がいますが。」
「わからないから、それが何だ?というものですね。」
「人の気持ちが分からないと宣伝すれば。」
「容赦してくれると思い込み、それを売り物にする。」

功利主義者。
「それによって、自分を依怙贔屓しないと許さない。」
「という野蛮な考え方に陥りますね。」

朝三暮四。
「他人が媚びてくれないので、それはおかしい、という考え方。」

利他主義者。
「それらの前提のすべてが間違えていますが。」
「自覚が無いのですね。」

功利主義者。
「前提の誤りが明確なのに、何かあると暴れようとするので。」
「前提の誤りを認めることはありません。」

朝三暮四。
「どうにかして、自分は被害者だから、敵対する相手が悪党である。」
「同様に、自分を依怙贔屓しない奴も悪党である。」
「なんて構図に持っていきたいのですね。」

功利主義者。
「そういう奴は、責任の所在を証明できませんし。」
「根拠のない言説が目立ちます。」

利他主義者。
「言葉だけで、行動の評価をすれば、邪悪ですからね。」

朝三暮四。
「詭弁のやり過ぎで、自分が悪の一部になっているのに。」
「他人を悪人呼ばわりするのは最悪でしょう。」

利他主義者。
「悪人が他人を悪人と告発するのは矛盾しているかと。」

功利主義者。
「根拠もなく、自分だけは何々であると名乗り過ぎですね。」

朝三暮四。
「劣っている人間の考え方なんて、でたらめが最初にあって。」
「それを後で、どう理屈をつけるかの連続です。」

利他主義者。
「自分の問題を売り物にして、他人を制圧しようとする。」

功利主義者。
「自分の問題を保留するために、他人を利用する。」

朝三暮四。
「いくら繰り返しても、無意味になり。」
「問題は残ったまま、本人を蝕みます。」

功利主義者。
「自分の問題を変更しようとして。」
「善人の称号欲しさに、寄付をする行為がよくありますね。」

朝三暮四。
「以上から繰り返される人間は、自分が善人であると信じていて。」
「善人の自分を非難するのは、全部が悪党、という理屈です。」

利他主義者。
「善人なんて、見たことがありませんが。」

朝三暮四。
「善人って何のことですか?」

功利主義者。
「そうすると、奴らは、いちいち構図を逆転させて勝とうとしますね。」

朝三暮四。
「何か人にされても、自分は善人である、或いは正しい者である。」
「攻撃した奴は、何でも悪党である、なので相手を始末しないといけない。」
「これはなにかおかしい。」

功利主義者。
「自分が有利になるように、空想で勝利して。」
「それから実際に強要するでしょう。」

利他主義者。
「言い分が苦しいのは、それだけ無理なこじつけが多い証拠ですね。」

朝三暮四。
「こじつけのやり過ぎで、いろいろと崩壊しているのですね。」

功利主義者。
「そんなことを続ければ、天罰で死にますね。」

利他主義者。
「自分を善人だと思っていた奴が、天罰を受けるのは、傑作です。」

朝三暮四。
「よく観察すると、そういう人間にはあらかじめ。」
「自分に関する設定があって。」
「それに基づいて、他人に強要を繰り返しているのですね。」

利他主義者。
「劣っている人間には、勝手に自分で決めた設定があり。」
「その設定から外れたものは、何でも許せないのです。」

功利主義者。
「自分で決めた設定以外を、意地でも許さない。」
「後の論証は、あらかじめ決めた設定を。」
「他人にどう強要するのか、どう展開するか。」
「もっともらしい説明をつけるかの。」
「繰り返しに過ぎません。」

朝三暮四。
「どれだけ間違いをやれば気が済むのやら。」

功利主義者。
「彼らはやってくれますよ、自分が壊れるまでね。」

利他主義者。
「死ぬまで、同じことの繰り返しですね。」

朝三暮四。
「無実なやつでもぶっ叩いて白状させろ。」

魔女一同が立ち去ると。

環境主義者は過激なお節介を開始する。

テロリズムに等しい行為を計画して。

発電所や水道施設に。

強化型電磁パルス兵器を設置。

一斉に起爆させようと。

時刻を設定。

人災の日付まで。

あと僅か。

別の場所。

研究室にて。

いつものアマチュアクラブで会議中。

全員が集まっていて。

時間帯を合わせています。

旗江。
「歴史の教訓。」
「勝率という要素があり。」
「無暗に戦っても勝利するとは限らない。」
「戦争ではこの勝率が重要で。」
「最強とされる武将でも。」
「九割くらいの勝率で。」
「一割は敗北しているのです。」
「最強でもそうなるのなら。」
「それ以下の者達。」
「平凡とされる者ならば。」
「勝率はひどく悪いもので。」
「無謀な戦いを繰り返しても。」
「結果には繋がりません。」

