陽気。


ここは町中の文芸店。

アマチュア、プロ問わず、様々な絵画、小説が販売されている。

品数が豊富で、値段も格安、思わぬ掘り出し物が多く人気を博している。

ももちゃん☆
「みゅ〜ちゃんの作品これだぁ!」

みゅ〜ちゃん☆
「え?初作で1700円?」

店長☆
「あーみゅーちゃんのは色合いとか雰囲気が良くてそのくらい。」

ももちゃん☆
「査定でBランクを取ったんだ!すごーい!」

みゅ〜ちゃん☆
「小説の方もあるけれど、こっちはCランク・・・あれ?」

店長☆

「それ?今朝早くに年配の方達が5冊買ってったよ、30分で完売だし。」

ももちゃん☆
「わぉ!?天才みゅ〜ちゃん爆誕!?」

みゅ〜ちゃん☆
「質的には中の下だったんだけど、意外。」

2人は店から出て、隣のキノコを象った建物に入った。

ももちゃん☆
「わたしはっ!このアマチュア手芸ショップに出品してますっ!!」

みゅ〜ちゃん☆
「ん?これ?3000円の値がついてるよ?」

ももちゃん☆
「んなバカなー♪冗談に決まってるでしょ♪」

みゅ〜ちゃん☆
「ほかのももちゃんのは、5000円もあるけれど?」

ももちゃん☆
「冗談キツイ〜♪」

みゅ〜ちゃん☆
「冗談は柔らかくてはならない義務なんてあるの?」

ももちゃん☆
「ないですね♪」

みゅ〜ちゃん☆
「冗談は生活必需品なはずだよね?」

ももちゃん☆
「お店で買えるといいね!」

手を繋いでお店から出るももちゃんとみゅ〜ちゃん。

広場のステージにはメグちゃんが自慢のダンスで観客30人ほどを盛り上げていた。

ももちゃん☆
「あれだと、報酬は700円くらいですね〜♪」
「でもメグちゃんくらいになるとチップで毎回5000円も入ってるよね。」

みゅ〜ちゃん☆
「日曜ステージ!?学生の味方だよねー。」

そこにメールが入る。

ももちゃん☆
「えとわーるちゃんからです、動物園にいるそうですね、ふぇっちゃんと。」

みゅ〜ちゃん☆
「デートなの!?いつの間にそんなにラブラブに!?」
「女の子同士で!?そのあとキスとかするんでしょ!?」

ももちゃん☆
「ドラマの見すぎだよ。」

みゅ〜ちゃん☆
「ドラマはいくらかの事実を含みます、だから、3割は現実論です。」

ももちゃん☆
「7割ははずれでしょ?」

みゅ〜ちゃん☆
「はずれないように、3割を生かすんです。」

ももちゃん☆
「その3割の証明画像として、柴犬達とうさぎさん、インコまで!!」

みゅ〜ちゃん☆
「はあ〜!!動物園・・はぁあ〜柴犬や・・みんなと遊びたい!!」

ももちゃん☆
「下手するともみくちゃにされますよ♪」
「おおっと♪ここにもかわいい動物さんが♪」

みゅ〜ちゃん☆
「ひぎゃ〜!!もふもふされるわたし、しかも柴犬にも勝っちゃうわたし!!」

ももちゃん☆
「抱きしめさせるのだー!!」
「ってあれ?いつの間にそこに?避けられた?」

みゅ〜ちゃん☆
「相対時間を操作して、瞬間移動みたいにしたんだよー♪」

ももちゃん☆
「あきらめませんよー!!」
「捕獲してもふもふするのだー!!」

みゅ〜ちゃん☆
「捕まえてみてー♪」

体感時間を操作され。

急な速度差と、距離差が連続しすぎて。

まったく捕まえられる気がしないももちゃん。

ももちゃん☆
「ギブなのだー!!」

みゅ〜ちゃん☆
「ふっふ〜って・・・あれ?」

ももちゃん☆
「隙あり?」

みゅ〜ちゃん☆
「あったかい・・・ももちゃん・・・。」

ももちゃん☆
「お次はあそこの休憩所でわしゃわしゃにしてあげますよ♪」

みゅ〜ちゃん☆
「やった!緑茶とどら焼き食べたい!!」

ももちゃん☆
「わたしはみゅ〜ちゃんが食べたいですね♪」

みゅ〜ちゃん☆
「ほっぺた落ちても知らないぞ〜?」

2人は体を小突き合いながら、お店に入店する。

しかしすぐに出てきた。

ももちゃん☆

「なにがいたって?」


みゅ〜ちゃん☆

「カップルだらけ!!」

ももちゃん☆

「逃げろ〜!!」

みゅ〜ちゃん☆

「おー!!」

みゅ〜ちゃんとももちゃんは。

手を飛行機のポーズにして。

笑顔で疾走し、春の陽気が彼女達をふわふわにして。

もっふもふになった。