招待客!?
秋半ば。
学園祭です!
とは言っても。
わたしは正式に部活に所属しているわけではなく。
複数の部活に仮入部しておりますので。
出し物とかは特にありません。
文化サークルでも出し物の出展はありません。
賑やかな校内。
夏祭りみたいですね。
今年も特に何もなく過ぎてしまいました。
さて。
修学旅行の季節になりましたね☆
わたしたちは。
大都市ネブラから成る。
ブラオヴィーゼに赴きます。
移動は高速鉄道です☆
いーりす♪
「背丈30メートルの花が見応えあるよね♪」
ネージュ♪
「都市部を離れるといっぱいあって。」
「綺麗よね。」
みかーれ♪
「あれ上に乗れるらしいよ。」
いーりす♪
「そうなの!?」
くーりえ♪
「人が乗っても折れないですよ。」
ネージュ♪
「なんとまあ素敵。」
高速鉄道の中で。
トランプやってます☆
いーりす♪
「さて。」
「到着したら。」
「どこに行く?」
くーりえ♪
「遺跡群ですかね。」
みかーれ♪
「都市でお買い物?」
ネージュ♪
「お城巡りよ。」
いーりす♪
「全員が納得できるルートにしようね。」
ネージュ♪
「お菓子食べましょう。」
みかーれ♪
「花美先生もどうですか?」
花美先生♪
「わたしは遠慮するわね♪」
くーりえ♪
「もったいないですよ。」
花美先生♪
「真面目にやらせてもらうわ♪」
3時間ほどで。
到着です!
大都市ネブラは。
王国屈指の商業都市で。
わたし達が住んでいる首都よりも。
都会という感じがしますね。
遺跡や歴史地区が多く。
周りには山や森林地帯があり。
けっこう綺麗な都市です。
実はわたしは。
両親に連れられて。
ネブラには何回も来たことがあるので。
あまり新鮮ではないんですよ。
空港から出て。
学年全員。
バス移動でしたが。
最初の。
この地を治めるバレンティア公爵のお城に招かれたとき。
ちょっとしたことがありました。
いーりす♪
「あれがバレンティア公爵ですね。」
ネージュ♪
「イケメンじゃないの。」
「中年紳士!」
バレンティア公爵♪
「ようこそスフィーダ高校のみなさん。」
「お城を見て行ってください。」
お城は観光スポットとして開放されていますので。
正式な団体なら歓迎されますね。
バレンティア公爵♪
「おや、御嬢さん。」
「どうだい?私の城は。」
いーりす♪
「絢爛ではありません。」
「素朴です。」
「それが主の人となりを現しているようです。」
バレンティア公爵♪
「なんと。」
「私が無駄に着飾らないと?」
「ありのままであると?」
いーりす♪
「身分が高い人物というのは。」
「絢爛に酔うような高慢さはなく。」
「美学に基づいた素朴さがわたし達に好意を抱かせるのでは・・・。」
バレンティア公爵♪
「ほー。」
「ではわたしの城をどう評価する?」
いーりす♪
「己の美学を自然体で表した芸術作品。」
バレンティア公爵♪
「素晴らしい!」
「キミ、うちに来ないか?」
いーりす♪
「え?」
バレンティア公爵♪
「いますぐにでも。」
「引き受けたいものだよ。」
花美先生が他の先生とはなし始めます。
いーりす♪
「旅行がありますので。」
バレンティア公爵♪
「キミは前にも見かけたことがあるな。」
いーりす♪
「3度目です。」
バレンティア公爵♪
「どうだ。」
「よければ。」
「3日間いろいろ教えてあげよう。」
いーりす♪
「え?」
花美先生♪
「もし旅行を放棄してもいいのだったら。」
「ついていきなさい。」
いーりす♪
「公爵に身を寄せようかと思います。」
花美先生♪
「最終日に迎えに来るわ♪」
直後に公爵から。
わたしは3日間保護されるという。
誓約書を渡されました。
さっそく。
一般開放エリアの先に案内されてしまいました!
まず。
メイドさんが。
豪華な服を着せてくれて。
それで歩き回ればいいらしいです。
いーりす♪
「すごいなあ・・・。」
メイドさん♪
「まずは雰囲気に慣れてくださいまし。」
バレンティア公爵♪
「似合いますな。」
「美しいですぞ。」
いーりす♪
「美しさのほかには?」
バレンティア公爵♪
「雰囲気が良い。」
「賢そうだ。」
「底知れぬ魅力がある。」
「態度から女性らしさが際立っている。」
いーりす♪
「見る目の格が違います。」
「さすがです。」
バレンティア公爵♪
「中々筋が良いですぞ。」
「ますます気に入りました。」
その日は自由に過ごしましたよ。
2日目。
王族の礼儀を教えてもらいました。
バレンティア公爵♪
「将来計画は?」
いーりす♪
「小桜に入って領主になりたいんです。」
「当主の翡翠ちゃんは積極的にわたしを評価してくれてます。」
バレンティア公爵♪
「ならば。」
「領主について教えてあげよう。」
「将来必要なことは基本から応用まで。」
「そうだな。」
「1日あれば足りるな。」
公爵から。
領主や王族について。
1日かけて学びました。
バレンティア公爵♪
「この街についてどう思う?」
いーりす♪
「前々から思ってましたが。」
「目に見えない裏側のところが良くないです。」
「問題がかくれんぼしています。」
バレンティア公爵♪
「それは気づかなかった。」
「どうりで妙なことがあると思ったものだ。」
ディナーは豪華過ぎて満腹で倒れました。
最終日です。
バレンティア公爵♪
「君を採用したいのだが。」
「もし良かったら。」
「卒業後は訪ねてください。」
いーりす♪
「ありがとうございます!」
花美先生が迎えに来ました。
いーりす。
公爵に王族流のあいさつをして。
別れましたよ。
帰りの船の中。
ネージュ♪
「いったいどうなったかと思ったわ!」
みかーれ♪
「話聞かせて!」
くーりえ♪
「何があったんですか?」
いーりす♪
「それはひとつずつ♪」
花美先生♪
「あの娘、偉人になるかもしれないわね。」
帰りの船は爽やかに空を駆け抜け。
思い出旅行は。
普通では味わえない体験と共に。
終わりを告げました・・・・。