詩叶。
「一方的に勝てると信じて。」
「所々で敗北する人間なら。」
「いくらでもいます。」
「無傷で勝とうなんて。」
「戦いを甘く見ていますね。」

本実。
「まったく勝てない武将もいますし。」
「ひたすら戦いで勝利して。」
「結局は滅びた実例もあります。」

星詩乃。
「誰もが自分を顧みれば。」
「必ずしも勝利していない。」
「所々で敗北を経験しているのです。」

光織。
「最初から強者でも。」
「天は弱者の方の味方をするので。」
「先天的な強者は用心しましょう。」

理姫。
「先天的な弱者が天の味方を得やすい。」

旗江。
「いろんな悪が天の道理を打ち破って。」
「栄えているとしても。」
「天の道理が元に戻れば。」
「その繁栄も失います。」
「問題なのは。」
「悪は一時的にしろ、有利だという点です。」
「善人を打ち負かす威力はあります。」

理姫。
「善人よりも悪人の方が強いので。」
「まったく勝ち目のない戦いを引き起こさないように。」
「むしろ勝ち目は、相手の間違いや失敗にあります。」

旗江。
「ひょっとしたら負けるのでは?」
「という疑いが必須です。」

星詩乃。
「これは勝てるのか?」
「という疑いも必須です。」

詩叶。
「勝敗に対する疑惑は常に必須です。」

本実。
「凡人は。」
「簡単に勝利を得られるなんて思うのですね。」
「自分だけは勝てるなんて言うのは。」
「根拠がないね。」

旗江。
「もし負けたら?という時を考えないのです。」
「退路を考えていない。」
「アラブの格言で。」
「行動を起こす前に、退路を考えろ。」
「というものがあります。」

