第11話-恋の行方-


一面に広がるヒマワリ畑、身長2メートルのヒマワリが迷路をつくり。

花の世界へと誘う、そこはステラおばさんの自然遊園地。

麦わら帽子の女の子が詩人を訪ねる。

ヒマワリ畑の中で、2組のカップルが会話する。

もも「付き合って、もう半年になるよ」

「キスぐらいして」

レオン「キスだけが男女関係ではないと思うよ」

もも「そんなこと言ってると、こっちから迫っちゃうぞ!」

レオン「短気を起こさない、短気は若者の弱点」

「失うものは大きい」

もも「むー!」

ももはレオンの前に回り込むと、強引に迫った。

レオン「おっとっと!強い恋の炎」

「それでボクを燃やしてしまうのか!」

逃げるレオン、ヒマワリ畑の中で追いかけっこが始める。

レオンは小回りが良すぎて、ももは引き離され、そのうちレオンを見失った。

必死に探すももだが見つからず、3分が経過した。

すると向こう側のヒマワリの通路から。

レオン「こんな恋はイヤかい?」

もも「一定の距離から入れてくれないんだもん!」

レオン「わざとじゃない、ボクの性だ、許してくれ」

もも「そういう所は本当は好き」

「でもね・・・」

ヒマワリを押しのけてレオンの元へたどり着く。

もも「好きっていう想いが形にならないと、イヤ」

レオン「どうしてもキスしたいのか、女の子は感情が豊富だね」

もも「どうしてしてくれないの?」

レオン「昔から、そういうのには抵抗感がある」

ももがレオンの肩をもって、顔を近づける。

レオンはもものほっぺに触れて阻止する。

もも「どうして!レオン君となら結婚してもいいって思ったのに!」

レオン「冷静に、恋心のまま結婚するのはキケンだよ」

「ボクはこれまで、3人の女の子と付き合ってきた、だから恋には慣れている」

「でも、ももちゃんは感情任せに事を運ぶ」

「君の足元はとても脆弱だ」

もも「わたしをフるの?」

レオン「その程度の関係なら、半年前ここであんなに美しい出会いはしていない」

もも「じゃあ!」

レオンはももの口を人差し指を立てて塞ぐ。

レオン「健全すぎるのさ、ボクは、きっと」

「ももちゃんの想いに少しも答えない、こんなに好きでいてくれるのに」

「それなのに、ももちゃんはずっと付き合ってくれている」

「こんな恩知らずで良ければ、最後には君を白鳩の宮殿へ招待したい」

ももは近くのヒマワリをいじくる。

レオンは飛んできた蝶々に見とれる。

ももはレオンに背中と背中を合わせると、手を握った。

もも「約束だよ!」

レオン「ボクは守れない約束はしない、なぜなら、男だから」

ももは笑顔になって、涙を一滴流す。

そこに吹き付けた心地よい風はももの麦わら帽子をさらっていった。

ももはヒマワリの上に乗っかった麦わら帽子をとり。

レオンと向かい合うと。

「もうキスはいいです、降参!レオン君の勝ち♪」

それを聞いて安心するレオン。

そして間をおくと、ももはいきなりレオンに抱き着いて、唇を奪った。

不意打ちに成功すると、ももは両手を飛行機のポーズにして。

猛スピードで逃げ去った。

それまでももは日記を書いていたが、これを期に筆はストップしている・・・。