第8話-仲直り♪-


木々のさえずり、小鳥の鳴き声、それは楽しむようにこだまする。

ヴァイオリンを弾く、女性は綺麗なロングヘアーをなびかせ、華麗に音楽を進める。

音楽が終わると、パチパチパチ!

拍手が巻き起こり、女の子3人は感動の笑みをこぼす。

花美「どう?今回は魔法を込めてみたけど」

もも「お姉ちゃんのヴァイオリン、聴いていると凄く気持ちいいよ!」

ふぇりす「脳がくすぐられる〜!」

えとわーる「まるでモーツァルト!」

花美「ふふっ、もう1曲行ってしまおうかしら」

再び演奏を始める花美、そこにミューズとめぐみが手を繋いで現れた。

ミューズとめぐみは素通りしようかと思ったが、花美は演奏しながら行く手を阻んだ。

2人は立ち止まると、演奏終了を待ったが、おろおろした。

花美「最近金髪2人で仲良くしているみたいだけど」

「もものこと忘れてない?」

ミューズ「忘れてない・・・けど?」

メグ「ちゃんと覚えてます!」

花美「この前も遊びに誘ったら断ったそうじゃない」

「またももが寂しくて暴走しても知らないわよ」

ミューズ「今はメグちゃんと一緒にいたくて・・・」

花美「あんなにももが良くしてくれたのに、ないがしらにするのはひどいんじゃないかしら?」

すると花美は元の切り株の近くに移動し、演奏を再開した。

ミューズ「うーその通り・・・」

メグ「わたしたち、金髪協会は解散しましょうかね・・」

金髪2人は別れて、別々の道を帰って行った。

演奏再開、えとわーるはヴィオラを出して、花美と一緒に。

「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲変ホ長調K.364(320d)〜第3楽章」の演奏を開始した。

えとわーる「ヴァイオリンとヴィオラの会話、お姉さんと何かを語ってるかのような?」

花美「音楽は宇宙の真理を奏でると言うわ、何かを超越した会話なのかもね」

演奏が終わると、拍手喝采、演奏会は大成功のうちに終了した。

次の日、もも、ふぇりす、えとわーるが公園でおにごっこで遊んでいた。

もも「お待ちになってー!わたしのふぇっちゃん!」

ふぇりす「捕まえてみなー♪」

えとわーる「おっと!わたしは2人の仲に水を差す、浮気役!」

「それっ!ももちゃん、こちらにも魅力的な女子がいますよ!」

「わざと捕まえやすそうに誘惑する、これぞ恋ドラマのセオリー!」

もも「そんなこと言ってると、本気出しちゃうぞ?」

ふぇりす「こうなったら?」

えとわーる「やりましょう!」

もも「え?」

ふぇりすとえとわーるは2人一緒に編隊を組むと、ももの牽制を始めた。

抜群の連携プレー、ももはどっちに向かっていいか分からなくなった。

えとわーる「二兎を追う者は一兎をも得ずを再現!さあどうします?」

もも「これではいたずらに体力を消費するだけ・・・」

「何か策はないのか・・・・あるはずだ・・うーん・・・」

ももはそう考えていると、目の前が見えなくなり、綿のような草の壁に突っ込んだ。

もも「きゃー!!」

もふっ!として跳ね返ると、ももは倒れて目がバツになった。

ふぇりす「大丈夫?」

えとわーる「きゃー!至急救急隊を!」

そこにミューズがとぼとぼ歩いて、ももたちに気づかず、噴水に見とれる。

それを発見したももはすぐに起き上がって、突進!ミューズに抱きついた!

ミューズ「わわわわわなに!?」

もも「次はみゅーちゃんが恋の逃避行役!」

「みんな行くよー!恋の逃避行!」

恋の逃避行、とは。

制限時間は7分、2対複数、2人組みは制限時間まで逃げれば勝ち。

複数人は2組みのどちらかをタッチすれば勝利。

2組みはお互い離れてはいけない。

実行には大きな公園が必要である。

もも「さぁ!みゅーちゃん来て!」

ミューズ「え?え?」

ふぇりす「おおっと!早くも結婚するのかー!」

えとわーる「開始は1分後・・2・・1・・開始!」

ふぇりす「父さんは認めないぞ!お前とアイツの結婚なんかー!」

えとわーる「お母さんも反対します、もっといい人を見つけなさい」

もも「お父さんとお母さんが認めなくてもいいもん!みゅーちゃんと一緒になるもん!」

じょうだんを言っているうちに、茂みの中に誘い込まれ。

ふぇりすとえとわーるはももたちを見失ってしまった。

するとふぇりすが茂みの中から金髪を見つけた!