詩叶。
「国際的なことわざにも。」
「戦いは欺瞞だ。」
「とありますね。」

本実。
「格言にも。」
「もしも敵に勝ったのなら。」
「彼を打ち負かしたことへの感謝の表現として。」
「彼を許せ。」
「とありますからね。」

モニターでリアルタイムの監視。

情報を集めて精査すると。

地球という惑星の状態が理解できます。

文明は、数千年周期で滅んでは。

再生を繰り返したという。

古文書があり。

その循環を突破した文明があるかもしれない。

この銀河には五十個ほどの文明があり。

連絡可能な文明については計算で導き出されています。

天文学で公認されている情報です。

宇宙人は実在するのです。

宇宙人の視点というものがあれば。

斬新な創造論を持つでしょう。

今日は。

歴史書から実例を得て。

世界の歴史書を読めば。

現代から次の展開もある程度読めますね。

格言にもある通り。

賢明な人の推論は、馬鹿の保証より真実。


50


農作業を終えて。

研究所に入って。

自分の好きな分野を調べていて。

趣味で、学問をやっている女性陣。

もちろん、趣味なので。

どんなマニアックな学問も読み漁ります。

本棚が埋まっている。

整理整頓をするほど。

本の置き場所に困る。

机の上では量子力学の書籍がたくさんあります。

旗江。
「量子力学について語れることは。」
「自然科学が因果律に従わないという。」
「普遍的な証明くらいです。」

詩叶。
「癖になりますね、量子力学を読むと。」
「しかし、ひたすら理解できない。」

本実。
「理解できないような。」
「意味不明な所が逆に読みたくなる。」

旗江。
「原因が実在しない観測があり。」
「観測結果が因果律に従わない。」
「自然科学でこのような証明が当たり前なのです。」

詩叶。
「決定論が破損している気配がしますね。」

本実。
「原因もなしに結果があるのが量子力学ですからね。」

旗江。
「原因を説明できない。」

星詩乃。
「その上で、何かの影響は、時間なしで伝わってしまう。」

光織。
「何かしらの影響なら。」
「時間なしで、どこにでも伝達されますね。」

理姫。
「しかも、多くの自然科学は。」
「知らないうちに量子力学を使用しています。」

旗江。
「因果律の否定により。」
「未来を当てたら、その影響で。」
「未来は姿を変えてしまうでしょう。」

理姫。
「未来は情報不足で。」
「決定の内容が分からないのではなく。」
「可能性だけが重複していて。」
「何も決まっていないのです。」

光織。
「物質で世界が説明できると考えたのに。」
「逆にその物質が、信じられない挙動をして。」
「自然法則が覆った話です。」

詩叶。
「科学で、従来の物質だけの説明を繰り返したら。」
「科学は、その物質から離反された。」

本実。
「量子力学では、物質すらも。」
「超自然的な影響を受けるというもの。」

星詩乃。
「理解できない書籍を読むと。」
「奇妙な興味を覚えます。」

旗江。
「古典の難解な文法が余裕ですからね。」

本実。
「古典より難解な文章なんて。」
「滅多にないですから。」

詩叶。
「慣れているのですね。」
「形而上学と量子力学の相性が良いのです。」

星詩乃。
「形而上学と量子力学は互換性があるのでは?」

本実。
「なぜか形而上学と。」
「量子力学は、各所で意見が合いますね。」
「一致している場面もあります。」

旗江。
「専門書によると。」
「世界は量子力学で考えた場合は。」
「方程式で記述され。」
「何がどこにあるかは明確には言えない。」
「物体は、一つの位置、一つの速度を持っているとは。」
「見なされない。」
「猫でさえも、生きているか死んでいるかは。」
「明確に言えなくなる。」

詩叶。
「良書は、やはり理解不能ですが。」
「内容がとにかく面白いのですし。」
「常識が自然科学によって。」
「平気で否定されるので。」
「斬新で、新しい領域に入ったと思っています。」

本実。
「自然科学で最も面白い分野ですよ。」
「問題は、書籍を読んでも。」
「理解することはできなくて。」
「体験することが可能というくらいです。」

光織。
「量子力学を読んでおくと。」
「たまに体験として量子力学の観測が個人で生じます。」
「それを、他で証明するのはまず無理です。」

理姫。
「量子力学はある意味で実用的ですね。」
「生活に影響を及ぼす以上に。」
「個人の体験がまるで違うものになります。」

旗江。
「形而上学を読んでおくと。」
「それなりに量子力学も読めます。」
「良書は、少ないですよ。」

全員で。

お菓子を食べている時に。

突如、停電。

水道も停止されて。

農夫一同が、点検をしている。

何があったのか調べていると。

役人が通りかかって言うには。

お節介な環境主義者が。

送電システムと水道システムを停止させました。

これによって。

一帯の電力と水道の半分以上が。

一時的に使用不能になります。

環境主義者は暴走しており。

どうやって停止させたのか。

復旧はどうなのか。

大忙しの治安当局と為政者です。

首都圏の送電システムと水道システムもやられたので。

確認に追われています。

最大の人災が発生。

お節介な環境主義者は犯行声明を出しており。

人災の首謀者を逮捕する前に。

混乱している大都市の回復が行われています。

旗江。
「満足な情報もなしですか。」

詩叶。
「伝言で広まった情報だけですよ。」

本実。
「報道も新聞も停止していますからね。」

星詩乃。
「電源を失うと、文明は破損しますね。」

光織。
「電源だけで終わるのですね。」

理姫。
「地域で管理されている井戸があって良かったですね。」

旗江。
「ガスは使えますし。」

詩叶。
「下水は機能しています。」

本実。
「ポンプ式で、電動ではないので。」

星詩乃。
「調理はバーベキューセットを使いましょう。」

旗江。
「あれ?いつもの生活と大差ないような?」

本実。
「農家なんて、たいした被害は出ませんよ。」

詩叶。
「山の方から用水路が引いてあるので。」
「消毒と除染をしてから。」
「小屋を作りましょう。」
「小さな浴槽を持って来たので。」
「水浴びくらいは可能です。」

旗江。
「洗濯は、用水路の水を除染して殺菌したもの。」
「あれ?けっこう揃っていますね?」

詩叶。
「全員で持ち寄ったので。」
「女性陣が生活一式を用意してくれとのことで。」
「男性達は、食料確保と二次災害を防ぐために。」
「テントで野営するそうです。」
「大型犬も連れています。」