ふぇりす「おおっと!お嬢さん動くなよ、このふぇっちゃんフィンガーが火を吹くぜ?」

タッチ!と思ったらミューズではなく・・・メグだった!

ふぇりす「なにしてんの?」

メグ「だって・・・友達なのにみんなのこと避けちゃって、それに気づいたら落ち込んで・・」

「そんな時にみんなで遊んでたから、この茂みの中から見てて・・」

ふぇりす「おおっと!子供が落ち込むなんて!子供は太陽の子!それ、飛び入り参加だ!」

メグ「えー?」

メグが参加となり、ふぇりす軍はパワーアップした。

森の中に潜むももとミューズ。

ミューズ「ねぇ、人生ってなんなの?」

もも「迷ったの?あの一件で」

ミューズ「そうみたい・・・・」

もも「人生はね、自分勝手にモノを見ると分からないんだよ」

ミューズ「自分勝手?」

もも「人が思うよりも、もっとずっと尊いものだし、とても貴重な1ページ」

「それは喜劇のようで、悲劇のようで、実は暖かくて切ない」

「夢のようで夢ではない、すごく美しいもの」

「たぶん、それは恋、人生とはこの世界に恋をすることなんだと思う」

ミューズ「そうなの?」

もも「ちょっとカッコつけちゃったかな、遠くにふぇりすが見えるね」

「あれ?メグちゃん?こっちへ来る?」

ミューズ「きっと飛び入り参加したんだよ」

もも「なら負けないぞー!それー!」

メグ「あれは!?捕まえてやるー!!」

もも「それは無理な話しですよー?諦めましょう♪」

メグ「勇気が必要な場面で諦めるのは、破滅の奴隷になること!行きますよー!」

ミューズ「速いよー!」

ももたちは森の木を利用して距離をなんとか維持する。

メグ「こらー待てー逮捕するぞー!」

そこにふぇりすが現れる。

ふぇりす「さあお嬢ちゃん、観念するんだー!」

もも「きゃー!変態さん!?警察呼びますよー♪」

メグ「なに!?ではわたしはふぇっちゃんを逮捕しないといけないの?」

そんなこんなで森を抜け、グラウンドに出るももたち、するとそこにはえとわーるが!?

えとわーる「よくぞきた英雄ももちゃん!だがわたしの前にひれ伏し、その笑顔で辺りを照らすがいい!(棒読み)」

3人に挟まれ、ももはピンチ!

もも「ひー!こうなったら!?」

ミューズ「もう仕方がないね・・・」

もも「そのジュースを飲みなさい、わたしは後を追います」

ミューズ「おお!ももちゃん、必ずや後を・・」

ももとミューズは大根芝居をすると。

笑いながら、大の字になって倒れた。

後から来た、3人も笑いながら仰向けになり、空の大きさを鑑賞した。

もも「空ってなんて広いんだろう・・・・」

ミューズ「空に漂う雲は、なんだかとっても幸せそう・・・」

ふぇりす「雲って綿あめみたいで、おいしそう・・・」

えとわーる「あの先に宇宙が・・・」

メグ「空だけで1枚書けそう・・・・・」

5人は起き上がると、また大笑いして、手を繋いで、第2ラウンドを開始した。

夕暮れ、5人はベンチでアイスを食べる。

ミューズ「業務で頭を悩ませ、頭痛がする人はアイスを早食いしちゃだめ!」

ふぇりす「なんで?」

ミューズ「さらに頭が痛くなるから」

メグ「ぶふー!ユーモアですねー!」

もも「さて、もう5時30分です、早く帰らないと暗くなりますよー?」

えとわーる「夜行性の動物が出てきて、地味に怖いですよー?」

ふぇりす「それはマズイ!?みんなももちゃんの指示に従えー!」

もも「では解散、また明日!」

5人は手を天に上げ、ハイタッチすると、それぞれの帰路についた・・・・。