星詩乃。
「私達の仕事なんですね。」
「男性陣はどこから食料を調達するので?」

詩叶。
「遠く離れた親戚を頼ったり。」
「保存食などを持ち寄るとか。」
「田畑は荒らされるので。」
「若手の警備員が多いですよ。」

本実。
「男性が物資調達を既に行っていて。」
「何でも揃えてくると約束しているので。」
「女性陣は、生活を確保しましょう。」

星詩乃。
「男性達の中で会議が開かれていて。」
「具体的な計画を練っているそうです。」
「続々と物資が来ているので。」
「さっさと作りましょう。」

光織。
「キャンピングカーまで来ましたよ。」

理姫。
「ならば、時間をかけて。」
「濾過した水を使いましょう。」

旗江。
「向こう側の敷地に陣地を構えていますね。」

本実。
「あれは余剰の人員ですよ。」

詩叶。
「あの人達は、いつも通り、自宅から、集まっていますよ。」

本実。
「農園の仕事を続行できるからです。」

旗江。
「調理設備の確立と洗濯の配置と風呂の小屋。」
「割り当ては、自主的に決まっていますね。」

理姫。
「水の濾過は男性がやるそうです。」
「子供の世話も男性がやります。」

旗江。
「自宅で、寝起きして、その仕事を維持しますが。」
「やっていることは、そんなに変わりませんね。」

星詩乃。
「私達とは別の人々が。」
「かなり危険で、汚染された状況になった。」
「くらいなものです。」

光織。
「農業すらも継続する無傷な我々です。」

理姫。
「地域で、似たような設備が乱立しているようです。」
「遅れは取りません。」

星詩乃。
「男性が指揮官です。」

詩叶。
「その男性は親戚です。」

本実。
「戦略は指揮官が担当ですね。」

旗江。
「状況は理解。」

詩叶。
「私も計画があります。」

本実。
「もはや準備が出来ています。」

旗江。
「素早く整えましょう。」

作り終えて。

とりあいずは何とかなりそうです。

遠くから。

魔女一同が来訪。

休憩している中に。

平然としている女の子が目立つ。

旗江。
「いらっしゃい、とは言っても今は何もないです。」

朝三暮四。
「私達は、旅を終えて故郷に帰るので。」
「最後に挨拶をしたいのです。」

旗江。
「こんな時に、キスでもされたいの?」

功利主義者。
「幸運は、期待していない者のところにやって来る。」

利他主義者。
「千人に忠告を求めるが良い、後の千人の忠告は無視するのです。」
「それで自分自身の考えに戻れる。」

旗江。
「あなたについては、言わないことにします。」

朝三暮四。
「もう知っていましたか。」

功利主義者。
「私達は、人間の背中を押したくらいです。」

利他主義者。
「彼らは、あっさり暴走しましたけれどね。」

旗江。
「最初から無い方が良いのが災難であると思われます。」

朝三暮四。
「そうなんですよ。」

旗江。
「災難が最初から無かったら?」
「無い方が良いものですからね。」

朝三暮四。
「災難で、たまたま結果が良かったとしても。」
「別の方法で達成できるでしょうに。」
「災難があって、こうなったから良くなった、というのは愚かです。」

功利主義者。
「他の方法でも、しかも、もっと良くなる場合もあるものです。」

旗江。
「災難は、最初から無ければ、どんなに快適なのでしょう。」

利他主義者。
「そんなものですよ、それを伝えて回っているのです。」

朝三暮四。
「私達は、既成概念に攻撃を加える者ですから。」

功利主義者。
「それでは、旅の終わりです。」

利他主義者。
「当分の間は、戻っては来ません。」
「格言にもある通り。」
「危険は爆発するまで消えることはない。」
「私達が爆発させたくらいです。」

旗江。
「只者ではないですね、客人も、帰宅ですか。」
「私も、今は非常事態なので。」
「自分のことに集中するとします。」

魔女一同は歩いて立ち去る。

災害は一か月に及びましたが。

何とか復旧して。

元通りの文明を回復させました。

お節介な環境主義者が逮捕されて。

大きく報道されると。

使用された武器を見て。

テロ支援国家の関与が疑われて。

人災に脆弱な社会が浮き彫りになり。

人災に無力なインフラストラクチャーの再点検。

文明で弱点になるインフラの再構築が行われました。

思っているより損害は少なくて。

人間の弱さが露呈しましたが。

私達は特に連携で乗り切りました。

穀物の値段が上がったので。

周囲の田畑を耕して。

けっこう暴利を得ています。

二か月で、何事も無かったかのように復活。

割と安全な場所にいて助かりました。

自分の居場所の強みを知る。

意外と、一部を捨てれば、素晴らしい境遇であるとも分かりました。

悪い所が目立っていた自分の周囲は。

災害をきっかけに良い所が露になって。

今は良い所しか見えません。

ふと本棚の点検。

復興する時期に大量の書籍を読んでいたので。

見事な余暇が外部からもたらされたのです。

英語のことわざ。

今この時点で、どんなに良いことが起こったとしても。

もしかしたら。

もっと良かった可能性だってある。


岩波国語辞典。

弁証法。

物の考え方の一つの型。

形式論理学が、「AはAである」という同一律を基本に置き。

「AでありかつAでない」という矛盾が起これば。

それを偽だとするのに対し。

矛盾を偽だとは決めつけず。

物の対立・矛盾を通して。

その統一により一層高い境地に進むという。

運動・発展の姿において考える見方。

図式的に表せば、定立「正」「自」とも言う。

Aに対しその(自己)否定たる反立(反)「アンチテーゼ」とも言う。

非Aが起こり、この否定・矛盾を通して更に高い立場たる総合(合)「ジンテーゼ」とも言う。

に移る。

この総合作用を「アウフヘーベン」と言う。

起源はギリシア「対話」